クラシックCD通販ショップ「アリアCD」へようこそ。
トップページへ

第71号インデックスへ
規約などはこちら・・・

お買い物の方法  

注文方法:
 ご希望商品のチェック・ボックスをクリックし、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください(enterキーを押してもかまいません)。
 新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、一番最後にページ下の「
注文フォームへ」のボタンをクリックして、注文フォーム・ページへ進んでいただいて、そこで注文を確定してください。
 (チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)

注文フォームへ



第71号
マイナー・レーベル新譜(5)
2013.6.18〜2013.8.16


ECM



476 4582
(2CD)
\4400→\3390
キース・ジャレット&ミシェル・マカルスキ/
 J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集

  第1番 ロ短調 BWV1014
  第2番 イ長調 BWV1015
  第3番 ホ長調 BWV1016
  第4番 ハ長調 BWV1017
  第5番 ヘ短調 BWV1018
  第6番 ト長調 BWV1019
ミシェル・マカルスキ(ヴァイオリン)
キース・ジャレット(ピアノ)
 1991年以来となるキース・ジャレットのバッハ録音!
 1987年の平均律クラヴィーア曲集第1巻からはじまったキース・ジャレットのクラシック録音。1991年のフランス組曲以降、バッハ録音は途絶えていましたが、その後も折を見てクラシック作品を録音してきました。
 今回のアルバムは、2010年にニューヨークで録音されたもので、バッハ作品としては19年ぶり、クラシック作品としては14年ぶりとなるもの。
 ヴァイオリン・ソロを務めるのは、ECMにいくつか録音があり、キース・ジャレットの自作クラシック・アルバムにも参加しているミシェル・マカルスキ。アメリカ出身の中堅奏者で、さまざまなジャンルで活躍し、ライヴでもキース・ジャレットと共演しています。
 キースのバッハ作品は、ゴルトベルク変奏曲や平均律クラヴィーア曲集第1巻がロングセラーを続けており、コア・クラシック・ファンの間でも、根強い人気があります。
 2013年はキース・ジャレット・トリオとの日本ツアーで健在ぶりを見せてくれたキース・ジャレット。このバッハ・アルバムでも、円熟味の増した演奏を聴かせてくれます。
録音:2010年11月20-22日 ニューヨーク、アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 


481 0446
(2CD)
\4400→\3390
アンドラーシュ・シフ/ディアべッリの主題による変奏曲 他
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第32番 Op.111
 ディアベッリの主題による33の変奏曲 Op.120
  (以上、1921年製ベヒシュタイン・ピアノ)
 6つのバガテル Op.126
  (以上、1820頃のフォルテピアノ)
アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
ソナタ全曲録音に続くシフのベートーヴェン録音はディアベッリ!
アンドラーシュ・シフ最新録音はベートーヴェンの33番目のピアノ・ソナタとも言われるディアベリ変奏曲。2014年の来日演目にもなっています。

■ヴィンテージ・ピアノとフォルテピアノで弾き分けた、異色のベートーヴェン・アルバム!
 2008年にリリースした『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8集』が翌年のレコード・アカデミー賞器楽曲部門賞を受賞し、今やコンサートが毎回ソールド・アウトするほどの人気となっているアンドラーシュ・シフ。
 ベートーヴェンのみならず、バッハやシューマン、シューベルトなどの独墺系レパートリーには、欠かせないピアニストの一人となっています。
 5年ぶりとなるベートーヴェン・アルバムは、変奏曲の傑作として名高い《ディアベッリの主題による変奏曲》。ピアノ・ソナタ全32曲を書き終えたベートーヴェンが、晩年にたどり着いた形式が変奏曲であり、出版社から与えられたテーマを元に、自らの創造力のすべてをつぎ込んで書いた名作です。
 しかも、今回の録音では、ピアノ・ソナタ第32番の新録音を冒頭に、最後のピアノ独奏曲となった「6つのバガテル」を最後に置き、変奏曲は1921年製のベヒシュタイン・ピアノと、ベートーヴェン・ハウスにある1820年製と思われるフォルテピアノによる2種類の録音を収録するという凝りようです。なぜ2種類のピアノを使用したのかが明らかにされています。
 録音:2012年12月27-28日 ルガーノ、スイス・イタリアーナ放送アウディトリオ(CD 1)、 2012年7月9-10日 ボン、ベートーヴェン・ハウス(CD 2)

■《ディアベッリ変奏曲》を含む2014年日本ツアー 招聘:KAJIMOTO
 3/16 サントリーホール、3/19 東京オペラシティ、3/21 神奈川県立音楽堂、3/23 名古屋しらかわホール
(その他、紀尾井ホール、大阪いずみホールでもリサイタルを予定)。 
 


4764633
\2400→\2190
現代的な解釈による中世預言者の音楽
 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン

典礼劇『オルド・ヴィルトゥトゥム』〜諸徳目の秩序(Ordo virtutum)
 1.Patriarchae Et Prophetae,
 2.Patriarchae Et Prophetae,
 3.Querela Animarum In Carne Positarum,
 4.Felix Anima, 5.Felix Anima,
 6.Sed Gravata Anima Conqueritur,
 7.Anima Illa, 8.Scientia Dei Ad Animam Illam,
 9.Infelix Anima, 10.Scientia Dei, 11.Anima Illa.
 12.Strepitus Diabolo Ad Animam Illam,
 13.Diabolus, 14.Humilitas, 15.Humilitas, 16.Humilitas,
 17.Caritas, 18.Timor Dei, 19.Diabolus, 20.Obedientia,
 21.Fides, 22.Spes, 23.Castitas, 24.Innocentia,
 25.Contemptus Mundi, 26.Amor Caelestis, 27.Disciplina,
 28.Verecundia, 29.Misericordia, 30.Victoria, 31.Discretio,
 32.Patientia, 33.Humilitas,
 34.Querela Animarum Paenitentis,
 35.Anima Illa, 36.Anima Illa, 37.Paenitens Anima Ad Virtutes,
 38.Anima Illa, 39.Humilitas, 40.Humilitas, 41.Diabolus,
 42.Paenitens Anima, 43.Anima Illa, 44.Humilitas Ad Victoriam,
 45.Victoria Ad Virtutes, 46.Humilitas, 47.Victoria,
 48.Castitas, 49.Diabolus, 50.Castitas, 51.Epilog
アンサンブル・ベルカント
[Andrea Baader(Sp),
Martina Scharstein(Sp),
Selina Drews(Sp),
Edith Murasov(Ms),
Dietburg Spohr(Ms) ],
Benjamin Cromme &
Lilith Reid(シュプレッヒシュティンメ)
【録音】2010年10月20〜22日、フランクフルト、フェステブルク教会(デジタル:セッション)

FONE


FONE 129SA
(SACD Hybrid)
\3000
イタリアのAudiophileレーベルのFone社/創立30周年記念SACDベスト・アルバム
 ニーノ・ロータ:山の城〜シモーネ・バロンチーニ(Hr)/
 マルコ・エンリコ・ボッシ:ゴルドーニ間奏曲より〜イ・ムジチ/
 ヴィエニャフスキ:ポロネーズ 第2番〜サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)/
 タンスマン:ファゴットのためのソナチネより〜ステファノ・カヌーティ(Fg)/
 マルトゥッチ:スケルツォOp.53より〜カルロ・アレッサンドロ・ラペーニャ(P)/
 プーランク:ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲より〜
  ウンベルト・ファンニ(P)、ジョヴァンニ・デ・アンゲリ(Ob)、
  ステファノ・カヌーティ(Fg)/
 フルトヴェングラー:ピアノ・ソナタ第8番より〜
  カロリーネ・デルゲ(P)/
 エルネスト・カヴァッリーニ:クラリネットのためのアダージョとタランテラより〜
  クッラード・ジュフレーディ(Cl)/
 マルトゥッチ:チェロ・ソナタ嬰ヘ短調Op.52より〜
  アンドレア・ナンノーニ(Vc)/
 ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ:五重奏曲より〜
  マルツィオ・コンティ(Fl),他/
 クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリースより〜
  マルコ・フォルナチアリ(Vn)/
 ルイジ・オルセッリ:ヴェルディの椿姫による回想〜
  ステファノ・カヌーティ(Fg)
 イタリアのAudiophileレーベル『Fone』社の、輝かしい30年の軌跡を収めたベスト・アルバム。
 社長兼エンジニアでもあるGiulio Cesare Ricci氏は、DSDテクノロジーを使ってCDフォーマットをさらに進化させた「シニョリッチ」技術を採用し、通常CDより20%も多い情報を読み込むことが可能させました。タイトルにもよりますが、あえてアナログ録音を採用しDSD編集を行うなど、独特なカリスマぶりを見せています。
 このベスト盤にはそうした素晴らしい録音による、代表曲はもちろん、隠れた名曲も一挙に収録された、Foneサウンド・ファン必携の内容となっています。
 Foneレーベルの歴史についてGiulio Cesare Ricci氏自身の解説による24ページのブックレット付き。ハイブリッドSACD仕様.

 なお、FONEは販売枚数が少ないらしく、極めて早い段階で完売することがあります。どうかご容赦ください。

MD+G


906 17577
(Blu-rayオーディオ+SACD)
\4000
《Diabolo》〜MD+Gサンプラー
 +チェック信号付
 28 classical audiophile Samples+ test signals

  1)ブルックナー:交響曲第0番より/ブルニエール(指揮),
  2)ショパン:夜想曲Op.15-2/レオンスカヤ(P),
  3) O・ベーム:ブラスのための六重奏曲より/W・バウアー・トランペットEns,
  4)プーランク:マリー/北ドイツ・フィギュラル合唱団,
  5)ジュリアーニ:セレナータOp.127より/A・リーバークネヒト(Fl),
  6)アンタル・ドラティ:ディヴェルティメントより/カク・ヨンヒ(Ob),
  7) J.Sバッハ:我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよBWV.639/関谷由美(P),
  8)シューマン:交響曲第4番より/ツァハリアス(指揮),
  9)ヘンデル:ソナタOp.1-2/ハイコ・テル・スケヘット(Bfl),
  10)リスト:死の舞踏より/ブルニエール(指揮),
  11)ヨハネス・エッカルト:我が心、君のために/北ドイツ室内管弦楽団,
  12) H・フェルナンデス:解き放たれた悪魔/ファビオラ・ホセ(Vo),
  13)シェーンベルク:ノットゥルノ/ブルニエール(指揮),
  14)ショパン:練習曲Op.10-4/H・リットナー(Fp),
  15)レーガー:おおいとしき御子/北ドイツ・フィグラル合唱団,
  16)シャイデマン:Jesu, du wollst uns weisen/レオ・ファン・ドゥセラール(Org),
  17)シューマン:ピアノ四重奏曲Op.47よりスケルツォ/モーツァルト・ピアノ四重奏団,
  18)ポンキエッリ:ユーフォニウム協奏曲Op.155より/ローランド・フレッシャー(ユーフォニウム),
  19) ソレール:ハープ・ソナタ第114番より/ゴドリーヴ・シュラマ(Hp),
  20)シューベルト:ロザムンデより/ダグラス・ボイド(指揮),
  21)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「熱情」より/ジン・ジュ(P),
  22) V=ロボス:花を分ける/A・リーバークネヒト(Fl),
  23)ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第2番より/セルマー・サックスハーモニック,
  24)シューマン:ピアノ・ソナタ第1番より/ジン・ジュ(P),
  25)V=ロボス:練習曲第1番より/フランク・ブンガルテン(G),
  26)モーツァルト:ピアノ協奏曲第16番より第3楽章/ツァハリアス(P),
  27)レスピーギ:バッハによる3つのコラール:ブルニエール(指揮),
  28)グランベール:イディッシュ組曲より/ダニエル・クライナー(指揮)
MD+Gのハイクオリティ録音を、SACDとブルーレイ・オーディオで!
 『MD+G』レーベルは、厳選したコンサート・ホールや教会などの自然な音響の中で録音を行い、ハイクオリティな数々のレコーディングを送りだしてきています。反響音などの増幅操作、サウンド・フィルターやリミッターなどは一切使用せず、正確な音響グラデーション、本来のダイナミクス、自然な音色などを忠実に再現することを目指しています。その結果生まれた各々のディスクは、音楽的に適切な空間広がりを兼ね備え、また芸術的側面においても、最大限の自然さと鮮明さを描き出しています。
 SACD、ブルーレイ・オーディオの両ディスクには、MD+Gに録音された優秀録音盤から選曲されたダイジェスト、28トラックが収録されています。
ブルーレイ・オーディオには、5.1ch, 7.1chに対応したオーディオ・チェック用信号が収録されていますので、正しいセッティングを行うことができます。
 MD+Gで独自に開発した「222レコーディング」は、これまでの5.1chとは異なる6チャンネル・サラウンド方式を提唱しています。さらにこれを発展させた「2222レコーディング」による8チャンネル・サラウンド方式は、クラシック音楽に最も適したな立体的な再生方式です。独自なスピーカー・セッティングなどが必要となりますが、そのためのチェック信号もブルーレイ・ディスクには収録されています。51ページのブックレットには、収録曲の紹介とオーディオ・チェック用のテクニカルな内容が記載されています。
【SACD】①CD-Stereo, ②SACD-Stereo, ③SACD-Multi(222Recording)の3種類を収録。正式な音響をお楽しみいただくには、③では通常の5.1chとは異なったスピーカー・セッティングなどが必要となります。
【ブルーレイ・オーディオ】全て24bit/96k ①『Stereo PCM』, ②『5.1ch DTS HD MA』,③『222Recording DTS HD MA(6ch)』, ④『2222Recording 8.0ch Auro-3D』の4種類の信号が収録されております。③④では、通常のマルチ・チャンネルとは異なったスピーカー・セッティングなどが必要となります。"
 

906 17817
(Blu-rayオーディオ)
\3600
《ハイドン・ポートレイト》〜ブルーレイ・オーディオ・サンプラー
 ハイドン:
  1)歌劇「報いられたまこと」序曲/
    アダム・フィッシャー(指揮)ハイドン・フィルハーモニー,
  2)ピアノ三重奏曲ハ長調Hob.XV-27/
    ウィーン・ピアノ三重奏団,
  3)トランペット協奏曲変ホ長調VIIe-1/
    ヴォルフガング・バウアー(Tp),
  4)アンダンテと変奏 ヘ短調Hob.XVII-6/
    ジン・ジュ(P),
  5)交響曲第94番「驚愕」/
    アダム・フィッシャー(指揮)ハイドン・フィルハーモニー
MD+Gのハイクオリティ録音をブルーレイ・オーディオで!
 定評のあるハイドンの作品を、前記の素晴らしいリアルな音響でお楽しみいただけます。
「2222レコーディング」による8チャンネル・サラウンド方式は、クラシック音楽に最も適したな立体的な再生方式です。
 このディスクには、全て24bit/96k信号で収録されており、①『Stereo PCM』, ②『5.1ch DTS HD MA』,③『222Recording DTS HD MA(6ch)』, ④『2222Recording 8.0ch Auro-3D』の4種類の信号が収録されております。③④では、通常のマルチ・チャンネルとは異なったスピーカー・セッティングなどが必要となります。
 

904 18106
(SACD Hybrid)
\3000
ブラームス:ピアノ作品集 Vol.4
 ①『2つのラプソディ Op.79』, ②『8つの小品 Op.76』
 ③『スケルツォ 変ホ長調 Op.4』, ④『ワルツ集 Op.39』
ハーディ・リットナー(Fp)
[I・ベーゼンドルファー1846年製(③),
J.B.シュトライヒャー1856年製(④),
J.B.シュトライヒャー1868年製(①②)]
柔らかくふくよかな響きに満ちた時代楽器によるブラームス
 【録音】2012年12月, ザルツブルク、イルンベルガー財団モーツァルト・ザール[デジタル:セッション]
ブラームスが愛したシュトライヒャー、ベーゼンドルファーの時代ピアノの響き。ベートーヴェンにピアノを提供したことでも知られているシュトライヒャー。1833年にナンネッテ夫妻が亡くなると、才能に恵まれたヨハン・バプティスト・シュトライヒャーが工房を引き継ぎました。彼のピアノはリストやクララ・シューマンも好んで弾き、ブラームスも手紙に「ピアノといえばシュトライヒャーかベーゼンドルファー」と残したほどです。当盤はトーマス・アルベルトゥス・イルンベルガーの個人コレクションの3台の時代フォルテピアノを使用して録音が行われました。中低音は十分な重心と量感をもって鳴る一方、高音部の柔らかくふくよかな響きは絶品で、ブラームスのピアノ作品が鮮やかに蘇っています。演奏のリットナーは1981年生まれの若手で、ザルツブルクのモーツァルテウムでジークベルト・ランペに学びました。ピリス、ポゴレリチ、ツィメルマンといった個性あふれる超一級ピアニスト達が目をかけて共演しています。
(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 

613 18022
\2300
ジャチント・シェルシ:室内楽作品集
 『Ko-Lho』(フルートとクラリネットのための),
 『4つのイラスト』(ソロ・ピアノのための)
 『Dithome』(無伴奏チェロのための),
 『Hyxos』(フルートと打楽器のための)
 『Xnoybis』(無伴奏ヴァイオリンのための),
 『To the Master』(チェロとピアノのための)
アンサンブル・アヴァンギャルド
始原を喚起する、倍音と余韻のうなり
 【録音】2011年11月, 2012年4 & 9月, マリエンミュンスター修道院[デジタル:セッション]
 ジャチント・シェルシ(1905-1988)の初期の作風は、音色重視の作曲法で、未来派の最後の残党といわれています。徐々に倍音成分への変化や近接する周波数によって発するうなりが効果的に使用される作品は印象的。後期になるとリゲティやケージらには高く評価されましたが、伝統音楽から現代音楽への移行期でもあり、初演者に恵まれなかったため、あまり世に知られることはありませんでした。残念ながら彼の作曲した作品の楽譜はほとんど出版されませんでしたが、最近になって彼の音楽が公開され、徐々に話題となってきています。近現代専門の音楽グループ「アンサンブル・アヴァンギャルド」のメンバーによる、始原を喚起する倍音と余韻のうなりの芸術をお楽しみ下さい。
 

309 6322
\2300
スカルラッティ一族の室内カンタータとソナタ集
 アレッサンドロ・スカルラッティ:
  カンタータ『Perche tacete, regolati concenti』,
  カンタータ『Bella Dama di nome Santa』,
  『ソナタ イ短調』,『ソナタ ヘ長調』,
 ドメニコ・スカルラッティ:カンタータ『Doppo lungo servire』,
 フランチェスコ・スカルラッティ:カンタータ『O come in un’ istante』
カイ・ヴェッセル(C-T)
ムジカ・アルタ・リパ (ピリオド楽器アンサンブル
表情に富んだ美しい旋律のカンタータ
 【録音】1995年, ゼングヴァルデン[デジタル:セッション]
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725)は、ナポリの宮廷楽長、ローマのサンタ・マリア・マジョーレ教会楽長を務め、ナポリ派オペラの代表的作曲家として名高く、膨大な室内カンタータを作曲しました。息子のドミニコ(1685-1757)はスペイン宮廷で活躍し、鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家です。アレッサンドロの弟のフランチェスコ(1666-1741)は、ナポリの宮廷楽団ヴァイオリン奏者を務め、ロンドンなどでも活躍しました。ここに収録された室内カンタータは、アレッサンドロの影響を強く受けており、表情に富んだ美しい旋律、その中に見え隠れする主人公の不安さなど、心情的な生命感に溢れています。BCJやコープマンとの共演でも有名なカウンター・テナーのカイ・ヴェッセルが、美しい声を重ねていきます。彼の美しいカウンター・テナーの声が聴けるアルバムの再発売となります。

BR KLASSIK



900119
(6CD)
\6300→\4990*
マリス・ヤンソンス&バイエルン放送響/日本ライヴ!
 ベートーヴェン:交響曲全集(3,6番以外は日本でのライヴ)
  +現代の作曲家たち

<CD1>
 1-4.ベートーヴェン:交響曲 第1 番 ハ長調 Op.21/
 5.ヨハネス・マリア・シュタウト(1974-):「マナイ」(2011)/
 6-9.ベートーヴェン:交響曲 第2 番ニ長調 Op.36/
 10.望月京(1969-):「ニライ-ベートーヴェンの交響曲 第2 番&第6 番へのインテルメッツォ」/
<CD2>
 1-4.ベートーヴェン:交響曲 第3 番 変ホ長調 Op.55/
 5.ロディオン・シチェドリン(1932-):
   ベートーヴェンのハイリゲンシュタットの遺書-管弦楽のための交響的断章(2008)/
<CD3>
 1-4.ベートーヴェン:交響曲 第4 番 変ロ長調 Op.60/
 5-8.ベートーヴェン:交響曲 第5 番 ハ短調 Op.67/
 9-10.ラミンタ・シャルクシュニーテ(1975-):「炎」(2010)/
<CD4>
 1-5.ベートーヴェン:交響曲 第6 番 ヘ長調 Op.68/
 6.ギア・カンチェリ(1935-):混声合唱と管弦楽のための「Dixi」(2009)/
<CD5>
 1-4.ベートーヴェン:交響曲 第7 番 イ長調 Op.92/
 5.イェルク・ヴィトマン(1973-):管弦楽のための演奏会?序曲「コンブリオ」(2008)/
 6-9.ベートーヴェン:交響曲 第8 番 ヘ長調Op.93/
<CD6>1-4.交響曲 第9 番 ニ短調「合唱」Op.125
バイエルン放送交響楽団/
マリス・ヤンソンス(指揮)
<CD6>
クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)/
藤村実穂(アルト)/
ミヒャエル・シャーデ(テノール)/
ミヒャエル・ヴォッレ(バス)/
バイエルン放送合唱団
 (ペーター・ダイクストラ…合唱指揮)/
 ヤンソンス&バイエルン放送響における「現在最高の」ベートーヴェン・ツィクルス登場!
 それは、単なるベートーヴェンの交響曲全集ではなく、また、単なる「来日公演」のライヴ集ではありません。
 昨年のマリス・ヤンソンス来日公演、ベートーヴェン・ツィクルスin サントリー・ホールは様々な反響を呼びました。それは現代における「ベートーヴェン演奏」の可能性を探るものであり、透明感のある響きと近代的なテンポ設定など、従来の解釈を大切にしながらも、独自の解釈を上乗せした素晴らしいものでした。
 しかし、ヤンソンスはこの演奏をそのままパッケージするのではなく、もっと高みを目指すために、一部の曲(3番、6番)をミュンヘン・コンサートのものと差し替え、その上、現代作曲家の「ベートーヴェンの交響曲から生み出された」作品(これはヤンソンスが各々の作曲家たちに委嘱したもの)を組み合わせるという、極めて実験的な試みを施すことで、数多のツィクルスとは完全に差別化を図った1セ ットを創り上げたのです。
 これは、このセットでしか味わうことはできません。

 録音:
<CD1>2012 年11 月27 日 サントリー・ホール…1-4, 6-9/2012 年2 月19 日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…5/2012 年11 月8.9 日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…10/
<CD2>2012 年10 月18.19 日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…1-4/2008 年12 月18.19 日 ミュンヘン フィルハーモニー・ガスタイク…5/
<CD3>2012 年11 月26 日 サントリー・ホール…1-4/2012 年11月27日サントリー・ホール…5-8/2012 年5月17.18日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…9-10/
<CD4>2012 年11 月8.9 日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…1-5/2009 年10月29.30日 ミュンヘン ヘラクレス・ザール…6/
<CD5>2012 年11 月30日 サントリー・ホール…1-4/2008 年9月25.26日 ミュンヘン フィルハーモニー・ガスタイク…5/2012 年12月1 日 サントリー・ホール…6-9/
<CD6>2012 年12 月1 日 サントリー・ホール
 


900120
(2CD)
\2600→\2190*
マリス・ヤンソンス&バイエルン放送響/
 ベンジャミン・ブリテン:戦争レクイエム Op.66
エミリー・マギー(ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
クリスティアン・ゲルハーエル(バリトン)
マックス・ハンフト(オルガン)
テルツ少年合唱団
バイエルン放送管弦楽団&合唱団
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音 2013 年3 月13-15 日、ミュンヘンフォルハーモニー・ガスタイク
 2013 年、生誕100 年を迎えたベンジャミン・ブリテン(1913-1976)。この「戦争レクイエム」は単なる宗教作 品を越えた、彼の代表作です。曲のスコア冒頭には、第一次世界大戦で僅か25 歳の命を落とした詩人ウィルフレッド・オーエン(1893-1918)の詩…“My subject is War, and the pity of War.我が主題は戦争であり、そして戦争の悲しみである。The Poetry is in the pity…詩はその悲しみのなかにあり…All a poet can do today is warn.”
全ての詩人の成し得ることは今日に警告を与えることにある。
 が添えられていて、これがブリテンの姿勢を端的に表しています。1962 年5 ?30 ?に?われた初演は各方面から大絶賛を受けたという普及の名作です。
 2013 年に行われたこの演奏では、アメリカの人気ソプラノ、エミリー・マギーと、この曲を歌わせたら現代最高のテノールと評されるマーク・パドモア。そして艶やかなバリトンで知られるクリスティアン・ゲルハーエルの3人をソロに迎え、テルツ少年合唱団の無垢の声を併せることで、荒々しいオーケストラの響きと深い祈りの感情を完璧に融合させています。
 20 世紀における戦争体験を普遍化し「平和への祈り」を丁寧に描き出した素晴らしい音楽は、現代に生きる我々に深い感動を与えてくれるこ とは間違いありません。
 

CAPRICCIO



C5145
(2CD)
\2600→\2390
アンドレア・ツァーニ:チェロ協奏曲全集
<CD1>
 1-3.チェロ協奏曲 第10番 ヘ長調 WD794/
 4-6.チェロ協奏曲 第2番 イ短調 WD789/
 7-9.チェロ協奏曲 第3番 ニ長調 WD792/
 10-12.チェロ協奏曲 第6番 ト短調 WD797/
 13-15.チェロ協奏曲 第8番 ハ短調 WD798/
 16-18.チェロ協奏曲 第5番 ト長調 WD790/
<CD2>
 1-3.チェロ協奏曲 第9番 変ロ長調 WD796/
 4-6.チェロ協奏曲 第4番 ニ短調 WD795/
 7-9.チェロ協奏曲 第7番 ハ長調 WD788/
 10-12.チェロ協奏曲 第11番 ホ短調 WD791/
 13-15.チェロ協奏曲 第1番 イ長調 WD793/
 16-18.チェロ協奏曲 第12番 ヘ短調 WD799
   ※世界初録音
マルティン・ルンメル(チェロ)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
 よほどのクラシック・ファンでもその名を知る人はいないだろうと思われるアンドレア・ツァーニ。
 彼はクレモナ近郊のカサルマッジョーレに生まれ、ウィーンで活躍後、故郷に戻った作曲家。彼の音楽は、美しく優雅で気品にあふれ、イタリア・バロック特有の哀愁を帯びたものです。ヴィヴァルディと交わりがあったようですが、そのヴィヴァルディと比較してもツァーニの才能は少しも引けを取っていません。
 1回聴いて馴染めるというタイプの作品ではありませんが、何度も何度も繰り返して聴くうちに自分の心と波長が合っていく、まさに古い名器を思わせる音楽といえるでしょう。
録音 2012年11月14-17日 ドイツ ヴュッペルタル,インマヌエル教会
 イタリアのバロック時代のヴァイオリニスト、作曲家アンドレア・ツァーニ(1696-1757)。彼はカザルマッジョーレ出身で、地元で音楽を学んでいたところ、カルダーラがその演奏を聴いて感動し、ウィーンへの旅の同行者に選んだという人です。ウィーンではハプスブルク家の宮廷ヴァイオリニストとして活動し、カルダーラの死後は故郷に戻り、そこで生涯を終えました。ヴァイオリンのための作品のいくつかが知られていますが、この12のチェロ協奏曲は新しく発見されたもので、ヴィヴァルディの影響を感じさせつつも、随所に新しさを感じさせる端正な作品です。この作品の発見を機に、オーストラリアのジル・ウォード博士はツァーニの包括的な作品目録と、印象的な伝記を発表したとのことで、今後は、この知られざる作曲家ツァーニの評価が進みそうです。
 今回チェロを演奏しているのは名手マルティン・ルンメル。ひと時の愉悦をお届けいたします。
 

C5166
\2600
シューマン:リーダークライス Op.39/ヴォルフ:メーリケ歌曲選集
 1-12.シューマン:リーダークライス Op.39
  <異郷で/間奏曲/森のささやき/静けさ/月の夜/美しい異郷/城にて/
   異郷で/悲哀/たそがれ/森で/春の夜>/
 13-20.ヴォルフ(1860-1903):メーリケ歌曲選集
  <春に/ヴァイラの歌/旅路/世を逃れて/
   見捨てられた娘/なぐさめはどこに/希望の復活/祈り>
アンネ・シュヴァネヴィルムス(ソプラノ)/
マヌエル・ランゲ(ピアノ)
録音 2013年1月29日-2月1日 オーストリア ヴィーン,カジノ・バウムガルテン
 ドイツのソプラノ歌手アンネ・シュヴァネヴィルムス。ワーグナーやR.シュトラウスの強靭な女性を歌えば右に出る者はいない彼女、世界中の名歌劇場からひっぱりだこの存在として、その名を轟かせています。しかし、彼女が本当に得意にしているのはドイツリートであり、ピアニストとともに抒情的で純粋な音楽を奏でることはとても楽しいことなのだと語ります。
 そんなシュヴァネヴィルムスが選んだのはシューマンの「リーダークライス」とヴォルフの「メーリケ歌曲集」からの抜粋です。時に夢見がちで内省的なシューマン、抒情性の中に緩やかな狂気を孕んだヴォルフ、これらの歌唱は、もちろん大きな感情表現に支えられていますが、これまでの彼女のイメージを覆すほどの細やかで柔軟な表情も垣間見せてくれます。ドイツ・リートの表現の新しい可能性を感じさせてくれる名唱です。
 

C5171
(2CD)
\2600
exxj アンサンブルXX
 1.ミン・ワン(1962-):Schwebende Fragmente II/
 2.アクセル・ザイデルマン(1954-):Skulptur 1 (Mobile)/
 3.ルートヴィヒ・ヌスビヒラー(1963-):Schattenspiele IV ? jeu de mime/
 4.クリスティアン・オフェンバウアー(1961-):Kommt Sirenen klagt/
 5-7.アレクサンダー・スタンコフスキ(1968-):Spiegel - Maske - Gesicht
アンサンブルXX/
ペーター・ブルヴィック(指揮)
録音 2011年12月5日…1.3, 2011年11月7日…2, 2012年3月19日…4, 2012年5月7日…5-7
 1971年、ペーター・ブルヴィークによって設立されたアンサンブルXX(20世紀)は、ウィーンのオーケストラ奏者や、フリーランスで活躍する奏者たちがメンバーとなり、主に「20世紀の音楽」を演奏することを目的として活動しています。
 彼らはウィーンの音楽文化を世界的に広めるために、オーストリア国内、および世界中の作曲家に作品を依頼し、現代音楽の啓蒙と発展のために力を尽くしています。
 このアルバムはアンサンブルXXとオーストリア在住の作曲家たちによって2008年に設立された新しいコンサート形式「Tribune」からの記録です。聴衆と作曲家とのコミュニケーションを密にし、新しい聴衆を得ることを目的としたこのコンサート、これまで世界初演を含む35人の作曲家の36作品が演奏され注目を集めてきています。
 CAPRICCIOレーベルは2012年からこの演奏会のライブ録音を発売し、これらの作品を世に問うています。
 
C5175
(2CD)
\2600
シュレーカー:歌劇「宝を探す人」
<CD1>1-2.プロローグ/3-14.第1幕/15-23.第2幕/
<CD2>1-8.第3幕/9-17.第4幕/18-22.エピローグ
エリス…ヨーゼフ・プロチュカ(テノール)/
エルス…ガブリエーレ・シュナウト(ソプラノ)/
王…ハラルド・シュタム(バス)/
愚者…ペーター・ハーゲ(ヴォーカル)/
巡査…ハンス・ヘルム(バリトン)/
アルビ…ハインツ・クルーゼ(ヴォーカル) 他/
ハンブルク州立歌劇場合唱団/
ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団/
ゲルト・アルブレヒト(指揮)
録音 1989年5月24日-6月2日 ハンブルク州立歌劇場 C60010-2 再発盤
 R.シュトラウスの次の世代に活躍したオペラ作曲家シュレーカー。21世紀になってから最注目され始めてきましたが、このアルブレヒト盤が最初に発売された1990年代は、まだまだ「頽廃音楽家」の一人として一部の愛好家だけが楽しむ作品であったことは疑う余地もありません。彼の作品は極めて世紀末的な響きに満ちていて、時にエロティックな様相を孕んでいます。この「宝を探す人」もその例にもれず、メルヘン的な要素の中に人間の抑えられぬ欲望を溶かし込んだ見事なストーリーとなっています。この狂おしいまでの歌唱は、ただ聴いているだけでも胸を掻き毟られるほどの懊悩に捉われることでしょう。
 この作品は1920年にフランクフルトで初演され、その後4年間にドイツ各地で350回以上も上演されたという、彼の代表作となったものですが、そのうち忘れ去られてしまいました。この演奏は、ハンブルクで行われた歴史的な蘇演の記録です。
 

C5178
(2CD)
\2600
シュレーカー:歌劇「はるかなる響き」
<CD1>1-12.第1幕/13-18.第2幕/
<CD2>1-6.第2幕(続き)/7-18.第3幕
グレーテ…ガブリエーレ・シュナウト(ソプラノ)/
フリッツ…トーマス・モーザー(テノール)/
老グラウマン…ヴィクトル・ファン・ハレム(バス)/
グラウマ夫人…バルバラ・シェルラー(メゾ・ソプラノ)/
老婆…ユリア・ユオン(メゾ・ソプラノ)/
役者…ハンス・ヘルム(バリトン)/
ヴィゲリウス…ジークムント・ニムスゲルン(バリトン) 他/
RIAS室内合唱団/
ベルリン放送交響楽団&合唱団/
ゲルト・アルブレヒト(指揮)
録音 1990年10月16-20日 ドイツ ベルリン,イエズス・キリスト教会 C60024-2 再発盤
 理想の響きを追い求める若き芸術家フリッツ。彼は恋人グレーテの懇願を振り切って「響き」を探すために旅に出てしまいます。そして10年後、娼婦に身をおとしたグレーテは未だにフリッツを忘れることができません。並み居る求愛者たちに歌比べをさせるグレーテ。彼女の前に現れた見知らぬ客はもちろんフリッツでしたが、彼はグレーテに対して侮辱の言葉を吐いてしまいます…。話の筋書きは、あえて言えば「大人のための青い鳥」の物語。本当に探し求めているものは、得てして身近にあるのではないでしょうか?
 ベルリンで活躍したシュレーカー(1878-1934)の最初の成功作品「はるかなる響き」。1901年から1910年という長い時間をかけて1912年に初演されてます。
 テキストを書いた時点で友人に酷評されたと言いますが、結局シュレーカーは作品を完成させ、舞台は大成功。このおかげで彼はウィーン音楽院の教授に任命され、優秀な人材を育て上げていくのです。アルブレヒトの指揮は、この複雑な響きをすっきりと整理し、物語の本質を聴き手にしっかりと見せてくれています。
 

C5181
(2CD)
\2600
フランツ・シュミット:歌劇「ノートルダム」Op.2
<CD1>1-15.第1幕/<CD2>1-12.第2幕
エスメラルダ…ギネス・ジョーンズ(ソプラノ)/
フェビュス…ジェームス・キング(テノール)/
グランゴワール…ホルスト・R・ローベンタール(テノール)/
教会司教…ハルトムート・ヴェルカー(バリトン)/
クァジモド…クルト・モル(バス)/
役人…ハンス・ヘルム(バリトン) 他/
アンドレアス・ユフィンゲル(オルガン)/
聖ヘトヴィク大聖堂合唱団/
RIAS室内合唱団/
ベルリン放送交響楽団/
クリストフ・ペリック(指揮)
録音 1988年8月 ドイツ ベルリン,イエズス・キリスト教会 C10248-49 再発盤
 長編アニメ映画でもおなじみ「ノートルダムの鐘」と原作を同じにするフランツ・シュミット(1874-1939)の歌劇「ノートルダム」。もちろんアニメのようなハッピーエンドではなく、ヴィクトル・ユーゴーの原作はヒロインであるエスメラルダも、警備員フェビュスも命を落としてしまうという救いのないものです。原作が、醜い容姿を持つクァジモドを主人公に据えていたのに対し、このオペラではジプシー女エスメラルダが中心人物であり、彼女を巡る4人の男性の愛の攻防と、彼女に魅かれたが故に破滅していく運命が見事に描かれています。
 1914年にウィーン宮廷歌劇場で初演され、その後何度かウィーンで上演されましたが、その後忘れられてしまいました(ただし「間奏曲」だけは人気がありしばしば演奏されています)。後期ロマン派の作風を持ちますが、調性崩壊などはなく、全編美しい響きに満たされています。この全曲盤の復刻は嬉しい限りです。
 

CD ACCORD



ACD-189
\2000→\1790
エカティリーナ・ポポヴァ・ズィドロン:ショパンを弾く
 1.前奏曲 嬰ハ短調 Op.45/2.マズルカ ト長調 Op.50-1/
 3.マズルカ 変イ長調 Op.50-2/
 4.マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3/5.幻想曲 ヘ短調 Op.49/
 6.マズルカ ロ長調 Op.56-1/7.マズルカ ハ長調 Op.56-2/
 8.マズルカ ハ短調 Op.56-3/9.子守歌 変ニ長調 Op.57/
 10.マズルカ イ短調 Op.59-1/11.マズルカ 変イ長調 Op.59-2/
 12.マズルカ 嬰ヘ短調 Op.59-3/
 13.舟歌 嬰ヘ長調 Op.61/14.幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
エカティリーナ・ポポヴァ・ズィドロン(ピアノ)
録音 2012年9月7-9日 ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール
 ブルガリアで生まれポーランドで活躍するピアニスト、エカティリーナ・ポポヴァ・ズィドロン。彼女はダダンスクの州立音楽学校を卒業後、ウィーンの音楽・舞台芸術大学で学んでいます。第4回ポーランド・若き芸術家のためのファスティバルに出場、第2回ポーランド・ピアノ・コンクール、第9回ショパン国際ピアノコンクール、準決勝出場など数々のコンクールで受賞歴のある名手です。現在はショパン・コンクールの審査員を務め、数々の若手ピアニストを世に送り出しています。
 第15回のコンクールで優勝したブレハッチは彼女の愛弟子でもあります。そんな彼女の演奏するショパン(1810-1849)は、独特の香味漂う味わい深いもの。このアルバムで選ばれているのはショパン30代の晩年(!)の作品ですが、1曲1曲に深い情感を込め、絶妙な余韻を残す演奏となっています。何気ないマズルカから思いもかけぬ表情を引き出していたり、ひたすら優しい子守歌であったりと、もう聞き飽きるほどショパンを聴いてきた人にも、きっと満足していただける演奏ではないでしょうか。

 ズィドロンのブレハッチに対する記事が載っていたので紹介しておきます。http://blog-jp.blechaczinfo.com/2012/09/200512.html
 

ACD-191
\2000
BMFトリオ-思い出の風景
 1.ハンナ・クレンティ(1961-):子守歌(1993)/
 2.ズビグネフ・バルギェルスキ(1937-):
  思い出の風景-ヴィトルト・ルトスワフスキの思い出に(1995/96 改編2012)/
 3.ロクサンナ・パヌフニク(1968-):3つの角の周囲で(1996 改編2009)/
 4-6.ジグムント・ムィチェルスキ(1907-1987):ピアノ三重奏曲(1993/1934)/
 7-9.アンジェイ・パヌフニク(1914-1991):
  ピアノ三重奏曲 Op.1(1934,recon.1945 改編1985)
BMFトリオ
<メンバー:
バルトロメイ・ヴェズナー(ピアノ)/
ミハル・シャウワハ(ヴァイオリン)/
フィリップ・シスカ(チェロ)>
録音 2012年8月16-18日 ポメラニアン・フィルハーモニー・コンサート・ホール
 ポーランド音楽の長い歴史の中には、実は驚くほどに「ピアノ三重奏」というジャンルがありません。そのため、この5人の現代作曲家によるピアノ三重奏は注目に値するものと言えるでしょう。最も若いロクサンナ・パヌフニクは名前の通りアンジェイの娘であり、いくつかの作品が録音されていて、なかでもリンダ・マッカートニーの追悼曲「私の見た夢」が知られている人です。
 一番のベテランであるムィチェルスキの作品と比べると、20世紀のポーランド音楽の辿ってきた道がわかるように思います。BMFトリオは2008年に創立されたピアノ三重奏団。2010年のテッサロニキ国際室内楽コンクール、2011年、メヴィル・マリナーが後援するセント・マーティン室内楽コンクールで優勝を飾った新進気鋭のアンサンブルです。ハイドンから21世紀の作品までなんでもこなす期待の新人たちです。
 

CPO

777618
\2000
フェルディナンド・リース&モーツァルト:管楽合奏のための作品集
 1.リース:フルート、2本のクラリネット、ホルンと
  2台のファゴットのための「ノットゥルノ」第1番 Wo050/
 2.リース:フルート、2本のクラリネット、ホルンと
  2台のファゴットのための「ノットゥルノ」第2番 Wo060/
 3.モーツァルト:「グラン・パルティータ」変ロ長調 K361(370a)
シュヴァイツァー・ブラスアンサンブル
フェルディナント・リース(1784-1838)というと、どうしてもベートーヴェンとの類似性ばかりが目立つ作曲家でした。しかし最近はその作品が見直され始め、その独自性に着目する人も増えてきたようです。このアルバムでは、そんなリースの2つの管楽のためのノットゥルノを聴きながら、ドイツ・オーストリアにおける管楽セレナードの伝統を体感し、またこの分野での偉大な先達となるモーツァルト(1756-1791)の「グラン・パルティータ」との比較も楽しめるという試みがなされています。
 リースの作品が単なる模倣ではなく、偉大なる才能の発露であることを再認識できる最高の1枚です。
 

777710
(2CD)
\5200
アルベルト・ロルツィング:歌劇「レジーナ」3幕
作曲家自身の台本 台詞…ドミニク・ヴィルゲンブス
ヨハンナ・ストヨコヴィチ(ソプラノ)/
テレサ・ホルツハウザー(メゾ・ソプラノ)/
ジーン・ブレークフイゼン(メゾソプラノ)/
ダニエル・キルヒ(テノール)/
ラルフ・ジモン(テノール)/
デトレフ・ローテ(バリトン)/
ペーター・シェーネ(バリトン)/
アルベルト・ペーゼンドルファー(バス・バリトン)/
プラハ・フィルハーモニー合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
ドイツの作曲家ロルツィング(1801-1851)の名前は、現在では「ロシア皇帝と船大工」、もしくは「ウンディーネ」でのみ知られており、その他の作品はあまり演奏されることはありません。しかし彼は前期ロマン派の重鎮であり、当時は絶大なる人気を誇り、その作品はワーグナーにも影響を与えるほど高く評価されていた人でした。この「レジーナ」はとても珍しい作品であり、政治、労働者を主題にした問題作でもあります。
 ロルツィング自身は政治家でもプロパガンダでもなかったのですが、作曲家自身によるこの台本は人間の本質をよく捉えた見事なもので、当時の社会を深く見据えた重厚な筋の中に、コミカルな味付けも施された力作です。
 


777745
(SACD-hybrid)
\3000→\2690
ルイ・シュポア:交響曲 第4番&第5番 他
 1.交響曲 第4番 ヘ長調「音の浄化」Op.86/
 2.交響曲 第5番 ハ短調 Op.102/
 3.「カール・バーンバウムの劇「船乗り」への序曲 Wo0.7
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
幼い頃から天才ヴァイオリニストとして活躍したルイ・シュポア(1784-1838)。彼は作曲家としても素晴らしい才能を示し、150作を超える数多くの作品を残しています。
 交響曲は未完成作品を含めると10曲あり、ここでは1834年に初演された第4番と、1837年に初演された第5番を名指揮者グリフィスの指揮でお聞きいただけます。
 第4番は初演後たちまち人気作となったもので、詩人プファイファーの詩「音の浄化」を音で描いた、いわば交響詩とも言える作品であり、これは当時としては極めて先進的な形式であったことは間違いありません。
 第5番には標題こそないものの、こちらも素晴らしい作品です。
 
777792
\2000
ドイツの教会音楽と讃美歌集
 シャシン、ヘジウス、プレトリウス、エッカルド、ブック、
 ヴルピウス、ブルマイスター、クリューガー、シュッツの作品

 1.Mir nach, spricht Christus,unser Held/
 2.Hebt ewer heupt ihr pforten all/
 3.O Lamm Gottes, unschuldig;Christe, du Lamm Gottes(2ヴァージョン)/
 4.O Haupt voll Blut und Wunden/
 5.Christ ist erstanden(2ヴァージョン)/
 6.Gelobt sei Gott im hoechsten Thron/
 7.Komm, Heiliger Geist, Herre Got/
 8.Allein Gott in der Hoeh sei Ehr/
 9.Mit Ernst, o Menschenkinder/
 10.Wachet auf, ruft uns die Stimme/
 11.Es kommt ein Schiff geladen/
 12.Wie schoen leuchtet der Morgenstern/
 13.Ich steh an deiner Krippen hier/
 14.Wohl denen, die da leben/
 15.Mein Hirt ist Gott der Herr/
 16.Christus, der ist mein Leben/
 17.Mitten wir im Leben sind/
 18.Aus tiefer Not schrei ich zu dir/
 19.O Welt ich muss dich lassen/
 20.Hinunter ist der Sonne Schein/
 21.Die hell Sonn leuchtet jtzt herfuer
アンサンブル・スティンムヴェルクとゲストたち
賛美歌はキリスト教における普遍的な表現です。ドイツの長い歴史と文化に根差し、常に信じる人々の心を癒してきました。偉大なる作曲家たちも挙って賛美歌を作曲し、歌集に更なる深みを加えてきたのです。このアルバムはこれらの伝統的な教会音楽と賛美歌を収録したもので、アンサンブル・スティンムヴェルクによる清冽な歌声は、キリスト教文化圏以外の国に住まう人々にも鮮烈な印象を与えることは間違いありません。
 今回はSACDの高音質でこれらの美曲をお楽しみいただけます。
 
777807
\2000
J.S.バッハ:モテット集(全曲)
 1.モテット BWV225「主に向かって新しい歌を歌え」/
 2.モテット BWV226「精霊はわれらの弱きを助けたもう」/
 3.モテット BWV227「イエス、わが喜び」/
 4.モテット BWV228「恐れることなかれ、われ汝とともにあり」/
 5.モテット BWV229「来たれ、イエスよ、来たれ」/
 6.モテット BWV230「主をたたえよ、全ての異教徒よ」/
 7.モテット BWV Anh159「われを祝福せずば、汝を放さず」
ライニッシェ・カントライ/
ヘルマン・マックス(指揮)
バッハ(1685-1750)のモテット集です。これらの作品は器楽を使わない分、カンタータよりも地味で、当時の需要も「より規模の大きくて華麗な」カンタータに傾いていたこともあり、極めて優れた作品であるにもかかわらずそれほど重視されていないのではないでしょうか。
 バッハ自身も、カンタータは毎週の礼拝用に作曲し、200曲以上もの作品を残していますが、モテットについてはこのアルバムに収録されたものが全てであることを考えると、それほど力を注いでいなかったように捉えられてしまうかもしれません。しかし、注意深く聴いてみると、その内容の深さと精緻な合唱技法には驚かされるばかりです。
 このマックスとライニッシェ・カントライの演奏は、長年「バッハの真作か否か?」と問題視されているAnh159も収録。全ての作品を説得力ある解釈で歌い上げています。
 
999952
\2600
ターフェル・コンソート-食卓の演奏会 〜ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスによる宮廷の音楽集 第3集
 1.ウィリアム・ブレイド:2つの前奏曲とガリアルド ト長調、ト短調/
 2.ブレイド:パドゥアーナ、ガリアルドとコランタ イ短調/
 3.ブレイド:バレ ニ短調/
 4.ブレイド:ヴァイオリンと通奏低音のためのコラール/
 5.ブレイド:アルマンドとコランタ ニ短調/
 6.ブレイド:アルマンド ト長調/
 7.ブレイド:パドゥアーナとアルマンド ト長調/
 8.トーマス・シンプソン:イントゥラーダ ニ短調/
 9.シンプソン:クーラントとヴォルタ ニ短調/
 10.シンプソン:カンソナス ト長調とハ長調/
 11.シンプソン:バレとヴォルタ ニ長調/
 12.シンプソン:パヴァンとガリアルド ニ短調/
 13.シンプソン:バレ ニ長調「わがサロメ」/
 14.シンプソン:パヴァン「Sachevil’s dolorosi」とガリアルド イ短調/
 15.シンプソン:アルマンド ハ長調
ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/
マンフレード・コルデス(指揮)
常に新しい発見をもたらすアンサンブル、ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスとコルデスによる「宮廷の音楽集」の第3集です。今回はホルシュタイン=シャウムブルク伯エルンストが、1606年にその居館をシュタットハーゲンからビュッケブルクに移したことで発展した当時の音楽を探ります。
 今作ではイギリス出身のウィリアム・ブレイド(1560-1630)とトーマス・シンプソン(1582-1628頃)の2人の作品に焦点を当てました。ブレイドは、イギリス出身ではありますが、1590年頃にドイツに渡る以前の事はほとんどわかっていませんが、ドイツとデンマークを行き来し音楽活動を続けた人です。作品は主に弦楽器のための舞曲で、イギリスの様式を踏まえながらも、イタリア様式を取り入れ、舞曲を組曲にまとめ上げるという、バロック時代の「組曲」の様式のもとを作った人でもあります。
 シンプソンの経歴もあまりわかっていませんが、1622年から1625年までデンマークの宮廷に仕えたことがわかっています。この2人はまずビュッケブルクで輝かしい経歴を積み、この街の文化貢献にも多大なる功績をもたらしたことは間違いありません。
 


777234
\2000→\1890
ユリウス・レントヘン:チェロ協奏曲 第1番-第3番 グレゴール・ホルシュ(チェロ)/
オランダ交響楽団/
デイヴィッド・ポルセライン(指揮)
 cpoレーベルが精力的にリリースを続けている作曲家の一人、レントヘン(1855-1932)のチェロ協奏曲集です。彼の全作品を網羅するためには、この作品は欠かせないものです。
 彼はユリアス・クレンゲルという名チェリストの友人であったため、チェロへの思い入れはかなり強く、1870年から1930年までの長きに渡り、ソナタや小品、そして協奏曲など数多くのチェロ曲を作曲しています。この3つの協奏曲もパワフルな管弦楽と、技巧的なチェロ・パートが見事に調和したものであり、生半可な奏者では太刀打ちできない力作となっています。現在コンセルトヘボウ管の首席チェリストを務める名手ホルシュによる完璧な解釈による演奏は、このコレクションにおける重要な位置を占めることは間違いありません。
 

777532
\2000
ヨハン・クーナウ:7つのハープシコード・ソナタ集
 クラヴィアの新しい成果、または豊かな創造と技巧の7つのソナタ
ヤン・カツシュケ(ハープシコード…2000年 ディートリッヒ・ハイン製)
ドイツ・ザクセン州で大工の息子として生まれたクーナウ(1660-1722)。苦労しながら音楽と法学を学び、聖トーマス教会のオルガニスト、後には同教会のカントールの地位を得て、生涯音楽家として尊敬を集めたのです(彼の後任はJ.S.バッハ)。
 現在では、クーナウは「バッハの天才の陰に隠れている」と評されていますが、当時はそのようなことはなく、とても重要な音楽家であったことは間違いありません。クーナウの才能が最もよく表れているのが一連の鍵盤楽器のための作品であり、標題音楽とみなされた「聖書ソナタ」や、このアルバムに収録されている「豊かな創造と技巧の7つのソナタは、バッハやベートーヴェンにも強い影響を与えた作品群で、この豊かな音楽はもっと知られてもよいものと言えるでしょう。
 

777660
\2000
ハインリッヒ・シュッツ:イタリア語マドリガル集 第1巻 SWV1-19
 1.おお春よ、いまだまだうら若き年よ/
 2.おお、恋の苦い甘さよ/3.幸福の森よ/
 4.悩める心の旅立ち/5.かく私は死なねばならない/
 6.険しいアルプスの森から/7.春のほほえみ/
 8.私の心よ逃れよ/9.舌は矢、口づけは傷/
 10.身をしばる炎/11.私はそういう女/
 12.彼女はあでやかに挨拶したが/13.私が死ぬのを見よ/
 14.溜め息は美しい胸よりもれ/15.いざさらば、いとしの森よ/
 16.甘い口づけよ、もどれ/
 17.おまえは大理石から生まれたのか/
 18.それでも来た、リディアよ/19.広い海に抱かれて
セッテ・ヴォーチ/
ペーター・コーイ(指揮)
2001年に設立されたセッテ・ヴォーチは、ヨーロッパとその他の地域から集まった最高のソロ・ヴォーカリストたちをメンバーとしたアンサンブルで、その中にはライプツィヒで開催される「国際バッハ・コンクール」の優勝者も含まれています。
 リーダーは名バス歌手ペーター・コーイが務めており、抜群の古楽解釈を聴かせることで知られます。今作は、シュッツ(1585-1672)の「イタリア語マドリガル」集です。第1巻とありますが、1611年にこの巻が出版されてからは続編が書かれることはなく、これ以降は伝統的なマドリガルの様式で、ドイツ語の宗教的テキストを用いた声楽曲を作曲するようになっていきます。シュッツの出発点ともいえる作品群を最高の解釈でお聞きください。
 


777800
\2000→\1890
リヒャルト・ワーグナー:ピアノ・ソナタと歌曲集
 1.ピアノ・ソナタ イ長調 Op.4 WWV26/
 2.ゲーテのファウストのための7つの歌 Op.5 WWV15/
 3.ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op.1 WWV21
トビアス・コッホ(ピアノ&指揮)/
マウロ・ペーター(テノール)/
ペーター・シェーネ(バス)/
ミュンヘン音楽・演劇大学マドリガル・ダブル=カルテット男声合唱団
2013年はワーグナー(1813-1883)の生誕200年の記念年であり、多くのレーベルからワーグナーの知られざる作品がリリースされ、今までとは違ったイメージが付け加えられるようになってきました。
 このアルバムもそんな1枚であり、あまり聴く機会のない2つのピアノ・ソナタと、これまた珍しい「ゲーテのファウストのための7つの歌」を収録しています。Op.1のソナタは1831年、Op.4のソナタは1832年の作品であり、ベートーヴェンなど先人の影響が強く感じられますが、そこはワーグナー。1年間の成長は著しかったようで、この2曲をほんの少し聞き比べただけでも、その違いは即座にわかるのではないでしょうか。
 「ファウストのための7つの歌」も同時期の作品で、彼がずっと念頭に置いていた“ファウストの物語”が美しいカンタータとして成就したものです。やはりベートーヴェンの香りも漂っていますが、時にはっとするほどワーグナー風味の音楽が出現。この驚きは新鮮な感動を齎すことでしょう。
 

777803
\2000
ローレンツ・クリストフ・ミツラー:20の歌曲と頌歌集
 1.Dass die Freiheit besser sei, als wenn man sich verliebt-
  あなたが恋におちる時/
 2.Die Zufriedenheit-満足/
 3.Die unglueckliche Liebe-不運な恋/
 4.Von der Selbstzufriedenheit-自己満足/
 5.Das Lob der edlen Freiheit-高貴なる自由の称賛/
 6.Als er im Lieben vorsichtig sein wollte-
  彼は慎重に愛したかった/
 7.Soldatenlied-兵士の歌/
 8.Lob der Musik-音楽の賛美/
 9.Kurzer Begriff eines glueckseligen Lebens-
  短くも祝福された人生の運/
 10.Die Gelassenheit-静けさ/
 11.Die Mittelmaesigkeit-中庸/
 12.Die Bildhauerkunst-彫刻/
 13.Ein guter Freund, das beste Vergnuegen-良き友、最高の喜び/
 14.Schweigen und Hoffen-静寂と希望/
 15.Die verworfen Liebe-失恋/
 16.An Margis-マルギス/
 17.An Coelestinen-コエレスティヌム/
 18.An Florabellen-樹皮/
 19.Als er sich endlich wagte-彼はいつの日か/
 20.Als er das, was er liebte-ときに、彼は愛したのか
クラウス・メルテンス(バリトン)/
シビラ・ルーベンス(ソプラノ)/
ルドルフ・ルッツ(ハープシコード)/
マヤ・アムライン(チェロ)
ローレンツ・クリストフ・ミツラー(1711-1778)はJ.S.バッハの弟子であり、ライプツィヒ大学の教授でもあり、また数学者としても高名な才人でした。1738年に音楽学術交流協会を設立し当時の著名な作曲家たちが次々入会し、(テレマン、ヘンデルも入会、バッハも14番目の会員となった)、1年に一度、音楽を理論的に考察するなどの活動を行っていました。その後はエアフルト大学で医学を学び、ワルシャワで宮廷医となるなど異色の経歴を持っています。そんなミツラー、様々な活動は知られているのですが、実際の音楽はほとんど演奏される機会を持っていません。
 今回のリリースは、バイエルン放送との共同制作であり、これらの曲の楽譜の出版も予定されるなど、この多才な人物を再評価する足掛かりとなることは間違いありません。
 

777842
(2CD)
\5200
フランツ・フォン・スッペ:レクイエム・オラトリオ「最後の審判」
 オットー・プレヒトラー 台本/レチタチーヴォ
マルガレータ・クロブチャール(ソプラノ)/
シャミリア・カイザー(アルト)/
タイラン・ラインハルト(テノール)/
ヴィルフレート・ツェリンカ(バス)/
グラーツ・フィルハーモニー管弦楽団/
グラーツ・オペラ合唱団/
アドリアーノ・マルティニョッリ・ダルシー(指揮)
生涯に100以上の作品を作曲したにも拘らず、現在では「軽騎兵」序曲や「詩人と農夫」序曲、そして「ボッカチオ」のアリエッタ「恋はやさし野辺の花よ」などの数曲のみが知られる作曲家スッペ(1819-1895)。そのため、どうしても軽音楽の作曲家としてのイメージばかりが先行していますが、実は同世代のブルックナーを凌ぐ素晴らしい宗教曲も残していました。
 このレクイエム・オラトリオは、彼をウィーンへと招いたヨーゼフシュタット劇場の監督フランツ・ポコルニーの追悼(スッペは経歴の始めにこの劇場で指揮することで名を挙げた)のために1855年に作曲されたもので、あのブラームスも大絶賛するほど、当時人気となりました。劇的な前奏曲に導かれた作品は、ずっと行方不明になっていましたが、最近トリエステで発見され、今回、当時の輝きを取り戻したのです。
 


777797
\2600→\2390
マルティン・ハーゼルベック(指揮)&ウィーン・アカデミー管
 フランツ・リスト:ハンガリー狂詩曲 第1番−第6番

  (F.ドップラーによる管弦楽版)
ウィーン・アカデミー管弦楽団/
マルティン・ハーゼルベック(指揮)
 NCAの一連の録音でいまや「リストの新しき権威」と目されるようになったハーゼルベック。今回はCPOからハンガリー狂詩曲!目からうろこの新録音を披露してくれることでしょう!

 リスト(1811-1886)の代表作ともいえる、この「ハンガリー狂詩曲」は本来ピアノ独奏のために書かれました。例の如く超絶技巧を駆使し、ハンガリー古来の民謡(これはリストがそう思ったもの)をふんだんに使った華やかな音楽は、確かに聴衆の心をつかみました。作曲家フランツ・ドップラーも魅了された一人で、彼はこれらの曲のいくつかを管弦楽版に編曲(番号は必ずしも原曲とは一致していない)、一層華麗な音楽に生まれ変わらせたのです。
 この録音は、2011年リスト生誕200年記念のプロジェクトとして行われた「19世紀のピリオド楽器オーケストラをハーゼルベックが指揮し、リストの管弦楽全曲を7回に分けて演奏する」というシリーズの中の一公演で、この形はワイマール初演でもありました。


ベストセラーを記録している
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト
管弦楽曲集

NCA 60260
(5CD)
\4500→\3990
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト
管弦楽曲集 第1〜5巻セット
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー
シネ・ノミネ合唱団


第1弾〜第5弾

NCA60234
¥2000→\1790
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト第1弾

リスト:
 ダンテ交響曲
 システィーナ礼拝堂を想って
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)
シネ・ノミネ合唱団

NCA 60246
\2000→\1790
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト
第2弾
リスト:
 交響詩「前奏曲」、
 交響詩「オルフェウス」、
 交響詩「山上にて聞きしこと」
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)

NCA 60254
\2000→\1790
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト第3弾

 交響詩「タッソー、悲哀と勝利」  2011/3/25-27
 タッソーの輝かしき葬送   2011/10/24
 交響詩「英雄の嘆き」  2011/3/25-27
 交響詩「理想」  2011/3/25-27
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)

NCA60250
\2000→\1790
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
 リスト第4弾

リスト:交響詩『マゼッパ』・『ハンガリー』・『フン族との戦い』
  〜19世紀当時の楽器による〜
フランツ・リスト(1811〜1886):
 1. 交響詩第11 番「フン族との戦い」
 2. 交響詩第9番「フンガリア(ハンガリー)」
 3. 交響詩第6番「マゼッパ」
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)
Liszt: Prometheus, Festklange & Hamlet
NCA60255
\2000→\1790
 ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーによる
  リスト第5弾

リスト:
 交響詩『プロメテウス』 S.99
 交響詩『祭りのどよめき』 S.101
 交響詩『ハムレット』 S.104
 交響詩『ゆりかごから墓場まで』 S.107
マルティン・ハーゼルベック指揮
ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)


 

DACAPO



6.220536
(SACD-Hybrid)
\2200→\1890
アダム・フィッシャー&デンマーク国立室内管
 モーツァルト:交響曲集 第1集(1764-1767)

 1-3.交響曲 第1番 変ホ長調 K16/
 4-6.交響曲 第4番 ニ長調 K19/
 7-9.交響曲 ヘ長調 K19a/
 10-12.交響曲 第6番 変ロ長調 K22/
 13-16.交響曲 ヘ長調 K42a
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2012年2月,8月 コペンハーゲン DRコンチェルトフセット 第2スタジオ Recording Producer: John Frandsen, Sound Engineer: Lars C. Bruun
 8歳から11歳のモーツァルト(1756-1791)の作品集。普通の人間なら「夏休みの宿題」であろう年代の作品ですが、5歳で最初の曲を作り、6歳でマリア・テレジア御前旅行を行い、パリとロンドンに演奏旅行に出かけていたというモーツァルト。
 まだまだ作曲活動は本格的に始められてはいないうえ、当時の他の作曲家たちの影響も強いことは確かですが、やはり一筋縄ではいかない「何か」がひしひしと感じられる作品群です。
 8歳の時の第1番と、11歳の第6番ではやはり完成度に大きく違いが見られ、日に日に様々なものを吸収し、大きくなっていくモーツァルトの姿をつぶさに観察する思いがすることでしょう。
 


6.220545
(SACD-Hybrid)
\2200→\1890
アダム・フィッシャー&デンマーク国立室内管
 モーツァルト:交響曲集 第10集(1782&1786)

 1-4.交響曲 第35番 ニ長調「ハフナー」K385/
 5-7.交響曲 第38番 ニ長調「プラハ」K504
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2012年2月,4月,8月 コペンハーゲン DRコンチェルトフセット 第2スタジオ Recording Producer: John Frandsen, Sound Engineer: Lars C. Bruun
 1782年と言えばモーツァルトがコンスタンツェと結婚した年で、フリーの音楽家として独り立ちし、ウィーンでの確固たる地位を築き始めた時代にあたります。この第35番「ハフナー」はザルツブルクの大富豪の名前であり、同じ「ハフナー」の名を持つセレナーデ K.250(248b)とともに彼らに献上されたと言われています。
 明るく躍動的な第1楽章、優美なアンダンテとメヌエット、闊達な終楽章で構成された名曲です。
 1786年の「プラハ」は、その年にプラハで上演された「フィガロの結婚」の大成功を受け、再び招待されたプラハで初演された曲。珍しくメヌエットを欠く3楽章形式で書かれていて、随所に「フィガロ」からとられたメロディが散りばめられています。
  


6.220630
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
高貴なるリコーダー協奏曲集 〜フレデリク4世の王宮の音楽より
 1-6.クリストフ・グラウプナー(1683-1760):
  序曲 ヘ長調 GWV447(1740頃)/
 7-9.ヨハン・アドルフ・シャイベ(1708-1776):
  4声部の協奏曲 変ロ長調/
 10-12.ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1703-1771):
  二重協奏曲 ハ長調 WILG 3(1760)/
 13-15.グラウプナー:協奏曲 ヘ長調 GWV323(1735-1737)/
 16-21.作者不詳:シャルロッテ・アマーリエ王女の音楽コレクションより(1730)
  「王女のための組曲」ニ短調(M.プロハスカ編)/
 22.《ボーナス・トラック》
  ヨハン・クリスチャン・シックハルト(1681-1762):
   ソナタ ハ短調 Op.8-4よりピウ・ヴィヴァーチェ(1709頃)
ボレット・ロード(リコーダー)/
アルテ・デイ・スオナトリ
録音 2013年3月13-16日 ポーランド プシュチナ城博物館 鏡の部屋
Recording producer, sound engineer and mastering: Preben Iwan
 17世紀の終わりから18世紀の初め、デンマーク=ノルウェー王として在位したフレデリク4世。治世していた時代のほとんどは戦いに明け暮れ、その際に国力も低下したのですが、終戦後に貿易と文化が復興し、王は当時の高名な音楽家、グラウプナー、シャイベ、グラウン、ラウルらをデンマークに呼び、多くの作品を演奏させたのです。また彼の娘シャルロット・アマーリエのために舞曲の数々を作らせて「コレクション」としました。これらのデンマーク由来の作品は、現在ではほとんど演奏されることがありませんが、今回リコーダーの名手ボレット・ロードと、ポーランドのバロック・アンサンブル「アルテ・デイ・スオナトリの見事な演奏で、これら歴史的な財産を蘇らせることができました。
 
Schierbeck: Fete galante
6.220637
(2SACD-Hybrid)
\4400
ポール・シアベク:歌劇「華やかなる宴」Op.25(1923-30/改編1931-32)
<CD1>
 1.序曲/2-9.第1幕/10-18.第2幕/
<CD2>
 1-6.第2幕(続き)/7-17.第3幕
ボー・スコウフス(バリトン)/
デニス・ベック(ソプラノ)/
ミハエル・ヴァイニウス(テノール)/
アンドレア・ペレグリーニ(メゾ・ソプラノ)/
パレ・クヌドセン(バリトン)/
ヤコブ・ブロッホ・イェスペルセン(バス)/
マティアス・ヘデゴー(テノール)/
モルテン・フランク・ラーセン(バリトン) 他/
デンマーク国立交響楽団&合唱団/
ミハエル・シェンヴァント(指揮)
録音 2012年6月11-22日 デンマーク放送コンセルトフセット
 音楽を愛するアカデミックな家に生まれるも、法律の勉強に精を出したというシアベク(1888-1949)。音楽的な教育はカール・ニルセンとトーマス・ラウブを家庭教師に迎えプライヴェートに学んでいましたが、第1次世界大戦の勃発とともに学習を打ち切り、戦後はスコヴスホヴェッドの教会オルガニストの地位を得て、亡くなるまでオルガンを弾き続けていました。同時に終戦後から作曲を始め、その作品は数々の賞を受賞、1919年には彼のオペラ作品を積極的に歌った歌手シルヴィア・ラーセンと結婚し、ますます作曲に励むようになります。この「華やかなる宴」は彼の代表作であり、1931年にデンマーク王立歌劇場で初演された後、いくつかの改訂を施され現在の版に落ち着いたものです。
 ロココ時代の絵画からタイトルをつけられたこの作品は、放蕩者の貴族が真に愛する人を見つけるまでを描いていて、当時人気のあったR.シュトラウスやプッチーニの描く抒情的な物語も彷彿させます。
 
Klenau: Die Weise von Liebe und Tod des Kornetts Christoph Rilke (1918)
8.226532
\2000
私の静かな友人に 〜モルテン・オルセンの音楽集
 1.木の歌/2.私はあなたを泣かせよう/
 3.インターリュード #1/
 4.ナニー/5.あなたにここにいて欲しい/
 6.冷たく読んで、穏やかに撫でて/7.インターリュード #2/
 8.子守歌/9.そして彼女はたった一人で天国にいる/
 10.インターリュード #3/11.精神の提案/
 12.インターリュード #4/13.衝撃の才能/14.私に語って
イリナ=カリナ・グーデヴァ(ヴォーカル)/
カール・フスム(トランペット)/
モルテン・ラスムッセン(キーボード&パーカッション)/
モルテン・オルセン(ギター,ベース,ピアノ&パーカッション)
ミュージシャン、モルテン・オルセンによる「矛盾」を孕んだ不思議なアルバムです。完成するまでに10年の歳月を費やしたというものの、実際は即興演奏に多くを委ねている部分もあり、詳細に書かれた部分との区別は全く付きません(区別することは無意味である…とのこと)。
 果てしなく刻むビート、断ち切られる歌声、ジャズ?現代音楽?いや、これも区別することは無意味なのでしょう。不思議な世界を体感してください。

DIVOX


CDX-20704
\2000→\1890
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲集&ピアノ三重奏曲集
 1-3.ピアノ四重奏曲 ハ長調 Wo036-3(1785)/
 4-6.ピアノ三重奏曲 第9番 変ホ長調 Wo038(1790/91)/
 7-9.ピアノ四重奏曲 ニ長調 Wo036-2(1785)/
 10.ピアノ三重奏曲 第8番(単一楽章) 変ロ長調 Wo039(1812)/
 11-13.ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Wo036-1(1785)
ミランダー弦楽四重奏団
<メンバー:
ミラナ・チェルニャヴスカ(ピアノ)/
リサ・シャッツマン(ヴァイオリン)/
アレクサンダー・モシュネンコ(ヴィオラ)…1-3.7-9.11-13/
ベニ・サントーラ(チェロ)…1-10/
ルペルト・ブッフナー(チェロ)…11-13>
録音 2007年8月12日,2008年8月31日
 このアルバムに収録されているのは、ベートーヴェン(1770-1827)の初期の作品であり、あまり演奏される機会のないものばかりです。作品番号に表示されている「Wo0」というのは“Werke(作品) ohne(なし) Opuszahl(出版番号)”の略で、作品番号が付けられていないことを表すもの。そもそも、自作に番号をつけたのはベートーヴェンが初めてと言われていますが、彼自身が番号を付けたのは、その作品のごく一部であったため、膨大な「番号なし」の作品については、1955年になって音楽学者のG.キンスキーとH.ハルムがこれらを整理し、作品目録をつけたというわけです。
 この中のWo038の三重奏曲は、しばしばクラリネット三重奏曲としても演奏される快活な曲です。ピアニストのミラナ・チェルニャヴスカはウクライナ生まれ。独奏者としても室内楽奏者としても素晴らしい才能を発揮しており、ヴァイオリニストのバティアシヴィリとの共演アルバムを始め、数多くの奏者たちとのアンサンブルで知られる人です。
 

CDX-21103
(2CD)
\2600→\2390
ルネ・レイボヴィッツ:
 室内楽作品集&ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンはギトリス!)

<CD1>
 1.中央検査室 Op.88/2-4.3つのカプリース Op.70/
 5-6.2つの詩曲 Op.76a/7.隠喩の説明 Op.15/
 8-12.クラリネットとピアノのための5つの小品 Op.29/
 13-15.3つの詩曲 Op,46/16.トッカータ Op.62/
 17-22.6つのメロディ Op.6/
 23-25.チェロとピアノのための二重奏曲 Op.23/
 26-28.3つの詩曲 Op.92/29-31.3つの詩曲 Op.73/
 32-25.4つの歌 Op.86/36-37.2つのセッティング Op.71/
<CD2>
 1.ヴァイオリン協奏曲 Op.50/2.拍手/3-7.セレナード Op.38/
 8.マリファ-不真面目な変奏曲 Op.54/9.動機 Op.74/
 10-13.小組曲 Op.75/14.ダダイズムの歌 Op.76b/
 15-20.組曲 Op.81/21-23.3つの間奏曲 Op.87
<CD1>
スコラ・ハイデルベルク(アンサンブル)…1.36-37/
アンサンブル・アイステーシス…1.7.13-15/
ヴァルター・ヌスバウム(指揮)…1.26-28.36-27/
ボリス・ミュラー(ヴィブラフォン)…2-4/
トルイケ・ファン・デア・ポエル(ソプラノ)…5-6.13-15.26-28/
J.マルク・ライチョフ(ピアノ)…5-6.8-12.16-35/
フリーリアン・ヘルシャー(ピアノ)…7/
スザンヌ・ハイリッヒ(クラリネット)…8-12/
エッケハルト・アベーレ(バス)…17-22.26-35/
ヘルムート・メンツラー(チェロ)…23-25/
キャロラ・ケイル(ソプラノ)…26-28/
リサ・レーヴェ(ソプラノ)…26-28/
セバスティアン・ヒュープナー(テノール)…26-28/
<CD2>
イヴリー・ギトリス(ヴァイオリン)…1/
ハノーヴァー北ドイツ放送交響楽団…1/
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)…1/
ヨハンネス・コスターズ(バリトン)…3-7/
アンサンブル・アイステーシス…3-9.14-20/
ヴァルター・ヌスバウム(指揮)…3-8.14-20/
ジャン・ミシェル・フルネロー(ナレーター)…9/
J.マルク・ライチョフ(ピアノ)…10-13.21-23/
サロメ・カンマー(ヴォーカル)…14
<CD1>2000-2006年/<CD2>1993年
 2013年に生誕100周年を迎えるポーランド出身のユダヤ系作曲家、指揮者、音楽理論家ルネ・レイボヴィッツ(1913-1972)。現在ではもっぱら指揮者としての高い能力が知られ、テンポにこだわったロイヤル・フィルとのベートーヴェンを始め、オッフェンバックのいくつかのオペレッタや、シェーンベルク、ムソルグスキー、他フランスものなどに独特の解釈を施す「孤高の指揮者」として愛されてきた人でした。そんなレイボヴィッツ自身の作品は、残念ながらそれほど知られているとは言い難く、まだまだ評価も定まってはいないようです。
 DIVOXではそんなレイボヴィッツの作品をまとめて、150ページのブックレットを添付した豪華なアルバムをリリース。彼と関係の深かったバーゼルのパウル・ザッハー財団からも多くの資料が提供され、この芸術家の知られざる側面を掘り下げるのに一役買っています。興味深い作品が目白押しで、聴きどころもたっぷりです。
 CD2のトラック14では注目のシンガー、サロメ・カンマーがヴォーカルを担当。荒唐無稽な世界を表出しています。
 
CDX-61301
\2000
<CHANTA O UNDA>-歌え、おお波よ 〜モロッコの歌集
 1.L'En et le Bouregreg/2.Ghina ol anhari/il chant dals flums/
 3.Alach ya gyzali/4.La habib/5.Ayyam Rrabin/
 6.La sera sper il lag/7.Mghyara/8.Ayli hinani/9.Reminiszenzas/
 10.Ya leil ou'toul/11.Ad ina steila/
 12.Souwlt alik el oud w nnay/13.Ya mouja ghanni
コール・インター・クルトゥル/
フォルトゥナート・フレーリヒ(指揮)/
コール・ドゥ・マロク/
サナエ・エル・アムリ(指揮)/
フォルトゥナート・フレーリヒ(監修)
録音 2012年10月27-28日
 珍しいモロッコの歌曲集。モロッコのスイス大使館との共同制作であり、ルガーノ劇場のオープニングの模様を記録したものです。モロッコの音楽はアラブ音楽が起源であると言われますが、やはり独自の発展を遂げており、黒人音楽やイベリア半島からの音楽などが溶け込み不思議な味わいを醸し出しています。シンプルかつエキゾチックな響きです。

ICA CLASSICS



ICAC-5107
\2000→\1890
イングリッド・ヤコビ
 1-3.ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 Op.15/
 4-6.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
イングリッド・ヤコビ(ピアノ)/
シンフォニア・ヴァルソヴィア/
ヤツェク・カスプシク(指揮)
録音 2013年4月7-9日 ポーランド ワルシャワ放送,ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ STEREO
 ICAレーベル期待の新人ピアニスト、イングリッド・ヤコビのベートーヴェン・シリーズ、今作の第1番と第3番でシリーズが完結となります。
 彼女はゲンリヒ・ネイガウスの弟子であったライサ・ゴロデッカの元でピアノの勉強を始め、16歳でセントルイス音楽学校で最高の賞を獲得、その後はボルドウィン・ピアノ・コンクールで優勝、他にも多数のコンクールで優秀な成績を収めています。数多くの録音もあり、ICAのベートーヴェンも高く評価されています。
 さて、今回のベートーヴェンの2つの協奏曲。番号こそ第1番になっているものの、実際は柔和な表情を持つ第2番よりも後に作曲されたハ長調の協奏曲は、極めて勇壮豪快な曲想を持つベートーヴェンらしい作品で、コロコロと転がる終楽章の軽快な主題が魅力的です。
 第3番は1800年の作品で、ハ短調という調性が悲壮感を醸し出しています。古典的な形式に則って書かれていますが、随所にロマンティックさが垣間見える古典派からロマン派の過渡期の名作です。
 この2曲の協奏曲にヤコビは、明確なアーティクレーションとフレージングを施し、独自の解釈と表現力で完全に自身のものにしています。この世代のピアニストの中で「最も詩的な」演奏をすると称賛される彼女の演奏、確かに抜きんでた素晴らしさを有しています。

LPO



LPO-72
(2CD)
\3600→\3290
ハイティンク、ヴォーン・ウィリアムズ再び!
 ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
  交響曲 第5番 ニ長調
  交響曲 第7番(南極交響曲)
シーラ・アームストロング(ソプラノ)…CD2
ロンドン・フィルハーモニー合唱団…CD2
ロンドン・フィル
ベルナルド・ハイティンク(指揮)
録音:ロンドン ロンドン サウスバンク・センター ロイヤル・フェステイヴァル・ホール 1994年12月15日…交響曲 第5番 1984年11月27日…南極交響曲

 イギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの2つの交響曲です。
 グロスターシャー州ダウンアンプニーに生まれ、ロンドンの王立音楽大学で作曲を学び、在学中にホルストと知り合い親交を深めました。
 2つの世界大戦の狭間を生き抜いたヴォーン・ウィリアムズ。この激動の時代は彼の生活にも音楽的活動にも多大なる影響を与え、その作品は独自の成熟を遂げて行ったことも良く知られています。
交響曲第5番は彼が70歳を超えてから完成されたもので、穏やかで平静な雰囲気を湛えた感動的な音楽。随所に民謡風のメロディも現れる親しみやすいものです。
 「南極交響曲」は1947年の作品。もともと映画「南極のスコット」の音楽として書かれたものであり、1949年のプラハ音楽祭で音楽賞も受賞しています。その後、作曲家自身の手により、音楽を再構成して「交響曲」と名付けたものですが、5つの楽章には各々文学作品からの引用句が置かれ、またチェレスタやウィンドマシーン、多彩な打楽器、ピアノ、オルガンを用い、女声合唱とソプラノ・ソロまで投入するという型破りな形式であり、南極の過酷な自然の姿に、人間の無力さを投影することにも成功していた稀有の作品となっています。
 ハイティンクには、これらの2作品ともEMIのスタジオ録音が存在しますが、このライヴでは、更に自発的な音作りによる自然で流麗な演奏となっています。例えば「南極交響曲」の第1楽章でのテンポの違い(10'15":11'08")だけを比較してみても、彼がいかにこのライヴで伸びやかで広がりのある解釈を施したかがお分かりいただけるかと思います。美しい弦の響き、オルガンの深い響き、そして女声合唱を縫って響き渡るアームストロングのヴォカリーズ…。
第3楽章では力強いクライマックスにオルガンの音色が花を添えています。
第5番は1994年の録音で、この曲における多くの名演(ボールト、プレヴィン…etc)と肩を並べる素晴らしい演奏です。
 

LPO-71
\2400→\2190
スクロヴァチェフスキ(指揮)&ロンドン・フィル
 ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
ロンドン・フィル
「ブルックナーは、私にとって最も偉大な作曲家である」と指揮者スタニスワフ・スクロヴァチェフスキは語る。彼は言葉を続ける。
 「ブルックナーはモーツァルトに比肩すべき存在であり、彼の音楽は奇跡である…音楽は無限について、超絶的な宇宙について、神、永遠性、愛、悲劇をも語りかけるのだ。」
 第7番の冒頭のメロディはブルックナーの夢見たものを明白に伝えている。若き頃の彼の友人がヴィオラで奏でたテーマ、そして語った言葉「あなたはいつか成功する・・・。」その予言は真実となった。
 この作品はブルックナーの「最も偉大なる成功作」となったのである。
 1923年10月3日生まれのスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ。彼が現代最高のブルックナー指揮者であることは疑う余地はないでしょう。過去のブルックナー指揮者たちが、少しずつ神の領域へと踏み込んで行ったのに対し、スクロヴァチェフスキのスタンスは違うようです。
 彼はいつの日もブルックナーを崇拝し、あくまでも人間的な音楽を大作曲家の魂に捧げ続けています。今回の演奏もそれは変わることがありません。この演奏の時点でスクロヴァは89歳に達しているのですが、そんなことは微塵も感じさせないパッション溢れる演奏を披露しています。
 なお、この演奏はハース版を原則に用いながらも、スクロヴァ独自の解釈が施された極めて興味深いものとなっています。“血沸き肉踊る”人間くさいブルックナーを体験してください。
  2012年10月24日 ロンドン サウスバンク・センター ロイヤル・フェステイヴァル・ホール

MARCO POLO



8.201001
(10CD)
\10000→\9290
世界の国歌 2013年完全版
<CD1>
 アブハジア自治共和国/アカディア/アフガニスタン/
 アフリカ連合/オーランド諸島/アルバニア/アルジェリア/
 アメリカ領サモア/アメリカ領ヴァージン諸島/アンドラ/
 アンゴラ/アングィラ/アンティグア-バルブダ/
 アルゼンチン/アルメニア/アルーバ/オーストラリア/
 オーストリア/アゼルバイジャン/アゾーレス諸島/バハマ/
 バーレーン/バングラデシュ/バルバドス/バシコルトスタン/
 バスク自治州/バイエルン/ベラルーシ/
<CD2>
 ベルギー/ベリーズ/ベナン/バミューダ/ブータン/
 ボリビア/ボネール島/ボスニアヘルツェゴビナ/ボツワナ/
 ブラジル/イギリス領インド用地域/イギリス領ヴァージン諸島/
 ブルネイ/ブルガリア/ブルキナファソ/ブルンジ/カンボジア/
 カメルーン/カナダ/カナリア諸島/カーボベルデ/カタロニア/
 ケイマン諸島/中央アフリカ共和国/チャド/
 チェチェン・イチケリア共和国/チェチェン/
<CD3>
 チリ/中華人民共和国/クリスマス島/ココス諸島/
 コロンビア/コモロ連合/コンゴ民主共和国/クック諸島/
 コスタリカ/クロアチア/キューバ/キュラソー島/キプロス/
 チェコ共和国/デンマーク/ジブチ/ドミニカ/ドミニカ共和国/
 東ティモール/エクアドル/エジプト/エルサルバドル/
 イングランド/赤道ギニア/
<CD4>
 エリトレア/エチオピア/欧州連合/フォークランド諸島/
 フェロー諸島/フィジー/フィンランド/フランドル/フランス/
 フランス領ギアナ/フランス領ポリネシア/
 フランス領南方および南極地域/フリジア/ガボン/
 ガンビア/グルジア/ドイツ/ガーナ/ジブラルタル/
 グレートブリテン/ギリシャ/グリーンランド/グレナダ/
 グアドループ/グァム/グアテマラ/ガーンジー/ギニア/
 ギニア-ビサウ/ガイアナ/ハイチ/ホンジュラス/
 香港/ハンガリー/
<CD5>
 ハット・リバー/アイスランド/インド/インドネシア/イラン/
 イラク/アイルランド/マン島/イスラエル/イタリア/
 象牙海岸/ジャマイカ/日本/ジャージー/ヨルダン/
 カザフスタン/ケニヤ/キリバス/
 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)/大韓民国/コソボ/
 クルディスタン/クウェート/キルギスタン/ラオス/
 ラップランド/ラトビア/レバノン/レソト/リベリア/リビア/
<CD6>
 イヒテンシュタイン/リトアニア/ルクセンブルク/マカオ/
 マケドニア/マダガスカル/マデイラ/マラウイ/マレーシア/
 モルディヴ/マリ/マヨルカ/マルタ/マーシャル諸島/
 マルティニク/モーリタニア/モーリシャス/マヨット/
 メキシコ/ミクロネシア/モルドヴァ/モナコ/モンゴル/
 モンテネグロ/モントセラト/モロッコ/モザンビーク/ミャンマー/
<CD7>
 ナゴルノ-カラバフ/ナミビア/ナウル/ネパール/オランダ/
 オランダ領アンティル/ニューカレドニア/ニュージーランド/
 ニューファンドランドとラブラドル/ニカラグア/ニジェール/
 ナイジェリア/ニウエ/ノーフォーク島/北キプロス/
 北アイルランド/北マリアナ諸島/ノルウェー/
 オリンピック・ムーブメント/オマーン/パキスタン/パラウ/
 パレスチナ/パナマ/パプアニューギニア/パラグアイ/
 パラリンピック・ムーブメント/
<CD8>
 ペルー/フィリピン/ピトケルン諸島/ポーランド/
 ポルトガル/プエルトリコ/カタール/ケベック/レユニオン/
 ルーマニア/ロシア/ルワンダ/サハラ/サン・バルテルミー島/
 セントヘレナ・アセンションおよびトリスタン・ダ・クーニャ/
 セイント・キッツ・アンド・ニィヴィス/セントルシア/
 セント・マーチン島/サンピエール島およびミクロン島/
 セントビンセントおよびグレナディーン諸島/サモア/
 サンマリノ/サントメ・プリンシペ/サウジアラビア/ソジェー/
 スコットランド/シーランド/セボルガ/セネガル/
<CD9>
 セルビア/セルビア・モンテネグロ/セイシェル/シエラレオネ/
 シンガポール/シント・ユースタティウス島/スロバキア/
 スロベニア/ソロモン諸島/ソマリア/南アフリカ/
 サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島/南オセチア/
 南スーダン/マルタ騎士団ロードス及びマルタ/スペイン/
 スリランカ/スーダン/スリナム/
 スヴァールバル諸島およびヤンマイエン島/スワジランド/
 スウェーデン/スイス/シリア/台湾/タジキスタン/
 タンザニア/タタールスタン/タイ/チベット/トーゴ/
 トケラウ/トンガ/沿ドニエストル・モルドバ共和国/
<CD10>
 トリニダード・トバゴ/チュニジア/トルコ/トルクメニスタン/
 タークス・カイコス諸島/ツバル/ウガンダ/ウクライナ/
 アラブ首長国連邦/国連/アメリカ合衆国/ウルグアイ/
 ウズベキスタン/バヌアツ/バヌアツ(短縮版)/バチカン市国/
 ベネズエラ/ベトナム/ウェールズ/ウォリス・フツナ/
 ベルギー王国ワロン地域/イエメン/ユーゴスラビア/
 ザンビア/ザンジバル/ジンバブエ
スロバキア放送交響楽団/
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管/
ピーター・ブレイナー(指揮)
 

8.225350
\2000
ゴドフスキー:ピアノ作品集 第11集
 1-6.両手のための6つの小品(演奏会用アルバム)
  <瞑想曲/即興曲/奇想曲(感傷的に)/間奏曲(憂鬱に)/
  エレジー/死の練習曲>/
 7.おとぎ話/
 8-15.手のための組曲
  <アルマンド/クーラント/ガヴォット/サラバンド/ブーレ/
   シシリエンヌ/メヌエット/ジーグ>/
 16-17.左手のための前奏曲とフーガ/
 18.無窮動(常動曲)/
 19.左手のための「ジプシー男爵から“宝石のワルツ”」の主題による
   交響的変容(D.セパートンによる校訂版)
コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)
録音 2012年4月21-22日 イングランド モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ポーランドのピアニスト、作曲家、教師であり「ピアニストの中のピアニスト」と称賛されたゴドフスキー(1870-1938)。MARCOPOLOのシリーズもこれで第11集。いよいよ佳境に入って来ました。今回のアルバムの中心となっているのは「左手のための」作品集。1929年に書かれた「6つの小品」は左手版と両手版があり、ここでは両手版が収録されています。当時の有名ピアニストたちに捧げられた技巧的な作品集です。
 「おとぎ話」は1888年に出版された作品です。ニ長調とニ短調が交錯する「組曲」は左手のための作品。バロックの様式をヒントに用いていますが、曲は完全に後期ロマン派の雰囲気を有しており、複雑で陰鬱な面も持ち合わせています。
 1930年出版の「前奏曲とフーガ」も極めて精巧に書かれたフーガが見事です。華麗なるトッカータである「無窮動」は両手のための作品。ヨハン・シュトラウスの主題による交響的変容は、彼の死後3年を経て、編集校訂されて出版された曲。おなじみのシュトラウスの華麗なワルツが一層華々しく奏されます。ここで見事な演奏を繰り広げるのは、もちろん名手シチェルバコフ。厚みのある響きを存分にお楽しみください。

MYRIOS CLASSICS



MYR-10
(SACD Hybrid)
\2600→\2390
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)
 ベルリン・ドイツ交響楽団&ハンス・グラーフ(指揮)
ヒンデミット(1895-1963):ヴィオラ作品全集 第1集 ヴィオラと管弦楽作品集

 1.白鳥を焼く男
  (古い民謡の旋律によるヴィオラと小管弦楽のための協奏曲)
 2.葬送音楽-弦楽オーケストラと独奏ヴィオラのための
 3.室内音楽 第5番 Op.36-4
  (ヴィオラと大管弦楽のための協奏曲)
 4.ヴィオラと大室内管弦楽のための協奏音楽 Op.48a
  (初稿版…世界初録音)
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)
ベルリン・ドイツ交響楽団
ハンス・グラーフ(指揮)
 どんな楽器も弾きこなしたと言われるヒンデミットですが、彼はもともと優れたヴィオラ奏者であり、ソリストとしてだけでなく、一時期は自らが結成したアマール弦楽四重奏団でも8年に渡ってヴィオラを演奏、その間に自作の弦楽四重奏曲第2番の初演を行うなど、多彩な活躍をしたことでも知られています。
 そんなヒンデミットですから、ヴィオラのための作品も積極的に作曲、それまでは「縁の下の力持ち」的存在であったヴィオラを独奏楽器として認めさせることに成功したのです。
このアルバムでは、ヴィオラのための作品を4曲収録しています。
代表作の一つである「室内音楽」は、6曲全てに独奏楽器が与えられた実質「協奏曲」であり、この5番がヴィオラ協奏曲となっています。そして、イギリス王ジョージ5世(1865-1936)の葬儀のために書かれた「葬送音楽」も比較的知られている作品です。
 タイトルにインパクトがありすぎる「白鳥を焼く男」。こちらはもともと、3つの楽章に中世のドイツ民謡が使われていて、終楽章に「あなたは白鳥の肉を焼く人ではありませんね」というメロディが使われていることでこのタイトルが使われています。そして「協奏音楽」の草稿版による演奏は世界初録音となります。
 いずれも技巧性と音楽性を兼ね備えた名作であり、ほんのわずかな近寄り難ささえ乗り越えれば、本当に数多くの事を語りかけてくる優れた作品です。
第2集「独奏作品集とピアノ伴奏を伴う作品集」(2枚組)は2013年秋リリースの予定です。

NAXOS 1CD¥1100


8.572691
\1100
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第1集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ヘ短調 Op.6(1899)/
 4.ヴァイオリン・ソナタ イ短調「トルソー」(1911)/
 5.協奏的即興曲(1903)/
 6-8.ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調「ルーマニア民謡の特徴による」Op.25(1926)
アクセル・シュトラウス(ヴァイオリン)/
イリヤ・ポレターエフ(ピアノ)
録音 2011年1月9-12日 アメリカ カリフォルニア,サンフランシスコ キャロライン・H・ヒューム・コンサート・ホール
 20世紀ルーマニアにおける最も優れた音楽家の一人、ジョルジュ・エネスク(1881-1955 エネスコ)。存命中の彼は最高のヴァイオリニストであり、ブラームス作品の素晴らしい解釈者としても知られていました。作品番号付きの作品はあまり数が多くないのですが、ブカレストのエネスク博物館には未完成の原稿などの膨大な資料があり、少しずつその全貌が解明されようとしています。
 このシリーズは、エネスクの本領とも言えるヴァイオリンとピアノのための作品全集であり、情熱的でパワフルな第2番のヴァイオリン・ソナタは彼の「作曲家としての評価」を高めた記念碑的な作品でもあります。1楽章のみが残存する「ソナタイ短調」は民族音楽風のメロディと、不規則に移り変わる楽想が魅力的な作品です。
 初期の作品「協奏的即興曲」はフランス風な優雅さを持っています。
 ヴァイオリン・ソナタ第3番は「ルーマニア民謡の特徴による」の副題を持つ大作で、急進的な作風と強烈なリズムと特殊奏法を多用した印象的な音楽です。演奏も困難で、彼の弟子であったメニューインもこの曲の難しさについて述べています。この曲の中にはあらゆるものが内包されていると言っても過言ではありません。
 


8.572822
\1100
煮え切らないマーラー?
 タイベルク:交響曲 第2番・ピアノ・ソナタ 第2番

  1-4.交響曲 第2番 ヘ短調(1927)
  5-8.ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ヘ短調(1934)
ファビオ・ビディーニ(ピアノ…1-4)/
バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)…5-8
録音 2011年4月30日.5月1日 ニューヨーク,バッファロー クラインハンス・ミュージック・ホール…1-4/2012年4月6日 ドイツ シュトゥトガルト SWRラジオ放送大ホール…5-8
 以前リリースされた交響曲第3番(8.572236)は、なんだかマーラーの第7番にそっくりな音楽で幕を開けましたが、今回の交響曲第2番も、同じマーラーの第6番とブルックナーの付点リズムを足して2で割り、そこに独自の味付けを施したような雰囲気で始まります。この何とも煮え切らないというか、懐かしいというか…。これがタイベルク(1893-1944)を聴くときの楽しみとでも言いましょうか。ウィーンの音楽一家に生まれるも、ユダヤ人であったためアウシュビッツに送られ、ここでその生涯を閉じた悲劇の作曲家ですが、ジョアン・ファレッタの尽力によりその作品がもう一度聴けるのは嬉しい限りです。もちろんバッファロー・フィルのサウンドは、これまでこんな良い音でタイベルクを聴いたことがないであろうと評されるほどの最高のものとなっています。
 ピアノ・ソナタはまるでベートーヴェンの生き写しと思えるほどの伝統的な書法に基いて書かれています。こちらも魅力的です。
 

8.572895
\1100
リスト:ピアノ曲全集 第36 集 ワーグナー・トランスクリプション集
 1.歌劇「ローエングリン」から「エルザの結婚の行進客人の入城曲」 S445/R278 No.2/
 2.歌劇「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」S447/R280/
 3.歌劇「リエンツィ-最後の護民官」の主題による幻想的小品 S439/R272/
 4.歌劇「タンホイザー」から「巡礼の合唱」 S443/R276/
 5.歌劇「ローエングリン」から「祝典と結婚式の歌」S446/R279 No.1/
 6.歌劇「ローエングリン」から「ローエングリンのエルザへの叱責」S446/R279 No.2/
 7.歌劇「さまよえるオランダ人」から「紡ぎ歌」S440/R273 /
 8.歌劇「さまよえるオランダ人」から「ゼンダのバラード」S441/R274/
 9.歌劇「ローエングリン」から「エルザの夢」S446/R279 No.2/
 10.歌劇「パルシファル」から「聖杯への厳かな行進曲」S450/R283
ヴィリアム・ヴォルフラム(ピアノ)
録音 2011 年5 月20-21 日 カナダ オンタリオ,CBC グレン・グールド・スタジオ
 ロマン派の2 人の巨匠たち。交響詩の創始者リスト(1811-1886)、そして楽劇の創始者ワーグナー(1811-1886)。ともに華麗な人生を送り、ともに生涯女性問題に悩まされ、壮大なる音楽を創り上げたことはご存知の通りです。そして、リストの娘コージマが最終的に伴侶に選んだのがワーグナー。そのため2 人は義理の親子になるのです。
 リストは全面的にワーグナーの音楽を支持していたわけではないと言われ、歌劇や楽劇からの編曲を行ったのも一部の曲についてだけでした。とりわけ「指環」に関しては唯一「ラインの黄金」から「ヴァルハラへの入場」の場面の編曲があるのみ。「ヴァルキューレの騎行」などの編曲があればよかったのに。と思う人は少なくないのでは?
 ちなみにシリーズ第33集(8.570562)で、リストによる他のワーグナー作品の編曲を聴くことが可能です。
 

8.572556
\1100
コルネリウス:歌曲全集 第1 集
 1-6.6 つの歌 Op.1
 <第1 番:不実/第2 番:すみれ/第3 番:子守歌/第4 番:蝶々/
  第5 番:夜に/第6 番:私の事、考えている?>/
 7-12.悲しみと慰め Op.3
  <第1 番:悲嘆/第2 番:追憶/第3 番:音色/第4 番:夢に/
  第5 番:忠誠/第6 番:慰め>/
 13-18.花嫁の歌
  <第1 番:ミルテの小枝/第2 番:愛の報い/第3 番:前夜/
   第4 番:目覚め(朝に)/第5 番:高き歌/第6 番:実現(おとぎ話の奇跡)>/
 19-22.ベルタに Op.15
  <第1 番:わがもの/第2 番:私があなたをどれほど愛しているか/
  第3 番:はるか遠くに/第4 番:あなたの絵>/
 23-26.ラインの歌
  <第1 番:はるか遠くに/第2 番:便り Op.5-1/第3 番:ラインに/第4 番:記憶>/
 27-29. 3つの歌 Op.4
  <第1 番:喜びと痛みに/
   第2 番:さあ、月明かりの下で散歩しよう/第3 番:あなたとともに森を歩く>
クリスティーナ・ランドシャーマー(ソプラノ…1-6.13-18.)/
マルクス・シェーファー(テノール…7-12.19-22.27-29)

マティアス・ハウスマン(バリトン…23-26)/
マティアス・ヴァイト(ピアノ)
録音 2010 年9 月19 日…1-6, 2010 年1 月13 日…7-12, 2011 年24-25 日…13-18, 2010 年1 月12 日…19-22, 2011年2 月12 日,4 月18 日…23-26, 2010 年1 月15 日…27-29 ドイツ ミュンヘン,バイエルン放送第2 スタジオ
  少年時代から歌曲を書き始めるも、正式に作曲を学び始めたのは17 歳になってからというドイツの作曲家コルネリウス(1824-1874)。彼はリストやR.ワーグナーに心酔、ワーグナーの影響を強く受けた歌劇作品を書きましたが、結局のところ「新ドイツ楽派」の配下に入ることはせず、独自の路線を貫き通したのでした。彼は器楽曲よりも声楽曲を好み、約100 曲ほどの歌曲と、20 曲以上の二重唱、そして男声合唱曲などを書きましたが、これらのほとんどは自身のテキストを用いるなど、文学的素養も高かった人でした。NAXOS は彼の歌曲を全曲リリースし、この忘れられた天才を再度この世に蘇らせます。
 精緻なピアノ・パートに支えられた生き 生きとしたメロディは、確かに想像力豊かな音楽家の手になるものです。
 

チマローザ:序曲集 3 (シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ/ガロワ)
8.572734
\1100
予想外に面白い
 チマローザ:序曲集 第3集

 1.歌劇「女の手管」より序曲 第1番/2.歌劇「女の手管」より序曲 第2番/
 3.歌劇「カリアの女王アルテミシア」序曲/
 4.歌劇「欺かれた陰謀(マルマンティーレの市場)」序曲/
 5.歌劇「カイオ・マリオ」-序曲/6.歌劇「ロッカ・アッツッラ(青砦)の二人の男爵」序曲/
 7.歌劇「愛の奇行」序曲/8.歌劇「寛大な敵たち」序曲/9.歌劇「シナの英雄」序曲
デニスタ・ラフィチエヴァ(クラリネット…8)/
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ/
パトリック・ガロワ(指揮)
録音 2011年6月 フィンランド ユバスキュラ,ハンカサルミ教会
 イタリアの作曲家ドメニコ・チマローザ(1749-1801)。貧しい家庭に生まれ幼い頃に父親を事故で亡くすも、持ち前の音楽的才能を生かしてオペラ作曲家として大成。一時期はウィーンの宮廷楽長を務め、ナポリに帰国後は、新時代の到来を賛美した音楽を作曲したため反逆罪でナポリを永久追放処分。なんともドラマティックな生涯を送った人でもあります。彼は65作以上のオペラを作曲しましたが、「秘密の結婚」と「女の手管」以外は、現在ほとんど忘れ去られてしまっています。
 しかしこれらの活力ある音楽と、巧妙な筋立ては、どれもが現代に充分通用するものであり、これら序曲だけではちょっと物足りないな。と思わせてくれるだけのパワーを備えた魅力的なものばかりです。
 とりわけ管弦楽法の見事さに注目。歌の美しさだけではオペラが成り立たないということを改めて実感させてくれるのではないでしょうか?
 演奏は、最近ますます円熟味を加えてきたガロワの指揮と、お馴染みヒンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ。第1集(8.570508)と第2集(8.570279)も好評です。


チマローザ:序曲集 第1,2集
8.570508
¥1100
チマローザ:序曲集第1 集
 歌劇「ヴォルドミーロ」序曲/歌劇「ストランバ男爵夫人」序曲/
 歌劇「伯爵の奇行」序曲/
 歌劇「秘密の結婚」(ウィーン版初録音)序曲 /
 歌劇「不誠実な誠実」序曲/歌劇「ドン・カレンドリーノの帰還序曲
 歌劇「大工」序曲/歌劇「クレオパトラ」序曲/
 歌劇「饗宴」序曲/歌劇「太陽のおとめ(イダリーデ)」序曲
 歌劇「信じやすい人」序曲/歌劇「みじめな劇場支配人」序曲
アレッサンドロ・アモレッティ(指揮)
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
MARCO POLO より移行盤。チマローザと言えば「秘密の結婚」が良く知られているが、実はその生涯に約70 作ものオペラを作曲している。機知にあふれた生き生きとした陽気な音楽、美しいメロディは文豪ゲーテも大絶賛したと言われ、当時の全ヨーロッパの聴衆を魅了した。残念なことに、現在ではチマローザのオペラの全貌を知ることは困難になってしまったが、ここに収められた序曲を聴くだけでも当時の熱狂ぶりが伝わることだろう。原盤 MARCO POLO 8.225181
8.570279
¥1100
チマローザ:序曲集 第2集
 1.歌劇「夢見るアルミダ」序曲
 2.歌劇「オレステ」 序曲
 3〜5.歌劇「ロンドンのイタリア女」序曲
 6.歌劇「アルタセルセ」序曲
 7〜9.歌劇「インドのアレッサンドロ」序曲
 10.歌劇「女はいつも最悪の選択をする」序曲
 11〜13.歌劇「キルケー」序曲
 14〜16.歌劇「古代ローマの狂信者」序曲
 17.歌劇「ジャンニーナとバルナルドーネ」序曲
ケヴィン・マロン(指揮)
トロント室内管弦楽団

今回の作品も全曲としてはほとんど聴く機会のないものばかりで、ファンならずとも触手が動くこと間違いない。チマローザのオペラは当時としては劇的で、斬新なメロディを駆使し安定した管弦楽法が高く評価されていた。そして序曲は全曲の特徴を端的に示すものであり、後に続くドラマへの期待を嫌がおうにも高めてくれる。

 


8.572813
\1100
ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲集 第1集
 1-4.弦楽四重奏曲 第3番 Op.19(1924)
 5-10.弦楽四重奏曲 第4番「組曲」Op.25(1936)
 11-12. 2つの楽章(1927)
  <第1番:序奏/第2番:アダージョ、ミステリオーゾ>
エッシャー弦楽四重奏団
<メンバー:
アダム・バーネット=ハート(第1ヴァイオリン)/
ウー・ジー(第2ヴァイオリン)/
ピエール・ラポワント(ヴィオラ)/
デーン・ヨハンセン(チェロ)>
録音 2011年2月21-25日 アメリカ フロリダ,ポート・シャーロット・ユナイテッド・メソジスト教会
 ウィーン世紀末を代表する音楽家の一人ツェムリンスキー(1871-1942)。マーラーを(とりわけ妻のアルマについて)語る際には、避けて通れない人物としても知られています。彼は作曲をローベルト・フックスに師事し、ブラームスからも後押しを受けていたものの、結果的には「世紀末の雰囲気」にどっぷり浸かった音楽を書き、またシェーンベルクとは義理の兄弟でもあったため(彼の妹がシェーンベルクの妻となった)1924年にはオペラ「期待」の初演を行うなど、かなり先進的な活動を行ったことで知られています。
 そんなツェムリンスキーは生涯4曲の弦楽四重奏曲を書いていますが、その書かれた年代には40年ほどの開きがあり、第1番の若々しくブラームス風の作風と、第4番の爛熟した作風には驚くほどの違いが見られるのが面白いところです。この第1集では後期の第3番と第4番を収録。名作「抒情交響曲」を初演し、10年ぶりにとりかかった第3番は、それまでのロマンティックな作風から一転、表現主義的で厳格なものとなりました。第4番は更に鎮痛な面持ちを持つもので、アルバン・ベルクをはじめとした親しい友人たちの次々の死を反映したかのような重々しい音楽。“ブルレスケ(おどけた)”と題された第2楽章ですら、痛々しく荒々しい音が充満しています。しかし、音楽の端々に浮き上がるメロディは何と美しいことでしょう。
  

8.572878
\1100
シューマン:ピアノ連弾のための編曲集 第2集
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 Op.41-1
  (オットー・ドレーゼルによる4手ピアノ編)/
 5-10.ペダル・ピアノのための練習曲:6つのカノン風小品 Op.56
  (テオドール・キルヒナーによる4手ピアノ編)/
 11-14.弦楽四重奏曲 第2番 ヘ短調 Op.41-2
  (オットー・ドレーゼルによる4手ピアノ編)
エッカーレ・ピアノ・デュオ
 (フォルカー・エッカーレ&
  真理子・エッカーレ)
録音 2011年8月30-31日…5-14, 2012年6月6-7日…1-4 ドイツ ヴュルテンベルク,スタットハッレ・エットリンゲン
 現代もそうですが、シューマン(1810-1856)の時代にも「演奏会のプログラム」を家庭て楽しむために、管弦楽曲や室内楽、オペラなどをピアノ独奏、もしくは連弾に編曲するという需要がかなり多かったのです。一連のリストの編曲作品はすでにお馴染みですが、シューマンの音楽も家庭やサロンで人気が高く、例えば「ピアノ五重奏曲」は妻クララの手によって、弦楽四重奏曲は、若く才能ある作曲家オットー・ドレーゼルが巧みにピアノ連弾版へと移し替えています。
 ピアノで演奏することで、原曲のくすんだ美しさに新たな輝きが付け加えられ、また違った面持ちの作品に変貌しています。珍しい作品である6つのカノン風小品を編曲したテオドール・キルヒナーは、シューマンの他の作品(たとえばリーダークライスOp.39など)もピアノ独奏版に編曲したりと、その素晴らしいアレンジで知られている人です。
 
ヴァルヒャ:コラール前奏曲集第4集(ディッセルホースト)
8.572913
\1100
ヴァルヒャ:コラール前奏曲集 第4集
 1.第1番「ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ」/
 2.第2番「「聖なるキリストはよみがえり給えり」/
 3.第3番「主はわが信頼すべき羊飼なり」/4.第4番「楽しき祭りに胸が高まり」/
 5.第5番「わが罪で悩む時」/6.第6番「世が明け、わが身を供えよ」/
 7.第7番「心よりわれ汝を愛す、おお主よ」/8.第8番「主イエスよ、汝の不安と悲しみは」/
 9.第9番「太陽は明るく輝く」/10.第10番「キリスト、汝は十字架の仲間の力」/
 11.第11番「神はここまで私をもたらした」/12.第12番「私は知っている、わが神よ」/
 13. 第13番「日にして光なるキリスト」/14.第14番「主なる神、われらがもとにあらずば」/
 15.第15番「目覚めよ、わが心よ」/16.第16番「おお、汝正しくして善なる神よ」/
 17.第17番「神のみわざは善きかな」/18.第18番「汝、その道を命じたまえ」/
 19.第19番「もろともに主をたたえよ」/20.第20番 後奏曲 ハ長調
デルベルト・ディッセルホースト(オルガン…ジョン・ブロンバウ製 Opus35)
録音 2012年10月9-10日 イリノイ州 スプリングフィールド,最初の長老派教会
 20世紀の名オルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャのコラール前奏曲集 第4集です。演奏家としてではなく、求道者としてのヴァルヒャ(1907-1991)の姿を知るために最適な1枚として、このシリーズは語り継がれることでしょう。ヴァルヒャのこれらの作品は、長い伝統に基いたポリフォニーの技法をバロックの様式に組み合わせ、そこに近代的な和声を施すことで、新しいオルガン音楽の可能性に気付かさせてくれるものであり、オルガンの豊かな音色の中に、常に耽溺する神への祈りの心は、聴く者に永遠の平安を与えてくれることをお約束いたします。
 

8.573063
\1100
リース:ピアノ・ソナタとソナチネ全集 第6集 4手のための作品集
 1-4.4手のためのソナチネ ハ長調 Op.6/
 5-7.4手のためのソナタ 変ロ長調 Op.47/
 8-10.4手のためのソナタ イ長調 Op.160
スーザン・カガン(第1ピアノ)/
ヴァシリー・プリマコフ(第2ピアノ)
録音 2012年6月12-13日 ニューヨーク・シティ アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 NAXOSレーベルではすっかりおなじみ、ベートーヴェンの弟子であり友人であったフェルディナント・リース(1784-1838)のピアノ・ソナタ&ソナチネ集の第6集は、彼の連弾のための3つのソナタ(ソナチネ)です。彼の作品の中におけるピアノ・ソナタは特別な意味を持つことは間違いなく、初期のものは師であるベートーヴェンの影響を受けつつも、後期の作品はロマン派の作曲家たち、メンデルスゾーンやシューマンに強い影響を与えるほどに熟成したものとなっていました。このアルバムに収録された3曲は、どれもが個性的な表情を湛えた素晴らしい音楽です。
 規模が小さく単純な構造を持つOp.6のソナチネの主題は、一瞬ベートーヴェンを思わせますが、もっともっと無邪気で楽しい音楽です。作曲されたのは意外に遅くリース自身のカタログによると1825年とされていますが、これは恐らく教育用に書かれているため、ことさら易しく作られているのでしょう。Op.47のソナタは1816年の作品で、リースがヨーロッパ・ツアーを成功させた後、ロンドンで新しく地位を築いた頃の作品です。
 1831年頃に作曲されたOp.160のソナタは「グランド(大)・ソナタ」として出版され、カール・チェルニーに献呈されました。ピアノの鍵盤を隅から隅までフルに使い、オーケストラを凌駕する厚い響きを追求。またイ長調と銘打たれているものの、音楽は長調と短調を行き来するなど、想像を遙かに超えた充実した音楽が展開されていきます。
 

8.573096
(2CD)
\2200
パレストリーナ:ソロモンの雅歌
[CD1]
 1-19.モテット集 第4巻「ソロモンの雅歌より」(1584)
  <.かの人の口で私に口づけせしめよ/あなたの前に私を至らせたまえ/
   われは黒い、そして美しい/私はぶどう園を守らなかった/
   女性の中の美しいものよ、もし知らないなら/おまえの頬はうつくしい/
   ひと包みのミルテのように/見よ、おまえは美しい、愛する者よ/
   愛する者よ、おまえはまったく美しい/傷つきしわが心/いばらの中のゆりのように/
   王は私を後宮に入れた/彼の左手は私の頭の下に/私の愛する者の声/
   愛する者よ、急いでおいで/私の愛する者よ、立ち上がって/
   私の恋人は私のもの、そして私は彼女のもの/起きて町を回ろう/
   エルサレムの娘らよ、私は誓う>/
[CD2]
 1-10.モテット集 第4巻「ソロモンの雅歌より」(続き)
  <彼の頭は純金のよう/私の恋人は園に降りていった/美しきかな、愛する者/
   それはだれか、そこを行くのは/彼は私のくるみの園に降りていった/
   おまえの足は何と美しい/おまえの二つの乳房は/おまえは何と美しく、輝かしい/
   おまえの首は象牙の塔のよう/おいで、おいで恋人よ>/
 11.グレゴリアのアンティフォナ:娘たちのあとに続き/
 12.その友人なる乙女たちはあなたのものに(1593)/
 13.グレゴリアの昇階曲:娘よ、良く見なさい/
 14.あなたは何者にもまして美しい(1569)
ミュンヘン・パレストリーナ合唱団/
ヴェナンツ・シューベルト(指揮)
録音 2005年5月29-30日…CD1:1.3-5.9-13.15.17-19,CD2:6.9.10, 2012年6月8-10日…CD1:アンティフォン/グレゴリアン・チャント 2.4-8.10.12-14.16.17.19,モテット 2.6-8.10.14.16,CD2:アンティフォン/グレゴリアン・チャント 1-5.7-11.13,モテット 1-5.7.8.12-14 ドイツ ミュンヘン.女子病院大学教会
 ルネサンス期における最大の教会音楽作曲家パレストリーナが手掛けた作品の中で、異色の輝きを放つのがこの「ソロモンの雅歌」です。これは彼のモテット(ミサ曲以外の多声宗教曲)集の第4巻にあたり、パトロン教皇グレゴリウス13世に捧げられた作品ですが、ここで選ばれたテキストは、ヘブライ=旧約聖書の中でも一風変わったもので、歌のタイトルを見てもわかるとおり「恋愛と男女の性愛」を賛美したものなのです。神に仕える者たちとこれらの艶めかしい詩は、相容れぬもののようでもありますが、様々な経緯と論争を経て…いわば後付けの理由?…恋愛も性愛も、全て「キリストと教会との関係」とみなすことで、ようやく正典に収められたというものです。なので表向きは宗教曲ですが、中身は艶めかしい恋の歌でもあります。
 この演奏は、それぞれのモテットにふさわしいプレインチャント(単声の聖歌)を選び出し各曲の前に添えることで「恋愛の歌」を「洗練された喜びと祈りの音楽」へと昇華させています(プレインチャントのタイトルは日本語表記を省略)。
 

8.573113
\1100
プティジラール:バレエ音楽「星の王子さま」(2010)
 〜混声合唱、クラリネット、ハープとパーカッションのための組曲

 1.プロローグ/2.砂漠/3.惑星/4.バオバブ/5.涙の国/6.ばら/
 7.野生の鳥たち/8.星の王子さまが眠るとき/9.ばらの庭園/
 10.ばらとじょうろ/11.秘密/12.星の王子さまの涙/
 13.心で探して/14.最後の合唱
ブダペスト・スタジオ合唱団&ホンヴェード男声合唱団(合唱指揮…カールマン・ストラウス)/
ブダペスト・ハンガリー交響楽団ソロイスツ/
ローラ・プティジラール(指揮)
録音 2012年2月12日,5月11日.12日 ハンガリー ブダペスト,ハンガリー・ラジオ・スタジオ
 フランスの現代作曲家プティジラール(1950-)。彼は指揮者でもあり、フランス映画、テレビ番組の音楽も多数制作するという八面六臂の活躍をしている人です。彼の名前が知られるようになったのは、映画でもおなじみの「エレファント・マン」のオペラ化でしょうか。この悲しい物語に彼が付けた音楽は、ほとんど無調でしたが、その強烈な響きは一度聴いたら忘れることのない印象的なものでした。
 今回は、アヴィニョンのオペラハウスによるバレエ「星の王子さま」(あのサン=テグジュペリの名作)のために書かれた音楽です。特異な編成によって紡ぎ出される音楽は、夢から現実、動と静、神秘と無垢な笑顔の3つを見事に表現しています。もちろん聴きやすい音楽ではありませんが、この不思議な雰囲気は言葉に尽くせません。
 


8.573167
\1100
知られざるイギリスの天才
 ベンジャミン・デイル:ロマンティック・ヴィオラ曲集

 1-3.ヴィオラとピアノのための組曲 ニ長調 Op.2
  <幻想曲-前奏曲/ロマンス/終曲>/
 4.6台のヴィオラのための序奏とアンダンテ Op.5/
 5.ヴィオラとピアノのための幻想曲 ニ長調
井上祐子(ヴィオラ)/
ステファン・クームス(ピアノ)/
RAMヴィオラ六重奏団…4
<メンバー:
井上祐子/
クリフトン・ハリソン/
リチャード・ウォーターズ/
ルー・ウェンホン/
リュウ・ティグハン/
アンナ・ラスティ>
録音 2012年6月6日.20日.23日 UK ロンドン ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック,デュークズ・ホール
 イギリスの作曲家、教育者ベンジャミン・デイル(1885-1943)。早熟な天才であった彼は将来を嘱望されつつも、ドイツ滞在中に第1次世界大戦の戦渦に巻き込まれ、ベルリン近郊のルーレーベン捕虜収容所に抑留されてしまいます。
 終戦後は英国音楽学校連合委員会の審査員を務めながら美しい作品をいくつか書いています。彼が15歳の時に英国王立音楽院の作曲家に進みましたが、ここで知り合ったイギリスの最も偉大なヴィオラ奏者ライオネス・ターティスのために「ヴィオラとピアノのための組曲」を始めとしたいくつかの作品を書いたのでした。
 この曲は1906年にターティスとヨーク・ボウエンによって初演され、その後ロマンスと終曲は管弦楽化もされています。
 またターティスの門弟のために書かれた「6台のヴィオラとピアノのための序奏とアンダンテ」と「幻想曲」が1911年に作曲されました。これらはデールとターティスの友情の証しとも言える美しい音楽です。このアルバムではヴィオラを演奏した井上さんによる解説(英文のみ)もブックレットに掲載されています。
 

8.573226
\1100
期待の新進演奏家シリーズ/ラサール・シェルアーナ ギター・リサイタル
 1.ラモー(1683-1764):クラヴサン組曲 第2組曲より「鳥のさえずり」(L.シェルアーナ編)/
 2.ラモー:王大公妃(L.シェルアーナ編)/
 3.レゴンディ(1822-1872):夢/
 4.レニャーニ(1790-1877):ファンタジア Op.19/
 5-9.アセンシオ(1908-1979):内なる想い/
 10.A.J.マンホーン(1866-1919):バスクの歌/
 11-14.ボグダノヴィチ(1955-):ギター・ソナタ 第2番
ラサール・シェルアーナ(ギター)
録音 2013年2月7-8日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット 聖ジョン・クリソストム教会
 2012年の第45回ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクールの優勝者ラサール・シェルアーナのNAXOSデビュー・アルバムです。彼は1988年にフランスのヴィエンヌに生まれ、6歳からギターを学び、リヨンの国立コンセルヴァトワールでペルーの名奏者ヘセス・カストロ=バルビに教えを受けます。やがてマドリット王立コンセルヴァトワールに進み、ミゲル・トラパーガに師事。最優秀の成績で卒業し、現在はザルツブルク・モーツァルテウムでマルコ・タマヨの元で学んでいます。数多くのコンクールを制覇しながら、室内楽と古楽の勉強を続けている彼の演奏は、瑞々しい音色と確かな技巧、そして溢れる歌心に満ちています。このアルバムではラモーの作品で見事な編曲の腕前も披露しています。
 

8.660322
\1100
モンシニ(1729-1817):歌劇「王と農夫」
 3幕 ミシェル=ジャン・スデーヌ 台本(オペラ・ラファイエット編)
  1.序曲/2-9.第1幕/10-15.第2幕/16-25.第3幕
王…トーマス・マイケル・アレン(テノール)/
リチャード(農夫)…ウィリアム・シャープ(バリトン)/
ジェニー…ドミニク・ラベッレ(ソプラノ)/
リュストー…トーマス・ドリエ(バリトン)/
リュロワール…ジェフリー・トンプソン(テノール)/
母…ドロレス・ツィーグラー(メゾ・ソプラノ)/
ベッツィ…ユリア・ヴァン・ドーレン(ソプラノ)/
シャルロ…デヴッド・ニューマン(バリトン)/
廷臣…トニー・ブッテ(テノール)/
オペラ・ラファイエット/
ライアン・ブラウン(指揮)
録音2012年1月23,24日アメリカ メリーランド大学,クラリス・スミス・パフォーニング・アーツ・センター,Dekelbouホール
 フランスの貴族の家柄に生まれたモンシニ(1729-1817)ですが、父の死後、25歳の時にパリで出会ったペルゴレージの歌劇「奥様女中」に心酔し、作曲家の道を志したことで知られています。極めて短期間のうちに作曲技法を習得し、いくつかのオペラを書きましたが、この1762年の歌劇「王と農夫」は彼の成功作であり、この作品でモンシニはフランス内外での名声を手にしたのです(この作品の7年後に書かれたのが歌劇「脱走兵」(Naxos 8.660263-64)となります)。
 シャーウッドの森を舞台に、シリアスさとコミカルさを併せ持ちつつ、革新的な意識改革ももたらすという、台本作家ミシェル=ジャン・スデーヌの台本と、モンシニの当時としては大胆な音楽は確かに聴衆たちの心を湧き立たせたことでしょう。オペラ・ラファイエットは、これらの忘れられた18世紀作品の復興に尽力し、埋もれてしまった作品を拾い上げ、丹念に復元し、新しい時代の演出を施した上で21世紀の私たちの元に届けてくれています。今回は1870年に使われたセットを復元するという偉業もやり遂げています。
 

8.501066
(10CD)
\5000
ルトスワフスキー:交響曲・協奏曲・合唱・声楽作品集
<CD1 原盤 8.554283>
 1-4.交響曲 第1番/5-7.シロンスクの3章/8-11.ヴェネツィアの遊び/
 12-20.花の歌と歌のお話/21.ポストリュード Ⅰ/
<CD2 原盤 8.553169>
 1.交響的変奏曲/2-5.小組曲/6-7.交響曲 第2番/
 8-11.ピアノ協奏曲/
<CD3 原盤 8.553423>
 1.パガニーニの主題による変奏曲/2-5.織りこまれた言葉/6.眠りの空間/
 7.交響曲 第3番/<CD4 原盤 8.553202>1-4.弦楽のための葬送曲/
 5-8.チェーン Ⅱ:ヴァイオリンと管弦楽のためのディアローグ/9.間奏曲/
 10-14.ヴァイオリンと管弦楽のためのパルティータ/15.交響曲 第4番/
<CD5 原盤 8.553625>
 1.オーケストラの書/2.チェロ協奏曲/3-7.ノヴェレッテ/8.チェーン Ⅲ/
<CD6 原盤 8.553779>/
 1-3.管弦楽のための協奏曲/4-6.アンリ・ミショーの3つの詩/
 7.ミ・パルティ/8.弦楽のための序曲/
<CD7 原盤 8.555270>
 1-3.3つの後奏曲/4-11.13の独奏弦楽器のための前奏曲とフーガ/
 12.小序曲/13.ルイヴィルのためのファンファーレ/14.CUBEのためのファンファーレ/
 15.G.S.M.D.のための前奏曲/16.ランカスター大学のためのファンファーレ/
<CD8 原盤 8.555763>
 1-5.クラリネットと管弦楽のための舞踊前奏曲/
 6-8.オーボエ、ハープと室内楽団のための二重協奏曲/
 9.グラーヴェ-チェロと弦楽のためのメタモルフォーゼ/
 10.チェーン Ⅰ:14人の奏者のための/
 11-12.声と室内管弦楽団のための「2つの子どもの歌」/
 13-18.声と楽器のための「6つの子どもの歌」
<CD9 原盤 8.555994>
 1-20.20のポーランド語によるクリスマスキャロル/21.ラクリモーサ/
 22-26.5つの歌/
<CD10.ラスト・コンサート 原盤 8.572450>
 1-5.パルティータ(ヴァイオリンと管弦楽編)/6.間奏曲/
 7-10.チェーン Ⅱ/11-19.花の歌と花のお話/20.チェーン Ⅰ
オルガ・パシェチニク(ソプラノ…CD1:12-20, CD9:1-21)/
ピオトル・パレチニ(ピアノ…CD1:8-11)/
ベルント・グレムザー(ピアノ…CD3:1)/
ピョートル・クシェヴィチ(テノール…CD3:2-5)/
アダム・クルシェフスキ(バリトン…CD3:6)/
クシシュトフ・バコヴスキ(ヴァイオリン…CD4:5-8.10-14)/
アンジェイ・バウアー(チェロ…CD5:2)/
カメラータ・シレジア…CD6:4-6/
ズビグニェフ・カレタ(クラリネット…CD8:1-5)/
アルカディウシュ・クルパ(オーボエ…CD8:6-8)/
ニコラ・テュリエ(ハープ…CD8:6-8)/
ラファウ・クヴィアトコウスキ(チェロ…CD8:9.10)/
ウルシュラ・クリゲル(ソプラノ…CD:811-18)/
ヤドヴィガ・ラッペ(アルト…CD9:22-26)/
ポーランド放送合唱団…CD:91-21/
ポーランド国立放送響…CD1-9/
アントニ・ヴィト(指揮)…CD1-9/
フジコ・イマジシ(ヴァイオリン…CD10:1-5.7-10)/
ヴァルディン・アンダーソン(ソプラノ…CD10:11-19)/
ニュー・ミュージック・コンサーツ…CD10/
ヴィトルト・ルトスワフスキ(指揮)…CD10
録音 <CD1>1997年1月13-15日…1-4/1997年9月19日…5-7/1997年6月3-4日…8-11/1997年9月17-18日…12-20/1996年9月6日…21/<CD2>1994年8月25-30日…1-7/1995年6月27-28日…8-11/<CD3>1995年2月27日…1/1995年5月31日…2-5/1995年8月30-31日…6/1995年5月25-26日…7/<CD4>1994年12月19-22日/<CD5>1996年6月4-5日…1/1995年9月20-21日…2/1995年10月10-11日…3-7/1995年11月10日…8/<CD6>1996年9月,12月-1997年1月/<CD7>1996年9月6日…1/2000年5月16-17日…2-3.12-16/2000年7月23日…4-11/<CD8>2001年1月16-18日…1-8/2001年4月3-6日…9-18/<CD9>2001年12月3-5日…1-21/1997年1月15日…22-26/<CD10>1993年10月24日 ライブ収録
 第2次大戦後のポーランドを代表する作曲家、ピアニストの一人であるヴィトルト・ルトワフスキ(1913-1994)。バルトークの影響による民族主義的作風から出発し、12音技法の採用を経て、前衛技巧へと進みつつも、仄かに香る調性的な響きが味わい深く、また日本人作曲家、松平頼則を絶賛したことでも知られています。
 このBOXは彼の主要な交響曲、管弦楽、協奏曲、合唱と声楽作品を網羅したもので、彼の音楽の魅力をじっくり味わうことができるものです。CD10には、彼自身の最後のコンサートを収録。価値あるBOXです。
 

8.501702
(17CD)
\5000
ドヴォルザーク:出版された管弦楽作品集
<CD1 原盤 8.550266>
 1-4.交響曲 第1番 ハ短調「ズロニツェの鐘」B.9/
 5-9.伝説 Op.59 B.122 第1番-第5番/
<CD2 原盤 8.550267>
 1-4.交響曲 第2番 変ロ長調 Op.4 B.12/
 5-9.伝説 Op.59 B.122 第6番-第10番 B.122/
<CD3 原盤 8.550268>
 1-3.交響曲 第3番 変ホ長調 Op.10 B.34/
 4-7.交響曲 第6番 ニ長調 Op.60 B.122/
<CD4 原盤 8.550269>
 1-4.交響曲 第4番 ニ短調 Op.13 B.41/
 5-8.交響曲 第8番 ト長調 Op.88 B.163/
<CD5 原盤 8.550270>
 1-4.交響曲 第5番 ヘ長調 Op.76 B.54/
 5-8.交響曲 第7番 ニ短調 Op.70 B.141/
<CD6原盤 8.550271>
 1-4.交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」Op.95 B.178b/
 5.交響的変奏曲 Op.78 B.70/
<CD7 原盤 8.550896>
 1-3.ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33/4.交響詩「水の精」Op.107 B.195/
<CD8>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 B.108/
 4.ロマンス ヘ短調 Op.11 B.38/5.マズレック Op.49 B.90/
<CD9>
 1-3.チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191/
 4.森の静けさ Op.68-5 B.182/5.ロンド Op.94 B.181/
<CD10 原盤 8.550143>
 1-8.スラヴ舞曲 第1番-第8番 Op.46 B.83/
 9-16.スラヴ舞曲 第9番-第16番 Op.72 B.147/
<CD11 原盤 8.550610>
 1.狂詩曲 イ短調 Op.14/2-4.3つのスラヴ狂詩曲 Op.45/
<CD12 原盤 8.550598>
 1.交響詩「真昼の魔女」Op.108 B.196/
 2.交響詩「金の紡ぎ車」Op.109 B.197/3.交響詩「野鳩」Op.110 B.198/
<CD13>
 1-5.弦楽のためのセレナード ホ長調 Op.22 B.52/
 6-9.管楽のためのセレナード ニ短調 Op.44 B.77/
 10.弦楽のためのノットゥルノ ロ長調 Op.40 B.47/
 11.5つのプラハ・ワルツ B.99/
 12.ポルカ 変ロ長調「プラハの学生たち」Op.53a-1 B.114/
<CD14>
 1-7.小オーケストラのための7つの間奏曲 B.15/
 8-12.チェコ組曲 ニ長調 Op.39 B.93/
 13-17.組曲 イ長調「アメリカ」 Op.98b B.190/
 18.ポロネーズ 変ホ長調 B.100/19.祝典行進曲 Op.54 B.88/
<CD15 原盤 8.223272>
 1.歌劇「王様と炭焼き」Op.14 B.42/141-序曲/
 2-4.歌劇「ジャコバン党員」Op.84 B.159/200より/
 5-8.歌劇「悪魔とカーチャ」Op.112 B.201より/
 9-10歌劇「ルサルカ」Op.114 B.203より/
 11.歌劇「ディミートリー」Op.64 B.127/186-序曲/
 12.歌劇「アルミーダ」Op.115 B.206a-序曲/
<CD16 原盤 8.550600>
 1.序曲「プジェデフラ・ヴァンダ」 Op.25 B.55/
 2.序曲「自然の中で」Op.91 B.168/
 3.序曲「謝肉祭」Op.92 B.169/4.序曲「オセロー」Op.93 B.174/
 5.序曲「わが故郷」Op.62 B.125a/
<CD17>
 1.序曲「フス教徒」Op.67 B.132/
 2.歌劇「いたずら百姓」Op.37 B.67a-序曲/
 3.悲劇的序曲 Op.posth B.16a/
 4.スケルツォ・カプリッチョーソ 変ニ長調 Op.66 B.131/
 5.交響詩「英雄の歌」 Op.111 B.199
アレクサンドル・トロスティアンスキ(ヴァイオリン)…CD8:5/
イェネ・ヤンドー(ピアノ)…CD7:1-3/
イリヤ・カーラー(ヴァイオリン)…CD8:1-4/
ドミトリー・ヤブロンスキー(チェロ)…CD9:4-5/
マリア・クリーゲル(チェロ)…CD9:1-3/
スロヴァキア・フィルハーモニー管…CD1:1-4, CD2:1-4, CD3, CD4, CD5, CD6, CD10, CD11, CD17:2-4/
スロヴァキア放送交響楽団…CD1:5-9, CD2:5-9/
ポーランド国立放送交響楽団…CD7, CD8:1-4, CD12, CD14:8-12.19, CD17:1.5/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団…CD8:5, CD9:4-5, CD13:10-12, CD14:1-7.13-18/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団…CD9:1-3/
オスロ・フィルハーモニー・ウィンド・ソロイスツ…CD13:6-9/
カペラ・イストロポリターナ…CD13:1-5/
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管…CD15/
BBCフィルハーモニー管弦楽団…CD16/
スティーヴン・ガンゼンハウザー(指揮)…CD1, CD2, CD3, CD4, CD5, CD6, CD12, CD16, CD17:2/
アントニ・ヴィト(指揮)…CD7, CD14:8-12.19, CD17:1.5/
カミラ・コルチンスキー(指揮)…CD8:1-4/
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)…CD8:5, CD13:10-12, CD14:1-7.13-18/
ミヒャエル・ハラース(指揮)…CD9:1-3/
フェリックス・コロドフ(指揮)…CD9:4-5/
ズデニェク・コシュラー(指揮)…CD10, CD11:2-4, CD17:4, /
リボル・ペシェク(指揮)…CD11:1/
ヤロスラフ・クレチェク(指揮)…CD13:1-5/
ロベルト・スタンコフスキー(指揮)…CD15/
リボル・ペシェク(指揮)…CD17:3
録音 <CD1>1990年5月…1-4/1991年5月…5-9/<CD2>1990年5月…1-4/1991年5月…5-9/<CD3>1990年5月4-9日/<CD4>1989年2月/<CD5>1989年2月/<CD6>1989年3月1-2日…1-4,11月10.11日…5/<CD7>1993年11月9-13日/<CD8>1994年3月28-31日…1-4, 2003年10月10-12日…5/<CD9>1991年11月8-10日,2003年10月10-12日…4-5/<CD10>1987年9月,1988年3月19-22日/<CD11>1986年3月…1,1987年9月…2-4/<CD12>1992年9月1-6日/<CD13>1990年5月6-11日…1-5,1996年11月4-6日…6-9,2003年10月10-12日…10-12/<CD14>2003年10月10-12日…1-7.13-18,1994年4月11-15日…8-12.19/<CD15>1989年2月22-28日/<CD16>1992年3月23-24日/<CD17>1994年4月11-15日…1,1987年7月12-22日…2,1986年3月…3,1988年3月19-22日…4,1993年10月12-13日…5
 日本でも大人気のドヴォルザークですが、実際のところ誰もが知っている「新世界より」や第8番の交響曲、チェロ協奏曲など一部の曲以外は、あまり聞く機会がないのではないでしょうか?交響曲でも、標題のついている第1番「ズロニチェの鐘」は別にして、第2番や第3番はなかなか耳にすることがありません。
 交響詩も同じであり、オペラに至っては「ルサルカ」も美しいアリアが知られている程度。最近ようやく「チェコ組曲」が人気を得たかな。と言ったところでしょう。無論、特定の曲だけで普遍の人気を獲得したドヴォルザークの偉大さには瞑目しますが、そろそろ他の曲もじっくり聞いてみてもよいのでは?この17枚組でチェコの自然にどっぷり浸かってみてはいかがでしょう。
 


8.557005
\1100
アントン・ルビンシテイン:交響曲 第5番
 ホリア・アンドレースク(指揮)&ジョルジュ・エネスコ・フィル

 1-4.交響曲 第5番 ト短調 Op.107/
 5.歌劇「ドミートリー・ドンスコイ」序曲/
 6.ファウスト Op.68
  MARCO POLO 8.223320より移行盤
ジョルジュ・エネスコ・フィルハーモニー管弦楽団/
ホリア・アンドレースク(指揮)
録音 1988年7月 ルーマニア・ブカレスト
 MARCO POLO の名盤復活。
 19世紀ロシアの最も偉大な音楽家の一人、アントン・ルビンシテイン(1829-1894 ルビンシュタインと表記することも)。彼はピアノの名手であり(彼の弟ニコライもまた素晴らしいピアニストでした)、若い頃はヨーロッパからロシアにかけて演奏会を開き、そこでショパンやリストとも友好関係を結びます。作曲家としても幅広い活動を行い、ロシア最初の専門的な音楽教育機関であるサンクトペテルブルク音楽院を創設、またロシア音楽協会の創設者としても知られます。
 しかし、彼は出自がユダヤ系であったせいもあり(一家ともども2歳の時にロシア正教に改宗している)、同時期に活動していたロシア五人組とは対立したため、その作品は生前からほとんど演奏されることがありませんでした。しかし、この交響曲第5番に横溢するロシア風味は、彼自身がどれほどまでにロシアを愛しているかの証明と言えるのではないでしょうか。
 

8.559752
\1100
ヒグドン:初期室内楽作品集
 1.アメイジング・グレイス(弦楽四重奏編)(1998/2003)/
 2-5.スカイ四重奏曲(1997/2000)
  <第1楽章:空へ昇る/第2楽章:青い空/
  第3楽章:猛威/第4楽章:巨大な空>/
 6-7.ヴィオラ・ソナタ(1990)
  <第1楽章:穏やかに/第2楽章:大げさに>/
 8.暗い森(2001)/
 9.弦楽三重奏曲(1988) ※世界初録音
セラフィン弦楽四重奏団
<メンバー:
ケイト・ランサム(第1ヴァイオリン)…1-5/
ティモシー・シュウォーツ(ヴァイオリン)…1-5.8-9/
モリー・カー(ヴィオラ)…1-8.9/
ローレンス・ストムバーグ(チェロ)1-5.8-9>/
チャールズ・アブラモヴィチ(ピアノ)…6-8/
エリック・ストムバーグ(ファゴット)…8
録音 アメリカ デラウェア大学 CFAビルディング,ゴア・リサイタル・ホール 2011年8月…1-5, 2011年12月…8, 2012年1月…9, 2012年3月…6-7
 「ピューリッツァー賞」「グラミー賞」の受賞経験もある女性作曲家ジェニファー・ヒグドン(1962-)。彼女はペンシルバニア大学でジョージ・クラムに学び、作曲の修士号と博士号を取得しました。彼女の作風は、伝統的な調性を用いいながらも繊細な音色の変化を大切にしたユニークなもので、新ロマン主義とも見なされています。
 このアルバムには5つの作品が収録されていますが、最初の「アメイジング・グレイス」はお馴染みの名旋律を弦楽四重奏曲用にアレンジしたものです。スカイ四重奏曲は、アメリカ西部の空の広大さと美しさからインスピレーションを受けたもので、高い空と嵐、そしてどこまでも広がる空の様々な変容を描いています。
 ヴィオラ・ソナタは初期の作品で、ファゴットを用いた「暗い森」は音色の追求、弦楽三重奏曲は、若い作曲家の心の声を見つけるためのプロセスがにじみ出た実験的な作品です。全て世界初録音、彼女の活気に満ちた音楽をお楽しみください。彼女の他の室内楽曲作品は8.559298で聴くことができます。
 

8.572915
\1100
トゥリーナ:ピアノ作品集 第9 集
 1-4.セビリャの街角 Op.5(1911)
  <テラスで夏の夜/子どものためのロンド/
   セイシス大聖堂での踊り/雄牛>/
 5.組曲「ヒラルダの伝説」Op.40(1926)/
 6-8.セビリャの通りにOp.96(1943)
  <塔の上の反射/慈悲の聖母の前に/シエルペル通り>/
 9-11.コンテンプラシオン-熟考 Op.99(1944)
  <フラ・アンジェリコの「受胎告知」/エルチェの貴婦人/
   ベラスケスの「ブレダの開城」>/
 12-14.我が家のテラスにて Op.104(1947)
  <アラビア風の網戸の影/街のハーモニー/花のシンフォニー>
ホルディ・マソ(ピアノ)
録音 2012 年7 月27-28 日 スペイン ヤフレ,アウディトリウム
  トゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品集も第9 集。ステキなこれらの曲が何故あまり知られていないのか?と疑問に思うばかりですが、恐らく曲の持つ力を存分に引き出せるピアニストがマソ以外にいなかったのかも知れません。
 今作も何とも刺激的で魅力的な曲ばかりが集められています。アルバムに収録されている作品は作曲年の順を追って並べられており、はじめから聞いていくと彼の作風の熟成が見て取れるという趣向です。初期の作品である「セビリャの街角」は、民族的な素材をフランス風に料理した軽妙な作品。
 当時、印象派に影響を受けていた彼らしい音楽と言えるでしょう。それから30 年ほど経過して、トゥリーナが同じセビリャの風景を音楽にした時に生じる作風の変遷は、とても見事なものであり、彼がどれほどまでに「自らの音楽」を創り上げたかが瞬時に理解できるのではないでしょうか?
 


8.573120
\1100
クヴァンツ:フルート協奏曲集
 ミクローシュ・シュパーニ(指揮)&コンチェルト・アルモニコ

 1-3.フルート協奏曲 イ短調 QV5:238/
 4-6.フルート協奏曲 ト長調 QV5:165/
 7-9.フルート協奏曲 ハ短調 QV5:38/
 10-12.フルート協奏曲 ニ短調 QV5:81
   ※世界初録音
マリー・オレスキェヴィチ(バロック・フルート)/
コンチェルト・アルモニコ/
ミクローシュ・シュパーニ(指揮)
録音 ハンガリー ディオーシュド,フェニックス・スタジオ 2011 年1 月17-18 日…4-9, 2011 年1 月19-21 日…1-3.10-12
 BISのC.P.E.バッハ録音でおなじみのシュパーニが登場。
 ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)は18 世紀における、最も偉大で革新的なフルート奏者であり、作曲家でした。彼はアマチュア・フルート奏者であったプロイセンの大王フリードリヒ2 世の教師でもあり、宮廷コンサートはクヴァンツのフルート協奏曲の主要な演奏会場でもあったのです。王はクヴァンツがフルート作品を書くたびに特別の謝礼金を払うなど彼を厚遇。クヴァンツもそれに応えるために素晴らしい作品を何曲も書いたのです。また1752 年には「フルート奏法試論」を著述、こちらは現代でも読み継がれるほどの名著であり、当時のスタイルを知るうえでも格好の資料となっています。
 ここに収録された作品のうちイ短調の曲は、失われたとされていましたが、最近サンクトペテルブルクのロシア国立図書館から取得されたもので、ト長調のカデンツァとともに、貴重な資料となりうるものです。ハ短調の協奏曲はクヴァンツの死後、未完成だったものを王が補筆、完成稿としたものです。
 

8.557080
\1100
シューマン:歌曲集 第7集
 1-12.リーダークライス Op.39
  <異郷で/間奏曲/森のささやき/静けさ/月の夜/
   美しい異郷/城にて/異郷で/悲哀/たそがれ/森で/春の夜>/
 13-15. 3つの詩 Op.30
  <魔法の角笛を持つ少年/小姓/ヒダルゴ>/
 16.3つの歌 Op.31-1 ライオンの花嫁/
 17-22.6つのリートOp.36
  <ライン河畔の日曜日に/セレナード/たぐいない美しさ/
   日の光に寄す/詩人の病の回復/恋の便り>
トーマス.B.バウアー(バリトン)/
ウタ・ヒールシャー(ピアノ)
録音 2011年11月29日-12月1日 ドイツ シュトゥツガルト,SWR室内楽スタジオ
 1830年、20歳のシューマン(1810-1856)は高名なピアノ教師フリードリヒ・ヴィークのもとに弟子入りします。その直後作品番号No.1となる「アベッグ変奏曲」を出版、その後、手を痛めピアニストになる夢をあきらめるも、次々に素晴らしいピアノ曲を作曲するのですが、1839年にヴィークの愛娘クララとの恋愛が成就し、その翌年結婚することになります。そう、それが「歌の年」と呼ばれる1840年のことです。この年に書かれた歌は重唱も含めると100曲を優に超え、またそのどれもが真の名曲であり、どれもが香り高い芸術性を誇るものばかりです。
 このリーダークライスOp.39は、中でもとりわけ人気の高い曲集であり、彼の作品の中でも最もロマンティックなものとして知られています。特に最後にそっと置かれた「春の夜」のチャーミングなこと。この1曲だけでも虜になる人は多いでしょう。他に、親しみやすい「6つの歌」と素朴な「3つの詩」、長大な物語譚である「ライオンの花嫁」と、シューマンの夢見る性格が溢れ出た美しい歌集です。
 


8.572353
\1100

マクスウェル=ディヴィス:ストラスクライド協奏曲 第3番&第4番
 1-5.ホルン、トランペットと管弦楽のためのストラスクライド協奏曲 第3番/
 6-10.クラリネットと管弦楽のためのストラスクライド協奏曲 第4番
ロバート・クック(フレンチ・ホルン)…1-5/
ピーター・フランクス(トランペット)…1-5/
ルイス・モリソン(クラリネット)…6-10/
スコットランド室内管弦楽団/
ピーター・マクスウェル=デイヴィス(指揮)
録音 1991年7月 スコットランド エディンバラ,アッシャー・ホール Collins Classicsより移行盤
 マックスウェル・デイヴィス(1934-)が集中的に取り組んだ、様々な楽器のための協奏曲である「ストラスクライド協奏曲」は、スコットランド西部にある県「ストラスクライド」の地域協議会とスコットランド室内管の委嘱により書かれ始めたもので、1987年から1996年までの間に10曲が作曲されました。
 このアルバムでは、1989年に書かれたホルン、トランペットを使った第3番、1990年に書かれたクラリネットを使った第4番を聴くことが出来ます。デイヴィスは奏者たちとも緊密に連絡を取り、彼らの技術を最大限に生かせるように入念な曲造りを施し、どれもが素晴らしい効果をあげています。独奏楽器が活躍はもちろんのこと、彩り豊かなパーカッションとのやり取りも素晴らしく、またデイヴィスが愛するマリンバの響きもいたるところで聴くことができるという、まさに彼における「20世紀の締めくくり」シリーズであると言えるでしょう。
 


8.572866
\1100

ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集 第2巻 第1番-第5番&第8番
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.2-1/
 5-8.ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.2-2/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Op.2-3/
 13-16.ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.2-4/
 17-20.ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.2-5/
 21-24.ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.2-8
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)/
ジョナサン・マンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
録音 201年7月18-20日&25-27日 UK ロンドン ウォルサムストー 聖メアリー教会
 バロック時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖であるルクレール(1697-1764)のヴァイオリン・ソナタ集の第2巻です。第1巻ではヴィオラ・ダ・ガンバをアリソン・マクギリヴレイが担当していましたが、第2巻はジョナサン・マンソンが担当。また違った響きでこれらのソナタに確かなアプローチをかけています。1723年にソナタ集第1巻を出版したルクレールですが、彼自身はもっと学ぶ必要性を感じていたようで、当時の巨匠たちの作品、とりわけロカテッリからは多大なる影響を受け、それらの成果は第3巻と第4巻に如実に現れていると言われます。そのため、それ以前に書かれたこの第2巻(1728年出版)も、彼としては気に入るものではなかったかもしれません。とはいうものの、第1巻と第2巻に漲るイタリアの抒情性をフランスのエレガンスは例えようのない素晴らしさであり、これらを不当に無視することは、人類の至宝を捨て去ることにも等しいのです。
8.570888…第1巻 第1番-第4番 8.570889…第1巻 第5番-第8番
 


8.572990
\1100

トーニ:ピアノ作品全集 第1集
 1-3.3つのカプリッチョ Op.38(1954.1956.1957)/
 4.マリアのために(ピアノ版)(1982)/
 5.アフォリスマ-格言(1985)/
 6.マーラー:交響曲 第5番 第4楽章「アダージェット」(C.トーニによるピアノ編)/
 7-11.コラール・パルティータ 第2番
  (J.S.バッハ:オルガンのためのコラール前奏曲 第5番による)(1976)/
 12-14.3つの前奏曲 Op.28(1947)/
 15.リチェルカーレ OP.28b(1947)/
 16.ファンタジア Op.25 ※世界初録音
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
録音 2012年7月16-18日 イタリア ヴェニス,ジョルジオ・チーニ財団小劇場ホール
 カミロ・トーニ(1922-1993)は20世紀イタリア音楽界の中でも代表的な人物の一人であり、現在では彼の名を冠した国際コンクールも開催され、こちらは名ピアニストへの登竜門として素晴らしい役割を果たしています。彼はシェーンベルクから多大なる影響を受け、1951年から1957年までダルムシュタットの音楽祭に参加、そこでは偶然音楽にも興味を抱いています。とはいえ、初期の作品は古典的なものを踏襲しており、難解で緻密な書式はなかなか興味深いものになっています。
 また、このアルバムにはバッハとマーラーの2つの作品を編曲したものが含まれていて、ここにはトーニが目指した音楽の到達点が表出されているかのようです。マーラーの「アダージェット」からは、頽廃的な響きはすっかりそぎ落とされ、まるで血潮が滴る筋肉を見せつけられる思いがしますが、これはバッハからシェーンベルクに至る間に、音楽が纏ってきた衣や贅肉をそぎ落とすという、彼が行った実験の結果なのかもしれません。トーニのピアノ曲シリーズは全4枚が予定されています。
 


8.573010
\1100

タネーエフ:弦楽四重奏曲全集 第3集
 1-4.弦楽四重奏曲 第7番 変ホ長調/
 5-8.弦楽四重奏曲 第5番 イ長調 Op.13
カルペ・ディエム弦楽四重奏団
<メンバー:
チャールズ・ウェザビー(第1ヴァイオリン)/
ジョン・エウィング(第2ヴァイオリン)/
コリン・フジワラ(ヴィオラ)/
クリスティン・オストリング(チェロ)>
録音 2010年12月18-20日 アメリカ アイダホ,ボイジー オーディオ・ラボ
 作曲をチャイコフスキーに、ピアノをニコライ・ルビンシテインに学んだタネーエフ(1856-1915)。彼は素晴らしいピアニストであり、師であるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のモスクワ初演を行う程の腕前の持ち主でした(第2番の世界初演も担当している)。また対位法の理論家でもあり、正教会の聖歌も作曲するなど多彩な才能の持ち主でした。
 彼の作風は驚くほど保守的で確固たる構造を持ち、とりわけ弦楽四重奏曲の早い楽章は、モーツァルトやベートーヴェンに匹敵するほどのシンプルさを有しています。とは言え、緩徐楽章では溢れんばかりの抒情性に満ちていて、「ロシア的な美しさ」を堪能することができるものです。第7番は、実は初期の作品であり、1880年に彼がパリに滞在していた頃に書かれたもの。簡素な美しさの中に、一筋縄ではいかない音の動きが見え隠れします。
 



8.573011
\1100

ヴィオラとピアノ
 ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド 他

 1-4.ベルリオーズ:イタリアのハロルド Op.16
  (F.リストによるヴィオラとピアノ編)
   <第1楽章:山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の場面/
    第2楽章:夕べの祈祷を歌う巡礼の行列/
    第3楽章:アブルッチの山人が、その愛人によせるセレナード/
    第4楽章:山賊の饗宴、前後の追想>/
 5.リスト(1811-1886):忘れられたロマンス S132/R467a/
 6-8.クルト・ロジャー(1895-1966):アイリッシュ・ソナタ Op.37
   ※6-8…世界初録音
フィリップ・デュークス(ヴィオラ)/
ピエール・レーン(ピアノ)
録音 2012年5月3-5日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 1833年、パリで「幻想交響曲」を聴いて感動したパガニーニが、ベルリオーズ(1803-1869)に委嘱して書かれたと言われるのが、この「イタリアのハロルド」です。曲はもともとジョージ・バイロンの長編詩「チャイルド・ハロルドの巡礼」の場面に着想を得たものであり、第1楽章で独奏ヴィオラが提示する「ハロルドの主題」は形を変えて全曲に現れます。
 パガニーニは、ヴィオラの超絶技巧を生かした華やかな曲を期待していたのですが、結局はパガニーニの意に沿うことがなく、結局ベルリオーズは当初の企画を若干変更して、ヴィオラ付きの交響詩として仕上げました。この演奏は、その原曲のオーケストラ・パートをフランツ・リストがピアノ伴奏版に書き換えたという、これまた興味深いものです。もう1曲のアイリッシュ・ソナタを書いたのはクルト・ロジャー。シェーンベルクに師事した作曲家ですが、抒情的な作風を見せています。フィリップス・デュークスのヴィオラは芯のある音色ととろみのある響きが魅力的。
 


8.573069
\1100

海の夜明け 〜英国民謡のコレクション
 1.マクミラン(1959-):娘さん、私を愛してくれますか?/
 2.キャンプキン(1984-):恋する男と彼の彼女/
 3.ヴォーン=ウィリアムズ(1872-1958):
  5つのイギリス民謡-第1番 黒い目の船乗り/
 4.ビングハム(1952-)孤児院の少女/
 5.ウォーロック(1894-1930):ヤーマスの祭り/
 6.ダッガン(1963-):月の彼方に/
 7.グレインジャー(1882-1961):北方の歌-第14番 わが黒髪の乙女/
 8.キャンプベル(1983-):吹け、南風よ/
 9.ホルスト(1874-1934):12のウェールズ民謡-第4番 目覚めよ、目覚めよ/
 10.ビルト(1939-):おお、緑の葉の間で/
 11.ターンブル(1975-):スカイ島/
 12.バーク(1988-):ごきげんよう/
 13.アンドリュー(1978-):全てのものは静けさの中に/
 14.ベアストー(1874-1946):かしわととねりこの木/
 15.モーラン(1894-1950):水夫と若いナンシー
  ※2.4.6.8.11.12.13…世界初録音
ブロッサム・ストリート/
ヒラリー・キャンベル(指揮)
録音 2012年11月1-3日 UK ロンドン ノーブリー,聖フィリップ教会
 普段は超絶難解な響きを愛するマクミランでさえ、ここではひたすら静謐なハーモニーを追求しているのには驚くばかり。それほどまでに「英国民謡」は人々の心を捉えているのでしょうか。15人の近現代作曲家たちによる各々の曲は、どれもが個性的でふくよかな表情を見せています。
 ヴォーン=ウィリアムズ、グレインジャー、ホルスト、ウォーロックと言った前世紀の作曲家たちの端正なハーモニーに比べ、現代に生きる作曲家たちの作品はモダンな音に彩られていますが、やはり根底に流れるのは民俗意識であり、脈々と受け継がれたイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの伝統でしょう。ここで豊かな合唱を披露している「プロッサム・ストリート」はヨーク大学の学生メンバーを主とする聖歌隊です。2003年に結成され、テレビやラジオなどで幅広く活躍、クリスマスや国の行事にはひっぱりだこになるほどの人気を誇っています。そんな彼らのクリスマス・ソング集(8.572868)もオススメします。
 

シャイデマン:オルガン作品集 6 (ブラウン)
8.573118
\1100

シャイデマン:オルガン作品集 第6集
 1.私はあらゆる時に主をほめたたえる(H.プレトリウスによる) WV48/
 2-5.第8旋法によるマニフィカト WV20/
 6.ガイヤルドと変奏曲 ニ短調 WV107/
 7.神のひとり子なる主キリスト(Ⅰ)WV7/
 8.バレットと変奏曲 ニ短調 WV111/
 9.復活のいけにえに WV68/
 10-11.アダムの堕落によりてすべては朽ちぬ WV57/
 12.前奏曲 ホ短調 WV38/
 13-14.神もしわれらと共になかりせば WV70/
 15.マスカラータと変奏曲 ト長調 WV110/
 16-17.主なる神、われらがもとにあらずば WV71/
 18.ファンタジア ハ長調 WV82/
 19.F.アネリオのマドリガル「私の心は,サラマンダーの如く」による
   パッサジャータ WV 105/
 20.アルマンド ニ短調 WV113/
 21.クーラントと変奏曲 ニ短調 WV123
ジュリア・ブラウン(オルガン…ブロンバウ・オルガン・Opus35)
録音 2012年10月11-12日 アメリカ イリノイ州,スプリングフィールド 最初の長老派教会
 ハンザ同盟の一員として、裕福な有力都市の一つとして繁栄し、神聖ローマ皇帝から自由都市の特権を与えられ、自治権を獲得維持していたハンブルク。17世紀、そのハンブルクで活躍した鍵盤音楽の大家シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第6集です。
 当時は全ヨーロッパから音楽家たちがハンブルクに集まっていましたが、シャイデマンはその中でも傑出した存在であり、そのせいか、彼の作品は他の作曲家たちのものよりも格段に多く譜面が残されていることでも知られています。また、この頃はオルガンの性能が高められ、それに伴い演奏技術も高いものを求められていたこともあり、ここで聴かれる作品も、複雑な対位法を駆使した大規模なものとなっており、単なる「J.S.バッハの先駆者」としての存在だけではない、全くもって稀有な才能と崇めずにはいられません。
 


8.573163
\1100

ブロトンス:交響曲 第5番 他
 1-4.交響曲 第5番「我らの世界」Op.117(2010)
  <力、窮乏、野望/瞑想1.偽善/瞑想2.暴力と"エゴ"の成長/
  憂鬱な嘆き、希望、向上と逸出>/
 5-7.オーボエ協奏曲 Op.115(2009-2010)
  <序曲/子守歌/タランテラ>/
 8-11.弦楽オーケストラのための4つの小品-組曲 Op.14(2010年改編版)
  <エレジー/フモレスケ/夜想曲/舞曲> ※世界初録音
ハビエル・アルナル・ゴンザレス(オーボエ)…5-7/
パルマ市バレアレス交響楽団/
サルバドール・ブロトンス(指揮)
録音 2011年9月12-16日 Auditori del Conservatori Superior de Musica de les Illes Balears, Palma de Mallorca,
 バルセロナの音楽一家に生まれ、父からフルートを学び、バルセロナ音楽院でフルートと作曲を学んだブロトンス(1959-)。1985年にフルブライト奨学金を授与されフロリダ州立大学に留学、やがて作曲家として125以上の作品を創り、これらは様々な賞を受賞するなど高く評価されています。また1991年からはバンクーバー交響楽団の音楽監督、指揮者として活躍、他にもいくつもの交響楽団と素晴らしい仕事をしています。
 そんな彼の交響曲第5番は、私たちの現代の世界を描いた問題作です。4つの楽章には、どれも「人間の弱点」が描かれ尽くされ、曲の最後にようやく希望が見出されるというもので、聴いていて何となく落ち着かなくなるのは、まあ、仕方のないことなのかもしれません。
 穏やかさと皮肉さが同居する「オーボエ協奏曲」は一瞬プーランクの軽妙な世界を彷彿させることでしょう。17歳の時に初稿を書いた「4つの小品」は、スペイン国立管弦楽団主催のコンクールで受賞した作品。彼の名を高めるきっかけとなった躍動感あふれる音楽です。
 

8.660340
(3CD)
\3300
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」
<CD1>シンフォニア/2-16.第1幕/
<CD2>1-12.第1幕(続き)/13-16.第2幕/
<CD3>1-16.第2幕(続き)
セミラーミデ…アレックス・ペンダ(アレクサンドリナ・ペンダチャンスカ-ソプラノ)/
アルサーチェ…マリアンナ・ピッツォラート(コントラルト)/
アッスール…ロレンツォ・レガッツォ(バス)/
イドレーノ…ジョン・オズボーン(テノール)/
オローエ…アンドレア・マストローニ(バス)/
アゼーマ…マリア・ヨコヴィッチ(ソプラノ)/
ミトラーネ…ヴァシリス・カヴァヤス(テノール)/
ニーノ王の亡霊…ラファエレ・ファッチォーラ(バス)/
ポズナン・カメラータ・バッハ合唱団/
トーマス・ポトコウスキ(合唱指揮&アシスタント・コンダクター)/
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/
カレル・ミタス(アーティスト・ディレクター)/
アントニーノ・フォリアーニ(指揮)
録音 2012年7月18.19.22日 ドイツ バード・ヴィルトバード、トリンクハレ ライブ収録
 夫である王を毒殺し、王国を統治している女王セミラーミデ。彼女は若き武将アルサーチェを密かに恋していて、彼と結婚し王座を譲るつもりでいるのです。しかしそんな彼はアゼーマに思いを寄せているうえ、実は15年前の王毒殺事件の際に行方不明となっていた王子であるのです。暗殺実行犯であるアッスールの陰謀と思惑も絡み、この物語は悲劇に向かって動き出すのです。
 ロッシーニ(1792-1868)が初めてウィーンを訪問したのは1822年の時。そこでベートーヴェンに会いオペラ・ブッファの作曲を勧められたとされています。その影響もあってか、このオペラ「セミラーミデ」は重厚でドイツ風の響きを持った起伏に富んだ音楽で書かれています。またこの歌劇の「序曲」は単独でも演奏される機会の多い華やかなもの。まさにサスペンス・ドラマの幕開けを思わせる壮大な音楽です。主役を歌うアレックス・ベンダは最近人気急上昇中のソプラノ。劇的な表現が魅力的です。
 
8.501204
(12CD)
\4500
ベートーヴェン:交響曲・協奏曲・序曲集
<CD1>
 1-4.交響曲 第1番 ハ長調 Op.21/
 5-9.交響曲 第6番 ヘ長調「田園」Op.68(8.553474原盤)/
<CD2>
 1-4.交響曲 第2番 ニ長調 Op.36/
 5-8.交響曲 第5番 ハ短調 Op.67(8.553476原盤)/
<CD3>
 1-4.交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」Op.55/
 5-8.交響曲 第8番 ヘ長調 Op.93(8.553475原盤)/
<CD4>
 1-4.交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60/
 5-8.交響曲 第7番 イ長調 Op.92(8.553477原盤)/
<CD5>
 1-4.交響曲 第9番 ニ短調「合唱」Op.125(8.553478原盤)/
<CD6>
 1-4.ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 Op.15(8.550190原盤)/
 5.合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(8.572783原盤)/
<CD7>
 1-3.ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.19/
 4-6.ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」Op.73(8.550121原盤)/
<CD8>
 1-3.ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37/
 4-6.ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58(8.550122原盤)/
<CD9>
 1-3.ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a/
 4-6.ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 Op.56(8.554288原盤)/
<CD10 序曲集 第1集>
 1.「フィデリオ」序曲 Op.72/
 2.バレエ音楽「プロメテウスの創造物」Op.43/
 3.「コリオラン」序曲 ハ短調 Op.62/
 4.「アテネの廃墟」序曲 Op.113/5.「エグモント」序曲 Op.84/
 6.付随音楽「献堂式」Op.124/
 7.「レオノーレ」序曲 第3番 Op.72b(8.550072原盤)/
<CD11 序曲集 第2集>
 1.序曲「霊名祝日」Op.115/
 2.「レオノーレ」序曲 第1番 Op.138/
 3.「レオノーレ」序曲 第2番 Op.72a/
 4.付随音楽「シュテファン王」序曲 Op.117/
 5.騎士のバレエのための音楽 Wo01/
 6.付随音楽「レオノーレ=プロハスカ」葬送行進曲 Wo096/4/
 7.付随音楽「タルペイア」-勝利の行進曲 WoO2a(8.553431原盤)/
<CD12>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61/
 4.ロマンス 第1番 ト長調 Op.40/
 5.ロマンス 第2番 ヘ長調 Op.50(8.550149原盤)
<CD1-5>
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア/
<CD5>
ハスミク・パピアン(ソプラノ)/
ルクサンドラ・ドノーセ(メゾ・ソプラノ)/
マンフレッド・フィンク(テノール)/
クラウディオ・オテッリ(バス・バリトン)/
ニコラウス・エステルハージ合唱団ベーラ・ドラホシュ(指揮)/
<CD6:1-4>
シュテファン・ヴラダー(ピアノ)/
カペラ・イストロポリターナ/
バリー・ワーズワース(指揮)/
<CD6:5>
レオン・マッコーリー(ピアノ)/
シティ・オブ・ロンドン合唱団/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/ヒラリー・デイヴァン・ウェットン(指揮)/
<CD7>
シュテファン・ヴラダー(ピアノ)/
カペラ・イストロポリターナ/
バリー・ワーズワース(指揮)/
<CD8>
シュテファン・ヴラダー(ピアノ)/
カペラ・イストロポリターナ/
バリー・ワーズワース(指揮)/
<CD9>
イェネ・ヤンドー(ピアノ)/
ドン=スク・カン(ヴァイオリン…4-6)/
マリア・クリーゲル(チェロ…4-6)/
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア/
ベーラ・ドラホシュ(指揮)/
<CD10>
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団/
スティーヴン・ガンゼンハウザー(指揮)/
<CD11>
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア/
ベーラ・ドラホシュ(指揮)/
<CD12>
西崎崇子(ヴァイオリン)/
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団/
ケネス・ジーン(指揮)
ベートーヴェン(1770-1827)の魅力ってどこにあるんでしょうか?それは「スカっとするメロディ」であり、「主題を執拗に展開していく」執念深さであったり、見事過ぎる展開に唖然としたり、「ダサさとカッコよさ」を併せ持っていたり…。これって、もしかしたら「人気刑事ドラマ」を見てはらはらするような気持ちに近いのかもしれません。
 このBOXには、そんなベートーヴェンの交響曲と協奏曲、序曲を収録しました。あまり聴く機会のない序曲も、こうして聴いてみると素晴らしい名作ぞろいであることに気が付くことでしょう。もちろん永遠の人気を誇ることは間違いありません。
 録音 <CD1-5>ハンガリー,イタリア語放送,フェニックス・スタジオ 1995年6月17-20日…CD1, 1995年6月9-16日…CD2, 1995年21-24日…CD3, 1995年10月…CD4, 1996年8月…CD5/<CD6:1-4>1988年10月3-4日 ブラティスラヴァ,モイゼス・ホール/<CD6:5>録音 2011年2月5-6日 ロンドン・キャドガン・ホール/<CD7>1988年3月 スロヴァキア放送コンサート・ホール/<CD8>1988年3月 スロヴァキア放送コンサート・ホール/<CD9>1997年5月1-6日 ハンガリー,イタリア語放送,フェニックス・スタジオ/<CD10>1987年7月4-9日 スロヴァキア放送コンサート・ホール/<CD11>1995年3月4-8日 ハンガリー,イタリア語放送,フェニックス・スタジオ/<CD12>1988年7月 スロヴァキア レドゥタ・コンサート・ホール

OEHMS



OC410
\2000→\1890
スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン
 ブラームス交響曲ツィクルス、完結!
  ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音 2011年3月14-16日 ザールブリュッケン コングレスハレ Recording Producer & Editing: Thomas Raisig
 「ミスターS」スクロヴァチェフスキによるブラームス(1833-1897)交響曲ツィクルス、ここに完結。この交響曲第4番はブラームスの円熟期の作品であり、複雑な管弦楽技法が用いられている上に、終楽章はバロック時代の変奏曲形式である“シャコンヌ”が使われるなど、指揮者にとっても力の見せ所が盛りだくさんの、充実の極みと言った感のある最高作品と言っても過言ではありません。
 この4番、ツィクルスの締めくくりとなりますが、実際は2011年の2月から3月にかけて全曲が一気に録音されているため、第1番から第3番と比較しても音楽の流れが滞ることは一切ありません。音色、テンポ、解釈全てにおいて理想的なブラームスです。特に終楽章は圧巻の一言です。スクロヴァチェフスキ。まだまだ進化し続けてます。


旧譜/第1弾&第2弾
Brahms: Symphony No. 1 in C minor, Op. 68
OC 408
\2000→¥1890
スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン
 ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
 ブルックナー、ベートーヴェンとはまた違う孤高の世界を見せてくれるスクロヴァのブラームス。
 以前にもハレ管、読響など他のオーケストラとの演奏が話題になっていて、「できることなら、手兵ザールブリュッケンとのブラームスを聴いてみたい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか?この演奏は、期待に違わぬ素晴らしいもので、快適なテンポ、重厚な音色はもちろんのこと、とことん丁寧に奏される内声部にもおどろかされます。もちろん要所要所では、絶妙なアゴーギクがつけられています。第4楽章で輝かしいテーマを導くコラールの荘厳さにも圧倒されること間違いありません。艶やかな弦の音色はいぶし銀の如く。まさに満を持してのブラームスです。
 録音 2011年2月

OC-409
(2CD)
\2600→\2390
スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン
 ブラームス:交響曲第2番&第3番
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー管
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音:2011年3月10-13日…交響曲第3番, 2011年3月17-19日…交響曲第2番ザールブリュッケン,コングレスハレ Recording Producer, Editing, Mastering: Thomas Raisig Balance Engineer: Ralf Schnellbach
 2012年に89歳を迎える「Mr.S」スクロヴァチェフスキ。ますますその燃焼度に磨きがかかり、その生み出す音楽はまさに神の領域に届かんばかりの崇高さを備えています。
 ザールブリュッケンとのブラームス(1833-1897)は、前作「第1番(OC408)」でも高い評価を受けましたが、今回の第2番、第3番はそれを上回る改心の出来。昨今の流れである「テンポ早め、あっさりめ」のブラームスではなく、全体的に濃厚でボリュームある仕上がりであり、なおかつ必要なところはきちんと聞こえるという誰もが納得の行く音楽となっています。

 


OC677
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
 ブラームス交響曲ツィクルス、完結!

  ブラームス:交響曲 第3番&第4番
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
録音 2009年10月8-10日 ハンブルク ライスハレ ライブ収録
Recording Producer, Editing, 5.0 Surround Mix & Mastering: Jens Schunemann, Recording Engineer: Christian Feldgen, SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas, Cybele AV Studios
 シモーネ・ヤングのブラームス(1833-1897)交響曲全集、ここに完結です。第1番の冒頭では、思いっ切りテンポを落とし重厚に歌わせるかと思えば、第2番では朗々と明るく、まるで地中海の風を思わせるような爽やかさで迫るヤング。彼女の演奏は基本的に対位法と内声を重視するよりも、感情の起伏に沿った流動的で柔軟な音楽を追求することにあるのかもしれません。そのため、ドイツ音楽に堅固さと構造性を期待する人には「緩く」感じる場合もあるかもしれませんが、それはそれ。ブラームスに快楽を求めるのもなかなか良いものです。流麗さが際立つ第3番、過去の巨匠たちの演奏とは一線を画した感のある第4番。どちらも聴きものです。


旧譜
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
ブラームス:交響曲第1番

OC 675
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
 [演奏時間; 17:39 / 9:38 / 4:59 / 17:27]
シモーネ・ヤング(指揮)
ハンブルク・フィルハーモニー
【録音】 2007年3月11&12日 ハンブルク、ライスハレ(ムジークハレ)でのライヴ レコーディング・プロデューサー&マスタリング:イェンス・シューネマン サウンド・エンジニア:クリスティアン・フェルトゲン ハイブリッドSACD仕様 (CD Stereo / SACD Stereo / SACD Multi 5.0)
 多くの支持と高い評価を得ているシモーネ・ヤングと手兵ハンブルク・フィルによるブラームス:交響曲チクルスが始動!
 ウィーン・フィルを初めて振った女流指揮者シモーネ・ヤングが手兵ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、「ブルックナー:交響曲初稿版シリーズ」や、ワーグナーの「指輪」、ヒンデミットの「画家マティス」など、『重厚ということだけでなく、細部までこだわったオーケストラへの要求を完璧にこなした精密な演奏』と、高い評価を得ています。
 そんな彼女のブラームスが登場。新たなヤングの歩みが始まる。

OC-676
(SACD-Hybrid)
\2300→¥2090
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル/
 ブラームス:交響曲第2番ニ短調Op.73
         悲劇的序曲Op.81
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
 2005年からハンブルク州立歌劇場総支配人と、ハンブルク・フィルの音楽総監督を務めるシモーネ・ヤング。彼女が登場した頃は「注目の女性指揮者」という肩書がついて回ったものですが、最近は誰も彼女の事を「女性指揮者」だとは思わなくなっているに違いありません。彼女の創り上げる音楽は、ワーグナーにしてもマーラーにしても、一本筋の通った明快なものであり、感情に任せて音楽が揺らぐこともなければ、泣きが入ることもありません。作曲家が表現したかった世界を極めて丁寧になぞって見せてくれます。そんなヤング、今回はブラームスの交響曲のなかでも、とりわけ、瑞々しさを要求される第2番を取り上げます。伸びやかで美しいブラームス(1833-1897)は、ブルックナーとはまた違うアプローチです。
 録音 ハンブルク ライスハレ ライブ録音 2008年3月…1-4/2010年1月…5
Recording Producer, Editing, 5.0 Surround Mix & Mastering: Jens Schunemann/Recording Engineer: Christian Feldgen/SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas, Cybele AV Studios
 


OC432
\2000→\1890
メルビッシュの湖上音楽祭
 ミレッカー:喜歌劇「乞食学生」
シモン・リマノヴィッツ(乞食学生)…ミルコ・ロシュコフスキー(テノール)/
ヤン・ヤニツキー(オバリンスキー伯爵)…エルヴィン・ベラコヴィツ(バリトン)/
パルマティカ・ノヴァルスカ伯爵夫人…リンダ・プレヒ(ソプラノ)/
ラウラ・ノヴァルスカ伯爵令嬢…コルネリア・ツィンク(ソプラノ)/
ブロニスラヴァ・ノヴァルスカ伯爵令嬢…アドリアーネ・クヴェイロツ(メゾ・ソプラノ)/
オーレンドルフ大佐…ヘンリク・ベーム(バス) 他/
メルビッシュ祝祭管弦楽団&合唱団/
ウヴェ・タイマー(指揮)
録音 2013年5月30日-6月2日 メルビッシュ湖上音楽祭ステージ Recording Producer & Editing: Thomas Hofstadter
 日本にも数多くのファンを持つ、メルビッシュの湖上音楽祭。ウィーンからバスで約1時間半のところにあるノイジードラーゼーで毎年7月中旬から8月下旬まで行われるコンサートは、あらかじめ予定されたメンバーでゲネプロを兼ねての演奏を行い、こちらを録音して当日のお土産として販売するというシステムを取っており、このアルバムもそのためのもの。これを聴きながら音楽祭の風景を思い浮かべるのも一興です。当時ポーランドに進駐していたザクセン軍との確執をベースに、身分を隠した、偽った人々の思いが交錯する入り組んだストーリーですが、最後はハッピーエンドで、楽しく終わります。
 

OC866
\2300
ウェン・シン=ヤン&アドリアン・エティカー:リサイタル
 1.コダーイ(1882-1967):ソナティネ/
 2-4.シューベルト(1797-1828):アルペジョーネ・ソナタ D821/
 5-8.ドホナーニ(1877-1960):ソナタ ロ短調 Op.8/
 9.クライスラー(1875-1962):中国の太鼓 Op.3/
 10.カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
   ロッシーニの「セビリャの理髪師」よりフィガロ/
 11.ブラームス(1833-1897):「野辺にひとり」Op.86-2
ウェン・シン=ヤン(チェロ)/
アドリアン・エティカー(ピアノ)
録音 2012年6月13-15日 ミュンヘン バイエルン放送 第2スタジオ Recording Producer & Editing: Wilhelm Meister, Balance Engineer: Gerhard Gruber
 指揮者ロリン・マゼールが大絶賛しているというチェリスト、ウェン=シン・ヤン。1965年にスイス、ベルンに生まれ、チューリッヒでクロード・スターク、ベルリンのウルフガング・ベッチャーに師事、マスタークラスをヤーノシュ・シュタルケル、ダーヴィド・ゲリンガスに師事。24歳にして、バイエルン放送交響楽団の首席チェロ奏者となり、2004年まで務めた経歴を持ち、現在ではソロ、室内楽で幅広く活躍している人です。
 日本にも何度も来日し、その豊かな音楽性と音色で多くの聴衆を魅了しています。このアルバムではピアニストのエティカーと親密な対話を繰り広げています。
 
OC871
(2CD)
\3000
シュペリング(指揮)&ダス・ノイエ・オルケスター
 ロベルト・シューマン:ばらの巡礼・レクイエム

<CD1.ばらの巡礼 Op.112>
 1-10.第1部/11-24.第2部/
<CD2.レクイエム 変イ長調 Op.148>
 1-2.Requiem…永遠の安息を/
 3-5.Dies irae…怒りの日/
 6-7.Offertorium…奉納唱/
 8.Sanctus…聖なるかな/
 9.Benedictus-Agnus Dei-Lux aeterna…祝福あれ-神の子羊-永遠の光
ブリッタ・シュタルマイスター(ソプラノ)/
アントニア・ブルヴェ(ソプラノ)/
オリヴィア・フェルモイレン(メゾ・ソプラノ)/
ダニエル・ベーレ(テノール)/
トビアス・ベルント(バリトン)/
コルス・ムジクス・ケルン/
ダス・ノイエ・オルケスター/
クリストフ・シュペリング(指揮)
録音 2010年9月19日 ケルン 西部ドイツ放送,クラウス・フォン・ビスマルク-ザール
Recording Producer: Barbara Valentin, Recording Engineer: Mark Hohn, Recording Assistant & Editing: Astrid Grosmann
 シューマン(1810-1856)がその晩年になって、立て続けに作曲したオラトリオ「ばらの巡礼」とレクイエム変ニ長調の2曲を、シュペリングの慈愛溢れる演奏で。
 「ばらの巡礼」は、人間界に下ったばらの精の物語であり、題材は若き頃の作品である「楽園とペリ」に似ているものの、はるかに円熟した音楽に満たされています。レクイエムは彼の最後の大作であり、持てる力を全て振り絞ったかのような悲痛さと、静謐な美しさを備えています。どちらも極めて充実した作品でありながら、あまり演奏の機会に恵まれないこの2曲を、等身大の姿で再現した名演です。
 

OC873
\2300
ジンガー・プア
 ジョゼッフォ・ツァルリーノ:6声のモジュレーション(1566)

 1.最初の神/2.サルヴェ・レジナ/3.今日キリストが生まれる/
 4.敬虔なるセバスチャン/5.ミゼレリス・オムニウム/6.神に聞く/
 7.神よ慈悲を与えたまえ/8.復活のいけにえ/9.わが父よおそばに/
 10.おお、いと聡明なる乙女/11.おお、なんと栄光に満ちているか/
 12.ユダヤ人は努めて/13.我らが父よ-めでたしマリア
ジンガー・プア
録音 2013年2月20-22日 ミュンヘン ゼントリンク,昇天教会 Recording Producer, Editing:Christoph Martin Frommen
 16世紀イタリアの作曲家ツァルリーノ(1517-1590)。フランシスコ会の修道士であり、聖マルコ大寺院の楽長としても活躍し、ヴェネツィア楽派の主要な人材を何人も育てあげました。作曲家としても数多くのモテットを残しましたが、現在彼の名は音楽理論家として知られており、和声においては「あらゆる音程の中で3度の音程が最も重要である」と考えた最初の人物とされています。
 このアルバムに収録された彼の作品は、寺院の祭日のためのものであり、シンプルなメロディにつけられた幽玄なハーモニーは美しさを保ちながらも、見事な規則性に従った厳格なものです。ジンガー・プアの最高の歌唱で、この世界が蘇りました。
 
OC882
\2300
フランツ・シューベルト:歌曲集「美しき水車屋の娘」D795
 1.さすらい/2.どこへ/3.とまれ/4.小川への感謝/5.憩いの夕べに/
 6.好奇心の強い男/7.焦燥/8.朝の挨拶/9.水車屋の花/
 10.涙の雨/11.わがもの/12.休み/13.緑のリュートのリボンをそえて/
 14.狩人/15.嫉妬と誇り/16.好きな色/17.いやな色/
 18.しおれた花/19.水車屋と小川/20.小川の子守歌
マキシミリアン・シュミット(テノール)/
ゲロルト・フーバー(ピアノ)
録音 2013年1月3-5日 ミュンヘン バイエルン放送第2スタジオ Recording Producer: Wilhelm Meister, Balance Engineer: Winfried Mesmer, Editing: Elisabeth Panzer
 古楽演奏で人気を博しているマキシミリアン・シュミット。レーゲンスブルクの少年合唱団を皮切りに、1999年にベルリン芸術大学で学び、バイエルンでオペラにも出演。最近はシャイーの「マタイ」でも瑞々しいテノールを聴かせました。
 OEHMSにおける録音はシューマンの「詩人の恋」(OC819)に続く2枚目のもの。伴奏は同じくベテラン、フーバーです。途切れることのない小川の流れのように、数多くの歌手たちが演奏を重ねていくこの名曲、シュミットの演奏も新たな心象風景をみせてくれるものです。どこまでも伸びていくような高音と繊細な弱音が魅力です。
 
OC943
(3CD)
\5000
フンパーディンク:歌劇「王の子どもたち」
エルンスト・ロズマーの「おとぎ話」原作 作曲家自身の台本
<CD1>1-19.第1幕/
<CD2>1-13.第2幕/
<CD3>1-17.第3幕
王の息子…ダニエル・ベーレ(テノール)/
ガチョウ番の娘…アマンダ・マジェスキ(ソプラノ)/
ヴァイオリン弾き…ニコライ・ボルチェフ(バリトン)/
魔女…ユリア・ユオン(メゾ・ソプラノ)/
きこり…マグヌス・ヴァルドヴィンソン(バス)/
きこりの娘…キアーラ・ボイムル(ソプラノ) 他/
フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団,少年合唱団/
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2012年9月-10月 フランクフルト・オペラ ライブ収録 Recording Producers: Christian Wilde,Peter Tobiasch
 1854年、ラインラントで生まれケルン音楽院でフェルディナント・ヒラーに師事、やがてミュンヘンでフランツ・パウル・ラハナーとヨーゼフ・ラインベルガーに師事。ナポリではリヒャルト・ワーグナーと知り合い、彼に招かれてバイロイトへ行き、1880年と1881年の「パルジファル」上演の輔佐を務めた作曲家フンパーディンク(1854-1921)。現在ではかろうじて、メルヘンオペラ「ヘンデルとグレーテル」が上演されますが、彼は他にもおとぎ話から題材を取った作品をいくつか残しています。この「王の子どもたち」(日本では慣習的に「王子と王女」と呼ばれている)もそんな作品ですが、内容はちょっぴり寂しいもので、王の息子(継承権がないので王子ではない)と、ガチョウ番に姿を変えられている王家の血を引いた娘の愛の物語。もちろん悲しい結末を辿ってしまいます。
 音楽も時としてワーグナー風の重厚なものであったり、シェーンベルクを先取りしたシュプレッヒゲザングが使われるなどかなり先進的であり、一筋縄ではいかない作品となっています。指揮は、最近ワーグナーにとことん力を入れているヴァイグレ。ワーグナー的な響きの中に、少しずつ前衛的な音を溶け込ませ、いい味を出しています。
 
OC956
(3CD)
\5000
フェルッチョ・ブゾーニ:歌劇「ファウスト博士」
作曲家自身の台本による
<CD1>1.シンフォニア/2-6.序幕 Ⅰ/7-15.序幕 Ⅱ/
<CD2>1-3.序幕 Ⅱ(幕間劇)/4-10.第1幕/
<CD3>1-10.第2幕
ファウスト博士…ヴォルフガンク・コシュ(バリトン)/
ヴァグナー/幽霊の声…スティーヴン・フームス(バス)/
メフィストフェレス…ジョ・ダスザック(テノール)/
パルマ公…レイモンド・ヴェリー(テノール)/
パルマ公妃…カテリーネ・ナグレスタッド(ソプラノ)/
進行役…アルフレッド・クーン(バス)/
自然科学者…アドリアン・セムペトレーン(バス) 他/
オルガン…エルマー・シュローター/
バイエルン国立管弦楽団/
トーマス・ネトピル(指揮)
録音 2008年6月28日 ライブ収録
 この神秘的かつ難解な作品ですが、ゲーテの有名な「ファウスト」を下敷きにしたのではなく、ブゾー(1866-1924)ニ自身が幼い頃に見たという人形芝居や、伝承などを組み合わせ、幻想的で複雑な物語に仕立てあげたものです。作曲家自身はこのオペラを完成させることなくこの世を去ってしまったため、弟子のヤルナッハが補筆した版や、音楽学者のボーモントが補筆した版が存在しますが、この演奏はブゾーニの作曲した部分のみという潔いものです。

ONDINE



ODE-1225
\2300→\2090
アシュケナージ&ヘルシンキ・フィル
 ドミトリ・ショスタコーヴィチ:作品集
  1.バラード「ステパン・ラージンの処刑」/
  2.組曲「ゾーヤ」/
  3.フィンランドの主題による組曲
シェンヤン(バスバリトン…1)/
マリ・パロ(ソプラノ…3)/
トーマス・カタヤーラ(テノール…3)/
ラトヴィア国立合唱団 /
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)
録音 2013年3月22-23日 ヘルシンキ・ミュージック・センター
 1964年にモスクワで初演された「ステパン・ラージンの処刑」は1600年代に実在したドン・コサックの首領のステパン・ラージンが理想の「コサックの国」を実現するため、ロシア政府に反逆するも失敗、捕えられて処刑されるまでを描いた作品です。
 ショスタコーヴィチ(1886-1975)は合唱とバリトン独唱を用い、悲劇的で嘲笑的な描写を見事に描きだしています。
 組曲「ゾーヤ」は1944年の作品。18歳の党員ゾーヤの悲劇を描いた映画のための音楽です。
 「フィンランドの主題による組曲」は1939年に作曲されながらも総譜が行方不明となっていたもので、2001年になってようやく発見、初演された作品で、フィンランド民謡が使われた興味深い音楽です。アシュケナージと、素晴らしい声楽家たちが繰り広げる熱い演奏で。
 


ODE-1214
\2300→\2090
五嶋 みどり新録音!
 エッシェンバッハ&NDR北ドイツ放送響
  パウル・ヒンデミット:作品集

 1-4.ウェーバーの主題による交響的変容(1943)/
 5-7.ヴァイオリン協奏曲(1939)/
 8-9.弦楽と金管のための協奏音楽 Op.50(1930)
五嶋 みどり(ヴァイオリン)/
NDR北ドイツ放送交響楽団/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
録音 2011年12月23日…8-9, 2012年10月24.26日…1-7 ハンブルク ライスハレ ライブ録音
 2013年はヒンデミット(1895-1963)の没後50年にあたります。ONDINEレーベルはこれを記念して、エッシェッバッハ指揮によるNDR北ドイツ放送交響楽団と、現代最高のヴァイオリニスト、五嶋みどりによる「ヴァイオリン協奏曲」をリリース。
 この曲は難解な作品と言われていますが、過去にもオイストラフやスターン、カヴァコスなど名だたる名手たちが手掛けている作品であり、この演奏も一つの記念碑として後世に残るものとなるでしょう。
 1939年、その前年にスイスに亡命したヒンデミットが書いたこのヴァイオリン協奏曲は、戦争の影を反映しているとはいうものの、曲想は至って明るく勢いがあり、オーケストラ・パートもヴァイオリン・パートも極めて充実した書法で書かれています。
 ヴァイオリンの技巧の見せ所も多く、素晴らしく聴きごたえのある作品であることは間違いありません。エッシェンバッハとMIDORIの息詰まる対話をお楽しみください。
 ボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱作品である「協奏音楽」と「ウェーバーの主題による〜」の2曲のカップリングも嬉しい1枚です。
 
ODE-1175
\2300
タピオラ・シンフォニエッタ
 マグヌス・リンドベルイ:ヴァイオリン協奏曲

 1-3.ヴァイオリン協奏曲(2006)/
 4-9.ジュビリーズ(2000/2002)/
 10-12.スーヴェニール(2010)
ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン&指揮)…1-3/
タピオラ・シンフォニエッタ/
マグヌス・リンドベルイ(指揮)…4-12
録音 2010年5月28-29日…1-3, 2013年2月15-16日…4-12 エスポー,タピオラ・ホール
 ONDINEで精力的にリリースを続けているリンドベルイ(1958-)の作品集、今作はヴァイオリン協奏曲の世界初演時の録音をメインに、他2曲を収録しています。モーツァルトの生誕250年を祝し、ニューヨークのリンカーン・センターとロンドンのバービカン・センターの委嘱により書かれたヴァイオリン協奏曲は、素材的にはモーツァルトに拠るものはありませんが、編成は小さ目であり、透明感のある響きが紡ぎだされています。
 2010年の「スーヴェニール」は彼の師であった作曲家ジェラール・グリゼーとフランコ・ドナトーニへのオマージュです。「ジュビリーズ」はもともと室内楽作品であったものを管弦楽作品へと移し替えたものです。ヴァイオリン協奏曲で独奏と指揮を務めるのは名手ペッカ・クーシストです。
 

ODE-1222
\2300
カイヤ・サーリアホ:弦楽のための室内楽作品集 第1集
 1.トカール…ヴァイオリンとピアノのための/
 2-3.風の夜想曲…ヴィオラと電子楽器のための/
 4-6.カリス…ヴァイオリンとピアノのための/
 7.スピンとスペル…チェロ独奏のための/
 8.夜想曲…ヴァイオリン独奏のための/
 9.ニンファ…弦楽四重奏と電子楽器のライブのための
META4
<メンバー:アンティ・ティカネン(ヴァイオリン)/
ミンナ・ペンソラ(ヴァイオリン)/
アッテ・キルペライネン(ヴィオラ)/
トマス・ユープフェバッカ(チェロ)>/
アンナ・ラークソ(ピアノ)/マルコ・ミョヘネン(電子楽器)
録音 2012年10月5-6.8-9日 エスポー,セロサリ
 2012年10月14日に60歳の誕生日を迎えたサーリアホ(1952-)。これを祝して制作された彼女の室内楽作品集の第1集となります(第2集は2014年リリース予定)。
 鮮やかなオーケストレーションで知られるサーリアホ、この室内楽作品でもユニークなサウンドを追求するために、曲によっては電子楽器を用い、多彩な響きを紡ぎだすことに成功しています。
 ここで演奏しているMETA4は2001年に結成されたフィンランドのアンサンブル。2010年にエコー・クラシック章を受章し、2012年にはフィンランドの放送会社YLEによる「フィンランドのグラミー賞」と呼ばれるエマ賞も受賞。活躍を嘱望されている団体です。
 

ODE-1223
\2300
エイノユハニ・ラウタヴァーラ:宗教的合唱作品集
 1-6.ミサ・ア・カペラ/7.祈りへの詩編/8.夕べの賛歌/
 9-11.12のカノンによるミサ曲/
 12.アヴェ・マリア,グラティア・プレナ/13.聖処女マリアの雅歌/
 14.われらがいと楽しき祭の日/15.第1の悲歌
ラトビア放送合唱団/
シグヴァルズ・クラーヴァ(指揮)
様々な作風の変遷を経て、最近は神秘的な作風の音楽を次々と書いているラウタヴァーラ(1928-)。ネオ・ロマンティックな響きと精神性が最も表出された、これらの「宗教的な」合唱作品集は、ラウタヴァーラの音楽になじみのない人にも、すんなり受け入れられるに違いありません。19世紀初頭のドイツの神学者、哲学者フリードリヒ・シュライエルマッハーによって提案された「無限の親和性」を内包したこれらの音楽は、宗教の枠を超えて全ての人に多くのものを語りかけています。
 ラトビア放送合唱団は、厳しさの中に愉悦感を抱いた美しい響きで、この稀有な作品を歌い上げています。
 

ORCHID CLASSICS


ORC100033
\2000
バッハ・トゥ・ザ・フューチャー
 1.J.S.バッハ(1685-1750)=G.クルターク(1926-):
  主よ、深きふちの底より BWV687/
 2.ベルク(1885-1935):ピアノ・ソナタ Op.1/
 3-8.ベートーヴェン(1770-1827):6つのバガテル Op.126/
 9.J.S.バッハ=F.ブゾーニ(1866-1924):
  コラール前奏曲「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」BWV639/
 10.ブゾーニ:J.S.バッハによる幻想曲 BV253/
 11-14.バーバー(1910-1981):ピアノ・ソナタ 変ホ短調 Op.26/
 15.J.S.バッハ=クルターク:哀悼行事「神の時は最上の時なり」よりソナチネ BWV106
アシュリー・ウォス(ピアノ)
with ロン・アブラムスキ(ピアノ)…1.15
録音 2012年8月7-9日,2013年8月17日 ブリストル セント・ジョージア・ブランドン・ホール
 最近、秘かに人気が高まっているイギリスのピアニスト、アシュリー・ウォス。このアルバムは現在の彼の「自伝的」な思いをつづった興味深い1枚となってます。イギリスの中堅ピアニストの中でも最も活躍の幅の広い彼、レパートリーもフランクやリスト、ベートーヴェンなど多岐にわたりますが、彼自身の原点にはJ.S.バッハがあり、またバッハからインスピレーションを受けた作品群からは、多くの示唆を受け取ることができると語ります。
 このアルバムに収録された作品はどれもウォス自身の体験や思い出と密接に結びついていて、このピアニストの方向性を探るためにも最適な構成になっています。磨き抜かれた音楽性と卓越した技巧については言うまでもありません。
 
ORC100034
(3CD)
\2600
ジェームズ・ギルクリスト/シューベルトとベートーヴェンを歌う
<CD1>
 1-20.シューベルト(1797-1828):美しき水車屋の娘/
<CD2>
 1-6.ベートーヴェン(1770-1827):遙かなる恋人へ Op.98/
 7-20.シューベルト:白鳥の歌 D957/
<CD3>
 1-24.シューベルト:冬の旅 D911
ジェームズ・ギルクリスト(テノール)/
アンナ・ティルブロック(ピアノ)
録音 サフォーク ポットン・ホール 2010年5月13-14日…CD1 2010年5月13-14日…CD2,CD3
 合唱団で歌いながらも、もともとは医師として生きていくはずだったギルクリストですが、1996年から完全に音楽の道に生きることを決意。バッハやヘンデルなどのバロック作品で素晴らしい演奏を繰り広げています。もちろんレパートリーは宗教曲だけではなく、このシューベルトの三大歌曲集の録音は、彼にとっても「生涯の願望だった」ものであり、ピアニスト、アンナ・ティルブルックとともに、シューベルトの描いた、希望、絶望、そして精神の深い闇を切々と歌い上げています。
 驚くほどの微妙なニュアンスと、柔らかい美声に彩られたシューベルトは感動的であり、聞き手に多くの想いを投げかけています。

RONDEAU


ROP-4036
\2000→\1890
ライプツィヒ・聖トーマス教会合唱団
 J.S.バッハ:三位一体のカンタータ集
  1.賛歌「賞賛、名誉と栄光」/
  2-15.J.S.バッハ:カンタータ「貧しきものは饗せられん」BWV75/
  16.賛歌「三位一体の光と祝福」/
  17-28.J.S.バッハ:カンタータ「こよなき望みなる祝賀の宴」BWV194
ヨハン・バイヤー(合唱団内ソプラノ)/
フリードリヒ・プレトリウス(合唱団内ソプラノ)/
コンラッド・ツーバー(合唱団内ソプラノ)/
シュテファン・カーレ(合唱団内アルト)/
クリストフ・ゲンツ(テノール)/
マルティン・ペッツォールド(テノール)/
ゲオルク・シュトロイバー(バリトン)/
マティアス・ヴァイケルト(バス)/
アンサンブル・フロリレジウム/
ライプツィヒ・聖トーマス教会合唱団/
ゲヴァントハウス管弦楽団/
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 ライプツィヒ 聖トーマス教会 2008年6月27.28日…16-28, 2010年11月12.13日…1-15
 聖トーマス合唱団によるバッハ(1685-1750)のカンタータ集。こちらは「三位一体」の日のための作品集です。「三位一体」とはキリスト教で父(神)と子(キリスト)と精霊は、一つの神が三つの姿となって現れたものである。という考え方であり、転じて3つのものが緊密に結びつくことを意味するものです。これは絵画や詩、音楽で主題として取り上げられることも多く、キリスト教の中でも大切な考え方です。この「三位一体の主日」は1334年に、時の教皇ヨハネ22世が「精霊降臨の1週間後」の日曜日に定め、現在に至っています。
 バッハのこの2つの作品のうち、BWV75は1723年5月30日に初演された曲で、ライプツィヒ着任後に最初に演奏したカンタータとしても知られています。他のカンタータに比べ、とりわけ規模が大きく、バッハ自身の自己紹介もかねた素晴らしい作品と言えるでしょう。BWV194はやはり三位一体の日のためのカンタータですが、その半年前のシュテルムタール教会のオルガン奉献式で初演され、その後に改めて三位一体の日に再演されたというものです。少年たちの清冽な声が魅力的な演奏です。
 

JS Bach: Cantatas for Marian Feasts
ROP-4039
\2000→\1890
ライプツィヒ・聖トーマス教会合唱団
 
J.S.バッハ:受胎告知・聖母マリア訪問の祝日用カンタータ集
  1.賛歌「法律の遵守」/
  2-7.J.S.バッハ:カンタータ「安らぎと喜びもてわらは逝く」BWV125/
  8.賛歌「大地、海、空」/
  9-14.J.S.バッハ:カンタータ「暁の星のいと美しきかな」BWV1/
  15.賛歌「喜ばしい宣告」/
  16-25.J.S.バッハ:カンターター「心と口と行いと命もて」BWV147
パウル・ベルネヴィッツ(合唱団内ソプラノ)/
シュテファン・カーレ(合唱団内アルト)/
クリストフ・ゲンツ(テノール)/
マルティン・ペッツォールド(テノール)/
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス)/
マティアス・ヴァイケルト(バス)/
アンサンブル・フロレリジウム/
ライプツィヒ・聖トーマス教会合唱団/
ゲヴァントハウス管弦楽団/
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 ライプツィヒ 聖トーマス教会2010年1月29.30日…1-7, 2010年3月19.20日…8-14, 2011年1月24.25日…15-25
 聖トーマス合唱団によるバッハ(1685-1750)のカンタータ集の第9集です。今作は「マリアの祝日用のカンタータ集」で、最も有名な「心と口と行いと命もて」("主よ、人の望みの喜びよ"のコラールで知られる)も含まれた素晴らしいアルバムとなっています。
 BWV125は1725年2月初演のカンタータ。暗めの曲調が心に染み入る作品で、BWV82と同じく、心満たされて死にゆくシメオン老人と、キリストの到来を讃えた心に染み入る音楽です。BWV1のカンタータは1725年に初演された名作で、こちらはソプラノによる美しいアリアが聴きものの明るいカンタータです。
 最後のBWV147は1723年初演。最初ヴァイマールで1716年に作曲したBWV147aを大幅に改作したもので、ヴァイマール版ではコラールも違うものが使われていたと言います。曲は2部にわかれ、それぞれの最終曲に「主よ、人の望みの喜びよ」のコラールが置かれています。
  
Weihnachtssingen
ROP-6070
\2000
リューベック少年合唱団
 クリスマス・キャロルの夕べ

 1.作者不詳:今日、キリストが生まれた/
 2.ヨハネス・アンガー(1976-):オルガンのための即興曲 第1番/
 3.ジークフリート・ノイバー(1931-):白いハトが飛ぶ/
 4.ノルベルト・ドゥヒテル(1949-):真夜中/
 5.ブクステフーデ(1637-1707):いざ来たれ、異教徒の救い主よ BuxWV 211/
 6.レーガー(1873-1916):戸を高くあげよ/
 7.シュヴァルツェ(1961-):朗読/
 8.レーガー:高く戸をあげよ/
 9.伝承曲:Andachtsjodler/
 10.アンガー:オルガンのための即興曲 第2番/
 11.クラフト(1905-1977):Ich habe einen Helden erweckt/
 12.アンガー:オルガンのための即興曲 第3番/
 13.エッカールト:山を越えてマリアが行く/
 14.シュヴァルツェ:朗読/
 15.シュルツ(1747-1800):御子が現れたもうた/
 16.アンガー:オルガンのための即興曲 第4番/
 17.ミュライ(1841-1905):まぶねの中で/
 18.アンガー:オルガンのための即興曲 第5番/
 19.シュッツ(1585-1672):喜べ喜べ、わが民よ/
 20.アンガー:オルガンのための即興曲 第6番/
 21.シュレンカー(1926-):喜ばしきクリスマスに/
 22.アンガー:オルガンのための即興曲 第7番/
 23.ラフーゼン(1886-1975):クリスマスの合唱/
 24.シュヴァルツェ:朗読/
 25.リーディング(1681頃):Herbei, o ihr Glaub'gen/
 26.アンガー:オルガンのための即興曲 第8番/
 27.ペーター・コルネリウス(1824-1874):クリスマスの歌 Op.8/
 28.アンガー:Torgenesis/
 29.伝承曲:クリスマスツリーに灯を灯そう/
 30.ルニエ(1875-1956):アルバムの一編:お告げの祈り/
 31.グルーバー(1787-1863):清しこの夜
ヨハネス・アンガー(オルガン)/
ヨハンナ・マイアー(ハープ…30)/
リューベック少年合唱団/
ミヒャエル.D.デュラー(指揮)
録音 2012年5月17-20日 リューベック 聖ゲルトルート教会, 2012年7月8日 聖マリーエン教会
 1143年、ホルシュタイン伯アドルフによって建設されたリューベックは、一時はハンザ同盟の盟主として北海、バルト海交易で独占的な地位を築くも、ハンザ同盟の衰退とともに国力も衰えてしまいます。19世紀は主権国家になるも、国間の争いに巻き込まれ、様々な変遷を経て、現在では連邦州シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の一部として存続しています。中世のハンザ同盟時代のリューベック市民は、文化や芸術を積極的に支援し、クリスマスの時期になると訪問者たちを快く迎え入れもてなしたとされています。
 伝統あるリューベック少年合唱団は、そんな伝統を受け、1948年以来、毎年教会でクリスマス・コンサートと行い多くの聴衆に喜びをもたらしています。このアルバムではそんなコンサートに、オルガンの即興演奏、そして美しい朗読を付け加えた感動的なクリスマスの風景を描いています。
  
ROP-6081
\2000
アルフレード・ケルッペン:コラール幻想曲
 1.コラール幻想曲「おお救い主よ、天の扉を開け」/
 2.前奏曲「汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ」/
 3.「おお、よごれなき神の子羊」による瞑想曲/
 4.パッサカリアの形式によるコラール幻想曲「いたましなげかし-おお、よごれなき神の子羊」/
 5.コラール幻想曲「われらの救い主なるイエス・キリストは」/
 6.コラール幻想曲「われら心から喜ぶ-天にあられる女王よ」/
 7.パルティータ「主は昇天された」/
 8.コラール幻想曲「来たれ聖霊、わが主」/
 9.コラール讃歌「汝は三位一体なり」/
 10.コラール幻想曲「主に向かいて新しき歌を歌え」/
 11.コラール幻想曲「一日は終わり」
ウルフェルト・シュミット(オルガン)
録音 2013年4月3-5日 ハノーヴァー、マルクト教会 ゴル‐オルガン
 20世紀の作曲家ケルッペン(1926-)と、聖マルクト教会のオルガニスト、シュミットのコラボによる現代のオルガン音楽のアルバムです。タイトルが示す通り、バッハ時代からの伝統に基いたコラール前奏曲の形をとったもので、高度な技術や実験的な手法を追求しながらも、テキストの持つ真理を表出するという、極めて精神的な音楽。
 オルガニストのシュミットは、作曲家ケルッペンと共に音楽を学び、彼の音楽の解釈について完璧に理解している人です。極められたテンポ設定、フレージングはケルッペンの音楽を理想的に響かせていることは間違いありません。
 

SOLO MUSICA


SM187
\2000
ドホナーニ/ドヴォルザーク/スク:室内楽作品集
 1-4.エルンスト(エルネー)・ドホナーニ(1877-1960):
  ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 Op.1/
 5-8.ドヴォルザーク(1841-1904):
  ピアノ四重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.87 B162/
 9.ヨゼフ・スク(1874-1935):エレジー Op.23(ピアノ三重奏編)
アンサンブル・ラロ
録音 2012年1月16-18日 ドイツ ミュンヘン=ゼントリンク 昇天教会
 ヴァスクスとブラームス(SM119),ブラームスのワルツ集「愛の歌」(SM175)で熱い魂の迸りを聞かせてくれたアンサンブル・ラロ。今作はチェコ国民楽派の流れを汲む3曲をロマンティック、かつ濃厚に聞かせます。
 ドホナーニとスークの演奏には、メンバーの親友アンドレイ・ビーロウが加わり、一層見事なアンサンブルを披露しています。
 日本にも度々来日し、熱狂的ファンも多いアンサンブルの演奏、ぜひ一度は聴いてみてください。絶妙なハーモニーと美しい音色、そして表現力に釘付けになること間違いありません。
 
SM179
\2000
永遠にあなたのモーツァルト 〜作曲家の歌と手紙
 1.メヌエット ト長調 K1/
 2.手紙-1770年6月5日 姉に ナポリ/
 3.子どもの遊び K598/
 4.手紙-1777年9月29日,9月30日 父に ミュンヘン/
 5.アリエット「寂しい森の中で」K308/
 6.手紙-ベーズレへ/7.いましめ K433/
 8.手紙 1778年7月5日 アッベ・ブリンガーに パリ/
 9.孤独に K391/10.手紙-1781年5月9日 父に ウィーン/
 11.偽りの世 K474/12.手紙-1781年6月9日 父に ウィーン/
 13.自由の歌 K506/14.手紙-1781年12月15日 父に ウィーン/
 15.秘め事 K518/
 16.手紙-1782年10月2日 ヴァルトシュタッテン男爵に ウィーン/
 17.ミスリヴェチェク(1737-1781)/モーツァルト編:静けさはほほえみ K152/
 18.手紙-1784年8月18日-姉に ウィーン/
 19.すみれ K476/20.手紙-1787年4月4日 父に ウィーン/
 21.夕べの想い K523/22.手紙-1791年6月6日 コンスタンツェに ウィーン/
 23.ツァイーデ 第1幕より「兄弟たちよ、楽しくしよう」/
 24.手紙-1789年7月12日 ミヒャエル・プフベルクに ウィーン/
 25.春へのあこがれ K596/
 26.手紙-1791年10月8日,10月9日 コンスタンツェに ウィーン/
 27.無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが K619
マックス・ミュラー(バリトン&朗読)/
フォルカー・ネンマー(ピアノ)
録音 2012年2月&8月 ミュンヘン バイエルン放送 第1&第4スタジオ
 モーツァルトの興味深い手紙(もちろん、あの「ベーズレ書簡」も含む)の朗読と歌曲のコンビネーションを楽しむ1枚。バリトン歌手のマックス・ミュラー自身が手紙も朗読しています。等身大のモーツァルトが感じられます。
 
SM181
\3000
〔※LPサイズ〕
PEACE PIECES-平和の小品
 1.マニュエラ・ケレル(1980-):平和の小品/
 2-6.ショスタコーヴィチ(1906-1975):弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 Op.110
  (M.ブローヴィックによるチェロ・アンサンブル編)/
 7.グヴァイドゥーリナ(1931-):“モルガナのお化け”より「太陽は踊る」/
 8.フランギス・アリ=ザデ(1947-):変容「シューシュタル」(8台のチェロ編)/
 9.ケレール:優しいマリンコーニア/
 10.ケレール:フリデュスカル
  (J.S.バッハの「イエス=キリストを記憶にとどめよ」BWV67による)
アウグスブルク・インターナショナル・スクール・シュラリネン&シュラー…1/
マニュエラ・ケレール(指揮)…1/
アンサンブル・チェロパッショナート…2-10
録音 2011年
 アウグスブルク大学の教授、ユリウス・ベルガーの指導の下、2010/2011年に開催された「平和の都市」科学・芸術プロジェクトの一環として編纂された曲集です。このアルバムで重要な役割を果たすのは、南チロル出身、チロル州立音楽院でヴァイオリンと作曲を学んだマヌエラ・ケレル。彼女は当初、法律と哲学を学びつつ作曲家を志し、ダルムシュタットの夏季現代音楽講習会に参加。次代を担う新鋭女性作曲家として注目を浴びています。
 ここでは彼女の作品を中心に、アンサンブル・チェロパッショナートの素晴らしいアンサンブルを取り合わせた刺激的なもの。
 LPサイズの装丁には、平和を願うこどもたちからのメッセージが掲載されており、見るだけでも楽しい作品です。
 

SM183
\2000
R.シュトラウス:歌曲集
 1.風刺の歌 TrV282/2.何もなく Op.10-2/3.夜 Op.10-3/
 4.万霊節 Op.10-8/5.セレナード Op.17-2/
 6.チェツィーリエ Op.27-2/7.ひそやかな誘い Op.27-3/
 8.明日の朝 Op.27-4/9.たそがれの夢 Op.29-1/
 10.ときめく心 Op.29-2/11.青い夏 Op.31-1/
 12.ばらの花輪 Op.36-1/13.私の父がいいました Op.36-3/
 14.解き放たれて Op.39-4/15.母親の自慢 Op.43-2/
 16.懐かしい面影 Op.48-1/17.森の喜び Op.49-1/
 18.ささやけ、愛らしいミルテよ Op.68-3/19.単調さ Op.69-3/
 20.悪天候 Op.69-5/
 21-24. 4つの最後の歌
  <第1番:春/第2番:9月/第3番:眠りにつく時/第4番:夕映えの中で>
クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)/
エリック・シュナイダー(ピアノ)
録音 2009年3月20-25日 ドイツ、ケルン ドイツ放送室内楽ザール
 R.シュトラウス(1864-1949)の歌曲の成立には、彼の妻パウリーネの存在が不可欠でした。逆に言えば、彼は女声というものを知り尽くしていたとも言えるでしょう。作品10の初期の歌は女声だけでなく、メゾ・ソプラノや男声で歌われることも多いのですが、中期から後期の歌、とりわけ「4つの最後の歌」は、熟練したソプラノの声がよりふさわしいのではないでしょうか?
 名手クリスティアーネ・エルツェはR.シュトラウスの要求する「声の強靭さと繊細さ」を文句なく兼ね備えているだけでなく、これらの歌に永遠とも言える命を与えています。
 また「4つの最後の歌」のピアノ伴奏版はエリック・シュナイダー自身による編曲で、こちらも通常の伴奏とは一味違う濃厚な世界を描き出しています。珍しい「風刺の歌」も聴きものです。
 

SM186
(CD+2LP)
\2300
エスカペイズ
 1-3.ジョン・ウィリアムズ(1932-):エスカペイズ
  <クロージング・イン/リフレクションズ/Joy Ride-奔放な行動>/
 4.ナイマン(1944-):蜜蜂が躍る場所/
 5.エシュパイ(1925-):サクソフォン協奏曲
ヤン・シュルテ=ブネルト(サクソフォン)/
ノイエ・ヴェストファーレンフィルハーモニー/
ハイコ=マティアス・フォルスター(指揮)
録音 2011年7月 ヴェストハーレン・イン・レックリングハウゼン ノイエン・フィルハーモニー・スタジオ
 1840年代、ベルギーの管楽器製作者アドルフ・サックスによって考案されたこの楽器は、現在ではクラシックのコンサート・ホールや歌劇場ではほとんど姿を見ることはなく、もっぱらジャズやポップス、ロックの分野で活躍しています。
 本来は吹奏楽の木管楽器と金管楽器との橋渡し目的で開発された楽器であり、もちろん吹奏楽やビッグバンドでは欠かすことのできない存在でもあります。
 このアルバムではハリウッド映画音楽の重鎮、ジョン・ウィリアムズの名作「エスカペイズ」と、マイケル・ナイマン、アンドレイ・エシュパイの2つの作品を、1976年ドイツ、クレフェルド生まれのヤン・シュルテ=ブネルトが華麗に演奏しています。バックを務めるのはこのレーベルおなじみのハイコ=マティアス・フォルスター。優雅さの中に緊迫感も溢れる納得の演奏です。
 

88765444062
\2000
ジュエルズ 〜シャロン・ブラウナー:イディッシュ・エヴァーグリーンを歌う
 1.Men ken lebn nor men lost nisht: Bay mir bistu sheyn/
 2.Chassene Waltz/3.S'ken nit meiglich sein/
 4.Tango apassionata/5.Der katerinshtshik: Ikh hob dikh tsufil lib/
 6.Kaddish-Soldatn/7.Beltz/8.Interlude/9.Roznikes mit Mandlen/
 10.Sheyn vi di levone/11.Tumbalalaika/12.Adon olam/
 13.Men ken lebn nor men lost nisht: Bay mir bistu sheyn/
 14.Oyfn pripetchik
シャロン・ブラウナー(ヴォーカル)/
シャロン・ブラウナー・バンド
 シャロン・ブラウナーは1969年、当時の西ベルリンに生まれた女優&歌手であり、3歳から舞台、テレビで活躍。弱冠14歳で映画「Blutiger Schnee」で主演を務め、その後30作品を超える映画に出演、のみならず脚本、監督も手掛けるという才能の持ち主です。
 このアルバムは、彼女のルーツでもあるイディッシュ(ユダヤ)民謡をテーマとしたもので、彼女の両親&家族に捧げられています。セクシーかつリリカルなブラウナーのヴォーカルが心に響く興味深い1枚です。イディッシュとはいいつつもトラック2「Chassene Waltz」の原曲はイヴァノヴィチの「ドナウ川のさざなみ」であったり、トラック4は情熱的なタンゴであったりと、東西文化の融合を存分に感じます。
 

SONOLUMINUS


DSL-92169
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300
Nine Notes that Shook the World-世界を揺るがす9つの音
 1.J.アドソン(1587-1640)/J.ダウランド(1563-1626):
   グレイ法曹院-ウィロビー卿のご帰還 P.66/
 2.C.ネグリ(1535-1604)/F.カローゾ(1535-1605):
   ブランド・ディ・カレス-パッソ・エ・メッツォ/
 3.作者不詳:ケアリー婦人のドンプ(1520年頃)-ウィンクフィールド婦人のロンド/
 4.作者不詳:ツァイーデのロンド/
 5-9.ヘンデル(1685-1759):フルート・ソナタ ト長調 Op.5-1 HWV363b/
 10.J.S.バッハ(1685-1750):フルート・ソナタ ホ短調 BWV103より第3楽章/
 11.J.オズワルド(1710-1769):夏のアリア-アザミ/
 12.J.オズワルド:冬のアリア-ローレル/
 13.スコットランドの伝承曲:Yeil, Yeil-A Wife of My Ain/
 14.ル・ロワ(1520-1598):パッサメッツォ/
 15-20.ボワモルティエ(1689-1755):組曲 第1番 ホ短調 Op.11/
 21.ロカテッリ(1695-1764):メヌエットと変奏曲/
 22.W.マクラウド(1867-1919):ボートの船尾に座っている/
 23.R.バラール(1530-1588):村のブランル
ミンディ・ローゼンフェルド(バロック・フルート,ハープ,ファイフ,バグパイプ)/
ロン・マクファーレン(リュート)
録音:2012年10月2-4日 ヴァージニア,ボイス,ソノ・ルミナス 5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 2人の名手が、各々お気に入りの音楽を持ち寄って作り上げた珠玉の作品集。書かれた時代はルネサンスから初期バロックに及び、様々なスタイルを持った曲は、どれも静かでありながら強く存在を訴えかけてきます。バッハ、ヘンデルなどの良く知られた曲、スコットランドの伝承曲、名前も知らない作曲家の曲…どれにも奏者たちの優しい眼差しが注がれているのを感じることでしょう。
 ここで心にしみいるリュートを奏でているのは、グラミー賞ノミネート経験もあるロン・マクファーレン。フルートからバグパイプまでこなすのはボルティモア・コンソートの創設メンバーとして活躍するミンディ・ローゼンフェルト。この親密で艶やかな艶やかな響きを余すことなく捉えた録音にも注目してください。
 

DSL-92170
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300
Sprung Rhythm-弾んだリズム
 1-3.N.リンカーン=デクサティス:砂のコレクション/
 4-8.J.ホールマン(1979-):ジェチカ・ホーニクの3つの詩/
 9.J.ボワイエ(1978-):Con slancio-勢いで/
 10-12.N.リンカーン=デクサティス:ショパン・シンドローム/
 13-18.J.ホールマン:心象風景/
《ボーナス・トラック(Blu-ray AUDIOのみ)》
 19-21.J.ボワイエ:Auguries-予兆
インスケープ*/
リチャード・スケルボ(指揮)
5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 sono luminusレーベルが追求する高音質。このアルバム、とりわけblu-ray audioディスクには理想的とも言える音が収録されています。パーカッションを含む多彩な楽器群が奏でる音。ピアノやハープの煌めく響き、自在に飛び回る木管楽器、キレの良い弦…。時に破壊的、時には全てを覆い尽くすかのような包容力のある残響。これは本当に刺激的であり、少し聴いただけでも新しい世界が開けること間違いありません。
 この演奏をしているのは、芸術監督リチャード・セルボによって2004年に設立されたアンサンブル「インスケープ」で、音楽を多角的な視点で捉え、エキサイティングなコンサートを行うことで知られる期待の団体。
 今作ではオーディオ的な見地も踏まえ、「サラウンドで再生するために」最高の効果があげられるように研究されています。
 


DSL-92171
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300→\2090
ヴァイオリンとチェロ/デュオW〜Entendre
 コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7/
 ハルヴォルセン:パッサカリア ト短調(ヘンデルの組曲 第7番 HWV432-パッサカリアによる)/
 レオナール(1819-1890)/セルヴェ(1807-1866):演奏会用大二重奏曲 第1番/
 ラヴェル:バイオリンとチェロのためのソナタ/
 スーザ:星条旗よ永遠なれ(B.ドゥコフによるヴァイオリンとチェロ編)
デュオW(ヴァイオリン&チェロ・アンサンブル)
録音:2012年12月10-12日 ヴァージニア,ボイス,ソノ・ルミナス 5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 デュオW。
 ヴァイオリンとチェロの組み合わせから生まれる無限の可能性。彼らの眩いばかりの技術と高い音楽性、そして思いもよらない曲の変容。聴いているだけで新鮮な驚きと、わくわくするような楽しさが溢れてくる1枚です。
 選ばれている曲は、一見「普通のクラシック」のようですが、どれも少々ひねった編曲が施されており、それはジャズや民族音楽のイディオムであったりと、ひと時も息つく暇なく華麗な音の世界を堪能することができるのです。
 白熱のアンサンブルを繰り広げるのは、ヴァイオリニストのアリアンナ・ワルソー=ファンとチェリストのメタ・ウェイス。彼女らは共にジュリアード音楽院の卒業生で、その美しい容姿と音楽性を武器に高い評価を受けています。最高の音楽を最高の音で聴く喜びがここにあります。
 

DSL-92172
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300
Io Vidi in Terra-私はこの地上で見た
 1.タルクィーニオ・メルーラ(1594/1595-1665):恋のリラにのせて/
 2.マルコ・ダ・ガリアーノ(1582-1643):私はこの地上で見た/
 3.ベルナルド・ストラーチェ(1664頃):スパニョレッタ/
 4.クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):苦しみは かくも甘き/
 5.ベネデット・フェラーリ(1603頃-1681):アルド/
 6.モンテヴェルディ:蔑んだまなざし/
 7.アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566-1638頃):パルティテ/
 8.バルバラ・ストロッツィ(1619-1677):秘密の恋人/
 9.ストラーチェ:バレット/
 10.ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):そうして私をあざ笑うのですか?/
 11.フレスコバルディ:そよ風吹けば/
 12.メルーラ:今や眠りの時
ホセ・レモス(カウンター・テナー)/
ジョリー・ヴィニクール(ハープシコード)/
デボラ・フォックス(テオルボ)
5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 中世のヨーロッパにおいては、女性が教会や舞台で歌うことは禁じられていました。そのため高音パートは、変声期前の少年(ボーイソプラノ)が担当するか、もしくは成人した男性がファルセット(裏声)で歌うことでカバーしていました。これがカウンターテナーの始まりであり、今は衰退したカストラートと混同されることも多く、また、女性歌手たちが普通に舞台、教会で歌うようになってからは、あまり表にでることもなかったと言えるでしょう。しかし最近になってからは、優れたカウンターテナー歌手が多く出現し、またバロック・オペラの復興も追い風となり、この「素晴らしい声」が愛されるようになってきています。このホセ・レモスはブラジルで生まれ、ボストン音楽院を始めとしたアメリカの学校で学び、タンクルウッドでブリテンの「夏の夜の夢」などに出演。めきめきと実力を伸ばしている人です。
 レパートリーはヘンデルを中心としたバロックものから、現代曲までと幅広く、またアンサンブル「ブリオ」のメンバーとしてsono luminusレーベルからも3枚のCDをリリース。その魅力はすでに多くの人に知られています。ここでは17世紀のイタリア歌曲を、友人のギタリスト、フォックスとグラミー賞にもノミネートされたハープシコード奏者ヴィニクールとともに演奏。深淵なる世界を見せてくれます。
 

DSL-92173
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300
Surrounded by Angels-天使に囲まれて 〜クリスマスを祝して
 1.全ての死を免れない肉体に沈黙を保たせよ
  (ピカルディ、フランス中世)-A.ノルッデ:Konvulsionslaten-S.リチャード:ケルト/
 2.神の神秘(13世紀)-キリストへの子守歌(スコットランド・キャロル)/
 3.まぐさ桶の向こうへ(スコットランド伝承)-ポロネッサ・スプーフ/
 4.M.プレトリウス:私はばらの木を知っている/
 5.私は彷徨いながら不思議に思う(J.J.ニルスのコレクション)/
 6.グリーンスリーヴス(16世紀イギリス)/
 7.この心地よい香りは何ですか(17世紀フランス)-
   M.ヴルプイス:イエスの十字架,苦しみと痛み/
 8.サラウンド(アイルランド伝承)-
   M.ケリー:雪の小道-J.モーラン:Half C/
 9.若い乙女は(フランス伝承/N.ルベーグ編)-
   ヨゼフとマリア(フランス伝承/M.コレッテ編)/
 10.神の休息と陽気な紳士(16世紀イギリス)-ウェンセスラスはよいおうさま/
 11.真夜中の時間に-喜びはあなたとともに(島のオニールの音楽集より)/
 12.鳥の歌(カタルーニャ伝承)/
 13.C.スリック:冬の落陽/
 14.ウェクスフォード・カロ(アイルランドの伝承キャロル)-
   シェットランド・リール(シェットランド伝承)/
 15.J.P.ハーディング:朝、最も光り輝く最高の息子たち-
   W.コーレマン:小さな村よさようなら/
 16.F.グルーバー:きよしこの夜
アンサンブル・ガリレイ
5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 魅惑的であり、表情豊かであり、そして力強さも備えたクリスマスのための音楽集。blu-ray Audioをサラウンドで再生することで、すぐさま天使に囲まれてしまうこと間違いありません。アイルランドの名アンサンブル「アンサンブル・ガリレイ」は、奏者たち各々が国内のコンクールで好成績を上げており、彼らが醸し出すハーモニーはまさに天上の響きそのもの。
 長い歴史の中で熟成されてきた世界各国に伝わるメロディを、繊細な感性によって紡ぎだし、聞き手にまっすぐ届けてくれています。疲れた心にも、ほんの少しの安らぎを。
 

TOCCATA


Sandor Veress: Complete Music for String Quartet
TOCC-62
\2600→\2390
シャーンドル・ヴェレッシュ:弦楽四重奏曲全集
 1-3.弦楽四重奏曲 第1番(1931)/
 4-6.弦楽四重奏曲 第2番(1937)/
 7-9.弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲(1961)…初録音
ベーゼル弦楽四重奏団
<メンバー:
シュザンヌ・マティ(ヴァイオリン)/
イザベル・レイドヴィック(ヴァイオリン)/
ステラ・マーレンホルツ(ヴィオラ)/
ステファニー・マイヤー(チェロ)>
ハンガリー交響楽団…7-9/
ヤン・シュルツ(指揮)…7-9
録音 2012年10月1-3日 チューリヒ ブルンネンホフ,SRFスタジオ…1-6, 2013年1月5-7日 ブダペスト イェネ・フバイ音楽学校コンサート・ホール,トム-トム・スタジオ
 ハンガリー生まれ(現在はルーマニア領トランシルヴァニア地方コロジュヴァール)の作曲家シャーンドル・ヴェレッシュ(1907-1992 正しくはヴェレッシュ・シャーンドル)。彼は、当時のハンガリー社会主義政権を嫌いスイスに亡命したため、祖国では作品の演奏を禁じられてしまい、そのせいで半ば忘れられた存在となっていましたが、最近になって、彼の教え子であるハインツ・ホリガーやアンドラーシュ・シフらがその作品を演奏、ようやく真価が認められつつある人です。
 このアルバムは彼の2つの弦楽四重奏曲と、協奏曲を収録したもので、第1番はブタペスト民俗学博物館でマジャール人の音楽を採取していた頃の作品で、第2番は同じくブダペストの民族音楽研究所でバルトークの助手を務めていた頃の作品です。これらは初期の作風に属しますが、1961年の協奏曲は彼自身の作風が確立されており、柔軟なスタイルと自由奔放なメロディ、そしてファンタジーが程よくブレンドされた見事な作品となっています。
  

TOCC-146
\2600
ジュゼッペ・タルティーニ:30の小さなソナタ集 第1集
 ピーター・シェパード・スケアヴェズによる編曲版
  1-4.ソナタ 第1番 ト長調/5-7.ソナタ 第2番 ニ短調/
  8-11.ソナタ 第3番 ニ長調/12-15.ソナタ 第4番 ハ長調/
  16-19.ソナタ 第5番 ヘ長調/20-22.ソナタ 第6番 ホ短調
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)
録音 2011年1月5日 アルドバリー ヘルツ,聖ジョン・バプティスト教会
 18世紀最大のヴァイオリニスト、作曲家の一人ジュゼッペ・タルティーニ。あの名作「悪魔のトリル」の伝説的逸話で知られていますが、他にも、現在では当たり前となっている重音奏法や、近代的な運指法を確立し、また多くの理論書も残した「近代ヴァイオリンの父」とも言える人でもあるのです。
 この「小さなソナタ」は音楽辞典などでは「25曲」とされていますが、今回、ヴァイオリニストのピーター・シェパード・スケアヴェズが、独自の研究を重ね、以前の版では見過ごされてしまった作品を含むため「30の小さなソナタ」として演奏しているものです。“小さなソナタ”と言うものの、全てを演奏するには6時間以上を要する大作であり、バッハの無伴奏に比肩する重要な作品としても評価されるのではないでしょうか?
  
Ronald Center: Piano Music
TOCC-179
\2600
ロナルド・センター:器楽曲&室内楽曲集 第1集 ピアノ独奏曲集
 1-4.ピアノ・ソナタ…初録音/5-10.6つのバガテル…初録音/
 11.アンダンテ/12.サラバンド/13.エア/14-16.パントマイム/
 17.ラルゲット/18-20.ソナチネ/21.オマージュ/
 22-24.3つの練習曲/25.即興曲/26-28.ピアノのための3つの楽章
クリストファー・ギルド(ピアノ)
録音 2013年4月26.27日 サフォーク、ポットン・ホール
 イギリス、スコットランド北東部のアバディーンに生まれたセンター(1913-1973)は、ピアノをジュリアン・ロセッティ、オルガンをウィラン・スワインソンに学びました。1943年にハントリーに移住、ゴードン・スクールで6年間を過ごします。1944年以降、彼の作品はBBC放送で「スコットランドの現代作曲家」シリーズとして放送され高い評価を得ています。しばしば「スコットランドのバルトーク」と評されるその作品は、確かにエネルギッシュですが、バルトークの面影だけでなく、ブゾーニ、ドビュッシー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ヴォーン・ウィリアムズなどの音楽とも親和性が高く、また、極めて精緻な技法が用いられた複雑な音楽に仕上がっています。
 2013年4月には、母国スコットランドで彼の生誕100年の記念行事がひっそりと開催されました。
 このリリースはピアニスト、クリストファー・ギルドと、センター作品の研究家であるジェームズ・リード、そしてTOCCATAレーベルのオーナーであるマーティン・アンダーソンの3人の協力で生まれたものです。
 
Giacomo Facco: Pensieri Adriarmonici
TOCC-202
\2600 
ジャコモ・ファッコ:和声復興への考察 第1集
 1-3.5声のコンチェルト ホ短調 Op.1-1/
 4-6.5声のコンチェルト 変ロ長調 Op.1-2/
 7-9.5声のコンチェルト ホ長調 Op.1-3/
 10-12.5声のコンチェルト ハ短調 Op.1-4/
 13-15.5声のコンチェルト イ長調 Op.1-5/
 16-18.5声のコンチェルト ヘ長調 Op.1-6
マヌエル・ゾグビ(ヴァイオリン)/
メキシコ・バロック管弦楽団/
ミゲル・ローレンス(指揮)
録音 2013年4月22-30日 メキシコ モンテレイ,DMYスタジオ
 イタリアのバロック作曲家ジャコモ・ファッコ(1676-1753)。彼はヴェネツィア近郊の集落マルサンゴに生まれ、1705年からロス=バルバセス侯カルロ・アントニオ・スピノラのパレルモの宮廷合唱指揮者、ヴァイオリン奏者となります。
 スピノラの宮廷がメッシーナに移った際、ファッコはそれに従い、1720年までその地で活躍しました。素晴らしいオペラ作曲家として賞賛されていたファッコですが、彼は教師としても優秀で、1720年以降スペインの宮廷音楽家となった時にはルイス王子にクラヴィコードを教え、フェルナンド王子、カルロス王子にも音楽を教えたことで知られています。彼の代表作に、1716年に出版されたヴァイオリン協奏曲集「和声復興への考察」がありましたが、これはずっと紛失されたとされていて、1962年になってようやくメキシコの図書館で偶然発見されたのです。
 発見したのは音楽学者ウベルト・ザルノリで、それ以降ザルノリはファッコの生涯や作品について研究を続けることとなります。そんなファッコの作品を演奏するのは、メキシコ・バロック管弦楽団で、このイタリアとスペインの愛すべき融合とも言える音楽を軽妙に、かつ見事に捉えています。
 
Tartini: 30 Sonate piccole Volume Two
TOCC-208
\2600
ジュゼッペ・タルティーニ:30の小さなソナタ集 第2集
 ピーター・シェパード・スケアヴェズによる編曲版
  1-4.ソナタ 第7番 イ短調/5-8.ソナタ 第8番 ト短調/
  9-13.ソナタ 第9番 イ長調/14-17.ソナタ 第10番 変ロ長調/
  18-22.ソナタ 第11番 ホ長調/23-27.ソナタ 第12番 ト長調
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)
録音 2011年1月5日 アルドバリー ヘルツ,聖ジョン・バプティスト教会
 18世紀最大のヴァイオリニスト、作曲家の一人ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770)。あの名作「悪魔のトリル」の伝説的逸話で知られていますが、他にも、現在では当たり前となっている重音奏法や、近代的な運指法を確立し、また多くの理論書も残した「近代ヴァイオリンの父」とも言える人でもあるのです。
 この「小さなソナタ」は音楽辞典などでは「25曲」とされていますが、今回、ヴァイオリニストのピーター・シェパード・スケアヴェズが、独自の研究を重ね、以前の版では見過ごされてしまった作品を含むため「30の小さなソナタ」として演奏しているものです。“小さなソナタ”と言うものの全てを演奏するには6時間以上を要する大作であり、バッハの無伴奏に比肩する重要な作品としても評価されるのではないでしょうか?
  
Heino Eller: Complete Piano Music Volume 4
TOCC-209
\2600
ヘイノ・エッレル:ピアノ作品全集 第4集
 1-4.ソナタ 第1番(1919-1920)/5.親密な時(1938)…初録音/
 6.牧歌(1919)…初録音/7.夜想曲(1934?)…初録音/
 8.ヴィヴァーチェ(1939頃)…初録音/9.蝶々(1935)/
 10-15.6つの小品(1953)…初録音/
 16.バラード 嬰ハ短調(1955)…初録音
ステン・ラスマン(ピアノ)
録音 2012年3月12-14日 サフォーク ベックルス,オールド・グラナリー・スタジオ
 エストニア音楽の創始者の一人ヘイノ・エッレルのピアノ曲全集(全部で8枚の予定)の第4集です。このアルバムには、彼がペトログラード音楽院の最終試験のために作曲した初のピアノ・ソナタ第1番が冒頭に置かれています。この曲はロマンティックな様相を持ちながらも、スクリャビンやラフマニノフの作品とは一線を画した独自な響きに満ちていて、とりわけ第2楽章のラルゲットの悲痛なメロディが耳に残ります。しかし彼の本領を聴くのなら、“蝶々”を始めとした小品でしょうか。
 どの曲も味わい深く、複雑な音色の中に言い知れぬ郷愁を備えています。最後に置かれた情熱的なバラードは初録音となります。エッレルのオーソリティ、ステン・ラスマンの見事な演奏で。
  
David Matthews: Music for Solo Violin, Volume One
TOCC-152
\2600
デイヴィッド・マシューズ:独奏ヴァイオリンのための音楽集 第1集
 1-3.3つの練習曲 Op.39(1986)/
 4-18.15のフーガ集 Op.88(1998-2002)/
 19.冬の旅 Op.32(1982) ※4-18…初録音
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)
録音 2010年8月17-18日 ハートフォードシャー,アルドバリー・パリッシュ教会
 ロンドン生まれのディヴィッド・マシューズ(1943-)。彼の弟コリンも高名な音楽家ですが、実は、彼の生家は音楽に対して関心が低く、デイヴィッドは弟と互いに教え合いながら音楽家として成長したと言います(1960年代に巻き起こった第1次マーラー・ブームは彼らの創造性の発展に一役買い、一時期はデリック・クックとともに「第10交響曲」の補筆にも加わっています)。
 このアルバムでは、3つの無伴奏ヴァイオリンのための作品を収録。演奏家に異常なまでの技術的課題を提起する、シューベルトの「冬の旅」に触発された同名の作品、執拗なまでに音の動きを追求する「15のフーガ」、こちらも演奏困難な「3つの練習曲」と、どれもが興味深い作品です。卓越した技巧を持つスケアヴェズの完璧なる演奏で。
 
Gustavo Leone: String Quartets Nos. 1 and 2
TOCC-168
\2600
グスターボ・レオーネ:弦楽四重奏曲 第1番&第2番 他
 1.声、叫び、嘆き/2-3.弦楽四重奏曲 第1番/
 4.弦楽四重奏曲 第2番/5.赤い四重奏曲/6.情景
Q-アルテ弦楽四重奏団/
ベアトリス・エレナ・マルティネス(ソプラノ)/
マルタ・リリアナ・ボニッラ(ハープ)
録音 2011年7月27-28日,9月13-14日…1-3, 2011年11月28日,12月1日…6, 2012年11月11日…5 ボゴタ,ビブリオテカ・ルイ・アンヘル・アランゴ
 ブエノスアイレスで生まれ、アルゼンチン、コスタリカで育った作曲家レオーネ(1956-)は、現在シカゴのロヨラ大学で音楽科の教授を務めており、数多くの作品を発表しています。
 彼の音楽は劇的であり、また抒情性も備えています。基本的にラテンアメリカの民族音楽に強く影響を受けていますが、仄かに香る典雅な雰囲気は、バロック音楽の舞曲からも示唆を受けていて、これらのおかげで、単なる「爆発的な音楽」ではなく、とてもバランスのとれた仕上がりの音楽となっているのが魅力的なところです。
 コロンビアの首都ボゴタを本拠とするQ-アルテ弦楽四重奏団はTOCCATAレーベル2作目の録音で、前作フィゲーロアの弦楽四重奏曲(TOCC-165)でも緊密な演奏を聴かせたアンサンブルです。
 
Jeronimas Ka
inskas: Chamber and Instrumental Music
TOCC-169
\2600
イェロニマス・カチンスカス:室内楽曲と器楽曲集
 1-4.木管楽器と弦楽器のための九重奏曲/
 5-8.ピアノのための「反射」/
 9.フルート、弦楽四重奏、ピアノのための「室内幻想曲」/
 10-12.弦楽四重奏曲 第3番
ガブリエリウス・アレクナ(ピアノ)/
マウマンタス・キリラウスカス(ピアノ)/
アルノルダス・グリナヴィチウス(コントラバス)/
グィエドウス・ゲルゴタス(フルート)/
ヴィルニウス弦楽四重奏団/
セント・クリストファー五重奏団
録音 2007年10月8-9日,2009年3月27-28日 リトアニア国立フィルハーモニック・ホール
 リトアニアの作曲家、指揮者、オルガニスト、音楽教師カチンスカス(1907-2005)。彼はチェコの前衛作曲家アロイス・ハーバの影響を受け、自由に脈打つリズムと旋律線を持つ、いわゆる「伝統的な構文を放棄した」先鋭的な音楽を書きました。あまりにも型破りだったためか、ソ連時代に西側に移る際は、ほとんどのスコアを破棄、リトアニアの音楽史から名前を抹消され、マサチューセッツの境界のオルガニストとして、ひっそりと生活をしていた時期もありましたが、リトアニアが独立した時に復権を果たし、以降、20世紀リトアニアのモダニズム音楽の先駆者であり続けたのです。
 そんな彼の室内楽曲、確かに難解ではありますが、単なる「バルト三国の音楽家」として一括りにしてしまうにはもったいない個性を秘めています。





ページ内の商品チェック・ボックスをクリックしたら、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)


注文フォームへ


アリアCD トップページへ



Copyright(C) 2013 ARIA−CD.All rights reserved.154