NAXOS 1CD¥1100
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8.572623
¥1100→¥990 |
マイヤール:ヒロシマの生き残り 他
1-11.ヒロシマの生き残り…希望へのメッセージOp.24(2006-2007)
<大阪の6歳の子/インターリュード/戦争…/彼女は爆撃から逃げ惑う/
彼女は広島に避難先を見つける/深き淵より/暗黒、黒ずんだ皮膚/
死に至る雨/戦争に憎悪して生き残る/私たちの願い:生き残ったもの/
地球上の豊かな生活>/
12-14.合奏協奏曲(1961/2003改訂)/
15-17.室内協奏曲第2番(1959-1960) |
サラ・ジュフロワ(メゾ・ソプラノ)…1-11/
エレオノーレ・ルメール(ソプラノ)…1-11/
マリー・プシェロン(メゾ・ソプラノ)…1-11/
テデイ・エンリ(テノール)…1-11/
ヴァージル・アンケリ(バス=バリトン)…1-11/
エミール・マクドノウ(フルート)…12-14/
ジョン・アンダーソン(オーボエ)…12-14/
マイケル・ライト(クラリネット)…12-14/
ダニエル・ジェミソン(ファゴット)…12-14/
クリストファー・パークス(フレンチ・ホルン)…12-14/
ロイヤル・フィルハモニー管弦楽団/
ディオニシオス・デルヴィス=ブルニアス(指揮) |
フランスの作曲家、マイヤール(1931-)の3つの作品です。彼は1955年にローマ賞を受賞、フランスの先進的な作曲家として幅広く活躍しています。1957年には芸術監督としてフランスEMIに入社、そこでサンソン・フランソワやポール・トゥルトリエなど偉大な演奏家と接するも、どうしてもその仕事が性に合わず辞職。その後は製薬研究所で働きますが、音楽の夢捨てがたく、結局作曲家として生きることを決意したのでした。このアルバムの中で、やはり聴いてほしいのは「ヒロシマの生き残り」でしょう。実在の人物「ハマ・キョウコ」の話を元にしたカンタータとでも言うべき作品で、彼女は大阪の戦禍を避け、広島に避難していた時に原爆被害を受けてしまいます。悲惨な情景が目の前に浮かぶでしょう。しかし、副題が示す通り、これは「希望、命への讃歌」であり、決して悲惨さばかりを強調したものではありません。生きてさえいれば、きっと希望に巡りあう日が来るのですから。 |
8.559679 |
エコーズ〜変容したクラシックの作品たち
1.デイヴィッド・シフ(1945-):
インファーナル(ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」による)/
2.ブライト・シェン(1955-):ブラック・スワン
(ブラームスの6つのピアノ小品Op.118-2
インテルメッツォイ長調による)/
3.デイヴィッド・ストック(1939-):多くのホルン
(クラークのトランペット・ヴォランタリーによる)/
4.ジョン・ハービソン(1938-):ルビーズ(セロニアス・モンクのルビー・マイ・ディアニよる)/
5.サミュエル・ジョーンズ(1935-):ベネディクション
(ルトキンのベネディクションとセヴンフォールド・アーメンによる)/
6.アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):ムジカ・セレスティス(弦楽ヴァージョン)/
7-9.ジェラード・シュワルツ(1947-):
金管のための協奏曲(ヘンデルの合奏協奏曲ヘ長調
Op.6-9 HWV327による) |
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮) |
「この“エコーズ”と題されたアルバムは、良く知られた名曲を、現代の感覚にマッチした作品へと変貌させること。」指揮者シュワルツはこのコンセプトを元に、彼の親しい6人の作曲家へ、編曲を依頼しました。出来上がった作品の楽しい事と言ったら!「火の鳥」はまるでスパイ映画のサントラですし、ブラームスのピアノ曲は、甘い甘いムード音楽へと変貌しています。有名な「トランペット・ヴォランタリー」は魔法にかけられたかのような不思議な味わいを持ちました。もともとカッコいいモンクの曲や、シュワルツ自身の編曲も楽しめます。ぜひ「その手には引っ掛からないぞ」と心を強くして聴いてください。でも、1時間後にはすっかり虜になっていることでしょう。 |
8.572650 |
マグヌス・ローゼン:Past Future
1.Trandans/2.ソナタト短調(エクルズ原曲)/3.En
Glimt/4.Slow Sea/
5.Land of Spirit/6.Purple Haze/7.Blues
Man/8.Badinerie(バッハ原曲)/
9.Past Future/10.En bank intill paradiset/
11.Gate to Heaven/12.Romance Between East
and West |
マグナス・ローゼン(エレクトリック・ベース)/
スザナ・リスベルイ(ギター)/
ビルガー・ロフマン(ドラムス)/
フヴィラ・カルテット/
イェテボリ交響楽団/
ダヴィッド・ビョルクマン |
豊穣なるオケの響きに耳を澄ませていると、突然辺りを切り裂くように響いて来る音。ちゅいーん、ちゅいーん、びょん、びょん・・・。えっ?これNAXOSなの?とびっくりしながら聴き続けていると、すごく楽しくなってきちゃいます。世界を征服したNAXOS、先日はエレキ・ギターを手中に収めたかと思えば、今回はエレクトリック・ベースを制圧しました。「そういえば、昔インギーがこういうアルバムを出していたなぁ」なんて懐かしくなってしまいます。ここですごいベースを弾いているのは90年代終わりから2007年までハンマーフォールで活躍したマグヌス・ローゼン(1963-)。北欧のヘヴィメタ・シーンを語るには外せない大物がなぜNAXOSに?思うところは色々ありますが、とりあえず全ての人にオススメします。 |
8.572142 |
モンポウ:ピアノ作品集第6集
1.物乞いの哀歌/2.浜辺の工場/3.浜辺の思い出/4.浜辺の地域/
5.砂地の道/6-10.5つの印象/11.ラ・ガリガの隠遁地/
12.霧の中の田園地帯/13.荒野の田園地帯/14.登山ルート/
15.田舎に帰ってきた少女/16.庭の小道/17.モンセニー/18.エコー/
19-21.山の印象/22.思想/23-24.2つの小前奏曲/25.前奏曲/
26-27.2つのアラベスク/28.銀紙を張ったプール/
29.らくだから降りた3人の王の踊り/
30.キリスト降誕の歌と踊り/31.時間/32.低地の踊り
※全て世界初録音 |
ホルディ・マソ(ピアノ) |
カタルーニャ出身、20世紀を代表するスペインの作曲家の一人、モンポウ(1893-1987)のピアノ作品集です。このアルバムに収録されているのは全て世界初録音。ピアニスト、ホルディ・マソがモンポウの家などから最近発見したという作品を演奏したものです。これらは全て1910年から1918年の間に書かれたもので、まだ未発達とはいえ、すでに独自の音楽性が出来つつあったモンポウの並はずれた才能を示すものと言えるでしょう。マソはすでにスペインのピアノ音楽のオーソリティとして知られていますが、このモンポウの録音によって、より高く評価されることは間違いありません。 |
8.572415 |
カゼッラ:交響曲第3番他
1-4.シンフォニア(交響曲第3番) Op.63(1939-1940)/
5.英雄のエレジーOp.29(1916) |
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮) |
NAXOSのカゼッラ(1883-1947)・シリーズは回を重ねる毎に少しづつ人気が高まってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲第3番は、、第1番、第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き動かされることがなかったとのことですが、シカゴ交響楽団の創立50周年の記念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じられますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッラ独特の音楽です。 |
8.557079 |
シューマン:歌曲集「ミルテの花」他
1-26.歌曲集「ミルテの花」Op.25
<献呈/自由な心/くるみの木/だれかが/私はただ一人で/手荒くするな/
はすの花/お守り/ズライカの歌/ハイランド地方のやもめ/母よ母よ(花嫁の歌Ⅰ)/
私を彼の胸に寄りかからせて(花嫁の歌Ⅱ)/ハイランド地方の人々の別れ/
ハイランド地方の人々の子守歌/私の心は重く/謎/ヴェネツィアの歌Ⅰ「静かに船を漕ぎ」/
ヴェネツィアの歌Ⅱ「広場を夕べの風が過ぎるとき」/大尉の妻/遠く、遠く/
孤独な涙よなぜ/だれも/西方にて/君は花のごとく/東方のばらより/終わりに>/
27-33.6つの詩とレクイエムOp.90
<鍛冶屋の歌/私のばら/出会いと別れ/牛飼いのおとめ/孤独/重苦しい夕べ/レクイエム> |
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)…3.7.9-12.14.15.19-21.23.26/
トーマス・E・バウアー(バリトン)…1.2.4-6.8.13.16-18.22.24.25.27-33/
ウタ・ヒールシャー(ピアノ) |
1840年。長らく恋焦がれていたクララとの結婚が認められたロベルト・シューマン(1810-1856)は、その喜びからか、数多くの歌曲を書き上げます。いわゆる「歌の年」の代表作の一つである「ミルテの花」は、まさにクララへの捧げ物で、結婚前夜に花束と共に彼女へ贈られたと言います。とりわけ第1曲の「献呈」での溢れるような想いに満ちた歌は、一度聴いたら忘れられないほどの印象を与えます。対して、その10年後に書かれた「6つの詩とレクイエム」は、あまりにも重く悲しみに満ちています。さて、あなたはどちらのシューマンがお好きですか? |
8.572332 |
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲イ長調他
1.アリアト長調 P.32(編曲:S.ディ・ヴィットリオ)/
2-4.ヴァイオリン協奏曲イ長調 P.49(補筆:S.ディ・ヴィットリオ)/
5-10.弦楽のための組曲P.41(復元:S.ディ・ヴィットリオ)/
11-14.ロッシーニアーナP.148 |
ラウラ・マルツァドーリ(ヴァイオリン)/
ニューヨーク室内管弦楽団/
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指揮) |
ローマ三部作の強烈な色彩感で知られるイタリアの作曲家レスピーギ(1879-1936)。もともとヴァイオリン奏者として活躍しただけあって、その生涯に何曲かのヴァイオリンの協奏的作品を書いてはいますが、この1903年に着手された最初のイ長調の協奏曲は、2楽章までは完成させたものの、第3楽章はピアノ伴奏のまま、結局完成されることなく忘れられてしまったものです。24歳の血気溢れる新進作曲家は、この作品でヴィヴァルディとメンデルスゾーンに立ち返ろうと意気込んだだけあって、なかなか良い作品であることは間違いありません。2010年の蘇演にあたり、指揮者のヴィットーリオは、スコアを丹念に洗い出し、若干未熟な第1楽章と第2楽章のオーケストレーションにも手を加え、レスピーギたる作品へと昇華させました。この録音にあたり、他の2曲にも編曲を加え、レスピーギ自身の改編である「ロッシーニアーナ」も演奏することで大作曲家への敬意を表しています。 |
8.572571 |
ベンゲレル:コンチェルタンテ他
1.コンチェルタンテ(1994)/2.パーカッションと弦楽のための音楽(2005)/
3.秋のコンサート(2005)/
4.ポルタ・フェラーダの二重協奏曲 ※全て世界初録音 |
ジャウメ・トレント(ギター)…1.3/
フィリップ・スピセー(パーカッション)…2/
マノン・フィリップ(ヴァイオリン)…4/
メロディー・ジオ(チェロ)…4/
ペルピニャン地方音楽院管弦楽団/
ダニエル・トジ(指揮) |
1931年バルセロナ生まれのシャビエ・ベンゲレル(1931-)。彼は幼い頃にスペイン内戦(1936-1939年)に巻き込まれ、両親とともにチリに亡命、1954年までスペインに戻ることはありませんでした。彼はほとんど独学で作曲を学びましたが、バルトークやストラヴィンスキーなどの当時の先鋭的な作品からも強く影響を受けたようです。1959年にセリエ技法で作曲した「友人と恋人のカンタータ」はその翌年にケルンのISCM(国際現代音楽協会)で演奏され高く評価され、また、1977年にはルイジ・ダッラピッコラ賞を受賞するなど、国際的な知名度を得ています。このアルバムはそんな彼の魅力的な作品を4曲収録しています。長年彼の作品を演奏している「良き仲間」たちによるライヴ録音は、聴衆の熱気も含め、この作曲家の本質をあますことなく伝えてくれます。 |
8.572637 |
シャルヴェンカ:ピアノ協奏曲第4番他
1-4.ピアノ協奏曲第4番ヘ短調 Op.82/
5.歌劇「マタスヴィンタ」から序曲/
6.チェロ・ソナタホ短調 Op.46から第2楽章(ハープ、オルガン、弦楽による編曲Op.46a)/
7-9.ポーランド舞曲集より<第1番変ホ短調/第8番変ロ短調/第15番変ロ長調> |
フランソワ・クサヴィエ・ポワザ(ピアノ)…1-4.7-9/
ポズナ二・フィルハーモニー管弦楽団…1-6/
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮)…1-6 |
ポーランドのピアニスト、作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)のピアノ協奏曲です。15歳の時に家族とともにベルリンへ移り住み、兄ルートヴィヒとともに音楽教育を受け、才能を開花させました。1869年にピアニストとしてデビュー、併せて作曲家としても人気を獲得。室内楽などいくつかの曲が出版され、このアルバムにも収録されている「ポーランド舞曲第1番」は発行部数100万部を記録するほどの大人気となったと言います。このピアノ協奏曲第4番は1908年に作曲され、1910年にはニューヨークで、当時訪米中であったマーラーの指揮により初演されています。またストコフスキーの指揮でも演奏するなど、当時大変人気があった曲ですが、一時期すっかり忘れ去られてしまいました。アール・ワイルドなどヴィルトゥオーゾ系のピアニストによって、細々と人気を保っていましたが、最近になって彼の人気が復興。華麗なピアニズムとむせ返るようなロマン性は、確かに一度聴くと病みつきになるはずです。 |
8.559396 |
スーザ:吹奏楽作品集第9集
1.メイン州からオレゴン州まで/2.シャーラタンズ序曲/3.自由諸国の旗/
4.ニンファーリン/5-7.西世界の住人たち/<赤き人/白き人/黒き人>/
8.銃の後に立つ男/9.すずらん/10.舟唄を歌う水夫たちの行進曲/
11.夢がかなう時-幻想曲/12.行進曲「アメリカ野砲隊」/
13.行進曲「ハーモニカの魔法使い」/14.イリノイ大学の行進曲 |
サラ・オヴィング(ヴァイオリン)…4/
ノルウェー王国海軍軍楽隊/
キース・ブライオン(指揮) |
スーザ(1854-1932)の行進曲もこれが第9集となります。このアルバムに収録された行進曲は、彼自身のミュージカルから取られた旋律が使われていたり、いろいろな国歌が使われていたりと、興味深いものばかりです。トラック5−7の「西世界の人たち」は、3つの楽章でネイティヴ・インディアン、黒人音楽、アメリカ音楽を描き出すことで、特有の文化の違いを表現しています。スーザが行った1911年の世界ツアーで大好評を収めた作品です。トラック13の「ハーモニカの魔法使い」はスーザがフィラデルフィア・ハーモニカ・バンドを指揮した時に書いた曲。スコアにはハーモニカが含まれていませんが、曲の中ではハーモニカ奏法を模した音を使っています。その後、有名なホーナー・ハーモニカ・カンパニーが「スーザ・モデル」を発表。大々的に売り出したということです。 |
8.570782 |
ピアッティ:チェロのための12のカプリース
1.パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョOp.22/
2-13.12のカプリースOp.25 |
ペ・スー(チェロ) |
イタリア、ベルガモでヴァイオリニスト、指揮者アントニオの息子として生まれたアルフレード・ピアッティ(1822-1901)の無伴奏作品集です。彼は父から最初にヴァイオリンのレッスンを受け、その後はドイツの作曲家&ヴァイオリニスト、モリークから作曲の指導を受けました。この「12のカプリース」は間違いなくパガニーニを意識して書かれたものだと思われますが、万遍なく配置されたチェロの超絶技巧はもちろんのこと、溢れるようなメロディが特徴的な素晴らしい曲集として評価されるに違いありません。
演奏しているのはカナダ出身のペ・スーです。1696年製のストラディヴァリウス「ボンジュール」を貸与されている彼女はこの楽器を存分に鳴らし、ほとんど忘れ去られてしまった作曲家ピアッティの存在を現代へ蘇らせています。チェロ好き必聴!間違いなくぞくぞくします。 |
8.572466 |
レーガー:オルガン作品集第11集
1-10. 12の小品Op.80から第1-6番&第9-12番Op.80
<第1番前奏曲/第2番フゲッタ/第3番カンツォネッタ/第4番ジーグ/
第5番アヴェ・マリア/第6番間奏曲/第9番無窮動/第10番間奏曲/
第11番トッカータ/第12番フーガ>/11-23.
13のコラール前奏曲Op.79b
<第1番神よ、私を見捨てないでください/第2番われらが神は堅き砦/
第3番主よ、今足を止めて/第4番永遠なる朝の光/
第5番平和と喜びに満ちて私は出立する/第6番私の近しき最後について/
第7番復活せよ、汝復活せよ/第8番キリストは死から復活する/
第9番キリストは我が主である/第10番平和と喜びに満ちて私は出立する/
第11番全ての神に感謝せよ/第12番主よ、今足を止めて/
第13番なぜ私が悲しむ必要があるのか> |
ハンス=ユルゲン・カイザー(オルガン)
フルダ教会リーガー=ザウアー・オルガンを演奏 |
大量にあるにも拘わらず、レーガー(1873-1916)のオルガン作品があまり聴かれることがないのは、曲の渋さも原因の一つではないでしょうか?このアルバムに収録されている曲を聴いていると、そのような思いを拭うことができません。オルガンというと「華やかな降り注ぐ音」というイメージがありますが、これらの曲はもっと内省的で、外に向かってパワーを放出するのではなく、ひたすら内面の充実を図っているかのような印象を受けるからです。と言うのも、H.リーマンに作曲を学んでいた頃、若きレーガーはいくつかのオルガン作品を彼のもとに送り、その才能を認められたのですが、兵役を済ませて戻ったレーガーはすっかりうらぶれてしまい、自宅で両親と共に静養しなくてはいけなくなってしまいました。13のコラール前奏曲はそんな頃に書き始められた作品ですから、内省的になってしまうのも頷けるというものです。 |
8.572470 |
エドゥアルド・ブルンナー〜独奏クラリネットのための音楽集
1.ヴィトマン(1973-):幻想曲/
2.細川俊夫(1955-):EDI/
3.ベリオ(1925-2003):歌/
4.ライマン(1936-):ソロ/
5.ルリエー(1882-1966):マイム/
6-7.デニソフ(1929-1996):クラリネット・ソナタ/
8.ゲール(1932-):
モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディの戦い」によるパラフレーズOp.28/
9.プスール(1929-2009):マドリガルⅠ/
10.レーマン(1937-):モザイク/
11.ニーデル(1957-):テラコッタ/
12-16.ジョリヴェ(1905-1974):アセーズ |
エドゥアルド・ブルンナー(クラリネット) |
スイスで生まれのドイツ系クラリネット奏者、エドゥアルド・ブルンナー。彼はモーツァルトやクロンマー、ウェーバーなど古典作品の名演ですでに良く知られていますが、現代作品にも意欲的に取り組んでいます。世界の名だたる作曲家に新作を依頼し次々と初演を行っている彼は、その驚異的な技術と表現力で、この楽器のためのレパートリーを飛躍的に広めることに成功しています。特筆すべきは、彼の紡ぎ出す音色の美しさで、どのような特殊奏法を行っても、その全てが圧倒的な存在感と説得力を持ち、かつて聞いたこともないような新しい共鳴を発見するスリリングな驚きを味わわせてくれるのです。収録されたどの曲も特徴的な美しさを持っていますが、一番の注目は細川俊夫による「EDI」でしょうか。曲のタイトル「EDI」はブルンナーのファーストネームの短縮形であり、作曲家と演奏家の親密さをも表しています。無音の部分に深い意味を込めるという、作曲家独特の思想はこの曲にも生きています。 |
8.572560 |
リスト:ピアノ作品全集第34集
ファウスト交響曲2台ピアノ版S647/R369 (S108/R425
第2稿による)
1.ファウスト/2.グレトヒェン/3.メフィストフェレス/4.終りの合唱 |
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ
(ヴィットーリオ・ブレスキアーニ&フランチェスコ・ニコロージ)/
マルクス・ウルマン(テノール)…4/
ヴァイマール・リスト音楽院室内合唱団男声セクション…4/
ユルゲン・プッシュベック(指揮)…4 |
愛と波乱に満ちた生涯を送った、名ピアニスト&作曲家フランツ・リスト(1811-1886)。彼は多くのピアノ曲だけでなく「交響詩の創始者」としても偉大なる足跡を残しています。そんな彼の代表作の一つ「ファウスト交響曲」の2台ピアノ版の登場です。1830年代にベルリオーズからゲーテの「ファウスト」を奨められ愛読していたリストですが、1852年、ベルリオーズから「ファウストの劫罰」を献呈されたのを機に、1854年に管弦楽のための「3人の人物描写」を書きワイマールで初演。その3年後に合唱部分を書き加えます。2台ピアノ版の編曲は1862年に行われ、その後1874年には第2楽章「グレトヒェン」のピアノ独奏版も作られています。その後、幾度となく手を加え、最終的な改訂は1880年に行われています。大掛かりな作品ですが、2台ピアノで聴いても、原曲に匹敵するほどの色彩感が感じられるのはさすがリストと言う他ありません。もちろん最終部分には男声合唱を準備し、この演奏家泣かせの大作をとことん表現し尽くしているのも素晴らしいの一言です。 |
8.572586 |
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第14集
1.ソナタ変ロ長調 K.47/L.46/P.115 /2.ソナタニ長調
K.21/L.363/P.77 /
3.ソナタト短調 K.102/L.89/P.88 /4.ソナタイ長調K.62/L.45/P.49
/
5.ソナタハ長調 K.242/L.202/P.243 /6.ソナタト長調
K.171/L.77/P.153 /
7.ソナタニ短調 K.295/L.270/P.211 /8.ソナタイ長調
K.269/L.307/P.432 /
9.ソナタホ長調 K.162/L.21/P.162 /10.ソナタイ短調
K.217/L.42/P.287 /
11.ソナタト長調 K.337/L.S.26/P.340 /12.ソナタハ短調
K.254/L.219/P.254 /
13.ソナタ変ロ長調 K.155/L.197/P.208 /14.ソナタハ長調
K.199/L.253/P.276 /
15.ソナタニ長調 K.140/L.107/P.127 /16.ソナタ変ロ長調
K.229/L.199/P.139 /
17.ソナタニ長調 K.282/L.484/P.166 |
ハオ・ドゥアンドゥアン(ピアノ) |
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)のソナタ第14集です。と言っても、彼のソナタは全部で555曲もありますので、まだまだ道のりの半分もきていません。この時代は、ソナタと言っても、ほとんどが単一楽章で書かれたもので、曲ごとの表情付けには細心の注意を払わなくてはいけません。NAXOSのシリーズは、全ての盤で違ったピアニストを起用することで知られ、特に最近はとびきりの若手を用意しているという用意周到さ。ここでピアノを演奏しているのも、2009年の上海インターナショナル・ピアノ・コンクールで1位を獲得した1990年生まれの若き才能ハオ・ドゥアンドゥアンです。どの曲も強弱のコントラストが豊かな上、元気一杯の明るい音色が特徴的です。 |
8.572604 |
ローデ:12の練習曲/二重奏曲集
1-12. 12の練習曲
<ト長調/ニ短調/変ホ長調/ニ短調/変ロ長調/ホ長調/ヘ長調/ロ短調/
ト長調/ヘ短調/ハ長調/イ短調>/13-14.二重奏曲第1集第1番変ホ長調/
15-16.二重奏曲第1集第2番ト長調/17-18.二重奏曲第2集第2番ハ長調 |
ニコラス・ケッケルト(ヴァイオリン)/
ルドルフ・ケッケルト(ヴァイオリン)…13-18 |
19世紀フランスのヴァイオリニスト、ローデ(1774-1830)はヴァイオリン学習者の間で「24の狂詩曲」(8.570958)が知られています。しかし彼は、他にも多くのヴァイオリンのための作品を書いていて、例えば協奏曲(8.570469に第7.10.13番を収録)なども素晴らしく美しい出来栄えが称賛されています。この「12の練習曲」は前述の狂詩曲よりも、更に技巧を極めたもので、劇的な曲から、歌に溢れた抒情的な曲まで、ヴァイオリンを演奏するために必要な要素を全て兼ね備えた曲集です。ピアノで言えば、パガニーニがショパンやドビュッシー、ローデはモシュコフスキやモシュレスと言ったところでしょうか。二重奏曲はアンサンブルの粋を集めたような流麗な作品です。ブラジル系ドイツ人ヴァイオリニスト、ケッケルトによる(二重奏では父ルドルフが共演)華麗なる演奏をお楽しみください。 |
8.572654 |
ディキンスン:ピアノ作品集
1.ワイルド・ローズ・ラグ/2.ブルー・ローズ/3-9.パラフレーズⅡ/
10.コンチェルト・ラグ/11.クァルテット・ラグ/12-19.ビタリタス・ヴァリエーション/
20-22.サティの3つのトランスフォーメーション(グノシェンヌによる)/
23.バック・イン・ブルー/24.ヒム・チューン・ラグ/25.パトリオティック・ラグ/
26-29.ピアノ・ブルース/30-34.5つのディヴァージョン
※トラック10以外は世界初録音
トラック1.2.11.26-29…Conifer Recordsより移行盤、
トラック10.20-25.30-34…Albany Recordsより移行盤 |
ピーター・ディキンスン(ピアノ) |
このちょっと変わった作品集は、イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の手によるもの。合唱作品などでは、恐ろしいまでにシリアスな作風を示す人なのに、なぜこれらのピアノ曲は楽しげでジャジーなのでしょう?そんなラグタイム集、最初の2曲は、ピアノを愛する人にはおなじみのマクダウェルの「荒れ野のバラ」がモティーフとして使われています。はじけるような第1曲、憂鬱な第2曲と、シンプルな原曲が変貌する様をとくとお聴きください。他には自作からのパラフレーズや、サティ、バッハの作品のラグ化など、何とも嬉しくなるような曲が34曲詰まっています。他レーベルからの移行盤ではありますが、録音当時はトラック10以外、世界初録音という貴重なものでもあります。 |
8.572736 |
フンメル:アット・ザ・オペラ〜どこまで盛り上げられるか!?
1-5.モーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」から
「バッカス万歳」による変奏曲Op.34-3/
6-8.グルックの「アルミード」からの主題による変奏曲Op.57/
9.ペトラルカの3つのソネットS270/R578a -
第1番平和は見いだせず(ソネット第104番)/
10-12.ケルビーニの歌劇「2日間」からの行進曲による変奏曲Op.9/
13-17.オーベロンの魔法の角笛幻想曲Op.116(ピアノ編)/
18-21.イズアールの歌劇「シンデレラ」からの行進曲による変奏曲Op.40a/
22-27.ポプリ第1番ハ短調 自作の「ろばの皮」よりOp.58 |
乾まどか(ピアノ) |
ハンガリーに生まれ、モーツァルトの家に2年間住み込みピアノを学んだフンメル(1778-1837)。その後はハイドンの後継者、ベートーヴェンのライバルと目され、ピアニストとしても作曲家としても幅広く活躍した事で知られています。彼は多くの作品を書きましたが、当時流行していた「オペラの器楽曲への編曲」というジャンルにも積極的に手を染め、演奏家としても作曲家としても、その才能を強く印象付けています。とにかく原曲のオペラアリアや合唱曲を、ピアノ1台でどれだけ盛り上げられるかが勝負!技巧的な変奏曲や、聴きどころをつなぎ合わせるなど、あの手この手の仕掛けが施されています。NAXOSで数多くの室内楽や伴奏に携わっている乾まどか氏による強力な演奏でお楽しみください。 |
8.571251 |
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第1集
ベートーヴェン:ソナタ集第1集
1-4.ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1/
5-8.ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2/
9-10.ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1/
11-12.ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2 |
イディル・ビレット(ピアノ) |
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トルコの女性ピアニスト、イディル・ビレットのベートーヴェン(1770-1827)のピアノ・ソナタ第1集です。ここでは作品番号Op.2の2つのソナタと、ソナチネ・アルバムでおなじみの「小さいソナタ」Op.49の2曲です。Op.1はベートーヴェンが23〜25歳頃に作曲、またOp.49も、出版こそ1805年になってからですが、作曲されたのは25〜27歳頃と、初期の作品群です。まだハイドンなどの影響も感じられますが、ヘ短調のスケールの大きさは、さすがベートーヴェンです。このアルバムでは、ビレットはフォルティシモを極力使わず、抑制された表現でこれらのソナタを奏します。この穏やかで感覚的な響きは本当に魅力的です。彼女の師が、あのヴィルヘルム・ケンプであったことを誰もが納得することでしょう。 |
8.571252 |
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第2集
ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第1集
1-4.交響曲第1番ハ長調 S464/R128 /
5-8.交響曲第2番ニ長調 S464/R128 |
イディル・ビレット(ピアノ) |
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ベートーヴェン(1770-1827)が30歳に完成させた交響曲第1番と、32歳に完成させた第2番は、まだハイドンやモーツァルトの影響が強く感じられるものの、第2番に後の「第九」のメロディに似た楽想が使われていたりと、なかなか侮れない作品となっています。とはいえ、まだ管弦楽法に熟知するまでに至っていなかったこともあり、もともとのスコア自体がそんなに複雑なわけでもないので、例えリスト(1811-1886)がピアノ独奏用に編曲したとは言え、それほど「難しそう」に感じられないのはご愛敬といったところでしょうか。ビレットはいつもの如く独特のテンポ設定で曲を作っていきます。スコアの隅々まで見通せそうなクリアな演奏です。 |
8.571253 |
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第3集
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第1集
1-3.ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15/
4-6.ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19 |
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮) |
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鬼才ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・シリーズ。こちらは2008年に録音されたピアノ協奏曲集です。ベートーヴェン25歳の時に完成された、壮大な楽想を持つ第1番の協奏曲ハ長調。23歳前に書かれていたものの、出版の順番が遅くなったせいで第2番とされる初々しい変ロ長調。これらは第3番以降の独自性こそないものの、はっとするような転調や、指定されたカデンツァ、ティンパニの連打など「やはりベートーヴェン」と思わせる部分が随所に用意された聴き応えのある作品です。ビレットは故郷アンカラのビルケント交響楽団と息のあった演奏を聴かせます。名手アントニ・ヴィトの絶妙のサポートも見事です。 |
8.570978 |
シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ集
1-4.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)/
5.ヴァイオリン・ソナタ第2番「ソナタ風」(1968)/
6-9.ヴァイオリン・ソナタ第3番(1994)/
10-11.ヴァイオリン・ソナタ(1955) |
キャロリン・ヒューブル(ヴァイオリン)/
マーク・ウェイツ(ピアノ) |
第1番のソナタは1963年に作曲されたもので、ショスタコーヴィチの影響を受けつつも、十二音で書かれ、また敬愛するバッハの名前も引用されていたりと実験的かつ破壊的。「2010年の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第2次予選に、この曲が入っていた」これだけで話題になるほど、演奏も解釈も難しい作品です。第2番のソナタは単一楽章で書かれ「ソナタ風」と題されながらも、より散文的で緊張感を湛えています。第3番のソナタは1994年に作曲されたもの。彼の良き理解者であるルボツキーによって、シュニトケ(1934-1998)の60歳の誕生記念に初演されました。番号のないソナタ(2つの楽章)は、学生時代に作曲されたもので、シュニトケの死後に発見されました。シンプルな外見に中身がぎゅっと濃縮されています。 |
8.559639 |
ビスカーディ:イン・タイムズ・アンフォールディング他
1.イン・タイムズ・アンフォールディング(2000)/
2.タルティーニ(1972)/3.ピアノ五重奏曲(2004)/
4.メスティエール(1979)/5.ディ・ヴィヴェーレ(1981)/
6.ヴィオラは突然、声になる(2005)/
7.コンパニオン・ピース(モートン・フェルドマンのために)(1989)/
8.イン・タイムズ・アンフォールディング(2000) |
ダ・カーポ・チェンバー・プレーヤーズ…5/
ジェイムズ・ゴールズワージー(ピアノ)…6/
マーク・ヘライアス(コントラバス)…7/
グレッグ・ヘッセリンク(チェロ)…3/
カーティス・マコンバー(ヴァイオリン)…2.3.5/
ブレア・マクミラン(ピアノ)…2.3.4.5/
ポール・ニューバウアー(ヴィオラ)…6/
ダニエル・パンナー(ヴィオラ)…3/
マーク・ペロキン(ピアノ)…1.7.8/
ヨナー・ズール(ヴァイオリン)…3 |
1948年、ウィスコンシン州生まれの作曲家、ビスカーディ(1948-)の作品集です。彼における「1972年から2005年までの33年間の創造のプロセス」を、彼自身が振り返るという趣向のもとに曲順がアレンジされているという凝ったもの。動的な初期の作品から、モートン・フェルドマンのためにと題された静かな作品と、作曲年代を行きつ戻りつ、あらゆる表情を帯びた曲が並んでいます。最初と最後の曲は同じ物が置かれているのにも注目。アルバム自体が「過去を振り返る」というコンセプトで創られているのがおわかりになるでしょう。 |
8.572258
¥1100→¥990 |
ヘンニング・クラッゲルード久々登場!
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調k563
1-6.ディヴェルティメント変ホ長調 k563
<第1楽章アレグロ/第2楽章アダージョ/
第3楽章メヌエット/第4楽章アンダンテ/
第5楽章メヌエット/第6楽章ロンド>/
7.弦楽三重奏曲ト長調 K.anh.66(K562e) —
アレグロ(断章) |
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
ラーシュ・アネルス・トムテル(ヴィオラ)/
クリストフ・リヒター(チェロ) |
モーツァルト(1756-1791)32歳の時に作曲されたディヴェルティメント変ホ長調は、高い音楽性と流麗な曲想を持つにも拘わらず、なぜかあまり聴かれることがありません。そもそもディヴェルティメントは自由な形式を持つ楽しい曲であるはずなのに、この作品は恐ろしいまでの精緻な作曲技法が施されており、各楽器の演奏技術も高いものが要求され、ちょっとやそこらで演奏できるようなものではありません。それだけに、聴き手も大いなる喜びと緊張感を同時に味わうこととなる、まことにもって「一筋縄ではいかない」作品なのです。モーツァルトのフリーメーソン仲間であり、よくお金を借りていた友人プーフベルクの依頼であったことや、変ホ長調という調性、また「三」重奏であるということ(3はフリーメーソンにとって重要な数字)から、フリーメーソンのための曲とも言われています。 |
8.660302 |
ロッシーニ:歌劇「婚約手形」
カミッロ・フェデリーチの戯曲によるガエターノ・ロッシの脚本によるファルサ・コミカ |
トビア・ミル(商人)…ヴィート・プリアンテ(B)/
ファニー(ミルの娘)…ユリヤ・サムソノワ(S)/
エドアルド・ミルフォート(ファニーの恋人)…ダニエーレ・ザンフォルディーノ(T)/
スルック(カナダにいるミルの取引先)…ジューリオ・マストロトターロ(B)/
ノートン(ミルの出納係)…トーマス・ビジャ(B)/
クラリーナ(ファニーの小間使)…フランチェスカ・ルッソ・エルモッリ(Ms)/
マッシミリアーノ・タンツィーニ(cem)/
ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団/
クリストファー・フランクリン(指揮) |
ロッシーニ(1792-1868)が18歳の時に作曲した初めてのファルサ(1幕ものの笑劇)です。ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場で新作ファルサを上演しようと準備していたところ、予定していた作曲家が降りてしまったため、音楽学校を卒業したてのロッシーニに依頼が回ってきたというもので、イギリス商人トビア・ミルとその娘ファニー、その恋人ミルフォード、借金の肩代わりにファニーを受け取ることになるカナダの商人スルック。彼らを中心に話が進みます。愛娘を「商品」として手形を切る父トビアのばかばかしい試みは成功するのでしょうか? |
8.669030 |
カーチン(1951-):歌劇「ロムルス」
1.私の哲学者と私の天文学者は、いつものように忙しい/
2.妹よ、ウォルフが気が付いたということは何かがあるのですね/
3.その理由は?/4.私は貧しい人は嫌いではないですよ/
5.良いアドヴァイスだね、妹よ/
6.この2台の時計の仕組みはとても独創的/7.何だって?/
8.どうしたの?赤ちゃんの泣き声が聞こえる/
9.マーサ、私はここ以外に家は持っていないよ/
10.ここから動かないで/11.どうもすみません/
12.私は彼を指名した/
13.呪ってやる/14.どうなったの?/
15.ごめんなさい、マーサ/16.私は彼に全てを話した |
マーサ…カトリーナ・サーマン(S)/
フランツ・ウォルフ…スティーヴン・エベル(T)/
チェレスタス…トーマス・メグリオランツァ(Br)/
バーベンハウゼン市長…ウィルバー・ポーリー(B)/
ワシントン・スクエア・アンサンブル/
ルイ・カーチン(指揮) |
アレクサンダー・デュマ(父)の戯曲を元にしたこのオペラ「ロムルス」です。グッゲンハイム美術館とアメリカ・オペラ・プロジェクトの共同事業として企画されたもので、2007年に初演され、全く同じキャストでこの録音が実現したものです。オーストリアのチロルで起こるちょっとした陰謀を面白おかしく描いたこの物語。オペラ・コミックと呼ぶにはちょっと曲が現代的ではありますが、デフォルメされた人物描写と、記憶に残る音楽、そして第一級の歌手を揃えた演奏で、他の現代オペラとは一線を画しています。 |
8.570707 |
トゥリーナ:歌曲集
1-3.ロペ・デ・ヴェガ礼讃Op.90/
4-8.カンサシオン形式の歌Op.19
<献辞/忘れないでね/カンターレス/二つの恐れ/恋狂い>/
9-10.2つのカンシオンOp.38/11-13.3つの詩Op.81/
14-16.3つのソネットOp.54/
17-19. 3つの歌Op.26<ロマンス/漁夫/韻文>/
20-26.ヴォカリーズOp.74/
27.アヴェ・マリアOp.95/28-30.三部作Op.45 |
カロリーナ・ウルリヒ(ソプラノ)/
デボラ・ハラス(ピアノ) |
トゥリーナ(1882-1949)はマドリード音楽院で学んだ後、パリでV.ダンディに師事し、フランス風の様式を身につけながらも、アルベニス、ファリャとともにスペイン国民音楽の創造に取り掛かります。そんな彼は生涯に多くの歌曲を書いたにも拘わらず、その多くは現在忘れ去られてしまっています。しかし、ここで聴くこれらの歌曲は何と魅力的なことでしょう。どの曲も、美しく感情豊かな歌の線に、見事なピアノ伴奏が彩りを加えていくというもので、元気一杯でユーモラスな曲もあれば、陰鬱であったり、驚くほど情熱的であったりとひと時も耳を離すことができません。ここで切れ味の良い美声を聴かせるのは、チリ出身の若きソプラノ、ウルリヒです。彼女は2008-2009年の「Young
Concert Artists International Auditions」で1位など多くの賞を受賞した期待の新鋭です。 |
8.558204-05
(2CD) |
ロドリーゴ・ポートレート
《CD1》
1.カンツォネッタ/2.交響的エッセイ「ジャグラー」/
3-7.子どものための5つの小品/8.歌と踊り/
9.遥かなるサラバンド/10.早起き鶏の前奏曲/
11.スペイン風セレナーデ/12.妻の詩/13.青いユリの花のために/
14.アランフェス協奏曲より第2楽章/
《CD2》
1.夏の協奏曲より第1楽章/2.ギャラント風協奏曲より第3楽章/
3.3つのスペイン風小品よりファンダンゴ/
4.ある紳士のための幻想曲より第4楽章/
5.祈りと踊り(マニュエル・デ・ファリャを讃えて)/
6.管楽器のためのアダージョ/
7.交響詩「彼方なるかなたを訪ねて」/
8.アッシジの聖フランシスコのカンティクル |
様々な演奏家 |
スペインのギター音楽を語る上で、外すことのできないロドリーゴ。まずは有名な「アランフェス協奏曲」を思い出す方も多いでしょうが、それだけではなく、生涯にほぼ200曲に渡る様々な作品を書いています。オーケストラ曲あり、器楽曲あり、声楽曲あり。この2枚組にはそれらの中から厳選の22曲が収録されています。そんな彼自身は優れたピアニストであり、ギターは演奏しなかったというのも、ちょっとしたトリビアでしょうか。86ページに渡るブックレット(英語のみ)には、詳細な彼の生涯が記されています。偉大なる20世紀の作曲家の足跡を辿ることができる貴重な2枚組です。 |