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第68号
マイナー・レーベル新譜(5)
2012.12.18〜2013.2.8



ARION



ARN48504
\2400→\2190
ジョゼフ・エルマン・ボナル:
 『弦楽四重奏曲第1番』
 『弦楽四重奏曲第2番』
ドビュッシー四重奏団
[Christophe Collette(Vn),
Dominique Lonca(Vn),
Vincent Deprecq(Va),
Yannick Callier(Vc)]
伝統的フランス・ロマン主義 独自なフランス的ロマン情緒を残した作曲家ボナル
 オルガン作品等で最近注目を集めているフランス近代の作曲家ボナルの弦楽四重奏曲。ジョゼフ=エルマン・ボナル(1880-1944)はボルドーに生まれ、ヴァイオリン奏者であった父親より音楽教育を受けパリ音楽院に進学し、作曲をフォーレに学びました。ロマン的な情緒を残しながらも、他の印象派的、モダン的ではなく、独自な響きを追求した作曲家でした。初発売当時、世界初録音。旧品番:ARN68504 からの再発売商品となります。
【録音】1999年10月6〜9日(デジタル:セッション)
 

ARN 48282
\2400→\2190
名盤復活!
 ジャン・マルタン(P)
  ブラームス:ピアノ作品集

 『スケルツォ変ホ短調Op.4』
 『シューマンの主題による変奏曲嬰ヘ短調Op.9』
 『3つの間奏曲Op.117』『幻想曲集Op.116』
ジャン・マルタン(P)
イヴ・ナットに学んだジャン・マルタンの名演の再発売ジャン・マルタンはパリでイヴ・ナットに学んだフランスのヴェテラン・ピアニストで、ロマン派の作品を得意にしている。今までに無い徹底的に内省的苦悩と憂いに満ちた渋くも貴高い、印象的なブラームス。常に先駆的存在であり続けてきた彼の妙技による名演といわれた1枚です。旧品番:ARN68282からの再発売商品となります。
 【録音】1982年
 

ARN 44283
\2400
サルデーニャ島の羊飼いの歌と音楽
 1: Ballu tundu Neonelesu (Ronde ''Neonelesu''),
 2 : Per la morte di Guido Rossa (Pour la mort de Guido Rossa) ,
 3: Natale (No?l), 4: Ballo sardo, Pt. 1 (Danse sarde),
 5: Sa ninnia, 6: Ballo sardo, Pt. 2 (Danse sarde),
 7: Mutos, 8: Ballo sardo, Pt. 3 (Danse sarde),
 9: Ballu "E trese", 10: Gosos,
 11: Saludu a sos emigrados sardos (Salut aux ?migr?s sardes),
 12: Ballo sardo, Pt. 4 (Danse sarde)
ペピーノ・マロット&ネオネリ村合唱団
地中海に浮かぶサルデーニャ島の固有の独特な音楽 サルデーニャ島は歌と音楽の島と言われています。短い歌、長い歌、喜びの歌、悲しみの歌、愛の歌、裁きの歌、等、昔は常に生活の中に歌や音楽がありました。現代においてもその伝統をたやさずに歌われている、ここにしかない音楽が収録されています。歌い手には農夫および羊飼いのテノール歌手がなり、楽器は農夫ら自身の手製ものが使われます。パワフルで深い歌声が印象的です。旧品番:ARN64283からの再発売商品となります。
 【録音】1979年頃
 

ARN 44271
\2400
世界的バリ島のジェゴグ楽団による圧倒的な演奏
バリ島のジェゴグ
 1: Jegog: Gegenderan I,
 2: Jegog: Gegenderan II et Mebarung,
 3: Jegog: Ratnadi, 4: Bumbunggebyog,
 5: Leko, 6: Jodeg Bumbung: Pengung Cab Sabda,
 7: Jodeg Bumbung: Pancer ? Jagat, 8: Rorogbyar
スアールアグン楽団
テガル・カンクリング楽団(2)
スアールアグンは「神の光」を意味する名前。一時バリ島から廃れていた巨大な竹の楽器ジェゴグを復活させ、その音楽を復興させた最初の楽団です。日本でも定期公演を行っており東儀秀樹氏、坂東玉三郎氏、坂本龍一氏などのアーティストとも共演している、世界的にも有名な楽団です。ジェゴグの巨大な竹が生み出す圧倒的な重低音の迫力に圧倒される演奏です。旧品番:ARN64271からの再発売商品となります。【録音】1994年頃

BAYER



BR 100391
\2400→\2190
ガザリアン/ワーグナー&ブルックナー
 ワーグナー:『ジークフリート牧歌』
 ブルックナー:
  『弦楽五重奏曲』
   (ハンス・シュタッ トルマイアーによる弦楽合奏版)
ルーベン・ガザリアン(指揮)
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管
 ルーベン・ガザリアンの指揮により輝く弦の美しさ
 1971年、アルメニア生まれのルーベン・ガザリアンは、「ラ・フォル・ジュルネ〜」でも来日した若手指揮者。ヴァイオリニストとして活躍した後、2002年よりヴュルテンベルク室内管弦楽団の指揮者を務め、ヨーロッパ各地のオーケストラにも客演。「ヤング・バーンスタイン」と評される期待の若手指揮者です。ヴァイオリニスト出身の彼ならではの、弦の美しさが際だった演奏です。
 【録音】2012年 (デジタル:セッション)


ルーベン・ガザリアン/旧譜!

BAYER
BR 100381
(5SACD)
\7500→¥6890
ルーベン・ガザリアン/
 ベートーヴェン交響曲全集(5枚組)
クラウディア・バラインスキー(ソプラノ)
クリスタ・マイヤー(アルト)
トーマス・マイケル・アレン(テノール)
コンラート・ヤルノット(バリトン)
ルートヴィヒスブルク・シュロス祝祭合唱団
ヴュルテンベルク室内管弦楽団
指揮:ルーベン・ガザリアン
 名門ヴュルテンベルク室内管の創立50周年記念演奏会における白熱のライヴ録音
 録音:2010年

 もともと地味なドイツ系の室内楽などを得意とする独BAYER。最近新譜が全然なかったわけではないが、元気とはいえない活動状況が続いていたので若干その行く末が心配されていた。
 そんなBAYERがいきなり若手の指揮者を登用してベートーヴェンの交響曲全集をリリースしてきた。しかもSACD。どこか有力な資本が入ったか。いずれにしても同レーベルにとって起死回生、生きるか死ぬかの大勝負的リリースなのは間違いない。

 さてその若手の指揮者とは1971年、アルメニア生まれのルーベン・ガザリアン。ヴァイオリニストとして活躍した後、2002年よりヴュルテンベルク室内管弦楽団の指揮者を務め、ヨーロッパ各地のオーケストラにも客演。「ヤング・バーンスタイン」と評される期待の若手指揮者。
 そんな彼らが満を持して贈るこのベートーヴェンの交響曲全集は、2010年6月に行われたヴュルテンベルク室内管の創立50周年記念演奏会における白熱のライヴ録音。

K&k KUK82
\2500→\1990
「モーツァルト:ピアノ協奏曲集Ⅲ」
 ピアノ協奏曲第16番ニ長調/第20番ニ短調
クリスティナ・マリトン(Pf)、
ルーベン・ガザリアン指揮
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団
(2003年マウルブロン修道院、ライヴ)
 実はこのアルバムを聴いたときに随分達者な指揮者だなあ、と感心していた。随分前のことになるが。で、なんとなく名前を覚えていたのだが、まさかその人がベートーヴェンの全集を出してくるとは。
 自由闊達で香るようなモーツァルト。しかもでしゃばり演奏かと思うとそうでもなく、ピアノが出てくるときにはすっとセンスよく身を引く。そのあたりのさじ加減も絶妙なのだ。
 天才を見た。

 


BR 100392
\2400→\2190
レンチェス/ラプソディ
 バルトーク:『3つのチーク県の民謡』
 ローザ・ミクローシュ・:『無伴奏オーボエのためのソナタ Op.43』
 ファルカシュ・フェレンツ:『追憶』
 シャーンドル・バラッシャ:『夏の間奏曲』
 クルターグ・ジェルジュ:『コロー・ジェルジュの思い出』 
 シャーリ・バンク:『コーラス』
 シャーリ・ラースロ:『Invoc?ci?』
レンチェス・ラヨシュ (Ob, イングリッシュ・ホルン)
名手レンチェスによるハンガリーの息吹
 ハンガリー出身のオーボエ奏者、レンチェス・ラヨシュ(1943〜)による、祖国のオーボエ作品集。ブダペスト音楽院でオーボエを学んだ後、パリ音楽院でピエール・ピエルロに師事。ジュネーヴ国際コンクールで優勝し、シュトゥットガルト放送交響楽団首席オーボエ奏者を長年務めました。ミュンヒンガーやチェリビダッケから信頼を得ていた名オーボエ奏者です。
 「ラプソディ」というジャンルは、ハンガリーの音楽と密接に関連付られるもので、イタリア音楽におけるアリアのような存在ともいえましょう。このCDに収録されているハンガリーの作曲家による作品は、すべてが「ラプソディ」というタイトルがついたものではありませんが、「ラプソディ」を生んだ祖国の精神が息づく作品集です。
 【録音】2012年 (デジタル:セッション)

ECM


4764984
\2400
エレニ・カラインドルー/コンサート・イン・アテネ
 with キム・カシュカシャン, ヤン・ガルバレク, ヴァンゲリス・クリストフォロス

 1. Requiem for Willy Loman (Death of a Salesman) -
  tenor saxophone, piano, string orchestra 
 2. Eternity Theme (Eternity and a Day) - piano 
 3. Closed Roads - viola, string orchestra 
 4. Waiting (Number Ten) - piano, accordion, harp 
 5. Voyage (Voyage to Cythera) - oboe, string orchestra 
 6. Invocation (Who’s Afraid of Virginia Woolf) -
   tenor saxophone, string orchestra 
 7. Tango of Love (Number Ten) -
  violin, accordion, string orchestra 
 8. Tom’s Theme (The Glass Menagerie) -
  tenor saxophone, string orchestra 
 9. Laura’s Waltz (The Glass Menagerie) -
  viola, tenor saxophone, accordion, mandolin, string orchestra 
 10. Adagio (Landscape in the Mist) -
  viola, tenor saxophone, oboe, string orchestra 
 11. After Memory - viola, tenor saxophone, oboe 
 12. Farewell Theme (The Beekeeper) -
  tenor saxophone, piano, string orchestra 
 13. Seeking Theme (Dust of Time) -
  flute, oboe, clarinet, bassoon, french horn, trumpet, string orchestra 
 14. Nostalgia Song (Number Ten) -
  piano, accordion, flute, mandolin, harp, string orchestra 
 15. Waltz of the Rain (Number Ten) -
  accordion, flute, mandolin, harp, violin, string orchestra 
 16. Adagio for Saxophone -
  tenor saxophone, string orchestra 
 17. Dance (Ulysses’ Gaze) -
  viola, oboe, french horn, accordion, string orchestra 
 18. Requiem for Willy Loman, var. (Death of a Salesman) -
  tenor saxophone, piano, string orchestra
キム・カシュカシャン(Va),
ヤン・ガルバレク(Sax),
ヴァンゲリス・クリストフォロス(Ob),
エレニ・カラインドルー(P),
アレクサンドロス・マイラット(指揮)
カメラータ・フレンズ・オブ・ミュージック・オーケストラ
〔C?cile Boulard(Cl) ,
Sonia Pisk(Fg),
Vangelis Skouras(Hr),
Socratis Anthis(Tp),
Maria Bildea(Hp),
Dinos Hadjiiordanou(accordion),
Aris Dimitriades(mandolin)〕
テオ・アンゲロプロス監督映画の音楽でも高名なギリシャの女性作曲家、エレニ・カラインドルーのライヴ・アルバム
 【録音】2010年11月19日, メガロン・アテネ コンサートホール (デジタル:ライヴ)
 テオ・アンゲロプロス監督の名作を数多く手掛けてきたことでも知られるギリシャの女性作曲家、エレニ・カラインドルーのライヴ・アルバム。静寂をもその音楽の重要な要素とする静謐な音楽世界が展開される。『The Beekeeper(蜂の旅人)』(1986)、『Landscape in the Mist』(霧の中の風景)(1988)、『Ulysses´Gaze(ユリシーズの瞳 )』(1995)、『Eternity and a Day(永遠と一日)』(1998)、『The Dust of Time(第三の翼)』(2009)等のアンゲロプロス作品の音楽はもちろん、『Death of a Salesman』(セールスマンの死)他の有名戯曲の音楽をカラインドルーが手がけた楽曲等、全曲がカラインドルーの作曲。カラインソルーは自らピアノで参加。さらにキム・カシュカシャン (viola), ヤン・ガルバレク(tenor saxophone), ヴァンゲリス・クリストフォロス(oboe)、そしてアレクサンドロス・マイラット指揮によるCamerata Friends of Music Orchestraが参加。

FONE



Fone 122GD
Gold CD
\3000→\2690
アッカルド/オーディオファイル・ヴァイオリン Gold CD
 ベートーヴェン:ロマンス第2番  Op.50*
 クライスラー:美しきロスマリン**
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 「クロイツェル」 Op.47***
 パガニーニ:カンタービレ*
 パガニーニ:ヴェニスの謝肉祭 Op.10
 ヴィターリ:シャコンヌ**
 ガーシュウィン:サマータイム**
 サラサーテ:カルメン幻想曲**
サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)
オーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ*
ローラ・マンジーニ(ピアノ)**
ジョルジア・トマッシ(ピアノ)***
オーディオ・ファンの耳を楽しませる高音質音源を送り届けてきたイタリアのFONEレーベルが今年創立30周年を祝うこととなりました。30周年を記念して、ヴァイオリンの巨匠、アッカルドの録音から珠玉の名曲を集めたアルバムをリリース。
 

Fone 118SA
(SACD Hybrid)
\2700
グリアルキ・アンサンブル/Il Suono del '900
 ワーロック:カプリオール組曲
 エルガー:弦楽のためのセレナード Op.20
 スーク:弦楽のためのセレナード Op.6
グリアルキ・アンサンブル
Fone 119GD
(ゴールドCD)
\3000
かつてFONEからリリースされたジャズアルバムにも登場したGLIARCHIENSEMBLEが今回はクラシックの弦楽合奏作品の名作3曲を演奏しています。

MD+G



937 17566
(SACD Hybrid)
\3200→\2790
ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管、
 ベートーヴェン・チクルス開始!
  ベートーヴェン:
   『交響曲第1番ハ長調Op.21』
   『交響曲第5番ハ短調Op.67』
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 雄弁なメロディ歌いによる、新ロマンティック・ベートーヴェン
 創立し100年以上の伝統あるオーケストラ、ボン・ベートーヴェン管弦楽団。これまでR.シュトラウス、エーリヒ・クライバー、カール・ベーム、セルジュ・チェリビダッケ、ギュンター・ヴァントといった巨匠たちが指揮台を飾ってきたこの名門で、2008〜09年シーズンから音楽監督を務めているシュテファン・ブルーニエと このオーケストラによる初のベートーヴェン交響曲録音となります。
 ブルーニエはピリオド奏法を用いながらもややゆったりとしたテンポをとり、雄弁にメロディを歌っていきます。ノイズの少ない楽器の音の美しさが際立ち、金管とティンパニは明快に強奏群としてびしっと決めながら見事なアンサブルを聴かせてくれます。大音量時の迫力に頼ることなく、緻密なスコアの読みによって、ひとつひとつの音符を大切にした新ロマンティック・ベートーヴェン演奏といえましょう。洗練を兼ね備えたこの秀演を、SACDの高音質でお届けします。
 【録音】2012年, ボン、ベートーヴェン・ホール(デジタル:セッション)


旧譜
シュテファン・ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団のアルバムから

 シュテファン・ブルーニエは1964年生まれのスイスの指揮者。たたきあげのオペラ指揮者として活躍しながらやがてドイツのオーケストラも指揮するようになった。
 MD+Gからはいずれも注目のアルバムをリリース、ブルックナーの2枚はファンのさまざまな話題を呼んだ。またレスピーギの録音は、演奏のよさ、音質の良さから多くの人に高く評価され、現時点でブルーニエのベストという声が高い。

Franz Schmidt: Symphony No. 4 & Intermezzo from “Notre Dame”
937 16316
(SACD)
\3200→¥1990
シュテファン・ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 フランツ・シュミット:交響曲第4番他
  1.交響曲第4番
  2.歌劇《ノートルダム》間奏曲
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
 作品の魅力を余すところなく引き出した白熱のライヴ録音!
 瑞々しく洗練された作風で20世紀前半のウィーン音楽界を牽引したフランツ・シュミットのライヴ録音。彼が一人娘の追悼のために書いた美しくも悲しい交響曲第4番と、彼の最高傑作の一つに数えられる豊麗で輝かしい歌劇《ノートルダム》間奏曲のカップリングです。
 作品のロマンティックな魅力を余すところなく引き出したブルーニエの見事な手腕の数々を、SACDの高音質でたっぷりお楽しみください。
 録音:2010年1月28〜29日 ベートーヴェンホール、ボン <デジタル録音> ライヴ録音
Bruckner: Symphony No. 0 in D minor
937 16736
(SACD)
\3200→¥1990
シュテファン・ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 ブルックナー:管弦楽作品集
  1.交響曲第0番ニ短調
  2.行進曲ニ短調
  3.3つの管弦楽小品
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
演奏機会の稀なブルックナー作品を集めた注目盤

録音:2010年5月25〜27日 ベートーヴェンホール、ボン

 ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管のブルックナー。一筋縄ではいかない巧妙なプログラミングで知られる彼らしく、1869年に試作され、晩年に「第0番」の名を与えられたニ短調の交響曲をはじめ、演奏機会の稀な3曲がセレクトされています。

937 17136
(2SACD Hybrid)
\4800→¥3490
シュテファン・ブルーニエ &ボン・ベートーヴェン管
 ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1890年版)
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 ちょうどこの録音の1年前に録音された『ブルックナー:交響曲第0番&レア管弦楽作品集』の続編となるこの「交響曲第8番」でブルーニエは、これまでの濃厚でエネルギッシュな演奏を見直し、作曲された当時の演奏様式に戻って演奏を試みています。やや遅めなテンポ(トータル88分30秒)、古典形式の作品構造の見直し、響きの透明感を大切にした演奏で、ブルックナーの音楽を現代に鮮やかによみがえらせています。
 これまでのさまざまなブルックナー演奏とは異なる次元に立つ演奏をご一聴ください。

 (演奏時間 18:14/ 14:19/ 29:34/ 26:18)
 録音:2011年5月12&13日、ボン・ベートーヴェン・ホール (デジタル:ライヴ)ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND
 937 16776
(SACD)
\3200→¥1990
シュテファン・ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 レスピーギ管弦楽作品集

 1.ボッティチェルリの3枚の絵
 2.3つのコラール(原曲:J.S.バッハのコラールBWV.699、733、645)
 3.交響詩《ローマの松》
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
 交響曲ではないけれど、やはりこのアルバムも紹介しておきたい。
 若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と送り出しているブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管の最新盤は、色彩豊かな作風で知られるレスピーギの作品集。エキゾチックで優美なメロディーにあふれた《ボッティチェルリの3枚の絵》、J.S.バッハの原曲に近代的な衣裳をまとわせた《3つのコラール》、そして彼の代表作で瑞々しい躍動感にあふれた《ローマの松》の豪華カップリング。
 録音:2010年3月12〜14日、6月10〜11日 ボン



 

906 17866
(SACD Hybrid)
\3000
ユヴァル・ラビン(Org)
 メンデルスゾーン:オルガン作品集 

  『3つの前奏曲とフーガOp.37』
  『アンダンテ ニ長調』『アンダンテ ト短調』
  『アンダンテ ヘ長調』
  『ソナタ ハ短調Op.65-2』『ソナタ 変ロ長調Op.65-4』
 ユヴァル・ラビン:
  『メンデルスゾーンへのオマージュ』
ユヴァル・ラビン(Org)
 初期ロマンティックの官能的な美音の再現
 スイスのルツェルン湖の畔にある小さな美しい街、ゲルサウ。そこにある聖マルツェリス教会は400年前に建てられ、オルガンは素晴らしく美しい音色を持つものでしたが、大がかりな修復が必要でした。そのための資金は教会にはありませんでしたが、ゲルサウに住む夫妻はジュエリーや手工芸品を5年間作成販売し、その資金を調達したのです。有名オルガン・メーカーであるマティス社は、このオルガンが取り付けられた1813年の状態に戻すべく、忠実に修復を行いました。
 メンデルスゾーンは偉大なるバッハのオルガン作品を研究し、見事な対位法による初期ロマンティックの官能的な美音を兼ね備えた作品を残しました。ちょうど同時代に制作された初期ロマン派のオルガンによって、それらの音が蘇っています。
 演奏者ユヴァル・ラビンはイスラエル出身。最後に付け加えられた自作自演の作品は、ユダヤ人だったメンデルスゾーンの作風とユダヤの音楽を融合したコラール的な甘美な曲です。
 【録音】2012年9月, スイス、ゲルサウ、聖マルツェリス教会(デジタル:セッション)
 

605 17912
\2300
アルディンゲロ・アンサンブル
 ダンツィ:『フルート四重奏曲集 Op.56 (全3曲)』
アルディンゲロ・アンサンブル
[ カール・カイザー(Fl-tr),
アンネッテ・レーベルガー(Vn),
ボド・フリードリヒ(Va),
ウルスラ・カイザー(Vc)]
 おとぎ話の世界をロマンティック風に描いた四重奏
 マンハイムに宮廷音楽家の息子として生まれたダンツィ。ミュンヘンの宮廷楽団員、シュトゥットガルト音楽院院長兼宮廷楽長、カールスルーエの楽長を歴任。規模は大きくなくとも、モーツァルトへの憧憬やロマン派風の表情が見られる作品です。
 協奏的作風の中に、ヴェネツィアの舟歌、ベルカント的な激情、民族的なメロディやリズムによる回想が盛り込まれています。この演奏では、カメラータ・ケルンのトラヴェルソ奏者カール・カイザーと、モダンからピリオド楽器両方を操る弦楽器奏者たちによって、鮮やかな妙技が繰り広げられます。
  【録音】2012年(デジタル:セッション)
 

613 17922
\2300
シュテッフェン・シュライヤーマッハー
 モンポウ:
  『ひそやかな音楽』(第1〜4集全曲)
シュテッフェン・シュライヤーマッハー(P)
 現代音楽ピアノ演奏家によるナイーヴなモンポウ演奏
 1921年〜1941年までパリで活躍後、バルセロナに在住。多くのピアノ曲と歌曲を作り出したモンポウ。転調や展開を省いた「プリミティヴ・スタイル」と称する独特な作風で知られています。
 1953年に母親を亡くし、それまで以上に内面的な作風に転じていったモンポウは、1959年から1967年の間に4つの曲集からなる『ひそやかな音楽』を書き上げました。
 1曲は主に約1分半〜3分程度の短いもので、つぶやきのような作風となっています。ジョン・ケージなど現代音楽専門ピアニストとして高い評価を得ているシュテッフェン・シュライヤーマッハー(シュライエルマッヒャー)がこの作品に挑戦したのは、モンポウの中でも特にあいまいでメランコリックであること。そしてロマンティシズムを一切廃しながら、ナイーヴさをモノクロの世界で表していきます。まさに彼にとって最適な作品でしょう。
 【録音】2012年7月, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)

TELARC



TEL 34030
\2300→\2090
ズィル・ベイリー(Vc)
 エルガー:『チェロ協奏曲』
 スメタナ:『交響詩「我が祖国」』より
   『高い城』『モルダウ』
   『シャールカ』
ズィル・ベイリー(Vc),
クシシュトフ・ウルバンスキ(指揮)
インディアナポリス交響楽団
 若き二人の才能が紡ぎだす魅力的な歌心
 比類無い才能で感性あふれる演奏を聴かせてくれるズィル・ベイリーの最新録音。技術的な輝きというだけでなく、チェロと一体化した魅力的な歌心で聴きての心をつかみます。
 今年2013年に東京交響楽団の首席客演指揮者に就任するクシシュトフ・ウルバンスキが見事なタクトでバックを支えています。
 29歳のウルバンスキは、インディアナポリス交響楽団音楽監督をも務めています。
 チェロ協奏曲と一緒に収録された『我が祖国』からの3曲でも、繊細さとドラマティックな盛り上がりが印象的な演奏を聴かせてくれます。
 【録音】2012年3月, インディアナポリス、ヒルベルト・サークル・シアター(デジタル:セッション)

CAPRICCIO



C 5119
\2600→\2390
気高き女性のアルバム
 ルート・ツィーザク (ソプラノ)
  アルマ・マーラー、マーラー&ツェムリンスキー:歌曲集

マーラー:
 Erinnerung
  (Lieder und Gesange aus der Jugendzeit)
 Ich ging mit Lust
  (Lieder und Gesange aus der Jugendzeit)
 Scheiden und Meiden
  (Lieder und Gesange aus der Jugendzeit)
 Ablosung im Sommer
  (Lieder und Gesange aus der Jugendzeit)
アルマ・マーラー::
 Die stille Stadt
 Bei dir ist es traut
 In meines Vaters Garten
 Erntelied (text: Gustav Falke)
 Ich wandle unter Blumen (text: Heinrich Heine)
 Waldseligkeit (text: Richard Dehmel)
 Hymne an die Nacht
ツェムリンスキー:
 Noch Spur ich ihren Atem auf den Wangen
 Hortest du den nicht hinein
 Die beiden
 Harmonie des Abends
 5 Gesang, Op. 7
ルート・ツィーザク (ソプラノ)
ゲロルト・フーバー(ピアノ)
 ドイツのリリック・ソプラノ、ルート・ツィーザク。1990年にライン・ドイツ・オペラと契約、翌年ザルツブルグ音楽祭の「魔笛」のパミーナで注目を浴びた。清らかで透き通った歌声でオペラ以外にもバッハやメンデルスゾーンなどの教会音楽でも活躍。優しく清楚な中に凛とした強さを秘めたその歌声は日本でも熱烈に支持されている。
 今回の新録音はアルマ・マーラーの作品。
 夫マーラーと、彼と結婚する前に付き合っていたと噂されているツェムリンスキーの作品を脇に従える。気高き女性のアルバム。


ツィーザクの魅力がたっぷり味わえる
モーツァルト・オペラ・アリア集
モーツァルト:オペラ・アリア集(ツィーザク)
CAPRICCIO
C10824
\2700→\1990
モーツァルト:オペラ&コンサート・アリア集
歌劇「フィガロの結婚」 K. 492 (抜粋)
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」 K. 588 - 第2幕 レチタティーヴォとアリア 「Ma se colpa - Per pieta, ben mio, perdona」
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 K. 527 (抜粋)
歌劇「イドメネオ」 K. 366 (抜粋)
歌劇「羊飼いの王様」 K. 208 - 第1幕 レチタティーヴォとアリア 「Aer tranquilo e disereni」
歌劇「魔笛」 K. 620 - 第2幕 アリア 「ああ、愛の喜びは露と消え」 9.
歌劇「後宮からの逃走」 K. 384 - 第2幕 レチタティーヴォとアリア 「私の心では、あの運命が二人を離した日から…悲しみは私の定めかしら」
歌劇「ツァイーデ」 K.344 - 第1幕 アリア 「やすらかにお休み、私のいとしい命よ」
ルート・ツィーザク(ソプラノ)
マーカス・クリード 指揮
ベルリン交響楽団


Hilding Rosenberg: Piano Rarities
C5116
\2600→\2390
ヒルディング・ルーセンベリ:ピアノ作品集
 1-5.組曲Op.20<前奏曲/アラベスク/即興曲/田園曲/ブルレスケ>/
 6-13.8つの人工的な風景Op.10/
 14-16.ピアノのためのソナチネ/
 17-24.即興曲/
 25-42.主題と17の変奏曲
アンナ・クリステンソン(ピアノ)
録音 2011年9月29日-10月1日ベルリンジーメンスヴィラ
 20世紀半ばまで、ほとんどのスウェーデンの作曲家たちは、パリやウィーン、ベルリンから来る「新しい傾向」を受け入れることを拒否していました。しかし一部には前衛的な音楽の支持者は存在していたのです。
 この1892年生まれのルーセンベリもそんな一人であり、彼はスウェーデンに「無調」をもたらした人として20世紀のスウェーデン音楽界において最も影響力の強い作曲家となったのです。
 貧しい家庭に生まれたルーセンベリ(1892-1985)は1915年にストックホルム音楽院で勉強を始める前に、既にオルガニスト、ピアニスト、音楽教師として活躍していました。その後、ドレスデンでシェーンベルクの室内交響曲を聴き「前衛音楽」に覚醒。その時の衝撃は最初の弦楽四重奏に反映されています。
 このアルバムには5つの作品が収録されており彼の作風を端的に知ることができます。興味深いのは「主題と17の変奏曲」で単純なメロディがどのように変化していくかが鍵と言えるでしょう。アンナ・クリステンソンの揺るぎない演奏で。

 アンナ・クリステンソン
 
Demilitarised Zones: Marches
C5121
\2000
DEMILITARISED ZONES 〜行進曲集
 ※C10839の新装盤
 1.プロコフィエフ(1891-1953):組曲「3つのオレンジへの恋」-行進曲/
 2.クルト・ヴァイル(1900-1950):「三文オペラ」-カノン・ソング/
 3.シャブリエ(1841-1894):Joyeuse marche (arr. for brass ensemble)/
 4.マルセル・デュプレ(1886-1971):英雄の詩Op.33/
 5.ベートーヴェン(1770-1827):「エグモント」-マーチの歌/
 6.ベートーヴェン:トルコ行進曲/
 7.ワーグナー(1813-1883):ジークフリートの葬送行進曲/
 8.グルーバー:Demilitarized Zones/
 9.リーム(1952-):Abschiedsmarsch/
 10.カーゲル(1931-2008):10 Marsche, um den Sieg zu verfehlen/
 11.シェルシ(1905-1988):Riti: i funerali d'Achille/
 12.ホルツマン(1874-1939):
  行進曲Op.103"Feuert los" (arr. for brass ensemble)/
 13.J.シュトラウス1世(1804-1849):ラデツキー行進曲Op.228/
 14.ジョプリン(1867-1917):新しいラグ
Hrブラス/ルッツ・ケーラー(指揮)
「マーチング・バンド」というものは、確かにドイツのオーケストラ・セクションにはありません。しかし軍事や儀式にはなくてはならないものであり、また独自の伝統を継承する分野であることは間違いありません。
 このHrブラスは、フランクフルトの金管奏者たちが結集したアンサンブルで、極めて独自の活動を行っています。レパートリーは幅広く、ラデツキー行進曲のような祝祭的な曲から、カーゲルの作品のような政治的な背景を持つものまで多彩です。それぞれの曲には多くの意味が込められていますが、とりあえずは彼らの妙技を堪能するところから始めてみてください。
 

Haydn: The Cello Concertos
C5139
\2600→\2390
ハリエット・クリーフ(チェロ)
 ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ長調Hob.VIIb:1&第2番ニ長調Hob.VIIb:2
ハリエット・クリーフ(チェロ)/
ウィーン室内フィルハーモニー管弦楽団/
クラウディウス・トラウンフェルナー(指揮)
録音 2012年3-4月ライディングリスト・コンチェルト・ホール
 ハイドン(1732-1809)のチェロ協奏曲は、全部で6曲あるとされていますが、現在「真作」と認定されているのは、この1番と2番の作品だけで、あとは偽作であるか、紛失してしまっているのが現状です。この2曲はスコアが発見されたのは1950年代以降ですが、真作、偽作に拘わらずとも、多くの演奏家が取り上げる人気曲であり、溌剌とした曲想が素晴らしい意欲的な名作として知られています。
 デビュー盤であるフランスの作品集(C5131)での、高い音楽性と技術が評判となっている若手チェリスト、ハリエット・クリーフの2枚目のアルバムは、ハイドンの協奏曲です。1991年オランダ生まれのクリーフは、まだウィーンで勉学に励んでいるのですが、既に確立された芸術家として認められている逸材です。このハイドンの協奏曲も揺るぎない信念に裏打ちされた表現力と、滴り落ちるような美音に満たされた魅力的な演奏であり、これからの彼女の将来を予見させる見事なアルバムです。

 誰かに似てますね・・・

CARPE DIEM


JS Bach: Sonata BWV1001 & Partita BWV1004
CD-16295
\2000→\1890
ミゲル・リンコン(バロック・リュート)
 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(リュート編)

  1-4.ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
  5-9.パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
ミゲル・リンコン(バロック・リュート)
録音 2012年8月16-18日
 1979年生まれ、若きスペインのリュート奏者ミゲル・リンコンによる美しいバッハの作品集。彼は既に古楽の分野ではとても有名ですが、carpe diemでのソロデビュー盤は彼自身によるバッハのトランスクリプションになります。これらの作品にはバッハ自身の編曲版もありますが、リンコンはリュートの特性を最大限に生かし感情的で豊かな音色を模索、複雑で美しい「リュート組曲」を再創造したのです。パルティータの終曲「シャコンヌ」での見事な音の造形には息を呑むことでしょう。
 

CD ACCORD


Lipinski: Selected Works
ACD-181
(6CD)
\4800→\4390
カロル・リピンスキ:作品選集
<CD1>
 1.ポルカ風ロンド ホ長調 Op.13/
 2.ロッシーニの歌劇「チェネレントラ」の主題による変奏曲 Op.13/
 3.ディヴェルティメント「バルト海の思い出」Op.19/
 4.ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」の主題による変奏曲 Op.20/
<CD2>
 1.ポルカ風ロンド ホ長調 Op.7/
 2.技巧的な変奏曲 Op.22/3.変奏曲 ト短調 Op.5/
 4.マイヤベーアの歌劇「ユグノー教徒」のモティーフによる幻想曲と変奏曲/
<CD3>
 1.ポーランドの歌の主題によるポルカ風ロンド ニ長調 Op.17/
 2.ベルリーニの歌劇「海賊」の主題によると変奏曲 Op.15/
 3.ベルリーニの歌劇「夢遊病の女」のモティーフによる幻想曲と変奏曲 Op.23/
 4.弦楽四重奏による変奏曲 ト長調 Op.4/
 5.ヴェルディの歌劇「エルナーニ」の主題による幻想曲と変奏曲 Op.30/
<CD4>
 1-3.ヴァイオリンと弦楽三重奏のための3つのポロネーズ Op.9/
 4.演奏会用ロンド Op.18/
 5.アダージョ・エネルジコ Op.25/6.幻想曲と変奏曲 Op.33/
 7.マイアベーアの歌劇「エジプトの十字架」の主題による二重奏曲 Op.16/
<CD5>
 1-3.2台のヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 イ長調 Op.12/
 4.弦楽四重奏のためのシチリアーノと変奏曲 Op.2/
 5.ナポリのアリアの主題による幻想曲 Op.31/
<CD6>
 1-3.2台のヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 ト短調 Op.8/
 4.ベルリーニの歌劇「清教徒」のモティーフによる大幻想曲 Op.28
コンスタンティ・アンジェイ・クルカ(独奏ヴァイオリン)/
アンドレイ・ヴローベル(チェロ)/
アンジェイ・ゲブスキ(ヴァイオリン…CD3:3/CD4:6/CD6:1-3)/
アウレリア・リワノウスカ=リシエッカ(ヴァイオリン…CD3:3/CD4:6/CD6:1-3)/
アンナ・オーリック(ヴァイオリン…CD1:2-3/CD2:1.4/D4:5)/
ヴォジェク・プロニエヴィク(ヴァイオリン…CD1:1/CD2:3/CD4:4)/
グルジェゴルツ・キミエレウスキ(ヴィオラ…CD1:1-3/CD3;1.2.4/CD4:1-5.7/CD5:4)/
ラドスラフ・ヌール(コントラバスCD1:1-3/CD2;1.3.4/CD3:1.2/CD4:4.5)
カルロ・リピンスキ(1790-1861)は19世紀のポーランドにおける「ロマン派」のヴァイオリニストであり、作曲家でした。彼はおそらくパガニーニからもレッスンを受け、その技巧を遍く広めるだけの能力を持ち合わせ、また魅力的なメロディを書ける人でもありました。しかし、彼の作品はヨーロッパ音楽の歴史において全く顧みられることもなく、演奏会でもほとんど俎上に載ることがありません。
 そんな作曲家とまとめて取り上げたのがポーランドの名手、アンジェイ・クルカです。彼は2007年の来日時に小泉元首相と会い、そこでもリピンスキの素晴らしさについて熱く語った人で、そんな熱い思いが結実したこの6枚組には、リピンスキの華麗な音楽がたっぷり詰まっています。パガニーニが好きな人、そしてオペラが好きな人は一度は聴いていただきたい、すごいBOXです。
 

Porpora: Cantatas
ACD-183
\2000→\1890
ニコラ・ポルポラ:カンタータ集
 1-4.ポルポラ:アルトと通奏低音のためのカンタータ「一人棄てられて」/
 5-9.ポルポラ:アルトとフルート、ヴァイオリンと
  通奏低音のためのカンタータ「ここに一日の最初の光が来る」/
 10-13.ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク(1727-1756):
  チェンバロのためのソナタ/
 14-17.ポルポラ:アルトとヴァイオリンと
  通奏低音のためのカンタータ「起きて、羊飼いよ起きて」Op.1-9/
 18-21.ポルポラ:アルトと通奏低音のためのカンタータ
  「もし私の心が一人だったら」
アルトゥール・ステファノヴィツ(カウンターテナー)/
アンサンブル・クラブ・エウローパ
<メンバー:ドロタ・チブルスカ=アムスラー(ハープシコード、音楽監督)/
セルゲ・サイッタ(リコーダー)/
サイモン・ヘイリック(バロック・ヴァイオリン)/
デニス・セヴェリン(バロック・チェロ)>
最近、人気の高いカウンターテナーによるバロックの一連の作品群に、このアルバムもぜひ加えてみてはいかがでしょうか?
 ここに収録されているのはニコラ・ポルポラ(1686-1768)の作品集です。彼はイタリアに生まれ数多くのオペラを作曲しましたが、結局のところ名声を博したのは「教師」としてであり、その作品はこれまで不当に忘れ去られてきています。
 また同時期に活躍したヨハン・アドルフ・ハッセとは敵対関係にあり、一説には彼とその夫人を避けるためにウィーンに行き、若きハイドンに音楽を教えたとも言われています。
 とはいえ、彼の作品は精巧なレチタティーヴォと美しいメロディが溢れ、伴奏部にも数多くの工夫が凝らされた素晴らしいもの。これは一聴の価値ある音楽です。途中に挿入されたソナタの作曲家は、あのバッハの「ゴルトベルク変奏曲」のエピソードの元になった人。こちらも見事なテクニックを駆使した華麗な作品です。
 
ACD-186
\2000
グジェゴシュ・ゲルヴァジ・ゴルチツキ:宗教的作品集
 1-7.ミサ・ロラーテ/8.イルクシト・ソル/
 9.ラエタトゥス・スム/10-16.コンプレトリウム
アンドレイ・コセンディアク(指揮)/
スーザン・グリモール・ベイリー(ソプラノ)/
アルドナ・バルトニック(ソプラノ)/
マシュー・ベンナー(カウンターテナー)/
マチェイ・ゴクマン(テノール)/
トマシュ・クラール(バス)/
ズビグニェフ・ピリフ(第1ヴァイオリン)/
ミコウァイ・ツグウォカ(第2ヴァイオリン)/
ミハウ・マズル(ヴィオラ)/
ユリア・カルペタ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ブレント・ヴィシク(チェロ)/
トーマス・イヴァネク(コントラバス)/
プジェミシク・ヴァチェク(テオルボ)/
ラッセル・グリモア(第1トランペット)/
スティーブン・ギルベイ(第2トランペット)/
マルタ・ニエジェヴィエッカ(チェストオルガン)
ポーランドの音楽というと、どうしてもショパン以降の作品を思い起こしますが、こちらはあまり耳にすることのないポーランドのバロック作品です。
 ゴルチツキ(1665?-1734)はカトリック教会の神父であり、「ポーランドのヘンデル」と称される作曲家。当時ボヘミア領のビトムに生まれ、プラハ大学で哲学を学びます。その後はウィーンで神学を学び学士号を取得。神父としてクラクフに帰郷。
 その後は優れた聖職者として地域に貢献し、美しい宗教曲を多数書き残した人です。ここで聴ける4つの作品は、どれもが整ったアンサンブルによる控えめな音による祈りです。美しく清楚であり、また深い内容を持っています。ひっそりと咲く花を愛でるかのようなアルバムです。

ACD-175
\2000
うるわしのわが恋人よ… モーツァルト:コンサートアリア集
 1.ああ、私は予想していた-ああ、私の目の前から消えてK272/
 2.うるわしのわが恋人よ、さようなら-とどまって、いとしき人よK528/
 3.この胸に、お願いだから来て-天があなたを私に返すときK374/
 4.私はあなたに明かしたい、おお神よK418/
 5.だれがわが恋人の苦しみを知ろうK582/
 6.私は行く、しかしどこへ? K583/
 7.どうしてあなたが忘れられよう-心配しないで、愛する人よK505/
 8.わが感謝を受けたまえ、やさしき保護者よK383
オルガ・パシェチニク(ソプラノ)/
ナターリャ・パシェチニク(ピアノ)…7/
ヴロツワフ・バロック管弦楽団/
ヤロスワフ・ティエル(指揮)
録音 2011年1月23-25日ヴロツワフ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
 モーツァルトのコンサートアリアは歌劇とは別に書かれた「独立したアリア」で、それは歌劇への導入であったり、また親交の深かった歌手のために書かれたりと用途は様々です。基本的にコンサート用に書かれているため、モーツァルトは自由に創作の翼を広げており、1つの曲の中に苦しみ、絶望、誘惑、憎しみ、愛などがたっぷり盛り込まれています。
 また歌手の力量を最大限に引き出すように書かれているものが多く、それだけ聴きごたえのある作品が多いのも特徴です。
 CD ACCORDレーベルのみならず、NAXOSレーベルからも何枚もの素晴らしいアルバムをリリースしている名ソプラノ、パシェチニク。もちろんポーランド物での説得力ある歌唱は並ぶ者がない見事さを誇っていますが、今回はなんとモーツァルトのコンサートアリア集で、また新たな魅力を見せてくれています。
 

Strauss, Shostakovich & Penderecki: Violin Sonatas
ACD-184
\2000→\1890
ヤクブ・ハウファ〜ヴァイオリン名演集
 1-3.R.シュトラウス(1864-1949):ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18/
 4-6.ショスタコーヴィチ(1906-1975):ヴァイオリン・ソナタト長調 Op.134/
 7.ペンデレツキ(1933-):
  ジョヴァンニ・パオロ2世の思い出のためのシャコンヌ
   (ヴァイオリンヴィオラ編)…世界初録音
ヤクブ・ハウファ(ヴァイオリン)/
マルチン・シコルスキ(ピアノ)/
カタルジナ・ブドニク=ガオンツカ(ヴィオラ)
録音 2012年6月25-28日ポーランド放送,ウィトルド・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
 ヴァイオリニストのヤクブ・ハウファはシンフォニア・ヴァルソヴィアのコンサートマスターです。このアルバムでは3曲の性格の異なった作品を演奏、カラフルで感情豊かなシュトラウスの若き作品、ショスタコーヴィチの薄暗さがたまらないソナタ、そして瞑想的なペンデレツキと、見事に表情を描きわけています。

CEDILLE


CDR90000133
\2000
meanwhile-その間に
 1.ミッシー・マッツォーリ(1980-):雪崩と静物/
 2.フィリップ・ユレル(1955-):… a mesure/
 3.ロシャンヌ・エテザディ(1955-):破損した物-Ⅲ.アバウト・タイム/
 4-9.スティーヴン・ハートキ(1952-):Meanwhile-その間に〜
  架空の人形劇への付随音楽
  <第1曲:行列/5.弟2曲:ファンファーレ/第3曲:ナレーション/
   第4曲:スパイクフィルダー/第5曲:子守歌/第6曲:お祝い>/
 10.フィリップ・グラス(1937-):同じ動きの音楽/
 11.トーマス・アデス(1971-):
  クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための「キャッチ」Op.4/
 12.エテザディ:破損した物-IV.11時
エイト・ブラックバード
エイト・ブラックバード 第54回に続き第55回グラミー賞にも3部門ノミネート!!
録音 イリノイ州ジョイ・フェイス・ナップ・ミュージックセンター,メリット音楽学校,ゴットリープ・ホール2010年8月29日-9月1日…3.1.4-9.11, 2011年1月19-20日…10.2
 全く予期せぬ音、予期せぬドラマが展開されるエイト・ブラックバードによる音の物語。彼らの作品はとりわけアメリカで高く評価されていて、既に2作品がグラミー賞を受賞し、このアルバムも2013年のノミネート作品に決定しています。アルバムタイトルであるハートキの「Meanwhile」は架空の人形劇への付属音楽とされるもので、ガムランを思わせる音を多用した「アジア風」の味付けがされた「行列」で幕を開けます。もちろん各々の曲はさまざまな技法と音を駆使した刺激的なもので、ひと時も耳を離すことができません。トラック10はグラスによるお馴染みの「ミニマル・ミュージック」であり、アデスの音楽はちょっと脳に刺さるような「軋んだ高音」が魅力的です。この音のカタログには楽しさが詰まっています。
 

Salon Mexicano
CDR90000132
\2000→\1890
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ
 サロン・メキシカーノ
〜メキシコのピアノ作品集
 1.カストロ(1864-1907):ワルツ・カプリーチョOp.1/
 2.ビリャヌエバ(1862-1893):マズルカ/
 3.カストロ:ヴァルス・カレサンテ/
 4.ポンセ(1882-1948):20のマズルカ第8番嬰ハ短調/
 5.ビリャヌエバ:お話-ゆっくりしたワルツ/
 6.ビリャヌエバ:マズルカ第3番Op.27/
 7.ポンセ:しおれた心/
 8.ビリャヌエバ:エベリア-サロン風マズルカ/
 9.カストロ:ワルツ・アモローソOp.31-11/
 10.カストロ:メランコリックなマズルカ/
 11.カストロ:舟歌Op.30-2/
 12.ビリャヌエバ:愛のワルツ/
 13.ビリャヌエバ:トード:パソ…/
 14.カストロ:感傷的なワルツOp.30-1/
 15.カストロ:ヴァルス・ブリュエット/
 16.ポンセ:サロン風マズルカ/
 17.カストロ:メランコリックなマズルカOp.36-2/
 18.ビリャヌエバ:詩的なワルツ-サロン風ワルツ/
 19.ポンセ:3つのメキシコ民謡-第2番わが心よ、君ゆえに/
 20.ロロン(1886-1945):J.ローサスの主題によるワルツ・カプリース
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ)
録音 2012年2月8-9日,4月15日イン・ザ・フェイ&ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオat 98.7 WFMT
 まさに「耳を楽しませるために企画された」極上の1枚です。今や過ぎ去ったロマンティックな時代の作品から20世紀の知られざる秘曲まで20曲のメキシコの作曲家による小品が詰まっています。恐らくショパンやリストのピアノ曲からインスピレーションを受けているのでしょうが、タイトルこそ「マズルカ」でも、その根底には更に熱いものが流れています。この中でかろうじて名前が知られているのはポンセあたりでしょうか。あとの作曲家の名前はほとんど知られいません。しかしどれも楽しく美しい、まるで宝石のような作品ばかりです。
 バティスとの共演でよく知られるメキシコの名ピアニスト、オソーリオ。バティスとはベートーヴェン、モーツァルトなどの一般的レパートリーも録音していたが、ここでは芸達者なヴィルトゥオーゾ魂が発揮されている。



全然関係ないけど、このアルバムも素敵!
Venezuela - Clara Rodriguez
NIMBUS
NI 6122
(CD-R)
\2300→\2090
ベネズエラ・ピアノ作品集
 パエサーノ:パハリージョ/
 カステラノス:マニャニータ・カラクエーニャ/
 フォルメル:ジャロ・モチョ/
 パラシオス:ラ・ダルズーラ・デ・トゥ・ロストロ/
 パエサーノ:エル・ポルフィアオ/
 フォルメル:エル・アトラベサド/ルイス:アリセオ/
 エスコバル:ノーチェ・デ・ルナ・エン・アルタミラ/
 ルイス:ズンバ・ケ・ズンバ/アストール:アドリアーナ/
 カマカーロ:ディバーション/ラウロ:カンシオン、バルス・クリオロ/
 ヌニェス:レトラト・デ・ラモン/ボール:フーガ、ファングリエゴ/
 ラウロ:セイス・ポル・デレーチョ/テルエル:デスティラド・デ・バルス/
 パチェコ:エル・クマコ・デ・サン・ファン/
 ラグーナ:クレオ・ケ・テ・キエロ/グティエレス:アルマ・イラネラ/
 カマカーロ:ドン・ルイス/ディアス:カバロ・ビエホ/
 ヤネス:ビアヘーラ・デル・リオ/フェルナンデス:エル・ディアブロ・スエルト
クララ・ロドリゲス(ピアノ)
 南米ベネズエラの女流ピアニストであり、母国ベネズエラのピアノ音楽のスペシャリスト、クララ・ロドリゲスが弾くオール・ベネズエラ・プログラム。
 ドゥダメルやエル・システマが生まれたベネズエラの音楽をもっと知りたいという方には特にオススメ。店主もこれでロドリゲスにはまった。迷ったらまずはこのアルバムをどうぞ。




で、名匠オソリオの旧譜も見てみましょう・・・
Beethoven Piano Concertos 2 & 3
REGIS
RRC 1289
\950
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
 ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ)
ルイス・エレーラ・デ・ラ・フエンテ(指揮)
メキシコシティ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1994年6月1-2日、メキシコシティ、Sala Ollin Yoliztili 原盤:ASV, EMI

 ぎゃ、指揮がラ・フエンテだった!知らなかった・・・こんな録音。

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 ルイス・エレーラ・デ・ラ・フエンテ・・・1916年生まれの全然有名じゃない指揮者なのだが、その昔、今はなきO.M.RecordsというレーベルからけっこうたくさんCDが出てた。ときに「メキシコのフルトヴェングラー」、「ラテンの朝比奈」とかすごい呼ばれ方をしている伝説的巨匠。
 メキシコではかなりの重鎮だったみたいで、今でも何か資料を見ているとこの人の名前が時々出てくる。
 ということで寄り道ついでにラ・フエンテの現在手に入る数少ないアルバムをご紹介しておきましょうね。


エレーラ・デ・ラ・フエンテ
チャイコフスキー交響曲第5番&「カルミナ・ブラーナ」
Tchaikovsky: Symphony No. 5 & Romeo & Juliet
GUILD
GMCD 7205
\2400→\2190
チャイコフスキー:交響曲第5番/エレーラ・デ・ラ・フエンテ
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
           交響曲第5番ホ短調
ゲルフォ・ナーリ(Hr)
エレーラ・デ・ラ・フエンテ指揮
オルケスタ・シンフォニカ・デ・ミネリア
 「メキシコのフルトヴェングラー」と言われるラテン指揮者たちの長、エレーラ・デ・ラ・フエンテ。
 シェルヘンの弟子でもあるフエンテは、ラテンアメリカの主要なオーケストラとレニングラード・フィルハーモニックを含む世界的なオーケストラの大部分を指揮し、メキシコ、チリ、およびペルーの国立オーケストラでも活躍。またメキシコシティ・フィル、クサラパ交響楽団、およびメキシコ国立交響楽団の首席指揮者を歴任。録音においても、各種の賞を受賞している。
Orff: Carmina Burana
GUILD
GMCD 7227
\2400→\2190
オルフ:カルミナ・ブラーナ ベン・ホルト(Br)
フランク・ケリー(T)
ガブリエラ・ヘラーラ(S)
ヘラーラ・デ・ラ・フエンテ指揮
アルゼンチン響
アルゼンチン音楽アカデミー合唱団
 メキシコの長老指揮者フエンテの新録音。


 
Bach and Beyond, Part I
CDR90000134
\2000
バッハ&ビヨンドPART1
 1-6.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006/
 7-10.イザイ(1858-1931):ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.27-2/
 11.サーリアホ(1952-):夜想曲/
 12.マッツォーリ(1980-):Dissolve, O My Heart-溶かせ、わが心/
 13-17.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)
録音 ニューヨークアメリカン・アカデミー・アーツ・アンド・レターズ2011年11月13.16日…13-17,2011年11月14日…7-10.12, 2011年11月16日…11, 2012年1月4.5日…13-17日
 アメリカのヴァイオリニスト、ジェニファー・コーによる「バッハとそれを越えて」のシリーズ第1弾です。タイトル通りJ.S.バッハから21世紀の作品までを均等に扱うことで音楽史を俯瞰するというプロジェクトであり現代音楽好きの人にも満足できる内容であることは間違いありません。バッハのシャコンヌが現代の作曲家にどのような影響を与えているかを考えるだけでわくわくしませんか?PART1ではバッハの作品の間にイザイとサーリアホ、マッツォーリの作品を挟みこみます。イザイの作品は明らかにバッハのオマージュですがサーリアホやマッツォーリの作品からはなんとなくバッハの残滓が感じられる程度です。しかしどんなに歪曲されてもバッハの本質は透けてみえてくるのかもしれません。ジェニファー・コーは恐ろしいまでの集中力でこれらの曲に真摯に向き合い各々の曲に命を吹き込みます。
 

An English Fancy
CDR90000135
\2000→\1890
トリオ・セッテチェント、今度はイギリス
 イギリスのファンシー

 1.バード(1540-1623):セリンジャーのラウンド/
 2.ヒューム(1569-1645):ヒューム大尉の哀歌/
 3-5.ロウズ(1602-1645):ファンタジア-組曲第8番ニ長調/
 6-8.ジェンキンス(1592-1678):ファンタジア-組曲ト短調/
 9-15.シンプソン(1606-1669):小コンソート:組曲ト短調-ト長調/
 16.バード:ジョン、さあキスして/
 17-22.ロック(1621-1677):友人たちに-組曲変ロ長調/
 23.パーセル(1659-1695):
  劇音楽「ポンドゥカ、またはイギリスの女傑」Z.574-序曲/
 24.パーセル:劇音楽「悲しむ乙女、またはペルシャの王女」Z.577-第3曲スロウ・エア/
 25.パーセル:劇音楽「貞淑な妻、またはついに得た幸せ」Z.611-第4曲エア/
 26.パーセル:劇音楽「女房持ちの色男、無分別な物好き」-
  グラウンドのホーンパイプ/
 27.パーセル:歌劇「妖精の女王」Z.629-中国の男女の踊り/
 28.パーセル:パヴァン変ロ長調Z.750/
 29.パーセル:劇音楽「アブデラザール、またはムーア人の復讐」Z.570-
  第7曲ホーンパイプ
トリオ・セッテチェント
録音 2011年8月1-5日Music Institute of Chicago,ニコルス・コンサート・ホール
 シカゴを基点に活躍するCEDILLEの人気古楽アンサンブル、トリオ・セッテチェントの最新作はイギリスのバロック作品集です。過去の彼らのアルバムはイタリア、ドイツ、フランスをテーマとしていて、このイギリスがツアーの最後を飾ることになります。英語で「ファンシー」というのは幻想、空想という意味であり、また上質、装飾的という意味も持っています。ここに収録された様々な曲は、民謡風であったり、描写的な劇音楽であったりと多彩な表情を持っていて、音楽の持つ可能性をじっくり感じることができるのではないでしょうか。ある時には上品に、ある時には大胆に。そんな16世紀から17世紀の音楽をぜひお楽しみください。


トリオ・セッテチェントの旧譜

CDR90000 099
\2000→¥1890
「イタリア滞在」
 ダリオ・カステッロ(1621-1631活動):8度のソナタニ短調/
 ストラデッラ(1644-1682):シンフォニアニ短調/
 ビアジョ・マリーニ(1597頃-1665頃):2声のソナタニ短調/
 ロカテッリ:室内ソナタへ長調op. 6-2/
 コレッリ:ソナタハ長調op. 5-3/
 タルティーニ:田園ソナタイ長調/
 ヘンデル:ソナタト長調HWV364a/
 フランチェスコ・ヴェラチーニ(1690-1750):ソナタニ短調op. 2-12
セッテチェント三重奏団:
【レーチェル・バートン・パイン(Vn)、
ジョン・マーク・ロゼンダール(Vc)、
デーヴィッド・シュラーダー(Cemb)】
 CEDILLEのなかで店主が大のお気に入りの一枚。
 店主が選ぶ「2008年ベスト21」にも入れさせていただいた、レイチェル=バートン・パイン率いる古楽器トリオによるアルバム「イタリア滞在」。
 きっと誰も注目しないような、イタリア・バロック期の音楽。なんということのない、他愛のないイタリア・バロックの流麗で可憐な音楽。ただそこに身を浸しているだけでもう幸せになる。
 ただ、1曲とても不思議な曲があった。ロカテッリの「室内ソナタ」。その第2楽章。ロカテッリはもっと穏健で美しいだけの人だと思っていたが、これはかなりアヴァンギャルド。こんな時代を超えたキュートな音楽を書いていたとは。天才である。

2006年12月録音 

CDR90000 114
\2000→¥1890
「ドイツのブーケ」
 ヨハン・ショップ(d.1667):ノーブルマン
 J.H.シュメルツァー(c.1620-1680):ソナタ ニ短調
 G.ムファット(1653-1704):ソナタ ニ長調
 J.P.クリーガー(1649-1725):ソナタ ニ短調Op.2-2
 D.ブクステフーデ(1637-1707):ソナタ ハ長調Op.1-5
 J.S.バッハ(1685-1750):フーガ ト短調BWV.1026
 P.H.エルレバッハ(1657-1714):ソナタ第3番イ短調
 J.G.ピゼンデル(1687-1755):ソナタ ニ長調
 J.S.バッハ:ソナタ ホ短調BWV.1023
セッテチェント三重奏団:
【レイチェル=バートン・パイン(Vn)、
J.M.ローゼンダール(gamba)、
D.シュレーダー(Cemb,Org) 】

録音:2008年
 今回はJS.バッハとの彼の先輩格の作曲家たちの作品を収録。
 ジャーマン・ブーケのアルバム・タイトル通り、雅びできらびやか、装飾性に富んだヴァイオリンのメロディとそれを静かに支えるチェンバロとガンバ。古典から現代まで幅広いレパートリーを持つレイチェル・バートン・パインは、1770年製作の名器を使用、バロック時代の宮廷がリアルによみがえらせてくれる。うっかりすると見逃しそうな地味なアルバムながら、要注目。

A French Soiree
CDR-90000129
\2000→¥1890
フランスの夜会
 1-4.リュリ(1632-1687):フローラ/
 5-6.F.クープラン(1668-1733):趣味の融合-コンセール第7 番ト短調より
  <アルマンド/サラバンド>/
 7.マレ(1656-1728):ヴィオール曲集第 3 巻-シターレ/
 8.F.クープラン:シチリエンヌ/
 9.F.クープラン:ガヴォット/
 10-11.マレ:ヴィオール曲集第 1 巻より
  <前奏曲/シャコンヌ>/
 12-18.F.クープラン:王宮のコンセール第 3 番イ長調/
 19-21.ルベル(1666-1747):ヴァイオリン・ソナタニ短調/
 22-24.ラモー(1683-1764):コンセール第 4 番変ロ長調/
 25-28.ルクレール(1697-1764):ヴァイオリン・ソナタト長調 Op.5-12
トリオ・セッテチェント
 「ドイツの花束」(CDR-90000114),「イタリア滞在」(CDR-90000099)に続くトリオ・セッテチェントの第3 集。
 1996 年にヘンデルのヴァイオリン・ソナタ全集を録音するため、レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)、ジョン・マーク・ローゼンダール(チェロ)、デヴィッド・シュレーダー(チェンバロ)の3 人がアンサンブルを結成、その翌年、「トリオ・セッテチェント」の名前で新たに活動を始めました。2006 年にはニューヨークのフリック・コレクションで演奏、また2007 年にはボストン・バロック・フェスティヴァルにデビュー、アメリカ全土でのピリオド楽器演奏の隆盛に寄与しています。
 レイチェル・バートン・パインはただの美人ヴァイオリニストかと思っていたら、1995年のある日、列車のドアに挟まってしまった愛器を守ろうとしたが、動き出した列車に引き摺られ、片足を切断するという大事故に遭ったのだという。しかし2年間の活動休止の後復活。以前にもまして旺盛な音楽活動を開始した。そうした苦悩のあとの美しい音楽だったのである。

 録音 2010 年8 月10-14 日イリノイ州 エヴァンストン,ニコルス・コンサート・ホール

 
Chicago Moves
CDR90000136
\2000
シカゴ・ムーヴズ
 1.J.ウッドワード(1978-):喜び給え/
 2-4.J.チータム(1939-):金管五重奏曲のためのソナタ/
 5.B.バクスター(1985-):A Great Commercial City/
 6.S.ギャロップ(1970-):ヘリオス/
 7-9.R.ディーマー(1970-):ブラス/
 10-13.D.サンプソン(1951-):シカゴ・ムーヴズ/
 14.J.タワー(1938-):カッパーウェーヴ
ガウデーテ・アンサンブル
録音 2012年2月14-17日インディアナ州ゴーシェン大学
 ガウデーテ・アンサンブルの「シカゴ・ムーヴズ」はブラス・クインテットのために書かれた「新しいアメリカの音楽集」で、CEDILLEレーベルでのデビュー作品でもあります。若きヴィルトゥオーゾたちによって結成されたこのアンサンブルは卓越した技巧はもちろんのこと、群を抜くリズム感と表現力で、古典的な作品からジャズ・テイストの曲まで難なく演奏し、聴き手の度肝を抜くのです。トラック14のタワーの曲以外は、全てこのアルバムのために書かれたもので、世界初演の録音となっています。挑戦的かつスリリングな音のシャワーにぜひ身を委ねてください。

CPO


777382
\2600→\2390
ルイ・テオドール・グヴィ:管弦楽作品集
 1.交響曲 第4番 Op.25/
 2.シンフォニー・ブレーヴェ Op.58/3.幻想的交響曲
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ジャック・メルシエ(指揮)
既発の交響曲第3番&第5番(777379-2)が好評、ロマン派の作曲家グヴィ(1819-1898 ゴウヴィ)。今作は交響曲第4番と、まるでベルリオーズと張り合うかのような「幻想的交響曲」を中心とした1枚です。彼はその生涯の活躍場所をフランスとドイツで分け合ったため、結果的には「どっちつかず」の人として評価されてしまいましたが、この作品を聴く限り、やはり構成はドイツ的であり、とりわけこの第4番は悲劇的要素が強い重厚なものです。1856年、作品の初演時にはトマとグノーが出席し惜しみない称賛を送ったとされています。
 「幻想」の方は、彼の華麗な表現が炸裂したもので、旋律の豊かさと自然な音楽の流れは、更に多くのファンを獲得するだけのパワーを有しています。
 

777621
\2000→\1890
シギスムント・リッター・フォン・ノイコム:室内楽作品集
 1.九重奏曲 NV513/2.7つの楽器によるコンチェルタント NV399/
 3.夜想曲 NV154/4.八重奏曲 NV421/
 5.五重奏曲 NV105/6.七重奏曲 第3番 VN517
ベルリン・ドイツ・オペラ室内アンサンブル
19世紀前半、ヨーロッパで大変尊敬されていた作曲家ノイコム(1788-1858)。彼はザルツブルクからサンクトペテルブルク、そして南米ブラジルで過ごし、各地でモーツァルトやハイドンの作品を普及させたことでも知られてます。cpoからは「管弦楽作品集(777573-2)」がリリースされていて、「レクイエム」とともに、古典派の知られざる作曲家の佳品として愛されています。
 このアルバムはノイコムの珍しい室内楽を集めたもので、大きな編成の作品とは違った熱っぽい音楽を楽しむことが可能です。様々な形態で書かれた作品は、ベートーヴェンやシューベルトとはまた違った味わいを持ち、とりわけ管楽器の使い方には目を見張るものがあります。
 
777696
\2600
ガスパール・フリッツ:シンフォニア集
 1.シンフォニア ト長調 Op.VI,3/
 2.シンフォニア イ長調 Op.I,6/3.シンフォニア ト短調 Op.VI,6/
 4.シンフォニア ヘ長調 Op.I,5/5.シンフォニア ヘ長調 Op.VI,5
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
ガスパール・フリッツ(1716-1783)はスイスのヴァイオリニスト&作曲家です。ヴァイオリン教師の父のもとに生まれ、幼い頃からヴァイオリンを学び、数多くの優美な作品を書きました。
 彼の作品は、当時の英国における高名な音楽史家チャールズ・バーニーに高く評価されたため、イギリスで大評判となったことでも知られています。これらは後期イタリアのバロック・スタイルを継承しており(それは彼の師であるジョヴァンニ・バッティスタ・ソミスからの影響)、また初期のギャラント様式にも通じています。当時隆盛を誇っていた「マンハイム楽派」の音楽家たちの作品とも類似性を持つ、きわめて品の良い整った音楽は、確かにその時代を感じさせるものです。
 

777775
\2600→\2390
トゥール・アウリン:作品集
 1.4つのスウェーデン舞曲 Op.32/
 2.ゴットランド島からの3つの舞曲 Op.28/
 3.紳士オロフ Op.22
ケルン放送管弦楽団/
ニクラス・ヴィレーン(指揮)
スウェーデンのヴァイオリニスト、指揮者、作曲家トゥール・アウリン(1866-1914)は王立ストックホルム音楽大学で音楽を学んだ後ベルリンに留学、名手エミール・ソーレからヴァイオリンの個人レッスンを受けています。スカンジナビア最高のソリストを称賛され、グリーグやステンハンマルら大作曲家たちも彼の伴奏を務めたほどです。
 スウェーデン歌劇場のコンサート・マスターを務める傍ら、オーケストラの指揮を行うなど多彩な活躍をしました。ヴァイオリン協奏曲といくつかの室内楽がよく知られていますが、今回のアルバムは重厚な管弦楽作品で、ブラームスを思わせる渋い音楽は大変美しいものです。
 

777784
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
ベラ・バルトーク:作品集
 1.交響詩「コシュート」sz21/
 2.管弦楽のための協奏曲 sz116/
 3.ルーマニア民謡舞曲集
ウィーン放送交響楽団/
コルネリウス・マイスター(指揮)
バルトーク(1881-1945)の交響詩「コシュート」は、19世紀のハンガリーに実在した政治家コシュート・ラヨシュ(1802-1894)を讃えて作曲した交響詩。コシュートは1848年に勃発した革命「諸国民の春」で、ハンガリーの独立運動を指導した英雄であり、その革命は成功したわけではなかったのですが、ハンガリーでは大変な偉人として大切にされている人です。
 革命の一連の動きを音で描いており、22歳の若きバリトークが情熱を込めて書いた力作で、当時のオーストリア国歌が効果的に使われています。1980年生まれの若き指揮者コルネリウス・マイスターが鮮烈な演奏をしています。
 
999870
\2600
カール・ライネッケ:声楽作品集
 1.独唱、女声合唱、ピアノと語り手のためのおとぎ話「眠り姫」
  (ハインリッヒ・カーステンの詩による/
 2.7つの歌曲集「子どもの歌」
  <明けの明星に Op.138-7/誰のヒツジが一番ステキ? Op.37-6/
   明けの明星に Op.63-2/夕べに Op.196-4/
   夜に Op.285-5/子どもの天使 Op.196-10/夜の祈り Op.37-3>
カテリーナ・ベルトッチ(ソプラノ…1)/
ゲルヒルド・ロムバーガー(コントラルト…1)/
ヤニナ・ホルリヒ(メゾ・ソプラノ…1-2)/
クリスエィアン・クライネルト(語り…1)/
マイケ・レルシュコ(ソプラノ…2)/
ペーター・クロイツ(ピアノ…1-2)
cpoレーベルが精力的にリリースを続けている「カール・ライネッケ(1824-1910)」の珍しい声楽作品集です。
 ブラームスやメンデルスゾーンの亜流とされがちな作曲家ではありますが、実際にじっくり聴いてみれば、その中にどれほどの音楽の宝石が詰まっているかを知ることができるでしょう。
 このアルバムは「子どものための」1枚であり、また「子どもの心を持った大人のための」1枚でもあります。熟達した技法と溢れるロマンティシズムに満ちた音楽は古典派から後期ロマン派までの長い時間をカバーする彼の生涯に沿った美しい音楽史ともいえるでしょう。


777103
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
フェリックス・ワインガルトナー:交響曲第7番Op.88 ハ長調
 1.交響曲第7番Op.88 ハ長調
  (独唱、合唱、オルガンと大管弦楽のための)
マヤ・ボーク(ソプラノ)/
フランツィスカ・ゴットヴァルト(アルト)/
ロルフ・ロメイ(テノール)/
クリストファー・ボルドゥク(バリトン)/
バベット・モンドリー(オルガン)/
ブルノ・チェコ・フィルハーモニー合唱団/
バーゼル交響楽団/
マルコ・レトーニャ(指揮)
録音 2012年2月15日ライブ録音
 名指揮者としても知られる「作曲家」ワインガルトナー(1863-1942)の最後の交響曲です。この第7番は1937年から1939年にかけて作曲された、大規模なオーケストラと、4人の独唱者と合唱、オルガンを伴う大規模な作品であり、2楽章ではフリードリッヒ・ヘッベル作の「2人のさすらい人」の詩が使われ、また4楽章と最終楽章のテキストにはヘルダーリンの讃歌と、彼の妻カルメン・テューダーの詩が使われています。彼はこの曲を作曲した後、バーゼルを離れパリへと亡命しますが、この作品はバーゼルに残っていました。今回マルコ・レトーニャの指揮でこの作品を演奏、収録することで、cpoにおけるワインガルトナーの「交響曲シリーズ」は完結となります。
 


777421
(2CD)
\4000→\3690
ドーラ・ペヤチェヴィッチ:室内楽作品集第2集
<CD1>
 1.ピアノ五重奏曲Op.40/
<CD2>
 1.弦楽四重奏曲Op.25/
 2.ピアノ四重奏曲Op.58/3.即興曲Op.9
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)/
シネ・ノミネ弦楽四重奏団
 cpoレーベルが精力的にリリースを続けている女性作曲家ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)。今作は彼女の室内楽に焦点を当てます。彼女の作品の中でも「室内楽」は重要な位置を占めていて、そのどれもが独自のテクスチャーを持つ見事な音楽です。彼女が最初の室内楽である「ピアノ四重奏曲Op.25」を書いたのは1908年、23歳の時でした。古典的なフォルムと、4つの性格的な表情を持つ楽章は彼女の独自性がイヤというほど感じられます。ピアノ五重奏曲Op.40は、交響曲や「スラブ風ソナタ」と並行して書かれたもので、厳粛な雰囲気を持ち、崇高な精神の高揚が感じられるインスピレーション溢れる最高傑作の一つです。同じく最高傑作の一つピアノ四重奏曲Op.58と、若き頃に書かれた即興曲。これらが世に出ることで、ますますこの「類い稀なる作曲家」の信奉者が増えることでしょう。
 
777502
(SACD-Hybrid)
\3000
北ドイツのバロック・オルガン第10集〜知られざる作曲家たちのオルガン作品集
 ゲオルク・ヴィルヘルム・ディートリヒ・ザクセル(?-1740頃)/
 アンドレアス・デューベン(1597-1622)/
 グスタフ・デューベン(1628-1690)/
 マルティン・デューベン(?-?)/
 ゴットリープ・ニッタウフ(1685-1722)/
 エーヴァルト・ヒンツ(?-?)/
 ヨハン・クリスティアン・シーファーデッカー(1679-1732)/
 アンドレアス・ノインハーバー(1603-1663)
フリードヘルム・フランメ(オルガン…
デンマーク,ヘルシンゲル・聖マリア教会所蔵
ローレンツ・フリーチュ・オルガンで演奏)
 cpoレーベルの人気シリーズの一つ、北ドイツのオルガン作品集の第10集は、現代ではほとんど名前の残っていない8人の作曲家の作品を収録したものです。この中で比較的知られているのは、三代に渡る「デューベン・ファミリー」の作品ですが、とはいうものの、演奏される機会は本当に稀であり、かろうじて名前が残っているに過ぎないのが現状です。しかし、これらの作曲家たちが連綿と歴史を築いていくことで、オルガン音楽の歴史が作られていったわけですから、彼らの作品を研究することはバッハやブクステフーデの作品を理解する上でも大切なことと言えるでしょう。1641年頃に建立されたヘルシンゲルの由緒正しき教会のオルガンは、控えめでエレガントな低音と、人の声に近い響きを持つ高音が特徴の歴史的文化遺産です。
 

777620
\2600→\2390
ヨハン・ゴットフリード・ヘンドリック・マン:作品集
 1.管弦楽のための「祝典前奏曲」Op.95/
 2.クラリネット協奏曲Op.90/
 3.ヴァイオリン協奏曲Op.101/
 4.第3組曲Op.98
セバスティアン・マンツ(クラリネット)/
山田晃子(ヴァイオリン)/
オスナブリュック交響楽団/
ヘルマン・ボイマー(指揮)
 オランダの作曲家、指揮者ゴットフリード・ヘンドリック・マン(1858-1904)は、現在では完全に忘れられてしまっていますが、19世紀半ばのオランダでは素晴らしい作曲家として認知されていました。彼は幼い頃から音楽的才能を発揮し、ワーグナーやカール・ライネッケと親交を持ち、一時はフランス音楽に魅了されるなど幅広い活躍をした人です。そんなマンの作品を再認識させようとしたのが、名クラリネット奏者ディーター・クレッカー(1936-2011)でした。彼はマンのクラリネット協奏曲のスコアをcpoのディレクターに提示し「こんな音楽を知っているか」と問いかけたのです。本来ならば彼自身がこの作品を録音したはずですが、自身はすでに自らの限界を悟っていたのでしょう。その意志は若き奏者セバスチャン・マンツに引き継がれ、この「忘れられた作曲家」の音楽が見事に再現されました。またヴァイオリン協奏曲を演奏しているのは日本の期待の若手奏者、山田晃子です。2人の才能ある若手によって蘇った音楽をぜひ聞いてみてください。
 
777662
\2600
北ドイツのルネサンス音楽集第2集 〜
 ヨハン・グラッベ:マドリガルと器楽曲全集
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
 2013年に結成20周年を迎えるブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスは、cpoレーベルから少なくとも25枚のCDをリリースし、またそれら全てが他に類を見ない独自性を持ち、そのどれもが非常に高い音楽性を持っていることで知られる素晴らしいアンサンブルです。今回の彼らのアルバムは、これまたレアなもので、現在ではほとんど名前も聴くことのないヨハン・グラッベ(1585-1655)のマドリガルと器楽曲集。彼はシュッツと同世代のドイツの作曲家で、11歳でビュッケブルク宮廷聖歌隊の一員となり、オルガンをコルネリアス・コンラドゥスから学びます。オルガニストとして成功した後、ヴェネツィアに行き、ジョヴァンニ・ガブリエリとともに学び、イタリア風のマドリガルの様式を取り入れた作品を書いたのです。忘れ去られてしまうには惜しい作品を、ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスのメンバーは見事によみがえらせています。
 

777786
(3CD
\4000→\3690
フェリクス・ドレーゼケ:交響曲全集
《CD1…999746》
 1.交響曲第1番Op.12/
 2.交響曲第4番Wo038/
 3.歌劇「グートルン」序曲/
《CD2…999719》
 1.交響曲第2番Op.25/
 2.セレナーデOp.49/
《CD3…999581》
 1.交響曲第3番「悲劇的交響曲」Op.40/
 2.葬送行進曲Op.79
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
イェルク=ペーター・ヴァイグレ(指揮)
 1835年生まれのドレーゼケは、リストやワーグナーの影響を強く受けた新ドイツ楽派の作曲家。幼い頃から音楽的才能を発揮し音楽家になることを決意します。1852年にヴァイマールで「ローエングリン」を聴いた彼は、すっかりその音楽に傾倒。以来、重厚な作風で数多くの作品を作曲します。彼のピアノ・ソナタは、リストから「ベートーヴェン以降の最も重要なソナタ」とまで絶賛されたほどですが、聴衆からはあまり理解されず、彼の死後は忘却の彼方へと押し流されてしまったのです。この3枚組のアルバムは、そんなドレーゼケ(1835-1913)を再興するにふさわしいもの。随所にみられる見事な対位法や、精緻な管弦楽法は、ブラームスやワーグナー好きだったら避けては通れない音楽と言えるのではないでしょうか。


旧譜
ドレーゼケ(1835−1913): ピアノ協奏曲変ホ長調
The Romantic Piano Concerto 47 - Jadassohn & Draeseke
HYPERION
CDA 67636
\2400→¥2190
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ第47集 ——
 ザーロモン・ヤーダスゾーン(1831−1902):
  ピアノ協奏曲第1番ハ短調(世界初録音)、
  ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.90(世界初録音)/
フェリックス・ドレーゼケ(1835−1913):
 ピアノ協奏曲変ホ長調Op.36
マルクス・ベッカー(ピアノ)、
ミヒャエル・ザンデルリンク(指揮)、
ベルリン放送交響楽団
 フランツ・リストから受けた大きな影響やライプツィヒ音楽院で音楽を学んだという共通点を持つ1831年生まれのヤーダスゾーンと1835年生まれのドレーゼケ。
 ユダヤ系の家庭に生まれたために名門ライプツィヒ音楽院を経てディーリアス、グリーグ、ブゾーニといった大音楽家を数多く育てながらも、反ユダヤ主義の煽りを受け不遇をかこったヤーダスゾーン。
 逆に本人の意思とは関係なくナチス・ドイツから称賛されたことにより、親ナチスという視線から逃れることができず次第に歴史から名を消すことになってしまったドレーゼケも、ヤーダスゾーンと同じくドイツ動乱の犠牲者であるとも言えるのではないだろうか。
 そんな当時を代表する対位法の大家でありながらも"美しい旋律を書くことがなによりも重要"という姿勢を貫いたヤーダスゾーンと、リストやワーグナーの新ドイツ楽派に属しヤーダスゾーンと同じく対位法の名手でもあったドレーゼケの"ピアノ協奏曲"。3作品ともドイツ・ロマン派の濃厚な旋律美と華麗で技巧的なパッセージを備えた屈指の傑作であり、この録音の登場によって再評価の気運が高まる可能性は非常に高い。
 さてRPCシリーズ第47集でソリストを務めるのは、今回がシリーズ初登場となる"マックス・レーガーの化身"マルクス・ベッカー。レーガーのピアノ作品全集(Thorofon/RTCH 2501)で12枚にも及ぶレーガーのピアノ作品を弾ききったドイツの鬼神が遂にRPCシリーズに本格参戦!巨匠クルト・ザンデルリンクの血筋を受け継ぐミヒャエル・ザンデルリンクとベルリン放送響とのドイツ・トリオが"ヤーダスゾーン"と"ドレーゼケ"のピアノ協奏曲を復活させる。

DACAPO


8.226060
\2000
ペア・ノアゴー夕べの国からの歌〜ヘレーネ・ギェリス:ノアゴーを歌う
 1-2.2つのレチタティーヴォOp.16(1955-1956)/
 3-4.発展-Entwicklungen(1986)/
 5-7.冥王星への頌歌(1980-1984)/
 8-10.3つの歌「愛の詩」(1967)/
 11-13.3つの愛の歌(1963-1965/2010改編)/
 14-15.昼と夜(1982)/16.私は太陽を見た(1953/2010年改編)/
 17-23.夕べの国からの歌Op.17(1956)/
 24.苦しみと痛みから眠りへ(2012)
ヘレーネ・ギェリス(メゾ・ソプラノ)/
ウラ・ミールマン(フルート)…3-4.8-10.11-13.16.17-23/
ヨハネス・ソー・ハンセン(ヴァイオリン)…11-13.16.17-23/
ロッテ・ヴァレヴィク(ヴィオラ)…11-13.16.17-23/
トーケ・モルドロップ(チェロ)…1-7.11-13.14-15.16.17-23/
イェスパー・ルツホフト(ギター)…3-4/
ティーネ・レーリング(ハープ)…11-13.17-23/
アンネ・マリー・アビルズコフ(ピアノ)…11-13.14-15/
ゲルト・セアンセン(パーカッション)…3-4.11-13.24/
カスパー・シュレイバー(指揮)…11-13.16
録音 2010年5月-2011年5月デンマーク王立音楽アカデミー
 25年前、ノアゴー(1932-)の作品に魅せられたという歌手ヘレーネ・ギェリス。「当時はノアゴーの歌を完璧に歌いこなすだけの技量がなかった」と語る彼女、それらの歌を歌うために大変な努力を重ねたと言います。確かにノアゴーが要求する歌の技術は、古典的なトレーニングを受けただけでは応えられないものと言えるでしょう。そんな彼女が今回リリースした歌曲集にはノアゴーへの感謝が溢れています。様々な楽器の音が織りなす洗練された響きとともに歌われる思慮深い詩は、聴く者に深い感銘を与えます。
 

8.226062
\2000
ボー・ホルテン:ヴィーナスの輪
 1-2.混声合唱とチェロのための「ロマンティックなエレジー」(2011)…*/
 3.5部合唱による詩篇第23番「主はわが羊飼い」(2005) /
 4.バリトン独唱と8部合唱によるマーラー:私はこの世に忘れられ
  (B.ホルテン編)(2010)…*/
 5-9.アカペラ女声合唱による中世ポルトガルの5つの愛の歌「友の歌」(2010)/
 10.2人のソプラノと混声合唱のための
   「ヘンデル・ウィズ・ケア」(ダーウィンによる変奏曲)(2009)…*/
 11-13.混声合唱のための3つのゴシック風の愛の歌
   「ヴィーナスの輪」(2008)…*
  *…世界初録音
ヨリス・デルダー(バリトン)…2/
ヨハン・ロイター(バリトン)…4/
サラー・ファン・モル(ソプラノ)…10/
ヒルデ・フェンケン(ソプラノ)…10.12/
ルク・トーテン(チェロ)…1/
フランダース放送合唱団/
ボー・ホルテン(指揮
録音 2011年5月30-31日.6月1日ベルギーJezuietenkerk in Heverlee
 デンマークの作曲家ホルテン(1948-)の合唱作品集です。タイトルにもなっている、1300年代の作詞者不明のモテットを題材にした愛の歌「ヴィーナスの輪」は、3つの部分からなる合唱作品で、ホルテンが歌劇「王の侍医の訪問」の作曲後に新しいアイデアを求めながら書いた作品です。どの作品も現代的な手法を用いつつ普遍的な愛が描かれています。マーラーの「私はこの世に忘れられ」は、何人もの作曲家が編曲を試みていることで知られていますが、このホルテンの編曲も見事、かつ独自の世界観が生かされているようです。
 

8.226074
\2000
ヴァーフン・ホルンボー:室内楽作品集第2集
 1-3.エコーOp.186(1991)/4-8.アスペクツOp.72(1957)/
 9-11.独奏チェロのためのソナタOp.101(1968-1969)/
 12-16.医学の四重奏曲Op.70(1956)/
 17-19.六重奏曲Op.114(1973)
アンサンブル・ミッドヴェスト
<メンバー>
マシュー・ジョーンズ(ヴァイオリン)/
サンナ・リパッティ(ヴィオラ)/
ジョナサン・スラット(チェロ)/
マルティン・クヴィスト・ハンセン(ピアノ)/
シャルロッテ・ノルホルト(フルート)/
ピーター・キルステイン(オーボエ)/
トマゾ・ロンクィヒ(クラリネット)/
ニール・ページ(ホルン)/
シュテファン・カスパール(ファゴット)
録音 2011年10月3-6日HEART-Herning Museum of Contemporary Art
 作曲家ホルンボー(1909-1996)は、その長い人生を通して常に求道的な音楽を書きました。彼の音楽には知性が宿り、自然が感じられ、根底には禅の精神とも思えるも感じられれます。彼は大規模な交響曲作曲家として知られますが、これらの室内楽作品は「独白」とも言える内面に肉薄した内容を持っています。「エコー」はホルンボーの晩年の作品ですが、あまりにも古典的なフォルムと、その感傷的な旋律(ブラームスを思わせる)は、老境の域に達したホルンボーの若き日への回帰なのかもしれません。コダーイの同名作品を思わせる「チェロ・ソナタ」や「六重奏曲」などでは、先鋭的なホルンボーを聴くことができます。
 

8.226574
\2000
モーエンス・クリステンセン:笛と葦-Pipes and Reeds
 1.オルガンとエレクトロニクスのための「Logitanion」(2006)/
 2.アコーディオン独奏のための「王冠-Couronne」(2005)/
 3.尺八とエレクトロニクスのための「冬の鶴の夜の飛行」(2009)
アダム・オーヴァッド(アコーディオン)/
クリスティアン・プラストホルム(オルガン)/
キク・デイ(尺八)
録音 2006年10月15日デンマーク放送アーフス大聖堂…1, 2011年3月15日アスミンデロート教会…2, 2011年9月19日トルスルンデ教会…3
 「音の錬金術師」モーエンス・クリステンセン(1955-)。彼が作り出す音響はまさに宇宙空間そのものです。このアルバムに収録された3曲は、彼の主要な作品であり、これを聴くだけで独自の音世界を理解することができるでしょう。「Logitanion」は1945年に発見された「トマス福音書」からインスピレーションを得たものであり、巨大なオルガンの音と絡みつく電子音は、聴く者に畏怖の感情をもたらします。それに比べ「Couronne」は独奏アコーディオンが紡ぎだす静かな世界。、また3曲目は尺八を用いた「精神的な」音楽であり、吹き込む息を聴くことで奏者の存在が実感できるというものです。
 

8.226575
\2000
ブリジット・アルステット:アウネーテの笑い
 1-6.アウネーテの笑い(2007-2011)-
  記録された音,コンピュータ処理をされた音と声のコラージュ
   <マーメイドの呼び声/憧れ-深きところより/7人の息子/
    揺れ動く/国からの呼び声/アフネーテの笑い>/
 7.アコーディオン独奏のための「メランコリア」(2001)/
 8.悲歌第5番(1996-1997)-
  記録された音とコンピュータ処理をされた声のコラージュ/
 9.ベルッター(2004)-教会の鐘の音の録音にコンピュータ処理をした音のコラージュ
ブリジット・アルステッド(エレクトニクス&声)/
ラスムス・シュヤルフ・ケーラー(アコーディオン)
録音 1997年,2004年アーフスDIEM, 2012年9月27日…7
 デンマークにおける電子音響音楽のパイオニアであるブリジット・アルステッド(1942-)。彼女は自らの音楽のために、文学や詩など様々な分野からインスピレーションを得ています。このアルバムに収録された4つの作品も、ドラマティックな音響を備えた音の建築物として高く評価されることでしょう。以下、アンデルセンの詩に基づいた「アウネーテの笑い」、魔法陣からインスピレーションを得た「メランコリア」、ピアニストであった彼女の母に捧げられた「悲歌」、コペンハーゲンの教会の鐘をサンプリングした「ベルッター」の4曲です。

DYNAMIC

CDS-580
(2CD)
\3000
クリストフ・ルセ(指揮)
 ビセンテ・マルティン・イ・ソレル:歌劇「気のいい気難し屋」

 2幕 ダ・ポンテ台本
<CD1>1-29.第1幕/
<CD2>1-25.第2幕
 ※DYNDVD33580と同内容世界初CD化
アンジェリカ…エレナ・デ・ラ・メルセド(S)/
マダム・ルチッラ…ヴェロニク・ジャンス(Ms)/
マリーナ…セシリア・ディアス(S)/
ジョコンド…サイミール・ピルグ(T)/
ヴァレリオ…フアン・フランシスコ・ハテル(T)/
ドルヴァル…ルーカ・ピザローニ(B-Br)/
フェッラモンド…カルロス・ショソン(Br)/
カスターニャ…ホセ・ミケル・ラモン(Br)/
リセウ大劇場管弦楽団/
マドリード交響楽団/
クリストフ・ルセ(指揮)
録音 2007年11月マドリッド
バレンシア出身の作曲家ビセンテ・マルティーン・イ・ソレル(1690-1730)の名前は、現在ではほとんど知る人もいませんが、生前はオペラ・ブッファの作曲家として、ウィーン宮廷歌劇場で「モーツァルトのライバル」とまで目されていた人気者でした。この「気のいい気難し屋」は彼の最も成功した作品の一つで、18世紀の劇作家カルロ・ゴルドーニの戯曲をもとにロレンツォ・ダ・ポンテが台本を書き、1786年にウィーンで初演されています。鮮やかな台本、優雅で魅惑的な音楽に彩られた、確かにモーツァルトの作品と比肩される見事なオペラと言えるでしょう。
今回このオペラを蘇演するにあたっては、名ソプラノ、ヴェロニク・ジャンスをはじめ、大人気テノール、サイミール・ピルグ、カルロス・ショソンなど最高の歌手陣を揃えています。
また古典とバロック様式のエキスパート、クリストフ・ルセによる完全なる音楽にも注目。このフランスの指揮者がお届けするマドリッド交響楽団の甘くて滑らかなサウンドは、まさに理想的に調和したものです。
 

CDS-743
(2CD)
\3000→\2790
ピッチンニ:歌劇「アメリカーノ」
 ※CDS177の新装盤
ヴィロット…サイモン・エドワーズ(テノール)/
シルヴィア…パトリツィア・チョーフィ(ソプラノ)/
カヴァリエレ・リサンドーロ…ドメニコ・コライアンニ(バリトン)/
ドンナ・アウローラ…ジョヴァンナ・ドナディーニ(メゾ・ソプラノ)/
イタリア国際管弦楽団/
エリック・ハル(指揮)
録音 1996年11月マルティナ・フランカ
 1996年にマルティナ・フランカで上演された珍しいオペラ「アメリカーノ」は、イタリア、バーリ生まれのグルックと同世代の作曲家ピッチンニ(1728-1800)による作品です。彼はローマで成功し、マリー・アントワネットによってパリに招かれ数多くの作品を書きましたが、周囲の企みにより、グルックと競わざるを得なくなったことで知られています。批評家たちは2人に同じ題材による作品を書かせ、パリの市民たちは二手に分かれ支持しあうという無意味な論争は、後に「グルック・ピッチンニ論争」と呼ばれるほどの争いとなりました。当時はそれほどまでに人気のあったピッチンニですが、いつしかその作品は忘れられてしまい、現在ではほとんど耳にする機会がありません。
 この作品は1772年2月22日にローマで初演された喜劇で、ユーモアのセンスに溢れた気の利いたセリフと、随所にみられる美しいメロディが印象的な作品です。

MDR/ライプツィヒMDR交響楽団自主制作盤



MDR1204
\2000→\1890
準・メルクル(指揮)
フランツ・リスト:交響詩集

 1.交響詩「プロメテウス」/2.交響詩「前奏曲」/
 3.交響詩「ハムレット」/4.交響詩「理想」
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)
録音 2011年2月15-18日ライプツィヒMDRスタジオ,オーケストラザール
 作曲家、思想家としてのフランツ・リスト(1811-1886)は、19世紀の音楽の発展に決定的な影響を及ぼし、多くの新しい扉を開きました。彼は豊かな想像力で、音楽に表現を与えることを可能とした新しい形式を作成し、これを「交響詩」と名付けたのです。交響曲やソナタなどの決まった形式に囚われず、音楽で描く一つの物語は、ベルリオーズの幻想交響曲に端を発したと思われるロマン派を特徴付ける管弦楽曲の形態です。
 このアルバムでは、そんなリストの4つの交響詩を聴くことができます。「人生は死への前奏曲である」というラマルティーヌの発想に基づく「前奏曲」、古典の英雄である「プロメテウス」、シェークスピアによる「ハムレット」そしてシラーの詩に基づく「理想」。これらは全てリストの価値観と音楽性が表出された意欲作ですが、「前奏曲」以外はあまり演奏されることがありません。そんな“秘曲”を準・メルクルが鮮やかに演奏、知られざるリストの姿を見事に浮かび上がらせています。
 


MDR1205
\2000→\1890
準・メルクル(指揮)
シェーンベルク:編曲&作品集バロック-モダン
 1-3.チェロ協奏曲ニ長調
  (マティアス・ゲオルグ・モン(1717-1750):
   チェンバロ協奏曲ニ長調:原曲)/
 4-7.弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲ロ長調
  (ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
   合奏協奏曲第6番&第7番の自由な編曲)/
 8.主題と変奏Op.43b
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)/
ヨハネス・モーザー(チェロ)/
ディオティマ弦楽四重奏団
<メンバー:千々岩英一(ヴァイオリン)/
ニコラ・ミリベル(ヴァイオリン)/
フランク・シュヴァリエ(ヴィオラ)/
ピエール・モルレ(チェロ)>/
録音 2008年1月28-31日ライプツィヒMDRスタジオ,メイン・アウディトリウム
 比較的良く知られていることですが、シェーンベルク(1874-1951)は素晴らしいアレンジャーでもありました。第一次世界大戦の敗色濃厚なウィーンで「私的演奏協会」を設立し、多くの作曲家の作品を編曲演奏していたこともご存知の方が多いでしょう。このアルバムでは、モンとヘンデルの作品、そしてシェーンベルクのオリジナル作品を収録しています。
 モンのチェロ協奏曲(原曲はチェンバロ)は、伝説のチェリスト、デュプレやヨーヨー・マなど名だたる奏者が挙って演奏している名曲であり、バロックと現代の要素がミックスされた稀有な作品となっています。また、ダイナミクスやフレージングに美しい色付けがされたヘンデルも聴きものです。日本の名手、千々岩さん主催のディオティマ弦楽四重奏、そしてチェリストのヨハネス・モーザーも良い仕事をしています。
 
MDR1207
\2000
アイスラー:付随音楽「処置」Op.20 ゲッツ・シュルテ(テノール…第1のアジテーター)/
アンゲリカ・ドムローゼ(第2のアジテーター)/
ゴットフリート・リヒター(第3のアジテーター)/
クリストフ・ザプトカ(第4のアジテーター)/
ライプツィヒMDR交響楽団&放送合唱団/
ヨハネス・カリツケ(指揮)
録音 1998年10月3日
 ユダヤ系ドイツ人作曲家ハンス・アイスラー(1898-1962)は、最初シェーンベルクの弟子となりますが、音楽上もしくは政治上の対立からシェーンベルクと訣別。その際、弟子であるにも拘わらず、シェーンベルクに対して「破門状」を送りつけたとして知られています。そんなアイスラーですから、作品にも政治的な香りが強く、とりわけベルトルト・ブレヒトと組んで書いたいくつかの曲は、ジャズ的要素も含まれる極めて特異なものとして発展していきました。
 ここに収録された「処置」もそんな作品の一つ。1930年に書かれたこの作品はかなり難しい問題を孕んでおり、倒叙物のミステリーとも、また愚かな民衆への教訓劇ともとれる内容です。どうしても日本で聴く場合には「言葉の問題」が付きまといがちですが、一度は聴いておきたい問題作です。1930年にアイスラー自身が指揮し、ブレヒトが語ったという歴史的録音がボーナス・トラックとして収録されています。

NAXOS 1CD¥1100



8.573070
\1100
ジェイムズ・ウィトボーン: アンネリース(室内楽編) 〜「アンネの日記」より
《アンネを読んで メラニー・チャレンジャー(歌詞)…アンネ・フランク「若き少女の日記」に基づく》

 1.前奏曲/2.予告された逮捕/3.姿を隠すための計画/
 4.家での最後の夜と別館への到着/5.隠遁生活/6.勇気/
 7.逮捕への恐怖と2回目の強制侵入/
 8.キリエ-シンフォニア(私たちを助けて、この地獄から救い出して)/
 9.夢/10.外界による精神的打撃/11.時がせまる/
 12.解放の希望と春の目覚め/
 13.逮捕と強制収容所/14.アンネの瞑想 ※世界初録音
アリアンナ・ズーカーマン(ソプラノ)/
ウェストミンスター・ウィリアムソン・ヴォイシズ/
リンカーン・トリオ/
バラット・チャンドーラ(クラリネット)/
ジェイムズ・ジョーダン(指揮)
録音 2012年5月14-16日 アメリカ ニュージャージー州,プリンストン・メドウ教会
 「アンネ・フランクの日記」を基に、アメリカの作曲家ウィトボーン(1963-)が書き上げた合唱曲です。戦争の渦に巻き込まれた多感な10代の少女アンネ・フランクが、潜伏先であるアムステルダムの隠れ家で記した「手紙のスタイルによる」日記は、鋭い洞察力と批判精神を内包しつつも、少女らしい筆致と表現で、戦時下の不自由な生活 に負けない強さが記されています。このウィトボーンの音楽は“傷つくほどに美しい”(デーリー・テレグラフ)、“丁寧で控えめな表現がこの偉大な強さを表現する”(タイムズ)と称賛されています。この日記を書いた普通の少女の将来を断ち切ってしまった戦争というものについて、もう一度思いを馳せてみたい作品です。
 


8.559737
\1100
デューク・エリントン:Black, Brown and Beige
 1.ハーレム(M.ペレスによるオーケストラ編)/
 2-4.白,茶色,そしてベージュ(M.ペレスによるオーケストラ編)/
 5-7. 3人の黒人王(M.エリントンによる完全版)/
 8-12.組曲「河」(R.コリアーによるオーケストラ編…抜粋)
  <春/蛇行/くすくす笑いの早い流れ/湖/河>/
 13.ビリー・ストレイホーン(1915-1967):
  A列車で行こう(D.エリントンによるオーケストラ編)
サル・アンドリーナ(クラリネット…5-7&アルト・サックス…5-7.13)/
トニー・ディ・ロレンツォ(トランペット…13)/
エイミー・リチャータ(ヴァイオリン…13)/
バッファロー・フィルハーモニー管/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
録音 2012年5月9-11日 ニューヨーク バッファロー,クレインハウス・ミュージック・ホール
 エドワード・ケネディ・「デューク」・エリントン(1899-1974)は20世紀の最も偉大なるビッグ・バンドのミュージシャンです。またピアノ弾きでもあり、アレンジャーとしても天才的な才能を発揮、まさに伝説のアーティストと言えるでしょう。このアルバムは彼の偉業を見直すのにぴったりの1枚であり、またNAXOSでの地位を確立したであろうファレッタの幅広い芸風を感じるにもぴったりの1枚でもあります。もちろん彼が編曲したことで大ヒットした「A列車で行こう」も最後に添えられています。超ゴキゲンなアルバムです。
 


8.572662
\1100
楊天堝(ティアンワ・ヤン)
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調・ニ短調 他

 1-3.ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64,MWV O14/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 MWV 03/
 7-9.ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4 MWV Q12
楊天堝(ヴァイオリン)/
ロマン・デシャルム(ピアノ…7-9)/
シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ…1-6/
パトリック・ガロワ(指揮…1-6)
録音 2010年9月1-3日 フィンランド ユヴァスキュラ,ハンカサルミ教会…1-3, 2010年8月30-31日 フィンランド ユヴァスキュラ,ハンカサルミ教会…4-6, 2011年12月15日 ドイツ ザントハウゼン,クララ・ヴィーク・オーディトリアム…7-9
 数あるヴァイオリン協奏曲の中でもとりわけ知名度が高く、また完成度の高い作品であるメンデルスゾーンのホ短調。しかし、あまりにも知られすぎているためか、却ってあまり耳にすることもない。という不思議な存在でもあります。さて、NAXOS期待のヴァイオリニスト楊天堝(ティアンワ・ヤン)によるこの名曲の演奏は、この曲にしみ込んだ手垢のようなものをきれいさっぱり洗い落としたかのような新鮮な感触であり、曲の持つ天真爛漫な美しさと技巧性を再確認させてくれること間違いありません。あまり耳にすることのない「ニ短調」も素晴らしい演奏であり、メンデルスゾーン(1809-1847)を聴く喜びを再確認させてくれることでしょう。ガロワ指揮するシンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラの揺るぎない伴奏も見事。14歳の作品である「ソナタ」も、その完成度の高さに息を飲むことでしょう。
 


8.572873
\1100
ワインベルク:交響曲 第8番「ポーランドの花」Op.83 (1964) ※世界初録音
 1.第1楽章:春の突風/2.第2楽章:バルティの子どもたち/
 3.第3楽章:古いコテージの前に/
 4.第4楽章:ここには果樹園があった/
 5.第5楽章:ニワトコの実/
 6.第6楽章:レッスン/7.第7楽章:ワルシャワの犬/
 8.第8楽章:母/9.第9楽章:正義/
 10.第10楽章:ヴィスワ川の流れ
ラファウ・バルトミンスキー(テノール)…2.3.7.10/
マグダレーナ・ドブロヴォルスカ(ソプラノ)…4/
エヴァ・マルシエク(A)…4/
ワルシャワ・フィルハーモニー管&合唱団/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2011年6月13-16日 ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール
 NAXOSレーベルが精力的にリリースを行っている作曲家の一人であるワインベルク(1919-1996)。とりわけ交響曲の録音においては、名指揮者ヴィトの存在が大きいことは間違いありません。さて、この第8番の交響曲は大規模な管弦楽と声楽を必要をするもので、同時に彼における「極めて個人的な独白」が表出される作品でもあります。ポーランドの過去と危うい未来を鑑みて書かれたジュリアン・トゥイム(1894-1953)の叙事詩「ポーランドの花」をテキストにして書かれたこの作品は、戦争の空しさと残酷さ、そして、現代社会にも通じる不安に満ちた社会情勢を描き出した力作であり、最終楽章での微かな希望へと繋がる音楽こそ、当時の彼が求めていたものであることは間違いないでしょう。
 


8.572893
\1100
ロシアの歌曲とアリア集 〜ディナーラ・アリエワ(ソプラノ)
 1.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ Op.34-14/
 2.チャイコフスキー(1840-1893):歌劇「スペードの女王」より
  第1幕 第2場「わが涙よ、なぜ流れるのか」/
 3.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):歌劇「皇帝の花嫁」より
  第2幕「ノブゴロードで-今,緑の園に見えるのは」/
 4.リムスキー=コルサコフ:歌劇「皇帝の花嫁」より
  第4幕「イヴァン・セルゲーヴィチ、庭へ行きましょう」/
 5.ラフマニノフ:美しい人よ、私のために歌わないで Op.4-4(R.ステパニャンによる管弦楽伴奏編)/
 6.ラフマニノフ:歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」より
  第2場「おお泣かないで、私のパオロよ」/
 7.チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」より
  第3幕 第2場「真夜中が近い…私は疲れてしまった」/
 8.チャイコフスキー:もし私が知っていたら Op.47-1
  (O.ディミトリアディによる管弦楽伴奏版)/
 9.チャイコフスキー:私は野辺の草ではなかったのか Op.47-7/
 10.チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」より
  第1幕 第2場「手紙の情景」
ディナーラ・アリエワ(S)/
ロシア国立交響楽団/
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
録音 2011年8月28日-9月3日 モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー 第5スタジオ
 歌手、ことにソプラノを誉める際に用いられる慣用句の一つに「マリア・カラスの再来」という言葉があります。実際、これを言われた人がこれまで何人いたでしょう・・・。このアルバムで歌うアリエワも、その言葉を使いたい人です。冒頭のラフマニノフの「ヴォカリーズ」を聴いてみてください。まさに背筋がぞくぞくする素晴らしさです。声の美しさはもちろんのこと、表現力と存在感はとても筆舌に尽くせません。彼女は2010年に開催された第47回フランシスコ・ビーニャス国際歌唱コンクールで2位を獲得したロシア生まれのソプラノ。名歌手モンセラ・カバリエが「彼女の才能は天国の贈り物」と称するほどの魅力的な歌を聞かせます。
 


8.572944
\1100
ボッテジーニ:レクイエム (T.マーティン、J.プラッツ、P.ブロードベントによる編集版)
 〈入祭唱とキリエ〉
  1.Requiem aeternam - Kyrie:主よ、永遠の安息を-憐みたまえ/
 〈続唱〉
  2.Dies irae:怒りの日/
  3.Quid sum miser:その時哀れな私は/
  4.Quaerens me:私をもとめて/
  5.Ingemisco:これほどの苦しみが/
  6.Confutatis:呪われたもの/7.Lacrymosa:涙の日/
 〈奉献唱〉
  8.Domine Jesu:主イエス・キリスト/
 〈聖なるかなと祝福されますように〉
  9.Sanctus:聖なるかな/10.Benedictus:祝福されますように/
 〈神羊誦〉
  11.Agnus Dei:神の子羊/
  12.Requiem aeternam:主よ、永遠の安息を/
  13.Libera me:主よ、救いたまえ/
  14.Dies illa:その日は
マルタ・マテュー(ソプラノ)/
ジェンマ・コマ=アラベール(メゾ・ソプラノ)/
アグスティン・プルネル=フレンド(テノール)/
エンリック・マルティネス=カスティナーニ(バリトン)/
ジョイフル・カンパニー・オブ・シンガーズ
(合唱指揮…ピーター・ブロードベント)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
トーマス・マーティン(指揮)
録音 2012年2月15-16日 UK ヘンリー・ウッド・ホール
 家が貧しかったため、音楽を学ぶために、音楽院の奨学金枠に空きのあった「コントラバス」を選択したというイタリアの作曲家ボッテジーニ(1821-1889)。結局彼がこの選択をしたおかげで、現代におけるコントラバスのレパートリーがどれほど豊かになったかはご存じの通りです。そんな彼は指揮者としても才能を発揮し、一番有名な仕事としては、ヴェルディのアイーダの世界初演を果たしたことで知られています。そんな才能溢れる彼のレクイエムは、1877年に彼の弟ルイージの死を悼んで作曲されたもので、(当時女性が教会で歌うことを許されていなかったため最初は女声なしで書かれています)、初演の一年後にはミラノの国立音楽博覧会で銀メダルを受賞するほど評判となりました。しかし、どうしてもその3年前に書かれたヴェルディの「レクイエム」と比較されてしまい、演奏機会もなくなり、1979年に蘇演されるまではすっかり忘れられてしまったのです。
 改めて聞いてみると、ヴェルディの作品にはないバランスの良さや繊細さなどが際立つ「隠れた名曲」であることが理解できるのではないでしょうか。
 

8.573028
\1100
アルメニアン・ダンス
 1.バーンスタイン(1918-1990):
  歌劇「キャンディード」序曲(1956/1991 C.グランドマンによる吹奏楽編)/
 2.J.S.バッハ(1685-1750):
  ファンタジア ト長調 BWV572
    (1708/2010 J.ボイドによる吹奏楽編)/
 3.クロード・スミス(1932-1987):エンペラータ-演奏会用序曲(1964)/
 4.ジア=イン・ジアン-Chiang, Chia-Ying(1973-):風を追って(2010)/
 5-8.アルフレッド・リード(1921-2005):
  アルメニアン・ダンス(1972-1976)
  <[パート1]
    杏の木-ヤマウズラの歌-
    おーい、ぼくのナザン-アラギャズ山-行け、行け/
   [パート2]
   第1曲:農民の訴え(風よ,吹け)//
   第2曲:結婚の舞曲/第3曲:ロリの歌(ロリ地方の農耕歌)>/
 9.ショスタコーヴィチ(1906-1975):祝典序曲
  (1954/1965 D.ハンスバーガーによる吹奏楽編)
台湾ウィンド・アンサンブル/
ジョン・ボイド(指揮)
録音 2011年4月25-28日 台湾 台北、KHSホール
 2004年に結成された「台湾ウィンド・アンサンブル」は日本の秋山紀夫氏を芸術監督とし、台湾全土の名管楽器奏者、および音楽学校の教授たちをメンバーとして、地元の作曲家の作品をはじめ、新作からよく知られた曲を遍く演奏している団体です。このアルバムでは古今東西の名曲をセレクトし、刺激的で活力あふれる演奏を披露。バーンスタインやショスタコーヴィチでの先鋭的な響きから、自国の作曲家の作品までを見事に表現しています。日本でも人気の高いリードの「アルメニアン・ダンス」がどのように奏されているかも大変興味深いところです。
 


8.573033
\1100
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
 (パトリック・ガロワによるフルートとピアノ版)

 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第24番 ヘ長調 K376/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第17番 変ロ長調 K570/
 7-9.ヴァイオリン・ソナタ 第25番 ヘ長調 K377/
 10-12.ヴァイオリン・ソナタ 第26番 変ロ長調 K378
パトリック・ガロワ(フルート)/
マリア・プリンツ(ピアノ)
録音 2012年6月4-6日 オーストリア ウィーン,カジノ・バウムガルテン
 天才モーツァルト(1756-1791)は8歳の時からヴァイオリンと鍵盤楽器(この場合はヴァイオリンが伴奏として位置づけられている)のためのソナタを書いています。これは自らが演奏するためであり、当時の貴族の子女に献呈されるなど、多分に社交的に利用するためのアイテムとして作られたものです。と言っても。このアルバムに収録された4つのソナタは成長してから書かれたもので、K376からK378までの3曲は1979年から81年頃の作品で、すでに巨匠の風格が漂う流麗で美しい音楽です。K570はもともとピアノソナタですが、作曲家以外がヴァイオリン・パートを付け加えた版が有名で、このアルバムもその版に沿って演奏されています。なんといってもガロワの演奏が素晴らしく、一味違うモーツァルトを広めるのにふさわしい1枚となっています。
 

8.573056
\1100
ウィンド・バンドで聴く“バーンスタイン”
 1.J.F.ケネディ大統領就任のためのファンファーレ 第1番
   (1961 S.ラミン編)/
 2.歌劇「キャンディード」序曲
   (1956/1986 C.グラウンドマン編)/
 3-8.映画音楽「波止場」からの公共的組曲
   (1954/2010 J.ボコック編)/
 9-11.歌劇「オン・ザ・タウン」から3つのダンス・エピソード
   (1945/1971 M.スミス編)/
 12-19.ディヴェルティメント
   (1980/1984 Cグラウンドマン編)/
 20-24.「キャンディード」組曲
   (1956/1993 C.グラウンドマン編)
サウスカロライナ大学ウインド・アンサンブル/
スコット・ワイズ(指揮)
録音 2011年10月20-23日 サウスカロナイナ コーガー・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ
 バーンスタインのジャンルを超えた音楽は、さまざまな分野で愛好されていますが、このアルバムでは、目も眩むような鮮やかなウィンド・バンドで聴くことができます。
 グラウンドマンによる編曲版は原曲のイメージを全く損なうことなく、新たな魅力を付け加えたもので、軽妙で切れ味のよい響きが新鮮です。「オーケストラのためのディヴェルティメント」はボストン交響楽団の100周年記念のために委嘱された作品で、1980年に小澤征爾が初演し話題になりました。あれから30年を経て、曲に対する思いも、バーンスタインという存在も変化しているはず。改めて偉大なる作曲家、演奏家としてのバーンスタインを見つめてみたい1枚です。
 
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスム第66番 - 第100番(マランゴーニ)
8.572328
\1100
クレメンティ:グラドゥス・アド・パルナッスム第4集 〜
 グラドゥス・アド・パルナッスム Op.44 第3巻-続きから
  1-5.5つの小品からなる組曲
   <第66番 やや快速に、生き生きと/第67番 カノン/
    第68番 急速に/第69番 フーガ/第70番 スケルツォ>/
 6-11.6つの小品からなる組曲
  <第71番 速く/第72番 生き生きと/第73番 カノン/
   第74番 2つの主題によるフーガ/第75番 カノン/第76番 終曲>/
 12-16.5つの小品からなる組曲
  <第77番 やや速く/第78番 非常に速く/
   第79番 中くらいから適度に速く/第80番 奇想曲/第81番 終曲>/
 17-22.6つの小品からなる組曲
  <第82番 スケルツォ/第83番 中くらいの速さで/
   第84番 歩くような速さで-カノン/
   第85番 急速に活気をもって/第86番 あまり速すぎないで/
   第87番 終曲>/
 23-27.5つの小品からなる組曲
  <第88番 気楽にのんびりと、歌うように/第89番 急速に/
   第90番 フーガ/第91番 やや急速に/第92番 終曲>/
 28.第93番 速く/29.第94番 ストラヴァガンツァ/
 30.第95番 ヴィッツァリア/31.第96番 興奮して速く/
 32.第97番 スケルツォ/33.第98番 快活に速く/
 34.第99番 非常に速く/35.第100番 ごく活発に
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)
録音 2011年11月14-16日 イタリア イヴレア、バロック・ホール・オブ・ザ・SMC
 全3巻100曲に及ぶ「グラドゥス・アド・パルナッスム」の完結編となります。クレメンティ(1752-1832)の全生涯における“最大の成功作”であり、批評家からも大絶賛されたこの作品は、クレメンティ自身の飽くない探究の賜物であり、また55年にも及ぶ改訂と編集は、バロック期から古典派、ロマン派へと移り変わる音楽の潮流をもはっきり示した問題作と言えるでしょう。一連の練習曲として聴くよりも、スカルラッティに匹敵する「ソナタ集」として聴くのもあり。もちろん厳格なる「練習曲集」として聴くのもOKです。確かに、マランゴーニの確固たる技術と表現は単なる演奏曲の域を超えたものです。
 ちなみにこの曲集が「つまらないもの」として認識されたのは、どうも後世の校訂者のせいだという説もありますね・・・。
第1集…8.572325/第2集…8.572326/第3集…8.572327
 
MAXWELL DAVIES, P.: Trumpet Concerto / Piccolo Concerto / 5 Klee Pictures (Wallace, McIlwham, Maxwell Davies)
8.572363
\1100
マックスウェル・デイヴィス:トランペット&ピッコロ協奏曲 他
 1-3.ピッコロ協奏曲(1996)/
 4-6.トランペット協奏曲(1988)/
 7.マックスウェルのリールとノーザンライト/
 8-12. 5枚のクレーの絵
  <十字軍の兵士/東洋の庭/さえずる機械/
  ステンド・グラス/アド・パルナッスム>
スチュワート・マキルワム(ピッコロ…1-3)/
ジョン・ウォレス(トランペット…4-6)/
ロイヤル・フィルハーモニー管…1-3.7/
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管…4-6/
フィルハーモニア管弦楽団…8-12/
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指揮)
録音 1998年5月18日 ロンドン,聖アウグスティン教会…1-3.7, 1990年4月 スコットランド,グラスゴウ・シティ・ホール…4-6, 1994年12月3日 ロンドン 全霊教会…8-12 Collins Classicsからの移行盤
 その作品は難解な内容を持ち、音も限りなく神秘的。そんなマックスウェル・ディヴィス(1934-)ですが、時として極めて親しみ深い作品を書いていたりもします。このアルバムに収録された「5つのクレーの絵」は画家パウル・クレーの絵からインスピレーションを受け、グラマースクールの子どもたちのために書かれた作品で、1959年に作曲、上演されてから一度はスコアが紛失するも、1976年に復元、好んで演奏されています。
 各々の曲は短いのですが、鳥の声や独奏楽器の活躍など、聴きどころの多い作品です。2つの協奏曲は彼らしい作風で、感覚的に訴えかけてくる曲と言えましょうか。トラック7は彼の個人的独白であり、これまた不思議な魅力に満ちています。
 

ZADOR, E.: Divertimento / Elegie and Dance / Oboe Concerto / Studies (Budapest Symphony Orchestra MAV, Smolij)
8.572549
\1100
ザドール:エレジーと舞曲 他
 1-2.エレジーと舞曲(1954)/3-5.オーボエ協奏曲(1975)/
 6-8.弦楽のためのディヴェルティメント(1954)/
 9-16.管弦楽のためのスタディ
  <前奏曲/ゆっくりとした幻想曲/奇想曲/
  序奏とスケルツォ/ポプリ/歌/強くして-弱くして/狂詩曲>
ラースロー・ハダディ(オーボエ…3-5)/
MAVブダペスト交響楽団/
マリウス・スモリジ(指揮)
録音 2011年9月9-11日 ブダペスト ハンガリー放送 第6スタジオ
 ユージン・ザドール(1894-1977 ハンガリー名…ザードル・イェネー)はハンガリーのバータセクに生まれ、アメリカ合衆国に移住した作曲家です。音楽を学んだのはウィーンとライプツィヒで、マックス・レーガーにも師事したことがあり、重厚な作風はここで身につけたといってもよいでしょう。1921年からは新ウィーン音楽院で教え、1935年からはブダペスト音楽院でも教鞭を執ります。しかし第二次世界大戦が勃発するとアメリカへ行き、映画音楽の分野でも大きな貢献を果たしました。彼の作風は「椿姫とルルの間」のようなスタイルとされ、伝統的な音色と20世紀のイディオムが融合した独自の作品がいくつも生み出されています。牧歌的な「エレジーと舞曲」、快活で表情豊かな「オーボエ協奏曲」と「ディヴェルティメント」、管弦楽の可能性の極限を追求したかのような「スタディ」と、ヴァラエティ豊かな音が詰まっています。彼の作品が気に入った方は同じ演奏家による作品集(8.572548)もどうぞ。更に色とりどりの刺激がお待ちしております。 
 

ALBERT, E. d': Symphony in F major / Symphonic Prelude to Tiefland (Leipzig MDR Symphony, Markl)
8.572805
\1100
準・メルクル(指揮)&ライプツィヒMDR交響楽団/
 ダルベール:交響曲 ヘ長調 Op.4 他

 1.歌劇「低地」への交響的プロローグ Op.34/
 2-5.交響曲 ヘ長調 Op.4
  <第1楽章:適度な動きで/
   第2楽章:ゆっくりと、しかし遅くなく/
   第3楽章:非常に迅速に/
   第4楽章:適度にゆっくりと-せわしなく>
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)
録音 2011年1月24-28日 ドイツ ライプツィヒ, アウグストゥスプラッツ MDRスタジオ
 スコットランドに生まれ、ドイツで活躍したダルベール(1864-1932)。独学で音楽の道を志し、神童として奨学金を得てロンドンとウィーンで学び、その後フランツ・リストに弟子入りした人としても知られています。彼はピアニストとしても素晴らしい才能を発揮し、恩師であるリストの作品を情熱込めて演奏することで、あのブラームスも恐れをなしたといわれてもいます。彼の代表作は歌劇「低地」であり、このアルバムに収録されている1924年に書かれた“交響的プロローグ”を聴くだけでも、ロマン派の情緒を全面に押し出した彼の作風が見てとれることでしょう。ピレネー山脈で羊飼いたちが吹く笛の音色で始まる美しい牧歌です。また「交響曲」は22歳の時の作品で、ブラームスの影響を感じさせながらも、その野心的な試みは聞き手をぞくぞくさせるだけの魅力を備えています。
 

ONSLOW, G.: Cello Sonatas, Op. 16, Nos. 1-3 (Kliegel, Tichmann)
8.572830
\1100
マリア・クリーゲル(チェロ)
 オンスロウ:チェロ・ソナタ集

 1-3.ソナタ ヘ長調 Op.16-1/
 4-7.ソナタ ハ短調 Op.16-2/
 8-10.ソナタ イ長調 Op.16-3
マリア・クリーゲル(チェロ)/
ニナ・ティックマン(ピアノ)
録音 2011年11月28-30日,12月1日 ドイツ ケルン,ドイツ放送室内楽ホール
 イングランドの貴族を父に持つも(父方の祖父が伯爵だった)、諸事情で…父親が当時禁じられていた同性愛の疑惑を受けたため亡命していた…フランスに生まれたオンスロウ(1784-1853)。基礎教育はロンドンで受け、クラーマーやドゥシェクから音楽を学びます。その後パリにもどり、1792年にはメユールのオペラを観て強い影響を受けました。作曲はパリで高名であったライハに師事、ここで数多くの室内楽作品を作曲し名を揚げます。ここに収録された3つのチェロ・ソナタは1820年に完成され、翌年パリで出版されたもの。よくベートーヴェンのソナタと比較されるほどの高い完成度を持ち、古典的な形式の中に魅力的な音が仕込まれています。優美さと力強さを兼ね備え、モダンな風貌も持つ精巧な作品です。
 
ブゾーニ:ピアノ作品集 8 - 24の前奏曲/中世のスケッチ(ハーデン)
8.572845
\1100
ブゾーニ:ピアノ作品集 第8集
 1-24. 24の前奏曲 Op.37(1881)/
 25-29.中世のスケッチ Op.33
  <淑女/騎士/戦士/占星術師/吟遊詩人>
ウォルフ・ハーデン(ピアノ)
録音 2012年1月21-22日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ブゾーニ(1866-1924)の「24の前奏曲」は1880年から81年頃の作品で、恐らくショパンの同名の曲にフィーチャーされた書かれたものでしょう。ただし、調性の配置こそはショパンと同じですが、各々の曲の持つ雰囲気はかなり違います。その上で、ショパンのような鮮やかな統一性を求めるよりも、ここでは一つ一つの曲の味わいを追求するほうがふさわしいように思います。またキャッチーなメロディは少ないものの、噛めば噛むほどに味わいが増す、まさに大人のための音楽です。もう一つの「中世のスケッチ」も素材こそ古風で、時としてシューマン風の香りを感じさせるも、やはり熟成した音色と響きはまさにロマン派の風合いであり、聴き手を陶酔の渦に巻き込むことは間違いありません。
 

THUILLE, L.: Violin and Piano Works (Complete) (Rogliano, G. Luisi)
8.572870
\1100
テュイレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番&第2番 他
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ホ短調 Op.30/
 4-7.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.1/
 8.アレグロ・ジュスト Op.39
マルコ・ロリャーノ(ヴァイオリン)/
ジャンルカ・ルイージ(ピアノ)
録音 2011年9月19-21日 イタリア オシモ、テアトロ・ラ・ヌオヴァ・フェニーチェ
 オーストリア出身のドイツの作曲家テュイレ(1861-1907 トゥイレとも)のヴァイオリン・ソナタを中心とした1枚です。1880年に作曲された第1番のソナタは、彼の師であったラインベルガーに捧げられた作品ですが、暗さの中に溢れるような情熱の発露が素晴らしく、とりわけ第1楽章のメロディの動きは、おそらく後のR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタに大きな影響を与えているのではと推測したくなるような素晴らしさです。テュイレとR.シュトラウスは親友同士でしたが、現在ではどうしてもテュイレの存在は影に隠れてしまいがち。しかしこのヴァイオリン・ソナタを聴く限りでは、甲乙付けがたい才能を有していたことは間違いないでしょう。1904年に出版された第2番は、フランスのヴァイオリニスト、アンリ・マルトーに捧げられたもので、一層自由な表現力を備えた力作です。なお、本当のところは「テュイレ」も「トゥイレ」も呼び方としては間違いで、フランス風の「テュイユ」と読むのが正しいのだそうです。
 
GIRARD, A.: Cercle de la Vie (Le) / Eloge de la folie / Les Noces d'Orphee / L'Effroi de la nuit froide (Fessard, Bihan, G. Girard)
8.572993
\1100
アンソニー・ジラール:痴愚神礼讃
 1.痴愚神礼讃-クラリネットとピアノのためのソナタ/
 2.オルフェウスの結婚-クラリネット、チェロとピアノのためのトリオ/
 3.寒い夜の恐怖-クラリネット・ソロのための/
 4-27.生命の輪-ピアノのための24の前奏曲
ジュヌビエーブ・ジラール(ピアノ…1-2.4-27)/
ジャン・マルク・フェサール(クラリネット…1-3)/
ファブリース・ビアン(チェロ…2)
録音 パリ地域圏立音楽院 マルセル・ランドウスキ・アウディトリウム, 2010年7月12-13日…1-3, 2011年8月31日…4-27
 アンソニー・ジラール(1959-)は現代フランスにおけるもっともユニークな作品を送り出す作曲家のひとりです。彼はフォーレ、ドビュッシーから連なる伝統を受け継ぎ、そこにミニマリズムと東洋の神秘的な要素を付け加え、独自の音楽を作り出します。彼の音楽はタイトルもとても凝っていて、例えば「痴愚神礼讃」は16世紀にロッテルダムのエラスムスが書いたエッセイのタイトルを借用していますが、それだけではなく神秘主義教団へのオマージュでもあり、ミニマル的な音楽は聴き手の正常な思考を麻痺させるかのようなものでもあります。「詩的で謎めいた」感触はこのアルバム全てを支配していて、どの曲も味わい深い余韻を残しつつ、音は消えていきます。
 
GOEHR, A.: Marching to Carcassonne / When Adam Fell / Pastorals (P. Serkin, BBC Symphony, London Sinfonietta, Knussen)
8.573052
\1100
アレクサンダー・ゲール:カルカソンヌへの行進 他
 1.アダム堕ちし時 Op.89(2011)/
 2.牧歌 Op.19(1965)/
 3-11.カルカソンヌへの行進
  <行進曲/序/インヴェンション/シャコンヌ/行進曲/
  夜/ブルレスケ/行進曲/…カルカソンヌへの行進、迷宮>
ピーター・ゼルキン(ピアノ)…1.2/
BBC交響楽団…1.2/
ロンドン・シンフォニエッタ…3-11/
オリヴァー・ナッセン(指揮)
録音 UK,ロンドン 2012年1月13日 バービカン・ホール ライブ収録…1, 2011年7月1-5日 BBCメディア・ヴェイル 第1スタジオ…2, 2003年5月22日 クィーン・エリザベス・ホール…3-11
 アレクサンダー・ゲール(1932-)は、イギリスの現代作曲家のひとり。ハリソン・バートウィスルやピーター・マックスウェル・デイヴィスとともに「マンチェスター楽派」のひとりとして、めきめきと頭角を現した人として知られています。彼の作品は透明な表現力と豊かな響きを持ち、その知的厳密さには息をのむこと間違いありません。パリではメシアンに師事していて「その独自の作風に強い影響を受けた」と自らが語っています。このアルバムではそんな彼の作風をじっくりと味わうことができます。タイトルにもなっている「Marching to Carcassonne」は不可思議かつ異様な雰囲気を持つ作品であり、トラック1.2は名手ピーター・ゼルキンがピアノを弾くという注目曲。そして全体をまとめているのがこれまた注目のオリヴァー・ナッセン!現代曲に興味のある人必携の1枚です。
 
HASSE, J.A.: Didone abbandonata [Opera] (Holzhauser, Ferri-Benedetti, Barna-Sabadus, Hinterdobler, Celeng, Burkhart, Hofkapelle Munchen, Hofstetter)
8.660323
(3CD)
\3300
ハッセ:歌劇「捨てられたディドーネ」(1742)
 3幕のオペラ・セリア ピエトロ・メタスタージオ 台本、
 フランチェスコ・アルガロッティによる改訂
<CD1>
 1.シンフォニア/2-9.第1幕/
<CD2>
 1-5.第2幕/
<CD3>1-6.第2幕 続き/7-12.第3幕
ディドーネ(ディド)…テレサ・ホルツハウザー(メゾ・ソプラノ)/
エネア(エネアス)…フラヴィオ・フェッリ=ベネデッティ(カウンターテナー)/
イアルバ(イアルバス)…ヴェラール・バルナ=サバドゥス(カウンターテナー)/
セレーネ…マグダレーナ・ヒンタードブラー(ソプラノ)/
アラスペ…マリア・チェレン(ソプラノ)/
オスミダ…アンドレアス・ブルクハルト(バリトン)/
ミュンヘン・ホーフカペレ/
ミヒャエル・ホフシュテッター(指揮)
録音 2011年5月24日-6月1日 ドイツ ミュンヘン,プリンツレーゲンテンテアター
 最近、全世界的に作曲家ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783)の作品が見直されています。
 日本ではまだまだ認知度が低いのが残念ですが、バロック・オペラの発展に大きく貢献したハッセの作品は、一度聞けば強烈な印象を残すことは間違いありません。その理由の一つは優れたカウンターテナーを多く起用すること。この独特な声色の美しさと妖艶さは、ソプラノを主人公とするロマン派以降のオペラにはあまり出てこないものです。
 この「ディドーネ」でも2人のカウンターテナーが大活躍。不思議な魅力を振りまいています。ここでイアルバを歌うサバドゥスは、既に他のアルバムでフィーチャーされていて(OEHMS OC830)、そこでも彼はハッセの魅力を滔々と語っています。また粗筋も興味深く、天才台本作家メスタージオによるこの物語は、有名なディドとエネアスのエピソードと同じでありながら、全く違う劇的迫力を持つものであり、当時のオペラというものの存在価値を伺わせる素晴らしい作品となっています。

8.559690
スーザ:吹奏楽のための作品集第11集
 1.行進曲「マザー・ハバート」/2.行進曲「合衆国と歩調をそろえて」/
 3.「パーラーとストリート」幻想曲/4.行進曲「ウルヴァリン」/
 5.行進曲「地球と鷲」/6.「説教壇と安楽椅子」幻想曲/
 7.行進曲「オン・パレード」/8.序曲「タリー・ホー!」/
 9.行進曲「われら進撃中」/10.行進曲「リバティ・ローン」/
 11.行進曲「ナショナル・フェンスィブル」/12.行進曲「ガイド・ライト」/
 13.あなたはわが心の花-スウィート・アデリーヌ幻想曲/
 14.行進曲「ボニー・アニー・ローリー」
  ※K.ブライオンによる吹奏楽編…1-3.6-8.10-11.13-14/
   L.シッセルによる吹奏楽編…4.9.12./
   M.ロジャースによる吹奏楽編…5
王立スウェーデン海軍バンド/
キース・ブライオン(指揮)
録音 2010年9月27-29日スウェーデン,カールスコロナ,アドミラルティ教会(Urlca Pia)
 大人気シリーズ、スーザのマーチ集です。今回もパワーに満ち溢れた14曲があなたをお待ちしております。もちろんどれもが魅力的なことは言うまでもありません。愛国心に溢れた曲もあり、ちょっと面白い曲もあり、どこから聴いても楽しさ満載です。
 例えばトラック10の「リバティ・ローン」は、第1次世界大戦中に販売された米国債の名前で、曲中では「自由」を表現する鐘の音が使われていますが、これが大好評で、なんと初期のビクター盤が40万枚も売れたのだとか。収録曲で一番長い「パーラーとストリート」幻想曲はオペラやオペレッタの名曲がコラージュされたもので、途中で聴いたことがあるメロディが次々と現れます。
 またトラック14はタイトル通り、有名な民謡がモチーフとして使われています。ブライオン率いる王立スウェーデン海軍バンドは、いつもの通り冴えた演奏を聴かせます。
 


8.572491
ヴァレンティナ・リシッツァ:ピアノ・リサイタル
 1-3.ベートーヴェン(1770-1827):
  ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op.57/
 4-16.シューマン(1810-1856):子どもの情景Op.15
  <見知らぬ国と人々から/不思議なお話/鬼ごっこ/ねだる子ども/
   満足/重大な出来事/トロイメライ/炉端で/木馬の騎士/
   むきになって/こわがらせ/眠っている子ども/詩人のお話>/
 17.タールベルク(1812-1871):「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲Op.63/
 18.リスト(1811-1886):死の舞踏S525/R188
ヴァレンティナ・リシッツァ(ピアノ)
録音 2008年5月3-4日ドイツ ハノーヴァー,ベートーヴェンザール

 その昔リシッツァに「CD出して〜」というメールをしたとき、「もうすぐNAXOSから出るよ」という軽い返事が来たことがあったが、待てど暮らせどそれらしきものが出て来ない。
 ただいろいろ調べていたら、海外では一部発売されていたみたいだった。それがこのアルバム。演奏曲目は2009年のソロ・コンサートとほとんど同じ。ただどうしても手に入れることができなかった。
 それがおそらく今回DECCAデビューしたからだろう、あわててNAXOSも再プレスしたと思われる。DECCAからはソロ・アルバムに続いてラフマニノフのピアノ協奏曲全集も登場。市場を席巻しそうな勢いである。

 世界中の批評家、聴衆から「電撃的なピアニスト」、「善意の天使による演奏」と絶賛される若きウクライナのピアニスト、ヴァレンティナ・リシッツァ。NAXOSにも彼女が伴奏として参加したCD(8.572506)があり、その才能の片鱗を知ることはできたのですが、「もっともっと聴きたい」とフラストレーションのたまりがちな1枚でもありました。今作では、そんな彼女の多彩な才能をたっぷりと味わっていただけることと思います。
 力強いベートーヴェン、一転してロマンティックの極みとも言えるシューマン。この2作品だけでも彼女の表現の幅広さを実感していただけるはずです。超絶技巧を知りたければタールベルクを聴いてみてください。その恐ろしいほどの指の回り方に舌を巻くことでしょう。
 そして最後のリスト。彼女がなぜ「恐ろしいまでの才能」と称賛されているのかが直感でわかるはずです。

こちらであのDVDを限定販売中。完売したらごめんなさい。
 

8.570990
2012年1月に逝去したミュラー=ブリュールの最後の録音
モーツァルト:ディヴェルティメント第11番&第17番

 1-6.ディヴェルティメント第11番ニ長調K251
  <モルト・アレグロ/メヌエット/アンダンティーノ-アレグレット/
   メヌエット:主題と変奏/ロンド:アレグロ・アッサイ/フランス風行進曲>/
 7-12.ディヴェルティメント第17番ニ長調K334
  <アレグロ/主題と変奏:アンダンテ/メヌエット/
   アダージョ/メヌエット/ロンド:アレグロ>
ケルン室内管弦楽団/
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指揮)
録音 2011年9月13-16日ドイツケルン,ドイツ放送カンマームジークザール
 2012年1月に逝去したミュラー=ブリュールの最後の録音です。ヘルマン・アーベントロートの弟子として1964年以来、アーベントロートが創設したケルン室内管弦楽団の指揮者として活躍、NAXOSのドイツ古典派のレパートリーの拡充に努め、常に質実剛健、いぶし銀の美しさを思わせる演奏を聴かせたブリュールですが、2007年のバッハのカンタータと、ハイドンのいくつかの協奏曲の録音以来は、ほとんど指揮活動から遠ざかったいた彼を、指揮台に呼び戻したのが、このモーツァルト(1756-1791)の2つのディヴェルティメントだったのです。
 そして、まるで天上の響きのような優美な2曲を残し、彼は光溢れる世界へと旅立っていきました。今頃はバッハやモーツァルトと音楽を語りあっているのでしょうか。


旧譜
店主、120%の自信を持ってお奨めするミュラー=ブリュールのアルバム


NAXOS
8.554018
¥1100
テレマン:<リコーダーのための組曲と協奏曲集>
 リコーダー、弦楽と通奏低音のための組曲イ短調/
 リコーダー、弦楽と通奏低音のための協奏曲ハ長調/
 リコーダー、フルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲ホ短調/
 リコーダー、弦楽と通奏低音のための協奏曲ヘ長調
ダニエル・ロテルト(リコーダー)
エルケ・マルタ・ウンバッハ(Fl)
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮
ケルン室内管弦楽団
 ・・・ほとんど誰も知らないテレマンのアルバム。「リコーダーのための組曲と協奏曲集」。これがミュラー=ブリュールの清らかで溌剌とした感性にあふれた名盤。テレマンのアルバムを聴いて感動したという経験は幸か不幸かこれが最初。しかも始めはそれがミュラー=ブリュールの演奏とは知らずに聴いていた。まあ、なんとも快活で洒落てて粋な演奏じゃないの、と思って手に取ったらミュラー=ブリュールだった。彼はもともと室内楽寄りの人間で、こうした小編成作品などのほうが性に合っているのかもしれない。縦横無尽に幸せそうにふるまう演奏家陣を、締めるでもなく緩めるでもなく、いい具合にまとめながら生き生きとした素敵な音楽空間を作り上げる。
 NAXOS十指に入るお気に入りのアルバムである。(「このNAXOSを聴け!」より)

 


8.572626 (2CD)
ブラジルの“モーツァルト”
グァルニエリ:ピアノ作品集第1集

<CD1>
 1.黒いダンス(1946)/2.ブラジルのダンス(1928)/3.乱舞(1931)/
 4-13.ポンテイオ第1集(1931-1935)/
 14-23.ポンテイオ第2集(1947-1949)/
 24-33.ポンテイオ第3集(1954-1955)/
<CD2>
 1-10.ポンテイオ第4集(1956-1957)/
 11-20.ポンテイオ第5集(1958-1959)/
 21-24.小組曲(1953)/25-27.ピアノ・ソナタ(1972)
マックス・バロス(ピアノ)
録音 ニューヨークヨンカーズ,オクタヴェン・スタジオ2011年5月23-24日,7月1日,9月25日,10月23日,11月8日
 20世紀ブラジルを代表する作曲家“モーツァルト”カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993)。ファーストネームの真の読み方は「モザルト」になりますが、どちらにしても音楽好きの父親が畏れ多くも、あの神童の名前をいただいてしまったのは有名な逸話です。そんなグァルニエリですが、とても色彩感たっぷりの音楽を書く人で、NAXOSレーベルからリリースしているピアノ協奏曲なども、熱い音楽好きの人気を集めています。
 そんな彼のピアノ曲もとても情熱的なもので、どことなくジャジーな「3つの舞曲」を始め、彼による造語である「ポンテイオ」(ポルトガル語の「弦楽器を弾く(pontear)」と「前奏曲(preludio)」の合成)での心躍る小品集など、本当に魅力たっぷり。現代的な響きの中にどこか懐かしさを感じさせてくれるのが素晴らしい!しゃれた音楽を聴きたい人にぜひオススメ。
 

8.559731
至福と私の間〜エミリー・ディキンソンの詩による歌曲集
《自然の詩》
 1.コープランド(1900-1990):自然、全てのもののやさしい母は/
 2.デューク(1899-1984):ハチよ、お前が待ち遠しい/
 3.フェアウェル(1872-1952):蝶々/
 4.コープランド:彼らはいつ戻ってくるの/
 5.フェアウェル:貴族/
 6.ベーコン(1898-1990):草原をつくるには/
 7.コープランド:眠りはこのように/
《アイデンティティの詩》
 8.ベーコン:それは私が持っている全てのもの/
 9.ライトマン(1955-):私はそれを手に入れた/
 10.フェアウェル:私は誰でもない、あなた誰?/
 11.リチャード・ペアソン=トーマス:私は荒野をみたことがない/
 12.スコット・ゲンデル(1977-):沈む夕日はカップに入れて(忘れられた光より)/
《愛の詩》
 13.ゲンデル:ワイルドナイツ!(忘れられた光より)/
 14ベーコン:そして、この全ての私の希望は/
 15.フェアウェル:ワイルドナイツ!/
 16.コープランド:心よ、彼のことは忘れよう/
《死の詩》
 17.コープランド:世界がほこりっぽい感じ/
 18.コープランド:私は頭の中に葬式を感じた/
 19.コープランド:戦車/
《永遠の詩》
 20.コープランド:なぜ彼らは私を天国から締め出すのですか?/
 21.フェアウェル:安息日/22.コープランド:天国へ行くところ!/
 23-27.リー・ホイビー(1926-2011):輝ける場所
  <輝ける場所/手紙/どのように水が閉じ/
   ワイルドナイツ!/風がラッパのように来た>
ジュリア・フラウクナー(S)/
マルタ・フィッシャー(p)…1-22/
リー・ホイビー(p)…23-27
録音 2009年3月14-16日…1-22, 2007年5月30日…23-27 ウィスコンシン=マディソン大学ミルズ・コンサート・ホール
 アメリカ北東部ニュー・イングランドの田舎町に生まれ育ち、その外にでることはめったになく、そして人生の半ばからは家の外にも殆ど出ることなく、ただただ詩を書いていたエミリー・ディキンソン。生前出版されたのはたった10篇。それも自らが進んで発表したわけではなくあくまでも匿名だったそう。そんなディキンソンの詩が認められたのは何時頃からなのでしょう?
 彼女の詩は極めて簡潔で易しい言葉で書かれていますが、だからこそ深い思いと真実をたくさん秘めています。彼女が“Why…”と呟くだけで、その言葉は翼を得て大空へ舞い上がっていくかのようです。
 そんなディキンソンを愛する作曲家も数多く19世紀の作曲家だけでなく現代の作曲家も彼女の詩に美しい音楽をつけています。ソプラノのフラウクナーの透明感に満ちた歌唱でこの「孤独な世界」を味わってください。
 


8.570487
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第5番他
 1.無窮動ハ長調 Op.11/
 2-4.ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調
  (管弦楽パート…F.モンペリオ編)/
 5.ロッシーニの「タンクレディ」の
  アリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲Op.13
イワン・ポチョーキン(ヴァイオリン)/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団/
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
録音 2011年8月28-31日…1.5, 2007年10月13-17日…2-4 モスクワ,ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」,第5スタジオ
 19世紀前半、彗星の如く現れたスター・ヴァイオリニスト、パガニーニ(1782-1840)。悪魔に魂を売り渡したと噂される伝説的な超絶技巧の持ち主であり、優れた作曲家でもありました。
 その華麗な作品は同時代のみならず、後世にも強い影響を与えています。生涯に6曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しましたが、1830年頃に書かれたとされる第5番の協奏曲には独奏部分のみが現存しオーケストラ・パートはありませんでした(完成前にパガニーニが死亡したのでは?と言われています)。
 イタリアの音楽学者フェデリコ・モンペリオ(1908-1989)によるオーケストラ伴奏は、ヴァイオリンの輝く音色を存分に引き出しています。ヴァイオリンを演奏するポチョーキンは、1987年モスクワ生まれの超新星。7歳でオーケストラと共演、2005年にはモスクワ・パガニーニ国際コンクールで優勝するなどの輝かしい実績をあげている期待の人。
 たっぷりとした濃厚な歌い口は昨今のスタイリッシュな演奏とは一線を画したものと言えるでしょう。
 


8.570944
F.クープラン:ヴィオラ・ダ・ガンバのための組曲
 1-7.ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第1組曲ホ短調
  <前奏曲/アルマンド・レジェール/クーラント/サラバンド・グラーヴェ/
   ガヴォット/ジーグ/パッサカリアとシャコンヌ>/
 8-11.ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のための第2組曲イ長調
  <前奏曲/フガート/葬儀/白いシャツ>/
 12-15.クラヴサンのための第27組曲
  <上品な女/けしの実/中国風/頓智>
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)…1-11/
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)
録音 2011年5月16-18日フィンランドカルヤー,聖カテリーネ教会
 フランソワ・クープラン(1668-1733)は、多くの音楽家を排出したクープラン家でもとりわけ有名な存在であり、オルガニストとしてルイ14世の御前演奏を行うほか、数多くのクラヴサン(フランス語でチェンバロを表わす)のための作品を残しています。基本的に鍵盤音楽の作曲家として知られていますが、コンセールと呼ばれる多くの室内楽作品も残しています。
 このヴィオール組曲は1728年に出版されたクープラン晩年の作品で、フランス組曲の形式に、イタリア風の形式をわずかに盛り込んだ意欲作で、この年に亡くなったマラン・マレを偲んで書いたと言われています。
 クラブサンのための第27組曲は、ヨーロッパにおける中国への関心が現れた作品。当時の人々におけるアジアのイメージがそこはかとなく感じられる興味深い音楽です。静かな午後、お茶でもしながら聴きたい1枚です。


店主お奨めの北欧の天才ハッキネン、旧譜
AEOLUS
AE-10057
(SACD HYBRID)
\2,700→\2,290
ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲集Vol.1

  チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV.1052
  チェンバロ協奏曲第2番ホ長調BWV.1053
  チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV.1056
  イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971
アーポ・ハッキネン(チェンバロ)
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 北欧の名手アーポ・ハッキネンのJ.S.バッハ!共演はヘルシンキ・バロック・オーケストラ!
 ヘルシンキ出身の名手アーポ・ハッキネンとヘルシンキ・バロック・オーケストラのコンビによるJ.S.バッハの「チェンバロ協奏曲集Vol.1」!
 アスペレン、アンタイ、ファン・デルフト、レオンハルトといった錚々たる名匠たちから古楽奏法を学んだハッキネンは、北欧フィンランドが誇るワールドクラスの古楽系鍵盤奏者。
 イタリアの名ヴァイオリニスト、リッカルド・ミナージを擁するヘルシンキ・バロック・オーケストラとのバッハが、北欧の古楽の充実する"現在"を聴かせてくれる。2010年5月の録音。

 
Xaver Dussek: Four Symphonies
NAXOS
8.572683
\1100
ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
F.X.ドゥシェク:4つのシンフォニア集
  1-3.シンフォニア ト長調Altner G4/
  4-6.シンフォニア 変ロ長調Altner Bb2/
  7-9.シンフォニア イ長調Altner A3/
  10-13.シンフォニア 変ロ長調Altner Bb3
ヘルシンキ・バロック管弦楽団/
アーポ・ハッキネン(指揮)
 チェコ生まれの作曲家、チェンバロ奏者フランツ・クサヴァー・ドゥシェク(1731-1799 ヤン・ラディスラフ・ドゥシークとは別人です)のシンフォニア集です。彼はモーツァルトの友人であり、当時のプラハにおける管弦楽作品の主要な作曲家でした。彼の作品はホフマン、ディッタースドルフなどと同等の影響力を有していたもので、まさに“正統派18世紀音楽”たる風情を醸し出しています。各々の楽器の使い方も特徴的で、この独特な響きはモーツァルト作品にはあまり見られないものでしょう。
 彼の作品は8.555878でも「3つのシンフォニア」が聴けますが、オーケストラ、指揮者の違いが際立つところがとても面白く、この点での聴き比べも興味深いところです。

  


8.572357
キャスリーン・ストット(ピアノ)
マックスウェル・デイヴィス:ピアノ協奏曲・世俗的な至福

 1-3.ピアノ協奏曲(1997)/
 4-9.世俗的な至福(1966-1969)
キャスリーン・ストット(ピアノ)…1-3/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指揮)
録音 1997年11月12日ロンドンキルバーン,アウグスティン教会…1-3, 1993年3月ロンドントゥーティング、全霊教会…4-9 Collins Classics原盤
 キャサリン・ストットは現在イギリスで最も尊敬されているピアニストの一人であり、ソロだけでなく、室内楽奏者としても活躍、また音楽大学で教鞭を執るなど活発な活動をしています。
 このマックスウェル・デイヴィス(1934-)のピアノ協奏曲は1997年に彼女のために書かれたものです。多くの作曲家と違い、なかなかピアノとヴァイオリンのための協奏曲を書かなかったデイヴィスですが、それはどうも納得できるソリストに出会わなかったためのようで、1985年にはアイザック・スターンのためにヴァイオリン協奏曲を、そして1997年には前述のキャサリン・ストットのためにピアノ協奏曲を作曲したのでした。
 デイヴィスらしい変幻自在な楽想を持った作品であり、もちろん初演時のソリストはストットが務め、聴衆と批評家からは大きな賛辞を得たのです。一方「世俗的な至福」は中世、ルネサンス音楽の雰囲気を感じさせる静かなレントで始まる音楽。
 交響曲作家として名を挙げる前に書かれた、宗教的な感覚を現代的センスで包み込んだ神秘的な作品です。どちらも作曲家自身の指揮による納得の演奏です。
 


8.572698
ジェラード・シュワルツ&シアトル交響楽団
 1-4.ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第6番ニ長調 Op.60/
 5-11.ヤナーチェク(1854-1928):弦楽のための牧歌
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
録音 2009年5月5.8日ワシントン、シアトルマーク・テーパー財団オーディトリアム-ベナヨラ・ホール…1-4, 2011年4月27.29日バル・ノルドストロームリサイタル・ホール-ベナヨラ・ホール…5-11
 ドヴォルザークの交響曲の中でもとりわけ明るい表情を持つ「第6番」は、1880年に作曲されまたしたが、曲調や調性から、その3年前に書かれたブラームスの第2番の交響曲との関連を指摘されることが多いのどかで美しいメロディに満たされた名作です。
 ハンス・リヒターの依頼によって作曲され、本来は1880年にウィーン・フィルが初演することになっていたのですが、これは実現しませんでした(一説によるとメンバーの一部がチェコの作品の演奏を拒否したと言われてます)。
 結局初演はその翌年の1881年3月にプラハで行われ、その翌年にはロンドンとライプツィヒ、そして1883年になってようやくウィーンで初演されたのでした。もう1曲のヤナーチェクの「牧歌」は1878年にブルノで初演された作品。まだ晩年の作品のような粘っこさは少ないものの、ボヘミア民謡を巧みに生かした聴き応えのある組曲です。
 各々の曲には簡単な速度表示が付いているだけで、これが聴き手の想像力を存分に刺激するのです。
  


8.572713
グリエール:チェロとの二重奏曲全集
 1-8.ヴァイオリンとチェロの8つの二重奏曲Op.39/
 9.チェロとピアノのためのバラードOp.4/
 10-19.2台のチェロのための10の二重奏曲Op.53/
 20-31.チェロとピアノのための12のアルバムの綴りOp.51
マルティン・ルンメル(チェロ)/
アレクサンダー・ヒュルスホフ(チェロ)/
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
ティル・アレクサンダー・ケルバー(ピアノ)
録音 オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク2011年2月14日…9, 2011年7-8日…1-8.10-19, 2011年12月22日…20-31
 ロシア生まれですが、父はドイツ人、母はポーランド人であった作曲家グリエール(1875-1956)。祖先にもロシア人はいなかったようなので厳密には「ロシアの作曲家」とは言えません。もちろんモスクワ音楽院で教育を受けましたが、1901年からベルリンに留学し、指揮者オスカー・フリートに指揮法を学んだことでも知られます。
 作曲はタネーエフに学び、1920年から1941年までモスクワ音楽院で教鞭を執りました。彼の作品は装飾的であり、また独創的なメロディに満ちていて、年齢を重ねることに「アジア的」なものへの傾倒も強くなっていきました。
 とは言え、ここに収録された作品は1902年の初期のものから1911年頃に書かれた国民楽派の趣きを有した曲で、小さな編成からオーケストラの響きを紡ぎだす、グリエールの手腕を存分に楽しむための色彩的な曲が並びます。


旧譜
このアルバムが素敵でした
GLIERE: 12 Pieces, Op. 51 / PROKOFIEV: Cello Sonata
DIVOX
CDX 25254
\2200→\1990
グリエール:
 チェロとピアノの為の12ページのアルバムOp51

プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調Op119
エステル・ニッフェネッガー(チェロ)
ミラーナ・チェルンヤフスカ(ピアノ)
 グリエールの、名前すら聞いたことがなかった「チェロとピアノの為の12ページのアルバム」という曲。それはもう何の期待もしないでかけた。
 そうしたら、これがまあ、はまった。
 あの弦楽四重奏曲にも負けないほどの美しいロシア・ロマン。12曲の小品なのだけど(ニッフェネッガーはばらばらに解体して収録している。しかも途中でプロコフィエフを入れるという凝ったプログラミング。)、その1曲1曲がなんともいとおしい秀作。とくに数曲は一度聴いたら忘れられないような名旋律だったりする。
 例によってちょっとオリエンタルな雰囲気が漂い、それが抜群。
 ソ連の音楽的偉人であるグリエールだが、実はグリエール自身にはロシア人の血は流れていない。だがおそらくそれがグリエールをグリエールたらしめたのだろう。洗練された西欧の音楽気質と、ロシアの伝統的なロマン、そしてオリエンタルで異国的な情緒というのが違和感なくうまくミックスされ、完成されて生まれてくるのである。
 ソ連では「社会主義リアリズム」の模範的優等生的作曲家とみなされていたグリエール。そして時代にそぐわぬ(1875年生まれ−1956年没、シェーンベルクやアイヴズとほぼ同世代)保守的でロマンティックな作品を書き続けてきた。そんないろんな理由から大作曲家として世界に認められるには障害が多かった。
 が、数十年もたった今となっては、グリエールがどういう時代にどんな考え方で生きていようが、その作品が美しく優れていればそれはそれで価値があると思う。
録音:2007年7月

 


8.572759
ヨーゼフ・メルク:イタリアからの花〜チェロ作品集
 1.スイス風エアと変奏曲Op.32(愛好家のために第8番)/
 2-6.イタリアからの花-新しいオペラからの名旋律による幻想曲
  <第1番:ドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」Op.26-1/
   第2番:ドニゼッティ「ランメルムーアのルチア」Op.26-2/
   第3番:ドニゼッティ「トルクァート・タッソ」Op.26-3/
   第4番:ドニゼッティ「ドン・セバスティアン」Op.26-4/
   第5番:ヴェルディ「エルナーニ」Op.31>/
 7.華麗なるワルツOp.6
マルティン・ルンメル(チェロ)/
ローランド・クリューガー(ピアノ)
録音 2011年9月12-13日オーストリアケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
 19世紀前半のウィーンで「最も傑出したチェリスト」として名を挙げたヨーゼフ・メルク(1795-1852)。あのベートーヴェンの三重協奏曲も彼が積極的に演奏し(彼のために書かれたのではない)曲の名声を高めたのです。
 また、あのショパンの初期の名作「序奏と華麗なるポロネーズ」もメルクに献呈されています。このアルバムに収録されているのは「作曲家」としての仕事であり、当時全盛を誇っていた「オペラのモティーフを器楽曲に編曲する」シリーズが中心に聴くことができるものです。良く知られた名旋律がチェロで朗々を歌われるのを聴くと、やはり人の声とチェロの音色は親和性を持っているのだな。思われる方も多いことでしょう。
 トラック1の「エアと変奏曲」は副題に"愛好家=アマチュアのために"と記されていますが、とてもアマチュアの手におえる作品ではないところもご愛嬌。
 演奏しているのはメルクの良き理解者であるチェリストのマルティン・ルンメル。彼は他レーベルにも「20の練習曲」を録音するなど、この知られざる作曲家の普及に努めています。
 

8.572891
モーリス・グリーン:スペンサーのアモレッティ
 《E.スペンサーのアモレッティによる25のソネット集》

  1.After so long a race/2.Happy ye leaves/3.Faire Eyes/
  4.Ye tradefull merchants/5.The rolling wheele/
  6.The merry Cuckow/
  7.How long shall this like dying life endure/8.The Laurell leafe/
  9.Like as a ship/10.What guile is this/11.Arion/12.Sweet smile/
  13.Marke when the smiles/
  14.The Love which me so cruelly tormenteth/
  15.Trust not the treason of those smiling lookes/
  16.Fayre cruell/17.Faire yee be sure/18.Thrise happy she/
  19.After long stormes/20.Like as a huntsman/21.Fresh Spring/
  22.One day I wrote her name upon the strand/23.Lacking my love/
  24.Since I did leave the presence of my love/25.Like as the Culver
ベンジャミン・ヒューレット(テノール)/ジャンジャコモ・ピナルディ(テオルボ)/リューク・グリーン(チェンバロ)
録音 2012年2月20-22日UK サフォーク,スネープ・マルティングス,ブリテン・スタジオ
 18世紀に活躍したイギリスの作曲家、オルガン奏者モーリス・グリーン(1696-1755)は、聖職者の息子としてロンドンに生まれ、セント・ポール大聖堂の少年聖歌隊員となります。その後オルガニストとしての研鑚を積み、大聖堂のオルガニストから王室礼拝堂のオルガニストとなり、1735年からは英国王室の楽長を務めました。しかし王室はヘンデルを好んだため、グリーンはもっぱら教会音楽の作曲に励んだようです。
 エドマンド・スペンサー(1552頃-1599)はシェークスピアと同時期の、エリザベス1世の時代に活躍した詩人ですが、好戦的な人物であったようで、幾度かの暴動に加わったり、扇動的な論文を書いたりと、なかなか興味深い人生を送っています。スペンサーの“アモレッティ”は“妖精の女王”“祝婚歌”と並ぶ彼の代表作であり、独特な韻文と古風な言葉を用いた詩集で、言葉の羅列だけでも素晴らしいリズムを持っているものです。
 このスペンサーの詩による歌曲集は、英国音楽の歴史の中でも最古の歌曲の一つであり、1739年に出版された時は高い人気を誇ったものです。テノールのヒューレットのまっすぐに伸びる心地良い声は、ひとしきり世間の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。
 

CLEMENTI, M.: Symphonies Nos. 1 & 2 / Overture in D major (Rome Symphony Orchestra, La Vecchia)
8.573071
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)&ローマ交響楽団
 クレメンティ:交響曲第1番&第2番他

 1.序曲ニ長調/
 2-5.交響曲第1番ハ長調 WO32(P.スパーダ編)/
 6-9.交響曲第2番ニ長調 WO33(P.スパーダ編)
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 2011年12月29-30日ローマOSRスタジオ
 「ピアノフォルテの父、演奏家、教師、出版社、ピアノ制作者」として知られるムツィオ・クレメンティ(1752-1832)。しかし彼は晩年に至るまで「交響曲作曲家」として知られたいと考えていたのです。とは言え、モシェレスが「クレメンティのシンフォニーは1820年代以降はヨーロッパの演奏会のレパートリーから消えてしまった」と語るように、クレメンティの交響曲は初期の2曲、Op.18を除いては消滅したとまで言われていました(一説によると、クレメンティ自身が「絶望の発作」で全て破棄したとも)。しかし、1921年にフランスのジョルジュ・ドゥ・サン・フォワがいくつかの未完全なスコアを見つけ出し、これを復元。4曲の交響曲と序曲、メヌエット・パストラールとして形にしたのです。当時はあのカセッラも好んで演奏したというこれらの曲は、同時代のケルビーニの作品を凌駕する溌剌とした音楽であり、忘れたままにしておくのは本当にもったいない名作です。



NAXOSイタリアものでベストセラー続出!
ラ・ヴェッキアのカセッラ作品集

8.572413
¥1100
カセッラ:交響曲第 1 番ロ短調 Op.5 他
 1-3.交響曲第1 番ロ短調 Op.5(世界初録音)/
 4-6.ピアノ,ティンパニ,パーカッションと弦楽のためのOp.69
デシレ・スクックリア(ピアノ)…4-6/
アントニオ・セラヴォーロ(パーカッション)…4-6/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 最近、人気が復興しつつあるイタリアの作曲家、カセッラ(1883-1947)の管弦楽作品を4 枚のアルバムに収録するシリーズの第1 作です。世界初録音となる交響曲第1 番は、作曲家の23 歳の誕生日の前日に完成された作品です。パリ音楽院でフォーレに作曲を学んだ彼らしく、先人の影響も多分に認められますが、至るところに若き自信のようなものも感じられ、独自の道を切り開こうとする青年の苦悩が散りばめられているかのようです。暗く垂れこめた雲の間から光が射すかのように美しい第2 楽章に心惹かれぬ人はいないでしょう。かたや1943 年に作曲された「協奏曲」はまるで筋肉が収斂するかのようなメカニカルで躍動的な音楽です。40 年ほどの年月を経ると人はこのように変化していくのですね。しかし終楽章にはまたロマンティックな風景に立ち返ります。これが彼における原風景なのかもしれません。

8.572414
¥1100
カゼッラ:交響曲第 2 番ハ短調 Op.12 他
 1-4.交響曲第 2 番ハ短調 Op.12…世界初録音/
 5.ピアノとオーケストラのための「深夜に」Op.30bis
ユ・ソンヒ(ピアノ)…5/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 1910 年4 月17 日、マーラー自身の指揮による「復活交響曲」がフランスのシャトレ劇場に鳴り響きました。その時、ドビュッシーは途中で退場してしまいましたが、若き作曲家カゼッラ(1883-1947)の体は興奮で打ち震えていました。そんな強い感銘を受けたカゼッラがこの交響曲を書いたのは当然の成り行きと言えるでしょう。最初の音、そして打ち鳴らされる鐘の音。これはまさにマーラーそのもの。人間の苦悩を一身に背負ったかのような悲痛な表情を見せています(この交響曲は結局公表されることなく、すっかり忘れ去られてしまっていたものですが、あまりにもマーラーの影響が強いことに気づいた彼自身が封印してしまったのでしょうか? )。
 イタリア人でありながら、ドイツ音楽へ深く傾倒した彼の根底には、こういう事情があったようです。同じく公表されることのなかった、彼の第1 番の交響曲は、下記8.572413 で聴くことができます。

8.572415
¥1100
カゼッラ:交響曲第3番他
 1-4.シンフォニア(交響曲第3番) Op.63(1939-1940)/
 5.英雄のエレジーOp.29(1916)
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 NAXOSのカゼッラ(1883-1947)・シリーズは回を重ねる毎に少しづつ人気が高まってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲第3番は、、第1番、第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き動かされることがなかったとのことですが、シカゴ交響楽団の創立50周年の記念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じられますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッラ独特の音楽です。
Casella: Notte di maggio
8.572416
¥1100
カゼッラ:五月の夜 Op.20・チェロ協奏曲
 1.声楽と管弦楽のための「五月の夜」 Op.20…世界初録音/
 2-4.チェロ協奏曲 Op.58/
 5-9.ピアノと少管弦楽のための
  D.スカルラッティの音楽によるディヴェルティメント
  「スカルラッティアーナ」
 <シンフォニア/メヌエット/カプリッチョ/パストラーレ/終曲>
アリヴィア・アンドレイニ(メゾ・ソプラノ)…1/
アンドレア・ネフェリーニ(チェロ)…2-4/
ユ・ソンヒ(ピアノ)…5-9/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 NAXOS レーベルが力を注ぐ、アルフレード・カゼッラ(1883-1947)の作品集。今回は声楽曲とチェロ協奏曲、そして彼が研究していたスカルラッティの音楽に基づいた管弦楽作品と、広範囲に渡る曲を収録しました。「5 月の夜」はストラヴィンスキーの「春の祭典」に触発されて書かれた作品で、不可解な月の光が広がる夜から、光溢れる夜明けまでを入念に描いています。同じくストラヴィンスキーのプルチネルラを思わせる「スカルラッティアーナ」、タイトルこそは付されていないものの、新古典主義的な音の動きを持つ1934 年に書かれたチェロ協奏曲、と、カゼッラが目指した音楽の方向が見えるような曲ばかりが選ばれています。


OEHMS



OC669
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
チャイコフスキー:交響曲第2番他
 1-4.交響曲第2番ハ短調「小ロシア」Op.17/
 5-12.ロココの主題による変奏曲/
 13.弦楽四重奏曲第1番ニ長調よりアンダンテ・カンタービレ(管弦楽版)
レオナルド・エルシェンブロイヒ(チェロ)…5-12/
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
ドミートリー・キタエンコ
録音 2009年8月&2012年3月ケルン スタジオ・ストルベルガー
 期待のシリーズ、キタエンコのチャイコフスキー(1840-1893)交響曲集。第1番、第5番、第6番でのアグレッシヴな音楽作りはここでも変わることがありません。第2番の交響曲はチャイコフスキーが1872年に作曲した曲で、初演時は大変な成功を収めたのですが、なぜかその後にチャイコフスキー自身が大幅な改定を行ったことでも知られています。ウクライナ民謡が効果的に使われているため、評論家ニコライ・カシュキンから「小ロシア」という愛称を付けられたと言われています。この演奏、冒頭からメロディをたっぷりと歌わせ、大きな流れを作っていくという極めて聴き応えのあるものです。併録の「ロココ」でチェロを弾くエルシェンブロイヒがこれまた美しい音色を持つ人で、こちらも大満足いただけることでしょう。彼はムターに認められた俊英で、来日の際も高い評価を受けています。最後におかれたアンダンテ・カンタービレも絶妙です。
 


OC844
(2CD)
\3000→\2690
自動演奏楽器博物館
 ブリタニック・オルガン第5集〜ヴェルテのリヒャルト・ワーグナー

<CD1>
 1.タンホイザー-序曲ヴェルテ・ロール636(コピー)/
 2.ラインの黄金-ヴァルハラへの神々の入城ヴェルテ・ロール788(マスター)/
 3.ヴァルキューレ-ヴォータンの告別と魔の炎の音楽ヴェルテ・ロール1093(コピー)/
 4.パルジファル-クリングゾルの魔法の庭と花の乙女たちヴェルテ・ロール921(マスター)/
 5.ローエングリン-婚礼の合唱ヴェルテ・ロール1667(マスター)/
 6.ヴェーゼンドンク歌曲集-夢ヴェルテ・ロール1357(マスター)/
 7.ローエングリン-第1幕への前奏曲ヴェルテ・ロール1668(マスター)/
 8.バイエルン王ルートヴィヒ2世のための表敬の行進曲ヴェルテ・ロール1500(コピー)/
<CD2>
 1.ニュルンベルクのマイスタージンガー-序曲ヴェルテ・ロール1270(コピー)/
 2.使徒の愛餐ヴェルテ・ロール1876(マスター)/
 3.神々の黄昏-ジークフリートの葬送行進曲ヴェルテ・ロール1189(マスター)/
 4.タンホイザー-巡礼の合唱ヴェルテ・ロール1499(コピー)/
 5.ローエングリン-第1幕への前奏曲ヴェルテ・ロール1032(マスター)/
 6.ローエングリン-ローエングリンの忠告ヴェルテ・ロール792(マスター)/
 7.トリスタンとイゾルデ-イゾルデの愛の死ヴェルテ・ロール1724(コピー)/
 8.リエンツィ-序曲ヴェルテ・ロール643(コピー)
ディ・ヴェルテ=フィルハーモニー=オルガン
録音 2012年3月スイス ゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
Musical Direction: David Rumsey/Technical Direction: Daniel Debrunner/Recording Supervision, Editing and Mastering: Andre Scheurer
 ワーグナー生誕200年記念リリース。大好評シリーズの「ブリタニック・オルガン」の第5集はワーグナーの作品集です。とは言え、ワーグナーがオルガン作品を書いたわけではなく、リストの弟子であったピアニスト、エミール・パウルを始めとした音楽家たちが、ヴェルテ・ロールのために編曲した一連の作品の復元集となります。今のようにCDや映像が充実していなかった当時、ワーグナーの巨大な作品を楽しむためには、実際に劇場に出かける必要がありましたが、演奏するにも莫大な費用がかかるため、各地のコンサート・ホールや教会のオルガンを使って、このような「編曲物」のワーグナーで満足せざるを得ない状況でした。
 1940年代になると蓄音機を所有する人もちらほら現れますが、ピアノ・ロールは根強い人気を保っており、保存されたロールは現代でも忠実に記録された音楽を奏でることができるというわけです。
 


OC423
\2000→\1890
フランスのピアノ作品集
 1.ドビュッシー:レントより遅く/
 2-4ドビュッシー:版画<パゴダ/グラナダの夕べ/雨の庭>/
 5-10.ドビュッシー:子どもの領分
  <グラドゥス・アド・パルナッスム博士/象の子守歌/
  人形のセレナード/雪は踊る/小さな羊飼い/
  ゴリウォッグのケークウォーク>/
 11.ラヴェル:水の戯れ/
 12-14.ラヴェル:夜のガスパール
  <オンディーヌ/絞首台/スカルボ>
ベンヤミン・モーザー(ピアノ)
録音 2011年1月19-21日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
 2012年に生誕150周年を迎えたドビュッシーと(1862-1918)、色彩的な作風を誇るラヴェル(1875-1937)。フランスのピアノ曲と言っても、全く違う表現を追求した2人の作品をバランス良く配したベンヤミン・モーザーのアルバムです。2007年のチャイコフスキー国際コンクールで聴衆賞を獲得し、話題をさらった若き貴公子モーザーは、デビュー・アルバム(OC726)のロシア名曲集で、パワー溢れる音楽を聞かせていましたが、こちらは一転エスプリに満ちたフランス音楽集であり、彼における全く違うアプローチを楽しむことができるでしょう。例えば「雨の庭」や「オンディーヌ」、「水の戯れ」での流動的な水の姿は、決して力任せに描けるものではありませんが、モーザーはそれらを難なくクリアしているようです。

 

OC425
\2000
J.S.バッハ:カンタータ集
 1-7.カンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののけ」BWV12 (1714)/
 8-17.カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147 (1723)
ユディス・シュピーサー(ソプラノ)/
アンネカスリーン・ラーブス(メゾ・ソプラノ)/
ロベルト・ゼリアー(テノール)/
ティモ・ヤンゼン(バス)/
ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン/
ラルパ・フェスタンテ・バロック管弦楽団/
トーマス・グロッパー(指揮)
録音 2012年3月9-11日ミュンヘンゼントリンク,昇天教会
 2005年に結成された、ミュンヘンの劇場・音楽アカデミーのおよそ50人の学生たちをメンバーとする「ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン」によるバッハ(1685-1750)のカンタータ集の第2集です。
 このアルバムでは、バッハがワイマールの楽長に就任してから2作目のカンタータである第12番と、「主よ、人の望みの喜びよ」でおなじみの第147番のカップリングです。憂いを帯びたオーボエが美しいシンフォニアで始まる第12番での柔らかな歌い口、涙が出るほどに美しい第147番のコラール、どちらもレベルの高い演奏です。彼らを支えるラルパ・フェスタンテ・バロック管弦楽団の素朴で暖かみのある音色も魅力的です。
OC680
(SACD-Hybrid)
\2300
スウェーリンク:オルガン作品集
 1.第1旋法によるトッカータSwWV286/
 2.ファンタジア「ウト・レ・ミ・ファ・ソル・ラ」SwWV286/
 3.エコー・ファンタジアSwWV261/
 4-6.我らはみな唯一の神を信ずSwWV316/
 7.半音階ファンタジアSwWV258/
 8-10.詩篇第23番「私の守護神、私の羊飼い」SwWV310/
 11-14.いと高き神に栄えあれSwWV299/
 15-20.ああ神よ、御空より見そなわせSwWV303/
 21-24.御子がわたしたちに生まれたSwWV315/
 25-31.戦いの神マルスSwWV321/
 32.涙のパヴァーヌ(ダウランド原曲) SwWV328/
 33.第9旋法によるトッカータSwWV296
ヨーゼフ・ケレメン(オルガン)
録音 2012年7月19-21日NL ライデンピータースケルク
 1957年ブダペスト生まれの名オルガニスト、ヨーゼフ・ケレメンが演奏するスウェーリンク(1562-1621)のオルガン作品集です。彼はドイツのオルガン音楽の権威とみなされており、J.S.バッハはもちろんのこと、周辺の作曲家たちの作品の解釈においては右に出るものがいないほど高い評価を得ています。オランダのオルガニスト、作曲家スウェーリンクはルネサンス音楽の末期からバロック音楽の最初期に活躍した人で、北ドイツ・オルガン楽派の育成に寄与した人物として知られています。J.S.バッハより100年以上も前の時代に生きたにも拘わらず、その作風は先鋭的であり、使われている対位法も複雑を極めています。当時の彼がいかに影響力の高い人物であったかが、これらの音楽を聴いてみれば理解できることでしょう。まさにめくるめく音の饗宴です。

OC838
\2300→\2090
J.S.バッハ:独奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ第1集
 1-4.ソナタ第2番イ短調 BWV1003/
 6-9.パルティータ第2番ニ短調 BWV1004/
 10-13.ソナタ第1番ト短調 BWV1001
リュディガー・ロッター(ヴァイオリン)
録音 2010年4月&2011年7月ミュンヘンゼントリンク,昇天教会
 優れた指揮者でもあるリュディガー・ロッターですが、やはり彼の本質はヴァイオリンにあるようです。このバッハ(1685-1750)の作品には、有名な「シャコンヌ」が含まれており、ヴァイオリンの音色と技術を思う存分聴かせることができるものですが、ここでのロッターの演奏と言ったら、もう言葉に尽くせないほどの見事さです。彼のシャコンヌと言えば、以前発売されているビーバーの「ロザリオ・ソナタ」(OC514)でリリアルテのメンバーとして、終曲であるシャコンヌ…同じパターンによる変奏曲の形式…を自由自在に演奏していたのを思い出す人も多いことでしょう。バロック音楽に漂う堅苦しさを一掃する新時代の演奏家です。


リュディガー・ロッター参加のベネデット・プラッティ

OC-836
\2300→\2090
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ:
 チェロとヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ集

 1-4.トリオソナタWD683/5-8.トリオソナタWD689/
 9-12.リチェルカーレⅠ/13-16.トリオソナタWD678/
 17-20.ハープシコード・ソナタ第12番ハ長調/
 21-24.リチェルカーレⅡ/25-28.ソナタト短調
セバスチャン・ヘス(バロック・チェロ)…1-16.21-28/
リュディガー・ロッター(ヴァイオリン)…1-16.21-28/
フローリアン・ビルサーク(フォルテピアノ)…1-8.13-16.17-20.25-28
録音 2010年8月26-28日ヴィーゼンタイト,聖マウリティウス・バロック教会Recording Producer: Thilo Grahmann, Balance Engineer: Herbert Fruhbauer, Recording Engineers: Thomas Hirschberg,Johannes Luff
 チェロ・ソナタ(OC-794)で、その豊富な響きを堪能させてくれたパドヴァ出身の作曲家プラッティ(1697-1763)。優れたオーボエ奏者でありテノール歌手でもあった彼の作品は、どれもが美しいメロディに彩られた、明るく活力のあるものです。
 彼は楽器製作者のクリストフォリが発明したばかりのフォルテピアノの演奏法を早々と習得したことでも知られるほどの鍵盤楽器の名手でもあり、この「トリオ・ソナタ」集でも通奏低音の果たす役割が大きいであろうことは想像に難くありません。もちろん譜面には最低限の情報しか記載されてはいない時代ですので、奏する場合には演奏者の解釈が必要になってくるのですが、この演奏は、屈託のない流麗な響きに彩られた見事な完成形の音楽を楽しむことができるのです。これぞ「イタリア・バロック」です。

 

OC867
\2300→\2090
アレクサンダー・シンプ:ラヴェル、スクリャービン、シューベルトを弾く
 1-6.ラヴェル(1875-1937):クープランの墓/
 7-11.スクリャービン(1872-1915):5つの前奏曲Op.74/
 12-15.シューベルト(1797-1828):ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960
アレクサンダー・シンプ(ピアノ)
録音 2012年3月12-14日ミュンヘンバイエルン放送第2スタジオ
 それまで14年間に渡って優勝者を出すことのなかった「ドイツ音楽コンクール」が、2008年にようやく認めたピアニストが、このアレクサンダー・シンプでした。その後、ベートーヴェン国際コンクールで入賞し、2011年にはクリーブランド国際ピアノコンクールでドイツ人として初の優勝を飾るなど、着々と大物ピアニストへの道のりを歩む彼のOEHMSレビュー・アルバムとなります。
 すでにGENUINレーベルで「モーツァルト、ベートーヴェン、ドビュッシー、アルベニス・アルバム」をリリースしているシンプですが、この新譜では曲の選定にもアイデアを盛り込み、一見ばらばらに見える3人の曲の根底に横たわる「暗部」のようなものに光をあて、一つのストーリーを紡ぎだすことに成功しています。テクニックや表現力は持ち合わせていて当たり前。という現代のピアニストたち。一つ抜きん出るためには、特別の才能が必要なのであるということを強く感じさせる1枚です。

Alexander Schimpf

旧譜
アレクサンダー・シンプ
Alexander Schimpf: Piano Recital
GENUIN
GEN 10181
\2200→\1990
「超難関・ドイツ音楽コンクール2008優勝者〜アレクサンダー・シンプ」
 ベートーヴェン:32の変奏曲 ハ短調 WoO.80
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101
 ドビュッシー:
  前奏曲集第2巻〜霧,ヴィーニョの門,月の光がふりそそぐテラス
 S.シーベル(1975-):つかの間
 モーツァルト:ロンド イ短調K.511
 アルベニス:組曲「イベリア」〜アルメーリア
アレクサンダー・シンプ(ピアノ)
録音:2009年10月12−14日、ベルリン、65'13

シンプはドイツ、ゲッティンゲン生まれの若いピアニスト。2008年のドイツ音楽コンクールのピアノ独奏部門を受賞し注目を浴びている。しっかりとした構成感が素晴らしいベートーヴェン、クリアで知的なドビュッシー、メランコリックなモーツァルト、いずれもシンプの才能が存分に示されている。
 

OC870
\2300→\2090
触れる…キスする…そして死ぬ
 〜ヴェラール・バルナ=サバドゥス:イギリス歌曲集

《ヘンリー・パーセル(1659-1695)》
 1.もし音楽が愛の糧であるのなら(第3稿) Z379C/
 2.彼女は恋し、愛をうちあけるZ413/
 3.恋の病から飛び立とうZ630/
 4.しばし楽の音にZ583/5.新しいグラウンドZ339/
 6.ばらよりも甘いZ585/
 7.おお孤独よ、わが甘き選択Z406/
《アンソニー・プール(1629頃-1692)》
 8.ジュスティナス/
《ニコラ・マッテイス(1650頃-1703頃):新しい歌のコレクションより(1696/99)》
 9.いいえ、あなたは私のように愛したことなど決してない/
 10.おいで、いとしき人/
 11.それは私たちの力、セリアではありません/
 12.クロリンダ、あなたの準備は無駄になる/
 13.私がコリンナの同情を懇願するとき/
 14.いいえ、わがクロエ、私たちはこの場所を出発する/
《ジョン・ダウランド(1563-1626)》
 15.涙のパヴァーヌ/16.再び来ておくれ/
 17.私は彼女が泣くのを見た/18.流れよ、わが涙/
 19.愛よ、みつけたことがあれば話しておくれ
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(カウンターテナー)/
オルガ・ワッツ(ハープシコード)/
アクセル・ヴォルフ(リュート)/
パヴェル・セルビン(バロック・チェロ)
 「リローデッド・ハッセ」(OC830)でその才能を鮮烈に印象付けた次世代カウンターテナー、ヴェラール・バルナ=サバドゥス。彼の最新アルバムはパーセル、ダウランドを中心としたイギリス・ルネッサンス期の歌曲集です。愛、苦しみ、憧れ、死・・・溢れんばかりの事象をシンプルなメロディに閉じ込めたダウランドの歌。イタリアやフランスの華やかさも感じさせるパーセルの歌。そして1650年頃のイタリアに生まれながらも放浪の末に1670年頃にロンドンに落ち着いたというマッテイスの自由な歌。どれもチャーミングでありながらも人生の深遠を感じさせる完成度の高いものです。
 サバドゥスの歌とそれを支える器楽奏者たち。親密な空気はそれはそれは心地よいものです。


旧譜
ヴェラール・バルナ=サバドゥス

OEHMS
OC-830
\2300→\2090
リローデッド・ハッセ
 ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):
  1-5.音楽劇「捨てられたディドーネ」(1742) /
  6-9.室内カンタータ「嫉妬」(1762)
  10.ポルポラ(1686-1768):
   ハッセの歌劇「アルタセルセ」(1734)への追加アリア「今や嵐の雲が」
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(カウンターテナー)/
ホーフカペレ・ミュンヘン/
ミヒャエル・ホフステッター(指揮)
 「リローデッド(再充填)・ハッセ」とは、なんともステキなアルバム・タイトルではないでしょうか?「18世紀に書かれた音楽は古臭く、誇りに塗れている」という偏見を取り除きたいと語る現代屈指のカウンターテナー、バルナ=サバドゥスが目を付けたのは、ヘンデルとヴィヴァルディの名声の陰に隠れてしまい、名前すら忘れられかけてしまった作曲家、ヨハン・アドルフ・ハッセでした。
 ハッセは120作品に及ぶオペラ作品のほか、オラトリオ、カンタータ、ミサ曲、そして数多くの器楽曲を作曲し、一時は「ヘンデルのライバル」として持ち上げられようとしましたが、彼自身がそれを断ったことでも知られます。生前は高く評価され、人気もあったのですが、この当時の多くの作曲家たちと同じく、時の流れとともに忘れ去られてしまいました。
 そんなハッセの作品に、300年以上経た今こそ新しい命を与えるべく立ち上がったバルナ=サバドゥス。彼の試みは、すばらしい技巧と強靭な声、そしておなじみホフステッターによる見事なオーケストラによって、ここに見事に実現いたしました。録音 2011年6月ミュンヘン 昇天教会
Recording Producer: Jakob Handel, Schnitt & Editing: Jakob Handel & Gerhard Betz


ONDINE


Hvorostovsky: In this moonlit night
ODE-1216
\2300→\2090
この月夜に〜ホロストフスキー:ロシアの歌曲を歌う
 1-6.チャイコフスキー(1840-1893):
  ラトガウスの詞による6つの歌曲集Op.73
   <私はおまえと一緒に座っていた/夜/この月夜に/
   太陽は沈んだ/暗い日に/再び、前のようにただひとり>/
 7-10.ムソルグスキー(1839-1881):死の歌と踊り
   <子守歌/セレナード/トレパーク/司令官>/
 11-16.タネーエフ(1856-1915):歌曲集
   <全ては眠りにつくOp.17-10/メヌエットOp.26-9/
   この風は高地からではないOp.17-5/冬の道Op.32-4/
   鍾乳石Op.26-6/休みなく胸はうちOp.17-9>
ドミートリー・ホロストフスキー(バリトン)/
イヴァリー・イルヤ(ピアノ)
録音 2011年7月13-24日モスクワ・ステート・コンセルヴァトワリーグレート・ホール
 現代最高のバリトン、ホロストフスキーのONDINE2作目のアルバムです。十八番であるロシア歌曲が16曲並び、彼が歌うオペラ・アリアとはまた違う、繊細な感情表現をじっくり楽しむことができる1枚です。
 今作では3人の作曲家が取り上げられていて、同じロシア歌曲と言えどもその多彩な表現の振れ幅に驚く人も多いのではないでしょうか?よく知られるムソルグスキー「死の歌と踊り」での絶妙な歌い回しと、チャイコフスキーの歌曲が持つ郷愁はもちろんのこと、驚くほど感動的でエキサイティングなタネーエフが、このアルバムの白眉と言えそうです。
 交響曲や管弦楽曲の分野で、ようやく復興の兆しが感じられるタネーエフ。この6曲もタネーエフ・ファンにとっての嬉しい贈り物です。
 

Madetoja: Symphony No. 2
ODE-1212
\2300
マデトヤ:作品集
 1.クレルヴォOp.15/
 2-5.交響曲第2番Op.35/
 6.交響的組曲から「エレジー」Op.4-1
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストルゴールズ(指揮)
フィンランドの作曲家マデトヤ(1887-1947)の作品集です。ヘルシンキでシベリウスに作曲を師事し、その後パリとウィーン、ベルリンで学び様々な作風を身に着けた人です。
 このアルバムには彼の交響曲第2番と、シベリウスの影響が感じられる「クレルヴォ」、初期の作品「交響的組曲」の第1楽章「エレジー」の3作品が収録されています。交響曲第2番は1918年に完成されたもので、同年に勃発したフィンランド内戦で弟を失ったマデトヤの悲しい心境が反映されている作品です。
 全体的に陰鬱な雰囲気を持ちながらも、シベリウスや、マーラーを思わせる重厚な響きに彩られた音楽は、スケルツォとフィナーレで劇的なクライマックスを迎えます。ストルゴーズとヘルシンキ・フィルハーモニーによる感動的な演奏となりました。2014年には交響曲第1番と第3番も同じ演奏者にてリリース予定です。
 
ODE-1224
\2300
バッハ一族の鍵盤協奏曲集
 1-3.C.P.E.バッハ(1714-1788):協奏曲ニ長調Wq43-2/
 4-5.J.C.バッハ(1735-1782):協奏曲ニ長調Op.7-3/
 6-8.J.C.バッハ:協奏曲変ホ長調Op.7-5/
 9-11.J.S.バッハ(1685-1750):協奏曲第2番ホ長調BWV1053
アナスタシア・インジュシナ(ピアノ)/
ハンブルク・カメラータ/
ラルフ・ゴトーニ(指揮)
録音 2012年11月1.3-4日ハンブルク-ハルブルク,フリードリヒ・エーベルト・ホール
 4歳でピアノを始め、サンクトペテルブルク音楽院で学び、10歳でオーケストラと共演したという若手女性ピアニスト、インジュシナの演奏する魅惑的なバッハ一族の協奏曲集です。
 彼女は1991年からフィンランドに移住し、シベリウス・アカデミーで研鑽を重ね、ミュンヘン国際コンクールで入賞し国際的な名声を獲得しました。彼女はソロ活動だけでなく室内楽演奏にも力を入れていて、2009年からはヘルシンキ室内楽音楽祭の芸術監督を務めるなどアンサンブルに傾倒しています。
 このバッハはそんな彼女らしく、極めて統制のとれた緊密な音楽を聴かせるもので、指揮者ゴトーニも彼女の意思を汲んで、積極的なアプローチをかけながらも、ピアノ・パートを際立たせることに留意、古典的なフォルムの中に自由な創意を持たせた、余裕ある音楽を奏でています。

ORCHID CLASSICS

F. Couperin: The Tragic Muse - Pieces de Clavecin Vol. 1
ORC100026
\2000
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集第1集
 1-10.クラヴサン曲集第2巻第8組曲ロ短調
 <女流画家/女流詩人/クラント1/クラント2/風変り/ガヴォット/
  ロンドー/ジグ/パッサカリア/モラン嬢>/
 11-25.クラヴサン曲集第1巻第3組曲ハ長調-ハ短調
 <陰気な女/クラント1/クラント2/憂鬱な女/ガヴォット/メヌエット/
  巡礼の女たち:行進/巡礼の女たち:施し/巡礼の女たち:感謝/
  ローランタン家の人々/スペイン風/嘆き/
  プロヴァンスの水夫たち/いたすらな女/お気に入り>
アンドリュー・アペル(ハープシコード)
録音 1999年9月ニューヨークハドソン,聖メアリー教会
 フランソワ・クープラン(1668-1733)は、多くの音楽家を排出したクープラン家でもとりわけ有名な存在であり、オルガニストとしてルイ14世の御前演奏を行うほか、数多くのクラヴサン(フランス語でチェンバロを表わす)のための作品を残しています。1717年に出版された彼による著書「クラヴサン奏法」は当時の演奏習慣を知るための重要な資料でもあり、17世紀から18世紀にかけての鍵盤音楽の発展に大きく寄与しました。
 作風は優美繊細で、多くの小品にはしゃれたタイトルが付けられていて、聴き手の想像力を刺激すること間違いありません。演奏者アペルは、自ら4つのアンサンブルの芸術監督を務める傍ら、スミソニアン・プレイヤーズやオペラ・ラファイエットのチェンバロ奏者として活躍する名手。ここでも表情豊かな音楽を聴かせます。
 
And Comes The Day: Carols and Antiphons for Advent
ORC100027
\2000
そして、その日が来る〜降臨節のためのキャロルとアンティフォナ
 1.作者不詳:天から来るもの/
 2-8.ボブ・チルコット(1955-):アドヴェント・アンティフォン/
 9.ジュベール(1927-):かくも麗しいバラはないOp.14/
 10.オード(1897-1961):アダムは縛られて/
 11.パレストリーナ(1525-1594):私は遠くから見て/
 12.シャルパンティエ(1643-1704):器楽のためのノエルH.534より「知性あふれるマリア様」/
 13.シャルパンティエ:ダヴィデの鍵/
 14.シャルパンティエ:器楽のためのノエルH.534より
  「ヨゼフはよい妻をめとり」/
 15.作者不詳:かくも麗しいバラはない/
 16.ブリテン(1913-1976):聖母への讃歌/
 17.ウォルトン(1902-1983):全てその時/
 18.ペルト(1935-):7つのマニフィカト・アンティフォンより第5番「暁の明星」/
 19.プレトリウス(1560-1629):4声のマニフィカト/
 20.プレトリウス:甘き喜びのうちに/
 21.ハウエルズ(1892-1983):汚れなきバラ/
 22.伝承曲:久しく待ちにし/
 23.シラス・ウォルトン(1971-):私は甘くて上品な光景を見る/
 24.ウォーロック(1894-1930):ベツレヘムの夜明け/
 25.ウォーロック:ベネディカムス・ドミノ
ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジ合唱団/
クイーンズ・チャペル・プレイヤーズ/
シラス・ウォルトン(指揮)
降臨節(クリスマス)のための音楽といっても、その成り立ちや使われる言葉も様々です。
 このアルバムはその中で中世英語とラテン語で歌われる曲を集めています。キャロルは賛美歌であり、アンティフォナはその中でも合唱を2つにわけて交互に歌う形式をとるものです。もちろん作曲された年代は幅広く、伝承曲や16世紀の音楽からチルコットやペルトなど、つい最近に書かれたものも含まれています。指揮者のウォルトンも作曲家であり、トラック23は彼自身の書いたもので、混沌たる響きの中に光る美しさを備えた作品です。

PREMONITION RECORDS


PR907614
(Blu-ray Audio)
\2300
パトリシア・バーバー:「モダン・クール」
 1. タッチ・オブ・トラッシュ/2. ウィンター/
 3. あなたと夜と音楽と/4. コンスタンチノープル/
 5. ハートに火をつけて/6. サイレント・パートナー/
 7. カンパニー/8. レット・イット・レイン/
 9. シーズ・ア・レディー/10. ラブ、プット・オン・ユア・フェイセス/
 11. ポスト・モダン・ブルース/12. レット・イット・レイン
パトリシア・バーバー(ピアノ、ヴォーカル)/
マイケル・アーノポル(ベース)/
ジョン・マクリーン(ギター)/
マーク・ウォーカー(ドラムス、パーカッション)/
ジェフ・スタイトリー(ウドゥドラム)/
コラール・サンダー・ボーカル・クワイア(合唱)
 1998年にリリースされたパトリシア・バーバーの「モダン・クール」。ドアーズのデビュー・アルバムタイトルチューン「ハートに火をつけて」やポール・アンカの「シーズ・ア・レディー」など、型に収まらない選曲が発売当初から大きな反響を呼び、ダウンビートマガジンで5つ星を獲得した。このブルーレイ・オーディオ・ディスク盤は、当時の2チャンネルマスターをリマスターし、LPCM24bit/192kHzで再収録した2チャンネルモードの他、新たに5.1ch DTS HDサラウンドモード(24bit/96kHz)も併録。15年の時を経て、パトリシアの名盤が高音質で楽しむことが可能となった。

《演奏者プロフィール》
 パトリシア・バーバー1955年シカゴ生まれ。父はグレン・ミラー・オーケストラでサキソフォンを奏していたフロイド・バーバー。アイオワ大学在学中はクラシック・ピアノを学んでいたものの、80年代から当時シカゴのジャズの中心であったゴールド・スター・サーディン・バーに登場するようになり、ジャズ・ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせた。
 自主制作盤としてリリースしたデビュー・アルバム「スプリット」(1989)を皮切りに、1992年にはポリグラムから「ア・ディストーション・オブ・ラヴ」を発表。この頃から、ジャズ・スタンダードのみならず自作の楽曲を次々と発表するようになったパトリシアは、シカゴのインディーズ・レーベルであったプレモニション・レコーズ(代表:マイク・フリードマン)と意気投合。「モダン・クール」(1998)、「ナイトクラブ」(2000)、「ヴァース」(2002)といったヒットを連発し、これが契機となってブルーノートとの契約に至った。
 ブルーノート移籍後もベスト盤である「プレモニション・イヤーズ1994-2002」をリリースしており、プレモニション在籍時代に制作された音源が再評価されている。現在はパトリシア・バーバー・クァルテットでの活動を中心に、アルバム制作やライブ活動を行なっている傍ら、地元シカゴのイリノイ大学で教鞭を執るなど、後進の育成にもあたっている。

RONDEAU

Mein Herz ist bereit (My heart is fixed)
ROP-6059
\2000
神よ、わが心は揺るぎません
 〜バロック時代における北ドイツのオルガン作品とカンタータ集

 1.ブクステフーデ(1637-1707):トッカータニ短調BuxWV155/
 2.ブルーンス(1665-1697):
  主は彼らのために天の玉座を用意したもう/
 3.ベーム(1661-1733): コラール“天にましますわれらが父よ”/
 4.トゥンダー(1614-1667):おお、愛しきイエスよ/
 5.ベルンハルト(1627-1692):ああ深いかな、神の知恵と知識との富は/
 6.ベーム:パルティータ“ただ愛する神の力に委ねる者は”/
 7-9.テレマン(1681-1767):暗闇と死の陰によってTWV 1:1150/
 10.ブクステフーデ:前奏曲ト短調BuxWV148/
 11.ブルーンス:神よ、わが心は揺るぎません/
 12.ブクステフーデ:われは復活なり、生命なりBuxWV44
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス)/
ハウケ・ラム(オルガン)/
ザクセン・バロック管弦楽団のソリストたち
録音 2011年9月19-23日シュターデ聖ヴィルハーディ教会
 北ドイツにおけるバロック音楽は、独自の発展を遂げたことで知られています。
 ルネサンス後期の大家スウェーリンクが土台を築いたオルガン楽派の伝統を受け継ぐブクステフーデ、イタリア音楽の伝統を取り入れ見事な教会音楽を創り上げたシュッツ、そしてテレマンとJ.S.バッハ、そして周辺の音楽家たち。彼らは器楽曲においても、声楽曲においても、当時のヨーロッパで流行していた音楽を取り入れながら、対位法を重視した高度な作品を書き上げ、とりわけ教会音楽の分野で目覚ましい成果を上げた人々です。
 このアルバムでは、バロック中期からバッハ以前の作曲家たちのオルガン曲とカンタータを取り上げ、17世紀から18世紀のドイツ音楽の伝統と発展についての考察を行います。1731年から1735年にかけて建立された聖ヴィルハーディ教会の歴史的なオルガンの音色にもご注目ください。
 
Hope, Faith, Life, Love…
ROP-6064
\2000
エリック・ウィテカー:希望、信仰、生命、愛…
 1.希望、信仰、生命、愛…(1999)/
 2-6.《ヘブライの5つの愛の歌(1996/2001)
  <絵画/光の花嫁/ほとんどの場合/
  雪って何?空から落ちる小さな夢/優しさに>/
 7.眠り(2000)/
 8.あなたの手とゆりの花(2001)/
 9.土砂降り(1993)/10.ハレルヤ(2011)/
 11.アザラシの子守歌(2007)/12.光と金(2000)/
 13.夜と金(2009) /
 14.彼女はラフーンの上で泣く(1993)/15.衆目(2011)/
 16.水の夜(1994)/17.この結婚(2004)/
 18.あなたの神聖なる魂をここに(2002)
ユンゲス・ヴォーカルアンサンブル・ハノーファー/
クラウス・ユルゲン・エッツォルト(指揮)
録音 2012年1月13日-15日,6月29日-7月1日ハノーファー,聖パウル教会
 最近、日本でも人気の高いアメリカの作曲家、エリック・ウィテカー(1970-)の合唱作品集。
 ジュリアード音楽院で学び、主に合唱曲と吹奏楽曲が演奏される人で、その作品は精緻を極め、複雑な和声を持つことで知られています。
 ここでは若きハノーファーの若き声楽アンサンブルが彼の様々な曲を演奏、初期の曲から2011年に書かれた最新の曲までを繊細かつダイナミックな表現で歌いこなしています。
 アルバムタイトルである「Hope, Faith, Life, Love... 」はアメリカの現代詩人エドワード・エシュ(1970-)の詩によるもので、キリストの誕生と光を描いた瞑想的で美しい音楽です。
 
Luftschattengelichte
ROP-6065
(2CD)
\2600
バッハ-ヘスポス
<CD1>
 1. J.S.バッハ(1685-1750):フーガ変ホ長調 BWV552-2/
 2.「装いせよ、おお愛する魂よ」BWV654/
 3-4.前奏曲とフーガイ短調BWV543/
 5-6.パッサカリアハ短調 BWV582/
 7-10.パストラーレヘ長調BWV590/
 11-12.トッカータニ短調BWV565/
 13.ハンス=ヨアヒム・ヘスポス(1938-):Luftschattengelichte 解釈Ⅰ
  ※1840年8月6日、
   ライプツィヒの聖トーマス教会でメンデルスゾーンが
   バッハ作品のコンサートを行った際、
   最後に自作の幻想曲を付け加えたエピソードに倣って/
<CD2.ボーナスCD>
 1-13.ハンス=ヨアヒム・ヘスポスとオリヴァー・クルーゲの対話/
 14.Luftschattengelichte 解釈Ⅱ
オリヴァー・クルーゲ(オルガン)
録音 2012年3月15,16,18日ハノーファー聖パウル教会
 1840年8月6日ライプツィヒの聖トーマス教会にて、メンデルスゾーンが歴史的なコンサートを開催しました。
 それはバッハ作品のみ(最後に自らの即興演奏を加えた)で組まれたそれまでにないプログラムであり、それはバッハの記念碑を建立するためのチャリティー・コンサートでもありました。
 作曲家ヘスポスは、この日のプログラムを再現することを試み、名オルガニスト、クルーゲとともに「新たな即興演奏」とも言える作品を創り上げ、「メンデルスゾーンの精神」を21世紀に継続させることに成功しました。
 記録によると、その日のメンデルスゾーンの即興演奏は、バッハの旋律に彼の名前「BACH」の音を織り込んだあまりにも凄いものだったとか。こちらの楽譜は残存しておらず(即興演奏だったので…)、こればかりは残念の極みと言えそうです。
 
Hugo Distler: Choral Works
ROP-6068
\2000
フーゴー・ディストラー:作品集
 1.主に向かいて新しい歌を歌うOp.12-1/
 2.キリエ,永遠なる神の父Op.5-38/
 3.これはまことに信ずべき言葉なりOp.12-8/
 4.おお人よ、汝のおおいなる罪を嘆けOp.5-15/
 5-18.死の舞踏Op.12-2/
 19.子羊は行く、そして罪悪感に耐えるOp.12-9/
 20.げに彼は我らの病を負いOp.12-9/
 21.わが魂はかわいているように神を慕いOp.5-39/
 22.この世界では、あなたがたは試練を待たなければならないOp.12-7/
 23.われらに平和と恩恵を与えたまえOp.5-51/
 24.帰りなんいざふるさとへOp.12-5
シエッラ/アンサンブル・ノービレス
録音 2012年7月13-14日,20-22日ライプツィヒフェルゼーヌンク教会
 ニュルンベルクで生まれた作曲家フーゴー・ディストラー(1908-1942)の教会音楽作品集です。
 聖ヤコビ教会のオルガニストとして活躍し、シュトゥツガルトとヴュルテンベルクで合唱団を指導し、1940年にはベルリンの音楽アカデミーの講師として任命された彼は、当時のドイツで「最も著名な音楽家」として認知されていました。
 しかし、悪化する政治情勢や仕事へのプレッシャーなど、様々な重圧に耐えきれなくなってしまったディストラーは、ついに1942年11月に34歳の若さで自らの生涯を閉じてしまいます。
 この知られざる天才の没後70周年を記念して制作されたこのアルバムは、2つのヴォーカル・アンサンブル…女声6人からなるシエッラと、全員が聖トーマス少年合唱団の卒業生である「アンサンブル・ノービレス」…がディストラーの作品を演奏、時代の波にのまれてしまった非業の作曲家の魂を現代に召喚しています。

RPO(ORCHID CLASSICS)



RPOSP035
\2000→\1890
エルガー:コケイン・エニグマ他
 1.序曲「コケイン」-ロンドンの下町でOp.40/
 2-16.創作主題による変奏曲「エニグマ(謎)」Op.36/
 17-21.行進曲「威風堂々」Op.39
  <第1番ニ長調/第2番イ短調/第3番ハ短調/第4番ト長調/第5番ハ長調>
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
バリー・ワーズワース(指揮)
録音 2011年6月21-22日ロンドンカドガン・ホール
 まさにお国もの!バリー・ワーズワースによるエルガー(1857-1934)作品集です。「コケイン」の序曲から説得力たっぷり。ロンドンの景色が目の前に浮かぶかのような色彩的な演奏です。
 もちろん「エニグマ」も文句なし。ニムロッドなども、ついつい泣けてきてしまうほどの名演です。「威風堂々」は全5曲を収録。いつもは1番と4番ばかりを耳にしますが、第2番や第3番のクールさと、第5番の洒落た曲想も聴きどころです。 
 
The Golden Age of Hollywood
RPO017
\2000
ハリウッドの黄金時代第1集
 1.ジェローム・モロス(1913-1983):大いなる西部-メインテーマ/
 2.マックス・スタイナー(1888-1971):カサブランカ-組曲/
 3.ミクローシュ・ロージャ(1907-1995):ピアノ協奏曲「白い恐怖」/
 4-7.バーナード・ハーマン(1911-1975):「サイコ」から
  <前奏曲/階段/殺人者/終曲>/
 8.ディミトリ・ティオムキン(1894-1979):ナヴァロンの要塞/
 9-10.ロージャ:「ベン・ハー」より<愛のテーマ/勝利のパレード>/
 11.ハーマン:タクシー・ドライバー-メイン・テーマ/
 12.エーリヒ・ウォルフガンク・コルンゴルト(1897-1957):
  シーホーク-メイン・テーマ/
 13.リチャード・アディンセル(1904-1977):危険な月光-ワルソー・コンチェルト/
 14.スタイナー:風と共に去りぬ-タラのテーマ/
 15.エルマー・バーンスタイン(1922-2004)荒野の七人-序曲
フィル・トッド(アルト・サクソフォン)…11/
ロードリック・エルムス(ピアノ)…3.13/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
録音 2005年9月15-16日ロンドンワットフォード・コロセウム
 コルンゴルトがウィーン世紀末の芳醇な音色を持ち込んだことで、独特の発展を遂げたハリウッドの映画音楽。コルンゴルトの書いたシンフォニック・スコアを基礎とした絢爛華麗な響きは、現代の映画音楽にも強い影響を与えています。このアルバムに含まれている2つの「ピアノ協奏曲」も、独立した名曲として大きな人気を誇る作品です。
 指揮者はホセ・セレブリエール。作曲家としても活躍するだけあって、曲の隅々までに手が届くような納得の演奏です。
 
The Golden Age of Hollywood 2
RPO022
\2000
ハリウッドの黄金時代第2集
 1-3.バーナード・ハーマン(1911-1975):「めまい」から
  <前奏曲/ナイトメア/愛の情景>/
 4.ハーマン:北北西に進路を取れ-メイン・タイトル/
 5.マックス・スタイナー(1888-1971):ケイン号の叛乱-マーチ/
 6.ハーマン:市民ケーン-前奏曲とフィナーレ/
 7.エーリッヒ・ヴォルフガンク・コルンゴルト(1897-1957):
  組曲「ロビン・フッドの冒険」-第4楽章/
 8.エルマー・バーンスタイン(1922-2004):組曲「アラバマ物語」/
 9.ミクロシュ・ロージャ(1907-1995):ヴァイオリン協奏曲Op.24-第2楽章/
 10.フランツ・ワックスマン(1906-1967):組曲「サンセット大通り」/
 11.ワックスマン:組曲「陽のあたる場所」/
 12.ディミトリ・ティオムキン(1894-1979):ダイヤルMを廻せ-テーマ/
 13.ニーノ・ロータ(1911-1979):「ゴッド・ファーザー」から
  <シチリアの牧歌/マイケルとケイ/愛のテーマ>
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
録音 2007年1月9-10日ロンドンカドガン・ホール
 第2集も、めまいがするほどに素晴しい音の饗宴が楽しめます。もちろんコルンゴルトの作品も収録されていて、ルーツを辿りたい人にも満足をお届けできることでしょう。
 ハーマン、スタイナーなどの初期の作曲家や、クラシックの分野でも人気の高いロージャ、そして極め付け。ニーノ・ロータの「ゴッド・ファーザー」からの曲など、何も考えずに聴くだけで楽しい1枚です。
 
The Golden Age of Hollywood 3
RPO023
\2000
ハリウッドの黄金時代第3集
 1.レナード・バーンスタイン(1918-1990):交響組曲「波止場」/
 2.エルマー・バーンスタイン(1922-2004):組曲「終身犯」/
 3.エルマー・バーンスタイン:組曲「黄金の腕」/
 4.ディヴィッド・ローズ(1910-1990):ブルレスケ-ストリッパー/
 5.ジョルジュ・オーリック(1899-1983)/ヴィクター・ヤング(1900-1956):
  ローマの休日-メイン・タイトル/
 6.ヤング:シェーン-前奏曲/
 7.ヤング:八十日間世界一周-序曲/
 8.ロドニー・ベネット(1936-):オリエント急行殺人事件-ワルツ/
 9.モーリス・ジャール(1924-):パリは燃えているか-ア・ラ・ヴァルス/
 10.フランツ・ワックスマン(1906-1967):組曲「フィラデルフィア物語」/
 11.デイヴィッド・ラクシン(1912-2004):ローラ殺人事件/
 12.ミクローシュ・ロージャ(1907-1995):組曲「深夜の告白」組曲
  <前奏曲-ナレーション-ミーティング-恋人たち-殺人者-フィナーレ>
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
リチャード・バーナス(指揮)
録音 2010年1月26-27日ロンドンカドガン・ホール
 第3集もドキドキするような名作揃いです。2人のバーンスタイン、レナードとエルマーの聴き比べや、「八十日間世界一周」「ローマの休日」など誰もが聴いたことのある名作、つい声をかけたくなるような「シェーン」など素晴らしい響きを堪能してください。指揮者のバーナスはニューヨークに生まれ、現在はロンドンに拠点を置いて活躍している人で、とりわけアメリカ音楽の伝道者として広く知られています。
 

Dvorak: Symphonies Nos. 6-9 & Carnival Overture
RPOSP020
(3CD)
\2300→\2090
ドヴォルザーク:交響曲第6番-第9番
<CD1>
 1-4.交響曲第6番ニ長調 Op.60 B.112/
<CD2>
 1-4.交響曲第7番ニ短調 Op.70 B.141/
 5-8.交響曲第8番ト長調 Op.88 B.163/
<CD3>
 1-4.交響曲第9番ホ短調「新世界より」Op.95/
 5.序曲「謝肉祭」Op.92 B169
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
グルジェゴス・ノヴァーク(指揮)
録音 2009年10月-2010年1月…第6番&第7番, 2009年1月…第8番&第9番ロンドンカドガン・ホール
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席准指揮者であるグルジェゴス・ノヴァークによるドヴォルザーク(1841-1904)の4つの交響曲です。彼は「エルネスト・アンセルメ指揮者コンクール」で第1位を獲得した他、数多くのコンクールで優秀な成績を収め、またヴァイオイリニストとしても優れた才能を発揮しています。
 このドヴォルザークは、若々しい感性を生かした爽やかな解釈が際立つもので、随所ではじける金管や、滑らかな弦の音色が大変魅力的な演奏です。
 
Symphonic Sgt. Pepper
RPOSP025
\2000
SYMPHONIC SGT.PEPPER レノン&マッカートニー
 1.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band/
 2.With A Little Help From My Friends/
 3.Lucy in the Sky with Diamonds/4.Getting Better/
 5.Fixing a Hole/6.She's Leaving Home /
 7.Being for the Benefit of Mr. Kite!/8.Within You Without You/
 9.When I'm Sixty-Four/10.Lovely Rita/
 11.Good Morning Good Morning/
 12.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band/13.A Day in the Life /
 14.Penny Lane/15.Strawberry Fields Forever/
 16.All You Need Is Love/
 17.Yesterday/18.Can't Buy Me Love
メトロ・ヴォイシス…3.4.6.7.10.11.12.14./
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ニック・デイヴィス(指揮)
録音 2009年7月21-22日ロンドンエンジェル・スタジオ
 ロイヤル・フィルのお家芸とも言える「シンフォニック」シリーズ。こちらについては、もう何も申し上げる必要もないでしょう。見事な合唱が歌い上げるレノンヤマッカートニーの名曲は、まさにGleeの世界。ゴージャスです。
 
Beethoven - Piano Concertos Nos. 1 & 2
RPOSP028
\2000
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番&第2番
 1-3.ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15/
 4-6.ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
マリオ・ガレアーニ(ピアノ)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
グルジェゴルス・ノヴァーク(指揮)
録音 2010年1月11-12日ロンドンカドガン・ホール
 イタリア、メッシーナ生まれのピアニスト、マリオ・ガレアーニをソリストに迎えたベートーヴェン(1770-1827)のピアノ協奏曲集です。ノヴァークの冷静沈着な解釈は、現代のベートーヴェン演奏の風潮(どちらかというと軽やか系)とは一線を画すものであり、聴き手に良い意味での安心感をもたらすものでもあります。
 

Rachmaninov: Symphony No. 2
RPOSP031
\2000→\1890
ラフマニノフ:交響曲第2番他
 1-4.交響曲第2番ホ短調 Op.27/
 5.ヴォカリーズOp.34-14(チェロとピアノ編)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団…1-4/
ファハルド・バダルベイリ(ピアノ)…5/
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮…1-4,チェロ…5)
録音 2010年7月12-13日ロンドンカドガン・ホール
 2004年に新しくオープンしたコンサート・ホールであるカドガン・ホールは、もともと約100年前ほどに建てられた教会で、信者減少のためにイギリス国教会が放棄することを決定したところ、教会の音響の良さに感動したCadogan Estateという会社が買収することで蘇ったというものです。4年間の改装を経て生まれ変わったホールは、その響きの良さにロック・ミュージシャンやジャズ・バンドも魅了されているほどで、聴衆からも愛されているところです。ロイヤルフィルハーモニー管はここの常連であり、RPOレーベルからも一連のシリーズとして、このホールでの録音をリリースしています。
 このラフマニノフ(1873-1943)は、名手ヤブロンスキーの指揮を得て、ふっくらとした響きを持ちながらも、スマートな解釈によって、きりりと引き締まった現代的な表情を以っています。ヴォカリーズではチェロも演奏するというサービスぶりも微笑ましいところです。一方のバダルベイリはアゼルバイジャン最初の、そして最高のピアニストとして知られる名匠。国内で学んだ後、モスクワ音楽院でザークやダヴィドヴィチに学ぶ。以後国際的なコンサート活動を開いたあと、1971年からはバクー音楽大学でピアノ特別学科の主任となった。
 
RPOSP032
\2000
ヴェリー・ベスト・オブ・ロジャース&ハマースタイン
 1-3.リチャード・ロジャース(1902-1979):「オクラホマ」より
  <序曲/おお、なんて美しい朝/全てかゼロか>/
 4-6.ロジャース:「サウンド・オブ・ミュージック」より
  <サンド・オブ・ミュージック/私のすきなもの/全ての山を登れ>/
 7-9.ロジャース:「回転木馬」より
  <ミスター・スノウ/もし私があなたを愛していたら/
   あなたは決して一人で歩くことはない>/
 10-12.ロジャース:「王様と私」より
  <私は夢を持つ/シャル・ウィ・ダンス/あなたと知り合いになる方法>/
 13-16.ロジャース:「南太平洋」より
  <あの人を忘れたい/春よりも若く/ステキな人/二つの告白-魅惑の宵>
メアリー・カレウェ(ソプラノ)/
リア・ジョーンズ(ヴォーカル)/
グラハム・ビックリー(ヴォーカル)/
マイケル・ドール(テノール)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
デイヴィッド・ファーマン(指揮)
録音 2011年1月24-25日エンジェル・スタジオ
 作曲家、リチャード・ロジャースと作詞家、オスカー・ハマースタインのコンビによる数々の名ミュージカルから集めたとびきりの歌集です。2011年に行われたライブ録音で、歌っているのはイギリスが誇るソプラノ、カレウェで、彼女はミュージカルだけでなく、キャバレー・ソングや演劇など幅広く「現代の音楽」を手掛けていて、録音でもひっぱりだこの若手です。
 声に独特の響きがあり、これがまた独特の味わいを出しているといえましょう。指揮者のファーマンはイギリスにおける最高のミュージカル指揮者で、エビータ、キャッツ、シカゴ、オペラ座の怪人など数多くの名作を制作から手掛け、世に送り出しています。心から幸せになれそうな1枚です。
 
RPOSP037
\2000
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番他
 1-4.交響曲第5番ニ短調 Op.47/
 5.祝典序曲Op.96
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
グルジェゴルス・ノヴァーク(指揮)
録音 2011年1月13-14日ロンドンカドガン・ホール
 ロイヤル・フィルの首席準指揮者ノヴァークによるショスタコーヴィチ(1906-1975)。思いの外「濃厚」で熱い演奏です。祝典序曲のまったりさもなかなかです。ショスタコーヴィチに狂気を感じたくない人にオススメしたい1枚です。

SONOLUMINUS

DSL-92164
\2300
ジア-Zia
 1-6.ガブリエラ・レーナ・フランク(1972-):レジェンダス…
  アンデスの徒歩旅行(2001)
   <Toyos/arqueada/Himno de Zamponas/
    Chasqui/Canto de Volorio/Coqueteos>/
 7-10.ルー・ハリソン(1917-2003):
  ストリング・カルテット・セット(1978-1979)
  <Variations on Walter Von der Vogelweide’s Song of Palestine/
   Plaint/Estampie/Rondeaux/Usul>/
 12.ホセ・エバンジェリスタ(1943-):
  12のスペイン民謡より「スペインの花輪」(1993)/
 13.レーザ・ヴァリ(1952-):
  Nayshaboorak(カリグラフィ第6番)(2005-2006)/
 14.エレナ・カッツ=チェレニン(1957-):
  ファスト・ブルー・ヴィレッジ第2番(2007)
デル・ソル弦楽四重奏団
「ジア」とはインディアン部族における太陽を表わすシンボルマークであり、儀式用のつぼに描かれたり、キャンプファイヤーの周囲の地面に描かれたりします。
 そんなタイトルを持つこのアルバムは、5人の現代作曲家が各々ペルー、トルコ、スペイン、イラン、ウズペキスタンにルーツを持つ素材を使って作曲した音楽を集めたものであり、西洋音楽の伝統と民族音楽、伝承音楽との融合を図ったものとしてアジア圏の人々にもなじみ深い響きが至るところに散りばめられています。
 1992年に設立されたデル・ソル弦楽四重奏団は、サンフランシスコを拠点とし、主にアメリカ現代音楽を演奏している団体です。作曲家たちの信頼も厚く、新作の初演など常に問題提起を行っている注目アンサンブルとして知られています。
 
DSL-92165
\2300
スナップショット〜クネル&プロコフィエフピアノ作品集
 1-22.ピーター・クネル(1970-):スナップショット/
 23-42.プロコフィエフ(1891-1953):つかの間の幻影/
 43-47.ピーター・クネル:ピアノ・ソナタ第1番
マルクス・パヴリク(ピアノ)
カリフォルニア生まれの作曲家ピーター・クネルは、ルトスワフスキ作曲コンクールやシンシナティ交響楽団が主催した若手作曲家コンクールなど、数多くの賞を受賞している中堅の作曲家です。このアルバムは、彼の小品集「スナップ・ショット」と、ピアノ・ソナタ。そしてこれらの曲との「比較」のためにプロコフィエフの「つかの間の幻影」を組み合わせたもので、音の断片を繋ぎ合わせて風景を描き出すという試みを見事に表現しているものです。プロコフィエフの作品はロシアの詩人バリモントの詩をタイトルにしたもので、どれもが短く描写的です。クネルの「スナップショット」はもちろん瞬間を映し出した写真のことですが、アメリカの特定の年代の人には、コダック社の「安価なボックスカメラ」を想起させることばであり、気取らない雰囲気を持った曲という意味合いも含んでいます。ピアノを演奏するのはマルクス・パヴリク。NAXOSのモシュコフスキーのピアノ協奏曲での名演が光るピアニストです。

TOCCATA



TOCC-151
\2600→\2390
リヒャルト・ワーグナー:オペラ名曲集
 〜オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版 第1集

 1-3.楽劇「ヴァルキューレ」より
  <ジークムントの愛の歌/ヴァルキューレの騎行/終幕の音楽>/
 4.楽劇「ジークフリート」より 森の小鳥/
 5-6.楽劇「神々の黄昏」より
  <ラインの旅行き/ジークフリートの葬送行進曲>/
 7-11.ヴェーゼンドンク歌曲集
  <天使/止まれ/温室にて/悩み/夢> ※全て初録音
ジャン・グリエルモ・ヴィツカッラ(ピアノ)
録音 2012年7月17-19日 テキサス デントン,ウィスパー・ホール
 チェコのピアニスト、作曲家オーギュスト・ストラーダル(1860-1930)による見事なリストの「交響詩」ピアノ編曲版はお聞きになりましたか?こちらは、同じストラーダルによるワーグナー(1813-1883)作品のピアノ版です。ストラーダルはブルックナーとリストの弟子であり、師の作品をはじめとした膨大な量のピアノ編曲(バッハなどのバロック期の作品も含む)を世に送り出した人ですが、どの作品もあまりにも超絶技巧を要するため、当時の演奏技術では持て余す人が多く、結果的にブレイクすることがありませんでした。
 最近では、これらの曲が求める技術を易々とクリアするピアニストが多く登場。ようやくこれらの「秘曲」が世に出ることとなってきています。
 まずは3つの歌劇からの名曲と、これまた美しい「ヴェーゼンドンク歌曲集」をピアノのみでお楽しみください。新たな魅力に開眼すること間違いありません。
 

TOCC-157
\2600
シャルル=ヴァランタン・アルカン:歌曲全集 第1集
 1-6.第1集 Op.38
  <十分速く、しかしゆったりと ホ長調/セレナーデ イ短調/
   合唱 イ長調/捧げ物 イ長調/アジタティッシモ 嬰ヘ短調/舟歌 ト短調>/
 7-12.第2集 Op.38
  <讃美歌 ホ長調/アレグレット イ短調/
  軍歌 イ長調/行列-夜想曲 イ長調/
  アンダンティーノ 嬰ヘ短調/舟歌と合唱 ト短調>/
 13-18.第3集 Op.65
  <生き生きと ホ長調/いたずら好きな妖精 イ短調/
  1オクターヴのカノンで イ長調/
  正確なテンポで イ長調/オラスとリディ 嬰ヘ短調/舟歌 ト短調>/
 19.糸巻き:序奏と即興曲 Op.55 ※19…初録音
ステファニー・マッカラム(ピアノ)
録音 2012年2月26日,5月27日,7月22日 シドニー・コンセルヴァトリウム・オブ・ミュージツク,リサイタル・ホール・ウエスト
 2013年は、この風変りなピアニスト「アルカン」の生誕200年にあたります。彼の本名はシャルル・ヴァランタン・モランジュであり、アルカンとは音楽家であった父の名(アルカン・モランジュ)で、彼を含む兄弟姉妹全てがこの名前を名乗ったというのですから、ここから既に興味深いところです。自らを「人間嫌い」と称していますが、本当は友人たちも多く、多少の奇行は大目に見られていたようで、生涯独身を貫いたとされていますが、本当は子どももいたのでは・・・とされています。そんな彼の作品はどれもユニークですが、この「歌」も特筆べき特徴を備えています。
 まずは「歌」といえども声は使われていません。メンデルスゾーンの「無言歌」のようなものでしょうか。そして5巻からなる「歌集」はすべて同じ調性の組み合わせで書かれていて、最後は舟歌で締めくくられます。全ての曲は緊密なエピソードで関連付けられていて、また謎も多いもの。まずはこれらの曲に耳を傾けることで、この「変な作曲家」に思いを馳せてみたいももです。
 


TOCC-171
\2600→\2390
ジュセッペ・コロンビのチャコーナによる神秘的な変奏曲
 1.ジュセッペ・コロンビ:チャコーナ/
 2.ヨウニ・カイパイネン:エニシング・ゴーズ/
 3.マーティン・マタロン:ポルヴォ/
 4.ロジャー・レイノルズ:コロンビの白昼夢/
 5.デニス・コーエン:シャコンヌ/
 6.ユッカ・ティエンスー:ブルーライン/
 7.スティーヴン・スタッキー:通奏低音のためのパルティータ/
 8.エサ=ペッカ・サロネン:コヨーテのためのサラバンド/
 9.エドムンド・カンピオン:サムシング・トゥ・ゴー・オン/
 10.ラルフ・ヴァーリン:チャコネッタ/
 11.パブロ・オルティツ:パロマ/
 12.パーヴォ・ハイニネン:3つのアンティエン/
 13.アンドレス・ヒルベルイ:スティル・アンド・フロー/
 14.フレッド・レルダール:ゼア・アンド・バック・アゲイン/
 15.ヴェリ=マッティ・パウマーラ:…セ・シラン/
 16.パスカル・デュサパン:50の音符による3つの変奏/
 17.キンモ・ハコラ:コロンビ変奏曲/
 18.タン・ドゥン:チャコーナ-コロンビより/
 19.マーク・ネイクラグ:小さいコロンビ/
 20.湯浅譲二:ロークス・オン・コロンビのチャコーナ/
 21.リャン・ヴィーゲルスヴォルス:アリエッタ(コロンビから)/
 22.コリン・マシューズ:ドラマティコ/
 23.カイヤ・サーリアホ:夢見るシャコンヌ/
 24.イワン・フェデーレ:前奏曲とチャコーナ/
 25.ヴィンコ・グロボカール:イデー・フィクス/
 26.グァルティエロ・ダッツィ:影の変奏とシャコーナ/
 27.タピオ・トゥオメラ:イドゥラ/
 28.ベティ・ジョラス:ア・ファンシー・フォー・アンシ/
 29.ミロスラフ・シルンカ:変奏/
 30.ルカ・フランチェスコーニ:アンシンメトリ/
 31.マグヌス・リンドベルイ:デュエロ
アンシ・カルットゥネン(チェロ)
録音 2011年3月7.16日,9月10日,12月1日,2012年5月16日 ヘルシンキ スタジオ M2/YLE
 2010年、フィンランドのチェリストであるアンシ・カルットゥネンは、彼の妻ミュリエルの50歳の誕生日を祝うためにあるアイデアを思いつきました。それは彼の同胞作曲家カイヤ・サーリアホをはじめとした、世界中で活躍する作曲家、音楽家たちに一つのテーマで変奏曲を書いてもらうこと。
 それは19世紀のはじめに出版業者ディアベリがベートーヴェンを含む当時の作曲家たちに変奏曲を依頼したのと同じような趣向というわけです。
 今回の「変奏曲」はイタリアの作曲家ジュゼッペ・コロンビ(1635-1694)の初期のチェロ作品のシャコンヌを主題として、30名の作曲家たちが思い思いの作品を書き上げています。
 ただカルットゥネンは、この「変奏曲」の趣旨を書く作曲家たちに詳しく説明することをしなかったため、タイトルも「神秘的な変奏曲」となっているところが、これまた興味深いものです。チェロにおけるありとあらゆる技巧を駆使した見事なオブジェが出来上がりました。
 


TOCC-92
\2600→\2390
フランツ・リスト:交響詩集 第2集
 〜オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版

  1.交響詩「オルフェウス」/
  2.交響詩「タッソ,悲哀と勝利」/
  3.交響詩「ハンガリー」/
  4.交響詩「ハムレット」 ※全て初録音
リスト=マッティ・マリン(ピアノ)
録音 2012年8月6-7日 フィンランド クーサンコスキ、クーサー・ホール
 第1集(TOCC0035)に続く、ピアノ編曲で聴くリスト(1811-1886)作曲「交響詩」の第2集です。極めて濃い物語性を持つリストの交響詩は全部で13曲あり、作曲家自身も2台ピアノ用に編曲した版を作っていますが、こちらのストラーダル(1860-1930)による編曲は、オーケストラの多彩な響きをピアノ独奏曲として完璧に置き換えることに成功したものです。
 もちろん求められている技巧は超人的なものですが、ここで演奏しているマッティ・マリンはテクニック、音楽性ともども申し分なく、この見事な音の建築物を極上の状態で聴き手に提示しています。
 
Matthew Taylor: String Quartets Nos. 5-7
TOCC-144
\2600
マシュー・テイラー:弦楽四重奏曲 第5番-第7番
 1-3.弦楽四重奏曲 第5番 Op.35(2007-2008)/
 4-7.弦楽四重奏曲 第6番 Op.36(2006-2008)/
 8-11.弦楽四重奏曲 第7番 Op.37(2008-2009)
  ※全て初録音
ダンテ弦楽四重奏団…1-3/
アレグリ弦楽四重奏団…4-7/
サリエリ弦楽四重奏団…8-11
録音 2012年5月23-24日 ロンドン イースト・フィンチリー,全霊教会
 マシュー・テイラー(1964-)の音楽は「現代に語りかける言葉と伝統的な形式を組み合わせた」聴き手に強く訴えかけるものです。
 ベートーヴェンやハイドンから連なる古典派の伝統を踏まえ、そこにシベリウスやニールセンの風味を隠し味にし、現代的な装いの音を描き出します。
 ここに収録されている3つの弦楽四重奏曲は、短い期間に集中して作曲されたものですが、3つの曲は各々感覚的にもデザイン的にも異なる様相を見せ、爆発的な機動力を秘めた曲から、繊細な子守歌まで多種多様。作曲家の才能を垣間見せてくれること間違いありません。既発の室内楽作品集(TOCC0015)も。
 
Bernhard Sekles: Chamber Music
TOCC-147
\2600
ベルンハルト・ゼクレス:室内楽作品集
 1.8小節の行進曲=主題によるシャコンヌ Op.38/
 2-4.チェロ・ソナタ Op.28/
 5-8.ピアノ三重奏のための「4つの楽章による奇想曲」/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタ Op.44
  ※1…初録音
ソロミア・ソロカ(ヴィオラ…1)&(ヴァイオリン…5-12)/
ノリーン・シルヴァー(チェロ)…2-8/
フィリップ・シルヴァー(ピアノ)…9-12
録音 2012年5月28.29.31日 ミシガン ランシング,ブルー・グリフィン・スタジオ
 ドイツの作曲家ベルンハルト・ゼクレス(1872-1933)。彼の名前は現在クラシックの分野ではほとんど忘れられてしまっていますが、実はフランクフルトの音楽院に初めて「ジャズ科」を開設された時の学長として名前が残っています。
 それは1928年、まだまだジャズの存在すら認知されていない時期の大英断であり、その5年後にナチスによって「ジャズ科が廃止」されるまで、猛烈な批判と攻撃の矢面に立ち、常に革新的な思想と勇気をもって行動していたことは評価されるべきではないでしょうか。そんな彼の作品は、オペラから室内楽まで多岐に渡り、また数多くの興味深いフレーズを持っています。時にはジャズ風な香りを持つゼクレスの作品も再評価されるべきものでしょう。
 
TOCC-153
\2600
フィリップ・ラミー:ピアノ作品集 第4集(1959-2011)
 1-3.呪文/
 4-17.コサック変奏曲/
 18-20.3つの初期の前奏曲/
 21-23.ピアノ・ソナタ 第3番/
 24-32.警句 第2集/
 33.リチャード3世のための悲歌/
 34-36.ピアノ・ソナタ 第7番 ※全て初録音
スティーヴン・ゴスリング(ピアノ)
録音 ニューヨーク パトリッチ・サウンド・スタジオ(作曲家立会いのもと) 2010年5月7.8.10日…1-17.33, 2011年1月24-26日…18-32.34-36
 アメリカの作曲家、フィリップ・ラミー(1939-)のピアノ作品集の第4集となります。作曲年代順に回を重ね、今作で2011年の最新作までを網羅しましたが、今後の作曲活動によっては、全100集あたりにならないとも限りませんので「完結編」とは明記できません。
 そんなラミーの音楽ですが、ここでもプロコフィエフやバルトークを思わせる「活発なエネルギー」は健在で、モダンすぎる不協和音と、皮肉っぽいロマンティシズムが同居する新鮮な音には、ついつい耳を欹ててしまうことでしょう。風変りな音楽を聴きたい人にオススメします。
 
TOCC-159
\2600
エゴン・コルナウト:ピアノ作品集 第1集
 1.幻想曲 Op.10(1915)/
 2-4.3つの小品 Op.23(1920)/
 5-11.小組曲 Op.29(1923)/
 12-13.前奏曲とパッサカリア Op.43(1939)/
 14-19.5つの小品 Op.44(1940) ※全て初録音
ジョナサン・パウエル(ピアノ)
録音 2008年8月15-16ン自治 ドゥルハム音楽大学
 チェコに生まれ、オーストリアで活躍した作曲家、ピアニスト、エゴン・コルナウト(1891-1959)。彼は18歳の時にウィーンに移住し、音楽院でローベルト・フックスとフランツ・シュレーカーに師事。1912年には自作のヴィオラ・ソナタOp.3がオーストリア国家賞を受賞するなど高い評価を受けています。
 その後も数々の賞を受賞し、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院教授、副学長を歴任するなど教育の面でも活躍しています。TOCCATAでは、この知られざる作曲家が書いたピアノ曲に焦点をあてていきます。この当時の作曲家は、あまりピアノのための作品に関心を持たなかったようで、例えばマーラーはピアノ・ソロのための曲は全く残していませんし、シェーンベルクやベルクのピアノ曲は後期ロマン派の音楽としてではなく、全く違う世界の音楽として捉えるべきでしょう。そんな時代に書かれた魅力的なピアノ曲の数々は、新しいレパートリーを模索するリスナーたちの趣向にも、間違いなくフィットするものと言えるでしょう。
 
TOCC-166
\2600
デヴィッド・マシューズ:ピアノ作品集
 1-4.ピアノ協奏曲 Op.111(2009)/
 5-7.ピアノ・ソナタ Op.47(1989)/
 8-32.ピアノのための変奏曲 Op.72(1997)/
 33-34.2つのディオニュソスの熱烈な詩 Op.94(2007.2004)/
 35.タンゴの1つ Op.51d(1990/1993改訂)
  ※全て初録音
ローラ・ミッコーラ(ピアノ)/
オーケストラ・ノヴァ…1-4/
ジョルジョ・ヴァス(指揮)…1-4
録音 ケント セヴンオークス・スクール,スペース・パフォーミング・アーツ・センター,パーモヤ・ホール 2012年10月25日…1-4, 2012年10月26…5-35
 ロンドン生まれの作曲家、デヴィッド・マシューズ(1943-)は、あのホルストの“惑星”に「冥王星」を付け加えたことで知られるコリン・マシューズの兄であり、またマーラーの第10交響曲の補筆作曲家として知られるデリック・クックの親友でもありました。彼の作品はどちらかというと、伝統的なイディオムを持つものが多く、ここで聴けるピアノ協奏曲は、モーツァルトの精神を下敷きに、タンゴやブルースの要素を付け加えたものです。また変奏曲ではベートーヴェンの面影が見え、また小品では様々が概念を含んだ魅力的な音楽が展開されます。
 フィンランドの名手ミッコーラの至芸が聴きものです。

YARLUNG RECORDS

 エンジニア、ボブ・アティエーによって設立された新興クラシック・レーベル。ロサンジェルスを本拠に若手ミュージシャンを発掘し、デビューCDを録音、発表。そのアルバムの完成度の高さでグラミー賞を受賞しています。
 20世紀、21世紀の新しいレパートリーから、バロック、古典、ロマン派までの音楽を幅広く取り揃え、演奏家にも聴き手にも大いなる喜びを与えるこのレーベルは、スタジオでの録音を行わず、音響に優れたウォルト・ディズニー・コンサートホールやロサンジェルス・アンバサダー・ホールでの録音を原則としています。
 音質を追求するため、レコーディングはアナログテープとデジタルメディアの両方で同時収録する方式を採用、アナログマスターからCD化された作品も多数リリースされています。


YR-14148
\2300→\2090
もし、美しさをあなたが愛するなら
 〜サーシャ・クック(メゾ・ソプラノ):アリアと歌曲を歌う

 1.ジョン・アダムス(1947-):
  ドクター・アトミック-「私はあなたの光」/
 2-4.ショーソン(1855-1899):愛と海の詩 Op.19/
 5.ヘンデル(1855-1899):歌劇「アリオダンテ」HWV33-「不実な女…戯れよ」/
 6.ヘンデル:歌劇「セルセ」-オン・ブラ・マイ・フ/
 7-11.マーラー(1860-1911):リュッケルト歌曲集
  <私は快い香りを吸いこんだ/
  美しさをあなたが愛するなら/私の歌をのぞき見しないで/
  私はこの世に捨てられて>/
 11.真夜中に
サーシャ・クック(Ms)/
コロンビア管弦楽団/
イェフダ・ジラッド(指揮)
録音 2012年2月5-7日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 サーシャ・クックは、あのアダムスの問題作「ドクター・アトミック」でオッペンハイマーの妻キティを歌ったことで、強烈な印象を与えたす。このアルバムにもアリア「私はあなたの光-Am I in Your Light?」が収録されていますが、緊迫感溢れる全曲中、ふんわりと優しいこのアリアはとりわけ心に残るものであり、このCDのプロデューサーも、これを聴いたからこそ彼女のデビュー・アルバムを制作したいと強く願ったのだそうです。そんな製作者の強い思いを秘めたこの1枚は、確かに豊かな感情と色彩感に満ちたもので、しっとりとした彼女の歌声と、それを支えるオーケストラの響きは、聴き手に大いなる喜びを与えることでしょう。リュッケルト歌曲集の録音は2012年ニューポートで行われた博覧会において、オーディオ賞を獲得してます。
 

YR-78876
\2300
Dialoghi-対話
 1.ファリャ(1876-1946):アストゥリアーナ/
 2.黛敏郎(1929-1997):文楽/
 3-8.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007/
 9.クリストファー・ラウズ(1949-):リコルダンツァ/
 10.スタッキー(1949-):Dialoghi-対話/
 11.ブリテン(1913-1976):テーマ「ザッハー」/
 12.ルトスワフスキ(1913-1994):ザッヒャー変奏曲/
 13.ルトスワフスキ:グラーヴェ/
 14-16.マショー(1300-1377)/レオナン(1150-1201):愛と完璧な美/
 17-23.カイヤ・サーリアホ(1952-):7羽の蝶々/
 24.ファリャ:ナーナ
エリノー・フレイ(チェロ)/
ディヴィッド・フン(ピアノ…1.13-16.24)
録音 2007年11月19-21日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 「非のうちどころなきチェリスト」とカナダの新聞La Presseで絶賛されたチェリスト、フレイによる見事な小品集。このレーベルの特徴とも言える、「現代と古典の融合」がここでも美しく花開いています。セレクトされた作品は本当に書かれた時代が様々ですが、どの曲からも共通の美意識が漂う洗練された音楽性が感じられます。
 
Antonio Lysy at the Broad: Music from Argentina
YR-27517
\2300
アントニオ・リジー:チェロ・リサイタル
 1.ヒナステラ(1916-1983):パンペアーナ第2番 Op. 21/
 2.ホレ・ブラガート(1915-):グラシエラとブエノス・アイレス/
 3-4.ヒナステラ:5つのアルゼンチン民謡集より第2番,第3番/
 5.ゴリホフ(1960-):オマラモル/
 6.ピアソラ(1921-1992):オブリビオン(忘却)/
 7.ヒナステラ(1916-1983):
  プネーニャ第2番「パウル・ザッハーへのオマージュ」Op.45/
 8.ピアソラ:天使のミロンガ/
 9.ピアソラ:ル・グラン・タンゴ/
 10.ラロ・シフリン(1932-):パンパス
アントニオ・リジー(チェロ)/
フィリップ・レヴィ(ヴァイオリン)/
ブリャン・ペッツォーネ(ピアノ)/
パブロ・モッタ(コントラバス)/
キャピトル・アンサンブル
録音 2009年6月8-9日 サンタモニカ ブロード・ステージ
 ヒナステラ、ピアソラ、ゴリホフなど、名作曲家たちがアルゼンチンの民族音楽の伝統からインスピレーションを得たであろう作品を収録。ソロ楽器としてのチェロを強調し、魅力的な音色を存分にいかしたこれらの「アルゼンチン・タンゴ」はどれも輝かしく躍動的なものばかりです。はるか彼方に聞こえるアメリカ・インディアンたちの音楽と、クレオール(中南米やカリブ海生まれのスペイン人)たちの心の声を描き出した情熱的な演奏です。
 
Suryodaya: The Coming of Light
YR-44638
\2300
スリョダヤ
 1.バダル・ロイ(1945-):カルカッタ・サンライズ/
 2-4.クプタ:ラーガ・ジョーンプリ/
 5.作者不詳:イスタンピッタ「悦びのはじまり」/
 6.ビーバー(1644-1704):パッサカリア/
 7-10.ハービソン(1938-):4つの孤独の歌/
 11.ペレイラ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ/
 12.グプタ:ラーガ・ルドゥクス
ロバート・ヴィジェイ・グプタ (ヴァイオリン)/
バダル・ロイ(タブラ)
録音 2011年7月5-6日 ロスアンジェルス ウォルト・ディズニー・ホール
 ロバート・ヴィジェイ・グプタは2007年、19歳の時にロサンゼルス・フィルのオーディションに最年少で合格。以来、最も活気に満ちたメンバーの一人として活躍してます。彼はそれ以前にエール大学で音楽学の修士号、マリスト大学から生物学の学士号を取得し、平行してアイザック・スターンなど錚々たる名手に教えを受けながら、マンハッタン音楽学校とジュリアード音楽院で学ぶという溢れる才能の持ち主です。最も、8歳から様々なオーケストラと共演し、11歳の時にはメータの指揮でイスラエル・フィルと共演し、テルアビブでソロ・コンサートを開催したほどの神童であり、音楽の道に進むことに迷いはなかったのですが、医学を学ぶことで自身の進むべき道をはっきりと自覚。音楽療法の可能性についても日夜研究しているという人でもあります。彼は映画「路上のソリスト」で知られる総合失調症の音楽家ナサニエル・エアーズの実際の師でもあり、ここでも更なる可能性を追求しているとのことです。
 
The Piano: A Journey from Hubris to Humility
YR-52069
\2300
the piano-傲慢から謙遜へ
 1.リスト(1811-1886):巡礼の年 第3年-エステ荘の噴水/
 2.リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 /
 3-4.J.S.バッハ(1685-1750):
  平均律クラヴィア曲集 第1巻
   第22番 前奏曲とフーガ 変ロ短調 BWV867/
 5.ラヴェル(1875-1937):水の戯れ/
 6.ラヴェル:ラ・ヴァルス(ピアノ独奏版)/
 7.亡き王女のためのパヴァーヌ
デイヴィッド・フン(ピアノ)
録音 2005年6月27.28日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 アメリカのピアニスト、デイヴィッド・フンのデビュー・アルバムです。彼は2004年に開催されたドイツの国際ピアノ・サマーフェスティバル・コンクールで優勝し、めきめきと力をつけました。このアルバムは全てを1テイクで録音完了。その完成度の高さは驚くべきもので驚異的な彼のテクニックも含め、まさに前人未到の域に達する1枚と言えるでしょう。タイトルの「傲慢から謙遜へ」は彼自身の言葉であり控えめな表現からは逆に「大いなる自信」を感じさせる挑戦的な一言ともいえそうです。
 
Ciaramella: Music from the Court of Burgundy
YR-5785
\2300
バーガンディ宮廷の音楽
 1.プノワ(?-1478):グローリア/
 2.デュファイ(1397-1474):祝福されしイェルサレムの町/
 3.作者不詳:馬に乗れ、みな馬に乗れ/
 4.チコーニア(1370-1412):Una panthera in compagnia de Marte/
 5.チコーニア:Doctorum principem/
 6.チコーニア:愛しい人よ/
 7.グリマス:A l'arme - A l'arme - Tru tru/
 8.ピキーニ(1364-1389):Plasanche or tost/
 9.ジル・バンショワ(1400-1460):落胆した女のように/
 10.アグリコラ(1446-1506):落胆した女のように/
 11.アグリコラ:落胆した女のように/
 12.ギルバート:Cancon de' pifari dicto El ferrarese I/
 13.作者不詳:Je suis d'Alemagne/
 14.作者不詳:Roti boully ioyeulx/
 15.ギルバート:Cancon de' pifari dicto El ferrarese II/
 16.ギルバート:Improvisation over La spagna/
 17.ジョスカン・デ・プレ(1455-1521):ラ・スパーニャ/
 18.作者不詳:La franchoise nouvelle/
 19.ヒセリン(1455-1507):わたしは恋におち/
 20.作者不詳:わたしは恋におち/
 21.イザーク(1555-1517):わたしは恋におち/
 22.ギルバート:ロマネスカ/
 23.アルリコラ/イザーク/ピナロール/アグリコラ:絶望した運命の女神
チャラメッラ/
アダム・ナイト・ギルバート&ロテム・ギルバート(指揮)
録音 2008年6月9-16日 アルフレード・ニューマン・ホール
 バーガンディ=ブルゴーニュ。色の名前としてもおなじみであり、またワインの産地としても世界的に有名なこのフランス東部の地域は、温暖な気候と恵まれた自然条件を持つ、耕作に適した土地として知られてます。中世初期にゲルマン人の一派ブルグント族に支配されたため、この名前がありますが、16世紀に男系が絶え、ヴァロア朝フランスに併合されました。
 このアルバムは14世紀から16世紀にこの土地で流行した音楽を収録。即興的なスタイルと甘いメロディが交錯する楽しい音楽で、時に騒々しく、また説得力に富んだ響きが魅力的です。
 
Petteri Iivonen: Art of the Violin
YR-5787
\2300
ペトリ・イーヴォネン:アート・オブ・ザ・ヴァイオリン
 1-4.イザイ(1858-1931):
  ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.27-2/
 5.サッリネン(1935-):カデンツァ Op.14/
 6-8.ドビュッシー(1862-1918):
  ヴァイオリン・ソナタ ト短調/
 9-11.イザイ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.27-4/
 12-13.レフコヴィッツ(1964-):エリ・エリ(オリジナル・メロディ付き)/
 14-18.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
ペトリ・イーヴォネン(ヴァイオリン)/
ケヴィン・フィッツ=ジェラルド(ピアノ…6-8)
録音 2008年6月9-16日 ロスアンジェルス,アルフレード・ニューマン・ホール
 フィンランド出身のヴァイオリニスト、イーヴォネン。彼は2008年にYARLUNGのプロデューサー、ボプが見出した才能です(ボブの元に彼を紹介したのは、やはり名ヴァイオリニストであるハガイ・シャハムでした)。このCDは彼のデビュー盤であり、ボブが心底感心したというイザイのソナタの冒頭の美音から、ぞくぞくするほどの興奮が伝わってきます。
 考え抜かれたバッハ、そして彼のために作曲されたレフコヴィッツの作品をはじめ、色彩的なドビュッシーとサリネンにおける溢れる感情の世界をお楽しみいただけます。
 
Evening Conversations
YR-62375
\2300
夕べの対話
 1.モーツァルト(1756-1791):幻想曲 ハ短調 K475/
 2.ショパン(1810-1849):夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作/
 3-10.タン・ドゥン(1957-):水彩による8つの思い出/
 11-15.ラフマニノフ(1873-1943):13の前奏曲 Op.32より
  <第8番 イ短調/第9番 イ長調/
   第10番 ロ短調/第11番 ロ長調/第12番 嬰ト短調>/
 16.シューマン(1810-1856):アラベスク ハ長調 Op.18/
 17-29.シューマン:子どもの情景 Op.15/
 30.スカルラッティ(1685-1757):ソナタ ニ短調 K34/L.S7/P15/
 31.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K141/L422/P271/
 32.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K32/L423/P14
ディヴィッド・フン(ピアノ)
録音 2006年3月27-29日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 その前年、2005年録音の「傲慢から謙遜へ」(YAR52069)で大胆かつ見事なピアノを聞かせた若手、デビッド・フン。この2枚目のアルバムでは一転、繊細かつ抒情的なピアノを聞かせます。彼の音色は多彩でありニュアンスに満ちていて、どれもがウィットに富み、とても空想的です。ドラマティックなモーツァルトで始まり、悲しみに満ちたショパンの夜想曲、そして得意とするタン・ドゥンの表情豊かなピース、ラフマニノフとシューマンの重厚な感情の揺れを感じさせ、最後はさらっとスカルラッティで風のように去っていく。そんなクールなアルバムです。
 
Debut
YR-62376
\2300
デビュー 〜ジャナキ弦楽三重奏団
 1-2.ペンデレツキ(1933-):弦楽三重奏曲/
 3-6.ベートーヴェン(1770-1827):
  弦楽三重奏曲 ハ短調 Op.9-3/
 7-10.ジェイソン.V.バラッバ:弦楽三重奏曲/
 11.レフコヴィッツ(1964-):
  ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲/
 12-13.ペンデレツキ:弦楽三重奏曲(ライヴ録音)
ジャナキ弦楽三重奏団
録音 2006年2月13-14日,3月15-16日 ロスアンジェルス コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 このジャナキ弦楽三重奏団は、2005年初めにロサンゼルスのコルバーン音楽学校の学生によって設立、まもなく第59回コールマン室内楽コンクールで優勝し、BMI財団の賞を獲得、その後は数々の会場、ホールで演奏し力をつけてきた団体です。2007年にカーネギー・ホールのワイル・リサイタル・ホールでニューヨーク・デビュー・リサイタルを行い、こちらも大好評を得ています。
 新鮮なエネルギーと成熟した音楽性で、ベートーヴェンから現代まで幅広いレパートリーを有し、瑞々しい音楽を聞かせる期待のアンサンブルです。
 

Martin Chalifour and the Los Angeles Philharmonic in Walt Disney Concert Hall
YR-67893
\2300→\2090
マーティン・チャリフォー:ヴァイオリン・リサイタル
 1-3.スティーヴン・スタッキー(1949-):
  3つのピンチャー/
 4-7.ルトスワフスキ(1913-1994):チェーンⅡ/
 8.エサ=ペッカ・サロネン(1958-):
  Lachen verlernt-笑いを忘れて/
 9-11.モーツァルト(1756-1791):
  ヴァイオリン協奏曲 第5番「トルコ風」イ長調 K219
マーティン・チャリフォー(ヴァイオリン)/
ジョアン・ピアース・マーティン(ピアノ…1-3)/
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団…4-7,9-11/
アンドレイ・ボレイコ(指揮)…4-7,9-11
録音 ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール
 2003年にこけら落としが行われたウォルト・ディズニー・コンサート・ホールはその音響効果の素晴らしさで(日本の豊田泰久が音響を担当)知られ、現在LAフィルとロサンゼルス・マスター・コラールの本拠地となっています。プロデューサーであるボブ・アッティユーはこのホールを大変気に入っており、この録音を最良のものとするために、チャリフォーが使用する楽器に至るまで(1716年製のストラディヴァリなどいくつもの名器を用意)入念の準備を行いました。モーツァルトから現代にいたるまでの広範囲の時代に渡る音楽を息をのむような素晴らしさで再現しています。
 サロネンの作品はこのアルバムが初演であり、こちらも興味深いものです。
 
Frederic Rosselet plays Bach, Berio, Dutilleux & Ligeti
YR-7498
\2300
フレデリック・ロセレット:チェロ・リサイタル集
 1.ベリオ(1925-2003):言葉は消える/
 2-7.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009/
 8-9.リゲティ(1923-2006):無伴奏チェロ・ソナタ/
 10-15.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008/
 16-18.アンリ・デュティユー(1916-):
  ザッヒャーの名による3つのストローフェ
フレデリック・ロセレット(チェロ)
録音 2011年6月20-23日 ロスアンジェルス アルフレード・ニューマン・ホール
 チェリスト、フレデリック・ロセレットの演奏は決して派手ではありませんが、堅実なる技術と表現は、過去の偉大な巨匠に匹敵するものと言えるでしょう。このアルバムはベリオ、リゲティ、デュティユーの3人の近現代作曲家の無伴奏作品と、この分野における聖書ともいえるバッハの「無伴奏」を組み合わせたもの。この演奏のためにロセレットが選んだ楽器は2004年にカルロス・モレノによって復刻された「1725年 Guranchino」のコピー。バロック式の楽器から豊かな音色を引き出しています。
 
Art of the Sonata
YR-76721
\2300
アート・オブ・ソナタ
 1-4.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
 5-8.フランク(1822-1890):
  ヴァイオリン・ソナタ イ長調/
 9.レフコヴィッツ(1964-):ミニチュア VIII「/
 10-13.ブラームス(1833-1897):
  ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108
ペトリ・イーヴォネン(ヴァイオリン)/
ケヴィン・フィッツ=ジェラルド(ピアノ…5-8,10-13)
録音 2008年6月9-16日 ロスアンジェルス アルフレード・ニューマン・ホール
 1987年生まれのヴァイオリニスト、イーヴォネンは4歳の時にヘルシンキ音楽院でヴァイオリンを学び始めたという神童です。彼は1997年からトーマス・ハーパネンとハガイ・シャハムに師事しその才能を磨いてきました。2010年にはズービン・メータの指揮でチャイコフスキーの協奏曲を演奏。こちらも非常に高い評価を受けています。類い稀なる美音に加え、音を完璧に制御することで見事な音楽を作り出す彼のヴァイオリンをお聞きください。ピアノの流麗な演奏はカナダの名手ケビン・フィッツ=ジェラルドです。
 
Orion
YR-78873
\2300
オリオン・ウェイス:ピアノ・リサイタル
 1-8.J.S.バッハ(1685-1750):
  フランス風パルティータ(序曲) ロ短調 BWV831/
 9.スクリャービン(1872-1915):
  ピアノ・ソナタ 第5番 嬰ヘ長調 Op.53/
 10.モーツァルト(1756-1791):
  パイジェッロの主題による6つの変奏曲 K398(416e)/
 11-12.エリオット・カーター(1908-2012):ピアノ・ソナタ
オリオン・ウェイス(ピアノ)
録音 2007年9月1-4日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 アメリカのピアニスト、オリオン・ウェイスによる4つの作品集。バッハでの落ち着いた風情がスクリャービンになると一転、炎のような情念を燃やす様が見事です。すべての曲が驚異的なテクニックに支えられており、厳格なる完璧主義で曲が構成されていますが、時として溢れるが如く感情が表出。そのギャップもたまらないピアニストです。
 アメリカの評論家、マイケル・ファーマーは彼の音楽性を名指揮者グスタヴォ・ドゥダメルと比較して論じていますが、さて聴き手の耳には、この若き才能の音楽がどのように感じられるでしょうか。
 
Stucky - Ustvolskaya - Salonen - Brahms
YR-78874
\2300
デヴィッド・ハワード:クラリネット・リサイタル
 1.スティーヴン・スタッキー(1949-):瞑想と踊り/
 2-4.ウストヴォルスカヤ(1919-2006):
  クラリネット三重奏曲/
 5-8.エサ=ペッカ・サロネン(1958-):夜の歌/
 9-12.ブラームス(1833-1897):
  クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
デヴィッド・ハワード(クラリネット)/
ヴィッキ・レイ(ピアノ…1-8)/
リンドン・ジョンソン・テイラー(ヴァイオリン…9-12)/
クリスティーネ・ヘッドウォール(ヴァイオリン…9-12)/
ジョン・ヘイハースト(ヴィオラ…9-12)/
グロリア・ラム(チェロ…9-12)
録音 ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール&コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 ブラームスのクラリネット五重奏曲を中心とした、深く瞑想的な作品を配した1枚。夕暮れから闇に至るまでの空の色を映し出したかのような、ハワードの美しいクラリネットの音色は印象的であり、またこれを取り巻く独特の空気感も、きりりとした美しさを備えたものです。ロシアの「幻の女性作曲家」ウストヴォルスカヤのクラリネット三重奏曲が聴けるのもファンにとって嬉しい限りです。
 
Ryan MacEvoy McCullough in Concert
YR-79577
\2300
ライアン・マクエヴォイ・マカラフ:リサイタル
 1-2.ドビュッシー(1862-1918):版画より
  第3番「雨の庭」,第1番「パゴダ」/
 3-7.ミロシュ・マギン(1929-1999):5つの前奏曲/
 8-10.ハイドン(1732-1809):ピアノ・ソナタ 第33番 ハ短調 Hob.XVI:20/
 11-12.J.S.バッハ(1685-1750):
  平均律クラヴィア曲集 第2巻より第1番「前奏曲とフーガ」ハ長調 BWV870/
 13-16.ベートーヴェン(1770-1827):
  ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101/
 17.シューベルト(1797-1828):4つの即興曲 Op.142-1 ヘ短調
ライアン・マクエヴォイ・マカラフ(ピアノ)
録音 2008年2月 ロスアンジェルス コルバーン・スクール
 ボストンで生まれ、カリフォルニア州北部のレッドウッド近郊で育ったピアニスト、マカラフ。彼はソリストとしてリサイタルで活躍するだけでなく、室内楽は歌曲の伴奏者としても多彩な活躍をするほか、作曲家、指揮者としての才能にも恵まれた類い稀なる音楽家のひとりです。2008年はとりわけ彼にとっても目覚ましい年であり、アンバサダー・ホールで行われたベートーヴェンの協奏曲第4番の演奏や、ラフマニノフの2番の演奏などで大成功をおさめ、また、コルバーン音楽学校でリサイタルを行うなど多彩な演奏活動を行ったのでした。
 この録音は当時の彼の演奏を収録したもので、ドビュッシーからシューベルトへ至る彼の音楽観がよくわかるコンセプト・アルバムとなっています。
 

Barefoot
YR-79580
\2300→\2090
Barefoot-裸足 〜ジョアン・ピアース・マーティン:ピアノ・リサイタル
 1.ショパン(1810-1849):バラード 第1番 ト短調 Op.23/
 2-4.モーツァルト(1756-1791):
  ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K332/
 5.ジョン・アダムス(1947-):中国の門/
 6.マーク・カールソン(1952-):沈黙するもののために/
 7.ヨーゼフ・ホフマン(1876-1957):子守歌 Op.20-5/
 8.メイヤー・クプファーマン(1926-2003):ディスタンス/
 9-10.メンデルスゾーン(1809-1847):
  無言歌集より Op.19-1ホ長調/Op.67-4「紡ぎ歌」/
 11.ムチンスキ(1929-2010):6つの前奏曲より Op.6-2/
 12.ゲルノット・ウォルフガンク(1957-):ナイト・シフト/
 13.ショパン:夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2/
 14.ショパン:夜想曲 第8番 変ニ長調 Op.27-2
ジョアン・ピアース・マーティン(ピアノ)
録音 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 ここでピアノを演奏するジョアン・ピアース・マーティンはロサンゼルス・フィルの首席ピアノ奏者であり、ジョン・アダムスの60歳の誕生記念に「チャイナ・ゲイツ」をパフォーマンス込みで演奏し話題を呼ぶなど、なかなか刺激的な活動を行い、また、アメリカ、ヨーロッパの多くのオーケストラに定期的に客演を行う実力派です。このアルバムは激しいショパンの後に優しいモーツァルトが置かれるなど、選曲からピアニストの個性がかなり強くでており、一連の物語として聞くのもありと思わせる1枚です。
 
Smoke and Mirrors Percussion Ensemble
YR-87598
\2300
SMOKE&MIRRORS
 1.ライヒ(1936-):ナゴヤ・マリンバ/
 2.ライヒ:木片のための音楽/
 3.ルー・シルバー・ハリソン(1917-2003):カンティクル 第3番/
 4.ウィテカー(1970-):スリーブ/
 5-8.デレク・ティモニウク:思いがけない出来事/
 9.武満徹(1930-1996):雨の樹/
 10-12.ラヴェル(1875-1937):ソナチネ
スモーク&ミラーズ・パーカッション・アンサンブル
録音 2011年6月7-10日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール
 まるでたった一人で演奏しているかのような、完璧な統制を誇るこのパーカッション・アンサンブル「スモーク&ミラーズ」。ここに収録された曲はどれもが独自の個性を持ち、打楽器の限りない可能性を示唆する興味深いものばかりです。激しく効果的な体験を創造するリズムの応酬と、音程、音色はとても刺激的であり、それはライヒのようなミニマル・ミュージック(これは楽しい)でも、異国情緒あふれるルー・ハリソンの作品でも変わることなく、聞き手の感覚に直接訴えかけてきます。音の一つ一つが磨き上げられているかのような武満の作品も聴きどころです。
 
Inner World
YR-88328
\2300
内なる世界 〜デイヴィッド・S・レフコヴィッツ:作品集
 1-3.ディープ・ドリーム/
 4-7.精神の積み木/8.エ・デュオ・ウヌム/
 9.内なる声/10.償い/
 11.ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏教/
 12.中で/外で
エリノー・フレイ(チェロ)…1-3/
デイヴィッド・フン(ピアノ)…1-3/
アンドレア・ティーレ(ハープ)…4-7/
ジュリー・ロン(フルート)…4-7.12/
カーター・デューベリー(チェロ)…4-7/
ポール・コレッティ(ヴィオラ)…8/
シル・フェイ(ヴィオラ)…8.9/
ラルフ・ウィリアムズ…10/
セレナ・マッキンリー(ヴァイオリン)…11/
ケティ・カダラウチ(ヴィオラ)…11/
リン・ヴァータン(マリンバ)…12
録音 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール&UCLA シェーンベルク・ホール
 「内なる世界」。この言葉にどれほど多くの人が想像力を刺激されることでしょう。詩人、画家、彫刻家、そして偉大なる音楽家たちは、この小さな空間から驚くほど多くのものを引き出し、形として見せてくれているのはご存知の通りです。このアルバムは作曲家レフコヴィッツ(1964-)の「内なる世界」です。ニューヨーク出身、コーネル大学とイーストマン音楽学校とペンシルバニア大学でサミュエル・アドラー、ジョージ・クラムらに作曲を学び、世界各国でその作品が高く評価されている人です。数多くの賞を受賞したのはもちろん、録音も数多く存在します。ここに収録された7つの曲はどれもエキゾチックであり、また深い静けさを持つ独創的なもの。静かに聴きたい1枚です。
 

Martin Chalifour in Walt Disney Concert Hall - Tresors Ensevelis, Hidden Treasures
YR-94004
\2300→\2090
マーティン・チャリフォー:ヴァイオリン・リサイタル
 1-3.プーランク(1899-1963):
  フルート・ソナタ FP164
  (M.チャリフォーによるヴァイオリンとピアノ編)/
 4.シェーンベルク(1874-1951):あなたと同じように/
 5.シェーンベルク:辻馬車の歌/
 6.シェーンベルク:太陽は輝き/
 7.ドビュッシー(1862-1918):レントよりもおそく/
 8-10.ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリン・ソナタ ト長調/
 11.ストラヴィンスキー(1882-1971):
  ペトルーシュカ-ロシアの踊り/
 12-13.ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」-子守歌.スケルツォ/
 14-17.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
  (R.シューマンによるヴァイオリンとピアノ編)
マーティン・チャリフォー(ヴァイオリン)/
ジョアン・ピアース・マーティン(ピアノ…1-3,7-10,14-17)/
マイア・ジャスパー(ヴァイオリン…4-6)/
ブリアン・ペッツォーネ(ピアノ…11-13)
録音 2008年6月2-3日 ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール
 ロサンゼルス・フィルの首席ヴァイオリニストとして活躍するマーティン・チャリフォーのリサイタル・アルバム。彼自身がとりわけ愛するというプーランクのフルート・ソナタを彼自身がヴァイオリン版に編曲して演奏するなど、随所にこだわりが感じられます。また他の共演者たちの親密な共感溢れる演奏も魅力的。バランスのよい選曲にもセンスの良さが伺えます。これは素晴らしい1枚です。
 
John Walz: A Tribute to Pierre Fournier
YR-96337
\2300
ピエール・フルニエを讃えて
 1-3.マルティヌー(1890-1959):チェロ・ソナタ 第1番 H277/
 4-7.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  チェロ協奏曲 ホ短調 RV40(P.バズレール編)/
 8-12.F.クープラン(1668-1733):
  コンセールのための5つの小品(P.バズレール編)/
 13-15.マルティヌー:チェロ協奏曲 第1番 H196(1955年版)
ジョン・ワルツ(チェロ)/
エディス・オルロフ(ピアノ…1-3)/
チェコ・ナショナル交響楽団…4-15/
ポール・フリーマン(指揮…4-15)
録音 2007年10月3日 コルバーン・スクール,ジッパー・ホール…1-3, 2006年5月4.5日 プラハ…4-15
 チェリスト、ジョン・ワルツは音楽の才能に加えて「ショーマン」としての才能も素晴らしく、作品を楽しく聴かせることについては、他の誰にもが真似できないほどのテクニックと表現力を持っているようです。マルティヌーでの機知に富む音楽と、クープランやヴィヴァルディでの端正な表現は、まるで違ったものとして耳に届くことでしょう。このコントラストは曲のすみずみまで浸透し、どの作品にもはっきりとした方向性を示しているのがさすがです。



<LP>


FONE(LP)


Fone 39LP
\6000
アッカルド/オーディオファイル・ヴァイオリン LP
 ベートーヴェン:ロマンス第2番  Op.50*
 サラサーテ:カルメン幻想曲**
 ガーシュウィン:サマータイム**
 クライスラー:美しきロスマリン**
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 「クロイツェル」 Op.47***
サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)
オーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ*
ローラ・マンジーニ(ピアノ)**
ジョルジア・トマッシ(ピアノ)***
180g 33回転 ドイツ・プレス 重量盤LP
オーディオ・ファンの耳を楽しませる高音質音源を送り届けてきたイタリアのFONEレーベルが今年創立30周年を祝うこととなりました。30周年を記念して、ヴァイオリンの巨匠、アッカルドの録音から珠玉の名曲を集めたLPをリリース。LPは496セットのみの限定盤です。



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