ミュンシュ、珍しいオケとの共演録音
|
「ミュンシュ&ボストン響」あるいは「ミュンシュ&パリ管」といってももちろん誰も驚きません。
すごいのは百も承知。とくにボストン響とはたくさんの名演が出ていて、いろいろな形で皆さんも触れる機会があると思います。
ではあえて、そうしたミュンシュと仲のよい楽団じゃない、「そんなところと共演してたの?」というようなオケとの録音をご紹介しましょう。
パリ音楽院を離れてボストン響に移るまでの数年間、そしてボストン響を離れフリーで活躍していた数年間に、ミュンシュは非常に貴重な、そして充実した演奏を繰り広げているんです。 |
|
エリシュカ&札幌交響楽団
ライヴ・シリーズ
|
ラドミル・エリシュカ。
「未知のチェコの大指揮者」から、ここへきて「日本で最も熱い演奏を聴かせる指揮者」として知られるようになってきた。
いつか放映していた「NHK交響楽団の1年間のコンサートでもっとも良かったのは何?」というN響定期会員向けのアンケートで、エリシュカが客演した「わが祖国」が堂々第一位に選ばれていた。 |
|
アルゲリッチ&フレンズ
ルガノ・フェスティヴァル・シリーズ
できるかぎり特価セール
|
いまや世界で5本の指に入る有名音楽祭になったかもしれない。
アルゲリッチと、彼女が信頼する音楽家たちによる、毎年夏にルガノで行われる音楽フェスティヴァル。
姉御アルゲリッチの元に集う腕利きたちの競演という最高の楽しみ。その溌剌としたプレイ、そして才能と才能がぶつかる緊張感。ほんもののフェスティヴァルを目の前にしたようなスリリングな時間をすごすことができる。
ただ、ひょっとすると、あまりにも収録内容が雑多で、またあまりにも演奏家にまとまりがないためについつい手が出なかった方もいらっしゃるかもしれない。しかしこのシリーズ、本当にその贅沢な「雑多さ」を心行くまで楽しむアルバムなのである。あまり深く考えずにとにかく繰り出されるそのすさまじい音楽に浸ってほしい。必ず1セットのうちに3つか4つ、興奮のあまり手に汗握る演奏に出会えるはず。
ということで今回はできる限り安くしてみました。 |
|
WARNER
スヴェトラーノフ・エディション
1CD\2400→¥1390〜
|
SCRIBENDUMがなくなってもこのWARNERがある。
とWARNERで華々しく始まったスヴェトラーノフ・エディションだが、残念ながら廃盤が相次いでいる。
現在比較的はいりやすく、しかもかなりお安く提供できるアイテムをリストアップしてみました。
ほとんどはメロディア音源などの過去の音源の復刻で、いろいろなレーベルから登場していた名盤ばかり。しかし価格が異常に安い。せっかくのシリーズなのに日を追うにつれてタイトルが少なくなっているのは辛いところだが、お目当てのものはどうぞお早めに。 |
|
ほんものの味わい
エフゲニー・コロリオフ(P)の芸術
|
コロリオフの評価が最近非常に高い。
もともと実力派として知られていて、これまで多くの名盤をリリースしてきたのだが、PROFILのアルバムが日本のファンにとても高く評価され始めたというのだ。
まだまったく無名だったコロリオフのバッハを聴いた作曲家のリゲティは、彼のバッハの録音について、「無人島に持っていく1枚」に選び、さらに「死の苦しみを忘れさせてくれるだろう」と絶賛した。そうしてようやくその真価が日本のファンにも認められ始めた。
・・・というよりも、一度耳にしさえすれば、それがいかに深く真摯な音楽がすぐにわかるはず。 |
|
ダブリン・ドラッグ・オーケストラ
デビュー・アルバム
|
この写真を見て、しかもこの名前。またいかれた連中がやってきたと思った方も多いと思う。
いや、実際写真を見てるとかなり逝ってしまってる。・・・しかし演奏のほうはかなりの本格派なのである。しかも想像通りかなりとんがった演奏なので不協和音を強調してくれたり、現代の作品では激しいリズムで息を荒くさせてくれる。過激な衣装や演出に目が行ってしまうが、アルバムだけを聴いても十分過ぎるほど楽しめる。 |
|
サンドリーヌ・ピオー
その代表的アルバム
NAIVE 1CD\2500→\1890
|
サンドリーヌ・ピオーがすごいらしい。
今日本に来ているのだが、東京でのコンサートが神がかっていたという話をいろいろなところで聞く。フェイスブックのやりとりでもその話を散々見かけたし、何より会員の方からも「奇跡的だった」というメールいただいた。
よほどすごかったのだろう。
今回は、奇跡の東京公演に立ち会った方、そしてこれから名古屋でその奇跡に立ち会う方、公演には立ち会えないけれどその疑似体験をしてみたい方のために、ピオーの代表的アルバムをご紹介しましょう。 |
|
特集
河村尚子とは誰なのか
初紹介アルバムあり
|
東京の大手CD輸入代理店の担当者が突然電話してきた。
「河村尚子、聴きました?すごいですよ。」
その担当者、CDプロデューサーも兼ねていて今まで多くの大ベストセラーを生み出してきた。かなりの目利きで、ときどきこうしたことをアドバイスしてくるがまず外れがない。
ただ、河村尚子・・・あまり覚えがない。
確かクーベリックの歴史的録音で知られるドイツAUDITEから突然日本人の女の子のアルバムがポツンと発売され、怪訝に思ったことがあったが、それが河村尚子だったと思う。最近は日本のソニーからも新譜が出てたっけ。
どうもはっきりとした印象がない。でもその河村尚子が名古屋伏見の電気文化会館でコンサートを開くというから、せっかくだから行ってみよう。
で、聴いた。(続きは本編でどうぞ) |
|
期待の指揮者18人
|
昨今の中堅指揮者の充実ぶりには驚きと喜びが隠せない。本当に「上の世代」を突き上げるようにものすごい連中が続々登場する。
若手と思っていた1960年代生まれのウェルザー=メスト、パーヴォ・ヤルヴィ、ミンコフスキ、ド・ビリー、ノセダたちがいつの間にか楽壇の中核を担うようになり、若すぎると思っていた1970年代生まれのハーディングすらもう「若手」というには抵抗がある。もはや80年代生まれの指揮者すら珍しくない。メジャー・デビューも果たしたウラディーミル・ユロフスキ(1972-)、ドゥダメル(1981-)、ネゼ=セガン(1975-)、すでにベテランの存在感のフィリップ・ジョルダン(1974-)、と虎視眈々と次世代の中核を狙う逸材が揃っている。
今回はそんな若き指揮者の中から、上記4人を追走する期待の18人を特集してみた。 |
|
特集
ワルター・ギーゼキング
|
この世を去って半世紀。しかしギーゼキングの人気が衰えることはない。ここまで古いピアニストが、これほど高い人気を保ち続けるというのは極めて珍しい。
ギーゼキングのレパートリーは広く、「ピアノのための曲なら何でも弾ける」ほどの人だったが、現在ではモーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェルの解釈で高い評価を保っている。とくに晩年の透徹した演奏は「新即物主義」的演奏の開拓者としての真骨頂。
・・・しかしギーゼキングには明らかにもうひとつの側面がある。
怪物的ピアニストとしての破天荒な顔。
今は陽の目を見ないそうしたギーゼキングの演奏を含めて、現在入手できそうなアルバムを広範囲に集めてみた。 |
|
ポール・パレー特集
|
フランス人指揮者としては日本でも異常な人気を誇るポール・パレー。少なくともアリアCDの会員の方の指揮者人気投票で堂々4位に入ったのがこのパレーである。
パレーは、フランス人とはいえ、華麗な洒脱さとか粋な雰囲気とかとは無縁の、男性的で筋肉質の音楽を作り上げる。ゴール人としての気骨を感じさせる勇猛果敢な資質とでもいおうか。レジスタンスに命を張るような男なのである。だから取り上げる曲がフランスものであったとしても、軽めの流れかと思いきやとんでもない。大胆不敵、鎧兜をつけた男の音楽なのである。そうした男っぽい無頼なところが日本人の趣味にあうのだろう。
・・・ただ例によって現在彼のアルバムはあまり多くない。
出ればベストセラー間違いなしなのだが、どういうわけかCDメーカーはそのことに気づいてくれない。
ということで今回は現在手に入るパレーの代表的アルバムを彼の人生に沿って並べてみました。 |
|
特集
パウル・クレツキの芸術
|
1900年生まれ、ポーランド生まれの巨匠パウル・クレツキ。
ベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニーらと同世代のクレツキは、1925年にはフルトヴェングラーに招かれてベルリン・フィルを指揮。指揮者としても作曲家としても将来を嘱望されるが、その後ドイツにナチスが台頭。クレツキはユダヤ系であったためにイタリアへ逃げ延びる。しかしここでもファシスト政権に脅かされソビエトへ移る。そこで今度はスターリンの大粛清に遭遇、なんとか最終的にスイスで市民権を得た。
だがドイツでは両親や姉妹を含む肉親をナチスによって殺害され、自らの精神も一度破綻したという。
それなのに、そんなふうに理不尽に愛するものを殺されたにもかかわらず、彼の音楽は心穏やかで温かい。アンチェルといいクレツキといい、人間というのは地獄を経験してもなおここまで崇高になれるものなのか。
今回はそのクレツキの交響曲録音を中心にまとめてご紹介してみます。できるだけお安くお贈りします。 |
|
特集
トーマス・ヘンゲルブロック
(ちょっぴり来日記念)
|
トーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock)は1958年生まれのドイツ人指揮者。
最初はヴァイオリン奏者として、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスにも参加していた。その後フライブルクバロックオーケストラの設立に関わり、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(以下ドイツ・カンマーフィル)の初代音楽監督も務めていた。
ドイツ・カンマーフィルといえば、最近ではパーヴォ・ヤルヴィとのベートーヴェンの交響曲の全集(BMG)やたびたびの来日で、日本でも知名度を上げているが、当のヘンゲルブロックの方は残念ながら、マイナー曲の発掘に熱心なのが災いしてか、おそらくいっしょに来日もしていないと思う。
さてヘンゲルブロック、2007年にはDGに登場したが、それもダニエル・ホープのバックだった。その後もDGから新譜が出るが、主役はアリス=紗良・オット。やはり伴奏指揮者。結局日本では、まだ知る人ぞ知る指揮者といったところ・・・。店主にしたところで、「DGのお抱え伴奏指揮者になれてよかったね」くらいのことしか頭になかった。
それが、たまたま、本当にたまたまゼレンカのアルバムを手にして、すべてが一変した。 |
|
特集
アルカント四重奏団
|
若手(ではなくもう中堅か・・・)実力派チェリスト、ケラスが率いるアルカント四重奏団。まあ、気の合う若手を呼んで気軽にやってるんだろうな、と思ったら、メンバーがすごかった。
第1ヴァイオリンがベルリン国立音楽大学教授のアンティエ・ヴァイトハース。派手な音楽活動はしていないが、渋い本格派アルバムを、気が向いているときに出してきている凄腕女流ヴァイオリニスト。
第2ヴァイオリンがドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めるカリスマ音楽家ダニエル・セペック。
そしてヴィオラはおそれおおくもタベア・ツィンマーマン。世界最高のヴィオラ奏者の一人といって異を唱える人はいないだろう。ちなみにこの人もベルリン国立音楽大学教授。
チェロが、ケラス。この人はもう説明の必要はないと思う。まさに今絶頂を迎えるチェリストの最高峰。
とんでもない連中の集まりだったのである。 |
|
サー・ロジャー・ノリントン
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
HANSSLER 交響曲録音
1CD\2400→¥1790
|
ノリントンとシュトゥットガルト放送響のHANSSLERでの交響曲録音を特集してみた。・・・しかもお安く。みなさんに少しでも聴いてほしいので。
というのは・・・面白かったのである。
いや、もちろんそんなことはもうずっといろいろなところで言われているから百も千も万も承知とは思う。店主だって「ユニークで元気のいい演奏」くらいの認識はあった。多くの演奏も新譜発売のときに聴いていたはず。
ただ先日ベートーヴェンを久しぶりに聴いて、本当にこんなに面白かったんだ、と改めて痛感した。古楽器風に迫るその鋭いアプローチ、個性的な解釈、オケの自発的な盛り上がり方。今さらながらびっくりした。
とにかく一フレーズ一フレーズがどこを切り取っても元気いっぱい、智恵いっぱい。その溌剌さ、斬新さがうっとおしいという人もいるかもしれないが、自分の好きな曲をみつくろってノリントンで聴いてみれば、いろんな発見や楽しさに出会えるはず。
ということで、ノリントン特集、どうぞ。 |
|
ワルター特集
戦前のヨーロッパ録音
|
ブルーノ・ワルターの偉業について今さら話すなど本当におこがましいですが、彼がナチスを嫌ってアメリカにわたり、そこで歴史に残るさまざまな録音を残したことはみなさんもよくご存知のことと思います。
ところがときどき耳にしますよね・・・「ワルター聴くんだったら、戦前のヨーロッパでの録音を押さえておかないと・・・」という声を。
ワルターは実はSP時代にもヨーロッパで多くのレコードを残していて、とくにウィーン・フィルとの一連の録音はその当時から非常に高く評価されていました。
とはいえ、渡米後にあまりにもたくさんのすばらしい録音が登場してしまったため、それらのヨーロッパ録音に日の目が当たることは現在あまりありません。なので残念ながらその時代の録音CDは百花繚乱というわけにはいきません。かなり限られているといって良いでしょう。そこで今回は現在手に入りそうな戦前のワルターのヨーロッパ録音のアルバムを集めてみました。 |
|
特集:改訂版
7人の美しき女流ヴァイオリン奏者
|
今から2年前に掲載した「7人の美しき女流ヴァイオリオン奏者」特集。
世界の有名無名の美しきヴァイオリニストを店主の独断と偏見で7人選んで、そのなかの必聴のアルバムをお贈りするという特集。
あれから2年。
ヴァイオリン界にはその後バティアシュヴィリやフラング、イブラギモヴァ、ニコラ・ベネデッティ、バイバ・スクリデ、とアリアCD店主を喜ばせ苦しめる実力派美人奏者が次々と現れてきている。しかしそうはいっても2年前に紹介した人たちの存在感はいまだに大きい。
ということで、今回は2年前の情報に新たなインフォを加え、さらに映像が見られるリンクも貼り付けておきました。
どうぞお楽しみいただければ。 |
|
ONDINE
エッシェンバッハ・シリーズ
1SACD\2,300→¥1,790
|
メジャー系からリストラされた大演奏家の中で最も華々しく復活した指揮者エッシェンバッハが、一番彼らしいひらめきと情熱でもって活動していたのがONDINEだったと断言できる。
ただその後ONDINE自体がNAXOSに吸収された。そしてエッシェンバッハの新録音は途切れてしまった。その理由などは分からない。もし何らかの理由でエッシェンバッハとの契約が切れてしまったのだとすると哀しい。しかも残された貴重な音源の処遇も気になってしまう。
そんな状況でのONDINE エッシェンバッハ特集。ある程度の心積もりを持ってどうぞ。 |
|
新生ガーディナー・レーベル
Soli Deo Gloria SDG
1CD\2,400→\1890
2CD\3,400→\2890
|
DGのアルヒーフをリストラされたガーディナーが一念発起、自身のレーベルSDGでかつての全盛期を思わせる精力的な録音活動を続けている。
まずはなんといっても彼自身のライフワークともいうべきバッハのカンタータ・シリーズ。
そしてその異端のカップリングから話題を呼び、さらにへんてこりんな演奏でも話題を呼んだブラームス交響曲チクルス。
さらに2002年にロンドンで行われたモーツァルトのライヴもなかなか刺激
的。
まだまだ進化を続けるガーディナーの「いま」の姿を生々しくとらえた同レーベルの録音、一聴の価値あり。 |
|
特集 指揮者
ヘルマン・アーベントロート
|
ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)はフルトヴェングラー(1886-1954)やクナッパーツブッシュ(1888-1965)と同世代のドイツの巨匠指揮者。
その音楽はハチャメチャだが、小手先の中途半端な自分勝手さじゃない。その音楽は全身全霊、命がけのムチャクチャさ。だから誰もアーベントロートを無視できない。
ただそのアーベントロート、残された録音は少なくないのだが、CDは多くない。
ときおりどこかのレーベルが貴重な音源を掘り起こしてリリースしてくれるが、気づいたら廃盤・・・ということの繰り返しである。
おせっかいなようですが、こういうタイプの指揮者のアルバムは、可能な限り早めに手に入れておいたほうがいいかと思います。 |
|
バティス&メキシコ州立交響楽団
自主制作レーベル
(+バティスお勧め名盤)
|
1942年メキシコ生まれの指揮者エンリケ・バティス。
90年代あたりまではASVやEMIなどで多数の録音をリリース、NAXOSの「ローマ三部作」こそNAXOS躍進の旗頭と評価されるも、基本的によくいる中堅指揮者と思われていた。
ところが世紀が変わってメキシコ州立交響楽団との自主制作盤が出始めた頃から、「この人、ひょっとして気が狂ってるんじゃない?」という正しい認知がなされるようになってきた。
ベートーヴェン、チャイコフスキー、シューマン、ブラームスと、出てくる交響曲全集がいずれも異常極まりない怪物演奏。廃盤だったASV音源も自主制作盤として復活してみるとなかなかすごい演奏が多い。あれよあれよといううちに現代屈指のカリスマ指揮者となっていった。
その後来日を果たしたときは超満員で大盛況。都内のバティスのCDがすべて売り切れたという。中南米マフィアの頭目のような柄の悪い態度で観客席を見据え、「お前ら何しに来た」とでも言いたげなそのふてぶてしい態度に、日本人ファンはもうしびれかえった。
ただその後は完全マイペースを貫き、来日公演も新録音リリースの予定もまったくない。
そうなってくると余計に自主制作盤でリリースされているアルバムが貴重に思えてくる。ということで久々のバティス&メキシコ州立交響楽団自主制作レーベル特集。
時折出現するアバウトな編集や半端な拍手のカットなど、相変わらずずさんな製作方針だが、その巨大な音楽の前ではそれも許されるかも。さらに入荷がいつになるのか、そして現地在庫の状況など不明瞭なところもあるのだが、どうかこの機会をお見逃しなく。
また一番最後に蛇足的ではありますがバティスの名盤を少しご紹介してます。 |
|
マルケヴィッチ特集
|
マルケヴィッチの音楽は野蛮である。
しかしゲルギエフのような肉体派の野蛮さではなく、セーゲルスタムのような精力絶倫系の野蛮さでもない。
ペシミスティックでサディスティックで、今にも崩れ落ちそうな狂気と隣り合わせの野蛮さ。
もしまかり間違って、一晩どこかの部屋でマルケヴィッチと二人きりで過ごさないといけないとしたら、出てきたときにはおそらくまともな精神状態ではないだろう、というような野蛮さ。
まさかそのマルケヴィッチが「指揮者アンケート」でダントツの1位になるとは思ってもみなかった。アリアCDの会員の人たちは、すごい。というか恐れ知らず。
そんなマルケヴィッチの特集なんて、まったくもって恐れ多いが、まずは「マルケヴィッチなんて聴いたことがないよ」という人をギャフンと言わせるためのCDを数枚用意して、続いて煩雑極まりない状況にあるマルケヴィッチのライヴ音源アルバムを整理して紹介してみます。これ、結構ありがたいかも。 |