アリアCD 新店舗へようこそ

新店舗トップページへ

お買い物の方法  
ページ内の商品チェック・ボックスをクリックし、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください(enterキーを押してもかまいません)。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)

注文フォームへ

第61号
マイナー・レーベル新録音新譜(1)


2/24までの紹介分


ACCENT


ACC 24233
\2500→¥2290
真のオルフェオ〜
 コレッリにインスパイアされたヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集
  (1)ヨハン・シェンク:
   無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ホ短調〜前奏曲
  (2)コレッリ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第8番ホ短調
  (3)前奏曲(チェンバロによる即興演奏)
  (4)ヘンデル:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調
  (5)前奏曲(リュートによる即興演奏)
  (6)コレッリ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番ハ長調
  (7)シェンク:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番イ短調
  (8)コレッリ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第6番ト長調
フリーデリケ・ホイマン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
パトリック・ゼペック(バロック・チェロ)
エドゥアルド・エグエス(テオルボ)
ディルク・ベルナー(Cem, Org)
コレッリとヘンデルがヴィオラ・ダ・ガンバに装いを変えて登場

録音:2010 年6、7 月/フラン=ワレ教会(ベルギー)/DDD、58’29”

 アルカンジェロ・コレッリの名作ヴァイオリンソナタ集Op.5 は1700 年にローマで出版されましたが、すぐにヴィオラ・ダ・ガンバ用にも編曲されるほどの人気を誇りました。ヘンデルのソナタもオリジナルはヴァイオリン用ですが、やはりヴィオラ・ダ・ガンバ向きで、オリジナルのように響きます。
 ドイツの女流フリーデリケ・ホイマンはパリでサヴァールとパンドルフォに師事、コンチェルト・ヴォカーレやエスペリオンXXI でも活躍、2010 年にはドミニク・ヴィス率いるカフェ・ツィンマーマンのメンバーとして来日しています。落ち着いた知的演奏と華やかな美貌で日本でも人気者になりそうな大器です。


旧譜
フリーデリケ・ホイマン率いるスティルス・ファンタスティクス
とっても素敵なラインケンの「音楽の園」

ACC 24217
\2500→¥2290
ヨハン・アダム・ラインケン (1643-1722):
 「音楽の園」Vol.1
  パルティータ
   第 1 番イ短調、第 2 番変ロ長調、
   第 4 番ニ短調、第 6 番イ長調
スティルス・ファンタスティクス
 【フリーデリケ・ホイマン
   (ヴィオラ・ダ・ガンバ 、芸術監督)
  パブロ・バレッティ ( Vn )
  エドゥアルド・エグエス(リュート)
  ディルク・ベルナー(ハープシコード)】
録音:2009 年 9 月 25-28 日サン・ジャン寺院、ミュルーズ(フランス)
 あらゆる面で沈滞していた17〜18世紀のドイツ。イタリアやフランスと比べるのは酷な話だが、そんなドイツにもハンブルクという輝かしい街があった。当時のハンブルクにはドイツ初のオペラ・ハウスが建設され、公開演奏会が行われるなど、音楽、芸術も盛んだった。
 さてそのハンブルクを象徴するような音楽家がこのラインケン。事典などを調べるとラインケンはオルガン演奏を得意としていたらしいのだが、その作品の殆どは残されていないという。その代り、彼の代表作品として、 2 本のヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音のための 6 つのパルティータのセット「音楽の園」が残されているという。それが今回録音されたわけである。沈滞するドイツ地方の輝ける星、ラインケンの傑作を聴いてみたい。
 さて演奏陣もなにげに豪華。MA recordings から発売されているアルバムも評価の高いリュートのエドゥアルド・エグエスをはじめ、ヴィオラ・ダ・ガンバのフリーデリケ・ホイマン率いる名手揃いのスティルス・ファンタスティクス。彼らの演奏は、バロック音楽の自由な即興スタイルで、古楽アンサンブルの妙技を堪能することができる。



ACC 24226
\2500
ルカ・グリエルミ、フレスコバルディを弾く
 (1)アリアと変奏「フレスコバルダ」(1627)
 (2)トッカータ第7番(1615)
 (3)トッカータ第9番
 (4)フォリアのアリアによるパルティータ(1616)
 (5)アルカデルトのマドリガーレによるパッサジャート
 (6)トッカータ第番(1627)
 (7)バレット、コレンテとパッサカーリ(1637)
 (8)オルガンのためのトッカータ第5番(1627)
 (9)聖体奉挙のためのトッカータ第4番(1627)
 (10)カンツォーナ第4番(1627)
 (11)不協和音のカプリッチョ(1624)
 (12)リチェルカーレの前のトッカータ(1635)
 (13)クレドの後の半音階的リチェルカーレ(1635)
 (14)聖体奉挙のためのトッカータ(1635)
 (15)ベルガマスク(1635)
ルカ・グリエルミ(Cem、Org)
バッハのチェンバロ曲に勝るとも劣らぬ魅力。フレスコバルディの心に沁み入る情感。

録音:2008 年4 月/サン・ベルナルディーノ・ダ・シエナ教会/DDD、61’53”

 イタリア・バロック界最大の鍵盤楽器作曲家ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643)。彼の情熱的で流麗なチェンバロ曲はバッハなどドイツ系音楽と一線を画してはいますが、同様に後世へ大きな影響を与えました。1977 年トリノ生まれのルカ・グリエルミはチェンバロ、オルガン奏者であると同時に指揮者で作曲家でもあるマルチタレント。リズム感と歌心に満ちたチェンバロは絶品で、アンサンブル・ゼフィーロやリチェルカール・コンソートのメンバーとしても活躍しています。

ACC 24266
\2500→¥2290
フロリアン・ドイター&アルモニ・ユニヴェルセル
 ヴィヴァルディ:ミューズの扉
 (1)弦楽のためのシンフォニア ニ長調RV125
 (2)2つのヴァイオリンのための協奏曲ハ短調RV510
 (3)弦楽のための協奏曲ニ短調RV128
 (4)ヴァイオリン協奏曲ニ短調RV246
 (5)弦楽のための協奏曲ヘ長調RV138
 (6)ヴァイオリン協奏曲ト短調RV330
 (7)弦楽のための協奏曲ト短調RV157
 (8)2つのヴァイオリンのための協奏曲ハ長調RV508
フロリアン・ドイター、
モニカ・ヴァイスマン(Vn, 指)
アルモニ・ユニヴェルセル
何という活気、何という瑞々しさ、ヴィヴァルディ観の変わる1枚

録音:2009 年6 月/ドイツ放送カンマームジークザール(ケルン)/DDD、61’31”

 かつてEloquentia レーベルからヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集やパッヘルベルの弦楽作品集をリリースして注目されたフロリアン・ドイター率いるアルモニ・ユニヴェルセル。今回アクサン・レーベルに登場しました。
 驚くべき活気と潤いに満ちたリッチな響き、かつて聴いたことがないほど華麗なヴィヴァルディの音世界にひたれます。
 ムジカ・アンティクァ・ケルンのリーダーだったフロリアン・ドイターのソロも光ります。



旧譜
フロリアン・ドイター&アルモニ・ユニヴェルセル
衝撃的パッヘルベル「カノン」
Pachelbel: Canon & Gigue, etc.
ELOQUENTIA
EL 0606
¥2400→¥2190
パッヘルベル:
 カノンとジーグ/音楽の喜び第4番 ホ短調
 音楽の喜び第1番 ヘ長調/
 Partie4声 ト長調/
 音楽の喜び第2番 ハ短調/
 音楽の喜び第5番 ハ長調/
 Partie4声 嬰へ短調/
 音楽の喜び第6番 変ロ長調/
 音楽の喜び第3番 変ホ長調/
 Partie5声 ト長調
アルモニー・ユニヴェルセル
〔フロリアン・ドイター(指、Vn)
モニカ・ヴァイスマン、
デイヴィッド・グリドゥン(Vn&Vla)
ディアドル・ダウリング(Vla)
ディミトリ・ディヒター(Vc)
デイン・ロバーツ(コントラ・ヴァイオリン、ヴィオローネ)
ミカエル・デュッカー(リュート、テオルボ)
フィリップ・グリスヴァード(Cem&Org)〕
 昔ショップで働いているとき、初心者風の人がパッヘルベルのオルガン曲集とかのコアなアルバムをレジに持ってきたら、「あ、これカノン入ってませんけどよかったですか?」と確認してから売ってた。
 で、このアルバム、「カノン」が入っているとはいえかなりヘンテコリンな演奏なので、もしショップで売ってたら、「これ、カノン入ってますけどそうとう変わった演奏なんですが大丈夫ですか?」と確認しないといけないかも。
 見てのとおりのパッヘルベルの弦楽作品集。店主はバロックの弦楽アンサンブルものが大好き。でもパッヘルベルの弦楽作品集というのは初耳のような気がする。
 CDをかけたら、いきなり出てくる衝撃的なスピードの「カノン」、それだけで事務所のみんながびっくり仰天。ただ、実はそれはちょっとした冒頭のサービスのような感じで、刺激的演奏集かと思ったら全然そんなことはなくて、それ以降は優雅で気品あふれる素敵な演奏で、まったりと楽しませてくれる。
 パッヘルベルの作品自体にはそれほどの霊感とか天才は感じない。けど、職業作曲家としての素敵な才覚は感じる。満足です。
 あ、そうそう、生々しくて鮮やかな録音のことも書いておかないと。このレーベル、録音すごいです。



ACC 24249
\2500
ヘンデル:バスのためのイタリア語カンタータ全集
 (1)アフリカの森の中でHWV136a
 (2)時に黒雲天を覆いHWV98
 (3)愛の闘いから逃れよHWV102a
 (4)無念にもさらに雲広がりHWV165
 (5)四重奏曲ト短調HWV404
 (6)トリオ・ソナタ ト短調HWV390a
ライムント・ノルテ(Bs)
バツドルファー・ホーフカペレ
ヘンデルの旋律美に酔わされるひととき

DDD、65’33”

 ヘンデルがバスを独唱者として作ったソロ・カンタータは4篇しかなく、録音にも恵まれているとは言い難い状況にあります。それをメッテルニヒの愛弟子で、現在ヘンデル作品上演に欠かせぬスペシャリスト、ライムント・ノルテが全曲録音という大歓迎ディスクの登場です。ライオンを主役とした「アフリカの森の中で」など興味津々の作品が続きますが、何といってもヘンデルならではの美しい旋律にたっぷりひたれます。

ACC 24265
\2500→¥2290
仰天!各パート1人、初めて聴くような斬新さ。
 スホーンデルヴィルトとクリストフォリ・アンサンブル
  今度はモーツァルト!
モーツァルト:
 (1)ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
 (2)同21番ハ長調K467
アルテュール・スホーンデルヴィルト
 (フォルテピアノ、指揮)
クリストフォリ・アンサンブル
DDD、57’45”

 ベートーヴェンの「皇帝」で衝撃を与えたフォルテピアノのスホーンデルヴィルトとクリストフォリ・アンサンブルが、モーツァルトに挑戦しました。
 今回もオーケストラは各パート1奏者!しかし物凄い迫力で独奏に全くひけをとらぬどころか、聴く者を終始圧倒します。
 スホーンデルヴィルトの独奏も変幻自在、1782 年製アントン・ヴァルターのレプリカによるフォルテピアノはチェンバロを思わす銀色の音色が魅力です。もともとドラマティックな20 番協奏曲ながら、過去に類のない強烈さで迫ります。


旧譜
弦楽器奏者わずか7人
アルテュール・スホーンデルヴルト&アンサンブル・クリストフォリ
ベートーヴェン:試演時編成によるピアノ協奏曲シリーズ

Alpha079
(国内盤詳細解説書付)
¥2940
初演時編成によるベートーヴェン協奏曲
  〜ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」
アルテュール・スホーンデルヴルト
(フォルテピアノ〜J.フリッツ製作、1810年頃)
アンサンブル・クリストフォリ(古楽器使用)
(コルラード・ボルシ(第1ヴァイオリン)、
ヴィルベルト・ハーゼルゼット(トラヴェルソ)、
ペーター・フランケンベルク(オーボエ)、
エリック・ホープリチ(クラリネット)、
マールテン・ファンデル・ケルク(ティンパニ) 他)
(輸入盤)
¥2300→¥2090
 第1/第2ヴァイオリン各1本?! 総勢20人の“フル・オーケストラ”?! この編成にして可能な細やかな表現、この編成とは思えぬ“破壊力”! 初演時のオーケストラを再現した、前代未聞の「皇帝」&第4番!!
 総勢20人のオーケストラの内訳は、なんと「完全2管編成、弦楽器は6名(+コントラバス)」という前代未聞の編成!
 しかもヴィオラとチェロ各2に対し、ヴァイオリンは第1・第2とも1本ずつ——あまりに異例の編成ながら、これが「皇帝」初演時の編成なのだという。

Alpha122
(国内盤詳細解説書付)
\2940
ベートーヴェン:試演時編成によるピアノ協奏曲 第3番・第6番
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品57
 ピアノ協奏曲 第6番 ニ長調 作品61a
  (ヴァイオリン協奏曲のピアノ協奏曲版)
アルテュール・スホーンデルヴルト(Fp)
Ens.クリストフォリ(古楽器使用)
ヴァルター1800年&フリッツ1810年頃)
(輸入盤)
¥2300→¥2090
 「試演に使われたロプコヴィツ邸の大広間、客席含め実際にイスを並べてみたら、完全2管編成のほか弦楽器奏者は7人しか入れなかった」という検証結果にもとづき、弦が1・1・2・2・1の対抗配置、しかし管楽器は完全2管編成、もちろんティンパニ入り…という、室内楽編曲とも通常のピリオド楽団ともまったく違う編成で、おもわぬ演奏効果を再現してみせた異色の名録音。

Alpha155
(国内盤詳細解説書付)
\2940
ベートーヴェン:
 1. ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 op.15
 2. ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19
アルテュール・スホーンデルヴルト
Ens.クリストフォリ(古楽器使用)
 (fp/ヴァルター・モデル)
(輸入盤)
¥2300→¥2090
 番号の大きい協奏曲(つまり「皇帝&第4番」)から始め、「皇帝」の第一主題の勇壮さを第1ヴァイオリンたった1挺で描き出すという痛烈な演奏効果、作品そのものの室内楽的な美質をこれ以上ないくらいありありと示してみせた「第4番」で圧倒的な話題をさらったのが第1 集(Alpha079)。劇的な悲愴さを濃やかに表現しおおせた「第3番」や、現代ピアノでは物足りなさしか感じられなかった「第6番」(ヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲)の本質的な美をはじめて教えてくれた名演が第2集(Alpha122)。そして今度は、喇叭とティンパニのない「第2番」や、壮大なスケール感で迫る「第1番」を、同じ「弦7人編成」でやるのです!



ACTES SUD

Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14
ASM 02
\2400→¥2190
超人ロト、新鮮「幻想交響曲」
 ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル
凄まじいボルテージの高さ超才人ロトによる明るい音色と陽気さにあふれた新鮮「幻想交響曲」

録音:2009 年8 月30 日/ラ・コート=サンタンドレ( ベルリオーズ音楽祭ライヴ)/DDD、51’57”

 第53号でも案内したアルバムだが、このたび国内代理店が登場して安定供給できるように。
 ベルリオーズの幻想交響曲を古楽器で演奏したものは、ノリントンやインマゼール盤をはじめいくつかありますが、注目の新鋭フランソワ=グザヴィエ・ロトが手兵レ・シエクルを振った当アルバムは、母国の作曲家としての自信とこだわりにあふれていて別格の出来。ベルリオーズ時代の楽器を再発見、修繕して使用、第5楽章の鐘も華々しい効果と響きをもたらしています。多くの古楽器演奏のように曲が古典派的たたずまいを示すのではなく、音色が明るくなり、不思議な慎み深さと陽気さを放ちます。ロトの指揮も早めのテンポときびきびしたリズム感で、この曲のイメージを一新させる新鮮さに満ちています。
 ベルリオーズの生地ラ・コート=サンタンドレで行われたベルリオーズ音楽祭のコンサートという特別な催しゆえ、演奏者たちの本気ぶりも格別です。
「 まず活動を停止していると思ったACTES SUDから新録音新譜が出たことに驚いた。ACTES SUD、もともとモンペリエ・フィル、ラジオ・フランス、アクト・シュッド(ACTES SUD)の共同制作によって作られたレーベルだったが、この数年新譜は出ていなかった。
 しかも今回の新譜、曲がベルリオーズの「幻想交響曲」ときた。
 で、演奏陣がまったく無名なのである。これまでは共同制作者のひとつモンペリエ・フィルがオケを担当して水準の高い演奏を披露してきたのだが、その共同関係が崩れたのか?しかしいずれにしてもこれまで高い評価のアルバムを出してきていたACTES SUD、そうそう不出来な作品を出すとは思えない。
 さて、その無名の演奏陣。フランソワ・グザビエ・ロト指揮、オーケストラ・レ・シエクル。
 指揮のグザビエ・ロトはリエージュ・フィルの音楽監督を務め、BBCウェールズ・ナショナルO、ロンドン響なども定期的に指揮している若手。現在グングン頭角を表している実力派である。で、オーケストラ・レ・シエクルというのは、そのグザビエ・ロトが創設した古楽器オーケストラ。グザビエ・ロス、現代オケから古楽オケ、さらにはオペラまでこなす万能型天才らしい。
 そんな彼らが2009年、ベルリオーズの生誕の地、ラ・コート・サン・タンドレで開かれた「ベルリオーズ音楽祭」で披露したのが今回の「幻想交響曲」。作曲家生誕の地での演奏会にふさわしく、例の「鐘」も含めて、作曲当時の楽器が発掘・復元されて使用されている。
 熱い情熱と精緻な探求によって生まれたらしき新世紀の「幻想」。期待していいと思います。」(第53号の案内)


先日紹介のロト2点

ASM 06
\2400→¥2190
仰天!ノン・ヴィブラートの「火の鳥」!
 時代楽器によるグラズノフとストラヴィンスキー登場

(1)グラズノフ:
 バレエ音楽「ライモンダ」第2幕よりサラセン人の入場/東洋の踊り
(2)同:バレエ音楽「四季」より秋のバッカナール
(3)シンディング(チャーリー・パイパー編):東洋舞曲Op.32の5
(4)アレンスキー:
 バレエ音楽「エジプトの夜」よりエジプト女の踊り/
 蛇のシャルムーズ/ガジーの踊り
(5)グリーグ(ブルーノ・マントヴァーニ編):
 小妖精Op.71の3(抒情小曲集より)
(6)ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910 年版全曲)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル
録音:2010 年10 月2 日/シテ・ド・ラ・ミュジーク(パリ)、10 月9 日/ラン大聖堂(ともにライヴ)/DDD、60’12”

 近年、時代楽器による演奏がどんどん近世に及んでいますが、ついにストラヴィンスキーを含むディアギレフのバレエ・リュスにまで達しました。驚きなのが「火の鳥」全曲盤。この作品が百年前の1910 年6 月、ピエルネの指揮によりパリ・オペラ座で初演された際の響きを再現しています。ピッチこそさほど違和感はありませんが、弦楽器はガット弦、金管は細管、木管やハープはいずれもフランス製で、パリ音楽院直伝の奏法を遵守しているため、聴感上の印象はかなり違います。ヴィブラートも少なめで、パステル画のような色彩がいかにもフランス風。4管の大編成ながらすっきりしていて、金管の響きが独特。原色的で厚い音というストラヴィンスキーのイメージが一新され新鮮の極み。グラズノフのサウンドも向いていて、作品の爽やかさに痺れさせられます。
 指揮のフランソワ=グザヴィエ・ロトは1971年生まれ。今年9 月にバーデン=バーデン&フライブルクSWR 交響楽団の首席指揮者デビューを果たし、来年2 月にはSWR 響との来日公演が予定されています。パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストに師事、2000 年にロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで優勝、ガーディナーの助手を務めた後、2003 年にはパリ音楽院指揮科教授に就任。2003 年に古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を結成、抜群の統率力ときびきびした音楽運びが魅力の、最も期待される俊英のひとりです。

ASM 04
\2400→¥2190
威圧感、重苦しさ無縁
 爽やかなサン=サーンスの「オルガン付き」

サン=サーンス:
 (1)交響曲第3番ハ短調Op.78「オルガン付き」
 (2)ピアノ協奏曲第4番ハ短調Op.44
ジャン=フランソワ・エッセール(Pf) (2)
ダニエル・ロト(Org)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指)
レ・シエクル
こういう演奏を待っていた。

録音:2010 年5 月16 日/サン=シュルピス教会(パリ)(1)、6 月16 日/オペラ・コミック(ともにライヴ)/DDD、61’22”

 サン=サーンスの交響曲第3番は名作の誉れ高いものですが、物々しく演奏されるのが常でした。しかし作曲者サン=サーンス本来の資質は軽妙でオシャレ、威圧感や重苦しさとは無縁のはず。そうした疑念を解消する演奏がついに登場しました。フランソワ=グザヴィエ・ロトが古楽器オーケストラ「レ・シエクル」を指揮したもので、古楽器による同曲のCD も初めて。まさに物々しさや重苦しさは姿を消し、テンポも早めで、オルガンも荘厳というより、そよそよと風が吹くような爽やかさ。これぞサン=サーンスが思い描いた響き、とまさに目から鱗が落ちる思いがします。
 オルガンを受け持つのはフランソワ=グザヴィエの実父で有名なオルガニスト、ダニエル・ロト。パリのサン=シュルピス教会の名器が素晴らしい響きを聴かせてくれます。
 カップリングはこれもシリアスな曲調で名高いピアノ協奏曲第4番。ジャン=フランソワ・エッセールが1874 年製のエラールのフォルテピアノでいとも見事に披露。まるで古典派協奏曲のようなたたずまいとなっています。
Albeniz: Iberia (excerpts)
ASM 01
\2700
エッセール2 度目の「イベリア」
 アルベニス:組曲「イベリア」(全12曲)
ジャン=フランソワ・エッセール(Pf)
写真:イサベル・ムニョス
複雑な音の綾からモーツァルトのような清明な響きを再現。

録音:2009 年6 月1-4 日/メジャン教会(アルル)/DDD、76’38”、A5 デジブック

 アルベニスの「イベリア」はその複雑さ、身の毛のよだつ技巧ゆえピアノ音楽の頂点に位置する作品のひとつで、よほど自信がなければ手掛けない難物中の難物と申せましょう。エッセールはかつてエラートに全曲を録音していていましたが、2009 年に満を持して再録音。これが予想以上の素晴らしさ。
 技術的な不安や無理もないうえ、音の過剰ともいえるこれらの曲を実にすっきり再現、モーツァルトを想い起させさえします。さらに推進力とスピード感もあり、ピアノ好きをゾクゾクさせる魅力に満ちています。加えて魅力なのは、スペインの女流写真家イサベル・ムニョスによる40 ページの写真集が付いていること。フラメンコや闘牛など、アンダルシアの風物を雄弁なモノクロで描いています。ハードカバーA5 サイズの豪華デジブック仕様です。
Berg, Schoenberg, Weber: Piano Music
ASM 03
\2700
奇才シュトイアーマンが新ウィーン楽派作品集に挑戦
(1)ベルク:ピアノソナタOp.1
(2)シェーンベルク:3つのピアノ曲Op.11
(3)同:6つのピアノ小品Op.19
(4)同:5つのピアノ曲Op.23
(5)同:ピアノ組曲Op.25
(6)同:ピアノ曲Op.33a,b
(7)ウェーベルン:変奏曲Op.27
ジャン=ルイ・シュトイアーマン(Pf)
写真:マイケル・アッカーマン
録音:2004 年5 月9-20 日、11 月26-29 日/ポットン・ホール(イギリス)/DDD、61’03”、A5 デジブック

 ブラジルのピアニスト、ジャン=ルイ・シュトイアーマンによる新ウィーン楽派ピアノ曲集。彼はBIS レーベルにヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第3、4 番を録音して話題になりましたが、バッハからバーンスタインまで幅広いレパートリーを持つ実力派。ここに収められた作品の多くが十二音技法によりますが、シュトイアーマンの演奏は活き活きとしたリズム感に富み、難解さを感じさせません。アメリカの写真家マイケル・アッカーマンによる44 ページの写真集がまた魅力的。ピントと露出をわざと合わさない夢のような画質で、不思議な孤独感をモノクロで描いています。ハードカバーA5 サイズの豪華デジブック仕様です。

AGOGIQUE

バロック音楽と古楽を中心に扱うフランスのレーベル。世界的に活躍する演奏家だけでなく、新進気鋭の若手たちの録音にも意欲的なレーベルです。
JS Bach: Preludes et autres fantaisies
AGO 002
¥2500→¥2290
アンサンブル・アマリリスのチェンバロ奏者、
 コシャールによるJ.S.バッハ小品集。
J.S.バッハ:
 (1)イギリス組曲第2番 イ短調 BWV 809 より プレリュード
 (2)アダージョ ニ短調 BWV 964
 (3)トッカータ ニ短調 BWV 813
 (4)前奏曲とフゲッタ ト長調 BWV 902
 (5)シンフォニア第11番 ト短調 BWV 797
 (6)前奏曲(幻想曲) ハ短調 BWV 922
 (7)6つのパルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825 より ジグ
 (8)前奏曲 ハ短調 BWV 999
 (9)幻想曲とフーガ ハ短調 BWV906
 (10)3声のインヴェンション(シンフォニア)第5番 変ロ長調 BWV 791
 (11)6つのパルティータ第2番 ハ短調 BWV 826 より カプリッチョ
 (12)前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV 881
 (13)組曲 ヘ短調 BWV 823より サラバンド
ヴィオレーヌ・コシャール(Cemb)
幻想曲から舞曲まで、J.S. バッハの多彩な響きと剛健な世界に浸る1枚

録音:2010 年7 月1~29 日、サン=ピエール聖堂にて(パリ)
使用楽器:J.D.ドゥルケン1740 年製(アントワープ)(復元:2007 年)

 レ・ザール・フロリサンやアンサンブル・アマリリスなど、数々の名門古楽アンサンブルで活躍するチェンバロの名手、ヴィオレーヌ・コシャールによるJ.S. バッハのチェンバロ小品集。
 本CD のプログラムに関して「心の赴くままに選曲した」と語るコシャール。J.S. バッハに深い造詣と敬愛を抱くコシャールによって、各作品によって異なる曲調のコントラストと、そこに共通するJ.S. バッハの魅力の真髄を堪能するプログラムとなっています。
 芯の通った明瞭な響きと情感あふれるふくよかな響きを併せ持つコシャールの演奏によって、各作品のコントラストがより印象的に色づけられていると言えましょう。演奏にはかのレオンハルトも愛用していたものと同じモデルである、J.D. ドゥルケンモデルの1740 年製のチェンバロを使用。2007 年に復元され、現代によみがえった艶のある音色から生まれる極上の響きは必聴です!
JC Bach: A Music Party
AGO 003
¥2500→¥2290
バロック演奏の名門アンサンブル、
 アマリリスによるJ.C.バッハの五重奏曲集
J.C.バッハ:
 2つの五重奏曲 op.22
  (1)第1番 ニ長調 (2)第2番 ヘ長調
 6つの五重奏曲 op.11より
  (3)第6番 ニ長調 (4)第1番 ハ長調
  (5)第3番 ヘ長調 (6)六重奏曲 op.3 ハ長調
アマリリス
 (エロイーズ・ガイヤール(リコーダー,Ob)、
  アメリー・ミシェル(リコーダー)、
  ダヴィッド・プランティエ(Vn)、
  アナベル・ルイス(Vc)、
  ヴィオレーヌ・コシャール(Cemb)、
  リオネル・ルノー(ナチュラルホルン)、
  ピエール=イヴ・マデュフ(ナチュラルホルン)}
18 世紀の気品あふれる優雅な響きに酔いしれる名盤

録音:2010 年10 月11~14 日、サント=ジュヌヴィエーヴ教会(クルトメ、フランス)

 表情豊かな音色と卓越したアンサンブルで高い評価を受ける名門アマリリスが、J.C. バッハの5 重奏曲および6 重奏曲を収録しました。
 ヨハン・クリスティアン・バッハはJ.S. バッハの末子にあたり、イタリアやロンドンを中心に活躍した作曲家。若きモーツァルトに多大な影響を与えたといわれる彼の音楽性は、優雅な旋律を基調としながらも、時折聴く者をハッとさせるような鮮やかな装飾と技巧性を併せ持ったもの。本CD も、18 世紀の音楽会を思わせる上品な雰囲気に満ち溢れています。
 バロック界の名手達が集うアマリリスは今回も素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。管楽器やヴァイオリンの輝かしい音色と、中低音のコクのある響きが生み出すハーモニーは絶品。ナチュラルホルンを担当するピエール=イヴ・マデュフは、かのクイケン四重奏団とも共演した名手。六重奏曲では、ナチュラルホルンならではの柔らかな音色がアンサンブルに深みを添えます。活気と情感あふれる演奏で魅せるアマリリスの持ち味がいかんなく発揮された名演です!
Gabrielli: La Nascita del Violoncello
AGO 001
\2900→¥2490
“1689 年ボローニャ、チェロの誕生”
 136 ページにも及ぶ豪華カラーリブレット
   黎明期のチェロと古楽器の響き
(1)ヴィターリ:パッサカリア ニ長調
D.ガブリエッリ:
 (2)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第1番 ト長調
 (3)チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調(Version1)
 (4)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第2番 イ長調 
(5)ヤッキーニ:ソナタ イ長調 
D. ガブリエッリ:
 (6)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第3番 ニ長調 
(7)ヤッキーニ:ソナタ 変ロ長調 
(8)D.ガブリエッリ:
 チェロ独奏のためのリチェルカーレ第4番 変ホ長調
(9)ヤッキーニ:ソナタ ハ長調
D.ガブリエッリ:
 (10)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第5番 ハ長調
 (11)チェロと通奏低音のためのソナタ イ長調
 (12)2つのチェロのためのカノン ニ長調
 (13)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第6番 ト長調
(14)ヤッキーニ:ソナタ ト長調 
(15)D.ガブリエッリ:
 独奏チェロのためのリチェルカーレ第7番 ニ長調 
(16)デリ・アントーニ:チェロのためのリチェルカータ Op.1より第8番
D. ガブリエッリ:
 (17)チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調
 (18)チェロ独奏のためのリチェルカーレ第7番 二重奏編成版(編:コクセ)
ヴィターリ:(19)ルッジェーロ (20)パッサカリア
ブリュノ・コクセ
 (Vc、バス・ヴァイオリン、
  テノール・ヴァイオリン、
  ヴィオラ・バスタルダ、指揮)
レ・バッス・レユニ
録音:2008 年6 月14~17 日、2009 年7 月12 日

 マルク・ミンコフスキやウィリアム・クリスティらと共に古楽界を牽引してきた名手ブリュノ・コクセによるチェロ独奏作品集。
 「チェロの誕生」というタイトルの通り、チェロという楽器が誕生した17 世紀後半のイタリアに焦点を当て、ヴィターリやドメニコ・ガブリエッリなど、初期バロックを代表する作曲家達の作品がたっぷりと収録されたCD です。
 卓越したコクセの演奏技術は圧巻の一言。一音一音粒の立ったクリアな発音で激しく奏でられる技巧的なフレーズと、艶のあるふくよかな音色で歌われる緩やかなメロディの対比に魅せられます。
 また、17 世紀後半に用いられていた様々な楽器の音色を楽しめることも本CD の大きな魅力。
 収録にあたり、コクセはチェロ、バス・ヴァイオリン、テノール・ヴァイオリン、ヴィオラ・バルタルダといった複数の楽器を曲ごとに使い分けて収録しています。
 また、136 ページにも及ぶ豪華なカラーリブレットには、コクセ自身による解説だけでなく、収録に使用された復元楽器の写真も挿入。数十枚にわたって、様々な角度から楽器の細部をうかがい知ることが出来ます。
 演奏を聴きつつ楽器に想いを馳せる…そんな楽しみ方ができる素敵なアルバムです。

ALBA

ABCD 335
ABCD 335
(SACD HYBRID)
\2200→¥1990
ヤンネ・メルタネンのショパン新作登場!!
ショパン:
 (1)ロンド・クラコヴィアクOp.14
 (2)アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズOp.22
 (3)ポーランド幻想曲Op.13
 (4)『ドン・ジョヴァンニ』の「お手をどうぞ」による変奏曲Op.2
ヤンネ・メルタネン(Pf)
ヤニ・テラランタ (指)
トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団
透明な響きから優しさと温もり伝わるメルタネンのショパン

5.1 multichannel/stereo、58’33”

 『ピアノ曲集』 (ABCD138)、『夜想曲』 (ABCD160, ABCD190)、ピアノ協奏曲 (ABCD247) と続くヤンネ・メルタネン(1967-) のショパンはいずれもロングセラーをつづけています。新たな洞察と内省から見出されたショパンは、清潔で、気取りも衒いもなく、禁欲的。その透明な響きのピアノからは、優しさと温もりが伝わってきます。シベリウス・アカデミーでタヴァッシェルナとバシキロフに学び、1992 年、ドイツのダルムシュタットで行われた国際ショパン・コンクールで優勝して、一躍注目を集めました。イタリアのアカデミア・ピアニスティカでラザーリ・ベルマンに師事、1994 年10 月にはロンドンのウィグモアホールでショパンを弾いてデビューしています。
 トゥルク・フィルを指揮するヤニ・テラランタ(1976-) は、ヨルマ・パヌラから個人的に指導を受けた後、シベリウス・アカデミーでアツソ・アルミラ、エリ・クラス、レイフ・セーゲルスタムに師事。2000 年には、新青年室内管弦楽団 (UNKO) を創設しています。



旧譜
ヤンネ・メルタネン(P)
ショパン:ノクターン集

 全然知りませんでした。ヤンネ・メルタネン。フィンランドの若手ピアニストで、ALBAから3枚もショパンを出していて、結構人気なんですって。
 顔を見たら、長髪に無精ひげ、吸い込まれそうな美しい瞳に、きりりとした眉、の超イケメン。ベルマンとバシキロフの門下で、ショパン弾きとして母国では有名だとか。
 で、実際にABCD 160を聴いてみた。
 うわ。
 その鋭利で清冽な演奏。まるで氷の鍵盤を弾いているかのような!ハチャメチャな個性的演奏ではないが、ポゴレリッチとかに通じる狂気的な冷たさを感じる。
 とにかく触ると切れそうなクールな演奏。ときおりおそろしく繊細で神経質で、目の前で壊れそうな瞬間がある。
 ものすごい才能。


ABCD 160
\2200→¥1990
ショパン:ノクターン集
 3つのノクターンOp.9&Op.15/
 2つのノクターンOp.27&Op.32 
メルタネン(P)
フィンランドの若手メルタネンのショパン。

ABCD 190
\2200→¥1990
ショパン:ノクターン集
 ト短調 Op.37の1/ト長調 Op.37の2/
 ハ短調 Op48の1/嬰ヘ短調 Op48の2/
 ヘ短調 Op55の1/変ホ長調 Op55の2/
 ロ長調 Op62の1/ホ長調 Op62の2/
 ホ短調(遺作)/嬰ハ短調(遺作)/ハ短調(遺作)
ヤンネ・メルタネン(Pf)
1967年生まれのフィンランドのピアニスト、メルタネンによるショパンの第2弾。甘口のショパンにお嘆きの方々にオススメの超辛口演奏。ショパンのノクターンの怖さがよくわかる。録音:2003年8月4-7日 ミッケリ、ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール/マルッティ・タルヴェラ・ホール




ABCD 336
(SACD HYBRID)
\2200→¥1990
フィンランド・モダニズムの旗頭。メリカント最後の大作、世界初録音
アーレ・メリカント:
 (1)交響曲第1番ロ短調Op.5 (1914-16)
 (2)交響曲第3番 (1952-53)
ペトリ・サカリ(指)
トゥルク・フィル
5.1 multichannel/stereo、70’17”

 アーレ・メリカント(1893-1958) は、パングー、ライティオとともに1920 年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられ挫折を味わった時期もありながら、彼は作曲をつづけ、民俗舞曲のリズムなどフィンランドの国民的要素とモダニズムを結びつける、独自の道を見出していきました。メリカントの交響曲第1 番は、ライプツィヒに留学しレーガーに学んでいた1914 年に初演され、父で作曲家のオスカルに捧げられました。交響曲第3 番は1952 年から1953 年にかけて作曲。ネオクラシカルなトーンをもつ舞曲風の〈スケルツォ。ヴィヴァーチェ〉、ロマンティックな心の動きが支配する〈アンダンテ〉、民俗舞曲のリズムの用法がモダニズム期のメリカントを思わせる〈アレグロ〉。ネオクラシカルなスタイルと後期ロマンシズムの要素の融合させることに成功した、メリカント最後の大作。世界初録音。



旧譜
北欧の室内楽作品集
BIS056 1CD¥2500→¥2090

 実は父オスカルのCDはそこそこあるが、息子のアーレのCDはあまりない。今見たら代表作のピアノ協奏曲集も管弦楽曲集も廃盤。この人の素敵な才能を知らしめる良いCDはないかと思って探していたら・・・ありました・・・店主が愛するBISの名盤。リリースは1994年。番号から見てもお分かりのとおりBISの黎明期のアルバム。
 でもこれがとっても素敵。決して雄弁ではないが、素朴でひたむきなロマンをたたえた近代北欧の室内楽の名作が4つ収録されていて、その中にアーレの曲が入っている。わずか4分足らずの曲ながら、鮮烈で印象深い。実はそれクーラのピアノ三重奏曲がなかなかの大曲で美しく神々しくロマンティック。アーレの曲と合わせて聴けばこのアルバム、ひっそりとした愛聴盤になること請け合い。ちなみにウスコとレイフ(まだまだ無名時代のセーゲルスタム)の作品は現代作品。

Finnish Chamber Music
BIS056
¥2500→¥2090
トイヴォ・クーラ (1883-1918):三重奏曲 イ長調 Op. 7
アーレ・メリカント (1893-1958):ヴァイオリンとピアノのための前奏曲
ウスコ・メリライネン (1930-):プスクルム
レイフ・セーゲルスタム (1944-):ヴァイオリントピアノのための詩曲
リーサ・ポヒョラ (ピアノ)
パーヴォ・ポチョラ (ヴァイオリン)
エンスティ・ポヒョラ (チェロ)



ALIA VOX


AVSA 9889
(2SACD HYBRID)
限定特別価格
\2800→¥2490
モンセラート・フィゲーラス追悼盤
CD1:
 (1)セネカ(1世紀)作:悲劇「メデア」(第2幕)より「祈り」
 (2)「アマジグの子守歌」(ベルベル伝承曲、モロッコ)
 (3)「美しく聖なるパレスティナ」(セファルディ伝承曲、サラエヴォ)
 (4)「エルチェの神秘劇」よりプラクトゥス「栄光ある聖き御身体」
 (5)ミラン:ロマンス「Triste estaba muy quexosa」
 (6)ムダーラ:ヴィリャンシーコ「イザベルや、帯を失くしたね」
 (7)ボヴィチェリ:シャンソン「アンコール・ケ・コル・パルティーレ」
 (8)ベガ/作曲者不詳:ロマンセ「櫂の音がなんて響き渡り」
 (9)ビクトリア:8 声の「サルヴェ・レジーナ」
 (10)モンテヴェルディ:「ニンフの嘆き」
 (11)カッチーニ:「輝く麗しの瞳もて」
 (12)メールラ:「さあ眠りなさい」(子守歌による宗教的カンツォネッタ)
 (13)アン・イダルゴ:世俗曲「ああ、私は何と愛をあざけり」
 (14)ドゥローン:「sosieguen descansen」
 (15)ライヒャルト:「我が子よ、眠れ」
 (16)ソル:アリア「あなたが誓ったことを思い出して下さい」
 (17)ソル:セギディーリャ「女とギターの弦は」
 (18)ムソルグスキー:「お人形を持って」(「子供部屋」より)
 (19)ペルト:「クリスマスの子守歌」
CD2:
 (1)ロマンス「何故泣くの、清らかな少女よ」(サラエヴォ)
 (2)シビラ(巫女)の歌
 (3)ベルトリッツ・デ・ディア:カンソ「嫌なことでも歌わなければ」
 (4)ゲレーロ:ヴィリャンシーコ「夜は暗うて」
 (5)作曲者不詳:ヴィリャンシーコ「ニーナとヴィーナ」
 (6)ナルバエス/作曲者不詳:「顔は何で洗いましょう?」
 (7)作曲者不詳(コロン文庫の歌曲集):ヴィリャンシーコ「私は小麦色した娘」
 (8)ビクトリア:モテット「マリアよ、恐れるな」
 (9)ルッツァスキ:マドリガーレ「オーラ・ソアーヴェ」
 (10)モンテヴェルディ:カンツォネッタ「苦しみが甘美なものなら」
 (11)メールラ:「カンツォネッタを聴け」
 (12)マリン:「メンギッリャ、もう考えないで」
 (13)イダルゴ:世俗曲「trompicabalas amor」
 (14)作曲者不詳:カンソ「王の息子」(カタルーニャ)
 (15)セレロールス:モテット「ああ、悲しや」(死者のためのミサ曲より)
 (16)ファリャ:子守歌「眠れ、我が子よ、眠れ」
モンセラート・フィゲーラス(声)
ジョルディ・サヴァール
エスペリオンXXI
スコラ・グレゴリエンヌ
ラ・カペッリャ・レイアル・デ・カタルーニャ
パドヴァ古楽センター合唱団
 モンセラート・フィゲーラス追悼盤。
 古楽界屈指の名ソプラノ歌手、フィゲーラスの美しく澄んだ歌声を高音質SACDで堪能する珠玉の名演の数々!ファン必聴のおすすめ盤を、お得な限定特別価格でリリース!

 2011 年11 月23 日、世界中の古楽ファンに惜しまれながら亡くなったソプラノ歌手モンセラート・フィゲーラス。
 夫のジョルディ・サヴァールと共に、その透明感あふれる歌声で20 世紀の古楽界を牽引してきた彼女を追悼し、90 年代からこれまでに彼女が残した数々の録音を抜粋し、集めたアルバムがアリア・ヴォックスからリリースされます。
 「The Emotion Voice」というアルバムのタイトルは90 年代に発売されたCD タイトルと全く同じもの。他ならぬサヴァールの意向により、その名が踏襲されています。
 フィゲーラスの透明感のある柔らかな歌声をSACD の美しい音質で堪能することができるのは何よりの魅力。夫サヴァールとの情感溢れる見事なアンサンブルや、彼が率いるエスペリオンXXI やラ・カペッリャ・レイアル・デ・カタルーニャとのハーモニーも堪能でき、古楽界に一時代を築いた名手の軌跡を感じることができるアルバムに仕上がっています。
 かねてよりALIA VOX レーベルは「ヘリテージ・シリーズ」と称してフィゲーラスの名演を含む過去の録音のSACD ハイブリッド化を進めておりましたが、今回のアルバムは主にこれらヘリテージ・シリーズから珠玉の演奏を抜粋し、まとめたものとなっています。宗教曲、世俗曲、そしてフィゲーラスの代名詞ともいえるカタルーニャの民俗音楽…フィゲーラスの多彩な魅力が2 枚組、35 トラックに渡ってぎゅっと凝縮されています。今なお輝き続けるフィゲーラスの歌声に想いを馳せるにふさわしい名盤といえましょう。


ALIA VOX旧譜から
Tous les matins du monde
AVSA 9821
(SACD Hybrid)
¥3000→¥2290
映画「めぐり逢う朝」(オリジナル・サウンドトラック)
 リュリ:トルコ人の儀式のための行進曲、
 マレ:
  「スペインのフォリア」による即興曲(抜粋)/
  「夢見る人」(ヴィオール曲集第4巻より)/
  「アラベスク」(同第4巻より)/「戯れ」(同第4巻より)/
  サント=コロンブ氏へのトンボー(同第2巻より)/
  ミュゼット第1&2番(同第3巻より)/
  「パリ、サント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」、
 サヴァール:
  ヴォクラン氏の前奏曲
   (サント=コロンブ(息子)氏の前奏曲ト短調による即興曲)/
  ファンタジア ホ短調
   (サント=コロンブ(息子)氏の曲に基づく編曲)/
  「若々しい娘」(民謡の編曲)、
 サント=コロンブ:
  愛のガヴォット/
  「嘆き(愛惜のトンボー)」(1挺のヴィオール版)/
  2挺のヴィオールのためのコンセール「訪れ」/
  「嘆き(愛惜のトンボー)」(2挺のヴィオール版)、
 F.クープラン:ルソン・ド・テネブル第3番(2声)
モンセラート・フィゲーラス
マリア=クリスティーナ・キール(S)
ファビオ・ビオンディ(Vn)
クリストフ・コワン、ジェローム・アンタイ(Gamb)
ロルフ・リスレヴァンド(テオルボ)
ピエール・アンタイ(Cemb)
ジョルディ・サヴァール(指、Gamb)
コンセール・デ・ナシォン
映画「めぐり逢う朝」は、妻の死後、隠遁生活を送るヴィオールの名手サント・コロンブと、音楽を出世に利用しようとする弟子のマラン・マレとの確執とを描いたフランス映画。
全編に二人の音楽が流れるが、その音楽を担当したのがサヴァール。そしてこれがそのサントラ盤。「サントラ盤」と侮るなかれ、1990年代初頭のバロック関係では最も売れたアルバムのひとつ。90年代初頭、まだ古楽器のアルバムがそれほど認知されていなかった当時、ビオンディの「四季」で古楽演奏のすごさを思い知った人が多かったように、このアルバムで古楽演奏のすばらしさを知った人は多い。CDショップの人間としては、このアルバムの登場が古楽器演奏の本格的幕開けを告げたという印象が強い。演奏家を見てほしい、上記アルバムのフィゲラス、神がかり的な歌唱を誇るキール、そしてビオンディ、コワン、アンタイ、もちろんサヴァール、とおそるべし演奏家で固められた畢生の
名盤である。
録音:1991年1、3、4、8月


ALIUD


ACDBB 057
\2400
マルクス・テラー(1682-1728):小モテット集
 1. Si qua est consolatio  2. Confitemini Domino
 3. Exurgat Deus  4. Insurrexerunt in nos inimici nostri
 5. O Jes lux  6. State sistite  7. Sonent citharae
 8. O benign Salvator  9. O Domine illumina
ストゥディウム・コラーレ、
ハンス・レーンダース(指揮)
18 世紀南オランダを代表した作曲家、マルクス・テラーの小モテット集。飛翔するどこまでも透明な歌声。

録音:2011 年2,7 月、マーストリヒト(オランダ)

 マルクス・テラーは18 世紀オランダで活躍した音楽家です。マーストリヒトの聖マリア大聖堂のヴァイオリニスト、また助祭としての任務も果たしました。彼の音楽は18 世紀初期の南オランダのカトリック教会音楽の典型例であり、そのモテットはアリア、レチタティーヴォ、コラール・パッセージの想像力に富んだ要素から成ります。聖書のテキストに基づいた豊かな和声のイディオム、見事な歌と器楽の掛け合いが光ります。
 ストゥディウム・コラールは1972 年に結成され、オランダでは代表的な室内合唱団として活躍してきました。2005 年からはさらにそのプロフェッショナリズムに磨きをかけ、ハンス・レーンダースその他著名な客演指揮者によって音楽を作り上げています。団員はオランダ、フランドル、ドイツ出身から成り、彼らのレパートリーは実に5 世紀分という幅広い範囲を収めています。

ALIUD

Viola Altera
ACDHH 046
(SACD HYBRID)
\2400
ベルリンフィル首席ソロ・ヴィオラ奏者スーク
(1)サラサーテ:カルメン幻想曲 op.25
(2)ハルヴォルセン:パッサカリア(ヴィオラ・ソロ)
(3)パッサカリア(ヴィオラとチェロのための)
パガニーニ:
(4)奇想曲第4番 (5)奇想曲第6番 (6)奇想曲第7番
(7)奇想曲11番 (8)奇想曲24番 (9)ラ・カンパネラ
マイテ・スーク(Va)
ダニエル・ブルメンタール(Pf)
ラースロー・フェニェー(Vc)
ふくよかで艶のあるヴィオラの音色と、ヴィルトゥオーゾ達の演奏に圧倒される1枚

録音:2008 年4 月29-30 日、8 月30-31 日、11 月30 日、12 月1 日、ザ・ロケーション・スタジオ・アントワープ

 2010 年よりベルリンフィルで首席ソロ奏者を務めるハンガリー出身のヴィオラ奏者、マイテ・スークによる小品集。
 収録された作品は一般的にヴァイオリンの超絶技巧作品として知られているものばかりですが、今回はそれら全てがヴィオラの演奏で収録されています。ヴィオラらしい艶やかな音色と、軽やかに奏でられる超絶技巧の連続には圧巻の一言。元々ヴァイオリニストであったスークの演奏は音の立ち上がりも素晴らしく、ヴァイオリンにも劣らぬ活気にあふれたエネルギッシュな演奏といえましょう。
 また、本CDでは世界的に活躍するヴィルトゥオーゾ達との共演にも注目。カルメン幻想曲ではブルメンタールの過剰な表現を控えた巧みな伴奏によってスークのソロが見事に引き立てられています。特に注目されるのはスークとフェニェーニによるパッサカリア。見事なアンサンブルと、ヴィオラとチェロという編成だからこそ成しえる深くコクのあるハーモニーは必聴です!

ACDBH 049
(SACD HYBRID)
\2400
クラシックの名曲とジャズ界至高のバラード
 テナーサックスの深い音色が映える名演
(1)鳥の歌(編:ディクストラ、ビィル)
(2)シューベルト:
 アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D.821(編:ビィル)
(3)スクリャービン:5 つの前奏曲(編:ディクストラ)op.15
(4)フォーレ:夜想曲 op.43 Nr.2(編:ビィル)
(5)ブイス:絶体絶命
(6)カークランド:ディエンダ
(7)デリヴェラ:コントラダンツァ
ニールス・ビィル(Tenor Sax)
ハンス- エリク・ダイクストラ(Pf)
ロブ・ホースティング(Electoric Organ)
録音:2010 年1 月16-18 日、ドゥーティンヘム音楽学校(オランダ)

 ビックバンドやジャズ、ブルースからクラシック界まで幅広く活躍するオランダのサックス奏者ニールス・ビィル。クラシック界ではロイヤル・コンサルトヘボウ管弦楽団など多くのオーケストラと共演を果たしています。これまでにもクラシックの名曲をテナーサックスで演奏してきたビィル。柔らかくも深みのあるテナーサックスの音色がシューベルトやスクリャービン、フォーレの繊細な旋律に驚くほどマッチしており、原曲以上に抒情的な響きが際立つ演奏といえましょう。今回はクラシックだけでなくジャズ作品も収録。注目されるのはジャズ界の巨匠ケニー・カークランドの至高のバラードといわれる「ディエンダ」。先鋭的な演奏と繊細な感性をもったロマンティシズムあふれる作品です。多くのジャズ・ファンの琴線を揺らしたカークランド独特の切ない雰囲気が忠実に表現されている演奏といえましょう。異なるジャンルをわたり、サックスのふくよかな音色に酔いしれる1 枚です。
Anna Cramer: Songs
ACDBH 051
(SACD HYBRID)
\2400
19 世紀末から20 世紀を生きた女性作曲家クレーメルの歌曲集
 クレーメル:歌曲集
 (1)6つの歌曲 op.4(Jeppe Moulijinによるオーケストレーション)
 (2)菩提樹の花咲くとき (3)五つの詩op.1
 (4)Peterleのための子守唄 (5)十の詩
 (6)二つの夜想曲 (7)夜が更けるとき
ナタリー・ミース(S)
ヴィム・フォーフト(Pf)
ステファン・パス(指揮)
LKO オーケストラ
ドイツ・ロマンティシスムの響きと、クレーメル独特の繊細な旋律に心震える名演

録音:(1)2007 年11 月18 日、音楽院のバッハザール(アムステルダム) (2)-(7)2008 年7 月8 日、10 月17 日、18 日、19 日、ハーグ大学ブルーホール(ハーグ)

 1873 年にアムステルダムで生まれ、19 世紀から20 世紀にかけてオランダ、ドイツ、オーストリアなどで活躍した女性作曲家アンナ・クレーメルの歌曲集。ドイツ・ロマンティスム音楽の影響を色濃く受けた彼女の作品からは、ワーグナーやシュトラウス、マーラーの響きが垣間見えます。また、アリアやキャバレーなど、当時流行していたであろう民俗音楽の響きも堪能することができます。抒情的な中にどこか悲愴感を湛える旋律に心打たれます。
オランダのソプラノ歌手ミースの透明感ある歌声が澄んだ旋律がさらに引き立てられています。自国の作曲家の再発見と保存に尽力するオランダのアーティストらにより、クレーメルの美しい歌曲の数々が現代によみがえります!
Telemann : Chamber Works
ACDHH 045
(SACD HYBRID)
\2400
新進気鋭のアンサンブル団体ラ・バルカ・ライデンによるテレマン小品集
テレマン:
 (1)トリオ・ソナタ ホ長調
 (2)12のファンタジーより 第2番 イ短調
 (3)12 のファンタジーより 第7番 ニ長調
 (4)組曲 ト長調
 (5)12 のファンタジーより 第8番 ホ短調
 (6)12のファンタジーより 第11番 ト長調
 (7)カンタータ「悲痛な音、ああ嘆いてEin Jammerton」
ラ・バルカ・ライデン
 {レイモンド・ホーニング
   (フラウト・トラヴェルソ)、
  ウェンディ・ルーボル(S)、
  アネク・ヴァン・ハーフテン(Vn)、
  エルク・ティンバーゲン(Vc)、
  キース・ファン・デア・ポエル(Cemb,Org)}
フルート・トラヴェルソの柔らかくも軽やかな音色に浸る1枚

録音:2009 年7 月8・9 日、メノ派(再洗礼派)教会(オランダ、フリースランド州ヤウレ)

 2000 年に結成された新進気鋭の演奏団体ラ・バルカ・ライデンによるテレマン小品集。ラ・バルカ・ライデンはオランダの若手古楽演奏家からなるアンサンブル集団です。団体設立者であり、フルート・トラヴェルソを担当するレイモン・ホーニングは今回の選曲について、「テレマンが持つ創造性、独創性、ヴィルトゥオーゾ性に注目してもらおうと思った」と語っています。多岐にわたるジャンルにおいて作品を残したテレマンですが、今回はアンサンブル、ソロ、カンタータと3 つのジャンルにわたってテレマンの音楽の魅力を堪能できます。ホーニングのトラヴェルソの音色は瑞々しい活気に満ちたもの。全体的に優雅で穏やかな響きに満ちたCD ですが、生き生きとしたアンサンブルはラ・バルカ・ライデンの演奏ならではと言えるでしょう。

ACDBH 052
(SACD HYBRID)
\2400
古楽器バッサーノのアンサンブルによる
 15世紀〜17 世紀のスペイン音楽小品集
15世紀〜17 世紀のスペイン音楽小品集
(1)フレーチャ:「リウ・リウ・チウ」
(2)エンシーナ:「アモール・コン・フォルチュナ」
(3)アンチエタ:「愛して、お母様」
(4)エンシーナ:
 「水を越えておいで、私のフリエタ」、
 「今日は食べて飲んで」(15C作者不詳)
(5)デ・ラ・トーレ:「ダンツァ・アルタ」
(6)エンシーナ:「不運なる悲しきスペイン」
(7)エンシーナ:「悲しきスペイン」
(8)「ああ、素敵な友人!」(16C、作者不詳)
(9)カベソン:「イタリア風パヴァーヌ」によるディフェレンシア
(10)カベソン:パヴァーヌとそのグローサ
(11)モラーレス:「聖にしてけがれなき処女」
(12)サンドラン:フランス風カンツォーネ「甘い思い出」
(13)カベソン:「甘い思い出」
(14)ゲレーロ:「愛に傷ついた神の子」
(15)フアン・ブラス・デ・カストロ:
 「あなたの裏切りにさいなまれた心の高みから」
(16)「エスパニョレータ」(16C、作曲者不詳)
(17)カバニーリュス:
 ティエント第17番「パンジェ・リングァ」、プント・アルト
(18)クラビホ・デル・カスティージョ:第2旋法のティエント
(19)アラネス:シャコンヌの夜会
(20)フランシスコ・コレーア・デ・アラウホ:
 聖母マリアの罪なき聖歌
(21)ヒメネス:「20のフォリア」によるディフェレンシア
バッサーノ・カルテット
世俗音楽から教会音楽まで、スペイン古楽の魅力満点

録音:2010 年5 月6-8 日、ヨハネス教会(オーステム、オランダ)

 古楽器バッサーノの演奏者で構成されたバッサーノ・カルテットによる15 世紀から17 世紀スペイン音楽小品集。収録されたジャンルは世俗音楽から教会音楽まで多岐にわたり、各作品はバッサーノの四重奏用に編曲され、演奏されています。バッサーノはヴェネツィアに端を発し、16 世紀半ばよりスペイン宮廷でも愛されるようになった管楽器。今回のアンサンブルでは高音から低音まで、4 種類のバッサーノが用いられています。その音色はリコーダーを思わせる軽やかなものですが、より温かみのある響きが魅力。柔らかく包み込むような独特の優しい音色は必聴。中世からルネサンス、そして初期バロックにいたる幅広いスペイン音楽を一度に楽しめるのも大きな魅力です!

ACDBH 047
(SACD HYBRID)
\2400
14世紀を代表する音楽家らのシャンソン集
(1)デュファイ:「お望みどおり待ちましょう」
(2)ファブリ:「美しい5月に」
デュファイ:(3)「私は満足しています」
 (4)「いとしい人よ、何ゆえに考えたのか」
 (5)「帰る人々は」 (6)「さらばランのよき酒よ」
 (7)「私の心は鋭い矢で貫かれ」 (8)「新年の日」
(9)チコニア:「私は行かなければならない」
(10)ファブリ:「ああ、フランドル地方!」
(11)アヴェ・マリス・ステラ(作曲者不詳)
(12)チコニア:「いとしい娘よ」
(13)ランディーニ:「この愛は何なのか」
(14)カゼルタ:「太陽よりも輝くあなたの優しい姿」
(15)チコニア:「小さな踊り子が」
デュファイ:(16)「美しい乙女は塔の下に座り」
 (17)「恋人よ、あなたの燃えるような眼差しが」
(18)ランディーニ:「良い男性に目立つ愛は」
フォルトゥナ
デュファイ、チコニアら14世紀を代表する音楽家らのシャンソン集、中世後期音楽らしい柔らかくも華やかな響きに心温まる1枚

 14 世紀を代表する作曲家達の珠玉のシャンソンを集めた歌曲集。14 世紀といえば北ヨーロッパ、イタリアを中心にアルス・ノーヴァの華麗な音楽が花開いた時代であり、美しいシャンソンが多く生み出された時代でもあります。演奏者のフォルトゥナは14 世紀オランダのアルス・ノーヴァ音楽の伝道者として活動する団体。本CD でもデュファイとチコニアというオランダにまつわる2 大音楽家に焦点が当てられています。デュファイはブリュッセル近郊に生まれ、北ヨーロッパの音楽をイタリアへと伝えた14 世紀を代表する大音楽家。チコニアはイタリア人でありますがリエージュで音楽を学び、北ヨーロッパの音楽に多大な影響を受けた音楽家です。その他にもランディーニ、カゼルタらのシャンソンも収録。北ヨーロッパからイタリアまで、当時のヨーロッパに流れる中世後期音楽の潮流が感じられる1 枚となっています。リュート、ヴィエール、リコーダーによって奏でられる伴奏の響きは柔らかく、どこか懐かしさも感じられるもの。神秘的な響きを湛える中世シャンソンの魅力をたっぷりと感じられる1 枚となっています。

ACDBH 050
(SACD HYBRID)
\2400
ヘンデル、ルイエら18 世紀ロンドンで活躍した音楽家達のフルート作品集
「ロンドン・ラブ」
(1)J=B. ルイエ:リコーダー・ソナタ第5番 ハ短調
(2)ルオッフ(1957-):ラブ・ストーリーI
(3)ヘンデル:15 の独奏ソナタより 第2番 ト短調 HMV 360
(4)ルオッフ:ラブ・ストーリーII
(5)W. バベル:ソナタ第2番 ハ短調
(6)ルオッフ:ラブ・ストーリーIII
(7)J.S.バッハ:
 6つの無伴奏チェロ組曲第4番より プレリュード BWV 1010
(8)ジェミニアーニ:
 オペラ「ディオクレティアヌス」より、
  アリア「私がどれだけ彼女を愛しているか、どのように見せよう」
(9)ルオッフ:ラブ・ストーリーIV
(10)ヘンデル:15 の独奏ソナタより 第9番 ニ短調 HMV 367a
ランサンブル・ロッシニョール
 {アリス・ゴルト=スヴィティンク
   (バロック・フルート)、
  エリー・ヴァン・ミュンスター
   (テオルボ)}
バロック・フルートとテオルボによって奏でられる18 世紀と現代、2つの時代の愛の調べ

録音:2010 年2 月8-10 日、コーペル教会(フェーンハイゼン、オランダ)

 「ロンドン・ラブ」というCD タイトルの通り、「愛」をテーマとし、18 世紀ロンドンで活躍していた音楽家達のフルート作品を集めた1 枚。
 ルイエ、ヘンデル、バッハら当時を代表する音楽家達の作品の間に、ドイツ人の現代音楽家ルオッフのフルート独奏曲「ラブ・ストーリー」を挿入したユニークなプログラムとなっています。テオルボの伴奏に乗せて優雅に響くバロック・フルートの柔らかな音色には思わずうっとり。「ラブ・ストーリー」は、装飾豊かで優雅な旋律と艶のあるメランコリックな響きが美しい作品。全体的にゆったりとした素朴な曲調を中心とする18 世紀の作品との対比を楽しむことができます。18 世紀と現代、2 つの時代にまたがる愛の調べを堪能できる1 枚です!

ACDHJ 044
(SACD HYBRID)
\2400
オルランド・ディ・ラッソら16 世紀の荘厳な受難曲集
(1)ドゥ・ビュイソン:「おお、皆の者」
(2)フラミングス:「肉において十字架についた者を—思いおこす」
(3)ウタンダル:「彼を一人子として嘆く—女たちは涙する」
(4)バーテリンク(*1929):「我は癒しとならん」
ファルケステイン(*1928):(5)「主の受難にあって」
 (6)「ヨハネの福音による我らが主の受難」
(7)オルランド・ディ・ラッソ:
 「おお十字架、すべての星の輝き—甘美な木よ」
(8)フラミングス:「おお、神の子羊よ」
(9)ディ・ラッソ:「オリーヴ山の上で、主は父に祈った」
バーテルリンク(Org.)
ラバスカドル、ウィリアム・バード・
 ヴォカール・アンサンブル
古楽器の素朴な音色とオルガンの荘厳な響きを堪能できる1枚

録音:2009 年10 月19-20 日、11 月21-22 日、12 月9 日、
旧カトリック教会(デルフト、オランダ)およびR.C. 大聖堂(ハールレム、オランダ)

 ドゥ・ビュイソンやオルランド・ディ・ラッソら、16 世紀の音楽家達による受難曲集。どの時代においてもキリスト教音楽には欠かせない受難曲ですが、今回収録された作品はポリフォニー音楽の黄金時代といわれる時期に作曲されたもの。厳かに行われるミサにふさわしいよう、その響きは荘厳に満ちたものとなっています。また、本CD では演奏者バーテルリンク自身のオルガン作品、ファルケステインの合奏曲など、受難作品をテーマとした現代音楽家の作品も収録されています。
 伴奏を担当するラバスカドルは16 世紀音楽に中心に、中世からバロック時代までをレパートリーとしている古楽器演奏団体。ウィリアム・バード・ヴォカール・アンサンブルの美しい歌声と共に、神秘的な響きを聞かせてくれます。

ALTUS



ALT 227/8
(2CD)
特別価格
\3400→\3090
ゲルハルト・ボッセ追悼盤
 震災前日、神戸でのバッハ・ライヴ
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
 [CD1]
  1.-4. ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調BWV1046
  5.-7. ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調BWV1047
  8.-10. ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調BWV1048
 [CD2]
  1.-3. ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調BWV1049
  4.-6. ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調BWV1050
  7.-9. ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調BWV1051
ゲルハルト・ボッセ(指揮)、
神戸市室内合奏団
 [客演奏者:コンサートマスター: 白井圭(vn)、
 平尾雅子&瀬田麗(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
 花崎薫(vc)、北谷直樹(チェンバロ)、
 白尾彰(fl)、古部賢一、森枝繭子&多田敦美(ob)、
 岩佐雅美(fg)、
 太田光子&宇治川朝政(ブロックフレーテ)、
 垣本昌芳&永武靖子(hr)、高橋敦(tr)]
録音:2011 年3 月10 日神戸文化ホール 中ホール(ライヴ録音)

 1922年に生まれライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の第1コンサートマスターを務め、晩年は日本に居を定め、指揮者として日本のオーケストラを鍛え上げた。
 新日本フィルハーモニー交響楽団では2000年から首席客演指揮者(02年からミュージックアドバイザー)を務め、神戸市室内合奏団では98年に首席指揮者、2000年から音楽監督に就任していた。
 その日本に恩恵の深いボッセが先日90歳で亡くなった。
 これはそのボッセと神戸市室内合奏団が行った2011年3月10日の演奏会の記録。

 「これだけ客演奏者たちに恵まれ、彼らと、私の秘蔵っ子、神戸市室内合奏団の面々が一体となり、躍動感あふれるアンサンブルを創り出してくれた。
 この2011 年の「ブランデンブルク協奏曲全6 曲」は、私の日本での音楽活動の集大成であり、神戸市室内合奏団とのここ17 年間で最高の演奏会となった。
 私の今までの音楽人生で何度も演奏し、録音もしてきた「ブランデンブルク」の最も良い演奏になったと自負している。この録音を聴くたび、あの日のことを思い出すだろう。愛する人を亡くし、家を失い、故郷まで失って傷ついた人々の心が、J.S. バッハの音楽家から何かを受け取ろうとする時、私たちの演奏が少しなりともその仲立ちになれるなら、これほどの喜びはない。」
 ゲルハルト・ボッセ〜ライナーノーツより

AMBROISIE


Felicien David: String Quartets Nos. 1, 2 & 4
AM 206
\2600→\2390
世界初録音盤!
 フェリシアン・ダヴィッド(1810-1876):弦楽四重奏曲集

 (1)弦楽四重奏曲第1番 ヘ短調(1868)
 (2)弦楽四重奏曲第2番 イ短調(1869 頃)
 (3)弦楽四重奏曲第4番 ホ短調(未完)(1876)
カンビーニ=パリ弦楽四重奏団
ジュリアン・ショヴァン(Vn)
カリーヌ・クロケノワ(Vn)
ピエール=エリック・ニミロヴィチ(Vla)
酒井敦(Vc)
フェリシアン・ダヴィッドの弦楽四重奏曲、世界初録音盤!

録音:2010 年9 月

 グノー、ビゼー、マスネなど同時代人たちがオペラに傾倒していくのに対し、あくまでも器楽音楽に生涯を通して力を注いだフェリシアン・ダヴィッド。
 自作の交響的頌歌「砂漠」、歌劇「ブラジルの砂漠」などが舞台で大成功を収めてもなお、器楽作品を書き続けました。24 曲の弦楽五重奏曲、4 つの交響曲、管のための2 曲の九重奏曲、3 つのピアノ三重奏曲、そして4 つの弦楽四重奏曲などです。ダヴィッドの作品は、歌曲やオペラの大部分においては東欧の影響が見られますが、室内楽曲においてはドイツ音楽伝統のルーツが伺え、殊にここに収められている弦楽四重奏曲ではそれが顕著に表れています。構造、和声、表現などは、シューベルトや、またベートーヴェンの初期の弦楽四重奏曲op.18 をも思い起こさせます。また、「ベートーヴェニアン」としてパリで当時絶大な人気を誇り、ダヴィッドの師でもあった、オンスロウ(1784-1853)の影響も明らかにみられます。もちろん、メランコリックな旋律やエレガントな雰囲気も濃密に漂っており、ダヴィッドの魅了に溢れていることは言うまでもありません。未完の作品も含む貴重な弦楽四重奏曲の録音がここに誕生しました。
 カンビーニ弦楽四重奏団は2007 年に結成されて以後、メンバーの間で一貫した音楽的理想—古典派、ロマン派の中で、まだ日の目を見ていない名曲を再発掘し、当時の楽器で演奏すること—を抱いて発展してきました。シャンゼリゼ管、アンサンブル・バロック・ド・リモージュ、レ・タラン・リリクなど、世界の名だたる時代楽器団体でも演奏を重ねているメンバーたちが集った、猛者集団です。


ANDRE CHARLIN


AMS 82
\2000
心地よいフランス・バロックの響きにうっとり
 カンプラ(1660-1744):
  (1)クリスマス・オラトリオ「われらの主イエス・キリストの降誕」
  (2)詩篇125「主がシオンの繁栄を回復したもうとき」PS CXXV
エディット・ゼーリヒ(S)
エリック・タピー(T)
ジャック・エルビヨン(Bt)
マック・シェーファー(Org.)
ロジェ・ドゥラージュ(合唱指揮)
ストラスブール音楽院合唱団
R.ギヨー(指揮)
ストラスブール・コレギウム・ムジクム管弦楽団
ゼーリヒ、タピーら名手らによるカンプラのクリスマス・オラトリオ荘厳でありながら舞曲のリズムに弾む、心地よいフランス・バロックの響きにうっとり

録音:1966 年 サン・ルイ教会(ストラスブール、フランス)

 18 世紀初頭、リュリとラモーの時代の狭間の世代を代表する音楽家カンプラ。とりわけ「優雅なヨーロッパ」のような歌劇作品で知られるカンプラですが、宮廷だけでなく教会で活動を行っていたこともあり、教会音楽作品も多く残しています。今回は彼の教会作品の中からクリスマス・オラトリオと詩篇を収録。器楽伴奏に乗って歌われるクリスマス・オラトリオは、聖夜を祝うにふさわしい壮大な響きにあふれています。2 曲目の詩篇はカンプラ初期の作品。重厚で厳格な雰囲気というよりも、しなやかで軽快な響きが印象的な作品で、フランス・バロックならではの魅力を存分に感じられる作品といえましょう。2 曲ともフランス舞曲のリズムが頻繁に使用されており、心地良いテンポ感に心満たされます。テノールを担当するのはスイスの世界的テノール歌手タピー。その他、世界的に活躍する名手達の共演にも注目の1 枚です!

AMS 42
\2000
モンセラート修道院に響く18 世紀スペイン宗教カンタータの響き
 マルティ(1719-1763):
  (1)クリスマス・カンタータ「沈黙」
  (2)クリスマスの朝課「おお、大いなる神秘」
カルロス・エストラーダ (S)
ジーザス・バソル (S)
ヨゼフ・マリア・コル(C-T)
ドミンゴ・セガ(Ob.)
モンセラート修道院少年聖歌隊
バルセロナ・ソリスト器楽アンサンブル
スペイン、モンセラート修道院に響く18 世紀スペイン宗教カンタータの響き。壮大な合唱と静謐なアリアのコントラストに心打たれる名演

録音:1966 年、モンセラート・ノートルダム聖堂にて

 スペインのバルセロナ近郊には、モンセラート修道院という歴史ある修道院が存在しています。この修道院には13 世紀より連綿と続く聖歌隊が存在し、マルティは18 世紀にこの聖歌隊の楽長として活躍していた修道士。ドメニコ・スカルラッティに学び、A. ジュリアやカサノヴァなど次代のスペイン音楽界にも影響を残したマルティは、カタルーニャ教会音楽の歴史に大きく名を残している音楽家といえましょう。現代では殆ど取り上げられる機会のなくなってしまったマルティの魅力を知ることが出来る、希少なアルバムです。
 このアルバムの収録曲は、どちらもクリスマスにちなんだもの。クリスマス・カンタータ「沈黙」は全体的に明るく軽快な作品。ソリストたちの独唱や重唱も美しいですが、器楽伴奏とのふくよかなハーモニーも大きな魅力といえましょう。一方、クリスマスの朝課のレスポンソリウム「おお、大いなる神秘」ではソプラノの伸びやかな独唱と、オーボエのソロとの掛け合いが大きな聴き所。ひそやかなアリアの後に現れる壮大な合唱部分とのコントラストには圧巻です!

ANIMA RECORDS


ANM1 11000001
\2500
ジェローム・グランジョン
 霧の中で—1912 年の周辺—
1. ヤナーチェク:霧の中で
2. スクリャービン:5つの前奏曲op.74
3. シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲 op.19
4. ドビュッシー:前奏曲集〜第2集(全曲)
ジェローム・グランジョン(ピアノ)
録音:2011 年3 月、サン・マルセル教会/日本語解説付き

 20 世紀初期、音楽のみならず芸術全体が新しい表現を求めて「霧」の中をさまよっていた時代に書かれた作品たち。チェコ、ロシア、オーストリア、フランスのそれぞれの作曲家が、自分の独特な表現法を確立していった作品に光を当てます。
 ジェローム・グランジョンは、若くして国立パリ高等音楽院ピアノ科、室内楽科を一党で卒業し、チッタ・ディ・セニガリア国際ピアノコンクール入賞。文学と音楽を融合させたコンサートを開催、教育者とし世界各地でワークショップを行うなど多岐に渡る活動を展開しています。

APARTE

Shirley Brill plays Francaix & Prokofiev
AP 024
\2500
シャーリー・ブリル
(1)フランセ:クラリネット協奏曲
(2)プロコフィエフ:クラリネット協奏曲
 (原曲:フルートソナタ。ケント・ケナン編曲)
(3)フランセ:主題と変奏
シャーリー・ブリル(Cl)
アドリアン・モラール(指)
ルーマニア国立放送管
舌を巻く巧みさ21世紀クラリネットを背負ってたつ逸材、シャーリー・ブリル

DDD、59’30”

 1982 年イスラエル生まれの女流クラリネット奏者シャーリー・ブリル。リューベック音楽院でザビーネ・マイヤーに、ボストンのニューイングランド音楽院でリチャード・ストルツマンに師事し、2007 年にはジュネーヴ国際コンクール最高位を受賞した実力派。ドイツ・クラリネットならではの魅力を存分に聴かせてくれる彼女は、若手最注目株と申せましょう。音色の美しさもさることながら、人間業とは思えぬテクニックに唖然とさせられます。
 難曲として名高いフランセの協奏曲を、ここまで鮮やかに弾ききれるかという超人技。さらなる注目はプロコフィエフのクラリネット協奏曲。オリジナル作品ではなく、名作フルートソナタ(後にヴァイオリンソナタ第2番にも改作)を、アメリカの作曲家ケント・ケナン(1913-2003) がクラリネットとオーケストラ用に編曲したものですが、まるでオリジナルのように自然で惹きつけられます。原曲のフルートソナタ自体が難曲中の難曲ですが、移調楽器のクラリネットだとさらに難度が増すため、身の毛のよだつ技術が要求されますが、ブリルはたっぷり旋律を歌い、曲の牧歌的な雰囲気も保っています。
 加えて、ケナンのオーケストレーションがプロコフィエフそのもので色彩的。プロコフィエフ・ファンをしびれさせる響きに満ちています。21 世紀のクラリネット界を背負ってたつ逸材シャーリー・ブリル、要注目です。

APARTE

Faure: Theme & Variations & Barcarolles
AP 026
\2500
期待の若手ピアニスト、ジュリオ・ビダウ待望の初CD!
 フォーレ:
  (1)主題と変奏 嬰ハ短調(全曲)
  (2)舟歌 第1番〜第13番
ジュリオ・ビダウ(Pf)
フォーレの「主題と変奏」と「舟歌」全曲を収録した注目の1枚

録音:2011 年10 月3~5 日、サン・ボネ劇場(ブルジュ、フランス)

 1985 年イタリア生まれのピアニスト、ジュリオ・ビダウによる記念すべき最初のCD!ビダウは2010 年にカサグランデ国際コンクールで第3 位に輝いた他、数々のコンクールに入賞経験を持つ実力派です。20 世紀半ば以降の作品を得意とし、フランスを中心にヨーロッパ各地で活動しています。
 NHK の「スーパーピアノレッスン」で生徒役として来日出演したこともあり、日本でも今後ますます注目されるアーティストの1 人といえましょう。
 本CD には、ビダウがかねてより得意のレパートリーとしてきたフォーレの「主題と変奏」と共に、1880 年頃より晩年にかけて作曲された「舟歌」を全て収録しました。インタビューでは、「舟歌」の収録を通じて「フォーレの様式の変化、他の音楽家たちからの影響、次世代の音楽家への影響など、多くを発見することが出来た」と語ったビダウ。(このインタビューはリブレット内にも掲載されています【仏語、英語、伊語】)。本人が確かな手応えを感じるのも納得の1 枚です!

ARTE DELLA’RCO JAPAN



ADJ 013
\2600→¥2390
復活!
 鈴木秀美、若松夏美、菅きよみによるハイドンのトリオの決定盤!
ハイドン:トリオ
 第1番Hob.IV-6,第2番Hob.IV-7,
 第3番Hob.IV-8,第4番Hob.IV-9,
 第5番Hob.IV-10,第6番Hob.IV-11
菅きよみ(フラウト・トラヴェルソ)
若松夏美(ヴァイオリン)
鈴木秀美(チェロ)
オリジナル楽器ならではの親密な響き

録音:2004 年7 月26-29 日、秩父ミューズパーク音楽堂/DDD

 チェロ奏者・指揮者の鈴木秀美が、自らプロデュースしているアルテ・デラルコ( 弓の芸術) からまた嬉しい再発売商品登場です。それは鈴木秀美、若松夏美、菅きよみによるハイドンのトリオです。このトリオはハイドン自身のオペラから採られた旋律の数々がトリオとなって澄み切った空間を創り出します。オリジナル楽器ならではの親密な響きがハイドンの魅力をいっそうひきたてます。録音も非常に優秀で雰囲気、リアリティとも申し分なし。
 名エンジニア桜井卓と野田智子による名録音です。(TDKAD-013 の再発売商品)



—菅きよみ( フラウト・トラヴェルソ)—
16 歳よりフラウト・トラヴェルソを有田正広氏に師事し、1992 年、桐朋学園大学音楽学部古楽科卒業。また、1994 年、同大学研究科修了。ブリュッセル王立音楽院にて、フラウト・トラヴェルソをバルトルド・クイケン、マルク・アンタイ、フランク・トゥンスの各氏に師事し、1998 年、同音楽院をグラン・ディスティンクションで卒業。その後はラ・プティット・バンド、アニマ・エテルナ等に参加。2007 年に帰国後バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカをはじめ活発な活動を展開している。

アルテ・デラルコ関連アーティスト 演奏会スケジュール
◆若松夏美(vn) 竹嶋祐子(vn) 成田寛(va) 小峰航一(va) 鈴木秀美vc
2012年4月13日(金) サルビアホール 19:00~
2012年4月15日(日) 広島/しまなみ交流館 16:00~
2012年4月16日(月) 名古屋/宗次ホール 18:45~
2012年4月18日(水) 大阪倶楽部 19:00~
2012年4月20日(金) Hakuju Hall 19:00~
曲目 モーツァルト: 弦楽五重奏曲第4 番&第6番、ボッケリーニ:弦楽五重奏曲op.60-5
◆オーケストラ・リベラ・クラシカ 第29回定期
2012年6月23日(土) 上野学園石橋メモリアルホール 15:00〜
曲目 メンデルスゾーン: 弦楽のシンフォニア第1 番〜第4番、第7番、第8番

ATMA

J.S. バッハ:ヨハネ受難曲(コボウ/マクロード/ホプキンス/ワトソン/レ・ヴォワ・バロック/アリオン・バロック・オーケストラ/ヴァイマン)
ACD2 2611
(2CD)
¥3600

レ・ヴォワ・バロック
 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
レ・ヴォワ・バロック
福音史家:ヤン・コボウ(Ten)
イエス:ステファン・マクラウド(Bs)
ペテロ:ジョシュア・ホプキンス(Bs)
ピラト:ナサニエル・ワトソン(Bs)
アレクサンダー・ヴァイマン(指、オルガン)
アリオン古楽アンサンブル
レ・ヴォワ・バロックによるJ.S. バッハのヨハネ受難曲、コラールのふくよかな響きに心洗われる1枚

録音:2010 年11 月、モントリオール神学校(ケベック、カナダ)/31'54" / 74'40"、96kHz 24bit 録音

 名門団体レ・ヴォワ・バロックとアリオン古楽アンサンブルによるヨハネ受難曲。BCJ の録音でもおなじみのヤン・コボウが福音史家を、ステファン・マクラウドがイエス役を演じているのも興味津々。合唱も各パート3名で、非常に透明かつ締まった響きを聴かせてくれます。ヴァイマンのオルガンは控えめながらも芯のある音色。1981 年に設立されたケベックの古楽器演奏団体、アリオン古楽アンサンブルの美しい伴奏も聴き所です。
 演奏時間は100 分程度で、全体的にすっきりとした演奏。ソリスト、合唱、器楽伴奏の音量バランスも良く、それぞれの魅力が引き出された演奏といえましょう。

Impressions From France
ACD2 2121
¥2000→\1890
フランスのクラリネット作品
(1)プーランク:クラリネット・ソナタ
(2)サン=サーンス:クラリネット・ソナタ 変ホ長調 op.167
(3)ラボー:コンクール用クラリネットの独奏曲 op.10
ドビュッシー:
 (4)クラリネットのための第1狂詩曲
 (5)クラリネットとピアノの小品
 (6)ヴィドール:序奏とロンド op.72
 (7)ピエルネ:カンツォネッタ op.19
 (8)フランセ:主題と変奏
アンドレ・モアザン(Cl)
ルイーズ=アンドレ・バリル(Pf)
ドビュッシーの第1 狂詩曲オリジナル版世界初録音。新星楽器クラリネットの魅力に迫ったフランスの音楽家達の軌跡に想いを馳せる1 枚

65'23"

 ドビュッシーやサン=サーンスを始め、19 世紀後半に活躍したフランスを代表する音楽家と、それに続くフランスの音楽家達のクラリネット作品を収録したCD。
 クラリネットは18 世紀に作られ、1840 年頃に改良された比較的新しい楽器。クラリネットの真価が未だ見出される途上であった19 世紀初頭、フランスではパリ音楽院がクラリネットの普及・改良に大きな役割を果たしていました。本CD に収録された作曲家たちは皆、パリ音楽院と関わり深い音楽家達でもあります。ドビュッシーの名作「第1狂詩曲」のオリジナル版世界初録音に注目。ドビュッシーがパリ音楽院1910 年のコンクール用に作曲した際、自身は出来に満足していたようですが、被献呈者で初演者のポール・ミマールが、演奏上の問題から独奏パートの数箇所の直しを要請し、ドビュッシーはそれに従ったとされています。今回、ドビュッシーの自筆譜に従い、オリジナル版を復元しての録音となりましたが、よりドビュッシーらしさに満ちていて非常に魅力的です。
 アンドレ・モワザンはケベック生まれのクラリネット奏者。数々のコンクールで受賞経歴を持ち、現在はカナダを中心にソロ活動、アンサンブル活動を積極的に行っています。ルイーズ=アンドレもカナダを中心に活躍するピアニスト。卓越した技術と軽快なテンポで心地よいアンサンブルを聴かせてくれます!

ワクナー:トリプティク/クラリネット協奏曲(ベランジャー/アンドリュース/ワクナー)
ACD2 2319
¥2000

アメリカの才気あふれる俊英ジュリアン・ワクナー自作自演作品集
ジュリアン・ワクナー:
 (1)トリプティク
 (2)クラリネット協奏曲
(1)フィリップ・ベランジェ(オルガン)
 ジュリアン・ワクナー(指揮)
 メトロポリタンオーケストラ
(2)スコット・アンドリュー(Cl)
 ジュリアン・ワクナー(指揮)
 マギル室内オーケストラ
アメリカの才気あふれる俊英ジュリアン・ワクナー自作自演作品集、荘厳かつ神秘的な「トリプティク」&師ルーカス・フォスに捧げたクラリネット協奏曲

録音:(1)2005 年12 月 (2)2010 年6 月/52'27"

 ジュリアン・ワクナーによる自作自演録音を収録したCD。ハリウッド生まれニューヨーク育ちというワクナーは、アメリカを中心に今最も注目されている音楽家の1 人。現在はトリニティ教会合唱団、トリニティ・バロック管弦楽団で音楽監督および芸術監督を務め、指揮者としても活躍しています。
 また、ピアニスト、オルガニストとしても活動。古楽から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ実力派としても注目されており、その活躍には今後も大いに期待できましょう。ルーカス・フォスに作曲を師事したワクナー。自身の作風について、「ハーモニーとメロディ、動と静、明瞭と混沌、現代の技術と明らかに過去から借用した技術、これらの調和を追求する音の世界の中に、自分の音楽はあるのです」と語っています。若くして早くも注目を集めるワクナー独特の音楽性に迫る1 枚といえましょう!
 本CD では彼が近年作曲した2 つの作品を収録。トリプティクは3 楽章構成からなるオルガンとオーケストラのための作品。トリプティクとは、元々3 枚の絵が蝶番で結ばれたカトリックの祭壇画のこと。各楽章にはロゴス(神の言葉)、アガペー(神の愛)、アンジェラス(お告げの祈り)という名がつけられており、宗教的な主題をもった作品といえましょう。第1 楽章では荘厳なオルガンの音色とオーケストラの迫力あるアンサンブルに圧倒される一方、静謐な第2 楽章では神秘的なオルガンのソロに心洗われます。第3 楽章は数多のパーカッションと金管の神々しい響きが印象的。リズムと活気あふれるオルガンソロとの掛け合いも美しい作品です。2 曲目のクラリネット協奏曲はルーカス・フォス生誕80 周年を記念し、宇田川洋一からの要望で作曲されたもの。クラシックとジャズを融合した作風で、最低音からゆったりと上がっていくクラリネットのソロと共に曲全体が盛りあがっていく展開が爽快な作品です!

AURIS SUBTILIS

ドイツの新しいレーベル、auris subtilisの扱いを開始します。

ASC 5055
\2400
音楽:モーツァルト(1756-91)
 パリの夢−モーツァルトの軌跡を辿る文学と音楽の旅。
 テクスト:
  フィリップ・ユゲ(歌手・作家)による「モーツァルトへの私の手紙」
   1. ソナタ ニ長調 KV 7より「メヌエット」
   2. 敬愛するモーツァルトへ・・・
   3. ソナタ ニ長調 KV 7より「アレグロ・モルト」
   4. それにしても、神童であったかもしれないあなたは、なんて面白い人だろう
   5. ソナタ ニ長調 KV 7より「アダージョ」
   6. 15 年後に訪れた二度目の出会い
   7. ソナタ ニ長調 KV 330より「アレグロ・モデラート」
   8. パリのサロンと華やかなサークル(上流社会)の感激よう
   9. ソナタ ハ長調 KV330より「アンダンテ・カンタービレ」
   10. あなたのパリに対する無関心のわけは、ひょっとして・・・
   11. ソナタ ハ長調 KV 330より「アレグレット」
   12. 輝くものが何一つないパリで、あなたの才能は正式に評価されうるものだ・・・
   13. ソナタ ヘ長調 KV 332より「アレグロ」
   14. あなたとグリム男爵との関係
   15. ソナタ ヘ長調 KV 332より「アダージョ」
   16. 1778 年9月27 日、あなたはパリを(?)永遠に去った
   17. ソナタ ヘ長調 KV 332より「アレグロ・アッサイ」
バーバラ・バオン(ピアノ)
フィリップ・ユゲ(朗読)
録音:2011 年

 言葉の綾と音楽が織りなすモーツァルトの生き生きした世界。1763 年から1778 年までパリに滞在していたモーツァルトの軌跡を辿ります。フランスの歌手であり、作家でもあるフィリップ・ユゲによる、お洒落なフランス訛りのドイツ語と、バーバラ・バオンの奏でる晴れやかなモーツァルトの旋律が、パリの華やかな雰囲気を醸し出しています。
 バーバラ・バオンはフランクフルトの音楽芸術大学でピアノとピアノ伴奏を学び、その後マンハイム国立劇場、シンガポール・ゲーテ研究所などで研鑽を積みました。ソリストとして大いに活躍する傍ら、アンケ・フォンドゥング、オリヴァー・ヴィドマーなど有名な歌手の伴奏も務めており、絶大な信頼を寄せられています。フィリップ・ユゲは、フランスのブザンソン生まれ。マンハイム音楽芸術大学でオペラを学び、1989 年以来ドイツに住んでいます。
歌手、俳優、ステージ監督、作家として活躍しています。彼のシャンソン「ブレル!」、「今夕、私はマンドリンを待っている」はドイツで大反響を呼び、一躍脚光を浴びています。

AURIS SUBTILIS


Bach, J S: Goldberg Variations, BWV988
ASC 5051
\2400→\2190
オルガンによるゴルトベルク変奏曲
 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
フランス・フォン・プロムニツァウ
 (Org /聖ラウレンティウス教会、バッハ・オルガン)
音色と音色の間に広がる果てしなき宇宙、オルガンによるゴルトベルク変奏曲

録音:2010 年9 月

 バッハのゴルトベルク変奏曲・・・。何度聴いても新たな驚きに満ちたこの大曲に、またひとつ注目盤が生まれました。この大曲をオルガンで演奏するのは、1952 年生まれのフランツ・フォン・プロムニツァウ。彼は、オルガニストとしてオランダなどで活躍し、現在はドイツの教会でオルガニストを務めているほか、23 歳でドレスデン歌劇場の指揮台に立ち、ヴォーカルアンサンブルを指揮したという秀才指揮者でもあります。ハンス・オットーの下で学び、彼の代役としてドレスデンで舞台に立つこともしばしばありました。ドイツ本流のオルガン伝統を完璧に身につけています。2000 年には、フーガの技法を鏡像転回ヴァージョンの世界初の演奏を敢行しました。2010 年、彼のゴルトベルク変奏曲オルガン版が、バッハの325 回の誕生日を記念するために32.5 回ドイツで演奏されたという逸話もあります。とにかくバッハとオルガンには並々ならぬ強烈なこだわりのあるプロムニツァウによる、ドイツ中が酔いしれたゴルトベルクの登場です!


ASC 5056
\2400→\2190
「愛の思考」〜愛にまつわる麗しき歌曲
 モーツァルト:
  森の中でKV 308/夢の中の面影 KV 530/
 ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき KV 520/
 すみれ KV 476/鳥よ、年ごとに KV 307/
 ラウラに寄せる夕べの思い KV 523
 シューベルト:
  たゆみなき愛(ゲーテ詩) D.138/
  君こそわが憩い(リュッケルト詩) D.776/
  笑いと涙(リュッケルト詩)D.777/
  最初の喪失(ゲーテ詩) D.226/
  恋人のそばに(ゲーテ詩) D.162/
  流れの上で(レルシュタープ詩) D.943*/
  劇「ラクリマス」からの2 つの場面(シュッツ詩) D.857(op.124-1)
 ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル:
  なぜばらが褪せているの(ハイネ詩)op.1-3/
  たそがれが上方から降りてきて(ゲーテ詩)op.34/
  夜は静かな海のごとく(アイヒェンドルフ詩)
 メンデルスゾーン(バルトルディ):
  9つの愛(ハイネ詩)op.19/歌の翼に(ハイネ詩) op.34-2/
  魔女の歌(もうひとつの5月の歌)(ヘルティ詩)
 ヨーゼフ・ルドルフ・レヴィ:友情か、愛か(ミュヒラー詩)op.7
ヤナ・ビュヒナー(ソプラノ)
ハンス=ペーター・フィーバー(ホルン)*
ブリタ・ヴィートランダース(フォルテピアノ)
エッカルト・ゼルハイム(フォルテピアノ)
ビュヒナーが澄んだ声で歌い紡ぐモーツァルト、メンデルスゾーン姉弟らによる愛にまつわる麗しき歌曲

録音:2011 年9 月

 ヤーナ・ビュヒナーは、ドレスデン生まれのリリコ・ソプラノ。シュワルツコップやブリギッテ・アイゼンフェルトらに薫陶を受け、モーツァルトのオペラの数々やムゼッタ、ジルダ、ツェルビネッタ、さらにはDVD 化されて激賞されている「カルメル会修道女の対話」での修道女コンスタンス役など、世界の歌劇場で様々な役をこなしています。そんなマルチの能力をもつ彼女が、様々な愛をうたったドイツ詩による歌曲を録音。フォルテピアノの暖かな音色の伴奏、ホルンを含む歌曲など、趣向に富んだアルバムとなっています。もちろん詩と音楽への深い洞察も見事。

AURIS SUBTILIS


ASF 5057
\2400
アルゼンチン・タンゴのお洒落なリフレクション。
1. ティンタ・ロハ
2. シバンド
3. ヴェンタニータ・デ・アッラバール
4. グリーセル
5. エル・ピペ・デ・サランディ
・・・他
クァルテット・バンド
 【ユルゲン・カルテ(バンドネオン)
  ユリアーネ・ラーロフ(ヴァイオリン)
  シュテファン・ハインツェ(ピアノ)
  ロベルト・ブレンナー(コントラバス)】
カイオ・ロドリゲス(歌)
 南米に移住すること150 年、ドイツ系移民は現地のアルゼンチンやウルグアイの音楽文化—特にタンゴやバンドネオンの音楽に影響を与えてきました。今回はその歴史を踏まえて、オーケストラ・タンゴのクァルテット・バンドが20 曲余りあるタンゴに挑みます。アルゼンチンの伝統的なタンゴの名曲をロドリゲスがピックアップ。彼の哀愁漂う歌が、バンドに花を添えます。バンドの可愛らしく弾むリズム、スペイン語の鮮やかな発音、伝統的で新しい時代を超越した何かを感じ取ることのできる一枚です。
 クァルテット・バンドは、伝統的なタンゴの歴史を踏まえてさらにそれを進化させることを目標に掲げ、ヨーロッパ各地で活躍しています。精度を究めた演奏技術、絶妙なリズム感、まさに息のぴたり合ったタイミング感・・・どれをとっても申し分なく、そのちょっと煌びやかでお洒落な音楽は、モノトーンな毎日に原色のアクセントを添えてくれることでしょう。

AURORA


ACD 5073
\2500
ガメラン地形〜
 ルーベン・スヴェッレ・イェットセンの音楽

  (1)ガメラン地形(2008) (16人の奏者のための)
  (2)儀式 II (2002 rev.2003) (8人の奏者のための)
  (3)歌曲(2005) (ソプラノとプリペアドピアノのための)
  (4)儀式 I (2000 rev.2003) (16人の奏者のための)
  (5)ミニアチュア II (1999) (トロンボーンと打楽器のための)
  (6) tReMbLiNg (2002-05) (14人の奏者のための)
  (7)粒子(2003) (打楽器、ハープとヴィオラのための)
ピエール=アンドレ・ヴァラード(指)
BIT20 アンサンブル
まるでワールド・ミュージック。ブーレーズも認めたノルウェーの若手

DDD

 ルーベン・スヴェッレ・イェットセン(1977-) は、ノルウェー中部、オーレスンの南にあるヴォルダの生まれ。ベルゲンでモッテン・アイデ・ペーデシェンとジェイムズ・クラパトンに作曲を学び、客員のブライアン・ファーニホウ、クラウス・フーバー、ヘルムート・ラッヘンマンをはじめとする作曲家たちのマスタークラスに参加しました。ヘルシンキ、オーフス、オスロ、ストックホルムのフェスティヴァルやパリのアンサンブル・アンテルコンタンポランで作品が演奏され、ブーレーズとルツェルン・フェスティヴァル・アカデミーの委嘱を受けて作曲した2006 年の《Circles》によって彼の名と音楽が国際的に知られるようになりました。イェットセンの音楽は、こする音、きしむ音、ひっかく音を中心にテクスチュアが選択され、時に暴力的に、時に優しく、時に輝かしく、また透明にと表情を変えていきます。バリ島の " ガメラン" を音楽上の暗喩とする《ガメラン地形》を2009 年のベルゲン国際フェスティヴァルで初演した、グリーグホールに本拠を置く BIT20 アンサンブルが、イェットセンのきわめて技巧的な7 曲をピエール=アンドレ・ヴァラードの指揮で録音。イェットセンの美的世界を鳥瞰します。

BIS



BIS 2011
\1600→\1490
緊急特別発売
 BCJ一同から東北の被災者の皆様への祈りと熱きエール
   鈴木雅明の新録音も含む
J.S.バッハ:
 (1)カンタータ第15番「わが片足はすでに墓穴の中にあり」BWV 156〜シンフォニア
 (2)同〜アリアとコラール【ゲルト・テュルク(テノール)】
 (3)カンタータ第106番「神の時こそ、最上の時(追悼の式典)」BWV 106〜ソナティーナ
 (4)カンタータ第127番 BWV127〜アリア「魂は、主の御手のうちに、安らいでいます」
  【キャロリン・サンプソン(ソプラノ)】
 (5)オルガン・コラール『心よりわれこがれ望む』BWV 727
 (6)カンタータ第106番 BWV 106〜アリア『あなたの御手に、私の魂を委ねます』/
  アリオーソとコラール『あなたは今日私と一緒に楽園にいるであろう』
   【米良美一(カウンターテナー)、ゲルト・テュルク(テノール)】
 (7)管弦楽組曲第3番ニ長調〜エア
 (8)カンタータ第115番BWV115〜アリア『そのような時でも、祈るがいい』
  【スザンヌ・リディーン(ソプラノ)】
 (9)オルガン・コラール『われら悩みの極みにありて』BWV 641
 (10)カンタータ第170番 BWV170〜アリア『満ち足りた安らぎ、魂の愉しむ悦びよ』
  【ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)】
 (11)カンタータ第151番 BWV151〜アリア『甘き慰め、わがイエスが来られる』
  【ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)】
 (12)オルガン・コラール『私はあなたに叫び求めます、主イエス・キリストよ』BWV 639
 (13)カンタータ第105番 BWV105〜アリア『なんと震えまたゆらぐことか』
  【ミア・パーション(ソプラノ)】
 (14)カンタータ第159番 BWV159〜アリア『成し遂げられた』
  【ペーター・コーイ(バス)】
 (15)モテット『来たれ、イエスよ、来たれ』BWV 229
鈴木雅明(指)
バッハ・コレギウム・ジャパン、
鈴木雅明(Org)((5)(9)(12)新録音)
DDD、82’20”、日本語帯・解説付き

 『ここに上梓するCD は、特別な意図をもって作られたものです。2011 年3 月11 日におこった、東日本大震災およびそれに伴う津波は、私たち日本の誰にとっても、かつてない衝撃であり、直接被災した地域の人々のみではなく、日本という国を根こそぎ変えてしまったと言っても過言ではありません。
 (中略)
 そのような中にあって、J.S. バッハの音楽が、18 世紀のみならず21 世紀の現代においても、大きな慰めと励ましを与えてくれることを、私たちは実感してきました。そこで今、震災で亡くなった数え切れないほど多くの犠牲者を悼み、大きな喪失感の中にある被災した方々に寄り添い、心の傷が少しでも癒されるように、さらに、この国を次世代へ受け継ぐことができるような活力を得られるように、と、そのような思いを持って、このCD を作成いたしました。死に瀕し、不安におののく弱き人間の姿、 天国への希望、魂の安らぎと慰め、苦難にもめげず続けられる祈りと瞑想、神の摂理の成就とイエス・キリストへの希求をキーワードとしてプログラムを構成し、最後に、これらすべての概念を包含するモテットBWV 229 で締めくくっておきました。これらの音楽によって、思い乱れる心に、たとえ一瞬でも、安らぎと希望の光がさせば、それに優る喜びはありません。』(鈴木雅明)

 このCD は、東日本大震災被災者のための「BCJ 震災義援プロジェクト(2011 年4 月〜)」の一環として、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンにより企画されました。
 バッハの音楽と素晴らしい演奏を通して被災者の方々にエールを送ると同時に、CD の印税収入を寄付することを目的としています。
 大半は既発のカンタータ中のナンバーで、米良美一やミア・パーションなど懐かしい面々も総動員。さらに鈴木雅明がこのアルバムのために2011 年11 月に神戸松蔭女子学院大学チャペルのオルガンを用いて3篇のオルガン・コラールを新録音しているのも聴きもの。鈴木雅明の熱い想いが伝わる感動的な名演となっています。

BIS


BIS SA 1874
(SACD HYBRID)
\2600→¥2290
アンドルー・リットン&ベルゲン・フィル〜待望の「火の鳥」
(1)ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」全曲(1910年版)
(2)同:グリーティング・プレリュード
(3)チャイコフスキー(ストラヴィンスキー編):
 「眠りの森の美女」〜青い鳥のパ・ド・ドゥ
(4)シベリウス(ストラヴィンスキー編):カンツォネッタOp.62a
(5)ショパン(ストラヴィンスキー編):
 ノクターン第10番変イ長調Op.32の2
 華麗なる大ワルツ変ホ長調Op.18
アンドルー・リットン(指)
ベルゲン・フィル
物凄い音圧で迫るリットンの「火の鳥」

[ 録音:2009 年10 月、2010 年6 月/グリーグ・ホール(ベルゲン)] 71’40”

SACD ハイブリッド盤。
 録音の素晴らしさも相まってベストセラーを続けるリットンのストラヴィンスキー、最新盤は待望の「火の鳥」と編曲集。
 SACD の効果を駆使した大編成の1910 年版がとてつもないエネルギーで迫ります。ストラヴィンスキーとディアギレフのコラボは、1910 年の「火の鳥」に始まると思われがちですが、実はその1 年前にショパンの2作品をオーケストレーションする仕事を頼まれています。当アルバムではそれを聴くことができるのが超貴重。ショパンの人気作が極彩色の管弦楽をまとっています。また、チャイコフスキーがピアノ譜のまま残した「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を1941 年にオーケストレーションしたものも、まさにチャイコフスキーのバレエ音楽の響きで惹きつけられます。
 意外な珍品はストラヴィンスキーの同時代人シベリウスの弦楽合奏曲「カンツォネッタ」の木管とハープ用に編曲。「グリーティング・プレリュード」はピエール・モントゥ80 歳の誕生日に贈ったもので、「ハッピーバースデー」がストラヴィンスキー流に調理されています。ストラヴィンスキーが不協和音と強烈なリズムだけでないことを真に納得させてくれるアルバムと申せましょう。

BIS SA 1986
(SACD HYBRID)
\2600→¥2290
まさか!
 伝説的名演から20 年を経て、ヴァンスカがシベリウス交響曲シリーズに再挑戦
シベリウス:
 (1)交響曲第2番ニ長調Op.43
 (2)同第5番変ホ長調Op.82
オスモ・ヴァンスカ(指)
ミネソタ管弦楽団
[ 録音:2011 年6 月/オーケストラ・ホール(ミネアポリス)] 78’04”

SACD ハイブリッド盤。
 かつてラハティ交響楽団と記念碑的なシベリウスの交響曲全集を完成させたヴァンスカが、再録を決定。今回は手兵ミネソタ管弦楽団を率いての挑戦。同オーケストラとはベートーヴェンやシベリウスの名演を繰り広げており、さらに旧録音から約20 年を経て、ヴァンスカの円熟ぶりとさらなる深さを堪能できます。続編も乞うご期待。

BIS SA 1859
(SACD HYBRID)
\2600→¥2290
胸をえぐるようなリゲティの緩徐楽章、ノイネッカー円熟の再録音
 (1)ブラームス:ホルン三重奏曲変ホ長調Op.40
 (2)カレヴィ・アホ:ソロX(2010)
 (3)リゲティ:ホルン三重奏曲
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hrn)
アンティエ・ヴァイトハース(Vn)
シルケ・アヴェンハウス(Pf)
[ 録音:2010 年7 月/ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ(ベルリン)、2011 年7 月/エステローケル教会(スウェーデン)] 59’16”

SACD ハイブリッド盤。
 ドイツの名女流ホルン奏者ノイネッカーがBIS 初登場です。
 1983 年ミュンヘン国際コンクール2 位(1位はヴラトコヴィチ)の実力派で、リゲティからも絶大な信頼を寄せられていた彼女の円熟芸を楽しめます。ホルン、ピアノ、ヴァイオリンの編成で書かれたブラームスの三重奏と、同編成でブラームスへのオマージュとして書かれたリゲティの2 篇は1996 年録音が名盤の誉れ高いものの、今回15 年ぶりに再録音。共演にアルカント・カルテットで知られるヴァイトハースと、アヴェンハウスが共演というのも豪華。リゲティの緩徐楽章での胸をえぐるような感情表現が凄まじいのひとことに尽きます。

BIS 1953
\2500→¥2090
店主イチオシのバセルガ、久々の続巻!
 アルベニス:ピアノ曲全集Vol.7
 (1)スペインの歌Op.232
 (2)6つのサロン風マズルカ
 (3)演奏会用練習曲「願い」
 (4)ワルツ「秋」
 (5)軍隊行進曲
 (6)即興演奏 (1903)
 (7)イヴォンヌの訪問
ミゲル・バセルガ(Pf)
ますます冴えわたるバセルガの名調子によるアルベニス。店主がいかにバセルガを評価しているかはアルベニス特集をご覧いただくとして、そのバセルガ、待望の最新巻。

[ 録音:2010 年12 月/サラゴサ会議宮(スペイン)] DDD、71’09”

 アルベニスのピアノ曲全集刊行中のバセルガ、第7巻にあたる今回も凝った選曲が光ります。アルベニス9歳の作「軍隊行進曲」に驚愕。その完成度の高さと、人好きのするメロディの才は恐るべきものがあります。また、名作「コルドバ」や「セギディーリャ」を含む「スペインの歌」も独特のリズムの良さと語り口に惹き込まれます。興味深々なのは1903 年にアルベニスが録音した即興演奏を2009 年に採譜、出版された作品の演奏も含まれていること。自作自演の録音が古く、良く聴きとれなかった同曲を最新録音とバセルガの名演で、アルベニス未知の小品として蘇えらせました。
Debussy: Piano Music (complete)
BIS 1955/6
(6CD2枚価格)
\5000→¥4590
小川典子、畢生のドビュッシ−全集、BOX 仕様で登場
ドビュッシー:ピアノ曲全集
 2つのアラベスク/ベルガマスク組曲/ピアノのために/
 舞曲/バラード/ロマンティックなワルツ/夢想/
 マズルカ/夜想曲/ボヘミア舞曲/忘れられた映像/
 映像第1 集/映像第2集/版画/仮面/喜びの島/
 前奏曲集第1巻/前奏曲集第2巻/スケッチブックから/
 コンクール用小品/ハイドン賛歌/小さい黒人/
 子供の領分/レントよりも遅く/英雄の子守歌/
 アルバムのページ(傷病兵のための小品)/エレジー/
 おもちゃ箱/12 の練習曲/
 新発見の練習曲
  (「組み合わされたアルペジオのための練習曲」の初稿。1915)/
 間奏曲(1880/2) /6つの古代の墓碑銘/
 燃える炭火に照らされた夕べ (1917) /
 フーガ集(1881/3)*/ピアノと管弦楽のための幻想曲*
小川典子(Pf)
ラン・シュイ(指)
シンガポール交響楽団 
協奏作品と未知のフーガも含めた小川典子のドビュッシ−全集、BOX 仕様で登場

[ 録音:2000 年1&8 月、2002 年2&7 月、2004 年6 月、2005 年7 月、2007 年7 月/旧ストックホルム音楽アカデミー; 2009 年7 月/ポットン・ホール(イギリス);2011 年8 月/エスプラネード・ホール(シンガポール)]
* 初出音源、BOX仕様、DDD、7h 14’36”

 小川典子が10 年の時をかけて完成させたドビュッシー・ピアノ曲全集。各巻発売のたびに高い評価を受けてきましたが、今回すべてが揃い、セット発売となりました。何と6枚組2枚価格。さらに分売では発売されていないピアノと管弦楽のための「幻想曲」と、パリ音楽院の学生時代に課題で書かされたフーガ5篇が収録されているのも大注目です。フーガはもちろん世界初録音。ドビュッシー・ファンははずせない重要音源と申せましょう。また、初期の瑞々しさに満ちた「幻想曲」も、意外と録音に恵まれておらず貴重。小川典子の明快なピアニズムとBIS ならではの録音の良さで、曲の良さを再認識させてくれます。
 稀にみる名演に加え、ここまでいきとどいた収録の全集が、まさかの2枚価格。

BIS


BIS SA 1673
(SACD HYBRID)
\2600
ロナルド・ブラウティハム
 ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集Vol.11
 (1)ヴラニツキーの「森の乙女」の
  ロシア舞曲による12の変奏曲WoO.71
 (2)グレトリーの「燃える情熱」による8の変奏曲WoO.72
 (3)サリエリの「まさにその通り」による10の変奏曲WoO.73
 (4)ヴィンターの「子よ、おやすみ」による7の変奏曲WoO.75
 (5)ジュスマイアーの「ふざけと戯れ」による8の変奏曲WoO.76
 (6)創作主題による6の変奏曲WoO.77
 (7)エロイカ変奏曲Op.35
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
ブラウティハム、滋味あふれる変奏曲

[ 録音:2010 年8 月/エステローケル教会(スウェーデン)] 73’35”

SACD ハイブリッド盤。ブラウティハムによるベートーヴェンのピアノ独奏曲第11 集は変奏曲集。4巻続く変奏曲シリーズの第1巻となります。ベートーヴェンは当時流行していたオペラの旋律に基づく変奏曲をたくさん残していますが、初期作品とはいえベートーヴェンらしさが横溢していて聴き応え満点。ブラウティハムの誠実かつエネルギッシュな演奏に魅せられます。


BIS SA 1988
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
スドビン(Pf)/ ラン・シュイ&シンガポール交響楽団
ラフマニノフ:
 (1)パガニーニの主題による狂詩曲Op.43
 (2)交響曲第3番イ短調Op.44
エフゲニー・スドビン(Pf)
ラン・シュイ(指)
シンガポール交響楽団
絶美。スドビンのパガニーニ・ラプソディ

[ 録音:2011 年7、8 月/エスパラネード・ホール(シンガポール)] 68’32”

SACD ハイブリッド盤。
 昨年初来日を果たしたエフゲニー・スドビン。彼がラン・シュイ率いるシンガポール響とラフマニノフのパガニーニ・ラプソディに取組みました。スドビンの切れ味抜群のピアノはラフマニノフにぴったりですが、シンガポール響も熱演。絶美の第18 変奏も清潔で、ナイーヴな盛り上がりに心打たれます。


BIS SA 1814
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ハーデンベルガーからの素敵なポップス・プレゼント
(1)ピアソラ:忘却
(2)ジョニ・ミッチェル:ボス・サイド・ナウ
(3)リチャード・ロジャース:マイ・ファニー・ヴァレンタイン
(4)サン=プルー:アンダンテ
(5)ヤン・ルンドグレン:かもめ
(6)クルト・ワイル:スピーク・ロウ
(7)ミシェル・ルグラン:「5時から7時までのクレオ」〜サン・トワ
(8)トーマス・ニューマン:エンジェルス・イン・アメリカ
(9)モリコーネ:「ミッション」〜ガブリエルのオーボエ
(10)ニーノ・ロータ:「ゴッドファーザー」〜ワルツと愛のテーマ
(11)ロルフ・ヴァリーン:エレジー
ホーカン・ハーデンベルガー(Trp)
ケネス・シリトー(指)
アカデミー室内管、
ローランド・ペンティネン(Pf)

[ 録音:2011 年6 月/聖ジョン教会(ロンドン)] 50’21”

SACD ハイブリッド盤。
 スウェーデンの名トランペット奏者、ハーデンベルガーが意外なレパートリーに挑戦。ポップスと映画音楽からの名旋律を朗々と吹きまくっています。それもさすがハーデンベルガー、巧さはまさに神業で、並みのトランペッターとは格が違います。誰もが知る「ゴッドファーザー愛のテーマ」の哀切極まりない甘美さが失神するほどの美しさなうえ、ルグランやロジャースの歌い回しも、どの歌手にもひけをとりません。プレゼントにもぴったりなオシャレ・アルバムです。


BIS SA 1844
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
カミラ・ティリング(Sop)
 シューベルト歌曲集
 (1)ただあなたのそばにD866の2
 (2)デルフィーネの歌D857の1
 (3)フローリオの歌D857の2 (4)ズライカI D720
 (5)ズライカII D717 (6)シルヴィアに D891
 (7)小人D771 (8)秘めごとD719
 (9)秘められた恋D922
 (10)糸を紡ぐグレートヒェンD118
 (11)春の思いD686 (12)春にD882
 (13)岩のそばの歌びとD482 (14)墓掘人の郷愁D842
 (15)万霊節のための連祷D343
カミラ・ティリング(Sop)
パウル・リヴィニウス(Pf)
優しく清純な声質に聴き惚れる至福の1時間

[ 録音:2010 年9 月/ポットン・ホール(イギリス)] 61’40”

SACD ハイブリッド盤。
 オペラ界では大人気のスウェーデンの名花ティリング、ここではシューベルトのリートをしっとりと聴かせてくれます。超高域でも清純な美しさを失わないのはさすが。優しい声質が耳に心地よい1時間を楽しめます。リヴィニウスの絶妙なサポートも光ります。


BIS SA 1949
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
私の終りは私の始まり
 フランドル楽派の美しいポリフォニーを男声で
 (1)ブリュメル:死者のためのミサ曲
 (2)同:主よ、私を解き放って下さい
 (3)クレキヨン:エレミアの哀歌
 (4)クレメンス・ノン・パパ:悲しみがわれを悩ましぬ
 (5)ジョスカン・デプレ:アブサロム、わが息子
 (6)同:楽園にて
 (7)ジャクソン・ヒル:私の終りは私の始まり
ニューヨーク・ポリフォニー
 【ジェフリー・ウィリアムズ(C-T)、
  ジェフリー・シルヴァー(Ten)、
  クリストファー・ディラン・ハーバート(Br)、
  クレイグ・フィリップス(Bs)】
[ 録音:2011 年10 月/レンナ教会(スウェーデン)] 67’58”

SACD ハイブリッド盤。
 2006 年結成、アメリカを本拠に活躍する男声4名のアンサンブル、ニューヨーク・ポリフォニー。Avie レーベルから出たアルバムも激賞されましたが、今回BIS 初登場。当アルバムではフランドル楽派の巨匠によるポリフォニー作品を中心に選曲。ブリュメル(1460-1520頃) の死者のためのミサ曲は有名な「怒りの日」をポリフォニー化した最初の例といわれていて興味津々。いずれも古雅な美しさに満ちています。最後は1942 年生まれのジャクソン・ヒルによるギヨーム・ド・マショーの「私の終りは」パラフレーズが歌われるのもセンス抜群。要注目の団体です。

BIS SA 1126
(SACD HYBRID)
\2600
カレヴィ・アホ:
 (1)室内交響曲第1番(1976)
 (2)同第2番(1991/2)
 (3)同第3番(1995/6)〜アルト・サクソフォンと弦楽のための
ジョン=エドワード・ケリー
 (アルト・サクソフォン)
ステファン・アスバリー(1)(2)
ジャン=ジャック・カントロフ(3)(指)
タピオラ・シンフォニエッタ
抑制された硬質な響き、アホの室内交響曲

[ 録音:2009 年4 月、2005 年10 月/タピオラ・コンサート・ホール(フィンランド)] 56’40”

SACD ハイブリッド盤。
 現代フィンランドを代表する作曲家は、今日までに15 篇の大規模な交響曲を作曲していますが、弦楽のための室内交響曲も3 篇残しています。大作とは異なる制限された響きを堪能できます。アルト・サクソフォン独奏を含む第3番は、実質的にサクソフォン協奏曲で、当ディスクで演奏するジョン=エドワード・ケリーに献呈されています。

BONGIOVANNI


GB 5171
\2400
ダンドリュー:クラヴサン曲集 マリア・クロティルデ・シエーニ(Cemb)
録音:2011 年/DDD

ジャン=フランソワ・ダンドリュー(1682 −1738)は、ラモーより1 歳年上のフランスの作曲家。クラヴサン、オルガン奏者として比類ない名声を誇りました。マリア・クロティルデ・シエーニはイタリアのベテラン・チェンバリスト。彼女の演奏は誠実で温かみがあり、また録音もチェンバロのありのままの音を捉えているので、室内での少人数の演奏会で小型チェンバロの演奏を聞いているような気分になります。

GB 5170
\2400
中国出身のソプラノ、ナン・ツェンのイタリア歌曲集
トスティ:
 夢、そうしたいのだが、セレナータ、苦しみ、
 あなたが帰って来ないなら、別れの歌
レオンカヴァッロ:私に愛させて、マッティナータ
マスカーニ:セレナータ、バッラータ、アヴェ・マリア
ロッシーニ:約束、フィレンツェの花売り娘
ベッリーニ:
 熱い願い、フィッリデの悲しげな姿よ、
 優美な月よ、マリンコニア
ドニゼッティ:遥かに、愛と死、船乗りの恋
ナン・ツェン(S)
ロレンツォ・バヴァイ(P)
録音:2011 年/DDD

中国出身のソプラノ、ナン・ツェンのイタリア歌曲集。トスティの名曲や、音大の学生も好んで歌うロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティの歌曲、そして比較的珍しい曲も含まれるレオンカヴァッロ、マスカーニの歌曲と、盛りだくさんです。

CASCAVELLE



VEL 3163
\2300→\2090
編曲作品を含むリストのチェロ作品集
リスト:
 悲しみのゴンドラ S134
 6つのコンソレーション「慰め、6つの詩的思考」S172
  第1番ハ長調(原曲;ホ長調)、第4番変ニ長調、
  第2番イ長調(原曲;ホ長調)、第3番ホ長調(原曲;変ニ長調)、
  第5番ト長調(原曲;ホ長調)、第6番ハ長調(原曲;ホ長調)
 エレジー第1番S130
 エレジー第2番S131
 忘れられたロマンスS132
 忘れられたワルツ第1番 S215
 「ノンネンヴェルト島の僧房」 S382
 「夕べの鐘、守護天使への祈り」
クリストフ・パンティロン(チェロ)
マルク・パンティヨン(ピアノ;YAMAHA)
演奏は名手クリフトフ&マルク・パンティロン兄弟

録音:2011 年8 月6,7 日、ウィーン、ヤマハ・ホール/DDD

 編曲作品を含むリストのチェロ作品集です。その内容は第3 番が有名なコンソレーション全6 曲やブゾーニ編曲の忘れられたワルツ第1 番などで、リストならではの美しいメロディを低音のチェロが担当することにより非常に落ち着いた説得力のあるものとなっております。このチェロ編曲を聴けばリストの作品の新たな魅力に気づかされるでしょう。演奏のパンティロン兄弟はこれまでに多くの録音を残し、ヨーロッパを中心に活躍しております。
 ふたりの端正な演奏には定評があり、このアルバムでも兄弟ならではの息のぴったりとあった演奏を披露しております。

C AVI


4260085532360
(2CD)
\4600
実力派トリオ・ジャン・パウルによるシューベルト晩年の傑作、ピアノ三重奏曲集
シューベルト:ピアノ三重奏曲集
 CD1:
  (1)ソナタ楽章 変ロ長調 D28
  (2)ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 D898
 CD2:
  (1)ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 D929
  (2)三重奏曲「ノットゥルノ」 変ホ長調 D897
トリオ・ジャン・パウル
 【エックハルト・ハイリガース(P)
  ウルフ・シュナイダー(Vn)
  マルティン・レール(Vc)】
重厚なハーモニーと、物悲しくも流麗なメロディにうっとり。

録音:2011 年1 月(CD1)、2011 年6 月(CD2)、ケルンWDR クラウス・フォン・ビスマルクホール

 ヨーロッパ屈指の三重奏団トリオ・ジャン・パウルのCAvi レーベル第2 弾は、シューベルトのピアノ三重奏曲集!
 シューベルト最初期の作品である「ソナタ楽章」と、晩年期の傑作といわれる3 作品が収録されています。軽やかで若々しい活気にあふれた「ソナタ楽章」の後に晩年の作品を聴くと、シューベルトの円熟した音楽の魅力がより際立って感じられましょう。第1 番と第2 番はどちらも長大な作品ですが、重々しくも流麗な旋律、寂しくも抒情的な美しさにじっくりと浸ることが出来ます。
 トリオ・ジャン・パウルは1991 年に設立されて以来、世界各国で活躍しているベテラントリオ。1993 年の第1 回大阪国際室内楽コンクール、1995 年のメルボルン室内楽コンクールで優勝した実力派です。詩的音楽への追求に意欲的なアンサンブル団体で、今回も重厚なハーモニーと深みのある演奏を聴かせてくれます。

4260085532445
\2600
ヴァイオリンとフォルテピアノが織りなす瑞々しくも優美な響き
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
 (1)ヴァイオリン伴奏のクラヴィア・ソナタ op.2より
  第2番 ハ長調 K296 
 ヴァイオリン伴奏のクラヴサンまたはフォルテピアノのためのソナタ op.1 
  (2)第1番 ト長調 K301 (3)第3番 ハ長調 K303
  (4)第6番 ニ長調 K306
ジョルジオ・タバッコ(Pf)
フランチェスコ・ドラツィオ(Vn)
【使用楽器:ポール・マクナルティ2007年製ヴァルターモデル(1805 年)、1711年製グァルネリ】

 これまでにJ.S. バッハやヘンデル、ハイドンなどのソナタなど、多くの録音を共にしてきたジョルジオ・タバッコとフランチェスコ・ドラツィオ。
 名コンビがお送りするCAvi レーベル第1 弾は、ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ集です。マンハイムで活躍していた時代に作曲された作品を中心に、全体的に軽やかで明るい雰囲気に満ちた作品の数々を収録しました。フォルテピアノとヴァイオリンとの軽やかな掛け合いが美しく、タバッコとドラツィオの息の合ったアンサンブルに魅せられます。
 1805 年製ヴァルターをモデルにしたピアノフォルテと、クレモナ1711 年製グァリネリによって生み出される、柔らかくも芯の通った音色のハーモニーにも注目です!

CLASSIC CONCERT


CCR 62022
\2200→¥1990
ダニエル・オッテンザマーによるクラリネット作品集
(1)ウェーバー:大協奏的二重奏曲 変ロ長調 op.48
ブラームス:
 (2)クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 op.120 Nr.1 
 (3)クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調 op.120 Nr.2
ダニエル・オッテンザマー(Cl)
クリストフ・トラクスラー(Pf)
上質の絹のような、柔らかくも芯のあるクラリネットの音色を堪能できる一枚

 ウィーン・フィルを長きに渡って支えているエルンスト・オッテンザマーの長男にして近年ウィーン・フィルに参加している名手、ダニエルオッテンザマーが、ドイツが誇る名曲ウェーバーとブラームスのクラリネット・ソナタを収録しました。
 ウェーバーのデュオは明るく軽やかな旋律と、重々しくも流麗な旋律の対比が美しい作品。ブラームス作品では、クラリネットの優美で上品な音色を存分に堪能できます。ピアニストのトラクスラーとはこれまでにも数多くの共演を重ねてきており、今回も息の合ったアンサンブルを聴かせてくれます。(日本語解説付)

CCR 62151
\2200→¥1990
ウィーン名門オーケストラで活躍する名手による卓越したアンサンブル
(1)マルティヌー(1890-1959):組曲「調理場のレビュー」
(2)ツァノウ(1971-):
 「Segn S’ deswegen ham S’ nix liaber Herr」
  ヨーゼフ・ワインヘーバーのテキスト”Der Phaake による
   俳優と器楽アンサンブルのための
(3)ブラームス: セレナード第1番 ニ長調 op.11
 (九重奏版 改訂:ホルヘ・ロッター 1983年)
テオフィル・アンサンブル・ウィーン
ジャズ・バレエ組曲からブラームスのセレナードまで、個性的なプログラムが魅力の器楽作品集、ウィーン名門オーケストラで活躍する名手による卓越したアンサンブルにも注目

 マルティヌー、ツァノウ、ブラームス、という個性的なプログラムが魅力のCD。テオフィール・アンサンブル・ウィーンはウィーンフィル、ウィーン放送交響楽団、ウィーンフォルクスオーパーといった名門オーケストラの主要メンバー達から成る演奏団体。古典から現代まで幅広いレパートリーを持ち、様々な編成の曲に取り組んできたテオフィール・アンサンブル・ウィーンだからこそ出来るオリジナル・プログラムといえましょう。
 マルティヌーの組曲「調理場のレビュー」は1927 年に作られたジャズ・バレエの組曲版。曲名の通り台所を舞台としたバレエで、登場人物も全員台所用品というユニークな作品です。ジャズの要素が比較的強く、コミカルかつドラマティックな展開が魅力的な作品。曲間にはドイツのユーモア作家ロリオによるレシピの朗読も挿入されています。ギリシャを代表する現代音楽家であるツァノウの作品はテオフィール・アンサンブル・ウィーンが委嘱し、同団体に献呈されたもの。神話を題材としたウィーン方言の詩に基づいており、朗読と器楽サンサンブルが織りなす神秘的な世界が広がります。最後に収録されたブラームスのセレナード第1番は、アルゼンチンの指揮者ロッターによって改訂された九重奏版での演奏です。原曲の雰囲気はそのままに、堅実かつ深みのあるアンサンブルが魅力の作品といえましょう。全く雰囲気の異なる3 曲を見事に表現しきるテオフィール・アンサンブル・ウィーンの演奏技術とレパートリーの広さに改めて驚かされる名盤です。(日本語解説付)
CCR 62023
\2200→¥1990
ラッティンガー率いるル・レーヴ・ドルフェのソナタ・アンサンブル曲集
(1)P.H.エルレバッハ(1657-1714):ソナタ 第2番
(2)J.P.クリーガー(1649-1725):”Veriebtes Weinen und Lachen”
(3)F.クープラン(1668-1733):諸国の人々より「フランス人」
(4)J.P.クリーガー:”Die HeiBverliebte”
(5)マラン・マレ(1656-1728):マレ風のソナタ
(6)J.C.ドゥ・ラ・バール:(1633-1733) :
 ”Quand une ame est bien atteinte”
(7)G.P.テレマン(1681-1767):パリ四重奏曲より第2番 ニ長調
【ル・レーヴ・ドルフェ】
 ヤコブ・ダーヴィッド・ラッティンガー
  (指揮& Viola da Gamba)
 ブノワ・アレ(T)
 平崎真弓(Baroque Violin)
 佐藤梢(Fl)
 ロザリオ・コンテ
  (Theorbe & Guitar Baroque)
 フランシス・ヤコブ(Cembalo)
ヴィオラ・ダ・ガンバの名手ラッティンガー率いるル・レーヴ・ドルフェのソナタ・アンサンブル曲集、フランスとドイツ、異なるバロックの響きを楽しめるおすすめ盤

 ヴィオラ・ダ・ガンバ界注目の若手奏者ラッティンガー率いるバロックアンサンブル団体ル・レーヴ・ドルフェによるバロックアンサンブル曲集。
 1633-1737 年のフランスとドイツに焦点を当て、ドイツからはエルレバッハ、クリーガー、テレマン、フランスからはフランソワ・クープラン、ドゥ・ラ・バール、マレの作品がそれぞれ収録されています。同時代にありながら2 つの国で流行していた音楽の響きは全く異なるもの。今回はカルテット、トリオ、歌曲という3 種のジャンルにわたって各国特有の響きを聴き比べることが出来ます。もちろん、本CD の魅力は聴き比べだけに留まりません。ヴィオラ・ダ・ガンバ若手世代の中でも傑出した名手の1 人であるラッティンガーはもちろん、バロック・ヴァイオリン奏者としてヨーロッパ古楽界の第一線で活躍する平崎真弓、巨匠ホプキンソン・スミスの愛弟子ロザリオ・コンテら、国際色豊かな名手達による卓越したアンサンブルにも注目されます。若い世代らしい瑞々しい活気にあふれた演奏が魅力の1 枚です。(日本語解説付)
CCR 62025
\2200
ヴァイオリンとギターのための編曲集
(1)シューベルト:
 ヴァイオリン・ソナティナ第1番 ニ長調 D 384
  (編:Mats Bergstrom)
(2)バルトーク:ルーマニア民族舞曲(全6曲)
  (編:Arthur Leveringi)
(3)アストル・ピアソラ:タンゴの歴史(全4曲)
リンダ・ヘドルド(Vn)
オット・トロネン(Guitar)
バルトークのルーマニア民族舞曲ほかの名曲をヴァイオリンとギターのために編曲した二重奏曲集、抒情的かつ情熱的な音色に聞き惚れる1 枚

 フィンランド音楽界を牽引するヴァイオリニストの1人リンダ・ヘドルンドと、東京国際コンクールで第3 位に輝いて以来日本でも注目されるギタリスト、オット・トロネンによるヴァイオリンとギターの二重奏曲集。シューベルトのヴァイオリン・ソナティナ第1 番はヴァオリンとピアノの原曲を編曲したもの。
 抒情的かつ優雅な原曲の雰囲気はそのままに、ギターの軽やかな伴奏によって清涼感あふれる響きが印象的です。バルトークのルーマニア民俗舞曲には様々な編曲がありますが、本CD の編曲は民俗舞曲らしさに満ちていて独自の魅力を放ちます。ギターの流麗なリズムと、それに合わせて踊るように響き渡るヴァイオリンの艶やかな音色を堪能できます。その魅力はピアソラのタンゴの歴史においてもなお一層感じられましょう。タンゴのリズム感とセンチメンタルなメロディラインには思わず恍惚として聴き入ってしまいます。
BCR 62610
\2200
ラテン・アメリカの魅力あふれるギター作品集
(1)ジルベルト・ジル(1942-):
 エスプレッソ2222(編:Simon Schmuckermair)
(2)アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):ヂンヂ
カステルヌーヴォ=テデスコ(1895-1968):
 平均律ギター曲集 op. 199より
  (3)プレリュード第4番 ホ長調 (4)フーガ第4番 ホ長調
  (5)プレリュード第6番 嬰ヘ長調 (6)フーガ第6番 嬰へ長調
(7)アンディ・ナレル(1954-):
 ナッティ・スティック(編:Simon Schmuckermair)
(8)パウロ・ベリナッチ(1950-):ジョンゴ 
カステルヌーヴォ=テデスコ:平均律ギター曲集より
 (9)プレリュード第13番 ト長調 (10)フーガ第13番 ト長調
 (11)プレリュード第7番 変ハ短調 (12)フーガ第7番 変ハ短調
 (13)プレリュード第21番 変ホ長調 (14)フーガ第21番 変ホ長調
(15)ハダメス・ニャタリ(1906-1988):
 アナクレート・デ・メディロス 
(16)ホルヘ・モレル(1931-):ダンツァ・ブラジレイラ
エヴァ・テュヒラー(Guitar)
シモン・シュムッケルマイル(Guitar)
ハリウッドからブラジルまで—ギターはアメリカへ行く—往年の大作曲家カステルヌーヴォ=テデスコから今なおブラジル音楽界に輝く名手達まで、ラテン・アメリカの魅力あふれるギター作品集

 20 世紀中ごろからアメリカへ流入したブラジルの音楽をテーマに、往年の大作曲家から今もなお現役で活躍するギターの名手達まで、ギターの魅力あふれる珠玉の作品の数々が収録されています。アメリカに移住し幅広い活動を行ったことで知られるカステルヌーヴォ=テデスコはもちろんのこと、20 世紀ブラジル音楽を代表する音楽家でありボサノヴァ・ジャンル確立の立役者と言われるジョビン、今なお世界的アーティストとしてMPB を牽引するジル、ベリナッチらの作品も収録。現代まで綿々と続くブラジル音楽の系譜を追いながら、ギターの魅力を堪能できる1 枚となっています。

CLAVES


Beethoven: Concerto for Piano and Orchestra
50 1010
\2400→\2190
巨匠ドミトリー・バシキーロフの待望の新録音
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲ニ長調Op.61a(ヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲版)
 C.P.E. バッハ:協奏曲 ハ短調Wq.43 No.4
ドミトリー・バシキーロフ(ピアノ;Steinway&Sons D-274)
ペーテル・チャバ(指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
グルジア出身の名ピアニスト、巨匠ドミトリー・バシキーロフの待望の新録音はベートーヴェンのVn 協奏曲のピアノ版とC.P.E.バッハ

録音:2010 年4 月30 日-5 月2 日、ローザンヌ/DDD

 1931 年11 月1 日生まれの旧ソ連グルジア共和国、トビリシ出身の名ピアニスト、ドミトリー・バシキーロフの新録音登場です。
 バシキーロフはモスクワ音楽院で学び1955 年にはロン=ティボー国際コンクール入賞後、着実にキャリア積んでいきました。イタリア、スペインを中心に演奏活動する傍ら、長きに渡りモスクワ音楽院で教鞭を執りました。彼の特徴でもある滑らかで透き通るような音色は今もなお健在で、録音当時は78 歳とのとこですからまさに円熟の演奏と言えましょう( ちなみにバシキーロフの娘エレーナはギドン・クレーメルの元妻で現在はバレンボイムと結婚しており、文字通りの音楽一家です)。
 収録した曲はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をベートーヴェン自身がピアノ編曲した作品、そしてC.P.E. バッハ:協奏曲 ハ短調Wq.43 No.4 です。どちらもきらめくようなタッチで歌いあげ、バシキーロフ節炸裂で演奏しております。
 指揮者のペーテル・チャバはパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールにも受賞歴をもつヴァイオリニストでもあり、特に弦楽器のコントロールは絶妙で、バシキーロフの演奏を見事にサポートしています。

CLAVES



50 1113
¥2400→\2190
ハインツ・ホリガー(指揮)&ローザンヌ室内管弦楽団
 バルトーク、ヴェレシュ、デュティユーの作品集
バルトーク:ディヴェルティメントSz 113(BB 118)
シャーンドル・ヴェレシュ:
 ピアノ、弦楽器、打楽器のための協奏曲(1952年) ※
アンリ・デュティユー:
 瞬間の神秘〜24の弦楽器、ツィンバロンと打楽器のための
ハインツ・ホリガー(指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
デーネシュ・ヴァーリョン(ピアノ) ※
パウル・ザッハーによって委嘱されたバルトーク、ヴェレシュ、デュティユーの作品集、指揮はヴェレシュに作曲を師事をしたあのハインツ・ホリガー!

録音:2006 年8 月28-30 日、ローザンヌ/DDD

 近代音楽作曲家の作品委嘱に貢献したスイス人指揮者・作曲家のパウル・ザッハー(1906−1999) に深いかかわりをもつバルトーク、ヴェレシュそしてデュティユーの作品を集めたアルバム。指揮はあのハインツ・ホリガーです。
 バルトークのディヴェルティメント、ヴェレッシュ・シャーンドルのピアノ、弦楽器、打楽器のための協奏曲、そしてアンリ・デュティユーの「瞬間の神秘」はいずれもザッハーの依頼を受け作曲されたものです。
 バルトークのディヴェルティメントは彼の代表作のひとつとも言える傑作となり、現在では演奏・録音も数多くされるようになりました。
 また、シャーンドル・ヴェレシュはブダペストのリスト音楽院でバルトーク、コダーイに師事したハンガリーの作曲者で、1940 年東京の歌舞伎座で初演された日本の皇紀2600 年祝典依頼曲の交響曲第1 番を作曲したことでも有名です。ここにおさめられたピアノ、弦楽器、打楽器のための協奏曲はハンガリーの民族色を色濃く残し、独特の哀愁に満ちたオーケストラの旋律とピアノの対話が実に美しい作品です。なおこの曲はヴェルシュに師事したハインツ・ホリガーが度々演奏し、またアンドラーシュ・シフとも録音もしているホリガーの十八番の作品と言えます。
 そして、アンリ・デュティユーは言わずと知れたフランスの作曲家で、この「瞬間の神秘」はツィンバロン、パーカッションが様々な形で登場し流動的に流れる弦のパートと見事に調和した作品です。
 現代音楽の演奏に定評があるホリガーが満を持して挑んだ注目盤の登場です!

50 1110
¥2400
メロディ・チャオのClaves レーベル、デビュー盤
 リスト:12の超絶技巧練習曲集
メロディ・チャオ(趙梅笛) (ピアノ)
中国系スイス人女性ピアニスト、メロディ・チャオのClaves レーベル、デビュー盤は超人テクニック炸裂のリストを披露!

録音:2011 年5 月22-25 日、ラ・ショー=ド= フォン、スイス/DDD

 1994 年生まれの中国系スイス人女性ピアニスト、メロディ・チャオ( 趙梅笛) のClaves レーベルのデビュー盤となる新譜はマゼッパ、鬼火で有名なリストの12 の超絶技巧練習曲集です。チャオは幼いころから逸材として注目され、数々のマスタークラスに参加しその技術と音楽性が高い評価を得てきました。13 歳のときにはショパンの練習曲全27 曲を録音しその圧倒的なテクニックを披露し驚かせました。本アルバムは17 歳の時の録音になりますが、この若さですでに豊かな表現力をもち、また非常にクリアなアーティキュレーションで安定した技術をもっており、まだ10 代ながら風格すら感じられます。
 リスト・イヤーの2011 年に録音されたこのアルバムはチャオの無限の可能性を秘めた彼女の代表盤になること間違いなしの充実の内容です!

50 1111
¥2400
DUO ST15のデュオ
ポール・モーリス(1910-1967):プロヴァンスの風景(1955)
ピョートル・グレア=モゼジョ(1961-):ムーン・ダウン[DUO ST15初演]
カロリーヌ・シャリエール(1960-):ミニチュア(2004)[DUO ST15に献呈]
ヴィクター・コデロ(1971-):ソウルメイト(2008)[DUO ST15に献呈]
シャリエール:トランクイロ・アジタート(2007)[DUO ST15に献呈]
グレア=モゼジョ:ヌーメン(1998)[ローラン・エストピー初演]
ミヨー(1892-1974):スカラムーシュ(1937)
DUO ST15
 [ローラン・エストピー(sax)、
  ヴィルジニー・フォルケ(p)]
DUO ST15のデュオが奏でる一糸乱れるサクスフォン作品集

録音:2010 年2 月28 日-3 月2 日、ラ・ショー=ド= フォン、スイス/DDD

 1970 年生まれのサクスフォン奏者ローラン・エストピーとピアニスト、ヴィルジニー・フォルケによるデュオDUO ST15 のサクスフォン作品集です。
 収録曲はポール・モーリスの代表作アルトサクソフォンとピアノのための「プロヴァンスの風景」とミヨーのスカラムーシュを除いて全てDUO ST15 が関わって作曲されたもので、サクスフォンの可能性を広げた意欲的な作品ばかりを集めました。DUO ST15ならではの一糸乱れる演奏をご堪能ください。

COL LEGNO

WWE 20403
\2400
オズヴァルド・コッルチーノ:12 のスタンザ アルフォンソ・アルベルティ(Pf)
これはまさに現代の音詩人。音で綴られた哲学書

[ 録音:2011 年7 月/リメン・スタジオ(ミラノ)]/DDD、60’56”

オズヴァルド・コッルチーノは1963 年生まれの作曲家で詩人。エレクトロニクスを駆使した新しい感性が光ります。当アルバムはピアノのための「スタンザ」と称された12 の連作で、空間にちりばめられた音符と音のようなピアノ音楽となっています。非常に内省的な世界で、現代的で短いなかにきわめて哲学的な思想が含まれています。
WWE 50502
\2400
ウストヴォリスカヤ:ピアノソナタ全集
 (1)第1番(1947) (2)第2番(1949) (3)第3番(1952)
 (4)第4番(1957) (5)第5番(1986) (6)第6番(1988)
マルクス・ヒンターホイザー(Pf)
ソヴィエト音楽の異端、ウストヴォリスカヤのピアノソナタ全集

DDD、72’16”

 旧WWE.20019 と同一商品。現在はザルツブルク音楽祭の音楽監督の地位にあるマルクス・ヒンターホイザーによるウストヴォリスカヤのピアノソナタ全集。
 ガリーナ・ウストヴォリスカヤ(1919-2006) はショスタコーヴィチの愛弟子で、彼からプロポーズされたといわれる才媛。彼女の6曲のピアノソナタは、いわゆるロシア・ソヴィエト流の技巧的なアレグロ音楽でなく、薄いトーンクラスターがミニマル音楽的に続くもので、非常に不思議な世界を作り上げています。
WWE 20305
(2CD)
\4800
Quadrat-sch
 CD1
  Quadrat-sch:農家の音楽
   (1)これか、それか、他の道 (2)はずみ車
   (3)平和な小品 (4)アムリ (5)ペンギン
   (6)骨踊り (7)シーン3 (8) 332
   (9)ディス・タンツ (10)234
   (11)ドゥブ・ミノール (12)野心家
 CD2
  クリストフ・ディエンツ:
   (1)木製器 (2)岩石樹 (3)A の表面 (4)水
   (5)スナッパー (6)ウッドストーン (7)ボウル
   (8)牛乳函 (9)アルペン・シロフォン
Quadrat-sch:
 バルバラ・ローメン(ドゥルシマー)
 クリストフ・ディエンツ(ツィター)
 ギュンター・シュナイダー(ギター)
 アレクサンドラ・ディエンツ(コントラバス)
  ほか
のどかなオーストリア民謡調とノイズ系が入り混じった不思議世界

[ 録音:2010 年9、10 月]/DDD、42’07”、39’52”

 Quadrat-sch はクリストフとアレクサンドラ・ディエンツ夫妻を中心に、民俗楽器を用いて民俗音楽のコンセプトに基づく音楽作りをすることで有名だったグループ「クネーデル」が発展して生まれた団体。クリストフはウィーン国立歌劇場管のファゴット奏者として活躍するかたわら、当グループでは環状ツィターなる楽器の妙技を披露しています。当アルバムは2枚組で、1枚目にはまさにオーストリアの民謡と舞曲そのものの世界が広がります。
 2枚目は完全に実験的で、木製のボウルや水、石などのノイズ系音響をオーディオ的にとらえています。オーディオ・ファン注目のクリアな録音が光ります。

COVIELLO CLASSICS


COV 31115
(SACD HYBRID)
\2500→¥2290
ついに完結!
 ボッシュ&アーヘン響/ブルックナー交響曲シリーズ
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調(1868年第1稿)
マルクス・ボッシュ(指)
アーヘン交響楽団
[ 録音:2011 年6 月11-13 日/アーヘン、聖ミヒャエル教会(ライヴ)]マルチチャンネルステレオ、46’04”

SACD ハイブリッド盤。
 ボッシュが手兵アーヘン交響楽団を率いたブルックナー・シリーズ第9弾にして完結篇は交響曲第1番。リンツ稿とも称される第1稿による演奏で、これが非常な快演。改訂の過程で失われていった作品固有の性格と色彩を実感できます。さほど宗教でないパトスと、強大なリズム的エネルギー、予期せぬ盛り上がりなど、後期の作風とは異なる若々しいブルックナー像を再現してくれます。録音の良さも特筆もので、聖ミヒャエル教会の豊かな響きに酔わされます。
COV 61117
\2400
ハラルト・ムエンツ:
 (1)ほとんど、早く(2008)〜Cl, Marim, Pf  
 (2)データ圧縮(2009)〜Vn, Accd
 (3)きれいに…溶解(2010/1)〜Fl, Cl, Vc, Pf 
 (4)美しいピアノ曲(2006) 
 (5)後ろから前から(2006/7)〜Fl, Cl, Vn, Vc, Vib, Pf
アンサンブル・モザイク
ドイツ前衛の旗頭ムエンツ作品集

56’ 03”

ハラルト・ムエンツは1965 年生まれのドイツの作曲家。シュトゥットガルト、ケルン、デトモルトでラッヘンマンやクシシトフ・メイエルに師事、主に前衛手法の作風を示す中堅。特殊編成楽団アンサンブル・モザイクが実験的な難曲を見事に再現しています。

DB PRODUCTIONS



DBCD 134
\2500→\2290
スウェーデンの憂うつと美しき歌心
 フレドリック・エースタリング

 [ 1. パリ:朝の3時間、2. ナルキッソス、
  3. ロベルトとクララ、
  4. アート:素晴らしく恐ろしい、
  5. テラス、6. サテュロス、7. 愛人たちのワイン、
  8. 赤ん坊のためのかわいい言葉 ]
ヘルシングボーグ交響楽団
ノッルボッテン室内管弦楽団
室内アンサンブルN
ヴォーカルハーモニン
トリオ・ガマン
録音:1、4、6:2011 年3 月、コペンハーゲン 2:2004 年11 月、アルヴィツヤル修道院、(世界初演)
3:2010 年10 月、ヘルシングボーグ・コンサートホール(世界初演)
5:2011 年4 月、ストックホルム 7:1999 年1 月、ストックホルム

 スウェーデンの作曲家による、聴きやすい現代音楽のシリーズ「トータル・トナリティ」。今回はフレドリック・エースタリングです。彼の音楽は数多くの名門アンサンブルや演奏家達—ヘルシンボーグ交響楽団、トビアス・ライングボーグ、ノルボッテン・室内管弦楽団、ペッター・スンドクヴィスト、ヴォカレンアンサンブル、フレドリック・マルンバーグ、室内アンサンブルN/B トミー・アンダーッソン、トリア・ガマン等—によって演奏されています。ソリストのダン・ローリン、アコーディオンのアンドレアス・ボッレガードのうまさが引き立ちます。R. シュトラウスばりの陶酔感のある和声の中に、ドラマチックな歌が展開され、まるでロマン派のオペラを聴いているような感じさえします。

DBCD 140
\2500
シュテファン・エスターシオ
1. ケント・オロフッソン:アランビックII(I 2007)
 (エレクトリック・ギター、エレクトロニクス)
2. ヘンリク・フリスク:反復は全ての他の反復を反復する(2006)
 (10 弦のギター、エレクトロニクス)
3. ケント・オロフッソン:アランビックV(2008)
 (チャランゴ、エレクトロニクス)
4. ラヴ・マングス:ヴィケン(2005)
 (ギター、バンジョー、コンピューター)
5. ケント・オロフッソン:アランビックIV(2007)
 (エレクトリック・ギター、エレクトロニクス)
6. リチャード・カルペン:ストランドラインズ(2007)
 (ギター、コンピューター)
シュテファン・エスターシオ
 (ギター、チャランゴ、
  バンジョー、
  エレクトリック・ギター)
深遠の空間に広がるギターのざわめき。描かれる汀線。

録音:2010 年&2011 年、スウェーデン

 音楽を創造し、共有するに欠かせない「聴く」という行為に対し、様々な聴き方の可能性を模索しようとする一枚。共有に際して最も重要であるコミュニケーションの本質は、音そのものの中に現れる—そのような信念を抱いて作られた音楽には、未だ聴いたことのないような深い静寂のイマジネーションが広がっています。汀線というキー・コンセプトのもと、ある大まかな形式の中で、各々のディテールがその曲の定義となるような規則に応じつつ、絶えず即興で生み出されています。アランビック・シリーズでは、アコースティックやエレクトリックなど、様々な種類のギターが登場し、エレクトロニクスやコンピューターなどと音の掛け合いを行います。また、ラヴ・マングス作曲のヴィケンは子供時代に耳を傾けるというもので、作曲家によれば、故郷エンケーピングの近くにある浜辺にインスパイアされたということです。魚、太陽、夢のイメージが交錯し、万物の発祥となる海が目に浮かんできます。
シュテファン・エスターシオは、スウェーデンにおいて最も突出した新ジャンルの音楽のソロ・プレイヤー。スウェーデンの新人グラミー賞を授与されて以後、欧米、アジア各地でレコーディング、ツアーを実施しています。このアルバムは彼の5 作目に当たります。エレクトロニクスとギターのインターアクションに力を注ぎ、ロザー・ザグロセク、ペーター・アンドレ・ヴァラード、マリオ・ヴェンザゴ、フランク・オッル、トゥオマス・オリッラなどの指揮者と共演しています。他、現代音楽に関する論文も執筆しており、ワークショップなども行っています。

DBCD 145
\2500
若手実力派キュリアス・チェンバー・プレイヤーズ
1. マリン・バング:混乱した動き(2010)
2. イルヴァ・ルンド・バーグナー:ユーフォビア(2010)
3. クリスチャン・ウィンザー・クリステンセン:
 アンダンテ・コン・モート(2010)
4. レイ・ムナカタ:流れ落ちるハスの花(2008)
5. ニコライ・ウォルサーエ:残忍化した美(2010)
6. イェッペ・ジュスト・クリステンセン:
 グラウンド vol. 3(2005)
キュリアス・チェンバー・プレイヤーズ
レイ・ムナカタの作品を含む若手実力派キュリアス・チェンバー・プレイヤーズによる斬新な解釈!

録音:2010 年11 月18-21 日、2011 年8 月15 日、スウェーデン

 レイ・ムナカタが指揮をとるキュリアス・チェンバー・プレイヤーズは、デンマークやスウェーデンにおいて最も才能のある若手作曲家達から構成され、彼らは自分のアイデア、芸術的信念、美学を分かち合い、親交を深めてきました。楽器の持つ音色の幅をより広げ、斬新なメソードによる新音楽の可能性が力強く展開します。特にムナカタの「流れ落ちるハスの花」、日本の演歌にインスピレーションを得ており、邦楽の本質をしっかりと掴んだリチャード・クライグのフルートが、まるで尺八のような音楽表現を見事に聞かせてくれます。特殊な音響が作り出す雰囲気をどうぞお楽しみください。
 キュリアス・チェンバー・プレイヤーズは、2003 年より幅広い新音楽の演奏(ハード・コア・モダニズムからグラフィックによる偶然音楽まで等)を繰り広げてきました。コンサート現場の様々な状況に応じて自在に時空を操る点が特に注目を集めています。これまでに、ヴィデオによる即興アート、演劇、タロット・メディテーション、舞踊、詩、香りとのコラボレーションによるパフォーマンスを重ね、最近では風船、台所用品など日用品を用いた音楽表現の開発に従事しています。今後も目の離せない演奏者です。

DB PRODUCTIONS



DBCD 144
\2500→\2290
ようやく一般発売!
 ハンス・レイグラフの秘蔵録音!ベートーヴェン最後のソナタ
ベートーヴェン:
 (1)ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
 (2)ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ハンス・レイグラフ(ピアノ)
 第59号でお知らせして現地から取り寄せたレイグラフのベートーヴェン・ソナタ集、ようやく一般発売。価格もちょっとだけ安くなってます。前回購入された方はダブりませんよう・・・。
 実現叶わなかった新録音…dB Productionsのプロデューサーが思いをこめてリマスタリングした、スウェーデンの名ピアニスト、ハンス・レイグラフの秘蔵録音!ベートーヴェン最後のソナタ、第31番と第32番です。

録音:(1)1973 年12 月26 日、(2)1980 年7 月7 日 スウェーデン・ラジオ P2 提供音源
[ リマスタリング:2010-2011 年、エリック・ニルソン(dB Productions プロデューサー)]

 スウェーデンのレーベルdB Productions のプロデューサー、エリック・ニルソンが思いをこめてリマスタリングしたスウェーデンの名ピアニスト、ハンス・レイグラフの渾身のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、第32 番の初出録音です。
 その並々ならぬ思いを彼は次のように述べています。「2009年、私はハンス・レイグラフに彼のコンサートで弾いていたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32 番を録音しないかと提案しました。すると彼からは前向きな返事がきました。しかし、2010 年の年末、彼の体調に異変があらわれ2011 年2 月にストックホルムの自宅で帰らぬ人となってしまいました。
 私はあの時録音しておけばよかったと後悔にしました…しかし、彼が1973 年と1980 年にベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31、32 番をスウェーデン・ラジオに録音していたことを知り、彼のトリビュート・アルバムを作成することを決めました。彼の素晴らしい音楽を皆さまに届けたいと思いで。」—エリック・ニルソン(dB Productions プロデューサー)—
 教育者としても有名だったレイグラフはザルツブルク・モーツァルテウム大学の講師として後進の育成に携わり、永井幸枝、伊藤恵など彼に師事した著名な日本人ピアニストも多くいます。ここに収録されたベートーヴェンはいずれもたっぷりとした出だしから神がかったほど透き通るタッチで弾き、一度聴いたら耳から離れません。これだけ美しい奏法は他のピアニスト、特に現代では聴くことのできない貴重な宝と言えましょう。
なお、このCD は完全限定盤となっております。

DB PRODUCTIONS



DBCD 148
\2500→\2290
あのロイ・グッドマンが登場!
 モーツァルトとベートーヴェンのバレエ音楽集
(1)モーツァルト:
 『イドメネオ』のための5つの舞踊曲 K.367より
  「シャコンヌ」「ラルゲット」「ラ・シャコンヌ」「パ・スール」
(2)ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」
ロイ・グッドマン(指揮)
ヴェステロース・シンフォニエッタ
録音:2011 年5 月6&9-11 日、スウェーデン/DDD

 少年時代よりボーイ・ソプラノとして活躍し、同時にヴァイオリンを学び、ピリオド楽器、モダンのオーケストラのコンサート・マスターもつとめた経験をもつ、イギリスの指揮者ロイ・グッドマンがdB Productions レーベルに初登場。そのアルバムはベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」とモーツァルトの「イドメネオ」からのバレエ音楽です。「プロメテウスの創造物」は序曲、序奏と16 曲の管弦楽曲からなるバレエ音楽で、リヒノフスキー公爵夫人クリスティアーネに献呈された作品です。また『イドメネオ』のための5つの舞踊曲はオペラ「イドメネオ」と平行して作曲されていたと考えられているもので、この録音ではロンド風舞曲のシャコンヌ、パ・スールなど4 曲が収録されております。
 幅広いジャンルを演奏してきたグッドマンだからこその非常に表情豊かなバレエ音楽を聴かせてくれます。

 でも何がそんなにおかしいんでしょうね。

DBCD 147
\2500
実力派リュート奏者ニューローン
ジョン・ダウランド:
 前奏曲、別れのファンタジー、ファンシー、
 デンマーク王のガイヤルド、ウィロビー卿の歓迎、ガイヤルド/
フィリップ・ロセター:ガイヤルド、パヴァーヌ/
ジョン・ダニエル:パヴァーヌ/
ロバート・ジョンソン:アルメイン/
アノニマス:
 ア・スコッツ・チューン、ダフォン、
 ホーム・アゲイン・マーケット・イズ・ダン、カナリア
カール・ニューローン
 (A=415hz 8 弦コースの
  ルネッサンス・リュート)
期待の新譜はダウランドをはじめとするルネッサンス・リュート曲集

録音:2011 年7 月、ストックホルム/DDD

 dB Productions レーベルが誇るリュート奏者、カール・ニューローンの新アルバムが登場!
 ニューローンのソロ・デビュー作となったケルナーの作品集(DBCD 131) でも心あたたまる優しい音色を披露してくれましたが、今回のアルバム「The Jacobean Lutenists」でも変わらずリュートの魅力を伝えるすばらしい演奏です。今回使用したリュートはA=415hz に調弦された8 弦コースです。アルバム収録曲はアノニマスの作品からリュート曲でお馴染みのダウランドの作品まで英国の作曲家の作品をおさめております。

DYNAMIC



CDS 716
\2200→\1990
リストの交響詩のピアノ編曲版
 世界初録音含む
リスト(ストラーダル編):交響詩「オルフェウス」
リスト(クラウザー編):交響詩「前奏曲」
リスト(作曲者編):タッソーの葬送的凱旋
リスト(作曲者編):ファウスト交響曲—第2 楽章
リスト(ブゾーニ編):村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)
オラーツィオ・ショルティーノ(P)
録音:2011 年11 月、ミラノ/DDD、68'10

 リストの管弦楽作品をピアノ用に編曲した作品を集めたCD。ストラーダル編の「オルフェウス」とクラウザー編の「前奏曲」はおそらくこれが世界初録音です。
 オラーツィオ・ショルティーノは1984 年、シチリアのシラクーサ生まれ。ピアニストとして活躍する一方、作曲や指揮も手がける才人です。


CDS 719
\1400→\1290
フランス・レア・オペラからの名場面集
サリエーリ:「ダナオスの娘たち」から
 モンセラート・カバリエ(S イペルネストル)、
 ジャンルイージ・ジェルメッティ(指)RAIローマ交響楽団
マイヤベーア:「ユグノー」から
 デジレ・ランカトーレ(S マルグリート・ド・ヴァロワ)、
  レナート・パルンボ(指)イタリア国際管弦楽団
グノー:「シバの女王」から
 イ・チョンウォン(T アドニラン) 、マンリオ・ベンツィ(指)イタリア国際管弦楽団
マスネ:「ローマ」から
 ウォーレン・モク(T ロンチュリュス)、マルコ・グイダリーニ(指)イタリア国際管弦楽団
マスネ:「シェリュバン」から
 ミシェル・ブリート(Ms シェリュバン)、カルメラ・レミージョ(S ニーナ)
 エマニュエル・ヴィヨーム(指)カリアーリ歌劇場管弦楽団,合唱団
グノー:「ポリュクト」から
 ジョルジョ・カシャーリ(T ポリュクト)、マンリオ・ベンツィ(指)
 イタリア国際管弦楽団,ブラティスラヴァ室内合唱団
マスネ:「ラホールの王」から
 アナ・マリア・サンチェス(S シタ)、
  マルチェッロ・ヴィオッティ(指)フェニーチェ歌劇場管弦楽団
ビゼー:「真珠採り」から
 中島康晴(T ナディール)、アニク・マシス(S レイラ)
 マルチェッロ・ヴィオッティ(指)フェニーチェ歌劇場管弦楽団,合唱団
ラロ:「イスの王」から
 ギレーヌ・ジラール(S ローゼン)、ジュゼッピーナ・ピウンティ(MS マルガレード)
 セバスチャン・ゲーズ(T ミリオ)、エリック・マルティン=ボネ(Bs イスの王様)
 パトリック・ダヴァン(指)ワロン王立歌劇場管弦楽団,合唱団
マスネ:「タイス」—タイスの瞑想曲
 マルチェッロ・ヴィオッティ(指)フェニーチェ歌劇場管弦楽団
マスネ:「ウェルテル」(バリトン版、イタリア語)
 ルカ・グラッシ(Br ウェルテル)、ジャン=リュック・タンゴー(指)イタリア国際管弦楽団
フランスの珍しいオペラの名場面を集めました

DDD、68'32

 バロック・オペラ(CDS 704)、イタリア・オペラ(CDS 705)に続くDynamic の「ベリッシモ」シリーズの第3 弾。
 フランスオペラからの名場面集ですが、「カルメン」も「ファウスト」も「マノン」もなく、マニアックなオペラが並んでいるのがさすがDynamic。ことにマスネの珍しいオペラが並んでいるのが嬉しいもの。また録音当時まだ20 代半ばだったデジレ・ランカトーレが歌う「ユグノー」の難易度の高いマルグリートのアリアや、大プリマドンナ、モンセラート・カバリエが歌うサリエーリの「ダナオスの娘たち」など、マニアなら興味津々の録音も含まれています。

DYNAMIC

Mozart: Piano Concertos Nos. 11-13
CDS 713
\2200
バッハが高評価のバッケッティ、モーツァルトに挑む!
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第11番 ヘ長調 K.413
 ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414
 ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415
アンドレア・バッケッティ(P)
カルロ・ゴルドステイン(指)
パドヴァ・ヴェネト管弦楽団
録音:2010 年7 月、パドヴァ/DDD、76'24

 バッハの鍵盤用小品集(CDS 629)、鍵盤楽器のためのトッカータ全集(CDS 658)、そしてことにゴルトベルク変奏曲(CDS 659)で大きな評判となったアンドレア・バッケッティ、新録音はモーツァルトのピアノ協奏曲。バッハを得意とする明晰で整理のされた音楽と、モーツァルトが憧れたイタリアの明るさが、理想的な形で融合した演奏です。
 1966 年創設のパドヴァ・ヴェネト管弦楽団を、トリエステ生まれの指揮者、カルロ・ゴルドステイン指揮、バッケッティの音楽をサポートしています。

CDS 709
\2200→\1990
ベルタニョッリとオノーフリ!
 世界初録音多数の18 世紀ポルトガルの音楽
P.A.アヴォダーノ:
 (1)《ベレニーチェ》からの場面
 (2)アリア「ああ、あなたは美しいセレネを知らない」
P.G.アヴォダーノ:
 (3)シンフォニア ニ長調
 (4)シンフォニア ヘ長調
(5)アルメイダ:カンタータ「あの魅惑的な顔に」
(6)伝セイシャス:協奏曲 ト短調
エンリコ・オノフリ(指)
ディヴィーノ・ソスピーロ
ジェンマ・ベルタニョッリ(S)
フェルナンド・ミゲル・ハロト(Cemb)
ステーファノ・バルネスキ(Vn)
“18 世紀のポルトガルの知られざる音楽”

録音:2010 年2 月、リスボン/DDD、64'12

 日本でも高い人気を誇るエンリコ・オノフリが18 世紀ポルトガルの珍しい作曲家の作品を録音しました。ピエトロ・ジョルジョ・アヴォダーノ(生没年不詳)は、ジェノヴァ生まれで、19 歳の時にリスボンに移住したヴァイオリニスト、作曲家。ペドロ・アントニオ・アヴォダーノ(1714 −1782)は彼の息子。二人とも宮廷楽団で活躍しました。フランシスコ・アントニオ・デ・アルメイダ(1702 年頃−1755 年頃)は、ポルトガル王ジョアン5 世の命でイタリア留学をし、リスボンの宮廷音楽の発展に貢献をした人物。バロック声楽作品の歌姫として知られるジェンマ・ベルタニョッリが父アヴォダーノの曲を歌っているのも魅力です。

DYNAMIC


CDS 670
(2CD)
\4200
コントラバスの名手ボッテジーニのオペラ!
 ボッテジーニ:「エーロとレアンドロ」
ヴェロニク・メルシエ(S エーロ)
ジャン・ルカ・パゾリーニ(T レアンドロ)
ロベルト・スカンディウッツィ(Bs アリオファルネ)
アルド・サルヴァーニョ(指)
ピエモンテ・フィルハーモニー管弦楽団,
クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団

録音:2009 年、クレーマ/DDD

 DYNDVD 33670 でDVD発売されていた映像の音声がCD でも発売。
 今日では19 世紀のコントラバスのヴィルトゥオーソとして名高いジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)は、実はオペラの作曲家としても名高く、その代表作が1879 年にトリノで初演された「エーロとレアンドロ」。台本作家は、ヴェルディに「オテッロ」と「ファルスタッフ」の台本を提供したボーイト。ダーダネルス海峡(チャナッカレ海峡、ヘレスポントス海峡)にまつわるへーローとレアンドロスの伝説を、ロマンティシズムの濃い物語に仕立て、それにボッテジーニが美しい音楽を書いています。
 三人の歌手は、若い歌手、中堅、ベテランが組み合わされています。ヴェロニク・メルシエは、ローザンヌ出身のソプラノ。イタリアで学び、主として娘役、コロラトゥーラ・ソプラノとして活躍しています。ジャン・ルカ・パゾリーニは、アドリア海沿いのリッチョーネ出身。30 歳で歌を学び始めたといいます。
 近年ではイタリアにおけるモーツァルト・テノールとして活躍しています。そしてイタリアのバスの大御所、ロベルト・スカンディウッツィが大きな存在感を示しています。

簡単なあらすじ
 ヴェーネレ(ヴィーナス、アフロディテ)に仕える巫女エーロは、恋愛を禁じられていた身にもかかわらず、文武に優れた青年レアンドロと愛し合うようになった。そうとは知らず、トラキアの支配者アリオファルネはエーロに言い寄る。だが拒まれるや、アリオファルネは彼女を塔に閉じ込め、嵐の予言に従事させる。レアンドロはアリオファルネを攻撃しようとするも失敗、海峡の向こうへ移されてしまう。塔の中でエーロが悲しく歌っていると、レアンドロが海峡を泳いで渡って来る。抱き合って喜ぶ二人だが、アリオファルネが手下を連れてやって来るので、逃げ場のないレアンドロはバルコニーから飛び降りてしまう。アリオファルネは、嵐が起きたのにエーロが何も知らせなかったことを咎める。その時、稲光に岩場で死んでいるレアンドロの姿が照らし出される。
 悲しみのあまり、エーロも息絶えてしまう。

CDS 708
\2200
現代スペインを代表する作曲家
 トマス・マルコ:ギターのための作品

  22のタロット、早口で呟きながら、火のソナタ
マルチェッロ・ファントーニ(G)
ギターマニアもギター弾きも注目、現代スペインを代表する作曲家トマス・マルコのギター曲集

録音:2010 年4 月、ミラノ,2011 年7 月、ローディ/DDD

 トマス・マルコは1942 年、マドリッド生まれのスペインの作曲家。現代スペインの重要な作曲家です。ギター作品も多数残しており、ここに収録されているのはいずれも1990 年代の作品。 スペインのギターの伝統を受け継ぎつつ、現代的な感性を湛えたマルコの音楽は、たいへん魅力的です。
 マルチェッロ・ファントーニは、8 歳からギターを学び、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で学んだイタリアのギタリスト。

=デリーツィエ・ムジカーリ=

DM 8027
\1200
名盤、ヴェネツィア弦楽四重奏団によるボッケリーニ、
 お手頃値段で復活!
ボッケリーニ:弦楽四重奏曲集 Op.8
 第1番 ニ長調 G.165/第2番 ハ短調 G.166/
 第3番 変ホ長調 G.167/第4番 ト短調 G.168/
 第5番 ヘ長調 G.169/第6番 イ長調 G.170
ヴェネツィア弦楽四重奏団
 アンドレア・ヴィオ(Vn)
 アルベルト・バッティストン(Vn)
 ルカ・モラッスッティ(Va)
 アンジェロ・ザニン(Vc)
録音:1994 年、ジェノヴァ/DDD、76'54

旧CDS111。
イタリアの名カルテット、ヴェネツィア弦楽四重奏団によるボッケリーニの弦楽四重奏曲 Op.8 の録音。昨今ブームと言えるほど続々と録音が登場するボッケリーニ、弦楽五重奏曲の録音はたいへん多いのですが、弦楽四重奏曲はあまり多くありません。この作品8 も現役盤は少ないので、嬉しい復活です。

=デリーツィエ・ムジカーリ=
Viotti: Sonatas for Violin and Piano, Op. 4
DM 8026
\1200
アーヨのヴィオッティ、復活!
ヴィオッティ:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.4
 ソナタ第1番 ホ長調/ソナタ第2番 イ長調/
 ソナタ第3番 ニ長調/ソナタ第4番 変ロ長調/
 ソナタ第5番 変ホ長調
フェリックス・アーヨ(Vn)
コッラード・デ・ベルナルト(P)
録音:1997 年、ジェノヴァ/DDD、70'08

旧S 2002。先に発売された9 枚組ヴィオッティ集(CDS 689)にも含まれたヴィオッティのヴァイオリン・ソナタ集です。
イ・ムジチ創立以来15 年に渡ってコンサートマスターを務めたフェリックス・アーヨのヴァイオリンは、まさにイタリアンな美感の滴るもの。待望の再発です。

EGEA

BLS 021
\2400
「エナジー・ポジティヴ」 ル・オーモ・センザ・エタ
アルマドゥク、バーディ
シーソング、ホライゾンほか
マウリツィオ・カマルディ
 (ソプラノ・サックス、ヴォーカル他多数)
パウル・クレー四重奏団
ラチェーレ・コロンボ(パーカッション)
ルカ・ボルトルッツィ(バッテリア)
ミラノから魅惑のアルバム!サックスのマウリツィオ・カマルディ奏でる陽気なラテン。

 イタリアのサックス奏者マウリツィオ・カマルディ。ソプラノ・サックスを中心に、独自の世界を築いて聴かせます。今回のアルバムも手応え十分。タイトルが『エナジー・ポジティヴ』なだけあり、気分が落ち込んだ時はこのラテンのノリで元気百倍間違いなしです!朝一番に目ざましにかければ、爽快かつ仕事のはかどる日となるでしょう。カマルディ率いるアンサンブルの弾けるリズム、民俗楽器を使った歌心、圧巻のテクニックをご堪能ください。
 マウリツィオ・カマルディはサックスだけではなく、そのマルチな才能によってヴォーカルから、デュデュク(アルメニア・トルコ地方由来の、世界一哀愁漂う音色を持つ楽器と呼ばれる)など、民俗楽器もこなしてしまう超人的ミュージシャンです。来日が実現したら是非コンサートを聞きに行きたい。そう思わせる一枚です!

ENZO RECORDINGS


EZCD10018/19
(2CD)
\4200
比石妃佐子、最新録音
グラナドス:スペイン民謡による6つの小品H.125
組曲《ロマンティックな情景》H.57
ショパン:バラード第4 番 Op.52, 5月の歌
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8 番Op.13『悲愴』
ファリャ:4 つのスペイン風小品 G.37[
ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002):
 イヴェッテの為のソナティナ、ハバネラ
比石妃佐子(Pf)
12 月23 日放送の「アナザースカイ」(日本テレビ系全国)のゲストとして登場し、一気に注目が集まったバルセロナ在住の世界的ピアニスト、比石妃佐子(ひせきひさこ)の最新録音。

2011 年8-9 月、スペイン・バルセロナでのセッション録音/DDD、国内仕様帯、三ヶ国語(英語、スペイン語、日本語)曲目解説書付き

●比石が番組の中で演奏したモンサルヴァチェの「ハバネラ」はこのCD に収録されている。
●番組中で紹介されたサグラダ・ファミリア大聖堂ライヴ1995(EZCD-10017)に大きな注目が集まっており、今後比石の夫である外尾悦郎氏(サグラダ・ファミリア主任彫刻家)と一緒に「徹子の部屋」(テレビ朝日)への出演が予定されている。
●比石はアリシア・デ・ラローチャの愛弟子。ラローチャと共同でアルベニス作品の楽譜校訂にも関わっているなど、スペインのピアノ音楽のスペシャリストとしてヨーロッパを中心に活躍しており、11 年5 月には九響とアルベニスの協奏曲を本邦初演した。

EVIL PENGUIN RECORDS

Bach and Sons: Clavichord and Flute
EPRC 011
\2400
クラヴィコードの典雅な音色が魅力の、バッハ一族による作品集
バッハ一族による作品集
(1)ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(1732-1795):
 チェンバロ・オブリガートとフルートのための6つソナタより ハ長調(1777)
(2)カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ(1714-1788):
 チェンバロのための幻想曲 ハ長調 H291
(3)ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)(C.P.E. バッハ作?):
 チェンバロ・オブリガートとフルートのためのソナタト短調 BWV1020 
(4)ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):
 チェンバロのためのソナタ イ短調
(5)カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ:
 チェンバロ・オブリガートとフルートのためのソナタ ハ長調 WQ87
(6)ヨハン・セバスティアン・バッハ:
 プレリュード、フーガとアレグロ BWV 998
(7)ヨハン・セバスティアン・バッハ(C.P.E. バッハ作?):
 オブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ 変ホ長調 BWV1031
ベンヤミン= ヨーゼフ・シュテーンス
 (クラヴィコード)
ジャック=アントワーヌ・ブレッシュ
 (フルート)
録音:2011 年

 大バッハとその息子達による豪作品の共演。バッハ一族の中で、どのように音楽の流れが受け継がれていったのかを網羅している一枚です。繊細ながらも表情とダイナミックさに富んだ楽器、クラヴィコードは、特に18 世紀のドイツを中心に人々に愛され、特にバッハが熱烈に支持していたクラヴィコードとバロック・フルートによる演奏です。クラヴィコードは楽器自体の構造が単純なため、奏者の意志がダイレクトに音となってあらわれる上、ヴィブラートなどの効果も得ることができます。当時の文献(クヴァンツやC.P.E. バッハらが残しています)でいう「鍵盤楽器」は、第一にはチェンバロを指しますが、しかし、チェンバロはもちろん、当時の最先端だったフォルテピアノといった楽器は、まだまだ市民の手には届かない高嶺の花でした。当時の人々に最も広く愛されていたクラヴィコードで、これらのフルートと鍵盤楽器のための演奏したこのディスクは、実は当時の人々が耳にしていた音楽の姿なのかもしれません。
 ベルギー生まれのシュテーンスは、ランスのサン=レミ旧大聖堂などでオルガニストを務める実力派。テクニックの上でも解釈の上でも、これ以上ない演奏を聴かせてくれます。ブレッシュは、フランスの国立地方音楽院時代にすでにレコーディングで賞を受けており、主にバロック時代の作品を中心に取り組んでいます。数々の著名な音楽祭に招かれるとともに、日本のアンサンブルとも共演を重ね、好評を博しています。

FIRST HAND RECORDS



FHR 14
\1800→\1690
元アルディッティ四重奏団の名チェリスト、デ・サラム第2弾
(1)プフィッツナー:チェロ協奏曲第1番ト長調Op.42 初CD化
(2)ジョン・マイヤー(1929-2004):プラチャンダ(1982)
(3)ジョン・マイヤー:6つのラーガマーラ(1983)
ロハン・デ・サラム(Vc)
(1)オランダ放送管弦楽団
 ボフミル・グレゴル(指揮)
(2)ドゥルヴィ・デ・サラム(P)
(3)ジョン・マイヤー(タンプーラー)
元アルディッティ四重奏団の名チェリスト、デ・サラム第2弾、師カサドに献呈された「プフィッツナーのチェロ協奏曲」音源が初CD化

(1)録音:1980 年1 月10 日オランダ、ヒルヴェルスムAVRO スタジオ、 (2)(3)録音:1983 年ロンドン、コンウェイ・ホール/ADD、59’51”

 カザルスに「かれの世代で、こんなにも天賦の才に恵まれたものはほとんどいない」と言わしめ、ミトロプーロスが「稀にみる天才で、生まれながらの音楽家、おどろくべき若いチェリスト」と評した、現代最高峰のチェリストのひとり、ロハン・デ・サラムによるFIRST HANDS 第2 弾。
 プフィッツナーが残した3 つのチェロ協奏曲のうち、第1 番と付番されるト長調の曲は、1935 年にデ・サラムの師、ガスパール・カサド(1897-1966)のために書かれたもの。演奏時間15 分ほどの曲は、途中、木管やトランペットに印象的なフレーズも現れ、手の込んだ書法とソロ・パートのヴィルトゥオーゾ風のつくりが、プフィッツナーのほかの協奏曲にも通じる内容となっています。オリジナル音源は1980 年にオランダ・キリスト教放送連盟(NCRV)によって放送用に収録されたもので、このたびようやく初CD 化となります。
 カップリングにはジョン・マイヤー(1929-2004) の2 作品を収録。古代インド語で「作品群」を意味するプラチャンダ(Prabhanda) は、チェロとピアノによる8 つの小品からなる構造が「組曲」に近いもので、スリランカ出身のロハン& ドゥルヴィ・デ・サラム兄弟のために書かれています。6 つのラーガマーラ(Ragamalas) もまた、ロハン・デ・サラムの委嘱で書かれた作品で、いずれも別のレーベルよりCD 化されていたことがありますが、入手難の状態が続いていたので、こちらも復活は朗報といえます。
 カルカッタ出身のマイヤーは、ボンベイでメーリ・メータなどに師事したのち、奨学生としてロンドンの王立音楽院に学び、ロンドン・フィル、ロイヤル・フィルのヴァイオリニストとして活動するかたわら、この頃からヒンドゥーの伝統と西洋の古典様式との融合する作曲活動も展開しています。




旧譜
デ・サラム第1弾

FHR 11
\2000→¥1890
元アルディッティ四重奏団の名チェリスト、ロハン・デ・サラムが弾くチェロ作品集
 〜ハーモニック・ラビリンス

「音楽の迷宮 / コン・ジョイア・レコーディングス」
 ・J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第3 番ハ長調BWV.1009
 ・C.P.E. バッハ:
  スペインのフォリアによる12の変奏曲wq.118-9, H 263
 ・ロカテッリ:カプリッチョ第23番ニ長調〜
  「音楽の迷宮」op.3 [デ・サラムによる無伴奏チェロ用編曲版]
 ・J.S. バッハ:
  ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ
   第3番ト短調BWV.1029
 ・ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタOp.25-3(1922)
 ・デ・シルヴァ:ハープシコードのための4 つの小品
  パ・ド・ドゥ(ソナチネより) / 左手のための習作 /
  Alankara-Tala / 前奏曲
ロハン・デ・サラム
 (チェロ;Eric T Benning, Los Angeles,
  2005, after the “Christiani”
  cello by Antonio Stradivari; on loan
  by kind courtesy of Mr Armen Ksajikian)
プリーシ・デ・シルヴァ
 (ハープシコード;John Phillips, Berkeley,
  2001, after instruments
  by Johann Heinrich Grabner,
  the Younger, Dresden, circa 1740)
録音:2010 年5 月17-19 日カリフォルニア州、クレアモント、スクリップス・カレッジ・演奏芸術センター、ギャリソン・シアター(セッション・デジタル) DDD、ステレオ、71' 56"

 「かれの世代で、こんなにも天賦の才に恵まれたものはほとんどいない」—パブロ・カザルス

 かつてアルディッティ四重奏団のチェリストとして活躍したロハン・デ・サラムが、J.S. バッハやロカテッリを取り上げた異色のアルバムが登場します。
 現代の最高峰アルディッティ四重奏団の第3 代チェリスト(1977 − 2005) として、20 年以上に亘り、同時代音楽シーンの最前線でしのぎを削ってきたデ・サラム。在籍中、創設者のアーヴィン・アルディッティと比肩して、アルディッティ四重奏団の顔と呼ばれたほど。
 デ・サラムは、チェロのための主だった現代作品の献呈を数多く受けており、たとえばベリオから「セクエンツァXⅣ」を献呈され、クセナキスも作品を捧げている事実が示すように、その実力に対する信頼感は絶大。
 2005 年にアルディッティ四重奏団を勇退し、現在では、ソリストとして世界中の主要なオーケストラと共演を重ねているデ・サラムですが、“原点回帰”とでもいうべきこのアルバムでも、完璧な技巧を披露しています。
格調高いJ.S. バッハも聴かせますが、圧巻はやはり、アルバムのタイトルにもなっているロカテッリ。猛烈な勢いで目まぐるしくパッセージが繰り返され、まさに迷宮をおもわせる内容ですが、デ・サラムは圧倒的なテクニックでねじ伏せます。
 なお、デュオを組むデ・シルヴァは、アメリカ合衆国の著名な古楽アンサンブル、コン・ジョイア(Con Gioia) の音楽監督を務めています。キアラ・バンキーニ、モニカ・ハジェット、ヴィーラント・クイケン、マーティン・パールマンといった国際的に有名なビッグ・ネームとの共演を数多く果たしており、演奏ならびに創作活動でも、これまでに数々の賞を獲得しています。


GLOR


GC 12471
\2500→\2290
カンブルラン、ベートーヴェン第3弾!
ベートーヴェン:
 (1)交響曲第1番 ハ長調 op.21
 (2)交響曲第7番 イ長調 op.92
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
バーデン=バーデン&
 フライブルクSWR 交響楽団
カンブルランによる新鮮かつ刺激的、絶妙なベートーヴェン第3弾!

(1)録音:2011年5 月21, 24 日- フライブルク・コンツェルトハウス (2)録音:2000 年3 月8 日- フライブルク・コンツェルトハウス/65' 43

 GLOR レーベルから刊行されているカンブルランのベートーヴェン・シリーズ第3 弾の登場。今回は第1 番と7 番というカップリング。先に発売された「英雄」なども、快活なテンポと、それでいて細かな部分まで生き届いた新鮮な演奏を聴かせてくれただけに、期待が高まります。
 第1 番、冒頭の和音の絶妙なバランス感覚鳴、第3 楽章のコントラストの鮮やかさなど、さすがカンブルランとしかいいようのない明晰な演奏です。
第7 番でもカンブルランの棒は冴えます。第1 楽章の序奏部分も一分の迷いなく進みます。第2 楽章アレグレットの旋律の歌い方、そしてその旋律を彩る和声の陰影の付け方は見事です。第3 楽章の絶妙なテンポ、そして終楽章での小気味よい刻みっぷりと盛り上がりは、聴き手を裏切りません。小節線をまたぐ時や、次のフレーズに行く時に時折見せる絶妙な「ため」となめらかなレガート、鮮やかなデュナーミク。新鮮味たっぷり、カンブルランによる実に見事で新しいベートーヴェン像です。

HAENSSLER


93 283
\2400
ヴォルフガング・リーム(1952-):
 (1)『線について』—クラリネットとオーケストラのための音楽(1999)
 (2)『弓で』—ヴァイオリンとオーケストラのための音楽(2008)
(1)イェルク・ヴィトマン(Cl)
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
(2)カロリン・ヴィトマン(Vn)
エイヴィン・グルベルグ=イェンセン(指揮)
バーデン=バーデン・フライブルクSWR 交響楽団
巨匠カンブルラン&ハノーファーNDRフィル首席指揮者、グルベルグ=イェンセンによるリーム最新盤初演者ヴィトマン兄妹による圧巻のソロ

録音:(1)2009 年2 月12 日、(2)2010 年2 月27 日、3 月3 日/DDD、66' 10

 密かに話題を集めてきたヘンスラーの人気シリーズ、ヴォルフガング・リームの作品集最新盤、待望のリリースです!
 アルミンク音源が好評の第5 弾(93 263)に続き、第6 弾となる今回はソロ楽器とオーケストラのための管弦楽曲を2 曲収録。第4 弾(93 236)でも好評を博した名匠カンブルランの再登場、そしてドイツの俊英イェルク&カロリン・ヴィトマン兄弟のソロにも注目されます!ヴィトマン兄弟は各曲の初演を担当したソリストでもあり、作品への造詣深い演奏を堪能できる希少なアルバムといえましょう。
 カンブルラン指揮による『クラリネットとオーケストラのための音楽』は緩やかなテンポと激しいテンポが頻繁に入れ替わり、連続する弛緩と緊張のコントラストが魅力的な作品。1999 年に行われた初演でもソロを担当したクラリネット奏者イェルク・ヴィトマンの卓越したソロが光ります。クラリネットの広い音域と多彩な音色をフルに活かした超絶技巧のソロは圧巻の一言!2 曲目の『ヴァイオリンとオーケストラのための音楽』は2008 年に初演されたばかりの近年の作品。曲はソリストによる印象的なピッチカートの和音の連続から始まり、やがて“弓によるcoll’ arco” というタイトルの通り、密やかながらも情熱的なソロが展開されていきます。カロリン・ヴィトマンは、兄イェルクと同じく現代音楽演奏に積極的なヴァイオリニスト。イゴール・オジムやミシェル・オークレールらに師事し、これまで世界各国の名門オーケストラと共演してきた実力派です。終盤の優美かつ情熱的に繰り広げられるヴァイオリンのソロは必聴です!

94 606
(2CD)
\2600
アンサンブル・ラ・パルティータ
 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン&フルート名協奏曲集
 [CD1]
 ヴァイオリン協奏曲集「ラ・ストラヴァガンツァ」Op.4より
  (1)第9番ヘ長調RV284 
  (2)第12番ト長調RV294 ヴァイオリン協奏曲集「ラ・チェトラ」Op.9より
  (3)第3番ト短調RV334 (4)第4番ホ長調RV263a
  (5)第8番ニ短調RV238 (6)第2番イ長調RV345
 [CD2]
  (1)フルート協奏曲ト短調「夜」Op.10−2
  (2)同ニ長調「ごしきひわ」Op.10−3
  (3)同ト長調F.VI:6 (4)同ハ短調F.VI:11
  (5)同イ短調F.VI:7 (6)同ヘ長調「海の嵐」Op.10−1
スラミット・ヘッキ (Vn)
シルヴィー・ダンブラン(Fl)
アンサンブル・ラ・パルティータ
アンサンブル・ラ・パルティータによるヴィヴァルディのヴァイオリン&フルート協奏曲集ヘッキ、ダンブランの名演、待望の復刻盤!

録音:[CD1]1996 年3 月、[CD2]1995 年4 月、アルトシュテッテン(チューリッヒ)/66’26”、58’05”

 ヨーロッパを中心に活動する名団体アンサンブル・ラ・パルティータによるヴィヴァルディの協奏曲集。廃盤のため一度は入手困難となってしまっていた2 つの名盤を1 つにまとめての復刻盤リリースとなります!
 多くの協奏曲を手掛けたヴィヴァルディの作品の中でも有名な「ラ・ストラヴァガンツァ」と「ラ・チェトラ」、そしてフルート協奏曲集op.10 から珠玉の作品を収録。スラミット・ヘッキはアンサンブル・ラ・パルティータと多く共演してきたスイス人ヴァイオリニスト。チューリッヒでA. フィーツ、N. チュマチェンコらに師事し、チューリッヒを中心に活動しています。フルート・ソロを担当するシルヴィー・ダンブランもまたアンサンブル・ラ・パルティータと親交深いフルート奏者。スイスを代表する名手A. ニコレに師事し、高い評価を得ている名手です。アンサンブル・ラ・パルティータの活気あふれる伴奏と共に、ソリスト達の明瞭かつ華麗な響きを堪能することが出来る名盤です。

94 607
(2CD)
\2600
ヴェルディ四重奏団
 シューベルト:後期弦楽四重奏曲集
 [CD1]
  (1)第11ホ長調D353 
  (2)第12番ハ短調「四重奏断章」D703 
  (3)第15番ト長調D 887
 [CD2]
  (1)第13番イ短調「ロザムンデ」D804(Op.29) 
  (2)第14番ニ短調「死と少女」D810
ヴェルディ四重奏団
名門ヴェルディ四重奏団によるシューベルト後期四重奏曲集、円熟期シューベルトの深い抒情性に心打たれるアルバム

録音:[CD1] (1)1998 年 (2)1997 年 (3)1998 年 [CD2](1)1997 年 (2)1996 年/78’15、74’49”

 瑞々しい音色と卓越したアンサンブルで日本でも高い人気を誇る名門アンサンブル、ヴェルディ四重奏団によるシューベルト後期弦楽四重奏曲集。
 1996~1998 年にかけてシューベルトの弦楽四重奏曲全曲収録に取り組み、2009 年にヘンスラーより発売した全集(98 546)も高い評価を受けているヴェルディ四重奏団が、今回は過去の録音から第11 番以降の作品のみを集めたアルバムをリリースします!ヴェルディ四重奏団の演奏は棘のない澄んだ音色と、柔和でおおらかなフレージングが大きな魅力。彼らが奏でるシューベルトは、張り裂ける慟哭で聴衆の胸を突くというよりも、美しくも哀しいふくよかな響きで体全体を包み込んでしまうよう。ヴェルディ四重奏ならではの響きの美しさは何度聴いてもたまりません。また、様々な作曲年代の作品を同時収録していた全集とは異なり、後期作品のみを味わい尽くす楽しみ方が出来るのは本アルバムならではといえましょう!晩年のシューベルトの円熟した音楽に想いを馳せる名盤です。

HAENSSLER


98 640
\2300→¥2090
チャイコフスキーの歌曲が魅力的なピアノ曲に変身!
チャイコフスキー編曲集 ミホノフスキー編:
  (1)舞踏会のざわめきの中でOp.38 の3/(2)狂おしい夜Op.60 の6/
  (3)この月夜にOp.73 の3/(4)ただ憧れを知る者だけがOp.6 の6/
  (5)待てOp.16 の2/(6)セレナードOp.63 の6/
  (7)苦しくもまた甘しOp.6 の3/
  (8)灼熱の灰がある如くOp.25 の2/
  (9)私はお前と座っていたOp.73 の1/(10)何故そんなにOp.16 の5/
  (11)和解Op.25 の1/(12)私は窓を開けたOp.63の2/
  (13)昼の輝きが満ちOp.47の6
 フェインベルク編:
  (14)春Op.54の3/(15)私の庭Op.54の4/(16)冬Op.54の12
ペトロネル・マラン(Pf)
編曲ファン狂喜。チャイコフスキーの歌曲が魅力的なピアノ曲に変身。

録音:2011 年6 月19/20 / FWL スタジオ(ライプツィヒ)/DDD、52' 00

ブリュトナーの銘器を用いてバッハ(98.424)、モーツァルト(98.231)、ベートーヴェン(98.286) の編曲シリーズを続けるペトロネル・マラン、第4弾はチャイコフスキー。このシリーズはピアノ以外の形態用に書かれた名作を、古今のピアノの名手が腕によりをかけて編曲したものを集めていて、いずれも技巧的で華麗。今回はチャイコフスキーの歌曲をミホノフスキーとフェインベルクがピアノ用に編曲したもので、すべて世界初録音。イサーク・ミホノフスキー(1914-1978) はギレリスやリヒテルと同世代のピアニスト。後半生は教育に専念したため広く知られていませんが、オボーリン門下のヴィルトゥオーゾで、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」のソ連初演を行っています。彼の編曲13 篇は、チャイコフスキーの叙情性を主にした率直なもので、メロディの美しさにたっぷりひたれます。サムイル・フェインベルクはチャイコフスキーの悲愴交響曲のスケルツォ楽章の超絶的編曲でピアノ・ファンから崇められるヴィルトゥオーゾ。彼は歌曲も3篇ピアノ用に編曲していて、ファン必聴の凝った出来となっています。ブリュトナー・コンサートグランドの滋味あふれる響きにも注目です。

98624
\2300
シュテッツェルとコレギウム・ヴォカーレ・ジーゲン
 テレマン祝祭カンタータ集

 テレマン:カンタータ集
 (1)「私は知っている、わが救い主が生きていることを」 TVWV 1:873
 (2)「神は喜び叫ぶ声と共に昇り」TVWV 1:642
 (3)「神の愛の現れしとき」 TVWV 1:165
ステファニー・ブスト(S)
アンジェラ・フロマー(A)
ゲオルク・ポプルッツ(T)
イェンス・ハマン(B)
ウルリヒ・シュテッツェル(指)
コレギウム・ヴォカーレ・ジーゲン、
ハノーヴァー宮廷楽団
録音:2010 年10 月7-10 日、ジーゲン、マルティニ教会/48’51”

 シュテッツェル指揮の下、これまで数多くの名演を残してきた名門団体コレギウム・ヴォカーレ・ジーゲンとハノーヴァー宮廷楽団によるテレマンのカンタータ集。
 1716 年から1717 年、および1720 年にかけて作曲された3 つの祝祭カンタータを収録しました。当時用いられていた様々な祝典パフォーマンスに合わせた、テレマンの創意工夫が見られる作品集といえましょう。
 1 曲目の冒頭から、マルティニ教会に響き渡るふくよかなハーモニーにうっとりと聴き入ります。フランス的な響きとイタリア的な響きを併せ持つ、テレマンならではの軽快かつ美しい旋律を堪能できる他、ピリオド楽器の演奏と、最新の研究成果を反映した演奏手法によるパフォーマンスにも注目の1 枚です。

HAENSSLER


97 128
\2300

古い讃美歌の現代版アレンジ

パウル・ゲルハルト作詞、ヨハン・ジョージ・エベリング作曲:
 「わがたまさめてほめたたえよ」(讃美歌 No.14)
パウル・ゲツハルト作詞、ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681- 1767):
 「おのが道を委ねよ」( 讃美歌No.290 )
マルティン・ルター作詞、作曲:「神はわがやぐら」( 讃美歌No.362)
ニコラウス・ルートヴィヒ・フォン・ツィンツェンドルフ作詞、アダム・ドレーセ作曲:
 「イエスきみはいとうるわし」
・・・他多数
クラウス・ハイツマン
 (合唱指揮、編曲、プロデュース)
ジェンス・ハーマン(バリトン)
クラウディア・クラップシュタイン、
ファビエンヌ・ロワ、
ベッティーナ・シュップ、
カタリーナ・ヴォーリッツ(ソプラノ)
ガブリエル・ウール(アルト)
ラルフ・ヒュープナー
 (ラインガオ=シンフォニエッタノコンサートマスター)
さぁ、わが心よ、歌い飛べ。

録音:2009 年

 ドイツで中世より歌い継がれて、何百万もの人々の心に響いてきた古い讃美歌が、現代版アレンジによって蘇りました。子供のピュアな歌声に、器楽アンサンブルも加わり、本来は素朴な讃美歌ながら、輝かしさを増した合唱曲になっています。
 プロデューサー、及び讃美歌の編曲、合唱指揮を務めたのは、クラウス・ハイツマン。ラインランド出身でデュッセルドルフとアメリカのインディアナ州で音楽を学んだ後、作曲家、指揮者、音楽プロデューサー、出版、音楽教師など多岐にわたる活動を展開しています。特に作曲での活躍は目覚ましく、700 の声楽曲と400 の童謡曲を書いており、いずれも楽譜出版、録音がリリースされています。さらに、4 つのオラトリオ、6 つのカンタータ、8つの子供ためのミュージカルなどを手掛け、今やドイツを代表する声楽分野での大家として、世界的に評価されています。

HAENSSLER


93 273
\2400→¥2190
ノリントン&シュトゥットガルト/ブルックナーシリーズ第5 弾
 ブルックナー:交響曲第9番ニ短調WAB 109 (1894年原典版)
SWR シュトゥットガルト放送交響楽団
サー・ロジャー・ノリントン(指揮)
ノリントン&シュトゥットガルトによるブルックナーシリーズ第5 弾、第9 交響曲

録音:2010 年7 月15 日-16 日シュトゥットガルト・リーダーハレ、ベートーヴェンザール(ライヴ・デジタル)/DDD、ステレオ、51’59”
=トラック・タイム= I.22’11”+II.11’08”+III.18’40”= TT.51’59”

 ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響によるブルックナー・シリーズ第5 弾。2011 年をもって13 年間に亘る首席指揮者のポストから勇退するノリントンが、2010 年7 月に手兵を指揮したコンサートの模様をライヴ収録したものです。
 これまでの第3 番、第4 番、第6 番、第7 番がそうであったように、ここでも相変わらずの快速テンポが注目されるところで、通例1 時間を越える長大な演奏も少なくないなか、ここでの演奏時間はおよそ52 分と最速の部類に入ります。
 さらに、ノリントンによるブルックナー演奏のおおきな特徴として、響きのこのうえない透明感があります。じっさい、第3 番や第4 番の演奏が驚きをと感心をもって迎えられていただけに、従来、重厚なスタイルで演奏されてきたフィナーレなど、あらたにどのような美を引き出しているのか、おおいに期待されるところです。
 いずれにしても、このたびの内容もまたブルックナー・ファンのあいだで話題必至となるのはまず、間違いのないものとおもわれます。

HAENSSLER


98 629
\2300→¥2090
ファイ&ハイデルベルク響/ハイドン交響曲全集シリーズ第16 集
ハイドン:
 (1)交響曲第90番ハ長調Hob.I-90
 (2)交響曲第92番ト長調Hob.I-92「オックスフォード」
ハイデルベルク交響楽団
トーマス・ファイ(指揮)
ファイ&ハイデルベルク響によるハイドン交響曲全集シリーズ第16 集、第90 番&「オックスフォード」

(1)録音:2011年5月25、26日バート・ドュルクハイム、インテルナツィオナーレ・ナトゥールホルン・アカデミー(デジタル・セッション) (31’15”)
(2)録音:2010年9 月11、12 日エッペルハイム、ルドルフ・ヴィルト・ハレ(デジタル・セッション)(30’11”)
DDD、ステレオ、61’26”

 ファイ率いる手兵ハイデルベルク響によるハイドン交響曲全集シリーズ第16 集。
 ハイドンが名誉音楽博士号を授与された名門大学に対する返礼として演奏したことに因み、「オックスフォード」という愛称で親しまれる第92 番は、大規模なオーケストラを念頭に置いて書かれたゆたかな響きと緻密な対位法処理とで有名な作品ですが、ファイが繰り出す強弱・緩急のコントラストが生み出す活き活きとした表情からは、作品の印象もガラリと様変わり。あたかも「ハイドンなんてどれを聞いてもみな同じなんてもう言わせない」とでもいう、ファイの強い意気込みをあらためて見せつけられているようでもあります。
 ほかに、「オックスフォード」と同一の楽器編成をとる第90 番を収録。フィナーレに仕掛けられた偽休止のユーモラスな味わいは、極端で大真面目なファイの演奏で聴いてこそ迫真の効果を生み出すようにおもわれます。

HAENSSLER


98 643
\2300→¥2090
モーザーとインキネン、若手実力派タッグによる注目の名演
 (1)ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調
 (2)ブリテン:チェロ交響曲 op.63 
ヨハネス・モーザー(Vc)
ピエタリ・インキネン(指揮)
ケルンWDR 交響楽団
巨匠ロストロポーヴィチに献呈された名曲、ショスタコーヴィチとブリテンのチェロ協奏曲

録音:2011 年2 月25 日~3 月2 日、ケルン・フィルハーモニー/DDD、62’24”

 2008 年に来日して以来、日本でも高い注目を浴びるドイツの俊英チェリスト、モーザーが屈指の難曲ともいわれるショスタコーヴィチのチェロ協奏曲、そしてブリテンのチェロ交響曲を収録。どちらも巨匠ロストロポーヴィチに献呈されたもので、ロストロポーヴィチ自身による名演も残っている名曲。
 そのロストロポーヴィチの孫弟子にあたるモーザーによる、意欲的かつ挑戦的なプログラムが魅力の1 枚です。
 これまでに数多くの名門オーケストラ、名指揮者と共演し、今なお世界中に活躍の幅を広げる若手実力派モーザー。近年は20 世紀のチェロ作品の演奏に積極的で、客観的なスタンスから巧みに難曲を弾きこなすスタイルが評判のチェリストです。彼が生み出す音色は絶対零度の熱さとでも表現すればよいのでしょうか…痛ましくも甘美なショスタコーヴィチの2 楽章、そして3 楽章のカデンツァは圧巻の一言。ブリテンのチェロ交響曲では、重音の厚い響きとパッションに満ちたオーケストラとの掛け合いを堪能出来ます。その卓越した演奏技術と高い表現力に、今後さらに期待されるチェリストといえましょう。モーザーのソロを惹きたてるのは名将インキネンが率いるケルンWDR 交響楽団。モーザーとインキネン、今注目の2 人のアンサンブルによる名演です!

98 642
\2300→¥2090
モンサルバーチェの民族的かつ壮大な音楽を堪能できる1枚
 バートン・パインの卓越したソロにも注目
モンサルバーチェ(1912-2002):
 (1)ポエマ・コンチェルタンテ
 (2)黒人の歌(全5曲)
  1. ピアノの中のキューバ 2. ハバネラの調べで
  3. 短刀が自慢の伊達男 4. 黒人の子守歌 5.黒人の歌
 (3)協奏的舞曲より ア・ラ・エスパニョーラ
 (4)ピアノ小協奏曲
ルチア・ドゥショニョヴァー(Ms)
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
ジェニー・リン(Pf)
セルソ・アントゥネス(指揮)
ハノーファーNDR フィルハーモニー
録音:2011 年5 月30 日〜6 月3 日、NDR ハノーファーホール/DDD、54’37”

 スペイン出身の現代作曲家、黒人の歌を始め、モンサルバーチェの珠玉の作品を収録した1 枚。モンサルバーチェはカタルーニャ民謡を基調した強い民族色のある作品で知られ、器楽曲だけでなく映画音楽やバレエ音楽など幅広いジャンルで作品を残した作曲家です。今回収録された曲は、どれもモンサルバーチェならではの壮大なオーケストレーションと民族的なリズム・装飾が大きな魅力。ポエマ・コンチェルタンテでは世界的ヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パインの妖艶かつ甘美なソロの音色を堪能できます。
 モンサルバーチェの代表作ともいわれる黒人の歌を歌うのはスロヴァキアを代表するメッゾのドゥショニョヴァー。ドゥショニョヴァーと指揮者アントゥネスは以前もスペイン作曲家トゥリーナの歌曲集で共演しており、スペインものに定評があるタッグといえましょう。ラストに収録されたピアノ小協奏曲は壮大な第1・3 楽章と叙情的な第2 楽章の対比が美しい作品です。現代音楽演奏に定評のあるピアニスト、ジェニー・リンのソロにも注目。民族色の強い作品が好きな方はもちろん、ラヴェルやガーシュインが好きな方にもおすすめの1 枚です!

98 569
\2300→¥2090
巨匠オピッツによるシューベルト作品集第7 弾!
シューベルト:
 (1)ピアノ・ソナタ第2番 ハ長調 D.279
 (2)アンダンテ ハ長調 D.29
 (3)アダージョ ト長調 D.178
 (4)ピアノの小品 イ長調 D.604
 (5)アダージョ ホ長調 D.612
 (6)ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 D.537
ゲルハルト・オピッツ(P)
巨匠オピッツによるシューベルト作品集第7 弾!シューベルトの魅力がぎゅっと詰まったピアノ・ソナタとピアノ小品集

録音:2008 年7 月14~18 日、ノイマルクト/DDD、65’51”

 巨匠オピッツによるシューベルトのピアノ作品集第7 弾。今回はシューベルトが若き頃作曲したものの中から2 曲のピアノ・ソナタと小品の数々を収録。
 シューベルトが15 歳の時に作曲されたピアノ・ソナタ第2 番は若い活気にあふれ、ピアノ・ソナタ第4 番はピアノ・ソナタ最初の成功作とも呼ばれる作品。
 シューベルトを熟知するオピッツが厳選した小作品の数々には、シューベルトならではの魅力がぎゅっと凝縮されています。オピッツは現在2010 年より始動したシューベルト連続演奏会を行っている真っ最中。演奏会でも高い評価を得ているオピッツならではの、芯のある重厚な響きと堅実な演奏を堪能できる1 枚です!

HMF



HMC 902139
(2CD)
\4200→¥3790
ゲルネ&エッシェンバッハ
 シューベルト歌曲集 第6集 ピアノ・ソナタ D.960も収録!

  [CD1]「白鳥の歌」全15曲 D.957(「秋」D.945 追補版)
  [CD2]ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
マティアス・ゲルネ(Br)
クリストフ・エッシェンバッハ(P)
ゲルネによるシューベルト歌曲集、ついに完結!ピアノにエッシェンバッハ再登場!

録音:2010 年2 月、2011 年1 月、ベルリン

 バリトン界屈指のリート歌手ゲルネと豪華な伴奏陣とのアンサンブルが好評のシューベルト・エディション、待望の新譜!
 2007 年より収録が開始された本シリーズも、今回の第6 集を以て完結となります。伴奏者には第3 集(HMC 901995)でも強烈な存在感を放っていた名匠エッシェンバッハが満を持しての再登場!第3 集でも好評だった個性派二人のアンサンブルは今回も聴き応え十分。軽快な「春のあこがれ」、重々しくも美しい「海辺で」など、様々な曲調の歌曲が一つに詰まった「白鳥の歌」では、ゲルネの巧みな表現力と艶やかな歌声に圧倒されます。特に「海辺で」や「遠い国で」などでは、重めのテンポでたっぷりと美声を堪能できます。
 今回はさらに、エッシェンバッハによるピアノ・ソナタ第21 番も収録。49 分を越える壮大な演奏で、エッシェンバッハの思い入れたっぷりです。知的個性派二人による名演でシューベルト最晩年の傑作の数々を堪能できる、シリーズを締めくくるにふさわしい名盤といえましょう!

HMF



HMU 807553
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ポール・ヒリヤーによるアルヴォ・ペルト室内合唱曲集
ペルト(1935-):
 (1)来たれ創造主なる聖霊よ (2)鹿の叫び (3)詩篇
 (4)最も聖なる神の母 (5)ソルフェッジョ
 (6)我が心はハイランドにあり (7)エルサレムに平安あれ
 (8)巡礼の歌 (9)明けの明星 (10)スターバト・マーテル
クリストファー・バウアーズ・ブロードベント(Org.)
ポール・ヒリヤー(指揮)
シアター・オブ・ヴォイセズ
アルス・ノヴァ・コペンハーゲン
NYYD カルテット
SACDハイブリッドの高音質で堪能する、輝かしくも静謐なハーモニーにうっとり!

録音:2010 年6 月、コペンハーゲン(デンマーク)

 エストニア出身の現代作曲家、ペルトの室内合唱曲を中心に収録したCD。
 ソ連支配下のエストニアでタリス音楽院に在学し、ショスタコーヴィチらソ連の音楽家たちから、シェーンベルクやブーレーズが活躍する西ヨーロッパの前衛音楽まで強い影響を受けたペルト。最初期はこうした作風に影響を受けた前衛的な作品を多く手がけていたペルトでしたが、中世の単旋律聖歌やバロックの宗教合唱曲のスタイルに魅せられて以降、その作風はガラリと変わります。こうして生まれたのがペルト独特の作風、ティンティナーブリ。「鈴が鳴るように」という名の通り、一定のテンポの上で単純な和声が鈴の鳴り響くように展開されていきます。単純な上昇下降を繰り返す旋律には無駄な装飾もなくドラマティックな展開もありませんが、中世聖歌を思わせる静謐かつ神秘的な響きは息を呑むような美しさ!天上から降り注ぐ光のような輝かしい響きに心洗われることでしょう。
 今回はペルトの代表作「ソルフェッジョ」や「スターバト・マーテル」はもちろん、未だ多く知られていない近年の作品まで、ペルトが誇る珠玉の室内合唱作品を収録。SACDHybrid 盤の高音質で、ペルトの音響世界にたっぷりと浸ることが出来ます!中世・ルネサンス聖歌がお好きな方、ヒーリングミュージックに惹かれる方には特におすすめの名盤です!
 演奏を担当するのは、これまで多くの合唱曲を手掛けてきた名匠ポール・ヒリヤー。彼が1990 年に創始した団体テアトル・オブ・ヴォイスは、ダウランドやバッハなど古楽作品からペルトなど現代作品にいたるまで幅広いレパートリーを持つ名門団体です。2002 年よりヒリヤーが指揮する合唱団体アルス・ノヴァ・コペンハーゲンの透明感あふれる歌声はペルトの清廉な作風にぴったりといえましょう。NYYD カルテットはエストニアの名手達からなるNYYD アンサンブルのメンバーから構成された弦楽四重奏団。エストニアの現代音楽演奏にも積極的に取り組む彼らが、シンプルながらも深い響きで合唱との美しいハーモニーを作り出しています!

HMF

『フリードリヒ大王生誕300年〜18世紀ベルリン宮廷の響き』 ベルリン古楽アカデミー
HMC 902132
\2600→\2390
フリードリヒ大王生誕300周年記念!
(1)J.P. グラウン:序曲とアレグロ ニ短調
(2)ニシェルマン:チェンバロのための協奏曲 ハ短調
(3)フリードリヒ2 世:
 フルートと通奏低音のためのソナタ「ポツダムのために」 ハ短調
(4)グラウン:ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ イ短調
(5)C.P.E. バッハ:シンフォニア ト長調 Wq.173
ベルリン古楽アカデミー
フリードリヒ大王生誕300周年記念!創立30周年を迎える名門ベルリン古楽アカデミーがおくる、かくも優雅な18 世紀ベルリン宮廷の響き

録音:2011 年11 月、ベルリン テルデックス・シュトゥーディオ(セッション)/73'

 今年生誕300 年を迎えるフリードリヒ大王を記念し、ベルリン古楽アカデミーがフリードリヒ大王と、彼に仕えた宮廷音楽家たちの作品集をリリース!
 音楽を非常に好み、自身も優れたフルート奏者であったフリードリヒ大王。18 世紀ベルリンの音楽史を語る上で彼の存在は欠かせません。フリードリヒ大王のフルート・ソナタは優雅かつ繊細な旋律が美しい作品。一大軍事国家を作り上げた啓蒙君主のイメージとはまた違った大王の一面を垣間見ることが出来ましょう。また、本CD ではフリードリヒ大王の作品に加え、グラウン、ニシェルマン、C.P.E. バッハら大王に仕えた宮廷音楽家たちの作品も収録。ニシェルマンは現代では殆ど忘れられてしまった作曲家ですが、今回収録されたチェンバロ協奏曲は隠れた名曲と言えるかもしれません。弦楽器との繊細かつ抒情的な掛け合いが非常に美しい作品です。全体的に気品あふれる旋律と、軽やかながらも重厚なハーモニーを持つ作品が多く収録された本CD、大王の宮廷に響いていたであろう当時の音楽に思いを馳せる1 枚となっています。
 演奏するベルリン古楽アカデミーは今年30 周年を迎える名門。古楽、古典音楽を主なレパートリーとし、日本においても高い評価を受ける実力派古楽団体です。12 月には来日も予定されており、今後ますますの注目が期待されましょう。これまで多くの名演を世に生み出してきた彼らが、今回も卓越した演奏技術で心地よい古楽の響きを堪能させてくれます。フルートの軽やかな高音の響きから、ヴィオラ・ダ・ガンバの深みたっぷりの低音まで、18 世紀宮廷音楽の魅力にたっぷりと浸ることが出来るおすすめ盤です!
アストラリス、7つの受難、受難の断片 ラーデマン&RIAS室内合唱団
HMC 902129
\2600→\2390
ヴォルフガング・リーム生誕60周年記念!
 ヴォルフガング・リーム(1952-):
  (1)7つの情熱(2001-2006)
  (2)「ラインの上で」より「アストラリス」(2001)
  (3)情熱の断片(1968)
ハンス=クリストフ・ラーデマン(指揮)
RIAS 室内合唱団
ヴォルフガング・リーム生誕60周年記念!ラーデマン率いるRIAS室内合唱団が魅せるリームの壮大な音響世界

録音:2011 年9-11 月、イエス・キリスト教会(ベルリン)/68’07”

 今年で生誕60 周年を迎える現代作曲家、ヴォルフガング・リーム。非常に多作な作曲家としても有名で、これまでに作曲した数は500 を優に超えています。近年は体調不良で活動が危ぶまれた時期もありましたが、2010 年には新作オペラを発表するなど、その創作意欲はまだまだ衰えを見せない様子。今後ますますの活躍が期待される現代作曲家の一人です。アニバーサリーを記念した本CD に収録されているのは、受難曲2 作と小品「アストラリス」。「アストラリス」は「ラインの上で」という作品から抜粋した小品。音量を最大にしても聞こえないほどの小さな音量から静かに始まり、夜明けの空に光が満ちていくように、壮大な音の世界がゆっくりと広がっていきます。
 「出来うる限り長く、そして柔らかく」というリームの指示通り、切れ目なく展開されていく様々な音のハーモニーは、我々を瞑想の世界へと誘ってくれます。「7 つの受難」は近年の作品で、中世の瞑想の祈りの音楽も思わせる柔らかくも神秘的なハーモニーに満ちた作品。一方の「受難の断片」では、息の長いハーモニーの合間に囁き合うような話し声や叫ぶ声が用いられており、「7 つの受難」とはまた違った雰囲気に浸ることができます。それぞれ異なる時期に作曲された2 曲の受難曲から、リームの作曲様式の変化も垣間見ることが出来るプログラムといえましょう。ベルリン・フィルの録音会場としても馴染み深いイエス・キリスト教会に、リームの独創的な音響世界が広がります!
『ゲーテによる歌曲集〜シューマン、リスト、ヴォルフ、アイヴズ、ケンプ、他』 M.ペーターゼン、シュプリンガー
HMC 902094
\2600→\2390
世界が注目する歌姫マリス・ペーターゼン
「ゲーテ歌曲集」
 (1)クルシェネク:アリア「ステラの独白」 op.57
 (2)シューマン:「夜の歌」 op.96/1
 (3)ブラウンフェルス:「太鼓が鳴ると」(世界初録音)op.29 no.2
 (4)リスト:「喜びに満ち、悲しみに満ち」
 (5)ケンプ:「さすらい人の夜の歌」(世界初録音)op.61/4
 (6)ワーグナー:「安らぎは消え」
 (7)ゾンマー:「ああ、悲しみに満ちた聖母マリアよ」
 (8)アイヴズ:「イルメナウ」
 (9)ディーペンブロック:ミニョン「君よ知るや南の国」
 (10)チャイコフスキー:6つの歌より「ただあこがれを知る者だけが」op.6/6
 ヴォルフ:
  (11)「悲しそうに歌わないで」 (12)「私に言わせないで」
  (13)シューマン:ミニョン「大人になるまでこのままに」
 (14)メトネル:「さすらい人の夜の歌」 op.6/1
 (15)シューベルト:ズライカ その1(通称「東風」) D.720
 (16)メンデルスゾーン:「ああ、お前の湿った羽ばたきが」
 (17)ゾンマー:「さすらい人の夜の歌」(世界初録音)
 (18)トロヤーン:「よく賞賛されるが、悪口もよく言われる」(世界初録音)
 (19)リスト:「さすらい人の夜の歌」
マリス・ペーターゼン
イェンドリク・シュプリンガー
世界が注目する歌姫マリス・ペーターゼンが歌う、「ゲーテの詩によせた歌曲集」シューベルトの名曲からケンプの世界初録音作品まで、多彩な選曲が魅力の名盤!

録音:2010 年10 月、テルデックス・シュトゥーディオ(ベルリン)/58’52”

 ヤーコプス指揮のハイドンの「四季」や、「魔笛」のパミーナ役などで持ち前の美声を発揮し、高い評価を得ているペーターゼン。2005 年にはメトロポリタン歌劇場でアルバン・ベルクのオペラ「ルル」のルルを熱演するなど、古典から現代作品まで幅広いレパートリーを持つ実力派ソプラノ歌手です。
 今回、ペーターゼンが収録したのはゲーテの詩を用いた歌曲集。シューベルトの「魔王」などをはじめ、これまで多くの音楽家たちがゲーテの詩に音楽をつけてきました。「女性」をテーマとした本CD では、ステラやエグモントといったゲーテの戯曲に登場する女性のために作られたアリアやリートをまとめて収録。シューベルトやシューマンといった有名曲だけでなく、ケンプやゾンマーなどの世界初録音となる作品も多く収録した希少なCDです!録音にあたり、「一般的にリートというジャンルに結び付けられない作曲家や、殆ど知られていない作曲家を選ぶことで、出来るだけゲーテの詩に新しいアプローチをもたらしたかった」と意欲を語った演奏者の二人。時代や作曲家ごとに異なる作品それぞれの魅力を見事に表現しわけるペーターゼンの歌唱力には圧巻の一言!様々な曲調を楽しめると同時に、ペーターゼンの多彩な歌声に魅せられる名盤です!
Celine Moinet: Solo Oboe
HMC 902118
\2600→\2390
麗しき新星セリーヌ・モワネ、待望のデビューCD!
(1)J.S.バッハ:無伴奏フルート・ソナタ イ短調 BWV.1013
(2)L. ベリオ:セクエンツァ 第7
(3)ブリテン:オヴィディウスによる6 つの変容 op.49
(4)カーター:インナーソング
(5)C.P.E. バッハ:フルート・ソナタ イ短調 Wq.132
セリーヌ・モワネ(Ob)
人気急上昇中の麗しき新星セリーヌ・モワネ、待望のデビューCD!オーボエならではの甘美な音色に酔いしれる、必聴の名演!

録音:2011 年4-5 月、テルデックス・シュトゥーディオ(ベルリン)/64’31”

 秀麗眉目な外見、それにも増して美しいオーボエの音色で欧米を中心に人気沸騰中のオーボエ奏者セリーヌ・モワネが、ついにハルモニアムンディとのコラボレーションを開始!全世界が注目する待望のファーストCD がついにリリースされます!
 J.S. バッハとC.P.E. バッハのフルート・ソナタに、ベリオとブリテンの現代作品を合わせた意欲的なプログラムとなっており、バロックから現代に至るまで人々を魅了し続けるオーボエという楽器の魅力に迫る1 枚となっています。バッハ親子のフルート・ソナタでは田園を思わせる柔らかな音色、ブリテンの作品では抒情に満ちた甘い響きにうっとり。モワネの奏でるオーボエの音色には一切の澱みがなく、どこまでも続いていくかのような息の長いメロディラインの表現力には圧巻。一方、合間に挿入されたベリオ、カーターの作品からはオーボエの新たな表現の可能性が垣間見えます。破裂音のように力強い音の連続、張り詰めた糸のごとく緊張感のある旋律の魅力はバッハやブリテンからは感じられないもの。屈指の難曲ですが、モワネの卓越した演奏技術によって作品の魅力が見事に表現されています。
 セリーヌ・モワネは1984 年リール(フランス)生まれ。パリ国立高等音楽院でダヴィッド・ヴァルター、モーリス・ブルグらにオーボエ、室内楽を師事しました。同院卒業後、2004、2005 年にクラウディオ・アバド率いるグスタフ・マーラー・ユーゲント管で活動。その活躍が認められ、ベルリン・ドイツ交響楽団、北ドイツ放送交響楽団などドイツ各地の名門オーケストラの首席客演奏者に相次いで抜擢されます。2006~2008 年までマンハイム国立劇場オーケストラ、2008 年以降はドレスデン国立歌劇場で首席オーボエ奏者として活躍。2011 年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から招待を受け、現在アジアとオーストリアを回るグランドツアーに参加しています。この他にもソロ奏者、室内楽奏者として世界的に活躍しているモワネ。2013年3 月には新日本フィルハーモニー管弦楽団との来日公演が予定されており、今後ますます注目されること必至のアーティストです!

Handel: Il pastor fido, HWV8a
HMU 907585
(2CD)
\4200→\3390
オリジナル版全曲、世界初録音!
 ヘンデル:
  オペラ「忠実な羊飼い」(1712年オリジナル版)
デイヴィッド・ベイツ(指揮)
ラ・ヌォヴァ・ムジカ
  ルーシー・クロウ(S)、
  アンナ・デニス(S)、
  キャサリン・マンリー(S)、
  マデリン・ショウ(Ms)、
  クリント・ファン・デア・リンデ(C-T)、
  リザンドロ・アバディー(Bs)
ヘンデルのオペラ「忠実な羊飼い」(オリジナル版)全曲、世界初録音!ロンドン・ヘンデル・フェスティバルでも話題の名盤、ついにリリース!

録音:2010 年8 月、テンプル教会(ロンドン)/145'13"

 ヨーロッパを中心に活動する今注目の団体ラ・ヌォヴァ・ムジカが、ヘンデルのオペラ「忠実な羊飼い」を全曲収録。1712 年オリジナル版での世界初録音ということで、ロンドンで開催されるヘンデルフェスティバルでも大きな話題となった注目のCD です!
 「忠実な羊飼い」は「リナルド」で華々しいロンドンデビューを果たしたヘンデルが1712 年に作曲したオペラ。本作もロンドンで上演されています。舞台は羊飼いやニンフが住まう理想郷アルカディア。男女のカップルがお互いに相手の不倫を疑い始めてしまったことから悶着が始まるも、最終的には大団円を迎えるというお決まりの展開です。前作の「リナルド」に比べると、この「忠実な羊飼い」は柔らかな響きに満ちた作品。しなやかなアリアの旋律に心癒されます。ヘンデルファンなら聴き逃せない、希少な名盤です!
 デイヴィッド・ベイツ率いるラ・ヌォヴァ・ムジカはロンドンを中心に活躍する演奏団体。アンナ・デニスやクリント・ファン・デア・リンデなど、そうそうたるメンバーで構成されています。今後ますますの注目が期待されるイギリス出身の若手ソプラノ歌手、ルーシー・クロウの瑞々しい歌声にも注目。芯の通った艶のある歌声でアリアを華やかに歌いあげています。素晴らしい音響を持つロンドンのテンプル教会に響き渡る、ソリストたちの柔らかくも輝かしいアリアの響きを存分に堪能できます!
Vaughan Williams: Symphony No. 2 & Serenade to Music
HMU 807567
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
シーマン&ロチェスター・フィル、円熟のアンサンブル!
 ヴォーン・ウィリアムズ:
  (1)ロンドン交響曲(交響曲第2番)
  (2)音楽へのセレナード(1939 年オリジナル版)
ジュリアーナ・アタイデ(Solo Vn)
クリストファー・シーマン(指揮)
ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団
マーキュリー・オペラ・ロチェスター

録音:2011 年3 月、コダックホール(ニューヨーク)/55'26"

 19 世紀末から20 世紀のイギリスを代表する音楽家、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)。日本では取り上げられる機会の少ない作曲家ではありますが、イギリス民謡を基にした、懐かしくも美しい旋律が魅力の音楽家です。
 「ロンドン交響曲」は、標題音楽ではないとされているものの、その名の通りロンドンの街の一日を思わせる作品。靄かかったロンドンの朝を思わせる密やかな始まりを見せる第一楽章は、曇り空と雨の日が多いロンドンの重い空を表わす緩慢な第二楽章に続き、人々が行きかう夜の喧騒を描いた第三楽章へと繋がります。第四楽章では雰囲気が一変。戦争の騒乱を表す猛々しいマーチが金打楽器によって奏でられ、やがて戦乱後の侘しい雰囲気を湛えながら曲は静かに幕を閉じます。多彩なメロディが次々と展開されていく様は、まるでロンドンの街を映した1 本の映画のよう。聴き終わった後、何とも言えない充足感に満たされます。特に第二楽章のイングリッシュホルンの哀愁漂う音色とチェロの美しいソロは必聴です!
 2 曲目のセレナードはヴォーン・ウィリアムズが音楽家キャリア50 周年を記念して作曲した作品。彼の作品中最も美しいと称される非常に甘美な旋律に満ちた小品で、16 人のソリストたちの合唱がシェイクスピアの詩を美しく歌いあげます。ヴォーン・ウィリアムズの才気あふれる優美な旋律の数々を、SACD ハイブリッドの高音質で堪能できるおすすめ盤です!
 演奏するのは円熟の名指揮者シーマン率いるロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団。2010-2011 年のシリーズを最後に、30 年に及ぶ音楽監督の席を退任したシーマン。2011年3月に録音された本CD は、音楽監督としての締めくくりとなる演奏の1つといえましょう。オーケストラを長きにわたって指揮してきたシーマンだからこそ成せる、オケと作品を完全に手中におさめた名演です!

HMF


HMC 902104
\2600→2290
イザベル・ファウストとメルニコフの共演
ショスタコーヴィチ:
 (1)ピアノ協奏曲第1 番ハ短調Op.35
 (2)ヴァイオリン・ソナタOp.134
 (3)ピアノ協奏曲第2番ヘ長調Op.102
アレクサンドル・メルニコフ(Pf)
イザベル・ファウスト(Vn)(2)
イェルン・ベルヴァルツ(Tp)(1)
テオドール・クルレンツィス(指)
マーラー・チェンバー・オーケストラ
決定盤登場、夢の共演による夢のショスタコーヴィチ。

DDD、74’03”

 ショスタコーヴィチの難物「前奏曲とフーガ」全曲で衝撃を与えたメルニコフが協奏曲に挑戦しました。しかも指揮が話題のクルレンツィス、オーケストラがマーラー・チェンバーというのも注目です。こだわり派のメルニコフはショスタコーヴィチの自作自演盤を研究し、独奏・オーケストラともにテンポ、フレージング、表現等々ソックリなまでの影響を受けています。とは言っても単なるコピーではなく、メルニコフらしさやクルレンツィスらしさが横溢し、21 世紀らしい新鮮さも欠けていません。
 協奏曲第1番のトランペット独奏はベルギーの若手イェルン・ベルヴァルツが務めていて、その巧さにも驚愕。メルニコフの演奏はまさに才気煥発の極みで、テクニックはもちろん、ヒリヒリした皮肉と緊張感が理想的にブレンドされています。長大で深遠な交響曲第11 番と同時期に書かれたピアノ協奏曲第2番は、平易で軽い作品と思われがちですが、メルニコフの演奏で聴くと一筋縄ではいかない力作であることを再認識させられます。クルレンツィスの指揮は評判となった交響曲第14 番のディスクを彷彿させる充実ぶりで、メルニコフのピアノと互角に競い合います。
 フィルアップのようでアルバム一番の大作ヴァイオリン・ソナタは、何とイザベル・ファウストとメルニコフの共演。これは超驚愕の凄さ。ファウストとメルニコフは、オイストラフがショスタコーヴィチのピアノ伴奏で1968 年にプライヴェート録音した音源の噂を聞き、オランダのコレクターを訪ねてそれを聴かせてもらい、目から鱗が落ちたとのこと。確かに背筋の凍るような緊張感と不思議な美しさは自作自演にソックリですが、セッション録音ゆえ、その凄さは倍増され、ちょっと人間業とは思えぬ境地に至りました。ファウスト屈指の名演なだけでなく、意外に名盤に恵まれないこの作品のベストであることは歴然と申せましょう。


HMF


HMU 907499
\2600→2290
天才ベザイデンホウト、モーツァルト第3弾
モーツァルト:鍵盤曲集 VOL.3
 ソナタ 変ロ長調 K.333/
 「女ほどすばらしいものはない」による8つの変奏曲 ヘ長調 K.613/
 幻想曲 ハ短調 K.396/ ソナタ へ長調 K.332
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ/ A=430)
録音:2011 年5 月、ロンドン/69’05

 「モーツァルトの鍵盤独奏曲の魅力を最大限に引き出した、真に偉大な全集となるだろう(BBC Music 誌)」など、全世界で高く評価されている、ベザイデンホウトによるモーツァルト作品集第3 弾。K.333 の第1 楽章の冒頭、やさしく下降する音型から、一音一音に笑みが満ちています。極めて音が少ないモーツァルトのソナタに、これほど表情豊かで雄弁な宇宙が詰まっていたのか、と驚かされる瞬間の連続です。緩徐楽章の緩急の付け方は実に見事、ハーモニーの移り変わりの美しさを一瞬も逃さず捉えています。1805 年製のアントン・ヴァルターのコピーの楽器を完璧にコントロールしています。この最新盤の演奏をじっくりと味わいながらも、早くも次のリリースへの期待がまた一段と高まってしまう、楽しみなシリースです。(なお、彼の名前の読み方につきまして、弊社ではこれまでベズイデンホウトと表記しておりましたが、発音の確認をとりまして、今後はすべてベザイデンホウトで表記をさせていただきます。)


クリスティアン・ベザイデンホウト
モーツァルト:鍵盤曲集第1・2弾
Mozart: Keyboard Music Volume 1
HMU 907497
¥2600→¥2290
モーツァルト:鍵盤曲集 vol.1
 (1)幻想曲 短調 KV 475 (1786)
 (2)ソナタ ヘ長調 KV 533/ 494(1788)
 (3)ソナタ 変ロ長調 KV 570 (1789)
 (4)グルックのジングシュピール《メッカの巡礼たち》のアリエッタ
  「愚民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 KV 455
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ)

この名前を是非ご記憶ください! 世界が注目するフォルテピアノ奏者、 クリスティアン・ベズイデンホウト

使用楽器:1987年Derek Adlam, Welbeck製(ワルター/1795年頃モデル)クリストファー・ホグウッド・コレクション、録音:2009年5月

表情豊かで打ち解けたスタイルで人気のベズイデンホウトは、1979年、ドイツ系オランダ人の両親のもと、南アフリカで生まれました。何度も聴いたことのある曲でも、「どこに行くんだろう」と思うような、不思議な吸引力のある音にひきつけられます。使用した楽器は、モーツァルトがウィーンに移り住んで5年ほどした時に購入したワルター製フォルテピアノをモデルに製作されたもの。モーツァルトの‘音色’を追体験できることでも価値ある1枚です。2月末に来日。
また今後もフライブルク・バロック・オーケストラやベルリン・フィルとの共演、ツアーも予定されているベズイデンホウト、要注目です。

Mozart: Keyboard Music Volume 2
HMU 907498
¥2600→¥2290
モーツァルト:鍵盤曲集 vol.2
 (1)ソナタ ハ長調 K.330 (2)ロンド イ短調 K.511
 (3)ロンド ニ長調 K.485 (4)アダージョ ロ短調 K.540
 (5)ソナタ ハ短調 K.457
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ)
天才ベズイデンホウト、モーツァルト・ソロ作品集第 2 弾、鮮烈なハ短調ソナタ!!

使用楽器:Paul McNulty, Divisoc, Czech Republic, 2008; after Anton Walter’Sohn, Vienna, c.1802)
録音:2010 年 1 月

モーツァルトの再来とも賞される天才フォルテピアノ奏者ベズイデンホウト、待望のソロ第 2 弾の登場。これしかありえないような自然なテンポ設定、気持ちよいくらいにはまっているデュナーミクの付け方、聴き手にとっても必然的かつ絶妙な間の取り方など、何度も聴いたことのある作品たちの音符ひとつひとつが鮮やかに香りたちます。イ短調のロンドの語り口の巧さは絶品です。ハ短調ソナタの有名な冒頭では一変、現代ピアノで聴くよりも表情がダイレクトに伝わってきます。ロ短調のアダージョでの慟哭と、音と音の間に流れる空気に、このベズイデンホウトという演奏者の底知れぬ魅力をみます。演奏者の息遣いまでをも巧みにとらえた録音も秀逸。フォルテピアノという楽器がもつ無限の表情と可能性を感じる 1 枚でもあります。

2012 年ベザイデンホウト来日予定:
 5月26日(土)トッパンホール 17:00 開演  ハイドン:ソナタ第58番/モーツァルト:ソナタ第13番 他
 5月29日(火)王子ホール 19:00 開演   クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ) の世界Vol.1<オール・モーツァルト・プログラム>
 5月30日(水)王子ホール 19:00 開演   クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ) の世界Vol.2<オール・モーツァルト・プログラム>

HMF

Janacek: Choral Works
HMC 902097
\2600
ヤナーチェクのモラヴィア合唱
ヤナーチェク:
 (1)6つのモラヴィア合唱曲
  (原曲:ドヴォルザーク:モラヴィア二重唱曲集)
   〔もし大鎌が鋭く磨かれていたら/
    スラヴィコフの小さな畑/もみじの木にいる鳩/
    仲よく別れよう/野ばら/若者よ緑にもえよ〕
 (2)野鴨
 (3)狼の足跡
 (4)カンタータ「わが娘オルガの死を悼む悲歌」
 (5)わらべ歌(序奏と18 曲とエピローグ)
 (6)我らの夕べ
 (7)アヴェ・マリア
 (8)我らの父
ダニエル・ロイス(指)
カペラ・アムステルダム
トーマス・ウォーカー(テノール)
フィリップ・マイヤーズ(ピアノ)
ラジオ・ブレイザーズ・アンサンブル(わらべ歌)
9 世紀大モラヴィア国に遡る東方起源の伝統を継ぐ、ヤナーチェクのモラヴィア合唱。

録音:2010 年11 月、アムステルダム

 ヤナーチェクの創作の重要分野のひとつが合唱で、生涯にかなりの作品を残しています。多くがモラヴィアの民謡を源泉としているもので、ヤナーチェクならではの深いメランコリーと苦みに満ちた独特の味わいがあります。ここには民俗的なものと宗教的なものから魅力的な7作品が選ばれ、ヤナーチェクの合唱世界を俯瞰できるようになっています。
 興味深いのは母国の偉大な先輩ドヴォルザークの「モラヴィア二重唱曲集」から6曲をヤナーチェクが混声合唱に編曲したもので、ヤナーチェク特有の和声がますます民俗色を濃くしています。ドヴォルザークとヤナーチェクふたりの天才性が倍加する稀有な宝と申せましょう。また、愛娘を失った慟哭「わが娘オルガの死を悼む悲歌」の悲痛さも心を打つ内容となっています。一方、伝承音楽に基づく「わらべ歌」は全20 曲から成り、カラフルな東欧色にあふれ、音による小旅行を楽しめます。
 1970 年結成のカペラ・アムステルダム。ダニエル・ロイスの指揮のもとに、古典から近現代まで、幅広いレパートリーを誇っていますが、ここでも民族色豊かなユニークな世界を見事なチェコ語で再現しています。1961 年生まれのダニエル・ロイスは、ロッテルダム音楽院で合唱指揮を学び、1990 年にカペラ・アムステルダムの指揮者に就任、2000 年にはRIAS 室内合唱団の指揮デビューも飾っています。
Tune thy Musicke to Thy Hart
HMU 807554
(SACD HYBRID)
¥2600
スティレ・アンティコ待望の最新盤!
 低音王フレットワークとの豪華共演
(1)トムキンズ:「おお、主をほめたたえよ」
(2)アムナー:「よき群衆達よ」*
(3)タヴァナー:ミサ曲「イン・ノミネ」**
(4)ラムゼイ「力強きものは倒れたるかな」
(5)タリス:「神よ、我を罪より解き放ちたまえ」
(6)アムナー:「A stranger here」 
(7)パーソンズ:「イン・ノミネ」第1番**
(8)ブラウン:「主よ、お慈悲を」
(9)パーソンズ:「イン・ノミネ」第2番**
(10)クローチェ:「心の底から」
(11)ダウランド:「我、御身にふさわしからずを恥ず」
(12)キャンピオン:「荒天に船出するな」
(13)バード:「なぜ私は紙とインクとペンを使うか」*
(14)トムキンズ:「ダヴィデがアブサロムの殺されし時を聞きしとき」
(15)ギボンズ:「見よ、御言葉は肉体となりぬ」*
 *は歌と共演、**は器楽のみ
スティレ・アンティコ、
フレットワーク
 ((2)、(3)、(7)、(9)、(13)、(15))
スティレ・アンティコ待望の最新盤!低音王フレットワークとの豪華共演が織りなす至高のハーモニーをSACD高音質で!

録音:2011 年2 月、エアースタジオ、リンドハースト・ホール(ロンドン)/DSDマルチチャンネル、ステレオ

 デビュー以来透明感のある美しい歌声で多くのファンを魅了してきたイギリスの若手歌手団体、スティレ・アンティコが待望の最新盤をリリース!これまであまり取り上げられることのなかった、英国テューダー朝とフランスのジャコバン派の、教会という大きな場ではなく、個人的な祈祷(家庭など小さな場での祈り)のための聖歌集です。トムキンズ、バード、ダウランドのなどによる、いわば家庭用聖歌集ということになりますが、聴いてみると、当時の人々の信仰心の篤さと、音楽文化の高さに驚嘆させられます。無伴奏のみではなく、名門フレットワークとの共演にも注目。フレットワークによる器楽曲も入っており、練られたプログラムと曲順で、作品ごとに異なる多様な美しい響きを堪能できます。
 器楽演奏を担当するフレットワークはヴィオラ・ダ・ガンバの名手たちからなる演奏団体。低音王とも称され、バッハのゴルトベルク変奏曲集(HMU907560)においても大きな評価を得ている豪奢な低音の響きは本CD でも健在です。ハルモニア・ムンディの録音も素晴らしく、SACD の高音質でふくよかな響きをたっぷりお温かく柔らかな音色に満ちたフレットワークの演奏と、スティレ・アンティコの輝かしい歌声が織りなす極上のハーモニーは必聴です!
Treasures of Russia
HMX 2908385
(3CD)
特別価格
¥2600→¥2390
「ロシアの宝」〜3つの名盤の廉価ボックス
 エンゲラーの展覧会の絵、ダニエル・ガッティの「悲愴」、ポール・ヒリアーの「晩祷」

 CD1 ムソルグスキー:
  (1)展覧会の絵(全曲) (2)禿山の一夜 (3)ゴパーク
  (4)涙 (5)子供の頃の思い出より 第1番「乳母と私」
  (6)スケルツォ 嬰ハ短調 (7)子供の思い出 
 CD2 チャイコフスキー:
  (1)交響曲第6 番「悲愴」ロ短調 op.74
  (2)弦楽合奏のセレナード ハ長調 op.48
 CD3 ラフマニノフ:(1)晩祷 op.37 (2)朝課
CD1:ブリジット・エンゲラー(P)
CD2:ダニエル・ガッティ(指)
 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団
CD3:ポール・ヒリアー(指)
 エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
エンゲラー、ガッティ、ヒリアーら名手たちの名演を再び!廃盤となった名盤の数々を一つに収録したお買い得BOX!

録音:CD1:1987 年6 月、Salle Adyer CD2:2005 年5 月26-27 日、ワトフォード・コロッセウム CD3:2004 年5 月24-27 日エストニア、ハープサル・ドーム・チャーチ

 ハルモニア・ムンディからリリースされた名盤を一度に収録したお買い得BOX。収録されているのはムソルグスキー、チャイコフスキー、ラフマニノフというロシア作曲家の作品。2012 年のラ・フォル・ジュルネのテーマがロシアであることを記念してのリリースとなります。廃盤となり、現在は入手困難となってしまっていた名演の数々をリーズナブルなお値段でたっぷりと堪能することが出来るおすすめBOX です!

HMF

Ysaye: Six Sonatas for solo violin Op. 27
HMU 907569
\2600
タイ・マレイがハルモニア・ムンディからデビュー!
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op.27(全六曲)
  (1)第1番 ト短調 (2)第2番 イ短調 (3)第3番 ニ短調「バラード」 
  (4)第4番 ホ短調 (5)第5番 ト長調 (6)第6番 ホ長調
タイ・マレイ(Vn)
若手世代屈指のヴァイオリニスト、タイ・マレイがハルモニア・ムンディからデビュー!注目のCD第1弾はイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、渾身の全曲収録!

録音:2011 年3 月、アメリカ芸術文化アカデミー(ニューヨーク)/使用楽器:ジョヴァンニ・トノーニ(1690 年頃製)

 ハルモニア・ムンディから新進気鋭の若手ヴァイオリニスト、タイ・マレイがデビュー!
 マレイ注目のCD 第1 弾は、技巧的なパッセージと抒情的な旋律が美しいイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。新人デビューCD としても注目されますが、イザイ屈指の名曲が全曲収録されていることでもおすすめのCD です。当代の名手シゲティによるJ.S. バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタの演奏に感銘を受けて作曲されたといわれるイザイの無伴奏ソナタ。壮大なアルペジオや美しく重ねられていく和音の響きにどこかバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを思わせる名曲です。当時のヴィルトゥオーゾに捧げられるにふさわしい、技術力と表現力を要求される難曲の全曲収録に若きヴィルトゥオーゾが挑んだ、渾身の1 枚です!
 シカゴ生まれのタイ・マレイは、2004 年エイブリーフィッシャー賞、2008-2010 年BBC ニュー・ジェネレーション・アーティストに抜擢された注目新人。
 カーネギーホールでコンサートを行うほか、BBC 響などとも共演、欧米を中心に活躍しています。室内楽でも高い評価を得ており、共演したアーティストには内田光子なども含まれます。ユヴァル・ヤロン、フランコ・グッリ、ジュリアードSQ の創設メンバー、ジョエル・スミルノフらに師事しており、バランスよく様々なスタイルを吸収し、自分のものにしているのが感じられます。一つ一つの音の粒が立ったすっきりとした音色、高音域においても深みと厚みを失わないしっとりとした響きは圧巻です。若手らしい活気にあふれながらも安定感のある演奏に、今後ますますの注目が期待されます!
Schubert: Willkommen und Abschied
HMC 902112
\2600
ヴェルナー・ギューラ
 シューベルト:歌曲集
 (1)「野ばら」 D.257 (2)「子守歌」 D.527
 (3)「子守歌」 D.867 (4)「秘めごと」 D.719
 (5)「ガニュメート」 D.544
 (6)「ブルックの丘にて(橋の上で)」 D.853
 (7)「漁夫」 D.225
 (8)「それら(美と愛)がここにいたことは」 D.775
 (9)4つのリフレインの歌より 第2番「ただあなたのそばに」 D.866
 (10)「船乗り」 D.536 (11)「歓迎と別れ」 D.767
 (12)「さすらい人」 D.493 (13)「森で」 D.834
 (14)「さすらい人の夜の歌」 D.224 (15)「孤独な人」 D.800
 (16)「冬の夕べ」 D.938 (17)「秋」 D.945
 (18)「ロザムンデのロマンス」 D.797 (19)「夜の曲」 D.672
ヴェルナー・ギューラ(T)
クリストフ・ベルナー(P)
ギューラ&ベルナーの名コンビ、待望の最新盤!高貴な歌声で儚くも華麗に歌いあげるシューベルトのロマンティックなリート集

録音:2011 年1 月、Reitstadel、ニューマルクト(オベルプファルツ)

 気品あふれる歌声で人気のテノール歌手ヴェルナー・ギューラによるシューベルトの歌曲集。古楽からロマン派まで幅広いレパートリーを持つギューラですが、シューベルトの歌曲は彼の得意とするレパートリーの1 つといえましょう。ギューラの歌声は相変わらずふくよかで、過度な表現を抑えた自然な歌い方がシューベルトの繊細な音楽観に見事にマッチしています。
 ピアノ伴奏を務めるのは多くの録音を共にしてきた相方、クリストフ・ベルナー。リブレットの中で、シューベルトの代表作「冬の旅」や「美しい水車屋の娘」の形式をオマージュし、ある架空の人物の人生を物語るようなプログラムとなるよう選曲を行ったと語るベルナー。これまでシューベルトの歌曲に多く携わってきた名コンビだからこそ成せる、オリジナリティあふれるプログラムといえましょう。
 収録作品はシューベルトの若き頃の作品から晩年期の作品まで多岐にわたり、シューベルトらしい美しくも陰りのある旋律の魅力にしっとりと浸ることができます。ギューラとベルナーの息の合ったアンサンブルにも注目の1 枚です!

HMF

musique d’ abord シリーズ
最新10 タイトルの御案内
Monteverdi: Missa 'In illo tempore' (1610)
HMA 1951355
\1500
ヘレヴェッヘ&シャペル・ロワイヤル
 モンテヴェルディ:4声,6声のミサ
ヘレヴェッヘ(指)
シャペル・ロワイヤル
ヘレヴェッヘが織り上げる清冽かつ厳粛な声のタペストリー

録音:1990 年11 月

 ここに収められた4,6 声のミサ曲は、モンテヴェルディのマンとヴァからヴェニスへの移行期であるとともに、第一様式から第二様式への移行期をも示しています。二つの時代の移行期に生きたモンテヴェルディは、これらの作品で、過去の芸術を総合的にまとめあげ、同時に未来の音楽語法をも形作ることに成功しています。ヘレヴェッヘによる壮麗かつ厳粛な演奏も、20 年ほど前の録音とは思えない清冽さに満ちています。
Bruckner: Symphony No. 6 in A major
HMA 1951901
\1500
ケント・ナガノ&ベルリン・ドイツ響
 ブルックナー:交響曲第6番 イ長調
ケント・ナガノ(指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団
ケント・ナガノ&ベルリン・ドイツ響、ブルックナー第6番

録音:2005 年6 月

 1899 年にウィーンで全曲初演をマーラーが手がけたこの曲は、「改訂マニア」ブルックナー自らは手を入れなかった会心の作。“鉄面皮なヤツ” と自身があだ名をつけたのもうなずける第1 楽章の開始。霧が立ち込めるようなヴァイオリンのきざみに、暗く不吉に呼応するコントラバス。やがてホルンが立ち現れ無骨なフォルムで全奏へとなだれ込んでゆくこの箇所は、実演でもそうでしたが何度聴いてもゾクゾクしてきます。さらに続くアダージョでは、しなやかで陰影に富んだ弦の音色が織り成す絶妙な風合いがたまりません。
 晩年かのヴァントもよく振ったオケ、ベルリン・ドイツ響。そのヴァントを崇拝し、ヴァントの音楽を熱心に学んだナガノ。ヴァント、そしてその先人たちのブルックナー観をじっくりと咀嚼しています。そんなナガノの明晰な棒に、ベルリン・ドイツ響のメンバーが素晴しい反応をみせており、ずっしりと分厚い響きのブルックナーに心ゆくまで浸かれます。
CPE Bach: Sonatas for viola da gamba and continuo
HMA 1951511
\1500
ロンドン・バロック
 C.P.E.バッハ:トリオ・ソナタ集
ロンドン・バロック
 [イングリート・ザイフェルト(Vn)、
  リチャード・ギルト(Vn)、
  チャールズ・メドラム(Vc)、
  リチャード・エガー(Cem)]
バロック後期、種々に入り混じった様式の妙

録音:1994 年4 月

 C.P.E. バッハは、トリオ・ソナタの編成に深く魅せられており、彼の作品の中で特に質の高いもののいくつかはトリオ・ソナタのかたちをとっています。
 バロック時代の末期、啓蒙主義の薫りと疾風怒濤様式など、時代の変遷に伴って様々にスタイルが変化していったことを感じさせる、新旧の時代の入り混じった空気の薫りと典雅な世界に満ちた魅惑のトリオ・ソナタ集となっています。
Canciones y Ensaladas
HMA 1951627
\1500
アンサンブル・クレマン・ジャヌカン
 カンシオネスとエンサラーダ集
  〜スペイン黄金時代の歌曲と器楽作品集
ドミニク・ヴィス(指)
アンサンブル・クレマン・ジャヌカン
フラメンコの源泉をヴィスが歌うスペイン黄金時代の歌曲と器楽作品集

録音:1997 年1 月

 ヴィス&アンサンブル・クレマン・ジャヌカンによるスペインもの。16 世紀、世界の最強国のひとつとして栄華を誇ったスペイン。そのいにしえの時代に歌われたカンシオンとギター・ソロが収められています。クレマン・ジャヌカン・アンサンブルが多くとりあげてきているイタリアやフランスの作品とは明らかに異なるスペイン的情熱と哀集に翳る一連の作品はどれもとびきり魅力的。フラメンコの源泉を感じさせます。
Demantius: Vespers for Whitsun
HMA 1951705
\1500
ウエルガス・アンサンブル
 デマンツィウス:
  「聖霊降臨祭(ペンテコステ)の夕べの祈り」(ニュルンベルク1602 年刊),
  「哀悼歌集」(フライベルク1620年刊)
パウル・ファン・ネーヴェル(指)
ウエルガス・アンサンブル
ルネッサンス期ザクセンの、壮麗なるページェント音楽

録音:1999 年9 月ベルギー

 ルネッサンス期の、ザクセンで行われたページェントのための音楽。モンテヴェルディと正に同じ時期の作曲家(同年生まれの同年没)、ボヘミアのクリストフォルス・デマンツィウスは、アルプスを越えたところにいた「双子」が牽引していたイタリアの前衛的な運動から完全に外にいましたが、桁外れに創造的な作曲家でした。しかし、むしろ逆に、ジェズアルドとも違って、デマンツィウスは、ルネッサンスのポリフォニーのスタイルを大切にしながらも、優れた発想で新しい音楽の道を切り開きました。極めて祝祭的な「聖霊降臨祭の夕べの祈り」は、ラッススやプレトリウスといった「古い」対位法から、シャインやシュッツら、すぐ後の時代への華々しい移行であるといえるでしょう。
Bruhns: German Cantatas
HMA 1951752
\1500
カントゥス・ケルン
 ブルーンス(1665〜1697):カンタータ

  「別れのとき」「人間ではありえない」
  「主を畏るるものは幸いなり」「私は臥して眠る」
  「わが心は定まれり」「君のあふれる涙をおさえ」
コンラート・ユングヘーネル(指)
カントゥス・ケルン
天才ブルーンス、貴重なカンタータ集

録音:2001 年2 月

 「この町で、彼ほどに素晴しい音楽を書き、また、種々の楽器をこれほどに素晴しく演奏する者はこれまでいなかった」・・・バッハ以前、最も優れたカンタータを書いたと賞されるブルーンス。早すぎる死は、彼にさらなる音楽の修錬をすることを許しませんでしたが、それでもここに収められている作品には静謐かつ厳粛な世界の魅力に満ちています。
Frank Martin: Mass for Double Choir & Songs of Ariel
HMA 1951834
\1500
ダニエル・ロイス&RIAS 室内合唱団
 マルタン(1890-1974):
  無伴奏二重合唱のためのミサ、アリエルの5つの歌
 メシアン(1908-1992):5つのルシャン、ああ聖餐よ
ダニエル・ロイス(指)
RIAS 室内合唱団
20 世紀フランスの巨匠によるキリスト教への篤い信仰の表明

録音:2003 年9,11 月

 マルタンとメシアン、二人の巨匠の間には、音楽的共通点はそれほどありません。しかし、ひとつ共通点を挙げるとするならば彼らの篤い信仰心であり、彼らは2 人とも20 世紀でもっとも重要なキリスト教音楽の作曲家であるといえるでしょう。マルタンの無伴奏二重合唱のためのミサは、現代におけるキリスト教信仰への篤い信仰の表明ともいえる作品。メシアンの5 つのルシャンは、メシアンの最後の無伴奏作品であり、自身「自分の最高傑作」のひとつと考えた作品です。ロイス率いる名門声楽アンサンブル、RIAS 室内合唱団が厳か、かつ鮮やかに聴かせます。
Saint-Saens: Piano Trios Nos. 1 & 2
HMA 1951862
\1500
トリオ・ヴァンダラー
 サン=サーンス:ピアノ三重奏曲

  第1番 ヘ長調 Op.18、第2番 ホ短調 Op.92
トリオ・ヴァンダラー
サン=サーンスの音楽の粋!ピアノ三重奏曲第1番&第2番

録音:2004 年8 月

 当時一世を風靡したスケルツォ楽章をもつ第1番から25 年後に、サン=サーンスが満を持して発表した第2 番。1892 年12 月7 日に行われた初演は、聴衆を大いに魅了したのでした。サン=サーンスの爽やかな音楽の魅力に満ちたピアノ三重曲を、トリオ・ヴァンダラーが輝かしく流麗に聴かせます。
Mozart: Symphonies Nos. 35 'Haffner' & 36 'Linz'
HMA 1951891
\1500
ビエロフラーヴェク&プラハ・フィル
 モーツァルト:

  交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」
  交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」
イルジー・ビエロフラーヴェク(指)
プラハ・フィルハーモニア
充実のビエロフラーヴェク

録音:2005 年1 月

 ビエロフラーヴェク率いるプラハ・フィルハーモニアによるモーツァルト2 曲。「ハフナー」冒頭のよくまとまった充実した響きに引き込まれます。最終楽章プレストの小気味よいテンポと機動性は小編成のプラハ・フィルハーモニアならでは。「リンツ」のメヌエット楽章も絶妙なテンポ感に納得。モーツァルトが最も充実していた頃に書かれた2 作品の嬉しい秀演です。
Reflections
HMA 1957166
\1500
フレデリック・チュウ
 (1)ラヴェル:鏡
 (2)アベル・ドコー(1869〜1943):月の光
 (3)シェーンベルク:3つのピアノ曲 op.11
フレデリック・チュウ(P)
印象主義と表現主義の接点

録音:1994 年10 月

 「ラフマニノフ、ゴドフスキの再来」と賞されたフレデリック・チュウ。恐るべき超絶技巧と深い音楽性もさることながら、レパートリーの凝り方も特徴の一枚。シェーンベルクよりも早くセリー(音列)の技法を用いて作曲したフランスのアベル・ドコーの理論書でしか知られなかった作品に光をあてたことでも注目されました。ラヴェルに始まり、西洋音楽の礎である調整が徐々に崩壊していく過程を俯瞰できます。

HMF〜Le Chant du Monde


LDC 2781152
\2500
狂気のチェンバロ協奏曲
 ディミトリ・ヤノフ=ヤノフスキ:3つの鍵盤協奏曲

  (1)オルガンと弦楽オーケストラのための協奏曲
  (2)チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲
  (3)ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲
エリック・リュブロン(オルガン)
セリーヌ・フリッシュ(チェンバロ)
ジェイ・ゴットリープ(ピアノ)
新音楽アンサンブル
指揮/ジャン=ポール・デュッスィ
録音:2009 年

ドミトリ・ヤノフ=ヤノフスキはウズベキスタン出身の作曲家で、映画音楽などを手がけていた作曲家、フェリクス・ヤノフ=ヤノフスキの息子。シュニトケ、アルヴォ・ペルト、グバイドゥーリナ、ルトスワフスキら東欧や旧ソ連の作曲家たちの影響を色濃く受け、また、IRCAM でも研鑽を積み、ブーレーズやメシアン作品の研究もしています。現在はハーバード大学のコンポーザー・イン・レジデンスを務めています。オルガン協奏曲はどこかメシアンを思わせるような、それでいて映画音楽を思わせる雰囲気。狂気をはらんだチェンバロ協奏曲、「春の祭典」の冒頭を思わせるピアノ協奏曲など、変化のある1 枚です。

LDC 2781153
\2500
ジャン=ポール・デュッスィ(b.1963):「預言者」
 ソフォニ/バルク/アモス/
 non multa sed multum(量より質)/エクソドゥス
ジャン=ポール・デュッスィ( チェロ)
ジャン=ポール・デュッスィの預言。

録音:2007 年

作曲家、指揮者、新音楽アンサンブルのディレクター・・・様々な顔をもつデュッスィですが、本業はチェリスト。シェルシやバッハ、さらにはDJや民族楽器とのコラボレーションなど様々な音楽活動を展開しながらも彼は常に「今」と「ここ」の感覚を持ち続けます。「預言者」と題されたこのアルバムは5 曲から成り、神秘的な雰囲気と、深遠で意味深な空気に満ちています。

HELICON


Mahler: Symphony No. 9 by The Israel Philharmonic Orchestra
HEL 029656
(2CD)
\3200→¥2490
バーンスタイン指揮, イスラエル・フィル
 マーラー交響曲第9番 1985 年8月テルアビブ・ライヴ
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音: 1985 年8 月25 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)/ステレオ、88’32”

 その数日後の日本公演はいまだに伝説の名演としてずっと語り継がれている。その夜バーンスタインの枕元にマーラーが現れ、「最高の演奏をありがとう」と語ったという。
【バーンスタインによるマーラー】
 レナード・バーンスタインといえば、その経歴が端的に示すように、言わずと知れたマーラーのエキスパート。いち早くアメリカ時代の1960 年代に交響曲全曲をセッション録音すると、1970 年代には交響曲全曲の映像をライヴ収録、晩年の1980 年代にもライヴ録音で全集に取り組みながら、第8 番の収録を残し完成間近に世を去っています。
 マーラーを指揮しているときのバーンスタインはやはり別格で、作曲家・指揮者としての自らの姿とを完全に重ね合わせるかのような瞬間もあり、バーンスタインの演奏を通じてマーラーに目覚めたというファンは数知れず、おおいに受容に貢献した功績については異論の余地のないところです。
【バーンスタインによるマーラー第9 番のレコーディング】
 バーンスタインによるマーラーの第9 交響曲について、正規の商業録音として以下の4 つの演奏が知られています。
1965 年12 月  ニューヨーク・フィル(セッション録音)
1971 年3 月   ウィーン・フィル(ライヴ録音) ※映像作品
1979 年10 月  ベルリン・フィル(ライヴ録音)
1985 年5、6 月 ロイヤル・コンセルトヘボウ管(ライヴ録音)
 録音年が下るにつれて、全体の演奏時間が拡大する傾向が認められ(下記参照)、濃厚なうたい回しと主情的な表現が一種独特の世界を醸し出し、そこがまた「バーンスタインのマーラー演奏」の魅力として熱い支持を集める要因にもなりました。
【日本公演でのイスラエル・フィルとのマーラー第9 番】
 ただ、これらのレコーディングとは別に、比較するもののない空前絶後の大演奏として語り草となっているのが、1985 年9 月の来日公演でバーンスタインが指揮したマーラーの第9 番。
 終身桂冠指揮者としてイスラエル・フィルを率いた全9 公演のうち、マーラーの第9 番を演奏したのは4 公演、なかでも初日3 日の大阪・フェスティバルホールと、8 日の東京・NHK ホールがことのほか凄絶な内容であったとは衆目の一致するところのようで、8 日の東京公演を目の当たりにした音楽評論家の許光俊氏も、当時を振り返り次のように述べています。
 「実際、あれ以後、この曲でそれ以上の演奏は聴いていません。期待もしていないほどです。あまりに強烈すぎて、あれ以上のは、バーンスタイン自身が蘇らない限りあり得ないと思われます。」
【日本公演直前のライヴ】
 このたび登場する音源は、歴史的とまで騒がれたその日本公演の直前、1985 年8 月25 日にテルアビブにある本拠マン・オーディトリアムでおこなった同一プログラムのコンサートの模様を収めたものです。
 バーンスタインにとって本公演に臨むにあたり、上記のように、同じ年の5 月29 日から6 月3 日にかけてアムステルダムでロイヤル・コンセルトヘボウ管とマーラーの第9 交響曲のライヴ収録を終えていることもプラスに働いているようにおもわれますし、晩年の様式に顕著な途方もないスケールと感情移入全開の歌い込みが特徴のRCO 盤とは演奏時間もほぼ同じであることからも、ここでもほとんど同傾向の演奏内容がおこなわれているとみて間違いないでしょう。
 率直なところ、時期もほとんど同じに、バーンスタインがイスラエル・フィルとマーラーの第9 番を取り上げていたことも驚きですが、音源がこのような形で残されていたことに感謝の念を禁じ得ません。

=トラック・タイム=
1985 IPO 29:27 + 16:43 + 12:07 + 30:15 = 88:32
1985 RCO 29:52 + 17:26 + 11:47 + 29:34 = 88:39
1979 BPO 27:31 + 15:49 + 11:59 + 26:03 = 81:22
1971 VPO 27:24 + 16:06 + 11:28 + 25:48 = 80:46
1965 NYP 28:26 + 15:52 + 12:30 + 23:03 = 79:51

HELICON

Tchaikovsky: String Quartets Nos. 1-3
HEL 029639
(2CD)
\3200→\2890
「世界最高の弦」イスラエル・フィル精鋭メンバーによる
 チャイコフスキー:弦楽四重奏曲集
  [CD 1] 64’07”
   ・弦楽四重奏曲第1番ニ長調op.11
   ・弦楽四重奏曲第2番ヘ長調op.22
  [CD 2] 70’14”
   ・弦楽四重奏曲第3番変ホ短調op.30
   ・弦楽六重奏曲ニ短調op.70「フィレンツェの思い出」*
イスラエル・フィルハーモニー・
 リヒター四重奏団
イリヤ・コノヴァーロフ、
 シュムエル・グラセル(Vn)
ドミートリー・ラトゥシュ(Va)
フェリクス・ネミロフスキー(Vc)
ヴラディスラフ・ラトゥシュ(Va) *
キリル・ミハノフスキー(Vc) *
録音:2010 年9 月12-15 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)

 イスラエル・フィルハーモニー・リヒター四重奏団は、その名の通りすべてイスラエル・フィルのメンバーで構成され、楽団がイタリア・ツアー中の2006 年5 月にスポレート音楽祭でデビューを果たしたアンサンブル。結成にあたり、惜しみない寄付と向こう10 年間の活動のサポートを申し出た、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団基金理事で後援会員のリヒター・ファミリーに謝意を表して、その名を冠しています。
 結成の目的として、オーケストラの芸術活動になくてはならない部分であった、弦楽四重奏団の偉大なる伝統を継承することがありましたが、オーケストラの募金活動やコンサート・ツアーと関連して、数多くのコンサートをイスラエル国内にとどまらず海外でも精力的におこなっています。
 イリヤ・コノヴァーロフは1977 年ロシアのノヴォシビルスク生まれ。7 歳で名教師ザハール・ブロンに師事し、学生時代に全ロシア・ヴァイオリン・コンクール、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで入賞を果たしたコノヴァーロフは、1997 年よりイスラエル・フィルのコンサート・マスターを務めています。
 リトアニアのヴィリニュスに生まれたシュムエル・グラセルは、1980 年にイスラエルに移住し、1987 年より楽団メンバーとなったイスラエル・フィルの第2 ヴァイオリン奏者。
 1990 年にロシアからイスラエルに移住したドミートリー・ラトゥシュは、2004 年よりイスラエル・フィル副首席ヴィオラ奏者を務めています。
 チェロのフェリクス・ネミロフスキーは1963 年ウズベキスタンの首都タシュケントの生まれで、1992 年よりイスラエル・フィルのメンバー。
 イスラエル・フィルハーモニー・リヒター四重奏団は、すべて旧ソ連圏の生まれという点が共通し、さらにメンバーの2 人がロシア出身ということで、幼い頃よりチャイコフスキーの作品に寄せる共感の強さにはかなりのものがあるとおもわれるので、高水準の演奏内容が期待できそうです。
妙なる時〜イスラエル・フィル創立75周年記念アルバム(2CD)
HEL 029649
(2CD)
\3200→\2890
「妙なる時〜イスラエル・フィル創立75周年記念アルバム」
 [CD 1] 77’41”
  ・ヴェルディ:「運命の力」序曲/ズービン・メータ(指揮)[1986年]
  ・モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲/ズービン・メータ(指揮)[1986年]
  ・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」〜
    第1楽章/ズービン・メータ(指揮)[2009年]
  ・シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」〜
    第2楽章/ズービン・メータ(指揮)[2006年]
  ・ブラームス:交響曲第3番ヘ長調〜第3楽章/ズービン・メータ(指揮)[2009年]
  ・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲ホ短調Op.72-2/ズービン・メータ(指揮)[1996年]
  ・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜
    第2楽章/クルト・マズア(指揮)[2008年]
  ・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調〜第3楽章/
    ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)[2006年]
  ・ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」よりハンガリー行進曲/
    ガリー・ベルティーニ(指揮)[1996年]
  ・マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」〜第2楽章/
    ジェイムズ・レヴァイン(指揮)[1989年]
  ・ハイドン:交響曲第88番ト長調「V字」〜フィナーレ/
    クルト・マズア(指揮)[2008年]
 [CD 2] 79’06”
  =ズービン・メータ(指揮)篇=
  ・J. S. バッハ:
    カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140〜
     コラール/
      カレジエイト合唱団[2008年]
  ・ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調RV 522〜第2楽章/
    イツァーク・パールマン、ピンカス・ズッカーマン(Vn)[1996年]
  ・モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K.364〜第3楽章/
    ハイイーム・タウブ(Vn)、ダニエル・ベンヤミニ(Va)[1968年]
  ・モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K 595〜第3楽章/
    ダニエル・バレンボイム(P)[1972年]
  ・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜第2楽章/
    ピンカス・ズッカーマン(Vn)[1989年]
  ・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調〜第4楽章/
    ルドルフ・ブッフビンダー(P)[2009年]
  ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調〜第1楽章/
    アリシア・デ・ラローチャ(P)[1987年]
  ・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調〜第2楽章/
    イエフィム・ブロンフマン(P)[1991年]
  ・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調〜第3楽章/
    アイザック・スターン(Vn)[1975年]
  ・ブラームス:ドイツ・レクィエム〜第2曲/
    ガリー・ベルティーニ・イスラエル合唱団[2009年]
  ・モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」〜シャンペンの歌/
    ニコラ・ウリヴィエーリ[2009年]
 ※( )内は収録年、収録場所はすべてテルアビブ、
  マン・オーディトリアムにおけるライヴ
イスラエル・
 フィルハーモニー管弦楽団
豪華顔触れによる名演の聴きどころをたっぷりとCD2 枚分!イスラエル・フィル創立75周年記念企画アルバム

 「イスラエル・フィルのレーベル」ヘリコン・クラシックスが、2011 年に同オケが創立75 周年を迎えたことを記念してリリースする企画アルバム。
 2011 年12 月現在のカタログから、比較的収録時期の新しめのライヴ演奏の聴きどころをCD2 枚に凝縮しています。
 おおよそ1 枚目が交響曲、2 枚目が協奏曲という構成で、全22 トラックを彩る顔触れは、終身音楽監督メータほか、ブロムシュテット、ベルティーニ、レヴァインといった指揮者陣、ブロンフマン、ブッフビンダー、バレンボイムらソリストとも、さすがに世界有数のオケにふさわしく豪華なものとなっています。
エルガー:ヴァイオリン協奏曲、バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ズッカーマン、メータ&イスラエル・フィル
HEL 029655
\2300→\2090
ズッカーマン(Vn)/イスラエル・フィル&ズービン・メータ
(1)エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.61
(2)J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV. 1041
ピンカス・ズッカーマン(Vn)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮)
名手ズッカーマンの弾くエルガーとJ. S. バッハのヴァイオリン協奏曲

(1)録音:2006年4月8日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ) (2)録音:1986年12月29日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/61’12”

 メータ率いるイスラエル・フィルが、名手ズッカーマンを独奏に迎えてエルガーとJ. S. バッハのヴァイオリン協奏曲を演奏したアルバムが登場。ズッカーマンにとって、両曲ともすでに複数のレコーディングによりすぐれた実績を示しているプログラムです。

【ズッカーマン3 種目となるエルガーのヴァイオリン協奏曲】
 エルガー53 歳、もっとも創作の盛んであった時期に書かれたヴァイオリン協奏曲は、長年独学で習得してきたヴァイオリンの技巧を駆使しながら、劇的でむせかえるような濃厚な味わいと一連の作品に通じる高貴な佇まいとを湛えた大曲で、初演者クライスラーに献呈されています。
 ズッカーマンもこの曲に惚れ込んだひとりで、1976 年にバレンボイム指揮ロンドン・フィルとセッション録音、1992 年にレナード・スラットキン指揮セントルイス響とセッション録音していますが、前回より14 年ぶりとなる2006 年のライヴは、イスラエル・フィルが創立70 周年を迎えたシーズンに果たした生地テルアビブでの公演ということで、母国の聴衆を前に熱のこもった内容が期待されるところです。

【ガラミアン仕込みの美音したたるJ.S. バッハの協奏曲 】
 カップリングのJ. S. バッハのヴァイオリン協奏曲第1 番は、エルガーより20 年前、イスラエル・フィル創立50 周年にあたる1986 年の演奏。
 1948 年生まれのズッカーマンは、1969 年のレコード・デビュー以来、40 年以上におよぶキャリアのなかで、J.S. バッハのヴァイオリン協奏曲をすべて録音していて、第1 番については、1990 年のイギリス室内管との顔合わせを含め、過去に2 度弾き振りでレコーディングしていました。
 アイザック・スターンに見出され、ジュリアード音楽院で名教師ガラミアンに師事したズッカーマンといえば、ガラミアン門下屈指の美音で幅広い人気を博してきましたが、ここでも世にも美しいバッハを堪能できるものとおもわれます。

HEL 029648
(2CD)
\3200→\2890
巨匠ベルティーニ&イスラエル・フィル、記念碑的ライヴ
(1)ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」Op.24
(2)ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」(ハイライト)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ガリー・ベルティーニ(指揮)
(1)ダーフィト・キュープラー(T;ファウスト)
 フランツ・グルントヘーバー(Br;メフィストフェレス)
 ベアトリス・ユリア=モンゾン(Ms;マルグリート)
 デニス・セドフ(Bs;ブランデル)
 クルージュ・トランシルヴァニア国立フィルハーモニー合唱団
(2)リナト合唱団(イスラエル室内合唱団)

(1)録音:1996 年3 月2 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)  (2)録音:1974 年1 月1 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)/ステレオ、68’23”、73’33”

 2005 年に世を去ったイスラエルの巨匠指揮者ガリー・ベルティーニは、なによりマーラーのエキスパートとしてのイメージが強烈に刻印されていますが、このアルバムに収録されているふたりの作曲家、ベルリオーズとラヴェルの作品を好んで実演で取り上げていました。
 ベルリオーズのケースでは、幻想交響曲(1993 年) や序曲「ローマの謝肉祭」、「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲(1994 年) といった、死後に日の目を見たケルン放送響とのライヴ録音などからもうかがえますし、ベルティーニはまた、東京都交響楽団の音楽監督(1998 − 2005) として2003 年11 月、劇的交響曲「ロメオとジュリエット」の公演を大成功に導き、大編成作品にみせるたしかな手捌きも実証済みなので、イスラエル・フィル創立70 周年にあたる2006 年の「ファウストの劫罰」でも充実した内容を期待できるのではないかとおもわれます。
 なお、併禄の「ダフニスとクロエ」について。ベルティーニは1989 年に「ダフニスとクロエ」組曲第2 番(1989 年) をケルン放送響とライヴ録音していますが、ここではラヴェルによる組曲版ではなく、全曲版の第1 部冒頭から第3 部手前あたりまでを収めています。
 ちなみに、ベルティーニ同様にやはりマーラー指揮者として評価の高いエリアフ・インバルも、ラヴェルの管弦楽作品全集やベルリオーズの作品集成で知られるように、ベルティーニとはレパートリーが重なるというのも興味深いところで、両社は録音点数こそ対照的ながら、すぐれた内容で熱心なファンを獲得している点でも通じるものがありました。

HELICON


HEL 029654
\2300→¥2090
マズア&イスラエル・フィル/ブルックナー第7交響曲
 (1)シェーンベルク:ワルシャワの生き残りOp.46
 (2)ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
フリートへルム・エーベルレ(語り)
イスラエル・オペラ合唱団男声合唱
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
クルト・マズア(指揮)
巨匠マズア&イスラエル・フィル。ブルックナーの第7交響曲1995年ライヴ、カップリングは迫真の「ワルシャワの生き残り」

(1)録音:2006 年12 月31 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ) (2)録音:1995 年3 月テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/70’18”

 1927 年生まれの巨匠指揮者クルト・マズアがイスラエル・フィルを指揮してブルックナーの第7 交響曲を演奏したアルバムは、終身名誉客演指揮者就任から3 年目の1995 年3 月に行われたコンサートの模様をライヴ収録したものです。
【マズア指揮によるブルックナーの交響曲】
 1970 年から1996 年までの長期に亘り、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを務め、今日に繋がる名声の足掛かりを築き上げたマズアは、1974 年から1978 年にかけて同オケとともにブルックナーの交響曲全集録音を完成させています( 第7 番は1974 年収録)。さらにマズアは、メータの後任にあたるニューヨーク・フィルの音楽監督時代(1991-2002) に、1991 年に第7 番を、1993 年に第4 番を、いずれもライヴ録音していました。
【マズアお気に入りの第7 交響曲】
 当ライヴを含め現状で5 種を数える第7 番は、ブルックナーの交響曲のなかでもマズアが得意とする演目のようで、上記のほかにも1967 年ロンドンにおけるシュターツカペレ・ベルリンとのライヴ録音、2003 年のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭管とのライヴ録音が知られているほか、現在でも客演を重ねているフランス国立管の音楽監督在任中(2002-2008) の2005 年、2007 年という具合に、実演でよく取り上げてもいました。
【イスラエル・フィルによるレアなブルックナー録音】
 対照的に、イスラエル・フィルによるブルックナー録音といえば、1963 年にライヴ収録された第9 番(HEL029625) のほか、1987 年にフランクフルトでライヴ収録された第8 番の映像作品、1989 年にセッション録音された第0 番と第8 番くらいでごく数点しかなく、これらはすべてメータ指揮によるものでした。
 ブルックナーのおおきな魅力のひとつに、息の長い緩徐楽章の美しさが挙げられますが、そのままこれは優秀な弦楽セクションを誇るイスラエル・フィルにとっておおいに真価を発揮する場面ともいえそうで、数多くブルックナーを手掛けてきたマズアとの顔合わせはたいへん興味の尽きないものといえるでしょう。
【イスラエル勢による迫真の「ワルシャワの生き残り」】
 カップリングの「ワルシャワの生き残り」は、ベートーヴェンの第9 交響曲とともに、イスラエル・フィル創立70 周年を迎えた2006 年のジルヴェスター・ガラで演奏されたもの。
 第2 次大戦中のホロコーストという、ナチがおこなった未曾有の残虐行為を扱った内容に対して、ここでイスラエルの演奏陣がみせる息詰まる音楽は想像以上で、終盤、男声合唱が「聞け、イスラエル」という歌うくだりに至っては鬼気迫るものがあります。
 語りを担当するフリートへルム・エーベルレは1935 年生まれのドイツの名優。エーベルレは、マズアが1988 年にグリーグの「ペールギュント」のセッション録音をおこなった際にも語りとして参加していました。

=トラック・タイム=
[イスラエル・フィル / 1995年]  I.20’05 +II.21’16 +III.9’16 +IV.12’47 = 63’24
[シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭管 / 2003年]  I.19’13 +II.19’51 +III.9’28 +IV.13’26 = 62’30
[ニューヨーク・フィル / 1991 年]  I.20’04 +II.21’00 +III.9’35 +IV.12’22 = 63’28
[ゲヴァントハウス管 / 1974年]  I.19’55 +II.21’55 +III.10’00 +IV.13’10 = 65’00
[シュターツカペレ・ベルリン / 1967年]  I.19’07 +II.22’15 +III.9’32 +IV.12’24 = 63’19

HOWE RECORDS



HWR 1005
(2CD)
\4200→¥3790
ハワード・ショア:「ロード・オブ・ザ・リング」交響曲
 [CD1]
  〜旅の仲間〜
   (1)第1楽章
   (予言- ホビット庄の社会秩序- 過去の影-
    マッシュルームへの近道- 古森- 闇夜の短剣)
   (2)第2楽章
   (数々の出会い- 指輪は南へ- 暗闇の旅-カザド=ドゥムの橋-
    ロスロリアン-ガンダルフへの哀悼-ロリアンへの別れ-
    大河-一行の離散)
 [CD2]
  〜二つの塔〜
   (3)第3楽章
   (石の基盤-スメアゴルならし- ローハンの騎士たち-
    黒門不通- 夕星姫- 白の乗り手- 木の鬚- 禁断の池)
   (4)第4楽章
   (角笛城- 進めエオルの家の子ら-アイゼンガルドへの道-
    ゴラムの歌) 
  〜王の帰還〜
   (5)第5楽章
   (望みと想い-白の木-ゴンドールの執政-
    キリス・ウンゴル-アンドゥリル)
   (6)第6楽章
   (全ての終わり-王の帰還- 灰色港-イントゥ・ザ・ウェスト)
ルードヴィッヒ・ヴィッキ(指揮)
ケイトリン・ラスク(S)
21st センチュリー・オーケストラ
21st センチュリー・コーラス
「ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー」ライブ録音、待望のCD化、壮大な音楽と共に映画の世界に想いを馳せる

録音:2011 年2 月12 日、13 日、ルツェルンKKL コンサートホールライブ録音(スイス)

 2001 年より順次公開され、日本でも話題となった映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作。
 アカデミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞など映画音楽界の賞を総なめした一連の音楽を作曲者のハワード・ショア自ら編曲し、「ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー」として6 楽章構成の交響曲にまとめあげました。三部作それぞれの音楽を満遍なく網羅しており、2 時間で三部作の流れを一望できる仕上がりとなっています。原曲の雰囲気をそのままにメドレー化しているので、ファンの方はもちろん、作品全体の雰囲気を知りたい方にもおすすめのアルバムです。
 緊張感のあるシリアスなサウンドに定評のあるショアですが、「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽では合唱とオーケストレーションをフルに使った迫力満点のサウンドから、民族楽器を使ったのどかな曲調まで多様なサウンドを楽しむことが出来ます。世界各国で様々な団体による演奏ツアーが行われている「ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー」。日本においても2004 年に東京国際フォーラムで来日公演が行われ、好評を博しました。
 今回収録されているのは、2011 年2 月にルツェルンで行われた演奏会のライブ録音。1999 年にヴィッキによって映画音楽演奏を目的に設立された21st センチュリー・オーケストラの演奏は、映画で演奏を務めたロンドン交響楽団の演奏に引けを取らぬもの。ライブでは映画の映像をバックに演奏が行われましたが、音楽だけでも映画の壮大さと迫力を十分に実感できます!






注文フォームへ


アリアCD 新店舗トップページへ



Copyright(C) 2011 ARIA−CD.All rights reserved.151