≪第74号アリアCD新譜紹介コーナー≫
その7 2/4(火)〜
マイナー・レーベル新譜
歴史的録音・旧録音
メジャー・レーベル
国内盤
映像
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2/7(金)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
LSO LIVE
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LSO 0751
(SACD HYBRID)
\2400 →\2190
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ガーディナー/LSO&モンテヴェルディ合唱団によるストラヴィンスキー
ストラヴィンスキー:
バレエ「ミューズを司るアポロ」
オペラ=オラトリオ「エディプス王」 |
ジェニファー・ジョンストン(メゾソプラノ イオカステ)
スチュアート・スケルトン(テノール エディプス王)
ギドン・サクス(バス クレオン)
ファニー・アルダン(語り)
モンテヴェルディ合唱団男声合唱
ロンドン交響楽団
サー・ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮) |
超優秀録音。ガーディナーによるストラヴィンスキー、モンテヴェルディ合唱団の驚異的表現力が圧巻の「エディプス王」LSO
弦楽セクション全開の「ミューズを司るアポロ」
収録:2013年4月25 日& 5月1日/ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)/DSD5.0、マルチチャンネル、ステレオ
プロデューサー:ニコラス・パーカー/レコーディグ・エンジニア、編集、ミキシング&マスタリング:ジョナサン・ストークス&ニール・ハッチンソン
【LSO によるガーディナー生誕70 年記念コンサート】
2013 年4 月25 日、「サー・ジョン・エリオット・ガーディナー生誕70
年コンサート」と銘打たれたバービカン・ホールの公演で、ガーディナーはロンドン響(LSO)ならびに手兵モンテヴェルディ合唱団を指揮して、ストラヴィンスキーの「ミューズを司るアポロ」と「エディプス王」を取り上げました。
なお、公演に先立ち4 月14 日には楽団の功労者でプレジデント、サー・コリン・デイヴィスが惜しまれつつ世を去っており、ガーディナー祝賀の舞台がはからずもデイヴィス追悼の式典ともなりました。
【ガーディナーとコリン・デイヴィス、そしてストラヴィンスキー】
ガーディナーは当日の公演プログラムのなかで、サー・コリン・デイヴィスについて、次のように追悼の辞を寄せています。
「非常に多くのイギリス出身の音楽家たちと同様に、わたしはサー・コリン・デイヴィスの鼓舞と指導に負うところがたいへん大きい。わたしが、デイヴィスの指揮のもと、バードとトムキンズの作品を初めて歌ったのが14
歳のときだった。翌年、わたしは勇気を振り絞って、ホーランド・パークにあるデイヴィスの自宅のドアを叩き『指揮者になるにはどうすればよいですか』と尋ねた。デイヴィスの答えはこうだった。『まずは一旦帰って、それから《春の祭典》を勉強しなさい』と。わたしは、そうした。
ストラヴィンスキーはもちろん、サー・コリンが特別な親しみを抱いていた作曲家のひとりであり、わたしは彼の指揮した《3
大バレエ》のすべて、協奏曲《ダンバートン・オークス》と2
つの交響曲といったすばらしい録音を大切に心に留め置いている。
21 歳の誕生日プレゼントにわたしは《エディプス王》のスコアをもらった。それから49
年、残念なことにサー・コリンが世を去ってちょうど一週間が経つけれども、初めてこの作品を指揮する機会を得たことをとても感謝している。しかも、サー・コリンのすばらしきLSO
とわたし自身のモンテヴェルディ合唱団との共演によって。
けれども、わたしがもっともサー・コリンを連想するのは、《ミューズを司るアポロ》なのだ。アポロは太陽の神、音楽の神、医術の神として有名だが、サー・コリン自身はある種のアポロ神的な人物(Apollonian
figure)だった。」
【《エディプス王》と《ミューズを司るアポロ》】
古代ギリシャ神話をテーマにした「ミューズを司るアポロ」と「エディプス王」は、ストラヴィンスキーの新古典主義時代を代表する作品。
1927 年に完成した「エディプス王」は、詩人ソフォクレスの原作に基づくジャン・コクトーの台本、声楽はラテン語、語り手はフランス語により、父殺し、実の母と通じたエディプス王の悲劇が描かれます。人の声を加えた大作を念頭に置いたというだけに、合唱の担う役割は大きく、さすがは精緻にして圧倒的な表現力をみせるモンテヴェルディ合唱団が凄絶な効果を上げています。さらに、語り手の名女優ファニー・アルダン(トリュフォー監督「日曜日が待ち遠しい!」、オゾン監督「8
人の女たち」、ゼフィレッリ監督「永遠のマリア・カラス」カラス役)のフランス語の味わいに、ヴェテランの存在感が光ります。
弦楽オーケストラのためのバレエ音楽「ミューズを司るアポロ」は、「エディプス王」に次ぐ1928
年の作品。強烈な前作とは対照的に、ゆたかなハーモニーとテクスチュアが特徴的な内容で、そのスコアの古典的な美しさに心を奪われたディアギレフをして「この世のものではなく、どこか天上からの音楽」と言わしめたともいわれます。じっさい、このコメントを裏付けるように、LSO
弦楽セクションによる目の詰んだアンサンブルと澄み渡るひびきに思わず言葉を失うほど。
【ガーディナー率いるLSO、モンテヴェルディ合唱団によるストラヴィンスキー】
ここ毎シーズン、LSO の定期公演への客演を重ねて好評を博しているガーディナーは、2011
/ 12 年のシーズンにはベートーヴェンの「合唱」&第1
番を指揮、このときもモンテヴェルディ合唱団を帯同して、ハンブルク、ハノーファー、ミュンヘンを巡るドイツ・ツアーを成功に導くなど、現在に至るLSO
との結び付きにはかなりのものがあります。
ちなみに、ガーディナー率いるLSO ならびにモンテヴェルディ合唱団は、ストラヴィンスキー・プログラムを4
月22 日にブリュッセル、23 日にパリ、25 日のバービカンを挟んで、28
日にケルンでも演奏しており、これらの成果を盛り込む形で、最終的に5
月1 日のバービカンでのパッチ・セッションを経て、このたびのアルバムは製作されました。
ガーディナーとコリン・デイヴィス、そしてストラヴィンスキー。あらためて、なんともふしぎな巡り合わせを感じさせますが、ほかでもない自身の記念コンサートに臨むにあたり、指揮者の道を示してくれた師デイヴィス、ストラヴィンスキーの音楽へ思いを馳せていたガーディナーのこと、いつもの洗練された美観のなかにもテンションの高い演奏内容を期待できそうです。
ガーディナーは、やはりLSO とモンテヴェルディ合唱団とを指揮して、1997
年にオペラ《放蕩児の遍歴》、1999 年に《詩篇交響曲》のセッション録音をおこなってもいましたが、これまでのところガーディナーによるストラヴィンスキーといえば、もっぱら新古典主義的作風の演目で、そのすべてにすぐれた演奏を聴かせていたというのも興味深いところです。
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PROFIL
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ロシア・ソヴィエトのユダヤ系作曲家
クレイン一族の音楽
(1)アレクサンドル・クレイン:
小詩集Op.30 (1920/22)/ユダヤの主題による2
つの小品 (1925) /
トルコの主題による2 つの小品Op.46 (1930)
/
甘美な詩Op.18の2 (1915) /
若者のスケッチOp.2より(プロローグ/夜想曲/感傷的な時/ワルツ)(1902/11)
(2)グリゴーリ・クレイン:
ピアノ・ソナタ第2 番Op.27 (1924) /幻影Op.17の1
(1912)
(3)ユリアン・クレイン:
スロヴァキアの主題による小品 (1956) /
ポール・デュカス追悼の小品 (1936) /ピアノ・ソナタOp.7
(1924) |
ヤーシャ・ネムツォフ(Pf) |
濃厚なユダヤ色。クレイン一族のピアノ音楽が日の目を見た
録音:2012 年6 月/ SWR 室内楽スタジオ(シュトゥットガルト)/DDD、78’
01”
クレイン一族は、20 世紀前半のロシア・ソヴィエトのユダヤ系作曲家。ロシア音楽史では名のみ知られながら、作品を聴く機会はほとんどありませんでしたが、グリゴーリ
(1879-1957) とアレクサンドル (1883-1951)
兄弟と、グリゴーリの息子ユリアン (1913-1996)
のピアノ曲をロシア系ユダヤ音楽のエキスパート、ヤーシャ・ネムツォフが世界初録音。
グリゴーリとアレクサンドルの作風は、当時のロシア音楽界で流行していたアヴァンギャルドなもの。スクリャービンの影響下にありながらも、ユダヤ素材を多用しているため、独特な東方的エキゾチシズムに満ちています。革命後、アレクサンドルは社界主義リアリズムに沿った作風に転向し、それなりのポストに就きますが、孤高のグリゴーリは完全なアウトサイダーとして貧困生活を余儀なくされます。彼のピアノ・ソナタ第2
番は非常に高度な作曲技法を示す傑作で、ユダヤ色も濃厚、彼の個性がすべて盛り込まれています。グリゴーリの息子ユリアンは2
歳からピアノを弾くなど神童ぶりを示しますが、両親の経済状況ゆえ養護施設にも預けられるなど苦労し、1928
年から32 年までパリに留学、エコール・ノルマルでポール・デュカスに師事しました。
彼のピアノ・ソナタOp.7 は11 歳の作で、わずか12
日間で作曲されたという驚くべきもの。いずれも隠れたロシア・ピアノ音楽の宝と申せましょう。 |
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ダヴィド・ゲリンガス(Vc)
バラカウスカス:
(1)ベーツァフタ2 (2009)
(2)レトロスペクティヴⅡ (1994)
(3)ルードゥス・モドルム (1972 / 2002)
(4)ダル・ヴェント (1999)
(5)ボップ・アート (1972 / 1995) |
ダヴィド・ゲリンガス(Vc)
(1)(2)ヤーシャ・ネムツォフ(Pf)
(3)(4)ピャトラス・ゲニューシャス(Pf)
(1)フォーグラーSQ
(3)ロベルタス・シャルヴャニカス(指)
ガイダ・アンサンブル
(5)ウラジーミル・タラソフ(ドラムス) |
ゲリンガスがヤマハのサイレント・チェロを使用。親友バラカウスカス作品集
録音:2002、2009、2010、2013 年/DDD、62’
08”
現代リトアニア作曲界の重鎮オスヴァルダス・バラカウスカス
(1937-)。ソ連時代から前衛手法で色彩的な音楽を発表してきましたが、リトアニア独立時1992-4
年、駐仏大使を務めるなど政治家としても活躍しました。バラカウスカスは同郷の大チェロ奏者ダヴィド・ゲリンガスと親しく、数々のチェロ作品を産み出しています。ここではゲリンガスに捧げられた5
作品が収められています。リトアニアは知る人ぞ知るジャズの盛んな国ですが、バラカウスカスも1972
年に「ボップ・アート」というチェロ、ピアノ、ドラムスの作品を書いています。
当アルバムの注目点は、かなりの部分でゲリンガスがヤマハの「サイレント・チェロ」を用いていること。この楽器を世界で普及させるための果敢な挑戦と申せましょう。④⑤で伴奏を務めるピャトラス・ゲニューシャスは、前回の第16
回ショパン国際コンクール第2 位のルーカス・ゲニューシャスの実父。 |
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イシュトヴァーン・ヴァールダイ(Vc)
チェロ変奏曲
(1)マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲H290
(2)メンデルスゾーン:協奏的変奏曲Op.17
(3)ベートーヴェン:
モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲Op.66
(4)マルティヌー:スロヴァキアの主題による変奏曲H378
(5)ポッパー:小ロシアの歌による幻想曲Op.43
(6)ロッシーニ:涙
(7)パガニーニ:ロッシーニの「モーゼ」による幻想曲Op.24 |
イシュトヴァーン・ヴァールダイ(Vc)
ワルター・デラハント(Pf) |
ハンガリー・チェロ界のホープ、ヴァールダイ入魂の変奏曲集
録音:2012 年9 月29 日- 10 月2 日、2013
年9 月30 日/DDD、64’ 25”
1985 年生まれのハンガリー・チェロ界のホープ、イシュトヴァーン・ヴァールダイ。ブダペストのリスト音楽学校でラースロ・メゼに師事した後、ウィーン国立音楽大学でラインハルト・ラツコに師事。ブダペストで行なわれたダヴィド・ポッパー国際コンクールに3
度入賞、2007 年のチャイコフスキー国際コンクールで3
位入賞を果たしています。正確な技巧、おおらかで男性的な演奏が魅力。変奏曲ばかり集めた当アルバム、主題の「歌」にこだわった美しい演奏を堪能できます。 |
GLOSSA CABINET
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廉価分売
ブリュッヘンの"運命"&"田園"!
2011年10月、ロッテルダム・ライヴ!
ベートーヴェン:
交響曲第6番ヘ長調 Op.68《田園》
交響曲第5番ハ短調 Op.67《運命》 |
フランス・ブリュッヘン(指揮)
18世紀オーケストラ |
Glossa Cabinet 2014 !〜 スペインから届く古楽の愉しみ
〜ブリュッヘンの"運命"&"田園"!
2011年10月、ロッテルダム・ライヴ!"新全集"の"運命"と"田園"!
30年以上も世界中でベートーヴェンの交響曲を演奏してきたフランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ。1984年から1992年にかけて録音が行われた旧全集のスタートから約30年。
2011年10月、オランダ、ロッテルダムのデ・ドゥーレンを舞台として、遂に現実のものとなったベートーヴェン「交響曲全集」の"新全集"から、「運命」と「田園」がグロッサ・キャビネット(Glossa
Cabinet)シリーズに登場!
揺るぎない信念のもと、さらなる成熟を遂げたブリュッヘンと18世紀オーケストラの信頼関係。長き歳月が育み、進化を遂げたピリオド・オーケストラによるベートーヴェンの理想像がここにある。
※録音(ライヴ):2011年10月、デ・ドゥーレン(ロッテルダム、オランダ)
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GCD C81201
(2CD/特別価格)
\3000 →\2690
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エンリコ・ガッティのGlossa専属第1弾!
ストラデッラのオラトリオ《スザンナ》が廉価復活!
ストラデッラ:オラトリオ《スザンナ》 |
エマヌエラ・ガッリ(ソプラノ)
バルバラ・ザニチェッリ(ソプラノ)
ロベルト・バルコーニ(カウンターテナー)
ルカ・ドルドーロ(テノール)
マッテオ・ベロット(バス)
エンリコ・ガッティ(ヴァイオリン&ディレクター)
アンサンブル・アウローラ
〔クラウディア・コムス(ヴァイオリン)、
ガエターノ・ナジッロ(チェロ)、
ジャンカルロ・デ・フレンツァ(ダブル・ベース)、
ロレダーナ・ジントーリ(ダブル・ハープ)、
アンナ・フォンターナ(チェンバロ)、
フランチェスコ・バローニ(オルガン)〕
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波乱万丈の人生を歩んだストラデッラのオラトリオ!
イタリアが生んだバロック・ヴァイオリンの神様エンリコ・ガッティとグロッサ(Glossa)の専属リリース第1弾、アレッサンドロ・ストラデッラ(1639−1682)のオラトリオ「スザンナ」が待望の復活!
枢機卿との女性関係のトラブルでヴェネツィアを追われ、さらにはローマ・カトリック教会の金を着服してしまうなど、波乱に満ちた生涯を送ったことでも知られるストラデッラ。
音楽家としての功績は目覚ましく、わずか37年間の人生の中で、技法的な合奏協奏曲や、アリアとレチタティーヴォを明確に区別したオペラの確立など、後世に遺した影響も計り知れない。
旧約聖書外伝「ダニエルとスザンナの物語」を題材としたストラデッラ晩年のオラトリオ。どこか作曲者自身の人生とも重なる大作で、ガッティが洗練された響きに満ちた素晴らしい演奏を聴かせてくれる。
※録音:2003年7月、聖フランチェスコ教会(プレージョ、イタリア)
「それでもクラシックは死なない!」より
ストラデッラが晩年に作った作品はこの《スザンナ》をはじめどれもほとんど宗教劇だが、その原作となった旧約聖書外伝『ダニエルとスザンナの物語』をよく読んでみると、まさに彼だからこそとり上げたと思われる題材である。
あらすじは以下の通り——
「バビロンの資産家ヨアキムの妻スザンナはその美貌と信仰心の篤さで知られていた。
ヨアキムの家を訪れる間にスザンナに懸想した二人の長老が、庭園での彼女の水浴を覗き見、挙げ句、関係を迫る。スザンナはそれをはねつけて大声をあげて家人を呼ぶが、長老たちは彼女が庭園で若い恋人と関係をもっていたと言いがかりをつける。彼らの社会的地位ゆえに人々はそれを信じ、裁判にかけられたスザンナに死刑宣告が下される。スザンナが神に助けを求めるとのちに賢者として知られることになる若きダニエルが現れ、裁判に異議を唱える。ダニエルが二人の長老に別々に証言させたところ、ひとりはスザンナが恋人と乳香樹の下で会っていたと言い、もうひとりは樫の木の下だった、と答えた。両者の証言の食い違いが明らかになったため、スザンナへの嫌疑は晴れ、長老たちは死刑になる。(新見宏
他監修『図説大聖書』講談社刊)」
自分のことは棚に上げてずいぶん道徳的な題材を選んでいるという気がしないでもないが、ストラデッラの興味は「勧善懲悪」のテーマではなく、破廉恥老人たちの淫らなふるまいやネチネチとスザンナを陥れようとするところとか、無残に処刑される過程にあったことは大体想像がつく。
さて、そんなストラデッラ。
「密度の濃い旋律美、ダイナミックで抒情的」、「同時代のどんな作曲家よりも創作的」、「コンチェルト・グッロソの大要を決定し、カリッシミからA・スカルラッティへの発展の過程におけるイタリア音楽史で最も重要な作曲家」。
ストラデッラの音楽史的な評価をあげればこんなところであろうか。
しかし、彼がこんな歯の浮くような誉め言葉を聞いたらさぞ大笑いするだろう。「ふん。別に俺はそんなえらそうなことしようと思ったわけじゃない。やりたいようにやっただけさ」。そう軽く受け流して去ってしまうのが関の山だろう。
もとより、彼の人生にとって音楽はそれほど重要な意味を持っていなかったのかもしれない。彼にとって最も大きな意味があったのは、恋、しかもとびきり危険な恋だけだった。
貴族の血統を持つ彼は、幼少よりディレッタントとしての音楽教育を受けたのみであったがすぐにリュート、ヴァイオリンを習得し、またラテン語で詩を書くなど優れた芸術的才能を示した。
20才の頃スウェーデン女王クリスティーナやいくつかの宗教団体、教会から作曲を依頼されたが、彼自身はいかなる教会、劇場、パトロンにも属さず、気楽で優雅な貴族としての生活を守った。ただその作品は高く評価され、ローマでは大きな人気を博した。
だがこの男、普通ではないのである。
25歳のとき、修道院長とヴァイオリニストの友人と結託しとんでもない計画を立てる。なんと、こともあろうにローマ・カトリック教会の金を着服しようとしたのである。
・・・しかしその計画はもろくも失敗、ローマ退去の処分を受ける。
それなのに、新しいローマの劇場がオープンするとなったら、さっそくそのオープン行事のために呼び戻されているのだから、神様もずいぶん甘いものである(ほかの共犯者は投獄された)。
だがよくいえば自由奔放、悪くいえばわがまま放題の彼がそのままおとなしくしているはずがない。数年後にはローマの枢機卿と対立、その怒りを買い、またもやローマ追放の処分を受ける。
しかし、彼にとってはそんなことはたいしたことではない。
ローマを逃れ、新しく赴いたヴェネツィアで、彼は当地の大豪族コンタリーニに拾われ、その愛人の音楽教師となる。
・・・で、ここでおとなしくしていればいいのだが、そうはいかない。
彼の悪いクセが出るのである。
・・・まさに予想通りの展開だが、彼は恩人コンタリーニの愛人に手を出し、なんと二人で駆け落ちしてしまう。行き先はトリノ。
そこで新たな愛の生活が始まるはずだったが、相手が悪かった。コンタリーノは言ってみればマフィア。しかも相当に執念深いやつだった。第一、マフィアの親分の愛人と駆け落ちしてただですむはずがない。コンタリーノは、愛人を奪回してストラデッラを殺すために、50人近い手下を引き連れ、イタリア中を駆け巡った。
そして、ついに彼らはストラデッラの居場所を突き止めた。
その頃ストラデッラはトリノでもちゃっかり音楽の仕事を見つけ、摂政のマリアに庇護され幸せな生活を送りはじめていた。
そこへコンタリーノ一家がなだれ込んできたから、さしものストラデッラもあわてた。摂政に泣きつき、なんとかその場は収まったが、コンタリーノもそこで引き下がるほどお人好しではなかった。作曲家フロトーがのちにストラデッラの人生を題材にオペラを書いたときは、コンタリーノはストラデッラの美しい音楽に心を洗われ、改心(?)するのだが、現実はそうはいかない。自らはヴェネツィアに帰るが、二人の刺客をトリノに残したのである。そしてチャンスを狙っていた刺客たちはついにストラデッラを襲い、深手を負わす。がもう一歩のところで息の根を止めることに失敗する。ストラデッラは間一髪のところで逃れ、重傷は負ったが単身ジェノヴァに逃げ延びた。
もともとジェノヴァの有力者とコンタクトを取っていたらしいストラデッラはこの地でもそれなりの待遇で受け入れられ、新たな音楽家としての生活を始めようとしたらしいが、彼の新しい生活というのは、新しい恋の始まりということでもある。
懲りないストラデッラは、またもやジェノヴァの大豪族ロメリーニ一家を巻き込むはでな不倫をやらかし、さすがに今度は悪運尽きたか、ジェノヴァの有名なビアンキ広場で殺害され、その無茶な人生を閉じる。
・・・・。
ストラデッラについては、あまり多くの資料が残されていないため不明な点が多い。しかし残された作品が、彼の多くを物語る。劇的で情熱的、創造的で個性的。彼の音楽はその破天荒で無茶な人生のほとばしりの一端に過ぎないかもしれない。が十分過ぎるほどの過激さと興奮をわれわれに植え付けてくれる。 長い音楽の歴史の中、こんな男が一人くらいいてもいい。
しかし悲しいかな、こんな素敵な作曲家の作品がほとんどCDでは出ていない。
だから今回ガッティが移籍して初めてストラデッラを録音したと聴いたときは本当に嬉しかった。
今後も決してストラデッラの時代は来ないだろう。だがこれだけの男の作品を、きっちり劇的に美しく仕上げてくれる男がいるとしたら、やはりガッティしかいなかっただろうと思う。このアルバムは今年最も注目すべきセットになるだろうと断言できる。
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セバスティアン・デ・ビバンコ:ミサ曲《汝が御手に》
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ミサ、マニフィカトとモテット集
これこそ大司祭なり(器楽ヴァージョン)/
ミサ曲《汝が御手に》より キリエ、グローリア/
イン・マヌス・トゥアス(汝が御手に)/我らが父の愛/
ミサ曲《汝が御手に》より クレド/誰が我が頭を濡らすか/
悲しみの内に引き戻されて(器楽ヴァージョン)/
死の悲しみが/ミサ曲《汝が御手に》より
サンクトゥス/
キリストはかくあらせられた/聖母マリアは天に昇られた/
ああ、何と甘美な/
ミサ曲《汝が御手に》より アニュス・デイ(神の子羊)/
第4旋法のマニフィカト/
主に向かいて新しき歌を歌え(カンターテ・ドミノ) |
リチャード・チーザム(ディレクター)
マイケル・ヌーン(ゲスト・コンダクター)
オーケストラ・オヴ・ザ・ルネサンス |
ビクトリアと同世代の奇才ビバンコの芸術に光があたる。
トマス・ルイス・デ・ビクトリアと同時代に活躍し、共にアビラ大聖堂の楽長から音楽を学んだと伝わるスペインの音楽家セバスティアン・デ・ビバンコ(c.1551-1622)。
1954年に現代楽譜に書き換えられたモテットが出版され、マニフィカトやミサ曲の研究が行われたことにより、ビクトリアと並ぶスペインの奇才ビバンコの再評価が進んでいる。
モラレスやゲレーロの作品を綿密な時代考証に基づき、再現を行ってきたオーケストラ・オヴ・ザ・ルネサンス。マニフィカトを率いるフィリップ・ケイヴもテノールとして参加するなど、充実の編成はモラレスやゲレーロの名演を上回る。スペイン・ルネサンスの知られざる偉業が蘇る。
※録音:2000年8月、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会(ロンドン、イギリス)
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ザンボーニ:リュートのためのソナタ集 Op.1(1718、ルッカ)
ソナタ第9番/ソナタ第6番/ソナタ第1番/ソナタ第3番/
ソナタ第4番/ソナタ第2番/ソナタ第7番/
ソナタ第8番より Arpeggio/ソナタ第11番より
Ceccona |
ルチアーノ・コンティーニ(アーチリュート) |
これぞアーチリュートの魅力。コンティーニが奏でるザンボーニ!
17世紀後半のローマで生まれ、代表的作品である1718年にルッカで出版された「リュートのためのソナタ集」の成功により、当時のイタリアにおける優れた対位法の持ち主として高い評価を受けたジョヴァンニ・ザンボーニ(18世紀初期)。
ザンボーニは、リュートやテオルボ、ギター、マンドリンなどの撥弦楽器の名手であると同時に、ピサ大聖堂の音楽家、さらには宝石商であったとも伝わっている。
サルディーニャ島のサッサリ出身で、スイスの古楽総本山バーゼル・スコラ・カントルムで研鑽を積み、アンサンブル・アウローラのメンバーとしても活躍した世界的名手ルチアーノ・コンティーニが、ザンボーニの「ソナタ集Op.1」で、アーチリュートのソロの魅力を存分に聴かせてくれる。
※録音:1992年6月、エレモ・ディ・ロンザーノ(ボローニャ、イタリア) |
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J.C.F.バッハ:トラヴェルソとフォルテピアノのためのソナタ集
《鍵盤楽器とフルートまたはヴァイオリンのための6つのソナタ》より
ソナタ第1番ニ短調、ソナタ第3番ニ長調、ソナタ第5番イ長調
《フラウト・トラヴェルソまたはヴァイオリン、
チェロとチェンバロのためのソナタ集》より
ソナタ第1番ニ長調 |
マルチェロ・ガッティ(トラヴェルソ)
ジョヴァンニ・トーニ(フォルテピアノ)
ジョヴァンナ・バルバーティ(チェロ) |
マルチェロ・ガッティ躍動!J.C.F.バッハのソナタ集!
J.S.バッハの息子で、ビュッケブルクの宮廷で活躍した"ビュッケブルクのバッハ"ことヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ。
その作風は、父から受け継いだ対位法、北ドイツの様式やイタリア音楽からの影響を見せながらも、徐々にモーツァルトやハイドンに通じる古典派的な様式へと変化を遂げている。
1777年にリガで出版された3曲の「ソナタ」と、1785年頃の作品とされる1曲の「ソナタ」を吹くのは、ガッティ兄弟の弟でトラヴェルソの名手マルチェロ・ガッティ。マルチェロ・ガッティのシンフォニア(Symphonia)レーベルの名盤が装いも新たに復活です!
※録音:2004年7月、聖ドメニコ教会(ピサ、イタリア)
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第2のストラヴァガンツァ 〜
ヴィオール・コンソートのためのヴェネツィアとナポリの音楽
アントニオ・ヴァレンテ:イントルチャのバッロ
カルロ・ジェズアルド:悲しや私は死す
作曲者不詳/アレッサンドロ・ピッチニーニ:ラ・モニケ
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:ガリアルダ第1番《ラ・ガランテ》
ジャンピエトロ・デル・ブオーノ:
《めでたし、海の星》によるソナタ第7番
ジョヴァンニ・レグレンツィ:ソナタ第6番
ケルビーノ・ウェージヒ:カンツォーネ第2番
ザロモーネ・ロッシ:ルッジェーロのアリアによるソナタ
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:
半音階的ガリアルダ第5番《ラ・トラバーチ》、
半音階的カンツォン第7番
ベルナルド・ストラーチェ:パストラーレ
ジョヴァンニ・デ・マック:第2のストラヴァガンツァ |
ラモローゾ、
グイド・バレストラッチ
(ヴィオラ・ダ・ガンバ&ディレクター) |
ラモローゾ!ヴェネツィアとナポリにおけるヴィオール作品探究!
多くの巨匠たちを輩出した2つの音楽の都、ヴェネツィアとナポリで誕生した"ヴィオール・コンソート"のための音楽を、イタリア古楽界のヴィオラ・ダ・ガンバの巨星グイド・バレストラッチが率いるラモローゾ(アンサンブル・ラモローゾ)の卓越した演奏で。
16〜17世紀のイタリアにおけるヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオール・コンソートのために書かれた音楽の魅力、歴史を追い求めた演奏、コンセプト共に優れた好企画。 ※録音:1999年8月、聖ステファノ教会(ルッカ、イタリア) |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
2/6(木)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
HYPERION
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タカーチ弦楽四重奏団
ブラームス:
弦楽五重奏曲第1番ヘ長調Op.88
弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.111 |
タカーチ弦楽四重奏団
〔エドワード・ドゥシンベル(第1ヴァイオリン)、
カーロイ・シュランツ(第2ヴァイオリン)、
ジェラルディン・ウォルサー(ヴィオラ)、
アンドラーシュ・フェイェール(チェロ)〕
ローレンス・パワー(ヴィオラ) |
タカーチ弦楽四重奏団 ブラームス第3弾!ローレンス・パワーとのクインテット!
リスト音楽院のメンバーで結成され、世界最高峰の弦楽四重奏団のひとつとして活動するタカーチ弦楽四重奏団。シューベルト、ブラームス、シューマンといった独墺系プログラムを中心とし、前作ではブリテンの弦楽四重奏曲集で新機軸を展開したタカーチ弦楽四重奏団が、ブラームスへ回帰!
弦楽四重奏だけではなく、アムランやハフなどHyperion(ハイペリオン)のメイン・アーティストたちと共演した五重奏曲も人気となっており、今回はローレンス・パワーと共演しての弦楽五重奏曲を披露。
ナッシュ・アンサンブルやレオポルド弦楽三重奏団のメンバーやソリストとして30を超えるアルバムを残す現代最高峰のヴィオリスト、ローレンス・パワー。タカーチ弦楽四重奏団は「弦楽四重奏曲」と「ピアノ五重奏曲」で、パワーは「ピアノ四重奏曲」と「ヴィオラ・ソナタ」で、それぞれブラームスをHyperionに録音しているだけに、彼らの弦楽五重奏曲も期待は十分。
ブラームスがオーストリアの保養地バート・イシュルで完成させた晩年の傑作「弦楽五重奏曲第1番&第2番」。室内楽の名手たちによってブラームスの熟成された叙情性が濃密に表現される。
※録音:2013年5月19日ー22日、ワイアストン・コンサート・ホール(イギリス)
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ロマンティック・ヴァイオリン・コンチェルト・シリーズVol.15
〜
ムイナルスキ&ザジツキ
ムイナルスキ:
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ短調 Op.11(世界初録音)
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 Op.16
ザジツキ:
序奏とクラコヴィアク Op.35(世界発録音)
マズルカ ト長調 Op.26 |
ユージン・ウゴルスキー(ヴァイオリン)
ミハウ・ドヴォジンスキ(指揮)
BBCスコティッシュ交響楽団 |
ロマンティック・ヴァイオリン・コンチェルト!ユージン・ウゴルスキー登場!
ロマン派の知られざる協奏曲たちを現代に蘇らせる、超人気シリーズ、ロマンティック・コンチェルト・シリーズ。「ポーランド」をテーマとするヴァイオリン・シリーズの第15弾には、若き逸材ユージン・ウゴルスキーがHyperion初登場!
リトアニアに生まれ、ポーランドで活躍したヴァイオリニスト、指揮者、作曲家エミル・ムイナルスキ(1870−1935)。作曲をリムスキー=コルサコフ、リャードフに教わったムイナルスキの「ヴァイオリン協奏曲第1番」は、パデレフスキ作曲コンクールで優勝し、ヴァイオリンの師レオポルト・アウアー(ミルシテインやハイフェッツの師でもあり、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を献呈されたヴァイオリニスト)へ献呈された作品。
ベルリンでピアノを学び、パリではライネッケとルベルから作曲を学んだポーランド人コンポーザー=ピアニスト、アレクサンデル・ザジツキ(1834−1895)。「序奏とクラコヴィアク」は、当時のヴァイオリニストたちに非常に好まれたが現代まで録音に恵まれず、管弦楽伴奏版はこれが世界初録音となる。「マズルカOp.26」は通称「サラ=サーテのためのマズルカ」とのタイトルでも知られ、オイストラフの名演によっても人気のあるザジツキの代表作。
1989年ロシア生まれの若手、確かなテクニックと高貴な音色を持ち「若きオイストラフ」と呼ばれるウゴルスキーが、新たな名盤を創造する。
※録音:2013年3月27日−28日、シティ・ホール(グラスゴー)
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イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)
メランコリーの芸術 〜 ダウランド:歌曲集
悲しみよ、とどまれ/さあもういちど、愛が呼んでいる/
行け、透明な涙よ/ウィンター夫人のジャンプ/
わが恋人が泣くのを見た/溢れよ、わが涙/
彼女は私の過ちを許してくれるだろうか?/見よ、この不思議を/
常にダウランド、常に悲しく/暗闇に住まわしておくれ/
時は停止する/君たち、愛と運命に/
恋人よ、知っているなら話しておくれ/ラクリメ/
おいで、さあ、可愛い人/言葉であの人に訴えるべきか/
噴きこぼれよ、わが涙/運命よ/来たれ、深き眠り/
今、別れねばならぬ(蛙のガリアード) |
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イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)
トーマス・ダンフォード(リュート) |
イェスティン・デイヴィスが歌う、儚きダウランド。
イギリス系カウンターテナーの伝統を受け継ぎ、新世代カウンターテナーの筆頭として目覚ましい活躍を見せる、イェスティン・デイヴィス。2012年の英Gramophone賞で、見事「リサイタル部門賞」に輝いた「グァダーニのためのアリア集(CDA
67924)」に続くHyperionのソロ録音は、16世紀イギリスのリュート音楽の大家、ジョン・ダウランド(1563−1626)のリュート歌曲集。宗教的な題材はほとんどなく、その世俗的な詩と美しく物悲しい旋律は時を超えて愛されている。伴奏のトーマス・ダンフォードは、アンサンブル・マルシュアスなどで活躍する若きリュート奏者。このダウランドがHyperion初登場。
※録音:2013年4月6日−8日、ポットン・ホール(サフォーク)
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ジャック・リーベック初登場! クライスラーを弾く!
クライスラー:ヴァイオリン作品集
クライスラー:
前奏曲とアレグロ、シンコペーション、美しきロスマリン、
愛の悲しみ、愛の喜び、道化役者、中国の太鼓
Op.3
グルック(クライスラー編):
メロディー(歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》より)
クライスラー:
おもちゃの兵隊の行進曲、狩、ウィーン奇想曲
Op.2、
ボッケリーニの様式によるアレグレット
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲(歌劇《はかなき人生》より)
ドヴォルザーク(クライスラー編):マズルカ
ホ短調(スラブ舞曲Op.72-2より)
クライスラー:ウィーン風小行進曲
タルティーニ(クライスラー編):ソナタ
ト短調 《悪魔のトリル》 Bg.5 |
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ジャック・リーベック(ヴァイオリン)
カーチャ・アペキシェワ(ピアノ) |
2004年、設立されたばかりのQuartzレーベルより劇的なデビュー(QTZ
2002)を果たし、メジャー・レーベルでの録音や、変幻自在のアンサンブル「フィボナッチ・シークエンス」のリーダーとして、また日本では福間洸太朗とのデュオ・パートナーとして活躍するイギリスの若きヴィルトゥオーゾ、ジャック・リーベック。デビュー録音から続く伴奏パートナーであるモスクワ生まれの女流ピアニスト、カーチャ・アペキシェワとともに、Hyperion初登場!
王道のレパートリーから様々な室内楽作品、サウンドトラックまで幅広く手がけるリーベックのHyperion第1弾は、19世紀〜20世紀にかけての偉大なるヴァイオリニストにして、作編曲家としても数々の名作を世に残したフリッツ・クライスラー(1875−1962)の作品集。ヴァイオリン小品として超定番レパートリーとなっている「愛の喜び」、「愛の悲しみ」などのオリジナル作品から、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」、タルティーニの「悪魔のトリル」などの優れたアレンジまで。クライスラーの魔法のようなヴァイオリン音楽を、G.B.グァダニーニ最晩年の銘器、1785年製の"Ex-Wilhelmj"で描き出す。
※録音:2013年4月2日−4日、セント・ジョージ教会(ブランドン・ヒル、ブリストル)
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高雅な・・・
ピエルネ:ピアノ五重奏曲ホ短調 Op.41
ヴィエルヌ:弦楽四重奏曲ニ短調 Op.12 |
ゴールドナー弦楽四重奏団
ピアーズ・レーン(ピアノ) |
オーストラリアの名コンビ、今度はフランス!
イギリスで活躍するオーストラリアの知性派ピニアスト、ピアーズ・レーンと、ムジカ・ヴィヴァ・オーストラリアの創設者リチャード・ゴールドナーの名を冠して結成されたゴールドナー弦楽四重奏団とのオーストラリアン・コンビ。
19世紀〜20世紀フランス音楽界に大きな足跡を残したガブリエル・ピエルネ(1863−1937)。
フォーレに献呈されたピエルネのピアノ五重奏曲は、師であるマスネ&フランクの影響を感じさせ、バスクの舞曲"zortzico"が使われている。盲目のオルガニスト、作曲家のルイ・ヴィエルヌ(1870−1937)もピエルネと同時代の重要な作曲家。ヴィエルヌもピアノ五重奏を書いているが、ここでは明るく華やかな楽想で親しまれる弦楽四重奏曲を収録。
※録音:2013年5月8日−10日、ポットン・ホール(サフォーク) |
HELIOS
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CDH 55435
(新装移行再発売)
\1500
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ヴォルフ:アイヒェンドルフ歌曲集
誰よりも好きな/幸福の騎士/郷愁/異郷にてI/
異郷にてII/異郷にてIII/ほら吹き男爵/絶望した恋人/
学生/セレナード/夜の魔法/ジプシーの娘*/音楽師/
追悼/帰郷/森の乙女*/少女*/秘めた愛/兵士I/
兵士II/朋友/期待/災難/夜/愛の喜び/水夫の別れ |
ステファン・ゲンツ(バリトン)
ロジャー・ヴィニョールズ(ピアノ)
ベルナルダ・フィンク(メゾ・ソプラノ)* |
ヴォルフの好きな詩人の一人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による歌曲集。ドイツのバリトン、ステファン・ゲンツは、Hyperionではベートーヴェンやマーラーの歌曲の他、クイケン&ラ・プティット・バンドとの共演でC.P.E.バッハやグラウンのオラトリオも歌っている実力派。ロジャー・ヴィニョールズとのコンビでは来日公演も行っている。
※録音:1997年3月19日−21日(ゲンツ)&10月24日(フィンク)/CDA
66909からの新装移行再発売 |
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CDH 55447
(新装移行再発売)
\1500 →\1390
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ジェイムズ・ボウマン&マイケル・チャンス
パーセル&ブロウ:カウンターテナー・デュエット集
パーセル:
メアリー女王の誕生日のためのオード「来たれ、汝ら芸術の子ら」
Z.323 より
《トランペットを吹き鳴らせ》、
聖セシリアの祝日のためのオード「たたえよ、輝かしきセシリアを」
Z.328 より
《In vain the Am’rous Flute and soft
Guitar》、
おお孤独こそ我の最も好むところ Z.406、
劇音楽「ボンドゥカ、イギリスの女丈夫」
Z.574 より
《歌え、歌え、ドルイド僧よ!》、
メアリー女王の崩御を悼むエレジー
《おお、オラニエ家神聖なる保護者》
Z.504、
劇音楽「乙女の最後の祈り、藁をもつかむ思い」
Z.601 より
《No, resistance is but vain》、
劇音楽「アテネのタイモン」 Z.632 より
《聞け鳥の鳴き声を》、
メアリー女王を悼む哀歌 《レスビアよ、無益なことだ》
ブロウ:
Ah, heav’n! What is’t I hear?、ヘンリー・パーセル氏の死を悼む頌歌 |
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ジェイムズ・ボウマン(カウンターテナー)
マイケル・チャンス(カウンターテナー)
ロバート・キング(指揮)
キングス・コンソート |
ロバート・キング&キングス・コンソートとともに、数々の名唱を残しているジェイムズ・ボウマンとマイケル・チャンス。イギリス・バロックのもっとも偉大な作曲家ヘンリー・パーセル(1659−1695)と、パーセルの師ジョン・ブロウ(1649−1708)、ともにウェストミンスター寺院のオルガニストであったパーセルとブロウの二重唱を、2人の名カウンターテナーが歌う。
※録音:1987年5月14日−15日/CDA 66253からの新装移行再発売 |
MD+G
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901 18206
(SACD Hybrid)
\3000→\2690 |
誰?興味ある・・・
カラジッチ(指揮)&ビーレフェルト・フィル
ラヴェル:管弦楽作品集
高雅で感傷的なワルツ, 古風なメヌエット,
亡き王女のためのパヴァーヌ,
夜のガスパール(マリユス・コンスタン編) |
アレクサンドル・カラジッチ(指揮)
ビーレフェルト・フィルハーモニー管弦楽団 |
様々なパレットで音色の組み合わせを追求した演奏
録音:2013年5月27-29日 ビーレフェルト Rudolf-Oetkerホール
ラヴェルは自身の多くのピアノ作品からフル・オーケストラのための編曲を行っています。ここに収録されたうちの3曲は彼自身の編曲版。「夜のガスパール」は、ラヴェル自身作曲当初よりこの曲にオーケストラ的な響きを想定していたようで、ピアニストのヴラド・ペルルミュテールに曲の表現法を説明した際、具体的なオーケストラの楽器の名前を持ち出して例示したそうです。
そんなラヴェル自身の教示を元にして、マリユス・コンスタンが1991年に管弦楽編曲版がここに収録されています。
クロアチア生まれの指揮者アレクサンドル・カラジッチは多くの歌劇場での経験を積んだ後、2010/2011シーズンから音楽監督を務めるビーレフェルト・フィルを指揮して、様々な音色のパレットが駆使されたラヴェル作品を、鮮やかな色彩感で再現しています。
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND |
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903 18346
(SACD Hybrid)
\3000 |
SaxoFOLK〜サクソフォン四重奏編曲による作品集
アルベニス:アラゴン, リゲティ:6つのバガテル
ムソルグスキー:村にて, 子供の遊び, スケルツォ
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日, Puck(抒情小曲集Op.65&71より,
ピアソラ:ミロンガの天使, ピエルネ:民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
シュルホフ:チャールストン, ブルース
ファルカシュ:17世紀の古いハンガリーの舞曲 |
ベルラーヘ・サクソフォン・クァルテット
[Lars Niederstrasser,
Peter Vigh,
Kirstin Niederstrasser,
Eva van Grinsven] |
国際的スペクトラムの新しい響き
録音:2013年9月23-25日 Abtei Marienmuenster コンサートホール
2009年に結成されたベルラーヘ・サクソフォン・クァルテット。
世界のいろいろな民族が異なる感覚をもつように、ここに収録される作品も様々なルーツを感じさせるものです。
チャールストンとブルースに影響を受けたシュルホフやのリゲティの現代的な作品、古典的北欧のグリーグから南米のピアソラのタンゴまで、幅広いジャンルの作品が秀逸なアレンジで見事に蘇っています。さらに彼らの完璧なイントネーション、完全なタイミングとユーモア溢れる分析が加わった演奏は、今、ヨーロッパで話題を呼んでいます。
SACDによる高音質というだけでなくマルチチャンネルでは、サクソフォン・アンサンブルの卓越した音色と残響が見事な一体感を作り出しています。CD
STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND |
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909 18376
(SACD Hybrid)
\3000→\2690 |
初演されたワイマール国民劇場
フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』(全曲) |
マルティン・ホフ(指揮)
ワイマール・シュターツカペレ
重島清香(Ms: ヘンゼル),
エリザベス・ヴィンマー(Sp: グレーテル)
ウーヴェ・シェンカー=プリムス(Br: ペーター),
レベッカ・テーム(Ms: ゲルトルート)
アレクサンダー・ギュンター(Bs: お菓子の魔女)
カテリーナ・マイアー(Sp: 眠りの精),
ヒュンジン・パルク(Ms: 露の精)
スコラ・カントゥールム・ワイマール,
ワイマール国民劇場オペラ合唱団 |
この劇場で初演された縁深い録音。主役には重島清香が抜擢!
録音:2013年5月2-5日、9月10-12日 ワイマール 国民劇場
ケルンとミュンヘンで学び、ワーグナーの知遇を得、バイロイトで彼の助手を務めたフンパーディンク。「ヘンゼルとグレーテル」は、メルヘン・オペラの代表的な作品で、もともと妹の子供たちのために作曲し、妹自らが台本を書いています。民謡的で親しみやすい要素がふんだんに取り入られ、世界の子供たちから愛される作品となっています。
ワイマール国民劇場に出演している実力派の歌手が揃えられていますが、2013年からこの歌劇場専属ソリストの重島清香(しげしま・さやか)がヘンゼル役に抜擢されているのにも注目。
ワイマール国民劇場は、ゲーテやフリードリヒ・シラーらが自作のオリジナル演劇作品を上演したドイツ古典主義関係の歴史的遺構でもあり、この楽団では1893年からR・シュトラウスも指揮を務めたという歴史ある劇場です。同劇場で1893年に「ヘンゼルとグレーテル」はR..シュトラウスの指揮で初演されました。
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND |
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603 18402
\2300→\2090 |
メンデルスゾーンに師事した隠れた作曲家
ヨハネス・フェアフルスト(1816-1891):
弦楽四重奏曲第1番ニ短調Op.6-1
弦楽四重奏曲第2番変イ長調Op.6-2 |
ユトレヒト弦楽四重奏団
[Eeva Koskinen(Vn),
Katherine Routley(Vn),
Joel Waterman(Va),
Sebastian Koloski(Vc)] |
録音:2013年6月24-26日 オランダ ハーレム
フェアフルストは1816年にオランダで生まれ、10代でチャペルのヴァイオリニストに就き、20歳の時に作曲した序曲がメンデルスゾーンにとまり、1838年より師事。作曲したホ短調交響曲はウィリアム2世より高い評価を受け、ライプツィヒのオーケストラ指揮者に任命されます。
ロッテルダム音楽協会など、オランダの音楽界へ多大な影響を与えました。しかしリスト、ベルリオーズ、ワーグナーらによる政治的な圧力を受け、高い評価を得るには至れませんでした。この弦楽四重奏曲は彼の初期の作品で、メンデルスゾーンやシューマンの影響を受けて、ロマンティックな情熱の織り込みが感じられます。
ハイドンからアバンギャルドまで幅広いレパートリーを誇るオランダの実力派ユトレヒト弦楽四重奏団が、知られざる作品に光を当てた魅力的なアルバムです。 |
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903 18416
(SACD Hybrid)
\3000 |
シュタルケルお気に入りの作曲家のチェロ作品
デイヴィッド・ベイカー(1931〜):
①シンガーズ・オヴ・シンガーズ〜ウィーヴァーズ・オヴ・ドリームズ
(チェロとパーカッションのための)
②チェロとピアノのためのソナタ
③チェロとジャズ・トリオのための組曲 |
マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(Vc)
Connie Shih, piano(②),
Guy Frisch, percussion(①),
Monika Herzig, jazz-piano(③),
Pavel Klimashevsky, bass(③),
Dieter Schumacher, drums(③) |
録音:2013年2月26日、5月24日、6月15日
Abtei Marienmuenster コンサートホール"
名チェリストのヤーノシュ・シュタルケルはベイカーの作品に注目し、作曲のプロセスで助言をしていました。
デューク・エリントンやマイルス・デイヴィス、ディジー・ガレスピーの贅沢なビックバンドの作品を題材とした音楽は、花火を見るような鮮やかさが感じられます。偉大な音楽家に対する驚異的な敬意をはらって作曲されているのです。
F=ディースカウの息子で、シュタルケルに学んだマヌエルが、この録音のためにベイカー自身と密接に協力し合い、自由で有機的な即興と卓越したテクニックを披露した演奏を聴かせています。CD
STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
HAENSSLER
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ヨハンナ・マルツィ、協奏曲録音
(1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ホ短調 Op.64
(2)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
Op.77 |
ヨハンナ・マルツィ(ヴァイオリン)
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指揮)
SWR シュトゥットガルト放送交響楽団
(2)ギュンター・ヴァント(指揮)
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団 |
SWR 放送のオリジナル貴重音源からマルツィのメンデルスゾーン、ブラームスの協奏曲登場!ブラームスは当時50
代のヴァントが指揮!
(1)録音:1959年2月5日、リーダーハレ、シュトゥットガルト (2)録音:1964年2月6日、リーダーハレ、シュトゥットガルト/ADD、モノラル、65’55”
ハンガリーが生んだ伝説の女流ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィ。当ディスクはSWR
シュトゥットガルト放送響との録音から彼女の得意としていたメンデルスゾーンとブラームスが収録されております。両曲ともにマルツィの他録音は存在しますが、録音総数がわずかという事情もあり貴重な録音であることは言うまでもありません。
メンデルスゾーンは1954 年6 月にはサヴァリッシュと翌1955
年12 月にはクレツキとともにフィルハーモニア管とのEMI
録音がありますが、当録音は1959 年で一音一音に魂を込めて弾くメンデルスゾーンはあまりに美しく、特に第2
楽章はまるで声楽家が歌っているかのように表現され、熟考の結果からのフィンガリングと思われます。そして、ただ自由に歌うだけでなくオーケストラと対話しながらの演奏にも驚かされます。
ブラームスは54 年2 月にクレツキ指揮フィルハーモニア管とのEMI
録音を残していますが、当録音は1964 年で、協奏曲録音は50
年代に集中していることからも貴重な録音と言えます。しかも指揮は録音時52
歳だったギュンター・ヴァントというところも注目です。ヴァイオリン・ソロがオーケストラと対等な存在感を示した難曲のブラームスですが、マルツィの凛凛しく高貴なアプローチは聴き手を圧倒する力を持っています。モノラルながらその迫力を感じられる名演と言えましょう。 |
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ゲザ・アンダ、協奏曲録音
(1)バルトーク:ピアノ協奏曲第2番 BB 101
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
Op.23
(3)ブラームス:間奏曲 ホ長調Op.117-1(アンコール) |
ゲザ・アンダ(ピアノ)
(1)ハンス・ミュラー=クライ(指揮)
SWR シュトゥットガルト放送交響楽団
(2)(3)フェルディナント・ライトナー(指揮)
SWR シュトゥットガルト放送交響楽団 |
ゲザ・アンダ SWR 放送録音集第5 集は名演復活!巨匠ライトナーとのチャイコフスキーとミュラー=クライとのバルトーク!
(1)録音:1950年11月14日、シュトゥットガルト、モノラル (2)(3)録音:1973年3月13日、リーダーハレ、シュトゥットガルト、ステレオ/71’58”
ゲザ・アンダのSWR 放送録音シリーズ第5 集は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1
番とバルトークのピアノ協奏曲第2 番です!しっかりとした技術のもと、清潔感と気品あふれるスタイルがたいへん魅力的なアンダ。チャイコフスキーはアンダ追悼盤としてかつてアナログディスク時代にオイロディスクで発売された有名演奏です。ライトナーの滋味あふれる伴奏が追悼盤に実にふさわしくひびいたものでした。
初CD 化となります。 |
<メジャー・レーベル>
オーストラリアELOQUENCE
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4807100
(4CD)
\3600→\3290 |
アンドール・フォルデス
バルトーク:ピアノ作品集
【CD1】
子供のために第1&2巻より,
ミクロコスモス第4〜6巻より
【CD2】
子供のために第3&4巻より, 2つのエレジー,
ルーマニア民俗舞曲
幻想曲第2番, スケッチ集, ハンガリー農民の歌による即興曲
【CD3】
15のハンガリー農民歌, ピアノ・ソナタ, 民謡の旋律による3つのロンド
ルーマニアのクリスマスの子供の歌, 組曲
【CD4】
戸外にて, 9つのピアノ小品, 10の易しい小品
3つのブルレスク, アレグロ・バルバロ |
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アンドール・フォルデス(フォルデシュ・アンドール)(P) |
ハンガリー音楽のスペシャリスト、フォルデスのバルトーク
【録音】1954〜1955年, ハノーファー、ベートーヴェン・ザール[モノラル:セッション]
バルトークやコダーイなどハンガリー音楽のスペシャリストとしても高名なフォルデス。バルトークと親交があったというフォルデスは、民族的要素を含めて作曲者の意図を鋭く読みとった解釈が特徴的といえるでしょう。
このアルバムはACCディスク大賞を受賞したモノラル時代の代表的録音で、モノラルながら良好な録音で未だに新鮮味を保っています。音楽的にも興味深い名演奏で、作品の真価を今日に伝える名盤といえましょう。 |
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480 7099
\1200 |
アンドール・フォルデス
コダーイ:ピアノ作品集
ハーリ・ヤーノシュ組曲(抜粋)
子供の舞曲(第1〜5, 7〜12番)
マロシュセーク舞曲
7つの小品Op.11(抜粋) |
アンドール・フォルデス(フォルデシュ・アンドール)(P) |
ハンガリー音楽のスペシャリスト、フォルデスのコダーイ
【録音】1957年1月, ニューヨーク[ステレオ:セッション]
バルトークやコダーイなどハンガリー音楽のスペシャリストとしても高名なフォルデス。非対称なユニゾンスケールや跳躍、独特な和音などを見事なテクニックを駆使して、しなやかに演奏しています。
まさにコダーイ作品の演奏では、柔軟で叙情的なフレージングに動的要素を追加し、人間的な温かさが感じられます。フォルデスの代表的な名演といえる録音です。 |
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480 7426
(2CD)
\1800→\1690 |
ガブリエリ四重奏団/
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番-3番、他
① 弦楽四重奏曲第1番ニ長調Op.11
② 弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.22
③ 弦楽四重奏曲第3番変ホ短調Op.30
④ 弦楽六重奏曲ニ短調 「フィレンツェの思い出」(弦楽合奏版) |
ガブリエリ弦楽四重奏団(①〜③)
ネヴィル・マリナー(指揮)
アカデミー室内管弦楽団(④) |
精緻なアンサンブルと究極の美音
【録音】1976年、ロンドン、キングズウェイ・ホール(①〜③),
1968年4月、ロンドン、キングズウェイ・ホール(④)
[ステレオ:セッション]
アカデミー室内管弦楽団のリーダーであったケネス・シリトーが1967年に結成した、イギリスのガブリエリ弦楽四重奏団。ロシア風解釈とは異なり、精緻な合奏技術と情熱的な演奏によって、近代的で新感覚なチャイコフスキーを披露しています。マリナー指揮の「フィレンツェの思い出」は、弦楽合奏の究極の美しさが発揮された隠れた名演です。 |
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480 6624
(2CD)
\1800→\1690 |
ボレット/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲、他
① ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
〜 シャルル・デュトワ(指揮) モントリオール交響楽団
② ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
〜 イヴァン・フィッシャー(指揮) ロンドン交響楽団
③ ショパンの主題による変奏曲Op.22
④ 前奏曲Op.3-2, Op32-7, Op.32-12, Op.23-5,
Op.23-10
⑤ メロディ ホ長調Op.3-3
⑥ クライスラー=ラフマニノフ編:愛の悲しみ,
愛の喜び |
ホルヘ・ボレット(P)
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団(①)
イヴァン・フィッシャー指揮
ロンドン交響楽団(②) |
ボレットの妥協なき至芸
【録音】1987年5月(①), 1982年9月(②), 1986年1月(③),
1987年1月(④〜⑤)[デジタル:セッション]
なんといってもラフマニノフの協奏曲は、ピアノの華麗な演奏技巧とオーケストラが奏でる情緒たっぷりのロマンティックな旋律が魅力的。
ボレットは遅めのテンポでひとつひとつの音をじっくり鳴らし、ラフマニノフのスケールの大きさを最大限に表出していきます。まさにピアニスト、指揮者、オーケストラが一体となった妥協を許さない至芸です。 |
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480 7216
(2CD)
\1800→\1690 |
ベーム/
R・シュトラウス:歌劇『エレクトラ』(全曲) |
インゲ・ボルク(Sp:エレクトラ),
ジーン・マデイラ(Ms: クリュテムネストラ),
マリアンネ・シュヒ(Sp: クリュソテミス),
フリッツ・ウール(T: エギスト),
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br:オレスト),
他
カール・ベーム(指揮)
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団&合唱団 |
ベームの、緊張感と推進力による激演、
【録音】1960年10月, ドレスデン、聖ルカ教会[ステレオ:セッション]
作品の知的な解釈とドラマティックな表現のインゲ・ボルク。ベーム指揮によるオーケストラのそれぞれの音と密接に関連づけられた独唱は見事。ボルクの劇的な効果を迅速に歌いあげることと、ベームのすさまじい復讐劇の本質を抉り出した意欲的な指揮とともに、作品独特の「切迫した空しさ」を表現しきった名演です。 |
<国内盤>
<映像>
DG(映像)
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76 2883
(2DVD)
\4400→\3990 |
ロベルト・アラーニャ/トリノ王立歌劇場
マスネ: 歌劇『ウェルテル』(全曲) |
アラン・ギンガル(指揮)
トリノ王立歌劇場管弦楽団と合唱団
ロベルト・アラーニャ(T: ウェルテル),
ケイト・オールドリッチ(Ms: シャルロット)
マルク・バラール(Br: アルベール),
ナタリー・マンフリーノ(Sp: ソフィー)
ミシェル・トランポン(Br: 大法官),
レオナルド・ペッツォーニ(T: シュミット)
アルマンド・ガッバ(Bs: ヨハン),
アレッサンドロ・インジッロ(T: ブリュークマン)
イヴァナ・クラヴェロ(Sp: ケートヒェン), 他
演出:ダヴィド・アラーニャ,
美術:フレデリコ・アラーニャ&ダヴィド・アラーニャ
照明:アルド・ソルビアティ,
衣装:ルイ・デジレ,
映像監督:ジョージ・ブルーム |
アラーニャの最高のはまり役の一つ!
【収録】2005年6月, トリノ王立歌劇場でのライヴ
ゲーテのロマン的で最も美しい叙情詩的なドラマの一つ「ウェルテル」。すでにアラーニャは、ゲオルギュー、ハンプソン、パッパーノとの共演による録音をEMIレーベルでリリースしていますが、この映像は2005年トリノで収録されたもの。ウェルテルはアラーニャの最高のはまり役の一つで、彼の美点である真直ぐな情熱と美声で、このタイトルロールを魅力的に演じていきます。
そして、最近注目のケイト・オールドリッチの、複雑華麗に染め上げたシャルロッテ役。アラーニャの弟たち(フレデリコ・アラーニャ&ダヴィド・アラーニャ)による古典的ながらも細かいところまで行き届いた演出。ヴェローナでのオペラ収録でのフィルム監督であるジョージ・ブルームによる映像によって、すばらしく理想的な「ウェルテル」をお楽しみいただけます。
画面:カラー、16:9, 音声:ステレオ |
2/5(水)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
ACCENT
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寺神戸亮コンマス、イル・ガルデッリーノ
C.P.E.バッハ:様々楽器のための協奏曲集
・フルート協奏曲ニ長調Wq13(H482/1)
・チェロ協奏曲イ短調Wq170(H432)
・オーボエ協奏曲変ロ長調Wq164(H466) |
イル・ガルデッリーノ
【寺神戸亮(Vn:コンサートマスター)
平崎真弓(Vn:コンサートマスター)
秋葉美佳(Vn) カテリーヌ・ジラール(Vn)
イングリット・ブルジョワ(Vn II)
中村まどか(Vn II) ヨアンナ・フシチャ(Vn
II)
ダヌタ・ザワタ(Vn II) カート・デ・コック(Va)
エルツゼ・アダム(Va) ロナン・ケルノア(Vc)
イラ・ギヴォル.(Vc) フランク・コピーテルス(Cb)
ヘルマン・シュティンダース(Cemb)】
ソロ:ヤン・デ・ウィンネ(トラヴェルソ)
エマニュエル・バルサ(Vc)
マルセル・ポンセール(Ob) |
洗練の極み!C.P.E.バッハの協奏曲集
録音:2013 年9 & 10 月ベルギー/65’34
2014 年に生誕300 周年を迎えるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ。ドイツ各地では様々のコンサートが開催されアニヴァーサリー・イヤーを盛り上げています。
C.P.E. バッハは、フリードリヒ大王の宮廷で活躍したベルリン楽派の作曲家たちの中でも際立った独創性を発揮していました。彼の音楽は非常に洗練され、繊細な表現と大胆な和声が特徴です。
このアルバムは、寺神戸亮がコンサートマスターを務める古楽アンサンブル、イル・ガルデッリーノによるフルート、チェロ、オーボエの協奏曲集。
フルート協奏曲ニ長調はチェンバロ協奏曲ニ長調として知られていた作品で1999
年に新たに発見されたフルート版。これまでに知られていた5
曲のフルート協奏曲は、チェンバロ協奏曲に自身の手によって編曲されており、この作品もフルート版が先であったのではないかと考えられています。愉悦感溢れる音楽と洗練された宮廷音楽の特性を兼ね備えた曲で、柔らかで軽やかなヤン・デ・ウィンネのトラヴェルソの演奏は美しく響きます。
そして3 曲残されている彼のチェロ協奏曲からイ短調の作品。魅力的な主題と優美な響きはC.P.E.
バッハの真骨頂とも言える曲で、エマニュエル・バルサの華麗な演奏に耳を奪われます。
またオーボエ協奏曲は2 曲作曲しており、この変ロ長調の作品は、オーボエが活躍する明るくふくよかな響きが印象的で、名手マルセル・ポンセールの妙技が冴える1
曲です。 |
AGOGIQUE
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C.P.E.バッハ:
ガンバとフォルテピアノのためのソナタ、ロンド、幻想曲集
・ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ハ長調Wq136
・幻想曲 ハ長調Wq59-6
・ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ニ長調Wq137
・ロンド ニ短調 Wq61-1
・チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ ト短調
Wq88
・ロンド 変ホ長調Wq61-4 |
エマニュエル・ギグー
(ヴィオラ・ダ・ガンバ:
Edward Lewis,ciraca
1660-1680)
ダニエル・イゾワール
(フォルテピアノ:
Ryo Yoshida &
Daniel Isoir,La Gaudaine,200-d’
apres Stein1780) |
新鮮で闊達とした響きで愉しむC.P.E.バッハのガンバ・ソナタ集
録音:2011 年9 月1-4 日セント・ジェネビーブ、フランス/67’35
フランスの女流ヴィオール奏者エマニュエル・ギグーによるC.P.E.
バッハのガンバ・ソナタ集。ヴィオラ・ダ・ガンバのソナタというと、あの大バッハの無伴奏チェロ・ソナタを連想しますが、C.P.E.
バッハのソナタは、大バッハのような深い精神性を感じさせるものではなく、伸びやかで優美な雰囲気を漂わせる作品集。ハ長調Wq136
とニ長調Wq137 はヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ であるのに対し、ト短調
Wq88 はチェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタとされ、チェンバロとガンバ2
つの楽器が旋律を受け持ち、トリオ・ソナタの形態となっています。闊達とした2
つの旋律楽器の陰影に富んだ掛け合いが魅力です。
このアルバムには幻想曲とロンドがソナタの間に収録されており、ソナタよりさらに自由に楽想を展開させる躍動的な音楽。ギグーとイゾワールの息のあった演奏、そして生々しい鮮やかな録音が、C.P.E.
バッハの音楽をより生き生きとリズミカルに聴かせてくれます。 |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
<メジャー・レーベル>
SONY
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8884303617-2
\2500→\2290 |
ケント・ナガノ&モントリオール響「ベートーヴェン:交響曲全集」第5作
ベートーヴェン:
『交響曲第1番ハ長調Op.21』
『交響曲第7番イ長調Op.92』 |
ケント・ナガノ(指揮)
モントリオール交響楽団 |
ケント・ナガノと彼が音楽監督を務めるカナダのモントリオール交響楽団による「ベートーヴェン:交響曲全集」プロジェクトの5作目。
30歳にしてようやく完成された、ベートーヴェン最初の交響曲「第1番」。ワーグナーに「舞踏の神化」と形容された生命力溢れる「第7番」を収録。
これまで同様、固いバチによるティンパニや、対向配置でヴィブラートを控えめの弦楽パートなど、ピリオド楽器による演奏スタイルを十分に研究・咀嚼したうえで、それを現代のシンフォニー・オーケストラで再現していきます。
筋肉質で剛毅な響きによる緊張感の高い演奏や、緩章楽章での弦の美しさは絶品であり、それぞれの各パートの立体感の表出など、ケント・ナガノならではのベートーヴェン像を描き出しています。【演奏】【録音】モントリオール、メゾン・サンフォニーク・ド・モントリオール
【演奏時間】[第1番]8:41/ 7:07/ 3:25/
5:44. [第7番]13:24/ 8:09/ 8:59/ 8:59 |
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8884303160-2
(3CD)
\2500 |
ドミンゴのメト・デビュー45周年記念リリースプラシド・ドミンゴ/アット・ザ・メト
【CD1】
ヴェルディ:
『シモン・ボッカネグラ』〜「聞いていたな?
卑劣な計画だ」,
『リゴレット』〜「女心の歌」,『オテロ』〜「私を恐れるな」,
『ドン・カルロ』〜「フォンテーヌブロー」,
『ルイザ・ミラー』〜「この手紙はいったい」,
『椿姫』〜「あの人のそばを離れて歓び」「プロヴァンスの海と」,
『仮面舞踏会』〜「告げてくれ あるがままに」「永遠に君を失えば」
,『リゴレット』〜「あれかこれか」,『スティッフェリオ』〜「至るところで」,
『アイーダ』〜「清きアイーダ」,
『運命の力』〜「不幸な者にとって生きていることは地獄だ」,
『シモン・ボッカネグラ』〜「平民たちよ!貴族たちよ」,
『トロヴァトーレ』〜「ああ、あなたこそ私の恋人」/
【CD2】
プッチーニ:『トゥーランドット』〜「誰も寝てはならぬ」,
ジョルダーノ:『アンドレア・シェニエ』〜「君、気の毒だが」,
レオンカヴァッロ:『道化師』〜「衣装をつけろ」,
プッチーニ:『西部の娘』〜「俺が自由の身になって遠くへ行き」,
ポンキエッリ:『ジョコンダ』〜「空と海」,
プッチーニ:『ボエーム』〜「冷たい手」,
マスカーニ:『カヴァレリア・ルスティカーナ』〜「母さん、このワインは強いね」,
チレア:『アドリアーナ・ルクヴルール』〜「心は疲れて」,
プッチーニ:『マノン・レスコー』〜「美しいお嬢さん お許し頂けましたら」,
ベッリーニ:『ノルマ』〜「声が聞こえなくなった」,
W=フェラーリ:『スライ』〜「轡をはめた恋する熊が」,
ザンドナーイ:『フランチェスカ・ダ・リミニ』〜「スミレの花輪で飾られて」,
プッチーニ:『外套』〜「お前の言う通りだ」,
ジョルダーノ:『フェードラ』〜「La fante
mi svela l'immondo rotrovo」,
プッチーニ:『トスカ』〜「秘められた調和よ」「星は光ぬ」/
【CD3】
オッフェンバック:『ホフマン物語』〜「クラインザックの物語」,
グノー:『ファウスト』〜「私を貫いているのはなんという未知の不安なのだろう」,
グルック:『タウリスのイフィゲニア』〜「なんとこわがらせる沈黙だろう」,
サン=サーンス:『サムソンとデリラ』〜「わたしの不幸を見て下さい」,
ビゼー:『カルメン』〜「花の歌」,
ベルリオーズ:『トロイの人々』〜「Inutiles
regrets」,
チャイコフスキー:『スペードの女王』〜「Prosti,
prelestnoe sozdanye」,
タン・ドゥン:『始皇帝』〜「That Shadow
That Haunts Me Wherever I Go」,
ワーグナー:『パルジファル』〜「アンフォルタス・・・あの傷!」,
ワーグナー:『ワルキューレ』〜「父が約束したひとふりの剣」,
ワーグナー:『ローエングリン』〜「あなた方が近づくことのできない遠い国」 |
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プラシド・ドミンゴ(T)/
メトロポリタン歌劇場管弦楽団と合唱団/
ジェイムズ・レヴァイン,
ウラディーミル・ユロフスキ,
シャルル・デュトワ,
ルイ・ラングレエ,
マルティン・リッヒ,
ジュゼッペ・シノーポリ,
ジョージ・ショック,
ロベルト・アバド,
マルコ・アルミリアート,
ネルロ・サンティ,
ジュゼッペ・パターネ,
レナード・スラットキン,
クルト・アドラー,
カルロ・フェリーチェ・チッラーリオ,
ファウスト・クレーヴァ,
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮) |
世界のオペラ・シーンをリードし、今も絶大な人気を誇るプラシド・ドミンゴ。70歳を超えた今も、歌手として、指揮者としてパフォーマンスをこなしています。ドミンゴがメトにデビューしたのは1969年、急病のフランコ・コレルリの代役として急遽出演した「アドリアーナ・ルクヴルール」のマウリッツィオでした。
それ以来、45年間メトの舞台に立ち続け、昨シーズンの「トラヴィアータ」でのジェルモン、そして今シーズの「魔法の島」のネプチューン役にいたるまで、自分のレパートリーである全143役のうち、48もの役柄で出演しています。このアルバムは、ドミンゴがメトにデビューしたばかりの1969年から2013年までのメトでのライヴ録音で綴る名アリアの数々のいいとこ取り。「CD1」のお得意のヴェルディ、「CD2」のプッチーニを含むイタリア・オペラ、「CD3」のフランスやロシアからワーグナーまで、ドミンゴのライヴでの熱く深みある歌声の魅力満載のアルバムです。メトロポリタン歌劇場の保有するオリジナル・ソースから復刻されたオーソライズ盤です。
,【録音】1969〜2013年、メトロポリタン歌劇場でのライヴ |
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8888376240-2
\2500→\2290 |
デイヴィッド・グレイルザマー/スカルラッティとジョン・ケージ
① D・スカルラッティ:『ソナタ ニ短調 K.213』
② ジョン・ケージ:『ソナタ XVI & XV』
③ D・スカルラッティ:『ソナタ ニ短調 K.141』
④ ジョン・ケージ:『ソナタXIII』
⑤ D・スカルラッティ:『ソナタ ホ長調 K.531』
⑥ ジョン・ケージ:『ソナタ XI』
⑦ D・スカルラッティ:『ソナタ ロ短調 K.27』
⑧ ジョン・ケージ:『ソナタ I』
⑨ D・スカルラッティ:『ソナタ ロ短調 K.87』
⑩ ジョン・ケージ:『ソナタ XII』
⑪ D・スカルラッティ:『ソナタ イ短調 K.175』
⑫ ジョン・ケージ:『ソナタ XVI』
⑬ D・スカルラッティ:『ソナタ ホ長調 K.381』
⑭ ジョン・ケージ:『ソナタ V』
⑮ D・スカルラッティ:『ソナタ ニ長調 K.492』 |
デイヴィッド・グレイルザンマー(P) |
奏でる音全てをプロデュースするピアニストともいえる、デイヴィッド・グレイルザマーのソニークラシカルからの3枚目のアルバムは、スカルラッティとジョン・ケージ。
前作(「バロックとの対話」88697929692)もラモーやクープランなどのバロック音楽と、モートン・フェルドマンを始めとした現代音楽を組み合わせることで、時代を超えた音楽の持つ意味を問いかけたもので、今回はその方向性を更に追求。
D.スカルラッティとジョン・ケージの2人だけに焦点を当て、これらの曲を交互に演奏することで、徹底的に面白さを引き出すという趣向である。バッハとケージという組み合わせはしばしば見かけるが、スカルラッティとは・・・。その効果はぜひご自身の耳で確かめていただきたい。実に興味深いアルバムです。
[録音]2013年7月, ベルリン、イエス=キリスト教会(デジタル:セッション) |
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8888378821-2
\2500→\2290 |
ガラテア弦楽四重奏団/
ベル・エポック〜フランス近代弦楽四重奏曲集
ミヨー:『弦楽四重奏曲第1番Op.5(1912)』,
ドビュッシー:『弦楽四重奏曲Op.10(1893)』,
ピエール・メニュー(1896-1919) :『弦楽四重奏のためのソナチネ(1912)』*
*メニューのソナチネは世界初録音 |
ガラテア弦楽四重奏団
[坪井悠佳(Vn),
サラ・キルヒェンマン(Vn)],
フーゴ・ボルシュヴァイラー(Va),
ユリア・キルヒェンマン(Vc)] |
エルネスト・ブロッホの作品集に続く、ガラテア弦楽四重奏団のソニークラシカル2枚目のアルバム。
「ベル・エポック」と題し、セザンヌ追悼のために作曲したミヨーの四重奏、ドビュッシーの現存する作品では唯一の作品番号付きの四重奏。日本ではほとんど知られていない、わずか23才で亡くなった天才的作曲家ピエール・メニューの四重奏(世界初録音)を収録しています。
とくにミヨーのそれと同年に作曲されたメニューの作品は、戦争の混乱などによる不安が表現されているといわれ、熱い心の振動、人間としての優しさが、リズミカルで豊かな調和によって表現されています。
ここに収録された3曲とも彼らの素晴らしい技術的熟練によって、独創性が際立った演奏といえるでしょう。
ガラテア弦楽四重奏団は、チューリヒの若手メンバーによって2005年に結成。カルミナ弦楽四重奏団、アルテミス.カルテットなどに師事。すでにジュネーブ国際音楽コンクール、大阪国際室内楽コンクール、スイス・ミグロ室内楽コンクールなど多くの賞を獲得し高い評価を受けているだけでなく、ハイドンからピンク・フロイドの幅広いレパートリー、現代音楽の初演や、元ディープ.パープルのジョン.ロードなどとも共演し話題となっています。
第1ヴァイオリンの坪井悠佳は、14才でイギリスのユフディ・メニューイン・スクールに留学。スペインのサラサーテ国際ヴァイオリンコンクール第2位、チューリヒ、キヴァニス・コンクール・ヴァイオリン部門第1位、パドヴァ国際音楽コンクールソロ部門、室内楽部門共に優勝しており、現在チューリヒ国立高等音楽院で世界的名教師ザハール・ブロンに師事しアシスタントを務めています。
前作同様、日本語解説付き。
【録音】2013年 (デジタル:セッション) |
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8884303383-2
\2500→\2290 |
ジュリアード弦楽四重奏団/エリオット・カーター:弦楽四重奏曲全集
エリオット・カーター:
『弦楽四重奏曲第1番(1951)』
『弦楽四重奏曲第2番(1959)』
『弦楽四重奏曲第3番(1971)』
『弦楽四重奏曲第4番(1986)』
『弦楽四重奏曲第5番(1995)』 |
ジュリアード弦楽四重奏団
[第1〜4番:
ロバート・マン(Vn),
ジョエル・スミルノフ(Vn),
サミュエル・ローズ(Va),
ジョエル・クロスニック(Vc)/
第5番:
ジョセフ・リン(Vc),
ロナルド・コープス(Vn),
サミュエル・ローズ(Va),
ジョエル・クロスニック(Vc)] |
エリオット・カーター(1908-2012)の弦楽四重奏曲は、複雑なポリメトリックによるベルクの「抒情組曲」を思わせる「第1番」。それぞれの楽器が役者のように表現していく「第2番」など、どれもが違った作風をもつ個性的な作品です。ジュリアード弦楽四重奏団は、初演を手がけるなどカーターと関わりが非常に深く、すでに1990〜1991年に「第1〜4番」の全集として録音していましたが(当時はまだ4番までしか作曲されていなかったため)、2013年に現在のメンバーによって「第5番(1995年作曲)」をこのアルバムのために録音し、全集としたものです。緊張感に満ちた独特のジュリアード・サウンドによって、カーターの独創的かつ実に目の詰まった細密なスコアを、強い説得力で聴かせてくれます。ジュリアード弦楽四重奏団は、1946年にジュリアード音楽院の校長であった作曲家ウィリアム・シューマンの提唱により創設。同音楽院の教授で構成され、1947年ベルクの抒情組曲で衝撃的にデビュー。さらにバルトークの弦楽四重奏曲全曲録音によって、その地位は不動のものとなりました。バッハ、ハイドンから、近・現代のウェーベルン、シェーンベルクまで膨大なレパートリーを誇っています。
【録音】1990〜1991年, アメリカ芸術 文学アカデミー(第1〜4番),
2013年4月, ニューヨーク州立大学パーチェス校(第5番)
[デジタル:セッション] |
<国内盤>
<映像>
2/4(火)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
APARTE
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19世紀末から20 世紀前半のパリの濃厚な香り
Paris 1884-1959
フランク(1922-1890):プレリュード、コラールとフーガ
(1884)
ラヴェル(1875-1937):亡き王女のためのパヴァーヌ
(1899)
ドビュッシー(1862-1918):喜びの島 (1904)
デュティユー(1916-2013):ピアノのためのソナタ(1946-48)
プーランク(1899-1963):
インプロヴィゼーション第15番「エディット・ピアフを讃えて」(1959) |
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フロリアン・ビロ(ピアノ) |
録音:2013 年10 月7-9 日
19 世紀終りのパリはドイツ音楽至上主義に対する反動ともいえるような、フランス音楽の新しい興隆をむかえていました。当時のパリを中心に活躍した、さらにプーランクを除いては音楽院にゆかりのある作曲家たちの作品をまとめた1
枚。フランクはオルガンの教授でしたし、ドビュッシーやラヴェル、デュティユーは音楽院で学び、のちに教授をつとめました。フランクとデュティユーの作品の間には約60
年もの開きがありますが、洗練された和声や空気感は同じ。
ベロフらに師事したフロリアン・ビロが、抜群の和声感覚と絶妙の語り口で、パリの空気をたっぷりと薫らせた演奏を展開しています。 |
HMF
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キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
プーランク(1899-1963):
(1)スターバト・マーテル
(2)テネブレの七つの応唱 |
キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
カペラ・アムステルダム、
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
ダニエル・ロイス(指揮) |
プーランクが友人の死を悼んで書いたスターバト・マーテル精緻に書かれた合唱を名団体カペラ・アムステルダムの演奏で清廉なソプラノ・ソロはサンプソン!
録音:2012 年6 月
プーランクの輝かしいハーモニー感覚が冴えわたる2
作品の登場。
1949 年、画家クリスティアン・ベラールが亡くなりました。彼は当時のパリの中心的芸術家のひとりで、コクトーの映画や舞台の美術なども手掛けた人物で、プーランクの友人でもありました。プーランクは彼の死に際しレクイエムを書く予定でしたが、このジャンルがあまりに大掛かりすぎると考え、友人の魂をなぐさめるための祈りの心を、聖母マリアに向けて作曲することにしたのです。ソプラノ・ソロと混声合唱のためのスターバルは、なんといっても素晴しく書かれた合唱パートが特徴。ソプラノ独唱の楽章でも、合唱も非常に重要な役割を果たしています。合唱も充実していますがソプラノ・ソロの美しさも格別で、バッハ・コレギウム・ジャパンでもおなじみのキャロリン・サンプソンがソロを務めているのはうれしいかぎりです。
テネブレの7 つの応唱は、1959 年12 月、バーンスタインからの委嘱(ニューヨーク・フィルのための作品)を受けて書かれたもの。ボーイ・ソプラノと男声合唱のために書かれたもの(現在は混声合唱で演奏されることがほとんど。この録音も混声合唱による演奏です)で、プーランク自身の投影でもある少年(ボーイ・ソプラノ)が受難や死という運命について思い悩む姿を中心に作品は進行していきます。プーランクならではの鮮やかな光を感じさせる和声感は圧巻。最高のハーモニーでプーランクを味わえる1
枚です。 |
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Stabat Mater dolorosa悲しみの聖母は立ちぬ
1. 聖歌 スターバト・マーテル・ドロローサ
2. トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア(1548-1611):おお、すべての人よ
3. ラッスス:私の魂は死ぬほどに悲しい
4. 聖歌 ああなんと悲しく打ちのめされたか
5. トマス・タリス(1505-85):断食し、泣きつつ司祭は祈れり
6. ジョン・ステイナー(1840-1901):神はそれほどにこの世を愛された
7. 聖歌 涙をこぼさないものがあるだろうか
8. カルロ・ジェズアルド(1566-1613):わが眼は曇り果てたり
9. グラハム・ロス(b.1985):あなたと共に悲しませて下さい
10. 聖歌 その民の罪のために
11. ジョン・サンダース(1933-2003):非難
12. 聖歌 さあ、御母よ、愛の泉よ
13. アントニオ・ロッティ(1667-1740):十字架にかけられ(8
声)
14. 聖歌 聖なる母よ、どうかお願いします
15. J.S.バッハ:主は最期の時に臨んでも
16. ウィリアム・バード(c.1540-1623):アヴェ・ヴェルム・コルプス
17. 聖歌 あなたと共にまことに涙を流し
18. トマス・タリス:世を救い給えⅠ
19. ブルックナー:キリストはこうあらせられた
20. 聖歌 いと清き乙女のなかの乙女よ
21. ウィリアム・バード:主よ。どうかひどく怒らないでください。
22. 聖歌 どうかその傷を私に負わせてください
23. グラハム・ロス:私はあなたに懇願します
24. 聖歌 キリストよ、私がこの世を去る時には
25. デュリュフレ(1902-86):愛のあるところ |
ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団
グラハム・ロス(指揮) |
聖母マリアの悲しみをうたったスターバト・マーテル
録音:2013 年7 月
イエス・キリストの受難と、それを嘆く聖母マリアの悲しみをうたったスターバト・マーテル。中世から伝わる聖歌と、後世の人々がスターバト・マーテルのテキストおよびそれから派生したテキストに付曲したものを並べたものが、このアルバムです。すべて無伴奏合唱で、清廉きわまりない歌声によるハーモニーは絶品です。
聖母マリアの悲しみ、イエスの受難に心静かに思いを馳せたい1
枚です。 |
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カザルス弦楽四重奏団
ハイドン:十字架上のキリストの最後の七つの言葉 |
カザルス弦楽四重奏団
〔アベル・トマス・レアルプ(Vn)、
ヴェラ・マルティナス・メーナー(Vn)、
ジョナサン・ブラウン(Vla)、
アルノー・トーマス・レアルプ(Vc)〕 |
スペインの中堅による凄味の効いた十字架上のキリストの最後の七つの言葉
録音:2012 年11 月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)
ただならぬ雰囲気です。スペインの俊英によるハイドン、注目盤です!1997
年にスペイン(マドリッド)で結成して以来、ヨーロッパを中心に活躍している弦楽四重奏団、カザルス弦楽四重奏団。ハイドンのこの作品は、スペインの港町カディスの司祭、ホセ・サルーズ博士の依頼で書かれたもので、ハイドン作品の中でスペインと縁のある数少ない作品。カザルス弦楽四重奏団のメンバーは冒頭から、ヴィブラートを極力抑えた音色で、寒気すらおぼえるほどの凄味。キリストが亡くなった後に起こった地震を表現した終曲まで、ただならぬ雰囲気です。スペインの俊英によるハイドン、注目盤です! |
MIRARE
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モディリアーニ弦楽四重奏団
ハイドン:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第75番ト長調Op.76-1 Hob.III
.75
弦楽四重奏曲第44番 変ロ長調Op.50-1 Hob.III
.44
弦楽四重奏曲第81番ト長調Op.77-1 Hob.III
.81 |
モディリアーニ弦楽四重奏団
【フィリップ・ベルナール、
ロイック・リョー(ヴァイオリン)
ローラン・マルフェング(ヴィオラ)
フランソワ・キエフェル(チェロ】 |
モディリアーニ弦楽四重奏団のハイドン第2
弾!
録音:2013 年4 月21-24 日ラ・グランジュ、エヴィアン=レ=バン/64’00
「今日世界で最も優れたカルテット(南ドイツ新聞)」とも称されるモディリアーニ弦楽四重奏団。2013
年に結成10 年を迎え、今後さらに熟成されたアンサンブルを聴かせてくれるに違いない期待のカルテットです。ドビュッシー、サン=サーンス、ラヴェルを収録したフランス近代弦楽四重奏曲集(MIR188/KKC5305
では、瑞々しいアンサンブルと豊かな表現力でレコード芸術で特選盤に選ばれるなど高い評価を得ました。
今回のアルバムはMIRARE レーベル第1 作(MIR065)
でも取り上げたハイドンの弦楽四重奏曲集。エルデーディ四重奏曲集の中の第1
曲として親しまれているハイドンらしいユーモアを効かせた第75
番。フリードリヒ・ヴィルヘルム2 世に献呈されたプロシア四重奏曲集の第1
曲である第44 番は、快活で生命力に溢れた作品。そしてハイドン最後の弦楽四重奏曲集となったロプコヴィッツ四重奏曲集の第1
曲第81 番。気品漂う音楽的にも非常に充実した曲で、それぞれの楽器が美しく絡み合い、モディリアーニの堅密なアンサンブルが見事に弾き上げています。 |
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ルート66〜アメリカ音楽ピアノ作品集 ナタリー・デセイも登場!
・ジョン・アダムズ:中国の門
・キース・ジャレット:マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ
・グレインジャー:子守唄
・バーバー:パ・ドゥ・ドゥ
・エイミー・ビーチ:ヤング・バーチズ
・ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ
・フィリップ・グラス:エチュード第9番
・バーンスタイン:フェリシア・モンテアレグレのために
・ジョン・ケージ:イン・ア・ランドスケープ
・ガーシュウィン(キース・ジャレット編):愛するポーギー
・バーンスタイン:間奏曲
・ヒャン−キ・ジュー:シャンデルアーズ
・ヒナステラ:優雅な乙女の踊り
・バーンスタイン:アーロン・コープランドのために
・コープランド:ピアノ・ブルース第1番「レオ・スミットのために」
・ビル・エヴァンス:ピース・ピース
・ガーシュウィン(グレインジャー編):愛が訪れた時
・コール・ポーター(ラファエル・メルラン編):恋とはなんでしょう* |
シャニ・ディリュカ(P)
ナタリー・デセイ* |
ナタリー・デセイが歌う「恋とはなんでしょう」も収録!シャニ・ディリュカが選曲したアメリカ・ピアノ作品集
録音:2013 年11 月/70’00
モナコ出身のピアニスト、シャニ・ディリュカ。アメリカのビート・ジェネレーションを代表する作家ジャック・ケルアックの著書「路上(オン・ザ・ロード)」にインスパイアされて彼女自身が選曲したアメリカ・ピアノ音楽集。アルバムのタイトルにもなっている「ルート66」は、ケルアックの「路上」にも登場するシカゴとサンタモニカを結んでいた国道66
号線。今は廃線になっていますが、20 世紀中頃のポップ・カルチャーの中で度々題材とされ愛され、今なおその名が残っています。
アルバムは、ミニマル音楽のジョン・アダムズ「中国の門」にはじまり、キース・ジャレットの名曲「マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ」、ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスの愛らしい作品「ワルツ・フォー・デビイ」、バーンスタインの奥さんフェリシア・モンテアレグレに捧げられたピアノ曲、ガーシュウィンの傑作<ポーギーとベス>からキース・ジャレット編曲の「愛するポーギー」など多彩な内容で、若い男女の青春と苦悩を描いた「路上」と同じく、喜びや切なさ、孤独感、渇望、さまざまな感情が入り混じったピアノ作品が収録されています。
さらにアルバムの最後にはコール・ポーターがミュージカル「ウェイク・アップ・アンド・ドリーム」のために作曲した「恋とはなんでしょう」をフランスの歌姫ナタリー・デセイが歌っています。穏やかな美しいデセイの歌声で響く極上の一曲となっています。 |
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ジョバンニ・バッティスタ・フォンタナ(1571-1630):ソナタ集
・ソナタ第11番(2Vn) ・ソナタ第4番(Vnソロ)
・ソナタ第1番(Flソロ) ・ソナタ第5番(Vnソロ)
・ソナタ第8番(2Vn) ・ソナタ第2番(Vn)
・ソナタ第3番(Flソロ) ・ソナタ第6番(Vnソロ)
・ソナタ第7番(2Vn) |
ダニエル・キュイエ(指、Vn)
アンサンブル・ストラディヴァリア
【アンヌ・シュヴァレロー(Vn)
マリー・ノエル・ヴィセ・シュヴェルツ(Fl)
ベルトラン・キュイエ(Cemb)
ジョスリーヌ・キュイエ(Cemb)】
ブノワ・ヴァンデン・ベムデン(Vn) |
名手ダニエル・キュイエ率いるアンサンブル・ストラディヴァリア、イタリア・バロックのフロンティア、フォンタナを弾く
録音:2011 年11 月29 日、12 月2 日聖母教会、ナント/51’00
ジョヴァンニ・バティスタ・フォンタナは、イタリア初期バロックの作曲家、ヴァイオリン奏者。フォンタナの生涯については、多くは知られていませんが彼の死後出版された、このソナタ集ではヴァイオリンの名手でヴァイオリン・ソナタの開拓者でもあったフォンタナならではの、技巧的で変化に富んだ豊かな音楽が展開されています。フランス古楽界の先駆者でもあるバロックヴァイオリン奏者のダニエル・キュイエ率いるアンサンブル・ストラディヴァリアの、引き締まった響きと求心的な雰囲気のアンサンブルが楽曲の愉しみを存分に表現しています。 |
YSAYE RECORDS
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ロレンツォ・スーレ(ピアノ)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調
KV 491
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲
WoO 80
ブラームス:3つの間奏曲 op.117
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」op.68 |
ロレンツォ・スーレ(ピアノ)
シモン・ゴーデン(指揮)
ジュネーヴ室内管弦楽団 |
エマール、ラローチャらの薫陶を受けた俊英ロレンツォ・スーレ
録音:モーツァルト/ 2013 年6 月16-17 日、モーツァルト以外/
2013 年6 月29 日(スイス・ロマンド放送アンセルメスタジオ(セッション))
スーレは、リヨンの音楽的家庭に生まれました。3
歳からピアノを始め、ケルンでエマールらに師事。さらに、並行してアリシア・デ・ラローチャのもとでイベリア全曲を学んでもいます。2012
年、20 歳で受けた初めての世界的コンクールがジュネーヴ国際音楽コンクールでした。ここで彼は選考会ごとに、霊感と輝かしさに満ちた演奏で聴衆と審査員を魅了し、第1
位および聴衆賞、ヤング・オーディエンス賞、エール・フランス・KLM
賞などすべての賞を獲得。世界の注目を一身に受けた逸材です。
ここに収録されたモーツァルトの協奏曲の第2
楽章冒頭のソロの美しさは格別。モーツァルトやベートーヴェンなどの古典は非常にきっちりとした、しかし固すぎない好感のもてる演奏を聞かせ、ブラームスでは20
歳の若者とは思えないようないぶし銀のような渋い音で枯淡の境地ともいえるような抑えの効いた世界を聞かせ、そしてスクリャービンでもひとつひとつのハーモニーを噛んで含めるように奏でています。
決して自己主張には陥らず、それでいてスーレにしか展開できない世界をもっていて、音楽作品の最良の代弁者としての才能を垣間見ることのできる1
枚です。 |
HALLE
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ハレ管弦楽団&合唱団のホルスト&ディーリアス!
ホルスト:イエス賛歌 Op.37
ディーリアス:海流、シナーラ |
マーク・エルダー(指揮)
ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)
ハレ管弦楽団&合唱団
ハレ・ユース合唱団 |
1858年1月30日に最初のコンサートを開催し、現在は156回目のシーズンを迎えているイギリス、マンチェスターの雄、ハレ管弦楽団と音楽監督マーク・エルダー。
代名詞でもあるイギリス音楽の新譜は、聖書外典のヨハネ行伝をテキストとしたホルストの神秘的な「ヨハネ賛歌」、ホイットマンの詩を題材としたディーリアスの名作「海流」。
黄金期を過ごすハレ管弦楽団のホルスト&ディーリアスは、近代英国合唱の傑作に相応しい充実の仕上り。2011年3月&2012年2月、3月の録音。
※Halleはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。 |
NIMBUS
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NI 5907
(CD-R)
\2300 →\2090
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ハンス・フォン・ビューロー:ピアノ作品集Vol.2
マズルカ・ファンタジー Op.13/即興曲 Op.14/
マズルカ・アンプロンプチュ Op.4/ポルカへの招待
Op.6/
ポーランドの歌(マズルカ風) Op.12/
3つの性格的なワルツ Op.18/皇帝行進曲 Op.28
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マーク・アンダーソン(ピアノ) |
ベルリン・フィルの常任指揮者として活躍したドイツの音楽家、ハンス・フォン・ビューロー(1830−1894)のピアノ作品集第2集。
師であるリストのピアノ・ソナタやハンガリー幻想曲を初演した名ピアニストでもあったビューロー。そのピアノ作品は恩師リストからの影響も感じさせる、華麗で技巧的な19世紀ドイツの知られざる逸品である。ピアノ・ファン要チェック!2012年10月の録音。
※Nimbusはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。 |
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NI 5912
(CD-R)
\2300
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ハンスゲオルグ・シュマイザー(フルート)
モーツァルト:ソナタ ヘ長調 K.376
ベートーヴェン:セレナード ニ長調 Op.41
ドニゼッティ:フルートとピアノのためのソナタ
シューベルト:
《しぼめる花》の主題による序奏と変奏曲ホ短調
D.802 |
ハンスゲオルグ・シュマイザー(フルート)
マッテオ・フォッシ(ピアノ) |
ウィーン・フォルクスオーパーのソロ・フルート奏者、ウィーン国立音楽大学の教授として活躍するオーストリア・フルート界の名手ハンスゲオルグ・シュマイザー。
モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの独墺系作品の中で異彩を放つドニゼッティの「フルート・ソナタ」は、オペラ作曲家として大成する前の22歳の時に書かれた若き日の秀作。
2011年8月&2012年3月の録音。 |
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NI 5909/11
(3CD-R/特別価格)
\4800
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オルガン・ミサ曲集Vol.1
カヴァッツォーニ:使徒たちのミサ
A・ガブリエリ:
別れのときは、第5旋法によるトッカータ
ミサ曲《祝福された聖処女》
メールロ:
第3旋法によるトッカータ、ミサ・イン・ドミニチス・ディエブス
バルトロド:第6旋法によるリチェルカーレ
メールロ:第5旋法によるトッカータ |
リチャード・レスター(オルガン)
スコラ・グレゴリアーナ・デル・
ドゥオーモ・ディ・ベルガモ
ジルベルト・セッサンティーニ(指揮) |
イギリスのサイレンセスター古楽音楽祭を創設し、ニンバス(Nimbus)ではスカルラッティの鍵盤作品全集を完成させるなど、古楽系鍵盤奏者、音楽学者として幅広い活動を展開するリチャード・レスター。
「オルガン・ミサ曲」の歴史をたどるシリーズの第1集には、イタリアのカヴァッツォーニ、アンドレア・ガブリエリ、メールロの音楽を収録。ベルガモのアッカデミア・ムジカーリ・サンタ・チェチーリアのルネサンス様式のオルガンでの演奏。
2013年7月の録音。 |
NIMBUS ALLIANCE
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NI 6215
(CD-R)
\2300 →\2090
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ニック・ヴァン・ブロス(ピアノ)
ショパン:
ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
24の前奏曲Op.28 |
ニック・ヴァン・ブロス(ピアノ) |
奇跡の復活を遂げた天才。ニック・ヴァン・ブロスのショパン!
ヨンティ・ソロモン、ベンジャミン・カプランの下で研鑽を積み、タチアナ・ニコラーエワから「ピアニストとして完成品」と激賞されたイギリスのピアニスト、ニック・ヴァン・ブロス。7歳で発症したトゥレット症候群(チック症の一種)によって、1994年にポーランドで行われたショパン・フェスティヴァルを最後に15年間ステージに上ることが出来なかったが、2008年のレコーディング開始、2009年のカムバック・コンサートで劇的な復帰を飾り、英国内外で注目を集めた。トゥレット症候群特有の、機械のような規則性をもって繰り返し物に触れたがる衝動が、ピアノ演奏への高い欲求と結びつき、その並外れた才能へと昇華されているとされる。
Nimbus Allianceから発売されたJ.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲(NI
6136)」、「協奏曲集(NI 6141)」に続く第3弾は、本場ポーランドでも賞賛された待望のショパン。その精緻な指先と独特の感性から繰り出す劇的なスタイルは、バッハ以上にブロスの魅力を引き出している。
※録音:2012年7月25日、9月10日
※Nimbus Allianceはレーベル・オフィシャルのCD-R盤となります。 |
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NI 6240
(CD-R)
\2300
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エルガー&ソーヤーズ:ヴァイオリン・ソナタ集
ソーヤーズ:
ヴァイオリン・ソナタ第1番
ヴァイオリン・ソナタ第2番
エルガー:ヴァイオリン・ソナタホ短調 Op.82 |
スタインバーグ・デュオ
〔ルイザ・ストーンヒル(ヴァイオリン)、
ニコラス・バーンズ(ピアノ)〕 |
ヴォーン=ウィリアムズとバルトークの孫弟子にあたるイギリスの作曲家兼ヴァイオリニスト、フィリップ・ソーヤーズ(1951−)と、英国国民的作曲家エドワード・エルガーのヴァイオリン・ソナタをカップリング。
20世紀前半、20世紀半ば、21世紀と時代を経てゆく3つの作品に共通点を見出し、英サンデー・テレグラフ紙に激賞されたスタインバーグ・デュオオが描いていく。この夫婦デュオは、現代音楽への取り組みも盛んで、ソーヤーズのソナタ第2番は、このスタインバーグ・デュオの委嘱作品。 |
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NI 6249
(CD-R)
\2300
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レ・シレーヌ女声室内合唱団
かくもうるわしきバラは
ブリテン:
キャロルの祭典Op.28、乙女の歌うやさしい歌、
ウィールデン・トリオ - 女の歌、牛たち
オレーガン:ブリング・レスト, スウィート・ドリーミング・チャイルド
伝承曲(サルター編):コヴェントリー・キャロル(世界初録音)
ホルスト:イエスよ、あなたは処女より生まれ
レッジャー:
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ "ベッキーのための子守歌"
(世界初録音)
エルガー:雪
ラッター:
ひいらぎ飾ろう、明日は私が踊りましょう、メリー・クリスマス |
レ・シレーヌ女声室内合唱団
アンドルー・ナン(指揮) |
Nimbus Allianceと、スコットランド王立音楽院のコラボレーション・シリーズ最新作。スコットランド王立音楽院の生徒と卒業生によって構成される女声合唱団「レ・シレーヌ」が歌うクリスマス作品集。定番ブリテンの「キャロルの祭典」を軸に、ジョン・ラッターからホルスト、エルガーといった近現代イギリスの洗練されたハーモニーを堪能できる。ライオネル・サルター編曲の「コヴェントリー・キャロル」と、フィリップ・レッジャーの「ベッキーのための子守歌」は世界初録音。
※録音:2013年6月12日−14日 |
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NI 6250
(CD-R)
\2300
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ラフマニノフ:
晩祷(スモレンスキーを記念する夕べのミサ曲)Op.37
寝ずに祈れる神の御母 |
ジョイフル・カンパニー・オヴ・シンガーズ
ピーター・ブロードベント(指揮)
ローナ・ペリー(アルト)
アンドルー・シェプストン(テノール) |
1988 年にピーター・ブロードベントを中心に結成された室内合唱団ジョイフル・カンパニー・オヴ・シンガーズ。16世紀から現代まで幅広いレパートリーを誇り、特に現代の無伴奏作品に定評のあるヨーロッパ有数の室内合唱団が、ラフマニノフの最高傑作と呼び声の高い名作を歌う。
※録音:2013年3月2日−3日、セント・ジュード・オン・ザ・ヒル教会 |
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NI 6255
(CD-R)
\2300
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時間は静止して 〜
エリザベス朝とジャコビアン時代の歌曲&鍵盤音楽
バード:
前奏曲、ファンタジア ハ長調、
ロウランド, またはウィロビー卿の帰還、未開の森、
ウト・レ・ミ・ファ・ソ・ラ
ダウランド:
彼女は私の過ちを許してくれるだろうか?、
時間は静止して、わが恋人の涙、
薄情な人よ, このように奪っておきながら、
暗闇に住まわしておくれ、胸の思いがすべて目だとしても、
流れよ, わが涙、ご婦人向きの素敵な小間物、目覚めよ、
甘美な愛、今こそ別れねばならぬ
ロセター:私が泳いだ来てくれますか?
キャンピオン:どんな嵐に遭った船も
作曲者不詳:哀れみたまえ我が創造主
ギボンズ:ファンタジー イ短調
ジョンソン:蜂が蜜吸うところで、水底深く父は眠る、来たれ,
深き眠り
トムキンズ:心の乱れた時の悲しみのパヴァーヌ
フォード:初めてあなたの顔を見てから |
サイモン・ポンスフォード(カウンターテナー)
デイヴィッド・ポンスフォード(ヴァージナル&オルガン) |
ウェストミンスター寺院やキングズ・カレッジの聖歌隊としてキャリアを積み、ポリフォニーやテネブレなどプロの合唱団と歌ってきたカウンターテナー、サイモン・ポンスフォードのソロ・デビュー録音。ジョン・ダウランドを中心とし、ウィリアム・バード、トマス・キャンピオン、オーランド・ギボンズなど、エリザベス朝(1558−1603年)からジャコビアン時代(1603−1625)に歌われた歌曲は、宗教色が少なく世俗的なムードを味わえる。オルガン作品の研究者でもあり、音楽学者としても高名なデイヴィッド・ポンスフォードによるヴァージナルとオルガンの伴奏&独奏もポイント。
※録音:2013年4月9日−11日、セント・ジョン・バプティスト、パリッシュ教会(マールドン/イギリス) |
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NI 6251
(CD-R)
\2300
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スピーク・ザ・アンスピーカブル... 〜
ホロコースト証言集 |
ハロルド・ピンター(朗読)
ルース・ローゼン(朗読)
ハリー・アリエル(朗読) |
1988年6月18日にロンドンで行われた、ホロコーストの証言朗読イベントの録音。第二次世界大戦中にナチスによって行われた人類史に残る大量虐殺の痛ましい記憶を、ホロコーストによって殺害された者、生き残った者だけでなく、加害者側も含めた24名の証言によって残す貴重な記録。 |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
NIMBUS
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NI 7093/4
(2CD-R/特別価格)
\2700 →\2490
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ハノーヴァー・バンドのモーツァルト名作集
モーツァルト:
交響曲第41番ハ長調 K.551《ジュピター》
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
セレナータ・ノットゥルナ ニ長調 K.239
交響曲第40番ト短調 K.550
バセット・クラリネット協奏曲イ長調 K.622
アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525 |
ハノーヴァー・バンド
ロイ・グッドマン(指揮)
クリストファー・カイト(フォルテピアノ)
コリン・ローソン(バセット・クラリネット) |
ハノーヴァー朝時代の音楽(1714−1830)の演奏を目的として、1980年に結成された英国を代表するピリオド・オーケストラの1つ、ハノーヴァー・バンドのモーツァルト名作集。
バセット・クラリネットによる「クラリネット協奏曲」や、フォルテピアノによる「ピアノ協奏曲」は、ピリオド奏法の先駆者たちが取り組んだ古楽復興の重要な1ページである。
1989年&1990年の録音。 |
TAHRA
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TAH 766/767
(2CD)
\5000 →\4590
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「アムステルダムのピエール・モントゥー」 |
ピエール・モントゥー(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 |
[CD 1]68’06”
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調op.55「英雄」〜葬送行進曲
・ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」op.16
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調op. 68−第1
楽章
[CD 2]70’31”
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調op. 68−第2楽章〜第4楽章
クラース・ボーン(ヴィオラ)
収録:1963年11月24日/アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ・モノラル)
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調op.104
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
収録:1960年11月3日/アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ・モノラル) |
モントゥー指揮、コンセルトヘボウ管ライヴ。JFK
追悼演奏の「エロイカ」葬送行進曲ロストロポーヴィチ独奏、ドヴォルザークのチェロ協奏曲
以前にtahra よりリリースされた、モントゥー指揮コンセルトヘボウ管による一連のライヴ録音集は、ブラームスの交響曲やヴァイオリン協奏曲などがセッション録音と重なるレパートリーでしたが、実演でのモントゥーのすばらしさを知るうえでたいへん価値あるものでした。
このたびtahra があらたにCD 復刻する2 枚組のアルバムは、1963
年11 月24 日に、アムステルダムのコンセルトヘボウでおこなわれたコンサートの模様をAVRO
がライヴを完全収録したもので、モントゥーがコンセルトヘボウ管を指揮して、オランダでおこなった最後から2
番目のコンサートのドキュメントになります(最終日は翌25
日)。
プログラムのうち、ベルリオーズはほかのレーベルから出ていたことがありますが、ブラームスとベートーヴェンの2
曲がおそらく初出とおもわれます。なかでも注目なのが、メインの前に置かれた「エロイカ」の葬送行進曲。
この公演の2 日前、1963 年11 月22 日にJ.
F. ケネディ大統領がダラスで暗殺されるという衝撃的なニュースが全世界を駆け巡ります。この大事件を受けての追悼演奏は、その存在自体は知られていましたが、ようやくここに聴くことが可能となりました。
カップリングは、ロストロポーヴィチ独奏ドヴォルザークのチェロ協奏曲。さまざまな名指揮者と同曲の録音を重ねているロストロポーヴィチに対して、この曲のセッション・レコーディングを残さなかったモントゥーとの顔合わせはおおいに気になるところです。
(おことわり)ドヴォルザークのチェロ協奏曲第1
楽章に、マスターテープに起因する音飛びがございます。御了解の上、お求めいただきますようお願い致します。 |
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