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アリアCD特集紹介
企画編



特集記事


 過去に特集した記事を集めてみました。内容はかなり多岐に及んでます。
 取り上げているアイテムの中ですでに入手不能のものがありましたらご容赦ください。




作曲者別

ルーセル特集

 特集してほしい作曲家についてのアンケートを取っている。結果が出るたびに、アンケート・リストとその結果を見比べていろいろ考えるのだが、先日ようやく「ラ行」の作曲家のアンケートが終わった。
 結果、「ラ行」に関してはラフマニノフ、レスピーギといった人たちが首位に立った。
 その反対に1票も入っていない作曲家がいた・・・。
 アルベール・ルーセル。
 1票も、である。
 少なくとも今回投票してくれた人の中には、ルーセルに興味がある人は一人もいなかったことになる。
 そうなると逆に特集したくなる。この人のすばらしさを伝えたくなる。知名度はあるのに人気のない作曲家ルーセル。聴いておいて損はありません。
  
 

ビクトリア特集

 日本でビクトリアの人気が高いのは知っていたつもりだったが、まさか作曲家人気アンケートでもはっきり結果が出てくるとは思わなかった。
 Victoriaと表記するが、スペイン語の発音でいくと「ヴィ」ではなく「ビ」となるため、「ア〜オ」の作曲家のアンケートではこの人の名前が載らなかった。そうしたら数人の方に「ヴィクトリアはないのですか」と聞かれた。その時点で「おや」とは思っていたのだが、先日ようやく「ハ〜ホ」で「ビクトリア」を掲載したところ、待ってましたとばかりに票が集まり、あっというまに高得点作曲家の仲間入りを果たした。
 これは特集しないわけにいかない。
 ・・ということでトマス・ルイス・デ・ビクトリア特集、いきます。
 
 
ヴィラ=ロボス特集
 ヴィラ=ロボスを取り上げたのにはわけがある。3週間にわたる「ア行」の作曲家の人気アンケートの結果、アルベニスに1票差で敗れた第2位が・・・そう、このヴィラ=ロボスだったのである。ヴィヴァルディでも、ヴェルディでも、エルガーでもなく。これはもう特集するしかない。

 南米最大の作曲家ヴィラ=ロボス。
 その音楽を実際に聴くまで、この人はヨーロッパに憧れた辺境ブラジルの日曜作曲家だとばかり思っていた。
 ところがその音楽に触れるや、その「本格派的」立派さに驚き、その「異端的」独創性に驚き、その「娯楽的」面白さに驚いた。
 ブラジルが大ヨーロッパと対等の関係になろうという重要な時期、ブラジルの音楽文化の象徴となったヴィラ=ロボス。その存在はわれわれが考えるよりはるかに偉大なものだった。
 今でこそ南米出身ということで、クラシック音楽の本流からは若干外れた位置にいるヴィラ=ロボスだが、その魅力はまさに無限大。一度ははまって聴いてみてほしい。
 
 
アルベニス特集
 アリアCDが始まって以来、こんなメジャーな大作曲家を真正面から特集したことはない。初めてである。気恥ずかしい思いである。
 ただここでいきなりこんな大作曲家を取り上げたのにはわけがある。
 2週間にわたって「ア行」の作曲家の人気アンケートを取った。その結果、驚くべき結果が出た。「ア行」で最大の人気を誇ったのは・・・ヴィヴァルディでもなく、ヴェルディでもなく、エルガーでもなく、・・・アルベニスだった。
 もちろん投票した人が軽ーく「アルベニスもまあまあ好きよ」という感じで票を入れたことは考えられるが、条件はすべての作曲家にとって同じ。その状況でアルベニスがまさか1位とは。
 驚いたが、同時に特集を組もうと即座に決断した。
 ということでアルベニス特集。
 しかしそこはアリアCD、よくある「アルベニスの名盤特集」というわけにはいかない。ほんの少しの超有名盤に、たくさんの隠れ名盤、そして手に入りにくいもの、超マニアックなもの、すんごく安いものを交えてみました。あとは皆さんのお好みでどうぞ。(これからアルベニスを聴いてみたいな、という方のために簡単な「初心者用スペース」も設けてみました。)
 とりあえず期間は設定してませんが、マイナー・レーベル主体なのでうっかりしていると入手不能になるアイテムも多いことと思われます。
 
 

グノー特集


 ベルリオーズ、リスト、ワーグナー、チャイコフスキー、プッチーニ、ドビュッシー、グレインジャー・・・。
 およそ大作曲家に似つかわしくない「人間的な」エピソードを持つ音楽家は大勢いるが、グノーも堂々その人たちに仲間入りできる。
 音楽史上最も美しい作品のひとつ「アヴェ・マリア」を残しながら、実に「人間的な」数々の振る舞いを重ねたグノー。
 アンケートの結果を見てもグノーに案外人気がないのは歴然としているが、この、音楽的にも人間的にも魅力的な作曲家のことを知らないで終わるのはもったいない。
 ということで今週はこのグノー特集、いきましょうか。
 
 

ストラヴィンスキー特集
3大バレエ以外あんまり聴いたこと
ないなあ、という人のための




(1) 新古典主義時代の中盤まで
(2) 新古典主義時代の終盤まで
(3) 最後まで

 一発屋でないことは百も承知、20世紀を代表する大作曲家であることもわかっている。イーゴリ・ストラヴィンスキー。
 それなのになぜか3大バレエ以外はあまり人気がない。これだけの大作曲家で、これだけ極端な人も珍しい。
 CD屋をやっていても、お客さんに「○○の今度の新譜はストラヴィンスキーですよ!」と言うと思いっきりテンションが上がるのだが、次に「詩篇交響曲ですが」と言うとガクンと一気に下がってしまう。
 だが売れる売れない、人気のあるなしに関係なく、ストラヴィンスキーには3大バレエ以外にも面白い作品がたくさんある。変り者の作曲家ではあるが、その作品群、ひざを突き合わせて一度くらいはお付き合いしてもいいかもしれない。
 ということで今回は、「『春の祭典』以外はあんまり聴いたことないなあ」とか、「『ペトルーシュカ』くらいまでかなあ」、という方のための「ストラヴィンスキー特集」。
 
 

いつか聴こうと思っていた方のために
ニールセン特集



その1 交響曲
その2 管弦楽・協奏曲
その3 声楽・室内楽曲

 「ニールセン」というとなぜか少し引いてしまう人が多い。
 隣国ノルウェーのグリーグはいうまでもなく、フィンランド生まれで同い年のシベリウスと比べてもなんとなく影が薄い。どこか地味な、近寄りがたい存在なのである。
 しかし店主ははっきり断言します。ニールセン、すごいです。人生の一時期でいいので、「ちょっとだけニールセンにはまったよ」というのも全然悪くない。
 ということで今回はちょっと不当な扱いを受けているニールセンをおせっかい的にご紹介しましょう。
 
 
作曲家特集
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ
 エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリは「スザンナの秘密」などのコミック・オペラで知られるイタリアの作曲家。
 ただこの人、「イタリア人」といってしまってよいのかどうか。母親はイタリア人だが、父親はバイエルン出身の画家。・・・この「ドイツとイタリアの混血」という生まれながらの特質が、生涯彼を悩ませその人生を左右する。
 そんな数奇な人生を送ったヴォルフ=フェラーリの特集。
 彼の作品はあまりCD化されていないが、そんな中リリースされている貴重なアルバムを特価でご紹介します。
 
 

特集 作曲家
ルーズ・ランゴー

 ランゴー。デンマークの作曲家。ニールセンとホルンボーのちょうど中間の世代に当たる。
 16の交響曲と7つの弦楽四重奏曲を始めとする400近い作品を世に残しながら、現在彼の作品を愛好する人は残念ながらあまり多くない。第一彼の作品を聞こうと思っても、国内盤は全く出ていないし、輸入盤でも彼の作品を探すのは結構大変である。
 しかし最近ようやくデンマークのDANACORD社などが彼の作品を本格的に取り上げはじめてきた。ぜひDANACORDやDA CAPOの録音などでランゴーの偉業を聴いてみてほしい。
 
 
ベートーヴェンの交響曲を
マイナー・レーベルで聴く

 「ベートーヴェンの交響曲を聴きたいのですが、どのCDを買えばいいのですか。」
 ショップで働いているとき、何度もこの質問を受けてきた。そしてそのたびに、「大きな会社の有名な指揮者のものを選べば間違いはありません」と答えた。
 模範解答。
 しかし同時に、「本当にそうか?」と内心思っていた。
 「小さな会社の無名の指揮者のもの」ではだめなのか?
 考えてみれば通常室内楽曲や器楽曲の録音ばかりを出してくるような小さなところが、大交響曲の録音を出すというのは、社長にしてみれば大きな賭けのはず。そこにかける意気込みは、「大きな会社」が「有名な指揮者」で録音するとき以上の強いものがあるはず。しかもそれがベートーヴェンともなると、「とりあえず出してみました」ではすまない。レーベルの命運を握っているといってもいい。
 ということで今回小さなレーベルからリリースされているベートーヴェン交響曲第5番「運命」の録音を取り上げてみました。
 
 

ベートーヴェン特集

 畏れ多くもベートーヴェン特集。
 音楽史史上最大の作曲家を特集するとは無謀にもほどがある・・・。でも大丈夫、さすがのアリアCDもそこまでムチャではない。
 ただ、これはどうしても前からやりたかった企画。





演奏家別


ウルズラ・バグダザルヤンツの芸術
VDE GALLO
1CD\2100→¥1890

 スイスが誇る女流ヴァイオリニスト、ウルズラ・バグダザルヤンツ。
 その貴重な音源がGALLOから出ていたのだが、いろいろなルートを試すもなかなか入手することができなかった。一年ほど前に一度ご紹介したいたのだが、ようやく再入手のめどがついたので久しぶりにご紹介します。
 何度もお問い合わせいただいていた方々も、そして初めてこの名前を知った方も、どうぞごゆっくり。



AUDITE
クーベリック&フリッチャイ
ライヴ・シリーズ特集 特価セール
1CD¥2300→\1590

Mahler: Symphony No.  1 in D major 'Titan' Mahler: Das Lied von der Erde Beethoven - Piano Concertos Nos. 4 & 5
 最近はややおとなしめだが、「歴史的ライヴ録音」復刻ブームを巻き起こしたレーベルとしてAUDITEが一斉風靡していた頃の2大シリーズ、クーベリック&フリッチャイ。
 確かにこれらの録音のベストセラーにより、多くのレーベルが放送局に眠っている過去の音源を引っ張り出してくるようになった。
 いろいろな意味で感慨深いアルバムである。


ミュンシュ、珍しいオケとの共演録音

 「ミュンシュ&ボストン響」あるいは「ミュンシュ&パリ管」といってももちろん誰も驚きません。
 すごいのは百も承知。とくにボストン響とはたくさんの名演が出ていて、いろいろな形で皆さんも触れる機会があると思います。
 ではあえて、そうしたミュンシュと仲のよい楽団じゃない、「そんなところと共演してたの?」というようなオケとの録音をご紹介しましょう。
 パリ音楽院を離れてボストン響に移るまでの数年間、そしてボストン響を離れフリーで活躍していた数年間に、ミュンシュは非常に貴重な、そして充実した演奏を繰り広げているんです。
 
 
エリシュカ&札幌交響楽団
ライヴ・シリーズ

 ラドミル・エリシュカ。
 「未知のチェコの大指揮者」から、ここへきて「日本で最も熱い演奏を聴かせる指揮者」として知られるようになってきた。
 いつか放映していた「NHK交響楽団の1年間のコンサートでもっとも良かったのは何?」というN響定期会員向けのアンケートで、エリシュカが客演した「わが祖国」が堂々第一位に選ばれていた。 
 
 
アルゲリッチ&フレンズ
ルガノ・フェスティヴァル・シリーズ
できるかぎり特価セール

 いまや世界で5本の指に入る有名音楽祭になったかもしれない。
 アルゲリッチと、彼女が信頼する音楽家たちによる、毎年夏にルガノで行われる音楽フェスティヴァル。
 姉御アルゲリッチの元に集う腕利きたちの競演という最高の楽しみ。その溌剌としたプレイ、そして才能と才能がぶつかる緊張感。ほんもののフェスティヴァルを目の前にしたようなスリリングな時間をすごすことができる。
 ただ、ひょっとすると、あまりにも収録内容が雑多で、またあまりにも演奏家にまとまりがないためについつい手が出なかった方もいらっしゃるかもしれない。しかしこのシリーズ、本当にその贅沢な「雑多さ」を心行くまで楽しむアルバムなのである。あまり深く考えずにとにかく繰り出されるそのすさまじい音楽に浸ってほしい。必ず1セットのうちに3つか4つ、興奮のあまり手に汗握る演奏に出会えるはず。
 ということで今回はできる限り安くしてみました。
 
 

WARNER
スヴェトラーノフ・エディション
1CD\2400→¥1390〜

 SCRIBENDUMがなくなってもこのWARNERがある。
 とWARNERで華々しく始まったスヴェトラーノフ・エディションだが、残念ながら廃盤が相次いでいる。
 現在比較的はいりやすく、しかもかなりお安く提供できるアイテムをリストアップしてみました。
 ほとんどはメロディア音源などの過去の音源の復刻で、いろいろなレーベルから登場していた名盤ばかり。しかし価格が異常に安い。せっかくのシリーズなのに日を追うにつれてタイトルが少なくなっているのは辛いところだが、お目当てのものはどうぞお早めに。
 
 

ほんものの味わい
エフゲニー・コロリオフ(P)の芸術


 コロリオフの評価が最近非常に高い。
 もともと実力派として知られていて、これまで多くの名盤をリリースしてきたのだが、PROFILのアルバムが日本のファンにとても高く評価され始めたというのだ。
 まだまったく無名だったコロリオフのバッハを聴いた作曲家のリゲティは、彼のバッハの録音について、「無人島に持っていく1枚」に選び、さらに「死の苦しみを忘れさせてくれるだろう」と絶賛した。そうしてようやくその真価が日本のファンにも認められ始めた。
 ・・・というよりも、一度耳にしさえすれば、それがいかに深く真摯な音楽がすぐにわかるはず。
 
 
ダブリン・ドラッグ・オーケストラ
デビュー・アルバム

 この写真を見て、しかもこの名前。またいかれた連中がやってきたと思った方も多いと思う。
 いや、実際写真を見てるとかなり逝ってしまってる。・・・しかし演奏のほうはかなりの本格派なのである。しかも想像通りかなりとんがった演奏なので不協和音を強調してくれたり、現代の作品では激しいリズムで息を荒くさせてくれる。過激な衣装や演出に目が行ってしまうが、アルバムだけを聴いても十分過ぎるほど楽しめる。
 
 

サンドリーヌ・ピオー
その代表的アルバム
NAIVE 1CD\2500→\1890


 サンドリーヌ・ピオーがすごいらしい。
 今日本に来ているのだが、東京でのコンサートが神がかっていたという話をいろいろなところで聞く。フェイスブックのやりとりでもその話を散々見かけたし、何より会員の方からも「奇跡的だった」というメールいただいた。
 よほどすごかったのだろう。
 
今回は、奇跡の東京公演に立ち会った方、そしてこれから名古屋でその奇跡に立ち会う方、公演には立ち会えないけれどその疑似体験をしてみたい方のために、ピオーの代表的アルバムをご紹介しましょう。
 
 
特集
河村尚子とは誰なのか

初紹介アルバムあり
 東京の大手CD輸入代理店の担当者が突然電話してきた。
 「河村尚子、聴きました?すごいですよ。」
 その担当者、CDプロデューサーも兼ねていて今まで多くの大ベストセラーを生み出してきた。かなりの目利きで、ときどきこうしたことをアドバイスしてくるがまず外れがない。
 ただ、河村尚子・・・あまり覚えがない。
 確かクーベリックの歴史的録音で知られるドイツAUDITEから突然日本人の女の子のアルバムがポツンと発売され、怪訝に思ったことがあったが、それが河村尚子だったと思う。最近は日本のソニーからも新譜が出てたっけ。
 どうもはっきりとした印象がない。でもその河村尚子が名古屋伏見の電気文化会館でコンサートを開くというから、せっかくだから行ってみよう。

 で、聴いた。(続きは本編でどうぞ)
 
 

期待の指揮者18人

 昨今の中堅指揮者の充実ぶりには驚きと喜びが隠せない。本当に「上の世代」を突き上げるようにものすごい連中が続々登場する。
 若手と思っていた1960年代生まれのウェルザー=メスト、パーヴォ・ヤルヴィ、ミンコフスキ、ド・ビリー、ノセダたちがいつの間にか楽壇の中核を担うようになり、若すぎると思っていた1970年代生まれのハーディングすらもう「若手」というには抵抗がある。もはや80年代生まれの指揮者すら珍しくない。メジャー・デビューも果たしたウラディーミル・ユロフスキ(1972-)、ドゥダメル(1981-)、ネゼ=セガン(1975-)、すでにベテランの存在感のフィリップ・ジョルダン(1974-)、と虎視眈々と次世代の中核を狙う逸材が揃っている。
 今回はそんな若き指揮者の中から、上記4人を追走する期待の18人を特集してみた。
 
 
特集
ワルター・ギーゼキング

 この世を去って半世紀。しかしギーゼキングの人気が衰えることはない。ここまで古いピアニストが、これほど高い人気を保ち続けるというのは極めて珍しい。
 ギーゼキングのレパートリーは広く、「ピアノのための曲なら何でも弾ける」ほどの人だったが、現在ではモーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェルの解釈で高い評価を保っている。とくに晩年の透徹した演奏は「新即物主義」的演奏の開拓者としての真骨頂。
 ・・・しかしギーゼキングには明らかにもうひとつの側面がある。
 怪物的ピアニストとしての破天荒な顔。
 今は陽の目を見ないそうしたギーゼキングの演奏を含めて、現在入手できそうなアルバムを広範囲に集めてみた。 
 
 

ポール・パレー特集

 フランス人指揮者としては日本でも異常な人気を誇るポール・パレー。少なくともアリアCDの会員の方の指揮者人気投票で堂々4位に入ったのがこのパレーである。
 パレーは、フランス人とはいえ、華麗な洒脱さとか粋な雰囲気とかとは無縁の、男性的で筋肉質の音楽を作り上げる。ゴール人としての気骨を感じさせる勇猛果敢な資質とでもいおうか。レジスタンスに命を張るような男なのである。だから取り上げる曲がフランスものであったとしても、軽めの流れかと思いきやとんでもない。大胆不敵、鎧兜をつけた男の音楽なのである。そうした男っぽい無頼なところが日本人の趣味にあうのだろう。
 ・・・ただ例によって現在彼のアルバムはあまり多くない。
 出ればベストセラー間違いなしなのだが、どういうわけかCDメーカーはそのことに気づいてくれない。
 ということで今回は現在手に入るパレーの代表的アルバムを彼の人生に沿って並べてみました。
 
 
特集
パウル・クレツキの芸術


Mahler: Symphony No.  1 in D major 'Titan', etc.
 1900年生まれ、ポーランド生まれの巨匠パウル・クレツキ。
 ベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニーらと同世代のクレツキは、1925年にはフルトヴェングラーに招かれてベルリン・フィルを指揮。指揮者としても作曲家としても将来を嘱望されるが、その後ドイツにナチスが台頭。クレツキはユダヤ系であったためにイタリアへ逃げ延びる。しかしここでもファシスト政権に脅かされソビエトへ移る。そこで今度はスターリンの大粛清に遭遇、なんとか最終的にスイスで市民権を得た。
 だがドイツでは両親や姉妹を含む肉親をナチスによって殺害され、自らの精神も一度破綻したという。
 それなのに、そんなふうに理不尽に愛するものを殺されたにもかかわらず、彼の音楽は心穏やかで温かい。アンチェルといいクレツキといい、人間というのは地獄を経験してもなおここまで崇高になれるものなのか。
 今回はそのクレツキの交響曲録音を中心にまとめてご紹介してみます。できるだけお安くお贈りします。
 
 

特集
トーマス・ヘンゲルブロック

(ちょっぴり来日記念)

 トーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock)は1958年生まれのドイツ人指揮者。
 最初はヴァイオリン奏者として、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスにも参加していた。その後フライブルクバロックオーケストラの設立に関わり、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(以下ドイツ・カンマーフィル)の初代音楽監督も務めていた。
 ドイツ・カンマーフィルといえば、最近ではパーヴォ・ヤルヴィとのベートーヴェンの交響曲の全集(BMG)やたびたびの来日で、日本でも知名度を上げているが、当のヘンゲルブロックの方は残念ながら、マイナー曲の発掘に熱心なのが災いしてか、おそらくいっしょに来日もしていないと思う。
 さてヘンゲルブロック、2007年にはDGに登場したが、それもダニエル・ホープのバックだった。その後もDGから新譜が出るが、主役はアリス=紗良・オット。やはり伴奏指揮者。結局日本では、まだ知る人ぞ知る指揮者といったところ・・・。店主にしたところで、「DGのお抱え伴奏指揮者になれてよかったね」くらいのことしか頭になかった。
 それが、たまたま、本当にたまたまゼレンカのアルバムを手にして、すべてが一変した。
 
 

特集
アルカント四重奏団

 若手(ではなくもう中堅か・・・)実力派チェリスト、ケラスが率いるアルカント四重奏団。まあ、気の合う若手を呼んで気軽にやってるんだろうな、と思ったら、メンバーがすごかった。
 第1ヴァイオリンがベルリン国立音楽大学教授のアンティエ・ヴァイトハース。派手な音楽活動はしていないが、渋い本格派アルバムを、気が向いているときに出してきている凄腕女流ヴァイオリニスト。
 第2ヴァイオリンがドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めるカリスマ音楽家ダニエル・セペック
 そしてヴィオラはおそれおおくもタベア・ツィンマーマン。世界最高のヴィオラ奏者の一人といって異を唱える人はいないだろう。ちなみにこの人もベルリン国立音楽大学教授。
 チェロが、ケラス。この人はもう説明の必要はないと思う。まさに今絶頂を迎えるチェリストの最高峰。
 とんでもない連中の集まりだったのである。
 
 
サー・ロジャー・ノリントン
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
HANSSLER 交響曲録音
1CD\2400→¥1790
 ノリントンとシュトゥットガルト放送響のHANSSLERでの交響曲録音を特集してみた。・・・しかもお安く。みなさんに少しでも聴いてほしいので。
 というのは・・・面白かったのである。
 いや、もちろんそんなことはもうずっといろいろなところで言われているから百も千も万も承知とは思う。店主だって「ユニークで元気のいい演奏」くらいの認識はあった。多くの演奏も新譜発売のときに聴いていたはず。
 ただ先日ベートーヴェンを久しぶりに聴いて、本当にこんなに面白かったんだ、と改めて痛感した。古楽器風に迫るその鋭いアプローチ、個性的な解釈、オケの自発的な盛り上がり方。今さらながらびっくりした。
 とにかく一フレーズ一フレーズがどこを切り取っても元気いっぱい、智恵いっぱい。その溌剌さ、斬新さがうっとおしいという人もいるかもしれないが、自分の好きな曲をみつくろってノリントンで聴いてみれば、いろんな発見や楽しさに出会えるはず。
 ということで、ノリントン特集、どうぞ。
 
 

ワルター特集
戦前のヨーロッパ録音

 ブルーノ・ワルターの偉業について今さら話すなど本当におこがましいですが、彼がナチスを嫌ってアメリカにわたり、そこで歴史に残るさまざまな録音を残したことはみなさんもよくご存知のことと思います。
 ところがときどき耳にしますよね・・・「ワルター聴くんだったら、戦前のヨーロッパでの録音を押さえておかないと・・・」という声を。
 ワルターは実はSP時代にもヨーロッパで多くのレコードを残していて、とくにウィーン・フィルとの一連の録音はその当時から非常に高く評価されていました。
 とはいえ、渡米後にあまりにもたくさんのすばらしい録音が登場してしまったため、それらのヨーロッパ録音に日の目が当たることは現在あまりありません。なので残念ながらその時代の録音CDは百花繚乱というわけにはいきません。かなり限られているといって良いでしょう。そこで今回は現在手に入りそうな戦前のワルターのヨーロッパ録音のアルバムを集めてみました。
 

特集:改訂版
7人の美しき女流ヴァイオリン奏者

 今から2年前に掲載した「7人の美しき女流ヴァイオリオン奏者」特集。
 世界の有名無名の美しきヴァイオリニストを店主の独断と偏見で7人選んで、そのなかの必聴のアルバムをお贈りするという特集。
 あれから2年。
 ヴァイオリン界にはその後バティアシュヴィリやフラング、イブラギモヴァ、ニコラ・ベネデッティ、バイバ・スクリデ、とアリアCD店主を喜ばせ苦しめる実力派美人奏者が次々と現れてきている。しかしそうはいっても2年前に紹介した人たちの存在感はいまだに大きい。
 ということで、今回は2年前の情報に新たなインフォを加え、さらに映像が見られるリンクも貼り付けておきました。
 どうぞお楽しみいただければ。
 
 

ONDINE
エッシェンバッハ・シリーズ
1SACD\2,300→¥1,790

 メジャー系からリストラされた大演奏家の中で最も華々しく復活した指揮者エッシェンバッハが、一番彼らしいひらめきと情熱でもって活動していたのがONDINEだったと断言できる。
 ただその後ONDINE自体がNAXOSに吸収された。そしてエッシェンバッハの新録音は途切れてしまった。その理由などは分からない。もし何らかの理由でエッシェンバッハとの契約が切れてしまったのだとすると哀しい。しかも残された貴重な音源の処遇も気になってしまう。
 そんな状況でのONDINE エッシェンバッハ特集。ある程度の心積もりを持ってどうぞ。
 
 

新生ガーディナー・レーベル
Soli Deo Gloria SDG
1CD\2,400→\1890
2CD\3,400→\2890

 DGのアルヒーフをリストラされたガーディナーが一念発起、自身のレーベルSDGでかつての全盛期を思わせる精力的な録音活動を続けている。
 まずはなんといっても彼自身のライフワークともいうべきバッハのカンタータ・シリーズ。
 そしてその異端のカップリングから話題を呼び、さらにへんてこりんな演奏でも話題を呼んだブラームス交響曲チクルス。
 さらに2002年にロンドンで行われたモーツァルトのライヴもなかなか刺激 的。
 まだまだ進化を続けるガーディナーの「いま」の姿を生々しくとらえた同レーベルの録音、一聴の価値あり。
 
 

特集 指揮者
ヘルマン・アーベントロート

 ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)はフルトヴェングラー(1886-1954)やクナッパーツブッシュ(1888-1965)と同世代のドイツの巨匠指揮者。
 その音楽はハチャメチャだが、小手先の中途半端な自分勝手さじゃない。その音楽は全身全霊、命がけのムチャクチャさ。だから誰もアーベントロートを無視できない。
 ただそのアーベントロート、残された録音は少なくないのだが、CDは多くない。
 ときおりどこかのレーベルが貴重な音源を掘り起こしてリリースしてくれるが、気づいたら廃盤・・・ということの繰り返しである。
 おせっかいなようですが、こういうタイプの指揮者のアルバムは、可能な限り早めに手に入れておいたほうがいいかと思います。
 
 

バティス&メキシコ州立交響楽団
自主制作レーベル
(+バティスお勧め名盤)

 1942年メキシコ生まれの指揮者エンリケ・バティス。
 90年代あたりまではASVやEMIなどで多数の録音をリリース、NAXOSの「ローマ三部作」こそNAXOS躍進の旗頭と評価されるも、基本的によくいる中堅指揮者と思われていた。
 ところが世紀が変わってメキシコ州立交響楽団との自主制作盤が出始めた頃から、「この人、ひょっとして気が狂ってるんじゃない?」という正しい認知がなされるようになってきた。
 ベートーヴェン、チャイコフスキー、シューマン、ブラームスと、出てくる交響曲全集がいずれも異常極まりない怪物演奏。廃盤だったASV音源も自主制作盤として復活してみるとなかなかすごい演奏が多い。あれよあれよといううちに現代屈指のカリスマ指揮者となっていった。
 その後来日を果たしたときは超満員で大盛況。都内のバティスのCDがすべて売り切れたという。中南米マフィアの頭目のような柄の悪い態度で観客席を見据え、「お前ら何しに来た」とでも言いたげなそのふてぶてしい態度に、日本人ファンはもうしびれかえった。
 ただその後は完全マイペースを貫き、来日公演も新録音リリースの予定もまったくない。
 そうなってくると余計に自主制作盤でリリースされているアルバムが貴重に思えてくる。ということで久々のバティス&メキシコ州立交響楽団自主制作レーベル特集。
 時折出現するアバウトな編集や半端な拍手のカットなど、相変わらずずさんな製作方針だが、その巨大な音楽の前ではそれも許されるかも。さらに入荷がいつになるのか、そして現地在庫の状況など不明瞭なところもあるのだが、どうかこの機会をお見逃しなく。

 また一番最後に蛇足的ではありますがバティスの名盤を少しご紹介してます。
 
 
マルケヴィッチ特集

 マルケヴィッチの音楽は野蛮である。
 しかしゲルギエフのような肉体派の野蛮さではなく、セーゲルスタムのような精力絶倫系の野蛮さでもない。
 ペシミスティックでサディスティックで、今にも崩れ落ちそうな狂気と隣り合わせの野蛮さ。
 もしまかり間違って、一晩どこかの部屋でマルケヴィッチと二人きりで過ごさないといけないとしたら、出てきたときにはおそらくまともな精神状態ではないだろう、というような野蛮さ。

 まさかそのマルケヴィッチが「指揮者アンケート」でダントツの1位になるとは思ってもみなかった。アリアCDの会員の人たちは、すごい。というか恐れ知らず。
 そんなマルケヴィッチの特集なんて、まったくもって恐れ多いが、まずは「マルケヴィッチなんて聴いたことがないよ」という人をギャフンと言わせるためのCDを数枚用意して、続いて煩雑極まりない状況にあるマルケヴィッチのライヴ音源アルバムを整理して紹介してみます。これ、結構ありがたいかも。







「クラシックは死なない!」特集

その1
その2

 「クラシックは死なない!」・・・。
 今から9年ほど前に刊行された、店主の記念すべき1冊目の書籍です。
 日ごろ接している素晴らしい名盤を一冊にまとめて紹介しようという、そういう企画の本だったのですが、ありがたくも続巻が出るころには完売いたしました。 
 さて、先日その「クラシックは死なない!」を手にとって久しぶりに読んでみました。
 もともとその本に掲載したCDは「廃盤になるかどうかは関係ない!よいものだけを選ぶ!」というスタンスで取り上げたアルバムなので、ほとんどのものが廃盤で入手不能になっているだろう、と思って見てみたら・・・おっとどっこい!しぶとく生き残っているもの、一度は廃盤になったのにしっかり生き返っているアイテムがたくさんあったのです。
 ということで、本はすでに入手不能ですが、だからこそもう一度そこで掲載されているCDを紹介してみようと思います。
 
 


「このNAXOSを聴け!」特集


 アリアCD店主著作第3弾「このNAXOSを聴け!」。執筆に半年以上かけた書き下ろし力作。
 書き上げたときに、「自分で言うのもなんですが内容はかなり濃くてハード。全編チョット力入りすぎ。もう少し力を抜いてもよかったかもしれない。しかしその分どれを聴いても損なしの名盤、名演、名曲ばかり。」と書いていましたが、その気持ちは今も全然まったく変わりません。そして「紹介してあるのに手に入らない!」というストレスをなくすために廃盤が少ないNAXOSを扱ったのですが、今もここで紹介しているものの大部分が手に入ります(一部難しいものもあるようですが)。
 ところがお客様からご指摘いただいて気づいたのですが、いつのまにかこの本で紹介しているCDを注文できる特設コーナーがサイトから消えてしまっていました・・・。
 ということで「このNAXOSを聴け!」特集、再掲載。紹介文はぜひ本のほうをお読みいただいて、「あ、これ聴いてみようかな」と思われたらどんどんご注文ください!


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