ALPHA
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Alpha815
(国内盤・5枚組)
\7770 |
グスタフ・レオンハルト/最後に刻んでいったもの
〜Alpha レーベルへの晩年の録音全集〜 5枚組¥7770
《CD I》レオンハルト、ボルドー聖十字架大修道院教会のオルガンを弾く(Alpha017)
フランソワ・クープラン(1668〜1733):
①修道院のためのオルガン・ミサ(1690)より7編
アブラハム・ファン・デン・ケルクホーフェン(1608
頃〜1701):
②ファンタジア
ヨーハン・カスパール・フェルディナト・フォン・フィッシャー(1656〜1746):③シャコンヌ
ゲオルク・ムファット(1653〜1704):④トッカータ
第1番 ⑤同・第5番
ルイ・マルシャン(1669〜1732):
⑥プラン・ジュ ⑦クロモルヌ管のバス
⑧デュオ ⑨レシとディアローグ
ジョン・ブロウ(1648〜1708):⑩ヴォランタリ第4番
⑪同・第8番 ⑫同・第18 番
※使用楽器:ボルドー聖十字架大修道院教会
ベドス・ド・セル師1748 年建造 |
グスタフ・レオンハルト
(チェンバロ、オルガン、クラヴィチェンバロ、指揮) |
《CD II》レオンハルトが奏でる、イタリアとフランスの響き(Alpha026)
ジローラモ・フレスコバルディ(1583〜1643):
①トッカータ 第2番(1615)②カンツォーナ
第5番(1615)
③ファンタジア 第4番(1608)
④バッサ・フィアメンガによるカプリッチョ(1624)
⑤トッカータ 第7番(1627)
⑥リチェルカーレ 第1番(1615)
⑦カンツォーナ 第3番(1627)⑧トッカータ
第8番(1615)
ルイ・クープラン (1626 頃〜1661):
⑨組曲 ニ長調 ⑩パッサカーユ ト短調
⑪組曲 ホ短調
⑫パヴァーヌ 嬰ヘ短調
※使用楽器1:イタリア式モデルによる
マルティン・スコヴロネック製作による復元楽器
使用楽器2:ヴァンサン・ティボー(フランス17
世紀)の
モデルに基づくエミール・ジョバン製作の復元楽器 |
《CD III》イタリア音楽の遺産 〜イギリスとドイツの鍵盤楽曲集(Alpha042)
ハンス・レオ・ハスラー(1564〜1612):①カンツォン
ニコラス・ストロージャーズ(1560〜75 頃活躍):②ファンタジア
ウィリアム・バード(1542〜1623):
③コルラント(クラント)④女王陛下のアルメイン
⑤グラウンド
ジョン・ブル(1563〜1628):⑥ジョン・ブルがおやすみなさいを言う
オーランド—・ギボンズ(1683〜1625):⑦ファンタジア
ヨーハン・パッヘルベル(1653〜1708):⑧ファンタジア
⑩トッカータ ト長調
ヨーハン・クリストフ・バッハ(1642〜1703):⑪プレルディウム
クリスティアン・リッター(1650〜1725):
⑫スウェーデン国王カール11 世の死を悼むアッレマンダ(アルマンド)
ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750):
⑬ファンタジア BWV1121 ⑭イタリア様式による変奏付アリア
BWV989
⑮「おお神よ、汝慈悲深き神よ」の旋律にもとづくパルティータ
BWV767
※使用楽器1:
アンスニー・サイディ&マティアス・グリーヴィシュ復元製作によるクラヴィオルガヌム
使用楽器2:
ジルバーマン1735 年製2段鍵盤楽器に基づくアンスニー・サイディ1995
年製作の復元楽器 |
《CD IV》ウィリアム・バード:鍵盤のための作品集(Alpha073)
ウィリアム・バード(1542〜1623):
①パヴァーン (16a) ②ガリアード (16b)
③栄光を与えたまえ、主よ (49)
④この道を通る人は (19) ⑤アルメイン
(89) ⑥パヴァーン (14a)
⑦ガリアード (14b) ⑧ラ・ヴォルタ (91)
⑨パヴァーン (23a)
⑩ガリアード (23b) ⑪ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ
(64) ⑫グラウンド (43)
⑬ローランド (7) ⑭ファンタジア (13)
※使用楽器:
ローデヴェイク・テーヴェス1579 年製作のクラヴィチェンバロに基づく
マーカム・ローズ製作の復元型チェンバロ |
《CD V》J.S.バッハ いとも豪奢なる世俗カンタータ2編(Alpha118)
ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750):
①世俗カンタータ『楽しきヴィーダーアウよ』BWV30a(1737)
②世俗カンタータ『相和する弦の音よ』BWV207(1726)
※モニカ・フリンマー(ソプラノ)
ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)
マルクス・シェーファー(テノール)ステファン・マクラウド(バス)
グスタフ・レオンハルト指揮
カフェ・ツィマーマン(古楽器使用)、
ヴェルサイユ・バロック音楽センター合唱団 |
その生き方が「古楽復興」だった——思いは若い世代に受け継がれ、彼は伝説になった。
偉大な古楽鍵盤奏者=指揮者グスタフ・レオンハルトが、生涯最後に深く愛したレーベル、Alpha
の録音をすべて結集。フィリップ・ヘレヴェッヘや主宰者らの書き下ろしコメントも全訳付です。
昨年末にパリで引退公演を行ってから2ヵ月後、今年1月16
日にアムステルダムの自宅で息を引き取った巨匠、グスタフ・レオンハルト。
大戦前の1928 年に生まれ、17 世紀の姿を今にとどめる古都アムステルダムでアンティーク家具や古楽器に囲まれて育ったこの巨匠は、早くから歴史的楽器(ピリオド楽器)と歴史的奏法(ピリオド奏法)の意義をはっきり打ち出し、楽譜解釈の誠実さを説き続けるかたわら、高速鉄道やジェット機など大の高速移動手段好きという意外な一面もあった。彼こそは、20
世紀以降の理想的な「古楽復興」のあり方を地でゆく人物だったのではないでしょうか。
録音にも積極的で、Vanguard、Telefunken/Teldec、DeutscheHarmonia
Mundi、Philips、SEON...とさまざまなレーベルで名盤を残してきたレオンハルトですが、音盤シーンが大きく変革していった21
世紀以降は、もっぱらフランスの良心的小規模レーベルAlpha
と充実した音盤制作を続けていました。
母国語であるオランダ語に加え、英語やドイツ語と同じくらいフランス語を流暢に話し、演奏会では好んでフランス・クラヴサン楽派の作品をとりあげもすれば、最後のリサイタル地にパリを選ぶ。そのかたわら英国ルネサンスの鍵盤音楽を偏愛し、最後に正規制作した録音はウィリアム・バードの作品集。また映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』でバッハ役を演じ、鍵盤作品はことごとく録音、さらにニコラウス・アルノンクールと協力して指揮活動に精を出し、歴史的アプローチによるバッハ・カンタータ全曲録音を完遂するなど、彼はJ.S.バッハとも深く結び付けられた芸術家でもありました。
そうした足跡の総決算が、Alpha レーベルで制作された最後の足跡に深く刻まれているのです。
ボルドーの歴史的オルガンでの最初の録音、現代の名工による歴史的モデルのチェンバロの銘器2台を奏で分け、欧州はもちろん日本でもレコード・アカデミー賞に輝いたフランスとイタリアの傑作集、ドイツと英国に焦点をあて、バロックの合成楽器クラヴィオルガヌムの魅力を解き明かしてみせた第3作、最後の正規鍵盤録音となったバード作品集、そして「もう指揮はしない」と標榜していたとの風評を覆し、カフェ・ツィマーマンをはじめとする古楽先進国フランスきっての俊才たちの前にあらわれ「バッハ指揮者」として全うした、レオンハルト最後の録音。全5枚の録音すべてと、添付されていた解説日本語訳もことごとく収録。さらに今回の企画にあたり、レーベル主宰者や名匠フィリップ・ヘレヴェッヘらが寄せたコメントまで全訳、現代屈指の名レーベルが巨匠に捧げた敬意の“魂”を、可能な限り日本の音楽ファンにお届けします。
なお制作元は特記こそしていませんが、昨今の音盤制作状況からすると、事実上の限定生産になる可能性も充分考えられるところ。歴史的意義のあるリリース、お早めにどうぞ!! |