アリアCD 新店舗へようこそ

新店舗トップページへ

お買い物の方法  
ページ内の商品チェック・ボックスをクリックし、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください(enterキーを押してもかまいません)。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)

注文フォームへ

第60号
2011/10/21〜12/16までの紹介分
マイナー・レーベル新録音新譜(5)


ACCORD


476 4607
(2CD)
\2800→¥2590
ジョヴァンニ・ベルッチ/ リスト:ラプソディー集
 リスト:
  『ハンガリーの民俗旋律S.242』
  『ハンガリー狂詩曲S.244(全19曲)』
ジョヴァンニ・ベルッチ(P)
14歳までまったくピアノが弾けなかったが、独学でピアノをはじめ、15歳でベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を暗譜で弾いたという伝説の持ち主ジョヴァンニ・ベルッチによるリストのラプソディー集。ベルッチはラザール・ベルマンに師事。ベルマンの天才的なテクニックを徹底的に叩き込まれ、師匠ゆずりのリスト弾きになりました。色彩感やダイナミックはそのままに、繊細かつロマンティックでありながら、圧倒的なシャープな打鍵とテクニックを堪能できます。録音:2005年、2010年、2011年、モンペリエ

476 4653
(3CD)
\4800
アラン・アルティノグル/
 バーナード・ハーマン:歌劇「嵐が丘」(全曲)
アラン・アルティノグル(指揮)
モンペリエ国立管弦楽団
ロラ・アイキン(Sp: Catherine Earnshaw),
ボアーズ・ダニエル(Br:Heathcliff),
ヴァンサン・ル・テキシエ(Br:Hindley Earnshaw),
ハンナ・シャー(Ms:Nelly Dean),
イヴ・セレンス(T:Edgar Linton),
マリアンヌ・クレバッサ(Ms:Isabella Linton),
ジェローム・ヴァーニエ(Bs:Joseph),
ニコラ・カヴァリエ(Br:Mr Lockwood),
ガスパール・フェレット(Hareton Earnshaw)
バーナード・ハーマンは、1911年ニューヨーク生まれ。ニューヨーク大学とジュリアード音楽院で学んだ後、開局間もないCBS放送の音楽スタッフとして活躍。オーソン・ウェルズとの仕事がきっかけで招かれたハリウッドでウェルズの初映画で歴史的名作「市民ケーン」(1941)で映画音楽デビュー。同年の2作目「悪魔の金」では早くもオスカーを受賞し地歩を固め、友人を介して紹介されたサスペンス物の名監督アルフレッド・ヒッチコックと出会ってからは彼の名画の音楽を手掛けました。1975年の「タクシードライバー」を録音直後に亡くなりました。ハーマンのオペラ「嵐が丘」は有名な小説がもとになっていますが、映画音楽的な作曲法で書かれており、ロマンティックなメロディー、重厚なオーケストレーション、緻密な動機展開、音楽に漂う緊張感がいたるところにちりばめられています。録音:2010年7月、モンペリエ音楽祭(デジタル:ライヴ)

FONE


FONE 056SA
(SACD Hybrid)
\3000→¥2690
アッカルド/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲集
 ヴァイオリン協奏曲第1番 K.207
 ヴァイオリン協奏曲第2番 K.211
 ヴァイオリン協奏曲第4番 K.218
サルバトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)
プラハ室内管弦楽団
FONE 077GD
(GOLD CD)
\3300→¥2990
馥郁たる歌心に満ちたモーツァルト!
ヴァイオリンの名手アッカルドが、その美音を余すところなく発揮したモーツァルトの協奏曲。プラハ室内管弦楽団の巧みなサポートを得た名演を2種のメディアでお届けします。

MD+G


307 17152
\2300→¥2090
ライプツィヒ四重奏団/ベートーヴェン:弦楽五重奏曲集
 弦楽五重奏曲変ホ長調Op.4
 弦楽五重奏曲ハ長調Op.29
ライプツィヒ弦楽四重奏団
バルバラ・ブントロック(Va)
 ベートーヴェンは多くの弦楽四重奏曲を作曲した作曲家ですが、弦楽五重奏曲は「Op.29」が唯一のオリジナル作品で、モーツァルトとは異なり、比較的堅固な表現を特色としており、効果的な転調などベートーヴェンらしい特質が伺える作品です。また「Op.4」は、「管楽八重奏曲Op.103」から編曲されたものですが、かなり大幅に改作と拡大が計られ、娯楽性を脱し、より純粋な抽象的音楽への志向が見受けられます。
 1988年に設立されたライプツィヒ弦楽四重奏団は、グラモフォン誌において「ドイツの最も優秀な弦楽四重奏団」と評価され、以来40カ国以上の国々の聴衆の心を釘付けにしています。2006年に録音が完結したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は、「イントネーションの絶対の完璧さ」「細心の愛を込めた精密な演奏」と絶賛されています。ミュンヘンやジュネーヴ国際コンクールで高い評価を受けた若手女流ヴィオラ奏者ブントロックを迎えて、若きベートーヴェンらしい音楽が展開されています。
 録音:2011年3月23〜26日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

613 16722
\2300
ヴォルフガング・リーム:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 『Antlitz』(1992/1993)
 『Nachstudie』(1992/1994)
 『Phantom und Eskapade』(1993/1994)
アンドレアス・ザイデル(Vn)
シュテッフェン・シュライエルマッハー(P)
 ムターも尊敬する現代ドイツを代表する作曲家W・リームのヴァイオリン作品集。
 ヴォルフガング・リームは、様々なジャンルの作品を作曲しているドイツを代表する作曲家です。このアルバムでは、1992〜94年に作曲されたヴァイオリンとピアノのための作品3曲が収録されています。「Antlitz」は、彼の友人だった画家の死を偲んで「壊れやすく半透明」なイメージを音に託したもので、3次元的な広がりが感じられる作品です。「Nachstudie」は、サスペンスに満ちたプロセスと途絶えることのない流れが特徴的。「Phantom und Eskapade」は、アンネ=ゾフィー・ムターの委嘱作品として作曲されたもので、ひとつのアイデアをリサイクルしつつ、パズルのように組成していきます。
 ライプツィヒ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンであったアンドレアス・ザイデル(2008年に退団)は、この弦楽四重奏団でもリームなどの現代音楽を多く取り上げており、現在でも現代音楽専門アンサンブルのメンバーとして活躍しています。ピアノのシュライエルマッハーは、当初はジャズ・ピアニストとして訓練を受けましたが、現代音楽専門ピアニスト及び作曲家として高い評価を得ています。
 録音:2010年9月6&23日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

626 17162
\2300
PHONOLA〜自動ピアノのための作品集
 ヴォルフガング・ハイジヒ(1952-):
  『Etude KWIC & KWOC』『Ringparabel』『KODE』
  『Se Io Ho Ben La Tua Parola Intesa』『Heislvertonungen』
  『tabernakel』『dass der die das』『was geht』『dann war da was los』
  『da dacht er』『wie die vogel』『na du』『Jacquard』
  『Die Wut ber den verlorenen Groschen mit und ohne Mehrwertsteuer』
 トム・ジョンソン(1939-):『Full Rotation of 60 Notes through 36 Positions』
 クヌート・ミュラー(1963-):『Gordion』『Gridikon』『Gnomon』
 コンロン・ナンカロウ(1912-1997):
  『「自動ピアノの為の習作」より#7,20,21,37』
ヴォルフガング・ハイジヒ
(スタインウェイ・コンサートグランド1901
& ハップフェルト社1902年製低空気圧自動演奏システム)
 歴史的自動ピアノ演奏システムを採用した画期的な録音。
 蓄音器以前の自動演奏楽器といえばオルゴールか自動オルガンがメインでした。強弱などを求めるピアノへの自動演奏システムは複雑で開発には苦労があったようです。1876年にフィラデルフィアで強弱も演奏可能にした自動ピアノが展示され、電気でロールを読み取り、空気式の装置を電磁石で動かす空気式増幅の働きをする装置が開発されたりと、その後約20年ほど研究が重ねられ各社より製作されました。
 ヴォルフガング・ハイジヒは、現代を代表する自動ピアノの研究家及びプログラマーの第一人者です。最も有名なオルゴール&自動演奏システム・メーカーの一つ、ハップフェルト社(ドイツ)の自動ピアノ演奏システムをスタインウェイに取り付け、自作の作品や、有名なナンカロウの作品などを再プログラミングし、演奏録音を試みたものが当アルバムです。「自動的に演奏する」というだけでなく、演奏者がテンポや音の強弱を変化させることが可能となったシステムが搭載された画期的な演自動演奏録音です。
 録音:2007年1月&6月, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

937 17136
(2SACD Hybrid)
\4800→¥4390
シュテファン・ブルーニエ(指揮) &ボン・ベートーヴェン管
 ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1890年版)
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と発表しているブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団。
 ちょうどこの録音の1年前に録音された『ブルックナー:交響曲第0番&レア管弦楽作品集』の続編となるこの「交響曲第8番」でブルーニエは、これまでの濃厚でエネルギッシュな演奏を見直し、作曲された当時の演奏様式に戻って演奏を試みています。やや遅めなテンポ(トータル88分30秒)、古典形式の作品構造の見直し、響きの透明感を大切にした演奏で、ブルックナーの音楽を現代に鮮やかによみがえらせています。
 これまでのさまざまなブルックナー演奏とは異なる次元に立つ演奏をご一聴ください。(演奏時間 18:14/ 14:19/ 29:34/ 26:18)
 録音:2011年5月12&13日、ボン・ベートーヴェン・ホール (デジタル:ライヴ)ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

947 16986
(SACD Hybrid)
\3000→¥2490
中国期待の若手女流ピアニスト、ジン・ジュ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D.958
 ツェルニー:歌曲「思い出」による変奏曲 Op.33
ジン・ジュ(P:スタインウェイ・コンサートグランド1901)
 古典ピアノの研究を取り入れたロマンティックな演奏
 チャイコフスキー国際、エリザベート王妃国際など、世界の名だたるコンクールで活躍し、中国期待の若手女流ピアニストとして活躍の幅を広げているジン・ジュ。ベートーヴェンの最高傑作のソナタ「熱情」。シューベルトの3大ソナタのひとつ「第19番」。美しいメロディの「ツェルニー」。彼女は古典ピアノ演奏研究も行っており、繊細なタッチと考え抜かれたディナーミクで紡ぎだされるロマンティックでヴィルトゥオーゾなピアニズムをお楽しみください。
 ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND
 録音:2011年1月15〜17日, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

BR KLASSIK


900902
(4CD)
\2300→\2090
ペーター・ダイクストラ&ベルリン古楽アカデミー
 クリスマス・オラトリオ
J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオBWV248
 CD1.カンタータ1-3番
 CD2.カンタータ4-6番
ラヘル・ハルニシュ(ソプラノ)
アンケ・フォンドゥング(メゾ・ソプラノ)
マキシミリアン・シュミット(テノール)
クリスティアン・インマー(バス…バイエルン放送合唱団メンバー)
ベルリン古楽アカデミー
ペーター・ダイクストラ(指揮)
CD3-4.
 ヴィーラント・シュミット作: 音楽劇「クリスマスオラトリオ」
  クリスティアン・ブルックナー(語り)
  レオンハルト・フーバー(演出)
※DVD(900502)と同内容
 ペーター・ダイクストラとベルリン古楽アカデミーによる、素晴らしい独唱陣を配した敬虔なクリスマス・オラトリオです。
 CD1とCD2には、混じり気のない「オラトリオ全曲」を収録。伝説的な速さで知られるガーディナーと同じくらいの早めのテンポ設定をとったすっきりとした演奏で、この晴れやかで輝かしい世界が語られていきます。
ベルリン古楽アカデミーのメンバーの演奏も、息を飲むほどの鮮やかさ。一瞬の隙もない見事なものです。スイス出身のソプラノ、ハルニッシュはすでに日本でもおなじみで、アバドの信頼も厚く、宗教曲から現代曲までレパートリーの広い人です。
 メゾ・ソプラノのアンケ・フォンドゥングは2010年に来日し、マルクス・シュテンツの指揮でマーラーの「復活」を熱唱。その歌声に魅了された人も多いのではないでしょうか。シュミットはドイツ生まれのテノールで、少年の頃はレーゲンスブルク聖歌隊で活躍、その後ベルリン芸術大学で学び、2005年にリリンクの指揮でバッハを歌いました。これからが楽しみな歌手の一人です。合唱団のメンバーであるインマーは懐の深い歌声を聞かせます。
 CD3-4には、曲を効果的に使った「音楽劇」が収録されています。こちらもドイツ語がわからなくても問題なく楽しめます。
 録音2010年12月ライブ収録 ミュンヘンヘルクレスザース

BR KLASSIK

Mariss Jansons conducts Schubert and Gounod
900114
\2300→¥1990
バイエルン放送交響楽団自主制作盤新譜
 マリス・ヤンソンス

  シューベルト&グノー:ミサ曲集
 1-6.シューベルト(1797-1828):ミサ曲第2番ト長調 D167
 7-16.グノー(1818-1893):聖チェチーリア祝日のための荘厳ミサ曲
リューバ・オルゴナソーヴァ(ソプラノ)
クリスチャン・エルスナー(テノール)
グスタフ・ベラチェク(バス)
バイエルン放送交響楽団&合唱団
マリス・ヤンソンス(指揮)
シューベルト18歳の時に書かれた「小さな」ミサ曲第2番。本来は弦楽合奏とオルガンのみの伴奏による簡潔な作品でしたが、後にトランペットとティンパニが付け加えられ、華やかさを増したことで知られています。曲自体は清冽な響きを持ち、素直なメロディが共感を呼ぶものです。かたや、グノーの作品はロマン派の芳醇な音楽に満たされた美しい作品です。グノーと言えば、オペラ「ファウスト」がよく知られていますが、それは音楽家として成功した後の話であり、若い頃の彼は聖職者を目指していたほど、信仰心の厚い人でした。当時のパリは11月22日の「聖チェチーリアの日」にミサが行われていて、この曲もそのための作品で、あのバッハ=グノーの「アヴェ・マリア」を超える美しい音楽がここにあります。通常では7楽章形式で構成されていますが、この演奏では、アニュス・デイで静かに終わるかと見せかけて、教会暦に従って3曲の「ドミネ・サルヴァム」が付け加えられています。この部分は、それぞれ、教会への祈り、軍への祈り、国家への祈りとタイトルが付けられていて、演奏当時は、「軍への祈り」の際にナポレオン賛美が歌われていたといいますが、現代では歌詞を変えて、もっと普遍なものへの祈りへと変えられています。
さて、ヤンソンスのこの演奏、いつものように細部まで磨き抜かれたもので、シューベルトの素朴さとグノーの華麗さが存分に堪能できることでしょう。オルゴナソーヴァの堂々たるソプラノは、ちょっとシューベルトにはもったいない感もありますが、グノーではオーケストラと競い合うかのような力強さを見せてくれます。サンクトゥスで滴る美声を聞かせるエルスナーも最高です。2007年3月27-29日ミュンヘン ヘルクレス・ザール ライブ録音

CAPRICCIO


C7115
(4CD)
\2,600→¥2290
クリスティーネ・ショルンスハイム
 J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集全曲

《第1部》
 CD1.前奏曲とフーガ第1番−第12番BWV846-857/
 CD2.前奏曲とフーガ第13番−第24番BWV858-869/
《第2部》
 CD3.前奏曲とフーガ第1番−第13番BWV870-882/
 CD4.前奏曲とフーガ第14番−第24番BWV883-893
クリスティーネ・ショルンスハイム
(ハープシコード…1624年製リュッケルス)
 2012年2月に来日予定である、世界的ハープシコード奏者&楽器研究者ショルンスハイムによるバッハ(1685-1750)の平均律クラヴィア曲集全曲です。
 ここで演奏しているハープシコードは、アルザスのコルマールにあるウンターリンデン美術館所蔵のリュッケルス社(17世紀アントワープの有名なハープシコード・メーカーで現存している楽器は極めて少ない)製造の楽器で、ショルンスハイムは「私が知っている最も美しい楽器であり、魅惑的な音色を持っています。そして控え目な外見で現実的。暖かくよく歌う楽器です。バッハの対位法音楽にとって不可欠な全ての要素を持ち合わせています。」と語るほど、この楽器に惚れ込んでいるようです。
 バッハの時代から活躍していた楽器を使ったこの演奏、もちろん考え抜かれたものであり、学術的にも音楽的にも完成度の高さが光ります。

C5065
\2,600→¥2290
バルト&マスレンニコフ
 エッシェンバッハ&ベルリン・ドイツ響
  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲&ロココの主題による変奏曲

 1-3.ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23/
 4-11.ロココの主題による変奏曲Op.33
ツィモン・バルト(ピアノ)…1-3/
ドミトリー・マスレンニコフ(チェロ)…4-11/
ベルリン・ドイツ交響楽団/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
 チャイコフスキー(1840-1893)のピアノ協奏曲と言えば、数多くの演奏が世に出ていて、そのどれもが聴き手の心を捉える美質に溢れています。が、この演奏はその中でもとりわけ異彩を放つものとして記憶されることでしょう。
 通常、華麗すぎるほどに華麗に始まる冒頭部から、何やら違和感あり。テンポ設定、デュナーミクなどにはエッシェンバッハによる細心の工夫が凝らされ、ピアノの繊細過ぎるタッチが妙に耳に残ります。ピアニストのバルトは、EMIとONDINEを中心に数多くのCDをリリースしているアメリカのピアニストですが、廉価版のDVDでショパンの協奏曲を弾く姿も披露されていて、これがまた不思議な雰囲気を纏った若手ピアニストでした。現在では、髪型こそすっきりしたものの、その独特の解釈は健在であり、とにかく興味深いチャイコフスキーを聴くことができます。
 「ロココ」でチェロを弾くマスレンニコフも、エッシェンバッハと共演を重ねていて、以前はショスタコーヴィチの協奏曲をリリースしています。このアルバムでは、屈託のない明るい響きが印象的です。
 録音 2010年12月7-9日ベルリン放送 大ホール

C5074
(2CD)
\2,600→¥2290
グトルン・シャウマン
 ロベルト・シューマンを巡って第2集
〈CD1〉
 1-3.R.シューマン(1810-1856):幻想小曲集Op.73/
 4.R.シューマン:アダージョとアレグロOp.70/
 5-9.R.シューマン:民謡風の5つの小品集Op.102/
 10.R.シューマン:夕べの歌Op.85-12/
 11-14.クララ・シューマン(1819-1896):4つの歌/
 15.アルベルト・ディートリヒ(1829-1908):F.A.E.ソナタよりアレグロ/
 16.ブラームス(1833-1897):F.A.E.ソナタよりアレグロ/
 17.ブラームス:雨の歌Op.59-3/
〈CD2〉
 1-2.テオドール・キルヒナー(1823−1903):ロマンスと子守歌Op.63…世界初録音/
 3-14.キルヒナー:12の幻想小品集Op.90…世界初録音/
 15-17.カール・ライネッケ(1824-1910):ヴァイオリン・ソナタホ短調 Op.116…世界初録音
グトルン・シャウマン(ヴァイオリン…1731年製ストラディヴァリ・クレモナ)/
ヴォルフガンク・ブルンナー(フォルテピアノ…1836年.1870年製J.B.ストライヒャー&1872年製C.レニッシュ)
 ヴァイオリニスト、グドルン・シャウマンによるオリジナル楽器で演奏するシューマンと、その周辺を巡る人々の作品第2集です。
 第1集(C5040)で、楽器の音色の美しさと艶やかさが存分に楽しめたのですが、今作では伴奏のフォルテピアノが3種類用いられているという、当時の楽器好きにもたまらないアルバムとなっています。
 もちろん作品への興味も尽きないところで、世界初録音となる、シューマンの友人であったキルヒナーのオリジナル作品や、こちらも初録音、室内楽作品でおなじみのライネッケの作品、ロベルト・シューマンが友人アルベルト・ディートリヒとヨハネス・ブラームスとともに作曲したヴァイオリンソナタ(3人の共通の友人であるヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに献呈されました)から、シューマンの部分以外の2楽章など、シューマンを巡る旅も最高潮に達するのではないでしょうか?ブラームスの「雨の歌」は、ヴァイオリン・ソナタの方ではなく、歌曲からの編曲となります。歴史的にも貴重なアルバムです。


「ロベルト・シューマンを巡って」第1集

C5040
(2SACD Hybrid)
\2,600→¥2290
ロベルト・シューマンを巡って
CD1:
 1-4.R.シューマン(1810-1856):ヴァイオリン・ソナタ第 3 番イ短調 WoO 27/
 5-7.R.ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス Op.94(J.ドラハイム編)/
 8.ヨアヒム(1831-1907):ヴァイオリンとピアノのためのロマンスハ長調/
CD2:
 1-3.C.シューマン(1819-1896):
  ヴァイオリンとピアノのための3 つのロマンス Op.22/
 4-6.R.シューマン:ヴァイオリン・ソナタイ短調 Op.105/
 7-10.R.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第 2 番ニ短調
グドルン・シャウマン(ヴァイオリン)…1731 年ストラディヴァリ、クレモナ/
クリストフ・ハンマー(フォルテピアノ)
 ロベルト・シューマンと彼を巡る人々たちの作品をピリオド楽器で演奏するというファン垂涎の 1 枚の登場。妻クララ、ヨーゼフ・ヨアヒム、そしてクララの異父兄バルギールと、興味深い取り合わせです。ここにブラームスの作品を入れれば、また違った味わいになるのでしょうが、「シューマンを巡る環」としてなら、これで完結させるのが一つのやり方なのでしょう。1731年製のストラディヴァリのクレモナの音色は、高雅さの中に甘さを備えたもので、時としてすすり泣くかのような表現力には、またモダンの楽器とは違った愛おしさがあります。名手クリストフ・ハンマーの奏でるフォルテピアノの美しい音色も、シャウマンの見事な演奏に華を添えます。また、CD には表記がありませんが、SACD ハイブリッドの高音質盤です。シューマンの音楽の持つ暖かく湿った香り高い空気を、部屋いっぱいに放ってみたい1 枚です。
 録音 2009 年6 月ウィーン カジノ、バウムガルテン

C5064
\2600
シグナム弦楽四重奏団〜 四重奏の楽章
 1.ヴォルフ(1860-1903):イタリア風セレナーデ/
 2.プッチーニ(1772-1815):菊の花/
 3.オルフ(1895-1982):四重奏の楽章Op.22/
 4.アイヴズ(1874-1854):スケルツォ/
 5.リーム(1952-):四重奏の楽章(1993)/
 6.シューベルト(1797-1828):四重奏断章D703/
 7.ウェーベルン(1883-1945):弦楽四重奏のための緩徐楽章
シグナム弦楽四重奏団
<メンバー>
ケルスティン・ディル(ヴァイオリン)/
アンネッテ・ヴァルター(ヴァイオリン)/
サンディ・ファン・デューク(ヴィオラ)/
トーマス・シュミット(チェロ)
 トゥイレの作品集(C5049)、ホルン奏者のグアルナシェッリと共演した「古典派のホルン五重奏曲集」(C5059)で、その才能の片鱗を見せつけた、若きアンサンブル「シグナム弦楽四重奏団」の新しいアルバムです。今作は“弦楽四重奏曲”と名付けられていない作品を集めたという面白い1枚です。一つの楽章の中にソナタ形式の全てをはめ込んだシェーンベルクの例を持ち出すまでもなく、小さな曲の中に様々な要素を纏める試みは多くの作曲家たちによって行われています。ヴォルフの「イタリア風セレナーデ」は弦楽合奏版がよく知られていますが、こちらが原型。プッチーニの「菊の花」はイタリアに生まれ、スペイン国王となったアメーデオ1世の追悼として書かれた作品。7分程度の陰鬱な曲ですが、何とも濃厚な情念が宿る作品です。マノン・レスコー第3幕の間奏曲へと転用されていることでも知られています。
 他にも、数多くのドラマが詰まった各々の四重奏曲を、シグナム弦楽四重奏団は丁寧かつ説得力溢れる解釈を聴かせてくれています。

C5108
\2000
クリスマス協奏曲
 1-4.モルター(1696-1765):田園協奏曲ト長調/
 5.ヘンデル(1685-1709):メサイアより「牧歌」/
 6-7.ヴェルナー(1693-1766):田園曲ニ長調/
 8-11.コレッリ(1653-1713):合奏協奏曲ト長調「クリスマス」 Op.6-8/
 12-13.トレッリ(1658-1709):合奏協奏曲ト短調Op.8-6/
 14-17.ロカテッリ(1695-1764):合奏協奏曲 へ短調「クリスマス・イブ」Op.1-8/
 18-20.マンフレディーニ(1684-1762):合奏協奏曲ハ長調 Op.3-12
   ※C10442の新装盤
ハンス=ペーター・キルヒベルク(オルガン)/
新ベルリン室内管弦楽団/
ミヒャエル・エルクスレーベン(指揮)
ヨーロッパのクリスマス音楽と、羊飼いの音楽(牧歌、田園曲)は切っても切り離せない関係にあります。とりわけバロックの時代、イタリアの作曲家たちは好んでこのタイトルの作品を書きました。おそらくこのジャンルの曲はローマから北部イタリアで愛好されたようです。クリスマスが近づくと、アマチュア、プロを問わず、多くの音楽家たちがこれらの曲を演奏し、壮麗な夜の風景として盛り上がったことでしょう。喜び漲る美しくも親密な音楽は、聴くものの胸を熱くさせること間違いありません。

C5105
\2000
バッハ一族のクリスマス音楽集
 1.J.S.バッハ(1685-1750):クリスマス・オラトリオより/
 2.J.C.F.バッハ(1732-1795):キリストの幼時より/
 3.J.L.バッハ(1677-1731):モテット「われらにみどり児生まれたもう」/
 4.C.P.E.バッハ(1714-1788):天は御神の栄光を語るWq249より/
 5.W.F.バッハ(1710-1784):闇の行いを脱ぎ捨てFk.80/
 6.J.E.バッハ(1722-1777):わが魂は主をあがめ/
 7.J.C.F.バッハ:モテット「目覚めよと呼ぶ声聞こえ」
   ※既発録音よりコンピレーション
様々な演奏者
ヨハン・セバスチャン・バッハを筆頭とするバッハ一族のクリスマスに関する音楽を集めた1枚です。当時はクリスマスが訪れる毎に、新しい音楽を演奏する必要があり、音楽家たちは総出で新作を発表していました(J.S.バッハのクリスマス・オラトリオは使い回しの曲も含まれていたりしますが)。どの曲もキリストの誕生を祝う喜びと、新年を迎える厳かさに満ち溢れ、輝かしくも清冽なる響きを有しています。

C5104
\2000
J.C.F.バッハ:キリストの幼時 他
 1-12.オラトリオ「キリストの幼時」/
 13-15.モテット「目覚めよと呼ぶ声聞こえ」
  ※C10292の新装盤
バルバラ・シュリック(ソプラノ)/
ヒルケ・ヘリンク(アルト)/
ハイン・メーンズ(テノール)/
ハリー・ファン・デル・カンプ(バス)/
アルムート・キルシュナー(アルト)/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
バッハとアンナ・マグダレーナの9人の子どものうち、下から2番目にあたるヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795)のオラトリオとモテットです。父バッハから音楽を学んだとはいえ、彼が活躍した時代は、そろそろ古典派へと移行する時期であり、彼の作風も父バッハとはかなり違ったものとなっていました。そのため、同時代の批評家たちからは、あまり高い評価を得ていたわけではありませんでしたが、当時のイタリアの音楽を取り入れたり、素晴らしいカンタータを書いたりと、活発な活動を続けました。ビュッケブルクの宮廷にチェンバロ奏者として雇われてからは名声を確立。このオラトリオ「キリストの幼時」は当時に知り合った神学者J.G.ヘルダーの詩による大作です。

CAPRICCIO

A Week of Telemann
C5057
\2300→¥1990
テレマンで1週間
 G.F.テレマン:
  1-7.スケルツィ・メロディチ- スケルツォ ニ長調 TWV42:D7/
  8-10.ああ、神の手が必要だTWV1:30/
  11-17.スケルツィ・メロディチ- スケルツォ イ長調 TWV 42:A4/
  18-20.わが魂は主を広める/
  21-27.スケルツィ・メロディチ- スケルツォ変ロ長調 TWV 42:B3/
  28-34.スケルツィ・メロディチ- スケルツォ ト長調 TWV 42:G5/
  35-37.心と口、ああ、永遠の言葉よTWV 1:9/
  38-44.スケルツィ・メロディチ- スケルツォ ホ短調 TWV 42:e4/
  45-51.スケルツィ・メロディチ- スケルツォト短調 TWV 42:g3
アグネス・シャイベルライター(ソプラノ)…8-10.18-20.35-37/
アンサンブル・デリリオ
ニーダーザクセン州のバート・ピルモンドは保養地として有名であり、豊富な炭酸水温泉が湧出し、多くの湯治客や観光客でにぎわうところです。彼ら訪問客を喜ばせるために音楽が毎日提供されていて、それはテレマン(1681-1767)の時代から変わることがありません。
このアルバムには日曜から土曜まで1週間分のテレマンの音楽が収録されており、各々はその日の目的に応じて選ばれています。カンタータあり、器楽曲あり、何とも幸せになれること間違いありません。1734年当時の優雅なスパ・リゾートをお楽しみください。
Mozart, Hauff, Hoffmeister & Beethoven: Horn Quintets
C5059
\2300→¥1990
ホルン五重奏曲集
 1-3.モーツァルト(1756-1791):ホルン五重奏曲変ホ長調 K.407/
 4-5.W.G.ハウフ(1755-1807):ホルン五重奏曲変ホ長調/
 6-7.ホフマイスター(1754-1812):ホルン五重奏曲変ホ長調/
 8.M.ハイドン(1737-1806):
  ロマンス(原曲:モーツァルトのホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447より
   第2楽章ロマンス-ラルゲット/
 9-11.ベートーヴェン(1770-1827):六重奏曲変ホ長調 Op.81b
ヌリ・グアルナシェッリ(ホルン)/
ピーター・エルデイ(ホルン)…9-11/
シグナム四重奏団
アルゼンチン州の州都サンタフェに生まれたホルン奏者グアルナシェッリを中心をしたアンサンブルです。彼女は現在最高のフレンチホルン奏者として知られ、アバドが率いるマーラー室内管弦楽団でもソリストを務め、またベルリン・フィルでもしばしば演奏しています。また16年間、ウィーン放送交響楽団の首席奏者も務めるなど、その才能は高く評価されています。このアルバムでは、モーツァルトのホルン五重奏曲を中心に、古典派の名曲を軽やかに奏しています。彼女は現代作品も得意としていて、POENIX EDITIONから出ている現代ホルン協奏曲集(PE131)では、また別の面を味わうことができます。また、シグナム弦楽四重奏団も素晴らしいアンサンブルであり、彼らのデビュー・アルバムであるトゥイレの弦楽四重奏曲(C5049)は「Pizziccato賞」を受賞しています。溶け合う響きをご堪能ください。
Huppertz: Metropolis
C5066
\2300→¥1990
ゴットフリート・フッペルツ:映画音楽「メトロポリス」
 オリジナル・サウンド・トラックを元にした世界初録音
ベルリン放送交響楽団/
フランク・シュトローベル(指揮)
1926年制作、1927年の公開されたモノクロサイレント映画「メトロポリス」はSF映画の金字塔として今なお愛され続ける名作です。フリッツ・ラング監督は1927年の100年後の世界を極端な管理社会として描きましたが、アメリカのパラマウント社では、その内容について問題視し、大幅なカットを加えたうえ、アメリカで公開したりと、その作品の全容は不明をされていました。しかし、その後、1984年にイタリアのジョルジョ・モロダーがプロデュースし、ロック調の音楽を付けた版で上映するなど、この作品に対する期待は失われることがありませんでした。そして遂に、2002年と2008年に失われていた部分が発見され、この映画のほぼ全容を辿ることが可能となり、それに合わせて、本来つけられていた音楽であるフッペルツ(1887-1937)の曲も復刻され、シュトローベルの指揮により、新たに蘇ったというわけです。21世紀のこの時代は、当時の想像を遥かに超える進歩を遂げましたが、人の心の本質は全く変わっていないことを思い起させてくれるでしょう。
Schein: Israels Brunnlein
C5069
(2CD)

\2300→¥1990
シャイン:イスラエルの泉
〈CD1〉
 1.おお主よ、われは汝のしもべ/2.汝の若き日の女に喜び/
 3.涙とともに種まく人は/4.われは汝を見捨てず/
 5.なおわれは汝のもとに留まらん/
 6.主よ、再びわれを顧みたまえ/
 7.シオンは言う、主はわれを見捨てられたと/8.われ若かりしとき/
 9.主はわれらを思いたもう/10.ヤコブが没したとき/
 11.愛らしく美しい生は虚無である/
 12.エフライムはわが最愛の子なのであろうか/13.神の御業を見よ/
 14.われ主によりて喜ぶ/15.われらの人生は70年におよぶ/
 16.汝ら聖徒たちよ、主をほめたたえよ/
〈CD2〉
 1.主よ、わが嘆きを除きたまえ/2.見よ、慰めののちになお不安が/
 3.ああ主、わが美しき砦/4.3つの美しきことあり/
 5.何を悲しむのか、わが魂よ/6.貞淑なる妻に恵まれたる者は/
 7.おお主、イエス・キリスト/8.われはダヴィデ一族の祖なり/
 9.われらは死すべきものと悟らせたまえ/10.今ゾすべての人よ神に感謝せよ
ライニッシェ・カントライ/
ヘルマン・マックス(指揮)
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630)は17世紀ドイツの作曲家で、同時代に活躍したシュッツとシャイトと合わせて、「ドイツバロックの3S」と呼ばれることもあります。ほとんど宗教音楽しか作らなかったシュッツとは違い、シャインは世俗音楽と宗教音楽を交互に作曲、出版していましたが、これは彼が用途別に音楽を使い分けることを目的としていたに他なりません。この「イスラエルの泉」はイタリア風のマドリガーレの形式を用いた宗教曲で、歌詞はドイツ語の聖書の言葉を用いたという、当時としては先鋭的なもの。5〜6人の歌手たちを中心に、伴奏はオルガンかハープシコード(低音は数字で表記されている)を付けてもよいという指示があります。
※C10290/91 再編集盤
Dussek: Piano Concertos
C5072
\2300→¥1990
J.L.ドゥシェク:ピアノ協奏曲集 ※C10444 再発盤
 1-3.ピアノ協奏曲ト短調 Op.49/
 4-6.ピアノ協奏曲変ロ長調 Op.22/7.フランス王妃の受難
ジャン=ミシェル・フォレス(ナレーター)…7/
アンドレアス・シュタイアー(フォルテピアノ)/
コンチェルト・ケルン
チェコで生まれ、ヨーロッパ各地で活躍、クレメンティを名声を分かちあったという作曲家ドゥシェク(ドゥシーク)(1760-1812)。「全ての作曲家の中で、最も正直、かつ礼儀正しく、最も優れた男」と老ハイドンが賞賛したとも伝えられます。彼は20曲近くのピアノ協奏曲を書き、また多くのピアノ・ソナタを書きました。あまりにもピアノの腕がすばらかったため、ロンドンのピアノ製作者であり友人でもあったジョン・ブロードウッドは、彼のためにピアノに1オクターブを加えたほどでした。シュタイアーは、この録音のために1806年に製造された楽器を用い、コンチェルト・ケルンは闊達な伴奏を付けています。彼の音楽は深みに乏しいとされることもありますが、こうして聴いてみるとなかなかのものであり、当時の聴衆が熱狂したのは理解できるというものです。録音 1992年11月24-28日
Fasch: Overtures & Concerti
C5073
\2300→¥1990
ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ:序曲と協奏曲
 1-6.序曲(組曲) 変ロ長調/7-9.協奏曲ニ長調 /
 10-12.フルートとオーボエのための協奏曲ト長調/
 13-15.トランペットと2つのオーボエのための協奏曲ニ長調/16-21.序曲ホ短調
ラインホルト・フリードリヒ(トランペット)…7-9,13-15/
アラン・デ・ルッデル(トランペット)…7-9/
ラヨシュ・レンチェス(オーボエ)…13-15/
ラースロー・パルカニ(オーボエ)…13-15/
ブダペスト・ストリングス…7-9,13-15/
カペラ・コロニエンシス…1-6,10-12,16-21/
ハンス=マルティン・リンデ(指揮)…1-6,10-12,16-21
ドイツ後期バロック音楽の作曲家ファッシュ(1688-1758)。彼の作品は19世紀から20世紀にかけて、その重要性が認められるようになり、現在では「バロック音楽を古典派音楽の橋渡しをした人」として認知されています。彼は多くの教会音楽と器楽曲を書きましたが独奏楽器が活躍する協奏曲も数多く書いています。ここではラインホルト・フリードリヒら名手たちがその技巧を余すことなく披露しています。
Schumann: Dichterliebe
C5086
\2300→¥1990
ダニエル・ベーレ、シューマン&シューベルトを歌う
 シューベルト:
  1.楽に寄す Op.88-4 D547/2.野ばら Op.3-3 D257/
  3.ますOp.32 D550d/4.夜の明かり Op.134 D892/
  5.君はわが憩いOp.59-3 D776/6.ガニュメート Op.19-3 D544/
  7.万霊節の日のための連祷 D343/8.岩の上の羊飼いOp.129 D965/
  9-24.シューマン:歌曲集「詩人の恋」Op.48
   <.美しき5月に/私の涙から/ばらよ、ゆりよ、鳩よ/
    私がおまえの瞳を見つめるとき/私の心をゆりの杯にひたそう/
    聖なるラインの流れに/私は恨むまい/花がわかってくれるなら/
    それはフルートとヴァイオリンの響き/あの歌の響きを聞くと/
    若者はおとめを愛した/明るい夏の朝に/私は夢の中で泣いた/
    夜ごとの夢に君を見る/昔のおとぎ話より/昔のいまわしい歌
アンディ・マイルズ(クラリネット)…8/
ダニエル・ベーレ(テノール)/
スヴァイヌング・ビェラン(ピアノ)
「美しき水車屋の娘」(C5044)で真っ直ぐな若者の心情を歌い上げたベーレ、今回はシューマン(1810-1856)の「詩人の恋」でちょっぴり屈折した若者の心を歌います。
ピアノと声が複雑に絡みあい、言葉にならない感情を紡いでいくベーレとビェラン。シューマンの歌曲のむずかしさと美しさを実感させてくれる瞬間が至るところに用意されています。最初に置かれたシューベルト(1797-1828)の歌曲たちもまるで宝石のような美しさ。圧巻はクラリネットのマイルズが花を添える「岩の上の羊飼い」で、本来はソプラノが歌う曲ですが、ベーレが歌うと、羊飼いの仄かな悲しみが見事に表現されていて、思わず涙が誘われてしまいます。
Telemann: The Day of Judgement & The Thunder Ode
C5098
(2CD)

\2300→¥1990
G.F.テレマン:オラトリオとカンタータ集
〈CD1〉
 1-34.オラトリオ「最後の審判の日」TWV6:8/
〈CD2〉
 1-16.カンタータ「雷神を称える」TWV6:3/
 17-25.カンタータ「主は王なり」TWV8:6
〈CD1〉
アン・モノイオス(S)/
デイヴィッド・コーディエ(A)/
ヴィルフリート・ヨッヘンス(T)/
シュテファン・シュレッケンベルガー(B)/
〈CD2〉
アン・モノイオス(S)…1-25/
アクセル・ケーラー(A)…1-16/
ヴィルフリート・ヨッヘンス (T)…1-25/
ハンス=ゲオルク・ヴィンマー(B)…1-16/
シュテファン・シュレッケンベルガー(B)…1-16/
ハリー・ファン・デル・カンプ(B)17-25/
シュテファン・シュレッケンベルガー/
〈CD1&2〉
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
テレマンは余りにも作品が多いため、なかなか全貌を知ることはできません。それでも室内楽曲や協奏曲は聴く機会もあるのですが、このようなカンタータやオペラはなかなか上演の機会もないのが実情です。とはいえ当時の民衆を楽しませるために、せっせと作曲に精を出したテレマンの作品が面白くない訳がありません。これらのオラトリオとカンタータも、とてもドラマティックな展開を持つ壮大な曲です。
※既発盤C10413とC10556の再発となります。
Hasse, J A: Cleofide
C7080
(4CD)
\4000→¥3490
カークビー、メロン、ドミニク・ヴィス、そしてクリスティ
 知られざる名盤復活!
J.A.ハッセ:歌劇「クレオフィーデ」全曲
クレオフィーデ…エマ・カークビー(S)/
エリッセナ…アニュス・メロン(S)/
ガンダルテ…ランダル・K・ウォン(S)/
ポロ…デレク・リー・レイギン(A)/
アレッサンドーロ…ドミニク・ヴィス(A)/
ティマゲーネ…デイヴィッド・コーディエ(A)/
ライニッシェ・カントライ/
カペラ・コロニエンシス/
ウィリアム・クリスティ(指揮)
ハンブルクに生まれ、偉大なるオペラ作曲家カイザーの率いる劇団で、テノール歌手として活躍していたハッセ(1699-1783)。アレッサンドロ・スカルラッティと親交を結ぶことで作曲家としても成功を収め、120に及ぶ歌劇の他、多数の教会音楽や器楽曲を作曲しました。この歌劇は彼の代表作の一つであり、美しいメロディに彩られたアリアやレチタティーヴヴォがたっぷりと楽しめます。歌手たちも錚々たる顔ぶれであり、もちろんクリスティの指揮も定評あるものです。録音 1986年5月
※既発盤C10193-96の再発となります。
Graun, C H: Montezuma
C7085
(2CD)
\3000
C.H.グラウン:歌劇「モンテズマ」 モンテズマ…エンカルナシオン・バスケス(メゾ・ソプラノ)/
オイパフォリチェ…ドロテア・ヴィルツ(ソプラノ)/
テゼウコ…コンチータ・ジュリアン(ソプラノ)/
ピルパトーエ…ルルド・アンブリッツ(ソプラノ)/
エリッセナ…ルス・アンゲリカ・ウルリベ・サンチェス(ソプラノ)/
フェルディナンド・コルテス…マリア・ルイザ・タメス(ソプラノ)/
ナルヴェス…アナ・カリダッド・アコスタ(アルト)/
カンティカ・ノーヴァ室内合唱団/
ノイス・ドイツ・チェンバー・アカデミー/
ヨハネス・ゴリツキ(指揮)
カール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759)。この当時よくあるように、彼ももともとは宮廷テノール歌手として名を馳せた人です(兄ゴットリープもヴァイオリン奏者として活躍)。当時はハッセを人気を二分するほどのイタリア・オペラ作曲家として知られ、フリードリヒ大王の即位に伴い、ベルリンの宮廷楽長に招かれ、生涯その地位に就きました。この歌劇「モンテズマ」は、フリードリヒ2世が台本を書いたもので、いくつかのアリアが今日でも演奏されることがありますが、なかなか全曲を聴く機会はありません。当時ドイツの最先端を行っていた様式を取り入れた、流麗さと繊細さを併せ持つ聴きごたえのある作品です。録音 1992年6月1-5日
※既発盤C60032の再発となります
Liszt: Orchestral Pieces
C7090
(4CD)
\2600→¥2390
フランツ・リスト:管弦楽作品集
〈CD1〉
 1-6.ハンガリア狂詩曲第1番-第6番/
〈CD2〉
 1-3.ダンテ交響曲S109/R426<地獄/煉獄/マニフィカート>/
 4.システィーナ礼拝堂でS360/R445/
〈CD3 前奏曲集〉
 1.交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」S97/R414/
 2.交響詩「オルフェウス」S98/R415/
 3.交響詩「マゼッパ」S100/R417/
 4.交響詩「ハンガリー」S103/R420/
〈CD4〉
 1.ラコッツィ行進曲S117/R439/
 2.19のハンガリー狂詩曲S244/R106 - 第15番イ短調 「ラコッツィ行進曲/
 3.ゲーテ記念祭によせる祝典行進曲S115/R433/
 4.交響詩「タッソ、悲哀と勝利」S96/R413
〈CD1〉
ブダペスト交響楽団/
アンドラーシュ・コロディ(指揮)/
〈CD2〉
オランダ・フィルハーモニー合唱団…1-3/
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハルトムート・ヘンヒェン(指揮) /
〈CD3〉
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団/
ヤーノシュ・フェレンチク(指揮)/
〈CD4〉
イェネ・ヤンドー(ピアノ)…2/
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団…1.3.4/
ジュラ・ネーメト(指揮)…1.3/
ヤーノシュ・フェレンチク(指揮)…4
リスト(1811-1886)の生誕200年を記念し、Capriccioレーベルが誇る名演を凝縮したアルバム。こちらは管弦楽作品集です。どこから聴いても、もれなくリスト。派手な音を聴きたい人にぴったりです。
Liszt: The Piano Concertos
C7095
(3CD)
\2300→¥2090
イェネ・ヤンドー
 フランツ・リスト:ピアノ協奏曲集

〈CD1〉
 1-3.ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S124/R455/
 4-9.ピアノ協奏曲第2番イ長調 S125/R456/
 10.ハンガリー民謡の主題による幻想曲S123/R458/
〈CD2〉
 1.シューベルト=リスト:さすらい人幻想曲S366/R459/
 2.ベートーヴェンの「アテネの廃墟」の主題によるトルコ風カプリッチョS122/R454/
 3.ベルリオーズの「レリオ」の主題による交響的大幻想曲S120/R453/
 4.ハンガリー幻想曲S123/R458/
〈CD3〉
 1.呪い/2.ウェーバー=リスト:華麗なるポロネーズS367/R460/
 3.ウェーバー=リスト:「魔弾の射手」幻想曲S451/R284/4.死の舞踏S126/R457
イェネ・ヤンドー(ピアノ)/
ブダペスト交響楽団/
アンドラーシュ・リゲティ(指揮)
リスト生誕200年記念。こちらはピアノを伴う作品集。「リストと言ったらピアノ」。その一言に尽きる3枚組です。NAXOSレーベルでおなじみ、イェネ・ヤンドーの文句なしの名演です。「リストって、なんか音多いよね」。それは正しい意見です。
Dukas: Ariane et Barbe-Bleue
C7112
(2CD)
\3000→¥2790
ベルティーニ&ケルン放送
ポール・デュカス:歌劇「アリアーヌと青髭」全曲

 〈CD1〉1-12.第1幕/13-20.第2幕/〈CD2〉1-10.第3幕
アリアーヌ…マリリン・シュミージェ(メゾ・ソプラノ)/
青髭…ロデリック・ケネディ(バス)/
乳母…ジャクリーヌ・タイヨン(コントラルト)/
セリゼット…シンシア・ブーチャン(メゾ・ソプラノ)/
イグレーヌ…モニク・ブーダン(ソプラノ)/
メリザンド…白井光子(メゾ・ソプラノ)/
ベランジェール…フランシーヌ・ローラン(ソプラノ)/
農夫…ジョセフ・オッテン(バス)/
農夫…イェルク・パヴェレク(テノール)/
農夫…フランツ・ゲリーゼン(バス)/
ケルン放送合唱団/
ケルン放送交響楽団/
ガリー・ベルティーニ(指揮)
シャルル・ペローが書いた童話「青髭」。恐ろしい風貌の金持ち「青髭」が妻を娶るも、彼には多くの秘密があった・・・。そんな幻想的で残忍、かつエロティックな話は、後世の芸術家たちに多大な影響を与え、戯曲や歌劇など、さまざまな形に姿を変え、現在に至っています。歌劇としては、バラージュが台本を書いたバルトークの作品がおなじみですが、こちらはメーテルランクの劇が元になっています。結末までが神秘的なバルトークの作品に比べると、こちらの主人公はとても勇猛果敢で、捉えられていた前妻たち(彼女たちはみんな生きています)に逃亡を勧めるのですが、前妻たちはそれを拒むという、ちょっと不思議なあらすじを持っています。最近、日本でも上演されたり、新録音が発売されたりと、知名度が上がってきているこの秘曲。ベルティーニの闊達たる指揮でぜひ聞いてみてください。

CAPRICCIO

J L Bach: Funeral Music, Motets, Cantatas & Missa Brevis
C5080
(3CD)
\2600
ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:作品集
〈CD1.葬送音楽〉/
〈CD2.モテット集〉
 1.われらにみどり児うまれたもう/2.われらは知る,われらが地上の住家/
 3.イエス・キリストの流した血は/4.われ汝より目を離さじ/
 5.神よ、われに恵みあれ/6.いざ再び幸あれ/7.われ主に見ゆ/
 8.我が思いなる我が神よ/
〈CD3〉
 1-8.ミサ・ブレヴィス「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」/
 9-15.主は新しい国をつくられる/
 16-22.意地悪な魂に知恵は宿らず/
 23-29.わたしの霊をあなたのうちに置いて
  ※C10814&C10560&C67131の新装版
マリア・ザードリ(ソプラノ)/
レーナ・スザンネ・ノーリン(アルト)/
ギ・ド・メイ(テノール)/
ヴィーフリート・ヨッヘンス(テノール)/
クラウス・メルテンス(バス) 他/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
マイニンゲンの宮廷楽長を務めたヨハン・ルートヴィヒ・バッハ(1677-1731)は、J.S.バッハの遠い親戚(大バッハの祖父の従弟の孫もしくは、曾祖父の弟の玄孫)で、極めて厚い信頼を得ていたといわれます。極めて勤勉な人だったようで、生前は高く評価されていましたが、その作品はほとんど残っておらず、このようにまとめて聴くことができる機会もほとんどありません。彼の宗教曲は形式こそ単純ですが、その筆致は驚くほどに豊であり、またエルンスト・ルートヴィヒ公の葬儀の際に書かれた「葬送音楽」は大規模な編成を必要とする3部形式の作品であり、死を悼む悲しみを乗り越え、魂の平安を願うというすばらしいレクイエムです。聴きごたえのある3枚組です。
WF Bach: Cantatas
C5083
(2CD)
\2300
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:カンタータ集
〈CD1〉
 1-9.「闇の行いを脱ぎ捨て」Fk.80/
 10-15.「呼びかける声がある。主のために荒れ野に道を備え」Fk.89/
〈CD2〉
 1-3.シンフォニアニ長調 Fk.64/
 4-8.「今ぞこの日」Fk.85/
 9-15.「震え、墜ち」Fk.83
  ※C10425&C10426の新装版
バルバラ・シュリック(ソプラノ)/
クラウディア・シューベルト(アルト)/
ヴィルフリート・ヨッヘンス(テノール)/
シュテファン・シュレッケンベルガー(バス)/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
J.S.バッハの長男であるヴィルヘルム・フリーデマン(1710-1784)は、1746年から1764年までハレで音楽監督とオルガニストを務めていました。その地位はライプツィヒでの大バッハのものに似ており、彼は3週間ごと、更に全ての祝祭日曜のためにカンタータを演奏することを義務つけられていたのです。とは言え、あまり勤勉な性格ではなかった彼は、その任務を全うすることはなかったようです。彼の前任者キルヒーホフがテレマンの作品を流用していたようですし、彼自身も他者の作品の練習をしたようですが、とはいえ、やはり祝祭日には自身のカンタータを演奏すべく、入念に準備したといわれています。壮麗な演奏効果を持つ作品ですが、それに伴い、歌手や器楽奏者たちに要求される技術もなかなかのもので、完璧に演奏するためには、多くの技術的困難を乗り越えなくてはいけないという難易度の高い音楽でもあります。
Salieri: La Veneziana
C5087
\2000
アントニオ・サリエリ:ラ・ヴェネチアーナ
 1-3.オーボエ、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ長調/
 4-6.フルートとオーボエのための協奏曲ハ長調/
 7-9.シンフォニアニ長調「ラ・ヴェネチアーナ」
  ※C10530の再発盤
ラヨシュ・レンチェス(オーボエ)/
ベーラ・バーンファルヴィ(ヴァイオリン)/
カーロイ・ボトバイ(チェロ)/
ヤーノシュ・バーリント(フルート)/
ブダペスト・ストリングス
アントニオ・サリエリ(1750-1825)は当時、すごく才能のあった音楽家であったにも関らず、現在では「モーツァルトに冷たくあたった人」としてのみ知られているのは、とても残念なことなのではないでしょうか?実際の彼はウィーンで音楽家として40年近くも不動の地位を築き、多くの音楽家を育てた名士であり、当時のモーツァルトは足元にも及ばない存在であったことがわかっています。ここに収録された作品を聴いてみても、他人の才能を羨んで悪いことを企むような腹黒さを感じるのは不可能でしょう。とはいえ、本当のことはわかりません。映画用に作られたエピソードなのか、はたまた毒殺は真実だったのか・・・。
Straus, O: Die Lustigen Nibelungen (The Merry Nibelungs)
C5088
\2300
オスカー・シュトラウス:喜歌劇「陽気なニーベルンゲン」
 ※C10752 の再発盤
グンター…マルティン・ガントナー(バリトン)/
ウーテ…ダフネ・エバンゲラトス(メゾ・ソプラノ)/
ダンクヴァルト…ゲルト・グロコウスキ(バリトン)/
フォルカー…ハインツ・ハイドブヒェル(テノール)/
ギゼルハー…ガブリエーレ・ヘンケル(ソプラノ)/
クリームヒルト…リサ・グリフィス(ソプラノ)/
ハーゲン…ヨーゼフ・オッテン(バス)/
ミヒャエル・ノヴァーク(テノール) 他/
ケルン放送合唱団/
ケルン放送管弦楽団/
ジークフリート・ケーラー(指揮)
ワルツ王そしてオペレッタ王、J.シュトラウス2 世がこの世を去ったのは1899 年の時でした。しかし彼がなくなっても、オペレッタの黄金時代が終わることはありませんでした。ウィーンの市民たちは、洒落た会話とパロディが横溢するこのジャンルをこよなく愛していたので、数多くの作曲家たちが、上質の演目を供給することに心を注いだのです。このオスカー・シュトラウス(1870-1954)もそんな作曲家の一人です。彼は、あのワーグナーの大作「ニーベルングの指輪」を、見事な風刺劇に作り替えました。もともと権力と欲望に塗れたオペラではありましたが、こちらのシュトラウス版は、その傾向に更に拍車がかかっています。ま、1 時間かけて「とりあえずお金さえあれば物事は丸く収まる」と歌っている?という、何とも頷ける作品であります。
Straus, O: The Chocolate Soldier
C5089
(2CD)
\2300
オスカー・シュトラウス:チョコレートの兵隊
〈CD1〉1-8.第1 幕/
〈CD2〉1-8.第2 幕/9-13.第3 幕
ブメル…ヨハネス・マルティン・クレンツル(テノール)
ナディナ・ポポフ…カロリーネ・シュタイン(ソプラノ)
アレクシウス・シュリピドフ…ジョン・ディッキー(テノール)
アウレリア・ポポフ…ゲルトラウド・ヴァグナー(アルト)
ヘンデル・コレギウム・ケルン/
ケルン放送管弦楽団/
ジークフリート・ケーラー(指揮)
オスカー・シュトラウス(1870-1945)は、苗字こそ同じであるものの、「シュトラウス・ファミリー」とは関係がありません。しかし彼は本家を凌ぐほどの素晴らしいオペレッタを次々仕上げ、「レハールのライバル」と目されるほどの人気を勝ち得たのでした。この「チョコレートの兵士」はバーナード・ショーの戯曲「武器と兵士」を元にした作品ですが、ショー自身はこのオペレッタ化に乗り気ではなく、台本作成の際、主人公たちの名前、性格、対話などをそのまま使うことは許可せず、また「台本はパロディであること」を明記させることを確約させました。その代わり成功した場合は報酬を受け取らない事も約束したのです。ショーはこの完成したオペレッタを「腐敗した味」とまで酷評、当然失敗するものと思っていたようですが、1908 年11月14 日の初演は大成功。その後も次々と成功を収めたので、報酬を受け取らない約束をしたことを心の底から後悔したとのことです。そんな経緯を頭において聞いていただけますと、10 倍楽しめそうですね。
Pfitzner: Von deutscher Seele, Op. 28
C5092
(2CD)
\2300
ハンス・プフィッツナー:カンタータ「ドイツの精神」
〈CD1〉1-12.第1 部:人間と自然/
〈CD2〉1-12.第2 部:生と歌
 ※Phoenix レーベルPE145 の再発盤
ソルヴェイグ・クリンゲルボルン(ソプラノ)/
ナタリー・シュトゥッツマン(メゾ・ソプラノ)/
クリストファー・ベントリス(テノール)/
ローベルト・ホル(バス)/
ベルリン放送合唱団/
ベルリン・ドイツ交響楽団/
インゴ・メッツマッハー(指揮)
アイヒェンドルフの詩によるプフィッツナー(1869-1949)の壮大なるカンタータです。1921 年に作曲されその翌年初演、1937年に改作が施されています。彼自身は保守的であり、また自ら認める「反ユダヤ主義者」でもありました。当時世間を凋落していた「前衛音楽」は彼にとって憎むべきものであり、崇高なるドイツの精神を音楽として表すためにこのカンタータが書かれたと言われます。とはいえ、出来上がった音楽には全く政治的イデオロギーは反映されておらず、むしろ「ロマンティックなカンタータ」という副題が付されているほど、内容的には矛盾を孕んだ音楽ともいえそうです。この演奏は、2007 年10 月3 日の「東西ドイツ統一の日」記念演奏会としてメッツマッハーが用意したプログラムです。演奏的には賛否両論がありましたが、聴衆の興奮、熱狂の度合いはすさまじく、この曲の真価を正統に評価できる演奏として記憶されることでしょう。
Shostakovich: Russian Romances
C5095
(2CD)
\2300
ショスタコーヴィチ:ロシアのロマンス
〈CD1〉
 1-11.ユダヤの民族詩よりOp.79/
 12-21.ミケランジェロの詩による組曲Op.145a/
ニナ・フォミナ(ソプラノ)…CD1:1-11/
タマラ・シンヤフスカヤ(アルト)…CD1:1-11,CD2:4-9/
アルカディ・ミシェンキン(テノール)…CD1:1-11/
アナトリイ・コチェルガ(バス)…CD1:12-21/
〈CD2〉
 1-3.4 つのロマンスOp.46(抜粋)/
 4-9.6 つの歌曲Op.143/
 10-15.6 つのロマンスOp.62/
 16-21.6 つのロマンスOp.21
アナトリイ・バビキン(バス)…CD2:1-3/
スタニスラフ・スレイマノウ(バス)…CD2:10-15/
ウラディーミル・カサチュク(テノール)…CD2:16-21/
 ※C10777&C10778 の新装盤
ケルン放送交響楽団/
ミハイル・ユロフスキ(指揮)
風刺的な作品から、恐ろしいまでの内省的な作品まで、さまざまな表情を持つ音楽を書いたショスタコーヴィチ(1906-1975)ですが、室内楽や歌曲などの比較的編成の小さい作品は、彼の心情が直接吐露されているものが多く、特に歌曲は、テキストを選択することにより、ショスタコーヴィチのありのままの心の叫びが綴られていることが多いといえるでしょう。ここでは、少々甘目(?)に書かれたロマンスも彼らしいのですが、圧巻は「ミケランジェロの詩による組曲」でしょう。彫刻家として知られるミケランジェロですが、その詩は、当時上からの圧力で渋々仕事をこなしていた天才の心の叫びとも言えるものであり、同じく抑圧されていたショスタコーヴィチの心に沿うところも多かったのではないでしょうか?ロシア歌曲らしいバスの深々とした響きも存分に楽しめます。
Lyric: Orchestral Songs
C5101
(2CD)
\2300
LYRIC-管弦楽伴奏付き歌曲集
〈CD1〉
 1-5.マーラー(1860-1911):リュッケルトの5つの歌/
 6-9.マーラー:さすらう若人の歌/
 10-14.ヴォルフ(1860-1903):
  管弦楽伴奏付きの歌曲/<ミニョン/アナクレオンの墓/時は春/眠りに寄す>/
 15-17.ツェムリンスキー(1871-1942):交響的歌曲Op.20から/
 18.ツェムリンスキー:抒情交響曲Op.18より第7楽章/
クリスティーネ・シェーファー(S)…1-5/
トーマス・クヴァストホフ(Br)…6-9/
白井光子(Ms)…10-14/
フランツ・グルントヘーバー(Br)…15-17/
マティアス・ゲルネ(Br)…18/
〈CD2〉
 1.エゴン・ヴェレシュ(1885-1974):生と夢、そして死Op.55より/
 2.エゴン・ヴェレシュ:世界の歌Op.54より/
 3-7.シュレーカー(1878-1934):低声のための5つの管弦楽伴奏付き歌曲/
 8-11.ブロッホ(1880-1959):秋の詩/
 12-14.ブロッホ:2つの詩編
ゾフィー・コッシュ(Ms)…1,8-11/
レジーナ・クレッパー(S)…2/
メヒトヒルト・ゲオルグ(Ms)…3-7/
クリスティーナ・エルツェ(S)…12-14/
様々なオーケストラ
 ※既発盤からのコンピレーション
今までにCAPRICCIOレーベルから発売された数多くのアルバムの中から、素晴らしい管弦楽伴奏の歌曲を集めた2枚組です。耳にすることの多いマーラーの2つの作品ですが、リュッケルトの5つの歌曲をソプラノで歌うというのは、比較的珍しいのではないでしょうか?シェーファーの鋭角的な響きは、この歌曲集に全く違った光を当てているかのようです。CD2枚目の選曲は、マニア向けともいえそうであり人間の声を真摯に向き合うオーケストラの姿を浮き彫りにするかのようです。エッシェンバッハ、アルブレヒト、ベルティーニなどの名指揮者たちの棒さばきもお楽しみください。そして最近注目のメゾ・ソプラノ、コッシュが脚光を浴び始めた頃の録音も含まれています。
The Art of Belcanto
C7035
(3CD)
\2300
アート・オブ・ベルカント
〈CD1〉アルフレード・クラウス
 1-3.リスト(1811-1886):3つのペトラルカのソネット/
 4-7.ドニゼッティ(1797-1848):4つの歌曲
 <愛の手紙/愛と死/見習い僧の最後の夜/たそがれ>/
 8-10.マスカーニ(1863-1945):3つのアリア<あなたの星/愛の苦悩/ばら>/
 11-15.レスピーギ(1879-1936):5つの歌曲
 <夜/ストルネッロを歌う女/どうすれば我慢できるのか/霧/とても美しい乙女>/
 16-18.ヴェルディ(183-1901):6つのロマンスより<星に/日没/石畳の道>/
アルフレード・クラウス(テノール)/
エデルミロ・アルナルテス(ピアノ)/
〈CD2〉レナート・ブルゾン
 モーツァルト(1756-1791):
  1.ドン・ジョヴァンニから「カタログの歌」/
  2.ドン・ジョヴァンニから「お手をどうぞ」/
  3.フィガロの結婚から「ため息をついている間に」/
 ドニゼッティ(1797-1848):
  4.ドン・セバスティアンから「Giuoco di rea fortuna- O Lisbona」/
  5.ジェンマ・ディ・ヴェルジより「Qui un pugnale! - Ah! Nel cuor」/
  6.カテリーナ・コルナーロより「Non turbati a questi accenti」/
  7.ラ・ファヴォリータより
  「だが,邪な者どもの嫉妬と怒りは私の頭上に−よいか,レオノーラ,そなたの足下に」/
 ヴェルディ(1813-1901):
  8.椿姫より「プロヴァンスの海と陸」/
  9.マクベスより「裏切り者めら!アングロの地で貴様らはおれに対し団結した!」/
  10.シチリア島の夕べの祈りより「富を手にして」/
  11.シモン・ボッカネグラより「平民よ、貴族よ!」/
  12.シモン・ボッカネグラより「Ecco la spada - Sia maledetto」/
レナート・ブルゾン(バリトン)/
様々なオーケストラ/
〈CD3〉ルチア・アリベルティ
 1.ベルリーニ(1801-1835):清教徒より「私は美しいおとめ」/
 2.ベルリーニ:カプレーティ家とモンテッキ家より「私はこうして晴れの衣装を-ああ、幾度か」/
 3.ドニゼッティ(1797-1848):ドン・パスクァーレより「この物語の教訓は」/
 4.ドニゼッティ:ドン・パスクァーレより「私を愛するともう一度」/
 5.ドニゼッティ:アンナ・ボレーナより「来て、罪のない若者よ」/
 6.ドニゼッティ:連隊の娘より「さようなら」/
 7.ドニゼッティ:連隊の娘より「では,決まってしまったのね-富も栄華の家柄も」/
 8.ベルリーニ:清教徒より
  「第2幕 ああ!私に希望を与えて下さい…ここで、あのお方の優しい声が…来て下さい」
ルチア・アリベルティ(ソプラノ)/
ベルリン放送交響楽団/
ロベルト・パーテルノストロ(指揮)
※既発盤からのコンピレーション
CAPRICCIOレーベルから発売されている歌手たちのアルバムの中から、とびきりの名手を3人セレクト。それぞれのアルバムを1セットにまとめました。最初の一人は、日本でも人気の高いスペイン生まれのテノール、アルフレード・クラウス。マスネの「ウェルテル」をはじめとした数々の当たり役で知られますが、ここでは歌曲リサイタルでお楽しみください。端正な表情付けの中に隠された情熱の炎が感じられるリストの「ペトラルカのソネット」は見事の一言です。2枚目は、こちらも日本で人気の高いバリトン、レナート・ブルゾンのアリア集。イタリアの正統的な歌い手として知られ、来日経験も豊富。ここではお得意のヴェルディを始め、ドニゼッティとモーツァルトを。3枚目は完璧なコロラトゥーラを聴かせるルチア・アリベルティの美声を。抒情的な歌もカバレッタも全てが艶やか。まさに聞き惚れてしまいます。
C7088
(3CD)
\2300
フランツ・シュレーカー:管弦楽作品集
〈CD1〉
 1.交響曲第1番イ短調 Op.1/
 2.インタフェルネスの女/
 3.詩篇第116番Op.6/
ゲルト・ヴェストプファル(ナレーター)…2/
ペーター・ディッケ(オルガン)…3/
〈CD2〉
 1.白鳥の歌Op.11/2.祝典円舞曲と円舞曲風間奏曲/
 3.低声のための5つの管弦楽伴奏付き歌曲/
メヒトヒルト・ゲオルク(メゾ・ソプラノ)/
ケルン西ドイツ放送合唱団/
ケルン放送合唱団/
ケルン放送管弦楽団/
ペーター・グルケ(指揮)/
〈CD3.イグナツ・ストラスフォーゲルによるピアノ編曲版〉
 1.おもちゃと王女(ピアノ版組曲)/2.室内交響曲(ピアノ版)/
 3.フランツ・シュレーカー・ブック
コーリャ・レッシング(ピアノ)
 ※C10850&C10873&C67063による新装盤
オーストリアの作曲家であり、指揮者であったフランツ・シュレーカー(1878-1934)の作品集です(すでにCAPRICCIOレーベルからリリースされていたアルバムの再編成です)。彼の作品の中ではとりわけオペラが優れているとされていますが、発表当時は、その前衛的な手法が受け入れられにくい局面もあったようです。とはいえ、十二音とは違ったロマンティックな響きを有した彼の響きは、まさに「頽廃音楽」そのものであり、後世の作曲家たちが大きな影響を受けていたことは間違いありません。この3枚組は、オーケストラ作品と歌曲、そして管弦楽作品を、彼の門弟でもあったピアニスト、ストラスフォーゲルが編曲したピアノ曲をバランスよく配しています。初期の作品である交響曲第1番(1899年)から最後の作品である「インタフェルネスの女」(1932-1933年)まで、その作風の変遷を味わってみてください。
Sacred Music of the Bach Family
C7100
(5CD)
\2600
バッハ・ファミリーの宗教曲集
〈CD1)
J.S.バッハ(1685-1750)〉

 1.主に向かって新しき歌をうたえBWV225/
 2.わが心の喜びなるイエスBWV361/
 3.主をたたえよ、すべての異教徒よBWV230 /
 4-6.マニフィカト変ホ長調 BWV243aより/
 7.来たれ、イエスよ、来たれBWV229/
 8.わが最愛の命なるイエスよBWV356/
 9.恐れることなかれ、われ汝とともにありBWV228/
 10.汝は満たされ、平静であれBWV315/
 11.汝いずこに行くや? BWV166: たれぞ知らん、わが終りの近づけるを/
 12.イエス、わが喜びBWV 227/
〈CD2.)
C.P.E.バッハ(1714-1788)

 1-6.復活祭カンタータWq.244 H.803/7-8.聖なるかなWq.217 H.778/
 9.Wer ist so wurdig als du, Wq.222 H.831/
 10-17.慈悲深きあなたを崇拝しますWq.243 H.807/
〈CD3〉
 ヨハン・エルンスト・バッハ(1722-1777):

  1-8.「わが魂は主をあがめ」/
  9-12.Wenn Donnerwolken uber dir sich turmen/
 ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795):

  13-15.目覚めよ、と呼ぶ声あり/16.Die Kindheit Jesu, W.XIV/2, B.D5/
〈CD4〉
 1-7.ウィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):「震え、堕ち」F.83/
 8-9.ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782):タントゥム・エルゴ/
 10.ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ(1677-1731):
  11のモテットより第4番「我が思いなる我が神よ」/
 11.ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:葬送音楽より最終合唱/
〈CD5〉
 1.ヨハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):Ach bleib bei uns, Herr Jesu Christ/
 2.ヨハン・ミヒャエル・バッハ:ああ、いかにその時を待ちこがれることか/
 3.ゲオルク・クリフトフ・バッハ(1642-1697):見よ、何と美しく快いことが/
 4.ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):我が愛する女よ、汝美しきかな
 ※C49432の新装盤
ロストッカー・モテット合唱団/
ライプツィヒ・カペラ・フィディーチニア/
ハルトヴィヒ・エッシュエンブルク(指揮)/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮) 他
バッハ一族と一言で言っても、その世代は何代にも渡り、その作風の変遷も時代とともに変化していきます。もちろん核となるのはJ.S.バッハですが、その周辺を固める才能の何と多彩なこと。各々の個性を楽しむもよし、音楽史として眺めるもよし。もちろん深い精神性を感じるもよし。1セットあると一生楽しめることでしょう。最強の5枚組の復活です!

CPO

777560-2
\2600
C.P.E.バッハ:オラトリオ「荒野のイスラエル人」 グドルン・シドニー・オットー(ソプラノ)/
ニール・グラムス(ソプラノ)/
ヘルマン・オズヴァルト(テノール)/
ミヒャエル・ショッパー(バス・バリトン)/
ザルツブルク・ホーフムジーク/
ヴォルフガンク・ブルンナー(指揮)
1768年、C.P.E.バッハ(1714-1788)は、それまで寵愛を受けていたフリードリヒ大王の元を離れ、テレマンの後任楽長としてハンブルクに向かいました。その地で彼は一層宗教音楽に関心を持ち、到着してすぐにオラトリオ「荒野のイスラエル人」を完成させました。これは、彼の芸術性を示す一種の名刺代わりともなるため、主題は中立的なものを選び、持ちうる限りの表現を駆使しての、極めて劇的な作品を創り上げたのです。最初の音から迫力満点であり、また深い精神性も持ち合わせています。極限の状況で生きる人々と彼らを導くモーゼの物語は、当時の人々を熱狂させ、新たな神への感謝の気持ちも芽生えさせたことは間違いありません。
777728-2
\2000
ヘルツォーゲンベルク:無伴奏合唱作品集
 1.6つの歌曲Op.10/2.7つの歌Op.57/3.詩編第116番Op.34/
 4.感謝祭に寄せて(典礼のための歌第5部) Op.99/
 5.4つのコラール・モテットOp.102
ライニッシェ・カントライ/
ヘルマン・マックス(指揮)
cpoレーベルが集中的に取り組んでいる、ヘルツォーゲンベルクの作品復興が着々と進行しています。今回は彼の合唱作品集です。若い頃はピアニストとして活躍していたヘルツォーゲンベルク、その作品も室内楽がほとんどでしたが、親しい友人の音楽学者フィリップ・シュピッタの影響を受けて、次第に合唱作品へも関心が向くようになったのです。シュピッタは彼に様々なアドバイスを与え、多くのテキストも紹介しました(フィリップの弟フリードヒリも、ヘルツォーゲンベルクにオラトリオの台本を提供しています)。そんなヘルツォーゲンベルクの合唱曲ですが、彼は詩を声高に歌い上げることはしません。彼の音楽は常に思慮深く内省的です。しかしヘルツォーゲンベルクの心の中には滔々と燃え滾るパトスが宿っていたのでしょう。時としてまろび出る熱き感情の迸りは驚くほどの独自性を感じさせられるものです。
777354-2
\2600→¥2390
ジャコメッティ&福田理子のフォルテピアノ!
 アントン・エーベルル:ピアノ協奏曲集

  1.ピアノ協奏曲Op.32/2.ピアノ協奏曲Op.40
パオロ・ジャコメッティ(フォルテピアノ…2)/
福田理子(フォルテピアノ…1)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
ウィーン生まれの作曲家、ピアニスト、教師エーベルル(1765-1807)のピアノ協奏曲です。彼は幼い頃からピアノの才能に恵まれ、モーツァルトを始めとした大音楽家たちの指導もあって、まずは一流のピアニストとして活躍。ヨーロッパ中を演奏旅行して評判となりました。作曲家としても200以上の作品を書いたのですが、残念ながらそれらはほとんど残存しておりません。作品によっては、モーツァルトの名前で公表されたものもあったりで、彼の全貌を知るにはまだまだ資料が不足しているのが残念です。このピアノ協奏曲は、当時「ベートーヴェンのライバル」と評された彼の資質を最もよく表すもので、18世紀末に特有な典雅なスタイルを保ちながらも、独創的な部分も感じさせるという優れた作品です。フォルテピアノの美しい響きも聞きものです。
777715-2
\2600
イタリアのオーボエ協奏曲集
 1.サンマルティーニ(1700?-1775):オーボエ協奏曲 ト長調/
 2.ベッリーニ(1801-1835):オーボエ協奏曲 変ホ長調/
 3.ロッシーニ(1792-1868):序奏、主題と変奏曲 ハ長調/
 4.ドニゼッティ(1797-1848):イングリッシュホルンと管弦楽のための協奏曲 ト長調/
 5.ピロッティ(1784-1838):イングリッシュホルンと管弦楽のための協奏曲ヘ長調/
 6.アギラー(1761-1808):オーボエ協奏曲ハ長調
ディエゴ・ディニ・チアッキ(オーボエ&指揮)/
パドヴァ・ヴェネト管弦楽団
イタリアのオーボエ協奏曲で最初に成功作をものにしたのは、かのヴィヴァルディでしょう。彼はおよそ30曲ものオーボエ協奏曲(どれもが超絶技巧を駆使したもの)を書き、そのどれもが高く絶賛されました。この伝統は19世紀まで続き、このジャンルで並ぶ国のない成功を収めることになったのです。もともと歌心に満ち溢れたイタリアという国の風土と、オーボエの優雅さが合致したこれらの作品は、まさに「歌うように」甘美なメロディに満ちています。ベッリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティと言った名オペラ作曲家にぴったり合った作品ともいえるでしょう。他の3人の曲も極上のもの。オーボエとは少しだけ違う響きを持つイングリッシュホルンの音色にも注目してください。名手チアッキが完璧に吹きこなしています。
999907-2
\2600
テレマン:管楽のための協奏曲集第7集
 1.オーボエ協奏曲ハ短調 TWV 51:c2/
 2.2つのクラリネット(シャリュモー)とヴァイオリンのための協奏曲ヘ長調 TWV 43:F2/
 3.2つのフルートとファゴットと弦楽のための協奏曲イ長調 TWV 53:A1/
 4.ブロックフレーテとファゴットと弦楽のための協奏曲ヘ長調 TWV 52:F1/
 5.クラリネット(シャリュモー)と弦楽のための協奏曲ニ短調 TWV 43:d1/
 6.コルノ・ダ・カッチャと弦楽のための協奏曲ニ長調 TWV 51:D8
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
大好評、テレマン(1681-1767)の管楽のための協奏曲集も、あと1集を残すのみとなりました。この第7集でもいつものように驚くばかりの多彩な音楽が楽しめます。今回収録された6曲も、初期に書かれた短いオーボエ協奏曲 TWV 51:c2に始まり、アイゼナハ宮廷楽長に就任した頃の作品であるヘ長調 TWV 52:F1をはさみ、その後ハンブルク市の音楽監督に就任するまで、長年の活動の履歴のようなものがよく表れています。いつものようにシュナイダーとラ・スタジオーネ・フランクフルトは、大胆な解釈によって、これらの作品の面白みを表現し尽くしています。「18世紀に書かれた最高に面白い音楽」とシュナイダーが語るテレマンの音楽。ぜひ酔いしれてください。
777488-2
\2600
ヘンデル:合奏協奏曲集Op.3 全6曲 コンチェルト・コペンハーゲン/
ラルス・ウルリク・モルテンセン(指揮)
コンチェルト・コペンハーゲン(通称ココ)は、1991年にデンマークとスウェーデンの音楽家たちによって結成され、活発な音楽活動を続けるスカンジナビア屈指の古楽アンサンブルです。1999年からチェンバロ奏者ラルス・ウルリク・モルテンセンを音楽監督として迎え入れてから一層の高い評価を受けていて、数多くの録音でも知られています。今作ではヘンデル(1685-1759)の「合奏協奏曲」Op.3の6曲を密度の濃い演奏で聴かせます。この作品は、出版業者がヘンデルのオペラやオラトリオの幕間の曲を勝手に編纂し、無許可で出版してしまったため、有名なOp.6の12曲に比べて若干知名度は劣りますが、どれもがコレッリやジェミニアーニの流れを組むイタリア様式で書かれた素晴らしい作品であり、とりわけオーボエの扱いが巧みで、しなやかで美しいメロディに満ちています。第4番はそのままオーボエ協奏曲としても演奏されます。

CPO

777485-2
(2CD)
\5200
エーリッヒ・コルンゴルト:喜歌劇「沈黙のセレナード」Op.36
 台本:ヴィクトール・クレメント/
 ドイツ語翻訳:ラオウル・アウエルンハイマー/
 歌のテキスト:ベルト・ライスフェルド,E.W.コルンゴルト/
 ディアローグ:ヘンドリク・ミュラー
サラー・ヴェゲナー(ソプラノ)/
ビルガー・ラッデ(バリトン)/
フランク・ブフヴァルト(ヴォーカル)/
ヴェルナー・クロッコー(ヴォーカル)/
アンナ=ルチア・レオーネ(ソプラノ)/
セバスティアン・ライヒ(ヴォーカル)/
ヤング・オペラ・カンパニー/
ホルスト=シンフォニエッタ/
クラウス・サイモン(指揮)
 そろそろ日本でも、その名前が広まったかに見えるコルンゴルト(1897-1957)。しかしまだまだ隠れた名作が多くあります。このオペレッタもそんな作品の一つです。この「沈黙のセレナード」はコルンゴルトの最後の劇作品です。2台のピアノ、チェレスタ、2つのヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット(もしくはサクソフォン)、トランペットと打楽器という小さな室内楽伴奏によるコメディは、オペラとレビューを合わせたようなスタイルであり、1920年代に時代を席捲したキャバレー・ソングを彷彿させる親しみ易いメロディが散りばめられた、とても美しいものです。
 しかし1954年にこの作品が初演された時は、他の前衛的な舞台作品と比べられてしまったため、あまりにも「時代遅れ」と評価されてしまい、全く顧みられることはありませんでした。同じように忘れられてしまった、あの美しいヴァイオリン協奏曲は何とか生き残り、リヴァイバルの機会を持てたのですが、やはり舞台作品になると、上演機会を逸するとなかなか浮上することは難しいのかもしれません。様々な音楽が寄り添っている現代なら、この「美しき遺物」が再評価されることは間違いありません。心の底から美しいメロディを存分にお楽しみください。
777590-2
\2600
ジョスカン・デ・プレ:ミサ曲とモテトゥス集
 1.ミサ曲「アヴェ・マリア・ステラ」/
 2.マリアのモテトゥス「おお、いと聡明なる乙女」/
 3.モテトゥス「有益なる乙女」/
 4.モテトゥス「恵み深き救い主の御母よ」/
 5.モテトゥス「神のみ母なるけがれなき乙女」/
 6.モテトゥス「めでたし、いと聖なる御体」/
 7.コエロルム・レジーナ/8.サルヴェ・レジーナ
ブレーメン=ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレード・コルデス(指揮)
 ルネサンス期を代表する作曲家の一人、ジョスカン・デ・プレ(1440-1521)のモテット集です。
 彼の青年時代のことはほとんどわかっていませんが、作風から想像するに、当時大作曲家として崇められていたオケゲムの門下に入ったであろうことは間違いありません。その後フランスからミラノへ行き、教会で職を得たとされています。彼の作品は存命中から多数印刷され、多くの人々に愛されていました。このアルバムには「聖母マリア」に関するモテトゥスが収録されています。彼が活躍した当時は、マリアの慈愛と献身についての詩がカトリック文化の中心的なレパートリーであり、多くの作曲家たちが「マリア賞賛」の音楽を書いていました。ジョスカンはその中でも突出した素晴らしい作品を書いていて、規模の大きな「アヴェ・マリア・ステラ」から、小さいモテットまで、グレゴリア聖歌の定旋律を彩る美しいポリフォニーは、まさに百花繚乱の世界と言えそうです。
 ブレーメン=ヴェーザー・ルネサンスの揺るぎない清冽なハーモニーは、聴き手の心を洗い清めることでしょう。
777381-2
\2600→¥2390
ルイ・テオドール・グヴィ:交響曲集第3集
 1.交響曲第1番変ホ長調 Op.9/
 2.交響曲第2番ヘ長調 Op.2
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ジャック・メルシエ(指揮)
 フランスとドイツの国交紛争に巻き込まれた悲劇の作曲家グヴィ(1819-1898)の交響曲集の第3集です。ここでは最初の2つの交響曲を収録しています。
 彼の初期の交響曲である第1番から第5番までは1845年から1857年に書かれていて、そのどれもが4楽章形式であり、この最初の2つの交響曲に使われたモティーフを発展させることはありませんでした。とは言え、どれもが画一的かというと、そうではなく、例えば転調や動機の扱いは驚くほどの工夫が凝らされており、交響曲の伝統を踏まえた洗練と妙技を味わうことができるのです。
 第1集(第3番&第5番)は777379-2、第2集(第6番&シンフォニエッタ)は777380-2に収録されていて、こちらも併せて聴いていただけると、この作曲家がどのように変化していったかがわかることでしょう。どれもフランスの名指揮者メルシエによる見事な演奏です。


グヴィ/交響曲集第1&2集
777379-2
\2600→¥2390
グヴィ(1819-1898):交響曲集第 1集
 交響曲第3 番&第5 番
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送
 フィルハーモニー管弦楽団/
ジャック・メルシエ(指揮)
 ザールブリュッケン近郊で生まれたグヴィ。彼はドイツとフランスの両方で活躍の場を広げたため、その作風にはベルリオーズとオンスローの影響が見て取れ、彼が亡くなった時には、ドイツではフランス人、フランスではドイツ人と見なされたそうです。裕福な一生を送ったため、作曲活動にはあまり熱心ではなかったのですが200 以上の作品を書き、同世代の人ヨアヒムやブラームスからはとても高く評価されていました。そんなグヴィの交響曲全集の始まりの1 枚です。
777380-2
\2600→¥2390
グヴィ(1819-1898):交響曲集第 2 集
 1.交響曲第 6 番 Op.87 ト短調/
 2.シンフォニエッタ Op.80 ニ長調
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー管/
ジャック・メルシエ(指揮)
 200 を超える曲を作曲し、存命中にあのベルリオーズが擁護したにも関わらず、その評価は高まることのなかった作曲家テオドール・グヴィ。
 cpo ではこれが2 作目のリリースとなるグヴィの交響曲チクルス。
 ドイツとフランスの領土争いに巻き込まれ、どちらの国からも忘れられてしまった彼の作品がこうして聴けるのは嬉しいこと。もともと交響曲として構想されたシンフォニエッタはブラームスの第2 交響曲を思わせるのどかで古典的な牧歌で始まる。
 第6 番の交響曲は祝祭的な雰囲気を湛えた賑やかなメロディで始まり、中世の騎士たちの戦いを描写し、最後は荘厳なフーガで締めくくるという表現的な曲。
 合唱指揮者として名をあげたメルシエが指揮する彼の故郷のオーケストラの演奏でお楽しみください。

777428-2
(2CD)
\4000→¥3590
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク:ヴァイオリン・ソナタ全集
 1.ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.32/
 2.ヴァイオリン・ソナタ第2番変ホ長調 Op.54/
 3.ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.78/
 4.ヴァイオ リンとピアノのための幻想曲Op.15/
 5.ヴィオラとピアノのための伝説Op.62
クリスティーナ・アルテンブルガー(ヴァイオリン&ヴィオラ)/
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)
 cpoレーベルが精力的にリリースを続けているヘルツォーゲンベルク(1843-1900)、今作はヴァイオリン・ソナタと周辺作品です。
 ブラームスの親友であり、音楽的共通点も多い人ですが、若い頃のヘルツォーゲンベルクはは独自の作風を確立したいと願っていたようで、Op.15の幻想曲では、当時影響を受けていたワーグナーやリストのような、派手できらびやかな音楽を感じることができるでしょう。しかし、そのほぼ10年後から書かれたヴァイオリン・ソナタは、より古典的なスタイルへと回帰し、穏やかで鎮静的な…まさにブラームスの晩年の作風の音楽になっています。とは言え、彼の書くメロディの美しさには目を見張るものがあり、まるで秋の日差しを思わせるような美しい緩徐楽章は一度聞くと忘れることができないものばかりです。一人静かに楽しむ「大人のための音楽」と言えそうです。ヴァイオリンとヴィオラを完璧に歌わせるアルテンブルガー、そしてcpoレーベルでおなじみのトリエンドルの2人が幽玄な世界を生み出しています。


ヘルツォーゲンベルク
ベストセラー2タイトル

777280-2
\2600→¥2390
ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
 1.ヴァイオリン協奏曲イ長調 WoO4/
 2.大管弦楽のための交響曲「オデュセウス」Op.16
ウルフ・ヴァーリン(ヴァイオリン)/
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
フランク・ベールマン(指揮)
 ブラームスの友人として知られる作曲家、ヘルツォーゲンベルクですが、最近ようやく彼の作品が音楽ファンの間に浸透して来たようです。とはいえ、どちらかというと室内楽作品ばかりに光が当てられていましたが、このヴァイオリン協奏曲と交響詩という規模の大きなものは、交響曲集(777122-2)と並んで、この作曲家の知られざる一面を発掘するのに大きく役立つはずです。
 交響詩「オデュッセイア」はブラームスと親交を深める以前の作品で、リストやワーグナーの影響を強く受けた堂々たる作品です。
 かたや、ヴァイオリン協奏曲は1889 年の作品で、イタリア地中海の明るさを帯びた美しいメロディに彩られています。

777122-2
\2600→¥2390
ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
 交響曲第1番/交響曲第2番 ※全曲世界初録音
フランク・ベールマン指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管
 全曲世界初録音。
 ヘルツォーゲンベルクは、オーストリアの作曲家・指揮者。貴族でもあった。
 ワーグナー、バッハに心酔した後、ブラームスの崇拝者となる。ブラームスから多くの影響を受け、いくつかの書簡のやり取りも残されており両者は交友関係を結んだとされるが、辛口のブラームスはヘルツォーゲンベルクの作品をあまり認めなかったという話もある。彼は7つの交響曲を残していて、今回の第1番と第2番は世界初録音となる。その知名度と作品への理解はまだまだ低いものの、同時代の才能を知るきっかけとして、2つの交響曲は必聴。ドイツ・ロマン派における到達点のひとつだと言えるだろう。

777612-2
\2600
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:交響曲集
 1.交響曲ハ長調 Bryan C9/
 2.チェロ協奏曲ハ長調 Weinmann IId:C1/
 3.交響曲ホ短調 Bryan e2
イストヴァン・ヴァルダイ(チェロ)/
カメラータ・シュヴァイツ/
ハワード・グリフィス(指揮)
 ウィーンで活躍した古典派の作曲家ヴァンハル(1739-1813 チェコ名はヴァニュハル)は、少なくとも77曲の交響曲と60曲のソロのための協奏曲を書いたことで知られています。早いうちから才能を開花させ、多くの作品を創り上げて順風満帆の人生を送るかに見えたのですが、40歳近くの時に生じた金銭トラブルが元で、作曲を止めてしまい、その際、自筆譜をほとんど破棄してしまったため、現在に至るまで彼の作品の全貌を知ることはできていません。彼の作品は、古典派の端正な作風を持つものから、疾風怒濤の精神を反映したベートーヴェンばりの激しいものまで、本当に多彩であり、かつユニークなもので、このグリフィスの演奏は、そんな特筆を前面に押し出しています。隠れた名作としてファンの多い作曲家だけに、続編のリリースも期待したいところです。
777501-2
(2SACD-Hybrid)
\6600
北ドイツのオルガン作品集第8集
 ゲオルグ・ベーム:オルガン作品集全集

〈SACD1〉
 1.前奏曲ハ長調/2.ああ、いかにはかなき、いかに空しき/
 3.いと高きところの神にのみ栄光あれ/4.愛するわが神にかけて/
 5.主よ深き淵の底より/6.キリストよ、汝は日にして光なり/
 7.キリストは死の縄目につながれたり/
 8.キリストをわれらさやけく頌め讃うべし/
 9.主よ、みことばもて我らを守りたまえ/10.カプリッチョニ長調/
 11.前奏曲ト短調/12.前奏曲ニ長調/13.前奏曲ヘ長調/
 14.メヌエットト長調/
〈SACD2〉
 1.前奏曲ニ短調/2.装いせよ,おお,魂よ/
 3.賛美を受けたまえ,汝イエスキリストよ/
 4.主イエスキリストよ,我らを顧みたまえ/
 5.イエスよ、汝はあまりに美しく/
 6.今ぞわれら聖霊に願いたてまつる/
 7.天にましますわれらの父よ/8.高き御空よりわれは来れり/
 9.尊き御神の統べしらすままにまつろい/10.前奏曲イ短調
フリードヘルム・フランメ(オルガン)/
デューダスタット・聖キュリアクス大聖堂のクロイツブルク・オルガン演奏
 ドイツ、テューリンゲン地方のリューネブルク、聖ヨハン教会でオルガン奏者を務めていたゲオルグ・ベーム(1661-1733)の作品全集です。この地には1700年に若きJ.S.バッハが訪れたことでも知られ、ベームがバッハの師匠であるという説もあるのですが、資料的に裏付けるものは見当たらないようです。しかし、バッハより24歳年長であったベームは、街に現れた「若き才能」の存在に気が付いていたでしょうし、もちろんバッハはベームの作品から大いなる影響を受けたことでしょう。ベームのオルガン作品は、ほとんどがコラールのメロディに基づいたものですが、入念に書かれた音楽は、ブクステフーデの華やかさと共通するものもあり、とても聴きごたえのあるものです。バッハ以前にも凄い人がたくさんいたということを実感させてくれる、目からうろこの2枚組、素晴らしい録音で存分にお楽しみください。

CPO

777611-2
\2600
ゲオルク・ゲベル:クリスマス・カンタータ第2集
 1.わがイエスこそアルパにしてオメガ、始めにして終わり
  (元旦“啓発と慰めの教義”から1747/48)/
 2.汝の体を汝自身で捧げよ
  (公現日のあとの日曜日“啓発と慰めの教義”から1747/48)
ヴェロニカ・ヴィンター(ソプラノ)/
ゲジーネ・アドラー(ソプラノ)/
ブリッタ・シュヴァルツ(アルト)/
アンドレアス・ポスト(テノール)/
マティアス・フィーベグ(バス)/
レサミ・ド・フィリッペ/
ルドガー・レミー(指揮)
ゲオルク・ゲベル(1709-1753)のクリスマス・カンタータ、第2集です。こちらはクリスマスの直後の日曜日、および元旦に歌われるための2曲のカンタータが収録されています。cpoからは第1集(777610-2)の他、いくつかの作品がリリースされていて好評を博していますが、この初録音のカンタータもファンにとっては嬉しい贈り物となることでしょう。同時代の作曲家と比較しても、類を見ないほどの巧みな対位法を使い、また当時としては新しいメロディとハーモニーを用いた壮大な作品です。最先端の作風を愛しつつも、44歳という年齢で亡くなってしまったこの作曲家、もう少し長生きしていれば、また違った音楽を書いていたに違いありません。

777617-2
(2CD)
\5200→¥4790
ヴェンツァーゴ/ブルックナー・チクルス第2弾
 オーケストラ総とっかえ!
アントン・ブルックナー:交響曲全集第2集
 1.交響曲第0番ニ短調(1869年第2稿とされている版)/
 2.交響曲第1番ハ短調(1866年第1稿リンツ版)
タピエラ・シンフォニエッタ/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
第1集(777615-2)では、バーゼル交響楽団とともに第4番と第7番を演奏、無駄を削ぎ落としたさっぱりとした音色で聴かせたヴェンツァーゴですが、彼曰く、「ブルックナーの交響曲は全て違った音色で演奏しなくてはいけない」のだそうです。彼は第2作でそれをどのように実現したか・・・。なんとオーケストラを丸ごと交換(?)してしまいました。確かにオーケストラを変えれば、否応でも違った響きが得られます。
今回のツィクルスは初期の2つの交響曲であり、ヴェンツァーゴが求めたのは、比較的簡素ですっきりした音なのでしょう。モーツァルトなども得意とするこのオーケストラからは小回りの利く、古典的で静謐の響きが導きだされることは間違いありません。ブルックナー(1824-1896)の全集を完成させるための新たな試みとしても高く評価されるのではないでしょうか。今後、重量級の音に期待も膨らみます。

ヴェンツァーゴ/ブルックナー・チクルス第1弾

777615-2
(2CD)
\5200→¥4790
アントン・ブルックナー:交響曲全集第 1 集
 1.交響曲第 4 番変ホ長調(第 2 稿)/
 2.交響曲第 7 番ホ長調(1881-83 年)
バーゼル管弦楽団/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
ブルックナー(1824-1896)の交響曲については、様々な異稿版が存在し、現在でも研究が進んでいることは周知の事実です。初稿、改訂、後の人たちに拠る改編・・・。そのどれもが独自の声を挙げ、「これこそがブルックナーの真実の声」と主張し合っています。そして、演奏を聴く時には、ここ指揮者の解釈、オーケストラの音色などが加わり奥深い世界を構築していくのです。こうして、聴き手も演奏家もブルックナーから抜けられなくなるのでしょう。こちらは2002 年から2009 年までインディアナポリス交響楽団の音楽監督を務めた指揮者ヴェンツァーゴの渾身のブルックナーです。彼は以前にもバーゼル管弦楽団と「知られざるシューマン作品」の発掘を行ったことでも知られ、今回のブルックナー・ツィクルスでも何かをやってくれそうな期待が高まります。

777602-2
(3CD)
\7800
ゲオルク・フィリップ・テレマン:歌劇「ゲルマニクス」
 クリスティーネ・ドロテア・ラッハ台本/ミヒャエル・マウル再編
オリヴィア・スターン(ソプラノ)/
エリザベス・ショル(ソプラノ)/
マティアス・レクスロート(カウンターテナー)/
アルブレヒト・ザック(テノール)/
ヘンリク・ベーム(バス)/
トビアス・ベルント(バリトン)/
フリードリヒ・プレトリウス(ボーイ・ソプラノ)/
ディーター・ベルマン(ナレーター)/
ザクセン・バロック管弦楽団/
ゴットホールト・シュヴァルツ(指揮)
17世紀後半、ドイツ語圏各地に次々と宮廷歌劇場が作られます。その中で、1678年に作られたハンブルク、ゲンゼマルクト劇場は「市民のためのオペラ劇場」として人気を博し、ドイツ語オペラが数多く上演されるようになります。そしてライプツィヒ歌劇場は1693年に創立、ドイツの第2のオペラハウスとして人気を馳せるようになります。ここで作品を発表したのは、ハイニヒェン、ピゼンデル、ファッシュ、シュテルツェル、テレマン(1681-1767)など錚々たる顔ぶれでしたが、中でもテレマンは1701年から1705年の間に約20曲ほどのオペラを作曲したようです。しかし、これらは少数のアリア以外はほとんど残っておらず、本当にこれらの曲があったのかすらも謎となっています。そんな中、フランクフルト大学図書館で発見されたアリア・コレクションは40曲ほどの匿名作家のアリアであり、テレマンの「ゲルマニクス」の中の曲として知られているものも含まれていました。この録音はそれらを拾い上げ、再度テレマンの初期の天才的な仕事を確認するための記録となることでしょう。

777700-2
\2600
ヨハネス・エッカルト:宗教曲&世俗曲集
 1.5声のミサ「愛する人へ」(ラッソによる)/2.良き歌い手とオルガニスト/
 3.御者よ、私は逃げたい/4.愛する人へ(オルランド・ディ・ラッソ)/
 5.今、救世主は荒野へ/6.山を越えマリアは行く/7.おお、喜びの喜び/
 8.聖母マリア、聖処女/9.園にてキリストは苦しみを受け/
 10.男たちの偉大な日/11.復活祭の時期に/
 12.私たちは全ての喜びの中で歌う/
 13. 来たれ聖なる精神、偉大なる神/14.天より来る神聖なる精神/
 15.ツァハリアスはとても不満である/16.キリストはわれに与えたもうた/
 17.多くはここにない/
 18.Die weil umbsonst jtzt alle Kunst/19.音楽は無学な人々には敵である
オペッラ・ムジカ/
アンサンブル・ノエマ/
グレゴール・マイヤー(指揮)
16世紀の最も重要な教会音楽作曲家の一人、ヨハン・エッカルト(1553-1611)はガブリエリ、シュッツからバッハ、そしてブラームスに繋がる「コラールの伝統」の礎を作り、また数多くの宗教歌曲を残しています。彼はチューリンゲンで生まれ、ワイマールで学び、またオルランド・デ・ラッソにも教えを受けています。その後裕福な銀行家フッガーの家や、ドイツ各地の王侯に仕えたりと、着実に地位を築き、多くのコラールを出版しています。1611年に没しましたが、彼の作品は色褪せることなく、今でも大切な作曲家として認知されています。このアルバムはエッカルトの没後400年を記念して録音されたもので、神聖な歌から、大衆的な歌まで、当時の流行も仄かに香る曲集です。

777427-2
\2000→¥1890
フェルッチョ・ブゾーニ:モーツァルト,バッハ,ショパンへのオマージュ
 1.J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ二短調 BV B24/
  J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27/
 2.いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659/
 3.目覚めよと呼ぶ声ありBWV645/
 4.主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV639/
 5.汝のうちに喜びありBWV615/6.われらが救い主、キリストよBWV665/
 7.モーツァルトによるジグ、ボレロと変奏曲BV254/
 8.3つのアルバムの綴りBV289/
 9.ショパンの前奏曲による10の変奏曲BV213a/
 10.バッハによる幻想曲BV253/
 11.エスキースより「クリスマスの夜」BV251
ローランド・ペンティネン(ピアノ)
ブゾーニ(1866-1924)はイタリアの作曲家ですが、母方の祖父はドイツ人であり、彼自身もバッハとモーツァルトに深く傾倒していました。ピアニストとしても才能に恵まれた彼は、先人の作品を研究し、自分自身の創造性を高める目的で、これらを編曲。新たな表情を持たせたのです。中でもよく知られているのが、J.S.バッハ作曲「無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ」のピアノ編曲でしょう。この曲は、ブラームスなど他の作曲家もピアノ独奏への編曲を試みていますが、やはり絢爛たる超絶技巧を駆使したブゾーニ版は一歩抜きんでた存在であり、ピアニストの憧れの1曲と言ってもよいだけの風格を備えています。その他のバッハ作品を始め、モーツァルトやショパンのトランスクリプションは、原曲の要素を残しながらも、全く新しいものとして捉えてみてください。ピアニスト、ペンティネンは正統派のレパートリーを極めながらも、このような編曲物も得意とする、「超絶技巧マニア」にとっては嬉しい存在です。ここでも、芯の通った素晴らしい演奏で聴き手を魅了します。
777622-2
\2000
アルトゥール・シュナーベル:弦楽四重奏曲集第1集
 1.弦楽四重奏曲第1番(1917)/
 2.アルトとピアノのための「夜想曲」(1914)
ペレグリーニ弦楽四重奏団/
ノア・フレンケル(アルト)/
イルメラ・レルッケ(ピアノ)
当時オーストリア領であったクンツェンドルフのユダヤ系の家庭に生まれたシュナーベル(1882-1951)は、幼い頃から天才少年ピアニストとして才能を発揮、1901年には自作のピアノ協奏曲をベルリン・フィルと共演、大変な成功を収めました。ただし、この頃の作品はブラームスやシューマンから影響を受けた穏健なものであり、本人もあまり気に入っていなかったようです。1912年頃からは室内楽の演奏にも力を注ぎ(当時の)現代音楽にも理解を深め、シェーンベルクの作品なども好んで演奏していました。そんな経験は彼の創造性にも深く影響を及ぼし、作曲家として研鑽を積むうちに、自らの作風もアバンギャルドなものを取り入れるようになったのです。1914年に書かれた「夜想曲」は、彼の妻となったテレーゼ・ベーアのために書かれたものですが、昔の保守的な作風はすっかり姿を消し、機能的な調性と拍子記号の呪縛から逃れています。弦楽四重奏第1番も形式は古典的ながら、やはり作風は現代的で、ピアニストとしてはブラームス以降の作品を演奏しなかったピアニストとしての姿とは、かなり違った雰囲気を宿しています。
777649-2
(9CD)
\9500→¥8290
ヨーゼフ・ハイドン:ピアノ三重奏曲全集
 CD 1:Hob.XV:6-10/
 CD 2: Hob.XV:11-14/
 CD 3: Hob.XV:5&18-20/
 CD 4: Hob.XV:21-23/
 CD 5: Hob.XV:24-26&31-32/
 CD 6: Hob.XV:27-30/
 CD 7: Hob.XV:f1,34,35,38&40/
 CD 8/9: Hob.XV:C1,1-2,36-37&41
トリオ1790(ピリオド楽器使用)
ハイドン(1732-1809)のピアノ三重奏曲は、それ以前の通奏低音付きのヴァイオリン・ソナタとは一線を画した、当時としては画期的な作品群であると同時に、ハイドンの全作品の中でも、一際聳え立つ高い山として認識されています。しかしながら、なんとなくとっつきにくさがあるのか、なかなか録音、演奏の機会に巡り合うことができないのも実情です。聴けば聴くほどに魅力的なこの「宝の山」、トリオ1790の信頼おける演奏でぜひ聴いてみてください。

LPO


LPO-0058
\2400→¥1890
ユロフスキ、久々の新譜はオネゲル!!
 オネゲル:作品集

  1.夏の牧歌/
  2-4.交響曲第4番「バーゼルの喜び」/
  5-7.クリスマス・カンタータ
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)/
クリストファー・マルトマン(バリトン)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/
ニュー・ロンドン児童合唱団
両親はスイス人で、第一次世界大戦ではスイス軍に従軍しながらも、その活動のほとんどをフランスで行ったため「フランス6人組」の一人として活躍したオネゲル(1892-1955)ですが、現在では独立した作曲家として、そのユニークな作風が愛されています。彼は1920年代のパリのモダニズムを具体化し、後期ロマン派や反印象主義を推進しましたが、時には抒情的で懐古的な作品も書いていました。このユロフスキのライヴはそんな曲を集めたものです。夢見るように美しい「夏の牧歌」は彼が28歳の時の書かれたもので、スイスの夏の風光が丁寧に映し出されています。交響曲第4番は1946年、54歳の作品で、バーゼル室内管弦楽団創立20周年記念の委嘱作です。思いの他ゆったりのびのびした曲調が保たれ、時に顔を出すスイス民謡もよい味を出しています。クリスマス・カンタータは1953年に書かれたもので、彼の最晩年の心境を映し出したかのような苦しみと喜びが錯綜する見事な合唱曲です。3つの部分に分かれ、苦渋に満ちた「深き淵から」に始まり、いくつもの讃美歌の旋律を使いながら、最後はバッハのカンタータ「目覚めよよ呼ぶ声あり」にも使われたコラールも登場し、クライマックスを迎えるさまは圧巻で、最後は全てを振り返るかのように静かに幕を閉じていきます。マーラーの復活でも高く評価されたユロフスキ、今作でも合唱の扱いの見事さは群を抜いています。そして、統制のとれたオーケストラ、絹の輝きのような弦の音色、複雑なリズムをかいくぐり聞こえてくる金管の咆哮。新古典主義独特のメカニカルな音楽を聴く喜びに体中が打ち震えるかのような、満足のいく演奏には言葉の出る余地がありません。録音録音2007年3月28日サウスバンク・センター,クイーン・エリザベス・ホール…1-4, 2009年12月5日サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール…5-7

MYRIOS


MYR007
(SACD Hybrid)
\2000→¥1890
ハーゲン弦楽四重奏団&イェルク・ヴィトマン〜 内省/回想
 1-4.グリーグ(1843-1907):弦楽四重奏曲ト短調Op.27
 5-8.ブラームス(1833-1897):クラリネット五重奏曲ロ短調 Op.115
イェルク・ヴィトマン(クラリネット)
ハーゲン弦楽四重奏団
2011年に結成30周年を迎えたハーゲン弦楽四重奏団のメンバーたち。前作(MYR006)では、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーベルンの作品で、恐ろしいまでに凝縮した世界を見せてくれましたが、今作では、グリーグとブラームスの2作品を演奏。ブラームスではクラリネット奏者のヴィトマンを迎え、内省的かつ雄弁な音楽を聞かせます。
もちろん音質も最上で、まろやかな弦の響きと奥行のある管の響きがバランスよく捉えられており、オーディオ・マニアにも納得の行く仕上がりとなっています。録音 2011年6月
DLFカンマームジークザール
レコーディング・プロデューサー:シュテファン・カーヘン

NAXOS 1CD¥1100


8.572675
準・メルクル/ドビュッシー管弦楽作品集第7 集
 ティボーデ、ネイエ、ドワシーら、名手を惜しげもなく投入
ドビュッシー:管弦楽作品集第 7 集
 1-2.ピアノと管弦楽のための幻想曲/
 3.クラリネットのための第1 狂詩曲/
 4.サックスと管弦楽のための幻想曲(管弦楽編曲:J.ロジェ=デュカス)/
 5-6.2 つの舞曲「神聖な踊りと世俗の踊り」
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)…1-2/
ポール・メイエ(クラリネット)…3/
アレクサンドル・ドワシー(アルト・サクソフォン)…4/
エマニュエル・セソン(ハープ)…5-6/
フランス国立リヨン管弦楽団/
準・メルクル(指揮)
 準・メルクルによるドビュッシー(1862-1918)の管弦楽作品集もこれで第7 集となりました。今回は協奏的な作品を中心に収録しています。
 ドビュッシーは「協奏曲」と名付けた作品は書きませんでしたが、独奏楽器に活躍の場を与えたいくつかの曲を残しています。1890 年に書かれたピアノと管弦楽のための「幻想曲」は、彼の友人シャンサレルのための作品。多くの事情で、ドビュッシー自身が出版を認めず、結局彼の死後にようやく初演されたというものです。フランクの「交響変奏曲」やフォーレの「バラード」にも似た嫣然とした響きが見事です。サックスのための狂詩曲は、少々エキゾチックな作品。クラリネットの狂詩曲は、ドビュッシーらしい繊細な音使いで始まる魅力的な曲。サティのジムノペディにも似た「神聖な舞曲」は独奏ハープが活躍します。
 ティボーデ、ネイエ、ドワシーら、名手を惜しげもなく投入したNAXOSらしからぬ(?)贅沢な1枚です。

8.572272
カプースチン:8 つの演奏会用練習曲&24 の前奏曲
 1-8.8 つの演奏会用練習曲
  <前奏曲/夢/トッカティーナ/思い出/冗談/
   パストラーレ/間奏曲/フィナーレ>/
 9-32.ジャズ・スタイルによる24 の前奏曲
カテリーネ・ゴルデラーゼ(ピアノ)
 今から10 年ほど前には、まだこのロシアの作曲家についての情報はほとんどなく、さる名手が「ピアノ・ソナタ第2 番」の日本初演をすると言う時の会場の興奮などは、今でも伝説となって生きているほどです。また、最近人気の若手ピアニストが、デビュー前の時代に、テレビに出演して演奏した「演奏会用練習曲〜夢」を聴いて涙した人も多かったと聞きます。そんなカプースチン。最近では、彼の知名度も飛躍的にあがり、本人の自作自演CD リリースや、楽譜の出版なども相俟って、この「ジャズ様式のクラシック音楽」も日常に溶け込むものとなっています。彼の作品は聴いてみてもわかる通り、とても華麗であり、ジャズのインプロヴィゼーションもふんだんに使われている(ように思える)のですが、実はその細かい音符は、全て楽譜に書きこまれたものであり、フリージャズなどのような奏者に一任されているものではありません。これは、彼がジャズに興味を持った当時のロシアの音楽事情に拠るものなのでしょうが、精緻に書き込まれた音符を元に、奏者が自由に想像を働かせて、自らの世界を演出するのですから、これほど贅沢なものはないのかもしれません。空気中を煌めきながら乱舞する音に包まれる愉悦感こそ、カプースチン(1937-)を聴く喜びの一つと言えるでしょう。

8.572639
アントニ・ヴィト&ワルシャワ・フィル
 ヤナーチェク:グラゴル・ミサ&シンフォニエッタ
 1-8.グラゴル・ミサ JW III/9(1928)
  <イントロダクション/キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/
  アニュス・デイ/オルガン・ソロ/イントラーダ>/
 9-13.シンフォニエッタ
クリスティーネ・リボー(ソプラノ)/
エヴァ・マルシニク(アルト)/
ティモシー・ベンチ(テノール)/
ヴォチェク・ギールラッハ(バス)/
ヤロスラフ・マラノヴィチ(オルガン)/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団…《グラゴル・ミサ》/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
 晩年になって、人生の輝きを取り戻したヤナーチェク(1854-1928)は、堰を切ったように次々と名作を生み出します。この「グラゴル・ミサ」と「シンフォニエッタ」もその中に含まれる人類の至宝とも言える傑作です。「グラゴル・ミサ」のグラゴルとは、スラヴ人が使った最古の文字と言われることから、この曲はスラヴ文化のための奉祝であると同時に、彼にとっての最高の人であったカミラへの思いが結実しているようです。大規模な管弦楽、合唱、独唱、そしてオルガンが織り成す、神秘的で輝くような調べは聴くものの心を躍らせます。「シンフォニエッタ」は最近人気が急上昇している曲でもあり、本来は軍楽のために構想された作品。金管が大活躍する冒頭から、わくわくするような楽想に満ちています。
 ヴィトとワルシャワ・フィルという最高の演奏者による2 つの作品、まさに文句のつけようのない名演が繰り広げられています。

8.572771
冒頭の重々しい打撃音
 インバル&フランス放送フィル
  ランチーノ:レクイエム(2009)
 1.第1 曲:プロローグ/2.第2 曲:憐みたまえ/
 3.第3 曲a:詩編第18 番/4.第3 曲b:怒りの日/
 5.第3 曲c:審判者に答えるために/
 6.第3 曲d:畏き御稜威の王よ/7.第4 曲:私は嘆き/
 8.第5曲:呪われたもの/9.第6 曲:涙の日/
 10.第7 曲:奉献唱/11.第8 曲:シビラの歌/12.第9 曲:聖なるかな/
 13.第10 曲:ダヴィデの歌/14.第11 曲:祝福あれ/
 15.第12 曲:神の子羊/16.第13 曲:彼らに永久の安息をお与えください
ハイディ・グラント・マーフィー(ソプラノ)/
ノラ・グビッシュ(メゾ・ソプラノ)/
スチュアート・スケルトン(テノール)/
ニコラ・クルジャル(バス)/
フランス放送合唱団/
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団/
エリアフ・インバル(指揮)
 まるで巨大な鉄槌を振り下ろすかのように、重々しい打撃音が延々と続くこのフランスの作曲家ランチーノ(1954-)による「レクイエム」の冒頭。ここを聴いただけで思わず頭を垂れてしまいたくなるような、衝撃的な作品です。20 世紀になって書かれたレクイエムは、宗教的な観点よりも、より人間の存在について掘り下げるものが多いのですが、この曲もその一つの形と言えるでしょう。テキストは「めぐりあう朝」の原作者として知られるパスカル・キニャール。彼との3 年間に及ぶ共同作業からこの作品が生まれたと言います。彼らは死と永遠の時間について、答えの出ることのない質問を、レクイエムという形式で聴き手に突き付けます。人生というものは「壮大なフレスコ画と神聖な式典」なのでしょうか?それとも・・・。
 マーラー、ブルックナーで音楽というものを高みに引き上げた名指揮者インバルによる、人間の暗部に光を当てるかのような明晰な演奏です。

8.571287
イディル・ビレット/ソロ・エディション第 3 集
 リスト:12 の大練習曲集 S137/R2a(1837)
 1.第1 番ハ長調 Presto/2.第2 番イ短調 Molto vivace/
 3.第3 番ヘ長調 Poco adagio/4.第4 番ニ短調 Allegro patetico/
 5.第5 番変ロ長調 Egualmente/6.第6 番ト短調 Largopatetico/
 7.第7 番変ホ長調 Allegro deciso/8.第8 番ハ短調 Presto strepitoso/
 9.第9 番変イ長調 Andantino/
 10.第10 番ヘ短調 Presto molto agitato/
 11.第11 番変ニ長調 Lentoassai/
 12.第12 番変ロ短調 Andantino
イディル・ビレット(ピアノ)
 リスト(1811-1886)の数ある作品の中でも「超絶技巧練習曲」はとりわけ人気を誇っています。しかし、一般に知られるこの作品が成立するまでに、2 段階の成長過程があったことをご存知でしょうか?まず最初は、15 歳の時に出版した「12 の練習曲」で、こちらは天才の萌芽はあるものの、まだまだ小手調べと言ったところです。そして次が26 歳の時に改定したこの「12の大練習曲」で、その後、幾度かの改定を経て、41 歳に出版された第3 稿が、通常聴かれる「超絶技巧練習曲」です。このアルバムの第2 稿はとりわけ演奏困難な作品であり、リスト自身でなければ完璧に演奏することは無理だとされ、これまでに録音もほとんど存在しない(リスト全集などを除けば)「幻の」作品です。曲ごとに様々な違いがあり、興味は尽きませんが、後に「マゼッパ」と命名される第4 曲は特に聴きもの。
 リストが自らの技巧の限界を追求しながら書いたであろう、難しすぎるヴァージョンを、易々と弾きこなすビレットは、もしかしたらリストを超える存在なのかもしれません。

8.572585
ショパン:ピアノ三重奏曲・
     ロッシーニの「シンデレラ」の主題による変奏曲、他

 フルートはコンセルトヘボウ首席奏者エミリー・バイノン
 1.2 台のピアノのためのロンドハ長調 Op.73/
 2.ロッシーニの「チェネレントラ」の主題による変奏曲/
 3.ワルツ嬰ヘ短調「メランコリックなワルツ」Op.posth./
 4.マズルカ第60 番ニ長調 Op.posth./
 5-8.ピアノ三重奏曲ト短調 Op.8
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー:
マリン・ブロマン(ヴァイオリン)…5-8/
イェスパー・スヴェドベルイ(チェロ)…5-8/
サイモン・クロフォード=フィリップス(ピアノ)…1-8>/
フィリップ・ムーア(ピアノ)…1/
エミリー・バイノン(フルート)…2
 ショパン(1810-1849)は「ピアノの詩人」と称されますが、ほんの一握りの室内楽作品も書いています。そのほとんどは、10 代に書かれたもので、晩年の作品のような深みは薄いものの、甘美で抒情的なメロディに満ちています。ピアノ三重奏曲は19 歳の作品で、チェロの名手であったポズナニ皇太子、アントニ・ラジヴィウに献呈されています。2 台のピアノのためのロンドは18 歳の時の作品。夏の休暇を友人宅で過ごしたショパンが着想したといわれています。こちらは彼の死後、友人のフォンタナが出版したものです。
 フルートのための変奏曲は、14 歳頃に着想されたもので、ロッシーニの歌劇「チェネレントラ」のアリア「悲しみと涙のうちに生まれ」を主題としています。ここでフルートを演奏しているのはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席フルート奏者エミリー・バイノン。なんと贅沢なことでしょう。2 曲のワルツとマズルカも18 歳頃の作品です。ちょっぴりメランコリーで、きらきら輝く若きショパンの青春譜です。

8.572259
マリオ・ヴェンツァーゴvsニクラス・シーヴェレフ
 ステンハンマル:ピアノ協奏曲第 1 番&第2 番

  1-3.ピアノ協奏曲第2 番ニ短調 Op.23/
  4-7.ピアノ協奏曲第1 番変ロ長調 Op.1
ニクラス・シーヴェレフ(ピアノ)/
マルメ交響楽団/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
 ストックホルムでピアノと作曲を学び、最初はピアニストとしてデビューしたスウェーデンの作曲家ステンハンマル(1871-1927)。1897 年からは指揮者としても活動を始め、1900 年にはストックホルム王室歌劇場の楽長に就任したほどの才能の持ち主でした。この2 曲のピアノ協奏曲は、そんな彼の全ての才能を目の当たりにできる素晴らしいものです。
 1893 年に書かれた第1 番はブラームス風でもあり、チャイコフスキー風でもあるという、まさに後期ロマン派の音楽。
 そして1904 年から1907 年に書かれた第2 番は、ピアノとオーケストラの緊張感に満ちた対話で始まり、少しずつ劇的な流れへと変化していきます。めまぐるしく変化する楽想からは一時たりとも耳を離すことができません。
 ピアニストのシーヴェレフのテクニックは感嘆ものですが、指揮をしているヴェンツァーゴの圧倒的な存在感にも注目。あまりにも独創的なブルックナーを振ることで知名度がぐんぐん上がっているという通好みの人です。

8.572642
マデルナ:ピアノ協奏曲・クワドリヴィウム
 1.ピアノ協奏曲(1942)/
 2.ピアノ協奏曲(1942)…2 台ピアノ編曲版(1946)/
 3.2 台のピアノのための協奏曲(1948)/
 4.クワドリヴィウム(1969) ※1.2…世界初録音
アルド・オルヴィエート(ピアノ)…1-3/
ファウスト・ボンジェッリ(ピアノ)…2-3/
グルッポ40.6…3/
アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団…1.4/
カルロ・ミオット(指揮)…1.3.4
 イタリアの現代作曲家&指揮者であるマデルナ(1920-1973)。彼はテープ音楽を好み、また古楽への造詣も深く、自らの作品に不確定性を取り入れたた人として知られています。そんな彼、1959 年に作曲した「ピアノ協奏曲」はグランド・ピアノの蓋を乱暴に閉めるなどという“恐ろしい指示”がされていることで評判となっていますが(これも不確定性ですね)こちらの1942 年に書かれたピアノ協奏曲は、バルトークの世界に没頭している学生が書いたもので、長らく失われていた若書きの作品です。もちろん天才の萌芽は至るところに見えていて、今後どのような世界へと進んでいくのだろう?と興味が尽きないものです。その4 年後に2 台ピアノ版へと発展させたトラック2,そしてその思考を熟成させたトラック3 は、まるで兄弟のように同じ香りを有しています。
 その20 年後に書かれた晩年の「クワドリヴィウム」(天文学、算術、幾何学、音楽)は、彼が求めた世界の一つの答えであり、「4 つ」というキーワードの上に音を重ねていくという試みから生まれる刺激的な音楽…ストーリーです。
HANSON, H.: Symphonies (Complete), Vol. 3 - Symphony No. 3 / Merry Mount Suite (Seattle Symphony, Schwarz)
8.559702
ジェラード・シュワルツ&シアトル響
ハンソン:交響曲第 3 番他
 1-4.交響曲第 3 番 Op.33/
 5-8.組曲「メリー・マウント」Op.31
  <序曲/子どもたちのダンス/愛の二重唱/
  第2 幕への前奏曲と五月柱のダンス>
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 数多いアメリカ音楽の中でも、最も重要な位置を占めるハンソン(1896-1981)の交響曲シリーズ。今回は第3 番をお届けいたします。
 この曲は1936 年から1938 年に書かれた作品で、ハンソン特有の「北欧らしさ」も存分に備えた美しくも雄大な風情を持っています。4 楽章の定型で書かれていて、もちろんアメリカの自由な空気感も感じられ、冒頭からわくわくするような(まるでシベリウス?)響きが感動を呼びます。曲がアジタート(激しく)に転じてからは一層ドラマティックになり、のどかな第2楽章では深呼吸したくなるほとの美しさを感じられるでしょう。もう1 曲は、自身のオペラから編曲した「メリー・マウント」組曲です。悲劇的な内容を持つ作品で、音楽も極めて雄弁。難解さを配した活力漲る作品です。

8.572498
ハンス・グラーフ&ヒューストン響
 マーラー:交響曲「大地の歌」

  1.第1 楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌/
  2.第2 楽章:秋に寂しき者/
  3.第3 楽章:青春について/
  4.第4 楽章:美について/
  5.第5楽章:春に酔える者/
  6.第6 楽章:告別
ヘーネ・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)…2.4.6/
グレゴリー・クンデ(テノール)…1.3.5/
ヒューストン交響楽団/
ハンス・グラーフ(指揮)
 マーラー(1860-1911)の「大地の歌」は「テノールとアルト、オーケストラのための交響曲」という副題を持っています。この曲が書かれたのは1908 年ですが、その前年に長年務めたウィーン宮廷歌劇場を辞任、長女の死、そして自らの心臓病の診断と、かなり心が折れる事項が続いたのです。そして、彼もまた「第9 のジンクス・・・ブルックナーやベートーヴェンが第9 までしか書けなかったこと」を信じていました。そのためか、この曲には番号を与えることなく、ただの「交響曲」もしくは「連作歌曲」としての位置づけを与えたのでしょう。酒に溺れ、秋の静けさにな泣き、愛しき大地に別れを告げる者。曲全体に漂う厭世観、そして甘酸っぱい青春への回想は、終楽章の結びの言葉「ewig(永遠に)・・・」と共に、痛いほどに胸に迫ります。
SHOSTAKOVICH, D.: New Babylon (The) (Basel Sinfonietta, Fitz-Gerald)
8.572824-25
(2CD)
ショスタコーヴィチ:新バビロン Op.18
〈CD1〉
 1.一般発売:戦争 - プロイセンの死/2.真っ逆さまに:パリ/
 3.パリの包囲戦/
 4.1871 年3 月18 日:3 月18 日の朝に労働者はまだ彼らの銃を守って/
〈CD2〉
 1.パリに対するヴェルサイユ:パリは何世紀にもわたって立っていた/
 2.バリケード:防衛第49 回日/
 3.銃殺する:パリの平和と秩序がある/
 4.死亡:「裁判」/5.続く:オリジナル・エンディング
バーゼル・シンフォニエッタ/
マーク・フィッツ=ジェラルド(指揮)
 無声映画のための音楽「新バビロン」は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)22 歳の時に手掛けたもので、監督も23 歳のコージンツェフと26 歳のトラウベルグという若手であり、俳優も22 歳のゲラーシモフを起用したという、何とも若々しく刺激的な作品だったようです。「新バビロン」と言うと、歴史物?と思ってしまうかもしれませんが、実はパリのデパートの名前。ここで働く少女ルイーズがパリ・コミューンの戦士として処刑され、彼女の恋人ジャンがプロレタリア意識に目覚めるという、当時の「体制」に迎合した作品です。公開前に検閲に引っ掛かり、映画を編集し直す羽目に陥り、その際音楽も大幅に書き直されました。このアルバムはその最初の「失われた」原稿総譜から、復元出来得る音楽を全て拾い出しました。最初の編成通り、弦楽器は5 人のみで演奏されています。当時流行していた曲を念頭に置きながら、嵐のようなリズムと咆哮する金管ファンファーレを随所にを取り入れたこれらの曲、1930 年代の聴衆にはさぞ奇異に映ったことでしょう。
Christmas Orchestral Music - LISZT, F. / TCHAIKOVSKY, P.I. / KELLY, B. / LANE, P. (Another Night Before Christmas and Scrooge) (G. Sutherland)
8.572744
クリスマス前のもう一つの夜,そしてスクルージ
 1.フォックス(1626-):キャロル・ファンタジア/
 2.ケリー(1934-):スクルージ/
 3-7.レーン(1950-):オールド・クリスマス・ミュージック
  <16 世紀の作者不詳の音楽:ガウダーテ/
  P.ウォーロック:最初の慈悲/フランスの伝承曲:たいまつ手に手に/
  P.ウォーロック:ベツレヘム・ダウン/M.レントヴィチ:キャロル・オブ・ザ・ベル>/
 8.レーン:クリスマス前の他の夜/
 9.カーティス(1959-):クリスマス・ラッシュ/
 10.レビコフ(1866-1920):クリスマス・ツリー組曲 Op.21 より第1 楽章「ワルツ」/
 11-14.リスト(1811-1886):クリスマス・ツリーより(G.ジェイコブ&F.レーンによる管弦楽編曲版)/
  <ツリーに明かりを灯けよ/カリヨン/古き時/ポーランド風>/
 15.サンダース(1968-):おとぎ話のそりすべり/
 16.モーリー(1923-2009):スノーライド/
 17.チャイコフスキー(1840-1893):四季 Op.37b より
  11 月「トロイカ」(P.レーンによるクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノ編)/
 18.ジョーンズ(1984-):クリスマス・クラッカー
サイモン・カロウ(ナレーター)…2.8/
RTE コンサート・オーケストラ…1.2.8.9.11-14.16-18/
ロイヤル・バレエ・シンフォニア…3-7.10.15/
ギャヴィン・サザーランド(指揮)
 クリスマス…誰もに等しく訪れる聖なる一日。冷酷無慈悲なスクルージにも「この日」は訪れました。このアルバムのトラック2 は、そんな彼の物語、ディケンズの「クリスマス・キャロル」が凝縮されて語られています。3 人の精霊たちの言葉は、彼に何をもたらすのでしょうか?結末を知らない人はもちろん、ご存知の人も、ぜひこの愛らしくも示唆に富んだ音楽劇に耳を傾けてみてください。「情けは人のためならず」この言葉をもう一度噛みしめてみたくなるかもしれません。他にもクリスマスを思いながら聞きたい曲ばかり。管弦楽編曲のリスト「クリスマス・ツリー」や室内楽版のチャイコフスキー「トロイカ」は、他では聞けない充実した音色を持っています。

8.572628
チッコリーニも録音に参加
 ピラーティ&ロンゴ:ピアノ五重奏曲

 1-3.ピラーティ(1903-1938):ピアノ五重奏曲ニ長調(1927-1928)/
 4-6.ロンゴ(1900-1954):ピアノ五重奏曲(1934) ※世界初録音
チコルーロ・アルティスティコ・アンサンブル
<メンバー:
ダリオ・カンデーラ(ピアノ)…1-3/
ジュセッペ・カロテヌート(第1 ヴァイオリン)/
ニコラ・マリーノ(第2 ヴァイオリン)/
ジュセッペ・ナヴェッリ(ヴィオラ)/
マヌエラ・アルバーノ(チェロ)>/
アルド・チッコリーニ(ピアノ)…4-6
 このアルバムは、ほとんど無名な2 人のナポリの音楽家を取り上げます。もちろん全て世界初録音となる貴重な物です。
 ピラーティは音楽学者ガヴァッツェーニが「歌のように気まぐれで、活動的。南のバロックのようだ」と評した作曲家。たしかにこのピアノ五重奏曲は、なぜ、この曲がニ長調なの?と思うほど、最初はびっくりするほど暴力的に始まるります。もちろん3 分ほど過ぎると、泣きたくなるほど甘美な曲想へと変わるのですが。全く聴き手を翻弄される興味深い作品です。
 もう一人のロンゴは、ピアニスト、アルド・チッコリーニの師の一人であり、この録音にもチッコリーニ自身が参加、音によるリスペクトを成し遂げています。彼の作品は緊密な音で構成されながらも、どこかしら暖かく、喜ばしさを湛えています。チコルーロ・アルティスティコ・アンサンブルは、このような知られざる作品の復興を積極的に行っているアンサンブルです。
Chamber Music (American) - LARSEN, L. / LIEUWEN, P. / SCHICKELE, P. / COPLAND, A. (Gulfstream) (enhake)
8.559692
ガルフストリーム 〜アメリカの室内楽作品集
 1.ラーセン(1950-):ロデオ・クイーン・オブ・ヘブン/
 2.リーウェン(1953-):ガルフストリーム/
 3-6.シックリー(1935-):クラリネット、,ヴァイオリン、チェロとピアノのための四重奏曲/
 7-9.コープランド(1900-1990):六重奏曲
エンヘイク
<メンバー:
キム・ウォンカク(クラリネット)/
M.ブレント・ウィリアムズ(ヴァイオリン)/
キム・ヤヨン(チェロ)/
パク・ウンヒ(ピアノ)>/
コリーヌ・スティルウェル(ヴァイオリン)/
パメラ・リャン(ヴィオラ)
 現代アメリカの 4 つの室内楽作品を集めた小粋な1 枚です。最初のラーセンの曲は「マドンナと銃」という絵画からインスピレーションを受けたもので、まさに暴れ馬を連想させるようなパワーある音楽です。2曲目はリーウェンの作品。タイトルの「ガルフストリーム」とはメキシコ湾流の意味。カリブ海からメキシコ湾に入り、フロリダ海峡を通って大西洋に流出するという複雑な流れをとります。地球温暖化の一端をも担っているといわれる極めてスリリングな海流で、音楽も負けずに劇的です。シックリーの四重奏曲は、ちょっぴり憂鬱なフォーク・ミュージックであり、コープランドの六重奏曲は、生命力溢れる元気のよい作品です。この上なく刺激的で、どことなく懐かしい・・・そんな音楽を聴きたい方にぴったりです。
HALVORSEN, J.: Sarabande con variazioni / Passacaglia / Concert Caprice / BRUNI, A.B.: 6 Duos Concertants, Book 4 (Lomeiko, Zhislin)
8.572522
ハルヴォルセン&ブルーニ:作品集
《ヨハン・ハルヴォルセン(1864-1935)》
 1.ヘンデルの主題によるサラバンドと変奏/
 2.パッサカリア(原曲:ヘンデルの組曲第7番ト短調 HWV432)/
 3.ノルウェーの旋律による演奏会用カプリース/
《アントニオ・バルトロメオ・ブルーニ(1757-1821):
 6つの協奏的二重奏曲第4 巻》
  4-5.二重奏曲第 1 番変ホ長調/
  6-7.二重奏曲第 2 番ト短調-長調/
  8-9.二重奏曲第 3 番変ロ長調/
  10-11.二重奏曲第 4 番ニ長調/
  12-13.二重奏曲第 5 番ハ長調/
  14-15.二重奏曲第 6 番ヘ長調
ナターリア・ロメイコ(ヴァイオリン)/
ユーリ・ジスリン(ヴィオラ)
 大作曲家と呼ばれる一部の人の影には、重要な働きをしたにも関らず、死後忘れられてしまった星の数ほどの作曲家たちが存在します。このアルバムに収録された2 人の作曲家も、どちらかと言えば後者に属するでしょう。
 と、言ってもハルヴォンセンは比較的名前が知られていて、偉大なるヴァイオリニストであったと同時に、ノルウェーの音楽発展にも寄与しました。中でも、この「サラバンド」と「パッサカリア」はバロック時代の音楽に新しい息吹を与えた名作。腕自慢のヴァイオリニストが、しばしばコンサートで取り上げているようです。
 ブルーニに至っては、ほとんど知られていません。イタリアのクネオで生まれ、23 歳でパリへ移住。ヴァイオリニストとしての名声を確立し、デ・ムッシュ劇場のヴァイオリニストの地位を得てからオペラの作曲、指揮にも手を染め、その後はオペラ・コミークの責任者となり、20 曲ほどの自作で大評判を取った人です。最終的にはイタリアにできた新劇場の監督となり、祖国で生涯を終えました。そんなブルーニの作品は、驚くほどに劇的で優美な旋律を持っています。こんなに美しい曲があるとは!と驚くことでしょう。
HAYDN, J.: Flute Trios Nos. 15-17 (Grodd, Rummel, Hinterhuber)
8.572667
ハイドン:フルート三重奏曲集
 1-3.フルート三重奏曲第16 番ニ長調 Hob.XV:16/
 4-6.フルート三重奏曲第15 番ト長調 Hob.XV:15/
 7-8.フルート三重奏曲第17 番ヘ長調 Hob.XV:17
ウーヴェ・グロット(フルート)/
マルティン・ルンメル(チェロ)/
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
 ハイドン(1732-1809)のフルート三重奏曲の第16 番と言われても、メロディが頭に浮かんでこないのではないでしょうか?ハイドンのトリオと言えば、大抵はピアノ三重奏曲であり、その主役はピアノで、ヴァイオリンが追従、チェロが申し訳程度のメロディを奏でるものが普通です。しかし、これらのフルート三重奏曲は、フルートに主役の場が与えられています。なぜここで彼がフルートを選んだのかの理由は不明ですが、イギリスの貴族たちにフルートをアピールする必要性があったからかもしれません。とは言え、自筆稿のほとんどが失われてしまい、作曲時期の確定ができないうえ、のこれらの作品は他の作曲家の名前で出版されていたり(ハイドンの名声にあやかったらしい)と、なかなか出所を示す手がかりもないというものです。しかし曲を聴いてみれば、どの曲からも「真の天才の証」が感じられることでしょう。この3 曲には、既にピリオド楽器の演奏も存在しますが、ここではモダン楽器で、現代的なアプローチによる演奏をお聞きいただけます。ハイドンの室内楽曲、いや全作品がが、まだ一般的な地位を獲得していない理由の一つには、もしかしたら作品数が多すぎるせいもあるかも知れませんね。ちなみに第16 番の冒頭は、あの有名なモーツァルトの作品にそっくりです。
Clarinet Recital: Bosi, Sergio - BONNARD, G. / CAPPETTI, G. / STADIO, C. / De LORENZO, L. / GABUCCI, A. / Di DONATO, V. (Italian Clarinet Gems)
8.572690
イタリアのクラリネット曲の宝石箱
 1.ボンナルド(1885-1972):協奏的ワルツ/
 2.ボンナルド:ノットゥルノ/3.ボンナルド:ロンド/
 4-6.カッペッティ(1875-1918):小組曲/
 7.カッペッティ:ノットゥルノ/
 8-9.ガブッチ(1896-1976):アリアとスケルツォ/
 10.スターディオ(1882?-1938):セレナータ/
 11.スターディオ:ブルレスカ/
 12.デ・ロレンツォ(1875-1962):サルタレッロ Op.27/
 13.ディ・ドナート(1887-1967):パストラーレ/
 14.カットリカ(1882-1962):二重奏曲/
 15.ベッローネ(20 世紀):セレナータ/
 16.スカルモリン(1890-1969):夜想曲/
 17.スカルモリン:序奏とタランテッラ
  ※世界初録音(トラック8.9 を除く)
セルジオ・ボシ(クラリネット)/
リッカルド・バルトリ(ピアノ)
 イタリアのクラリネット組曲集(8.572399)で知られざる作品を楽しく聴かせてくれた、クラリネットのボシとピアノのバルトリのコンビによる、またまた知られざる作品の宝石箱です。
 このアルバムに収録されている曲のほとんどが世界初録音ですが、「なぜ、こんなに優れた曲が知られていないのだろう?」と不思議に思えるものばかり。イタリア風のサルタレッロやタランテッラ、ブルレスカ、セレナータなど曲名を見ているだけでも楽しい1 枚ですが、実際の聴いてみると、まるでオペラ・アリアを聴いているかのように華麗で瀟洒な曲が後から後から出てきます。例えば冒頭の、ボンナルドの「協奏的ワルツ」では、まさに花開くようなクラリネットのパッセージが印象的。楽しげな曲、郷愁を呼び起こす曲、燃える曲・・・クラリネットの表現の多様性にも気づかされる極上の1 枚です。


旧譜
ボシとバルトリの第1弾
Italian Clarinet Suites
8.572399
¥1100
イタリアのクラリネット組曲集
 1-3.ロンゴ(1864-1945):組曲 Op.62/
 4-9.ブゾーニ(1866-1924):組曲 K.88/
 10-15.スコントリーノ(1850-1922):6 つのボツェット/
 16-21.フルガッタ(1860-1933):組曲 Op.44
セルジオ・ボシ(クラリネット)/
リッカルド・バルトリ(ピアノ)
20 世紀前半、レスピーギやマリピエロ、カゼッラたちが現れるまで、イタリアの器楽曲はどうしてもオペラの勢いに押されてしまいがち。しかし、そんな中でも一部の作曲家たちは「伝統と現代性の妥協点」を探るべく、クラリネットとピアノのための優れた組曲を作曲しました。このアルバムに収録されたのは、そんな作品たち。古典的形式を極めたロンゴ、印象派の影響を強く受けているスコントリーノ、後期ロマン派の香り漂うフルガッタ。そして情緒的で感傷的なブゾーニのエレジー。と個性はさまざまですが、どの曲もクラリネットの音の持つ独特の憂愁を見事に生かした歌心溢れる作品となっています。

Flute Recital: Zenz, Katrin - ANTONIOU, T. / TERZAKIS, D. / LOGOTHETIS, A. / KOUNADIS, A. (Greek Flute Music of the 20th and 21st Centuries)
8.572369
20-21 世紀ギリシャのフルート作品集
 1.アントニノウ(1935-):ミケーレのためのラメント/
 2-3.テルザキス(1938-):2 つのメルヒェン/
 4.ロゴテティス(1921-1994):グローブス/
 5.コウナディス(1924-):「魔法にかけられた譜面台」より「ブルース」/
 6.イオアニディス(1930-):断片Ⅱ/
 7.アダミス(1929-):メリスマ/
 8.クールーポス(1942-):悲歌/
 9.ポルプーダキス(1974-):エオリアの悲歌/
 10.ツァンガリス(1956-):アナウンス/
 11.コッソーナ(1976-):デゥアスラッシス/
 12.クーメンダキス(1959-):私を忘れてください
カトリーン・ゼンツ(フルート)/
シャラ・イアコビドウ(チェンバロ)…5/
アンゲリカ・カタリオウ(メゾ・ソプラノ)…7
 ギリシャの現代フルート作品集です。
 作曲家の名前には、全くと言っていいほど馴染みがありませんが、収録されている音楽は本当に多種多彩。特殊奏法、古代のメロディ、民謡など、様々な要素が入り混じり、その音色は、ある時は優しくそして神秘的に耳を掠めていくのです。無伴奏のソロから多重録音、チェンバロとのアンサンブル、声との交合など変化に富んだ選曲は、フルートという楽器の可能性を更に広げることは間違いありません。

8.572632
アニマ・メア-わが魂 〜中世の聖なる音楽
 1.作者不詳:汝の婚礼の間を飾れ/
 2.作者不詳:われは信ず,わが贖い主はいきたまう/
 3.ハース:天主の聖母マリア/
 4.作者不詳:救いのうちにある者/
 5.作者不詳:光なり日なるキリスト/
 6.作者不詳:水と求める鹿のように/
 7.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお新緑よ,その生命力よ/
 8.作者不詳:われらは粗布と灰をもちて/
 9.作者不詳:あがめよ,主の十字架を憐れみたまえ/
 10.作者不詳:あがめよ,主の十字架を憐れみたまえ/
 11.マニフィカト/
 12.主よ,われらの祈りを聞きたまえ
アンサンブル・コスメディン
<メンバー:
ステファニー・ハース(ヴォーカル,ベル)/
クリストフ・ハース(ボウド・プサルテリウム&ベル&ロング・ネック・リュート・タンブーラ&テノール・フィドル・ルベーバ)>
 今からおよそ1000 年ほど前のヨーロッパ。この頃は、ゲルマン民族大移動が収拾して定住化が進み、それと共にキリスト教が大衆へ浸透し、封建制社会が確立していったとされます。人々におけるキリスト教の概念は一体どのようなものだったのでしょう?このアルバムで、当時の聖なる音楽を聴きながら、純粋な魂を模索してみるのはいかがでしょうか?
 ローマの典礼聖歌、中世ノートルダム楽派の音楽、讃歌、そしてビンゲンの書いた神との交唱。ほとんどが作者不詳であり、その音楽も簡潔なものですが、1 曲ごとに新鮮な驚きと、ぞくぞくするような快感を味わうことができるでしょう。トラック3 のみは演奏者、編曲者であるC.ハースの手によるもの。少々違った味わいが、これまたステキです。
WALLACE, W.V.: Maritana [Opera] (Cullagh, L. Lee, Clarke, Caddy, RTE Philharmonic Choir and Concert Orchestra, Duinn)
8.660308-09
(2CD)
ウォレス:歌劇「マリターナ」
〈CD1〉
 1.序曲/2-9.第1 幕/10-15.第2 幕第1 場/
〈CD2〉
 1-5.第2 幕第2 場/6-12.第3 幕
  ※MARCO POLO 8.223406-07 より移行盤
マジェラ・カラーフ(S)/
リンダ・リー(Ms)/
ポール・チャールズ・クラーク(T)/
イアン・キャディ(Br)/
ダミアン・スミス(Br)/
クエンティン・ヘイズ(B)/
RTE フィルハーモニー合唱団/
RTE コンサート・オーケストラ/
プロインシアス・オ・デュイン(指揮)
 アイルランド生まれの作曲家ウォレス(1812-1865)。なかなか波乱に満ちた生涯を送った作曲家として名を馳せています。以前リリースした歌劇「ラウリーン」(8.660293-94)でその作風と才気煥発な音楽が話題を呼び、また彼自身のトランスプリクション集(8.572774)では、驚くほどのピアノの超絶技巧が世に知られることとなりました。そんなウォレス。「他の作品はないのか?」というファンの声にお応えして、以前MARCO POLO からリリースされていたオペラ全曲「マリターナ」がNAXOS レーベルで復活しました。この「マリターナ」は19 世紀頃のイギリスでは最も人気のあるものの一つでした。1848 年の初演で大成功を収め、その後、ウィーンからフィラデルフィアまで数多くの劇場でこの作品が上演されたということです。題材としても、アリアの美しさを取っても、どれもが親しみやすく美しい作品。これは聴かなければもったいない!
HANDEL, G.F.: 9 German Arias / Gloria (Craxton, From, Ydmark, Steffensen, Baunkilde, Meyer)
8.572587
ヘンデル:9 つのドイツ語アリア集・グローリア
 1-9.9 つのドイツ語アリア集
  <先なる日々の思いわずらい HWV202/
  戯れる波のきらめく輝き HWV203/かわいい矢車草の花HWV204/
  快い静けさ,やすらぎの泉 HWV205/
  歌え魂よ,神をたたえて HWV206/私の魂は見つつ聞く HWV207/
  うす暗い墓穴から来たお前たち HWV208/
  快い茂みの中に HWV209/燃えるばら,大地の飾り HWV210>/
 10-15.グローリア HWV deest
  <天のいと高きところには神に栄光あれ/
  地には御心にかなう人に平和あれ/
  われらは主をほめ、主をたたえ/神なる主、天の王、
  全能の父なる神よ/世の罪を除きたもう主よ、
  われらを憐みたまえ/主のみ聖なり、主のみ王なり>
ドロテア・クラクストン(ソプラノ)/
フレドリーク・フレム(ヴァイオリン)/
ハンナ・イドマーク(ヴァイオリン)/
シェルド・ライベッカー・ステッフェンセン(チェロ)/
ラーシュ・バウンキルド(ヴィオローネ)…10-15/
レイフ・メイエ(チェンバロ&オルガン)
 バッハと同じ年にドイツで生まれるも、20 代後半からイギリスに渡り、この地で生涯を終えたヘンデル(1685-1759)。そのせいか、彼は母国語であるドイツ語を作品に用いることはほとんどありませんでした。この「9 つのアリア」は珍しくドイツ語の歌詞によるものです。ハンブルクの詩人ブロッケスは当時広く愛好されていた人で(他にもテレマンなどがこの詩人のテキストを用いている)、自然の美しさから神を見出し、その存在に祈りを捧げるという内容がヘンデルの心を捉えたに違いありません。ソプラノ、ヴァイオリンと通奏低音という小さな編成ですが、まるでオペラのアリアのようにドラマティックで技巧的。声の美しさを存分に堪能できる作品です。
 グローリアは、1707 年、彼がイタリアに滞在していた頃に書かれた作品で、ずっと行方不明になっていましたが、2001 年に発見されてからというものの、ローマ・カトリック教会の重要なレパートリーとなったものです。
Christmas Lullabies - CAMPKIN, A. / FINZI, G. / MANCHICOURT, P. de / MUDGE, A. / LING, T. (Sleep, Holy Babe) (Blossom Street, H. Campbell)
8.572868
眠れ、聖なる幼子よ 〜クリスマスの子守歌
 1.キャンプキン(1984-):眠れ、聖なる幼子よ…世界初録音/
 2.フィンジ(1901-1956):子守歌…世界初録音/
 3.ド・マンシクール(1510-1564):おお、エマニュエル…世界初録音/
 4.マッジ(1974-):大いなる神秘よ…世界初録音/
 5.リング(1933-):マニフィカト…世界初録音/
 6.キャンベル(1983-):眠れ、私の夢よ…世界初録音/
 7.バスク地方の伝承曲:子守歌…世界初録音/
 8.パイゴット(1485-1549):幼子イエスをあやす聖母マリア/
 9.ペヴァン(1951-):マニフィカト/
 10.ダッガン(1963-):おお御子、ここに生まれる/
 11.バージェス(1975-):コヴェントリー・キャロル…世界初録音/
 12.ポット(1957-):眠れ、いとしき子
ブロッサム・ストリート/
ヒラリー・キャンベル(指揮)
 すでに地上にはこんなにも子守歌が溢れているというのに、まだまだ知られていない歌があるのです。このアルバムは、その中でもキリストの生誕を描いた作品を集めたものです。いわばクリスマスの音楽であり、どれも静けさと喜びに満ちています。ここに収録された作品のほとんどは、現代のものですが、16 世紀に書かれたものも交じっていて、その響きの違いがまた美しい彩りを添えています。心の底まで洗い清められるような慈愛に満ちた演奏も素晴らしいの一言です。
HAYDN, J.: Virtual Haydn (The) - Complete Works for Solo Keyboard (Beghin) (12 CD + DVD edition)

8.501203
(12CD+1DVD)
\5700
ハイドン:バーチャル・ハイドン
 - 鍵盤独奏曲全集

〈CD1〉
 1-3.ソナタ第14 番ハ長調 Hob.XVI:3/
 4.カプリッチョト長調 「8 人のへぼ仕立て屋に違いない」 Hob.XVII:1/
 5-6.ソナタ第9 番ニ長調 Hob.XVI:4/
 7-9.ソナタ第11 番変ロ長調 Hob.XVI:〉
 10-12.ソナタ第12 番イ長調 Hob.XVI:12/
〈CD2〉
 1-3.ソナタ第31 番変イ長調 Hob.XVI:46/
 4.ソナタ第31 番変イ長調 Hob.XVI:46 - 第2 楽章/
 5-7.ソナタ第10 番ハ長調Hob.XVI:1/
 8-11.ソナタ第13 番ト長調 Hob.XVI:〉
 12-14.ソナタ第7 番ニ長調 Hob.XVII:D〉
 15-17.ソナタ第15 番ホ長調Hob.XVI:13/
〈CD3〉
 1-2.ソナタ第20 番変ロ長調 Hob.XVI:18/
 3-4.ソナタ第32 番ト短調 Hob.XVI:44/
 5-7.ソナタ第2 番ハ長調 Hob.XVI:7/
 8-10.ソナタ第16 番ニ長調 Hob.XVI:1〉
 11.20 の変奏曲イ長調 Hob.XVII:2/
〈CD4〉
 1-3.ソナタ第4 番ト長調 Hob.XVI:G1/
 4-6.ソナタ第19 番ホ短調 Hob.XVI:47bis/
 7-9.ソナタ第29 番変ホ長調 Hob.XVI:4〉
 10-12.ソナタ第6 番ハ長調 Hob.XVI:1〉
 13-15.ソナタ第30 番ニ長調 Hob.XVI:19
〈CD5〉
 1.12 の変奏曲変ホ長調 Hob.XVII:3/
 2-4.ソナタ第3 番ヘ長調 Hob.XVI:9/
 5-8.ソナタ第1 番ト長調 Hob.XVI:8/
 9-11.ソナタ第33 番ハ短調 Hob.XVI:2〉
 12-14.ソナタ第34 番ニ長調Hob.XVI:33/
〈CD6〉
 1-3.ソナタ第36 番ハ長調 Hob.XVI:21/
 4-6.ソナタ第37 番ホ長調 Hob.XVI:22/
 7-9.ソナタ第38 番ヘ長調 Hob.XVI:2〉
 10-12.ソナタ第22 番ニ長調 Hob.XVI:2〉
 13.ソナタ第38 番ヘ長調 Hob.XVI:23 - 第2 楽章/
〈CD7〉
 1-2.ソナタ第23 番変ホ長調 Hob.XVI:25/
 3-7.ソナタ第41 番イ長調 Hob.XVI:26/
 8-10.ソナタ第42 番ト長調 Hob.XVI:2〉
 11-13.ソナタ第43 番変ホ長調 Hob.XVI:2〉
 14-16.ソナタ第44 番ヘ長調 Hob.XVI:29/
〈CD8〉
 1-3.ソナタ第45 番イ長調 Hob.XVI:30/
 4-6.ソナタ第46 番ホ長調 Hob.XVI:31/
 7-9.ソナタ第47 番ロ短調 Hob.XVI:3〉
 10-12.ソナタ第48 番ハ長調 Hob.XVI:3〉
 13-15.ソナタ第49 番嬰ハ短調 Hob.XVI:36/
〈CD9〉
 1-3.ソナタ第50 番ニ長調 Hob.XVI:37/
 4-6.ソナタ第51 番変ホ長調Hob.XVI:38/
 7-9.ソナタ第52 番ト長調 Hob.XVI:3〉
 10-12.ソナタ第33 番ハ短調 Hob.XVI:20/
〈CD10〉
 1.6 つの変奏曲ハ長調 Hob.XVII:5/
 2-4.ソナタ第53 番ホ短調 Hob.XVI:34/
 5-6.ソナタ第54 番ト長調 Hob.XVI:40/
 7-8.ソナタ第55 番変ロ長調Hob.XVI:41/
 9-10.ソナタ第56 番ニ長調 Hob.XVI:4〉
 11.ソナタ第54 番ト長調 Hob.XVI:40: - 第1 楽〉
 12.ソナタ第58 番ハ長調 Hob.XVI:4〉
 13.ソナタ第58 番ハ長調 Hob.XVI:48/
〈CD11〉
 1.ファンタジア(カプリッチョ) ハ長調 Hob.XVII:4/
 2-4.ソナタ第59 番変ホ長調 Hob.XVI:49/
 5.ソナタヘ短調 「ピッコロ・ディヴェルティメント - 変奏曲」 Hob. XVII:6/
 6-8.ソナタ第62 番変ホ長調 Hob.XVI:52/
〈CD12〉
 1.前奏曲ハ長調/
 2-4.ソナタ第60 番ハ長調 Hob.XVI:50/
 5-6.ソナタ第61 番ニ長調 Hob.XVI:51/
 7-9.ソナタ第62 番変ホ長調 Hob.XVI:5〉
 10.アダージョト長調 Hob.XV:22
 (ピアノ三重奏曲第22 番Hob.XV:22 - 第2 楽章の第1 稿〉
 11.弦楽四重奏曲第62 番ハ長調 「皇帝」 Op. 76 No. 3, Hob.III:77(ピアノ版)
トム・ベギン(ピアノ&フォルテ・ピアノ)
 ハイドン(1732-1809)のピアノ曲全集を様々な試みによって現代によみがえらせるというプロジェクト「ヴァーチャル・ハイドン」。こちらの全貌はBlu-ray DISC(NBD0001-04…近日発売)にて詳細を知ることができるでしょう。こちらでは、まず、その偉大なる演奏をCD でお楽しみいただきたく思います。同梱のDVD では、3 時間に渡っての演奏家&研究者であるベギンの奮闘ぶりがご覧いただけます。日本語字幕が付いていますので、細かい部分も文句なしです。
SCHUBERT, F.: Lied Edition (Complete) (38 CDs Box Set) (international version)
8.503801
(38CD)
\9900→¥8990
シューベルト:歌曲全集BOX
 1.第5 集:8.554664-美しき水車屋の娘/
 2.第1 集:8.554771-冬の旅/
 3.第2 集:8.554663-白鳥の歌/
 4.第3 集:8.554665-ゲーテの詩による歌曲集第1 集/
 5.第13 集:8.554666-ゲーテの詩による歌曲集第2 集/
 6.第16 集:8.554667-ゲーテの詩による歌曲集第3 集/
 7.第6 集:8.554740-シラーの詩による歌曲集第1 集/
 8.第8 集:8.554741-シラーの詩による歌曲集第2 集/
 9.第18 集:8557369-70-シラーの詩による歌曲集第3&4 集/
 10.第4 集:8.554738-マイヤホーファーの詩による歌曲集第1 集/
 11.第12 集:8.554739-マイヤホーファーの詩による歌曲集第1 集/
 12.第9 集:8.554799-友人たち 第1 集/
 13.第15 集:8.557171-友人たち 第2 集/
 14.第28 集:8.557567-友人たち 第3 集/
 15.第7 集:8.554795-ヨーロッパの詩人第1 集/
 16.第14 集:8.557026-27-ヨーロッパの詩人第2 集/
 17.第19 集:8.557371-72-感傷主義の詩人第1&2 集/
 18.第20 集:8.557568-感傷主義の詩人第3 集/
 19.第21 集:8.557569-感傷主義の詩人第 4 集/
 20.第22 集:8.557373-感傷主義の詩人第 5 集/
 21.第33 集:8.570480-感傷主義の詩人第6 集/
 22.第31 集:8.572036-疾風怒濤の詩人/
 23.第29 集:8.570838-その他の詩人たち/
 24.第11 集:8.555780-北ドイツの詩人たち/
 25.第24 集:8.554797-ロマン派の詩人たち第1 集/
 26.第25 集:8.557831-ロマン派の詩人たち第2 集/
 27.第26 集:8.557832-ロマン派の詩人たち第3 集/
 28.第27 集:8.570067-ロマン派の詩人たち第4 集/
 29.第10 集:8.554796-オーストリアの詩人たち第1 集/
 30.第17 集:8.557172-オーストリアの詩人たち第2 集/
 31.第23 集:8.557833-オーストリアの詩人たち第3 集/
 32.第35 集:8.572322-希少作品、断片、異稿版/
 33.第32 集:8.570961-パート・ソング第1 集/
 34.第33 集:8.570962-パート・ソング第2 集/
 35.第34 集:8.572110-パート・ソング第3 集
様々なアーティスト
NAXOS が長い期間をかけて、着々と進行させたシューベルト(1797-1828)の歌曲全集。最新の研究結果を踏まえ、ドイツが誇る歌手たちを揃えた、万全の仕上がりです。一家に1セット。オススメいたします。

NAXOS 1CD¥1100


8.572403
グリーグ:管弦楽作品集第6集弦楽オーケストラのための音楽・抒情組曲
 1-2.2つの悲しい旋律Op.34<傷ついた心/春>/
 3-4.2つのメロディOp.53<ノルウェーの旋律/初めての出会い>/
 5-9.組曲「ホルベアの時代より」Op.40
  <前奏曲/サラバンド/ガヴォット/アリア/リゴードン>/
 10-11.2つの抒情小品Op.68<山の夕べ/ゆりかごの歌>/
 12-14.2つのノルウェーの旋律Op.63
  <民謡風に/.牛飼いの歌と農夫の踊り>/
 15-18.抒情組曲Op.54
  <羊飼いの少年/ノルウェーの農民行進曲/夜想曲/小人の行進>
マルメ交響楽団/
ビャルテ・エンゲセト(指揮)
 NAXOSの人気シリーズの一つ、グリーグ(1843-1907)の管弦楽作品集の第6集です。
 汲めども尽きぬ北欧メロディの宝庫、今作も心洗われるような美音揃いです。この作品集のいくつかは、原曲がピアノ曲であったり、またノルウェーの民族音楽に起源を見ることができます。最初に置かれた「2つの悲しい旋律」は、もともと歌曲からの編曲で、「春」(過ぎし春)の哀切なメロディはとりわけ有名ですが、この曲はノルウェイではしばしば葬儀の時にも奏されるもので、原曲の歌詞は、年老いた人が、この世を去る前の最後の春を迎え、風景や暖かい陽光に感謝の祈りを捧げている詩であることを知る人はあまりいないのではないでしょうか?他のどの曲も、北欧の豊かな自然を感じさせる、ちょっと胸が痛むものばかり。とびきりの弦の調べは、人の声をも凌駕します。

8.572658
ヴァシリー・ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番&第12番

 1-3.交響曲第6番ロ短調 Op.54/
 4-7.交響曲第12番二短調「1917年」Op.112
ロイヤル・リヴァプール・
 フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
 「ショスタコーヴィチ最高!」聴き終えた瞬間、そう叫びたくなるようなペトレンコのこのシリーズ。そろそろ中盤に差し掛かってきました。
 今回はファンは多いけれども、少々地味(?)な6番と、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の代表作の一つ、12番の組み合わせです。
 1839年に書かれた第6番は、表題こそありませんが、おそらく12番の原型であろうと推測されています。ひたすら暗くて不気味な第1楽章が印象的。抒情的なショスタコーヴィチを聴きたかったらこの楽章がよいでしょう。対照的に軽やかで美しい第2楽章、オーケストラの性能が試されるが如く音が乱舞する第3楽章と実は聴きどころの多い作品です。第12番は「十月革命とレーニンを具体化せんとしたこの作品は、レーニンを偲ぶものである。」と作曲家自身が語ったとされていますが、実は本心は別のところにあったらしい。というのが現在の定説になりつつあります。そうなると本当のところはどうなんだ?と裏の意味を探るのも一向ですが、まずは音楽をじっくり聴いてみましょう。いつもの如く、ペトレンコは容赦なくムダな贅肉を切り落としていきます。残った部分は本当に美味しそうな赤身だけ。曲にまつわる(とされる)エピソードに目を向ける暇もありません。第12番の最終楽章の開放的な音楽も、もしかしたら全く別の意味が込められているのかも。

8.572523
史上最強のピアノ協奏曲!
 全5楽章、演奏時間約80分
  ブゾーニ:ピアノ協奏曲、NAXOSから登場!
ロベルト・カッペッロ(ピアノ)/
ルカ・マレンツィオ合唱団/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 イタリアの作曲家、フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924)が書いた唯一のピアノ協奏曲は、史上稀に見る破天荒なものでした。全5楽章、演奏時間は約80分、そして終楽章には男声合唱が入るというこの曲、もちろんピアノ・パートは演奏困難を極め、その上、曲もイマイチまとまりがなく、初演時ドイツの批評家からは「イタリア的な要素が入ってる」と言われ、イタリアの批評家からは、「ワーグナー風であり、終楽章もドイツ語だ」と批判される始末。歌詞はなんとアラーの神を讃えていたりしますし・・・。
 日本では、その存在は知られていたものの、なかなか演奏される機会がなく、ようやく2001年になって、あの超絶技巧で知られるアムランがようやく全曲初演を行ったというまさに珍曲中の珍曲ですが、この多種多様なものが流布する現在では、とりわけ奇異な存在と位置づける必要もありませんね。
 1976年、ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝した真のブゾジーニ弾き、カッペッロの納得の演奏でどうぞ。

8.572666
辺境クラシック・マニア狂喜!
 アゼルバイジャンのピアノ協奏曲集

   ラストの一曲は涙・・・
 1-3.アミーロフ(1922-1984)&ナジーロヴァ(1928-):
  アラビアの主題によるピアノ協奏曲(1957)/
 4-6.アディゲザロフ(1935-2006):ピアノ協奏曲第4番(1994)/
 7.トフィク・クリーエフ(1917-):ガイターギ-踊り(1958/1980)/
 8.バダルベイリ(1947-):ピアノとオーケストラのための「海」(1977)/
 9.バダルベイリ:スーシャ(2003)
ファルハド・バダルベイリ(ピアノ)…1-3.7.8/
ムラド・アディゲルザルザーデ(ピアノ)…4-6/
ジョアン・ロジャース(ソプラノ)…9/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
 南コーカサス地方に位置する共和国、アゼルバイジャン。
 数多くの国と接しており、多彩な文化の行き交う生命力溢れる国として知られています。多くの音楽家を育んでいることでも知られ、ここに収録された4人の作曲家の興味深い作品を聴いただけでも、その豊かな文化的土壌を感じることができるでしょう。
 アミーロフはもともと民族楽器の奏者であり、父親が民謡歌手です。NAXOSレーベルでも既に2枚の作品集がリリースされていますが、ここでは同郷のピアニスト、ナジーロヴァと2人で仕上げた作品を。異国文化漂う力強い作品です。
 アディゲザロフも民族音楽の影響を強く受けた人で、カラーエフにピアノを学び、現代最高の作曲家として賞賛されています。彼のピアノ協奏曲も、伝統音楽「ムガム」の影響を強く受けていて、どうにもこうにもたまらないほどの胸苦しい音楽を繰り出してきます。
 クリーエフは、他の人とは若干違い、ジャズの影響なども受けている変わり種。このガイターギは、あのイスラメイを思い起させるような快活な曲。ピアノ、打楽器、オーケストラがどんちゃん騒ぎを繰り広げます。
 バダルベイリは監督&俳優シャムシ・バダルベイリを父に持ち、1967年にスメタナ・ピアノ国際コンクールで3位を受賞したことで、国際的な活動を始めました。その後、数々の賞を取りながら、作曲も行い、1991年からはバクー音楽アカデミーで教えています。「スーシャ」はアゼルバイジャンの古代都市ですが、現在でもこの地の文学と音楽の象徴とされ、ここで起きた人々の紛争という悲話を切ない旋律が歌い上げます。涙が一筋頬を伝うかもしれません。

8.572506
トランペット編曲集
 伴奏はリシッツァ!
 1-4.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲
  <前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ>/
 5-7.シューマン(1810-1856):幻想小曲集Op.73/
 8-10.ブラームス(1833-1897):
  クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120/
 11-14.バーバー(1910-1981):4つの歌
  <尼僧はヴェールをとる/年老いし男の秘密/
  この輝かける夜に/夜想曲>
※全てC.モリスによるトランペット編曲
クレイグ・モリス
 (トランペット&フリューゲル・ホルン)/
ヴァレンティーナ・リシッツァ(ピアノ)
 トランペットの名手、クレイグ・モリス自身の編曲で新たに生まれ変わった4曲の名作です。
 最初のドビュッシーの「ベルガマスク組曲」は、ピアノのために書かれた曲ですが第3曲目の「月の光」はオーケストラで演奏されることも多いものです。しかし、ここではトランペットとピアノという全く違った色合いで、この名曲が供されます。
 シューマンの幻想小曲集はヴィオラやチェロ、オーボエ、クラリネットなどで奏され、またブラームスのソナタはもともとクラリネットかヴィオラで奏されるために書かれていますが、トランペットというのは、前例を見ないのではないでしょうか。
 そしてバーバーの4つの恋の歌も、トランペットと言うのは全く新しい切り口でしょう。しかしながらどの曲もあまりにもぴったりはまっていて、全く無理のない音楽として仕上がっているのには驚く他ありません。
 ここでピアノを担当しているが注目の女流奏者リシッツァ。まさに「新しい音の海への船出」という言葉がぴったりのステキな1枚です。

8.571276
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第3集ニュー・ライン・ピアノ
 1.ブークーレシュリエフ(1925-1997):アルキペルⅣ Op.10/
 2.カスティリオーニ(1932-1996):カンジアンティ/
 3.ブローウェル(1939-):ピアノとフォルテのソナタ/
 4.ミマールオール(1926-):セッション
イディル・ビレット(ピアノ)
お待ちかね、ビレットによる現代作品集です。一言で現代と言っても、その音楽はとても幅広いのですが、ここでビレットはなかなか興味深い作品をぶつけてきました。ビレットは1972年にFinnadarレーベルへ録音を開始したのですが、ここは、ワーナー傘下で現代音楽(とりわけ電子音楽)有数のアトランティック・レコードと提携関係にあったため、当時活躍していた現代作曲家たちがこぞってLPをリリースしていたのです。そんな関係で、彼女も最先端の音楽を奏することになり、この1976年録音の希少盤が出来上がることになったのです。トッカータの進化系のようなブークーレシュリエフやブローウェルの作品は、いかにも彼女らしいと頷けますが、ミマールオールの「セッション」もなかなかの大作です。この曲はルイジ・ノーノばりのテープを用いた扇動的な作品で、時としてピアノの音色が頭から飛んでしまうかのような、多元的な音楽で(この作品はビレットのために書かれています)、機械的に処理されたオーケストラの響きなどを巻き込みながら、コラールにも似たピアノの音色で終焉を迎えます。

8.572631
ロシアのヴァイオリン協奏曲集
 1.コニュス(1869-1942):ヴァイオリン協奏曲ホ短調(1898)/
 2-4.ワインベルク(1919-1996):
  ヴァイオリンと弦楽のためのコンチェルティーノ(1948)…世界初録音/
 5.アレンスキー(1861-1906):ヴァイオリン協奏曲イ短調(1891)
セルゲイ・オストロフスキー(ヴァイオリン)/
ボーンマス交響楽団/
トーマス・ザンデルリンク(指揮)
 チャイコフスキーの伝統を脈々と受け継ぐロシアのヴァイオリン協奏曲を3曲投入した「ロシア好き」にはたまらない1枚です。
 アレンスキーの作品は、そのチャイコフスキーの影響が強く感じられる抒情的な曲。1891年に書かれ、名手レオポルド・アウアーに献呈されています。アレンスキーの弟子であったコニュスの作品は、初演者クライスラーは擁護したものの、他のヴァイオリニストは目もくれませんでした。しかし、かのハイフェッツが愛奏したことで現在に至る人気を得ています。やはり哀切で情熱的な気分に満たされた熱い音楽です。
 ワインベルクの作品はよくショスタコーヴィチと比較されますが、この1948年に作曲されたコンチェルティーノは、彼の有名なヴァイオリン協奏曲よりも10年前に書かれたものであり、ショスタコーヴィチだけでなく、ミャスコフスキーやプロコフィエフなどの新古典派の影響も感じられる濃い作品です。
 数多くの受賞歴を持つオストロフスキーの「素晴らしい音色」は世界中で賞賛を浴びています。
ハンソン:交響曲全集 2 - 交響曲第2番/ルクス・エテルナ/モザイク(シアトル響シュワルツ)
8.559701
ハンソン:交響曲第2番「ロマンティック」他
 1-3.交響曲 第2番「ロマンティック」Op.30(1930)/
 4.永遠の光(ルクス・エテルナ) Op.24(1923)/
 5.モザイク(1958) ※DELOS原盤
スーザン・グルキス(ヴィオラ)…4/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュウォーツ(指揮)
 第1集(8.559700)を聴いてもわかるように、ハンソン(1896-1981)はアメリカの作曲家とは言え、その根底にはまるで「シベリウスの血」が流れているかのようです。
 この第2番の交響曲は彼の最も有名な作品ですが、ここでもその傾倒ぶりがよくわかります。冒頭の抒情的な弦の扱いや、独特の和声、そしてホルンのファンファーレ。これらはまさに北欧由来の音楽と言っても過言ではありません。しかし、聴き進めるにつれて、もっともっと現代的で広がりのある世界に包みこまれていく快感を味わえるのがハンソンを聴く楽しみなのかもしれません。「ルクス・エテルナ」ではパレストリーナへの関心が伺われます。1957年に作曲された「モザイク」は、指揮者ジョージ・セルのために書かれたもので、ハンソンが愛した変奏曲形式が用いられています。全編重厚な弦の響きに覆われた豊かな音楽です。
ホリデー・クラシックス(シアトル響/シュワルツ)
8.572673
ホリデー・クラシックス
 1.チャイコフスキー(1840-1893):組曲「くるみ割り人形」Op.71a 小序曲/
 2.グルーバー(1787-1863):きよしこの夜(G.シュワルツ編)/
 3.ヘンデル(1685-1759):水上の音楽組曲 第1番HWV348より第3楽章「アレグロ」/
 4.シュワルツ(1947-):グリーンスリーヴス変奏曲/
 5.チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」Op.71a 行進曲/
 6.パッヘルベル(1653-1706):カノンニ長調/
 7.レドナー(1830-1908):ああベツレヘムよ(S.ジョーンズによる管弦楽編)/
 8.ヘンデル:水上の音楽組曲 第1番HWV348より第8楽章「ブーレー」/
 9-10.チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」Op.71a 「金平糖の踊り」「トレパーク」/
 11.ヨン(1886-1943):バンビーノ(B.ハウスマンによる管弦楽編)/
 12.ヘンデル:水上の音楽組曲 第1番HWV348より第9楽章」ホーンパイプ/
 13.伝承曲:コヴェントリー・キャロル(B.ハウスマンによる管弦楽編)/
 14.チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」Op.71a 花のワルツ/
 16.ホプキンス.Jr(1820-1891)/伝承曲:われらは来たりぬ-クリスマスおめでとう
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 何となく耳にすることはあるのだけど、じっくり聞くことはあまりない・・・。そんな超名曲、それもクリスマスにまつわる曲を中心に集めた1枚です。
 とはいえ、良くあるようなコンピレーションではありません。このアルバムのために名指揮者シュワルツが新録音を発動したのです。なんともゴージャス!まるで静粛なコラールのように金管で奏される「きよしこの夜」の冒頭部分などは、背中がぞくぞくするほどの美しさです。一味違う味付けの施された「ああベツレヘムよ」にも心洗われますし、クリスマスといえばおなじみの「くるみ割り人形」の組曲も絶妙に挟み込まれています。夏のイメージがある「水上の音楽」は隠し味でしょうか。心憎い1枚です。
アイアランド:ピアノ協奏曲/伝説/狂詩曲/海の牧歌(レナハン/ロイヤル・リヴァプール・フィル/ウィルソン)
8.572598
アイアランド:ピアノ協奏曲他
 1-3.ピアノ協奏曲変ホ長調/4.伝説/
 5.第1狂詩曲嬰ヘ短調/6.牧歌…世界初録音/
 7.小春日和…世界初録音/8-10.海の牧歌/
 11-13.3つの踊り<ジプシーの踊り/田舎の踊り/刈り取りの踊り>
ジョン・レナハン(ピアノ)/
ロイヤル・リヴァプール・
 フィルハーモニー管弦楽団…1-4/
ジョン・ウィルソン(指揮)…1-4
 アイアランド(1879-1962)の唯一のピアノ協奏曲は、彼の有力な後援者であったヘレン・パーキンのための書かれたものです。1930年に作曲されその年の10月2日にヘレンの手によって初演されています。その演奏会が大変成功を収めたため、以降多くのピアニストたち(クリフォード・カーゾン、モーラ・リンパニー、アイリーン・ジョイス、ジーナ・バッカウアー、そしてアルトゥール・ルービンシュタンら錚々たる顔ぶれ)がこの曲を演奏し、「イギリス人による最高のピアノ協奏曲」とまで呼ばれました。その後、アイアランドは第2番の協奏曲の作曲を計画し、それは「伝説」と言う名前を付けられた単一楽章の作品として成就しました。こちらも同じくパーキンに捧げられ、彼女は1934年にBBC交響楽団、エイドリアン・ボールト指揮でこの曲を初演しました。現在はすっかり忘れられてしまった作品ですが、この機会に再評価されるのではないでしょうか。
グバイドゥーリナ:ファッハヴェルク/シレンツィオ(ドラウグスヴォル/ルーグイン/ロツベルグ/トロンハイム響/ギムセ)
8.572772
グバイドゥーリナ:ファハヴェルク他
 1.バヤン,パーカッション,弦楽のための「ファハヴェルク」(2009/2011)/
 2-6.シレンツィオ ※1…世界初録音
ゲイル・ドラウグスヴォル(バヤン)/
アンデシュ・ルーグイン(パーカッション)…1/
トロンハイム交響楽団…1/
オイヴィン・ギムセ(指揮)…1/
ゲイル・インゲ・ロツベルグ(ヴァイオリン)…2-6/
オイヴィン・ギムセ(チェロ)…2-6
 ロシア、タタール自治共和国出身の女性作曲家、グバイドゥリーナ(1931-)。幼少時から作曲家を目指し、モスクワ音楽院でニコライ・ペイコとヴィッサリオン・シェバリーンに作曲を学びます。あまりに独自の音を模索したため、当時のロシアではなかなか受け入れられなかった彼女を擁護したのがショスタコーヴィチであったことは、その後の彼女の経歴に少なからずの示唆を与えたことは間違いなく、以降の彼女の作品は、楽器の使い方も音の使い方もまるで類をみない特異なものでした。1980年代にクレーメルがヴァイオリン協奏曲を「ソ連」の外で演奏したことで、名声が飛躍的にあがり、世界的評価を受けることになります。2011年、彼女の80回目の誕生日を記念して、作曲家立ち合いのもと、このアルバムに収録された「ファハヴェルク」の世界初録音が行われました。彼女が愛するロシアのアコーディオン「バヤン」の音色で始まる神秘的な作品は、何かを強く訴えかけてくること間違いありません。
ビレット・コンチェルト・エディション 4 - リスト:ピアノ協奏曲第1番, 第2番/死の舞踏(ビルケント響/タバコフ)
8.571273
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第4集
 リスト:ピアノ協奏曲第1番&第2番他

  1-5.ピアノ協奏曲第1番変ホ長調/
  6-11.ピアノ協奏曲第2番イ長調/
  12.死の舞踏ニ短調
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
エミール・タバコフ(指揮)
 爆裂系が好きな人にぜひオススメ。
 リスト(1811-1886)の2つの協奏曲と「死の舞踏」です。ビルケント交響楽団を率いるのは、あの名指揮者タバコフ。ビレットの独特な風味を引き立てる実に絶妙なバックを付けています。どうしても力任せに押し切る演奏が多くなりがちなこれらの曲ですが、ここでは、細部にまで目の届いた細やかな音を楽しむことができるというものです。リストの有り余るエネルギーの炸裂と、全編に渡る小気味よいまでのピアノの超絶技巧をぜひお楽しみください。どちらかというと地味な扱いを受けてしまう第2番の楽しさにも、改めて開眼できるかもしれません。笑ってしまううくらに「すごい」死の舞踏の冒頭もぜひ。
ビレット・コンチェルト・エディション 5 - チャイコフスキー:協奏幻想曲/ピアノ協奏曲第2番(ビルケント響/セレブリエール/タバコフ)
8.571280
イディル・ビレット/コンチェルト・エディション第5集
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲集

  1-2.協奏的幻想曲ト長調 Op.56/
  3-5.ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(原典版)
イディル・ビレット(ピアノ)/
ビルケント交響楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)…1-2/
エミール・タバコフ(指揮)…3-5
 最近のビレットはますますその技巧に磨きをかけているようで、このアルバムから聞こえてくる音楽も芳醇の極みと言えるでしょう。
 まず、チャイコフスキー(1840-1893)の秘曲、協奏的幻想曲は1884年に書かれた2楽章形式からなるピアノ協奏曲です。どうしても彼のピアノ協奏曲は第1番以外はあまり耳にする機会がないのだけれども、実はどれもなかなかの力作であり、なぜ人気が出ないのか不思議に思う人も多いのではないでしょうか。この演奏、とにかくセレブリエールが指揮するオーケストラが絶品。ひたすら力強く曲を盛り上げます。第2番は1879年から1880年にかけて作曲され、N.ルビンシテインに献呈されたもので、こちらもとても美しく技巧的なのですが、第2楽章のチェロとヴァイオリンの二重奏があまりにも長すぎて、ジロティがカットしてしまったりと、少々不幸な生い立ちを持つ曲です。ただ、少々残念なのは、どちらの曲も、美しいメロディが多すぎること。あまりの美メロの連続に、どこを「お気に入り」にすればよいのかわかりません。そんな毎日フレンチのフルコースを食べているかのような贅沢な悩みに浸るのもよいものです。

8.572334
フレイタス・ブランコ:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1907)/
 5-8.ヴァイオリン・ソナタ第2番(1938)/
 9.ヴァイオリンとピアノのための前奏曲(1910)
カルロス・ダマス(ヴァイオリン)/
アンナ・トマシク(ピアノ)
 ポルトガルの詩人、フェルディナント・ペソアがその作品を発表した時、そのモダニズムはまだ国内で理解されることはなく、ある意味預言者のような役割を果たしていていたといわれています。音楽もまた然り。ブランコ(1890-1955)より少し前に生まれた作曲家、アルフレード・ケイルやビアンナ・ダ・モッタは明らかにフランスとドイツ音楽の影響を受けていて、それを足掛かりにポルトガルの近代音楽の基礎を築いたため、後に続くブランコらの初期の作品も、明らかに「フランクの落とし子」である風貌を兼ね備えていたのです。ここで聴ける第1番のソナタの冒頭は、まさにフランクそのもの。しかしブランコはその後に独自の路線を歩み、第2番のソナタでは、はっきりと個性を打ち出すことに成功しています。その間をつなぐ「前奏曲」のもどかしいまでの美しい音楽は、一皮むけようとする作曲家が身を震わせている姿を見るかのような淫靡な喜びすら感じさせます。
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ集(ダスカラキス/ツィパーリンク/ハンビッツァー)
8.572245
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ全集
 1-4.ヴァイオリン・ソナタニ長調 Op.1-13 HWV371/
 5-8.ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.1-3 HWV361/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタニ短調 Op.1-1 HWV359a/
 13-16.ヴァイオリン・ソナタト短調 Op.1-6 HWV364a/
 17-19.ヴァイオリン・ソナタト長調 Op.1-13 HWV358/
 20.アンダンテイ短調 HWV412/
 21.アレグロハ短調 HWV408/
 22-25.ヴァイオリン・ソナタヘ長調Op.1-12 HWV370/
 26-29.ヴァイオリン・ソナタト短調 Op.1-10 HWV368/
 30-33.ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.1-14 HWV372/
 34-37.ヴァイオリン・ソナタホ長調 Op.1-15 HWV373
アンサンブル・ヴィンテージ・ケルン
<メンバー:
アリアドネ・ダスカラキス(ヴァイオリン)/
ライナー・ジッパーリング(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ジェラルド・ハンビッツァー(ハープシコード)
 ヘンデル(1685-1759)のヴァイオリン・ソナタとひとくくりに言っても、その数え方に異論があり、なかなか全貌が見えてこないのが実情です。本来はOp.1として出版された15の独奏ソナタのうち、ヴァイオリンと通奏低音のために書かれた曲を指しますが、出版当時から偽作と思われるものが含まれていたり、後に自筆稿と思われる曲が発見されたりと、どんなに研究を重ねてもわからないことが多いものです。ここに収録された9曲と小品2つは最新の研究結果に基づく「全集」であり、例えばHWV408のアレグロなどは、HWV362のリコーダー・ソナタと同じ素材が使われていたりもします。どちらにしても、研究結果は横に置いておいて、この麗々しい作品集を楽しもうではありませんか。オリジナル・ピッチの落ち着いた響きは、モダン楽器と一味違う独特な空気感を持ち、儚げな音の漣は300年ほど前の優雅な宮廷へと聴き手を連れていってくれるでしょう。
ベンダ:ヴァイオリン・ソナタ第10番, 第14番, 第23番, 第28番, 第32番(ベルク/芥川直子)
8.572307
ベンダ:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ第10番ヘ短調 Lee III:73/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ第14番変ホ長調 Lee III:41/
 7-9.ヴァイオリン・ソナタ第23番ハ短調 Lee III:9/
 10-12.ヴァイオリン・ソナタ第32番ホ長調 Lee III:50/
 13-15.ヴァイオリン・ソナタ第28番ヘ長調 Lee III:63
ハンス=ヨアヒム・ベルク(バロック・ヴァイオリン)/
芥川直子(チェンバロ)
 著名な音楽一家であるベンダ家に生まれたフランツ・ベンダ(1709-1786)は、父からオーボエなどの楽器を習い、地元の教会のカントールからオルガン、作曲、唱歌を学び、教会の聖歌隊員となるという、極めて理想的な少年時代を送りました。ドレスデンの宮廷に仕えていた時に、フルート作品で知られるクヴァンツと出会い、後のフリードリヒ2世となるプロイセン王子に紹介され、そこで認められます。彼は本当に才能あるヴァイオリニストであり、批評家C.バーニーは「偉大な天才」と評したと言います。そんな彼のヴァイオリン作品は、時代的にもバロックから古典派への移行期であったため、不要な装飾を排した明晰でわかりやすいものが多く、伸びやかで明るい楽想に満ちています。そんな作品の数々を、ベルクと芥川の親密なアンサンブルで心行くまでお楽しみください。

8.572433
バード:チェンバロのためのファンタジー全集
 1.作者不詳=バード編:前奏曲ト長調(F:第117番)/
 2.ファンタジート長調 第2番(MB:28巻第62番/F:第261番)/
 3.ファンシーの前奏曲イ短調(MB:27巻第12番/F:第100番)/
 4.ファンタジーイ短調(MB:27巻第13番/F:第52番)/
 5.前奏曲ハ長調(MB:27巻第24番/F:第103番/N:36番)/
 6.ファンタジーハ長調 第2番(MB:27巻第25番/F:第103番/N:36番)/
 7.ファンタジート短調(MB:55巻第55番)/
 8.ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラト長調(MB:28巻第64番/F:第101番/N:9番)/
 9.ド・ミ・レ(MB:28巻第65番/F:第102番)/
 10.ブル(1563-1628)=バード編:前奏曲:
  ドリック・ミュージック(MB:14巻第59番)/
 11.ファンタジーニ短調(MB:28巻第46番/N:41番)/
 12.作者不詳=バード編:前奏曲(MB:55巻第3番)/
 13.ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ ヘ長調(MB:28巻第58番)/
 14.前奏曲ト短調(MB:17巻第1番/P:第1番)/
 15.ファンタジート長調 第3番(MB:27巻第63番/F:第8番)/
 16.ファンタジーハ長調 第1番(MB:27巻第26番/N:第29番)
※MB=ムジカ・ブリタニカのヴァージナル曲集/
 F=フィッツウィリアム・ヴァージナル曲集/
 P=パーセニア/N=私のネヴェル夫人の曲集
グレン・ウィルソン(チェンバロ)
 イングランドで活躍したルネサンス音楽の作曲家、ウィリアム・バード(1539/40-1623)は、トマス・タリスに師事し、王室礼拝堂のオルガニスト兼聖歌隊長として活躍した人です。しかし当時はイギリス国教会とカトリックが混在していたため、宗教的弾圧を受け、1585年にはブラックリスト(国教忌避者の名簿)に名が記載されてしまうほどでした。しかし、どちらの宗教にも熟知していたため、両方の典礼音楽を手掛け、最終的にはカトリックの擁護者から手厚い保護を受けエセックスで晩年を過ごし、そこで亡くなります。彼は宗教音楽だけでなく、ヴァージナル(当時は鍵盤楽器を全てこう呼んだ)曲も多く残し、また同時代の作曲家たちのヴァージナル曲も含めて、いくつかの曲集として編纂、貴族や愛好家たちを喜ばせました。この当時のファンタジアとは、ロマン派に見られるような自由な形式ではなく、曲の冒頭の主題が次々と模倣されるフーガのようなもので、舞踏音楽としての意味合いも持っていたようです。
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集 2 (ナポリ)
8.572490
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集 第2集
 1-3.ピアノ・ソナタ変ロ長調 Illy No.14/
 4-5.ピアノ・ソナタニ短調 Illy No.2/
 6-8.ピアノ・ソナタハ短調 Illy No.34/
 9-11.ピアノ・ソナタハ長調 Illy No.27/
 12-14.ピアノ・ソナタ変ホ長調 Illy No.24/
 15-16.ピアノ・ソナタニ短調 Illy No.56/
 17-19.ピアノ・ソナタニ長調 Illy No.1
マッテオ・ナポリ(ピアノ)
 第1集(8.572263)で、その多彩な音楽性の一部を確かめることができた18世紀初頭のヴェネツィアの音楽家ガルッピ(1706-1785)ですが、この第2集でも驚くばかりの素晴らしい作品を楽しむことができるでしょう。彼は最初オペラ・ブッファ作曲家としてデビューしましたが、処女作は不出来で、記録的な大失敗をしてしまったため、当時、傑出した教育者として知られるアントニオ・ロッティに教えを受け、チェンバロ奏者として名を上げたあと、もう一度オペラの作曲を試みたという努力家でもありました。彼は少なくとも80曲以上の鍵盤ソナタを作曲しましたが、生前に発表されたのはわずか12曲のみでした。そのうち、1781年にロンドンで刊行された「チェンバロの慰め」の6曲が比較的知られていますが、他の曲はまだまだ未知の領域に属しています。スカルラッティの名残りを感じさせる曲から、モーツァルトを予感させる曲まで興味深い作品が次々と登場します。
バクリ:ピアノ作品集 - ピアノ・ソナタ第2番/バロック組曲/2つの抒情的スケッチ/芸術の幼年期(レイエ)
8.572530
バクリ:ピアノ・ソナタ第2番他
 1.前奏曲とフーガOp.91/2-4.ピアノ・ソナタ第2番Op.105/
 5-9.最愛の古典Op.100 第1番「バロック組曲」
  <前奏曲/エア/ミュゼット/メヌエット・レント/ジーグ>/
 10-12.最愛の古典Op.100 第2番「ソナティナ・クラシカ」
  <狂詩曲/ガヴォット/フーガ・ディアトニカ>/
 13-14.最愛の古典Op.100 第3番
  「2声のためのアリオーソ・バロックとフーガ・モノディア」
  <アリオーソ・バロッコ/2声のフーガ・モノディア>/
 15-16.2つの叙情的スケッチOp.103
  <ロシアのコンテ/スカンジナビアの風景>/
 17.小前奏曲/
 18-24.芸術の幼年期
  <夜想曲第1番/ワルツ/夜想曲第2番/夜想曲第3番/
  即興曲第1番/即興曲第2番/夜想曲第4番>/
 25.12音の主題による小変奏曲
エリアンヌ・レイエ(ピアノ)
 1961年フランス、パリに生まれ、1980年にパリ高等音楽学校に入学、作曲を学んだニコラ・バクリ(1961-)。3年後には有名な「ローマ大賞」を獲得しイタリアへ留学します。フランスで最も嘱望される作曲家として活躍し、これまでに数多くの作品を書いています。彼の作品は、カテゴライズするのは難しいものですが、彼自身は、自らの音楽を「ネオ・ロマンティックではなく、ロマンティックであり、ネオ・モダニズムではなく、モダニズムだ」と語ります。確かにそれぞれが機知に富み、劇的で表現豊かなものです。このアルバムに収録された曲は、とりわけ古典に回帰した作風を持ち(例えいかなる個人的理由があろうとも)、表面上はとても聴きやすいものです。ただその根底にはどのような物が隠されているのかは、ちょっと聞いただけではわからないほどに巧妙に仕組まれているのでしょうけど。
ビレット・ベートーヴェン・エディション 12 - ピアノ・ソナタ集 6 - 第4番, 第8番, 第27番
8.571262
イディル・ビレット/ベートーヴェン・エディション第12集
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第6集

 1-4.ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7/
 5-7.ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 Op.13「悲愴」/
 8-9.ピアノ・ソナタ第27番ホ長調Op.90
イディル・ビレット(ピアノ)
 第4番変ホ長調の軽快なテーマで始まる、このビレットによるソナタ第6集には、大人気の第8番「悲愴ソナタ」が含まれています。ビレットがあの第2楽章をどんなに美しく演奏するだろうか?と想像するだけで楽しいものですが、実際の演奏は、テンポをほどよく揺らす、不思議なアコーギクを与えた味わい深いものとなっています。その傾向は第27番の第2楽章にも見られ、通常は優しく優しく扱う主題を、ビレットは敢えてぎこちなく(?)演奏することで、やはり曲に不思議な奥行を与えています。愛好家が演奏する際に「お手本にしてはいけない演奏」の筆頭にあげられそうです。
ビレット・アーカイヴ・エディション 1 - ラヴェル:夜のガスパール/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
8.571274
イディル・ビレット/アーカイブ・エディション第1集
 ラヴェル&ストラヴィンスキー作品集

 1.ラヴェル(1875-1937):グロテスクなセレナード/
 2-4.ラヴェル:夜のガスパール
 <オンディーヌ/絞首台/スカルボ>/
 5.ストラヴィンスキー(1882-1971):5本の指で/
 6.ストラヴィンスキー:子どもたちのワルツ/
 7-9.ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
イディル・ビレット(ピアノ)
 何でも演奏可能なビレットによる、胸のすくようなラヴェルとストラヴィンスキー作品集です。冒頭の「グロテスクなセレナード」から飛ばしてます。若干テンポを落とし、メロディをくっきり浮かび上がらせた「夜のガスパール」のオンディーヌ、郷愁さえ感じさせる絞首台、不気味さ炸裂のスカルボ・・・。ついつい聞き惚れてしまいます。ストラヴィンスキーも格別の味わいであり、最近演奏される機会の多い、ペトルーシュカからの3楽章も、独特な内声の浮かび上がらせ方によって、全く新しい作品のように聴かせる技はさすがです。
ビレット・アーカイヴ・エディション 4 - ベルク:ピアノ・ソナタ第1番/ウェーベルン:変奏曲/ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第2番
8.571277
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第4集
ベルク・ウェーベルン・ブーレーズ作品集

 1.ベルク(1885-1935):ピアノ・ソナタOp.1/
 2-4.ウェーベルン(1883-1945):ピアノのための変奏曲Op.27/
 5-8.ブーレーズ(1925-):ピアノ・ソナタ第2番
イディル・ビレット(ピアノ)
 あのポリーニが、ブーレーズのピアノ・ソナタ第2番で注目を浴びたのは1978年の来日公演の時でした。超難解と言われる「ゲンダイオンガク」を事もなく弾きこなす若者(当時)に息を飲んだ人も多かったのでは。とはいえ、ブーレーズがこの曲を書いたのは1948年のことであり、1950年には初演されているのだから、当然様々なピアニストが手掛けていたことは間違いないのです。その中にビレットがいたとは・・・。この録音は1972年、ポリーニよりも1歳年上の彼女が31歳の時。確かに現代曲をバリバリ弾いていた人だから、全く不思議はないのだけれど、やはりこうして実際の演奏を聴いてみると、「すごい人がいるものだ」と感嘆せずにはおれません。他にはベルク、ウェーベルンとおなじみの作品を2曲。
ビレット・アーカイヴ・エディション 6 - シューマン:幻想小曲集/ブラームス:3つの間奏曲 Op. 117
8.571279
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第6集
シューマン・ブラームス:作品集

 1-8.シューマン(1810-1856):幻想小曲集Op.12
  <夕べに/飛翔/なぜ/気まぐれ/
   夜に/寓話/夢のもつれ/歌の終わり>/
 9-11.ブラームス(1933-1897):3つの間奏曲Op.117
 <第1番変ホ長調/第2番変ロ短調/第3番嬰ハ短調>
イディル・ビレット(ピアノ)
 ビレット17歳の瑞々しい感性が光るブラームスとシューマンの作品集です。彼女の驚異的な才能は、トルコの議会をさえも動かして、当時不可能であった海外渡航を認めさせたのであり、7歳でパリ音学院に留学してからも、その才能の発露は留まることを知りませんでした。アルゲリッチと同じ年、そしてポリーニよりも一つ年上の彼女がもしショパン国際コンクールに参加していたなら・・・現在の日本での彼女の人気はもっと大きなものだったのかもしれません。しかしそんな「if」は不要です。この録音は、3日間のセッションで行われましたが、編集時に「その部分だけ」を演奏しなおして繋いだため、彼女にしてみれば出来上がりに不満があったようで、その数年後のプロコフィエフの録音では「全曲を弾き直して」統合性のとれた音楽を記録することに成功したと言います。とは言え、この1枚をじっくり聞いてみても、そんな不都合は全く感じられませんが・・・。
ビレット・アーカイヴ・エディション 7 - ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第2番, 第3番/スクリャービン:5つの前奏曲/リスト:悲しみのゴンドラ
8.571281
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション第7集
 1.ミャスコフスキー(1881-1950):
  ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調 Op.13/
 2.ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第3番ハ短調 Op.19/
 3.リスト(1811-1886):暗い雲/
 4.リスト:悲しみのゴンドラ第1稿/
 5.スクリャービン(1872-1915):5つの前奏曲Op.74/
 6.ラフマニノフ(1873-1943):幻想小曲集Op.3-2 前奏曲ハ短調「鐘」
イディル・ビレット(ピアノ)
 トルコ、イスタンブール出身のプロデューサー、イルハン・ミマログルに見出されたイディル・ビレットは、Finnadarレーベルのために様々な曲を録音しました。それはベルリオーズ=リストの「幻想交響曲」からテープとピアノのための作品集(8.571276で聴けます)まで多岐に渡っています。さて、このアルバムに収録されているのは1978年から1979年にかけて録音されたミャスコフスキーを中心とした6つの作品です。ミャスコフスキーのソナタは、どちらも彼の初期の頃の作品で、第2番では有名な「怒りの日」のモティーフが印象的に使われています。単一楽章で書かれていて、スクリャービンの影響も感じさせる技巧的な曲です。リストの2つの曲は無調を感じさせる晩年のもので、静かな音の中に凝縮した世界が描かれています。スクリャービンは短いながらも印象的な作品であり、ラフマニノフは最近注目の華やかな曲。どれもが聴きどころたっぷりです。

8.660274
フィリドール:オペラ・ブッファ「サンチョ・パンサ」 サンチョ・パンサ…ダレン・ペリー(バリトン)/
テレーゼ(サンチョの妻)…エリザベス・カレオ(ソプラノ)/
理髪師ロペ・トーチョ…カリム・スレイマン(テノール)/
農婦ジュリエッテ…メーガン・マッコール(ソプラノ)/
仕立屋…トニー・ブーテ(テノール)/
弁護士…エリック・C・ブラック(バリトン) 他/
オペラ・ラファイエット管弦楽団/
ライアン・ブラウン(指揮)
 18世紀フランスで有名な音楽一族の元に生まれたフィリドール(1726-1795)。彼は音楽の才能に恵まれていただけでなく、なんと「チェス」の才能も持ち合わせていました。父も同じ名前を持っていましたが、その父が72歳の時に19歳の女性と結婚(う〜ん、年の差婚極まれり)、その結果設けた子どもでした。幼い頃から聖歌隊で歌い、45歳くらいまではフランスのオペラ界での中心人物として活躍していましたが、常々自身の音楽的才能に疑問を感じていた彼は、結局「チェスのプレイヤー」として生きることを決意したといいます。彼はJ.J.ルソーと「優雅なミューズたち」を合作するなど、オペラ・コミックの作曲でも名声を馳せ、少なくとも20曲以上のオペラを残しました。その中でもこのサンチョ・パンサは「架空の島の知事」としての役割を与えられ、楽しいドタバタ喜劇を繰り広げます。曲自体はこの時代にふさわしい典雅なもので、なんとものどかな美しさを醸し出します。
マクファーレン:歌劇「ロビン・フッド」(スペンス/ハルバート/ジョン・パウエル・シンガーズ/ヴィクトリア・オペラ合唱団&管弦楽団/コープ)
8.660306-07
(2CD)
マクファーリン:歌劇「ロビン・フッド」(1860)
〈CD1〉1.序曲/2-10.第1幕/11-18.第2幕/
〈CD2〉1-6.第2幕(続き)/7-15.第3幕
ロビン・フッド…ニッキー・スペンス(テノール)/
サー・レジナルド・ドブレーシー…ジョージ・ハルバート(バリトン)/
ウーゴ…ルイス・ハースト(バス)/
アラン・ア・デール…アンドリュー・マッケンジー=ウィックス(テノール)/
リトル・ジョン…ジョン・モロイ(バス)/
ムック…アレックス・ノックス(バリトン)/
マリアン…ケイ・ジョーダン(ソプラノ)/
アリス…マグダーレン・アシュマン(メゾ・ソプラノ)/
ジョン・パウエル・シンガーズ/ヴィクトリア・オペラ合唱団/
ヴィクトリア・オペラ管弦楽団/
ロナルド・コープ(指揮)
 イギリスの作曲家というと、パーセルやヘンデルら、バロック時代の人か、エルガーやホルストの近現代の人くらいしか思い浮かびません。しかし、1800年代前半にも何人もの音楽家が活躍していました。このマクファーリン(1813-1887)はそんな中の一人。若い頃から視力が弱く、50歳になる前に全て光を失ってしまったという苦労人でしたが、パーセル以来最も偉大な英国のオペラ作曲家であり、サリヴァンへの橋渡しとしての存在ともいえる素晴らしい作品を書いた人でした。この「ロビン・フッド」は、同時期の作曲家ウォレスの「ラウリーン」とともに当時の聴衆から賞賛された作品です。義賊として知られるロビンフッドですが、ここではアウトローであった弓の名手が、領主の娘マリアンと恋仲になることで、幸せを手にするというある意味サクセス・ストーリーで、ハッピー・エンドにふさわしい明るい音楽が付けられています。

NEWTON

Transcriptions for Guitar Trio
8802093
(2CD)
\2600→¥2190
アムステルダム・ギター・トリオ:ギター編曲集
《CD1.J.S.バッハ(1685-1750)》
 1-3.ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051/
 4-6.ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048/
 7-9.ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050/
 10-12.ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047/
《CD2》
 1-4.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲/
 6-10.フォーレ(1845-1924):組曲「ドリー」Op.56/
 11-14.ドビュッシー:小組曲/
 15.ショパン(1810-1849):ロンドハ長調 Op.73
ティニ・マトホット(ハープシコード)…CD1:7-9
アムステルダム・ギター・トリオ
<メンバー>
ヨハン・ドッレシュタイン/
オルガ・フランセン/
ヘレヌス・ドゥ・リーケ
 バッハの音楽は完成されたフォルムを持ちながらも、様々な形へと変容させることができる、まさに奇跡の芸術です。バッハ自身も自作の協奏曲やカンタータを他の作品に転用し、作品に新たな光を当てることを厭うことはありませんでした。このアムステルダム・ギター・トリオのアルバムは、そんなバッハの作品を一層楽しい形へと作り替えています。ギターで聴く「ブランデンブルク協奏曲」のなんとも華やかで興味深いことでしょう。それだけでなく、フランス印象派のドビュッシーやフォーレの作品までをもギターで演奏するという試みは、全く目からうろこが落ちるかのような斬新さ。ショパンのロンドは2台ピアノ版が良く知られていますが、それをまたギター3台で演奏するというのも、何ともステキです。2003年に最後のコンサートを行ったこのアンサンブルですが、この復刻盤はファンにとって良き贈り物となることでしょう。
 録音 1985年2月1.12.14.15日オランダ,ウトレヒト…CD1/1987年9月15-18日オランダ,ウトレヒトオールド・カトリック教会…CD2
Handel: Opera Arias
8802094
\2000→¥1790
ナタリー・シュトゥッツマン
 ヘンデル:オペラ・アリア集
 1.歌劇「オルランド」第1幕より「私に戦わせよ」/
 2.カンターター「アキス、ガラテイアとポリュフェモス」より
  「ここでは小鳥が喜ばしげに木から木に飛び回り」/
 3.歌劇「リナルド」第1幕より「いとしい許婚、いとしい恋人よ」/
 4.歌劇「オルランド」第2幕より「ああ,地獄の妖怪め!-美しい瞳よ,どうか泣かないでおくれ」/
 5.歌劇「ジュリオ・チェザーレ」第1幕より「抜け目のない狩人は」/
 6.歌劇「フロリダンテ」第2幕より「僕は貴女のみ熱望する」/
 7.歌劇「フロリダンテ」第3幕より「これまで甘かったのであれば」/
 8.歌劇「パルテノーペ」第2幕より「風は狂おしく吹き荒れ」/
 9.歌劇「ラダミスト」第2幕より「わが妻の愛しい霊よ」
ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)
ラウル・ディアズ(ホルン)…4/
ハノーヴァー・バンド/
ロイ・グッドマン(指揮)
 現代最高のコントラルトの一人、ナタリー・シュトゥッツマン。彼女は1965年5月パリに生まれ、最初は母親から声楽を学びます。ナンシー音楽院ではピアノとファゴット(!)を学び、声楽ではクリスタ・ルートヴィヒとハンス・ホッターから教えを受けるという、低音の女王のような人でしたが、この30歳にも満たない若さでリリースしたハイドンのアリア集は、その深い美声を徹底的に印象付けることになる記念碑的な1枚となったものです。その後の彼女の活躍はご存知の通り。声域はカウンターテナーと同じ辺りに位置する声ですが、独特の深みと、時折見せる中性的な妖艶さは、男性の声とは全く違うものと言えるでしょう。男声で歌われるヘンデルとシュトゥッツマンが歌うヘンデル、どちらがお好きですか?
 録音 1991年10月ロンドン ハンプステッド,ロスリン・ヒル教会
Modern British Songs & Song-Cycles
8802095
\2000→¥1790
イギリスのギター歌曲集
 〜ピーター・ピアーズ&ジュリアン・ブリーム
 1-6.ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):中国の歌Op.58
  <大型馬車/琵琶/秋風/牛飼少年/落胆/踊り歌>/
 ベンジャミン・ブリテン:民謡編曲集
  <私は恋人にりんごをあげよう/水夫の少年/
  キルビーの旦那/兵士と水夫/暁のボニー/恋人を撃つ>/
 13-18.ウィリアム・ウォルトン(1902-1960):恋に堕ちた無銘の人/
 19-22.マーチャーシュ・シェイベル(1905-1960):4つのフランス民謡/
 23.ピーター・ラシーン・フリッカー(1920-1990):ねえ、僕の恋人/
 24.ベンジャミン・ブリテン:ノクターナル(ダウランドによる) Op.70
ピーター・ピアーズ(テノール)/
ジュリアン・ブリーム(ギター)
 イギリスの歌曲は、長い音楽史の中でもとりわけ独特な光を放っています。イングランドやアイルランドの民謡の香りを取り込んだ郷愁溢れる曲を始め、胸がちくちく痛むような哀愁に満ちた曲など、どちらかというとシンプルな曲想の中に、溢れる思いが散りばめられているものばかりです。なかでもブリテンは、ダウランドやパーセルの時代を直接引き継ぐかのようなギターと声のための作品をいくつも書いていて、それらは、聴き手を古き良き時代へと連れて行くことでしょう。あまりなじみのないウォルトン、シェイベル、フリッカーの作品も、なんとも耳に優しいものであり、一度聴いたら忘れることのない印象的なものです。ブリテンと親密な関係のあったピアーズと、良き表現者であったブリームによる2人の静かな音楽は、時代を越えて愛されていくことでしょう。
 録音 1963年3月&9月ロンドン ケンウッド・ハウス…1-23/1966年9月ウィルトシャー ワードア教会
Mompou: Cancons i danzas & Preludes
8802096
\2000→¥1790
アリシア・デ・ラローチャ/モンポウ
 フェデリコ・モンポウ:歌と踊り&前奏曲集
  1-13.歌と踊り(ピアノのための)/14.前奏曲第11番/
  15.前奏曲第5番/16.前奏曲第6番(左手のための)/17.前奏曲第7番「花火」
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
 日本で静かなブームを巻き起こしたフェデリコ・モンポウ(1893-1987)のピアノ作品集です。カタロニア人の彼は、20世紀を席捲した無調や12音、新古典派などの潮流から身を遠ざけ、ひたすら内省的に自らの心象風景を映し出す音楽を書き続けました。彼は音楽的にも、係累的にも継承者を持つことがなかったので、彼がこの世から姿を消すと、その独特な音楽はまるで空中を漂うかのように、ひっそりと存在しています。そんな彼の音楽の中でも、良く知られているのがこの「歌と踊り」です。情熱あふれるスペイン音楽とは一線を画しながらも、名手ラローチャが演奏すると、馥郁たる香りと活力に満たされた極上の音楽が立ち現われるのです。円熟期に達したラローチャでなければ描けない暖かく光に満ちた「夕暮れ」の世界です。
 録音 1992年11月28-29日ニューヨーク マンハッタン・センター…1-13/1993年4月2-3日アメリカン・アカデミー&インスティテュート・オブ・アート・アンド・レターズ…14-17
Borodin: Symphonies Nos. 1?3 & Polovtsian Dances
8802097
(2CD)
\2600→¥2190
A・デイヴィス/ボロディン:交響曲第1番-第3番
《CD1》
 1-4.交響曲第1番変ホ長調/5-8.交響曲第2番ロ短調/
《CD2》
 1-2.交響曲第3番イ短調/3.弦楽四重奏曲第2番ニ長調から第3楽章「夜想曲」/
 4.交響詩」中央アジアの草原にて」/
 5.歌劇「イーゴリ公」より「序曲」/
 6.歌劇「イーゴリ公」より「ポロヴェツ人の踊り(だったん人の踊り)」
トロント交響楽団…CD1,CD2:1-2.5-6/
アンドリュー・ディヴィス(指揮)…CD1,CD2:1-2.5-6/
サンクトペテルブルグ・カメラータ…CD2:3/
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団…CD2:4/
レナード・バーンスタイン(指揮)…CD2:4
 尊敬される科学者として、また才能溢れる音楽家として、生涯二足のわらじを履き続けたボロディンの交響曲を始めとした、色彩豊かな作品集です。ロシアの伝統を受け継ぐ、滴るような美しく重厚な響きを持ちながらも、それは必要以上に肥大することはなく、時には軽やかな風を伴って、耳に心地よい余韻を残します。オーケストレーションは精緻の限りを尽くし、チャイコフスキーをも凌駕するほどの説得力を有しています。第2交響曲は彼の作品のなかでも抜群の人気を誇るもので、印象的な冒頭部は、まるで馬に乗って草原を駆け抜ける民の姿のように勇壮であり、また、いくつかのメロディはオペラ「イーゴリ公」と共通の素材を用いています。とびきりの美しさで知られる第2楽章も聴きものです。交響曲はイギリスの名指揮者、アンドリュー・デイヴィスによる演奏です。バーンスタインの熱い「中央アジアの草原にて」もGOOD!
 録音 CD1,CD2:1-2…不明/1976年11月カナダ,トロントマッセイ・ホール…CD2:5-6/1993年6月ロシア,サンクトペテルブルクラジオ・ハウス…CD2:3/1969年12月ニューヨーク リンカーン・センター,フィルハーモニック・ホール…CD2:4

OEHMS


OC-936
(4CD)
\4800→¥4390
セバスティアン・ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場管弦楽団
 ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指輪」第1夜「ワルキューレ」
ジークムント…フランク・ファン・アーケン(T)/
フンディング…アイン・アンガー(B)/
ヴォータン…テリエ・ステンスフォルト(B-Br)/
ジークリンデ…エヴァ・マリア・ヴェストブリー(S)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(S)/
フリッカ…マルティナ・ダイク(Ms)/
ヘルムヴィゲ…クリスティアーネ・コール(S)/
ゲルヒルデ…アニャ・フィデリカ・ウルリッヒ(S)/
ジークルーネ…リサ・ヴェーデキント(Ms)/
グリムゲルデ…ターニャ・アリアーヌ・バウムガルトナー(A)/
オルトリンデ…モナ・ソム(S)/
ヴァルトラウテ…イヴ=モード・ヒュボー(Ms)/
ロスヴァイセ…モニカ・ボヒネック(Ms)/
シュヴェルトライテ…ベルナデット・フォドール(A)/
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
 OEHMSレーベルから次々とオペラ全曲盤をリリース。そのどれもが極めて高い完成度を誇るヴァイグレの最新作は、ワーグナー(1813-1883)の「ワルキューレ」です。
 前作「ラインの黄金」では、演出を含めて批評家、聴衆の双方から大絶賛されましたが、今作はそれ以上にいろいろな面で期待が持てるものであり、緊迫した人間ドラマや、迫力あるワルキューレたちの絡みなど聴くべきところの多い仕上がりを見せています。とりわけ、オーケストラの鳴りのよさは特筆すべき点で、スコアの隅々までもが、切れの良い音で浮かびあがりることで、ワーグナーが音で語りたかった部分が白日の下に晒されたとも言える、オケ好きにも満足の行く演奏です。
 ヴォータンは前作に続くステンスフォルトで、逡巡する父親の思いのたけを歌いあげます。ブリュンヒルデは、今作では日本でもおなじみのスーザン・ブロックが担当。力強さと繊細さを併せもつ、かわいらしいブリュンヒルデ像を作ります。
 録音 2010年11月ライブ録音 フランクフルト歌劇場 Recording Producer: Christian Wilde,Peter Tobiasch


セバスティアン・ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場管弦楽団
 ワーグナー:楽劇『ラインの黄金』
OC 935
(2CD)
\4800→¥4390
ワーグナー:楽劇『ラインの黄金』(全曲) ヴォータン:テリエ・ステンスフォルト(ティァリーア・スティーンスヴォールト)
ドンナー:ディートリヒ・フォレ
フロー:リチャード・コックス
ローゲ:クルト・シュトライト(カート・ストレイト)
アルベリヒ:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー
ミーメ:ハンス=ユルゲン・ラザール
ファーゾルト:アルフレッド・ライター
ファーフナー:マグヌス・バトトヴィンソン
フリッカ:マルティナ:ダイク
フライア:バルバラ・ツェッヘマイスター
エルダ:メレディス・オルウェディ
ヴォークリンデ:ブリッタ・シュタルマイスター
ヴェルグンデ:ジェニー・カールシュテット
フロースヒルデ:カタリーナ・マギエラ
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
フランクフルト・ムゼウム管弦楽団(フランクフルト市立歌劇場管弦楽団)
2010年、フランクフルト・オペラの注目の新演出「ラインの黄金」。こちらは惑星の軌跡を模した舞台が話題となり、ドイツ劇場境界が発行するオペラ・演劇専門誌「ドイチェ・ビューネ」のアンケート(批評家50人による投票)で2009/10シーズンの最優秀オペラ劇場にも選ばれています。この演奏でヴォータンを歌うのは、テリエ・ステンスフォルト。以前、ブルーノ・ヴァイル指揮の「オランダ人」でタイトルロールを歌っていた歌手です。最近は、このヴォータンや「フィデリオ」のドン・ピッツァーロが当たり役です。指揮のヴァイグルは、好評のリセウ劇場のローエングリン、2007年にはバイロイト音楽祭の「マイスタージンガー」など、この手の実力は実証済み。2008年からはこのフランクフルト歌劇場音楽監督と務め、重厚さを残しながらも、淡麗辛口の味わいを生かした素晴らしいワーグナーを聴かせます。【録音】2010年5〜6月、フランクフルト歌劇場 [デジタル:ライヴ]


OC-412
\2000→¥1890
OEHMS 2012年版カタログ同梱
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル/マーラー「復活」

 マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
ミカエラ・カウネ(ソプラノ)/
ダグマール・ペチコーヴァ(アルト)/
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
 ※2012年版カタログ同梱
マーラー(1860-1911)の生誕150年&没後100年であった「2010年から2011年」にかけては、世界中で記念演奏会が開かれ、とりわけ象徴的な作品である、第2番が至るところで聴かれたのはご存知の通りでしょう。そんな中、2011年10月は、ハンブルクでマーラーの「復活」が初演されてから100年目の記念年にあたり、ここでも素晴らしい演奏会が開催されました。指揮は今をときめく、シモーネ・ヤング。全曲を通して、一切だれることのない集中力の高い演奏は彼女ならでは。まさに火を吹くかのような激しさには思わず身震いするのではないでしょうか。ソリストには最近めきめきと力をつけてきた若手カウネと、安定した歌唱で知られるペチコーヴァの2人を迎え、NDRハンブルク合唱団と、ラトビア州立合唱団が渾身の合唱を聴かせてくれます。「Bereite dich zu leben!」での毅然とした響きは、まさに天上から一筋の光が射すかのような感動を呼びます。
 録音 2010年10月24&25日ハンブルク ライスハレ
Recording Supervision, Editing and Mastering: Jens Schunemann/Sound Engineer: Nora Brandenburg /Balance Engineer: Johannes Kutzner

OC-756
\2000
フリーデリケ・シュタルクロフ
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集

 1-3.ソナタヘ長調 K377(374e)/
 4-6.ソナタ変ロ長調 K454/
 7-9.ソナタイ長調K526 /
 10.モーツァルト=クライスラー(1875-1962):
  ハフナー・セレナーデより「ロンド・アレグレット」
フリーデリケ・シュタルクロフ(ヴァイオリン)/
ホセ・ガラルド(ピアノ)
 1990年ケムニッツで生まれたシュタルクロフ、5歳からヴァイオリンを始め、プフリューガー財団から奨学金を得て、W.マルシュナーとA.マシューからヴァイオリンを学び、そのまま現在に至ります。1998年に「若き音楽家」のコンクールで1等賞を得たのを皮切りに、ソロ、室内楽を含めて数多くの賞を獲得。2005年にMiroslaw Lawrynowicz国際ヴァイオリン・コンクールや、第10回シュポア国際コンクールなど様々なコンクールで彼女の姿を見ることができます。彼女の演奏は、巧みなフレージングと美しい音色が特徴。もちろん、ぐいぐい押すところのパワーは底知れず・・・。変幻自在なモーツァルト(1756-1791)の音楽を軽くいなしているところは、まさに未来の大器です。
 録音 2011年2月18-20日アウグスブルク大学 コンチェルトザール Recording Producer, Editing & Mastering: Bernd Hanke, Audio-Video-Aktuell Klaviertechnik: Helmut Troendle

OC-842
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
ブリタニック号のオルガン第2集〜クリスマスの旅
 1.フランシス・ウェイド(1711-1786)伝:
  信仰篤き人々よヴェルテ・ロール1156(マスター)/
 2.アレクサンドル・ギルマン(1837-1911):
  牧歌的なカンティレーナOp.15-3 ヴェルテ・ロール2005(マスター)/
 3.ヘンデル(1685-1759):メサイアより
  「主は羊飼いのようにその群れを養い」ヴェルテ・ロール1332(マスター)/
 4.ウィリアム・ファウルケス(1863-1933):
  古いフランスのキャロルによる狂詩曲ヴェルテ・ロール1332(マスター)/
 5.ギルマン:古いポーランドのノエルによる序奏と変奏曲Op.60-1
  ヴェルテ・ロール1326(マスター)/
 6.ギルマン:「御子生まれたまう」による2つの変奏曲Op.60
  ヴェルテ・ロール1323(マスター)/
 7.バンジャマン・ゴダール(1849-1895):羊飼いと羊飼い女Op.55-6
  ヴェルテ・ロール4007(マスター)/
 8.ベルリオーズ(1803-1869):羊飼いの別れ(ギルマン編)
  ヴェルテ・ロール4002(マスター)/
 9.グルーヴァー(1787-1863):清しこの夜
  ヴェルテ・ロール910(マスター)/
 10.モーツァルト(1756-1791):パストラールと変奏(ピアノ編) ヴェルテ・ロール1092(マスター)/
 11.ブクステフーデ(1637-1707):コーラル前奏曲「諸人声あげ」ヴェルテ・ロール2056(マスター)/
 12.パッヘルベル(1653-1706):高き天よりわれは来たれりヴェルテ・ロール2057/
 13.パッヘルベル:高きところでは神にのみ栄光あれヴェルテ・ロール2057/
 14.ヨハネス・ダニエル・ファルク(1768-1826):いざ喜べいざ祝え ヴェルテ・ロール911(マスター)/
 15.古い民謡:もみの木ヴェルテ・ロール1883(マスター)/
 16.レーガー(1873-1916):マリアの子守歌Op.76-52 ヴェルテ・ロール1781(マスター)/
 17.ブラームス(1833-1897):エサイの根Op.122 ヴェルテ・ロール711(マスター)/
 18.ギュンター・ラミン(1898-1956):クリスマス・コラールによるインプロヴィゼーションヴェルテ・ロール1993(マスター)
レジナルド・ゴス・カスタルド(1877-1956 オルガン)…1 & 2/
ヨハン・ヤコブ・ナーテル(1878-1972 オルガン)…3, 5 & 6/
ウィリアム・ファウルケス(オルガン)…4/
ヴァルター・フィッシャー(1872-1931 オルガン)…7, 16/
ヨゼフ・ボンネット(1884-1944 オルガン)…8/
フランツ・フィリップ(1890-1972 オルガン)…9, 14/
ルチエン・ヴュルムザー(1877-1967 ピアノ)…10/
カール・マタエイ(1897-1960 オルガン)…11-13/
クルト・グロッセ(1890-? オルガン)…15/
パウル・ヒンダーマン(1868-1925 オルガン)…17/
ギュンター・ラミン(オルガン)…18
 ゼーヴェンの「自動演奏楽器博物館」所蔵のブリタニック・オルガンを蘇らせるシリーズの第2弾です。
 第1弾(OC840)では総合的な音の紹介に終始したのですが、今回はクリスマスの音楽に絞ってご紹介します。本来、クリスマスは一家で静かに過ごすのが昔からの習慣ですが、もし旅の途中でクリスマスを迎えることになったら、旅人は少々寂しくなってしまうかもしれません。そんな時のために、ブリタニック号はクリスマス音楽のロール紙をあらかじめ用意して出航しました。もちろん演奏は当時最高のオルガニストたちによるものです。船上で彼らの演奏を再現しながら旅人達は静かにクリスマスを祝ったのです。彼らの華やいだざわめきもこのアルバムから感じ取れるかもしれません。予想以上に力強いオルガンの音は、1世紀以上も前の空気をありありと伝えてくれます。
 録音 2011年7/8月スイス ゼーヴェン、自動演奏楽器博物館 Musical Direction: David Rumsey/Technical Direction: Daniel Debrunner/Recording Supervision, Editing and Mastering: Andre Scheurer


ブリタニック号のオルガン第1集

OC-840
(2CD)
\3000→¥2690
沈没船ブリタニック号に搭載されていたとされる自動演奏オルガン
 ブリタニック号のオルガン第1集

《CD1 初期ヴェルテ・フィルハーモニー・ロールより》
 1.モーツァルト(1756-1791):フィガロの結婚K492より序曲
  ヴェルテ・ロール421(マスター)/
 2.グリーグ(1843-1907):ペール・ギュント組曲より「朝」
  ヴェルテ・ロール213(マスター)/
 3.グリーグ:オーゼの死
  ヴェルテ・ロール213(マスター)/
 4.ベートーヴェン(1770-1827):エグモント序曲Op.84
  ヴェルテ・ロール956(コピー)/
 5.ベルリオーズ(1803-1869):ファウストの劫罰Op.24より妖精の踊り
  ヴェルテ・ロール53(マスター)/
 6.ワーグナー(1813-1883):歌劇「ローエングリン」より
  ヴェルテ・ロール642(マスター)/
 7.エロール(1791-1833):歌劇「ザンパ」より序曲
  ヴェルテ・ロール236(マスター)/最初期のオルガン録音集/
 8.J.S.バッハ(1685-1750):コラール前奏曲「わが心の切なる願い」BWV727
  ヴェルテ・ロール717(マスター)/
 9.J.S.バッハ:前奏曲とフーガハ短調 BWV549
  ヴェルテ・ロール716(マスター)/
  オルガン演奏…カール・ホフナー(1842-1912)/
 10.ギルマン(1837-1911):ヘンデルの主題による行進曲
  ヴェルテ・ロール776(コピー)/
  オルガン演奏…カール・ヘルマン・ケール(1855-1919)/
 11.レーガー(1873-1916):田園曲ヴェルテ・ロール1664(コピー)/
  オルガン演奏…クラレンス・エディ(1851-1937)/
 12.メンデルスゾーン(1809-1847):歌劇「ルイ・ブラス」序曲
  ヴェルテ・ロール1241(マスター)/
エドウィン.H.ルメル(1865-1934)
《CD2 ゼーヴェン国立博物館のブリタニック号オルガン、デモンストレーション》
 1.カラーツ(1838-1918):トッカータよりフィナーレOp.23-3/
 2.J.S.バッハ:主よ人の望みの喜びよBWV147/
 3.J.S.バッハ:わが魂は主をあがめBWV648/
 4.J.S.バッハ:オルガン協奏曲BWV592iiより第2楽章(ヨハン・エルンスト編)/
 5.ハイドン(1732-1809):音楽時計の音楽より第18番ヘ長調「茶話会」/
 6.ハイドン:音楽時計の音楽より第5番ハ長調/
 7.リンドベルイ(1887-1955):Gammal Fabodspsalm fran Dalarna/
 8.メンデルスゾーン:オルガン・ソナタOp.65-4 第2楽章/
 9.ボエルマン(1862-1897):ゴシック風メヌエット/
 10.レーガー:ベネディクトゥス/
 11.グリソン(1842-1896):トッカータヘ短調
デヴィッド・ラムゼイ
 スイスのバーゼル近郊のゼーヴェンにある「自動演奏楽器博物館(Museum fur Musikautomaten)」ここには、バーゼルで印刷業を営み成功を収めたハインリヒ・ヴァイス氏が自ら蒐集してきたオルゴールなどの自動演奏楽器が収蔵されています。この中の1台が今回のアルバムの主人公です。
 豪華客船タイタニック号の姉妹船「ブリタニック号」。1871年に汽船運航を始めた英国の名門船会社ホワイト・スター・ラインが建造した大型豪華客船ですが、完成しないうちに第一次大戦となり、戦争中病院船として働いている途中で,エーゲ海で触雷して沈没し,一度も客船として就航できませんでした。このブリタニック号には、ピアノ・ロールでおなじみヴェルテ社の自動演奏オルガン「フィルハーモニック・オルガン」が搭載されていましたが、沈没と同時に行方不明になってしまいました。1世紀以上も消息が不明だったこの銘器ですが、ヴァイス氏のコレクションの一つがそのオルガンではないかと推測。手がかりも発見し、2006年から秘かに修復作業を行ってきたのです。そして見事に修復完了。2007年10月に一般公開し、世界的な話題を呼んだというものです。
 この楽器は「ブリタニック・オルガン」と命名され、博物館で展示されると同時に、ヴェルテのロール紙の演奏を行い、また実際の演奏も可能です。海に沈んだ楽器が再び音を奏でる姿は感動的ですらあります。珍しい楽器をこよなく愛するOEHMSならではの、貴重な音を伝えるシリーズです。
録音2011年2.3月スイス ゼーヴェン、自動楽器博物館 Recording Supervision, Editing and Mastering: Andre Scheurer

OC-676
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル/
 ブラームス:交響曲第2番ニ短調Op.73
         悲劇的序曲Op.81
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
 2005年からハンブルク州立歌劇場総支配人と、ハンブルク・フィルの音楽総監督を務めるシモーネ・ヤング。彼女が登場した頃は「注目の女性指揮者」という肩書がついて回ったものですが、最近は誰も彼女の事を「女性指揮者」だとは思わなくなっているに違いありません。彼女の創り上げる音楽は、ワーグナーにしてもマーラーにしても、一本筋の通った明快なものであり、感情に任せて音楽が揺らぐこともなければ、泣きが入ることもありません。作曲家が表現したかった世界を極めて丁寧になぞって見せてくれます。そんなヤング、今回はブラームスの交響曲のなかでも、とりわけ、瑞々しさを要求される第2番を取り上げます。伸びやかで美しいブラームス(1833-1897)は、ブルックナーとはまた違うアプローチです。
 録音 ハンブルク ライスハレ ライブ録音 2008年3月…1-4/2010年1月…5
Recording Producer, Editing, 5.0 Surround Mix & Mastering: Jens Schunemann/Recording Engineer: Christian Feldgen/SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas, Cybele AV Studios


旧譜
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
ブラームス:交響曲第1番

OC 675
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
 [演奏時間; 17:39 / 9:38 / 4:59 / 17:27]
シモーネ・ヤング(指揮)
ハンブルク・フィルハーモニー
【録音】 2007年3月11&12日 ハンブルク、ライスハレ(ムジークハレ)でのライヴ レコーディング・プロデューサー&マスタリング:イェンス・シューネマン サウンド・エンジニア:クリスティアン・フェルトゲン ハイブリッドSACD仕様 (CD Stereo / SACD Stereo / SACD Multi 5.0)
 多くの支持と高い評価を得ているシモーネ・ヤングと手兵ハンブルク・フィルによるブラームス:交響曲チクルスが始動!
 ウィーン・フィルを初めて振った女流指揮者シモーネ・ヤングが手兵ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、「ブルックナー:交響曲初稿版シリーズ」や、ワーグナーの「指輪」、ヒンデミットの「画家マティス」など、『重厚ということだけでなく、細部までこだわったオーケストラへの要求を完璧にこなした精密な演奏』と、高い評価を得ています。
 そんな彼女のブラームスが登場。新たなヤングの歩みが始まる。


OC-667
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管
 チャイコフスキー:
  1-4.:交響曲第5番ホ短調 Op.64/
  5.歌劇「スペードの女王」序曲
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
ドミトリー・キタエンコ(指揮)
 お待ちかね、キタエンコ&ギュルツェニヒ管のコンビによるチャイコフスキー(1840-1893)第3弾!
 指揮者キタエンコは1940年生まれの実力派。2010年からケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の名誉指揮者として活躍していて、ショスタコーヴィチやプロコフィエフの交響曲全集などの録音があり、これらにおいても、オーケストラの機動力を存分に生かした、切れ味のよい演奏を聴かせることで人気の高い人です。今作は、チャイコフスキーの交響曲の中でも、もっともメロディアスでドラマチックな味わいが光る第5番と、「スペードの女王」序曲を収録。もちろん録音の良さはお墨付きであり、演奏の面でも音質の面でも、聴けば聴くほどに新たな発見があることでしょう。
 録音 2011年3月20-22日ケルン・フィルハーモニー…1-4/2011年3月ケルン シュトルバーガー・シュトラッセ・スタジオ…5 Recording Producer, Digital Editing, 5.0 Mix:Jens Schunemann/Recording Engineer: Christian Feldgen/SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas,Cybele AV Studios

OC-931
(2CD)
\3000→¥2690
ド・ビリー&ウィーン放送響
 プーランク:歌劇「カルメル会修道女の対話」
フォルス侯爵…ジャン・フィリップ・ラフォン(Br)/
ブランシュ・ド・ラ・フォルス…サリー・マシューズ(S)/
騎士フォルス…ヤン・ボイロン(T)/
マダム・ド・クロワシー…デボラ・ポラスキ(S)/
マダム・リドワンヌ…ハイディ・ブルンナー(S)/
マザー・マリー…ミケーレ・ブリート(Ms)/
シスター・コンスタンス…ヘンドリッケ・ファン・ケルクホーフ(S)/
マザー・ジャンヌ…マグダレーナ・アンナ・ホフマン(C-A) 他/
アルノルト・シェーンベルク合唱団/
ウィーン放送交響楽団/
ベルトランド・ド・ビリー(指揮)
 フランスの小説家ベルナノスの「死に直面した修道院長の信仰の危機」をテーマに取り込んだ舞台を見て感銘を受けたプーランク(1899-1963)が、リコルディ社の依頼で書き上げたこのオペラ、結局は最初イタリアで初演され、その数か月後、ようやくプーランクの望んだ形でフランスで初演されることとなります。彼自身の宗教観が反映され、また少しだけ懐古趣味とされる作風、なおかつ透明で静謐な祈りに満ちた音楽。そして作品の全てに「死の影」が横溢したオペラです。プーランクに諧謔的な面影を求める人は、このシリアスな世界に面食らうかもしれませんが、どんな残酷な結末が待っていても目をそむけることなく向き合いたい問題作です。ド・ビリーは周到な準備をもって、この全曲録音に臨み、結果、2008年と2011年のライブから最良の部分を選ぶことで、完成形を提示したのです。
 録音 2008年1月&2011年4月アン・デア・ウィーン劇場 Recording Producer: Erich Hofmann/Balance Engineers: Josef Schutz and Anton Reininger

OEHMS


OC-928
(4CD)
\4500→¥3990
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」第3夜神々の黄昏
〈CD1〉
 1-8.プロローグ/9-11.第1幕第1場/12-14.第1幕第2場/
〈CD2〉
 1-4.第1幕第2場(続き)/5-9.第1幕第3場/
〈CD3〉
 1.第2幕序曲/2.第2幕第1場/3-4.第2幕第2場/5.第2幕第3場/
 6-11.第2幕第4場/12-14.第2幕第5場/
〈CD4〉
 1.第3幕序曲/2-5.第3幕第1場/
 6-11.第3幕第2場/12-18.第3幕第3場
ジークフリート:クリスティアン・フランツ(テノール)/
グンター…ローベルト・ボルク(バス・バリトン)/
アルベリヒ…ヴォルフガンク・コッホ(バス・バリトン)/
ハーゲン…ジョン・トムリンソン(バス)/
ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(ソプラノ)/
グートルーネ…アンナ・ガブラー(ソプラノ)/
ヴァルトラウテ…ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)/
第1のノルン…デボラ・ハンブル(アルト)/
第2のノルン…クリスティーナ・ダミアン(メゾ・ソプラノ)/
第3のノルン…カーチャ・ピーヴェク(ソプラノ)/
ヴォークリンデ…ユン・リー=ハ(ソプラノ)/
ヴェルグンデ…マリア・マルキーナ(ソプラノ)/
フロスヒルデ…アン=ベス・ソルヴァング(メゾ・ソプラノ)/
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
シモーネ・ヤングとハンブルク国立歌劇場の「リング・ツィクルス」もいよいよ大詰め。この「神々の黄昏」で幕を閉じます。
配役はジークフリートは変わらず、クリスティアン・フランツが張りのある声を生かし、この大役を歌い切りました。ブリュンヒルデはベテラン、デボラ・ポラスキが担当。有無を言わせぬ迫力で現代最高のワーグナー・ソプラノの威厳を見せ付けます。ハーゲン役には、こちらもベテラン、トムリンソン。奸計巡らす悪役を気持ちよいばかりに歌ってのけています。ヤングの指揮は、オーケストラの音色に波打つかのようなうねりを持たせ、かつ、厚みのあるハーモニーと、的確なライトモティーフを聴かせます。全て、この壮大なる叙事詩の締めくくりに相応しい素晴らしいものです。
録音 2010年10月12.14.17.21日ハンブルク国立歌劇場
Recording Producer & Editing: Dirk Ludemann / Balance Engineer: Dominik Blech / Recording Engineer: Katja Zeidler

OC-683
(SACDハイブリッド)
\2300→¥1990
グスタフ・ホルスト:組曲「惑星」(ピーター・シークスによるオルガン編曲版)
 1.火星/2.金星/3.水星/4.木星/5.土星/6.天王星/7.海王星
ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)
最近は指揮者としても、その活動が華々しいハンスイェルク・アルブレヒトですが、やはり彼の本領発揮はオルガン演奏。それも、このような珍しいレパートリーを次々と世に送り出してくれることでしょう。今回のアルバムは、ホルスト(1874-1934)の超人気曲「惑星」です。通常、オーケストラの芳醇な響きを楽しむためのスペキュタクルな作品、オルガン1台ではどのような様相を呈するのでしょうか?もちろん、そんな期待にアルブレヒトは100%以上応えてくれました。SACDのフォーマットを最大限に生かし、それぞれの曲をこの上なく劇的に演奏しています。リスニング・ルームが瞬時に大宇宙へと変わる瞬間を体験してみてください!録音 2010年4月23-28日キール 聖ニコライ Recording Producer, Editing & Mastering: Martin Fischer

OC-405
\2000
答えなかった問い-シュテファニー・シューマッハー:アコーディオンの世界
《Chapter1.オルガ》
 1-3.マシャ・コーティムスキ(1980-):答えなかった問い/
《Chapter2.レオシュ》
 4-13.レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928):草陰の小道を通って第1集
<われらの夕べ/散りゆく木の葉/一緒においで/フリーデクの聖母マリア/
 彼女らは燕のように喋り立てた/言葉もなく/おやすみ!/
 こんなにひどく怯えて/涙ながらに/ふくろうは飛び去らなかった>/
《Chapter3.孤独》
 14.ミナス・ボルボウダキス(1974-):回折思考/
 15.アラシュ・サファイアン(1981-):アルファ/
《エピローグ》
 16.ローセンス・トライガー(1956-):共感
ステファニー・シューマッハー(アコーディオン)
ステファニー・シューマッハーはフライブルグ近郊で生まれた、現在注目のアコーディオン奏者です。「アンサンブルZeitsprung」のメンバーでもあり、他にも様々な現代アンサンブルのメンバーとしても活躍。幅広い活動をしています。そんなアンサンブルの中で光を放つ彼女ですが、このアルバムではソリストとしての彼女に焦点を当て、物語性を持たせたコンセプト・アルバムとして、その存在を印象つけることに成功しました。収録曲の中心となるのは、ヤナーチェクのおなじみのピアノ曲「草陰の小道を通って」で、これは「最初からアコーディオンのために書かれた?」と思うほどに曲想と音色がマッチしています。例えば「フリーデクの聖母マリア」に現れるコラール風の旋律は、ピアノでは表現できないほどの切ない情感を表出しています。録音 2011年5月ミュンヘン Recording Producer, Editing, Mastering:Asparuh Tashev

OC-403
\2000
フランツ・リスト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1-4.ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲(またはソナタ)-
  ショパンのマズルカ 嬰ハ短調 Op.6-2による/
 5.ラフォンのロマンス「船乗り」による協奏的大二重奏曲/
 6.ペトラルカのソネット 第104番(J.マルグリス編)/
 7.リスト=フバイ(1858-1937):ハンガリー狂詩曲-歌曲「3人のジプシー」による/
 8.レメーニの結婚式のための祝婚曲/
 9.忘れられたロマンス/10.悲しみのゴンドラ
ユラ・マルグリス(ピアノ)/
アリッサ・マルグリス(ヴァイオリン)
2011年はリスト(1811-1886)の生誕200年ということで、本当に数多くのアルバムが各社からリリースされ、リスト好きの心を大いに満たしてくれたことは間違いありません。しかしながら、室内楽の分野は未だそれほど認知度が高いとは言えないのが本当のところです。このヴァイオリン作品集は、既にリリースされたチェロ作品集(OC-415)と併せて、知られざるリストに光を当てるための貴重な録音の一つとして評価されることでしょう。ここでピアノを演奏しているユラ・マルグリスは、リストやブゾーニなどのトランスクリプション物を得意としているピアニストですが、華麗な技巧をひけらかすよりも、曲の構造をじっくりと探求し、複雑な音の絡みを具現化するタイプの奏者です。ここに収録されている「ペトラルカのソネット」も、彼自身が、原曲となるピアノ・ヴァージョンと、3つの異稿版が存在する歌曲全てを研究した上で、ヴァイオリンとピアノ版に編曲しているというのですから、やはり研究者肌の色合いが濃くなっているのも頷けるというものです。また、フバイによる「ハンガリー狂詩曲」も珍しい作品で、こちらも滅多に耳にする機会はありません。リスト自身は、ピアノ以外の楽器の独奏曲に関心がなかったようですが、できることなら、パガニーニを敵に回すほどの多数のヴァイオリン曲を書いてほしかったものです。録音 2010年12月27.28日ベルリン、テルデック・スタジオ

OC-414
\2000
ロート・アン・デル・ロートのホルツァイ・オルガン
《J.S.バッハ(1685-1750)》
 1.オルガンのための小品−幻想曲ト長調BWV572/
 2-5.パストラーレ ヘ長調 BWV590/
《フランソワ・クープラン(1668-1733)》
 6.教区のためのミサ曲より「キリエ-Plein chant en taille」/
 7.教区のためのミサ曲より「キリエ-Recit de chromhorne」/
 8.修道院のためのミサ曲より「ベネディクトゥス-Tierce en taille」/
 9.教区のためのミサ曲より「グラン・ジュのオッフェルトリウム」/
《ピストイアの作者不詳の曲》
 10.トッカータ/11.高めたまえ/12.ポスト・コムニオ/
《ベルガモのダヴィデ神父(1791-1863)》
 13.アレグロ/
《ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール=ヴェリー(1817-1869)》
 14.パストラーレ ト長調/15.ソルティエ ト短調/
《ジョゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(1839-1901)》
 16-18.オルガン・ソナタ第4番イ短調「第9旋法による」Op.98
フランツ・ラムル(オルガン)
ドイツのロート・アン・デア・ロートにある聖ヴェレーナ教会は、その音響の良さでも知られ、いくつかの名録音が存在する「知る人ぞ知る」名所です。ここに設置されているオルガンは1793年にネポムーク・ホルツァイによって建立されたフランス・バロック式の仕様を持ち、柔らかい管楽器の響きと、人の声に近い音色を出せることが特色の一つです。バロックから初期ロマン派の作品を演奏するのに、これほど良い楽器はないでしょう。演奏者のフランツ・ラムルは、1964年ドイツ、シュトラウビング生まれ。トン・コープマンにオルガンとチェンバロを師事し、演奏家として、また教育者として精力的に活躍しています。このホルツァイ・オルガンによる録音もいくつかあり、楽器を知り尽くした完璧な演奏は他の追随を許しません。録音 2011年7月ロート・アン・デル・ロート聖ヴェレーナ教会Recording Producer, Editing & Mastering: Bernd Hanke

OC-769
\2000
エメリッヒ・カールマン(1882-1953)・チャールズ・カールマン(1929-)父子の作品集
 1.マルジョリー・ワルツ…C/2.ウィーンへ愛を込めて…E/
 3.ヴァラジュディンより来たる…E/4.ジプシーよ、来ておくれ…E/
 5.私の好きな踊り…E/6.それは何とすばらしい…E/
 7.夜は私を待っている…E/8.「陽気な軽騎兵」よりハンガリー舞曲組曲…E/
 9.2つのメルヒェンのような瞳…E/10.あなたは覚えていますか…E/
 11.ジプシーの歌…C/12.人生は長いキス…C/
 13.つまり、それは素晴らしい…C/14.私のところへ来て.…C/
 15.幸運の夢…C/16.あれはまだ?…C/
 17.王冠の歌…C ※E…エメリッヒ、C…チャールズ
ミヒャエル・ズットナー(テノール)/
ステファニー・C・ブラウン(ソプラノ)/
ミュンヘン交響楽団/
アンドレアス・コヴァレヴィツ(指揮)
オペレッタ好き垂涎の1枚です。20世紀のオペレッタ作曲家カールマンは、その香り高い作品で、今も人気を博していますが、彼の息子であるチャールズ・カールマンも音楽家としての才能に満ち溢れています。ここではそんな父と子の作品を並べ、「オペレッタの伝統」を強く打ち出すことに成功しました。ミヒャエル・ズットナーの甘いテノールは、ちょっぴり涙を誘うカールマンの作品を歌うのにうってつけであり、随所に挟まれるデュエットでは、ソプラノ歌手ステファニー・C・ブラウンが見事な花を添えています。ちょっと何かを聴きたい時に手が伸びるような、親しみに満ちたアルバムと言えそうです。録音2011年5月15-20日ミュンヘンバイエルンスタジオ RecordingProducer, Editing&Mastering: Bernd Hanke

OC-828
\2300
高き天より天使たちが来たる
 1.ボイレッケ(1933-):高き天より天使たちが来る/
 2.クーツィール(1911-2006):おお喜びよ、喜びよ/
 3.ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):クリスマスの歌/
 4.ドラニツィン(1946-2010):優しきマリアさま/
 5.G.ガブリエリ(1557-1612):ピアノ・フォルテのソナタ/
 6.ヴォルターズ(1910-1989):茨の道を通ってマリアは行く/
 7.ボイレッケ:今、その時が近づく/
 8.クーツィール:誰が戸を叩くの/
 9.メンデルスゾーン(1809-1847):2つの詩編Op.78-1「なぜ異邦人たちは騒ぐのか」/
 10.シュツキー(1817-1893):ディエス・サンクティフィカトゥス/
 11.クーツィール:イン・ドゥルチ・ユビロ&暁の星のいと美しきかな/
 12.ビーブル(1906-2001):それでも誰もが神を知りたい/
 13.ビーブル:こちらへおいで、天使たち/
 14.ゴッレ(1942-):クリスマスのナイチンゲール/
 15.ブッヘンベルク(1962-):信仰篤き人々よ/
 16.コバレイ(1935-):聖なる夜/
 17.ボイレッケ:部屋の中で/
 18.コバレイ:Potztausend mal tausend/
 19.ブッヘンベルク:救世主は生まれたもう/
 20.コバレイ:天国よ、静まれ/
 21.ボイレッケ:愛らしい幼子/
 22.ブッヘンベルク:御子が現れたもうた/
 23.ボイレッケ:ゆうやみ迫りて/ 
 24.ヴィルス(1957-):羊飼いたち/
 25.ボイレッケ:きよしこの夜
カール・オルフ合唱団…1.3.4.6.9.10.14.21.23.25./
シュヴェビッシュ・メタル…2.5.8.11.16.18.20.24./アニマート…7.12.13.15.17.19.22.
ドイツ、バイエルン州の保養地、マルクトオーバードルフで活動するカール・オルフ合唱団は、20年以上も前から、待降節の日曜日に聖マルティン教会で、伝統的なクリスマス・コンサートを行ってきました。そんな彼ら、この最新アルバムでは、「伝統と革新」を目指して、一味違うクリスマス音楽を聴かせてくれます。中世の音楽から21世紀の作品(民謡も含む)の美しい合唱の響きの合間を縫って、金管アンサンブル「シュヴェビッシュ・メタル」の華やかなファンファーレが置かれています。厚みのある響きはカール・オルフ合唱団が受け持ち、コンパクトな曲は、アンサンブル「アニマート」が担当。メリハリのある音楽が楽しめるようにプログラミングされているところも嬉しいです。録音 2011年7月Recording Producer, Editing, Mastering: Bernd Hanke / Recording Engineer: Christian Starke

ONDINE


ODE-1195
\2300→¥1990
クリスティアン・テツラフ&パーヴォ・ヤルヴ
 シューマン/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲集

 1.ロベルト・シューマン(1810-1856):
  ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲ハ長調 Op.131/
 2-4.フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847):
  ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64/
 5-7.ロベルト・シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Wo023
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/
フランクフルト放送交響楽団/
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ソリストとして、また室内楽奏者として大活躍のヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフがONDINEレーベルに登場です。
録音ではバッハの無伴奏ソナタやベートーヴェンの協奏曲、シベリウスなどが世界的に高く評価され、また日本にも度々来日し、その都度満場の聴衆を唸らせる彼。今回の録音でも、その名技を余すことなく披露しています。
メンデルスゾーンの協奏曲については、いまさら何も語ることのない名曲として認知されていて、古今東西、数多くの名演と呼ばれるものも存在していますが、このテツラフ、まさに溜息の出るような快演を聴かせます。全体的に早めに設定されたテンポは、指揮者ヤルヴィの解釈もあるのでしょうが、これを易々とクリアしてしまうテツラフの超絶技巧は、まさに絶品。ライヴ録音ということもあり、1楽章も終楽章も加速する興奮を抑えることは不可能でしょう。シューマンの協奏曲は、全体的にさっぱりした味付けで、この曲に「しっとりとした情感」を求める向きには物足りないかもしれませんが、シューマンの求めたであろうヴィルトゥオーゾ性においては、完璧に表現されているのではないでしょうか。フランクフルト放送響のふっくらとした響きも随所に溢れる、聴きどころたっぷりの注目盤です。今後も次々とリリースが予定されているテツラフ。目が離せません!
録音 フランクフルト・アルテ・オパーライヴ録音 2008年9月…2-4, 2009年2月…1&5-7

ODE-1169
\2300
エイノユハニ・ラウタヴァーラ:児童合唱のための作品集
 1.マルヤッタ、いやしい娘(1977)/2.大工の息子(1975)/
 3-6.ロルカの詩による組曲(1973)
  <指導者の歌/悲鳴/月が覗いた/マラゲーニャ>/
 7-9.ロルレイ(1973)
  <男の子はなにでできている?/ブタさんは森へ行け/親指男がブタをつかまえた>/
 10.無邪気なワルツ/11-15.もしも世界が開かれるなら/
 16.愛は決して失敗しない/17-23.子どものためのミサ曲
タピオラ合唱団 他/
パシ・ヒヨッキ(指揮)
「子どものための合唱曲」とはいえ、現代屈指の神秘的作風を持つラウタヴァーラ(1928-)のこと、ものすご〜く面白い曲が聴けること間違いありません。それは第1曲目の「マルヤッタ」からイケイケです。北欧の叙事詩「カレワラ」からラウタヴァーラ自身がテキストを起こし、1幕の神秘劇に仕立てたこの作品、以前、BISレーベルからラウタヴァーラの朗読による演奏もリリースされていますが、この演奏はもっともっとコクがあり、印象深い肉付けがされています。また「大工の息子」はタイトル通り、イエスの誕生の喜びを歌ったもの。ロルカの詩による組曲は、比較的知られた作品です。その他、どれも民謡をベースにしながら、現代的な和声と、清冽な響きが求められる難曲をタピオラ合唱団が完璧に歌いこなしています。
<タピオラ合唱団>
世界でもトップクラスの人気、才能を誇る児童合唱団。1963年に、小学校の音楽教師であり、フィンランド屈指の音楽一家出身のエルッキ・ポホヨラ氏が創設(。その翌年にはコダーイとオルフが指導するために訪れています)。9歳から18歳までのフィンランド中から集まった才能ある子どもたちがメンバーとなり、民謡から現代曲、ジャズまで幅広いレパートリーを持ち、その歌声は世界中から愛されています。録音 2010年3月13-14日,10月9-10日…1-9.17-23, 2011年1月16日…10-1

ONDINE


ODE-1187
\2300
ソイレ・イソコスキ R・シュトラウス:歌曲集
 1.万霊節 Op.10-8/2.美しく、しかし冷たい空の星よOp.19-3/
 3.夜Op.10-3/4.私は恋を抱いてOp.32-1/5.ダリアOp.10-4/
 6.ああ恋人よ、私は別れなければならないOp.21-3/
 7.私の眼Op.37-4/8.わが子にOp.37-3/9.母親の自慢Op.43-2/
 10.私の思いの全てOp.21-1/11.セレナードOp.17-2/
 12.献呈Op.10-1/13.ばらのリボンOp.36-1/
 14.二人の秘密をなぜ隠すのかOp.19-4/
 15.あなたは私の心の王冠Op.20-2/16.私の心は沈黙し冷えるOp.19-6/
 17.解き放たれてOp.39-4/18.あしたにOp.27-4/
 19.ツェツィーリエ Op.27-2/
 20.オフィーリアの歌-どうしたらほんとの恋人を見分けられるだろうOp.67-1/
 21.オフィーリアの歌-おはよう、今日は聖ヴァレンタインの日Op.67-2/
 22.オフィーリアの歌-彼女は布もかけずに棺台にのせられOp.67-3/
 23.あおいOp.post
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)/
マリア・ヴィータサロ(ピアノ)
 フィンランドの名リリックソプラノ、ソイレ・イソコスキが歌うR.シュトラウス(1864-1949)の歌曲集です。彼女は以前、管弦楽伴奏歌曲集(ODE-982)で感動的な歌唱を聴かせましたが、今回は長年のデュオ・パートナーであるヴィータサロとの共演。彼女自身も「私の声にシュトラウスは良くあいます」と語るほど、この作曲家に思い入れが強いようです。「献呈」や「チェツィーリエ」、「明日に」などの有名な歌曲を始め、「万霊節」や「オフィーリアの歌」など、シュトラウスの初期の作品から晩年に至るまで万遍なく選ばれた1曲1曲に彼女の思いが詰まっています。また、シュトラウスのお気に入りであったソプラノ、マリア・イエリッツァのために書かれた最晩年の作品「あおい」では、簡素な曲の中に揺蕩う色香が存分に表現されていて、これまた名唱です。録音 2011年7月30日-8月2日イェルヴェンパー・ホール

ODE-1207
\2300
ドミトリ・ホロストフスキー ラフマニノフ:歌曲集
 1.聖なる僧院の門の傍らに/2.おまえは覚えているか、あの夕べを?/
 3.いや、お願いだ、行かないでOp.4-1/4.朝Op.4-2/
 5.夜の静けさにOp.4-3/6.ああ、私の畑よOp.4-5/
 7.わが子よ、おまえは花のように美しいOp.8-2/8.夢Op.8-5/
 9.私はあなたを待っているOp.14-1/10.私は彼女の家に行ったOp.14-4/
 11.私を信じるな、わが友よOp.14-7/12.彼女は真昼のように美しいOp.14-9/
 13.私の胸のうちにOp.14-10/14.春の洪水Op.14-11/
 15.時は来たOp.14-12/16.彼女たちは答えたOp.21-4/
 17.ミュッセからの断片Op.21-6/18.ここは素晴らしい場所Op.21-7/
 19.何という苦しさOp.21-12/20.私は全てを奪われたOp.26-2/
 21.息がつけるでしょうOp.26-3/22.キリストは起き上がりぬOp.26-6/
 23.私はふたたびただひとりOp.26-9/24.夜は悲しいOp.26-12/
 25.昨日私たちは会ったOp.26-13/26.全ては過ぎ去りOp.26-15
ドミトリ・ホロストフスキー(バリトン)/
イヴァリ・イルヤ(ピアノ)
 日本にも度々来日し、その蠱惑的な歌唱で聴衆を魅了する名バリトン、ホロストフスキーがONDINEレーベルに登場です。記念すべき初リリースは、彼が最も愛する作曲家の一人であるラフマニノフ(1873-1943)の歌曲集で、ピアノを伴奏するのは、彼と長年デュオ・パートナーを務めるイヴァリ・イルヤであり、まさに万全を尽くした最強のアルバムと言えるでしょう。繊細な感情表現と幅広い声、そしてカリスマ的な魅力を持つホロストフスキーの歌うラフマニノフは、この作曲家の本質が歌曲にあることを、改めて認識させてくれるのに存分な資質を備えています。今後の彼の録音ですが、チャイコフスキー、ムソルグスキー、タネーエフなどのロシア・アルバムが予定されています。

ONDINE


ODE-1183
\2300
エリッキ=スヴェン・トゥール:覚醒 他
 1.混声合唱と室内管弦楽団のための「覚醒」(2011)/
 2.無伴奏合唱のための「さすらい人の夕べの歌」(2001)/
 3.弦楽オーケストラのための「インスラ・デセルタ」(1989)
エストニア・フィルハーモニック室内合唱団…1.2/
シンフォニエッタ・リーガ…1.3/
ダニエル・ロイス(指揮)
ヨーロッパの神秘、バルト三国エストニアの作曲家エルッキ・スヴェン・トゥール(1959-)の最新作です。
彼はタリンで最初の音楽教育を受け、1979年から1984年までは「In Spe」というロック・グループを結成し、エストニアで大人気を獲得しました。しかし、作曲に専念するためにバンドを脱退。様々なオーケストラやアンサンブルから委嘱を受け、たくさんの作品を書いています。彼の作風は、確かに様々な様式の折衷でもあり、よく言われるようにプログレの影響を受けてもいますが、常に発展的で、多くの示唆に富むものでもあります。このアルバムは彼の合唱作品と弦楽合奏の作品を収録していて、中でも注目は「覚醒」と題された2011年の最新作です。自然の再生、春の神秘から着想を得て、そこにキリスト教の概念と古代エストニアにおける神の存在、それらを巧みに描いたものであり、湧き上がるようなオーケストラの音色と溶け合う美しい合唱に思わず心を捉えられることは間違いありません。七色の光のように乱舞する音。その響きの美しさの中に紛れこむ独特の和声は、確かに耳を欹てるのに充分なものを持ち、聴き手の脳をも覚醒させるパワーを備えています。さすらい人の夕べの歌はエルンスト・エンノの詩による合唱作品で、2001年、合唱団の20周年を記念して書かれたものです。また「インスラ・デセルタ」は1989年に作曲され、トゥールが西側で初めて大成功を収めた記念碑的な作品です。ダニエル・ロイスは1961年オランダ生まれの指揮者で、合唱音楽のスペシャリスト。2008年からこの合唱団の芸術監督を務めています。録音 2011年5月31日-6月3日エストニア タリン,メソジスト教会
Apotheosis: The Best of Einojuhani Rautavaara
ODE-1081
\2000→¥1690
ベスト・オブ・エイノユハニ・ラウタヴァーラ
 1-3.カントゥス・アルクティクス「鳥と管弦楽のための協奏曲」Op.61/
 4.クラリネット協奏曲より第2楽章Adagio assai/
 5.秋の庭より第3楽章Giocoso e leggiero/
 6.マンハッタン三部作より第1部白昼夢/
 7.ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物」より第3楽章Energico/
 8.交響曲第7番「光の天使」より第3楽章Come un sogno/
 9.アポテオシス
リチャード・ストルツマン(クラリネット)…4/
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団…1-8/
ウラディーミル・アシュケナージ(指揮…5&ピアノ…5.7)/
レイフ・セーゲルスタム(指揮)…1-4.6.8/
スウェーデン放送交響楽団…9/
ミッコ・フランク(指揮)…9
ヘルシンキに生まれ、最近では「癒し系」としても人気急上昇中のラウタヴァーラ。しかし、彼の作品はそのような言葉では語り尽くせない多面性を持っています。初期はセリー主義に傾倒していたり、「カントゥス・アルティクス」のようにテープ録音を用いたものもよく知られていますし、彼の名を高めた「天使」シリーズなどの神秘的な曲は、アルヴォ・ペルトと並ぶ人気を保っています。このアルバムでは、そんな彼の多彩な作品を楽しめます。なお、トラック9のアポセオシスは、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキが、最新映画「ル・アーブル」のサウンド・トラックとして使用したことで俄然注目を浴びています。元来は交響曲第6番「ヴィンセンティアーナ」の終楽章ですが、映画音楽のために書かれたかのような重厚な音楽であり、不思議な感動が押し寄せる問題作です。

ORCHID CLASSICS


ORC100018
\2000
ジェームズ・ギルクリスト
 シューベルト:歌曲集「冬の旅」D911
ジェームズ・ギルクリスト(T)/
アンナ・ティルブロック(ピアノ)
 美しき水車屋の娘(ORC100006),白鳥の歌(ORC100013)に続くギルクリストのシューベルト(1797-1828)歌曲集です。ここでの旅人は一人静かに黙々と道を歩み、時に立ち止り、かじかむ手に息をかけ、自らを温めようとするかのよう。モノクロの世界に完全に溶け込む男の姿が見えてきます。そんな声を支えるピアノが、また表現力豊かで美しく、降りしきる雪から菩提樹の優しい葉擦れ、つかの間の日の光・・・それらを映し出してくれるのです。「春の夢」でのまるで子守歌のような音楽と心の対話を願うというギルクリストの言葉に頷きながら、しんみりと自らを省みたい時に聴きたい1枚です。シューベルトの奥深さを実感させてくれることでしょう。録音 2010年5月13-14日サフォーク ポットン・ホール

ORC100019
\2000
ロアルド・ダール(音楽:エレアノア・アルベルガ):
 「白雪姫と七人の小人たち」
ダニー・デヴィート/
ジョアンナ・ラムレー/
グリフ・リース・ジョーンズ/
タリアセン管弦楽団/
ピーター・アシュ(指揮)
 あの「チャーリーとチョコレート工場」の原作者として知られるロアルド・ダールが「白雪姫」の物語を若干ブラックに翻案したお話に、E.アルベルガが音楽をつけた音楽劇です。前奏曲が始まった途端に、聴き手は音の魔法をかけられます。各々の曲は登場人物の性格をきちんと反映していて、白雪姫は若々しく、気まぐれであり、罪のない夢想家として書かれています。ぬるま湯のような宮殿から恐怖と暴力の世界へと足を踏み入れることで彼女がどう変化するのでしょう。継母は冷たくひねくれていて、森は深くて暗く、鏡は不思議で豪壮です。もちろん、現代の「白雪姫」は王子の接吻で毒が抜けるわけでもなく、もっとしたたかなのですが。この作品は1994年にロンドン交響楽団とF・ウェルザー=メスト、今回もナレーションを担当しているグリフ・リース・ジョーンズらに拠って上演され、その収益は子供たちのための基金へと送られました。録音 1998年7月23-24日ロンドン ヘンリー・ウッド・ホール

ORC100020
\2000
ジョナス・ヴィトー
 ブラームス:ピアノ小曲集
 1.狂詩曲第1番ロ短調 Op.79-1/2.狂詩曲第2番ト短調 Op.79-2/
 3.間奏曲第1番変ホ長調Op.117-1/4.間奏曲第2番変ロ短調 Op.117-2/
 5.間奏曲第3番嬰ハ短調 Op.117-3/6.間奏曲イ短調 Op.118-1/
 7.間奏曲イ長調 Op.118-2/8.バラードト短調 Op.118-3/
 9.間奏曲ヘ短調 Op.118-4/10.ロマンスヘ長調 Op.118-5/
 11.間奏曲変ホ短調 Op.118-6/12.間奏曲ロ短調 Op.119-1/
 13.間奏曲ホ短調 Op.119-2/14.間奏曲ハ長調 Op.119-3/
 15.狂詩曲変ホ長調Op.119-4/16.間奏曲ホ長調 Op.116-6
ジョナス・ヴィトー(ピアノ)
 ブラームス(1833-1897)は活動の初期にピアノ曲をいくつか書いたものの、その後、ほとんど独奏曲を書くことはありませんでした。しかし晩年を迎えてから、突如泉が溢れるかのように立て続けに小品集を作曲、そのどれもが傑作であり、深い内省に満ちた静けさを湛えています。その後の彼はOp.119の「4つの小品」を書いてからは、秋の夕暮れのような2曲のクラリネット・ソナタと、あまりにも渋すぎる「4つの厳粛な歌」を最後に、作品番号のついた曲は書いていません。そんなブラームスの、いわば心の声ともいえる小さな曲を、ヴィトーは丁寧に演奏しています。一つ一つの音を噛みしめるように、また音の世界へ踏み込んでいくかのように、重いタッチでじっくり聞かせてくれます。ほとんどが5〜6分の短い曲ですが、そこに詰まっている言葉の多いこと。まさに祈りの音楽がここにあります。録音 2009年2月25-28日フランス パリ IRCAM

phil.harmonie


PHIL-06018
\2300→¥2090
ラデク・バボラク&ベルリン・バロック・ゾリステン
 ゼレンカ&テレマン作品集

 1.ゼレンカ:
  2つのホルン、2つのオーボエ、ファゴット、弦楽と
  通奏低音のためのカプリッチョ第3番ヘ長調 ZWV184/
 2.テレマン:
  ホルンと弦楽のための協奏曲ニ長調 TWV51:D8/
 3.テレマン:
  2つのホルン、2つのヴァイオリンと弦楽のための協奏曲変ホ長調TWV54:Es1/
 4.テレマン:
  2つのホルンと弦楽のための協奏曲ニ長調 TWV52:D2/
 5.テレマン:序曲(組曲)ト短調「ミュゼット」
ラデク・バボラク(ホルン)/
ベルリン・バロック・ゾリステン
通常「序曲」というと、何か物語が始まる前に奏されるものとして認識されていますが、バロックの時代には「いくつかの舞曲が組になった曲集」を意味した自由度の高いもので、ドイツ、フランス、イタリア、そしてポーランドの音楽までをも熟知していたテレマンにおいては、自らの想像力を発揮させるのに極めて適した分野の音楽だったことは間違いなく様々な形の序曲(組曲)を数多く生み出しました。また多くの楽器を弾きこなしたテレマン(1681-1767)は協奏曲でも抜群に楽器の扱いがうまく、彼の協奏曲では各々の楽器が大活躍し、華々しくその技巧を競っていることで知られています。
一方ゼレンカ(1679-1746)はボヘミアで生まれ、ザクセンで没した作曲家で宗教音楽の大家として知られていますが、彼のトリオ・ソナタはJ.S.バッハが高く評価したほどの完成度の高さを誇っています。
このアルバムでは現在「最も上手い」ホルン奏者ラデク・バボラクとベルリン・バロック・ゾリステンが共演。文句なしのアンサンブルを披露しています。

PHIL-06011
\2300→¥2090
天才コーリャ・ブラッハー、登場!
 シューマン:ヴァイオリン協奏曲

  1-3.ヴァイオリン協奏曲ニ短調 WoO23/
  4-6.ヴァイオリン・ソナタイ短調 Op.105/
  7-9.3つのロマンスOp.94
コーリャ・ブラッハー(ヴァイオリン&指揮…1-3)/
マーラー室内管弦楽団…1-3/
ヴァシリー・ロバノフ(ピアノ)…4-9
シューマン(1810-1856)の晩年の名作「ヴァイオリン協奏曲」を中心にした1枚です。
さて、ここでヴァイオリンを弾き振りしているコーリャ・ブラッハー。彼はベルリンで作曲家ボリス・ブラッハーの息子として生まれ、15歳でニューヨークに渡り、ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイに師事します。その後シャンドール・ヴェーグの教えも受けています。20歳の時、史上最年少でベルリン・フィルの第1コンサート・マスターに就任したことで世界的に話題になりました。6年後ベルリン・フィルを退団してからは、ソリスト、室内楽奏者として世界的に活躍しています。指揮者アバドの信頼も厚く、数多くの共演もこなしていることで知られています。今回、マーラー室内管との共演は、その良好な関係が認められることでしょう。
ブラッハーはオーケストラの機動力を存分に生かし、第1楽章から自在にテンポを動かして、時には激しく、第2主題ではまるでむせび泣くかのような濃厚な表現を聴かせています。
ヴァイオリン・ソナタと3つのロマンスは、ピアノの伴奏であるために、若干風通しがよくなっていますが、重苦しい情感は、シューマンの満たされぬ思いを120%伝えているかのようです。
録音 2007年11月7-8日…1-3, 2010年9月26-27日…4-9

PHOENIX EDITION

CAPRICCIO人気タイトルがPhoenix Editionから再発売!!

CPE Bach: Piano Sonatas
PE-451
\2000→¥1790
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤音楽作品集
 1-3.ソナタイ短調 Wq.50/3/4-6.ソナタト長調 Wq.50/2/
 7-9.ソナタ二短調 Wq.50/4/10.アレグロト長調 Wq.113 H.193/
 11.アリオーソハ長調 Wq.113 H.194/12.ファンタジア二短調 Wq.113 H.195/
 13.メヌエットヘ長調 Wq.113 H.196/14.アラ・ポラッカイ短調 Wq.113 H.197/
 15.アレグレット二短調 Wq.113 H.198/
 16.アラ・ポラッカニ長調Wq.113 H.199/17.アレグレットイ長調 Wq.113 H.200/
 18.アンダンテとソステヌートト短調 Wq.113 H.201/
 19.プレスト変ロ長調 Wq.113 H.202/20.アレグロ二短調 Wq.113 H.203/
 21.アレグロ・ディ・モルト二短調 Wq.114 H.228/
 22.アンダンテとグラジオーソ変ロ長調 Wq.114 H.229/
 23.プレストハ短調 Wq.114 H.230/24.メヌエットト長調 Wq.114 H.231/
 25.アラ・ポラッカニ長調Wq.114 H.232/26.アラ・ポラッカ変ホ長調 Wq.114 H.233/
 27.ファンタジア二短調 Wq.114 H.234/28.アレグロホ長調 Wq.114 H.235/
 29.アレグレットイ長調 Wq.114 H.236/30.アンダンテハ長調 Wq.114 H.237/
 31.ポコ・アレグロホ短調 Wq.114 H.238  
リンダ・ニコルソン(クラヴィコード)
※CAPRICCIO 既発盤より移行
CPE Bach: Flute Sonatas
PE-452
\2000→¥1790
C.P.E.バッハ(1714-1788):フルート・ソナタ集
 1-3.フルート・ソナタト長調 Wq.134 H.548/
 4-6.フルート・ソナタホ短調 Wq.124 H.551/
 7-9.フルート・ソナタト長調 Wq.127 H.554/
 10-12.フルート・ソナタニ長調 Wq.129 H.556/
 13-15.フルート・ソナタイ短調 Wq.128 H.545/
 16-17.フルート・ソナタト長調 Wq.133 H.564
エッカルト・ハウプト(フルート)/
ジークフリート・パンク(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
アルミン・タールハイム(チェンバロ)
※CAPRICCIO 既発盤より移行
CPE Bach: Vocal Works
PE-453
(2CD)
\2600→¥2290
C.P.E.バッハ(1714-1788):声楽作品集
〈CD1〉
 1-9.クロップシュトックの「春の祝い」からの朝の歌 Wq.239 H.779/
 10-22.クリスマス・カンタータ「あなたにむかって」Wq.249 H.815/
 23-30.慈悲深きあなたを崇拝しますWq.243 H.807/
 31-32.聖なるかなWq.217 H.778/
〈CD2〉
 1-16.Herrn Pastors Gasie Einfuhrungsmusik Wq.250 H.821 /
 17.Wer ist so wurdig als du, Wq. 222 H.831/
 18-35.Der Herr lebet, Wq.251 H.821g
バルバラ・シュリック(ソプラノ)/
ヨハンナ・コスロフスキー(ソプラノ)/
ヒルケ・ハイリング(アルト)/
ヴィルフリート・ヨッヘンズ(テノール)/
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス)/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
※CAPRICCIO 既発盤より移行
CPE Bach: The Resurrection and Ascension of Jesus
PE-456
(2CD)
\2600→¥2290
C.P.E.バッハ(1714-1788):オラトリオとカンタータ
〈CD1〉
 1-16.オラトリオ「イエスの復活と昇天」Wq.240/
〈CD〉
 1-6.オラトリオ「イエスの復活と昇天」Wq.240(続き)/
 7-12.復活祭カンタータWq.244
バルバラ・シュリック(ソプラノ)…オラトリオ/
クリストフ・プレガルレィエン(テノール)…オラトリオ/
シュテファン・ヴァーコー(バス)…オラトリオ/
マルティナ・リンス(ソプラノ)…カンタータ/
パウル・エリオット(テノール)…カンタータ/
ゴットホルト・シュワルツ(バス)…カンタータ/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
ヨハン・セバスチャン・バッハ(大バッハ)は、子だくさんの作曲家としても知られています。先妻マリア・バルバラとの間に7人、後妻アンナ・マグダレーナとの間に13人!その全てが成人したわけではありませんが、なんとも賑やかな一家だったことは想像に難くありません。息子たちのほとんどは音楽家として成功を収めましたが、中でも優秀だったのが、二男であるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハでした。彼はフリードリヒ大王の宮廷音楽家兼チェンバリストとして活躍し、1967年からは父バッハの友人であったテレマンの公認としてハンブルクの教会総監督となります。作曲様式も受け継ぎ、ギャラント様式を追求。多くの作品を書きました。当時目まぐるしく変化した時代の潮流に乗り、ハイドンやモーツァルトにも影響を与え、18世紀の後半「バッハ」と言えば彼のことを指すほどに、賞賛を浴びていたのです。「ベルリンのバッハ」、「ハンブルクのバッハ」と呼ばれます。※CAPRICCIO 既発盤より移行
Boccherini: Symphonies
PE-460
(2CD)
\2600→¥2290
ボッケリーニ(1743-1805):交響曲集
〈CD1〉
 1-4.交響曲第13番ハ長調 Op.37-1 G515/
 5-8.交響曲第15番ニ長調 Op.37-3 G517/
 9-12.交響曲第16番イ長調 Op.37-4 G518/
〈CD2〉
 1-4.交響曲第17番ハ短調 Op.41 G519/
 5-8.交響曲第18番ニ長調 Op.42 G520/
 9.交響曲第19番(序曲) ニ長調Op.43 G521/
 10-13.交響曲第20番ニ短調 Op.45 G522
新ベルリン室内管弦楽団/
ミヒャエル・エルクスレーベン(指揮)
録音 1992年5月.6月ベルリン放送 ※CAPRICCIO 既発盤より移行
Boccherini: String Quartets & String Quintets
PE-463
(2CD)
\2600→¥2290
ボッケリーニ(1743-1805):弦楽四重奏曲&五重奏曲集
〈CD1〉
 1-3.弦楽四重奏曲第90番ヘ長調 Op.64-1 G248/
 4-5.弦楽四重奏曲第19番ニ長調 Op.15-1 G177/
 6-8.弦楽四重奏曲第36番ト短調 Op.24-6 G194/
 9-12.弦楽四重奏曲第55番イ長調 Op.39 G213/
〈CD2〉
 1-3.弦楽五重奏曲第15番イ長調Op.60-3 G393/
 4-6.弦楽五重奏曲第23番ニ長調 Op.62-5 G401/
 7-10.弦楽五重奏曲第62番ニ長調 Op.31-2 G326/
 11-13.弦楽五重奏曲第16番ニ短調 Op.13-4 G280
ペーターゼン弦楽四重奏団/
ウルリッヒ・クネルツァー(第2ヴィオラ)…CD2/
グィド・シーフェン(第2チェロ)…CD2
録音 1991年11.12月…CD1, 1992年12月…CD2 ※CAPRICCIO 既発盤より移行
Boccherini: Guitar Quintets
PE-466
(2CD)
\2600→¥2290
ボッケリーニ(1743-1805):ギター五重奏曲集
〈CD1〉
 1-4.ギター五重奏曲第1番ニ短調 G445/
 5-7.ギター五重奏曲第2番ホ長調 G446/
 8-11.ギター五重奏曲第3番変ロ長調G447/
〈CD2〉
 1-3.ギター五重奏曲第4番ニ長調「ファンダンゴ」G448/
 4-7.ギター五重奏曲第5番ニ長調 G449/
 8-11.ギター五重奏曲第6番ト長調 G450
ジャン=ピエール・ジュメス(ギター)/
ディモフ弦楽四重奏団
※CAPRICCIO 既発盤より移行
Boccherini: String Sextets & Opera Con Tituli
PE-469
(2CD)
\2600→¥2290
ボッケリーニ(1743-1805):弦楽六重奏曲&室内楽作品集
〈CD1〉
 1-4.弦楽六重奏曲Op.23-4 ヘ短調G457/
 5-7.弦楽六重奏曲Op.23-1 変ホ長調G454/
 8-11.弦楽四重奏曲Op.23-6 ヘ長調 G459/
 12-15.弦楽六重奏曲Op.23-3 ホ長調G456/
〈CD2〉
 1-5.弦楽五重奏曲ハ長調「マドリードの夜警隊の行進」Op.30-6 G324/
 6-7.弦楽四重奏曲ト長調 「暴君」Op.44-4 G223/
 8-11.二重奏曲第7番変ホ長調 「ラ・ボンナ・ノッテ」G62/
 12-13.弦楽五重奏曲第72番ヘ長調 Op.36-6 G336
マユミ・ザイラー(ヴァイオリン)/
イリス・ジューダ(第2ヴァイオリン)/
ジルヴィア・ヴァルヒ(第2ヴァイオリン)…CD2/
ディエムート・ポッペン(ヴィオラ)/
リチャード・レスター(チェロ)/
ハワード・ペニー(第2チェロ)
録音 ベルリン ジーメンス・ヴィラ1992年1月13-16日…CD1, 1993年2月22-26日…CD2 ※CAPRICCIO 既発盤より移行
Boccherini: Divertimenti & Oboe Quintets
PE-472
(2CD)
\2600→¥2290
ボッケリーニ(1743-1805):ディヴェルティメント&オーボエ五重奏曲集
〈CD1〉
 1-4.ディヴェルティメント第1番Op.16-1 G461/
 5-8.ディヴェルティメント第4番Op.16-4 G464/
 9-12.ディヴェルティメント第5番Op.16-5 G465/
 13-16.ディヴェルティメント第6番Op.16-6 G466/
〈CD2〉
 1-2.オーボエ五重奏曲第13番ト長調 Op.55-1 G431/
 3-4.オーボエ五重奏曲第14番へ長調 Op.55-2 G432/
 5-6.オーボエ五重奏曲第15番ニ長調 Op.55-3 G433/
 7-8.オーボエ五重奏曲第16番イ長調 Op.55-4 G434/
 9-11.オーボエ五重奏曲第17番変ホ長調 Op.55-5 G435/
 12-13.オーボエ五重奏曲第18番ニ長調 Op.55-6 G436
エッカルト・ハウプト(フルート)…CD1/
ミ=キュン・リー(ヴァイオリン)…CD1/
ジルヴィア・ヴァルヒ(ヴァイオリン)…CD1/
ディエムート・ポッペン(ヴィオラ)…CD1/
ルードヴィヒ・クヴァント(チェロ)…CD1/
ゲッツ・トイチュ(チェロ)…CD1/
エスコ・ライネ(コントラバス)…CD1/
ラオシュ・レンチェス(オーボエ)…CD2/
パリジー弦楽四重奏団…CD2
そんなボッケリーニ。本当は古典派時代のイタリアを代表する器楽作曲家なのです。プッチーニの生地でもあるイタリア、ルッカに生まれ、父レオポルドから弦楽器の指導を受けた彼、はじめはチェロ奏者としてパリを拠点で活躍していましたが、数多くの弦楽四重奏曲などが認められ、1769年にスペインの宮廷に招かれ、ドン・ルイス皇子付きの奏者兼作曲家となり、マドリッドで残りの半生を送りました。しかし、ドン・ルイス皇子の死後は失職し、寂しくこの世を去ったとされています。本人がチェロの名手であったため、当時は通奏低音を奏でる役割がほとんどであったチェロ・パートを恐ろしいまでに充実させた「弦楽五重奏曲」を多数作曲、時にはヴァイオリン・パートよりも目立つ音楽を与えていることでも知られます。またスペイン音楽を見事に取り入れた「ファンダンゴ」などの作品も素晴らしく、同時期のハイドン、モーツァルトとは異彩を放つ存在として、もっと知られてもいい作曲家でしょう。録音 1992年6月12-14日 ※CAPRICCIO 既発盤より移行

RONDEAU


ROP-7012-13
(2CD)
\2600→¥2390
ハノーファー少年合唱団/コンチェルト・パラティーノ/ムジカ・アルタ・リパ
 モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り(1610年版)
ヴォクス・ヴェルデンシス/
ヒムリッシェ・カントライ/
ハノーファー少年合唱団/
コンチェルト・パラティーノ/
ムジカ・アルタ・リパ/
イェルク・ブライディング(指揮)
 モンテヴェルディ(1567-1643)の「聖母マリアの夕べの祈り」は、最近では多くのグループが、編成の大小や曲順など様々な研究に基づいた演奏を録音しています。この録音では、ハノーファー少年合唱団の高水準で美しいコーラスと、ヤン・コボウらによる独唱グループによる声の交叉が魅力的。そして演奏全体に漂う純粋で素朴な雰囲気が独特の色彩を放っており、祈りの呼吸をそのまま演奏に移したような自然な流れを作っています。この作品に欠かせないコルネット&サックバットには、ブルース・ディッキー率いるコンチェルト・パラティーノが参加しており、彼らの奏でる音色もひときわ柔らかで、全体をさらに美しく密度の濃い演奏として仕上げています。録音 2010年5月24日ライブ録音 ヒルデスハイム 聖ミヒャエル教会

Sono Luminus


DSL-92138
\2300
ウィーンのイタリア人-マウロ・ジュリアーニ:作品集
 1-4.協奏的大二重奏曲Op.85/5-8.セレナードOp.127/
 9-12.大セレナードOp.82/13-15.協奏的大二重奏曲Op.52
ルイーズ・シュルマン(ヴィオラ)/
ビル・ジート(ギター)
 この「ウィーンのイタリア人」と題されたアルバムは、イタリアに生まれ19世紀の初めにウィーンへ移住した名ギタリスト、ジュリアーニ(1781-1829)の作品集です。彼はベートーヴェンとも交友があったことで知られ、古典派様式のギター作品、とりわけ変奏曲形式の曲を多数作曲しました。彼の室内楽作品は、ギターとフルート、もしくはヴィオラという組み合わせが多いのですが、ここではヴィオラとギターのデュエットという、極めて落ち着いた音色を用いた作品が収録されています。古典派の作風に、彼が影響を受けたロッシーニ風のベルカント唱法を思わせる息の長いメロディが組み合わさった魅力的な作品です。ここで演奏しているシュルマンとジートは、既に数多くのリサイタルでジュリアーニの作品を取り上げていて、その妙技は多くの人の心を捉えています。
Violin for One
DSL-92139
\2300
ヴァイオリンただ一人
 1.ミルシテイン(1904-1992):パガニーニアーナ/
 2.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番よりシャコンヌ/
 3.シュニトケ(1934-1998):ア・パガニーニ/
 4.イザイ(1858-1931):ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調「バラード」Op.27-3/
 5-8.プロコフィエフ(1891-1953):2つのヴァイオリンのためのソナタハ長調 Op.56
スタニスラフ・プローニン(ヴァイオリン)
 ロシアの若きヴァイオリニスト、スタニスラフ・プローニンのデビュー・アルバムです。プローニンは、ロシアの音楽一家で生まれ、祖父(エミール・ギレリス、レオニード・コーガン、そしてショスタコーヴィチの親友であった)から最初のヴァイオリン教育を受け、順当にその資質を開花させていき、現在では「最も才能あるヴァイオリニスト」の一人として揺るぎない名声を確立しています。ここで彼が選んだプログラムは全て無伴奏作品。バッハからシュニトケまで幅広い時代を包括、その上プロコフィエフの作品は、多重録音によるもので、ここでは彼の天賦の才能と、類い稀なる集中力を耳にすることができるでしょう。
Gulsin Onay plays Liszt, Haydn & Schubert
DSL-92140
\2300→¥2090
ギュルスィン・オナイ/リスト,ハイドン,シューベルトを弾く
 1.リスト(1811-1886):ドニゼッティの行進曲による大パラフレーズ
  (スルタン・アブデュルメジト・ハーンのため)/
 2.ハイドン(1732-1809):
   ピアノ・ソナタ ヘ短調 「ピッコロ・ディヴェルティメント - 変奏曲」Hob.XVII:6/
 3.リスト:巡礼の年第2年イタリアより第7番「ダンテを読んで」/
 4-7.シューベルト(1797-1828):ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D958/
 8.リスト:3つの演奏会用練習曲第2番ヘ短調「軽やかさ」
ギュルスィン・オナイ(ピアノ)
 トルコのピアニストと言えば、イディル・ビレットがおなじみですが、このギュルスィン・オナイも素晴らしい才能の持ち主です。数多くのオーケストラと共演、また世界各国でのリサイタル活動。もちろん共演した指揮者や演奏家は数知れず。その中にはアシュケナージ、メッツマッヒャー、クリヴィヌ、セレブリエール、シナイスキーなどのビッグネームも含まれています。
 彼女のレパートリーは、バッハ、スカルラッティから現代音楽までと幅広く(師匠であるA.サイグンのピアノ協奏曲第2番は彼女に捧げられています)、どんな時代の音楽でも、柔軟にその世界に入り込み、多彩な音色で曲を描き出します。このアルバムでは、ハイドン、シューベルト、リストという古典派からロマン派にかけての、オーソドックスなレパートリーに取り組んでいますが、やはり演奏は飛びぬけたものであり、最初のリストの「大パラフレーズ」から目もくらむような技巧と怪しい世界観を見せてくれます。ハイドンやシューベルトに不気味さを感じさせるとは!これは面白いです。
 録音 2011年3月15-17日
Ames Piano Quartet play Hahn, Schmitt & Dubois
DSL-92141
\2300→¥2090
エイムズ・ピアノ四重奏団
 1-4.アーン(1874-1947):ピアノ四重奏曲第3番ト長調/
 5-8.フローラン・シュミット(1870-1958):偶然Op.96/
 9-12.テオドール・デュポワ(1837-1924):ピアノ四重奏曲イ短調
エイムズ・ピアノ四重奏団
 世界でも数少ない、独立した「ピアノ四重奏団」として活動を続けるエイムズ・ピアノ四重奏団による、知られざる3つの四重奏曲です。
 親しげな表情で幕を開けるアーンの四重奏は、まるで5月の青空のような清々しさを運びます。このテーマは終楽章でも重要な働きをして、全曲の統一感を醸し出しています。サロン風と言われてしまうこともありますが、この美しさはやはり捨てがたいものです。フローラン・シュミットは、どの曲にもふんだんに音を使うことで知られる作曲家。この曲もモダンな響きを持ち、躍動的な音の動きと、充実した低音部に聴きどころが多く見られます。印象派の音楽ともまた違った神秘的な雰囲気がくせになります。デュポアは、1871年からパリ音楽院の教員を務め、先の2人を指導した人です。時として、アーンよりも先進的な音を使っていたりと、なかなか面白い曲を書いています。
 録音 2010年6月17日,12月2-4日
The Kernis Project: Beethoven
DSL-92142
\2300
ベートーヴェン&カーニス:弦楽四重奏曲
 1-4.ベートーヴェン(1770-1827):
  弦楽四重奏曲第9番ハ長調「ラズモフスキー 第3番」Op.59-3/
 5-7.アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):
  弦楽四重奏曲第2番「ムジカ・インストルメンタリス」
ジャスパー弦楽四重奏団
 ジャスパー弦楽四重奏団のデビュー・アルバムです。このレーベルが得意とする「オーソドックスなレパートリーと新しいもののコンビネーション」は、このアルバムでも健在。演奏家たちの多面性を引き出すのに成功しています。極めて拡大された形式を持つベートーヴェンは、その演奏の難易度の高さでも知られてますが、彼らは若々しいパワーで、難なくこの大曲を弾ききっています。カーニスはアメリカで最も注目される現代音楽家の一人で、2002年のピューリッツァー賞の受賞者でもあります。彼の作品は、錚々たるアーティストたちが挙って取り上げ、広く愛されています。彼の弦楽四重奏曲第2番は、舞曲からインスピレーションを受けた第1楽章と第2楽章、そして明らかにベートーヴェンのフーガから影響を受けたと思われる終楽章からなり、ベートーヴェンの偉大さをリスペクトする意味も兼ねた発展的な作品です。
 録音 2011年5月7-9日
Arensky: String Quartets Nos. 1 & 2 & Piano Quintet
DSL-92143
\2300→¥2090
イン弦楽四重奏団のアレンスキー
 1-4.アレンスキー(1861-1906):弦楽四重奏曲第1番ト長調 Op.11/
 5-15.アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番イ短調 Op.35/
 16-19.アレンスキー:ピアノ五重奏曲ニ長調 Op.51
アダム・ナイマン(ピアノ)…16-19/
イン弦楽四重奏団
<メンバー>
二宮綾野(ヴァイオリン)/
ジャネット・イン(ヴァイオリン)/
フォリップ・イン(ヴィオラ)/
デヴィッド・イン(チェロ)
 ロシアの音楽界では、ある時期、先人がこの世を去った時にピアノ三重奏曲を作曲して贐とするという習わしのようなものがありました。アレンスキーも名チェリスト、ダヴィドフの追悼のために美しいピアノ三重奏曲を書きましたが、弦楽四重奏曲 第2番もチャイコフスキーの追悼のために書かれたものです。第2楽章は大規模な変奏曲となっていて、その主題はチャイコフスキー自身も大変愛していたという、歌曲「聖史曲」から取られています。アレンスキーはこの2楽章のみを後に弦楽合奏版へと書き換え、そちらは更に豊かな響きを有した佳曲として仕上がっていて、実際に演奏される機会が多いのは、こちらのヴァージョンですが、やはり、原曲の持つひそやかな佇まいは格別のものです。弦楽四重奏曲第1番は、アレンスキーが体調を崩していたとされる20代後半の作品ですが、曲の闊達さからは、そのようなそぶりは微塵も感じさせません。ピアノが加わった晩年の作品である「ピアノ五重奏曲」での華やかな響きは、19世紀後半のロシア音楽の美質を全て備えたかのような充実した音楽が聴けます。若きパフォーマーたちが集結したイン弦楽四重奏団の説得ある演奏で。
 録音 2011年5月23日
Nightbreak: Bruce Levingston
DSL-92144
\2300→¥2090
ブルース・リヴィングストン
 〜フィリップ・グラス:ドラキュラ組曲
 1.リスト(1811-1886):巡礼の年より「オーベルマンの谷」/
 2.リスト:巡礼の年より「ジュネーヴの鐘」/
 3.リスト:巡礼の年より「エステ荘の噴水」/
 4.ブラームス(1833-1897):間奏曲ホ長調 Op.116-4/
 5.ブラームス:バラードニ短調 Op.10-1/
 6.ブラームス:ワルツニ短調 Op.39-9/
 7.ブラームス=リーム(1952-):愛のワルツ/
 8-12.フィリップ・グラス(1937-):ドラキュラ組曲…世界初録音
ブルース・リヴィングストン(ピアノ)
 ピアニスト、リヴィングストンは現代音楽のスペシャリスト。前作「SHADOW」でもシューマン「クライスレリアーナ」と2つの現代音楽を並べるという独創的なプログラムで、見事なパフォーマンスを披露しましたが、今作はその上を行くプログラミングが魅力的です。人間の深層部に蠢く闇と、純真で聖なる心を音で描くという思い切ったコンセプトの1枚で、リストの巡礼の年は聖(俗も若干含む?)、ブラームスは苦悩と薄光、そしてドラキュラは暗黒とスリル。1枚通して聴くと、全くぞくぞくするような感慨に襲われるのではないでしょうか?溢れるような光から、しみじみとした深い音色、そして身震いするかのような嘲笑。音楽を聴くことに刺激を求めたい人にぴったりです。
Aldo Gavilan: Soundbites
DSL-92145
\2300
「カリブ海のモーツァルト」/アルド・ロペス・ガビラン
SOUNDBITES
 1. Ray/2. Frere Jacques/3. Oddudua/4. Bossita Rica/
 5. Woodpecker/6. Shona/7. Back to Cuba/8. The Return/
 9. Wondering/10. Autumn Ballad/11. In Some Other Place
アルド・ガビラン(ピアノ)
 アルド・ロペス・ガビランは「カリブ海のモーツァルト」と呼ばれたキューバの天才です。彼は5歳から作曲を始め、6歳から公開演奏会で歌い始めました。また12歳の時にはモーツァルトのピアノ協奏曲第13番を演奏し、17歳でキューバ国立交響楽団と共演、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を完璧に弾きこなしています。そんな彼、もちろん多くの賞を獲得し、また国際的な評価も高く、期待の若手ピアニストとして世界中から注目を集めることは間違いなさそうです。このCDでフィーチャーされた11の作品は、彼の天才を示す小さなサンプリングと言えるでしょう。古典的な音楽とジャズとブルーズの交合は、たしかに以前から多くの人が試みているものですが、逆に言えば、演奏家の感性がストレートに表出されるものであり、その周到に用意された音楽に絡め捕られると、もう抜け出せないものであると言えそうです。試しに第1曲目「RAY」を聴いてみてください。良く動く指、ミニマル音楽にも似たグルーヴ感。ジャズでもなく、クラシックでもない、まさにガビランの音楽です。
 録音 2006年10月20-26日

TOCCATA

Shostakovich: Complete Music for Piano Duo and Piano Duet Volume 1
TOCC0034
\2600→¥2290
ショスタコーヴィチ:2台&4手のためのピアノ作品全集第1集
 1-5.交響曲第9番変ホ長調 Op.70…世界初録音/
 6.映画音楽「団結(大いなる川の歌)」よりワルツOp.95d/
 7.バレエ組曲第2番から第3番「ポルカ」/
 8.コルジンキナの冒険Op.59より第3番「追跡」/
 9-12.2台ピアノのための組曲嬰ヘ短調 Op.6/
 13.タランテラOp.84d/14.メリー・マーチOp.84c/
 15.2台のピアノのためのコンチェルティーノイ短調 Op.94
※1-8…連弾, 9-15…2台ピアノ
ヴィッキー・ヤンノウラ(ピアノ)/
ヤコブ・フィケルト(ピアノ)
多くの作曲家・・・たとえばブラームス・・・がそうであったように、ショスタコーヴィチ(1906-1975)も、管弦楽作品を書く際に、まず連弾か2台ピアノ演奏版を作っていました。しかしそれらのほとんどは、演奏される機会もなく静かに眠っています。今回TOCCATAレーベルはこれらの作品を全て発掘し実際に音にしてみます。ピアニストとしても天賦の才を有していたショスタコーヴィチの創作の原点を探るシリーズ、まずは「交響曲第9番」から始めます。新しい世界が目の前に広がることでしょう。その他の小品も興味深いものばかり。「ショスタコーヴィチ・マニア」必聴です。録音 2007年7月17日.20日ハーストウッドファーム・ピアノ・スタジオ
Vissarion Shebalin: Complete A Cappella Choral Cycles
TOCC0112
\2600→¥2290
ヴィッサリオン・シェバリーン:無伴奏合唱組曲全集
 1-5.プーシキンの詩による5つの合唱曲Op.42/
 6-8.レルモントフの詩による3つの合唱曲Op.47/
 9-11.ソフロノフの詩による3つの合唱曲Op.44/
 12-17.タンクの詩による6つの合唱曲Op.45/
 18-21.イサコフスキの詩による4つの合唱曲Op.50/
 22-24.モルドバの詩による3つの合唱曲Op.52/
 25-28.我が孫たちに-子どものための4つの合唱曲/
 29-35.森の開拓地で-子どものための7つの合唱曲/
 36.映画「グリンカ」より国防市民軍兵の合唱「おお、夜明けよ」
  ※全て初録音
ロシア・コンセルヴァトワール室内合唱団/
ニコライ・コーンジンスキー(指揮)
シベリア、オムスク生まれの作曲家、シェバリーン(1902-1963)の珍しい合唱作品集です。両親ともに音楽教師という環境の元に育った彼は20歳の頃にモスクワへ行き、グリエールとミャスコフスキーに見いだされ、モスクワ音楽院で学びました。ショスタコーヴィチとも親交を結び、1920年代には現代音楽連合(AMM)のメンバーとしても名を連ねています。初期には印象派の影響を受けるも、後には社会主義リアリズム路線に転じ、チャイコフスキーの「1812年」の終結部の改変などを行っています。当局の依頼により作曲家の書いた本来の形を変え、旧ソ連国歌を挿入。今でもその形は耳にすることが可能であり、当時の「国家事情」を慮るには最適な作品と言えましょう。さて、このアルバムですが、ここには彼本来の姿であろう「控え目で楽観的」な作風が横溢する合唱作品集です。民謡風で素朴な味わいです。録音 2008年5月14.16.19日モスクワ ロシア放送曲 第1スタジオ
Phillip Ramey: Piano Music Volume 3
TOCC0114
\2600→¥2290
フィリップ・ラミー:ピアノ作品集第3集1960-2010
 1-10.組曲(1960-1963 改編1988)
  <前奏曲/アリア/スケルツォ/ガーシュウインへのオマージュ/
  喚起/行進曲/バラード/ブルレスケ/ロシア風の讃歌/トッカータ>/
 11-12.2つの小品/13.トッカータ・ジョコーサ/
 14.スラヴ風狂詩曲(ノヴゴロドのクレムリンの夜)/
 15.フォスターの主題によるブルレスケ=パラフレーズ/
 16.ディエス・イレによるバガテル/
 17.ディエベル・バニ(サハラン・メディテーション)/
 18.ブルー・ファントム/
 19.ピアノ・ソナタ第6番(幻想ソナタ)
  ※作曲家立ち会いにて初録音
スティーブン・ゴスリング(ピアノ)
アメリカのピアニスト、作家、そして作曲家であるラミー(1939-)のピアノ作品集第3集です。彼は20代の初めに、ロシアの名作曲家チェレプニンから作曲を学んだ後、アメリカへ行き、多くの音楽家たちと交友を持ちます。その中にはコープランド、バーバー、バーンスタイン、トムソンなどの作曲家や、ホロヴィッツなどの名演奏家も含まれます。そして彼は、1977年から1993年まで、ニューヨーク・フィルのプログラム・エディタとして活躍し、作曲家たちへのインタビューや、演奏などの解説をこなしていることでも知られます。このアルバムでは1960年から最近の作品までの様々な作品を聴くことが可能です。プロコフィエフやバルトークなどの新古典主義の作風による「組曲」に始まり、抒情的な「スラブ風狂詩曲」などをはさみ、技巧的で劇的なソナタ第6番で幕を閉じます。作曲家お墨付きのゴスリングによる演奏です。録音 2010年5月7.8.10日ニューヨーク パトリック・サウンド・スタジオ
TOCC0119
\2600→¥2290
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第1集
 1-7.前奏曲第1巻(1914-1917)/
 8-13.6つの組曲(エストニア組曲…1946)
  <ビリー・ゴートの踊り/ラウンド・ダンス/民謡/
  角笛の調べ/民謡で/踊りの調べ>/
 14.トッカータロ短調(1921)/15.踊りロ短調(1930)/
 16.性格的な踊り(1941)/17.ダンス=カプリース(1933)/
 18.鐘(1929)/19-21.ピアノ・ソナタ第2番(1939-1940)
ステン・ラスマン(ピアノ)
エストニア、タルトゥに生まれ、多くの作品を残したヘイノ・エッレル(1887-1970)。現在では彼の作品のほとんどは忘れられてしまい、仄かに名を残すのは「アルヴォ・ペルトの師」であったことくらいでしょうか?主にヴァイオリニストとして活躍した人ですが、ピアノ曲も多く書いていて、その量はおよそCD7枚分にも及びます。ショパン、グリーグの抒情性を受け継ぎ、そこにエストニア民謡や北欧の雰囲気を加え、時にはプロコフィエフ風のエネルギッシュさを感じさせる幅広い音楽です。録音 2008年12月11-12日オールド・グラナリー・スタジオ
Sergei Vasilenko: Complete Music for Viola and Piano
TOCC0127
\2600→¥2290
セルゲイ・ワシレンコ:ヴィオラとピアノのための作品全集
 1-4.ヴィオラ・ソナタOp.46/5.子守歌/
 6-9.古いリュート音楽から4つの小品Op.35
  <パヴァーヌ/マドンナ・テネリナ/わが心のご婦人のためのセレナード/騎士>/
 10.眠れる河/11.東洋風の踊りOp.47(アルタモノヴァ編)/
 12-16.ゾディアクス組曲
  <序曲/パッサカリア/メヌエット/嘆き/ミュゼット>/
 17-20.4つの小品(1953)<前奏曲/練習曲/伝説/スケルツォ>
エレーナ・アルタモノヴァ(ヴィオラ)/
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
帝政ロシアの最後の時代に活躍した作曲家、ワシリエンコ(1872-1956)の珍しい室内楽作品集です。彼は1888年に初めて音楽教育を受け、最初はグレチャニノフの個人指導を受けましたが、その後、タネーエフの薫陶を受け、またスクリャビンにも影響され、象徴主義や印象主義の特徴を持った音楽を書いていました。しかし、その後は様々な国の民族音楽に心惹かれ、ロシアだけでなく、極東の音楽までをも取り込み、不思議な異国趣味を感じさせる音楽を書いたことでも知られています。ここに収録された作品は、そんな彼の特徴が理解できるものばかりで、社会主義的リアリズムから背をそむけた感のある、一瞬「フォーレ?」とも思える流麗な中期の名作ヴィオラ・ソナタ(しかし和声はもっと複雑)、東洋趣味が発揮された「東洋風の踊り」など、聴きごたえのある作品が並びます。歴史に埋もれた秘曲を聴く喜びがここにあります。録音 2010年3月26.31日ロンドン ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック
TOCC0138
\2600→¥2290
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集第2集
 1-8.ロッシーニの歌劇「オテッロ」による華麗なる幻想曲Op.11/
 9.ボレロOp.16/10-11.2つのロマンスOp.15/
 12-19.ル・プレ・オ・クレールの思い出/
 20-25.束の間の思考第1部/
 26-32.ロッシーニの主題による華麗なる変奏曲
シェルバン・ルプー(ヴァイオリン)/
イアン・ホブソン(ピアノ)
知られざる「ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾ」、エルンスト(1812-1865)の作品集です。彼はベルリオーズの友人であり、また、ショパン、リスト、メンデルスゾーンとも顔なじみでした。そしてヨーゼフ・ヨアヒムは彼を「私が知る限り、最も偉大なヴァイオリン奏者」と評しています。そんな素晴らしい人だったはずなのに、現在では幾つかのアンコール・ピースが知られているに過ぎません。TOCCATAレーベルでは彼の音楽を6枚のCDに分けてリリースする予定で、第1集(TOCC0118)も大好評を持って迎えられました。変奏曲や幻想曲など、まさに超絶技巧の炸裂!華麗過ぎて演奏不可能だったのでしょうか。録音 2010年10月4.5.11.12日イリノイ大学 フォーリンジャー・グレート・ホール
John McCabe: Farewell Recital
TOCC0139
\2600→¥2290
ジョン・マッケイブ 2010年8月29日,フェアウェル・リサイタル
 1-3.シューベルト(1797-1828):ピアノ・ソナタ第14番イ短調 D784/
 4.エミリー・ハワード(1979-):空と水/
 5.ジョン・カスケン(1949-):忘れられない大きな枝/
 6-13.ラヴェル(1875-1937):高雅で感傷的なワルツ/
 14.ジョン・マッケイブ:テネブレ/
 15.フランク・ブリッジ(1879-1941):3つの叙情詩より第1番「心のやすらぎ」
ジョン・マッケイブ(ピアノ)
ジョン・マッケイブ(1939-)はイギリス、リバプール生まれの作曲家です。彼はピアニストとしても知られ、自作を含む現代音楽から、ハイドンのピアノ・ソナタまで幅広いレパートリーを持ち、素晴らしい活躍ぶりを見せています。そんな彼ですが、2010年8月29日に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を行い、半世紀にわたるピアニストとしての活動に終止符を打ちました。このアルバムはその記録となります。シューベルトのソナタ、ラヴェルの「」など、郷愁がにじみ出る一連の作品を始め、彼の友人の曲、及び自作の「テネブレ」で洒落た“別れ”を告げるマッケイブ。まだまだ活躍を期待しても良いのでしょうか???録音 2010年8月29日アンドリュー教会

TWO PIANISTS


TP-1039121
(3CD)
\3000→¥2690
ダニエル・ライスキン&ライン州立フィルハーモニー管
 ブラームス:交響曲全集
ブラームス:交響曲全集
 交響曲第1番ハ短調 Op.68
  録音 2008年9月26日コブレンツ ライン・モーゼル・ホール ライブ録音
 交響曲第2番ニ長調 Op.73
  録音 2007年9月27-28日ザルツブルク 祝祭大劇場 ライブ録音
 交響曲第3番ヘ長調 Op.90
  録音 2009年3月4日ザルツブルク 祝祭大劇場 ライブ録音
 交響曲第4番ホ短調 Op.98
  録音 2008年4月27日アムステルダム コンセルトへボウ ライブ録音
ライン州立フィルハーモニー管弦楽団
ダニエル・ライスキン(指揮)
 最近、次々と魅力的なブラームス(1833-1897)の交響曲がリリースされていますが、このライスキンの全曲盤も特筆すべき美質を備えていることは間違いありません。
 聴き手はブラームスの交響曲に何を求めるでしょうか?情熱?愛?知恵や哲学?もしくは自然や崇高なる精神性?この演奏を聴く人は誰もが、ライスキンの共感溢れる演奏によって特別な発見をすることでしょう。ライスキンは、4つの交響曲を通して、その構造、詳細、そしてバッハ、ベートーヴェンから連なる伝統を明らかにします。スコアの隅々までに目を通し、ブラームスの特性ともいえる内声を充実させ、穏やかで重厚な響きを導きだすのです。決して急ぐことのない、ゆったりとしたテンポ設定も納得の行くものであり、新奇なことをせずとも、ブラームスの心の声を描き出すのに成功しています。全ての演奏はライブであり、その会場ごとに異なる豊かな空気感と、静かな興奮、一体感も味わうことができるという、極めて幸福感に満ちた3枚組です。


旧譜
ダニエル・ライスキン

ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

4260085532353
\2600→¥2390
世界が注目する次世代の指揮者ダニエル・ライスキン
 ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調Op.43
ダニエル・ライスキン( 指)
ライン州立フィルハーモニー、
マインツ州立フィルハーモニーオーケストラ
録音:2009 年3 月19 日フェニックスホール、マインツ(ライヴ)、2009 年3 月20 日ライン・モーゼル・ホール、コブレンツ(ライヴ)/65’30

次世代を担う若手指揮者として注目を集めているダニエル・ライスキンによるショスタコーヴィチの交響曲第4 番。鋭い切り口と高精度のパフォーマンスに強靭なパワーを感じさせる演奏。しっかりとした構成と強弱の対比が音楽の生命感を生み出しています。
ライスキンは多数の音楽家が一つの物を作り上げる交響曲は「共通運命」の原理に基づいていると考えています。信頼できるオケとリハーサルと本番で一つの響きを作りだし、新しい感情と発見を導き出すことこそが「共通運命」であると語っています。
コンドラシン&モスクワ・フィルのショスタコーヴィチを不滅の名演と位置付けるライスキン。ライヴ独特の緊張感を維持し、強烈な中にも冷静さを保った秀演を聴かせてくれます。
ダニエル・ライスキンは1970 年サンクトペテルブルク生まれ。指揮者デビューする以前にはヴィオラ奏者として活躍。2005 年からライン州立フィルハーモニーの首席指揮者に就任。またアルトゥール・ルービンシュタイン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、ヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者、ウラル・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、ミッケリ・シティ・オーケストラ常任指揮者なども務め、若き世代を代表する指揮者として注目を集めています。


ダニエル・ライスキン(指揮)
1970年サンクトペテルブルク生まれ。生地とアムステルダム、フラウブルクでヴィオラを学びつつ、指揮法をレフ・サヴィチに師事する。同時にネーメ・ヤルヴィ、マリス・ヤンソンス、ミラン・ホルヴァート、ヨルマ・パヌラらのマスター・クラスにも参加。ヴィオラ奏者としても高く評価されていますが、2005年、首席指揮者として就任したライン州立フィルハーモニー管弦楽団との相性が素晴らしく、次々と名演を送り出していることで注目を浴びています。
OEHMS,CAvi-music,cpoレーベルなどにショスタコーヴィチを始めとした数多くの録音があり、新世代を担う指揮者として目をつけているファンの多い人です。




ページ内の商品チェック・ボックスをクリックしたら、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)


注文フォームへ


アリアCD 新店舗トップページへ



Copyright(C) 2011 ARIA−CD.All rights reserved.180