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第67号
マイナー・レーベル新譜(5)
2012.10.23〜12.14紹介分


DELOS


DE3430
\2300
ケンジ・バンチ:Boiling Point
 『String Circle』(2005)
 『Drift』(2006)
 『26.2』(2012)
 『Luminaria』(2001)
 『Boiling Point』(2002)
エイリアス・チェンバー・アンサンブル
 ニューヨー・タイムズ紙で"注目すべき作曲家"として絶賛され、アメリカの現代音楽の独特のロックとクラシックの融合に成功したケンジ・バンチ。その折衷的な音楽は、伝統なアメリカのフォークソング、アパラチア・ソング、テキサス・スウィング、ジャズ、ロックが開放的に挿入され、イディオムのミックスで構成されています。
 特にバンチは、現代の室内楽作品を大きく作り替え、柔軟性と一体感を持ってメロディーとハーモニー、そして気分は。甘いリバースと陽気なダンスとの間で非常にスムーズに変更が行われます。
 プログラム全体に挿入されるベース、ドラムのリズムは、弦の音色の上にさわやかな気品さえ感じられます。アルバムタイトルにもなっている『Boiling Point』は、ケトルのお湯が沸くまでを表現した新表現音楽といってよいでしょう。
 


DE 3423
\2300→\2090
デイヴィッド・シフリン(Cl)
 北米のクラリネットのための協奏曲と室内楽作品集

  ①アーロン・コープランド(1900-1990):『六重奏曲』
  ②スティーヴン・ハートキ(1952-):『ラベンダー色の目の馬』
  ③アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):『トリオ・イン・レッド』
  ④エレン・ターフィ・ツウィリッヒ(1939-):『クラリネット協奏曲』
デイヴィッド・シフリン(Cl)/
アニ・カヴァフィアン(Vn),
イダ・カヴァフィアン(Vn),
ポール・ニューバウアー(Va),
フレッド・シェリー(Vc),
アン・マリー・マクダーモット(P)・・・①/
ダニエル・フィリップス(Vn),
アン・マリー・マクダーモット(P)・・・②/
フレッド・シェリー(Vc),
アン・マリー・マクダーモット(P)・・・③/
ランサム・ウィルソン(指揮)
チェンバー・ミュージック・ノースウェスト・・・④
 9.11の追悼歌も含む現代アメリカ・クラリネット作品集
〔録音〕2002年(①②), 2001年(③), 2004年(④)/米国芸術文学アカデミー(①③), リード大学(②④)/デジタル:セッション(①②③), ライヴ(④)
 コープランドはパリからアメリカに1924年に戻り、作品にジャズやアメリカ民謡の要素を取り入れて、アメリカ現代音楽の基礎を築いた最も偉大な作曲家のひとりと言えるでしょう。コープランドの六重奏曲をメインに、北米の作曲家によるクラリネットのための作品を4曲カップリング。
 クラリネットの名手シフリンと気のあった仲間たちによって、刺激的で熟練したパフォーマンスが繰り広げられています。


クラシックCDショップが決して切らしてはいけないCD
デヴィッド・シフリン
モーツァルト:クラリネット協奏曲&クラリネット五重奏曲

DELOS
DE 3020
\2300→\2090
モーツァルト:クラリネット協奏曲
        クラリネット五重奏曲
デヴィッド・シフリン(Cl)
ジェラード・シュウォーツ指揮/
モーストリー・モーツァルト管弦楽団
北西チェンバー・ミュージック

1984年
ステレオ
 DELOSレーベルの名を日本に知らしめたのは評論家の宇野功芳氏である・・・というと語弊があるが、宇野氏がシフリンのDE 3020を絶賛したことで同アルバムは驚異的な売上を記録し、それによって同レーベルの名は一気に全国区となった。「最近、クラリネット協奏曲とクラリネット五重奏曲を1枚のCDに収めた名盤が発表された。シフリン、シュワルツによる演奏で、久方ぶりに夢中になって聴き、音楽への感動を新たにした。どれほどの名曲でも、聴きすぎると新鮮さが失われるのは当然だが、シフリンはそれを救ってくれた。」、「テクニックは絶妙だが、それが決して鼻につかず、のびのびと呼吸するフレーズや、時折の音色の輝かせ方、耽美的な表情、わけても低弦の鳴らし方の面白さは他に類例を見ない。」等々・・・。確かにこれほどまでこの2曲を思う存分楽しませてくれるディスクはほかにない。
 余談だが、店主が外資系ショップで働いていたとき、マイナー・レーベルは取り扱わない小さな地方店でも、この1枚だけは必ず在庫させた。また他の新しい輸入CDショップが開店したとき、この1枚が在庫されているかどうかをチェックさせ、その店の担当者の実力を調査した。
 そんなわけでこの1枚は、クラシック・アルバムの中で、買う側にも売る側にも一種特別な存在なのである。

 

DE 3424
\2300
マティルデ・フォン・クラリク:歌曲集
 『Komm mit mir!(Come with me!)』
 『Hundertausend Liederkeime
  (One hundred thousand seeds of songs)』
 『Silbernebel(Silver Mist)』
 『Flieder(Lilacs)』『Veilchen(Violets)』
 『Himmelschussel(Keys of Heaven)』『Abends(Evenings)』
 『Gotter, Helden und Minne(Gods, Heroes and Courtly Love)』
 『Ein neuer Fruhling(A New Spring)』
 『Spriesse, Seele!(Spring forth, Soul!)』
 『Mein ganzes Sein(My Entire Being)』
 『Und wieder bluht der helle Hag
  (And Again Blooms the Bright Meadow)』
 『Ubermut(High Spirits)』『Im Prater(At the Prater)』
 『Zauberrunen(Magic Runes)』『Lache, Kind!(Laugh, Child!)』
 『Du bist mein(You are mine)』
 『Ich bin nur ich(I am only me)』
 『Sage, Sonne, wo sie nun ist(Tell me sun, where she is now)』
 『Fragezeichen(Question Mark)』『Ein Traum(A Dream)』
 『Im Grunen(In the Woods)』
 『Lied des Gefangenen(Song of the Prisoner)』
 『Nacht ist’s(It is Nigh)』
 『Singet leiser o Cicaden!(Sing softly, O Cicadas!)』
 『Arie des Rekared aus der Oper ?Blume und Weissblume“
  (Aria of Rekared from the Opera ?Blume und Weissblume“
  (Flower and White Flower))』
ドナルド・ジョージ(T),
ルーシー・マウロ(P)
 世紀末の感情が込められた女流作曲家
〔録音〕2011年11月, ウェスト・ヴァージニア大学ブロッホ・ホール (デジタル:セッション)
 オーストリア皇帝にも仕えた上流階級の家に生まれたマティルデ・フォン・クラクリ(1857-1944)。音楽一家でもあった彼女は、1876年にウィーン音楽院に入学し、ブルックナーより対位法など学び、またマーラーも参加していた音楽サークルの一員でもありました。
 男性優位の芸術女性排外主義の時代の中、彼女の作曲は著名な詩人、哲学者、文化史研究家もうならせるもので、差別的な発言で悪名高い批評家でさえ「将来に大きな可能性を秘めた本物の芸術家」と高く評価をしたそうです。彼女は、ピアノ曲、室内楽、歌曲、宗教的合唱曲などのジャンルに徹して、生涯にわたって多くの作品を生み出しました。
 ここに収録された歌曲は、繊細さ、叙情性、感情、遊び心、気まぐれなど、直感的な本質に触れたもので、ゴージャスなメロディーと独創的な調和が印象的です。

DE 3418
\2300
ュー・カリフォルニア・クラシカル・ミュージック
 マーク・アーベル(1948-):
  『ドリーム・ギャラリー』
  〜7つのカリフォルニアのポートレート
  ①ヘレン(ロサンゼルス)
  ②死(タフト)③ナオミ(バークレー)
  ④キャロル(サンディエゴ)
  ⑤ロニー(リッチモンド)
  ⑥ルス(ソウルダッド)
  ⑦アダム(カタ)
シャロン・ラヴェリー(指揮)
Mary Jaeb(Sp),
David Marshman(Br),
Janelle DeStefano(Ms),
Delaney Gibson(Ms),
Carver Cosssey(Bs),
Martha Jane Weaver(A),
Tom Zohar(T),
ラ・ブレア・シンフォニエッタ
〔録音〕2012年, 南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校 (デジタル:セッション)
 レナード・バーンスタイン、ポール・マッカートニー、エルヴィス・コステロ、ピーター・ガブリエル、スティングなど、ロックとクラシックを融合した作品を作曲する音楽家の中でも、マーク・アーベルは最もエレガントで説得力のある試みを行う作曲家といってよいでしょう。カリフォルニアの風景だけでなく、生活、闘争、幻想などを描いたリーフを、クラシック、ロック、ジャズの要素を融合させた音楽を通して描きだしました。7人のカリフォルニアのボーカリストが選ばれ、この音楽の魅惑的な断面を歌い上げています。
 

DE 3419
\2300
スマロ・グレゴリアドゥ(ギター, 編曲)
 《Reinventing Guitar II》

 D・スカルラッティ/
  『ソナタ イ長調K.322』
  『ソナタ ニ短調K.1』
  『ソナタ ヘ短調K.481』
  『ソナタ ホ短調K.198』
  『ソナタ ニ長調K.491』
 J・S・バッハ/
  『前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998』
  『トッカータ ホ短調 BWV.914』
 ヘンデル:
  『組曲第5番 ホ長調 HWV.430〜
   第4楽章 エアと変奏「調子の良い鍛冶屋」』
  『シャコンヌト長調 HWV.435』
スマロ・グレゴリアドゥ(ギター, 編曲)
 バロック作品演奏用に新たに開発されたギターを使用した超プレイ
〔録音〕2012年, アテネ、リザード・サウンド・スタジオ (デジタル:セッション)
 バロック期はギターのための作品は少なく、多くはリュートのために書かれています。残念ながら現代ギターとは調弦も音色も異なっており、ギタリストにとってバロック作品をそのまま演奏することは至難の業です。多くの異なった音色と解釈の可能性を実証するために、6弦は変わらずも、調弦や音域を変更した新開発のギターを作成し演奏に挑んでいます。その音色は、バロック・ギター、リュートにも似た繊細ながら幻想的なものです。
 チェンバロのためのD・スカルラッティの作品では、あたかもチェンバロかクラヴィコードのような音色で、バッハやヘンデルの作品ではリュートのように演奏しています。新楽器や調弦についての解説(英語)、音、演奏サンプルなどを収録したボーナストラック付き。絶妙な超絶技巧をご堪能下さい。
 

DE 3422
\2300
キャロルの祭典
 ① ブリテン:『キャロルの祭典 Op. 28』
 ② グノー:『ノエル』
 ③ 伝承曲:『ガブリエルのお告げ(編曲:J. ラター)』
 ④ グリエール:『即興曲』(ハープ独奏)
 ⑤ ロバート・ルーカス・ピアサル:
  『「甘き喜びのうちに」Op. 10 (編曲:J. ラター)』
 ⑥ 伝承曲:『「ウェンセスラスはよい王様」(編曲:D. ウィルコックス)』
 ⑦ 伝承曲:『「3艘の船を見た」(編曲:D. ウィルコックス)』
 ⑧ ジョン・ラター:『踊りの日』
エセレア・ヴォーカル・アンサンブル
グレース・クルーティエ(Hp)
デレク・グレーテン・ハリソン(リーダー:C-T&Bs)
 見事な純粋さと甘い歌声による、美しすぎるキャロル
〔録音〕2011年4月, イェール大学マーカンド教会 (デジタル:セッション)
 2008年に設立されたヴォーカル・グループ「エセレア・ヴォーカル・アンサンブル」。カウンターテナーとバスの両方を歌うD・G=ハリソンは、このグループを見事に純粋なハーモニーでまとめあげています。グレース・クルーティエによるハープの伴奏によって、魅惑的なパフォーマンスが繰り広げられ、キャロルの喜びと祈りが聴き手の心に響きます。
 

DE 3434
\2300
ドリーム・オブ・バード〜現代北米作曲家の様々ルートのための作品集
 ① ジェニー・ブランドン(1977-):『ドリーム・オブ・バード』
 ② アレックス・シャピロ(1962-):『間奏曲』
 ③ デイヴ・ヴォルプ:『リヴァーブド』『Gwinna』
 ④ ダミアン・モンターノ:『ドラゴンンフライ』
 ⑤ ベア・マクレアリー:『祈り』
 ⑥ ヨアヒム・ホースレー:『ムーンライズ』
 ⑦ ピーター・ジャッフェ:『Un petite cliche』
 ⑧ ダニエル・ケリー:『トリパルティーテ・ソナタ』
ジェニー・オルソン(フルート, ピッコロ, アルト・フルート, バス・フルート),
ブライアン・ペッゾーネ(P), 他
 様々な大きさのフルートで「現代」を表現
〔録音〕2011年 (デジタル:セッション)
 フルートは一般的ながら、それ以外のフルート属の楽器のための室内楽作品は多いとは言えません。それらの楽器の魅力を十二分に引き出した、北米の新鋭作曲家による作品が収録されています。これらは世界初録音。この録音のために、現代フルート演奏を得意とするジェニー・オルソンと、ロサンゼルスを中心に活躍する現代音楽ミュージシャンが参加。全く新しい音色を探索した魅惑の室内楽が奏でられます。

MD+G



940 17726
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
ツァハリアス/シューマン:交響曲第1番&第3番
 『交響曲第1番変ロ長調Op.38「春」』
 『交響曲第3番変ホ長調Op.97「ライン」』
クリスティアン・ツァハリアス(指揮) 
ローザンヌ室内管弦楽団
時代楽器も併用された、ツァハリアスの新鮮で力強いシューマン
〔録音〕2011年9月14〜16日, ローザンヌ、サル・メトロポール (デジタル:セッション)
 独創的でありながら、自然体の美しさを大切にしたシューマン:ピアノ協奏曲(940 10336)を聴かせてくれたツァハリアス。本格的指揮者として「シューマン:交響曲全集」に取り組んだ前作「第2&4番」(940 17456)に続く第2弾の登場!
 ベートーヴェンやシューベルトが最後の交響曲を書きあげてから、シューマンの最初の交響曲まで10年以上のブランクがあります。その間作曲法の中心は古典派からロマン派へと移行し、感情がむき出しにされる音楽が作られるようになりました。シューマンの交響曲は、彼の精神不安がそのまま音楽になっているともいわれますが、ツァハリアスは「大胆な発明」と考えます。創造的で緊張感が伴うこれらの曲を、ツァハリアスはロマンティックな審美性と、独特な音色を可能とするナチュラル・ホルンとバルブ付きホルンの併用して録音に臨んでいます。特にこの「第1&3番」はシューマン最初と最後の交響曲で、明るい生活が反映された新鮮で力強い感覚に溢れた交響曲です。
 多様なスタイルに対応可能な柔軟なオーケストラを率いてこその、常にフレッシュでありながら考え抜かれた演奏が展開されています。


旧譜
ツァハリアス/シューマン:交響曲全集第1巻&ピアノ協奏曲

940 17456
(SACD Hybrid)
\3,000→\1,990
指揮者ツァハリアス!
 刺激的なシューマン交響曲全集第1弾!

  シューマン:
   『交響曲第2番ハ長調Op.61』
   『交響曲第4番ニ短調Op.120』
クリスティアン・ツァハリアス(指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
《録音》2011年9月14〜16日, ローザンヌ・メトロポール (デジタル:セッション)
 独創的で、全体のバランス、一体感、自然体の美しさを大切にした「シューマン:ピアノ協奏曲」を聴かせてくれたツァハリアス。確かにあそこで弾き振りをしていたが・・・まさか本格的に指揮者として「シューマン:交響曲全集」に挑むとは・・・。

 第1弾は2番&4番です。
 ベートーヴェンやシューベルトが最後の交響曲を書きあげてから、シューマンの最初の交響曲まで10年以上のブランクがあります。その間作曲法の中心は古典派からロマン派へと移行し、シューマンの感情がむき出された音楽が作曲されました。シューマンの交響曲は、彼の精神不安がそのまま音楽になっているともいわれますが、ツァハリアスは「大胆な発明」と考えます。創造的で緊張感を伴うこれらの曲を、ツァハリアスはロマンティックな審美性と、独特な音色を可能とするナチュラル・ホルンを使用したオーケストラで録音しています。多様なスタイルに対応可能な柔軟なオーケストラを率いて、常にフレッシュでありながら考え抜かれたシューマン世界が展開されています。
Schumann: Piano Concerto
940 10336
(SACD Hybrid)
\3,000→\1,990
シューマン:
 ピアノ協奏曲イ短調作品54
 序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調作品92
 序奏と協奏的アレグロニ短調作品134
クリスティアン・ツァハリアス(p&指揮)
ローザンヌ室内管
 MDGから、D.スカルラッティ(エジソン賞受賞)やモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズ、管弦楽作品集など好調にリリースを続けているツァハリアス。今回は、2000年9月から音楽監督兼正指揮者を務めているローザンヌ室内管弦楽団を弾き振りした、シューマンのピアノとオーケストラのための作品集である。代表作ピアノ協奏曲をメインに、シューマンの創作活動が最も旺盛だった時期の作品が揃えられた。常にフレッシュでありながら考え抜かれたツァハリアスのピアノ演奏の魅力とともに、オーケストラにも注目したい。
 このローザンヌ室内管は、ジャン=ジャック・カントロフやトン・コープマンを客演指揮者陣に擁し、多様なスタイルに対応可能な柔軟性を持っている団体。さらに最近では、首席オーボエ奏者のルカス・マシアス・ナバーロが、2006年10月に行われた第8回日本オーボエ・コンクールで優勝するなど、充実が著しいオーケストラなのである。なお、本ディスクはSACDでのリリースである。

 


903 17746
(SACD Hybrid)
\3000→\2590
フェルディナント・ダーフィト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 『サロン・デュエット ニ長調 Op.25』
 『無伴奏ヴァイオリンのための組曲 Op.43』
 『ヴァイオリンとピアノのための12のサロン小品集 Op.24』
 『ワルツの形式による3つの即興曲』
シュテファン・シャルト(Vn)
フィリップ・フォグラー(P)
メンデルスゾーン時代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のコンマス
〔録音〕2012年4月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 フェルディナント・ダーフィト(1810-1873)は、ハンブルクの商人の家庭に生まれ、ヴァイオリンと絵画の勉強をし、13歳でカッセルでシュポアに師事。1826年にベルリン市宮廷劇場のヴァイオリニストを務めました。
 1836年にメンデルスゾーンの要請により、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のコンサートマスターに任命され、1873年に亡くなるまでこのポストにありました。ダーフィトは国際的に活躍した名手として知られ、初演以来忘れ去られていた「ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲」を復活演奏。ダーフィトのアドヴァイスを受けながら作曲したメンデルスゾーンの「ホ短調のヴァイオリン協奏曲」は、ヴァイオリンという楽器の特性と魅力を最大限に表出した作品として弾き継がれています。
 ダーフィトは約50の作品を作曲したようで、どれもが啓蒙主義による美しいロマンティックな作品ですが、反ユダヤ主義の時代によってほとんど演奏されなくなってしまいました。
ここで演奏しているヴァイオリニスト、シュテファン・シャルトは、モダン楽器だけでなくバロック・ヴァイオリンの名手としても知られ、1995〜1999年にザクセン州立劇場コンサートマスター、2000年からはムジカ・アンティクァ・ケルンのコンサートマスターを務めました。ここではモダン楽器の演奏ですが、ピリオド奏法と現代ロマンティックが融合された、新ロマンティックともいえる新解釈でこの秘曲が蘇ります。"
 

307 17732
\2300
ダーフィト・フィリップ・ヘフティ(1975〜):弦楽四重奏曲集
 『弦楽四重奏曲第1番「Ph(r)asen」』(2007)
 『弦楽四重奏曲第2番「Guggisberg-Variationen」』(2008)
 『弦楽四重奏曲第3番「Mobile」』(2011)
 『弦楽四重奏曲第4番「con fuoco」』(2011)
ライプツィヒ弦楽四重奏団
〔シュテファン・アルツベルガー(Vn),
ティルマン・ビュニング(Vn),
イーヴォ・バウアー(Va),
マティアス・モースドルフ(Vc)〕
緊張度の高いドラマティックな現代弦楽四重奏曲
〔録音〕2012年1&5月, マリエンミュンスター修道院  (デジタル:セッション)"
 スイスの作曲家ヘフティはヴォルフガング・リーム、クリストバル・ハルフテル、ルドルフ・ケルターボーンらに師事。グスタフ・マーラー作曲コンペティション、パブロ・カザルス賞、ジョルジュ・エネスコ賞などに入賞し、ルトスワフスキ作曲コンクールで優勝した作曲家です。特にリームらに大きな影響を受けた彼の弦楽四重奏曲は、例えば「第1番」ではスピッカートで通奏されるヴァイオンリン上に、3つの弦楽器がいきなりの強打のピチカートとノイズ的発音で重なり、多用されるグリッサンドなどによる、緊張度の高い音楽が展開されます。
 世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した「ライプツィヒ弦楽四重奏団」。これまでドイツやオーストリアの古典〜ロマン派中心としたものが多く、現代物は意外と録音は少ないようですが、細密画のような神秘的でドラマティックな音楽をみごとに表現しています。"
 

603 17882
\2300
アントワーヌ・ド・ロワイエ:ギター・デュオのための作品集
 『デュオ・コンチェルタンテ イ長調Op.31-1』
 『デュオ・コンチェルタンテ ハ長調Op.31-2』
 『デュオ・コンチェルタンテ ホ短調Op.31-3』
 『12の舞曲Op.23』
ハインリヒ・アルベルト・デュオ
〔ヨアヒム・シュラーダー&ヤン・エルラー(G)〕
粋なセンスで歌われる主題と展開のギター・デュオ
〔録音〕2012年6月, マリエンミュンスター修道院  (デジタル:セッション)
 アントワーヌ・ド・ロワイエ(1768-1852)は、オーヴェルニュー地方のクレルモン・フェランに生まれ、1774年にパリに移住し本格的にギターを学び、パリで屈指のギターの名手として活躍しました。典型的な形式ながらモーツァルトとロッシーニが融合された粋なセンスで歌われる主題と華麗で推進力ある展開の「長調」のデュオ。そして、モーツァルトの短調の曲のような疾風的な「ホ短調」のデュオ。ハインリヒ・アルベルト・デュオは、師弟関係にあるヨアヒム・シュラーダーとヤン・エルラーの二人によって結成されたギター・デュオです。二人の息の合った技巧が映えるギター・デュオをお楽しみください。

BR KLASSIK

900316
(2CD)
\2600
ウルフ・シルマー&ミュンヘン放送管
 スティーヴン・ソンドハイム:「スウィーニー・トッド」

CD1.第1幕/
CD2.第2幕
スウィーニー・トッド…マーク・ストーン/
ネリー・ラヴェット…ジェーン・ヘンシェル/
アンソニー・ホープ…グレッグ・ベーカー/
ジョアンナ…レベッカ・ボトン/
物乞い女…ダイアナ・ディマルツィオ/
ターピン判事…ジョナサン・ベスト 他/
ミュンヘン放送管弦楽団/
バイロイト放送合唱団/
ウルフ・シルマー(指揮)
2012年6月5日ミュンヘンプリンツレーゲンテンシアター ライブ収録
 最近、ジョニー・デップの主演映画版で有名になった稀代の殺人鬼スウィーニー・トッド(1930-)。実在の人物とされていますが、確証はなく「伝説の人物」としてその存在をアピールしています。
 こちらはS.ソンドハイムが作詞作曲し、1979年に初演されたミュージカル・ヴァージョンで、オーケストラの創立60周年記念演奏会の一つとして企画されたものです。いつもとは違ったオーケストラの響きをお楽しみください・・・。お話はとても悲惨ですが。
 
900504
\2300
ペーター・ダイクストラ(指揮)&コンチェルト・ケルン
 ヘンデル:デキシート・ドミヌス HWV232/
 J.S.バッハ:マニフィカト BWV243
クリスティーナ・ランドシャーマー(ソプラノ)/
ダイアナ・ハラー(メゾ・ソプラノ)/
マールテン・エンヘルチェス(カウンターテナー)/
マキシミリアン・シュミット(テノール)/
コンスタンティン・ヴォルフ(バス・バリトン)/
バイエルン放送合唱団/
コンチェルト・ケルン/
ペーター・ダイクストラ(指揮)
ヘンデル(1685-1759)22歳の時の作品である「デキシート・ドミヌス」とバッハ(1685-1750)円熟期の「マニフィカト」の組み合わせです。ヘンデルの若々しい情熱の発露と、バッハの管弦楽法の華やかさ(とりわけティンパニとトランペットが素晴らしい)が味わえる1枚で、ソリストたちの精妙な歌唱も魅力です。なかでもオランダのカウンターテナー、エンヘルチェスの芯のある美声が聴きものです。

CAPRICCIO

Ludwig Thuille: Selected Songs
C5058
\2600
ルートヴィヒ・トゥイレ:歌曲選集
 1.春にOp.4-3/2.万霊節Op.4-4/3.ガニュメードOp.4-5/
 4-9.歌曲集「愛の苦悩」Op.8より
  <第1番:森の歌/第3番:夜の歌/第4番:知らせ/
  第5番:夜の小道を行く/第6番:不在/第8番:季節>/
 10.森の孤独Op.12-1/11.夜Op.12-2/12.憧憬Op.15-2/
 13.道化師の雨の歌Op.19-3/14.魔法の視線Op.26-1/
 15.悲しき狩人Op.26-2/16.祈りOp.27-1/
 17.私の夢の家でOp.27-2/18.黄金色にOp.27-3/
 19.忘れられた島Op.27-4/
 20.老人Op.32-2/21.夕べの歌Op.32-3/22.新年の歌
ローマン・トレーケル(バリトン)/
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
録音 2009年11月9-12日バイロイトスタジオ・シュタイングラーベル&シェーン
 オーストリア出身のドイツの作曲家トゥイレ(1861-1907)。「ミュンヘン楽派」の一人とされながら、彼の音楽のほとんどは忘れられてしまい、今ではほんのわずかの室内楽作品がカタログの隅の方にひっそりと残っているばかりです。しかし同世代のR.シュトラウス(親交もあった)と同じく、かなり多くの歌曲を書いています。使われている歌詞も共通のものがありますが、全体的にトゥイレの歌は内省的と言えそうです。例えば、有名な「万霊節」での2人の作風を比べてみるのも興味深いでしょう。
 秋晴れを思わせる穏やかさで始まるシュトラウスに対し、トゥイレの曲は夏の嵐の前のような緊迫感に満ちています。
 トレーケルの艶のある美しい声によるこれらの歌曲は、ドイツ・リートを聴く喜びを心行くまで味わわせてくれることでしょう。
 
Renate & Daniel Behle: Generation
C5148
\2600
ベーレ母子〜ジェネレーション
 1.メンデルスゾーン(1809-1847):魔女の歌Op.8-8/
 2.ベートーヴェン(1770-1827):遥かな恋人にOp.98/
 3.シューマン(1810-1856):ベルシャザールOp.57/
 4-12.ブラームス(1833-1897):
  永遠の愛についてOp.43-1/五月の夜にOp.43-2/
  愛の炎Op.47-2/日曜日Op.47-3/
  空気はなまぬるく、大気も動かずOp.57-8/
  野原の寂しさOp.86-2/沈みゆくOp.86-5/
  歌の調べのようにOp.105-1/4つのバラードより「エドワード」Op.75-1/
 13-16.ヴォルフ(1860-1903):ゲーテの詩による歌曲集
  <ミニョンの歌Ⅰ/ミニョンの歌Ⅱ/ミニョンの歌Ⅲ/ミニョンの歌Ⅳ/
 17.リスト(1811-1886):すべての頂には憩いがあるS306/1/R610a/
 18.リスト:それは素晴らしいことS314/R590/
 19-21.ワーグナー(1813-1883):ヴェーゼンドンク歌曲集より
  <第5番:夢/第3番:温室にて/第1番:天使>
レナーテ・ベーレ(メゾ・ソプラノ)/
ダニエル・ベーレ(テノール)/
オリヴァー・シュナイダー(ピアノ)
録音 2011年10月4-6日チューリヒ ラジオ・スタジオ
 現在、最も輝いているテノール歌手の一人、ダニエル・ベーレ。彼の母レナーテも素晴らしいワーグナー歌手でした。「偉大な歌手」の娘や息子がこれまた偉大な歌手になることは稀な例ですが、この親子は様々な難題をクリアし、各々素晴らしい歌い手として評価されています。この「ジェネレーション-世代」と題されたアルバムは、まずダニエルの歌で始まり、ヴォルフのバラードで親子の対話となり、後半はレナーテの歌で締めくくられます。脈々と流れる歌心が感じられる名唱です。
 
Israel in Egypt - from slavery to freedom
C5151
(2CD)
\3400
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」HWV54
 捉われ人から自由へ
ヤイール・ダラル(ヴォーカル,ヴァイオリン,ウード)/
ネタネル・ザレヴスキ(ヴォーカル)/
ハッサン・マナスラ(ヴォーカル)/
ルブナ・サーラム(ヴォーカル)/
エラド・ガーベイ(ヴォーカル)/
デヴィッド・メナハム(ヴォーカル,ナイ)/
ベンノ・シャクター(カウンターテナー)/
テルツ少年合唱団/
ラルテ・デル・モンド/
ヴェルナー・エールハルト(指揮)
録音 2011年6月イェルザレム、ヘンリー・クラウン・ホール, 2011年11月レーヴァークーゼン,フォルム・レーヴァークーゼン
 ラルテ・デル・モンドによる「この手」のアルバムは、これが初めてではなく、例えば他のレーベルから出ている「Amor Oriental」という盤でも、ヘンデル(1685-1759)とトルコ音楽が見事に融合した不思議な味わいを聴かせていました。
 今回のアルバムもコンセプトは同じであり、ヘンデルのオラトリオ「エジプトのユダヤ人」のルーツを探るべく、3つの宗教「イスラム教」「キリスト教」「ユダヤ教」のテキストを交えながら、ヘンデルの音楽-ヨーロッパの伝統バロック-にユダヤ、イスラムの伝統音楽をはさみ込みながら曲を進めていきます。
 これらの音楽は決して融合することはありませんが、お互いを引き立てながら渾然一体の世界を創り上げていくのです。異文化の侵略と交流を耳で楽しむアルバムとでも言えましょうか。ライヴ録音で拍手が入ってます。
 
Christmas with the Vienna Boys’ Choir
C5160
(2CD)
\2600
ウィーン少年合唱団のクリスマス
《CD1.クリスマス名曲集》
 1.伝承曲:高き天より/
 2.マリアはいばらの森を通り(H.フロシャウアー編)/
 3.伝承曲:おお、楽しいクリスマス/
 4.しもべらよ、共に歌え(J.R.フォン・ヘルベック)/
 5.伝承曲:エサイの根より/6.伝承曲:最初のクリスマス/
 7.伝承曲:シオンの娘よろこべやたたえよ/
 8.山の上には風が吹き(H.フロシャウアー編)/
 9.伝承曲:恵み深きイエスよ/
 10.M.ハイドン:聖なる夜/
 11.M.プレトリウス:クリスマスに/
 12.ヘンデル:シオンの娘/
 13.伝承曲:おお救い主よ、天の扉を開け/
 14.伝承曲:天国の門が開き/
 15.伝承曲:夕闇せまりて/
 16.伝承曲:羊たちのそばで目覚めると/
 17.伝承曲:神の御子は今宵も/
 18.伝承曲:こどもたち、さあおいで/
 19.伝承曲:急ぎ目覚めなさい/
 20.ヘンデル:もろびとこぞりて/
 21.伝承曲:ダビデのむらに/
 22.伝承曲:ひいらぎかざろう/
 23.伝承曲:世の人忘るなクリスマスは神の御子/
 24.シューベルト:アヴェ・マリア(H.フロシャウアー編)/
 25.フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテルより「夕べの祈り」/
 26.グルーバー:清しこの夜/

《CD2.ヘンデル(1685-1750):オラトリオ「メサイア」ハイライト》

 1-13.第1部/
 14-20.第2部/
 21-25.第3部
<CD1>
ウィーン少年合唱団/
ウィーン・スタジオ・アンサンブル/
ペーター・マルシーク(指揮)/
<CD2>
マックス・エマヌエル・チェンチッチ(ソプラノ)/
チャールズ・ハンフリーズ(カウンターテナー)/
イヴァン・シャープ(テノール)/
ロバート・トーディ(バス・バリトン)/
ウィーン少年合唱団/
コーラス・ヴィエネンシス/
アカデミー・オブ・ロンドン/
ペーター・マルシーク(指揮)
<CD1>1995年5月1-5日ウィーン,アウストロフォン・スタジオ2.8.24.25…1995年11月20-24日,12月11-15日ケルン第1ホール/<CD2>ライヴ収録1994年11月17日バーミンガム シンフォニー・ホール, 1994年11月19日ロンドン・バービカン・センター
 世界最古の創設であり、また世界で最も人気のある少年合唱団といえば「ウィーン少年合唱団」に他なりません。
 1498年に神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世によって創設されたこの合唱団、団員数は100人ほどで、彼らは4つのグループに分けられ、オーケストラと共演したり、世界中を演奏旅行したりと大忙しの毎日を送っています。
 この2枚組は、そんな彼らによる美しいクリスマス・キャロルと、ヘンデルのメサイアからの抜粋を収録したもの。イエスの誕生を祝う喜びと、大いなる愛に満ちた素晴らしい音楽があふれています。

CARPE DIEM


Mundus et Musica
CD-16294
\2000→\1890
世界と音楽〜15世紀のスペインとフランドルの器楽曲
 1.ブリュメル:タンデルナック/
 2.アグリコラ:我らが主に向かいて喜べ/
 3.デ・パレーハ:世界の音楽を皆で奏でよ/
 4.ティンクトーリス:思い出/
 5.オケヘム/ティンクトーリス:ダン・オートル・アメ/
 6.ティンクトーリス:彼女はいいところばかり/
 7.ティンクトーリス:Elaes Abrayam/
 8.ベニート:キリエ/
 9.ベニート:グローリア/
 10.作者不詳:カノン- Undecim apostoli secuti sunt Petrum/
 11.ダ・ペサロ(グリエルモ修士):La Spagna/Falla con misuras/
 12.ギゼゲム/アグリコラ:Alez, regretz/
 13.アグリコラ:Comme femme/
 14.作者不詳:めでたし、聖なるマリア/
 15.ティンクトーリス:アレルヤ/
 16.アグリコラ:Cecus non judicat de coloribus/
 17.ティンクトーリス:Tout a par moy/
 18.コンペール:Beaulte damours/
 19.アグリコラ:Princesse de toute beaulte/
 20.コンペール:Le grant desir d’aymer m’y tient
クァリア
<メンバー:アンナ・ダニレフスカイア…フィドル/
クリストフ・デスリネス・・・・オルガネット/
ランベルト・コルソン…リコーダー,コルネット,音楽監督>
録音 2012年6月26-29日Chapelle de la Vierge, Chateau de Magnitot, Saint-Gervais
 スペイン、カスティーリャ・イ・レオン州セゴビア県の県都であるセゴビアの図書館に所蔵されている「セゴビア写本」は、15世紀末に編纂された興味深い曲集です。当時のスペインで流行したポリフォニック音楽や、近隣の国で演奏された音楽(オランダやフランスの曲も含まれる)など、幅広い作品が含まれ、学術的にもとても貴重な資料となっています。
 これらの曲を演奏しているクァリア(日本語で感覚の意)は、音楽を奏することを通じて、多くのことを聴き手に訴えかけることを目指しているアンサンブルであり、このいにしえの素材から豊かな物語を紡ぎ出しています。
 

Harry Our King
CD-16292
\2000→\1890
ハリーはわれらの王様
 -チューダー王ヘンリー8世のための音楽

 1.作者不詳:England be Glad/
 2.オケゲム:レクイエム-入祭唱/
 3.ヘンリー8世(1491-1547):Gentil prince de renom/
 4.作者不詳:Nil maius superi vident a 5/
 5.伝承曲:The Hunt is Up/
 6.ヘンリー8世:Grene growith the holy/
 7.作者不詳:Jay pryse amours/
 8.ウィリアム・コーニッシュ2世(1468-1523):Blow thi horne hunter/
 9.クロード・ジェルヴェーズ(1525-1560):Pavan,“La Battaglia”/
 10.作者不詳:And I were a maiden/
 11.作者不詳:Pray we to God a 31/
 12.ビュノワ(1430-1492): Fortune esperee/
 13.伝承曲:Fortune My Foe/
 14.バード(1540-1623):Fortune my foe/
 15.ヘンリー8世:If love now reynyd/
 16.ウィリアム・コーニッシュ2世:A robyn, gentyl robyn/
 17.ヘンリー8世:Taunder naken/
 18.クロード・ジェルヴェーズ:Gagliarde “La Battaglia”/
 19.ヘンリー8世:Pastyme with good companye/
 20.ヘンリー8世:Helas madam/
 21.作者不詳:La doune cella/
 22.作者不詳:Adieu madame ma maistresse/
 23.ヴェルドロ(1485-1532):Sancta Maria a 6
チャールズ・ダニエルズ(テノール)/
ジェレミー・ウェスト(コルネット)/
カペラ・デ・ラ・トーレ/
カタリナ・ボイムル(指揮)
 チューダー王ヘンリー8世(1491-1547)は、イングランド王家史上最高のインテリであるとされ、ラテン語、スペイン語、フランス語を理解し、スポーツにも才能を発揮、また音楽にも造詣が深かったことで知られています。また幾つかの合唱曲の楽譜も現存、文化史にも名を残しています。このアルバムは、そんな王自身の作品とその時代の音楽を集めたもので、世俗曲から宗教曲まで、16世紀のイギリス文化の華を感じさせる好企画となっています。テノールのチャールズ・ダニエルズは、当時の言葉を古式ゆかしき発音で見事に歌い上げ、およそ500年前の音楽を生き生きと表現しています。
 
On a Cold Winter's Day
CD-16293
\2000
寒い冬の日に-クリスマスの音楽集
 1.英国民謡:A Wassail, a Wassail/
 2.カナダ民謡:'Twas in the Moon of Wintertime/
 3.英国民謡:月は輝き/
 4.Tune No 176 Turlough O’Carolan (1670?-1738), Ireland/
 5.英国/フランス民謡:The Holly and the Ivy/
 6.スコットランド民謡:A Naoidhe Naoimh
  (O Holy Child)/
 7.To Shorten Winter’s Sadness Thomas Weelkes (1576?-1623), England/
 8.アイルランド民謡:ベツレヘムの夜/
 9.アイルランド民謡:クリスマス・イブ-
  Christmas in Killarney-クリスマスの日の朝-クリスマスの前の日/
 10.英国/フランス民謡:Pat-a-Pan/
 11.Taladh ar Slanaighear Scottish Gaelic traditional
  (Our Saviour’s Lullaby)/
 12.アイルランド民謡:寒い冬の朝に/
 13.英国民謡:A Babe is Born All of a Maid/
 14.Nikolaus Newerkla:英国民謡による
  「This is the Truth Sent」/
 15.英語とアイルランド語によるWexford Carol/
 16.英国民謡:Gower Wassail Welsh/
 17.英国民謡: Drive the Cold Winter Away/
 18.英国民謡:Deck the Hall
グアドリガ・コンソート
録音 2012年5月3-6日オーストリア,ガルス・アム・カンプゲルトルーズ教会
 アイルランド、英国、カナダ民謡で祝うクリスマス。使っている楽器は中世のものでも、そこに流れる感覚は間違いなく現代に通じるものです。クラシックというよりもワールド・ミュージックであり、素朴で懐かしい何とも言えない肌触り。大地の息吹きをそのまま感じるクリスマスもよいものです。グアドリガ・コンソートはブリテン諸島に伝わるバラードや、ケルトのゲール語の宮廷の歌、舞曲などを現代的感覚で演奏するアンサンブル。楽しくて美しい1枚です。

CPO


777023
(2CD)
\4000→\3690
ブラームス歌曲全集完結
 ブラームス:歌曲全集第10集

<CD1>
 1.ドイツ民謡集第1-4巻(Wo033)/
<CD2>
 1.ドイツ民謡集第5-6巻(Wo033)/
 2.子どものための民謡集(Wo031)/
 3.5つのオフェーリアの歌(Wo023 遺作)/
 4.雨の歌(Wo023 遺作)/
 5.月の夜(Wo021)
イリス・ヴァーミリオン(メゾ・ソプラノ)/
アンドレアス・シュミット(バリトン)/
ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ)/
ヘルムート・トイチュ(ピアノ)
 cpoレーベルが長い時間をかけて取り組んできたブラームス(1833-1897)の歌曲全集のツィクルスが、この第10集の2枚組で完結となりました。
 最終巻に収録されているのは「49のドイツ民謡集」と「子どものための民謡集」、そしていくつかの遺作です。
 ブラームスの晩年に書かれたとされる「49の民謡集」(全体が7巻からなりますが、最終巻は合唱のための曲なのでここには含まれておらず、全部で42曲となります)は、とても親しみやすく、抒情的で素朴な風合いを持っています。
 「子どものための民謡集」は20歳代の作品で、中では「眠りの精」が子守歌としてよく歌われます。歌っているのは、いつものヴァーミリオン、シュミット、バンゼの3人で、安定した歌唱と表現力は何物にも代えがたい魅力を放っています。
 

777751
\2000→\1890
オルランド・ディ・ラッソ:作品集
 1.恵み深き創り主よ5声/
 2.すべての者の救い主なるキリストよ5声/
 3.見よ、王の御旗は進む6声/
 4.小羊の聖餐を準備し4声/
 5.おお、救い主なるいけにえよ5声/
 6.めでたし海の星4声/
 7.われらがあがない主イエス6声/
 8.来たれ、救い主なる聖霊よ5声&6声/
 9.非道なる敵ヘロデよ5声/
 10.イエスよ、乙女らの花冠6声/
 11.輝く実り多き創り主5声
ジンクフォニカー
 人気アンサンブル、ジンクフォニカーの新譜はオルランド・ディ・ラッソ(1532-1594)の賛美歌集です。ラッソはパレストリーナと並ぶフランドル楽派を代表する作曲家のひとりで、16世紀末のヨーロッパで最も影響力が強かったことでも知られています。
 後期ルネサンスの時代では最も多作であり、ラテン語だけでなく、フランス語、イタリア語、ドイツ語と多岐にわたる言葉を操り、多数のミサ曲、530曲のモテット、175曲のマドリガーレ、150曲のシャンソン、90曲のリートの存在が確認されています。さて、こちらも多彩なレパートリーを誇るジンクフォニカー。この美しくも複雑な曲をいともやすやすと歌いこなします。
 450年も前に書かれたこれらの音楽がこんなにも身近なものとして感じられるのはまさに彼らの親しみに溢れた歌い口のおかげに違いありません。
 
777773
(CD+ボーナスCD)
\2000
静かなる声-オーストリアのクリスマス・キャロル
 1.日は遠くに傾いて/
 2.Uba die Stapflan/3.おお、神聖なる聖餐よ/
 4.汝、おお主よ、私は信頼している/
 5.マルティーニのヨーデル/6.Valassn/
 7.とてもゆっくり/8.Da unten im Tale/
 9.夜に…墓と月/10.Marija pomagaj/
 11.めでたし天の女王/12.カリタス/
 13.Is schon still uman See/
 14.イエス・キリストはわが願/
 15.I bedank mi fur die Hirbig/
 16.Muas wohl furt aus meina Kammer
シュニットプンクトヴォーカル男声アンサンブル/
ヴォルフガンク・プシュニッヒ(サクソフォン)/
マルコ・タマヨ(ギター)
 ケルンテン州の教会で歌う男声カルテット。そこに彼らの友人であるギタリストとサックス奏者が加わることで、まことに静かで濃密な世界が立ち現れます。
 伝統的なドイツ語とスロベニア語を駆使し、素朴で親しみやすく神聖な歌を歌う彼らの声、これはまさに楽器を超越したもので、純粋で清らかな佇まいは、人の心にひそむ謙虚さ、かつ信心深さを想起させることでしょう。ボーナスCDに収録されているのはケルンテン伝統のクリスマス・ソング集です。
 

777492
\2000→\1890
ルイ・シュポア:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.グラン・デュオ・コンチェルタンテ変ホ長調Op.112/
 2.アダージョト長調Wo037/
 3.ロンドレットト長調Op.149/
 4.6つのサロン風小品Op.135
インゴルフ・トゥルバン(ヴァイオリン)/
コーリャ・レッシング(ピアノ)
 cpoにはシュポアが作曲したヴァイオリン協奏曲全15曲のリリースがあり、この素晴らしい作曲家を喧伝するのに一役買っていることは間違いありません。
 今作ではヴァイオリンとピアノという、よりロマンティックで詩的な作品を紹介することで一層シュポアを身近に感じていただけるのではないでしょうか。シュポアの室内楽のほとんどは、ハープ奏者であった最初の妻シャイトラーとの「ヴァイオリンとハープ二重奏曲」ですが、ここで聴けるピアノとの作品は、彼の2番目の妻マリアンヌのために書かれたもの。才能あるピアニストであった彼女の名技をひきたてるため、デュオ・コンチェルタンテではヴァイオリンとピアノの役割は完全に同等なものであり、お互いの内なる声を聴きあいながら演奏したであろう夫妻の姿が目に浮かぶ、華麗な作品となっています。
 他の3つの作品は、幾分肩の力を抜いたもので、美しいメロディが横溢した品のよい曲です。
 
777509
(2CD)
\5200
グスタフェ・ケルカー:オペレッタ、ミュージカル作品集
<CD1>
 1.ミュージカル「上流階級」より名曲集/
<CD2>
 1.1幕の“超”グランド・オペラ「歌うように燃える、または燃えるように歌う」/
2.ミュージカル・コメディ「ニューヨーク美人」より名曲集
 (チャールズ・ゴッドフライ編曲)
エリケ・コットマイール(ソプラノ)/
ナージャ・シュテファノフ(メゾ・ソプラノ)/
ゲルト・ヴィーマー(バリトン)/
グリット・グノイク(メゾ・ソプラノ)/
ラルフ・ジモン(テノール)/
アルフレード・ベルク(バリトン)/
クリスティアン・グリガス(バリトン)/
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
 グスタフェ・ケルカー(1847-1923)はドイツ生まれの作曲家。7歳でチェロを始め音楽家を志しましたが、20歳の時に家族とともにアメリカに移住。ケンタッキーの劇場で演奏しながらオペラの作曲を始めました。
 初期のオペレッタ「士官候補生」は大変な評判を呼び、その後はニューヨークに移住、カジノ劇場で首席指揮者として活躍。ブロードウェイのために多くの作品を提供しています。彼の代表作である「ニューヨーク美人」は1898年にロンドンで700回も公演され、その評判は世界中に伝播しました。しかし、現在では彼の名声のほとんどは忘れ去られてしまい、これらの魅惑的な音楽もごく一部しか耳にする機会がありません。
 彼の音楽には、あのイギリスの名オペレッタ作曲家アーサー・サリヴァンと共通する風刺精神と、精緻なオーケストレーションが見られ、またその美しいメロディは人々の心を強く捉えるものです。
 

777721
\2600→\2390
ヘンドリク・アンドリーセン:交響的作品集第1集
 1.交響曲第1番/2.バレエ組曲/
 3.管弦楽のための交響的練習曲/
 4.クーラウ・ヴァリエーション
オランダ交響楽団/
デイヴィッド・ポルセライン(指揮)
 ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981)はオランダの作曲家、オルガン奏者です。即興演奏の巧みさで知られ、オランダのカトリック典礼音楽を一新した人でもあります。しかし、実はとても多彩な作曲家であり、その作品もオルガン曲だけに留まらず、ここで聴ける交響曲や管弦楽曲など注目すべきものが数多くあります。
 交響曲第1番は1930年10月1日にエドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のハールレム管弦楽団によって初演され、その2年後にはアンドリーセン自身が同じオーケストラを指揮して演奏するなど注目を浴びた作品です。緻密な構成と調和のとれたメロディに才能の閃きが感じられます。
 

777342
\2600→\2390
リヒャルト・アイレンベルク:ワルツ、ポルカと行進曲集
 1.華麗なギャロップ「騎士の攻撃」Op.133/
 2.サロン風小品「最初の動悸」Op.50/
 3.華麗なギャロップ「ノルウェーのトナカイ郵便」Op.314/
 4.牧歌「黒い森の水車」Op.52/
 5.ベルサリエリの行進Op.99/
 6.ワルツ「イタリアの青空の下で」Op.257/
 7.ポルカ「ウィーンからベルリンへ」Op.62/
 8.コサックの騎行Op.149/
 9.マンドリン・セレナーデOp.117/
 10.「人生と夢」序曲Op.106/
 11.フランス風ポルカ「グロェックヒェンの魔法」Op.92/
 12.ハインリッヒ王子行進曲Op.93/
 13.性格的小品「製鉄業者」Op.167/
 14.ワルツをもっとどうぞOp.110/
 15.ギャロップ「ペテルスブルクの橇の旅」Op.57
ケルン放送管弦楽団/
クリスティアン・シモニス(指揮)
 アイレンベルク(1848-1927)の名前を知らなくても、名曲集などでおなじみの、あの愛らしい「森の水車」のメロディを聴けば、誰もが「ああ、あの曲ね」と手を打つこと間違いありません。1848年に生まれ、18歳で最初の作品「演奏会序曲」を作曲、その後従軍機関を経て、16年間シュテッテインの楽長を務めます。
 1889年からはフリーの作曲家として、舞曲や行進曲、吹奏楽など300曲以上の作品を発表し、人気を博しました。現在では前述の「森の水車(黒い森の水車)」と「ペテルスブルクの橇の旅」がかろうじてコンサートのレパートリーに残っていますが、もっと愛聴されてもよいであろう。と思わせるチャーミングな曲ばかりです。
 

777347
(2CD)
\5200→\4790
ルドヴィク・イルゲンス=イェンセン:交響的作品集
<CD1>
 1.主題と変奏/2.パルティータ・シンフォニカ/
 3.エア/4.組曲「ボールドウィン王の腕輪」/
<CD2>
 1.交響曲ニ短調/
 2.ロンド・マルツィアーレ/3.パッサカリア
トロンハイム交響楽団/
アイヴィン・オードラン(指揮)
 例えば同世代のスウェーデンの作曲家アッテルベリの作品は、ヨーロッパでも比較的演奏される機会があるのですが、このノルウェーのイルゲンス=イェンセン(1894-1969)は自国以外ではほとんど忘れられてしまった人と言ってもよいでしょう。彼の作品は、同時代の作曲家の作品と比べるとかなり保守的であり、例えば第二次世界大戦の時期に書かれた交響曲も、きちんとした調性を持っています。
 また、自然とアウトドアライフを愛したという人だけあって、その作品の中にも自然への憧憬と深い人間哲学を垣間見ることができます。以前NAXOSレーベルからも一部の曲がリリースされていますが(8.572312)、こちらはもっと多彩な音楽をお聞きいただけます。
 
777688
\2000
ヨハン・ローゼンミュラー:
 2,3,4,あるいは5つの弦楽器と
  その他の楽器によるソナタ集(1682年ニュルンベルク)
 1.ソナタ第9番(5声)/2.ソナタ第5番(3声)/
 3.ソナタ第12番(5声)/4.ソナタ第7番(4声)/
 5.ソナタ第6番(3声)/6.ソナタ第2番(2声)/
 7.ソナタ第8番(4声)/8.ソナタ第3番(2声)/
 9.ソナタ第11番(5声)/10.ソナタ第1番(2声)/
 11.ソナタ第6番(3声)/12.ソナタ第10番(5声)
ムジカ・フィアタ/ローランド・ウィルソン(指揮)
 ドイツに生まれ、聖ニコライ教会のオルガニストとして活躍するも、当時は禁忌とされた嗜好を持っていたがために、内定していた聖トマス教会のカントルの話が流れた上に逮捕、投獄までされてしまったと言われるローゼンミュラー(1619-1684)。脱獄し、ヴェネツィアに逃亡したとされますが、音楽的な才能が損なわれることはなく、イタリアで大人気を博します。結局はドイツに帰ってその地で生涯を終えることになりました。
 その波乱万丈な生涯は作品にも影響を与え、ドイツ風の堅固な形式の中にイタリア風の豊かな歌心を併せた独自の作風は、彼の名を後世に残すために大きく役立ったと言えるでしょう。この作品は彼の晩年に発表されたもので、ドイツで彼を雇い入れたウルリッヒ公に捧げられています。
 
777724
\2600
フリードリッヒ・ハルトマン・グラーフ:フルート協奏曲集
 1.フルート、弦楽と2台のホルンのための協奏曲ハ長調/
 2.フルート、弦楽、2本のオーボエと
  2台のホルンのための協奏曲ト長調/
 3.フルート、弦楽と2台のホルンのためのの協奏曲ニ長調/
 4.フルート、弦楽と2台のホルンのための協奏曲ト長調
ギャビー・パス=ファン・リート(フルート)/
プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団/
ヨハネス・メーズス(指揮)
 卓越したフルーティストで、作曲家でもあったハルトマン・グラーフ(1727-1795)。彼は父ヨハン・グラーフから音楽教育を受け、青年時代はオランダ軍に従事、英国軍の捕虜になっている間も軍楽隊の太鼓奏者として活躍していました。その後はハンブルクに帰還し、1759年から1764年までフルート奏者として名声を高め、ベントハイムの宮廷音楽家の地位を得てから、英国、オランダ、イタリア、スイスなどに演奏旅行を行っています。
 彼の作品は印刷されたものだけでなく、自筆稿のままでも広く知れ渡り、とりわけ英国とオランダで人気を得ました。そんなグラーフの4つの協奏曲は、初期の古典派のレパートリーとして愛されるべき作品と言えるでしょう。
 

777764
\2000→\1890
ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル:
 ドレスデンとブリュッセルの9つの描写
エポカ・バロック
<メンバー:
 アレッサンドロ・ピケ(オーボエ)/
 トーマス・ミュラー(ホルン)/
 ヴァイト・シュルツ(ファゴット)/
 ヴェレナ・シェーネヴェック(ヴァイオリン)/
 ミヒャエル・ベリンガー(ハープシコード)>
 バッハの時代には、このシュテルツェル(1690〜1749)の方がはるかに名声を得ていて、また作品の数も多かったと言います。しかし年月の流れは残酷であり、その楽譜のほとんどが失われてしまったこともあってか、最近まではシュテルツェルの名前はすっかり忘却の彼方へ押し流されてしまっていたことは間違いありません。かろうじて声楽曲のいくつかは蘇演され、cpoレーベルからも何枚かのアルバムがリリースされていますが、今回は珍しい室内楽作品の登場です。
 イタリア風味の合奏協奏曲は、各々の奏者たちが存分に活躍する機会が与えられていて、その緊密で闊達なアンサンブルを耳にすると、確かにバッハを凌ぐ才能が感じられます。
 
777774
\2000
アルノルト・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集
 1.弦楽四重奏曲ニ長調Op.67/
 2.弦楽四重奏曲変ロ長調Op.83
ラインホルト弦楽四重奏団
 アルノルト・メンデルスゾーン(1855-1933)は、そのファミリーネームの通り、フェリックスの親戚にあたります(フェリックスの父親の弟の孫)。ボンでオルガニスト、聖歌隊で活躍し、その後はビーレフェルトの音楽監督を務め、教会音楽や宗教合唱曲を中心に、幅広いジャンルの作品を残しています。彼は後期ロマン派の潮流には懐疑的であり、どちらかというと「伝統を守る」主義を貫いたためか、その作品にはそれほど革新的な響きが用いられているわけではありません。この弦楽四重奏曲は彼の後期の作品ですが、暗い時代にも拘わらずロマンティックで洗練された様式に則った美しい音楽です。
 


6.220544
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
アダム・フィッシャー(指揮)
 モーツァルト:交響曲集第9集

 1-3.交響曲第31番ニ長調K297「パリ」/
 4-7.交響曲第33番変ロ長調K319/
 8-10.交響曲第34番ハ長調 K338/
 11.交響曲第31番ニ長調K297「パリ」-
  第2楽章の異稿版(第1版)
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2010年10月4-5日,2011年2月21-23日コペンハーゲンデンマーク放送コンチェルトハウセット・スタジオ Recording Producer: John Frandsen/Sound Engineer: Lars C. Bruun
 大好評、アダム・フィッシャーのモーツァルト(1756-1791)交響曲シリーズも、そろそろ中期の名作の森に入ってきました。今作は実質7番目にあたるアルバムで、1778年から1780年に作曲された3つの作品が収録されています。
 第31番は「パリ」の愛称で呼ばれる作品で3楽章形式です。第2楽章は通常聴かれる版のほかに、この曲をモーツァルトに作曲依頼したジャン・ル・グロの注文で書き直した「異稿版」があり、このアルバムには異稿版の最初のヴァージョンが収録されているところも注目です。本来、あまり自作に手を入れることのないモーツァルトですが、このような作品も面白いものです。いつものように推進力のある演奏が耳にも鮮やかです。



旧譜
第3〜8集

6.220538
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:交響曲集第3集
 1-4.交響曲第9番ハ長調 K73(K75A)/
 5-7.交響曲ニ長調 K81(K73L)/
 8-11.交響曲ニ長調 K97(K73M)/
 12-15.交響曲ニ長調 K95(K73N)/
 16-18.交響曲第11番ニ長調 K84(K73Q)/
 19-21.交響曲第10番ト長調 K74
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
アダム・フィッシャーによるモーツァルト交響曲全集の第6作となります。ここでは1769年から1770年に作曲された3つの番号付きと、3つの番号なしの合計6つの交響曲を収録。13歳から14歳のモーツァルトはザルツブルクの宮廷楽団でコンサート・マスターに任命されたり(無給!)イタリアへ旅行したりと、活発な活動を行っていた時期に書かれたこれらの曲は、イタリア序曲の様式を持ち、活発で明るい楽想が特徴です。偽作と思われる作品については、本当のところはどうなのだろう?と考える楽しみも残されています。録音 2010年コペンハーゲン DRコンサートハウス第2スタジオ
6.220539
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:交響曲集第 4 集〜1771 年
 1.交響曲第 12 番ト長調 K110/
 2.交響曲ハ長調 K96/
 3.交響曲第 13 番へ長調 K112/
 4.交響曲第 14 番イ長調 K114
アダム・フィッシャー(指揮)/
デンマーク放送室内管弦楽団
6.220540
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:<交響曲集第5集>
 交響曲第15番/交響曲第16番/
 交響曲第17番/交響曲第18番
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
ハイドンの交響曲全集やバルトークの管弦楽曲集などで、日本でも名前が知られるハンガリーのベテラン指揮者が、モーツァルトの交響曲シリーズに挑戦中。ハイドンの録音を聴く限り、小編成のオーケストラを相手に切れ味のいい音楽を作りあげていましたが、このモーツァルトでも期待できる。シリーズのスタートだが、先ず第5集からリリースされる。
6.220541
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:<交響曲集第6集>
 交響曲第19番変ホ長調 K.132
 交響曲第20番ニ長調 K.133
 交響曲第21番イ長調 K.134
 交響曲第26番変ホ長調 K.184 (161a)
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
録音:2007年、デンマーク放送コンサート・ホール
6.220542
(Dacapo SACD Hybrid))
\2200→¥1990
モーツァルト(1719-1787):交響曲集第 7 集〜1773 年
 1.交響曲第 27 番ト長調 KV161B, 199/
 2.交響曲第 22 番ハ長調 KV162/
 3.交響曲第 23 番ニ長調KV181 , 162B/
 4.交響曲第 24 番変ロ長調 KV182, 173DA/
 5.交響曲第 25 番ト短調 KV183, 173DB
アダム・フィッシャー/
デンマーク国立室内管弦楽団
 演奏は全体的にムダをそぎ落としたスタイリッシュなもの。弾むようなアレグロ楽章、茶目っ気あふれるアンダンテ楽章と、メリハリも効いてます。とりわけ、有名な第25 番ト短調の爽快すぎるほどのテンポ設定には少々面食らう部分もありますが、慣れてくると快感にかわること間違いなし。
 このモーツァルトは聴かないと損します。

6.220543
(SACD-Hybrid)
\2200→¥1990
モーツァルト:交響曲集第8集
 1-4.交響曲第29番イ長調 K201(K186A)/
 5-8.交響曲第30番ニ長調 K202(K186B)/
 9-12.交響曲第28番ハ長調 K200(K189K)
デンマーク・ナショナル室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2009年10月&2010年4月DRコンサートハウス、スタジオ2
 アダム・フィッシャー、今最も乗りに乗ってるモーツァルト。
 本当に素敵なモーツァルト。今一番聴きたいモーツァルト指揮者と言っていいかもしれない。全身から音楽を、モーツァルトを演奏する喜びがあふれているのである。この29番も、冒頭の3秒でいい、かけた瞬間部屋の雰囲気が変わる。
 
Erik Norby: The Rainbow Snake
8.226096
\2000
エーリク・ノアビ:虹色のヘビ〜管弦楽伴奏歌曲と交響的作品集
 1.インディアンの伝説に基づく交響詩「虹色のヘビ」(1975)/
 2-4.リルケ歌曲集(1985)
  <愛の誕生/恋人たち/私たちは口だけで>/
 5-7.エドヴァルド・ムンク三部作〜
  管弦楽と合唱のための、
   3枚のムンクの版画による交響的変容(レクイエム)
 <叫び/病める子/葬送行進曲>
ハンヌ・フィッシャー(メゾ・ソプラノ)/
コーロ・ミスト/
アルフス大学合唱団/
オルボア交響楽団/
ボー・ホルテン(指揮)
録音 2011年5月14-17日オルボア・ホール Recording producer: Morten Mogensen/Sound engineer: Claus Byrith/Chorus master: Soren Birch
 デンマークの作曲家エーリク・ノアビ(1936-)の作品集です。彼の音楽は後期ロマン派の流れを汲む重厚な音色と、洗練された作風を併せもつもので、「虹色のヘビ」の冒頭は、一瞬ドビュッシーを思わせるような“美しき混沌”の世界が広がります。この作品はデンマーク放送交響楽団(現デンマーク国立交響楽団)の創立50周年記念のための委嘱作で、「虹になったヘビが干ばつで苦しむ人々」を救うという古代アメリカ先住民の伝説に触発された交響詩です。こちらも美しい「リルケ歌曲集」と、ムンクの絵にインスパイアされた壮大な音による絵画「ムンク三部作」も強い印象を残します。
 
Holmboe: Solo and Chamber Works for Guitar
8.226143
\2000
ヴァーフン・ホルンボー:ギターのための独奏曲と室内楽作品集
 1-5.ギター・ソナタ第1番Op.141(1979)/
 6-11.ギター・ソナタ第2番Op.142(1979)/
 12-16.5つの間奏曲Op.149(1981)/
 17-19.ヴァイオリンとギターのための二重協奏曲Op.167(1986)/
 20-24.独奏ギターのための5つの小品「よもやま話」Op.176(1988)
イェスパー・シヴェベーク(ギター)/
ヨハネス・セー・ハンセン(ヴァイオリン)/
ボレット・レーズ(リコーダー)
録音 2011年3月.7月,2012年2月デンマーク王立音楽大学,コンサート・ホール
 デンマークの作曲家、ホルンボー(1909-1996)がギター音楽を書き始めたのは、彼が作曲家としてのキャリアを始めてから半世紀を経てからのことでした。以降、この「古代の」楽器に魅了されたホルンボーは、自身のルーツである北欧の民間伝承音楽と、異国の文化を融合させ、シンプルな構造と透明な音色を大切にした2つのソナタや小品、ヴァイオリンとのデュエットなどの美しい作品を次々と書いています。

DYNAMIC


Donizetti: Don Gregorio
CDS-579
(2CD)
\3000→\2690
ドニゼッティ:歌劇「ドン・グレゴリオ」全曲
 ※世界初録音
 ジョヴァンニ・ジロー原作、ヤコボ・フェレッティ台本
ドン・ジューリオ…ジョルジオ・ヴァレリオ(バス)
エンリーコ(ドン・ジューリオの長男)…
 ジョルジョ・トゥルッコ(テノール)
ジルダ(エンリーコの妻)…
 エリザベッタ・マルティロスヤン(ソプラノ)
ピッペット(ドン・ジューリオの二男)…
 リヴィオ・スカルペッリーニ(テノール)
グレゴリオ・コルデボーノ…パオロ・ボルドーニャ(バリトン)
レオナルダ…アレッサンドラ・フラテッリ(メゾ・ソプラノ)
シモーネ…ルカ・ルドヴィチ(バリトン)
ベルガモ・ドニゼッティ音楽祭管弦楽団
ファビオ・タルターリ(指揮)
 厳格すぎる父親を持つ2人の息子とその家庭教師をコミカルに描いたドニゼッティ(1797-1848)が1824年に作曲した喜劇です。
 公爵家の2人の息子の家庭教師ドン・グレゴリオは今日も手を焼いています。次男ピッペットは全く勉強をせず、年増の家政婦レオナルダに色目ばかり使っています。また長男エンリーコからは恋人ジルダと「出来ちゃった結婚」をしたいと相談を持ちかけられています。父親が留守の間に当のジルダが生まれたばかりの子どもを連れて家に押しかけてくるのですが、そこに公爵ジューリオが帰宅。エンリーコはおろおろするばかりで、ピッペットと公爵はジルダがグレゴリオの愛人ではないかと勘違いする始末。ジルダは「この子の父親はエンリーコ」と宣言した途端、怒った公爵はエンリーコに勘当を言い渡すのですが、結局は孫が可愛くて2人の結婚を認めることに。どさくさまぎれに、ピッペットはレオナルダとの結婚宣言をするというお話です。
 1822年に「グラナタのゾライーダ」のローマ初演が大成功を収めたドニゼッティは、ナポリのサン・カルロ劇場の支配人バルバイアと契約を結び、この劇場のために4つのオペラを作曲することとなりました。このオペラはその中の一つで、若干ロッシーニの影響もあるものの、ユーモアと抒情性が絶妙にブレンドされた野心溢れる傑作となっています。録音 2007年11月ベルガモ
 
Liszt: Piano Sonata in B Minor
CDS-730
\2000
リスト:ピアノ作品集
 1.愛の夢第3番変イ長調 S541/
 2-4.ピアノ・ソナタロ短調 S178/
 5.忘れられたワルツ第1番S251/1/
 6.悲しみのゴンドラS200/1/
 7.詩的で宗教的な調べ第7番「葬送」S173/7
ヴァルダン・マミコニアン(ピアノ)
 アルメニアのピアニスト、バルダン・マミコニアンの目の覚めるようなリスト作品集。音楽一家に生まれた彼は、6歳の時に首都のエレバン音楽学校でピアノを学びはじめました。その後モスクワ音楽院とチャイコフスキー音楽院で、ヴァレリー・カステリスキー(伝説の教師ゲンリフ・ネイガウスの最後の弟子)とラザール・ベルマンに師事し研鑚を積みました。
 彼のピアノは力強くまた華麗な音を持ち、もちろん驚異的なテクニックに支えられた豊かな音楽性に満ちています。このリスト(1811-1886)はそんな彼に最適のレパートリーと言えるでしょう。まず「愛の夢」で印象付け、ピアノ・ソナタで変幻自在な音楽を聴かせた後は、晩年の暗い作品で現実に引き戻す。そして最後は長大な「葬礼」でテクニックの限りを披露するというこのプログラミングにもセンスを感じます。
 
Schubert: Four Hand Piano Works
CDS-734
\2000
シューベルト:連弾のためのピアノ作品集
 1-2.2つの性格的な行進曲Op.121 D886/
 3-11.フランスの歌による8つの変奏曲ホ短調 Op.10 D624/
 12.幻想曲ヘ短調 Op.103 D940/
 13.アレグロイ短調「人生の嵐」Op.144 D947
キアーラ・ソアーヴェ(ピアノ)/
チェチリア・バッコロ(ピアノ)
 シューベルト(1797-1828)の作品の中で、かなり重要な位置をしめる「4手ピアノの作品集」は、彼自身の生活を支えるためにも、また友人たちとの親睦を深めるためにも、なくてはならない仕事でした。彼はアンサンブルのための音楽を創ることにこの上ない喜びを感じ、「連弾」という小さな世界に、管弦楽作品にも匹敵する豊かな響きをもたらしたのです。
 この4つの作品は用途はまちまちですが、どれもが精緻に書かれており、とりわけ内容の濃い「人生の嵐」は、シューベルトの最高作品としてあげられるべき傑作です。ここで演奏しているキアーラ・ソアーヴェとチェチリア・バッコロは、既に卓越したピアノ・デュオとして世界中で活躍しています。彼らは幅広いレパートリーを持ち、とくにシューベルトの解釈が批評家や聴衆に高く評価されています。2010年にはアムステルダムのコンセルトヘボウで演奏し、ここでも大評判となりました。録音 2012年5月ヴァレーズ
 
Bach - Buxtehude: De Divina Inventione
CDS-738
\2000
De divina Inventione 〜
 J.S.バッハ&ブクステフーデ:オルガン作品集

  1.ブクステフーデ(1637?-1707):
   トッカータヘ長調 BuxWV156/
  2-3.J.S.バッハ(1685-1750):
   トッカータとフーガヘ長調 BWV540/
 4.ブクステフーデ:前奏曲ト短調 BuxWV149/
 5-6.J.S.バッハ:幻想曲とフーガト短調 BWV542/
 7.ブクステフーデ:パッサカリアニ短調 BuxWV161/
 8.J.S.バッハ:パッサカリアハ短調 BWV582
イヴァナ・ヴァロッティ(オルガン)
録音 2011年10月11-12日パドヴァ
 バロック音楽の2人の大家、バッハとブクステフーデの作品を交互に演奏し、教会音楽の発展と創造性の表出、そしてバッハにおけるブクステフーデの影響などを考察する興味深い1枚です。
 ブクステフーデの作品には、バッハのような「1対のプレリュードとフーガ」で構成されるものがほとんどなく、曲の中にフーガが取り込まれた基本「5部形式」からできているものが多いのが特徴であるため、前奏曲と言ってもその表現は多彩を極め、変幻自在な音楽に満たされていることに気が付くのではないでしょうか。そんな作品を若手オルガニスト、バロッティが巧みに奏でています。
 

Massenet: Thais
CDS-739
(2CD)
\3000→\2690
マスネ:歌劇「タイス」全曲
 CDS427 再発盤
タイス…エヴァ・メイ(ソプラノ)/
アタナエル…ミケーレ・ペルトゥージ(バリトン)/
ニシアス…ウィリアム・ジョイナー(テノール)/
パレモン…クリストフ・フェル(バス)/
クロビール…クリスティーネ・ブッフレ(ソプラノ)/
ミルタール…エロディ・メシャン(メゾ・ソプラノ)/
アルビーヌ…ティジアナ・カラーロ(メゾ・ソプラノ)/
フェニーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団/
マルチェロ・ヴィオッティ(指揮)
録音 2002年11月ヴェネツィア
 見事な演出も話題となったエヴァ・メイの「タイス」。こちらのCD盤が再発売となります。「瞑想曲」のみが有名なこの作品ですが実は「聖なるものと堕ちたるもののせめぎあい」を主題にした深いテーマを持つ考えさせられるオペラです。美しい「瞑想曲」のメロディは至るところに現れ、幕切れでは最高潮に達し、やるせなくも悲しい余韻を残します。主役がソプラノとバリトンというところも斬新であり、またワーグナーを思わせる濃厚なオーケストレーションも魅力。一度は聴いて(できることなら舞台を見たい)おきたい隠れた名作です。

ENCHIRIADIS

 代理店移行により再案内になります。前回案内は5年ほど前になります。


Victoria: Requiem 1605 'Officium defunctorum', etc.
EN2006
\2600→\2390
再案内
トマス・ルイス・デ・ビクトリア:死者のための聖務曲集
 1.4声のレクツィオ:わが魂は萎え/
 2,6声:死者のためのミサ(レクイエム)/
 3.6声のモテット:悲しみのうちに引き戻され/
 4.6声のレスポンソリウム:われを解き放ちたまえ/
 5.6声のモテット:われは起きて町を巡らん
ムジカ・フィクタ/
ラウール・マリャビバレーナ(指揮)
録音 2002年8月パレンシア県オルモス・デ・オヘーダ、サンタ・エウフェーミア・デ・コソーリョス教会
 スペインのポリフォニー音楽の最高傑作の一つ、ビクトリア(1548-1611)の「死者のための聖務曲集」です。1605年マドリッドで出版されたこの作品は、その2年前に逝去した太后マリアの死を悼んで書かれたものですが、7曲からなるレクイエムを、いくつかの曲ではさみ、一つの作品としたものが一般的に知られています。この世のものと思えないほどの美しい無伴奏合唱は、時を超えて愛され続けています。スペインの名プロデューサー、ホルディ・アベロとラウル・マラビバレッナとの共同制作であるこの録音は、古い教会の素晴らしい音響効果も聴きどころの一つです。
 
Taner Fantasia
EN2007
\2600
再案内
TANER FANTASIA 〜鍵盤のためのスペイン音楽
 1.フアン・カバニーリェス(1644-1712):ガイヤルドI/
 2.アントニオ・デ・カベソン(1541-1612):Doulce memoriae/
 3.フアン・カバニーリェス:Tiento XXIII por A la mi re de sete tono/
 4.ルイス・デ・ミラン(1500-1561?):Fantasia X de primer y segundo tono/
 5.アントニオ・デ・カベソン:Diferencias sobre el “Canto delCavallero” /
 6.フアン・カバニーリェス:Tiento XCVIII de ma dreta quarto tono/
 7.フランシスコ・コレア・デ・アラウホ(1576/77-1654):Tiento y discurso de segundo tono/
 8.アントニオ・デ・カベソン:Tiento VII de cuarto tono/
 9.セバスティアン・アギレラ・デ・エレディア(1565-1527):Obra de octavo tono alto. Ensalada./
 10.ホセ・ヒメネス(1601-1678):Tiento lleno de primer tono/11.ルイス・デ・ミラン:Fantasia XXVII de tercero tono/12.ガブリエル・メナルト(?-1687):Tiento de dos manos de primer tono 4:04/13.ルイス・デ・ミラン:Fantasia XV de quinto y sexto tono/14.セバスティアン・アギレラ・デ・エレディア:Tiento de Batalla de octavo tono
西山まりえ(チェンバロ&ヴァージナル:柴田雄康製モデル:17世紀終盤イタリア製&イタリア式五角形タイプ)
録音 1998年8月三鷹市芸術文化センター風のホール
 西山まりえによる、16世紀から17世紀スペインの鍵盤音楽集。この親密な空気感を持った録音は日本で行われ、演奏の質の高さ、音質の素晴らしさのどちらもが高く評価されたアルバムです。
 
F. Guerrero - “Hispalensis”
EN2009
\2600
再案内
フランシスコ・ゲレーロ:ヒスパレンシス 〜教会音楽集
 1.イエスは言った/2.その時/
 3.祝福されし救い主の御母/
 4.アヴェ・レジナ・チェロールム/
 5.レジナ・チェリ/6.サルヴェ・レジナ/
 7.天にましますわれらの父よ/8.マニフィカト/
 9.アヴェ・マリア/10.聖なるマリア/
 11.それは誰か/12.リベラ・メ
ムジカ・フィクタ/
ラウル・マリャビバレーナ(指揮)
録音 2004年5月マラガ県ベナラウリーア、サント・ドミンゴ・デ・グスマーン教会
 ドンキホーテの作者セルバンテスと同時代の作曲家ゲレーロ(1528-1599)。彼は早熟の天才であったようで、17歳の若さでハエンの聖堂の楽長に任命されています。歌手としても作曲家としても高い人気を誇り、数多くの作品が出版されています。彼は冒険家としても名高く、2度も海賊に襲われ財産を無くし、一時期は収監されるなど激動の人生を送ったことでも知られています。
 この冒険譚は1950年に出版され、おそらく前述のセルバンテスもこれを読み、ドンキホーテを書いたのでは。と推測されるほどでした。彼の作品は、革新的な和声と美しいポリフォニーが特徴です。
 
Cosimo III de Medici: “Pilgrim through the great theatre of the world” (1668-1669)
EN2010
\2600
再案内
イル・ペレグリーノ 〜
 コジモ3世・デ・メディチのスペインとポルトガルの巡礼の旅(1668-1669)
 1.フィレンツェ/2.バルセロナ/3.モントセラト/
 4.マドリッド/5.コルドバ/6.セビリア/7.エストレモス/
 8.リスボン/9.サンティアゴ・デ・コンポステラ
リゾネット/
フェルディナンド・レジェス(指揮)
録音 2004年6月サンティアゴ・デ・コンポステーラ、サン・マルティン・ピナリオ修道院
 コジモ3世(1642-1723)はメディチ家出身の第6代トスカーナ大公(在位:1670-1723年)。キリスト教の信仰に力を入れ、反ユダヤ的な政策や異端の取り締まりは厳しく行ったものの、政治力はあまり高くなかったと言われています・・・。このアルバムは、そんなコジモ3世が26歳の時に巡礼の旅に出た際に聴いたと想像される様々な音楽集です。17世紀のカンタータや舞曲、即興演奏など広範囲にわたる美しい作品が選ばれています。当時の音楽や演劇、宗教行事などに思いを馳せたい1枚です。
 
Pedro Ruimonte - Parnaso Espanol
EN2011
\2600
再案内
ルイモンテ・ペドロ:スペインのパルナッスス
 1.Luna que reluces (villancico a 6)/
 2.El que partir se atreve (madrigal a 6)/
 3.Has visto (madrigal a 4)/
 4.Madre, la mi madre (villancico a 5)/
 5.De la piel de sus ovejas (villancico a 5)/
 6.Mal guardara ganado (madrigal a 4)/
 7.Penando sta'l cor mio (madrigal a 5)/
 8.Quiero dormir y no puedo (villancico a 6)/
 9.Caduco tiempo (madrigal a 4)/
 10.En las riberas (madrigal a 6)/
 11.Mal puede estar (villancico a 6)
ラファエル・ボナビタ(テオルボ・バロックギター)/
ムジカ・フィクタ/ラウル・マリャビバレーナ(指揮)
録音 2004年8月パレンシア県コスエロス・デ・オヘーダ、サンタ・エウフェミア・デ・コソーリョス教会
 ルイモンテ(1565-1627)はセルバンテスと同時代、スペインのサラゴサ生まれの作曲家で、ブリュッセルで宮廷音楽家として活躍したこともある人です。現代では全くと言ってよいほど忘却の彼方へと流されてしまっていますが、このコレクションは優れた美しさが光る、スペイン・ルネサンスのハイライトの一つです。ムジカ・フィクタとバロック・ギターの名手ラファエル・ボナビタとの初の共演アルバムです。
 
Cancionero de Turin
EN2013
\2600
再案内
トリノの歌集 〜セルバンテス時代のヴィリャンシーコとカンシオネ、ロマンセ
 1.Por la puente Juana/2.Bella pastorcica/
 3.Ay malogrados pensamientos/4.Madre la mi madre/
 5.Vay os amores/6.Al enredador/7.Desdichada la dama/
 8.No lloreis casada/9.Fuego de Dios/10.Ay amargas soledades/
 11.Sobre moradas violetas/12.Adios esperancas/
 13.Donde estas Senora mia?/14.No puedo en tus ojos bellos/
 15.Pensamiento, pues dizen/
 16.Gavilan que andais de noche/17.Salte y bayle/18.Danzas
録音:2005年2月、マドリッド県ビリャヌエバ・デル・パルディーリョ、セバスティアン・セステーロ・ホール
 トリノの国立図書館に所蔵されていた小さな写本は、音楽学者ミゲル・ケロルよって発見され、1989年に出版されました。1600年頃のセルバンテスの時代に収集されたとされる様々な音楽は、伝承曲やキャロル、バラード、歌などであり、これらはスペイン国内だけでなく、周辺の国へも伝播するほどの強い影響を持っていました。音楽で辿る旅へのいざないです。
 
Guerrero - Canciones y Villanescas Espirituales Volume 1
EN2014
\2600
再案内
フランシスコ・ゲレーロ:ビリャネスカ集Ⅰ 〜
 1589年ヴェネツィアのカンシオンと宗教的ビリャネスカ集
 1.Todo quanto pudo dar/
 2.Nino Dios d’amor herido/3.Vamos al portal/
 4.Pues la guia d’una estrella/
 5.Si tus penas no pruevo/6.Baxome mi descuydo/
 7.Pan divino, gracioso/
 8.!Que buen ano es el del cielo!/
 9.?Que se puede desear?/
 10.Es menester que se acierte/
 11.A un nino llorando al yelo/
 12.Oy Joseph/13.Pastor, quien madre virgen/
 14.Sabes lo que heziste?/
 15.Oh que mesa y que manjar!/
 16.De amores del Senor/
 17.Antes que comais a Dios/
 18.Que te dare, Senor?/
 <付>19.Prado verde y florido
ムジカ・フィクタ/
アンサンブル・フォンテガーラ/
ラウル・マリャビバレーナ(指揮)
録音 005年7月、マラガ県ベナラウリーア、サント・ドミンゴ・デ・グスマン教会
 スペイン・ルネサンスの巨匠ゲレーロ(1528-1599)のほとんど知られていない歌曲集です。ビリャネスカとは、グラナドスのピアノ曲などでもおなじみの「村人の歌」という意味の牧歌的な曲。ナポリに起源を持ち、ギターでの伴奏が一般的です。カンシオンには、そのまま歌という意味がありますが、当時は宮廷風の歌曲を意味していました。対照的な雰囲気を見事に表現しています。ルネサンス・ハープで西山まりえが参加。
 
Dances for baroque guitar
EN2015
\2600
再案内
サンティアゴ・デ・ムルシア&ガスパール・サンス:バロック・ギターのための舞曲集
 1.ムルシア:Jacaras de la Costa/2.サンス:Canarios/
 3.ムルシア:Folias Gallegas/4.ムルシア:El Caballero/
 5.ムルシア:Cumbees/
 6.Jacaras (homenaje a Gaspar Sanz)/
 7.ムルシア:Baylad Caracoles/8.ムルシア:El Amor/
 9.ムルシア:Zarambeques/10.ムルシア:Gallardas/
 11.ムルシア:Villanos/12.サンス:Marizapalos/
 13.ムルシア:Los Impossibles/14.ムルシア:Tarantelas/
 15.ムルシア:La Jota/16.ムルシア:Marionas/
 17.ムルシア:Fustamberg
ラファエル・ボナビタ(バロック・ギター…1995年ピーター・ビフィン製A= 440)
録音 2005年9月マドリッド
 名手ラファエル・ボナビタのセカンド・アルバムです。このアルバムでは1732年頃のマドリード出身のムルシア(1682-1737頃)の作品と、1674年に書かれたアラゴン出身のサンス(1640-1710)の作品が収録されています。これらの曲は、クラシックというよりも、「ワールド・ミュージック」に近い雰囲気を持ち、曲によってはケルトであったり、アフリカの新しい風であったり、またメキシコのフォルクローレであったりと、様々な地域に起因する旋律とリズムを持っています。この親しげな音楽は、一度聴いたら耳から離れないほどの強烈な印象を残します。
 ボナビタ自身による解説には、日本語の訳もついています。
 
EN2016
\2600
再案内
アロンソ・ロボ:ミサ曲
 1.ゲレーロ:天の王国はかくの如く/
 2-6.ロボ:ミサ曲「天の王国はかくの如く」/
 7.ゲレーロ:ペトロよ、われは汝のために祈りたり/
 8-12.ロボ:ミサ曲「ペトロよ、われは汝のために祈りたり」/
 13.ロボ:われは生きたるゆえ、と主は言いたもう
ムジカ・フィクタ/
ラウル・マリャビバレーナ(指揮)
録音 2006年7月スペイン、マラガ県ベナラウリーア、聖ドミンゴ・デ・グスマン教会
 アロンソ・ロボ(1555-1617)は後期ルネサンスのスペインの作曲家です。現代においては、ビクトリアほどの知名度はないものの、当時は彼と匹敵する才能の持ち主であったことが知られています。
 少年時代は聖歌隊隊員として活躍、セボーリャ大聖堂でゲレーロの助手として採用され、その後楽長の地位までのぼりつめます。1593年にはトレド大聖堂の楽長となり、ミサ曲やモテットなど多くの作品を残しています。
 ここではゲレーロのモテットをロボが借用してミサにした、いわゆる「パロディ・ミサ」が2曲収録されています。師と生徒のスタイルの違いは明らかであり、その違いを聴き分けるのも、中世音楽を聴く楽しみの一つと言えるでしょう。
 
Telemann - Alto Cantatas
EN2017
\2600
再案内
ゲオルク・フィリップ・テレマン:音楽による礼拝(1725/1726)から
 アルトのためのカンタータ集

  1.カンタータ第42番「回避したその罪は後退する」TWV1:1538/
  2.カンタータ第58番「われらの光、至福の時間」TWV1:118/
  3.カンタータ第18番「エドムより来りし者、それは誰ぞ」TWV1:1584/
  4.カンタータ第33番「感傷的な魂を清めあげよ」TWV1:448/
  5.カンタータ第50番「聖霊の力を増強せよ」TWV1:363/
  6.カンタータ第25番
    「われらの魂の羊飼いそして見守るもの」TWV1:804b/
  7.カンタータ第9番「愛、天より来たりし」TWV1:1044
マルタ・インファンテ(メゾ・ソプラノ)/
アンサンブル・フォンテガーラ/
ラウル・マリャビバレーナ(指揮)
録音:2006年6月、スペイン、ソリア県キンタナス・ルビアス・デ・アリーバ、聖アンドレス教会
 テレマン(1861-1767)の「音楽による礼拝」の最初のコレクションは、彼がハンザ自由都市ハンブルクに移住して4年後に書かれています。大聖堂を持っていない小さい教会や、時には家庭で演奏するために書かれた72曲からなるカンタータ集は、独奏楽器と声による素晴しい競演が楽しめるもので、その5年後には続編が書かれるほどに人気を得ました。
 ほとんどは独奏者一人と、独奏楽器、通奏低音という小さな編成ではありますが、その組成はとても精緻であり、また内容も素晴らしいものばかりです。ここでは7曲を名歌手インファンテが歌いあげています。
 
Guerrero - Canciones y Villanescas Espirituales  Volume 2
EN2018
\2600
ゲレーロ:ビリャネスカ集第2集「宗教的カンシオンとビリャネスカ集」(1589)から
 1.Zagales, sin seso vengo/
 2.Al resplandor d’una estrella/
 3.La gracia y los ojos bellos/
 4.Tan largo a sido/5.Mi ofensa’s grande/
 6.Dezidme fuente clara/7.?De donde vienes Pascual?/
 8.Ojos claros, serenos/9.O dulce y gran contento/
 10.Hombres, victoria/11.En tanto que de rosa/
 12.O celestial medicina/13.O Virgen, quando’s miro/
 14.Pluguiera a Dios/15.Quando’s miro, mi Dios/
 16.Los Reyes siguen la’strella/17.O venturoso dia/
 18.La luz de vuestros ojos/19.Huyd, huyd/
 20.Estrana muestra d’amar/21.Apuestan zagales dos
ムジカ・フィクタ
<メンバー:
シルビア・シュヴァルツ(ソプラノ)/
マルタ・インファンテ(メゾ・ソプラノ)/
フェリックス・リエンス(テノール)/
アルベルト・グァルディオラ(テノール)/
ルイス・ビセンテ(バス)>/
アンサンブル・フォンテガラ
<メンバー:
マヌエル・ビラス(ハープ)/
ラファエル・ボナビタ(テオルボ)>/
ラウル・マリャビバレナ(指揮)
録音:2006年8月スペインロンダ(マガラ),Grabado en el Convento de lo Descalzos Viejos.
 第1集(EN2014)に続くゲレーロ(1528-1599)の歌曲集第2集です。スペインのルネサンス時代のキャロルと歌、そして宗教曲を収録しています。
 1589年にヴェネツィアで出版され当時大人気となった歌曲集ですが、現在ではほとんど忘れ去られてしまいました。しかしビクトリアやモラーレスに並ぶ美しさを誇るこれらの作品は、16世紀に流行していたホモフォニー(単一の旋律要素のもとに、複数の声部が和声を構築する音楽)の集大成であり、スペイン古楽を愛する人への大きな贈り物です。
 
EN2019
\2600
ムジカ・モデルナ 17世紀イタリアのテオルボ音楽
 1.アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566-1638頃):チャッコーナ(シャコンヌ)/
 2.ピッチニーニ:ロマネスカ/3.ピッチニーニ:ガリアルダ第4番/
 4.カスタルディ(1580-1649):フェリタ・ダモーレ/
 5.カスタルディ:ソナタ・フラスティエラ&ローリナ・コッレッテ/
 6.ピッチニーニ:コッレンテ第10番-6/
 7.カプスベルガー(1580?-1651):トッカータ第12番/
 8.カプスベルガー:トッカータ・アルペッジアータ/
 9.カプスベルガー:カプスベルガーのテノール/
 10.カスタルディ:コッレリカ・コッレンテ/
 11.ピッチニーニ:トッカータ第12番/
 12.カスタルディ:ルシンゲボーレ・パセッジオ/
 13.ピッチニーニ:コッレンテ第5番/
 14.カスタルディ:ソナタ・フォラスティエラ/
 15.カプスベルガー:パッサカリア/
 16.カプスベルガー:カナリオ/
 17.カプスベルガー:スフェッライーナ/
 18.作者不詳:無題/
 19.カプスベルガー:ベルガ
ラファエル・ボナビタ(テオルボ)
録音:2006年9月、マドリード
 リュート族の撥弦楽器であるテオルボは16世紀末に現れ、バロック末期まで幅広く用いられました。基本的に通奏低音を担当する楽器としての役割を与えられていましたが、17世紀になって一部の作曲家が独奏のためのレパートリーを書いています。このアルバムには、その代表的な3人の作曲家の作品を収録。テオルボの名手として知られる彼らの曲は華やかで技巧的であり、独特の風情を有しています。ラファエル・ボナビタの3枚目のアルバムです。
 

Jacob Van Eyck - Daphne
EN2020
\2600→\2390
ヤコブ・ファン・エイク:ダフネ「笛の楽園」
 1.美しい羊飼い娘のフィリス/2.鐘は鳴り響き/
 3.美しき娘ダフネ/4.気狂いシメン/
 5.エセックス伯のガイヤルド(J.ダウランド)/
 6.愛しの人セリア/7.麗しのアマリッリ(G.カッチーニ原曲)/
 8.道化師/9.ファンタジア/10.ファンタジアとエコー/
 11.涙のパヴァーヌ(ジョン・ダウランド原曲「流れよ、わが涙」)/
 12.戦争/13.イギリスのナイチンゲール/
 14.ファンタジア/15.許しておくれ/16.詩篇第9番/
 17.前奏曲/
 18.クーラント「愛しい盗人ちゃん、なぜ君はそんなにおとなしいのか?」
  (J.ダウランド原曲「おお、今こそ別れねばならない」)
アントネッロ
<メンバー:濱田芳通(リコーダー、コルネット)/
石川かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
西山まりえ(バロックハープ)>/
守安功(フルート、リコーダー)…1.18
録音:2003年1月、相模湖交流センター多目的ホール
 盲目の音楽家として知られるファン・エイク(1590?-1657)の「笛の楽園」は無伴奏リコーダーのレパートリーの中でもとりわけ知られるものです。シンプルで素朴なメロディと、リコーダーの息を飲むような名技は、確かに聴き手の耳を欹てる大いなる魅力を有しています。日本を代表する古楽グループ「アントネッロ」の演奏は、この「笛の楽園」に新たなアレンジを施し、楽器ごとの自由な対話を重んじる楽しい曲集として新しい表現を試みたものです。アルケミスタ・レコーズから発売されている国内盤と同内容です。
 
Tonos al Arpa - Songs of Divine and Human Love
EN2021
\2600
ハープの音色(カタルーニャ、マヨルカとバレンシアの写本による神の愛の歌)
 1.ジョゼフ・ガンス(1654-1713):Venid mortales /
 2.ジョゼフ・ガンス:Hoy muestra con gracia/
 3.作者不詳:Morenas, gitanas/
 4.作者不詳:Mis suspiros /
 5.作者不詳:Alerta zagales /
 6.作者不詳:Oid, troncos/
 7.セバスティアン・ドゥロン(1660-1716):Vuele, vuele veloz/
 8.フアン・デ・ナバス(1647-1709):En este arpon tirado/
 9.フランシスコ・バリュス(1665-1747):Ausente de tus ojos/
 10.作者不詳:Pieza para arpa/
 11.作者不詳:Aves que habitais los aires/
 12.作者不詳:Duerme, descansa, sosiega/
 13.作者不詳:Al aire se entregue/
 14.作者不詳:Muy fina Marica/
 15.作者不詳:Ay, que cansera/
 16.作者不詳:Suave pensamiento/
 17.作者不詳:Dos aspides/
 18.作者不詳:No hay mas Flandes
マルタ・インファンテ(メゾソプラノ)/
マヌエル・ビラス(ダブルハープ)
録音:2006年9月スペイン ルゴ en la iglesia de San Vicente de Pombeiro
 メゾ・ソプラノ、マルタ・インファンテとハープ奏者のマヌエル・ビラスによる17世紀のスペインの歌曲集。マジョルカとバレンシアに伝わる作者不詳の歌の数々は、当時の町の風景と、人々の生活の息吹を生き生きと伝えてくれます。歌による心の旅はいかがでしょうか。
 

Al Compas de la Vihuela - Lute music from the 16th century
EN2022
\2600→\2390
ビウエラのリズムにあわせて
 1.ラファエル・ボナビタ:聖ヨハネの朝(ピサドール原曲)/
 2.ボナビタ:即興によるファンタジア/
 3.ルイス・デ・ナルバエス(1530-1550頃活躍):ファンタジア第4旋法/
 4.ナルバエス:牛を見張れ/
 5.ルイス・デ・ミラン(1500-1561):イタリアのパバーヌ/
 6.アロンソ・ムダラ(1500頃-1580)クラロス伯爵/
 7.ナルバエス:Je veulx laysser melancolie/
 8.ムダラ:ファンタジア/
 9.ミゲル・デ・フエンリャナ(1535-1578):モラレスのデュオ/
 10.ナルバエス:クラロス伯爵/
 11.ムダラ:パヴァーヌとガイヤルド/
 12.ミラン:様々な旋法によるファンタジア/
 13.ミラン:別のパヴァーヌ/
 14.ナルバエス:対位法のバサ/
 15.フエンリャナ:Tant que vivray de Sermisy/
 16.ジョスカン・デプレ/ナルバエス:皇帝の歌/
 17.エンリケス・デ・バルデラバノ(1500-1556):Soneto a manera de danza/
<ボーナス・トラック>
 18.ボナビタ:私の歌
ラファエル・ボナビタ(ビウエラ)
録音:2007年11月、マドリード
 ルネサンス期のイベリア半島とイタリアの一部、そして中南米で用いられた弦楽器ビウエラ(スペイン語でヴィオラの意)。ギターに類似した形の撥弦楽器です。
 15世紀頃に出現したとされていますが、曲集として確認できるのはルイス・デ・ミランが1536年に出版した「Libro de musica de vihuela de mano intitulado El maestro」が最初のようです。
 このアルバムは当時の曲を中心に収録していますが、ボナビタ自身の曲も含まれていて、なんとも興味深いアプローチに触れることができます。吟遊詩人の時代から脈々と伝わる音の世界です。
 
Guerrero - Canciones y Villanescas Espirituales Volume 3
EN2023
\2600
フランシスコ・ゲレーロ:ビリャネスカ集第3集
 「宗教的カンシオンとビリャネスカ集」(1589)から
  1.Dios los estremos condena/2.La tierra s’esta gozando/
  3.Vana speranca/4.Adios, verde ribera/
  5.Alma, mirad vuestro Dios/6.Dexo del mundo/
  7.Quiere Dios que le ofrezcamos/8.Alma, si sabes d’amor/
  9.Prado ameno, gracioso/10.Virgen Santa/
  11.Claros y hermosos ojos/12.Esclarecida madre/
  13.O grandes pazes!/14.Juycios sobre una estrella/
  15.Sanctissima Maria/16.O que nueva!/
  17.Si del jardin del cielo/18.O que plazer!/19.Dios inmortal/
  20.Pastores, si nos quereis/
  21.Acaba de matarme/22.Oyd, oyd una cosa
ムジカ・フィクタ
<メンバー:オラリャ・アレマン(ソプラノ)/
マグダレナ・パディリャ(ソプラノ)/
マルタ・インファンテ(メゾソプラノ)/
アルベルト・グァルディオラ(テノール)/
ルイス・ビセンテ(バス)>/
アンサンブル・フォンテガラ
<メンバー:
マヌエル・ビラス(ハープ)/
ラファエル・ボナビタ(テオルボ)>/
ラウル・マリャビバレナ(指揮)
録音:2006年8月スペイン ロンダ(マガラ),Grabado en el Convento de lo Descalzos Viejos.
 ゲレーロ(1528-1599)のビリャネスカ集の第3集。全てが世界初演の記録です。「スペイン・ルネサンス」の音楽の多様性を存分に感じることができる1枚です。
 当時としては先進的な作風を誇っていたといわれるゲレーロの作品には、現代人の苦悩、絶望、そして喜びなど全ての感情が表現されているといっても過言ではありません。
 
Pepusch - Tenor Cantatas & Recorder Sonatas
EN2024
\2600
ヨハン・クリストフ・ペープシュ:テノールのカンタータとリコーダー・ソナタ集
 1.カンタータ第1番“Love frowns in beauteous Myra’s eyes”/
 2.リコーダーと通奏低音のためのソナタ第1番/
 3.カンタータ第5番“Corydon”/
 4.リコーダーと通奏低音のためのソナタ第4番/
 5.カンタータ第2番“Cleora”/
 6.ボランタリー第11番/7.ボランタリー第1番/
 8.リコーダーと通奏低音のためのソナタ第5番/
 9.カンタータ第3番“When loves soft passion”/
 10.ボランタリー第12番
フェリックス・リエンス(テノール)/
ラ・テンペスタ・バーゼル
録音 2009年9月Grabado en la Iglesia de Betberg/Selva Negra
 スイスの若き奏者たちによるアンサンブル、ラ・テンペスタ・バーゼルによる珍しいペープシュの作品集。現在では「乞食オペラ」の作曲家としてのみ知られるペープシュ(1667-1752)ですが、実は、すぐれたヴィオラ奏者、オルガニストであり、また数多くの作品を残しています。
 移住先のロンドンでは「エンシェント室内管弦楽団」(現在の同名の楽団は、この名前にちなんで名付けられた)を創立するなど、17世紀後半の音楽界にその名をとどろかせていた人でもあり、その作品はまことに興味深いものばかりです。
 
Salaverde: Selma
EN2025
\2600
セルマ〜アントネッロによるバルトロメ・デ・セルマ・イ・サラベルデの作品集
 1.バレット/2.カンツォン第1番/
 3.パロテアド(サンティアゴ・デ・ムルシア原曲)/
 4.カンツォン第4番(カント・ソロ)/5.コッレンテ第3番/
 6.カンツォン第4番(2つのカント)/
 7.Vestiva hi colli pasegiato(バスとソプラノ)/
 8.2声のカンツォン/9.カンツォン第3番(カント・ソロ)/
 10.Vestiva hi colli pasegiato(バス・ソロ)/
 11.パサカッレ(即興)/12.カンツォン第2番/
 13.スザンナ・パッセジャータ/
 14.ガリャルダ−コッレンテ第1番−コッレンテ/
 15.カンツォン第3番(2つのカント)
アントネッロ
<メンバー:濱田芳通(リコーダー)/
アントニオ・カリーリョ(リコーダー)/
石川かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ラファエル・ボナビタ(バロックギター)/
西山まりえ(チェンバロ)>
録音:2008年8月、マドリード県グアダラマ
 バルトロメ・デ・セルマ・イ・サラベルデ(1580/1590頃-1638)はスペインのバロック時代の作曲家です。彼はすぐれたファゴット奏者でもありました。1628年から1630年にかけてインスブルック大公の宮廷に仕え、またアウグスチノ修道会の修道士でもありました。
 1638年に「カンツォン、ファンタジア、コッレンテ集」をヴェネツィアで出版し、カール・フェルディナント司教に献呈したことで知られています。ここでは濱田芳通率いるアントネッロが超絶的なテクニックを駆使して、すばらしいアンサンブルを聴かせています。 
 
El mundo al reves (The topsy-turvy World)
EN2026
\2600
ブラス・デ・ラセルナ:逆さまの世界〜トナディリャ集
 1-4.ブラス・デ・ラセルナ(1751-1816):
  トナディリャ「もしもあなたが沈黙を守らないなら」/
 5.ビセンテ・マルティン・イ・ソレル(1754-1806):
  「ディアナの木」からシンフォニア/
 6-8.ブラス・デ・ラセルナ:トナディリャ集「うわさ話」/
 9-11.ビセンテ・マルティン・イ・ソレル:
  「ぶっきらぼうな善人」から序曲,第2番,第1幕のフィナーレ/
 12-16.ブラス・デ・ラセルナ:トナディリャ「逆さまの世界」
エリカ・エスクリバ=アスタブルアガ(ソプラノ)/
ラ・ディスペルシオーネ/
ジュアン・B・ボイルス(指揮)
録音:2008年3月スペイン バレンシア,アルフォンソ・エル・マグナニム・ホール
 トナディリャとは、民衆性、民俗性の濃い寸劇風の歌芝居のこと。世俗カンタータ的の曲も含まれます。ブラス・デ・ラセルナは18世紀後半のスペインで活躍した作曲家で、500曲以上の歌劇やトナディリャを作曲し高い人気を得た人です。最近まで忘れられていましたが、作曲家ホアキン・ニンの尽力もあり復興の兆しが見えています。
 この未知のレパートリーを演奏するのはラ・ディスペルシオーネ。1999年に創設されたピリオド楽器のアンサンブルです。
 
Cantate Contarini
EN2027
\2600
コンタリーニ・カンタータ集
 1.Lamento di Cintia/2.Voi me la pagherete/
 3.Steso all’ombra/4.Bella boca/
 5.Si, si, son tradito/6.Sconsolata gemea/
 7.O voi dell’ alma opressa/
 8.Non tante stelle/9.Fili parlianci chiaro
マルタ・インファンテ(メゾソプラノ)/
アルス・アトランティカ
<メンバー:
サンティ・ミロン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ブルノ・フォルスト(チェンバロ)>/
マヌエル・ビラス(ダブルハープ&指揮)
録音:2008年7月14-16日スペイン ロゴ、ボンベイロ、聖ビセンテ教会ヴィア・ステレ音楽祭、ガリシア放送との共同制作
 イタリア、パドヴァ近郊ピアッツォーラ・スル・ブレンタのコンタリーニ邸に所蔵されていた写本に収められた作者不詳のバロック・カンタータ集。ハープ奏者マニエル・ビラス率いるアルス・アトランティカによる見事な演奏です。
 

Vivaldi - Cetra Ritrovata
EN2028
\2600→\2390
チェトラの再発見〜ヴィヴァルディ:協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン、弦楽と
  通奏低音のための協奏曲ト短調 RV322(「ラ・チェトラ」手稿譜第8番…
   パブロ・ケイポ・デ・リャノ補筆)/
 4-6.フラウト・トラヴェルソ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調 RV438/
 7-9.チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲イ短調 RV419/
 10-12.リュート、2台のヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲ニ長調 RV93/
 13-15.2台のヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲イ短調 RV523/
 16-18.4台のヴァイオリン、チェロ、弦楽と
   通奏低音のための協奏曲ロ短調 Op.3 No.10 RV580
フェデリコ・グリエルモ(ヴァイオリン)…1-3.13-15.16-18/
ジョルジョ・ファーヴァ(ヴァイオリン)…13-15/
ミケーレ・ファヴァーロ(フラウト・トラヴェルソ)…4-6/
ダニエーレ・ボーヴォ(チェロ)…7-9.16-18/
イヴァーノ・ツァネンギ(アーキリュート)…10-12/
ジャンピエロ・ツァノッコ(ヴァイオリン)…16-18/
マッシミリアーノ・ティエッポ(ヴァイオリン)…16-18/
ジョルジョ・バルダン(ヴァイオリン)…16-18/
ロペラ・ストラヴァガンテ・ディ・ヴェネツィア/
イヴァーノ・ツァネンギ(アーキリュート&指揮)
録音 2008年5月スペイン アランフエス王宮劇場, 1999年イタリア トレヴィーゾ,カンポクローチェ、聖テオニスト教会
 1727年に出版されたヴァイオリン協奏曲集「ラ・チェトラ」。その翌年にヴィヴァルディ(1678-1741)は神聖ローマ皇帝カール6世(1685-1740)に拝謁する機会に恵まれ、この協奏曲集を献呈したのです。
 この時皇帝に渡したのは手稿譜でしたが、これは現在普通に聴くことができる出版譜とはかなりの差異があったのでした。現在ウィーン国立図書館に収蔵されているこの手稿譜は、悲しいことにヴァイオリン・ソロパートの一部を欠いているため、RV322をスペインの音楽学者パブロ・ケイポ・デ・リャノがこれを研究の上に復元し、世界初録音したものです。
 
Victoria: Tenebrae Responsories
EN2029
\2600
トマス・ルイス・デ・ビクトリア:
 18のテネブレ・レスポンソリウム聖週間の聖務日課集(1585)から

 [聖木曜日]
  1.私の友は/2.商人ユダは/3.弟子の一人が/
  4.私は子羊のように/5.ひとときも/6.民の長老たちは/
 [聖金曜日]
  7.まるで強盗に立ち向かうように/8.暗くなり/
  9.私の魂を/10.彼らは私を引き渡した/
  11.不敬な者はイエスを引き渡した/12.私の眼はかすんだ/
 [聖土曜日]
  13.羊飼いたちは去り/14.おお、あなたがた/
  15.すべての者よ,見よ、その最期を/
  16.王たちは立ちあがった/
  17.私は見なされた/18.主が葬られた後
ムジカ・フィクタ/
ラウール・マリャビバレーナ(指揮)
録音:2009年3月、マラガ県ロンダ(スペイン)、デスカルソス・ビエホス修道院
 2011年のビクトリア没後400年を記念してのリリース。ビクトリア(1548-1611)の最高傑作とされるこの作品は、彼が書いた全37曲の中から18曲のレスポンソリウムを美しく歌い上げています。
 キリストの受難上、もっとも悲惨な出来事をムジカ・フィクタはこの世のものとも思えぬ清冽さで歌い上げます。
 

JS Bach: Lute Works
EN2030
\2600→\2390
J.S.バッハ:リュート作品集
 1-4.組曲ハ短調 BWV997/5.前奏曲BWV999/
 6.フーガBWV1000/7-9.前奏曲、フーガとアレグロBWV998/
 10.シャコンヌBWV1004/11.前奏曲BWV1006a/
<ボーナス・トラック>
 12.エアBWV1068(管弦楽組曲第3番より)
ラファエル・ボナビタ(バロックリュート)
録音:2010年2月スペイン リェイダ
 ラファエル・ボナビタのリュートによるバッハ(1685-1750)の作品集。現在至るところで耳にするバッハの音楽を、もう一度新鮮な気持ちで聴くための1枚です。
 圧巻はBWV1004のシャコンヌで、もともとは無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータの終曲の巨大な変奏曲。様々な楽器のために編曲されていることでも知られています。
 リュートで演奏することはとても困難ですが、名手ボナビタは何の苦もないかのように弾きこなしています。
 またボーナス・トラックとして添えられている「エア」(G線上のアリアとして知られる曲)の優美なこと。バッハを聴く(弾く)喜びにあふれています。
 
Martin y Coll
EN2031
\2600
アントニオ・マルティン・イ・コル編纂によるオルガン&器楽曲集
 1.即興/2.カンシオン/3.ロス・インポッシブル/
 4.イタリアのバイレテ/5.シャカラ(別荘)/
 6.モニカ・フォルサタ/7.Obra de medio registro de mano izquierda/
 8.カンシオン第2番/9.カナリオス/10.斧の踊り/
 11.Quando podre lograrte/12.悪いヤツ/
 13.もう一つのカナリオス/14.Obra de cuarto tono/
 15.Entrada de clarines, antes de tocar canziones/
 16.イタリアのカンシオン/17.カタランのカンシオン/
 18.フランスのカンシオン/19.ヴェネツィアのカンシオン/
 20.アレマナのカンシオン/
 21.Obra de medio registro de mano derecha/
 22.Discurso con ecos/23.マリツァパロス/
 24.エル・ラ・タ・タ/25.Bailo di dame/26.ラ・フォリア/
 27.Bailo di dame/28.パッサカーレ/
 29.Obra de falsas cromaticas/30.カンシオン第3番/
 31.ロス・インポッシブル/32.牛/33.転がる/
 34.陽気な空気/35.戦い/36.ベイルの大公
イグナジ・ホルダ(オルガン)/
ラ・ディスペルシオーネ
<メンバー:
ダビド・アンティク(リコーダー)/
アルベルト・ロマゲラ(オーボエ)/
シモ・オスカ(ファゴット)/
ルイス・オスカ・P(ヴァイオリン)/
ジュゼプ・リベス(ヴァイオリン)/
アドルフ・ヒメネス(ヴィオラ)/
グスタボ・カネト(チェロ)/
フアン・ペルフェクト・オスカ(コントラバス)/
ジュゼプ・マリア・マルティ(ギター&テオルボ)/
マヌエル・ビラス(ハープ)/
イグナジ・ホルダ(チェンバロ)/
ルイス・オスカ・G(打楽器)/
ジュアン・B・ブイルス(指揮) >
録音:2010年12月スペイン バレンシア モンテサ,被昇天教会
 アントニオ・マルティン・イ・コル(1671頃-1734)はマドリードのサンフランシスコ・エル・グランデ修道院で晩年を過ごした修道士・オルガニスト・作曲家・楽譜収集編纂家。
 
Froberger: Diverse
EN2032
\2600
ヨハン・ヤコプ・フローベルガー:ディヴァース-多様性〜鍵盤楽器のための作品集
 1.トッカータⅡ FbWV102/
 2-5.パルティータFbWV620
  <来るべき私の死についての瞑想/クラント/サラバンド/ジグ>/
 6.ブランシュローシュ氏の死に寄せてパリで書かれたトンボーFbWV632/
 7.リチェルカーレIV FbWV404/
 8.トッカータV-聖体奉挙のためのFbWV105/
 9.カプリッチョVI FbWV506/
 10-13.パルティータFbWV615
  <アルマンド/ジグ/クラント/サラバンド>/
 14.ファンタジアⅡ FbWV202/15.トッカータⅢ FbWV103/
 16.哀歌-皇帝フェルディナント3世陛下の悲しい死に寄せるFbWV633
アレハンドロ・カサル(チェンバロ…1-6.9-13.15-16,オルガン…7.8.14)
録音:2010年2月、11月スペイン コルドバ スプートニク・スタジオ、聖イポリト教会
 スペインのセビリャに生まれ、トニー・ミラン、ヤン・ウィレム・ヤンセン、ジャック・オッホ他に師事したチェンバロ&オルガン奏者、アレハンドロ・カサルのデビューCD。
 フローベルガー(1616-1667)はドイツ初期バロック音楽の作曲家で、フレスコバルディ門下の鍵盤楽器演奏の達人でした。J.S.バッハ以前の重要な鍵盤曲作曲家の一人であり、バロック時代の「組曲」の創始者としても知られています。標題音楽も多く、そのどれもがプライヴェートを反映させたユニークなものばかりです。
 
EN2033
\2600
パブロ・ケイポ・デ・ジャーノ:4声からなる25のフーガ集 アンサンブル・フィサルキ・ディ・フィレンツェ
録音 2011年11月14-16日Madcow Studio, Linari, Barberino val d’Elsa, Florencia
 ビルバオ出身の音楽学者デ・ジャーノ(1971-)は、ヨーロッパでは主にヴィヴァルディの研究家として知られ、その研究成果は色々な意味で古楽界に衝撃を与えたことで知られています。
 また彼は独学で作曲を学び、やはりその成果を表明するために、自ら後期バロックの様式を模したフーガを書き、その音楽語法を彼なりのやり方で解明しようと試みています。
 このアルバムはそんな彼の「研究成果」の集大成です。現代音楽でもなくバロック音楽でもない不思議な世界をぜひお楽しみください。
 
EN2034
\2600
VACILLANTIS-12世紀、スペインの愛、宗教と道徳の歌
 1.Magno gaudens gaudio/2.Ecce torpet probitas/
 3.Preconia virginis laudum/
  Novum festum celebremus/In natali summi regis/
 4.Lilium floruit/5.O admirabile Veneris/
 6.Dum medium silentium/7.Olim sudor Herculis/
 8.Veste nuptiali/9.Fas et nefas ambulant/
 10.Vacillantis trutine libramine/
 11.Ecce tempus gaudii/
 12.Veritas veritatum/13.Luto carens
マギステル・ペテルス
録音 2011年8月,9月Casa Refugi el Boixar, El Boixar, Valencia
 中世のレパートリーを数多く持つアンサンブル、マギステル・ペテルスのファースト・アルバムは12世紀の愛情と宗教に焦点をあてた歌曲集。生活から情念まで様々な世界を連想させる濃い1枚。

GRAND PIANO


Grainger: Folk-Inspired Works for Piano Duet and Duo
GP633
\2000→\1890
グレインジャー:「民謡に触発された作品集」2台と4手のためのピアノ作品集
 1.ストランド通りのヘンデル(木靴のダンス)(2台ピアノ版)/
 2.岸部のモリー「アイルランドのリール」(2台ピアノ版)/
 3.羊飼いのカントリーダンス(2台ピアノ版)/
 4.収穫の賛歌「スウェーデンの収穫の時」(連弾版)/
 5.カントリー・ガーデン(連弾版)/
 6.フェロー諸島の歌より「緑の草原で楽しく踊ろう」/
 7.スプーン・リヴァー(2台ピアノ版)/
 8.サリーが涙して座るとき(2台ピアノ版)/
 9-14.組曲「リンカンシャーの花束」(2台ピアノ版)
  <リスボン(ダブリン湾)/ホークストー農場/
   ラフォード猟園の密猟者/元気な若い船乗り/メルボルン卿/
   行方不明のお嬢さんが見つかった>/
 15.ガーシュウィンの「ポーギーとベス」による幻想曲(2台ピアノ版)
ビルダー・デュオ
<メンバー:
キャロリン・ヴァイヒェルト/
クレメンス・ラーヴェ>
録音 2011年1月6.7日…1-14, 2011年1月11日…15 ドイツ ミュンスター,ピアノハウス・ミッケ
 オーストラリアのピアニスト、作曲家パーシー・グレインジャー(1882-1961)のピアノ作品集です。彼は1907年にノルウェーのグリーグの元を訪れ「民謡を大切にする心」に目覚めたといいます。そしてエジソンが発明した蓄音機を持参してイギリスを回り、民謡を収集。これらを編曲した時の経験が、このアルバムに収録されたピアノ曲に凝縮されています。この中で最も有名なのは「リンカンシャーの花束」でしょう。本来は吹奏楽のための作品として書かれましたが、ここに収録されているのは1937年に2台ピアノのために編曲されたもので、曲の持つ雰囲気が一層増幅された見事な仕上がりとなっています。またガーシュウインの名作「ポーギーとベス」による幻想曲も物悲しいエッセンスを生かした聴きごたえのあるものです。デュオの一人、ヴァイヒェルトはシュルホフ作品集(GP604)での知性的な演奏が高く評価されている人。またもう一人のラーヴェはラッヘンマンの作品の初演などで知られる現代音楽を得意とするピアニスト。2人の火花が散るような掛け合いをお聞きください。
 

Joachim Raff: Piano Works Volume 3
GP634
\2000→\1890
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集第3集
 1-9.抒情的なアルバムOp.17(1849年版)
  <夢想/夢想/夢想/ロマンツェ/バラード/夜想曲/
  夜想曲/スケルツォ/序奏とフーガ>/
 10-14.5つの牧歌Op.105/15.即興的ワルツOp.94/
 16.幻想ポロネーズOp.106 ※世界初録音
チャ・グエン(ピアノ)
録音 2011年11月29.30日UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ヨアヒム・ラフは「ドイツの作曲家」とされていますが、実はスイスのチューリヒ生まれです。1845年、バーゼルでコンサートを開いたリストの演奏に心酔し、そのままドイツに行ってしまったほどの行動力を持ち、一時はスイスに戻るも、1849年に再びドイツへ行き、リストの助手となりました。
 そんな彼の作品にはやはりリストの影響が強く感じられるものが多く、例えばOp.94の「即興的ワルツ」やOp.106の「幻想ポロネーズ」は、まさしくリスト風の華麗なピアニズムが炸裂しています。一転「抒情的なアルバム」は、あの美しい「カヴァティーナ」を思い起こさせるゆったりとした曲が大半を占めた落ち着いた曲集となっています。今作もベトナムの女性ピアニスト、チャ・グエンが共感に満ちた美しい響きで、曲の姿を描き出しています。
 

Tcherepnin: Complete Piano Music Volume 2
GP632
\2000→\1890
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品全集第2集
 1-4.ロマンティックなソナチネOp.4/
 5-10.小組曲Op.6/11.トッカータ第1番Op.1/
 12-19.題名のない小品Op.7/20.夜想曲第1番Op.2-1/
 21.舞曲第1番Op.2-2/22.夜想曲第2番Op.8-1/
 23.舞曲第2番Op.8-2/24.スケルツォOp.3/25.伝言Op.39
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)
録音 2011年3月18日…1-24, 2012年2月8日…25 スイスルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
 ロシアの芸術一家(父はリムスキー・コルサコフの弟子であったニコライ・チェレプニン(1899-1977)に生まれた、作曲家&ピアニスト、アレクサンドル・チェレプニンのピアノ作品集第2集です。
 とても若い頃から曲を書いていた彼ですが、1918年にロシア革命に伴い、一家でパリに亡命したことがきっかけで、フランス6人組やストラヴィンスキー、ラヴェルらと親交を結び、フランス風の語法を身に付けます。このアルバムに収録されているのは比較的初期の作品であり、プロコフィエフやラフマニノフ風の機知に溢れた楽しい曲が並びます。1926年に作曲されたOp.39の「伝言」はチェレプニンの傑作とされていて、劇的なアプローチと爆発的なパワーに満ちた音楽は確かに「時代」を先取りしています。

MARCO POLO


8.225343
\2000
J.シュトラウス1世:作品集第23集
 1.幸運のポルカOp.219/
 2.ウィーン・クロイツェル協会のポルカOp.220/
 3.オーストリア州兵の行進曲Op.221/
 4.アイアコスのワルツOp.222/
 5.学生軍の行進曲Op.223/
 6.ワルツ「アムピオンのメロディ」Op.224/
 7.ワルツ「エーテルの夢」Op.225/
 8.行進曲「自由」Op.226/
 9.統一ドイツの行進曲Op.227/
 10.ラデツキー行進曲(第1稿) Op.228/
 11.軍隊スタイルのカドリーユOp.229/
 12.ワルツ「ストレスを鎮めて」Op.230
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)
録音 2012年1月7-8日スロヴァキア ジリナ,ファトラ芸術家の家
 ヨーロッパにおける1848年は「激動の年」でした。2月にフランスで勃発した「2月革命」は次第にヨーロッパの各地に伝播し、中でも3月にドイツ連邦、オーストリアで起こった革命は「3月革命」と呼ばれ、時の宰相クレメンス・メッテルニヒが失脚、亡命するなど政治的に不安定な時期を迎え、市民たちの生活も少しずつ脅かされていったことは間違いありません。とは言え、ヨハン・シュトラウス(1804-1849)の創作意欲は衰えることなく、次々と名作が書かれた年でもありました。
 トラック1の「幸運のポルカ」は、この年がうるう年であったことを記念して発売された「宝くじ」のために書かれた曲です。
 トラック3は革命の勃発に伴い、国民の士気をあげるための行進曲です。
 他には女神の名を採った作品や、自由のための行進曲など、心を昂進させる傾向の曲が多い1枚です。
 何といっても一番有名なのは「ラデツキー行進曲」です。3月革命に伴う、北イタリアの独立運動を鎮圧した名将ヨーゼフ・ラデツキーを讃えて書かれた名作です。ここでは、あまり演奏されることのない第1稿が収録されています。

NAXOS 1CD¥1100



8.573007
\1100
ズガンバーティ:交響曲第1番・コラ・ディ・リエンツォ
 1.コラ・ディ・リエンツォより序曲/
 2-6.交響曲第1番ニ長調 Op.16
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 ローマ アウディトリウム・ディ・ヴィア・コンキリアツィオーネ2011年10月16-17日…1, 2011年12月4-5日…2-6
 ジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914)はイタリア人の父とイギリス人の母との間に生まれた作曲家です。トレヴィで初期の音楽教育を受けたあと、1860年にローマに移住。当時ローマに住んでいたフランツ・リストと親交を結んだことが、彼の音楽性の方向を決定付けました。この頃のイタリアはオペラが絶頂期を迎えていて、数々の名作が生まれていたのですが、ズガンバーティは敢えて室内楽や管弦楽作品を作曲し、「イタリア器楽曲のルネサンス」とも言える潮流を創り上げたのです。
 何しろ当時のイタリアはベートーヴェンの英雄交響曲ですら、演奏されたことがなかったのですから…。そんな彼の音楽には、紛れもなくリストとワーグナーの影響が見て取れ、どれもドイツ風の重厚さとイタリア風の歌心が調和した魅力的な音楽となっています。地中海のさわやかな風を思わせる交響曲第1番、長い間楽譜が失われていた「コラ・ディ・リエンツォ」の序曲とも、素晴しく美しいメロディが耳に残ります。
 
マルティヌー:ピアノ三重奏曲全集(アーバーピアノ三重奏団)
8.572251
\1100
マルティヌー:ピアノ三重奏曲全集
 1-5.5つの小品(ピアノ三重奏曲第1番)(1930)/
 6-8.ピアノ三重奏曲第2番ニ短調(1951)/
 9-13.牧歌集/
 14-16.ピアノ三重奏曲 第3番ハ長調(ザ・グレート)(1951)
アーバー三重奏団
<メンバー:
ドミトリー・ヴォロヴィエフ(ピアノ)/
スティーヴン・シップス(ヴァイオリン)/
リチャード・アーロン(チェロ)>
録音 2010年8月30日-9月3日チェコ ピルゼン,チェコ放送
 チェコの作曲家マルティヌー(1890-1959)の室内楽作品は、そのバランスの良い響きと斬新な和声が20世紀音楽好きの耳を引き付けています。このピアノ三重奏曲もどれもが魅力的であり、書かれた時代を反映した興味深い作品です。1930年の第1番は、5つの部分からなる小品集として想起され、一つ一つが独立した表情を持っています。パリでストラヴィンスキーに絶賛された、まさに新古典派の作風を持つ生き生きとした楽しい音楽です。第2番と第3番は1951年にアメリカで作曲され、一層興味深い作品となっています。音楽の進行は、親しみやすい主題と、ゆっくりした哀歌が突然交代するというまさに予測不可能なもので、現代人の不安を見事に抉り出したかのような深さを感じさせます。チェコで活躍するアーバーピアノ三重奏団の革新的な演奏です。
 

FRANCK, E.: Piano Trio No. 2 / Cello Sonata No. 2 / Violin Sonata No. 2 (Ashkenasi, Hanani, Tocco)
8.572480
\1100
エドゥアルド・フランク:ピアノ三重奏曲Op.22 他
 1-4.ピアノ三重奏曲変ホ長調 Op.22/
 5-8.チェロ・ソナタヘ長調 Op.42/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.23
サミュエル・アシュケナージ(ヴァイオリン)…1-4.9-12/
イェフダ・ハナニ(チェロ)…1-8/
ジェームズ・トッコ(ピアノ)
録音 アメリカインディアナ,ブルーミングトン,カルチャー/デマイン・スタジオ2009年11月2-4日…1-4, 2009年11月7日…5-8, 2010年5月7-8日…9-12
 プロイセン王国の州都であったヴロツワフ(現在はポーランド領)の裕福な銀行家の家庭に生まれたエドゥアルド・フランク(1817-1893)。彼はメンデルスゾーンに音楽を師事するだけでなく、親しい友人として彼と連弾コンサートを催すなど、強い影響を受けました。またシューマンとも親交を結んだことでも知られています。
 彼の作品は聴いてわかる通り、当時の気風を見事に表現したロマンティックなものばかりですが、何しろ彼はピアニストとしてだけでなく、教師としても優秀であったため、こちらの仕事に時間を取られてしまい、作曲する時間を存分に作ることができなかったようで、それが現在の知名度の低さに結びついているようです。ここでじっくり彼の作品に耳を傾けてみてください。溢れるばかりの旋律に満ちた三重奏、見事な構成を持つチェロ・ソナタ、そして美しすぎるヴァイオリン・ソナタ。ため息ものです。
 

パエール:オラトリオ「聖なる墓に」(ジモン・マイール合唱団&アンサンブル/ハウク)
8.572492
\1100

フェルディナンド・パエール:オラトリオ「聖なる墓碑」
 1.マイール(1763-1845):序曲/
 2-18.パエール:オラトリオ「聖なる墓碑、イエス・キリストの受難」
マッデレーナ…コルネリア・ホラーク(ソプラノ)/
ジョヴァンニ…ベネッサ・バルコウスキ(アルト)/
ニコデモ…トーマス・マイケル・アレン(テノール)/
ジュセッペ・ダルマテア…ジェンス・ハーマン(バス)/
ミリアム・クラーク(ソプラノ)/
ヴァレル・バルナ=サバドゥス(アルト)/
クラウス・ステップバーガー(テンール)/
トーマス・スティンメル(バス)/
ジモン・マイール合唱団&アンサンブル/
フランツ・ハウク(指揮)
録音 2008年9月3-7日ドイツインゴルシュタット,マリア・デ・ビクトリア教会
 フェルディナンド・パエール(1771-1939)は1771年にパルマで生まれ、彼の父から最初の音楽の手ほどきを受け間ました。彼は同時代に活躍したシモン・マイールとともにその時代の「重要なオペラ作曲家」に位置付けられ、数多くのオペラを残しています。この作品はオペラではなくオラトリオであり、しばしば2つの作品であると伝えられているものです。
 1803年にウィーンで初演された時は、ぶっきら棒にキリストの死から始まり、天使たちの合唱が続きます。受難の部分ははりつけの描写、復活、最後の審判に協力で表現的な音楽が与えられています。この盤では、マイールの書いた序曲を付けることで、この音楽を比類なき物語へと昇華させています。演奏はマイールの一連の演奏でおなじみのフランツ・ハウク。共感と緊張に満ちた名演を聴かせています。
 

プロコフィエフ:ピアノ作品集(キム・ドンギュ)
8.572826
\1100

期待の新進演奏家シリーズ/キム・ドンギュ ピアノ・リサイタル
 プロコフィエフ(1891-1953):
  1-4.4つの練習曲Op.2/
  5-8.4つの小品Op.3 <おとぎ話/冗談/行進曲/幻影>/
  9-12.4つの小品Op.32 <舞曲/メヌエット/ガヴォット/ワルツ>/
  13.ピアノ・ソナタ第10番ホ短調 Op.137(未完)/
  14-16.ソナチネ第1番ホ短調Op.54-1/
  17-19.ソナチネ第2番ト長調 Op.54-2/
  20-22.ピアノ・ソナタ第5番ハ長調(改訂版) Op.135
キム・ドンギュ(ピアノ)
録音 2012年4月19-20日UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 韓国生まれの新進気鋭ピアニスト、キム・ドンギュのリサイタル・アルバムです。彼は2010年のサン・マリノ国際ピアノ・コンクール第1位獲得を始め多くの国際コンクールで上位入賞を果たし、その卓越した技巧と華麗なる表現力が高く評価されています。すでに数多くのオーケストラと共演していて韓国、イタリア、ドイツではソロリサイタルを開催しこちらも大評判となっています。2012年のリーズ国際コンクールでは惜しくも賞を逃しましたが今後の活躍には存分に期待の持てる大器です。
 ここではプロコフィエフの小品集とソナタ、ソナチネの幾つかを演奏していますが、ここでの多彩な音色と考え抜かれたタッチはやはり並大抵のものではない「何か」を感じさせてくれます。
 

雷身(レイ・リャン):ヴァージ/トレマーズ・オブ・ア・メモリー・コード/オーラル・ハイポシシス/ファイヴ・シーズンズ(パリンプセスト・パリンプセスト/カリサンピアン・コンソート/ウー・マン/チェン・ピ=シェン)
8.572839
\1100

レイ・リャン:ヴァージ,記憶の弦の振動
 1.18の弦楽器のための「ヴァージ」(2009)/
 2.フルート,クラリネット,ヴァイオリン,チェロ,ピアノと
  ヴィヴラフォンのための「聴覚の仮説」(2010)/
 3.琵琶と弦楽四重奏のための「5つの季節」(2010)/
 4.ピアノと大中華管弦楽のための「記憶の弦の振動」(2011)
パリンプセスト・アンサンブル…1/
スティーヴ・シック…1/
カリツムピアン・コンソート…2/
ステファン・ドルーリー…2/
ウー・マン(琵琶)…3/
上海弦楽四重奏団…3/
ピ=シエン・チェン(ピアノ)…4/
台北チャイニーズ・オーケストラ…4/
エン・シャオ(指揮)…4
録音 2012年2月2日サン・ディエゴ,コンラッド・プレビス・ミュージック・センター・コンサート・ホール…1/2011年9月14日ニューイングランド・コンセルヴァトリー・オブ・ミュージックジョルダン・ホール…2/2011年2月27日リッチモンド大学,ライヴ・アット・チャンプ・コンサート・ホール…3/2011年4月14日台北 ナショナル・コンサート・ホール…4
 2011年、ローマ賞を受賞した中国生まれのアメリカの作曲家、レイ・リャン(1972-)の創造力に満ち溢れた作品集です。ニューヨーク・タイムズ紙で「忘れられない美しさ」と評され、またワシントン・ポスト紙では「華麗なる独創性と余地のない素晴らしさ」と絶賛された作品は、西洋と東洋の融合と、魅惑的な響きを模索するという刺激的な味わいを有したもので、琵琶や中国楽器を効果的に用いた豊かな音色が特徴です。また「聴覚の仮説」は、彼の生まれたばかりの息子アルベルトへの贈り物であり、様々な音色が飛翔する感覚的な音楽です。
 新しい世界の創造に立ち会いたい人にオススメの1枚です。
 

ヴァルヒャ:コラール前奏曲集 2 (リュプサム)
8.572911
\1100

ヘルムート・ヴァルヒャ:コラール前奏曲集 第2集
 1.第1番:こぞりて讃えよ主のみ民ら/
 2.第2番:高きみ空よりよきおとずれもて/
 3.第3番:キリスト、神のひとり子/
 4.第4番:おおしたわしき主イエス・キリストよ/
 5.第5番:神の御子は来たれり/
 6.第6番:あしたに輝く、たえなる星よ/
 7.第7番:おおイエス・キリスト、光のわが主よ/
 8.第8番:主なる神をほめよ、あなたたちすべての異邦人よ/
 9.第9番:おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け/
 10.第10番:あわれなる罪人/
 11.第11番:イエス、あなたの受難/
 12.第12番:今キリストが蘇る/
 13.第13番:静かな喜びをもって/
 14.第14番:来たれ聖霊、主なる神/
 15.第15番:聖霊よ、わが庇護者よ/
 16.第16番:すべての人は心をかえて新しき道を求めよ/
 17.第17番:頌めよ主を強き栄えの君を/
 18.第18番:われら悩みの極みにありて/
 19.第19番:天と地におられる神よ/
 20.第20番:一日が終わり、イエスよ私とともに留まりたまえ
ヴォルフガンク・リュプザム(オルガン…ジョン・ブロンワウ製Opus35)
録音イリノイ州スプリングフィールド,ファースト・プレスビテリアン教会2011年12月2日
 20世紀を代表するオルガニストとして知られるライプツィヒ生まれのヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)。彼はすぐれた教会音楽の作曲家でもありました。残された作品も数多く、NAXOSでは4集にわけて、彼のオルガン作品全集をリリースします。この第2集は、コラール前奏曲の第2集です。このコラール前奏曲は、バロックの伝統様式に則った、いかにもドイツらしいもので第1集(8.572910)でもその見事さは際立っていましたが、この第2集は、若いオルガニストの育成を目的とした教材として、対位法やペダル・ポイントの使い方に存分な注意を払ったものでもあり、音楽的な面においても、また教材としても申し分のない作品群です。もちろん根底には「神への祈り」があり、これが全ての曲を輝かせていることは間違いありません。ヴァルヒャの弟子であるオルガニストのリュプザムは、これらの作品にも深い愛着を持って丁寧に演奏しています。
 

ホルスト/ギルバートソン/ティケリ/マッケイ:吹奏楽作品集(Rest)(オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー/ミッケルソン)
8.572980
\1100

REST
 1.J.S.バッハ(1685-1750):
  ジーグ風フーガ(原曲…フーガト長調 BWV577)/
   1928年グスタフ・ホルスト編曲,ジョン・ミッチェル補筆/
 2.ジルバートソン(1987-):徹夜祷(2007/2010)/
 3.ティケリ(1958-):レスト(2010)/
 4-7.ティケリ(1958-):交響曲第1番(G.D.グリーンによる吹奏楽編)(2001/2010)/
 8.マッキー(1973-):アスファルト・カクテル(2009)
ブライアン・チェイニー(テノール)/
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー/
ラッセル・C・ミッケルソン(指揮)
録音 アメリカ オハイオ、ウィーゲル・アウディトリウム2011年1月29.30日…4-7, 2011年2月5日…2.8, 2011年2月6日…1.3
 オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーのエキサイティングなアルバムです。第1曲目のフーガ(原曲はバッハ)は、もともとの付点のリズムを生かした楽しい仕上がり。オルガンのみで奏でられる原曲にカラフルな色彩が加えられています。ロシアの合唱曲から題材を得たジルバートソンの「ヴィジル(徹夜祷)」の不気味さは、心の中に潜む闇まで描き出しているようです。この作品はジルバートソンの親友ディドラファルの死を悼み、彼女に捧げられています。
 ティケリのアルバム・タイトルにもなっている「レスト」はサラ・ティーズデールの詩から触発された作品で、このアルバムの指揮者ミッケルソンから委嘱されたものです。同じくティケリによる「交響曲第1番」の4つの楽章は、心の中の旅の風景を表わしているといいます。最後のマッケイの曲はなんとも小粋なもので、ニューヨークでのちょっとしたエピソードが見事な音になりました。 
 

マイヤー:弦楽四重奏曲集 3 - 第7番, 第10番, 第13番(ヴィエニャフスキ弦楽四重奏団)
8.573001
\1100

クシシュトフ・メイエル:弦楽四重奏曲集第3集
 1.弦楽四重奏曲第7番Op.65(1985)/
 2-5.弦楽四重奏曲第10番Op.82(1994)/
 6-10.弦楽四重奏曲第13番Op.113(2010)
ヴィエニャフスキ弦楽四重奏団
<メンバー:
ヤロスラフ・ゾルニエルチュキ(ヴァイオリン)/
ミロスラフ・ボチェク(ヴァイオリン)/
レフ・バラバン(ヴィオラ)/
マチェイ・マズレク(チェロ)>
録音 ポーランド ポズナニ,ラジオ・マーキュリー2011年11月3日…6-10,2010年11月4日…1,2010年11月24-25日…2-5
 1943年、ポーランドのクラコフ生まれのメイエル(1943-)の弦楽四重奏曲第3集です。第1集(8.570776)と第2集(8.572656)で、その刺激的な響きに耳が驚いた人も多いことでしょう。この第3集にも不思議な音楽が充満しています。第7番は単一の楽章で構成され、素材の扱いと対位法が工夫された作品です。4台の楽器の対話が見事であり、時には力強いユニゾンで畳み掛けるように進んでいきます。
 第10番は伝統的な4楽章で書かれていますが、想像の通り内容は一筋縄では行きません。5楽章からなる第13番は、楽章ごとの表情の変化に耳を傾けてみてください。緊密に関連付けられたモティーフが形を変えながら、せわしない音型の上で歌われていくフィナーレには、ぞくぞくするような面白さがあります。
 
8.573014
\1100
アイアランド:教会音楽集
 1.テ・デウムヘ長調/2.ベネディクトゥス/3-9.聖餐式ハ長調/
 10.私の歌は愛が不明/11.哀しきロマンス(オルガン独奏)/
 12-13.夜の礼拝 ハ長調/14.救いの主はハレルヤ/
 15-18.4つの無伴奏キャロル/19.それ以上のことはできない/
 20.私は信頼している/21.最も素晴らしいもの/
 22.カプリッチョ(オルガン独奏)/23.賛美の島/24-25.夕べの礼拝ヘ長調
チャールズ・ハリソン(オルガン)/
リンカーン大聖堂合唱団/
アリック・プレンティス(指揮)
録音 2012年2月6.7.27.27-29日UK リンカーン大聖堂
 スコットランド系のイギリスの作曲家、ジョン・アイアランド(1879-1962)の流麗かつ清冽な宗教曲集です。彼は生涯を通じてかなり作風が変化した人で、始めはドイツ・ロマン派の影響を受け、印象派、新古典派を通り抜け、またイギリス音楽の伝統に立ち返るという大きな流れがありますが、宗教曲の分野においてのスタイルの変化はあまりなく、教会音楽の旋法による素朴で静かな作品を数多く残しています。一時期チェルシーの聖ルーク教会の楽長兼オルガニストを務めたことがあり、その時期の作品は名作として現代でも歌い継がれています。
 


リッツァ:合唱作品集(ミステリアム・アモリス)(ガウデーテ・アンサンブル/デューガン)
8.573039
\1100

マルガレット・リッツァ:愛の神秘〜合唱作品集
 1.アヴェ・マリア/2.おお、偉大なる神秘よ/3.言葉なき/
 4.マリアの眠り/5.愛の炎/6.おお、知識よ/
 7.キリストのおそばに/8.愛の神秘/9.来たれイエスよ/
 10.サンクトゥス・ドミヌス/11.おお、鳩の鏡よ/
 12.ライジング・プレイヤー/13.神秘的な夜/
 14.我が瞳は我が主のもとに/15.うるわしき救い主のみ母
ガウダーテ・アンサンブル/
イーモン・デューガン(指揮)
録音 UK ロンドン,ケニシュ・タウン 聖サイラス・マーター教会2010年1月21日…1.4.6.7.11.13.15、2010年7月6日…2.3.5.8.9.0.12.14
 作曲者のリッツァ(1929-)はロンドンのギルドホール・スクールで音楽と演劇を25年間教えながら、数多くの録音も行っています。1997年から作曲を始めたという彼女の作品は「クラシカル・コンテンポラリー」の分野で賞賛され、数多くの聴き手に癒しの心を与え続けています。全曲に漲る生き生きとした表現としなやかなメロディは、とても御老人(失礼!)の作品とは思えません。「人間には限界など存在しない」ということを確信できるのではないでしょうか。
 どこかモダンで懐かしい歌の数々を心行くまでお楽しみください。
 
MCCABE, J.: Choral Music (Visions) (BBC Singers, Farrington, Hill)
8.573053
\1100
マッケイブ:幻影〜合唱作品集
 1-3.3つのマリアのキャロル(2008/1973/1964)/
 4-6.マンガンによる三部作(1983)/7.アーメン/アレルヤ(1991)/
 8.誇り高き歌い手たち(1989)/9.ゆり-白いバラ(2009)/
 10.朝の番(1968)/11.夕べの番(2003)/
 12.グレート・ロード・オヴ・ローズ(1967)/
 13.父なる神への讃歌(1966)/
 14.最後の偉大なるヘラルド(2008) ※世界初録音…9.10.11.13
イアイン・ファリントン(オルガン)…10.1.12.14/
BBCシンガーズ/
デイヴィッド・ヒル(指揮)
録音 2009年2月19日,2010年7月2日ロンドン ナイトブリッジ,聖ポール教会
 英国有数の作曲家、ピアニストであるジョン・マッケイブ(1939-)。彼の作品はほぼ全てのジャンルに及び、そのどれもが高い評価を受けています。もちろん使われている音は現代的なものですが、どこか親しみやすさも備えており、とりわけ声楽作品はわかりやすいメロディが多いせいもあり、ファンも少なくありません。このアルバムには世界初録音を含む14作品が収録されています。
 作曲年代はまちまちで、ごく最近に書かれたものから、50年近くも前のものまで多彩なスタイルが混在しています。彼の音楽の変遷を感じたいのであれば、まず最初におかれた「3つのマリアのキャロル」はいかがでしょう?16世紀の作者不詳のラテン語のテキストを含む3つの曲は、美しく神秘的であり、マッケイブ自身も喜びをもって作曲したと語っています。その他、いろいろな機会のために書かれた合唱曲はBBCシンガースの最良の声を得て、素晴しい光を放っています。
 

タリス/アレグリ/ペルゴレージ/モーツァルト:宗教音楽傑作集(サマリー/ハラーシュ/ヴィルトナー/コヴァーチ)
8.578210
\1100

誰もが知ってる宗教的な作品集
 1.タリス(1505-1585):汝のほかにわれ望みなし/
 2.アレグリ(1582-1652):ミゼレーレ/
 3-14.ペルゴレージ(1710-1736):スターバト・マーテル/
 15.モーツァルト(1756-1791):アヴェ・ヴェルム・コルプスK618/
 16.J.S.バッハ(1685-1750)=グノー(1818-1893):アヴェ・マリア/
 17.フランク(1822-1890):天使の糧
※8.501062分売商品
オックスフォード・カメラータ…1.2/
ジェレミー・サマリー(指揮)…1.2/
カメラータ・ブダペスト…3-14.16-17/
ミヒャエル・ハラース(指揮)…3-14/
ラースロー・コヴァーチ(指揮)…16-17/
コシツェ・ティーチャーズ合唱団…15/
カメラータ・カッソヴィア…15/
ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)…15
世界で最も愛されている「神聖な作品」の幾つかがこのアルバムに収録されています。例えばアレグリのミゼレーレはずっと門外不出でしたがモーツァルトが一度聴いて覚えてしまったというエピソードは有名ですし、バッハの平均律(鍵盤楽器のための一種の練習曲)に、グノーが妙なる旋律を載せて生まれた究極の名曲「アヴェ・マリア」は耳にしたことがない人はいないでしょう。他にも心洗われる名作「天使の糧」や夭折の天才ペルゴレージの「スターバト・マーテル」、混じり気のない美しさを誇るタリスの「汝のほかにわれ望みなし」、美しい旋律のくせに歌われている言葉はかなり悲惨なモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。あまりの美しさに言葉を失います。
 
GRETRY, A.-E.-M.: Magnifique (Le) [Opera] (Gonzalez Toro, Calleo, Krull, Thompson, Sulayman, Williams, Scarlata, Opera Lafayette Orchestra, Brown)
8.660305
\1100
グレトリ:歌劇「ル・マニフィーク」(1773)
 1.序曲/2-9.第1幕/10-13.第2幕/14.間奏曲/15-19.第3幕
オクターヴェ…エミリアーノ・ゴンザレス=トロ(テノール)/
クレメンティーヌ…エリザベス・カレオ(ソプラノ)/
アリックス…マーガレット・クルル(ソプラノ)/
アルドブランディン…ジェフリー・トンプソン(テノール)/
ファビオ…カリム・スレイマン(テノール)/
ローレンス…ダグラス・ウィリアムズ(バリトン)/
ホラース…ランドール・スカルターラ(バリトン)/
オペラ・ラファイエット管弦楽団/
ライアン・ブラウン(指揮)
18世紀におけるオペラ・コミック座の最大の作曲家であったアンドレ・エルネスト・モデスト・グレトリ(1741-1813)。彼はベルギー、リエージュの貧しい音楽家の家に生まれ、苦労の末にイタリアへ留学し、ローマ・アリベルティ劇場のために作曲された幕間劇が評価され、ようやく自身の進むべき道を決定した人です。その後パリに渡り、そこでの成功を足掛かりに50作ほどのオペラを作曲しました。後半生は歴史的事件などを題材にすることが多かったのですが、この「ル・マニフィーク」は彼の代表作である「ゼミールとアゾール」の2年後に書かれたもので、J.M.スデーヌの台本による軽く楽しい喜劇となっています。フランス人気質を万遍なく表出したと言われる彼の作品は、もっと聴かれてもよいのではないでしょうか。
 
ALMEIDA, F.A. de: Spinalba, ovvero Il vecchio matto (La) [Opera] (Quintans, Madeira, Seara, Moreso, Fernandes, Os Musicos do Tejo, Magalhaes)
8.660319
(3CD)
\3300
デ・アルメイダ:歌劇「スピナルバ、または狂気の老人」
 <CD1>1-27.第1幕/
 <CD2>1-23.第2幕/
 <CD3>1-21.第3幕
スピナルバ…アナ・キンタンス(S)/
アルセーニョ:商人でスピナルバの父…ルイ・ロドリゲス(B)/
ディアノーラ:スピナルバの継母…カティア・モレーソ(Ms)/
エリサ:アルセーニョの姪…イネス・マデイラ(Ms)/
イッポーリト:スピナルバの不実な恋人…フェルナンド・ギマランエス(T)/
レーンドロ:エリサの恋人…マリオ・アルベス(T)/
ヴェスピーナ:使用人…ジョアナ・シアラ(S)/
トーニョ:使用人…ジョアオ・フェルナンデス(B)/
オス・ムジコス・ド・テージョ/
マルコス・マガリャアエス(指揮&チェンバロ)
録音 2011年11月15-23日ポルトガルリスボン、工科大学(ISEG)貴賓の間
 フランシスコ・アントニオ・デ・アルメイダ(1722-1752)の生涯については、ほんの少ししか知られていません。とは言え、相当の野心家であったらしい彼は、18世紀の前半にポルトガルの音楽界で中心的な位置を占めており、当時の国王であったジョアン5世の庇護を受けローマに留学。当時のイタリアンスタイルを取り入れた見事なブッファを書きました。このオペラは「男装の美女」スピルビナを巡って起こる騒動で、多くのキャストが入り乱れ、美しいアリアがたっぷり盛り込まれた見事な作品です。気鋭の新人アナ・キンタンスのドラマティックな歌を始め、実力派を取りそろえたキャストと、ポルトガル屈指のアンサンブルによる闊達な演奏をお楽しみください。
 


8.572887
(CD)
\1100
スラットキン&リヨン管
 ラヴェル:管弦楽作品集第1集

 1.道化師の朝の歌/
 2.亡き王女のためのパヴァーヌ/
 3-6.スペイン狂詩曲/7.ハバネラ形式による小品/
 8.シェヘラザード-おとぎ話への序曲/
 9.古風なメヌエット/10.ボレロ
ジェニファー・ギルバート(ヴァイオリン)…7/
フランス国立リヨン管弦楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
NBD-30
(BD-Audio)
\2300
録音 2011年9月2.3日フランス リヨン、オーディトリウム <BD-Audio>24-bit 96kHz PCM Surround/5.1 Surround-DTS-HD Master Audio/2.0 Stereo-PCM
 スラットキンとリヨン管による新プロジェクト、ラヴェル(1875-1937)の管弦楽作品集の第1集です。華麗オーケストレーションに彩られた音楽は、これまでにも多くの名指揮者たちが思い思いの色を塗った演奏を聴かせてきましたが、ここにスラットキンの新たな筆致による音の絵画を届けることとなりました。
 まずはスペイン風のリズムが楽しい「道化師の朝の歌」。この曲の解釈にはいろいろなものがありますが、このスラットキンの演奏は、前夜の過ぎた悪ふざけを思い出し、ちょっと苦笑しながら自己反省をする・・・もちろんちょっとまだ二日酔い?のような、シニカルさが漂うもの。
 落ち着いた「亡き王女のためのパヴァーヌ」、はじけまくりの「スペイン狂詩曲」などを経て、最後はお楽しみ「ボレロ」で締めくくります。決して羽目を外すことなく、上品さを保ちながらもやっぱり最後は爆発してしまう・・・。そんな人間味あふれるこのボレロが好きです。
 

8.572742
リース:ピアノ協奏曲集第5集
 1-3.ピアノ協奏曲第2番変ホ長調 Op.42/
 4.序奏と華麗なるロンドOp.144/
 5-7.ピアノ協奏曲第9番ト短調 Op.177
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)/
ニュージーランド交響楽団/
ウーヴェ・グロッド(指揮)
録音 2011年9月12-14日ニュージーランド ウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
 大好評、リース(1784-1838)のピアノと管弦楽のための作品集もこの第5集で完結となります。様々な形態で書かれた14作品は、フンメルと並ぶ、19世紀初頭のピアノ音楽における「究極の形」の一つとして燦然と輝くことは間違いありません。耳の故障のため、比較的早い時期から舞台に立つことをやめたベートーヴェンっとは異なり、リースは晩年まで有名な巨匠であり、常に新しい音楽の流行を探っていました。
 ここに収録されている3曲のピアノ協奏曲のうち、1806年に書かれた第2番は9歳のフランツ・リストが公開演奏会で弾いたという記録もある作品。曲調こそベートーヴェンの第3協奏曲に似ていますが、至るところで独自性が光る初期の作品です。また「ロンド」はロンドンから戻った後の1825年の作品であり、1832年に書かれた第9番の協奏曲は、充実したオーケストラパートを持つ充実した作品です。
 


8.572488
アジアの弦楽四重奏曲集
 1.周龍-Long Zhou(1953-):秦の歌(1982)/
 2.チナリー・ウン(1942-):スパイラルⅢ(1990)/
 3.高平-Gao Ping(1970):明るい光と雲の影(2007)/
 4.武満徹(1930-1996):ア・ウェイ・ア・ローン(1981)/
 5-12.譚盾-Dun Tan(1957-):8つのカラー
  <第1番:京劇/第2番:影/第3番:桃色の女優/
   第4番:黒い踊り/第5番:禅/第6番:太鼓と銅鑼/
   第7番:曇り/第8番:赤いソナ>
ニュージーランド弦楽四重奏団
<メンバー:
ヘレーネ・ポール(ヴァイオリン)/
ダグラス・ベイルマン(ヴァイオリン)/
ギリアン・アンセル(ヴィオラ)/
ロルフ・イェルツェン(チェロ)>
録音 2010年7月21-24日カナダ オンタリオ,聖アン教会
 日本が誇る「タケミツ」を含む5人のアジアの作曲家による弦楽四重奏曲集です。琴の音を模したピツィカートが印象的な「秦の歌」、カンボジア生まれのチナリー・ウンの作品は、西洋音楽の形式の中に仏教思想を盛り込んだものです。四川省生まれのガオ・ピンはピアニストとしても有名で、日本にも来日しそのテクニックを披露していますが、ここでは不思議な響きを持った音楽を聴かせます。
 武満については、今さら紹介の必要もないでしょう。この作品は東京クァルテットの結成10周年記念の委嘱作です。譚盾の作品は、彼が1986年にニューヨークに来て初めて書いた曲集。幼年期の思い出から無調音楽まで様々なシーンが描かれた絵画的な小品集です。ニュージーランド弦楽四重奏団の演奏によって、異文化融合が一層際立っています。
 

8.573002
In the World of Spirits 〜クリスマスの吹奏楽
 1.クロード.T.スミス(1932-1987):
  「神の御子は今宵しも」による交響的前奏曲/
 2.伝承曲:グリーンスリーブス(A.リード編)/
 3.ホルスト(1874-1934):クリスマスの朝(L.ディーン編)/
 4.スパーク(1951-):冬物語/
 5.ブロートン:イン・ザ・ワールド・オブ・スピリッツ/
 6.ホルスト(1874-1934):こがらしさむく(R.W.スミス編)/
 7.ヒグドン(1962-):ミステリアム/
 8.リード(1921-2005):ロシアのクリスマス音楽/
 9.アンダーソン(1908-1975):そりすべり
エモリー・シンフォニック・ウィンズ/
スコット・A・スチュワート(指揮)
録音 2011年7月7-9日アメリカ ジョージア,シュウォーツ・センター・フォー・パフォーミング・アーツ
 冒頭の、あのおなじみのクリスマス・キャロルが高らかに響く時、胸がわくわくしない人はいないのではないでしょうか。エモリー・シンフォニック・ウィンズは、エモリー・ウィンド・アンサンブルとアトランタ青少年ウィンド・シンフォニーのメンバーで構成された団体です。各々の曲は、前述の通りどれも良く知られたものですが、彼らの手にかかると、全てが新しく、新鮮な衣装を纏って立ち現れます。
 アルフレッド・リードの「ロシアのクリスマス」はまさにシンフォニック・バンド界の古典とも言える曲で、この素晴らしい演奏は聴き手にとっても、またこれからこの曲を演奏しようとする団体にとってもまたとない贈り物となることでしょう。
 
Hindemith: String Quartets Volume 2
8.572164
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第2集
 1-4.弦楽四重奏曲第5番Op.32(1923)/
 5-8.弦楽四重奏曲第6番変ホ長調(1943)/
 9-12.弦楽四重奏曲第7番変ホ長調(1945)
アマール弦楽四重奏団
<メンバー:
アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン)/
イゴール・ケーラー(第2ヴァイオリン)/
ハンネス・ベールツヒ(ヴィオラ)/
ペテル・ソモダリ(チェロ)>
録音 スイスチューリヒ,スイス放送DRS,大ホール2010年4月…1-4, 2009年2月…5-12
 もともとヴァイオリンとヴィオラの卓越した演奏技術を持ち、1920年には自ら「アマール弦楽四重奏団」を結成して8年間の活動中に、自身の第2番の初演を行うなど、ヒンデミット(1895-1963)における弦楽四重奏というジャンルは、かなり強力な立ち位置を占めていたことは間違いありません(しかし1945年の第7番を最後に、彼が弦楽四重奏を書かなかったのは少々不思議な気がします)。
 1923年の第5番は、不協和音と厳格な対位法が同居する洗練された作品です。終楽章のパッサカリアで、主題が発展していく様をぜひお聴きください。
 1943年の第6番はまさに彼の創作の頂点をなす作品で、以前の作品からの引用と、緊密な展開が楽しめる音楽です。若干わかりやすい和声に終始している面も注目です。
 第7番はエール大学で「実用音楽」論を唱えていた時、アマチュアのチェリストであった彼の妻や、学生が弾くことも考慮して書かれた作品で、こちらは更に聴きやすさを増した音楽が特徴です。
 
Clementi: Gradus ad Parnassum Volume 3
8.572327
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスムOp.44 第2巻(続き)・第3巻
 1-3.3つの小品からなる組曲
  <第42番情熱的に早く/第43番フーガ/第44番速く>/
  4.第45番序奏とフーガ/5.第46番速く/
  6.第47番非常に速く/7.第48番活発に/
  8.第49番急速に、しかしはなはだしくなく/
  9.第50番活発に/
 10-14.5つの小品からなる組曲
  <第51番序/第52番中くらいの速さで/
   第53番非常に速く/第54番2つの主題によるフーガ/
   第55番急速に>/
 15-17.3つの小品からなる組曲
  <第56番幅広く悲しげに/第57番フーガ/
   第58番急速に>/
 18.第59番速く、しかしはなはだしくなく/
 19-22.4つの小品からなる組曲
  <第60番序/第61番速く、感情をこめて/
   第62番序/第63番カノン>/
 23.第64番急速に/24.第65番速く、力強く
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)
録音 2011年2月15-16日イタリアイヴレア、バロック・ホール・オブ・ザ・SMC
 全3巻100曲に及ぶ「グラドゥス・アド・パルナッスム」は、単なる練習曲集というよりも、古典派のピアノ曲の集大成と言ってもよいほどの充実した内容を持っています。いずれも、無味乾燥な指のための練習曲ではなく、バッハ風のフーガであったり、ロマン派を先取りしたような抒情的な曲であったりと、その多彩さには驚くほかありません。とはいえ、どの曲にもくまなく音階練習や、オクターヴ、内声を浮き上がらせる練習など、ピアノ上達への手引きが盛り込まれています。この当時の曲を完璧に弾くなら、この曲集をきっちり学べばばっちりです。もちろん聴くだけでも存分に楽しさを味わえるはず。
 

Maxwell Davies: Symphony No. 6
8.572352
マックスウェル・デイヴィス:交響曲第6番
 1-3.交響曲第6番(1996)/
 4.時と大鴉(1995)/
 5.オークニーの結婚式と日の出(1984)
ジョージ・マキルファム(バグ・パイプ)…5/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ピーター・マックスウェル・ディヴィス(指揮)
録音 1996年8月7-8日ロンドン トゥーティング,オール・セインツ教会…1-4, 1991年12月16日ロンドンアビー・ロード第1スタジオ Collins Classics…移行盤
 1996年前半に作曲された「交響曲第6番」は演奏時間に50分近くを要する大作です。国連発足50周年の記念として委嘱された作品で、3つの楽章からなる神秘的な音楽です。
 第1楽章はゆったりとした序奏で始まりますが、そのうち何やら騒がしくなり諧謔的なメロディが交錯し、静と動が捻じれながら進行していきます。第2楽章も基本的にアダージョですが、動的なイメージの強い音楽です。そして第3楽章ではデイヴィスの特徴とも言える「反発する世界観」が炸裂。曲全体として遅いテンポを取りながらも、時に爆発する音が聴き手にカタルシスをもたらすのです。スコットランドの画家ジョン・ベラミーの絵画からインスピレーションを得た「時と大鴉」、バグパイプの素朴な音色と鄙びたメロディが妙なこそばゆさを醸し出す「オークニーの〜」…ボストン・ポップス・オーケストラのために書かれた…の全3曲。
 
Piano Recital: Mariya Kim
8.572374
期待の新進演奏家シリーズ/マリヤ・キム ピアノ・リサイタル
 1-6.シューマン:パガニーニの奇想曲による6つの練習曲Op.3
  <第1番:イ短調/第2番:ホ長調/第3番:ハ長調/
   第4番:変ロ長調/第5番:変ホ長調/第6番:ト短調>/
 7-12.シューマン:
  パガニーニの奇想曲による6つの演奏会用練習曲Op.10
   <第1番:変イ長調/第2番:ト短調/第3番:ト短調/
    第4番:ハ短調/第5番:ト短調/第6番:ホ短調>/
 13.フモレスケOp.20
マリヤ・キム(ピアノ)
録音 2009年12月10-12日UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ウクライナ、セヴァストポリの音楽一家に生まれたマリヤ・キム。6歳の時に母タチアナ・キムからピアノを習い始め、セヴァストポリの音楽学校に入学、1998年にハノーヴァー音楽大学でウラディーミル・クライネフに学び、その後ワルシャワのショパン音楽大学でピョートル・パレチニに師事しています。パレデフスキー国際ピアノコンクールやブゾーニ国際ピアノコンクールなど数々の国際コンクールに上位入賞を果たし、最近ではロサンゼルスのイトゥルビ国際コンクールで第1位を獲得しています。
 ソリストとしてもモスクワ・フィル、韓国国立交響楽団、アマデウス室内管弦楽団、他、世界中の楽団と共演を果たしています。このアルバムは2008年に開催されたソウル国際コンクールの優勝記念として録音されたもので、シューマン(1810-1856)の作品の中でも比較的珍しい曲集をセレクトしているところに独自性を感じさせます。もちろん激ウマです。
 
Severac: Piano Music Volume 3
8.572429
セヴラック:ピアノ作品集第3集
 1-7.大地の歌-7部からなる農耕詩(1900)
  <序曲/耕作/種蒔き/夜のおとぎ話/雹/
   刈り入れ時/終曲:婚礼の斐>/
 8.セヴラック:ポンパドゥール夫人へのスタンス(1907)/
 9.演奏会用の華麗なワルツ「はっか摘み」(1907)/
 10-13.ピアノ・ソナタ変ロ短調(1899)
ホルディ・マソ(ピアノ)
録音 2011年10月8-9日スペインヤフレ,アウディトリウム
 フランスのピアノ曲を語る上で、決して忘れてはいけない存在がこのセヴラック(1872-1921)です。彼は、自身の作品に印象派の洗練された優雅さを纏わせるのではなく、南フランスの土と風の香りを漂わせることを好み、「田舎の音楽家」と呼ばれることも喜んでいたと言います。この第3集の中心を成すのは、まさにその呼び名にふさわしい組曲「大地の歌」です。1900年に作曲された作品で、古代ローマの詩人ウェルギリウスの「農耕詩」が元となっています。至るところに師であるヴァンサン・ダンディの影響も垣間見えますが、独自性も追求された興味深い曲集です。
 1899年のピアノ・ソナタには当時相次いで失った彼の父と若い妹への思いが反映されたものです。こんなセヴラックを極めたい方には第1集(8.555855),第2集(8.572428)もご用意しています。
 
Das Glogauer Liederbuch (The Glogau Song Book)
8.572576
グローガウの歌の本
 1-3.Ⅰ:キリストはよみがえられ/4.Ⅱ:ねずみのしっぽ/
 5.Ⅲ:おお喜んで、しかし遠慮して/
 6-7.Ⅳ:激しくドアを叩かないで/8-10.Ⅴ:明けの明星/
 11-12.Ⅵ:いつも/13.Ⅶ:みじめなもの、あなたは私を受け入れる/
 14-22.Ⅷ:美しきバラ/23.Ⅸ:私は嬉しい/
 24-25.Ⅹ:くじゃくの尾/
 26.XI:灼熱の中、私の心は燃えている/
 27.XII:企み/28-29.XIII:愛しいエリーゼライン/
 30-31.XIV:起き上がれ、愛らしい少女/
 32-33.XV:大きな憧れ/34-35.XVI:猫の足/
 36.XVII:我らは聖霊を待ち望む/
 37.XVIII:小鳥たちの方法/38.XIX:エゼルの王冠/
 39.XX:ああ神さま、おいくらですか
マルティン・フンメル(バリトン)/
アンサンブル・ドルチェ・メロス
録音 2010年8月9-12日ドイツハイルスブロン.レフェクトリウム
 このほとんど知られることのないこの歌曲集は、シレジア地方の西に位置するポーランドの町グウォグフ(ドイツ名がグローガウ)の小さな修道院で1480年頃に編纂された292曲からなる写本です。
 この都市は当時、様々な国の文化が入り乱れており、中央ヨーロッパの縮図とも言える重要な都市として機能していました。精緻な装飾を施された美しいこの楽譜には、祈りの歌や、恋の歌、そして器楽曲、舞曲など様々な種類の小曲が含まれていて、当時の流行や文化を知るための貴重な手がかりとなるものです。
 これらはプロの音楽家たちが演奏するためではなく、ちょっとした教育を受けた愛好家や学生によって演奏されたと推測され、研究家の間でも資料の宝庫として大切にされています。
 
Schubert - Piano Works for Four Hands Volume 6
8.572699
シューベルト:4手のためのピアノ作品集第6集
 1.ロンドニ長調 D608/
 2-4.4手ピアノのためのソナタ変ロ長調 Op.30 D617/
 5-8. 6つの大行進曲Op.40 D819より
  <第1番:変ホ長調/第4番:ニ長調/
   第5番:変ホ長調/第6番:ホ長調>
ジョン・ハンフリーズ(ピアノ)/
ロバート・マークハム(ピアノ)
録音 2011年7月28-29日UK バーミンガム,エイドリアン・ボールト・ホール
 長い時間をかけてゆっくり熟成中のNAXOS「シューベルト4手ピアノ作品シリーズ」の第6集の登場です。
 今回の収録曲は1818年に出版された「ロンドニ長調」と1823年に出版された「大ソナタ変ロ長調」、そして1825年出版の「大行進曲」からの4曲です。ご存知の通り、シューベルト(1797-1828)は同時代の作曲家に比べても数多くの連弾曲を残していますが、これらは仲間たちと演奏するため、もしくは彼が教師を務めていたエステリハーツィ家の2人の令嬢のために書かれたものがほとんどです。
 D608のロンドはハンガリー生まれのピアニスト、ヨーゼフ・フォン・ガイのために書かれたと推測されていて、彼ももちろんシューベルトの仲間の一人でした。D617は前述の2人の娘たち(才能に恵まれていたらしい)のための作品です。大行進曲は弟子たちのために書かれたものですが、この曲の素晴らしさに感銘を受けたフランツ・リストが自由にトランスプリクションを施し、見事な作品として再構築したことも注目です。
 
Wolfgang Rihm: Complete Works for Violin and Piano
8.572730
リーム:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 1.幻想的小品「ファントムといたずら-
   Phantom und Eskapade」(1993/94)/
 2.ヘクトン-Hekton(1972)/
 3.素描「アンツリッツ-Antlitz」(1992/93)/
 4.ヴァイオリン・ソナタ(1971/75)/
 5.ラインについてVII(2006) ※世界初録音…5
楊天堝-Tianwa Yang(ヴァイオリン)/
ニコラス・リマー(ピアノ)…1-4
録音 2008年9月22-24日ドイツハイデルベルク,テイエ・ファン・ギーストGmbH,トンスタジオ
 NAXOS期待の若手ヴァイオリニスト楊天堝の新たな魅力を感じる、リーム(1952-)の作品集です。現在世界で最も著名、かつ多作を誇るドイツ生まれの作曲家ヴォルフガンク・リームは作曲年代によって目まぐるしく作風が変化することで知られます。このアルバムでは1990年代と1970年代の作品がそれぞれ2曲と、2006年に書かれた最近の作品が1曲収録されています。
 ピアノが激しく連打する和音の上でヴァイオリンが極めて気まぐれなパッセージを奏する「ヘクトン」、1969年頃には構想が出来上がっていたという「ヴァイオリン・ソナタ」での、浮遊するような音の粒立ちに比べると、その20年後の「ファントムといたずら」や「アンツリッツ」での驚くばかりの抒情性に満ちた音楽は、とても同じ人の手になるものとは思えないほどの変化が感じられます。
 21世紀になってからは、一つの作品にじっくり取り組むようになったと言われる彼ですが、今回が世界初録音となる「ラインについてVII」での無伴奏ヴァイオリンによる切々とした独白は、我々に何を訴えているのかを読み取ってみたいものです。
 

Weinberg: Symphony No. 19 ‘Bright May’ & The Banners of Peace
8.572752
ミェチスワフ・ワインベルク:交響曲第19番「輝く五月」Op.142 他
 1-3.交響曲第19番「輝しき五月」Op.142(1985)/
 4.交響詩「平和のバナー」Op.143(1985)
サンクトペテルブルク交響楽団/
ウラディーミル・ランデ
録音 2011年4月28-30日サンクトペテルブルク聖カテリーナ・ルーテル教会,ペテルブルク・レコーディング・スタジオ
 近現代の作曲家としては珍しく、ワインベルク(1919-1996)は生涯に26曲の交響曲(番号なし、室内交響曲も含む)を残すほど、この形式に愛着を持っていました。
 この第19番の「輝かしき5月」は、その前に書かれた第17番と第18番とともに「戦争三部作」と言われ、歴史の暗黒部を経て平和を願う彼の思想が反映されたものとして評価されています。
 これらはロシアの女性詩人アンナ・アフマートヴァの詩「勝利」に基づく作品ですが、純粋に喜びの心情を歌い上げているわけではなく、心の底には重苦しい不安を抱えている点では、ショスタコーヴィチのシニカルな作品にも似ていると言えるでしょう。重苦しい第1楽章、思いがけないほどに美しい第2楽章、一見平和のうちに終わるかに見える終楽章、とその喜びの感情は、まるでガラス細工のような脆さを孕んでいます。「表向きの顔」とも言える「平和のバナー」もまた然り。
 
Percival’s Lament
8.572800
パーシヴァルの哀歌-中世の音楽と聖杯
 1.しっかり仕えることは良い事だ/
 2.ヴォルフラムの黄金の音色/
 3.私から私自身と愛を盗んでいった/
 4.パーシヴァル、今日は彼の日/
 5.正統性を持たない皇帝の何が良いのか/
 6.フォーリス・イン・ザ・フリス/
 7.私から私自身と愛を盗んでいった/
 8.菩提樹の下で/9.神の愛があふれている/
 10.パレスチナの歌/11.トリニティ賛歌/
 12.究極の王宮のエスタンピ/
 13.チューリンゲン方伯のテントでは/
 14.私は石の上に座った
カペラ・アンティクァ・デ・チンチラ/
ホセ・フェッレーロ(指揮&編曲)
録音 2011年8月29日.9月3日スペインチンチラ・デ・モンテアラゴン,イグレシア・デ・サン・ジュリアン
 ワーグナーの楽劇を愛する人ならおなじみの聖杯物語。ここに登場するパルジファルのモデルは、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士「パーシヴァル」で、聖杯探索関連の物語における最も重要な人物です。
 このアルバムはその元ネタの一連の物語の音楽です。最後の晩餐にキリストによって使用され、また十字架上のイエスの血を受けたと信じられる「聖杯」は、西洋の生活をする上で重要な位置を占めるアイテムであり、その神秘的な力は多くの歌や楽器で讃えられています。
 その歌詞を書いたのは、例えばビンゲンのヒルデガルトであり、また、こちらもワーグナーでおなじみのヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハであったりと、何かと馴染み深い人たちであります。
 この聖杯伝説は現代にも色濃く残っているのですが、まずは中世の素朴な歌と演奏で心を鎮めてみませんか。
 

Ignatz Waghalter: Violin Music
8.572809
ワーグハルター:ヴァイオリン作品集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲イ長調Op.15/
 4.狂詩曲Op.9/5-7.ヴァイオリン・ソナタヘ短調Op.5/
 8.牧歌Op.19b/9.告白
イルミナ・トリンコス(ヴァイオリン)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団…1-4/
アレクサンダー・ウォーカー(指揮)…1-4/
ギオルギ・ラッザビゼ(ピアノ)…5-9
録音 UK ロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール2010年10月1日…5-9, 2011年3月15-16日…1-4 ※世界初録音…1-4
 イグナーツ・ワーグハルター(1881-1949)はワルシャワ生まれのユダヤ系ドイツ人の作曲家です。ヨーゼフ・ヨアヒムに認められ、彼の援助でベルリン芸術大学で作曲と指揮を学び、まずは作曲家として名声を得ます。先進的な作風のウェーベルンより2年前に生まれた彼ですが、その作風は伝統を遵守したもので、むしろシューマンやブラームスに近いものであり、この1911年作曲の「ヴァイオリン協奏曲」は感動的な旋律とリズムに満たされています。
 「美しい曲を演奏したいヴァイオリニストならぜひ手に取るべき作品である」と考えたヴァイオリニスト、トリンコスによるワグハルター・プロジェクトは、この忘れられてしまった作曲家の復興の糸口となること間違いありません。
 
Choruses for Male Voices and Orchestra
8.572871
男声合唱と管弦楽のための合唱曲集
 1.シベリウス(1865-1957):
  解放された女王Op.48(男声合唱と管弦楽編)/
 2.ドビュッシー(1862-1918):祈り/
 3.R.シュトラウス(1864-1949):
  一日の時Op.76-第2番静かな正午のひととき/
 4.ブルックナー(1824-1896):ヘルゴラントト短調 WAB71/
 5.シューベルト(1797-1828):水上の精霊の歌Op.167 D714/
 6.グリーグ(1843-1907):故郷への帰還Op.31/
 7.ワーグナー(1813-1883):詩との愛餐より
ミカエル・ステンベーク(テノール)…2/
ダニエル・ハルストローム(バリトン)…6/
ルンド大学男声合唱団/
マルメ歌劇場管弦楽団/
アルベルト・ホルド=ガッリード(指揮)
録音 2011年7月7-10日スウェーデンマルメ,ルフトカステレット
 「男声合唱」には独特の魅力を感じる人も多いことでしょう。それは目に見えぬ団結力であったり、声域の心地良さであったり、多彩な表現力であったり、と理由は様々ですが、やはり混声や女声合唱とは違った「何か」があることは間違いありません。このアルバムはそんな世界にどっぷりはまれる1枚です。
 シベリウスの「解放された女王」は最初に混声合唱のための版が書かれましたが、次にこちらの男声合唱版が書かれています。平野を見下ろす険しい丘の上に建つ城に幽閉された女王が最終的に解放されるというこの物語は、政治的メッセージも込められており、男声のみで歌われる方が曲の意を伝えるのかも知れません。
 他にもブルックナーの「ヘルゴランド」での英雄譚や、グリーグの王の物語、官能的なワーグナーの作品など、素晴しいハーモニーが目白おしです。
 
Pater Noster
8.572987
PATER NOSTER
 1.作者不詳:天にましますわれらの父よ/
 2.シュッツ(1585-1672):諸々の天は神の栄光を語り/
 3.ミコライ・ジーレンスキ:天の神を誉め讃えよ/
 4.ジョスカン・デ・プレ(1455-1521):天にましますわれらの父よ/
 5.ウィリアム・ヘンリー・ハリス(1883-1973):新の光は神聖なもの/
 6.パレストリーナ(1525-1594):教皇マルチェルスのミサ曲-サンクトゥス/
 7.シュッツ:天にましますわれらの父よ/
 8.バード(1540-1623):目覚めていよ/
 9.ハスラー(1564-1612):
  主にむかいて新しき歌をうたえ(カンターテ・ドミノ)/
 10.ストラヴィンスキー(1882-1971):
  天にましますわれらの父よ/
 11-14.プーランク(1899-1963):
  アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り/
 15.オルランド・ディ・ラッソ(1532-1594):主よ、われらの主/
 16.デュリュフレ(1902-1986):天にましますわれらが父よOp.14/
 17.ウッド(1866-1926):主よ、すべての者の目は/
 18.パレストリーナ(1525-1594):私は命あるパンである/
 19.タヴナー(1944-):主の祈り/
 20.パーセル(1656-1695):
  主よ、われらの罪を思い出したもうことなかれ/
 21.ビクトリア(1548-1611):わが民よ/
 22.バーンスタイン(1918-1990):ミサ曲-主の祈り/
 23.ファラント(1525-1580):主よ、あなたの優しい慈しみをもって/
 24.オルランド・ディ・ラッソ:主よ、あなたに私の魂をお捧げします/
 25.作者不詳:天にましますわれらの父よ
キングズ・シンガーズ
録音 2012年3月23-24日アメリカナッシュヴィル,化身のカテドラル
 「われらが父よ・・・」この2つの言葉は、キリスト教の最も知られた祈りの言葉であり、イエスが弟子たちに教えた言葉でもあります。その弟子たちは数え切れないほど多くの人々にこの言葉を伝え、何世紀にも渡って祈られ続けています。このアルバムは父であり、また神である「主への祈り」が25編収録されています。その時代は様々ですが、人々の深い思いは何時の時代も変わることがありません。
 2009年度のグラミー賞を受賞したキングス・シンガーズによる、えも言われぬ美しい響きは心の底に溜まったいろいろなものを全て洗い流してくれるでしょう。
 

Alfredo Casella: La donna serpente
8.573005
カゼッラ:へび女・パルティータ
 1-3.序奏、アリアとトッカータOp.55(1933)/
 4-6.ピアノと小管弦楽のためのパルティータOp.42(1924-25)/
 《歌劇「へび女」Op.50(1928)-交響的断章》/
 7-8.第1章
   <第1曲:アルティドール王の夢の音楽/
    弟2曲:インターリュード/
    第3曲:グエッリエラの行進曲>/
 10-12.第2章
  <第1曲:シンフォニア/弟2曲:前奏曲/
   第3曲:戦い-第5曲:終曲>
   ※1-3…世界初録音
ユ・ソンヒ(ピアノ)…4-6/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 2011年10月16-17日ローマヴィア・コンキリアツィオーネ,アウディトリウム…1-3, 2012年3月25-26日ローマヴィア・コンキリアツィオーネ,アウディトリウム…7-12, 2011年6月27-28日ローマOSRスタジオ…4-6
 最近人気が急上昇中の作曲家の一人、カゼッラ(1883-1947)。NAXOSでも相次いでのリリースとなります。カゼッラの音楽を聴く喜びの一つには、圧倒的な音響効果にあると言えましょう。
 彼が強い影響を受けたマーラーをも凌駕するほどの厚みのあるサウンドと精緻な対位法やプロコフィエフやストラヴィンスキーを思わせる新古典派的な音の動きは、聴けば聴くほどに興味を誘うものです。
 今回の3つの作品も面白いものばかりで、世界初録音となる「序奏〜」は、まさに擬古典主義の音楽で、まるで映画音楽ばりの冒頭から引きこまれること間違いありません。諧謔的な楽しさに満ちたパルティータと、オペラ「蛇女」からの交響的断章も聴きどころたっぷりです。この「蛇女」はカルロ・ゴッツィの原作からなる寓話劇で、あのワーグナーのオペラ「妖精」も同じ原作からなるものです。
 精緻なオーケストラの響きを楽しみたい人にぜひオススメしたい1枚です。
 
A Winter’s Light
8.573030
冬の光 〜クリスマス合唱コレクション
 1.チルコット(1955-):それが真実(2010)/
 2.伝承曲:ガブリエルのメッセージ(J.ラスボーン編)(1991)/
 3.スウェーリンク(1562-1621):今日キリストはうまれた/
 4.M.プレトリウス(1571-1621):
  エサイの根より(J.サンドストレーム編)/
 5.ハウエルズ(1892-1983):子守歌を歌う(1920)/
 6.ヴィレット(1926-1998):聖母賛歌(1954)/
 7.チルコット:甘い歌だった(2010)/
 8.聖歌より「ひとり父の心を」(D.ウィルコックス編)/
 9.G.ガブリエリ(1555-1612):今日キリストは生まれた/
 10.チルコット:喜びそして晴れやかに(2010)/
 11.デイヴィス(1869-1941):ベツレヘムの小さな町(1920)/
 12.アームストロング・ギブス(1889-1960):ドアの鍵/
 13.アダン:オー・ホーリー・ナイト(F.ウェスト編)/
 14.ダーク(1888-1976):木枯らしの風ほえたけり/
 15.ジャクソン(1962-):幼子キリスト(2009)/
 16.ラター(1945-):降誕のキャロル(1971)/
 17.ピアポント(1822-1893):ジングルベル(B.パリー編)/
 18.チルコット:クリスマス・タイド(1997)/
 19.レイク(1947-):ぼくはファーザークリスマスを信じた/
 20.ラスポーン(1957-):キャロル・メドレー(1993)
マーティン・フォード(オルガン)/
スーザン・ウェイトン(ソプラノ)…11/
アリシャ・パターソン(ソプラノ)…14.15/
ポール・ロバートソン(テノール)…14/
フローナ・マックウィリアムズ(ソプラノ)…20/
アレックス・ブロウハム(アルト)…20/
ダニエル・バージェス(テノール)…20/
マシュー・ウッド(バス)…20/
ヴァザーリ・シンガーズ/
ジェレミー・バックハウス(指揮)
録音 2012年2月10-12日UK ケント,トンブリッジ・スクール・チャペル
 ジャクソンのレクイエム(8.573049)で、複雑なハーモニーを見事に表現していたヴァザーリ・シンガーズ。1980年に結成されたこの団体は、ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを有する英国でも有数の室内合唱団の一つです。このステキなアルバムは、現代英国のを代表する合唱作曲家ボブ・チルコットが2010年に作曲したキャロル組曲「クリスマスの夜」を中心に、ルネサンスの名曲やへ現代曲をバランス良く散りばめると言う、とても凝ったコンセプトとなっています。この1枚を聴きとおすことで生まれ出るストーリー。これも一緒に味わえるクリスマスの贈り物です。

OEHMS



OC125
(10SACD-Hybrid )
\4000→\3690
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集

<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.2-1/
 5-8.ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.2-2/
 9-12.ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3/
<CD2>
 1-4.ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7/
 5-7.ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 Op.14-1/
 8-10.ピアノ・ソナタ第10番ト長調 Op.14-2/
 11-14.ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 Op.26/
<CD3>
 1-3.ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 Op.10-1/
 4-6.ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調 Op.10-2/
 7-10.ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 Op.10-3/
 11-13.ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」Op.13/
<CD4>
 1-4.ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調 Op.22/
 5-6.ピアノ・ソナタ第19番ト短調 Op.49-1/
 7-8.ピアノ・ソナタ第20番ト長調 Op.49-2/
 9-11.ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調 Op.27-1/
 12-14.ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2/
<CD5>
 1-4.ピアノ・ソナタ第15番ニ長調「田園」Op.28/
 5-11.創作主題による6つの変奏曲ヘ長調 Op.34/
 12-32.「プロメテウスの創造物」の主題による15の変奏曲とフーガ変ホ長調(エロイカ変奏曲)Op.35/
<CD6>
 1-3.ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1/
 4-6.ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」Op.31-2/
 7-10.ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3/
<CD7>
 1-3.ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53/
 4-5.ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 Op.54/
 6-8.ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op.57/
<CD8>
 1-2.ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調「テレーゼ」Op.78/
 3-5.ピアノ・ソナタ第25番ト長調 Op.79/
 6-8.ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a/
 9-10.ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90/
 11-14.ピアノ・ソナタ第28番イ長調 Op.101/
<CD9>
 1-4.ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106/
 5-10.6つのバガテルOp.126/11.小品「やや生き生きと」Wo060/
 12.小品「アレグレット」Wo061a/
 13.ロンド・カプリッチョ「失われた小銭への怒り」Op.129/
<CD10>
 1-2.ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109/
 3-5.ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110/
 6-7.ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
「ドクター・ベートーヴェン」の異名を持つドイツの名ピアニスト、ミヒャエル・コルスティックが10年以上の長き年月をかけて創り上げたベートーヴェン(1770-1827)のソナタ全集です。
 極めて念入りに構築された巨大な建築物のようなベートーヴェンは、荘厳でありながらも時には親しげな表情を持つもので、過去の幾多の名演に匹敵する素晴らしい全集であることは間違いありません。
 全てがSACDハイブリッドの高音質で記録されていることにも注目。21世紀の新しいベートーヴェンをお届けいたします。
 

OC833
\2300→\2090
ウルマン&ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
 1-4.ヴィクトル・ウルマン(1898-1944):ピアノ協奏曲Op.25/
 5-7.ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ヘルベルト・シュフ(ピアノ)/
ケルンWDR交響楽団/
オラリー・エルツ(指揮)
録音 2011年3月21-24日ケルン・フィルハーモニー
 20世紀末から復興の兆しが見え始めた一連の“退廃音楽”。ナチス・ドイツによって「有害、退廃的」であるとレッテルを貼られた作曲家たちは、不当な扱いを受け、その音楽も上演が困難となり、多くの作品は散逸してしまったが実情です。このウルマンもそんな“退廃音楽”の作曲家の一人で、ユダヤの血を引いたがために悲しい最期を遂げることとなってしまったのです。
 このピアノ協奏曲は、まだ弾圧される前の1939年に書かれたもので、簡潔な書法による生き生きとした音楽を保っています。ウルマンはピアノ・ソナタを作曲する際、ベートーヴェンを強く意識していたと言われており、ここでシュフがベートーヴェンの協奏曲を併せたことにより、その印象が強く際立つのではないでしょうか。
 

Solo Sonatas and Trios by Leopold Mozart
OC860
(2CD)
\3000→\2690
レオポルド・モーツァルト:ハンマーフリューゲルのためのソナタ集
《CD1.ソロ・ソナタ集》
 1-3.ソナタ第1番ヘ長調/
 4-6.ソナタ第2番ロ長調/
 7-9.ソナタ第3番ハ長調/
《CD2.ハンマーフリューゲルとチェロ、ヴァイオリンのためのトリオ・ソナタ集》
 1-4.ソナタ第1番ヘ長調/
 5-6.ソナタ第2番ハ長調/
 7-9.ソナタ第3番イ長調
クリスティーネ・ショルンスハイム
 (ハンマーフリューゲル…1785年ヨハン・アンドレアス・シュタイン製,モーツァルト・ハウス所蔵)/
ルディガー・ロッター(バロック・ヴァイオリン)/
ゼバスティアン・ヘス(バロック・チェロ)
録音 2011年10月31日-11月2日アウスブウルクツォイグハウス,ムジクザール…CD1, 2012年3月6-7日ミュンヘンゼントリッヒ,昇天教会…CD2
 優れた鍵盤楽器奏者、研究者であるショルンスハイム。バッハやハイドンの幾多の名演を挙げるまでもなく、現代最高のバロック音楽の担い手の一人として素晴しい活動をしています。
 このアルバムではレオポルド・モーツァルト(1719-1787)のソロ・ソナタとトリオ・ソナタを演奏しています。
 トリオ・ソナタでは、“リリアルテ”のメンバーとして、ビーバーの「ロザリオのソナタ」(OC514)などで考え抜かれた演奏を繰り広げていたヴァイオリニストのロッターと、同じくバロック・チェロの名手ヘスとともに、見事なアンサンブルを聴かせます。父モーツァルトの作品は、現代ではほとんど忘れ去られてしまっていますが、改めて聴いてみると、バロックから古典派へと移り変わる時代を見事に表出していることに気が付くのではないでしょうか?
 
Souvenir d'Amerique
OC861
\2300
アメリカの思い出
 1-3.ジョージ・ガーシュウイン(1898-1937):
  歌劇「ポーギーとベス」から(J.ハイフェッツ編)
   <It Ain’t Necessarily So-必ずしもそうじゃない/
   Bess You Is My Woman Now-ベス、お前はおれのもの/
   Tempo di Blues-ブルースのテンポで>/
 4.ウィリアム・クロル(1901-1980):バンジョーとフィドル/
 5.スティーヴン・フォスター(1826-1864):金髪のジェニー(J.ハイフェッツ編)/
 6.アンリ・ヴュータン(1820-1881):アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」Op.17/
 7-10.エーリッヒ・ヴォルフガンク・コルンゴルト(1897-1957):劇音楽「から騒ぎ」Op.11より/
 11.エルンスト・ブロッホ(1880-1959):ニーグン/
 12.J.ウィリアムズ(1932-):「シンドラーのリスト」よりテーマ/
 13.ホセ・ブラガート(1915-):グラシエラとブエノスアイレス/
 14.ホセ・ブラガート:ミロンタン/
 15.アストル・ピアソラ(1921-1992):タンティ・アンニ・プリマ/
 16.フランツ・ワックスマン(1906-1967):カルメン・ファンタジー/
 17.ジョン・ケージ(1912-1992):0'00"
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
アンドレアス・フレーリヒ(ピアノ)
録音 2012年2月22-24日ケルクラーデロルドック,アウラ・ミノール,
 このアルバム、最初は「ハリウッドのサウンド」というタイトルが予定されていたそうです。しかし演奏を重ね、選曲を吟味しているうちに構想が膨らみ、結局のところは「様々な作曲家たちによるアメリカの印象」を盛り込むこととなり、それに伴ってタイトルも変更されたというものです。
 “新世界”であった20世紀初頭のアメリカの印象を、改めて探ってみたくなるようなお洒落で重厚な作品が並びます。ヴァイオリンを弾くアイヒホルンは、OEHMSでは初録音となりますが、NAXOSレーベルを始めとしたいくつかのCDで素晴しい演奏をしている人で、ここでも曲に応じていろいろな表情を使い分けながら、楽しい音楽を聴かせます。
  

OC940
(3CD)
\4000→\3590
ワーグナー:歌劇「妖精」
 3幕カルロ・ゴッツィ原作
 <CD1>1.序曲/2-14.第1幕/
 <CD2>1-13.第2幕/
 <CD3>1-12.第3幕
妖精の王…アルフレッド・ライター(バス)/
アーダ…タマラ・ウィルソン(ソプラノ)/
アリンダル…ブルクハルト・フリッツ(テノール)/
ツェミーナ…アーニャ・フレデリカ・ウルリッヒ(ソプラノ)/
フェルツァーナ…ファニータ・ラスカーロ(ソプラノ)/
ローラ…ブレンダ・リー(ソプラノ)/
モラルド…マイケル・ネイジー(バス)/
ドローラ…クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)/
ゲルノット…トルステン・グリュンベル(バス) 他/
フランクフルト歌劇場合唱団/
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2011年5月3-6日アルテ・オーパー・フランクフルト
 最近「指輪」全曲を完成させたヴァイグレとフランクフルト歌劇場が次に取り組んだのは、ワーグナー(1813-1883)の初期作品である「妖精」全曲です。
 カルロ・ゴッツィの原作「へび女」と「からワーグナー自らが台本を作成し1833年から34年にかけて書き上げた大作で、中世の架空の国トラモントで起きた若き王子アリンダルと妖精アーダの物語で、アリンダルが“禁断の質問”をしてしまったために、2人に様々な苦難が降りかかるというお話。先人であるマルシュナー、ウェーバー、メンデルスゾーンなどの影響が強く感じられますが、やはりワーグナーらしく、彼が生涯を通じて追求した「愛、禁じられた質問、救済」の原型があり、また音楽的にもローエングリンを思わせるメロディがあったりと、多少冗長ではありますがなかなか興味深いものです。
 


OC929
(14CD)
\6600→\5990
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」全曲 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
シモーネ・ヤング(指揮)
 1.《前夜劇「ラインの黄金」》…既発品番OC925 ヴォータン…ファルク・シュトルックマン(バリトン)/
ドンナー…ヤン・ブッフヴァルト(バリトン)/
フロー…ラディスワフ・エルグル(テノール)/
ローゲ…ペーター・ガイヤール(テノール)/
アルベリヒ…ヴォルフガング・コッホ(バリトン)/
ミーメ…ユルゲン・ザッヒャー(テノール)/
ファーゾルト…ティグラン・マルティロシアン(バス)/
フリッカ…カーチャ・ピーヴェック(メゾ・ソプラノ) 他
 2.《第1日「ワルキューレ」》…既発品番OC926 ヴォータン…ファルク・シュトゥルックマン(バリトン)/
ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(ソプラノ)/
ジークムント…スチュアート・スケルトン(テノール)/
ジークリンデ…イヴォンヌ・ナエフ(アルト)/
フンディング…ミハイル・ペトレンコ(バス)/
フリッカ…ジャンヌ・ピランド(メゾ・ソプラノ) 他
 3.《弟2日「ジークフリート」》…既発品番OC927 ジークフリート:クリスティアン・フランツ(テノール)/
ミーメ:ペーター・ガイヤール(テノール)/
さすらい人:ファルク・シュトルックマン(バリトン)/
アルベリヒ:ヴォルフガンク・コッホ(バス・バリトン)/
ファフナー:ディオゲネス・ランデス(バス)/
エルダ:デボラ・ハンブル(メゾ・ソプラノ)/
ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター(ソプラノ)/
森の小鳥:ハ・ヤン・リー(ソプラノ)他
 4.《第3日「神々の黄昏」》…既発品番OC928 ブリュンヒルデ…デボラ・ポラスキ(ソプラノ)/
ジークフリート…クリスティアン・フランツ(テノール)/
ハーゲン…ジョン・トムリンソン(バス)/
グンター…ローベルト・ボルク(バス・バリトン)/
アルベリヒ…ヴォルフガンク・コッホ(バス・バリトン)/
グートルーネ…アンナ・ガブラー(ソプラノ)/
ヴァルトラウテ…ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)/
第1のノルン…デボラ・ハンブル(アルト)/
第2のノルン…クリスティーナ・ダミアン(メゾ・ソプラノ)/
第3のノルン…カーチャ・ピーヴェク(ソプラノ)/
ヴォークリンデ…ユン・リー=ハ(ソプラノ)/
ヴェルグンデ…マリア・マルキーナ(ソプラノ)/
フロスヒルデ…アン=ベス・ソルヴァング(メゾ・ソプラノ)他
 2013年はワーグナー・メモリアル・イヤー!年末年始は「指環」を聴こう!!
 ハンブルク州立歌劇場が総力を結集して臨んだワーグナー(1813-1883)の大作「ニーベルングの指環」全曲。
 シモーネ・ヤングの揺るぎない指揮と、素晴しい歌い手による完全無欠の演奏です。最近は数多くの映像作品も発売され、ワーグナーが描き出した世界観にも様々な解釈が施される傾向にありますが、まずはこのような正統派の演奏を「音で聴いて」、聴き手が自分なりの世界を構築してから映像を見ると、一層理解が深まることでしょう。
 全4作を美麗BOXに収録。
 


OC653
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ケルン・フィルハーモニー創立25周年記念
 マーラー:交響曲第8番変ホ長調
バーバラ・ハーヴェマン(ソプラノ)…罪深き女/
オルラ・ボイラン(ソプラノ)/
クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)…懺悔する女/
アンナ・パリミナ(ソプラノ)…栄光の聖母/
ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)…サマリアの女/
マリア・ラドナー(アルト)…エジプトのマリア/
ブランドン・ジョヴァノヴィチ(テノール)…マリア崇敬の博士/
ハンノ・ミュラー=ブラハマン(バリトン)…法悦の教父/
ギュンター・グロイスベック(バス)…瞑想する教父/
ケルン大聖堂少女少年合唱団/
ケルン・バッハ=フェライン合唱団/
ケルン大聖堂カントライ/
ボン市フィルハーモニー合唱団/
ケルン大聖堂ヴォーカルアンサンブル/
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
マルクス・シュテンツ(指揮)
録音 2011年9月23-27日ケルン フィルハーモニー
Recording Producer, Digital Editing,/5.1 Surround Mix, Mastering: Jens Schunemann/Recording Engineer: Christian Feldgen/SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas,/Cybele AV Studios
 マーラー(1860-1911)自身に「私の作品の中で最大のもの」と言わしめた交響曲第8番。最近は「千人の交響曲」という名称は使われなくなったものの、大掛かりな編成と、愛と歓喜に満ちた曲調は、まさに全ての人々への贈り物です。今回のシュテンツの演奏はケルン・フィルハーモニー創立25周年記念の演奏会であり、シュテンツの考え抜かれた解釈と、各々の独唱者、そして全く隙のないオーケストラによるこの演奏は、全ての聴衆に感銘を与えました。なお、歌詞として用いられている第1部のラテン語の賛歌「来たれ、創造主なる聖霊よ」と第2部のゲーテの「ファウスト第2部」からの最後の場については、ブックレットで各々の原型が掲載されており、マーラーが削除したり付け加えた部分がわかるようになっているのも興味深いところです。
 

OC855
\2300
ジョン・ケージ:INDETERMINACY-不確定性
 “フォンタナ・ミックス”テープ使用
  (1958年ミラノ,ジョン・ケージ自身の録音)
スザンヌ・カッセル(ピアノ)/
ヨアヒム・クロール(朗読)…
 マルティン・エルドマンのドイツ語翻訳
録音 2012年1月25-27日ドイツ放送,カンマームジークザール
 スザンヌ・カッセルによる「ジョン・ケージ生誕100年」に捧げる魅惑的な1枚。
 ここでは彼女の演奏する(!)ピアノと、ヨアヒム・クロールの朗読に、1958年にケージ(1912-1992)自身が録音した「グラフィックに基づいた音楽」をミックス。このミラノで録音された「演奏」はケージの電子音楽の代表作の一つであり、ピアノの弦をひっかく音やら、ガラスにマイクをこすり付ける音など、これだけでも独立した音楽ですが、ここでこのように使われることで、また新たな「不確定性」を得たのではないでしょうか。「誰でも演奏できそう」ととるか「これは普通の人には再現不可能」ととるか・・・。聴き手にいろいろなものを突き付けてくるかのような挑戦的な1枚です。
 

OC411
\2000→\1890
ヴァルター・ブラウンフェルス:オルガン協奏曲・交響的変奏曲他
 1-3.オルガンと少年合唱と管弦楽のための協奏曲Op.38(1927)/
 4-6.オルガンのための
  「トッカータ、アダージョとフーガ」ヘ短調Op.43(1933-1942)/
 7.古いフランス童謡の主題による交響的変奏曲Op.15(1909)
イヴェタ・アプカルナ(オルガン)…1-3
ミュンヘン,ヘルクレス・ザールシュタインマイヤー=オルガン/
ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)…4-6
キール,聖ニコライCavaille-Coll-Mutin-Orgel/
テルツ少年合唱団/
ミュンヘン交響楽団/
ハンスイェルク・アルブレヒト(指揮)
録音 2012年1月18-20日ミュンヘンヘルクレス・ザール
 頽廃音楽好きなら、知らぬ人はいないであろうブラウンフェルス(1882-1954)。彼はドイツの文化的な家庭に生まれ(母親の家系にはあのルイ・シュポーアの名前もあります)、作曲家として認められてからは、歌曲、ピアノ曲、室内楽から交響曲、合唱曲などあらゆるジャンルの作品を書いています。
 彼の最も成功した作品は、歌劇鳥たち」でしょう。R.シュトラウスを思わせる美しく官能的な音楽は、まさに後期ロマン派の申し子とも言える雰囲気を持っています。このアルバムはそんなブラウンフェルスの3つの作品を収録しています。初期の作品である「交響的変奏曲」、「鳥たち」の成功後に書かれた充実した書法の「協奏曲」、そして頽廃音楽作曲家のレッテルを貼られた時期の「トッカータ」。音楽の持つ意味について考えさせてくれる1枚です。
 

Haydn: Symphonies Nos. 102 & 103
OC421
\2000→\1890
ハイドン:交響曲第102番&第103番
 1-4.交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102/
 5-8.交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I:103
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団/
アイヴォー・ボルトン(指揮)
録音 2011年5月17-19日ザルツブルク,オデオン、クルトゥールフォルム,ドロテア・ポルシェ・ザール Recording Producer & Engineer: Michele Gaggia/Digital Editing, Mixing & Mastering: Michele Gaggia DNS Studios (www.DigitalNaturalSound.com)
 ボルトン&モーツァルテウムのハイドン(1732-1809)。交響曲はこれが2枚目(オラトリオの「四季」と「天地創造」も好演)ですが、今作もピリオド的なアプローチでぐいぐい聴き手を引き込みます。
 モダン楽器のオーケストラですが、ホルンとトランペット、ティンパニはピリオド楽器を使用しているため、この「太鼓連打」もテンポの良い音楽が炸裂。ムダな贅肉を削ぎ落としたスタイリッシュなハイドンです。
 

Beethoven - Piano Sonatas Volume 10
OC663
\2300→\2090
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集第10集
 1-4.ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106/
 5-10.6つのバガテルOp.126/
 11.ピアノのための小品変ロ長調 WoO 60/
 12.ピアノのための小品ト短調 WoO 61/
 13.ロンド・カプリッチョト長調「失われた小銭への怒り」Op.129
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
録音 2003年8月5-6日プフォルツハイム,コングレス・セントラム/2005年12月22日ハノーヴァー,ベートーヴェンザールRecording Producer, Editing & Mastering: Bernhard Hanke/Audio-Video-Aktuell ・SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas/Cybele AV Studios
 コルスティックの演奏するベートーヴェン(1770-1827)、この第10集は名作「ハンマークラヴィーア」と小品集。演奏が非常に困難とされるこの第29番のソナタは、当時目まぐるしい発展を遂げていた鍵盤楽器の中で、とりわけベートーヴェンが心惹かれた2台のピアノを用いて作曲されていて、今後も鍵盤楽器が発展していくことを予想したベートーヴェンが、敢えてフォルテピアノではなく「ハンマークラヴィーア(ドイツ語のピアノの意)」というタイトルを付けたとされています。
 本来ベートーヴェンはこの第29番だけでなく、作品101のソナタ全てにこのタイトルを記すようにと出版社に手紙を送っていますが、なぜか今ではこの曲だけがこう呼ばれています。
 曲はあまりにも大規模であり、随所に難所があるというピアニスト泣かせの曲。しかしコルスティックは何の苦もなく弾ききっています。小品も全て味わい深いのですが、最後におかれたロンド・カプリッチョが秀逸。
 
Jubilate Deo
OC839
\2300
ユビラーテ・デオ-神をたたえよ
<ヨハン・シュタットルマイアー(1580-1648)>:
 1.主よ、われらの主/2.主よ、われ御身をたたえまつらん/
 3.子らよ、来たりてわれに聞け/4.神を讃えよ
<ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):>
 5.小宗教コンチェルト第2部より「天は滴を落とし」SWV322
<ジョヴァンニ・ガブリエリ(1554-1612)>
 6.おお、わが甘美なキリスト/7.おお、大いなる神秘/
 8.今日キリストが生まれた/9.14声のマニフィカト
<ハインリヒ・シュッツ>
 10.小宗教コンチェルト第2部より「言葉は肉体となった」SWV314
<ヨハン・シュタットルマイアー>
 11-15.ミサ曲「神をたたえよ」
<ソリスト>
ロスヴィータ・シュメルツル(ソプラノ)/
アンドレア・ブラウン(ソプラノ)/
ゲルト・ホーマン(カウンターテナー)/
ロバート・セリアー(テノール)/
マヌエル・ヴァルビッツ(テノール)/
マティアス・ヴィンクーラー(バス)/
ベネディクト・ゲーベル(バス)/
ミュンヘン・オルフェウス合唱団/
レ・コルネ・ノアール/
ゲルト・ググルヘーア(指揮)
録音 2011年11月25-27日ミュンヘン聖マルクス教会
Executive Producer BR: Matthias Keller/Recording Producer & Editing: Bernhard Albrecht/Balance Engineer: Stefan Briegel
 なんと色彩的で喜ばしいアルバムでしょうか!この、初期バロックのクリスマス・アルバムは、静謐で格調高い雰囲気と、荘厳さ、素朴さの全てを兼ね備えた心温まる音楽で満たされています。
 聖マルクス教会の豊潤なる残響もまさに天上の音色。綾なす声と光の芸術です。落ち着いたシュッツ、珍しいシュタットルマイアー、そして壮麗なガブリエリ。三者三様の喜びの音楽です。
 

The Britannic Organ, Vol. 4
OC843
(2CD)
\3000→\2690
ブリタニック・オルガン第4集
 〜ウジェーヌ・ジグーとジョセフ・ボネ

<CD1>
 《ウジェーヌ・ジグー(1844-1925):自作を弾く》
  1.トッカータロ短調ヴェルテ・ロール1084(マスター)/
  2.アレグレット・グラジオーソヴェルテ・ロール1603(マスター) /
  3.歌ヴェルテ・ロール1599(マスター)/
  4.祝典行進曲ヴェルテ・ロール1600(マスター)/
  5.メヌエットヴェルテ・ロール1087(マスター)/
  6.フゲッタヴェルテ・ロール1601(マスター)/
  7.祈願祭の行進曲ヴェルテ・ロール1597(マスター)/
  8.カンティレーヌヴェルテ・ロール1602(マスター)/
  9.宗教的な行進曲ヴェルテ・ロール1598(マスター)/
  10.聖なる体ヴェルテ・ロール1085(マスター)/
  11.大合唱と対話ヴェルテ・ロール1086(マスター)/
 《ウジェーヌ・ジグー:彼の時代のパリの作曲家たちの曲を弾く》
  12.フランク(1822-1890):
   アンダンティーノト短調Op.25 ヴェルテ・ロール1083(マスター)/
  13.ボエリー(1785-1858):
   アンダンテ・コン・モートト短調Op.45-7 ヴェルテ・ロール1082(マスター)/
  14.ショヴェ(1837-1871):
   20の小品第6番アンダンテ・コン・モートヴェルテ・ロール1595(マスター)/
  15.ショヴェ:20の小品第9番アンダンティーノヴェルテ・ロール1596(マスター)/
  16.ボエルマン(1862-1897):
   神秘の時変ホ長調「エレヴァーション」Op.29-1 ヴェルテ・ロール1590(マスター)/
  17.ボエルマン:
    神秘の時変ロ長調「コムニオン」Op.30-5 ヴェルテ・ロール1591(マスター)/
  18.ボエルマン:
    神秘の時ハ長調「ソルティエ」Op.30-5 ヴェルテ・ロール1592(マスター)/

<CD2>
 《ウジェーヌ・ジグー:レンメンス(1823-1881)を弾く》
  1.交響的スケルツォ「ファンファーレ」ヴェルテ・ロール1606(マスター)/
  2.カンタービレヴェルテ・ロール1607(マスター)/
  3.前奏曲変ホ長調ヴェルテ・ロール1605(マスター)/
  4.祈りヴェルテ・ロール1608(マスター)/
  5.協奏交響曲よりスケルツォヴェルテ・ロール1604(マスター)/
 《ジョセフ・ボネ(1884-1944):自作を弾く》
  6.12の小品Op.7より第1番「献身」ヴェルテ・ロール1204(マスター)/
  7.12の小品Op.7より第3番「月の光」ヴェルテ・ロール1207(マスター)/
  8.12の小品Op.7より第8番「無言歌」ヴェルテ・ロール1205(マスター)/
  9.晩鐘Op.10-10 ヴェルテ・ロール1615(マスター)/
  10.12の小品Op.7より第9番「パストラール」ヴェルテ・ロール1208(マスター)/
  11.子守歌Op.10-6 ヴェルテ・ロール1612(マスター)/
  12.風景Op.10-9 ヴェルテ・ロール1616(マスター)/
 《ジョセフ・ボネ:他の作曲家の曲を弾く》
  13.リュリ(1632-1687):リゴードンヴェルテ・ロール4502(マスター)/
  14.コレッリ(1653-1713):前奏曲(ギルマン編) ヴェルテ・ロール1623(マスター)/
  15.ブクステフーデ(1637頃-1707):フーガハ長調 ヴェルテ・ロール1209(マスター)/
  16.ボエリー:アンダンテ・コン・モートOp.45-7 ヴェルテ・ロール1203(マスター)/
  17.シューマン(1810-1856):
   ペダル・ピアノのためのスケッチOp.58-3「生き生きと」ヴェルテ・ロール1636(マスター)
録音 2012年1月スイスゼーヴェン、自動演奏楽器博物館Musical Direction: David Rumsey/Technical Direction: Daniel Debrunner/Recording Supervision, Editing and Mastering: Andre Scheurer
 好評シリーズ、ブリタニックのオルガン第4集です。一度は海に沈んだオルガンを引き揚げ再生を施し、現在また音を鳴らすこと。そして更には、ロールに保存してある過去の演奏家たちの実演を再現するということ。この2つの歴史的偉業は他のどんな楽器でもなかなかできるものではありません。
 今回はフランスのオルガニスト&作曲家ウジェーヌ・ジグーの作品と演奏を中心に収録。彼はサン=サーンスに学んだパリッ子で、聖オギュスタン教会のオルガニストとして62年もの長い間活躍した人です。
 ボルドー生まれのジョセフ・ボネも同じく優れたルガニストですが、33歳の時にアメリカに移住、数多くのコンサートを開き絶賛され、1921年にはイーストマン音楽学校にオルガン学科を創設、一度はフランスに戻るものの、戦争に追われ結局は北米に移住。アメリカでのオルガン音楽の普及に努めています。この2人の演奏が時を越えて今、感動的に蘇ったのです。
 
OC856
\2300
フレンチ・リサイタル
 1-3.ドビュッシー(1862-1918):チェロ・ソナタ/
 4-6.デュティユー(1916-):SACHERの名による3つのストロフ/
 7-10.フランク(1822-1890):ヴァイオリン・ソナタイ長調(チェロ編)/
 11.ドビュッシー:スケルツォ(1882)
セバスティアン・クリンガー(チェロ)/
ミラナ・チェルニャフスカ(ピアノ)
録音 2011年6月13-15日ノイマルクト・イン・デル・オベルプファルツ,ライトスタデル
Executive Producer BR: Falk Hafner/Recording Producer & Editing: Dagmar Birwe/Balance Engineer: Stefan Briegel
 あのバッハの無伴奏で奔放なる演奏を聴かせたセバスティアン・クリンガー。彼はこの世代のチェリストの中でもとりわけ優秀な奏者であり、もちろんそのテクニックと音楽性は世界中で高く評価されています。
 OEHMSレーベルでの2枚目のアルバムは、ちょっと趣向を変えてフランス音楽集に取り組んだ彼。ここでは何とも言えない抒情性と香り高い文学性を帯びた音楽を奏でます。ドビュッシーでの気怠さ、ディティユーの彫りの深さ、フランクでの思い切りのよさ、そして最後のスケルツォの微笑ましさ。バッハの時とは全く違う柔らかさと甘さは、フランスの小粋な雰囲気を余すことなく映し出すものです。
 ピアノのチェルニャフスカも良く歌う見事な演奏を披露しています。

ONDINE



ODE-1204
\2300→\2090
テツラフ&フォークト
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集

  1-3.ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 K454/
  4-6.ヴァイオリン・ソナタト長調 K379(373a)/
  7-9.ヴァイオリン・ソナタイ長調 K526
ラルス・フォークト(ピアノ)/
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)
録音 ブレーメン、ゼンデザール 2011年6月27-30日…1-3, 2012年4月23-25日…4-9
 テツラフとフォークトと言えば、あの毎年夏にハイムバッハで開催される「シュパヌンゲン音楽祭」での共演が知られています。ジャケット写真でも雰囲気が伝わる通り、彼らはプライヴェートでも親友であり、このモーツァルト(1756-1791)でも極めて親密で息のあった演奏を繰り広げています。
 このモーツァルトの一連のヴァイオリン・ソナタは明晰な明るさの中に驚くほどの深みを備えており、これを完璧に表現するためには、演奏の技術だけでなく、心の底から湧き上がる感情を曲に載せることが必要であり、この点においても彼らのアンサンブルは最上のものを備えています。
 


ODE-1191
(2CD)
\2600→\2390
ストゥールゴールズ&ヘルシンキ・フィル
 コルンゴルト:付随音楽「空騒ぎ」Op.11/シンフォニエッタOp.5
<CD1>
 1-15.付随音楽「空騒ぎ」Op.11…世界初演&初録音
<CD2>
 1-4.シンフォニエッタOp.5
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストゥールゴールズ(指揮)
録音 ヘルシンキ・ミュージック・センター2011年8月9-10日…CD2:2-4, 2012年1月26-28日…CD1, 2012年1月28日…CD2:1
 ウィーンの後期ロマン派の作風をそのままハリウッドへ持ち込んだ作曲家、コルンゴルトの2つの作品です。「シンフォニエッタ」は1912年に書かれ1913年にF.ワインガルトナー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演され、当時人気を誇っていたR.シュトラウスに匹敵するほどの賞賛を得た作品です。
 全編、彼らしい豊かな楽想に彩られており、その管弦楽法も天才ならではの閃きに満ちています。シェイクスピアの同名の劇のための「空騒ぎ」は1918年から19年にかけて作曲され、1920年5月にウィーンのシェーンブルン宮殿で演奏されています。その後、ヴァイオリニスト、ルドルフ・コーリッシュのためにヴァイオリンとピアノのために5曲を抜きだし「組曲」としたものが現在親しまれていますが、この劇音楽版として書かれた15曲は、公式の演奏会で上演されることもなく、今回のこの演奏が「世界初録音」であり「世界初演」となったのです。
 15の各々の部分は見事な情景描写であり、後の映画音楽の大家としてのコルンゴルトを予見させるにふさわしい大作です。
 


ODE-1203
\2300→\2090
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)
 レーガー:
  ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.101/
  独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌト短調Op.117-4
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)/
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
2012年4月28-30日タンペレ・ホール
 レーガー35歳頃の作品ですが、極めて円熟の風格を持つ協奏曲です。フランスのヴァイオリニスト、アンリ・マルトーのために書かれており、レーガー自身も友人に宛てた手紙の中で「この作品はベートーヴェンやブラームスの足跡を辿ると確信している」と述べるほど、その仕上がりに絶大なる自信を持っていたようです。
 確かに調性感が若干曖昧な上、“泣かせるメロディ”があるわけではないのですが、全体からにじみ出てくるような情感や、オルガンの大家らしい重厚な和声は、繰り返し聴けば聴くほどに心惹かれる「大人のための音楽」であることは間違いありません。添えられているシャコンヌも冴えた筆致が光る見事な作品です。
 現代的なスマートさを持ち味とするヴァイオリニスト、シュミットが、ここではじっくりと腰を据えた味わい深い音を奏でています。
 
Rachmaninov: Vespers, Op. 37
ODE-1206
(SACD-Hybrid)
\2300
ラトヴィア放送合唱団
 ラフマニノフ:晩祷Op.37
ラトヴィア放送合唱団/
シグヴァルズ・クラーヴァ(指揮)
録音 2011年5月リガ 聖ジョン教会
 1940年に設立されたラトヴィア放送合唱団は、ルネッサンスから現代作品までの幅広いレパートリーを持つプロの団体です。首席指揮者を務めるクラーヴァは1987年からこの合唱団を振っており、1992年に今の地位に任命されました。彼は、人間の声の能力の限界を探るべく、基本的なレパートリーを20世紀と21世紀の作品に絞り、常に実験的で創造的な演奏をすべく奮闘しています。
 このラフマニノフ(1873-1943)は力強い響きをフルに生かした上で、精緻なアンサンブルを聴かせます。ロシアの合唱団の地鳴りのような音色とは違う、徹底的に虚飾を排した清冽な音色もよいものです。
 
Rautavaara: Choral Works
ODE-1186
(4CD)
\4500
エイノユハニ・ラウタヴァーラ:合唱作品集
 <CD1.ヴィジリア(洗礼者聖ヨハネ追悼の徹夜の祈り)>
  1-14.晩課/15-34.朝課/
 <CD2>
  1.クレド/2.聖処女マリアの雅歌/3.主の祈り/4.詩篇第23番/
  5.詩篇第130番/6-10.マニフィカト/11-14.聖体拝領/
  15.アヴェ・マリア/16-18.12のカノンによるミサ曲/
  19.失われえぬ慈悲/20.伝説/21.マルヤッタのクリスマス賛歌/
  22.クリスマス賛歌/23.祈りの詩篇/24.夕べの賛歌/
  25-27.われらの時代の歌/
 <CD3>
  1-3.柳の木陰で/4.旅立ち/5.花嫁/6-9.実用ドイツ語/
  10.喜びながらぼくらは踊る/11.夏の夜/12.大聖堂/
  13-16.フェデリーコ・ガルシア・ロルカの詩による組曲/
  17-20.ルードゥス・ヴェルバリス-言葉のゲーム/21.涅槃の法/
  22.最初の悲歌/
 <CD4>
  1.最後の処女地にて/2-21.真実と偽りのユニコーン
<CD1>
イルキ・コルホネン(バス)/
トピ・レティプー(テノール)/
ピア・フロイント(ソプラノ)/
リリ・パーシキヴィ(メゾ・ソプラノ)/
ペッテーリ・サロマー(バリトン)/
フィンランド放送室内合唱団/
ティモ・ヌオランネ(指揮)/
<CD2>
フィンランド放送室内合唱団/
ティモ・ヌオランネ(指揮)/
<CD3>
フィンランド放送室内合唱団/
ティモ・ヌオランネ(指揮)…1-3/
エリク=ウーロフ・セーデルストレム(指揮)…4-21/
<CD4>
ヘルシンキ・フィルハーモニック合唱団…1/
フィンランド・フィルハーモニック合唱団…1/
レイフ・セイゲルスタム(指揮)…1/
セド・リッサネン(アルト)…2-21/
ヤーッコ・コルテカンガス(バリトン)…2-21/
ペッテーリ・サロマー(バリトン)…2-21/
フィンランド放送室内合唱団…2-21/
フィンランド放送交響楽団…2-21/
ティモ・ヌオランネ(指揮)…2-21
録音 <CD1>2010年10月ケラヴァ教会/<CD2>1999年1月ヘルシンキ,聖ジョン教会…1-24/2002年10月ヘルシンキ,聖ジョン教会…25-27/<CD3>2002年10月ヘルシンキ,聖ジョン教会…1-3/1995年5月ヤルヴェンパー…4-22/<CD4>1998年10月ヘルシンキハウス・オブ・カルチャー…1/2002年5月ヘルシンキハウス・オブ・カルチャー…2-21
 エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-)はヘルシンキ生まれの作曲家。シベリウス・アカデミーでアーッレ・メリカントに師事した後、ジュリアード音楽院に移り、パーシケッティに師事しています。彼の作品は、その年代ごとにかなりスタイルが異なり、初期はセリー主義へ傾倒したものの、ある程度の時期からは、神秘的な雰囲気を重視し、その曲名にも宗教的な香りがする言葉が多く使われるなど、独特の音楽を作ることで知られています。
 この4枚組BOXは、これまでにONDINEレーベルから発売されたラウタヴァーラの合唱作品をひとまとめにしたもので、静謐な雰囲気をたたえた宗教的な曲や、録音済のテープが用いられることで知られている「真実と偽りのユニコーン」など、多方面に渡る音楽が詰まっています。

PALADINO



PMR-37
\2000→\1890
ジェフスキ:不屈の民による36の変奏曲
J.S.バッハ:イタリア風アリアと変奏イ短調 BWV989
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
録音 2011年12月11-13日ライディング フランツ・リスト・ゼントラム
 <不屈の民とは>El pueblo unido, jamas sera vencido(団結した国民は決して敗れない)
チリのヌエバ・カンシオン(新しい歌)の曲の中でも、最も国際的に知られた歌。1973年6月にセルヒオ・オルテガによって作曲され(作詞はキラバジュン)演奏された直後から多くの音楽家たちが様々なヴァージョンで演奏、革命家として用いられています。
 このジェフスキ(1938-)の変奏曲は1975年に作曲されたもので、アメリカ建国200年を記念してケネディ・センターでリサイタルを開いたピアニスト、ウルスラ・オッペンスが友人であったジェフスキに「ベートーヴェンのディアベリと組み合わせるための」変奏曲の作曲を依頼し、それに応じて書かれたのがこの曲というわけです。ご存知の通り、36の変奏からなる55分を越える長さを持つ大曲で、ロマン派、現代音楽、ジャズなど様々な手法を駆使した変奏が繰り広げられ、まるでバッハのゴルトベルク変奏曲のように、最後の主題が繰り返されて曲を閉じるというものです。
 作曲家自身の演奏もよく知られるだけでなく、多くの腕自慢のピアニストたちもこの曲に挑んでいます。
 ヒンターフーバーは、この曲とバッハ(1685-1750)の小さな変奏曲を組み合わせることで、ほっとする雰囲気を作り出しながら、時代を超えた「変奏曲の意味」を聴き手に問いかけます。
 

The Mozart Sessions
PMR-38
\2000→\1890
モーツァルト・セッションズ
 1-3.ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K415/
 4-6.ピアノ協奏曲第12番イ長調 K414/
 7.教会ソナタハ長調 K336(ピアノと管弦楽編)
マルクス・シルマー(ピアノ)/
ア・ファー・クライ
録音 2012年3月19-21日ボストン ニュー・イングランド・コンセルヴァトリージョルダン・ホール
 2007年に設立された17人の若手演奏家によるアンサンブル「ア・ファー・クライ」。彼らはオーケストラのレパートリーを拡大し、様々な音楽を演奏することで、各々の個性を伸ばすことと革新的な表現の実現を図っています。すでにインターネット上では3枚のアルバムを公開し、2012年にはヨーロッパ・ツアーも実現。素晴らしい人気を誇っています。このモーツァルトは、ベテランピアニスト、マルク・シルマーをソリストとして雄弁な音楽を奏でています。
 曲の冒頭からかなり攻撃的な音が聴こえてきますが、これがまた何とも爽快なもので、流麗なピアノとの対比がまことに見事です。
 また最後におかれたK336の美しさも特筆もので、若さ漲る2曲の協奏曲を締めくくるに相応しい逸品と言えるでしょう。選曲も演奏も素晴らしい1枚です。
 
PMR-19
\2000
フンメル:作品集
 1-3.チェロとピアノのための大ソナタイ長調 Op.104/
 4-6.ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ短調 Op.81/
 7-15.フルート、チェロとピアノのためのトリオ
  「美しきミンカの主題によるアダージョ、変奏曲とロンド」Op.78
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)/
ヴァルター・アウアー(フルート)/
マルティン・ルンメル(チェロ)
録音 2012年5月2-3日オーストリア,ケフェルマルクト、シュロス・ヴァインベルク
 このレーベルおなじみの3人の名手によるベートーヴェンの同時代の作曲家、フンメル(1778-1837)の作品集です。彼は、少年時代にモーツァルトの家に2年間住みこんでピアノを学んだことや、ベートーヴェンと親交があったことで知られていますが、当時はヨーロッパ最高の作曲家、ピアニストとして讃えられ、シューベルトやチェルニー、メンデルスゾーン、ショパンに影響を与え、また数多くの優秀な弟子を育て上げた、まさに19世紀初頭の巨匠の一人なのです。このアルバムでは彼の3つの作品を取り上げていますが、中でも素晴しいのが3曲目のトリオでしょう。
 ロシア民謡「美しきミンカ」のメロディに美しい装飾を施した、音による花束は、この時代の趣味の良さを感じさせる名作です。ピアノのヒンターフーバーは、NAXOSレーベルからフェルディナンド・リースの作品を集中的にリリースしている人で、古典派からロマン派へと移り行く時代の音楽を演奏させると右に出る者はいないでしょう。
 
PMR-26
\2000
テレマン:独奏ヴィオラのためのファンタジー集
 1-4.第1番変ホ長調 TWV40:14/5-7.第2番ハ長調 TWV40:15/
 8-11.第3番変ロ長調 TWV40:16/12-14.第4番ト長調 TWV40:17/
 15-20.第5番ニ長調 TWV40:18/21-24.第6番イ短調 TWV40:19/
 25-28.第7番変イ長調 TWV40:20/29-31.第8番イ長調 TWV40:21/
 32-34.第9番ホ短調 TWV40:22/35-37.第10番ト長調 TWV40:23/
 38-41.第11番変ロ長調 TWV40:24/42-44.第12番ニ短調 TWV40:25
フィルミアン・レルマー(ヴィオラ)
録音 2012年6月25-27日エルミタージュ、テジング・アム・イン
 「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー」をヴィオラ用に移調したもの。1735年にハンブルクで出版されています。テレマン(1681-1767)の時代、通奏低音なしの無伴奏作品は比較的珍しいものでしたが、彼はヴァイオリンの他にフルート、ヴィオラ・ダ・ガンバのためにファンタジアを書いており、恐らくこれらは教育用に書かれたと推測され、時には名技を駆使しながらも、基本的には親しみやすい音楽で、バッハの無伴奏のような厳しさはあまり感じられません。3楽章、もしくは4楽章のバロックの組曲のパターンを踏襲しており、どれも緩急取り混ぜた多彩な表情を持っています。
 ドイツ生まれのヴィオラ奏者、レルマーによるメリハリの効いた演奏です。

QUINTONE


Q11002
\2300
ロークス・デ・グロート:シバシャクティ
 1.シバシャクティⅠ(Shankara-Durga)/
 2.シバシャクティⅡ(Bhairav-Bhairavi)
エルネスト・ロンボート(ホルン)/
ドゥルバ・ゴーシュ(サーランギー)
 ヒンドゥー教において、シバとシャクティは男性と女性の原型のようなものとされています。シバは意識の根源であり、シャクティは宇宙の創造の源。また瞑想とエネルギーの関係にも近いものでしょうか。第1章ではシバとシャクティが絡み合い、歓喜を迎える様子が描かれています。彼らはお互いの身体を飲み込み、また反発しあうのです。決して溶け合うことはなく、いつまでも二重性を保ったまま、果てしない快楽を追求しつつのですが、第二部ではシバは第三の目を覆われ、暗い宇宙へ放り出されることとなります。
 愛しい恋人から引き離されて・・・。インドの伝統楽器サーランギーとイングリッシュ・ホルンという全く異なる文化において発展してきた2つの楽器の音色は、この音楽の目指す方向性を描き出すのに最適であり、異文化の融合としても素晴らしい役割を担っています。何かを発見できる不思議な1枚です。
 

Q12001
\2300
マーラー:歌曲集「少年の不思議な角笛」
 1.ラインの伝説/2.不幸なときの慰め/
 3.美しいトランペットが鳴り響くところ/4.外へ、外へ/
 5.この世の生活/6.むだな骨折り/7.私は緑の森を楽しく歩いた/
 8.死んだ鼓手/9.シュトラスブルクの砦に/
 10.誰がこの歌を作ったのだろう?/11.番兵の夜の歌/12.うぬぼれ/
 13.少年鼓手/14.いたずらな子をしつけるために/
 15.もう会えない/16.夏に小鳥はかわり/17.塔の中の囚人の歌
マールテン・コニングスベルガー(バリトン)/
エト・スパンヤールト(ピアノ)
 1806年から1808年に出版された、アルニムとブレンターノが収集したドイツの民衆歌謡の詩集「少年の不思議な角笛」は、同時期の多くの作曲家たちが曲を付けました。なかでも知られているのが、マーラー(1860-1911)の一連の歌曲でしょう。もともと「少年の不思議な角笛」と銘打った歌曲集に含まれているのは、12曲だけですが、マーラーはその他に「若き日の歌」や交響曲の第2番、第3番、第4番にもこの歌詞を用いた歌や、歌と同じメロディの曲が挿入されるなど、この詩集が若きマーラーの創造力の源であったことは間違いありません。
 ここでは、「若き日の歌」から7曲と、「少年の不思議な角笛」からの10曲を自由に組み合わせ、コニングスベルガー独自の世界を構築しています。喜びと絶望を自在に行き来し、時には実に皮肉な世界を見せてくれる彼の歌唱と、表現豊かなピアノを聴かせるスパンヤールトの掛け合いを存分にお楽しみください。
 
Q12002
\2300
ショスタコーヴィチ&ラフマニノフ:チェロ・ソナタ集
 1-4.ショスタコーヴィチ(1906-1975):チェロ・ソナタニ短調Op.40/
 5-8.ラフマニノフ(1873-1943):チェロ・ソナタト短調Op.19
マイケ・ラーデマーケルス(チェロ)/
マテイス・フェルスホース(ピアノ)
 ロシアが生んだ2つのチェロ・ソナタです。
 創作意欲を失くし失意の底にあったラフマニノフが、ようやく気を取り直したのは、ピアノ協奏曲第2番の大成功によるものでした。その直後に書かれたこのチェロ・ソナタは、当然の如く噎せ返るようなロマン性を帯びたものでした。そのおよそ35年後に書かれたショスタコーヴィチの作品も、若干のシニカルさは有しているものの、驚くほどに抒情的であり、その仄暗い美しさが愛されています。
 当時のショスタコーヴィチは新進作曲家として失敗を成功を繰り返していた時期で、自らの作風の確立を試みていたこともあり、悲劇と喜劇がないまぜとなった彼らしさも見えてくる名作です。ラーデマーケルスとフェルスホースは、ボスマンズとブリッジの作品集(Q07002)でも緊張感に満ちたデュオを聴かせたコンビです。

SIBA RECORDS

Missa Brevis: Mass for Accordion
SACD-1009
(SACD-Hybrid)
\2300
MISSA BREVIS 〜アコーディオンのためのミサ
 1.ハイドン(1732-1809):十字架上のキリストの最後の7つの言葉より-
  第7番「父よ!あなたの手に私の霊を委ねます」/
 2-6.グスタフソン(1942-):ミサ・ブレヴィス/
 7.モーツァルト(1756-1791):アダージョロ短調 K540/
 8-10.ソンニネン(1941-1984):シオンの讃歌/
 11.ネヴァンリンナ(1954-):フーグ/
 12.マッコネン:コラール前奏曲
  「世界がどんなに幸せを提供しても、私は平和について理解できない」
マッティ・ランタネン(アコーディオン)/
マルコ・ユロネン(チェロ)…8-10
録音 2011年夏ヌンミ教会
 現代の“ミニチュア・オルガン”アコーディオンによる完璧なミサ曲集。選ばれているのはハイドンやモーツァルトの古典的な曲から、この録音のために書かれたいくつかの作品まで。アコーディオンの可能性を極限まで追求したこれらの音楽は、孤独な魂をひっそりと慰めるために役立つことでしょう。演奏しているランタネンは1952年生まれのシベリウス・アカデミーで学んだ国際的なアコーディオン奏者で、彼のために多くの作曲家たちが曲を書いています。
 
SACD-1010
(SACD-Hybrid)
\2300
殺人者たちのバラード
 1.伝承曲:Keisari Aleksanteri/
 2.伝承曲:Rekilauluja murhamiehista/
 3.伝承曲:Katrina/
 4.ヘイッキ・ライティネン:Murha musiikkittalossa/
 5.ヘイッキ・ライティネン:Itkuvirsi sodissa kaatuneille/
 6.ヘイッキ・ライティネン:Kaarlo ja Kerttu
ヘイッキ・ライティネン(ヴォーカル)/
キンモ・ポーヨーネン(アコーディオン)
録音 2012年2月1日ヘルシンキミュージック・センター,ソノレ・ホール
 最近では、アルバム「UNIKO」でその独特な世界観を見せてくれたアコーディオン奏者ポーヨーネン。このアルバムではおどろおどろしいタイトルをそのまま音にして聴かせます。この作品もジャンルのカテゴライズは不可能。シベリウス・アカデミーで民俗学と作曲を学んだベテラン・ヴォーカリスト、ヘイッキ・ライティネンの味のある歌声と、ポーヨーネンのアコーディオンが織りなす妖しすぎる音楽です。

SOLO MUSICA

88691960372
\2000
アンナ・マリア・カウフマン(ソプラノ)
 It's A Good Day!

  1.It's A Good Day!/2.Bla Bla Bla Cha Cha Cha/3.Roter Mohn/
  4.Mambo Bacan/5.Amado Mio/6.Libertango/7.Mambo Italiano/
  8.Moving On/9.Bel Ami/10.Hymne a l'amour/
  11.Fernsehapparat/12.Moon River/13.Amor Venme A Buscar
アンナ・マリア・カウフマン(ソプラノ)
録音 2011年12月16-22日,2012年2月8-9日
 アンナ・マリア・カウフマンは、カナダとドイツのオペラ&ミュージカル歌手です。1990年にA・ロイド・ウェバーのミュージカル「クリスティン」のドイツ・キャストと「オペラ座の怪人」で多くの聴衆を魅了しました。また名テノール、ペーター・ホフマンとの共演や、国際的な指揮者、オーケストラと共演、輝かしい経歴を築いています。このアルバムタイトル「It's A Good Day!」は、この言葉のあとに「For Singing A Song」と続き「今日は歌うのには良い日」という、まさに彼女の夢と心情を表わしたもので、聴き手にも幸せな気分を分け与えてくれることでしょう。

SONOLUMINUS

Essential Voices USA: Celebrating the American Spirit
DSL-92162
\2300
アメリカンの精神を祝して
 1.忠誠の誓い/2.新しい巨像/3.感謝する理由/
 4.アメリカへの讃歌/5.家の手入れをする/
 《大統領の名言を歌う》/
 6.ワシントンのロンド/7.ジョン・アダムスの祈り/
 8.意見は力なり(ジェファーソン)/9.ロンド/
 10.勇敢な一人が多数派を作り出す(ジャクソン)/
 11.投票は銃よりも強い(リンカーン)/
 12.セオドラ・ルーズベルトのロンド/
 13.私は民主主義を信じる(ウィルソン)/
 14.FDRの警告/15.トゥルーマン/
 16.アイゼンハワーのロンド/17.自由への道(JFK)/
 18.道徳的勇気(レーガン)/19.頌歌(クリントン)/
 20.シンプルな誓い(ブッシュ)/
 21.希望と美徳をもって(オバマ)/
 22.ホワイトハウスで孤独を得る/
 23.星条旗よ永遠なれ/
 24.アメリカ国歌への2つのパラフレーズ/
 25.「アメリカ大統領」の主題による「穀物の種子」/
 26.静かなひととき/27.アメリカン・ドリーム/
 28.ゴッド・ブレス・アメリカ
ケイリ・オハラ(ソプラノ)/
ロン・レインズ(バリトン)/
エッセンシャル・ヴォイセスUSA/
ジュディス・クルマン(指揮)
録音 2011年1月17日,12月7-8日ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 2012年の大統領選挙もほぼ終了し、また新たな一歩を踏み出すアメリカ合衆国。このアルバムは「歴代大統領の言葉」をテキストに用いた合唱曲を中心に収録した、アメリカの精神を探る興味深い1枚となっています。このアルバムは、アメリカの合唱団「エッセンシャル・ヴォイセスUSA」の指揮者であるジュディス・クルマンの発案によるプロジェクトであり、9.11の事件に胸を痛めた彼女が、様々な世代やジャンルの作曲家や演奏家に呼びけ、“21世紀のアメリカ愛国心”を集約した歌集を創り上げたというものです。
 サミュエル・アドラー、ポール・モラヴェツなど錚々たる顔ぶれによる新しい音楽は、アメリカの新しい決意の表明です。
 

Zelenka: Capriccios Nos. 1-5
DSL-92163
(CD+BD)
\2300→\2090
ゼレンカ:5つのカプリッチョ集
 1-5.カプリッチョニ長調(第1番) ZWV182/
 6-10.カプリッチョト長調(第2番) ZWV183/
 11-14.カプリッチョヘ長調(第3番) ZWV184/
 15-21.カプリッチョイ長調(第4番) ZWV185/
 22-26.カプリッチョト長調(第5番) ZWV190
バッハ・シンフォニア
 ボヘミアで生まれ、ドレスデンで没した作曲家ゼレンカ(1679-1745)。彼はドレスデンのカトリック教会作曲家として数多くの宗教曲を書いたほか、いくつかの器楽曲も残しています。しかし、その作品の多くは第二次世界大戦中に失われてしまったため、生涯や作品については再研究が行われているところです(20世紀中頃になって、彼の個人的な文書が発見されたことでその研究に追い風が吹いています)。ゼレンカの作品はユニークなスタイルを持ち、同時代の作曲家たち…テレマン、ラモー、ヘンデル、J.S.バッハ・・・とはまた違った肌触りを有しています。このカプリッチョ集は合奏協奏曲のような華やかさを持つもので、とりわけホルンの活躍に耳を奪われます。
 ここで妙技を聴かせるR.J.ケリーは1982年からフィルハーモニア・バロック・オーケストラで活躍するプレーヤーで、演奏の困難なバロック・ホルンをやすやすと吹きこなしています。このアルバムにも高音質のBlu-ray Audioが同梱されており、艶やかな音をたっぷりと味わうことが可能です。
Blu-ray Disc containts 7.1 24-bit/96kHz-MA, 5.1 24-bit/192kHz-MA, 2.0 24-bit/192kHz LPCM

STEINWAY&SONS



STNS-30008
\2000→\1890
カナディアン・ブラス-テイクス・フライト
 1.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
  くまんばちの飛行(B.リデノア編)/
 2.コンパネック:キラー・タンゴ/
 3.J.S.バッハ(1685-1750):フーガト短調 BWV578(R.ロム編)/
 4.J.S.バッハ:前奏曲ニ短調 BWV905(W.バーンズ編)/
 5.ダウランド(1563-1626):もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ(W.バーンズ編)/
 6.ワルトトイフェル(1837-1915):ニーナ/
 7.シャイト(1587-1654):戦いのガイヤルド/
 8.ロドリゲス(1897-1948):ラ・クンパルシータ/
 9.モーツァルト(1756-1791):トルコ行進曲(A.フラッケンポール編)/
 10.リデノア(1986-):ブランドンの哀歌/
 11.ブラームス(1833-1897):
  11のコラール前奏曲Op.122-10「われ心よりこがれ望む」(R.ザウアー編)/
 12.G.ガブリエリ(1554-1612):5声のカノンⅠ(S.マクネフ編)/
 13.J.S.バッハ:G線上のアリア(A.フラッケンポール編)/
 14.マイケル・ケイメン(1948-2003):五重奏曲/
 15.ケーブル(1920-):ヴェニスの謝肉祭/
 16.ヘンダーソン(1919-2003):セント・ハレルヤ/
 17.ヘンダーソン:チューバ・タイガー・ラグ/
 18.ドン・ギリス(1912-1978):主よ、おそばを歩ませて
カナディアン・ブラス
 1970年に結成された、世界で最も有名な金管五重奏団カナディアン・ブラス。100を越えるCDやDVDのリリースを始め、海外での公演からオリジナル作品の演奏まで幅広く活躍している団体です。結成から40年を経て、少しずつメンバーの交代もありますが、彼らの音楽性は一貫して変わることなく、常に最高の音楽を供出しているのが素晴らしいところです。
 もちろん「白いスニーカー」も。このアルバムはトロンボーンのリアルマコプーロスを加えた新生メンバーになってからの初めてのアルバムであり、また彼らの新しいカスタムメイドの楽器(金メッキ)の演奏での初アルバムでもあります。エキサイティングな1枚!
 


STNS-30009
\2000→\1890
ウテ・レンパー:パリの昼間、ベルリンの夜
 1.Elle frequentait la rue pigalle(ピガール通いの女)/
 2.L'Accordeoniste(アコーディオン弾き)/
 3.ヴァイル(1900-1950):「ハッピーエンド」:
  スラバヤ・ジョニー-「三文オペラ」-殺し屋、匕首マック/
 4.アイスラー(1898-1962):溝/
 5.アイスラー:自殺について/
 6.アイスラー:水車のバラード/
 7.ピアソラ(1921-1992):La ultima grela(最後の女)/
 8.ピアソラ:Oblivion-忘却/
 9.ピアソラ:ブエノスアイレスのマリアより「私はマリア」/
 10.ボゴスロフスキー(1913-2004):Tyomnaja Notch(暗い夜)/
 11.アルベルスタイン(1947-):
  Ikh shtey unter a bokserboym(私はカロブの木の下に立つ)/
 12.アルベルスタイン:静かな夜/
 13.ジャック・ブレル(1929-1978):Ne me quitte pas(いかないで)
  ※全てシュテファン・マルツェフ編
ウテ・レンパー(歌)/
シュテファン・マルツェフ(クラリネット.アコーディオン.ピアノ)/
フォーグラー弦楽四重奏団
録音 2012年2月19-21日
 お元気でしたか?ウテ・レンパー様。
 ドイツ、ミュンスター出身の歌姫ウテ・レンパー。マレーネ・ディートリヒの再来であり、現代最高のブレヒト歌手として一世を風靡。ワイマール共和国から第三帝国にかけてのベルリン=当時最大の快楽都市の甘い毒を歌わせたら彼女の右に出る者はいないでしょう。今作での彼女は、タバコの煙とワイングラスの煌めきを映し出すキャバレー・ソングだけでなく、小粋なパリの歌からピアソラのタンゴまでを恐ろしいまでに官能的に歌います。共演を務めるフォーグラーSQがまた絶品の音を聴かせています。これはぜひ直接聞いていただかないことには始まりません!!!
 

Bach on a Steinway
STNS-30001
\2000→\1890
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)
 スタインウェイのバッハ

 1-4.J.S.バッハ(1685-1750):トッカータニ短調BWV913/
 5-6.平均律クラヴィーア曲集第1巻より第5番ニ長調BWV850/
 7-12.パルティータ第2番ハ短調 BWV826/
 13-16.トッカータホ短調BWV914/
 17-18.平均律クラヴィーア曲集第1巻より第13番嬰ヘ短調BWV858/
 19-25.フランス組曲第5番ト長調BWV816
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)…Steinway Model D
録音 2010年6月16-17日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 Steinway&Sonseレーベルの初リリースCDは、名手ジェフリー・ビーゲルによるJ.S.バッハの作品集です。使用楽器は「Steinway Model D」。274㎝の奥行を持つ最大のモデルで、比類なき響きを持つ最高級の楽器です。ビーゲルは作品に新鮮なアプローチと独自の解釈を施し新しいバッハ像を創り上げこの銘器から宝石のような美しい響きと表情豊かなサウンドを紡ぎだすことに成功しています。
 

Chopin: Mazurkas Nos. 1-51
STNS-30003
(2CD)
\2600→\2390
ミリアン・コンティ
 ショパン:マズルカ集

<CD1>
 1.第1番嬰ヘ短調Op.6-1/2.第2番嬰ハ短調Op.6-2/
 3.第3番ホ長調Op.6-3/4.第4番変ホ短調Op.6-4/
 5.第5番変ロ長調Op.7-1/6.第6番イ短調Op.7-2/
 7.第7番ヘ短調Op.7-3/8.第8番変イ長調Op.7-4/
 9.第9番ハ長調Op.7-5/10.第10番変ロ長調Op.17-1/
 11.第11番ホ短調Op.17-2/12.第12番変イ長調Op.17-3/
 13.第13番イ短調Op.17-4/14.第14番ト短調Op.24-1/
 15.第15番ハ長調Op.24-2/16.第16番変イ長調Op.24-3/
 17.第17番変ロ短調Op.24-4/18.第18番ハ短調Op.30-1/
 19.第19番ロ短調Op.30-2/20.第20番変ニ長調Op.30-3/
 21.第21番嬰ハ短調Op.30-4/22.第22番嬰ト短調Op.33-1/
 23.第23番ニ長調Op.33-2/24.第24番ハ長調Op.33-3/
 25.第25番ロ短調Op.33-4/26.第26番嬰ハ短調Op.41-1/
 27.第27番ホ短調Op.41-2/28.第28番ロ長調Op.41-3/
 29.第29番変イ長調Op.41-4/
<CD2>
 1.第30番ト長調Op.50-1/2.第31番変イ長調Op.50-2/
 3.第32番嬰ハ短調Op.50-3/4.第33番ロ長調Op.56-1/
 5.第34番ハ長調Op.56-2/6.第35番ハ短調Op.56-3/
 7.第36番イ短調Op.59-1/8.第37番変イ長調Op.59-2/
 9.第38番嬰ヘ短調Op.59-3/10.第39番ロ長調Op.63-1/
 11.第40番ヘ短調Op.63-2/12.第41番嬰ハ短調Op.63-3/
 13.第42番ト長調Op.67-1/14.第43番ト短調Op.67-2/
 15.第44番ハ長調Op.67-3/16.第45番イ短調Op.67-4/
 17.第46番ハ長調Op.68-1/18.第47番イ短調Op.68-2/
 19.第48番ヘ長調Op.68-3/20.第49番ヘ短調Op.68-4/
 21.第56番変ロ長調Op.posth./22.第55番ト長調Op.posth./
 23.第60番ニ長調Op.posth./24.第59番変ロ長調Op.posth./
 25.第61番ハ長調Op.posth./26.第62番変イ長調Op.posth./
 27.第50番イ短調「エミリー・ガイヤール」Op.posth./
 28.第51番イ短調「ノートル・タン」Op.posth.
ミリアン・コンティ(ピアノ)…Steinway Model D (Hamburg)
録音 2010年10-13日ニューヨークペトリッチ・サウンド・スタジオ
 Steinway and Sonseレーベル2作目は、ショパン(1810-1849)のマズルカ全集です。ミリアン・コンティはアルゼンチン系アメリカ人で、ニューヨークを起点に活動しているピアニスト。彼女は2005年のジュリアード音楽院設立100年記念の際に「過去の卒業生BEST100」に選ばれるほど優秀な人材であり、アルゼンチンでも高い人気を得ています。彼女の持つ独特のリズム感は、ショパンのマズルカを演奏する際に素晴らしい美点となり、ポーランドの舞曲をグローバルなものとして昇華させることに成功しています。
 
Mompou: Silent Music
STNS-30004
\2000
フェデリコ・モンポウ:ひそやかな音楽
 1-9.ひそやかな音楽第1巻/10-16.ひそやかな音楽第2巻/
 17-21.ひそやかな音楽第3巻/
 22-28.ひそやかな音楽第4巻/29.内なる印象第4番「秘密」
ジェニー・リン(ピアノ)
モンポウ(1893-1987)と言えば極限まで音を切り詰めた静謐な世界を思い起す人も多いことでしょう。最近流行の“断捨離”の精神にも似たストイックかつ解放感のある音楽は静かなブームを呼び、多くのファンを得ています。 この「ひそやかな音楽」はモンポウの作品の中でも最大の小品集で、彼自身が出版や公開演奏をためらったほどの「内面的な世界」を描いたものです。1973年台湾に生まれアメリカ在住の若きピアニスト、ジェニー・リンはとりわけ現代音楽を得意としていることで知られますが、このモンポウでは、音を一つ一つ拾い上げるかのように丁寧な音を作り、作曲家の心の声を余すことなく表現しています。
 

ア・スタインウェイ・クリスマス・アルバム(ビーゲル)
STNS-30005
\2000

ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)
 スタインウェイのクリスマス・アルバム

 1.アンダーソン(1908-1975):そりすべり(ジェントリー編)/
 2.グレインジャー(1882-1961):
  サセックスの仮装行列によるクリスマス・キャロル/
 3.デイン・ドン!高らかに-主よ人の望みのよろこびよ/
 4.イサーク:静かな夜/
 5.トーメ(1925-1999)/ウェルズ(1922-1998):
  暖炉では栗の実が焼け(J.ビーゲル編)/
 6.リャプノフ(1859-1924):クリスマスの祭りOp.41-3「シャントゥール」
 《チャイコフスキー(1840-1893):くるみわり人形より》
  7.小行進曲/8.こんぺいとうの精の踊り/
  9.ロシアの踊り「トレパーク」/
 10.レーガー(1873-1916):青年時代よりOp.17-9「クリスマスの夢」/
 11.レビコフ(1866-1920):クリスマス・ツリーOp.21:ワルツ(ピアノ編)/
 12.チャイコフスキー:四季Op.37b-第12曲「12月:クリスマス」/
 13.ホルスト(1874-1934)/リスト(1811-1886):冬のさなかに-ため息/
 14.グルーバー(1787-1863):清しこの夜/
 15.イーディス・ネズビット:もうすぐクリスマス/
 16.メンデルスゾーン(1809-1847):
  あめにはさかえ(ベートーヴェン風)(D.ソシン編)/
 17.リスト(1811-1886):クリスマス・ツリーS186/R71 第3番飼葉桶のそばの羊飼たち/
 18.伝承曲:たいまつを手に-三隻の船(ピアノ編)/
 19.A.H.キャラウェイ:クリスマスの子守歌(J.ビーゲル編)/
 20.フォスター(1949-)My Grown-Up Christmas List(J.ビーゲル編)/
 21.伝承曲:オールド・ラング・サイン(J.ビーゲル編)
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)
録音 2011年5月3.4日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 ジェフリー・ビーゲルが演奏する楽しいクリスマス・ピアノ曲集です。どの曲もステキなアレンジが施されていて聴いているだけでわくわくするものばかり。誰もが知ってるアンダーソンの「そりすべり」もピアノの美しい音色を存分に生かした重厚なアレンジが見事。まるで豪華純金製のそりに乗っているかのようなゴージャスさです。トラック13は、聞き覚えのあるリストの「ため息」がいつの間にかクリスマス・ソングに変わってしまうというもの。こんな仕掛けが至るところにあって、一つ一つ確かめていくだけでも楽しいはずです。
 

Anderson & Roe: when words fade
STNS-30006
\2000→\1890
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
 ことばが消えるとき

 1.マイケル・ジャクソン(1958-2009):ビリー・ジーン/
 2.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  歌劇「ジュスティーノ」-私の心に涙の雨が降っている/
 3.モーツァルト(1756-1791):歌劇「魔笛」-パパゲーノ、パパゲーナ/
 4.ビゼー(1838-1875):カルメン幻想曲-ハバネラ/
 5.シューベルト(1797-1828):魔王Op.1/
 6.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ/
 7.ブレル&ジュアネスト:マチルド、マリークとマドレーヌ/
 8.シューマン(1810-1856):リーダークライスOp.39-5「月の夜」/
 9.ヴィラ=ロボス(1887-1959):
  ブラジル風バッハ第5番-アリア「カンティレーナ」/
 10.トム・ヨーク(1968):パラノイド・アンドロイド/
 11.トーマス・オーガスティン・アーン(1710-1778):朝-まばゆい太陽/
 12.コールドプレイ:ビバ・ラ・ビダ
  ※全てグレッグ・アンダーソン&エリザベス・ジョイ・ローによる編曲
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
録音 2011年7月6-8日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 4本の手から繰り出される目も眩むようなピアノの音色。圧倒的なリズム感。マイケル・ジャクソンから特殊奏法のヴィヴァルディ、至るところで音がはじけるパパゲーノのアリア…。曲が進むにつれ驚きばかりが増していくスゴイ1枚です。アレンジが素晴らしいことは言うまでもないのだけど、テクも物凄い。「パラノイド・アンドロイド」ではなぜか真面目に弾いていて、まるでプロコフィエフかリゲティを思わせる曲になっていたり。とにかく面白いです。
 


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 - 第32番/ディアベリ変奏曲/バガテル集 Op. 126 (ランゲル)
STNS-30007
(3CD)
\4000→\3690

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28-32番他
<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ第28番変イ長調Op.101/
 5-8.ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106/
<CD2>
 1-3.ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109/
 4-6.ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110/
 7-8.ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111/
<CD3>
 1-34.ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲ハ長調 Op.120/
 35-40.6つのバガテルOp.126
アンドリュー・ランジェル(ピアノ)
 名手ランジェルによるベートーヴェンの最後の5つのソナタ集。曲によって全く違う表情を見せる彼のピアノが見事です。ハンマークラヴィーアでは華やかな響きを極めつつ、第31番ではまるで晩秋の澄み切った空を思わせるかのような、ウエットな響きを紡ぎだすランジェルの演奏を聴くと、従来のスタインウェイの音色に抱いているイメージが変わってしまうかもしれません。
 「ディアベリのワルツによる変奏曲」はランジェルが得意としている曲で、このある意味“粘着系”とも言える徹底的な主題の展開を、彼は見事に追跡かつ解析することに成功しています。6つのバガテルも聴きものです。
 

ピニョーニ/バルカルセ/グアスタビーノ/サエンス/ジラルディ/プラサ:ピアノ作品集(コンティ)
STNS-30010
\2000

アルゼンチンの郷愁
 1-2.レモ・ピニョーニ(1915-1988):
  ピアノのための伝統舞曲第3番.第13番/
 3.エミリオ・バルカルセ:ラ・ボルドーナ/
 4.オラシオ・サルガン(1916-):ドン・アグスティン・バルディ/
 5-14.カルロス・グァスタビーノ(1912-2000):10の民謡/
 15-17.ペドロ・サエンス(1915-1995):あのブエノスアイレス/
 18.カルロス・ロペス・ブチャルド(1881-1948):馬車の歌/
 19.カルロス・ロペス・ブチャルド:バイレシート/
 20.フロロ・ウガルテ(1884-1975):ビダーラ/
 21-24.ジラルド・ジラルディ(1889-1963):私の歌の歌/
 25.マリオ・ブレーダーズ(1931-):バルス・クリオージョ第3番/
 26.マリオ・ブレーダーズ:ミロンガ・パンペアーナ/
 27.オスマル・マデルナ(1918-1951):降る星のごとく/
 28.フリアン・プラザ(1928-2003):夜想曲
ミリアン・コンティ(ピアノ)
アルゼンチン生まれのコンティの渾身の1枚です。ショパンも素晴らしかったのですが、こちらはまさに水を得た魚。ネオン瞬く雨の町角を思わせるような、憂愁と情熱に満ちた音楽をどうぞ。作曲家の名前はほとんどなじみのない人ばかりですが、どれもが生き生きとした小品であり、溢れる歌心に満ちたものばかりです。
 


J.S. バッハ:フーガの技法 BWV 1080 (ランゲル)
STNS-30012
\2000→\1890

J.S.バッハ:フーガの技法BWV1080 アンドリュー・ランジェル(ピアノ)
録音 2011年12月19-21日
 1948年シカゴ生まれのピアニスト、アンドリュー・ランジェルはジュリアード音楽院でピアノの博士号を取得し、ベートーヴェンのソナタ全集やバッハ(1685-1750)の「ゴルトベルク変奏曲」などの独創的な演奏で注目されました。しかし、1991年に手の負傷により一度は演奏活動を中断するも、7年間のリハビリを経て復帰。その期間にリリースした2枚のアンソロジーアルバムが高い賞賛を得たことでも知られています。レパートリーは古典派からロマン派、近現代と幅広く、どの曲も洞察力の高い解釈で聴かせますが、このバッハはとりわけ彼が得意としているもので、各々のフーガの楽譜の奥に記された内的世界を見事に表出している名演です。
 

The Complete Piano Sonatas of Viktor Ullmann
STNS-30014
(2CD)
\2600→\2390
ヴィクトル・ウルマン:ピアノ・ソナタ全集
<CD1>
 1-3.ピアノ・ソナタ第1番Op.10/4-6.ピアノ・ソナタ第2番Op.19/
 7-9.ピアノ・ソナタ第3番Op.26b/10-12.ピアノ・ソナタ第4番Op.38/
<CD2>
 1-5.ピアノ・ソナタ第5番Op.45/6-9.ピアノ・ソナタ第6番Op.49a/
 10-14.ピアノ・ソナタ第7番/
 15.歌劇「アトランティスの皇帝」Op.49b-
  メヌエット「死の舞踏」(S.ブライエル編)
ジャンヌ・ゴラン(ピアノ)
 チェコスロバキアでユダヤ系の両親の下に生まれ、ウィーン大学にてシェーンベルクに作曲を師事。プラハに移り住み、当時の「新ドイツ劇場」(現プラハ国立歌劇場)などで指揮者として活躍。作曲家としても歌曲、ピアノ曲などさまざまな作品を発表し国際的に評価され始めた矢先、1940年のナチス・ドイツのプラハ侵攻により、一度は国外脱出を試みるも、最終的には囚われの身となり、1944年アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で命を落としたヴィクトル・ウルマン(1898-1944)。一時は「頽廃音楽」として排除されましたが、20世紀末に復興の兆しが見え、最近ではほとんどの作品が演奏される機会を持つまでになりました。
 彼のピアノ・ソナタは1936年から1944年の間に書かれ、そのどれもがドイツ的な堅固な様式美と革新的な和声を持っています。ジャンヌ・ゴランによるこのソナタ集は優れたバランス感覚に満たされた見事な演奏で、これらの作品の真価を問いかけるにふさわしいものです。

TIMPANI


1C1184
\2300
ジョルジュ・レンツ:天は語る…Ⅶ
 1.ミステリアムより「Guyuhmgan」/
 2.ミステリアムより「Monh」/
 3.ミステリアムより「Ngangkar」
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)…2/
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団/
エミリオ・ポマリーコ(指揮)
録音 2010年7月ルクセンブルク フィルハーモニー
 ジョルジュ・レンツ(1965-)の連作「天を語る」は実験的で神秘的な音響に満たされた様々な作品が並ぶ興味深いもの。
 ⅠからⅦまでの7つの部分に分かれ、そのⅦがまた8つに分かれていて、このアルバムにはⅦからの3曲が収録されています。各々の楽器編成は異なり、「Guyuhmgan」は電子音と管弦楽、「Monh」では管弦楽と電子音、そこに独奏ヴィオラが加わります。
 「Ngangkar」はオーケストラのみ。宇宙の壮大さと虚無感を併せ持つ絶対的な音楽をお聞きください。
 

Emmanuel: 6 Sonatines for Piano
1C1194
(CD+DVD)
\2300→\2090
モーリス・エマニュエル:ピアノのための6つのソナチネ
 1-4.ソナチネ第1番「ブルゴーニュ」/
 5-7.ソナチネ第2番「牧歌」/8-10.ソナチネ第3番/
 11-13.ソナチネ第4番「ヒンドゥーの様々な旋法による」/
 14-19.ソナチネ第5番「フランス風」/20-22.ソナチネ第6番
ローラン・ワグシャル(ピアノ)
録音 2012年4月ヴァンセンヌ coeur de ville
 フランス、シャンパーニュ地方のバール=シュル=オーブで生まれブルゴーニュ地域のボーヌで育ったモーリス・エマニュエル(1862-1938)。彼はパリ音楽院で作曲をドリーブに学び、そこで知り合ったドビュッシーと生涯の友人となったことで知られています。
 とはいえ彼の作品は「印象派」のものとは違う肌触りを持ったもので、どちらかというと東洋系のエッセンスが加えられており、この作風が師のドリーブには敬遠されたとも言われています。
 この「6つのソナチネ」は彼の代表作であり、この中には彼が目指したもののすべてが詰まっています。ピアニスト、ワグシャルによる楽曲解説の映像DVD付き。この魅力的な作曲家を理解するのに役立つはずです。
 
Hugues Dufourt: Lucifer d’apres Pollock & Voyage par-dela les fleuves et les monts
1C1195
\2300
ユーグ・デュフール:管弦楽作品集第2集
 1.Lucifer D'apres Pollock/
 2.川と山を越える旅
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団/
ピエール=アンドレ・ヴァラード(指揮)
録音 2012年4月ルクセンブルク フィルハーモニー
 フランスを中心とする現代音楽の潮流の一つである「スペクトル楽派」は、音響現象を音波として捉え、その倍音を成分ごとに分解し、解析していくという方法をとるやり方です。この方法を提唱した創成期のメンバーの一人であるユーグ・デュフール(1943-)の音楽はTimpaniレーベルで既に1枚リリースされており、その不可思議で幽玄な響きによってディアパソン・ドールなどの多くの賞を受賞しています。
 2枚目となるこのアルバムも、絵画作品のようなタイトルを持っていて、これは説明ではなく、音楽の構造を表わす出発点とされています。滞ることのない音の反復は、永遠の時間の流れ、恐怖、カオスなどを表現するための一つのやり方です。
 

Charles Bordes: Melodies ? Oeuvres pour piano
1C1196
\2300→\2090
シャルル・ボルド:歌曲とピアノ曲集
 1.5拍子のカプリース/2.角笛の音は訴える森に向かって/
 3.朝の散歩/4.緑の風景/5.祝婚歌/
 6.古風なアリアに依って/
 7.美しき歌/8.4つのリズミカルな幻想曲Op.16より第1番/
 9-12.哀しき風景/
 13.4つのリズミカルな幻想曲Op.16より第2番/
 14.憂鬱/15.私の心は悲しかった/16.情緒的な議論/
 17.4つのリズミカルな幻想曲Op.16より第3番/
 18.おお我が死者たち/19.囚人のロンド/
 20.4つのリズミカルな幻想曲Op.16より第4番/
 21.ジーグ形式の舞曲
ソフィー・マラン=ドゥゴール(ソプラノ)…2.3.4.5.7.9.10.14.16/
ジャン・セバスチャン・ブ(バリトン)…6.11.12.15.18.19.21/
フランソワ・ルネ・デュシャーブル(ピアノ)
録音 2012年2月ヴァンセンヌ coeur de ville
 セザール・フランクに作曲を学んだシャルル・ボルド(1863-1909)はバスクの民謡研究を経て、ルネサンスや中世音楽にも深い関心を寄せ、1894年にヴァンサン・ダンディとともに「スコラ・カントルム」(ダンディがパリ音楽院に対抗して設立した音楽学校)の創設に貢献したことで知られています。
 多くの作品を残しましたが、今ではその中の合唱曲と歌曲のいくつかが知られるのみ。ほとんど忘れ去られてしまった作曲家と言っても過言ではありません。彼の旋律はまるでプーランクのように洗練を極めています。
 また、このアルバムにもバランス良く配置されている「リズミカルな幻想曲」は、若い頃に研究したバスクのリズムからの影響を強く受けた闊達なものであり、どれもが愛すべき美しい小品です。46歳という早すぎる死が惜しまれる作曲家です。

TOCCATA



TOCC-141
\2600→\2390
108歳まで生きた
 レオ・オーンスタイン:ピアノ作品集第1集

 1-4.4つの即興曲(1905頃-06)/
 5-8.ピアノ・ソナタ第4番(1918頃)/
 9-13.祖国にて(1924)
  <ジプシーの哀歌/地下牢の老人/妖精の踊り/
   大聖堂の鐘と合唱/メリーゴーランド>/
 14-26.コサックの印象Op.14(1914)
  <夕べの歌/少女と泉/マズルカ/山中の月光/
   悲しみ/ワルツ/夜想曲/夜明け/
   舞曲/愛の歌/行進曲/瞑想/祭りにて>
アルセンティ・ハリトノフ(ピアノ)
録音 2011年12月20-22日テキサス北テキサス大学,マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,マーゴット・アンド・ビル・ウィンスパー・パフォーミング・ホール
 レオ・オーンスタイン(1892-2002)と言うと「108歳まで生きた人」であり、また自作に「妙なタイトルを付ける人」として広く知られています。彼自身、優れたユーモアセンスを持ち、また過剰なほどの説明好きであったとされ、そのユニークなタイトルもそんな彼の性格を物語るものの一つであったようです。
 彼の現存する最古(!)の作品は1905年頃に書かれ、最後の作品は1990年に書かれるという85年に渡る長き創作活動を俯瞰するため、TOCCATAではピアノ作品の全集を企画しました。記念すべき第1集には、前述の最初期のものを含む1924年までの作品が収録されています。まるでラフマニノフを思わせるロマンティックな曲集です。
 

Vladas Jakubnas: Chamber and Instrumental Music
TOCC-13
\2600→\2390
ヴラダス・ヤクベナス:室内楽と器楽作品集
 1-2.弦楽四重奏曲Op.4(1929-30)/
 3-4.ピアノのための「2つの絵画」Op.2(1926-27)/
 5.ヴァイオリンとピアノのための「メロディ-伝説」(1930-31)/
 6.チェロとピアノのための「セレナーデ」(1936)/
 7-8.弦楽オーケストラのための「前奏曲と3つのフーガ」ニ短調(1828-1829)
ヴェルニウス弦楽四重奏曲…1-2/
カスパラス・ウィンスカス(ピアノ)…3.4/
ルネス・マタイティテ(ヴァイオリン)…5/
エドモンダス・クリカウスカス(チェロ)…6/
アルビナ・シクスニウテ(ピアノ)…5.6/
聖クリストファー室内管弦楽団…7.8/
ドナタス・カトクス(指揮)…7.8
録音 1999年2月12日ヴィルニウス・レコーディング・スタジオ
 作曲家、評論家、教師として活躍したヤクベナス(1904-1976)。彼は第二次世界大戦の際にアメリカに亡命する前は、リトアニアの音楽界の主要人物でした。1928年から1932年にベルリンでシュレーカーに学び、最初は新古典主義の様式で音楽を書き「リトアニアのヒンデミット」と呼ばれるほどの人気を得たのです。しかし祖国に戻ってからはリトアニアの民族音楽を取り入れた後期ロマン派風の重厚な音楽を作曲するようになります。このアルバムにはシュレーカーに師事していた頃の作品が収録されていますが、確かに当時の不安な世相を反映した陰鬱さが垣間見える独自の音楽です。
 

Unknown Enescu Vol. 1 Music for Violin
TOCC-47
\2600→\2390
ジョルジュ・エネスコ:ヴァイオリン作品集第1集
 1.朝の歌/
 2-4.牧歌、悲しきメヌエットと夜想曲(S.ルプー編)/
 5.J.S.バッハによるサラバンド/
 6.遠くのセレナーデ/7.アンダンテ・マリンコニーコ/
 8-9.前奏曲とガヴォット(室内アンサンブル編)/
 10-13.ルーマニアの様式による歌/
 14.伝説(室内アンサンブル編)/
 15.ひそやかなセレナード/16.協奏的幻想曲/
 17.夜想曲「ヴィル・ダヴレー」/18.ホラ・ウニレイ/
 19-20.アリアとスケルツィーノ(S.ルプー編)
シェルパン・ルプー(ヴァイオリン)/
ドミートリー・コーゾフ(チェロ)/
イアン・ホブソン(ピアノ)/
サミール・ゴレスク(ピアノ)/
マリン・カザク(チェロ)/
イリーナ・ドゥミトレスク(ピアノ) 他/
イリノイ大学エネスコ・アンサンブル
録音 2005年6月5-7日ブカレストルーマニア・ラジオ・ブロードキャスティング・ハウスコンサート・ホール
 あのパブロ・カザルスが「モーツァルト以来の最大の音楽家はエネスコである」と評した通り、ルーマニア生まれのエネスコ(1881-1955)は、作曲家としても演奏家としても偉大な人でした。彼はクライスラー、ティボーと共に20世紀前半の三大ヴァイオリニストの一人とされ、また同時代のルーマニア音楽の普及にも尽力、自らの作品にも民俗性を反映、後期ロマン派の音楽とエキゾチックな雰囲気を併せた華麗で色彩的な音楽を描きだしました。このアルバムでは彼の初期のヴァイオリン作品を中心に収録。とは言え、この華麗な作風も世界大戦を経ることで、微妙に陰りを帯びていくことになるのです。
 
Rameau: Complete Keyboard Music Volume 2
TOCC-51
\2600
ジャン=フィリップ・ラモー:鍵盤音楽全集第2集
 1-24.歌劇「優雅なインドの国々」組曲/
 25-36.組曲第3番ニ短調/
 37-39.コンセール用クラヴサン曲集第4番変ロ長調/
 40.歌劇「ダルダニュス」よりガボット/41.メヌエットとロンド
スティーブン・グートマン(ピアノ)
録音 2006年8月29-30日,2011年6月11日ハーストウッド・ファーム・ピアノスタジオ
 フランス・バロック・オペラの作曲家として知られるラモー(1683-1764)ですが、実は鍵盤音楽における偉大なる作曲家の一人でもありました。しかし現代のピアニストたちにはラモーの曲はあまり人気がないようで、同時代のスカルラッティやバッハ、ヘンデルに比べると演奏機会が格段に少なく、録音も数えるほどしかないのが実情です。
 このTOCCATAのシリーズでは、そんなラモーの鍵盤音楽を全て網羅することに尽力し、グートマンによる説得力ある演奏で多彩な音楽を見事に描き出しています。今回は歌劇「優雅なインドの国々」からの音楽を中心に収録。歌劇と言っても、この作品は劇中に4つの「バレ」が挿入されており、これらは本来管弦楽で演奏されますが、この曲を鍵盤用に編曲したものがこの組曲です。
 

Medins, Janis: 24 Dainas for Piano (Preludes)
TOCC-97
\2600→\2390
ヤーニス・メディンシュ:24の前奏曲
 1-24.24の前奏曲
ジョナサン・パウエル(ピアノ)
2008年8月11-12日ドゥルハム音楽大学
 ラトビア音楽の先駆者の一人であるメディンシュ(1890-1966)は、また指揮者であり教師でもありました。彼の作品の中には、初のラトビア語によるオペラがあり、またラトビアの民族詩をモティーフにした作品も数多くあります。この24曲の小品集は「前奏曲」と題されていますが、全てはラトビアの民謡が元になっていて、そこにラフマニノフやグリーグ、スクリャービンから連なる抒情性が加味されています。
 第2次世界大戦の時はスウェーデンに渡り、ストックホルムで死去しましたが、彼は亡くなるまで祖国への思いを胸に抱いていたに違いありません。
 
Buxton Orr: Chamber Music for Strings
TOCC-103
\2600
ブクストン・オール:弦楽のための室内楽作品集
 1-9.弦楽四重奏曲第1番「リフレインⅣ」(1977)/
 10-12.バロック・ヴァイオリンとコントラバスのための二重奏曲(1994)/
 13-15.弦楽三重奏曲(1996)/
 16-19.弦楽四重奏曲第2番(1985)
ロンドン・ベートーヴェン弦楽三重奏団…1-9.13-19/
アンドリュー・ロバーツ(ヴァイオリン)…1-9.16-19/
マヤ・ホムブルガー(バロック・ヴァイオリン)…10-12/
バリー・ガイ(コントラバス)…10-12
録音 2001年8月21-22日バークシャー,イースト・ウッドヘイ,聖マーティン教会
 1924年グラスゴー生まれの作曲家ブクストン・オール(1924-1997)は、もともと音楽の才能を持ち合わせながらも、最初は別の道を志し、結局音楽を職業にしたのは30歳近くになってからという遅咲きの天才です。
 彼の名前は一部のブラス・バンド好きには知られていましたが、1997年に亡くなってからは、ほとんど顧みられることがありません。
 彼の作品はどちらかというと旋律重視であり、エレガントで古風な面も持ち合わせていて、とても聴きやすいものです。このアルバムでは4つの室内楽作品を聴いていただくことで、オールの再復興の足掛かりとなるのではないでしょうか。
 
Eyvind Alnas: Songs
TOCC-124
\2600
アイヴィン・アルネス:歌曲集
 1-4.N.M.フォルケのテクストによる4つの歌Op.34/
 5-6.G.フレーディングとN.M.フォルケのテクストによる4つの歌Op.35より/
 7-8.N.C.フォークトの詩による3つの歌Op.29より/
 9-13.R.バーンズとH.ハイネのテクストによる5つの歌Op.6/
 14-16.V.ストッケンベルクの詩による3つの歌Op.26/
 17-18.H.ヴィルデンヴェイの詩による4つの歌Op.30より/
 19-24.A.ホフデンとA.O.ヴィンジェのテクストによる6つの歌Op.22/
 25.N.C.フォークトのテクストによる中声のための3つの歌Op.23より/
 26-27.O.スティァーネとN.C.フォークトのテクストによる4つの歌Op.41より
アン=ベス・ソルヴァング(メゾ・ソプラノ)/
エーリング.R.エリクセン(ピアノ)
録音 2009年6月22-24日スタヴァンゲル,リール・コンセルトザール
 ノルウェーの作曲家アルネス(1872-1932)の歌曲集です。以前発売となったピアノ作品集(TOCC0067)では、抒情的な音楽の中にノルウェーの民族音楽のメロディーやリズムを配した独自の作風が話題となりましたが、こちらの歌曲は、もっと彼の内面に即した繊細かつ表現力豊かなものです。
 こんなに愛らしい曲ばかりなのに、これらは一部の歌以外はほとんど歌われたこともないというのも驚きです。ピアノを弾いているエリクセンは、前述のピアノ作品集でも見事な演奏を聴かせていましたが、ここでは更に曲の内面へ踏み込んだ共感溢れる音楽を奏でています。アルネスの生誕140年と没後80年の記念アルバムとなります。
 

Arthur Farwell: Piano Music, Volume One
TOCC-126
\2600→\2390
アーサー・ファーウェル:ピアノ作品集第1集
 1.エニサーモンの谷 Op.91/
 2-9.オマハでのワーワンの式典での印象Op.21/
 10-21.ポリトーナル・スタディズOp.109より第1集
リサ・チェリル・トーマス(ピアノ)
録音 2011年7月24-25日サフォークベッケルス,オールド・グラナリー・スタジオ
 アーサー・ファーエル(1872-1952)はアメリカの作曲家、指揮者、楽譜出版社で、作家でもあり、また神秘主義者でもありました。本来は技術者となるべくマサチューセッツ工科大学(!)で学びましたが、奇人作曲家ルドルフ・ゴットに邂逅したことで音楽に転向するという面白い経歴を持っています。
 とにかく型破りであり、自ら起こした楽譜出版社「ワーワン・プレス」ではネイティヴ・アメリカの民族音楽にちなんだ作品ばかりを出版したり、ニューヨークで1000人の歌手を揃えて自作を指揮したりと、何かと話題多き人でした。その作品も夥しい数があり、曲によっては複調を用いていたり、別の曲はごくシンプルであったりと、これらも本当にとらえどころのないものばかりです(Op.21の組曲はまさにファーエルらしい「インディアンの儀式」を音楽で表しています)。そんなファーエルの作品の森に好奇心を持って分け入りませんか?こちらも彼の生誕140周年と没後60周年の記念アルバムとなります。
 

Vissarion Shebalin: Orchestral Music, Volume One
TOCC-136
\2600→\2390
ヴィッサリオン・シェバーリン:管弦楽作品集第1集
 1-6.組曲第1番Op.18(1934-36)
  <第1番:葬送行進曲/第2番:舞曲/
   第3番:ゆっくりしたワルツ/第4番:舞曲/第5番:歌/
   第6番;ワルツ>/
 7-14.組曲第2番Op.22(1962)
  <第1番:ワルツ/第2番:タランテッラ/
   第3番:ゆっくりしたワルツ/第4番:ボレロ/
   第5番:ロマンティックなワルツ/
   第6番:ポプリ/第7番:無言歌/第8番:ギャロップ>
シベリア交響楽団/
ディミトリー・ヴァシリエフ(指揮)
録音 オムスク・フィルハーモニー・ホール2012年4月2日…1-6, 2012年6月3日…7-14
 ロシアの作曲家シェヴァバーリン(1902-1963)は、ショスタコーヴィチの親しい友人として知られています。TOCCATAレーベルからは以前「合唱曲集」(TOCC0112)がリリースされており、その力強さとストイックさを併せ持った素朴な曲は、ロシア音楽好きを心から唸らせたものでした。今回は彼の2つの管弦楽組曲をお届けします。
 第1番は30代前半の作品で、当時グネーシン音楽大学の作曲家の主任教授の任に当たるなど、その活動も広く注目されていた時期であり、その作品も推進力のある勇猛果敢な音楽となっています。しかし1948年のジダーノフ批判の犠牲者となってからは、楽壇から追放され、また自身も2度の大病に見舞われるなど悲惨な人生を送ることとなるのですが、それでも彼自身の創作意欲が衰えることはなく、この第2番の組曲を含む幾つかの作品を作曲し、音楽を創る喜びを端的に伝えています。
 

Algernon Ashton: Complete Music for Cello and Piano, Vol. 1
TOCC-143
\2600→\2390
アルジャーノン・アシュトン:チェロとピアノのための作品全集第1集
 1.アリオーソOp.43/
 2-4.チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.6/
 5-7.幻想小曲集Op.12/
 8-10.チェロ・ソナタ第2番ト長調Op.75
  ※初録音
エヴァ・ミツェルカ(チェロ)/
エマ・アバテ(ピアノ)
録音 2011年12月6-8日オックスフォードシャー,シャロウ・パーク・スタジオ
 以前リリースされたピアノ作品集(TOCC0063)は、なぜこの作曲家が忘れられてしまったのだろう?と思わずにはいられないほどの美しいメロディが横溢する、まるで香り高い花束のような曲が収録されていました。
 今回のチェロ作品集は、一層物憂げであり、どことなくシューベルトとブラームスを思わせる沈痛さと、府と見せる晴れやかさが見事なバランスを成す曲が収録されています。幅広い旋律を歌うため、チェロに要求される技巧はかなり高度なものですが、ここでチェロを弾くミツェルカは申し分なく、この美しい作品を弾ききっています。アバテのピアノとの対話を心行くまでお楽しみください。
 
David Braid: Chamber & Instrumental
TOCC-149
\2600
デイヴィッド・ブレイド:室内楽と器楽作品集
 1.ソプラノと弦楽四重奏のための「朝」Op.3/
 2-4.ピアノのための3つの作品Op.8/
 5.ヴァイオリンとピアノのための「インヴェンション」Op.11/
 6.四重奏のためのソナタOp.13/
 7.2台ピアノのための「幼少期の思い出」Op.4/
 8.ピアノ三重奏のための「ダンサーのための音楽」Op.9/
 9.ピアノのための「後奏曲」Op.10
グレース・ディヴィッドソン(ソプラノ)/
ティペット弦楽四重奏団/
セルゲイ・ポドベドフ(ピアノ)/
ユーリ・カルニッツ(ヴァイオリン)/
ピーター・シグレリス(クラリネット)/
エラート・ピアノ三重奏団/
ロジッツァ・ストイチェヴァ&
ホリ・ミカコ(ピアノ・デュオ)
録音 2006年5月…1, 2009年10月14日…2-4, 2010年11月16日…5.9, 2011年11月1日…6, 2008年3月3日…7 ,2010年3月21日…8
 1970年、北ウェールズ生まれの作曲家デイヴィッド・ブレイド。ロンドン、オックスフォード、クラクフで学び、英国風の端正さとポーランドの情熱を継承する独自の音楽を創り上げています。
 彼自身の言葉によると、「作曲家になるための標準的なルートを取ることはなかったが、音楽好きの家族の存在故に、音楽家にならないわけにはいかなかった」とのこと。そんなナチュラルな精神は自身の音楽にもフルに生かされており、このアルバムにもなかなか面白い曲が並んでいます。
 
John Pickard: Chamber Music
TOCC-150
\2600
ジョン・ピッカード:室内楽作品集
 1-3.ピアノ三重奏曲(1990)/
 4.ヴァイオリンとピアノのためのインソムニア(1997)/
 5.独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ(1997)/
 6-7.チェロとピアノのための告別(1999-2000)/
 8-10.ヴァイリンとピアノのためのソナタ(2004)/
 11.バスクラリネット、チェロとピアノのための「スノーバウンド」(2010)
  ※4-11…初録音
ルペルト・マーシャル(ヴァイオリン)…1-4.8-10,(ヴィオラ)…5/
ソフィー・ハリス(チェロ)…1-3.6.7.11/
イアン・ミッチェル(バスクラリネット)…11/
マシュー・リッカルド(ピアノ)…1-4.6-11
録音 2012年1月9日…4.5.8-10, 2012年1月10日…1-3.6-7.11
 「21世紀の最も偉大な交響曲作曲家の一人として評される、技術と気質を備えている」と絶賛されるイギリスのジョン・ピッカード(1963-)。現在、彼の作品は管弦楽曲とピアノ曲のいくつかをCDで聴くことができますが、この室内楽作品集でも彼の特異な世界を感じ取ることができるでしょう。
 また、作曲年代は1990年から2010年に渡る20年間で、その間に変化したスタイルの違いを聴き分けるのも楽しいのではないでしょうか。強靭なリズムに支えられたピアノ三重奏、ここから先、どのように音楽が展開していくのだろう・・・と聞き入ってしまうシャコンヌ。そしてひたすら音に没入していくかのような「スノーバウンド」。ずっしりとした音楽を聴きたい人にオススメです。
 
Glanville-Hicks: Sappho
TOCC-154
(2CD)
\2600
ペギー・グランヴィル=ヒックス:歌劇「サッポー」3幕
<CD1>
 1-14.第1幕/
<CD2>
 1-8.第2幕/9-15.第3幕
サッポー…デボラ・ポラスキ(ソプラノ)/
ファオン…マーティン・ホムリッチ(テノール)/
ピッタコス…スコット・マッカリスター(テノール)/
ディオメデス…ローマン・トレーケル(バリトン)/
ミノス…ヴォルフガンク・コッホ(バス・バリトン)/
クレオン…ジョン・トムリンソン(バス)/
グルベンキアン管弦楽団&合唱団/
ジェニファー・コンドン(指揮)
録音 2012年7月10-20日リスボングルベンキアン財団,グランデ・アウディトリオ
 この歌劇「サッポー」はオーストラリアの女性作曲家、ペギー・グランヴィル=ヒックス(1912-1990)の壮大な作品で、1963年にミコノス島の石造りのコテージで書かれたものです。もともとマリア・カラスが歌うことを想定して書かれたようですが、彼女が歌った記録はなく、一部分だけを、今回も主役を務めたデボラ・ポラスキが歌った録音が存在しています。
 木管楽器のソロと巨大なコーラス、煌めく金管のファンファーレ。など古代ギリシャの風景を見事に捉えた音楽です。今回、彼女と台本作家であるロレンス・ダレルの生誕100年を記念しての全曲上演するため、現在考えられる最高のキャストを揃え、この秘曲を完全復活させました。
 

Jean Francaix: Music for String Orchestra
TOCC-162
\2600→\2390
ジャン・フランセ:弦楽オーケストラのための音楽集
 1-4.弦楽のための交響曲(1948)/
 5.ヴィーナス誕生への頌歌(1960)/
 6-11.パントマイムのための「椿」(1950) ※5-11…初録音
サー・ゲオルク・ショルテイ室内管弦楽団ブダペスト/
ケリー・ストラットン(指揮)
録音 2011年7月6-8日ハンガリーブダペスト,ハンガリー放送第22スタジオ
 TOCCATAレーベルに登場するにしては、ジャン・フランセ(1912-1997)はちょっとメジャーな作曲家?とも思えるのですが、ここでは2曲の世界初録音が登場。やはり一筋縄ではいかないレーベルであることは間違いありません。
 ジャン・フランセはフランス新古典主義音楽の作曲家で、幼い頃から音楽の才能を発揮し、10歳で出版した最初の作品はナディア・ブーランジェの注目を集めたほどでした。彼は順当に才能を伸ばし、ピアノ曲を中心に200曲以上の作品を残しましたが、ここでは3曲の珍しい管弦楽作品が収録されています。
 ブックレットには彼の息子であるジャック・フランセが父親について語った文章を掲載。2曲が世界初録音されることについての喜びにも触れています。



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