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第58号マイナー・レーベル新録音新譜(5)


8/12までの紹介分


DELOS

DE 3411
\2300
エヴリーン・ブランカール/シェ・ショパン
 1.12の練習曲Op.10
 2. 同 Op.25
エヴリーン・ブランカール(ピアノ) 
名門インディアナ大学のピアノ科で長らく主任教授を務めてきたベルギー生まれのエヴリーン・ブランカール。ショパンの練習曲に関する彼女のマスタークラスは同大の人気講座となっている一方、音楽以外の時間にはプロはだしの素敵なフランス料理を作ることでも知られています。そんな彼女の2つの才能をユニークに結びつけたのが、ショパンの練習曲全24曲を収めた当盤です。視覚的で匂い立つような珠玉の名演の数々を、美味しい料理を頬張るようにたっぷりお楽しみください。

ECM


476 3909
(2CD)
\3600→¥3290
現代ピアノ界を牽引する真摯なる巨匠が紡ぎ出すシューマン!
 シフ/子供の情景〜シューマン・リサイタル

シューマン:
CD1
 ①蝶々 作品2 
 ②ピアノ・ソナタ 第1番 嬰へ短調 作品11 
 ③子供の情景 作品15
CD2
 ①幻想曲 ハ長調 作品17(第3楽章は初稿による演奏) 
 ②森の情景 作品82 
 ③主題と変奏(最後の楽想による幻覚の変奏曲) 変ホ長調
 ④幻想曲 ハ長調 作品17から 第3楽章(最終稿)CD1
アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
ベートーヴェン、バッハからシューマンへ − 人気実力ともに絶頂期を迎えたピアニスト、シフの最新録音!
2011年2月に来日したピアニスト、アンドラーシュ・シフ。高度な知性と完璧なテクニックによる演奏は大きな話題となり、全4公演はすべて完売、好評価を得ました。ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲録音、バッハ:パルティータ録音に続く最新録音は、久々となるシューマン・アルバム。2002年にリリースされた2枚組のライヴ盤(1999年録音)に続くもので、今回も2枚組ライヴ録音。人気曲「子供の情景」をはじめ、蝶々、ピアノ・ソナタ第1番、森の情景、幻想曲、主題と変奏を収録しています。幻想曲については第3楽章の初稿と最終稿を収録しており、資料的価値も高いアルバムになっています。録音:2010年6月20日-22日 ノイマルクト(ライヴ録音)

ECM

476 4509
(5CD)
\7000→¥5990
ロッケンハウス音楽祭30周年記念盤!
 クレーメル他/エディション・ロッケンハウス

CD1 
1.R.シュトラウス:メタモルフォーゼン   クレメラータ・バルティカ 
指揮:サー・サイモン・ラトル
2.メシアン:神の降臨のための3 つの小典礼 キエフ・シェドリク少年合唱団 
クレメラータ・バルティカ 
指揮:ローマン・コフマン他
 
CD2
 1.フランク:ピアノ五重奏曲へ短調 ピアノ:アレクサンドル・ラビノヴィッチ、
ヴァイオリン:ルーカス・ハーゲン、クリスタ・ベニオン・フィーニー
ヴィオラ:タベア・ツィンマーマン、
チェロ:クレメンス・ハーゲン
 2.カプレ:幻想的な物語 ハープ:ウルスラ・ホリガー、
ヴァイオリン:ダニエル・フィリップス、ミヒャエル・シュニツラー、
ヴィオラ:ジェラール・コッセ、
チェロ:岩崎洸
 3.プーランク:2つの歌 ソプラノ:クリスティーン・ホイットルジー、
ピアノ:ロバート・レヴィン
CD3
 1.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》 ハーゲン弦楽四重奏団
 2.ストラヴィンスキー:《兵士の物語》〜3つの舞踏組曲 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル、
クラリネット:エドゥアルド・ブルンナー、
ピアノ:アロイス・コンタルスキー
 3.同:弦楽のための協奏曲ニ調 ユンゲ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 
指揮:ハインツ・ホリガー
 4.ショスタコーヴィチ:《ヴイボルグ地区》Op.50a〜ワルツ
 5.同:組曲《馬あぶ》Op.97a〜手回しオルガンのワルツ
フルート:イレーナ・グラフェナウアー、
クラリネット:エドゥアルド・ブルンナー、
ピアノ:オレグ・マイセンベルク
 6.同:弦楽八重奏のための前奏曲とスケルツォOp.11 ヴァイオリン:ルーカス・ハーゲン、
トーマス・ツェートマイヤー、アネッテ・ビク 、ダニエル・フィリップス、
ヴィオラ:ヴェロニカ・ハーゲン、ハット・バイエルレ、
チェロ:ルーカス・ハーゲン、マルクス・ストッカー
CD4
 1.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第14番Op.142 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル、堀米ゆず子、
ヴィオラ:キム・カシュカシアン、
チェロ:ダヴィッド・ゲリンガス
 2.同 第13番Op.138 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル、トーマス・ツェートマイヤー、
ヴィオラ:今井信子、
チェロ:ボリス・ペルガメンシコフ
 3.同:《ムツェンスク郡のマクベス夫人》Op.29〜アダージョ
 4.同:《黄金時代》Op.22〜アレグレット
ヴァイオリン:ギドン・クレーメル、アネッテ・ビク、
ヴィオラ:ヴェロニカ・ハーゲン、
チェロ:トーマス・デメンガ
CD5
 1.シュルホフ:六重奏曲Op.45 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル、フィリップ・ ヒルスコルン、
ヴィオラ:キム・カシュカシアン、今井信子、
チェロ:ダヴィッド・ゲリンガス、ユリウス・ ベルガー
 2.同:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲Op./ ヴァイオリン:フィリップ・ ヒルスコルン
チェロ:ダヴィッド・ゲリンガス
 3.同:ジャズ様式の5つの練習曲Op.58 ピアノ:ジェイムズ・ トッコ
鬼才クレーメルが1981年から主宰するロッケンハウス室内音楽祭は、世界中から一流の奏者が集まるだけでなく、無名に近い演奏家やアンサンブルも積極的に出演させつつ、様々な新しい取り組みが行われてきました。今年で30周年を迎えるのを記念して企画された当盤はECMのプロデューサー、アイヒャーとの共同企画によるもので、これまでのハイライトを系統立ててリリースする企画の第1弾にあたります。フランスとスラヴの音楽で編まれた5枚組には今井信子や堀米ゆず子ら邦人演奏家も出演しており、いずれも個性的で研ぎ澄まされた名演が選りすぐって収録されています。CD1は新録音を収録、CD2からCD5の4枚は過去にバラで発売されていました。ロッケンハウス音楽祭30周年を記念してのボックス・リリースとなります。録音:1981〜2008年

FONE


Fone 85
\2300→¥2090
イ・ムジチ合奏団/結成60周年記念盤
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲集
 1.協奏曲ニ長調RV.123
 2.同 ニ短調RV.
 3.《ジュスティーノ》RV.717〜シンフォニア ハ長調
 4.協奏曲ハ長調RV.119
 5.シンフォニア ト長調RV.149
 6.協奏曲 ハ短調RV.114
 7.同 ト短調RV.156
 8.同 イ長調RV.158
 9.同 ト短調RV.157
 10.同 変ロ長調《コンカ》RV.163
 11.同 ト長調《アラ・ルスティカ》RV.151
イ・ムジチ合奏団
Fone 074SA
(SACD Hybrid)
\2800→¥2590
Fone 084GD
〔GOLD CD〕
\3000→¥2690
生命の根源的な衝動を呼び起こす妙技の数々!
1952年にローマの聖チェチーリア音楽院の卒業生12名が集まって結成した名門イ・ムジチ合奏団。イタリアは勿論、世界のバロック界でも最も有名な楽団の一つである彼らは指揮者を置かず、楽員全員の合議で音楽を作り上げる形式をとることでも知られ、ヴァイオリン6挺、ヴィオラ2挺、チェロ2挺、コントラバス1挺、チェンバロ1台の編成を敷いています。日本では、ヴィヴァルディ《四季》の録音が類型で300万枚以上ものセールスを記録したことで、バロック・ブームの火付け役にもなりましたが、そんな彼らも来年で結成60周年。10月には待望の来日公演も控えていますが、彼らの十八番であるヴィヴァルディの弦楽協奏曲を中心に全11曲を収録した当盤は、かのトスカニーニが「世界一美しい室内合奏団」「完璧な室内オーケストラ」と絶賛した光り輝くサウンドが今もなお健在であることを証明しています。「生命の根源的な衝動を呼び起こす」(米ニューヨーク・タイムズ紙)妙技が遺憾なく発揮された最新録音です。録音:2011年3月 Teatro Persio Flacco

MD+G


937 16776
(SACD Hybrid)
\3000→¥2690
レスピーギ管弦楽作品集
 1.ボッティチェルリの3枚の絵
 2.3つのコラール(原曲:J.S.バッハのコラールBWV.699、733、645)
 3.交響詩《ローマの松》
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と送り出しているブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管の最新盤は、色彩豊かな作風で知られるレスピーギの作品集。エキゾチックで優美なメロディーにあふれた《ボッティチェルリの3枚の絵》、J.S.バッハの原曲に近代的な衣裳をまとわせた《3つのコラール》、そして彼の代表作で瑞々しい躍動感にあふれた《ローマの松》の豪華カップリングです。録音:2010年3月12〜14日、6月10〜11日 ボン
603 12392
\2300
グラズノフ弦楽四重奏曲全集Vol.4
 1.弦楽四重奏曲第6番変ロ長調Op.106
 2.5つのノヴェレッテOp.15
ユトレヒト弦楽四重奏団
ハイドンからアバンギャルドまで幅広いレパートリーを誇るオランダの実力派ユトレヒトSQが着々と進行しているグラズノフ全集の第4弾。前作の「第5番」から20余年を経て書かれた「第6番」は、9/8拍子のヴィオラによる開始という彼のお得意のパターンで始まるグレー・トーンが全4楽章に色濃く漂う作品。初期作品とは思えない可憐な異国情緒にあふれた「5つのノヴェレッテ」とのカップリングでどうぞ。録音:2009年10月15〜16日、2010年5月19〜20日
903 16606
(SACD Hybrid)
\3000
ハリオルフ・シュリヒティヒ/
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
 1.目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声BWV.645
 2.ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ ト長調BWV.1027
 3.おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆けBWV.622
 4.ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ ニ短調BWV.1028
 5.我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよBWV.639
 6.ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ ト長調BWV.1029
 7.いざ来れ、異教徒の救い主よBWV.659
ハリオルフ・シュリヒティヒ(ヴィオラ)
関谷由美(ピアノ)
J.S.バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ作品集を、なかなか演奏されないヴィオラ&ピアノ版で収録した1枚。元ケルビーニ・カルテットのメンバーでソリストとして活躍しているシュリヒティヒの妙技にご注目を!録音:2010年5月31日〜6月1日 マリエンミュンスター修道院
613 16342
\2300
シュライエルマッハー/ブリティッシュ!
 1.R.エムスリー:フォー・ピアノⅠ
 2.H.スケンプトン:星の多い夜
 3.M.フィニスィー:H.スケンプトンの生誕50周年のためのタンゴ
 4.L.クレイン:H.スケンプトンのためのコラール
 5.M.フィニスィー:(トイ・)ピアノのためのソナタ
 6..R.エムスリー:フィスニーズ・フィフティ
 7.M.フィニスィー:L.クレインのためのタンゴ
 8.L.クレイン:M.フィニスィーのためのバースデー小品集
 9.H.スケンプトン:スターライト
 10.同:M.フィニスィーのためのアフター‐イメージ
 11.同:M.フィニスィーのための平和提議Ⅳ
 12.同:M.フィニスィーのためのイーヴン・タワー
 13.R.エムスリー:フォー・ピアノⅩⅡ
シュテッフェン・シュライエルマッハー(ピアノ)
現代イギリスの俊英作曲家4人による作品集
20世紀の新しい音楽の創出という意味で、ビートルズばかりが目立つイギリスですが、現代音楽の巨匠シュライエルマッハーが知られざる4人の作曲家をクローズアップする企画。エムスリー、スケンプトン、フィニスィー、クレインという今も全員が健在の個性あふれる作品をご紹介します。 録音:2010年3月27日、9月7日 マリエンミュンスター修道院
301 4162
\2300
コンソルティウム・クラシクム/ロマンティック管楽セレナーデ集
 1.ドヴォルザーク:セレナード ニ短調Op.44
 2.メンデルスゾーン:吹奏楽のための序曲(ノットゥルノ)ハ長調Op.24
 3.W.E.ハルトマン:セレナード変ロ長調
コンソルティウム・クラシクム
管楽セレナードの傑作として名高いドヴォルザークの「作品44」のセレナードと、演奏機会の稀なメンデルスゾーンとW.E.ハルトマンをカップリングした好企画。再発見された18世紀や19世紀の室内楽曲に新たに命を吹き込むために、1960年代初頭にクラリネット奏者のディーター・クレッカーによって設立された名門コンソルティウム・クラシクムの清廉なアンサンブルでどうぞ!録音:1991年3月、1992年7月 バート・アロルセン

CANARY CLASSICS 


CC-09
\2600→¥2390
アデレ・アンソニー〜エドワーズ/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
 1-4.ロス・エドワーズ(1943-):ヴァイオリン協奏曲「マニニャス」/
 5-7.シベリウス(1865-1975):ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47
アデレ・アンソニー(ヴァイオリン)/
アデレード交響楽団/
アルヴォ・ヴォルメル(指揮)
ヴォルメルのシベリウス交響曲全集(ABC)に入っていたヴァイオリン協奏曲がCanaryから分売登場。
幼い頃から天才少女の名を欲しいままにし、10歳でチャールズ皇太子の御前演奏を行い、相前後してアデレード交響楽団と共演。瞬く間にその名を知らしめたヴァイオリニスト、アデレ・アンソニー。才能あるヴァイオリニストとして、またギル・シャハムの妻として知られる彼女が奏でる2つの協奏曲をお届けします。最初はオーストラリアの作曲家、エドワーズです。彼は1980年代から、オーストラリアの民族音楽や、自然の音、アフリカ音楽、東洋音楽から自然の音など、全てを融合した世界を構築し、いくつかの作品を生み出しています。この協奏曲も、彼が追い求めて続けている「マニニャ」の世界を具現化した作品の一つです。執拗にパターン化された情熱的なリズム、ほどよいロマンティックさ、超絶技巧を駆使した光輝くパッセージ。変幻自在な世界が広がります。もう1曲はシベリウス。アンソニーは13歳の時にオーストラリア放送が主催するコンクールで最年少優勝を果たしましたが、その時の曲目がこのシベリウスのヴァイオリン協奏曲でした。それからほぼ20年。彼女の才能にほれ込んだヴォルメル(彼はシベリウス指揮者として名高い)が、この曲の演奏を持ちかけ、今回の録音が実現しました。繊細さと豪壮さを兼ね備えた彼女のシベリウスは、とてもチャーミングなものです。
録音 2009年7月10-12日オーストラリア アデレード・タウン・ホール

CEDILLE

CDR-90000121
\2000
ファンタジー
 1.フォーレ(1845-1924):幻想曲Op.79(フルートとピアノ編)/
 2.ゴーベール(1879-1941):幻想曲/
 3.ユー(1858-1948):コンクールのための幻想曲/
 4.ドップラー(1821-1883):ハンガリー田園幻想曲Op.26/
 5.タファネル(1844-1908):
  ウェーバーの「魔弾の射手」による幻想曲/
 6.ボルヌ(1840-1920):ビゼーの「カルメン」による華麗な幻想曲
マチュー・デュフォー(フルート)/
ホアン・コアンハオ(ピアノ)
1972年パリに生まれ、1997年の神戸国際フルート・コンクール第2位入賞。1999年からバレンボイムの招きでシカゴ交響楽団の首席に就任。日本でも数多くのファンを持つ注目のフルーティスト、マチュー・デュフォーによる「ファンタジー」と題されたアルバムです。ドップラーからゴーベールまで、どの曲も華やかなパッセージがふんだんに使われたものばかり。フルート好きなら狂気乱舞しそうなレパートリーを、艶やかな音色と完璧なる技巧で聴かせます。
録音 2009年5月31日-6月2日シカゴ・カレッジ・オブ・パフォーミング・アーツ・アット・ルーズヴェルト・ユニヴァーシティ、ガンツ・ホール
CDR-90000122
\2000
ステイシー・ギャロップ:作品集
1.シルバーダガー/2-7.エレノアの言葉(新聞のコラム/あなたは自由/知らない手紙/最高権力/平和の鳩/女一人で何ができるの?)/8-12.弦楽四重奏曲第3番「ガイア」
リンカーン三重奏団…1/
バフィ・バゴット(メゾ・ソプラノ)…2-7/
ホアン・コアンハオ(ピアノ)…2-7/
ビアヴァ四重奏団…8-12
シカゴ芸術大学の作曲科教授ステーシー・ギャロップ(1970-)の作品集です。彼女の音楽は民族音楽の要素を巧みに取り入れた感覚的な物から、風刺や社会問題を取り上げたものまで多彩多様であり、世界中で演奏されるたびに熱狂的に支持されています。このアルバムに収録された3つの作品は全て世界初演時の記録です。アパラチア民謡のメロディを取り入れた「シルバーダガー」、アメリカの婦人政治家エレノア・ルーズベルトの言葉を題材にした「エレノアの言葉」そして混沌と創造の音楽である「ガイア」(第2番の弦楽四重奏曲はCDR-90000100に収録)。新しいアメリカ音楽の一つの形です。
録音 シカゴ、フェイ・アンド・ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオ 2009年11月30日…1, 2009年12月4.6日…2-7, 2010年2月3.5日…8-12
CDR-90000123
\2000
コリリアーノ:ピアノ作品集
 1-3.ウィンギング・イット…世界初録音/
 4-6.キアロスクーロ/7.オスティナートによる幻想曲/
 8.カレイドスコープ/
 9-12.幻想的練習曲
  <左手のみで/五度から三度へ/オーナメント/メロディ>
ウルズラ・オッペンス(ピアノ)/
ジェローム・ローウェンタール(ピアノ)…4-6.8
映画音楽を始めとする広範囲な作品を次々と生み出す、アメリカの作曲家コリリアーノ(1938-)のピアノ作品集です。トラック1-3の「ウィンギング・イット」はピアニスト、オッペンスのために書かれ、彼女が初演し、また、このアルバムが世界初録音となります。「キアロスクーロ」と「カレイドスコープ」はコリリアーノ作品の中では珍しい2台ピアノのための曲。オッペンスの長年の協力者、ローウェンタールが絶妙のアンサンブルを醸しだします。キアロスクーロでは4分の1の微分音が使われています。美しいコラールを取り巻く夢幻的な響きで頭の中をぐらぐらさせましょう。ただし、気持ちが悪くなる人には・・・オススメいたしません。他にもミニマル好きには「オスティナートによる幻想曲」、機能的な音を聴きたければ「幻想的練習曲」がオススメです。
録音 2010年12月7-10日ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ

CDR-90000124
\2000→¥1890
「奇跡のヴァイオリニスト」〜レイチェル・バートン・パイン
 カプリホ・ラティーノ

 1.アルベニス(1860-1909):スペイン組曲Op.47より第5楽章アストゥーリアス(編曲:R.B.パイン)…世界初録音/
 2.コルデア(1917-):ラプソディア・パナメーナ…世界初録音/
 3.伝承曲:バラーダ・エスパニョーラ(編曲:J.フロリード)…世界初録音/
 4.エスペーホ(1892?1988):イベリア風前奏曲…世界初録音/
 5.キローガ(1892?1961):エミグランテス・セルタス/
 6.キローガ:テラ!ア・ノーサ!/
 7.イザイ(1858-1931):ヴァイオリン・ソナタ第6番変ホ長調/
 8.ゴンザレス(1937-):エピタラミオ・タンゲーロ…世界初録音/
 9.ホワイト(1835-1918):練習曲第6番…世界初録音/
 10.タルレガ(1852-1909):アルハンブラの思い出(編曲:R.リッチ)/
 11.ロドリーゴ(1901-1999):カプリチョ/
 12.セレブリエール(1938-):アイレ・デ・タンゴ…世界初録音/
 13.ピアソラ(1921-1992):タンゴ-エチュード第3番(編曲:R.B.パイン)…世界初録音/
 14.リドゥート(1934-1996):フェルディナンド
レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)/
エクトル・エリソンド(ナレーター)
「あれ、この曲ってヴァイオリン曲だったっけ?」と冒頭のアルベニスから驚きの連続です。編曲の妙に加え、有無を言わさず力強く迫るヴァイオリンの音色。これはスゴイです。CEDILLEレーベルを代表する女性ヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パインは、1995年のある日、ドアに挟まってしまった愛器を守るため、動き出した列車に引き摺られ、片足を切断するという大事故にあったにも拘わらず、見事復活し、以来素晴らしい演奏で聴衆を魅了し続け「奇跡のヴァイオリニスト」と呼ばれています。最近はその音色と表現にに一層の磨きがかかったようで、聴けば聴くほどに惹きつけられる美音と情熱には、まさにため息をつく他ありません。ヴァイオリン一挺でここまでできます!
録音 2009年7月13-15日、17-18日、2011年1月6日シカゴ、フェイ・アンド・ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオ
CDR-90000125
\2000
ピューリッツァー・プロジェクト
 1-2.ウィリアム・シューマン(1910-1992):世俗カンタータ第2番「自由の歌」/
 3-10.コープランド(1900-1990):アパラチアの春/
 11-21.サワビー(1895-1968):太陽の讃歌
ライアン・J・コックス(バリトン)…1-2/
グラント・パーク合唱団…1-2.11-21/
グラントパーク管弦楽団/
カルロス・カルマー(指揮)
1943年に創設されたピューリツァー賞音楽部門は、恐らくアメリカの音楽家ならば誰もが熱望する賞でしょう。このアルバムには、そんな「選ばれた」3つの作品が収録されています(W.シューマンとサワビーの作品は世界初録音となります)。W.シューマンの「自由の歌」は1943年、創設の年の受賞作。ホイットマンの「Drum Taps」をテキストに用いた感動的な作品です。コープランドの「アパラチアの春」は1945年の受賞作。誰もが知ってる名曲であり、ここでの説明は不要でしょう。そしてもう1曲、サワビーの「太陽の讃歌」は、アッシジの聖フランチェスコの讃美歌を基にした作品で、こちらは1946年の受賞作です。天国と地上世界、これらをまるでパノラマで見るように、声と管弦楽で一連の音の絵を描いていくというもの。その迫力に圧倒されずにはおれません。
録音2010年6月25.26日シカゴ ミュージック・アンド・ダンス・イン・ミレニアム・パーク、コンサート・アット・ハリス・シアター

CPO

Julius Rontgen (1855-1932): Klavierkonzerte Nr. 2 & 4, CD
777398-2
\2600→¥2390
ユリウス・レントヘン:ピアノ協奏曲第2番&第4番
 1.ピアノ協奏曲第2番Op.18/2.ピアノ協奏曲第4番ヘ長調
マティアス・キルシュネライト(ピアノ)/
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
ライプツィヒに生まれ、オランダで活躍し、その生涯もオランダで終えた作曲家ユリウス・レントヘン(1855-1932)のピアノ協奏曲です。ブラームスの第2協奏曲を演奏するほどの優れたピアニストでもあったレントヘンですが、彼のピアノ作品もなかなか優美なものです。第2協奏曲は1879年の夏に書かれました。この時期は彼の最も幸せな頃で、その喜ばしい気分が曲にも漲っています。初演は1881年10月、彼自身の演奏で行われました。ドイツ後期ロマン派の流れを汲んだ作風が光ります。しかし、第4番の協奏曲では、ブラームスやベートーヴェンの面影はほとんど見られません。流動的な作風へと変化している様子が興味深いところです。ドイツの名手キルシュネライトの華麗なる演奏です。
Mieczyslaw Weinberg (1919-1996): Streichquartette Vol. 5, CD
777566-2
\2000
ミェチスワフ・ヴァインベルク:弦楽四重奏曲集第5集
 1.弦楽四重奏曲 第1番Op.2/141/
 2.弦楽四重奏曲 第3番Op.14/
 3.弦楽四重奏曲 第10番Op.85/
 4.狂詩曲Op.11/5.アリア Op.9
ダネル弦楽四重奏団
ダネル弦楽四重奏団による、ヴァインベルク(1919-1996)の弦楽四重奏曲集もこの第5集で完結となります。1937年にヴァインベルクはワルシャワで最初の弦楽四重奏曲を作曲しました。これはショスタコーヴィチが第1番を作曲する1年前の仕事であり、良く言われるような「ショスタコーヴィチの模倣」ではなく、完全にヴァインベルク自身の語法によるものです。その46年後にヴァインベルクは全曲を改訂していますが、基本的な音楽は変えることなく、テクスチャーを柔軟に変化させ、より円熟の音楽へと進化させたものとなっています。第3番は野心作であり、第10番は彼のスタイルを完全に確立したものとして評価されることでしょう。
777533-2
\2600
ジョヴァンニ・ヴァレンティーニ:
 1619年のムジケ・コンチェルターレ(マドリガル第3集)
ラ・カペラ・ドゥカーレ/
ムジカ・フィアタ/ローランド・ウィルソン(指揮)
ベニスで活躍したヴァレンティーニ(1582-1649)は、ジョヴァンニ・ガブリエリの優秀な生徒であり、鍵盤奏者であり、多くの詩も書きました。1604年から1605年にかけて、ポーランドの宮廷オルガニストに任命され、1614年まで活躍しました。その後はグラーツに移り、フェルディナント2世と3世に仕え良い仕事をしました。当時の音楽的指向を的確に伝えた音楽家なのですが、モンテヴェルディやシュッツの影に隠れてしまい、今ではすっかり忘れられた存在となってしまっています。夥しい数の宗教曲が若干知られていますが、1616年に発表された第2集のマドリガルは、「声と楽器を組み合わせたマドリガルの最初のコレクション」として評価されています。また、このアルバムに収録された「ムジケ・コンチェルターレ(マドリガル第3集)」は、より一層装飾的なメロディとポリフォニーが際立つ興味深い作品です。歴史の隅に埋もれてしまった逸品を聴く喜びがここにあります。
777512-2
(SACD-Hybrid)
\3300
シャルル・ケクラン:オルガン作品集
 1.コラールヘ短調 Op.90bis/2.2つのヴォカリーズOp.212b/
 3.コラール「最後のレクイエム」Op.161/4.ソナティナ第3番Op.107/
 5.コラールOp.98/6.オルガンのための小品Op.226/7.フーガOp.133/
 8.アダージョOp.201/
 9.ソナティナ第2番Op.107/10.フーガ・モダーレOp.204bis
クリスティアン・シュミット
 (オルガン ドイツハノーヴァー、マルクト教会 ノイエ・ゲル=オルガン)
フランスの作曲家の中でも、シャルル=ルイ=ユジェーヌ・ケクラン(1867-1950)の存在は特別な光を放っているようです。15歳から作曲を始めるものの、若くして徴兵され、退役後にパリ音楽院でマスネ、フォーレらに学んだ彼、ドビュッシーやフォーレの作品をオーケストレーションするなど、管弦楽の扱いにも長けており、また様々な形式による多くの作品も残しています。「ジャングル・ブック」や室内楽作品など、一部の作品は良く知られていますが、このオルガン曲はまだ未踏の地。同時代のヴィドール、メシアン、アランなどとはまた違った管弦楽的な視点で、オルガンという楽器をフルに鳴らすという、ケクランならではの不思議な世界が楽しめます。緊張感に満ちた音楽と、美しい残響を伴った音色からは一時も耳を離すことができないでしょう。
777592-2
(2CD)
\5200
フランツ・レハール:
 3幕の喜歌劇「フラスキータ」
 A.M.ヴィルナー&H.ライヒェルト台本
ルペルト・ベルクマン(バス・バリトン)/
ローラ・シェルヴィツル(ソプラノ)/
ヴィンセント・シッルマッヒャー(テノール)/
ローベルト・マズル(テノール)/
ロマーナ・ノアック(ソプラノ)/
トーマス・ツィステラー(バリトン)/
レハール祝祭合唱団/
フランツ・レハール管弦楽団/
ヴィンツェンツ・プラクスマーラー(指揮)
「青空をしとねに」という邦題を持つセレナード1曲のみが知られる、このレハール(1870-1948)の喜歌劇「フラスキータ」は、1919年に書かれはじめました。この年は、他にも「青いマズルカ」と「黄色い上着(後に改作されて「微笑みの国」となる」を並行して作曲するなど、彼の創作力が絶頂の時期でした。1922年にアン・デア・ウィーンで初演されたこの喜歌劇は曲の随所にエキゾチックなダンスやタンゴ、ハバネラが使われていて、まさにビゼーの「カルメン」のレハール版とも言えるものです。しかし彼は、フラスキータとカルメンを同一視されることは好まず、「もっと感覚的な音楽」として捉えてもらいたかったようです。レハールの作品を精力的に演奏しているプラクスマーラーの親愛溢れる指揮で、このちょっぴりセンチメンタルな音楽をどうぞ。
777576-2
\2600
ヴィクター・ハーバート:作品集
 1.弦楽合奏のためのセレナードOp.12/
 2.チェロと弦楽合奏のための7つの小品/
 3.弦楽合奏のための3つの小品
マキシミリアン・ホルナング(チェロ)/
プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団/
セバスチャン・テヴィンケル(指揮)
アイルランドのダブリンに生まれ、早くから才能を認められながらも、家庭の事情で音楽教育を受けるのは、少々遅くなってしまったハーバート(1859-1924)。しかし、シュトゥットガルト音楽院に進学してからは、チェリストとして成長し、卒業後はウィーンでJ.シュトラウス2世の楽団員を務めます。その後1886年に富と名誉を求め妻とともにアメリカへ移住、そこで彼はメトロポリタン歌劇場の首席ソリストを皮切りに、ニューヨーク州兵22師団軍楽隊の指揮者を務め、また自ら楽団を設立し、夏の保養地で楽しい作品を演奏したりもしました。彼のチェロ協奏曲は、あのドヴォルザークにも強い影響を与えたほどですが、こういう作品では「あまりお金にならない」ことを知ったハーバードは、もっと気軽な作品「ライト・オペラ・・・ミュージカルの前身のようなもの」に取り組むようになり、この分野で素晴らしい成功を収めました。米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)を設立したことでも知られています。このアルバムは、そんな彼のチェロ作品を始めとした興味深い曲を聴くことができます。

CPO


777615-2
(2CD)
\5200→¥4790
マリオ・ヴェンツァーゴ&バーゼル管弦楽団
 アントン・ブルックナー:交響曲全集第 1 集

  1.交響曲第 4 番変ホ長調(第 2 稿)/
  2.交響曲第 7 番ホ長調(1881-83 年)
バーゼル管弦楽団/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
ブルックナー(1824-1896)の交響曲については、様々な異稿版が存在し、現在でも研究が進んでいることは周知の事実です。初稿、改訂、後の人たちに拠る改編・・・。そのどれもが独自の声を挙げ、「これこそがブルックナーの真実の声」と主張し合っています。そして、演奏を聴く時には、ここ指揮者の解釈、オーケストラの音色などが加わり奥深い世界を構築していくのです。こうして、聴き手も演奏家もブルックナーから抜けられなくなるのでしょう。こちらは2002 年から2009 年までインディアナポリス交響楽団の音楽監督を務めた指揮者ヴェンツァーゴの渾身のブルックナーです。彼は以前にもバーゼル管弦楽団と「知られざるシューマン作品」の発掘を行ったことでも知られ、今回のブルックナー・ツィクルスでも何かをやってくれそうな期待が高まります。
777657-2
(2CD)
\5200
カール・オルフ:シェイクスピア(1564-1616)の「真夏の夜の夢」による劇と音楽
 (A.W.シュレーゲル…ドイツ語訳)
アンドレアス・ハウン/
バルバラ・ベーラー/
クリスチャン・アルント・サンチェス/
アンデックス・オルフ・アカデミー・ミュンヘンRO/
クリスチャン・フォン・ゲーレン(指揮)
1964 年、カール・オルフ(1895-1982)はシュツットガルトで「真夏の夜の夢」の改訂版の初演を行いました。オルフはこの作品に1938 年頃から取りかかり、1952 年にダルムシュタットで演奏するまでに、幾度となく書き直しをしたり、と、彼の人生の多くの部分をこの作品が占めていた計算になります。そのせいか、彼の作品の中でもとりわけ優れたものとして評価されています。「比類なき古典の名作」に音楽、言葉(シュレーゲルが翻訳したドイツ語)、舞踊、ファッションなどの当時の最先端の流行を取り入れ、総合舞台芸術へと生まれ変わらせた作品、今回は音のみで残念ですが、その気合いは充分に届くことでしょう。

777114-2
(2CD)
\5200→¥4790
クリスティアン・シンディング:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
<CD1>
 1.ヴァイオリン協奏曲第 3 番 Op.119/
 2.伝説 Op.46/3.ロマンス Op.100/
<CD2>
 1.ヴァイオリン協奏曲第 1 番Op.45/
 2.ヴァイオリン協奏曲第 2 番 Op.60/
 3.組曲 Op.10/4.宵の明星 Op.120
アンドレイ・ビエロフ(ヴァイオリン)/
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー/
フランク・ベールマン(指揮)
最近、人気急上昇のノルウェーの作曲家、シンディング(1856-1941)のヴァイオリンと管弦楽のための作品全集です。自国で絶大なる人気を得たグリーグとは違い、ドイツに留学し、後期ロマン派の影響を強く受け、その作品にも濃厚なロマンの香りが漂う彼の作品は、どちらかというと、ノルウェー以外の国・・・とりわけドイツでの評価が高く(彼自身も生涯のほとんどをドイツで過ごした)、今では却って中途半端さだけが目立ってしまう人ですが、勇壮で流麗な交響曲や、ヴァイオリン曲などが紹介されるに従って、曲の持つ美しさに気が付いた人が多いのかもしれません。若きヴァイオリニスト、ビエロフの情緒豊かな演奏でじっくりお聴きください。

777542-2
\2600→¥2390
アドリエン・フランソワ・セルヴェ:チェロと管弦楽のための作品集
 1.スパでの思い出 Op.2/
 2.シューベルトのワルツによる幻想曲と華麗なる変奏曲 Op.4/
 3.セビリアの理髪師 Op.6/
 4.チェロ協奏曲ロ短調 Op.5
ウェン=シン・ヤン(チェロ)/
ミュンヘン放送管弦楽団/
テリェ・ミッケルセン(指揮)
ベルギーのチェリスト、セルヴェ(1807-1866)は「チェロのパガニーニ」と呼ばれる名手でした。バロック時代になかったエンドピンを始めて取りつけたのも彼だと言われてます。同時代の作曲家、ベルリオーズやロッシーニからも信頼されていた彼は、輝かしい技巧を駆使した作品を次々と創り上げました。その演奏効果については、若きパブロ・カザルスが、「スパでの思い出Op.2」の素晴らしすぎる演奏で、自らを「セルヴェの後継者」と呼ぶ高慢なチェロの教授を言葉も出ないほどにやりこめたという逸話もあるほどです。ここで聴き手の心を鷲掴みにするのは、現代の若き名手ウェイ=シン・ヤン。息がとまるほどの名技をご堪能ください。

777232-2
(2CD)
\4000→¥3690
ジョルジュ・オンスロウ:ピアノ三重奏曲全集第 3&第4 集
<CD1>
 1.ピアノ三重奏曲第 7 番ニ短調 Op.20/
 2.ピアノ三重奏曲第 1 番イ長調 Op.3-1/
 3.ピアノ三重奏曲第 4 番ホ短調Op.14-1/
<CD2>
 1.ピアノ三重奏曲第 8 番ハ短調 Op.26/
 2.ピアノ三重奏曲第 6 番ニ長調 Op.14-3/
 3.ピアノ三重奏曲第3 番ト短調 Op.3-3
カサドシュ三重奏団
このアルバムはオンスロウ(1784?-1853)のピアノ三重奏曲全集の締めくくりとなります。オンスロウはフランスの作曲家とされていますが、作品は当時のドイツ風の味わいを持つため、メンデルスゾーンやシューマンが高く評価していました。古典派とロマン派の過渡的な様式を持ち、端正さと劇的な表現力をバランス良く持ち合わせています。曲によっては、驚くほど半音階的なメロディが見られたり、となかなか興味深い作品が多く存在します。第7 番の三重奏曲 Op.20 は1822 年に作曲されましたが、とても技巧的であり、またロマンティックな第1 楽章のアレグロ・エネルジーコを聴いてみると、当時の彼が完全に自由な作風と形式を得たことが分かるのではないでしょうか。
777591-2
(2CD)
\5200
レオ・ファル:喜歌劇「陽気な農夫」
ヴィクター・レオン台本
ルパート・ベルクマン(バス・バリトン)/
ロベルト・マスル(テノール)/
オイゲン・アメスマン(テノール)/
ラウラ・シェルヴィツル(ソプラノ)/
トマス・ジステラー(バリトン)/
ローマン・ノアック(ソプラノ)/
レハール祝祭合唱団/
フランツ・レハール管弦楽団/
ヴィンツェンツ・プラクスマーラー(指揮)
ほとんど演奏される機会のない作品を精力的に取り上げるバード・イシュルのレハール音楽祭は、オペレッタ好きの聖地と言えるでしょう。レオ・ファル(1873-1925)はボヘミア出身で、オーストリアで活躍した作曲家です。オペレッタ黄金期を代表する最も有名な人として人気を博しました。この作品は彼の代表作の一つで、貧乏な農夫マテウスが息子に将来を託すも、立派になってしまった息子ステファンはその恩を忘れ、妹と妻の両親を巻きこんで父親をないがしろにしてします。しかし、ステファンの妻はそんなマテウスを大切に扱うので、他の人たちも心を入れ替え和解するという物語。よくある家庭騒動を美しいワルツに載せて聴かせる素晴らしい作品です。

777656-2
(SACD-Hybrid)
\3000→¥2790
オルフ編曲モンテヴェルディ!
 クラウディオ・モンテヴェルディ&カール・オルフ:

 1.オルフェウス(1940 年第 3 稿)/
 2.メゾ・ソプラノと管弦楽のための「アリアドネの嘆き」(1940 年第 2 稿)
ヤニナ・ベヒレ(メゾ・ソプラノ)/
ミヒャエラ・ゼリンガー(メゾ・ソプラノ)/
カイ・シュティーフェルマン(バリトン)/
トレク・ナズミ(バス)/
オルフェウス・コア・ミュンヘン/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
あの誰もが知ってる「カルミナ・ブラーナ」の作曲家、カール・オルフ(1894-1982)はモンテヴェルディ(1567-1643)を精力的に研究し、知られざる作品をいくつも世に出した功労者でもあるのです。1920 年代に舞踊教師のドロテー・ギュンターとともにミュンヘンに「ギュンター・シューレ(体育、音楽、舞踊を教える学校)」を設立し、そこで教えていたオルフは、音楽学者クルト・ザックスの提案に従い、モンティヴェルディの劇作品を発見、管弦楽部分に補筆を加え、その舞台を復活させました。オルフ自身も、彼の語法を偉大なるバロック作曲家の作品の中に見出し、その素晴らしき邂逅は大きな実を結ぶことになったのです。
777495-2
\2600
アンデシュ・エリアソン:
 テノール、合唱、大オーケストラのための「クオ・ヴァディス」
ミヒャエル・ヴァイニウス(テノール)/
スウェーデン放送交響楽団&合唱団/
ヨハネス・グスタフソン(指揮)
「ペッタションの後継者」と言われるスウェーデンの現代作曲家エリアソン(1947-)の大規模な作品です。幼い頃から音楽に親しみ、9 歳でトランペットを手にして、10 歳でジャズ・バンドを組んだという早熟の天才でした。この作品のタイトル「クオ・ヴァディス」は、ラテン語で「どこへ行くのか?」の意味。ペトロが最後の晩餐でイエスに投げかけた言葉です。1998 年にマンフレッド・ホーネックが彼にレクイエムの作曲を依嘱するも、エリアソンはレクイエムではなく、この曲を書いたということです。自分自身があまりにも小さなキリスト教徒であったから。という理由で・・・。彼の作品は「無駄な音符が一つもない」と言われるほどに精緻で禁欲的なものですが、このような大規模な作品ですと、また印象が変わることでしょう。
777663-2
\2000
フランツ・リスト:巡礼の年 第2 年への追加、第3 年
 1.巡礼の年第 2 年への追加「ヴェネツィアとナポリ」/
 2.巡礼の年第 3 年
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ…スタインウェイD モデル使用)
1850 年代後半からのリスト(1811-1886)は様々な苦難に見舞われました。カロリーネとの結婚は認められず、1859 年には息子が20 歳で亡くなり、その2 年後は26 歳の娘を失うという痛手に加え、ワイマールの楽長を辞任、また健康上にも多くの問題を抱えるようになってしまったのです。そんな彼は、若い頃から傾倒していた宗教に、より深くはまり、ついには1866 年に僧籍に入ってしまいました。その頃から彼の作品も深みと暗さを帯びるようになったのはご存知の通りです。巡礼の年第3 年も、そんな質素で難解な音楽です。例外的に知られているのは「エステ荘の噴水」ですが、この曲も、実はかなり複雑で希薄な調性感を有しているのです。名手コルスティックの素晴らしい演奏で。

777179-2
(SACD-Hybrid)
\3000→¥2690
ルイ・シュポア:交響曲集第 3 集
 1.交響曲第 1 番 Op.20/
 2.交響曲第 6 番 Op.116「歴史的交響曲」/
 3.序曲 Op.12
ハノーファー北ドイツフィルハーモニー/
ハワード・グリフィス(指揮)
ヴァイオリニスト、指揮者としてヨーロッパ各地で活躍、作曲家としては「古典派とロマン派のかけ橋」としての役割を担ったシュポア(1784-1859)の交響曲です。第1 集(777177-2)、第2 集(777178-2)に続く第3 集目となります。今作に収録されているのは、彼の第1 番の交響曲は、当時の影響を受けてはいるものの、まさしく意図的に「ベートーヴェンとは違うスタイル」としてデザインされているようです。そして1811 年の初演後にライプツィヒの「一般音楽新聞Allgemeine MusikalischeZeitung」で大絶賛を浴びました。第6 番の交響曲は、古典的な様式を脱して、標題音楽への模索が感じられる作品。ただ「歴史的」という言葉については明確な何かがあるわけではないようです。残念ながら、少し斬新だったせいか、当時の聴衆にはあまり受けなかったと言われています。
777642-2
(2CD)
\4000
ヨハネス・ブラームス:ピアノ三重奏曲第 1 番-第4 番
<CD1>
 1.ピアノ三重奏曲第 1 番ロ長調 Op.8/
 2.ピアノ三重奏曲第 3 番ハ短調 Op.101/
<CD2>
 1.ピアノ三重奏曲第 2 番ハ長調 Op.87/
 2.ピアノ三重奏曲イ長調 作品番号なし
エスカール三重奏団
1994 年に創立されたデンマークのアンサンブル、エスカール三重奏団による演奏です。ブラームス(1833-1897)は、20 歳になった頃、第1 番のピアノ三重奏曲を書きましたが、その後はしばらくこの形式の曲を書くことなく、1880 年代の円熟期になってから、立て続けに第2 番、第3 番を作曲したのでした。そして作曲番号なしのイ長調の曲は、1924 年にボンの蒐集家によって発見された作品ですが、ブラームスの真作なのかについては、現在でも論争が続いており、未だ決着は付いていません。確かに作品の構成が似ていたり、ブラームスらしい曲調ではあるのですが、本当のところはどうなのでしょう?
777419-2
\2000→¥1890
後期ロマン派の潮流の中にひっそりと咲いた美しい花
38歳で亡くなったクロアチアの女流作曲家
 ドラ・ペヤチェヴィッチ:室内楽作品集

  1.ピアノ三重奏曲 Op.29/
  2.チェロとピアノのソナタ Op.35
アンドレイ・ビエロフ(ヴァイオリン)/
クリスチャン・ポルテラ(チェロ)/
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)
交響曲嬰へ短調(777418-2)で、堂々たる「センター入り」を飾ったクロアチア出身の作曲家、ペヤチェヴィチ(1885-1923)。今作は彼女の本領発揮とも言える室内楽作品集です。彼女の全室内楽作品の内訳は、2 つの弦楽四重奏、ピアノ四重奏、ピアノ五重奏、2 つのヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ1 曲、そして2 つのピアノ三重奏曲です。とりわけピアノへの偏愛が感じられ、管楽器の作品は一つもありません。ピアノ三重奏曲Op.29 は、すでに成熟しており、非常に表現力豊かで、端正なテクスチャーを持つ作品です。1913 年に書かれたチェロ・ソナタ(1915 年に改作)は、劇的であり、また堂々とした曲です。これを聴いてしまえば、他の作品の録音も待ち遠しくなるはずです。
ドーラ・ペヤチェヴィチCPO前作

旧譜
777418-2
\2600→¥2390
ドーラ・ペヤチェヴィチ:交響曲他
 1.交響曲嬰ヘ短調 Op.41/
 2.ピアノと管弦楽のための「ファンタジー・コンチェルタンテ」ニ短調
フォルカー・バンフィールド(ピアノ)/
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
アリ・ラシライネン(指揮)
 クロアチアの中流家庭に生まれたドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)は、ピアニストで声楽家の母から音楽の手ほどきを受け、12歳で作曲を始め、ドレスデン、ミュンヘン、ザグレブで音楽を学び、自らに潜む音楽性を確認していきました。
 彼女は頻繁に旅行し、また同時代の文化人たちと積極的に交流。それらを下地にますます新しい音楽について模索を重ね、38歳で亡くなるまで57曲の作品を残しました。しかし、そのほとんどは出版もされることなく、今でも演奏してくれる人を心待ちにしています。
 後期ロマン派の潮流の中にひっそりと咲いた美しい花が広く知られるには、まだ時間がかかることでしょう。この1枚が再評価のための足がかりになることは間違いありません。


DACAPO


6.220538
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:交響曲集第3集
 1-4.交響曲第9番ハ長調 K73(K75A)/
 5-7.交響曲ニ長調 K81(K73L)/
 8-11.交響曲ニ長調 K97(K73M)/
 12-15.交響曲ニ長調 K95(K73N)/
 16-18.交響曲第11番ニ長調 K84(K73Q)/
 19-21.交響曲第10番ト長調 K74
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
アダム・フィッシャーによるモーツァルト(1756-1791)交響曲全集の第6作となります。ここでは1769年から1770年に作曲された3つの番号付きと、3つの番号なしの合計6つの交響曲を収録。13歳から14歳のモーツァルトはザルツブルクの宮廷楽団でコンサート・マスターに任命されたり(無給!)イタリアへ旅行したりと、活発な活動を行っていた時期に書かれたこれらの曲は、イタリア序曲の様式を持ち、活発で明るい楽想が特徴です。偽作と思われる作品については、本当のところはどうなのだろう?と考える楽しみも残されています。録音 2010年コペンハーゲン DRコンサートハウス第2スタジオ

≪既発アルバム≫
6.220540
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:<交響曲集第5集>
 交響曲第15番/交響曲第16番/
 交響曲第17番/交響曲第18番
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
ハイドンの交響曲全集やバルトークの管弦楽曲集などで、日本でも名前が知られるハンガリーのベテラン指揮者が、モーツァルトの交響曲シリーズに挑戦中。ハイドンの録音を聴く限り、小編成のオーケストラを相手に切れ味のいい音楽を作りあげていましたが、このモーツァルトでも期待できる。シリーズのスタートだが、先ず第5集からリリースされる。
6.220541
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:<交響曲集第6集>
 交響曲第19番変ホ長調 K.132
 交響曲第20番ニ長調 K.133
 交響曲第21番イ長調 K.134
 交響曲第26番変ホ長調 K.184 (161a)
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
録音:2007年、デンマーク放送コンサート・ホール
6.220542
(Dacapo SACD Hybrid))
\2200→¥1990
モーツァルト(1719-1787):交響曲集第 7 集〜1773 年
 1.交響曲第 27 番ト長調 KV161B, 199/
 2.交響曲第 22 番ハ長調 KV162/
 3.交響曲第 23 番ニ長調KV181 , 162B/
 4.交響曲第 24 番変ロ長調 KV182, 173DA/
 5.交響曲第 25 番ト短調 KV183, 173DB
アダム・フィッシャー/
デンマーク国立室内管弦楽団
 演奏は全体的にムダをそぎ落としたスタイリッシュなもの。弾むようなアレグロ楽章、茶目っ気あふれるアンダンテ楽章と、メリハリも効いてます。とりわけ、有名な第25 番ト短調の爽快すぎるほどのテンポ設定には少々面食らう部分もありますが、慣れてくると快感にかわること間違いなし。
 このモーツァルトは聴かないと損します。
6.220539
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト(1756-1791):交響曲集第 4 集〜1771 年
 1.交響曲第 12 番ト長調 K110/
 2.交響曲ハ長調 K96/
 3.交響曲第 13 番へ長調 K112/
 4.交響曲第 14 番イ長調 K114
アダム・フィッシャー(指揮)/
デンマーク放送室内管弦楽団

6.220543
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト(1756-1791):交響曲集第8集
 1-4.交響曲第29番イ長調 K201(K186A)/
 5-8.交響曲第30番ニ長調 K202(K186B)/
 9-12.交響曲第28番ハ長調 K200(K189K)
デンマーク・ナショナル室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2009年10月&2010年4月DRコンサートハウス、スタジオ2
 アダム・フィッシャー、今最も乗りに乗ってるモーツァルト。
 本当に素敵なモーツァルト。今一番聴きたいモーツァルト指揮者と言っていいかもしれない。全身から音楽を、モーツァルトを演奏する喜びがあふれているのである。この29番も、冒頭の3秒でいい、かけた瞬間部屋の雰囲気が変わる。


6.220565
(SACD-Hybrid)
\2200
ランゴー:ピアノ作品集 第2集
 1-4.夏の思い出BVN 254<ある日/アレグレット/無題/歌>/
 5-6.深淵の音楽BVN 169/
 7.アルバムの綴りⅠBVN 3/8.夜の教会の庭でBVN 22/
 9.アドラツィオーネBVN 223/10.ピアノ小品ホ長調 BVN 426/
 11-20.ブレーキンゲの夏の休日BVN 123
  <旅行/邂逅/日曜日の村の教会で/松林のカウベル/
  お茶会そして諦め/スウェーデン/
  スイートピー/旅の途上で/別れ/ダンスの夕べ>
ベーリト・ヨハンセン・タンゲ(ピアノ)
あまりにも幅広い作風の音楽を書いたため、どれを最初に聴くかで全く評価が異なってしまうという作曲家がかなり多く存在しますが、このランゴー(1893-1952)などはその最たる人でしょうか。このピアノ作品集を冒頭から聴くと、どう聴いてもショパンからグリーグやシベリウスへの系譜を感じるはずです。しかし、この「夏の思い出」は夢想家であった彼のごく一部の姿であり、次の曲集「深淵の音楽」では、全く違う音世界に戸惑う人も多いことでしょう。急進的な音と、感覚的な表現を求め、標題にも音楽にもあらゆる工夫を凝らし、時には神秘性すら漂うランゴーの音楽。一度はじっくりと聴いてみてほしいものです。
8.226088
\2000
ヘアマン.D.コッペル:チェロとピアノの作品集
 1-3.テルニオOp.53b(1951)/
 4-12.独奏チェロのための「序奏、主題と変奏、そしてエピローグ」Op.86(1971)/
 13-15.チェロとピアノのためのソナタOp.62(1956)/
 16.ベンジャミン・コッペル(1974-):
  Professor Hermans Cellistic Imagaginarium
モーテン・ツォイテン(チェロ)/
アマリエ・マリング(ピアノ)
ヘアマン.D.コッペル(1908-1998)は作曲家&ロック・ミュージシャン、アナス・コッペルの父であり、サクソフォン奏者で作曲家ベンジャミン・コッペルの祖父でもあります。そんなデンマークを代表する彼が1950年代に書き始めたチェロの作品は、まさに「デンマークの新しいチェロ・レパートリー」となったことは間違いありません。いわゆるゲンダイ音楽ではなく、どちらかというと新古典主義とも思えるリズミカルで、調性感はなくともロマンティック。よくあるような、またとないような不思議な感触です。このアルバムのために、チェリスト、ツォイテンはベンジャミンにも新作を依頼し、この偉大なる音楽一家の歴史を辿るような素晴らしい1枚を創り上げたのです。録音 デンマーク王立音楽院 2009年1月13-15日…1-3.13-15, 2010年6月16日…4-12, 2011年1月17日…16
Anders Koppel: Concertos
8.226052
\2000
アナス・コッペル:協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、
  ファゴット、管弦楽のための協奏交響曲(2007)/
 4-8.フルート、ハープ、管弦楽のための協奏曲(1998/2009)/
 9-11.テューバと管弦楽のための協奏曲(2003)
アンナ・マリア.D.ダール(ヴィオラ)/
ヤナ・デシュコワ(ヴァイオリン)/
ランディ・エスターゴー(クラリネット)/
シェリア・ポプキン(ファゴット)/
マティアス・ヨハンソン(テューバ)/
クラウス・エトルプ・ラーセン(フルート)/
メッテ・ニルセン(ハープ)/
オルボア交響楽団/
マティアス・エッシュバッハー(指揮)
こちらは、1947年生まれのアナス・コッペル(1947-)の作品集です。彼はロック、ジャズ、ワールドミュージック、そしてクラシック。あらゆるジャンルを飛び越えて斬新な音楽を作り出す作曲家です。最初の曲は驚くほど軽快なワルツで始まります。第2楽章は怠惰なブルースであり、第3楽章は官能的なタンゴです。2曲目はフルートとハープが神秘的な楽想を奏でます。第3曲目のテューバの活躍も目を見張るばかり。このアルバムは現代音楽の括りには入れずに、エンタテイメントの括りがふさわしそうです。録音 2009年6月22-26日&2010年6月22-24日
8.226549
\2000
ディスタント・スティル:
 1-4.ポール・ルーザス(1949-):ホルン三重奏曲/
 5-7.ペレ・グドムンセン=ホルムグレーン(1932-):まだ近く、まだ遠く/
  8-11.セーレン・ニルス・アイヒベルク(1973-):ホルン三重奏曲
クリスティーナ・オストラン(ヴァイオリン)/ヤコブ・ケイディング(ホルン)/ペア・サロ(ピアノ)
最も先進的な3人のデンマーク作曲家によるホルン三重奏曲集です。ブラームスからリゲティに繋がる「ホルン三重奏の系譜」を見事に受け継いだ作品ですが、各々の曲はとても個性的であり、類似品はどこにもありません。透明な音色がはじけながら交錯するルーザスの作品、情緒的とも言えるグドムンセン=ホルムグレーン(ヴァイオリンが優勢)の作品、つぶやきと舞曲、そして終楽章で流動的なエネルギーが噴出するかのようなアイヒベルクの作品と、新鮮な音に満ちた1枚です。録音 2010年3月27-31日コペンハーゲン DRコンサートハウス第4スタジオ

MARCO POLO

J. シュトラウス I :作品集第19集(スロヴァキア・シンフォニエッタ/ポラック)
8.225339
\2000
J.シュトラウス1 世:管弦楽作品集第 19 集
 1.ワルツ「カーニバルの悪ふざけ」Op.175/
 2.ワルツ「ウィーンの舞踏会の秘密」Op.176/
 3.フローラ・カドリーユ Op.177/
 4.ワルツ「オーストリアの歓喜の音」Op.179/
 5.ストラデッラ・カドリーユ Op.178/
 6.ワルツ「夏の夜の夢」Op.180/
 7.ワルツ「陽気な写真」Op.181/8.ワルツ「地方地主」Op.182/
 9.アモレット・カドリーユ Op.183/10.ワルツ「調和の踊り」Op.184
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)
「ワルツの父」J.シュトラウス1世(1804-1849)の1845 年から1846 年に書かれた作品集です。これらの曲の豊かな旋律と、煌めく装飾性、そして独創的な創造力は、当時の批評家や、聴衆から大絶賛されました。当時のシュトラウスは、妻との不幸な結婚生活や、息子「シュトラウス2世」との確執など、私生活では様々な問題を抱えていたのですが、美しい調べからは、そのような問題は微塵も感じられません。ローマ神話の女神を記念した「調和の踊り」は、シューマンが自分の批評誌上にこの上なき賛辞を贈ったことでも知られています。

NAXOS 1CD¥1100


8.572554
インス:コンスタンティノープルの陥落
 1-4.トルコの民族楽器と声楽のための協奏曲(2002/2009)/
 5-9.交響曲第 2 番「コンスタンティノープルの陥落」(1994)
  <第1 楽章街と壁/第2 楽章アヤソフィア/
   第3 楽章コンスタンティヌス大帝とメフメト帝のスピーチ/
   第4 楽章レールの上の船:海上の戦い/
   第5 楽章コンスタンティノープルの陥落>/
 10.ピアノ協奏曲(1984)/
 11.赤外線のみ(1985)
ネヴァ・オズゲン(ケメンチェ)…1-4/
ヴェラレッティン・ビジェル(ネイ)…1-4/
アリ・ベクタス(ズールナー1)…1-4/
セブデット・アクデニス(ズールナー2)…1-4/
ビルケント・ユース合唱団…1.2.4/
ビルケント交響楽団…1-11/
カムラン・インス(指揮…1-9.11、ピアノ…10)/
イシン・メティン(指揮)…10
とことんまで、トルコにこだわる作曲家インス(1960-)。今回のアルバムでもそのポリシーが炸裂。強烈な音世界を見せてくれます。
まずは民族音楽と楽器を用いた「協奏曲」から。日本でもおなじみのあの音色がふんだんに使われていて、妖しい雰囲気満点の音楽となっています。
メインの交響曲第2 番は、古代から続いたローマ帝国が滅亡するきっかけとなった1453 年に起きた戦いを描いたもの。現在のイスタンブルの前身である、東ローマ帝国の首都であった都市コンスタンティノープルが、オスマン帝国のメフメト2 世の侵攻により陥落するまでの情景です。こちらは民族楽器は使われていないのですが、東洋的で哀調を帯びたなメロディや、迫力たっぷりな戦いの場面はイヤというほど耳に残ることでしょう。最後は無情感を残して曲を閉じます。
暴力的な音と打楽器的な扱いを受けるピアノが面白い「ピアノ協奏曲」、作曲家が編愛する「赤外線」の音楽、と、どれも興味深い曲ばかり。この人の作品はどれも面白いのだろうな・・・と期待してしまいます。

インス/旧譜から

8.557588
¥1100→\990

インス:交響曲 第3番「ウィーンの包囲」(19949月−19953)
     ドメス(19932月−4)
    交響曲 第4番「サルディス」(19997月−20007)
カムラン・インス指揮
プラハ交響楽団

 ローマ大賞、ブーランジェ賞受賞という華々しい経歴を持つカムラン・インスは、アメリカ人とトルコ人を両親に持ち、少年から青年時代までをトルコで過ごした。
 その作風は、多少のミニマル的素養は見せるものの、西洋音楽の中ではやはり異端。前衛ではないので聴き難いということはないが、西洋と東洋の個人的体験が、かなり苛烈で激しい音楽によって表現される。深刻で哀しい色調が作品全体を覆い、鮮烈なパーカッション軍や、民族楽器、エレキギターまで登場する大オーケストラは、常に刺激的な音楽を提供し続ける。ただ、ひょっとしたらその破壊的な音調は、哀しさや辛さの裏返しなのかもしれない。・・・そう思わせるような精神的な深さを感じさせるのである。
 作品自体はいずれも15分から20分ほど、と決して大きくはないが、その充実度はきわめて高い。いずれにせよ聴くほうはかなりのエネルギーを必要とする。
 そして作曲者自身が指揮し、NAXOSとしては珍しくプラハ響(ワーグナー・チューバではチェコ・フィルのメンバーまで動員されている)を起用するなど、演奏の緊密度も恐ろしく高い。聴くほうもそれなりの覚悟と緊張を持って臨みたい。相応の満足感を得られると思う。


8.572786
ボロディン:交響曲第 1 番-第3 番
 1-4.交響曲第1 番変ホ長調/
 5-8.交響曲第2 番ロ短調/
 9-10.交響曲第3 番イ短調「未完成」
(グラズノフによるオーケストレーション)
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ロシア5 人組の一人、ボロディン(1833-1887)の交響曲です。もともとは科学者として活躍していたのですが、ムソルグスキーと知りあい、シューマンの曲を知ってから音楽に興味を持つようになりました。1862 年に着手し、作曲に5 年を費やした第1 番は、どうしてもメンデルスゾーンやシューマンの影響が感じられもしますが、ロシアらしさも存分に感じられる完成度の高いもの。もっと演奏されても良い作品です。1869 年に作曲された第2 番は良く知られた作品で、名演、名盤が凌ぎを削っていますが、この演奏は、かなりすっきりとしたもので、泥臭さを求める人には、ちょっと物足りなさが残るかもしれません。でも、こういうのもいいですよね?さて、1884 年に着想された交響曲第3 番は、完成を見る前にボロディンがこの世を去ってしまいました。残されたスケッチを元にグラズノフが形にしましたが、本来ならば、変奏曲とフィナーレも付け加えられる予定でした。永遠に聴くことができないのが残念です。

8.559627
ブレシング・レッスンズ〜サクソフォン四重奏のための音楽
 1.タネンバウム(1924-2008):サックス四重奏曲(1999)/
 2-8.サンプソン(1951-):ブレシング・レッスンズ(2002)/
 9-14.モリル(1938-):6 つのバガテル(2004)/
 15-18.ソーター(1914-1981):
  テューバとサクソフォン四重奏曲のための小品(1961)/
 19.エワゼン(1954-):
  サクソフォン四重奏曲のための狂詩曲(2004) 全て世界初録音
スコット・メンドカー(テューバ)…15-18/
ニュー・ハドソン・サクソフォン四重奏団
<メンバー:
ポール・コーエン(ソプラノ・サックス)/
アヴィ・ゴールドローゼン(アルト・サックス)/
デヴィッド・デムジー(テナー・サックス).
ティム・ルードマン(バリトン・サックス) >
気まぐれで刺激的。そんな言葉がぴったりのサックス四重奏。このアルバムは1987 年に結成された「ニュー・ハドソン・サクソフォン四重奏団」の3枚目のアルバムとなります。彼らは、常に新しいレパートリーを求め、多くの作曲家たちに新作を依頼し、既に30作以上の作品を手中に収めています。まず、ひねりの効いたタネンバウムの「四重奏」で始まり、アルバム・タイトルでもあるサンプソンの「ブレシング・レッスンズ(息使いの練習)」で多彩な世界を見せてくれます。テナー・サックス奏者デムジーの友人でもあるモリルのジャジーで即興的な「バガテル」、テューバを吹く人も必聴、ソーターの作品。そして大御所エワゼンの華麗でエネルギッシュなラプソディ。全て世界初録音です。

8.572410
フェラーラ:悲劇的幻想曲・嵐の夜他
 1.前奏曲/2.悲劇的幻想曲/3.嵐の夜/4.ブルレスカ
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
イタリアの指揮者、作曲家、音楽教育家であるフランコ・フェラーラ(1911-1985)の作品集です。イタリア、パレルモに生まれ、幼い頃から音楽を学び、5 歳の時には、ピアノ・ソナタ(のようなもの)を作り上げ、家族を驚かせたと言います。家族と共にボローニャへ移住、コンソリーニにヴァイオリンを学び、ノルディオにピアノと作曲を学びます。彼は良きピアニストであり、また素晴らしいヴァイオリニストでした。イタリア各地で演奏活動を行ううちに、何人かの指揮者・・・グアルニエリ、トスカニーニ、マリヌッツィ・・・と出会い衝撃を受けたのです。そしてグアルニエリの奨めで指揮者に転向、1938 年にフィレンツェ歌劇場でデビューし、1944年には聖チェチーリア音楽院管弦楽団の常任指揮者になります。しかし、その後体調を崩し、後進の指導や映画音楽の作曲などに専念しました。多くの才能ある指揮者を育て、また多くの映画音楽を指揮するなど、イタリアの音楽界にとって、なくてはならない人なのです。ここに収録された4 つの作品は、そんな彼の活動を音にしたかのような劇的で華麗、そして表現力豊かな力作揃い。そのまま映画が何本も撮れそうな雰囲気に満ちた佳曲です。

8.572162
C.P.シュターミッツ&ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲集
 1-3.C.P.シュターミッツ(1745-1801):ヴィオラ協奏曲第 1 番ニ長調/
 4-6.ホフマイスター(1754-1812):ヴィオラ協奏曲ニ長調/
 7-9.ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲変ロ長調
ヴィクトリア・チャン(ヴィオラ)/
ボルティモア室内管弦楽団/
マーカンド・ザーカー(指揮)
マンハイム楽派の傑出した音楽家であるシュターミッツと、出版事業でも知られるホフマイスター。彼らの作品は、どうしても同時代の天才、モーツァルトの影に隠れがちですが、こうして改めて聴いてみると、その独自性溢れる音楽には感嘆せずにはおれません。父ヨハンから音楽教育を受け、パリでヴァイオリニストとして活躍したシュターミッツの作品は、超絶技巧をふんだんに使った華麗なもの。オーケストラ・パートの充実した書法も魅力的です。かたやホフマイスターの作品は、どちらかというと簡潔な書法で書かれ、優雅さが際立つものです。「すばらしく深く、対話に満ちた音」とボルティモアの新聞評で絶賛された女性ヴィオリスト、チャンの演奏で。
ブライアン:交響曲第20番, 第25番(ウクライナ国立響/ペニー)
8.572641
迷宮のシンフォニー
 ブライアン:交響曲第 20 番&第25 番
 1-5.古い韻による幻想的変奏曲(1907)/
 交響曲第 20 番嬰ハ短調(1962)
  <6-9.第1 楽章アダージョ-アレグロ・アジタート/
  10-13.第2 楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポ、カンタービレ・エ・ソステヌート/
  14-19.第3 楽章アレグロ・ヴィーヴォ>/
 交響曲第 25 番イ短調(1966)
  <20-26.第1 楽章アレグロ・リソルート/
   27-31.第2 楽章アンダンテ・カンタービレ/
   32-35.第3 楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポ>
 ※MARCO POLO 8.223731 より移行盤
ウクライナ国立交響楽団/
アンドリュー・ペニー(指揮)
長大で複雑な作品を書くことで知られるブライアン(1876-1972)。このアルバムに収録された2 つの交響曲は、長さの面(だけ)なら比較的取っつきやすいものでしょう。1962 年に書かれた第20 番は予想以上にコンパクトで、洗練された主題を持ち、表現力豊かです。そして1966 年に書かれた第25 番は、より古典的な構成を持ち、美しいメロディを持っています。しかし・・・ブライアンです。一筋縄でいくわけはありません。この楽章の配置を見てください。一つの楽章はいくつもに細分され、目まぐるしく表情を変化させます。終わると見せかけて終わらない。そしていつの間にか別世界へ持っていかれる感覚。これは病みつきになります。冒頭に置かれた「古い韻による幻想的変奏曲」は、彼の初期の作品で、シベリウス、R.シュトラウスなど、当時隆盛を誇っていたたくさんの作曲家の影響が感じられます。これはこれで微笑ましいものです。


<ブライアン NAXOS 旧譜>

8.557418-19
(2CD)
\2200→\1980
ブライアン:交響曲 第1番「ゴシック」 オンドレイ・レナールト指揮
スロヴァキア放送交響楽団
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
スロヴァキア・オペラ合唱団
スロヴァキア・フォーク・アンサンブル合唱団
ルチニツァ合唱団
ブラティスラヴァ・シティ合唱団
ブラティスラヴァ児童合唱団
ユース・エコー合唱団
パヴォル・プロハーツカ合唱指揮
エヴァ・エニソヴァー(S)/ダグマル・ペツコヴァー(A)
ヴラディミール・ドレザル(T)/ペーテル・ミクラーシュ(Bs)
 ゲテモノ作曲家の代表とされ、世界最長の交響曲を作ったこと、90歳になってから8曲もの交響曲を作ったことで知られる奇人変人ブライアン。
 そのブライアンが8年の歳月をかけて作り上げた交響曲第1番「ゴシック」。管弦楽のみによる「第1部」、そして大規模な声楽大作となる第2部「テ・デウム」からなる“伝説の交響曲”。
 オルガンを含む巨大オーケストラ(打楽器だけで17)に、4人の独唱者、混声・児童合唱含めたこれまた巨大な声楽陣、さらに4つのブラスバンド別働隊という、誇大妄想強的編成。演奏時間はおよそ120分。「ギネスブック」にも世界最大の交響曲として掲載された。
 これだけの規模を持つために演奏はほぼ不可能といわれていたが、それがついに録音された。採算などもちろん度外視。まさに歴史的偉業、というより歴史的珍事。録音というよりこれは冒険。

 とまあ、エピソードとしては面白いし、ネタとしても使えるが、それだけであればここでは取り上げない。
 実は史上最大の怪作、交響曲 第1番「ゴシック」、作品も結構いけてるのである。
 第2部のコラール部分ではさすがにちょっと冗長な感も否めないが、第1部では「夜明け前のマーラー」といった感じのかっこいい展開が随所で現れる。レナールトの演奏が少し野暮ったいので(それはそうなるだろう、無理もない)、聴いているこっちが頭の中で少し演出してあげれば、なかなか楽しめる。2時間の大作を一気に聴けとは言わないので、せめて管弦楽のみによる第1部の40分だけでもノリノリで味わってみてほしい。きっとあなたは大好きな交響曲のリストに入れたくなるだろう。
 まあそれを人に言うと変人扱いされてしまうかもしれないが。(「このNAXOSを聴け!」より)

8.572014
¥1100
ブライアン:交響曲第 11 番&第15 番他
 1-5.演奏会序曲「勇気のために」(1902-06)/
 6-14.喜劇序曲「メリーハート博士」(1911-12)/
 15-22.交響曲第 11 番(1954)/
 23-28.交響曲第 15 番(1960)
  ※MARCO POLO 8.223588 移行盤
トニー・ロウ(指揮)…1-5.23-28/
エイドリアン・リーパー(指揮)…6-22/
アイルランド国立交響楽団
 ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)(本名はウィリアム)は、独学で音楽を学び、小さな教会のオルガニストを務めていました。20 歳になる前にエルガーの合唱曲に接し、当時の新作音楽を熱心に支持するようになります。作曲を始めた当初は、その作品を多くの聴衆に支持され順風満帆な作曲家人生を送るかと思われましたが、様々な事情でドロップ・アウト。生涯に32 曲の交響曲を書きながらも、その作品はほとんど忘れ去られてしまい、現在でもごく一部の熱狂的なファンによって、偉大なる彼の業績が伝えられているに過ぎません。このアルバムには2 つの交響曲と、彼のお気に入りであった「メリーハート博士」(変奏曲の形式で書かれている)、そして豪壮な「勇気のために」が収録されています。これを聴くことで一層ファンが増えること間違いありません。

8.572020
ブライアン:交響曲第 17 番&第32 番他
 1-3.交響詩「イン・メモリアム」(1910)/
 4-5.祝典舞曲/6-8.交響曲第 17 番(1960-1961)/
 9-12.交響曲第 32 番(1968)
MARCOPOLO 8.223481 より移行盤
アイルランド国立交響楽団/
エイドリアン・リーパー(指揮)
 1950 年代までは、「謎の作曲家」とされていたハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)。彼はその生涯に32 曲の交響曲を始め、管弦楽作品、オペラなど多くの作品を書いています。
 彼は才能に恵まれながらも、あまり勤勉でなかったためか、作品が上演されることがあまりなく、そのために一部の熱狂的なファンを除いては、その存在すらも忘れ去られかけていました。
 しかし、彼の最大の作品「交響曲第1 番」が1961 年にアマチュアを中心としたオーケストラで上演されるやいなや、そのあまりにも破天荒な曲が評判を呼び、再び脚光を浴びた人として知られています。
 このアルバムには2 つの管弦楽作品と2つの交響曲が収録されています。さすがに第1 番ほどの大掛かりな仕掛けはないにしても、交響詩「イン・メモリアム」の冒頭のファンファーレを聴くだけでも、確かに心躍る音楽です。この機会に再度見直してみたい作曲家です。

8.572333 ディ・ヴィットーリオ:シンフォニア第 1 番&第2 番他
 1.オーヴェルトゥーラ・レスピーギアーナ(2008)/
 2-5.シンフォニア第 2 番「ロスト・イノセンス」(2000)/
 6.女声合唱のための「アヴェ・マリア」(1998)/
 7-10.シンフォニア第 1 番「アイソレーション」(1999)/
 11-13.クラリネット・ソナタ第 1 番(1998)
1.11-13…世界初録音
レスピーギ合唱団…6/
ベンジャミン・バロン(クラリネット)…11-13/
ニューヨーク室内管弦楽団…1.2-5.7-10/
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指揮)
第 1 曲目の冒頭。まさに「おおっ」と叫びたくなるレスピーギへのオマージュ。音の扉を開けるごとに目まぐるしく世界が変わっていきます。これが何とも気持ちよいのです。パレルモで生まれ、ニューヨークで美術と古代哲学を学んだディ・ヴィットーリオ(1967-)は、ローマとフィレンツェ、ロンドンで指揮を始めます。その後ニューヨークでオットリーノ・レスピーギ室内管弦楽団を指揮し、注目を浴びました。ここに収録された作品は、彼の様々なスタイルを垣間見せてくれるもので、前述のレスピーギのようなイタリア風のものから、交響曲第2 番に見られるドイツ的な語法、ルネサンス風の和声で書かれた瞑想的で女性的な「アヴェ・マリア」、ヴィヴァルディからの影響を受けているという「交響曲第1 番」、捉えどころのないメロディなのだけど、どこかしら整っている「クラリネット・ソナタ」。全部聴いたら、もう一度最初から聴いてみたくなる作曲家です。

8.572688
ブレイク:遊び心・ひと月の夏 他
 1.遊び心 Op.594(2008)/
 2-6.ひと月の夏 Op.611(2010)<牧歌/行進曲/悲歌/スケルツォ/終曲>/
 7.レダと白鳥 Op.249a(1977)/
 8-10.弦楽三重奏曲 Op.199(1975)/
 11.ウォーキング・ジ・エアー
  (スノーマン組曲より弦楽四重奏版)Op.615(2010)
エディンバラ四重奏団
<メンバー>
トリスタン・ガーニー(第1 ヴァイオリン)/
フィリップ・バーリン(第2 ヴァイオリン)/
マイケル・ビーストン(ヴィオラ)/
マーク・バイリー(チェロ)
クラシックの作曲家というよりも映画音楽の作曲家として知られる、イギリスのハワード・ブレイク(1928-)の作品集です。このアルバムに収録されている「ひと月の夏」も映画のタイトルであり、もしこちらを観た人ならば、「ああ、あれね」とわかるかもしれません。この映画はJ.L.カーの原作を元に制作され、イギリスの田園風景を絡めながら、2 人の元兵士たちがそれぞれの仕事を通じて淡い友情を深めつつ、自分を再発見する物語。どちらかというと淡々と進むストーリーを彩るのがこの音楽です。弦楽器だけのアンサンブルは、台詞よりも雄弁に登場人物の心情を表現しています。ドラマティックさはなくとも、心に浸みる美しさです。そして最後の曲は、アニメにもなった「スノーマン」のメイン・テーマです。男の子と雪だるまのひとときの友情物語。夢のような出来事でしたが、男の子にはマフラーとたくさんの思い出が残されました。誰もが心の底にしまってあるお話に、新しい色を添えてくれるかもしれません。
アルフテル:室内楽作品集 3 - 弦楽四重奏曲/チェロ・ソナタ/楽章/ティエント(ブレトン弦楽四重奏団/ストークス/セゴビア)
8.572420
R.アルフテル:室内楽作品集第 3 集
 1-4.弦楽四重奏曲 Op.24(1957-1958)/
 5-7.チェロ・ソナタ Op.26(1959-1960)/
 8-11.3 つの楽章 Op.28(1962)/
 12-18.8 つのティエント Op.35(1973)
ブレトン弦楽四重奏団
<メンバー:
アン=マリー・ノース(第1 ヴァイオリン)/
アントニオ・チャルデナス(第2 ヴァイオリン)/
イワン・マーティン(ヴィオラ)/
ベアテ・アルテンブルク(チェロ)> …1-4.8-18/
ジョン・ストーク(チェロ)…5-7/
フランシスコ・ホセ・セゴビア(ピアノ)…5-7
第 1 集(8.572418)、第2 集(8.572419)で、その類い稀なる世界を見せてくれたロドルフォ・アルフテル(1900-1987)。この第3 集では、弦楽四重奏曲で幕を開けます。古典的な4 楽章形式を取り、十二音を用いた色彩的な移ろいを伴う、活動的な第1 楽章から何とも魅力的な音楽が展開されます。第2 楽章の冒頭で奏される美しいチェロの調べは周囲の嘲笑めいた音にかき消され、活発なダンスであるスケルツォを経て、力強い終楽章を迎えます。作曲家が書いた唯一つのチェロ・ソナタはヒスパニックのリズムに彩られたもので、抒情的な旋律と刺激的な動きが絶妙に組み合わされた曲。ゆったりとした楽章での暖かい表現は美しさの極みです。彼の2 番目の弦楽四重奏曲である「3 つの楽章」と実質的に3 番目の弦楽四重奏曲である「8 つのティエント(試み)」は、この形式の「極限の姿」を模索する上で生まれたものでしょうか。実験的な音の連なりの中にも、美しいメロディが散見されるところが、この作曲家の特徴なのかもしれません。
スタンフォード:ピアノ四重奏曲第2番/ピアノ三重奏曲第1番/伝説/アイルランド幻想曲(グールド・ピアノ・トリオ)
8.572452
スタンフォード:室内楽作品集
 1-4.ピアノ三重奏曲第 1 番変ホ長調 Op.35(1889)/
 5.伝説(1893)/
 6.6 つのアイルランドの幻想 Op.53 より第3 番「ジグ」(1894)/
 7.6 つのアイルランドの幻想 Op.53 より第5 番「ハッシュ・ソング」(1894)/
 8-11.ピアノ四重奏曲第 2 番ハ短調Op.133(J.ディブル編集) 世界初録音…5-11
グールド・ピアノ三重奏団
<メンバー:
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)…1-11/
アリス・ネアリー(チェロ)…1-4.8-11/
ベンジャミン・フリス(ピアノ)…1-11>/
デイヴィッド・アダムス(ヴィオラ)…8-11
雄大な森、はたまた広大な田園地帯。そんな開放的な場所で大きく伸びをしたくなるような清々しい音楽。スタンフォード(1852-1924)の室内楽には、いつもそんな雰囲気が漂っています。イギリス音楽の祖、スタンフォードはドイツ・ロマン派の作風を模範としながらも、アイルランド民謡を取り入れた独自の音楽を数多く残しました。その中でも室内楽は大きな位置を占め、その叙情詩的な美しさは、水彩画のような淡い色合いを帯びています。このアルバムに収録されたピアノ三重奏曲第1 番は、ハンス・フォン・ビューローに捧げられており、優雅この上ない作品です。それ以外の作品はこちらが世界初録音。とりわけ、1913 年に作曲されるも、長い間顧みられることのなかった第2 番のピアノ三重奏曲の秘められた美しさにはため息をつく他ありません。ちょっとブラームス風の響きを感じさせるも、描かれている世界は彼独自のもの。このグールド・トリオの蘇演により、私たちはまた一つの名作を手に入れました。
ソーレ:ヴァイオリンとピアノのための作品集(ウィアンコ/ヴァインシュテイン)
8.572366
ソーレ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1-4.村人たちの情景 Op.50<朝/牧歌/古い歌/踊り>/
 5.ロサンゼルスの思い出 Op.11/
 6-11.東洋の思い出 Op.63
  <コンスタンティノープルの思い出/踊り/ロンド/
  移動/ゴンドリエラ/ア・ペラ>/
 12.蝶々 Op.40-3/13.幻想的スケルツォ Op.9
美智・ウィアンコ(ヴァイオリン)/
ディーナ・ヴァインシュテイン(ピアノ)
フランスに生まれ、8 歳から、フランス国内だけでなくイギリス、ドイツ、オーストリア、イタリアで演奏活動を行い、20 歳の時にアメリカ合衆国でデビューしたという神童ヴァイオリニスト、エミール・ソーレ(1852-1920)。彼はシャルル・ド・ベリオに学んだという記録はあるものの、学校で特別な教育を受けたことはほどんどありません。アメリカで、ベネズエラのピアニスト、テレサ・カレーニョと結婚しますが、2 年で離婚。その後は様々な国で教鞭を取りつつ、最後はロンドンで定住しました。100 曲以上のヴァイオリン曲を書き、そのどれもが色彩的で、微妙な陰影に満ちています。クライスラーのように底抜けな派手ではなく、もっと内省的で粘りのある音楽です。カリフォルニア出身の実力派ヴァイオリニスト、美智・ウィアンコによる情熱的な演奏は、この知られざる作曲家にくまなく光を当てます。
近々ご紹介するつもりのミチ・ウィアンコの「スプリング」。端正で素敵。

8.572717
期待の新進演奏家シリーズ イリーナ・クリコヴァ:ギター・リサイタル
 1-6.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏チェロ組曲第 1 番BWV1007(I.クリコヴァ編)
 <前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/
 メヌエット I&Ⅱ/ジグ>/7-8.ソル(1778-1839):幻想曲 Op.30/
 9-12.カステルヌォーヴォ=テデスコ(1895-1968):
  ギター・ソナタニ長調 Op.77「ボッケリーニへのオマージュ」/
 13-16.ガジャルド・デル・レイ(1961-):カルフォルニア組曲
 <前奏曲/アルマンド/サラバンド/ワルツ>/
 17.タルレガ(1852-1909):アルハンブラの思い出
イリーナ・クリコヴァ(ギター)
2008 年のアルハンブラ国際ギター・コンクールで優勝を飾ったイリーナ・クリコヴァの2 枚目のアルバムです。彼女は同じ年にミケーレ・ピッタルガ国際ギターコンクールでも優勝していてその記念アルバムは8.572390 でリリースされています。前作は全て20 世紀の作品で、その強烈な個性を見せてくれた彼女ですが、こちらは、まず自身の編曲によるJ.S.バッハで聴き手の心を奪います。確かな技巧はもちろんのこと、バッハの音楽と一体化した見事な感性には驚くばかりです。華麗なソルの「幻想曲」とカステルヌォーヴォ=テデスコの「ソナタ」もふくよかな音と表現で見事に聴かせます。デル・レイの「カルフォルニア組曲」はポピュラー音楽を思わせる歌謡性に満ちた音楽で、その親しみやすいメロディには心惹かれる人も多いことでしょう。最後はトレモロが泣かせるタルレガの名曲。これは間違いなく一級品です。
8.572687 ビンガム:オルガン作品集
 1-4.ヤコブの梯子(2007)
 <雲の下の家に住む/不安な夢/
 幕間-深い眠りに落ちる/ヤコブの梯子>…世界初録音/
 5.天使を従えた聖なる花嫁(2000)/
 6-7.ミサ・ブレヴィス「エマウスへの道」-前奏曲とヴォランタリー(2003)/
 8.受胎告知 I(2000)/9.希望(1989/2003)…世界初録音/
 10.荒野の中に(1982)…世界初録音/
 11.贈り物(1996)…世界初録音/
 12.夜間飛行(秘密の花園より編曲)(2004)…世界初録音/
 13.ゴシック(1973/2009)…世界初録音/
 14.羊飼いの踊りと化身/15-17.古代の太陽の光
トム・ウィンペニー(アルバンス大聖堂のオルガン)/
ドミートリー・アンサンブル…1-4/
グラハム・ロス(指揮)…1-4
イギリスの女性作曲家、ジュディス・ビンガム(1952-)は18 歳で王立音楽アカデミーに入学し、作曲を学びます。歌手としても才能を発揮し、1983 年から13 年間に渡りBBC シンガーズで歌い、20 世紀の作品を数多く歌い続けました。それからは作曲家として室内楽、器楽曲から声楽曲と幅広いジャンルの作品を書き続けています。彼女はとりわけオルガンに深い愛情を抱いていて、ここで聴ける作品も充実したものばかりです。深い瞑想性と即興性を併せもつ全ての音楽は、名オルガニスト、ウィンペニーの手によって、輝く光とともに世界へ降臨します。感動的な1 枚です。

チュルリョーニス:ピアノ作品集 1 (ルバッキーテ)

8.572659
チュルリョーニス:ピアノ作品集第 1 集
 1.フモレスケト短調 VL162/2.前奏曲ヘ短調 VL164/
 3.前奏曲変ロ長調 VL169/4.夜想曲ヘ短調 VL178/
 5.即興曲嬰ヘ短調 VL181/6.前奏曲ロ短調 VL182a/
 7.夜想曲嬰ハ短調 VL183/
 8.前奏曲嬰ヘ長調「主の使い」VL184/
 9.前奏曲嬰ヘ短調 VL185/10.前奏曲ロ短調 VL186/
 11.前奏曲変ニ長調 VL187/
 12.前奏曲ヘ長調-イ短調 VL188/13.前奏曲ヘ短調VL197/
 14.シャンソネット・ダイネール VL199/
 15.マズルカ変ホ短調 VL222/
 16.前奏曲イ短調 VL230/17.マズルカロ短調 VL234/
 18-21.ソナタヘ長調 VL155
MARCO POLO 8.223549 より移行盤
ムーザ・ルバッキーテ(ピアノ)
リトアニア生まれのチュルリョーニス(1875-1911)は、作曲家としてだけでなく、画家としても素晴らしい業績を残しました。36 年にも満たない短い生涯の間に、約300 点の絵画と200 作もの曲を書き、そのどれもが高い完成度を持っています。彼は、ロシア近郊の貧しいオルガニストの息子として生まれ、ワルシャワとライプツィヒでピアノと作曲を学び、30 歳近くになってから絵画を学びました。彼の絵画と音楽は密接に関係していて、伝統に囚われることのない、ロマンティックな作風が魅力的(ジャケットに使われているのも彼自身の絵画です)。ピアノ曲のタイトルはショパン風ですが、もっと素朴で簡潔な美しさに満ちています。ありあまる才能に恵まれ過ぎたのか・・・晩年は精神に異常をきたし、わが子の誕生を知ることもなくこの世を去ってしまいました。
朴泳姫/尹伊桑/カン・スヒ:ピアノ作品集(クララ・ミン)
8.572406
韓国のピアノ作品集
 1.朴泳姫(1945-):水の波紋(1971)/
 2-6.尹伊桑(1917-1995):5 つの小品(1958)/
 7.尹伊桑:インターリューディウム A(1982)/
 8-10.姜碩熙(1934-):ピアノのためのスケッチ(1966)/
 11-13.Uzong Choe(1968-):プレリュード第 2、第7、第8 番/
 14-16.Kim,Chung-gil(1934-):幼年時代の思い出より抜粋(1982)
クララ・ミン(ピアノ)
5人の主要な韓国の作曲家たちによる先鋭的なピアノ作品集です。最近は韓流がブームとは言え、この分野はまだまだ未開拓。この5 人の中でも、よく知られている名前は尹伊桑くらいではないでしょうか?ただし、彼は政治的理由から祖国を離れ、ドイツに帰化し、その地で生涯を終えています。このアルバムには彼の初期の作品である「5 つの小品」と円熟期の作品「インターリューディウム」を収録しています。シェーンベルクに連なるドイツの音楽に近いものがありますが、あくまでも根底には祖国への憧憬があるようです。ダイナミックな作品、静かな作品、それぞれ若きピアニスト、クララ・カンが共感を持って演奏しています。
ビレット・コンチェルト・エディション 1 - シューマン:ピアノ協奏曲/グリーグ:ピアノ協奏曲(ビルケント響/ヴィト)
8.571270
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第 1 集
 シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲

 1-3.シューマン(1810-1856):ピアノ協奏曲イ短調 Op.54/
 4-6.グリーグ(1843-1907):ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
協奏曲のレパートリーだけでも 100 曲以上。驚異のレパートリーを誇るトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。ここでは、極めてオーソドックスな2 つの協奏曲を華麗に弾きこなします。2 曲とも、滝のようになだれ落ちる冒頭のパッセージが魅力的ですが、陰鬱さの中に激しい情熱を秘めたシューマン、凛とした表情と熱い心を併せ持つグリーグと、その表現はかなり違いを際立たせないといけません。ビレットの演奏は全く文句なし。そして、オーケストラをまとめるのはNAXOS きっての名手、アントニ・ヴィト。どちらの曲も終楽章の盛り上がりが半端ではありません。
国内代理店からは初案内。この価格も初めて。
ビレット・コンチェルト・エディション 2 - チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番, 第3番(ビルケント響/タバコフ)
8.571271
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第 2 集
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1 番&第3 番

 1-3.チャイコフスキー(1840-1893):
  ピアノ協奏曲第 1 番変ロ短調 Op.23/
 4.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3 番変ホ長調Op.75
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
エミール・タバコフ(指揮)
トルコの名女性ピアニスト、ビレットによるチャイコフスキーの 2 つの協奏曲です。さて、このアルバム、あまり聴く機会のない第3 番が聴けるのも注目です。最初、チャイコフスキーは交響曲として構想したこの作品。どうにも手に負えなくなってピアノ協奏曲へと書き変えたというもので、現存するのは第1 楽章「アレグロ・ブリランテ」のみですが、この曲が何ともスゴイものです。まるで重戦車のような迫力を持つ作品を、ビレットは重々しいタッチでぐいぐい鳴らします。バックをしっかり守るのが、こちらも迷(?)指揮者タバコフ。細かいことなんてどうでもよくなるような、ボリュームたっぷりの音。ずっしり来ます。ロシアのオケとはまた違った不思議な味わいをどうぞ。
国内代理店からは初案内。この価格も初めて。
ビレット・コンチェルト・エディション 3 - サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番/ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調/左手のための協奏曲(ビルケント響/フルネ)
8.571272
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第 3 集
 サン=サーンス&ラヴェル:ピアノ協奏曲集

 1-3.サン=サーンス(1835-1921):
  ピアノ協奏曲第 5 番ヘ長調 Op.103/
 4-6.ラヴェル(1875-1937):ピアノ協奏曲ト長調/
 7.ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲ニ長調
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
ジャン・フルネ(指揮)
チャイコフスキーでは、重厚で脂ぎったロシアの大地を思わせてくれるような演奏を聴かせるビレットですが、このフランス物でも、なかなか個性的な演奏を繰り広げていて、まことに興味深いものとなっています。サン=サーンスの5 番の協奏曲は、別名「エジプト風」とも呼ばれる異国情緒たっぷりの曲。とりわけ第2 楽章での不思議な響きは中近東の妖しい空気を思い起こさせるものです。ビレットはテンポを遅めに取り、濃厚な音楽を聴かせます(終楽章では一転、爽やかで晴れやかな表情を見せ、この作曲家がフランス生まれだったことに想い至らせるのですが)。ラヴェルの2 曲の協奏曲も、何とも独特な解釈で、好き嫌いは分かれそうですが、一度は聴いておきたい演奏です。名指揮者フルネが独自の音楽を聴かせるところも素晴らしいです。
国内代理店からは初案内。この価格も初めて。

8.669032-33 (2CD)
オールドリッジ(1954-):歌劇「エルマー・ガントリー」(2007)
《CD1》
 1.第1 幕そして…彼女は/
 2.第1 幕神のために戦わなくてはいけないのは誰?/
 3.第1 幕あなたは真実を訊いた時、それを知ってますか?/
 4.第1 幕役に立つ船、偉大で小さい/
 5.第1 幕そして神は言った「仮住まいをつくろう」と/
 6.第1 幕愛しい人、エディ?あなたはどこに行ったの?/
《CD2》
 1.間奏曲/2.第2 幕トン、トン、私は品物と一緒にいます/
 3.第2 幕左、左、左、右、左/
 4.第2 幕この贈り物信じられる?/
 5.第2 幕明日、600 個の電球を配達するのさ/
 6.第2 幕私の心の中におわす神へ/
 7.第2 幕おお、神さま/
 8.第2 幕おお、私の夜の時計ではない/
 9.エピローグ
エルマー・ガントリー…キース・ファレス(バリトン)/
シャロン・ファルコナー…パトリシア・ライズリー(メゾ・ソプラノ)/
フランク・シャラード…ヴェール・ライドアウト(テノール)/
エディ・フィスリンガー…フランク・ケリー(テノール)/
ルル・ベインス…ヘザー・バック(ソプラノ) 他/
フロレンティン歌劇場合唱団/
ミルウォーキー交響楽団/
ウィリアム・ボッグス(指揮)
1960 年にリチャード・ブルックスの監督で制作された同名映画(こちらの音楽はアンドレ・プレヴィン)がありました。口先で生きてきたようなペテン師が、不純な動機で宗教団体に入り込み、こともあろうに「伝道師」として人々の前に立ち説教をするようになります。しかし、彼の過去が暴かれるのは時間の問題。最後は愛した女性を失い、新たな旅にでるという物語でした。このオペラも大筋は同じものですが、登場人物の人間性が一層深く描かれているように思います。「宗教は普遍であるが、簡単に腐敗する」という隠しテーマを、ゴスペルや親しみやすい音楽を交え、実は深刻に描く問題作です。
ジェズアルド:マドリガーレ集第3巻(1595)(デリティエ・ムジケ/ロンギーニ)
8.572136
ジェズアルド:マドリガル集第 3 集
 1.あなたは私が死ねばいいと思っている(パート1)/
 2.死んだ方がいいの?(パート2)/
 3.悲しいかな、絶望的な生活/4.私は元気がない。そして死ぬ/
 5.あなたの曇りのない目の美しさで/
 6.悲しいかな、残酷で情け容赦のないもの/7.愛の甘き精神/
 8.私の心はため息をついている(パート1)/
 9.おお、悪しき生まれの悪しきメッセージ(パート2)/
 10.見てください、私の太陽が輝くのを/
 11.私はあなたを愛してない、そんな言葉を投げかけないで/
 12.愛の奇蹟(パート1)/
 13.そして私は焼け焦げそう(パート2)/
 14.残酷な悲しみ/15.彼女は泣いている、悲しくて/
 16.耐え難い苦痛が私を殺す/
 17.もし私があなたの慈悲深さを知ったなら/
 18.ああ、それはすでに残酷だった/
 19.最高に甘きため息(6 声)/
 20.わが人よ、もし私を殺すなら/
 21.どのように私の心は生きることができるか(5 声部のカンツォネッタ)/
 22.月桂樹の陰で(5 声部のカンツォネッタ)
デリティエ・ムジケ/
マルコ・ロンギーニ(指揮)
1595 年に出版されたジェズアルド(1566-1613)のマドリガル第3 集は、彼のスタイルの変化が顕著に現れているものとして知られています。彼は当時の主要な詩人の作を用いることはせず、無名の作家、及び、匿名の作家の詩を用いることを好みました。これは詩の人気に頼ることなく、音楽の力で、詩にドラマ性と、すばらしい表現力を抱かせることができるジェズアルドならではのチョイスに他なりません。どの曲もタイトルから驚くものばかりですが、内容も音楽も摩訶不思議。とろとろと粘り気のある響きが耳にいつまでも残ります。第1 集(8.570548)、第2 集(8.570549)も大好評。必要以上に見捨てられてしまった音楽家の全貌がいよいよ明らかになりつつあります。

NAXOS 1CD¥1100


8.572623
¥1100→¥990
マイヤール:ヒロシマの生き残り 他
 1-11.ヒロシマの生き残り…希望へのメッセージOp.24(2006-2007)
  <大阪の6歳の子/インターリュード/戦争…/彼女は爆撃から逃げ惑う/
   彼女は広島に避難先を見つける/深き淵より/暗黒、黒ずんだ皮膚/
   死に至る雨/戦争に憎悪して生き残る/私たちの願い:生き残ったもの/
   地球上の豊かな生活>/
 12-14.合奏協奏曲(1961/2003改訂)/
 15-17.室内協奏曲第2番(1959-1960)
サラ・ジュフロワ(メゾ・ソプラノ)…1-11/
エレオノーレ・ルメール(ソプラノ)…1-11/
マリー・プシェロン(メゾ・ソプラノ)…1-11/
テデイ・エンリ(テノール)…1-11/
ヴァージル・アンケリ(バス=バリトン)…1-11/
エミール・マクドノウ(フルート)…12-14/
ジョン・アンダーソン(オーボエ)…12-14/
マイケル・ライト(クラリネット)…12-14/
ダニエル・ジェミソン(ファゴット)…12-14/
クリストファー・パークス(フレンチ・ホルン)…12-14/
ロイヤル・フィルハモニー管弦楽団/
ディオニシオス・デルヴィス=ブルニアス(指揮)
フランスの作曲家、マイヤール(1931-)の3つの作品です。彼は1955年にローマ賞を受賞、フランスの先進的な作曲家として幅広く活躍しています。1957年には芸術監督としてフランスEMIに入社、そこでサンソン・フランソワやポール・トゥルトリエなど偉大な演奏家と接するも、どうしてもその仕事が性に合わず辞職。その後は製薬研究所で働きますが、音楽の夢捨てがたく、結局作曲家として生きることを決意したのでした。このアルバムの中で、やはり聴いてほしいのは「ヒロシマの生き残り」でしょう。実在の人物「ハマ・キョウコ」の話を元にしたカンタータとでも言うべき作品で、彼女は大阪の戦禍を避け、広島に避難していた時に原爆被害を受けてしまいます。悲惨な情景が目の前に浮かぶでしょう。しかし、副題が示す通り、これは「希望、命への讃歌」であり、決して悲惨さばかりを強調したものではありません。生きてさえいれば、きっと希望に巡りあう日が来るのですから。

8.559679
エコーズ〜変容したクラシックの作品たち
 1.デイヴィッド・シフ(1945-):
  インファーナル(ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」による)/
 2.ブライト・シェン(1955-):ブラック・スワン
  (ブラームスの6つのピアノ小品Op.118-2 インテルメッツォイ長調による)/
 3.デイヴィッド・ストック(1939-):多くのホルン
  (クラークのトランペット・ヴォランタリーによる)/
 4.ジョン・ハービソン(1938-):ルビーズ(セロニアス・モンクのルビー・マイ・ディアニよる)/
 5.サミュエル・ジョーンズ(1935-):ベネディクション
  (ルトキンのベネディクションとセヴンフォールド・アーメンによる)/
 6.アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):ムジカ・セレスティス(弦楽ヴァージョン)/
 7-9.ジェラード・シュワルツ(1947-):
  金管のための協奏曲(ヘンデルの合奏協奏曲ヘ長調 Op.6-9 HWV327による)
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
「この“エコーズ”と題されたアルバムは、良く知られた名曲を、現代の感覚にマッチした作品へと変貌させること。」指揮者シュワルツはこのコンセプトを元に、彼の親しい6人の作曲家へ、編曲を依頼しました。出来上がった作品の楽しい事と言ったら!「火の鳥」はまるでスパイ映画のサントラですし、ブラームスのピアノ曲は、甘い甘いムード音楽へと変貌しています。有名な「トランペット・ヴォランタリー」は魔法にかけられたかのような不思議な味わいを持ちました。もともとカッコいいモンクの曲や、シュワルツ自身の編曲も楽しめます。ぜひ「その手には引っ掛からないぞ」と心を強くして聴いてください。でも、1時間後にはすっかり虜になっていることでしょう。
8.572650 マグヌス・ローゼン:Past Future
 1.Trandans/2.ソナタト短調(エクルズ原曲)/3.En Glimt/4.Slow Sea/
 5.Land of Spirit/6.Purple Haze/7.Blues Man/8.Badinerie(バッハ原曲)/
 9.Past Future/10.En bank intill paradiset/
 11.Gate to Heaven/12.Romance Between East and West
マグナス・ローゼン(エレクトリック・ベース)/
スザナ・リスベルイ(ギター)/
ビルガー・ロフマン(ドラムス)/
フヴィラ・カルテット/
イェテボリ交響楽団/
ダヴィッド・ビョルクマン
豊穣なるオケの響きに耳を澄ませていると、突然辺りを切り裂くように響いて来る音。ちゅいーん、ちゅいーん、びょん、びょん・・・。えっ?これNAXOSなの?とびっくりしながら聴き続けていると、すごく楽しくなってきちゃいます。世界を征服したNAXOS、先日はエレキ・ギターを手中に収めたかと思えば、今回はエレクトリック・ベースを制圧しました。「そういえば、昔インギーがこういうアルバムを出していたなぁ」なんて懐かしくなってしまいます。ここですごいベースを弾いているのは90年代終わりから2007年までハンマーフォールで活躍したマグヌス・ローゼン(1963-)。北欧のヘヴィメタ・シーンを語るには外せない大物がなぜNAXOSに?思うところは色々ありますが、とりあえず全ての人にオススメします。
8.572142 モンポウ:ピアノ作品集第6集
 1.物乞いの哀歌/2.浜辺の工場/3.浜辺の思い出/4.浜辺の地域/
 5.砂地の道/6-10.5つの印象/11.ラ・ガリガの隠遁地/
 12.霧の中の田園地帯/13.荒野の田園地帯/14.登山ルート/
 15.田舎に帰ってきた少女/16.庭の小道/17.モンセニー/18.エコー/
 19-21.山の印象/22.思想/23-24.2つの小前奏曲/25.前奏曲/
 26-27.2つのアラベスク/28.銀紙を張ったプール/
 29.らくだから降りた3人の王の踊り/
 30.キリスト降誕の歌と踊り/31.時間/32.低地の踊り ※全て世界初録音
ホルディ・マソ(ピアノ)
カタルーニャ出身、20世紀を代表するスペインの作曲家の一人、モンポウ(1893-1987)のピアノ作品集です。このアルバムに収録されているのは全て世界初録音。ピアニスト、ホルディ・マソがモンポウの家などから最近発見したという作品を演奏したものです。これらは全て1910年から1918年の間に書かれたもので、まだ未発達とはいえ、すでに独自の音楽性が出来つつあったモンポウの並はずれた才能を示すものと言えるでしょう。マソはすでにスペインのピアノ音楽のオーソリティとして知られていますが、このモンポウの録音によって、より高く評価されることは間違いありません。

8.572415
カゼッラ:交響曲第3番他
 1-4.シンフォニア(交響曲第3番) Op.63(1939-1940)/
 5.英雄のエレジーOp.29(1916)
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
NAXOSのカゼッラ(1883-1947)・シリーズは回を重ねる毎に少しづつ人気が高まってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲第3番は、、第1番、第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き動かされることがなかったとのことですが、シカゴ交響楽団の創立50周年の記念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じられますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッラ独特の音楽です。
8.557079 シューマン:歌曲集「ミルテの花」他
 1-26.歌曲集「ミルテの花」Op.25
  <献呈/自由な心/くるみの木/だれかが/私はただ一人で/手荒くするな/
  はすの花/お守り/ズライカの歌/ハイランド地方のやもめ/母よ母よ(花嫁の歌Ⅰ)/
  私を彼の胸に寄りかからせて(花嫁の歌Ⅱ)/ハイランド地方の人々の別れ/
  ハイランド地方の人々の子守歌/私の心は重く/謎/ヴェネツィアの歌Ⅰ「静かに船を漕ぎ」/
  ヴェネツィアの歌Ⅱ「広場を夕べの風が過ぎるとき」/大尉の妻/遠く、遠く/
  孤独な涙よなぜ/だれも/西方にて/君は花のごとく/東方のばらより/終わりに>/
 27-33.6つの詩とレクイエムOp.90
  <鍛冶屋の歌/私のばら/出会いと別れ/牛飼いのおとめ/孤独/重苦しい夕べ/レクイエム>
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)…3.7.9-12.14.15.19-21.23.26/
トーマス・E・バウアー(バリトン)…1.2.4-6.8.13.16-18.22.24.25.27-33/
ウタ・ヒールシャー(ピアノ)
1840年。長らく恋焦がれていたクララとの結婚が認められたロベルト・シューマン(1810-1856)は、その喜びからか、数多くの歌曲を書き上げます。いわゆる「歌の年」の代表作の一つである「ミルテの花」は、まさにクララへの捧げ物で、結婚前夜に花束と共に彼女へ贈られたと言います。とりわけ第1曲の「献呈」での溢れるような想いに満ちた歌は、一度聴いたら忘れられないほどの印象を与えます。対して、その10年後に書かれた「6つの詩とレクイエム」は、あまりにも重く悲しみに満ちています。さて、あなたはどちらのシューマンがお好きですか?

8.572332
レスピーギ:ヴァイオリン協奏曲イ長調他
 1.アリアト長調 P.32(編曲:S.ディ・ヴィットリオ)/
 2-4.ヴァイオリン協奏曲イ長調 P.49(補筆:S.ディ・ヴィットリオ)/
 5-10.弦楽のための組曲P.41(復元:S.ディ・ヴィットリオ)/
 11-14.ロッシーニアーナP.148
ラウラ・マルツァドーリ(ヴァイオリン)/
ニューヨーク室内管弦楽団/
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指揮)
ローマ三部作の強烈な色彩感で知られるイタリアの作曲家レスピーギ(1879-1936)。もともとヴァイオリン奏者として活躍しただけあって、その生涯に何曲かのヴァイオリンの協奏的作品を書いてはいますが、この1903年に着手された最初のイ長調の協奏曲は、2楽章までは完成させたものの、第3楽章はピアノ伴奏のまま、結局完成されることなく忘れられてしまったものです。24歳の血気溢れる新進作曲家は、この作品でヴィヴァルディとメンデルスゾーンに立ち返ろうと意気込んだだけあって、なかなか良い作品であることは間違いありません。2010年の蘇演にあたり、指揮者のヴィットーリオは、スコアを丹念に洗い出し、若干未熟な第1楽章と第2楽章のオーケストレーションにも手を加え、レスピーギたる作品へと昇華させました。この録音にあたり、他の2曲にも編曲を加え、レスピーギ自身の改編である「ロッシーニアーナ」も演奏することで大作曲家への敬意を表しています。
8.572571 ベンゲレル:コンチェルタンテ他
 1.コンチェルタンテ(1994)/2.パーカッションと弦楽のための音楽(2005)/
 3.秋のコンサート(2005)/
 4.ポルタ・フェラーダの二重協奏曲 ※全て世界初録音
ジャウメ・トレント(ギター)…1.3/
フィリップ・スピセー(パーカッション)…2/
マノン・フィリップ(ヴァイオリン)…4/
メロディー・ジオ(チェロ)…4/
ペルピニャン地方音楽院管弦楽団/
ダニエル・トジ(指揮)
1931年バルセロナ生まれのシャビエ・ベンゲレル(1931-)。彼は幼い頃にスペイン内戦(1936-1939年)に巻き込まれ、両親とともにチリに亡命、1954年までスペインに戻ることはありませんでした。彼はほとんど独学で作曲を学びましたが、バルトークやストラヴィンスキーなどの当時の先鋭的な作品からも強く影響を受けたようです。1959年にセリエ技法で作曲した「友人と恋人のカンタータ」はその翌年にケルンのISCM(国際現代音楽協会)で演奏され高く評価され、また、1977年にはルイジ・ダッラピッコラ賞を受賞するなど、国際的な知名度を得ています。このアルバムはそんな彼の魅力的な作品を4曲収録しています。長年彼の作品を演奏している「良き仲間」たちによるライヴ録音は、聴衆の熱気も含め、この作曲家の本質をあますことなく伝えてくれます。

8.572637
シャルヴェンカ:ピアノ協奏曲第4番他
 1-4.ピアノ協奏曲第4番ヘ短調 Op.82/
 5.歌劇「マタスヴィンタ」から序曲/
 6.チェロ・ソナタホ短調 Op.46から第2楽章(ハープ、オルガン、弦楽による編曲Op.46a)/
 7-9.ポーランド舞曲集より<第1番変ホ短調/第8番変ロ短調/第15番変ロ長調>
フランソワ・クサヴィエ・ポワザ(ピアノ)…1-4.7-9/
ポズナ二・フィルハーモニー管弦楽団…1-6/
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮)…1-6
ポーランドのピアニスト、作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)のピアノ協奏曲です。15歳の時に家族とともにベルリンへ移り住み、兄ルートヴィヒとともに音楽教育を受け、才能を開花させました。1869年にピアニストとしてデビュー、併せて作曲家としても人気を獲得。室内楽などいくつかの曲が出版され、このアルバムにも収録されている「ポーランド舞曲第1番」は発行部数100万部を記録するほどの大人気となったと言います。このピアノ協奏曲第4番は1908年に作曲され、1910年にはニューヨークで、当時訪米中であったマーラーの指揮により初演されています。またストコフスキーの指揮でも演奏するなど、当時大変人気があった曲ですが、一時期すっかり忘れ去られてしまいました。アール・ワイルドなどヴィルトゥオーゾ系のピアニストによって、細々と人気を保っていましたが、最近になって彼の人気が復興。華麗なピアニズムとむせ返るようなロマン性は、確かに一度聴くと病みつきになるはずです。
8.559396 スーザ:吹奏楽作品集第9集
 1.メイン州からオレゴン州まで/2.シャーラタンズ序曲/3.自由諸国の旗/
 4.ニンファーリン/5-7.西世界の住人たち/<赤き人/白き人/黒き人>/
 8.銃の後に立つ男/9.すずらん/10.舟唄を歌う水夫たちの行進曲/
 11.夢がかなう時-幻想曲/12.行進曲「アメリカ野砲隊」/
 13.行進曲「ハーモニカの魔法使い」/14.イリノイ大学の行進曲
サラ・オヴィング(ヴァイオリン)…4/
ノルウェー王国海軍軍楽隊/
キース・ブライオン(指揮)
スーザ(1854-1932)の行進曲もこれが第9集となります。このアルバムに収録された行進曲は、彼自身のミュージカルから取られた旋律が使われていたり、いろいろな国歌が使われていたりと、興味深いものばかりです。トラック5−7の「西世界の人たち」は、3つの楽章でネイティヴ・インディアン、黒人音楽、アメリカ音楽を描き出すことで、特有の文化の違いを表現しています。スーザが行った1911年の世界ツアーで大好評を収めた作品です。トラック13の「ハーモニカの魔法使い」はスーザがフィラデルフィア・ハーモニカ・バンドを指揮した時に書いた曲。スコアにはハーモニカが含まれていませんが、曲の中ではハーモニカ奏法を模した音を使っています。その後、有名なホーナー・ハーモニカ・カンパニーが「スーザ・モデル」を発表。大々的に売り出したということです。

8.570782
ピアッティ:チェロのための12のカプリース
 1.パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョOp.22/
 2-13.12のカプリースOp.25
ペ・スー(チェロ)
イタリア、ベルガモでヴァイオリニスト、指揮者アントニオの息子として生まれたアルフレード・ピアッティ(1822-1901)の無伴奏作品集です。彼は父から最初にヴァイオリンのレッスンを受け、その後はドイツの作曲家&ヴァイオリニスト、モリークから作曲の指導を受けました。この「12のカプリース」は間違いなくパガニーニを意識して書かれたものだと思われますが、万遍なく配置されたチェロの超絶技巧はもちろんのこと、溢れるようなメロディが特徴的な素晴らしい曲集として評価されるに違いありません。
演奏しているのはカナダ出身のペ・スーです。1696年製のストラディヴァリウス「ボンジュール」を貸与されている彼女はこの楽器を存分に鳴らし、ほとんど忘れ去られてしまった作曲家ピアッティの存在を現代へ蘇らせています。チェロ好き必聴!間違いなくぞくぞくします。
8.572466 レーガー:オルガン作品集第11集
 1-10. 12の小品Op.80から第1-6番&第9-12番Op.80
  <第1番前奏曲/第2番フゲッタ/第3番カンツォネッタ/第4番ジーグ/
  第5番アヴェ・マリア/第6番間奏曲/第9番無窮動/第10番間奏曲/
  第11番トッカータ/第12番フーガ>/11-23. 13のコラール前奏曲Op.79b
  <第1番神よ、私を見捨てないでください/第2番われらが神は堅き砦/
   第3番主よ、今足を止めて/第4番永遠なる朝の光/
   第5番平和と喜びに満ちて私は出立する/第6番私の近しき最後について/
   第7番復活せよ、汝復活せよ/第8番キリストは死から復活する/
   第9番キリストは我が主である/第10番平和と喜びに満ちて私は出立する/
   第11番全ての神に感謝せよ/第12番主よ、今足を止めて/
   第13番なぜ私が悲しむ必要があるのか>
ハンス=ユルゲン・カイザー(オルガン)
フルダ教会リーガー=ザウアー・オルガンを演奏
大量にあるにも拘わらず、レーガー(1873-1916)のオルガン作品があまり聴かれることがないのは、曲の渋さも原因の一つではないでしょうか?このアルバムに収録されている曲を聴いていると、そのような思いを拭うことができません。オルガンというと「華やかな降り注ぐ音」というイメージがありますが、これらの曲はもっと内省的で、外に向かってパワーを放出するのではなく、ひたすら内面の充実を図っているかのような印象を受けるからです。と言うのも、H.リーマンに作曲を学んでいた頃、若きレーガーはいくつかのオルガン作品を彼のもとに送り、その才能を認められたのですが、兵役を済ませて戻ったレーガーはすっかりうらぶれてしまい、自宅で両親と共に静養しなくてはいけなくなってしまいました。13のコラール前奏曲はそんな頃に書き始められた作品ですから、内省的になってしまうのも頷けるというものです。

8.572470
エドゥアルド・ブルンナー〜独奏クラリネットのための音楽集
 1.ヴィトマン(1973-):幻想曲/
 2.細川俊夫(1955-):EDI/
 3.ベリオ(1925-2003):歌/
 4.ライマン(1936-):ソロ/
 5.ルリエー(1882-1966):マイム/
 6-7.デニソフ(1929-1996):クラリネット・ソナタ/
 8.ゲール(1932-):
  モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディの戦い」によるパラフレーズOp.28/
 9.プスール(1929-2009):マドリガルⅠ/
 10.レーマン(1937-):モザイク/
 11.ニーデル(1957-):テラコッタ/
 12-16.ジョリヴェ(1905-1974):アセーズ
エドゥアルド・ブルンナー(クラリネット)
スイスで生まれのドイツ系クラリネット奏者、エドゥアルド・ブルンナー。彼はモーツァルトやクロンマー、ウェーバーなど古典作品の名演ですでに良く知られていますが、現代作品にも意欲的に取り組んでいます。世界の名だたる作曲家に新作を依頼し次々と初演を行っている彼は、その驚異的な技術と表現力で、この楽器のためのレパートリーを飛躍的に広めることに成功しています。特筆すべきは、彼の紡ぎ出す音色の美しさで、どのような特殊奏法を行っても、その全てが圧倒的な存在感と説得力を持ち、かつて聞いたこともないような新しい共鳴を発見するスリリングな驚きを味わわせてくれるのです。収録されたどの曲も特徴的な美しさを持っていますが、一番の注目は細川俊夫による「EDI」でしょうか。曲のタイトル「EDI」はブルンナーのファーストネームの短縮形であり、作曲家と演奏家の親密さをも表しています。無音の部分に深い意味を込めるという、作曲家独特の思想はこの曲にも生きています。
8.572560 リスト:ピアノ作品全集第34集
 ファウスト交響曲2台ピアノ版S647/R369 (S108/R425 第2稿による)
  1.ファウスト/2.グレトヒェン/3.メフィストフェレス/4.終りの合唱
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ
(ヴィットーリオ・ブレスキアーニ&フランチェスコ・ニコロージ)/
マルクス・ウルマン(テノール)…4/
ヴァイマール・リスト音楽院室内合唱団男声セクション…4/
ユルゲン・プッシュベック(指揮)…4
愛と波乱に満ちた生涯を送った、名ピアニスト&作曲家フランツ・リスト(1811-1886)。彼は多くのピアノ曲だけでなく「交響詩の創始者」としても偉大なる足跡を残しています。そんな彼の代表作の一つ「ファウスト交響曲」の2台ピアノ版の登場です。1830年代にベルリオーズからゲーテの「ファウスト」を奨められ愛読していたリストですが、1852年、ベルリオーズから「ファウストの劫罰」を献呈されたのを機に、1854年に管弦楽のための「3人の人物描写」を書きワイマールで初演。その3年後に合唱部分を書き加えます。2台ピアノ版の編曲は1862年に行われ、その後1874年には第2楽章「グレトヒェン」のピアノ独奏版も作られています。その後、幾度となく手を加え、最終的な改訂は1880年に行われています。大掛かりな作品ですが、2台ピアノで聴いても、原曲に匹敵するほどの色彩感が感じられるのはさすがリストと言う他ありません。もちろん最終部分には男声合唱を準備し、この演奏家泣かせの大作をとことん表現し尽くしているのも素晴らしいの一言です。
8.572586 D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第14集
 1.ソナタ変ロ長調 K.47/L.46/P.115 /2.ソナタニ長調 K.21/L.363/P.77 /
 3.ソナタト短調 K.102/L.89/P.88 /4.ソナタイ長調K.62/L.45/P.49 /
 5.ソナタハ長調 K.242/L.202/P.243 /6.ソナタト長調 K.171/L.77/P.153 /
 7.ソナタニ短調 K.295/L.270/P.211 /8.ソナタイ長調 K.269/L.307/P.432 /
 9.ソナタホ長調 K.162/L.21/P.162 /10.ソナタイ短調 K.217/L.42/P.287 /
 11.ソナタト長調 K.337/L.S.26/P.340 /12.ソナタハ短調 K.254/L.219/P.254 /
 13.ソナタ変ロ長調 K.155/L.197/P.208 /14.ソナタハ長調 K.199/L.253/P.276 /
 15.ソナタニ長調 K.140/L.107/P.127 /16.ソナタ変ロ長調 K.229/L.199/P.139 /
 17.ソナタニ長調 K.282/L.484/P.166
ハオ・ドゥアンドゥアン(ピアノ)
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)のソナタ第14集です。と言っても、彼のソナタは全部で555曲もありますので、まだまだ道のりの半分もきていません。この時代は、ソナタと言っても、ほとんどが単一楽章で書かれたもので、曲ごとの表情付けには細心の注意を払わなくてはいけません。NAXOSのシリーズは、全ての盤で違ったピアニストを起用することで知られ、特に最近はとびきりの若手を用意しているという用意周到さ。ここでピアノを演奏しているのも、2009年の上海インターナショナル・ピアノ・コンクールで1位を獲得した1990年生まれの若き才能ハオ・ドゥアンドゥアンです。どの曲も強弱のコントラストが豊かな上、元気一杯の明るい音色が特徴的です。

8.572604
ローデ:12の練習曲/二重奏曲集
 1-12. 12の練習曲
  <ト長調/ニ短調/変ホ長調/ニ短調/変ロ長調/ホ長調/ヘ長調/ロ短調/
  ト長調/ヘ短調/ハ長調/イ短調>/13-14.二重奏曲第1集第1番変ホ長調/
 15-16.二重奏曲第1集第2番ト長調/17-18.二重奏曲第2集第2番ハ長調
ニコラス・ケッケルト(ヴァイオリン)/
ルドルフ・ケッケルト(ヴァイオリン)…13-18
19世紀フランスのヴァイオリニスト、ローデ(1774-1830)はヴァイオリン学習者の間で「24の狂詩曲」(8.570958)が知られています。しかし彼は、他にも多くのヴァイオリンのための作品を書いていて、例えば協奏曲(8.570469に第7.10.13番を収録)なども素晴らしく美しい出来栄えが称賛されています。この「12の練習曲」は前述の狂詩曲よりも、更に技巧を極めたもので、劇的な曲から、歌に溢れた抒情的な曲まで、ヴァイオリンを演奏するために必要な要素を全て兼ね備えた曲集です。ピアノで言えば、パガニーニがショパンやドビュッシー、ローデはモシュコフスキやモシュレスと言ったところでしょうか。二重奏曲はアンサンブルの粋を集めたような流麗な作品です。ブラジル系ドイツ人ヴァイオリニスト、ケッケルトによる(二重奏では父ルドルフが共演)華麗なる演奏をお楽しみください。
8.572654 ディキンスン:ピアノ作品集
 1.ワイルド・ローズ・ラグ/2.ブルー・ローズ/3-9.パラフレーズⅡ/
 10.コンチェルト・ラグ/11.クァルテット・ラグ/12-19.ビタリタス・ヴァリエーション/
 20-22.サティの3つのトランスフォーメーション(グノシェンヌによる)/
 23.バック・イン・ブルー/24.ヒム・チューン・ラグ/25.パトリオティック・ラグ/
 26-29.ピアノ・ブルース/30-34.5つのディヴァージョン
※トラック10以外は世界初録音
  トラック1.2.11.26-29…Conifer Recordsより移行盤、
  トラック10.20-25.30-34…Albany Recordsより移行盤
ピーター・ディキンスン(ピアノ)
このちょっと変わった作品集は、イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の手によるもの。合唱作品などでは、恐ろしいまでにシリアスな作風を示す人なのに、なぜこれらのピアノ曲は楽しげでジャジーなのでしょう?そんなラグタイム集、最初の2曲は、ピアノを愛する人にはおなじみのマクダウェルの「荒れ野のバラ」がモティーフとして使われています。はじけるような第1曲、憂鬱な第2曲と、シンプルな原曲が変貌する様をとくとお聴きください。他には自作からのパラフレーズや、サティ、バッハの作品のラグ化など、何とも嬉しくなるような曲が34曲詰まっています。他レーベルからの移行盤ではありますが、録音当時はトラック10以外、世界初録音という貴重なものでもあります。

8.572736
フンメル:アット・ザ・オペラ〜どこまで盛り上げられるか!?
 1-5.モーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」から
  「バッカス万歳」による変奏曲Op.34-3/
 6-8.グルックの「アルミード」からの主題による変奏曲Op.57/
 9.ペトラルカの3つのソネットS270/R578a - 第1番平和は見いだせず(ソネット第104番)/
 10-12.ケルビーニの歌劇「2日間」からの行進曲による変奏曲Op.9/
 13-17.オーベロンの魔法の角笛幻想曲Op.116(ピアノ編)/
 18-21.イズアールの歌劇「シンデレラ」からの行進曲による変奏曲Op.40a/
 22-27.ポプリ第1番ハ短調 自作の「ろばの皮」よりOp.58
乾まどか(ピアノ)
ハンガリーに生まれ、モーツァルトの家に2年間住み込みピアノを学んだフンメル(1778-1837)。その後はハイドンの後継者、ベートーヴェンのライバルと目され、ピアニストとしても作曲家としても幅広く活躍した事で知られています。彼は多くの作品を書きましたが、当時流行していた「オペラの器楽曲への編曲」というジャンルにも積極的に手を染め、演奏家としても作曲家としても、その才能を強く印象付けています。とにかく原曲のオペラアリアや合唱曲を、ピアノ1台でどれだけ盛り上げられるかが勝負!技巧的な変奏曲や、聴きどころをつなぎ合わせるなど、あの手この手の仕掛けが施されています。NAXOSで数多くの室内楽や伴奏に携わっている乾まどか氏による強力な演奏でお楽しみください。

8.571251
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第1集
ベートーヴェン:ソナタ集第1集

 1-4.ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1/
 5-8.ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2/
 9-10.ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1/
 11-12.ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2
イディル・ビレット(ピアノ)
再案内。この価格では初めての案内。
トルコの女性ピアニスト、イディル・ビレットのベートーヴェン(1770-1827)のピアノ・ソナタ第1集です。ここでは作品番号Op.2の2つのソナタと、ソナチネ・アルバムでおなじみの「小さいソナタ」Op.49の2曲です。Op.1はベートーヴェンが23〜25歳頃に作曲、またOp.49も、出版こそ1805年になってからですが、作曲されたのは25〜27歳頃と、初期の作品群です。まだハイドンなどの影響も感じられますが、ヘ短調のスケールの大きさは、さすがベートーヴェンです。このアルバムでは、ビレットはフォルティシモを極力使わず、抑制された表現でこれらのソナタを奏します。この穏やかで感覚的な響きは本当に魅力的です。彼女の師が、あのヴィルヘルム・ケンプであったことを誰もが納得することでしょう。

8.571252
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第2集
 ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第1集

  1-4.交響曲第1番ハ長調 S464/R128 /
  5-8.交響曲第2番ニ長調 S464/R128
イディル・ビレット(ピアノ)
再案内。この価格では初めての案内。
ベートーヴェン(1770-1827)が30歳に完成させた交響曲第1番と、32歳に完成させた第2番は、まだハイドンやモーツァルトの影響が強く感じられるものの、第2番に後の「第九」のメロディに似た楽想が使われていたりと、なかなか侮れない作品となっています。とはいえ、まだ管弦楽法に熟知するまでに至っていなかったこともあり、もともとのスコア自体がそんなに複雑なわけでもないので、例えリスト(1811-1886)がピアノ独奏用に編曲したとは言え、それほど「難しそう」に感じられないのはご愛敬といったところでしょうか。ビレットはいつもの如く独特のテンポ設定で曲を作っていきます。スコアの隅々まで見通せそうなクリアな演奏です。

8.571253
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第3集
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第1集

  1-3.ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15/
  4-6.ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
再案内。この価格では初めての案内。
鬼才ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・シリーズ。こちらは2008年に録音されたピアノ協奏曲集です。ベートーヴェン25歳の時に完成された、壮大な楽想を持つ第1番の協奏曲ハ長調。23歳前に書かれていたものの、出版の順番が遅くなったせいで第2番とされる初々しい変ロ長調。これらは第3番以降の独自性こそないものの、はっとするような転調や、指定されたカデンツァ、ティンパニの連打など「やはりベートーヴェン」と思わせる部分が随所に用意された聴き応えのある作品です。ビレットは故郷アンカラのビルケント交響楽団と息のあった演奏を聴かせます。名手アントニ・ヴィトの絶妙のサポートも見事です。

8.570978
シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)/
 5.ヴァイオリン・ソナタ第2番「ソナタ風」(1968)/
 6-9.ヴァイオリン・ソナタ第3番(1994)/
 10-11.ヴァイオリン・ソナタ(1955)
キャロリン・ヒューブル(ヴァイオリン)/
マーク・ウェイツ(ピアノ)
第1番のソナタは1963年に作曲されたもので、ショスタコーヴィチの影響を受けつつも、十二音で書かれ、また敬愛するバッハの名前も引用されていたりと実験的かつ破壊的。「2010年の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第2次予選に、この曲が入っていた」これだけで話題になるほど、演奏も解釈も難しい作品です。第2番のソナタは単一楽章で書かれ「ソナタ風」と題されながらも、より散文的で緊張感を湛えています。第3番のソナタは1994年に作曲されたもの。彼の良き理解者であるルボツキーによって、シュニトケ(1934-1998)の60歳の誕生記念に初演されました。番号のないソナタ(2つの楽章)は、学生時代に作曲されたもので、シュニトケの死後に発見されました。シンプルな外見に中身がぎゅっと濃縮されています。
8.559639 ビスカーディ:イン・タイムズ・アンフォールディング他
 1.イン・タイムズ・アンフォールディング(2000)/
 2.タルティーニ(1972)/3.ピアノ五重奏曲(2004)/
 4.メスティエール(1979)/5.ディ・ヴィヴェーレ(1981)/
 6.ヴィオラは突然、声になる(2005)/
 7.コンパニオン・ピース(モートン・フェルドマンのために)(1989)/
 8.イン・タイムズ・アンフォールディング(2000)
ダ・カーポ・チェンバー・プレーヤーズ…5/
ジェイムズ・ゴールズワージー(ピアノ)…6/
マーク・ヘライアス(コントラバス)…7/
グレッグ・ヘッセリンク(チェロ)…3/
カーティス・マコンバー(ヴァイオリン)…2.3.5/
ブレア・マクミラン(ピアノ)…2.3.4.5/
ポール・ニューバウアー(ヴィオラ)…6/
ダニエル・パンナー(ヴィオラ)…3/
マーク・ペロキン(ピアノ)…1.7.8/
ヨナー・ズール(ヴァイオリン)…3
1948年、ウィスコンシン州生まれの作曲家、ビスカーディ(1948-)の作品集です。彼における「1972年から2005年までの33年間の創造のプロセス」を、彼自身が振り返るという趣向のもとに曲順がアレンジされているという凝ったもの。動的な初期の作品から、モートン・フェルドマンのためにと題された静かな作品と、作曲年代を行きつ戻りつ、あらゆる表情を帯びた曲が並んでいます。最初と最後の曲は同じ物が置かれているのにも注目。アルバム自体が「過去を振り返る」というコンセプトで創られているのがおわかりになるでしょう。

8.572258
¥1100→¥990
ヘンニング・クラッゲルード久々登場!
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調k563
 1-6.ディヴェルティメント変ホ長調 k563
  <第1楽章アレグロ/第2楽章アダージョ/
   第3楽章メヌエット/第4楽章アンダンテ/
   第5楽章メヌエット/第6楽章ロンド>/
 7.弦楽三重奏曲ト長調 K.anh.66(K562e) — アレグロ(断章)
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
ラーシュ・アネルス・トムテル(ヴィオラ)/
クリストフ・リヒター(チェロ)
モーツァルト(1756-1791)32歳の時に作曲されたディヴェルティメント変ホ長調は、高い音楽性と流麗な曲想を持つにも拘わらず、なぜかあまり聴かれることがありません。そもそもディヴェルティメントは自由な形式を持つ楽しい曲であるはずなのに、この作品は恐ろしいまでの精緻な作曲技法が施されており、各楽器の演奏技術も高いものが要求され、ちょっとやそこらで演奏できるようなものではありません。それだけに、聴き手も大いなる喜びと緊張感を同時に味わうこととなる、まことにもって「一筋縄ではいかない」作品なのです。モーツァルトのフリーメーソン仲間であり、よくお金を借りていた友人プーフベルクの依頼であったことや、変ホ長調という調性、また「三」重奏であるということ(3はフリーメーソンにとって重要な数字)から、フリーメーソンのための曲とも言われています。
8.660302 ロッシーニ:歌劇「婚約手形」
 カミッロ・フェデリーチの戯曲によるガエターノ・ロッシの脚本によるファルサ・コミカ
トビア・ミル(商人)…ヴィート・プリアンテ(B)/
ファニー(ミルの娘)…ユリヤ・サムソノワ(S)/
エドアルド・ミルフォート(ファニーの恋人)…ダニエーレ・ザンフォルディーノ(T)/
スルック(カナダにいるミルの取引先)…ジューリオ・マストロトターロ(B)/
ノートン(ミルの出納係)…トーマス・ビジャ(B)/
クラリーナ(ファニーの小間使)…フランチェスカ・ルッソ・エルモッリ(Ms)/
マッシミリアーノ・タンツィーニ(cem)/
ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団/
クリストファー・フランクリン(指揮)
ロッシーニ(1792-1868)が18歳の時に作曲した初めてのファルサ(1幕ものの笑劇)です。ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場で新作ファルサを上演しようと準備していたところ、予定していた作曲家が降りてしまったため、音楽学校を卒業したてのロッシーニに依頼が回ってきたというもので、イギリス商人トビア・ミルとその娘ファニー、その恋人ミルフォード、借金の肩代わりにファニーを受け取ることになるカナダの商人スルック。彼らを中心に話が進みます。愛娘を「商品」として手形を切る父トビアのばかばかしい試みは成功するのでしょうか?
8.669030 カーチン(1951-):歌劇「ロムルス」
 1.私の哲学者と私の天文学者は、いつものように忙しい/
 2.妹よ、ウォルフが気が付いたということは何かがあるのですね/
 3.その理由は?/4.私は貧しい人は嫌いではないですよ/
 5.良いアドヴァイスだね、妹よ/
 6.この2台の時計の仕組みはとても独創的/7.何だって?/
 8.どうしたの?赤ちゃんの泣き声が聞こえる/
 9.マーサ、私はここ以外に家は持っていないよ/
 10.ここから動かないで/11.どうもすみません/
 12.私は彼を指名した/
 13.呪ってやる/14.どうなったの?/
 15.ごめんなさい、マーサ/16.私は彼に全てを話した
マーサ…カトリーナ・サーマン(S)/
フランツ・ウォルフ…スティーヴン・エベル(T)/
チェレスタス…トーマス・メグリオランツァ(Br)/
バーベンハウゼン市長…ウィルバー・ポーリー(B)/
ワシントン・スクエア・アンサンブル/
ルイ・カーチン(指揮)
アレクサンダー・デュマ(父)の戯曲を元にしたこのオペラ「ロムルス」です。グッゲンハイム美術館とアメリカ・オペラ・プロジェクトの共同事業として企画されたもので、2007年に初演され、全く同じキャストでこの録音が実現したものです。オーストリアのチロルで起こるちょっとした陰謀を面白おかしく描いたこの物語。オペラ・コミックと呼ぶにはちょっと曲が現代的ではありますが、デフォルメされた人物描写と、記憶に残る音楽、そして第一級の歌手を揃えた演奏で、他の現代オペラとは一線を画しています。
8.570707 トゥリーナ:歌曲集
 1-3.ロペ・デ・ヴェガ礼讃Op.90/
 4-8.カンサシオン形式の歌Op.19
  <献辞/忘れないでね/カンターレス/二つの恐れ/恋狂い>/
 9-10.2つのカンシオンOp.38/11-13.3つの詩Op.81/
 14-16.3つのソネットOp.54/
 17-19. 3つの歌Op.26<ロマンス/漁夫/韻文>/
 20-26.ヴォカリーズOp.74/
 27.アヴェ・マリアOp.95/28-30.三部作Op.45
カロリーナ・ウルリヒ(ソプラノ)/
デボラ・ハラス(ピアノ)
トゥリーナ(1882-1949)はマドリード音楽院で学んだ後、パリでV.ダンディに師事し、フランス風の様式を身につけながらも、アルベニス、ファリャとともにスペイン国民音楽の創造に取り掛かります。そんな彼は生涯に多くの歌曲を書いたにも拘わらず、その多くは現在忘れ去られてしまっています。しかし、ここで聴くこれらの歌曲は何と魅力的なことでしょう。どの曲も、美しく感情豊かな歌の線に、見事なピアノ伴奏が彩りを加えていくというもので、元気一杯でユーモラスな曲もあれば、陰鬱であったり、驚くほど情熱的であったりとひと時も耳を離すことができません。ここで切れ味の良い美声を聴かせるのは、チリ出身の若きソプラノ、ウルリヒです。彼女は2008-2009年の「Young Concert Artists International Auditions」で1位など多くの賞を受賞した期待の新鋭です。
8.558204-05
(2CD)
ロドリーゴ・ポートレート
《CD1》
 1.カンツォネッタ/2.交響的エッセイ「ジャグラー」/
 3-7.子どものための5つの小品/8.歌と踊り/
 9.遥かなるサラバンド/10.早起き鶏の前奏曲/
 11.スペイン風セレナーデ/12.妻の詩/13.青いユリの花のために/
 14.アランフェス協奏曲より第2楽章/
《CD2》
 1.夏の協奏曲より第1楽章/2.ギャラント風協奏曲より第3楽章/
 3.3つのスペイン風小品よりファンダンゴ/
 4.ある紳士のための幻想曲より第4楽章/
 5.祈りと踊り(マニュエル・デ・ファリャを讃えて)/
 6.管楽器のためのアダージョ/
 7.交響詩「彼方なるかなたを訪ねて」/
 8.アッシジの聖フランシスコのカンティクル
様々な演奏家
スペインのギター音楽を語る上で、外すことのできないロドリーゴ。まずは有名な「アランフェス協奏曲」を思い出す方も多いでしょうが、それだけではなく、生涯にほぼ200曲に渡る様々な作品を書いています。オーケストラ曲あり、器楽曲あり、声楽曲あり。この2枚組にはそれらの中から厳選の22曲が収録されています。そんな彼自身は優れたピアニストであり、ギターは演奏しなかったというのも、ちょっとしたトリビアでしょうか。86ページに渡るブックレット(英語のみ)には、詳細な彼の生涯が記されています。偉大なる20世紀の作曲家の足跡を辿ることができる貴重な2枚組です。

NAXOS

8.572583
\1100
ドビュッシー:管弦楽作品集第6集
 1-4.ベルガマスク組曲(G.クロエ…1.2.4,A.カプレ…3 管弦楽編曲版)
  <前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ>/
 5-8.小組曲(H.ビュッセルによる管弦楽編曲版)
  <小舟にて/行列/メヌエット/バレエ>/
 9-10.春(H.ビュッセルによる管弦楽編曲版)/
 11-13.白と黒で(R.ホロウェイによる管弦楽編曲版)
  <無我夢中で/ゆるやかに。沈痛に/スケルツァンド>/
 14-15.交響曲ロ短調(T.フィーノによる管弦楽編曲版)
フランス国立リヨン管弦楽団/
準・メルクル(指揮)
準・メルクルとリヨン管によるデリケートの極みとも言えるドビュッシー(1862-1918)作品集の第6巻です。ピアノ曲を他の人が編曲したものですが、カプレによる「月の光」などは、すでにこちらが原曲?と思えるほどに浸透していることはご存知でしょう。5つの曲集はそれぞれに趣向を凝らした編曲が成され、ドビュッシーの色彩的なオーケストレーションとはまた違った味わいが付加されています。4手ピアノのための初期作品集(8.572385)にはピアノ連弾による「春」と「交響曲」が収録されていますので、聴き比べもお楽しみいただけるかと思います。「ドビュッシーだったらどのように書いただろうか?」と想像するのも一興でしょう。
8.572629
\1100
モートン・グールド:デリヴァーションズ
 1.自由へのファンファーレ(1942)/
 2-5.セント・ローレンス組曲(1958)
  <献辞/クイックステップ/シャンソネット/記念の行進>/
 6.ジェリコ狂詩曲/
 7-10.ソロ・クラリネットとバンドのための「デリヴァーションズ」
 <ウォーム・アップ/対位法のブルース/ラグ/ライド・アウト>/
 11-12.交響曲第4番「ウェスト・ポイント」
ステファニー・ゼルルニック(クラリネット)/
カンザス大学ウィンド・アンサンブル/
スコット・ワイズ(指揮)
モートン・グールド(1913-1996)はアメリカの作曲家、編曲家、ピアニストです。多くのクラシック・ファンにこの名前を告げると、「えっ?あのピアニストがそんな曲を書いていたの?」とかなりの確率で訊き返されること間違いなし。もちろん、その時、相手の頭に浮かんでいるのは、あの“猫背”のバッハを素晴らしく個性的に弾くピアニストですが。さて、モートン・グールドです。彼は様々なジャンルの音楽とクラシック音楽を融合させ、自作自演も含めて米RCAに膨大な録音を残していることで知られます。日本でとりわけ知られているのは、日曜洋画劇場のエンディング曲。コール・ポーターのミュージカル・ナンバーをラフマニノフばりのピアノ協奏曲に仕上げた逸品をご記憶の方も多いのではないでしょうか。これもグールドの作品でした。さて、そんな彼。吹奏楽ファンの間では、「ジェリコ狂詩曲」や「ウェスト・ポイント」の名曲で知られていますが、その他の吹奏楽作品をこうしてまとめて聴けるのは嬉しい限り。伝説的クラリネット奏者、ベニー・グッドマンのために書かれた「デリヴァーションズ」のはじけぶりも必聴です。
8.572442
\1100
シェーンベルク:室内交響曲第1番&組曲Op.29
 1-4.組曲Op.29/
 5.室内交響曲第1番Op.9
  (A.ウェーベルンによるフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ編)
ザーイル・アンサンブル
<メンバー>
アルフォンソ・ルビオ(フルート)…5/
ジャビエル・トリゴス(クラリネット)…1-5/
ミゲル・アンヘル・ルイス(クラリネット)…1-4/
ペペ・ベニテス(バス・クラリネット)…1-4/
ホアン・エスピナ(ヴァイオリン)…1-5/
マリー・テレサ・ナワラ(ヴィオラ)…1-4/
ディーター・ネル(チェロ)…1-5/
オスカー・マルティン(ピアノ)…1-5/
フアン・ガルシア・ロドリゲス(指揮)
最も革新的な作曲家の一人、シェーンベルク(1875-1951)の室内楽作品を2曲。7楽器のための組曲は1924年から26年にかけて彼の2番目の妻ゲルトルートへの結婚プレゼントとして作曲されました。それぞれの楽器はピアノを介して綿密に関連付けられていて、曲の構成は古典的なフォルムを持ちながらも、基本的に無調。当時流行のダンス音楽を模したリズミカルな部分も持ち合わせているという興味深いものです。室内交響曲第1番は、1906年の作品で、まだ後期ロマン派の情緒をどことなく匂わせています。本来15人の奏者のために書かれていますが、この演奏は、ウェーベルンによる更に凝縮された編曲で、ピアノが入ることで、いつも聴き慣れた曲とは、また違った雰囲気が醸し出されています。
8.572372
\1100
ヒナステラ:チェロ協奏曲集
 1-4.チェロ協奏曲第2番Op.50(1980)/
 5-7.チェロ協奏曲第1番Op.36(1968)
マーク・コソワー(チェロ)/
バンベルク交響楽団/
ローター・ツァグロゼク(指揮)
活動した時代だけを見れば、完全に「現代音楽作曲家」の範疇に入るはずのヒナステラ(1916-1983)。しかし彼の曲はそんな枠には収めることのできない、伝統的で古典的な美質を持っています。この2つのチェロ協奏曲は、彼の最も革新的で、技術的で、かつ素晴らしい作品と言えるでしょう。1978年に彼の2番目の妻であるA・ナトーラによって初演された第1番の協奏曲は、挑発的でラテンのリズムをふんだんに用いた作品。第2番は10年目の結婚記念日のために書かれた作品で、こちらはまさにジャングルの喧騒を描いたような素朴で力強い音楽。打楽器の熱いリズムが胸を焦がします。
8.572611
\1100
ピアソラ:ヴァイオリン、金管五重奏、パーカッションによるタンゴ集
 1.ビオレンタンゴ/2.アメリタンゴ/3.トリスタンゴ/
 4-7.ブエノスアイレスの四季/8.ウンデルタンゴ/
 9.ノヴィタンゴ/10.タンゴの歴史/11.天使の死/
 12.メディタンゴ/13.アヴェマリア/14.オヴリヴィオン/
 15.リベルタンゴ
  ※全てドナート・デ・セナ編曲
クィンテット・ディ・オットーニ・エ・ペルクッシオーニ・デラ・トスカーナ
<メンバー>
アンドレア・デルッラ(トランペット)/
ドナート・デ・セラ(トランペット)/
パオロ・ファッジ(フレンチ・ホルン)/
アントニオ・シコーリ(トロンボーン)/
リッカルド・タルリーニ(テューバ)/
ロベルト・ビッキ(パーカッション)/
アンドレア・タッキ(ヴァイオリン)…4-7.10.11.13.14.15
今や、知らぬもののないほどに人気を博しているピアソラ(1921-1992)のタンゴ。ピアノで演奏したり、ヴァイオリンで演奏したりと、あらゆる楽器でのラインナップが揃っている感がありますが、このアルバムで闊達な演奏を繰り広げるのは、何と金管五重奏+パーカッション。そして曲によってヴァイオリンのオプション付き!という驚きのアンサンブルです。このイタリアのアンサンブル、とにかく上手くてカッコいい!の一言です。アルバムの中心となるのは、もちろん「ブエノスアイレスの四季」!ピアソラがブエノスアイレスの波止場を散歩しながらヴィヴァルディの四季に思いを馳せたかのようなユニークな編曲で、2人の大作曲家が250年の年月を超えて手を取り合い踊る様が描かれているかのようです。ピアソラ演奏に新たな可能性を示した1枚です。
8.572643-45
(3CD)
\3300
エルガー:ヴァイオリンのための作品集
<CD1>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲ロ短調 Op.61/
 4-6.11:30弦楽セレナードホ短調 Op.20/
<CD2>
 1.ロマンスOp.1/
 2.3つの性格的小品Op.10(ヴァイオリンとピアノ編)/
 3.ビザリエーリOp.13 No.2/4.セレナード/
 5.子守歌Op.4-1/6.朝の歌Op.15-2/7.夕べの歌Op.15-1/
 8.気まぐれな女Op.17/9.ガボット/
 10.愛の挨拶Op.12/11.エチュード・カプリース/
 12.5月の歌/13.ヴィレライOp.4-3/
 14.バイエルンの高地から第2番「子守歌」/15.カリッシマ/
 16.告別/17-21.性格的練習曲集Op.24/
<CD3>
 1.スルスム・コルダOp.11/2.パストゥレイユOp.4-2/
 3-4.3つのバイエルン舞曲Op.27より<射手/踊り>/
 5.ため息Op.70/6.ベロー:子守歌-小さな女王(エルガー編)/
 7.ポロネーズホ短調/8.組曲「子ども部屋」より第7楽章/
 9.愛の言葉Op.13-1/10.エルガーの主題によるワルツ/
 11.追想/12.「インドの王冠」より間奏曲/
 13.GEDGEによるアレグレット/
 14-16.ヴァイオリン・ソナタホ短調/17.フーガニ短調
  CD2.3…Black Box Musicより移行盤
マラト・ビゼンガリエフ(ヴァイオリン)/
西カザフスタンフィルハーモニー管弦楽団…CD1/
バッディット・アングラングシー(指揮)…CD1/
カミラ・ビゼンガリエヴァ…CD3-17/
ベンジャミン・フリス(ピアノ)…CD2.3
エルガー(1857-1934)のヴァイオリン作品をとことん聴きたい方にうってつけの3枚組。魅惑的で情熱的な「ヴァイオリン協奏曲」や、近年人気が高まっている「ヴァイオリン・ソナタ」はもちろんのこと、あまり聴く機会のないサロン風小品まで、ヴァイオリンの名手でもあったエルガーらしい多彩な作品が並んでいます。ここで演奏しているのは、NAXOSアーティストの中でもとりわけ人気の高いビゼンガリエフ。ヴィニャエフスキの小品集での香り高い演奏を始めとした一連の録音はNAXOS好きの間で「神」演奏とされています。
8.559645
\1100
ガブリエラ・レーナ・フランク:スレッド
 1-8.クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための「スレッド」(2010)
 <高原の踊り/チンチャの靴/
  年老いたチャランゴ弾き/悪魔の踊り/独楽/
  ゲーム/ヤラビジョーサ/つば付きの帽子>/
 9.2台のマリンバのための「サクサムピジョース」/
 10.チェロとピアノのための「アマンタニのアダージョ」/
 11-15.弦楽四重奏のための「むこうみず」
  <アルボラーダ/ラ・マンチャへのセギディーリャ/
   ドン・キホーテの狂気/洞窟/騎兵の踊り>
エイリアス室内アンサンブル/
ガブリエラ・レーナ・フランク(ピアノ)
ペルー及び中国の血を引く母と、ユダヤ系リトアニアの血を引く父の元、バークレーに生まれた女性作曲家フランク(1972-)、彼女は常に自らのアイデンティティを求めています。糸巻きの意味を持つ組曲「Hilos」(スレッド)は、ペルーの美しき絨毯を音で描いたような作品で、各々の楽器の響きが溶け合い、幽玄な音の織物を創り上げています。他にはセルバンテスの名作「ドン・キホーテ」の影響を受けた「むこうみず」、ジャングルのむせかえるような響きを模した「サクサムピジョース」など、興味深い作品が並びます。
8.559684
\1100
打楽器のためのアメリカ作品集第2集
 1.カーター(1908-):Tintinnabulation(2008)/
 2.チャイルド(1953-):リフレイン(2000)/
 3.コーエン(1940-2002):アシッド・レイン/
 4-6.ハービソン(1938-):行列(2008)/
 7.ラダール(1943-):最初の声(2007)奏:
エレーナ・ベリイイワ(ピアノ)…3/
エリザヴェータ・ベリイイワ(ピアノ)…3/
キムバーリー・ソビー(ソプラノ)…7/
メアリー・ケイト・ヴォム・レーン(メゾ・ソプラノ)…7/
テラ・ローボ(アルト)…7/
ニューイングランド音楽院パーカッション・アンサンブル/
フランク・エプステイン(指揮)
第1集(8.559683)に続く、現代アメリカのパーカッション作品集です。激しい音の炸裂で始まる第1曲は、100歳を越えても、未だ創作の泉が衰える気配もない驚異の作曲家エリオット・カーターの2008年の作品。タイトルは「チリンチリン」とでも訳しましょうか?メロディを奏でることができる楽器(マリンバやビブラフォンなど)は一切使わず、無機質な音だけを組み合わせ、不思議な空間を表出させています。それに比べコーエンの「アシッド・レイン(酸性雨)」はグロッケンシュピール、ビブラフォン、ピアノ、チャイムを使って、タイトルの通り、即効性の痛みをもたらすような刺激的な音楽です。作曲家によると「ガムランの響きを意識した」とのこと。他の曲もそれぞれ趣向が凝らされた面白いものばかりです。
8.572715
\1100
期待の新進演奏家シリーズ/ヨハネス・メラー ギター・リサイタル
 1.バリオス(1885-1944):森に夢見る/
 2.クレイファンガー(1817-1868):
  魔弾の射手の主題による序奏と変奏Op.3/
 3.ヴィラ=ロボス(1887-1959):練習曲第7番/
 4.ヴィラ=ロボス:練習曲第9番/
 5.ヴィラ=ロボス:協奏曲のためのカデンツァ/
 6.ヴィラ=ロボス:練習曲第12番/
 7.グージョン(1951-):ラメント-スケルツォ/
 8.レゴンディ(1822-1872):夢Op.19/
 9-11.ブローウェル(1939-):ソナタ
  <ファンダンゴとボレロ/スクリャービンのサラバンド/
  パスクィーニのトッカータ>/
 12.メラー(1981-):遠き炎への詩
   2.7.12…世界初録音
ヨハネス・メラー(ギター)
1981年、スウェーデン生まれのギタリスト&作曲家ヨハネス・メラーのNAXOSデビュー・アルバムです。彼は13歳で初の公開コンサートを行い、その後はヨーロッパ、アジア、南北アメリカで500回以上のコンサートを開いています。2010年だけでも各国で50回もコンサートを開催(その中にはカーネギー・ホールも含まれる)した他、GFAコンサート・アーティスト・コンペティションで第1位を獲得するなど、その才能を確実に開花させています。このアルバムではバリオスやヴィラ=ロボスなどのギターのスタンダード曲や、現代曲、そして最後に自作の「遠き炎への詩」を演奏。その真価を世に問います。どの曲も素晴らしいのですが、とりわけロマンティックな曲の表現が見事です。柔らかい音色、繊細な感情表現が、冒頭のバリオスから溢れるように伝わってくることでしょう。
8.559649
\1100
ハスケル・スモール:戦争の子守歌
 1-6.戦争の子守歌(2007)
  <戦争は親切だ/いいえ/レチタティーヴ/魂の名付け/
   見下ろしたまえ、公正なる月よ/ゲルニカ・パントゥーン>/
 7-22.ルノワールの祝宴/
 23-25.「音」の3つの練習曲
   1-6.23-25…世界初録音
マーティン・レイナー(ナレーター)…1-6/
ソヘイル・ナセリ(ピアノ)
アメリカの作曲家ハスケル・スモール(1948-)の作品集です。彼の作品はヨーロッパを始め中国、日本でも演奏され、その豊かな表現と安定した音楽性が高く評価されています。このアルバムには彼の代表的な作品が3つ収録されています。ナレーションとピアノによる「戦争の子守歌」は、ピアニスト、ナセリの依嘱作品で、時として荒々しさを隠せないピアノの音色にの奥底に戦争の悲哀をにじませています。フィリップス・コレクション美術館から依嘱された「ルノワールの祝宴」は館の目玉作品である「舟遊びの昼食」が返還された記念の作品。3つの練習曲は、表題性を一切排し、音の動きのみを追求した作品です。
8.572300
\1100
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ第5集
 1-3.ピアノ・ソナタイ長調 Op.114/
 4-7.ピアノ・ソナタ変イ長調 Op.176/
 8-10.ピアノ・ソナタロ短調 WoO11
スーザン・カガン(ピアノ)
スーザン・カガンによるリース(1784-1838)のソナタ・ソナチネ第5集です。全部で14曲あるこれらの作品中、今作は1823年頃に書かれたOp.114と最後の作品であるOp.176(1832年作)、そして恐らく1800年代初頭に書かれたであろう最初の作品WoO11の3曲を収録しています。ロ短調ソナタは明らかにベートーヴェンの影響が感じられますが、どことなく未熟な感が否めないのは仕方ないところでしょう。やはり後期の作品は練られたもので安心して耳を傾けることができるというものです。かのロベルト・シューマンは1835年に「新音楽雑誌」で、フェルディナント・リースと、ベートーヴェンについて言及。リースについては「注目に値する独創性」と称賛しています。古典派からロマン派へ。この時代に生きた作曲家は誰しも多かれ少なかれ、この波に揉まれたに違いありません。
8.572419
\1100
R.アルフテル:室内楽作品集第2集
 1.ジーガOp.3(1930)/2-4.3つの短編作品(1951)/
 5-6.エル・エスコリアールの2つのピアノ・ソナタOp.2(1928)/
 7-10.アントニオ・マチャドを讃えてOp.13(1944)/
 11-14.ディヴェルティメントOp.7a(1935)/15-18.迷宮Op.34(1972)/
 19.カプリッチョOp.40(1978)/
 20.祝勝歌Op.42(1979)/21-23.セクエンシアOp.39(1977)
マドリッド・コミュニティ管のソリストたち
<メンバー>
ミゲル・アンゲル・ヒメネス(ギター)…1/
ベアトリス・ミラン(ハープ)…2-4/
フランシスコ・ホセ・セゴビア(ピアノ)…5-10.15-18.20-23/
シンタ・バレア(フルート)…11-14.20/
ビセンテ・フェルナンデス(オーボエ)…11-14/
メレア・メイヤー(クラリネット)…11-14/
フランシスコ・マース(ファゴット)…11-14/
セザール・アセンシ(トランペット)…11-14/
ビクトル・アリオラ(ヴァイオリン)…11-14.19/
パウロ・ヴィエイラ(ヴァイオリン)…11-14/
アレクサンドル・トロチンスキー(ヴィオラ)…11-14/
ラファエル・ドミニケス(チェロ)…11-14/
マヌエル・コベス(指揮)…11-14
スペインで生まれ、メキシコでも活躍した作曲家ロドルフォ・アルフテル(1900-1987)の室内楽作品集第2集です。古き伝統と、新世界の影響を受けつつ、ほぼ独学で曲を書き上げたことで知られています。第1集(8.572418)で聴くことができるピアノ・ソナタも魅力的ですが、こちらの第2集はもっと多彩な楽器で奏する彼の音楽が楽しめます。ルネッサンスやスカルラッティなどの古典からの引用が感じられるかと思えば、舞曲のリズムが際立つ作品もあり、一時も飽きることがありません。演奏者たちの素晴らしい表現にも脱帽です。
8.572459
\1100
シューベルト:ピアノ・ソナタ第4番&第13番&さすらい人幻想曲
 1-3.ピアノ・ソナタ第4番イ短調 D537/
 4-6.ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D664/
 7-10.幻想曲ハ長調 D.760「さすらい人幻想曲」
エルダー・ネボルシン(ピアノ)
NAXOSが誇る期待のピアニストの一人、エルダー・ネボルシンによるシューベルト(1797-1828)です。リストやドホナーニ、ラフマニノフという技巧派の曲から、ショパンの協奏曲という究極のロマンティックな作品までと、どれもが曲の持つ魅力を最大限に引き出すことに成功した演奏として人気の高い彼、今回のアルバムでは、今までとはまた一味違う端正な面を見せてくれます。選ばれた3曲は、シューベルト作品の中でもとりわけ人気の高いもので、20歳という比較的初期の作品ながら、作曲者本人も気に入っていた第4番(第2楽章は第20番にそのまま転用された)と、流麗で親しみやすい第13番、そして最高傑作として知られる「さすらい人幻想曲」という選曲は、演奏家の資質を聴きとるだけでなく、シューベルトのエッセンスを楽しむためにも最良のプログラムと言えるでしょう。大満足の1枚です。
8.572483
\1100
レンツ:イングウェ
「天は語る」…第7番ミステリウム - イングウェ
 1.第1小節から/2.第90小節から/
 3.第113小節から/4.第179小節から/5.第314小節から/
 6.第357小節から/7.第465小節から/8.第487小節から
ゼーン・バンクス(エレクトリック・ギター)
正直、解説も何も読まずにこれを聴いた時、「あれ?プレスミス?」と思ってしまうかもしれません。注意深くアーティストなどを見れば間違いないことはすぐにわかるのですが。この作品はルクセンブルク生まれの作曲家、ジョルジュ・レンツ(1965-)の連作「天は語る・・・」の一つの部分です。タイトルの「イングウェ」とはアポリジニの言葉で「夜」の意味。聖書や天文学などと精神性を結びつけた観念的な作品で、8.557019で第3番と4番を聴くことができ、こちらもボーイ・ソプラノやシンバルなどを使った独特の音が展開されていますが、この第7番で使われているのは、なんとエレクトリック・ギター。ジミヘンとオーストリアの砂漠に広がる広大な夜の風景をイメージしているのだそうです・・・。ギターを弾いているのは、1986年生まれの若きギタリスト、バンクス。天はついにエレキ・ギターまでをも味方につけたようです。
8.572601
\1100
レイトン:オルガン作品集
 1-3.復活Op.49<主題/幻想/フーガ>/
 4-6.讃歌による6つの幻想曲より
  <第4番聖コロンバ/第5番久しく待ちにし/第6番ハノーヴァー>/
 7-12.グローリア・ミサ「ダブリン祝祭ミサ」Op.82
グレッグ・モリス(オルガン)
1969年J.W.ウォーカー&その息子が制作
(2002年再建立)、
ブラックバーン教会のオルガン使用
ケニス・レイトン(1929-1988)は20世紀における英国の最も重要な作曲家の一人です。彼はとりわけオルガンを用いた合唱作品やオーケストラ作品で名を挙げ、そのスタイルは抒情的なメロディと、爆発的なエネルギーの放出、そして超絶的技巧を上手く拠り合わせたものとして知られています。合唱音楽や宗教音楽の大家とは言え、彼の作品は十二音なども巧みに取り入れられており、ラターなどのような比較的平易な作風を期待して聴くと肩透かしを食らうことでしょう。しかし、古代の単旋律聖歌に基づく「ダブリン祝祭ミサ」や、魅惑的な音に満ちた「幻想曲」などを聴いていると、何となく胸がドキドキするような高揚感を味わうことができるかもしれません。

8.571264-65
(2CD)
\2200
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第14集&第15集
ベートーヴェン=リスト(1811-1886)編曲 ピアノ独奏による交響曲集第5集&第6集
<CD1>
 1-5交響曲第6番ヘ長調 「田園」 S464/R128/
 6.交響曲第9番ニ短調「合唱付き」 S464/R128<第1楽章>/
<CD2>
 1-3.交響曲第9番ニ短調「合唱付き」 S464/R128(続き)
  <第2楽章/第3楽章/第4楽章>
イディル・ビレット(ピアノ)
ベートーヴェン(1770-1827)の偉大なる交響曲を、華麗なピアノ・ソロへと凝縮したのは、ご存知ピアノの魔術師フランツ・リストです。ここで聴けるのは、第6番「田園」と第9番「合唱」で、どこから聴いても驚くことばかり。オーケストラの響きを余すことなくピアノで表現するなんて、まさに魔術師ですね。さて、このビレットの演奏。第9のおなじみのテーマが驚くほど遅いテンポで演奏されたりと、特異な世界を形成しています(例えばシチェルバコフの演奏と聴き比べていただければ面白いかもしれません)。指揮者で言えばクレンペラー?とにかく個性的です。
8.571266
\1100
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第16集 ベートーヴェン:ソナタ集第7集
 1-3.ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10-2/
 4-7.ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26/
 8-11.ピアノ・ソナタ第15番「田園」ニ長調Op.28
イディル・ビレット(ピアノ)
ヴィルヘルム・ケンプとアルフレッド・コルトー。この全く方向性の違う個性を持つ2人のピアニストを師とする、トルコの女性ピアニスト、ビレットのベートーヴェン(1770-1827)。ここでも彼女は独創的な解釈を聴かせます。若干地味目な第6番での巧妙な音運び。第12番の第3楽章「葬送行進曲」での不気味な響き、続く終楽章での朴訥とした音楽の流れ(決して下手なわけではないはず)。第15番、第1楽章での激しすぎるクライマックス。伝統、慣習に囚われない自由なベートーヴェンがここにあります。
8.571267
\1100
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第17集 ベートーヴェン:ソナタ集第8集
 1-4.ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22/
 5-7.ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1/
 8-10.ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 Op.31-2
イディル・ビレット(ピアノ)
この第8集には、ピアノを学ぶ人なら避けては通れない3つのソナタが収録されています。最初の重音が食わせ者、第11番の第1楽章や、出だしのタイミングが難しい第16番の第1楽章の冒頭、そして流麗な終楽章が魅力の「テンペスト」。これらを演奏する際に、このビレットの演奏はとても参考になるのではないでしょうか?彼女の演奏はスタイリッシュではなく、どちらかと言うと音を一つ一つ確かめながら鳴らしていくようなものですが、これが何とも言えない味わいがあるのです。本当に力強いベートーヴェン(1770-1827)です。
8.571269
\1100
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第19集 ベートーヴェン:ソナタ集第10集
 1-2.ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54/
 3-4.ピアノ・ソナタ第24番嬰へ長調 Op.78/
 5-8.ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106
イディル・ビレット(ピアノ)
ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・ソナタ集、第10集の目玉は何と言っても、大作「ハンマークラヴィーア」ですが、その前に変則的な構成を持つ2つのソナタをお聴きください。あまり日のあたる機会の多くない第22番の見事な構造に驚かされ「こんなすごい曲だったのか」とため息をつき、ベートーヴェンの美メロの極致とも言える「嬰ヘ長調」ソナタ(令嬢テレーゼに献呈)の柔らかい響きに胸打たれましょう。そしてお待ちかね第29番。第1楽章のたっぷりとした響き、諧謔的な第2楽章、そして第3楽章のこだわり抜かれた音楽ですっかりお腹一杯になったあと(この楽章は、本当にヘビー級)デザートで出されるのがまた濃厚な味のフーガ。ベートーヴェンの凄さをとことん味わうことができる1枚です。
8.660248-49
(2CD)
\2200
ボーイト:歌劇「メフィストフェレ」
<CD1>
 1-6.プロローグ/
 7-12.第1幕/
 13-14.第2幕第1場/
<CD2>
 1-5.第2幕第2場/6-9.第3幕/
 10-13.第4幕/
 14-16.エピローグ
メフィストフェレ…フェルッチョ・フルラネット(バス)/
ファウスト…ジュゼッペ・フィリアノーティ(テノール)/
マルゲリータ/エレーナ…ディミトラ・テオドッシュウ(ソプラノ)/
マルタ…ソニア・ツァラメッラ(メゾ・ソプラノ)/
ヴァグネル/ネレーオ…ミンモ・ゲッジ(テノール)/
パンターリス…モニカ・ミナレッリ(メゾ・ソプラノ)/パレルモ・マッシモ劇場児童合唱団/
パレルモ・マッシモ劇場合唱団/
パレルモ大劇場交響楽団/
ステファノ・ランツァーニ(指揮)
偉大な台本作家であったアッリゴート・ボーイト(1842-1918)は、自らもオペラの作曲家を志しました。キャリアの始めの頃はヴェルディとも親しくしていたのですが、ボーイトの才能を感じ取ったヴェルディは、「ライバル現る」と次第に彼を遠ざけるようになり、そのためかボーイトは当時流行のワーグナーを擁護。彼の音楽を広めるべく、歌詞を翻訳し紹介することに力を注いだのです。そんな頃、ボーイトは自作のオペラ「メフィストフェレ」を完成。入念なリハーサルのもと、1868年スカラ座で初演を行います。結果は・・・大失敗。その後は専ら台本作家として素晴らしい作品を残したのは周知の通りです。この演奏は、2008年のパレルモ・マッシモ劇場のライヴで、現代的な演出が賛否両論を巻き起こしたプロジェクトですが、音だけで聴いている分には余計な心配は必要ありません。とにかくフルラネットの迫力ある「悪魔声」が見事です。彼に比べればテオドッシュウさえ地味に聞こえてきてしまうのがスゴイところ。全てにおいて力作です。ぜひご一聴ください。
8.660280-81
(2CD)
\2200
J.シュトラウス2世:喜歌劇「理性の女神」
 《喜歌劇「理性の女神」》
  <CD1>
  1-9.序曲と第1幕/10-15.第2幕/
  <CD2>
   1-6.間奏曲と第3幕
 《アレンジメント集》
   7.ワルツ「今日は今日」Op.471
   (L.バビンスキによる管弦楽編)/
   8.フランス風ポルカ「まあ、つべこべ言わずに」Op.472
    (E. ピークによる管弦楽編)/
   9.我らの旗が翻るところOp.473/
   10.まどろむ切妻Op.474(C.ポラックによる管弦楽編)/
   11.ギャロップ「新しい門出」Op.475(E.ピークによる管弦楽編)/
   12.カドリーユ「理性の女神」Op.476(C.ポラック管弦楽編)/
   13.オスカー・フェトラス(1854-1931):
    ディヴェルティメント「理性の女神」Op.160
《喜歌劇「理性の女神」》
ヴェロニカ・グロイス(ソプラノ)/
マンフレート・エクヴィルツ(テノール)/
キルリアニット・コルテス(テノール)/
フランツ・フォーディンガー(テノール)/
イザヴェラァ・マァーツァッハ(ソプラノ)/
ヴォルフガンク・ヴァイト(テノール)/
エヴァ=マリア・クンプミュラー(ソプラノ)/
アンドレアス・ミッテルマイアー(バリトン)/
ニコラス・ルグー(バリトン)/
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)/
《アレンジメント集》
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団…CD2 7,8,13/
スロヴァキア放送交響楽団…CD2 9-12/
ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)…CD2 7/
クリスティアン・ポラック(指揮)…CD2 8,10-13/
ミハエル・ディトリッヒ(指揮)…CD2 9
晩年のシュトラウス(1825-1899)が手掛けた最後のオペレッタ「理性の女神」は、完成に至るまで様々な紆余曲折を経たようです。フランス革命の時代、ドイツの国境近くの町で起こった物語。上流階級、道徳、そして軍隊。シュトラウスの軽妙な音楽は、これらの重いテーマとは相反するものなのかもしれません。そんなわけで、台本作家とは意見が食い違い、そもそもシュトラウス自身が台本を好きになれなかったこともあり、もともと創作意欲が落ちていた作曲家にとって、恐らくいやいや完成に漕ぎつけたのではないでしょうか。もちろん聴衆も批評家も、腫れものにさわるようにこの作品を扱い、序曲など一部の音楽の素晴らしさだけは認めたものの、全体を忘れ去ることで、「評価」としたのです。そんな隠れた作品を、シュトラウス名指揮者ポラックが華麗に蘇らせました。
8.559685
\1100
ライトマン:ヴェデム(2010)〜テレジン収容所の少年たちの本
 1-2.第1章移送<今、私の話を聞いて/プラハの思い出>/
 3-4.第2章第1の家<第1の家/5という数>/
 5-11.第3章ヴェデム
  <ヴェデム/良い感じの暖かさ/
   テルジンの自由の精神/考える/落ちそうな葉/
   はけ口の愛/かろうじて、私たちは生きている>/
 12.第4章ゲットーのモデル/
 13-15.第5章彼らは行ってしまった
   <彼らは行ってしまった/夏の告別/
    私たちもあなたたちと違わない>/
 16-22.父たち
  <泣かないで断章1/父よ/泣かないで断章2/
   最後の夜に私は夢を見た/泣かないで断章3/
   私は父が溺れているのを見た/泣かないで>
ロス・ホック(テノール)…1-15/
ノースウェスト少年合唱団…1-15/
ヨーゼフ・ツルンコ…1-15/
アンジェラ・ニーデルロー(メゾ・ソプラノ)/
ミュージック・オブ・リメンブランス
「ヴェデム」とは、第二次世界大戦中にチェコのテレジン(強制収容所)で13歳から16歳の少年たちが発行した雑誌の名前。1942年から44年の毎週金曜日に刊行され、全部で74冊を数えます。チェコ語で「私たちは導く」という意味を持ち、少年たちの日常に即した詩や、物語、絵画などが掲載されています。ほとんどの少年たちは、ホロコーストでその輝かしいはずの未来を奪われましたが、ヴェデムは奇跡的に保存され、彼らの生きた証を現代に伝えています。作曲家のライトマン(1955-)は、そのテキストをそのまま用い、感動的な音楽を付けて一遍のオラトリオとして、再び命を与えました。頽廃音楽を専門に演奏するアンサンブル「ミュージック・オブ・リメンブランス」の演奏です。
8.572777
\1100
コープ:氷の山
 1.第1幕:冬/2.第2幕:春/3.第3幕:夏/4.第4幕:秋
新ロンドン児童合唱団/
ニュー・ロンドン管弦楽団のメンバー/
ロナルド・コープ(指揮)
ロンドン、ハムステッドの聖マイケル教会で2010年に初演された合唱曲「氷の山」です。作曲者のコープ(1951-)は、すでにNAXOSから合唱と室内楽の2枚のアルバム(8.572113、8.572578)をリリース、認知度の高まっている人。ここでは彼の本領発揮とも言える児童合唱のための作品をお聴きいただけます。物語はスイスの古い伝説を元にしたもので、4つの季節の流れの中に脈々と息づく命の物語を高らかに歌いあげています。スイス民謡と古い聖歌を取り入れ、神秘さと壮麗さを持ち合わせた音楽は美しさの限り。少年たちの透き通った声は、まさに天上の響きを思わせます。
8.572524
\1100
カカバーゼ:幻の聴き手たち・人魚
 1-3.「人魚」<魅惑の時/潜む危険/救出するケルビム>/
 4-6.「ロシアン・タブロー」
  <母なるヴォルガ/1917年/マトリョーシカ人形の踊り>/
 7.「シャツの歌」/
 8-10.「アラビアン・ラプソディ組曲」
  <マラケシュ/空想/サルタンの祭り>/
 11-16.「幻の聴き手たち」
  <旅人のメッセージ/屋敷の神秘/
   旅人は帰る/屋敷の怒り/再会/エピローグ>
キット・ヘスケス=ハーヴェイ(ナレーター)…1-3.11-16/
クレア・マッカルダン(メゾ・ソプラノ)…1-3.7.11-16/
マデリン・イーストン(ヴァイオリン)…1-6.8-16/
サラ=ジェーン・ブラッドリー(ヴィオラ)…1-6.8-16/
ボジダル・ヴコティッチ(チェロ)…1-6.8-10/
ベン・グリフィス(コントラバス)…1-6.8-10/
クリスチャン・ウィルソン(ピアノ&オルガン)…1-3.4.11-16/
ベン・フルブルック(パーカッション)…11-16/
ジョージ・ヴァス(指揮)…1-3.11-16 他
イギリス、アルトリンチャム出身の作曲家カカバーゼ(1955-)は5歳でピアノを始め、その後コントラバスを学びます。10代の初めから作曲を始め、合唱作品や室内楽、音楽劇などを書いています。ロンドンの王立ホロウェイ・カレッジで音楽を専攻し、ブライアン・デニスに作曲を師事、数年学んだ後、ギリシャや中東のダンスに興味を持ち、踊りながら教えるようになりました。そのエキゾチックなメロディと特徴的なリズムは彼女の創造力と漲る血潮を刺激したようで、ここで聴ける作品にもその影響が色濃く漂っています。一度聴いたら決して忘れられない、強い印象と切ない感傷を残す魅力的な曲集です。
8.572588
\1100
マルティヌー:歌曲集第1集
 1-6.6つの単純な歌H.110/7-9.3つの子守歌H.146b/
 10-11.民謡の形式による2つの小さな歌H.14/
 12-13.ロシアの詩の2つの歌H.135bis/
 14-16.3つのゲーテの歌H.94/
 17.ブヨの結婚式H.75/18-20.3つの子どもの歌H.146/
 21.死んだ愛H.44/22.チェコのなぞなぞH.277bis/
 23-24.2つの歌H.31/25.歩こう、丘を越えてH.74bis/
 26.どれくらい大切な時間だろう? H.106/
 27.至福H.81/28.涙H.41/29.気分の描写H.29/
 30.11月1日の歌H.72/31.少女の夢H.22/
 32.2人で共に年を重ねH.10/
 33.あなたがそれを知る前にH.6/
 34.毎晩夢の中であなたに会うH.57/
 35.3つのフランス語の歌より第3番「夜」H.88/
 36.どうにもならないH.43/37.夜にH.30/
 38.年老いた歌H.74/39.古いスペイン語の歌H.87/
 40.キスすることについての歌H.27bis/
 41.素晴らしい緑の木立を知っているH.273
イェネ・ワリンゲローヴァ(メゾ・ソプラノ)/
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
こんなに魅力的な歌曲が溢れているのに、あまり聴かれる機会がないのは、ひとえにマルティヌー(1890-1959)が生涯に残した作品数があまりにも多すぎるからに他なりません。何しろ、交響曲、協奏曲、室内楽曲と400以上もの作品がひしめいているのですから。この第1集に収録されているのは、1910年から1912年にかけて作曲された若き頃の作品です。これらのほとんどは未発表のままであり、ここで聴けるのは本当に嬉しいことでしょう。10歳から作曲を始めた早熟な天才であった彼によるこれらの歌曲。スペイン語やドイツ語、フランス語、英語のテキストとチェコの民族詩などを用い、素晴らしい音楽が付けられていますが、残念ながらブラームスやシューベルト、そしてドヴォルザークの影響を拭い去ることはできませんが、そんなちょっとした欠点は補って余りあるほどの「メロディの宝庫」です。

NEWTON CLASSICS

 ユニバーサル音源をじんわりひっそりと再リリースしてきてて、てっきり危ないレーベルかと思いきや、正真正銘ユニバーサルのライセンスを得て過去の音源をリリースしている真っ当な新レーベルだった。
 なので基本的にこのレーベルの存在価値は、本家ユニバーサルが出さないでお蔵入りになっている貴重音源をリリースしてくれることにあるが、先日リリースされたストコフスキー音源のように、ユニバーサル以外からも貴重なものを引っ張り出してきてくれることもある。いずれにしても要注目のレーベルである。
Gorecki Kleines Requiem & Lerchenmusik
8802060
\2000→¥1790
グレツキ:クライネス・レクイエム/ひばりの歌
 1-4.ピアノと13楽器のための「クライネス・レクイエム」Op.66/
 5-7.クラリネット、チェロ、ピアノのための「ひばりの歌」
シェーンベルク・アンサンブル/
ラインベルト・デ・レーヴ(ピアノ)
交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」で知られるヘンリク・グレツキ(1933-2010)。ミニマルとヒーリングの要素を併せ持つ作風と、曲の持つメッセージ性が、世界中にセンセーショナルな話題を巻き起こしたものでした。とはいえ、彼の他の作品はほとんど知られていないのは、まったく残念なことと言えるでしょう。このアルバムに収められている2つの作品は、どちらも小さい編成のために書かれたものです。クライネス・レクイエムはまさに「言葉のないレクイエム」。この悲しみと慰めに満ちた音楽には、確かに言葉は不要でしょう。「ひばりの歌」は、グレツキが尊敬していたというメシアンに通じる音楽です。録音 1993年11月アムステルダム 原盤PHILIPS
Stravinsky: Complete works for violin and piano
8802062
(2CD)
\2600→¥2290
ファン・クーレン&ムストネン
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品全集

《CD1》
 1-6.バレエ音楽「プルチネルラ」からヴァイオリンとピアノのための「イタリア組曲」
  (ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)
   <序奏/セレナータ/タランテッラ/2つの変奏付きガヴォット/スケルツィーノ/
    メヌエットと終曲>/
 7.「妖精の口づけ」より「バラード」(ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)/
 8.「ペトルーシュカ」より「ロシア舞曲」(ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)/
 9.「マヴラ」より「ロシアの歌」(ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)/
 10.パストラーレ(ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)/
 11-14.「妖精の口づけ」よりディヴェルティメント(ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)/
《CD2》
 1-5.協奏的二重奏曲/6.タンゴ(ムストネン編)/7.エレジー/
 8.前奏曲と王女のためのロンド/9.子守歌/10.「火の鳥」から「ロンド」/
 11.ラ・マルセイエーズ(ストラヴィンスキー編)/
 12.歌劇「ナイチンゲール」より「ナイチンゲールの歌」
  (ストラヴィンスキー&ドゥシュキンによる編曲)
イザベル・ファン・クーレン(ヴァイオリン)/
オリ・ムストネン(ピアノ)
タイトルには、「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」とありますが、これは本当のところは正しくありません。この2枚組の中で、本来ヴァイオリンとピアノのために書かれた曲はほんの数曲で、あとはストラヴィンスキー(1882-1971)の友人だったヴァイオリニスト、ドゥシュキンと共に自身の作品を改編したものだったり、ここでピアノを演奏しているムストネン自身が編曲したものだったり。しかし、これらの編曲おかげで、現代のヴァイオリニストたちは、とても魅力的なレパートリーを手に入れたわけです。オランダを代表する名ヴァイオリニスト、ファン・クーレンの機知に富んだ演奏で。録音 1987年6月…CD1.1-6,11-14,CD2.1-5, 1988年1月…CD2.6-12, 1988年6月…CD1.7-10 原盤PHILIPS

8802063
(4CD)
\4000→¥2990
ジュリーニ&ウィーン・フィル/ブラームス:交響曲全集
 ブラームス:
  交響曲全集
  ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
  悲劇的序曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
今や、何の説明も要らない名指揮者ジュリーニと、世界を代表するウィーン・フィルとのブラームス(1833-1897)。これを名演と言わずして、何を語ることがありましょうか。録音 1989年5月…CD4, 1990年5月…CD3, 1991年4月…CD1.2 原盤DG
Beethoven: Violin Concerto in D major, Op. 61
8802064
\2000→¥1790
ギドン・クレーメル/シュニトケ・カデンツァ
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)/
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールド/
ネヴィル・マリナー(指揮)
20世紀を代表する作曲家シュニトケと、楽聖ベートーヴェン(1770-1827)とのコラボ作品です。初出時、大変話題になったアルバムであり、クレーメルの演奏を聴きたいという欲求もさることながら、シュニトケのカデンツァってどうなの?という知的欲求を満たしたいファンが殺到したというアルバムでもあります。このカデンツァは、もともとシュニトケの友人で、初演も多く行ったルボツキーのために書かれたもので本来、独奏者の腕のみせどころであり、一人で演奏するカデンツァに他のヴァイオリンやら、ティンパニやら、他の楽器が乱入してくるは、他の作曲家のメロディは混じるは・・・と、大変なものです。まだ聴いた事ありませんか?それはもったいない!録音 1980年12月ロンドン 原盤PHILIPS
J C Bach: Symphonies Opp. 6, 9 & 18
8802065
(2CD)
\2600→¥2290
ジンマン&オランダ室内管
J.C.バッハ:交響曲集・序曲「心の磁力」

《CD1》
 1-3.交響曲ト長調 Op.6-1/4-6.交響曲ニ長調 Op.6-2/
 7-9.交響曲変ホ長調 Op.6-3/10-12.交響曲変ロ長調 Op.6-4/
 13-15.交響曲変ホ長調 Op.6-5/16-18.交響曲ト短調 Op.6-6/
 19-21.交響曲変ロ長調 Op.18-2/22-24.交響曲ニ長調Op.18-4/
 25-27.交響曲ニ長調 Op.18-6/
《CD2》
 1-3.交響曲変ホ長調 Op.18-1/4-6.交響曲ニ長調 Op.18-3/
 7-9.交響曲ホ長調 Op.18-5/10-12.交響曲変ロ長調 Op.9-1/
 13-15.交響曲変ホ長調 Op.9-2/
 16-18.交響曲変ロ長調 Op.9-3/19.序曲「心の磁力」
オランダ室内管弦楽団/
デヴィッド・ジンマン(指揮)
J.S.バッハの末っ子、ヨハン・クリスチャン(1735-1782)。彼が活躍した頃は、すでに古典派と言ってもよいほどに、父の時代とは音楽的な流行も様式もかなり変化していました。すでにハイドンは4楽章からなる交響曲を書いていましたし、他の作曲家もそれまでの「シンフォニア」の形式から脱却を始めていたのです。しかし、ここに収録されている作品は、3楽章の「イタリア風序曲」の形式を守っています。その上で、曲ごとに驚くほどの変化を与え、変幻自在な音楽を創り上げているのはさすがと言う他ありません。モーツァルトは、8歳で最初の交響曲を作曲した時、ヨハン・クリスチャンから多大なる影響を受け、それからもずっと尊敬し続けていたといい、彼が亡くなった時には、父レオポルドに宛てて「音楽の世界にとって大きな損失です!」と手紙を書き送ったと言われています。録音 1976年9月…CD1.1-18,CD2.10-19, 1974年9月…CD2.1-9, 1974年12月…CD1.19-21, 1972年6月…CD1.22-27 原盤PHILIPS

NEWTON CLASSICS

R. Strauss: Music for Wind Ensemble
8802066
(2CD)
\2600→¥2290
R.シュトラウス:管楽アンサンブルのための音楽集・オーボエ協奏曲集
《CD1》
 1.13 の管楽器のためのセレナード Op.7/
 2-5.13 の管楽器のための組曲 Op.4/
 6-8.ソナティナ第 1 番ヘ長調「傷病兵の仕事場より」/
《CD2》
 1-4.ソナティナ第 2 番変ホ長調「楽しい仕事場」(管楽器のための交響曲遺作)/
 5-7.オーボエ協奏曲ニ長調
オランダ木管アンサンブル/
ハインツ・ホリガー(オーボエ)…CD2.5-7/
ニューフィルハーモニー管弦楽団…CD2.5-7/
エド・デ・ワールト(指揮)
大規模なオーケストラ作品で知られる R.シュトラウス(1864-1949)ですが、彼は管楽器アンサンブルを含む大量の室内楽作品も書いています。このアルバムに収録されたソナティナやセレナーデは、奏者たちの間ではおなじみの作品で、組曲とセレナーデは10 代後半の若きシュトラウスによるもので、若々しい青春の歓びに満ち溢れた弾けるような曲調が魅力的です。ソナティナは晩年の作品で、成熟した和声と美しいメロディに満ちたものです。第2 番の「楽しい仕事場」はモーツァルトに捧げられており、1940 年代の中頃という不安な時代に書かれたにもかかわらず、古典的なフォルムと端正な佇まいを見せてくれます。オーボエ協奏曲は名曲中の名曲。青空に溶けていくかのような美しさを持っています。1970 年代前半に記録された名演です。録音 ロンドン ウェンブリー・タウン・ホール 1970 年12 月…CD2.5-7, 1971 年1 月…CD1.1,CD2.1-4, 1971 年8 月…CD1.2-5,
1971 年9 月…CD1.6-8
Schubert: Sonatas for Violin and Piano
8802067
\2000→¥1790
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ第 2 番イ短調 D385/
 5-8.ヴァイオリン・ソナタ第 3 番ト短調 D408/
 9-11.ヴァイオリン・ソナティナ第 1 番ニ長調 D384
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)/
オレグ・マイセンベルク(ピアノ)
シューベルト(1797-1828)19 歳の時に書かれた3 つの魅力的なヴァイオリンとピアノのための作品です。シューベルトが敬愛していたモーツァルトの精神を受け継ぐ、優美な曲で、彼が生きている間は出版されることがありませんでした。これらの曲はソナタともソナチネとも呼ばれますが、これは1836 年に彼が亡くなった後、兄フェルディナントがディアベリ社から出版する際に当時一番楽譜の需要があったアマチュア層へあてるために、容易に演奏しやすい「ソナチネ」と題されたようです。発売当時は偉大なるヴァイオリニスト、クレーメルの精緻なる解釈で話題となり、この曲のファンが増えたことでも知られます。録音 1991 年8 月6-9 日オーストリアアベルゼー 聖コンラッド教会
Ravel: Orchestral Works
8802068
(2CD)
\2600→¥2290
ラヴェル:管弦楽作品集
《CD1》
 1.ボレロ/2.道化師の朝の歌/3-6.スペイン狂詩曲/
 7.ラ・ヴァルス/8.亡き王女のためのパヴァーヌ/
 9-16.高雅で感傷的なワルツ/
《CD2》
 1.古風なメヌエット/2-5.組曲「クープランの墓」/
 6-16.バレエ音楽「マ・メール・ロワ」/
 17-19.ダフニスとクロエ第 2 組曲
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/
ベルナルト・ハイティンク(指揮)
ラヴェル(1875-1937)の管弦楽作品にみられる多種多様な音の使い方、そして異国風な情緒。これらは彼の作品の初期から顕著に現れ、その魔術的とも言える管弦楽法は、どんな情景や心情も描きだすことが可能です。このコレクションの中には、それらの素晴らしい作品がたっぷり収録されています。演奏しているのは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とハイティンクで、ハイティンクの素晴らしいバランス感覚と、艶のあるオーケストラの響きがマッチした極上の演奏が楽しめます。明快さと豊かな共鳴は、立体的な世界を目の前に見せてくれるかのようです。録音 1971 年9 月…CD2.6-19, 1971 年12 月…CD1.2, 1977 年2 月…CD1.9-16, 1977 年9 月…CD1.2-5, 1975 年4 月… CD1.1&7,CD2.2-5, 1976 年7 月…CD1.8,CD2.1
Rita Streich: Waltzes and Arias
8802069
\2000→¥1790
リタ・シュトライヒ:ワルツとアリアを歌う
 1.J.シュトラウス2 世(1825-1899):春の声/
 2.サン=サーンス(1835-1921):ナイチンゲールとばら/
 3.ヴェルディ(1813-1901):煙突掃除屋/
 4.ゴダール(1849-1895):歌劇「ジョスラン」より子守歌/
 5.アルディーティ(1822-1903):パルラ・ワルツ/
 6.スッペ(1819-1895):喜歌劇「ボッカッチョ」より恋はやさし野辺の花よ/
 7.ドヴォルザーク(1841-1904):歌劇「ルサルカ」より月に寄せる歌/
 8.マイアベーア(1791-1864):歌劇「ディノラ」より軽い影よ/
 9.ヨゼフ・シュトラウス(1827-1870):オーストリアの村つばめ/
 10.アリャビエフ(1787-1851):ナイチンゲール/
 11.ドリーブ(1836-1891):カディスの娘たち/
 12.ツェルニク(1901-1996):誰が知ってるの?/
 13.マルケージ:陽気な娘/
 14.フロトウ(1812-1883):歌劇「マルタ」より夏の名残りのばら/
 15.デラクア:ヴィラネル/
 16.J.シュトラウス2 世:ジーヴェリングで/
 17.アルディーティ:くちづけ
リタ・シュトライヒ(ソプラノ)/
ベルリン放送交響楽団…1-8/
ベルリンRIAS 交響楽団…9-17/
クルト・ゲーベル(指揮)
「ウィーンのナイチンゲール」として知られるコロラトゥーラ・ソプラノ、リタ・シュトライヒ。しかし彼女がロシアで生まれたことを知る人はあまり多くいないのではないでしょうか。幼い頃に両親とともにドイツへ移住し、エルナ・ベルガーやマリア・イヴォーギュンに声楽を学び、第二次世界大戦中に「ナクソス島のアリアドネ」のツェルヴィネッタ役でデビュー。以降は、その甘くとろけるような声を生かし、モーツァルトのアリアや歌曲を始め、オペレッタなど幅広く活躍しました。このアルバムは彼女の絶頂期である1950 年代の録音から、様々なレパートリを集めたものです。彼女の名を一躍有名にした「春の声」を聴いただけでも、この声の魅力にしびれてしまうことでしょう。録音 ドイツ ベルリン、イエス・キリスト教会 1955 年2 月…9-17, 1958 年5 月…1-8
Schubert: Late Masses Nos. 5 & 6
8802070
(2CD)
\2600→¥2290
シューベルト:ミサ曲第 5 番&第6 番
《CD1》
 1-6.ミサ曲第 5 番変イ長調 D678/
《CD2》
 1-6.ミサ曲第 6 番変ホ長調 D950
ヘレン・ドナート(ソプラノ)/
インゲボルク・シュピリンガー(メゾ・ソプラノ)/
ペーター・シュライアー/
ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノール)/
テオ・アダム(バス)/
ライプツィヒ放送合唱団/
シュターツカペレ・ドレスデン/
クリストフ・アルブレヒト(オルガン)…D678/
ウォルフガンク・サヴァリシュ(指揮)
シューベルト(1797-1828)のミサ曲は、古典的なミサの形式や言葉よりも、メロディを優先させた作品として知られます(そのため教会で演奏できないことも)。未完成交響曲と同時期に書かれた第5 番の素朴かつ清冽な美しさも聴きものですが、とりわけ第6 番の荘厳な雰囲気と溢れ出るメロディの豊かさは言葉に尽くせません。このサヴァリッシュの演奏は、独唱陣の豪華さと、合唱の見事さで知られるもので、この2 曲の最高傑作として永遠に語り継がれる名演です。録音 1971 年6 月ドレスデン
Wagner: Opera Arias
8802071
\2000→¥1790
サイモン・エステス、ワーグナーを歌う ワーグナー:情景とアリア集
 1.歌劇「さまよえるオランダ人」から「期限は過ぎた」/
 2.楽劇「ワルキューレ」第2 幕より「もし私が大声で嘆くなら」/
 3.楽劇「ワルキューレ」第3 幕より「さようなら、勇ましく立派なわが子よ」/
 4.楽劇「パルジファル」第1 幕より「わが息子アンフォルタスよ・・・
  わが身に負わされたこの苦しい世襲の役目」
エヴァ=マリア・ブンドシュー(ソプラノ)…2/
ハインツ・レー(バス)…4/
サイモン・エステス(バス)/
シュターツカペレ・ベルリン/
ハインツ・フリッケ(指揮)
アメリカのバス・バリトン歌手サイモン・エステスの恐るべきワーグナー(1813-1883)・アリア集です。彼はアイオワで医学生として学んでいた時、ショーで歌に魅了されました。とはいえ、当時の彼はオペラについては何も知らず、声楽の教師から何枚かのオペラのレコードを借りることが決定的な分岐点となり、彼はこの奥深い世界に足を踏み入れることになりました。そしてオーディションを受け、1963 年にジュリアード音楽院の奨学金を獲得、その2 年後には、もうドイツで「アイーダ」のランフィス役を歌ったというツワモノです。その後、着々とレパートリーを増やし、ついには「オランダ人」のタイトルロールとして、黒人で初めてバイロイトで主役を歌うという栄誉を獲得。ヴォータンの知的な解釈も話題となり、ワーグナー歌手として揺るぎない名声を得ることに成功したのでした。録音 1984 年4 月ベルリン
Janacek: String Quartets Nos. 1 & 2
8802072
\2000→¥1790
1-4.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第 1 番「クロイツェル・ソナタ」/
5-8.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第 2 番「ないしょの手紙」/
9.ヴォルフ(1860-1903):イタリア風セレナードト長調
ハーゲン弦楽四重奏団
<メンバー>
 ルーカス・ハーゲン(ヴァイオリン)/
 ライナー・シュミット(ヴァイオリン)/
 ヴェロニカ・ハーゲン(ヴィオラ)/
 クレメンス・ハーゲン(チェロ)
晩年のヤナーチェク(1854-1928)によって書かれた2 つの弦楽四重奏曲は、どちらも作曲家の激しい感情が反映された、情熱溢れる作品です。第1 番の「クロイツェル・ソナタ」はベートーヴェンではなく、トルストイの作品からインスピレーションを得たもので、登場人物の行動(妻の不倫を知った主人公が妻を殺害するまで)を克明に音に描き、その音楽は限りなく残忍性を孕み、また粘着質な面も持っています。ヤナーチェク自らの愛のない結婚生活を投影しているとも言われ、時折音楽を中断するヴァイオリンの激しい軋みは、そんな心情を現わしているのかもしれません。第2 番は彼が長年に渡って交際していた40歳年下の人妻とやりとりした手紙を音で表現したと言われています(頻繁に現れるヴィオラのメロディは彼女を描いています)。亡くなる年にこんな曲を書いたヤナーチェクって一体・・・?もう1 曲のヴォルフの曲は荒々しい攻撃性よりもナイーヴな感情に満ち溢れた作品です。ハーゲン弦楽四重奏団による文句なしの演奏です。録音 1988 年11 月オーストリアアベルゼー、 聖コンラッド教会
Antal Dorati conducts Smetana & Dvorak
8802073
(2CD)
\2600→¥2290
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲 他
《CD1》
 1.交響詩「ヴィシェフラド(高き城)」/
 2.交響詩「ヴルタヴァ(モルダウ)」/
 3.交響詩「シャールカ」/
 4.交響詩「ボヘミアの森と草原から」/
《CD2》
 1.交響詩「ターボル」/
 2.交響詩「ブラニーク」/
 3.ドヴォルザーク:序曲「自然の中で」
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/
アンタル・ドラティ(指揮)
スメタナ(1824-1884)の「わが祖国」は、チェコの国民性と伝統的な歴史を踏まえた壮大かつ、歴史的な音楽です。1856 年から1861 年まで、チェコを離れイエテボリで指揮活動を行っていたスメタナは、リストが創生した「交響詩」のジャンルに感銘を受け、自らも書いてみたいと心に決めていたようです。その後、チェコの記念碑的な作品を書こうと心に決めた彼は、迷うことなく交響詩の形式を選択し、6 つのチェコのシンボルを見事に音で描きだしました。同時収録のドヴォルザーク(1841-1904)の作品も、チェコへの愛国心豊かな曲です。ハンガリー生まれのドラティは、オーケストラの機能を存分に生かしきることで知られますが、この「わが祖国」でも、心の昂りまでを見事に表現し、滔々と流れるモルダウの水しぶきまでをも感じさせてくれています。録音 1986 年10 月アムステルダムコンセルトヘボウ
Arriaga: String Quartets Nos. 1-3
8802074
\2000→¥1790
アリアーガ:弦楽四重奏曲全集
 1-4.弦楽四重奏曲第 1 番ニ短調/
 5-8.弦楽四重奏曲第 2 番イ長調/
 9-12.弦楽四重奏曲第 3 番変ホ長調
グアルネリ四重奏団
<メンバー>
アーノルト・シュタインハルト(ヴァイオリン)/
ジョン・ダレイ(ヴァイオリン)/
マイケル・トゥリー(ヴィオラ)/
デヴィット・ソイヤー(チェロ)
「スペインのモーツァルト」と呼ばれるホアン・クリソストモ・アリアーガ(1806-1826)。彼は驚くほどに才能溢れた音楽家でしたが、その命はあまりにも短く、たった20 歳という若さでこの世に別れを告げてしまいました(その死因は今のなお不明のままで、慢性疲労とも、肺病に伴う衰弱とも言われています)。そんな彼の弦楽四重奏曲は全て1824 年に書かれました。当時はベートーヴェンがあの重厚なカルテットに着手し、シューベルトは「死と乙女」の着想を得ていた頃です。このアリアーガの作品は、そんな時期としては、比較的保守的にも見えますが、当時の彼はようやく学業を終えた頃であり、書かれた年齢を考えれば、やはり特異な作品として評価されるに相応しいと思えます。もっともっと長く生きていたとしたら、どんな曲を書いたことでしょう・・・これは全ての夭逝した天才に当てはまる言葉ですが。録音 1995 年2 月
JS Bach: Brandenburg Concertos & Triple Concertos
8802075
(2CD)
\2600→¥2290
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲他
《CD1》
 1-4.ブランデンブルク協奏曲第 1 番ヘ長調 BWV1046/
 5-7.ブランデンブルク協奏曲第 3 番ト長調 BWV1048/
 8-10.ブランデンブルク協奏曲第 6 番変ロ長調 BWV1051/
 11-13.3 台のヴァイオリンのための協奏曲 BWV1064/
《CD2》
 1-3.フルート、ヴァイオリン、ハープシコードのための協奏曲 BWV1044/
 4-6.ブランデンブルク協奏曲第 2 番ヘ長調BWV1047/
 7-9.ブランデンブルク協奏曲第 4 番ト長調 BWV1049/
 10-12.ブランデンブルク協奏曲第 5 番ニ長調BWV1050
モーリス・ブルグ(オーボエ)/
ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)/
イレーナ・グラフェナウアー(フルート)/
ジークフリート・パンク(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
レナーテ・パンク(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
サイモン・プレストン(ハープシコード)/
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ室内管弦楽団/
ペーター・シュライアー(指揮)
偉大なるテノール歌手、ペーター・シュライアーはバッハ(1685-1750)の演奏に積極的に取り組んでいました。それは歌手としてだけでなく、このように指揮者としてもです。バロック期のコンチェルトの集大成とも呼べる「ブランデンブルク協奏曲」全6 曲は、各々の楽器の特性を最大限に発揮させ、また緊密に関係付けられた主題の処理や、対位法など、どこから見ても非の打ちどころのない作品です。この演奏は、優れた奏者たちの集団である「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ室内管弦楽団」のメンバーたちが入れ替わり立ち替わり、その妙技を披露しています。またフルートやチェンバロなどの独奏には当時の最高ランクの奏者たちを招き、この上ない極上の響きを醸しだすことに成功した演奏です。 録音 1992 年4 月…CD1, 1992 年9 月…CD2
Chopin: Complete Piano Works
8802076
(13CD)
\8000→¥7290
ニキタ・マガロフ/ショパン:ピアノ作品集13枚組CD
《CD1》 ピアノ・ソナタ集/
《CD2》 スケルツォ・子守歌・舟歌・幻想曲・ボレロ・コントルダンス・タランテラ/
《CD3》 バラード&即興曲集/
《CD4》 夜想曲第 1 番-第11 番/
《CD5》 夜想曲第 12 番-第21 番/
《CD6》 マズルカ第 1 集/
《CD7》 マズルカ第 2 集/
《CD8》 前奏曲集/
《CD9》 練習曲集/
《CD10》 ポロネーズ集/
《CD11》 ポロネーズ集(遺作)・演奏会アレグロ・
      葬送行進曲・フーガ・アルバムの綴り・
      ラルゴ・カンタービレ・エコセーズ/
《CD12》 ワルツ集
《CD13》 変奏曲・パガニーニの思い出・ロンド
ニキタ・マガロフ/
ミシェル・ダルベルト…CD1
ロシアに定住したグルジア貴族の家系に生まれたピアニスト、ニキタ・マガロフ(1912-1991)。スイスやフランスを拠点として活躍し、またショパン(1860-1849)、リストのオーソリティとしても知られています。彼の演奏は当時主流の、感情移入やルバートたっぷりのものとは一線を画し、常に端正であり、どんな曲も弾き飛ばすことなく丁寧に心を込めることで知られています。この録音でも、そんな彼の美質がよくわかることでしょう。この全集は、昨年のショパン生誕200 年記念の際、日本国内でも復刻され、人気再燃のきっかけとなったものです。

OEHMS


OC-948
(2CD)
\3000
コルンゴルト:3 幕の歌劇「死の都」全曲
 G.ローデンバックの小説「死都ブリュージュ」原作 P.ショットによる台本
パウル…クラウス・フローリアン・フォークト(テノール)/
パウルの妻マリーの幻影/
踊り子マリエッタ…タチアナ・パヴロフスカヤ(一人二役、ソプラノ)/
パウルの親友フランク/
ピエロ…ミヒャエル・ナジ(バリトン)/
パウル家の家政婦ブリギッタ…ヘドウィグ・ファスベンダー(メゾソプラノ) /
踊り子ユリエッテ…アンナ・ライベルク(ソプラノ)/
踊り子リュシエンヌ…ジェニー・カールステッド(ソプラノ)/
ガストーネ/ヴィクトロン…ユリアン・プレガルディエン(テノール) 他/
フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団、児童合唱団/
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
このオペラ「死の都」は、コルンゴルト(1897-1957)23 歳の時に初演されました。当時、すでに2 つのオペラ「ヴィオランタ」と「ポリュクラテスの指環」を大成功させていた天才作曲家は、1892 年に発表されたベルギーの詩人、ロダンバックの「死都ブリュージュ」を元に、父とともに自ら台本を書き(P.ショットは彼らの変名)3 作目のオペラ「死の都」として完成させたのです。無調へと移行するぎりぎりの濃厚な調性感、巨大な管弦楽を従えて朗々と響くテノール、限界に挑戦するかのようなソプラノのパッセージ、そして、何より「愛する者を失った喪失感を乗り越え、生きて行く男の姿」は、いつの時代にも通じる普遍性を備えており、一度は歴史に抹殺されるも、今では絶大なる人気を誇る作品となっています。このフランクフルト歌劇場による先進的な演奏(演出も含めて)は、プレミエで大評判となったものです。録音 2009 年11 月18,19,22 日ライブ収録 Editing, Balance & Mastering: Felix Dreher

OC-794
\2000
ジョヴァンニ・ベネデッティ・プラッティ:通奏低音とチェロのための6 つのソナタ
 1-4.第1 ソナタ/5-8.第2 ソナタ/9-12.第3 ソナタ/
 13-16.第4 ソナタ/17-20.第5 ソナタ/21-24.第6 ソナタ
セバスチャン・ヘス(バロック・チェロ)/
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)
1697 年生まれの作曲家、プラッティ(1697-1763)はイタリアで歌とオーボエ、ヴァイオリンを学びました。当時発明されたばかりのフォルテピアノも習得し、この楽器のためにソナタを作曲しています。その後、25 歳の時にビュルツブルクの大司教ヨハン・フィリップ・シェーンボルンに招かれ、バンベルクとビュルツブルクを治めていたビショップ王子の宮廷楽師となります。ここで、8 人の子どもを持つソプラノ歌手、テレジア・ラングプリュックナーと結婚し、生涯をビュルツブルクで過ごしました。このソナタ集は1725 年に作曲されたと見られ、シェーンボルンが編纂したピアッティの60 作にものぼるリストの巻頭に置かれた「12のソナタ」の中の6 つの作品です。シンプルなスコアから導き出された見事な通奏低音と、美しいチェロの絡みが絶妙です。希少作品の発見に力を注ぐヘスとヴォルフによる演奏で。録音 2010 年9 月14-16 日ニュルンベルク、マイスタージンガーホール(小ホール)Recording Producer: Thilo Grahmann, Balance Engineer: Carsten Vollmer, Technical Engineer: Markus Spatz, Editing: Thomas Gotz

OC-404
\2000→¥1890
アイヴァー・ボルトン&ザルツブルク・モーツァルテウム管による6 枚目のブルックナー
 ブルックナー:交響曲第 6 番イ長調(ノーヴァク版)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団/
アイヴァー・ボルトン(指揮)
どちらかというと小編成の曲を得意とするこの楽団ですが、このブルックナー・シリーズはこれまでも高い評価を受けており、極力ビブラートを排した無駄のない響きと、簡潔な表現が常に話題となっています。昔ながらの「重厚なブルックナー」もいいですが、キレのよい爽やかなブルックナーも良いものです。1951 年のノーヴァク版による演奏です。録音 2010 年10 月23&25 日ザルツブルク祝祭劇場 大ホールRecording Producer, Editing & Mastering: Jir?i Pospichal (Classic Sound Austria) , SoundEngineer: Gustav Soral
OC-822
\2300
イスカンダル・ウィジャヤ:バッハ'n'ブルース
 1-3.フランソワ・プーランク(1889-1963):
  ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「フェデリコ・ガルシア・ロルカの思い出に」/
 4-6.モーリス・ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ/
 7.ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(1644-1704):
  ロザリオのソナタより「独奏ヴァイオリンのためのパッサカリア〜天使の庭」/
 8.ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750):シャコンヌ
イスカンダル・ウィジャヤ(ヴァイオリン)/
アナスタシア・ドランチュク(ピアノ)
1986 年、ベルリン生まれの若きヴァイオリニスト、イスカンダル・ウィジャヤの興味深いアルバムです。「バッハ」と「ブルース」。この相反する両極端な世界を繋ぐのは、無邪気な創造力、もしくは宗教的な強さでしょう。と語る彼は、ベルリン、ジャカルタ、テル・アヴィブを始め、各地のコンサート・ホールでコンサートを行っています。ソリストとして、またアンサンブル奏者として、めきめきと力を付けている若き彼の、一つの到達点を聴いてみてください。バッハのシャコンヌに普遍性と全ての感情を見出し、ビーバーの音楽に禅の精神と瞑想性を感じ、ラヴェルの音楽に喧騒を見出したという彼。今後の活躍も楽しみな逸材です。録音 2011 年3 月ベルリン ハルデンベルクシュトラーセ、Udk コンサートホール Recording Producer, Editing & Mastering: Natalia Ervits, UdK Berlin
OC-662
(SACD-Hybrid)
\2300
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第 9 集
 1-2.ピアノ・ソナタ第 24 番嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」/
 3-5.ピアノ・ソナタ第 25 番ト長調 Op.79/
 6-8.ピアノ・ソナタ第 26 番変ホ長調 Op.81a「告別」/
 9-10.ピアノ・ソナタ第 27 番ホ短調 Op.90/
 11-14.ピアノ・ソナタ第 28 番イ長調 Op.101
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
ドイツの中堅ピアニスト、コルスティックによるベートーヴェン(1770-1827)のソナタ集第9集、第24 番から第28 番が収録されています。多くの「腕に覚えのあるピアニスト」が挑むベートーヴェンの全ソナタ録音ですが、彼はこの全集録音に向けて、ボンのベートーヴェン・ハウスで自筆稿を隅々まで研究し、入念な準備をしてきました。あと1 枚で全集完結となりますが、ベートーヴェンという孤高の山を一歩一歩踏みしめるが如く、初期の作品から晩年の作品まで一貫性を持たせ、その上で、彼自身の理想を実現化させるために渾身の注意を払ってきたと言うコルスティックの演奏は、強く胸に迫るものがあります。録音 2008 年

OEHMS


OC-927
(4CD)
\4500→¥4090
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」第2夜ジークフリート

《CD1》
 1.第1幕序曲/2-9.第1幕第1場/10-13.第1幕第2場/
 14.第1幕第3場/
《CD2》
 1-5.第1幕第3場(続き)/6.第2幕序曲/
 7-11.第2幕第1場/12-13.第2幕第2場/
《CD3》
 1-5.第2幕第2場(続き)/6-9.第2幕第3場/
 10.第3幕序曲/11-12.第3幕第1場/
《CD4》
 1.第3幕第1場(続き)/2-5.第3幕第2場/6-11.第3幕第3場
ジークフリート…クリスティアン・フランツ(T)/
ミーメ…ペーター・ガイヤール(T)/
さすらい人…ファルク・シュトルックマン(Br)/
アルベリヒ…ヴォルフガンク・コッホ/
ファフナー…ディオゲネス・ランデス(B-Br)/
エルダ…デボラ・ハンブル(Ms)/
ブリュンヒルデ…キャサリン・フォスター(S)/
森の小鳥…ハ・ヤン・リー(S)/
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
これまでの、ハンブルクでの「指環」ツィクルスでこの「ジークフリート」が最も多くの拍手を受けました。満場の聴衆は、指揮者のシモーネ・ヤングとオーケストラ、そして歌手だけに惜しみない拍手を送るのではなく、このオペラのプロダクションにも高い評価を与えたようです(映像で見れないのが本当に残念です)。完璧なオーケストラのアンサンブルはもちろんのこと、主役を歌うクリスチャン・フランツの素晴らしさ。まさに現代によみがえったジークフリートです。脇を固めるシュトルックマンやコッホ。まさに第一級のワーグナー(1813-1883)です。完結編の「神々の黄昏」は秋に収録予定です。録音 2010年10月18-22日 ハンブルク・シュターツオーパー Recording Producer & Editing: Dirk Ludemann

OC-840
(2CD)
\3000→¥2690
沈没船ブリタニック号に搭載されていたとされる自動演奏オルガン
 ブリタニック号のオルガン第1集

《CD1 初期ヴェルテ・フィルハーモニー・ロールより》
 1.モーツァルト(1756-1791):フィガロの結婚K492より序曲
  ヴェルテ・ロール421(マスター)/
 2.グリーグ(1843-1907):ペール・ギュント組曲より「朝」
  ヴェルテ・ロール213(マスター)/
 3.グリーグ:オーゼの死
  ヴェルテ・ロール213(マスター)/
 4.ベートーヴェン(1770-1827):エグモント序曲Op.84
  ヴェルテ・ロール956(コピー)/
 5.ベルリオーズ(1803-1869):ファウストの劫罰Op.24より妖精の踊り
  ヴェルテ・ロール53(マスター)/
 6.ワーグナー(1813-1883):歌劇「ローエングリン」より
  ヴェルテ・ロール642(マスター)/
 7.エロール(1791-1833):歌劇「ザンパ」より序曲
  ヴェルテ・ロール236(マスター)/最初期のオルガン録音集/
 8.J.S.バッハ(1685-1750):コラール前奏曲「わが心の切なる願い」BWV727
  ヴェルテ・ロール717(マスター)/
 9.J.S.バッハ:前奏曲とフーガハ短調 BWV549
  ヴェルテ・ロール716(マスター)/
  オルガン演奏…カール・ホフナー(1842-1912)/
 10.ギルマン(1837-1911):ヘンデルの主題による行進曲
  ヴェルテ・ロール776(コピー)/
  オルガン演奏…カール・ヘルマン・ケール(1855-1919)/
 11.レーガー(1873-1916):田園曲ヴェルテ・ロール1664(コピー)/
  オルガン演奏…クラレンス・エディ(1851-1937)/
 12.メンデルスゾーン(1809-1847):歌劇「ルイ・ブラス」序曲
  ヴェルテ・ロール1241(マスター)/
エドウィン.H.ルメル(1865-1934)
《CD2 ゼーヴェン国立博物館のブリタニック号オルガン、デモンストレーション》
 1.カラーツ(1838-1918):トッカータよりフィナーレOp.23-3/
 2.J.S.バッハ:主よ人の望みの喜びよBWV147/
 3.J.S.バッハ:わが魂は主をあがめBWV648/
 4.J.S.バッハ:オルガン協奏曲BWV592iiより第2楽章(ヨハン・エルンスト編)/
 5.ハイドン(1732-1809):音楽時計の音楽より第18番ヘ長調「茶話会」/
 6.ハイドン:音楽時計の音楽より第5番ハ長調/
 7.リンドベルイ(1887-1955):Gammal Fabodspsalm fran Dalarna/
 8.メンデルスゾーン:オルガン・ソナタOp.65-4 第2楽章/
 9.ボエルマン(1862-1897):ゴシック風メヌエット/
 10.レーガー:ベネディクトゥス/
 11.グリソン(1842-1896):トッカータヘ短調
デヴィッド・ラムゼイ
 スイスのバーゼル近郊のゼーヴェンにある「自動演奏楽器博物館(Museum fur Musikautomaten)」ここには、バーゼルで印刷業を営み成功を収めたハインリヒ・ヴァイス氏が自ら蒐集してきたオルゴールなどの自動演奏楽器が収蔵されています。この中の1台が今回のアルバムの主人公です。
 豪華客船タイタニック号の姉妹船「ブリタニック号」。1871年に汽船運航を始めた英国の名門船会社ホワイト・スター・ラインが建造した大型豪華客船ですが、完成しないうちに第一次大戦となり、戦争中病院船として働いている途中で,エーゲ海で触雷して沈没し,一度も客船として就航できませんでした。このブリタニック号には、ピアノ・ロールでおなじみヴェルテ社の自動演奏オルガン「フィルハーモニック・オルガン」が搭載されていましたが、沈没と同時に行方不明になってしまいました。1世紀以上も消息が不明だったこの銘器ですが、ヴァイス氏のコレクションの一つがそのオルガンではないかと推測。手がかりも発見し、2006年から秘かに修復作業を行ってきたのです。そして見事に修復完了。2007年10月に一般公開し、世界的な話題を呼んだというものです。
 この楽器は「ブリタニック・オルガン」と命名され、博物館で展示されると同時に、ヴェルテのロール紙の演奏を行い、また実際の演奏も可能です。海に沈んだ楽器が再び音を奏でる姿は感動的ですらあります。珍しい楽器をこよなく愛するOEHMSならではの、貴重な音を伝えるシリーズです。
録音2011年2.3月スイス ゼーヴェン、自動楽器博物館 Recording Supervision, Editing and Mastering: Andre Scheurer
OC-793
\2000
ゾラン・トドロヴィッチテノール・アリア集
 1.ヴェルディ(1813-1901):アイーダから「清きアイーダ」/
 2.ヴェルディ:マクベスから「おお我が子たちよ、お前たちを守る父の手は」/
 3.ヴェルディ:第一回十字軍のロンバルディア人より「私の喜びを」/
 4.ヴェルディ:運命の力より「天使のようなレオノーラよ」/
 5.ヴェルディ:オテッロより愛の二重唱「暗い夜の深まりに」/
 6.ヴェルディ:オテッロより「恥と悲しみに満ちて」/
 7.プッチーニ(1858?1924):蝶々夫人より「さらば愛の家」/
 8.プッチーニ:マノン・レスコーより「見たこともないすばらしい美人」/
 9.プッチーニ:マノン・レスコーより「ああ、マノン、君の愚かさが」/
 10.プッチーニ:外套より「お前の言うとおりだ」/
 11.プッチーニ:西部の娘より「一言だけ!弁解はしない…あれから6ヵ月たった」/
 12.プッチーニ:西部の娘より「やがて来る自由の日」/
 13.ワーグナー(1813-1883):ローエングリンより「はるかな国に」/
 14.ワーグナー:ローエングリンより「わが愛しの白鳥よ」
ゾラン・トドロヴィッチ(テノール)/
ヴァレンティナ・フィヤッコ(ソプラノ)…5/
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団
2004年、「ロベルト・デヴリュー」でグルベローヴァと共演。一気に名声を高めたテノール、ゾラン・トドロヴィッチの最新アルバムです。彼はイタリア・オペラだけでなく、最近はワーグナーなどのドイツ物でも活躍。ますます評価を高めています。ここでは彼の得意とするヴェルディ、プッチーニの名アリア12曲と、実演でも話題になったワーグナー「ローエングリン」からの、感動的な終わりの場面に歌われるアリア2曲を収録。ますます熟練の域に達した名唱をお楽しみいただけます。ヴェルディの「オテッロ」からの愛の二重唱で印象的なデズデモーナを歌うのは、注目の若手ソプラノ、フィヤッコです。今後が楽しみな逸材です。録音 2010年9月ザグレブ ヴァストラフ・リシンスキ・コンサート・ホール Recording Producer & Editing: Filip Vidovic
OC-401
\2000
感傷的な様々なアイデア エドゥアルド・フェルナンデス・プレイズ・ジュリアーニ
 1.ロッシーニアーナ第4番/2-4.ソナチネOp.71-2/
 5-12.ジュリアナーテOp.148/
 13.「栄光と愛」による変奏曲Op.105/
 14.英雄的大ソナタOp.150
エドゥアルド・フェルナンデス(ギター)
19世紀、ギターにおける最も偉大な作曲家、マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)の作品集です。彼は幼い頃からチェロを学び、後にギターを始めました。誰から教えを受けたについては、全くわかっていないのですが、短期間のうちに上達し、多くのギター作品を作曲しました。ウィーンで成功を収めてからは、1819年にローマに移り、1829年に亡くなるまでイタリアで過ごしています。彼の作品は、当時の流行を反映したもので、流行していたオペラ・アリアなどを、様々な趣向を凝らし繋いで行ったり、変奏したり、と、自ずから演奏の難易度もあがるようになっています。ここでギターを演奏しているフェルナンデス(1952年ウルグアイ生まれ)は、ベテラン中のベテランであり、世界中で活躍している人気者です。彼はギターの歴史を忠実になぞることに力を注いでおり、ここでの演奏も、当時のピッチを考慮して、わずかに下げたピッチで演奏しています。録音 2010年1月ハンガリー、モンテヴィデオ Recording Producer & Editing: Luis Ravizza, Eduardo Fernandez

OC-761
\2000→¥1890
ポッペン&ザールブリュッケン
 チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」

  1-4.交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74/
  5.幻想的序曲「ハムレット」Op.67a
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー/
クリストフ・ポッペン(指揮)
1956年、ドイツのミュンスター生まれのヴァイオリニスト、指揮者であるクリストフ・ポッペン。バロック・ヴァイオリンの名手も、現在では押しも押されぬ指揮者として君臨しています。そのポッペンとザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニーのOEHMSでの共同作業は、メンデルスゾーンの交響曲全集(OC709)で始まりました。その後、チャイコフスキー(1840-1893)の第4番、第1番をリリース。陶酔的で、情熱的な解釈が評判を呼び、新時代のチャイコフスキーとして、全曲録音が待たれるところです。今回の第6番も充実した響きと安定したアンサンブルが魅力的。「悲愴なんて聴き飽きた」人もぜひどうぞ。
録音 2008年4月20日…1-4&2010年4月15日…5 ザールブリュッケンコングレッスハレ ライブ収録 Recording Producers: Dr. Markus Brandle(op.74) / Sigurd Krumpfer (op.67a)
OC-954
(2CD)
\3000→¥2790
ジョヴァンニ・シモーネ・マイル:歌劇「ロドイスカ」 ロドイスカ…アンナ・マリア・パンザレッラ(ソプラノ)/
ロヴィンスキ…エレナ・ベルフィオーレ(メゾ・ソプラノ)/
ボレスラオ…ジェレミー・オヴェンデン(テノール)/
レジスカ…エルヴィラ・ハサナジチ(ソプラノ)/
ナルセーノ…イネス・ラインハルト(ソプラノ)/
ラドスキ…ナム・ウォン・フー(テノール)/
シゲスキ…マルク・メゲーレ(テノール)/
ジスカーノ…マルコ・キリク(テノール)/
プラハ・フィルハーモニー男声合唱団(ルーカシュ・ヴァシレク…合唱指揮)/
ミュンヘン放送管弦楽団/
シュテファン・ハイネマイヤー(通奏低音)/
ジョージ・ペトロウ(指揮&フォルテ・ピアノ)
1763年ドイツで生まれ、インゴルシュタット大学で神学を学び、1787年からイタリアに留学し、カルロ・レンツィ、フェルディナンド・ベルトーニら師事。そのままレンツィの後継者としてベルガモ大聖堂の終身教会楽長に就任したという経歴を持つ作曲家、マイル(1763-1845)(そのためマイヤー、マイールの名前表記もあり)。彼は生涯70作ほどのオペラを作曲し、それらも少しずつ復興の兆しを見せています。この「ロドイスカ」は1796年にベニスで初演され、当時は高い人気を誇っていました。フランス革命の時代、権力抗争渦巻く貴族社会に翻弄される若き恋人たち。マイルは、ヒロイン、ロドイスカに無理やり関係を迫る悪者「ボレスラオ」に重要な役割を持たせることで、この劇の緊張感を高めることに成功しました。2010年、ゆかりの地インゴルシュタットでのライブ収録です。録音 2010年9月23&24日インゴルシュタット劇場 Recording Producer & Editing:Wolfgang Schreiner, Balance Engineer: Kirsten Ermeler, Sound Engineer: Lucia Giesubel

OC-681
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
オルガンによるショパン/プレリュード
 ショパン:24の前奏曲Op.28(オルガン編)
ギュンター・ロスト(オルガン)
ショパン(1810-1849)の24の前奏曲は、12音の全ての調性(12の長調と短調)を使って書かれています。これはJ.S.バッハの平均律に源を発し、ショパンの後もショスタコーヴィチやスクリャビンなどに伝統は受け継がれていきます。全ての調性を使うというこの試みはピアニストだけでなく、他の楽器の奏者にも大層魅力的であるようで、今までにも様々な楽器、演奏家によって、このショパンの名曲は演奏され続けています。今回オルガンを演奏しているギュンター・ロストは、この曲を録音するにあたって、驚くべきことに、ショパンのピアノ譜に全く変更を加えることなく全曲を弾き切りました。ショパンの繊細な表現はピアノでないと無理だと思う方は、ぜひこれを聴いてみてください。世界最大のロマンティック・オルガンの七色の響きを最高の状態でお届けいたします。
録音 2010年11月10-13日ケヴェラー Stiftsbasilika Recording Producer & Editing:, Christoph Martin Frommen

ONDINE


ODE 1188
\2300
若きヴィオリスト、アーロン・カーペンターのONDINE2枚目のアルバム
 1.ベルリオーズ:歌劇「ベアトリスとベネディクト」Op.27より序曲/
 2-5.ベルリオーズ:イタリアのハロルド(ヴィオラ独奏と管弦楽のための交響曲)Op.16
  <山の中のハロルド-憂愁と幸福と歓喜の情景…パガニーニによるヴィオラ・パート改編版/
  夕べの祈りを歌う巡礼の行進/アブルッチの山人が愛する人に寄せるセレナード/
  山賊の饗宴、前景の回想>/
 6-8.パガニーニ:大ヴィオラと管弦楽のためのソナタOp.35
デヴィッド・アーロン・カーペンター(ヴィオラ)…2-8/
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ウラジーミル・アシュケナージ(指揮)
弱冠25歳。若きヴィオリスト、アーロン・カーペンターのONDINE2枚目のアルバムです。前作はエッシェンバッハ&フィルハーモニア管をバックに、エルガーとシュニトケという、かなりコアなレパートリーを聴かせましたが、今作はベルリオーズ(1803-1869)とパガニーニ(1782-1840)という、技巧的にもなかなか興味深い曲で勝負です。バックを務めるのはアシュケナージ&ヘルシンキ・フィルの組み合わせ。いかなる時にも落ち着いた演奏が、この俊英の美音を引き立てています。ベルリオーズの「イタリアのハロルド」は、元々パガニーニに依頼された曲で、ヴィオラ・パートをパガニーニが演奏することを想定して作られたのですが、第1楽章を作った段階で、パガニーニが不満を述べたため、以下の楽章は自由に作曲され、あまりヴィオラが活躍しないものとなってしまいました(終楽章に至っては、最初と最後以外ほとんど演奏箇所なし)。この録音では、パガニーニがより超絶的に改編した第1楽章を演奏しています。Adagioの部分で、ヴィオラ・パートが自由に飛びまわる様子をぜひお聴きください。パガニーニの作品は、彼自身がオーダーして作成した5弦の大型ヴィオラのための協奏曲形式のソナタで、こちらは万遍なく凝らされた技巧が聴きものの華やかな作品です。録音 2011年4月13-16日ヘルシンキ フィンランディア・ホール

ODE 1173
\2300
カイヤ・サーリアホ:作品集
 1-6.クラリネット協奏曲「D' OM LE VRAI SENS」(2010)/
 7.ラテルナ・マギカ(幻灯機)(2008)/
 8-11.レイノの歌(2007)<あなたを見て/心/.平和/夕べに祈る人>
カリ・クリック(クラリネット)…1-6/
アヌ・コムシ(ソプラノ)…8-11/
フィンランド放送交響楽団/
サカリ・オラモ(指揮)
フィンランドの女性作曲家サーリアホ(1952-)の最近の3つの作品です。最初の曲は、彼女が博物館で中世のタペストリーを見た時のインスピレーションが元になってできたもの。もとより、クラリネット奏者クリックのために曲を書きたいと考えていたサーリアホは、この想いを6つの部分からなる協奏曲に描き出しました。「聴覚」「視覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」そして「一つの欲求(第六感)」。このように題された各部では、クラリネット奏者はホールの様々な位置を移動しながら、陶酔的で強烈な音楽を奏し続けます(2010年9月に初演されたフィンランディア・ホールとは違う場所の録音ですが、この奏者の立ち位置は、どのホールでも柔軟に対応させることと指示されています)。「ラテルナ・マギカ」は2007年に死去したスウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンの思い出のために書かれた作品で、管弦楽の緻密な響きと鋭い打楽器の音色が夢幻的な空間を作り出しています。「レイノの歌」では創造と破壊を繰り返す世界が歌われます。録音 2010年1月7日エスポー,セロ・ホール…7-11, 2010年5月31日-6月1日ヘルシンキフィンランディア・ホール…7, 2011年4月18-20日ヘルシンキ クルットゥーリ・タロ…1-6

ODE 1180
(2CD)
\4000→¥3690
プレトニョフ&ロシア・ナショナル管
 チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみわり人形」Op.71 全曲
ロシア・ナショナル管弦楽団/
ミハイル・プレトニョフ(指揮)
昨年、何かと話題になった指揮者プレトニョフ。いろんなことはさておいて、彼の「くるみわり人形」は格別のものがあるのではないでしょうか?なにより彼がピアノ独奏用に編曲したヴァージョンは、高い技巧性と音楽性を兼ね備えており、今でも人気が高く愛好する人が途絶えません。さて、手兵によるこの演奏、まさに「水を得た魚」状態とでも言う他ありません。煌めく音の粒、はじける楽想。どこもかしこも楽しげに輝いています。プレトニョフが得意とする第2幕のパ・ド・ドゥの見事さと言ったら!!!言葉に尽くせません。ぜひ既発売の「白鳥の湖」(ODE-1167)も併せてお聴きください。録音 2011年3月モスクワ モスフィルム・レコーディング第1スタジオ


旧譜/バレエ「白鳥の湖

ODE 1167
(2CD)
\4000→¥3690
チャイコフスキー(1840-1893):
 バレエ「白鳥の湖」作品20 (全曲)
ロシア・ナショナル管弦楽団
ミハイル・プレトニョフ (指揮)

プレトニョフ&RNO ONDINEレーベル初登場! 刺激的で鮮烈な「白鳥の湖」
録音:2009年8月 モスクワ国立音楽院大ホール [制作・録音 ライナー・マイヤール]、142‘52

 DGからなかなか新録音が出ないなあ、とやきもきしていたら、まさかONDINEから登場した。プレトニョフ&ロシア・ナショナル管。
 あの衝撃的なベートーヴェンの交響曲全集でDGの逆鱗に触れてなければいいがと心配していたが、ここにきてONDINEレーベルからの登場となると、本当にDGと決裂したと勘ぐられても仕方がない。まあ、店主の思いすごしならいいけど。
 ということで今回の録音は「白鳥の湖」全曲。2010年はオーケストラ創立20周年。記念すべきこの年にリリースするにふさわしい演目。代理店の話では、「驚きと閃きに満ちたプレトニョフの音楽性がチャイコフスキーの華麗で美しい旋律を鮮やかに描き出しています。オケの持つ音色を魅力的に引き出すONDINEサウンドがRNOの特徴でもある力強さ繊細さのコントラストを際立たせています。」とのことで、素晴らしい演奏のようだが、やはりこちらとしてはベートーヴェン同様の気が狂ったようなチャイコフスキーを期待したい。


ONDINE


ODE-1179
\2300→¥2090
シベリウス:交響曲第 2 番&第5 番(ピアノ編曲版)
 1-4.交響曲第 2 番ニ長調 Op.43
  (H.シーグフリードソンによるピアノ独奏版)/
 5-7.交響曲第 5 番変ホ長調 Op.82
  (K.エクマン/H.シーグフリードソンによるピアノ独奏版)
ヘンリ・シーグフリードソン(ピアノ)
シベリウス(1865-1957)の交響曲の中でも、とりわけ人気の高い第2 番&第5 番をピアノで演奏するという、何とも大胆かつ画期的な1 枚です。オーケストラの多彩な響きが要求されるシベリウスの曲をピアノでることは間違いありません。ここで、その両方の才能をとことん見せ付けてくれるのは、2005 年のボン・ベートーヴェン国際ピアノコンクールで優勝した1974 年生まれの若きピアニスト、ヘンリ・シーグフリードソン。彼はまず5 番について、既に知られたエクマンの編曲版を研究した上で、自らの編曲を加えたと言います。そして、難曲第2 番に取り掛かったのですが、その際ベートーヴェンの交響曲をリストが編曲したように、「オリジナルに忠実でありながら、ピアノの可能性の限界に挑戦する」という気合いも盛り込みました。さあ、その出来栄えはいかなるものでしょう?第2 番の冒頭は、もともとそれほど音の厚みはありません。なので、正直「しょぼいな」と思われるかもしれませんが・・・、曲が進むにつれて、オーケストラで聴く以上の興奮に見舞われること必至です。第5 番も文句なし!です。ぜひ実際にこの凄さをあなたの耳でお確かめください。録音フィンランド ヤルヴェンパー・ホール 2010 年10 月4.6 日…5-7, 2011 年2 月19 日&3 月15 日…1-4
ODE-1176
\2300
ウルハス・プルッキス:喜び、情熱と愛の物語
 1-7.シンフォニー・オーケストラのための7 つの幻想「波の上」
 <序/浜辺にて/風/荒海/迫る嵐/穏やかな/波の上>/
 8-10.3 楽章からなるクラリネット協奏曲「喜び、情熱と愛の物語」
 <喜びの物語/情熱の物語/愛の物語(T.ムーアの詩による)>/
 11.交響詩「花盛りの春」
カリ・クリック(クラリネット)…8-10/
ガブリエル・スオヴァネン(10)/
テンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
フィンランドを代表するクラリネットの名手、カリ・クリークをソリストに迎えた「喜び、情熱と愛の物語」を中心にした、フィンランドの若手作曲家、プリッキス(1975-)の作品集です。ティエンスー作品集(ODE-1166、778)など、すでにONDINE にいくつもの録音があるクリーク、その実力はお墨付き!ここでも目の覚めるような演奏を聴かせます。トーマス・ムーアの詩によるバリトンの歌との絡みも見事な限りです。プリッキスの作風は印象派風でもあり、時にはドイツ後期ロマン派風でもありと、現代音楽にありがちな難解な響きは皆無です。ひたすら美しく、激情にまかせ、思いを歌いあげる・・・そんなストレートに響く音楽を、疲弊した心へお届けします。録音フィンランド テンペレ・ホール 2010 年6 月1-2 日…1-7.11, 2011 年1 月7 日…8-10

ODE-1177
\2300→¥2090
ラウタヴァーラ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1-4.忘却の風景(2005)…世界初録音/
 5.夏の想い(1972/2008)…世界初録音/
 6.エイプリル・ライン(1970/2006)…世界初録音/
 7-8.ノットゥルノとダンス(1993)/
 9.ヴァリエチュード(1974)/
 10.バッカス礼賛(1970 ヴァイオリンとピアノ版)…世界初録音/
 11-22.組曲「ヴァイオリン弾き」〜
  フィドルによるフィンランド民謡を元にしたピアノの組曲(1952)
ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)…1-11.13.15.17.19.21/
パーヴァリ・ユンパネン(ピアノ)…1-8.10.12.14.16.18.20.22
最近は専ら神秘的な作品を多く発表しているラウタヴァーラ(1928-)。このアルバムでは、世界初録音を含む最近の作品から初期の作品までを幅広く収録しています。彼の作風の変遷を味わうにもうってつけと言えるでしょう。ヴァイオリンのクーシストは、今更何も付けくわえることもないほどの名手。ここでも抒情的な曲から舞曲までを文句なく弾きこなしています。とりわけ面白いのが1952 年の「ピアノ組曲」で、こちらはフィンランド民謡から着想を得たラウタヴァーラ24 歳の時の作品(作品番号1)ですが、ここでは基になった民謡をクーシストが漏れなく演奏するという試みで、民謡と交互に奏される「ラウタヴァーラによる創造」の面白さを存分に楽しんでいただけるものとなっています。録音 2010 年12 月28-30 日フィンランド エスポー、セッロ・ホール

ODE-1190
(2CD)
\2600→¥2390
リメンバリングJFK ジョン・F・ケネディ
 ・・・ケネディ大統領就任年50 周年記念コンサート

《CD1.大統領就任年50 周年記念コンサート》
 1.バーンスタイン(1918-1990):
  J.F.ケネディ大統領就任のためのファンファーレ(1961)/
 2.リーバーソン(1946-):リメンバリングJFK
  (アメリカン・エレジー)(2009-2010)/
 3-11.バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス/
 12-14.ガーシュウイン(1898-1937):ピアノ協奏曲ヘ調/
《CD2.1961 年就任記念コンサート〜当時のラジオ放送より》
 1.コメント/
 2.ジョン・スタフォード・スミス(1750-1836):
  アメリカ合衆国国歌-星条旗/
 3.コメント/
 4.ジョン・ラ・モンテーヌ(1920-):太平洋から大西洋へ/
 5.コメント/
 6.トンプソン(1899-1984):テスタメント・オブ・フリーダムより第1 楽章/
 7.コメント/
 8.ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー/
 9.コメント
《CD1》
リチャード・ドレイフュス(ナレーター)…2/
ツィモン・バルト(ピアノ)…12-14/
ナショナル交響楽団/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮) /
《CD2》
ナショナル交響楽団/
ハワード・ミッチェル(指揮)
2011 年は、偉大なるJ.F.ケネディがアメリカ合衆国の大統領に就任した年から数えて50 年に当たります。それを祝し開催されたコンサートと、50 年前に企画されたコンサートを2 枚のCD に収録したものが当アルバムです。1 枚目は2011 年、ケネディ・センターで開催されたコンサートの記録です。2010 年のシーズンよりワシントンD.C.のナショナル交響楽団及びケネディ・センターの音楽監督に就任したエッシェンバッハの指揮で奏されるアメリカのメロディは、コンサートに臨席した全ての人に感銘を与えました。なお、リーバーソンの作品中、ケネディ大統領のスピーチの抜粋を朗読したのは、名俳優リチャード・ドレイファス。この渋い声も聴きものです。2 枚目は1961 年当時の就任記念コンサートのラジオ放送音源からの抜粋です。ケネディ自身の要望でアメリカの作曲家たちの曲を演奏したもの。歴史的にも貴重な音源です。この2 枚のディスクの間に横たわる50 年という年月に思いを馳せてみませんか。 録音2011 年1 月22-24 日ワシントンD.C. ケネディ・センター…CD1, 1961 年1 月19 日ワシントンD.C.コンスティトゥション・ホール
ODE-1103
(4CD)
\4500
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集他
《CD1》
 1.ピアノ・ソナタ第1 番ヘ短調 Op.1/
 2-5.ピアノ・ソナタ第 2 番ニ短調 Op.14/
 6.ピアノ・ソナタ第3 番イ短調「古い手帳から」Op.28/
 7-9.ピアノ・ソナタ第4 番ハ短調「古い手帳から」Op.29/
 10-12.ピアノ・ソナタ第5 番ハ長調 Op.38/
《CD2.戦争ソナタ集》
 1-4.ピアノ・ソナタ第6 番イ長調 Op.82/
 5-7.ピアノ・ソナタ第7 番変ロ長調 Op.83/
 8-10.ピアノ・ソナタ第8 番変ロ長調 Op.84/
《CD3》
 1-4.ピアノ・ソナタ第9 番ハ長調 Op.103/
 5-8.4 つの練習曲 Op.2/9.トッカータニ短調Op.11/
 10-14.風刺 Op.17/
《CD4.小品》
 1-20.つかの間の幻影 Op.22/
 21-24.年とった祖母のお話 Op.31/
 25-34.バレエ「ロメオとジュリエット」からの10 の小品
マッティ・ラエカッリオ(ピアノ)
フィンランド生まれのピアニスト、マッティ・ラエカッリオは、この11 年に渡るプロコフィエフ(1891-1953)作品の録音で、国際的な評価を高めました。曲のテクスチャー、プロコフィエフ独特のリズムの処理、そして解釈まで、彼自身が「ここまで全てを入念に研究したピアニストは他にいないだろう」と自負したという、究極の演奏をBOX セットにまとめました。9 曲のピアノ・ソナタを始め、「つかの間の幻影」や「ロメオとジュリエット組曲」、あまり聴く機会のない「年とった祖母のお話」など、まさに感涙物の4 枚組。どこから聴いても大満足です。録音 1989-1999 年

ORCHID CLASSICS


ORC100016
\2000
ウィーン〜トーマス・キャロル/チェロ・リサイタル
 1-4.ブラームス(1833-1897):チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99/
 5-7.シューベルト(1797-1828):
  アルペッジョーネ・ソナタイ短調 D821(チェロとピアノ編)/
 8-10.ベートーヴェン(1770-1827):チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
トーマス・キャロル(チェロ)/
リル・ウィリアムズ(ピアノ)
トーマス・キャロルはハインリヒ・シフに学んだチェリストで近年指揮者としても活躍しています。彼が演奏するこのアルバムはウィーン古典派を代表する三人の作曲家のチェロ作品集(厳密にいえばシューベルトは違いますが)です。ブラームスから時代を遡り、シューベルト、ベートーヴェンへと時代背景を浮かび上がらせながら、的確な表現とメランコリックな感覚を程良くブレンド、香り高きウィーンを味わわせてくれます。ブラームスでの華麗なパッセージ、シューベルトの感傷的なアダージョ、そしてベートーヴェンのドラマティックな展開はとてもスリリングです。また、ピアノを演奏するウィリアムズの美しいタッチと表現がチェロの美音と溶けあう様は、背筋がぞくぞくするほどに感動的です。

ORC100017
\2000→¥1890
献呈〜ニーノ・グヴェタッゼ、リストを弾く
 1.ハンガリー狂詩曲第10番ホ長調「前奏曲」S244/R106 /
 2.バラード第2番ロ短調 S171/R16/
 3.シューマン=リスト編曲:ミルテの花より「献呈」/
 4.シューベルト=リスト編曲:糸を紡ぐグレートヒェン/
 5-8.ピアノ・ソナタロ短調 S178/R21
ニーノ・グヴェタッゼ(ピアノ)
最近何かと話題のグルジア共和国から、また新たなピアニストの登場です。彼女の名前はニーノ・グヴェタッゼ。6歳からオーケストラと共演するなど、その才能は早くから知られていましたが、2008年にユトレヒトで開催されたフランツ・リスト国際コンクールで第2位を獲得、同時に聴衆賞と記者賞も得て、その名前は一気に国際的なものとなりました。世界中のコンサート・ホールで演奏を重ね、そのどれもが絶賛される彼女、来年には日本へも来日が予定されています。そんなグヴェタッゼのリスト・アルバムは、何とも言えないマニアックな選曲がツボです。まずは、技巧的なハンガリー狂詩曲で聴き手の心を惹きつけ、内省的なバラードで表現力を問い、歌曲の編曲で口直し、そしてメインのソナタで無口にさせる・・・と万全です。

ORC100009
\2000→¥1890
サンクトペテルブルク
  〜ロシア・ソ連の大作曲家4人の初期室内楽作品集

 1.ショスタコーヴィチ(1906-1975):ピアノ三重奏曲第1番ハ短調 Op.8/
 2-5.グリンカ(1804-1857):悲愴三重奏曲ニ短調/
 6-9.グラズノフ(1865-1936):弦楽五重奏曲イ長調 Op.39/
 10.バラキレフ(1837-1910):八重奏曲Op.3
ロンドン・コンコード・アンサンブル
帝政ロシアのかつての首都サンクトペテルスブルク。この地がロシア音楽の中心であった時代に活躍した、4人の作曲家の作品を集めたアルバムです。これらの曲はどれも、彼らの初期の作品であり、若々しく瑞々しい感性に満ちたものばかりです。17歳の時に書かれた美しいショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲、留学の地、イタリアで構想されたグリンカの「悲愴トリオ」、作曲家26歳〜27歳の頃に書かれた柔らかい響きを持つグラズノフの弦楽五重奏曲、バラキレフ18歳〜19歳の頃に書かれ、未完で終わってしまった八重奏曲。どれもスラブ的な色彩と爆発的なエネルギーに溢れています。偉大なる作曲家たちの原点を辿る1枚とも言えるでしょう。

ORC100010
\2000
1-5.ブリテン(1913-1976):チェロ・ソナタハ長調 Op.65/
6.ブリッジ(1879-1941):4つの小品より第2番春の歌(チェロとピアノ編)/
7.ブリッジ:メロディー(チェロとピアノ編)/
8-10.タネジ(1960-):スリープ・オン/
11-12:ブリッジ:チェロ・ソナタOp.125/13.タネジ:MILO
ガイ・ジョンストン(チェロ)/
キャサリン・ストット(ピアノ)
このアルバムには、作曲家、演奏家たちによる「豊かな交友関係」が見てとれます。まずはブリッジとブリテン。10歳の時にブリッジの交響組曲「海」を聴き衝撃を受けたブリテンは、その3年後にブリッジから作曲のレッスンを受けることになります。ブリッジの音楽はしばしば「サロン風」と評されますが、ここで聴けるチェロ・ソナタの晦渋な作風は、確かにブリテンが影響を受けるであろう先進的な音楽です。そんなブリテンのチェロ・ソナタは稀代の名チェリスト、ロストロポーヴィチとの出会いから生まれたもの。ブリテンは、無伴奏チェロ組曲を始め、いくつかの作品をロストロポーヴィチに捧げています。そして、タネージと親交を結んだのは、このアルバムでチェロを演奏するジョンストンです。
アルバムの最後に置かれた「MILO」は、タネジの息子MILOのために書かれた子守歌ですが、ジョンストンは初演者であり、またMILOのゴッドファーザー(!)だということです。渋い曲で独特の名演を聴かせるキャサリン・ストットのピアノも雄弁です。

ORC100011
\2000→¥1890
悪魔のようなヴェンツァーゴ、再びシューマンへ
 シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」Op.97
デュッセルドルフ交響楽団/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
各方面で豪放、かつ独自の解釈を聴かせ、通の間で話題の指揮者ヴェンツァーゴ。ここでは彼が最も得意とするシューマンの「ライン」のライヴ録音です。
う〜ん。この演奏もひたすら濃いです。第1楽章の冒頭から「流麗さ」がありません。滔々と流れるはずのライン川は、色々なところで停滞します。しかし、これが面白いんです。これを歌謡性というのかわかりませんが、とにかく聞いてて「おっ!」と叫びたくなることばかり。至るところ意味ありげで、常に「私を見よ」とばかりの強い自己主張がたまりません。1楽章を聴いただけでお腹一杯になる事必至。2楽章も冒頭から快感の波に揉まれます。そのまま最後までぜひどうぞ。満場の拍手で我に返るのもいいものです。

TOCCATA

TOCC 0003
\2600
ラインハルト・オッペル:ピアノ作品集第1集
 1-5.小組曲Op.26/
 6-9.ピアノ・ソナタ第1番ト短調/
 10-14.5つの小品Op.21/
 15-17.ワルツ第2セット
カン・ヒージュン(ピアノ)
1878年に教師の息子として生まれたオッペル(1878-1941)は、フランクフルトでヴァイオリン、ピアノと作曲を学びます。その当時にオルガンのための作品を出版するほど、才能を嘱望され、以降、合唱曲や歌曲なども手掛けます。1903年から1909年までルーテル教会の第2オルガニストの地位を得て、1928年からはライプツィヒで音楽理論の教授として活躍します。そんな彼の音楽は二次世界大戦中、文字通り地下に潜ってしまいましたが、(ロシア軍の攻撃から逃れるために、自作のスコアを庭の床下に隠したとか)終戦後、無事に彼の息子によって発見されました。そんなオッペルの音楽はなかなか複雑怪奇なもので、後期ロマン派的な音をもう少しねっとりとさせたような味わい。美しさよりも音の繋がりを楽しむと言った感じでしょうか?例えばワルツなどでも、決して楽しくなるようなリズムを持っていないところが興味深いと言えるでしょう。録音2006年7月24-25日ハーストウッド・ファーム・ピアノ・スタジオ
TOCC 0111
\2600
J.S.バッハ=シークフリート・カルク・エレルト:オルガン編曲集全集
 1.カプリッチョ(原曲:トッカータト長調 BWV916 第1部)/
 2-3.幻想曲とドッペル・フーガBWV904/
 4.交響的牧歌(原曲:クリスマス・オラトリオBWV248 第2カンタータよりシンフォニア)/
 5-7.トッカータホ短調 BWV914/
 8-9.即興的コラールとフーガ(原曲:主に向かって新しき歌をうたえBWV225より)/
 10.エコー(原曲:パルティータロ短調 BWV831より)/
 11-14.トッカータニ短調 BWV913/
 15.アダージョ(原曲:管弦楽組曲第3番「エア」BWV1068)
スヴェルケル・ユーランデル(オルガン)
ドイツの作曲家、カルク・エレルト(1877-1933)はジャーナリスト(新聞社の編集長)の父の下に12人兄弟の末子として生まれました。1883年父の死去に伴い、家族でライプツィヒに移住し、教会で音楽教育を受けながら、少年合唱隊として活動し、オルガン演奏にも非凡な才能を見せました。しかし14歳の時に教師になるべく、小さな町グリンマに出向、教えながら、オルガンを演奏する毎日を送りました。しかし、2年後、本格的に作曲活動に専念すべく、マルクシュタットへ行き、独学で音楽理論とオーボエを学びます。その後、グリーグに認められ、当時の音楽にも心酔し、半音階的な書法を会得したのでした。彼はオルガンやハルモニウムのための作品を多く作曲し、これらはアメリカ、イギリス、フランスで大きな人気を獲得したのですが、ここで聴けるのはバッハ(1685-1750)の様々な作品をオルガン用に編曲したもので、原曲に忠実ながらも、時折ワーグナー的な響きが聞こえてくるあたりがたまりません。録音 2006年1月24-26日イエテボリ ヴァーサ教会

TOCCATA

Mario Lavista: Complete String Quartets
TOCC0106
\2600
マリオ・ラビスタ:弦楽四重奏曲全集
 1.弦楽四重奏曲第2番「夜の反射」(1984)/
 2-6.弦楽四重奏曲第3番「私の隣人の音楽」(1995)/
 7.弦楽四重奏曲第4番「シンフォニア」(1996)/
 8-14.弦楽四重奏曲第5番「7つのインヴェンション」(1998)/
 15.弦楽四重奏曲第1番「通時的な」/
 16-20.弦楽四重奏曲第6番「5つの部分からなる組曲」
ラテンアメリカ四重奏団
メキシコの現代作曲家(作家としても活躍)、マリオ・ラビスタ(1943-)の弦楽四重奏曲全集です。彼は室内楽、映画音楽、オーケストラ曲、声楽曲と多くの作品を書き、またラテンアメリカで最も重要な音楽誌「Pauta」を設立し、その編集長としても良い仕事をしています。このアルバムで聴ける彼の作品も、そんな多彩な才能を反映してか、多種多様な音楽性に満ちています。最初の曲「夜の反射」は不可解に捻じ曲げられた光が目に見えるような音楽。弦の特殊奏法も駆使して、聴き手を夢幻的な世界へと誘います。他の曲も、時には新古典派的な動きを見せたり、延々と歌い継がれる息の長いフレーズがあったり、と1曲ごとに変わる作風が興味をそそります。録音 2007年2月19-20日メキシコ 全て初録音
Nikolai Tcherepnin: Piano Music
TOCC0117
\2600
父チェレプニンの世界初録音ピアノ曲集
ニコライ・チェレプニン:ピアノ作品集
 1-3. 3つの小品Op.24/
 4-17.ロシアのアルファベットによる14のスケッチOp.38
  <ムーア/ババ-ヤガ/一般的な/ダチャ/エジプト/星/
   ママ/湖/寝る時間/森/お菓子/東洋の君主/
   ロシアの皇后/熊のぬいぐるみ>/
 18-23.漁師と魚の物語Op.41
 ※全て初録音
デイヴィット・ウィッテン(ピアノ)
このアルバムに収録された曲を書いたチェレプニン(1873-1945)は、既に良く知られているアレクサンドルではなく、その父、ニコライです。サンクトペテルブルクで生まれ、リムスキー=コルサコフに作曲を学び、一時期は指揮者としても活躍。ディアギレフの「ロシア・バレエ団」でも指揮台に立っていた人です。フランス印象主義の影響も受けつつ、古典的なフォルムを持った愛らしいピアノ曲を多く書いています。このアルバムに収録された3つの曲集は、なんとも軽妙洒脱であり、また示唆に富むものです。ブックレットの中には、「ロシアのアルファベット」の元となったイラストも挿入されていますので、一層イメージが膨らむことでしょう。
録音 2009年6月28-30日ニューヨーク

TWO PIANISTS


TP-1039053
(2CD)
\3000→¥2690
カール・チェルニーによる校訂版を参考にテンポ設定
 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集

  チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102 No.1/
  チェロ・ソナタ第1番へ長調 Op.5 No.1/
  チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69/
  ホルン・ソナタヘ長調 Op.17(チェロとピアノ編)/
  チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5 No.2/
  チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102 No.2
ピーター・マーテンス(チェロ)/
ルイス・マガリャアエス(ピアノ)
この録音に際して、マーテンスとマガリャアエスはベートーヴェン(1770-1827)研究家であるスチュワート・ヤング博士とともに、長年の研究をしてきたと語ります。とりわけベートーヴェンの速度表示は信憑性を欠くものが多く、各方面で議論の的になってきたものですが(当時の演奏を聴くことができればどんなによいか!)、今回のテンポ設定について参考にしたのは、弟子であり友人であったカール・チェルニーによる校訂版でした。チェルニーはピアノ協奏曲第5番でもソリストを務めたこともあり、その記述はかなり確かなものであると判断したそうです。その上で、更に研究を重ね今回の録音が実現したとのこと。その思いは素晴らしい音となって記録されています。

TP-1039077
\2600
シェークスピアに触発された作品たち
 1.エルガー(1857-1934):シェークスピアの王国/
 2.T.A.アーン(1710-1778):まだらのひなぎくが(カッコウの歌)/
 3.ホーダー(1910-1997):まだらのひなぎくが/
 4.クィルター(1877-1953):シェークスピアの歌Op.30より第2番「水仙の花が覗くとき」/
 5.E.コーツ(1886-1957):古いイギリスの歌より第3番「シルヴィアはどこに」/
 6.E.コーツ:古いイギリスの歌より第1番「オルフェウスと彼のリュート」/
 7.J.ハリスン(1885-1963):私は堤を知っている/
 8.パリー(1848-1918):イギリスの詩第2集:わが彼女/
 9.フィンドレー(1886-1957):哀れな人はため息をついて(柳の歌)/
 10.パリー:イギリスの抒情詩第2集:柳、柳、柳/
 11.ブリテン(1913-1976):気まぐれ/
 12.ウォルトン(1902-1983):お気にめすまま-緑の木陰/
 13.ホーダー:7つの歌第2番「緑の木陰」/
 14.パリー:イギリスの抒情詩第2集:もうその唇はみせないで/
 15.ラッブラ(1901-1986):もうその唇はみせないでOp.22-1/
 16.バッシュ(1920-1998):それは恋する若者とその彼女/
 17.クィルター:7つのエリザベス朝抒情詩Op.12-4 「不誠実な女羊飼い」/
 18.ヘッド(1900-1976):羊たちの帰還/
 19.アームストロング・ギブス(1889-1960):銀Op.30-2/
 20.ガーニー(1890-1937):5つのエリザベス朝の歌第4番「眠り」/
 21.テレサ・デル・リエゴ(1876-1968):ホーミング/
 22.ヘッド:笛を吹く人/
 23.ディーリアス(1862-1934):7つのノルウェーの歌第3番「夕べの声」/
 24.パリー:イギリスの抒情詩第4集「私たちが別れたときは」/
 25.エルガー:懇願Op.48/
 26.クィルター:聞け、聞け、ひばりを/
 27.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):命の家第2番「静かな昼」/
 28.クィルター:3つの歌Op.3-1「愛の哲学」
ミシェル・ブリート(メゾ・ソプラノ)/
ニーナ・シューマン(ピアノ)
シェークスピアの作品は、いつの世も芸術家たちを魅了してやみません。書かれた当時はリュート伴奏でひっそりと歌われていたに違いない典雅な曲も、時代を経るにつれ、濃厚で表情豊かな伴奏が付くようになり、歌い手もそれに伴い、まるでオペラのような表現力を求められることも稀ではありません。このアルバムに収められているのも、そんな「近代の作曲家」たちによる「シェークスピアによる」歌曲集です。イギリスの近代歌曲は独特の味わいがあることが知られていて、この1枚もそのひそやかな美しさに陶然となるに違いありません。ブリートの細やかな感性に彩られた歌唱を、シューマンのピアノが美しく彩ります。

TP-2039091
\2600
ベン・スクーマン、リストを弾く
 1.巡礼の年第2年イタリアより 第7番「ダンテを読んで」/
 2.巡礼の年第1年スイスより 第6番「オーベルマンの谷」/
 3.巡礼の年第3年第4番「エステ荘の噴水」/
 4.ピアノ・ソナタロ短調/
 5.ワーグナー=リスト:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」
ベン・スクーマン(ピアノ)
ベン・スクーマンは南アフリカで一番注目を浴びている若手ピアニストの一人です。2008年にプレトリアで開催された第11回南アフリカ大学ヴォーダコム(UNISA Vodacom)国際ピアノ・コンクールで特賞を獲得し、プレトリアの期待の星として注目を浴びました。その後、ヨハネスバーグを始めとした南アフリカ国内で数多くの公演を行い、また並行してヨーロッパ、イギリス、カナダでも演奏会を行っています。ここで聴ける彼のリストは、本当にスケールの大きなものであり、また柔軟な解釈を見せます。難曲である「ダンテを読んで」では、次々と溢れてくるリストの欲求にとことん付き合うかのように、その時々で表情を変えながら、熱い音楽を繰り出してくる様には全く息を飲むほかありません。バッハから現代曲までを弾きこなすという彼、今後が楽しみなピアニストの一人です。

TWO PIANISTS

Stradler  &  Magalhaes Play Janacek,  Schumann,  Schubert
TP-1039084
\2600→¥2390
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のリーダー、フランク・シュタットラー
ヤナーチェク/シューマン/シューベルト:ヴァイオリン作品集

 1-4.ヤナーチェク(1854-1928):ヴァイオリン・ソナタ/
 5-8.シューマン(1810-1856):
  ヴァイオリン・ソナタニ短調 Op.121/
 9-12.シューベルト(1797-1828):
  ヴァイオリンとピアノのための幻想曲ハ長調 Op.159 D934
フランク・シュタートラー(ヴァイオリン)/
ルイス・マガリャアエス(ピアノ)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のリーダー、フランク・シュタットラーは現代音楽の類い稀なる表現でも高く評価されています。彼はソリストとしてだけでなく、オーケストラとも、またアンサンブルとも現代音楽を積極的に演奏し、こういう音楽をあまり聴かない人々への架け橋となっています。そんなシュタットラーによるこのアルバムは、3人の作曲家によるヴァイオリンのための曲集です。これらの3つの作品は、佇まいこそ違うものの、中に秘めたル思いの強さが共通することにお気づきになることでしょう。ぞくぞくするような音に満ちたヤナーチェクのソナタ、極めて内省的な晩年のシューマンそのもののソナタ、現世と来世を行ったり来たりするような、まさに幻想曲の名にふさわしいシューベルトの先鋭的な作品。曲の選び方にも、きめ細やかな配慮がなされた1枚です。ヴァイオリンの美音を優しく包み込むピアノの調べも、また一聴に値します。




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