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第59号マイナー・レーベル新録音新譜(5)


10/14までの紹介分


ACCORD


476 4370
\2400
エスケシュ:夜の狂気
 ダヴィッド・グリマル、準・メルクル、クリスティアン・アルミンク

  チエリ・エスケシュ:
   ①『オルガンと管弦楽のためのソーラー・ボート』(2008),
   ②『夜の狂気』(2008),
   ③『ヴァイオリン協奏曲』(2009)
チエリ・エスケシュ(org:①),
ノラ・グビッシュ(Ms:②),
ダヴィッド・グリマル(Vn:③),
準・メルクル(指揮:①②),
クリスティアン・アルミンク(指揮:③),
フランス国立リヨン管弦楽団
「恐るべしオルガニスト」といわれるエスケシュの作品集
チエリ・エスケシュ(1965- )は、パリ音楽院で最優秀賞を8つを取得、パリ・クラシック音楽大賞をも受賞した鬼才オルガニスト及び作曲家です。彼は学生時代より即興を得意とし、様々な時代の音楽要素を取り入れて斬新な現代音楽に仕上げて行きます。例えばそれはレーガーやメシアンの音楽とは全く異なり、シンフォニック・ロックのようにも聞こえるかもしれません。ハーモニーは、すべて彼の作品で重要な役割を果たしています。フランス音楽の特異性を作るの調和のこの感覚は、彼の音楽の主要な構成成分で、そのダイナミクスと色を作成するすべての関数(ディレイ、装飾音符、緊張、弛緩)が使われています。また、バルトーク的な音楽と偉大な対位法の妙技によっての複雑なポリリズムは、「心底後世に残したいと思った数少ない現代作品」と高い評価を得ています。「ヴァイオリン協奏曲」は、2012年5月アルミンク&グリマルによって新日本フィル定期公演にて日本初演が決まっています。
録音:①2009年4月23日, ②2008年5月22日, ③2009年10月8日, リヨン・モーリス・ラヴェル・オーディトリアム

BAYER


BR 100373
\2300
デュオ・リゾナンツァ/カレイドスコープ・オブ・ザ・ディープ
 1.ブラームス:旋律のようにOp.105‐1/
 2.コダーイ:エピグラム〜アダージョ/
 3.グラナドス:祈りOp.37‐5/
 4.レーガー:ロマンツェ ト長調/
 5.フォーレ:子守歌Op.16/
 6.同:シシリエンヌOp.78/
 7.A.デザンクロ:アリア/
 8.C.キューンル:傾斜/
 9.ラヴェル:ヴォカリーズ‐ハバネラ形式のエチュード/
 10.クーセヴィツキー:アンダンテOp.1‐1/
 11.同:悲しみの歌Op.2/
 12.リスト:忘れられたワルツ/
 13.サティ:ジムノぺディ第1番
デュオ・リゾナンツァ
〔カトリン・トリクヮルト(コントラバス)
 二コール・ミュラー(ハープ) 〕
2つの楽器の貴重な出会いが生み出す万華鏡のような世界
コントラバスとハープの出会いによって生まれる万華鏡のように深い世界。この2つの楽器のために書かれた作品は残念ながら多くありませんが、有名曲の編曲も多数織り交ぜることで、その相性のよさと可能性をたっぷり味わえます。ベルリン生まれの女流コントラバス奏者カトリン・トリクヮルトは、マンハイム国立歌劇場や韓国ファウム室内管弦楽団で活躍した名手で、近年は教育活動やこうした様々な楽器との共演にも積極的なことでも有名です。

BR 100374
\2300
ガビー・パス・ヴァン・リエト/モーツァルト:フルート協奏曲集
 1.フルート協奏曲第1番ニ長調K.313
 2. 同 第2番ト長調K.314
 3.フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299
ガビー・パス・ヴァン・リエト(フルート)
クリスティーナ・ビアンキ(ハープ)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団
指揮:ルーベン・ガザリアン
シュトゥットガルト放送響首席による充実のモーツァルト
SWRシュトゥットガルト放送響の首席奏者で、ベルギーのエッセンに生まれた名手パス・ヴァン・リエトによる珠玉のモーツァルト協奏曲集。バイロイト祝祭管のメンバーに名を連ね、2001〜02年にはアバドやアーノンクールが指揮するベルリン・フィルで首席客演奏者を務めるなど、その華々しい経歴からも実力は折り紙つきです。また、ヴュルテンベルク室内管の指揮者を務め、「ヤング・バーンスタイン」と評される期待の若手指揮者ルーベン・ガザリアンの好サポートにもぜひご注目ください。

ECM

476 4107
(2CD)
\4400
リサ・スミルノワ
 ヘンデル:組曲集第1巻

  『組曲第2番ヘ長調HWV.427』『組曲第8番ヘ短調HWV.433』
  『組曲第4番ホ短調HWV.429』『組曲第5番ホ長調HWV.430』
  『組曲第3番ニ短調HWV.428』『組曲第6番嬰ヘ短調HWV.431』
  『組曲第1番イ長調HWV.426』『組曲第7番ト短調HWV.432』
リサ・スミルノワ(P)
あえてモダン・ピアノで演奏した、バランスのとれた絶妙なヘンデル
ヘンデルが鍵盤楽器の名手であり、キャロライン王女をはじめとして貴族の子女たちにチェンバロを教えていたことは広く知られています。したがって当時彼が書いた作品の多くは教育のためのものでした。ジョン・クリュアによって1720年に出版されたこの曲集は、それを反映した親しみやすい作品です。スミルノワは、もともとロマン派から現代音楽を得意としていましたが、2007年以降バロックから古典派の音楽をモダン楽器での演奏研究を始めました。そうした研究の成果が、バランスのとれた絶妙な解釈、繊細な表現力となって、ここに刻まれています。
[リサ・スミルノワ]・・・1972年ロシア生まれ。A.カントル、K.H.カンメルリング、M.ツルツィオにモスクワ、ザルツブルグ、ロンドンの各都市で師事。在学中からイタリア、ドイツ、フランス、アメリカのコンクールで優勝。1992年20歳でカーネギーホールデビュー、同年日本にロシア・ユース室内オーケストラのソリストして来日し、好評を博しました。その後ヨーロッパ各地で盛んな演奏活動を繰り広げており、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロンドン、ウィーン・コンツェルトハウスや、ザルツブルグ音楽祭、モーツァルト週間、ギーナ・ピアノ・フェスティバル、ルツェルン国際音楽祭などに招待されています。1993年にはS・ホルシュタイン音楽祭にてブラームス賞を受賞。数多くのオーケストラとの共演経験を持ち、ベンヤミン シュミット、トーマス・ツェートマイアー、クレメンス・ハーゲン、ベルカント弦楽トリオらと精力的に室内楽にも取り組んでいます。オーストリア、ドイツ、オランダ、イギリス、フランスで放送録音を行う他、CD録音も数多く行っています。現在、ザルツブルグモーツァルテウム音楽大学の助教授として、ケマリング教授と共に教鞭を取り、音楽を通じて国境を越えた交流にも尽力。また毎年行われている「長崎おぢか国際音楽祭」の音楽監督と講師を務めています。録音:2007年6月, 2008年5&6月, 2009年2月, ゴールデック城、オーストリア(デジタル:セッション)


ECM


476 3938
\2400→¥2190
宮田まゆみ、リープライヒ/細川俊夫:ランドスケープ
 1.ランドスケープV
 2.セレモニアル・ダンス 
 3.さくら〜オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に
 4.雲と光
宮田まゆみ(笙)
ミュンヘン室内管弦楽団
指揮:アレクサンダー・リプライヒ
ECMの録音技術の粋が生み出す繊細なる和の調べ
オペラ『松風』の成功で、ヨーロッパでも名を轟かせる作曲家、細川俊夫の作品を集めた1枚。録音:2009年10月19-21日 ミュンヘン フラウエン教会

ECM


476 4426
\2400→¥2190
現代人の心をえぐり出し、安らぎを求めることを表現した新音楽
 ロザムンデ弦楽四重奏団&ヒリヤード・アンサンブル

  ボリス・ヨッフェ:《Songs of Songs》
ロザムンデ弦楽四重奏団
ヒリヤード・アンサンブル
ボリス・ヨッフェは1968年サンクトペテルブルグ生れの作曲家。彼はドイツ音楽、ロシア文学、極東哲学を融合した美しい音楽を作曲し、ヴォルフガング・リームも絶賛する作曲家です。この作品は聖書の言葉を描写したもので、マショー、パレストリーナ、ラッソス、ショスタコーヴィチ、そして2つのクァルテットどうしの融合を調和させたものです。それは現代人の心の悩みを鋭くえぐったような痛さを感じますが、その後安らぎを感じてくることでしょう。
録音:2009年11月26〜28日、聖ゲロルド司教座教会、オーストリア(デジタル:セッション)

476 4428
\2400→¥2190
姉妹《デュオ・ガッツァーナ》デビュー!
 武満徹, ヒンデミット, ヤナーチェク, シルヴェストロフ

  武満徹:妖精の距離
  ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ ホ調
  ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
  シルヴェストロフ:5つの小品(G・クレーメルのために・・)
デュオ・ガッツァーナ
[ナターシャ・ガッツァーナ(Vn),
ラファエラ・ガッツァーナ(P)]
ローマ近郊生まれの姉妹ナターシャ&ラファエラ・ガッツァーナは、それぞれP・アモイヤル、B・カニーノに学びました。ロマン派の音楽も演奏していますが、彼女らは近現代音楽を国際的な音楽性と深いヒューマニズムに満ちた独特な解釈で演奏し高い評価を得ています。
この初アルバムは、それぞれの国の独特な様式に書かれていますが、非常に異なった作曲家の音楽の間に創造的な親近感を見つけることができましょう。
ヴァイオリンとピアノのための作品集近現代音楽を得意とする姉妹《デュオ・ガッツァーナ》デビュー!録音:2011年3月1〜3日、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ(デジタル:セッション)


476 4404
\2400
レト・ビエリ / 現代ソロ・クラリネットのための作品集
 ルチアーノ・ベリオ:クラリネットのための歌曲(1983)
 ハインツ・ホリガー:コントレチャント(2007)
 サルヴァトーレ・シャリーノ:Let me die before I wake(1982)
 エリオット・カーター:Gra(1993)
 ハインツ・ホリガー:レシャント(2008)
 エトヴェシュ・ペーテル(ペーター・エトヴェシュ):Derwischtanz(1993/2001)
 ゲルゲーイ・ヴォイダ:Ligthshadow-trembling(1993)
レト・ビエリ(Cl)
沈黙と音と騒音・・・クラリネットの魔術師による神秘的な音楽
ECMより 素晴らしく有能なスイスのクラリネット奏者、レト・ビエリがデビューします。彼は1975年にスイスで生まれ、チャールズ・ナイディックにクラリネットを学び、 様々な現代作曲家より多くの作品が献呈されています。ここに収録されたクラリネット独奏のための作品は、近代的奏法を可能とした楽器の言語の可能性を探り、それを可能とさせたものです。録音:2010年9月6〜8日、聖ゲロルド司教座教会、オーストリア(デジタル:セッション)

MD+G


940 16676
(SACD Hybrid)
\3000→¥2490
ツァハリアス/モーツァルト:協奏曲集 Vol.7
モーツァルト:
 『ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415』
 『ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K.238』
 『ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451』
クリスティアン・ツァハリアス(P&指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
様々な要素を管弦楽法まで取り入れた、ツァハリアスの生き生きとした演奏
着々と進行しているツァハリアス&ローザンヌ室内管の、モーツァルトのピアノ協奏曲全集Vol.7。モーツァルトの輝かしい鍵盤の手腕を見せるための目的で作曲されたといわれている「6番」。この時期のモーツァルトには珍しいトランペットとティンパニ付きの「13番」と、交響的作曲法の進歩が顕著な「16番」。モーツァルト演奏に相応しい磨きぬかれた音色やアーティキュレーションで、爽やかで生き生きとした演奏を聴かせてくれます。録音:2011年3月9〜11日, ローザンヌ、メトロポール (デジタル:セッション)

943 17126
(SACD Hybrid)
\3000→¥2490
モーツァルト・ピアノ四重奏団〜シューマン&ブラームス
 シューマン:『ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.47』
 ブラームス:
  『ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25』
  『ピアノ四重奏曲第3番ハ短調Op.60〜アンダンテ』
モーツァルト・ピアノ四重奏団
[マルク・ゴトーニ(Vn),
ハルトムート・ローデ(Va),
ペーター・ヘール(Vc),
パウル・リフィニウス(P)]
世界の名だたる国際コンクールで優勝や入賞経験を持つ名手が揃った当団(2000年結成)の精密で優美なアンサンブル。自発的な解釈による自然な各楽器の対話は絶品です。ブラームスの「2番」と「3番」は、彼らの初アルバム(ArteNova)に収録され高評価を得ていましたが、メンバーも入れ替わり10年たっての「1番」はライブということもあって、熱いロマンチシズムと繊細さが見事に融合された演奏です。録音:2010年12月19日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:ライヴ)

303 17112
\2300→¥2090
トリオ・パルナッスス/フォーレ、ショーソン、ドビュッシー
 ショーソン:『ピアノ三重奏曲ト短調Op.3』
 フォーレ:『ピアノ三重奏曲ニ短調Op.120』
 ドビュッシー(ユベール・ムートン編):『「ペレアスとメリザンド」による三重奏』
トリオ・パルナッスス
[ヤメイ・ユ(Vn),
ミヒャエル・グロス(Vc),
チアオ・チョウ(P)]
「ペレアスとメリザンド」のメロディによるピアノ三重奏版も収録
すでに20年以上のキャリアを誇るトリオ・パルナッスス。ブラームスの名演の他、メンデルスゾーン、ラインベルガー、モーツァルト、レーガー、フンメル、ラロ、バルギールなど、様々なレパートリーで優れた演奏を聴かせる彼らは、室内楽ファンにはおなじみの存在です。このアルバムではフランスの名弦楽三重奏作品を2曲。そして、当時ドビュッシーが成功をおさめた「ペレアスとメリザンド」からのメロディを、パリの出版社がベルギー出身の音楽学校長ムートンに依頼したピアノ三重奏編曲版で収録しています。録音:2010年9月28〜30日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

308 17092
\2300→¥2090
10人のヴァイオリニストと1チェンバロ編曲版による、ヴィヴァルディ作品集
ヴィヴァルディ:協奏曲集
 ヴィヴァルディ
  (ゲルハルト・ティッテルによる、
  10人のヴァイオリニストとチェンバロのための編曲版):
   『協奏曲集Op.3「調和の霊感」より第8,10,11番』
   『協奏曲集「四季」より「秋」』
   『ソナタ ニ短調「ラ・フォリア」Op.1-12』
ラウレンティウス・ディンカ(Vn&リーダー)
ベルリン・フィルハーモニー・ヴァイオリン・アンサンブル
'93年、ベルリン・フィル第1ヴァイオリン奏者ラウレンティウス・ディンカを中心に結成。10人のヴァイオリニストとピアノによるユニークなアンサンブルです。'94年ドイツで初のコンサートを行って以来、ベルリンはもとより、フランス、スペイン等のヨーロッパ各地での公演、さらに南米、日本等へのツアーやレコーディングなど、世界的な活動を続けています。繊細な美しいサウンドはもちろん、室内オーケストラを思わせるような力強い表現力や厚い響きもあり、さらにエンタテインメント性溢れるステージで、ヴァイオリンを聴く喜びを満喫させてくれます。このアルバムでは、多くのヴァイオリン協奏曲を作曲したヴィヴァルディの作品を、10挺のヴァイオリンと1チェンバロのために編曲し、刺激的なアレンジで楽しませてくれます。2011年11月来日予定。録音:2011年2月14〜17日, ベルリン(デジタル:セッション)

603 17102
\2300→¥2090
ギター・デュオによる、おしゃれな編曲によるイタリア作品集
 フェルディナンド・カルッリ:『セレナータ Op.96-1』
 D・スカルラッティ:『ソナタ K.193, 332, 11, 132, 87, 98』
 ロッシーニ(ジュリアーニ編曲):『歌劇「どろぼうかささぎ」序曲』
 チマローザ:『ソナタ ハ長調, ニ短調, ホ短調, ニ短調, ハ長調』
 パガニーニ:『カンタービレ』『タランテラ』
 ジュリアーニ:『協奏風変奏曲Op.130』
 『ゴッドファーザーのテーマ』
  (全て、ヨアヒム・シュラーダーによる2台のギター用編曲版)
ハインリヒ・アルベルト・デュオ
[ヨアヒム・シュラーダー&ヤン・エルラー(G)]
ハインリヒ・アルベルト・デュオは、師弟関係にあるヨアヒム・シュラーダーとヤン・エルラーの二人によって結成されたギター・デュオです。今回のアルバムでは、イタリアの古典派からロマン派の作曲家の作品を、おしゃれな編曲で聴かせてくれます。ボーナス・トラックとして「ゴッドファーザーのテーマ」も収録!録音:2011年5月9〜11日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

606 17012
(2CD)
\4600
450年前にインスブルックに残された楽譜による復活演奏
クラーゲンフルトのタブラチュアによるオルガン曲集
 ルートヴィヒ・ゼンフル, クロダン・ド・セルミジ,
 ジョスカン・デ・プレ,ピエール・ド・ラリュー,
 ジャン・ムートン, フィリップ・ヴェルドロ, 他作曲者不詳の作品
マンフレート・ノーヴァク(1560年頃イェルク・エベルト製オルガン)
このタブラチュアは、1560年頃インスブルックの宮廷附属教会に、ルネッサンス・オルガンが備え付けられ、その時に奉納されたものではないかといわれています。オルガンのためのタブラチュアによる手稿譜には、、ジョスカン・デ・プレ, ピエール・ド・ラリューなど、その時代の教会音楽や世俗曲をオルガン用に編曲したもので、歴史的にも非常に貴重なものです。オーストリアのオルガニスト、マンフレート・ノーヴァクは、解読難解なタブラチュア通りにその時代のオルガンを使って演奏。当時の歴史的研究結果を見事に具現化した画期的な録音です。録音:2011年4月, イスブルック宮廷附属教会(デジタル:セッション)

307 17222
(5CD)
\5100→¥4590

限定盤
モーツァルト:弦楽四重奏曲集(第14番〜21番)【限定盤】
 『弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387「春」』
 『同第15番ニ短調K.421』『同第16番変ホ長調K.428』
 『同第17番変ロ長調K.458「狩り」』『同第18番イ長調K.464』
 『同第19番ハ長調K.465「不協和音」』
 『同第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」』
 『同第21番ニ長調K.575「プロシャ王第1番」』
 『同第22番変ロ長調K.589「プロシャ王第2番」』
 『同第23番ヘ長調K.590「プロシャ王第3番」』
ライプツィヒ弦楽四重奏団
1988年に創設されたライプツィヒ弦楽四重奏団は、今や世界屈指の弦楽四重奏団として幅広く活躍しています。新チューリヒ新聞は「現代最高峰の、最も多機能な四重奏団の一つ」と評し、2002年のニューヨーク・タイムズ紙は「ライプツィヒ・サウンドというものが存在するならば、まさにこれだ!」と書かれました。メンバーのうち3人は、以前はゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者であり、数々の国際的な賞を受賞しています。2008年、第一ヴァイオリンのアンドレアス・ザイデルがグループを去り、代わってライプツィヒ出身で現在ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のアシスタント第一コンサートマスターを務めるシュテファン・アルツベルガーが加わっています。このモーツァルトの演奏も「イントネーションの絶対の完璧さ」「細心の愛を込めた精密な演奏」と、高評価をうけた録音です。「第20番」は初CD化。録音:1998〜2000年(デジタル:セッション)

315 16452
(14CD)
\12000→¥9990

限定盤
レーガー:『オルガンのための作品全集』
 『バッハのオルガンのための編曲作品全集』 限定盤
ロザリンデ・ハース(フランクフルト, アルビーツ・オルガン)
一人で完結した唯一の「レーガー:オルガン作品全集」【限定盤】
1990年頃に録音された、ロザリンデ・ハースが12枚分の「オルガンのための作品」全曲。そして補完として録音された2枚分の「バッハ編曲作品」全曲をプ加えて完成した限定盤BOXの登場です。現段階においても一人の演奏家によるレーガー:オルガン作品全集はこれが唯一のもの。レーガーの中でも、最も重要なオルガン作品は、自己の感性を忠実に反映しつつ、したたかに投影されるロマン主義的旋律を確立。バッハ的で幾何学的、規則的な古典の約束事を支柱に、細部では新たな素材を使い続けました。高度な技巧でコーティングされた旋律は複雑に感じられますが、爛熟のロマンティシズムと変幻自在に紡ぎ出される音の綾が見事です。録音:1990年頃, フランクフルト 
(デジタル:セッション)

937 12006
(11SACD Hybrid)
\10000→¥8990

限定盤
コフマン/ショスタコーヴィチ:交響曲全集 限定盤
 (交響曲第1番〜第15番)
ローマン・コフマン(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団,
タラス・シュトンダ(Bs),
イノア・タマール(Sp)
チェコ・フィルハーモニー合唱団,
ブルノ・フィル合唱団
コフマンの演奏は、旧ソ連系の緊迫したものとは大きく異なるスタイルながら、大音量時の迫力に頼ることなく、緻密なスコア・リーディングによって、ひとつひとつの音符を大切にしたアプローチが特徴的です。コフマンのショスタコーヴィチに対する思い入れが結晶したその演奏は、力技ではない説得力を持っています。シリーズ一貫して録音技術も優秀なものでした。以前に通常CD盤による限定全集BOXが発売されましたが、今回は見事な録音をより高音質で再生できるよう、ハイブリッドSACD仕様での全集BOXとなります。録音:2002〜2007年, (デジタル:セッション)

MD+G


901 16636
(SACD Hybrid)
\3000→¥2390
ホリガーのメンデスルゾーン交響曲録音!!
 メンデルスゾーン:交響曲第3&4番
  1.交響曲第3番イ短調Op.56《スコットランド》
  2.交響曲第4番イ長調Op.90《イタリア》〔第2稿〕
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
指揮:ハインツ・ホリガー
先日のヘンゲルブロックのメンデルスゾーンには驚き喜んだが、今度はホリガー!
30年以上に渡って蜜月関係を築いてきたホリガーとヴィンタートゥール・ムジークコレギウムの最新盤。メンデルスゾーンの交響曲の中で特に人気が高い2曲のカップリング。全部で第3稿まで残っている《イタリア》は、。 現在最も演奏される機会が多い第2稿によるものです。豊麗なホルンや、ティンパニが透明かつ鮮明かつに浮かび上がるSACDの高音質でお楽しみください。
録音:2010年4月6〜9日 ヴィンタートゥール

904 16996
(SACD Hybrid)
\3000→¥2390
リットナー/ブラームス:ピアノ協奏曲第1番他
 1.ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
 2.間奏曲Op.119‐1
ハーディ・リットナー(1854年製エラール・ピアノ) 
ラルテ・デル・モンド
指揮:ヴェルナー・エルハルト
ヒストリカル・ピアノの響きをいかした数々の成功により、若くして世界的なトップ・ピアニストの仲間入りをしたリットナー。これまでに発表したブラームスのピアノ作品集も好評を博していますが、今回の最新盤には、若書きの傑作ピアノ協奏曲第1番と、最晩年に残した間奏曲をカップリング。ブラームスがちょうどこの協奏曲を書き始めた1854年製エラール・ピアノの美しい響きは必聴です!録音:2011年2月11〜12日 レヴァークーゼン

602 17042
\2300
キューバ国立合唱団/キューバ合唱作品集
 1.R.バレーラ:ババルー・ラ・ハバナ・ビエハ/
 2.同:コノセス・ウン・フエゴ・クエ・ノー・ダー・カラー/
 3.F.フェルナンデス:ヴァーティゴ・デ・ジュビア/
 4.同:ラス・カサス/
 5.O.ヘルナンデス:ラ・ローザ・ロハ/
 6.C.A.カリッロ:グローリア/
 7.同:キリエ/
 8.E.シルヴァ:パラ・ティ/
 9.M.マタモラス:ユラメント・ボレロ・フロム・キューバ/
 10.W.A.カル:ファイヴ・カンシオンズ・パラ・コロ・ミクスト・ア・カペッラ/
 11.R.クラウセン:プレイヤー/
 12.S.ロドリゲス:ヘイ・クワイエン・プレシーザ/
 13:同:ロクラス/
 14.L.ブローウェル:サン・メルセデス/
 15.F.レピラード:チャン・チャン
キューバ国立合唱団
指揮:ディグナ・ゲーラ
ディグナ・ゲーラの提唱で1981年に結成されたキューバ国立合唱団は、ルネサンスから現代、キューバを始めとしたラテン・アメリカ諸国のフォルクローレなど様々な時代やスタイルのレパートリーを持つ集団です。結成30年を迎える今年の2月に収録された当盤には、20世紀から現代を代表するキューバ人作曲家たちの魅力的な合唱作品を多数収録。約20人のコーラス隊が珠玉のアカペラで聴かせてくれています。 録音:2011年2月28日〜3日4日 ハバナ

316 17052
\2300
ベン・ヴァン・オーステン/
 ア・フェスティヴァル・オブ・フレンチ・オルガン

 1.ヴィドール(M.デュプレ編):アメリカ行進曲Op.31/
 2.ピエルネ:3つの小品Op.29/
 3.ギルマン:インヴェンションOp.18‐3/
 4.同:アレグレットOp.19‐1/
 5ジグーウ:スケルツォ/
 6.同:トッカータ/
 7.サン=サーンス(ギルマン編):白鳥/
 8.ボネ:演奏会用変奏曲Op.1/
 9.デュボア:トッカータ/
 10.ボエルマン:組曲第2番Op.27
ベン・ヴァン・オーステン(オルガン/Stahlhuth-Jann de Dudelange)
1955年オランダ・ハーグ生まれのオルガニスト、ベン・ヴァン・オーステン。彼はオルガニストとして活躍する一方、ロッテルダム音楽院の教授も務めており、当レーベルには、ヴィエルヌ全集、フランス・ロマンティック・オルガン作品集、そして全7枚におよぶヴィドール作品などを発表しています。そのエッセンスを集めた当盤には、ヴィドールを始めとした彼のフランス・オルガン作品の十八番をずらり10曲収録!タイトルそのままに、フランス・オルガン作品の祭典を現出しています。録音:2011年4月 デュデランジ

301 5942
\2300
コンソルティウム・クラシクム/2011年5月に逝去した名手クレッカーへのオマージュ
 ベートーヴェン:七重奏曲&六重奏曲

  1.変ホ長調Op.20
  2.変ホ長調Op.81b
コンソルティウム・クラシクム
ドイツのクラリネット奏者&音楽学者ディーター・クレッカーが率いるコンソルティウム・クラシクムのみごとな演奏で聴くベートーヴェンの2つの傑作。2011年5月21日に惜しまれつつこの世を去ったクレッカーの在りし日の名演をお届けします。
録音:1994年9&12月 アーロルゼン

MD+G


937 16876
(3SACD Hybrid)
\6600→¥5990
フランツ・シュレーカー(1878-1934):
 歌劇《狂える炎 (Irrelohe)》(全曲)
ローマン・サドニック(T:ハインリヒ),
インゲボルク・グライナー(Sp:エヴァ),
ダニエラ・デンシュラグ(Ms:ローラ),
マーク・モールーズ(Br:ペーター),
マーク・ローゼンタール(T:クリストバルト), 他
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
クレンペラーが初演したシュレーカーのオペラ
シュレーカーの名声と影響力は、ワイマール共和国初期の数年間に頂点を迎え、当時はR・シュトラウスに次いで最も上演されるオペラ作曲家の一人となりました。このオペラは1923年にオットー・クレンペラーの指揮でケルンで初演されたのですが賛否両論に分かれ、これまでの名声が崩れ始めるきっかけとなったようです。しかしながら、愛の場面の美しい旋律や混沌としたマーラーのような壮大な管弦楽法は、聴きごたえがあります。指揮者のシュテファン・ブルニェーは、1964年にスイスのベルンに生まれ、指揮者としてはオペラ・ハウスを中心にキャリアを重ねながら、ドイツの様々な放送オケの指揮経験も豊富な彼ですが、この作品のロマンティックさを見事に表現れてます。最新の3D録音「2+2+2Recording http://www.222sound.ch/」方式が採用され、壮大なオーケストレーションだけでなく、バンダや合唱、オルガンを立体的に再生することが可能となり、よりライヴの雰囲気を楽しむことができます。ハイブリッドSACD仕様(CD Stereo, SACD Stereo, SACD5.1ch)録音:2010年11月2〜7日,  ボン劇場でのライヴ

648 17192
(2CD)
\2300→¥2090
ゴレンシテイン、ついに超常指揮者の仲間入りか!?
 32分の終楽章(拍手が入ってたらごめん)
  マーラー:交響曲第9番ニ長調
ロシア国立交響楽団(スヴェトラーノフ交響楽団)
指揮:マルク・ゴレンシテイン
 2002年スヴェトラーノフの後任としてロシア国立響芸術監督兼首席指揮者に就任したマルク・ゴレンシテイン。
 間違いなくがんばっているはずなのだが、日本での知名度は決定的に低い。ロシアを代表するオーケストラの一つのトップとして、オーケストラの豊かな伝統を築くとともに、新たな創造性を吹き込んでいるはずなのだが、先代の威光があまりに強すぎるのか。
 しかし2005年には“ロシア連邦政府賞文化部門”、2006/2007シーズンの初めにはロシアで最も権威ある賞“母国功労賞”を受賞、オーケストラと共にロシア大統領から感謝状が授与されたという。さらに2009年2月には京都市響に客演、スクリャービンの交響曲第2番は喝采をもって迎えられた。さらに2011年にはロシア国立響とともにロシア色の充溢する、濃密な響きの強烈な聴き応えを感じさせてくれ、少しずつロシアの新しい巨匠としての風格を得つつある。
 しかしCDが少ない。
 だから結局決定的な知名度を得られない。10年前に「展覧会」を出したときは、「おや、いけるかも」と思わせ、5年前に「ブルックナー交響曲第7番」を出したときは、「おおー、これからはゴレンシテインの時代か」と思わせたが、その後ちらほらオペラを出していたくらいで、いつの間にか完璧に忘れていた。
 そのCD界からはほぼ忘れられた男ゴレンシテインがMD+Gから現れた。
 しかも・・・マーラー。
 しかも交響曲第9番。
 しかも・・・異常に遅いらしい・・・。
 たいていの指揮者は25分程度で終わるが、店主が知るスロー演奏としては、セーゲルスタムが27分、話題のシノーポリ(PROFIL PH07004)が29分半(拍手入り)、エッシェンバッハ&NDRの地獄的演奏が30分半(拍手入り・廃盤)。しかしこのゴレンシテイン、・・・32分・・・(拍手入りか)。なんにしても聴く者になんらかの興奮を与えるであろう異常演奏であることは間違いない。
 ・・・ゴレンシテイン、ついに超常指揮者の仲間入りを果たして人気指揮者に名乗りを上げるときが来たか!?期待しましょう。
録音:2010年2月20日, モスクワ音楽院大ホールでのライヴ  (30:07 / 17:45 / 15:10 / 31:55)


ゴレンシテイン、唯一といっていい
現役シンフォニー・アルバム
Bruckner: Symphony No. 7 in E Major
MELODIYA
MELCD 1000850
¥1800

ゴレンシテイン&ロシア国立響
 ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

マルク・ゴレンシテイン指揮
ロシア国立響
録音:2004年4月9日、モスクワ音楽院大ホール 新生メロディヤによる96kHz/24bitオリジナル・レコーディング。
 スヴェトラーノフと喧嘩別れしてからのロシア国立響は悲惨の一途をたどり、団員は激減、有名指揮者からは演奏拒否を受けるなど、ロシアを代表する演奏団体としての地位からあっという間に陥落した。
 スヴェトラーノフが自らの後継者として、ロシア国立響音楽監督に指名したゴレンシテイン。才気あふれる名指揮者だと思うのだが(SAISON RUSSEのショスタコーヴィチなどとっても素敵)、さすがの彼でもその任は重すぎたか、同オケが一流オケとして浮上することはないかと思われた。
 しかし、今回突然のブルックナー。
 これが今話題らしい。レコ芸でも取り上げられ、伊原啓氏に「このブルックナーはすごい。・・・まさに”lang gezogen”とはこのことかという見事なテンポ運びには鳥肌が立つほどだ。」と「一分の隙もない」正統派演奏として絶賛された。
 かつての轟音撒き散らすスヴェトラーノフ時代の音楽はすでに終焉し、新たなこのオーケストラの歴史が始まりつつあるのかもしれない。


307 17062
\2300
ライプツィヒ弦楽四重奏団
 ハイドン:弦楽四重奏曲集 Vol.4 (太陽四重奏曲集より)

  弦楽四重奏曲第32番ハ長調Op.20-2,Hob.III-32
  弦楽四重奏曲第34番ニ長調Op.20-4,Hob.III-34
  弦楽四重奏曲第36番イ長調Op.20-6,Hob.III-36
ライプツィヒ弦楽四重奏団
バロック的疾風怒濤作品を極めた演奏
世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した当団は、55人の作曲家による約200曲をレパートリーに持ち、録音も30枚以上残している名門中の名門です。そんな彼らが満を持して挑むハイドン全集の第4弾が待望のリリースとなります。収録曲は「太陽四重奏曲集」6曲のうちの3曲で、「疾風怒濤」期最大の成果に数えられる作品です。2番と6番のフィナーレではフーガ形式が採用されバロック様式の積極的な融合が図られているのも特徴的です。これまでの様に正統派の演奏を基本としていますが、1700〜1800年のクラシカル弓のコピーを使用することによって、よりハイドンの意図したであろう音楽の再現も取り入れています。 録音:2010年9月21〜22日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

603 16612
\2300
カール・ライネッケ(1824-1910):チェロ・ソナタ全集
  チェロ・ソナタ イ短調Op.42
  チェロ・ソナタ ニ長調Op.89
  チェロ・ソナタ ト長調Op.238
マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(Vc)
コニー・シー(P)
これぞロマン派の音楽!情熱と歌心がつめこまれた秘曲
ライネッケは作曲者、指揮者、ピアニスト、教育者などとして幅広い分野にわたって活動していました。作曲者としては、シューマンやメンデルスゾーンに近い作風を持っており、美しい旋律が魅力的です。「Op.42」ではメンデルスゾーン風の濃厚な情熱。「Op.89」ではブラームス風の外面の派手さを抑えながら歌心を湛えた作品。「Op.238」では、ブラームスが没した翌年に故人に献呈されたものです。マヌエル・フィッシャー=ディースカウはこのあまり演奏されない作品に注目し、音楽の意図を的確に捉えたロマンティックさとスマートさが見事に融合された演奏です。 録音:2010年11月25〜27日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

606 17082
(2CD)
\3400
J・S・バッハ:オルガン作品集
【Disc1】
 ①前奏曲とフーガ ロ短調BWV.544
 ②前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552
 ③パッサカリア(とフーガ)ハ短調BWV.582
 ④前奏曲とフーガ ハ短調BWV.546
 ⑤前奏曲とフーガ ハ長調BWV.547
【Disc2】
 ①前奏曲(幻想曲)とフーガ ト短調BWV.542
 ②前奏曲とフーガ ト長調BWV.541
 ③コラール「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV.622
 ④コラール「汝の御座の前に、われ進み出で」BWV.668/668a
 ⑤トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV.564
 ⑥前奏曲とフーガ イ短調BWV.543
 ⑦前奏曲とフーガ ホ短調BWV.548
フーベルト・マイスター(マティス・オルガン)
ドイツのオルガン・マイスター、マイスター教授の理論と知性にあふれるバッハ演奏
ドイツの音楽学者でありオルガニストであったフーベルト・マイスター(1938〜2010)が昨年亡くなりました。彼はインスブルック、ローマ、ケルン、ミュンヘンで音楽学、哲学、神学を学び、ミュンヘン音楽大学で音楽理論の教授、レーゲンスブルク教会音楽学校で講師を長年務めてきました。それだけでなく、バッハのオルガン作品の研究や多くの著書、録音などを行ってきました。この録音は、1980年代にMDGよりLPとして発売されたものですが、この録音は当時優秀録音としてオーディオ・ファイル的に高い評価を得ていたアルバムの再発売となります。 録音:1981年 アイヒシュタット・シュットゲン教会、ドイツ(Disc1①〜③), 1983年 ザンクト・ヒラリウス・ネフェルズ・プファール教会、スイス(Disc1④⑤,Disc2⑥⑦), 1985年 リート・イム・インクライス・シュタットプファール教会、オーストリア(Disc2①〜⑤)

MUSICA OMNIA


MO 403
\1600
トリニティ・バロック/J.S.バッハ:モテット全集
 1.第5番《来ませ、イエスよ、来ませ》BWV.229
 2.BWV.118
 3.第1番《主に向かいて新しき歌を歌え》BWV.225
 4.第3番《イエスよ、我が喜び》BWV.227
 5.第6番《主を頌めまつれ、諸々の異邦人よ》BWV.230
 6.第4番《恐れるな、我汝とともにあり》BWV.228
 7.第2番《御霊は我らの弱きを助けたもう》BWV.226
トリニティ・バロック管弦楽団&合唱団
指揮:ジュリアン・ワクナー
”大胆で空気のような”俊英が贈る待望のバッハ!
1969年ハリウッド生まれの俊英ジュリアン・ワクナーが、名門トリニティ・バロックを指揮したJ.S.バッハのモテット全集。通常は真作とされる第1〜6番に、カンタータと称しながらも、事実上はモテットとして扱われているカンタータ第118番《おおイエス・キリスト、私の生命の光》も加えた意欲的な内容です。ワクナーは4 歳からチェロとピアノを始め、聖トマス聖歌隊の少年聖歌隊員としても活躍。1990 年にはボストン大学の礼拝堂聖歌隊の指揮者としてJ.S.バッハから現代音楽までを幅広く演奏し、現地で最も有名な音楽家の一人と称されるまでになりました。「大胆で空気のようだ」とニューヨーク・ タイムズで大絶賛された彼の妙技をお聴き逃しなく!録音:2011年5月30日〜6月2日

MUSICA OMNIA


MO 312
\1600
サスキア・コーレン/テレマン:リコーダー・ソナタ集
 1.ソナタ ヘ長調
 2.ソナタ 変ロ長調
 3.ソナタ へ短調
 4.ソナタ ハ長調
 5.ソナタ ニ短調
 6.ソナタ ハ短調
 7.ソナタ へ短調
サスキア・コーレン(リコーダー)
ペーター・ワッコーン(チェンバロ)
マルグリット・ティンデマンス(ヴィラ・ダ・ガンバ)
リコーダーが得意だったと自叙伝でも述べているテレマンは、この楽器の特性を熟知し、それにふさわしい美しく自然な曲想をつねに念頭に置きながら作曲していたと言われています。オランダのヴィルトゥオーソ、コーレンのリコーダーと、名手ワッコーンのチェンバロ&ティンデマンスのヴィオラ・ダ・ガンバのみごとな掛け合いでお届けします。

MO 211
\1600
アトランティス・トリオ/シューマン:ピアノ四重奏曲他
 1.シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.47
 2.タールベルク:ピアノ三重奏曲イ長調Op.69
アトランティス・トリオ
〔ペネロペ・クラウフォード(フォルテピアノ)
アイント・シュレーダー(チェロ)
ヤープ・シュレーダー(ヴァイオリン)〕
ダニエル・フォスター(ヴィオラ)
「室内楽の年」と呼ばれる1842年にシューマンが残した傑作の一つで、とりわけ美しい第3楽章で知られるピアノ四重奏曲。そして、リストのライヴァル、タールベルクの隠れた名曲であるピアノ三重奏曲をカップリングした1枚。ピリオド奏法に精通したアトランティス・トリオの名演でどうぞ!録音:2008年10月(1)、2006年12月(2)

CAPRICCIO

Motets of the Bach Family
C5060
\2300→¥2090
バッハ一族のモテット集
 1.ヨハン・バッハ(1604-1673):モテット「いざ再び幸あれ」/
 2.ヨハン・クリフトフ・バッハ(1642-1703):「愛する神よ、われらを目覚めさせてください」/
 3.ヨハン・クリフトフ・バッハ:「恐れるなかれ、われ汝とあり」/
 4.ヨハン・クリフトフ・バッハ:「「正しき人は、たとえかりそめに死んでも」/
 5.ヨハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):「イエス・キリストの流した血は」/
 6.ヨハン・ミヒャエル・バッハ:「今やわれ打ち勝てり」/
 7.ヨハン・クリストフ・アルトニコル(1720-1759):「おのが道をゆだねよ」/
 8.ヨハン・クリフトフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795):「私は伏して眠り」W. XV/1, H.100
テルツ少年合唱団/
ニクラス・トリュステッド(ヴァイオリン)/
マーク・ノルドシュトランド(オルガン)/
ゲルハルト・シュミット=ガーデン(指揮)
約150年間に渡る、バッハ一族の活躍の一端を垣間見る1枚です。トラック1は大バッハの父の叔父、トラック2-4は大バッハの父の叔父(1とは違う)ハインリヒ・バッハの子、5-6は大バッハの父の従弟で、最初の妻マリア・バルバラの父、トラック7のヨハン・クリストフ・アルトニコルは、もともとはバッハの弟子で、バッハとアンナの娘エリザベート・ユリアーナ・フリデリーカと結婚し、義母アンナ・マグダレーナとともに平均律クラヴィア曲集第2巻を編集した人。トラック8は大バッハの五男。一族とは言え、やはり各々の作風はとても個性的です。資料的価値の高いこの演奏、テルツ少年合唱団の清冽な歌声でお楽しみください。
Gregorian Christmas
C7066
(2CD)
\2300
グレゴリアン・クリスマス
《CD1.Advent(降臨節)-
 イエス・キリストの降誕を待ち望む期間》
  1.讃歌「輝く実り多き天の創り主」/2-8.降臨節第1週/
  9-11.降臨節第2週/12-18.降臨節第3週/19-27.降臨節第4週/
《CD2.クリスマス》
 1.讃歌「「太陽の昇る地平から」/
 2-13.12月25日キリストの誕生/
 14-16.1月1日クリスマスから8日目/
 17-20.1月6日主の降臨/
 21-22.1月6日その後の日曜日
カントアルテ・レーゲンスブルク/
フベルト・ヴェルテン(指揮)
数あるグレゴリオ聖歌の中でも、とりわけ喜びに満ちているのがこのクリスマス周辺の音楽です。キリストの降誕を待ち望むわくわく感、そして誕生後の歓び、期待など全てが込められています。単旋律なのに、なぜこんなに美しいのか・・・。究極の癒しとしてもどうぞ。
Angel Voices
C7069
(3CD)
\2600
天使の声-少年合唱で聴くクリスマスの音楽集
 《CD1》
  1.メンデルスゾーン(1809-1847):「高き天よりわれは来れり」/
  2.伝承曲:/
  3.ヘルベック(1831-1877):子らよ、ともに歌え/
  4.ラインベルガー(1839-1901):降誕祭のモテットOp.176-7「高き天より滴を降らせよ」/
  5.ヘンデル(1685-1759):メサイアより「ひとりのみどりごがわれわれのために生れた」/
  6.伝承曲:甘き喜びのうちに/
  7.シュッツ(1585-1672):小宗教的コンチェルト集より「御子がわれらに生まれたもうた」/
  8.メンデルスゾーン:ラウダーテ・プエリOp.39-2/
  9.J.S.バッハ(1865-1750):クリスマス・オラトリオより/
  10.レーガー(1873-1916):マリアの子守歌Op.76-52/
  11.ヘンデル:メサイアより「彼はレビの子孫を清め」/
  12.伝承曲:荒野の果てに/
  13.エッカールト(1553-1611):山を越えてマリアが行く/
  14.モーツァルト(1756-1791):ラウダーテ・ドミヌム/
  15.伝承曲: 喜べ、汝ら全てのキリスト教徒/
 《CD2》
  1.J.S.バッハ:その名にふさわしき栄光を/
  2.伝承曲:静かに、静かに聞いてみよう/
  3.伝承曲:羊たちの許で目覚めると/
  4.ヘンデル:メサイアより「主は羊飼いのようにその群れを養い」/
  5.ブラームス(1833-1897):モテットOp.74-2「おお救い主よ、天の扉を開け」/
  6.伝承曲:おお、すべての忠実な崇拝者よ/
  7.J.S.バッハ:汝平和の君、主イエス・キリスト/
  8.シュッツ:小宗教的コンチェルト集より「今日キリストはうまれた」/
  9.プレトリウス(1571-1621):羊飼いたちはみ使いらの歌/
  10.ハイドン(1737-1806):聖なる夜/
  11.ヒンメル(1765-1814):天使の翼で聖なる夜を/
  12.ヘンデル:メサイアより「主の栄光がこうして現れるのを」/
  13.パッヘルベル(1653-1706):主はわたしの忠実な牧者である/
  14.メンデルスゾーン:3つの教会音楽Op.23-2「アヴェ・マリア」/
  15.サン=サーンス(1835-1921):クリスマス・オラトリオOp.12より/
 《CD3》
  1.ヘンデル:メサイアよりハレルヤ・コーラス/
  2.伝承曲:一輪のばらが咲いて/
  3.伝承曲:牧人ひつじを/
  4.J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオより/
  5.メンデルスゾーン:モテットOp.39-1「ヴェニ・ドミネ」/
  6.伝承曲:シオンの娘よ、汝を飾れ/
  7.ヘンデル:もろびとこぞりて/
  8.グリーグ(1843-1907):アヴェ・マリス・ステラEG 150/
  9.J.S.バッハ:おおいとしきみどり児、やさしきイエスBWV 493/
  10.シュッツ:小宗教的コンツェルト集より「恩寵に満ちためでたしマリア」/
  11.ヘンデル:マカベウスのユダより「シオンの娘」/
  12.エッカールト:喜びについての喜び/
  13.サン=サーンス:クリスマス・オラトリオより/
  14.ヘンデル:メサイアより「パイファ-羊飼いたちが夜、野宿しながら」/
  15.グルーバー(1787-1863):清しこの夜
ドレスデン聖十字架合唱団/
聖トーマス教会少年合唱団/
ウィーン少年合唱団/
レーゲンスブルク大聖堂少年合唱団/
ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団/
テルツ少年合唱団 他
少年合唱を中心とした美しい響きで聴くクリスマスにちなんだ音楽集です。ドイツ周辺の伝統ある少年合唱団の層の厚さをしみじみ感じさせてくれる1セットで、メサイアのような荘厳な曲から素朴な伝承曲まで、彼らの清らかな声は、どんな時でも聞き手の心にまっすぐ届きます。

CPO


777571-2
\2600
フランチェスコ・ドゥランテ:ナポリのクリスマス音楽集第1集
 1.イエス・キリストの誕生を祝すための牧歌的モテットト長調/
 2.4声のマニフィカト変ロ長調/
 3.賛美された聖母マリアのためのリタニーヘ短調/
 4.4声のマニフィカトハ短調/
 5.キリエ-グローリア・ミサ「田園にて」イ長調
ロバート・マメリ(ソプラノ)/
ウルズラ・エィッテンガー(メゾ・ソプラノ)/
アンドレアス・ポスト(テノール)/
シュテファン・マックロード(バス・バリトン)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
イタリア後期バロック時代の作曲家ドゥランテ(1684-1755)は、シチリア王国のフラッタマッジョーレに生まれ、幼い頃から音楽教育を受け、アレッサンドロ・スカルラッティをはじめとした多くの音楽家から教えを受けたとされますが、あまり詳しいことは分かっていません。ただ、偉大なる教師であったことと、18世紀前半のナポリにおいて、最も偉大な教会音楽作曲家のひとりであったことは間違いないようです。彼のクリスマス音楽は、ナポリの伝統的な形式を順守したカンタータとモテットで、当時としては、明るさの中に少しだけ感傷的な雰囲気を持ち込んだことでも高く評価されました。中でも変ロ長調のマニフィカトは、最も愛されていた作品の一つで、19世紀になっても、頻繁に演奏されていました。
777638-2
\2600
リヒャルト・ヴェッツ:古いドイツ語の詩によるクリスマス・オラトリオOp.53 マリエッタ・ツムブエルト(ソプラノ)/
マーテ・ショーヨム= ナギ(バス)/
エアフルト・ドンバーグ合唱団/
エアフルト・フィルハーモニシャー合唱団/
チューリンゲン・カンマーオーケストラ・ワイマール/
ゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒト(指揮)
いくつかの交響曲で知られるヴェッツ(1875-1935)のクリスマス・オラトリオです。生まれた時代は後期ロマン派に属するものの、「目指したのはブルックナーやワーグナーであっただろう」と想像させる作風が持ち味のヴェッツ。ここでもその方向性は変わることがありません。この作品は1927年から1929年の2年間に渡って書かれ、1929年12月3日に彼自身の指揮で初演されました。その後、ドイツの各都市で演奏されましたが、1945年以降は忘れ去られてしまい、一切演奏の記録はありません。cpoは今までにもヴェッツの作品を取り上げていますが、作曲家の没後75周年に、このオラトリオを録音することで、一層認知度を深めることに成功したといえるでしょう。用いられているテキストや、随所に認められる見事な対位法の処理など、聴きどころ満載。ブルックナー好きはもちろんのこと、典礼音楽好きの方にもたまらない贈り物と言えそうです。
777402-2
\2600
ゲオルグ・フィリップ・テレマン:管楽器のための協奏曲集第6集
 1.フラウト・トラヴェルソ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ロ短調 TWV 51:h1/
 2.2つのフルート、ファゴット、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV 53:D1/
 3.オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲イ短調 TWV 51:a1/
 4.2つのオーボエ、ファゴットと
  弦楽、通奏低音のための協奏曲ハ長調「フランス風」TWV 53:C1/
 5.フルートと弦楽、通奏低音のための協奏曲「ポロネーズ」ニ長調TWV 51:D3/
 6.2つのリコーダーと弦楽、通奏低音のための協奏曲変ロ長調 TWV 52:B1/
 7.2つのホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ヘ長調 TWV 52:F3
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
カメラータ・ケルン(TWV 51:D3)/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
テレマン(1681-1767)の膨大な作品を整理し、その素晴らしい旋律美と見事な対位法の技術を再認識するためにと企画されたこのシリーズも第6集となりました。今回もシュナイダーによる統率の取れた演奏と、オリジナル楽器による自然な響きでこれらの名作をお聴きいただけます。テレマンはイタリアやポーランド、フランスの舞曲を自らの音楽様式に積極的に取り入れたことでも知られますが、この曲集に収録されたいくつかの作品にも、その傾向は顕著に表れています。タイトルに「フランス風」や「ポーランド風(ポロネーズ)」と記されたものはもちろんのこと、他の曲も、イタリア風の華麗な妙技を誇るものや、品のよいフランス風の味付けを施された小粋なものばかり。

777683-2
\2600
アンジェイ・パヌフニク:交響的作品集第4集
 1.交響曲第2番「悲歌の交響曲」/
 2.交響曲第3番「神聖な交響曲」/3.交響曲第10番
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団/
ルーカス・ボロヴィツ(指揮)
ワルシャワで生まれ、パリ、ウィーンで学びロンドンで生涯を終えた作曲家パヌフニク(1914-1991)。cpoからは、これまでに3枚の管弦楽作品のリリースがあり、そのどれもが世界中で高い評価を受けています。今作は今までのポーランド放送管弦楽団ではなく、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団による演奏で、今までとは違った趣きが楽しめること間違いありません。交響曲第2番は1957年に書かれたもので、1942年のワルシャワ蜂起における犠牲者の為に書かれた鎮魂のための交響曲です。初期の作品ということもあり、まだまだ調性に支配されたどちらかというと古典的な作品です。第3番は最もよく演奏される曲で、宗教心と愛国心に満ち、現代的な響きの中に驚くほどの清冽な表情が見える特異なものです。1988年に作曲された第10番はシカゴ交響楽団の創立100周年とゲオルク・ショルティへのための委嘱作品で、凝縮された内容を持つ15分程度の短い交響曲です。

777546-2
\2600
グロスファーナー・コレクションからのソプラノ・カンタータ集
 1.ヨハン・ハインリヒ・ブットシュテット(1666-1727):それは我が喜び/
 2.ゲオルク・フリードリヒ・クエンステル(1699-1700頃に活躍):
  私は罪におびえたい/
 3.ヨハン・ハインリヒ・ブットシュテット:食事の準備ができている/
 4.ヨハン・パッヘルベル(1653-1706):私の肉体は正しい食物/
 5.ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):
  味わう、そして見るTVWV 7:32/
 6.ゲオルク・フィリップ・テレマン:
  私は願う-あなたはとても優雅です TVWV 1:deest/
 7.ゲオルク・フィリップ・テレマン:神のみわざは善きかなTVWV 1:1526/
 8.ヨハン・トップ(1700年頃):神よ、あなたはわが神
マリア・ヨナス(ソプラノ)/
Chursaechsische Capelle Leipzig
チューリンゲン州は、ドイツを構成する16の連邦州のひとつです。この中の小さなコミュニティであったグロスファーナーには、600を超える教会音楽の写譜があります。これらは、17世紀から18世紀にかけてザクソンの教会で音楽監督を務めたエイブラハム・ネーゲルのコレクションであり、中部ドイツ、またはその近隣の町で演奏された教会音楽が広く含まれているものです。その中にはJ.S.バッハの作品や、パッヘルベル、テレマンの作品から、今では名も忘れられてしまったような作曲家の作品まで様々で、当時の人気の曲は、宮廷の枠を越えて演奏されていたことがよくわかるというものです。ソプラノのマリア・ヨナスが8曲のカンタータを選び、当時の雰囲気を感じさせる素晴らしい演奏を聴かせます。

777712-2
\2000
ゲオルク・シューマン:ピアノ三重奏曲集
 1.ピアノ三重奏曲第1番Op.25/
 2.ピアノ三重奏曲第2番Op.62
ミュンヘン・ピアノ三重奏団
同じファミリー・ネームではありますが、このゲオルク・シューマン(1866-1952)は、かのロベルトの子孫ではありません。しかし、音楽的な家庭に生まれたゲオルクも、若い頃からコンチェルトを楽々演奏するほどの才能あるピアニストに育ち、その音楽的才能を嘱望されたのです。とはいえ、彼はソロストとしての活動には興味を持たず、学友たちと室内楽を演奏することを好み、また、生涯を通じて室内楽の作曲に力を注いだのです。この第1番のピアノ三重奏曲は、彼がブレーメンで指揮者として経験を積んでいた頃の作品で、若々しい情熱に満ちた楽想を持っています。第2番は1916年頃の作品で、後期ロマン派の特徴を前面に押し出した濃厚な作風となっています。

777253-2
\2000
フェリックス・ワインガルトナー:弦楽四重奏曲集第3集
 1.弦楽四重奏曲第2番Op.26/
 2.弦楽四重奏曲第4番Op.62
ザラストロ弦楽四重奏団
今では指揮者として知られるワインガルトナーの作曲家としての足跡を辿るcpoのシリーズ、今回は弦楽四重奏曲の第3集です。ここで注目したいのは、ワインガルトナー(1893-1942)が自身の弦楽四重奏曲第1番と第2番を献呈したというヴァイオリニスト、カール・ハリジュ(1859-1909)で、彼はヨアヒムに学び、ベルリン芸術大学の教授を務め、ヨアヒムやゲオルク・シューマンと弦楽四重奏団を結成し、その後、自らの名前を冠した弦楽四重奏団も結成しました。そのハリジュ弦楽四重奏団による第1番の初演の模様を後にワインガルトナーが記していますが、どうもあまり良い印象は得られなかったようです。ハリジュの演奏もイマイチだったのかもしれませんが、何より曲が暗すぎて、彼が示唆した恐怖を聴衆が理解しきれなかったというあたりが本当のところでしょうか。そんなワインガルトナー、1917年に作曲された第2番と第4番の弦楽四重奏曲は、もっと耳に優しい響きを持っていて、ベートーヴェン、シューベルトから連なる伝統に則った堅固な作風を有しています。

CPO

Baroque Music from Ecuador
777568-2
\2000
エクアドルのバロック音楽
 1.J.ホルトゥノ:Vamos todos a ver/
 2.作者不詳:Oy nuestra Reyna del cielo/
 3.作者不詳:Muy hermosa es Maria/
 4.作者不詳:Una tonadilla nueva!/
 5.作者不詳:Sagales a prisa/
 6.作者不詳:Atencion a la fragua amorosa/
 7.G.F.ヒダルゴ:Salve Regina/
 8.作者不詳:Cancion de un negro al Nino Dios/
 9.作者不詳:Curi muyito/
 10.M.ブラスコ:De uno en uno vayan entrando/
 11.M.作者不詳:El negro Jose/
 12.作者不詳:Oygan que da/
 13.M.ブラスコ:Ventezillo traviesso/
 14.M.ブラスコ:La chacona mepiden, vaya/
 15.作者不詳:Ese viril con pan/
 16.G.ピラーホ:Al sol de la tierra y el cielo/
 17.作者不詳:Tono triste para oracion/
 18.作者不詳:Cancion de una pastorita al Nino Dios
  ※世界初録音
アンサンブル・ビランチコ/
ペーター・ポントヴィク(指揮)
通常、バロック音楽とはイタリアで発祥し、ヨーロッパ(ドイツ、フランス、せいぜいスペイン)で花開いた文化だと考える人が多いのではないでしょうか?しかし、音楽というものが世界中に存在する以上、南アメリカのエクアドルに「バロック音楽」があっても全く不思議ではありません。なぜなら、この地は16 世紀の初頭にスペインの植民地となり、言語、文化などが流入、また、疫病などで急激に減少したインディオによる労働力を補うため、アフリカから黒人が連れて来られるなど、混在した民族の興味深い交流があったからです。これら17 世紀に作られたほとんどの曲は作者が不明ですが、何とも華やいだ祝歌や、シンプルなメロディが賑やかく味付けされた数々の歌からは、芳醇な文化の香りが感じられます。
777417-2
\2600
パウル・ベン=ハイム:交響曲第1 番他
 1.交響曲第 1 番 Op.25/
 2.イスラエルへのファンファーレ/
 3.バッハのコラール第93 番「ただ愛する神の摂理にまかす者は」による交響的変容
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー/
イスラエル・イーノン(指揮)
ドイツで生まれたユダヤ人パウル・フランケンブルガー(1897-1984)は1933 年、ナチスの台頭でパレスティナに移住。パウル・ベン=ハイムとして、この地方の民族音楽を基礎に作曲を始めます。その後、イスラエル共和国が樹立すると、この国の作曲界の指導的役割を果たしました。彼は若い頃、ワルターとクナッパーツブッシュの助手を務め、1924 年からアウグスブルク歌劇場で指揮者となります。当時既に多くの曲を書いていた彼ですが、ナチスの台頭に伴って、イギリスからの要請を受け、パレスチナへと向かいます。ここで名前をヘブライ語に改め、再び作曲家として活躍することになったのでした。1939 年から1940 年に書かれた最初の交響曲は、イスラエル交響楽団のために書かれたもので、伝統的な手法を用いながらも、戦争の重苦しい気分が漲る堂々たる作品です。
777426-2
(2SACD-Hybrid)
\4000
ヴィルヘルム・ステーンハンマル:弦楽四重奏曲集第 3 番-第6 番
 1.弦楽四重奏曲第 3 番ヘ長調 Op.18/
 2.弦楽四重奏曲第 4 番イ短調 Op.25/
 3.弦楽四重奏曲第 5 番ハ長調 Op.29/
 4.弦楽四重奏曲第 6 番ニ短調 Op.35
オスロ弦楽四重奏団
ドイツで学び、スウェーデン民謡とワーグナー風味を程好くMIX させた劇音楽で大成功、20 世紀初頭のスウェーデン音楽界の中心的人物となったステーンハンマル(1871-1927)。しかし現在では、彼の室内楽作品はほとんど聞かれることがありません。彼は、最初は後期ロマン派風の作品を書いていたものの、1910 年頃を境に、より透明で民族的要素を深めた作品に着手するようになります。このアルバムに収録されている弦楽四重奏曲は、第3 番と第4 番が後期ロマン派風に属しますが、第5 番と第6 番は新しい構想のもとで作られた曲であり、その変化が緩やかに聴き取れるのではないでしょうか?とにかく美しく清冽な作品です。
777567-2
(SACD)
\3000
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ:管弦楽作品集
 1.三部作 Op.19/
 2.エットーレ・ティトの歌によるアラベスク Op.22/
 3.ディヴェルティメント Op.20/4.ヴェネチア組曲 Op.18
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
父がドイツ人、母はイタリア人。初期はドイツ風な室内楽を書き、やがてオペラ・ブッファの精神を生かした喜劇で大成功したという、まさに「良いとこどり」の作曲家ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)。現在、彼の名前は「マドンナの宝石」の間奏曲でのみでしか知られていないのは残念でたまりません。彼はプッチーニやR.シュトラウスにも匹敵するほどの優れたオペラを書いたのですが、第一次世界大戦で精神的ダメージを受けてしまい、一時期創作意欲を失くしてしまったようです。その後、立ち直った彼は、オペラよりもここに収録されているような管弦楽作品に力を注ぐようになります。美しい音楽の中に、ひっそりと見え隠れする陰鬱な表情は、これらの味わいを複雑で深いものにしています。
777201-2
\2000
フリッツ・フォン・ボーゼ:ピアノ作品集
 1.組曲第 2 番 Op.20/2.3 つの小品 Op.10/
 3.エレジー Op.21-1/4.主題と変奏 Op.17/5.組曲第 1 番 Op.9
アレクサンドラ・エーラー(ピアノ)
「ライプツィヒのブラームス」と称されたザクソン生まれの作曲家フリッツ・フォン・ボーゼ(1865-1945)のピアノ作品集です。彼はライプツィヒ音楽院でM.レーガー、K.シュトラウベなど著名な教師に学び、私的にライネッケにも師事、まずはコンサート・ピアニストとして華々しいデビューを飾りました。同時に室内楽伴奏ピアニストとしての腕も磨き、1912 年からはライプツィヒ音楽院で教授も務めています。1932 年に教授職を退き、その後は静かな余生を送りました。そんな彼の40 作ほどの作品は、孫娘であるエリカ・フォン・ボーゼが編纂し、現在に伝えられています。その中から、彼の特徴が捉えられた作品を選んでこのアルバムが作られています。
777503-2
\2000
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ:弦楽四重奏曲集第 1 集
 1.弦楽四重奏曲第 2 番イ短調 Op.13/
 2.弦楽四重奏曲第 6 番ヘ短調 Op.80
ミンゲ弦楽四重奏団
ピアノ曲からオペラまで、幅広いジャンルの作品を書いたメンデルスゾーン(1809-1847)。6 曲ある弦楽四重奏曲は多くの作品の中でも最高峰に位置する作品と言っても過言ではありません。12 歳の時に既に弦楽四重奏のための「12 のフーガ」を作曲し、その後も10 代でいくつもの室内楽作品を書いていたメンデルスゾーン。その多くは、姉ファニーを含む仲間たちと演奏するためのものでしたが、18 歳で書かれた第2 番は、とりわけ完成度が高く、ベートーヴェンの伝統を受け継ぎつつ、新しい時代を感じさせる素晴らしい出来栄えです。彼の最後の弦楽四重奏曲は、姉の死にショックを受けて書かれた「レクイエム」で、間近に迫った自らの死の予感も感じさせる激しい悲しみに満ちた曲です。なお、cpo は、メンデルスゾーンの室内楽全集を目論んでいます!
777228-2
\2600
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル:作品集
 1.カンタータ:アポロとダフネ「地は解き放たれた」 HWV 122/
 2.合奏協奏曲 Op.3-2 変ロ長調 HWV 313/
 3.序曲変ロ長調HWV 336/
 4.組曲変ロ長調 HWV 352&ト長調 HWV 353「変容したダフネ」/
 5.組曲変ロ長調 HWV 354「幸福なフロリンダ」/
 6.歌劇「テレプシコーレ」よりシャコンヌ HWV8b
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)…ダフネ/
ドミニク・ヴェルナー(バス・バリトン)…アポロ/
カントゥス・フィルムス・コンソート/
アンドレアス・ライズ(指揮)
著作権などないヘンデル(1685-1759)の時代は、新作を作る際、自作や他人の作品の流用は当たり前でした。また、一度上演したオペラやカンタータも、歌いやすいように改竄したり、序曲がどこかに行ってしまったりと、きちんと管理するということはあまり考えられない「のどか」な時代だったことは間違いありません。このアルバムは、1709 年頃(1706 年という説もあり)にミラノで作曲されたカンタータ「アポロとダフネ」と、それにまつわる(であろう)作品です。もともとは「ダフネ」という一つのオペラとして書かれたものですが、2 つに分割され、その後は楽譜も紛失してしまったため、概要が不明となってしまいました。関係ありそうな曲として挙げられるのが、ここに収録された4 つの作品です。最後のシャコンヌは、「ラダミスト」など色々な作品に登場する愛すべき曲ということで。

DACAPO


8.206002
(3CD、1SACD、2DVD…6枚組)
\4000→¥3690
カール・ニールセン:作品集第1集…管弦楽作品集
《DISC 1…8.224126(CD)》
 1-4.交響曲第3番ニ短調「広がり」Op.27/
 5-8.交響曲第2番ロ短調「四つの気質」Op.16
《DISC 2…8.224156(CD)》
 1-4.交響曲第4番「滅ばざるもの」Op.29/
 5-10.交響曲第5番Op.50
《DISC 3…8.224169(CD)》
 1-4.交響曲第1番ト短調 Op.7/
 5-8.交響曲第6番「素朴な交響曲」
《DISC 4…6.220518(SACD)》
 1.歌劇「仮面舞踏会」FS.39より「序曲」/
 2.歌劇「仮面舞踏会」FS.39より「コッケレルの踊り」/
 3.劇音楽「領主オールフは馬を駆り」FS.37より「前奏曲」/
 4-8.メロドラマ「スネフリズ」組曲 FS.17/
 9.歌劇「サウルとダヴィデ」FS.25より第2幕の前奏曲/
 10.狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想の旅行」FS.123/
 11.劇音楽「ヴィレモエス」FS.44より第3幕の前奏曲/
 12.パンとシリンクスOp.49より「田園の情景」/
 13.劇音楽「アモルと詩人」Op.54より「序曲」/
 14.序曲「ヘリオス」Op.17
《DISC 5…2.110403(DVD)》
 1.交響曲第1番/
 2.交響曲第2番「四つの気質」/3.交響曲第3番「広がり」
《DISC 6…2.110404(DVD)》
 1.交響曲第4番「滅ばざるもの」/
 2.交響曲第5番/3.交響曲第6番「素朴な交響曲」
デンマーク国立交響楽団/
《DISC 1》
 インガー・ダム=イエンセン(ソプラノ)…1-4/
 ポウル・エルミング(テノール)…1-4/
《DISC 2》
 ニール・トムセン(クラリネット)/
 トム・ニブエ(スネア・ドラム)/
《DISC 1-3,5-6》
 ミハエル・シェンヴァント(指揮)/
《DISC 4》
 トマス・ダウスゴー(指揮)
デンマークが誇る大作曲家、カール・ニールセン(1865-1931)の集大成となる作品集第1集。DACAPOレーベルの威信をかけての登場です。
管弦楽作品集は、名指揮者シェンヴァントの演奏を中心に。初期は後期ロマン派の影響を受け、少しずつ調性から脱却、印象主義、多調、半音階進行などの20世紀手法を取り入れながら、独自の路線を模索したニールセンの変遷と進化がよくわかるのではないでしょうか?
名演の誉れの高い交響曲全集については、CDとDVDの録音の違いをじっくり楽しむことが可能です。マニアならずとも手元に置いておきたい愛蔵盤です。
録音&収録 デンマーク放送コンサート・ホール 1999年5月〜2006年9月…CD,2000年11月2.4日…DVD ライブ収録

LPO

Jukka-Pekka Saraste conducts Sibelius & LutosBawski
LPO-0057
\2400→¥1790
サラステ&ロンドン・フィル
 シベリウス:交響詩「ポヒョラの娘」/ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
  1.シベリウス(1865-1957):交響詩「ポヒョラの娘」Op.49/
  2-4.シベリウス:交響曲第5番変ホ長調 Op.82/
  5-7.ルトスワフスキ(1913-1994):管弦楽のための協奏曲
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)
サラステがじわじわと往年の活躍を見せ始めた。今回は十八番のシベリウスと、ルトスワフスキという何とも興味深い1枚。
「ポヒョラの娘」はシベリウスの作品の中でも壮大で、また物語性をはっきり打ち出したこの音楽であり、12分程度の短い中に内容がぎっしり詰まっていることで知られています。このサラステの演奏、お楽しみのクライマックスの部分が若干押さえ気味で、「もう少し激しくても」と思ってしまうのですが、そこに至るまでの弦、管の絡みの幽玄なる美しさは一聴の価値ありです。交響曲第5番についても、金管の咆哮などが影を潜めた渋いもので、よくある「熱く激しい演奏」とは一線を画した演奏と言えるでしょう。ルトスワフスキでは精緻なスコア再現が楽しめ、曲の流れが自然に納得できるという、この曲の特徴である「複雑さ」が良く理解できる名演です。
録音 ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール 2008年2月20日…5-7, 2008年10月15日…1-4

NAXOS 1CD¥1100


8.572705 
インキネン/シベリウス交響曲全集完結!
 シベリウス:交響曲第6番&第7番他
  1-4.交響曲第6番二短調 Op.104/
  5.交響曲第7番ハ短調 Op.105/
   6.フィンランディアOp.26
ニュージーランド交響楽団/
ピエタリ・インキネン(指揮)
フィンランド気鋭の若手指揮者、ピエタリ・インキネンによるシベリウス(1865-1957)交響曲全集も、こちらの第6番と第7番で完結となります。1914年に着想された第6番は、ほぼ9年という長い期間を経て、簡潔な構造と、深い思索に満ちた交響曲として生を受けました。当時宗教音楽を研究していたシベリウスらしく、ドリア旋法なども使われた荘厳な佇まいが魅力です。第7番はシベリウスの最後の交響曲で、単一楽章(およそ20分程度)という短い作品ながら、凝縮されたソナタ形式で書かれていて、途中幾度かのクライマックスを挟みながら、最後はこの世に決別するかのようにさりげなく終わります。インキネンの指揮は、極めて決然としたもので、シベリウスのエッセンスを一切の夾雑物なしに感じさせてくれる良い演奏です。現実に引き戻してくれるかのような「フィンランディア」も熱演です。



インキネン/シベリウス交響曲全集
第1〜3弾

8.572305
¥1100
シベリウス:交響曲第 1 番・第3 番
 1-4.交響曲第 1 番ホ短調 Op.39/
 5-7.交響曲第 3 番ハ長調 Op.52
ニュージーランド交響楽団/
ピエタリ・インキネン(指揮)
日本でもおなじみ、ピエタリ・インキネンによるシベリウス(1685-1957)。いよいよ交響曲の登場です。まずは第1 番からお聴きください。いつものような透明感溢れるオーケストラの響き、そして湧き上がるような感情の迸り。まさに「これは名演だ」と心から叫ばずにいられません。1899 年に書かれた第1 番は、表題こそ付いてないものの、終楽章には「幻想風に」と記されていたりと、かなり物語性を帯びた曲です。誰もが想像する北欧の大自然を音にすればこんな感じで間違いないでしょう。インキネンは曲の随所にメリハリを持たせ、テンポ良く進めていきます。そして、金管を思い切り歌わせ、弦を可能な限りまで揺らめかせ、シベリウスをこれ以上ないほどに丁寧に表現しています。もっと簡素な趣きを持つ第3 番では、爽やかな風を思わせる第1 楽章で始まり、曲の最後まで緊張感が途切れることがありません。全集完成が本当に楽しみです。

8.572227
¥1100
シベリウス:交響曲第 4 番・第5 番
 1-4.交響曲第 4 番イ短調 Op.63/
 5-7.交響曲第 5 番変ホ長調 Op.82
ニュージーランド交響楽団/
ピエタリ・インキネン(指揮)
 当盤に収録されているのは、最も曲想が晦渋な第4 番と祝祭的な雰囲気に満ちた第5 番です。
 1911 年に完成された第4 番は、当時体調不良を訴えていたシベリウスの気分がそのまま反映された作品。寒々とした荒涼な風景の中をよぎる一抹の風のような不気味さが見え隠れします。
 一転1915 年に作曲された第5 番は彼の50 歳の誕生日の祝賀式典に演奏するために書かれた曲。春の訪れを感じさせるような暖かさを抱いています。
 対称的な2つの作品を、インキネンは見事に描き分けています。

8.572704
¥1100
シベリウス:交響曲第2番・カレリア組曲
 1-4.交響曲第2番ニ長調 Op.43/
 5-7.カレリア組曲Op.11
 <間奏曲/バラード/行進曲風に>
ニュージーランド交響楽団/
ピエタリ・インキネン(指揮)
 インキネンとニュージーランド交響楽団によるシベリウス交響曲集、美しいジャケットが評判です。今回は第3弾、いよいよ第2番が登場。
 交響曲第2番はシベリウス(1865-1957)の全作品の中でも最も人気の高い1曲。幻想的な第2楽章、荒々しく流動的な第3楽章を経て、感動的な終楽章へと曲は進みます。
 インキネンの指揮は、これまで通り、スタイリッシュな演奏かと思いきや、想像以上に重厚な響きと、ゆったりした流れに終始しています。終楽章の爆発的な機動力は圧巻。過去の名指揮者たちの解釈にひけをとりません。
 「カレリア組曲」はフィン人発祥の地の伝説や音楽を基にした作品です。当初劇音楽として創案、初演されましたが、評判がよくなかったため、序曲と、3曲からなる組曲の2つの作品として出版され、現在は人気作となっています。メリハリのある曲想が魅力です。



8.572788
リムスキー=コルサコフ:スペイン狂詩曲他
 1-5.スペイン狂詩曲Op.34/6.歌劇「五月の夜」序曲/
 7.歌劇「皇帝の花嫁」序曲/8.3つのロシアの主題による序曲Op.28/
 9.歌劇「プスコフの娘」序曲/10.ドゥビヌシカOp.62/11.ロシアの復活祭序曲Op.36
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
シェエラザード(8.572693)に続く、シュワルツとシアトル交響楽団のリムスキー=コルサコフ(1844-1908)作品集の第2弾です。
これらの作品、既にNAXOSに録音があるのですが、いかんせん十何年も前のもの。そろそろ新しい録音で聴きたいと思っていた方も多いのではないでしょうか?このシュワルツの演奏、まさに申し分のないもので、痒いところに手が届くかのような素晴らしいリムスキー・コルサコフを聞かせています。中でも聴きものは「スペイン狂詩曲」でしょう。スペイン民謡とロシア音楽の融合から生まれたこの作品、切れ目のない5楽章形式で書かれています。ホセ・インセンガが編纂した「スペイン民謡集」のメロディがそのまま使われていて、元はヴァイオリン協奏曲として創案されたという通り、ヴァイオリンが大活躍するという興味深いものです。精緻なオーケストレーションと狂おしいまでのスペイン情緒は、この曲を一度聞いた者を虜にするだけの吸引力を備えています。他の序曲や管弦楽作品も大迫力で聴き手に迫ります。ロシア音楽の楽しみがここにあります。

8.572685
セイラー(1957-):スナーク狩り他
 1-8.スナーク狩り
  (上陸/ベルマンの演説/ベイカーの物語/狩り/ビーバーの授業/
  簡潔なスナークエストラルの爆発Ⅰ/簡潔なスナークエストラルの爆発Ⅱ/消失)/
 《ヴィンテージ・サイレント・フィルム・コメディへの新しい音楽》
 9.カルッツォ(1980-):盗品/10.セイラー:宣伝料/
 11.シンプソン(1967-):たくさんのママ
カンターテ・チェンバー・シンガーズ…1-8/
ホルトン=アームズ・ロウアー・スクール合唱団…1-8/
スナーク・ピット=バンド…1-8/
ジゼル・ベッカー(指揮)…1-8/
スナーク・アンサンブル…9-11
このタイトルにある「スナーク狩り」というのは、ルイス・キャロルの伝説的な作品です。白紙の海路図に導かれ海を渡り奇妙な島にやって来た探検隊の一行。彼らは伝説の生き物「スナーク」を捕まえるのを目的としています。しかし、その捕まえたスナークが“”ブージャム”だったとしたら、発見者は突然消えてしまうというのです。何とも不可解で意味不明な長編詩。真の意味を知っているのはキャロルだけでしょう。ちなみにキャロルは、「そのスナークはブージャムだった」という最後の1行からこの詩を書き始めたといいます。
この理不尽なお話にセイラー(1957-)が付けた音楽がこれまた秀逸。珍しい楽器を使うのが好きな作曲家で、この録音のために彼自身がバンドを結成したほどです。ルイス・キャロルの不思議な世界をそのまま音楽にした・・・といっていいと思います。
「サイレント・フィルムへの新しい音楽」がこれまた楽しいもので、ピンクパンサーの音楽をもっと発展させたような爽快感があります。
「面白い1枚」として認定します。

8.572525
アルヴォ・ペルト:ピアノ作品集
 1-2.ピアノ・ソナチネOp.1-1/3-5.ピアノ・ソナチネOp.1-2/
 6-9.パルティータOp.2<トッカーティナ/フゲッタ/ラルゲット/オスティナート>/
 10-15.アリヌシュカの回復による変奏曲/16.アリーナのために/
 17.アンア・マリアのために…世界初録音/18-27.ラメンターテ
ラルフ・ファン・ラート(ピアノ)/
オランダ放送室内フィルハーモニー…18-27/
ジョアン・ファレッタ(指揮)…18-27
「現代人の心の癒し」として、その作品が幅広い人気を得ている現代作曲家アルヴォ・ペルト(1935-)。しかし、このアルバムから最初に聴こえてくるのは、メカニカルで他動的な音楽です。そんな「ソナチネ」は1950年代の終わり、彼が20代の頃の作品でした。しかしその作風はソヴィエト政府の怒りを買う事になり、模索を重ねた結果、彼は「西洋音楽の根底」へ回帰することとなります。使われる音符は少なくなり、リズムは単純になっていきます。
そして「アリーナのために」では無調も捨て去り、2006年の「アンナ・マリアのために」ではまるでモーツァルトか、リチャード・クレイダーマンのピアノ曲のような明快さを得ています。
2002年に書かれた「ラメンターテ」はインドのアーティスト、A.カプーアの彫刻「Marsyas」にインスパイアされた作品で、ここでは、いつもの静謐なペルトだけではなく、激しい音の応酬も聞こえてくる音による記念碑です。

8.572409
マリピエロ:自然の印象・間隔と静寂
 1-3.自然の印象Ⅰ/4-6.自然の印象Ⅱ/7-9.自然の印象Ⅲ/
 10.間隔と静寂Ⅰ/11-15.間隔と静寂Ⅱ ※世界初録音…2.4-9.11-15
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
最近人気急上昇中のイタリアの近代作曲家マリピエロ(1882-1973)。このアルバムは、いくつかの世界初録音を含む彼のカタログの隙間を埋める貴重なものとなっています。自然の印象三部作の第1番は、まだ印象派の影響が見て取れる色彩的な曲。ドビュッシーを思わせる柔らかい和声も聞こえてくる美しい作品です。1914年から15年作曲の第2番は荒々しさが加わり、何とも生命力溢れる曲となっています。そして第3番は1921年から22年に作曲されたもので、中でも「カプリのタランテラ」はストラヴィンスキーとまでは言わないものの、命の根源に迫るかのような激しさも見せてくれます(とはいえ、レスピーギにも近いかも)。象徴的なタイトルを持つ「間隔と静寂」も幽玄な作風が見られ、とりわけ第1番の静けさと力強さの対比は見事であり、マリピエロの管弦楽法の素晴らしさを体感することができるでしょう。

8.559700
ハワード・ハンソン(1896-1981):交響曲第1番「ノルディック」
 1-3.交響曲第1番「ノルディック」(1922)/4.ベオウルフの哀歌(1925)
シアトル交響合唱団…4/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ハワード・ハンソン(1896-1981)はアメリカの作曲家、指揮者です。保守的な作風で知られ、とりわけ北欧文化を好んで題材にするため「アメリカのシベリウス」と呼ばれることもあります。彼は25歳の時に、交響詩「夜明け前」を作曲、この曲がアメリカ・ローマ賞を受賞したことで、イタリアに留学するという栄誉を受けました。その時にレスピーギにも管弦楽法を学び、その時に作曲されたのが、この第1番の交響曲と「ベオウルフの哀歌」を含む一連の作品でした。交響曲第1番「ノルディック」はまさにシベリウスの作風を継承したものであり、穏やかさと勇壮さを兼ね備えています。また「ベオウルフ」とは、イギリスの長編詩に登場する英雄の名で、ハンソンは緊張感溢れる見事な音楽を付けています。
イルゲンス=イェンセン:交響曲 ニ長調/エアー/パッサカリア(ボーンマス響/エンゲセト)
8.572312
イルゲンス=イェンセン:交響曲二短調他
 1-3.交響曲二短調(原典版)(1942)/
 4.エアー(1959)/5.パッサカリア(1928) ※世界初録音…1-4
ボーンマス交響楽団/
ビャルテ・エンゲセト(指揮)
ノルウェーの作曲家イルゲンス=イェンセンは最初オスロ大学で文献学を学んでいましたが、ニルス・ラーセンからピアノも学んでいました。25歳を過ぎて作曲を始めるようになり、オラトリオや管弦楽作品で幾つかの賞を獲得します。このアルバムに収録された「パッサカリア」は1928年のシューベルト100年祭作曲コンクールの北欧地区予選で第2位を獲得し、ストラヴィンスキーやトスカニーニの注目を浴びるのです。
彼のただ一つの交響曲は第二次世界大戦への憂いと、人間と自然界についての考察が反映されています。ここでは彼が創案したとおりの3楽章形式で演奏されています。
そして短いながらも印象的な「エア」の美しさも特筆ものです。
ライアン:交響曲第1番「ヒュージティヴ・カラーズ」/リニアリティ・オブ・ライト/エクイラテラル(グリフォン・トリオ/バンクーバー響/トヴェイ)
8.572765
ジェフリー・ライアン(1962-):交響曲第1番「逃亡する色」
 1.リニアリティ・オブ・ライト-光の直線性(2003)/
 2-4.ピアノ・トリオと管弦楽のための三重協奏曲「エクイラテラル」(2007)/
 5-8.交響曲第1番「ヒュージティヴ・カラーズ-逃亡する色」(2006)
グリフォン・トリオ…2-4/
バンクーバー交響楽団/
ブラムウェル・トヴェイ(指揮)
カナダで活躍中の作曲家、ジェフリー・ライアン(1962-)の作品集です。彼の作品はどれもパワフルで鮮烈です。ここに収録された3つの作品は、どれも楽器の特性を上手く生かした鮮烈な印象を持つものばかりです。「光の直線性」は一直線に進む光と、それを反射させる鏡を想像しながら聞いてみてください。フル・オーケストラで表現される光は様々なフィルターを通しながら、耳に残像を残して行きます。次の「エクイラテラル(等辺)」は3つの楽器がそれぞれ対等の立場で使われていることをタイトルにした曲で、ミニマル風でもあり、民族音楽風でもあるという、胸がわくわくするような緊張感に満ちた音楽が展開されます。交響曲第1番も音で光を描いた作品といえるでしょうか。こういう感覚的な作品を聴くときは、曲の成立を調べたりするよりも、何も考えずに音の渦に身を浸すのが一番でしょう。
マクロード:皇帝とナイチンゲール/3つの祝典/ロック・コンチェルト(メドリン/アルブレスキュー/ニュージーランド響/グロット)
8.572671
マックロード(1941-):皇帝とナイチンゲール
 1.皇帝とナイチンゲール(1985)/
 2-4.管弦楽のための3つのセレブレーション(1983/2010年改訂)
  <マウンテン・パークランドの旅/湾にて/A&Pショウ>/
 5-7.ロック・コンチェルト
ヘレン・メドリン(ナレーター)…1/
ユージン・アルブレスキュー(ピアノ)…5/
ニュージーランド交響楽団/
ウーヴェ・グロット(指揮)
ニュージーランド生まれの作曲家、マックロード(1941-)の楽しい3つの作品です。
「皇帝とナイチンゲール」はよく知られているアンデルセンの物語をテキストにした朗読劇です。本物の鳥と機械の鳥に優劣をつけるという愚かな行為に対して、生きているナイチンゲールは文句も言わず、皇帝に生きる希望を与えるという物語で、ストラヴィンスキーも同じ題材で作曲していることはご存知の通りです。このマクロードの作品、とてもわかりやすい音楽と、若干オーバーアクションなれども、聞き取りやすいナレーターで構成されています。他には、ニュージーランドの景色が目の前に広がるような描写的作品「3つのセレブレーション」と、ノリノリのピアノが縦横無尽に活躍する「ロック・コンチェルト」を収録。ご家族みんなでお楽しみいただける内容です。

8.572211
ペンデレツキ:ヴィオラ協奏曲・チェロ協奏曲第2番
 1-7.ヴィオラ協奏曲(1983)/
 8-15.チェロ協奏曲第2番(1982)
グリゴリー・ジスリン(ヴィオラ)…1-7/
タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)…8-15/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
かのレディオ・ヘッドのトム・ヨークが「ペンデレツキのチェロ協奏曲いいじゃん」と言ったとかで、一時期CDの売り切れが続いたというのは本当の話ですが、さて彼は第1番と第2番、どちらが良いと言ったのでしょうか?このアルバムに収録された第2番は1982年に名チェリスト、ロストロポーヴィチのために書かれたもので、ベルリン・フィル創立100周年記念の委嘱作品となっています。切れ目なく演奏される1楽章形式の作品で、刺激的な音は影をひそめ、豊かな調和と劇的な力は感じられるものの、やはり不安な感情を拭うことはできません。その1年後に書かれたヴィオラ協奏曲は、冒頭の表現力豊かなモノローグが耳に残る緊張感溢れる作品です。20分ほどの短い時間にぎっしり中身の詰まっています。60年代の尖がった作風を捨て、ネオ・ロマンに回帰しつつある作曲家の変遷の跡が見えてきませんか?
シュワントナー:打楽器協奏曲/モーニングズ・エンブレイス/チェイシング・ライト…(ラム/ナッシュヴィル響/ゲレーロ)
8.559678
シュワントナー(1943-):Chasing Light…(光を追いながら)
 1-3.パーカッションと管弦楽のための協奏曲(1944)/
 4.朝の抱擁/
 5-8.光を追いながら…
  <日の出は夜明けのヴェールに点火する/
  カリオペが架けた虹の歌/万華鏡の花/夜明けを迎えての朝の抱擁>
クリストファー・ラン(パーカッション)/
ナッシュヴィル交響楽団/
ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)
ピューリッツァー賞を受賞したこともある、アメリカ合衆国の作曲家シュワントナー(1943-)。
彼の名前は主に吹奏楽の分野で知られています。とりわけ「・・・そしてどこにも山の姿はない」は彼の代表作であり、日本でもしばしば演奏されています。彼はさまざまな分野から影響を受けた多くの作品を書き、それらはとても雄弁で強烈な色彩を放っています。
このアルバムに収録された3つの作品、ニューヨーク・フィルハーモニック創立150周年のために書かれた、強烈な音響を持つ「パーカッション協奏曲」と、ワシントン・ナショナル交響楽団75周年を記念して書かれた「朝の抱擁」、そしてソローの「ウォールデン-森の生活」からインスピレーションを受けた「光を追いながら」は、どれも彼の作風を端的に表すものとして評価されることでしょう。
ローデ:ヴァイオリン協奏曲第3番, 第4番, 第6番(アイヒホルン/イェナ・フィル/パスケ)
8.570767
ピエール・ローデ(1774-1830):ヴァイオリン協奏曲第3,4,6番
 1-3.ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調 Op.5/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲第4番イ長調 Op.6/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲第6番変ロ長調 Op.8
カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン/
フリードマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
イェナ・フィルハーモニー管弦楽団/
ニコラ・パスケ(指揮)
ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として幅広い活動を行ったヴァイオリニスト、ピエール・ローデ(1774-1830)。以前NAXOSからリリースされた第7番と第10番の協奏曲(8.570469)で、その偉大な才能に開眼した人も多いことでしょう。
今回もヴァイオリニスト、アイヒホルンによる3曲の協奏曲を聴いてみてください。優美さ、抒情性、冴え渡る技巧、そして流暢な音楽の流れ。まさにベートーヴェンやパガニーニに匹敵する素晴らしい作品がここにあります。第3番は壮大で悲痛な面持ち、第4番は端正、そしてスペイン訪問の際に書かれた第6番の素晴らしさと言ったら・・・全く言葉に尽くせません。ヴァイオリンの汲めども尽きぬ魅力がここにあります。
各々の曲に付されたカデンツァはアイヒホルンによるもの。バッハのシャコンヌからもインスピレーションを受けたというその音楽。ぜひ楽しんでください。


ローデ:ヴァイオリン協奏曲集/前作
ローデ:ヴァイオリン協奏曲第7番, 第10番, 第13番(アイヒホルン/南西ドイツ放送カイザースラウテルン管/パスケ)
8.570469
¥1100
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 第7 番 イ短調 Op.9/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第10 番 変ロ短調 Op.19/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲第13 番 嬰へ短調/イ長調 遺作
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
南西ドイツ放送カイザースラウテルン管弦楽団/
ニコラ・パスケ(指揮)
ボルドーで調香師の息子として生まれたローデ(1774-1830)は、幼い頃から卓越した音楽の才能を示し、13 歳の時にパリへと上京し名ヴァイオリニスト、ヴィオッティの弟子となります。今は、彼の名前はヴァイオリンの練習曲を作曲した人としてのみ知られていますが、実はこんなに美しい協奏曲も書いていました。ローデ自身は演奏の際ポルタメントを多用し、まことに美しい音を奏でていたと言います。ちなみに若き名手、五嶋龍氏が現在使用しているヴァイオリンは、このローデが愛奏していたストラディヴァリウス「エクス・ピエール・ローデ」(1715 年作)です。

ショーソン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲 ニ長調/ピアノ三重奏曲 ト短調(メドウマウント・トリオ/ウィハン弦楽四重奏団)
8.572468
ショーソン:協奏曲ニ長調・ピアノ三重奏曲
 1-4.ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調 Op.21/
 5-8.ピアノ三重奏曲ト短調 Op.3
スティーヴン・シップス(ヴァイオリン)…1-4/
エリック・ラーセン(ピアノ)…1-4/
ウィハン弦楽四重奏団…1-4/

メドウマウント・トリオ…5-8
ショーソン(1855-1899)の協奏曲ニ長調は、協奏曲と名付けられてはいるものの、実際はピアノと弦楽四重奏と、もう1台のヴァイオリンからなる六重奏曲です。
偉大なヴァイオリニスト、イザイに献呈されており、初演も彼がヴァイオリン・パートを演奏、聴衆と批評家たちの心に強い印象を与え、この曲の人気を瞬時に揺るぎないものとしたのです。それ以来、フランスの室内楽曲の中でもとりわけ重要な作品の一つとなり、今に至っています。柔らかな和声に支配された美しいメロディは一瞬足りとも緊張感を失うことなく、全ての楽器が心を合わせ大いなる歌を紡いでいきます。第2楽章の物憂げなシシリエンヌは、フォーレの曲よりも儚げで移ろいやすい佇まいを持っています。第3楽章の胸をふるわせるような不安さ、終楽章での縺れ合うような音の動き。どこを切ってもフランス風味が溢れています。初期の作品であるピアノ三重奏曲も美しさの極みです。
アーノルド:チェロ協奏曲/弦楽のための交響曲/幻想曲(ウォルフィッシュ/ターナー/ノーザン室内管/マンチェスター・シンフォニア/ウォード/ハワース)
8.572640
アーノルド:協奏曲集
 1-3.シェイクスピアのチェロ協奏曲Op.136(1988/2000年改訂版)/
 4-6.フルートと弦楽のためのコンチェルティーノOp.19a
  (D.エリスによるフルート・ソナチネの編曲)(1948/2000年改訂版)/
 7-11.リコーダーと弦楽四重奏のための幻想曲Op.140(1990/2001年改定版)/
 12-14.サクソフォン協奏曲(D. エリスによるピアノ・ソナタの編曲)(1992/1994)/
 15-17.弦楽のための交響曲Op.13(1946) ※4-6,12-14…世界初録音
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)…1-3/
エステル・インガム(フルート)…4-6/
ジョン・ターナー(リコーダー)…7-11/
カール・レーヴェン(アルト・サクソフォン)…12-14/
マンチェスター・シンフォニア…4-14/
リチャード・ハワース(指揮)…4-14/
ノーザン室内管弦楽団…1-3,15-17/
ニコラス・ウォード(指揮)…1-3,15-17
映画音楽でも有名なマルコム・アーノルド(1921-2006)は、もともとはトランペット奏者で、名門ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席を務めたこともあるほどの腕前でした。作曲家としても多くの作品を書き、変化に富んだ作風で聴き手を楽しませています。ここに収録された曲は、彼の活動の初期から後期までの長い時間に渡って書かれたものを選りすぐっており、彼が生涯を通じて、どんな音楽を書きたかったのかが理解できるかと思います。迫力たっぷりの音に聴き惚れていると、直後に軽くいなされるような、変幻自在の表情が魅力的なアーノルドの作品は、イギリス音楽好きだけでなく、もっと広く愛されるに値する名曲ぞろいです。

8.572533
ヴィオラとピアノのための作品集
 1-2.マルティヌー(1890-1959):ヴィオラ・ソナタ H355/
 3.コダーイ(1882-1967):アダージョ(ヴィオラとピアノ編)/
 4-6.ドホナーニ(1877-1960):
  ヴァイオリン・ソナタ 嬰ハ短調 Op.21(S.J.ブラッドリー編)/
 7-9.ヨアヒム(1831-1907):ヘブライの旋律 Op.9/
 10.エネスク(1881-1955):コンチェルトシュトゥック
サラ=ジェーン・ブラッドリー(ヴィオラ)/
アンソニー・ヒューイット(ピアノ)
NAXOSの「地味ながらも極めて人気の高いシリーズ」として定着しているヴィオラ作品集。今作は抒情性と妙技、そして民族風な味付けを施された作品を集めた1枚です。
マルティヌーが1955年に作曲しヴィオラ・ソナタはところどころに不思議な和音が顔を出すものの、全体的にはノスタルジックな雰囲気に満たされた親しみ易い音楽です。
コダーイの夢見るように美しいアダージョは、彼の初期の作品で、ヴァイオリン、ヴィオラどちらでも演奏が可能です。
ドホナーニの表現力豊かな作品は、彼がこの手の音楽の扱いに長けていたことを証明するものですし、ヨアヒムの「ヘブライの旋律」もなかなかの名曲です。エネスコのペーソス溢れる作品も聴きものです。
ヘルプス:ピアノを伴う室内楽作品集 - ピアノ三重奏曲/ピアノ四重奏曲/五重奏曲/二重奏曲(ヘルプス/アトス三重奏団/シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン)
8.559696-97
(2CD)
ヘルプス:ピアノを伴う室内楽作品集ピアノ・コンサート
作品集
〈CD1〉
 1.後奏曲(1964)/2.幻想曲(1963)/3-7.ピアノ四重奏曲(1997)/
 8.二重奏曲(1977)/9-11.ピアノ五重奏曲(1997)/
〈CD2〉
 1-3.ピアノ三重奏曲Ⅰ(1957)/
 4-6.ピアノ三重奏曲Ⅱ(2000)/《ベルリンでのロバート・ヘルプス演奏会》
 7.メンデスルソーン(1809-1847):6つの歌より Op.71-4「葦の歌」
R.ヘルプスによるピアノ・コンサート編
〈CD2〉
 8.アイアランド(1879-1962):恋は悲しみに満ちた病(R.ヘルプスによるピアノ編)/
 9.プーランク(1899-1963):即興曲変イ長調 FP118/
 10-11.ゴドフスキー(1870-1938):
  ショパンの練習曲による53の練習曲より第45番.第12番/
 12.ヘルプス(1928-2001):シャル・ウィ・ダンス/
 13.アイアランド:暮れなずむ谷間
シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン…CD1/
アトス三重奏団…CD2.1-6/
ロバート・ヘルプス(ピアノ)
アメリカの作曲家、ピアニスト、ロバート・ヘルプス(1928-2001)。この2枚組では彼の作品とピアノ演奏の両面を味わえます。
コロンビア大学からカリフォルニア大学に転学し、卒業後ジュリアード音楽院ピアノ科でも学んだヘルプスは、1950年代から作曲家として注目され、多くの作品を書き始めます。なかでもピアノを使った作品に重きを置き、2つの協奏曲を始め、室内楽や独奏曲を作曲しています。彼の作品は独特の叙情性を帯び、また無調と調性音楽の橋渡しをするものとしても評価されています。
一方CD2の7-13は彼のベルリンでのコンサートを収録したもので、これを聴くと、彼がなかなか腕の立つピアニストであり、曲の解釈にも一工夫あったことがわかるというものです。
R. シュトラウス:ピアノ三重奏曲第1番, 第2番/ピアノ四重奏のための音楽(アメリア・ピアノ・トリオ/マンデル)
8.570896
R.シュトラウス:若き日の室内楽曲集
 ピアノ三重奏曲第1番&第2番他

  1-4.ピアノ三重奏曲第1番イ長調 AV37(1877)/
  5-8.ピアノ三重奏曲第2番ニ長調 AV53(1878)/
  9.セレナーデト長調 AV168(1882)/
  10.祝典行進曲ニ長調 AV178(1886)/
  11-12.ピアノ四重奏のための2つの小品(1893)<アラビア風の踊り/小さい愛の歌>/
  13.コンチェルタンテAV157(1875頃)
アメリア・ピアノ三重奏団
<メンバー:相沢吏江子(ピアノ)/
アンジー・クレストン(ヴァイオリン)/
イアソン・ダックレス(チェロ)>/
マックス・マンデル(ヴィオラ)…9-13
破壊的な音響と、華美かつ複雑過ぎるオーケストレーション。そんな大げさな音楽で好き嫌いが分かれてしまうのがR・シュトラウス(1864-1949)です。しかしここに収録された10代から20代終わりにかけてかかれた優美な室内楽作品は、彼のイメージを一新するのに役立つことでしょう。
これらの一連の音楽は、彼の父が敬愛していたモーツァルトやベートーヴェンをモデルとして書かれていて、とりわけ13歳の時に書かれた第1番のピアノ三重奏曲は、煌めく創造力と抒情性に満ちています。しかしそのまま大人しく年を重ねなかったのが彼のスゴイところ。1893年に書かれた“アラビア風の踊り”は、全くあの“7つのヴェールの踊り”を彷彿させるものですし、“小さい愛の歌”は込み入った三角関係を予感させてくれるのですから。
ヴィラ=ロホ:ソナタ第2番/ラメント/オラシオン・セレーナ/エクスプレシーネ(ポロ/ジピチラーヤ/ラグーナ)
8.572564
ヴィラ=ロホ:チェロのための作品集
 1-3.ソナタ第2番(2009)/4.哀歌(バージョンB)(2008)/
 5.オラシオン・セレーナ(2004)/
 6-12.エクスプレシオーネス
  <彼は私の感覚をひととき停止させた/喜びと愛と/私の心に燃えて/
  幸せな夜に/こんなに穏やかな愛に満ちた/
  彼の優しい手で/赤裸々な精神の自由>
アシエル・ポロ(チェロ)/
アマイア・ジピチラーヤ(ピアノ)/
ラファエル・ロメオ(ヴォーカル)…4/
ゲラルド・ロペス・ラグーナ(ピアノ)…5
ヴィラ・ロボスじゃなくて、ヴィラ=ロホ。
スペインの現代作曲家の中でも最もダイナミックな作品を書くことで知られるヴィラ=ロホ(1940-)のチェロ作品集。
以前リリースの協奏曲集(8.570443)でも、その少々不気味な音楽が癖になったものですが、このチェロ作品集も負けず劣らず個性的です。「オラシオン・セレーナ(穏やかな祈り)」は2004年にマドリッドで勃発した同時多発テロの犠牲者に捧げる哀歌であり、自らの存在価値を問われるような深遠な曲調です。聖ヨハネの言葉を元にした「エクスプレシオーネス」は痛みすら覚えるようなチェロによる慟哭です。同じく“慟哭”の音楽「哀歌」ではフラメンコ歌手ロメロと、多重録音によるチェロ・アンサンブルの果てなき応酬が繰り広げられます。悲痛な歌には救いもないようです。


旧譜/ヴィラ=ロホ:協奏曲集
ハンスイェルク・シェレンベルガーも登場!
ビラ=ロホ:コンシエルト・プラテレスコ/セレナータ/コンシエルト 2 (チュマチェンコ)
8.570443
¥1100
ヴィラ=ロホ:協奏曲集
 1.コンシエルト・プラテレスコ
 2.セレナータ
 3.コンシエルト2(ヴァージョンB)
ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)…1 のみ
アシエール・ポロ(チェロ)…3 のみ
ソフィア・オルケスタ・デ・カメラ・レイナ
ニコラス・チュマチェンコ(指揮)
1940 年生まれのビラ=ロホ(1940-)は、現代スペインの作曲家のなかでも最もダイナミックな作風の持ち主。スペイン音楽の伝統をきちんと踏襲しつつ、新しい感覚を溶かしこんだ音は聴き手を不可思議な世界へと誘う。ここに収録された3曲の作品はどれもが個性的。コンシエルト・プラテレスコでは名手シェレンベルガーが縦横無尽にオーボエを吹いている。


8.572660
チュルリョーニス:ピアノ作品集第2集
 1.前奏曲二短調 VL239/2.前奏曲イ短調 VL241/
 3.前奏曲ニ短調 VL256/4.前奏曲ロ短調 VL259/
 5.天にましますわれらの父よVL260/6.秋VL264/
 7-9.3つの秋の小品VL269-271/10.前奏曲二短調 VL294/
 11.前奏曲二短調 VL295/12.即興曲二短調 VL298/
 13.前奏曲VL304/14.前奏曲二短調 VL325/
 15.前奏曲ハ長調 VL327/16.前奏曲ハ長調 VL330/
 17.前奏曲イ長調 VL335/18.前奏曲ト長調 VL338/
 19.前奏曲二短調「おお、我が親愛なる母よ」VL340/
 20.前奏曲ト短調 VL343/21.前奏曲二短調 VL344/
 22.フーガ編ロ短調 VL345/
 23-25.弦楽四重奏曲ハ短調 VL83(M.ルバッキーテによるピアノ編)
  ※MARCOPOLO 8.223550より移行盤
ムーザ・ルバッキーテ(ピアノ)
第1集(8.572659)も大好評。チュルリョーニス(1875-1911)のピアノ作品集第2集です。こちらは彼の後期の作品を含むため、よりモダンな味わいになっています。ほとんどは彼が好んだ「前奏曲」として成立していますが、VL269から271までは、明らかにソナタとして計画されたようで、短いながらもまとまりのある、凝縮された音楽が見てとれます。トラック22から25までは、1901年から1902年に草案された弦楽四重奏曲(ここではピアニスト自身によるピアノ独奏編曲版を収録)は、出版される前に最終楽章が失われてしまいましたが、もし聴くことができれば、かなりドラマティックな世界が展開されたことでしょう。フーガVL345は彼の最後のピアノ作品で、暗く陰鬱なピアノの音色の中に厳粛な雰囲気が宿った感動的な曲となっています。


チュルリョーニス:ピアノ作品集第 1 集

チュルリョーニス:ピアノ作品集 1 (ルバッキーテ)

8.572659
¥1100
チュルリョーニス:ピアノ作品集第 1 集
 1.フモレスケト短調 VL162/2.前奏曲ヘ短調 VL164/
 3.前奏曲変ロ長調 VL169/4.夜想曲ヘ短調 VL178/
 5.即興曲嬰ヘ短調 VL181/6.前奏曲ロ短調 VL182a/
 7.夜想曲嬰ハ短調 VL183/
 8.前奏曲嬰ヘ長調「主の使い」VL184/
 9.前奏曲嬰ヘ短調 VL185/10.前奏曲ロ短調 VL186/
 11.前奏曲変ニ長調 VL187/
 12.前奏曲ヘ長調-イ短調 VL188/13.前奏曲ヘ短調VL197/
 14.シャンソネット・ダイネール VL199/
 15.マズルカ変ホ短調 VL222/
 16.前奏曲イ短調 VL230/17.マズルカロ短調 VL234/
 18-21.ソナタヘ長調 VL155
MARCO POLO 8.223549 より移行盤
ムーザ・ルバッキーテ(ピアノ)
リトアニア生まれのチュルリョーニス(1875-1911)は、作曲家としてだけでなく、画家としても素晴らしい業績を残しました。36 年にも満たない短い生涯の間に、約300 点の絵画と200 作もの曲を書き、そのどれもが高い完成度を持っています。彼は、ロシア近郊の貧しいオルガニストの息子として生まれ、ワルシャワとライプツィヒでピアノと作曲を学び、30 歳近くになってから絵画を学びました。彼の絵画と音楽は密接に関係していて、伝統に囚われることのない、ロマンティックな作風が魅力的(ジャケットに使われているのも彼自身の絵画です)。ピアノ曲のタイトルはショパン風ですが、もっと素朴で簡潔な美しさに満ちています。ありあまる才能に恵まれ過ぎたのか・・・晩年は精神に異常をきたし、わが子の誕生を知ることもなくこの世を去ってしまいました。
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第1番, 第4番, 第8番/詩曲(ギンジン)
8.572440
アレクサンドル・ギンジンNAXOSに降臨!
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第1.4.8番他

  1-2.2つの詩曲Op.32/3-6.ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.6/
  7-8.2つの詩曲Op.44/9.3つの小品Op.45より第2番「幻想的詩曲」/
  10.4つの小品Op.51より第3番「翼のある詩曲」/
  11.2つの小品Op.59より第1番「詩曲」/
  12-13.ピアノ・ソナタ第4番嬰へ長調 Op.30/
  14-15.2つの詩曲Op.63/16-17.2つの詩曲Op.69/
  18-19.2つの詩曲Op.71/20.ピアノ・ソナタ第8番Op.66
アレクサンドル・ギンジン(ピアノ)
10年ほど前、リストの編曲したシューベルトなどの超絶技巧系のレパートリーを引っ提げて、颯爽とデビューした若手ピアニスト、アレクサンドル・ギンジン。
その後多くの経験をして、今回NAXOSレーベルに登場しました。演奏するのはスクリャービン(1872-1915)。初期の作品から晩年の作品までをソナタを中心に上手く組み合わせています。若い頃、右手を酷使し過ぎたためピアニストとしては挫折、以降作曲を志したというスクリャービン(この頃に第1番のソナタが書かれました)。1900年頃からニーチェに心酔し、作風をより神秘的なものへと変化させていきます。第8番のソナタは、番号こそ最後ではありませんが、実際に作曲されたのは第10番よりも後であり、実質上彼の最後のソナタとなります。無調とはいうものの、その和声は妖艶な響きを持つ難解な美しさを帯びています。
トゥリーナ:ピアノ作品集 7 (マソ)
8.572455
トゥリーナ:ピアノ作品集第7集
 1-5.旅のアルバムOp.15
  <肖像/アルヘシラスのカジノ/ジブラルタル/
  夜の散歩/タンジールのムーア人の祭り>/
 6-8.ビアヘ・マリティモOp.49 <海の光/お祝い/最初の到着>/
 9-11.回想曲<風景/海/サルダーナ>/
 12-14.マロールカOp.44 <ドラゴンの洞窟/パルマ湾の夜/道路上の車>/
 15-19.葉書Op.58 <バスクの踊り/ランブラス通り/マドリッド/グラナダの風景/巡礼>
ホルディ・マソ(ピアノ)
ホルディ・マソによるトゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集第7集は、なんとも楽しい「旅のアルバム」で幕を開けます。
この初期の作品はスペイン風の音を持ちながらも、ドビュッシーの影響を感じさせる柔らかい響きも持ち合わせています。何より香りのよい風が吹き抜けるような爽やかさが自慢です。「ジブラルタル」ではどこかで聴いたメロディも使われていて、こちらも興味深いところです。続く作品も、どれもが旅の風景を切り取ってきたかのような、表現力豊かなものばかり。「回想曲」で描かれているのはカタロニアの風景であり。「葉書」で描かれるのはバスクの風景です。美しいピアノの音色に耳を傾けながら、スペイン旅行を楽しめそうです。
グラナドス/ファリャ/リョベート/ソル/ロドリーゴ/ロペス=キローガ/プホール:ギター作品集(モンテシノス)
8.572843
期待の新進演奏家シリーズ アナベル・モンテシノス:ギター・リサイタル
 1.グラナドス(1867-1916):詩的なワルツ集(A.モンテシノスによるギター編)/
 2.グラナドス:昔風のスペインの歌曲集より第7番「ゴヤのマハ」
  (A.モンテシノスによるギター編)/
 3.ファリャ(1876-1946):バレエ音楽「三角帽子」より第2部代官の踊り
  (S.ベーレントによるギター編)/
 4-6.リョベート(1878-1938):13のカタルーニャ民謡より
  <第3番:クリスマス・イヴに/第13番:盗賊の歌/第10番:少年の母親>/
 7-9.ロドリーゴ(1901-1999):スペイン風の3つの小品
  <ファンダンゴ/パッサカリア/ザパテアード>/
 10-12.ロペス=キローガ(1899-1988):5つのコプラスより(C.トレパトによるギター編)
 <第1番:タトゥー/第2番:おお、マリア/第4番:緑の瞳>/
 13.ソル(1778-1839):モーツァルトの主題による序奏と変奏Op.9/
 14-16.プホール(1866-1980):3つのスペインの小品<トナディーリャ/タンゴ/グアヒラ>
アナベル・モンテシノス(ギター)
2003年3月に録音されたモンテシノスのNAXOSデビュー盤から早や8年。当時も「上品な柔軟性」と「完璧な技術」が高く評価されたのですが、このアルバムでは更に深化した彼女の音楽性を感じることができます。幾つものコンクールで上位に入賞、2010年には有名なミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギターコンクールの優勝者となりました。アルバムの冒頭から炸裂する力強い音色は、本当に只者ではありません。グラナドス、リョベート、ロドリーゴなど鉄板のレパートリーを次々と弾きこなしていきますが、要所要所にこぼれ落ちるほどの抒情性も感じさせてくれます。次々と登場する名ギタリストたちの中でも、一際輝く存在となることは間違いありません。

8.660303-04
(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「マリーノ・ファリエーロ」全曲
〈CD1〉1.序曲/2-19.第1幕/
〈CD2〉1-9.第2幕/10-22.第3幕
マリーノ・ファリエーロ…ジョルジョ・スーリアン(バス)/
エレーナ…ラシェル・スターニシ(ソプラノ)/
フェルナンド…イヴァン・マグリ(テノール)/
イスラエル・ベルトゥッチ…ルカ・グラッシ(バリトン)/
ステーノ…ルカ・ダッラーミコ(バス・バリトン)/
レオーニ…レオナルド・グラメーニャ(テノール) 他/
ベルガモ音楽祭合唱団/
ベルガモ音楽祭管弦楽団/
ブルーノ・チンクエグラーニ(指揮)
ドニゼッティ(1797-1848)のほぼ50番目のオペラにあたる「マリーノ・ファリエーロ」は、「ランメルモールのルチア」と同じ1835年に作曲されました。主人公マリーノ・ファリエーロは実在の人物で、1354年にヴェネツィアの第54代総督に選ばれるも、その翌年に市民が企てた反乱の首謀者となり、自らが議長を務めた十人委員会で死刑宣告を受けたといわれています。かのバイロンがこの人物について長編の悲劇を著し、そこからヒントを得た劇作家ドラヴィーニュが書いた同名の戯曲をビデーラが台本にしたものにドニゼッティが作曲したのです。民衆の政治不信と、若き妻への不信感。これらが混然一体となり避けるべくもない悲劇を構成しています。ヴェルディの一連の作品と双璧を成すこのドニゼッティの「政治オペラ」、名手スーリアンを中心とした素晴らしい歌手たちによって演じられました。現代社会にも通じる問題作です。
ホワイトボーン:リヴィング・ヴォイシズ/サン・オブ・ゴッド・マス/レクイエム・カンティコルム(パウエル/コーワン/ウェストミンスター・ウィリアムソン・ヴォイシズ/ジョーダン)
8.572737
ウィットボーン:リヴィング・ヴォイシズ他
 1-9.神の子のミサ(2001)/10.ウィンターズ・ウェイト(2010)/
 11.私たちに信仰の翼をください(2002)/
 12.ピーター・アベラールの短い話(ソプラノ・サクソフォンとオルガン編)(2006/2011)/
 13.南アメリカからの祈り(2009)/14.リヴィング・ヴォイシズ(2001)/
 15-19.レクイエム・カンティコルム(2010)/
 20.すべてはアーメンとハレルヤでなければならない(2009)
ジェレミー・パウエル(ソプラノ・サクソフォン)…1.3.5.7.9.12.14-18/
ケン・コーワン(オルガン)…1-12.15-20/
ロン・キャロル(朗読)…14/
ジョナサン・パルマー・レイクランド(ピアノ)…20/
ヤコブ・エッツォ(パーカッション)…20/
ウェストミンスター・ウィリアムソン・ヴォイシズ/
ジェイムズ・ジョーダン(指揮)
このアルバムを再生してすぐ、聴き手は「あれ、これ宗教曲だったはず」と複雑な思いに捉われるかもしれません。何しろソプラノ・サックスの朗々とした響きで始まるのですから。とはいえ、透明な響きを持つ合唱が「キリエ・エレイソン」と歌い始めると、何となく安心できるのは間違いありません。2000年から2001年に放送されたBBCドキュメンタリー・フィルムのために書かれた音楽をミサ曲にしたもので、いかにもキャッチーな肌触りが魅力です。他にも9.11の祈りのために書かれた「リヴィング・ヴォイシズ」など、生と死の狭間を垣間見るような、深遠で濃密な音楽です。

イディル・ビレット・シリーズ

8.571286
初紹介
リスト:練習曲集・リゴレット・パラフレーズ他
 1-12.12の練習曲S136/R1(1826)/
 13-15.3つの演奏会用練習曲S144/R5(1845-1849)
  <悲しみ/軽やかに/ため息>/16-17.2つの演奏会用練習曲S145/R6/
 18.リゴレット・パラフレーズS434/R267/
 19.ワーグナー=リスト:歌劇「タンホイザー」序曲S422/R275
イディル・ビレット(ピアノ)
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビューし、以降半世紀に渡ってその技巧と音楽性を発展させ続けています。そんな彼女の最新録音はリストの練習曲とパラフレーズという「いかにも」というものです。「12の練習曲」はリスト(1811-1886)15歳の時の作品。後に「超絶技巧練習曲」として煌めく技巧を駆使した作品として改訂されますが、ここではもう少し素朴、かつ平易な音使いとなっています。しかし、至るところに流麗なパッセージが使われていて、単なる少年の習作として切って捨てることは不可能な素晴らしい作品です。演奏会用練習曲は、それぞれ単独でも奏される魅力的な作品で、確固たる技巧と表現力の持ち主でないと、これらの曲の真の姿を描き出すことはできないでしょう。そして2つのパラフレーズ作品は、これぞリスト!と言える華やかさ。音符の多さに圧倒されること間違いありません。年齢を重ねた渋さも加わったビレットのリストをどうぞお楽しみください。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 8 - ピアノ・ソナタ集 4 - 第23番, 第28番, 第31番
8.571258
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第8集
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第4集

  1-3.ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op.57/
  4-7.ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101/
  8-10.ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
イディル・ビレット(ピアノ)
イディル・ビレットのスゴイところは、それがどんなに難曲であろうとも、顔色ひとつ変えることすらなく弾きこなしてしまうところでしょう。また独特のテンポ感があり、それも興味深いところと言えそうです。このアルバムに収録された3曲は、どれもベートーヴェン(1770-1827)のソナタの中でも最高峰に位置する作品で、技巧、表現ともども、一筋縄ではいきません。それを彼女は独自の世界観を持って構築していきます。妙に醒めた感のある「熱情」、これ以上ないほどにねっとりと演奏される「第28番」の第3楽章、第31番の透明感溢れる第1楽章は、あえて素っ気なさで対応するなど、ビレット節炸裂。そして28番、第31番ともども大空に向かって高く伸びて行くような終楽章のフーガ。こういうベートーヴェンも好き。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 9 - 交響曲集(編曲:F. リスト) 3 - 第7番, 第8番
8.571259
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第9集
 ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第3集

  1-4.交響曲第7番イ長調 S464/R128/
  5-8.交響曲第8番ヘ長調 S464/R128
イディル・ビレット(ピアノ)
最近、リスト(1811-1886)が編曲したベートーヴェン(1770-1827)の交響曲を手掛けるピアニストが増えてきましたが、やはりこういう曲は「けれんみのない」人が演奏してもつまらなくなってしまうものです。その点ビレットならば問題なし。ベートーヴェンとリスト双方の美味しい部分をじっくり味わうことができるというものです。このアルバムに収録されているのは、人気急上昇中の第7番と、比較的簡素な形式を持つ第8番の2曲です。第7番は華やかな主題が出て来るまでに、かなりの長い時間を要するのですが、この部分をピアノで演奏すると、どうしても単調になりがちなところを、ビレットは上手い具合に飽きさせず聴かせてくれています。最も荒々しい曲調を持つ終楽章は意外にも静かですが、これは彼女のいつものやり方です。第8番は細部にまで手が入った編曲であり、ビレットはその音を漏らさず聴かせてくれています。優美なはずの第3楽章メヌエットも、予想外の表情を見せています。これは面白いです。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 10 - ピアノ・ソナタ集 5 - 第9番, 第10番, 第13番, 第14番
8.571260
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第10集
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5集

  1-3.ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1/
  4-6.ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2/
  7-10.ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1/
  11-13.ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2
イディル・ビレット(ピアノ)
ビレットのベートーヴェン(1770-1827)を聴く時は、少しだけ固定観念を振り払う必要がありそうです。何しろ彼女は美しいメロディを美しく歌わせることにはあまり興味がないようですし、早いパッセージを流麗に演奏することにもあまり気合いを入れていないようなのですから。さて、このソナタ集に収録されている4曲ではどんな演奏を聞かせてくれるのでしょうか?まず「ソナタ・アルバム」でおなじみの若干平易に書かれているOp.14の2つのソナタを聴いてみてください。万が一、ピアノ学習者がこの真似をしたとしたら即叱られてしまうことでしょう。独創的過ぎて少々ついていけない人もいるのでは。そして、ともに「幻想曲風」という副題がついたOp.27の2つのソナタでは、ビレットの自由自在な解釈を味わうことができます。切れ目なく奏される第1番での目まぐるしく変化する曲想、そして誰もが知っている「月光」ソナタでの揺らぎなき幻想。一歩一歩踏みしめるかのような堅実な終楽章も味わい深いものがあります。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 11 - ピアノ協奏曲集 3 - 第5番「皇帝」/合唱幻想曲(ビルケント響/ヴィト)
8.571261
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第11集
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第3集

  1-3.ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」Op.73/
  4.ピアノと合唱、管弦楽のための合唱幻想曲ハ短調 Op.80
イディル・ビレット(ピアノ)/
エツゲチャン・ジェンチェル(ソプラノ)…4/
ギュルベン・エジシュク・チャヤン(ソプラノ)…4/
セマ・バイサル(アルト)…4/
チャン・セルハト・サイギ(テノール)…4/
エティム・デミール(テノール)…4/
アリ・シナン・ギュルセン(バス)…4/
トルコ国立ポリフォニック合唱団/
ビルケント交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
さて、名演奏がひしめきあう感のある「皇帝」協奏曲。ビレットの演奏はその中のどの辺りに位置づけられるのでしょうか?確かにこの曲のベスト盤とするのは無理かもしれませんが、色々と期待のできる演奏と言っても過言ではありません。ポーランドの名指揮者ヴィトの堅固なサポートを聴くもよし。ソロでは独自の世界観を表出するビレットが、協奏曲ではどんな我がままで指揮者を振り回すのかを聴きとるのもよし。トルコのオーケストラの爆演を楽しむもよし・・・。思いの他端正な第1楽章も良いですが、濃厚なるビレット節を聴きたければ第2楽章がオススメです。もちろん第3楽章では大団円に向かって突っ走ります。そうそう、あまり演奏されることのない「合唱幻想曲」が想像以上に良い曲だと再認識することもできるでしょう。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 13 - 交響曲集(編曲:F. リスト) 4 - 第3番「英雄」
8.571263
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第13集
 ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集第4集

  1-4.交響曲第3番変ホ長調「英雄」S464/R128
イディル・ビレット(ピアノ)
「フランス革命の際、ナポレオンに共感して曲を書きあげたものの、彼が即位したという知らせを受けて、激怒したベートーヴェン(1811-1886)が表紙を破り取った」という逸話がまことしやかに伝えられているこの第3番の交響曲。逸話を差し引いて考えても全編を通じて勇壮かつ創意工夫の見られる見事な作品です。リスト(1770-1827)はこの壮大な作品を見事にピアノ独奏作品へと移し替えました。どこもかしこも素晴らしい出来ですが、中でも変奏曲形式で書かれた終楽章が聴きものです。この主題はそのままベートーヴェン自身がピアノのための変奏曲としても作曲しているので、これと聴き比べるのも「通の楽しみ」と言えるでしょう。ビレットの演奏はどこを聴いても文句なし。
*以前特集で紹介したがこの価格では初めて。

NAXOS 1CD¥1100


8.572318
プロコフィエフ:ロメオとジュリエットOp.64(抜粋)
 V.ボリソフスキーによるヴィオラとピアノ編曲

  1-8.第1幕
   <序曲/第1場街の目覚め/第2場少女ジュリエット/
    第2場メヌエット-客人たちの登場/
    第2場仮面/第2場騎士たちの踊り/
    第2場マーキュシオ/第2場バルコニーの情景>/
  9-13.第2幕
   <第1場謝肉祭/第1場マンドリンを手にした踊り/
    第2場ローレンス僧庵でのロメオ/
    第3場マーキュシオの死/第3場タイボルトの死>/
  14-15.第3幕
   <第3場朝のセレナーデ/第3場百合の花を手にした娘たちの踊り>/
  16.第4幕エピローグ:別れの情景とジュリエットの死
マシュー・ジョーンズ(ヴィオラ)/
リヴカ・ゴラーニ(ヴィオラ)…10.14/
マイケル・ハンプソン(ピアノ)
現在、プロコフィエフ(1891-1953)の全作品の中でもとりわけ愛されているのが、この「ロメオとジュリエット」でしょう。もともとの台本はハッピーエンドで終わることになっていて、その理由は「死者は踊ることができない」というものでした。しかし、悲劇的な結末でも、踊りで表現することで、原作通りの結末に変更したというものです。初演は酷評でしたが、プロコフィエフ自身はこの曲を大層気に入っていたようで、管弦楽組曲の他、ピアノ独奏組曲までも作られています。このヴィオラ版を作ったのは、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の演奏で知られる「ベートーヴェン弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者、ボリソフスキー(1900-1972)を中心にした仲間たち。彼らは作曲家もうなるであろうほどの名編曲で、この名作に新たな光を当てたのです。

8.572567
ウィリアム・ペリー:偉大なる無声映画時代の音楽集
 1-6.ジェミニ・コンチェルト
  <序奏と旅の音楽/
   ダブリン:ケルティック・エアと道をはずれたリール/
   ベルリン:キャバレー・マーチとベルリンの歌/
   モスクワ:夜更けのトロイカとロマンス/
  ウィーン:多調のポルカとウィーンの酒のワルツ/
  ニューヨーク:ブロードウェイ・バレエと終曲>/
 7-9.サイレント・イヤーズ:
  ピアノと管弦楽のための3つの狂詩曲
  <最愛のローグ/血と砂/ゴールド・ラッシュ>/
 10-15.映画から見つけた6つのタイトル・テーマ
  <トロントのワイルド・ナイツ-「ダンス序曲」/
   ディジョンのレインコート-ワルツ/
   天使のアンジェラス-セレナーデ/河の上の橋-行進曲/
   黒いマリーゴールド-夜想曲/
   ドッグスターへの航海-シリアスな終曲>
アンブラ・アルベック(ヴァイオリン&ヴィオラ)…1-6/
フィオナ・アルベック(ピアノ)…1-6/
マイケル・チャートック(ピアノ)…7-9/
ヘレン・カーンズ(ソプラノ)…15/
アイルランド国立交響楽団/
ポール・フィリップス(指揮)
アメリカの作曲家、ピアニスト、ウィリアム・ペリー(1930-)。彼はニューヨーク市の近代美術館映画部の音楽監督を12年間務め、サイレント映画のためのピアノ伴奏を作り、また100作以上の映画音楽を作曲しました。また彼が音楽をつけたテレビ・シリーズ「サイレント・イヤーズ」は、オーソン・ウェルズとリリアン・ギッシュ(サイレント時代の名女優)の活躍もあって、世界中の至るところに古典的なサイレント映画の美しさを広め、エミー賞を受賞することとなったのです。彼の「ジェミニ・コンチェルト」は、大先輩であるコルンゴルトがあの有名なヴァイオリン協奏曲を作曲した時と同じように、自らの7つの映画音楽からテーマを拾い上げ、起伏のある音楽を作り上げています。

8.572732
エンジェルズ・イン・ジ・アーキテクチャ
 1-3.フランク・ティケリ(1958-):
  コンサート・バンドのための交響曲第2番(2004)
  <シューティング・スター/新月の下で見る夢/アポロの耽美>/
 4-5.レスリー・バセット(1923-):2楽章の九重奏曲(1968)/
 6.フランク・ティケリ:エンジェルズ・イン・ジ・アーキテクチャ(2008)/
 7-10.ウィリアム・ボルコム(1938-):バンドのための第1交響曲(2008)
ララ・スピエセル(ソプラノ)…6/
ミドルテネシー州立大学(MTSU)ウィンド・アンサンブル/
リード・トーマス(指揮)
大好評、アメリカのブラス・シリーズです。今回はフランク・ティケリの作品を2曲と、ウィリアム・ボルコム、レスリー・バセット各1曲の全4曲です。ティケリは現在アメリカにおけるブラス・バンド界で重要な位置を占めている作曲家で、既に数多くの作品が愛奏されている人です。アルバム・タイトルの「エンジェル〜」は、シドニー・オペラ・ハウスの装飾からヒントを得たもので、神の光と荒れ狂う暗黒の対比を描いています。「交響曲第2番」も神の世界を描いていて、2つの作品は密接な関係を持っているのです。レスリー・バセットは第二次世界大戦中、第13機甲師団のバンドでトロンボーンを吹いたという経歴の持ち主。その後、電子音楽や現代音楽を学び、1966年にはピューリッツァー賞の音楽部門を受賞しています。ボルコムはすでにおなじみの作曲家で、様々な技法を用いた面白い作品を書く人として知られています。

8.570145
オルウィン:合奏協奏曲第2番&第3番他
 1.劇的序曲-ヴェニスのムーア人(編曲:P.レーン)…世界初録音/
 2-4.合奏協奏曲第2番/
 5-8.セレナード…世界初録音/
 9-15.7つのアイルランドの旋律
 <小さな赤いヒバリ/田舎の旋律/乙女の光線/
  リール-雌羊と曲がった角/上品な乙女/ため息/ジグ>…世界初録音/
 16-18.合奏協奏曲第3番
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指揮)
合奏協奏曲第1番を始めとした作品集(8.570704)での表情豊かな音楽を聴くだけで、「まだまだイギリスにはすごい作曲家がいるんだな」と驚かせてくれたオルウィン(1905-1985)ですが、ここでも、その劇的な音楽がたっぷり楽しめます。ヴェニスのムーア人とは、あのシェークスピアが描いたオセロのこと。もともとはブラスバンドのために書かれたものをP.レーンがが管弦楽へと編曲。オセロとデズデモーナを中心とした人間模様が激しい音楽で表出されています。他には、見事に練られた合奏協奏曲2曲と、極めて田園的な2つの作品を収録。合奏協奏曲第3番は、偉大なる指揮者ヘンリー・ウッドの没後20年を記念してBBCから依嘱された作品です。
ホルブルック:ヴァイオリン協奏曲「グラスホッパー」/ヴァイオリン・ソナタ第1番/ホルン三重奏曲(ピーコック/スティーヴンソン/M. スミス)
8.572649
ホルブルック:ヴァイオリン協奏曲「バッタ」他
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) 第1番 Op.6a/
 5-7.ホルン三重奏曲 ニ長調 Op.28(原典版)/
 8-10.ヴァイオリン協奏曲「バッタ」(ヴァイオリン・ソナタ 第2番)Op.59/
 11.メゾチント集 Op.55-第2番 恍惚(ヴァイオリンとピアノ編) ※全て世界初録音
マーク・スミス(ホルン)…5-7/
ケレンツァ・ピーコック(ヴァイオリン)/
ロバート・スティーヴンソン(ピアノ)
イギリス、クロイドン生まれの作曲家ホルブルック(1878-1958)のヴァイオリン作品集です。彼は12歳でピアニストとしてデビュー、その後指揮活動を続けながら、作曲家としての道を志し、22歳の時に交響詩「大鴉」を発表。次々と大作をものにし、ついには「コックニーのワーグナー」と呼ばれるほどの同時代の作曲家の中でも先進的な位置を獲得したのでした。しかし、第一次大戦後も後期ロマン派の作風を捨てることなく、また、常に大作の上演・・・ワーグナー風の連作・・・を夢みていたため、結局は時流に乗れずに、次第に忘れられてしまったのです。とはいえ、彼の器楽曲はもっと気楽で明るく魅力的なものであり、民謡風の主題をもつ素朴なものです。アルバム・タイトルになっているヴァイオリン協奏曲「バッタ」は彼自身が、協奏曲版とソナタ版(こちらの方の最終楽章が若干平易に書かれている)の2つのヴァージョンで出版していますが、この録音では難しい方の協奏曲版を用いています。
マクスウェル=デイヴィス:リングァ・イグニス/ヴェサリー・イコネス/グラウンドによるファンタジアと2つのパヴァーヌ(V. チェカンティ/コンテンポアルトアンサンブル/N. チェカンティ)
8.572712
マックスウェル=デイヴィス:炎の舌、ヴァサリー・イコネス 他
 1.独奏チェロとアンサンブルのための「リングァ・イグニス(炎の舌)」(2002)/
 2-15.音楽劇とダンサーのための「ヴァサリー・イコネス」(1969)/
 16-18.パーセルのグラウンドによるファンタジアと2つのパヴァーヌ(1968) 世界初録音…1
ヴィットリオ・チェカンティ…1-15/
コンテンポアルトアンサンブル/
マウロ・チェカンティ(指揮)
イギリスの作曲家、ピーター・マックスウェル=デイヴィス(1934-)は、NAXOSから依嘱された「弦楽四重奏曲」全10曲で知られています。彼は現在だけでなく、過去、未来を見通し、その作品に投影します。そこには中世の神秘主義も盛り込まれ、時とともに姿を変えながら、聴き手の感性に強く訴えかけるのです。このアルバムで聴くことのできる3つの作品は、それぞれ、全く違う方向性を抱いています。独奏チェロが奏でる挽歌を彩るピアノや打楽器が印象的な「リングァ・イグニス」、中世ベルギーの医師の論文の写しが創作の原動力となった「ヴァサリー・イコネス」は、人体の解剖図と、中世のメロディの不思議な融合、そしてヘンリー・パーセルの音楽が現代的に変容している「ファンタジア」(これが一番聴きやすいかも)と、どれも聴き終えた後には、不思議な余韻を残します。
エイクマン:ヴァイオリン協奏曲「Lines in Motion」/アニアの歌/サクソフォン協奏曲(ウェザビー/T. サリヴァン/ランデ)
8.559720
ジェームズ・エイクマン:北ヴェネツィアの協奏曲
 1-3.ヴァイオリン協奏曲「動いている線」(2009)/
 4.パヴァーヌと弦楽合奏のための「アニアの歌」(2006)/
 5-7.サキソフォン協奏曲(2010)
テイマー・サリヴァン(アルト・サクソフォン)…5-7/
チャールズ・ウェザビー(ヴァイオリン)…1-3/
サンクトペテルブルク交響楽団/
ウラディーミル・ランデ(指揮)
アメリカの作曲家ジェームズ・エイクマン(1959-)の音楽は、何十年にも渡って高い栄誉を受けています。彼の音楽は、どれも感情に訴えかける力が大きく、また多くのイメージを喚起させます。また「豊かに響き渡り、魅力的で、悲しげで、美しく、刺激的。そして創意に富んでいて、新しい。」と様々なメディアで大絶賛を受けてもいます。ここで聴ける3つの作品は、ジャズやポップスの影響も感じられるエレガントで柔軟な作風が魅力です。天に向かって伸びていくような、美しくゆったりとしたメロディラインを持つヴァイオリン協奏曲、元ポーランドの王族であり、ヴァイオリニストの妻となったアニアを讃える弦楽のための音楽、そして透明感を湛えながらも、アルバン・ベルクの管弦楽法を模倣しているというサキソフォン協奏曲。どれもが作曲家の過去の経験と密接に結び付いた音楽なのです。

8.572023
ルイエ:リコーダー・ソナタ集
 1-5.リコーダー・ソナタニ短調 Op.2-3/
 6-9.リコーダー・ソナタト長調 Op.1-3/
 10-14.リコーダー・ソナタハ短調 Op.3-5/
 15-20.リコーダー・ソナタハ長調 Op.1-6/
 21-24.リコーダー・ソナタヘ短調 Op.4-2/
 25-28.リコーダー・ソナタ変ホ長調 Op.3-7/
 29-32.リコーダー・ソナタイ短調 Op.1-1/
 33-37.リコーダー・ソナタホ短調 Op.3-12
ダニエル・ロテルト(リコーダー)/
ヴァネッサ・ヤング(チェロ)/
シェティル・ハウグサン(チェンバロ)
同時代に「ルイエ」と言う名前の音楽家が3人いたため、このジャン・バティスト・ルイエ(1688-1720)は、同名の従兄と区別するため、生まれ故郷の名をとって「ヘントのルイエまたはガンのルイエ」と呼ばれます。生涯のほとんどをフランスで過ごし、リヨンの大司教に仕えた事が知られる以外、彼の人生はほとんどわかっていません。しかし、数多くのフルートのための作品と、リコーダー作品は、今なお、高い人気を誇っています。コレッリのヴァイオリン・ソナタに影響を受け、そこに名人芸を加味したこれらの曲は、当時流行のイタリア様式とフランス様式を融合した、洗練された音楽です。ロテルトの素朴で暖かい音色は、聴いていてそこはかとない幸福感をもたらします。
シッケル:室内楽作品集 - ア・イヤー・イン・ザ・キャッツキルズ/ガーデンズ/ドリーム・ダンス/ディヴァージョンズ(ブレア木管五重奏団/フェリックス・ワン・ローズ)
8.559687
P.D.Q.バッハのシックリー教授
 ピーター・シックリー(1935-):カッツキルの1年

 1-5.カッツキルの1年
  <春-幻想/夏-模造/秋-変奏/冬-ラメント/終曲-スピード運転>/
 6-8.ガーデンズ/
 9-11.あなたは今日ジェフリーの家で何をしましたか?/
 12-16.ドリーム・ダンス/17-19.気晴らし
ブレア木管五重奏団
<メンバー:
 ジャック・キルヒナー(フルート)…1-5.12-16/
 ジャレッド・ハウザー(オーボエ)…1-8.12-19/
 カサンドラ・リー(クラリネット)…1-5.17-19/
 シンシア・エステル(ファゴット)…1-5.17-19/
 レスリー・ノートン(ホルン)…1-5.9-11>/
 フェリックス・ワン(チェロ)…12-16/
 メリッサ・ローズ(ピアノ)…6-11
この作曲家の名前、聞き覚えあるな?と思った方、それはかなりのマニアです。そうです。この人は以前、全世界で大ヒットを飛ばしたP.D.Q.バッハ(バッハの21番目の息子???)の生みの親というか、伝記作者。平たく言えば、「シックリー教授」が自作を発表する時に用いた偽名なのですが、そのジャンルを越えた「冗談音楽」はお堅いクラシック音楽界に旋風を巻き起こしたことは間違いありません。このアルバムに収録された曲は、冗談音楽ではなく、きちんとした室内楽ですが、それでも、「カッツキルの1年」ではバロック時代に回帰した音楽が聴けますし、自作からの引用も盛り込まれています。ドリーム・ダンスでの人を食った表情もいい感じです。
プッツ/グラス/カーニス/ズービン/ダニエルプール/ボルコム/ヒグドン:ヴァイオリン作品集(フェイン)
8.559662
光の川-アメリカのヴァイオリンとピアノのための小品集
 1.プッツ(1972-):アリア(2000)/
 2.グラス(1937-):渚のアインシュタインからニー・プレイ2/
 3.カーニス(1960-):エアー(1995)/
 4.ズービン(1978-):シシリエンヌ(2000)…世界初録音/
 5.ダニエルプール(1956-):光の川(2007)…世界初録音/
 6.ボルコム(1938-):優雅なゴースト・ラグ(1979)/
 7.ヒグドン(1962-):レガシー(1999)…世界初録音/
 8-10.ツィンメッリ(1968-):ライト・ギター(2006)…世界初録音/
 11.ワイリー(1916-1989):物言いたげな小品Op.16-2(1953)
ティム・フェイン(ヴァイオリン)/
ワン・ペイ=ヤオ(ピアノ)…1.3.4.5.6.7.11
アメリカのヴァイオリニスト、ティム・フェインによる刺激的で冒険的なアメリカ現代の作品集です。このアルバム、何と言っても選曲が見事!あまりにも美しいプッツやカーニスの作品に耳を奪われ、郷愁溢れるボルコムのラグに心躍らせてください。そしてグラスの「渚のアインシュタイン」での狂乱ぶりはまさに地獄絵を見るかのよう。現代アメリカ社会の縮図を垣間見るような雑多で楽しい音楽に満ち溢れています。
ローレム:山の歌/ロメオとジュリエット/トリオ/時祷書/4つの祈り(スミス/レイズナー/トーマス/リー/パイロット)
8.559674
ローレム:フルートを伴う室内楽作品集
 1.山の歌(フルートとピアノ版)(1949)/
 2-10.ロメオとジュリエット(1977)
  <私はこの夜まで真の美しさを見たことがない/
  あなたはマブ女王と/夜に響く恋人の声は銀の鈴のように澄み/
  おお、毒蛇の心臓/…悲しみは時を長くする/
  …鳴くのはナイチンゲール/おいで、私のために泣いてくれ/
  エンプティ・タイガー/これほど痛ましい話はない>/
 11-14.フルート、チェロとピアノのための三重奏曲(1960)/
 15-22.時祷書(1975)/23-26.4つの祈り(2006)
フェンウィック・スミス(フルート)/
デイヴィッド・レイズナー(ギター)…2-10/
ロナルド・トーマス(チェロ)…11-14/
ミーハ・リー(ピアノ)…1.11-14.23-26/
アン・ホブソン・パイロット(ハープ)…15-22
1923年生まれのネッド・ローレム(1923-)は概ね歌曲作曲家として知られていますが、彼はその活動のほぼ全域に渡って、フルートのための作品も書いています。ここに収録されたのは、そんな魅力的な曲の数々です。若い頃にフランスに住んでいたローレム、やはり初期の作品にはプーランクやラヴェル、ルーセルの影響が強く感じられます。そんなモダンさとケンタッキーの民謡を掛け合わせたかのような、「山の歌」(これは、彼が最初に書いた器楽のための曲で、オーボエ、もしくは、ヴァイオリン、チェロでも奏されます)から、2006年の「4つの祈り」まで、およそ50年もの年月によって熟成されたローレムの歌心は、美しくも哀しく響き渡ります。名手フェンウィック・スミスの演奏で
ピツェッティ:弦楽四重奏曲第1番, 第2番(ライタ四重奏団)
8.570876
ピツェッティ:弦楽四重奏曲集
 1-4.弦楽四重奏曲第1番イ長調(1906)/
 5-8.弦楽四重奏曲第2番ニ長調(1932-33)
ライタ弦楽四重奏団
<メンバー:
 レイラ・ラーソニー(第1ヴァイオリン)/
 ジェルジ・アルベルト(第2ヴァイオリン)/
 ラーシュロー・コロフヴァリ(ヴィオラ)/
 ラーシュロー・フェンイェー(チェロ)>
まるでドヴォルザーク?と聴きながらジャケットを見直してしまいそうな、第1番の弦楽四重奏曲。これを書いたのは、マリピエーロ、カセッラ、レスピーギと同世代のイタリアの作曲家ピツェッティ(1880-1968)です。彼はどちらかというと先進的な和声には嫌悪感を抱いていたようで、初期バロックやルネサンス音楽への回帰を目指していましたが、とはいうものの、抒情的な旋律を用い、和声も半音階的だったりと、かなり時代の風潮には忠実だったようです。さわやか香りを持つ前述の第1番に比べ、その約26年後に書かれた第2番は、明らかに後期ロマン派風の成熟した濃厚な音楽であり、ゆったりとした第1楽章では、おなじみのBACHの名前も音として引用されています。神秘的な音の流れは、そのまま第2楽章へと続き、見事な構造を持つスケルツォを経て、激しい終楽章へとなだれ込むのです。まさに「音のドラマ」です。
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 1 - 第24番, 第25番, 第26番, 第31番(クングスバッカ・ピアノ三重奏団)
8.572040
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第1集
 1-3.ピアノ三重奏曲第26番嬰ヘ短調 Hob.XV:26/
 4-6.ピアノ三重奏曲第24番ニ長調 Hob.XV:24/
 7-9.ピアノ三重奏曲第25番ト長調 Hob.XV:25/
 10-11.ピアノ三重奏曲第31番変ホ長調 Hob.XV:31
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー:
 マリン・ブローマン(ヴァイオリン)/
 イェスパー・スヴェドベルグ(チェロ)/
 サイモン・クローフォード・フィリップス(ピアノ)>
ハイドン(1732-1809)はその生涯にピアノ三重奏曲を41曲以上書いたとされています。ここに収録された4曲は、ハイドンの創作の絶頂期である1794年から1795年にかけて作曲されたもので、2回目のロンドン訪問を行った時期です。小規模ながらも、熟達の書法を見せるこれらの作品はロンドン在住の未亡人レベッカ・シュレーターのために書かれ、彼女に捧げられています。彼女の存在は、60歳を越えたハイドンの創作意欲を高め、作品の上にも大いなる実りをもたらした事は間違いありません。事情が許せば、結婚も考えていたというハイドンですが、残念ながら彼には「本妻」がいたため、それは叶うことのない夢に終わりました。全曲に漂う夢のような甘い雰囲気は、そんな気持ちを現わしているのかもしれません。
アルファーノ:ヴァイオリン・ソナタ/ピアノ五重奏曲/ネニアとスケルツィーノ(ダルヴァロヴァ/ダン/マム/マギル)
8.572753
アルファーノ:ヴァイオリン・ソナタ&ピアノ五重奏曲
 1-3.ヴァイオリン・ソナタニ長調(1923年原典版…この版は世界初録音)/
 4-6.ピアノ五重奏曲変イ長調(1945)…世界初録音/
 7-8.ネニアとスケルツィーノ(1936)
  (E.ピエランジェリによるヴァイオリンとピアノ編)…世界初録音
メアリー・アン・マム(ヴァイオリン)…4-6/
クレイグ・マム(ヴィオラ)…4-6/
サミュエル・マギル(チェロ)…4-6/
エルミラ・ダルヴァロヴァ(ヴァイオリン)/
スコット・ダン(ピアノ)
以前はプッチーニのトゥーランドットの補筆完成者としか認知されていなかったアルファーノ(1875-1954)ですが、以前リリースされたチェロ・ソナタ(8.570928)の暗く蠢く情熱的な音楽で、若干人気も高まったかのようです。このアルバムでも、そんなアルファーノの個性的な音楽を聴くことができます。最初のヴァイオリン・ソナタはフランスの印象主義の影響も受けていて、流麗でありながら、不確定な和声が続く色彩豊かな曲です。ピアノ五重奏曲は、彼の最後の室内楽作品でありながらも、深い抒情性に満ち、決して無調にはならず、聴き手に安心感すら与えてくれる美しさがたまりません。魅力的な「ネニアとスケルツォ」は、彼が訪れた様々な国の思い出や、スラブ民謡などが入り混じって聴こえてきます。優しくくつろいだ雰囲気を持つ小品です。

8.572727
期待の新進演奏家シリーズ パブロ・ガリベイ:ギター・リサイタル
 1.D.スカルラッティ(1685-1757):
  ソナタホ長調 K.380/L.23/P.483(L.ラウスによるギター編)/
 2.D.スカルラッティ:ソナタニ短調 K.213/L.108/P.288(L.ラウスによるギター編)/
 3.タルレガ(1852-1909):アラビア奇想曲/
 4-6.ポンセ(1882-1948):ソナタ第3番/
 7-10.ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ(1933)/
 11.タルレガ:ラグリマ(涙)/12.タルレガ:マリア/
 13.タルレガ:前奏曲ニ短調「エンデチャ」/
 14.タルレガ:前奏曲ニ短調「オレムス」(シューマンによる)/
 15.タルレガ:20の練習曲- 第14番「ラ・マリポーサ」
パブロ・ガリバイ(ギター)
メキシコのギタリスト、パブロ・ガリベイのリサイタル・アルバムです。彼は古典的なレパートリーだけでなく、あまり知られていない作品も積極的に取り上げ、それらの解釈で高い評価を受けています。タルレガ国際コンクールを始め、16もの国際コンクールで入賞し、現在はメキシコ・シティUNAM音楽学部のギター教授を務めています。なので、期待の新進演奏家と呼ぶのは申し訳ないほどのキャリアの持ち主なのです。まずはスカルラッティのソナタを聴いてみてください。その表現力豊かな演奏は、偉大なる先人アンドレス・セゴビアを思い起こさせることでしょう。タルレガを始めとした小品も泣かせてくれます。
セイシャス:チェンバロ作品全集 2 (ハラス)
8.570216
セイシャス:チェンバロ・ソナタ集第2集
 1.チェンバロ・ソナタ第3番ハ長調/
 2.チェンバロ・ソナタ第35番ホ短調/
 3.チェンバロ・ソナタ第16番ハ短調/
 4.チェンバロ・ソナタ第45番ト長調/
 5.チェンバロ・ソナタ第60番イ長調/
 6-7.チェンバロ・ソナタ第65番イ短調/
 8-10.チェンバロ・ソナタ第40番へ長調/
 11.チェンバロ・ソナタ第28番ニ短調/
 12.チェンバロ・ソナタ第33番変ホ長調/
 13-14.チェンバロ・ソナタ第53番ト短調/
 15-17.チェンバロ・ソナタ第39番ヘ長調/
 18-19.チェンバロ・ソナタ第78番変ロ長調/
 20.チェンバロ・ソナタ第47番ト長調/
 21-22.チェンバロ・ソナタ第58番イ長調/
 23-24.チェンバロ・ソナタ第20番ニ長調/
 25.チェンバロ・ソナタ第38番ヘ長調
デボラ・ハラス(チェンバロ)
第1集(8.557459)が高い評価を受けたスカルラッティと同時代の作曲家、セイシャス(1704-1742)のチェンバロ・ソナタの第2集です。ご存知の通り、セイシャスが残した作品の多くは、1755年のリスボン大地震で失われてしまいました。現存しているのは、およそ100曲のソナタと若干の典礼作品のみです。しかし、この残された作品だけでも、聴き手に限りない喜びを与えてくれています。一聴してわかる通り、スカルラッティの作品よりも難しそうなパッセージに満ちており、ものすごく華やかで、聴き映えのする曲です。地響きがするような迫力のある演奏は、第1集と同じデボラ・ハラスによるものです。
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスム第25番 - 第41番(マランゴーニ)
8.572326
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスムOp.44 第2巻
 1-3.3つの小品からなる組曲
  <第25番序/第26番シャコンヌ/第27番情熱をもって速く>/
 4.第28番活発に/5.第29番速く、しかしはなはだしくなく/
 6.第30番急速に/7.第31番元気に速く/
 8.第32番活発に/9.第33番シャコンヌ/
 10.第34番急速に/11.第35番急速に/
 12.第36番急速に、しかしはなはだしくなく/
 13-17.5つの小品からなる組曲
  <第37番前奏曲/第38番ほどよく快速に/
  第39番悲しい情景/第40番フーガ/第41番終曲>
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)
第1集(8.572325)での、表現力豊かな演奏が高い評価を持って迎えられたマランゴーニによる、クレメンティ(1752-1832)の「グラドゥス・アド・パルナッスム」の第2集です。作曲家、演奏家、教師、そして音楽出版、そして楽器製造まで手掛けたマルチ音楽家、クレメンティのこの練習曲は、本当に一筋縄ではいきません。例えば、このアルバムに収録された冒頭の3曲、第25番から第27番は、これだけでも一つの曲集として成立するほどのクォリティを持っています。もちろん、それはほんの小手調べ。まだまだ多彩な曲が手薬煉引いて待っているのですから。
バルトーク:ピアノ作品集 6 - ピアノの初歩/4つのピアノ小品/断片/2つのエレジー(ヤンドー)
8.572376
バルトーク:ピアノ作品集第6集
 1-4.4つの小品BB27(1903)
  <左手のための練習曲/幻想曲その1/
  幻想曲その2/スケルツォ>/
 5.交響詩「コッシュート」より葬送行進曲BB31(1903/05)/
 6-7.断片BB38(1905)/8-9.2つのエレジーOp.8b,BB49(1909)/
 10-27ピアノの初歩
  <第1番/第2番/第3番対話 /第4番対話 /第5番/第6番/
   第7番民謡 /第8番/第9番/第10番民謡 /
   第11番メヌエット /第12番豚飼いの踊り /
   第13番民謡 /第14番/第15番婚礼の踊り /
   第16番農民の踊り /第17番/第18番ワルツ>
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
バルトーク(1881-1945)の初期のピアノ作品集です。22歳の時に書かれた4つの小品は、明らかにリストの影響を受けてることは間違いありません。第1番「左手のための練習曲」での輝かしい超絶技巧の表出は、まさに「当時の」彼がピアニストとして目指していた到達点なのでしょう。管弦楽のために書いた交響詩「コッシュート」(19世紀のハンガリーの偉大なる革命家)からの葬送行進曲も未発表のリスト作品だと言われても、そんなに違和感がありません。それから少し時を経た1909年に書かれた「2つのエレジー」はタイトル通り陰鬱な雰囲気を湛えた内省的な作品です。ただ、やはりリストの最晩年の作品と言われても「そんなものかな」と思えてしまうのはご愛敬。やはりもっと民謡風な作品を求めてしまうのは仕方ありません。「ピアノの初歩」は楽しい教育用教材です。
ソレル:チェンバロ・ソナタ集第1番 - 第15番(フィリャク)
8.572515
ソレール:鍵盤楽器のためのソナタ集第1番-第15番
 1.ソナタ第1番イ長調/2.ソナタ第2番変ホ長調/
 3.ソナタ第3番変ロ長調/4.ソナタ第4番ト長調/
 5.ソナタ第5番ヘ長調/6.ソナタ第6番ヘ長調/
 7.ソナタ第7番ハ長調/8.ソナタ第8番ハ長調/
 9.ソナタ第9番ハ長調/10.ソナタ第10番ロ短調/
 11.ソナタ第11番ロ長調/
 12.ソナタ第12番ハ長調「コドルニツから」/
 13.ソナタ第13番ト長調/
 14.ソナタ第14番ト長調/15.ソナタ第15番ニ短調
マルティナ・フィリャク(ピアノ)
カタルーニャの作曲家、オルガニスト。23歳でエル・エスコリアル修道院の聖職者となり、その後の31年間はひたすら祈りと瞑想にあてるという禁欲的な生活を送ったと言われています。そのような生活の中で、150曲ほどのチェンバロ・ソナタを含む500曲以上の作品を書き続けました。D.スカルラッティに学んだとされていますが、その真贋はわかっていません。ソレール(1729-1783)のソナタはスペイン国王カルロス三世の王子ガブリエルのために書かれたとされていますが、これらのソナタがどの楽器のために書かれたのかは断定できません。ほとんどはチェンバロのためのようですが、3楽章や4楽章で書かれたものは当時最先端の楽器であったフォルテ・ピアノのためであった可能性もあります。ここでは、ルビオ番号(20世紀初頭の研究者)に従って並べられています。生活は質素でしたが、音楽は驚くほど雄弁です。
ウォレス:オペラ・ファンタジーとパラフレーズ集(タック/ボニング)
8.572774
名指揮者ボニングがピアノで参加
 ウォレス:オペラ・ファンタジーとパラフレーズ集

 1.ヴェルディ:歌劇「椿姫」の主題による華麗な幻想曲/
 2.ベルリーニ:歌劇「夢遊病の女」によるのサロン風幻想曲/
 3.ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」によるサロン風幻想曲/
 4.ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」から
  ヘブライの捕虜たちの合唱「行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って」/
 5.ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」の舟歌による華麗な変奏曲/
 6.ヴェルディ:歌劇「リゴレット」から「愛しの美しい娘」/
 7.ウォレス:歌劇「ラーリン」から夜想曲「夜の風」/
 8.ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」の主題によるサロン風幻想曲/
 9.ウォレス:歌劇「マリターナ」の主題による大幻想曲/
 10.アレヴィ:歌劇「ルクレール」による大二重奏曲
ローズマリー・タック(ピアノ)/
リチャード・ボニング(ピアノ)…5.10
今でこそ忘れられてしまったものの、存命当時はオペラ作家として国際的に称賛されていたアイルランドの作曲家ウォレス(1812-1865)による、チャーミングなオペラからのトランスプリクション集です。彼はウォーターフォードで生まれ、10代後半からピアニストとして活躍、その後1835年にオーストラリアに移住し、捕鯨(!)をしながら音楽活動を行いました。その際、インドでトラに襲われたり、南洋で地震に遭遇したりなどの武勇伝もありますが、これはどうも眉唾もののようです。そんな彼のオペラの中で、現在かろうじて知られているのは、「マリターナ」1曲ですが、このアルバムの中では彼自身の手で聴きどころを集めた「幻想曲」を聴くことができます。当時流行していた様々なオペラからの聴きどころも、彼の手で新たに生まれ変わっていて、なかなか面白い編曲が楽しめます。名指揮者ボニングがピアノを弾いているところも注目です。

8.660300-01
(2CD)
プティジラール:歌劇「グル」
《CD1》1-7.第1幕/8-12.第2幕/
《CD2》1-9.第3幕
グル…フーベルト・クラセンス(バス・バリトン)/
マリー…ソニア・ペトロヴナ(女優)/
ヴィクトル…フィリップ・ドー(テノール)/
イリス…カレン・ウィエルズバ(ソプラノ)/
カレッリ…フィリップ・カーン(バス)/
マルテ…マリー=ノエル・ヴィダル(アルト) 他/
ブダペスト・スタジオ合唱団/
ホンヴェード男声合唱団/
ハンガリー交響楽団/
ローラン・プティジラール(指揮)
フランスの現代作曲家プティジラール(1950-)は、これまでも様々な問題作を書き、次々と発表しています。それは交響曲であったり、映画音楽であったり、またオペラであったり。中でも世間を騒がせたのは、「エレファント・マン(ジョセフ・メリック)」のオペラ化でした。この悲しく救いのない物語は、映画とはまた違う感動を伴いつつ、聴衆の心に棘を残したことは間違いありません。今回のオペラ「グル(尊師)」は、カルト宗教とそれにまつわる人間模様を描いた作品。「自分は選ばれた人間である」と主人公が確信した時から、彼の狂気と死へのカウントダウンが始まります。彼の行動を止めようとするマリー一人を除いて、他の登場人物は主人公の狂気に巻き込まれていくのです。
ブリテン:スコットランド歌曲集全曲 - 誕生日のお祝い/この子らは誰か/ロバート・バーンズの詩による4つの歌(ワイルド/ウェイクフォード/ノリス)
8.572706
ブリテン:スコットランド歌曲集全集
 1-7.誕生日の祝いOp.92/
 8-19.この子らはだれかOp.84/
 20.子守歌「ねむれ、わが子よ、ねむれ」/
 21.ああ、私はこれまで結婚していなかった/
 22.民謡編曲第5集「イギリスの歌」より
  第5番「羊を追って」/
 23.民謡編曲第3集「イギリスの歌」より
  第2番「なぐさめる人もなく」/
 24.民謡編曲第1集「イギリスの歌」より
  第4番「おまえはクッションが縫えるかい」/
 25.民謡編曲第1集「イギリスの歌」より
  第3番「美しいマリー伯爵」/
 26.8つの民謡編曲より第4番「すがすがしい朝」/
 27.民謡編曲第3集「イギリスの歌」より
  第7番「おまえはニューキャッスルの生まれではないのか」/
 28.ドウティーの献身/29.大きなナイフ/30.伝統/
 31-34.バーンズの4つの歌(C.マシューズによる声とピアノ編)
マーク・ワイルド(テノール)/
ルーシー・ウェイクフォード(ハープ)…1-7.26/
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(ピアノ)…8-25.27-34
ブリテン(1913-1976)はその生涯に多くの歌曲を残しました。それは盟友であった名歌手P.ピアーズや、交流のあった詩人オーデンの影響も強いのですが、何より彼自身が古代スコットランドの伝統音楽・・・仄暗く、表現豊かで清冽な表現に惹かれていたからなのかも知れません。彼の歌曲のほとんどは連作歌曲で、それ自体が一つの世界を包括し、限りない物語性を秘めたものです。ここに収録された2つの連作歌曲は、どちらも晩年の作品で、「誕生日の祝い」はエリザベス2世が、実母の75歳の誕生日を祝うためにブリテンに作曲を依頼したもの。王族のスコットランドの家系を重んじるため、スコットランド語の歌詞が選ばれたと言います。また、ウィリアム・スーターの歌詞による「この子らはだれか?」の暗く劇的な音楽描写は、ブリテンが強烈な反戦主義者であったことを思い起こさせます。どちらもピアーズによって初演されましたが、ここではマーク・ワイルドの甘美な声が、これらの名歌曲にまた新しい表情を与えています。
LULLY, J.-B.: Grand Motets (The) (3 CD Box Set)
8.503229
(3CD)
\2200
ニケ&ル・コンセール・スピリチュエル
 リュリ:グラン・モテ集
《CD1…第1集8.554397》
 1.テ・デウム/2.われを憐れみたまえ/
 3.手を打ち喜べガリアの国よ/
《CD2…第2集8.554398》
 1.人々は泣き叫ぶかのごとく/2.おお信仰の涙/
 3.怒りの日/4.深き淵より/
《CD3…第3集8.554399》
 1.主は汝の声を聞き(詩篇第19番)/
 2.おお、いと甘き主よ(プティ・モテ)/
 3.ノトゥス・イン・ユダエア・デウス(詩篇第75番)/
 4.主の僕たちよ、主をほめたたえよ(詩篇第112番)(プティ・モテ)/
 5.ベネディクトゥス
ル・コンセール・スピリチュエル/
エルヴェ・ニケ(指揮)
イタリア出身ながらも、ルイ14世の寵愛を受け、作曲家&踊り手として活躍。多くのバレ(フランスではこう呼ばれました)を作曲したリュリ(1632-1687)は、宗教音楽も多数残しています。そんなリュリの宗教曲を、ニケ&ル・コンセール・スピリチュエルによる誉れ高き名演のセットでお楽しみください。グラン・モテとは、室内編成または標準編成のオーケストラが声楽を伴奏するモテットのことで荘厳な響きが楽しめます。それに対してプティ・モテとはオルガンと通奏低音が伴奏するモテットで、このBOXの中にも数曲含まれていて、こちらは素朴で簡素な美しさが楽しめます。
MONSTER MUSIC - Classic Horror Film Scores (6 CD Box Set)
8.506026
(6CD)
\4400
MONSTER MUSIC!〜モンスター映画音楽集
《CD1…8.570183》
 スタイナー(1888-1971):1.コングの復讐/2.猟奇島/
《CD2…8.570188》
 ソルター(1896-1994)&デッサウ(1894-1979):
  フランケンシュタインの家/
《CD3…8.557700》
 スタイナー:キングコング/
《CD4…8.557703》
 キラール(1932-):
  1.ドラキュラ/2.キング・フォー・バーニング/
  3.死と処女/4.The Beads of One Rosary/
  5.Pearl in the Crown/
《CD5…8.557705》
 1.スキナー(1897-1968):フランケンシュタインの息子/
 2.スキナー&ソルター(1896-1994):透明人間の帰還/
 3.スキナー&ソルター:狼人間/
《CD6…8.557850》
 フランケル(1906-1973):
  1.吸血狼男/2.So Long at the Fair Medley/
  3.ジェット機M7号/4.The Prisoner
《CD1》レオニド・マカレヴィチ(ピアノ)…2/
モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)/
《CD2》モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)/
《CD3》モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)/
《CD3》クラクフ・フィルハーモニー合唱団…1.2/
《CD4》ポーランド国立放送交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)/
《CD5》モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)/
《CD6》ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
カール・デイヴィス(指揮)
NAXOSが誇る「映画音楽集」の中から、モンスターにまつわる音楽を収録したアルバムの6枚セットです。無声映画の頃は、お話を盛り上げるのは全て音楽でした。背後から何かが忍び寄ってくるシーン、まさに怪物に襲われるシーン、その時々にふさわしい迫力満点の音楽が奏されていたのです。このBOXには、アレンジャーJ.モーガンが当時のスコアを洗い出し(もしくは記録された音楽を再現)、リライトして、その音楽をより一層迫力あるものに仕上げているものを中心に収録。また、CD4にはポーランドの純クラシックの作曲家としても知られるキラールの作品集が含まれています。ドラキュラに付けられた悲劇的な音楽は一度聴いたら忘れることのできない魅力を放っています。

8.571284-85
(2CD)
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第9集&第10集
ベルリオーズ=リスト:幻想交響曲他

《CD1.ベルリオーズ=リスト:幻想交響曲》
 1.第1楽章夢想と情熱/2.第2楽章舞踏会/
 3.第3楽章田園の風景/4.第4楽章断頭台への行進/
 5.第5楽章サバトの夜の夢/
《CD2.ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド》
 1.山の中のハロルド/2.夕べの祈りを歌う巡礼の行進/
 3.アブルッチの山人が愛人に寄せるセレナード/
 4.山賊の饗宴、前景の回想
イディル・ビレット(ピアノ)/
ルーセン・グーンズ(ヴィオラ)…CD2
初紹介アイテム。
ビレットが演奏するベルリオーズ(1803-1869)=リスト(1811-1886)の幻想交響曲は、NAXOSにも録音があり(8.550725)、こちらもとても評判が高いのですが、こちらの録音はそれよりも14年前の演奏です。彼女はこのリスト版を演奏するにあたって、ベルリオーズの原曲をよく研究し、リストが編曲した際の原曲との微妙な相違点を修正していることで知られていますが、この録音でもそれは顕著に現れています。後年の演奏よりも若干軽やかさとぎこちなさが同居していますが、よくぞここまで!という妙技は変わりありません。もう1曲の「イタリアのハロルド」は2011年の最新録音です。ヴィオラをともなうこの交響詩を全曲演奏してしまうというだけでも偉業なのですが、これがまた随分と良くできていて、ついつい聴き入ってしまいます。どうしても統一感が不足がちな原曲よりもまとまりがあり、一気に聴きとおすことが可能です。

以下5点、ビレット特集でご紹介したことはありますが、この価格では初めてです。
8.571257 イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第7集ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集第2集
 1-3.ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37/
 4-6.ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
ビレットとヴィトのコンビによる、なんとも重量級のベートーヴェン(1770-1827)が生まれました。第3番の1楽章の長い提示部は、まさに交響曲を聴いているかのような味わい。ワクワク感が最高潮に達したところで登場するピアノ。決して焦ることなく、着々と音楽を進めて行く様は、本当に聴いていて気持ちの良いものです。第2主題も過度に歌わせることなく、あくまでも無骨さを崩さないところがビレット流。この人は、流麗さが求められるところを、敢えてゴツゴツ表現するのですね。そんなビレットが演奏する第4番がまた面白いのです。「こんなに力強くこの曲を演奏するか?」と思わせるところが彼女らしさなのかもしれません。ヴィトの指揮も、ベートーヴェンの「漢」ぶりを引き立てています。
8.571278 イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第5集
マーラー&フランク:室内楽作品集
 1.マーラー(1860-1911):ピアノ四重奏曲イ短調/
 2-4.フランク(1822-1890):ピアノ五重奏曲ヘ短調
イディル・ビレット(ピアノ)/
ロンドン弦楽四重奏団
ビレットの幅広いレパートリーを示す、珍しい室内楽作品の演奏です。マーラーの作品は、彼がウィーン音楽院に在学していた16歳の頃に書かれた単一楽章の曲で、作曲科の試験に提出するために書かれたとされています。本来は4楽章形式で構想されたと言われますが、第3楽章スケルツォの断片が残っているのみで、他は紛失したようです。この楽章のみ、未亡人アルマの遺品から発見されました。後年の作風のような重厚さは見られないものの、終わり近くに現れるヴァイオリンの悲劇的なカデンツァが未来を予見させます。もう1曲のフランクは、渋さの権化のような作品ですが、ビレットの演奏は、フランク特有の旋律美を面白いほどに感じさせてくれる説得力あるものです。またロンドン弦楽四重奏団も素晴らしい。現れては消える緊張感漲るメロディを追っていくうちに、この曲が好きになること間違いなし。
8.571254 イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第4集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第2集
 1-4.ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3/
 5-7.ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1/
 8-11.ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3
イディル・ビレット(ピアノ)
ビレットのベートーヴェン(1770-1827)、この第2集では初期の2つのソナタと、中期のソナタのカップリングです。第3番は、冒頭の右手の重音が思いの他ピアニスト泣かせ。ここを軽やかに弾くのは結構大変!他にも難所続出の「甘く見てはいけない曲」です。もちろんビレットは何のためらいもなく、さくさく弾き切って、ベートーヴェンが伝えたかったことを存分に見せてくれています。第5番は「悲愴」と同じハ短調のソナタ。第2楽章の美しさも含めて「悲愴」との関連性も見受けられる、もっと聴かれてもいい作品です。終楽章の軽快なパッセージが心地よいです。第18番は、しばしば「狩り」と呼ばれ、第1楽章に現れる「運命の動機」が特徴的な作品です。終楽章のタランテラは、まるで指が縺れるのでは。と危惧してしまいますが、そこもビレット。こちらも難なく弾きこなしています。
8.571255 イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第5集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第3集
 1-4.ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3/
 5-7.ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53/
 8-11.ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79
イディル・ビレット(ピアノ)
ビレットのベートーヴェン・ソナタ第3集。明るい長調の3曲が収録されています。初期の作品の中では大規模な構造を持つ第7番は、ベートーヴェン(1770-1827)の拘り(粘着性とも)を現わす、第1楽章での執拗なまでの下降音形や、終楽章の問いかけとも思える音形が癖になる力作です。第3楽章の優美なメヌエットが耳に優しく感じられます。ハ長調の「ワルトシュタイン」は言わずと知れた名作。ここではビレット節が炸裂します。メリハリのある強弱、くせのある歌わせ方、などなど普通の人がやったら確実に叱られそうな音楽を紡いでいきます。第25番は、この時期の作品としては小規模なもので、ピアノを習っていた人にはおなじみの曲ですが、これがやはり、きちんと演奏しようとすると結構難しいものです。右手と左手の連携や、アクセントの付け方に一癖も二癖もある作品です。ビレットの演奏はもちろん文句ありません。さらりと終わる終楽章が愛らしいです。
8.571256 イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション 第6集
ベートーヴェン=リスト編曲 ピアノ独奏による交響曲集 第2集
 1-4.交響曲第4番変ロ長調 S464/R128/
 5-8.交響曲第5番ハ短調 S464/R128
イディル・ビレット(ピアノ)
ピアノ1台でベートーヴェン(1770-1827)の交響曲を演奏してみたい。かのリスト(1811-1886)が考えた壮大なる計画。今までにも数多くのピアニストがその試みを音にしてきました。もちろん、どこかでもたついていたら、かっこよさは半減してしまいます。ただただ技術的に難しいだけでなく、オーケストラの音色を感じさせてくれないといけないのですが、ビレットはこの命題を見事にクリアしています。交響曲第4番の冒頭は、引き延ばした音で本当に思わせぶりに始まるので、ピアノで再現するのは困難。しかしビレットは「何かを予感させるかのように」気持ちをぐいぐい引っ張ってくれます。もちろん軽快な第1主題では、オーケストラもたじたじとなるほどの華やかな音楽が炸裂します。第4楽章の早いパッセージはピアノ向きですが、音の厚みが半端ではないので演奏はかなり困難です。そして第5番はおなじみ「運命」。この迫力は、まさにため息ものです。

NEWTON CLASSICS

 ユニバーサル音源をじんわりひっそりと再リリースしてきてて、てっきり危ないレーベルかと思いきや、正真正銘ユニバーサルのライセンスを得て過去の音源をリリースしている真っ当な新レーベルだった。
 なので基本的にこのレーベルの存在価値は、本家ユニバーサルが出さないでお蔵入りになっている貴重音源をリリースしてくれることにあるが、先日リリースされたストコフスキー音源のように、ユニバーサル以外からも貴重なものを引っ張り出してきてくれることもある。いずれにしても要注目のレーベルである。
Beethoven: Symphonies Nos. 1-9 (complete)
8802077
(6CD)
\4000→¥3580
コリン・ディヴィス/ベートーヴェン:交響曲全集
 1.交響曲第1番ハ長調 Op.21/2.交響曲第2番ニ長調 Op.36/
 3.交響曲第3番変ホ長調 「英雄」Op.55/4.交響曲第4番変ロ長調 Op.60/
 5.交響曲第5番ハ短調 「運命」Op.67/6.交響曲第6番ヘ長調「田園」Op.68/
 7.交響曲第7番イ長調Op.92/8.交響曲第8番ヘ長調 Op.93/
 9.交響曲第9番ニ短調「合唱」Op.125/
 10.「エグモント」序曲Op.84/
 11.「レオノーレ」序曲第3番ハ長調 Op.72
シャロン・スウィート(ソプラノ)…9/
ヤドヴィカ・ラッペ(アルト)…9/
ポウル・フライ(テノール)…9/
フランツ・グルントヘーバー(バス)…9/
ドレスデン国立歌劇場合唱団…9/
ドレスデン・シュターツカペレ/
コリン・ディヴィス(指揮)
クラシック音楽を聴く際、まず攻略しておきたいのがベートーヴェン(1770-1827)の9つの交響曲です。これらの曲が作曲されてほぼ200年。何人の指揮者、またいくつの団体がこの「最高傑作」を演奏してきたことでしょう?録音も然り。カタログを探せば、それこそ数多くの音たちがひしめいています。その中でも、このデイヴィスとゲヴァントハウスの全集はとりわけ強い光を放つものとして高く評価されています。伝統あるオーケストラの深みのある音色を生かし、表現は決して奇をてらうことなく、心から安心して聴けるベートーヴェンです。じっくりと歌いあげて行くフレーズ。磨き抜かれた響き。様々な解釈、演奏を聴いた後に戻ってきたい・・・まさに「初心に立ち返る」ベートーヴェンがここにあります。
JS Bach & Vivaldi: Concertos for violin(s)
8802078
\2000→¥1790
五嶋みどり/J.S.バッハ&ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集
 1.J.S.バッハ:2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043/
 2.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ハ短調「疑い」RV199/
 3.ヴィヴァルディ:2台のヴァイオリンのための協奏曲イ短調 Op.3-8 RV522/
 4.J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
五嶋みどり(ヴァイオリン)/
ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン…1.3&指揮)/
セント・ポール室内管弦楽団
若きバッハ(1685-1750)は、自らの作曲技法を高めるために、同時代の先輩の作品を研究していたことは良く知られています。イタリアで流行していた「合奏協奏曲」を学ぶためにはヴィヴァルディ(1678-1741)の作品を徹底的に学んだ上で、自らも素晴らしい協奏曲を書き上げたのでした。このアルバムは、当時14歳、若き五嶋みどりとズーカーマンの記念すべき邂逅となった1枚。すでに独自のスタイルを築いていた「MIDORI」は、この協奏曲でも素晴らしい解釈を聴かせます。とりわけ、緩徐楽章でのロマンティックな表現がききものです。録音 1986年3月ミネソタ 聖ポール教会
Brahms: Symphonies Nos. 1-4 (Complete)
8802079
(2CD)
\2600→¥2290
アンタル・ドラティ/ブラームス:交響曲全集
 1.交響曲第1番ハ短調 Op.68/2.交響曲第2番ニ長調 Op.73/
 3.交響曲第3番ヘ長調 Op.90/4.交響曲第4番ホ短調 Op.98
ロンドン交響楽団…1、3、4/
ミネアポリス交響楽団…2/
アンタル・ドラティ(指揮)
ベートーヴェンが築いた「交響曲の伝統」をそのまま受け継いだ(受け継ごうとした)のがブラームス(1833-1897)です。もちろん、その間にはシューマンを含め、他の多くの作曲家たちが交響曲を書いてはいますが、やはりブラームスの「交響曲第1番」は、そのままベートーヴェンの「第10番」と呼びたくなるほどの威圧感と完成度を持っていることは間違いありません。ここで指揮をしているドラティは、ハイドン、ストラヴィンスキーのスペシャリストとして讃えられますが、このブラームスでは、機敏なリズムと、メリハリのあるフレージングを生かした、ただただ重苦しいだけのブラームスとは一線を画す素晴らしい演奏を聴かせます。録音 1959年6月…1, 1957年12月…2, 1963年7月…3、4
Delibes: Complete Ballets
8802080
(3CD)
\3000→¥2690
アナトール・フィストラーリ&アンタル・ドラティ
 ドリーブ:コッペリア&シルヴィア全曲

  1.バレエ音楽「シルヴィア」全曲/2.バレエ音楽「コッペリア」全曲
ロンドン交響楽団/
アナトール・フィストラーリ(指揮)…1/
ミネアポリス交響楽団/
アンタル・ドラティ(指揮)…2
19世紀のバレエ音楽は、どちらかというと、オペラの中の一部として存在していて、音楽だけが聞かれるということもあまりありませんでした。そんなバレエ音楽を、独立したジャンルに高めた一人が、レオ・ドリーブ(1836-1891)です。彼の書いた「コッペリア」はE.T.A.ホフマンの小説「砂男」からヒントを得たものですが、原作の猟奇的な面は影を潜め、あくまでも繊細で優美な音楽が付けられたバレエ界の古典的名作です。ドラティはこの作品に驚くほどのドラマ性を与え、実際の舞台を見ずとも、目の前に踊り子たちが現れるような極彩色の音楽を紡ぎだしています。もう1曲の「シルヴィア」も、バレエ音楽を得意としたフィストラーリの指揮で。
Schumann: Symphonies Nos. 1-4 (Complete)
8802081
(2CD)
\2600→¥2290
リッカルド・ムーティ&ウィーン・フィル
 シューマン:交響曲全集

  1.交響曲第1番変ロ長調「春」Op.38/
  2.交響曲第4番ニ短調 Op.120/
  3.交響曲第2番ハ長調 Op.61/
  4.交響曲第3番変ホ長調「ライン」Op.97
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/
リッカルド・ムーティ(指揮)
若きシューマン(1810-1856)も、交響曲というジャンルについては、ベートーヴェンの大きな壁を乗り越えることに、かなり苦心したようです。初期の頃は、ピアノ曲と声楽曲を書いていたシューマンですが、常に頭の中にはオーケストラの響きが鳴っており、いくつかの草稿も作ってみたものの、結局形になることはありませんでした。しかしその後、シューベルトの「グレート」を発見し、メンデルスゾーンに送付、初演にこぎつけたことで交響曲への作曲意欲が湧き、また、愛するクララとの結婚がかなったこともあり、1841年に一気に第1番が書かれることになります。その後、約10年間に渡り第2番から第4番までが書かれます。ただし出版の都合で実際の作曲順とは「ずれ」が生じており、実質最後の交響曲である、第3番「ライン」が書かれたのは1850年でした。ムーティ&ウィーン・フィルの演奏は、ムーティにとっての2度目の全集録音であり、練りに練られた曲作りが好評を持って迎えられたものです。
Rachmaninov: Symphony No. 2 in E minor, Op. 27
8802082
\2000→¥1790
ゲルギエフ&キーロフ管
 ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調Op.27
キーロフ管弦楽団/
ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)
20世紀最後のメロディスト、ラフマニノフ(1873-1943)の美質全開とも言える「交響曲第2番」。なかでも第3楽章のこぼれおちるような美しさは「美メロ」の極みとして、多くの人から愛されています。このゲルギエフの演奏は、この曲が初演されたキーロフ管弦楽団(現マリインスキー劇場管弦楽団)の共感溢れる演奏で、ラフマニノフの哀愁と憧憬を余すことなく表出しており、まさに「ロシア音楽にかけて彼の右に出るものはない」という言葉を改めてかみしめさせてくれるような、ゴージャスでドラマティックな仕上がりとなっています。

NEWTON CLASSICS

Webern: Lieder
8802055
\2000→¥1790
エルツェとシュナイダーによるウェーベルンの歌曲集
 ウェーベルン(1883-1945):歌曲集
  1-3.3 つの詩(1899-1903)/
  4-11.8 つの初期の歌(1901-1904)/
  12-14.フェルディナント・アヴァナリウスの詩による3 つの歌(1903-1904)/
  15-19.リヒャルト・デーメルの詩による5 つの歌(1906-1908)/
  20-24.シュテファン・ゲオルゲの「第七の輪」による5 つの歌 Op.3/
  25-29.シュテファン・ゲオルゲの詩による5 つの歌 Op.4/
  30-33.シュテファン・ゲオルゲの詩による4 つの歌(1908-1909)/
  34-37.4 つの歌 Op.12/
  38-40.ヒルデガルド・ヨーネの「道なき道」による3 つの歌 Op.23/
  41-43.ヒルデガルド・ヨーネの詩による3 つの歌 Op.25
クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)/
エリック・シュナイダー(ピアノ)
1995 年に初リリースされた、エルツェとシュナイダーによるこのウェーベルンの歌曲集は、当時から高く評価されたものです。20 世紀を代表する作曲家ウェーベルンは、残した作品は多くないものの、そこには凝縮された音楽が詰まっていて、後進に与えた影響も大きいことで知られています。彼の歌曲は最初期のものこそ、後期ロマン派の雰囲気を宿していますが、シェーンベルクから教えを受けた十二音を発展させ、作品3 の「5 つの歌曲」(1909 年)以降は、無調を採用し、その音楽は短いながらもより複雑に発展していくのです。
エルツェの歌唱は、ウェーベルンの持つ冷たい肌触りを生かしつつも、奥底に秘めた仄暗い情熱を見事に表出した知的さが持ち味です。バッハからワーグナー、そして未来へと続く伝統を体現した名演です。
録音 1994 年9 月ベルリン,ランクヴィッツ・コンツェルトザール
Chopin: Piano Concerto No. 1 & Andante spianato and Grande Polonaise
8802083
(2CD)
\2600→¥2090
幻の名匠、ゲーリー・グラフマン
 ショパン(1810-1849)&メンデルスゾーン(1809-1847):ピアノ作品集

《CD1 ショパン》
 1.バラード第 1 番ト短調 Op.23/
 2.バラード第 2 番ヘ長調 Op.38/
 3.バラード第 3 番変イ長調 Op.47/
 4.バラード第 4 番ヘ短調 Op.52/
 5.アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 Op.22/
《CD2》
 1-3.ショパン:ピアノ協奏曲第 1 番ホ短調 Op.11/
 4.メンデルスゾーン:華麗なるカプリッチョ Op.22
ゲーリー・グラフマン(ピアノ)/
ボストン交響楽団…CD2.1-3/
シャルル・ミュンシュ(指揮)…CD2.1-3
ゲイリー・グラフマン(1928-)は、アメリカ合衆国のピアニスト、音楽教師です。彼はロシア系ユダヤ人を両親に、ニューヨークで生まれ、7歳でカーティス音楽院に入学し、ヨゼフ・ホフマンをはじめとした優秀な教師の元で学びます。20歳のころには、素晴らしいピアニストとして名声を博していましたが、更に修行するため、ホロヴィッツとルドルフ・ゼルキンに師事したことでも知られています。1960 年代に絶頂期を迎え、幾人もの大指揮者と共演し、ここで聴けるショパンのような一連の素晴らしい録音を残しています。その後、1977 年から右手に不調を訴え、1979 年には完全に教育者として方向転換し、後進を育てることに力を注ぎました。ランラン、ユジャ・ワンも彼に学んでいます。彼の煌めく技巧と音楽性を知るための2 枚組です。
Emanuel Ax plays Schumann
8802084
\2000→¥1790
エマニュエル・アックス
 シューマン(1810-1856):ピアノ作品集

 1-6.フモレスケ Op.20/
 7-14.幻想小曲集 Op.12
  <夕べに/飛翔/なぜ/気まぐれ/夜に/寓話/夢のもつれ/歌の終わり>
エマニュエル・アックス(ピアノ)
ウクライナのリヴィウで生まれ、家族とともにポーランドからカナダへ移住、11 歳の時にニューヨークへ移り、ジュリアード音楽院でピアノを学んだエマニュエル・アックス。彼は驚くほどのレパートリーを誇り、古典から現代まで何でも弾きこなす才人で、ジョン・アダムスやピーター・リーバーソンなど現代音楽の名手たちも彼のためにたくさんの作品を書いていますが、ここではロマンティックの境地ともいえるシューマンの作品を2 つお聴きください。1830 年代の後半、シューマンが愛しいクララを思いながら書いたフモレスケと幻想小曲集は、その内声の豊かさと、切ない調べに満ちた名作であり、彼自身が「情緒と知の巧みな融合」と語るように、どれもこれも一筋縄ではいかない構造を持っています。アックスのしなやかで柔軟な演奏は、絡みあった音を解き解し、シューマンの懊悩を見事に解き明かすかのようです。
録音 1981 年10 月アメリカ ニューヨーク RCA スタジオA
Canteloube: Chants d’Auvergne
8802085
\2000→¥1790
アンナ・モッフォ:名唱集
 1-7.カントルーブ(1879-1957):オーヴェルニュの歌より
  <アントゥエノ/羊飼いの乙女/泉の水/バイレロ/
  牧場を通っておいで/女房持ちはかわいそう/子守歌>/
 8-9.ヴィラ・ロボス(1887-1959):ブラジル風バッハ第 5 番/
 10.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ Op.34
アンナ・モッフォ(ソプラノ)/
アメリカ交響楽団/
レオポルド・ストコフスキー(指揮)
ペンシルバニア生まれのソプラノ、アンナ・モッフォは若き頃から「女優にならないか?」とハリウッドから誘いがあったほどの美貌を誇っていました。
カーティス音楽学校で勉強し、その後ローマの聖チェチーリア音楽院に留学、1955 年にはスポレットでドン・パスクァーレのノリーナとしてデビュー、そしてRAI(イタリア放送)のテレビ放送で「蝶々夫人」を演じたことで一気にブレイク。スカラ座、ウィーン国立歌劇場と次々と活躍の場を広げていきます。その天性の美貌を生かし歌手だけでなく、ハリウッドでも活躍、映画に出演したり、テレビ番組の司会をしたりとひっぱりだこの人気を誇りましたが、やはり歌手としての活動が一番光り輝いていたのは間違いありません。
この「オーヴェルニュの歌」は見事な言語感覚と美声がマッチした名唱を聴くことができます。まるで語るような表情豊かな歌に魅了されない人はいないでしょう。ヴィラ=ロボスのわくわくするような「ブラジル風バッハ」も聴きもの。そしてラフマニノフのヴォカリーズも、何度も聴きたくなるような不思議な魅力を持っています。ストコフスキーの指揮がこれまた絶品です。
録音 1964 年4 月アメリカ ニューヨーク,マンハッタン・センター
JS Bach: Orchestral Suites & Violin Concertos
8802086
(4CD)
\4000→¥2990
ウラディーミル・スピヴァコフ
 バッハ(1685-1750):管弦楽作品集

《CD1》
 1-7.管弦楽組曲第 1 番ハ長調 BWV1066/
 8-14.管弦楽組曲第 2 番ロ短調 BWV1067/
《CD2》
 1-5.管弦楽組曲第 3番ニ長調 BWV1068/
 6-10.管弦楽組曲第 4 番ニ長調 BWV1069/
《CD3》
 1-3.ヴァイオリン協奏曲ホ長調 BWV1042/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV1041/
 7-9.オーボエ協奏曲ニ短調 BWV1059/1056/
 10-12.オーボエ・ダ・モーレ協奏曲イ長調 BWV1055/
《CD4》
 1-3.ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調 BWV1060/
 4-6.ヴァイオリン,フルートとハープシコードのための協奏曲イ短調 BWV1044/
 7-9.2 つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043/
 10-12.3 つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1064
アレクセイ・ウトキン(オーボエ・ソロ)/
トビアス・キャロン(フルート・ソロ)/
アレナ・ドゥラン(フルート・ソロ)/
セルゲイ・ベズロドニー(ハープシコード・ソロ)/
アルカディ・フーター(ヴァイオリン…CD4,10-12)/
ボリス・ガルリツキー(ヴァイオリン…CD4,10-12)/
モスクワ・ヴィルトゥオージ/
ウラディーミル・スピヴァコフ(ヴァイオリン&指揮)
このスピヴァコフによるバッハの一連の協奏曲作品はそれぞれ、他の楽器用に編曲されたり、また他の作曲家の作品を編曲したりと、通常のレパートリーとは一風変わった趣きを持っているものが多く、これらをまとめて演奏することは、この録音当時はあまりなかったことでした。スピヴァコフは、彼自身が1979 年に設立したこれらの曲と、有名な管弦楽組曲を併せて演奏し、この巨大なバッハの壁に独自の足跡を残しました。普通のロシアのアンサンブルとは一線を画した明瞭で精力的なアプローチと、深い響きは「ドイツの伝統の音」とはかなり違う感触ですが、その存在感溢れる音は「新しいバッハ像」を構築するものとして価値が高いものだといえるでしょう。
録音 1989 年4 月22-28 日&1990 年4 月20 日ミュンヘン,ヘルクレス・ザール…CD1&2/1982 年7 月10-14 日フランス,サン・マチュー教会…CD3/1988 年7 月24-30 日フランス,レバノン教会…CD4
Schubert: Trout Quintet, Arpeggione Sonata & Notturno
8802087
\2000→¥1790
インマゼール&ラルキブデッリ
 シューベルト(1797-1828):ます・アルペジョーネ・ソナタ他

  1-5.ピアノ五重奏曲イ長調「ます」D667/
  6-8.アルペジョーネ・ソナタイ短調 D821/
  9.アダージョ変ホ長調「ノットゥルノ」
ジョス・ファン・インマゼール(フォルテピアノ)/
ラルキブデッリ<メンバー:ヴェラ・ベス(ヴァイオリン)/
ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)/
アンナー・ビルスマ(チェロ)/
マージ・ダニロウ(コントラバス)>
究極の名演の登場です。
インマゼールとラルキブデッリによるシューベルトの「ます」と、ラルキブデッリのメンバー、ビルスマによる「アルペジョーネ・ソナタ」、そしてシューベルトの知られざる名曲「ノゥトゥルナ」の3 曲を収録したこの1 枚。古楽器ファンの間では、まさに宝物のように扱われてきたアルバムなのです。
「ます」での表情豊かな演奏もさることながら、「アルペジョーネ」でビルスマが弾く5 弦のチェロ・ピッコロの軽やかかつ幽玄な響きは、いくら同曲異演が存在しようとも、代替のきかない「唯一無比」のものなのだからです。そんなにすごいものなの?と思う方がいるのでしたら、まずこの響きに耳を傾けてみてください。
録音 1997 年7 月オランダ ハーレム,ルーテル教会

NEWTON CLASSICS

Dvorak: Late String Quartets, Nos 12?14 & Terzetto
8802088
(2CD)
\2600→¥2290
グァルネリ四重奏団
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集&三重奏曲

〈CD1〉
 1-4.三重奏曲ハ長調 Op.74/
 5-8.弦楽四重奏曲第11番ハ長調 Op.61/
 9-12.弦楽四重奏曲第12番ヘ長調「アメリカ」Op.96/
〈CD2〉
 1-4.弦楽四重奏曲第14番変イ長調 Op.105/
 5-8.弦楽四重奏曲第13番ト長調 Op.106
グァルネリ四重奏団
<メンバー:アーノルド・シュタインハルト(第1ヴァイオリン)/
ジョン・ダレイ(第2ヴァイオリン)/
マイケル・トゥリー(ヴィオラ)/
デヴィット・ソイヤー(チェロ)>
ドヴォルザーク(1841-1904)の弦楽四重奏曲は全部で14曲ありますが、第7番くらいまでのものには先人の影響が強く表れており、また、実験的な要素も強く、彼本来の美質が全て表出されているとは言い難いため、あまり演奏される機会はありません。しかし第8番以降、とりわけ最後の4曲は、古今東西全ての弦楽四重奏曲の中でも傑作とされていることはご存知の通りです。あふれ出る美しいメロディと抒情性、芸術的に昇華された民謡など、ドヴォルザークの成熟が見てとれる作品で、中でも1893年に書かれた第12番「アメリカ」は、完成度の高さにおいて並ぶもののない名曲です。
1964年に結成されたグァルネリ弦楽四重奏団は、2001年にチェロが交代した以外は、2007年の引退表明までメンバーを変えることなく、一貫した音楽性を保持してきたアンサンブルです。音色の美しさには定評があり、このドヴォルザークも美しい響きに満ちています。
録音 ニューヨーク 1972年12月18-19日…CD1:1-4/1972年4月10-11.13日…CD1:5-12/1979年12月13-14日…CD2:5-8/1965年6月4.7.9.11日…CD2:1-4
Schubert: Late String Quartets, Nos 13?15 & Quartettsatz
8802089
(2CD)
\2600→¥2290
グァルネリ四重奏団
 シューベルト:後期弦楽四重奏曲集

〈CD1〉
 1-4.弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」D804/
 5-8.弦楽四重奏曲第14番ニ短調 「死と乙女」D810/
〈CD2〉
 1-4.弦楽四重奏曲第15番ト長調 D887/
 5.弦楽四重奏曲ハ短調「断章」D703
グァルネリ四重奏団
<メンバー:
アーノルド・シュタインハルト(第1ヴァイオリン)/
ジョン・ダレイ(第2ヴァイオリン)/
マイケル・トゥリー(ヴィオラ)/
デヴィット・ソイヤー(チェロ)>
シューベルト(1797-1828)の晩年の作品は極めて内省的な雰囲気に満たされています。なかでも室内楽は最も暗い領域に足を踏み入れているといっても間違いありません。満たされぬ愛と孤独を、息の長いメロディで綴って行くシューベルトの心情は、いかがなものであったのか、現代の我々は想像する他ないのです。ここに収録された4曲の作品はどれも孤高の美に満ちたもので、第2楽章に劇音楽「ロザムンデ」のメロディを使ったことで知られる第13番(逆に、こちらを劇音楽に流用したという説もあり)、全ての楽章が短調で書かれた第14番、1曲で45分ほどの長さを持つシューベルト最後の弦楽四重奏曲、第15番と、現世と来世を結ぶ薄暮の情景を垣間見るかのような曲集です。
グァルネリ四重奏団の演奏は、圧倒的な存在感と求心力を持つもので、ともすれば冥界に引き込まれそうになる聴き手の心を、きっちり引き戻してくれるかのような強さを有しています。
録音 ニューヨーク 1971年…CD1:1-4/1976年4月7日&5月19日…CD1:5-8/1977年4月29日&5月19日…CD2
Wagner: Scenes and Arias
8802090
\2000→¥1790
キルステン・フラグスタート:ワーグナーを歌う
 1.楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第3幕「愛の死」/
 2.歌劇「ローエングリン」より「おごそかな広間よ、ふたたび挨拶を送る」/
 3.楽劇「パルジファル」より「幼子があなたの母親の胸に抱かれているのを見た」/
 4.楽劇「ワルキューレ」より「あなたこそ春なのです」/
 5.楽劇「ワルキューレ」より「ホー・ヨー・トー・ホー」/
 6.楽劇「神々の黄昏」より「高貴なる戦士よ、新たな証を」/
 7.楽劇「神々の黄昏」より「ラインの岸に焚き木の山を積み-ブリュンヒルデの自己犠牲」
キルステン・フラグスタート(ソプラノ)/
ラウリッツ・メルヒオール(テノール)…3.6.7/
ゴードン・ディルオース(バリトン)…3/
サンフランシスコ・オペラ管弦楽団…1.6.7/
フィルハーモニア管弦楽団…2.4/
ビクター交響楽団…3/
エドウィン・マッカーサー(指揮)…1.3.6.7/
ユージン・オーマンディ(指揮)…2.4/
ハンス・ランゲ(指揮)&スタジオ・オーケストラ…5
ノルウェーが生んだソプラノ歌手、キルステン・フラグスタート。彼女は現在のノルウェー紙幣に、その肖像画が描かれるなど、今でもその業績は高く評価されています。また、メトロポリタン歌劇場の名マネージャー、ルドルフ・ビングは「20世紀の最も偉大な歌手」と惜しみない賞賛を寄せていました。このアルバムは、彼女の声が全盛期の時代、1935〜1940年に記録されたものです。「ワーグナー・ソプラノ」の伝統を創り上げた彼女の代表作である「パルジファル」を始め、数々の楽劇のアリアを誇り高く歌いあげ、強靭な美しさを目の当たりにさせてくれます。また名テノール、メルヒオールとのデュエットも素晴らしいものです。
録音 1939年11月12日…1.6.7/1937年10月17日…2.4/1935年10月9日…5
Janacek: Piano Music
8802091
\2000→¥1790
ヤナーチェク:ピアノ作品集
 1-2.ピアノ・ソナタ「1905年10月1日,街頭にて」/
 3-12.草陰の小道を通って第1集
  <われらの夕べ/散りゆく木の葉/一緒においで/
  フリーデクの聖母マリア/彼女らは燕のように喋り立てた/
  言葉もなく/おやすみ/こんなにひどく怯えて/
  涙ながらに/ふくろうは飛び去らなかった>/
 13-17.草陰の小道を通って第2集
  <アンダンテ/アレグレット-プレスト/ピウ・モッソ/
  アレグロ-アダージョ/ヴィーヴォ>/
 18.思い出/19-22.霧の中で
ルドルフ・フィルクシュニー(ピアノ)
音楽で描いた細密画(ミニアチュール)、ヤナーチェク(1854-1928)のピアノ作品集です。ほんの小さな曲の中に漲る濃密な感情表現は、初めてこれらの音楽を聴く人にも鮮烈な印象を与えることでしょう。ピアニスト、フィルクシュニーは1912年、ブルノに生まれ、幼い頃からピアノ演奏で才能を発揮した人です。5歳の時にヤナーチェクと会い、7歳からピアノと作曲のレッスンを受けており、ヤナーチェクの音楽性を体で理解していた人です。当時、既にヤナーチェクはここに収録されたピアノ作品のほとんどについて作曲を終えており、フィルクシュニーの演奏は、自らの音楽を完璧に表現するものと感じたのではないでしょうか。有名な「草陰の小道を通って」での繊細な感情の移り変わりの見事さと、ヤナーチェク自身が一度は破棄したという、ブルノのチェコ語大学への支持を訴えるデモ中に死を遂げた労働者パブリークへの追悼作品である「ピアノ・ソナタ」での陰鬱な嘆きなど、聴くべき個所が多すぎて悩んでしまうかもしれません。
録音 1989年6月5-7日アメリカ ニューヨーク,RCAスタジオA
Brumel: Et ecce terrae motus & Dies Irae
8802092
\2000→¥1790
ブリュメル:ミサ曲「見よ、大地の揺れを」&ディエス・イレ
 1-13.ミサ曲「見よ、大地の揺れ動きを」/
 14.セクエンツァ「ディエス・イレ,ディエス・イラ」
ウエルガス・アンサンブル/
パウル・ファン・ネーベル(指揮)
オケヘムに学び、フランス、イタリアで活躍したフランドル楽派中期の作曲家ブリュメル(1460?-1515?)。ミサ曲やモテットの作曲家として知られていて、中でも一番有名なのが、ここに収録された12声部のミサ曲「見よ、大地の揺れ動きを」です。生涯を通じ、作曲様式を発展させたブリュメルは、初期は不規則な旋律線を特徴としていましたが、後期はよりポリフォニックな様式を用い、後世の作曲家たちにも多大なる影響を与えたことで知られます。この「見よ、大地の揺れ動きを」は彼の晩年の作品であり、また「怒りの日」はこのメロディを複旋律で作曲した最初の例としても有名です。無限に広がるかのような清冽なヴォーカル・アンサンブルは、近現代の音楽とは全く違った愉悦感を与えてくれます。
録音 1990年5月18日ベルギー

OEHMS

OC 408
\2000→¥1890
スクロヴァチェフスキ、手兵ザールブリュッケンとのブラームス第1番
 ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
ブルックナー、ベートーヴェンとはまた違う孤高の世界を見せてくれるスクロヴァのブラームス。
以前にもハレ管、読響など他のオーケストラとの演奏が話題になっていて、「できることなら、手兵ザールブリュッケンとのブラームスを聴いてみたい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか?この演奏は、期待に違わぬ素晴らしいもので、快適なテンポ、重厚な音色はもちろんのこと、とことん丁寧に奏される内声部にもおどろかされます。もちろん要所要所では、絶妙なアゴーギクがつけられています。第4楽章で輝かしいテーマを導くコラールの荘厳さにも圧倒されること間違いありません。艶やかな弦の音色はいぶし銀の如く。まさに満を持してのブラームスです。録音 2011年2月


OEHMS CLASSICS


OC-951
(2CD)
\3000→¥2690
!オリジナル楽器で演奏する「トロヴァトーレ」全曲!!
 ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」全4幕
レオノーラ…ジモーネ・ケルメス(ソプラノ)/
マンリーコ…ヘルベルト・リッペルト(テノール)/
ルーナ伯爵…ミルジェンコ・トゥルク(バリトン)/
アズチェーナ…イヴォンヌ・ナエフ(メゾ・ソプラノ)/
フェッランド…ヨゼフ・ワグナー(バス)/
イネス…カミッラ・デ・ファッレイロ(ソプラノ)/
ルイズ…ダニエル・マルティネス=コルベラ(テノール)/
老ジプシー…セバスティアン・ボッラヒャー(バス)/
使者…ユルゲン・デッパート(テノール)/
ルードヴィヒスブルク城音楽祭管弦楽団&合唱団(オリジナル楽器使用)/
ミヒャエル・ホフシュテッター(指揮)
 全オペラ・ファン必携の1セット!オリジナル楽器で演奏する「トロヴァトーレ」全曲です。
 オリジナル楽器(もしくはピリオド楽器)というと、どうしてもバッハ以前の音楽を演奏したものを想像してしまい、その響きに違和感を覚える人も少なくありません。しかし、ここではとりあえず、そのような偏見を捨てて、この瑞々しい音楽に耳を傾けてください。学究肌の指揮者、ホフシュテッターは、バロック時代のオペラでの端正な表現が高く評価されていましたが、ここでは、どろどろの復讐劇に身を投じ、様々な誤解から生じた人間模様を鮮やかに描き切っています。
 歌い手にも注目。レオノーラ役は、これまたバロック物でおなじみ、ジモーネ・ケルメス。彼女が得意とするヴィヴァルディなどの歌い方とは明らかに様式の違う、ヴェルディのヒロインを類い稀なる高貴さで歌っています。アズチェーナ役のナエフも迫力満点。マンリーコを歌うのは、来日経験もあるリッペルト。実力派テノールとして着々と輝かしい道を歩んでいる期待の歌手です。
 録音 2009年8月2日ルードヴィヒスブルク城音楽祭ライブ録音 Recording Producer: Gabriele Starke (SWR)

OC-811
\2300
ラメンティ〜ステファニー・イラーニが歌うハッセ、ハイドン、ヘンデルのアリア集
 1-4.ハッセ(1699-1783):「見捨てられしディド」より/
 5-8.ハイドン(1732-1809):
  ソプラノのためのカンタータ「ナクソス島のアリアンナ」/
 9-18.ヘンデル(1685-1759):ソプラノのためのカンタータ「ルクレツィア」
ステファニー・イラーニ(メゾ・ソプラノ)/
ホーフカペレ・ミュンヘン/
ミヒャエル・ホフシュテッター(指揮)
ドイツ、バイエルン集のキームガウで生まれたメゾ・ソプラノ。ステファニー・イラーニのソロ・アルバムです。1997年にミュンヘンのムジークホッホシューレに入学、004年にツヴィッカウで開催されたロベルト・シューマン国際コンクールで優勝、2006年に優秀賞を得て卒業という、新進気鋭のソプラノです。ドイツ内外で、ピアニストのヘルムート・ドイチュと歌曲のリサイタルを行い、また2005年には、日本の金沢で行われたペーター・シュライアー指揮の「マタイ受難曲」でソリストとして来日もしていた逸材です。これまでに、若干のCD録音がありますが、残念ながら、どれも満足がいくほどに聴き倒せるものはありません。今回の「ラメンティ」と名付けられた1枚は、そんな彼女の魅力を余すことなく伝えるものです。抑制された悲しみに彩られた表現力豊かな歌をサポートするのは、ホフシュテッター。艶やかなオーケストラの音色もご堪能ください。録音 2010年9月26-29日ミュンヘン ゼントリンク、ヒンメルファールツ教会Recording Producer: Jakob Handel

OC-792
\2000→¥1890
マーラー:大地の歌
 …H.アルブレヒトによる独唱と室内楽による新編曲版

 (1911年11月20日、ミュンヘンでの初演100周年を記念して)
シビラ・ルーベンス(ソプラノ)/
ルネ・モーロック(アルト)/
マルクス・シェーファー(テノール)/
マルクス・アイヒェ(バリトン)/
ミュンヘン・バッハ管弦楽団/
ハンスイェルク・アルブレヒト(指揮)
指揮者としてよりも、どちらかというと「編曲物をばりばり演奏するオルガニスト」としての知名度の方が高いハンスイェルク・アルブレヒトですが、今作では、その両方の才能を見せつけてくれるかのような、すごい編曲&演奏をくりだしてきました。マーラー(1860-1911)の「大地の歌」の異稿版というと、ピアノ版か、シェーンベルク編曲の「室内楽伴奏版」が知られていて、どちらも原曲の持つ透明感を強調した風通しの良い音楽に変貌していることはご存知の通りです。しかし、今回のアルブレヒトの編曲は、オーケストラのサイズは小さくなっているものの、芳醇な響きは変わることなく、その上、ソリストを4人態勢にすることで、一層の音色の変化を加えることに成功していると言えましょう。もちろん賛否両論あるでしょうが、100年という節目に、このような新しいものが出てくることもマーラーの偉大さを表しているのではないでしょうか。録音 2011年1月14-15日&17-19日ミュンヘン ゼントリンク、ヒンメルファールツ教会Recording Producer, Editing, Mastering:Martin Fischer

OC-406
\2000
ストラヴィンスキー・ドビュッシー・バルトーク:管弦楽作品集
 1.ストラヴィンスキー(1882-1971):うぐいすの歌/
 2.ドビュッシー(1882-1971):牧神の午後への前奏曲/
 3.バルトーク(1881-1945):中国の不思議な役人
ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー/
アンドレイ・ボレイコ(指揮)
1974年、ドイツの学生たちによって結成されたユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー。彼らは若き情熱の下、音楽を演奏する喜びに燃え着実に成長してきました。1976年に「カラヤン賞」を受賞することで基本的な概念を確立することにより、ここを巣立った演奏家たちが、その概念を継承しています。毎年18歳から28歳までの学生たちをオーディションで選抜、リハーサル期間を経て、国際的コンサート・ツアーに出掛け大成功を収めるのを常としています。このアルバムは、ボレイコの指揮のもと、「魅惑とダンス」をモティーフにした3つの作品が収録されています。ストラヴィンスキーでは官能的とまで言える表現、ドビュッシーでの魅惑的な午睡への誘惑、そして荒々しいリズムと妖しさが交錯するバルトーク。しなやかな音楽性が爆裂です。録音 2011年3月14日ベルリン・フィルハーモニー Recording Producer, Editing, Mastering:Florian B. Schmidt

OC-801
\2300
ジンクフォニカー...just songs !
 1.クルト・ワイル(1900-1950):
  Wouldn’t you like to be on Broadway(B.ホフマン編)/
 2.ダウランド(1653-1626):ご婦人がた、珍しいものありますよ/
 3.B.ゴーディ、B.ウェスト、H.デーヴィス:私はそこへ(B.ホフマン編)/
 4.ワールラン(1517?-1595):D'amours me va/
 5.P.ゲイブリエル:ヒア・カムズ・ザ・フラッド(P.エーリッヒ編)/
 6.A.ガブリエリ(1510-1586):泣きながら、私は行く/
 7.ワイル(1900-1950):九月の歌/
 8.P.セルトン(1510-1572):Las s'il convient/
 9.R.ロジャース:マイ・ファニー・ヴァレンタイン(C.シュミット編)/
 10.マンシクール(1510-1564):すてきに見える/
 11.M.ウィルソン:ティル・ゼア・ウォズ・ユー(B.ホフマン編)/
 12.モーリー(1557-1602):時は花祭りの五月/
 13.ロッシーニ(1792-1868):ウィリアム・テル序曲(B.ホフマン編)/
 14.クレマン・ジャヌカン(1485-1558)&
  フィリップ・ヴェルドロ(1480-1562):マリニャンの戦い/
 15.A.T.ジョビン:ワン・ノート・サンバ(B.ホフマン編)/
 16.作者不詳、1500年頃:アッラ・カッツァ/
 17.B.ハワード:私は月まで飛んで行きたい(C.シュミット編)/
 18.モーリー:ああ、私はお前を愛する/
 19.J.コスマ:枯れ葉(C.シュミット編)/
 20.J.ベネット(1575-1614):泣かないで、わが瞳よ/
 21.V.ヤング:星影のステラ(P.エーリッヒ編)/
 22.ダウランド:来たれ、重き眠りよ/
 23.伝承曲:平穏のうちに眠れ(C.シュミット編)
ジンクフォニカー
<メンバー>
マルクス・ガイトナー(カウンターテナー)/
ダニエル・シュライバー(テノール)/
ヘニング・イェンセン(テノール)/
ミヒャエル・マンタイ(バス・バリトン)/
クリスチャン・シュミット(バス)/
メルノ・シャルプ(ピアノ)
ドイツの大人気ヴォーカル・グループ「ジンクフォニカー」の最新アルバムです。ジンクフォニカーと言えば、伝説的名盤「サイモンとガーファンクル」(OC-321)で、多くの人の度肝を抜いたのは忘れることができません。他にも伝統的な歌と現代曲を絶妙に取り合わせたプログラムが斬新なアルバムをcpoレーベルとOEHMSレーベルに何枚もリリースしています。今作も、何とも彼ららしい選曲がgood!いつもの通り、ルネサンスのマドリガルからジャズまで、彼らなりのスタイルで歌いこなしてしまう柔軟さがたまりません。クルト・ワイルとコスマとジョビンが同じテーブルに並べられるなんて、何だか想像を絶したディナーですね。録音 2010年11月19.20日&2011年1月29.30日バイエルン放送 第1スタジオRecording Producer & Editing:Bernhard Albrecht

OEHMS


OC 415
\2000
ヴィジョンズ…フランツ・リストの室内楽作品集
 1-4.ヴァイオリンとピアノの二重奏ソナタ嬰ヘ短調
 5-6.ハンガリー狂詩曲第9番「ペシュトの謝肉祭」(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ版)/
 7.悲歌第1番(チェロとピアノ版)/8.悲歌第2番(チェロとピアノ版)/
 9.シューベルト=リスト:ウィーンの夜会から「ワルツ・カプリース第6番」(D.オイストラフによるヴァイオリンとピアノ編)/
 10.巡礼の年第3年から「夕べの鐘,守護天使への祈り」(弦楽四重奏版)/
 11.悲しみのゴンドラ(チェロとピアノ版)/
 12.リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア(ピアノ独奏)/
 13.リヒャルト・ワーグナーの墓へ(弦楽四重奏版)
ルーカス・マリア・クウェン(ピアノ)/
インゴルフ・トゥルバン(ヴァイオリン)/
ウェン=シン・ヤン(チェロ)/〈10.13〉
バルバラ・トゥルバン(ヴァイオリン)/
マルティン・アルブレヒト・ローデ(ヴィオラ)
実力派チェリスト、ウェイ=シン・ヤンと若くしてミュンヘン・フィルハーモニーの首席奏者を務め、かのチェリビダッケからも大絶賛されたというミュンヘン出身のヴァイオリニスト、インゴルフ・トゥルバンを中心としたメンバーによるリスト(1811-1886)の室内楽作品集です。ピアノを愛し膨大な作品を残したリストですが、ヴァイオリンやチェロのために書かれた曲は驚くほど少なく、またその多くは編曲であったりと、リストの作品の中でも隠れたジャンルと言っても過言ではありません。とりわけ珍しい2つの作品を含んでいて、それは最初に置かれた二重奏曲と「ペシュトの謝肉祭」です。二重奏曲は1832年に書かれた作品で、ショパンのマズルカOp.6-2とポーランドの旋律を用いたもので、1963年まで発見されることなく埋もれていた秘曲です。また「ペシュトの謝肉祭」はピアノ独奏版となる前の形で、リストがハンガリー民謡をヨーロッパに根付かせるべく努力した跡がうかがえる意欲的な作品です。この曲は、ピアノ独奏版が書かれてから、ドップラーの協力で管弦楽版にも編曲されています。3つの版の聴き比べも楽しそうです。録音 2011年4月,6月,7月ミュンヘン音楽・演劇大学 Recording Producer Editing & Mastering: Christian Bohm (Tracks: 1, 2, 5, 6, 7, 8, 11) Andreas Fischer (Tracks: 3, 4, 9, 10, 12, 13)

OC 829
\2300
暁の星のいと美しきかな 〜バロック時代のクリスマス牧歌と聖なる歌曲集
 1.ベルンハルト・シュミット(1536-1592):
  悩みの日に主よ隠れたまわず(オルガン)/
 2.ミヒャエル・プレトリウス(1569?-1621):
  暁の星のいと美しきかな/
 3.ヴェネツィア伝承(16世紀):ピヴァのパドヴァナ-パヴァーヌ(チェンバロ)/
 4.マルコ・ダ・ガリアーノ(1582-1643):羊飼いたちよ,さあ,起き上がりなさい/
 5.アレッサンドロ・グランディ(1575?-1630):カンタード・ドミノ/
 6.フランチェスコ・ゲラウ(1649-1722):カナリオ(バロックギター)/
 7.クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):すべての市民よ歓喜せよ!/
 8.同:サルヴェ・レジーナ/9.同:喜び踊れ,シオンの娘よ/
 10.同:ああ、幸いな道/
 11.クリスティアン・エールバッハ(1570?-1635):第2旋法によるトッカータ(オルガン)/
 12.ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):おお、優しく恵み深い主イエス・キリストSWV285/
 13.同:主は偉大であるSWV286/
 14.リンツのタブラトゥーラ(1611-1613年)よりイントゥラーダ,舞曲,クーラント/
 15.ガスパール・サンツ(1640-1710):マターチン(バロックギター)/
 16.レオナルド・レオ(1694-1744):満足、喜びと歓喜の/
 17.アントニオ・カルダーラ(1670?-1736):われは命の糧なり/
 18.ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):サルヴェ・レジーナ/
 19.サルヴァトーレ・ランツェッティ(1710?-1780):
  ラルゴ・パストラーレ(バロックチェロによる合奏)
クレメンチッチ・コンソート/
クリスティーナ・ヨナス(ソプラノ)/
マレリーゼ・ゲルバー(ソプラノ)/
アルミン・グラマー(カウンターテナー)/
ピエール・ピツル(バロックギター)/
クラウディオ・ロンコ(バロックチェロ)/
エマニュエル・ヴォッツァ(バロックチェロ)/
レネー・クレメンチッチ(フリーザッハーのバロックオルガン,チェンバロ,指揮)
常に刺激的で驚きに満ちた音楽を提供するクレメンチッチ(ルネ・クレマンシック)による19曲からなるクリスマス・コンサートです。バロック時代と言っても、初期から後期までおよそ150年の長き年月に渡るもので、当然音楽様式もかなり変化していることは間違いありません。これを研究者クレマンチッチは、まったく自然に理解させてくれるのがさすがです。もちろん彼なりの考証に基づいたもので、もしかしたら逸脱している部分もあるのでしょうが、何より「音楽は楽しいもの」という原点に立ち返らせてくれることは間違いありません。リブレット(ドイツ語&英語)には今年83歳を迎えたクレメンチッチによる作曲家紹介も掲載されていて、知的欲求も満たすことが可能です。今年のクリスマスは一味違った音楽で過ごしてみませんか?録音 2011年1月ウィーン アルベルトゥス・マグヌス・ギウナジウム教会
Recording Producer, Editing, Mastering:Wolfgang and Elisabeth Reithofer

OC 682
(SACD-Hybrid)
\2300
北ドイツのオルガン作品集第4集
 ハインリヒ・シャイデマン:オルガン作品集
  1.前奏曲ト長調 WV73/
  2-3.われを憐れみたまえ、おお主なる神よWV87/
  4-7.第6旋法によるマニフィカトWV19/
  8.カンツォンヘ長調 WV44/
  9.イエス・キリスト我らの救い主WV10/
  10.よき羊飼いは見出したWV55/
  11-12.われらみな唯一なる神を信ずWV29/
  13.トッカータト長調 WV43/
  14-17.高き空よりわれは来れりWV69/
  18.涙のパヴァーヌWV106/19.前奏曲ニ短調 WV34
ヨーゼフ・ケレメン(オルガン)
イエテボリ オールグリューテ新教会
 のオルガンにて演奏
シャイデマン(1595?-1663)は17世紀半ばのオランダのオルガニスト・作曲家です。彼はスウェーリンクに学び、ブクステフーデ、J.S.バッハの先駆者として高く評価されています。生涯のほとんどをオルガンに捧げ、数オ国のオルガン曲を残しました。彼の作品の主たるものはコラール前奏曲とコラール、そしてマニフィカトであり、またハスラーやダウランドの作品の編曲も知られています。これらはスウェーリンクから学んだ形式をもとにして、当時発展途上にあった北ドイツのバロック・オルガンの機能を存分に生かしたものであり、技巧的な華やかさも備えています。バッハが活躍する100年前に、こんなに素晴らしく堅実なオルガン曲があったことには驚くほかありません。ここで演奏しているケレメンは1957年ブダペスト生まれのベテランで、J.S.バッハのオルガン演奏の権威でもあります。録音 2010年8月3-5日スウェーデン イエテボリ オールグリューテ新教会
Recording Producer: Jorg Moser (BR)

OC 798
\2000
ガブリエル・フォーレ:ピアノ作品集
 1-3.3つの無言歌Op.17/
 4.8つの小品Op.84-3 フーガイ短調/
 5.舟歌第6番変ホ長調 Op.70/
 6.8つの小品Op.84-1 カプリッチョ変ホ長調/
 7.8つの小品Op.84-5 即興嬰ハ短調/
 8.8つの小品Op.84-7 喜びハ長調/
 9-17.9つの前奏曲Op.103/
 18.舟歌第12番変ホ長調 Op.105/2(106bis)/
 19.舟歌第13番ハ長調 Op.116/
 20-23.バラード嬰ヘ長調
アンソニー・シピリ(ピアノ)
実力派ピアニスト、アンソニー・シピリはアメリカ、ニュージャージーに生まれ、7歳からピアノと作曲を学びはじめ、ヨーロッパに留学、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院を優秀な成績で卒業しました。幅広いレパートリーで知られますが、とりわけ若い頃から古典の鍵盤楽器に興味を持ち、バロック音楽演奏でも目覚ましい成果をあげている人です。歌曲の伴奏のうまさでも知られますが、今回彼が選んだのは「フランスのエスプリ」の権化ともいえるフォーレ(1845-1924)の舟歌を中心とした名曲の数々です。初期の作品である無言歌から、晩年の作品「前奏曲」までしなやかで流麗な演奏を披露、チェンバロやフォルテピアノを演奏する時とは全く違うアプローチを見せてくれます。バラードは通常耳にする「オーケストラとピアノ版」ではなく、オリジナルの「ピアノ独奏版」をチョイス。あのリストに「この曲を演奏するには指が足りない」とまで言わせた難曲ですが、シピリの演奏はは難しさを微塵も感じさせない完璧なもの。フォーレの持ち味である和声のゆらめきや、独特の転調などの七色の音色が存分に楽しめる1枚です。録音 2010年3月15-18日,4月12日シュトゥッツガルト カンマームジーク・スタジオ
Recording Producer, Editing & Mastering: Roland Ruble

RONDEAU


ROP-4031
\2000
聖トーマス教会少年合唱団
 J.S.バッハ:宗教改革記念日/大天使聖ミカエルの日のカンタータ集

  1.いさかいは起これりBWV19
  2.今ぞ救いと力は来たれりBWV50
  3.われらが神はかたき砦 BWV80
  4.主なる神は、太陽にして楯なりBWV79
聖トーマス教会少年合唱団
フリードリヒ・プレトリウス(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト)
コンラッド・ツーバー(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト)
シュテファン・カーレ(アルト…合唱団内ソリスト)
マルティン・ペッツォルト(テノール)
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス)
ゲヴァントハウス管弦楽団
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
J.S.バッハ(1685-1750)も第15代目の音楽監督(カントール)を務めた、聖トーマス教会合唱団は、数ある少年合唱団の中でも、とりわけ由緒正しい団体として知られています。1212年に設立され、来年は創立800周年を迎える彼らが取り組むのはもちろんバッハのカンタータ。全10枚のアルバムが予定されており、これらは全てライプツィヒの伝統に則り、毎週1曲カンタータを演奏している彼らならではの渾身の演奏です。このアルバムで取り上げられているのは、10月31日の「宗教改革記念日」のカンタータ第79番と第80番、9月29日の「大天使ミカエルの日」の第19番と第50番カンタータの4曲です。厳しい戒律と伝統に裏打ちされた純粋で無垢な歌声は、バッハの時代を寸分たりとも違えることなく私たちの元へ届けてくれるかのようです。
聖トーマス教会 ライブ録音

ROP-4043
\2000
聖トーマス教会少年合唱団
 教会暦とJ.S.バッハ…クリスマス・カンタータ集

  1.キリスト者よ、この日を銘記せよBWV63
  2.われらが口を笑いにして満たすべしBWV110
  3.主に向かって新しき歌をうたえBWV190
聖トーマス教会少年合唱団
パウル・ベルネヴィツ(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト)
フリードリヒ・プレトリウス(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト)
シュテファン・カーレ(アルト…合唱団内ソリスト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
マティアス・ヴァイヒェルト(バス)
ゲヴァントハウス管弦楽団
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
こちらはクリスマス(降誕節)用のカンタータと新年を迎えるための晴れ晴れしい新年用のカンタータが歌われています。1714年12月25日に演奏された第63番、1725年12月25日に初演された第110番、そして1724年の1月1日に演奏された第190番の3曲です。一部欠損していることで知られる第190番は、復元の技術など様々な議論の余地を残していますが、ここでの解決法は説得力あるものとして評価されることでしょう。
聖トーマス教会 ライブ録音

SONO LUMINUS

A Meeting Place: Medieval & Renaissance Music for Lute & Ud
DSL-92133
\2300
リュートとウードのための作品集
 1.作者不詳:グリーンスリーヴス/
 2.ヨアン・アンブロシオ・ダルツァ(1508-?):ピファ/
 3.作者不詳:エスタンピ断章/
 4.ディエゴ・オルティス(1510-1570):リチェルカーダ第1番/
 5.作者不詳:ノタ第1/
 6.作者不詳:エスタンピ/
 7.作者不詳:エスタンピ第4/
 8.作者不詳:トリスターノの哀歌/
 9.フランチェスコ・ダ・ミラノ(1497-1543):ラ・スパーニャ/
 10.ヤコポ・ダ・ボローニャ(1340-1386):拒絶に対する熱望の甘き祈り/
 11.作者不詳:ノタ第2-ノタ第3/
 12.作者不詳:マンフレディーナのエスタンピ/
 13.ギヨーム・ド・マショー(1300-1377):美しく優しいお名前/
 14.作者不詳:美しき花の踊り/
 15.作者不詳:題名なし/
 16.アントニオ・ザッカーラ・ダ・テーラモ(?):優雅な花の登場/
 17.ヨアン・アンブロシオ・ダルツァ:スペイン風カラータ/
 18.作者不詳:サルタレッロ/
 19.モトゥル・トルン:Buselik Saz Semai
ムニール・ベーケン(ウード)/
オーガスト・デンハード(リュート)
今でこそ、トルコのウードと西ヨーロッパのリュートは文化的にも違なる楽器として認識されていますが、起源は同じであり、中世、ルネッサンスの時代には、どちらも即興性豊かな音楽を作りだしていました。このアルバムはそんな時代を思い起こさせてくれる1枚です。ウード奏者ベーケンはイスタンブールで学び、11歳から音楽活動を行っている、この楽器の第1人者です。ほとんどの曲は当時の写本からの曲で、作曲家などの詳細はわかりませんが、2つの楽器の似たような音色の中に、仄かに透けてみえる伝統文化の香りがたまりません。
Quiet City
DSL-92135
\2300
静かな都会
 1.アーロン・コープランド(1900-1990):静かな都会(C.ベレロシュ編)/
 2.レオ・オーンスタイン(1892-2002):バラード/
 3.ロバート・リヴィングストン・オールドリッジ(1954-):サウンドムーヴィーブルース/
 4-7.ウォルター・S・ハートレー(1927-):抒情組曲/
 8-9.ローソン・ランド(1935-):サクソフォン・ソナタ「アルパイン」Op.37/
 10-14.シーモア・バラブ(1921-)トランペット、アルト・サクソフォンとピアノのための組曲
ミッチェル・クリーグラー(クラリネット&バス・クラリネット)…1.3/
ポール・コーエン(アルト・サクソフォン…1-2・テナー・サクソフォン…4-7・ソプラノ・サクソフォン…8-9)/
リチャード・オールドン・クラーク(ヴィオラ)…4-7/
ルイ・アンダーソン(ピアノ)…4-7ドナルド・バッチェルダー(トランペット)…1.10-14/
クリストファー・ベレロシュ(アルト・サクソフォン)…3.10-14/
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(ピアノ)…1-3.8-14
サックス奏者、クリストファー・ベレロシュによる意欲的なアルバムです。タイトルの「静かな都会」は、アーウィン・ショーの劇へ付けられた音楽で、原曲は管弦楽とホルンとトランペットのために書かれたものです。ベレロシュは、この曲の未発表スコアを入手し、新たな編成で再構築しました。よりスタイリッシュでモダンな作品として世に問います。他にも近現代アメリカの作曲家たちによる珍しい作品を収録。おしゃれな夜に贈りたい極上の1枚です。
Russian Viola Sonatas
DSL-92136
\2300
ロシアのヴィオラ・ソナタ集
 1-4.バルバラ・ガイジェローヴァ(1903-1944):ヴィオラとピアノのための組曲Op.8/
 5-6.アレクサンダー・ウィンクラー(1865-1935):2つの小品Op.31/
 7-9.パウル・ユオン(1872-1940):ヴィオラ・ソナタ第1番ニ長調 Op.15/
 10-21.アレクサンダー・ウィンクラー:ヴィオラ・ソナタOp.10
エリーシャ・ネルソン(ヴィオラ)/
グレン・イナンガ(ピアノ)
グラミー賞にノミネートされた注目のヴィオラ奏者、ネルソンによる珍しいロシアのヴィオラ作品集です。20世紀ソヴィエトの重要な女性作曲家、ガイジェローヴァはモスクワ音楽院を卒業した後、カトワールとミヤスコフスキの下で学んだ人です。暗さと情熱を秘めたロマン派風の音楽の中に、モダンな響きも感じさせる味わいある音楽です。他に「ロシアのブラームス」として知られるパウル・ユオン、グラズノフやリャードフらと同時代に活躍し、プロコフィエフの教師としても知られるウィンクラーの作品が2曲収録されています。ウィンクラーのヴィオラ・ソナタの第3楽章は変奏曲となっていて、憂愁あふれる主題が変幻自在に装飾されていくという、心踊る作品です。録音 2010年12月27-30日ヴァージニア エアシャー・ファーム
Bruce Levingston: Heart Shadow
DSL-92137
\2300
HEART SHADOW
 1-8.ロベルト・シューマン(1810-1856):クライスレリアーナ/
 9.リサ・ビーワラ(?):エレジー・ポートレート/
 10.チャールズ・ウォーリネン(1938-):HEART SHADOW
ブルース・リヴィングストン(ピアノ)
古典の名作、20世紀の作品、そして世界初録音を織り交ぜた1枚です。アルバムコンセプトは「光と闇」そしてそこから生まれる影です。ピアニスト、ブルース・リヴィングストンは「現代音楽の魅力的な演奏家」として知られ、世界中の作曲家たちが彼のために作品を書いています。彼はそれらをカーネギー・ホールなどで精力的に演奏、並みいるニューヨーカーたちの耳をうならせています。シューマンでの滲みでるようなファンタジー、年齢非公開の女性作曲家ビーワラの大作「エレジー・ポートレート」での神秘的な音の並び方、更に深化した音が心地よいウォーリネンの作品と、刺激的な3曲です。録音 2005年9月ニューヨーク キャスパリー・ホール…1-8, 2009年10月クリーヴランド デルタ・ミュージック・インスティテュート…9.10

TWO PIANISTS


TP-1039107
\2600→¥2390
ME〜歌の翼に乗って
 1.J.S.バッハ(1685-1750):プレリュードホ短調 BWV855a(ジローティ編)/
 2.グルック(1714-1787):精霊の踊り(フリードマン編)/
 3.モーツァルト(1756-1791):レクイエムより「ラクリモサ」(タールベルク編)/
 4.メンデルスゾーン(1809-1847):無言歌ホ長調 Op.19-1/
 5.メンデルスゾーン:歌の翼にOp.34-2(リスト編)/
 6.メンデルスゾーン:無言歌ト短調 Op.102-4/
 7.ブラームス(1833-1897):間奏曲第1番変ホ長調 Op.117/
 8.J.S.バッハ:イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639(ブゾーニ編)/
 9.リスト(1811-1886):コンソレーション第3番/
 10.リスト:愛の夢第3番/
 11.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズOp.34-14/
 12.ショパン(1810-1849):夜想曲第20番嬰ハ短調 遺作/
 13.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲より「月の光」/
 14.リャードフ(1855-1914):前奏曲Op.11-1/
 15.サン=サーンス(1835-1921):動物の謝肉祭より「白鳥」(ジローティ編)/
 16.グリンカ(1804-1857):夜想曲ヘ短調「別れ」/
 17.ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2/
 18.シューベルト(1797-1828):即興曲変ト長調 Op.90-3 D899
コンスタンティン・シチェルヴァコフ(ピアノ)
NAXOSレーベルでおなじみの技巧派ピアニスト、シチェルヴァコフ。このアルバムではそんなイメージを180度変えてしまうかのような内省的な曲を集めた1枚です。まるで「心の歌」とも言えそうな、ため息がでるほどに美しい曲の数々を、シチェルヴァコフは、まるで絹糸を紡ぐかのように優しいタッチで演奏します。とはいえ、彼のことですから、その選曲は一筋縄では行きません。ところどころに、過去の名手たちによるピアノ編曲版を織り交ぜ、単なる安らぎのアルバムとは一味違った意味あいを持たせています。1曲1曲がまさに宝石のような輝きを放つ、大切にしたい1枚です。




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