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≪第76号アリアCD新譜紹介コーナー≫
その4 5/6〜


マイナー・レーベル新譜
歴史的録音・旧録音
メジャー・レーベル

国内盤
映像



5/9(金)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜

ACTES SUD

ASM 15
\2400→\2190
ついに出た!かつてない衝撃に耐えられますか。
 奇才ロトとレ・シエクルが時代楽器演奏で「春の祭典」初演時代の響きを再現!

 ストラヴィンスキー:
  (1)バレエ音楽「春の祭典」 (1913年初版)
  (2)バレエ音楽「ペトルーシュカ」 (1911年初版)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
レ・シエクル
 

 録音:2013 年5 月14 日/メス・アルセナル、5 月16 日/グルノーブルMC2、9 月29 日/フランクフルト旧オペラ座(1)、2013 年5 月14 日/メス・アルセナル、5 月16 日/グルノーブルMC2(2)(すべてライヴ)/DDD、68’ 54”

 これはとんでもない衝撃。「春の祭典」と「ペトルーシュカ」の時代楽器による録音が登場しました。時代考証に則した演奏による近代名曲を次々リリース、今最も注目される奇才指揮者のひとりフランソワ=グザヴィエ・ロト。誰が手掛けるかと思われた「春の祭典」、ロトがやってくれました。
 どちらも1900 年前後に作られた、主にフランス製の楽器と奏法を用いているのはもちろんながら、改訂魔だったストラヴィンスキーゆえに版の問題も、ここでは初版により、まさに初演時に響いた音を再現しています。
 「春の祭典」は1913 年5 月29 日、モントゥーの指揮によりシャンゼリゼ劇場で初演され、音楽史上最大のスキャンダルとなりました。今日では人気曲として、またオーケストラの性能を披露できる好個の楽曲として頻繁に演奏されますが、複雑な変拍子、無理な楽器法など、古楽器あるいは古楽指揮者には不可能な作品とされてきました。ここでは、まず冒頭のファゴット(1900 年ビュッフェ・クランポン製バソン)の音から未知のもので衝撃度満点。
 また小型のフレンチ・チューバ、小トロンボーンも新鮮で、ピストン・ホルン8 本の響きも独特。ロシア的な重量感あふれる音で奏されるのが常ですが、この明るいフランス的音色こそまさに初演時の音。目から鱗が落ちる衝撃度です。
 また「春の祭典」初演時1913 年版楽譜は自筆のままでパウル・ザッハー財団が所蔵していますが、ロトはこれと1922 年ロシア音楽出版社初版のスコア、モントゥー所蔵の1920 年代初頭の楽譜を検討、音の間違いとストラヴィンスキーが改訂した箇所をはっきりさせ、1913 年5 月29 日初演時の音の再現を試みました。
 「ペトルーシュカ」も初演時1911 年版。四管の大編成で、協奏曲風に活躍するはずのピアノがあまり目立ちません。ここでは日本人ジャン=ヒサノリ・スギタニが1892 年製エラールのピアノで美しい響きを醸し出しています。通常の交響楽団がこの版をとりあげると、もっさりと重くなりますが、ロト&レ・シエクルは大編成なことを意識させない透明さ。ことにグロッケンシュピールやチェレスタのキラキラした響きが効果的で、ロシア・バレエならではの夢のあふれる世界を創り出しています。
 今回もブックレットに弦楽器以外すべての使用楽器が明記されていて、貴重な資料となっています。ロトの演奏は相変わらず才気煥発。歴史的な意義はもちろんながら、切れの良いリズム感、推進力など驚くほど魅力的な演奏を繰り広げています。






AD VITAM


AV 080213
\2500
ホアン・ステファヌ・ランギアンニ:
 われらの時代のコルシカのミサ
Tavagna
 (タヴァーニャ/
  男声声楽アンサンブル)
 名門男声声楽アンサンブル、TAVAGNA が紡ぐコルシカ島の人々の信仰心に満ちた新ミサ曲

 録音:2007 年11 月26-29 日

 コルシカには独特の音楽伝統があり、現代の作曲家も伝統に基づいた作品を書いています。
 ここに収められたのはこのアンサンブルのメンバーでもある作曲家ランギアンニが、多声ミサの伝統に基づいて作曲した新曲ミサ。コルシカ島に根差す真摯な信仰心を感じる作品を、男声声楽アンサンブルが力強く、清冽に歌いあげています。




HMF

HMU 807577
(SACD HYBRID)
\2600
アメリカのカンタータ集!
 ロバート・カイア(b.1952):
  1. THE SINGER’S ODE (2012)
  2. THE CLOUD OF UNKNOWING (2013)
  3. SONG OF THE SOUL (2011)
エステリ・ゴメス(ソプラノ)
デイヴィッド・ファーウィグ(バリトン)
ヴィクトリア・バッハ・
 フェスティヴァル・オーケストラ
クレイグ・ヘッラ・ジョンソン(指揮)
コンスピラーレ
 アメリカの人気合唱団コンスピラーレ、最新盤はアメリカのカンタータ集!

 録音:2013 年6 月

 ロバート・カイア(1952 年生まれ、アメリカ)は、12 の交響曲、3 つの室内交響曲、3 つのヴァイオリン協奏曲、そして様々な形態の声楽アンサンブルのための作品を数多く書いています。非常に輝かしい作風の持ち主。
 「THE SINGER’ S ODE」は無伴奏合唱作品。モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を思わせる穏やかな優しさと静けさに満ちていますが、ハーモニーは非常に凝っています。つづく2 作品へのプレリュード的な役割も果たす小品。
 「THE CLOUD OF UNKNOWING」は旧約聖書の詩篇や16 世紀スペインのアヴィラの聖テレサがのこしたテキスト、そして14 世紀に書かれた瞑想の入門書に付曲したもの。2 部構成(各4 曲から成る)で神と愛への賛歌の内容となっています。
 「SONG OF THE SOUL」は、バッハに倣って対位法を用いて書かれたカンタータ。絶望から喜びへとむかう魂を描いた作品です。初演時にウォール・ストリート・ジャーナルによって「絶望から喜びへの道を活き活きとたどることができる、アメリカ音楽の力強くも新しい達成」と絶賛されました。




LIGIA DIGITAL

LIDI 0202264
(2CD)
\3600
パーセル:アーサー王(全5幕) バロックオペラ・アムステルダム
フレデリク・ショーヴェ(指揮)
ウェンディ・ローボル(S)
デレク・リー・レイギン(A)
マティス・ホーゲンディク(T)
ピーテル・ヘンドリクス(B) ほか
 録音:2012 年

 パーセルが残した5 幕から成るセミ・オペラ、アーサー王。半分神格化されている存在、アーサー王の物語で、オスワルド率いるサクソン人はアーサー王にとって異教徒すなわち悪であり、彼らに戦いを挑みますが、それは地上ではなく神の世界での戦い。神の世界ではオスワルドの不思議な魔力は氷のように固められてしまいます。王は彼らをひざまずかせ、最後は協力して大英帝国を築くようになる、といったストーリーとなっています。
 各場面の音楽付けが非常に活き活きとしており、歓迎すべき新録音の登場といえるでしょう。




WAON RECORDS(DVD−ROM)

WAONXA 256
(2DVD-ROM)
\4000
High Resolution Audio Data
192kHz/ 24bit WAVE
(96kHz/ 24bit も同梱)
STEREO・WAVE
PC-AUDIO
イエスよ、わが喜び〜富山鹿島町教会 礼拝奏楽より「受難と復活」
 <罪の悔い改めと赦しへの希求>
  1. J.パッヘルベル:ああ主よ、哀れな罪びとなる我を
  2. J.S.バッハ:我を憐れみ給え、おお、主なる神よ BWV 721
 <闇から光へ、死から生へ>
  3. S.シャイト:光にして日なるキリストよ[第2節]
  4. J.S.バッハ:我らは感謝す、主イエス・キリストよ BWV 1096
 <インテルメッツォI>
  5. P.ブルーナ:第2旋法のティエント・デ・ファルサス
 <けがれなき子羊の受難>
  6. J.S.バッハ:おお汚れなき神の小羊 BWV 1095
  7. J.S.バッハ:心より愛するイエスよ、あなたはいかなる悪事を BWV 1093
 <復活の主>
  8. D.ブクステフーデ:我らの救い主、イエス・キリストは死に打ち克ち BuxWV 198
  9. G.ベーム:キリストは死の縄に縛められ
 <インテルメッツォII>
  10. G.フレスコバルディ:聖体奉挙のトッカータ
 <信仰告白>
  11. J.S.バッハ:我らはみな一なる神を信ず BWV 1098
 <受難と復活の主の栄光>
  12. J.S.バッハ:イエスよ、わが喜び BWV 1105
  13. J.S.バッハ:苦しみを受け給うキリストに栄光あれ BWV 1097
 <キリストにならいて ──天の御国へ──>
  14. J.ブラームス:おお、いかに幸いなるかな、汝ら信仰篤き者らよ
  15. J.S.バッハ:キリストは、わがいのち BWV 1112
  16. E.P.パーカー(松原葉子編曲):ナルドの香油
松原葉子
 (リードオルガン/
  ヤマハリードオルガンNo.5)
 日本楽器製造(株)
 1962年製造(No.1139574) 
WAONXA 258
(2DVD-ROM)
\4000
High Resolution Audio Data
5.6448MHz DSDIFF
(2.8224MHz も同梱)
STEREO・DSDIFF
DSD-AUDIO
 ワオンレコードのハイ・レゾ音源ソフト、ハイレゾリューション・オーディオ・データ、パソコンで再生する新しいオーディオ。CDをはるかに凌駕するハイサンプリングと高ビット深度が、溢れる音楽の熱情とともに広大な音場の空気感までを再現します。
 CD,SACD,DVD プレーヤーでは再生できません。

 録音:2012 年4 月16日、6 月5日、10 月16日、11 月20 日 日本基督教団富山鹿島町教会礼拝堂(富山市)

 「甘き喜びのうちに」(WAONCD-200 / WAONXA-206 / WAONXA-208)でも真摯な音楽が静かなヒットを呼んだ松原葉子の第2 弾のハイ・レゾ盤。
 今回は、彼女が礼拝で奏でているレパートリーから選曲・収録されたもの。両足で交互にペダルを踏み、空気を送り、金属製の自由振動リード(フリーリード)を振動させて音を出すリードオルガン。実に微妙な音のニュアンスの可能性を秘めたこの楽器から、松原は、真摯な祈りの音楽を引き出しています。どの曲も慈しむように演奏されており、心打たれる音色です。

 【再生上の注意】ワオンレコードのオリジナルマスターをあまさず収めたこの高音質音源をお楽しみ頂くには、DVD-ROM を読み込み可能なディスクドライブを接続したパソコンと、適切なソフトウェア、オーディオ・インターフェース機器をご用意いただく必要があります。通常のCD、SACD、DVD プレーヤーでは再生できません。


<メジャー・レーベル>

WARNER


カラヤン/オフィシャル・リマスター・エディション



2564633619
(4CD)
\2700→\2390
シベリウス:作品集
CD1
 交響曲第1番ホ短調 Op.39
 交響曲第6番ニ短調 Op.104
CD2
 交響曲第2番ニ長調 Op.43
CD3
 交響曲第4番イ短調 Op.63
 交響曲第5番変ホ長調 Op.82
CD4
 交響詩「エン・サガ」 Op.9
 交響詩「トゥオネラの白鳥」 Op.22-3
 交響詩「フィンランディア」 Op.26
 交響詩「タピオラ」 Op.112
 「カレリア」組曲 Op.11
 悲しきワルツ Op.44-1
ベルリン・フィル
カラヤン(指揮)
録音:1976-1981年
 


2564633624
(10CD)
\6300→\5790
カラヤンとソリスト達Ⅱ
CD1
 ヴィヴァルディ:協奏曲「四季」
  アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   1984年
 マスネ:タイスの瞑想曲
  アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1980年
CD2
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、第2番
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  1977年
CD3
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、第5番「皇帝」
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1977、1974年
CD4
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1974年
 ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調 Op.56
  ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
  ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
  スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1969年
CD5
 モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 K.299
  ジェイムズ・ゴールウェイ(フルート)
  フリッツ・ヘルミス(ハープ)
 モーツァルト:フルート協奏曲第1番 K.313
  アンドレアス・ブラウ(フルート)
 モーツァルト:ファゴット協奏曲 K.191
  ギュンター・ピースク(ファゴット)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 1971年
CD6
 モーツァルト:クラリネット協奏曲 K.622
  カール・ライスター(クラリネット)
 モーツァルト:オーボエ協奏曲 K.314
  ローター・コッホ(オーボエ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1971年
CD7
 モーツァルト:管楽器のための協奏交響曲 K.297b
  カール・シュタインス(オーボエ)
  ヘルベルト・シュテール(クラリネット)
  マンフレート・ブラウン(ファゴット)
  ノルベルト・ハウプトマン(ホルン)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1971年
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 Op.77
  ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1976年
CD8
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 Op.23
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  パリ管弦楽団
   1970年
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 Op.18
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1972年
CD9
 フランク:交響的変奏曲
  アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1972年
 R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
  ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
  ウルリヒ・コッホ(ヴィオラ)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1975年
CD10
 テレマン:トランペット協奏曲ニ長調
 フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調
 L.モーツァルト:トランペット協奏曲ニ長調
 ヴィヴァルディ:トランペット協奏曲
  モーリス・アンドレ(トランペット)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   1974年
   ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 


2564633621
(13CD)
\8000→\7490
オーケストラル・スペクタキュラー
CD1
 シベリウス:
  交響曲第2番ニ長調 Op.43
  交響曲第5番変ホ長調 Op.82
   1960年
CD2
 シベリウス:
  交響詩「フィンランディア」 Op.26
  交響曲第4番イ短調 Op.63
  交響曲第5番変ホ長調 Op.82
   1952、1953年(モノラル)
CD3
 シベリウス:
  交響曲第6番ニ短調 Op.104
  交響曲第7番ハ長調 Op.105
  交響詩「タピオラ」 Op.112
   1955、1953年(モノラル)
CD4
 シベリウス:
  交響詩「フィンランディア」 Op.26
  悲しきワルツ Op.44-1
   1959、1958年
 ブリテン: ブリッジの主題による変奏曲 Op.10
  1953年(モノラル)
 ヘンデル:「水上の音楽」組曲
  1952年(モノラル)
CD5
 コダーイ:「ハーリ・ヤーノシュ」より間奏曲
  1954年(モノラル)
 バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
  1949年(モノラル)
 バルトーク:管弦楽のための協奏曲
  1952-1953年(モノラル)
CD6
 ロッシーニ:序曲集
  「どろぼうかささぎ」、「アルジェのイタリア女」
  「セヴィリャの理髪師」、「絹のはしご」
  「セミラーミデ」、「ウィリアム・テル」
   1960年
 ロッシーニ:「ウィリアム・テル」より「チロル人の合唱」
  1958年
CD7
 マスカーニ:
  「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
  「友人フリッツ」より間奏曲
 プッチーニ:「マノン・レスコー」より第3幕への間奏曲
 レオンカヴァッロ:「道化師」より間奏曲
 ポンキエッリ:「ジョコンダ」より「時の踊り」
 ヴェルディ:
  「椿姫」より第3幕への前奏曲
  「アイーダ」より第2幕のバレエ音楽
  1954年(モノラル)
 ヴェルディ:「ドン・カルロ」より
  「彼女は私を愛していない」「ひとり淋しく眠ろう」
 グノー:「ファウスト」より「眠ったふりをせずに」
  ボリス・クリストフ(バス)
  1949年(モノラル)
 ルーセル:交響曲第4番
  1949年(モノラル)
CD8
 ヴェルディ:「椿姫」より第3幕への前奏曲
  1958年
 ヴェルディ:「アイーダ」より第2幕のバレエ音楽
  1960年
 ポンキエッリ:「ジョコンダ」より「時の踊り」
  1960年
 レオンカヴァッロ:「道化師」より間奏曲
  1959年
 プッチーニ:「マノン・レスコー」より第3幕への間奏曲
  1959年
 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
  1959年
 マスカーニ:「友人フリッツ」より間奏曲
  1959年
 レスピーギ:交響詩「ローマの松」
  1958年
 オッフェンバック:「天国と地獄(地獄のオルフェ)」序曲
  1960年
CD9
 ベルリオーズ:
  序曲「ローマの謝肉祭」
 ラコッツィ行進曲
  1958年
 「トロイアの人々」より「王の狩りと嵐」
  1959年
 幻想交響曲
  1954年(モノラル)
CD10
 ビゼー:
  「カルメン」組曲
  「アルルの女」第1、第2組曲
  1958年
 シャブリエ:
  狂詩曲「スペイン」
  楽しい行進曲
  1960年
 グノー:「ファウスト」よりバレエ音楽
  1958年
CD11
 ドビュッシー:交響詩「海」
 ラヴェル:スペイン狂詩曲
 ビゼー:「カルメン」より第4幕への前奏曲
 シャブリエ:狂詩曲「スペイン」、楽しい行進曲
 ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
 オッフェンバック:ホフマンの舟歌
 オッッフェンバック:「天国と地獄(地獄のオルフェ)」序曲
 グラナドス:「ゴイェスカス」より間奏曲
 ヴァインベルガー:「バグパイプ吹きシュヴァンダ」より「ポルカ」
  1953-1954年(モノラル)
CD12
 オッフェンバック:
  「パリの喜び」(ロザンタール編)
  ホフマンの舟歌
 ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
 グラナドス:「ゴイェスカス」より間奏曲
 ヴァインベルガー:「バグパイプ吹きシュヴァンダ」より「ポルカ」
 バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽*
  1958-1960年
CD13
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」*
  1957年
 スメタナ:「モルダウ」*
  1958年
 ヘンデル:「水上の音楽」組曲*
  1959年  
フィルハーモニー管
ベルリン・フィル*
カラヤン(指揮)













5/8(木)紹介新譜

<国内盤>


ALPHA



Alpha186
(国内盤)
\2800+税
J.S.バッハ:フルート独奏のための作品全集
 〜真作ソナタ4編と無伴奏パルティータ〜

 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1714〜1788):
  1.フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030
  2. フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1034
  3. フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調 BWV1035
  4. 無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1035
  5.フルートとチェンバロのためのソナタ イ長調 BWV1032
フランソワ・ラザレヴィチ (フラウト・トラヴェルソ)
レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン(古楽器使用)
リュシル・ブーランジェ(vg)
ジャン・ロンドー(cmb)
トーマス・ダンフォード(リュート)
 ひさびさAlphaのバッハ、しかも同レーベルの常連...となれば、注目せずにはおれないこの企画。
 偽作ぬきの真作のみ、こだわりぬいた楽器選択、ふわり自然な解釈の妙、どこをとっても超一流。

 状況しだいでリュートも加えるなど、欧州最先端のセンスと底力を実感...演奏者自身の解説つき!2012 年の終わり頃にリリースされた『ミサ曲 ロ短調』のドレスデン初演版をイメージしてのアンサンブル・ピグマリオン『ミサ・ブレヴィス ロ短調』(Alpha188/他4曲とあわせてのBOX 仕様はAlpha818)から1年以上のブランクをへて、センス抜群のフランス発・伝説的小規模古楽系レーベルAlpha が、ひさびさに気合の入りまくったバッハ新録音をリリースしてくれました!

 フルートが主役になる独奏曲全集をCD1枚におさめ、自ら軽やかな筆致でわかりやすくも意外な視点の解説(全訳付)も執筆、その語り口とおなじくらい自然な説得力で作品の魅力を解き明かしてみせる演奏者は、稀代のバロック・フルート奏者にして各種バグパイプの名手としても知られるフランスの異才、フランソワ・ラザレヴィチ!
 今は引退したAlpha レーベル創設者のジャン=ポール・コンベ氏が、ある日ふらっとパリ5区のオフィスに現れた若者が、自己紹介もそこそこに、企画書ではなく民俗系のミュゼット(フランス中部のバグパイプの一種。
 宮廷ミュゼットとは別)をやおら取り出していきなり演奏、伝統舞曲を縦横無尽に吹きこなしたのを聴いて「これは彼の音楽を録音せねば」と即決した...とのこと。つまり民俗音楽のリズムが身体に沁み込んでいる名手なうえ(そういえばAlpha レーベルから刊行された名著『バッハを愉しむとき』でも、彼は舞曲についてのエッセイ執筆を担当していました)、ル・ポエム・アルモニークの主宰者ヴァンサン・デュメストルがいたことでも知られる意欲的古楽団体ラ・サンフォニー・デュ・マレへの参加をはじめ、フランス・バロック作品の演奏で宮廷ミュゼットが必要とされる場面で大いに活躍もみせてきた生粋の古楽奏者。
 トラヴェルソ(バロック時代のフルート)の吹き手としても、クリストフ・ルセのレ・タラン・リリーク、エマニュエル・アイム率いるコンセール・ダストレなどといった最前線のアンサンブルの腕利きメンバーとして活躍、パリ国立地方音楽院でミュゼットやトラヴェルソのクラスを任されるなど、古楽先進国フランスでの信望は絶大——同レーベルで名盤あまたのもうひとりの異才トラヴェルソ奏者アレクシス・コセンコやカフェ・ツィマーマンのディアーナ・バローニをさしおいて、Alpha 初のバッハ・フルート作品集が彼にゆだねられたのも不思議はなかったわけです。
 音の細かな機微にまでさりげなく気持ちが行き届いている歌い口が聴いていてとても心地よく、かつ聴き深めるほどに味わいを増す旨味たっぷりの演奏...チェンバロとの二重奏によるトリオ(鍵盤の右手・左手・フルート=計3パートを二人三役で弾く、バッハが得意とした室内楽スタイル)や通奏低音付ソナタでは、作曲年代をふまえた楽器選択や演奏編成(ケーテン時代の作品でのリュート参入、プロイセン宮廷でも愛されたガンバの使用…)もさることながら、共演者(同じく多忙な新世代名手たちです)との阿吽の呼吸も絶妙。
 無伴奏パルティータでの、ラザレヴィチの至芸があますところなく堪能できる吹奏にも息をのみます。古楽器演奏の最前線に息づく、ほっと心をほぐしてくれる自然派バッハ。注目です!




FUGA LIBERA



MFUG717
(国内盤・4枚組)
\5500+税
BOX化!限定特価
オーボエ・弦楽・古楽器演奏
 バッハ アルビノーニ ファッシュ
 〜古楽器集団イル・フォンダメント 結成25周年記念BOX〜

《CD-1/2》
 ◆ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)
 『管弦楽組曲』の初期稿復元版
  ①序曲 ハ長調 BWV1066a(管弦楽組曲 第1番)
  ②同 イ短調 BWV1067a(第2番)
  ③同 ニ長調 BWV1068a(第3番)
  ④同 ニ長調 BWV1069a(管弦楽組曲 第4番)
《CD-3》
 ◆トンマーゾ・アルビノーニ(1683〜1750)
  ①『5声の協奏曲集 作品7』より 協奏曲第3・6・9・12 番
  ②『協奏曲集 作品9』より 協奏曲第2・5・8・11 番
《CD-4》
 ◆ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688〜1758)
  ①8声の序曲(組曲)ト短調FWV K:g2
  ②7声の序曲(組曲)ニ短調 FWV K:d4
  ③8声の序曲(組曲)ト長調 FWV K:G15
パウル・ドンブレヒト(バロック・オーボエ)
Ens.イル・フォンダメント(古楽器使用)
 バロック・オーボエの大御所パウル・ドンブレヒト、そのしなやかな吹奏は、多忙な音楽仲間とのアンサンブルあればこそ——
 Passacaille レーベルにも名盤あまたの古楽集団イル・フォンダメントとFuga Libera レーベルでリリースしてきた音源、待望のBOX化!限定特価、お早めに入手を...!

 古い作品は、作曲家が知っていた当時の楽器と奏法で——隣国オランダとともに、古楽器演奏という行為にいちはやく開眼した演奏家たちが多かったベルギーは、クイケン兄弟やヘレヴェッヘ、ファン・インマゼール...といった大御所たちが世界的な古楽器集団を率い、そのメンバーたる演奏家たちがそれぞれに小規模なグループでも活躍をみせている、もはや古楽器演奏が最も身近に息づいている国のひとつといえます。
 そこで活躍する室内合奏団規模の古楽器バンドのなかでも、とりわけ活発な録音活動を展開してきたのが、パウル・ドンブレヒト率いる俊才集団イル・フォンダメント!主宰者ドンブレヒトはかつてSEON レーベルでグスタフ・レオンハルト指揮により録音された『ブランデンブルク協奏曲』全曲録音や、ブリュッヘンによる画期的なテレマン・ソナタ集などで彼ら大御所たちと対等に立ちまわるバロック・オーボエ奏者として存在感をあらわし、その後もACCENT レーベルで貴重なバロック・オーボエ独奏曲集を録音するなど、CD 時代初期前後から古楽音盤をあさりつづけてきた人にとっては神のような存在のひとり——
 リコーダーのように素朴なつくりのバロック・オーボエから驚くほど多彩な音色や表現を引き出してみせるこの名手が、ベルギー随一の多忙な演奏家たちと結成したイル・フォンダメントは、1990 年代から数多くのすぐれた録音物を制作、それらの多くはPassacaille レーベルで順次日本発売もなされていますが、これは彼らの結成25 周年記念盤として、21 世紀以降にFuga Libera レーベルで刻まれてきた3 つの傑作盤をお値ごろのBOX として集めた嬉しい企画!国内初出時に『レコード芸術』で特選に輝いたファッシュ作品集や準特選を勝ち取ったアルビノーニ(バロック・オーボエでの体系的な録音は貴重!)など、ハイ・バロックならではの耳なじみの良い音作りをする名匠たちの傑作群を心ゆくまで楽しめるのも嬉しければ、あのバッハの『管弦楽組曲』の、金管・打楽器ぬきの初期稿を復元するという異例の試み(フルートの活躍で知られる第2組曲がヴァイオリン独奏で奏でられたり...)にも心そそられるところ(こちらも単独発売盤(MFUG580)が安定して売れ続けています)。
 全点初出時の日本語解説付でお届けいたします。この種のBOX は突然プレス切れになって入手不可になるのが意外に早いことも多いので、どうぞお早めにお求めを・・・




GRAMOLA



GRML98995
(国内盤)
\2800+税
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集Vol.1
 幽霊、第1番、WoO.38
 ①ピアノ三重奏曲 第5番 ニ長調op.70-1「幽霊」
 ②ピアノ三重奏曲 変ホ長調 WoO.38
 ③ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 op.1-1
トリオ・ファン・ベートーヴェン
 クレメンス・ツァイリンガー(p)
 ヴェレナ・ストウルジ(vn)
 エーリヒ・オスカル・ヒュッター(vc)
 ウィーン楽壇、なお快調!気鋭奏者たちがベートーヴェン作品の全曲録音に乗り出すのが静かな流行?と思うくらい、最近の新進奏者たちのベートーヴェン録音は周到このうえない——
 堅固な様式感、匂い立つウィーン情緒。古楽器演奏派も往年名演派も、耳を洗ってくれる名演!

 CD 録音でアルバムを世に出すという行為がLP よりもひろく行われるようになってから、すでに20 年ほどの年月が経ちました。おかげで近年では、世界各地の気鋭の若手奏者たちの演奏が諸外国でも楽しめるようになり、ネットラジオその他のよりスピーディなメディアとあわせ、欧州楽壇の活況はいっそう身近なものとなっているのではないでしょうか。
 そうしたなか、ウィーンの中心部グラーベン大通り広場に拠点をおく老舗レコード店が母体のGramola レーベルは今日もますます盛況で、ヨハン・シュトラウスやモーツァルトを生んだこの楽都の最先端の活況をみずみずしく伝えつづけています。今度の新譜でも、ベートーヴェンの王道名曲と真正面から取り組んだ3人の新世代奏者たちのみごとな解釈が、長年にわたり聴き古されてきた名曲のイメージをみずみずしく一新してくれるのです…!
 堂々ベートーヴェンの名を冠するこのトリオ、それぞれがソリストとしても活動を続けてきた新進たちがメンバーで、とくにピアノのツァイリンガーはすでにベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32 曲の連続演奏会も完遂しているといいますが、近年ではこうしたかたちで早いうちからベートーヴェンの壮大な宇宙の全容に取り組もうとする演奏家も少なくなく、CaroMitis レーベルのイーゴリ・チェトゥーエフ、Zig-Zag Territoires レーベルのF-F.ギィ(ベートーヴェン全曲録音シリーズは『レコード芸術』特選の連続)など、録音シーンでも驚くべき成果をあげている新進名演奏家たちが少なくないところ、彼らもまさにそうした世情に新たな1ページをつけくわえてくれる異才たちと言っても過言ではないと思います。
 何より、その演奏結果が素晴しい!楽聖の傑作と向きあう気負いを必要以上に感じさせず、意気揚々と演奏することの喜びに身を任せているのがわかる、自発性あふれるライヴ感にみちた音作りにも強く惹きつけられますが、よく聴き込めば聴き込むほど、細部にも聴きどころに事欠かないことに気づかされるのが頼もしくてなりません!
 気負ったヴィブラートをかけず音の造形をくっきり浮かび上がらせる尖鋭的な演奏をしているかと思いきや、弦楽器奏者ふたりが細部で聴かせる微妙なアゴーギグはいかにもウィーン風、その後ろで軽快にピアノの音を紡ぐツァイリンガーのタッチも、遠くで聴いていると何となくフォルテピアノのような風情さえ感じさせ、全体として実に印象深い余韻を残す充実した演奏解釈となっているのです。
 師匠ハイドンとの軋轢のなかで出版された処女刊行作の「第1番」、それ以前の作とも言われる初期の隠れ名曲WoO.38、そして玄妙な「幽霊」三重奏曲のえもいわれぬ響きの妙...!




MUSIQUE EN WALLONIE



MEW1472
(国内盤)
\2800+税
カントロフ指揮!
 イザイ:弦楽器のための協奏的作品集

   〜フランコ・ベルギー派の黄金時代〜
 ウジェーヌ・イザイ(1858〜1931):
  1) 瞑想曲op.16 〜
    チェロと管弦楽のための
  2) 夕暮れの調和 op.31 〜
    弦楽四重奏と管弦楽のための
  3) 悲しき詩 op.12〜
     ヴァイオリンと管弦楽のための(T.サムイル)
  4) セレナーデop.22 〜
     チェロと管弦楽のための
  5) 友情 op.26 〜
     2挺のヴァイオリンと
      管弦楽のための(E.ベロー、O.ジオ)
  6) 祖国を離れて op.25 〜弦楽合奏のための
ジャン=ジャック・カントロフ指揮
ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
タチヤーナ・サムイル、
エミリー・ベロー、
オリヴィエ・ジオ(vn)
ティボー・ラヴレノフ(vc)
アルデンテ四重奏団
 むせかえるような晩期ロマン派の高雅さ。フランス語圏ベルギーは、パリより薫り高い文化発信地だった!
 世界を魅了したフランコ・ベルギー派の弦楽芸術、知られざる絶美の世界を、カントロフ率いる名門リエージュ・フィルとともに…Musique en Wallonie レーベル、満を持して国内仕様流通開始です!

 フランス語とオランダ語(と少しだけドイツ語)を公用語とするヨーロッパの小国ベルギーは、独立まもない19 世紀から(なにしろ、当時はフランス語がいまの英語くらい世界公用語だった頃ですから)大いに国力を伸ばし、隣国フランスと並ぶ文化拠点として存在感を放ちました。フランク、ジョンゲン、ルクー...と数多くの巨匠を世界に輩出、ヴュータンやイザイのようなフランコ=ベルギー派の弦楽器奏者=作曲家たちが麗しい音楽で人々を魅了したことも、音楽の世界ではよく知られています。
 そんなベルギーのフランス語圏側(ワロン共同体)の豊かな音楽文化をひろく世界に伝えるMusique en Wallonie(ミュジーク・アン・ワロニー)レーベルを、このたび弊社で取扱開始するところとなりました。
 古楽から近現代にいたる、見過ごされてきた驚くほど美しいフランス語圏ベルギーの音楽遺産を発掘するこのレーベルの日本語解説付仕様第一弾として、最もふさわしいと思われるアルバムがこのたびリリースされたので、さっそくご紹介へ——
 フランコ=ベルギー派の名匠イザイが、むせかえるような美をたたえた晩期ロマン派の音楽感性をいかんなく発揮して書いた、弦楽器とオーケストラのための作品集べ私たちが彼の作品で比較的よく知っているのは、初期のただひたすらに美しい「悲しき詩」と、その作風とは大きく違う、斬新な書法がきわだつ後期の『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集』...後者の作品番号が27であることからもわかるとおり、もちろんイザイはその間も作曲を続けていました。
 うかつな弾き方では惰弱な印象も与えかねない難曲も多いようですが、ここではなんとフランス系ヴァイオリン作品の銘解釈でも知られる名手ジャン=ジャック・カントロフ(!)が指揮台に立ち、ブリュッセルのモネ劇場でもコンサートマスターをつとめていた俊才サムイルをはじめ、現代随一の名手たちをソリストに迎え、フランス語圏ベルギー屈指の老舗名門リエージュ・フィルの艶やか&きりっと引き締まったサウンドで、この作曲家が常々いかに豊かなオーケストラ言語を操り、どれほど多元的な弦楽技巧を追求したか、最上のかたちで教えてくれる協奏的作品の数々の銘解釈をじっくり味あわえるのです!
 作曲年代も1893 年の「悲しき詩」ほか、1910 年頃から1920 年代後半までほどよくばらけており、馥郁たるロマンをたたえた高雅な弦の響き、優美なチェロの味わい、超絶技巧も難なく華やぎ、2挺ないし4挺のソロの対話のおもしろさ、管楽器群のえもいわれぬ音色の妙をはじめとするオーケストラ・サウンドの豊饒さ...ラフマニノフやR.シュトラウスの同時代をゆく比類ない晩期ロマン派の調べは、やはり作曲家と同郷の、フランス語話者の楽団だからこその適性ゆえ、かくも薫り高くも下品に堕さず、極上の解釈になるのでしょうべ。充実解説全訳付。




カメラータ・トウキョウ

CMBK-30003
\3000+税
神楽歌と伊福部 昭〜いまヴェールをぬぐ伊福部昭の音楽
藍川由美

 大歌参入音声(おほうたまゐりおんじやう)
 大歌(おほうた)
 琴歌譜
  茲都歌(しづうた)
  歌返(うたひかへし)
  片降(かたおろし)
 神楽歌
  篠波(さざなみ)
 伊福部昭:映画『日本誕生』より
  メインタイトル
  大和の人々
  宇陀の歌
  久米の歌
  弟橘姫(おとたちばなひめ)の死
 神楽歌
  阿知女法(あぢめのわざ)
 伊福部昭:映画『モスラ対ゴジラ』より
  聖なる泉
藍川由美(歌/琴)
 ソプラノとして東京藝大大学院に在籍していた藍川由美に「あなたの声はソプラノじゃない、低い声に本領がある」と伊福部昭は言った。
 アイヌ語の師であり、音楽の師と仰ぐ作曲家の言葉が最初は理解できなかった藍川だが、これが古代歌謡へ足を踏み入れるきっかけとなった。
 「民族の美感は千年や二千年で変わるものではない」、「民族の美感を通過させなければ真のインターナショナルには到達できない」と四半世紀にわたり根気強く教え諭してくれた師にとっての「民族の美感」とは北海道時代に親しく接したアイヌ音楽のことなのか。しかし「作曲家は氏・素性を音楽で語らねば駄目だ」とも言われた。
 アイヌ民族ではない伊福部昭にとっての日本、自らの氏・素性を表現できる音楽とは何かを解き明かす。
 
CMCD-28304
\2800+税
当代随一のスクリャービン弾き、ベクテレフによるソナタ全曲録音、ここに完結!
スクリャービン:
 ピアノ・ソナタ 第3番 嬰ヘ短調 作品23
 ピアノ・ソナタ 第4番 嬰ヘ長調 作品30
 アルバムの綴り 作品45-1
 アルバムの綴り 作品58
 ピアノ・ソナタ 第5番 作品53
 スクリャビニアーナ
  (8つの小品〜フルートとピアノのための/B.ベクテレフ編曲)
  詩曲 作品32-1 、舞い踊る愛撫 作品57-2
  花飾り 作品73-1、なぞ 作品52-2
  皮肉 作品56-2、暗い炎 作品73-2
  欲望 作品57-1、練習曲 作品56-4
ボリス・ベクテレフ(ピアノ)
マリオ・アンチロッティ(フルート)h-!
 スクリャービンのピアノ作品演奏をライフワークとするボリス・ベクテレフによるピアノ・ソナタ録音がついに完結。最後を飾る第3、4、5番に加え、ベクテレフみずからの編曲によるフルートの小品他を収録。
 好評を博した前作『スクリャービン:練習曲全集』に続き、イタリアの銘器ファツィオーリを使用し録音。ベクテレフ入魂の演奏をお楽しみください。

●ボリス・ベクテレフ(ピアノ)
 5歳で音楽を志し、モスクワのグネシン音楽院で教育を受け、卒業に際して功労賞を授与された。モスクワのチャイコフスキー音楽院ではJ.ミルシテイン氏に師事して優秀な成績で学位を修めた。1970年、ソヴィエト・ピアニスト・コンクールで1位を受賞後、ソリストとして、またヴァイオリニストのウラディーミル・スピヴァコフをパートナーとしてコンサート活動を開始。旧ソ連をはじめ、ウィーンのコンツェルトハウス、ミラノのスカラ座、ニューヨークのカーネギー・ホール、日本をはじめとする各国の著名なコンサート・ホールで絶賛を浴びた。 レパートリーは、バッハやスカルラッティなどのバロックから古典派、ロマン派、フランス印象派を経て近代、現代にまで及ぶが、やはりその大部分を占めるのは母国ロシアの作曲家たちの作品である。 1987年から1996年までイタリアに居を構え、ヴァイオリニストのボリス・ベルキンやウート・ウーギ、フルート奏者のマクサンス・ラリューらと共演。またヴァイオリニストのフェリーチェ・クサーノ、チェリストのスーザン・モーゼスと共に“トリオ・セザール・フランク”のメンバーとしてイタリア、アメリカでコンサートを行った。 アルバムはロシアのメロディア社およびイギリスEMI社からシューベルトのソナタ、プロコフィエフの稀曲などのソロに加え、前述のスピヴァコフとも共演。1994年から2003年までイタリアのフェニックス・クラシックス社にてロシアおよびヨーロッパの音楽を収録し、6枚のアルバムが発売されている。日本ではスクリャービンとメトネルのピアノ・ソナタやその他の重要な作品を収録したアルバムがカメラータからリリースされている。
 1996年から2010年まで、ベクテレフは日本に住み、神戸女学院大学と武庫川女子大学で教授として指導にあたる傍ら、日本やその他諸外国の著名な演奏家らとリサイタルや室内楽などの演奏活動を行なった。2011年からはイタリアに戻り、教育活動と演奏活動を続けると共に、引き続きスクリャービン作品の録音に取り組んでいる。















5/7(水)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜

MSR



MS 1442
(2CD)
\3400→\3090
オルガン編パッヘルベル「カノン」含む
 バッハ、パッヘルベル:オルガン作品集

 J.S.バッハ(1685-1750):
  フーガの技法BWV.1080
  甘き死よ来たれBWV478
 ヨハン・パッヘルベル(1653-1706):
  カノン ニ長調(S.ドラモンド・ウォルフ編)
  シャコンヌ ヘ短調
  コラール前奏曲「キリストの生誕」
  シャコンヌ ニ短調
バーバラ・ハーバック(Org)
 オルガンによるバッハ:フーガの技法、そして「カノン」を含むパッヘルベル:オルガン作品集

 録音:1989-1990年

 アメリカの現代音楽作曲家バーバラ・ハーバックはオルガン奏者としても幅広く活動している。このアルバムではバッハの大作「フーガの技法」のほかにパッヘルベルの知られざる大作「コラール前奏曲《キリストの生誕》」が収録されているのが注目。なお有名な、あのカノンもオルガン独奏用に編曲されて収録されているため、パッヘルベルの主要なオルガン作品をこのセットでほぼ聴くことができるのはうれしい。
 
MS 1518
\2200
「文化の違いを越えた絆」
 〜ハンプソン・シスラー(b.1932)作品集

  (1)イスラエル・アメリカ祝典序曲(2013)
   〜管弦楽のための
  (2)生きるためのカンタータ(1974)
   〜声楽四重唱、合唱と管弦楽のための
  (3)日本の悲劇2011(2011)
   〜ソプラノ、バリトン、合唱と管弦楽のための
  (4)信仰の共存(2012)
   〜管弦楽のための
アーカディ・レイトゥッシュ(指揮)
(1)イスラエル交響楽団、
(2)ブルガリア国立放送交響楽団、
 G.セメオノヴァ(S)、
 D.パンチェフスカ(MS)、
 D.ガンブチェフ(T)、
 M.パショフスキー(Br)、
 ゴールデン・ヴォイス合唱団
(3)イスラエル新交響楽団、
 イリーナ・ベトマン(S)、
 ソリン・セメリアン(Br)、
 児童合唱団
(4)エルサレム交響楽団
 東日本大震災追悼曲を含むハンプソン・シスラー作品集

 録音:2012-2013 年

 ハンプソン・シスラーはアメリカの作曲家、オルガニストで現在までにあらゆるジャンルの音楽を百曲以上、発表しており、本MSR では既に7 枚のディスクがリリースされている。
 作風はコープランド、バーバーの流れを汲むアメリカらしい明朗快活で穏健なロマンティシズムによるもの。「日本の悲劇2011〜ソプラノ、バリトン、合唱と管弦楽のための」はわが国で起きた東日本大震災を追悼して作曲された作品で日本古謡「桜」が引用される。
 
MS 1434
\2200
「かまきりと青い鳥」
 〜ベス・アンダーソン(b.1950):フルート作品集

  「かまきりと青い鳥」(1979)/
  スケート組曲(全9 曲,1979/2012)/
  8人の祖先(1980)/8 人の祖先の子守唄(1980)/
  ドミナントの準備〜追い越し必至(1979)/
  ブラッド先生の人魚の子守唄(1980)/尺八は走る(1981)/
  フルート湿原(1995)/9 月の湿原(1995)/
  コメント(2003)/クンミ・ダンス(2011)
アンドルー・ボロトウスキー
 (Fl,アルトFl,C 管Fl,
  バロックFl,尺八)
ベス・アンダーソン(Pf)
グレゴリー・バイナム(リコーダー)
デイヴィッド・バカムジアン(Vc)
レベッカ・ペチェフスキ(Cemb)
 録音:2012 年

 ベス・アンダーソンはカリフォルニア大学とミルズ・カレッジでジョン・ケージ、テリー・ライリー、ロバート・アシュリーに学んだ経歴からもおよそ察せられる通り、多国籍(あるいは無国籍)風の民族音楽的な作品を多く作曲している。
 このアルバムはフルート奏者アンドリュー・ボロトフスキのために書かれた作品集でフルートからバロック・フルート、はては尺八まで持ち替え、伴奏にはチェロ、チェンバロ、リコーダー、ピアノが入る。バロック音楽と民族音楽をミックスしたようなテイストで、この辺りはルー・ハリソン、ヘンリー・カウエルに近い雰囲気を持っている。
 

MS 1497
\2200
「ハスケル・スモール(b.1948):ピアノ近作集」
 《ロスコの部屋(沈黙の旅)》(2010)
 《子供時代の幻影》(2011)
 《垣間見る沈黙》(2013)
ハスケル・スモール(Pf)
 録音:2013 年

 ハスケル・スモールはピアノをレオン・フライシャーに、作曲をヴィンセント・パーシケッティにそれぞれ師事した。
 《ロスコの部屋(沈黙の旅)》はアメリカの抽象表現主義の画家マーク・ロスコの作品に霊感を受け作曲された曲で、静けさの中で時折、断片的なモティーフや和音が終始弱音で切れ目なく続くモートン・フェルドマンを思わせる約30 分の大作。
 《子供時代の幻影》は現代音楽版《子供の領分》といった雰囲気の快活な佳曲で若干ジョージ・クラムを想起させる佳作。《垣間見る沈黙》は再び《ロスコの部屋(沈黙の旅)》と同じフェルドマン・スタイルの静謐な音楽。
 

MS 1516
\2200
ブラームス:チェロ・ソナタ
 チェロ・ソナタ
  第1番ホ短調Op.38
  第2番へ長調Op.99
ジョン・ホイットフィールド(Vc)
ジェームズ・ウィン(Pf)
 録音:1998 年6 月15-16 日

 チェロのジョン・ホイットフィールドはニューイングランド音楽院で学び、現在ソロ、室内楽を中心にニューヨークを中心に活動している若手。現代音楽の初演も多く手がけており、A.J.カーニス、S.マッキーらから厚く信頼されている。
 ダイナミックな低音とつやのある高音はブラームスの音楽にぴったりでピアノのジェームズ・ウィンとの息もあっており、密度の高いブラームスを堪能できる。




RUSSIAN DISC



RDCD 00935
\2000→\1890
ヴァレーリー・キクタ(1941-):21世紀の協奏曲集
  オーボエと室内管弦楽のための協奏曲第3番(2001)(*)
  4つのフルート、チェンバロと室内管弦楽のための協奏曲
   「Volyn' Tunes」(2013年版)(+)
  ホルン協奏曲(2008)(#)
アレクサンドル・レヴィン(オーボエ(*))
モスクワ音楽院学生交響楽団室内キャスト(*)
ヴャチェスラフ・ヴァレーエフ(指揮(*))
セルゲイ・ジュラヴェル(フルート(+))
イリーナ・スタロードゥプ(チェンバロ(+))
キエフ・ソロイスツ(国立室内アンサンブル)(+)
ヴラディーミル・シレンコ(指揮(+))
ヴァレーリー・ジャヴォロンコフ(ホルン(#))
ムジカ・ヴィーヴァ(室内管弦楽団)(#)
アレクサンドル・ルーディン(指揮(#))

録音:2012年(*)/2013年(+/#)
 ヴァレーリー・キクタはウクライナのドネツクに生まれ、モスクワ音楽院でセミョーン・ボガティリョフ(1890-1960)、チーホン・フレンニコフ(1913-2007)に師事した作曲家。



<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>


MARSTON



54005-2
(4CD)
\9600→\8990
「ジョン・マコーマック 1906-1909年 ODEON社録音集」 ジョン・マコーマック(テノール)
 ○1906年9月
  伝承曲:もう一度国に/ルート:神よアイルランドを守り給え/
  ダーリー:ウェクスフォードの少年たち/
  伝承曲:丸刈りの少年/チェリー:いとしい小さなゲンゲよ(2種)/
  伝承曲:雪のように白い胸の真珠/
  レッケル:緑の島エリン/クラウチ:いとしい人キャスリーン/
  クラリベル:エリンに戻れ(2種)/
  バルフ:キラーニー/マスネ:「マノン」−目を閉じて

 ○1907年2月もしくは3月
  ニーダム=モーガン:私の黒いローザリーン/
  伝承曲:私の誠実な愛/
  伝承曲:テレンスのキャスリーンへの別れ/
  伝承曲:穏やかな夜にしばしば

 ○1907年9月
  メトカーフ:不在/リドル:別れ(2種)/
  ケープル:愛は黄金の宝/スクワイア:見上げる星のように/
  マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」—シチリアーナ/
  レオンカヴァッロ:「道化師」—衣装を着けろ/
  シンプソン:完璧な春の目覚め/
  ヴェルディ:「リゴレット」—女は気まぐれ(女心の歌)/アダムス:ソラ/
  プッチーニ:「トスカ」—星は光ぬ/マーシャル:子供の歌

 ○1907年11月
  シンプソン:私は愛する人に二輪の薔薇を送った/
  アリットセン:主は私の光/
  ヴェルディ:「リゴレット」—この女かあの女か/
  バルフ:「ボヘミアの少女」—他の唇が

 ○1908年8月もしくは9月
  プッチーニ:「ボエーム」—何て冷たい手/
  レオンカヴァッロ:朝の歌(マッティナータ)/
  ビゼー:「カルメン」—花の歌/
  クレイ:私は3つのアラビアの歌を歌おう/
  トマ:「ミニョン」—彼女は信じなかった/
  アダムス:薔薇/ピンスーティ:心の涙

 ○1908年10月
  伝承曲:悲しみが若い日々に影を落とした/
  伝承曲:復讐と栄光/伝承曲:霧の滴/伝承曲:市場に駆け付け/
  ウォレス:「マリターナ」〜一輪の咲いた花がある/クラッツァム:トルコの丘の歌/
  フック:アレンデイルのメアリー/
  マーシャル:あなたが私を呼ぶ声が聞こえる(2種),影が重なる時

 ○1908年11月もしくは12月
  ブッツィ=ペッチャ:ロリータ/スコット:別れて/ラーシェット:愛の哲学

 ○1909年8月
  バッテン:南の歌/スクワイア:山の恋人たち,影が重なる時/
  ベネット:ああ、あの唇を持ち去ってくれ/ビゼー:「カルメン」—花の歌

 ○1909年9月
  ブッツィ=ペッチャ:ロリータ/
  ニーダム=モーガン:私の黒いローザリーン/
  ドニゼッティ:「ファヴォリータ」〜優しい魂よ/
  トスティ:あなたは眠っている、ご婦人よ/
  マーシャル:フェアリー・グレン/伝承曲:アイリーン・アルーン/
  トスティ:理想の女/ロナルド:ああ素敵な夜/
  レッケル:緑の島エリン/トスティ:最後の歌/
  ブルメンタール:私の女王様/ピンスーティ:最後の眼差し/
  伝承曲:穏やかな夜にしばしば/
  伝承曲:古い格子柄のショール/デイヴィ:ビスケー湾/
  ハットン:さようなら、愛する人、さようなら/
  ヴェルディ:「アイーダ」—清きアイーダ

 ○補遺1 別テイク 録音時期不詳
  伝承曲:私の誠実な愛/ケープル:愛は黄金の宝/
  ヴェルディ:「リゴレット」—女は気まぐれ(女心の歌)(2種)/
  プッチーニ:「トスカ」—星は光ぬ/
  ヴェルディ:「リゴレット」—この女かあの女か/
  プッチーニ:「ボエーム」—何て冷たい手/レオンカヴァッロ:朝の歌(マッティナータ)

 ○補遺2 シリンダー録音
  (1)Edison Bell Consolidated Phonograph Companyによるシリンダー録音 1906年
   ドニゼッティ:「ルチア」−祖先の墓/
   マイヤベーア:「ユグノ」−白テンより白く(イタリア語)/
   ヴェルディ:「エルナーニ」−ありがとう、愛する友たちよ
  (2)Russell Hunting Companyによるシリンダー録音
   ルート:神よアイルランドを守り給え/
   ダーリー:ウェクスフォードの少年たち/デイヴィス:もう一度国に/
   伝承曲:丸刈りの少年/クラリベル:エリンに戻れ(2種)/
  チェリー:いとしい小さなゲンゲよ(2種)
 20 世紀初頭に活躍した名テノール、ジョン・マコーマック

 録音:1906-1909年(ODEON録音)、ADD、281'12

 Marston の新譜は、20 世紀初頭に大活躍したテノール、ジョン・マコーマックの初期の録音集。
 マコーマックは1884 年、アイルランドのアスローンの生まれ。元々優れた逸材だったが、さらに21 歳になってからミラノで再修業をし、真に第一級のテノールに成長した。
 1906 年にデビューして以降、1930 年代まで絶大な人気を誇った。ちょうど録音産業の勃興と時期を同じくしたため、マコーマックはしばしば「レコード販売において世界的に成功を収めた最初の歌手」などと評される。
 甘い美声と端正な歌い口は100 年以上経った今でも古臭さを感じないどころか、十分に魅力的である。
 この4CD には、マコーマックがイタリア修行を終えた直後の数年のODEON 社への録音が網羅されている。まだマイクもない時代だったにもかかわらず、録音は当時としてはかなり明瞭で、マコーマックのクッキリした美感の歌が楽しめる。




RUSSIAN DISC



RDCD 00924-925
(2CD)
\3800→\3490
ブラームス(1833-1897):
  交響曲第1番ハ短調 Op.68
  交響曲第2番ニ長調 Op.73
ソヴィエト国立交響楽団
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
録音:1982年
 


RDCD 00926
\2000→\1890
ブラームス(1833-1897):
  交響曲第3番ヘ長調 Op.90
  交響曲第4番ホ短調 Op.98
ソヴィエト国立交響楽団
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
録音:1981年

 「 ブラームス全集はそんな彼の力が百パーセント発揮された名演奏で、肉のかたまりのように分厚く重たい和音、納豆のように延びる強烈なカンタービレ、巨大なたいまつのように熱いリズム、というぐあいにその表現力はすさまじく、現代の他の指揮者は誰も比肩できまい。」と、評論家許光俊氏が絶賛していたブラームス。



<国内盤>


若林工房



WAKA 4177
\2480(税込)
「ブラームス 後期ピアノ作品集」
 ブラームス (1833-1897):
  幻想曲集 作品116
  3つの間奏曲 作品117
  6つの小品 作品118
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
 此の道を保つ者は、盈つるを欲せず。夫れ唯だ盈たず、故に能く蔽れば新たに成るブラームス 後期ピアノ作品集、ヴァレリー・アファナシエフ

 録音: 2013 年6 月15 日、東京、紀尾井ホール(ライヴ録音)/STEREO / 24-Bit Digital 録音、発売元:若林工房

 鬼才ヴァレリー・アファナシエフ2013 年来日公演時のライヴ録音、待望のブラームス作品集の登場です。アファナシエフのブラームスといえば、なんといっても1992 年度レコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝いた名盤「後期作品集(作品117,118,119)」、そしてその続編(作品116 ほか)(ともにDENON)が知られていますが、20 年という歳月を経てアファナシエフの解釈がどのように変化したのか、ひじょうに興味深いところ。
 じっさい、その印象は大きく異なります。トレードマークだった遅いテンポや意表をつくような表現は影をひそめ、音楽はより自然へと近づきました。60 代も半ばを越した巨匠は、ときに無愛想に、なんら特別な演出をほどこすことなく、作品自体にすべてを語らせます。特筆すべきはピアノの音の美しさ。それ自体が発光しているかのような、精妙な陰影とニュアンスに満ちた音(サウンド)。
 もはや形而上学までも超えてしまったような、前人未踏の世界。融通無碍の境地に名人が遊んでいるともいうべき一期一会の演奏が、ここには刻まれています。

 ライナーノートより
 「しかし、ここに聴く晩年の小品集において、かれは敢えて世界に抗うこともなく、世界を共鳴させることによって、自分を生かす途を見出したのではないか。救いがたい悲哀と憂愁、…(中略)… これは、ブラームスが音の世界を構築しているというより、世界がブラームスという媒体を通して鳴り響いているというていのものだ。アファナシエフの芸術上の営為は、残酷なほどにこのブラームス晩年の表現の特質を浮かび上がらせている」(平野篤司)













5/6(火)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜


MD+G



940 18546
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ベルトラン・ド・ビリー/ベートーヴェン&ケルビーニ
ベートーヴェン:
 序曲「レオノーレ」第1番Op.138
 シェーナとアリア「ああ、不実なる者よ」Op.65
ケルビーニ:
 歌劇「メデア」よりアリア第6番「Vous voyez de vos fils」
 交響曲ニ長調(1815)
マリア・ベングトソン(Sp),
ローザンヌ室内管弦楽団
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
 ベルトラン・ド・ビリーが新風を吹き込んだ同時代の2人の作曲家 
 ベルトラン・ド・ビリー指揮による、ベートーヴェンとケテルビーの作品を収録したアルバム。
 当時最高のオペラ作曲家として讃えられ、ベートーヴェンからも尊敬されていたルイジ・ケルビーニ。マリア・カラスが歌った「メデア」、トスカニーニが指揮した「交響曲」などの1部を除いて、彼の作品が昨今演奏されることはめったにありません。
 最近ヨーロッパ中で高い評価を得ているスウェーデンのソプラノ、マリア・ベングトソンを起用し、スマートながら情熱的な歌唱を堪能する事ができます。
 ド・ビリーの指揮による引き締まったアンサンブル、磨き上げたディテールとフレッシュな演奏が魅力的な一枚です。 (CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 

906 18536
(SACD Hybrid)
\3000
メンデルスゾーン:オルガン作品集(編曲版も含む)
 アレグロ ニ短調/
 交響曲第5番「宗教改革」より(William Thomas Best編)/
 アンダンテと変奏曲 ニ長調/
 アレグロ 変ロ長調/アレグレット ニ短調/
 厳格な変奏曲(Reitze Smits&Leo van Doeselaar編)/
 フーガOp.37-1/フーガ ニ短調/
 「聖パウロ」より序曲(William Thomas Best編)/
 フーガ ハ長調/フーガ ヘ長調/フーガ ホ短調
レオ・ファン・ドゥセラール(トーマス・ヒル製オルガン)
メンデルスゾーンが弾いたであろうオルガンを使用しての録音
【録音】オランダ、ライデン、ピーテルス教会
 メンデルスゾーンが英国で最初にオルガン演奏をした際、その卓越したオルガン奏法で聴衆を驚かせました。それまでの英国オルガン奏法からは信じがたい彼のペダル技術が、革新的なものと絶賛されたのです。
 メンデルスゾーンは、ロンドンのセント・ジョ−ンズ教会のオルガンを弾いたという記録が残っていますが、そのオルガンは最近オランダ、ライデン、ピーテルス教会に移築され、その楽器を使用しての録音です。
 当盤にはメンデルスゾーン自身の作品だけでなく、英国のオルガニストウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)が編曲した「宗教改革」「聖パウロ」や、「厳格な変奏曲」のオルガン編曲版も収録されています。
 アルベルト・デ・クレルク、ヤン・ウェイン、アンドレ・イゾワール、マルコム・ビルソン、ジョス・ファン・インマゼールらに師事したオランダのオルガニスト・ピアニスト・指揮者で、オルガニストとしては現在オランダで最も活躍している中堅レオ・ファン・ドゥセラールによる演奏です。
 


903 18556
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
フランクのヴァイオリン・ソナタ、ピアノ三重奏版!
 フランク:
  ① ヴァイオリン・ソナタ
  (David Rinikerによるピアノ三重奏編曲版)
  ② オルガンのための3つのコラール
   (Karl-Andreas Kollyによるピアノ・ソロ編曲版)
カール=アンドレアス・コリー(P),
ジモーネ・リニカー(Vn),
ダーヴィット・リニカー(Vc)
 フランクのヴァイオリン・ソナタ、ピアノ三重奏版!
 フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」は、その構成、抒情性においてヴァイオリン奏者にとって重要な作品であるとともに、しばしばヴァイオリン以外の様々な楽器でも演奏されています。
 当盤は「12人のベルリン・フィルのチェリストたち」のアレンジャーでもあるダーヴィット・リニカーが、フランスの素晴らしいロマンチシズムを散りばめて編曲したピアノ三重奏版でお楽しみいただけます。(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 

610 18522
\2300
《サクソフォン・シネマ》
 ゲオルギー・スヴィリードフ:「吹雪」より/
 エンニオ・モリコーネ:「ウエスタン」より/
 ジョン・バリー:「ダンス・ウィズ・ウルブズ」より/
 バーナード・ハーマン:「サイコ」より/
 マイケル・ナイマン:「Hotel de la Ville」より/
 ニーノ・ロータ:「ロータ組曲」/
 ハンス・アイスラー:組曲第5番「Dans les Rues」/
 ジョン・ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」よりメインテーマ/
 ハンス・ジマー:「パイレーツ・オブ・カリビアン」より
  「彼こそが海賊」/
 ヘンリー・マンシーニ:「ピンクの豹」
セルマー・サクスハーモニック
ミラン・トゥルコヴィッチ(指揮)
12人のサックス・アンサンブルによる極上のシネマ・ワールド
 ドイツで活躍している12人のサックス奏者が集結して、2006年に結成した比類なきアンサンブル、セルマー・サクスハーモニック。メンバーそれぞれは、様々なアンサンブルやソリストとして活躍しており、豊富な経験から新しい次元のアンサンブルを聴かせてくれます。
 この最新録音では様々な映画音楽を編曲し、ゴージャスなサウンドで聴き手をドラマティックな世界に引き込みます。世界的なファゴット奏者でもあるミラン・トゥルコヴィチが、管楽アンサンブル演奏の豊富な経験を生かして指揮をとり、極上のひとときを過ごさせてくれる逸品です。  





CAPRICCIO


C5163
\2600
シグナム弦楽四重奏団/ベルク、バルトーク、シュニトケを弾く
 1-2.ベルク(1885-1935):弦楽四重奏曲 Op.3(1910)/
 3-6.バルトーク(1881-1945):弦楽四重奏曲 第3番 BB93(1927)/
 7-9.シュニトケ(1934-1998):弦楽四重奏曲 第3番(1983)
シグナム弦楽四重奏団
<メンバー:
ケルスティン・ディル(ヴァイオリン)/
アンネッテ・ヴァルザー(ヴァイオリン)/
ザンティ・ファン・ダイク(ヴィオラ)/
トーマス・シュミッツ(チェロ)>
録音 2012年12月3-6日 ベルリン デーレム,イエス・キリスト教会
 丁寧に描かれたスコアと、精緻に仕組まれた音の結びつきが「弦楽四重奏」の良し悪しを決めるとするならば、ベートーヴェンやシューベルト、もしくはブラームスあたりの時代で、その基準は頂点を迎えてしまったかもしれません。そのため20世紀の作曲家たちは“どのようにそれを超えるか”を模索し、新しい音を造りだすために様々な試みをしたのです。このアルバムに収録されているのは、20世紀になって書かれた3つの「3番」にまつわる弦楽四重奏曲。
 まだシュトラウスやマーラーが調性音楽を書いていた頃、25歳のベルクは、シェーンベルクの元でこんな音楽を書いていました。無調ではなく、そこはかとなく感じられる調性感は時に抒情的で妖艶。師シェーンベルクも絶賛した作品です。
 そしてバルトークの作品は、調性の探究ではなく「民俗音楽」の探究。激しいリズムの応酬と懐かしいメロディ。これらが発展し、交錯した上に生まれたシュニトケの作品は、一種の先祖帰り的な要素も持つ不思議な音楽。若きアンサンブル、シグナム弦楽四重奏団の素晴らしい演奏でお聞きください。
 


C5174
\2600→\2390
シュヴァネヴィルムス/ワーグナーを歌う 〜ワーグナー:作品集
 1-3.歌劇「タンホイザー」から
  <序曲/ヴェーヌスベルクの音楽/第2幕:崇高な殿堂よ“エリーザベトの挨拶”>/
 4-8.女声のための5つの詩「ヴェーゼンドンク歌曲集」
  <第1番:天使/第2曲:とまれ/第3曲:温室にて/第4番:悩み/第5曲:夢>/
 9-10.楽劇「トリスタンとイゾルデ」から
  <第1幕の前奏曲/
   第3幕:やさしく,かすかに,彼が微笑んでいるのを(イゾルデの愛の死)>
アンネ・シュヴァネヴィルムス(ソプラノ)/
ウィーン放送交響楽団/
コルネリウス・マイスター(指揮)
録音 2013年3月7-10日,10月30-31日 ウィーン ORF放送
 1849年のドイツ三月革命運動に参加し、それが失敗したために指名手配されてしまったワーグナー(1813-1883)。彼はスイスに逃れ、1858年までの9年間、亡命生活を送りました。しかしそんな中でも彼の創作意欲は旺盛であり、「ニーベルングの指環」に着手し、また楽劇「トリスタンとイゾルデ」も平行して書いていたのでした。もちろん彼のこと、その旺盛な意欲は音楽だけに向けられていたのではなく、何人かの女性たちにも向けられていたことはご存知の通りです。
 中でも、当時のパトロンの夫人であったマティルデ・ヴェーゼンドンクとの許されぬ愛は、「トリスタン」の創作の源になり、彼女が贈った詩は「ヴェーゼンドンク歌曲集」として生み出され、このメロディは「トリスタン」の中でも効果的に使われているのです。
 このアルバムは、そんなワーグナーとマティルデの禁断の恋から派生した作品が中心に収録されています。歌うのは現代最高のワーグナー歌手であるアンネ・シュヴァネヴィルムス。まさに「震える心」を具現化した見事な歌唱です。
 

C5028
(2CD)
\2600
シューベルト:即興曲と楽興の時 他
<CD1>
 1-4即興曲 D899<第1番:ハ短調/第2番:変ホ長調/第3番:変ト長調/
 第4番:変イ長調>/
 5-7.楽興の時 D780<第1番:ハ長調/第2番:変イ長調/第3番:ヘ短調>/
<CD2>
 1-3.楽興の時 D780(続き)
  <第4番:嬰ハ短調/第5番:ヘ短調/第6番:変イ長調>/
 4-7.ピアノソナタ 第18番 D894 ト長調
  <第1楽章:Molto moderato e cantabile/第2楽章:Andante/
  第3楽章:Menuetto-Allegro moderato/第4楽章:Allegretto>
ツィモン・バルト(ピアノ)
録音 2007年11月29-30日…ソナタ、楽興の時, 2008年9月19日…即興曲 オランダ Concertboerderij Valthermond
 最近、その独特な演奏と解釈で俄然注目を浴びているピアニスト、ツィモン・バルト(1797-1828)。彼の演奏の一つの特徴として、極端な弱音とデリケートな感情表現が挙げられますが、このシューベルトでもそれが炸裂しています。
 冒頭の「即興曲 ハ短調 Op.90-1」から、これまで聴いたことのないような不思議な音楽となっています。有名な「楽興の時 第3番」や「ソナタ ト長調」でも新しい発見があるはずです。これはもしかしたら、かのアファナシエフを超える名演と呼ばれるようになるかもしれません。まずは、聴いてみて判断してみてください。
 

C5155
\2600
ゴッフレード・ペトラッシ:ピアノ協奏曲 他
 1-3.ピアノ協奏曲(1936/1939)/
 4-7.ピアノのためのパルティータ(1924)
  <プレリュード/アリア/ガヴォット/ジーグ>/
 8.トッカータ(1933)/
 9-16.ピアノのためのインベルツィオーニ(1942/1944)
ピエトロ・マッサ(ピアノ)/
ゲッティンゲン交響楽団…1-3/
クリストフ=マティアス・ミュラー(指揮)…1-3
録音 2011年11月1-2日 ゲッティンゲン スタッドハレ…1-3/2012年3月31日-4月1日 ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ…4-16
 最近注目を浴びている、イタリア近代派に属する作曲家たち。すでにダラピッコラやカゼッラ、マリピエロの音楽は耳にする機会も多くなっていますが、このペトラッシ(1904-2003)はその次の世代の作曲家であり、まだまだ存分に知られているとは言い難いところ。
 しかし、レスピーギなどの流れを汲む「旋法」の使い手であり、またストラヴィンスキーなどの影響を強く感じさせる「新古典派」の手法も取り入れた色彩的な作品は、聴けば聴くほどに面白いという異色の作曲家であることは間違いありません。彼は指揮者としても才能があり。1937年から1940年まではフェニーチェ劇場のディレクターを務め、また聖チェチーリア音楽院の教授としても活躍するなど、後進の指導も行っていました。
 この2枚組に収録された様々なピアノ作品は、彼の作品像を端的に表すものであり、とりわけ、エネルギッシュなピアノ協奏曲は何の予備知識なしに聴いても、実に面白いものです。この時代の音楽を得意とするピエトロ・マッサの申し分ない演奏で。
 

C5194
\2600
トーマス・ミヒャエル・アレン:遙か遠くに
 1.ベートーヴェン(1770-1827):遥かな恋人に Op.98/
 2-6.フォーレ(1845-1924):5つのヴェネツィアの歌 Op.58
  <マンドリン/ひそやかに/グリーン/クリメーヌに/恍惚>/
 7-12.ツェムリンスキー(1871-1942):トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌 Op.6
  <愛しきつばめに/不満そうに月が昇ってきた/
   小さな窓よ、夜にはお前は閉じている/私は夜にそぞろ歩く/
   青い小さな星よ/手紙を書いたのは私>/
 13-19.ブリテン(1913-1976):ミケランジェロの7つのソネット
  <あたかもペンとインクで記したように/ああ、なぜ私は涙を流し/
   おまえの美しい目によって優しい光を見る/わたしが思うにおまえも/
   私の目に返して、おお流れのそばの泉よ/もし愛が純潔であるならば/美しい魂よ>/
 20-24.バーバー(1910-1981):過ぎゆきしものの歌 Op.27
  <全て過ぎ行くがゆえに/白鳥/公園の中の墓/鐘は鳴る/出発>/
 25-28.アイスラー(1898-1962):ハリウッド・エレジー集より
  <緑胡椒の木の中で/この都市は天使にちなんで命名された/
   ラットマン「悪夢」/ハイウッド・エレジー 第7番>/
 29.ヴァイル(1900-1950):歌劇「街の風景」より“ロンリー・ハウス”/
 30.ヴァイル:歌劇「間の女」より“マイ・シップ”/
 31.ヴァイル:歌劇「愛の生活」より“ここに私はいる”
トーマス・マイケル・アレン(テノール)/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
録音 2011年6月24-29日 オーストリア,ウィーン
 シカゴで生まれ、最初はピアニストとしての勉強を始めたトーマス。しかしニューヨークのマンハッタン音楽学校で学んでいた時に、声楽の才能を見出され、歌手としてデビュー。ウィリアム・クリスティやルネ・ヤーコプス、ガリ・ベルティーニ、シモーネ・ヤングなど錚々たる指揮者たちと共演、古楽系から現代曲までを歌いこなすテノールへと成長したのでした。
 そんな彼、このアルバムでは、アメリカ人である彼の「心の憧れの地」であるヨーロッパの作曲家たちによる歌曲を連綿と歌います。
 ただし、選ばれている作品はどれも、何かしらの「憧れ」を秘めているものばかり。
 フォーレやツェムリンスキー、ブリテンにおけるイタリア、バーバーの古きものに対する郷愁、ベートーヴェンは「恋する人への憧れ」など、様々な想いが交錯する珠玉の1枚です。
 

C5172
\2600
パウル・アルミン・エデルマン/シューマンを歌う
 1-12. 12の詩 Op.35
  <あらしの夜の楽しみ/愛と喜びよ、消え去れ/旅の歌/新緑/
   森へのあこがれ/亡き友の杯に/さすらい/ひそやかな愛/問い/
   ひそやかな涙/誰がお前をそんなに悩ますのだ/古いリュート>/
 13.5つのリートと歌 Op.127より第3番「私の恋は輝く」/
 14.4つの歌 Op.143より第4番「ぼくの馬車はゆっくりと行く」/
 15.ベルシャザール Op.57/
 16-22. 6つの詩とレクイエム Op.90
  <鍛冶屋の歌/私のばら/出会いと別れ/
   牛飼いのおとめ/孤独/重苦しい夕べ/レクイエム>
パウル・アルミン・エーデルマン(バリトン)/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
 父親が出版業を営んでいた事もあり、若い頃から音楽だけでなく、文学にも強い関心を抱いていたシューマン(1810-1856)でしたが、不思議なことに歌曲の作曲にはほとんど興味を示しませんでした。しかし、愛するクララと結婚が決まった時から、突然堰を切ったかのように歌曲を書き始めた彼、たった1年の間に「ミルテの花」や「詩人の恋」などを始めとした名作を次々と作曲するのです。
 歌曲の作曲に没頭していた彼はクララに手紙を書きました。「私はほとんど死にそうだよ。ああ、クララ。歌を書くことの至福を私は長い間逃していたようだ・・・。」そんなシューマンは、それ以降も事ある毎に美しい歌曲を書き続けました。
 そして、そんな珠玉の歌曲を歌うのは名歌手パウル・アルミン・エーデルマン(彼の父は偉大なるバス・バリトン歌手オットー・エーデルマンです)。シューマンのデリケートな感情を丁寧に紡ぎ出し、全てのフレーズに心が通った、きめ細やかな歌がここにあります。
 
C5196
\2600
フェルナンド・ロペス=グラサ:作品集
 1-9.9つの小さな舞曲(1938-1948)/
 10.ポルトガルの有名な主題による変奏曲(1927)/
 11-13.ピアノソナタ 第2番 Op.26(1939)/14-29.年と時間に沿って
アルトゥール・ピツァッロ(ピアノ)
録音 2012年6月11-15日 ベルリン ジーメンスヴィラ
 ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955)、ジョリ・ブラガ・サントス(1924-1988)、そしてこのフェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)。この3人が近代ポルトガル音楽の巨匠と呼ばれる人たちです。
 ただ3人の作風には違いがあり、ドイツとフランスで学んだブランコはドイツ後期ロマン派の?影響が感じられる作品を書き、サントスの作品は民族音楽からの影響を半音階的進行に閉じ込めたもの。そしてこのロペス=グラサは、パリでシャルル・ケクランに学び、ポルトガルのポピュラー音楽とバルトークやヒナステラなどの他の国の現代作品との融合を図った音楽を書いたのです。
 彼はポルトガル共産党に入党したことで、強い迫害を受けたことでも知られますが、それにもめげず強靭な音楽を残しています。このピアノ曲集は、彼の作風を端的に知ることができるでしょう。
 
C5197
\2600
エルヴィン・シュルホフ:協奏曲集
 1-3.ピアノと小管弦楽のための協奏曲 Op.43 WV66(1923)/
 4-6.フルートとピアノ、弦楽合奏、2台のホルンのための二重協奏曲/
 7-9.弦楽四重奏と管楽アンサンブルのための協奏曲 WV97(1930)/
 10.ベートーヴェン:失われた小銭への怒り(シュルホフ編)
フランク=インモ・ツィヒナー(ピアノ)…1-6/
ジャック・ズーン(フルート)…4-6/
ライプツィヒ弦楽四重奏団…7-9/
ドイツ交響楽団/
ローランド・クルティヒ(指揮)
録音 2007年11月21-22日 ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ…4-6.7-9/2007年11月28-29日 RPB センデザール…1-3.10
 エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)はプラハの裕福な商人の息子として1894年に誕生。音楽の大切さを良く知っていた彼の母は、幼い彼のためにヨーロッパ中から有名な教師を呼び寄せ、また、たくさんの演奏会に出かけ、その音楽的素養を育んだのでした。
 やがて、家族はライプツィヒに移り、14歳の彼はライプツィヒ音楽院に入学、レーガーに師事したことで彼は作曲にも興味を持つようになります。若きピアニスト、作曲家として活躍を始めた彼ですが、第1次世界大戦で従軍し、戦争への嫌悪感を募らせることになります。この頃からダダイズムに傾倒し、自身の音楽にも無力感や虚無感を漂わせることや、当時流行のジャズの形式を取り入れることで、その時代に対しての反感を示したのでした。
 ここで聞ける音楽も、その傾向は顕著であり、たとえばピアノ協奏曲は、印象派と後期ロマン派、そしてジャズ風のサウンドと激しいリズムが絶妙なバランスで同居している不思議な音楽として仕上がっています。
  
C5198
(2CD)
\2600
ブゾーニ:バッハによる編曲集
<CD1>
 1-2.前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532/
 3-4.トッカータとフーガ BWV565/
 5-9.オルガン前奏曲より第1集
  <来たれ、創り主にして聖霊なる神よ BWV667/
   目覚めよと呼ぶ声あり BWV645/
   7.いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659/今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たちよ BWV734/
   主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639>/
 10-14.オルガン前奏曲より第2集
  <主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ BWV617/
   アダムの罪により全ては失われぬ BWV637/
   アダムの罪により全ては失われぬ BWV705/汝のうちに喜びあり BWV615/
   われらが救い主イエス・キリスト BWV665>/
 15-17.トッカータ BWV564/
<CD2>
 1.コラール前奏曲/
 2-7.カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992/
 8-10.ファンタジア,アダージョとフーガ
  <ファンタジア BWV906/アダージョ BWV968/フーガ BWV906a>/
 11-20.音楽の捧げものよりカノン変奏曲とフーガ/
 21.「ノミのジャンプ」2声と通奏低音のためのカノン…初録音/
 22.Das Calvarium(断片)…初録音/
 23.バッハのコラール《幸なるかな》による即興曲(グロショップによるピアノ独奏編)…初録音/
 24.オルガンコラール「甘き喜びのうちに」BWV751/
 25.シチリアーノ BWV1031/
 26.狩のカンタータ「わが楽しみは元気な狩のみ」BWV208より“羊は安らかに草を食み”/
《ボーナス・トラック》
 27.アンナ・ヴァイス=ブゾーニ(1833-1909):サロン・ポルカ「フェルッチョ」…初録音
ホルガー・グロショップ(ピアノ)
録音 2011年5月17-20日 ベルリン,ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ
 すでにリリースされている、グロショップのブゾーニ(1866-1924):ピアノ作品集(C7015…4枚組)には、バッハを始めとした17人の作曲家たちの作品のトランスクリプションが収録されていますが、実はそこには、ブゾーニがバッハ作品を編曲したものの全てが含まれていたわけではありません。
 この2枚組はそんな不足分を補うものと言えるでしょう。この録音の中には、グロショップ自身のバッハ作品の編曲や、優れたピアニストであったブゾーニの母アンナ=ヴァイスの作品までをも収録。
 グロショップのブゾーニ:ピアノ作品への傾倒ぶりが感じられる納得の演奏でお楽しみください。
 
C5203
(2CD)
\2600
ブラームス:歌曲集「美しきマゲローネ」 他
<CD1>
 1.私の恋は緑にもえ Op.63-5/2.万歳 Op.6-4/
 3.たそがれは迫り Op.59-1/4.愛のまこと Op.3-1/
 5.鳩に寄せて Op.63-4/6.森に囲まれた丘から Op.57-1/
 7-21.ロマンス「美しきマゲローネ」 Op.33/
<CD2>
 1-30.ロマンス「美しきマゲローネ」Op.33 朗読付き
ダニエル・ベーレ(テノール)/
スヴァイヌング・ビェラン(ピアノ)/
ハンス・ユルゲン=シャッツ(ナレーター…CD2)
録音 2013年3月4-6日 チューリヒ
 ルートヴィヒ・ティークによる「美しいマゲローネ」は、主人公ペーター伯爵と、ナポリの美しい王女マゲローネが出会ってから、苦難を乗り越え結ばれるまでを描いた長編小説です。
 それにヒントを得たブラームス(1833-1897)が、小説の各章の末尾に挿入された詩に音楽をつけ、連作歌曲としたのが「美しきマゲローネの物語」です。
 詩=歌曲の部分を聴いただけでは、物語の全てを知ることはできませんが、ブラームスは音楽で丁寧に背景を描いているので、テキストがなくても独自の世界を味わうことは可能です。
 この2枚組は、最初はテキストなしで歌曲のみを味わい、次は、もう1枚のCDでテキストの朗読を聞きながら歌を聴くという趣向になっています。
 オペラを書くことなかったブラームスですが、この控え目でロマンティックな作品は、彼のオペラと呼ぶにふさわしい逸品と言えるでしょう。
 ダニエル・ベーレのセンシティヴな歌唱は、この淡い物語を的確に描き出し、ドイツで人気の俳優ユルゲン=シャッツの朗読は、たとえドイツ語がわからなくとも、2人の愛の世界を目に浮かべることができるでしょう。




 

CPO



777671
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
マンゼ指揮!
 店主の愛するラーシュ=エリク・ラーション
  管弦楽作品集 第1集

  1.交響曲 第1番 ニ長調 Op.2/
  2.シェークスピアのための4つのヴィネット/3.組曲「冬物語」Op.18/
  4.管弦楽のための音楽 Op.40/
  5.小管弦楽のための牧歌/6.小管弦楽のための抒情幻想曲 Op.54
ヘルシンボリ交響楽団/
アンドリュー・マンゼ(指揮)
 現代スウェーデンの代表的作曲家として知られるエリク=ラーション(1908-1986)。とは言え、彼の作品は決して前衛そのものではなく、時として十二音の様式を用いたものの、どちらかというと後期ロマン派色が強いものでした。特にここで聴ける初期の「交響曲第1番」はシベリウスを思わせる牧歌的で美しい音楽です。
 ニ長調という調性にもよるのか、大いなる自然を賛美しているかのような重厚かつ若々しい第1楽章から、その熱き心がひしひしと伝わってくるかのようです。
 彼は作品によって作風を使い分けていたようで、1966年に作曲された「抒情組曲」でも、描かれている風景は変わることなくひたすら悠然とした美しさを保っています。
 マンゼとヘルシンボリ交響楽団のチームワークの良さは、ブラームスで証明済。ここでも美しい弦の調べに重点を置いた見事なアンサンブルを聴くことができます。





ラーシュ=エリク・ラーションなら・・やはりこれ
北欧の抒情
スウェーデン管弦楽曲集 第1&2集

 これ以上「北欧の抒情」の名にふさわしいアルバムに出会ったことはありません。
 スウェーデン管弦楽曲集第2集。
 ロマンの洪水ともいうべき爽やかさに満ちあふれた、20世紀スウェーデン音楽の世界。弦楽オーケストラが生み出す、歌心と透明感溢れる響きの美しさは想像を絶するでしょう。
 フルメリーの田園組曲を初めとした華のある作品から、悲嘆に満ちたラーションのアダージョまで、まさに極限の抒情。

 まったくの個人的なことながら、仕事面でどん底に叩き落されてもう2度と立ち上がれないと挫折しかかっていたときに、この中のラーション「弦楽のための小セレナード」に出会って救われたことを思い出します。当時毎日のようにこの曲をかけて、潰えそうな自信と勇気と優しさを取り戻しました。
 あれから数年。今回久しぶりに聴いたのですが、やはり・・・泣けました・・・。


 ちなみに第1集は劇的なステンハンメルのカンタータ、透明で美しいラーションの作品の数々、陽気なP・ベルガーの作品、憂愁に閉ざされるアルヴェーンの小品など、実に多彩な音楽になっています。第2集ほど「抒情」を前面に出してはいませんが、バラエティは豊かです。


NAXOS
8.553115
¥1100
スウェーデン管弦楽曲集 第1集
 セダルマン:スウェーデン祝祭音楽
 ステンハンメル:カンタータ「歌」-間奏曲
 ラーション:田園組曲、「冬物語」-エピローグ
 ペッタション=ベリエル:「フレセンの花々」-4つの小品
 アルヴェーン:「ロスラーゲン」-ポルカ、夏の徹夜祭
         劇音楽「グスタフ=アドルフ2世」組曲-悲歌
 ヴィレーン:「弦楽のためのセレナード」-行進曲
オッコ・カム指揮
ヘルシンボリ交響楽団

NAXOS
8.553715
¥1100
スウェーデン管弦楽曲集 第2集
 ラーション:
  抒情的幻想曲 Op.54/
  弦楽のための小セレナード Op.12
  弦楽のためのアダージョ Op.48
 フルメリー:
  フルート、弦楽とハープのための田園組曲 Op.13B
 ブロムダール:「眠れぬ夜」より アダージョ
 アッテルベリ:
  ヴァイオリン、ヴィオラと弦楽のための組曲 第3番 Op.19-1
 ラングストレム:弦楽のための悲歌的ディヴェルティメント
サラ・リンドロフ(fl)
サラ・トロベーク(vn)
ヨハンナ・ペーション(va)
ペッター・スンドクヴィスト指揮
スウェーデン室内管弦楽団



 


777828
(4CD)
\10400→\9590
ジャコモ・マイヤベーア:歌劇「バスコ・ダ・ガマ」
 (「アフリカの女」初稿版…初録音) 5幕 ウジェーヌ・スクリーブ:台本
ベルンハルト・ベルヒトルト(テノール)/
クラウディア・ソロキナ(ソプラノ)/
ピエール=イヴ・プリュヴォ(バリトン)/
グィビー・ヤング(ソプラノ)/
コウタ・レセネン(バス)/
ロルフ・ブロマン(バス)/
ケムニッツ歌劇場合唱団/
ロベルト・シューマン・フィルハーモニー/
フランク・ベールマン(指揮)
 マイヤベーア(1791-1864)は数多くの歌劇を作曲しましたが、その多くは現在忘れられてしまい、なかなか演奏される機会がありません。歌劇「アフリカの女」も、彼の存命中には人気があったものの、やはり忘れられてしまい、4幕で歌われる「おお、パラダイス」だけが時々歌われることがある程度です。
 この歌劇はバスコ・ダ・ガマを主人公としているのですが、史実に自由に手が入れられており、必ずしも実際のエピソードに忠実なものではないことが知られています。
 作品が生み出されるまでには、かなりの紆余曲折を経ており、この「バスコ・ダ・ガマ」として完成した直後、マイヤベーアは死去してしまい、音楽学者のジョセフ・ド・フェティスが幾つかの箇所を削除し(長すぎたため)、主人公を奴隷のセリカに変更、最終場面も書き直し、「アフリカの女」としてリニューアルしたものが現在知られているものだったのです。
 指揮者ベールマンは、オリジナルの形での上演を敢行。この歌劇に新たな光をあてることに成功しました。
 

777644
\2600
クリストフ・グラウプナー:バスのためのカンタータ集
 1.Frohlocke gantzes Rund der Erden GWV 1139/20/
 2.Ich bin zwar Asch und Koth, GWV 1135/13/
 3.Ach Herr mich armen Suender GWV 1152/46/
 4.Kommt, last uns mit Jesu gehen GWV 1119/22/
 5.Angenehmes WaA?er Bad GWV 1104/11b/
 6.Zaehle meine Flucht GWV 1154/12b
クラウス・メルテンス(バス・バリトン)/
アカデミア・ダニエル/
シャレフ・アド=エル(指揮)
 ザクセン公国キルヒベルク近郊、ハルトマンドルフに生まれたグラウプナー(1683-1760)。彼は法学と音楽を学び、最初はハンブルク歌劇場のチェンバロ奏者を務めながら(同じ時期にヘンデルがヴァイオリン奏者として在籍していた)、次々をオペラを作曲していました。
 その当時、彼の作品はバッハのものよりも人気が高かったとされていますが、当の彼はバッハを高く評価し、バッハがトーマス教会カントルの職を得た時も、グラウプナーは推薦の手紙をライプツィヒの市参事会へと送るなど、積極的に彼をサポートしたと伝えられます。
 そんなグラウプナーの「バスのためのカンタータ」は、充実した声部もさることながら、ヴィオラが重用されるなど独自の作風を誇っています。
 また彼のレチタティーヴォの流麗さも特筆もので、アリアの部分との美しい対比を見せています。クラウス・メルテンスの卓越した技巧は、これらの作品の美点を存分に表現しています。
 


777791
(2CD)
\2600→\2390
ロベルト・カーン:ピアノ三重奏曲全集
 1.ピアノ三重奏曲 第1番 ホ長調 Op.19/
 2.ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.33/
 3.ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 Op.35/
 4.ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調 Op.72
ハイペリオン三重奏団
 1865年、マンハイム生まれの作曲家ロベルト・カーン(1865-1951)のピアノ三重奏曲です。現在では名前すらも残っていない人ですが、若い頃には、晩年のブラームスに高く評価されたこともあり、彼はその幸福な気持ちをずっと持ち続けていたと言います。
 しかし内向的な性格であったため、その事はずっと隠していて、自身を語る時には「ベルリンでフリードリヒ・カイルに学び、ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーに学び作曲家となった」と言っていたそうで、あまりにも幸福だったブラームスとの出会いについては、ついぞ語ることはなかったのだそうです。
 そんなカーン、1894年にベルリン・ロイヤルアカデミーの教授職に就き後進の指導にあたっていましたが、ナチスの台頭に伴い1934年にイギリスに亡命、そこで生涯を終えることになりました。
 彼の生徒にはヴィルヘルム・ケンプ、フェルディナンド・ライトナー、アルトゥール・ルービンシュタインなどがおり、どれほど優秀な教師であったかも理解できます。そんな彼のピアノ三重奏曲は、どれも1918年までに書かれており、わかりやすく簡潔な書式を保ったものです。
 

777860
\2600
ゴットルフ宮殿のための音楽 第2集
ヨハン・フィリップ・フェルチュ:カンタータと宗教的コンチェルト集

 1.今、サタンの力は弱くなっている/
 2.ああ、私はみじめな男だ/
 3.主よ、誰があなたの天幕に住むのでしょう/
 4.わが瞳は小川のような涙で溢れる/
 5.主はあなたの頭上を天使で満たす/
 6.イエスよ、あなたははぎとられ/
 7.地に棲む者は悲痛である/
 8.全ての紙の偉大な行いに感謝します
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
 デンマーク国境に近い、ドイツ、シュレスヴィヒにあるゴットルフ宮殿は、その瀟洒な美しさと豊富な歴史的所蔵物で知られています。1500年頃には有名な「ゴットルフ蔵書」が収納され、1595年には美しいホールである「大鹿の間」も完成、同じ時期には礼拝堂やオルガンも建立されています。
 cpoの新シリーズはこの宮殿のために書かれた音楽に焦点をあて、これらをお馴染みのコルデスとブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスの完璧なアンサンブルで聴くというものです。
 ヨハン・フィリップ・フェルチュ(1652-1732)は、主にハンブルクでオペラ台本作家、作曲家として活躍していましたが、1680年から1684年までこの宮殿の教会で監督を務め、数多くのカンタータや宗教曲を書いています。聖書の言葉を大切にしながら、美しいハーモニーを載せていくという手法は、まさにオペラに精通していたフェルチュの腕の見せ所でもあり、また重要な場面でトランペットを活躍させる(神の声として)ことも、劇的な瞬間を一層鮮やかに見せてくれます。
 ゴットルフ宮殿のための音楽 第1集 フレガー(1635-1686):世俗、宗教的カンタータ集 777801
 


777843
\2000→\1890
シューマン/ティエリオ:ピアノ四重奏曲
 1-4.ロベルト・シューマン(1810-1856):ピアノ四重奏曲 ハ短調
  (1829.断片…ヨアヒム・ドラハイムによる新版、初録音)/
 5-8.フェルディナント・ティエリオ(1838-1919):
  ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.30(1875年出版,初録音)
ヴァレンティン・ピアノ四重奏団
 1829年に作曲された若きシューマンによるピアノ四重奏曲。こちらは一応、全曲の構想は出来たものの、ピアノパートを完成させることなく、そのまま出版もすることなかったという幻の作品です。
 この曲を完成させる試みは、何度か行われており、このドラハイム版よりも以前には、W.ベッティヒャーが補筆を試み、こちらは1979年にアンドレ・プレヴィンらが録音していたりもします。このドラハイム版は、オリジナルの自筆楽譜を綿密に調査した上で、左手パートを書き加え、彼なりに満足の行くものを作り上げたようです。
 このスコアは2010年のシューマン記念年に出版され、今回が初録音となります。もう一人の作曲家ティエリオはハンブルク生まれの作曲家で、シューマンよりもブラームスに影響を受けた人です。今ではほとんど忘れられてしまったこの作曲家の作品も、このアルバムでシューマンの四重奏と共に蘇ることでしょう。
 


777914
\2000→\1890
ルベル:組曲「四大元素」/ラモー:組曲「カストルとポリュックス」
 1-10.ジャン=フェリ・ルベル(1666-1747):組曲「四大元素」/
 11-27.ジャン=フィリップ=ラモー(1683-1764):組曲「カストルとポリュックス」
オルフェオ・バロック管弦楽団/
ミヒ・ガイッグ(指揮)
 バロック期に書かれたのに、まるで「現代曲」を思わせることで知られるルベルの「四大元素」の冒頭部分。この曲を聴いて衝撃を受けない人はいないかも。ただ、曲が進むにつれて、優雅なバロック音楽になっていくところは、まだまだ17-18世紀の音楽そのものです。
 このオルフェオ・バロック管弦楽団とミヒ・ガイッグによる2つの作品の録音は、以前、PHOENIXレーベルからリリースされていたもの(PE110)ですが、現在入手不可能。
 今回cpoレーベルからの再発売は、一度は聴いてみたいと思っていた愛好家の心を小躍りさせるのではないでしょうか。





JCW RECORDINGS

JCW RECORDINGS
 世界的なギタリスト、ジョン・ウィリアムスが主宰するレーベル。
 彼はオーストラリア、メルボルンに生まれ、その後父の出身地イギリスに移住し、ロンドンの王立音楽学校や、アンドレアス・セゴビアにギターを学びました。
 デビュー後は現代最高のギタリストとして世界中で活躍。その活動はクラシックのみにとどまらず、ポップスやジャズなどの分野でも幅広く活動しています。
 2013 年には演奏活動を引退することを表明し、多くのファンを悲しませましたが、彼の音楽は永遠に不滅です。


JCW-1
\2300→\2090
FROM A BIRD-鳥から 〜ジョン・ウィリアムス:ギター作品集
 1.ハロー・フランシス/2.歌のための前奏曲/3.オープン・エンド/
 4.無言歌/5.スロー・チェンジ/6.欄外の注釈/7-10.鳥から/
 11.走る犬/12.一日の終わり/13.はじめの光/14.大潮/
 15.ターロック・キャロラン(1670-1738):コンチェルト(J.ウィリアムス編)/
 16.キャロラン:小さくて偉大な山脈(J.ウィリアム編)/
 17.伝承曲:パンチボールの底に-ツバメの尾-タリバーディン候(J.ウィリアムス編)/
 18.伝承曲:ジャクソンの朝の茂み(J.ウィリアムス編)/
 19.キャロラン:微笑みの力(J.ウィリアムス編)
ジョン・ウィリアムス(ギター)
録音 2008 年9 月17-21 日 ロンドン エア・スタジオ
 ジョン・ウィリアムス(1941-)を包括的に知るための1 枚がこれ。
 彼の代表作である「ハロー・フランシス」を始めとした自作自演、そしてアイルランド民謡の編曲など、まさにジョン・ウィリアムスならではの世界が見えてきます。
 


JCW-2
\2300→\2090
STEPPING STONES-跳ねる石
 1.横尾幸弘(1925-):さくら/
 2.ジョン・ウィリアムス(1941-):跳ねる石/
 3.ジョン・ウィリアムス:奇数/
 4.スティーブン・ゴス(1964-):メリールボーン/
 5.ピーター・スカルソープ(1929-):ジリル
   (S.ウィングフィールドによるギター編)/
 6.グレアム・クーネ(1956-):
  A Closed World of Fine Feelings and Grand Design/
 7.フィリップ・ホートン(1954-):キンカチョウ,アイ・ラヴ・ユー/
 8.スティーヴン・ダッジソン(1924-):生のさなかにも/
 9.フレデリック・ハンド(1947-):祈り
ジョン・ウィリアムズ(ギター)/
ティモシー・ケイン(ギター…9)
録音 2013 年3 月9 日,4 月2-4 日 ロンドン エア・スタジオ
 こちらはクロスオーヴァー的な雰囲気を持つ1 枚。ギターの持つ可能性をとことんまでに追求したというゴスやスカルソープの作品を始め、横尾幸弘の「さくら」での絢爛豪華な佇まいまで、現代のギター作品と一言で括ったとしても、これほどまでに多彩な表情を見せるのかと驚くばかりの楽しさです。




 

Steinway & Sons



STNS-30022
\2000→\1890
アマデウスの事柄
 1.ブゾーニ(1866-1924):
  モーツァルトの
   「ピアノ協奏曲第19番 K459」のフィナーレによる協奏的小二重奏曲/
 2.モーツァルト(1756-1791):歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」から
  「風よ穏やかなれ」(アンダーソン&ロー編)/
 3-5.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ K448/
 6-9.アンダーソン&ロー:モーツァルトの
  「コジ・ファン・トゥッテ」から第1幕のフィナーレによる“グランド・スケルツォ”/
 10.モーツァルト:歌劇「魔笛」から
  「苦難もてこの道を来る者」によるコラール・プレリュード(アンダーソン&ロー編)/
 11-13.リスト(1811-1886):ドン・ジョヴァンニの回想 S656/R379/
 14.アンダーソン&ロー:トルコ風ラグタイム
アンダーソン&ロー・ピアノ・デュオ
録音 2013年7月15-19日 ニューヨーク サニー・パーチェス,コンサート・ホール
 現在、世界のピアノ・デュオ界で最も注目されているのが、このアンダーソン&ロー・ピアノ・デュオです。
 Steinwayレーベルにおける前作「When words fade」(STNS-30006)で、華麗かつ斬新な世界を見せてくれた彼ら。今作では「麗しいモーツァルト」の世界を多面的に掘り下げます。
 彼らは連弾も得意ですが、今作は全て2台ピアノ用の曲。中でも有名なK448などは、極めてオーソドックスに演奏しており、却って意外な印象を受けたりします(もちろんツボはばっちり押さえてます)。
 しかしながら、他のブゾーニやリストの作品や、彼らのオリジナル曲では個性炸裂。とにかく面白い1枚です。





旧譜
ブームなんでしょうか。
本格派クラシック的編曲版ポップスorロック
Anderson & Roe: when words fade
STEINWAY & SONS
STNS-30006
\2000→\1890
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
 ことばが消えるとき

 1.マイケル・ジャクソン(1958-2009):ビリー・ジーン/
 2.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  歌劇「ジュスティーノ」-私の心に涙の雨が降っている/
 3.モーツァルト(1756-1791):歌劇「魔笛」-パパゲーノ、パパゲーナ/
 4.ビゼー(1838-1875):カルメン幻想曲-ハバネラ/
 5.シューベルト(1797-1828):魔王Op.1/
 6.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ/
 7.ブレル&ジュアネスト:マチルド、マリークとマドレーヌ/
 8.シューマン(1810-1856):リーダークライスOp.39-5「月の夜」/
 9.ヴィラ=ロボス(1887-1959):
  ブラジル風バッハ第5番-アリア「カンティレーナ」/
 10.トム・ヨーク(1968):パラノイド・アンドロイド/
 11.トーマス・オーガスティン・アーン(1710-1778):朝-まばゆい太陽/
 12.コールドプレイ:ビバ・ラ・ビダ
  ※全てグレッグ・アンダーソン&エリザベス・ジョイ・ローによる編曲
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
 スタッフの女の子たちは残念ながらあまりクラシックを聴かない。でもポップスは普通に聴くみたい。
 なのでそんな彼女たちを驚かそうと思ってかけたのに・・・、かけた自分がびっくりしてしまった1枚。
 グレッグ・アンダーソンとエリザベス・ジョイ・ローというカッコいい系の男女ピアノ・デュオ・アルバム。
 ご覧のとおりマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」、ロック・バンドのレディオ・ヘッド、コールドプレイの曲が、ヴィヴァルディやモーツァルト、シューベルトの音楽とともに流れてくる。しかも当たり前ながら超本格派クラシック作品となって。
 そのテクニックもすごいが編曲もすごい。それはポップスだけじゃなく、クラシックの名曲の編曲も。「魔王」や「カルメン」ではバカテク爆裂演奏を聴かせてくれたかと思ったら、「ヴォカリーズ」や「ブラジル風バッハ」ではこれでもかと切なく泣き節を聴かせてくれる。
 この「Steinway and Sons」というレーベル、その名のとおりスタインウェイがプロデュースしているんだけど、ここまでピアノを活かしきってくれたらさぞやレーベルとしても嬉しかったことだろう。


録音 2011年7月6-8日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 4本の手から繰り出される目も眩むようなピアノの音色。圧倒的なリズム感。マイケル・ジャクソンから特殊奏法のヴィヴァルディ、至るところで音がはじけるパパゲーノのアリア…。曲が進むにつれ驚きばかりが増していくスゴイ1枚です。アレンジが素晴らしいことは言うまでもないのだけど、テクも物凄い。「パラノイド・アンドロイド」ではなぜか真面目に弾いていて、まるでプロコフィエフかリゲティを思わせる曲になっていたり。とにかく面白いです。

 

STNS-30023
\2000
パノラマ・アルヘンティーノ
 1-2.レモ・ピニョーニ(1915-1988):ピアノのための古風な舞曲集より
  <第5番:ケーナはあなたを呼んでいる/2.第7番:デ・アンゴラ>/
 4-6.エンリケ・アルバーノ(1910-1992):
  セリエ・アルヘンティーナ「ラ・パンパと丘」/
 7.アニパル・トロイロ(1914-1975):悲しきミロンゲーロ/
 8-10.ピニョーニ:ピアノのための古風な舞曲集より
  <第11番:パル・ナト/第16番:エン・セプティマ/
   第18番:チュンベアオ>/
 11-13.カルロス・グァスタビーノ(1912-2000):ピアノのためのソナチネ ト短調/
 14.マリオ・ブローダー(1931-)缶詰とティリウンビラート「バー・アルヘンティーノ」/
 15.カエターノ・トロイアーニ(1873-1942):舞曲/
 16-18.トロイアーニ:山と平野のモティーボス/
 19-22.アンヘル・ラサラ(1914-2000):わが故郷の印象 第1巻/
 23-27.フリアン・アギーレ(1868-1924):アルゼンチンの歌 第1集/
 28.オラシオ・サルガン(1916-):彼女を口笛で呼ぼう/
 29.マリアーノ・モーレス(1918-):軍靴の響き/
 30.ピニョーニ:ピアノのための古風な舞曲集より-第7番 リルーチャのために
ミリアン・コンティ(ピアノ)
 第1集(STNS30010)でも、目を見張るほどに色彩的で楽しいアルゼンチン音楽を聞かせた、アルゼンチン生まれのピアニスト、ミリアン・コンティ。
 この第2集では更にパワーアップして、これまでほとんど日本では紹介されたことのない作曲家の作品を次々と紹介しています。
 例えば、耳に強く印象を残す、イタリア移民の父親を持つピニョーニの作品。これはまさにフォルクローレそのものであり、アルゼンチン音楽の飾らぬ姿を楽しみたければ、ここから始めるのをオススメします。
 グァスタビーノの名前は知られているはず。叙情的なメロディはここでも健在です。
 力強いアルバーノの音楽、そしてラサラの「わが故郷の印象」での郷愁溢れる音楽。など、こんなにステキな曲があるのか!と感激すること間違いなしのアルバムです。
 
STNS-30025
\2000
Some Other Time
 1.バーンスタイン(1918-1990):
  ピーターパン-ドリーム・ウィズ・ミー(チェロとピアノ編)/
 2.バーンスタイン:オン・ザ・タウン-サム・アザー・タイム(チェロとピアノ編)/
 3.バーンスタイン:イン・アウア・タイム(チェロとピアノ編)/
 4-6.バーバー(1910-1981):チェロ・ソナタ Op.6/
 7.バーバー:4つの歌 Op.13 第3番「この輝ける夜に」(チェロとピアノ編)/
 8.ルーカス・フォス(1922-2009):
   レニーのために-「ニューヨーク・ニューヨーク」による変奏曲/
 9.フォス:カプリッチョ/
 10.バーンスタイン:5つの記念-第2番 ルーカス・フォスのために/
 11-12.バーンスタイン:クラリネット・ソナタ(Z.ベイリーによるチェロとピアノ編)/
 13.バーンスタイン:7つの記念-第1番 アーロン・コープランドのために/
 14-15.コープランド(1900-1990):古いアメリカの歌 第1集より(チェロとピアノ編)
ズィル・ベイリー(チェロ)/
ララ・ダウンズ(ピアノ)
録音 2013年9月26-28日 ヴァージニア ソノ・ルミナス・スタジオ
 このアルバムに収録されているのは、どこか懐かしいアメリカ音楽の数々です。バーンスタインを始めとした、バーバーやルーカス・フォスが紡ぎ出す美しいメロディは、人間の根底にある何かをくすぐり、聴き手の遊び心や冒険心を引き出すことでしょう。
 ここでチェロを演奏しているズィル・ベイリーは、以前ピアニストのディナースタインとの共演でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集で高い評価を受けた人。バッハの無伴奏を始め、サン=サーンスやドホナーニなどのロマン派の作品でも的確な解釈による演奏をする人ですが、このような、ちょっとゆるやかな音楽でも、抜群の冴えを見せています。
 

STNS-30028
\2000
ジェニー・リン ストラヴィンスキーを弾く
 1-3.ピアノ・ソナタ(1924)/
 4-7.4つの練習曲 Op.7/
 8.ラグタイム(ピアノソロ編)/
 9.組曲第2番-第3楽章 ポルカ
  (S.ストラヴィンスキーによるピアノ編)/
 10.タンゴ/11.組曲第2番-第2楽章 ワルツ
   (S.ストラヴィンスキーによるピアノ編)/
 12.ピアノ・ラグ/
 13.プロローグ
  (M.ムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」による)/
 14-17.セレナード イ長調/18.サーカス・ポルカ/
 19-20.ソナタのための2つのスケッチ/
 21-23.組曲「火の鳥」より
  (G.アゴスティによるピアノ編)<カスチェイ王の凶悪な踊り/子守歌/終曲>
ジェニー・リン(ピアノ)
録音 2013年6月20-22日 ヴァージニア ソノ・ルミナス・スタジオ
 Steinwayレーベルのみならず、最近様々な場所で活動範囲を広げているピアニスト、ジェニー・リン。アメリカでも俄然注目を集めているという、レーベル第3弾のアルバムはストラヴィンスキー(1882-1971)のピアノ作品集です。
 彼女によるストラヴィンスキーは、その作品の特徴を的確に捉えているものであり、ピアノの性能を極限まで生かしながらも、ある時は皮肉たっぷりであり(例えば「タンゴ」や「ピアノ・ラグ」)ある時はうっとりするほどの美しさを湛え(「セレナード-ロマンス」など)、まさにストラヴィンスキーを聴く楽しみを味わわせてくれるものに他なりません。
 美しい音を余すことなく表現する録音も素晴らしいもの。全てのピアノ好きにオススメの1枚です。
 

STNS-30029
\2000
ショーン・チェン ラヴェルとスクリャービンを弾く
 1.スクリャービン(1872-1915):ワルツ変イ長調/
 2.ラヴェル(1875-1937):古風なメヌエット/
 3-4.スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第4番 嬰ヘ長調 Op.30/
 5-12.ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ/
 13.ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット/
 14.ラヴェル:前奏曲/
 15.スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第5番 嬰ヘ長調/
 16.ラヴェル:ラ・ヴァルス(シェーン・チェンによるピアノ編)
ショーン・チェン(ピアノ)
 「100万ボルトの笑顔にセットされた恐るべき指」とダラス・モーニングニュース紙で絶賛された若きピアニスト、ショーン・チェン。彼は1988年にアメリカ、フロリダ州で生まれ、幼い頃からピアノを始め、大学に入学する以前からすでに各地で高い評価を受けていました。
 ピアノの演奏能力だけでなく、並外れた知性を有している彼はジュリアード音楽院だけでなくMIT、ハーバード大学など並み居る名門校で勉強する機会を得たのですが、結局は音楽の道を選択、2012年、リーズ国際ピアノコンクールでセミファイナリストとなり、続く2013年の第14回ヴァン・クライバーン国際コンクールで入賞、他にも数多くのコンクールで素晴らしい成績を収めています。
 このアルバムは、彼のデビュー・アルバムであり、幅広いレパートリーを持つ彼のほんの一面を垣間見せてくれるものです。スクリャービンの神秘性とラヴェルの色彩感、これらをうまく引きだしつつ、現代的な味付けをしているところが何とも素晴らしいひとです。
 
STNS-30030
\2000
愛と憧れ
 1.グルック(1714-1787):オルフェオとエウリディーチェから(フリードマン編)/
 2.シューベルト(1797-1828)=リスト(1811-1886):どこへ/
 3.シューベルト=リスト:宿屋/
 4.シューベルト=リスト:おやすみ/
 5.アーン(1874-1947):偽りの無関心/
 6.プロコフィエフ(1891-1953):組曲「ロメオとジュリエット」から「別れの前」/
 7.グラナドス(1867-1916):愛と死/
 8.シューベルト=リスト:水車と小川/
 9.シューベルト=リスト:涙の賛美/
 10.シューベルト=リスト:君はわが憩い/
 11.アーン:愛と退屈の踊り/
 12.ウィプラド:エル・ハレオ/
 13.ワーグナー(1813-1883)=リスト:イゾルデの愛の死
ハン・ユーニー(ピアノ)
 「流れる音、詩的なフレージング、そして天上の美しさを感じさせるメロディの歌わせ方」シンシナティ・エンクァイア紙でその演奏を絶賛された北韓国のピアニスト、ハン・ユーニー。バッカナウアー国際ピアノ・コンクールを始めとした数々のコンクールで入賞を飾り、その将来を嘱望されている彼女のデビューアルバムは、そんな美質を存分に生かした選曲となっています。
 どの曲にも愛の喜びと憂鬱、そしてそこはかとなく「死の香り」が付き纏い、これらが相俟って、時には清々しく、また妖艶な表情を創りだすのです。
 トラック12の「エル・ハレオ」は彼女のために書かれた音楽で、この演奏が世界初録音となります。
 
STNS-30032
\2000
ファンタジー集
 1-3.シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17/
 4.ブルックナー:幻想曲 ト長調/
 5-8.ツェムリンスキー:リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲 Op.9/
 9-15.ブラームス:幻想曲 Op.116
スタニスラフ・フリステンコ(ピアノ)
 ウクライナで生まれ、モスクワのチャイコフスキー音楽院で学んだピアニスト、スタニスラフ・フリステンコのデビュー・アルバムです。
 彼は11歳で初のソロ・リサイタルを開催、以降、数多くのコンサートで聴衆を魅了し続けています。
 とりわけ、カーネギー・ホールでのコンサートの模様は、ワシントン・ポスト紙で「広いダイナミックレンジと成熟した完成、そして力強い指」と評価されています。
 コンクールの受賞歴は25以上を数え、2013年のブリュッセルでのエリザベート王妃コンクールで4位、第59回マリア・カナルス国際コンクールで優勝など着々と経験を積み上げています。
 大きな体から繰り出されるパワフルな音楽と、意外なほどに繊細な抒情性。このミスマッチが心に残る逸材、これがSteinwayレーベル、デビュー・アルバムとなります。



<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>


AQUARIUS



AQVR 385-2
\1700→\1590
ダヴィド・オイストラフ 初期録音集
 J・S・バッハ(1685-1750):ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
 サン=サーンス(1835-1921):序奏とロンド・カプリチョーソ イ短調 Op.28
 ベートーヴェン(1770-1827):ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
モスクワ国立フィルハーモニー交響楽団
レフ・シテインベルク(指揮)

録音:1938年
 ダヴィド・オイストラフ(1908-1974)が第1回ウジェーヌ・イザイ・コンクール(現エリザベート王妃国際音楽コンクール)で優勝した翌年の録音。
 伴奏オーケストラはレフ・シテインベルクが創設したモスクワ国立交響楽団(1943-)やモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(1951-)とは別の団体。

 


AQVR 386-2
\1700→\1590
不謹慎ながら、出演者はさすがに豪華
 コンスタンチン・イグームノフ追悼演奏会

 [第1部]
 J・S・バッハ(1685-1750):前奏曲とフーガ ト短調 BWV578(*)
 ラフマニノフ(1873-1943):
  ピアノ三重奏曲第2番ニ短調「悲しみの三重奏曲」Op.9 から 第1楽章(+)
 リスト(1811-1886):「巡礼の年 第3年」から エステ荘の糸杉に(#)
 ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調 Op.32 No.12(#)/メロディー ホ長調 Op.3 No.3(#)
 [第2部]
 ラフマニノフ:
  ひそかな夜の静寂の中で Op.4 No.3(**)
  ああ、いやだ、お願い、行かないで Op.4 No.1(**)
  何と苦しいことか Op.21 No.12(**)
 チャイコフスキー(1840-1893):
  語るな、おお、わが友よ Op.6 No.2
  穏やかな星はぼくらに光を注ぎ Op.60 No.12
  恐ろしいひととき Op.28 No.6
  ただ憧れを知る人だけが Op.6 No.6
  セレナード Op.63 No.6
アレクサンドル・ゲディケ(オルガン(*))
レフ・オボーリン(ピアノ(+))
ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン(+))
スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ(+))
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ(#))
パーヴェル・リシツィアン(バリトン(**))
ナジェージダ・オブーホヴァ(メゾソプラノ(無印))
マトヴェイ・サハロフ(ピアノ(**/無印))
ヴァレンティーナ・ソロヴィヨヴァ(司会)

録音:1949年4月4日、ライヴ、モスクワ音楽院大ホール、モスクワ、ロシア、ソヴィエト
 ロシアのヴィルトゥオーゾ・ピアニストでモスクワ音楽院の名ピアノ教師としても名高いコンスタンチン・イグームノフ(1873-1948)の没翌年に彼を偲んで開かれた演奏会のライヴ録音。レフ・オボーリンはイグームノフ門下生。

 

AQVR 384-2
\1700
ビゼー(1838-1875):オペラ「ジャミレ」(ロシア語訳版)(*)
 [ボーナス・トラック]
  ビゼー:愛の歌(#)
  グノー(1818-1893):メジェ(アラビアの歌)(+)
  サン=サーンス(1835-1921):「ペルシャのメロディー」から 孤独な女(+)
リュドミーラ・レゴスターエヴァ(メゾソプラノ(*/+/#):ジャミレ(*))
アントン・トカチェンコ(テノール:ハルン(*))
ヴラディーミル・ザハロフ(バリトン:スプレンディノ(*))
モスクワ放送合唱団&交響楽団(*)
アレクサンドル・オルロフ(指揮(*))
ゲオルギー・オレントリヘル(ピアノ(+/#))
録音:1937年(*)/1950年(+)/1953年(#)



<国内盤>


fine NF



NF 25802
 \2300+税
Extreme HARD GLASS CD-Rマスター採用
デア・リング東京オーケストラ第2弾!
 チャイコフスキー:交響曲第5番
デア・リング東京オーケストラ
西脇義訓(指揮)
録音:2013年4月16日〜18日、 所沢市民文化センター ミューズ アークホール
 前作のブルックナーの交響曲第3番で、前代未聞の配置でデビューしたデア・リング東京オーケストラの第2弾です。
 デア・リング東京オーケストラは、ワーグナーの開拓精神にならい、従来のオーケストラの常識にとらわれることなく、実験的試みにも挑みながら、バイロイト祝祭劇場のオーケストラの響きをひとつの理想として、あらたな響きの創造を目指して創立されました。

第2弾の特色は以下のとおりです。
 1 弦はクァルテット6組分で編成。
 2 指揮者を中心とした半円形ではなく、全員客席に向いて演奏。
 3 同時期に録音したブルックナーの交響曲第3番では、バイロイト祝祭劇場のオケピットの楽器配列を参考に、第1ヴァイオリンを右翼に配置したが、本録音では、奏者は席を移動することなく、第1と第2ヴァイオリンの役割を逆(第1ヴァイオリンは左翼)にしている。
デア・リング東京オーケストラ :
 N&Fの、録音を目的に編成されたオーケストラ。2013年に発足。
 従来のオーケストラの常識にとらわれることなく、実験的試みにも挑みながら、あらたな響きの創造を目指す。
 「デア・リング」の名称は、先進性、独創性、開拓者精神で世界を席巻し、日本でも明治初頭よりワグネルの名で親しまれてきた、ワーグナーの代表作「ニーベルンゲンの指環」に因んでいる。

西脇義訓(指揮):
 1971年、日本フォノグラム(株)(現ユニバーサル ミュージック)に入社。フィリップス・クラシックスに18年在籍。
 1999年にフリーとなり、2001年録音家・福井末憲と共にエヌ・アンド・エフ社を創立し、長岡京室内アンサンブル、青木十良(Vc) 、宮田 大(Vc)、ジョセフ・リン(Vn)、神谷郁代(Pf)、東京交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団などの録音・CD制作に携わる。
 2001年、ミシェル・コルボ氏にアベイ・ドゥ・ノアラック(フランス)の講習会で、指揮と発声法の指導を受けた。2013年、デア・リング東京オーケストラを創立、自ら音楽プロデューサーと指揮者を兼ねる。

□ライナーノーツ:「西脇義訓の挑戦(2)」  大原哲夫
□特別寄稿:圧政が開花させたウクライナの音楽 小林和男
















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