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管楽名人集団アンフィアンによるハイドン、モーツァルト、ケルビーニ編曲集
ヨゼフ・トリーベンゼー(1772-1846):管楽合奏編曲集〜編曲の芸術〜
ケルビーニ/トリーベンゼー編:歌劇「メデア」より
ハイドン/トリーベンゼー編:弦楽四重奏第77
番Op.76-3「皇帝」より
ハイドン/トリーベンゼー編:交響曲第92
番「オックフォード」より
モーツァルト/トリーベンゼー編:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より |
アンフィオン管楽八重奏団 |
管楽名人集団アンフィアンによるトリーベンゼー編曲集
録音:2010 年2 月22-25 日/65’36
トリーベンゼーはボヘミア出身の作曲家。父ゲオルクと同様にオーボエ奏者として活動しており、ウィーンのアウフ・デア・ヴィーデン劇場の第2
オーボエ奏者を務めていました。モーツァルトが指揮した「魔笛」の初演にも加わり、独奏者としても活躍していました。作曲家としては多作家であり、特に他の作曲家の作品を編曲した管楽合奏集は評価が高いです。ここに録音された作品もケルビーニ、ハイドン、モーツァルトの有名作品の編曲。
バーゼルのスコラ・カントルムで学んだ腕利きの古楽器の名手たちが集まったアンフィオン管楽八重奏団。オーボエ2
本、クラリネット2 本、ナチュラルホルン2 本、ファゴット2
本、トランペット、コントラバス1 本という豪華編成で巧みなアンサンブルを聴かせてくれます。 |
ALBA
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冬のりんご〜 フィンランドのナショナルロマンティック合唱音楽
シベリウス:
舟の旅 作品18-3、恋するもの(作品14) JS160c、
そこなわれた声 作品18-1
トイヴォ・クーラ:
舟歌 作品21-2、春の歌 作品11-7、黎明
作品11-3、
キャラヴァンの合唱 作品21-1、眠り、メロディ、りんごの木
作品11-1
アルマス・ヤルネフェルト:恋するものの道
アルマス・マーサロ:子守歌
リカルド・ファルティン編:谷に咲くばら
レーヴィ・マデトヤ編:3 つの民謡 作品57
【夏の夜わたしは森をとおり/ 炉から眠りが語りかける/
ああ、早く夕闇が訪れてくれれば】
パルムグレン:
子守歌、夏の夕べ 作品59b-1 ( 編曲)、ぶらんこ、ポプラ、
夜に糸を紡ぐ者、悲しみ 作品16b-1、夏至、春のメロディ、
春の風、春の蝶、ため息、海で |
クレメッティ音楽大学室内合唱団
ヘイッキ・リーモラ( 指)
テルットゥ・イソ=オヤ(S)
トゥオマス・カタヤラ(T)
ヨーセ・ヴァハソユリンキ(B) |
録音:2010 年6 月19 日-22 日 タンペレ・ホール、小講堂
( タンペレ、フィンランド)/79’17
制作: ユッタ・セッピネン 録音: メッティ・ヘイノネン
19 世紀と20 世紀フィンランドの作曲家たちが作曲、編曲した「ナショナルロマンティック」な作風の合唱曲集。
クレメッティ音楽大学室内合唱団は、1959 年、ハラルド・アンデシェンにより創設されました。合唱のプロフェッショナルとレベルの高いアマチュアを広く国内から集め、毎夏、集中したリハーサルが行われます。合唱団の目的のひとつは、新作と演奏機会の少ない作品をプロモートすること。指揮者のヘイッキ・リーモラは、1999
年から2004年まで、みずから創設したタンペレ・フィルハーモニック合唱団の指揮者を務めました。
全27 ページのブックレットにはトゥーラ・マンテュヤルヴィとヤーコ・マンテュヤルヴィによる作曲者、作詞者、曲の詳しい解説
( 英語・フィンランド語) と歌詞の対訳が掲載されています。「見よ、わが魂よ、われらが生の歓びのいかにもろく、はかなき」。コスケンニエミの詩をテクストとしたトイヴォ・クーラの《黎明》は、フィンランド・ナショナルロマンティシズムの合唱音楽が要約された作品とも言われ、美しい音楽です。 |
ALIA VOX
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作曲家かつ理論家、ラモーの真髄!!彼の管弦楽法のエッセンスが響き渡る!!
「ルイ15 世のオーケストラ/ラモー:管弦楽組曲集」
ラモー:
「優雅なインド」組曲(1735年)
「ナイス(ナイアス)」組曲(1748 年)
「 ゾロアストル(ゾロアスター)」組曲(1749年)
「ボレアド」組曲(1764年) |
ジョルディ・サヴァール(指)
ル・コンセール・デ・ナシォン |
録音:2011 年1 月11-14 日モーゼル県メス、メス海軍工廠大ホール/DDD、デジパック、56’30”+
49’40”
ルイ13 世時代のフィリドール、ルイ14世時代のリュリに続き、ルイ15
世(1710-1774)時代から選ばれたのはラモー(1683-1764)。前の2人と比べると、王個人とのつながりは希薄でしたが、オーケストラの団員たちとは、その作品を通して深いつながりを持っていました。リュリの時と同様、代表的なオペラから抜粋した管弦楽組曲で、最初期の代表作「優雅なインド」、中期を代表する「ナイス」と「ゾロアストル」、最晩年の作「ボレアド」から各曲は取り上げられています。
リュリとの比較、特に管弦楽法的な側面に焦点を当てて比較すると、ラモーの特徴は、フル・オーケストラによる豪華絢爛さにあり、このことが、ラモーがオペラの作曲家としてデビューした1730
年代半ばに起きた、リュリ派とラモー派の論争点の1つでした。しかしながら、この管弦楽の豪華絢爛さは、音楽理論家ラモー自身による和声法の探求にその基礎を置いており、音楽史的には、リュリからラモーに至る間に、カンプラ、マレ、モンテクレールらによって、徐々に取り入れられていった方法を、効果的に展開したものでした。
今回、サヴァールたちは、CIMA(国際古楽センター)、及びESMUC(カタルーニャ上級音楽院)の協力を得、演奏の準備に大規模な学術調査を基礎作業として取り入れました。その後のヨーロッパ各都市におけるツアーにおいて、その成果を遺憾なく発揮した演奏会を重ね、満を持して録音にのぞんでいます。 |
ALTUS
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準・メルクルと名門フランス国立リヨン管、相性抜群のR.シュトラウス!
透明感に溢れ、色彩豊かなツァラトゥストラ!
リヒャルト・シュトラウス:
(1)交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
(2)ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
(3)楽劇《サロメ》より《7つのヴェールの踊り》 |
準・メルクル(指揮)
国立リヨン管弦楽団 |
準・メルクルと名門フランス国立リヨン管、相性抜群のR.シュトラウス!透明感に溢れ、色彩豊かなツァラトゥストラ!
録音:(1)2010 年9 月 リヨン、モーリス・ラヴェルホール(オーディトリウム)ライヴ、
(2)(3)2007 年6 月 リヨン、モーリス・ラヴェルホール(オーディトリウム)ライヴ/DDD
メルクルがリヨン管に就任して以来、マーラー:交響曲第3
番(ALT 145/6)、ベートーヴェン:交響曲第9
番(ALT 147)、ベートーヴェン:交響曲第2 番&
第6 番「田園」(ALT 181)、ムソルグスキー:展覧会の絵(ALT
194) など、数多くの録音をのこしてきました。期待の最新盤は相性抜群のR.
シュトラウスです!この録音についてメルクルは以下のように述べております。
『リヨン管弦楽団との演奏でR. シュトラウスの録音が最も重要なものとなりました。それは、フランスのオーケストラ独特のクオリティーである、透明感に溢れ、色彩豊かな表現を我々は獲得したからです。一方でこのレパートリーにより、オーケストラは深遠なサウンドでセクションを上手くブレンドするいわゆる「ドイツ的クオリティー」も得たのです。』〜準・メルクル〜 |
ALTUS
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ベルンハルト・クレー&ベルリン放送響
マーラー:交響曲第1番 ニ長調『巨人』
マーラー:交響曲第4番 ト長調 |
ベルンハルト・クレー(指揮)
ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)
エディット・マティス( ソプラノ) |
1936年生まれ、たたきあげのオペラ指揮者ベルンハルト・クレー。ライプツィヒで育ち、ケルンで学び、当地の歌劇場からその音楽家としてのキャリアは始まった。同時にコンサート指揮者としても活躍し、若いうちからベルリン・フィルに客演、その後もコンセルトヘボウ管、ウィーン・フィルのほかイギリス、アメリカの大オーケストラを指揮してきた。またDGやEMIの録音もあり、世が世ならもっと大スターとしての道のりもあったかもしれない・・・が、1995年に北ドイツ放送フィルの首席指揮者を辞めてからはフリーで悠々自適な指揮者生活を送っている印象。日本での公演も少なく決して埋もれた指揮者ではないはずだが、その印象はニュートラル。悪いイメージはない代わりに、決定的なCDも出てこない。・・・そのクレーのマーラーがALTUSからいきなり3タイトル登場。しかも第4番は奥さんとの共演。代理店の話では「コクの魂のようなマーラー演奏。「巨人」の葬送行進曲の異様な陰影!4番の濃厚な味わい!「復活」のクレンペラー級の大構造美」、と大絶賛。そう言われるとさすがに聴きたくなる。表にあまり出てこないこうした名匠の名演というのが、まだまだたくさん埋もれているのだ。
録音:1979 年10 月28 日(1番)/ 1984 年11
月26 日(4番)、 ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)、ステレオ |
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ベルンハルト・クレー&ベルリン放送響
マーラー:交響曲第2番 ハ短調『復活』 |
ベルンハルト・クレー(指揮)
ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)
グレニス・リノス(アルト)
ロザリンド・プラウライト(ソプラノ)
ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 |
録音:1982 年5 月30 日、ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)、ステレオ
「マーラーの指し示した道標に忠実に従うという行き方によって、クレンペラー以上に雄大かつ繊細な曲のプロポーションを再現することに成功している」—音楽評論家
河原 融
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ベルンハルト・クレー(75才)
1936 年にドイツ、テューリンゲンに生まれケルン音楽院で学びケルン歌劇場においてアッカーマン、サヴァリッシュの下でコレペティトゥーアから経歴を始めた、たたき上げですが、なんと29
歳にしてリューベック歌劇場のGMD に就任。以来、現在でもオペラにおいてミュンヘン、ベルリン、ハンブルクなど各地で活動しており、コンサート指揮者としてはハノーヴァー北ドイツ放響、デュッセルドルフ響の音楽監督をつとめていました。70
年代ベルリン・フィルの常連でたびたびマーラーをとりあげています。
クレーは典型的ドイツのカペルマイスターと思われがちですが、現代音楽を含めた幅広いレパートリーが語るように、音楽を常識的なバランス感覚の中におさめようとする穏健派タイプの指揮者なくオーケストラの各パートをダイナミックに展開させながらも知的風格あふれる音楽が印象的です。 |
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ギーレン&ベルリン放送響
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 |
ミヒャエル・ギーレン( 指揮)
ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)
リアス室内合唱団&ベルリン国立大聖堂少年合唱団
ガブリエーレ・シュレッケンバッハ(アルト) |
そして同じくギーレンの80年代のマーラーも2タイトル登場。現在我々が抱くギーレンのイメージとは若干異なる、いい意味で期待を裏切る演奏になっているらしい。
「今やドイツ指揮者界の長老ギーレンの氷のような冷気あふれるマーラーかと思いきやベルリン放響の熱気に氷が溶かされてクライマックスが神々しいばかりに引き立つ!大マーラー集」代理店
録音:1984 年11 月19 日、ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)、ステレオ |
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ギーレン&ベルリン放送響
マーラー:交響曲第6番 イ短調 |
ミヒャエル・ギーレン(指揮)
ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団) |
録音:1984 年9 月5,6 日、ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ)、ステレオ
「このベルリン・ドイツ響による、張りつめた流れのなかから、押し殺していた感情が決壊したかのように吹き出るようなマーラーも、わたしの心を激しく動かす。冷たさと熱さのすさまじいコントラストがもたらす、リアルなマーラーだ。」—音楽評論家
鈴木淳史
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ミヒャエル・ギーレン(84 才)
ギーレンは高名な演出家であったヨゼフ・ギーレンを父として1927年ドレスデンに生まれました。芸術家としては大変サラブレッドでしたが、母がユダヤ系のためナチから逃れるため、1940
年一家でアルゼンチンに移住、テアトロ・コロンで修業にあたりました。1950
年にはヨーロッパに戻り、ストックホルムやフランクフルトの歌劇場の監督をつとめ、現代音楽の初演者として頭角を現しました。南西ドイツ放響の首席(1986-1999)
として黄金時代を築いています。その音楽の特徴は『クールでスピーディー、ロマン性をはぎとったような演奏は聴き手を困惑と同時に狂喜』(鈴木淳史氏)させられる一筋縄ではいかない高級演奏芸術と申せましょう。また意外にも天才どうしひかれ合うのかカルロス・クライバーとは大変親しい間がらでした。 |
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AMBROISIE
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フランスの名門ピリオド楽器オーケストラル・セルクル・ドゥラルモニー、
胸のすくようなベートーヴェン初期作品集
ベートーヴェン:
(1)プロメテウスの創造物op.43(1801)
(2)歌劇『レオノーレ』より
マルツェリーネのアリア「おお、私があなたと一緒になれたら」(1805)
(3)いいえ、心配しないで WoO92a (1801-02)
(4)ロマンス ヘ長調(ヴァイオリンとオーケストラのための)op.50
(1802)
(5)ああ、不実なものよop.65(1796)
(6)交響曲第1 番 ハ長調 op.21 (1800) |
ル・セルクル・ドゥラルモニー(管弦楽)
ジュリアン・ショヴァン(Vn)
アレクサンドラ・コク(Sop)
ジェレミー・ロレル(指) |
録音:2011 年2 月(リール・オペラ座でのライヴ録音)
フランスの名門ピリオド楽器オーケストラ、ル・セルクル・ドゥラルモニーによるベートーヴェン初期作品集。ル・セルクル・ドゥラルモニーは、ミンコフスキやクリスティのもとで研鑽を積んだ1976
年生まれの若き才能、指揮者のジェレミー・ロレルとヴァイオリンのジュリアン・ショヴァンが中心となって2005
年に設立されました。ロレルはこの楽団を率いながら、ウィーン国立歌劇場などでも華々しく活躍しています。ベートーヴェン唯一の歌劇『フィデリオ』の前身、『レオノーレ』のアリアでは、クラリネットの活躍が印象的です。管弦楽による伴奏も実に充実、絶妙な転調にベートーヴェンの才をあらためて感じます。ロマンスでソロを務める2003
年のブルージュ古楽コンクールの優勝者、ジュリアン・ショヴァンは、ビルスマらに師事しました。コンチェルト・ケルン、レ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴルなど名だたる古楽器アンサンブルにもメンバーとして参加しています。ロマンスではまっすぐに聞き手の心に響く甘い音色を存分に聴かせてくれます。音の粒立ちの美しい録音も魅力です。 |
AMBRONAY
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レオナルド・ガルシア・アラルコン
ヴェネツィア・サン・マルコ大聖堂ではヴィヴァルディはこのように歌われていた
ヴィヴァルディ:“サン・マルコ聖堂でのヴェスプレ”
主は言われた(ディキシト・ドミヌス)
RV807
主よ、私をお助けください RV593
主よ、あなたに感謝します RV596
主を畏れる者は幸いである RV795
褒め称えよ、神のしもべたちよ(ラウダーテ・プエリ)
RV600
褒めよ、エルサレムよ RV609
マニフィカト RV610
私は喜んだ(詩篇122) RV607 |
マリア・ソレダード・デ・ラ・ロサ(S)
マリアナ・フロレス(S)
カロリーヌ・ウェイナンツ(S)
ジョエル・シャリエ(A)
エヴェリン・ラミレス(A)
ファビアン・ショフラン(CT)
ヴァレリオ・コンタルド(T)
フェルナンド・ギマランイス(T)
アレハンドロ・メーラプフェル(Bs)
リオネル・デミュール(交唱)
レオナルド・ガルシア・アラルコン(指)
レザグレマン,ナミュール室内合唱団 |
アラルコン、待望のヴィヴァルディ!宗教曲が生き生きと蘇る!!
録音:2010 年10 月2 日、アンブロネイ
Ambronay レーベルで立て続けに話題の録音をリリース、人気がうなぎのぼりのレオナルド・ガルシア・アラルコン、新譜はヴィヴァルディの宗教曲です。アラルコンはヴィヴァルディの8
つの宗教曲を独自に組み立て、サン・マルコ聖堂でこのように演奏されたかもしれない、という“ヴェスプレ”
に仕立てています。8 曲はいずれも人気のあるものばかりで、録音もあれこれあるものの、アラルコンの軽さと活気のある演奏だと「こんな素敵な曲だったのか!」と驚くばかり。ことに2010
年1 月からアラルコンが芸術監督に就任したナミュール室内合唱団の巧さは実に見事。ソリストも文句なし。ヴィヴァルディアンだけでなく、広く声楽好き、バロック音楽マニアに聞いていただきたい内容です。 |
ANIMA RECORDS
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ショーソン(1855-1899):ピアノ三重奏曲ト短調Op.3
テオドール・デュボワ(1837-1924):センチメンタル・プロムナード
ジョルジュ・プファイファー(1835-1908):
ピアノ三重奏曲ニ短調Op.103 |
トリオ・アルカディス |
フランス的洒脱さに溢れるピアノ・トリオ集
録音:2011 年1 月10-12 日パリ/61’56
ショーソン、デュボワ、プファイファーのフランスの作曲家3
人によるピアノ三重奏曲を集めたアルバム。
若きショーソンの情熱が込められたピアノ三重奏曲は、抒情的な美しさと香り豊かで繊細な音楽。気品ある美しさを漂わせる完成度の高いアンサンブルを聴かせてくれます。
そしてシャンパーニュ地方の小さな村ロスネーに生まれたデュボワ。パリ音楽院でトマに師事し、恩師の死後1896
年から1905 年までパリ音楽院の院長を務めます。作曲家としては多作であり、「対位法とフーガ」「和声法、理論と実践」など音楽理論家としても著書を残しています。この「センチメンタル・プロムナード」はピアノの静かな旋律から始まり、それをヴァイオリンとチェロがなぞるように奏でる、静寂の音楽。
ヴェルサイユ生まれのピアニスト兼作曲家のジョルジュ・プファイファー。カルクブレンナーの弟子でピアニストであった母からピアノの手ほどきを受け、父はプレイエルの楽器店を経営していました。彼はバレエ、オペレッタ、ピアノ曲、室内楽、管弦楽曲など様々なジャンルの作品を作曲しました。彼はサン=サーンスと同じくフランスの作曲家としては珍しく3
曲の協奏曲を作曲しています。このピアノ三重奏曲はフランスらしい瀟洒さに富み、洗練された響きの作品です。
トリオ・アルカディスは2001 年にパリとリヨンの国立高等音楽院の優秀な若手3
人によって結成された三重奏団。 |
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マルセル・ソラージュ(1894-1970):チェロ・ソナタ ヘ短調
ピエール=オクターヴ・フェルー(1900-1936):チェロ・ソナタ イ長調
ポール・ヴィアルド(1857-1941):チェロ・ソナタ |
オディール・ブラン(Vc)
ジュヌヴィエーヴ・アイバニーズ(P) |
薫り高きフランス・チェロ・ソナタ
録音:2010 年12 月27-29 日/58’57
フランスの作曲家によるチェロ・ソナタ。フランス音楽史上忘れてはならない重要な作曲家3
人を取り上げています。
マルセル・ソラージュは時代の過渡期に活躍した女性作曲家。パリ国立音楽院は1785
年創立当初は、女性は器楽科のみ入学を許され、1850
年までは作曲科は男性しか受け入れていませんでした。20
世紀に入り少しずつ女性にも扉が開かれ始めたその頃に、マルセル・ソラージュはフランス人の両親の元ペルーで生まれました。幼少の頃パリへ渡り、直ぐに音楽院でナディア・ブーランジェと共にピアノと伴奏法を学び、その後作曲の才能を開花させます。
このチェロ・ソナタは1919 年に作曲。3 つの楽章からなる作品で、雄々しい主題から始まる第1
楽章、装飾的で歌うような美しい第2 楽章が続き、強いリズムと渦巻くフレーズの第3
楽章で華やかに締めくくります。
交通事故のため36 歳の若さで夭折したピエール=オクターヴ・フェルー。リヨン出身で家族によって音楽の才能を見いだされます。大学では物理・化学を専攻、同時にフローラン・シュミットに作曲を学びました。彼は8
歳から教会で演奏するなど幼いころ評判のピアノ弾きでありましたが、指先の事故により作曲へ転向しました。パリへ渡った後、室内アンサンブル「トリトン」を設立。評論、執筆活動を積極的に行っていました。このチェロ・ソナタは亡くなる4
年前に作曲され、伝統的な作曲スタイルを好んだ、緻密な作品です。
19 世紀ヨーロッパ音楽界を席巻したオペラ歌手・作曲家ポリーヌ・ガルシア=ヴィアルドの息子ポール・ヴィアルド。彼は優秀なヴァイオリニストでもあり、姉マリアンヌの婚約者であったフォーレのヴァイオリン・ソナタ第1
番を献呈されています。彼のチェロ・ソナタは気品と豊かな抒情を湛えた美しい作品です。 |
ATMA CLASSIQUE
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フランス版コメディア・デラルテ(道化劇)
リュリ=モリエール以前にパリを愉しませた劇音楽
タバラン劇場のための音楽
1550-1650 年、フランスのダンス音楽とシャンソン
ランベール・ボーリュー:第一のアントレ(王妃のバレ・コミック、1581
年パリ刊)/
ジャン・デストレー:道化(ダンスリー、1559
年パリ刊)/
ランベール・ボーリュー:小アントレ(王妃のバレ・コミック、1581
年パリ刊)/
プレトリウス:
グルヌイユのバレ(テレプシコーレ、1612
年ヴォルフェンビュッテル刊)/
ヴィンチェンツォ・ルッフォ:
カプリッチョ" ラ・ピヴァ"(三声のカプリッチョ、1564
年ミラノ刊)/
作者不詳:アヴィニヨンのブレ(1690 年)/
ヴィンチェンツォ・ルッフォ:
カプリッチョ「エル・トラヴァリアート」「エル・トラポラート」
(三声のカプリッチョ、1564 年ミラノ刊)/
ジャン・プランソン:
シャンソン「愛は見せかけでは生きられない」(4
声のエール、1587 年パリ刊)/
トマス・ルポ:パヴァーヌ/
アンドレ・ペション:モテット「私を愛するならば」(写本、1647
年)/
ギヨーム・デュマノワール:
序曲、ウンガレスカ、アレグロ、クラント、リベルタス(カッセル写本)/
ジャック・アルカデルト:
マドリガル「美しい枝から花の雨が」(1542
年ヴェネツィア刊)/
作者不詳:1609 年のヴァンドーム公の結婚式で奏されたパヴァーヌ/
プレトリウス:ヴォルテ(テレプシコーレ)/
トーマス・クレキヨン:
シャンソン「恋は憔悴なしには」
(シャンソン集第3 巻、1544 年アントウェルペン刊)/
ジロラモ・デラ・カーザ:
シャンソン「恋は憔悴なしには」に基づくディミニューション
(ディミニューション教本、1584 年ヴェネツィア刊)/
ピエール・ゲドロン:私の魂が傷付いたとしても(調和の宝庫、1603
年ケルン刊)/
ジャン・プランソン:
エール「名誉を持ってとうとう飛び立つその心」「おお、美しい瞳」
(4 声のエール、1587 年パリ刊)/
アントワーヌ・ボエセ:
甘い魅力の持ち主
(リュート・タブラトゥールによるエール・ド・クール、1643
年パリ刊)/
ファブリース・マラン・ケタン:
シャンソン「限りない発想からあなたは私がほとんど見えない」
(エール集、1576 年パリ刊)/
プレトリウス(ピエール・フランシスク・カルベル編曲):
4 つのブランルと2 つのガヴォット(テレプシコーレ) |
レ・ボレアード・ド・モントリオール
(古楽器アンサンブル)
フランシス・コルプロン(指揮&編曲) |
2011 年1 月、聖オーグスタン教会(ケベック州ミラベル)58'58”
「タバラン」はモリエールが登場する前にパリで活躍した大道芸人ジャン・ソロモン(1584-1633)の舞台名。時の王妃の母マリー・ド・メディシスのために演じて好評を博して以来、パリの中心街ドフィーヌ広場に野外劇場を開き、パリのあらゆる層の人々を愉しませました。出し物は所謂「コメディア・デラルテ」で偽医者モンドルとその従者による滑稽な掛け合いもの。タバランは道化者役の従者を得意としていました。劇場では音楽が重要な役割を担っており、毎金曜日にはヴァイオリンとヴィオール、そしてコメディア・デラルテの伝統に従いリコーダー、ギター、リュート等を伴奏に加えて、劇が演じられました。作曲家たちは農民のダンスや民謡をポリフォニー音楽にする一方、エール・ド・クール(宮廷歌曲)にも民衆が馴染みの舞曲のリズムを付けて、幅広い人々を愉しませました。
モントリオールの古楽アンサンブル「レ・ボレアード」はこのタバランの精神を受け継ぎ、ランベール・ボーリューの「王妃のバレ・コミック」(1581
年)とミヒャエル・プレトリウスの「テレプシコーレ」(1612
年)の収録曲を中心に17 世紀初頭にパリで聴かれた劇音楽を溌剌と演奏しています。 |
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バンドネオン、バスーン、チェンバロという思いがけない楽器の刺激的な出会い!
バタクラン!
ピアソラ:リベルタンゴ/ ルシエ:バッサンゴ/
ラポワント:嫌われ者たちの森/ プラント:アストルのトンボー/
ピアソラ:アディオス・ノニーノ/ ルシエ:ファンタジー/
プラント:運命の女神/
ヴィラ=ロボス:メロディア・センチメンタル、トナーダ/
ピアソラ:AA 印の悲しみ/
プラント:ミロンガ・デル・マテ、ショーロ/
ピアソラ:ビオレンタンゴ/ ファルー:サンバ |
バタクラン
[マテュー・ルシエ(バスーン)
デニス・プラント(バンドネオン)
カトリーヌ・ペラン(チェンバロ)] |
アメリカ大陸を縦断する音楽の旅
録音:2008 年5 月27-29 日、サン・フランソワ・ド・サル教会(ケベック州ラヴァル)85'34”
北米で活躍する古楽系ファゴット奏者マテュー・ルシエ、チェンバロ奏者でTV
ブロードキャスターでもあるカトリーヌ・ペラン、カナダを代表するバンドネオン奏者でアレンジャーのデニス・プラントという個性的なメンバーによる「バタクラン」のデビューCD。グループ名はオッフェンバックの中国を題材にしたオペラ「バ・タ・クラン」、1855
年パリに建てられたキャバレースタイルのバタクラン劇場、そしてフランス語の「服、手荷物、がらくた」などいくつかの意味を込めています。このCD
では、ピアソラとタンゴ・ヌエヴォ(新しいタンゴ)のスタンダード・ナンバーから、ヴィラ=ロボス、エドゥアルド・ファルーまで、アメリカ大陸を横断する空想の音楽の旅を巧みな構成と編曲で聴かせます。演奏は自発性と即興性に溢れ、チェンバロの刻むオスティナートのリズムが、バロックでお馴染みの舞曲の多くが南米起源であることを思い出させます。華麗なデビュー作です。 |
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バタクラン:ダンディ
ワイル:ユーカリ/ ガルデル:首ひとつの差で/
ゲーゼ:ジェラシー/
コズマ:枯葉/ ビジョルド:エル・エスキナソ/
ショスタコーヴィッチ:ジャズ組曲第2番(キューブリックのワルツ)/
プラント:オスカー・ワイルド童話集「ナイチンゲールとバラ」/
同「素敵なロケット」/ 同「わがままな大男」/
ゼキーニャ・ジ・アブレウ:チコ・チコ/
ルシエ:組曲『エドワード&ウォリス』ザ・ファンダンゴ/
同「王冠を賭けた恋」/ 同「ウォリスのバンジョー・ソング」/
ワイル:タンゴ・バラード/
ドメイル:ガヴォット《ハッピー・アワーズ》/
プラント:オスカー・ワイルド童話集「忠実な友」/
同「幸福な王子」/ プラント:アストリアス |
バタクラン
[マテュー・ルシエ(バスーン)
デニス・プラント(バンドネオン)
カトリーヌ・ペラン(チェンバロ)] |
エレガント、洗練、独創的、そしてちょいワル・・・バタクラン第二弾のテーマは「ダンディ!」
録音:2011 年5 月、サン・フランソワ・ド・サル教会(ケベック州ラヴァル)56'37”
ベルリンのキャバレー、パリのカフェやムーラン・ルージュで夜な夜な繰り広げられる喧騒と享楽・・・第一次大戦後の「価値の喪失感」は、クールで刹那的、そして過度に洗練された1920
年代の「狂乱の時代」(レ・ザネ・フォル)とその芸術を生み出しました。「ひとつの時代の終焉」の空気に深い共感を抱くバタクランの新譜は、ワイルのキャバレーソング、ショスタコーヴィッチのジャズ、スタンダード・シャンソンに、「ミスター・ダンディ」オスカー・ワイルドに捧げるをオリジナル曲を加えて、いい感じです。「犯罪は俗悪とは限らないが、俗悪は犯罪だ」というワイルドの言葉をCD
制作のモットーに掲げるバタクランはかなりオシャレです。 |
ATMA CLASSIQUE
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ムジカ・インティマの芸術
ムジカ・インティマは1992 年に結成されたカナダのヴォーカル・アンサンブル。1
パート1 人で男女6 人ずつの12 人からなるメンバー構成で指揮者は置かないスタイル。
レパートリーは現代作曲家から独自でアレンジしたカナダの民謡などメンバーそれぞれの個性を引き出した多彩なプログラムで聴かせてくれます。 |
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ムジカ・インティマ/現代カナダ合唱曲集〜イントゥ・ライト
イマンツ・ラミンシュ:アヴェ・ヴェルム・コルプス
レーモンド・マリー・シェーファー:3 つの賛歌
ルパート・ラング:アニョ− ドゥ ディュー、アース・ティーチ・ミー
クロード・ヴィヴィエ:神よ、憐れみたまえ
ジョセリン・マーロック:エグザウディ
デレイク・ヒーリー:
サリッシュ・ソング、イヌイット・ハンティング・ソング
ブルース・スレッド:アイス
ジェフリー・ライアン:オン・ムッシュ・デパーチャー
ロドニー・シャーマン:ラヴ
リオネル・ドネ:ミラボー橋 |
ムジカ・インティマ |
録音:2008 年11 月17、19、25、27 日ライアーソンユナイテッド教会、カナダ
ムジカ・インティマは1992 年に結成されたカナダのヴォーカル・Ens。1
パート1 人で男女6 人ずつの12 人からなるメンバー構成で指揮者は置かない。
ここではカナダの現代作曲家の作品を収録。イマンツ・ラミンシュはラトヴィア出身、現在はカナダで活躍中の作曲家。美しく癒される作風で人気を博しています。
レーモンド・マリー・シェーファーは「サウンドスケープ」論を提唱しているカナダを代表する現代作曲家。日本の合唱コンクールでも度々取り上げられます。
ルパート・ラングはバンクーバーのクライストチャーチ大聖堂の音楽監督を20
年務め、「アニョ− ドゥ ディュー」では繊細で壮大な響きを聴かせます。ブルース・スレッドは1975
年生まれの若手作曲家。「アイス」は氷で覆われた冬の湖が溶ける様を描写し、自然で穏やかな沈黙を生む作品。リオネル・ドネの「ミラボー橋」はマリー・ローランサンの恋人だった詩人のギョーム・アポリネールの代表作「ミラボー橋」に由来します。失われた愛と色あせない記憶を見事な表現で描いています。 |
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ムジカ・インティマ/ヴェリヨ・トルミス(1930-):無伴奏合唱曲集
秋の風景、聖ヨハネの日、ノーザンライト(オーロラ)、
告解の火曜日〜四句節の三日間の歌、
舟の上で歌う、ヴェプスの小径 |
ムジカ・インティマ |
録音:2005 年10 月3-7 日
エストニア生まれの合唱音楽作曲家トルミス。彼はバルト海沿岸のフィン族の集落を訪れ古い民謡の収集をしています。民謡の素材を用い作曲された彼の作品は、自然描写や土地に根付く音楽などが目の前に浮かぶような巧みな表現が盛り込まれています。そして合唱の本領が発揮できる、響きの斬新さを堪能できる内容です。 |
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ムジカ・インティマ/神への祈り
イヴァン・ムーディ:雅歌I
ウルマス・シサスク:グロリア・パートゥリ(抜粋)
ホセ・エバンゲリスタ:おお主よ、何と心地よきことか
ニーステト:おお、十字架よ
カバナ:わたしは主を待ち望んだ
スティーヴン・チャットマン:あなたは私の心を奪った |
ムジカ・インティマ |
現代の有名合唱作曲家作品集。
イギリスの作曲家イヴァン・ムーディのヒリアード・アンサンブルの委嘱によって作曲された「雅歌Ⅰカンティクム・カンティコルム」を収録。ウルマス・シサスクはエストニアの作曲家で宗教曲や天体に基づいた作品が多く神秘的な響きの作風。カナダの代表的な合唱作曲家スティーヴン・チャットマンなど、アカペラの実力の試される作品を集めた意欲的なアルバム。 |
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ムジカ・インティマ/クリアー
ウィリアム・ホーリー:私は春
マグヌス・リンドベルイ:おお、僕の恋人
サン=サーンス:夜の静けさOp.68
ロバート・ルーカス・ピアソール:彼女の棺にレイを置いて下さい
ジェラルド・フィンジ:7 つの無伴奏パートソング集Op.17
エルガー:愛する人は北の地にありて Op.18-3
伝承曲(フランス):泉のほとり
伝承曲(イギリス):海の魅惑
グレツキ:私のヴィスワ、灰色のヴィスワ
伝承曲(アメリカ):シェナンドー
伝承曲(スコットランド):ローモンド湖
ドヴォルザーク:家路 |
ムジカ・インティマ |
フィンランドの作曲家マグヌス・リンドベルイの洗練された作風の「おお、僕の恋人」は小粋に聴かせ、サン=サーンスの「夜の静けさ」では心洗われる旋律を緩やか歌い、切々と歌い上げられるグレツキの「私のヴィスワ、灰色のヴィスワ」、最後のトラックの「家路」では夕暮れの情景が浮かぶアレンジで終曲にふさわしく、しっとりと聴かせ、多彩な選曲でムジカ・インティマの魅力を引き出したアルバム。 |
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ムジカ・インティマ/クリスマス・アルバム「オー・ナタ・ルクス」
伝承曲/ ロバート・ピアーソル編:もろびと声あげ
伝承曲/ ピーター・マシュー編:レ・ゾンブル・ド・ラ・ニュイ
伝承曲/ ジョナサン・ラスボーン編:ガブリエルのお告げ
C.A. カリーリョ:おお、大いなる神秘
サス・ガレッピ:オー・ナタ・ルクス
ブリテン:イエスよ,あなたは救い主でいらっしゃるから、聖母賛歌
ハーバート・ハウエルズ:子守歌を歌って
マシュー・ラーキン:アダム は縛られて
エリック・ウィテカー:ルクス・アルムクエ
ドナルド・パトリキン:アンティフォン、ザ・チャイルド・オブ・メアリ
伝承曲/ ステファン・スミス編:バルー・ラミー
伝承曲/ ミシェル・マレイ編:気持ちのいい朝に、ぼくは行進に出会った
キャサリン・ゴイーン:どんな秘密を!
伝承曲/ レイン・プライス編:ウェックスフォード・キャロル
ヒーリー・ウィラン:マニフィカト
エリザベス・ポストン:林檎の木なるイエス・キリスト
ジョナサン・クイック:天国から天使が来た |
ムジカ・インティマ |
録音:2008 年2 月4-6 日
ブリテン、ハーバート・ハウエルズ、ヒーリー・ウィランなどの伝統的なクリスマスの作品と20
世紀の作曲家によるあまり知られていない美しいクリスマス・キャロルを収録。心地よい自然な歌声が、クリスマス・キャロルにぴったりの雰囲気を演出しています。 |
ATMA CLASSIQUE
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ACD2 2579
\2000
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ジョン・ウィリアムズ:
「シンドラーのリスト」組曲【テーマ、ユダヤ人街、追憶】(Vn&Orch.)
ブロッホ:
ヘブライ組曲(Vn&Orch.)、コンチェルト・グロッソ第1番(P&Orch.) |
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)
マルク・パンティロン(P)
ビエンヌ交響楽団
トーマス・レスナー(指) |
実力・個性ともに抜きんでた才能を持つ若手ヴァイオリニスト、アレクサンドレ・ダ・コスタによるシンドラーのリスト
録音:2008 年3 月19-21 日ビエンヌ、スイス
1979 年モントリオール出身ヴァイオリニスト、アレクサンドル・ダ・コスタとスイスの名門オケ、ビエンヌ交響楽団による映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズの「シンドラーのリスト」。映画では儚く切ない優しく美しいメロディーを、イツァーク・パールマンが演奏し、映画と共に大きなヒットとなった作品です。演奏するダ・コスタはピアノとヴァイオリンを学び、9
歳にしてそれぞれの楽器でコンサートを行うなど神童ぶりを発揮。18
歳からマドリッドのソフィア王妃音楽大学で名教師ザハール・ブロンに師事。23
歳の時にはシルヴィア・ゲルバー財団より30
歳以下の優れたカナダ人音楽家に贈られる最優秀賞を受賞。これまでにベルリン・フィルをはじめとする世界中のオーケストラと共演し高い評価を得ています。ダ・コスタは類い稀なるテクニックと情熱溢れる音楽表現で、聴く者の心を熱くさせる演奏を披露しています。
ユダヤをテーマとしたプログラムでブロッホのヘブライ組曲とコンチェルト・グロッソ第1
番が録音されています。 |
ACD2 2578
\2000
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アルマンド・ホセ・フェルナンデス(1906-1983):
ヴァイオリン協奏曲ホ長調
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955):
交響曲第2番変ロ短調 |
アレクサンドレ・ダ・コスタ(Vn)
ジーザス・アミーゴ(指)
エクストレマドゥーラ交響楽団 |
録音:2007 年6 月18-20 日バダホス、スペイン
ポルトガルの作曲家アルマンド・ホセ・フェルナンデスとルイス・デ・フレイタス・ブランコの作品。フェルナンデスのヴァイオリン協奏曲は1948
年に作曲。ダ・コスタの才気溢れる演奏が作品の魅力を決定づけています。ブランコの交響曲はポルトガルのネオクラシック様式を受け継ぐ作品です。 |
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テオドール・デュボワ(1837-1924):
サン=レミのための荘厳ミサ曲(1900)
デリヴァランスのミサ(1919) |
マリア・ナピック(S)
マーク・ブーシュ(B)
ジャン= ウィリィ・クンツ(Org)
ミシェル・ブラッソー(指)
ヌーヴォー・モンド・フィルハーモニー
管弦楽団、合唱団
オタワ・クラシック・合唱団
トレンブラン合唱団 |
録音:2009 年9 月18-20 日聖ジャン=バティスト教会、モントオリオール
2005 年にバリトンのマーク・ブーシュがデュボワ家でいくつかの作品を発見しました。その後指揮者のミシェル・ブラッソーと共に彼の故郷フランスへ向かい作品について調べ上げミサ曲2
つを持ち帰りました。2008 年5 月にこれらの作品の北アメリカ初演を行い、ここに録音されました。静謐なデュボワの世界を十分に表現しています。
デュボワはシャンパーニュ地方の小さな村ロスネーに生まれました。パリ音楽院でトマに師事し、恩師の死後1896
年から1905 年までパリ音楽院の院長を務めます。作曲家としては多作であり、宗教曲、オペラ、バレエ、オラトリオ、器楽曲、管弦楽曲、室内楽など多岐にわたっています。また「対位法とフーガ」「和声法、理論と実践」など音楽理論家としても著書を残しています。 |
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テオドール・デュボワ(1837-1924): 室内楽作品集Vol.3
チェロとピアノのためのソナタ ニ長調、
バラード(Vn&P)、夜想曲(Vc&P)、メロディー(Vn&P)、
アンダンテ・アパッショナート(Vc&P)、
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調、
アンダンテ・カンタービレ(Vc&P)、瞑想曲(Vn&P)、
スケルツェット(Vn&P)、カヴァティーナ(Vc&P) |
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)
ブノワ・ロワゼール(Vc)
ステファン・ルムラン(P)】 |
録音:2005 年10 月12-14 日
テオドール・デュボワの研究をしているピアニストのステファン・ルムランと仲間たちによる室内楽作品集第3
集。美しい響きのチェロとピアノ、ヴァイオリンとピアノによる作品を集めたもの。 |
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テオドール・デュボワ(1837-1924): 室内楽作品集Vol.1
ピアノ三重奏曲第1番ハ短調、ピアノ三重奏曲第2番ホ長調、
プロムナード・センチメンタル(Vn,Vc&P)、
カノン(Vn,Vc&P)、カンティレーヌ(Vn,Vc&P) |
オシュラガ三重奏団
【アンヌ・ロベール(Vn)
ブノワ・ロワゼール(Vc)
ステファン・ルムラン(P)】 |
録音:2005 年5 月6-7 日
テオドール・デュボワは19 世紀フランス音楽の伝統を受け継いだ作風で、優雅さと洗練された響き、明快でバランスのとれた構成を基本としています。
ピアニストのステファン・ルムランがこの20
世紀初頭のあまり知られていないこの作曲家に光を当て、録音していくシリーズです。 |
ACD2 2539
\2000
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2台ハープのための作品集
レスピーギ/S. チャロウプカ編:リュートのための古風な舞曲とアリア
ベルナルド・アンドレ:孔雀たちの庭園
ジョン・トーマス:グランド・デュエット
アンドリュー・クリーガン:ゴーウィング・ウェスト
キャロライン・リゾット:ラガ
エリック・クラプトン/ ケヴィン・フォックス編:サイン |
ジェニファー・スウォーツ(Hp)
ロリ・ジェメル(Hp) |
録音:2007 年12 月19-21 日
2 台のハープのための作品集。レスピーギなど古典の作曲家からエリック・クラプトンの曲など19
世紀前半から21 世紀の作品までを取り上げています。
ジェニファー・スウォーツはモントリオール交響楽団の首席ハープ奏者、ロリ・ジェメルもキッチェナー・ウォータールー交響楽団の首席奏者です。実力派2
人は1999 年に共にアンサンブルを組みコンサート活動を行っています。 |
ACD2 2356
\2000
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ルーセル:セレナードOp.30(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ロパルツ:前奏曲、海景画と歌(Fl,Vn,Va,Vc&Hp)
ドビュッシー:ソナタ(Fl,Va&Hp)
ラヴェル:序奏とアレグロ
ケクラン:五重奏曲第2番Op.223(Fl,Vn,Va&Hp) |
ジェニファー・スウォーツ(Hp)
モントリオール・チェンバー・プレイヤーズ |
録音:2004 年9 月13-15 日
モントリオール・チェンバー・プレイヤーズとモントリオール交響楽団の首席ハープ奏者のジェニファー・スウォーツによるフランス・ハープ室内楽作品集。
ラヴェルの若き日の作品「序奏とアレグロ」やドビュッシーの最盛期に書かれた「ソナタ」、ロパルツの美しい作品「前奏曲、海景画と歌」など、透明感あるハープの響きを堪能できる1
枚です。 |
ACD2 2623
\2000
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ブリテン:テノールとハープのための後期作品集
ハルモニア・サクラからの5 つの歌
【聖なる音楽による讃歌/ 主よ、私は罪を犯した/
父なる神への讃歌/ 神への讃歌/
我が眼が溢れてしまえばよい】
民謡編曲集
【とねりこの林/ 彼女は燕のように/
やれやれ嫁はもらったが/
グリーンスリーヴス/ 答えのなんと優しいことか/
美しいマリー伯爵】
ハープのための組曲Op.83、誕生日を祝う歌Op.92、
カンティクル第5 番「聖ナーシサスの死」Op.89 |
ローレンス・ウィルフォード(T)
ジェニファー・シュウォーツ(Hp) |
録音:2009 年11 月21-23 日
ハープ伴奏によるブリテンの後期声楽作品集。ブリテンの生涯のパートナーであったテノール歌手ピーター・ピアーズ。ブリテンの声楽作品には欠かせない存在です。ブリテンが病に倒れた後は、ピアーズの伴奏が出来なくなったためハープ奏者オシアン・エリスとともに演奏活動を行っていました。最晩年の作品カンティクル第5
番「聖ナーシサスの死」は、ピアーズとエリスによって初演。また、ここに収録されているハープのための組曲はエリスのために作曲されています。これらのブリテン後期の作品は晩年の独特の力強さを感じさせます。 |
ACD2 2556
\2000
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ジョン・アダムズ(1947-):中国の門、フリギアの門
フィリップ・グラス(1937-):ピアノ独奏のためのオルフェ組曲 |
デイヴィッド・ジャルベール(P) |
録音:2009 年5 月
アメリカ現代音楽の牽引者ジョン・アダムズとフィリップ・グラスのピアノ・ソロ作品を録音したアルバム。ミニマル・ミュージックの作曲家ジョン・アダムズは、この「中国の門」と「フリギアの門」を作曲した時は太平洋に面した北カリフォルニアに住んでおり、変調する波と水の自然な動きに影響を受けています。ジョン・アダムズはこの作品でポスト・ミニマルの様式へと変化しています。フィリップ・グラスの「オルフェ組曲」はジャン・コクトーの映画「オルフェ」(1950)に影響され作曲された室内オペラ(1991)
に基づいています。 |
ACD2 2509
\2000
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ラッスス(1532-1594):聖ペテロの涙 |
モントリオール古楽スタジオ
クリストファー・ジャクソン(指) |
録音:2010 年5 月聖オーギュスタン教会、ケベック
ラッススは最晩年にイタリアの詩人タンシッロの21
節からなる8 行詩「聖ペテロの涙」に曲をつけ、この7
声の宗教的連作マドリガーレを書き上げました。
多彩な表現でラッススの簡潔さと卓越したバランス感覚が見事この作品に凝縮されています。モントリオール古楽スタジオの知的なアプローチで自然な響きを堪能できる1
枚です。 |
ACD2 2471
\2000
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シャルル・トゥルヌミール(1870-1939):オルガン作品集Vol.2
「テ・デウム」による即興(デュリュフレ編)
ヴァリエ・プルセ、ハーモニウムのための40の小品Op.21
より5つのノエル
神聖な大壁画 No.1 Op.75
大いなるアントワーヌのための自由な形式の前奏曲Op.68
小さな花Op.66
神秘のオルガンOp.55/ III |
ヴァンサン・ブシェール(Org) |
録音:2008 年10 月聖ジャン・バティスト教会、ケベック
カナダのオルガン奏者ヴァンサン・ブシェールによるシャルル・トゥルヌミールのオルガン作品第2
集。トゥルヌミールは神秘主義に傾倒しており、その信条は作品を通して強く表れています。彼の最高傑作「神秘のオルガン」は教会暦に沿って作曲された連作であり、バッハの全オルガン作品の長さに等しい大作です。 |
AUDITE
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AU 92575
(SACD HYBRID)
\2500→¥2290
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情熱と知性のピアニスト、原田英代、シューベルトの音楽世界を緻密に表現
シューベルト:
「さすらい人幻想曲」ハ長調 D760
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960 |
原田英代(P) |
録音:2010 年11 月23-25 日イエス・キリスト教会、ベルリン/69’40
ドイツ、日本を中心に世界で活躍するピアニスト、原田英代。これまでにグリーグの抒情小曲集(AU92555)、チャイコフスキー&ラフマニノフ(AU92569)、シューマンの幻想曲、クライスレリアーナ、アラベスク(AU92577/KKC5104)
をリリース。いずれも高い評価を受け、特にシューマンはレコード芸術特選盤をはじめ国内外のレヴューで大絶賛され、原田の底知れぬ音楽的才能を知らしめました。
今回リリースするのは、シューベルトの2 大作品。原田は2003
年から2010 年にかけてシューベルトの全貌を伝える連続演奏会を行い、歌曲、室内楽を通してシューベルトの音楽に迫ってきました。作品の研究と分析に余念がない原田の成果が結実した内容です。
公演情報
2011 年10 月28 日(金)19:00 開演
ピアノ・リサイタル
浜離宮朝日ホール |
BISCOITO FINO
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ネシュリング&サンパウロ響、新譜は
ヴィルトオーゾ、アルナルド・コーエンをソロにむかえたラフマニノフ
ラフマニノフ:
(1)ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
(2)ピアノ協奏曲第4番 ト短調 作品40 |
アルナルド・コーエン(Pf)
(1)ジョン・ネシュリング(指)
(2)ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指)
サンパウロ交響楽団 |
録音:(1)2008 年4 月、(2)2009 年8 月、ブラジル、サンパウロ、DDD
ブラジルのBiscoito Fino レーベルより、またも注目盤登場!BIS
レーベルでもおなじみのサンパウロ交響楽団の新録音で、ブラジル生まれのピアニスト、アルナルド・コーエンをむかえた、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2
番ハ短調 作品18( 指揮はジョン・ネシュリング)
そして、近年注目度が高まり録音も増えつつある同じくラフマニノフのピアノ協奏曲第4
番ト短調 作品40( 指揮は、サンパウロ響の首席指揮者に就任したヤン・パスカル・トルトゥリエ)です。アルナルド・コーエンは1972
年のブゾーニ国際ピアノ・コンクールの覇者で、ロンドン交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団など世界の主要なオーケストラと共演を重ねてきました。「非凡な才能」〜
BBC Magazine、「最も才能に満ちたピアニスト」〜ユーディ・メニューイン(
ヴァイオリニスト) 、と評され、現在ブラジルを代表するピアニストの一人です。第2
番のコンチェルトでは凛とした第1 楽章、第2
楽章の歌心のある美しいタッチ、そして煌めくような第3
楽章と圧巻の演奏です。なおコーエンはBIS レーベルにリストのピアノ協奏曲集(BISSA
1530)、同じくリストのピアノ作品集(BIS1253)
などをリリースしており、骨太で力強い演奏は非常に高い評価を得ています。 |
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ブラジル指揮界の逸材ファビオ・メケッティによる硬派なチャイコフスキー
チャイコフスキー:
(1)交響曲第5番 ホ短調 作品64
(2)交響幻想曲「テンペスト」 作品18 |
(1)ファビオ・メケッティ(指)
(2)ジョン・ネシュリング(指)
サンパウロ交響楽団 |
録音:2009 年、サンパウロ、DDD
ブラジル生まれのファビオ・メケッティ指揮によるチャイコフスキーの交響曲第5
番とジョン・ネシュリング指揮による交響幻想曲「テンペスト」です。メケッティは1993
年にニュージャージー交響楽団の指揮でカーネギー・ホールのデビューを果たし、その後スポケーン交響楽団(1993-2004)
の音楽監督、桂冠指揮者となり1999 年からはジャクソンビル交響楽団の音楽監督をつとめました。日本では広島交響楽団との共演経験があります。メケッティの硬派な演奏は定評があり、また協奏曲ではヒラリー・ハーン、ギル・シャハム、サラ・チャン、巨匠ムスチスラフ・ロストロポーヴィチ、アリシア・デ・ラローチャなど、充実した共演陣との演奏経験を持ちます。ブラジル発のチャイコフスキーをお楽しみください。
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BLUE SERGE〜EGEA
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創世と終焉〜ミヨー&メシアンの室内楽傑作品
ミヨー:世界の創造(室内楽版)Op.81b
メシアン:世の終わりのための四重奏曲 |
ジャン・ピエール・アルマンゴー(P)
ジャン・クロイツ(Cl)
パウル・クレー弦楽四重奏団
【アレッサンドロ・ファジョーリ(Vn)
ステファノ・アントネッロ(Vn)
アンドレア・アメンドラ(Va)
ルカ・パッカネーラ(Vc)】 |
録音:2008年1月&8月パドヴァ
ジャズ・レーベル「Blue Serge(ブルー・サージ)」からクラシック・タイトルの発売。1996年に結成されたパウル・クレーQによる演奏です。
創世と終焉をテーマにミヨーの「世界の創造」とメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」を収録。ミヨーが訪米中に耳にしたジャズに影響され作曲した「世界の創造」。大胆にジャズの要素を取り入れ書き上げた作品。緻密な洗練されたアンサンブルを聴かせてくれます。また、メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」は、第2次世界大戦の捕虜生活の中で書かれた作品で、そこで出会った3人の音楽家と自身のために作曲したため、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリン、チェロといった一風変わった楽器編成となっています。偶然の編成で生まれた不思議な響きが、メシアンの独自の音楽語法を確立した傑作。 |
BONGIOVANNI
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ジャコミーニとファンティーニ!
ベテランによるプッチーニの最初のオペラ「ヴィッリ」!
プッチーニ:「ヴィッリ」 |
ノルマ・ファンティーニ(S アンナ)
ジュゼッペ・ジャコミーニ(T ロベルト)
ヴィクトル・トレス(Br バリトン)
ムハイ・タン(指)
フランドル歌劇場管弦楽団、合唱団 |
録音:2009 年11 月20 日、ヘント、DDD、64'11
プッチーニが24 − 25 歳の時に作曲した初のオペラ「ヴィッリ」は、初演も成功を収め、若きプッチーニの才能が既に十分高いレベルにあったことを示す作品です。しかし上演は多くなく、CD
も数えるほどしかありません。この新録音は、2009
年にフランドル・オペラが取り上げたもの。驚いたことに、主人公ロベルトはジュゼッペ・ジャコミーニ!録音当時69
歳ですが、まだまだ立派に歌っています。ヒロインのアンナは、ノルマ・ファンティーニ。何度も来日して日本でも人気の高いソプラノです。何と豪華なキャストでしょう!
指揮のムハイ・タンは、1949 年、上海生まれの指揮者。フィンランド国立歌劇場の首席指揮者を経て、現在はベルグラード・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めています。
なかなか新録音が出ない「ヴィッリ」をこれだけ充実した面々で聞けるのは貴重でしょう。 |
CASCAVELLE
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これがパンフルートの真髄!
超人的なテクニックでパンフルートの魅力を世界に知らしめ、2010年に惜しまれつつ亡くなったパンフルート奏者
シミオン・スタンチウ・シリンクス〜パンフルートの芸術〜豪華7
枚組で登場!共演者もすごい! |
CD1 |
ヴィヴァルディ:
2 つのフルート( フルート& パン・フルート)
のための協奏曲 ヘ長調 |
ジャン=ピエール・ランパル(Fl)
ジャン=ピエール・ベランゲン(指)
アンサンブル・オルケストラル・ド・ノルマンディー |
ヴィヴァルディ:
フルート協奏曲 作品10より「海のあらし」ヘ長調RV.433/「夜」ト短調RV.439/
「 ごしきひわ」ニ長調RV.428、
ヴァイオリン(パンフルート版) 協奏曲 イ短調
作品3-6
マルチェッロ:協奏曲イ短調 |
クラウディオ・シモーネ(指)
イ・ソリスティ・ヴェネティ |
アルビノーニ:5 声の協奏曲 ニ短調 作品9-2
チマローザ(シリンクス編曲):フルート協奏曲 |
ジャン=ピエール・ベランゲン(指)
アンサンブル・オルケストラル・ド・ノルマンディー |
CD2 |
チマローザ:二つのフルートのための協奏曲
ト短調 |
ジャン=ピエール・ランパル(Fl)
ジャン=ピエール・ベランゲン(指)
アンサンブル・オルケストラル・ド・ノルマンディー |
ボッケリーニ:フルート協奏曲 ニ長調 作品27 |
エドモン・ド・ストゥ(指)
チューリッヒ室内管弦楽団 |
ジュリアーニ:グランド・ソナタ 作品85 |
アレクサンドル・ラゴヤ( ギター) |
レハール:協奏曲 ハ長調 |
クラウディオ・シモーネ(指)
イ・ソリスティ・ヴェネティ |
CD3 |
J. S. バッハ:管弦楽組曲第2 番 ロ短調 BWV
1067(全曲)
シュターミッツ:フルート協奏曲 ト長調 |
エドモン・ド・ストゥ(指)
チューリッヒ室内管弦楽団 |
J. S. バッハ:管弦楽組曲第2番よりバディネリ |
アルミン・ジョルダン(指)
ローザンヌ室内管弦楽団 |
テレマン:組曲 イ短調 |
クラウディオ・シモーネ(指)
イ・ソリスティ・ヴェネティ |
CD4 |
テレマン:フルート協奏曲 へ短調/フルート協奏曲
ニ長調
ハイドン:フルート協奏曲 ニ長調 |
クラウディオ・シモーネ(指)
イ・ソリスティ・ヴェネティ |
クヴァンツ:フルート協奏曲ト長調 |
アルミン・ジョルダン(指)
ローザンヌ室内管弦楽団 |
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第6 番 ホ長調(
パンフルート&ハープ版) |
マリエル・ノールマン(ハープ) |
CD5 |
モーツァルト:
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299、
アンダンテ K.315 |
ハンス・グラーフ(指)、
ヘルガ・ストーク( ハープ)、
モーツァルテウム管弦楽団 |
モーツァルト:フルート協奏曲第1番 ト長調
K.313 |
アルミン・ジョルダン(指)
ローザンヌ室内管弦楽団 |
CD6 |
モーツァルト:フルート協奏曲第2 番 二長調
K.314/
ロンド ニ長調 |
ヘルガ・ストーク(ハープ)、
モーツァルテウム管弦楽団 |
モーツァルト:魔笛より「パパゲーノ・アリア」/
トルコ行進曲 |
マリエル・ノールマン(ハープ) |
シャイトラー:ソナタ ニ長調 |
アレクサンドル・ラゴヤ( ギター) |
ショパン:ロッシーニの主題による変奏曲 |
ミシェル・デシャルディン(P) |
ブラームス:4つのハンガリー舞曲、
グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲 |
クラウド・シュニッツラー(指)、
モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団 |
CD7 |
シューベルト:セレナード、
ラフマニノフ:ヴォカリース、
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン |
ミシェル・デシャルディン(P) |
フォーレ:シチリアーノ、
ラヴェル:ハバネラ、
イベール:間奏曲 |
アレクサンドル・ラゴヤ( ギター) |
バルトーク:ルーマニア民族舞
ポルムベスク:望郷のバラード
ドィニク:ホラ・スタッカート |
クラウド・シュニッツラー(指)、
モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団 |
シリンクス:クランドゥイユ/
2つのフルートのためのミニチュア
ドビュッシー:シリンクス |
シミオン・スタンチウ・シリンクス(パンフルート) |
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録音:1984 年〜1999年
ルーマニアのブカレスト生まれのパンフルート奏者、シミオン・スタンチウ・シリンクスがスイスCascavelle
レーベルにのこしたクラシック・レパートリーの集大成、豪華7
枚組。シリンクスは幼少の頃よりその才能を開花させ、ルーマニアの民謡はもちろんのこと様々なジャンルに積極的に挑戦してきました。
なかでもクラシック音楽ではバッハから現代、そして自作までと幅広いレパートリーに挑み、パンフルートという民族楽器の可能性をひろげてきました。また、演奏活動も盛んで、ルーマニアはもちろんのこと、ロシア、イギリス、フランス、スイス、アメリカなど、世界各国で活動をし、パンフルートの魅力を世界に知らしめた第一人者として名を馳せました。シリンクスが奏でるパンフルートの独特な音色はクラシックの名曲に新たな可能性を広げ、またシリンクスにとって土着の音楽である、バルトークのルーマニア民族舞曲などでは、彼でしか表現することのできない、間合い、テンポなど、聴き手にとって新発見の連続です。この偉大な奏者が2010
年7 月、長きに渡る闘病生活の末、ジュネーヴにて惜しまれつつ亡くなりましたが、シリンクスの奏でた音楽は今もなお生き続けております。
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COVIELLO
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農奴の身分から脱走し、イタリア名を名乗って成功した古典派期の天才ホルン奏者プントに捧げる
“牢獄と王冠の間”
アモン:ホルン五重奏曲第2番ホ短調作品118
フィオリッロ:同ヘ長調(編曲:ジョヴァンニ・プント)
メッテンライター:同ヘ長調
アモン:同第1番ヘ長調作品110 |
コンパニア・ディ・プント
アニー・ラフラム(トラヴェルソ)
クリスティアン・ビンデ(ナチュラルホルン)
エイドリアン・ブライヤー(ヴァイオリン)
フロリアン・シュルテ(ヴィオラ)
アレクサンダー・シェルフ(チェロ)
ロベルト・フェルナンデス・デ・ラリノア(コントラバス) |
波乱万丈の生涯を送った天才ホルン奏者プントに捧げるナチュラルホルンとオリジナル楽器によるホルン五重奏曲
録音:2010 年、西ドイツ放送(ケルン)制作/ステレオ、79’13”
コンパニア・ディ・プントは、古典派時代に活躍したチェコ出身の天才ホルン奏者ジョヴァンニ・プントの名を戴いたアンサンブル。
ここで登場するプントは本名ヴァーツラフ・スティフ。農奴の身分から脱走、イタリア名を名乗って正体を隠して生きるという生涯を送りました。脱走後のプントは、ホルンのソロ奏者、音楽監督、編曲者、音楽教師として活躍しましたが、このCD
は、弟子であるヨハネス・アモン(1763-1825)とその弟子ヨハン・ミヒャエル・メッテンライター(1791-1859)の作品を中心に構成されています。 ナチュラルホルン、トラヴェルソ、弦楽器という珍しい組み合わせですが、オリジナル楽器でこそ実現可能な絶妙なバランス、重なり合う楽器のうっとりする美しさ、そしてなによりナチュラルホルンの音色が魅力的です。 |
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16世紀ドイツ・アウグスブルクの豪商フッガー家のために書かれた音楽
「富と音楽」〜フッガー家のための音楽
ペトルス・アラミレ:タンデルナック /
ゼンフル:わきだす泉 /
アッペンツェラー:ある朝、私はこれまでになく早く起き
/
ノイジートラー:俗歌 /
ノエル・バウルデウェイン:ああ、主よ、私はいつ嘆くべきか
/
ブリュメル:ラメンタチオ /
ジョスカン・デ・プレ:苦みが私をさいなみ
/
ジャン・リシャフォール:私は恋して /
ブリュメル:タンデルナック /
フォン・ホーフハイマー:私はあなたにより喜ぶ
/
フィンク:しかめっ面のグライナーよ /
不詳:ラ・ソ・ミ・ファ・ミ / 私の恋人の悪口を言う人がいる
/
不詳:ダンス(88,93,94,122,137,153 番)/
ガリアルダとサルタレッロ(76 番)/ パヴァーヌ(132
番)/
ガイヤルド1&2 番(132 番)ほか |
ヨハネス・ヴァイス(テノール)
ビー・ファイヴ リコーダー・コンソート:
マルクス・バルトロメ、
カテレイネ・ラノー、
トーマス・リスト、
シリヤ=マーリア・シュット、
ミーナ・ヴート |
録音:2010 年/ステレオ、59’34”
16 世紀を代表する大富豪で、芸術のパトロンでもあったアウグスブルクのフッガー家は、膨大な楽器と作品のコレクションをこの世に遺しました。特に当時から人気の高かったリコーダー&フルート族の作品と楽器には目を見張るものがあります。チャーミングなダンス音楽から、技巧を凝らしたポリフォニー、メランコリックな歌曲、そしてヴィルトゥオーゾな器楽曲まで16
世紀のあらゆる種類の音楽がそこにはあるのです。
ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソートは2003
年にバルセロナで結成されたアンサンブル。天才リコーダー奏者ペドロ・メメルスドルフの薫陶を受けた国際色豊かなメンバー(ドイツ、ベルギー、オーストリア、フィンランド)たちによる個性的で柔軟性に富んだ演奏で、今や目の離せない存在です。 |
ELOQUENTIA
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画期的!こんな《笛の楽園》が聴きたかった!
元歌とエイクによるディミニューションの感動的な合体!
ヤコブ・ファン・エイク:《笛の楽園》
(1)一番目のカリレーン
(2)クーラント《愛しい泥棒ちゃん、なぜ君はそんなにおとなしいの?》
(3)ブラヴァーデ (4)夜更けに人は何をする? (5)許しておくれ
(6)ああ眠りよ,ああ甘き眠りよ (7)さあ、もう一度来て
(8)二番目のカリレー (9)気狂いシメン (10)美しき娘ダフネ (11)道化師
(12)三番目のカリレーン (13)イギリスのナイチンゲール (14)哀歌 |
ヨハネッテ・ゾマー(歌)
ルイス・ベドゥスキ(リコーダー&指揮)
アンサンブル・アルモニア・エ・インヴェンツィオーネ
エマニュエル・ギグ、アンドレアス・リノス、
パスカル・クレマン、クレア・ゴビヤール
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
マティウ・デュプイ(ヴァージナル)
ジョヴァンニ・ペッシ(ハープ) |
ステレオ、68’44”
ヤコブ・ファン・エイク(1590 ‐ 1657) は盲目の貴族で、科学者であるとともにユトレヒトの聖ヤン教会カリヨン奏者。エイクは教会の中庭でリコーダーの即興演奏しては市民を愉しませていましたが、その演奏を誰かが聴き取り書き起こしたのものが《笛の楽園》です。この曲集は、カルヴァン派の詩篇歌、舞曲、当時の流行歌や卑猥な歌などを主題としたディミニューション(装飾的変奏曲)集で、これまでリコーダー奏者たちは様々なアイデアを凝らして、いまや失われてしまった即興芸術の世界に挑戦してきました。ブラジル生まれでバーゼル・スコラ・カントゥルムで学んだベドゥスキがこのCD
で新たに提示している試みは、変奏の主題となった元歌とエイクのディミニューションを重ねて演奏してみる!という思わず快哉を叫びたくなるアイデア。当時の「コンソート・ソング」の慣習に従い、無伴奏ではなくガンバ・コンソートを伴奏に起用しています。元歌の多くはウィリアム・ロウズ、ダウランド、ロバート・ジョーンズ等イギリスの作曲家たちによる名旋律ですが、オリジナルの英語歌詞ではなくエイクが触発されたオランダ語歌詞版で歌わせるというこだわりよう。オランダ古楽界の名花ヨハネッテ・ゾマーもまさにこの企画にぴったりです。エイクの世界に迫ろうというペドゥスキの情熱、知性、才気が横溢した必聴のアルバムと言えるでしょう。 |
FIRST HAND RECORDS
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元アルディッティ四重奏団の名チェリスト、ロハン・デ・サラムが弾くチェロ作品集
〜ハーモニック・ラビリンス
「音楽の迷宮 / コン・ジョイア・レコーディングス」
・J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第3 番ハ長調BWV.1009
・C.P.E. バッハ:
スペインのフォリアによる12の変奏曲wq.118-9,
H 263
・ロカテッリ:カプリッチョ第23番ニ長調〜
「音楽の迷宮」op.3 [デ・サラムによる無伴奏チェロ用編曲版]
・J.S. バッハ:
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ
第3番ト短調BWV.1029
・ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタOp.25-3(1922)
・デ・シルヴァ:ハープシコードのための4
つの小品
パ・ド・ドゥ(ソナチネより) / 左手のための習作
/
Alankara-Tala / 前奏曲 |
ロハン・デ・サラム
(チェロ;Eric T Benning, Los Angeles,
2005, after the “Christiani”
cello by Antonio Stradivari; on loan
by kind courtesy of Mr Armen Ksajikian)
プリーシ・デ・シルヴァ
(ハープシコード;John Phillips, Berkeley,
2001, after instruments
by Johann Heinrich Grabner,
the Younger, Dresden, circa 1740) |
録音:2010 年5 月17-19 日カリフォルニア州、クレアモント、スクリップス・カレッジ・演奏芸術センター、ギャリソン・シアター(セッション・デジタル) DDD、ステレオ、71'
56"
「かれの世代で、こんなにも天賦の才に恵まれたものはほとんどいない」—パブロ・カザルス
かつてアルディッティ四重奏団のチェリストとして活躍したロハン・デ・サラムが、J.S.
バッハやロカテッリを取り上げた異色のアルバムが登場します。
現代の最高峰アルディッティ四重奏団の第3 代チェリスト(1977
− 2005) として、20 年以上に亘り、同時代音楽シーンの最前線でしのぎを削ってきたデ・サラム。在籍中、創設者のアーヴィン・アルディッティと比肩して、アルディッティ四重奏団の顔と呼ばれたほど。
デ・サラムは、チェロのための主だった現代作品の献呈を数多く受けており、たとえばベリオから「セクエンツァXⅣ」を献呈され、クセナキスも作品を捧げている事実が示すように、その実力に対する信頼感は絶大。
2005 年にアルディッティ四重奏団を勇退し、現在では、ソリストとして世界中の主要なオーケストラと共演を重ねているデ・サラムですが、“原点回帰”とでもいうべきこのアルバムでも、完璧な技巧を披露しています。
格調高いJ.S. バッハも聴かせますが、圧巻はやはり、アルバムのタイトルにもなっているロカテッリ。猛烈な勢いで目まぐるしくパッセージが繰り返され、まさに迷宮をおもわせる内容ですが、デ・サラムは圧倒的なテクニックでねじ伏せます。
なお、デュオを組むデ・シルヴァは、アメリカ合衆国の著名な古楽アンサンブル、コン・ジョイア(Con
Gioia) の音楽監督を務めています。キアラ・バンキーニ、モニカ・ハジェット、ヴィーラント・クイケン、マーティン・パールマンといった国際的に有名なビッグ・ネームとの共演を数多く果たしており、演奏ならびに創作活動でも、これまでに数々の賞を獲得しています。
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GLOR
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カンブルラン最新盤。怒濤の「新世界」登場!
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95「新世界より」
ヤナーチェク:シンフォニエッタ op.60 |
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
バーデン=バーデン&
フライブルクSWR 交響楽団
(南西ドイツ放送交響楽団) |
オーケストラの名仕事人ぶりが随所で光る秀演
録音:2009年8月25-28日、2005 年9月7-9日
注目指揮者、カンブルラン待望の新譜の登場。ドヴォルザークの新世界と、ヤナーチェクのシンフォニエッタといううれしいカップリングです。「新世界」の第1
楽章冒頭は、各声部が鋭く攻め込んで、聴き手を一気に引き込みます。第3
楽章の気持のよい緊迫感を保つ絶妙なテンポ、終楽章の盛り上がりぶりも気持のよいものです。ヤナーチェクのシンフォニエッタの冒頭ファンファーレ部分(村上春樹の「1Q84」ですっかり有名になりました)の管楽器パートの巧さは絶品。第2
楽章の管による伴奏音型も一糸乱れぬリズムはさすがです。えもいわれぬ高貴な表情の旋律があらわれる第3
楽章では、カンブルランの繊細なバランス采配が光ります。終楽章は迫力のフィナーレながら、最後までバランスに一寸の乱れも許さないところが、さすがカンブルランです。
知と情の見事なバランスカンブルラン。9 月にも来日がますます待ち遠しくなる見事な演奏です。
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HAENSSLER
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コンドラシン歿後30 周年記念リリース、マーラーの「悲劇的」1981年ライヴ
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」 |
バーデン=バーデン&
フライブルクSWR 放送交響楽団
(旧南西ドイツ放送交響楽団)
キリル・コンドラシン(指揮) |
アニヴァーサリーに放つとどめの注目盤、
録音:1981 年1 月13 日-15 日バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ(
ライヴ・ステレオ)[SWR 収録]/ADD、ステレオ、68’24”
ロシアを代表する巨匠指揮者コンドラシンが当時の南西ドイツ放送響を指揮してマーラーの第6
交響曲を演奏したアルバムは、コンドラシンが世を去る2
ヶ月ほど前にバーデン=バーデンで行われたライヴの模様を収録したものです。
1981 年3 月7 日、コンドラシンは急遽テンシュテットの代役として、アムステルダムのコンセルトヘボウでハンブルク北ドイツ放送交響楽団を指揮し、マーラーの第1
交響曲を演奏したのを最後に、演奏会終了後に心臓発作を起こして帰らぬ人となってしまうのですが、最後の演奏会のプログラムがほかならぬマーラーであったというのも、この名匠のなんとも象徴的な最期としてあまりに有名です。
いっぽうで、コンドラシンは史上初の交響曲全集を完成させた実績からも、ショスタコーヴィチ指揮者として名高い存在で、長らく封印されていた第4
交響曲の世界初演を果たした同じ1961 年に、第3
交響曲をモスクワ・フィルと取り上げて、ソビエト初のマーラーの交響曲録音を行っています。
ショスタコーヴィチの第4 交響曲といえば、当時ショスタコーヴィチが傾倒していたマーラーの影響が色濃いことで知られる作品で、そのことはマーラーの第7
番や第1 番の引用からもあきらかですが、この作品とゆかりの深いコンドラシンが同時にすぐれたマーラー指揮者であったこととは偶然ではないようにおもわれます。
かつては演奏機会も限られていたマーラーの音楽がポスト・スターリン時代になってようやく一般的になり始めたばかりの旧ソビエトで、マーラー受容をけん引する役割を担った第一人者がコンドラシンであり、メロディヤにおこなった一連の録音を通じても確かめられます。
このなかで、コンドラシンは第6 交響曲を1978
年5 月にレニングラード・フィルとレコーディングしており、もっとも出来ばえがすぐれていたものして、きわめて緊張感に満ちた迫真の内容を聴かせていました。
このたびの南西ドイツ放送響盤は、前回との比較では、全曲で2
分半ほど演奏時間が拡大した結果、細部のより克明な表現が印象的な仕上がりとなっており、繊細なアンダンテのあとにくる終楽章の暴れっぷりもすさまじいものがあります。また、SWR
の正規アーカイヴより復刻されているため、鮮明な音質が確保されているのもうれしいところです。なお、コンドラシンはここでも前回同様、中間2
楽章について、第2 楽章スケルツォ、第3 楽章アンダンテの配置を採用しています。
=トラック・タイム=
・南西ドイツ放送響 / 1981 年 I . 17:02+II
. 12:09+III . 13:26+IV . 25:25 = TT. 68:24
・レニングラード・フィル / 1978 年 I .
16:28+II . 11:47+III . 12:40+IV . 24:50
= TT. 65:45 |
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「J.S.バッハ:教会&世俗カンタータ全集BOX」
〜ベーレンライター新バッハ全集版による
Vol.1〜60 教会カンタータ集(60CD)
Vol.61~68 世俗カンタータ集(8CD)
Vol.69 祝賀用カンタータ集(CD1)
BWV 30a, 36c, 36b
Vol.69 祝賀用カンタータ集(CD2)
BWV 134a, 173a
Vol.70 フラグメント集
BWV 34a, 69a, 120a, 197a |
【演奏家陣容( おもなもの)】
=ソプラノ=
アーリーン・オジェー、ナンシー・バーンズ、
インガ・ニールセン、
マリア・フリーゼンハウゼン、
ヘレン・ドナート、インゲボルク・ライヒェルト、
イーディス・ヴィーンズ、ウルリケ・ゾンターク、
コンスタンツァ・クッカロ
=アルト=
ユリア・ハマリ、ヘレン・ワッツ、
ヴェレナ・ゴール、
ガブリエーレ・シュレッケンバッハ、
ヒルデガルト・ラウリヒ、
キャロライン・ワトキンソン、
ガブリエーレ・シュナウト、
マルガ・ヘフゲン、エリーザベト・グラフ
=テノール=
アルド・バルディン、アーダルベルト・クラウス、
テオ・アルトマイヤー、クルト・エクヴィルツ、
ペーター・シュライアー、
ルッツ=ミヒャエル・ハーダー
=バス=
フィリップ・フッテンロッハー、
ヴァルター・ヘルトヴァイン、
ジークムント・ニムスゲルン、
ハンス=フリードリヒ・クンツ、
ヴォルフガング・シェーネ、
ニクラウス・テューラー、ヨン・ブレッヒェラー、
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
ヘルムート・リリング(指揮)
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊
シュトゥットガルト記念教会フィグラータ合唱団ほか |
J.S. バッハの世界的大権威リリングによる普遍的アプローチ、極上のソリスト陣を得て、不滅の内容J.S.
バッハ:教会&世俗カンタータ全集BOX
ステレオ
国際的バッハ研究家として著名なヘルムート・リリング自ら校訂に参加したベーレンライター新バッハ・エディションに基づく「バッハ大全集」は、ひたむきで誠実なアプローチと普遍的な演奏内容により、バッハ演奏の王道として高い評価を獲得してきました。
このたび、その中核をなす「教会ならびに世俗カンタータ」をまとめたボックス・セットが、お求めやすい特別価格で分売リリースされます。
今日、「音楽の父」として、燦然と輝きを放ち続けるJ.S.
バッハですが、器楽作品の録音とは事情が異なり、現存する200
を超えるカンタータすべてを網羅したお手頃なセットとなると、選択肢が極端に限られてしまうので、このセットは広く重宝されるものとおもわれます。
ボックスの構成は、セットの71 枚のCD のほかに、ブックレット2
冊とCD ROM 1枚が付属します。
別冊ブックレットの内容は、通常の「トラックリスト」と、CD
ナンバーおよび作品番号のいずれもから検索可能な「作品番号インデックス」という2
段構えで、お目当ての作品に手軽に辿り着けるという仕組み。
また、CD − ROM には、カンタータの歌詞( ドイツ語・ 英語・フランス語・スペイン語)
とライナーノート( 英語・フランス語・ドイツ語)
のオリジナルPDF ファイル・データが収められています。
なお、ボックスの寸法は幅135 ミリ×高さ130
ミリ×奥行き157 ミリ、となっています。
完全限定盤につきお早めにお求めください。 |
HAENSSLER
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好評の第1集(98.588) に続く第2集完結篇
リスト:ヴァイオリンとピアノのための作品集Vol.2
(1)ハンガリー狂詩曲第12 番S379a
(2)尼僧院の僧房 S382bis
(3)2つのワルツ S126b
(4)ショパンのマズルカによる二重奏曲 S127
(5)夜 S377a
(6)ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ
S345/3a |
フリーデマン・アイヒホルン(Vn)
ロルフ=ディーター・アレンス(Pf)
ウヴェ・シュティッカート(Ten) |
これは新しいヴァイオリン音楽の発見だ。
録音:2011 年3 月15-18 日 ワイマール、フェストザール・フェルステンハウス(セッション)/DDD、54’
20”
どうしてもピアノ曲とオーケストラ曲で知られるリストですが、ヴァイオリンとピアノのための曲をCD2枚分も残していました。当アルバムに収められたのは、いずれも珍しいものばかりで貴重です。興味深いのはショパンの「マズルカ
嬰ハ短調Op.6 の2」に基づく二重奏曲。ショパンのマズルカ以外のポーランドの旋律も現れ、ちょっとヴィエニャフスキを想わせます。ハンガリー狂詩曲第12
番のヴァイオリン版も、リストならではの凝った工夫が見られて興味津々。新しいヴァイオリンのレパートリーの発見があると申せましょう。ドイツの実力派アイヒホルンも冴えています。
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HAENSSLER
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巨匠オピッツによるシューベルト:ピアノ作品第6
集
シューベルト:ピアノ作品集Vol.6
ピアノ・ソナタ ハ長調 D840「レリーク」,
アレグレット ハ短調 D915,4つの即興曲
D899 作品90,
12のドイツ舞曲(レントラー集) D790 作品171 |
ゲルハルト・オピッツ(P) |
巨匠オピッツによるシューベルト:ピアノ作品第6
集
録音:2007 年11 月11-16 日ノイマルクト/78’41
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音の次に取り組んでいるシューベルト、ピアノ作品集第6
弾。
ピアノ・ソナタD840「レリーク」は未完のソナタでシューベルト自身の作曲は第1、2
楽章まで。未完の第3、4 楽章を含めて出版された際に「レリーク(聖遺物)」という標題が付けられました。自筆譜はシューベルトの兄によりシューマンに献呈され、シューマンは「新音楽時報」でも取り上げています。
物悲しいメロディーを持つ美しい小品アレグレットD915。多彩な楽想からなる4
つの作品からなる即興曲D899。D935 の即興曲と同じく死の前年に作曲されています。オピッツの包容力ある音楽性が自由な個性を引き立たせています。12
のドイツ舞曲D790 はシューベルティアーデで演奏されていた舞曲のピアノ用作品。色鮮やかな各曲がきらびやかに奏されます。
公演情報
2011 年12 月13 日(火)19:00 開演
2011 年12 月21 日(水)19:00 開演
シューベルト連続演奏会
東京オペラシティ・コンサートホール |
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知性派リシェのピアノ、エマニュエル・バッハの新シリーズがスタート、いきなり名曲Wq.31を収録!
C. P. E. バッハ:ピアノ協奏曲集
ニ短調Wq.23 (1748)
ハ長調Wq.112-1〜ピアノ独奏のための (1765)
ハ短調Wq.31 (1753) |
ミヒャエル・リシェ(P)
ライプツィヒ室内管弦楽団
モッテン・シュルト=イェンセン(指揮) |
録音:2010 年6 月16 日(Wq. 112-1), 2010 年10
月21 日(Wq. 23), 2010 年10 月22 日(Wq. 31)MDR
ライプツィヒ/DDD、ステレオ、61’49”
MDR との共同制作で、haenssler よりあらたにC.
P. E. バッハのプロジェクトが始動します。
当時絶大な人気を誇り、同時代のハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンらがみな高く評価していたC.
P. E. バッハはたいへんな多作家でしたが、クラヴィーア作品は長いキャリアのなかで常に中心であり続けたジャンルであり、少なくとも53
にもおよぶ鍵盤楽器のためのオリジナルの協奏曲を作曲しています。
記念すべき第1 弾リリースには、そのクラヴィーア協奏曲2
曲と、「コンチェルト」と題されたクラヴィーア独奏曲を収めています。
C. P. E. バッハの鍵盤作品は現代の演奏家たちを強く魅了してやまないようで、これまでにもシュタイアー、シュパーニらが意欲的なアルバムを発表しているように、新録音も増える傾向にあります。
過去にシュルホフやアンタイルの忘れられた作品に光を当て、また、さまざまなカデンツァを詰め込んだモーツァルトの「ピアノ協奏曲第20
番」のアルバムなどで注目を集めてきたリシェは、バッハに対しても同様の情熱と意気込みで取り組みをみせていますが、ここで使用楽器にチェンバロではなく、ピアノというのも注目されるところです。
なお、カデンツァについて、独奏ピアノのためのハ長調作品では第1、第2
楽章ともリシェの作、ハ短調作品の第2 楽章では作曲者自身によるものが採用されています。
ミヒャエル・リシェ…ドイツのレファークーゼン生まれのピアニスト。デュッセルドルフで、ミルコ・ケレメンに作曲を、マックス・マルティン・シュタインにピアノを師事したのち、ウィーンでルドルフ・ブッフビンダーに師事。また、ルドルフ・ゼルキンとピエール・ブーレーズから決定的な刺激を受ける。
1970 年より演奏活動を開始。これまで共演した指揮者には、シルヴァン・カンブルラン、ユーリ・シモノフらがおり、ケルンWDR
交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、BBC交響楽団といったオーケストラと共演、ヨーロッパ、イスラエル、アメリカ、中国ツアーに帯同している。
2007 年にデッサウで開催されたクルト・ヴァイル国際音楽祭のレジデンス・アーティストとなる。2001
年3 月ロンドンでシュルホフとアンタイルのピアノ協奏曲を初演。近現代作品の分野で活躍するのと並行して、バッハ、ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェルの作品で高い評価を獲得する。
現在、ケルン音楽大学ピアノ科で教鞭を取る。 |
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日本へのエール
あのオピッツが邦人ピアノ作品に挑戦。幻の傑作・諸井三郎の「ピアノソナタ第2番(大ソナタ)」を世界初録音!!
日本のピアノ曲
諸井三郎:ピアノソナタ第2番(1940)
武満徹:雨の樹素描
池辺晋一郎:大地は蒼い一個のオレンジのような
藤家溪子:水辺の組曲(全12 曲) |
ゲルハルト・オピッツ(Pf) |
「諸井のソナタは日本の全てのピアニストが弾くべき、重要な作品だと私は思います。それは引き出しの中に放置されたまま、忘れられるべき作品ではありません」(ゲルハルト・オピッツ)
[ 録音:2011 年3 月/ノイマルクト]/DDD、78’51”、日本語解説書&帯付
驚くべき企画が実現しました。ドイツ・ピアニズムの継承者として、ベートーヴェンやシューベルトの演奏で高い評価を得ている大物ピアニスト、ゲルハルト・オピッツが日本のピアノ曲に挑戦しました。昨今、さまざまな演奏家が邦人録音に取り組んでいますが、オピッツのような王道系が録音するとは思いもよりませんでした。
もともとオピッツは日本の文化にたいへん興味を持ち、年の4分の1は鎌倉に住むという親日家。日本のピアノ作品に興味を持ち、アルバムを作りたいという希望はずっと持っていました。それをドイツ・ヘンスラー社が受け入れ、弊社(キングインターナショナル)に協力を求めてきました。
キングインターナショナルは、かねてオピッツで録音したいと夢みていた諸井三郎の「ピアノソナタ第2番」(通称「大ソナタ」)の楽譜を見せたところ、本人の弁によれば「ひと目で気に入り」、「こんな素晴らしい曲を日本人が顧みないのなら、私が弾いて広めるのが役目と思う」と収録を快諾しました。それどころか、以後オピッツは諸井三郎の大ファンとなり、出来る限りCD
を集め、「諸井さんと知り合いになれなかったことを本当に残念に思う」と本CDライナーノーツ(オピッツ本人執筆)にも記しています。
諸井三郎の「ピアノソナタ第2番」は1940(昭和15)年に作曲され、井口基成により初演されました。同時期の「交響曲第3番」と姉妹作というべき内容で、演奏時間30
分の大作。作曲技法は精緻を極め、演奏には非常に高度な技巧と堅固な、構成力が要求される難曲。ゆえに、「日本ピアノ音楽史の最高傑作」と称されながらも、初演以来ほとんど公開演奏されることもなく、LP・CD
のない幻の作品となっていました。
オピッツの演奏は期待以上の素晴らしさ。重厚かつ堂々とし、交響曲に匹敵する巨大な音楽に仕上げています。ことに繊細な哀歌を漂わせる第3楽章の観照的、瞑想的な深みは涙なしには聴けません。
武満、池辺、藤家作品はオピッツが希望した演目で、これも誰にも真似できぬ巨匠芸で再現。いずれも水に関係していて、オピッツの日本感を象徴しているとのこと。
録音は東日本大震災直後にドイツで行われました。ひとりの日本人スタッフもなしに、ドイツ人だけで完成させました。オピッツとヘンスラー制作陣の、日本へのエールで、心から感動させてくれます。オピッツ自身の作品観と、作曲者自身による楽曲解説の日本語解説書&帯付です。 |
HAENSSLER
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フォーレ:
レクィエムOp.48
岡村 知由紀(S)、
デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Br)
パリ室内管弦楽団
ラシーヌの雅歌Op.11 (Org伴奏版)
汝はペテロなり
トマーシュ・セルク(Br)
タントゥム・エルゴOp.65-2 |
ポール・ナンスキーヴィル(Org)
リューベック・シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭合唱団
ロルフ・ベック(指揮) |
ゲネンヴァイン、リリングに師事した合唱音楽界の巨匠ロルフ・ベックが指揮した評判の公演がCD
化フォーレのレクィエム
録音: 2010 年7 月15 & 16 日レンツブルク、キリスト教会(
ライヴ・デジタル) [ レクィエム],2010 年8
月17 日メルドルフ大聖堂( ライヴ・デジタル)[Op.11、ペテロ、Op.65-2]DD、ステレオ、45’27”
ギュンター・ヴァント時代、ハンブルクNDR 響のインテンダントとして巨匠の信頼も厚かったロルフ・ベックは、1945
年生まれのドイツを代表する合唱指揮者。ベックが手兵シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭合唱団を指揮して、フォーレの「レクィエム」ほかを演奏したアルバムは、2010
年のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でおおいに話題になった公演の模様をライヴ収録したものです。
ヴィルヘルム・エーマンとヴォルフガング・ゲネンヴァインに師事し、フランクフルト・アン・マインの音楽大学ではヘルムート・リリングのクラスで指揮を学び、合唱指揮の最終課程を修めたのち、ベックはバンベルク交響合唱団の指揮者を20
年以上に亘り務め、現在、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭アカデミー合唱団の創設者で芸術監督のポストにあり、バンベルク響、シンフォニア・ヴァルソヴィアにもデビューを果たし、近年オーケストラ指揮者としての活躍にも目覚ましいものがあります。
大阪フィル、オーケストラ・アンサンブル金沢への客演など来日経験も豊富で、レパートリーもたいへん幅広く、ヘンデルの主要なオラトリオやメンデルスゾーンからシュニトケまで多岐にわたります。
崇高にして甘美なムードに満ちた傑作「レクィエム」をはじめ、ここでも比較的若いメンバーの覇気をうまく引き出して、やわらかく美しいハーモニーを作り上げるあたりにみごとな手腕を確かめられます。 |
HMF
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アメリカ音楽の根っこの部分を今一度味わって頂くための1
。
アフリカ=アメリカ霊歌集
1. Motherless Child(C.H.ジョンソン編)
2. 天国と呼ばれた町(レオナール・ドゥ・ポール編)
3. すぐに、ああ、なされるだろう/
私は安らかに死にたい(C.H.ジョンソン編)
4. すぐに、ああ、なされるだろう(ウィリアム.L.ドーソン編)
5. 厳しい試練(C.H.ジョンソン編)
6. ホールド・オン(モーゼス・ホーガン編)
7. Been in de Storm/ Wayfaring Strange(r
C.H.ジョンソン編)
8. Oh Graveyard (Lay This Body Down()
D.ラング編)
9. いい知らせじゃないか!(ウィリアム.L.ドーソン編)
10. スティール・アウェイ(ティペット編)
11. 共に歩こう、子らよ(モーゼス・ホーガン編)
12. ダット・ロックに家を買った(モーゼス・ホーガン編)
13. 谷間の百合(ウェンデル・ハルム編)
14. プレンティ・グッド・ルーム(On the
Glory Train)
カービー・ショウ作
15. 私の神はかたき岩(アリス・パーカー&ロバート・ショウ編)
16. フリーダム・ソング(ロバート・キール作)
17. スウィング・ロウ、スウィート・チャリオット
(タリック・オレガン編) |
クレイグ・ヘッラ・ジョンソン(指揮)
コンスピラーレ&
カンパニー・オブ・ヴォイセズ(合唱) |
アメリカ音楽のルーツ、アフリカ=アメリカ霊歌集
録音:2010 年10 月
19 世紀の終わり、アメリカに滞在したドヴォルザークは、「黒人のメロディーと呼ばれるものの上にこの国(アメリカ)の音楽が成り立っている。アメリカの黒人のメロディーに、私は、必要なものすべてを見つけることができる」と語りました。ブルース、ソウル、ラップ、ゴスペル、ブロードウェイミュージカル、ジャズ、ロック、R&B…さらに現代アメリカのオペラや交響曲のいくつかは、ここに収められている音楽の流れをくんでいます。アメリカ音楽の根っこの部分を今一度味わって頂くための1
枚です。
「霊歌(スピリチュアル)は1700 年頃からアメリカに移住を余儀なくされたアフリカ人奴隷(1862
年の奴隷解放宣言まで制度は続いた)によって作られ、歌われていた民謡である。国立図書館には7000
を超える霊歌の録音(断片含む)が残されている。1867
年に出版された「アメリカ合衆国の奴隷の歌」はこうした歌の貴重な記録であり、これにより南部のみならずアメリカ全土でこれらの歌が知られることとなった。
1868 年に設立されたFisk School は、新たに解放された奴隷たちの教育の場であった。学校設立資金を集めるために、Fisk
Jubilee Singers はこれらの歌をコンサートで披露していった。最初はシンプルな和声の伴奏で歌っていたが、次第に手の込んだアレンジで歌うようになる。これが霊歌のコンサート用アレンジの始まりである。今回の録音にあたり、あまり知られていない作品には、現代作曲家にアレンジを依頼した。さらに、デイヴィッド・ラング、タリック・オレガン、ロバート・キールらによる、アフリカの伝統音楽に基づいたオリジナル作品も収録している。さらに私(クレイグ・ヘッラ・ジョンソン)の作品も収録した。今日の合唱のコンサートでは、こうした霊歌はコンサートの最後におかれ、非常に盛り上がって終わる、というのが一般的な流儀だが、私はここで、それぞれの作品を掘り下げて、音楽自体が体現しているものが何なのかを皆様に提示したかった。今日にも当てはまる力強いメッセージをもち、人類の普遍的なハートを感じさせてくれるこれらの作品の魅力を味わって頂ければ幸いである。」(指揮者クレイグ・ヘッラ・ジョンソンの言葉抄訳)
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デリケートの極み。涙なしには聴けないペリアネスの絶品ファリャ
ファリャ:
(1)交響的印象「スペインの庭の夜」
(2)4つのスペイン小品
(3)ベティカ幻想曲
(4)ドビュッシーの墓に捧げる賛歌
(5)デュカスの墓に捧げる賛歌
(6)歌(1900)
(7)夜想曲(1896)
(8)マズルカ(1899)
(9)アンダルシアのセレナータ(1900) |
ハヴィエル・ペリアネス(Pf)
ジュゼップ・ポンス(指)
BBC 交響楽団 |
DDD、79’37”
1978 年スペイン出身のハヴィエル・ペリアネス、独特の繊細なピアニズムで世界の注目を集める俊英。彼が母国の大作曲家ファリャのピアノ曲に挑戦しました。ファリャの音世界は先輩のアルベニスやグラナドスと比べ、より儚げで翳がありペリアネスにぴったり。かねてグラナダ国際音楽舞踊祭のライヴCD
でペリアネスの奏するファリャの「歌」が絶品であるとの声が高かったもので、今回ついに主なピアノ曲を集めた魅惑のアルバムの登場となりました。
メインは協奏作品である「スペインの庭の夜」。今回の録音のために、ペリアネスと指揮者のポンスはグラナダのファリャ・アーカイヴで自筆譜を詳細に検討、出版譜との違いを多数発見して演奏に反映させているのが興味津々。至難な技巧の要求されるこの大作を、驚くほどデリケートかつ雄弁に弾き切っています。濃厚なスペイン色も最高。
ファリャのピアノ音楽は技巧的に複雑なものが多いわりに、音楽はデリケートの極みで微妙なニュアンスを最重要視しています。ペリアネスの演奏は、「歌」や「夜想曲」が予想通りの絶品なうえ、「4つのスペイン小品」はファリャ自身のピアノロール録音を超える名演と申せましょう。ペリアネスを聴いてしまうと、他のどの演奏も無神経に聴こえてしまうほど、究極のピュアな感性が光ります。超オススメ。 |
HMF
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パドモア&ポール・ルイスによる孤高のシューベルト、
シューベルト:
白鳥の歌 D 957
流れの上で D 943*
星 D 939 |
マーク・パドモア(テノール)
ポール・ルイス(ピアノ)
* リチャード・ワトキンス
(フレンチ・ホルン/
カール・ゴットフリート・フォン・ライトナー) |
パドモアの徹底した語り部ぶりポール・ルイスの文句なしの伴奏「流れの上で」のゲスト・ホルン奏者はリチャード・ワトキンス!
録音:2010 年10 月
ちょっと甘い歌声、言葉の美しい粒立ち、安定した歌唱で、宗教曲にリートに大活躍のパドモア最新盤は、日本でも注目度急上昇中のポール・ルイスとの共演によるシューベルト。徹底して「語り部」として詩人のメッセージを音楽にのせて聴き手に語りかけるパドモアの技にはますます磨きがかかっています。「私」をとことん滅し、時に極めて冷淡で、時にはっとするほど優しく、歌っているのですが「語って」いるというほうがしっくりくるような演奏ぶりは見事です。詩人が語り描く世界に自分が迷い込んだような気分になります。有名な「セレナード」での、えもいわれぬ気品ある優しさは必聴。ポール・ルイスのピアノがまた文句なく素晴しく、パドモアの無駄なものが一つもない歌にぴたりと寄り添い、詩人の描く世界を見事に描写しています。「流れの上で」はホルンとのトリオ。ベートーヴェンの死の翌年に書かれたもので、ベートーヴェンの「英雄」の葬送行進曲の優しいエコーとなっています。ゲスト奏者としてホルンを吹いているのは、1985
年から1996 年までフィルハーモニア管で首席奏者を務めた名手リチャード・ワトキンス。滋味あふれる音色による名演は、ホルン・ファンならずとも是非聴きたいところです。 |
HMF
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カザルス弦楽四重奏団による最新盤はボッケリーニ!有名なメヌエットのえもいわれぬ愉悦の響き
アルテミス弦楽四重奏団の創設者でありチェロ奏者、ゲスト奏者のルンゲも参加
ルイジ・ボッケリーニ(1743-1805):作品集
(1)弦楽五重奏曲 ハ長調 G.324, op.30-6「マドリッドの夜の音楽」
(2)弦楽五重奏曲第6番 ホ長調 G.275, op.11-5
(3)弦楽四重奏曲 ト短調 G.205, op.32-5
(4)ギター五重奏曲第6番 ニ長調 G.448 |
カザルス弦楽四重奏団
〔アベル・トマス・レアルプ(Vn)、
ヴェラ・マルティナス・メーナー(Vla)、
ジョナサン・ブラウン(Vc)、
アルノー・トーマス・レアルプ(Vc/(1)1st
、(2)2nd)〕
エッカルト・ルンゲ(Vc /(1)2nd 、(2)1st)
カールス・トレパット(ギター)
ダニエル・トゥンマー(カスタネット) |
録音:2010 年4 月
ボッケリーニといえば、あのメヌエット(弦楽五重奏曲第6
番の第3 楽章) がなんといっても有名ですが、このディスクに収録されている他の楽曲を聴けば、彼がいかに天才のきらめきに満ちた音楽を遺したか、ということをあらためて実感できるでしょう。ギター五重奏終楽章ファンダンゴでのカスタネットの巧みな使用、弦楽四重奏曲のエレガントなウィーン様式など、多様なスタイルには圧倒されます。また、弦楽五重奏曲
ハ長調 G.324, op.30-6「マドリッドの夜の音楽」は、描写音楽。町の教会がアヴェ・マリアを奏でる情景から始まり、盲人の乞食のメヌエット(この描写場面では、チェロ奏者は楽器をギターのようにかまえ、指で弦をかきならすことが要求されます)、さらには真摯な祈りなど、人々が行き交う通りで繰り広げられる様々なドラマが巧みに描かれており、ボッケリーニの腕が冴えます。
1997 年にマドリッドで結成されたカザルス弦楽四重奏団のメンバーによる、スペインの血の通ったエネルギー溢れる演奏は見事。アルテミス弦楽四重奏団の創設者でありチェロ奏者、ゲスト奏者のルンゲが参加しての、弦楽五重奏は感動的です。ギターのカールス・トレパットは、世界的なコンクールで優勝した実力者で、フラメンコ・アーティストとの共演も多く、また、マリナーらクラシックの大御所との共演経験もるなど、幅広く世界的に活躍しています。ボッケリーニの作品の魅力、独特のスペインの薫りが実に生き生きと引き出された秀逸の1
枚。
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アメリカのメゾ・ソプラノ、ロレイン・ハント・リーバーソン追悼盤
[CD1]
ヘンデル:
『アリオダンテ』より
「ここでは愛を」「一途な思いの翼を」「私はまだ生きている?」
「不実な娘が」「夜のあとに」
『テオドーラ』より
「天使よ」「おお輝かしき太陽」「暗闇をもって」
「おお!私はあの翼にのって」「汝、すばらしき息子よ」
『メサイア』より
「シオンの娘よ、大いに喜べ」
「だが、その来る日には、だれが耐え得よう」「彼は侮られて…」
「わ たしは知る、わたしをあがなう者は生きておられる」
パーセル:
『ディドーとエネアス』より「私が地中に眠る時」
[CD2]
ヘンデル:
カンタータHWV96 より
『スザンナ』よりアリア
ドゥラスタンティのためのアリア(『ラダミスト』『オットーネ』
『ジューリオ・チェーザレ』『アリアンナ』よりのアリア)
J.S. バッハ:
アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳より
アリア「御身が共にいるならば」BWV
508 |
ロレイン・ハント・リーバーソン
(ソプラノ、メゾ・ソプラノ)
ニコラス・マギーガン(指揮)
[CD1]
フライブルク・バロック・オーケストラ
(アリオダンテ)
フィルハーモニア・バロック・オーケストラ
(『テオドーラ』『メサイア』、パーセル)
[CD2]
フィルハーモニア・バロック・オーケストラ |
録音:1989-1993 年
アメリカが生んだ名メゾ・ソプラノ、ロレイン・ハント・リーバーソン(1954-2006)。惜しまれつつ2006
年に亡くなりました。彼女の死後、コンサートのライヴ録音などが追悼盤として世界中でリリースされ、彼女の人気は亡くなった後も衰えを知りません。彼女の歌声は、ニューヨークの広大なメトロポリタン歌劇場でも何度か響き渡りましたが、彼女の主な活躍の場はフランスのバロック巨匠との共演でした。得意としたヘンデルのオペラを中心に、彼女の声を堪能できる2
枚セットとなっています。 |
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チェロの新女王の風格、エマニュエル・ベルトラン最新盤
Le violoncelle parle〜チェロは語る
ブリテン(1913-1976):無伴奏チェロ組曲第3番op.87(1971)
カサド(1897-1966):無伴奏チェロ組曲
パスカル・アモワイヤル(b.1971):Itinerance
コダーイ(1882-1967):無伴奏チェロ・ソナタ
op.8 |
エマニュエル・ベルトラン(チェロ) |
録音:2010 年6 月
1996 年、東京の日本室内楽コンクールで優勝、2001
年にはヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク・クラシックのソリスト部門で1
位を獲得し、一挙にヨーロッパでも認められる存在となった女性チェリスト、エマニュエル・ベルトラン。彼女の演奏の魅力はしなやかな音色と余裕あるテクニック。ブリテン、カサド、コダーイというチェロの近代作品の金字塔の作品と、自身の演奏上のパートナーであり夫でもある、パスカル・アモワイヤルのスケールの大きな自然を思わせる無伴奏作品を並べた意欲的なプログラムです。世界の伝統的な民謡のエッセンスや、先人達の作品の一部など、様々な要素を含む彼らの作品を、ベルトランが巧みな語り口と音色で提示してくれます。ブリテンの組曲では、ベルトランの演奏はしなやかさに満ち、急速な上下行でも常に余裕を感じさせ、朗々と語る高僧のような風格すら漂います。
ベルトランの言葉(ライナーノーツより抄訳)
「チェロは語る」?楽器が「語る」、というこのタイトルは突飛なようにみえるだろう、しかし、このタイトルには純粋で単純な隠喩以上のものを見てとる向きもあることと思う。たしかに、チェロの音色は、音域が重なる部分が多いという理由で、人の声と比較されることが多い。このような定着したイメージをはずして、楽器そのものをまぎれもない「subject
=主体」とすることはできないのだろうか?このプログラムには、そうした意図がある。楽器というものは仲介者であり、何か異なるものと対面させてくれ、さらに多様な文化を提示して、聴き手や弾き手に異文化を体験させてくれる。ここでは、チェロは、自身の歴史を語っている。
エマニュエル・ベルトラン、仏HMから旧譜 |
HMC 901986
¥2600→¥2390 |
グリーグ:
チェロ・ソナタ イ短調op.36/
叙情小品集より
op.12-1, op.43-5, op.54-3, op.68-3, op.43-4,
op.62-5,
op.57-4, op.54-2, op.57-6, op.57-1, op.71-7/
アレグレット ホ長調/インテルメッツォ イ短調 |
エマニュエル・ベルトラン(チェロ)
パスカル・アモワイヤル(ピアノ) |
たまらなく濃密なグリーグ作品集の登場。2001年にコンクールで優勝して以来、徐々に人気上昇中のチェリスト、ベルトラン。デュティユーにも一目おかれた彼女は、ベリオの作品の世界初演を手がけたこともある実力者です。彼女をささえるアモワイヤルもフランスの実力派ピアニスト。ソナタで見せる二人の熱い掛け合い、二人で奏でるクライマックスは、思わずクラクラしてしまうような歌に満ちています。録音:2007年7月
仏HMの「新世代の演奏家シリーズ」で登場した若手は、全部が全部とはいわないが後に大スターとなっている人が多い。フランク・ブラレイ、イザベル・ファウスト、セドリック・ティベルギアン、ジャン=ギアン・ケラス、ポール・ルイス、ニコラ・アンゲリッシュ・・・。そしてチェロなら、このエマニュエル・ベルトラン。
もともとルックスのよい人を選んでいるんじゃないか、というHMNシリーズの人選だが、ベルトランも確かに美人。しかし華やかで誰もが振り向く美貌ではなく、どちらかというと慎ましやかで素朴な美しさ。秀逸な演奏を邪魔しない程度に、というと語弊があるか。図書館のいつも決まった隅の場所で勉強しているあの子、という雰囲気である。いつか話しかけようと思っているのだが、なかなかその機会がない、というような。
さて、その可憐で控えめな美女ベルトランの新作。グリーグ。
この人、選曲も地味で、リヒャルトとかリストとかアルカンとか、現代音楽のグレフとか、ちょっと普通じゃないレパートリーばかりもってくる。しかも小品を散りばめたりして、本人の意思なのか、とても自由きままにアルバム作りを楽しんでいる。きわめてマイペース。そしてそのマイペースさがアルバム全体に文学的といってもいいような独特の香りをもたらす。
さきほど「図書館の片隅にいる」と言ったが、彼女のアルバムもまた、図書館のどこかからつい引っぱり出してきてしまったというような、そんな雰囲気がある。
今回のグリーグは今までのアルバムの中ではポピュラーなつくりのほうだが、いままで以上にその彼女らしい「文学少女」っぽい作りになっている。・・・そして聴き進むにつれ、次第に彼女の正体の一端が垣間見えてくる。
中心はチェロ・ソナタなのだが、それを取り囲むように自由に配列される叙情小品集は、さながらチェロ・ソナタとうまく組み合わされた魔方陣のよう。・・・そう、音楽自体がまるで魔法の呪文のように流れてくるのである。
ベルトラン、単純素朴な文学少女と思いきや、聴くものを魔法に取り込む術を心得ているのだ。
図書館を出て行く彼女をそっとついていくといい。
おそらく行き着くのは、無人と聞かされていた街のはずれの魔法屋敷かもしれない。 |
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HMF
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シャロンのばら〜アメリカ音楽の100 年
Lay me low 〜シェイカーの聖歌
【自由を求めての戦い】〜
ベンジャミン・フランクリン・ホワイト(1800-1879):
朝のトランペット/
ヘンリー・カーリー(1687-1743):
He comes, the hero comes! /
フィリップ・ファイル(1734-1793):
The President's March /
The Death of General Wolfe(アメリカの歌)/
ジェファーソンと自由(The Gobby O) 〜(アイルランドの歌)
【アメリカ合唱音楽の父】
ウィリアム・ビリングス(1746-1800):
アメリカ;神は王なり;私はシャロンのばら
【Shape Notes and Singing Schools】
やさしい兵隊(英国)、Leander、Drumdelgie、北の大地、
キャプテン・キッド、驚くべき愛
【Shaker Spirituals】
生活よ、シェイカーの生活よ/おお愛よ、甘き愛よ/
さあ、いとしの人よ/柳のようにしなやかに/
現世の命/頑固なオーク/ Tis the gift
to be simple
【市民戦争からの音楽】
The Army of the Free、メリーランド・マイ・メリーランド、
Lorena、ディキシーズ・ランド、ダンス・ミー・ア・ジグ
【Revival Meetings and Spirituals】
ステファン・コリンズ・フォスター(1826-1864):
ハード・タイムズ・カム・アゲイン・ノー・モア/
伝統歌 Sinner Man /
M.M. ウォーナー(1836-1900):Hear, O
Lord, when I cry |
ヨエル・フレデリクセン(バス、ギター)
アンサンブル・フェニクス・ミュンヘン |
しびれる低音、ヨエル・フレデリクセンが歌うアメリカで発展した豊かな音楽
録音:2010 年5 月
ヨーロッパとくらべて、アメリカの古楽復興運動は近年になって注目される動きとなっています。新大陸へと移住した人々が、新天地の音楽と自分の音楽とを融合させていく変遷をたどるのは実に興味深い営みです。ヨーロッパ伝来の作曲法をとりいれながら、音楽は、次第に独自色豊かなものになりました。
ここに収められているのは、アメリカの独立戦争(1775-83)から市民戦争(1861-65)にかけての時期に生まれたアメリカ音楽。アメリカに生まれアメリカで育った作曲家たちによる作品が中心に収録されています。メリーランド・マイ・メリーランドは「もみの木」として特にクリスマス音楽として日本で親しまれている曲。ほかにも耳にしたことのあるクリスマスソングの原型と思しき音楽もいくつか収録されており、大変興味をもちやすい内容となっています。
「アメリカのパッチワークのようなプログラムの1
枚。ひとつひとつの作品はパッチワークのパーツのようにばらばらですが、ひとつにまとまってみると見事なタペストリーとなっています。ヨーロッパ以外の国で発展、繁栄し、アメリカ大陸で独自の道をたどった豊かな伝統のほんの一部ではありますが、皆さまにお聴き頂きたく、このプログラムを考えました。」=ヨエル・フレデリクセンの言葉より |
HMF
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ケラス待望の最新盤!雷に打たれるような衝撃、ベルリン古楽アカデミーとのヴィヴァルディ!
(1)ヴィヴァルディ(1678-1741):「テンペのドリッラ」VR709よりシンフォニア
(2)ヴィヴァルディ:
協奏曲 ト短調 RV416〜2つのソロ・ヴァイオリン、
オブリガート・チェロとチェンバロのための
(3)カルダーラ(1670-1736):
シンフォニア第12番 イ短調「我らの主、イエス・キリストの受難」
(4)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 へ長調
RV422
(5)ヴィヴァルディ:協奏曲 ハ長調 RV 114
(6)ヴィヴァルディ:
チェロとファゴットのための協奏曲 ホ短調
RV409
〔Fg ソロ:クリスティアン・ブーズ〕
(7)ヴィヴァルディ:
協奏曲 ニ短調 RV565 〜2つのヴァイオリン、チェロ、弦と通奏低音のための
〔Vn ソロ:ゲオルク・カッルヴァイト、エルファ・ルン・クリスティンスドッティル/
Vcソロ:ヤン・フライハイト/ チェンバロ:ラファエル・アルパーマン/
リュート:シモン・マルティン=エリス/Cb:ワルター・ルーマー〕
(8)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ロ短調
RV424
(9)カルダーラ:シンフォニア第6番 ト短調「
苦痛を受けし聖エレナ」
(10)ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 イ短調
RV419 |
ジャン=ギアン・ケラス
(チェロ/ Gioffredo Cappa(1696))
ベルリン古楽アカデミー、
ゲオルク・カッルヴァイト
(指揮、ヴァイオリン・ソロ) |
録音:2010 年10 月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
2 年連続レコードアカデミー賞受賞アーティスト、アルカント・カルテットのチェロ奏者としても大変充実した演奏を聴かせてくれているケラス。待望の最新盤はヴィヴァルディのチェロ協奏曲集。
芯のある美しく語る音色、常に本質を突く鋭敏なケラスの音楽はヴィヴァルディにぴったり。
管弦楽は録音では初共演となる名門、ベルリン古楽アカデミー。ケラスの類まれなる美音にして鋭敏な音楽と、みずみずしくアグレッシブなベルリン古楽アカデミーは、まさに絶品の組み合わせといえるでしょう。ケラス自身「初めてコンサートで共演したときの電流が走ったような衝撃は忘れられない」と語っているほどに、両者の演奏は霊感に満ち、まさに火花が散るよう。細かなパッセージの一音一音にまで神経が行き渡り、息の通った見事な演奏です。終曲のイ短調RV419
終楽章のオーケストラとケラス両者の俊敏な動きは特に聴きものです。聴き手の心にストレートに響くケラスの美音から、オーケストラの豊かな響き、低弦の敏捷な刻み、すべてを見事にとらえた録音のクオリティもさすがハルモニアムンディ。心躍る1
枚の登場です。
=ケラスとヴィヴァルディ〜ブックレットより抜粋=
「ヴィヴァルディは私に、幼い日の思い出を洪水のように呼び起こします。私が何度も繰り返し聴いた初めての盤は、ビルスマとコレギウム・アウレウムの演奏によるヴィヴァルディのチェロ協奏曲でした。チェロを学び始めた年にヴィヴァルディのソナタを学び始めました。さらに言いますと、アマチュアのピアニストである母は、私が母のお腹にいたとき、伴奏でヴィヴァルディのチェロ・ソナタをよく弾いていたということです。」25
歳の時、バッハ作品のマスタークラスでビルスマと出会ったケラスは、その後ビルスマの自宅に招かれます。「『アラジンの洞窟』のような空間には膨大な量の紙資料(どれもバロック音楽に関する大変貴重な研究資料)が収められていました。ビルスマ先生は、ご自身の書き込みがびっしりとあるヴィヴァルディの協奏曲などの楽譜をいくつも私に下さいました。」「ヴィヴァルディのチェロ協奏曲は、ごくわずかの例外を除いて、急—緩—急の3
楽章で書かれています。どの作品も独創性に満ちていますが、必ずしも、これらの作品は連続して演奏されるために書かれてはいないのでは、という考えに至りました。こうして私たちは異なった楽章構造をもつ作品を間に挟んで演奏することに決めたのです。このアイディアを膨大な知識と経験をもって最終的に実現可能にしてくれたのは、指揮者でもあるカルヴァイトであることは、述べておかねばなりません。このことにより、魅力的なコントラストに満ちた素晴しいCD
になったと思っています。」 |
HMU 807565
(SACD HYBRID)
\2600
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「クリスマス物語」 |
ポール・ヒリヤー(指揮)
シアター・オブ・ヴォイセズ
アルス・ノーヴァ・コペンハーゲン |
ヨーロッパで古より歌い継がれているキリスト生誕の物語の歌、透き通るように美しい合唱
録音:2011 年1 月
聖歌、モテット、伝統的な民謡キャロルなどで歌い継がれているキリスト降誕の物語を収録。イタリア、ドイツ、デンマーク、イギリス、アメリカに伝わる歌を選んで美しく編んだ花束のような1
枚となっています。一足先に、クリスマス気分をお楽しみください。 |
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万能にして刺激的なチェンバロ奏者、リチャード・エガー最新盤、渾身のルイ・クープラン作品全集。
突き刺すようなパンチ力の不協和音、まさに鐘を思わす華麗な響きの「パリのカリヨン」、演奏曲順もすべてエガーの考え
L.クープラン:チェンバロ作品全集 |
リチャード・エガー(チェンバロ) |
[CD1]
I. Suite in C major (A)
1 | 10. Prelude 2’30/ 2 | 15. Allemande
2’52/ 3 | 16. Courante 1’36/ 4 | 18.
Courante 1’52/
5 | 20. Sarabande 1’31/6 | 23. Sarabande
1’35/ 7 | 25. Sarabande 1’31/ 8 | 26.
Chaconne 3’43/
II. Suite in C major (B)
9 | 11. Prelude 1’58/ 10 | 126. Allemande
Le Moutier 4’36
(Chambonnieres). Double (Couperin)
11 | 17. Courante 1’29/ 12 | 19.
Courante 1’40/ 13 | 21. Sarabande 1’18/
14 | 22. Sarabande 1’31/15 | 24.
Sarabande 1’37/ 16 | 27. Passacaille 5’28
III. Suite in C major (B)
17 | 9. Prelude 3’37/ 18 | 28. Sarabande
1’57/ 19 | 29. Menuet 1’28/ 20 | 131.
Gavotte (Lebegue) 1’51
Double (Couperin)
21 | 127. Rigaudon & Double 3’12
IV. Suite in C minor (A)
22 | 128. Prelude 1’06/ 23 | 30.
Allemande La Precieuse 3’19/ 24 | 31. Courante
1’53/
25 | 32. Sarabande 2’09/ 26 | 33.
Gigue 2’26/ 27 | 34. Chaconne La Bergeronnette
2’19
V. Suite in D major (A)
28 | 2. Prelude 3’43/ 29 | 58. Allemande
4’32/ 30 | 59. Courante 1’27
31 | 60. Sarabande 1’47/ 32 | 61.
Gaillarde 2’29/ 33 | 62. Chaconne 2’39
[CD2]
VI. Suite in D minor (B)
1 | 1. Prelude 5’43/ 2 | 35. Allemande
3’38/ 3 | 37. Pieces de trois sortes 2’07
de mouvements
4 | 38. Courante 1’28/ 5 | 42. Courante
1’16/ 6 | 43. Courante 1’43/ 7 | 44.
Sarabande 1’43/
8 | 45. Sarabande 1’28/ 9 | 46. Sarabande
1’04/ 10 | 47. Sarabande en canon 1’03/
11 | 52. Canaries 1’09/ 12 | 53.
Volte 0’57/ 13 | 57. Chaconne La Complaignante
2’55/
VII. Suite in D minor (B)
14 | 36. Allemande 3’07/ 15 | 39.
Courante 1’42/ 16 | 40. Courante 1’46/
17 | 41. Courante 1’40/
18 | 48. Sarabande 1’05/ 19 | 49.
Sarabande 1’23/ 20 | 50. Sarabande 1’47/
21 | 56. Sarabande 2’09/
22 | 51. Sarabande 2’44/ 23 | 124.
Gavotte 1’01/ 24 | 122. Gigue 1’55/ 25
| 54. La Pastourelle 1’14/
26 | 55. Chaconne 2’53/
VIII. Suite in E minor (A)
27 | 14. Prelude 1’33/ 28 | 63. Allemande
de la Paix 3’16/ 29 | 64. Courante 1’33/
30 | 65. Sarabande 2’04/
IX. Suite in F major (A)
31 | 12. Prelude 2’02/ 32 | 66. Allemande
3’39/ 33 | 71. Courante 1’32/ 34 | 74.
Sarabande 2’14/
35 | 73. Branle de Basque 0’48/ 36
| 77. Gaillarde 1’37/ 37 | 79. Gigue 1’56/
38 | 78. Chaconne 3’23/
[CD3]
X. Suite in F major (A)
1 | 13. Prelude 2’54/ 2 | 67. Allemande
grave 3’33/ 3 | 68. Courante 1’10/ 4
| 69. Courante 1’21/
5 | 70. Courante 1’26/ 6 | 72. Sarabande
1’38/ 7 | 75. Sarabande 2’18/ 8 | 76.
Gigue 1’59/
9 | 80. Chaconne 3’04/ 10 | 81. Tombeau
de M. Blancrocher 5’16
XI. Suite in G major (B)
11 | 129. Prelude 0’46/ 12 | 82.
Allemande 3’08/ 13 | 84. Courante 1’24/
14 | 85. Courante 1’19/
15 | 86. Courante 1’24/ 16 | 87.
Sarabande 2’16/ 17 | 89. Chaconne 5’42/
XII. Suite in G major (B)
18 | 83. Allemande 3’04/ 19 | 90.
Courante 1’09/ 20 | 91. Courante 1’20/
21 | 92. Courante 1’43/
22 | 88. Gaillarde 1’36/
XIII. Suite in G minor (B)
23 | 4. Prelude 1’49/ 24 | 93. Allemande
3’30/ 25 | 94. Courante 1’53/
26 | 95. Sarabande 1’52/ 27 | 96.
Chaconne ou Passacaille 4’55/
XIV. Suite in G minor (A)
28 | 3. Prelude 4’11/ 29 | 97. Sarabande
1’58/ 30 | 98. Passacaille 5’13/
XV. Suite in G minor (A)
31 | 5. Prelude 2’13/ 32 | 121. Chaconne
2’37
[CD4]
XVI. Suite in A minor (B)
1 | 6. Prelude a l’imitation 6’34/de
Mr. Froberger
2 | 100. Allemande 3’19/ 3 | 104.
Courante 1’34/ 4 | 106. Courante 2’12/
5 | 109. Sarabande 2’25/ 6 | 125.
Gavotte (Hardel) 1’48/
Double (Couperin)
XVII. Suite in A minor (B)
7 | 7. Prelude 0’59/ 8 | 99. Allemande
2’43/ 9 | 103. Courante 1’25/ 10 | 107.
Sarabande 2’01/
XVIII. Suite in A minor (B)
11 | 101. Allemande L’Amiable 3’04/
12 | 102. La Piemontoise 1’47/ 13 | 105.
Courante La Mignonne 1’31/
14 | 108. Sarabande 1’37/ 15 | 110.
Sarabande 2’08/ 16 | 111. Menuet de Poitou
2’08/et son Double/
XIX. Suite in A major (B)
17 | 8. Prelude 1’58/ 18 | 112. Courante
1’48/ 19 | 113. Sarabande 2’22/
20 | 114. Gigue 1’43/ 21 | 120. Pavanne
in F-sharp minor (B) 7’26/
XX. Suite in B minor (A)
22 | 115. Allemande 3’24/ 23 | 116.
Courante 1’50/ 24 | 117. Sarabande 2’07/
XXI. Suite in B-flat major (B)
25 | 118. Allemande 2’25/ 26 | 119.
Courante 1’26/ 27 | 140. Les Carillons
de Paris (B) 2’19
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録音:2009 年4 月16-20 日、2010 年2 月20-24
日
「ルイこそがクープラン一族で最も重要で、あらゆる時代を通じて最も偉大なチェンバロ音楽の作曲家である。・・・モーツァルトやパーセルのように道半ばにして夭折してしまったのが悲しくてならない」とルイへの深い尊敬と愛情を熱く語るエガー。
ニューグローブ音楽事典などの「L. クープランは、フランソワに次ぐクープラン家で最も重要な作曲家であり、17
世紀のもっとも重要な鍵盤作曲家」といった記述に対し、エガーは「これにまったく賛成できない」と言い、ルイの魅力である厚みのある進行、時にどぎついまでに刺激的な不協和音を、エガーは効果的に響かせています。4
枚目の終曲「パリのカリヨン」でのまさに鐘のような音色は圧巻。「これは、チェンバロのために書かれた音楽の中で私が最も愛するものだ。私がこの楽器に触れるようになった初めのころからこれらの作品は常に私の傍にあった。私はこの素晴らしい作品を録音することができて大変幸せに思う。」まさにエガーが渾身のエネルギーをもってルイの真価を問う、真剣勝負です。
エガー自身の筆によるライナーノーツは、クープラン一家の背景から作品概観、楽器や調律のことなど、大変興味深い内容。ルイへの強い愛情を感じます。
楽器について、17 世紀のリュッカースモデルのコピーを用いていますが、このオリジナルにルイ・クープランはおそらく触れたことがあるのではないか、と言っています。重要なポイントは、これらの楽器のピック部分(弦をはじく部分)が本物の鳥の羽軸を使っているということ。今日の録音の大半で用いられているプラスチック軸の楽器よりもセンシティブで、音を保つ(伸ばす)のも実はプラスチック軸の楽器ほど大変ではない、とエガーは言っています。この楽器の能力を存分に引き出すエガーもすごいですが、全ての音をくまなく収めた録音クオリティもまたすごいです。また、ここでは「組曲」として演奏されていますが、120
あまりある楽章の組み合わせ方は実は演奏者に委ねられている部分も多いのです。エガー版ともいえるこの演奏、存分にお楽しみください。 |
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巨匠メータ得意のプログラム2本立て
ブラームスの第4番&サン=サーンスの「オルガン付き」
(1)ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98
(2)サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調Op.78「オルガン付き」 |
アレクサンドル・ゴリン(Org)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮) |
(1)録音:2006年11月テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/(2)録音:2007年10月テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/76’23”
1936 年生まれの巨匠ズービン・メータにとって、こだわって録音を重ねてきたプログラムをカップリングしたアルバムは、ブラームスが2006
年11 月、サン=サーンスが2007 年10 月に、いずれもイスラエル・フィルを指揮して本拠テルアビブのマン・オーディトリアムでおこなったコンサートの模様をライヴ収録したものです。
【メータが情熱を傾けてきたブラームス】
メータは当時30 代後半だった1976 年にウィーン・フィルとブラームスの第1交響曲をセッション録音したのを皮切りに、1979
年から1982 年にかけて、当時音楽監督を務めていたニューヨーク・フィルと交響曲全曲をセッション録音、さらに1992
年10 月にイスラエル・フィルとも一挙に交響曲全曲をセッション録音しています。また、イスラエル・フィルとは、1977
年に第2 交響曲をライヴ録音、さらに同楽団が創設60
周年を迎えた1996 年にも、ガラ・コンサートにおける第2
交響曲のライヴ・レコーディングをおこなっていました。
helicon レーベルでは、2009 年10 月のコンサートでイスラエル・フィルを指揮して集中的に取り上げた第1
交響曲、第3 交響曲、ブッフビンダー独奏によるピアノ協奏曲集、ドイツ・レクィエムがすでにリリースされていることからも、メータがブラームスをレパートリーの柱として長年に亘り力を注いできたことが窺い知れます。
ここでの第4 交響曲もまた、キャリアのこうした流れの中に位置づけられるもので、看板の弦楽セクションの威力も存分に、パッサカリアなど表情豊かにたっぷりと聴かせてくれるものと期待されます。
【メータ、3 種目の「オルガン付き」】
メータはサン=サーンスの「オルガン付き」を、これより37
年前の1970 年に音楽監督時代のロサンジェルス・フィルを指揮してセッション録音したのち、1995
年にベルリン・フィルともセッション録音しているので、このイスラエル・フィルとのアルバムは通算3
種目にあたり、やはり得意の内容といえそうです。
メータは若いころから「惑星」に「シェエラザード」など、ダイナミックで鳴りごたえのするプログラムはお手のもので、悉く抜群のセンスを発揮しては胸のすくような快演で人気を博してきました。
「オルガン付き」などもまさにその代表例ですが、とりわけ重低音のオルガンと亘り合う第2
楽章第2 部以降の盛り上がりにかけて、十分な手ごたえを与えてくれるのはまず間違いないものとおもわれます。
しかも、過去の録音を通じて隅々まで知り尽くした作品ということもあり、穏やかな部分への目配りもみごとで、たとえば第1
楽章第2 部ポコ・アダージョ。オルガンの和声上、弦楽器のユニゾンによってしっとりと歌われる旋律主題が馥郁と拡がりゆくひとときは、このたびのイスラエル・フィルの起用が最高の効果を生む場面といえるでしょう。
今でこそパイプ・オルガン備え付けのホールは一般的になりましたが、サン=サーンスの第3
交響曲といえば、かつては収録会場の制約という事情だけでなく、むしろ鳴り物入りで由緒ある教会や大聖堂でオルガン・パートを別収録するケースもありと、もっぱらセッション・レコーディングに特化した感のあるレパートリーであったことも思い起こされ、ここでライヴ収録という試みも注目されるところです。
オルガニストについて。アレクサンデル・ゴリンは1955
年旧ソビエト生まれ。ゴリンはアゼルバイジャン音楽アカデミーでピアノとオルガンを専攻したのち、1990
年まではクラスノヤルスクを中心にロシア国内で活動を展開していましたが、1991
年以降イスラエルのテルアビブのルービン音楽アカデミーで教鞭を取るかたわら、イスラエル・フィルとのコンサートでも共演を重ねています。 |
HELICON
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満を持してのリリース、メータ&イスラエル・フィル、マーラーの「夜の歌」
マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」 |
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮) |
録音: 2007 年2 月テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)、76’13”
2011 年のマーラー歿後100 周年に合わせて、メータがイスラエル・フィルを指揮したマーラーの第7
交響曲が登場。2007 年2 月にテルアビブのマン・オーディトリアムで行われたライヴ演奏を収録したものです。
メータによるマーラーの交響曲録音といえば、1975
年収録の「復活」で有名なウィーン・フィルのほか、ロサンジェルス・フィルやニューヨーク・フィルを指揮したものなどがあるなかで、現時点で終身音楽監督のポストにあるイスラエル・フィルとの顔合わせによるものがやはり点数も多く、すでに半世紀以上という固い結びつきをあらためて感じさせます。
第1番:1974 年セッション / 1986 年セッション(「花の章」付き)
第2番:1988 年ライヴ / 1994 年セッション
第3番:1992 年セッション
第4番:1979 年セッション
第6番:1995 年セッション
第10番アダージョ:1992 年セッション
2009 年にウィーンで音楽出版社ウニフェルザール・エディツィオーンがおこなったインタビューによると、ちなみにメータがマーラーの交響曲を初めて聞いたのは、10
代のときにボンベイでブルーノ・ワルターが指揮した第4
番だったそうですが、第7 番はメータにとって、バーンスタイン指揮ウィーン・フィルのリハーサルで間近に接した思い出の作品とのこと。
そのインタビューで同時にまた、当時はまだ第7
交響曲を知らなかったというメータは「経験がすべてであり、そういうわけで第9
番とともに自分にはあまりに早すぎるとの判断から取り上げることを考えなかった」とも述べています。
第7 交響曲はメータも云うところの「たいへん錯綜とした内容」が特徴的で、マーラー作品に時折見られるシンメトリックな5
楽章形式のなかに、スケルツォを挟んで「夜の歌」という通り名の由来となる2
つの「夜曲」を置くという構造や、さらに、両端楽章の対照的な性格付け、テナーホルンの音色が異化効果を生む第1
楽章と、ある種の躁状態をおもわせるフィナーレとの落差もまた、謎めいた作風を際立たせるものとなっています。
第7 番同様に、第9 交響曲についてもメータはようやく近年になって取り上げる傾向にあるようで、1997
年の来日公演で取り上げていたことも思い起こされます。
マーラーの演奏にあたり、メータはバーンスタインより「ストリート・ミュージックのように演奏するんだよ」とのアドバイスを受けたそうですが、その記憶も脳裏をよぎったのでしょうか。
1936 年4 月生まれの巨匠メータはこの第7
交響曲を指揮した時点で70 歳を迎えていましたが、もっとも信頼できるオケを得て、確信に満ちた演奏内容を聴かせてくれるものと期待されるところです。(
インタビュー内容引用出典(C) Universal Edition)
=トラック・タイム=
I. 22:10+II. 14:25+III. 9:27+IV. 11:59+V.
18:12= TT.76:13 |
HELICON
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巨匠マズア渾身のプログラム、ブリテンの「戦争レクィエム」ライヴ
ブリテン:戦争レクィエムOp.66 |
イーディス・ウィーンズ(S)
ナイジェル・ロブソン(T)
ホーカン・ハーゲゴール(Br)
プラハ・フィルハーモニー合唱団
パヴェル・キューン(合唱指揮)
アンコル児童合唱団
ダフナ・ベン=ヨハナン(合唱指揮)
メンディ・ロダン(室内アンサンブル指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
クルト・マズア(指揮) |
録音: 1996 年4 月8 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/47’32”、45’32”
helicon よりリリースされるブリテンの「戦争レクィエム」は、1961
年の作曲から35 周年を迎えた1996 年にイスラエル・フィルがおこなったライヴの模様をおさめたもので、指揮は、過去のリリースを通じてこの作品にひときわ情熱を傾けてきたことで知られる巨匠マズアです。
コヴェントリーにある聖ミカエル教会の大聖堂の献堂式のために委嘱された「戦争レクィエム」は、同教会が第2
次大戦下のドイツ軍の爆撃から再建された経緯を踏まえて、かねて自らの最大の関心事であった反戦と平和への祈願というテーマを込めるべく、ブリテンが持てる力のすべてを注ぎ込んだ集大成的傑作。
形式的には、ラテン語による通常のミサ典礼文に加えて、第一次世界大戦で夭折した戦争詩人、ウィルフレッド・オーエンによる英文の詩が挿入される形が採られています。
さらに、3 管編成のオーケストラと室内アンサンブル、ソプラノ独唱、テノール独唱、バリトン独唱、混声合唱、少年合唱、ピアノにオルガンまで動員するという点もまたモニュメンタルな内容にふさわしい特徴となっています。
1927 年生まれの巨匠指揮者クルト・マズアは、「戦争レクィエム」には格別の思い入れがあるようで、なじみの深いオケと実演で取り上げて、1992
年2 月に音楽監督を務めるニューヨーク・フィルを指揮してライヴ録音、2005
年5 月に首席指揮者を務めるロンドン・フィルを指揮してライヴ録音を発表していました。
ちなみにマズアといえば、1989 年10 月9 日、東西ドイツの統一に向けた激動の最中にライプツィヒで起きた「月曜デモ」に際して、武力行使を回避するよう当局に対話を呼び掛けて、平和的解決に導いたことで、人権活動家としても知られています。
1992 年以来、マズアが終身名誉客演指揮者を務めるイスラエル・フィルを指揮した「戦争レクィエム」は、精鋭プラハ・フィルハーモニー合唱団を招くなど公演にかけるマズアの強い意気込みがうかがえ、ここでも力のこもった演奏を聴くことができるものとおもわれます。 |
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