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第63号
マイナー・レーベル新録音新譜(5)


6/8までの紹介分


AMATI (6/6)


AMI 2503
(2CD)
\4800
テレマン:『ヨハネ受難曲』(1749年版, TWV.5:34) ブリッタ・シュヴァルツ(Ms),
ミヒャエル・ツァバノフ(T),
トーマス・フレップ(T),
トビアス・ヴォルナー(T),
ゼーレン・フォン・ビラーベック(Br),
ミヒャエル・ショル(指揮)
テレマン・コンソート・マクデブルク(ピリオド楽器アンサンブル)
ビーデリッツ・カントリオ室内合唱団
《録音》2008年3月 (デジタル:ライヴ)
 テレマンは3000以上作品を作曲し、受難曲だけでも48曲(うち2曲は不明)もハンブルクのために作曲したそうです。「新しい作品を書くことが神への奉仕」と考える当時の作曲家の中でも、これだけ毎年受難節のために書いた作曲家はテレマンぐらいだったのではないでしょうか。11ものヨハネ受難曲を書いたテレマン。バッハは1曲しかヨハネを書きませんでしたが、1749年はバッハが最後に自分のヨハネ(4稿版)を演奏した最後の年でした。このテレマンの1749年版は、前半に明るい雰囲気、後半に向かってイエスの深い心情を深く掘り下げていくような組立によって、ドラマティックな絵画的手法が採られています。

AMI 9902
(2CD)
\4800
テレマン:『マタイ受難曲』(1758年版, TWV.5:43) フレデリケ・ホルツハウゼン(Sp),
エリザーベト・グレンガー(Sp),
レナーテ・カッペルト(Sp),
フレデリック・メイラン(A),
セバスティアン・ライム(T),
ロラント・フェネス(Br),
ラルフ・グローベ(Br),
ミヒャエル・ショル(指揮)
マクデブルク・バロックオーケストラ(ピリオド楽器アンサンブル)
ビーデリッツ・カントリオ室内合唱団
《録音》1999年3月 (デジタル:ライヴ)
 テレマンは3000以上作品を作曲し、受難曲だけでも48曲(うち2曲は不明)もハンブルクのために作曲したそうです。「新しい作品を書くことが神への奉仕」と考える当時の作曲家の中でも、これだけ毎年受難節のために書いた作曲家はテレマンぐらいだったのではないでしょうか。テレマンの初期のマタイ受難曲は、既により複雑な対位法を使用していました。テレマンの設定は、その後の啓蒙主義の時代への情熱だったのです。しかしこの晩年のマタイの音響は、完全に精巧でかつ合理的で明確に処理されており、バッハのそれとは大きく異なった、心に繰り広げられるドラマが展開されていきます。

AMATI


AMI 2601
(2CD)
\4800
テレマン:『ヨハネ受難曲』(1733年版, TWV.5:18) ミヒャエル・ツァバノフ(T:エヴァンゲリスト),
マティアス・フィーヴェク(Br:イエス),
グリット・ヴァーグナー(Sp),
コルネリア・ディープシュラック(Ms),
ウルリケ・マイアー(Ms),
トーマス・フレップ(T),
フローリアン・ゲッツ(Bs)
ミヒャエル・ショル(指揮)
カンマームジーク・ポツダム(ピリオド楽器アンサンブル)
ビーデリッツ・カントリオ室内合唱団
 テレマンは3000以上作品を作曲し、受難曲だけでも46曲もハンブルクのために作曲したそうです。「新しい作品を書くことが神への奉仕」と考える当時の作曲家の中でも、これだけ毎年受難節のために書いた作曲家はテレマンぐらいだったのではないでしょうか。4種類の新約聖書(マタイ、ヨハネ、マルコ、ルカ)のうち、最も叙情性が高いといわれているヨハネによる福音書。この1733年作曲されたものは、その中でも最も情熱的な作品で、テレマン初期の傑作の宗教作品とも言われています。テレマンの受難曲は、バッハのようなドラマティックな展開とは異なり、聴衆のうけの良い耳に入りやすいテレマン流のポピュラリティあるメロディーによって、非常に美しく煌びやかに演奏されます。
 テレマン研究家としても有名な指揮者ミヒャエル・ショルはこれまで受難曲4曲を録音してきましたが、ヨハネ受難曲は1755年版に続く2曲目の録音となります。
 《録音》2010年  (デジタル:セッション)

ARION (6/6)

 ARIONは新譜案内が来ても入荷までひどく時間がかかる場合や、最悪入らないことがあります。哀しい話ですが、どうかご了承ください。


ARN 48018
\2400
《ドビュッシー&ラヴェル:ピアノ三重奏曲集》
 『ドビュッシー:ピアノ三重奏曲ト長調』
 『ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調』
"トリオ・ラヴェル
〔シャンタル・ド・ビュシー(P),
クリスティアン・クレーネ(Vn),
マンフレート・シュティルツ(Vc)〕
《録音》1982年 (デジタル:セッション)
ドビュッシー17才の時から書き始めた作品で、ドイツのヘンレ社から1986年に出版されました。この演奏は出版前に世界初録音されたもので、ドビュッシーらしい甘美で切ない音楽が奏でられます。ラヴェルの作品は20世紀の偉大なピアノ三重奏のひとつで、厳格な構成力、凝縮された緊張感を持つ作品です。旧品番: ARN268018からの再発売となります。

ARN 248128
(2CD)
\4800
《ドビュッシー:ピアノ・デュオのための作品全集》
 『ディアーヌ序曲』『放蕩息子』『交響曲ロ短調』
 『アンダンテ・カンタービレ』『バッカスの勝利』
 『民謡の主題によるスコットランド行進曲』『リンダラハ』
 『ディヴェルティスマン』『小組曲』
 『牧神の午後への前奏曲』『間奏曲』『春』
 『白と黒で』『6つの古代碑銘』『海』
クリスティアン・イヴァルディ & ノエル・リー(P)
《録音》1990年 (デジタル:セッション)
ARIONレーベルで、ピアノ・デュオの数々の名盤を送り出しているお馴染みのリー&イヴァルデ。ここでも息の合った演奏で、珍しい作品を含む作品も収録。どの曲もシンプルながら聴く人の心を瞬時に捉える典雅な美しさを演出してくれます。旧品番: ARN268128からの再発売となります。

ARN 68825
\2400
《セバスティアン・デュロン:作品集》
 『Diferencias sobre la gaita』『Vuela mariposa』
 『Pues me pierdo en lo que callo』
 『Ay, galan de mi vida』『Obra de sexto tono』
 『Cuando muere el sol』『Canarios』
 『Gaitilla de mano izquierda (Flute)』
 『Gaitilla de mano izquierda (Clavecin)』
 『Sosieguen, descansen』『Duerme rosa, y descansa』
 『Gaitas』『Una zagaleja soy』『Gran duque』
 『Que es esto, alevoso』『La borrachita de amor』
 『Obra en lleno de tercer tono』『La majestad soberana』
 『Y pues de tu error los suspiros』
ムジカ・フィクタ
〔ジャイロ・セラーノ(テノール, パーカッション, バロック・ギター),
ジュリアン・ナヴァーロ(バロック・ギター, テオルボ),
カルロス・セラーノ(リコーダー, ダルシアン),
エリザベス・ライト(Cemb)〕
《録音》2010年 (デジタル:セッション)
セバスティアン・デュロン(1660-1716)は、アントニオ・デ・リテレスとともにこの時代の最も偉大なスペインの作曲家のひとりでした。若き頃の経歴は知られていないようですが、オルガニストとして20歳になる前にいくつかの重要なポストを与えられ、特にサルスエラの作曲家としても功績を残しました。4人のバロック・アンサンブル「ムジカ・フィクタ」は、ラテン アメリカとスペイン・バロックのレパートリーとしたアンサンブルで、情熱的で多彩なレパートリーを発信に努めており、高い評価を得ています。

ARN 68824
\2400
《皇太子妃マリー・アントワネットへのオマージュ》
 ルイ=シャルル・ラゲ(1744-1793):『ソナタ第1&2番』
 ジャン=バティスト・カルドンヌ(1730-1792):『皇太子妃』
 ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764):『皇太子妃』
 ジャン=バウア(1715-1773):『ソナタ第1&2番』
 ジャック=アントワーヌ・ミグノー(1700年代):『ソナタ第1番』
トリオ・ドーフィンヌ
〔クララ・イザンベール(Hp),
マリー・ファン・ライン(クラヴサン),
モード・ギゲ(バロックVn)〕
《録音》2010年 (デジタル:セッション)
フランス王室に仕えた作曲家たちによる、皇太子妃への思いを綴った作品集。1728年にシングルアクション・ハープがウィーンの宮廷に紹介され、翌年にはフランスに持ち込まれて次第にもてはやされる楽器となっていきます。この流行に輪をかけたのが1770年にフランスの王太子妃となったマリー・アントワネットで、自らハープを弾いて宮廷、サロンを中心にハープはなくてはならない楽器となりました。「トリオ・ドーフィンヌ」は3人の女流器楽奏者によるアンサンブル。ここではピリオド楽器を使用していますが、モダン楽器による現代音楽まで幅広いレパートリーによってフランス音楽を紹介しています。

ARN 48326
\2400
《ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集》
 『ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77』
 『ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op.129』
マリー・シューブレ(Vn)
ジェイムズ・デプリースト(指揮)
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
《録音》1995年 (デジタル:セッション)
マリー・シューブレのデビュー盤だった演奏。いきなりデビューからしてデプリーストのバックによる重量級なアルバム。そこで展開される感情的に平板で冷めきった「クールビューティ」ともいえる演奏です。旧品番: ARN68326からの再発売となります。

ARN 48292
\2400
D・スカルラッティ:
 『4声のための「マドリード・ミサ」』
モンテヴェルディ:

  『6声のための「ミサ・イン・イッロ・テンポレ」』
モーリス・ブルボン(指揮)
メタモルフォーゼ・ドゥ・パリ
声楽アンサンブル「コエリ・エト・テラ(天と地)」
《録音》1994年 (デジタル:セッション)
モンテヴェルディが1610年に作曲した6声のミサは、教皇パウロ6世に献呈された作品です。伝統的な対位法によって書かれていますが。彼らしい流麗で深い響きをもっています。500曲以上のソナタを作曲したD・スカルラッティは宗教曲にも珠玉の作品を残しており、モンテヴェルディから100年後のこの作品は、D・スカルラッティは、バロック音楽の華やかさが前面に出た一品です。モーリス・ブルボンは音楽研究家かつ作曲家で、ルネサンス声楽音楽を専門とする男声アンサンブル、メタモルフォーゼを指揮して、これらの作品を見事な緻密さをもった感覚で蘇らせています。旧品番: ARN68292からの再発売となります。

ARN 48272
\2400
《ギデオン・クライン(1919-1945):器楽と声楽のための作品集》
 『ピアノ・ソナタ』『2つのMadigaux』『原罪』
 『高声とピアノのための3つの歌』
 『ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏』
 『ディヴェルティメント』『ヴァイオリンとチェロのための二重奏』
 『弦楽四重奏のための4つの楽章Op.2』
アンサンブル2E2M
パウル・メファーノ(P&監修)
《録音》1992年, パリ (デジタル:セッション)
ギデオン・クラインは、チェコのブロジェロフ出身のユダヤ系の作曲家。6歳で音楽的天性を示し、11歳でピアノの才能を発揮。作曲をアロイス・ハーバに師事。1941年にナチスの収容所に送致されましたが、そこは所内で芸術活動が推奨された数少ない収容所でした。その時期の書かれた作品は、アルバン・ベルクの作風を髣髴とされる作品でした。その後アウシュヴィッツ、そしてフュルステングルーベに移送され他界。1990年にクラインの友人が保管していた彼のスーツケースか発見されたもの中心に録音されたものです。アンサンブル2E2Mは、退廃音楽を中心に知られざる作品の復活演奏を試みています。旧品番: ARN68272からの再発売となります。

ARN 68820
\2400
《バッハへのトリビュート》
 『J・S・バッハ:コラール「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV.639』
 『メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ第1番Op.35-1』
 『フランク:前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調Op.18(ハロルト・バウアー編),』
 『リスト:孤独な中の神の祝福』
 『フランク:前奏曲、コラールとフーガ ロ短調』
 『J・S・バッハ:前奏曲とフーガ第4番嬰ハ短調BWV.849』
セリメーヌ・ドーデ(P)
《録音》2010年11月,  プロヴァンス・リリック・アート (デジタル:ライヴ)
フランス・トゥーロン地方音楽院教授を務めるセリメーヌ・ドーデ。彼女のデビュー・アルバムは、バッハとそれにまつわる作品集。どの作品もバッハを意識して書かれたもので、暖かみを帯びた骨太なタッチで、濃厚なロマンティシズムに彩られながら、まるで巨大な建造物を組みたてるように描き出される。壮麗で構築力溢れたアルバムです。

ARN 48110
\2400
《レ・ミュジシャン・ドゥ・プロヴァンス/プロヴァンスの笛》
 『Branle En Faux-Boudon』
 『Contredanse "" La Cins rit ""』
 『Sonate Que Sias Et Mountagno』
 『Berceuse ""Lou Rei E Soun Pagi""』
 『Ballade de La Reine D’Avril』『Ballet Et Branle Double』
 『Les Gaudets:Menuet & Rigaudon』『De Los Alamos』
 『La Quatre Estampie Reale』
 『Marche Du Lieutenant Du Prince D'amour』
 『Lei Grand Dansare:Premier Er Dei Dansare』
 『Second Er Del Dansare』『Lei Chivau-Frus』
 『Le Forze D'ercole』『Faunes Et Dryades』『Branle』
 『Deux Musettes』『Serenade』
 『Bergers Qui Passez Dans La Plaine』
 『Anuech Quand Lou Gau Cantovo』
 『L'annouciatien』『Marche De ""Colinette La Cour""』
 『Andantino Pour 2 Fltets Et Tamboourins』
 『Contredanse Avec Valse』
 『Possado- Er Dei Courso- La Reino Sabo』
レ・ミュジシャン・ドゥ・プロヴァンス
《録音》1975年頃 (ステレオ:セッション)
13〜18世紀プロヴァンス地方の笛のための舞曲を中心としたアルバム。プロヴァンスの笛の音楽といったら「ビゼー:アルルの女」のファランドール。この地方の民俗舞踊で、男女が手をつなぎあって踊る8分の6拍子の曲で、笛(ガルベ)やタンブランで伴奏される心まで踊らされる楽しい音楽です。もちろんファランドールだけでなく、様々な時代の笛(リコーダーや横笛)を使用した民族的な演奏で、絶妙な間の取り方がたまりません。

ARN 48134
\2400
《18世紀フリーメイソンの音楽集》
 フランソワ・ジルースト(1738-1799):
  『フリーメイソンの葬送の音楽』
 モーツァルト:
  『結社員の旅 K.468』
  『フリーメイソン小カンタータ「われらが喜びを高らかに告げ」K.623』
  『おお、聖なる絆 K.148』『カンタータ「汝、宇宙の魂に」K.429』
  『ドイツ語小カンタータ「無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが」K.619』
 ベートーヴェン:『行進曲変ロ長調WoO.29』『奉献歌WoO.126』
 フンメル:『フリーメイソンの喜び』
 アンリ=ジョセフ・タスカン(1779-1852):
  『フリーメイソンの葬送行進曲』
"レ・ミュジシャン・ドゥ・パリ、他
ロジェ・コット(監修)
《録音》1970年頃 (ステレオ:セッション)
映画「ダ・ヴィンチ・コード」等で話題となった秘密結社フリーメイソン。数多くの作曲家や音楽家がフリーメイソンに関係していた・・・。というわけで、モーツァルトを中心とした18世紀そのころの作曲家たちのフリーメイソンのために書かれた作品を収録した盤です。1970年頃の録音盤ですが、発売当時話題となった演奏です。旧品番: ARN68134からの再発売となります。

ECM


476 4193
\2400
ハイナー・ゲッペルス(1952〜):
 ①『Stifters Dinge』
  (「霧」「塩」「水」「風」「木」「物体」「雨」
  「雷」「音」「嵐」「海辺」)
 ②『Exhibition of Objects』
ハイナー・ゲッペルス (作曲&ディレクター)
フーベルト・マハニック (プログラミング&コラボレーション)
ウィリ・ボップ (サウンド・デザイン)
クラウス・グリュンベルク (セット・デザイン&照明、映像)
 「俳優のいない舞台」と「音の出る彫刻」の幻想的世界
 ゲッペルスは、1952年生まれ。70年代の左翼的ブラスバンドでの活動を始め、アルフレート・23・ハルトとのデュオや、ハルト、 クリス・カトラー、クリストフ・アンダースらとのバンド「カシーバー」でオルタナティヴ・ミュージックの 重要なキー・パーソンとして知られる一方、作曲家として多くの劇場音楽、映画音楽等を発表。また、80年代より 「ミュージック・シアター」の制作を手掛け、ハイナー・ミュラー 作品の演出で高い評価を得ています。
 この「Stifters Dinge」は、オーストリアの作家・画家であったアダルベルト・シュティフター(1805-1868)に触発されて作曲。舞台に5台の自動ピアノが絵画のように飾られ、無人演奏でピアノが奏でられていきます。さらにバッハの作品、エキゾチックな民族音楽、ニューギニアの儀式、水の流し込みやチェーンソーの音などがコラボレーションされ、空想的な世界が繰り広げられます。「人間の魂の風景が、自然のパラレルワールドでミラー化されている音楽」とゲッペルスは語っています。
 《録音》2007年10月20〜21日, ルクセンブルク市立大劇場 (デジタル:セッション) 《編集&ミックス》 2010年7月, by ハイナー・ゲッペルス&マックス・フェーダーホーファー(南西ドイツ放送)



278 4395
\2400→\2190
母フィーゲラスに捧ぐ、美しい歌々
 《Hirundo Maris・・・ヨーロッパ南方北方地方の歌》

 『カタロニア民謡:El mestre』
 『セファルディ民謡:Buenas noches』
 『セファルディ民謡:Ya sali? de la mar』
 『ノルウェー民謡:Om kvelden』
 『カタロニア民謡:El mariner』
 『A・サヴァール:Le Chant des ?toiles』
 『セファルディ民謡:Morena me llaman』
 『ノルウェー民謡:Bendik og ?rolilja』
 『ノルウェー民謡:Ormen Lange』
 『Lucas Ruiz de Ribayaz:Tarantela』
 『スコットランド民謡:The Water Is Wide』
 『カタロニア民謡:El noi de la mare』
 『カタロニア民謡:Josep i Maria』
 『P・U・ヨハンセン:Penselstr?k』
 『ノルウェー民謡:Halling』
 『カタロニア民謡:Yo m’enamor? d’un aire』
 『Margit Holmberg:Trollmors vuggesang』
アリアンナ・サヴァール(歌, ゴシック・ハープ, イタリアン・トリプル・ハープ)
ペッテル・ウドラン・ヨハンセン(歌, ハルダンゲル・フィドル, マンドリン)
スヴェイヌング・リレハイアー(歌, ギター, ドブロ)
ミゲル・アンヘル・コルデロ(歌, ダブルベース)
ダビード・マヨラル(歌, パーカッション)
 2011年11月に惜しくも亡くなったモンセラート・フィーゲラス。彼女の娘であるアリアンナ・サヴァールが、彼女を偲んで制作したアルバムです。
 フィーゲラスの古楽の知識と、地中海域一帯の音楽の多様な伝統との交わりを重要視した自然な歌唱法はアリアンナにも受け継がれています。そして彼女の音楽仲間でもあるノルウェー出身のヨハンセンは名フィドル奏者としても有名で、彼に触発されたアリアンナは中世や民謡を現代的にアレンジ。ハープの伴奏によってカタロニアやノルウェーなどの民謡が、まるで吟遊詩人のように歌われます。
 《録音》2011年1月5〜7日, オーストリア、ザンクト・ゲロール (デジタル:セッション)


MD+G (6/6)



303 17552
\2300→\2090
《レオン・ボエルマン:室内楽作品集》
 『ピアノ三重奏曲ト長調Op.19』
 『ピアノ四重奏曲ヘ短調Op.10』*
 『チェロとピアノのための2つの小品Op.31』
 『2つのピアノ三重奏曲』
トリオ・パルナッスス
〔ヤメイ・ユ(Vn),
ミヒャエル・グロス(Vc),
チアオ・チョウ(P)〕
ジェラール・コセ(Va)*
 ゴシック組曲で有名なオルガン作曲家ボエルマンの魅惑の室内楽
 すでに20年以上のキャリアを誇るトリオ・パルナッスス。ブラームスの名演の他、メンデルスゾーン、ラインベルガー、モーツァルト、レーガー、フンメル、ラロ、バルギールなど、様々なレパートリーで優れた演奏を聴かせる彼らは、室内楽ファンにはおなじみの存在です。レオン・ボエルマン(1862-1897)は、35歳で早世したオルガニスト。教師、評論家としても活躍しました。彼は宗教音楽で定評のあるニーデルメール学校出身で、教会旋法や二線記譜法を用いた典礼用声楽作品やオルガン曲を多く作曲しました。ここに収録された室内楽作品も彼の優れた創作分野でした。ピアノ四重奏では世界的ヴィオリスト、ジェラール・コセが参加しています。
 《録音》2011年11月22〜24日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

304 17492
(2CD)
\3000
《フランソワ・ドヴィエンヌ:オーボエとファゴットのためのソナタ集》
 ①『オーボエと通奏低音のためのソナタOp.70-1〜3』
 ②『オーボエと通奏低音のためのソナタOp.71-4〜6』
 ③『ファゴットと通奏低音のためのソナタOp.24-5&2』
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
インゴ・ゴリツキ(Ob),
セルジオ・アッツォリーニ(Fg)
イルゼ・グラドゥ(Vc), 池田愛(Fg),
ディエゴ・カンタルピ(リュート),
クリスティアン・ニークイスト(Fp)
 ロココ風の流麗ながら個性的な雰囲気
 フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)は、コンセール・スピリテュエルで活躍したもん木管楽器奏者。フルートとファゴットを演奏し、パリ・オペラ座でファゴットを演奏し、パリ音楽院の最初のフルート教授のひとりでもありました。ここに収録されたソナタは通奏低音が独立した動きをとっているのが特徴的です。古典派への過渡期ということで、リュートとフォルテ・ピアノが通奏低音として使用されています。オーボエの大御所インゴ・ゴリツキとファゴットの鬼才セルジオ・アッツォリーニによる演奏は、流麗ながら個性的な雰囲気を醸し出しています。
 《録音》①②:2007年9月, ③:2011年8月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)


603 17522
\2300→\2090
《カルロス・ミチャンス:室内楽作品集》
 ①『ピアノ五重奏曲』
 ②『ドラヴィダ・ムーズ』
 ③『弦楽八重奏のためのディヴェルティメント』
ユトレヒト弦楽四重奏団
セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン(P:①)
パウリーネ・オーステンレイク(Ob:②)
ロイスダール弦楽四重奏団(③)
 世界の民俗音楽とリズムの要素を取り入れた作曲家
 カルロス・ミチャンス(1950-)は、ブエノスアイレス出身で、1982年にオランダに移住した作曲家です。彼は世界中を旅し、民族音楽と言葉から多大な影響を受けています。そしてそれらが結合し、彼独特なスタイルの素晴らしい表現力が形成されました。このアルバムには南インドのドラヴィダの言葉、文化、民謡、宗教などから影響され作曲した作品を収録。雰囲気は抽象的でありながら、ヨーロッパの音楽形式にのっとった作品3作です。
 《録音》2011年10&12月, (デジタル:セッション)

906 17536
(SACD Hybrid)
\3000
《ノルデンのシュニットガー・オルガンVol.3》
 『シュザンヌ・ファン・ソルトの鍵盤音楽帳より
  「シャンパーニュのブランル」』
 『シャイト:讃歌「来たれ創り主なる聖霊よ」SSWV153』
 『ブクステフーデ:「前奏曲とフーガ ニ短調」BuxWV.140』
 『J・S・バッハ:
  コラール・ファンタジー「主なる神、我らの側にいまさずして」BWV 1128』
 『モーツァルト:「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲ハ長調K.265(キラキラ星変奏曲)』
 『J・S・バッハ:「トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調」BWV.564』
 『ゲオルク・ベーム:コラール変奏曲「愛する御神の統べしらすままにまつろい」』
 『ブクステフーデ:「テ・デウム・ラウダームス」BuxWV.218』
 『モーツァルト:「アンダンテと5つの変奏曲ト長調」K.501』
アグネス・フルターハント(Org)
ティエモ・ヤンセン(Org)
(1690年頃アルプ・シュニットガー製オルガン)
 北ドイツにおけるバロックオルガンの代表的製作者
 アルプ・シュニットガー(1648?〜1719)は、当時最も有名であったオルガン製作者の一人で、北ドイツにおけるバロックオルガンの代表的製作者でした。彼の活動範囲は北ヨーロッパに広がっており、100基を超えるオルガンを製作しました。現在も約30基は、その基本部分が保存されています。彼のオルガンは国際的名声を博し、ブクステフーデ、バッハ、ヘンデルらも見学に訪れています。1708年にはプロイセン王のオルガン製造者に指名されました。当アルバムには、この楽器の特性であるポリフォニックな性質をもったストップが多用された作品を選んで収録され、力感に満ちた演奏美学が堪能できます。モーツァルトの作品は、演奏者アグネス・フルターハント編曲によって演奏されています。
 《録音》2011年11月, ノルデン、聖ルートゲリ教会 (デジタル:セッション)《ハイブリッドSACD仕様:CD Stereo/ SACD Stereo/ SACD Multi》


901 17546
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
《ウェーバー:クラリネット協奏曲集》
 『クラリネット協奏曲第1番ヘ短調』
 『クラリネット協奏曲第2番変ホ長調』
 『クラリネット小協奏曲』
 『歌劇「オベロン」序曲』
 『序曲「幽霊の支配者」』
マルティン・シュパンゲンベルク(Cl&指揮)
オーケストラ・M18
 ミュンヘン宮廷の名クラリネット奏者ベールマンを識ったウェーバーは、3つのクラリネット協奏曲を立て続けに作曲しました。これらはクラリネットのロマン性、幻想的な旋律、そして華麗さを融合した、クラリネット協奏曲作品の傑作として親しまれています。
 シュパンゲンベルクは、23才でミュンヘン・フィル首席となったクラリネット奏者。ボンでのドイツ音楽コンクールで優勝し、バイロイト音楽祭の首席も務めています。またワイマール国立音楽大学教授も務めています。「オーケストラM18」は、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラなどの若いメンバーが集結したオーケストラで、シュパンゲンベルクが吹き振りをし、多様な音楽性を表現していきます。
 《録音》2011年10月, 2012年2月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)《ハイブリッドSACD仕様:CD Stereo/ SACD Stereo/ SACD Multi》


613 15242
(2CD)
\3000
《モートン・フェルドマン:ヴァイオリンとピアノのための作品集》
 『spring of chosroes(1977)*』『エクステンションズ 1 (1951)*』
 『エクステンションズ 3 (1952)*』
 『vertical thoughts 2 (1963)*』『vertical thoughts 4 (1963)』
 『アーロン・コープランドのために (1981)*』
 『ヴァイオリンとピアノのための小品 (1950)*』『プロジェクション IV (1951)*』
 『4台のピアノのための小品 (1957)』『ジョン・ケージのために (1982)』
シュテッフェン・シュライエルマッヒャー(P)
アンドレアス・ザイデル(Vn)*
 1950年代のはじめから、ケージらとともにニューヨークを拠点として前衛美術家たちと交わりつつ、戦後アメリカ音楽の新しい流れを開拓していった作曲家フェルドマン。点描的で寡黙、音に対して厳しい態度で知られています。図形楽譜を最初に用いたことでも有名です。現代音楽のピアニストとして、ケージの全集をはじめMDGに多くの録音を残しているシュライエルマッヒャーが、フェルドマンの作風である微妙に移ろう音と揺らいだリズム、研ぎ澄まされた美しさと緊張感を表現していきます。
 《録音》2009年11月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

MD+G



940 17456
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
指揮者ツァハリアス!
 刺激的なシューマン交響曲全集第1弾!

  シューマン:
   『交響曲第2番ハ長調Op.61』
   『交響曲第4番ニ短調Op.120』
クリスティアン・ツァハリアス(指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
《録音》2011年9月14〜16日, ローザンヌ・メトロポール (デジタル:セッション)
 独創的で、全体のバランス、一体感、自然体の美しさを大切にした「シューマン:ピアノ協奏曲」を聴かせてくれたツァハリアス。確かにあそこで弾き振りをしていたが・・・まさか本格的に指揮者として「シューマン:交響曲全集」に挑むとは・・・。

 第1弾は2番&4番です。
 ベートーヴェンやシューベルトが最後の交響曲を書きあげてから、シューマンの最初の交響曲まで10年以上のブランクがあります。その間作曲法の中心は古典派からロマン派へと移行し、シューマンの感情がむき出された音楽が作曲されました。シューマンの交響曲は、彼の精神不安がそのまま音楽になっているともいわれますが、ツァハリアスは「大胆な発明」と考えます。創造的で緊張感を伴うこれらの曲を、ツァハリアスはロマンティックな審美性と、独特な音色を可能とするナチュラル・ホルンを使用したオーケストラで録音しています。多様なスタイルに対応可能な柔軟なオーケストラを率いて、常にフレッシュでありながら考え抜かれたシューマン世界が展開されています。


旧譜
ツァハリアス/シューマン:ピアノ協奏曲
Schumann: Piano Concerto
940 10336
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
シューマン:
 ピアノ協奏曲イ短調作品54
 序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調作品92
 序奏と協奏的アレグロニ短調作品134
クリスティアン・ツァハリアス(p&指揮)
ローザンヌ室内管
 MDGから、D.スカルラッティ(エジソン賞受賞)やモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ、管弦楽作品集など好調にリリースを続けているツァハリアス。今回は、2000年9月から音楽監督兼正指揮者を務めているローザンヌ室内管弦楽団を弾き振りした、シューマンのピアノとオーケストラのための作品集である。代表作ピアノ協奏曲をメインに、シューマンの創作活動が最も旺盛だった時期の作品が揃えられた。常にフレッシュでありながら考え抜かれたツァハリアスのピアノ演奏の魅力とともに、オーケストラにも注目したい。
 このローザンヌ室内管は、ジャン=ジャック・カントロフやトン・コープマンを客演指揮者陣に擁し、多様なスタイルに対応可能な柔軟性を持っている団体。さらに最近では、首席オーボエ奏者のルカス・マシアス・ナバーロが、2006年10月に行われた第8回日本オーボエ・コンクールで優勝するなど、充実が著しいオーケストラなのである。なお、本ディスクはSACDでのリリースである。



904 17476
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
ショパンの時代のピアノによる練習曲集
 ショパン:練習曲集(全27曲)
 〔Op.10, Op.25, 3つの新しい練習曲〕
ハーディ・リットナー(Fp:1835年コンラート・グラーフ製)
《録音》2011年11月14〜16日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 ヒストリカル・ピアノの響きをいかした数々の成功により、若くして世界的なトップ・ピアニストの仲間入りをしたリットナー。彼は1981年生まれの若手で、ザルツブルクのモーツァルテウムでジークベルト・ランペに学んだ鍵盤楽器奏者です。ここで使用されている1835年グラーフ製のピアノは、ちょうどショパンが練習曲Op25を作曲した時期に製作されました。同時代のフォルテピアノ同様に、音の立ち上がりもまろやかで、素朴な音色。そして、この楽器に付いているダブル・モデレーターによる効果は、まさにOp.25-2のために作られたもののようです。速い節回しでも一音一音丁寧な発音が可能で、誠実で渋味な音色ながら叙情的な音楽が奏でられています。


903 17426
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
ギターの名手ホアキン・クレルチの協奏曲集
 ホアキン・クレルチ:
  『フルート協奏曲「秋」』
  『ギターのためのカセレス協奏曲』
アネッテ・マイブルク(Fl),
ホアキン・クレルチ(G),
トーマス・ガブリッシュ(指揮)
ハバナ室内管弦楽団
《録音》2011年3月, ハバナ (デジタル:セッション)
 ホアキン・クレルチは、単なるギターの名手というだけでなく、ザルツブルク・モーツァルテウムでアンソニー・シピリやアーノンクールらに古楽をも学びました。「彼の演奏は、優れた技術、非常に詩的で知的な能力は尋常ではない」と高評価を得ています。フルートのマイブルクとの、溢れんばかりの才能で描いた前作「クラシカ・クバーナ」は、クラシック音楽とワールド・ミュージックを巧みに融合した新境地を切り拓き、Echo Klassik賞の栄冠にも輝きました。今回はクレルチ自身が作曲した作品集で、2曲とも楽器のヴルトゥーゾ性にあふれた、魅惑的に美しい作品です。


906 17466
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
ハンス・レオ・ハスラー:
 『モテット「言葉は肉となりて」』
ハインリヒ・シャイデマン:

 『ハスラーのモテット「言葉は肉となりて」によるIntavolierung』
 『ファンタジア ニ短調』『キリエ』『ダウランドの「涙のパヴァーヌ」』
 『ガイヤルドと変奏』『われを憐れみたまえ、おお主なる神よ』
 『おお神よ、我らは汝の恵みに感謝する』『プレアンブルム ニ調』
 『トッカータ ト長調』『Jesu, du wollst uns weisen』
 『天にましますわれらの父よ』『神はわがやぐら』『Registervorfuhrung』
レオ・ファン・ドゥセラール (1643年製ハーヘルベール・オルガン)
 宗教美術館ともいわれる聖ピーテルス教会。その教会の歴史的オルガンを使用したシャイデマン作品集。
《録音》2011年10月13〜15日, オランダ、ライデン、聖ピーテルス教会 (デジタル:セッション)
 シャイデマン(1595-1663)は、ハンブルクのカタリナ教会のオルガニストであった父に学び、1611〜14年奨学生としてスヴェーリンクに師事。1629年に父の職を継ぎ、オルガニスト、オルガン鑑定家、作曲家、教師として高く尊敬されました。彼の多数のオルガン作品は、北ドイツ・オルガン楽派の基礎を築き、その様式はブクステフーデにまで影響を与えました。特にオルガン・コラールとプレアンブルムは、彼の作品の中でも重要で、コラールからの素材を基礎として対位法的なテクスチュアの織なす絡み合いは、忘れがたい魅力を持っています。
 中堅レオ・ファン・ドゥセラールは、イゾワール、ビルソン、インマゼールらに師事したオランダのオルガニスト・ピアニスト・指揮者で、現在オランダで最も活躍しているオルガニストといえましょう。ライデンにある美しく巨大な聖ピーテルス教会のオルガンと、その響きをお楽しみください。


603 17482
\2300→\2090
ルディ・シュテファン:《歌曲集》
 『異なる作家の詩による7つの歌』
 『ゲルダ・フォン・ロベルタスの詩による6つの歌』
 『2つの厳粛な歌』『真夜中』『森の午後』『聖なる夜に想う』
 『Auf den Tod einer jungen Frau』
 『エピローグ』『森の沈黙』『生きることを忘れるなかれ』
ムソルグスキー:『忘れられた者』
ゾフィー・ハルムセン(Ms),
アレクサンドル・ヴァシリエフ(Bs),
ミリー・ヤンポルスキー(P),
諸岡 亮子(ハーモニウム),
 28歳という若さで戦死した、表現主義者の先駆者ルディ・シュテファン
《録音》2011年9月27〜29日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 ルディ・シュテファン(1887-1915)はロシアで28歳という若さで戦死し、表現主義者の先駆者として名を馳せたドイツの作曲家です。シュテファンの作品は、R・シュトラウスやプフィッツナーの作曲法に近いといわれていますが、彼の作曲する題材には「人間の存在の終わり」についてのものが多かったようです。一部に「生きることの喜び」を感じさせるものもありますが、それすら内面の憂鬱との対比で扱われています。シュテファンの音楽の多くは火事によって焼失されましたが、ここに収録された歌曲は火事からのがれた奇跡的なものです。ほとんどが世界初録音で、1901年製スタインウェイと貴重な歴史的コンサート・ハーモニウムの伴奏によって歌われます。

BR KLASSIK



900113
\2000→\1890
体調不良のヤンソンスに代わって登場した贅沢なる代役
 ベルナルド・ハイティンク&バイエルン放送交響楽団
  マーラー:交響曲第9番 ニ長調
バイエルン放送交響楽団/
ベルナルド・ハイティンク(指揮)
 ハイティンクによるマーラー(1860-1911)演奏の素晴らしさについては、今更何もいうことはないでしょう。70年代に完成させたコンセルトへボウ管とのマーラー全集は、1972年のフランス・ディスク大賞とオランダ・エジソン賞を受賞しており、ヨーロッパでは高い評価を受けていました。しかし、当時の日本では、どうしてもマーラーの巨大さや壮麗さに目を奪われる傾向があり、バーンスタインやショルティの激しい演奏に比べると、クーベリックやハイティンクの演奏は、控えめに映ってしまったのか、どうしても目立たない印象となっていたことは否めません。しかし80年代以降、ハイティンクの滋味溢れる演奏が評価され始めたことは言うまでもありません。
 彼の音楽は常に滑らかであり、充実した響きをもち、何よりも深い音楽的共感に溢れています。その評価はじわじわと高まり、21世紀に入ってからのハイティンクは「何を聴いても外れなし」とまで言われるほど。まさに円熟を極めたといっても過言ではないかもしれません。この12月の演奏は、本来ヤンソンスが指揮することになっていたのですが、体調不良で急遽ハイティンクが指揮台に立ったものです。悠然と始まる第1楽章から、何の衒いもなくまっすぐな音楽が溢れています。小手先の解釈ではなく、唯々必然性のある音だけが並ぶもの。必要以上にテンポを揺らすこともなく極めて正統派のマーラーと言えるでしょう。この曲に過度な説明も解釈も必要ありません。素晴らしい指揮者とオーケストラ、そしてそれを受け止める心があれば、それで充分です。
 録音 2011年12月15.16日ミュンヘン ガスタイク ライブ録音

CPO



777422-2
\2000→\1890
後期ロマン派の潮流の中にひっそりと咲いた美しい花
 38歳で亡くなったクロアチアの女流作曲家
  ドーラ・ペヤチェヴィチ:歌曲集

 1. 一つの歌Op.11/2.なぜ? Op.13/
 3.7つの歌曲Op.23/4.2つの歌曲Op.27/
 5.4つの歌曲Op.30/6.変身Op.37/7.愛の歌Op.39/
 8.女の子の形成Op.42/9.2倍でOp.46/
 10.2つの蝶の歌Op.52/11.3つの歌Op.53/12.2つの歌曲Op.55
インゲボルク・ダンツ(アルト)/
コード・ガーベン(ピアノ)
 衝撃的な管弦楽曲(777418-2)、そして美しい室内楽作品(777419-2)。この2枚のCDが発売されたことで、クラシック好きの好奇心にまた新たな光を灯したクロアチアの知られざる女性作曲家、ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)。
 今作は彼女の歌曲を取り上げています。37年と言う長くはない生涯に数多くの作品を残したペヤチェヴィチですが、歌曲は作品番号のついた歌曲集を含む14作品、計33曲を書いています。用いられた詩は慎重に準備され、Op.13の「なぜ?」は彼女自身の詩情あふれるテキストが使われています。この1枚でほぼ歌曲の全容を知ることができ、彼女がいかに伝統という束縛から解放され、自分自身のスタイルを構築していったかがわかるようになっています。もっと長く生きていたなら・・・。そう思わずにはいられない才能です。


ドーラ・ペヤチェヴィチ旧譜
Dora Peja
evi: Piano Trio & Cello Sonata
777419-2
\2000→¥1890
ドラ・ペヤチェヴィッチ:室内楽作品集
  1.ピアノ三重奏曲 Op.29/
  2.チェロとピアノのソナタ Op.35
アンドレイ・ビエロフ(ヴァイオリン)/
クリスチャン・ポルテラ(チェロ)/
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)
交響曲嬰へ短調(777418-2)で、堂々たる「センター入り」を飾ったクロアチア出身の作曲家、ペヤチェヴィチ(1885-1923)。今作は彼女の本領発揮とも言える室内楽作品集です。彼女の全室内楽作品の内訳は、2 つの弦楽四重奏、ピアノ四重奏、ピアノ五重奏、2 つのヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ1 曲、そして2 つのピアノ三重奏曲です。とりわけピアノへの偏愛が感じられ、管楽器の作品は一つもありません。ピアノ三重奏曲Op.29 は、すでに成熟しており、非常に表現力豊かで、端正なテクスチャーを持つ作品です。1913 年に書かれたチェロ・ソナタ(1915 年に改作)は、劇的であり、また堂々とした曲です。これを聴いてしまえば、他の作品の録音も待ち遠しくなるはずです。

旧譜
777418-2
\2600→¥2390
ドーラ・ペヤチェヴィチ:交響曲他
 1.交響曲嬰ヘ短調 Op.41/
 2.ピアノと管弦楽のための「ファンタジー・コンチェルタンテ」ニ短調
フォルカー・バンフィールド(ピアノ)/
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
アリ・ラシライネン(指揮)
 クロアチアの中流家庭に生まれたドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)は、ピアニストで声楽家の母から音楽の手ほどきを受け、12歳で作曲を始め、ドレスデン、ミュンヘン、ザグレブで音楽を学び、自らに潜む音楽性を確認していきました。
 彼女は頻繁に旅行し、また同時代の文化人たちと積極的に交流。それらを下地にますます新しい音楽について模索を重ね、38歳で亡くなるまで57曲の作品を残しました。しかし、そのほとんどは出版もされることなく、今でも演奏してくれる人を心待ちにしています。
 後期ロマン派の潮流の中にひっそりと咲いた美しい花が広く知られるには、まだ時間がかかることでしょう。この1枚が再評価のための足がかりになることは間違いありません。


777587-2
\2000→\1890
ミェチスワフ・ヴァインベルク:弦楽四重奏曲集第6集
 1.弦楽四重奏曲第2番Op.3/145/
 2.弦楽四重奏曲第12番Op.103/
 3.弦楽四重奏曲第17番Op.146
ダネル弦楽四重奏団
 cpoが追求してきたポーランド生まれの作曲家、ヴァインベルク(1919-1996)の弦楽四重奏曲全集も、この驚異的な完成度を誇る第6集で完結となります。
 演奏は今回もベルギーのダネル弦楽四重奏団。この解釈を越えるものはなかなか出てこないと思われます。この盤に収録されているのは、1936年に書かれた初期の作品である第2番と、1986年に書かれた彼の最後の弦楽四重奏である第17番、そしてその創作の変遷を辿るに相応しい1970年作の第12番です。どうしてもショスタコーヴィチと比較されがちなヴァインベルクですが、そろそろ彼の真の姿を評価する時代がやってきたようです。


777598-2
\2600→\2390
オスナブルックの知られざる作曲家、
 クリスティアン・ヴェスターホフ:協奏曲&交響曲

  1.クラリネット協奏曲Op.5/
  2.クラリネットとファゴットのための協奏曲/
  3.交響曲変ホ長調
セバスティアン・マンツ(クラリネット)/
アルブレヒト・ホルダー(ファゴット)/
オスナブルック交響楽団/
ヘルマン・ボイマー(指揮)
 cpoレーベルならではの珍しい1枚。オスナブルックの知られざる作曲家、クリスチャン・ヴェスターホフ(1763-1806)の作品集です。
 モーツァルトと同時代に生まれた彼、早い時期からヴァイオリニストとコントラバス奏者として、近郊の裁判所の礼拝堂演奏家の地位を得ました。当時のオスナブルックは、数多くの小さな宮殿があり音楽家たちも思い思いの活動をしていて、ベントハイム=シュタインフルトの王子ルートヴィヒ・ヴィルヘルムもこの地で宮廷音楽を身に着けました。1790年頃、ヴェスターホフはこの礼拝堂を去り、何年かの旅の末、ビュッケブルクに定住。この地でバッハの息子J.C.F.バッハの後継者としてコンサートマスターの職を得て、「ビュッケブルクのバッハ」と呼ばれるようになります。
 彼の作品は、ディーター・クロッカーが数年前に演奏した「クラリネット協奏曲」くらいしか知られていませんでしたが、最近になって、ブルクシュタインフルトのコレクションから見つかり、今回の録音が実現したのです。演奏は若き奏者セバスチャン・マンツです。

777352-2
\2600
フィリップ・ドゥリヒウス:18のモテット集
 1.Quaerite primum regnum Dei-まず神の御国を求めよ/
 2.Benedic anima mea Domino (Non secundum peccata nostra)-
  我が魂よ主をほめよ/
 3.Christus humiliavit semetipsum-
  キリストは謙虚に自分自身を/
 4.Anni nostril sicut aranea-私たちは蜘蛛のように/
 5.Ecce quomodo moritur iustus-
  見よ、ただしき人が死にゆく様を/
 6.Justorum animae in manu Dei sunt-
  神に従う人の魂は神の手で守られ/
 7.Nolite solliciti esse-心配するな/
 8.Magister, licetne censum dare-指導者よ、あなたを敬います/
 9.Ecce quam bonum-いかに良く/
 10.Lobet den Herrn alle Heiden-主よ、全ての国を賞賛に/
 11.Deus noster refugium-主こそ我らが避け所なり/
 12.Cantate Domino-カンターテ・ドミノ/
 13.Beatus homo, qui corripitur ああ, 幸いなことよ. 神に 責められるその人は/
 14.Dixit lesus discipulis suis-イエスは弟子たちに言う/
 15.Beati qui habitant in domo tua (elegiabiectusesse)-
  汝の館に住む者は幸いなり/
 16.In domo patris mei-わが父の家で/
 17.Gaudens gaudebo in Domino-われ主のうちに大いに楽しみ/
 18.Lobet und preiset den Herren-主を賛美し、祝福する
ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/
マンフレード・コルデス(指揮)
 「ポメラニアのラッスス」これは、1896年、ドゥヒリウスについて最初に研究を発表したルドルフ・シュワルツが呼んだ愛称です。
 ケムニッツの布商人カスパー・ドゥルヒウス(1562-1631 彼はケムニッツの市長であり、地方都市協議会のメンバーでもあった)を父として生まれました。1579年にライプツィヒの大学に入学した記録が残る他は、若い頃の経歴はほとんど知られておらず、誰から教えを受けたのかも不明です。1587年にシュテッティンのカントールに就任、その後は教師として活躍、1630年に引退するまで43年間、この地の音楽普及に努めました。その翌年、この地で亡くなりマリーエン教会に埋葬されましたが、1789年に教会が焼失。しかし、2008年になって、彼を讃えるためにケムニッツに銘板が設立されています。彼の音楽は、同時代のモンテヴェルディと同様に、新しい対位法のスタイルを模索したものであり、このモテットも美しい旋律と絶妙な和声が魅力です。


777744-2
\2600→\2390
フェリックス・ヴォイルシュ:交響曲第2番
 1.「ハムレット」序曲Op.56/
 2.交響曲第2番Op.60
オルデンブルク州立管弦楽団/
トーマス・ドルシュ(指揮)
 ドイツの作曲家、合唱指揮者ヴォイルシュ(1860-1944)。彼の名前は現在ではほとんど知られていませんが、生前は素晴らしい音楽家として高く評価されています。若い頃はドレスデンとハンブルクで過ごし、ここで学びました。1890年代から1900年代にかけて、ドイツの都市、主にハンブルクのアルトナで指揮者、オルガニストとして職を得ています。1917年にはプロイセンの芸術アカデミーに選出され、また1936年には「ゲーテ賞」を授与されています。
 彼はドイツの古典を大切にしており、その作品には(彼の友人であったブラームスと同じように)パレストリーナ、ラッスス、シュッツ、バッハらの影響が見てとれます。生涯に7つの交響曲、5つの管弦楽作品、3つの歌劇、ヴァイオリン協奏曲、そして100曲ほどの歌曲を残しましたが、どれも、前衛的なスタイルを追求するのではなく、ロマンティックで、伝統的な形式を遵守したもので、まさにブラームスの後継者と呼ぶにふさわしいものと言えるでしょう。

777651-2
\2000
アントン・アレンスキー:2台ピアノのための5つの組曲
 1.組曲第1番Op.15/2.組曲第2番「シルエット」Op.23/
 3.組曲第3番「変奏曲」Op.33/4.組曲第4番Op.62/
 5.組曲第5番「子どものための組曲」Op.65
ジェノワ&ディミトロフ・ピアノ・デュオ
 名指揮者クラウディオ・アバドも大絶賛したドイツの若きピアノ・デュオによるアレンスキー(1861-1902)です。
 1971年生まれのアグリカ・ジェノワと1969年生まれのリューベン・ディミトロフの2人によって1995年に結成されたこのピアノ・デュオは1996年ミュンヘンで開催されたARDコンクールを皮切りに、1997年マイアミ開催のムライ・ドラノフ・ピアノ・デュオ・コンクールの他、1995年の東京ピアノ・デュオ・コンクール、同年のベルリン音楽コンクールなどで賞を獲得、同時にヨーロッパからアジア、アフリカ、アメリカで幅広く演奏活動を行っています。
 彼らが演奏するのはアレンスキーの「5つの組曲」で、45歳の若さで亡くなった彼の作曲技法が濃縮されている、密度の濃い作品です。2人のピアノは、大胆な妙技で、この曲の持つ魅惑的で活発な面に光をあて、アレンスキーが決してチャイコフスキーやリムスキー=コルサコフのエピゴーネンではなかったことを証明しています。

777474-2
(2CD)
\5200
カール・ラインターラー:歌劇「ハイルブロンのケイトヒェン」
 4幕 H.ブルトハウプト台本/
 ハインリヒ・フォン・クライスト原作
リヒャルト・カルッチ(テノール)/
イリア・パパンドロウ(ソプラノ)/
ペーター・シェーネ(バリトン)/
マーテ・ショーヨム=ナギ(バリトン)/
マリスカ・ムルダー(ソプラノ)/
エアフルト・オペラ劇場合唱団/
エアフルト・フィルハーモニー管弦楽団/
ザムエル・ベヒリ(指揮)
 ラインターラー(1822-1896)はエルフルトのアウグスティノ修道院に生まれ、ブレーメンで没した作曲家&オルガニストです。彼はまず神学と、ベルンハルト・マルクスに音楽を学びます。その後、王室から奨学金を得て、1849年から1852年までパリとローマに留学、更なる知識を身に着けました。1857年からはブレーメンの大聖堂の音楽監督、オルガニストとして活躍、またジンクアカデミーの合唱指揮者も務めています。彼はブラームスと親しい友人であり、ブレーメンでドイツ・レクイエムの演奏も行っています(一部改編したことでも有名)。また、ブルックのヴァイオリン協奏曲を改訂し、初演も行っています。
 この作品はH.V.クライストによる同名の戯曲に基づいて作曲されたものですが、作品の権利を出版社が持つも印刷されることがなかったため、すっかり忘れ去られてしまったのです。この演奏はエアフルト劇場で使用されていた版(文芸顧問A.ランガー博士の書き込みあり)を用い、様々な観点から研究を重ね、復刻したもの。メンデルスゾーンの作品にも似た壮麗さと明快さを有しています。
 既発盤のオラトリオ「イェフタとその娘」(999938-2)もいかがでしょう?

MARCO POLO (6/1)


8.225342
\2000
J.シュトラウス1世:作品集第22集
 1.ワルツ「つばめたち」Op.208/
 2.オーストリアの分列行進Op.209/
 3.有名なカティンカのポルカOp.210/
 4.オベールのオペラ「悪魔の分け前」による有名なカドリーユOp.211/
 5.マリーのワルツOp.212/
 6.レントラーのスタイルによる「野の花」のワルツOp.213/
 7.ナドル・ケル、パタティナル・ダンスOp.214/
 8.マルタ・カドリーユOp.215/
 9.マルタ・カドリーユ(選択可能な補足部分)Op.215/
 10.ワルツ「達人」Op.216/11.羊飼いのカドリーユOp.217/
 12.ワルツ「信号の踊り」Op.218
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)
 1847年、43歳のヨハン・シュトラウス1世(1804-1849)は、相変わらず精力的に創作活動に勤しんでいました。彼は1827年に自らの楽団を率い、何度かオーストリアのための“分列行進”を行っていましたが、このOp.209の作品は1847年の8月のパレードで演奏されたもので、熱烈な拍手で迎えられたと記録に残っています。Op.211のカドリーユは、当時大変流行していたオベールのオペラから題材を得たものであり、同じ素材を用いてJ.シュトラウス2世もカドリーユを作曲しています。また「カティンカ」とは、当時ボヘミアの女性を総称した呼び名です。他にもステキなワルツとカドリーユが盛りだくさんです(ちなみにカドリーユとは、4組の男女のカップルが四角い形を作って踊る舞曲です)。


8.225351
\2000→\1890
1871年ハーゼル・ヒル,夏のコンサート
 1.ヨーゼフ・グングル(1810-1889):ワルツ「イモーテルの花々」Op.82/
 2.グングル:ポルカ「プラウデルモイルヒェン」Op.227/
 3.グングル:行進曲「ストックホルムへの挨拶」Op.260/
 4.グングル:インディアナ・ポルカOp.78/
 5.グングル:シェーンブルンのカドリーユOp.127/
 6.ハンス・クリスチャン・ランビ(1810-1874):銀婚式のポルカ/
 7.ヨーゼフ・ランナー(1801-1843):ワルツ「魔女の踊り」Op.203/
 8.グングル:行進曲「ムラート」Op.88/
 9.J.シュトラウス2世(1825-1899):ニコ・ポルカOp.228/
 10.グングル:ワルツ「幻影」Op.222/
 11.ヨハン・グングル(1818-1883):行進曲「前へ!」Op.81/
 12.ヨーゼフ・ラビツキー(1802-1881):ポルカ「ロンドンへの挨拶」Op.134-3/
 13.グングル:ワルツ「海の上の夢」Op.80/
 14.ベラ・ケーラー(1820-1882):励ましのポルカOp.24
ストックホルム・シュトラウス管弦楽団/
ミカ・アイヒェンホルツ(指揮)
 19世紀、ウィーンで大流行していたウィンナ・ワルツですが、ベルリンではハンガリー生まれのヨーゼフ・グングルが「ベルリンのシュトラウス」として大活躍していました。彼は本家シュトラウスのように、自身のオーケストラを率い、ヨーロッパ全土を演奏旅行して大喝采を浴びたのです。このアルバムは、彼が1871年にストックホルムで行った演奏会を再現したもので、スウェーデンの音楽史の中でも“最もエキサイティングなイヴェント”として広く語り継がれています。このツアーでは、同じくワルツ作曲家であったクリスチャン・ランビのオーケストラと合流し、混成メンバーで演奏会を行ったそうですが、新聞批評では「グングルの指揮の腕前はランビよりも優れている」とされたそうです

NAXOS 1CD¥1100 (6/1)



8.573029
マリン・オールソップ
 プロコフィエフ:交響組曲「1941年」&交響曲第5番

  1-3.交響組曲「1941年」Op.90(1941)
  4-6.交響曲第5番変ロ長調 Op.100(1944)
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
 1944年に作曲された「交響曲第5番」は、プロコフィエフ(1891-1953)の最大傑作の一つとされています。これは、当時、ヒトラー率いるドイツ第三帝国が、一方的にソ連に攻め入ることで祖国愛に目覚めたというプロコフィエフが、自ら持てる音楽の力で、祖国に貢献すべく作曲した作品であり、構想からわずか1か月でピアノ・スコアが完成、そこから1か月でオーケストラのスコアが完成したというのですから、その創作意欲には並々ならぬものがあったのは間違いありません。ピアノやハープ、充実した打楽器群を含む3管編成のオーケストラで奏されるこの作品、最初は静かに始まりますが、曲が進むにつれ、少しずつ盛り上がり、暴力的なスケルツォを経て、第3楽章の葬送行進曲風の音楽へと進み、最終楽章で音楽は最高潮に達します。いささか唐突に終わるのは、人類に対して何かを問いかけているのかもしれません。
 交響組曲「1941年」は、その先駆けとなった独ソ戦争勃発を契機として書かれた作品。オールソップの冷徹な指揮が曲全体を引き締めています。

8.572432
リスト:ピアノ作品全集第35集ロシアの作曲家によるトランスクリプション集
 1.チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」からポロネーズS429/R262 /
 2-3. 2つのロシアのメロディ(アラベスク) S250/R102
 <第1曲アリャビエフ:ロマンス「うぐいす」/
  第2曲ブラホフ:ボヘミアのシャンソン>/
 4.別れ-ロシア民謡S251/R104 /
 5.サンクト・ペテルブルクのアマチュア作曲家のマズルカS384/R115/
 6.グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」からチェルケッスク行進曲(第2稿) S406/R164/
 7.ボロディン:ポルカへの前奏曲S207a/R297 /
 8.ブルハコフ:ロシア風ギャロップS478/R143/
 9.キュイ:タランテラS482/R147/
 10.ダルゴムィジスキー:タランテラS483/R148/
 11.ルビンステイン:おお、永遠にこうしていられればOp.34-9 S554/R239/
 12.ルビンステイン:アシュラOp.32-6 S554/R239/
 13.ウィルホルスキー:かつては-ロマンス(第2稿) S577/R291
アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)
 ハンガリー生まれの作曲家&ピアニスト、リスト(1811-1886)については、もう今更語ることもなさそうですが、この曲集に含まれている作品などを聴いてみると、まだまだ知られざる面が多いのではないか・・・と思ってしまいます。ヨーロッパ中をその華麗なる技巧で熱狂の渦に巻き込んだリストは、1843年から1847年にかけて、何度かロシアも訪れています。その際、出会った作曲家や、インスピレーションを受けた音楽をいくつか編曲し、自らのレパートリーに加えたのです。その中にはグリンカやキュイ、ボロディンといった知名度の高い人の作品もあれば、「アマチュア作曲家」によるマズルカも含まれていました。1847年、彼が最後にロシアを訪れた時に出会ったカロリーネ侯爵夫人は、その後の彼の生涯に大きな影響を与えたことはご存知の通りです。


8.572914
ホルスト:コッツウォルド交響曲、日本組曲 他
 1.ウォルト・ホイットマン序曲Op.7 H42/
 2-5.コッツウォルド交響曲Op.8 H47
  <アレグロ・コン・ブリオ/エレジー(ウィリアム・モリスの思い出に):
  モルト・アダージョ/スケルツォ/フィナーレ:アレグロ・モデラート>/
 6.冬の牧歌H31/
 7-12.日本組曲Op.33 H126
  <前奏曲:漁師の踊り/儀式の踊り/操り人形の踊り/
  間奏曲:漁師の踊り/桜の木の下の踊り/終曲:狼たちの踊り>/
 13.交響詩「インドラ」Op.13 H66
アルスター管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
 ホルスト(1874-1934)といえば、「イギリス音楽の代表格」の作曲家ですが、実は様々な国の文化の影響を受けている人でもありました。
 Op.7の序曲は1899年、彼が王立音楽大学を卒業した頃に作曲されたもので、当時の作曲仲間に刺激を受けながらも、まだ自らの独自性を開発しきれていなかったホルストらしく、思い切りワーグナーの影響が見受けられる明るく朗らかな作品となっています。
 また、当時傾倒していた社会主義を唱えたウィリアム・モリスに触発されて作曲したのが「コッツウォルド交響曲」であり、こちらはイギリス民謡も多様されています。それ以前の「冬の牧歌」(1897)は学生時代の習作です。
 アルバム中、最も注目されるのは、日本の振付師、伊藤道郎から委嘱を受けた「日本組曲」で、こちらは全編を通じて日本民謡が使われているというもの。日本人ならたまらない音楽であることは間違いありません。
 交響詩インドラはインド哲学からインスパイア作品。彼の父の2度目の妻が神学者であり、その影響も多分にあることでしょう。


8.572482
ペンデレツキ:フォノグラミ・ホルン協奏曲他
 1.フルートと室内オーケストラのための「フォノグラミ」(1961)/
 2.オーケストラのための「ヤコブ目覚めし時」(1974)/
 3.弦楽オーケストラと打楽器のための「アナクラシス」(1960)/
 4.オーケストラのための「デ・ナトゥラ・ソノリス Ⅰ」(1966)/
 5.ハープシコード,エレキ・ギター,ベース・ギター,ハープ,コントラバスと
  オーケストラのための「パルティータ」(1971…改編1991)/
 6.ホルンとオーケストラのための「ホルン協奏曲"冬の旅"」(2008…改編2009)
ウルズラ・ヤニク(フルート)…1/
ジェニファー・モントン(ホルン)…6/
エルジュビェタ・ステファンスカ(ハープシコード)…5/
ミハル・ピンダキエヴィツ(エレキ・ギター)…5/
コンラッド・クビッキ(ベース・ギター)…5/
バルバラ・ヴィトコウスカ(ハープ)…5/
イェルジ・チェムブルジンスキ(コントラバス)…5/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
 2008年にペンデレツキ(1933-)自身の指揮によって日本初演が行われたホルン協奏曲(独奏は名手ヴラトコヴィチ)は、その幾分懐古的な音使いと、ホルンの超絶技巧が相俟って、すぐさま人気作品となり、瞬く間にCDリリースも行われ、多くの人たちが「現代におけるペンデレツキの存在価値」について思いを馳せるきっかけとなりました。このホルン協奏曲は、初演時から幾分の改編を経て、2010年に録音されたもの。当時の熱狂ぶりから一歩離れた冷静な聴き方ができるのではないでしょうか?
 他の5つの作品は、60年代の“尖ったペンデレツキ”を中心に選曲。ヴィトによる安定感のある演奏は、ペンデレツキ・サウンドの変遷をじっくり味わわせてくれること間違いありません。こてこてのゲンダイオンガクからジャズの影響、インプロヴィゼーション、そしてネオ・ロマンティシズム。ペンデレツキの語法は、まるで流れる水のような柔軟さを持っています。


8.572485
結婚を控えた「ポット」と「蓋」の話
 マルティヌー:バレエ音楽「調理場のレヴュー」

 1-3.ハープシコードと小オーケストラのための協奏曲H246(1935)/
 4-6.室内音楽第1番(夜の祭り) H376(1959)/
 7-12.ラウンドH200(1930)/
 13-22.調理場のレヴュー(バレエ・ジャズ)(1927)H161
  <プロローグ/イントロダクション/リールの大釜の周囲で躍る/
  鍋と蓋のダンス/タンゴ(愛のダンス)/決闘/間奏曲/
  葬送行進曲/晴れやかな踊り/ドラマの踊り>
   バレエ完全版…クリストファー・ホグウッド監修
ロバート・ヒル(ハープシコード…1-3)/
ホルスト-シンフォニエッタ/
クラウス・サイモン(指揮…1-3,13-22/ピアノ…7-12)
 マルティヌー(1890-1959)がイマイチ知名度を上げられないのは、もしかしたらあまりにも作品数が多すぎて、聴くべき曲がわからないからなのかも知れません。そんな時は、やっぱり楽しい曲から攻めてみませんか?この「調理場のレヴュー」などは入門曲としてうってつけ。結婚を控えたポットと蓋ですが、泡だて器が横やりを入れ、そこに布巾が介入、ほうきも交えてのケンカが始まります。最終的には仲直りをするという物語ですが、なんといっても音楽が楽しいこと!タンゴ、チャールストンなど当時流行の音楽が至るところに使われています。組曲版としての上演機会は稀にありますが、残念ながら、バレエとしては、初演以降忘れられてしまっていたもので、今回、ホグウッドによる綿密な校訂のもと、この全曲盤が蘇ったのです。
 ハープシコード協奏曲は、マルセル・ド・ラクール(パリ国立高等音楽院にチェンバロ科を設立した人物)に献呈され、初演もラクールが行いました。プーランクの「田園のコンセール」にもひけを取らないほどの、ネオクラシカル調の精彩に満ちた名作です。


8.572714
準・メルクル&フランス国立リヨン管
 メシアン:われら死者のたち復活を待ち望む他

 1-5.われら死者たちの復活を待ち望む(1964)
  <深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます:
   主よ、私の声を聞き取ってください/
   死者の中から復活させられたキリストは、もはや死ぬことはありません:
   死はもはやキリストを支配しません/
   死んだ者が神の子の声を聞く時が来る…/
   死者たちは、夜明けの星の喜びの歌と
    神の子らの歓声の中で、新しい名を持って、
    輝かしいものに復活するであろう/
   私はまた、大群集の声のようなもの…を聞いた。>/
 6.輝ける墓(1932)/7.賛歌(1932)
フランス国立リヨン管弦楽団/
準・メルクル(指揮)
 メシアン(1908-1992)の作品の中でも、とりわけ規模が大きく、また「いかにもメシアンらしい」この音楽。本来は第二次世界大戦の犠牲者を追悼するために、当時のフランスの文化相から委嘱されたのですが、この頃、宗教的な題材をとことん追求していたメシアンは、曲中に戦闘の恐怖などを盛り込むことはせず、もっと全人類的で普遍的な「救済、復活」の音楽を描き出しました。編成は木管楽器と金管楽器、そして打楽器と言う変則的なもので、5つにわかれた部分は、全て聖書からの引用によるタイトルが付けられています。もちろんお約束の鳥の声も聞こえてきます。他には、若い頃に書かれた2つの作品も収録。
 準・メルクルは今回も冴えた棒捌きを見せてくれます。


8.572423
ヴァイグル:ピアノ曲集〜死の島・6つの幻想曲他
 1-6.6つの幻想曲(1942)/7.死の島(1903)…世界初録音/
 8-13.絵画とお話Op.2(1909)…世界初録音
  <むかし、むかし/白雪姫/コウノトリ、ひょろひょろ、長い脚/
  眠れ、よいこ、眠りなさい/眠り姫の墓/月の光の中で>/
 14.復讐の女神の踊り(1937-38)…世界初録音/
 15-19.夜の幻想曲集Op.13(1911)
ジョセフ・バノヴェツ(ピアノ)
 不思議な・・・音楽。
 カール・ヴァイグル(1881-1949)はウィーンの後期ロマン派の作曲家です。彼は上流階級出身の両親の元で、幼い頃から音楽に親しみ、一時期はツェムリンスキーから作曲の手ほどきも受けていました。ウィーン大学に進み、音楽学を学びながら、ウェーベルンやシェーンベルクとも交友関係を結びます。1903年には「創造的音楽家協会」を設立し、その会員として、当時の最先端の音楽の初演に携わります。
 この頃に書かれた「死の島」は、あの有名なベックリンの絵に触発されたもので、同じ絵を題材としたラフマニノフやレーガーの曲とは、また違った雰囲気を有しています。
 マーラーの第7交響曲を彷彿させる「夜の幻想曲集」も秀逸。しかし、ナチスの台頭とともにアメリカに亡命し、故国への思いが募るとともに、その作品も懐古的となり、最晩年に書かれた「6つの幻想曲」には良き時代へのオマージュとも思える郷愁が漂っています。

ベックリン 「死の島」

8.572861-62
(2枚組)
ディーリアス:人生のミサ・前奏曲と牧歌
《CD1》
 1-5.人生のミサ第1部<おお、汝はわれらの意思!/
 あなたの心を高めよ/たった今、私はあなたの目を見た/
 私は悲しい/時は夜>/6-8.第2部<山中で/
 起きよ、今すぐ起きよ/甘美な竪琴よ>/
《CD2》
 1-4.第2部(続き)<ラ・ラ・ラ/真昼の深遠/
  神の苦悩の深いこと/来たれ、今こそ出立の時>/
 5-6.前奏曲と牧歌
ジャニス・ワトソン(ソプラノ)/
キャサリン・ウィン=ロジャース(メゾ・ソプラノ…人生のミサのみ)/
アンドリュー・ケネディ(テノール…人生のミサのみ)/
アラン・オピー(バリトン)/
バッハ・コア(人生のミサのみ)/
ボーンマス交響楽団/
デヴィッド・ヒル(指揮)
 ニーチェの「ツァラトゥストラ」からインスパイアされた音楽と言えば、R.シュトラウスやマーラーを思い出しますが、このディーリアス(1862-1934)の「人生のミサ」も同じテキストを用いて、全く違ったテイストの音楽を書き上げました。ディーリアスと言えば、イギリスを代表する作曲家と思われていますが、彼の両親は実はドイツ人であり、彼自身もドイツ語を操り、ドイツ文学をこよなく愛していたのです。このタイトルにある「人生」とは超人ツァラトゥストラの辿った人生の遍歴であり、ディーリアスは、そこに普遍性を見出していたようです。この作品、当初はウォレスによる英訳歌詞で歌われることが多かったのですが、最近は原語歌唱によるものが増え、この録音もドイツ語で歌われています。

8.559722
ヘイルストーク:交響曲第1番
 1-4.交響曲第1番(1988)/
 5-7. 3つのスピリチュアルズ(2005)
  <第1番:いつも私は魂を感じている/第2番:クン・バ・ヤ/第3番:おお、自由よ>/
 8.アメリカン・ポート・オブ・コール(1985)/
 9.アメイジング・グレイスによるファンファーレ(2003)/
 10.ホイットマンの旅:1.無限の海に出航(2005)
ケヴィン・ディーズ(バリトン)…10/
ヴァージニア交響楽団&合唱団…10/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
 ニューヨーク生まれの作曲家、大学教授ヘイルストーク(1941-)の作品集です。
 今回は彼の3曲ある交響曲から第1番(既発売、第2&3番…8.559295),と、その他の特色ある作品を収録することで、彼の描き出す色彩感豊かで郷愁誘う世界を味わっていただけます。交響曲第1番は1987年にニュージャージー州の夏の音楽祭から委嘱されたもので、20分程度のコンパクトで古典的な趣きを持っています。雄大な第1楽章を経て、第2楽章のアダージョはまるでドヴォルザークの作品のような懐かしさに溢れています。騒がしいスケルツォ、全てを総括する終楽章と、聴きやすさも満点です。
 「3つのスピリチュアルズ」はオルガンのために書かれた作品の管弦楽編曲でありアメリカ民謡が至るところに使われています。ちなみに弟2曲の「クン・バ・ヤ」とは1930年代から変わらず愛されている黒人霊歌で「Come By Here」を省略した言葉とも言われています。高らかに奏される「アメイジング・グレイスによるファンファーレ」も心が高揚します。NAXOSイチオシの女性指揮者ファレッタのしなやかな指揮でお楽しみください。


8.572748
オネゲル:交響曲第2番&ラザロフ:イカロス
 1-3.オネゲル(1892-1955):交響曲第2番/
 4-6.ラザロフ(1932-):管弦楽のための協奏曲第2番「イカロス」/
 7.ラザロフ:管弦楽のための「ポエマ」
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュワルツ(指揮)
 第二次世界大戦の最中、オネゲルが書き上げた交響曲第2番。これは1936年にバーゼル室内管弦楽団の創立10周年記念のためにパウル・ザッハーが委嘱したものでした。しかし曲の完成が遅れ、その間に刻々と世相は混乱を極めていきます。作品の持つ暗い陰鬱な雰囲気は、確かにそんな当時の空気を反映したものですが、終楽章に現れるトランペットで奏される壮麗なコラールは、そんな重苦しさを一瞬にはねのける輝かしさを有しています(トランペットの使用は任意ですが・・・)。
 ラザロフの2つの作品は、シアトル交響楽団の性能を存分に発揮させるために書かれた作品で、とりわけ「ポエマ」は指揮者シュワルツの結婚祝いでもあり、華麗さとロマンティックな雰囲気が見事に融合した美しい曲です。


8.572892
ロペス=グラサ:交響曲・素朴な組曲
 1-6.素朴な組曲第1番(1950)/
 7.11月の詩曲(1961)/
 8.祝祭行進曲(1954)/
 9-11.交響曲(1944)
: ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
アルヴァロ・カッスート(指揮)
 フェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)は20世紀のポルトガルにおける、最も多作な作曲家の一人です。リスボン音楽院で学び、その後パリへ留学、ケクランに作曲と管弦楽法を学んでいます。1941年からはポルトガルで教鞭をとり、数多くの音楽家を育てあげました。ポルトガルの民謡やポピュラー音楽を題材にすることの多い彼の作品は、とても耳に馴染みやすく、またドラマティックな面も持ち合わせています。「素朴な組曲」の冒頭に現れるのどかな旋律を聴いていると、まるで草原で深呼吸をする時のような清々しさを感じさせてくれます。その後に続く速い部分はお約束通りに荒々しくと、全て聴き手の期待を裏切ることはありません。これらとは対照的な「11月の詩曲」は、暗く陰鬱であり、この作曲家の懐の広さを感じさせてくれることは間違いありません。とは言え「祝祭行進曲」や「交響曲」はやっぱり情熱的。手に汗握るようなわくわくする音楽です。

8.572924
アダン:バレエ音楽「ジゼル,またはウィリたち」(ハイライト)
〈第1幕〉
 1.導入曲/2.葡萄収穫人の登場/3.ロイスの登場/
 4.ジゼルの登場/5.葡萄収穫人の再来とワルツ/
 6.葡萄耕作者の行進/7.パ・スル-パ・ド・ドゥ/
 8.ポラッカ/9.アンダンテ/10.アレグレット・ペサンテ/
 11.アレグロ・アン・プゥ・ルレ/12.全員のギャロップ/
 13.第1幕の終曲と狂乱の場/
〈第2幕〉
 14.導入曲,猟師の休息と鬼火の出現/15.ミルタの登場/
 16.ヒラリオンの登場/17.グラン・パ・ド・ドゥ:アダージョ/
 18.ヴァリアシオンⅠ:アンダンテ/
 19.ヴァリアシオンⅡ:アンダンテ・モデラート/20.ワルツ/
 21.ウィリのアンサンブル/22.終曲/23.日の出と貴族たちの到着
スロヴァキア放送交響楽団/
アンドリュー・モグレリア(指揮)
 数多くのバレエ作品の中でも、このアダンのジゼルは物語の幻想性においても、音楽性においても、群を抜く人気を誇るのではないでしょうか?「結婚を目前に死んでしまった娘は妖精ウィリになり、森に迷い込んだ男性を死ぬまで躍らせる」というオーストリア地方の伝説を元に作られた2幕の物語で、信じていた相手に裏切られた村娘ジゼルが息絶えるという第1幕、彼女が妖精となって踊るという第2幕で構成されています。このアルバムはこのバレエから聴きどころを集めたもので、聴いているだけでも詩的な気分になれること請け合いです。

8.571208
ヘンデル:合奏協奏曲集Op.6 他
ヘンデル(1685-1759):合奏協奏曲Op.6より
 1-5. ト長調Op.6-1 HWV319/6-10.ト短調Op.6-6 HWV324/
 11-16. ヘ長調Op.6-9 HWV327/
 17-19.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  フルート協奏曲ニ長調「ごしきひわ」Op.10-3 RV428/
 20-22.C.P.E.バッハ(1714-1788):フルート協奏曲ニ短調 H425
スコット・ゴフ(フルート)/
サイモン・ジェームス(第1ヴァイオリン)/
マイケル・ミロポスルキー(第2ヴァイオリン)/
テレサ・ベンシューフ(チェロ)/
キンベリー・ルス(ハープシコード)/
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュワルツ(指揮)
 シアトル交響楽団の主要な奏者たちをソリストとして演奏されたバロックの名曲の数々です。ヘンデルの合奏協奏曲は、バランスの取れた響きと、渋めの音色が魅力的。最近はどちらかというと軽快で刺激的な録音の多いヘンデル作品ですが、この演奏はある種の懐かしさを感じさせてくれます。エレガントなヴィヴァルディの「ごしきひわ」とC.P.E.バッハで煌めくように美しいフルートを吹いているゴフは2011年までシアトル交響楽団の首席を務めていた人で、彼は42シーズンに渡ってこのオーケストラで活躍していました。味わい深い音色がたまりません

9.70164
シューベルト:ヴァイオリンとフォルテピアノのための作品集第1集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ニ長調Op.137-1 D384/
 4-7.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) イ短調 Op.137-2 D385/
 8-11.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ト短調 Op.137-3 D408/
 12-15.デュオ・ソナタイ長調 Op.162 D574
ジャクリン・ロス(ヴァイオリン)/
マギー・コール(フォルテピアノ)
 シューベルト(1797-1828)の作品の中でも、あまり演奏の機会が多くないヴァイオリンのためのソナタ(ソナチネ)。Op.137の3曲は、彼がまだ20歳になる前に書かれるも、忘れられたままになり、死後の1836年にようやく実兄フェルディナントの手で出版された作品です。簡素な中に、いかにもシューベルトらしい伸びやかで美しい旋律が聞こえてくるというもので、モーツァルトやベートーヴェンの影響も多分に感じられる、若さ故の情熱が潜んでいます。本来ならば「配信のみ」で企画された音源なのですが、この曲をバロック・ヴァイオリンとフォルテピアノで演奏したものは極めて珍しく、その上、あまりにも素晴しい演奏であるため、急遽アルバム化したという逸品です。精妙な響きと軽やかな音は、聴き手を200年前の世界へといざないます。


8.559721
レシュノフ:室内楽作品集
 1-3.弦楽四重奏曲第2番「エデルマン」(2008)/
 4.蜃気楼の中の7つの視線(2003)/
 5.とりつかれた主題による宇宙的な変奏曲(2002)/
 6.…チャンスなし(2002)
カルペ・ディエム弦楽四重奏団…1-3/
ジェローム・シマス(クラリネット)…4/
スティーヴン・マイアキー(ヴァイオリン)…4/
ジョシュア・ネミス(ピアノ)…4/
トリオ・オーパス3…5/
バリー・ダヴ(ヴィヴラフォン)…6/
スヴェト・ストヤノフ(マリンバ)…6/
デイヴ・デピーターズ(パーカッション)…6
 現代アメリカ音楽界の中で、最もエキサイティングな作風を持つレシュノフ(1973-)。彼の作品はすでにNAXOSレーベルからも2作リリースされていて(8.559398,8.559670)、その対照的な音楽には、思わず声を上げてしまうほどの驚きがあったものでした。今作も多彩な音世界が描かれた4つの作品を収録。謎めいた表情から暴力的な表情と、様々な音楽を楽しむことができます。作曲家の友人であるロバート・エデルマンのために書かれた弦楽四重奏曲第2番は、極めて個人的な作品であるにもかかわらず、その内容は不変性を持ち、大いなる生命への賛美につながるものとなっています。たくさんの想像を喚起させる「蜃気楼〜」、メシアン的な響きも垣間見える「宇宙的な変奏曲」、そして意味深なタイトルの「チャンスなし」。自分の観ているものが本当に正しいのか、考え直したくなるような意表を突いてくる音楽です。


レシュノフ旧譜2タイトル
Jonathan Leshnoff: Violin Concerto
8.559398
レシュノフ:ヴァイオリン協奏曲 他
 1-5.ヴァイオリン協奏曲/6.離れた反響/
 7-10.弦楽四重奏曲 第1 番「パール・ジャーマン」
チャールズ・ウェザビー(ヴァイオリン)…1-6/
ボルティモア室内管弦楽団…1-6/
マーカンド・ザーカー(指揮)…1-6/
カルペディエム弦楽四重奏団…7-10
ニュージャージー生まれの作曲家レシュノフ(1973-)は最近国際的に注目を集めている人です。このアルバムには彼の3 つの個性的な作品を収録しています。メインは2007 年京都で日本初演され、大好評を博したヴァイオリン協奏曲。ソロを務めるウェザビーはこの曲を献呈されていることもあり、この曲を完全に掌握しています。楽章ごとにメリハリのある曲想を持ち、とりわけ第2 楽章と第4 楽章のゆっくりとした部分は懐かしささえ覚えるほどの感傷的です。弦楽四重奏曲は、彼の後援者であり大学教師であったジャーマンのために書かれました。「四季」と言う副題を持ち、曲はジャーマンが誕生した1 月を祝し「冬」から始められています。
Jonathan Leshnoff: Forgotten Chants and Refrains
8.559670
レシュノフ:忘れられた聖歌、そしてリフレイン
 1-4.二重協奏曲(2007)/
 5-9.交響曲第 1 番「忘れられた聖歌、そしてリフレイン」/
 10.ラッシュ
チャールズ・ウェザビー(ヴァイオリン)・・・1-4/
ロベルト・ディアス(ヴィオラ)・・・1-4/
IRIS 管弦楽団/
マイケル・スターン(指揮)
ニュージャージー生まれの作曲家若きレシュノフ(1973-)は、早くからその才能を嘱望され国際的な活躍をしています。オーケストラ作品を始め、室内楽作曲家としても名高く、多くの団体や演奏家が彼に作品を委嘱し、新作が次々と演奏されているのです。このアルバムに収められた3 つの作品は、彼の資質をよく表しており、現代的な感覚の中にどこか懐かしさを秘めた聴きやすいものです。指揮者スターンの依頼で書かれた5 つの楽章からなる「交響曲第1 番」は、ベートーヴェンの「第9」に込められたメッセージと同じく、全ての人間を賛美するために書かれています。グレゴリオ聖歌や、ギョーム・デュファイのミサ曲、17 世紀のユダヤ教の典礼、など様々なモティーフを用いながら、新しく構築された音楽は、得も言われぬ感動をもたらすことでしょう。現代アメリカの名手2人がソロをつとめる「二重協奏曲」は、神秘的な音の中にも躍動感が溢れています。タイトル通りのせわしなさが楽しい「ラッシュ」もオススメです。

8.572475-76
(2枚組)
カベソン:ティエントとバリエーション全集
〈CD1〉
 1-14.ティエント集-新式タブラチュアによる曲集(1557)より/
 15-22.8つのティエント集-Obras de musica(1578)より/
〈CD2〉
 1-3.ティエント集-Obras de musicaより(続き)/
 4-13.バリエーション集-Obras de musicaより/
 14-17.バリエーション集-新式タブラチュアによる曲集より/
 18-19.フーガ-Obras de musicaより/
 20.6つの音によるティエント-Musica nova(1540)より
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
 アントニオ・デ・カベソン(1510-1566)はスペインのルネサンス時代の作曲家、オルガニストです。彼は幼児期に失明したものの、素晴らしい音楽的才能を発揮し、オルガンと鍵盤楽器のための作品を数多く残しました。当時はジョスカン・デ・プレの音楽が流行していて、カベソンも彼の声楽曲を鍵盤楽器用に編曲したものもありますが、一方、当時としては先鋭的な技法を用い、後のバロック音楽を先取りするかのような作品も数多くあります。彼の代表作であるティエントとは、イベリア半島に発生したポリフォニー様式の器楽作品の様式で、スペイン語の「触れる」という意味のtentarが語源と言われていて、その起源はフォリア(狂乱を表す舞曲)や、民謡にさかのぼることができます。形式は変化に富んでいますが、カベソンの曲は即興的な前奏とリチェルカーレを元にした、比較的厳格なもので、オルガン音楽の発達にも多大なる貢献をしています。

8.573023
期待の新進演奏家シリーズ
 ウラディーミル・ゴルバッチ:ギター・リサイタル

 1-4.ピアソラ(1921-92):ブエノスアイレスの四季(S.アサドによるギター編)
  <春/夏/秋/冬>/
 5.ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ変ロ長調 K441(S.ソボルによるギター編)/
 6.D.スカルラッティ:ソナタロ短調 K87(C.ジュリアーニによるギター編)/
 7.D.スカルラッティ:ソナタロ短調 K27(E.フィスクによるギター編)/
 8.D.スカルラッティ:ソナタト長調 K431(R.オーセル編)/
 9.ジュリアーニ(1781-1829):ロンドデット/
 10-14.アセンシオ(1908-1979):内なる思い
  <心静かに/宝物/静寂/よろこび/憧れ>
ウラディーミル・ゴルバッチ(ギター)
 2011年、GFA(Guitar Foundation of America)国際ギターコンクールで第1位を獲得した、ロシア生まれの若いギタリスト、ウラディーミル・ゴルバッチのリサイタルCDです。彼はノロシビルスク音楽学校、グリンカ音楽院を経て、ケルン音楽アカデミーでギターを学びました。メニューイン財団の主宰する音楽会に出演したことで、一躍有名になり、その後は各国で開催されたギター・コンクールで賞を獲得しながら、50回を超す演奏会もこなし、着々と腕を磨いています。ここで聴けるのは、スカルラッティからピアソラまでと多種多彩。ピアソラでの力強さもさることながら、スカルラッティで聴かせる独創性と器用さは、特筆ものです。アセンシオの「内なる思い」も名演であり、この若者の揺るぎない感性には驚かされるばかりです。

8.572745-46
(2枚組)
ヘンデル:エイシスとガラテアHMV49 全曲
 
 DELOSより移行盤
ガラテア…ドーン・コトスキ(ソプラノ)/
エイシス…デヴィッド・ゴードン(テノール)/
デイモン…グレン・シーベルト(テノール)/
ポリフェルマス…ヤン・オパラッハ(バス)/
シアトル交響楽団&合唱団/
ジェラール・シュワルツ(指揮)
 1712年にイギリスに渡ったヘンデル(1685-1759)は、最初はイタリア風のオペラを上演し人気を保っていたものの、次第に情勢が変わり、仕事にも事欠くようになってしまいました。そんなヘンデルを救ったのが、当時カナーボンの伯爵(のちにシャンドス侯爵となる)であったブリッジズで、彼は自らの財力を誇るために広大な邸宅を建築し、美術品や音楽家を集めていて、ヘンデルもその恩恵に預かったというわけです。この「エイシスとガラテア」はその邸宅で演奏されたもので、その時の楽長は「乞食オペラ」で知られるペープシュでした。内容は、ニンフのガラテアと羊飼いのエイシスの物語。美しいガラテアに片思いする一つ目の巨人ポリフェルマスによって、エイシスは石で打ち殺されてしまうのですが、ガラテアは自らの力をもって、エイシスを永遠に流れる清らかな泉に変えるというものです。仮面劇と言っても、技巧的なアリアや迫力ある合唱が存分に楽しめる素晴らしい作品です。

ONDINE



ODE-1200
\2300→\2090
ヴェロニク・ジャンス
 ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」/ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
 1-4.ベルリオーズ:抒情的情景「エルミニー」/
 5-10.ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」
 <第1曲:ヴィネラル/第2曲:ばらの精/第3曲:入り江のほとり/
  第4曲:君なくて/第5曲:墓場にて/第6曲:未知の島>/
 11-13.ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
  <アジア/魔法の笛/つれない人>
ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)/
フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団/
ジョン・アクセルロッド(指揮)
 1980年代の終わりから、優れたバロック・ソプラノとして独特の存在感を見せていたヴェロニク・ジャンス。バロック・オペラや声楽曲の録音にもしばしばフィーチャーされ、澄み切った歌声を聞かせていました。しかし、2000年頃になって立て続けにフランス歌曲、とりわけベルリオーズの歌曲を積極的に録音し、清冽かつドラマティックな側面を見せてくれたことは、今でも鮮烈な記憶として脳裏へと焼き付けている人も多いのではないでしょうか?
 さて、そんな彼女はこの度ONDINEと正式契約を結び、最初にリリースするのが、ベルリオーズ(1830-1869)とラヴェル(1875-1937)の歌曲集。とりわけ「夏の夜」については、およそ12年ぶりの再録音となり、その表現の深まりについても興味深いところです。当時、あれほど熱望して手に入れた愛妻ハリエットとの間に亀裂が生じ、心が揺れ動いていたベルリオーズの、ちょっぴり悩ましい心情を、テオフィル・ゴーティエの詩を借りて歌い上げたもので、ここでのジャンスは美しく流麗なフランス語、そしてまるで呼吸するかのような自然な歌い口で表現します。優しさと情熱を併せ持つ6曲の歌曲は、まさに珠玉の美しさを備えています。抒情的情景「エルミニー」は、ベルリオーズが1828年(ハリエットに一目ぼれした年)に書かれた作品で、すでに幻想交響曲の「イデー-フィクス(固定楽想)」が随所に表れています。彼はこの曲でローマ賞に挑戦、惜しくも2票差で1位を逃してしまいますが、彼は大いなる自信を得て、そのまま「幻想交響曲」の作曲にいそしむのです。
 ラヴェルの「シェエラザード」はトリスタン・クリングゾールの詩につけられた3つの歌曲。色彩豊かな管弦楽法はいかにもラヴェルであり、ほのかなオリエンタリズムも感じられます。
 類い稀なるカリスマ性を発揮する指揮者ジョン・アクセルロッドによるフランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団の絶妙な伴奏も、この零れ落ちそうな歌唱に彩りを添えています。
 録音 2009年9月25日,2010年10月26-28日ナント ラ・シテ・サル2000


ODE-1209
\2300→\2090
アコーディオンの独奏ヴァージョン
 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
ヤンネ・ラッティヤ(クラシカル・アコーディオン)
 さすがに、最近は「不眠症の伯爵に眠りをもたらすための長大な作品」との逸話を信じる人は少なくなったと思われる"主題と30の変奏曲(最後に主題が戻ってきて終わる)"からなる、このゴルトベルク変奏曲。実は鍵盤楽器のためのありとあらゆる技術が詰め込まれていて、演奏も非常に困難なものです。かの、グレン・グールドがデビュー盤として取り上げて以来、この曲の評価がぐんぐん上がり、鍵盤奏者たちが好んで取り上げるだけではなく、シトコベツキーによる弦楽三重奏版や、管楽器アンサンブル、はたまたジャズなどの様々な編曲が試みられていることでも知られています。
 そんな中に登場するのは、なんとアコーディオンの独奏ヴァージョンというもので、演奏しているのはフィンランドの若きアコーディオン奏者ラッターヤ。彼は以前、他レーベルから「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」をリリースしていることもあり、アコーディオンによるバッハ演奏において名手としての地位を確立していますが、今回も素晴らしい音楽性と繊細な表現力で、この難曲を見事に演奏しています。鍵盤楽器と言っても、ピアノなどとはかなり構造の違うこの楽器で、どうやって対旋律を演奏するのか・・・これだけでも興味が尽きません。
 録音 2010年11月29-30日,2011年9月12日ウィーン レジデンツ・ツェーゲルニッツ

ODE-1192
\2300
セリム・パルムグレン:ピアノ作品集
 1-3.ピアノ・ソナタニ短調 Op.11/
 4.五月の夜Op.27-4/5-28.24の前奏曲集Op.17
ヘンリ・シーグフリードソン(ピアノ)
 フィンランドの作曲家パルムグレン(1878-1951)のピアノ作品集です。
 彼はヘルシンキ音楽院で学び、その後はベルリンでブゾーニに師事しピアニスト、指揮者としても活躍しています。イーストマン音楽学校でピアノ教師を務めるなど、アメリカでの音楽教育にも熱心でした。作曲家としては交響曲やオペラの他に、5つのピアノ協奏曲と300を超える美しいピアノ小品を作曲、「フィンランドのショパン」とも呼ばれたことでも知られます。このアルバムでは、そんなパルムグレンの代表的なピアノ曲を3つ収録しています。1901年に初演されたピアノ・ソナタは、彼の記念碑的な作品でもあり、当時のフィンランド音楽の潮流に一石を投じたと言われるもの。多少、生真面目で、肩に力の入っている感はありますが、丁寧な音つくりが光ります。24の前奏曲は恐らくショパンの影響もあるのでしょうが、全ての調性を使うことにこだわりはなく、あくまでも「心象風景」を描いた短い曲の集まりです。「五月の夜」は、平易な技法で書かれるも、移ろう和声が魅力的な小さな曲です。実力派ジークフリードソンが各曲の性格を見事に弾き分けています。
 録音 2011年4月17-18日,11月2日ヤルヴェンパー・ホール

ODE-1196
\2300
ジョルジュ・エネスク:交響曲第2番&室内交響曲
 1-4.交響曲第2番Op.17/
 5-8.12の楽器のための室内交響曲Op.33
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
 タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団と、芸術監督ハンヌ・リントゥによる、ルーマニアの大作曲家エネスク(1881-1955)のシリーズが始動します。
 20世紀最大の作曲家でありながらも、その業績はほとんど知られることのないジョルジュ・エネスク(エネスコ)。彼は偉大なるヴァイオリニストでもあり、またルーマニアの民族音楽の研究家としても素晴しい足跡を残しています。彼の作品は概ね、民族色の濃いものであり、調性感を超越した心の根源に迫る音楽が多いのですが、このアルバムに収録された「交響曲第2番」は、(初演時こそ「前衛的過ぎる」と非難を受けたものの)実際に聴いてみると、まるでドイツの後期ロマン派の音であり、まだまだ発展途上にあった若き作曲家の息吹きを感じさせるものです。
 かたや1954年に作曲された「室内交響曲」は、ピアノを含む12の楽器が深淵なハーモニーを奏でるという、思いの他美しい曲。晩年のエネスクの心情が伝わってくるかのようです。
 録音 タンペレ・ホール 2011年8月24日…5-8, 2012年1月3-5日…1-4

RONDEAU



ROP-6048
\2000→\1890
マルティン・ペッツォルト
 バッハ・イン・ジャズ

 1.カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147より「主よ、人の望みの喜びよ」/
 2.イタリア協奏曲 BWV971 第1楽章/
 3.マタイ受難曲より「わがイエスは不正な嘘にはじっと黙り」/
 4.マタイ受難曲より「耐えなさい。 私を偽りの舌が刺すときも」/
 5.ヨハネ受難曲より「打ち砕け、この身を」/
 6.カンタータ「かくて戦い起れり」BWV19より「とどまれ天使よ、わがかたえに」/
 7-8.カンタータ「心せよ、汝の敬神に偽りなきやと」BWV179より/
 9.カンタータ「ああ、いかにはかなき、いかに空しき」BWV26より「流れ走る水のごと」/
 10.管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067より「バディネリ」/
 11-12.カンタータ「わがうちに憂いは満ちぬ」BWV21より/
 13.管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068より「エア」/
 14.カンタータ「わがうちに憂いは満ちぬ」BWV21より「喜べ、今わが心よ」/
 15.カンタータ「ほめよ主を 強き栄えの君を」BWV137より/
 16.カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147より「イエスはわが喜び」
マルティン・ペッツォルト(テノール)/
シュテファン・ケーニヒ・トリオ
録音 2011年6月6-8日ベルリン トラウムトン・スタジオ
 ライプツィヒの聖トーマス教会少年聖歌隊の一員として少年時代を過ごした後は、オペラ歌手、オラトリオ歌手として素晴らしい活躍をしているテノール歌手マルティン・ペッツォルト。とりわけJ.S.バッハ作品の解釈に定評があり、数多くの名指揮者とともに、素晴しい演奏を披露しています。2012年の来日公演での「マタイ受難曲」では、体調不良で降板したクリストフ・ゲンツの代役までも務め、福音史家とテノール・パートの両方を歌い、人々を感動の渦に巻き込んだことも記憶に新しいところです。
 そんなペッツォルトが挑んだのは、J.S.バッハの作品とジャズの融合というもの。バッハ作品の懐の深さについては、誰もがご存知の通りで、様々なジャンルのアーティストたちが思い思いにバッハ作品をアレンジしていますが、ここでもピアニストのシュテファン・ケーニヒが、ゴキゲンなアレンジで「新しいバッハ」を見せてくれています。
 曲の選び方が、日本ではなかなか考えられないものであり(マタイをジャズなんて!)この面でもとても興味深いものがあります。魅力満載の1枚です。

ROP-6055
\2000
アンドレ・カプレ:オラトリオ「イエスの鏡」(ロザリオの神秘)
 1-6.第1部:喜びの鏡/
 7-12.弟2部:哀しみの鏡/13-18.第3部:栄光の鏡
エステル・チョイ(メゾ・ソプラノ)/
エステル・ベルトラム(ナレーター)/
テレサ・ツィメルマン(ハープ)/
ハノーヴァー少女合唱団/
イル・ジョーコ・スオノ/
グトルン・シュレーフェル(指揮)
特音 2011年7月1-3日ハノーヴァー,パウル教会
 作曲家、指揮者アンドレ・カプレ(1878-1925)はドビュッシーの友人であり、近年では「子どもの領分」や「月の光」の管弦楽版の編曲者としてもおなじみの名前ですが、純然たる作曲家としてのカプレは多少軽んじられている面もあることは否めません。とは言え、この「イエスの鏡」は彼の代表作の一つとして知られ、録音もいくつか出ています。
 1923年、第1次世界大戦で負傷したカプレは、「受胎告知」からはじまるイエスの生涯を描いたアンリ・ゲオンのソネットに曲を付けます。全体は3つの部分に分かれていて、弦楽四重奏とコントラバス、ハープ、女性合唱、メゾ・ソプラノの独唱という、柔らかい響きに満たされていて、確かにドビュッシーを上回る神秘性と異国趣味を感じさせ、カプレが並々ならぬ才能の持ち主であったことに気づかせてくれる大作であると言えるでしょう。
 この演奏は、硬質な響きを生かした合唱と、包み込むような弦の音色が見事な調和を見せています。ソリストも申し分ありません。

ROP-6056
\2000
シェイクスピア21
 1.ハーグヴィル(1953-):リュートを弾くオルフェウス/
 2-4.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
  3つのシェイクスピアの歌/
 5-8.スヴェン=エリク・ヨハンセン(1919-1997):
  ファンシー第1集より
   <シルヴィア/緑の木の下で/吹け、吹け、冬の風/ファンシー>/
 9.ニーデル(1957-):眠りに落ちる、死を聴きながら/
 10-14.マルタン(1890-1974):シェイクスピアの「テンペスト」から「アリエルの歌」/
 15.ラーシュ・ユーハン・ヴェルレ(1926-2001):オルフェウス/
 16.ハーグヴィル:ソネット第43番/
 17.ニルス・リンドベルイ(1933-):君を夏の一日と比べてみようか?/
 18-19.スヴェン=エリク・ヨハンセン:ファンシー第1集&第2集より
  <おお、私のミストレス/恋人よ、恋の春>/
 20.マンテュヤルヴィ(1963-):お粗末な歌
ハノーヴァー室内合唱団/
ヨハンナ・マリー・ヘンニング(ピアノ)/
シュテファン・ドールマン(指揮)
 シェークスピアの詩にインスパイアされた合唱作品集です。作曲家の出身国は様々であり、どことなくお国柄が見えてくるのも楽しいところです。
 民謡風なヨハンセンの作品や、マルタンの無調ぎりぎりの曲、合唱ファンにはおなじみのマンテュヤルヴィのこじゃれた曲など、ハノーヴァー室内合唱団が素晴しいハーモニーで聴かせます。21世紀のシェイクスピアをどうぞ。
 録音 2011年9月30日-10月3日ハノーヴァー,キルヒェ・デス・シュテファンスティフト

TOCCATA


Heino Eller: Complete Piano Music Volume 2
TOCC0132
\2600→\2390
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第2集
 1.ソナティネ嬰ヘ短調/
 2-9. 8つの小品…初録音
  <メロディ/ミュージック・ボックス/ワルツ/間奏曲/ロンディーノ/
   アレグロ・マ・ノン・トロッポ/アレグロ/ダンス>/
 10.フリオーソ/11.アレグロ・コン・フォーコ/
 12.革命時のエピソード/13.ソステヌートト短調/
 14.アレグレット・モデラートハ短調/15.悲しみのシャンソン/
 16.アンダンテホ長調/17.ラルゲットイ長調/18-21.前奏曲集第3集/
 22-32.モデラート・アッサイ(主題と変奏)/33.エストニア舞曲
ステン・ラスマン(ピアノ)
 エストニアの作曲家ヘイノ・エッレル(1887-1970)のピアノ作品集第2集です。
 第1集(TOCC0119)でもその豊かな楽想には驚かされたのですが、こちらも様々な音楽に満ちています。4分ほどのソナチネは単一楽章で書かれていて、簡潔な対位法と、深く抒情的な旋律がマッチしています。1948年に完成された「8つの小品」は、少なくとも半分の曲は以前に書かれていたと見られ、快活で明朗な作品です。また、彼の作風が端的に表れている「前奏曲集第3集」は、対照的な雰囲気を持つ4つの小曲で、スクリャビンを思わせる神秘性すら備えています。全7集のリリース予定。これからも楽しみです。
 録音 2009年9月14.23.24日サフォーク,ベックレスオールド・グラナリー・スタジオ


旧譜
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第1集
Heino Eller: Complete Piano Music Volume 1
TOCC0119
\2600→¥2290
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集第1集
 1-7.前奏曲第1巻(1914-1917)/
 8-13.6つの組曲(エストニア組曲…1946)
  <ビリー・ゴートの踊り/ラウンド・ダンス/民謡/
  角笛の調べ/民謡で/踊りの調べ>/
 14.トッカータロ短調(1921)/15.踊りロ短調(1930)/
 16.性格的な踊り(1941)/17.ダンス=カプリース(1933)/
 18.鐘(1929)/19-21.ピアノ・ソナタ第2番(1939-1940)
ステン・ラスマン(ピアノ)
 エストニア、タルトゥに生まれ、多くの作品を残したヘイノ・エッレル(1887-1970)。現在では彼の作品のほとんどは忘れられてしまい、仄かに名を残すのは「アルヴォ・ペルトの師」であったことくらいでしょうか?主にヴァイオリニストとして活躍した人ですが、ピアノ曲も多く書いていて、その量はおよそCD7枚分にも及びます。
 ショパン、グリーグの抒情性を受け継ぎ、そこにエストニア民謡や北欧の雰囲気を加え、時にはプロコフィエフ風のエネルギッシュさを感じさせる幅広い音楽です。
 録音 2008年12月11-12日オールド・グラナリー・スタジオ

Gerard Schurmann: Music for Violin and Piano
TOCC0133
\2600
ジェラルド・シュルマン:ヴァイオリンとピアノのための音楽
 1-5.ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲
  <イントラーダ/ディテュランボス/ノットゥルノ/ブルレスカ/アルバ>/
 6-16.ピアノのための主題と変奏「レオタウロス」/
 17-20.ヴァイオリンとピアノのための「枯葉」/
 21-24.ピアノのための「コントラスツ」
アリッサ・パーク(ヴァイオリン)/
ミハイル・コルジェフ(ピアノ)
 1924年、東インド諸島で生まれたイギリス系オランダの作曲家シュルマン(1924-)の作品集です。
 彼の母方の祖母はハンガリー人であり、そのため彼は幼い頃、母の弾くピアノでハンガリー民謡を聴いていたためか、作品にもどことなくエキゾチックな雰囲気が漂っています。躍動的で暴力的さも秘めた「二重奏曲」、ピアノのための変奏曲「レオタウロス」は、彼のロンドン時代の友人であったピアニスト、タマーシュ・ヴァシャーリのために書かれた作品。また「枯葉」は4つの楽章からなる印象的な曲です。コントラスツはヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ジョン・オグドンの委嘱で書かれたもので、力強い音を楽しめます。
 録音 2010年12月20-22日カリフォルニア
Bacevicius: The Complete Mots for solo piano, solo organ and two pianos
TOCC0134
\2600
ヴィタウタス・バチェヴィチウス:ピアノ作品集第1集
 1.モット第1番Op.18/2.モット第2番Op.21/3.モット第3番Op.27/
 4.モット第4番Op.31/5.モット第5番Op.59/
 6.モット第6番Op.72/7-9.モット第7番Op.73
ガブリエリウス・アレクナ(ピアノ)…1.3-9/
マシュー・ルイス(オルガン)…2/
ウルズラ・オッペンス(ピアノ)…7-9
 リトアニアの作曲家&ピアニスト、バチェヴィチウス(1905-1970)は「知られざる」20世紀音楽の先駆者の一人です。このアルバムは彼の代表作で7つの「モット」(リトアニア語?odis…言葉の意)が収録されています。これらは1933年から1966年の間に書かれていて、スクリャビンの作風を継承する初期のスタイルからプロコフィエフやストラヴィンスキーの影響を受けながら少しずつ変容し、やがては彼独自の音楽的言語へと進化していく様子を見ることができます。オルガンで奏される幽玄な第2番、音が粒子のように飛び跳ねる第7番など、とても面白いものばかりです。
 録音 2010年1月28日リトアニア国立フィルハーモニー,グレート・ホール

Myroslav Skoryk: Music for Violin and Piano
TOCC0137
\2600→\2390
ミロスラフ・スコリク:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.映画「ハイ・パス」よりメロディ(1981)/
 2-4.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1963)/
 5-6.フツーリシュチナ三部作より「アレグレットと舞曲」(1964)/
 7.独奏ヴァイオリンのための奇想曲(1978)/
 8.カルパチア狂詩曲(2004)/9.詩曲(2006)/
 10-12.ヴァイオリン・ソナタ第2番(1990)/13.スペイン舞曲(1978)
ソロミア・ソロカ(ヴァイオリン)/
アルトゥール・グリーン(ピアノ)
 ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリク(1938-)は、リヴィウに生まれるも、第二次世界大戦後に家族がシベリアに追放されたため、その地で育ちます。彼はシベリアで、多くの「政治犯」とされる人から音楽を学び、教師として教えるまでになります。その後、ウクライナに戻り、一時期はモスクワへ行き、カバレフスキーにも音楽を学んでいます。彼の作品は、まさしく新古典派の潮流を受け継ぐものであり、大きなパワーを持っています。
 1964年、アルメニアの映画監督パラジャーノフが作家コチュビンキーの「忘れられた祖先の影」(日本では「火の馬」と題される)を映画化する際に、音楽をスコリクに依頼。革新的な手法で描かれた映像は高い評価を受けたのですが、ソ連では批判を受けてしまい、再編集を拒んだパラジャーノフはソ連から排斥されてしまったのです。スコリクは完成した曲から2作をヴァイオリンとピアノのために編曲、これがトラック5と6です。
 録音 2010年4月5-7日インディアナ ゴセン・カレッジ,スーダー・コンサート・ホール
Mihkel Kerem: Violin Sonatas Nos. 1-3
TOCC0140
\2600
ミーケル・ケレム:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番(1993-94)/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番(1996)/
 7-10.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ(2002)/
 11-13.ヴァイオリン・ソナタ第3番(2006)
ミック・ムルドヴェー(ヴァイオリン)/
ステン・ラスマン(ピアノ)
 エストニアのヴァイオリニスト、ケレム(1981-)の作品集です。幼い頃からソリストとして活躍し、また作曲家としては、既に3つの交響曲を含む100作以上を発表しています。その中には「2台のチェロのための協奏曲」や9曲の「弦楽四重奏曲」3曲の「ヴァイオリン・ソナタ」など多岐に渡っています。やはり新古典派の影響が見受けられますが、時として、うっとりするような美しい瞬間もあり、なかなか侮れません。また、超絶技巧に彩られた緊張感たっぷりの無伴奏ソナタは彼自身の才能が端的にわかるものです。
 録音 2007年7月23-25日タリン エストニア音楽演劇大学 コンサート・ホール…1-6.11-13, 2006年6月6-7日タリン エストニア国立ラジオ…7-9

TWO PIANISTS



TP-1039114
\2600→\2390
コンスタンチン・シチェルバコフ(ピアノ)
 ロシアの夜会

 《ムソルグスキー》
  1-16.展覧会の絵
   <プロムナード/小人/プロムナード/古城/プロムナード/
    テュイルリーの庭-遊びの後の子供たちの口げんか/ビドロ/
    プロムナード/卵の殻をつけた雛の踊り/
    サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ/プロムナード/
    リモージュの市場/カタコンベ-ローマ時代の墓/
    死せる言葉による死者への呼びかけ/
    鶏の足の上に建つ小屋-バーバ・ヤーガ/キエフの大門>/
 《ラフマニノフ》
  17.悲歌変ホ短調 Op.3-1/18.前奏曲変ホ長調Op.23-6/
  19.前奏曲ニ短調 Op.23-3/20.絵画的練習曲変ホ短調 Op.39-5 /
 《プロコフィエフ》
  21-23.ピアノ・ソナタ第7番Op.83
コンスタンチン・シチェルバコフ(ピアノ)
 驚くほど、明瞭で輝かしく幕を開ける「展覧会の絵」。しかし曲が進むにつれ、シチェルバコフの描く魑魅魍魎が蠢き始める・・・。TwoPianistsレーベルには2枚目の録音となる、この「ロシアの夜会」ですが、前作Me(TP1039107)での極めて内省的な表現とは全く正反対のこの演奏であり、まさにヴィルトゥオーゾ、シチェルバコフの面目躍如と言えそうです。メリハリのついた表現に驚愕のムソルグスキーの「展覧会の絵」からぐいぐい引き込まれることは間違いありません。曲によっては、シチェルバコフならではのアレンジもかかっており、ところどころで「おっ」と思うこともしばしば。何とも刺激的なムソルグスキー(1839-1881)です。ファンタジー溢れるラフマニノフ(1873-1943)、聴いているだけで脳内に快感物質が溢れだしそうなプロコフィエフ(1891-1953)。これはすごいです。
 録音も優秀で、華麗なピアノの音色が余すことなく捉えられています。
 録音 2011年2月13日南アフリカ ステーレンボッシュ・ユニヴァーシティ,エンドラー・ホールダイブ収録


コンスタンティン・シチェルヴァコフ
TWO PIANISTS 第1弾

TP-1039107
\2600→¥2390
ME〜歌の翼に乗って
 1.J.S.バッハ(1685-1750):プレリュードホ短調 BWV855a(ジローティ編)/
 2.グルック(1714-1787):精霊の踊り(フリードマン編)/
 3.モーツァルト(1756-1791):レクイエムより「ラクリモサ」(タールベルク編)/
 4.メンデルスゾーン(1809-1847):無言歌ホ長調 Op.19-1/
 5.メンデルスゾーン:歌の翼にOp.34-2(リスト編)/
 6.メンデルスゾーン:無言歌ト短調 Op.102-4/
 7.ブラームス(1833-1897):間奏曲第1番変ホ長調 Op.117/
 8.J.S.バッハ:イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639(ブゾーニ編)/
 9.リスト(1811-1886):コンソレーション第3番/
 10.リスト:愛の夢第3番/
 11.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズOp.34-14/
 12.ショパン(1810-1849):夜想曲第20番嬰ハ短調 遺作/
 13.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲より「月の光」/
 14.リャードフ(1855-1914):前奏曲Op.11-1/
 15.サン=サーンス(1835-1921):動物の謝肉祭より「白鳥」(ジローティ編)/
 16.グリンカ(1804-1857):夜想曲ヘ短調「別れ」/
 17.ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2/
 18.シューベルト(1797-1828):即興曲変ト長調 Op.90-3 D899
コンスタンティン・シチェルヴァコフ(ピアノ)
NAXOSレーベルでおなじみの技巧派ピアニスト、シチェルヴァコフ。このアルバムではそんなイメージを180度変えてしまうかのような内省的な曲を集めた1枚です。まるで「心の歌」とも言えそうな、ため息がでるほどに美しい曲の数々を、シチェルヴァコフは、まるで絹糸を紡ぐかのように優しいタッチで演奏します。とはいえ、彼のことですから、その選曲は一筋縄では行きません。ところどころに、過去の名手たちによるピアノ編曲版を織り交ぜ、単なる安らぎのアルバムとは一味違った意味あいを持たせています。1曲1曲がまさに宝石のような輝きを放つ、大切にしたい1枚です。





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