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第53号マイナー・レーベル新録音新譜(1)



ACCENT

ACC 24224
(2SACD HYBRID)
¥4400→¥3990
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
 CD1:
  ブランデンブルク協奏曲第 3 番 ト長調 BWV1048
  ブランデンブルク協奏曲第 5 番 ニ長調 BWV1050
  ブランデンブルク協奏曲第 1 番 ヘ長調 BWV1046
 CD2:
  ブランデンブルク協奏曲第 4 番 ト長調 BWV1049
  ブランデンブルク協奏曲第 6 番 変ロ長調 BWV1051
  ブランデンブルク協奏曲第 2 番 ヘ長調 BWV1047
ラ・プティット・バンド
シギ スヴァルト・クイケン
シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド待望のブランデンブルク協奏曲新録音、純正な響きを追求した新名盤の登場!

録音:2009 年 10 月 19-23 日ギャラクシー・スタジオ(ベルギー)

名手シギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドによる待望のブランデンブルク協奏曲新録音が発売されます。古楽の先駆者たちがオリジナル楽器、ピリオド奏法で数々の録音を行っていますが、このシギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンドのアルバムは、それらの演奏に一石を投じるものとなりました。
今回の目玉はヴィヴァルディの「四季」(ACC 24179) でも話題となった「肩のチェロ」と言われるヴィオロンチェロ・ダ・スパラを用いていることです。
近年の研究でバッハも使用したと言われているこのヴィオロンチェロ・ダ・スパラは、数年前にS . クイケンが使用して以来バロック音楽界では革命的な影響を及ぼしました。
歴史的研究に基づきバロック時代の管弦楽曲は「1パート1人」で演奏されていたと考えられており、このブランデンブルク協奏曲もそのような編成を取っています。そうした中でヴィオロンチェロ・ダ・スパラは低音を担う重要な役割を果たし、再導入することにより今日こうした衝撃的な演奏を提示することができるとS . クイケンは考えています。
また使用する管楽器は調整バルブがないナチュラル楽器を使用。バッハ音楽の真髄をオリジナルの形で聴かせてくれる重要な録音です。
ACC 24221
¥2500
カール・フリードリヒ・アーベル:
 四重奏曲 Op.8-2 WKO62、ソナタ第 24 番ニ短調、
 ソナタ第 22 番ニ短調、四重奏ト長調 WKO227
J.C. バッハ:
 オーボ エ、ヴ ァイオリン、ヴ ィオラ・ダ・ガンバ、
  チェロのための四重奏曲第1番 変ロ長調 WarbB60
   (6つの協奏的四重奏曲より)
 フルート、オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音のための
  四重奏曲第 3 番 Op.11 Warb B73
 フォルテピアノ、オーボエ、ヴァイオリン、チェロ、
  2 本のホルンのための六重奏曲 Warb B78
イル・ガルデリーノ ヤン・ドゥ・ヴィネ
 (フラウト・トラヴェルソ)、
マルセル・ポンセール (Ob)、
フランソワ・フェルナンデス (Vn)、
ヴィットリオ・ギエルミ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
イラ・ギヴォル (Vc)、
シャレフ・アド=エル (Cemb &フォルテピアノ )
「バッハ=アーベル・コンサート」を再現、静かな愉悦感に浸れる 1 枚

録音:2009 年 11 月 12-14 日。62‘30

ウィーン古典派の重要な先駆者でもあるカール・フリードリヒ・アーベルとヨハン・クリスチャン・バッハの室内楽作品集。J.C. バッハはモーツァルトに大きな影響を与え、父レオポルドも J.C. バッハを激賞しています。同じくカール・フリードリヒ・アーベルも大バッハに才能を認められ、ロンドンに渡り成功を収めています。両者はロンドンで友人となり、「バッハ=アーベル・コンサート」を開催し絶賛を博したと知られています。彼らの優雅なメロディー展開と軽やかな楽曲構成を堪能でき、イル・ガルデリーノの愉悦と瑞々しさに満ちた、うきうきするような演奏を聴かせてくれます。
ACC 24222
¥2500
ドレスデン宮廷のオーボエ・ソナタ集
 ジュゼッペ・トレッリ:ソナタ ニ長調
 ヘンデル:トリオ・ソナタ ハ短調 op.2-1a,HWV386a
 ヴァイス /J.S. バッハ:
  2 つのリュートによるデュエット BWV1025 より
   ファンタジア、サラバンド、メヌエット
 作曲者不明(18 世紀前半):ソナタ ロ短調
 ニラコ・ポルポラ:ソナタ ホ短調
 ブレシャネッロ:ソナタ ハ短調
クセニア・レフラー(Ob)
バツドルファー・ホーフカペレ
蘇るドレスデン宮廷楽団

録音:2009年3月25-27日イエス・キリスト教会 ベルリン。70‘35

18 世紀当時ヨーロッパ最高のオーケストラと称されたドレスデン宮廷楽団。その楽団の顔であった、ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル (1687-1755)。
ヴィヴァルディやアルビノーニ、テレマンなどから作品を献呈され、バッハの無伴奏ソナタとパルティータもピゼンデルのために作曲されたのではないかと言われています。ピゼンデル自身の作品と写本、また自身が収集した作品の中から、オーボエに関する曲をドレスデンの貴重な所蔵から集めたのが「ドレスデン・ピゼンデル・コレクション」。その中から作品選びを録音したのが、「ドレスデン宮廷のオーボエ協奏曲」(ACC24202) 、そしてこの弾はオーボエ・ソナタを中心に収録しています。バツドルファー・ホーフカペレはこれらのドレスデンが持つ音楽遺産を積極的に演奏し録音。またオーボエを担当するクセニア・レフラーは、バロック・オーボエを巧みに扱い自在に演奏する期待の女流奏者です。
ACC 24227
¥2500
バルダッサーレ・ガルッピ:鍵盤楽器のためのソナタ集
 (1)ソナタ ニ長調、(2)ソナタ 変ロ長調、
 (3)ソナタ ホ短調 Op.2-3、(4)ソナタ イ短調、
 (5)ソナタ ハ短調、 (6)ソナタ イ短調 Op.1-3、
 (7)ソナタ ト長調、(8)ソナタ 変イ長調 Op.1-6、
 (9)ソナタ ハ長調
ルカ・グリエルミ
 (ハープシコード、クラヴィコード、オルガン、フォルテピアノ)
使用楽器:
(1)ハープシコード:ミヒャエル・ミートケ
(2)(3)ハープシコード:バルトロメオ・クリストフォリ
(4)(5)クラヴィコード:
 ヨハン・クリストフ・ゲオルク・シードマイヤー
(6)(7)(8)オルガン:
 ジョヴァンニ・バティスタ&
  フランチェスコ・マリア・コンコーネ
(9)フォルテピアノ:バルトロメオ・クリストフォリ
名手グリエルミが 5 つの楽器を弾きわけガルッピの多彩な曲想を表現

録音:2009 年 9 月 12 日。76’43

18 世紀イタリア・ヴェネツィアの作曲家バルダッサーレ・ガルッピ。多作な作曲家で、約 80 曲のハープシコードのためのソナタの他に、約 100 曲のオペラ、約 20 曲のオラトリオを残しています。またガルッピは、ソナタ形式を発展させた先駆者として知られています。ここに収録された 9 つのソナタは 1750 年前後から 1781 年頃までに作曲された作品で、ガルッピの独創的な作風を楽しむことができます。ルカ・グリエルミは 5 つの楽器を弾きわけ、ガルッピの多彩な表情をよりいきいきと表現しています。グリエルミは 1997 年からジョルディ・サヴァール、1999 年から 2001 年までイル・ジャルディーノ・アルモニコと共演し、世界的にも評価の高い古楽鍵盤奏者。
ACC 24214
¥2500→\2290
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ Vol.4(オリジナル楽器による)
 ヴァイオリン・ソナタ第 6 番イ長調 Op.30-1
 ヴァイオリン・ソナタ第 7 番ハ短調 Op.30-2
 ヴァイオリン・ソナタ第 8 版ト長調 Op.30-3
ヒロ・クロサキ(Vn)
 使用楽器:フランツ・ガイセンンホーフ
リンダ・ニコルソン(フォルテピアノ)
 使用楽器:カスパール・カソルニック
ヒロ・クロサキとリンダ・ニコルソンによるベートヴェン・ソナタ全集遂に完結!

録音:2009 年 8 月 10-12 日

ヒロ・クロサキとリンダ・ニコルソンの名コンビによるベートーヴェン、ヴァイオリン・ソナタ集第 4 弾。この作品 30 の 3 つのヴァイオリン・ソナタは「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれる直前に作曲されました。この時期ベートーヴェンは耳の不自由に苦しみ精神的困難を抱えていましたが、作風は明るく幸福感に満ちています。ヴァイオリンの独奏性が高まり、技巧的にも音楽表現も一段飛躍しているようです。
常に古楽の最先端を歩いてきたヒロ・クロサキの一層深みを増した演奏とリンダ・ニコルソンの自然な流れを大切にするフォルテピアノが抜群の効果を生み出しています。
ACC 25311
(SACD HYBRID)
¥2700
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.11
 カンタータ第 67 番「死人の中より甦りしイエス・キリストを覚えよ」BWV67
 カンタータ第 85 番「われはよき羊飼いなり」BWV85
 カンタータ第 12 番「泣き、嘆き、憂い、慄き」BWV12
ガーリンデ・サマン(S)
ペトラ・ノスカイオヴァ(A)
クリストフ・ゲンツ(T)
ヤン・ファン・デル・グラッベン(Br)
ラ・プティット・バンド
シギスヴァルト・クイケン(指)
クイケン&ラ・プティット・バンドによるバッハ・カンタータ・シリーズ第11弾!復活祭後日曜日のための3 つのカンタータ

録音:2009年4月27、28日ロザリオ音楽堂 べーバー(ベルギー)

クイケン&ラ・プティット・バンドによる OVPP 方式 ( 各声部 1 人 ) のバッハ・カンタータ・シリーズ第 11 弾。シリーズの折り返し地点となり、クイケンとラ・プティット・バンドの説得力ある演奏と質の良い音楽は、この新しいアプローチの重要性を立証しています。このアルバムは復活祭後日曜日のための 3つのカンタータを収録。復活祭から聖霊降臨日までの日曜日ごとに名前をつけられています。復活後第 1 主日は「生まれたばかりのように」、第 2 主日は「主の憐み」、第 3 主日は「喜びの叫びを上げよ」と言われます。

ALBA

ABCD 311
(SACD HYBRID)
¥2200→¥1990
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ長調
ムファット:トッカータ第 2 番 ( オルガンのための )
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ短調
ムファット:トッカータ第 7 番 ( オルガンのための )
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のための幻想曲 ニ長調
ムファット:パッサカリア ト短調 ( オルガンのための )
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調
ペトリ・タピオ・マトソン(バロックヴァイオリン)
マルック・マキネン(Org)
エーロ・パルヴィアイネン(アーチリュート)
ビーバー対ムファト、ヴィルトゥオーゾ対決

Multichanel/stereo、73’46

1670 年代から 1680 年代のほぼ同じ時代にザルツブルク大司教の宮廷楽団に仕え、バロック時代を彩ったふたりの作曲家、北ボヘミアのヴァルテンベルク ( 現チェコ、ストラーシュ・ポド・ラルスケム ) 出身のビーバーとサヴォイア公国 ( 現フランス、ムジェーヴ ) 生まれのムファット。ビーバーがトイツ音楽に徹したのに対し、ムファットはさまざまな音楽に関心を抱き、17 世紀のドイツ語圏ではもっともコスモポリタンな音楽家のひとりとみなされました。ビーバーのヴィルトゥオーゾ書法のソナタに対して、ムファット流のヴィルトゥオジティは、やわらかい美しさ。それぞれヴァイオリンとオルガンのヴィルトゥオーゾとして知られながら、音楽の性格は異なります。この<ヴィルトゥオーゾ対決>をバーチャルに再現してみせるのはフィンランドの気鋭の古楽奏者です。
ABCD 286
(3CD)
¥6000→¥5490
リーサ・ポホヨラ /1969 年 -2004 年 録音選集
[CD1]
 ストラヴィンスキー:カプリッチョ(ピアノと管弦楽のための) *
 ドビュッシー:練習曲第1, 7, 8 & 11番
 シューマン:幻想小曲集 作品12より夜に/寓話/歌の終わり
 シベリウス:6つのフィンランド民謡編曲より
  【夕べになると/心より君を愛す/なんと美しい娘/
   わが愛しき人/兄弟のか たき/結婚のしるし】
 エルッキ・サルメンハーラ:コカブ(Kocab)(1973)
 シベリウス:
  劇付随音楽「ベルシャザールの饗宴」組曲 作品51より
   「夜想曲」(フルートとピアノのための) **
 ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 作品27-1
[CD2]
 プロコフィエフ:ピアノソナタ第5番 ハ長調 作品38/135
 メリカント:6つのピアノの小品 作品20
  【メロディ/パン/即興曲/夢/スケルツォ/月の光】
 シベリウス:10の小品 作品24 よりロマンス 変ニ長調、舟歌
 ハイドン:ピアノソナタ第22番ホ長調 HobXVI:22 (作品13-2)
 リゲティ:ムジカ・リチェルカータより第7曲、第9曲、第10曲
 アレンスキー:かっこう作品34-2
 リムスキー=コルサコフ:ワルツ 作品10-1
 ルビンシテイン:ロマンス 変ホ長調 作品44-1
 エーリク・ベリマン:3つの名のない舞曲作品13
[CD3]
 ジョリヴェ:オンドマルトノとピアノのための3つの詩(1935) ***
 メシアン:鳥のカタログより第4巻 (第7曲) ヨーロッパよしきり
 ウスコ・メリライネン:ピアノソナタ第2番(1966)
 エーリク・ベリマン:クリストファー・コロンブスへのオマージュ作品119
リーサ・ポホヨラ(P)
フィンランド放送交響楽団 *
サカリ・オラモ( 指 )*
オッリ・ポホヨラ(Fl)**
ジャンヌ・ロリオ (オンドマルトノ)***
サカリ・オラモの母、リーサ・ポホヨラの 35 年間に渡る録音集

録音:1969年-2004年 YLE (フィンランド放送) スタジオ、1999年2月24日 フィンランディアホール (ヘルシンキ)*

現代フィンランドを代表するピアニストのひとり、リーサ・ポホヨラ (1936-)。フィンランドの音楽一家ポホヨラ家の出身でフィンランドの俊英指揮者サカリ・オラモは彼女の息子。シベリウス・アカデミーでティモ・ミッキラ、ウィーンでリヒャルト・ハウザー、エッセンでデトレフ・クラウス、パリでマクダ・タリアフェロに学び、1955 年にソロイストとしてデビューしました。同時代の音楽の演奏者として名高く、エーリク・ベリマン、ウスコ・メリライネンを初めとするフィンランド作曲家の作品の初演が彼女に委ねられてきました。
このアルバムは、彼女のレパートリーを俯瞰するとともに、1972 年、ヴィフリ・シベリウス賞を受けるメシアンに同行してヘルシンキを訪れたジャンヌ・ロリオ (1928-2001) と共演したジョリヴェの作品のように、彼女にとって懐かしい演奏も収録。フィンランド放送 (YLE) のアーカイヴに保存された1969 年から 2004 年の録音によるアンソロジーでフィンランド放送と Alba Records の共同制作です。丁寧なマスタリングが施され、単なるドキュメンタリーにとどまらず、魅力あるピアニストの音楽を楽しめるアルバムに仕上がっています。
ABCD 305
¥2200
トランスクリプションの芸術 第 2 集
 サン=サーンス/リスト&ヴラディーミル・ホロヴィッツ編:死の舞踏
 J・S・バッハ/アレクサンドル・ジロティ編:
  G線上のアリア (管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068 より)
 ラフマノニノフ/アール・ワイルド編:ヴォカリーズ作品38-14
 セバスチャン・ファーゲルルンド(1972-): Licht im Licht (2007)
  (ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」による幻想曲)
 ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番 ハ短調 作品67
リスト=マッティ・マリン (P)
録音:聖ヨハネ教会 (ヘルシンキ)63‘25

シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組むリスト=マッティ・マリン (1976-) が研究の一環として録音するシリーズ。チェルニー、タールベルク、J・S・バッハ、ベートーヴェン、ロナルド・スティーヴンソン、アレックス・フリーマン、リストを演奏した第 1 集 (ABCD240) につづき、「作曲者と演奏者、ふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか?」をさらに追求していきます。
ABCD 299
¥2200
スピーラ (Speira)
 ヴァンサン・ブショ(1966-):Sonatina Palimpsestica (2002)
 シド・ヒッレ(1961-):プロムナード(2008/09)
 イーリス・コソネン(1960-):Mariatyyri (2006)
 ペッカ・ヤルカネン(1945-):スピーラ(Speira) (2004)
 ハッリ・ヴェッスマン(1949-):フィンランディア(2003)
デュオ・ドリュアデス
クリスティナ・クーシスト(バンドネオン)
マリ・マンテュラ ( 十弦ギター)
54’08

「10弦ギター」(ABCD261) を録音したマリ・マンテュラがバンドネオン奏者のクリスティナ・クーシストのアンサンブル、デュオ・ドリュアデス。10弦ギターとバンドネオンのデュオの新しい魅力を探るため、2002 年に結成されました。ヴァンサン・ブショ (1966-)、シド・ヒッレ (1961-)、イーリス・コソネン(1960-)、ペッカ・ヤルカネン (1945-)、ハッリ・ヴェッスマン (1949-)。それぞれスタイルの違う 5 人の作曲家たちが、このデュオのために書いた、人生のサイクルであったり、旅と出逢いであったり、"speira ( 輪 )" を共通とする作品が演奏されます。

ALIA VOX

AVSA 9878
(SACD HYBRID)
¥2800
「ケルティック・ヴァイオル2〜
 アイルランドとスコットランドの音楽伝統に捧ぐ/伝統と革新」
  I.ゴールウェイ・セット(ニ短調)
   (1)アイルランド民謡:「ゴールウェイ湾ホーンパイプ」
   (2)ジョン・プレイフォード(1718):「ローヴァー・リフォームド」
   (3)ジョン・ウォルシュ(1713):「カエル卿の踊り」と
    アイルランド民謡:「バッキンガム・ハウス」
  II.金の指輪・セット(ニ長調)
   (4)オーバンのチャーリー・ハンター:「ローンの丘」
   (5)ナサニエル・ガウ(1766-1831):「サーストンのサリー・ハンター嬢」ジグ
   (6)ジェームズ・スコット・スキナー(1843-1927):「スコット・スキナー夫人」
   (7)アイルランド民謡:
    「アレクサンダーのホーンパイプ」と「ハーヴェスト・ホーム」
      (オニール「アイルランドの音楽」、シカ ゴ、1903年)
   (8)アイルランド民謡:「金の指輪」ジグ
  III.アバーゲルディ城・セット(ホ短調)
   (9)ダン・R・マクドナルド(1911-1976):「アバーゲルディ城ストラススペー」
   (10)ダン・R・マクドナルド:「カリブー・バレン」
   (11)スコットランド民謡:「摂政たちがわめく」
   (12)「鍋の中の蟹」スロウ・ジグ(ライアンのコレクション、ボストン、1883年)
   (13)「モイラ卿のホーンパイプ」(ライアンのコレクション、ボストン、1883年)
  IV.ナサニエル・ガウのセット(イ短調)
   (14)P.ジョン・ボウィー(1789):「ザ・ブレイズ・オブッシュビー」スロウ・マーチ
   (15)ナサニエル・ガウ:「ナサニエル・ガウの、兄弟の死への哀歌」
   (16)トゥールロッホ・カロラン(1670-1738):
    「アビゲイル・ジャッジ」(オニール「アイルランドの音楽」、シカゴ、1903 年)
   (17)カロラン:
    「プランクスティ・オダリ」(オニール「アイルランドの音楽」、シカゴ、1903年)
  V.ランカシャー・パイプス・セット(ホ長調/短調)
   (18)「ランカシャー・パイプス」(ホ長調)(マンチェスター・ガンバ・ブック、1640年頃)
   (19)「ラムゼイの豚/バーディーのケイト」(ホ長調)
    (マンチェスター・ガンバ・ブック、1640年頃)
   (20)アイルランド民謡:「一杯のお茶(」ホ短調)
   (21)「おもちゃ」(ホ長調)(マンチェスター・ガンバ・ブック、1640年頃)
  VI.アーチボルド・マクドナルド・セット(ニ短調/長調)
   (22)カロラン:「プランクスティ・ユーリック・バーク卿」(ニ短調)
    (オニール「アイルランドの音楽」、シカゴ、1903年)
   (23)アイルランド民謡:「剣の舞~新しいステップニー」スリップ・ジグ(ニ短調)
   (24)アイルランド民謡:「ケポックのアーチボルド・マクドナルド」(ニ短調)
   (25)「ジミー・ホルムのお気に入り~リール」(ニ長調)
    (ライアンのコレクション、ボストン、1883年)
  VII.リヴァプール・セット(ニ長調)
   (26)カロラン:「プランクスティ・アーウィン」
    (オニール「アイルランドの音楽」、シカゴ、1903年)
   (27)ジェームス・スチュアート・ロバートソン:
    「リヴァプール・ホーンパイプ」(アサル・コレクション第2巻、1884年)
   (28)トム・アンダーソン(1910-1991):「ピーターのペリー・ボート」ジク
ジョルディ・サヴァール
 (6弦トレブル・ヴァイオル、
  リラ・ヴァイオル)
アンドルー・ローレンス=キング
 (アイリッシュHrp、プサルテリウム)
フランク・マグワイアー(ボラーン)
ケルティック・アルバム第 2 弾!!ウィットに富む親密な空間!!

録音:2010 年 6 月 22&23 日、7 月 5 日カタルーニャ州ジローナ県、エル・ポルト・ド・ラ・セルヴァ近郊、 サン・ペール・ド・ローデス修道院。DSD MULTI/ STEREO、74’28”

このケルティック・アルバム第 2 弾には、アイルランドの枠太鼓であるボラーンも加わり、前回の静謐で親密な空間に、躍動感という側面が加わりました。8つの各セットは、曲同士の関連性と同名調性で組まれており、その1つ1つが非常に特徴的です。
伝統と革新という観点が織り込まれたこの録音において、サヴァールは、非常に伝統的な民族音楽の演奏と、商業主義や国際化など時代の流れを取り込む新しい伝統、例えば、ザ・チーフタンやリヴァーダンスのような活動を頭に置きつつ、それらとは異なる方法論、自らの演奏活動で得て来た経験を生かしたアルバムを形作っています。
AVSA 9877
(SACD HYBRID)
¥2800→¥2590
「ルイ15 世時代のコンセール・スピリチュエル」
 コレッリ:合奏協奏曲ニ長調Op.6-4
 テレマン:
  組曲ニ長調TWV55:D6、
  フラウト・ドルチェとヴィオラ・ダ・ガンバのための二重協奏曲イ短調TWV52:a1、
  組曲ホ短調TWV55:e1(ターフェルムジーク第1集より)
 ラモー:「優雅なインド」組曲
ジョルディ・サヴァール(指、Gamb)
ル・コンセール・デ・ナシォン
公開演奏会の祖における曲目 !!現代に通じる受容と流行の起源 !!

録音:2010 年 2 月 16-19 日カタルーニャ自治州カルドーナ城参事会教会。DSD MULTI/STEREO

ヴェルサイユにおける総合芸術としての「祝祭」が音楽活動の中心だったルイ 14 世時代が終わり、オルレアン公の摂政期を契機として、文化活動の発信地はパリに中心を移しました。そのパリにおいて、フランス革命によって終焉を迎える 1790 年まで途切れることなく続く「コンセール・スピリチュエル」は、ルイ 15 世(在位 1715 - 1774)時代の中期である 1725 年に始まりました。開始当初、その設立趣意から、宗教音楽(声楽)と器楽曲が交互に演奏されるプログラムでしたが、後に世俗音楽(声楽)が付け加わったり元に戻ったりし、治世後期の 1751 年に取り上げられたシュターミッツの作品を嚆矢として、交響曲というジャンルが徐々に取り上げられるようになっていった演奏会でした。
コレッリ、テレマン、ラモーの作品は、この演奏会の歴史の前半強ほどの時期、主催者や指揮者の作品を除外すると、器楽曲の方で頻繁に取り上げられました。
その組曲や協奏曲というジャンルにとっては、聴衆が、新興の中産階級市民であろうと、宮廷の貴族であろうと問わず、公開の演奏会が、受容=消費の場てあり、流行=趣味を左右する場でした。現代のコンサート(公開演奏会)の祖とも言える「コンセール・スピリチュエル」において演奏された彼らの作品を取り上げ、現代にも通じる、受容=消費や流行=趣味という点を念頭に置いたサヴァール&ル・コンセール・デ・ナシォンは、鮮烈で刺激に満ちた、瑞々しい演奏をしています。

ALTUS

ALT 195/6
(2CD)
¥3400→¥3090
ベートーヴェン:交響曲第 3 番 変ホ長調 「英雄」 作品 55
マーラー:交響曲第 10 番 より アダージョ
クラウス・テンシュテット ( 指揮 )
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
アルトゥス ウィーン・フィル ライヴ・シリーズ第2期、第1弾はテンシュテット
ウィーン・フィルとテンシュテット濃厚な悲劇性と堂々大爆進のザルツブルク一期一会の大競演!このウィーン・フィルとのライヴ演奏は電気が走るような興奮を呼び起こす。— ヘンリー・フォーゲル(元シカゴ響総裁) —

録音:1982年8月29日 祝祭劇場(ザルツブルク) オーストリア放送協会によるライヴ録音。日本語解説付

テンシュテットと VPO の間にリハーサルからして異様な緊張感がはしった伝説の名演がついに正規盤化!ORF/VPO 提供のオリジナルテープからアルトゥスが直接マスタリング!また、シカゴ響の大立物であったヘンリー・フォーゲル氏はこの演奏について「英雄はメンバーは胸張り裂けんばかりの熱さ、弦楽器は食いつき管楽器は躍動する。マーラーにいたっては不協和音の噴出は心の叫びであり魂の悲鳴である。徹頭徹尾ダイナミックなコントラバスを強調し、管弦楽的色彩を無限大に活用し、あらゆる点で緊密に楽章全体を結び付けつつテンポを構築していく。29 分のところ、ここは私の聞いたあらゆる録音の中でも最も遅い演奏であり、テンシュテット自身のロンドン・フィルハーモニーとのスタジオ録音と比較しても 1 分長い。しかしながら緊張と激しく濃密な熱によって遅いと感じることがない。この演奏を聴くことは途轍もない、深く心に触れる経験である。」と語っています。
ALT 193
¥2600→¥2390
ウェーベルン:大管弦楽のための牧歌『夏風の中で』
シューベルト:交響曲第 8 番 ハ長調「ザ・グレイト」D.944
ローター・ツァグロゼク ( 指揮 )
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
巨匠ギーレンのつぎはこの人!ドイツの名匠ツァグロゼク(ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団音楽監督)の細密画のように美しい「ザ・グレイト」ツァグロゼク 1 枚聴くならこれ!

録音:2007年2月3、4日(ウェーベルン)、2007年6月28-30日(シューベルト)、 コンツェルトハウス(ベルリン) ライヴ。日本語解説付

「ツァグロゼクは比類なきリーダーの一人である。サイモン・ラトル、ケント・ナガノ同様、単に 19 世紀後期の伝統を受け継ぐだけではない音楽づくりを提唱する者の代表である。」—ベルリン新聞—
この 1 枚かけ値なしの名演で緻密にして繊細で、しかも熱気も充分で心から名演に驚きました。第二楽章などの透明感あふれる美しさに思わず鳥肌。このクールな美しさは、ちょっと他に見当たらない風合いでございます。もっとも、巨匠ギーレン好きの方はまさにツァグロゼクに一撃と申せましょう。
ALT 194
¥2600
(1)プロコフィエフ:
 「ロメオとジュリエット」第1、第2組曲からの抜粋(準・メルクル版)
(2)ムソルグスキー: 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)
準・メルクル (指揮)
フランス国立リヨン管弦楽団
『ロメジュリ』メルクル手兵、国立リヨン管の新録音、『展覧会の絵』も収録!

録音:(1)2009年9月24日リヨンのライヴ、(2)2007年11月9日 横浜みなとみらいホール 大ホール ライヴ。日本語解説付

メルクル & リヨン管のコンビでの初来日時の伝説的名演である『展覧会の絵』( 横浜みなとみらい ) も収録。横浜と姉妹都市でもある本拠地リヨンでの「ロメオとジュリエット」( メルクル抜粋版 ) がとてつもない面白さ!録音が異様に生々しく『ティボルトの死』にいたってはあまりの迫力にのみこまれます。録音は Altus 斎藤啓介氏自らリヨンに出むき録ってきたもようで、横浜と比べるとホールの違いなど明瞭で大変興味深いものがございます。
追悼 若杉 弘
若杉弘 & ケルン放響首席指揮者時代の初出録音集

若杉 & ケルン放響首席指揮者時代の初出録音集。流石の盤鬼平林直哉氏もこれには納得!
『オーケストラの持つ美しい響きを忠実に引き出すとともに、作品に対する謙虚さをこれほどまでに感じさせる演奏は 珍しい。まずは、だまされたと思って「ハイドンの主題による変奏曲」を聴いて欲しい。』~平成の盤鬼 平林直哉~

—ケルン放響と若杉弘—
若杉時代(1977年より常任)のケルン放響はギ ュンター・ヴ ァントとブルックナー交響曲全集、シューベルトの交響曲全集なども行っており、黄金時代ともいえる名人上手ぶりを発揮していた時期。ケルン放送協会の優秀な録音技術も特筆で音にうるさい平林直哉氏もうならせた 模様でございます。

ALT 188
¥2600→¥2390
チャイコフスキー:
 (1)交響曲第 6 番 ロ短調「悲愴」作品 74
 (2)弦楽セレナーデ ハ長調 作品 48
若杉弘(指揮)
ケルン放送交響楽団(現 WDR 交響楽団)

抜群の相性!若杉の美学爆発のチャイコフスキー

録音:1 1979年10月13日 2 1980年11月28日 ケルン、ライヴ、ステレオ、初CD化

「悲愴」のシンフォニックな格調の高さも大いに心打たれますが、弦楽セレナーデの濃厚な味わいが素晴らしく録音も大変優秀!低弦がゴリゴリと分厚い音で迫り、若杉独特のじっくりとしたテンポ感が曲想と見事にマッチ!若杉美学が爆発の稀有の名演です。

ALT 189
¥2600→¥2390
ブラームス:
 (1)交響曲第 4 番
 (2)ハイドンの主題による変奏曲
若杉弘(指揮)
ケルン放送交響楽団(現 WDR 交響楽団)
これは正真正銘の名演!平林直哉氏も絶賛のハイドン・バリエーションも聴きものですが、あたたかな味わいながらも熱い 4 番も素晴らしい!

録音:1 1980 年 9 月 12 日ケルン、2 1981 年 10 月 13 日トーンハレ、ライヴ、ステレオ、初CD化

ドイツの指揮者顔負けの重厚な味わいの久々の本格ブラームス。しかも知的な若杉独特のテンポ感が冴え、ブラームスの魅力を堪能できます。美しい響きですが、落ち着いた風合の録音も素晴らしい。若杉の代表盤となりえます。
ALT 190
¥2600→¥2390
ベートーヴェン:
 (1)交響曲第 1 番
 (2)交響曲第 3 番「英雄」
若杉弘(指揮)
ケルン放送交響楽団(現 WDR 交響楽団)
美しいアナログ録音も素晴らしいエレガントなベートーヴェン!

録音:1 1977年1月14日 2 1977年10月28日、ライヴ、ステレオ、初CD化

「英雄」は現地ケルンでも大好評で、テンポがはしることなく、じっくり終結に向かって音楽が高揚するさまは、若杉独特の芸風が爆発で大変成功しています。数種類ある若杉の「英雄」の中でも白眉の一枚で、かつて WDR の株主用 LP にもなった名演!ベト 1 も大変素晴らしい!

APARTE

AP 002
¥2500
グリーグ:
 ばらの季節に/きみを愛す/夢/白鳥/茶色のふたつの目/
 ソルヴェイグの歌/子山羊のダンス/水連に寄せて
ラングストレーム:牧羊神
シベリウス:
 もはや私は尋ねなかった/ 3 月の雪/でもあたしの鳥は帰ってこない/
 ブラック・ローズ/トンボ/デート から戻った娘
ドビュッシー:ビリティスの 3 つの歌/顕現/美しき夕へ
カレン・ヴルチ(ソプラノ)
スーザン・マノフ(ピアノ)
グリーグ、シベリウス、ドビュッシー3 人の作曲家の歌曲を巧みに繊細に歌い分けた秀逸な1枚

録音:2009 年 11 月

幼い時をノルウェーの北部で過ごし、その後夏のバカンスの旅にオスロの南にある島でゆったりとした時の流れに身を任せるという生活をしているフランスのソプラノ、カレン・ヴルチによる魅力的なアルバム。ゲーテやフォン・ボーデンシュテットによるドイツ語の詩を北欧の言語に訳した詩に作曲された歌曲(「ばらの季節に」、「夢」)はドイツ語で歌われることが多いですが、ヴルチは北欧語で歌っているなど、言葉に対する慎重な選択の姿勢が印象的。グリーグ歌曲の高貴でメランコリックな性格、シベリウスの歌曲の情熱的な愛など、それぞれの作品の性格を繊細に歌い分けています。カップリングに選んだ終曲の「美しき夕べ」は、「熟考する自然と水と人間の生活の自然なサイクルを想起させる」とヴルチが語っていますが。ディスクの冒頭から最後まで、時に激しく時に穏やかに私たちを包み込む自然を感じさせる秀逸な 1 枚です。
AP 005
(3CD)
¥5100
ヘンデル:「シピオーネ」

デレク・リー・レイギン(CT シピオーネ)
サンドリーヌ・ピオー(S ベレニーチェ)
オリヴィエ・ラルエット(Br エルナンド)
ヴァンダ・タベリ(S アミーラ)
ギィ・フレッチェ(T レリオ)
ドリス・ランプレヒト(Ms ルチェヨ)
クリストフ・ルセ(指)
レ・タラン・リリク

ルセの幻の名盤、ヘンデル「シピオーネ」いまだ唯一の全曲盤が復活!

録音:1993 年 7 月 25-31 日。DDD、171'13

ヘンデル・ファン待望の名盤が復活です!クリストフ・ルセにとって初のヘンデルのオペラ全曲録音であった「シピオーネ」です。
「シピオーネ」は 1726 年に初演されたオペラで、「ジューリオ・チェーザレ」、「タメルラーノ」、「ロデリンダ」という傑作群を生み出した直後の作品です。
シピオーネとはローマ史に高名な大スキピオのことで、ローマとカルタゴが争うヒスパニアが舞台。拠点カルタゴ・ノワを攻略したシピオーネは、囚われたバレアス(スペインの同盟国)の王女ベレニーチェに恋をするが、彼女はスペインの王子ルチェヨと恋仲。そのルチェヨはベレニーチェを救うためローマ兵として潜り込んでいる。しかしベレニーチェに嫉妬したあまり、シピオーネに正体を明かして決闘を申し込むが、捕らえられてしまう。シピオーネはベレニーチェの父エルナンドに、和平としてベレニーチェと結婚したいと申し込むが、義理堅いエルナンドは、娘はルチェヨに与えると約束したとこれを拒絶。これに感心したシピオーネはベレニーチェとルチェヨの結婚を許し、ルチェヨはローマに忠誠を誓う。
これだけヘンデルのオペラがブームになっているというのに、「シピオーネ」は不遇で上演の機会は極めて乏しく、原語での録音はいまだこのルセのものだけ。しかももう何年も廃盤のままでしたので、ようやくの復活です。この録音は、直前のボーヌ音楽祭での同じメンバーによる上演に基づいたもので、演奏の質も極めて高水準。ことにベレニーチェを歌うピオーは、その後バロックのソプラノとして大ブレイクしました。
軽装紙箱ながら解説(仏英)、台本(伊仏英)を収録した 120 ページ超の冊子が付録しています。
AP 006
(2CD)
¥3400
L. クープラン (c.1626-1661):作品集
 [CD1]組曲ヘ長調、組曲ト短調、組曲ハ長調
 [CD2]組曲ハ短調、組曲ニ短調、組曲イ短調、パヴァーヌ(嬰ヘ短調)
クリストフ・ルセ
(チェンバロ/Louis Denis 1658年
 (ラインハルト・フォン・ナーゲルによる修復(2004-05年))
録音:2009 年 7 月

クープランというと一般的にはフランソワの方が人気があるかもしれませんが、それでもやはりフランソワのおじにあたるルイ・クープラン (c.1626-1661)は 17 世紀鍵盤音楽史上重要な作曲家です。35 歳で早すぎる死をむかえたルイは、「harmonist」としてその名をとどろかせており、その厚い和声と、効果的な場面で効果的に響くよう書かれた不協和音、すぐれた構築性などは生きていた当時から学者たちをはじめ玄人筋に喜ばれていました。ルセは豊かな音色の楽器を用いてルイ・クープランの魅力をあますところなく引き出しています。

ATMA

ACD2 2115
¥2000
(1)杉山長谷夫(矢代秋雄編):花嫁人形
(2)宮城道雄(矢代秋雄編):春の海
(3)ラヴィ・シャンカール:魅惑の夜明け
(4)瀧廉太郎(矢代秋雄編):荒城の月
(5)ペルト:鏡のなかの鏡
(6)ブレーディ:サークリング 7篠原眞:春日
リーズ・ダウト (Fl)、
マリー=ジョゼ・シマール(マリンバ)
まるでニューエイジのような日本の叙情

DDD、58’10”

カナダ出身のフルート&マリンバによるアルバム。フルートのダウトはパリでランパルやアラン・マリオンに師事した実力派。矢代秋雄がランパルのために編曲した日本の叙情(フルートとハープ)のなかから3篇、さらに前衛的な篠原眞を演奏している嬉しい選曲。さらにシタールの神様らラヴィ・シャンカールの異教的世界、ペルトの透明な響きまで、クラシックというよりニューエイジ系のオシャレなアルバムとなっています。
ACD2 2609
¥2000→¥1890
アルメニアの室内楽
 (1)ババジャニアン:ピアノ三重奏曲ヘ短調 (1952)
 (2)カラジヤン:動揺した魂への悲歌 ~ Cl, Vn, Vc, Pf
 (3)ガナチヤン:
  オロール「ソプラノ、クラリネット、4 つのチェロのための子守歌」
 (4)ハチャトゥリヤン:
  クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 (1932)
 (5)アルチュニアン:
  クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための組曲 (1992)
アミチ室内アンサンブル
 (ホアキン・バルデペニャス (Cl)、
 デヴィッド・ヘザーリントン (Vc)、
 セルジ・カラジヤン (Pf)、
 ベンジャミン・ボウマン (Vn)、
 イサベル・バイラクダリヤン (Sop))
中東的異国情緒とエネルギーに満ちた肉食系音楽

DDD、74’13”

アルメニアの作曲家といえばハチャトゥリヤンが有名ですが、その三重奏にあやかり、アルメニアの後輩作曲家たちが同じ編成(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノ)を基本とした室内楽を試みたものを集めました。いずれも中東的情緒と激しいエネルギーに満ちた肉食系音楽。美しいメロディが魅力的です。
ACD2 2368
¥2000
モリナーリ・コンクール 2005/2006
 (1)山本和智(1位):静かの海
 (2)ホセ・ルイス・ウルタド(2位):斬新かつ鋭い身振りで
 (3)ルカ・アンティニャーニ(3位):カーニヴァルの終わり
 (4)スティーヴン・イプ(3位):イ・ヒ
モリナーリ SQ
モリナーリ・コンクール優勝の山本和智収録!

DDD、46’10”

1997 年結成のカナダの弦楽四重奏団モリナーリ SQ。現代音楽を中心レパートリーとする希有な存在です。彼ら(女性3名、男性1名)が創設したモリナーリ・コンクールは若い人々に弦楽四重奏作品を書かせることを鼓舞する目的で始め、第 3 回にあたる 2006 年には世界 32 カ国 92 作品の応募がありました。見事優勝を果たした日本の作曲家・山本和智は 1975 年山口出身、海外で評価の高い新進。月面の部分を表す題名に興味をそそられます。
ACD2 2582
¥2000
(1)アンドレ・リスティク (1972-):オペラ・プロジェクト
(2)ミシェル・ゴヌヴィユ (1950-):マイクロフォン・ソングス
(3)ミヒャエル・オエスタール (1968-):些細な思い出についての対話
(4)ニコレ・リゼ (1973-):左脳/右脳
ヴェロニク・ラクロワ(指)
モントリオール現代音楽アンサンブル
ロックとクラシックの融合?

DDD、70’11”

かのアムランとの共演 CD もあったヴェロニク・ラクロワ指揮モントリオール現代音楽アンサンブル。現代カナダ作曲家の前衛作品を集めた画期的アルバムの登場です。注目はゴヌヴィユ作品。愛娘の影響で聴いたビョークとレディオヘッドの音楽性に驚嘆した彼が、その影響を被りつつ娘の詩に作曲した声楽作品。ロック・ファンにもオススメです。
ACD2 2488
(2CD)
¥3600
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.3
 [CD1]
  第 17 番 Op.31-2「テンペスト」/ 第 9 番 Op.14-1/
  第 13 番 Op.27/ 第 20 番 Op.49-2/ 第 25 番 Op.79
 [CD2]
  第 3 番 Op.2-3/ 第 10 番 Op.14-2/
  第 19 番 Op.49-1/ 第 31 番 Op.110
クリスチャン・レオッタ (P)
若きピアニストの情熱が迸るベートーヴェン「テンペスト」

録音:2009 年

イタリア期待の若手ピアニスト、クリスチャン・レオッタ。22 歳の若さでベートーヴェンのソナタ全曲演奏会を行い、30 歳を目前に全曲録音に取りかかるなど、類い稀な才能と音楽性を武器に精力的に活動を行っています。この第 3 弾アルバムにはベートーヴェンのソナタで最も有名な作品の一つ第 17 番「テンペスト」と最後期のソナタ第 31 番、そして初期のソナタ作品を数曲収録した 2 枚組。ベートーヴェン・ソナタ全曲録音という偉業を前に若きレオッタの才気溢れる演奏に驚かされるシリーズです。
ACD2 2628
¥2000
ソプラノ、ホルンとピアノのための歌曲集
 ドニゼッティ:不吉な愛
 R. シュトラウス:アルプホルン
 ベルリオーズ:若きブルターニュの牧童 Op.13-4
 グノー:夕べ
 シューベルト:流れの上で
 デニス・グージョン:オフェーリ
 フランツ・ラハナー:秋に Op.30-1
 カール・ゴットリーブ・ライシガー:4 つの詩 Op.117
 フランツ・ラハナー:ヴァルトヴェルツ Op.28
マリアンヌ・フィセ(S)
ルイ=フィリップ・マルソレ(Hrn)
マイケル・マクマホン(P)
自然な歌声、豊かな響きのホルンが作り出す詩的な世界

録音:2009 年 12 月 15-17 日

ソプラノ、ホルンとピアノのための歌曲集。シューベルトからカナダの現代作曲家の作品まで幅広く収録し、どこまでも美しい詩的な世界を描き出しています。バロック時代では歌とホルンの組み合わせは、オペラの狩猟の場面で使われることが多く、ロマン派の作曲家たちはホルンの豊かな響きを利用してより絵画的な歌曲を書いていました。
マリアンヌ・フィセは 2007 年のモントリオール国際コンクールで優勝したカナダ期待のソプラノ。伸びやかで声域が広く、どんな作品も自然な歌声で表現できます。またホルンのルイ=フィリップ・マルソレも豊かな表現力とビロードのような滑らかさの美しい響きで聴かせてくれます。
ACD2 2543
¥2000
ジョルジュ・ミゴ (1891-1976):
 三重奏曲(1935)
 フルート、ヴァイオリンとピアノのための舞曲集 (1929)
トリオ・オシュラガ
【アンヌ・ロベルト(Vn)
 ポール・マーリン(Vc)
 ステファン・ルムラン(P)】
ロベルト・クラム (Fl)
フランス「一人組」ジョルジュ・ミゴのトリオ作品

録音:2007 年 3 月 12-14 日

近代フランスの作曲家ジョルジュ・ミゴ。現在はほとんど演奏されることのない作曲家ですが、彫刻家、画家でもあったミゴは多彩な才能をもった芸術家でありました。またパリ音楽院でヴィドールやダンディに学び、フランス「6 人組」に反発し自ら「一人組」を名乗るなど少々変わり者。ミゴの音楽はフォーレの影響を受けた時期もありましたが、後半は中世多声様式、全音音階、教会音楽に傾倒していき、抽象性や神秘性が強調された音楽です。ここに収められている作品も、淡々とした旋律が美しく流れていく典雅で神秘的なトリオ作品。

AUDITE

AU 92570
(SACD HYBRID)
¥2500
コミタス(1869-1935):
 アルメニア民謡集:杏の木、春が来た、烏、鶴、お父さん、
 子守歌、くもり、小川、月明かり、アルメニア
ドイツ民謡集:9つのドイツの詩【世界初録音】
ハスミク・パピアン ( ソプラノ )
ヴァルダン・マミコニアン ( ピアノ )
高音質優秀録音!コミタス作曲のアルメニア & ドイツ民謡集

録音:2005 年 7 月、バヴァリア・スタジオ、ミュンヘン。44,1 kHz / 24bit、73’14”

アルメニア生まれの世界的ソプラノ歌手、ハスミク・パピアンとピアニスト、ヴァルダン・マミコニアンによる世界初録音を含むコミタスのアルメニア &ドイツ民謡集。作曲のコミタスは約 4000 曲を作曲したアルメニアの偉大な作曲者です。彼の音楽は地域に根差した民謡です。アルメニアは山脈と高原が広がる山国で地域により起伏に富み、気候が大きく異なります。アルメニアの文化にしっかりと根ざした歌詞と雄大な音楽が最大の魅力となっております。SACD ハイブリッドの高音質優秀録音。

AZZURA

※いずれも簡易な紙ジャケットにCD が直接挟み込まれています。
DBP 2004
(2CD)
¥1200
ヴェルディ:「アイーダ」 アマリッリ・ニッツァ(S アイーダ)
ワルター・フラッカーロ(T ラダメス)
マリアンネ・コルネッティ(Ms アムネリス)
アンブロージョ・マエストリ(Br アモナズロ)
マルコ・スポッティ(Bs ランフィス)
オルリン・アナスタソフ(Bs 国王)
エンツォ・ペローニ(T 伝令)
アントネッラ・トレヴィサン(S 巫女)
ダニエル・オーレン(指)
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団,合唱団
アレーナ・ディ・ヴェローナといったら「アイーダ」!ニッツァ、フラッカーロ、コルネッティにオーレンという強力上演!

録音:2009 年 8 月 16 日,ヴェローナ

アレーナ・ディ・ヴェローナの定番「アイーダ」。既にいくつもの録音がありますが、これは 2009 年の最新収録です。なんといってもヴェルディ・ソプラノとして大人気のアマリッリ・ニッツァのアイーダが聞きもの。ラダメスは、スカラ座でもラダメスを歌ったワルター・フラッカーロ。アムネリスは米国の名メッゾ、マリアンネ・コルネッティ。アモナズロは、ムーティに重用されたバリトン、アンブロージョ・マエストリ、そして指揮はアレーナ・ディ・ヴェローナの「アイーダ」と行ったらこの人、ダニエル・オーレン。いかにもアレーナ・ディ・ヴェローナらしい演奏です。
DBP 2006
(2CD)
¥1200
ヴェルディ:「ナブッコ」 ピエロ・カップッチッリ(Br ナブッコ)
リンダ・ローク・ストランマー(S アビガイッレ)
ロベルト・スカンディウツィ(Bs ザッカリア)
ヌンツィオ・トディスコ(T イズマエーレ)
マルタ・セン(S フェネーナ)
アルド・ボッティオン(T アブダッロ)
コゼッタ・トセッティ(S アンナ)
カルロ・デル・ボスコ(Bs ベルの大司教)
アントン・グアダーニョ(指)
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団,合唱団
圧倒的!カップッチッリのナブッコ!!

録音:1992 年

これは特別なカップッチッリの「ナブッコ」です。というのも、この年のヴェローナでの「ナブッコ」から帰宅する途上でカップッチッリは酷い自動車事故で重傷を負い、後に復帰はするものの歌手としては第一線は退かざるを得なかったからです。この録音では 65 歳にしてまだまだ立派なナブッコを歌い、大歓声を浴びています。リンダ・ローク・ストランマーは米国オクラホマ州タルサ生まれのソプラノ。「アッティラ」のオダベッラやマクベス夫人など、ヴェルディ初期のオペラのヒロインで人気を博しました。ザッカリアがロベルト・スカンディウツィというのも驚きです。一昔前アレーナの主だったアントン・グアダーニョが引き締まった音楽を聞かせてくれます。
DBP 2002
(2CD)
¥1200
プッチーニ:「トゥーランドット」 グレース・バンブリー(S トゥーランドット)
クリスティアン・ヨハンソン(T カラフ)
ミエッタ・シーゲレ(S リュー)
カルロ・ストリューリ(Bs ティムール)
マリオ・グッジャ(T 皇帝アルトゥム)
アルフォンソ・アントニオッツィ(Br ピン)
セルジョ・ベルトッキ(T パン)
ヨリオ・ゼンナーロ(T ポン)
ジュゼッペ・リーヴァ(Br 役人)
ブルーノ・バルボ(T ペルシャの王子)
ダニエル・ナザレート(指)
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団,合唱団
バンブリーのトゥーランドット!アレーナ・ディ・ヴェローナならではの大スケールの「トゥーランドット」

録音:1991 年 7 月 14 日,ヴェローナ

アレーナ・ディ・ヴェローナの定番の一つ、プッチーニの「トゥーランドット」の録音。トゥーランドットは世界的なメッゾソプラノとして高名なグレース・バンブリー。彼女はいくつかドラマティックなソプラノ役も手がけていますが、トゥーランドットの録音は他に見当たりません。豊かな声による堂々としたトゥーランドットは、歴代の名トゥーランドット歌手に引けを取らないもの。カラフには、アイスランド出身で日本でもオテッロなどを歌ったクリスティアン・ヨハンソン。注目はリューを歌うミエッタ・シーゲレ。北イタリアロヴェレート出身のシーゲルは、ソプラノ・リリコとして 40 年近くに渡って第一線で活躍、また 1967 年の第 5 回イタリア歌劇団公演のプッチーニ《ラ・ボエーム》でミミを歌っています。しかし録音が極めて少なく、このリューはたいへん貴重。インド出身の作曲家、指揮者のダニエル・ナザレートのキリリとした音楽も素晴らしく、アレーナが大いに盛り上がっています。
DBP 2005
(2CD)
¥1200
プッチーニ:「トスカ」 ダニエラ・デッシ(S トスカ)
カルロ・ヴェントレ(T カヴァラドッシ)
アルベルト・マストロマリーノ(Br スカルピア)
エリア・トディスコ(Br アンジェロッティ)
ファビオ・プレヴィアーティ(Bs 堂守)
アントーニオ・フェルトラッコ(T スポレッタ)
ニコロ・チェリアーニ(Bs-Br シャルローネ)
ダリオ・ジョルジェレ(Bs 看守)
オッターヴィア・ドルッチ(Tr 牧童)
ジュリアーノ・カレッラ(指)
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団,合唱団
デッシのトスカ!ヴェントレのカヴァラドッシ!

録音:2008 年 7 月 4 日,ヴェローナ

2008 年のアレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭の中でも特に評判が高かったのがこの「トスカ」。なんと言ってもダニエラ・デッシのタイトルロールというのが大きな魅力です。カヴァラドッシは、この翌年には新国立劇場でもカヴァラドッシを歌ったカルロ・ヴェントレ。一本気で情熱的な歌はカヴァラドッシにピタリ。そして悪役バリトンとしてたいへんに人気の高いアルベルト・マストロマリーノのスカルピアと、主役三人がとても高水準。ジュリアーノ・カレッラの正統イタリアオペラの指揮も大満足です。
DBP 2003
(2CD)
¥1200
ビゼー:「カルメン」 ルチアーナ・ディンティーノ(Ms カルメン)
マルコ・ベルティ(T ドン・ジョゼ)
ジョルジョ・スリアン(Bs エスカーミリョ)
マリア・ルイージャ・ボルシ(S ミカエラ)
クリスティーナ・パストレッロ(S フラスキータ)
ミレーナ・ヨシポヴィッチ(Ms メルセデス)
ファビオ・プレヴィアーティ(Bs ダンカイロ)
ルカ・カザリン(T レメンダード)
ヴィクトル・ガルシア・シエラ(Bs スニガ)
マルコ・カマストラ(Br モラレス)
リュー・ジャ(指)
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団,合唱団
スカラ座で活躍したヴェルディ・メッゾ、ディンティーノのカルメンと今をときめくテノール、ベルティのジョゼ!

録音:2006 年 6 月 30 日,ヴェローナ

「カルメン」もアレーナ・ディ・ヴェローナでは人気演目の一つ。2006 年の上演では、ヴェルディ・メッゾとしてスカラ座でも活躍したルチアーナ・ディンティーノのカルメンに、これまたヴェルディ・テノールとして昨今極めて人気の高いマルコ・ベルティのジョゼという魅力的な組み合わせ。普通バリトンが歌うエスカミーリョを珍しくバスのスリアンが受け持ち、重厚な歌を聞かせてくれます。
DBP 2008
(2CD)
¥1200
プッチーニ:「トゥーランドット」 マリア・ドラゴーニ(S トゥーランドット)
フランコ・ファリーナ(T カラフ)
マリア・ルイージャ・ボルシ(S リュー)
リッカルド・フェラーリ(Bs ティムール)
マッシモ・ラ・グァルディア(T アルトゥム)
マルコ・カマストラ(Br ピン)
オルフェオ・ザネッティ(T パン)
ニコラ・パミオ(T ポン)
アレッサンドロ・ルオンゴ(Br 役人)ほか
ケリー=リン・ウィルソン(指)
チッタ・リリカ管弦楽団,合唱団
マリア・ドラゴーニのトゥーランドット!記念すべき音楽祭 50 回記念上演のライヴ

録音:2004 年 7 月,トッレ・デル・ラーゴ

湖畔の野外劇場でのプッチーニとして知られるトッレ・デル・ラーゴ・プッチーニ音楽祭でのライヴ。この 2004 年は第 50 回とあって上演にも力が入りました。「トゥーランドット」のタイトルロールは、ヴェルディやプッチーニを中心に活躍するイタリア人ソプラノ、マリア・ドラゴーニ。カラフは、この役のスペシャリストと言ってもよさそうなほど何度も歌っている米国のテノール、フランコ・ファリーナ。またマリア・ルイージャ・ボルシもリューか当たり役で、スカラ座では浅利慶太演出の「トゥーランドット」でリューを歌っています。ケリー=リン・ウィルソンはカナダの指揮者。近年ではイタリア出の活躍が目立ちます。ちなみにメトロポリタン歌劇場の総裁ピーター・ゲルプの奥さんです。
DBP 2009
(2CD)
¥1200
プッチーニ:「エドガール」 マルコ・ベルティ(T エドガール)
ロッサーナ・リナルディ(Ms ティグラーナ)
クリスティーナ・ガイヤルド=ドマス(S フィデーリア)
ルカ・サルシ(Br フランク)
フィリッポ・ポオリネッリ(Bs グァルティエーロ)
ピエール・ジョルジョ・モランディ(指)
プッチーニ音楽祭管弦楽団,合唱団
プッチーニ音楽祭ならではのレア物 「エドガール」

録音:2008 年 8 月,トッレ・デル・ラーゴ

プッチーニ音楽祭というくらいですから、トッレ・デル・ラーゴではプッチーニの珍しいオペラも舞台にかけられます。2008 年には「エドガール」が上演されました。「エドガール」はプッチーニの二作目のオペラで、1889 年にスカラ座で初演されたものの、散々な不評に終わりました。その後プッチーニは十数年に渡ってあちこち手直しをしたものの、ついに人気を得ることができませんでした。しかし近年、若き日のプッチーニの意欲作として上演も増えています。録音が僅かしかないのでこの新録音はプッチーニアンから歓迎されることでしょう。しかもマルコ・ベルティのエドガール、クリスティーナ・ガイヤルド=ドマスのフィデーリア、ロッサーナ・リナルディのティグラーナと、ちょっとビックリするほど充実したキャストです。

BIS

BIS 9036/9
(15CD 4 枚価格)
¥10000→¥8990
バッハと大作曲家たち
 (1)モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り/6声のミサ
 (2)シュッツ:
  宗教的合唱曲全集 SWV369-397 /イエス・キリストの十字架上の7つの言葉
 (3)アーレ:「新たに植え込まれたテューリンゲンの遊歩庭園」から
 (4)ブクステフーデ:連作カンタータ「われらがイエスの四肢」
 (5)クーナウ:マニフィカト
 (6)ヴィヴァルディ:
  リコーダー協奏曲ハ長調 RV443 /ニ長調 RV428 /イ短調 RV108 /
  ハ長調 RV444 / ト長調 RV435 /二長調 RV92 /イ短調 RV445
 (7)ゼレンカ:2つのマニフィカト
 (8) J.S. バッハ:
  マニフィカト BWV234a /ゴルトベルク変奏曲 BWV988 /
  ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041 /同第2番ホ長調 BWV1042 /
  結婚カンタータ BWV210 /コーヒーカンタータ BWV211 ほか
 (9)ヘンデル:メサイア 10 C.P.E. バッハ:チェロ協奏曲集
鈴木雅明(指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン
ダン・ラウリン (Rec)
寺神戸亮 (Vn)
鈴木秀美 (Vc)
キャロリン・サンプソン (Sop)
ほか BCJ オールスター・キャスト
祝 BCJ 結成 20 周年! いずれも決定盤!!BCJがBISに残してきた軌跡を驚異の低価格で!!!

DDD、16h 29’11”

バッハ・コレギウム・ジャパンの創立 20 周年を記念して超大企画の登場です。これまでリリースされた名盤を 15 枚組 BOX で発売しますが、何と 4枚価格という驚愕の低価格、もはや価格破壊とのそしりを免れない状況であります。
それも、すべてレコード芸術誌特選、いくつかはレコード・アカデミー賞受賞の超名盤で、ソリストも鈴木秀美や寺神戸亮、ダン・ラウリンなどオールスター・キャスト。
まだバッハ・コレギウム・ジャパンをお聴きになられたことのない向き、カンタータしか買われなかった向きに大オススメ。極上の BGM としてもリッチな空間を創造します。
BIS 1951
特別価格
¥900
クリスマスから宗教改革記念日まで~バッハのカンタータで教会暦をたどる
 J.S. バッハ:教会カンタータ他より(冒頭合唱)
  (1)いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV61(待降節用)
  (2)われらが口を笑いにて BWV110(降誕節用)
  (3)主に向かっ て新しき歌を歌え BWV190(新年用)
  (4)彼らみなシバより来たらん BWV65(公現祭用)
  (5)すべてただ神の御心のま まに BWV72(公現後第 3 主日用)
  (6)安らぎと喜びもてわれは逝く BWV125(聖母の清めの祝日用)
  (7)マタイ受難曲 BWV244 8キリストは死の絆に BWV4(復活祭用)
  (9)鳴り響け、汝らの歌声 BWV172(聖霊降臨後第1主日用)
  (10)貧しき者は饗せられん BWV75(三位一体後第1主日用)
  (11)神よ、われを調べ BWV136(三位一体後第 8 主日用)
  (12)主よ、汝の目は信ずる者を BWV102(三位一体後第 10 主日用)
  (13)わが魂なるイエスよ BWV78(三位一体後第 14 主日用)
  (14)愛する神よ、われいつの日に BWV8(三位一体後第 16 主日用)
  (15)われらが神はかたき砦 BWV80(宗教 改革記念日用)
  (16)ロ短調ミサ BWV232
鈴木雅明(指)
バッハ・コレギウム・ジャパン
BCJ のカンタータの真骨頂を集めた超お買い得アルバム。

DDD、82’15”、日本語解説付

鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンが BIS でバッハのカンタータ・シリーズを始めて、今年で 15 年になります。それを記念して敬虔なクリスチャンである鈴木雅明が特別に編んだコンピレーション・アルバム。ルター派の教会暦に従い、待降節(クリスマス前)から宗教改革記念日 (10 月 31 日 )までの 14 の祭日用に書かれたカンタータの冒頭合唱を集めました。いずれも美麗なメロディと壮麗な響きに満ち、非常に感動的。BCJ 芸術の真骨頂を味わえます。鈴木雅明執筆による日本語解説も興味津々です。お買い得な価格も魅力です。
※この CD は BIS9036/9 にも附録として同じものが入っています。
BIS 1930/2
(6CD 3枚価格)
¥7500
シベリウス完全全集 その 11 合唱曲
 男声合唱曲:
  クッレルヴォ Op.7* /愛する人 JS160a /6つの合唱曲 Op.18 /
  止め豪雨、汝泡たてり JS94(ベルイマン補筆完成)/
  苦しみのうちに生れし御子 Op.21 /月光をあびて JS114 /
  アテネ人の歌 Op.31 の 3 /サンデルス Op.28* /
  おまえに勇 気があるか JS93* /嘆くことなく JS69* /
  歌の力 JS118(ヤーゼプス・ヴィートルス原曲)/
  異郷にいるわが兄弟 JS217 /祖国に JS98b(最終版)/
  火の起源 Op.32* /おまえに勇気があるか Op.31 の 2(改訂版)* /
  ウースマーの人々の 歌 JS214b /5つの合唱曲 Op.84 /
  フリードリンの愚行 JS84 /ヨナの航海 JS100 /
  シベリソンの2つの歌 JS224 /肖 像 JS121 /
  イェーガー隊行進曲 Op.91a* /ヴィープリ合唱団の祝賀行進曲(2種)/
  2つのパートソング Op.108 /ス キドスコル行進曲 JS173 /
  橋の警備兵 JS170a /カレリアの運命 JS108* /
  栄誉はいらない Op.1 の 4(フィンランド語版) /フィンランディア賛歌
 混声合唱曲:
  森の奥にひとり JS72 /ふたたび春めばえし時 JS139 /
  ごらん、鳥が舞い降りるのを JS191 /すべてがかくも色褪せて JS96 /
  空気中に立ち昇る JS213 /ああ、聞いてギレンボリ嬢/
  労働者の行進曲 JS212 /遊べ、可愛い乙女よ JS176 /
  祝典行進曲~大学祝典カンタータより/イタリア民謡編曲(2曲)JS99* /
  1897 年ヘルシンキ大学祝典のためのカンター タ Op.23 /
  カルミナリア JS51a(混声三部版)/愛する人 JS160c /
  歌いつぶした声 Op.18 の 1 /船の旅 Op.18 の 3 /島の火 Op.18 の 4 /
  わが心の歌 Op.18 の 6 /つぐみのように慌ただしくJS129 /
  祖国に JS98a /朝霧にぬれて JS9a /
  1902 年 10 月 25 日テレーゼ・ハールに(2種)/嘆くことなく JS69(現行版)/
  水車を聴き(断片)JS122* /2つ の合唱曲 Op.65 /
  ウースマーの人々の歌 JS214a /アメリカン・スクールのための3つの歌 JS199/
  夢 JS64 /少年団 行進曲 Op.91b /学校への道 JS112 /学校歌 JS172 /
  高貴な天 JS58a /赤子がわれらに生まれり JS142 /嘆くことなく JS69 /
  フィンランディア賛歌(ヘ長調版)
 女声、児童合唱曲
  パパ、どうして私の鳥にキスするの JS218 /カルミナリア JS51c /郷愁 JS111 /
  即興曲 Op.19(ピアノ伴奏版)* /小学 生行進曲 JS103 /
  コノウの詩によるカンタータ JS107 /朝霧にぬれて JS9b /
  ようこそ王女~ニコライ2世の戴冠式のた めのカンタータより/
  風景が息づき~ウレオ川の氷解けより/
  敬いの賛歌が~ 1897 年ヘルシンキ大学祝典のためのカン タータより/
  栄誉はいらない Op.1 の 4 /雪は深く積もって Op.1 の 5 /少年団行進曲 Op.91b
 学生時代の課題、習作 *
  マルティン・ヴェゲリウスのための 10 のコラール(1887-9)/
  アルベルト・ベッカーのための 24 のコラール (1889-90) /
  897 年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータ JS106 /
  苦しみのうちに生れし御子 Op.21(原典版)/カルミナリア JS51b /
  祖国に JS98a(原典版)/アテネ人の歌 Op.31 の 3(児童、男声合唱版)/
  即興曲 Op.19(原典版)/おま えに勇気があるか Op.31 の 2(原典版)/
  風景が息づき(別エンディング)/海辺へ Op.84 の 5(原典版)/
  栄誉はい らない(児童三部合唱用 1954 年編曲)/
  栄誉はいらない(女声四部合唱用 1942 年編曲)/
  栄誉はいらない(女声 三部合唱用 1942 年編曲)/主よ、汝は偉大なり JS58b /
  フィンランディア賛歌(男声合唱用 1938 年編曲)/
  フィンラ ンディア賛歌(混声合唱用変イ長調版 1948 年編曲)
マッティ・ヒヨッキ(指)
YL(ヘルシンキ大学)男声合唱団、
ロベルト・スンド(指)
オルフェイ・ドレンガル、
ヘンリク・ヴィクストレム(指)
アカデミカ・ソングフェレニンゲン、
アストリド・リスカ(指)
ユビラーテ合唱団、
セッポ・ムルト(指)
ドミナンテ合唱団、
ウルフ・ラングバツカ(指)
フローラ合唱団、
フォルケ・グラスベック、
イーモ・ランタ (Pf) ほか
 *= 世界初録音
猛暑にぴったり。一服の清涼剤のようなシベリウスの合唱曲

DDD、7h 17’34”

シベリウス・ファンのみならず、次作が待ちきれない人の多いシリーズ、合唱曲の登場です。シベリウスといえば交響曲や管弦楽曲の人気が高いものの、合唱作品も北欧の作曲家だけに独特の美しさと味わいに富む作品が多く、やはり代表作といえるでしょう。ここでは無伴奏合唱と、ピアノもしくはハルモニウムの伴奏による作品を集め、北欧を代表する合唱団が絶妙に再現。いつものように同曲異版や断片まで網羅。さらにヘルシンキとベルリンての作曲修業時代に課題として書かされたコラールまで収める徹底ぶり。しかし、そのどれにも光るメロディ・メーカーとしての天凛と、男声合唱曲での恐さを孕む力強さから女声、児童合唱の水晶のような純粋・透明な世界まで、暑い日に一服の清涼剤のように爽やかなひとときを提供してくれます。
BIS SA 1672
(SACD HYBRID)
¥2600
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.9
 (1)3つの選帝候ソナタ WoO47
 (2)ソナチネの2楽章 WoO50
 (3)2つのソナチネ Anh.5
 (4)2つの作品(オルフィカ)
 (5)やさしいソナタ WoO51
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
ブラウティハムの名演で蘇ったベートーヴェンのソナチネ集

60’54”

SACD ハイブリッド盤。フォルテピアノによるブラウティハムのベートーヴェン・シリーズの第 9 弾。今回は初期の「選帝候ソナタ」をはじめソナタと題されながら 32 篇に組み込まれていない作品を集めています。少年時代のものや、擬作の可能性のあるものまですべて収録。これらがブラウティハムの演奏で蘇るのは超ぜいたく。さすがベートーヴェンとうなずける名作に聴こえます。1788 年アンドレアス・スタイン作のレプリカによるフォルテピアノのマイルドな音にも酔わされます。
BIS SA 1783
(SACD HYBRID)
¥2600
J.S.バッハ(サイモン・ローランド=ジョーンズによるヴィオラ用編):
 (1)無伴奏チェロ組曲第 1 番ト長調 BWV1007
 (2)第 4 番変ホ長調 BWV1010
 (3)第 5 番ハ長調 BWV1011
マクシム・リサノフ (Va)
ヴィオラ界超期待のプリンス、リサノフ、バッハに挑戦!

65’20”

SACD ハイブリッド盤。ジャニーヌ・ヤンセンとの CD やアムラン、クレーメルらとの共演で注目のヴィオラ奏者マクシム・リサノフ、BIS デビュー盤の登場です。1978 年ウクライナ出身、現在ロンドン在住で、2008 年にはグラモフォン誌ヤング・アーチスト・オブ・ジ・イヤーに選ばれています。ニヒルなイケメンで、早くもファンが急増しています。バッハの無伴奏チェロ組曲のヴィオラ版に挑戦していますが、技巧、深み、音楽性いずれも驚異的。今後最注目のひとりです。
BIS SA 1815
(SACD HYBRID)
¥2600
ハイドン:
 (1)交響曲第 50 番ハ長調「神々の怒り」
 (2)同第 12 番ホ長調「アチデ」
 (3)同第 60 番ハ長調「うっかり者」
マンフレート・フス(指)
ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン
オペラ作品に基づくハイドンの交響曲集

66’18”

SACD ハイブリッド盤。ハイドンは雇い主エステルハージィ公のためにオペラを量産し、その演奏が日課となっていました。それらの多くは現存しませんが、後に素材を交響曲に利用しています。それがこの3篇。優秀なハイドン学者でもある指揮者マンフレート・フスは原作を考慮しながら聴かせ所満載の演奏でこれらを再現しています。
BIS SA 1793
(SACD HYBRID)
¥2600→¥2390
ベートーヴェン:
 (1)ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」
 (2)合唱幻想曲ハ短調 Op.80
ロナルド・ブラウティハム (Pf)
エリク・エリクソン室内合唱団
アンドルー・パロット(指)
ノールショピングSO
華麗・豪放、ブラウティハム入魂の「皇帝」

52’38”

SACD ハイブリッド盤。ブラウティハムのベートーヴェン・ピアノ協奏曲シリーズ締めくくりは「皇帝」。ブラウティハムは「リヒテルの輝きとポリーニの賢さ、ミケランジェリの覇気を併せ持つピアニスト」と称されていて、評価に偽りのない巨大華麗な「皇帝」となっています。カップリングは「合唱幻想曲」。エリク・エリクソンの合唱団が参加しているのも注目です。
BIS SA 1782
(SACD HYBRID)
¥2600→¥2390
(1)ドビュッシー(ビーミッシュ編):チェロと管弦楽のための組曲
(2)ラヴェル(トニェッティ編):2つのヘブライの歌
(3)プロコフィエフ(ブローク編):チェロ小協奏曲 Op.132
(4)ブロッホ(パーマー編):ユダヤの生活から
スティーヴン・イッサーリス (Vc)
ガボール・タカーチ=ナジ(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
ついに発見されたか、ドビュッシーの秘作!?

58’10”

SACD ハイブリッド盤。ドビュッシー19 歳の作で、第 4 曲「間奏曲」を除いて失われたとされるチェロと管弦楽のための組曲がついに復活。といっても、楽譜が発見されたのではなく、イギリスの女性作曲家サリー・ビーミッシュが想像で創造したもの。ビーミッシュは「間奏曲」を第1曲に置き、同時期の作品「ボヘミア舞曲」や「夢想」をチェロと管弦楽のために編み直しています。また、プロコフィエフが未完のまま残し、カバレフスキーとロストロポーヴィチが補筆完成させた小協奏曲も、プロコフィエフ研究家ウラジーミル・ブロークによる版という珍品。さらにブロッホのユダヤ色濃厚な組曲を映画音楽の大家クリストファー・パーマーがオーケストレーションしたものなど、興味深いものばかり。イッサーリスならではの冴えたチェロが光ります。
BIS SA 1780
(SACD HYBRID)
¥2600
セバスチャン・ファーゲルルンド:歌劇「デーベルン」 アヌ・コムシ、アンニカ・ミッラリ(Sop)
ラッセ・ペンッティネン(Ten)
ソレン・リルクング(Br)
ロバート・マクロード(Bs)
サカリ・オラモ(指)
西海岸コッコラ歌劇場、
コッコラ歌劇祝祭管
サカリ・オラモの指揮が光る、大河ドラマ風現代オペラ

59’00”

SACD ハイブリッド盤。セバスチャン・ファーゲルルンドは 1972 年生まれのフィンランドの作曲家。作風は現代音楽にありがちな厳しい音使いと一線を画した豊かで多層的な響きが特徴。彼初のオペラは 1808-9 年の「第2次ロシア・スェーデン戦争」での歴史的英雄ゲオルク・カール・フォン・デーベン将軍を主役に、戦時中実際の起きた出来事を扱いつつ幻想と幻覚をないまぜにした興味深い作品となっています。これを 5 人の歌手と 15 人の器楽(ピアノ、弦楽五重奏、管楽七重奏、打楽器)で表現。サカリ・オラモの統率力が光ります。歌詞はフィンランド語(一部スウェーデン語)によります。
BIS 1822
¥2500→¥2290
(1)コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
(2)ドヴァリョーナス:
 ヴァイオリン協奏曲ロ短調 (1948) /悲歌的小品/湖のほとりて
ヴァディム・グルズマン (Vn)
ネーメ・ヤルヴィ(指)
ハーグ・レジデンティ管
20 世紀半ばに作られたロマンティックなヴァイオリン協奏曲 2 篇

DDD、60’55”

イスラエルの実力派ヴァディム・グルズマンが、第2次世界大戦後の作ながら甘美な旋律と鮮烈な抒情に満ちたヴァイオリン協奏曲2篇に挑戦。ハイフェッツのために書かれたコルンゴルト作品は、ハリウッド映画音楽調の華麗なオーケストレーションと豊富なメロディで最近多くの名手がとりあける人気作。ソ連邦リトアニア共和国国歌の作曲者で、戦後のリトアニア音楽界を牽引したバリス・ドヴァリョーナス (1897-1957) 作品はリトアニア民謡調のメロディに満ち、熱っぽく感動へ盛り上げる典型的な社会主義リアリズム音楽で、スターリン賞受賞。不思議な感動を呼び起こす音楽で、涙なしには聴けません。父ヤルヴィの信頼感満点の伴奏も特筆です。
BIS 1765
¥2500
18 世紀イギリスのトリオ・ソナタ集
 (1)レーヴェンスクロフト:ソナタ ト長調 Op.1 の 8
 (2)ヘンデル:同ト短調 Op.2 の 5
 (3)同:同ニ長調 Op.5 の 2
 (4)エイヴィソン:同ニ短調 Op.1 の 1
 (5)ボイス:同ニ長調 Op.1 の 5
 (6)トマス・アーン:同ト短調 Op.3 の 2
 (7)アベル:同ト短調 Op.3 の 1
 (8)アースキン:同6番ト長調
ロンドン・バロック
爽やかなイギリスのトリオ・ソナタ集

DDD、70’58”

ロンドン・バロック BIS 4枚目のアルバムはイギリスのトリオ・ソナタ集。さわやかかつ上品、夏にピッタリの音楽です。ロンドン・バロックの神業的妙技をご堪能下さい。
BIS 1601
¥2500
サリー・ビーミッシュ:
 (1)ヴァイオリン協奏曲 (1994)
 (2)フルート協奏曲「カリスト」(2005)
 (3)交響曲第1番 (1992)
アンソニー・マーウッド (Vn)
シャロン・ベザリー (Fl)
マーティン・ブラビンス(指)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管
女性作曲家ファン必見! 超力作交響曲

DDD、78’35”

BIS が力を注ぐイギリスの女性作曲家サリー・ビーミッシュ (1956-) が、大管弦楽に挑んだ最初期作品に当たる交響曲第1番が聴きもの。テインパニーの超低音など管弦楽法も凝っているうえ、スコットランドの民俗調が盛り込まれているのも興味津々。シャロン・ベザリーのために作曲されたフルート協奏曲は、ギリシャ神話でゼウスに愛されたため熊に変身させられた妖精カリストの逸話を描いています。

BONGIOVANNI

GB 2447
(2CD)
¥4800
マスネ:「マグダラのマリア」 ダニア・マッツォーラ・ガヴァッツェーニ(S マリア)
ラウラ・ブリオーリ(Ms マルト)
ジュゼッペ・ヴェネツィアーノ(T イエス)
コッラード・カッピッタ(Br ユダ)
ダニエレ・アジマン(指)
アブ・アルモニアエ交響楽団,
アブ・アルモニアエ合唱団
マスネの美しい聖劇「マリー=マグドレーヌ」新録音が登場!!

録音:2009 年 10 月 4 日,カラヴァッジョ(ライヴ)。DDD、95m

「エーヴ」(GB 2442)に続くマスネの珍しい声楽大作の録音。「マグダラのマリア」は 1873 年に初演されたオラトリオ。マスネが「ラホールの王」で大成功を勝ち取るのが 1877 年のことですが、「マグダラのマリア」はそれより前のマスネの作品で最も成功した作品です。イエスとの出会いから、磔、復活までが物語られています。聖書に題材をとりながらも、マスネらしい官能性があり、「タイス」を思わせる音楽もあちこちにある、魅力的な作品です。
イタリアのベテラン、ダニア・マッツォーラ・ガヴァッツェーニを軸にした演奏です。
GB 5164
¥2400
ガルッピ:チェンバロ・ソナタ集
 ソナタ ト長調、ソナタ へ長調、ソナタ 変ロ長調、
 ソナタ イ長調、ソナタ 変ロ長調、ソナタ 変ホ長調、
 ソナタ ト長調、ソナタ イ長調、ソナタ 変ロ長調、ソナタ ニ長調
マリア・クロティルデ・シエーニ (Cemb)
18 世紀ヴェネツィアの優雅なチェンバロ曲ガルッピのソナタ集

録音:2009 年 11 月。68'28

18 世紀のヴェネツィアの作曲家バルダッサーレ・ガルッピ(1706—1785)は、100 曲を越す膨大なチェンバロ(もしくはピアノ)・ソナタを作曲しました。この CD にはそのうち 10 曲を収録。いずれもバロックから古典派へと変わり行く時代の作風が感じられます。マリア・クロティルデ・シエーニは、イタリアのベテラン・チェンバリスト。上品な響きがガルッピに合っています。
GB 5166
¥2400
ムファット:トッカータ第 10 番
コレア・デ・アラウホ:ティエント第 29 番,ティエント第 16 番
キルシェンバウム:ヴィヴァーチェ
パーセル:ダブル・オルガンのためのヴォランタリー ニ短調 Z.719
パッヘルベル:
 トッカータ ニ短調
 コラール「ああ神よ、天からご覧ください」
 コラール「われらの救い主イエス・キリスト」
バッハ:
 協奏曲 ハ長調 BWV976
 コラール「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV.663
 コラール「天にましますわれらの父よ」BW V.737
 前奏曲とフーガ ト短調 BWV.535
カンドッティ:シンフォニア第 22 番 Op.142
オーレン・キルシェンバウム (Org)
録音:2009 年 4 月。71'44

2009 年に行われた第 2 回バッソ・フリウーリの歴史的オルガン、国際オルガン・コンクールで優勝した、イスラエルのオルガニスト、オーレン・キルシェンバウムの記念録音。キルシェンバウムは 1982 年生まれで、テルアヴィヴで学んだ後、現在はスイスで活動している。
GB 5165
¥2400
ルイージ・ヴェルディ:「詳細と小片」 ダニエレ・ブッチョ (P)
録音:2010 年,ボローニャ。DDD、79'40

ルイージ・ヴェルディは 1958 年生まれの作曲家。「詳細と小片」はピアノのための 69 の小品集で、緻密に計算されて書かれた作品で、メカニカルな快感に浸れます。題名は、「詳細 dettagli」と「切れ端 ritagli」の語呂合わせ。

CALLIOPE

CAL 7641
(2CD)
※特別価格
¥2600→¥2390
J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) アンドレ・ナヴァラ(チェロ)
ナヴァラの大名盤、無伴奏チェロ組曲全曲か2 枚組お買い得価格で復活!

録音:1977年

30 年以上前に録音された、元ボクサーという経歴ももつチェリスト、ナヴァラの名盤。どこまでも内省的、日常の瑣末なことの一切合財を忘れさせてくれる力演です。
CAL 3203
¥1500
バッハ:
 主よ、人の望みの喜びよ、パルティータ変ロ長調 BWV825、
 シチリアーナ、トッカータ BWV 914、
 プレリュードとフーガ第 8 番 BWV 853、
 コラール「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」BWV 639
アルバン・ベルク:ソナタ op.1
インゲル・セデルグレン ( ピアノ )
カリオペ 2010 年カタログつき CD

録音:1987年

セデルグレンのタッチの確かさと歌い回しの巧さが存分に引き出されたプログラムの名盤に、カリオペ 2010 年カタログがついてお買い得価格で登場。
CAL 7317
¥1500
モーツァルト:
 グラン・パルティータ KV 361、セレナード第 12 番 KV 388
アンサンブル・フィリドール(エリック・ボード指揮)
フランスの名門ピリオド管楽器アンサンブルによるモーツァルト

録音:2000, 2001年

フランスのピリオド管楽器アンサンブル、アンサンブル・フィリドールによる名録音が復活。グラン・パルティータの荘厳かつ柔らかな響きはさすがです。
CAL 7708
¥1500
J.S. バッハ:トッカータ集
 (1)トッカータとフーガニ短調 BWV 565
 (2)トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564
 (3)トッカータとフーガ「ドリア調」ニ短調 BWV 538
 (4)トッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540
 (5)ファンタジーとフーガ ト短調 BWV 542
アンドレ・イゾワール(オルガン)
往年の名人、イゾワールのトッカータ

録音:1975 年

有名なトッカータとフーガ BWV 565 も録音がよいとかくも軽やかに響き渡るのか、と驚かされる名録音。
CAL 7251
¥1500
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ
 第 9 番「クロイツェル」op.47、第 5 番「春」op.24
ペトル・メッシエレウル (Vn)
スタニスラフ・ボグニア (P)
これぞ「クロイツェル」!大見得的演奏

録音:1994 年

大見得を切るところや甘く揺らすところなど、これぞベートーヴェン!直球勝負の 60 分間。アンブロワジーレーベルでも名プロデューサー兼エンジニアとして名高いニコラ・バルトロメー氏による録音だけあって、振動する空気感もたっぷりと含まれた名録音です。
CAL 7926
¥1500
メシアン:栄光に輝く体、キリストの昇天 ルイ・ティリー ( オルガン )
色彩豊か、かつクリアーなメシアンのオルガン曲

録音:1972 年

メシアンのオルガン曲というと、難解な音列や音階がイメージされますが、ルイ・ティリーはすべての声部とパートを明快に演奏、一糸乱れることなくメシアンの静謐の世界を描き切っています。色彩感にあふれた音色が魅力。
CAL 7648
¥1500
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第 30、31、32 番 インゲル・セデルグレン(ピアノ)
きちんとしたお手本的演奏

録音:1989 年

シュトゥッツマンの伴奏者としても定評のあるセデルグレン。歌手からの信頼があついだけあって、聴かせどころではセデルグレンの歌が冴えます。

CASCAVELLE

VEL 3147
¥2300→¥2090
モーツァルト:
 ディヴェルティメント第 11 番ニ長調 K.251
 2 つのピアノための協奏曲変ホ長調 K.365
 交響曲第 40 番ト短調 K.550
IITTI フェスティヴァル・オーケストラ
フィリップ・アントルモン(指揮 & ピアノ)
ラウラ・ミッコラ(ピアノ)
巨匠アントルモン2009年最新録音は気品に満ちた極上のオール・モーツァルト・プログラム満を持しての交響曲第 40 番!

DDD、録音:2009 年 6 月 13 日 IITTI フェスティヴァル(ライヴ)

2010 年の 5 月の来日公演で健在ぶりを知らしめた巨匠アントルモン。最新録音は彼のライフ・ワークでもあるモーツァルト、Iitti フェスティヴァルにおけるライヴ録音です。曲目はディヴェルティメント第 11 番、2 つのピアノのための協奏曲 K.365(Cascavelle でお馴染みのミッコラとの共演 )、そして交響曲第 40 番。ピアノの名手として知られるアントルモンは NHK の教育テレビで放送されたスーパーピアノレッスン「モーツァルト」の講師として日本でも大人気のピアニストですが、近年は指揮活動を積極的に行っております。前作、シンセン交響楽団とのショスタコーヴィチの「革命」(VEL3137) は話題となりました。心地よいテンポ設定で演奏された交響曲第 40 番の本録音は、過剰な演出は一切せず端正に音楽を紡ぎ出しております。
VEL 3150
¥2300
アンリ・デュパルク(1848-1933):
 セレナード(1868;G.マルク)
 波と瞳(1871;F.コペ)
 旅への誘い(1870;ボードレール)
 溜め息(1868/69;T.ゴーティエ)
 悲しき歌(1868;J.ラオール)
 ギャロップ(1868;シュリー・プリュドム)
 恍惚(1874;J.ラオール)
 戦いのある国へ(1869/70;T.ゴーティエ)
 嘆き(1883;A.シルヴェストル)
 ミニョンのロマンス(1868;ゲーテの仏語訳)
 悲歌(1874;T.ムーアの仏語訳)
 遺書(1883;A.シルヴェストル)
 フィレンツェのセレナード(1880;J.ラオール)
 前世(1876-84;ボードレール)
 フィディレ(1872-82/C.M.R.ルコント・ド・リール)
 ロズモーンドの館(1879;R.ボニエール)
ノラ・グビッシュ( メゾ・ソプラノ )
アラン・アルティノグル ( ピアノ )
残された数少ないデュパルクの美しき歌曲集

録音:2007 年 8 月 29-31 日 ヴァンセンヌ、フランス

フランクに師事し印象主義の前提をなす近代フランス歌曲に、珠玉のような名作を残したデュパルク。彼の作品は生前に破棄された作品が多く現存する曲は少ないです。その中ゲーテやゴーティエの詩に残された作品に美しき歌曲が残されております。

CAVI MUSIC

4260085531547
¥2600
(1)シューベルト:弦楽四重奏曲ニ短調 D.810「死と乙女」
(2)シュニトケ:弦楽四重奏曲第 3 番(1983)
アサセッロ弦楽四重奏団
若手最有力カルテット、アサセッロQ.によるシューベルト&シュニトケ

録音:1 2009 年 8 月第 2 ラジオ・スタジオ、ワルシャワ2 2009 年 4 月フィルハーモニー・ホール、ロシア(ライヴ)。63‘03

アサセッロ弦楽四重奏団はバーゼルで共に学んでいた学生 4 人が 2000 年に結成。数々国際コンクールで優勝している期待のカルテットです。既にCAvi レーベルからはメンデルスゾーン(4260085 531400)をリリースしており、安定したアンサンブルを聴かせてくれました。
第 2 弾アルバムはシューベルト「死と乙女」とシュニトケ。ワルシャワでスタジオ録音された「死と乙女」は、第 2 楽章にシューベルトの同名の歌曲の旋律用いた形式美、旋律美が合わさったドイツ・ロマン派の傑作。アサセッロ弦楽四重奏団は作品の悲劇性を見事に表現した鬼気迫る演奏。また、ロシアでライヴ録音されたシュニトケの弦楽四重奏曲第 3 番。この作品でシュニトケはベートーヴェンの悲愴ソナタと大フーガの主題を動機として用いています。
4260085531820
¥2600
ヤナーチェク:霧の中で
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第 31 番変イ長調 Op.110
シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
エリック・シュナイダー (P)
名伴奏者エリック・シュナイダーの待望のソロ・アルバム

録音:2007 年 9 月ベルリン。61‘40

マティアス・ゲルネなどの伴奏者として名高いエリック・シュナイダーのソロ・アルバム。今回収録された作品は、人生の岐路に立たされた不安な心情を綴ったヤナーチェク晩年の傑作「霧の中で」。ベートーヴェン最後期のピアノ・ソナタ第 31番。情熱とロマンに満ち溢れたシューマン初期の作品「幻想曲」。エリック・シュナイダーの演奏は作品の奥深くに潜む精神性に共感し音楽を描いています。特にヤナーチェクの「霧の中で」は孤独と絶望を痛いほどよく表現した秀演。
4260085 531950
(2CD)
¥4600→¥4190
スクリャービン(1872-1915):ピアノ・ソナタ全集(第1番~第10番)
 CD1 (78’43)
  ソナタ第 1 番ヘ短調 Op.6、ソナタ第 4 番嬰ヘ長調 Op.30、
  ソナタ第 6 番 Op.62、 ソナタ第 9 番 Op.68、
  ソナタ第 10 番 Op.70
 CD2 (80’42)
  ソナタ第 2 番「幻想ソナタ」嬰ト短調 Op.19、
  ソナタ第 5 番 Op.53、ソナタ第 7 番「白ミサ」Op.64、
  ソナタ第 8 番 Op.66、ソナタ第 3 番嬰ヘ短調 Op.23
アナトール・ウゴルスキ (P)
鬼才アナトール・ウゴルスキの待望の新譜!スクリャービン・ピアノ・ソナタ全集、多彩なニュアンスと端正な音色でスクリャービンの世界観を見事に表現

録音:2007 年 11 月、2008 年 10 月、2009 年 5 月、7 月バイエルン・スタジオ、ミュンヘン

ロシアの鬼才、アナトール・ウゴルスキの久々の新譜は、スクリャービンのピアノ・ソナタ全曲。3 年かけて録音され、ウゴルスキのスクリャービンに対する思いが結実したアルバムです。
ウゴルスキは 1942 年シベリア生まれ。現代音楽の積極的な演奏活動により、当局から活動を制限され、1990 年ベルリンへ亡命。一時難民キャンプで生活するも、その才能が見出され 50 歳という遅咲きで 1992 年ドイツ・グラモフォンと契約。デビュー後ウゴルスキは自在なテンポ設定、自由な表現力を持つ独特の演奏スタイルで注目されました。近年ウゴルスキはコンサートや録音を控え教育に専念し、現在はデトモルト音大教授を務めています。
表舞台から遠ざかっていたウゴルスキを再び引き戻したのはスクリャービンでした。ウゴルスキにとってスクリャービンは特別な作曲家。ピアノ・ソナタは一部録音がありますが、このアルバムは 2007 年から 2009 年にかけて全曲録音され、ウゴルスキの音楽観がたっぷりと盛り込まれた演奏です。第1 番では第 1 楽章の甘い主題を非常に濃厚に歌い、第 4 楽章の葬送行進曲は悲痛さが重くのしかかるよう、極めて静かに丁寧に作り上げています。またテンポも非常に特徴的で、第 10 番のソナタは、ホロヴィッツは 12 分弱で演奏していますが、ウゴルスキはなんと 16 分。スクリャービンの鬼気迫る神秘性に没入した演奏を聴かせてくれます。
4260085532070
¥2600
(1)ドヴォルザーク:弦楽六重奏曲イ長調Op.48
(2)シューマン:幻想小曲集Op.73~クラリネットとピアノのための
(3)シューマン:
 5つの民謡風の小品集Op.102~チェロとピアノのための
(4)シューマン/アリベルト・レイマン編:
 幻想小曲集Op.73~
  クラリネット、フルート、ハープ、2本のヴィオラのための
(5)アリベルト・レイマン:クラリネットのためのソロ
(1)クリスチャン・テツラフ(Vn) フローリアン・ドンダラー(Vn)
 イザベル・ファン・クーレン(Va) レイチェル・ロバーツ(Va)
 グスタフ・リヴィニウス(Vc) クヴェリーヌ・フィエルセン(Vc)
(2)ヨルグ・ヴィトマン(Cl) ラルス・フォークト(P)
(3)グスタフ・リヴィニウス(Vc) スティーヴン・オズボーン(P)
(4)ヨルグ・ヴィトマン(Cl) アンドレア・リーバークネヒト(Fl)
 ヤナ・ボウシュコヴァー(Hrp) タチアナ・マスレンコ(Va)
 ハンナ・ヴァインマイスター(Va)
(5)ヨルグ・ヴィトマン(Cl)
シュパヌンゲン音楽祭のメンバーだからこそ生み出せる、音色の一体感と息の合ったコンビネーション若手クラリネット奏者、ヨルグ・ヴィトマンの演奏にも注目!

録音:2009 年 6 月 23、24 & 25 日(ライヴ)。79’33

ピアニストのラルス・フォークトの主催により毎年ドイツのハイムバッハで行われる室内楽を中心としたシュパヌンゲン音楽祭のライヴ録音シリーズ。
ドヴォルザークの弦楽六重奏曲は、クリスチャン・テツラフを筆頭に抜群のアンサンブルを披露し、スラヴ音楽の特徴を的確に捉えた秀演。弦楽六重奏曲を2 曲作曲したブラームスは、ドヴォルザークの弦楽六重奏曲を「無限の美しさ」、「素晴らしい創造力と新鮮で華麗な音楽」と称賛しています。
シューマンがクラリネットとピアノのために作曲した幻想小曲集 Op.73 をオリジナル版とアリベルト・レイマン編曲による室内楽版で収録。それぞれ違った特徴を持つ 3 つの小品からなる作品。レイマン編曲はピアノ伴奏ではなく、フルート、ハープ、2 本のヴィオラ伴奏。いずれもクラリネットのテクニックと音楽性が試されますが、ヨルグ・ヴィトマンは多彩な音色、甘美な表現力、そして楽曲全体を捉える構成力に秀でた演奏を披露しています。華やかさと清々しさが程良く加わったフォークトのピアノも印象的。
ヨルグ・ヴィトマンは 1973 年ミュンヘン生まれのクラリネット奏者。ジュリアード音楽院でチャールズ・ナイディック氏に、ミュンヘン音楽大学でゲルト・シュタルケ氏に学ぶ。ソリストとしても世界中のオーケストラと共演、その一方で室内楽にも熱心に取り組み、定期的にタベア・ツィンマーマン、ハインツ・ホリガー、アンドラーシュ・シフ、キム・カシュカシャン、エレーヌ・グリモーらとコンサートを開いています。現代音楽の作曲家からの信頼も厚く、いくつかの作品を捧げられ、1999 年にはウォルフガング・リームの「クラリネットとオーケストラのための音楽」を初演しています。
4260085532094
(2CD)
¥4600
[CD1]
 シューベルト:八重奏曲ヘ長調D.803
[CD2]
 ヨルグ・ヴィトマン:八重奏曲
[CD1]ヨルグ・ヴィトマン(Cl)
 ダグ・イェンゼン(Fg)
 ジビュレ・マーニ(Hrn)
 イザベル・ファン・クーレン(Vn)
 ヴェロニカ・エーベルレ(Vn)
 レイチェル・ロバーツ(Va)
 ターニャ・テツラフ(Vc)
 河原 泰則(Cb)
[CD2]ヨルグ・ヴィトマン(Cl)
 ダグ・イェンゼン(Fg)
 ジビュレ・マーニ(Hrn)
 カロリン・ヴィトマン(Vn)
 フローリアン・ドンダラー(Vn)
 ハンナ・ヴァインマイスター(Va)
 グスタフ・リヴィニウス(Vc)
 河原 泰則(Cb)
19 世紀と 21 世紀の 2 つの八重奏曲

録音:2009年6月23日(ライヴ)

ディスク 1 にはシューベルトの八重奏曲。2008 年シュパヌンゲン音楽祭でも演奏されたメンデルスゾーンとならぶ八重奏曲の名作で、同時期に作曲された「ロザムンデ」や「死と乙女」のように悲愴感はなく、明るく開放的な作品。
ディスク 2 には、クラリネット奏者のヨルグ・ヴィトマンの八重奏曲が選ばれました。ヨルグ・ヴィトマンは 2004 年にシュパヌンゲン音楽祭委嘱されて作曲したこともあり、この音楽祭には特別な思い入れがあるよう。ヴィトマンはこの作品をシューベルトへのオマージュでもあると語っています。
ヴィトマンは第一線で作曲活動と演奏活動を行っている現代では数少ない逸材です。

『ルール・ピアノ・フェスティヴァル』

ドイツの、ライン、ルール川周辺の都市で行われるフェスティヴァル。エッセン、ドルトムントのコンサートホールをメインにピアニストが集結し、ソロ・リサイタルはもちろんのこと、デュオ、コンチェルト、ジャズまであらゆるピアノ作品を演奏する、ピアノ音楽ファンは必見のフェスティヴァルです。
4260085531745
(6CD)
¥10200
ルール・ピアノフェスティヴァル・エディション Vol.25
 【オルガ・シェプス (P)】
  シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
  シューベルト:「さすらい人」幻想曲ハ長調 Op.15/D.760
  モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
  メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ ホ長調 Op.14
 【フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ (P)】
  ストラヴィンスキー:ピアノ・ラグ・ミュージック、ラグタイム
  J.S.バッハ:パルティータ第 3番 イ短調 BWV827
  ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XIV :1
  フレスコバルディ:トッカータ第 9、8番
  ストラヴィンスキー:タンゴ、「ペトルーシュカ」からの 3楽章
  シュリメ:メロディー、グラウンドベース
  ブクステフーデ:前奏曲 ト短調 BuxWV153
 【コ ンスタンティン・シャムライ (P)】
  シューマン:謝肉祭 Op.9 スクリャービン:練習曲 Op.2-1、2つの前奏曲 Op.27-1&2
  プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第 6番イ長調 Op.82
  ワーグナー /リスト編:「さまよえるオランダ人」より「紡ぎ歌」
  ワーグナー /リスト編:イゾルデの愛の死
 【加野瑞夏 (P)】
  J.S.バッハ:パルティータ第 4番ニ長調 BWV828
  ベートーヴェン:11のバガテル Op.119
  メンデルスゾーン:無言歌集ハ長調 Op.67-4「紡ぎ歌」、前奏曲とフーガ ヘ短調 Op.35-5
  シューマン:アラベスク Op.18、フモレスケ Op.20、森の情景より「予言の鳥」
 【ジュエ・ワン (P)】
  ラヴェル:ソナチネ 嬰ヘ短調、鏡
  ブラームス:3つの間奏曲 Op.117、ハンガリー舞曲 WoO.1
  アルベニス/ゴドフスキー編:タンゴ リスト:半音階的大ギャロップ
 【クレメンス・ベルク (P)】
  ハイドン:ソナタ変ホ長調 Hob.XIV:49
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第 15番ニ長調 Op.28、第 28番イ長調 Op.101
  リスト:演奏会用練習曲第 2番「軽やかさ」
  シューベルト:即興曲第 2番変イ長調 Op.142/D.932
2009 年ライヴ録音

このアルバムは 2009 年にルール・ピアノ・フェスティヴァルに参加した注目のピアニストたちのソロ・リサイタル音源を集めたもの。ロシア出身で現在ドイツを拠点にしているオルガ・シェプス。日本でも注目されつつあるルクセンブルクの気鋭ピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ。2008 年シドニー国際ピアノ・コンクール優勝のロシアの俊英コンスタンティン・シャムライ。2008 年ロベルト・シューマン国際音楽コンクール 1 位の期待の日本人ピアニスト加野瑞夏。スペインのパロマ・オシアコンクール 1 位に輝いた中国のジュエ・ワン。この音楽祭ではホーヘンリンブルク城で演奏し聴衆を沸かせたドイツのクレメンス・ベルク。将来が期待される若手の生き生きとした演奏を楽しむことのできるセットです。
4260085531509
(3CD)
¥4800
ルール・ピアノフェスティヴァル・エディション Vol.20
 CD1(77’ 26)
  シューベルト:
   (1)「さすらい人」幻想曲ハ長調 Op.15/D.760
   (2)ピアノ・ソナタ第 15番 ハ長調 D.840「遺作」
   (3)ピアノ・ソナタ第 18番ト長調 Op.78/D.894
 CD2(78’ 02)
  シューベルト:
  (1)即興曲 Op.90-1 ハ短調
  (2)ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ Op.132-2イ短調
  (3)ハンガリー風ディヴェルティメント Op.54
  (4)軍隊行進曲 Op.51/D.733
 CD3(78’ 45)
  モートン・フェルドマン (1926-1987):
   ピアノ独奏のための「マリの宮殿」
  イェンス・ヨネライト(1968-):ピアノ独奏のための「In der Hohe」*
  ヤン・ミュラー =ヴィーラント (1966-):
   ピアノ三重奏曲第 3番「Se solen sjunker 」*
  マティアス・ピンチャー (1971-):
   声とピアノのための「Un despertar (Octavio Paz) 」*
*世界初録音
CD1
 (1)ボリス・ブロッホ (P)
 (2)マルクス・ベッカー (P)
 (3)エレーナ・バシュキロワ (P)
CD2
 (1)アンドレアス・シュタイアー(フィルテピアノ)
 (2)ミヒャエル・バレンボイム (Vn)
  エレーナ・バシュキロワ (P)
 (3)(4)滑川真希、
  デニス=ラッセル・デイヴィス (P)
CD3
 ジークフリート・マウザー(P&コンセプト)
 トーマス・バウアー (Br)
 ゴットフリート・シュナイダー (Va)
 セバスティアン・ヘス (Vc)
2008 年ライヴ録音

2008 年のルール・ピアノ・フェスティヴァルでのライヴ録音。シューベルトのピアノのための作品集と現代の室内楽作品を収録した 3 枚組。フォルテピアノの名手アンドレアス・シュタイアーによるシューベルトの即興曲、ダニエル・バレンボイムの息子のミヒャエル・バレンボイムが母エレーナ・バシュキロワとシューベルトのヴァイオリンとピアノのためのソナチネで共演しています。

CLEAR AUDIO

CLEARCD 43043
¥2300→¥2090
ドビュッシー:前奏曲第 1 集
 1.デルフィの舞姫 2.ヴェール 3.野を渡る風
 4.夕べの大気に漂う音と香り 5.アナカプリの丘
 6.雪の上の足跡 7.西風の見たもの
 8.亜麻色の髪の乙女 9.とだえたセレナード
 10.沈める寺 11.パックの踊り 12.ミンストレル
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
ゲルハルト・オピッツによる「亜麻色の髪の乙女」!

録音:2006 年 10 月 17、18 日ノイマルクト、ドイツ。CD

ドビュッシーの個性が発揮された名曲が揃っている前奏曲第 1 集。特有の和声進行や響きはフランス的な詩情やエスプリを感じさせます。現代ドイツを代表するオピッツとドビュッシーの組み合わせは意外ですが、しっかりとした響きと軽やかなタッチで、絶妙な明るい色彩感に富んだ演奏を聴かせてくれます。
CLEARCD 43050
¥2300→¥2090
ロマンティック舞曲集
 ショパン:
  ワルツ第 5 番 変イ長調 Op.42、ワルツ Op64-1「小犬のワルツ」、
  ワルツ第 7 番 Op64-2、マズルカ第 36 番イ短調 Op59-1、
  マズルカ第 37 番変イ長調 Op59-2、マズルカ第 38 番嬰ヘ短調 Op59-3
 リスト:忘れられたワルツ第 1 番
 スメタナ:ポルカ ト短調 Op8-2
 ドビュッシー:ワルツ・ロマンティック、レントより遅く
 ドヴォルザーク:
  ワルツ イ長調 Op54-1、ワルツ イ短調 Op54-2、ワルツ 変ニ長調 Op54-4
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
流麗なステップ!踊るオピッツ!~小犬のワルツ~

録音:2008 年 9 月 2-4 日ノイマルクト、ドイツ。CD

ショパンのワルツをはじめとした、舞曲を集めたアルバム。明るく華やいだ印象を与えるショパンのワルツ。豊かな旋律と魅力的な情感に溢れたドヴォルザークのワルツ。オピッツは音色や様々な音の出し方が多彩で美しく、本物の音楽の素晴らしさ、楽しさを上手く表現しています。

CLEARCD 43053
¥2300→¥2090
ロマンティック・インプレッション
 ドビュッシー:アラベスク第 1 番、アラベスク第 2 番、バラード
 マルトゥッチ:ノットゥルノ(夜想曲)
 チャイコフスキー:炉ばたで
 シューベルト / リスト:ヴィエンナーの夜会第 6 & 7 番
 スメタナ:ポルカ イ長調
 ドヴォルザーク:フモレスケ
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
オピッツが描き出す透明感や清々しい叙情~アラベスク

録音:2009 年 10 月 14 日ノイマルクト、ドイツ。CD

スマートで上品なオピッツの演奏で聴く美しいピアノ小品を集めた 1 枚。ドビュッシーの「2 つのアラベスク」は、清々しい空気のような潔い演奏。また、マルトゥッチはオピッツが積極的に演奏しているイタリアの作曲家。「ノットゥルノ」は叙情的でどこかノスタルジック。オピッツの優しく透明感のある演奏は、美しさを感じさせるアンニュイな雰囲気を漂わせています。

COL LEGNO

WWE 70004
(2CD)
¥4800
フーゴ・フォン・ホフマンスタール:朗読「エレクトラ」 フランツ・ヴィンター(朗読)
ホフマンスタールの「エレクトラ」、朗読 フランツ・ヴィンター

DDD、97’09”

数多くの傑作オペラを生み出したホフマンスタールと R・シュトラウスの共同作業の、記念すべき第1作となった楽劇「エレクトラ」のリブレットの朗読 CD。
朗読者はユニークな” Winter & Winter” レーベルの創始者にして作家、俳優、演出家をこなす異色の才人、フランツ・ヴィンター!
WWE 20292
¥2400
ジョン・ケージ:
 ヴァイオリンとキーボードのための 6 つのソナタ (1950)
 13 のハーモニー (1985)
アネリー・ガール(Vn)
クラウス・ラング(keyboard フェンダー・ローズ)
ジョン・ケージ~メロディとハーモニー

DDD、55’55”

「6 つのソナタ」と「13 のハーモニー」が交替で収録されているためか静謐と緩慢な時の流れが特に意識されます。演奏時間 639 年というハルバーシュタットのオルガンプロジェクト “ASLSP” も col legno 録音してるかも!?
WWE 20287
¥2400
サルヴァトーレ・シャリーノ (1947-):
 松尾芭蕉の俳句による 12 のマドリガル (2007)
シュトゥットガルト新声楽アンサンブル
 (サラ・スン、スザンヌ・ライツ - ロレー (Sp)
 トゥルイケ・ファン・デア・ペル (Ms)
 ダニエル・グローガー (C-T)
 マルティン・ナジ (Tn)
 グリエルモ・アンツォレーナ (Br)
 アンドレアス・フィッシャー (Bs))
DDD、39’00”

芭蕉の俳句(「閑さや 岩にしみいる 蝉の声」「永き日も さえずりたらぬ ひばりかな」「あかあかと 日はつれなくも秋の風」等)をシャリーノ自身が翻訳し声楽アンサンブルに仕立て上げたもの。ザルツブルク・フェスティヴァルの委嘱による世界初演時の Live 録音。
WWE 20289
(2CD)
¥4800
ヴォルフガング・ミッテラー(1958-):メールチェックの音楽  
DDD、163’58”

3 時間になんなんとするミッテラーのサンプリング CD。ウィーンでオルガン、作曲を学んだだけあって、トラック1は「こんにちは、ブルックナーさ ん」(7 ’28 ”)と題してブルックナー「第8交響曲」からアダージョ、スケルツォがサンプリングされている。「ピョートル・イリイチ」(14’26”)ではチャイコフスキー、第 4,6 交響曲等 がサンプリングされていてクラシックファンの興味をそそるはず。
WWE 20272
¥2400
ダニエル・シュナイダー (1961-):
 「向こうの世界」
 ムルナウのサイレント映画「ファウスト」(1926) のサウンドトラック
  (ヘンデルのフルート・ソナタ Op.1-2、「魔弾の射手」~狼谷の場、
  ブゾーニ編曲「メフィスト・ワルツ」、「さまよえるオランダ人」、
  「死と乙女」、「冬の旅」~「凍った涙」、
  「亡き子をしのぶ歌」~「今、太陽は輝き昇る」、「死と変容」等を使用)
ダニエル・シュナイダー(Sp,Tn-Sax,Fl)
デヴィッド・テイラー(Bs-Trb)
ケニー・ドリュー Jr(Pf)
DDD、68’48”

「向こうの世界」もシューベルトの「楽興の時」を使った「シューベルトのブルース」という音楽を持つクラシック寄りの作品ですが、50 分に及ぶ「ファウスト」のサントラが素晴らしい聴きものです。フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ムルナウはサイレント時代の巨匠で映画史に輝く「吸血鬼ノスフェラトゥ」も監督しています。クラシックの素材を自由にアレンジし演奏したシュナイダーのセンスは秀逸でブックレットには多数の「ファウスト」のスチール写真が使われています。どこかでこの音楽で上映されないものでしょうか?
WWE 20288
¥2400
チロリリウム~スイス・チロル地方の民俗音楽 ヘルマ・ハーゼルシュタイナー・チロリアン・
 フォークミュージック・サークル
口笛はなぜ遠くまで聞こえるの~?教えておじいさん、教えてアルムの樅の木よ~♪

DDD、53’01”

グスタフ・クーンの企画によるスイスの伝説の民俗音楽集団の LP からの CD 化。「サウンド・オヴ・ミュージック」やそれよりも強烈に「アルプスの少女 ハイジ」のペーターやおじいさんの姿が浮かんできます。
WWE 30003
¥2400
ヴェルナー・ピルヒナー:
 荒れた生活のソナタ PWV19
 愛する神へのハ調の小ミサ曲 PWV12 ~神様はカトリックなの?
 悪筆のための音符 PWV60 ~舟歌、喜び、詩
 ヴェルナーの 5 つの楽章 他
ジッギー・ハイダー (Accordions,Perc,Voices)
ハンネス・シュプレンガー (Sax,Perc,Voices)
AKKOSAX~ヴェルナー・ピルヒナーに

DDD、65’39”

アコサックスによるヴェルナー・ピルヒナー作品集。
WWE 20903
¥2400
ハンネス・レッシェル:無垢の歌 エデンの出口
 (フィル・ミントン (Vo) ハンネス・レッシェル (Pf)
 ミヒァエル・ブルックナー - ヴァインフーバー (Gt)
 クレイトン・トーマス (Bs))
ウィリアム・ブレイクの「無垢の歌」!

DDD、64’27”

ウィリアム・ブレイク (1757-1827) はイギリスの画家、詩人、銅版画職人。日本では柳宗悦、大江健三郎に大きな影響を与えた。音楽関係ではLP,CD ジャケットに頻繁に彼の作品が使われ、彼の詩に影響を受けた作品も非常に多い。「ドアーズ」のバンド名、エマーソン・レイク・アンド・パーマー「聖地エルサレム」、タンジェリン・ドリーム「タイガー」・・・。
この CD でも「笑いの歌」などはウィリアム・ブレイクに新しい地平を開いたかのような解釈で、これから自殺しようとする人の頭の中で響いているような異様な暗さに満ち満ちています。

COVIELLO

COV 20909
¥2500
J.S. バッハ:テノールとフルート、通奏低音のためのアリア集
 カンタータ第 130 番 BWV130 より第 5 曲アリア「されば、おお ケルビムらの長よ」
 カンタータ第 99 番 BWV99 より第 3 曲アリア「身震いするなかれ、怖じ惑う魂よ」
 デュエット第 3 番ト長調 BWV804
 カンタータ第 78 番 BWV78 より第 3 曲レチタティーヴォ「ああ!われは罪の子なり」
 カンタータ第 78 番 BWV78 より第 4 曲アリア「私の罪を消し去ってくれる血は」
 カンタータ第 96 番 BWV96 より第 3 曲アリア「ああ、魂を愛の綱によって引き行きたまえ」
 クリスマス・オラトリオ BWV248 より第 15 曲アリア「喜び勇む羊飼いたち、急げ、ああ急ぐがいい」
 ミサ曲 ロ短調 BWV 232 より第 24 曲アリア「天のいと高きところにオザンナ」
 フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1034
 カンタータ第 113 番 BWV113 より第 5 曲アリア「イエスは罪人を受け入れられる」
 カンタータ第 114 番 BWV114 より第 2 曲アリア「この嘆きの谷の一体どこに」
 カンタータ第 55 番 BWV55 より第 3 曲アリア「憐れみたまえ、わが神よ」
 クラヴィーア練習曲集第 3 部より「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV677
 カンタータ第 180 番 BWV180 よりアリア「目覚めよ なが 主は 扉を たたく」
ダニエル・ヨハンセン (T)
アニー・ラフラム (フルート・トラヴェルソ)
ルチア・クロンマー (Vc)
マティアス・クランペ (ハープシコード)
甘い美声のテノールと柔らかな音色のフルートの親密な関係

録音:2009 年 2 月 22-25 日聖ゲロルド修道院(オーストリア)。73‘46

バッハのフルートとテノールがかけ合うアリアを集めた 1 枚。バッハは、「クリスマス・オラトリオ」、「ヨハネ受難曲」、「マタイ受難曲」でテノールにエヴァンゲリストという重要な福音史家の役割を与えています。バロック期ではテノールとフルートは好まれた組み合わせで、フルートは即興的なオブリガートや名人芸的に活躍したり、牧歌的な響きで絶品の美音を聴かせたりと、そのテノールを支えるのに多芸多才なフルートは完璧なパートナーです。テノールのダニエル・ヨハンセンとフルート・トラヴェルソを担当するアニー・ラフラムは親密なアンサンブルを聴かせ、チェロと鍵盤楽器の通奏低音が豊かな広がりを与え、バッハの音楽に存在する壮大な宇宙を感じさせる演奏です。
COV 51005
¥2500
20 世紀のクラリネット・ソロ
 (1)ストラヴィンスキー:クラリネット独奏のための3つの小品 (1919)
 (2)デニーソフ:無伴奏クラリネットソナタ (1972)
 (3)ベリオ:ゼクエンツァ第 9 番 (1980)
 (4)スタンコヴィチ:無伴奏クラリネット協奏曲「地獄のゲーム」(1996)
 (5)シュテファン・マルク・シュナイダー:銘 (1999)
 (6)オルキン:ユダヤ組曲 Op.10 (2000)
エフゲニー・オルキン (Cl)
注目、ウクライナから出現した驚異の名人

DDD、62’28”

1977 年ウクライナ出身のクラリネット奏者エフゲニー・オルキン。当アルバムは 1 時間以上完全にクラリネット独奏のみ。切れ味鋭いテクニックはもちろんながら、多彩な音色と音楽性の深さも驚異的で一気に聴かせます。ベリオのゼクエンツァで 17 分にわたる緊張感の持続、スタンコヴィチの伴奏のない協奏曲での超人芸、さらに自作の「ユダヤ組曲」での異教臭まで舌を巻く巧さ。要注目の名人の出現と申せましょう。
COV 51004
(SACD HYBRID)
¥2500
スメタナ:弦楽四重奏曲
 第 1 番ホ短調「わが生涯より」、第 2 番ニ短調
ベネヴィッツ・カルテット
【イジー・メネチェック (Vn)
 シュチェパン・イェジェック (Vn)
 イジー・ピカンス (Va)
 シュチェパン・ドレジャール (Vc)】
大阪国際室内楽コンクールの覇者ベネヴィッツ・カルテット第2弾!

録音:2009 年 7 月 6-9 日、46’09

バルトーク、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲集(COV50802)でデビューしたチェコの新鋭カルテット、ベネヴィッツ・カルテット。1998 年、プラハ芸術アカデミーで結成。スメタナ四重奏団ヴィオラ奏者ミラン・シュカンパ氏に学び、その後、2002 年から 2004 年までマドリッド音楽院に創設された弦楽四重奏団専門コースで、ハーゲン四重奏団第2ヴァイオリニストであるライナー・シュミット氏に師事。その後世界的なコンクールで優秀な成績を修め、2005 年には第5回大阪国際室内楽コンクールで優勝、パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール優勝しています。2009 年には来日公演を行い日本でも注目を集めている若手カルテットです。今回も母国チェコを代表する作曲家スメタナの弦楽四重奏曲。若手ならではの瑞々しい解釈と往年の名カルテットのような重厚な響きをもつベネヴィッツQの魅力が沸き出た 1 枚です。
COV 51007
¥2500
メロドラマ〜朗読と室内楽、クラリネットによる編曲集
 シューマン:
  ペダル・ピアノのための練習曲 Op.56(ウーリッヒ・ビュージング編)、
  美しいヘートヴィヒ Op.106、
  東洋の絵「6 つの即興曲」Op.66(ウーリッヒ・ビュージング編)、
  2 つのバラードより「荒野の少年のバラード Op.122-1」、
  「逃亡者 Op.122-2」、
  ブラームス: シューマンの主題による変奏曲 Op.23(ウーリッヒ・ビュージング編)
 【朗読】
  ・E.T.A. ホフマン:「Wenn die Tone sprechen」
  ・G.E. レッシング:「Der Schafer und die Nachtigall」
  ・E.T.A. ホフマン:カロ風の幻想小品集より「Wie ist doch die Musik」
  ・E.T.A. ホフマン:カロ風の幻想小品集より「Nicht sowohl im Traume」
  ・ジャン・パウル:
    彗星、もしくはニコラウス・マルクグラーフより「Der Mensch ohne Poesie」
ビルギート・キンドラー(朗読)
Sven van der Kuip, clarinet
Ulrich B・ing, basset horn
John-Noel Attard, piano
ベールマン・トリオ ウーリッヒ・フランク(コントラバス)
シューマンのメロドラマ室内楽編曲版クラリネットの響きがより詩的な世界を作り出す

録音:2009 年 7 月 4-7 日、75’47

シューマンは、文学や詩にも造詣が深く、音楽と文学の融合を目指し「ピアノ伴奏付き朗読作品」という新しいジャンルを確立。シューマンの「詩人の音楽庭園(Gichtergarten fur Musik)」には、あらゆる時代、地域の音楽上で必要だと考えるテキストが収められています。
このアルバムはシューマンのメロドラマを室内楽、クラリネットによる編曲で録音。ここに収録されている作品の原曲はピアノ伴奏で書かれており、ベールマン・トリオが室内楽とクラリネットのために編曲しています。編曲にあたってベールマン・トリオは、2 本のクラリネットを用い音の深さを加え、作品により文学的インスピレーションを与えています。
COV 50913
¥2500
ブラームス:初期ピアノ作品集
 ピアノ・ソナタ第 1 番ハ長調 Op.1
 ピアノ・ソナタ第 2 番嬰ヘ短調 Op.2
 スケルツォ 変ホ短調 Op.4
ティルマン・クレイマー (P)
ドイツ期待のブラームス弾き、ティルマン・クレイマー

録音:2008 年 9 月 17-19 日、72’09

ブラームスの若き情熱が注ぎ込まれた初期のピアノ作品集。18 歳で作曲した唯一の「スケルツォ」、第 2 番のソナタは第 1 番よりも先に作曲されたと思われる 19 歳の時の作品、そして後のブラームスの音楽で特徴的なダイナミックな音域の使い方がみられる第 1 番のソナタ。若きブラームスの意欲作を収録しています。
演奏はドイツのレオンベルク出身の期待の若手ピアニスト、ティルマン・クレイマー。彼の演奏は「ここ数年で最も重要なブラームス演奏の一つである」とドイツ国内でも高い評価を得ています。
COV 61003
¥2500
ニコラウス・フーバー(1939-):
 (1)白い銅版画 (2006)~オーケストラのための
 (2)少し過激に、マッチョなコーダで (1992)
  ~器楽アンサンブルとテープのための
 (3)スフィンクスの調べ (1987)~室内オーケストラのための
 (4)同じことは同じではない (1978)~スネアドラムのための
ペーター・ルンデル(指)
 ケルン WDR 交響楽団(1)、
ユッカ=ペッカ・サラステ(指)
 アンサンブル・モデルン(2)(3)、
ライナー・レマー (dr)
久々の正しいゲンダイオンガク登場

DDD、69’01”

1939 年生まれのドイツの巨匠作曲家ニコラウス・フーバー。正統派ゲンダイオンガクの書き手で、「白い銅版画」など清く正しい前衛オーケストラ曲が楽しめます。また「同じことは同じでない」はスネアドラム1本だけで 15 分の続ける猟奇作。アナタの神経はこの責めに耐えられますか?
COV 60916
¥2500
カローラ・バウクホルト (1959-):
 (1)ノイズが響き (2003)~Vn, Vc, Percのための
 (2)本能 (2007/8)~声楽アンサンブルのための
 (3)ロール (2002)~3つのVcとテープのための
 (4)ひとりでない (1999/2000) ~声楽アンサンブルのための
 (5)チェロトリオ 6ねじ詩 (1989/90)~声と室内楽のための
ワルター・ヌシュバウム(指)
スコラ・ハイデルベルク
チェロトリオ・ブリュ
トゥルムヘン・アンサンブル
ノイズ系女性作曲家バウクホルトの変態世界

DDD、65’31”

1959 年生まれのドイツの女性作曲家バウクホルト。ノイズ系と声を用いた作品が多く、「ひとりでない」などはドイツ語の会話みたいなものが延々と続きます。前衛演劇風なのが興味深い限りです。
COV 60908
¥2500
トビアス・PM・シュナイド:
 (1)ピアノ三重奏曲第1番「...抽象の海へ...」(2003/8)
 (2)大聖堂I-III「ベルトルト・フンメル惜別」(2003)~Pfのための
 (3)垂直の地平線III (2008)~Obのための
 (4)聖風景 (2001/8)~VcとSQ
 (5)大聖堂I-III(2004/8)~合奏のための
アンサンブル・トリオロク
これはゲームミュージックか? 何とカッコいい現代音楽

DDD、65’59”

ドイツの中堅作曲家トビアス・PM・シュナイドはクラシック音楽のみならず、ジャズやロック、ワールドミュージックからもインスパイヤされた不思議感覚の作風が魅力。実験的ながら、ゲームミュージックみたいなカッコよさ。若い世代に受けること間違いなしのです。

CSO RESOUND

CSOR 9011008
(2SACD HYBRID)
¥3600→¥3290
ヴェルディ:レクイエム バルバラ・フリットリ (S)
オリガ・ボロディナ (Ms)
マリオ・ゼッフィリ (T)
イリダール・アブドラザーコフ (Bs)
シカゴ交響合唱団
デュアイン ・ ウルフ(合唱指揮)
シカゴ交響楽団
リッカルド・ムーティ(指)
CSOR 9011006
(2CD)
¥3200→¥2990
超優秀録音。ついに新音楽監督ムーティ登場!豪華ソリストはフリットリ、ボロディナに、期待のアブドラザーコフ!巨匠の勝負レパートリー、ヴェルディのレクィエム

録音:2009年1月15、16 & 17日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール ( ライヴ )。(2SACD)DSD マルチチャンネルステレオ、89’28”、(2CD)DDD、ステレオ、89’28”
プロデューサー:クリストファー・オルダー、エンジニア:クリストファー・ウィリス

待ち焦がれたこの日がついにやってきました。2010/11 年のシーズンより CSO の第 10 代音楽監督にあらたに就任するムーティが CSO RESOUNDに堂々の登場。巨匠が取り上げたのはヴェルディのレクィエム。今秋の本格的始動に先立って、2009 年 1 月におこなわれたコンサートの模様を収めたものです。
ムーティといえば言わずと知れた“ヴェルディのエキスパート”。「レクィエム」も過去に 2 度、まず、フィルハーモニア管と、首席指揮者・音楽監督在任中 (1973- 1 9 8 2 ) の1979年にセッション録音、さらに、音楽監督(1986 - 2005)を務めたミラノ・スカラ座管とライヴ 録音しており、ムーティにとっていずれもキャリアの節目に必ず取り上げているのが注目されるところです。その意味でも、このたびムーティが CSO RESOUND デビューの記念すべき一枚に「レクィエム」を選んだのは決して偶然ではなく、世界最強の楽団とのあらたな歴史を築き上げてゆく意気込みを強く感じさせるもので、期待を抱かせるに十分な内容といえるでしょう。
いっぽうで、ムーティが CSO との「レクィエム」に込めた特別な思いは、起用された歌手の顔触れにもそのまま顕れています。
ソプラノのバルバラ・フリットリは 1967 年ミラノ生まれ。ムーティのファンには有名な 2001 年スカラ座の「オテロ」でのデズデモナの記憶が鮮明です。
オリガ・ボロディナは、1963 年 7 月 29 日サンクト・ペテルブルク生まれのメッツォ。「ドン・カルロ」のエボーリ公女、「アイーダ」のアムネリスを持ち役とするボロディナにとって、ヴェルディの「レクィエム」は 2000 年収録のゲルギエフ盤以来。近年はムーティとの共演機会の多いことでも知られています。
マリオ・ゼッフィリは 1967 年ギリシャのアテネ生まれのテノール。これまでにスカラ座をはじめ、ローマ、トリノ、ボローニャ、ナポリ、フィレンツェ、ヴェローナ、そしてパリ、バルセロナ、ベルリン、チューリヒ、ドレスデンの舞台に定期的に出演。2008 年のラベンナ音楽祭では、ムーティの指揮でベルリオーズの「レリオ」や、ボロディナ、アブドラザーコフとともに、ヴェルディの聖歌四篇のほか、スターバト・マーテル、テ・デウムを歌っています。
バスのイリダール・アブドラザーコフは、1976年ロシア連邦バシキール自治共和国のウファの生まれ。1996年に第17回グリンカ記念コンクールで第1位 。
1998 年に第 3 回リムスキー=コルサコフ記念国際コンクール優勝、1999 年にエレーナ・オブラスツォワ記念国際コンクール優勝、2000 年に第 5 回マリア・カラス ( ヴェルディの声 ) コンクール優勝。
1998 年に「フィガロの結婚」のタイトル・ロールでマリインスキー劇場にデビュー。以来、ゲルギエフの指揮で数多くのオペラに出演。
2001 年のスカラ座デビュー以来、2003/04 年のシーズンにムーティ指揮ロッシーニの「モーゼとファラオ」のモーゼで一躍国際的な名声を獲得したのをはじめ、アブドラザーコフはムーティと数多くのオペラで共演を重ねています。現在、MET を拠点に活動するアブドラザーコフですが、2008/09 年にムーティ指揮で新演出の「アッティラ」でもタイトル・ロールを務めました。
ヴェルディの「レクィエム」を得意とするアブドラザーコフは、ムーティのほかに、すでにゲルギエフ、シャイー、チョン・ミョン=フンらの指揮でも歌い評判を取っています。
なお、いまロシア一番のバス歌手として “シャリアピンの再来” とまで騒がれているアブドラザーコフはプライヴェートではボロディナの夫君でもあります。

DB PRODUCTIONS

DBCD 132
¥2500
ミゲル・デ・フエンリャーナ(16世紀初頭~1568):
 ティエント第1~4番、ファンタジア 第24,29,30,34,36,51番、デュオ
ディエゴ・オルティス(1510頃~70頃):
 「甘き思い出」による3つのレセルカータ
モッテン・ファルク ( ビウエラ )
イングリッド・ファルク ( ソプラノ )
アンナ・ペトリーニ ( リコーダー)
ルイーズ・アニャーニ ( ヴィオラ・ダ・ガンバ )
dB Productionsが誇るモッテン・ファルク、新譜ではビウエラを演奏 !!

録音:2009 年 8 月 16-19 日、スウェーデン。DDD

スペインのビウエラ奏者でもあった作曲家フエンリャーナの作品集。ビウエラはヴィオラ・ダ・ガンバ属の撥弦楽器で、15 世紀から 16 世紀にかけて主にスペインで盛んに使われました。2 本一組みに張られた 6 コースのガット弦を用い、各コースはユニゾンに調弦されており、素朴で味わいのある音色が魅力です。演奏はスウェーデンのモッテン・ファルク (1973-) です。国際的に活躍するファルクは東欧ギター名作集 (DBCD 120) をはじめ、dBProductions に多くの録音を残しております。優れたテクニックと深い音楽が印象的な若手ギタリストです。

DOREMI

DDR 6608
¥2300→¥2090
シューマン:
 ピアノ・ソナタ第 2 番ト短調 Op.22(*オリジナル・フィナーレつき)
 幻想曲ハ長調 Op.17
アントン・クエルティ(P)
2009 年最新録音オリジナル・フィナーレつきのソナタ2番ほか名手クエルティ、シューマンを弾く

録音:2009 年 8 月 24 日、ステレオ
プロデューサー:ジェイコブ・ハーノイ

1938 年にウィーンに生まれたカナダの世界的ピアニスト、アントン・クエルティ。2010 年にアニヴァーサリーを迎えるシューマンのピアノ曲を新録音しました。
労作として知られるソナタ第 2 番では、あえてクエルティは現行のフィナーレとは別に、差し替える以前のもとのフィナーレも収録。最愛のクララ・ヴィークの不満に応えて見送られたこのオリジナルのフィナーレは、最終的に 1866 年にプレスト遺作として出版されますが、とんでもなく演奏至難の曲。メンデルスゾーンのピアノ協奏曲集 (DHR.6606) もそうでしたが、クエルティは華麗なテクニックを存分に披露しています。

DYNAMIC

CDS 661
¥2200

ヴェルディ:ソプラノとバリトンの二重唱集
 「ナブッコ」-アビガイッレとナブッコの二重唱
 「ジョヴァンナ・ダルコ」-ジョヴァンナとジャコモの二重唱
 「ルイーザ・ミラー」-ルイーザとミラーの二重唱
 「トラヴィアータ」-ヴィオレッタとジェルモンの二重唱
 「シモン・ボッカネグラ」-マリアとシモーネの二重唱
 「アイーダ」-アイーダとアモナズロの二重唱

アマリッリ・ニッツァ (S)
ロベルト・フロンターリ (Br)
ジャンルカ・マルティネンギ(指)
オストラヴァ・ドヴォルザーク劇場管弦楽団
ニッツァとフロンターリ人気のイタリア人歌手二人がお届けするヴェルディのオペラの二重唱!!!

録音:2009 年 4-10 月。DDD、69'22

ヴェルディのオペラでソプラノとバリトンの二重唱といえば、多くは父親と娘のもので、しかもそこに複雑な感情が絡む場面になりがち。それだけ名場面が多いということにもなります。この CD には、「ナブッコ」,「ジョヴァンナ・ダルコ」,「ルイーザ・ミラー」,「トラヴィアータ」,「シモン・ボッカネグラ」,「アイーダ」の 6 つのオペラから二重唱を収録。来日も多数のミラノ出身のソプラノ、ニッツァと、新国立劇場やウィーン国立歌劇場来日公演などでなじみの深いローマ生まれのバリトン、フロンターリが、充実した歌を聞かせてくれます。

ELOQUENTIA

EL 1022
(2CD)
¥3600
ヘンデル:「エジプトのイスラエル人」(2 部版)

ジュリア・ドイル (S)
マーティーン・グリムソン (S)
ロビン・ブレイズ (CT)
ジェイムズ・オクスリー (T)
ピーター・ハーヴェイ (Bs)
ステファン・マクラウド (Bs)
ピエール・カオ(指)
コンチェルト・ケルン,
アルシス・ブルゴーニュ

ピエール・カオ率いるアルシス・ブルゴーニュとコンチェルト・ケルンが組んだヘンデルの傑作「エジプトのイスラエル人」!

録音:2009 年 10 月,ルクセンブルグ,パリ,ディジョン(ライヴ)

今や古楽界を代表する合唱団、ピエール・カオ率いるアルシス・ブルゴーニュと、古楽オーケストラの雄コンチェルト・ケルンが組んで、ヘンデルの傑作「エジプトのイスラエル人」を録音しました。「エジプトのイスラエル人」は、1739 年に初演された壮大なオラトリオ。旧約聖書の「出エジプト記」に題材をとった劇的な内容にヘンデルの雄輝な音楽が生きています。ベルギー人カオは、ドイツ風のゴツゴツしたヘンデルでも、英国風のノーブルなヘンテルでもない、透明で柔らかく、必要とあらばビシッと力が入るヘンデルを生み出しています。合唱が大きく活躍する作品ですので、アルシス・ブルゴーニュの優秀なアンサンブルは見事で、またコンチェルト・ケルンも紅海横断の場面など、非常に熱の入った音楽でカオに応えています。歌手は、カウンターテノールのブレイズやバスのマクラウドのように日本でもおなじみの人たちに加え、ランカスター出身で今英国の古楽ソプラノの逸材として引っ張りだこのドイル、オーストラリア出身の若く優れたソプラノ、グリムソン、さらにガーディナーが重用する二人の歌手、英国のテノールのオクスリーとバスのハーヴェイと、優れた歌手を揃えています。録音の多い「エジプトのイスラエル人」のなかでも、卓越した演奏に仕上がっています。なお、再演時の 2 部の版を用いています。

ENZO RECORDINGS

EZCD 10011
¥2600
時任和夫「ピッコロ・ヴィルトゥオーゾ」
 Georg Philipp Telemann ゲオルク・フィリップ・テレマン
  Sonata in f minor ソナタ ヘ短調
   [1] Triste [2] Allegro [3] Andante-Vivace
 Johann Sebastian Bach ヨハン・セバスチャン・バッハ
  Sonata in g minor BWV 1020 ソナタ ト短調 BWV 1020
   [4] Allegro [5] Adagio [6] Allegro
 Kensaku Shimizu 清水研作
  [7] For the Memory of Stars I for piccolo
   ピッコロのための「星々の記憶へ I」
 Christoph Willibald Gluck クリストフ・ヴィリバルト・グルック
  [8]Dance of the Blessed Spirits 精霊の踊り
 Georg Philipp Telemann ゲオルク・フィリップ・テレマン
  No.10 f sharp minor from 12 Fantasias for Transverse Flute without Bass
   12のファンタジーより 10番 嬰へ短調
    [9] A Tempo Giusto [10] Presto
 Olivier Messiaen オリヴィエ・メシアン
  [12] Le Merle Noir 黒つぐみ
 Anton Reicha アントン・ライヒャ
  Sonata in D major opus 103 ソナタ ニ長調 作品 103
   [13] Lento-Allegro non troppo [14] Lento [15] Finale Allegro vivace
時 任和夫(ピッコロ)
藤田雅(ピアノ)
フィラデルフィア管弦楽団首席ピッコロ奏者、時任和夫 待望のソロ・アルバム

2010 年 3月31日-4月2日 魚沼市小出郷文化会館にて収録。日本語解説書&オビ付き

" 情熱のピッコロ " フィラデルフィア管弦楽団首席ピッコロ奏者 時任和夫 待望のソロ・アルバム/アメリカの名門フィラデルフィア管で長年活躍する日本人演奏家 時任和夫が激しくそしてやさしく魂に語りかける。
時任さんのピッコロは、十全足る表現力の幅に加え、なかなかフルートでも味わえない響きの潤いや艶、あるいは響の存在感を備えているのである。
実に驚異的だ。この素晴らしいソロ・アルバムを聴いて、僕は改めてフィラデルフィア管がいかに贅沢なオーケストラであるか、そのサウンドの秘密を垣間見たような気がした。(石田一志 ブックレットより)
●時任和夫 /KAZUO TOKITO(piccolo)
1948 年札幌に生まれる。フルートを小松昭吾氏に師事。1965 年渡米。インターロッケン・アーツ・アカデミー卒業後、オベリン大学オベリン音楽院に入学、ロバート・ウィロビー氏に師事、優等生として卒業する。その後、インディアナ大学大学院にてジェームズ・ペレライト氏に師事するほか、同時に作曲も勉強し学内の作曲コンクールにて入賞する。後に同大学院より演奏家証書と修士号を取得する。77 年、バンクーバー交響楽団に副首席フルート及びピッコロ奏者として入団。80 年、バンクーバーの CBC 室内管弦楽団の首席フルート奏者に任命される。81 年、フィラデルフィア管弦楽団に首席ピッコロ奏者として入団。現在も同管弦楽団にて活躍。
これまで、何度かサイトウキネンオーケストラに招待されるほか、札幌、長沼、新潟などでリサイタルを開く。1995 年、札幌交響楽団とピッコロ・コンチェルトを協演。
EZCD 10012
¥2600
「清水研作《海》」
 [1] フルート 2本とピアノのための「海 I」
  Umi I for 2 flutes and piano
 [2] ピッコロのための「星々の記憶へ I」
  For the Memory of Stars I for piccolo
 [3] アルト・フルートのための「MAI」
  MAI, for alto flute
 [4] フルートとピアノのための「アルカディアの森で」
  In the Arcadian Forest for flute and piano
 [5] ピアノのための「星々の記憶へ II」
  For the Memory of Stars II for piano
 [6] 独奏フルートのための「異なる時空 II」
  Disparate Space-Time II for solo-flute
 [7] フルート 2本とピアノのための「海 II」
  Umi II for 2 flutes and piano
時任和夫(ピッコロ [2])
清水信貴(フルート [1][6][7])
清水理恵(フルート [1][4][7]
 アルト・フルート[3])
藤田雅(ピアノ [1][7])
鈴木賢太(ピアノ [4][5])
日本的美学の原点に通底する独自な音世界〜天地自然の恵みのなかに横たわる儚い生〜

2010 年 3月31日-4月2日 魚沼市小出郷文化会館にて収録。日本語解説書&オビ付き

日本的美学の原点に通底する独自な音世界
" ハーバード大学より作曲で博士号 " という異色の経歴を持つ作曲家・清水研作と名手たちの饗宴~天地自然の恵みのなかに横たわる儚い生~を音で綴る
今回聴かせていただいた作品は、少なくとも僕にはとても興味深くまた共感のもてるものであった。いわば煩悩や迷妄を断ち切ったクールでクリーンな音の世界であった。またそこには、どことなく中世日本的な貴族趣味の片鱗を感じさせるような品位があった。(石田一志 ブックレットより)
●清水研作 /KENSAKU SHIMIZU(composer)
1961 年新潟に生まれる。アメリカ、ボストンのニューイングランド音楽院音楽理論科、同音楽院大学院作曲科卒業後、ハーバード大学大学院博士課程作曲科に特待生として入学、Teaching Fellowとして作曲と音楽理論のクラスで教鞭を取る。後にハーバード大学より博士号取得。これまでに数多くの賞を受賞したほか、90 年にはヴィエニャフスキ国際作曲コンクールにおいて満場一致の優勝(2位なし)を果たす。98 年フランス国立音響音楽研究所(IRCAM)Stage Program に選ばれ、コンピュータ音楽の研鑽を積む。
作品は国内外で広く演奏され、ボストン交響楽団元首席フルート奏者ドリオ・ドワイヤー女史の委嘱をはじめ、オルガン奏者林佑子女史、(財)数理科学振興会(理事長:広中平祐氏)、4人の箏奏者によるカルテット「Vortex」、フルートと箏のデュオ「Duo Maypher」、94 年薩摩琵琶古曲研究会によるモノオペラ「銀杏散りやまず」(原作・辻邦生、舞台美術・磯崎新、演出・木戸敏郎)ほか、多数の委嘱を受けている。また、「サントリーホール 10周年記念フェスティバル公演・特別企画—オルガン歴史紀行」にて、オルガン作品がサントリー大ホールにて演奏された。木管 4 重奏曲が東京で、また 99 年にはアルトサクソフォンとピアノのための作品がベルリンで委嘱初演された。2002 年東京で作品展を催し、パリを中心に活躍する Diotima弦楽四重奏団により日本初演され、パリ管弦楽団副コンサートマスター千々岩英一氏によりヴァイオリンソロ「異なる時空 I」が世界初演された。また「異なる時空 II」がフルート奏者ジャック・ゾーン氏により初演、04 年音楽之友社より出版された。同年、室内楽作品「プリズム」、「風に順いて呼ぶ」が、06 年ピアニスト鈴木賢太氏からの委嘱作品「星々の記憶へ II」が初演された。07 年からシリーズで「邂逅にて」、「海 I」、「海 II」がパウエル・フルート・ジャパンにより委嘱初演された。09 年オーケストラのための「変容」がウクライナのキエフにて、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団により初演。
フランスの Talloires International Composer's Conference、Toulouse 現代音楽祭にゲスト作曲家として参加。07 年アメリカ、ニュージャージー大学及び中国チチハル大学に招聘され、作品の初演や自作についての講演を行う。
コンサートのディレクターとしても意欲的な活動を行っている。2001年より第四銀行主催のコンサート・シリーズ「What’ s Music?~清水研作と仲間たち」では、国内外の著名な演奏家を招き、多彩なプログラムで構成されたコンサートを企画制作。

GLYNDEBORNE

GFOCD 007
(3CD)
¥6000
ドヴォルザーク:「ルサルカ」 アナ・マリア・マルティネス(S ルサルカ)
ブランドン・ジョヴァノヴィチ(T 王子)
ナターシャ・ジュール(S 第1の森の妖精)
バルバラ・セナトー(Ms 第2の森の妖精)
エロディ・メシェン(A 第3の妖精)
ミーシャ・シェロミャンスキ(Bs 水の精)
ラリサ・ディアドコヴァ(Ms 魔法使い)
タチアーナ・パヴロフスカヤ(S 外国の王女)
ほか イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
ロンドン・フィルハーモニー管 弦 楽団,
グラインドボーン音楽祭合唱団
グラインドボーン音楽祭、新録音大好評の 2009 年新製作「ルサルカ」が CD に!

録音:2009 年 8 月,グラインドボーン(ライヴ)

好評のグラインドボーン音楽祭レーベル、今回は昨年 2009 年に新製作され大好評だったドヴォルザークの名作「ルサルカ」が登場。タイトルロールにはこれがグラインドボーン音楽祭デビューだったプエルトリコ出身のソプラノ、マルティネス。暗くしっとりとした彼女の美声がルサルカにピタリて大絶賛されました。王子には今人気急上昇の米国のテノール、ジョヴァノヴィチ。今年メトロポリタン歌劇場に「カルメン」のジョゼで初出演するなど、次世代のテノールとして大きな期待が寄せられている人です。そして指揮は BBC 交響楽団の首席指揮者、ビエロフラーヴェク。さすがチェコの名指揮者、ドヴォルザークの魅力をたっぷり引き出しています。この上演は演出(メリー・スティル)も優れていたため、舞台も観客も大いに盛り上がったそうで、劇場を覆う熱気までもが感じられるライヴ録音です。

HAENSSLER

98 595
¥2300→¥2090
ハイドン:
 交響曲第 93 番ニ長調 Hob.I-93 (22’13”)
 交響曲第 96 番ニ長調 Hob.I-96「奇蹟」 (25’02”)
 交響曲第 97 番ハ長調 Hob.I-97 (24’24”)
トーマス・ファイ( 指 )
ハイデルベルク交響楽団
ファイ&ハイデルベルク響によるハイドン交響曲全集シリーズ最新作「 奇 蹟 」ほか第1期ザロモン・セット3曲

収録時期:2009 年 3 月 14-16 日ハイデルベルク=ドッセンハイム、マルティン・ルター・ハウス ( デジタル・セッション )。DDD、ステレオ、71’39”

強弱と緩急のコントラストをベースに、極端ともいえるアプローチでハイドンのおもしろさを、これ以上ないくらい分かりやすく提示するトーマス・ファイ。旋風を巻き起こし続ける交響曲全曲シリーズ第 13 集は、人気作の「ザロモン・セット」より第 93 番、第 96 番、第 97 番の 3 曲を収録しています。
「モーツァルトとベートーヴェンの交響作品と真剣に取り組んだのち、私は初めて、ハイドンの音楽への自分の愛情に気付いたことを白状します。以来、
私の関心事はずっとハイドンの音楽に対して 19 世紀、20 世紀と積み込まれてきた「伝統」を取り除くことにあります。」
このように語り、ハイドンを掘り下げてきたファイだけに、ここでもやはりさまざまな仕掛けが気になるところ。弦楽四重奏で開始される第 2 楽章か印象的な第 93 番では、そのラルゴ・カンタービレなど、ファイは速度もグッと落として、じっくり、しっとりと極上の美を聴かせてくれるはず。さらに、第 97 番の第 2 楽章では、現代音楽にも通じる特殊奏法 “スル・ポンティチェロ” もポイント。昨今無双の過激ぶりで鳴らしてきたファイということで、ゾクゾクするような興奮を味わえることでしょう。
もちろん、演奏中のシャンデリア落下にまつわるエピソードの真偽はさておき、「奇蹟」のニックネームで親しまれている第 96 番でも、ファイは工夫を凝らした仕掛けを用意しているものとおもわれます。
98 606
(2CD)
¥3600→¥3290
ヴェルディ:レクィエム リューバ・オルゴナソヴァ (S)
アンケ・フォンドゥング (Ms)
アルフレッド・キム (T)
カルロ・コロンバーラ (Bs)
シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊
SWR シュトゥットガルト放送交響楽団
ヘルムート・リリング (指)
ピュア・トーンと溶け合う極上のハーモニー大御所リリングの「ヴェルレク」ライヴ

録音:2009 年 4 月 2、4、5 日シュトゥットガルト、リーダーハレ・ベートーヴェンザール ( デジタル・ライヴ )[SWR との共同制作 ]。DDD、ステレオ、86’41”

バッハのエキスパートとして、また合唱音楽のスペシャリストとして、不動の地位を築き上げたリリングが、ヴェルディの大曲「レクィエム」をライヴ・レコーディング。
リリングは、つい先だって 2010 年 5 月にも “ドゥダメルのオケ” シモン・ボリバル・ユース管とともに、ヴェルディのレクィエムを取り上げて評判になりましたが、ここでは “ノリントンのオケ” としてすっかりおなじみのシュトゥットガルト放送響との顔合わせ。ヴェルディを特徴づける荒々しい迫力も十分ですが、なによりオケのピュア・トーンと、リリングが引き出すコーラスのハーモニーとが溶け合って、これはもう得も言われぬうつくしさ。
ソリストには、リリングのお気に入りで共演機会も多いフォンドゥングに、ヴェルディのオペラを数多く歌ってきたオルゴナソヴァ。バスには、ボローニャ生まれで、ちょうどこのひと月前 2009 年 3 月のライヴでも、テミルカーノフ盤でヴェルレクを歌い、経験もゆたかなコロンバーラと、豪華な顔ぶれが揃いました。
2010 年 12 月には NHK 交響楽団を指揮して、ベートーヴェンの第 9 を指揮する予定のリリング。本作は巨匠の近況を伝えるまたとない内容といえるでしょう。

HMF

HMU 807481
(3SACD HYBRID)
¥5100→¥4690
ベートーヴェン:「後期」弦楽四重奏曲集
 [CD1]
  (1)弦楽四重奏曲第12番op.127 変ホ長調
  (2)第14番 op.131 嬰ハ短調
 [CD2]
  第13番op.130 変ロ長調&大フーガ op.133
   (第5楽章カヴァティーナと、最終楽章のアレグロの間に演奏)
 [CD3]
  (1)第15番 op.132 イ短調/(2)第16番 op.135 ヘ長調
東京クヮルテット マーティン・ビーヴァー(1Vn)
池田菊衛(2Vn)
磯村和英(Vla)
クライヴ・グリーンスミス (Vc)
ついに完結!東京クヮルテット、ハルモニアムンディでのベートーヴェン・ツィクルス40 年の歴史始まって以来初、日本での録音も脅威の高音質、やわらかさと高度の集中の共存

録音:op.135/2007年11月(アカデミー・オブ・アーツ&レターズ)、opo.127, 131/2008年5月(バード大学フィッシャー・センター・フォー・ザ・パフォーマンツ)、opp.130, 132, 133/2008年8,9月(東京:王子ホール)。Multi-ch

2009 年に結成 40 周年を迎えた東京クヮルテット、ハルモニアムンディ・レーベルでのベートーヴェン全集がいよいよここに完結しました。各奏者の肩の力が完全に抜けた美しく柔らか、それでいて高度な緊張を保った音色は見事。緩徐楽章で四人が聴かせるゆったりと進む息の長いフレーズは、高い集中と緊密なアンサンブルがあればこそ。カヴァティーナでのえもいわれぬ優しさと温かさには、思わず熱い涙がこぼれます。4 人の間に流れる空気、息遣いまでをも音楽的にとらえた素晴らしい録音です。
HML 5901427
(3CD)
¥4800→¥4390
モンテヴェルディ:ユリシーズの帰郷(全 5 幕) ユリシーズ [ ウリッセ ]:クリストフ・プレガルディエン (T)
ペネーロペ(ユリシーズの妻):ベルナルダ・フィンク (Ms)
テレーマコ ( ユリシーズの息子 ):クリスティーナ・ヘグマン (Ms)
エウメーテ ( ユリシーズの羊飼い ):マーティン・ヒル (T)
エリクレーア ( ユリシーズの乳母 ):ジョスリーヌ・タイヨン (Ms)
イーロ( ペネーロペの求婚者たちの寄食者/大食漢 ):ギ・ド・メイ(T)
ピザンドロ(ペネーロペの求婚者)、人間のはかなさ:ドミニク・ヴィス
アンフィーノモ(ペネーロペの求婚者):デーヴィッド・トーマス (Bs-Br)
アンティノオ(ペネーロペの求婚者):マーク・タッカー (T)
エウリーマコ(メラントーの恋人):イェルク・デュルミュラー (T)
メラントー(ペネーロペの侍女):ファリダ・スブラータ(Ms)
ミネルヴァ、運命:ロレイン・ハント (S)
ジュピター [ ジョーヴェ ]:オリヴィエ・ラルエット (Bs)
ネプチューン [ ネットゥーノ ]、時:ミヒャエル・ショッパー (Bs)
ジュノーネ、愛:マルティーナ・ボヴェ (Ms)
ナイアーデ:フランチェスカ・コンジュ (S)、エリザベート・ショル (S)
ルネ・ヤーコプス(指揮)
コンチェルト・ヴォカーレ
踏み込んだ響き強烈なイメージを呼び覚ます気迫と集中すべてが完璧にそろった最高の「ユリシーズの帰郷」

録音:1992 年 6 月【旧品番:HMC 901427(廃盤)】2h57’55

1992 年 7 月「東京の夏」音楽祭で 2 夜上演され、「’92 コンサート・ベストテン」( 音楽の友誌 ) で第 1 位に選出される(ケルン歌劇場公演の現代オペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』と1位を分け合いました)など各界から絶賛を浴びた、ヤーコプスの「ユリシーズの帰郷」。日本におけるバロック・オペラ受容の大きな第一歩として、日本の音楽史にとっても重要な来日でした。当 CD は、彼らが来日直前に日本公演と同一キャストにて録音したものです。トロイア戦争に出征したまま行方知れずのユリシーズの妻ペネーロペが、夫の留守中に様々な男に言い寄られながらも貞淑を守り、ユリシーズも様々な困難に見舞われながらも最後は妻ペネーロペの下に戻り大団円というこのオペラ。語り部からペネーロペに言い寄る男の役など一人四役をこなした芝居の巧さが輝くドミニク・ヴィス、哀れな大食漢を演じるギ・ド・メイ、夫を待ちわびる切なさを見事に表現したフィンク。楽想の襞にまで入り込んだ響きで作品に深みと広がりと力を与えているユングヘーネル、ディールティエンスと豪華な顔ぶれの通奏低音陣。これらの豪華演奏者をまとめ上げ、自ら雄弁なチェンバロで全てを統率しているヤーコプスが圧倒的なのは言うまでもありません。冒頭から踏み込んだ深い響きで、えぐるような壮絶な表現・・・どの場面を聴いても、聴き手に強烈なイメージを呼び覚ます、気迫と美しさに満ちた素晴らしい演奏です。1993 年度レコードアカデミー大賞に輝いた大名盤です。
HML 5901330
(3CD)
¥4800→¥4390
モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」(全 3 幕) ポッペア/ダニエル・ボルス (S)
ネローネ(ローマ皇帝)/ギユメット・ロランス (Ms)
オッターヴィア(ローマ皇后)/ジェニファー・ラーモア (Ms)
オットーネ(ポッペアの夫)/アクセル・ケーラー (C-T)
セネカ(元老、哲学者、ネローネの師)/ミヒャエル・ショッペル (Bs)
ドルシラ(オッターヴィアの侍女)/レナ・ルーテンス(S)
乳母(オッターヴィアの乳母)/ドミニク・ヴィス(C-T)
アルナルタ(ポッペアの乳母)/クリストフ・ホンバーガー (T)
ルカーノ(宮廷人)/ギ・ド・メイ (T)
ルネ・ヤーコプス(指)
コンチェルト・ヴォカーレ
華やかかつ鮮やか!最後に勝つのは「愛」。ポッペアの戴冠

録音:1990 年 2 月【旧品番:HMC 901330(廃盤)】3h 17’18

モンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」は、ヴェネツェアのサン・マルコ大聖堂図書館所蔵の筆写総譜、ナポリのサン・ピエトロ・ア・マイエッラ音楽院図書館所蔵の筆写総譜の 2 稿が存在しており、ヤーコプスはこれら双方を具に研究してから録音に臨んでいます。いくつかの部分でナポリ稿を大きく取り入れているのも特徴。皇帝ネローネは、ローマの騎士長オットーネの妻ポッペアと不倫しています。皇帝ネローネの妃オッターヴィアは、その事実を嘆いて、オットーネにポッペアの暗殺を命じますが、失敗におわります。最終的にネローネとポッペアは結ばれ、王宮では愛の神が祝福する中、ポッペアの戴冠式が行わるという内容のお話。シンフォニアの出だし、一転してきびきびとリズミカルな後半との鮮やかな対比は見事。的確なテンポ設定、繊細かつ創意に富んだ楽器の音色の選択と使い分けはさすがです。どんな場合にも歌詞が決して曇らされることはなく、言葉のリズム、語りのスピードが活きています。鮮やかな色彩とイメージに満ちた見事な演奏です。いつもながらドミニク・ヴィスの芝居の巧さには圧倒されます。最終的に愛は勝つ、と歌い上げる最終の合唱の場面では歌唱陣も器楽陣も高らかに喜びに満ち満ちた音色で圧巻です。
HML 5901553
(2CD)
¥3200→¥2890
モンテヴェルディ:歌劇「オルフェーオ」(全曲) オルフェーオ/ローレンス・デール (T)
エウリディーチェ、音楽/エフラート・ベン=ヌン (S)
女の使者/ジェニファー・ラーモア (Ms)
カロンテ/ポール・ジェリモン (Bs)
プルトーネ/ハリー・ペーテルス (Bs)
プロセルピナ/ベルナルダ・フィンク (Ms)
希望/アンドレアス・ショル (C-T)
アポロ/ニコラ・リヴァンク (Br)
ニンファ/エフラート・ベン=ヌン、マリー=ノエル・ド・カラタイ (SI)
マリア・クリスティーナ=キール、ベルナルダ・フィンク (S II )
牧人・霊/ドミンク・ヴィス、アンドレアス・ショル (C-T);
 ゲルト・テュルク、リントン・アトキンソン (T);
 ニコラ・リヴァ ンク、グリート・スミツ (Br);
 ウルリヒ・メッセタラー、ナタン・ベルク (Bs)
ルネ・ヤーコプス(指揮)コンチェルト・ヴォカーレ
ヤーコプスの音楽の大きさと緻密さに冒頭から圧倒!

録音:1995 年 1 月【旧品番:HMC 901553(廃盤)】1h 59’49

驚くべき充実ぶり、音楽的深さ。オルフェーオとエウリディーチェの悲しくも有名な物語を題材にしたオペラですが、結婚式の晴れやかかつ鮮やかに喜びのリズムを刻む合唱と器楽、地獄の場面での厳粛かつ恐ろしいまでの雰囲気など、聴き手の五感すべてを刺激するようなヴィヴィッドなオルフェーオです。
HMU 807517
(SACD HYBRID)
¥2600
待降節とクリスマスのためのチューダー朝の音楽
 トマス・タリス:ミサ「御子はわれらに生まれたもう」
 ジョン・タヴァナー(c.1490-1545):Audivi vocem de caelo
 ウィリアム・バード (c.1540-1623):グラドゥアリアI
 ロラーレ・チェリ・デスペル/トッリテ・ポルタス/
  アヴェ・マリア/エッケ・ヴィルゴ・コンチピエ
 ロバート・ホワイト (c.1538-1574):マニフィカト
 聖歌 御子はわれらに生まれたもう
 ジョン・シェパード(c.1515-1558):言葉は肉体に
スティレ・アンティコ
トマス・タリスの7 声部による圧倒的なミサ曲、無伴奏合唱集団、スティレ・アンティコ最新盤

録音:2010 年 1 月

英国の若き声楽家たちによって結成された声楽アンサンブル集団、スティレ・アンティコ最新盤。ヨーロッパの古楽コンクールでの優勝を期に、世界で大活躍しています。今回彼らがとりあげたのは、チューダー朝のミサ曲。チューダー朝のミサ曲は、クリスマス、待降節など、季節の行事ごとに作られました。冒頭に収録されているクリスマスのためのミサ、トマス・タリスの 7 声部から成る「御子はわれらに生まれたもう」が圧倒的。中世の教会の礼拝に迷い込んだような、神聖さと厳粛な美しさ、そして暖かみのある録音で、声によるえもいわれぬ極上の世界が広がります。
HMU 807453
(SACD HYBRID)
¥2600
The Cherry Tree〜
 クリスマスのための歌、キャロル、バラード集
アノニマス 4
アノニマス 4、ふたたび!魅惑の古の歌の世界に浸る喜び

録音:2009 年 2, 11 月

人気の女性 4 人による無伴奏声楽アンサンブルグループ、アノニマス 4。長い活動休止期間を経て、再びハルモニアムンディに素敵なプログラムを録音してくれました!
中世のイギリスとアメリカで大流行した、15世紀に書かれた素晴らしいバラード集「The Cherry Tree」の中のクリスマスの話を題材にした、中世のイギリスのキャロル、アングロ=アメリカのスピリチュアル・ソング集です。懐かしさをおぼえる 4 人の声の音色と抜群のアンサンブルは健在。独特の節回しのうまさで、時に素朴に時に華やかに、キリスト教にとって特別なクリスマスを歌います。そのミステリアスともいえる魅力が増しているようにも感じられる、嬉しい新録音の登場です。録音も秀逸。
HMC 902050
¥2600
シューマン (1810-1856):
 (1)スペインの歌遊び op.74
 (2)恋のたわむれ op.101
 (3)スペインの恋の歌 op.138
マーリス・ペーテルセン (S)
アンケ・フォンドゥンク (Ms)
コンラート・ジャルノー(Bs-Br)
クリストフ・ベルナー(Pf/ op.74& 138)
カミッロ・ラディケ(Pf/ op.101& 138)
実力派歌手が勢ぞろい!シューマンの珠玉の重唱作品集

録音:2009 年 6 月(ベルリン、テルデックス・スタジオ)

現代のオペラ・リート界で活躍するペーテルセンらが参加した、シューマンの重唱作品集。エマニュエル・ガイベル編纂によるスペインの詩の訳集にインスピレーションを受けた op.74 と op.138。これらの詩は、中央ヨーロッパの色彩をうっすらと帯びた、ぴりっとした「スペイン」スタイルの音楽にぴったりの素材でした。間にはさまれた、親密な雰囲気の「恋のたわむれ」は、聴き手をスペインの世界からドイツのロマンティシズムの世界へと移動させます。
HMC 902062
¥2600
Metamorphosis「変容」
 (1)バルトーク (1881-1945):弦楽四重奏曲第 4 番 Sz.91
 (2) G. リゲティ (1923-2006):弦楽四重奏曲第 1 番「夜の変容」
 (3)クルターク (b.1926):12 のミクロリュード op.13
  「アンドラーシュ・ミハーイに捧ぐ」
カザルス弦楽四重奏団
【アベル・トマス・レアルプ (Vn)、
 ヴェラ・マルティネス・メネル(Vn)、
 ジョナサン・ブラウン(Vla)、
 アルノー・トマス・レアルプ(Vc)】
ドライさと柔らかさの心地よい共存、若手最注目株カルテット、カザルス弦楽四重奏団による勝負の1枚!

録音:2009 年 5 月(テルデックス・スタジオ/ベルリン)

若手最注目株カルテット、カザルス弦楽四重奏団の新譜は、バルトーク、リゲティ、クルターク作品集。彼らの演奏はドライな精確さを保ちつつ、どことなく優しさ、柔らかさのようなものも存在しており、そのバランスが実に絶妙。勝負に打って出た、といった感の意欲的なプログラムです。
バルトークの作品はスタイリッシュな民俗色の豊かな作品。バルトーク独特の激しく刻むリズムも 4 人の息がぴったり合っていて、聴かせます。
リゲティの作品は、4 つの核となる音が様々に変容して姿を現す作品。8 つの楽章からなりますが、間をおかずに演奏されます。落ち着いたテンポと急速なテンポの楽章がほぼ交互に置かれた形で、一曲だけワルツのリズムで優雅に演奏される楽章があります。各楽章の性格を鮮やかに描き分けた演奏は見事。
クルタークの作品は、12 の楽章からなり、それぞれがオクターヴ内のすべての音から始まる (C から B まで ) というもの。クルタークはバッハのことを崇拝しており、彼の作品をいくつも編曲しているほどで、この作品の配列も平均律に則ったものといえるでしょう。ウェーベルン的な要素(コントラストや突然の休止など)などを漂わせつつも、クルターク独自の世界が広がっているこの作品を、カザルス弦楽四重奏団の面々はドライさ、精確さと柔らかさのバランスを絶妙にとりながら見事に演奏しています。
HML 5901595
¥2600
ピアソラ (1921-1992):
 (1)バンドネオン協奏曲
 (2)タンゴ・ポルテーニョの3 楽章
 (3)5 つのタンゴ
パブロ・マイネッティ(バンドネオン)
ジョセフ・ポンス(指)
リウレ劇場室内管弦 楽団
リュイス・ビダール(ピアノ)
バンドネオンの世界的奏者、マイネッティの決定的名盤か豪華仕様で甦る!

録音:1995 年 12 月

バンドネオンとオーケストラという “意外な” 組合せが見事に成功していて、近年演奏会でもしばしば取り上げられています。5つのタンゴには、ピアソラの代表作ともいえる「天使のミロンガ」が含まれています。パブロ・マイネッティは 1971 年ブエノスアイレス生まれ。録音当時まだ 20 代前半という若さでしたが、タンゴの世界では当時から世界的に有名な天才です。
HMC 902068
(3CD)特別価格
\4800→¥4390
モーツァルト:「魔笛」 ダニエル・ベーレ(T タミーノ)
マリス・ペーターゼン(S パミーナ)
ダニエル・シュムッツハルト(Br パパゲーノ)
イム・スンヘ(S パパゲーナ)
アンナ=クリスティーナ・カーッポラ(S 夜の女王)
マルコス・フィンク(Bs-Br ザラストロ)
クルト・アツェスベルガー(T モノスタトス)
インガ・カルナ(S 第1の侍女)
アンナ・グレヴェリウス(Ms 第2の侍女)
イザベル・ドリュエ(Ms 第3の侍女)
コンスタンティン・ヴォルフ(Bs-Br 弁者)ほか
ルネ・ヤーコプス(指)
ベルリン古楽アカデミー,RIAS 室内合唱団
ヤーコプスのモーツァルト・オペラ・シリーズ最新刊!ついに出たぞ「魔笛」だ!!しかもベルリン古楽アカデミー& RIAS 室内合唱団!!!

録音:2009 年 9,10 月,ベルリン。166'45

ヤーコプスがついに「魔笛」を録音しました!もちろん今回も充実の内容。ヤーコプスは 2009 年 7 月にエクサン・プロヴァンス音楽祭で「魔笛」を上演しており、その経験を踏まえた上で秋にベルリンのテルデック・スタジオで入念なセッション録音。ヤーコプスならではの大胆に踏み込んだ雄弁な音楽を鳴らしつつ、歌芝居としての「魔笛」の楽しさ面白さもたっぷり生かしています。しかも今回はベルリン古楽アカデミーと RIAS 室内合唱団という超一流の団体のバックアップ。さらに歌手も充実。パミーナにはドイツで大人気のソプラノ、ペーターゼン。タミーノはまだデビューして数年というハンブルク出身のテノール、ベーレを大抜擢、柔らかい甘い美声はまさに王子様。パパゲーノは、オーストリアのバリトンでウィーン・フォルクスオーパーの人気者、シュムッツハルト。パパゲーナは、ヤーコプスのオペラの常連、スンヘ。夜の女王は、2007 年にメトロポリタン歌劇場でもこの役を歌ったフィンランドのソプラノ、カーッポラ。ザラストロにはこれもヤーコプスの長年の協力者フィンクと、ベテラン、若手を巧みに配しています。また今回の「魔笛」では台詞部分にたいへん力を入れており(詳しくはヤーコプス自身の解説(英独仏)で詳細に説明されています)、様々な創意工夫が凝らされています。
永遠の名作「魔笛」を、また新鮮な気持ちで聞けるヤーコプス・マジックをお楽しみください!
HMU 907433
(2CD)
¥4200→¥3790
J.S. バッハ:平均律クラヴィーア曲集第 2 巻(全 24 曲) リチャード・エガー
(チェンバロ/Joel Katzman, Amsterdam, 1991
 (1638年リュッカースモデル)
緻密に設計された音の迷宮の旅へエガーによる平均律 2 巻の登場

録音:2007 年 3 月

リチャード・エガー、チェンバロ奏者としての久々の新譜は平均律クラヴィーア曲集第 2 巻。a’ =415 と比較的高めのピッチで、高音は輝かしく、中音域も一音一音くっきりと響き、そして低音はズシンと響く、それでいて全体の音色はふんわりと柔らかい名器を用いての演奏。どの曲もゆったりめのテンポ設定で、エガーの大きな息の音楽作りと、抜群のリズム感がよく活きています。バッハによる緻密な音の迷宮の細部に施された装飾までくっきりと浮かび上がらせながらも、心地よい推進力に満ちた演奏です。あたたかみのある録音も魅力。
HMU 807485
(SACD HYBRID)
¥2600
「Baltic Runes~バルティック・ルーン」
 ヴェルヨ・トルミス(b.1930):
  「歌の橋」、「司教と無神論者」「、聖ヨハネの日の歌」
 シベリウス:組曲「恋する人」op.14
 キリルス・クレーク (1889-1962):三つのフォークソング
 エーリク・ベリマン(1911-2006):ラッポニアop.76
ポール・ヒリアー(指)
エストニア・フィルハーモニック室内合唱団
名曲シベリウス「恋人たち」も収録バルトの国々に古より伝わる物語を題材にした美しき無伴奏合唱作品集

いつ聴いても心に感動のさざ波が起こるシベリウスの「恋する人」にうれしい合唱版の新録音が登場。ほかにも男声のトーンクラスター的な効果が印象的なベリマンの作品など、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団のうまさが際立つ 1 枚です。
バルティック・ルーン(バルト諸国の古代文字)というこのアルバム、バルトとフィンランドに古くから伝わる抒情詩や物語に、シベリウス、キリルス・クレーク、エーリク・ベリマンとヴェリヨ・トルミスらが作曲したメロディーを美しい合唱で辿ります。

HUNGAROTON

HCD 32635
¥2300
J.B. ヴァンハル (1739 - 1813):3 つのチェロ協奏曲集
 ハ長調 / イ長調 / ハ長調
ペーテル・サボー(Vc & 指揮)
シンフォニエッタ・パノニカ
マールタ・アーブラハーム (リーダー)
ブダペスト祝祭管首席サボーの弾くヴァンハルの優美なチェロ協奏曲、世界初録音

録 音:2010 年 5 月 25-28 日フンガロトン・スタジオ ( デジタル・セッション )。DDD、ステレオ、68’52”

ボヘミアに生まれウィーンで活躍したヴァンハルは、ハイドン、モーツァルト、ディッタースドルフとともに弦楽四重奏を演奏したことがあり、その際にチェロを担当していたといいます。世界初録音となるチェロ協奏曲は、この楽器とヴァンハルとの相性の良さをうかがわせる内容で、バロック・コンチェルトを思わせる非常に明快なソロ・パートや、極上の緩徐楽章が 3 曲に共通する特徴。洗練されたスタイルや変化に富む主題からは、シューバルトが「音楽美論集」(1784) のなかで “ウィーン古典派きってのすぐれもの” と絶賛したヴァンハルの腕前をはっきりと確かめられます。
1963 年ルーマニアに生まれたサボーは、1993 年以降ブダペスト祝祭管首席奏者を務めるいっぽう、ソリストとしても活躍する名チェリスト。シンフォニエッタ・パノニカは、この録音のために 2010 年に特別に設立された室内オーケストラ。メンバーは、ハンガリー国立フィル、ブダペスト祝祭管、ハンガリー放送管といったハンガリーのトップ・オーケストラの器楽奏者たちによって構成され、芸術監督にはサボーが就任しています。
録音に際して、オーストリアのザイテシュテッテンのベネディクト派修道院と、プラハのナショナル・ミュージアムにそれぞれ所蔵されている自筆譜に、サボーが校訂した楽譜を用いています。
HCD 32658
¥2300
「悪魔のクラリネット / ブダペスト・クラリネット・クァルテット」
 フリジェシュ・ヒダシュ:クラリネット四重奏曲
 ゾルターン・コヴァーチュ:ドリーム・ダンス第 3 番
 イヴァーン・マダラース:RE-petition *
 ジュラ・フェケテ:クラリネット四重奏曲
 ティボル・ブリュナウアー:スケルツォ・ディアボリコ
 イェネー・タカーチュ:3 本のクラリネットのための 5 つの小品 (Op.112)
 ラースロー・ドゥブロヴァイ:クラリネット四重奏曲
 ヤーノシュ・ジュライ・ガール:4 つのロマンティックな遊戯
ブダペスト・クラリネット・クァルテット
 [ ヤーノシュ・セペシ、ジェルジ・レー、
 ラースロー・マイエル、アーコシュ・パーパイ(Cl)]
オットー・ラーツ (Ob) *
ミハーイ・ゾルターン・ヴァルガ (vib,marim) *
イヴァーン・マダラース (P) *
悪魔的なテクニックでとりこに!驚異のブダペスト・クラリネット・クァルテット

録音:2010 年 2 月 22-24 日、3 月 2 日フンガロトン・スタジオ、2003 年 -2006 年ハンガリー放送。DDD、ステレオ、70’55”

現ハンガリー放送響首席奏者のヤーノシュ・セペシがリーダーを務めるブダペスト・クラリネット・クァルテットは、この特殊な編成による室内楽の様式に聴衆をなじませる目的で 1995 年に設立されたアンサンブル。メンバー全員がフェレンツ・リスト音楽院の卒業生で、これまでに 4 度のアメリカ・ツアーも敢行ずみという実績を持っています。
ここでクラリネット四重奏という形式のために、現代ハンガリーの作曲家たちが手掛けた作品の数々は多種多様。ハンガリーの民俗音楽の舞曲や、レントラーなども現われるタカーチュ。変ホ管やバス・クラも使用し、さまざまな特殊奏法でクラリネットの可能性を模索したドゥブロヴァイ。ファンファーレ風の主題で開始され、のちにハンガリー民謡に似せた構造をみせるコヴァーチュの曲は、リズミカルで躍動感あふれる音楽。
“反復” というタイトルのマダラースの曲は 29 の短い 1 小節の主題から構成され、5 から 15 までの範囲で適宜、楽器編成のサイズが変更可能となっています。しかも個々の動機は、一定の範囲内で任意に繰り返しも可能といった具合。
このほか、セペシの演奏に触発されたフェケテをはじめ、ヒダシュ、ガールの作品も当アンサンブルのために書かれたもの。さらに、当アンサンブルの委嘱作となるブリュナウアーでは “悪魔の” と付く演奏至難な内容にも、目の醒めるようなテクニックとアンサンブルの高い実力を聴かせてくれます。
HCD 32624
¥2300
ジェルジ・オルバーン (1947):
 ・太陽の讃歌 (1996)
 ・ミサ曲第 11 番-ベネディクトゥス (1996)
 ・ラズモフスキー・トリロジー (2000)
  I . ラズモフスキー伯爵のための舞踏会音楽
  II . アルバムの綴り
  III . ラズモフスキー伯爵への告別
ジュジャ・アルフェルディ(S)
カーロイ・ガール (Vn)
レメーニ・エデ室内管弦楽団
ラズモフスキー・トリロジーほかハンガリーの重鎮オルバーンの作品集

録音:2005 年 1 月ミシュコルツ、ヨーロピアン・ハウス ( セッション )。DDD、ステレオ、69’18”

ミサ曲をはじめ、おもに声楽曲を数多く手掛けてきたジェルジ・オルバーンは1947 年生まれのハンガリー作曲界の重鎮。弦楽オーケストラに乗せて、説いて聞かせるようなソプラノが印象深い「太陽の讃歌」、「ベネディクトゥス」につづく「ラズモフスキー三部作」は第 1 部 7 曲、第 2 部 7 曲、第3 部 5 曲という構成で演奏時間 50 分を越える大曲。
ベートーヴェンの名を連想させずにおかないタイトルを冠したこの作品は、“作曲の頂点に位置づけられる、シンプルかつ完成された弦楽四重奏” という形態に対して、じっさいに弦楽四重奏曲を 4 曲書いたオルバーンが自分なりに試行錯誤を重ねて示した回答。オルバーンの導きだした結論は、短くて、軽快で、ダンス・ミュージックのような楽章を作曲すること。ここでは、オルバーン曰く、よりしっくりくる弦楽オケ版での演奏となっています。なお、「太陽の讃歌」はイタリア語歌唱、ミサ曲はラテン語歌唱。
HCD 32653
¥2300
グレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナー:6 つの 4 声のフーガ
 第 1 番ヘ長調 / 第 2 番ニ短調 / 第 3 番ハ短調 /
 第 4 番ハ短調 / 第 5 番ニ短調 / 第 6 番ト短調
ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー:6 つの四重奏曲Op.16
 第 1 番イ長調 / 第 2 番ニ短調 / 第 3 番ト長調 /
 第 4 番ハ短調 / 第 5 番ヘ長調 / 第 6 番変ロ長調
J.G. アルブレヒツベルガー:ソナタ ハ長調 ( 復活祭のための ) Op.11a [1792]
オーセンティック四重奏団
 ( ピリオド楽器使用 )
アルブレヒツベルガー& ヴェルナー世界初録音を含む「弦楽四重奏のためのフーガ集」

録 音:2010 年 1 月 15-17 日フンガロトン・スタジオ ( セッション )。DDD、ステレオ、62’23”

アルブレヒツベルガーのカルテット (HCD32495) をリリース済みのオーセンティック四重奏団が、こんどはアダージョ ( 第 5 番のみアンダンティーノ )とフーガの 2 楽章形式に特徴がある「四重奏曲」を世界初録音。先だってもやはりピリオド楽器のアンサンブル、リンコントロ四重奏団がほとんど同種のコンセプトによるアルバム (「フーガの四重奏」ZZT091003) をリリースしたばかり。ここではアルブレヒツベルガーとヴェルナーに絞り、さらにマニアックな内容となっています。
ウィーン古典派の時代にもっとも成功したオルガニストで、理論家、対位法の教師であったアルブレヒツベルガー (1736 -1809) は、二重奏から八重奏までにわたる、弦楽器のための 140 曲を含む、さまざまな器楽アンサンブルのための 2 楽章形式の教会ソナタ ( 前奏曲とフーガ ) を 159 曲も作曲しています。
オーストリア皇帝ヨーゼフ 2 世直々に、ウィーンの宮廷礼拝堂のオルガニストに任命されたアルブレヒツベルガーですが、そもそもフーガという作曲技法はヨーゼフ 2 世が非常に好んだ形式といわれ、アルブレヒツベルガーは 1780 年代以降、献身的に多くの時間をフーガの作曲に費やしています。
このアルバムにはそれぞれ演奏時間 4 分から 7 分弱ほどの「四重奏曲」のほかに、( このアルバムでは省略されていますが ) ハープシコードの通奏低音つきで、やはり 2 楽章からなるソナタも収録。ゆっくりとした前奏曲は J.S. バッハのコラールのスタイルによるコラール「キリストはよみがえりたまえり」の音楽。つづくフーガは復活の喜びを表現した、快活なバロック様式の楽章という構成になっています。
なお、カップリングには、ヨーゼフ・ハイドンの前任のエステルハージ宮廷楽長ヴェルナー (1693 - 1766) によるフーガが収められています。6 つのフーガはいずれも自作オラトリオ用に作曲したフランス風序曲から弦楽四重奏へのトランスクリプション。
HCD 32647
¥2300
ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー(1736-1809):「フルートを伴う娯楽音楽」
 ・4 声のディヴェルティメント ハ長調 (1777)
 ・パルティータ ハ長調 (1772) *
 ・4 声のノットゥルノ (1777)
 ・4 声のディヴェルティメント ト長調 (1761)
 ・パルティータ ニ長調 (1773)
 ・五重奏曲 (1801)
パール・ネーメト (Fl)
サヴァリア・バロック・オーケストラのメンバー
*アンドレア・ヴィグ (Hp)
世界初録音、アルブレヒツベルガーがのこした極上のエンターテインメント作品

録 音:2010 年 1 月 7-10 日フンガロトン・スタジオ ( セッション )。DDD、ステレオ、77’41”

アルブレヒツベルガーの作品は、聖シュテファン大聖堂の楽長に就任した経歴も示すように、そのほとんどが教会音楽に集中しています。
そのアルブレヒツベルガーもウィーンに移住する以前には、「ガランテリアス gallanterias」と呼ばれる、後世が独創性を高く評価する作品の数々を残しています。もともとは「小間物」を意味する、この楽しい小曲は、さまざまな社交イベントでの演奏を目的とした、いわゆる「ライトミュージック」で、独奏楽器または小さなアンサンブルのために作曲され、いくつかの楽章から構成されているのが通例。このアルバムでは、こうした娯楽音楽のうち、すべてフルートをフューチャーした作品ばかりを集めています。
若き作曲家がメルク修道院時代に書いたト長調のディヴェルティメントは、フルート四重奏の編成による 5 楽章形式の作品。ウィーン時代初期の作てある 2 つのパルティータは、フルート、ハープとチェロ、そしてフルート、ヴィオラ・ダモーレとヴィオローネと、それぞれトリオ・アンサンブルのために書かれています。同じくウィーン時代初めに作曲されたハ長調のディヴェルティメントとノットゥルノはともにフルート四重奏用の作品。
通常フルート、ヴァイオリン、2 つのヴィオラとチェロを要する五重奏曲は 5 楽章形式で、1801 年に作曲されています。
すべてが世界初録音の資料的価値に加えて、なにより聴いて楽しい仕上がりとなっています。
HCD 32626
¥2300
フバイ:「ヴィオラのための作品全集」
 (1)ヴィオラ協奏曲 Op.20
 (2)彼女の絵の前に Op.38-1 / おとぎ話 Op.15-1 /
  陽光 Op.87-1 / マッジョラータ Op.15-2 /
  ロマンス Op.25 / バラード Op.104-1a /
  悲歌 Op.14-13 / 夢想 Op.49-9 /
  ハンガリーの詩曲 Op.27-1 / ハンガリーの詩曲 Op.27-6
ペーテル・バールショニ (Va)
(1)ゲルゲイ・ヴァイダ(指)
 エルケル室内管弦楽団
(2)マールタ・グヤーシュ (P)
まぼろしの「ヴィオラ協奏曲」を復元!フバイのヴィオラ作品全集、世界初録音

録音:2010 年 2 月フンガロトン・スタジオ ( セッション )。DDD、ステレオ、77’14”

ハンガリー生まれの大ヴァイオリニスト、作曲家イェネー・フバイ (1858 - 1937)。先ごろ完結した「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」シリーズの続篇にあたるアルバムが、HUNGAROTON より登場します。
【ヴィオラにも精通していたヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、フバイ】
ヴィオラは、音楽作品で昔からずっとあまり重要な役割を演じてこなかった地味な存在でしたが、フバイはこの楽器のより深みのある音色を好み、19世紀のヴァイオリニストのなかでも例外的に関心を寄せていたひとりでした。
フバイのヴィオラへの興味は、幼少期に培われたハンガリー音楽や、おそらくは 1870 年代中頃のベルリン音楽大学時代、ヨアヒムに師事していた数年間、時折ヨアヒムに代わり師を務めたエドゥアルト・ラポルディ ( ヨアヒム四重奏団のヴィオラ奏者 ) に根ざしています。
フバイがパリに出ておおきな名声を獲得したのち、ブリュッセル音楽院のヴァイオリン科教授に任命された際には、同僚とともにカルテットを結成し、ヴィオラのジャン=バティスト・コリンズとは第 1 ヴァイオリンとヴィオラのパートを交代で弾いたりもしていました。
また、リストの要請でブダペストに戻り後進の育成にあたると、ブラム・エルデリング、グスターヴ・セレーミ、ヤーノシュ・テメシュヴァーリ、ティヴァダル・オルサーグ、エデン・パールトシュ、エゴン・コルンシュタイン、デーネシュ・コロムザイ、ナーンドル・ジョルト、そして若きゾルターン・セーケイ ( バルトークの第 2 ヴァイオリン協奏曲被献呈者 & 世界初演者 ) や、ティボル・シェルイ ( バルトークのヴィオラ協奏曲補筆完成者 ) など、いくつものすぐれたヴィオラ奏者として活躍する名前を輩出しています。
【復元された「ヴィオラ協奏曲」の世界初録音】
アルバムには、ヴィオラのためのオリジナル作品のほかに、自作ヴァイオリン曲からの編曲作なども含まれていますが、なかでも “完全な形” での初録音となる「ヴィオラ協奏曲」は一番の聴きもの。
1884 年にブリュッセル音楽院の校長フランソワ・ジュヴェールに委嘱された「ヴィオラ協奏曲」は、その年の 9 月までに全曲を書き上げたものの、1885 年 1 月に第 1 楽章のオーケストレーションが完了した時点でなぜか中断されています。
1890 年に、フバイは「演奏会用小品」というタイトルで、あらたにオーケストラの演奏部分や大規模なカデンツァを挿入するなど、現在の第 1 楽章に何箇所かいくつか改訂を施しており、この 1 楽章版はピアノ伴奏つきで、1891 年にハイナウアーによって出版されています。なお、「演奏会用小品」はヴィオラのほかにチェロでも演奏され、フバイの友人で室内楽のパートナーであったポッパーが改訂をおこなっています。
いっぽうで、フバイはその後も、ちょっとした改訂を重ね、1929 年にはチェリスト、アルノルド・フォルデシのために部分的に再編曲しています。
このたびの録音では、ヴィオラとピアノ版の自筆譜をもとにフバイの様式にあわせて、後半 2 楽章にラヨシュ・フサールがオーケストレーションを施しています。ちなみに、第 1 楽章は上記 1884 年版で聴くことができますが、演奏者たちは 1890 年頃に追加されたカデンツァや管弦楽の移行部を、コーダの前に入れて演奏したりしていて、こちらのオーケストレーションは 1929 年版から再構成されています。
ヴィルトゥオーゾ、フバイ自らが何度も手を入れていることから思い入れの強さが窺い知れる「ヴィオラ協奏曲」。初めてオリジナルの姿に迫る注目の内容といえるでしょう。





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