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第72号
マイナー・レーベル新譜(5)
2013.8.20〜2013.10.18


ECM


3728783
\2400
ジョフィア・ボロス/どこか別の場所で
 1.フランシスコ・カジェーハ:悲しみの歌
 2.ビセンテ・アミーゴ:月の小路
 3.ドミニク・ミラー:エクリプス
 4.レオ・ブローウェル:11月のある日
 5.レオ・ブローウェル:アン・アイディア(エリのためのパッサカリア)
 6.アベル・フレウリ:テ・バス・ミロンガ(過ぎし日のミロンガ)
 7.ラルフ・タウナー:グリーン・アンド・ゴールデン
 8.デレルマンド・レイス:もしも彼女が尋ねたら
 9.マーチン・レイター:Ecrovid
 10.キケ・シネシ:シエロ・アビエルト
 11.レオ・ブローウェル:ひとりの異邦人
ジョフィア・ボロス(ギター)
ECMサウンドで際立つ、魅惑のアコースティック!才気あふれるハンガリーのギタリスト、ジョフィア・ボロスのECMデビュー盤。ブラチスラヴァ音楽院およびバルトーク音楽院で研鑽を積み、その後ウィーン国立音楽大学、タレガ・ギター・アカデミーでも学んだボロス。数々のコンクール優勝歴をもち、際立つテクニックと独特の哀愁ただよう優美な音色で聴き手を静謐で穏やかな世界に引き込みます。 録音:2012年8月6-8日 ルガーノ 
 


4763942
(2CD)
\4400→\3990
ツェートマイアー・カルテット
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調
 ブルックナー:弦楽四重奏曲 ハ短調
 ハルトマン:弦楽四重奏曲第2番
 ホリガー:弦楽四重奏曲第2番
ツェートマイアー・カルテット
 トーマス・ツェートマイアー(Vn)/
 クーバ・ヤコヴィッツ(Vn)/
 ルース・キリウス(Va)/
 ウルスラ・スミス(Vc)
 ツェートマイアーのストイックなアプローチ!ハルトマンやホリガーのような作品でも楽譜を置かずに暗譜で演奏をする驚異のカルテット!
 演奏時にはお互いの息遣いを完璧に共有し合い、そのアンサンブルは比類のないアグレッシブな姿勢に満ちています。
 2007年のバルトークとヒンデミットの作品を収録したアルバム以来の待望の新録音は好評だったハルトマンの続編にベートーヴェン最晩年の作品も合わせて収録した意欲作です。
 ツェートマイアーによる現代の作品そして古典作品への新たなる検証が深く刻印された鮮烈なアプローチをご堪能ください。
 ベートーヴェンの前衛的な側面も浮き彫りにするストイックな音作りが、カップリングされたハルトマンやホリガーの作品と心地よい調和を醸し出します。録音:2002年4月(ハルトマン)、2010年4月&5月 チューリヒ
 


New Series



4810426
\2400→\2190
パリを拠点に活躍する児玉桃、ECMデビュー盤!
 ラヴェル、武満、メシアン:ピアノ作品集

 ラヴェル:鏡
  第1曲:蛾、第2曲:悲しげな鳥たち、第3曲:海原の小舟、
  第4曲:道化師の朝の歌、第5曲:鐘の谷
 武満徹:雨の樹素描
 メシアン:ニワムシクイ
児玉桃(ピアノ)

来日記念盤。パリを拠点に活躍するピアニスト、児玉桃がECMに初録音!
ラヴェル作品に、武満徹とメシアンをカップリングし、ラヴェルから現代に至るピアノ曲の変遷を辿っています。9月下旬から10月上旬にかけ、ベトナム交響楽団との日本ツアーでの共演があり、12月にはリサイタルでの来日も予定さています。録音:2012年9月 ノイマルクト、ライトシュターデル

■児玉桃 MOMO KODAMA
 1991年のミュンヘン国際コンクール・ピアノ部門において最年少最高位を受賞し、その後はパリを拠点に精力的な活動を続けているピアニスト児玉桃。フランス作品を得意としながらも、バッハからメシアンに至る現代曲まで、幅広いレパートリーを弾きこなす彼女は、日本はもとより、海外でも高い評価を得ています。
 クォリティに厳しいECMレーベルが彼女を起用したことは、その証ともいえるでしょう。
 今回のアルバムではラヴェルの《鏡》と、ラヴェルに強い影響を受けた二人の現代作曲家の作品をカップリング。小さな武満徹作品をはさみ、メシアン最高にして最大のピアノ作品といわれる《ニワムシクイ》が収録されています。
 メシアンは彼女にとって最重要レパートリーだけに、この録音にECMの大きな期待と、彼女の強い意気込みが感じれらます。

MD+G



304 06172
\2300→\2090
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
 エルヴィン・シュルホフ(1894-1942):室内楽作品集

  ディヴェルティメント(1927), コンチェルティーノ(1925),
  バスナハティガール(1922), 二重奏(1925),
  ソナタ(1927), ディ・ヴォルケンプンペ(1922)
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
ジャズや実験音楽の要素を取り入れたシュルホフの音楽
【録音】1994〜1995年, アロルセン、フュルストリヒェ・ライトバーン[デジタル:セッション]
近年、復興著しい“退廃音楽”。なかでも名前の知られているのがこのシュルホフです。1894年にチェコで生まれ、第一次世界大戦後のダダイズム運動の音楽家として知られ、作品にジャズや実験音楽の要素を取り入れた作品を多く書きましたが、30年代にナチス・ドイツによって演奏を禁じられ、以降50年間、彼の音楽は沈黙を守ることを強いられました。
 今リリースは、そんな空白の時を埋める興味深い6つの作品を、アンサンブル・ヴィラ・ムジカの説得力ある演奏でお届けします。
 

307 18152
\2300
ライプツィヒ弦楽四重奏団
 オットマール・シェック&フランツ・シュレーカー:室内楽作品集

 ① オットマール・シェック:
  バリトンと弦楽四重奏のためのノットゥルノOp.47
 ② フランツ・シュレーカー:風に
ライプツィヒ弦楽四重奏団
シュテファン・ゲンツ(Br①),
マルコ・トーマス(Cl②),
クレメンス・レーガー(Cl②),
オルガ・ゴーレイ(P②
シュテファン・ゲンツの人間味溢れるシェックの歌曲
 【録音】 2013年1月25-27日①, 2013年1月28日②, アブタイ・マリエンミュンスター,コンチェルトハウス [デジタル:セッション]
 スイスの作曲家シェックの知られざる歌曲集「ノットゥルノ」。とはいえ、F.ディースカウやベーア、最近ではゲルハーエルと言ったドイツ・リートの名手たちが手掛けたという、歌曲好きにはたまらない作品です。
 弦楽四重奏とバリトンという渋い組み合わせで、ロマン派から無調への過渡期の色合いを帯びた音楽が奏でられます。
 ここでは若手バリトンの第1人者シュテファン・ゲンツが美しい声を聞かせます。
 バックを務めるのは、ドイツの音楽を徹底的に洗い出すことに専念するライプツィヒ弦楽四重奏団。シュレーカーの「風に」はバレエ・パントマイムの音楽で、孤独、闇、憂鬱が見事に描かれています。
 

320 18162
\2300
北ドイツのオルガン作品集 第3集〜ハンブルク
 ベックマン:第1旋法の前奏曲(5声)/親愛なるキリスト教徒よ、よろこびたまえ/
 ヤコブ・プレトリウス:今、われらはキリストを賞賛する/
 シャイデマン:
  幻想曲ト長調, 主なる神よ我をあわれみたまえ,
  イエス・キリストよあなたは幸いである,
  前奏曲ニ短調, アレルヤ/
 デッカー:前奏曲ホ短調/
 J.N.ハンフ:主なる神よ我をあわれみたまえ, 今神はわれらとともにいないであろう/
 ラインケン:フーガ第14番, 主イエス・キリストよあなたは私たちのために/
 リューベック:前奏曲ニ短調
マルティン・ロスト(シュテルヴァーゲン・オルガン 1659年製)
芸術家たちが集まる都市ハンブルクのオルガン作品集
【録音】2013年5月13〜14日、シュトラルズンド、聖マリエン教会 [デジタル:セッション]
1529年に宗教改革を受け入れ、様々な宗派の人々、もしくはユダヤ人の受け皿となったハンブルク。しかし1618年から始まった三十年戦争によってハンブルクの経済は大きな打撃を被りました。とはいえハンザ同盟の中心的役割を果たした都市でもあり、自由貿易のおかげで数多くの旅行者、商人そして芸術家たちが集まる都市でもありました。
 そんな16世紀、17世紀のハンブルクにおけるオルガン音楽を集めた1枚です。ベックマン、シャイデマン、他の芸術家たちが築いた繁栄はそのままテレマンへと受け継がれていきます。
 


901 18146
(SACD Hybrid)
\3000→\2790
ツェートマイアー&ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
 メンデルスゾーン:

  交響曲第1番 ハ短調 Op.11
  交響曲第5番 ニ長調「宗教革命」Op.107
トマス・ツェートマイアー(指揮)
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
思索的で濃厚な表現のツェートマイアー指揮のメンデルスゾーン
【録音】2012年10月10〜13日, ヴィンタートゥール シュタットハウス[デジタル:セッション]
MDGレーベルによるメンデルスゾーンの交響曲全集、今作は指揮者ツェートマイアーによる第1番と第5番です。ご存知のように名ヴァイオリニストとして名が知られるツェートマイアーですが、最近は指揮者としても素晴らしい活動をしており、ここでもヴィンタートゥール・ムジークコレギウムから溌剌とした音楽を紡ぎ出しています。
 このメンデルスゾーンの交響曲のうち、第1番は彼が15歳の時の作品で、既に充実した曲を何曲も書き天才の名を欲しいままにしていたメンデルスゾーンの、面目躍如たる風格ある音楽です。第5番は「宗教改革」として名高いもので、本当は第1番の次に書かれていますが、出版の都合で第5番となったものです。曲のモチーフにルターのコラールが使われています。ピリオド・アプローチも視野に取り込んだ個性的な演奏になるものと思われます。 ハイブリッドSACD仕様
(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)


ツェートマイヤーのシベリウス、すごい。
Sibelius - Symphonies Nos. 3 & 6
AVIE
AV 2150
¥2400→¥2190
ツェートマイヤー&ノーザン・シンフォニア/シベリウス
 シベリウス:交響曲第3番ハ長調Op.52/
 ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調/
 シベリウス:交響曲第6番ニ短調Op.104
トーマス・ツェートマイヤー(ヴァイオリン&指揮)、
ノーザン・シンフォニア
 2007年&2008年、セージ・ゲイツヘッド・ホールでのライヴ録音。
 ここ最近一番の寒さ。秋の次の季節すら思わせる・・・
 では、このキンッとした朝にふさわしい曲を。シベリウスの交響曲第6番。
 ヴァイオリンの鬼才といわれていたトーマス・ツェートマイヤーの指揮。オケはノーザン・シンフォニア。
 これが・・・すごい。
 こちらの心の裏側を鋭利な刃物でえぐっていくような演奏。聴いていて何度背筋がゾクっとしたことか。(「朝の一枚」より)
 鬼才ツェートマイヤー、今はそのとんがり具合をノーザン・シンフォニアに向けて発信中。
 二足のわらじかと思いきや、これがなかなか堂に入ったもの。
 ブラームスの弾きふりのときはそのこと自体に驚いて、シューマンはへんてこりんな曲に驚いて終わってしまったが、シベリウスは真っ向勝負。まさかツェートマイヤーのシベリウスが聴ける時代が来るとは夢にも思わなかったが、これがどうして壮絶なる名演。そこまでダイナミック・レンジを広げる必要があるのか、とか、そこまで太鼓ドンドンする必要があるのか、とか、そこまで生き生きハッチャケで行く必要があるのか、などなど、いろいろ突っ込みたいところはあるでしょうけど、全然OK。こんな緊張感あふれる、人の心を煽り倒すような第3番、聴いたことない。とにかくツェートマイヤー、このちょっと妙な交響曲を、今まで一度もほかの人の演奏で聴いたことがないというような鮮烈な解釈で聴かせてくれます。シベリウス・ファンなら「こんなの嫌い」か「そうそう、これこれ!」というかどっちか真っ二つ。店主は喜んで受け容れます。
 ちなみにストラヴィンスキーも冒頭からいきなり過激です。早く6番が聴きたいと思っていたのに、すっかり聞き惚れてしまいました。
 そして圧巻の第6番・・・。
 ちょっと・・・・これは・・・すごい。
 怪物だ。この男。普通じゃない。
 どうしてこのアルバムの噂を聞かないのだ?
 なんにしてもツェートマイヤー、普通の人間じゃない。ここ最近で聴いた中で最も衝撃的だった。

 

706 18172
\2300
フランク:オルガンまたはハーモニウムのための小品集「オルガニスト」第2集
 7つの小品 嬰へ短調および変ト長調
 7つの小品 ト長調およびト短調『クリスマスのための』
 7つの小品 変イ長調および嬰ト短調
 オルガンまたはハーモニウムのための30の小品より抜粋
ヤン・フォン・ブッシュ(メクレンブルク州立劇場の4台のオルガン)
フランクの珍しいオルガン作品集
 【録音】2012年10月1日, 2013年2月11日 メクレンブルク州立劇場[デジタル セッション]
  あまり演奏されることのないフランクの小品集“オルガニスト”を様々なオルガンで演奏するというシリーズ第2弾。全ての調性を用いて書かれた小品の中に時折“クリスマスのため”などの機会音楽も含まれるこの作品、宗教性と実用性の双方を追求する興味深い作品です。
 演奏はヤン・フォン・ブッシュ。当盤ではメクレンブルク州立劇場の4台のオルガンを弾き分け、素晴らしい響きを醸し出しています。

AAM RECORDS
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック=アカデミー室内管弦楽団自主制作盤


 AAM(アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック=アカデミー室内管弦楽団)が独自に立ち上げたレーベルです。
 AAMは1973年の設立以来、DECCAとHARMONIA MUNDIレーベルを中心に300以上のリリースを重ねてきました。しかし、更なる音楽的発展と芸術的発展を期して、ここに新しいレーベルを設立しました。
 最初のリリースは、AAMの音楽監督リチャード・エガーの指揮による「交響曲の誕生」AAM-1となります。
 ヘンデルからハイドンに至る時代における、交響曲が誕生するまでを生き生きと音で描いたこのアルバムを皮切りに、今後はバッハのヨハネ受難曲(1724年版)や管弦楽組曲、マタイ受難曲のリリースが予定されています。


AAM-1
\2300→\2090
BIRTH OF THE SYMPHONY(交響曲の誕生) 〜ヘンデルからハイドンまで
 1-4. ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
  オラトリオ「サウル」からシンフォニア(1738)
 5-7. フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789):
  グランド・シンフォニー 第7番 ハ長調(1740頃)
 8-10. ヨハン・ヴェンツェル・アントン・シュターミッツ(1717-1757):
  シンフォニア 第4番 ニ長調(1750頃)
 11-13. ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
  交響曲 第1番 変ホ長調 K16(1764)
 14-17. ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):
  交響曲 第49番 ヘ短調「受難」(1768)
リチャード・エガー(指揮&ハープシコード)
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック (エンシェント室内管弦楽団)
コンサートマスター:・パヴロ・ベズノシウク(Vn)
 ホグウッドが設立し、その後マンゼ、エガーと音楽監督がかわっても、新古楽演奏をリードする「アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック」の自主レーベル第1弾です。
 このアルバムのコンセプトは、古典派交響曲が誕生するまでの「シンフォニー」の重要な作品を収録。この時代の音楽は絶えず実験と発展をし続け、新しい音楽を聴衆は求め作曲家らは新音楽を作曲していきました。
 ヘンデルの「サウル」は、オペラとオラトリオが重なる頃に作曲されたもので、実にドラマティックなシンフォニア。リヒターが、マンハイムの宮廷に仕える以前のシンフォニーは、バロックから古典派へ移ろうという瞬間の端正にまとめられた美しい作品。
 明快なロココ風の作風をつぎ込んだマンハイム楽派を代表するシュターミッツ。
 そして新時代を迎えるにあたってモーツァルトが8才の時に書いた交響曲。ハイドンのシュトゥルム・ウント・ドラング期を代表する交響曲。
 エガーは、この時代の典型的なエステルハーツィ宮のオーケストラ編成(3-3-2-1-1)によって、美しさや柔らかさだけでなく透明なテクスチュアを見いだし、音楽的勢いと感興を導いていきます。

 録音 2011年9月21-23日 UK ロンドン セイント・ジュード・オン・ザ・ヒル


リチャード・エガー:
 イギリス出身。ヨーク大聖堂の合唱隊を経て、ケンブリッジ大学でオルガンの奨学生として学び、その後グスタフ・レオンハルトに師事。15世紀のオルガン作品から現代作品まで、ハープシコード、フォルテピアノ、現代のピアノなどあらゆる鍵盤楽器を弾きこなす鍵盤奏者であり、また指揮者としてもバッハから現代作品までなんでもこなす多才な音楽家です。
2006年からは、クリストファー・ホグウッドの後任としてAAMの音楽監督に就任、一層の活躍をしています。

BR KLASSIK


900505
\2300
アルフレード・シュニトケ:合唱のための協奏曲 他
 1.アルフレード・シュニトケ(1934-1998):合唱のための協奏曲/
 2.シュニトケ:3つの聖なる歌/
 3.アルヴォ・ペルト(1935-):勝利の後
バイエルン放送合唱団/
ペーター・ダイクストラ(指揮)
 現在、世界最高の合唱指揮者であるダイクストラによるシュニトケとペルトの合唱作品集です。シュニトケの代表的な合唱作品と言える「合唱のための協奏曲」は、中世アルメニアの詩人グレゴリー・ナカレツィ(951-1003)のテキストを用いた作品。劇的な楽章と静謐な楽章が対照的であり、全てはロシア正教の影響を感じさせる無伴奏合唱で歌われます。
 「3つの聖なる歌」も同じグレゴリーの詩を用いたもので指揮者のヴァレリー・ポリャンスキーに依頼され書かれたものです。第1曲の思いのほか美しいメロディに内在する不安な響きがシュニトケらしさを演出しています。小カンタータ「勝利の後」は、普段静謐な曲を書くペルトにしては珍しく、明るく力強い作品で、合唱好きの人にはたまらないレパートリーとなっています。バイエルン放送合唱団は、重厚な響きの中に透明感を感じさせるバランスの良い演奏により、極上の響きを生み出しています。
  

900507
\2300
“Hark! The Herald Angels Sing!”-天には栄え
 〜バイエルン放送合唱団のクリスマス・アルバム

 1.M.プレトリウス(1571-1621):エサイの根より/
 2.A.ベッカー(1834-1899):門を広くあけよ/
 3.マリアはいばらの森を通り(H.カミンスキ編)/
 4.神の御子は今宵しも(F.ジルヒャー編)/
 5.キャロル:いざ歌え、いざ祝え(G.ラッツィンガー編)/
 6.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ イ短調 BWV1013からクーラント/
 7.F.グルーバー(1787-1863):清しこの夜(H.ミースナー編)/
 8.J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオBWV248から「われ、飼葉桶の傍らに立つ」/
 9.静かに、静かに(J.ゴールによる混声合唱編)/
 10.もうすぐ暗くなる(F.ヴィンクルホーファー編)/
 11.G.P.テレマン(1681-1767):ファンタジア 第3番 ロ短調 TWV40/4/
 12.F.メンデルスゾーン(1809-1847):天には栄え/
 13.ああベツレヘムよ(G.アイヴズ編)/
 14.作者不詳:坊や坊や、ねむりなさい/
 15.荒野の果てに(F-A.ゲヴァルト編)/
 16.J.S.バッハ:パルティータ イ短調 BWV1013からサラバンド/
 17.G.F.ヘンデル(1685-1759):よろこべやたたえよや/
 18.B.ブリテン(1913-1976):聖母讃歌/
 19.喜びの喜び(W.ブッケンベルク)/
 20.G.P.テレマン:ファンタジア 第11番 ト長調 TWV40/12/
 21.E.グリーグ(1843-1907):アヴェ・マリア・ステラ/
 22.E.ウィテカー(1970-):黄金の光/
 23.エサイの根より(J.サンドストレム編)/
 24.ベル・リンギング
フランソワ・ルルー(オーボエ)/
バイエルン放送合唱団/
フローリアン・ヘルガート(指揮)
録音 2012年4月24-27 ミュンヘン ヘルクレスザール…1.2.10.12.13.14.22.23. 2013年1月29日-2月2日/フランソワ・ルルー, 2013年6月16日 バイエルン放送 第1スタジオ…6.11.16.20
 1978年、レーゲンス生まれの合唱指揮者フローリアン・ヘルガートは、彼の故郷の大聖堂で最初の音楽経験を得ました。やがてミュンヘン音楽・演劇大学でミヒャエル・グレーサーに合唱指揮を学び、2008年に卒業、その後もヘルムート・リリンクを始めとした数多くの指揮者に教えを受け、2007年にはエリック・エリクソンが主宰した「若い合唱指揮者」のためのコンペションでファイナリストとなり、2011年から本格的に活動しています。彼はしばしばバイエルン放送合唱団を指揮し、様々な作品を演奏、高い評価を受けています。
 今作では、彼がドイツの伝統的なクリスマス・キャロルを指揮し、曲の合間には名オーボエ奏者がソロを吹くという超豪華なアルバムがお目見えしました。静かなクリスマスを過ごしたい方にオススメの1枚です。

CARPE DIEM

CD-16299
\2000
サンティアゴ・デ・ムルシア:再発見された1722年の草稿からの作品集
 1.ホ短調のホカラス/2.イ長調のクンベ/3.ホ短調のパッサカリア/
 4.響きのプロモーション/5.ハ長調のツァラベクス/6.海辺のホカレス/
 7.スペイン風のフォリア/8.ハ長調のカナリオ/9.十字架のパッサカリア/
 10.響きのプロモーション/11.ハ長調のパラデタ/12.ホ短調のアズチェナ/
 13.ホ短調の自信満々のディファレンシアス/14.ロ長調のマリオナス
クリスティアン・グティエレス(バロック・ギター)
録音 2013年4月 ドイツ リリーエンハル 聖ユルゲン教会
 18世紀のスペイン宮廷で活躍した作曲家、サンティアゴ・デ・ムルシア(1673-1739)。当時のサヴォイ女王マリア・ルイサ・ガブリエラ(フェリペ5世の最初の妻)のギター教師でしたが、彼の生涯についてはほとんどわかっておらず、わずかにギター伴奏の教則本が知られるのみです。
 近年、彼の作品が少しずつ発見され、演奏される機会が増えてきました。これらの多くは南米、チリとメキシコの図書館に眠っており、今回のスコアは1722年に作曲されたものです。演奏しているのは、チリ生まれのクリスティアン・グティエレス。世界中の古楽アンサンブルで幅広く活躍する名手です。どれも明るく賑やかな雰囲気に満ちた驚くほどに生き生きとした音楽です。

CD ACCORD


ACD-190
\2000
パヴェル・ヴァカレツィ:ピアノ・リサイタル
 1.パデレフスキ(1860-1941):夕べに Op.10-1/
 2.パデレフスキ:ポロネーズ 変ロ長調 Op.9-6/
 3.ユリウス・ザレプスキ(1854-1885):大ポロネーズ 嬰ヘ長調 Op.6/
 4.ショパン(1810-1849):前奏曲 ハ長調 OP.28-1/
 5.ショパン:前奏曲 イ短調 Op.28-2/
 6.ショパン:前奏曲 ト長調 Op.28-3/
 7.ショパン:前奏曲 ホ短調 Op.28-4/
 8.ショパン:夜想曲 ホ短調 Op.72-1/
 9.ショパン:前奏曲 ホ長調 Op.28-9/
 10.ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.28-10/
 11.ショパン:レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ 嬰ハ短調 遺作/
 12.ショパン:ポロネーズ 嬰ト短調 遺作/
 13.ショパン:ポロネーズ 第5番 嬰ヘ短調 Op.44/
 14.ショパン:ポロネーズ 第3番 イ長調「軍隊」 Op.40-1
パヴェル・ヴァカレツィ(ピアノ)
録音 2013年1月2-3日 ワルシャワ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 笑顔のステキなヴァカレッツィは、2013年のショパン国際コンクールのファイナリストです。彼はポーランドの名教師カタリーナ・ポポヴァ・ズィロン(先輩であるラファウ・ブレハッチも師事していた)に師事、その才能を遺憾なく伸ばしてきました。ショパン・コンクールでは入賞こそ逃しましたが、実は隠れファンは多く、彼の勢いのある演奏には多くの聴衆たちが拍手喝采したのでした。このアルバムはそんな彼の2013年の演奏を収録したものです。
 音楽的に更にパワーアップした感のある瑞々しいショパンを中心に、ポーランドの作曲家パデレフスキとザレプスキの作品を配置。今一番期待できるピアニストの等身大の姿をご覧ください。
 


ACD-192
\2000→\1890
Derwid-それは、ヴィトルド・ルトスワフスキがヒット・ソングを作曲する時に使ったペンネーム。
 Derwid-ヴィトルド・ルトスワフスキ(1913-1994):
  1.旅するサーカス/2.一つは離れて止まる/3.少年時代の日々/
  4.魔女/5.愛と世界/6.黄金のブーツ/7.長い旅/
  8.今日は誰も待ってない/9.遊園地で/
  10.太陽の上のスポット/11.私をいつでもみつけて
アガタ・ズベル(歌)/
アンドレイ・バウアー(チェロ)/
セザリ・ドフノウスキ(ピアノ&コンピューター)
録音 2011年8月25-30日 ポーランド・ラジオ スタジオS4
 ポーランドを代表する現代作曲家、ヴィトルド・ルトスワフスキ。しかし彼が変名を使ってヒットソングを書いていたことはほとんど知られていません。多くの作曲家たちのように、ルトスワフスキも“収入のために”いくつかの大衆のための歌を書いています(研究家エイドリア・トーマスは、これらは少なくとも37曲以上存在しているといいますが、まだ未発見のものもあるでしょう)これらは1956年のポーランドの政治的雪解けが始まった時から1963年頃までに書かれたもので、ワルツやフォックストロットなど親しみやすいスタイルを持ちながら、若干の皮肉も含んでいます。
 今回は歌とチェロ、そしてコンピューターの力を借りてこれらを再現。興味深い1枚に仕上がっています。
 


ACD-193
\2000→\1890
ヴァイオリンの美しい小品集
 モダン・タイムズ

 1.シマノフスキ(1882-1937):ロクサナの歌(P.コチャンスキー編)/
 2.ドビュッシー(1862-1918):レントよりも遅く(L.ロケス)/
 3.クライスラー(1875-1962):道化役者/
 4.チャイコフスキー1840-1893):感傷的なワルツ Op.51-6/
 5.ポルディーニ(1869-1957):踊る人形(F.クライスラー編)/
 6.コルンゴルト(1897-1957):ピエロの死の踊り(F.クライスラー編)/
 7.チャップリン(1889-1977):モダン・タイムズ(C.オガーマン編)/
 8.ドビュッシー:ロマンティックなワルツ(A.ローレンス編)/
 9.シャミナード(1857-1944):スペイン風セレナード Op.150(F.クライスラー編)/
 10.トゥリーナ(1882-1949):闘牛士の祈り(J.ハイフェッツ編)/
 11.ルトスワフスキ(1913-1994):アンネ・ゾフィーのための子守歌/
 12.ショスタコーヴィチ(1906-1975):前奏曲 Op.34-15(D.ツィガノフ編)/
 13.レハール(1870-1948):歌劇「フラスキータ」よりセレナード(F.クライスラー編)/
 14.ラフマニノフ(1873-1943):ここは良きところ Op.21-7(J.ハイフェッツ編)/
 15.グリエール(1875-1956):ワルツ Op.45-2/
 16.フォスター(1826-1864):金髪のジェニー(J.ハイフェッツ編)/
 17.ガーシュウィン(1898-1937):ベス、お前は俺のもの(J.ハイフェッツ編)/
 18.アルベニス(1860-1909):カタルーニャの歌(S.ドゥシュキン編)
マリア・オウダク(ヴァイオリン)/
ジェームス・ベイリュー(ピアノ)
録音 2013年3月5-8日 ワルシャワ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 まるで抱きしめたくなるような、ヴァイオリンの美しい小品を集めた1枚。それはよく知られたメロディであったり、懐かしくとも耳慣れないメロディであったり。1曲1曲が宝石のような輝きを放ち、強い個性を持って、聞き手の心に染み込んできます。
 2人の演奏家たちは、実際に学校や病院を訪問して、これらの曲を何度も演奏し、多くの人々に感動を与えています。そんな穏やかなひと時を閉じ込めた優しいアルバムです。

マリア・オウダク
 

CEDILLE


Haydn & Myslive
ek: Cello Concertos
CDR90000142
\2000→\1890
ウェンディ・ワーナー:ハイドンとミスリヴェチェクを弾く
 1-3.ハイドン(1732-1809):チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb:1/
 4-6.ミスリヴェチェク(1737-1781):チェロ協奏曲 ハ長調/
 7-9.ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2
ウェンディ・ワーナー(チェロ)/
シカゴ・カメラータ/
ドゥロスタン・ホール(指揮)
 類い稀なる美貌と音楽性を兼ね備えた女性チェリスト、ウェンディ・ワーナーによるハイドンとミスリヴェチェクのチェロ協奏曲集。彼女は以前他の指揮者、オーケストラとともに第2番の録音をしていますが、今回は新鮮なアプローチでこの2人の古典派の作品を清々しく演奏しています。
 エレガントなフレージング、澄んだ音色。彼女の瑞々しい感情の表出をぜひともお聞きください。
 
CDR90000143
\2000
ジェニファー・コー 〜サイン、ゲームとメッセージ
 1-4.ヤナーチェク(1854-1928):ヴァイオリン・ソナタ JW VII/7/
 5.クルターグ(1926-):ドゥイナ(「遊び」6から)/
 6.クルターグ:カデンツァ・ジグ/
 7-9.クルターグ:ヴァイオリンとピアノのための3つの小品 Op.14e/
 10.クルターグ:Fundamentals 第2番/
 11.クルターグ:タマーシュ・ブルムの思い出に/
 12.クルターグ:野の花のように/
 13.クルターグ:アンナ・ケラーのハガキ/
 14.クルターグ:他国の人へのハンガリー語のレッスン/
 15.クルターグ:ユディット・マロの結婚式のためのファンファーレ/
 16.クルターグ:告別(ヤナーチェクの方法で)/
 17.クルターグ:イン・ノミネ-ハンガリー風に/
 18-20.バルトーク(1881-1945):ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Sz75
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)/
シャイ・ウォズナー(ピアノ)
 ヤナーチェク、クルターグ、バルトーク。この3人に共通するところは民俗性であったり、音の自由な使い方であったりで、演奏家にとっても大いなる幻想を膨らませることができる作曲家たちなのです。
 このアルバムは、ヴァイオリニストのコーとピアニストのウォズナーによる「音の遊び」が詰まったもの。魂の叫びと、遊び心が見事に融合した注目の1枚です。
 

Mendelssohn Schuman Violin Concertos Beethoven Romances Rachel Barton Pine Cedille
CDR90000144
\2000→\1890
レイチェル・バートン・パイン/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
 1-3.メンデルスゾーン(1809-1847):ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64/
 4.ベートーヴェン(1770-1827):ロマンス 第1番 ト長調/
 5-7.シューマン(1810-1856):ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Wo023/
 8.ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調 Op.50
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
ゲッティンガー交響楽団/
クリストフ=マティアス・ミューラー(指揮)
 最近、じわじわと注目が高まっているヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パイン。元より力のあるヴァイオリニストでしたが、様々な人生の岐路を経るにつれ、より味わい深い演奏をする人として、日本でも熱烈なファンを持っています。
 そんな彼女、前作の、自らの息子に捧げる「子守歌」でまた多くの人の心をつかみましたが、今作はメンデルスゾーンとシューマンの協奏曲という重量級のプログラム。
 とりわけシューマンでの滴り落ちるかのような歌い口は見事というほかありません。彼女のヴァイオリンに眩惑されるのは、本当にステキな体験です。



名作
レイチェル・バートン・パイン「子守歌」

CEDILLE
CDR90000139
\2000→\1890
ヴァイオリン・ララバイ
 1.ブラームス:子守歌 Op.49-4/
 2.イザイ:子どもの夢 Op.14/
 3.レビコフ:子守歌 第1番 Op.7…*/
 4.エイミー・ビーチ:子守歌 第2番 Op.40/
 5.シュワップ:スコットランドの子守歌…*/
 6.レスピーギ:子守歌/
 7.ガーシュウイン:ポーギーとベスより「サマータイム」/
 8.ファリャ:スペインの民謡組曲より 第5番「ナナ(子守歌)」/
 9.フォーレ:子守歌 Op.16/
 10.シベリウス:子守歌 Op.79-6/
 11.ポーリーヌ・ヴィアル=ガルシア:子守歌/
 12.ホヴァネス:オロール(子守歌) Op.1/
 13.ストラヴィンスキー:火の鳥より子守歌/
 14.ラヴェル:フォーレの名による子守歌/
 15.レベッカ・クラーク:子守歌/
 16.シューベルト:子守歌 D498 Op.98-2/
 17.シューマン:アルバムの綴り Op.124-16「子守歌」/
 18.デュロゾワール:子守歌/
 19.グリーグ抒情表曲集 Op.38-1ゆりかごの歌/
 20.アントセフ:子守歌…*/
 21.R.シュトラウス:子守歌 Op.41-1…*/
 22.シヴォリ:子守歌 Op.30…*/
 23.ベラール:小さな女王のための子守歌/
 24.ウィリアム・グラント・スティル:母と子 /
 25.レーガー:Op.79d-1「子守歌」
  *…ヴァイオリン版世界初録音
レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)/
マシュー・ヘイグル(ピアノ)
 天才美人ヴァイオリニストとして脚光を浴びながら大事故に巻き込まれ、一命は取り留めたものの片足を失うという悲劇に見舞われたバートン・パイン。
 その後少しずつ少しずつ活動を再開。今では、昔とは違う本格的アーティストして新たな感動を我々に与えてくれるようになった。
 ・・・音楽に不思議な穏やかさと優しさがあるのだ。それは苦悩を乗り越えた彼女だからこそたどり着けた安らかな境地か。

 今回リリースされた新譜は、おそらく最近授かったわが子に捧げたもの。有名なブラームスの「子守歌」で幕を開ける優しいアルバム。
 「子守歌」ばかりを集めたアルバムというのは今までもなくはなかったけれど、こんなに温かく優しく、同時に芸術的にも価値の高いアルバムというのは初めて。
 有名曲をきちんと押さえつつ、どこから見つけ出してきたか知られざる美しい作品を散りばめ、聴くものをゆりかごにいざなう。今の彼女だから創り上げることができた、愛情にあふれたすばらしいアルバムである。
 おそらく生涯で何度も手に取ることになるであろう、そういう1枚。

 
CDR7005
\2000
Out of Africa 〜アフリカの外、そして周辺の世界
 1.アタナス・アウアコウゾウノフ:民謡の変奏曲/
 2-7.ヴォイスラフ・イヴァノビチ:カフェの小品集
  <涙の前奏曲/楽しいワルツ/タンゴ・カフェ(ピアソラの思い出に)/
   ノスタルジア/子守歌(スルジャンのために)/即興と踊り>/
 8.カルロス・ラファエル・リヴィエラ:歌/
 9.ドゥサン・ボフダノヴィチ:ブルースと7つの変奏/
 10-12.アラン・トーマス:アフリカの外に
  <日の出の呼び声/朝の踊り/天の頂-夕べの踊り-子守歌>
デニス・アザバジック(ギター)
 CEDILLEレーベルでおなじみのギタリスト、アザバジックが演奏する楽しいギター作品集「Out of Africa」です。
 アフリカを起源とするリズムは、ジャズを始めとした様々な作品に影響を及ぼし、色々な形で溶け込んでいることは間違いありません。
 ここで聴ける曲もカラフルで楽しいものばかり。聴いているだけで、何となく心が躍ることでしょう。

CHARADE

CHA-3023
\2000
明日の世界のための音楽 第2集
 1-2.キャロリン・ヴァイヒェルト(1961-):魔女の踊りとラグタイム/
 3.テレサ・プロカッチーニ(1934-):序奏とアレグロ Op.41/
 4.アン・ルバロン(1953-):太陽の音楽/
 5.ジリアン・ホワイトヘッド(1941-):トッカータ/
 6.エルフリーデ・イェリネク(1946-):私の愛しい人/
 7-8.ガブリエラ・モイセオヴィチ(1944-):2つのカプリース/
 9-11.ルート・ツェヒリン(1926-):3つの歌/
 12.タマラ・イブラギモワ(1958-):白いバラ/
 13.ルート・ツェヒリン:AとO
キャロリン・ヴァイヒェルト(ピアノ)…1-3.6/
カミラ・オイテンガ(フルート)…3-4.9-11/
アリス・ギレス(ハープ)…4.5/
クリスティーナ・アッシャー(アルト)…6.9-11.13/
ジェニー・アーベル(ヴァイオリン)…7-8.12
録音 1997年10月4日 ミットシュニット ライブ収録
 第1集(CHA3020)と同じく、現代の女性作曲家たちの作品を収録した興味深い1枚です。
 アメリカの作曲家、アン・ルバロンの「太陽の音楽」はメキシコのシュールレアリスム絵画に基づくもので、無人島の森にたつ女性を取り巻く光を音楽で表現しています。
 ピアニスト、キャロリン・ヴァイヒェルトの作品にも注目。まるでストラヴィンスキーを思わせる「魔女の踊りとラグタイム」のジャズ風の味付けは、とても楽しいものです。21世紀音楽の可能性を探究した1枚と言えるでしょう。
 
CHA-3024
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第3集
 1-2.「われらが神は堅き砦」による幻想曲とフーガ/
 3-4.パルティータ 「おお永遠よ、汝恐ろしき言葉」/
 5-8.イン・メモリアム-テオドール・ヴァイドルのメロディによる
  <トッカータ:コン・ブリオ-レント/主題/8つの変奏/
   フーガ:モデラート>/9-11.幻想曲,アダージョとフーガ
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…クレーヴェ,スティフツ教会)
録音 1998年
 ボエミアで育ち、ドイツで活躍したオルガニスト、作曲家オスカー・ジークムント(1919-2008)のオルガン作品集。こちらは第3集となります。
 親しみ深いメロディが使われた「われらが神は堅き砦」による幻想曲とフーガは、最初はロマン派の作品風な音楽を装っていますが、やはり曲が進むと一筋縄ではいかないことを実感させてくれます。イン・メモリアムの元となるメロディを書いたヴァイドルは、ジークムントの先人となるボヘミア生まれの作曲家、音楽学者でプラハ音楽の発展のために尽くした人です。しかし第二次世界大戦時、捕虜となりテレジンの強制収容所で1946年に亡くなります。ジークムントは彼の業績をたたえ、この作品を書きました。
 
CHA-3026
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第4集
 1-2.幻想曲とフーガ/2.幻想曲/4-9.3つの幻想曲とフーガ/
 10-12.「ヴィルヘルムス・ファン・ナッソウエ」による変奏曲とフーガ
  <序奏と主題/変奏1-70/フーガ>/
 13-16.受難週間のための4つのコラール前奏曲/
 17-18.トッカータとフーガ
パウル・ヴィントシュットル(トランペット)…10-12/
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…デッゲンドルフ,聖マルティン・プファール教会)
録音 1999年
 ジークムント自身はプロテスタントでありながら、レーゲンスブルクのカトリック教会の音楽教育アカデミーで長らく副所長を務めていたこともあったため、彼の「4つのコラール前奏曲」(1985年の四旬節に作曲)は、両宗派の礼拝で使用されていると言います。
 彼はまた、他の多くのオルガニストからの要請で、比較的演奏の容易な「練習のためのコラール前奏曲」も作曲しています。
 また、このアルバムには、トランペットとオルガンのための作品も収録されており、この「ヴィルヘルムス・ファン・ナッソウエ」というのは、1568年にスペインに対するオランダの反戦歌であり、19世紀の終わりには正式にオランダ国歌に採用されたというメロディです。この輝かしいメロディをトランペットが朗々と演奏し、オルガンが複雑な伴奏を付けていくという興味深い音楽です。
 
CHA-3027
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第5集
 1-9.パルティータ 「いざ、もろびと神に感謝せよ」/
 10-17.歌曲集「光の中の橋」
  <第1番:ウクライナの子守歌 1933年/第2番:公園内のアカシア/
  第3番:ガラスの橋/第4番:暗き夢/第5番:ストーンヘンジ/
  第6番:私の家/第7番:11月/第8番:私の感謝、静かな喜び>/
 18-23.交響的音楽 II
  <トッカータ//アダージョ/スケルツォ Ⅰ/間奏曲/スケルツォ Ⅱ/フーガ>
エリカ・ペルデュス・モール(ソプラノ)…10-17/
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…アン・デア・ザールツァハ,ブルクハウゼン 聖ヤコブ・シュタッドプファール教会)
録音 2000年
 オスカー・ジークムントのオルガン作品集第5集に含まれている歌曲集「光の中の橋」は、マーガレット・ミュラー・ヘニングの詩を用いたもので、神への歓喜、痛み、憂鬱など様々な感情が織り込まれています。ジークムントはこの詩を繰り返し読み、言葉の持つリズムを完全に理解し音楽的に表現しようと試みました。
 そんな力作をソプラノのモールが美しく歌い上げています。ゆったりとした光の中に包まれるかのような荘厳な響きが特徴的な歌曲集です。
 交響的音楽は、複雑に音が絡み合う、いかにもジークムントらしい重厚な建築物を思わせる作品です。
 
CHA-3028
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第6集
 1-3.幻想曲,悲歌とフーガ/
 4-7.4つの歌曲集
  <第1番:ソネットのサイクル-待望のゴール/
   第2番:刷り込みと最高の形/
   第3番:嵐はトーチに火を点けた/第4番:星を醸し出し>/
 8-11.4つの小前奏曲とフーガ/
 12-15.4つの二重唱
  <第1番:海の日の出/第2番:不安の方法/
  第3番:川の上の夏/第4番:一日の終わり>/16-17.前奏曲とフーガ
アントン・ロスナー(バリトン)…4-7/
エリカ・ペルデュス・モール(ソプラノ)…12-15/
エヴァ=マリア・クレツクル(アルト)…12-15/
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…ミュンヘン,聖ベルンハルト・プファール教会)
録音 2002年
 オスカー・ジークムント作品集の第6集は、オルガン独奏曲の他に様々な歌曲を収録。彼の言葉に対する感覚と、声に対する愛情を掘り下げます。ロシアの近代作家の一人、ソロウチンの詩を用いた4つの歌曲は、ソネットの定型を忠実に守った厳格なもの。4つの二重唱は、マーガレット・ミュラー・ヘニングの詩を用いたもので、オルガンと2人の歌手による究極の対位法の追求を図っているかのような作品です。
 重厚な残響を伴いながら、いくつもの声部が追いかけあう様は、まるでこの世のものとは思えぬほどの不思議な感触をもたらします。
 
CHA-3032
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第7集
 1-3.前奏曲,アリアとフーガ/4-6.ソナチネ/
 7-9.古いフランスの歌による変奏曲とフーガ/
 10-15.歌曲集「ドームの光の下で」
  <第1番:全ての牧草地/第2番:公園内のアカシア/
  第3番:朝に/第4番:古い木に咲く花…/
  第5番:藤の花の夢/第6番:箒草>/
 16-18.前奏曲,アリオーソとフーガ
エリカ・ペルデュス・モール(ソプラノ)…10-15/
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…フランクフルト・アム・マイン 福音ルター派 ルカ教会)
録音 2003年
 オスカー・ジークムントのオルガン作品集第7集です。
 こちらのあるバムにも美しい歌曲集が含まれています。詩は同じくマーガレット・ミュラー・ヘニング。植物たちの夢と願いを描いた作品です。まるで後期ロマン派の音楽のような美しい響きと夢見るようなメロディに溢れた素晴らしい作品です。基本的にロマンティックな人だったのだな。と納得できるこの歌曲集や、なんとなく懐かしい「古いフランスの歌による変奏曲とフーガ」、「ソナチネ」とは名ばかりのストイックな作品など個性的な作品が並びます。
 
CHA-3025
\2000
幻想的な踊り-フォルカー・ヘー:ギターリサイタル
 1-3.ブローウェル(1939-):3つのラテン・アメリカの小品/
 4.プホール(1886-1980):キューバーナ/
 5.プホール:3つのスペイン舞曲-タンゴ/
 6.デ・ラ・マーサ(1903-1982):ハバネラ/
 7.ファン・パルガ:デル・フェロール・ア・ラ・ハバナ Op. 23/
 8.バリオス(1885-1944):フリア・フロリーダ/
 9.バリオス:ワルツ Op.8-4/
 10-16.エクトル・アジャーラ(1914-):セリエ・アメリカーナ/
 17.ローラン・ディアンス(1955-):サウダーデ 第3番
フォルカー・ヘー(ギター)
録音 1999年8月 リューベック,コロッセウム
 19世紀後半から20世紀にかけてのラテンアメリカのギター作品を集めた1枚。冒頭にはキューバの作曲家ブローウェルが置かれており、期待に満ちた幕開けとなります。タンゴだけでなく様々なリズムに彩られた情熱の音は、時に熱く、時には神秘的に迫ってきます。
 ギターの音色は神と人間を繋ぐものでなくてはいけない。と名手タルレガやガルシア・ロルカが語ったように、これらの音楽は人間の感情をそのままダイレクトに伝えるものであることは間違いありません。
 ギターを演奏しているヘーはドイツで演奏家、教師として高く評価されている人です。
 
CHA-3029
\2000
左手のための
 1.J.S.バッハ(1685-1750)=ブラームス(1833-1897):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ニ短調 BWV1004
   第5楽章 シャコンヌ(左手のために)/
 2.ルートヴィヒ・ベルガー(1777-1839):
  12の練習曲より第9番「左手のための」/
 3.ヤコブ・シュミット(1803-1853):左手のための聖歌連取曲 Op.330/
 4.カール・ライネッケ(1824-1910):左手のためのソナタ Op.179-第2楽章/
 5.エドゥアルド・マルクスゼン(1806-1887):
  3つの即興曲「ドレイシェクへのオマージュ」 Op.33-ラ・リコルダンツァ/
 6.フランツ・リスト(1811-1886):ハンガリーの神 S534b/R214b(左手版)/
 7.サン=サーンス(1835-1921):6つの練習曲 Op.135-5「エレジー」/
 8-9.スクリャービン(1872-1915):左手のための2つの小品 Op.9/
 10.テオドール・レシェティツキ(1830-1915):
  左手のためのアンダンテ・フィナーレ Op.13
   (ドニゼッティの歌劇「ランメルムーアのルチアによるパラフレーズ)/
 11-12.ポンセ(1882-1948):前奏曲とフーガ/
 13.ポンセ:左手のための舞曲「マレグレ・トゥー」
アニヤ・ヴァクフゼン(ピアノ)
録音 2002年10月7-9日 ハンブルク フリードリヒ・エーベルト・ホール
 戦争で右腕を失ったピアニスト、ポール・ヴィトゲンシュタインを巡っては、いくつもの見事な「左手のためのピアノ作品」が生まれました。とは言え、彼が出現する以前にも素晴らしい「左手のための作品」が存在します。通常の人の場合、右手に比べると、どうしても動きが悪い左手を鍛えるためには、特別の練習法が必要なのは自明の理。
 これらの作品は、そんなぎこちない左手を完璧なものにするためにという祈りが込められていることも間違いないでしょう。親しい友人のためであったり、自らの練習のためであったりと、これらの曲の一つ一つにドラマがあります。
 
CHA-3030
\2000
マイナ
 1.ピアソラ(1921-1992):天使の死/
 2.クレメンス・マーリヒ(1967-):マイナ/
 3.サン=サーンス(1835-1921):動物の謝肉祭-白鳥/
 4.ヴィラ=ロボス(1887-1959):黒鳥の歌/
 5-6.グァルニエリ(1907-1993):ポンテイオと踊り/
 7.伝承曲:小さな家(R.ニャターリ編)/
 8.エケル・タヴァレス(1896-1969):青い鳥/
 9.ヨハン・アブラハム・ペーター・シュルツ(1747-1800):月は昇った/
 10-11.マーレ(1929-):チェロ・ソナチネ/
 12.グァルニエリ:カンティレーナ 第1番/
 13.ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第2番「カイピラの小さな汽車」-第4楽章「トッカータ」/
 14.ピアソラ:ミロンガ・アン・レ/
 15.ブラームス(1833-1897):子守歌(C.マーリヒ編)
ピアチェロ
<メンバー:
クレメンス・マーリヒ(チェロ)/
イヴォンヌ・バムビッラ(ピアノ)>
録音 2003年2月23-24日 リューベック コロッセム
 チェロとピアノのデュオ「ピアチェロ」は前作(CHA3017)でも情熱的な演奏を披露していましたが、今作は彼らの娘“クララ・マイナ”に捧げられた親密で愛情がたっぷり込められたアルバムとなっています。マイナには九官鳥の意味もありますが、ここで想像できるのは、もっと極彩色で美しい鳥でしょうか?
 トラック2にはマーリヒ自身が作曲した曲「マイナ」が収録され、これを優しく包み込むように、様々な歌…子守歌も含む…が配置されています。ジャズ風な装いのブラームスの子守歌の何とキュートなこと!全ての人に贈る愛情たっぷりのアルバムです。
 
CHA-3031
\2000
エリザヴェータ・ブルーミナのポートレート
 1-3.シューベルト(1797-1828):ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 Op.143 D784/
 4-27.チャイコフスキー(1840-1893):子どものアルバム Op.39
  <第1番:朝の祈り/第2番:冬の朝/第4番:お母さん/第3番:木馬あそび/
   第5番:木の兵隊の行進/第7番:お人形の病気/第8番:お人形のお葬式/
  第9番:ワルツ/第6番:新しいお人形/第11番:マズルカ/
  第12番:ロシアの歌/第13番:農夫の前奏曲/第14番:カマリンスカヤ/
  第10番:ポルカ/第15番:イタリアの歌/第16番:古いフランスの歌/
  第17番:ドイツの歌/第18番:ナポリ人の歌/第19番:乳母のお話/
  第20番:ババ=ヤガ/第21番:楽しい夢/第22番:ひばりの歌/
  第24番:辻音楽誌/第23番:教会で>/
 28.プロコフィエフ(1891-1953):組曲「3つのオレンジへの恋」Op.33bis-行進曲
エリザヴェータ・ブルーミナ(ピアノ)
録音 2003年7月2-3日 マドリッド スペイン国営放送 第2スタジオ
 サンクトペテルブルク出身のエリザヴェータ・ブルーミナは、16歳の時にレニングラード交響楽団との共演でブラームスのピアノ協奏曲第1番でデビュー(!)。以降「ブラームス国際コンクール」を始めとした数々の国際コンクールで優勝、輝かしいキャリアを築いています。ロシアの伝統的なピアノ・スクールの生徒であった彼女は、独奏者としてだけではなく、室内楽や伴奏でも才能を示しています。アンドラーシュ・シフやラドゥ・ルプーなど名手からも教えを受け、それらは彼女の音楽的発展に大きく寄与しています。
 このアルバムではシューベルト、チャイコフスキー、そしてプロコフィエフの3人の作品を演奏。恐ろしいまでに鬼気迫るシューベルト、一転優しさに満ちたチャイコフスキー、そして諧謔的なプロコフィエフと、個性が溢れるプログラムとなっています。彼女の最新作はGrand Pianoレーベルのシルヴェストロフ(GP639)です。
 

CHARADE(ES−DUR)

Hans Friedrich Micheelsen - Profile
CHA-3011
\2000
ハンス・フリードリヒ・ミヒェールゼン:作品集
 1-9.ドイツ・レクイエム「死と生」/
 10-12.ホルスタインのオルガン曲集 Op.32より
  <前奏曲/パッサカリア/フィナーレ>/
 13.なぜうなだれしか、我が魂よ/
 14-16.オルガン協奏曲 第2番「3人の天使が歌う」Op.34
マリアンネ・ブリューン(ソプラノ)…1-9/
ホルガー・ハンペル(バリトン)…1-9/
メンデルスゾーン・アンサンブル…1-9/
ユルゲン・ヘンシェン(指揮)…1-9/
エッケハルト・リヒター(オルガン)…10-16/
メータ・ヘンシェン(アルト)…13/
マイケ・ティエッセン(ヴァイオリン)…13
 聖歌隊指揮者を父としてドイツに生まれ、厳格な教育を受けたというミヒェールゼン(1902-1973)。1933年にベルリンのマタイ教会でヒンデミット作品を演奏し、オルガニストとしてのキャリアを開始しました。30歳という遅いデビューでしたが、この時点で彼は自分自身の道を完全に確立していたといい、以降は宗教合唱曲とオルガン作品で独自の個性を発揮する作品を書いています。
 形式は古典的ですが、好んで四分音を用いるなど実験的要素も強いものです。録音 1993年
 
Bach, J S: Goldberg Variations, BWV988
CHA-3012
\2000
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 エレオノーレ・ビューラー=ケストラー(ハープシコード)
録音 1993年 バイロイト
 “永遠の名作”として、全ての鍵盤奏者たちが一度は挑むバッハ(1685-1750)の「ゴルトベルク変奏曲」。ここで演奏しているのは、現在バイロイトに住み、大学で音楽を教えているエレオノーレ・ビューラー=ケストラーです。
 30パターンの変奏に説得力ある解釈を施す彼女の演奏は極めて厳格であり、また力強いものです。ジャケットに使われている絵画はこの演奏にインスパイアされた画家ゲルハルト・リヒターが描いたもの。深みのある美しい色に彩られた印象的な作品であり、演奏の特質も余すことなく描き出しています。
 
Profile: Oskar Sigmund (Orgelwerk I)
CHA-3014
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第1集
 1-2.トッカータとフーガ 第4番/
 3-4.「いつか私が世を去る時」による幻想曲とフーガ/
 5-15.韓国民謡の主題による変奏曲とフーガ/
 16-18.序奏、パッサカリアとフーガ
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…ライツェブルク大聖堂)
録音 1994年
 作曲家ポール・ジークムントを叔父としてボヘミアで育ったオルガン奏者・作曲家・音楽学者オスカー・ジークムント(1919-2008)のオルガン作品集。彼はレーゲンスブルクの教会音楽学校(現在はカトリック教会音楽と音楽教育大学)で1945年まで講師を努め、1973年から1983年までは副学長職に就いていました。
 CHARADEレーベルではこの知られざる作曲家の全オルガン作品をリリース、このアルバムは第1集となります。
 演奏は、彼の生徒であったオルガニストハインリヒ・ヴィンマー。師の作品を始め、他の現代作曲家の作品の70作以上の初演者として名を馳せているベテランです。
 
Recital
CHA-3016
\2000
フェルナンド・ソル:ギター作品集
 1.スペインのフォリアとメヌエット Op.15a/
 2.練習曲 Op.6-第12番 イ長調/
 3.ギター・ソナタ 第1番 ニ長調「グランド・ソロ」Op.14/
 4.序奏と「マルボローは戦場に行った」の主題による変奏曲 Op.28/
 5.練習曲 Op.29-第23番 ト長調/
 6.練習曲 Op.29-第17番 ハ長調/
 7-10.ギター・ソナタ「グランド・ソナタ」Op.22
ハイナー・ドナート(ギター)
録音 1995年
 スペインでは「ギターのベートーヴェン」と呼ばれ敬愛されているフェルディナンド・ソル(1778-1839)。彼が活躍した当時は“居酒屋で演奏する楽器”としてのみ存在していたギターの地位を飛躍的に高めた作曲家です。ソルは、単なる伴奏楽器であったギターの可能性を探究しましたが、何より彼の書くメロディはとても美しく、それが独奏楽器としてのギターを認識させるのに一役買ったのは間違いありません。
 ここで煌めく演奏をしているのは1968年生まれのハイナー・ドナート。イエナで生まれフランツ・リスト音楽院で学び、数多くのコンクールで受賞しているベテランです。
 
Piacello
CHA-3017
\2000
ヒナステラ/ピアソラ/ヴィラ=ロボス:チェロ作品集
 1.ヒナステラ(1916-1983):パンペアーナ 第2番 Op.21/
 2.ピアソラ(1921-1992):ル・グラン・タンゴ/
 3-6.ヴィラ=ロボス(1887-1959):チェロ・ソナタ 第2番
ピアチェロ
<メンバー:クレメンス・マリッヒ(チェロ)/
イヴォンヌ・バムビッラ(ピアノ)>
録音 1995年1月18-20日 ハンブルク フリードリヒ・エーベルト・ホール
 “南米の音楽の普及”のためにユニット「ピアチェロ」を結成したというチェリスト、マリッヒとピアニスト、バムリッラ。この2人によるデビュー・アルバムは確かに心湧き立たせるものです。ヴィラ=ロボスの初期の作品であるチェロ・ソナタでの豊かな音楽(彼が独学でこのような書法を身に着けたことに驚きます)、ヒナステラの洗練された「パンペアーナ」の狂おしい情熱、そして今では誰もが知っているピアソラの「ル・グラン・タンゴ」。しかしながら、これらが録音されたのは、そろそろピアソラ・ブームが到来するかという頃。息づく情念が感じられるアルバムです。
 
Profile: Oskar Sigmund (Orgelwerk II)
CHA-3018
\2000
オスカー・ジークムント:オルガン作品集 第2集
 1-3.パルティータ「おおわが魂よ、大いに喜べ」/
 4-5.ロシア正教会の主題による幻想曲とフーガ/
 6-7.「それは軍神マルスか」による変奏曲とフーガ/
 8-12.交響的音楽
ハインリヒ・ヴィンマー(オルガン…ザールツァハ ブルクハウゼン,聖ヤコブ教区教会)
録音 1995年
 オスカー・ジークムント(1919-2008)のオルガン作品集第2集です。
 彼の作品の特徴の一つとしては「エキゾチック」な素材が使われることが挙げられるでしょう。第1集に含まれていた「韓国民謡のメロディ」を始め、ここでは「ロシア正教会」の主題が使われるなど、どれもとても興味深いものです。これらのメロディが伝統の手法に則ったうえで、新しい響きを伴いながら形を発展させていく様子は、背中がぞくぞくするほど興味深いものです。
 「交響的音楽」はジークムントの愛弟子であるヴィンマーのために書かれたものであり、感謝と期待を交えた音楽が展開されています。
 
Profile: Wolfgang-Andreas Schultz
CHA-3019
\2000
ウォルフガング=アンドレアス・シュルツ:作品集
 1.「夕べの歌」による変奏曲/2.エジプトのマリア/
 3-4.ヴァイオリン・ソナタ/5.ソプラノのためのモテット「創造から静寂へ」
ユリア・バルテ(ソプラノ)…1.5/
トーマス・ボットガー(ピアノ)…1/
ベルント・ムジル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)…2/
フリドヨフ・カイル(ヴィオラ)…2/
アンゲラ・クロツ(チェロ)…2/
イザベラ・ペトロシアン(ヴァイオリン)…3-4/
ペーター=ユルゲン・ホファー(ピアノ)…3-4
録音 1996年 ハンブルク フリードリヒ・エーベルト・ホール
 あまりなじみのない作曲家の音楽を聴く場合、とりわけそれが「現代」に属する人の作品の場合は、期待と不安が入り混じるものですが、このシュルツ(1948-)の作品はどこを聴いても面白いものです。リゲティに魅了されたというシュルツは、作曲年代によって作風が変化する人であり、ヨーロッパ音楽の伝統を引き継いでいるかと思えば、一切拒否する…。これらが混沌とした作品群は刺激的で、多面性を有しています。
 力強さを秘めたソプラノ独唱のためのモテット「創造から静寂へ」が彼の主張を端的に物語っているようです。
 
Musik fur die Welt von Morgen, Vol. 1
CHA-3020
\2000
明日の世界のための音楽 第1集
 1-3.プロイセン王女アンナ・アマリア(1723-1787):
  オーボエとオルガンのためのソナタ ヘ長調/
 4.フェリチタス・ククック(1914-):ナイチンゲールの歌/
 5-9.ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-):音楽のおもちゃ箱より
  <第2番:魔法のロータリー/第4番:漁師の歌/第7番:小さなティト/
   第9番:きつつき/第11番:そりと小さな鐘>/
 10-16.ヴィヴィアン・オリーヴ(1950-):鍛冶屋/
 17-19.ペギー・グランヴィル=ヒックス(1912-1990):ハープ・ソナタ/
 20.アンジェ・フィンケンワース(1963-):影、ばら、影/
 21.フィンケンワース:Wie soll ich mich nennen/
 22.セシル・シャミナード(1857-1944):ピエレット Op.41/
 23.グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969):
  無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番/
 24.グバイドゥーリナ(1931-):光と闇
ビルギット・ヴェルプマン(オーボエ)…1-4/
アンネリーゼ・フンケ(オルガン)…1-3,(ピアノ)…5-9,24/
スザンネ・ローレンツ=シュプレンダー(リコーダー)…10-16/
アリス・ギルス(ハープ)…17-19/
アンジェ・フィンケンワース(ヴォーカル,ギター)…20-21/
キャロリン・ヴァイヒェルト(ピアノ)…22/
ジェニー・アーベル(ヴァイオリン)…23
録音 1994年4月16日 キーラー教会…1-4, 1995年4月29日 リューベック ブルク・クロスター…17-21, 1996年4月26日 ランドスブルク キリスト教会…5-16.22-24
 一見ばらばらな曲が集まったアルバムに見えますが、「明日の世界のための音楽」というタイトルが意味するように、実は全て「女性作曲家」の作品であり、ほとんどが歴史に埋もれてしまった女性たちの作品と、現在第一線で活躍する女性たちの作品を同列に並べることで、このアルバムを意義深いものにしています。
 グバイドゥーリナやシャミナードの作品は、他でも聴く機会がありますが、他の人たちの曲はまず耳にすることはないでしょう。トラック20と21はフィンケンワースの自作自演となります。
 
Brabissimo
CHA-3021
\2000
発売中止
カステルヌォーヴォ=テデスコ:カプリチョス「理性の眠りは怪物を生む」 Op.195(抜粋)
 1.第1番:フランシスコ・ゴヤ・イ・ルシエンテス,画家/
 2.第3番:誰も自身が分からない/3.第6番:愛と死/
 4.第5番:奴らの手はずは整った/
 5.第12番:それはしょうがないよね/
 6.第13番:どちらの方が夢中なの/
 7.第8番:神よお赦し下さい。それが彼の母親だったとは/
 8.第16番:ブラボー!/9.第18番:理性的な眠りは怪物を生む/
 10.第19番:細く長く紡ぐ/11.第14番:確かに彼女は感じやすかった/
 12.第9番:ぴったりあってる/
 13.第20番:師匠への贈り物/14.第24番:嘘と無節操の夢
ウィンフリート・ステグマン(ギター)
録音 1996年10月21-22日 ハンブルク オーゼンヴェルダー,聖パンクラティウス教会
 あの国立西洋美術館にも所蔵されている、ゴヤの連作版画「ロス・カプリチョス-理性の眠りは怪物を生む」に触発され、カステルヌォーヴォ=テデスコ(1895-1968)が書き上げた24曲からなるギター曲「カプリチョス」。このアルバムはボルドー生まれのギタリスト、ステグマンが14曲を選択し、見事な演奏でこの風刺と皮肉に塗れた世界を描き出しています。
 
Voila Viola!
CHA-3022
\2000
発売中止
Voila Viola!
 1-3.ガエターノ・ブルネッティ(1744-1798):ヴィオラ・ソナタ ニ長調/
 4-6.シューベルト(1797-1828):
  アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821(ヴィオラとピアノ編)/
 7-10.ブラームス(1833-1897):
  クラリネット・ソナタ ヘ短調 Op.120-1(ヴィオラとピアノ編)/
 11-13.ヒンデミット(1895-1963):ヴィオラ・ソナタ Op.11-4
ヴィープケ・ファン・アイケレン(ヴィオラ)/
ドロテー・クロスト=フォーゲル(ピアノ)
録音 1997年3月9-11日 ハンブルク フリードリヒ・エーベルト・ホール
 アルバム冒頭に置かれたブルネッティのソナタから、その暖かいヴィオラの響きに魅了されることでしょう。カルロス3世、4世治下のスペインで活躍したイタリア人作曲家、ブルネッティの作品は現在ではほとんど忘れられていますが、この優美な旋律はもっと愛されてもよいものです。
 ヴィオラで奏でる「アルペジョーネ・ソナタ」の深い響き、ブラームスでのいぶし銀の味わい、そして自らが優れたヴィオラ奏者であり、この楽器を知り尽くしていたヒンデミットのソナタ。これらの音楽が語りかけてくる悠久の世界を味わってみてください。

CPO


777802
\2600
パウル・ヒンデミット:
 クリスマスの児童劇「トゥティフェントヒェン」
ベラ・クムバーガー(ソプラノ)/
ヘルマン・ヴァレン(バリトン)/
ノラ・レントナー(ソプラノ)/
マティアス・シュタイアー(テノール)/
アンニカ・シュリヒト(メゾ・ソプラノ)/
セバスティアン・ブルース(バス・バリトン)/
ベルリン放送児童合唱団/
ベルリン=ドイツ交響楽団/
ヨハネス・ズール(指揮)
なんとなく難しいイメージのあるヒンデミット(1898-1963)の音楽ですが、彼はこんなに楽しい音楽も書いていました。
 突然動き出した「木彫りの人形」を巡っての奇跡のストーリーであり、直接クリスマスと関係しているわけではありませんが、ヒンデミットは2曲のクリスマスソングを挿入するなどして、クリスマスに子どもたちが演じるにふさわしい劇として作り上げられています。
 音楽は室内管弦楽と歌手(役者)たちのために書かれていますが、これまでの録音は管弦楽による組曲がリリースされていたのみ。この全曲録音で、この作品の全容を知ることが可能になりました。
 

777809
\2600
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:
 クリスマス・オラトリオ「イエス・キリストの誕生」

 ハインリヒ・ユリウス・トーデの台本による
ベリト・ノルバッケン・ゾルセット(ソプラノ)/
アレクザンドラ・ラヴォール(メゾ・ソプラノ)/
マルクス・ウルマン(テノール)/
ヴォルフ=マティアス・フリードリヒ(バリトン)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
ドイツの音楽一家に生まれたヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル(1727-1789)。彼の祖父はエッティンゲン侯の宮廷楽長であり、父はザクセン=アイゼナハ公国の宮廷楽団の楽士長を務める傍ら、優れたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として演奏旅行を行ったことで知られています。
 その息子クリスティアン・ヘルテルも作曲家になり、このオラトリオは1778年から1778年の間に、フリードリヒ・フォン・メックレンブルク=シュヴェリン公の宮廷で演奏するために作曲されたものです。壮麗かつ表現力の高い冒頭の合唱とともに、降誕祭でおなじみのコラールを随所に用いながら、伝統的な牧歌と劇的な部分の対比も見事な大作を、ヴィレンズ率いるケルン・アカデミーが文句ない演奏で現代に蘇らせました。迫力ある音楽です。
 

777820
\2000
クリストバル・デ・モラーレス:
 おお、偉大なる神秘よ-14のクリスマス・モテット

 1.O magnum mysterium/2.Missus est Gabriel Angelus/
 3.Ecce, virgo concipiet/4.Veni, Domine, et noli plena/
 5.Ave Maria/6.Puer natus est nobis/7.Pastores dicite, quidam vidistis/
 8.Exaltata est Sancta Dei genitrix/9.Salve regina/
 10.Sancta et immaculata virginitas/11.Ave regina coelorum/
 12.Candida virginitas/13.Salva nos, stella maris/14.Cum natus esset Iesus
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレード・コルデス(指揮)
モラーレス(1500-1553)の表情豊かなクリスマスのモテット集です。彼はスペインにおけるルネッサンス期の最も重要な作曲家で、彼の作品のほとんどは宗教的な声楽曲です。当時の彼は国際的な名声を得ており、作品はヨーロッパ全域のみならず「新大陸」にも伝播されていったと言います。
 これらのクリスマスのためのモテットも同じくヨーロッパ全土に広まり、多くの人々に愛されていました。古風で神秘的な表現、自由な和声進行など、同時代の作曲家たちよりも自由でユニークな音楽を、おなじみコルデス率いるブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスの清冽なアンサンブルで。
 


777472
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
フランツ・リストのオルガン作品編曲集
 1.リスト=マルセル・デュプレ(1886-1971):
   オルガンと管弦楽のための「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」/
 2.リスト=レオ・ヴァイナー(1885-1960):
  管弦楽のための「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」/
 3.リスト:交響詩「オルフェウス」(作曲家自身によるオルガン編曲版)/
 4.リスト=ライナー・ビシュコフ(1947-):
  管弦楽のための「バッハの名前による前奏曲とフーガ」
クリスティアン・シュミット(オルガン…ルクセンブルク・フィルハーモニー、
シューケ・オルガン)/
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
マルティン・ハーゼルベック(指揮)
 フランツ・リスト(1811-1886)は19世紀の音楽家たちの中でも極めて影響力があり、また最も個性的な人物でもありました。彼がベルリオーズの作品からインスパイアされて創設した「交響詩」のジャンルや、様々な作品のトランスクリプション、そして宗教的な作品。これらはどれほどまでに他の作曲家たちの想像力を刺激したことでしょう。
 ここに集められている作品群は、後世の作曲家たち(リスト自身も含む)が、リストの作品をオルガン、あるいは管弦楽版に編曲したもので、様々な作品を変容させていったリストというフィルターを通して、また新たな作品が生み出されていく過程を楽しむことができるという興味深い1枚です。オーケストラを指揮するのは前作の「ハンガリー狂詩曲」(777797-2)でも素晴らしい演奏を披露していたおなじみハーゼルベックです。

 ここで4曲目の冒頭が聴ける。壮大で華麗な世界。
http://www.jpc.de/mp3/076/0761203747221_04.mp3


 これは下記アルバム「ハンガリー狂詩曲」の第2曲、第3曲。もっと聴きたくなると思います。
http://www.jpc.de/mp3/076/0761203779727_02.mp3
http://www.jpc.de/mp3/076/0761203779727_03.mp3


ハーゼルベック、CPOでの前作

777797
\2600→\2390
マルティン・ハーゼルベック(指揮)&ウィーン・アカデミー管
 フランツ・リスト:ハンガリー狂詩曲 第1番−第6番

  (F.ドップラーによる管弦楽版)
ウィーン・アカデミー管弦楽団/
マルティン・ハーゼルベック(指揮)
 NCAの一連の録音でいまや「リストの新しき権威」と目されるようになったハーゼルベック。今回はCPOからハンガリー狂詩曲!目からうろこの新録音を披露してくれることでしょう!

 リスト(1811-1886)の代表作ともいえる、この「ハンガリー狂詩曲」は本来ピアノ独奏のために書かれました。例の如く超絶技巧を駆使し、ハンガリー古来の民謡(これはリストがそう思ったもの)をふんだんに使った華やかな音楽は、確かに聴衆の心をつかみました。作曲家フランツ・ドップラーも魅了された一人で、彼はこれらの曲のいくつかを管弦楽版に編曲(番号は必ずしも原曲とは一致していない)、一層華麗な音楽に生まれ変わらせたのです。
 この録音は、2011年リスト生誕200年記念のプロジェクトとして行われた「19世紀のピリオド楽器オーケストラをハーゼルベックが指揮し、リストの管弦楽全曲を7回に分けて演奏する」というシリーズの中の一公演で、この形はワイマール初演でもありました。


 
777627
\2000
ペトル・エベン:宗教合唱作品集
 1.慈しみと愛のあるところ/2.サルヴェ・レジーナ/3.被造物の賛歌/4.知恵の言葉/
 5.巡礼の詩篇/6.世界は危機を迎えている(三部作)/
 7.おお来たまえ、精霊よ/8.楽園の喜びの鼓動/9.父なる神よ-アーメン
ザクセン声楽アンサンブル/
マティアス・ユング(指揮)
ボヘミア生まれのペトル・エベン(1929-2007)は宗教的な作品やオルガン曲を数多く作曲しており、その神秘的な響きは一度聴いたら耳から離れないほどの強烈な印象を残します。この宗教合唱曲集は、モテットなどの伝統的な音楽をそのまま受け継いだ上に、ボヘミア的気質と現代的な和声を用い、極めてリアルな感情を表出するもので、難解な部分を持ちながらも、時として素朴な響きがこぼれだすこともあり、基本的には音の一つ一つが磨き上げられた独特の美を有するものです。
 


777693
\2600→\2390
アウグスト・クルークハルト:作品集
 1.交響曲 第5番 ハ短調 Op.71/
 2.演奏会序曲「春の時に」Op.30/
 3.祝典序曲 変ホ長調 Op.78
アンハルト・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニー・ヘルムス(指揮)
「ピアノ五重奏曲」など一部の曲に、特定のファンをもつ作曲家クルークハルト(1847-1902)。彼はケーテンで生まれ、10歳からピアノと作曲を学び始めます。15歳の頃に家族とともにデッサウに移住。やがてピアニストとしてデビューを飾りました。作曲活動も進めており、20歳になる前には自作を発表するなど順風満帆な音楽家人生をスタートさせました。指揮者としても才能を発揮、ワーグナーの「指環」を上演するほどの活躍ぶりを見せた人です。
 彼の第3交響曲はすでにcpoからリリースされており(777465-2)、こちらはブラームスを思わせる明るさに満ちていましたが、この第5交響曲は調性的にもベートーヴェンを思わせる劇的なもの。1892年、彼がデッサウの指揮者として活動25年を迎えた年に書かれた曲です。

第1,3楽章の冒頭だけですがどうぞ。かっこいいです。
http://www.jpc.de/mp3/076/0761203769322_01.mp3
http://www.jpc.de/mp3/076/0761203769322_03.mp3
 

777482-2
(3CD)
\6000→\5490
フリードリッヒ・エルンスト・フェスカ(17891826):弦楽四重奏曲集 第1集

CD1.
 1.弦楽四重奏曲 第1番 Op.1-1
 2.弦楽四重奏曲 第2番 Op.1-2
 3.弦楽四重奏のためのポプリ 第2番 Op.11
CD2.
 1.弦楽四重奏曲 第3番 Op.1-3
 2.弦楽四重奏曲 第7番 Op.3-1
 3.弦楽四重奏曲 第8番 Op.3-2
CD3.
 1.弦楽四重奏曲 第13番 Op.12
 2.弦楽四重奏曲 第14番 Op.34
 3.弦楽四重奏曲 第9番 Op.3-3
ディオゲネス弦楽四重奏団
 ドイツ、マクデブルク生まれの作曲家フェスカ。音楽好きの家に生まれ、幼い頃から存分な音楽教育を受け、15歳でヴァイオリンの公開演奏会を行ったことでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のヴァイオリニストとなります。当時から弦楽四重奏曲を演奏したり、ソリストとして活躍しながら数多くの作品を書きました。彼の四重奏曲は、交響曲に次ぐ人気を誇り、そのバランスのとれた、まろやかなハーモニーは当時ウェーバー作品を並ぶほどの高い評価を受けていたのです。このCPOのリリースは、そんな彼の弦楽四重奏曲を全てまとめたもので、ディオゲネス弦楽四重奏団の素晴らしい演奏は初発売の時から絶賛を浴びたものです。独創的で美しい一連の作品は、どこから聴いても新たな発見をもたらすものです。



旧譜
フェスカの交響曲
Fesca - Symphony No. 1
999889-2
\2600→\1790
リードリヒ・エルンスト・フェスカ(1789-1826):
 交響曲第1番/序曲Op.41/序曲Op.43/「オマールとレイラ」序曲
フランク・ベールマン指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィル
既発売の交響曲第2番&第3番(9 9 9 8 6 9 - 2)で、同時代を生きたベートーヴェンへの接近が目立ったフリードリヒ・エルンスト・フェスカ。決して有名とは言えないその実像に迫り、ベートーヴェンやシューベルトらの陰に隠れた才能を引き出す一枚だと言えるだろう。
Fesca - Symphonies Nos. 2 & 3
777350-2
¥1900→\1490

(2008 年カタログ付き特別価格)
2008 年カタログ付き特別価格
 リードリヒ・エルンスト・フェスカ(1789-1826):
  交響曲第2 番、第3 番
フランク・ベールマン(指揮)
北ドイツ放送交響楽団
ベートーヴェンとほとんど同じ時期に生き、おそらく影響を受けたと思われる作風で、現在ではわずかに交響曲と弦楽四重奏、そして合唱作品が残っていますが、なかなか緻密な作品が多く、ウェーバーが大絶賛したというのも頷けます。この機会に改めて典雅な魅力に触れてみるのも一興です。旧番号 999889-2


 
777493-2
(2CD)
\5200
オッフェンバック:喜歌劇「ペリコール」3幕(ドイツ語歌唱)
 アンリ・メイヤック&リュドヴィク・アレヴィ…台本
 ペーター・エンジカット…新しいドイツ語訳
ザビーネ・ブローム(ソプラノ)
ラルフ・ザイモン(テノール)
ゲルト・ヴィーマー(バリトン)
ベルント・ケーネス(テノール)
マルクス・グェンツェル(バリトン)
ジェシカ・グラット(メゾ・ソプラノ)
エルケ・コットマイール(ソプラノ)
ドレスデン国立歌劇場管&合唱団
エルンスト・タイス(指揮)
 ペルーの総督リベイラの祝日、総督本人とリマの長官、そして侍従官は変装して街を視察中。そこに現れたのが流しの芸人、ペリコールとピキーヨの恋人たち。彼らは歌を歌うもお金がもらえず困っていたのですが、そんなペリコールに一目惚れしたのが総督で、彼女を自分のものにしようと企みます。もともと倫理的に多少問題のある台本のため、舞台はヨーロッパではないリマに設定されていますが、曲は全くのウィーン風。そんな音楽とあらすじは充分に魅力的な作品であり、2008年のこのドイツ語版の上演も、たちまち高い評判となったものです。
 一連の上演にはお馴染みの歌手たちと、タイスの指揮が知られざる作品を楽しく聞かせます。ボーナス・トラックとして1874年のウィーン上演版を収録。聴き比べも興味深いところです。
  

777628-2
\2000→\1890
クリスティーナ・ビェルケ(ピアノ)
 ニルス.W.ゲーゼ(1817-1890):ピアノ作品集

 1.ピアノ・ソナタ Op.28
 2.水彩画 Op.19-1
 3.水彩画 Op.19-2
 4.新しい水彩画 Op.57
 5.アンダンティーノ
 6.破棄された楽章
クリスティーナ・ビェルケ(ピアノ)
 ゲーゼ(ガーデとも)はコペンハーゲンで生まれ、19世紀デンマークの音楽発展に寄与した作曲家です。
 彼はもともとコペンハーゲンでヴァイオリン奏者として活動を始めましたが、メンデルスゾーンの尽力により、自作がライプツィヒで初演されたため、そのままライプツィヒに移り、ここで指揮者としての活動を始めました。その後は国同士の紛争もあり、デンマークに帰国。オーケストラや合唱団を設立し、教育者としても名を成したのです。
 そんな彼の作品は交響曲などの管弦楽作品が知られていますが、ピアノのための作品も彼の大切なジャンルであり、時折自分で演奏したり、オーケストラ作品のスケッチとしての役割も持たせていたのです。このアルバムの中では「水彩画」と「新しい水彩画」の間の成熟度が興味深く、この作曲家の足跡をたどる上でも重要な作品となることは間違いありません。
コペンハーゲン生まれのビェルケの共感に溢れた演奏で。


旧譜
クリスティーナ・ビェルケ、CPOのニールセン
Nielsen - Complete Piano Works
CPO
777413-2
(2CD)
\4000→¥3590
カール・ニールセン:ピアノ作品全集
 5 つの小品集 Op.3/交響的組曲 Op.8/
 6 つのユモレスク・バガテル Op.11/新世紀のための祝祭前奏曲/
 夢について「静かな夜」/シャコンヌ Op.32/主題と変奏 Op.40/
 組曲 Op.45/3 つの小品集 Op.59/
 若い人と老人のためのピアノ音楽Op.53/
 ピアノ小品(1931)
クリスティーナ・ビェルケ(ピアノ)

 ニールセンはもともとヴァイオリン奏者として活躍した人なので、ピアノについてはものすごい腕前だったということはありません。ただ、デンマーク王立音楽院でピアノの魅力に開眼。集中してピアノ曲に取り組んだ事はあったようです。そのニールセンのピアノ曲は、若い頃の素朴なものから亡くなる年に書かれた深遠なものまで多種にわたり、ニールセンの「もう一つの顔」が堪能できます。グリーグほど傑作ぞろいではないものの、シベリウスには十分肩を並べられそうな気がします。
 作品数はちょうどCD2枚に収まるくらい。そのため曲自体はそれほど有名でないわりには、アンネ・エランドやエリザベト・ウェステンホル、最近でもマーティン・ロスコーといった大物たちが全集録音をリリースしています。

 そんな大家を差し置いて紹介するのが・・・クリスティーナ・ビェルケの録音。
 ビェルケは1970年デンマーク生まれの美しき女流奏者。デンマーク王立音楽アカデミーではアンネ・エランドにも師事していたようです。
 ここでのニールセンは、さりげなく吹く風のように自然でありながら、なぜか心に残る感興あふれる演奏。ビェルケはもともと感情豊かで個性的な演奏をする人なのですが、ここでは羽目を外すことなく、しっとりとピアノを歌わせています。
 このアルバムでビェルケの名を知った人も多いと思います。デンマーク出身の彼女にとってこのニールセン・アルバムに賭ける思いはかなりのものだったでしょう。 

  


 さらに寄り道〜クリスティーナ・ビェルケ
 クリスティーナ・ビェルケにちょっと興味をもたれた方のために、ちょっと寄り道を。
 伴奏ものなどを入れると比較的彼女の録音は多いのですが、中でもCLASSICOに入れたいくつかのアルバムはピアノ・ファンの間ではちょっと話題になっていたものでした。今はCLASSICOが消滅してしまったのでそのCDを入手することは困難になってしまいましたが、そのうちの2枚がSCANDINAVIAN CLASSCISで出直しになっています。
 いまだかつて聴いたことのないような不思議なテンポと独特の間合いで、まるで魔法にかけられたような気持ちにさせられるショパン。
 氷の情熱、とでも呼びたくなるような勝手自由な気ままさ。完全に自分一人の世界を繰り広げるゴールドベルク。誰も中に入れてくれない感じです。
 ・・・どちらも手に入るうちに聴いておいてほしい魅力的なアルバム。・・・万一廃盤の際はご容赦ください。


SCANDINAVIAN
220561
¥1200
ショパン:
 24の前奏曲 Op.28/
 ワルツ/マズルカ/夜想曲
クリスティーナ・ビェルケ(ピアノ)

SCANDINAVIAN
220590
¥1200
J・S・バッハ:ゴールトベルク変奏曲 クリスティーナ・ビェルケ(ピアノ)



 

777650-2
\2000→\1890
コンソルティウム・クラシクム
 イタリア風セレナード集

 1.ジョヴァンニ・パイジェッロ(1740-1816):グロース・ハーモニームジーク
  (2つのオーボエ,2つのクラリネット,2つのホルン,2つのファゴットとコントラバスのための)
 2.ジョアキッーノ・ロッシーニ(1792-1868):木管六重奏曲
  (2つのクラリネット、2つのホルン、2つのファゴットとコントラバスのための)
 3.ジーモン・マイール(1763-1845):木管六重奏曲
  (2つのクラリネット、2つのホルン、2つのファゴットとコントラバスのための)
 4.ヴィンチェンツォ・リギーニ(1756-1812):セレナード
  (2つのクラリネット、2つのホルン、2つのファゴットとコントラバスのための)
コンソルティウム・クラシクム
 イタリア風のセレナード集です。一般的に「セレナード」とは野外で演奏される機会音楽であり、夜のおぼろげな光の中、声楽家と器楽グループが美しい音楽を奏でるものですが、18世紀におけるセレナードは、木管楽器とコントラバス(時にヴィオラも)で演奏されるのが普通でした。これらは椅子を必要とせず、立って演奏できるもので、やはり野外で演奏するための曲として認識されていたのです。
 この4曲のセレナードはどれも明るい輝きを持つ、いかにもイタリアの風土を思わせる幸福感に満ちた曲です。珍しいリギーニの作品も興味深いものです。
 

777675-2
\2600→\2390
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
 マーラー(1860-1911)&リーム(1952-):歌曲集

 歌曲集「子どもの不思議な角笛」より
  1.高き知性への賛美
  2.美しいトランペットが鳴り響く所
  3.少年鼓手
  4.ラインの伝説
  5.この歌を思いついたのは誰?
  6.原光
 7.さすらう若人の歌
ヴォルフガンク・リーム:
 8.声とオーケストラのための「ライナー・マリア・リルケの詩による4つの歌」
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ボーフム・シンフォニカー
スティーヴン・スローアン(指揮)
 最近、ますます深い解釈を聴かせるテノール歌手プレガルディエン。すでに様々なレーベルに130以上の録音を持つ、ドイツ・ロマン派の歌曲を歌わせたら右に出る者はいない人です。そんな彼の歌うマーラーとリームは、言葉の扱いに於いても、声の美しさに於いても、まさに完璧と言ってよいものであり、ピアノ伴奏で聴く「角笛」とも、また違った魅力を放っています。
 彼はリームの作品の初演者でもあり、2002年にはピアノ伴奏版、2004年にはバーゼルでオーケストラ版を歌うほどにこの作品に精通しています。
 リーム作品は難解なイメージがありますが、この曲は驚くほどにナイーヴでロマンティックな響きを持つもので、リリカルなプレガルディエンの声にぴったりの美しいものです。
 
777808-2
(2CD)
\5200
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):
 1732年、マティアス&マリア・カテリーナ・ムッツェンバッカーの
 金婚式を祝す「結婚オラトリオ」集

  1.オラトリオ「主なる神よ、私たちはあなたを称賛する」TVWV11:15a/b
  2.セレナータ「おお、崇高なる結婚の運」TVWV 11:15c
ハンナー・モリソン(ソプラノ)
マーゴット・オイツィンガー(メゾソプラノ)
マルクス・シェーファー(テノール)
インモ・シュレーダー(テノール)
マティアス・フィーヴェッグ(バリトン)
クリストス・ペレカノス(バス)

ダス・クライネ・コンツェルト
ヘルマン・マックス(指揮)
 テレマンの壮大なる結婚式の音楽です。
 ここで祝されているマティアス・ムッツェンバッカーは1653年にキールで生まれた商人であり、ハンブルクの上院議員として活躍していた人です。
 1732年には彼の金婚式が盛大に祝われ、当時ハンブルク市の音楽監督を務めていたテレマンは、そのための音楽を書いたのでした。
 当時の平均寿命を考慮すると、金婚式のお祝いというのはとても稀なものであり、テレマンはこの式のために崇高で華々しい音楽を用意したのです。陽気で格調高い作品は、知られざるテレマンの姿を克明に映し出します。
 

777837-2
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
マティアス・キルシュネライト(ピアノ)
 ヘンデル:ピアノ協奏曲 Op.4 HWV289-294
  (オルガン協奏曲からの編曲)

 1.協奏曲 ト短調 Op.4-1 HWV289
 2.協奏曲 変ロ長調 Op.4-2 HWV290
 3.協奏曲 ト短調 Op.4-3 HWV291
 4.協奏曲 ヘ長調 Op.4-4 HWV292
 5.協奏曲 ヘ長調 Op.4-5 HWV293
 6.協奏曲 変ロ長調 Op.4-6 HWV294
マティアス・キルシュネライト(ピアノ)
ライン・ドイツ室内アカデミー
ラヴァー・スコウ・ラーセン(指揮)
「ヘンデルのピアノ協奏曲?」
 J.S.バッハのチェンバロ協奏曲をピアノで演奏しても不自然ではないのですから、ヘンデルの作品をピアノで演奏してもよいのでは。と考えたのがドイツのピアニスト、マティアス・キルシュネライトでした。彼はヘンデルのOp.4のオルガン(曲によってはハープやチェンバドで演奏可能)協奏曲集に着眼し、各曲をピアノ独奏用に置き換えたのです。
 もともとこれらの協奏曲はオラトリオなどの劇場作品の幕間に演奏されたものであり、ここで使われたオルガンは小さなもので、決して壮大なものではありません。
 そんなオルガン・パートをピアノに置き換えるには多少のテクニックが必要でしたが、この演奏では全く違和感ないものとして仕上がっています。
 なお、この演奏はLPのリリースも予定されています。

DACAPO



6.220546
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集 第11集(1783&1788)
 1-4.交響曲 第36番 ハ長調 K425「リンツ」/
 5-8.交響曲 第39番 変ホ長調 K543
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2012年8-12月,2013年2月 コペンハーゲン DRコンチェルトフセット 第2スタジオ Recording Producer: John Frandsen/Sound Engineer: Lars C. Bruun
 1783年に作曲された交響曲第36番は、モーツァルト(1756-1791)がリンツに滞在中、当時の伯爵であったトゥーン・ホーエンシュタインの予約演奏会のために、たった4日で作曲したものです。第1楽章は緩やかな序奏を持った壮大な音楽で、彼の特徴でもある短調と長調が目まぐるしく交代する活気ある音楽です。第2楽章はトランペットとティンパニが用いられ、第3楽章は生き生きとしたリズムが印象的です。第4楽章は極めて充実した音楽で、これらがたった4日で書かれたという事実には驚くばかりです。
 第39番は「後期3大交響曲」の最初の曲で、やはりゆったりとした序奏に導かれた第1楽章に始まり、優雅なアンダンテ、軽やかなメヌエット、そして流麗な第4楽章で構成されています。
 フィッシャーはどれも早めのテンポで、見通しのよい軽やかなモーツァルトを表出しています。ブックレットには、解説者クラウス・ヨハンセンによって、2曲の解説ではなく「モーツァルトとクラリネットの関係」が興味深く綴られています(英・独・デンマーク)



 各楽章のハイライトが楽しめます。きっとはまってしまうと思うのですが、ここにも帰ってきてください・・・。

http://www.dacapo-records.dk/en/recording-mozart---symphonies-vol--11.aspx
 


6.220639
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集 第12集(1788)
 1-4.交響曲 第40番 ト短調 K550/
 5-8.交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」 K551
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
録音 2013年2月 コペンハーゲン DRコンチェルトフセット 第2スタジオ Recording Producer: John Frandsen/Sound Engineer: Lars C. Bruun
 アダム・フィッシャーとデンマーク国立室内管弦楽団によるモーツアルトの交響曲集もこれで完結です。1842年にモーツァルト(1756-1791)の未亡人コンスタンツェが亡くなった時、遺品の中から発見されたノートに、1811年のコペンハーゲン王立歌劇場で「ドン・ジョヴァンニ」の演奏を観た時の感想が書かれていました。そこには「これ以上の演奏はありません」と記されており、当時からコペンハーゲンのオーケストラとモーツァルトとの相性の良さは折り紙つきでした。
 そんな長い関係性を更に良好にした、このフィッシャーの交響曲全集は、録音の素晴らしさとともに、一つのモーツァルト演奏の指針として長く愛されていくことでしょう。



各楽章のハイライト、ちょっと聴いただけでその素晴らしさを分かっていただけると思います。
http://www.dacapo-records.dk/en/recording-mozart--symphonies-vol--12.aspx


はまってしまった方のために
旧譜第1〜10集
6.220536
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集 第1集(1764-1767)
 1-3.交響曲 第1番 変ホ長調 K16/
 4-6.交響曲 第4番 ニ長調 K19/
 7-9.交響曲 ヘ長調 K19a/
 10-12.交響曲 第6番 変ロ長調 K22/
 13-16.交響曲 ヘ長調 K42a
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
6.220537
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集 第2集(1767-1768)
 1-4.交響曲 第6番 ヘ長調 K43/
 5-8.交響曲 第7番 ニ長調 K45/
 9-11.交響曲 ト長調 K45A/
 12-15.交響曲 変ロ長調 K45B/
 16-19.交響曲 第8番 ニ長調 K48
デンマーク国立室内交響楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
6.220538
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集第3集
 1-4.交響曲第9番ハ長調 K73(K75A)/
 5-7.交響曲ニ長調 K81(K73L)/
 8-11.交響曲ニ長調 K97(K73M)/
 12-15.交響曲ニ長調 K95(K73N)/
 16-18.交響曲第11番ニ長調 K84(K73Q)/
 19-21.交響曲第10番ト長調 K74
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
6.220539
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集第 4 集〜1771 年
 1.交響曲第 12 番ト長調 K110/
 2.交響曲ハ長調 K96/
 3.交響曲第 13 番へ長調 K112/
 4.交響曲第 14 番イ長調 K114
アダム・フィッシャー(指揮)/
デンマーク放送室内管弦楽団
6.220540
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:<交響曲集第5集>
 交響曲第15番/交響曲第16番/
 交響曲第17番/交響曲第18番
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
6.220541
(Dacapo SACD Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:<交響曲集第6集>
 交響曲第19番変ホ長調 K.132
 交響曲第20番ニ長調 K.133
 交響曲第21番イ長調 K.134
 交響曲第26番変ホ長調 K.184 (161a)
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク放送シンフォニエッタ
6.220542
(Dacapo SACD Hybrid))
\2200→\1990
モーツァルト(1719-1787):交響曲集第 7 集〜1773 年
 1.交響曲第 27 番ト長調 KV161B, 199/
 2.交響曲第 22 番ハ長調 KV162/
 3.交響曲第 23 番ニ長調KV181 , 162B/
 4.交響曲第 24 番変ロ長調 KV182, 173DA/
 5.交響曲第 25 番ト短調 KV183, 173DB
アダム・フィッシャー/
デンマーク国立室内管弦楽団
6.220543
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集第8集
 1-4.交響曲第29番イ長調 K201(K186A)/
 5-8.交響曲第30番ニ長調 K202(K186B)/
 9-12.交響曲第28番ハ長調 K200(K189K)
デンマーク・ナショナル室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
6.220544
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
モーツァルト:交響曲集第9集
 1-3.交響曲第31番ニ長調K297「パリ」/
 4-7.交響曲第33番変ロ長調K319/
 8-10.交響曲第34番ハ長調 K338/
 11.交響曲第31番ニ長調K297「パリ」-
  第2楽章の異稿版(第1版)
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)
6.220545
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
アダム・フィッシャー&デンマーク国立室内管
 モーツァルト:交響曲集 第10集(1782&1786)

 1-4.交響曲 第35番 ニ長調「ハフナー」K385/
 5-7.交響曲 第38番 ニ長調「プラハ」K504
デンマーク国立室内管弦楽団/
アダム・フィッシャー(指揮)

  

6.220598
(SACD-Hybrid)
\2200
ペーター・ハイセ:男声のための歌曲集
 1.序奏とワルツ/2.飛行への覚え書/3.3匹の猫/4.ユトランド/5.バッカスに/
 6.冬の告別/7.春の目覚め/
 8-11. 2人のソプラノとバリトン、ピアノのための歌曲集「春と夏」
  <春に/野のばらの繁み/夏の歌/夏の明るさ>/
 12.野のばらの繁み(男声四重唱)/13.森の中で/14.時は秋/
 15.ジプシーの女王の墓での歌/16.ロマンス「好ましき薄闇で」/17.城の中の娘/
 18.かわいこちゃん/19.祝婚歌/20.デンマークに/
 21.デンマークの巨人の墓/22.シェイクスピアの「シンベリン」からの哀歌
エミール・リッケ(第1テノール)…2.5.14.16/
アダム・リース(第2テノール)…2.5.14.16/
ダニエル・アベルク(バリトン)…2.5.14.16/
トルステン・ニルセン(バリトン)…12/
ステフェン・ブルーン(バス)…2.5.12.14.16/
マレーネ・ノルドトルプ(ソプラノ)…8-11/
アストリッド・カステンソン・ナヴァロ=アロンソ(ソプラノ)…8-11/
ウラ・ムンク(アルト)…8-11/
トルステン・ニルセン(バリトン)…8-11/
アマリエ・マリンク(ピアノ)…8-11/
デンマーク国立ヴォーカル・アンサンブル&合唱団/
ミハエル・シェンヴァント(指揮)
デンマークのオペラ作曲家として知られるペーター・ハイセ(1830-1879)は、また歌曲作曲家としても素晴らしい才能を有していました。この男声のための歌曲集は、女性、芸術、自然、そして彼の祖国デンマークへの賛美が表現されたロマンティックで美しい作品集です。どこまでも穏やかで純粋な曲調が魅力的。えりすぐりの歌手たちと、ベテラン、シェンヴァントの伴奏がしっくり溶け合った渋さと甘さを兼ね備えた演奏です。
 

6.220643
(SACD-Hybrid)
\2200
ソンライフ・ラスムセン:モーション/エモーション 〜室内楽作品集
 1-5.管楽五重奏のための「モーション/エモーション」(2010/2011)/
 6.フルートとクラリネットのための「アンダラグ 第1番」(2010)/
 7-10.フルート,オーボエ,クラリネット,ホルン,ファゴット,
   ピアノ,ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロのための「4つの庭」(2003)/
 11.クラリネットとホルンのための「アンダラグ 第3番」(2011)/
 12.管楽五重奏のための「北の曲」(1995)/
 13.フルート,オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルン,ピアノのための「冬の絵」(1990)/
 14.アルト・フルートとファゴットのための「アンダラグ 第11番)(2011) ※1-11,14…世界初録音
ラップランド室内管弦楽団・管楽五重奏団/
ジョン・ストルゴー(指揮)…7-10.13
録音 2012年4月13-14日 ロヴァニエミ コルンディ・ホール Recording producer and sound engineer: Preben Iwan
 フェロー諸島出身の作曲家ラムスセン(1961-)の作品集です。彼の生まれ育った島には音楽教育を受ける場がなく、彼は祖母から楽譜の読み方を習ったと言います。
 独自の作風に基いたその作品は時として難解ですが、根底には極めて民族的なメロディが宿っていると言われています。この室内楽作品集には、様々な楽器を用いた曲が集められており、そのいくつかはとても親しげな風情を保っています。
 

8.226072
\2000
ヨーアン・イェアシル:室内楽作品集
 1-4.弦楽四重奏曲(1980)/
 5-7.フルート、オーボエ、クラリネット、
  ファゴット、ホルンのためのセレナード「森の中で遊ぶ」(1947)/
 8-10.ピアノのための「3つの演奏会用小品」(1945)/
 11-13.ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネットとファゴットのための四重奏曲(1934) ※1-4.11-13…世界初録音
アンサンブル・ミッドヴェスト
録音 2013年6月5-7日…1-4, 2013年1月14-15日…5-7, 2013年6月11日…8-10, 2013年6月12-13日…11-13 ヘルニング・ムゼウム・オブ・コンテンポラリー・アート
 デンマークの作曲家イェアシル(1913-2004)が半世紀に渡って書いた魅惑的な室内楽曲作品集です。最初期の作品である「四重奏曲」は、どことなくプーランクなどのフランス風のエッセンスも感じられますが、その音楽は独自の発展を遂げて行くのです。
 1980年に書かれた「弦楽四重奏曲」の静謐で滑らかな響きを耳にするだけで、この作曲家の並々ならぬ才能を感じることができるでしょう。名手たちの集団、アンサンブル・ミッドヴェストによる演奏は素晴らしいの一言です。

DYNAMIC



CDS-678
(2CD)
\3000→\2690
ジュゼッペ・タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲集 第17集
<CD1>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 イ短調 D114/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 D25/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 D121/
 10-12.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 D36/
 13-15.ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 D11/
 16-18.ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 51/
<CD2>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 D32/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 イ長調 D98/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 D37/
 10-13.ヴァイオリン協奏曲 ト長調 D80/
 14-16.ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 D6
<ヴァイオリン・ソロ>
CD1:1-3.7-9,CD2:1-3.フェデリコ・グリエルモ/
CD1:4-6.13-18,CD2:7-9.14-16カルロ・ラツァリ/
CD1:10-12,CD2:4-6.10-13.ジョヴァンニ・グリエルモ
ラルテ・デラルコ
<メンバー:
フェデリコ・グリエルモ(ヴァイオリン)/
カルロ・ラツァリ(ヴァイオリン)/
マルコ・パラディン(ヴィオラ)/
フランチェスコ・モンタルリ(ヴィオローネ)/
ニコラ・レニエーロ(ハープシコード)/
ロベルト・ロレジアン(オルガン)>
録音 2009-2010年 イタリア トレヴィソ
 偉大なる音楽家、ヴァイオリニストであったタルティーニ(1692-1770)のヴァイオリン協奏曲全集の最後を締めくくる第17集です。全集としては、もちろん世界初録音であり、今回もオリジナルのスコアを当時の楽器で演奏するという意義のあるものです。
 「夢の中の悪魔の演奏」にインスピレーションを受けた「悪魔のトリル」ばかりが知られるタルティーニですが、本来の彼は理論家であり、素晴らしい教育者でした。彼の作品のほとんどはヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンソナタで、技術的にも音楽的にも優れたものばかりです。
 この協奏曲集第17集に収録された作品は、どれもタルティーニの最も充実した時期に書かれたもののようですが、国立図書館などに保存されている彼の総譜には成立した日付が記されていないため、正確な日付を確立することができませんが、他の資料から推察して、1730年の半ば、彼が40歳くらいの時の作品だと思われます。
 どれも流麗で充実した楽想に満ちた音楽です。ラルテ・デラルコの納得の演奏で。
 

CDS-7661
\2000→\1890
フリードリヒ・カルクブレンナー:3つのピアノ・ソナタ Op.1
 1-3.ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第2番 ハ長調/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第3番 ト長調 
ルイージ・ジェローザ(ピアノ)
録音 2012年7月20日 イタリア ファツィオーリ・コンサート・ホール
 フリードリヒ・カルクブレンナー(1785-1849)はイングランドとフランスで人生の大半を過ごした「ドイツ人」のピアニスト、教師、作曲家でした。彼は19世紀初めのヨーロッパにおける最も知られたピアニストであり、ライバルはフンメルただ一人でした。もちろん数多くのピアノ曲を作曲し、また1831年に出版した「ピアノ奏法の技巧」は多くのピアニストの卵たちに影響を与えたことでも知られます。
 ショパンも一時期、カルクブレンナーの弟子になりたいと熱望しましたが、ただし彼自身はモーツァルト、ベートーヴェン、ハイドンの後を継ぐ「唯一の古典派作曲家」だと信じていて尊大な態度を取ったため、結局ショパンは彼の弟子になることはなかったのです。
 そんなカルクブレンナー、人々に自らの才能を知らしめるために書いたピアノ曲は、結果的に先人たちの影響から抜け出ることができず、その存在もほとんど忘れられてしまったのです。ここに収録した3つのソナタもベートーヴェン風であったりモーツァルト風であったりしますが、とびきりの美しさを誇る2楽章や、若きショパンを思わせる部分もあったりと、なかなか聞きどころの多い佳品です。
 


CDS-7664
\2000→\1890
トマス・マルコ:ギターのための室内楽作品集
 1.ヴァイオリンとギターのための「Tapices Y Disparates」/
 2-11. 3つのギターのための「Verde Viento-緑の風」
  <Lejana y sola-遠くひとりで/
  Muerte de perfil-プロフィールの死/
  Ninos con blancas sabanas-白いシーツを持つ子ども/
  Sangre cantando-血の歌/
  Arboles de lagrimas-涙の木/
  Guitarra bajo la arena-砂の中のギター/
  De plomo las calaverna-鉛の霧/
  Elipse del grito-金きり声をあげる楕円/
  Caballo de nubes quietas-たたずむ雲の馬/
  Un llanto como un rio-川のような叫び>/
 12.ギターとフルートのための「Imprecacion De Tindaya-ティンダヤの呪い」/
 13-17.ギター独奏のための「Partita De Espejos-鏡のパルティータ」
  <Preludio de reflejos-影の前奏曲/
   Espejo de oriente-東洋の鏡/
   Murmullo de espejos 1-鏡のつぶやき 1/
   Espejo lontano-遙かな鏡/
   Murmullo de espejos 2-鏡のつぶやき 2>/
 18.ギターと弦楽四重奏のための「La Nuit De Bordeaux-ボルドーの夜」
マルチェロ・ファントーニ(ギター)/
ピエルカーロ・サッチ(ヴァイオリン)/
ステファノ・サンツォーニ(ギター)/
マルコ・ラメッリ(ギター)/
ダヴィデ・ガンディーノ(フルート)/
アルキミア弦楽四重奏団
録音 2012年10月24日…ミラノ Qレコーディング・スタジオ…13-18, 2012年9月22日…ミラノ VMスタジオ…12, 2012年12月8日…ミラノ VMスタジオ…2-11, 2013年2月23日…ミラノ VMスタジオ…1
 1942年生まれの作曲家トマス・マルコ(1942-)。以前NAXOSレーベルから彼の交響曲集がリリースされた時にも、熱狂的な現代音楽ファンの間でひそやかな話題となった人です。名ギタリスト、マルチェロ・ファントーニはすでに彼のギター独奏曲を録音しており(CDS-708)今作では彼の室内楽に興味を抱き、コラボレーションを提案することで、このアルバムが出来上がりました。
 ゴヤの絵画やガルシア・ロルカの詩など、様々な作品からインスピレーションを得たこれらの曲は、1960年代のダルムシュタットに参加し、当時の前衛を体に吸収した人の作品らしく、調性感と即興性が程よくミックスされた不思議な音楽。かろうじて聞こえてくるものを旋律として定義できますが、その和声は限りなく不確定であり、自由なものです。
 

CDS-7665
(2CD)
\3000
ガエターノ・ドニゼッティ:歌劇「アルバ公爵」
<CD1>1-11.第1幕/12-21.第2幕/
<CD2>1-10.第3幕/11-18.第4幕
アルバ公爵…ジョルジュ・ペテアン(バリトン)/
エレーヌ・ド・エグモント…ラヘル・ハルニッシュ(ソプラノ)/
アンリ・ド・ブルジュ…イスマエル・ジョルディ(テノール)/
サンドヴァール…ウラディミール・バイコフ(バス・バリトン)/
ダニエル…イゴール・バカン(バス・バリトン)/
カルロス/バルブエラ…ギース・ファン・デル・リンデン(バリトン)/
居酒屋…ステファン・エイドリアン(テノール)/
フランダース歌劇場管弦楽団&合唱団/
パオロ・カリニャーニ(指揮)
録音 2012年5月 アントワープ ※フランス語による世界初録音
 ドニゼッティの4幕のオペラ「アルバ公爵」はもともとフランス語によるグランド・オペラとして想定されていましたが、1839年に2幕まで完成させたところで作曲を中断(オペラ座の監督と宗教観の違いで契約が破棄された)したまま健康が悪化。結局再度手をつけることなくそのまま未完となってしまい、この台本はそのまま保管され、後にヴェルディが設定を大幅に変更して「シチリアの夕べの鐘」の原作として使ったのです。とはいえ、台本作者のウジェーヌ・スクリーブとシャルル・デュヴェイリエは、本来このリブレットをアレヴィのために書いたのですが、アレヴィが使わず、ドニゼッティ→ヴェルディへとリサイクルされたのでした。その後、この未完のスコアは台本をイタリア語に翻訳し、弟子であったマッテオ・サルヴィによって補筆され1882年5月22日にローマのアポロ劇場で初演されましたが、残念なことに成功しませんでした。
 その後1959年にアメリカの指揮者トーマス・シッパーズがスポレート音楽祭の公演のために新しい版を作るも、サルヴィの補筆部分についてはそのままでした。その後、ロジャー・パーカーが作成したクリティカル・エディションでは、サルヴィが補筆する以前のドニゼッティのオリジナル部分に、ドニゼッティ自身の書き込みを追加したのですが、それでもオペラを上演するまでにはいたらなかったのです。
 このフランス語ヴァージョンは、イタリアの現代作曲家ジョルジョ・バッティステッリによるものですが、彼はサルヴィやシッパースのように「ドニゼッティらしい音楽」を追加するのではなく、「明らかに追加したことが認識できる」音楽、それは急進的でドニゼッティとは異なる言語を用いることで新たな可能性を目論んでいます。もちろん違和感があるかもしれませんが、プッチーニのトゥーランドットのベリオ補筆のように、全く新しいものとして聴くのも面白いのかもしれません。「修復ではなくリライトである。」そんな新しいオペラと言えるでしょう。
 


CDS-7667
\2000→\1890
ファビオ・ビオンディ、「名盤」の復活
 ゲオルク・フィリップ・テレマン:
  リコーダーとヴァイオリン、通奏低音のためのトリオ・ソナタ集

 1-4.トリオ・ソナタ ニ短調 TWV42:d10/
 5-8.トリオ・ソナタ イ短調 TWV42:a1/
 9-12.トリオ・ソナタ ヘ長調 TWV42:F8/
 13-16.トリオ・ソナタ ヘ短調 TWV42:f2/
 17-20.トリオ・ソナタ イ短調 TWV42:a4/
 21-24.ソナタ ヘ短調 TWV41:f1
ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン)/
トリプラ・コンコルディア
<メンバー:ロレンツォ・キャヴァサンティ(リコーダー)/
キャロライン・ボースマ(チェロ)/
セルジオ・チオメイ(ハープシコード)>
録音 1997年6月 カリアーリ
 以前発売されていた「名盤」の復活です。
 真面目で学究的な音楽を追求するトリプラ・コンコルディアと、エウローパ・ガランテの盟主ファビオ・ビオンディ。このちょっと方向性が異なる両者が織りなすハーモニーは、驚くほどに輝かしいものでした。ヴァイオリンの艶やかな音色に絡む、素っ気なささえ感じさせるリコーダー。この組み合わせが何ともたまりません。
 これから古楽を聴いてみようかなと考えている人にもオススメの1枚です。

ES−DUR



ES-2027
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 〜ゲオルク・アントン・ベンダ:管弦楽作品集
 1-3.ジンクシュピール「村市場の年」序曲/4-6.ピアノ協奏曲 ト短調/
 7-9.シンフォニア 第1番 ニ長調/10-12.ヴィオラ協奏曲 ヘ長調
ロルフ・プラッゲ(ピアノ)…4-6/
タチアナ・マスレンコ(ヴィオラ)…10-12/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1994年 ゴータ シュタットハレ
 チェコ系ドイツの名音楽家一族の一人、ゲオルク・ベンダ(1722-1795)。兄フランツに招かれ1742年からポツダムの楽師として働きますが、自らの意志で1750年にゴーダに転出。宮廷楽長に就任しました。彼の得意分野は劇音楽であり、メロドラマはジンクシュピールはモーツァルトに強い影響を与えました。もちろん交響曲も素晴らしいものを残しており、その独創的で活力ある音楽は当時広く愛されたのです。
 このアルバムには「村市場の年」の序曲と、シンフォニア、ピアノ協奏曲、ヴィオラ協奏曲の4曲を収録。当時の息吹が見事に再現されています。
 


ES-2028
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 〜アントン・シュヴァイツァー:管弦楽作品集
 1.歌劇「ドルフガーラ」序曲/2.歌劇「アルチェステ」序用/
 3.歌劇「アルチェステ」より第1幕のアリア「地獄におわす神々」/
 4.歌劇「アルチェステ」より第2幕のアリア「泣かないで、あなたの心の偶像よ」/
 5-7.交響曲 第2番/8-15.1幕のメロドラマ「ポリクセナ」
マルゴート・ステイスカル(s)…3.4.8-15/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1996.1997年 ゴータ シュタットハレ
 モーツァルトが生まれる前にドイツで活躍していたアントン・シュヴァイツァー。(1735-1787)ドイツ、コーブルクで生まれた彼は、幼少の頃は少年聖歌隊で歌い、その後宮廷楽団でヴィオラとチェロを演奏します。その後は様々な劇場を経て、1771年にワイマールの楽長になりますが火災で焼失。1775年にゴータへ転出し、ゲオルク・アントン・ベンダの後任として楽長を務めました。
 彼は、オペラとメロドラマ(音楽と朗読で構成される劇)の分野で目覚ましい活躍をし、ゲーテを始めとした当時の文化人たちに高く評価されましたが、現在ではほとんど顧みられることがありません。そんなシュヴァイツァーの生き生きとした音楽を。
 


ES-2029
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 〜ルイ・シュポーア:管弦楽作品集
 1-3.2台のヴァイオリンによるコンチェルタンテ 第1番 イ長調 Op.48/
 4.ヴァイオリンとチェロによるコンチェルタンテ ハ長調 Wo011/
 5.「イェソンダ」の主題によるポプリ イ長調 Op.64
アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)…1-5/
ミラ・ゲオルギワ(ヴァイオリン)…1-3/
ミヒャエル・ザンデルリンク(チェロ)…4.5/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1997.1998年 ゴータ シュタットハレ
 数々のヴァイオリン音楽と、室内楽作品で知られるルイ・シュポーア(1784-1859)。彼は天才ヴァイオリニストとして活動を始め、1804年にライプツィヒでセンセーショナルなデビューを飾ります。その翌年の1805年から1812年までゴータの宮廷楽長を務めていました。この間に18歳のハープ奏者ドレッテ・シャイトラーと結婚。一層、創作活動に磨きがかかったことでも知られています。
 彼の作品は一時期忘れられていましたが、最近は復興され、交響曲を始めとした一連の作品が親しまれるようになり、その表現力豊かな音楽は、数多くのファンを獲得しています。
 


ES-2030
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 〜ルートヴィヒ・ベーナー:管弦楽作品集 第2集
 1.華麗なる大ギャロップ(モーツァルト風) Op.76/
 2-6.幻想曲 Op.1/7-11.セレナード ヘ長調 Op.9/12.序奏と変奏 Op.27
クラウス・トゥーネマン(ファゴット)…2-6.12/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1997.1998年 ゴータ シュタットハレ
 第1集(ES2022)でも、その見事な作風を楽しめたルートヴィヒ・ベーナー(1787-1860)の作品集。このアルバムにも興味深く、また壮麗な音楽が収録されています。
 「モーツァルト風」と題されたギャロップですが、改めて聴いてみると、モーツァルトよりも、もっと後の作曲家…たとえばJ.シュトラウスを彷彿させるロマンティックさを持ち合わせていることに気が付きます。
 ファゴットが縦横無尽に活躍する「幻想曲」と「序奏と変奏」の華麗なる技巧、そして管楽器の扱いが見事な「セレナード」など聴きどころ満載です。
 


ES-2031
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 1818-1893 エルンスト2世/グルツマッヒャー/リスト:管弦楽作品集
 1.エルンスト2世(1818-1893):歌劇「サンタ・キアラ」序曲/
 2.グルツマッヒャー(1832-1903):エルンスト2世の主題による「大演奏会用幻想曲」 Op.33/
 3.リスト(1811-1886):E.H.z.S.-C.-G.のモティーフによる祝祭行進曲 S116/R436/
 4.エルンスト2世:たいまつの踊り/
 5.ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899):ポルカ・フランセーズ「新しい人生」Op.278/
 6.ヨハン・シュトラウス2世:ドナウの乙女 Op.427
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1998.1999年 ゴータ シュタットハレ, ゴータ オーケストラプローベンザール
 ゴータ宮廷のアーカイブ、および地元の図書館には、数多くのスコアが存在します。このアルバムは1844年にゴータ公位を継承したエルンスト2世にまつわる音楽を集めたものです。
 エルンスト2世は芸術と科学に理解があり、自身も数多くの作品を残しました。
 ここに収録されたフランツ・リストの行進曲はエルンスト2世のテーマに基いたものです。才能溢れるチェリストであったグルツマッヒャーの幻想曲も同じく主題はエルンスト2世のもの。チェロの名人芸が炸裂しています。
 

ES-2032
\2600
魅惑のタンゴ
 1.ピアソラ(1921-1992):天使のミロンガ/
 2.ピアソラ:タンガーソ-ブエノス・アイレスによる変奏曲/
 3.アルベニス(1860-1909):2つの性格的小品 Op.164-第2番「タンゴ」/
 4.アルベニス:スペイン Op.165-第2番「タンゴ」/
 5.ボリス・ブラッハー(1903-1975):ラ・ヴィ・タンゴ/
 6.マルティヌー(1890-1959):ミニチュアのフィルム H148-第1番「タンゴ」/
 7.ピアソラ:天使の死/8.ピアソラ:組曲「ブエノスアイレスのマリア」第2楽章「フーガと神秘」/
 9.ピアソラ:現実との3分間/
 10.ヴェルナー・エック(1901-1983):ペール・ギュント-タンゴ/
 11.ストラヴィンスキー(1882-1971):タンゴ/
 12.シュニトケ(1934-1998):ポリフォニック・タンゴ/
 13.ピアソラ:オブリビオン(忘却)/
 14.ローター・ヘンゼル:アストルへのオマージュ
ノルベルト・ボンディーノ(ヴァイオリン)…2.7-10.12/
ウルリケ・パイヤー(ピアノ)…7.8.9.12/
ルイス・ボルダ(ギター)…8.9/
ローター・ヘンゼル(バンドネオン)…8.9.13/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 2000.2001年 ゴータ オーケストラプローベンザール, ゴータ リンデンホフ
 「ゴータ宮廷の音楽」では端正な解釈で、古典派から初期ロマン派の作品を清冽に演奏しているヘルマン・ブロイヤーですが、ここでは表情を一転。なんとも妖艶なタンゴを聴かせています。
 19世紀半ばのプレノスアイレス周辺で生まれたタンゴですが、ピアソラが出現するまではアルベニスの作品のように。どちらかというとムード音楽、またはサロン音楽として楽しまれてきていました。
 しかしピアソラがその可能性を著しく拡大し、それまでとは一線を画した作品が生まれるようになったことは間違いありません。
 このアルバムでは様々な作曲家のタンゴを収録。この魅惑の音楽をじっくりと楽しめる内容となっています。
 


ES-2033
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽 〜アンドレアス・ロンベルク:管弦楽作品集
 1.歌劇「スキピオの寛大」Op.54 序曲/
 2.ポプリ イ長調 Op.47(モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニによる)/
 3.アリア「子殺し」Op.27/4-7.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.6
アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)…2/
アンケ・ホフマン(ソプラノ)…3/
ズーラー・ジンクアカデミー…3/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 2000-2002年 ゴータ リンデンホフ
 このロンベルク(1767-1821)も、生前は幅広い名声を誇っていたにも拘わらず、現在では全く忘れられてしまった作曲家です。ドイツのファーレンフェヒタに生まれ、7歳でチェリストとしてデビュー、ハイドンやベートーヴェンとも会ったとされています。パリ進出も考えたようですが、1802年にはヴァイオリニスト、作曲家としてハンブルクに戻り広範囲に活躍。1815年にはゴータで、当時楽長であったシュポーアのアシスタントを務めました。
 ここでは珍しい彼の作品をまとめて聴くことができます。
 モーツァルトの旋律を用いた実質的にはヴァイオリン協奏曲である「ポプリ」や、交響曲などの作品を始め、当時社会を賑わせた「子殺し」を題材にしたバラードなど、埋もれされるには惜しい作品が並びます。
 


ES-2035
\2600→\2390
ゴータ宮廷の音楽-選集
 1.アントン・シュヴァイツァー(1735-1787):歌劇「アルチェステ」序曲/
 2-4.ゲオルク・ベンダ(1722頃-1795):ヴィオラ協奏曲/
 5.シュポア(1784-1859):ヴァイオリンとチェロによるコンチェルタンテ ハ長調 Wo011/
 6.ロンベルク(1767-1821):歌劇「スキピオの寛大」Op.54 序曲/
 7.ベーナー(1787-1860):華麗なる大ギャロップ(モーツァルト風) Op.76/
 8.リスト(1811-1886):E.H.z.S.-C.-G.のモティーフによる祝祭行進曲 S116/R436/
 9.グルツマッヒャー(1832-1903):大演奏会用幻想曲 Op.33/
 10.エルンスト2世(1818-1893):たいまつの踊り/
 11.ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899):フランス風ポルカ「新しい人生」Op.278
タチアナ・マスレンコ(ヴィオラ)…2-4/
アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)…5/
ミヒャエル・ザンデルリンク(チェロ)…5/
チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ブロイヤー(指揮)
録音 1994-2002年
 「ゴータ宮廷」の音楽のダイジェスト。ドイツ、チューリンゲン州のザクセン=コーブルク=ゴータ公国の首都であり、18世紀にはドイツにおける啓蒙主義の中心地となったゴータの宮廷で活躍した音楽家たちによる華麗なる音楽の歴史は、そのままヨーロッパの音楽の歴史に重なるものです。
 チューリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団とヘルマン・ブロイヤーの確信に満ちた演奏で。

LPO



LPO-73
\2400→\2190
ヤニック・ネゼ=セガン&ロンドン・フィル
 マーラー:交響曲「大地の歌」
サラ・コノリー(メゾ・ソプラノ)
トビー・スペンス(テノール)
ロンドン・フィル
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
 現在の若手指揮者の中でも最も注目を浴び、世界中のオーケストラからひっぱりだこのカナダ生まれの指揮者、ヤニック・ネゼ=セガン。2008年からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者として、数々の名演を成し遂げていることはご存知の通りです。
 彼が今回取り上げた「大地の歌」は、マーラーが1908年に作曲した交響曲ですが、事実上は連作歌曲であり、2人の独唱者(基本的にはテノールとコントラルト、もしくはメゾ・ソプラノですが、テノールとバリトンで歌われることもあります)が交互に寂寥の歌を歌いかわしていくという特異な性格を持つ作品です。
 テキストは、李白や孟浩然など中国の唐詩を元に、ドイツの文学者ハンス・ベトゲが自由に翻訳、編集した「中国の笛」が用いられ、後期ロマン派特有の厚みのあるハーモニーの中に、無常観や厭世観など、マーラーが好んだ雰囲気が込められており、様々な事象がこの曲の解釈への足掛かりとなっています。
 セガンの演奏は、この曲の持つ「水彩画」のイメージを大切にしたもので、すっきりとした響きの中に情感あふれる歌心を投入。いたずらにロマンティックさを強調することはなく、的確な美を表現しています。マーラー解釈のオーソリティであるサラ・コノリー、円熟の歌声を聴かせるテノールのトビー・スペンス。この2人の歌唱も最高です。
 録音 2011年2月19日 ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール サウスバンク・センター

NAXOS 1CD¥1100



8.573188
\1100
ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
 ショスタコーヴィチ:交響曲 第4番 ハ短調 Op.43(1935-1936)
ロイヤル・リヴァプール・フィル/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
録音 2013年2月9-10日 イングランド リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
 30歳目前のショスタコーヴィチ(1906-1975)が、その才能を結集して作り上げたこの第4番の交響曲。彼にしては珍しく構想から完成に至るまで8か月を要し、漸く初演が決まり最終リハーサルにこぎつけるも、様々な理由(マクベス夫人と「明るい小川」がプラウダで批判されたことが最大の理由と言われる)で初演を撤回。その後は1961年までお蔵入りになってしまったという問題作です。本人は失敗作と評していましたが、晩年になってそれを覆すような発言もあり、実際のところは、しょショスタコーヴィチのお気に入りであったことは確かでしょう。
 全曲は3楽章で構成されていますが、第1楽章だけで27分を超え、微かにカッコウの鳴き声らしきものが聞こえてきたりと、明らかにマーラーやブルックナーの影響もみられます。壮大で厳格なスケルツォ、様々なメロディのコラージュが現れる終楽章、と聴きどころ満載ですが、細部に捉われてしまうとこの作品の全容を知ることは不可能です。最近ますます注目されているペトレンコによる「全ての批判をはね返す」かのような強靭な演奏です。
 


8.573186
\1100
オールソップ&サン・パウロ響
 プロコフィエフ:

  交響曲 第4番 ハ長調 Op.112(1929-1930/1947年改訂版)
  バレエ音楽「放蕩息子」Op.46
サン・パウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2012年11月27-30日,12月2-3日…1-4, 2012年7月4.7.9日…5-14 ブラジル サラ・サン・パウロ
 ボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱作品として1929年から1930年にかけて、プロコフィエフ(1891-1953)が作曲した交響曲第4番。初版には作品番号47が付けられている通り、同時期にディアギレフのために書かれたバレエ音楽「放蕩息子」の素材が転用されています。1931年にクーセヴィッツキーの指揮、同楽団によって初演されたものの、1947年に思い切って改訂を施し、当初25分程度だった曲は45分ほどの長さに引き延ばされ、オーケストレーションも拡大され、作品番号も新しく付番、全く違った音楽へと変貌したのです。
 ここでは、今最も輝いているオールソップが、交響曲と「放蕩息子」を指揮。この2つの作品の関連性を丁寧に紐解き、共通する荒々しさや軽妙さ、そして無意味とも思える盛り上がりを徹底的に追求していきます。
 


8.573225
\1100
朴葵姫のリサイタル・アルバムがNAXOSから登場
 期待の新進演奏家シリーズ/朴 葵姫(パク・キュヒ) 〜ギター・リサイタル

 1.D.スカルラッティ(1685-1757):ソナタ ニ長調 K178(パク・キュヒ編)/
 2.D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K32(パク・キュヒ編)/
 3.D.スカルラッティ:ソナタ ト長調 K14(パク・キュヒ編)/
 4-7.アントン・ディアベッリ(1781-1858):ソナタ ト長調(ジュリアン・ブリーム編)/
 8-10.レノックス・バークリー(1903-1989):ソナティナ Op.52 №1/
 11.ホアキン・マラツ(1872-1912):スペイン風セレナーデ(F・タレガ編)/
 12.アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885-1944):森に夢見る/
 13.アグスティン・バリオス=マンゴレ:ワルツ 第4番 Op.8-4/
 14.ホセ・マニュエル・ロペス=ロペス(1956-):印象と風景
朴 葵姫(パク・キュヒ)(ギター)
録音 2013年2月2-3日,4月11日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット 聖ジョン・クリソストム教会
 すでに日本では人気者!朴葵姫のリサイタル・アルバムがNAXOSから登場です。
 韓国仁川生まれの彼女は、3歳の時に横浜でギターを始め、様々なコンクールで入賞を飾り、最近では何枚かのアルバムをリリースして絶大なる人気を獲得しています。彼女は2010年のアグスティン・バリオス国際ギターコンクールと、2012年のアルハンブラ国際ギターコンクールという2つの大きなコンクールを制覇。その快挙を記念してのアルバムリリースです。
 スカルラッティのソナタは彼女自身の編曲によるもので、鍵盤曲をギター独奏へと編曲する際の困難さは微塵も感じさせない流麗な音楽が楽しめます。
 あまり聴く機会のないディアペッリのソナタ、近代作曲家のバークリーの作品も、申し分ない演奏であり、これらの作品の美点を余すことなく伝えています。
 アンコール曲としておなじみのマラツのセレナーデでの胸苦しいまでの切ない響き、ロペス=ロペスでの超絶技巧も聴きもの。
 圧巻は、バリオスの「森に夢見る」で、曲の中間部では彼女の特筆とも言える美し過ぎるトレモロが存分に胸にしみ込むこと間違いありません!
 


8.573251
\1100
ジュリアン&ジアシン・ロイド・ウェバー
 2台のチェロの物語(2台チェロのための作品集)

 1.サン=サーンス(1835-1921):アヴェ・マリア イ長調(1860)/
 2.ピアソラ(1921-1992):チキリン・デ・バチン(J. レナハンによる2つのチェロとピアノ編)/
 3.モンテヴェルディ(1567-1643):断ち切られた希望/
 4.ショスタコーヴィチ(1906-1975):組曲「馬あぶ」Op.97a-前奏曲/
 5.ホルスト(1874-1934):リダ・ヴェーダからの合唱賛歌-夜明けへの賛歌/
 6.クィルター(1877-1953):マイ・レディ(グリーンスリーヴス)/
 7.ルビンシテイン(1829-1953):天使/
 8.ドヴォルザーク(1841-1904):モラヴィア二重小曲集 Op.38 B69より第3番「花冠」/
 9.W.L.ウェッバー(1914-1982):銀の月/
 10.シューマン(1810-1856):夏の静けさ Wo07/
 11.ペルゴレージ(1710-1736):スターバト・マーテルより「悲しみに沈める御母は涙にくれて/
 12.ドヴォルザーク:モラヴィア二重小曲集 Op.38 B69より第4番「秋の悲しみ」/
 13.レイナルド・アーン(1874-1947):もしも私の歌に翼があったなら/
 14.ラフマニノフ(1873-1943):6つの合唱曲 Op.15-4「波はまどろむ」/
 15.パーセル(1658-1695):わが安らぎは永遠に失われて Z502/
 16.ドヴォルザーク:モラヴィア二重小曲集 Op.38 B69より第8番「はにかみ屋の娘」/
 17.シューマン:乙女の歌 Op.103 第4番「夕べの星」/
 18.ネヴィン(1862-1901):スケッチブック Op.2より第1番「私たちはいっしょに花を摘んだ」/
 19.バーンビー(1838-1896):スウィート・アンド・ロウ/
 20.クィルター:夏の夕暮れ/
 21.ペルト(1935-):エストニアの子守歌
  ※全て世界初録音 ジュリアン・ロイド・ウェバーによる編曲(トラック2を除く)
ジュリアン&ジアシン・ロイド・ウェバー(チェロ・デュオ)/
ジョン・レナハン(ピアノ)/
カトリーン・フィンチ(ハープ…3.5.11.15)/グイ・ジョンストン(チェロ…3.5)/ラウラ・ファン・デル・ハイデン(チェロ…5)
録音 2013年1月4-6日 イングランド コブハム.イェフディ・メニューイン・ホール
 編曲の世界に魅せられた作曲家は、いつの時代にも数多く存在します。それは憧れの存在を身近に引き寄せるようなものなのでしょうか?名チェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェバーもそんな一人で、彼は古今東西の声楽曲をチェロのために編曲し、声楽作品と器楽作品を自由に行き来して、これらの曲の魅力を存分に伝えることに力を尽くしています。このアルバムでは、モンテヴェルディからペルトまで時代を超えた「二重唱」の名作を2台のチェロ用にアレンジ。ジュリアンと彼の妻ジアシンが2人で寄り添いながら、哀愁に満ちた調べをゆったりと奏でます。
 


8.573201
(2CD)
\2200
イディル・ビレット(ピアノ)/
 ヒンデミット:ピアノ協奏曲 全集

<CD1>
 1-4.ピアノ、金管と2台のハープのための協奏音楽 Op.49(1930)/
 5-9.主題と4つの変奏(4つの気質)(1940)/
<CD2>
 1-4.管弦楽とピアノの音楽(左手のための)Op.29(1923)/
 5-8.ピアノと弦楽四重奏と金管のための「室内音楽 第2番」Op.36-1(1924)/
 9-11.ピアノと管弦楽のための協奏曲
イディル・ビレット(ピアノ)/
オリヴィア・コーテス(ハープ…CD1:1-4)/
チェルシー・レーン(ハープ…CD1:1-4)/
イェール交響楽団/
島田俊行(指揮)
録音 2012年12月.2013年1月 USA ニューへヴン イェール大学,ウールセイ・ホール
 2013年が没後150年の記念年であるヒンデミット(1895-1963)。彼の作品には一種独特の歯ごたえがあり、最初は「ちょっと聴きにくい」と思ったとしても、聴きこんでいくうちに、その多彩な作曲技法と実験的な音の作り方、そして根底に流れる熱い感情などを知ってしまえば、のめり込むほどの魅力を有していることに気が付くはずです。
 このアルバムは、彼が書いたピアノと管弦楽のための作品を全て収録。タイトル自体からして、「室内音楽」やら「協奏音楽」と、普通に「協奏曲」と付けないあたりもヒンデミットらしさ満開なのですが、もちろん作品も斬新で、常に変化球を繰り出してきます。これがヒンデミットを聴く楽しさです。
 「左手のための協奏曲」は戦争で右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインの妻の遺品(2001年没)から写譜が発見されたもので、これは貴重な録音となります。
 指揮は日本が誇る「現代音楽」の指揮者島田俊行氏。知られざる名手による鮮やかなヒンデミットです。ピアノはNAXOSが誇る名手ビレットです!
 


8.559726
\1100
ジョン・ケージ:2台のキーボードのための作品集 第1集
 1-2. 2台のプリペアド・ピアノのための「音楽の本」(1944)
  <第1部/第2部>/
 3-7.トイ・ピアノのための組曲/
 8.アンプリファイド・トイピアノのための音楽
ペストヴァ/マイヤー・ピアノ・デュオ/
クセニア・ペストヴァ…1-8/
パスカル・マイヤー…1.2.8
録音 2012年9月13-15日フィルハーモニー・ルクセンブルク,エスパス・デクーヴェルト
 クラシックのみならず、全てのジャンルに渡って幅広いファンを持つジョン・ケージ(1912-1992)。彼は最初シェーンベルクに学び、電気楽器の可能性やノイズを研究しながら、リズム重視の作品を書いていましたが、1940年にプリペアド・ピアノ(グランドピアノの弦に異物をはさみ、音色を変化させる)を考案したことを皮切りに、様々な音響を求め生涯探究に没頭していきます。
 このアルバムでは、プリペイド・ピアノの音楽と、トイピアノの音楽を収録。熱狂的なリズムの応酬とエキゾチックな音色、そして郷愁や不可思議な響きが入り混じったトイピアノの音色を楽しむことができます。
 またトラック8は偶然性に拠った音楽であり、どんな音が出てくるかはその時次第となります。
  


8.573040
\1100
ホフマイスター:フルート協奏曲集 第2集
 1-3.フルート協奏曲 第16番 ハ長調/
 4-6.フルート協奏曲 第22番 ト長調/
 7-9.フルート協奏曲 第17番 ニ長調
  ※全て世界初録音…カデンツァはブルーノ・マイアーによる
ブルーノ・マイアー(フルート)/
プラハ室内管弦楽団
録音 2011年10月5日…1-3,2012年10月6-7日…4-9 プラハ ドモヴィナ・スタジオ
 第1集(8.572738)で、その作品の持つパワーに圧倒された聴き手多数。古典派の知られざる作曲家ホフマイスター(1754-1812)のフルート協奏曲の第2集です。1754年にローテンブルク・アム・ネッカーで生まれたホフマイスターは、まずウィーンで法律を勉強しますが、音楽への道を志し独学で音楽を学び、1778年にはハンガリー、セーチェニの宮廷楽長に就任。3年間を凄します。
 やがて音楽出版社を設立、数々の困難に立ち向かいながら、モーツァルトやベートーヴェンの作品を出版。平行して1798年からはかねての希望通り、音楽家としても活動を再開。フルーティストのフランツ・トゥルナーとコンサート・ツアーに出かけるなど活発な活動を繰り広げたのです。
 彼の作品自体はほとんど知られることがありませんでしたが、このNAXOS盤では、フルーティストのマイアー自身がカデンツァを含む新しい版を作成し、この魅力的な作品群の普及に努めています。


旧譜
ホフマイスター:フルート協奏曲集 第1集

ホフマイスター:フルート協奏曲集 1 - 第21番, 第24番(B. マイアー/プラハ室内管)
8.572738
\1100

ホフマイスター:フルート協奏曲集 第1集
 1-3.フルート協奏曲 第24番 ニ長調/
 4-6.フルート協奏曲 第21番 ニ長調
  ※全て世界初録音
ブルーノ・マイアー(フルート)/
プラハ室内管弦楽団
録音 2011年10月4-5日 プラハ ドモヴィナ・スタジオ
 18世紀の終わり頃、最も人気を誇っていた作曲家の一人ホフマイスター(1754-1812)。彼のフルート協奏曲は全部で25曲あり、NAXOSではこの全曲の録音を開始します。
 現在、彼の名は「偉大なる音楽出版者」としても知られていて、彼は同時代の作曲家、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなど名だたる作曲家たちの作品を積極的に世に出していました。
 もちろん彼らたちと親しい友人として接していたことも間違いありません。
 そんなホフマイスター、作曲家としても多彩な作品を残しましたが、なかでもフルートのための作品は当時ウィーンに多数存在したアマチュア音楽家のために書かれたと推測され、現代でもその優雅さが愛されています。驚くほどの超絶技巧が駆使されているわけではありませんが、フルートの持つ魅力が見事に表現されています。

 

8.559761
\1100
ローレム:ピアノ・アルバム 第1集/6人の友人たち
ピアノ・アルバム 第1集(1978-2001)
 <1.無言歌/2.悲愴なキャロル/3.二本足のセレナード/
  4.ジムへの対策/5.50歳近くの黄金の音/6.その他の小さな無言歌/
  7.蛇紋岩の練習曲/8.完璧な友人へ/9.結婚の対策/
  10.ジャックのスナップショット/11.ジムへ/12.55のジムへの小さなワルツ/
  13.シェルリーへのメロディ/14.クリスマスイヴのジムへのお守り/
  15.彼の誕生日に/16.ああ、ジム…/17.クリスマスのジムへの子守歌/
  18.メアリーとローズマリーへのクリスマスカード/19.完璧なる姉妹へ/
  20.世界のジムだけのためのサラバンド/
  21.ジュデイのための60の音/22.ローズマローのための77の音/
  23.ミレニアムのための99の音/24.ベンのために/
  25.良きことを待ちながら/26.1+1=3/27.4月1日のマークへの40のコード>
 28-33 6人の友人たち
  <マリアンへ(2006)/バーバラへ(2006)/ローズマリーへ(2006)/
   マリーへ(2006)/ドンへ(2006)/ジェリーへの75の音符(2007)>
キャロリン・エンガー(ピアノ)
録音 2009年3月16日.4月17日 USA ニューヨーク,マンハッタン・スクール・オブ・ミュージック,グリーンフィールド・ホール
 アメリカの最も重要な作曲家ネッド・ローレム(1923-)の興味深いピアノ作品集です。
 ピアノ・アルバムと題されたこの曲集には、ほとんどが2分足らずの小品が27曲並ぶ万華鏡のような作品で、各々の曲には意味深なタイトルが付されています。これらは極めて個人的なもので、ここに登場するのは主に彼の友人や同僚たち。ここれらは登場人物への贈り物であり、その意味を完全に把握するのは不可能なことなのです。「6人の友人たち」も同じ趣旨であり、どの作品も前衛的な音楽ではなく、常に静けさを湛えながら「完全なる小さな世界」を構築しています。
 サティやペルト、オッテなどの音楽が好きな人にオススメしたいアルバムです。
 

8.572276
\1100
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集 第4集
 1.序奏とタランテラ Op.43(ヴァイオリンと管弦楽編)/
 2.サン・フェルミンのホタ Op.36(ヴァイオリンと管弦楽編)/
 3.モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」による演奏会用幻想曲 Op.51
  (ヴァイオリンと管弦楽編)/
 4.ウェーバーの「魔弾の射手」による演奏会用幻想曲 Op.14
  (ヴァイオリンと管弦楽編)/
 5.パンプローナのホタ Op.50(ヴァイオリンと管弦楽編)/
 6.スコットランドの歌 Op.34(ヴァイオリンと管弦楽編)/
 7.夢 Op.53(ヴァイオリンと管弦楽編)/8.森のエスプリ Op.48
楊天堝(ヴァイオリン)/
ナヴァール交響楽団/
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指揮)
録音 2009年11月9-13日 スペイン パンプローナ,バラナイン・コンサート・ホール
 歴史上「最も成功したヴァイオリニスト」サラサーテ(1844-1908)。「彼の音色は美しく、プログラムは常に新鮮で人気があった」と名手ヴィエニャエフスキが語り、またルジェロ・リッチも「彼の最も際立った特徴は純粋で魔法のような音色であった」と語ります。
 そんなサラサーテの「ヴァイオリンと管弦楽のための音楽集」はこの第4集で締めくくられますが、有名な「序奏とタランテラ」を冒頭に置くことで、その華麗さが一層印象付けられる仕組みになっています。奇跡のように美しいメロディ、驚くばかりの左手のテクニックなど、まさに「目の眩むばかり」の技巧を駆使した名曲です。
 モーツァルトやウェーバーのメロディが散りばめられた「演奏会用幻想曲」や、スペインらしさが際立つ「ホタ」、イザイに捧げられた「スコットランドの歌(エコセーズ)」他、魅力的な小品が目白押しです。ヴァイオリンはもちろん楊天堝。滑らかな音色、表現力。どこをとっても文句なしです。
 

8.572602
\1100
プフィッツナー:歌曲全集 第1集
 1-3. 7つの歌曲 Op.2より
  <第5番:私は小鳥のいざないを聴く第6番:私の眠りはますます浅くなり/
   第7番:裏切り>/
 4-6. 3つの歌曲 Op.5<第1番:安らぎ/第2番:子守歌/第3番:便り>/
 7-8. 5つの歌曲 Op.11より<第4番:母なるヴェヌス/第5番:グレーテル>/
 9. 4つの歌曲 Op.15より第4番:昔語り/
 10. 5つの歌曲 Op.22より 第5番:みつばちに/
 11. 4つの歌曲 Op.24より 第1番:菩提樹の下で/
 12-13. 5つの歌曲 Op.26より<第1番:祈り/第4番:悲しみの静けさ>/
 14. 4つの歌曲 OP.30より第2番:種まく人のことわざ/
 15-22. 古い歌 Op.33
  <第1番:私の輝くひとみ/第2番:私は幽霊を恐れない/
   第3番:すてきな幼子よ/第4番:私は朝露の中を歩いて/
   第5番:私の恋人は鶯のように歌う/第6番:ローザよ、りんごを噛んでごらん/
   第7番:お入りなさい、気高い戦士よ/第8番:清らかな月が輝くように>/
 23-26. 若き日の6つのリートより
  <第1番:夕べの歌/第2番:私のために君は死ぬか/
   第4番:暖かい太陽の日輝くとき/第5番:捨てられたおとめ>
ブリッタ・スタルマイスター(ソプラノ)/
クラウス・ジモン(ピアノ)
録音 2007年11月20日 ドイツ フライブルク,テオドール・イーゲル・ザール…15-22, 2010年1月25-26日,5月31日 ドイツ エネンディンゲン,シュタインハレ…1-14.23-26
 ドイツ後期ロマン派の作曲家&指揮者プフィッツナー(1869-1949)の愛すべき歌曲集第1集です。彼は生涯のほぼ全域に渡って歌曲を作曲していましたが、この第1集では1884年から1923年に書かれた“高い声”のための歌曲を収録しています。
 もともとはロシアで生まれた彼ですが、3歳の時にフランクフルト・アム・マインに移住。父がオーケストラのヴァイオリン奏者であったため、幼い頃から音楽に親しみ、11歳で最初の作品を書いたことが知られています。現存する作品は、このアルバムにも収録されている「若き日の6つの歌曲」であり、こちらは1884年から1887年にかけて仕上げられていますが、すでに完成された音楽であるところが早熟の天才たる所以でしょうか?
 マーラーの影響を強く受けた人として知られますが、その作品は民謡風でもなく、R.シュトラウスのように饒舌でもなく、あくまでも端正な中に熱い表現を込めるやり方で、魅惑的なメロディとともに聴き手の心を揺さぶります。
 

8.572634
\1100
ヴァスクス:フルート作品集
 1-3.フルート協奏曲(2007-2008/2011改訂)/
 4-6.無伴奏フルートとアルト・フルートのためのソナタ(1992)/
 7-8.アリアと舞曲(1972/2010改訂)/
 9.無伴奏フルートのための「鳥のいる風景」(1980)
マイケル・ファウスト(フルート)(アルト・フルート持ち替え…4.6)/
シェイラ・アーノルド(ピアノ)…7.8/
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ…1-3/
パトリック・ガロワ(指揮)…1-3
録音 2010年5月5-6日 ユヴァスキュラ ハンカサルミ教会…1-3/2012年1月13日 ドイツ ケルン,ヴィスマンシュトラーセ…4-9
 現代ラトビアの作曲家、ペトリス・ヴァスクス。彼の作品は、時として底抜けの明るさと焼け付くような表現力を持つ特異なものですが、それは彼の関心が、自然の賛美や生命の美しさ、そしてこれらを脅かす生態系の破壊にあり、音楽を創る時に常にそれらを念頭に置き、これらにラトビアの民謡を織り込みながら、切々とつづっていくとこにあるからでしょう。
 このフルーティスト、マイケル・ファウストのために書かれた「フルート協奏曲」もそんな作品で、第2楽章の冒頭のような抒情的なパッセージを突如切り裂く攻撃的なリズムなど、多くの事を語りかけてくる骨太の音楽に仕上がっています。2009年にセミヨン・ビシュコフとファウストによって初演されましたが、その2年儀に改訂され、より表現力を持つ音楽への変貌した作品です。
 かたや「ソナタ」は巧みに書かれた抒情的な作品です。無伴奏の「鳥のいる風景」も風景が見えてくる作品です。
 

8.572903
\1100
ロージャ:弦楽四重奏曲集&弦楽三重奏曲
 1-4.弦楽四重奏曲 第2番 Op.38/
 5-8.弦楽三重奏曲 Op.1(初稿版)/
 9-12.弦楽四重奏曲 第1番 Op.22 ※5-8…世界初録音
ティペット弦楽四重奏団
<メンバー:
ジョン・ミルズ(ヴァイオリン)/
ジェレミー・イサーク(ヴァイオリン)/
ジュリア・オリオーダン(ヴィオラ)/
ボジダー・ヴコティク(チェロ)>
録音 2011年9月22-24日 UK ロンドン サウスゲート,聖ポール教会
 ジャケットに使われている写真は、とても可愛く繊細ですが、実際に聞こえてくる音楽はなんとも力強く野性的なこのアルバム。作曲家のロージャ(1907-1995)は映画音楽の作り手として既におなじみですが、この弦楽四重奏は何とも激しく「マジャールの血が騒ぐ」音楽として結実しています。
 弦楽四重奏曲第2番は1981年にイタリアの避暑地で作曲され1982年10月にパリで初演されています。絶え間ないエネルギーに溢れた活発な作品は、とても老齢の粋に達した人の手になるものとは思えません。片や、弦楽三重奏曲は1927年に書き始められた作品であり、若き作曲家の野望に満ちた音楽と言えるでしょう。この曲は1974年に大きく改訂を施されますが、ここで聴けるのは、改訂前の最初の形そのままです。
 第1番の弦楽四重奏曲は1950年の作品で、こちらは全体的にエキゾチックなムードに満ちています。
 

8.573042
\1100
フォーレ:ピアノ四重奏曲 第1番&ピアノ三重奏曲 他
 1-4.ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.15
 5-7ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120/
 8.パヴァーヌ Op.50(H.ビュッセルによるピアノ三重奏編)/
 9.ヴォカリーズ練習曲 ホ短調による小品(ヴァイオリンとピアノ編)/
 10.シシリエンヌ Op.78(ピアノ編)
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー:
マリン・ブロンマン(ヴァイオリン)…1-9/
ジェスパー・スヴェドベルク(チェロ)…1-8/
サイモン・クロウフォード=フィリップス(ピアノ)…1-10>/
フィリップス・デュークス(ヴィオラ)…1-4
録音 2012年5月12-14日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 フォーレ(1845-1924)の初期の名作であるピアノ四重奏曲第1番は1879年に書かれました。その頃のフォーレは婚約を一方的に破棄されるなど精神的に疲れていましたが、この曲の冒頭はとても荒々しく挑戦的。転調や音色の変化などに実験的要素も多くみられますが、基本的には優しいアルペッジョと流麗なパッセージが現れては消えていくフォーレらしい音楽です。第3楽章の悲痛なメロディには失恋への思いがこもっているとも言われています。対してピアノ三重奏曲は、1922年から1923年、フォーレの最晩年に書かれた作品で、全くムダのない構成を彩る漣のような音型と、チェロ、ヴァイオリンの美しい歌。弟子のフローラン・シュミットが「これこそが音楽だ。そして音楽以外の何者でもない。」と評したほどの完璧な音楽です。
 晩年のフォーレのメロディは時として、薄暮の中に沈むような揺らぎを持ちますが、この曲は豊かな旋律性を湛えています。添えられた3曲はどれもお馴染みの作品で、フォーレ入門にもふさわしい彩りを持っています。
 

8.573111
\1100
フィルセル&ブリッグス:合唱作品集
 《ジェレミー・フィルセル(1964-)》
  1.明日は踊りの日/2.エピタフ(ここの影は偽り)/
  3.もし神が家を築かないならば/
  4.マニフィカート(ウィンザーのサーヴィス)/
  5.ヌンク・ディミティス(ウィンザーのサーヴィス)/6.変容の日/
  7.テ・デウム(ウィンザーのサーヴィス)/
  8.ユビラーテ(ウィンザーのサーヴィス)/
 《デヴィッド・ブリッグス(1962-)》
 9.舌よ、ほめたたえよ/10.タントゥム・エルゴによるオルガン即興/
 11-15.サン・シュルピスのミサ曲/11.キリエ/12.グローリア/
 13.サンクトゥス/14.ベネディクトゥス/
 15.アニュス・デイ
  ※世界初録音(トラック8を除く)
ヴァザーリ・シンガーズ/
ジェレミー・バックハウス(指揮)/
ジェレミー・フィルセル(オルガン)…1.3-8/
デヴィッド・ブリッグス(オルガン)…10-15
録音 2013年2月15-17日 UK ケント トンブリッジ・スクール教会
 現代最高のイギリスの2人のオルガニスト&作曲家、フィルセルとブリッグス。ヴァザーリ・シンガーズの指揮者であるバックハウスは彼らに「新しい作品」を書いてもらうように依頼し、出来上がったのが、ここで聴ける素晴らしい合唱曲の中に含まれています。ヴァザーリとフィルセルとの共同制作は過去にもあったのですが、ブリッグスとは初めて。バックハウスは「これが初めての共同作業であり、これが最後にならないように祈ってます」と語るほどに感動的な作品ができあがりました。程よく現代的な味付けが施されたフィルセルの作品のほとんどは、ロンドンのいくつかの教会のために書かれたものでありこれらの「祈りの音楽」は敬虔な面持ちですが、「エピタフ」などは自由で才気煥発な曲となっています。ブリッグスの作品のうち、2011年に書かれた「サン・シュルピスのミサ曲」は壮麗なオルガンの音色が印象的な25分ほどの曲。親しみやすい敬虔さを持った作品です。
 

8.573119
\1100
シャイデマン:オルガン作品集 第7集
 1-4.第2旋法によるマニフィカト WV15/5.幻想曲 ニ短調 WV83/
 6.クーラントと変奏 ニ短調 WV125/7-8.審判の日は来れり WV59/
 9-11.高き天よりわれは来れり WV69/12.クーラントと変奏 ヘ長調 WV127/
 13.マリアは天使に言った(ハスラー原曲) WV52/
 14.クーラントと2つの変奏 イ短調 WV130/15.前奏曲 ニ短調 WV31/
 16.この期間は悲しむ時 WV104/17-18.主よ、深き淵の底より WV2/
 19.マスカラータ ハ長調 WV109/20.前奏曲 ホ短調 WV37/
 21-22.太陽の昇る地平から WV1/
 23.フランス風ドイツ舞曲 WV114/24.クーラントと変奏 ニ短調 WV122
ジュリア・ブラウン(オルガン…ブロンバウ・オルガン Opus35)
録音 2012年10月11-12日 USA イリノイ州 スプリングフィールド, 第一長老教会
 シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第7集です。
 北ドイツのオルガン音楽の発展に寄与し、多くの後継者を生み出した偉大な作曲家であり、また長らくハンブルクの聖カタリーナ教会のオルガニストを務めたことで知られています。
 ここのオルガンは北ドイツでも最も美しい楽器の一つで、1630年にオルガン作者ゴットフリート・フリッチェの手によって拡張され、56のストップと4段の鍵盤を持つ大規模な楽器となり、それに伴い、シャイデマンも楽器の特性を探究すべく、より精緻で規模の大きな作品を書くようになるのです。
 彼の現存する作品のほとんどはルター派の典礼のために特別に書かれたもので、聖歌隊がいない場合は、モテットの部分も奏することになりますが、彼はそれらを洗練された書法で作曲し、置き換えることに成功したのでした。
 


8.573180
\1100
カゼッラ&ゲディーニ:協奏曲集
 1-3.カゼッラ(1883-1947):
  ピアノ,ヴァイオリン,チェロのための三重協奏曲 Op.56(1933)/
 4-8.ゲディーニ(1892-1965):
  ヴァイオリン,チェロ,ピアノ,ナレーターと
   管弦楽のためのアルバトロ協奏曲(1944-1945/改編1949)
エマニュエラ・ピエモンティ(ピアノ)/
パオロ・ギドーニ(ヴァイオリン)/
ピエトロ・ボスナ(チェロ)/
カルロ・ドリオーニ・メージャー(ナレーター)/
ミラノ・ポメリッジ・ムジカーリ管弦楽団/
ダミアン・イオリオ(指揮)
録音 2007年1月11-13日…4-8, 2007年12月13-15日…1-3 ミラノ ダル・ヴェルネ劇場
 19世紀末、相次いでイタリアに生まれた2人の作曲家カゼッラとゲディーニ。この2人が書いた2つの協奏曲を比較できるという興味深い1枚です。各々独特のキャラクターを持っているので、書かれた作品も違いがあり、なかなか聞きごたえがあるものです。その上、カゼッラもゲディーニもワグネリアンの両親を持ち、またチェロやピアノを弾きこなすという神童。楽器の特性を知り尽くしていることは間違いありません。
 この三重協奏曲はもともとベートーヴェンが開拓したジャンルであり、3台の楽器が美しく歌い交わすところに魅力があるものです。
 カセッラの協奏曲は初演時に大好評で、何度も再演されました。またゲディーニの作品はハーマン・メルヴィルの「白鯨」のテキストを用いたもので、南極の海やアホウドリ、波の動きを彷彿させる表現力豊かな音楽です。
 


8.573271
\1100
1994年録音、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンのヴァイオリン!
1-4.ショスタコーヴィチ(:1906-1975):
 ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.77(1947-1948)/
5.リーム(1952-):歌われし時
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(ヴァイオリン)/
オランダ放送フィルハーモニック…1-4/
エド・デ・ワールト(指揮)…1-4/
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団…5/
ゾルターン・ペシュコ(指揮)…5
録音 1994年4月16-19日 オランダ ユトレヒト、VARA第1スタジオ&ムジクセントラム・フレデンブルク…1-4, 1995年6月17日 アムステルダム・コンセルトヘボウ…5 RCA Victor/BMG Classics 移行版
 現在は素晴らしい指揮者として活躍している1960年生まれのヤープ・ヴァン・ズヴェーデンですが、彼はもともとジュリアード音楽院で学んだ優れたヴァイオリニストであり、1979年から1995年まではロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート・マスターを務めていました。
 このアルバムはそんな時期に録音され、名盤として親しまれた記録を復活させたものです。
 ショスタコーヴィチの協奏曲は1947年から1948年にかけて作曲されており、交響曲に匹敵する深い内容を持つもので、有名なジダーノフ批判(ソビエト連邦共産党中央委員会による前衛芸術への抑圧)を避け、公表を差し控えたという経緯があります。
 第1楽章から唐突に「夜想曲」で始まるという不思議な構成を持ち、全体は思索的でありながらも爆発直前のエネルギーを秘めています。
 リームの作品は名ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターに捧げられた作品で、もちろん彼女の名演も存在しますが、ズヴェーデンの演奏は、また違った立ち位置での解釈で、一つの作品が普遍的な価値を持つ経緯を眺めることができるでしょう。


NAXOS



8.573146
\1100
グラス、ラッター、フランセ:
 近現代のハープシコード協奏曲集

 ラター(1945-):古風な組曲
 グラス(1937-):ハープシコード協奏曲
 フランセ(1912-1997):
  クラヴサンと器楽アンサンブルのための協奏曲(ハープシコード協奏曲)
クリストファー・D・ルイス(ハープシコード)
ジョン・マクムルテリー(フルート)…1-6
ウェストサイド室内管弦楽団
ケヴィン・マロン(指揮)
チェンバロ…ドイツ語、ハープシコード…英語、クラブサン…フランス語
どの言葉でも、どの時代でも、全て同じ楽器です
録音 2012年9月10-12日
ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
Total Playing Time:64'02"
 「ハープシコードの音色」というと、バッハを始めとしたバロック時代の音楽を思い起こす人がほとんどでしょう。しかしここに収録された3つの作品はどれも現代に書かれたもの。どれも雅びな音色を活かしつつ、斬新な表現と現代的な味付けを施した何とも楽しい曲集です。
ラターは現代イギリス最高の作曲家。彼の生み出す音楽は崇高さと親しみやすさを兼ね備えているので、どれも一度聴いたら忘れられないほどの印象を残すのですが、この「古風な組曲」もその例にもれません。曲はフルートとハープシコードの合奏協奏曲風の体裁をとっていますが、これが全く一筋縄ではいかない曲集。
 聴きすすむうちに「おおっ」と叫び声をあげること間違いなしの面白さ。グラスの曲はパワフルで、フランセの曲は楽しさに満ちています。某テーマパークで流れていそうな音楽???です。
 


8.572996
\1100
ブラームス(1833-1897):ドイツレクイエム Op.45
 1.第1曲「幸いなるかな、悲しみを抱くものは」
 2.第2曲「肉はみな、草のごとく」
 3.第3曲「主よ、知らしめたまえ」
 4.第4曲「いかに愛すべきかな、なんじのいますところは、万軍の主よ」
 5.第5曲「汝らも今は憂いあり」
 6.第6曲「われらここには、とこしえの地なくして」
 7.第7曲「幸いなるかな、死人のうち、主にありて死ぬるものは」
アンナ・ルチア・リヒター(ソプラノ)…5
ステファン・ゲンツ(バリトン)…3.6
ライプツィヒMDR放送合唱団&交響楽団
マリン・オールソップ(指揮)
悲しんでいる人々は幸いである 涙とともに蒔くものは喜びとともに刈り入れん
録音 2013年4月11-14日
ドイツ ライプツィヒ,ゲヴァントハウス 大ホール
Total Playing Time:64'13"
 ブラームスの「ドイツ・レクイエム」は1869年に作曲された宗教曲です。曲自体は1857年にシューマンが死去した時に構想されたと言われていますが、実際には1865年に彼の母が死去したことで完成に至りました。通常、カトリック教会のレクイエムはラテン語で歌われますが、この曲はブラームス自身が選んだテキスト(ルターが訳したドイツ語版聖書など)を用いて、全てドイツ語のテキストで書かれています。ブラームス自身は、この作品を教会で歌うのではなく、演奏会用として考えていて、テキストからは「キリストの復活に関わる部分」が外されているところも興味深いものです。
 穏やかな第1曲のメロディが全般に使われながらも、全体にポリフォニックで極めて構造的に書かれた中身の濃い音楽です。
 演奏しているのは、既にブラームスの交響曲全曲をリリースしているオールソップ。美声で知られるステファン・ゲンツと1990年生まれの新鋭ソプラノA.L.リヒターのソロが、ライプツィヒMDR放送交響楽団と合唱団の渋い音色に花を添えています。
 

8.557534
\1100
シェーンベルク(1874-1951):浄められた夜(弦楽六重奏版) 他
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 Op.7(1904/1905)
 5-8.浄められた夜 Op.4(1899)
 9-12.弦楽のための30のカノンより
 <第19番/第25番/第27番/第28番>
フレッド・シェリー弦楽四重奏団&六重奏団
<メンバー>
レイラ・ジョセフォヴィッツ(ヴァイオリン)…1-12
ジェッセ・ミルズ(ヴァイオリン)…1-4.9-12
デイヴィッド・チャン(ヴァイオリン)…5-8
ファン・シン=ユン(ヴィオラ)…1-4.9-12
パウル・ノイバウアー(ヴィオラ)…5-8
ユラ・リー(ヴィオラ)…5-8
フレッド・シェリー(チェロ)…1-12
マイケル・ニコラス(チェロ)…5-8
もう一度 ロマンティックなシェーンベルクを楽しみたい
録音 :2012年10月4-6日…1-4.9-12 2012年1月2-3日…5-8 USA ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ Total Playing Time:77'33"
 かろうじて調性を保っている初期の一連のシェーンベルクの作品…それは恐らく1905年あたりまで…の中でも、最も人気が高い「浄められた夜」。現在では20世紀に改訂された弦楽合奏版や、他の人の編曲によるピアノ三重奏版が知られていますが、やはりこの曲の繊細な味わいを楽しみたいのなら、1899年に書かれたこの弦楽六重奏版が一番ふさわしいのではないでしょうか?
 月の光の下を寄り添って歩く訳ありの二人、彼らの葛藤と贖罪を描く美しく妖艶な音楽は、当時としては斬新でしたが、今の時代にはまさに後期ロマン派を代表する作品として一際光を放っています。1904年の弦楽四重奏曲第1番もまだ調性感のある作品です。かたや実験的な要素のある「カノン」は短いながらも興味深い小品です。
 フレッド・シェリー弦楽アンサンブルの、要所要所にポルタメントを多用したロマンティックな演奏が曲の美しさを強調しています。
 

8.572751
\1100
サン=サーンス(1835-1921):ヴァイオリンとピアノのための作品集 第2集
 組曲 ニ短調 Op.16
  1.第1曲:前奏曲
  2.第2曲:セレナーデ
  3.第3曲:スケルツォ
  4.第4曲:ロマンス
  5.第5曲:終曲
 6.ロマンス ハ長調 Op.48(ヴァイオリンとピアノ編)
 7-8.ヴァイオリン・ソナタ(未完成)
 9.瞑想曲
 10-13.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.102
 14.動物の謝肉祭-白鳥(ヴァイオリンとピアノ編)
ファニー・クラマジラン(ヴァイオリン)
ヴァニャ・コーエン(ピアノ)
美しく開いたた大輪の花のように香り高く
複雑で豊かな味わいを持つ名作集
録音 2011年12月5-7日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
Total Playing Time:67'43"
 実力派ヴァイオリニストとして、最近ますますその才能に磨きをかけているファニー・クラマジラン。彼女によるサン=サーンスのヴァイオリン作品集第1集(8.572750)は、その溢れるロマンと色彩豊かな音色で高く評価されました。今回の第2集では未完成となったヴァイオリン・ソナタの断片と第2番のソナタなど興味深い作品が奏されています。
 1862年に書かれた「組曲 Op.16」は、本来チェロと管弦楽のための曲で、その後ピアノ伴奏版とした際に、ヴァイオリンで演奏する異稿版も作成されたものです。未完成のヴァイオリン・ソナタは1842年の作品で、メンデルスゾーンを思わせる、未完でありながらも才能の煌めきが感じられる見事な作品です。1896年のヴァイオリン・ソナタ第2番は優美さの中にも渋さが感じられる円熟の音楽。サン=サーンスを聴く喜びがここにあります。他の小品、そして美し過ぎる「白鳥」!これはあなたの大切な1枚となることでしょう。
 

8.572808
\1100
リスト(1811-1886):ピアノ作品全集 第37集
 ペトラルカのソネット(第1稿)・ヴェネツィアとナポリ 他
  3つのペトラルカのソネット(第1稿)S158/R10b
   1.ソネット第47番:祝福あれ、あの日
   2.ソネット第104番:平和は見いだせず
   3.ソネット第123番:私はこの地上で天使の姿を
  ヴェネツィアとナポリ S159/R10d 第1番-第4番(第1作)
   4.第1番:レント ゴンドラの歌
   5.第2番:アレグロ
   6.第3番:アンダンテ・プラチード
   7.第4番:ナポリのタランテッラ アレグロ・ヴィヴァーチェ
  8.ピアノのための小品 第1番 変イ長調 S189a/R44a
  9.瞑想 S204/R86
  10.眠られぬ夜、問いと答え S203/R79
  11.トッカータ S197a/R60a
  12.舞踏会のギャロップ S220/R42
  13.ギャロップ イ短調 S218/R40
  14.半音階的大ギャロップ S219/R41
Jue Wang(ピアノ)
異稿版を聴きわけるのもリストを聴く楽しみの一つと言えるでしょう
録音 2011年11月29-30日 カナダ オンタリオ トロント,CBCグレン・グールド・スタジオ
 Total Playing Time:65'35"
 最近話題になった「巡礼の年」ですが、実はかなり複雑な成立過程を経ていることをご存知でしょうか。
 ここに収録されている「3つのペトラルカのソネット」と「ヴェネツィアとナポリ」は、いずれも通常耳にする「巡礼の年」の第2年の中に含まれる作品の原型で、「ペトラルカ〜」は、もともと歌曲として書かれた形に近い音楽となっています。「ヴェネツィアとナポリ」は全ての曲が「巡礼の年」に採用されたわけではありませんが、これはこれでなかなか興味深い仕上がりになっています。
 リストの場合、自作に手を入れることがしばしばあり、こういう異稿版を聴くのは「通の楽しみ」の一つと言えるでしょう。
 ピアニストの王(王に玉)Jue Wangは第16回パロマ・オシェア サンタンデール国際ピアノコンクールで優勝、成功への足掛かりを掴んだピアニストです。すでにカーネギー・ホールとウィグモア・ホールでリサイタルでデビュー・リサイタルを行っています。
 

8.559707
\1100
ダニエルプール(1956-):古代の谷の闇
 古代の谷の闇(5楽章の交響曲)(2011)
  1.哀悼
  2.冒涜
  3.祝福
  4.冒涜
  5.終曲-奉献
 6.喜びの涙(2009)
 女の生涯-マヤ・アンジェロウのテクストによる(2007)
 7.少女は語る
 8.人生は私を脅さない
 9.彼らは家へ行く
 10.おいで、私のベビー
 12.ちょっと憂鬱に
 13.より多く
アンジェラ・ブラウン(ソプラノ)…7-13
ハイラ・プリットマン(ソプラノ)…5
ナッシュヴィル交響楽団
ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)
世界初録音
難解な作品ですが、その根底には慈しみと優しさが流れています
録音:2011年11月17-19日…1-5 2012年9月20-22日…7-13 2010年11月4-6日…6 USA ナッシュヴィル、シャーマーホーン・シンフォニー・センター,ローラ・ターナー・ホール
Total Playig Time:79'56"
 リチャード・ダニエルプールはアメリカの中堅作曲家たちの中でも、最も偉大な才能の持ち主とされる人です。彼はヨーヨー・マやフレデリカ・フォン・シュターデら多くの演奏家たちのためにオペラや室内楽を作曲。そのどれもが高く評価されています。
 その作風は決して難解ではないものの、やはり前衛的であり個性的であり、またテキストの多くはセンセーショナルな内容を持つもので、ここに収録された作品も現代における深い問題を孕んだものです。「古代の谷の闇」はナッシュヴィルとピッツバーグ交響楽団の委嘱作で、第5曲には古代ペルシャの詩人ルーミーの詩を英訳したものがテキストに使われています。
 詩自体は残忍な夫や恋人に従順な女性が描かれていますが、ダニエルプールはこの女性を最近のイランに置き換え、現政権の下で耐えてきたイランの人々へのオマージュとしています。他にはモーツァルトのレクイエムに触発された「喜びの涙〜Lacrimae Beati」、ソプラノ歌手アンジェラ・ブラウンのために書かれた「女の生涯」。全て世界初録音です。
 

8.559747
\1100
ジョン・ノウルズ・ペイン(1839-1906):管弦楽作品集
 1.序曲「シェークスピアの“お気に召すまま”」Op.28(1876)
 交響詩「シェークスピアノのテンペスト」Op.31(1877)
  2.第1曲:嵐
  3.第2曲:プロスペローの孤島以前の穏やかで幸せな情景
  4.第3曲:エアリエル
  5.第4曲:プロスペローのお話
  6.第5曲:フェルディナンドとミランダの幸福な愛
  7.第6曲:キャリバンとのエピソード
 8-11.交響曲 第1番 ハ短調 Op.23(1872-1875)
アルスター管弦楽団
ジョアン・ファレッタ(指揮)
信じられますか?こんな楽しい曲が19世紀のアメリカで書かれていたなんて!
録音 2012年10月15-16日 UK ベルファスト,アルスター・ホール Total Playing Time:70'38"
 19世紀最後の四半期のアメリカは、前例のないほどに音楽が成長しました。もちろん当時の生粋のアメリカ人たちも主にヨーロッパで訓練を受けたため、その作品もヨーロッパの形に基いてはいたものの、次第に独自の語法を身に着け、その流れは次世代の作曲家たち…A.フット、E.ビーチやE.マクダウェル、そしてA.コープランドに伝わって行ったのです。ジョン・ノウルズ・ペインはその開祖の一人であり、恐らく初めてアメリカ国内で名声を博した「生粋のアメリカ人音楽家」であると言えます。彼はポートランドの楽器商の息子として生まれ、幼い頃から店内で演奏を行っていました。
 そんな彼が作曲を学ぶためにドイツへ旅立つ時には地元の有志らも応援。大きな夢を抱きドイツへと渡りその才能を開花させたのです。
 帰国後はボストンに活動の拠点を置き、1873年にはハーヴァード大学に設置する音楽学部の教員として招かれます。そのまま作曲と教育に力を入れ数多くの作品を発表しました。もちろん作風にはベートーヴェンやベルリオーズの影響が感じられますが、そんなことは関係ありません。
さあ、この楽しい世界を体験いたしましょう。
 


8.559757
\1100
コリリアーノ(1938-):奇術師・ヴォカリーズ
 奇術師(2007)
 パーカッション奏者、弦楽オーケストラとオプショナル・ブラスのための協奏曲
  1.カデンツァ Ⅰ
  2.ムーヴメント Ⅰ:木
  3.カデンツァ Ⅱ
  4.ムーヴメント Ⅱ:金属
  5.カデンツァ Ⅲ
  6.ムーヴメント Ⅲ:肌
 7.ヴォカリーズ(1999)
エヴリン・グレニー(パーカッション)…1-6
ヒラ・プリットマン(ソプラノ)…7
エレクトニクス・プロデュース&
パフォーマー…マーク・ビークル
アルバニー・シンフォニー
デヴィッド・アラン・ミラー(指揮)
世界初録音
名手グレニーのために書かれたあまりにも鮮やかなパーカッションのための協奏曲
録音:2011年3月13日 トロイ・セイヴィング・バンク・ミュージック・ホール…1-6 2011年5月22日 トロイ EMPAC(パフォーミングアートセンターの実験メディア),RPI(レンセラー工科大学)…7 Electronic sound design: Teese Gohl (track7) Additional sound design: Angie Teo (track7)
Total Playing time:57'43"
 グラミー賞を始めとした数々の賞を総なめにしている、現代アメリカ最高の作曲家コリリアーノ。彼は過去40年間に3つの交響曲と100以上の室内楽曲、8つの協奏曲を含む数多くの作品を発表しています。しかしコリリアーノが最初に「パーカッションのための協奏曲」の作曲依頼を受けた時は恐怖すら感じたとのことで、なぜならパーカッションのほとんどはヴァイオリンやトランペットのように音を持続することがなく、またピッチを持っていないからだったそうです。しかしそれを完璧に克服した作曲家は、様々な工夫を凝らし見事な作品を書き上げました。
 3つの異なる素材をイメージした曲を、魅惑的なカデンツァで繋いだ音楽は「奇術師」のタイトルにふさわしい幻惑的な作品です。
 「ヴォカリーズ」はニューヨーク・フィルの当時の音楽監督であったクルト・マズアからの委嘱作で「ミレニアムにふさわしい作品を」という要望に応え、彼は電子楽器の多彩な音響を用いた音楽を書いたのでした。声とオーケストラ、そしてエレクトロニクス音楽の融合は、確かに新しい時代を彷彿させるものです。
 


8.571300
\1100
イディル・ビレット:アーカイヴ・エディション 第15集
 モーツァルト(1756-1791):幻想曲 ハ短調・ピアノソナタ 第14番&第11番
  1.幻想曲 ハ短調 K475
  2-4.ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K457
  5-7.ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K331
イディル・ビレット(ピアノ)
録音:2000年9月23日 フランス フェネトランジュ音楽祭 ライブ…1-4 1993年10月21日 フランス リール音楽祭 ライブ…5-7 
Total Playing Time:61'03"
 トルコの名手ビレットによる、ちょっと風変りなモーツァルト。彼女のベートーヴェンヤモーツァルトの解釈はとても斬新であり、それは例えばテンポであったり、アコーギクであったりと、どれもなかなか興味深いものです。ここで演奏されているのはモーツァルトの作品の中でもとりわけ激しい表情を見せるハ短調のソナタと幻想曲。
 そして最終楽章に「トルコ行進曲」を持つ優雅なイ長調のソナタ。楽想がめまぐるしく変化するハ短調の幻想曲と、第24番のピアノ協奏曲を彷彿させるソナタでの、きわめて即興的なフレーズの処理や、イ長調ソナタの第1楽章(変奏曲形式)での、同じく遊び心たっぷりの表現など、彼女が単なる名手ではないことを物語っています。
 

8.572354
\1100
マクスウェル・デイヴィス(1934-):ストラスクライド協奏曲 第5番&第6番
 1-3.ヴァイオリン、ヴィオラと
   弦楽オーケストラのためのストラスクライド協奏曲 第5番(1991)
 4-6.フルートとオーケストラのためのストラスクライド協奏曲 第6番(1991)
ジェームズ・クラーク(ヴァイオリン)…1-3
キャサリン・マーウッド(ヴィオラ)…1-3
デイヴィッド・ニコルソン(フルート)…4-6
スコットランド室内管弦楽団
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指揮)
 Collins Classicsより移行盤
 あまりにも独創的で、神秘的 これらの作品を理解するためには悠久の時が必要かも

録音 1993年7月 スコットランド エディンバラ,アッシャー・ホール
Total Playing Time:59'27"
 マックスウェル・デイヴィスによる渾身の曲集である「ストラスクライド協奏曲」の第5番と第6番です。ここに収録されている2曲は、古典的な形式に準拠したもので、第5番のヴァイオリンとヴィオラのための曲は、あのモーツァルトの協奏交響曲 K364からインスピレーションを受けたものです。
 もちろん曲自体は先鋭的ですが、独奏楽器と管弦楽との親密な対話は、複雑かつ精妙な音の絵を描いています。第6番はブリューゲルの絵画がヒントになっているというもので、伴奏のオーケストラにはフルート、オーボエ、ヴァイオリンは含まれず、その代わりバス・クラリネットとグロッケンシュピール。タンブリン、クラヴェスを配置し、絶妙かつ軽妙な響きを醸し出しています。全体的に穏やかで神秘的な雰囲気に終始しますが、時に爆発的なエネルギーの放出が印象的な作品です。
 8.573017…第2番
 8.572353…第3番&第4番
 

8.572867
\1100
ルクレール(1697-1764):ヴァイオリン・ソナタ集 第2巻
 第6-7番,第9-12番
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Op.2-7
 5-7.ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.2-6
 8-11.ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.2-9
 12-14.ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.2-10
 15-17.ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op.2-11
 18-21.ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.2-12
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)
ジョナサン・マンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
もしルクレールが200年遅く生まれていたらどんなに激しい音楽を書いたのだろうか?
 録音 2011年7月18-20日,25-27日 ロンドン ウォルサムストー 聖メアリー教会
 Total Playing Time:77'23"
 伸びやかで大らかな音楽だけど、実はとても技巧的。フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖ルクレールのヴァイオリン・ソナタ第2巻の続編です。彼の特徴はイタリアの開放的な明るさとフランスの抒情を合わせ持つことであり、この時代では先進的な音楽語法であったのです。
 彼のヴァイオリン・ソナタのうちこの第2巻は1827年に出版されましたが、譜面の中にはかなり演奏困難な部分も多く、演奏家にとっても試練の場となったようです。何より第1巻のいくつかの作品はフルートでも演奏できますが、こちらの第2巻はヴァイオリンでなければ演奏できない数々の技法が含まれています。
 不幸な最期を遂げたルクレールですが、彼の作品はどれも豊かに歌う弦の特性を活かし切った上品な美しさが満ち溢れています。第2巻はこの盤で全曲完結となります。
8.570888…第1巻 第1番-第4番
8.570889…第1巻 第5番-第8番
8.572866…第2巻 第1番-第5番&第8番
 

8.573112
\1100
クレメンティ(1752-1832):交響曲 第3番&第4番 他
 1.序曲 ハ長調 
 2-5.交響曲 第3番 ハ長調「偉大なる国民」WO34(P. スパーダによる改訂版)
 6-9.交響曲 第4番 ニ長調 WO35(P. スパーダによる改訂版)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
失われた作品が息を吹き返すとき、聴き手は大きな喜びを味わうことになる
録音 :2011年2月29-30日…1 2012年1月20-22日…2-9 ローマ OSRスタジオ
 クレメンティの4つの交響曲は彼の生前に発表されることはなく、クレメンティ自身も「交響曲のスコアは全て破棄した」と述べていました。しかし1917年に競売を経て図書館に買い取られた手稿譜の中に、交響曲の断片が含まれているのが発見され、苦労して復元した結果、4曲の交響曲といくつかの断片としてまとめられることが判明したのです(あのアルフレード・カゼッラも復元作の研究を行い、第1番と第2番とおぼしき作品を演奏したという記録もあります)。実際、どのような校訂を行ったとしても完全な形を復元するのは不可能ですが、ここで聴ける形でも充分にクレメンティの「管弦楽作曲家」としての才能をかじることはできるはずです。
 洗練された筆致で描かれたバランスのよい作品は、ロマン派への架け橋として高く評価されるものです。
 交響曲 第1番&第2番…8.573071
 

8.573165
\1100
クシシュトフ・メイエル(1943-):弦楽四重奏曲集 第4集
 1-3.弦楽四重奏曲 第1番 Op.8(1963)
 4.弦楽四重奏曲 第2番 Op.23(1969)
 5-7.弦楽四重奏曲 第3番 Op.27(1971)
 8-10.弦楽四重奏曲 第4番 Op.33(1974)
ヴィエニャフスキ弦楽四重奏団
<メンバー>
ヤロスラフ・ゾフニエルツキ(第1ヴァイオリン)
ミロスワフ・ボチェク(第2ヴァイオリン)
レフ・バワバン(ヴィオラ)
マチェイ・マズレク(チェロ)
はっきり言って難解です。でも、聴いているうちにくせになります
録音:2012年10月15日…4 2012年10月17日…5-7 2013年2月5日…1-3 2013年2月4-5日…8-10 ポーランド ポズナニ、ラジオ・メルクリー
 Total Playing Time:75'58"
  ポーランド、クラクフ出身の作曲家メイエルの弦楽四重奏曲の第4集です。今回は1963年に作曲された第1番から1974年の第4番までの初期の4つの作品をお聴きください。あまりにも印象的な始まり方をする第1番はクラクフ音楽院在学中の作品で、当時師事していたペンデレツキやナディア・ブーランジェの影響を強く受けた、無機質なのに鮮烈な印象を残す音楽です。
 第2番は若干傾向が違い、バルトークを思わせるユニゾンで始まり少しずつ音が絡み合うという単一楽章の短い曲です。第3番はまた3楽章形式に戻りますが、作風はより自由さを増しています。音は全て凝縮し一点に集中していくかのようです。第4番はダイナミックで静と動を追求したかのような音楽。メイエルの12年間の進歩と変化が感じられますでしょうか?
 


8.573234
\1100
スラットキン&デトロイト交響
 ラフマニノフ(1873-1943):交響曲 第1番&死の島

 交響詩「死の島」Op.29
 交響曲 第1番 ニ短調 Op.13
デトロイト交響楽団
レナード・スラットキン(指揮)
もし当時スラットキンが演奏していたら、ここまで酷評されていなかったかも
録音:2012年10月19-21日…1 2012年11月9-11日…2-5 USA デトロイト交響楽団、オーケストラ・ホール
Total Playing Time:66'20"
 1897年のペテルブルク。ラフマニノフの交響曲第1番が初演された時、会場は騒然となり罵詈雑言が飛び交ったとか。無論、初演を担当したグラズノフの曲に対する無理解が引き金となったものの、キュイを始めとした有識者たちにはこの作品の真価を理解することができず、自信を喪失したラフマニノフはこの楽譜を出版禁止にするだけでなく、気持ちもすっかり落ち込んでしまい、1901年の「ピアノ協奏曲第2番」までは作曲への意欲さえをも失うほどだったのです。実際の交響曲は、彼が生涯に渡って固執していた「怒りの日」のモティーフが効果的に使われ、また見事な対位法が駆使された野心的な作品であり、なぜそこまで酷評されたのかはわかりませんが、まあ、ここで大成功を収めてしまったとしたら、交響曲第2番やピアノ協奏曲第2番が生まれなかったかもしれないことを考えると、時には「若き挫折」というものも必要なのかもしれません。「死の島」は1909年の作品。ベックリンの「死の島」(これを元にしたクリンガーの銅版画)からインスパイアされた曲で、こちらにもたっぷりと「怒りの日」のメロディが引用されています。スラットキンとデトロイト交響楽団は、これらの曲を完璧に聴かせます。
 

8.573241
\1100
ブロッホ(1880-1959):交響曲 嬰ハ短調&海の詩
 交響曲 嬰ハ短調
  1.第1楽章:Lent-Allegro agitato ma molto energico
  2.第2楽章:Andante molto moderato
  3.第3楽章:Vivace
  4.第4楽章:Allegro energico e molto marcato
 海の詩(管弦楽版)
  5.波
  6.シャンティ
  7.海にて
ロンドン交響楽団
ダリア・アトラス(指揮)
この交響曲にはマーラー、ブルックナー、シュトラウスの「良いところ」が全て入ってます
録音 2011年11月14-15日 UK ロンドン アビー・ロード 第1スタジオ Total Playing Time:68'26"
 スイス出身のユダヤ人作曲家ブロッホと言えば「バール・シェム」や「ヘブライ組曲」などの民族色の濃い作品ばかりが思い起こされますが、このアルバムの2つの作品は、どちらかというとドイツ後期ロマン派、ブルックナー、マーラ ー、R.シュトラウスの伝統を汲むものです。それもそのはず、交響曲 嬰ハ短調は彼がドイツに留学していた20歳のころに書かれたもので、天才的な才能の萌芽と、後の深淵な思想が混在する力作であることは間違いありません。
 あのロマン・ロランが大絶賛したという素晴らしい作品です。もう1曲の「海の詩」はもともとピアノのために書かれた作品で、あのウォルト・ホイットマンの詩に触発されたものです。通常、ピアノのために書かれた版が演奏されますが、この作曲家自身による管弦楽版も、ドビュッシーの「海」と肩を並べる名作と言えるでしょう。刻々と表情を変える波、瞑想と静けさ、七色に光る水面・・・海からは驚くほど多くの表現が生まれます。イスラエル生まれの女性指揮者アトラスは、ブロッホのスコアを完全に再現し、その隠された魅力を顕わにします。
 

8.660333-35
(3CD)
\3300
ウルシュプルフ(1850-1907):
 歌劇「全ての物事において最も不可能なこと」(1897)
女王…レベッカ・ブロベルク(ソプラノ)
ロベルト(女王に仕える貴族)…ロベルト・フェンディ(バリトン)
ディアナ(ロベルトの妹)…アン・ヴィーベン(ソプラノ)
セリア(ディアナの小間使い)…カテリーナ・マイアー(ソプラノ)
リサルド(女王の勅選弁護士)…マティアス・グレツェル(テノール)
ラモン(リサルドの使用人)…ラルフ・ザウアーブライ(バリトン)
ミュンヘンPPPミュージック・シアター・アンサンブル
ピーター・P・パッフェル(ディレクター)
オーケストラ・ソルブ・ナショナル・アンサンブル
イスラエル・イオン(指揮)
こんなに素晴らしい才能が埋もれているとはもったいない・・・
録音 2012年9月22日 ドイツ レヴェルクーセン クルトゥルスタットレフ・フォルム ライブ
Total Playing Time:163'08"
 アントン・ウルシュプルフはフランクフルト生まれの作曲家。フランツ・リストの直系の弟子であるイグナーツ・ラハナーとヨアヒム・ラフに師事、ワイマール楽派の流れを汲む作品を多く残しました。クララ・シューマンとブラームスとも親交があり、またフランクフルトにラフが創立した音楽学校で教師として働き、教育者としても多大なる功績を遺した人です。
 作曲家としてはピアノ独奏曲から大管弦楽曲、そしてこの作品を含む2つのオペラ、室内楽、合唱作品など数多くの作品を発表、また亡くなる年にはグレゴリオ聖歌の復元にも携わっています。生前は後期ロマン派の提唱者として国際的に認められていましたが、没後はすぐに忘れられてしまいました。この作品はシューマンやウェーバーを思わせる恋愛物語で、最後はハッピーエンドで終わります。
この上演は、全ての物語をノーカットで演奏。資料的にも価値のあるものです。
 

8.507013
(7CD)
\4400
ジェズアルド(1566-1613):マドリガルBOX
CD1…第1集 8.570548
 1. 甘く優しい口づけよ
 2. 甘き愛をもって
 3. マドンナ、私はそうなってほしい
 4. どのように生きることができようか
 5. 冷たいマドンナの乳房
 6. マドンナは横たわっている
 7. ああ、あまりにも賢明な誤り
 8. そのように高貴な手の時は
 9. 愛は平和を求めない
 10. 何と喜ばしい。私の悲しみをつくることは
 11. おお、甘き私の苦しみ
 12. ティルシは死を望む
 13. ティルシは自らの欲望を感じた
 14. わが星をあなたは見ていますか
 15. 見ないで、見ないで
 16. 美しく芳香に満たされた花よ
 17. 幸せな春よ
 18. 正直なニンフたちが踊る
 19. 自然があなたに与えたばら
 20. 美しく小さな天使
CD2…第2集 8.570549
 1. 親愛なる愛しいほくろ様
 2. そして彼女は持っている
 3. あなたが壊して緩めた
 4. 傷は浅い
 5. 私の胸は感傷的になる
 6. 最も優雅なベールで
 7. 悲しみが甘い時
 8. 私はすぐに死んでしまう
 9. 痛みが激しい時、私は無口になる
 10. おお、これほどまでに大きな罰
 11. おお、甘き情熱
 12. 私が感じるがままに
 13. この手ではない
 14. たいまつか矢のどちらかで
 15. 雪のような白い手
 16. あなたの残り香が
 17. そして、幸せの竪琴を
 18. 私は変わらない
 19. 輝く瞳に出会ったとき
 20. 私の光を消さないで
 21. フランスの歌
 22. ガリアルダ
CD3…第3集 8.572136
 1.あなたは私が死ねばいいと思っている
 2.死んだ方がいいの?
 3.悲しいかな、絶望的な生活
 4.私は元気がない。そして死ぬ
 5.あなたの曇りのない目の美しさで
 6.悲しいかな、残酷で情け容赦のないもの
 7.愛の甘き精神
 8.私の心はため息をついている
 9.おお、悪しき生まれの悪しきメッセージ
 10.見てください、私の太陽が輝くのを
 11.私はあなたを愛してない、そんな言葉を投げかけないで
 12.愛の奇蹟
 13.そして私は焼け焦げそう
 14.残酷な悲しみ
 15.彼女は泣いている、悲しくて
 16.耐え難い苦痛が私を殺す
 17.もし私があなたの慈悲深さを知ったなら
 18.ああ、それはすでに残酷だった
 19.最高に甘きため息(6声)
 20.わが人よ、もし私を殺すなら
 21.どのように私の心は生きることができるか(5声部のカンツォネッタ)
 22.月桂樹の陰で(5声部のカンツォネッタ)
CD4…第4集 8.572137
 1. 清らかな澄んだ光よ
 2. 時には正直な欲望に
 3. 私は沈黙の中で静かでならなければならない(第1部)
 4. 無駄に、残酷に(第2部)
 5. あなたは私に何をしているの?
 6. この残酷で信心深き女性
 7. 私が思ったのと同じように(第1部)
 8. おお、ここまで残酷な愛(第2部)
 9. わが心よ、ああ、泣くことはない(第1部)
 10. だから私を傷つけないで(第2部)
 11. ルッツァッスキ(1545-1607):4声のトッカータ(オルガン・ソロ)
 12. 我が主の顔は死に覆われている
 13. 最後に溜息をつき、私は死ぬ(第1部)
 14. 人生は死を歓迎する(第2部)
 15. 彼女は結局のところ
 16. 私の心を伝えよう
 17. 見よ、従って私は死ぬだろう(第1部)
 18. ああ、すでに私は血の気が引く(第2部)
 19. 私の心は燃えている
 20. あなたの心に小さな愛があれば
 21. 太陽は明るく(6声-第1部)
 22. わが光よ、戻っておいで(6声-第2部) 
CD5…第5集 8.573147
 1.歌って楽しみなさい
 2.見つめなければ私は死なないが
 3.行け、わがため息よ
 4.とてもいとしいわが命のひとよ
 5.ああ、痛ましい喜び
 6.いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は
 7.いとしいひとの目に宿り
 8.もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら
 9.わが心の命であるまなざしよ
 10.命のひとから離れる者は
 11.情けをと私は泣きながら叫ぶのだが
 12.ああ、お前たちはあまりにもしあわせ
 13.恋人たちよ、競い合って急ぎなさい
 14.美しい目をふきなさい
 15.お前は私を殺す
 16.ああ、美しい胸を覆ってほしい
 17.悲しく涙もろい私の気質に
 18.けれど私を死へと導く 
CD6…第5集&第6集(トラック4から) 8.573148
 1.ああ、暗い日よ
 2.もしお前が逃げるなら
 3.あなたを愛しています、私の生命よ
 4.もしもお前が私の死を望むなら
 5.美しい人よ、心を持ち去るのなら
 6.お前は泣いている、私のフィッリよ
 7.私を煩わすのをやめておくれ
 8.明るく輝く太陽
 9.私は行くとしか言わなかった
 10.一日に千回も私は死ぬ
 11.優しい私の宝である人よ
 12.ああ、いくらため息をついても無駄なのだ
 13.こんなに大きな苦しみの中でも
 14.優美な音色と甘い言葉で
 15.白くみずみずしい花 
CD7…第6集 8.573149
 1.大胆な小さい蚊が
 2.お前を求めて私は燃える
 3.死のみが私を殺すのだから
 4.私の希望を打ち砕いたあの残酷な「いや」という言葉を
 5.私は死ぬ、悲しみや苦しみゆえに
 6.蝶のように舞う
 7.私の喜びに空はかくも晴れ渡り
 8.お前は追いかける、おお美しいクローリよ
 9.お前を愛する故に私はやつれ果てる
 10.悲嘆にくれて泣いていたのは昔
 11.にこやかで美しいリコーリが
デリティエ・ムジケ
マルコ・ロンギーニ(指揮)
美しさの中に潜む甘い毒・・・非業の作曲家ジェズアルド
録音:2007年7月23-27日…CD1 2007年7月27-28日…CD2 2008年7月27日-8月1日…CD3 2009年7月20-24日…CD4 2010年7月6-10日,24-29日…CD5-7 
 不貞の妻とその愛人を殺害したことで名前が知られる後期ルネサンスの作曲家、カロル・ジェズアルド。彼の作品もその生涯に負けず劣らず独自性の高いものでした。当時の音楽語法とは全く異なる音列や和声、半音階的なメロディは、もちろん当時受け入れらることもなかったのですが、現代社会においては、却って表現力豊かなものとして高く評価されるようになったのです。
 肌をざわつかせるほどに歪んだ美しさに満ちた一連の作品、この機会にまとめてお楽しみください。

NAXOS(Blu-rayオーディオ)


NBD0037
(Blu-rayオーディオ)
\2300
コープランド(1900-1990):ロデオ/ダンス・パネル 他
 ロデオ-1幕のバレエ(1942)-コンプリート・バレエ
  1.カウボーイの休日
  2.畜舎の夜想曲
  3.牧場主のパーティ
  4.土曜の夜のワルツ
  5.ホーダウン
 6-12.ダンス・パネル:7部のバレエ(1959/1962改)
 13.エル・サロン・メヒコ(1932/1936改)
 14.キューバ舞曲(1942/1945改)
デトロイト交響楽団
レナード・スラットキン(指揮)
良き時代のアメリカを感じながら胸がわくわくするようなコープランドを聴きたい!
録音 デトロイト,マックス.M.フィッシャー・ミュージック・センター,オーケストラ・ホール 2012年11月9-11日…1-4 2012年11月12-14日…5-13 
 8.559758と同内容
 AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION
 24-bit, 96 kHz PCM Surround
 Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz
 Total Playing Time:70'11"
 あまりにもカッコいい演奏なので、これらの曲の演奏がとても難しいということを一瞬忘れそうになってしまう、スラットキンのコープランド作品集です。
バレエ音楽「ロデオ」は、通常4曲からなる演奏会用組曲「ダンス・エピソード」が知られていますが、ここではオリジナルの5曲からなるバレエ完全版を収録。コープランドが削除してしまった「牧場主のパーティ」が聴けます。
 そして、すばらしい出来なのにあまり知られていない「ダンス・パネル」、複雑なリズムが交錯する「キューバ組曲」、そして(ノリノリの演奏の場合のみ)狂乱の熱狂をもたらす「エル・サロン・メヒコ」。これらはちょっとでもリズム感が狂ったものなら、たちまちダサい音楽へと転落してしまうという、実に気難しい作品群なのです。
 これらを颯爽をさばいていくスラットキンとデトロイト交響楽団の勇姿は、まるで荒馬を易々と乗りこなすカウボーイの如く。これぞまさしく「真のアメリカ音楽」です!デトロイト、がんばれ!
 

NBD-38
(Blu-rayオーディオ)
\2300
オールソップ&サン・パウロ響
プロコフィエフ:
 交響曲 第4番 ハ長調 Op.112(1929-1930/1947年改訂版)
 バレエ音楽「放蕩息子」Op.46
サン・パウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2012年11月27-30日,12月2-3日…1-4, 2012年7月4.7.9日…5-14 ブラジル サラ・サン・パウロ/AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION/24-bit, 96 kHz PCM Surround/Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz/5.1 Surround-DTS-HD Master Audio/2.0 Stereo-PCM ※8.573186と同内容
 ボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱作品として1929年から1930年にかけて、プロコフィエフ(1891-1953)が作曲した交響曲第4番。初版には作品番号47が付けられている通り、同時期にディアギレフのために書かれたバレエ音楽「放蕩息子」の素材が転用されています。
 1931年にクーセヴィッツキーの指揮、同楽団によって初演されたものの、1947年に思い切って改訂を施し、当初25分程度だった曲は45分ほどの長さに引き延ばされ、オーケストレーションも拡大され、作品番号も新しく付番、全く違った音楽へと変貌したのです。
 ここでは、今最も輝いているオールソップが、交響曲と「放蕩息子」を指揮。この2つの作品の関連性を丁寧に紐解き、共通する荒々しさや軽妙さ、そして無意味とも思える盛り上がりを徹底的に追求していきます。

MARCO POLO


8.225344
\2000
J.シュトラウス(1804-1849):管弦楽作品集 第24集
 1.ブリュンナー・ナショナル・ガード行進曲 Op.231
 2.ワルツ「ナショナル・カラー(黒-赤-金)」Op.232
 3.賛辞のカドリーユ Op.233
 4.ルイーズ・カドリーユ Op.234
 5.ポルカ「ピーフケとプフケ」Op.235
 6.ポルカ「婦人の思い出」 Op.236
 7.ワルツ「旅人の別れ」 Op.237
 8.アリス・ポルカ Op.238
 9.フレデリーカ・ポルカ Op. 239
 2つのスペイン王族護衛隊の行進曲 Op.240
  10.勝利の行進曲
  11.戦略の行進曲
スロヴァキア・シンフォニエッタ
クリスティアン・ポラック(指揮)
録音 2011年3月18-20日 スロヴァキア ツィリナ,Fatra House of Arts Total Playing Time:50'25"
 1848年のヨーロッパは激動の年でした。2月にフランスで革命が勃発、その翌月にヨーロッパ全土に拡大し「3月革命」となり、この2つの革命は「諸国民の春」と呼ばれ、ウィーン体制が事実上崩壊することとなったのです。
 しかし、そんな時期でもJ.シュトラウス1世の創作意欲は全く衰えることはなく、次々と円熟のワルツが生み出されていったのです。もちろん第1曲目の行進曲や第2曲目のワルツは、多くの国民の士気を盛り上げるのに一役かったことでしょう。しかしワルツの扇動的なタイトルは、出版社によって革命終了後に無難なものに変更させられたのでした。その翌年の4月は、シュトラウスは彼のオーケストラと共にロンドンに演奏旅行に出かけ、ヴィクトリア女王のために演奏し、ここでも喝采を受けています。
 

OEHMS



OC888
\2300→\2090
ヴァイグレ/フランクフルト歌劇場管
 リヒャルト・シュトラウス:交響詩集 第1集

  1-6.交響詩「英雄の生涯」Op.40/
  7.交響詩「マクベス」Op.23
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
セバスチャン・ヴァイグレ(指揮)
録音 フランクフルト歌劇場 ライブ収録 2011年6月19-20日…1-6, 2013年5月26-27日…7 Oper Frankfurt Mobile and/Studio Recording System/Recording Producer: Margit Baruschka,/Felix Dreher
 2014年はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の生誕150年にあたります。
 OEHMSレーベルでは、そんな彼の偉業をたたえて新しいプロジェクトを立ち上げました。それは現在ワーグナーの一連の作品で素晴らしい演奏を披露しているヴァイグレが指揮するフランクフルト歌劇場管弦楽団の芳醇なる響きで楽しむ交響詩集です。
 まず第1弾は「英雄の生涯」と少々珍しい「マクベス」の組み合わせで、「誇大妄想的」と言われるシュトラウスの音楽から余分なものをそぎ落とした極めて現代的な表現を楽しむことができます。
 


OC939
(14CD)
\7000→\6390
ヴァイグレ/フランクフルト歌劇場管
 リヒャルト・ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」全曲

CD1-CD2.楽劇「ラインの黄金」/
CD3-CD6.楽劇「ヴァルキューレ」/
CD7-CD10.楽劇「ジークフリート」/
CD11-CD14.楽劇「神々の黄昏」
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
セバスチャン・ヴァイグレ(指揮)/
<楽劇「ラインの黄金」>
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(バリトン)/
ドンナー…ディートリッヒ・フォレ(バリトン)/
フロー…リチャード・コックス(テノール)/
ローゲ…クルト・シュトライト(テノール)/
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(バリトン)/
ミーメ…ハンス=ユルゲン・ラザール(テノール)/
ファーゾルト…アルフレッド・ライター(バス)/
ファフナー…マグヌス・バルトヴィソン(バス)/
フリッカ…マルティナ・ダイク(メゾ・ソプラノ)/
フライア…バルバラ・ツェヒマイスター(ソプラノ)/
エルダ…メレディス・アルウェディ(アルト) 他/
<楽劇「ヴァルキューレ」>
ジークムント…フランク・ファン・アーケン(テノール)/
フンディング…アイン・アンガー(バス)/
ヴォータン…テリエ・ステンスヴォルト(バリトン)/
ジークリンデ…エヴァ=マリア・ウェストブローク(ソプラノ)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(ソプラノ)/
フリッカ…マルティナ・ダイク(メソ・ソプラノ)/
ゲルヒルデ…アニヤ・フィデリア・ウルリッヒ(ソプラノ)/
オルトリンデ・・・モナ・ソム(ソプラノ) 他/
<楽劇「ジークフリート」>
ジークフリート…ランス・ライアン(テノール)/
ミーメ…ペーター・マーシュ(テノール)/
さすらい人…テリエ・ステンスヴォルト(バリトン)/
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(バリトン)/
ファフナー…マグヌス・バルトヴィソン(バス)/
エルダ…メレディス・アルウェディ(アルト)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(ソプラノ)/
森の小鳥の声…カテリーナ・カスパー/
<楽劇「神々の黄昏」>
ジークフリート…ランス・ライアン(テノール)/
グンター…ヨハネス・マルタン・クレンツレ(バリトン)/
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(バリトン)/
ハーゲン…グレゴリー・フランク(バス)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(ソプラノ)/
グートルーネ…アニヤ・フィデリア・ウルリッヒ(ソプラノ)/
ヴァルトラウテ/第2のノルン…クラウディア・マーンケ(メゾ・ソプラノ)/
第1のノルン…メレディス・アルウェディ(アルト)/
第3のノルン…エンジェル・ブルー(ソプラノ) 他
録音 2010年5-6月 ラインの黄金, 2010年11月 ヴァルキューレ, 2011年10-11月 ジークフリート, 2012年1-2月 神々の黄昏
 ヴァイグレの「指環」全曲は、すでに映像(OC999)が発売されていて高い評価を受けています。
 こちらのBOXは分売で発売されているCDをまとめたもので、前述の映像とは、録音時期が違い、キャストの一部も変更されています。映像で見るか、音で聴くか…2つのパラレルワールドはいかがでしょうか。
 


OC944
\2300→\2090
ヴァイグレ/フランクフルト歌劇場管
 
リヒャルト・ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」管弦楽曲集
 1.ラインの黄金-前奏曲/2.ヴァルキューレ-第1幕への前奏曲/
 3.ヴァルキューレ-ヴァルキューレの騎行/
 4.ヴァルキューレ-第3幕より「魔の炎の音楽と終景」/
 5.ジークフリート-第1幕の前奏曲/
 6.ジークフリート-森のささやきと森の小鳥の情景/
 7.ジークフリート-第3幕への前奏曲/
 8.神々の黄昏-第1幕への前奏曲/
 9.ジークフリートのラインの旅/
 10.ジークフリートの死/11.葬送行進曲/12.第3幕の最終場面
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
セバスチャン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2010年5-6月 ラインの黄金, 2010年11月 ヴァルキューレ, 2011年10-11月 ジークフリート, 2012年1-2月 神々の黄昏
 「指環」の世界観は好きだけど長過ぎて…。そんな思いを抱いている人も多いことでしょう。そんなファンのために作られたのがこの1枚です。長大な物語の中から聞きどころを抽出、管弦楽曲を中心に名場面が綴られています。
 ワーグナー(1813-1883)が描き出した壮大なる世界の「入り口」へようこそ。
 

Jolivet: Chamber music for oboe and cor anglais
OC875
\2300→\2090
アンドレ・ジョリヴェ:オーボエとコーラングレのための室内楽作品集
 1-4.セレナード-オーボエとピアノのための/
 5-7.ソナティネ-オーボエとファゴットのための/
 8.コントラヴァルシア-オーボエとハープのための/
 9.オリノコ川の丸木舟を操る人の歌-オーボエとピアノのための/
 10-17.典礼組曲-声,コーラングレ(オーボエ持ち替え),チェロ、ハープのための
ステファン・シッリ(コーラングレ/オーボエ)…1-17/
クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)…10-17/
クリスティーナ・ビアンキ(ハープ)…8.10-17/
マルコ・ポスティングゲル(ファゴット)…5-7.10-17/
セバスティアン・クリンガー(チェロ)…10-17/
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)…1-4.9-17
録音 2012年3月20-22日…1-9, 2012年9月22日…10-17 ミュンヘン バイエルン放送 第2スタジオ Recording Producer & Editing: Michael Kempff/Balance Engineer: Winfried Messmer
 フランスの現代作曲家アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974)。彼のファンはとても多いのですが、それは彼の作品があまりにも独創的であり一度聴いたら忘れられないほどに印象深いものだからでしょう。このアルバムにはそんなジョリヴェの室内楽作品がたっぷり収録されています。
 どれもエキゾチックなメロディに充たされいますが、中でも耳に残るのが「典礼組曲」でしょうか。
 ここでオーボエを吹いているのはバイエルン放送響の首席奏者シッリ。彼はオーボエとコーラングレを持ち替えて、このヘブライ風のメロディを見事に演奏しています。
 そよぐ風をイメージさせる涼やかなハープ、はるか彼方から届く祈りの声。各楽器の音がせめぎあい心地良く体に纏わりつく様は、確かに他の作曲家の作品では味わえない快感です。ソプラノのカルクを始めとした素晴らしい奏者たちの奏でる音楽も極上です。
 
Handel: Hallelujah
OC884
\2300
ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル:ハレルヤ 〜オラトリオ「メサイア」より名合唱集
<第1部>
 1.シンフォニア/2.こうして主の栄光があらわれ…/
 3.彼はレビの子孫を清め…/
 4.ひとりのみどりごがわれわれのために生れた…/
 5.いと高きところでは、神に栄光があるように…/
 6.彼のくびきは負いやすく…/
<第2部>
 7.見よ、世の罪を取り除く神の子羊…/
 8.まことに彼はわれわれの病を負い…/
 9.彼の打たれた傷によって…/
 10.われわれはみな羊のように迷って…/
 11.彼は主にみをゆだねた…/12.門よ、こうべをあげよ…/
 13.神の御使いたちはことごとく…/14.主は命令を下される…/
 15.ああ麗しいかな…/16.われらは彼らのかせをこわし…/
 17.ハレルヤ、全能者にして主なるわれらの神は…/
<第3部>
 18.死よ、お前の勝利は、どこにあるのか…/
 19.神に感謝あれ/20.ほふられた子羊こそは…/21.アーメン
ノイマイヤー・コンソート/
マインツ音楽大学・バロック合唱団/
ミヒャエル・ホフステッター(指揮)
録音 2011年9月 マインツ 聖イグナチオ教会 Recording Producer: Moritz Reinisch
 ヘンデル(1685-1759)の名作オラトリオ「メサイア」から感動的な合唱部分だけをじっくり楽しむ1枚です。バロック音楽のオーソリティ、ホフステッターによる納得の指揮で、オーケストラ、合唱も驚くほど壮麗。文句なしの演奏です。
 クリスマス時期にぴったりですが、もちろん1年中通して愛していただけます。

ONDINE



ODE-1205
\2300→\2090
テツラフ&フォークト
 シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集

  1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 Op.105/
  4-7.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.121/
  8-11.ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 Wo02
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/
ラルス・フォークト(ピアノ)
録音 2011年6月27-30日…4-7, 2012年4月23-25日…1-3.8-11 ブレーメン,ゼンデザール
 シューマンの第1番のヴァイオリン・ソナタは1851年に着手され、たった16日間で完成されたという曲。まだまだ活動的で、情熱に溢れる時期の作品であり、全体的に緊密に書かれた名作なのですが、シューマンはこの曲に満足していなかったようで、第1番の完成後、約1か月ほどですぐに第2番に着手、たった1週間で完成させるという超人的能力を発揮。第1番よりも更に円熟の作品を作り上げたのでした。まるでヴィオラのように深く幅広く歌うテツラフのヴァイオリン。それをがっちりと受け止めるフォークトのピアノ。何と感動的で多感なシューマンでしょうか。
 第3番のソナタはほとんど知られていない作品で、これはかのヨアヒムに献呈された「F.A.E.ソナタ」のシューマンが作曲した部分(第2楽章と第4楽章)に、新たに2つの楽章を加えてソナタとして完成させたものです。完成度は高いものの、ほとんど注目もされず、没後100年目の1956年になってようやく楽譜が出版されたという秘曲です。
 


ODE-1213
\2300→\2090
リゲティ:作品集
 1.ロンターノ(1967)/
 2-6.ヴァイオリン協奏曲(1989-1993)
  <第1楽章:前奏曲/第2楽章:アリア-ホケット-コラール/
   第3楽章:インテルメッツォ/第4楽章:パッサカリア/
   第5楽章:情熱的に>/
 7.アトモスフェール(1961)/
 8.サンフランシスコ・ポリフォニー(1974)
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)…2-6/
フィンランド放送交響楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2012年4月29-31日…1-7, 2013年3月1-2日…8 ヘルシンキ・ミュージック・センター
 20世紀を代表する偉大なる作曲家リゲティ(1923-2006)については、今更何も説明の必要なはいでしょう。彼の作品は前衛的であり、またトーンクラスター(ある音からある音までの全ての音を同時に発することで生じる音の塊)を駆使、その圧倒的な音世界は、他の追随を許すことのない唯一無比として知られています。
 このアルバムでは、フィンランド放送交響楽団と、ハンヌ・リントゥがこの「音の建築物」を見事に構築します。
 初期の作品であり、映画にも使われた「アトモスフェール」、巨大な管弦楽のためのに書かれた「ロンターノ」におけるエネルギーの推移と一種独特の上品な雰囲気、ソロのシュミットがいい味を出している、諧謔的な雰囲気すら湛えたヴァイオリン協奏曲、万華鏡のような音の煌めきを放つ「サンフランシスコ・ポリフォニー」。どれも一度聴いたらくせになる面白さです。
 

ODE-1220
\2300→\2090
クリストフ・グラウプナー:管弦楽組曲集
 1-6.フラウト・トラヴェルソ,ヴィオラ・ダモーレ,シャルモー,弦楽と
   チェンバロのための組曲 ヘ長調 GWV450/
 7-12.ヴィオラ・ダモーレ,ファゴット,弦楽と
   チェンバロのための組曲 ト長調 GWV458/
 13-18.フラウト・トラヴェルソ,ヴィオラ・ダモーレ,2台のシャルモー,ホルン,弦楽と
   チェンバロのための組曲 ヘ長調 GWV451
フインランド・バロック管弦楽団/
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(指揮)
録音 2013年5月20-22日 シウンティオ教会
 J.S.バッハ以前のバロックの音楽家というと、やはりテレマンの名前が挙がりますが、このグラウプナー(1683-1760)も忘れてはいけない作曲家です。ハルトマンドルフに生まれ、ライプツィヒ大学に進学し法学を専攻。その後ようやくヨハン・クーナウのもとで音楽学習を完成させます。
 ハンブルク歌劇場のチェンバロ奏者を務めていた時代には、歌劇場オーケストラのヴァイオリン奏者にヘンデルがいたり、当時のオペラ作曲家の大家カイザーと共作したりと、その才能をフルに発揮していたのです。1709年にヘッセン=ダルムシュタット方伯の宮廷楽団に仕え、1711年に楽長に昇進、この地で生涯を終えることとなります。
 彼はこのアルバムで聴けるような「合奏協奏曲」の形式の作品を多く遺しており、その作風も同時代の作曲家たちとは一線を画すところがあります。これは円熟期のほぼ50年間をダルムシュタットで過ごし、周囲の世界から切り離されたところで自らの音楽を磨き上げていったグラウプナーならではの特色でしょう。
 

ODE-1231
\2300
トゥオマス・カンテリネン:バレエ組曲「雪の女王」
 1.オープニング/2.子ども部屋/3.ケルトゥとカイ/4.マーケット広場/
 5.夕べの歌/6.鏡/7.目覚め/8.雪嵐/9.雪のワルツ/10.カイの探索/
 11.雪片の踊り/12.旅の始まり/13.スウェーデンの踊り/14.スペインの踊り/
 15.ペルシアの踊り/16.マンガの少女/17.ロシアの踊り/
 18.ケルトゥが眠りにつく/19.子守歌/20.サウナ/21.内なる美しさ/
 22.最後の戦い/23.パ・ド・ドゥ/24.子どもたちの踊り/25.エンド
フィンランド国立歌劇場管弦楽団/
トゥオマス・カンテリネン(指揮)
録音 2012年11月23日 フィンランド国立バレエ団 世界初演
 アンデルセンの「雪の女王」のお話は、誰もが一度は幼い頃に読んだことがあるのではないでしょうか。
 悪魔の作った鏡の欠片が目と心臓に刺さってしまったことで冷たい性格に変わってしまった少年カイ。そのカイを連れ去ってしまう雪の女王。カイを慕う少女ケルトゥ(ゲルダ)、ケルトゥを助ける山賊の娘。彼らを取り巻く物語を元に、フィンランド国立バレエ団の芸術監督で名ダンサーでもあるケネス・グレイヴが感動的なバレエを作り上げました。
 音楽を書いたのはフィンランドで最も多忙な作曲家の一人、カンテリネン(1969-)。彼は映画のスコアやテレビシリーズの音楽、CMの音楽など多彩な創作活動をする傍ら、ピアノ協奏曲や交響曲などクラシック作品も書いている注目すべき人です。このバレエのためにも変幻自在で、美しく快活な音楽を付けています。「くるみ割り人形」と並ぶ、クリスマスの定番にしたいバレエです。
  


ODE-1241
(2CD)
\2300→\2090
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006
<CD1>
 1-4.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
 5-12.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ロ短調 BWV1002/
 13-16.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ短調 BWV1003/
<CD2>
 1-5.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004/
 6-9.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005/
 10-16.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(ヴァイオリン)
録音 2012年10月.11月& 2013年3月 フィンランド カルヤー教会
 フィンランドを代表する名女性ヴァイオリニスト、シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルクの真摯なバッハ(1685-1750)。彼女はあらゆる時代の音楽を演奏しますが、重きを置いているのは17世紀から19世紀の音楽であり、またヴィオラとヴィオラ・ダモーレも見事に弾きこなします。
 オランダ留学時にはフランス・ブリュッヘン率いる古楽オーケストラでヴァイオリンを演奏、また10年に渡りヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレでもリーダーを務めるなど素晴らしい成果を上げています。


 あまりこの人をご存じない方のために・・・モーツァルトでも聴いてみますか??
http://www.youtube.com/watch?v=Rs3VT0KV_JE
 


ODE-1246
\2300→\2090
夢の時 〜デヴィッド・アーロン・カーペンター:ヴィオラ名演集
 1-4ブラームス(1833-1897):ヴィオラ五重奏曲 Op.115(原曲:クラリネット五重奏曲)/
 5.フランク・ブリッジ(1879-1941):悲歌 /
 6-7.ロバート・マン(1920-):ヴィオラ独奏のための「夢の時」
デヴィッド・アーロン・カーペンター(ヴィオラ)/
<ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の奏者たち:
ベルンハルト・ハルトーク(第1ヴァイオリン)/
リューディガー・リーバーマン(第2ヴァイオリン)/
ヴァルター・キュースナー(ヴィオラ)/
シュテファン・コンツ(チェロ)>
録音 2013年2月6日 ベルリン・フィルハーモニー,カンマームジークザール
 注目のヴィオラ奏者カーペンターによる感動的なヴィオラ名曲集。アルバムタイトルにもなっているロバート・マンの美しい作品「夢の時」を中心に、ブリッジの「悲歌」とブラームスの「五重奏曲」を収録。これらの曲はヴィオラの音色にふさわしい淡い悲しみや仄暗い表情、そして落ち着いた色合いを持っています。
 ブラームスの五重奏曲は本来クラリネットで演奏されますが、このようにヴィオラで演奏される場合もあり、ブラームスの抱いていた沈痛な感情が柔らかく表現された名作です。静かな面持ちのブリッジの悲歌も渋い美しさに満ちています。

OPERA AUSTRALIA(CD)

 オーストラリアの国立オペラ・カンパニーである「Opera Australia」は最高経営責任者クレイグ・ハッサールと芸術監督リンドン・テッラチーニが主導し、オーストラリアの文化生活の向上と維持、新しい芸術の開発に日夜邁進しています。
 美しい景観で知られるシドニー・オペラ・ハウスを中心として、他には野外でのオペラ(無料公演も含む)などを併せると、年に600 以上の公演が行われ、その質も非常に高く、また多くの公演はオーストラリア国営放送(ABC)で放送されるなど、生活に密着したオペラを次々に提供しています。
 ※映像ソフト(Blu-ray&DVD)も同時発売
OPOZ56040CD
(2CD)
\2300
プッチーニ(1858-1924):歌劇「蝶々夫人」3幕
 ジョン・ルーサー・ロング…原作
 ジュゼッペ・ジャコーザ&ルイージ・イッリカ…台本
  収録 2012年11月 メルボルン アーツ・センター
蝶々さん…大村博美(ソプラノ)
B.F.ピンカートン…ジェームズ・エッグルストーン(テノール)
ゴロー…グレアム・マックファーレーン(テノール)
スズキ…サイアン・ペンドリー(メゾ・ソプラノ)
シャープレス…バリー・リャン(バリトン)
神官…クリフォード・プランプトン(バリトン)
役人…グレゴリー・ブラウン(台詞)
ボンゾ…ジャド・アーサー(バス)
ヤマドリ公爵…サムエル・ドゥンダス(バリトン)
ケイト・ピンカートン…ニコル・カー(メゾ・ソプラノ) 他

オペラ・オーストリア合唱団
オーケストラ・ヴィクトリア
ジョヴァンニ・レッジョーリ(指揮)
蝶々さんは時代に翻弄されただけの女ではなく、確固たる意志を持って行動した強い女性なのだ
 アメリカの海軍士官ピンカートンは、日本での「ひと時の妻」を探すため結婚斡旋業者のゴローに紹介を頼みます。ゴローは15歳の可憐な蝶々さんを彼に会わせますが、彼女は真実の愛を願っており、ピンカートンのきまぐれさを理解することはできません。彼女はピンカートンと結婚するために、キリスト教に改宗するまでも真摯な思いを貫きますが、当のピンカートンはあくまでも「ひと時の愛」と考えています。
3年後、任務が終わったピンカートンはアメリカに帰国。蝶々さんは彼との愛児を胸に抱きながら夫の帰りを待つのです。しかしその頃ピンカートンは、アメリカ本国で正式な結婚をしていたのでした・・・。彼の妻ケイトと対峙した蝶々さんは固い決意のもと自らの命を絶つのです。
 プッチーニの作品の中でもとりわけ人気の高い「蝶々夫人」ですが、日本人がこのオペラを見る時には、どうしても細部の差異に目が行ってしまう傾向がるようです。しかし「他文化の人たちの目に映る日本」というものについて考えることができるのも、このオペラの特徴の一つと言えるのではないでしょうか。
 とはいえ、この演出は、日本伝統の文化に触発された豪華な衣装や照明と、最小限の装置を使うことで全く違和感のない舞台が作り上げられています。蝶々さんを歌うのは日本人期待のソプラノ大村博美さん。東京藝術大学大学院修了後、イタリア・ミラノで研鑽を積み現在はフランス在住の実力派です。パワフルさと繊細さを併せ持つ芯のある歌声と表現力は今後の活躍も期待させます。
 

OPOZ56031CD
(2CD)
\2300
ヴェルディ(1813-1901):歌劇「椿姫」3幕
 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ…台本
  収録 2012年 シドニー・ハーバー
ヴィオレッタ・ヴァレリー(椿姫)…エマ・マシュー(ソプラノ)
アルフレード・ジェルモン…ジャンルカ・テッラノーヴァ(テノール)
フローラ・ベルヴォア…マーガレット・プルンマー(メゾ・ソプラノ)
アンニーナ(ヴィオレッタの小間使い)…サラ・スィーティング(ソプラノ)
ジョルジョ・ジェルモン(アルフレードの父)…ジョナサン・サマーズ(バリトン)
ガストーネ子爵…マルティン・バッキンガム(テノール)
ドゥフォール男爵…ジェームズ・クレイトン(バリトン)
グランヴィル(医師)…ジョン・ボルトン・ウッド(バス)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
ブライアン・キャッスル=オニオン(指揮)
劇場から外の世界に飛び出した悲劇のヒロイン
 ヴェルディの全ての歌劇の中でも、1.2を争う人気作「椿姫」。この世界で最も愛される作品は、これまでにも数多くの歌手、オーケストラ、指揮者、そして演出家たちが手掛け、様々な舞台を作り上げてきています。このハンダ・オペラ・オン・シドニーハーバーのプロジェクトは、シドニー湾に特設の水上舞台を浮かべ、美しい景観で知られるオーストラリアのハーバー・ブリッジやオペラハウスをバックに幻想的な物語が繰り広げられるというものです。エマ・マシューの堂々としたヴィオレッタ、まばゆいばかりの声を持つテノール、テッラノーヴァのアルフレード、そして星の煌めきに負けない光を放つスワロフスキーの巨大シャンデリア、そして夜空を彩る花火の儚い美しさ・・・。これらが一つになり信じられないほどのひと時を生み出すのです。ステージの下に隠されたオーケストラは、おなじみブライアン・キャッスル=オニオンが抜群の統率力を駆使して味のある音楽を紡ぎ出しています。
 

OPOZ56003CD
(3CD)
\2600
モーツァルト(1756-1791):歌劇「フィガロの結婚」4幕
 カロン・ド・ボーマルシェ…原作
 ロレンツェ・ダ・ポンテ…台本
  収録 2010年 シドニー・オペラ・ハウス
フィガロ…テディ・タフ・ローズ(バス・バリトン)
スザンナ…タリン・フィービッグ(ソプラノ)
アルマヴィーヴァ伯爵…ピーター・コールマン=ライト(バリトン)
伯爵夫人…ラシェル・ダーキン(ソプラノ)
ドン・バルトロ…ワーウィック・ファイフェ(バス)
マルチェリーナ…ジャクリーン・ダーク(メゾ・ソプラノ)
ケルビーノ…サイアン・ペンドリー(メゾ・ソプラノ)
ドン・バジーリオ…カネン・ブリーン(テノール)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
パトリック・サマーズ(指揮)
男も女も、結局は愛の駆け引きが好きなんです・・・
 苦労して手に入れた妻ロジーナがいるにも拘わらず、どうも最近はもっと若い女の子に目が行ってしまう浮気者のアルマヴィーヴァ伯爵。今度は忠実な家臣であるフィガロの婚約者スザンナに目を付けています。何とか彼女をものにしたいと考えた伯爵は、一度は廃止した「初夜権…権力者の自らの領地内での結婚式については、夫よりも先に妻を味わえるという不条理な決まり」を復活させてようと考えます。もちろん伯爵夫人もフィガロもそれを許すわけにはいきません。
 そんな伯爵夫人に惹かれているのは若きケルビーノ。しかし実のところ、若い彼は女性とみれば誰にでもときめきを感じてしまうのです。そんな登場人物が入り乱れて花咲く洒落た駆け引きの物語です。
ロッシーニの「セヴィリャの理髪師」の後日談。封建貴族に使える家臣フィガロを巡る様々な人の思惑を通して、貴族社会を痛烈に批判したこの物語は、当時何度も上演禁止になるほどに刺激的なものでした。当時30歳のモーツァルトは、この物語をうまく整理し、巧妙な音楽を付けています。この上演フィガロ役のテディ・タフ・ローズがイケメン過ぎるのはご愛嬌。他の歌手たちも芸達者であり、まことにフレッシュな歌唱を聴かせます。
 

OPOZ56011CD
(2CD)
\2300
ヴェルディ(1813-1901):歌劇「リゴレット」3幕
 ヴィクトル・ユーゴーの戯曲「王は愉しむ」…原作
 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ…台本
  収録 2011年 シドニー・オペラ・ハウス
リゴレット(公爵に仕える道化)…アラン・オピー(バリトン)
ジルダ(リゴレットの娘)…エマ・マシューズ(ソプラノ)
マントヴァ公爵…ポール・オニール(テノール)
スパラジチーレ(殺し屋)…デイヴィッド・パーキン(バス)
チェプラーノ伯爵…サミュエル・ドンダズ(バリトン)
モンテローネ伯爵…ゲンナジ・ドゥビンスキ(バス)
マッダレーナ…エリザベス・チャンベル(メゾ・ソプラノ)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
ジョヴァンナ・レッジョーリ(指揮)
人生は愉しんだ者勝ちなのか・・・?
 物語の悲しい結末を予感させるかのような重苦しい序曲が終わった途端、そこに現れるのは猥雑な舞台。ダンサーが特設舞台でえげつない踊りをしている中に登場するマントヴァ公爵。彼は今、ある娘を狙っていますが、とりあえず今夜は他の女性を狙い討ち。そんないきさつを見ていたリゴレットの嘲笑が引き起こす恐ろしい物語。見せかけの愛、真実の愛、親子の愛、噂話、そして名誉。これらがじわじわと主人公たちを追い詰めて行きます。何と言ってもこの物語の恐ろしいところは、悪人であるマントヴァ公爵に何の報復もないところでしょうか・・・。
 1851年にフェニーチェ劇場で初演された「リゴレット」。ユーゴーの戯曲を読んだヴェルディは、この主人公を「全ての劇場、全ての時代が望みうる最高の登場人物」とまで高く評価したといいます。この上演は数あるオペラ・オーストリアの演目の中でもとりわけ愛されているもので、ヴェルディの暗いメロドラマを現代のマフィア社会に置き換え、一層人間くさいドラマへと転換しています。リゴレット役のアラン・オピーの驚くほど生々しい表現力、軽薄さ満開のポール・オニールのマントヴァ公。そして清楚なマシューズのジルダ。彼らの歌を引き立てるレッジョーリの指揮。素晴らしいパフォマンスです。
  

OPOZ56016CD
(2CD)
\2300
ギルバート(1836-1911)&サリヴァン(1841-1900):オペレッタ「ミカド」
 ウィリアム・S・ギルバート…脚本
 アーサー・サリヴァン…作曲
ミカド(帝)…リチャード・アレキサンダー(バス・バリトン)
ナンキ・プー…ケイネン・ブリーン(テノール)
ヤムヤム…タリン・フィービッグ(ソプラノ)
ココ…ミッチェル・ブーテル(バリトン)
プーバー…ワーウィック・ファイフェ(バス)
カティーシャ…ジャクリーヌ・ダーク(アルト)
オペラ・オーストリア合唱団
オーケストラ・ヴィクトリア
ブライアン・キャッスル=オニオン(指揮)
どこかで見たような、でも初めてみるような・・・不思議な国で起きた物語
収録 2011年 アーツ・センター
 ニホンの都「ティティプー」の死刑執行大臣ココの家にやってきた旅芸人ナンキ・プー(彼の真の姿は若くハンサムな皇太子で、その父はミカドです)。彼は父の決めた許嫁かてぃーしゃから逃れるために家出し、旅芸人になっているのです。そんなナンキ・プー。若く美しいヤムヤムと恋に落ちますが、彼女はココの婚約者。悔しい思いをするのです。そんな時、ココとヤムヤムが「いちゃつきの罪(!)」で死刑宣告を受けるのですが・・・。
 1885年にロンドンで初演されたオペレッタ「ミカド」。当時ナイツブリッジで開催されていた「日本博覧会」が人気を博し、イギリスで起きた空前の日本ブームに乗じた楽しい物語です。当時は“未知の国”であった日本を舞台にしながらも、実はイギリスの上流階級を皮肉った作品であり、観客はそれと知らずに批判に加担しているという凝ったものでもあります。
 モーンダーの演出は幻想的であり、私たちの知っている日本とは違った「ニホン」が見事に描かれています。豪華な衣装、繊細なセット。どれもが魅惑的で楽しいものです。登場人物がリンゴのマークの付いた機械を操作していたりと時代も上手くぼかされています。
 指揮はブライアン・キャッスル=オニオン。全てにおいて溌剌とした活力ある音楽を紡ぎ出しています。途中で聞こえてくるのは「宮さん宮さん」?だったりとなんとも楽しい作品をぜひどうぞ。
 

OPOZ56019CD
(2CD)
\2300
プッチーニ(1858-1924):歌劇「ラ・ボエーム」
 収録 2011年 シドニー・オペラ・ハウス
ミミ…タケシャ・メシェ・キザール(ソプラノ)
ロドルフォ…パク・ジ=ミン(テノール)
マルチェッロ…ホセ・カルボ(バリトン)
コッリーネ…デヴィッド・パーキン(バス)
ショナール…シェーン・ローレンス(バリトン)
ムゼッタ…タリン・フィービッグ(ソプラノ) 他
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
呂紹嘉(リュウ・シャオチャ)(指揮)
大いなる不安の時代、人々は夢の世界でひと時の快楽を得る
 物語は1830年頃のパリの学生街。その日暮らしの4人の芸術家たち…詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、音楽家ショナール、哲学者コッリーネの友情と、同じアパートに住むお針子ミミとロドルフォの愛が描かれています。アンリ・ミュルジェールの小説「ボヘミアン生活の情景」が原作であり、台本作成にはプッチーニ自身の注文が数多く盛り込まれ、数多くの見せ場のある悲しくも聴きどころたっぷりの作品で、プッチーニのオペラの中でも最もよく演奏されるオペラとして知られています。
 ゲイル・エドワーズはこの舞台を1930年代初頭の不安な時代のベルリンに置き換えました。
 見せかけだけの煌びやかさを誇る沈溺の街、派手なキャバレー。ここで繰り広げられるボヘミアンたちの世界は、真の貧困を忘れたふりをするかのような、置いたロマンティックでファンタスジックなものです。切ないミミ、カリスマ性たっぷりのロドルフォ、カフェで働く美しいムゼッタ。全てが儚い夢のように重厚なオーケストラの調べで歌われていくのです。
 

OPOZ56022CD
(2CD)
\2300
レオ・ドリーブ(1836-1891):歌劇「ラクメ」3幕
 ピエール・ロティ…原作
 エドモン・ゴンディネとフィリップ・ジル…台本
 アダム・クック版を基にした演出
 収録 2011年 シドニー・オペラ・ハウス
ラクメ…エマ・マシューズ(ソプラノ)
ジェラルド…アルド・ディ・トーロ(テノール)
ニラカンサ…ステファン・ベネット(バス)
マリカ…ドミニカ・マシューズ(メゾ・ソプラノ)
ハッジ…エドモンド・チョー(テノール)
フレデリック…ルーク・ガベッディ(バス・バリトン)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
エマニュエル・ジョエル=オルナック(指揮)
「花の二重唱」「鐘の歌」のみが知られる秘曲オペラ登場
 19世紀後半、イギリス統治時代のインドの物語。イギリス人将校のジェラルドは神聖なバラモン寺院に不法侵入してしまいます。そこで出会ったのは美しい娘ラクメ。たちまち二人は恋に落ちるのですが、彼女の父の高僧ニラカンサはバラモン寺院が冒涜されたことに怒り、ジェラルドに復讐を誓うのでした。ニラカンサはラクメの「鐘の歌」でジェラルドを誘きだし刺してしまいます。ラクメはジェラルドのために生きることを決意するのですが、結果的にジェラルドは彼女の思いに応えることはなく、ラクメは名誉ある死を選ぶのでした。
 1883年にパリのオペラ・コミック劇場で初演された「ラクメ」は、この当時パリで流行していた東洋的な雰囲気を映し出した幻想的な作品です。ただし、ラクメ役の歌手には「鐘の歌」で見られるような超絶技巧が要求され、またオーケストラの響きもかなり複雑であるため、上演機会はあまり多くありません。この上演はエマ・マシューズの素晴らしい歌唱と、ジェラルド役のテノール、アルド・ディ・トーロの輝かしい美声が印象的。オリエンタルな衣装や暖かみのある照明も、この悲劇にふさわしい風格を有しています。
 

OPOZ56025CD
(3CD)
\2600
モーツァルト(1756-1791):歌劇「ドン・ジョヴァンニ」2幕
 ロレンツォ・ダ・ポンテ…台本
  収録 2011年 シドニー・オペラ・ハウス
ドン・ジョヴァンニ…テディ・タフ・ローズ(バス・バリトン)
レポレッロ…コーナル・コード(バス)
ドンナ・アンナ…ラシェル・ダーキン(ソプラノ)
騎士長…ダニエル・スメギ(バス・バリトン)
ドン・オッターヴィオ…ヘンリー・チョー(テノール)
ドンナ・エルヴィーラ…(ソプラノ)
ツェルリーナ…ジャクリーヌ・ダーク(ソプラノ)
マゼット…アンドリュー・ジョーンズ(バス)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
マーク・ウィッグルスワース(指揮)
例え地獄に落ちてもいいから、一度こんなことをしてみたい・・・そんなオトコの夢がたっぷり
 女たらしの貴族ドン・ジョヴァンニ。彼にいやいやながら使える従者レポレッロ。今夜もドン・ジョヴァンニは騎士長の娘ドンナ・アンアの部屋に忍び込みましたが失敗。逃げようとするところに現れた騎士長と争ったジョヴァンニは、彼を刺殺してしまいます。悲嘆にくれたアンナは、彼女の許嫁オッターヴィオに復讐を願います。やっと逃げ出したジョヴァンニと出会ったのは彼の昔の女、ドンナ・エルヴィーラ。ここではトラブル回避のためにレポレッロに彼女を押し付け逃げてしまうジョヴァンニ。レポレッロは有名な「カタログの歌」を歌うのです。ジョヴァンニが次に目を付けたのは結婚式を挙げたばかりのツェルリーナ。さてこのワルイ男に天罰は下るのでしょうか・・・。
 17世紀スペインの伝説的放蕩者ドン・ファンを主人公にしたモーツァルトの名作オペラ。もちろんタイトル・ロールを歌う歌手は、セクシーかつ目を見張るほどのカリスマ性を抱いていなくてはいけません。その点、このテディ・タフ・ローズは全てにおいて完璧です。イケメン、鍛え抜かれた腹筋、そして甘い低音。全ての女性は彼にメロメロです。モーツァルト自身はこの作品を「悲劇」とはせずに「喜劇的」と呼んだのですが、地獄落ちの場面などは迫力たっぷり。演出はオーソドックスであり、ジョヴァンニはスメギ演じる騎士長によって、地獄の炎に向かって放り出されるのです。
 

OPOZ56028CD
(3CD)
\2600
R.シュトラウス(1864-1949):歌劇「ばらの騎士」3幕
 フーゴ・フォン・ホフマンスタール…台本
  収録 2010年 シドニー・オペラ・ハウス
オクタヴィアン…ロフラーノ・キャサリン・カービィ(メゾ・ソプラノ)
元帥夫人マリー・テレーズ…シェリル・パーカー(ソプラノ)
レルヒェナウ男爵オックス…マンフレッド・ヘム(バス)
ゾフィー…エンマ・ピアソン(ソプラノ)
フォン・ファニナル…ワーウィック・ファイフェ(バリトン)
イタリア人歌手…ヘンリー・チョー(テノール)
ヴァルツァッキ(陰謀屋)…アンドリュー・ブルンスドン(テノール)
アンニーナ(ヴァルツァッキの姪)…ジャクリーヌ・ダーク(アルト)
オペラ・オーストリア合唱団
オーストラリア・オペラ&バレエ管弦楽団
アンドリュー・リットン(指揮)
色々あったけど、最後は美しく終わりましょう。私の心の痛みと共に・・・

18世紀のウィーン。元帥夫人マリー・テレーズはそろそろ自らの容姿と若さに衰えを感じるお年頃。とはいえ、夫の留守中に若い愛人オクタヴィアンと××中。そんな時に現れた夫人の従兄オックス男爵。彼の用件は「最近若い娘ゾフィーと婚約したので、婚約申込みの使者である“ばらの騎士”にふさわしい若い貴族を紹介してほしい」というもの。彼女はオクタヴィアンをその役に推薦します。さて“ばらの騎士”としてゾフィーの元に出かけたオクタヴィアンですが、もちろん若い二人は瞬時に恋に落ちてしまって・・・。ゾフィーを取られて憤慨するオックス男爵、そしてオクタヴィアンを失う不安と闘う元帥夫人。もちろん物語はちょっぴり悲しい余韻を残してハッピーエンドになるのです。

永遠に変わらぬ女性心…時とともに移ろい行くものに対しての惜別の念…を見事に描きだしたホフマンスタールとR.シュトラウスの名作オペラ。素材自体はコミカルな味付けが施されながらも、愛、欲望、弱さなど人間の本質を鋭くえぐり出した台本、そこに付けられたまるで砂糖菓子のような甘い音楽。これはまさに大人のための「お伽話」と言ってもよいでしょう。
元帥夫人を歌うシェリル・パーカーの凛とした美しさ、素朴な風合いのキャサリン・カービィのオクタヴィアン、そして世間知らずな振りをするピアソンのゾフィー。彼女(彼も?)らに絡む、愛すべきがさつな男爵を歌うヘム。見事なドラマが浮かび上がります。いかなるオケからも豪華な響きを紡ぎ出すリットン、ここでも重厚な音楽を聞かせます。
 
OPOZ56034CD
(2CD)
\2300
プッチーニ(1858-1924):歌劇「トゥーランドット」3幕
 カルロ・ゴッツィ…原作
 ジュゼッペ・アダーミ&レナート・シモーニ…台本
  収録 2012年 メルボルン アーツ・センター
トゥーランドット…スーザン・フォスター(ソプラノ)
カラフ(王子)…ロザリオ・ダ・スピナ(テノール)
リュー(カラフに思いを寄せる娘)…クォン・ヘソン(ソプラノ)
ティムール…ジャド・アーサー(ダッタン国の元王)(バス)
役人…シェーン・ローレンス(バリトン)
ピン…アンドリュー・モーラン(バリトン)
パン…グレーム・マックファーレーン(テノール)
ポン…デヴィッド・コルコラン(テノール)
アルトゥーム(中国の皇帝)…ベンジャミン・ラシード(テノール)
オペラ・オーストリア合唱団&児童合唱団
オーケストラ・ヴィクトリア
アンドレア・リカータ(指揮)
どんな氷もいずれは溶ける。が、しかし、また凍ることもあるかも・・・
 祖国を追われて放浪中の身であるダッタン国の王子カラフ。彼は紫禁城の広場でトゥーランドット姫を見かけ、その美しさの虜となります。しかし彼女に求婚するためには3つの謎を解かなくてはいけません。求婚の名乗りを上げたカラフはトゥーランドットのかけた謎を次々と解いていくのですが、トゥランドットは頑なに結婚を拒否します。そこで彼はなぜか、トゥーランドットに対して「誰も知らぬはずの私の名を夜明けまでに知ることができれば、私は死んでもよい」と宣言するのです。
 トゥーランドットは国中に命令を出し彼の名を知るために奔走します。果たして最後に勝利するのは誰なのでしょうか?
 アリア「誰も寝てはならぬ…Nessun dorma」で知られるプッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」。
 残酷なトゥーランドット姫の真意は「異国の男性に騙され失意の内に死んだ過去の姫の恨みをはらすため、全ての男性に復讐をする」というものでしたが、その氷の心が少しずつ溶けていく様子はまさに感動的であり、普遍の女心を描くものとして高く評価されています。
 この演出は、幻想的な美しさとオリエンタリズムを融合させたもので、白を基調にした衣装や不思議な装置など、極めて空想的な雰囲気に満ちています。タイトル・ロールのスーザン・フォスターの強靭な声も魅力的。全てにおいてバランスのとれた映像と言えるでしょう。

ORCHID CLASSICS



ORC100037
\2000→\1890
金 聖響
 ベンジャミン・ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
  1-3.ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.15(1938-1939)/
  4-7.歌劇「ピーター・グライムズ」から「4つの海の間奏曲」Op.33a
   <夜明け/日曜日の朝/月光/嵐>
マシュー・トラスラー(ヴァイオリン)/
フランダース交響楽団/
金 聖響(指揮)…1-3/
ジャン・レイサム=ケーニック…4-7
録音 2012年10月7-8日 アントワープ デシンゲル,スタジオ・レコーディング…1-3, 2013年6月3日 ブリュッセル パラス・ド・ボザール,ライヴ・レコーディング…4-7
 2013年に生誕100周年を迎えたブリテン(1913-1976)の2つの作品。ヴァイオリン協奏曲は、ブリテンが、パートナーのピアーズとともに訪れたニューヨークで1939年に初演されました。
 この作品はその3年前に、彼が出会ったスペインの名手アントニオ・ブローサに触発されて書かれたもので(ブローサとはOp.6の組曲を演奏している)当時のスペイン内戦の崇高な精神が反映されているとともに、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲からの圧倒的な影響も感じられる作品です。ブリテンの反戦意識も表明されていると言えるでしょう。
 名歌劇「ピーター・グライムズ」からの「4つ海の間奏曲」はすでに標準的なレパートリーとしてk確立されている作品です。ヴァイオリンを演奏するのは、このレーベルの主宰者、マシュー・トルスター。国際的に活躍する傍ら、若手の演奏家たちを支援する財団も立ち上げ、イギリスの音楽界の発展に大きく寄与しています。
 


ORC100039
\2000→\1890
イリヤ・グリンゴルツ(ヴァイオリン)
 パガニーニ:無伴奏ヴァイオリンのための24のカプリース Op.1

  1.ホ長調/2.ロ短調/3.ホ短調/4.変ホ長調/5.イ短調/
  6.ト短調/7.イ長調/8.変ホ長調/9.ホ長調/10.ト短調/
  11.ハ長調/12.変イ長調/13.ト短調/14.変ホ長調/15.ト長調/
  16.ト短調/17.変ホ長調/18.ハ長調/19.変ホ長調/20.ニ長調/
  21.イ長調/22.ヘ長調/23.変ホ長調/24.イ短調「主題と変奏」
イリヤ・グリンゴルツ(ヴァイオリン)
録音 2012年12月21-24日 ロシア サンクトペテルスブルク,エストリア福音ルター派教会
 1982年サンクトペテルブルク生まれのイリヤ・グリンゴルツ。1998年にパガニーニ国際コンクールで優勝し国際的な評価を得ました。その翌年、BISレーベルからパガニーニ(1782-1840)作品集をリリース(ヴァンスカ指揮、ラハティ響と共演)、見事な技巧と音楽性を披露しています。
 今回のパガニーニは、おなじみの「24のカプリース」で、完全無欠な技巧を要求するこの難曲ではありますが、パガニーニを得意とするグリンゴルツの手にかかれば、いとも容易くこれらの曲が紡ぎ出されてくるのです。美しい音色、緻密な集中力、息を飲むほどの超絶技巧、そして高い音楽性。これらを全て併せ持つ素晴らしいグリンゴルツの演奏は、最初の数秒を耳にしただけで魅せられてしまうこと間違いありません。

 その快演(怪演?)の一部がここで少し聴ける。
 http://www.youtube.com/watch?v=SX6PlcfgXK0&feature=player_embedded

 チャイコフスキーのコンチェルトを弾いてるところが少し観られるが、我々がイメージするパガニーニになんとなく似てる気がする。もともと似てるのか似せてるのか。
 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6rYQ9ue9_18
 

ORCHID CLASSICS

Boris Giltburg: Romantic Sonatas
ORC100035
\2000
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
 ロマンティック・ソナタ集

 1-3.ラフマニノフ(1873-1943):
  ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36(1931年版)/
 4-7.グリーク(1843-1907):ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.7/
 8-12.リスト(1811-1886):ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
録音 2012年7月1-3日 UK ヘレフォードシャー ウィアストン・コンサート・ホール
 以前から注目されてはいたものの、どちらかというと慎重にキャリアを積んできた感のあるギルトブルグ。しかし2013年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したことで彼の注目度が一気に高まったことは間違いありません。
 この録音は2012年の7月のもので、ここでも見事な洞察力と類い稀なる技巧で、このロマン派における重要な3つのソナタを演奏しています。
 1913年にラフマニノフが自らの語法を確立してから書き上げるも、後の1931年に大幅なカットが加えられ、より凝縮された音楽へと生まれ変わったソナタ第2番。あらゆるピアノ・ソナタの中でも極めて革新的、かつ捉えどころのないリストのソナタ、そしてグリーグの活動の最初期に書かれた演奏困難なソナタ。この3つの作品を同じ「ロマン派のソナタ」とくくるとしたら、そこには多くの想像力と感受性が求められることでしょう。もちろんギルトブルグの演奏は、この3つの作品の根底に流れる抒情性を丁寧に汲み上げ、理想的な形の音で描き出しています。
<既発アルバム> プロコフィエフ:ソナタ集…ORC100023
 
Janacek: The Two String Quartets
ORC100036
\2000
アルカディア弦楽四重奏団デビュー・アルバム
 ヤナーチェク:2つの弦楽四重奏曲

  1-4.弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調「クロイツェル・ソナタ」(1923-1924)/
  5-8.弦楽四重奏曲 第2番「ないしょの手紙」(1928)
アルカディア弦楽四重奏団/
<メンバー:アナ・テレク(ヴァイオリン)/
ジャスヴァン・ドゥミトルー(ヴァイオリン)/
トライアン・ボアルジャ(ヴィオラ)/
ツソルト・テレク(チェロ)>
録音 2013年2月2日…1-4, 2013年1月30-31日…5-8
 2012年ウィグモア・ホール主宰の「弦楽四重奏コンクール」で優勝した若きアンサンブル、アルカディア弦楽四重奏団のデビュー・アルバムです。彼らはルーマニアのゲオルゲ・ディマ音楽アカデミー出身で、2005年にアンサンブルを結成しました。
 彼らの演奏するヤナーチェクはまさに非の打ちどころのないものであり、ヤナーチェクの音楽が持つ官能性、欲望、愛を忠実に映し出しています。
 第1番「クロイツェル・ソナタ」は1923年の作品で、ベートーヴェンの作品ではなく、トルストイの同名作品にインスパイアされたもので、どうにも逃げることのできない人間の性と運命が切ないほどに音で描かれています。
 第2番「ないしょの手紙」は1928年の作品で、ヤナーチェク(1854-1928)が深い愛を捧げた人妻カミラへの思いが端的に描かれたものです。彼ら2人の間に交わされた不思議な愛情が透けて見えるかのような音楽です。

OUR RECORDINGS

6.220607
(SACD-Hybrid)
\2200
パレ・ミケルボルグ:Going to Pieces Without Falling Apart
 1.夜明けの合唱/2.朝のラーガ/3.日の出/4.アフリカの少女/
 5.日暮れ-夏の夜/6.僧侶の詠唱/7.優しき夏の雨/
 8.心の回転木馬/9.黄金の神秘/10.中国の少女/
 11.子守歌-成長する間に-語り/12.影のワルツ/13.Afterthoughts-思考の後
ミカラ・ペトリ(リコーダー)…1-12/
ヘレン・デイヴィス(ハープ)…1-12/
パレ・ミケルボルグ(トランペット)…13/
南ユラン交響楽団/
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指揮)
録音 2012年12月17-21日 ソンデルボリ アルシオン・コンサート・ホール…1-12, 2013年1月 デンマーク オステルブロ,マイルームスタジオ…13
 優れたトランペット奏者であり、かつ作曲家でもあるミケルボルグ(1941-)。北欧生まれの彼の音楽は極めてわかりやすく、また象徴的でもあります。この「Going to Pieces Without Falling Apart」は、魂の成長を描いた作品であり、ところどころに見え隠れする郷愁や、感傷的なフレーズを取り込みながら、一つの大きな流れが出来上がっていくというものです。
 ハープとリコーダー、そして悠然と奏されるオーケストラの響きが相まって、大きな世界が創造されていきます。彼自身がトランペットを吹くトラック13の「思考の後」はプログレとジャズの融合であり、即興性に富みながらも古典のイディオムを用いた独創的な音楽です。気持ちのよいトランペットの音が耳を駆け抜けて行きます。
 
8.226907
\2000
ある夢を見た-デンマーク歌曲集
 1.昨夜私は夢を見た/2.それは土曜の前の日/3.鳩が飛んでいる/
 4.風に乗って飛んで行こう/5.濃密に、静かに穏やかに/6.アネモネ/
 7.とても穏やかな夜/8.明るい夜/9.真夏のテント/
 10.デンマークの大切な時/11.おお花よ、頭をたれよ/
 12.スヴァンテの幸せな日/13.幸福について/14.夕べの小道/
 15.母なる太陽が根差している/16.9月の空はなんと/
 17.地上と静かな空/18.海、ゆりかごは揺られて/
 19.静かな心、日は沈む/
 20.スズメは屋根に静かにとまって/21.もう一度静かに/22.今すぐ願いを
デンマーク国立声楽アンサンブル/
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
ミカエル・ボイェセン(指揮)
録音 2012年8月20-27日 コペンハーゲン コンチェルトフセット 第2スタジオ
 ミカラ・ペトリとデンマーク国立声楽アンサンブルのコラボレーション・アルバム第2弾。
 最初のアルバム(6.220605)ではプラウリニュシュ作曲の「ナイチンゲール」などストーリー性に富んだ曲集でしたが、今回はデンマークの原点に立ち返り、民俗的な旋律を用いた合唱作品集となっています。デンマークの人々の心を反映した歌はどれも静かな雰囲気を湛えた魅力的なものですが、そこに合いの手を入れるペトリの演奏がまた見事。ある時はぴったりと装うかと思えば、ある時はまるで鳥のさえずりのように自由な音型を奏でてみたり。と変幻自在です。合唱とリコーダーがこんなにも溶け合うとは…。新感覚の1枚です。
 
8.226908
\2000
ギタ・レーサによるアンデルセン物語の朗読
 1.カタツムリとばらの茂み(音楽:J.S.バッハ)/
 2.ナイチンゲール(音楽:M.リョベート)/
 3.ソマフーレン(音楽:M.リョベート)/
 4.とても信じられないこと(音楽:ベートーヴェン)/
 5.豚飼いの王子(音楽:M.ジュリアーニ)/
 6.まったくその通り!(音楽:モーツァルト)
ギタ・レーサ(朗読)/
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
チェン・ユェ(簫)/
カロリン・ヴィトマン(ヴァイオリン)/
ウーラ・ウリジョナ(ヴィオラ)/
マルタ・スドラバ(チェロ)/
ラース・ハンニバル(ギター)
録音 2012年8月16-17日 デンマーク ノルディック・フィルム・スタジオ
 デンマークで不動の地位を築き上げた女優ギタ・レーサ。このアルバムは、彼女が愛するアンデルセンの6つの物語を自身で朗読し、そこにミカラ・ペトリを始めとしたOURrecordingsお馴染みの演奏家たちが親密な音楽を付けているというアルバムです。彼女の語りのなんと表情豊かなこと。
 ちょっぴりハスキーで凄みのある声はまさに人生の機微を知る人そのもの。言葉の意味がわからずとも聞き入ってしまうこと間違いありません。大人のための童話集です。

RONDEAU


ROP-6075
\2000
光と愛 〜ゾヌクス・アンサンブルのための新しい合唱音楽
 1.ヴィタウタス・ミシュキニス(1954-):光、わが光/
 2.ポール・メアロウ(1975-):私は永遠を観た/
 3.ウジス・プラウリンシュ(1957-):光に/
 4.オラ・イェイロ(1978-):聖なる光/
 5.トビアス・フォルスター(1973-):光と愛/
 6.アルヴィン・ミヒャエル・シュローネン(1965-):光と愛/
 7-11.エリック・ウィテカー(1970-):5つのヘブライ語の愛の歌
  <テムナ/カラ・カッラ/ほとんど/雪だ/優しさに>/
 12.アレクサンダー・S・ヴジク(1945-):あなたは私のもの/
 13-16.グレゴール・ヒューブナー(1967-):ソロモンの歌からの断片
ゾヌクス・アンサンブル/
シュテファン・クーヒェル(サクソフォン)/
シリウス弦楽四重奏団/
ハンス=ヨアヒム・ルスティヒ(指揮)
録音 2012年11月10-11日,2013年5月24-26日 ヴェターゼン,カトリック教会
 RONDEAUレーベルのクロスオーヴァー・プロジェクトを担うゾヌクス・アンサンブルの現代的テイストの1枚です。
 即興性たっぷりのシリウス弦楽四重奏団とサックスのクーヒェルの演奏と、絶妙のハーモニーを紡ぎ出す若き男声メンバー「ゾヌクス・アンサンブル」のコラヴォレーションは、まるで別世界の音楽を聴くかのような不思議な体験をもたらします。たとえばトラック8のウィテカーでは神秘的な導入部が一転、賑やかな喧騒を描き出したり、トラック1のミシュキニスの作品では、サックスが鮮烈な合いの手を入れたりと、一味違う声楽アンサンブルを楽しめます。

ROP-6079
\2000
生命の祈り 〜音楽と献身
 1.ロッシーニ(1792-1868):老いのいたずら 第3集「慎み深い小品集」より/第7番「祈り」/
 2.ラインベルガー(1839-1901):新年の祈り Op.85-1/
 3.ラインベルガー:ミサ曲 変ロ長調 Op.172よりアヴェ・マリア/
 4.グリーグ(1843-1907):アヴェ・マリア・ステラ/
 5.チェスローヴァス・ササナウスカス(1867-1916):サルヴェ・レジーナ/
 6.ペーター・コルネリウス(1824-1874):悲歌 Op.9より第3番「私たちは人生の真っ只中」/
 7.コルネリウス:悲歌 Op.9より第1番「おお空よ、矢のように飛びたまいし」/
 8.レーガー(1873-1916):教会の歌 第3番「われを汝がものとなし、とどまりたまえ」/
 9.アレクサンダー・ブレント・スミス(1889-1950):わが魂よ、ここが祖国だ/
 10-13.プーランク(1899-1963):アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り/
 14.エルナ・ヴォル(1917-2005):シメオンへの賛歌/
 15.エルナ・ヴォル:喜ばしき光/
 16.エルハルト・マウエルスベルガー(1903-1982):全能の神/
 17.マウエルスベルガー:誰が彼の名前を呼ばれる/
 18.ヨハネス・ヴァイラウフ(1897-1977):主キリスト、神の御子、団結せよ/
 19.フーゴ・ディストラー(1909-1942):キリストの昇天 Op.5-21/
 20.ヘンク・バディングス(1907-1987):ユビラーテ・デオ/
 21.フィリップ・ゴルドマン(1987-):優雅な力によりて/
 22.マウエルスベルガー:主よ、われらは道具となりて/
 23.ゲオルク・クリストフ・ビラー(1955-):我らに平和を
アンサンブル・ティオス・オミロス
<メンバー:
パトリック・グラール(テノール)/
コルネリウス・フロンメルト(テノール)/
トビアス・アイ(バリトン)/
フィリップ・ゴルトマン(バス)/
マヌエル・ヘルメーケ(バス)>
録音 2013年2月18-21日 ライプツィヒ ハイリゲン・クロイツ 福音ルター派教会
 男声5人によるアンサンブル「ティオス・オミロス」の最新録音。前作の「1600年頃のドイツ教会音楽のコントラスト」(ROP6041)ではルネッサンス期のハーモニーをじっくり聴かせましたが、今盤はロマン派から近代までの「祈り」の旋律を歌い上げています。
 人はどのような時に祈るのか?それは恐怖であり、悲しみであり、また希望を求めるためとマルティン・ルターが言うように、祈りの助けを借りて人々は時を生き、様々なインスピレーションを得るのです。そんな美しい精神が宿るこの1枚。心の安らぎをもたらします。
 
ROP4041
\2000
J.S.バッハ(1685-1750):主の昇天祭日用のカンタータ集
 1.カンタータ「信じて洗礼を受けし者は」BWV37
 2.歓呼のうちに神は昇天したもう BWV43
 3.ただキリストの昇天によりてのみ BWV128
ヨハネス・ヒルデブラント(合唱団内ソプラノ)
コンラッド・ツーバー(合唱団内ソプラノ)
シュテファン・カーレ(合唱団内アルト)
マルティン・デッケルマン(合唱団内アルト)
ヤコブ・ヴェッツィック(合唱団内アルト)
クリストフ・ゲンツ(テノール)
マルティン・ペッツォールド(テノール)
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス)
マティアス・ヴァイケルト(バス)
ライプツィヒ・聖トーマス教会合唱団
ゲヴァントハウス管弦楽団
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 ライプツィヒ 聖トーマス教会
 このアルバムにはキリスト教の典礼暦の中でも、もっとも大きな祝いの一つである「昇天日」のための3つのカンタータが収録されています。基本的に復活祭から40日後の木曜日とされています。
1724年に初演された第37番のカンタータは短いながらも充実した曲で、器楽パートにはルターのコラールから引用された部分もあり、声楽パート以上に聴き応えのあるものです。テキスト自体は昇天よりも、洗礼を受けることについての考察と喜びであり、神を信じる本質が喜ばしく語られます。
 第43番は1726年に初演。短いながらも2部構成、11曲からなる重厚なカンタータです。トランペット、ティンパニ、オーボエの活躍が見事です。
 第128番は力強く晴れやかなコラール合唱で始まる美しいカンタータ。
 聖トーマス教会合唱団の少年たちによるアルトとソプラノのソロ・パートはいつものように清冽な感動をもたらします。
 
ROP6054
\2000
消滅、そして永遠〜
 ヴォルフェンビュッテル、ヘルツォーク・アウグスト図書館所蔵の珍しい曲集

 1.アンドレアス・ハンマーシュミット(1611-1675):
  恵み深くわれらに平安を与えたまえ
 2-14.マッダレーナ・カスラーナ(1544-1590):
  マドリガル 第2集より
 15.ハンマーシュミット:天にましますわれらの父よ
 16-22.ヤーコブ・ペートリヌス(1553-1591):
  「S.ベルナルドの精神が書かれ刻まれたいくつかの歌によるジュビロの最初の本」より
 23.ヨハン・シェレ(1648-1701):
  私は知っている、救い主が生きておられることを
 24.カスパール・フォルケルラス:Wer uberwindet sich, die Welt und was auff Erden
 25.ゾフィー・エリザベート(1613-1676):神が愛した英雄女王
 26.ヨハン・エラスムス・キンダーマン(1616-1655):Ich hab ein guten Kampff gekampfft
 27.クリストフ・ハインリッヒ・プフェッファーコルン:
  Arie, darinnen die seeligst-
  Verstorbene von der noch lebenden Frau Schwester,
  und diese von jener, betrubten Abschied nimt
 28.オットー・ギベリウス(1612-1682):わが愛する神よ
 29.セバスティアン・クヌッファー(1633-1676):私は神を探し求める
 30.ジョヴァンニ・バッティスタ・チネッリ(1610-1677):祝福を今見よ
ハノーヴァー少年合唱団
カペラ・アウグスタ・グェルテルバイタナ

イェルク・ブランディング(指揮)…1.15.23-24.26.28-29
グトルン・シュレーフェル(指揮)…2-14.16-22.25.27.30
録音 2011年7月4-9日 ハノーヴァー,NDRグロッサー・ゼンデザール
 ハノーヴァー少年合唱団と北ドイツ放送の共同企画である「知られざる合唱作品」の発掘の一つであるこのアルバムは、ドイツのヘルツォーク・アウグスト図書館に所蔵された知られざる作品を集めたものです。この図書館はブラウンシュヴァイク・リューネブルク公領を治めたヘルツォーク・アウグストⅡ世(1579−1666)のコレクションを基本としており、とりわけルター派教会にまつわる資料の蔵書量は他の追随を許しません。
 収録作品のほとんどは、まず他で聴くことのできないものであり、資料的にも貴重ですが、何より演奏の素晴らしさも特筆ものです。
  

ROP6069
\2000→\1890
マリア・グラーフ(ハープ)
ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):生誕100年-キャロルの祭典
 1.聖母賛歌
 2-6.ハープのための組曲 Op.83
 7.誕生日のお祝い Op.92
 8-19.キャロルの祭典 Op.28
 8つの民謡編曲
  20.やれやれ嫁はもらったが
  21.彼女は燕のように
  22.レマディ
  23.すがすがしい朝
  24.ひとり寂し
  25.ホワイト・ロックのディヴィッド
  26.えせ紳士の道行き
  27.鳥追いの歌
 28.詩篇第70番「神よ、すみやかにわたしを救い出し」
マリア・グラーフ(ハープ)
スザンヌ・ベルンハルト(ソプラノ)
レーゲンスブルク大聖堂少年合唱団
ローランド・ビュッフナー(指揮)
 2013年11月23日のブリテン生誕100年を記念して制作されたこのアルバム。メインの曲は「キャロルの祭典」で、レーゲンスブルク少年合唱団の素朴さと精緻さを併せ持つ感動的な合唱は、いやでも祝祭的雰囲気を高めるものです。
 ソプラノ、スザンヌ・ベルンハルトとマリア・グラーフのハープ伴奏で歌われる「8つの民謡編曲」は、もともとは素朴なメロディであったはずのこれらの曲に、ブリテンがとびきりモダンな味付けを施しているもので彼の編曲の妙が楽しめます。ブリテンの「聖と俗」の両面を意識させる味わい深い1枚です。
 
ROP6071
\2000
歌声は天に響き渡る
 1.ヨハン・クリューガー(1598-1662):5声のマニフィカト 第4番
 2.ヨハン・ゲオルグ・エーベリンク(1637-1676):わが魂よ、主をたたえよ
 3.マグヌス・ペテル・ヘニングセン(1655-1702):主に向かって新しき歌を歌え
 4.レオンハルト・カメレール(?-1584):イスラエルの民は歌いぬ
 5.クリューガー:私の心は快く喜ぶ
 6.クリューガー:ボアズはルツに言った
 7.クリューガー:天の王よ、ようこそいらっしゃいませ
 8.クリューガー:イエス、わが喜び
 9.エーベリンク:主はあなたの悩みにこたえ
 10.エーベリンク:あなたの大庭にいる一日は
 11.フィリップ・ヴェストファル(?-1702):祝福された神の子の旅立ち
 12.ヘニングセン:イエスよ、私たちと共にお泊まりください
マリエンヴォーカルコンソート
マリエンアンサンブル
マリー=ルイーズ・シュナイダー(指揮)
録音 2012年10月27日 ドイツ ベルリン,聖ニコラス教会
 現在は忘れられてしまったものの、16世紀から17世紀にかけてベルリンとケルンの3つの教会(聖ニコライ、聖ペーター、聖メアリー)で盛んに演奏されていた合唱作品を復活させた意義のあるアルバムです。讃美歌作曲家として知られるヨハン・クリューガーの幾つかの作品を始め、この時代の教会音楽を知るための貴重な資料でもあります。
 
ROP6072
\2000
聖マリーエン&聖ミヒャエルのオルガン
 1.リューベック(1654-1740):前奏曲 ト長調 LubWV9
 2-4.パーセル(1659-1695):
  トランペット・ソナタ ニ長調 Z850(トランペットとオルガン編)
 5-6.メンデルスゾーン(1809-1847):
  3つの前奏曲とフーガ Op.37 第2番
 7.ラインベルガー(1839-1901):
  ヴァイオリンとオルガンのための6つの小品より 第5番「夕べの歌」
 8.J.S.バッハ(1685-1750):
  おお愛する魂よ、汝を飾れ BWV654
 9.ブラームス(1833-1897):11のコラール前奏曲 Op.122より
   第5番「おお愛する魂よ、汝を飾れ」
 10.メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」より
   第2部「汝、主の御前に口をつぐみ忍びて、主を待ち望め」
 11.ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲 第9番「新世界より」-
   第2楽章 ラルゴ(編曲:C.クライバー,G.スタニェク)
 12.メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 第2番 ハ短調 Op.65-2より第2楽章
 13.シュトゥルマイヤー(1961-):われらの希望
 14.メルケル(1827-1885):幻想曲 第5番 ニ短調 Op.176
 15.シュトゥルマイヤー:めでたし、海の星よ
 16.ジャック・ルイ・バットマン(1818-1886):鐘つき男の行進曲
 17.シュトゥルマイヤー:おお、光り輝く宝玉よ
 18.ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):
  66のコラール即興曲集 Op.65-第59番「いざ、もろびと神に感謝せよ」
ゲオルク・スタニェク(聖ミヒャエルス教会 オルガン)…1-4,8.11.14.16
リュトガー・シュトゥルマイヤー(聖マリーエン教会 オルガン)…5-6.9.12.18
エヴァ・グレープナー(オルガン)…7.10.13.15.17
コルネリウス・ケルバー(トランペット)…2-4.11
ツェネ・クルツィカイテ(アルト)…10.13.15.17
ヴォルフガンク・メーリンク(フルート)…13.15
ジェンス・ヴィルケンス(ヴァイオリン)…7
録音:2012年7月24日 聖マリーエン教会 2012年7月25日 聖ミヒャエルス教会 
 ーフ市にある2台の歴史的なオルガンに焦点を当てたオルガン作品集。バッハが強い影響を受けたと言われるリューベックやパーセルなどのバロック作品だけでなく、メンデルスゾーンを始めとしたロマン派の作品までを網羅。豊かな音色と歴史を楽しむ1枚です。
 演奏しているのはホーフ市のカントール、オルガニストのスタニェクとシュトゥルマイヤーです。シュトルマイヤーは自作も演奏。その深い音楽性をまざまざと見せつけています。
 
ROP6073
\2000
アルベルト・シュヴァイツァー(1875−1965),ランバレネ出立100周年
J.S.バッハ(1685-1750):
 1-2.トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
 3.平和と喜び持ちてわれは行く BWV616
 4.汝のうちに喜びあり BWV615
 5.主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ
 6-7.前奏曲とフーガ ト長調 BWV541
 8.イエスよ、わが喜び BWV610
 9.ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV647
 10.われ心よりこがれ望む BWV727
 11-12.前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
 13.われら悩みの極みにありて BWV668a
 14-15.幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
 16.汝の御座の前にわれ進み出で BWV668
 17.トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564よりアダージョ
ウルリッヒ・ベーメ(オルガン)…1-15
カルムス・アンサンブル…16
アルベルト・シュヴァイツァー(オルガン)…17
録音:2012年11月20-21日 ストラスブルク 聖トーマス教会,ジルバーマン=オルガン…1-15 2013年1月10日 ライプツィヒ 聖トーマス教会…16 1936年 Sainte-Aurelie, Strasburg…17
 ドイツの牧師の子として生まれたアルベルト・シュヴァイツァー。アフリカでの献身的な医療活動と伝道を通し世界平和にも貢献した彼の名は、幼児向けの偉人伝でも語られるほどです。2013年は、そんなシュヴァイツァーが「世のために尽くすため」アフリカのガボン、ランバレネに出立して100年目の記念年です。
 生涯に渡ってバッハを敬愛し続けた彼は、バッハの命日にコンサートを何度も行った記録が残っていて、このアルバムはそんな彼の演奏会を模したものであり、ウルリッヒ・ベーメの素晴らしいオルガン演奏と、最後は感動的なカンタータで締めくくられるものです。
 ボーナスとしてシュヴァイツァー自身による演奏も収録されています。永遠の平和を願ったシュヴァイツァーの意思が伝えられたアルバムです。
 
ROP6078
\2000
イングリッシュ・ロマンテイックとトランスクリプション集
 1.メンデルスゾーン(1809-1847):夏の夜の夢-序曲(S.P.ウォーレン/T.フランク編)
 2.W.L.ウェッバー(1914-1982):奉納行進曲
 ウィットロック(1903-1946):4つの即興
  3.キャロル
  4.ディヴェルティメント
  5.フィデーリス
  6.ファンファーレ
 7.スマート(1813-1983):アンダンテ 第2番 イ長調
 8.ハウエルズ(1892-1983):ラプソディ 第3番 嬰ハ短調 Op.17
 9.ルメア(1865-1934):演奏会用幻想曲 Op.91
 10.フンパーディンク(1854-1921):歌劇「ヘンゼルとグレーテル」-
  序曲(E.H.ルメア/T.フランク編曲)
トビアス・フランク(オルガン)
録音 2013年2月10-12日 イングランド ケンブリッジシャー エリ・カテドラル ハリソン&ハリソン・オルガン
 いつの時代も「過去の作品をその時代に合わせたアレンジで演奏する」試みがなされています。それはバッハの作品やビートルズの作品などに顕著な表現方法ですが、オルガン作品でもそれは変わることがありません。
 例えば20世紀の初めに活躍したルメア(聖マーガレット教会のオルガニスト)は、彼自身の名声を高めるために数々の編曲作品と、自らの作品を合わせて演奏。もちろん彼の演奏を聴くために多くの聴衆が押し寄せたといいます。
 そんなルメアを含めた作曲家たちの珍しい曲を、トビアス・フランクが素晴らしい演奏で再現します。
 
ROP6080
\2000
The Roaring Twenties−狂騒の20年代
 1.ミルトン・エイガー(1893-1979):
  Wochenend und Sonnenschein-週末と太陽
 2.拍手と司会
 3.エルヴィン・ブーツ(1907-1982):
  Schone Isabella von Kastilien-カスティーリャの美しいイザベラ
 4.ヘルマン・フプフェルド(1894-1951):
  Mein Onkel Bumba-私の叔父さんブンバ
 5.ロッシーニ(1792-1868):
  セヴィリャの理髪師-序曲(D.ランスヴィック編)
 6.エンゲル=ベルガー(1890-1946):
  In der Bar zum Krokodil-ワニのためのバー
 7.拍手と司会
 8.ライスフェルト(1906-1991)/マルスーズ(1906-1974):
  Mein kleiner gruner Kaktus-私の小さな緑のサボテン
 9.ユルマン(1903-1971):
  Veronika, der Lenz ist da-ヴェロニカ、春はここにある
 10.パウル・リンケ(1866-1946):
  Gluhwurmchen-Idyll-グルーブリュムヘンの牧歌(ファイヴ・ジェントルマン編)
 11.W.R.ヘイマン(1896-1961):友、よき友
 12.フレド・ユング(1949-):
  An der Saale hellem Strande ? Kein Straus-Walzer, sondern ein Walzer-Straus
 13.デューク・エリントン(1899-1974):
  クレオール・ラブ・コール(H.フロマーマン編)
 14.バーリン(1888-1989):
  Puttin' on the Ritz-踊るリッツの夜(C.モーガンロス編)
 15.黒人霊歌:Swing Low, Sweet Chariot
 16.黒人霊歌:Sinner Man
 17.アルベルト・ハモンド(1944-):I'm a Train(P.ナイト編)
 18.ポール・デズモンド(1924-1977):TAKE5(I.テジャスクマナ編)
 19.A.ヴィルヘルム・エデンロス(1963-):Chili con Carne-チリ・コン・カーン
 20.拍手と司会
 21.デヴィッド・ペイチ&ジェフ・ポーカロ:アフリカ(F.ローソン編)
 22.ポラック(1895-1946):That's a Plenty(C.モーガンロス編)
 23.ショーンバーガー(1892-1983):
  Lass mich dein Badewasser schlurfen-お風呂の水を私に一口
 24.ボド・ワルトキー(1977-):最後の小品(M.ヨネツ=メンツェル編)
 25.拍手と司会
 26.フレッド・ティム(1968-):Wir konnen gar nicht singen-もう歌えません
オクタヴィアンズ(ヴォーカル・グループ)
ミヒャエル・エーベルト(ピアノ)
コンラッド・ゼッレ(コンガ)
録音 2012年9月20-21日 フォルクスバッド・イェナ
 “The Roaring Twenties”とは「狂騒の20年代」と訳されるアメリカ合衆国の1920年代を表す特別な言葉です。
 この時代のアメリカは社会、芸術、文化が著しく発展し、女性も力を持つなど社会が大きく揺れ動きました。
 酒場ではジャズが演奏され毎夜人々は浮かれ騒いでいたのです。
 この喧噪は1929年のウォール街の暴落でひとまず沈静化しましたが、この時代においての発展は次世代に語り継がれていることは間違いありません。
 そんな“良き時代”の音楽を楽しく演奏しているのは、このアルバムがデビューとなるアンサンブル「オクタヴィアンズ」。スウィングやジャズ、またポップスなどをオシャレなアレンジに乗せて、気持ち良く聴かせます。
  
ROP6083
\2000
1-6.ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):
 天地創造ミサ 変ロ長調 Hob.XXII:13
7-9.J.C.バッハ(1735-1782):

 シンフォニア 変ロ長調 Op.21-1
ウテ・ゼリビック(ソプラノ)
ラヘル・ハール(アルト)
エリック・シュトクローサ(テノール)
アンドレアス・シャイブナー(バス)
ドレスデン聖母教会室内合唱団
ロイシシェス室内管弦楽団
マティアス・グリュネルト(指揮)
録音 2013年4月25-27日 タールビュリュゲル クロスター教会 ライブ収録
 ヨーゼフ・ハイドンとJ.S.バッハの第11子であるヨハン・クリスチャン・バッハは所謂「同時代の」作曲家でした。彼はバッハ一族の中で唯一のオペラ作曲家であり、ドイツの伝統にイタリアの新しい趣味を融合し、それをモーツァルトに伝えたことでも知られています。
 またロンドンで活躍したバッハの作品はしばしばハイドンの作品と組み合わされて演奏されていたこともあり、彼らの関係性は想像以上に固いものであったことは間違いありません。
 このアルバムに収録されている2つの作品も、やはり関連性のあるもので、実はバッハのシンフォニアにはハイドンのミサからの引用が含まれています。このライブ演奏はそんな時代の親密な雰囲気を丁寧に伝えてくれるものです。

RPO(ORCHID CLASSICS)


Movie Legends: The Music of John Barry
RPOSP042
\2000→\1890
ジョン・バリー:伝説の映画音楽
 1.野生のエルザ:メイン・テーマ/The Lions At Play /
 2.国際諜報曲:孤独な男/
 3.キングコング(1976):前奏曲と愛のテーマ/
 4.ダンス・ウィズ・ウルヴズ:ジョン・ダンバーのテーマ/
 5.チャプリン:エンド・タイトル/
 6.キング・ラット:行進曲/
 7.エニグマ:エンド・タイトル/
 8.ズール戦争:メイン・テーマ/
 9.クイン・メリー/愛と悲しみの生涯:メリーの道/
 10.真夜中のカウボーイ:メイン・テーマ/
 11.スペシャリスト:組曲-メイン・タイトル/呼びました?/
 12.ある日どこかで:メイン・テーマ/
 13.さらばベルリンの灯:水曜日の子ども/
 14.ナック:メイン・テーマ/15.幸福の条件:メイン・テーマ/
 16.ダンディ2/華麗なる冒険:メイン・テーマ/
 17.白いドレスの女:メイン・テーマ/
 18.愛と哀しみの果て:メイン・テーマ
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ニック・レーン(指揮) 他
 イギリス出身の作曲家ジョン・バリー(1933-2011)。幼い頃から音楽に親しむも、正式な音楽教育よりは、ジャズ・バンドでの活動や編曲などで力を蓄え、1957年にEMIレコードと契約を交わしてからは、テレビの音楽やアレンジを手掛けるようになります。その後ピーター・セラーズの映画のスコアを書いたことで、本格的に映画音楽に手を染め、ついには007のジェームズ・ボンドのテーマで脚光を浴びるのです。幼い頃から映画に親しんでいた彼は、この分野にとても力を注ぎ、数多くの印象的なスコアを残しました。どこか気になるメロディが彼の真骨頂であり、例え元の映画を知らずとも、楽しんでいただけることは間違いありません。
 

Natasha Paremski plays Rachmaninov & Tchaikovsky
RPOSP044
\2000→\1890
ナターシャ・パレムスキのチャイコフスキーPC第1番!
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23/
 ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
ナターシャ・パレムスキ(ピアノ)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ファビエン・ゲーベル(指揮)
録音 2012年12月5-6日 ロンドン ヘンリー・ウッド・ホール
 こちらに向かって嫣然と微笑む美女。ちょっと厚化粧になってしまいましたが、彼女はモスクワ生まれの若いピアニストナターシャ・パレムスキ。4歳でピアノを始め、8歳でアメリカに移住。サンフランシスコ音楽院で学び、9歳でデビュー・コンサートを果たしています。
 15歳でロサンゼルス・フィルハーモニー管との共演で世界的な注目を浴び、以降、多数のオーケストラと共演。その演奏は映像やCDとしてリリースされ一層のファンが拡大しているところです。
 彼女は現代曲も得意ですが、ここではラフマニノフとチャイコフスキーというロシアの王道に挑戦。繊細かつ豪快な演奏は、聴き手の耳を捉えて離しません。

 http://natashaparemski.com/ 彼女のサイトもどうぞ。



旧譜
実はひっそりベストセラーだったりすBelairの2枚

BELAIR
BAM 2030
\1500
ルービンシュタイン:
 ピアノ協奏曲第4番
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
ナターシャ・パレムスキ(P)
ドミトリ・ヤブロンスキー指揮
モスクワ・フィル
ルビンシテインのピアノ協奏曲第4番はロシア・コンチェルト史上に残る傑作だと思うのだが、一般的知名度はなぜかかなり低い。録音にはポンティの名演があるが、ここで弾いているパレムスキは写真で見ると明らかにまだ若い。こんな若い女の子にこの曲のニュアンスが伝わるかと思っていたが、そのプロフィールを見て唖然・・・16歳。・・・おいおい・・・。ワイルドやヤブロンスカヤに学んだアメリカ期待の少女ピアニストなのだそうだ。少年少女向けコンクールでは当然華々しい賞歴をあげており、現在は地方のオケと地道な演奏活動を繰り広げているという。若手には弾いてほしくないとはいえ、16歳の天才美少女ピアニストとなるとまた話しは別。ポンティの演奏と比べるなんていう野暮はしないで、その天性の純粋な才能をたっぷり楽しめばいいかな、と。
一方、店主思うところの史上最高の名曲「パガニーニの主題による狂詩曲」も、十分すぎるほど才気あふれる素敵な演奏。リズム感が鮮烈。

BELAIR
BAM 2031
\1500
ヤング・ショパン
ショパン:
 「お手をどうぞ」変奏曲
 ポ−ランド民謡の主題による幻想曲
 ロンド「クラコヴィアク」
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ナターシャ・パレムスキ(P)
ドミトリ・ヤブロンスキー指揮
モスクワ・フィル
前作が評判よかったのだろう、最新新譜としてリリースされたパレムスキのショパン。


SONO LUMINUS


DSL-92174
(CD+Blu-ray AUDIO)
\2300
トッカータ 〜ハープシコードのための近代アメリカ音楽集
 1.メル・パウエル(1923-1998):レチタティーヴォとトッカータ・ペルコッサ(1953)/
 2.ヘンリー・カウエル(1897-1965):オスティナート(4つのセットから)(1960)/
 3.ネッド・ローレム(1923-):スパイダーズ(1968)/
 4-6.サミュエル・アドラー(1928-):ソナタ(1982)/
 7-8.ロバート・ムチンスキー(1929-2010):プロフィール(1982)/
 9-11.トーマス・ベンジャミン(1940-):3つの楽章(1988)
  <プレリュード/カンティレーナ/トッカータ>/
 12.ロバート・メーヴス(1920-2007):サラバンド(1986)/
 13.スティーブン・ブルンバーグ:ジャイル(1991)/
 14.パトリシア・モアヘッド(1940-):Tourbillon Galaxy(2012)/
 15-19.ハロルド・メルツァー(1966-):5つのトッカータ(2005)
ジョリー・ヴィニクール(ハープシコード)
5.1DTS HD MA 24/192Khz, 7.1DTS HD MA 24/96Khz, 2.0LPCM 24/192Khz
 Sono Luminusレーベルの名ハープシコード奏者、ヴィニクールをフィーチャーした興味深い1枚です。
 バッハやラモー、クープランなどのバロックの作曲家に愛されたハープシコードですが、古典派からロマン派の時代は、ピアノの勢いに押されて活躍の場を失っていました。しかし20世紀の初めになると、この楽器に魅せられたポーランドの奏者ワンダ・ランドフスカによって近代ハープシコードが生まれ、新たな楽器としての可能性が広がることになります。
 ファリャやプーランクを始めとした新しい作品も書かれ、人々はこの楽器の音色に着目しました。
 このアルバムはヴィニクールが作曲家の友人たちに曲を委嘱した新作も含め、魅力的で斬新な作品が並んでいます。ミニマル的な音楽、驚くほどロマンティックな音楽など様々な表情をお楽しみいただけます。この先鋭的な音色を存分に捉えた高音質Blu-ray盤も同梱されています。ハープシコードの音色はこのメディアの特質を見事に具現化しています。

TOCCATA CLASSICS


TOCC-26
\2600
ミェチスワフ・ワインベルク:ヴァイオリン・ソナタ全集 第2集
 1.モルダヴィアの主題による狂詩曲 Op.47-3(1949)/
 2-4.ヴァイオリントピアノのためのソナタ 第2番 Op.15(1944)/
 5-11.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 Op.95(1967)/
 12-15.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第5番 Op.53(1953)
  ※5-11…初録音
ユーリ・カルニッツ(ヴァイオリン)/
マイケル・チャーニ=ウィルス(ピアノ)
録音 2013年6月22-23日 ロンドン フルハム・ブロードウェイ,聖ジョン教会
 1996年にワインベルク(1919-1996)が死去して以来、世界中の音楽家や愛好家たちは彼の作品に注目し、世界中で演奏が繰り返され、埋もれていた作品もどんどん復興されています。ワルシャワで生まれ、第二次世界大戦勃発後ソビエトに亡命、ショスタコーヴィチと知り合い、強い影響を受けたワインベルクですが、当時社会を席巻していた「反ユダヤ主義」とジダーノフ批判からは逃れられず、1953年には逮捕されるなどの苦難の生涯を送ります。しかし創作意欲は衰えることなく、7つの歌劇を始め、26の交響曲、17の弦楽四重奏曲など、総計200曲以上もの作品を残しました。彼の作品にみられるショスタコーヴィチの作品への親近性と、独特のメロディの美しさなどが愛される所以でしょう。

TOCC-158
\2600
シャルル・ヴァランタン・アルカン:歌曲全集 第2集
 1-6.第4集 Op.67(1868頃)
  <雪と浄化/昔の歌/勇敢に/ゆっくりと/情熱的に/舟歌>/
 7-12.第5集 Op.70(1872頃)
  <小二重奏/アンダンティネット/アレグロ・ヴィヴァーチェ/スケルツォ-コーロ/要約-舟歌>/
 13-14.2つの夜想曲 Op.57(1859)/
 15-16.2つの小品 Op.60(1859)/
 17.欲望-幻想(1844)/
 18.脱帽-第2の夢想(1872)…初録音
ステファニー・マッカラム(ピアノ)
録音 2012年9月16日.2012年11月4日 シドニー・コンセルヴァトリウム・オブ・ミュージック,リサイタル・ホール
 異端の作曲家アルカン(1813-1888)。2013年は彼の生誕200年にあたります。いくつかの作品は現在でもコンサート会場やCDなどで聴くことができますが、まだまだ知られざる作品の多い作曲家です。
 この曲集は「歌」と題されていますが、ピアノ独奏のためのもの。まさに歌心に溢れた小品集であり、自由奔放な想像力が発揮され、またそれぞれの曲は、緊密な連動性を保っています。
 初録音となる小品「脱帽」も収録されているというアルカン好きなら外せない1枚です。第1集(TOCC0157)も併せてお楽しみください。ステファニー・マッカラムの情緒あふれる演奏です。
 


TOCC-197
\2600→\2390
ブロドウスキ弦楽四重奏団
 ジョン・ピッカード:室内楽作品集 第2集

 1-10.弦楽四重奏曲 第1番(1991)/
 11-15.弦楽四重奏曲 第5番(2012-2013) ※全て初録音
ブロドウスキ弦楽四重奏団
<メンバー:
デイヴィッド・ブロドウスキー(ヴァイオリン)/
カトリン・ウィン・モーギャン(ヴァイオリン)/
フェリックス・タンナー(ヴィオラ)/
レイノルド・フォード(チェロ)>
録音 2013年7月10日…1-10, 2013年7月11日…11-15 ロンドン ニューサウスゲート,聖ポール教会
 第1集(TOCC0150)でその柔軟性溢れる作品を披露したイギリスの現代作曲家、ジョン・ピッカード(1963-)。こちらは2つの弦楽四重奏曲を収録した第2集となります。こちらは彼の50歳の誕生日を記念してリリースされたもので、初期の作品である第1番と、最近の作品である第5番を収録。もちろん全て初録音となります。彼の作品は攻撃的な面を備えていますが、実に奥深く官能的な部分もあります。
 エルガーの研究家でもある彼らしく、時として美しいメロディが出現するあたりも興味深いところです。

TOCC-218
\2600
セルゲイ・リャプノフ:ピアノ作品集
 1-3. 3つの小品 Op.1(1888)
  <練習曲 変ニ長調/間奏曲 変ホ短調/ワルツ 変イ長調>/
 4-5. 2つのマズルカ Op.9(1898)<第1番 嬰ヘ短調/第2番 変ニ長調>/
 6.マズルカ 第5番 変ロ短調 Op.21(1903)/
 7.即興的ワルツ 第1番 ニ長調 Op.25(1905)/
 8.即興的ワルツ 第2番 変ト長調 Op.29(1908)/
 9.マズルカ 第7番 嬰ト短調 Op.31(1908)/
 10.スケルツォ 変ロ短調 Op.45(1911)/
 11-13.ソナチネ 変ニ長調 Op.65(1917)/
 14.即興的ワルツ 第3番 ホ長調 Op.70(1919) ※1-3.10.11-13…初録音
マルガリータ・グレボフ(ピアノ)
録音 2012年5月30日,2012年10月17日,2013年3月15日 メリーランド,カレッジ・パーク エルシー&メルヴィン・デケルボウム・コンサート・ホール
 またロシア国民楽派の後継者として、ユニークな作品を残したリャプノフ(1859-1924)。そんな彼の作品にはリストやバラキレフ、ボロディンなど先人の影響が強く見られることは確かですが、ことピアノ曲に関しては、彼が若い頃師事したカール・クリントヴォルト(リストの門弟)を通じて、フランツ・リストの名人芸をそのまま継承していると言えそうです。
 ここで聴けるピアノ作品集には、彼の作曲技法と超絶技巧が余すことなく発揮されており、リャプノフの再評価に繋がるアルバムとして評価されること間違いありません。何曲かの初録音も含まれた貴重な1枚です。
 

TOCC0189
\2600→\2390
ハインリッヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(1812-1865):作品全集 第4集
 1-6.ヴァイオリン協奏曲 嬰ヘ短調 Op.23(1846)
 7-9.ヴァイオリン小協奏曲 ニ長調 Op.12(1837)
 10-13.弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.26(1859)
  初録音…10-13
シェルバン・ルプー(ヴァイオリン)…1-9
オーケストラ・ダ・カメラ…1-9
イアン・ホブソン(指揮)…1-9
チオンピ弦楽四重奏団…10-13
<メンバー>
エリック・プリッチャード(ヴァイオリン)
ヒシャオ=メイクー(ヴァイオリン)
ジョナサン・バッグ(ヴィオラ)
フレッド・レイミー(チェロ)
録音 :2013年4月9日…7-9 2013年4月12日…1-6 2013年3月20日…10-13 イリノイ大学 クランナート・センター,フォーリンガー・グレート・ホール
 モラヴィアで生まれ、ウィーンでヴァイオリンを学び、作曲をザイフリートに師事したエルンスト。もともと神童ともてはやされていましたが、14歳の時にパガニーニの実演を聴いて超絶技巧に目覚め、自作にも困難と思えるほどの技巧を盛り込み、華麗な作品を数多く残しました。TOCCATAレーベルからはエルンストの全作品を7集にわけてリリースし、これはその第4集にあたります。ベルリオーズやショパン、リスト、メンデルスゾーンとも友人であったエルンストらしい、美しいメロディと華麗な技巧を駆使した美しい2曲のヴァイオリン協奏曲と、弦楽四重奏曲はこの知られざる作曲家の本質を描き出すのにふさわしいものです。1952年生まれのベテラン、シェルバン・ルプーの誠実な演奏で。
 
TOCC0198
\2600
フィリップ・ファン・ヴィルダー(1500-1554):宗教音楽全集・シャンソン集
(バード、コーストン、ゴンベール、ジョスカン、タリスの作品とともに)
 1.ファン・ヴィルダー:Deo gratias
 2.ジョスカン:Homo quidam
 3.ファン・ヴィルダー:Homo quidam
 4.ファン・ヴィルダー:Pater noster
 5.タリス:Sancte Deus
 6.ファン・ヴィルダー:Sancte Deus
 7.ゴンベール:Amy, souffrez
 8.ファン・ヴィルダー:Amy, souffrez
 9.ファン・ヴィルダー:O doux regard
 10.ファン・ヴィルダー:Je file quand dieu me donne de quoy
 11.ファン・ヴィルダー:Pour vous aymer
 12.ファン・ヴィルダー:Amour me poingt, et si je me veulx plaindre
 13.コーストン:Turn thou us
 14.ファン・ヴィルダー:Shall I despair thus suddenly?
 15.タリス:O sacrum convivium
 16.タリス:Blessed are those that be undefiled
 17.ファン・ヴィルダー: Blessed art thou that fearest God
 18.バード:If in thine heart
 19.ファン・ヴィルダー:Vidi civitatem
 20.ファン・ヴィルダー:Non est qui/Non nobis, Domine
 21.ファン・ヴィルダー:Aspice Domine
 22.バード:Aspice Domine
 23.バード:Ne irascaris/Civitas sancti tui
  初録音・・・・1.3.4.6.8-14.17.19-21
カントレス
デヴィッド・アリンソン(指揮)
録音 2006年9月3-4日,2007年2月10日 キルバーン,聖アウグスティン教会
 フィリップ・ファン・ヴィルダーはヘンリー8世のお気に入りであったオランダのリュート奏者、作曲家でした。現在ではすっかり忘れられた存在ですが、当時は非常に重用された人で1529年に枢密院会議所のメンバーになってから、王のお抱えとなり、イングランド内の旅行に同行するなど、強い影響力を有していたのです。
 そんな彼の宗教的な作品と、世俗的な作品とともに、彼が相互に影響を与え立った同世代の作曲家たち、ジョスカン、ゴンベール、タリス、バードの同じテキストによる作品を収録。ヴィルダー作品の歴史における位置を探る1枚です。
  
TOCC0199
\2600
フリードリッヒ・チェルハ(1926-):ヴァイオリンとピアノ、ピアノ・ソロのための作品集
 1-3.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番(1946-1947)
 4.カプリッチョ(1950)
 5.瞑想(1948/51)
 6.古い歌(1949/51)
 7-9.ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第3番(1954)
 10-11.2つの炸裂の反射(1956)
 12.フォーメーションとソリューション(1956-57)
 13-18.ヴァイオリン・ソロのための6つの小品(1997)
 19.ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ(2001)
エルンスト・コヴァチク(ヴァイオリン)
マティルデ・ホールシアンゴー(ピアノ)
録音 2004年9月28-30日 ウィーン オーストリア放送
 現在フリードリヒ・チェルハの名前は、ベルクの未完のオペラ「ルル」の補筆者として知られています。チェルハ自身はウィーン音楽院でヴァイオリニストとして訓練を受け、1958年にはオーストリアの現代音楽発展のためにアンサンブル・ディ・ライエを結成、同時代の作曲家たちの作品を愛し、それらの解釈にも尽力しました。
 これらの作品のほとんどは1940年代から50年代の彼が自身で演奏するために書かれたもので、1947年のヴァイオリン・ソナタ第1番はヒンデミットやストラヴィンスキーらの影響「新古典主義」の影響を受けています。1997年に書かれた「6つの作品」はここでヴァイオリンを演奏しているコヴァチク(チェルハの友人)のために書かれたもので、この曲と「ラプソディ」にはチェルハが追求した音楽の理想の形が現れています。
 

TOCC0085
\2600→\2390
アドルフ・ブッシュ(1891-1952):クラリネット、弦楽のための室内楽作品集
 1-3.二重奏のための室内楽 第1番 Op.26a(1921)
 4-8.組曲 ヘ長調 Op.62a(1944)
 9-15.7つのバガテル Op.53a(1936)
 16-19.セレナーデ イ長調 Op.53b(1936?)
 20.創作主題による変奏曲 Op.53c(1942)
 21.ロマンス Op.53d(1943)
 22.フモレスケ イ長調 Bo015(1907)
  初録音…1-8.16-18.21.22
ベッティーナ・バイゲルベック(クラリネット)
ブッシュ・コレギウム・カールスルーエ
録音 :2012年10月25日…16-19.22 2013年5月11-12日…1-3.20.21.4-8 2013年7月7日…9-15 カールスルーエ カニシウスハウス
 ドイツの名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュ。彼は1912年にソリストとしてデビュー、やがてブッシュ弦楽四重奏団を結成し素晴らしい音楽活動を続けます。しかしヒトラーの台頭に伴い、1935年にはスイスに亡命、その後は弦楽四重奏団のメンバーとともにアメリカに渡りました。
 そんな彼、ブッシュ弦楽四重奏団としてはベートーヴェンやシューベルト作品の悠然たる解釈で知られていますが、作曲家としてのブッシュはほとんど知られていません。彼の作風は当時名高い作曲家であったマックス・レーガーの影響を受けており、21世紀に書かれた作品とはいえ、どれも調性感があり、ロマンティックな雰囲気を湛えています。
 創作主題による変奏曲は、彼の妻の誕生日のために書かれたもので幸福感に満ちた作品です。名手バイゲルベックの巧みな演奏で。

TWO PIANISTS



TP1039213
\2600→\2390
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
 J.ラインベルガー、M.レーガーによる2台ピアノ編
ニーナ・シューマン(ピアノ)/
ルイス・マガリャアエス(ピアノ)
録音 2012年1月13-16日 南アフリカ ストレンボッシュ大学,エンドラー・ホール
 2007年にシューマンとマガリャアエスの夫婦によって創設されたTwoPianistsレーベル。最初のリリースはラフマニノフの2台のピアノのための作品集でしたが、今回はレーガーとラインベルガーの編曲した「2台ピアノのための」ゴルトベルク変奏曲の登場です(共作ではなく、最初にラインベルガーが編曲し、後にレーガーが手を加えたものです)。
 このヴァージョンは、以前タール&グロートホイゼンの名演がリリースされていましたが、改めて聞いてみると凄い編曲であることに気が付くでしょう。まさに音の饗宴。バッハ(1685-1750)の音楽の雄弁さをじっくり感じることができるはずです。面白いのは、一通り変奏が終わり、最初のアリアが戻ってきた時のこと。やたら簡素なメロディになっているのが驚きですが、実はこの編曲が施された時に、このような「装飾音なし」の譜面が指定されていたのです。
 

TP1039299
\2600
ロマンティック・デュオ
 1-7.フランツ・リスト(1811-1886):協奏的大二重奏曲 S128/R462/
 8.リスト:コンソレーション 第3番(N.ミルシテイン編)/
 9-12.フランク・ブリッジ(1879-1941):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1904)/
 13-15.エドゥアルド・グリーグ(1843-1907):ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.45
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)/
アリアーネ・ヘーリング(ピアノ)
録音 2011年11月27-28日&2013年1月29-30日 ソリテール、モーツァルテウム・ウニヴェルステット
 クラシックだけでなく、ジャズの分野でも活躍しているベンヤミン・シュミット。このアルバムは2004年に結婚して以来、しばしばコンサートで共に演奏している愛妻アリアーネとのデュオを収録したものです。彼らにとっては、大切な4人の子どもたちと同じくらい、生み出される音楽も大切だと言い、ここで聴ける4曲のロマン派の作品でも、爽やかさと親密さを合わせ持つ説得力ある演奏を繰り広げています。
 あまり演奏される機会のないリストの「競争的第二重奏曲」、ミルシテインによる「コンソレーション」、まだまだ未知の作品であるブリッジのソナタ、そして最も完璧なヴァイオリン・ソナタの一つ、グリーグのソナタ。魅力的で幸福な音楽がここにあります。

YARLUNG RECORDS


YR-96821
\2300→\2090
コンサートホールの最上の席
 YARLUNGレコード-7年間の記録

 1.ガスパール・サンス(1640-1710):ハカラス/
 2.ベートーヴェン(1770-1827):弦楽三重奏曲 Op.9-3ハ短調より/
 3.バラッバ:弦楽三重奏曲より「アナムネシス」/
 4.マーラー(1860-1911):美しさゆえに愛するのなら/
 5.ジョン・アダムズ:ドクター・アトミックより「私はあなたの光の中に」/
 6.J.S.バッハ(1685-1750):「フランス組曲」BWV831より序曲/
 7.J.S.バッハ:「フランス組曲」BWV831よりエコー」/
 8.ルトスワフスキ(1913-1994):墓にて/
 9.ルー・ハリソン(1917-2003):カンティクル 第3番/
 10.ジョスカン・デ・プレ(1440頃-1521):ラ・スパーニャ/
 11.ラロ・シフリン(1932-):パンパス/
 12.バダル・ロイ(1945-):カルッタ・サンライズ/
 13.スティーヴン・スタッキー(1949-):ムジカス・ドルミドス/
 14.メイヤー・クプファーマン(1926-2003):ディスタンス/
 15.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番よりプレリュード/
 16.ラヴェル(1875-1937):ソナティネよりAnime
キアラメッラ・アンサンブル…1.10/
ジャナキ弦楽三重奏団…2.3/
サーシャ・クック(メゾ・ソプラノ)
コルバーン管弦楽団…4.5/
オリオン・ウェイス(ピアノ)…6.7/
ディアローギ…8/
スモーク&ミラー・パーカッション・アンサンブル…9.16/
アントニオ・リジー(チェロ)&ブライアン・ペッツォーネ(ピアノ)…11/
バダル・ロイ(タブラ)…12/
マーティン・チャリフォー(ヴァイオリン)&ジョアン・ピアース・マーティン(ピアノ)…13/
ジョアン・ピアース・マーティン(ピアノ)…14/
フレデリック・ロセレット(チェロ)…15
 最高の音質と本物の音楽…まるで黄金時代のRCAリビングステレオのような素晴らしい音。YARLUNGレコードは全盛期の録音と同じく、小さなアンサンブルのためには1本だけのステレオマイク、そしてフルオーケストラのためには最大4本のマイクを用い、2トラックのアナログテープと、ハイレゾリューソン・デジタルに直接録音しています。これらの磨き上げられた音は、厳しい耳を持つ人にも満足していただけるクォリティを有するものです。このアルバムは、これまでの録音の中からとびきりの演奏を選びだしたものです。コンサートホールの最上の席に座っているかのような興奮をお届けいたします。
 

ツァイスル:ロスヴィタ・ビッテルリッヒの絵画による小交響曲/11月/チェロと管弦楽のための合奏協奏曲(リジー/スタルバーグ)
YR-96820
\2300→\2090
エーリッヒ・ツァイスル:作品集
 1-4.ロスヴィタ・ビッテルリッヒの絵画による小交響曲
  <第1楽章:狂った男//第2楽章:貧しい魂/
  第3楽章:墓堀人/第4楽章:聖人の追放>/
 5-10.室内オーケストラのための6つのスケッチ「11月」
  <全ての魂/思い出/雨の日/落ち葉の踊り/
    羊飼いのメロディ/冬の勝利>/
 11-13.チェロと管弦楽のための合奏協奏曲
アントニオ・リジー(チェロ)…11-13/
UCLAフィルハーモニア/
ニール・スタルバーグ(指揮)
録音 2012年1月&11月 UCLA ロイス・ホール
 20世紀オーストリアの作曲家、エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959)の作品集です。ウィーンの中産階級の家庭に生まれ、14歳でウィーン音楽院に入学、同じ頃最初の歌曲が出版され、1934年には「レクイエム」でオーストリア国家賞を受賞したという才能溢れる人ですが、ユダヤ人であったために迫害を受けます。
 その後パリ、ニューヨークに亡命しハリウッドで映画音楽の作曲を始め「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946)や「凸凹透明人間」(1951)などの名曲を次々と書き上げました。最近では彼のクラシック作品が見直され始め、多くの曲が演奏されるようになっています。
 ここではグラミー賞の受賞経験もあるチェリスト、アントニオ・リジーをフィーチャーし、「チェロ協奏曲」と、愉快で小技の効いた「小交響曲」、豊かな表現力を持つ「6つのスケッチ」の3作品が収録されています。
 
YR-96819
\2300
キアラメッラ:DANCES ON MOVABLE GROUND-廻る地面の上での踊り
 1.ガスパール・サンス(1640-1710):ハカラス/
 2.アンドレア・ファルコニエリ(1585頃-1656):レロイカ/
 3.アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566-1638):Chaccona in partite variate/
 4.ファルコニエリ:Batalla de Barabaso yerno de Satanas/
 5.インプロヴィゼーション:カナリア/
 6.ファリコニエリ:パッサカッレ/
 7.マウリツィオ・カザッティ(1616-1678):Ciaconna a tre con il suo balleto/
 8.アダム・ナイト・ギルバート(1961-):モレスカ/
 9.ギルバート:ガンバのための幻想曲/
 10.マルコ・ウッチェリーニ(1603/1610-1680):Aria decima quarta sopra La mia pedrina/
 11.作者不詳:フレスカ・リヴェラ/
 12.ディエゴ・オルティス(1510頃-1570):8声のリチェルカーダ/
 13.オルティス:2声のリチェルカーダ(アダム・ギルバート編)/
 14.作者不詳:グラウンドからグリーンスリーヴズ(アダム・ギルバート編)/
 15.ギルバート:テンときつね/
 16.ギルバート:はるかなるスペインのパヴァーヌ/
 17.ガスパーロ・ザネッティ(1625-1645?):スパニョレッタ/
 18.作者不詳:サルダナス(ギルバート編)/
 19.作者不詳:
  マントヴァの女/ボビング・ジョー/私の金髪のガールフレンド/20.サンス:ハカラス
キアラメッラ/
アダム・ナイト・ギルバート&ロテム・ギルバート(音楽監督)
録音 2011年6月27-30日 アルフレード・ニューマン・ホール
 地球が廻るのと同じように、人の一生も廻っていきます。誕生、求愛、生活、結婚、そして最後に必ず死を迎えること…。その時々にいつもダンスはともにあります。このアルバムには16世紀から17世紀、バロック時代の舞曲を中心に収録しています。普遍のリズム(時にはオスティナート…執拗反復とも…的な音型も出てきます)の上に即興的で名人芸的なメロディが展開されていく様子は、まさに地上の上での人の営みと同じもの。常に変化を繰り返しながらも、永遠につながっていく命を感じさせるシンプルかつ感動的な1枚です。



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