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第42号マイナー・レーベル新録音新譜(5)



ACCORD

480 0874
(2CD)
\4600
ティエリ・エスケシュ:超絶のオルガン即興ライヴ集
 CD1)
 「天の女王」によるパラフレーズ、コラール変奏曲、
 2つのノエル、2つのエヴォカシオン(霧、暴風雨)、
 「おお敬虔なる神よ」によるパッサカリアと二重フーガ、
 「めでたし、天の后」による前奏曲と交響的な舞曲
 CD2)
  パッサカリア、アンダンテとスケルツォ、
  俗謡による主題と変奏、クープランのテーマによる間奏曲、
  ペルシャの聖ヨハネのテキスト即興的な詩、
  ロイック・マリエの主題による自由な即興、
  デュリュフレの「我らの父」の主題による瞑想曲、
  二つの主題によるラプソディ、間奏曲
ティエリー・エスケシュ(Org)
もう、天才と呼ぶしかありません。音楽的才能というのはこういうものか!と目を覚まさせてくれるアルバム。ティエリー・エスケシュ。1965年生まれのフランスのオルガニストにして作曲家、そして何よりも即興演奏家。日本では、オルガニストがスターとなるなどちょっと考えられないが、フランスでは有名ピアニストやヴァイオリニスト同様(それ以上に!)尊敬と注目を集めている。パリ音楽院で8部門ものプルミエ・プリを取って卒業。27歳で同音楽院教授に、32歳でデュリュフレの後任としてサン・テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガニストに迎えられた。最初の作品はフロランス・ブリュメンタール財団の賞を受けたが、その時の審査員エリオット・カーター、モーリス・オアナ、アンリ・デュティユーが揃って絶賛した逸材。その後もオルガン作品だけでなく、協奏曲を含む管弦楽作品、宗教的な声楽作品、大規模なオラトリオなどを矢継ぎ早に発表し、ヨーロッパ各地で演奏されている。しかしエスケシュの本領は何といってもオルガンを使った即興演奏。グレゴリオ聖歌やコラール、バロック音楽から現代音楽、そしてワールドミュージックからポップソングまで、その一節から始まる即興演奏のもの凄さは尋常ではなく、2005年に行われた来日公演も熱狂の渦に包まれたとか。このCDは2000年から2006年の間にエスケシュが各地で行った即興演奏のライヴ録音から自ら選んだ「ベスト・セレクション」。豪腕とも言えるパラフレーズの能力に加え、リズムと色彩の多彩さ、構築力の確かさ、そして持ち合わせている語法の多用さには驚くばかり。(しかもこれは正真正銘のライヴ盤であることをお忘れなく!)オルガン作品という見方でなく、バッハやモーツァルトが持っていたであろう「真の音楽的才能」というものを体感してみる、というスタンスで聴いて頂きたいアルバム。録音:2000年から2006年
480 0845
(2CD+DVD)
\5400
ドニゼッティ:歌劇「アルバ公爵」
 (マッテオ・サルヴィ補筆完成の4幕版。初録音)
インヴァ・ムラ(S:アメリア)
アルトゥーロ・チャコン=クルス(T:マルチェッロ)
フランク・フェッラーリ(Br:アルバ公爵)
フランチェスコ・エッレーロ・ダルテーニャ(Bs:サンドヴァル)
マウロ・コルナ(Bs:ダニエーレ)
ニコラ・トドロヴィッチ(T:カルロス)
カーリス・ルテンタルス(T:居酒屋の主人)
エンリケ・マッツォーラ指揮
国立モンペリエ管弦楽団(ラングドック=ルーション)、
ラトヴィア放送合唱団
ドニゼッティの忘れられた悲劇、ここによみがえる!16世紀半ば、スペイン支配下のフランドル地方。独立運動の旗手エグモント伯が、スペインが派遣した総督アルバ公爵の軍勢に殺害される。エグモント伯の娘アメリアは父の敵を討つ機会を待つうちに、独立運動の同志マルチェッロに恋心を抱くが、後にマルチェッロはアルバ公爵の行方不明になっていた息子であることが判明。捕らえられたマルチェッロは父を認めて屈服、アメリアは裏切られたと感じ、失望する。アルバ公爵がスペインへ帰還する日、見送りを装って花束を手に近づいたアメリアが隠し持った剣で切りつけると、マルチェッロがとっさに父の盾となって倒れ、父を守ることとアメリアの復讐とが同時に成就したことを喜びつつ息絶える・・・という悲劇。ドニゼッティは当初、フランス語によるグランド・オペラに仕立てるつもりだったが、1839年に2幕まで完成させた時点で劇場側と紛糾、未完のままになってしまう。44年後、イタリア語に訳された台本と共に、弟子のマッテオ・サルヴィがスケッチや断片をかき集め、足りない部分は自ら作曲して全4幕のオペラとして完成させ、1882年に初演にこぎつけた。初演は好評だったようだが、音楽としては時代遅れの感があり、レパートリーに定着することなく忘れられてしまった。1952年に復活上演されたが、その後の上演も大半は3幕に短縮したヴァージョンだった。このCDは4幕の完全な形で2007年に上演された、モンペリエでのライヴを収録したもの。テノールのアリア「清く美しい天使よ」だけが突出して有名だが(カルーソーからパヴァロッティ、ビリャソンに至る歴代のテノール歌手が好んで録音しています)、この録音によって始めて作品の全貌を知ることができるようになった。付録として指揮者や主な出演者等へのインタビューを27分ほどにまとめたDVD付き。NTSCでリージョン・フリーだが、インタビューはフランス語で字幕はない。録音:2007年7月16日(ライヴ)
480 0886
\2300
レーヌのリュリ・シリーズ、堂々の第10巻!
 リュリ:諸芸術のバレ
ユーゴ・レーヌ指揮、
ラ・サンフォニー・ドゥ・マレ
絢爛、豪華、壮麗。レーヌのリュリ・シリーズ第10巻!ユーゴ・レーヌ指揮、ラ・サンフォニー・ドゥ・マレのリュリ・シリーズもついに第10巻となりました。当巻は、バロック時代の諸芸術とその象徴にして守護者である女神を擬人化し、イメージを膨らませたもの。芸術とは言ってもartだから、手作業、技芸といった意味が強く、序曲に続いて音楽化されている7人の女神は、農耕/航海/金細工/絵画/狩猟/医療(外科)/戦争の7人。このような職業と女神の対応関係はギリシャ=ローマ神話に起源を持つもの。みな女神だが、バロック時代の当時の職業としては男の仕事とされているものが多いのが興味深いところ(男の職業だからこそ、それをつかさどる神は女性だったのかも)。リュリがミシェル・ランベールと共作した音楽はオーケストラのスケールを生かしたダイナミックなもので、特に戦争の女神などはさぞかし壮麗な群舞であったろうと往時がしのばれる。レーヌは、独自に鳥の声や海辺の雰囲気などの効果音をオーケストラに演奏させ、音だけのCDでもより豊かなイメージを喚起させてくれる。録音:2008年2月

ARION

ARN 68785
\2400
CODEX CAIONI(カイオーニ写本)
 作曲者不詳:
  Lepus Intra Sata Quiescit N°233-78-336
 ミヒャエル・プレトリウス (1571-1621):
  Kovacs Nota Schmidt Curranta, N°146
 ジャコモ・カリッシミ (1605-1674):Audite Sancti, N°308
 作曲者不詳:
  Otodik Tancs Hatodon, Apor Lazar Tancza,
  Paikos Tancs, N°255-266-251
 作曲者不詳: Judea et Jerusalem, N°183
 ヨハンネス・カイオーニ: O Anima mea Suspira, N°311
 作曲者不詳: Misericordias, Duo Vioneli, N°352
 作曲者不詳: Salve Regina, N°64
 作曲者不詳: Czardas, Tradition de Mezosegi
 作曲者不詳: Iratus Sum, N°317
 ガスパロ・カサティ:Dialogus, N°290
 作曲者不詳: Czardas, Tradition de Satu Mare - Szattiari
 ヨハンネス・カイオーニ: O Quales Flores, N°313
 作曲者不詳: Sarabanda Gesneri, N°343
 作曲者不詳: Sarabanda 2 Violinis, N°346
 作曲者不詳: Lupul Vaidane Eneke, N°264
 作曲者不詳:
  Ricercare del secondo tuono,
  Luzzasco Luzzaschi in "Il Transilvano"
 作曲者不詳: Pargamasca, Codex Vietoris / M. Ucellini
シリル・ゲルステンハーバー(S)、
アドリアーナ・エプスタイン(Ms)、
セバスティエン・オブレヒト(T)、
イアン・ディミエール(Br)
ⅩⅤⅢ-21 ル・バロック・ノマドゥ
指揮:ジャン・クリストフ・フリッシュ
ひとりの修道士の生涯すら垣間見させる歴史的写本が、フリッシュ&ⅩⅤⅢ-21により甦る!2006年、中世にアジアを旅した作曲家ヴァッレの作品を集めた‘Pellegrino’(ARN68716)でArionデビューした、フリッシュ&ⅩⅤⅢ-21による第2弾。今回も、学究的な意味でも非常に価値あるこだわりのリリース。カイオーニ写本とは、ルーマニア(トランシルヴァニア)のバロック期の音楽家、ヨハンネス・カイオーニ[Johannes Caioni; Ioan Caianu; Kajoni Janos]が所有していた中世音楽の古い手稿のことです。そもそもカイオーニは、音楽家というよりも、神学者として宗教音楽を研究したり、オルガンの製造に携わったり、楽譜の出版や印刷までも手がけた人です。1687年、死を迎えた時には、ラザレアのフランシスコ派修道院の院長でした。日本での知名度はいまひとつですが、キリスト教国では音楽家ということと別に、大変良く知られた人物。それでも、カイオーニの存在によって、初めてヨーロッパがトランシルヴァニアの音楽に注目することとなり、その後各地の作曲家に多大な影響を与えたことも事実。この人の出現は、西欧音楽のひとつの大きな分岐点とだったといっても過言ではない。因みに、ジャケットのうさぎの絵は、修道士でもあったカイオーニのフィールド・ワークに基づいた功績を讃え「野うさぎのような芸術家」と評されていたことに起因していると思われる。今回、このアルバムは、フリッシュが写本の中から特に「ルーマニアの結婚式」をイメージさせる作品を選び編纂されている。このリリースに併せフリッシュ&ⅩⅤⅢ-21は「カイオーニ写本」でヨーロッパ・ツアーを行う。この写本の故郷、ルーマニアをはじめ、ヨーロッパ各地で行われるコンサートは、さながらカイオーニの功績を辿る旅のようだ。【前作】Pellegrino〜巡礼者 ARN 68716


French Esprit Collection

次々に興味深いアルバムの復刻がリリースになる注目シリーズ。今回もとびきりの2タイトルのご紹介。
ARN 63758
\2400
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ:
 (通奏低音無しの)2本のフルートのための作品集
  5つの組曲 ト長調 Pb 382 作品27
  ソナタ 第5番 ロ短調 Pb 263 作品8
  第二ソナタ ニ長調 Pb 367 作品25
  第五ソナタ ホ短調 Pb 398 作品29
  組曲 第2番 ト長調 Pb 314 作品17
  ソナタ 第2番 ホ短調 Pb 260 作品8
  第三ソナタ ト長調 Pb 489 作品47
ステファン・ペロー&ベンジャミン・ガスポン(Fl)
ボワモルティエはラモーと並び立つフランス・バロック全盛期の作曲家。驚くべき多作家で、その点を揶揄する評論家もあったとのことだが、「お陰で儲けさせて頂いております。」と切り替えしたとのエピソードまで残っている。その言葉は嘘ではなく、当時としては珍しくパトロン無しに作曲活動を行い、作品の出版だけで生計が成り立っていた完全フリーランスの作曲家でもあった。この録音は、オリジナルはピエール・ヴェラニー(PV700023)のもので、録音当時は全編世界初録音(なんせ超多作家だったので、未だに世界唯一の録音である作品も相当数あると思われます。)、発売年には多数の賞を総なめにした名盤。
ARN 63755
\2400
ドビュッシー:ピアノ作品集 Vol.4
 バレエ音楽「カンマ」
 練習曲(初稿版) 「アルペジオのための」
 カンタータ「放蕩息子」からプレリュード
 ボヘミア舞曲
 スケッチブックから
 ハイドンへのオマージュ
 練習曲「六度のための」「八本の指のための」
 前奏曲集 第1巻
伊藤隆之(Pf)
数あるドビュッシー:ピアノ曲集の中でも非常にレアな選曲!伊藤隆之こだわりのドビュッシー曲集第4巻。復刻が待望視されていた伊藤隆之のドビュッシー:ピアノ作品集第4巻。少々ややこしいですが、第1巻と第2巻はいまだピエール・ヴェラニーの現役盤(PV797113とPV730112)で、第3巻はすでにArion名義、同じ「フレンチ・エスプリ・コレクション」(ARN63613)として発売されている。この第4巻は、ピアノ譜のみが残されたバレエ音楽「カンマ」(オケ版はケクランによる)やローマ対象受賞作「放蕩息子」のピアノ・ヴァージョンといった、通常のドビュッシー・ピアノ曲集には入らない舞台作品が収められたアルバムで、新録発売当初は世界初録音として注目を浴びたもの。そんなことからかArionはこのアルバムに「作曲家とピアニストの共犯」などという(まことにフランス的な)キャッチコピーをつけたりしていた。また、‘アルペジオのための練習曲’はジルメーヌ・ムニエ女史によって改訂された初稿版が収められている。

ECM

476 6394
\2400
カンチェーリ:リトル・インバー
 アマオ・オミ
  (混声合唱とサクソフォン四重奏のための。2005年作曲)
 リトル・インバー
  (小さなアンサンブル、歌手と児童&男声合唱のための。2003年作曲)
クラース・シュトク指揮、
オランダ室内合唱団、
ラシェル・サクソフォン四重奏団(アマオ・オミ)
ニカ・メマニシュヴィリ指揮&キーボード、
マムカ・ガガニージェ(ヴォーカル)、
ザザ・ミミノシュヴィリ(ギター)、
マトリクス・アンサンブル、
ルスタヴィ合唱団、
児童合唱団(リトル・インバー)
甘美なメロディーが厳しく世界に現実を突きつける。世界を救う「美」を具現化したアルバム。1935年にグルジアに生まれたギヤ・カンチェーリは、アルヴォ・ペルトと共にECMの二枚看板といえる作曲家であり、ECMでの録音が広く国際的な認知を得るきっかけとなった。二人とも静謐さを大事に、「聴きやすく」しかし非常に真摯なテーマに基づき作曲している。このアルバムは、カンチェーリECMの10作目にあたるが、これまでのどの作品にもまして「聴きやすさ」「美しさ」が際立っている。深刻なテーマではあるが(それゆえに本当の)ニューエイジ・ミュージックとして受け入れられそうな予感。2003年に作曲された「リトル・インバー」は、イギリスの古都ソールズベリー郊外の小さな村の名前から採られている。(特定の地域・地名にちなんだ作品をカンチェーリが書くのは初めて。)録音:2006年5月(アマオ・オミ)、2003年8月(リトル・インバー)
476 6397
\2400
音楽の饗宴〜Music Banquet
 ロバート・ダウランド編纂によるルネサンス歌曲名曲集(1610年出版)
  作者不詳:アモールは弓を持たずに/
  ダウランド:私をそんなに嫌うなら/
  カッチーニ:それでは死ななければならないのか?/
  カッチー:わが麗しのアマリッリ/
  ゲドロン:もし言葉と沈黙が/
  ヘイルズ:おお、目よ泣くのをやめなさい/
  作者不詳:君の目には愛の何かがある/
  テシエ(ダウランド編曲):木陰の多い森の中で/
  ダウランド:リッチ夫人のガリヤード*/
  作者不詳:行きなさい、私の羊の群よ/
  作者不詳:おお、ダイアナの星たちよりも美しく/
  ホルボーン:沈む私の心は/
  バチェラー:ガリヤード*/
  バチェラー:私の信念を申し述べても/
  ゲドロン:いつまでも私の命を苦しめるこの思い/
  作者不詳:おお愛しい生命よ、いつのことだろう?/
  ダウランド:ロバート・シドニー卿のガリヤード*/
  マーティン:考えを変えなさい/
  ダウランド:トーマス・モンソン卿のパヴァンとガリヤード*/
  ゲドロン:幸せによって奴隷のみに落とされた者は/
  ダウランド:暗闇に私は住みたい/
  作者不詳:昨夜私は夢に見た/
  ダウランド:華やかな宮廷を遠く離れて
  *はリュート・ソロ
モニカ・マウフ(ソプラノ)
ナイジェル・ノース(ルネサンス・リュート)
まさに「沈黙の次に美しい音」。ある意味、ECMのサウンド・ポリシーとルネサンス・リュートのコラボレーション。ECMのサウンド・ポリシーと、史上最もデリケートな楽器といえるリュート。相性抜群と感じた人も多いようで、エスペリオンXXIのロルフ・リスレヴァンド(NUOVE MUSICHE/476 3049)やトラジコメディアのスティーヴン・スタッブズ(テアトロ・リリコ/476 3101)なども好評ロングセラー中。そして今回はナイジェル・ノースが登場。前二者が自作を含む、少しクロス・オーヴァー・タッチの内容だったのに対し、今回はルネサンスの王道リュート歌曲。アルバム全部が400年以上前に書かれた音楽。「音楽の饗宴」は、ジョン・ダウランドの息子、ロバート・ダウランドが編纂して1610年に出版したもの。父のジョンをはじめ、地元イギリスはもとより、16世紀ヨーロッパで大ヒットしたイタリア(カッチーニ)やフランス(ゲドロン)の音楽も収めており、ヨーロッパのルネサンス音楽名曲集ともいえる内容。ソプラノとリュート、この究極的にシンプルな編成からは、近代オペラの大音響は生まれませんが、パーソナルでインティメイトな雰囲気、そしてメランコリックで気品を湛えた音楽の美しさはまさに心の洗濯に持って来い。共演は「モリムール」(461 8952)でヒリヤードEns.の一員としてECMデビューしたモニカ・マウフ。イタリア人の明るさとも、フランス人の柔らかさとも違う、ドイツらしい陰影とマジメさを感じさせる歌唱は、このレパートリーにはぴったり。最近では古楽でもノン・ヴィブラートにこだわらない歌手が増えつつあるようだが、マウフはかなり徹底したノン・ヴィブラート派で、声質こそ異なるがエマ・カークビーが出て来た時のようなフレッシュさを感じる。ECMの録音を長年手がけるシュトゥットガルトのサウンド・プロダクション、トリトヌスは、ソニークラシカルの古楽シリーズ・ヴィヴァルテの録音も一手に手がけていた。ECMサウンドと古楽の相性の良さにも、長い歴史がある。録音:2005年5月

MD+G 1CD¥2300

644 15052
\2300→¥2090
ヴィエルヌ:室内楽曲集
 ピアノ五重奏曲 ハ短調 作品42(1918年作曲)
 弦楽四重奏曲 二短調 作品12(1894年作曲)
シュピーゲル弦楽四重奏団、
レヴェンテ・ケンデ(Pf)
不遇のオルガニスト&作曲家ヴィエルヌが戦争の悲劇を告発した渾身の力作。ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937)は、フランクとヴィドールに師事し、6曲に及ぶオルガン交響曲で知られていますが、管弦楽曲から室内楽、ピアノ曲、歌曲に至る幅広いジャンルで作品を残している。ヴィエルヌは生まれつき盲目(後に手術により弱視に回復)で病気がち、成長してから後も、家庭の不和、兄弟との相次ぐ死別、楽壇では冷遇されノートルダム大聖堂でのオルガン演奏中に急死する・・・という不遇な人生だった。しかしその作品は、声高に不運を恨み不条理を告発するようなものではなく、濃い陰影のうちに深い内省へと誘う傾向が目立つ。24歳の誕生日の後に作曲された弦楽四重奏曲は、ヴィエルヌ自身、作曲技法の確認として習作のように書いたと言っている。古典的なソナタ形式の第一楽章の後、弱音器付きの短い間奏曲、終わりの方に出てくるナポリ六度が印象的な穏やかな緩徐楽章、無窮動風の終楽章といった構成。ニ短調だが、作曲者自身の声が感じられるような瞬間はなく、古典的で明朗な作風に聞こえる。そのためか、初演は大好評を博したよう。その24年後に作曲されたピアノ五重奏曲では事情は全く異なります。ヴィエルヌには二人の息子がいたが、1人には1913年に先立たれ、もう1人の息子も第一次世界大戦に従軍して17歳の若さで戦死しました。翌年2月にヴィエルヌは友人に宛てた手紙でこう書いています。「私の子供の運命と彼を思う私の気持ちに満たされたピアノ五重奏曲を作曲しています。私の悲しみは余りにも深く、私は激しく怒りに満ちたエネルギーを注いでこの作品を完成させます。それは訴える力と畏敬の念に満ちたものとなり、父親たちの心の中に入り込み、地中深くどこまでも伸びてゆく根のように、亡き子に対する愛情に触れることでしょう。」実際には、ヴィエルヌらしく、あからさまな怒りというよりは悲嘆に満ちた追想を思わせる作品だが、このCDに聴く最後の2分余りこそが、おそらくはヴィエルヌの書いた最も個人的で激しい音楽ではないだろうか。聴く者の襟を正させ、言葉を慎ませるような音楽。ベルギーで活躍するピアニストと弦楽四重奏団による重厚な演奏、MDGらしい重厚なサウンドです。録音:2007年12月 マリエンミュンスター修道院
603 15062
\2300
カルク=エーレルト:
 無伴奏サクソフォンのための25のカプリースとソナタ
  無伴奏サクソフォンのための25のカプリース
  無伴奏アルト・サクソフォンのための無調のソナタ
クリスティアン・ペータース(Sax)
サクソフォン一本で紡ぎだす、ロマンティックなモダニズム。ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933)は、生涯も作品も多くが謎に包まれています。父親は書籍商兼ジャーナリストで、ジークフリートはその12番目の子として生まれましたが、家は貧しく、兄弟のうち4人は1歳にならずして世を去りました。ジークフリートが生まれ時に父親は54歳で、その12年後に亡くなった。ジークフリートは作曲家兼オルガニストとして少しずつ知名度を上げ、特に彼のオルガン曲はアメリカ、イギリス、フランスで人気を博しました。第一次大戦中の1915年夏に志願して従軍。冬には軍楽隊に配属替えになり、ここでドレスデン・シュターツカペレの楽団員数人に出会い、刺激を受けたジークフリートは室内楽作品を相次いで作曲しました。ここに収められた作品は、そうした「室内楽の時代」の最後にあたる1929年の作品。しかし、一体誰のために書いたのか、生前に演奏されたのかどうかもわかっていません。当CDの演奏者クリスティアン・ペータース(1964年生まれ)は自筆のライナーで作曲家自身が演奏するために書いたのではないかと言っている。「カプリース」は、曲に応じてソプラノ、アルト、テナー、バリトンという4種類のサックスを使い分け、サックスのあらゆる音域と技法に習熟するために書かれている。「テクニックと表現法の新境地を開くための高度な練習を主な目的として」という作曲家自身の巻頭言があるため、練習用の作品と誤解されて来ましたが、ペータースは多彩で豊かな音楽表現の可能性を見出して録音に取り組んだ。25曲それぞれには、バロック風のプレリュードやクーラントにシャコンヌ、より古い時代のフリギア旋法やミクソリディア旋法、当時の新しい音楽であるラグやクバーナ(キューバ風)、タンゲット(小さなタンゴ)、またコンメディア・デラルテを思わせるアルレッキーノ、タランテラとシチリアーノといったタイトルが付いている。カプリースと対になったソナタは「無調で」と書かれているが、「調を壊した」という攻撃的・前衛的な趣はなく、「調性をはみ出してしまった」という感じ。新しい流れであったモダニズムと自分自身のロマンティックなメンタリティとの相克に苦慮した作曲家ならではの真摯で聴きごたえある作品です。録音:2007年11月&2008年1月 マリエンミュンスター修道院
946 15146
(SACD Hybrid)
\3300
トゥルヌミール:オルガン作品集(即興演奏集)
 5つの即興
  (テ・デウム、即興風の小さなラプソディ、めでだし海の星、
  即興的なカンティレーヌ、過ぎ越しの生贄を讃えて)
 自由な様式による10の小品
 交響的な小品 作品16*
 アダージョ 作品19の1* *=世界初録音
アンドレアス・ジーリング(ベルリン大聖堂の座ザウアー・オルガン)
トビアス・ブロマン指揮、
ベルリン大聖堂聖歌隊スコラ(グレゴリオ聖歌)
ドイツ最大のオルガンで神秘主義作曲家トゥルヌミールの真髄を見事に音響化!シャルル・トゥルヌミール(1870-1939)はヴィドールとフランクに師事し、1898年から1939年に亡くなるまで、パリのサント・クロティルド教会のオルガニストを務めた。オルガン曲はもとより、室内楽、歌曲、更には大管弦楽のための交響曲が8曲も残されている。フランクに影響を受けたトゥルヌミールの初期作品はいかにもロマンティックなものですが、後には神秘主義への傾斜を強めます。トゥルヌミールにとって音楽とは神の栄光をたたえ、教会の活動に奉仕すべきものとなり、それ以外の音楽は堕落に他ならず、彼の考えに与しない世の中の作曲家たちは敵であると公言し、攻撃したようです。1939年秋の諸聖人の日に行き先を告げずに外出したトゥルヌミールは、その三日後に海辺で遺体となって発見された。トゥルヌミール自身は優れた即興演奏家であり、彼の後期作品には、グレゴリオ聖歌をモチーフにしつつ、従来の和声や展開の規則を超越した即興的な高揚によって神への讃美を高らかに奏で、聴く者を(おそらくそれ以上に弾く者を)恍惚と法悦の境地に導こうとするものが多く見られます。このためトゥルヌミールを19世紀ロマン主義から20世紀音楽への、フランクからメシアンへの過渡期的な存在と見なされてきましたが、今日ではその独自性が認められつつあります。
312 3442
〔再発売〕
\2300→¥2090
ロイプケ:
 ピアノ・ソナタ 変ロ短調
 オルガン・ソナタ ハ短調 「詩篇第94番」
クラウディウス・タンスキ(Pf)
マーティン・ザンダー(アルテンベルグ大聖堂のクライス・オルガン)
夭折したリストの愛弟子、その真価を明かした名盤復活。ユリウス・ロイプケ(1834-1858)の没後150周年を記念した再発売。オリジナルは1988年にNDRが制作したロイプケのドキュメンタリー番組のために録音されたもの。当時はほとんど知る人の無かったロイプケの代表作2曲を収め、「真価を明かした」「リファレンスとなる演奏」と世界中で賞賛されました。もちろん、その価値は今も変わらない。ロイプケはオルガン製作家の父を持ち、早くから才能を発揮。名指揮者ハンス・フォン・ビューローの推薦でリストに弟子入りしましたが、24歳の若さで急逝しました。リストがロイプケに父に宛てて哀惜の念に満ちた手紙を送ったことが知られている。ここに収められた2曲は、死の前年である1857年に作曲されたもの。ロイプケ23歳の年の作。いずれもリストの影響が顕著で、特にピアノ・ソナタはリストのピアノ・ソナタ ロ短調を即座に連想させる。オルガン・ソナタは詩篇第94番に基づいたものだが、ヴィルトゥオーゾ風のパッセージの激しさは類を見ない。後者は、オルガン・コンクールの課題曲の定番だが、この録音によって、プロのコンサート・オルガニストが堂々と取り組むべきものであることが明らかになった。ゴールドカラー・ディスク仕様。録音:1988年4月、ブラウンシュヴァイク・シュタートハレ、アルテンベルク大聖堂
645 14062 プレイヤー・ピアノ Vol.6 ナンカロウの遺志を継ぐ者たち
 ジェイムズ・テニー(1934-2006):
  プレイヤー・ピアノのためのカノン、
  コンロン・ナンカロウのためのスペクトラル・カノン
 トム・ジョンソン(1939年生ま):プレイヤー・ピアノのための習作
 ダニエレ・ロンバルディ(1946年生まれ):プレイヤー・ピアノのためのトッカータ
 シュテッフェン・シュライアーマッハー(1960年生まれ):
  プレイヤー・ピアノとプリペアド・プレイヤー・ピアノのための4つの小品、
  プレイヤー・ピアノのための5つの小品
 クシシュトフ・メイヤー(1943年生まれ):
  2台のプレイヤー・ピアノとシンセサイザーのための放射する音
 マルク=アンドレ・アムラン(1961年生まれ):
  プレイヤー・ピアノのための5声のソルフェッジェット(C.P.E.バッハによる)、
  ポップ・ミュージック?、2台のプレイヤー・ピアノのためのサーカス・ギャロップ
アンピコ・ベーゼンドルファー・グランド・ピアノ、
アンピコ・フィッシャー・グランド・ピアノ
人間には弾けません・・・ 凄すぎて目が回る、気持ちよくてクセになる・・・今を去ること百年前(1908年)、ブゾーニは「プレイヤー・ピアノ(自動ピアノ)の未来の一つは、10本の指だけでは弾くことの出来ない音楽を演奏することである」と喝破していた。その「予言」を現実にしたのがコンロン・ナンカロウ。今やアンピコ・プレイヤー・ピアノはドナウエッシンゲン音楽祭などの常連、現代音楽の重要なパーツとなりつつある。MDGのプレイヤー・ピアノ・シリーズ第6弾は、ナンカロウの切り開いた道を受け継ぎ、生身の人間にはとうてい弾けない作品をプレイヤー・ピアノのために書き下ろした作曲家に集まって頂いた。20世紀から21世紀の作品だが、演奏の至難さを追求し、音符を詰め込むことに傾倒した結果、音楽語法的には意外にも聞き易い作品が揃っている。中で注目はアムランの作品。豊富な演奏経験が作品にもユーモアとして生かされている。最後に収められた「サーカス・ギャロップ」は、余りにも難しすぎてプレイヤー・ピアノ1台では弾きこなすことが出来ず、2台用に書き直した(!)といういわくつきの作品。聴いているうちに頭がクラクラしてトランス状態になること請け合い!録音:2005年6月 ヴッパータール、イマヌエル教会
341 13082
¥2090
モーツァルト:鍵盤作品全集Vol.8
 主題 ハ長調 KV Anh.38 (KV383c)、6つのドイツ舞曲 KV509
 グルックの歌劇「メッカの巡礼」のアリエッタ
  「愚かな民の思うには」による10の変奏曲 ト長調 KV455
 コントルダンス「雷雨」KV534a
  (以上、フォルテピアノ:B.&Th.ウォルフ1992年製作/
   ヨハン・シャンツ1795年頃製作のモデルによる)
 メヌエット ヘ長調 KV4(ナンネルルの音楽帳より)
 クラヴィア小品 ヘ長調 KV15m、同 ハ長調 KV15n
 メヌエット ヘ長調 KV5(ナンネルルの音楽帳より)、
 12のメヌエット KV176
 クラヴィア小品 ヘ長調 KV15a、同 ハ長調 KV15b、
 同 ト長調 KV15c、同 ニ長調 KV15d
 (以上、クラヴィコード:A.ウィンクラー2003年に製作/
  .D.シードマイヤー1796年製作のモデルによる)
 クラヴィア小品 ヘ長調 KV15v
 同 変ホ長調 KV32/14(「ガリマティアス・ムジクム」より)
 ソナタ イ長調 KV331(300i) 「トルコ行進曲付き」
 (以上、チェンバロ:バーカッド・シューディ1771年製作のオリジナル)
ジークベルト・ランペ
(フォルテピアノ、クラヴィコード、チェンバロ)
全集第8弾。トルコ行進曲が登場。どうするランペ?!シュタイアーも真っ青?原型をとどめぬ「トルコ行進曲」で、ランペ、飛んじゃいました。各方面でひそかに注目されているジークベルト・ランペのモーツァルト:鍵盤作品全集の第8巻、今回の目玉は最後に収められた「トルコ行進曲」。このソナタをランペはチェンバロで弾いている。理由は「1784年に『クラヴサンまたはピアノフォルテのための3つのソナタ』の第2番として出版された時点では、チェンバロの方が一般的だったから」(ランペ自筆のライナーより)。第1楽章と第2楽章へのアプローチはいかにも「クラヴサン風」、つまりイネガルや装飾を用いたフランス・バロック的な自由さを感じる。しかし白眉は第3楽章「トルコ行進曲」。シュタイアーのものもインパクトがあったが、ランペは「殿、ご乱心?!」と叫びたくなるほどの壊れっぷりで、前人未到の境地に深く深く踏み込んでしまった・・・。ともあれトラック18を聴いて下さい!別の曲のように聞こえる・・・ではなく、まさしく「別の曲」です、これは。原型を留めないほどだというのに、優美で繊細に聞こえるのはチェンバロの響きゆえでしょうか?。ちなみに「トルコ行進曲付き」ソナタでランペが使っているチェンバロは、スイスに生まれてロンドンで活躍した鍵盤楽器製作家バーカット・シューディが1771年に製作したオリジナル。幼き日のモーツァルトが共にロンドンに旅した際に、その才能に注目したシューディは、自分の楽器を次々にモーツァルトに弾かせたそうだ。録音に使われたのはC’からf”までの音域をカバーする大型の楽器で、演奏中でもペダル操作でレジスターを変更できる新しいメカニズムを備えている(通常のチェンバロは手で操作するので、鍵盤を弾きながらレジスターを変えることは出来ません)。そのロンドンへの旅路で書かれた小品集は、旅行に携行した楽器クラヴィコードで演奏され、ウィーンやプラハで作曲された曲はウィーンのヨハン・シャンツが製作したフォルテピアノ(レプリカ)で演奏している。楽器一つにもこうしたこだわりを持ち込むあたり、ランペ&MDGならでは。ゴールド・カラー・ディスク仕様。録音:2006年6月 ネーフェルス(スイス)、グラールス州立美術館フロイラー・パラスト、2007年3月 アリゾナ州立大学音楽学校カッツィン・コンサート・ホール 
301 14802 オンスロウ:九重奏曲、大七重奏曲
 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、
  ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための九重奏曲 イ短調 作品77
 フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、
  ファゴット、コントラバスとピアノのための大七重奏曲 変ロ長調 作品79
コンソルティム・クラシクム(モダン楽器使用)
「小さなオーケストラ」のロマンティックな響きを堪能!亡命英国貴族の父とフランス・オーヴェルニュ地方出身の母との間に生まれたジョルジュ・オンスロウ(1784-1853)は、早くから音楽の才能を発揮し、ドゥシェックにピアノを師事。後にパリでライヒャに和声法と対位法を学びつつ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの作品を筆写して研究した。生前は「フランスのベートーヴェン」とさえ呼ばれたオンスロウは、多種多様な作品を残しています。初期では主にピアノ曲、中期では弦楽四重奏曲と五重奏曲(特にチェロを2本使ったもの)が知られているが、後期のオンスロウは、当時目覚しい進歩を遂げていた管楽器に大いに興味をもって作曲した。ここに収められた2曲は、オンスロウ晩年の1848年と49年の作品。曲調はロマンティックで悲劇的、英雄的。ベートーヴェンのようでもあり、シューベルトのようでもあり、ピアノ・パートはショパンのようでもある。すべての楽器を対等に扱い、常に旋律を歌い継がせてゆく書法は室内楽のお手本だが、サウンドとしては室内「オーケストラ」というべき重厚な緻密さをもっている。大七重奏曲もピアノ協奏曲のよう。MDGの録音は、個々の楽器をピックアップせず、全体の響きの中でナチュラルにブレンドさせるもので、作品の持っていたサウンドを伝えてくれる。大七重奏曲のコントラバス・パートには、1978年のミュンヘン国際コンクール最高位で、ヴュルツブルク音楽大学教授の文屋充徳が参加しています。ゴールド・カラー・ディスク仕様。録音:2006年3月&12月 バート・アロルゼン
319 15032 ラトヴィアのオルガン巡礼
○ウガレ教区教会のオルガン、コルネリウス・ラーネウス1700〜01年製作
 作者不詳(17世紀の写本より):プレアンブルム ト短調、天にまします我らの父よ
 ブクステフーデ(1637-1707):天にまします我らの父よ、カンツォネッタ ト長調
 ヨハン・ヴァレンティン・メーダー(1649-1719):シャコンヌ ハ長調
○エドレ教区教会のオルガン、クリストフ・ヴィルヘルム・ブラヴェライト1786年製作
 作者不詳(1740年出版):アリア ト長調
 ヨハン・ゴットフリート・ミューテル(1728-1788):コラール「イエス、わが喜び」
 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788):メヌエット ヘ短調
○ヴェンツピルス・ニコライ教会のオルガン、ヨハン・テオドール・ティーデマン1835年製作
 ミューテル:幻想曲ト長調
 作者不詳(1740年出版):アレグレット ハ長調
○リエパヤ三位一体教会のオルガン、ヨハン・ハインリヒ・ヨアヒム1758年製作/
  ハインリヒ・アンドレアス・コンティウス1779年拡張。
 ゲオルク・ミハエル・テレマン(1748-1831):
  コラール前奏曲「我らの神は堅き砦」
 ルドルフ・ポステル(1820-1889):コラール「我らの神は堅き砦」
 ミューテル:コラール前奏曲「おお悲しみ、おお心の痛み」
 フリードリヒ・ヴェント(19世紀前半):
  コラール「最愛のイエス、私たちはここにいます」
 ニコラユス・アルナンス(1859-1919):
  ロベルト・ラデックの歌「青春時代より」によるパラフレーズ
 アルフレドス・カルニンス(1879-1951):前奏曲
○ヴィルケネ聖カタリーナ教区教会のオルガン、1868年アウグスト・マルティン製作
 ペーテル・ラヤ(1897-1970):ラトヴィア民謡「そよ風よ吹け」による前奏曲
 ヴィルヘルム・ベルグナー(1837-1907):
  コラール前奏曲「キリスト、あなたは私の生命です」
○ヴァルミネラ市立教会のオルガン、フリードリヒ・ラーデガスト1886年製作
 ベルグナー:コラール前奏曲「主イエス、私を連れて行って下さい」
 アダムズ・オレ:協奏曲楽章 ニ長調
○ツェレニエキ教区教会のオルガン、ヨハン・テオドール・ティーデマン1837年製作/
   カール・ヘルマン1865年拡張
 ヤゼプス・ヴィトルス(1863-1948):パストラーレ
 ヤゼプス・メディンス(1877-1947):前奏曲ト短調
○リエバヤ聖ヨセフ聖堂のオルガン、エミール・マルティン1904年製作
 アルヴィドス・ツィリンスキス(1905-1993):前奏曲ホ長調
○リガ大聖堂のオルガン、1883年E.F.ヴァックラー社製作
 アティス・ステピンス(1958年生まれ):トリオ ニ短調
 アリヴァルス・カレユス(1951年生まれ):ジャン・アラン追悼の後奏曲
 リスト(1811-1886):いざ、もろびと神に感謝せよ
マルティン・ロスト(オルガン)
MDGのお家芸!オルガン通なら唸りまくる一品。メクレンブルク、エストニアに続くマルティン・ロストのオルガン巡りの旅は、バルト3国の一つで、ギドン・クレーメルやミッシャ・マイスキーの母国ラトヴィア。「北ドイツオ・ルガン楽派」の広がりは、ブクステフーデが活躍したリューベックなどのドイツ北部に留まらず、ハンザ同盟の交流に乗ってスカンジナヴィア半島南部やバルト海沿岸にも及びました。それらの国々では、バロック時代以後もオルガンの建造とオルガン音楽の伝統が脈々と続き、また世界的に権威を認められた国際コンクールも行われている。その中でもラトヴィアの首都リガ大聖堂のオルガンは、124のストップを持ち、電気に頼らない純粋な機械式アクションによるオルガンとしては世界最大。このCDでもトリを飾っている。9台のオルガンは、ほぼ製作年代順に収録され、合計26トラック79分半に及ぶ音楽はそれぞれのオルガンと同じ年代に書かれたもの。聴くに従い、17世紀から20世紀へと時間を下る旅になっている。近現代の作品にアヴァンギャルドなものがなく、内省的な深みを感じさせる点がラトヴィアらしさ。明記されていませんが、多くの曲が世界初録音ではないでしょうか。単なるオルガン巡りに終わらせないこだわりがMDGらしさ。ブックレットには、個々のオルガンのカラー写真に加えてストップ(音栓)やレジストレーションの一覧、製作/改修のデータが示され、眺めても美しく、データとしても貴重。ゴールドカラー・ディスク仕様。録音:2007年8月
604 14942 ブラームス:初期ピアノ作品集Vol.1
 ブラームス:
  ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調作品2
  シューマンの主題による変奏曲嬰へ短調作品9
  4つのバラード作品10
ハーディ・リットナー(1851年製シュトライヒャー・ピアノ)
904 14946
(SACD Hybrid)
\3300
ブラームスが愛したシュトライヒャー・ピアノで聴く、青春の響き!ドイツ魂を絵に描いたようなレーベルMDGがまたしても始めちゃいました。ブラームスの初期ピアノ作品集。第一弾は1852年から54年にかけて作曲された作品集。ブラームス19歳から21歳の頃のもの。ピアノ・ソナタ第2番から始まるのは、作曲されたのがソナタ第1番よりも前の1852年だから。両端楽章が嬰へ短調、中間の2楽章がロ短調で書かれたソナタは、いかにも若き日のブラームスらしい、胸に渦巻く青春のエネルギーと、それを持て余すかのような鬱屈が感じられる。4つのバラードも然り。シューマンの主題による変奏曲は録音自体が少ないので貴重な音源。演奏のリットナーは1981年生まれの若手。ザルツブルクのモーツァルテウムでジークベルト・ランペに学んだそうで、その縁でのMDGに登場したのかもしれない。ピリス、ポゴレリチ、ツィメルマンといったキャラクターの強い超一級ピアニスト達が目をかけて共演しているそうだから、今後に要注目。さらに、このCDで注目頂きたいのは、録音に使われた楽器、ブラームスが愛したというシュトライヒャーのピアノ。古典派のピアノ製作家として名声を博したアンドレアス・シュタインが亡くなると、その工房は娘ナンネッテと息子マタイスに引き継がれたが、ナンネッテは1794年にウィーンのシュトライヒャーと結婚して彼の工房へ移る。彼らはベートーヴェンにピアノを提供したことでも知られている。(ブラームスが生まれた)1833年にナンネッテ夫妻が亡くなると、才能に恵まれたヨハン・バプティスト・シュトライヒャーが工房を引き継いた。彼のピアノはリストやクララ・シューマンも好んで弾き、ブラームスも手紙に「ピアノといえばシュトライヒャーかベーゼンドルファー」と残したほど。ここで使われているのは、ソナタ第2番とほぼ同年の1851年に製作されたシュトライヒャーのピアノ(オリジナル)。ウィーンの歴史的ピアノ収集家・修復家ゲルト・ヘッヒャーの個人コレクションで、ヘッヒャー自身によって1993年に修復(レストア)された。保存状態は極上とのこと。長さ237cm、7オクターヴの鍵盤とジャック・アクションを持ち、中低音は十分な重心と量感をもって鳴る一方、高音部のほの暗さが現代ピアノとは大きな違いとなっている。その音色は、たとえばブラームス自身の交響曲第1番あるいはピアノ協奏曲第1番冒頭の、ぎっしりと目が詰んで腰の据わった重さに通じるものがある。録音:2007年10月 マリエンミュンスター修道院
601 14992 ヘルテル父子のトランペット協奏曲集
 ヨハン・クリスティアン・ヘルテル:
  3つのトランペット、ティンパニ、2つのヴァイオリン、
   ヴィオラ、通奏低音のためのシンフォニア(第3番)ニ長調/
  同(第1番)ニ長調(以上、世界初録音)
 ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:
  トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲第3番ニ長調/
  同第2番変ホ長調/同第1番変ホ長調/
  トランペット、オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ホ長調
ヴォルフガング・バウアー(トランペットと指揮)
クリストフ・ヴェツェル(オーボエ)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団(モダン楽器使用)
901 14996
(SACD Hybrid)
\3300
聴いて良し、吹いて良し。マルチェッロばりに泣ける第2楽章も捨てがたし。熱心なバロック・トランペット・ファンならばヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテルの協奏曲の一つくらいは知っているかもしれないが、ヘルテル父子の作品で丸々一枚のCDというのは初めてではないだろうか?父のヨハン・クリスティアン・ヘルテル(1697-1754)はヴィオラ・ダ・ガンバの名手として有名だった。彼の任地ノイシュトレリッツは、ベルリンの北方にあるメクレンブルク=シュトレリッツ選帝侯の居住地で、その宮廷楽団は総勢15名ながらトランペット奏者が4名おり、ヨハン・クリスティアンはトランペットが活躍する華麗な管弦楽作品を数多く作曲したようだ。それらはすべて散逸したと考えられていたが、近年シュヴェーリン州の図書館で40曲ほどの手稿譜が見つかり、そのうちの2曲がめでたくここに録音された。選帝侯の誕生日の祝典用と考えられており、イタリア・バロック流の急−緩−急のスタイルをとる。緩徐楽章ではトランペットが休むのもお約束。ヨハン・クリスティアンの手稿譜が現代に伝わったのは、息子ヨハン・ヴィルヘルム(1727-1789)が持ち出したためと考えられている。そのヨハン・ヴィルムヘルムは、ヴァイオリンとチェンバロの名手として活躍したが、出版ビジネスにいち早く着目し、腕自慢のアマチュア音楽家が演奏して自慢できるような作品を多数出版して名声を高めた。ここに収められたトランペット協奏曲もそうした作品で、高音域を多用した華やかなサウンドと、伸びやかに歌うメロディで当時から人気を博したようだ。注目は緩徐楽章。一抹の哀愁を帯びた息の長いメロディをトランペットが奏でるトラック5や14はマルチェッロの「ヴェニスの愛」に通じる味わい。腕に覚えのある方は挑戦してみてください!録音が行われたネッカースウルムは、古城街道に沿った小さな町。MDGこだわりの2+2+2レコーディングは、左右の広がりと奥行きに加えて録音会場の空間の大きさ(高さ)の再現も狙っている。これを味わうにはSACDがお勧め!!。録音:2007年7月2日〜6日 ネッカースウルム(ドイツ)聖ディオニシウス教会

TELARC

CD 80701
\2300
ブラームス:ドイツ・レクイェム 作品45 アトランタ交響楽団&合唱団
指揮:ロバート・スパノ
2008年、ミュージカル・アメリカのコンダクター・オブ・ジ・イヤーを受賞したロバート・スパノの最新録音。24年前、テラークは同じくアトランタ交響楽団で同曲を録音しているが(指揮はロバート・ショウ)、今回、録音技術の驚くべき向上をみせつけるかのように、同オケ、同レパートリーのレコーディングを敢行した。そしてもちろん、この録音の意義には台頭目覚しいスパノのブラームス解釈を記録することにもある。最も旬なアーティストを最高技術で収録した注目盤。
SACDのリリースも(2ヶ月遅れくらいで)予定されている。


NEW MID LINE 1CD¥1500

CD 80264 ブルックナー:交響曲 第6番 イ長調 シンシナティ交響楽団
指揮:ヘスス・ロペス=コボス
CD 80319 ハリウッド・グレイテスト・ヒッツ Ⅱ
 ノース:ファンファーレ 「2001年宇宙の旅」
 ローザ:プレリュード 「ベン・ハー」
 バーンスタイン:プレリュード  「十戒」
 ティオムキン:ジー・アイ・ラブ  「友情ある説得」
 ハドソン:ムーングロウとテーマ 「ピクニック」
 ヤング:「80日間世界一周」のテーマ
 ケイパー:「戦艦バウンティ」のテーマ
 ノース:「スパルタカス」のテーマ
 テオドラキス:「その男ゾルバ」のテーマ
 レグラン:アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー 「シェルブールの雨傘」
 レヴィン:「哀愁の花びら」のテーマ
 バリー:「真夜中のカウボーイ」のテーマ
 ロータ:「ゴッドファーザー」のテーマ
 チャップリン:スマイル  「モダン・タイムズ」
 バリー:「ダンス・ウィズ・ウルブス」のテーマ
 エンヤ:ブック・オブ・デイズ  「遥かなる大地へ」
 ハワード:「わが街」のテーマ
シンシナティ・ポップス・オーケストラ
指揮:エリック・カンゼル
CD 80350 ピーター・シックリー編
 プロコフィエフ:ピーターと狼
 サン=サーンス:動物の謝肉祭
アトランタ交響楽団
指揮:ヨエル・レヴィ
ご存知、ピーター・シックリー(PDQバッハをでっちあげた人!)編曲・監修による「ピーターと狼」と「動物の謝肉祭」。どんなドタバタ劇が繰り広げられるのか、タイトルを見ただけでわくわくしてしまう珍名盤。
CD 80452 クリストファー・ラウズ:
 交響曲第2番
 フルート協奏曲
 パエトン
キャロル・ヴィンセンス(Fl)
ヒューストン交響楽団
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
CD 80175 史上最大の作戦〜ミリタリー・スペクタキュラー
 ロジャース: ビクトリー・アット・シー(世界海戦記)
 コバート: 愛のテーマ
 スタイナー: カサブランカ組曲
 アルフォード: ボギー大佐行進曲
 アディンセル: ワルソー・コンチェルト
 ロジャース:チャーチル大戦回想録組曲
 グッドウィン:空軍大戦略
 コーハン:オーバー・ゼア
 アンカ:史上最大の作戦
 ゴールドスミス:将軍のマーチ
 クロフォード: 空軍
 オッフェンバック:海兵隊
 ボスカーク: 沿岸警備隊
 グラバー: 陸軍
 ジマーマン:海軍
シンシナティ・ポップス・オーケストラ
指揮:エリック・カンゼル
CD 80334 ロッシーニ:序曲集
 1. ウィリアム・テル 2.どろぼうかささぎ 3. アルジェのイタリア女
 4.セミラーミデ 5.絹のはしご 6.タンクレディ  7.セビリャの理髪師
アトランタ交響楽団
指揮:ヨエル・レヴィ
CD 80419 レハール:喜歌劇「ほほえみの国」(全曲) イギリス室内管弦楽団
指揮:リチャード・ボニング
CD 80502 シューベルト:
 交響曲 第9番 ハ長調 D944 「グレイト」
 交響曲 第8番 ロ短調 D759 「未完成」
スコットランド室内管弦楽団
指揮:サー・チャールズ・マッケラス
CD 80177 ザ・ビッグバンド・ヒット・パレード
 イン・ザ・ムード、A列車で行こう、ビギン・ザ・ビギン、
 センチメンタル・ジャーニー、ワン・オクロック・ジャンプ、キャラヴァン、
 レッツ・ダンス、恋のとりこに、ウッドチョッパーズ・ボール、
 シング・シング・シング、センチになって、ウェル・ギッティット、
 アーティストリー・イン・リズム、ムーンライト・セレナーデ、
 セント・ジェイムズ病院、聖者が街にやってくる
レイ・ブラウン(Bass)、
デイヴ、ブルーベック(Pf)、
エド・ショーネシー(Drums)、他
シンシナティ・ポップス・ビッグバンド・オーケストラ
指揮:エリック・カンゼル
CD 80312 ラフマニノフ:
 交響曲 第2番 ホ短調 作品27
 ヴォカリーズ 作品34の14
シルヴィア・マクネアー(Sp)
ボルティモア交響楽団
指揮:デイヴィッド・ジンマン
CD 80346 ブラームス:
 弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51の1
 弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品51の2
クリーヴランド弦楽四重奏団
名曲ながら実は録音数があまり多くないブラームスの弦四。室内楽ファン必携のクリーヴランドQがミッド・プライスで。
CD 80553 ガブリエリの“響”宴
 第12旋法によるカンツォーナ(G.ガブリエリ)/
 第7旋法のカンツォーナ 第2番(G.ガブリエリ)/
 カンツォーナ第7番(G.ガブリエリ)/カンツォーナ第9番(G.ガブリエリ)/
 グローリア(作者不詳)/イギリスのパヴァーヌとガイヤルド(ジェルヴェーズ)/
 戦いのガイヤルド(シャイト)/イン・ノミネ第12番(タイ)/
 イェルサレムをたたえよ(ディアス)/汝らわが友なり(パレストリーナ)/
 カンツォーナ第16番(G.ガブリエリ)/第1コンチェルト:バッタリア(戦い)(バンキエーリ)/
 われ信じたり(第3旋法)(カヴァッチオ)/おお楽しいこだま(ウッスス)/
 カンツォーナとソナタからソナタ第13番(G.ガブリエリ)/
 カンツォーナ 第11番(G.ガブリエリ)/あがない主よ来りたまえ(タリス)/
 われ汝を遣わして孤児とはせず(バード)/12声のカンツォーナ(G.ガブリエリ)/
 12声のカンツォーナエコー(G.ガブリエリ)
エンパイア・ブラス&ゲスト
スター・プレイヤーの饗宴!神々しく響き渡るブラス・サウンドの醍醐味。ブラス・アンサンブルのベーシックなレパートリーとして愛されるジョヴァンニ・ガブリエリの作品を中心に、同時代に活躍した作曲家の作品を収録した決定盤。2002年発売が早くもミッド・プライス化!

LPO

LPO 0033
\2400→¥2190
マーラー:交響曲第5 番嬰ハ短調 ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指揮)
ロンドン・フィル
1960 年アムステルダム出身のヤープ・ファン・ズヴェーデン。彼は、ヴァイオリニストとして名門コンセルトヘボウのコンサートマスターの座を史上最年少で射止め、1990年代後半に指揮者へ転向。ヴァイオリニストとしてはブラームス&フランクのソナタ、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲などいくつかのCD がリリースされながらも現在いずれも廃盤、同時期に発売されたモーツァルトの交響曲40 番の指揮者としてのCD も現在廃盤。当時、国際的には、ほとんど話題なることがなかった。しかし、近年、オランダ放送フィルおよびオランダ・フィルとのレコーディング・セッションで、ブルックナーやブラームスなどに取り組み、日本のリスナーにも徐々に認知度が高まって来ている。そして今回お届けするのが、ロンドンフィルとのマーラー交響曲5 番。彼がコンサートマスターとして多くの名指揮者と共演したマーラーは、ご存知コンセルトへボウの十八番。そして、19 歳のズヴェーデンが初めてコンサートマスターとして迎えた演奏会もハイティンクとのマーラーだった・・・。アンドリュー・リットンの後任として米・ダラス響の音楽監督に就任する今シーズン、「指揮者」ファン・ズヴェーデンが世界へ飛躍する年に収録された堂々たるライブ録音をどうぞ。録音:2008 年1 月16 日ライブ録音 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン)

NAXOS

8.557794 カバレフスキー&リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲 他
 1-3.カバレフスキー:ピアノ協奏曲 第3 番 ニ長調 Op.50/
  「ソヴィエトの若者に捧ぐ」
 4.リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 Op.30/
 5.カバレフスキー:歌曲「学生時代」の主題による狂詩曲 Op.75/
 「ヴォルガ地区の若き音楽家に捧ぐ」/
 6.管弦楽と合唱のための「苦闘の詩」Op.12
シン=ニ・リュウ(ピアノ)…1-5/
グネーシン・アカデミー合唱団…6/
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
運動会の「ギャロップ」でおなじみのロシアの作曲家カバレフスキー(1904-1987)。彼の偉大なる功績のひとつに「音楽教育への貢献」があげられる。ここに収録された第3 番のピアノ協奏曲はヴァイオリン、チェロ協奏曲とともに「若人のため」に書かれた三部作の一つ。トランペットの響きが印象的で華やかで快活な作品。かたやR=コルサコフ(1844-1908)のピアノ協奏曲は、リストのピアノ協奏曲を彷彿とさせる単一楽章の作品で輝くような名人芸が楽しめる。
8.557900-01
(2CD)
モーツァルト:歌曲全集
CD1
 1.春へのあこがれ K.596/2.春のはじめに K.597/
 3.子どもの遊び K.598/4.おお、聖なる絆 K.148/
 5.結社員の旅の歌 K.468/6.無限なる宇宙の創造者を崇敬する君よ K.619/
 7.何と私は不幸なことか K.147/8.来たれ、いとしのツィター K.351/
 9.秘めごと K.518/10.クローエに K.524/11.魅惑者 K.472/
 12.別れの歌 K.519/13.シューベルト:ルイーゼの答え D.319/
 14.偽りの世 K.474/15.ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520/
 16.自由の歌 K.506/17.鳥よ、年ごとに K.307/18.寂しい森の中で K.308/
 19.ミスリヴェチェク:静けさはほほえみ(モーツァルト編曲 K.152)
CD2
 1.満足 K.349(マンドリン伴奏版)/2.満足 K.349 (ピアノ伴奏版)/
 3.歓喜に寄す K.53/4.偉人たちの栄光に感謝せよ K.392/
 5.孤独に K.391 /6.希望に K.390/7.満足 K.473/8.老婆 K.517/
 9.小さな紡ぎ娘 K.531/10.戦場へ出発するとき K.552/
 2 つの聖なるドイツ歌曲 K.343/
 (11.おお、神の子羊/12.エジプトより)/
 13.小さなフリードリヒの誕生日 K.529/14.すみれK.476/
 15.夢の中の面影 K.530/16.夕べの思い K.523/17.私はひとりぼっちで K.Anh.26
ルート・ツィーザク(ソプラノ)
CD1…1.3.7.9.11.13.15.17.19,CD2…3.5.7.8.9.11.12.13.14.16/
ローター・オディニウス(テノール)
CD1…2.4.5.6.8.10.12.14.16.18,CD2…1.2.4.6.7.10.11.12.15.17/ウルリッヒ・アイゼンロール(ピアノ)/
アリアーネ・ロルヒ(マンドリン)…CD2 1 のみ
人の声をとりわけ愛したモーツァルト(1756-1791)は6,7 歳から亡くなるまで声を使った作品を書き続けた。彼の歌曲の大部分は友人からのリクエストに応じて書かれたものだが、いくつかはフリーメーソンのためにも書かれたのでした。この演奏、全てが愛らしく、かつ劇的。ピアノのアイゼンロールの絶妙なフレーズへの装飾もすばらしさの極み。まさに愛聴盤としてふさわしい2 枚組。
8.559269 アイヴズ:歌曲集 第1 集
 1.「1,2,3」/2.主よ、われと共にありませ/
 3.アイスキュロスとソフォクレス/4.夕焼け/5.アレグロ/
 6.いつまでも続くもの/7.アンフィオン/8.アン・ストリート/9.分岐にて/
 10.海にて/11.川のほとり/12.9 月/13.秋/14.あなたのために/
 15.汝の芸術のために/16.子守歌/17.檻/18.キャンプ・ミーティング/
 19.カノンⅠ/20.カノンⅡ/21.フロリアンの歌/22.チャーリー・ラトリッジ/
 23.子どもの時間/24.エディのクリスマス・キャロル/
 25.クリスマス・キャロル/26.サーカス・バンド/
 27.収集/28.天上の国/29.子守歌
リール・バーマン(ソプラノ)/
マリー・フィリップス(メゾ・ソプラノ)/
エリック・トゥルーデル(ピアノ)/
ダグラス・ディクソン(ピアノ) 他
1900 年代前半のアメリカで最先端を行っていた作曲家と言えば、間違いなくこのアイヴズ(1874-1954)の名前が挙がることでしょう。無調、多調、微分音まで使いこなした彼だが、実はその作品の根底にはいつもアメリカの民謡があった事は言うまでもない。彼が残した歌曲は総数で200 にも及ぶが、このシリーズではタイトルのA〜Z の順で収録している。ひどく難しい歌があるかと思うと陽気な歌があったり目くるめく世界が広がる。
8.559297 コープランド:ピアノ協奏曲 他
 1-3.「入札地」組曲/4-5.ピアノ協奏曲/
 アメリカの古い歌 第1 集(6.船乗りの踊り/
 7.ペテン師/8.遠い昔/9.ささやかな贈り物/
 10.私は町から猫を連れてきた)/
 アメリカの古い歌 第2 集
 (11.小さな馬たち/12.シオンの壁/
  13.金色の柳の木/14.川のほとり/15.チンガリン)
ベンジャミン・パスターナック(ピアノ)…4.5/
セント・チャールズ・シンガーズ…6-15/
ロバート・ハンソン(指揮)/
エルジン交響楽団
コープランド(1900-1990)の書いたオペラ「入札地」は当時の新しい手法を取り入れたおかげで、グランド・オペラと言うよりミュージカルに近い作品となりました。ここでは3 つの印象的な曲が並べられています。他には都会的なピアノ協奏曲、そして懐かしいアメリカの歌、これらはどれもが強烈な個性を放つ作品群です。広く知られる「シンプル・ギフト」も含まれる。何とも味わい豊かな歌に思わず心が熱くなる。
8.559336 ホヴァネス:ギターと弦楽のための協奏曲第2 番 他
 1.ニュー・アトランティスのためのファンファーレ Op.281/
 2-5.ギターと弦楽のための協奏曲 第2 番 Op.394/
 6-7.交響曲第63 番「ルーン・レイク」 Op.411
ハビエル・カルデロン(ギター)…2-5/
スチュワート・ロバートソン(指揮)/
ロイヤル・スコティッシュ国立管弦楽団
20 世紀の作曲家の中でも、その作品の多さで1、2 を争うホヴァネス(1911-2000)。とりわけ67 曲ある交響曲は、その作風の多彩さと鮮烈さで現在でも高い人気を得ています。アルメニア人の父を持ち、若い頃はシベリウスの薫陶を受け、インド音楽と出会ってからは各国の民謡に興味を持ち、最終的にはアルメニアの音楽を追求した彼の作品は、神秘的な響きと親しみやすい側面を持ち合わせている。
8.559353 アイヴズ:管弦楽曲集
 管弦楽曲集 第1 集
  「ニューイングランドの3 つの場所」
  (第1 版,ジェームス・B・シンクレア版)
   (1.ボストン・コモンのセント=ゴードンズ/
   2.コネティカット州レディングのパトナム・キャンプ/
   3.ストック・ブリッジのフーザニック川)/
 管弦楽曲集 第2 集
  (4.われらの祖先の悲歌/
  5.ロックストルーン・ヒルズよ、戸外の集会に加われ/
  6.ハノーヴァー広場北停車場から)/
 管弦楽曲集 第3 集
  (7.アンダンテ・モデラート(D・G・ポーター版)/
  8.キャンプ・ミーティング週間〜ある世俗的な午後に(D・G・ポーター版)/
  9.アンダンテ(ノース・ジョセフソン実演版))
7-9.世界初録音
ジェームス・シンクレア(指揮)/
マルメ交響楽団&室内合唱団
アイヴズ(1874-1954)の「セット」と名付けられた曲集は、ひとつひとつが独立した世界を持つ小さな作品を組み合わせて大きな一つの曲にしたもの。第1 番は1913 年から14 年頃に作られたニューイングランドの風景にインスパイアされた曲の集まりで、ドビュッシーを思わせる混沌とした響きの第1 曲目、対照的な第2 曲目、そしてたっぷりと美しい第3 曲目と、豊かなコントラストを備えているす。未完成となった第3 番のセットは、これが世界初録音となる。
8.559357 L・アンダーソン:管弦楽作品集 第3 集
 1.ハーヴァード・スケッチ…*/2.2 つの音符によるメロディ…*/
 3.マザーズ・ホイッスラー …*/4.ペニー・ホイッスル・ソング/
 5.ファントム・レジメント/6.プリンク・プレンク・プランク/
 7.プロムナード/8.サンドペーパー・バレエ/9.サラバンド/
 10.セレナータ/11.マクドナルドじいさんは農場を持っていた/
 12.ウィルソン:76 本のトロンボーン(アンダーソン編)/
 13.そりすべり/14.ブラス・コアーのためのキャロル組曲/
 15.ガーシュウイン:ウィンターグリーンを大統領に(アンダーソン編)…*/
 16.タイプライター/17.トランペット吹きの子守歌/
 18.シンコペーテッド・クロック*…世界初録音
アラスデア・マロイ(タイプライター)…16/
キャサリン・ムーア(トランペット)…17/
レナード・スラットキン(指揮)/
BBC コンサート・オーケストラ
みんな大好きアンダーソン(1908-1975)第3 集。今回は有名曲が盛り沢山!そり滑り、タイプライター、トランペット吹きの子守歌・・・・まさにお約束の1 枚。もちろん珍しい曲もばっちり。2 つの音を華麗に彩るオーケストレーションが魅力の曲や、どこかで聴いた曲やびっくりするような曲など、聴けば聴くほど心のイオンが沸き起こる。
8.559364 コリリアーノ:レッド・ヴァイオリン奇想曲 他
 コリリアーノ(1938-):
  1-6.レッド・ヴァイオリン奇想曲(ヴァイオリン・ソロのための)…世界初録音/
 7-10.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
トムソン(1896-1989):
  11-13.3 枚の写真(S・ドゥシュキン編)/
 14-18.5 人の婦人たち/19-26.8 枚の写真
フィリッペ・クィント(ヴァイオリン)/
ウィリアム・ウォルフラム(ピアノ)…7-18
コリリアーノ(1938-)が1997 年に書いた映画音楽「レッド・ヴァイオリン」。そのスコアから再構築されたのがこの「レッド・ヴァイオリン奇想曲」です。哀愁的なテーマ、パガニーニを思わせる超絶技巧、民族的な色調に彩られたメロディ。倒錯的な愛の世界を一艇のヴァイオリンで表現し尽くした魅惑的な音楽が耳を弄びます。コリリアーノが絶賛した名手クィントの艶やかな音色は鳥肌ものです。
8.559376 コーン:交響曲第7 番&第2 番 他
 1-4.交響曲 第7 番 Op.45/5-8.交響曲 第2 番 Op.13/
 9.「旅する異邦人」による変奏曲 Op.34/10.ワルツ ニ調 Op.29a
ヴァフタン・ジョルダニア(指揮)…1-4.9/
カーク・トレヴァー(指揮)…5-8.10/
スロヴァキア放送交響楽団
1928 年、ニュージャージー生まれのコーンはジュリアード音楽院で作曲を専攻し、8 曲の交響曲を始め、室内楽、合唱曲、管弦楽曲など多くの作品を生みだしています。このアルバムは彼の80 歳記念を記念してリリースされたもので、まるで風景画をみるように豊かな楽想を持つ「交響曲第7 番」や、音によるドラマ「交響曲第2 番」、ノスタルジックなワルツと変奏曲が収録されています。
8.559377 ウォーリネン:アシュベリヤーナ・フェントンの歌 他
 1-4.アシュベリアーナ/5.プラグスタトゥム(前もって体験する)/
 6-9.フェントン・ソングⅠ/10-13.フェントン・ソングⅡ/
 14.ジョスカンのアヴェ・クリスト/15-20.ジョスカニアーナ
ダ・カメラ・オブ・ヒューストン
<メンバー>
サラ・ローテンバーク(ピアノ)…1-9.14/
ルーシー・シェルトン(ソプラノ)…6-13/
ジェームス・ピュー(トロンボーン)…1-4/
マーク・ステインバーク(ヴァイオリン)…1-4.6-13/
デヴィッド・フルマー(ヴァイオリン)…1-4/
ミシャ・エイモリー(ヴィオラ)…1-4/
ニナ・マリア・リー(チェロ)…1-4.6-13/
チャールズ・ウォーリネン(指揮)…1-4/
アラン・ファインバーク
(ピアノ)…10-13/
ブレンターノ弦楽四重奏団…15-20
「ダンテ三部作」で意表を付いた音楽を聴かせた作曲家ウォーリネン(1938-)。今作でも、極彩色の音を用いて聴き手の脳髄に酩酊をもたらす。1990 年代の終わりから2007 年までの作品で、愛の告白と天安門広場の恐怖を絡めた「フェントンの歌」や、指揮者レヴァインに捧げられたピアノ曲、ブレンターノ四重奏団のために書かれた「ジョスカニアーナ」などの多彩な作品群。
8.559379 ヘギー:「見るために、または触れるために」 他
 1-7.ヘギー:オペラ「見るために、または触れるために」/
 8.シュウォーツ:イン・メモリアム/9-13.ライトマン:夢の種子
モーガン・スミス(バリトン)…1-7/
ジュリアン・パトリック(演者)…1-7/
ジュリアン・シュウォーツ(チェロ)…8/
エリック・パース(バリトン)…9-13/
ミュージック・オブ・リメンバランス/
ミナ・ミラー(芸術監督&ピアノ…9-13 のみ)
ホロコーストによって永遠に引き裂かれたしまった2 人の恋人の話・・・・。これは結構ありがちな話なのだが、ヘギー(1961-)のこのオペラ(連作歌曲?)は一味違う。主人公たちはゲイのカップル。「僕のことを覚えている?」とつぶやくマンフレッドは19 歳のまま、そしてその恋人は80 歳。物悲しい音楽とともに自分の存在をアピールするマンフレッド。不思議な感動が胸を打つ。
8.570442 J・タヴナー:ピアノ作品集
 1.ゾディアックス/2.イパコエ/3.パリン/
 4.マンドゥードルス/5.プラティルパ/6.2 匹の猫へのメモリー
ラルフ・ファン・ラート(ピアノ)
長い間、神秘主義と正教会の影響(最近改宗したらしい?)を受けた作品を書き続けているタヴナー(1944-)ですが、彼のピアノ曲はあまり知られていません。2003 年の「プラティルパ」が一番規模も大きくタヴナーらしい音に満ちていますが、注目は彼の飼っていた猫マーンドゥからインスピレーションを受けて書かれた「マンドゥードルス」。愛らしい曲ではないが、曲の終わりに一瞬だけあのメロディが・・・。
8.570447 期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ
 アルチョム・デルウォード(ギター):ロシアのギター音楽集
  1.ビクタシェフ(1963-)「: オルフェウス」より詩曲…世界初録音/
  2.オレクホフ(1935-1998):トロイカ変奏曲/
  3.ルドネフ(1955-):古いライムの木/
  コシュキン(1956-):「王子様のおもちゃ」組曲
  (4.わんぱく王子/5.機械じかけの猿/6.目をぱちぱちする人形/
 7.おもちゃの兵士たち/8.王子の馬車/9.あやつり人形の大行進)
アルチョム・デルウォード(ギター)
新人ギタリストの登竜門、ミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクールの2006 年度優勝者、アルチョム・デルウォードのデビュー盤。彼はロシア、ロストフ・ナ・ドヌーに生まれ6 歳からギターを始め、数々の世界コンクールにも入賞、すでに高く評価されている期待の新星。演奏するのはもちろんロシアのギター作品集。トロイカ変奏曲にはとにかく泣ける。
8.570567 パスクッリ:オーボエとピアノのためのオペラ幻想曲集
 1.ドニゼッティ「清教徒」に基づく幻想曲/
 2.ドニゼッティ「ファヴォリータ」の主題による協奏曲/
 3.ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」のテーマによる大協奏曲/
 4.マイヤーベーア「ユグノー教徒」に基づく幻想曲/
 5.「ナポリの思い出」よりスケルツォ・ブリランテ
イワン・パイソフ(オーボエ)/
ナタリア・シチェルバコワ(ピアノ)
パスクッリ(1842-1924)は彼の世代の中で最も有名なオーボエ奏者の一人。何しろ彼は、1860 年18 歳の若さでパレルモ・コンセルヴァトワールのオーボエとコールアングレの教授に就任するほどでした。その際立つ名人芸は彼の書いた幾つかのオペラ編曲物をお聴きいただければ容易に想像がつくことでしょう。演奏者パイソフはボリショイ出身の名手。どんなパッセージも易々と吹きこなしてしまいます。
8.570569 ヒナステラ:チェロとピアノのための音楽全集
 1.パンペアーナ 第2 番 Op.21/
 2-6.5 つのアルゼンチン民謡による歌曲集 Op.10/
 (チェロとピアノ版…マーク・コソワー編)/
 7-8.プネーニャ第2 番Op.45「パウル・ザッハーへのオマージュ」/
 9-12.チェロ・ソナタ Op.49
マーク・コソワー(チェロ)/
ジェー・ウォン・オー(ピアノ)…1-6.9-12
20 世紀のブエノスアイレスにおけるもっとも重要な作曲家で、ピアソラの師匠でもあるヒナステラ(1916-1983)。彼の作品はどれもが前衛的だが、そこはかとなく郷愁を誘う曲も多くある。このチェロとピアノのための作品集はまさに民族的な香りの高いもので、どことなくコダーイの曲も彷彿とさせるパンペアーナをはじめ、4 つの楽章全てに歌が満ちている晩年の作品チェロ・ソナタほか、モダンさと懐古趣味の入り混じった不可思議な感触がたまりません。
8.570580 ブクステフーデ:ハープシコード音楽集 第2 集
 1-12.アリア「宮廷風に」と12 の変奏曲 BuxWV247/
 13-16.組曲 ト短調 BuxWV242/17.フーガ ハ長調 BuxWV174/
 18-25.クーラント・シンプルと8 つの変奏曲 BuxWV245/
 26.カンツォネッタ ト長調 BuxWV171/27-30.組曲 ホ短調 BuxWV235/
 31.カンツォネッタ ト長調 BuxWV170/
 32.わが魂よ、今ぞ主をたたえよ BuxWV215
原盤DACAPO:8.224117 より移行盤
ラルス・ウルリク・モーテンセン(チェンバロ)
ブクステフーデ(1637?-1707)と言えばオルガン作品ばかりが有名だが、ハープシコードの作品もすばらしいものがたくさんある。オルガンよりも各声部が聴きとり易いため、その複雑な対位法がよく理解できるのも嬉しいです。変奏曲でのモティーフ処理、そして組曲での各々の楽曲の統一性、これらを聴けば聴くほどにその完成度の高さに唸らざるを得ないでしょう。
8.570582 エネスク:チェロ・ソナタ集
 1-4.チェロとピアノのためのソナタ 第1 番 へ短調 Op.26 No.1/
 5-8.チェロとピアノのためのソナタ 第2 番 ハ長調 Op.26No.2
ラウラ・ブルイアーナ(チェロ)/
マルティン・チバ(ピアノ)
20 世紀前半の偉大なるヴァイオリニスト、作曲家エネスク(1881-1955)はその活動の初期の時代にたくさんの室内楽曲を書いた。このチェロ・ソナタ第1 番も1898 年頃に書かれたにもかかわらず、なぜか1935 年まで公表されることはなかった。独自の作風が確立された第2 番に比べると、ブラームスなどの影響を感じないわけでもないが、若々しい情熱に溢れた美しい作品。チェロのブルイアーナの共感溢れた美音に心が震える。
8.570710 クーラウ(1786-1832):ピアノのためのソナチネ集 Op.55&88
 1-2.ソナチネ ハ長調 Op.55 No.1/3-5.ソナチネ ト長調 Op.55 No.2/
 6-7.ソナチネ ハ長調 Op.55 No.3/8-10.ソナチネ ヘ長調 Op.55 No.4/
 11-12.ソナチネ ニ長調 Op.55 No.5/
 13-14.ソナチネ ハ長調 Op.55 No.6/
 15-17.ソナチネ ハ長調 Op.88No.1/
 18-20.ソナチネ ト長調 Op.88 No.2/
 21-23.ソナチネ イ短調 Op.88 No.3
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
前回リリース(8.570709)のソナタ・ソナチネ集に続き、今回はソナチネ・アルバムをどどーんとお届けします。Op.55 の多くはソナチネ・アルバムに収録されていたので、おなじみの方も多いかも。しかし小さい頃にこのくらい弾けていれば、今の私は超一流ピアニストだったかもと嘆いてしまうくらいヤンドーの演奏は説得力満点。しみじみ聴くとすごく良い曲ばかり。
8.570714 ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第9 番 他
 1.交響的変奏曲 Op.78/
 2-5.交響曲第9 番 ホ短調 Op.95「新世界より」
マリン・オールソップ(指揮)/
ボルティモア交響楽団
ボルティモア交響楽団とオールソップによる3 枚のドヴォルザーク・シリーズ。最初のアルバム「新世界」の登場。ホールに漲る熱気をさらりとかわすオールソップの粛々とした指揮ぶりをご堪能ください。むやみに感傷に流され過ぎることのない第2 楽章はとりわけ新鮮に感じられることだろう。美しいメロディが次々と変容していく「交響的変奏曲」も美しさが満ち溢れている。
8.570738 C・ニルセン:交響曲集 第2 集
 1-4.交響曲第3 番 FS60 Op.27「大らかな交響曲」/
 5-8.交響曲第2 番 FS29 Op.29「四気質」
 原盤DACAPO:8.224126 より移行盤
インガー・ダム・イェンセン(ソプラノ)/
ポール・エルミング(バリトン)…交響曲第3 番 第3 楽章のみ/
ミハエル・シェンバント(指揮)/
デンマーク国立放送交響楽団
いかにも北欧らしい響き満載のニルセン(1865-1931)の交響曲。なかでも第3 番「大らか」は第3 楽章に加わる男女のヴォカリーズや、ブラームス風の味わいを持つ終楽章が人気の的。「胆汁質」「粘液質」「憂鬱質」「多血質」と名付けられた4 つの楽章を持つ交響曲。標題音楽ではないと言われるものの、ちょっぴり自分の性格と比較してみるのも面白いかも。
8.570757 カサブランカス:ピアノ作品集
 1-3.3 つのディヴェルティメント(ピアノ・デュオ)/
 4-5.2 つのピアノピース/6.アルバムの一葉/
 7-9.幼い頃の3 枚続きの絵/10-12.3 つのピアノピース/
 13.スケルツォ/14-16.3 つの警句/17.トンボー/
 18-24.7 つのエピグラム/
 25-26.前奏曲とフーガハ調/27-29.3 つのバガテル
ホルディ・マソ(ピアノ)…1-3, 7-24/
ミケル・ビリャルバ(ピアノ)…1-3, 4-6, 25-29
カサブランカス(1956-)は現代スペインの作曲家の中でも独自の地位を築いている。歌曲や室内楽も作曲するが、彼が一番好きなのはピアノ。彼のピアノへ注ぐ愛のある眼差しはショパンやスクリャビン、あるいはアルベニスやモンポウと同じ。ピアノという楽器の持つ可能性を極限まで引き出すこと、彼はそれを実現すべく曲を書くのです。
8.570777 ライネッケ:ゆりかごから墓場まで
 1-4.管楽八重奏曲 変ロ長調 Op.216/
 5-12.ゆりかごから墓場まで Op.202/(フルートとピアノ版…E・ケーラー編)/
 13-15.管楽六重奏曲 変ロ長調 Op.271
原盤Etcetera より移行盤
ボストン交響楽団の奏者たち
<メンバー>
フェンウィック・スミス(フルート)/
若尾圭介(オーボエ)/
トーマス・マーティン(クラリネット)/
クレイグ・ノードストローム(クラリネット)/
ジョナサン・メンキス(ホルン)/
リチャード・ランチ(バスーン)/
ローランド・スモール(バスーン)/
ヒュー・ヒントン(ピアノ)>
その生涯に、実に1000 曲以上もの作品を書いたライネッケ(1824-1910)ですが、あまりにも堅実な作風のせいか(ブラームスの亜流とも揶揄される)、死後急速に忘れ去られてしまいました。しかし近年再評価が進み、その良質な室内楽作品は時々演奏会でも取り上げられるようになってきたのです。「ゆりかごから墓場まで」は本来ピアノ曲だったものをケーラーがフルートとピアノのために編曲したもの。シューマンを思わせる美しい作品。
8.570946 アーバン・レクイエム
 1.S・リンドロース(1968-):スピン・サイクル/
 2.サン=サーンス(1835-1921):序奏とロンド・カプリチオーソ/
  (フルート、クラリネットと管楽オーケストラ版…L・ブロック編)/
 3.E・ウィテカー(1970-):10 月/
 4.M・コルグラス(1932-):
  4 本のサクソフォンと管楽オーケストラのための「アーバン・レクイエム」/
 5.ショスタコーヴィチ(1906-1975):ロシアとキルギスの主題による序曲/
  (G・ドゥカー編)/
 6.スーザ(1854-1932):聖なる殿堂の貴族たち
キャスリン・トーマス・アンブル(フルート)…2/
ロバート・フィッツァー(クラリネット)…2/
ジェームス・アンブル(サ
クソフォン)…4/
アレン・コーディングレイ(サクソフォン)…4/
ケント・エンジェルハート(サクソフォン)…4/
ジョセフ・キャレイ(サクソフォン)…4/
スティーヴン・L・ゲージ(指揮)/
ヤングスタウン州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル
吹奏楽ファンのみなさま、お待たせしました。またまた注目新譜です。ヤングスタウン州立大学では、毎年275 人以上の学生が、室内楽からジャズまで各々好きなジャンルのバンドに参加、多くの作曲家に作品を委嘱したり演奏したりと精力的に活動を行うユニークな活動を行っています。メイン収録曲の「アーバン・レクイエム」を作曲したのはピューリツァー賞を受賞したコルグラス。サクソフォン・カルテットに限界までの技術を要求した鮮烈な作品です。
8.570959 ジャクソン:合唱作品集
 1.偉大なる聖職者を見よ/2-9.聖なる日のためのミサ/
 10.タントゥム・エルゴ/11-22.レクイエム/
 23.ザ・ロード/24.マニフィカト/25.ヌンク・ディミティス/
 26.私は感謝を捧げる/27.サルヴェ・レジナ/
 28.リディア旋法によるマニフィカト/
 29.リディア旋法によるヌンク・ディミティス/
 30.テ・デウム/31.ユビラーテ
ローラ・オルドフィールド(ソプラノ)…15.28/
エミリー・ビーハン(ソプラノ)…17.26.27/
ピーター・ダヴォーレン(テノール)…20/
フランシス・ウィリアムス(テノール)…25./
ヘンリー・ジョーンズ(アルト)…26./
デヴィッド・デ・ウィンター(テノール)…26/
ユリアン・デブロイル(バス)…26/
デヴィッド・グード(オルガン)…15.28.29/
ジェレミー・フィルセル(オルガン)/
ロドルファス合唱団/
レイフ・オールウッド(指揮)
オルガン音楽集(8.554773)での深い精神性が高く評価されているイギリスの作曲家(1934-)ジャクソン。この合唱曲集も彼の好きなフランス音楽の影響が感じられる感動的な作品が盛り沢山。フォーレ、デュリュフレの形式を引き継いだ清冽なレクイエムをはじめ、輝かしい「偉大なる聖職者を見よ」などとろけるような和声感が美しい小さな合唱曲、近現代の合唱曲が好きな方にはたまらない1 枚と言えるだろう。
8.570968 アメリカン・タペストリー
 1.J.S.スミス:星条旗(J. ウィリアムズによる吹奏楽編)/
 2.ジェンキンス:アメリカ序曲/
 3-6.ハンソン:「メリー・マウント」組曲(J. ボイドによる吹奏楽編)/
 7.ガーシュウイン:ラプソディー・イン・ブルー
 (D. ハンスバーガーによるピアノと吹奏楽編)/
 8.タッカー:セレモニアル・ファンファーレ(リメンブランスの主題による)/
 9.ブライアント:レイディアント・ジョイ/
 10-14.ベネット:古いアメリカ舞曲による組曲/
 15.スーザ:ワシントン・ポスト・マーチ
リチャード・シュスター(ピアノ)…7/
ユージン・ミリアーロ・コーポロン(指揮)/
ローンスター・ウィンド・オーケストラ
このアルバムは吹奏楽好きの方のみならず、全ての音楽好きにおすすめしたい最強の1 枚。100 年に渡るアメリカのウィンド・バンドのレパートリーの中でもとりわけ注目を浴びそうなのが冒頭のジョン・ウィリアムズ編曲「アメリカ国歌」だろう。そしておなじみベネット、ハンソンの作品が勢揃い。聴きほれること請け合い。そしてトリを飾るのはもちろんスーザの名曲「ワシントン・ポスト」! ガーシュウインの「ラプソディ・ブルー」も忘れるな!!
8.660233-34
(2CD)
ロッシーニ:幸運な間違い(1812 年ヴェネツィア版)
 CD1…第1 幕1-10 場/
 CD2…第1 幕(続き)11-16 場
ベルトランド…ケニス・ターヴァー(テノール)/
イサベッラ…コリンナ・モローニ(ソプラノ)/
タラボット…ロレンツォ・レガッツォ(バス)/
バトーネ…マルコ・ヴィンコ(バス)/
オルモンド…シモン・ベイリー(バス)/
アルベルト・ゼッダ(指揮)/
ブルノチェコ室内ソロイスツ
全て便宜上ファルサ(笑劇)とされているロッシーニ(1792-1868)の初期5 作品の中でも、とりわけ異彩を放つのが、この「幸運な間違い」。軽い日常の話ではなく、いわゆる「救出オペラ」で、ラストにかけての攻防は聴き手をはらはらさせる事だろう。大活躍のタラボットを演ずるのは、最近日本でも大人気のロレンツォ・レガッツォです。ロッシーニを得意とする彼だけに、説得力のある歌唱を聴かせます。もちろん稀代のロッシーニ指揮者ゼッダの最高の指揮による弾む音楽も魅力。
8.556835 ザ・ベスト・オブ・ヴォーン・ウィリアムズ
 1.「北緯49 度」前奏曲/2.タリスの主題による幻想曲/
 3.リンデン・リー /4.交響曲第2 番「ロンドン」 第1 楽章より抜粋/
 5.「すずめばち」序曲/6.静かな午後/
 7.「富める人とラザロ」の5 つのヴァリアント(抜粋)/
 8.交響曲第1 番「海の交響曲」第2 楽章/
 9.「グリーンスリーヴズ」による幻想曲/10.揚げひばり
様々な演奏家達
のどかな田園風景から敬虔なる大聖堂、そして映画音楽を思わせる豊かな響き。それらを全て持ち合わせたイギリスの国民的作曲家、ヴォーン・ウィリアムズ。この1 枚には彼の音楽の聴きどころがぎっしり詰まっています。押しつけがましさは一切ないのに、いつの間にか心に棲みついている・・・そんなさりげなさが愛おしい音楽の数々をどうぞお楽しみください。
8.556836 ザ・ベスト・オブ・フィンジ
 1.クラリネット協奏曲 Op.31 第1 楽章/2.花輪を捧げよう Op.18 より/
 3.7 つのパートソング Op.17 より/4.弦楽のためのプレリュード Op.25/
 5.神は高みに Op.27-2/6.秋の落ち葉 Op.20 よりアンダンテ/
 7.聖チェチリアへ Op.30 より/8.チェロ協奏曲 Op.40 第2 楽章/
 9.不朽の暗示 Op.29 より/10.若者への勧告 Op.14 より/
 11.ディエス・ナタエス Op.8 より/12.大地と大気と雨と Op.15 より/
 13.地球が朽ちるまで Op.19 より/14.ピアノと弦楽のための牧歌 Op.10
様々な演奏家達
他の人があまり聴かない曲を聴いてみたい。そんな人にオススメしたいのがフィンジの作品。有名曲を集めたオムニバス盤などにはほとんど登場しない極めて地味な作曲家で生涯に書いた作品は40(曲集を含む)ほど。淡い美しさに彩られた第2 楽章が知られる「クラリネット協奏曲」がかろうじて知られるくらいだろう。この1 枚でフィンジの世界を堪能してください。
8.556837 ザ・ベスト・オブ・ディーリアス
 1.春はじめてのかっこうを聞いて/2.川の上の夏の夜/
 3.「イルメリン」前奏曲/4.「フロリダ組曲」より/
 5-6.2 つの水彩画 /7.スケルツォ/8.幻想的な踊り/
 9.村のロメオとジュリエットより/10.3 つの小さい詩曲より 第2 番/
 11.春の牧歌/12.「コアンガ」第2 幕より カリンダ/
 13.「コアンガ」第2 幕より 終景
様々な演奏家達
ディーリアスといえば、誰もが思い浮かべるのが「春はじめてのかっこうを聞いて」の印象的な美しさでしょう。冬から春への季節の移ろいをさりげなく描いたこの小品こそがディーリアスの特質をそのまま具現化したもので、他のどの曲も決して声を荒立てることなく自分の思いをひっそりと告白しているかのような佇まい。そんな作品に心惹かれる人も多いことだろう。
8.556838 ザ・ベスト・オブ・ブリテン
 1.聖チェチリアのための讃歌 Op.27/
 2.4 つの海の間奏曲 第2 番「日曜の朝」/
 3.4 つの海の間奏曲 第3 番「あらし」/4.キリストによりて喜べ Op.30/
 5.シンフォニア・ダ・レクイエム Op.20 よりラクリモーザ/
 6.青少年のための音楽入門より「テーマ」/
 7.青少年のための音楽入門より「フーガ」/
 8.セレナーデ Op.31 より「悲歌」/
 9.グロリアーナ Op.53a より「グロリアーナ・モリトゥーラ」/
 10.シンプル・シンフォニー Op.4 より第2 楽章/
 11.イギリス民謡による組曲 Op.90 より第1 曲/
 12.フランク・ブリッジの主題による変奏曲 Op.10 より第10 変奏/
 13.キャバレー・ソング 第1 番/
 14.戦争レクイエムより 「レクイエム・エテルナム」/15.聖母賛歌
様々な演奏家達
ブリテンの音楽の魅力の一つはその多彩な表現と精緻な作曲語法でしょう。特に声楽の含まれた作品の見事さには思わず舌を巻く他ない。それは、生涯の友であった歌手ビアーズとの愛の昇華とも言えるでしょうか。どの曲も愛と祈りに満ち溢れた、豊かな楽想が耳にのこる。もちろん、有名な「青少年のための音楽入門」のさわりも収録している。
8.557077 シューマン:ケルナー歌曲集
 ケルナーの詩による12 の歌 Op.35
  (1.あらしの夜の楽しみ/2.愛と喜びよ、消え去れ/
  3.旅の歌/4.新緑/5.森へのあこがれ/6.亡き友の杯に/
  7.さすらい/8.ひそやかな愛/9.問い/10.ひそやかな涙/
  11.だれがお前をそんなに悩ますのだ/12.古いリュート)/
 5 つのリートと歌 Op.127
  (13.歌手の慰め/14.あなたの顔は/15.私の恋は輝く/
  16.私の老いた馬/17.狂人の最後の歌)/
 4 つの歌 Op.142
  (18.歌による慰め/19.君の頬を寄せて/20.おとめの憂い/
  21.私の馬車はゆっくりと)/
 ケルナーの詩による若き日の歌
  (22.秋に/23.つかのまの目覚め/
  24.アンナに Ⅰ/25.歌の目覚め/26.アンナに Ⅱ)
ハンス・イェルク・マンメル(テノール)
ウタ・ヒールシャー(ピアノ)
まるで民謡のような素朴な味わいを持つケルナーの詩に魅せられたシューマン(1810-1856)は若い頃から円熟期に至るまで折に触れて彼の詩に曲を書いた。そのどれもが深い感情に彩られ陰影に満ちた表現力豊かなものとして知られている。今回、このアルバムを歌うのはハンス・イエルク・マンメル。日本での来日公演の際も、その柔らかい羽毛のような美声で聴衆の心を鷲掴みにした彼だが、ここでもシューマンの歌の世界を見事に描き出している。
8.557882 ヴァレーズ:管弦楽作品集 第2 集
 1.アメリカ(1921 年 オリジナル版)/2.エクアトリアル/
 3.ノクターナル/4.バージェスのダンス/
 5.チューニング・アップ/
 6.ハイパープリズム/7.暗く深い眠り/
 8.比重21.5/9.アイオニゼーション
エリザベス・ワッツ(ソプラノ)…3.7/
マリア・グロコウスカ(フルート)…8/
トーマス・ブロック(オンド・マルトノ)…2
/カメラータ・シレシア男性合唱団…2.3/
ポーランド国立放送交響楽団…1-6.9/
クリストファー・リンドン=ギー(指揮)(7 のみピアノ)
フランスに生まれ、アメリカで活躍したヴァレーズ(1883-1965)は自らの作品に当時最先端の前衛的な手法を取り込み、独特な音空間を作りだすことに成功した。残された作品はあまり多くないのだが、そのどれもが多くの打楽器や電子楽器を用いるなど、極限まで究められた音と思想に彩られた謎めくものばかり。ここでは大作「アメリカ」を始めとした9 つの作品が楽しめる。
8.557889 フォーレ:チェロ・ソナタ集 第1 番&第2 番 他
 1.エレジー Op.24/2.蝶々 Op.77/
 3-5.チェロとピアノのためのソナタ 第1 番 Op.109/
 6.子守歌 Op.16/7.ロマンス Op.69/8.シチリアーナ Op.78/
 9-11.チェロとピアノのためのソナタ 第2 番 Op.117/
 12.夢のあとに Op.7-1/13.セレナーデOp.98
マリア・クリーゲル(チェロ)/
ニーナ・ティクマン(ピアノ)
フォーレ(1845-1924)晩年特有の「あまりにも達観した」作風のためか他の作品に比べて少々人気の落ちる感のある2 曲のチェロ・ソナタ。確かにヴァイオリン・ソナタや「夢のあとに」などに比べると口ずさめるメロディは少ないかもしれないが、じっくり腰を据えて聴くならば、深く心に染入る入る音楽だということがおわかりいただけると思う。有名な「シチリアーナ」はこちらが原曲。後にペレアスとメリザンドに転用された。
8.557960-62
(3CD)
ヘンデル(1685-1759):音楽劇「ヘラクレス」
 CD1…第1 幕
 CD2…第2 幕
 CD3…第3 幕
デイアネイラ…ニコラ・ウェミス(メゾ・ソプラノ)/
イオレ…ゲルリンデ・ゼーマン(ソプラノ)/
リカス…フランツ・フィツトゥム(カウンターテナー)/
ヒュロス…クヌト・ショッホ(テノール)/
ヘラクレス…ペーター・コーイ(バス)/
ユンゲ・カントライ/
フランクフルト・バロック管弦楽団/
ヨアヒム・カルロス・マルティーニ(指揮)
古代ギリシア三大悲劇詩人のソフォクレスの「トリキアの女」を基にしたヘンデルの「ヘラクレス」。まさに「午後の奥様劇場」とでもいうべき、女の愛と妬みが渦巻くストーリーを華麗なる音楽で彩った娯楽大作。愛する夫ヘラクレスが裏切ったのではないか・・・と妄想に捉われる妻デイアネイラ、そしてそれを冷ややかに見つめる若い王女イオレ。イオレに思いを寄せるデイアネイラの息子ヒュロス。登場人物の心情を巧みに描写する合唱。と聴きどころ盛りだくさん。
8.557983 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:天空の響き
 1.おお、聖なる軍隊よ/2.おお、継承者よ/
 3.おお、汝ら倣いしものよ/4.おお、魅力的な選択よ/
 5.おお、最高の勝利を得し者/6.おお、血みどろの惨事よ/
 7.おお、永遠の力よ/8.おお、光輝く宝玉よ
ジェレミー・サマリー(指揮)
オックスフォード・カメラータ
当時の上流階級の10 番目の子として生まれたビンゲンのヒルデガルト(1098-1179)は8 歳の時に女子修道会に入り、当時としては驚異的な80 歳という長寿を全うした。作曲家、聖職者として、また自らの幻視体験を書と絵にした預言者としても知られる。彼女の作品は初期のドイツ・ネウマ譜で伝えられており、全て単旋律で書かれているが、メロディには得も言われぬ魅力があり、聴けば聴くほどに敬虔な感情に見舞われることでしょう。
8.570355
(2CD)
スタンフォード:交響曲集 第3 集
 1-4.交響曲第6 番 変ホ長調
  "偉大な芸術家ジョージ・フレデリック・ワッツのライフワークに敬意を表して"/
 5-8.交響曲第3番 へ短調「アイルランド風に」
デヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指揮)
ボーンマス交響楽団
7曲もあるにもかかわらず「20 世紀になった今では時代遅れの音楽だ」とされ忘れ去られてしまったスタンフォード(1852-1924)の交響曲。しかし第3 番だけはその素朴で物悲しいメロディと雰囲気が愛されたのかずっと演奏され続け、彼の代表作の一つとしても認知されている。しかし第6 番は作曲されてからの80 年の間にたった2 回ほど公式に演奏されたのみ。何ともったいないことでしょう!!!美しいメロディとハーモニーに彩られた作品、これはブーム到来の予感。
8.570366-67
(2CD)
マイール:オラトリオ「エンゲディの洞穴のダヴィデ」
 CD1…第1 部
 CD2…第2 部
ダヴィデ…メリット・オスターマン(メゾ・ソプラノ)/
サウル…コルネリア・ホラク(ソプラノ)/
ミコール…市原愛(ソプラノ)/
ヨナタス…ジビラ・ドッフェ(ソプラノ)/
アブネル…クラウディア・シュナイダー(ソプラノ)/
フランツ・ハウク(指揮&ハープシコード)/
シモン・マイール合唱団&アンサンブル
このところ再評価の高まる、バイエルン生まれのイタリアで活躍した作曲家マイール(1763-1845)だが、今回はオラトリオをお届け。1795 年ベニスの慈善団体のために書かれた4 連作の最後の曲で、聖書のエピソードの一つダヴィデとサウルの対立を扱ったもの。ソロも合唱も全て女声というのも興味深いところ。この演奏には日本の才能溢れる期待の若手ソプラノ市原愛さんも参加、熱唱を聴かせる。
8.570368 D.スカルラッティ:ピアノ・ソナタ全集 第9 集
 1.ソナタ ニ短調 K.52/L.267/P.41/
 2.ソナタ ニ短調 K.77/L.158/P.10/
 3.ソナタ ト長調 K.79/L.80/P.204/
 4.ソナタ ト短調K.111/L.130/P.99/
 5.ソナタ ハ短調 K.139/L.6/P.126/
 6.ソナタ ハ長調 K.170/L.303/P.164/
 7.ソナタ ニ短調K.176/L.163/P.163/
 8.ソナタ ニ長調 K.277/L.183/P.275/
 9.ソナタ イ長調 K.344/L.295/P.221/
 10.ソナタ ハ長調K.340/L.105/P.420/
 11.ソナタ ニ長調 K.388/L.414/P.370/
 12.ソナタ ハ長調 K.398/L.218/P.493/
 13.ソナタ イ長調K.456/L.491/P.377
フランチェスコ・ニコローシ(ピアノ)
ナポリ楽派の歌劇作曲家、卓越したチェンバロ奏者、そしてオルガニストであったドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。555曲あるチェンバロソナタは、彼が音楽指導を行っていたポルトガル王女マリア=バルバラ(後のスペイン王妃)の練習用として書かれたもので、ほとんどが単一楽章で構成された短いものだが、そこに盛り込まれた技巧は多種多様で当時としてはとても実験的なものだった。現在のピアニストにとっても重要なアンコールピースであることは間違いない。
8.570397 ボッテジーニ:大協奏曲 嬰ヘ短調 他
 1.協奏的大ニ重奏曲 /
 2.弦楽のためのアンダンテ・ソステヌート/
 3.クラリネットとコントラバスのための二重奏曲/
 4-6.大協奏曲 嬰へ短調
  ASV 原盤による移行盤
  2-6…オリジナル版初録音
トーマス・マーティン(コントラバス)…1.3.4-6/
ホセ=ルイス・ガルシア(ヴァイオリン)…1 のみ/
エマ・ジョンソン(クラリネット)…3 のみ
アンドリュー・リットン(指揮)/
イギリス室内管弦楽団
オーケストラにとって、なくてはならない存在だけど決して主役になることはないコントラバス。この楽器に煌く光を当てたのが史上最高のコントラバス演奏家であったボッテジーニ(1821-1889)です。彼は楽器の可能性を追求し、極限まで音色の美しさを引き出すことに成功した。ここに収録された大協奏曲嬰へ短調はその中でもとりわけ見事なもので、イタリア的な明るいメロディながらも、調性も冒険的で複雑な構成を持った意欲作。
8.570420 パロモ:声楽付きの作品集
 ソプラノとクラリネット、管弦楽のための「心の歌」
  (1.水鳥/2.ティエントスの夜明け/
  3.アンティルのセレナーデ/4.光への旅/5.白い宮殿)/
 ソプラノとギター、管弦楽のための「シンフォニア・グラナダ」
 (6.夢を作る風景/7.アルハンブラに至る/8.大地と海/
  9.サクロモンテの踊り/10.雪で描いた空)
マリア・バーヨ(ソプラノ)…1-10/
ホセ・ルイス・エステレス(クラリネット)…1-5/
ビセンテ・コベス(ギター)…6-10/
ルイス・ガルシア・モンテーロ(朗読)…6-10/
ジャン=ジャック・カントロフ(指揮)/
グラナダ市立管弦楽団
心に沁み入るギター曲と歌曲集が話題となった第1 集(8.557135)に続くスペインの作曲家パロモ(1938-)の作品集。今作は管弦楽を伴う歌曲集で、名歌手バーヨのしみじみとした歌声が一抹の哀愁と清々しさを運ぶ。アラビア、ヘブライ音楽のメリスマを起源とする独特の歌唱とフラメンコの要素を含む真のアンダルシアの音楽がここにある。
8.570428 シマク:弦楽四重奏曲 第2&3 番 他
 1.弦楽四重奏曲第3 番「天上の声」/
 2.ヴァイオリン・ソロのための「2 対のひそやかな声」/
 3.ヴァイオリン・ソロのための「独り言 I」/
 4.チェロ・ソロのための「独り言 Ⅱ」/
 5.ヴィオラ・ソロのための「独り言 Ⅲ」/
 6.弦楽四重奏曲第2 番「ラディウス」
クロイツァー弦楽四重奏団
<メンバー>
ペーター・シッパード・スケーヴド(第1 ヴァイオリン)…1.2.3.6/
ミハイロ・トランダフィロフスキ(第2 ヴァイオリン)…1.6/
モーガン・ゴフ(ヴィオラ)…1.5.6/
ニール・ヘイド(チェロ)…1.4.6
20 代にアルバニアのティラナに赴き、研究生活と音楽活動を行った作曲家シマク(1958-)。彼自身、「その時に触れたその土地の民謡と古謡の数々はその後の創作活動に多大なる影響を与えた」と語るほど。とは言え、そのメロディを作品中に引用することはなく、特質のみを音楽のイディオムに組み込んだそう。その心意気、耳を澄まして聴きとってください。
8.570455 レーガー:オルガン作品集 第8 集
 コラール幻想曲「われらが神はかたき砦」Op.27/
 12 の小品 Op.80 より第7 番 スケルツォ 嬰へ短調/
 30 の小コラール前奏曲 Op.135a より第11-16 番/
 12 の小品 Op.80 より第8 番 ロマンス イ短調/
 30 の小コラール前奏曲 Op.135aより第17-23 番/
 ロマンス イ短調/
 30 の小コラール前奏曲 Op.135a より第24-30 番/
 前奏曲とフーガ 嬰へ短調 /
 序奏とパッサカリア ニ短調
マルティン・ヴェルツェル(オルガン)
曲だけ聴いていると敬虔な人物を彷彿させるレーガー(1873-1916)ですが、実はかなり荒っぽい性格で、大食い、大酒飲み、喧嘩好きだったとされている。カトリックの教会でプロテスタントのコラールを演奏したりと、なかなかやんちゃな事ばかりしていて顰蹙を買うのも好きだったという彼、作品も至極複雑怪奇。しかし一度はまれば抜けだせない音楽。
8.570466 リスト:ピアノ曲全集 第28 集
 ベートーヴェン:交響曲第9 番「合唱」
  (リストによる2 台ピアノ編曲版)
レオン・マッコーリー(第1 ピアノ)/
アシュリー・ウェイス(第2 ピアノ)
オーケストラの演奏を今のように気軽に聴くことのできなかった当時は、さまざまな作品がピアノ独奏や4 手ピアノのために編曲されたもの。とは言え、このベートーヴェンの大作は合唱が入ることもあり、そうそう編曲の俎上に載せられるものではなかった。リスト(1811-1886)はピアノ独奏版とこの2 台ピアノ版でこの曲を再構築したが、まあとにかく音が多い!終楽章などまさに音の激流。そのせいでもないだろうが、ある1 か所で1 小節省いてあるのはリストの遊び心なのでしょうか?
8.570467 英国歌曲集シリーズ 第18 集
 アイアランド:歌曲集
 1.素晴らしきもの/
 2-4.トーマス・ハーディの詩による3 つの歌(夏の配色/彼女の歌/お天気)/
 5.海熱/6.サン・マリーの鈴/7.放浪者/8.サンタ・キアーラ/
 9.あいびき(噴水のある庭で)/10.音楽の間に/
 11-13.マリーゴールド(青年期の春〜賛辞/半影/気まぐれ)/
 14.私は12 匹の雄牛を持っている/
 15-17.私たちは森に
  (私たちは森に/少年時代に/春は待つことなしに(ピアノ・ソロ)/
 18-22.トーマス・ハーディの5 つの詩
  (私に合図を/賢明な瞬間に/
  それはあなたとともに耐えたこと/瞬間の悲劇/
   あなたを忘れることはないと思う)/
 23.代価/24.私の命が終わる時、親しい人よ/
 25.サリー・ガーデン/26.すべて、そして緩く/
 27.もしも売ることのできる夢があれば
ロデリック・ウィリアムス(バリトン)/
イアン・バーンサイド(ピアノ)
イギリスの品の良さを一身に集めたかのような美しい作品を残したアイアランド(1879-1962)。とりわけ管弦楽作品が良く知られていますが、彼の残した91 曲の歌曲も、ほどよく抑制された表現の中に苦しく甘い切なさを感じさせる美しいものに満ちている。アンコールピースとして知られる「海熱」や素朴な「彼女の歌」など味わい深い歌ばかり。ウィリアムスの端正な歌声もはまっている。
8.570483 ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
 ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VⅡa:1/
 ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Hob.VⅡa:3/
 ヴァイオリン協奏曲 ト長調Hob.VⅡa:4
アウグスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)/
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指揮)/
ケルン室内管弦楽団
ハイドン(1732-1809)の作品の中でも、トランペットやピアノ、チェロに比べてあまり人気のないのがこのヴァイオリン協奏曲だろう。エステルハージ宮廷楽団の奏者トマジーニのために書かれた作品で、なかなか凝った節回しがあちらこちらにあり、爽快さと心地良さが駆け巡る楽しい曲ばかり。この演奏は、重鎮ミュラー=ブリュールと1984 年生まれの若手ヴァイオリニスト、ハーデリッヒの競演で弾むヴァイオリンをしっかり包み込む管弦楽の響きは極上。
8.570488 メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲 第1 番&第2 番
 弦楽五重奏曲第2 番 変ロ長調 Op.87/
 弦楽五重奏曲第1 番 イ長調 Op.18/
 メヌエット(弦楽五重奏曲第1 番の初稿版第3 楽章)
ファイン・アーツ弦楽四重奏団
<メンバー>
ラルフ・エヴァンス(第1 ヴァイオリン)/
エフィム・ボイコ(第2 ヴァイオリン)/
ユーリ・ガンデルスマン(ヴィオラ)/
ヴォルフガンク・ラウファー(チェロ)/
ダニロ・ロッシ(ヴィオラ)
早熟の天才、メンデルスゾーン(1809-1847)はわずか17 歳で、あの有名な「真夏の夜の夢」の序曲や、この弦楽五重奏の第1番を書き上げた。そしてその19 年後(これは彼の死の2 年前です)には第2 番が作曲されました。どちらの曲も驚くほど豊富なメロディに満ちている。当初1 番にはアンダンテがなかったのだが、彼の師であるリーツの死を悼み急遽第2 楽章を作曲、本来の第2 楽章を第3 楽章にずらし、本来の第3 楽章メヌエットが削除された。当盤にはそのメヌエットもしっかり収録されている。
8.570525 ハイドンとアビンドン卿
 歌曲と室内楽作品集
 1-5.教会と市街地/6-8.ハイドン:フルート三重奏曲第4 番 ト長調/
 9.ハイドン:この世で何も得ようとは思わない/
 10.ハイドン:彼女は決して恋について語らない/
 11-14.アビンドン卿:カントリー・ダンス/
 15-17.アビンドン卿:鳥とみつばち/
 18.ハイドン:イギリス・トリオ 第2 番 ト長調/「アビンドン卿による主題と変奏」/
 19-22.アビンドン卿:恋わずらいの心/
 23-25.アビンドン卿:カントリー・ダンスとメヌエット/
 26-28.ハイドン:イギリス・トリオ 第1 番 ハ長調/
 29.ハイドン:精神の歌/30.ハイドン:氷柱が壁にかかるとき
デレク・マカロック/
カフェ・モーツァルト(ウィンザー)
名競走馬ポテイトーズの馬主としても知られる第4 代アビンドン伯爵、ウィロービー・バーティはハイドンの友人として、またアマチュア作曲家としていくつかの作品を残している。ここで聴けるそれらの作品はダウランドの面影も感じさせる素朴で愛らしいもの。マカロック率いるアンサンブル「カフェ・モーツァルト」のいかにも楽しげな演奏でお楽しみください。
8.570530 W.F.バッハ:鍵盤作品集 第2 集
 1.シンフォニア ハ短調 Fk15/2.フーガ 第1 番 ハ長調 Fk31/1/
 3.フーガ 第2 番 ハ短調 Fk31/2/4.ファンタジア ホ短調Fk21/
 5.フーガ 第3 番 ニ長調 Fk31/3/6.フーガ 第4 番 ニ短調 Fk31/4/
 7.ファンタジア ニ短調 Fk19/8.フーガ 第5 番変ホ長調 Fk31/5/
 9.フーガ 第6 番 ホ短調 Fk31/6/10.ファンタジア ハ短調 Fk nv2/
 11.フーガ 第7 番 変ロ長調 Fk31/7/12.フーガ 第8 番 ニ短調 Fk31/8/
 13.ファンタジア イ短調 Fk23/14.ファンタジア ニ短調 Fk18
ユリア・ブラウン(ハープシコード)
W.F.バッハ(1710-1784)の鍵盤曲集第2 集。すぐれたオルガン奏者でもあった彼は、従来の形式に新しさを組み込んだ独自の音楽を作り上げた。ここに収録されたファンタジアはどれも宝石のような美しさを湛え、フーガは驚くべき自由さに満ちている。100 年ほど時代を先取りしたかのような当時としては「新しすぎた音楽」と言えるだろう。
8.570561 ウッド:マルコ受難曲
 讃歌「歌え、私の舌よ」/第1 のゴスペル/
 讃歌「聖なる言葉」/第2 のゴスペル/
 讃歌「おお、我らが汝の王位の前にひれ伏す時」/
 第3 のゴスペル/讃歌「ああ、私は汝を愛する」/
 第4 のゴスペル/讃歌「十字架に忠実に」/
 第5 のゴスペル/讃歌「汝の枝、栄光の木よ」
ベアストウ(1874-1946):
 「舌もて語らしめよ」によるヴォランタリー トッカータ-前奏曲
エヴァンゲリスト…サイモン・ウォール(テノール)/
キリスト…ジェームス・バーチャル(バリトン)/
高僧、ユダ、ピラト…エドワード・グリント(バス)/
ソプラノ・ソロ…ルス・ジェンキンス/
ジョナサン・ヴォーン(オルガン)/
ケンブリッジ・イエス・カレッジ合唱団/
ダニエル・ハイド(指揮)
近代英国音楽界の草分け的存在である、チャールズ・ウッド(1866-1926)はとりわけ教会音楽の分野で素晴らしい作品を残した。マニフィカト、30 を超える讃歌、テ・デウムなど多くの名作があるが、この「マルコ受難曲」は1920 年完成の作品で、ルター派のコラールなどの有名な讃美歌が散りばめられた荘大な曲。英語で書かれた受難曲の代表作としても知られている。
8.570590-91
(2CD)
ロッシーニ:ピアノ作品全集 第1 集
CD1
 老いのいたずら 第7 巻
 草葺き小屋のアルバム(全曲)
  1.第1 番「間隔の訓練 」/2.第2 番「前奏曲とフーガ」/
  3.第3 番「中国風小ポルカ」/4.第4 番「ブドワールの小ワルツ」/
  5.第5 番「無害の前奏曲」/6.第6 番「小ワルツ」/
  7.第7 番「深き眠り」/8.第7 番続き「びっくりして目を覚ます」
CD2
 老いのいたずら 第7 巻続き
  1.第8 番「中国の聖歌」/2.第9 番「悪夢」/
  3.第10 番「不安定なワルツ」/4.第11 番「フローレンスの考え」/
  5.第12 番「行進曲」
 老いのいたずら 第9 集
  6.第1 番「キャンディードのメロディ」/7.第3 番「愛しきサヴォア」/
  8.第2 番「小さな歌」/9.第5 番「タランテラ風の即興曲」
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)
37 歳で最後(!)のオペラ「ウィリアム・テル」を発表後、44 歳で引退表明、後は悠々自適の人生を送った幸せな作曲家ロッシーニ(1792-1868)。そんな彼が引退後に折にふれ書き綴ったピアノ曲や歌曲、室内楽の数々がこの「老いのいたずら」です。ほどよく肩の力の抜けたオシャレで楽しい小品ばかり。特に第7 巻の録音はほとんどありません。貴重です。
8.570708 シェイクスピア劇場のための音楽
 1.きけきけ、ひばり/2.水仙の花が顔をのぞかせだすと/
 3.まだらのひなぎく/4.富/5.もはや灼熱の太陽も怖れるな /
 6.吹きだまりの雪と同じぐらい白い芝生/7.ケンプのジグ/
 8.カリノ/9.それは恋する若者とその彼女/10.私が出会った時/
 11.私がどうすればよいのかあなたの恋人は知ってるの?/
 12.かわいいコマドリ/13.明日はバレンタイン・デー/
 14.そして彼はもう来ないの?/15.若い頃に恋愛をした/
 16.タールトンの復活/17.おーい、陽気なコマドリよ/
 18.貧しいひとは、溜息をついて(柳の歌)/19.私の愛しき人/
 20.来たれ死よ/21.“グリーンスリーブス”によるディヴィジョン/
 22.さらば親愛なる人よ/23.パキントンのポンド/
 24.言わずにいておくれ/25.おお、甘きオリヴァーよ/
 26.ちょっとだけ恋/27.シルヴィアは誰?/28.調子が悪い/
 29.お嬢さん、溜息をつかないで/30.私と一緒に暮らしにおいで/
 31.不平を言う時の悲しみ/32.おお死よ、私を眠りに/
 33.心の安らぎ/34.まだらの蛇よ/35.雄鶏とひなたち/
 36.水底深く父は眠る/37.ハンスドン夫人のパフ/38.蜂が密を吸うところ
レベッカ・ヒッキー(ソプラノ)/
ジェラルド・プレイス(テノール)/
ドロシー・リネル(リュート)
ルネサンス時代の劇場にとって、音楽はとても重要な役割を演じた。何しろ現代のように大がかりなセットも、豪華な照明もありません。人々が劇を見て笑うのも、悲しむのも、またごちそうを食べる時にも常に雰囲気を高めるためには音楽が必要だったのです。ここに収録されたのはシェイクスピア劇のために書かれた様々な音楽。ダウランド、バードや名も知れぬ作曲家たちの書いた作品は咲き誇るバラのように色とりどり。
8.570709 クーラウ:ピアノソナタとソナチネ集
 ソナタ イ長調 Op.59 No.1/
 ソナタ ヘ長調 Op.59 No.2/
 ソナタ ハ長調 Op.59 No.3/
 ソナチネ ハ長調 Op.20No.1/
 ソナチネ ト長調 Op.20 No.2/
 ソナチネ ヘ長調 Op.20 No.3
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
ピアノを学ぶ人にはおなじみ、フリードリヒ・クーラウ(1786-1832)はドイツに生まれ、小さい頃井戸に落ちて失明するというハンディを負いつつもコペンハーゲンで作曲家、ピアニスト、教師として活躍した。初期のベートーヴェンを思わせる素晴らしいピアノ協奏曲も書いたが、何といっても愛らしいソナチネが知られている。ハ長調のソナチネ第1 楽章から聴いてみてください!
8.570735 オーボエ・ダモーレ協奏曲集
 1-4.テレマン(1681-1767):協奏曲 ト長調 TWV G3/
 5-7.J.S.バッハ(1685-1750)協奏曲 イ長調 BWV 1055/
 8-10.J.S.バッハ(1685-1750)協奏曲 ニ長調 BWV 1053/
 11-14.テレマン(1681-1767):協奏曲 イ長調 TWV A2
トーマス・ステイシー(オーボエ・ダモーレ)/
ケヴィン・マロン(指揮)/
トロント室内管弦楽団
ニューヨーク・フィルハーモニーのイングリッシュ・ホルン奏者として名高いトーマス・ステイシーは、その卓越した表現力が高く評価され、数々の録音でも名演を聴かせている。このアルバムでは楽器をオーボエ・ダモーレに持ち替え、芳醇で独特な音色を心行くまで楽しませてくれる。テレマンやバッハでの目も眩むばかりのパッセージや空に溶け込むように伸びて行く音。このユニークで郷愁を誘う楽器の魅力をご堪能ください。
8.570746 サイグン:ピアノ作品集
 アナトリアから/
 アクサク・リズムによる12 の前奏曲/
 インジの本/
 アクサク・リズムによる10 のスケッチ/
 ソナチネ Op.15
ゼイネプ・ユチェバシャラン(ピアノ)
20 世紀のトルコで最も有名なサイグン(1907-1991)は、自国の民俗音楽の収集、及び西洋音楽との融合。これらに力を尽くした作曲家として知られている。ここに収録されたピアノ曲は、どれもが特有の「足をひきずるようなリズム」を持ち、トルコの舞曲形式が使われている。「インジの本」での単純さ、そして散りばめられた魅力的な部分に心惹かれる人も多いだろう。

CPO 1CD¥2600

777245-2 ハンブルグ1600-1800 年の聖なる音楽集
 ヒエロニムス・プレトリウス:モテット集
マンフレッド・コルデス(指揮)/
ブレーメン・ヴェーザー・ルネッサンス
ハンブルクに生まれ、生涯のほとんどをその地のオルガニストとして過ごしたヒエロニムス・プレトリウス(1560-1629)のモテット集。16〜17 世紀当時の音楽界を牛耳っていたのはハスラー、ガブリエリをはじめとした北イタリアの音楽家たちでした。当然彼もヴェネツィア楽派の作曲技法に熟知していたようです。ここで聴かれるモテットはラテン語で書かれてはいるものの、複雑な声部の動きを持つ精緻な合唱が魅力的。極上のハーモニーが楽しめる。
777268-2 テレマン:管楽器のための協奏曲集 第3 集
 1.ピッコロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲TWV51 D4 /
 2.オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲TWV51 C1 /
 3.リコーダー、ホルンと通奏低音のための協奏曲TWV42 F14/
 4.フルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲TWV51 G2 /
 5.トランペット、弦楽と通奏低音のための協奏曲TWV51 D7 /
 6.2つのトラヴェルソ・フルート、バスーン、
  弦楽と通奏低音のための協奏曲TWV53 G1
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)/
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
カメラータ・ケルン
テレマン(1681-1767)のオーソリティ、カメラータ・ケルンとミヒャエル・シュナイダーによる協奏曲集の第3 集。旧録時代からその素晴らしさはお墨付き。今作でもふるい付きたくなるような美音と切れ味鋭いアンサンブルで聴き手を夢幻の境地に誘う。
777312-2
(SACD)
\3100
ヘンデル:水上の音楽 HWV348-350/王宮の花火の音楽 HWV351 フェデリコ・グリエルモ(指揮)/
ラルテ・デ・ラルコ(古楽器オーケストラ)
ヘンデル(1685-1759)の「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」のオリジナル楽器による録音です。このアンサンブルのメンバーは、本当に言葉にできないほど素晴らしい腕を有している。SACD のスペックを最大限に活かした録音の良さも相まって、各楽器の鳴りの良さは感動的。表情豊かで驚くほどに巧いナチュラルホルンを聴いているだけでも幸せになってしまうこと請け合い!!夏にぴったりのオススメ盤です。
777340-2
\2000
プラッティ:ソナタとトリオ集
 1.ヴァイオリンとオーボエ、通奏低音のためのソナタ(トリオ) ニ長調/
 2.オーボエとチェロ、通奏低音のためのソナタ(トリオ)ト短調/
 3.ヴァイオリンとチェロ、通奏低音のためのソナタ(トリオ) ト長調/
 4.オーボエと通奏低音のためのソナタ ハ短調/
 5.チェロと通奏低音のためのソナタ ニ短調/
 6.オーボエとバスーン、通奏低音のためのソナタ(トリオ) ハ短調
エポカ・バロッカ
驚くほど多彩な音楽家であったプラッティ(1697?-1793)は歌手でもあり、フルート、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロを見事に演奏し作曲した。現在その作品のほとんどは忘れ去られていたが、最近になって相次いで良質のCD がリリースされている。このアルバムに収録されたのはトリオソナタと各楽器のためのソナタで、どの曲にも伸びやかなメロディが溢れている。聴き始めた瞬間にその美しさに愕然とするはず。
777367-2
(3CD)
リュリ:歌劇「プシュケ」 カロリン・サンプソン(S)/
カリーナ・ゴヴァン(S)/
エアロン・シーハン(T)/
コリン・バルツァー(T) 他
ポール・オデット&スティーヴン・スタッブス(指揮)/
ボストン祝祭古楽オーケストラ&合唱団
リュリ(1632-1687)の悲劇「プシュケ」の全曲盤の登場。音楽祭で上演された際の録音で、サンプソンらの名唱が話題となったもの。指揮はポール・オデット&スティーヴン・スタッブスの定評ある共同作業。前作「テゼ」(777240-2)はグラミー賞にもノミネートされた。
777374-2 ヴェルフル:ピアノ協奏曲集
 1.ピアノ協奏曲 第1 番 Op.20/
 2.ピアノ協奏曲 第5 番 Op.43「大軍隊協奏曲」/
 3.ピアノ協奏曲 第6 番 Op.49「鶏」/
 4.ピアノ協奏曲 第4 番よりアンダンテ
ヨルク・クローネンベルク(ピアノ)
ヨハネス・メーズス(指揮)/
SWR 放送管弦楽団カイザーシュラウテルン
1773 年生まれのヴェルフル(1773-1812)は同時代に相当な名声を誇り、同世代のベートーヴェンともピアノで対決し引き分けた(!)という人物です。2 曲の交響曲が知られますが、このピアノ協奏曲はハイドン風の軽快なモティーフが好感触のステキな作品。良く聴いてみると管弦楽部分が結構凝った書き方をしていることに気がつくでしょう。第6 番のタイトル「かっこう」は終楽章のメロディに由来するものです。
777403-2
(2CD)
\2600→¥2390
J・S・バッハ:オルガン作品集 第21 集
 1.主なる神、我らの側(かたえ)にいまさずして BWV1128(世界初録音)/
 2.フーガの技法 BWV1080(オルガン版)
ゲルハルト・ヴァインバーガー(オルガン)
最初の5 小節のみが現存していたとされる、バッハ(1685-1750)の初期のオルガン曲「主なる神、我らの側(かたえ)にいまさずして」。今年3 月末にこの筆写譜(19 世紀後半のもの)がハレ=ヴィッテンベルク・マルティン=ルター大学(MLU)音楽研究所楽理科の2 人の研究者によって発見されたことは音楽ファンの間で大きなニュースとなりました。6 月10 日にハーゼルベックによって公開初演されましたが、録音としてはこちらが世界初となる。

新レーベル PHOENIX 1CD¥2600

PE-101
(SACD Hybrid)
\2600
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:ソロのためのカンタータ「春」
 1.「オリンピア」序曲 VB33/
 2-5.カンタータ「弁解」VB43/6.「オリンピア」ラルゴ/
 7-10.カンタータ「春」VB47/11.「オリンピア」ラルゴ/
 12-17.カンタータ「嫉妬」VB46/18.「オリンピア」アンダンティーノ/
 19-21.カンタータ「漁師たち」VB44
ジモーネ・ケルメス(ソプラノ)
ヴェルナー・エールハルト(指揮)ラルテ・デル・モンド
最近評価が高まる「北欧のモーツァルト」と評されるヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)の声楽作品集です。劇的な表現と仄かに散りばめられた哀愁が何とも魅力的な作品ばかり。バロック・ソプラノの第一人者、ケルメスの表現力豊かな歌声は聴き手を至福の境地へと誘う。エールハルトの引き締まった指揮も曲の魅力を余すことなく伝えています。
PE-102
(SACD Hybrid)
\2600
ソプラノとトランペットのためのカンタータ集
 1-4.バッハ(1685-1750):
  カンタータ第51 番「もろびとよ、歓呼して神を迎えよ」/
 5.クリーゲル(1649-1725):ソナタ/
 6.ローゼンミューラー(1619-1684):宗教的協奏曲/
 7.フィンゲル(1660-1730):ソナタ ハ長調/
 8.ローゼンミューラー:宗教的協奏曲/
 9-11.ゼレンカ(1679-1745):ラウダーテ・プエリ
ルート・ツィーザク(ソプラノ)/
ラインホルト・フリードリヒ(バロック・トランペット)
ベルリン・バロック・カンパニー
バロックの時代において、トランペットは神の声とされ、この楽器が出てくるのは「特別の場合」に限られていた。この輝かしい音色を響かせているのは、かつてフランクフルト放送響の首席を務め、ルツェルン祝祭管でも輝かしい音色を聴かせる世界的名手、ラインホルト・フリードリヒ。ただでさえ演奏が困難であるバロック・トランペットをここまで完璧に吹きこなせるのには感嘆する他ありません。ツィーザクのソプラノも、まさに天使の声!
PE-106 フランツ・クロンマー:
 ディヴェルティメント ヘ長調 Op.96/ピアノ四重奏曲 Op.95
コントラスト・ケルン弦楽三重奏団
<メンバー>
ジルヴィー・クラウス(ヴァイオリン)/
クリスティアン・グーセス(ヴィオラ)/
ヴェルナー・マツケ(チェロ)/
アレクサンダー・プリアエフ(ハンマークラヴィーア)
モーツァルトと同時代の作曲家、クロンマー(1759-1831)はモラヴィアに生まれ主にウィーンとハンガリーで活躍した人。彼は典型的な古典派の特長を備えた作品を書き、それはハイドン風でもあり、ベートーヴェン風でもあります。晩年の作品はロマン派の作風も備えており、この時代の作品を集中して聴きたい人にはうってつけの1枚と言えそうです。ピアノ四重奏曲でのフォルテピアノの優雅な響きもたまりません。1999 年に結成されたコントラスト・ケルン弦楽三重奏団は、緊密なアンサンブルと暖かい楽器の音色が魅力的。
PE-107
(2CD)
\2600
ベートーヴェン・アカデミー ベートーヴェンの作品集
CD1
 1.「献堂式」序曲 Op.124/
 2-4.3 つの讃歌(ミサ・ソレムニス Op.123 より)(キリエ/クレド/アニュス・デイ)
CD2 1-4.交響曲第9 番「合唱」Op.125
ペーター・ライカ(バス)…CD1 2-4/
クラウディア・バラインスキ(ソプラノ)/
ゲルヒルト・ロンバーガー(メゾ・ソプ
ラノ)/
レイ・M・ウェイド・ジュン(テノール)/
ダニエル・ボロウスキ(バス)/
コーラス・ムジクス・ケルン/
ダス・ノイエ・オーケストラ/
クリストフ・シュペリング(指揮)
1824 年5 月7 日、ウィーンで第9 の初演が行われた際のプログラムをそのまま復元した演奏会です。オリジナル楽器オーケストラの最高峰によるベートーヴェン(1770-1827)をお聴きください。艶やかな弦の響きと軽快なテンポに思わず心惹かれる。研究家としても名高いシュペリングの指揮は、細かいところまで心配りの行き届いた説得力のある演奏。後半若干アンサンブルに乱れが生じるが、それもご愛敬と言えるでしょう。
PE-110
(SACD Hybrid)
\2600
ルベル:四大元素/
ラモー:カストルとポリュックス
ミヒ・ガイッグ(指揮)/
オルフェオ・バロックオーケストラ
ルベル(1666-1747)の「四大元素」は以前からバロック音楽マニアの間ではよく知られた作品。冒頭のこの世とも思われる不協和音、これは初めてこの曲を耳にした人にはかなりのショックを与えること間違いなしです。地球を表す低弦の響き、フルートは水、ヴァイオリンは大気を表現し、信じられないほどに快活な音で地球の神秘を描き出す。
PE-111 ヨーゼフ・マルティン・クラウス:劇音楽「アンフィトリオン」 シャンタル・サントン(ソプラノ)/
ゲオルグ・ポプルッツ(テノール)/
ボナー室内合唱団/
ラルテ・デル・モンド/
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
「北欧のモーツァルト」マルティン・クラウスが(1756-1792)一番得意とした分野がこの劇場音楽。場面に合わせて表現力豊かな音楽が次から次へと湧きだし、聴き手の耳を楽しませてくれる。このエールハルトのライヴ録音の素晴らしさは言葉に尽くせない。歌手、合唱、そして管弦楽。全てが最上の音を奏でる。
PE-112 ウィーン・ホーフカペレ〜ウィーンの宮廷礼拝堂の音楽
 1-13. アイブラー、ハーベック、サリエリ、モーツァルト他
レネーケ・ラウテン(ソプラノ)/
ヨハネス・マルティン・クレンツレ(バリトン)/
ダニエル・ベーレ(テノール)/
ウタ・クリスティナ・ゲオルグ(メゾ・ソプラノ) /
ケルンWDR 放送管弦楽団/
ヘルムート・フロシャウアー(指揮)
ウィーンの宮廷礼拝堂が設立されたのは1948 年、マクシミリアン1 世の統治中だとされています。多くの作曲家が即位式や祝賀のための音楽を委嘱され、素晴らしい作品を残しています。この中にはハイドンやモーツァルトなどの良く知られた作曲家から、アイブラーやハーベックなど現在では忘れられてしまった人など多彩な作品が含まれています。計り知れないほど価値のあるアーカイヴ。
PE-116
(2CD)\2600
モーツァルト:レクイエム・大ミサ曲
 CD1 1-13.大ミサ曲 ハ短調 K.427
 CD2 1-14.レクイエム K.626
アーリーン・オージェ(ソプラノ)/
ドリス・ゾッフェル(メゾ・ソプラノ)/
トマス・モーザー(テノール)/
シュテファン・ローベルト(バス)/ヴォルフラム・ゲーリング(オルガン)…CD1/
クリスティーナ・ラキ(ソプラノ)/
ドリス・ゾッフェル(メゾ・ソプラノ)/
ロベルト・スヴェンセン(テノール)/
トーマス・クヴァストホフ(バス)…CD2/
ケルン放送合唱団/
ケルン放送交響楽団/
ガリー・ベルティーニ(指揮)
CAPRICCIO レーベルで好評だったシリーズをそのまま引き継いだ形の今は亡き巨匠ベルティーニの音源発掘盤。こちらは1986 年録音のモーツァルト「大ミサ」と1991 年録音のレクイエムです。鬼気迫るベルティーニの指揮、オージェ、モザーなど当時最高の名歌手たちの歌声と聴きどころ満載。
PE-121 アルミランテ
 J・S・バッハ、ヘンデル、フックス、パーセルの音楽に基づく3 幕のオペラ
デボラ・ヨーク(ソプラノ)/
リディア・フィアリンガー(アルト)
カペラ・レオポルディナ/
イェルク・ツヴィッカー(指揮)
本来、新作オペラというものは、その時代の作曲家によって書かれます。しかし、この作品は過去の名作曲家たちとの素晴らしい共同作業によって生まれた新作。このオペラの再構築のためにソプラノとアルトのために書かれた美しいバロックのデュエットを探しだし、歌詞をチェックしながら注意深く曲をつなぎ合わせたのです。そして更に新しい「ラブ・ストーリー」を注ぎこみました。ヨークとフィアリンガーの2人の名花が妙なる歌声で聴き手を魅了する。
PE-122
(4CD)
\3400
(厚ケース)
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
CD1
 1.ピアノ三重奏曲 第7 番「大公」Op.97/
 2. 仕立て屋カカドゥの主題による10 の変奏曲 Op.121a/
 3.ピアノ三重奏曲 第9番 変ホ長調 WoO.38/
 4.ピアノ三重奏のためのアレグレット 変ホ長調 Hess48
CD2
 1.ピアノ三重奏曲 第2 番 ト長調 Op1-2/
 2.ピアノ三重奏曲 第10 番 変ホ長調「創作主題による14 の変奏曲」Op.44/
 3.ピアノ三重奏曲 第6 番 変ホ長調 Op.70-2
CD3
 1.ピアノ三重奏曲 第1 番 Op1-1/
 2.ピアノ三重奏曲 第4 番「街の歌」Op.11/
 3.ピアノ三重奏曲 第5 番 「幽霊」Op.70-1
CD4
 1.ピアノ三重奏曲 第3 番 ハ短調 Op.1-3/
 2.三重奏曲 Op.38 (七重奏曲 Op.20 よりベートーヴェン自身による編曲)/
 3.ピアノ三重奏曲 第8 番 変ロ長調 WoO.39
ハイドン・トリオ・アイゼンシュタット
ベートーヴェンはその生涯のほとんど全ての時期にピアノ三重奏曲を作曲しています。初期の習作から晩年の円熟した作品までどれもが独創性に富んだ、まさに「通のため」の音楽。ここで演奏しているハイドン・トリオ・アイゼンシュタットは1992 年に結成された団体で古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを有しています。全てのパートが均一で輝かしい音色。極上のアンサンブル。

TOCCATA 1CD¥2600

TOCC0054 マギ(1922-):管弦楽作品集
 1.ヴェスプレ/2-4.ピアノ協奏曲/5.ブクーリカ/
 6.ピアノとクラリネット、室内管弦楽団のための変奏曲/7-9.交響曲
アダ・クーセオク(ピアノ)…2-4/
マティ・ミカライ(ピアノ)…6/
タルモ・パジューシャー(クラリネット)…6/
エストニア国立交響楽団/
アルヴォ・ヴォルマー(指揮)1-5/
ミケル・クーツォン(指揮)…6-9
エストニア近代音楽の先駆者として知られるエステル・マギ女史の作品集。タリンとモスクワの音楽院で作曲法を学び、母校タリン音楽院で音楽理論を教えた。エストニアの民族音楽のモティーフを効果的に用い、簡潔で力強いフォルムで書かれた音楽は世界中で愛好され、多くの演奏家が好んでレパートリーとして取り上げている。初期の「ピアノ協奏曲」から段階を追って熟成していく彼女の作風を辿れる1 枚。
TOCC0076 ガリーニン(1922-66):ピアノ作品集 第1 集
 1-3.ソナタ・トリアード/4-8.組曲/9-12.4 つの前奏曲/
 13.ワルツ/14.ダンス/15.スケルツォ/16.スペイン風幻想曲/
 17-19.「じゃじゃ馬馴らしが馴らされて」より3つの小品/
 20-24.動物園にて
アルガ・ソロヴィエヴァ(ピアノ)
1922 年にモスクワ近郊で生まれ、1966 年にモスクワで没したロシアの作曲家ガリーニンのピアノ作品集。ショスタコーヴィチと比較される事の多い人だが、このアルバムを聴く限り、プロコフィエフなどの新古典主義の簡潔でユーモラスな語法を強く感じる。生涯を通じて健康障害に悩まされたという彼自身の満たされぬ何かを音で表現したのでしょうか。時折現れるユーモラスな表現が心地良さをもたらします。ほんの小さい5 つの曲からなる「動物園にて」が秀逸。
TOCC0087 ヴオリ(1957-):交響曲第1 番&第2 番 トーマス・ピリラ(指揮)/
ヒュビンカー管弦楽団
多くの現代作曲家と同じように、このフィンランド生まれのヴオリも「交響曲」という概念に挑戦をしました。この時代における交響曲というものについて彼なりに出した結論は、この2 つの作品を聴いてみればおわかりかと思います。従来の形式に沿った4 つ、もしくは5 つの楽章の中に思いきり多彩な色を盛り込んだ「活きのいい」音楽。上昇する弦のうねりはどこかしらグロリア・コーツを彷彿とさせる。
TOCC 0009 ミルフォード(1903-59):ピアノ曲と歌曲集
 1-3.私のレディの喜び/4-5.4 つの厳格な歌 第2、4 番/
 6.ゆりかごの歌/7.夜明け/8-13.正方形の評判/
 14-16.歌とピアノのための4 つの歌 第1、2、4 番/
 17-18.4 つの季節的な歌 第2、4 番/
 19-21.前奏曲、エアと終曲/22-30.白鳥の歌/
 31.ジェニファーのチリンチリン/
 32.日、そして瞬間 第4 番「墓碑銘」
フィルリダ・バニスター(コントラルト)/
ラファエル・テッローニ(ピアノ)
フィンジやヴォーン=ウィリアムスとも友人であったミルフォードだが、その音楽は全くもってユニークです。牧歌的、温和、控え目な美しさはイギリス音楽に共通するものだが、彼はそこに更に暗い抒情性を加えました。楽しげなダンス音楽ですら、一抹の哀愁を帯びています。これがまた素敵。
TOCC 0018 バラキレフ(1837-1910):ロシア民謡曲集
 1.ロシア民謡による大幻想曲 Op.4/
 2-61.ロシアの人々の30 の歌(原曲とバラキレフ編曲を交互に収録)
ヨゼフ・バノヴェツ(ピアノ)/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団/
コンスタンチン・クリメツ(指揮)・・・1
オルガ・カルギナ(ソプラノ)/
スヴェトラーナ・ニコラーエワ(メゾ・ソプラノ)/
ヨゼフ・バノヴェツ&アルトン・チュン・ミン・チャン(ピアノ4 手連弾)・・・2-61
ロシア音楽の祖、バラキレフは自国の民謡から多大なる創造力を得た人。このアルバムに収録されている「大幻想曲」はまさに彼の最初の作品で、17 歳の時に書かれたもの。そして30 の民謡は「30 の歌」はロシア民謡を元にしたもので、バラキレフによる編曲と元ネタを交互に演奏するという、ロシア好きにはたまらない逸品。
TOCC 0031 アルカン(1813-88):オルガン作品集 第2 集
 オルガンのための/
 足鍵盤のための12 の練習曲より第7-12 番/
 11 の宗教的な小品とヘンデルのメサイアによるトランスクリプション
ケヴィン・ボウヤー(オルガン)
最近のヴィルトゥオーゾ・ピアノブームのおかげで、アルカンの作品もずいぶん有名になってきた。しかしまだ彼のオルガン作品を耳にする機会はあまり多くない。このシリーズの第1 巻(TOCC0030)も話題になったが、この第2 巻も驚くべきレパートリーが収録されている。聴き手を感動の渦に巻き込む。
TOCC 0069 リース(1924-):ピアノ作品集 1947-2005 年
 トッカータ/6 つの装飾的な練習曲/
 3つの前奏曲/ソナタ・ブレーヴ/
 オデッセイ
ミリアン・コンティ(ピアノ)
1924 年生まれのベンジャミン・リースは現代アメリカ作曲家の重鎮の一人。このCD に収録された作品は彼の60 年間における作曲活動の集大成。一貫した作風、ユーモアと現実、気分を引き立てる音の躍動的な動き、など新古典派の影響も感じられる。
TOCC 0077 ラミー(1939-):ピアノ作品集 第2 集 1966-2007 年
 1-8.ディヴェルシオン/9-19.墓碑銘 第1 巻/
 20.レニングラード・ラグ/21.冬のノクターン/
 22.トッカータ 第1 番/23.F.D.R.のためのオード/
 24.トッカータ 第2 番/
 25-26.ピアノ・ソナタ 第4 番/27.プリミティーヴォ
ミリアン・コンティ(ピアノ)
アメリカの作曲家、フィリップ・ラミーの音楽にはプロコフィエフ、及びバルトークの影響が少なからず感じられる。極めて機械的なトッカータ、暗く劇的なピアノ・ソナタ第4 番、そしてホロヴィッツのためにかかれたレニングラード・ラグなど十二音に背を向けた作品も含まれている。最新作「プリミティーヴォ」の騒がしさも面白い。




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