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第79号
マイナー・レーベル新譜(5)
2014.10.28〜2014.12.30


ECM



481 1160
\2500→\2290
トリオ・メディイーヴァル 〜 アクイロニス
 1) Vespers reponsory(14世紀アイスランド),
 2) Ama(アンダーシュ・ヤーミン),
 3) Ave rex angelorum(15世紀イギリスのキャロル),
 4) Ecce quod natura mutat sua jura(15世紀イギリスのキャロル),
 5) Ave maris stella(アンドリュー・スミス),
 6) Vespers antiphon and psalm I,II,III(14世紀アイスランド),
 7) Ioseph fili David(アンドリュー・スミス),
 8) Ave regina caelorum (アンドリュー・スミス),
 9) Alleluia: A new? work(15世紀イギリスのキャロル),
 10) Morgonljos(アンナ・マリア・フリーマン&リン・アンドレア・フールセット),
 11) Vespers antiphon and psalm IV, V(14世紀アイスランド),
 12) Fammi cantar l’amor(12世紀イタリアのラウダ),
 13) Gud unde oss her at leve s?(Ola Vanberg),
 14) Benedicti e llaudati(12世紀イタリアのラウダ),
 15) Klokkeljom(トリオ・メディイーヴァル),
 16) Special antiphon(14世紀アイスランド),
 17) Ingen vinner frem til den evige ro(トラディショナル),
 18) Fryd dig, du Kristi brud(トラディショナル),
 19) I hamrinum(Berit Opheim),
 20) Vale, dulcis amice(ウィリアム・ブルックス)
トリオ・メディイーヴァル
[Anna Maria Friman,
Linn Andrea Fuglseth,
Berit Opheim]
 ピーター・フィリップスらが絶賛する北欧の聖女たち
 ノルウェーの女声ア・カペラ・グループ「トリオ・メディイーヴァル」は、ビルボード・トップ10入り、グラミー賞にノミネートされるなど、全世界で話題を振りまき、現代から中世まで幅広い時代のポリフォニーによるアルバムは、「慰めの美しき音」とすでに高評価を受けています。
 当盤では時代を超越した北欧の民俗的なメロディを集め、イタリアの聖歌と15世紀の英語のキャロル、現代ジャズ・ベーシストのひとりアンダーシュ・ヤーミンなどの作品もプラスさています。
 ヒリヤード・アンサンブルのメンバー、ジョン・ポッターは「歴史と地理がシームレスにブレンドされ、音と情緒の見事な融合」と絶賛しています。
 今回の録音はECMのすばらしい録音を生み出してきたザンクト・ ゲロルト修道院で行われました。
 【録音】2014年6月, オーストリア、ザンクト・ ゲロルト修道院
 


481 0988
\2500→\2290
ノスタルジックな響きを持つ不可思議さを体感
 コンスタンティア・グルズィ:
  ピアノと弦楽四重奏のための作品集

 コンスタンティア・グルズィ:
  ① Eine kleine Geschichte
   (2005:独奏ピアノのためのOp.25)/
  ② P-ILION, neun fragmente einer ewigkeit
   (2007: 弦楽四重奏曲第2番Op.33-2)/
  ③ Aiolos Wind
   (2010: 6つのピアノのための小品Op.41)/
  ④ Israel (2004: 弦楽四重奏曲第1番Op.19)/
  ⑤ noch f?rcht’ ich
   (1993: 独奏ピアノのための7つの小品Op.8)/
  ⑥ Vibrato 1
   (2008/2009: ピアノと弦楽四重奏のためのOp.38)/
  ⑦ Klavierst?cke I-V
   (2004: 独奏ピアノのための5つの小品Op.24)/
  ⑧ Vibrato 2
   (2010: ピアノと弦楽四重奏のためのOp.38)
ロレンダ・ラモウ(P),
アンサンブル・コリオリス
 1962年アテネで生まれた女性作曲家コンスタンティア・グルズィのECMデビュー・アルバム。
 初期のピアノ曲1曲以外は全て最近の作品で、ギリシャの民俗音楽と現代音楽との融合を図る彼女の作風の熟成を味わうことができるものです。
 2005年に書かれた独奏ピアノのための「小さな物語」は彼女が南フランスで過ごした休暇中に生まれた作品。自然な呼吸とともに音が飛翔します。
 弦楽四重奏曲第2番は自然がもたらすミニマリズムを捉えた作品。遠いギリシャの森の中で鳴くコオロギの声を想像してみてください。
 「イスラエル」と題された弦楽四重奏曲第1番は人間の顔から触発された音楽であり、友人の誕生日のために書かれた短いピアノ曲をはさんだ、2つのピアノ五重奏曲は、ノスタルジックな響きを持つ不可思議な音楽。4/5拍子をベースにする旋律やミニマル、そして古典的なフレーズが奇妙に入り混じり、独特な世界を作り上げています。民俗楽器を多用することで知られるグルズイですが、ここではオーソドックスな楽器のみで、自らの真価を問うているようです。
 【録音】2012年7月, ミュンヘン、昇天教会
 


481 1157
\2500→\2290
アンナ・ゴウラリ、ECM新作! 
 鮮やかながら捉えどころのない不思議な世界
 
 ① プロコフィエフ:束の間の幻影Op.22(全曲)
  ② メトネル:4つのおとぎ話Op.26〜第3曲 ヘ短調
  ③ ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58
アンナ・ゴウラリ(P)
 1972年、ロシア連邦タタールスタン共和国の首都カザンに生まれたアンナ・ゴウラリ。
 スクリャービンやショパンの演奏が一部の熱狂的なファンに知られていた人ですが、彼女の名前を一躍有名にしたのは、ヴェルナー・ヘルツォークが監督した映画「神に選ばれし無敵の男」でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏、その姿と堂々たる演奏で観衆をひきつけたことがきっかけでした。
 それ以降も、時折彼女の新しい録音がリリースされることがあり、その都度注目を浴びては、また沈潜するということを繰り返していましたが、ECMからのめじゃー曲ということで、またファンが飛躍的に増えるのではないでしょうか。
 今作ではプロコフィエフとメトネルとショパンという、ある意味とても「ピアニスティック」な作品を準備した彼女。しかしその演奏は今回もとても個性的で、まずプロコフィエフの「束の間の幻影」から鮮やかで捉えどころのない世界へ聴き手を引込ます。
 メトネルの示唆的な「おとぎ話」でも単なるメルヘンではない独自のストーリーが展開されています。
 ショパンのソナタ第3番は、まるでベートーヴェンのソナタのような力強さを感じさせながらも、実に親密な空気感を醸し出しています。
 【録音】2013年10月, ドイツ、リートシュタッドル・ノイマルクト


アンナ・ゴウラリ美しき旧譜

 美人好きのDECCAからデビューしていたがすぐにいなくなった・・・が、その後BERLIN CLASSICSに移籍、最近はそこでの活動がメインになっていた。


BERLIN CLASSICS
BC16662
\2500→\2290
ショパン:マズルカ選集
 第1、2、4〜6、9、11、13〜15、18〜21、
 25、27、32、34、36〜38、40、45〜51番
アンナ・ゴウラリ(pf)

BERLIN CLASSICS
BC16472
\2500→\2290
ブラームス:後期ピアノ曲集
 Op.116〜Op.119
アンナ・ゴウラリ(pf)
DECCAからもリリースしていた美女ゴウラリがBCからも登場。

ECM
476 4661
\2500→\2290
《Canto oscuro》
 〜バッハ, グバイドゥリーナ, ヒンデミット:ピアノ作品集

 J・S・バッハ(ブゾーニ編):
  『私は あなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ』
  『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』
  『シャコンヌ』『前奏曲ニ短調』
 グバイドゥリーナ:『シャコンヌ』
 ヒンデミット:『組曲「1922年」Op.26』
アンナ・ゴウラリ(P)
 アンナ・ゴウラリは、1972年タタルスタンに生まれ、キーラ・シャシュキナ、ヴェラ・ゴルノスタエワ、アルゲリッチ、アシュケナージ、ワイセンベルクらに師事。1986年カバレフスキー・コンクールで優勝し、1990年には第1回ゲッティンゲン国際ショパン・コンクールで優勝。
 若き日のアルゲリッチを思わせるエキゾティックな美貌の持ち主で、2001年ヴェルナー・ヘルツォーグ監督の映画「神に選ばれし無敵の男」に出演し話題となった。
 Deccaレーベルに「ミッドナイト〜様々な作曲家によるノクターン集」「スクリャービン作品集」などを録音してきたが(廃盤!)、今回はECMから登場。
 ブゾーニ編曲によるバッハ作品、ゴウラリと同郷タタルスタン生まれのグバイドゥリーナ、比較的初期のヒンデミットの作風を代表する「1922年」などを録音している。抑制の効いた厚みのある響きによって、陰影に富んだ色彩画のような深い印象を与えてくれる演奏。
〔録音〕2011年5月24〜25日, ノイマルクト、Historischer Reitstadel (デジタル:セッション)



MD+G


910 18746
(SACD Hybrid)
\3100
《マイブルク/クラシカ・ブラジリアーナ》
 1) ピシンギーニャ(1879-1973):Um a zero. Choro vivo,
 2) ルイス・アントニオ(1921-1996):Barrac?o,
 3) エルネスト・ナザレー(1863-1934):Matuto,
 4) パウリーニョ・ダ・ヴィオラ(1942-):Danca da Solidao,
 5) ダリウス・ミヨー(1892-1974):スカラムーシュOp.165b〜ブラジルの女,
 6) モルガナ・モレノ(1990-),
 7) シヴーカ(1930-2006):Feira de Mangaio,
 8) V=ロボス(1887-1959):ギターのための前奏曲第1番,
 9) アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994):O Boto,
 10) エルネスト・ナザレー(1863-1934):Odeon,
 11) ルイス・ボンファ(1922-2001):Manh? de Carnaval,
 12) マルコ・ペレイラ(1956-):Bate Coxa,
 13) エグベルト・ジスモンチ(1947-):Frevo,
 14) エグベルト・ジスモンチ(1947-):Siete Aneis
アネッテ・マイブルク(Fl),
フィリッパ・ゴージョー(Vo),
ラファエル・アギーレ(G),
マルセロ・ロサリオ(G),
ガブリエル・ロサリオ(マンドリン),
ブウォジミエシュ・グラ(Cb),
ローランド・ペイル(Perc)
 アネッテ・マイブルクの世界の旅、今回はブラジル!
 ドイツのフルート奏者アネッテ・マイブルクは、ロベルト・シューマン音楽大学を卒業後ハーゲン・フィルのフルート奏者などを務め、後進の指導を行っていましたが、現在ではバロックやジャズとの融合したプログラムによって即興によるサウンドの可能性を求めて、様々な国のポピュラー演奏者と共演を行っています。
 今回は「ブラジル」の音楽(関連した作品も含む)に挑戦です。本場ブラジルの実力派演奏家とのシンクロによって、ブラジルの真髄をお届けします。ハイブリッドSACD仕様(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 


903 18726
(SACD Hybrid)
\3100→\2890
知られざる女流作曲家
 《ルイーゼ・アドルファ・ル・ボー:室内楽作品集》

  ルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(1850-1927):
   1) ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重奏曲ニ短調Op.15,
   2) ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ハ短調Op.10,
   3) ピアノとチェロのためのソナタ ニ長調Op.17
バルテク・ニジョウ(Vn),
デニス・セヴェリン(Vc),
タチアナ・コルサンスカヤ(P)
 古典とロマンティックな情感が融合された美しき佳作
 ルイーゼ・アドルファ・ル・ボー(1850-1927)は、クララ・シューマンのようなピアニスト兼作曲家でした。彼女はカールスルーエの楽長だった、ヨハン・ヴェンツェル・カリヴォーダより音楽の教育を受け、その後クララ・シューマンの元でピアノを、ラインベルガーに作曲を学ぶ機会を得ています。ピアニストとして高い評価を得、女流作曲家に対して厳しかった19世紀半ばにあって、積極的に作品を発表していきました。
 知られざる作曲家、ル・ボーの作品がひとりでも多くの人に聴かれる事を願ってMDGが制作した当盤には、古典の中にロマンティックな情感が融合された彼女の美しい室内楽作品が収録されています。
 ハイブリッドSACD仕様(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 


601 18732
\2400→\2190
《キューバン・シンフォニック・ミュージック》
 1) アレハンドロ・ガルシア・カトゥーラ(1906-1940):3つのキューバ舞曲,
 2) カルロス・ファリーニャス(1934-2002):ペンテシレイアのための前奏曲,
 3) エンリケ・セサル・マンティシ(1912-1974):プレゴンと踊り,
 4) グイド・ロペス=ガヴィラン・デル・ロサリオ(1944-):R?tmotiv,
 5) アルフレード・ディエス・ニエト(1918-):アダージョ(我が妻、リリアン・アコスタに捧ぐ)
エンリケ・ペレス・メーサ(指揮)
キューバ国立交響楽団
キューバの伝統音楽を取り入れた魅惑的なイディオム
 キューバにはコロンブス以降、ヨーロッパの音楽が歴史的に深い影響を与えてきました。植民地、カリブ海、アフリカ系アメリカ人・・・などの要素によって、魅惑的でユニークなイディオムを形成しています。
 比類のないキューバ音楽の複雑なリズム、野性味あふれる前衛的な音。キューバを代表する指揮者エンリケ・ペレス・メーサが、その真髄を浮き上がらせます。
 

906 18756
(SACD Hybrid)
\3100
ユヴァル・ラビン/C.P.E.バッハ:オルガン作品集
 C.P.E.バッハ(1714-1788):
  1) 前奏曲ニ長調Wq70-7, 2) フーガ ニ短調Wq.119-2,
  3-5) ソナタ ヘ長調Wq.70-3,
  6) アリオーゾ ハ短調Wq.113-2,
  7-8) 幻想曲とフーガ ハ短調Wq.119-7,
  9) メヌエットI ヘ長調Wq.113-4, 10) メヌエットII ヘ短調,
  11) メヌエットI ヘ長調Wq.113-4,
  12-14) ソナタ イ短調Wq.70-4,
  15) トリオ ニ短調Wq.deest, 16) ソナタ ニ長調Wq.70-5
ユヴァル・ラビン(フェルディナント=シュティーフェル製オルガン)
C.P.E.バッハ生誕200年記念盤
 C.P.E.バッハとプロイセン宮廷と言えば、フリードリヒ大王が有名ですが、大王の妹アンナ・アマリア王女も音楽好きで知られ、彼女のために22ストップ、2段鍵盤ペダル付きの美しいオルガンが製作されました。当盤には王女とそのオルガンを念頭において、美しく演奏効果があがるように工夫が凝らされた数々の作品が収録されています。
 イスラエル出身のオルガニスト、ユヴァル・ラビンはバッハの反復指示について博士論文で取り上げるなど、バッハ作品について徹底的に研究し、その研究結果が今回の演奏で実践されています。
 ハイブリッドSACD仕様(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)

AAM(アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック)



AAM-3
(2CD)
\4000→\3690
リチャード・エガー&アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
 J.S.バッハ:管弦楽組曲 BWV1066-69

<CD1>
 1-7.組曲 第1 番 ハ長調 BWV1066
  <序曲/クーラント/ガヴォット/フォルラーヌ/メヌエット/ブーレ/パスピエ>/
 8-14.組曲 第2 番 ロ短調 BWV1067
  <序曲/ロンド/サラバンド/ブーレ/ポロネーズ/メヌエット/バディヌリー>/
<CD2>
 1-5.組曲 第3 番ニ長調 BWV1068
  <序曲/エア/ガヴォット/ブーレ/ジーグ>/
 6-10.組曲 第4 番 ニ長調BWV1069
  <序曲/ブーレ/ガヴォット/メヌエット/レジュイサンス>
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック/
リチャード・エガー(指揮&ハープシコード)
録音 2013 年2 月4-7 日 the Apex, Bury St Edmunds
 J.S.バッハの「管弦楽組曲」はブランデンブルク協奏曲にならぶ代表作ですが、最近は、この作品を「組曲」ではなく「序曲」と称する場合が増えています。
 もともとバッハ自身もこの作品を「組曲」とは呼ばず(バッハ自身の中で、組曲というものは別の定義があったため)、「フランス風の序曲から始まる作品」と位置づけていたようです。
 もともと「フランス風序曲」とはルイ14 世の宮廷でバレエやオペラの開始の際に奏でられた音楽の形式で、ゆっくりとした開始部分と、速いフーガ風の部分の対照的な2 部分からなる曲であり、これを通常の組曲の冒頭に取りいれたものが「フランス風序曲」と呼ばれ、このバッハの作品もそれに類するため、「序曲」と呼ぶのです。
 最近のバロック・オーケストラによる革新的過ぎるバッハも良いですが、やはり「丁寧なバッハ」を聴きたいという人にこそ、このエガーとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックによる「管弦楽組曲」をオススメいたします。とは言え、エガーの演奏ですから普通のバッハではありません。この作品の背景を丹念に洗い出し、フランス風序曲の形式を重んじた上で、通常よりも更に低いフランス・ピッチを採用、落ち着いた雰囲気と名人芸が見事にマッチした名演を繰り広げています。
 また弦楽器パートは奏者が各一人、フルート、ファゴットも各一人、オーボエ、トランペットが3 人、ティンパニとエガーのハープシコードという引き締まった編成によるすっきりとした響きも極めて魅力的です。

CANTROUPE


CA21103
\2100
アスファルト・オーケストラ Plays Pixies「Surfer Rosa」
 1.Bone Machine/2.Break My Body/
 3.Something Against You/4.Broken Face /
 5.Gigantic /6.River Euphrates/
 7.Where Is My Mind/8.Cactus/9.Tony's Theme/
 10.Oh My Golly!/11.Vamos/
 12.Chorale - I'm Amazed /13.Brick Is Red
アスファルト・オーケストラ
録音 2014 年2 月6.7 日
 ひたすらエネルギッシュなサウンドで知られるアメリカのロック・バンド「ピクシーズ」。
 メンバーは、ヴォーカルのブラック・フランシス、ギターのジョーイ・サンティアゴ、ドラムのデイヴィッド・ラヴァリング、ベースのキム・ディールで、彼らがデビューしたのは1986 年のことでした。適当に辞書を引いて、そこにあった文字「pixies」をバンド名にしたというこのピクシーズ、レディオ・ヘッドやカート・コバーンに影響を与え、初期オルタナティヴ・ロックシーンで大活躍しました。このアルバムは、彼らのサウンドをカバーしたものです。
 

CA21104
\2100
テレヴィジョン
 1.Blazer et/ou Cravate/2.This is the album of the future /
 3.Beaute Plastique/4.Melody from Mars/
 5.Sans Contrefacon/6.Swing Out from Open Position/
 7.NoLemon No Melon/8.Invitation to Love /
 9.Moulinex/10.2-pop/11.Teamwork/
 12.Nappe Brodeee, ou Tenki/13.Terminal
フローラン・ギー(ダブルベース)
 ミュージシャン、フローラン・ギーが賛美する「テレビの世界」・・・テレビは天気予報、デジタル・ミュージック、人工的な美しさ、共感覚、ダンスなど様々なものを提示します。
ここからインスパイアされた13 の作品を演奏し、記録することで生まれる何か。この不可思議な世界。

CAPRICCIO



C5222
(CD+DVD)
\2700→\2490
ハリエット・クリーフ、新作!
 チェロによるエレジー

 1.サン=サーンス(1835-1921):動物の謝肉祭-白鳥/
 2.ドヴォルザーク(1841-1904):森の静けさ Op.68-5/
 3.ブロッホ(1880-1959):ユダヤ人の生活-祈り/
 4.ブルッフ(1838-1920):コル・ニドライ Op.47/
 5.チャイコフスキー(1840-1893):夜想曲 嬰ハ短調 Op.19-4/
 6.マスネ(1842-1912):エレジー/
 7.オッフェンバック(1819-1880):ジャクリーヌの涙/
 8.フォーレ(1845-1924):エレジー ハ短調 Op.24/
 9.カザルス(1876-1973):鳥の歌/
<ボーナスDVD>
 チェロと虹…ハリエット・クリーフのインタビュー
ハリエット・クリーフ(チェロ)/
ライン州立フィルハーモニー管弦楽団/
グスタボ・ヒメノ(指揮)
録音 2014年4月14-17日 ルートヴィヒシャーフェン,フィルハーモニー

 ギリシア神話の時代から連綿と伝えられる「エレジー=哀歌」。しかし当時の嘆きの歌はエキゾチックなものとして捉えられていたようです。このアルバムではロマン派の様々な「エレジー」を集め、チェロの美しい音色で、悲しみや情感を描き出しています。
 チェロを演奏するのは、録音当時23歳の若きオランダのチェリスト、ハリエット・クリーフ。彼女はすでにCAPRICCIOレーベルに3枚の録音を持ち、そのどれもが絶賛されています。
 特に「ジャクリーヌの涙」は彼女の得意とする曲で、以前ピアノ伴奏でも演奏していましたが、今回のオーケストラ伴奏では、さらに伸び伸びとした演奏を披露しています。心に響く音楽です。彼女のインタビュー映像も付属しています。


ハリエット・クリーフ旧譜
Haydn: The Cello Concertos
C5139
\2700→\2490
ハリエット・クリーフ(チェロ)
 ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ長調Hob.VIIb:1&第2番ニ長調Hob.VIIb:2
ハリエット・クリーフ(チェロ)/
ウィーン室内フィルハーモニー管弦楽団/
クラウディウス・トラウンフェルナー(指揮)
録音 2012年3-4月ライディングリスト・コンチェルト・ホール
 ハイドン(1732-1809)のチェロ協奏曲は、全部で6曲あるとされていますが、現在「真作」と認定されているのは、この1番と2番の作品だけで、あとは偽作であるか、紛失してしまっているのが現状です。この2曲はスコアが発見されたのは1950年代以降ですが、真作、偽作に拘わらずとも、多くの演奏家が取り上げる人気曲であり、溌剌とした曲想が素晴らしい意欲的な名作として知られています。
 デビュー盤であるフランスの作品集(C5131)での、高い音楽性と技術が評判となっている若手チェリスト、ハリエット・クリーフの2枚目のアルバムは、ハイドンの協奏曲です。1991年オランダ生まれのクリーフは、まだウィーンで勉学に励んでいるのですが、既に確立された芸術家として認められている逸材です。このハイドンの協奏曲も揺るぎない信念に裏打ちされた表現力と、滴り落ちるような美音に満たされた魅力的な演奏であり、これからの彼女の将来を予見させる見事なアルバムです。

 誰かに似てますね・・・

C5173
(2CD)
\2700→\2490
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番&第2番
 1-3.チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 Op.38/
 4-7.チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99
ハリエット・クリーフ(チェロ)/
マグラ・アマラ(ピアノ)
録音 2013年4月 ライディング リスト・コンチェルトホール
 若きチェリスト、ハリエット・クリーフ。以前リリースのハイドンで、その成熟した音楽性が高く評価されましたが、今回は更に円熟が求められるブラームス(1833-1897)のチェロ・ソナタを演奏しています。
 第1番のソナタはブラームスが33歳の時に完成された作品で、時期的にはドイツ・レクイエムと同じ頃に書かれており、本来は4楽章の大規模な曲になるはずでしたが、緩徐楽章を削除、すっきりとした味わいに仕上がっています。
 それに比べ第2番はブラームス53歳の時の作品で、こちらは4楽章ですが、曲調は第1番に比べとても明るく雄大で、ブラームスの全作品の中でもとりわけ充実した音楽に満ちています。
 クリーフの演奏は、繊細さと豪放さを兼ね備えており、ブラームスの音楽が持つ甘酸っぱさを的確に表現していると言えるでしょう。


 

C5164
\2700
ノルベルト・スターク:作品集
 1. Die Ankunft des Atemzugs (2005)/
 2. ...wenn die Vogel die Nacht aufritzen (2007)/
 3. Vertigo (Kadenz: Gerald Preinfalk) (2010)/
 4. ...aus Finsternissen losgelost (2007)/
 5. Land der wachen Spiegel (2007-11)/
 6. Hotel de la paix (2005)
カリ・ロンネクレイフ(ヴァイオリン)/
オスロ・シンフォニエッタ…1/
アンドレア・ペスタロッツァ(指揮)…1/
シュティムヴェルク(アンサンブル)…2/
ゲラルト・ブラインファルク(サクソフォン)…3/
アンサンブル・コントラプンクテ(アンサンブル)…3/
アンサンブル・ルクス(アンサンブル)…4/
ヴェラ・クルク(フルート)…5/
クリスチャン・ヒルツ(バス・バリトン)…6/
ハイドン・トリオ・アイゼンシュタット(アンサンブル)…6
録音 2010年4月11日 ノルウェイ オスロ…1, 2008年1月14日 オーストリア ザルツブルク・クンストハウス…2, 2010年4月12日 オーストリア ウシーン・ORFムジクフェラインザール…3, 2012年2月1日 オーストリア クィントン・ウィーン トンスタジオ…4, 2012年9月6日 オーストラリア ウィーン トンスタジオ・アブソリュート…5, 2006年2月 ベルリン ドイツ放送 第10スタジオ…6
 ノルベルト・スターク(1968-)はウィーン生まれの作曲家です。彼はウィーン音楽院でピアノ、コントラバス、音楽理論と作曲を学び、ウィーン大学で哲学と演劇科学、音楽学を学びました。1994年から1999年までカール・ハインツ・グルーバーとともに研究を重ね、その後数々の賞を受賞し、現在ではオーストリアの音楽界において重要な役割を担っています。
 彼の作品は多彩な側面を持ち、時には表情豊かな旋律を持っているかと思うと、曲に拠っては、シュニトケの一部の作品のような新古典派的なスタイルを持つものがあり、まさに「型にはまらない」作品を生み出し続けているのです。
 このアルバムには2005年から2011年の作品を収録。既存の概念を覆すような鮮烈な音楽を体験できます。
 


C5210
(2CD)
\2700→\2490
またやりやがった!
 ツィモン・バルト&エッシェンバッハ!

  ブラームス:ピアノ協奏曲集
<CD1>
 1-3.ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 Op.15/
 4.バラード 第1番 ニ短調 Op.10-1/
 5.バラード 第2番 ニ長調 Op.10-2/
<CD2>
 1-4.ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83/
 5.バラード 第3番 ロ短調 Op.10-3/
 6.バラード 第4番 ロ長調 Op.10-4
ツィモン・バルト(ピアノ)/
ベルリン・ドイツ交響楽団…CD1:1-3.CD2:1-4/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)…CD1:1-3.CD2:1-4

 早速聴かせてもらったが、アプローチは前回のチャイコフスキーと同じ。変態ゴージャス親父二人組。
 ありきたりのものに満足しないあなたにお贈りします。


 一部のファンの間で熱烈な人気を誇るアメリカのピアニスト、ツィモン・バルト。彼の音楽の作り方は、あのアファナシエフにも似た、とにかく濃厚な表情付け(もちろん全ては理論的であり、一つ一つが考え抜かれている)と、美しい弱音にあるといえるでしょうか。
 彼と長年の親友であるエッシェンバッハとの共演によるこのブラームスも、以前のチャイコフスキーを越えるスリリングで熱いもの。第1番の第1楽章におけるオーケストラの前奏部だけを聴いてみても、この演奏がどれほどまでに特異な解釈に裏付けられているかがわかるかと思います。そしてバルトのピアノが登場すると、そこに開けるのは「異世界」そのもの。この味わいは確かにくせになります!この演奏…批評家には嫌われるかもしれませんね。



バルト&エッシェンバッハ
変です、この人たち
 崩壊寸前のロマノフ王朝のような、異常にゴージャスな演奏。
 熟れ過ぎた果実のような、いい匂いなのか腐敗臭なのか分からない、芬芬たる演奏。
 怖いもの好きは聴いてもいいと思う。・・・というか聴いてほしい。


CAPRICCIO
C5065
\2700→¥2490
バルト&マスレンニコフ
 エッシェンバッハ&ベルリン・ドイツ響
  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

 1-3.ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23/
 4-11.ロココの主題による変奏曲Op.33
ツィモン・バルト(ピアノ)…1-3/
ドミトリー・マスレンニコフ(チェロ)…4-11/
ベルリン・ドイツ交響楽団/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
 チャイコフスキー(1840-1893)のピアノ協奏曲と言えば、数多くの演奏が世に出ていて、そのどれもが聴き手の心を捉える美質に溢れています。が、この演奏はその中でもとりわけ異彩を放つものとして記憶されることでしょう。
 通常、華麗すぎるほどに華麗に始まる冒頭部から、何やら違和感あり。テンポ設定、デュナーミクなどにはエッシェンバッハによる細心の工夫が凝らされ、ピアノの繊細過ぎるタッチが妙に耳に残ります。ピアニストのバルトは、EMIとONDINEを中心に数多くのCDをリリースしているアメリカのピアニストですが、廉価版のDVDでショパンの協奏曲を弾く姿も披露されていて、これがまた不思議な雰囲気を纏った若手ピアニストでした。現在では、髪型こそすっきりしたものの、その独特の解釈は健在であり、とにかく興味深いチャイコフスキーを聴くことができます。
 「ロココ」でチェロを弾くマスレンニコフも、エッシェンバッハと共演を重ねていて、以前はショスタコーヴィチの協奏曲をリリースしています。このアルバムでは、屈託のない明るい響きが印象的です。
 録音 2010年12月7-9日ベルリン放送 大ホール

 

C5216
\2700
ブラームス:歌曲集
 1.調べのように私を通り抜ける Op.105-1/
 2.夜に私は急に立ち上がり Op.32-1/
 3.もうおまえのところには行かない Op.32-2/
 4.私は悲しみ、黙ってあちこち忍び歩く Op.32-3/
 5.流れは私のそばでざわめく Op.32-4/
 6.おお、おまえはもう一度私を Op.32-5/
 7.おまえは私が思い違いをしていたと言う Op.32-6/
 8.語るもつらいこと Op.32-7/
 9.私たちはこうしている Op.32-8/
 10.ご機嫌いかが、私の女王様 Op.32-9/
 11.おまえの青い瞳よ Op.59-8/
 12.私は夢を見た Op.57-3/13.私の歌 Op.106-4/
 14.夕べの雨 Op.70-4/15.雨の歌 WoO23/
 16.雨の歌 Op.59-3/
 17-21. 5つのオフィーリアの歌 WoO22
  <どうしたらあなたの真実の愛が確かめられようか/
   雪のように白い屍衣におおわれ/
   あしたは聖ヴァレンタインの日/
   彼を棺に置いて運びました/
   そして彼は二度と戻っては来ないのか?>/
 22-25. 4つの厳粛な歌 Op.121
  <世の人に起こることは獣にも起こる/
   ここにわれ身をめぐらして、すべての虐げをみたり/
   おお死よ、いかに汝は厳しいことか/
   たとえわれ人の言葉、天使の言葉もて語るとも>/
 26.サッフォー風頌歌 Op.94-4
ヤニナ・ベヒレ(メゾ・ソプラノ)/
マルクス・ハドゥッラ(ピアノ)
 ドイツのメゾ・ソプラノ、ヤニナ・ベヒレは長年ウィーン国立歌劇場のメンバーとして活躍するほか、ボルドー歌劇場、リヨン歌劇場などでもしばしば歌っています。抒情的で滴り落ちるような風情を湛えた彼女の歌唱は、様々な歌劇において重要な役割を担っていますが、このような歌曲のリサイタルでも素晴らしい能力を発揮します。
 このブラームス(1833-1897)歌曲集でも、1曲1曲の歌の言葉をかみしめるかのように大切に歌い、ブラームス作品の持つ内省的な美しさを描き出します。通常男声で歌われる「4つの厳粛な歌」でのまろやかな表現が心に残ります。
 

C5221
\2700
ピアノ三重奏曲集
 1-3.ツェムリンスキー(1871-1942):
  ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.3/
 4-6.ブロッホ(1880-1959):
  ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための「3つの夜想曲」/
 7-10.コルンゴルト(1897-1957):ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op.1
パシフィック三重奏団
<メンバー:
 ロジャー・ウィルキー(vn)/
 ジョン・ワルツ(vc)/
 エディス・オルロフ(p)>
録音 2013年5月28-29日 カリフォルニア アリソ・ヴィエホ 創価大学アーツ・センター
 19世紀から20世紀にかけて「頽廃音楽家」とレッテルを貼られながらも、素晴らしい活躍をしたた三人の作曲家の三重奏を集めたアルバム。
 この時期特有の豊穣な響きと抑圧された心情、そして各々の作曲家たちの屈折した感情、これらが反映された悩ましくも美しい作品は、書かれた当時よりも100年以上の時を経た現代の方が多くの人に受け入れられやすいように思います。なかでも、コルンゴルトの三重奏曲は彼の12歳の時の作品であり「天才の証」ともいえる曲です。
 

C5229
\2700
ヴィルヘルム・ステンハンマル&ヤン・シベリウス:ピアノ作品集
 ステンハンマル(1871-1927):
  1-5.ソナタ 第4番 ト短調/5.インテルメッツォ/
  6.即興曲/7.即興的ワルツ/8.フライア(ピアノ編) /
 シベリウス(1865-1957):
  9.悲しきワルツ(ピアノ編)/10.ロマンス Op.24-9/
  11-16.6つの即興曲 Op.5/17.フィンランディア(ピアノ編)
カサンドラ・ワイス(ピアノ)
録音 2014年8月4-6日 ベルリン アンドレアス教会
 既にリリースされているステンハンマル作品集(C5117)で、この作曲家の魅力を解き明かした若手ピアニスト、カサンドラ・ワイスによるCAPRICCIO 2枚目のアルバムは同じくステンハンメルの作品と、北欧音楽を語る上で忘れてはならないシベリウスの作品集です。
 知られざる作品の魅力を探るようなステンハンマルの曲集に比べ、シベリウスは良く知られた曲が選択されています。とはいえ、「悲しきワルツ」と「フィンランディア」は本来オーケストラのための曲であり、演奏はかなり困難であろうと想像できますが、彼女はまるで“歌う”ように易々と弾きこなしています。ユニークかつ充実した1枚です。
 

CARPE DIEM


CD-16302
\2100
ダウランド-鏡のゲーム
 1.伝承:柳の歌/
 2.ダウランド(1563-1626):晴れても曇ってもやさしい4月の前ぶれ/
 3.ダウランド:あふれよ、わが涙/
 4.ダウランド:彼女は私の過ちを許すだろうか/
 5.ダウランド:もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ/
 6.ダウランド:私は見た、あの人が泣いているのを/
 7.ダウランド:おいで、さあかわいい恋人よ/
 8.ダウランド:愛と運命にそむかれた君たち/
 9.ダウランド:低い木にも梢はある/
 10.ダウランド:暗闇に私は住みたい
  ※全て、D.シュヴァリエによる声楽、ギターとテオルボによる編曲
アンヌ・マグエ(ソプラノ)/
デヴィッド・シュヴァリエ(ギター)/
ブルーノ・ヘルストロッファー(テオルボ)
録音 2013年2月 ブルエル・アリチャンプ,ノワルラック修道院
 モダンジャズとイギリス・ルネサンス音楽を融合させた、美しく洗練されたアルバムです。デヴィッド・シュヴァリエはフランスのジャズ・ギタリストで、このアルバムでは、ダウランドの良く知られた作品に新しい外観と響きを与え、現代に解き放つことを試みました。
 第1曲目の「柳の歌」から新鮮な驚きを感じさせてくれるものです。ダウランドの各々の曲も、リュートの伴奏とはまた違う、典雅な佇まいとモダンな味わいの双方が感じられるユニークなものです。
 たった3人の奏者から生まれているとは思えないほどの、芳醇な響きも聴きどころでしょう。
 

CD-16304
\2100
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン-天空の声
 1.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179):
  おお、まことに愛らしき若枝よ(レスポンソリウム)
 2.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:愛は全てに宿り(アンティフォナ)/
 3.ベッテル・ウトランド・ヨハンセン:瞑想曲 第1番/
 4.ペーター・アベラール(1079-1142):
  痛みの軽減「サウルとヨナタンを越えるダヴィドの嘆き」/
 5.ペッテル・ウトランド・ヨハンセン:瞑想曲 第2番/
 6.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:アヴェ・マリア(レスポンソリウム)/
 7.ペッテル・ウトランド・ヨハンセン:瞑想曲 第3番/
 8.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお、何と驚くべき予見が(アンティフォナ)/
 9.ペッテル・ウトランド・ヨハンセン:瞑想曲 第4番/
 10.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお、智慧の力よ(アンティフォナ)
ヒルンド・マリス(アンサンブル)
<メンバー:
 アリアンナ・サヴァール
  (ヴォーカル、メディヴァル・ハープ、
  イタリアン・トリピック・ハープ、リラ、
  ティベタン・シンギング・ボール)/
 ペッテル・ウトランド・ヨハンセン
  (ヴォーカル、ハルダンゲルフィドル、
  リラ、モノコード)/
 アンドレアス・スピンドラー
  (フルート、フィドル、ロマン・ベル 、
  コラスツィオーネ、トロンバ・マリーナ、
  ヴォーカ ル)/
アンケ・スピンドラー
 (ニッケルハープ、フィドル、
 ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴォーカル)/
ダヴィッド・マヨラール
 (サントゥール、パーカッション、
 ロマン・ベル、ヴォーカル)>
 中世のヨーロッパで最も有名な女性の一人であるビンゲン。彼女はベネディクト会系女子修道院長で、預言者であり医学にも強く、また詩人としても、もちろん作曲家としても途方もない才能を持っていました。
 彼女の作品はクラシックの分野ではもちろんのこと、ポップスなどの他のジャンルのアーティストにも愛されていて、この神秘的なメロディーをフィーチャーした「新たな創作」はしばしばチャートを賑わしていることもご存知の人が多いことでしょう。
 このアルバムも、ビンゲンの作品を自由に解釈し、再構築したもので、曲の間にはヒルンド・アンサンブルのメンバーであるヨハンセンの「新曲」が挿入され、更なるイマジネーションを呼び起こしています。いつものように録音の素晴らしさも際立っています。
 

CD-16300
\2100
2人のフランチェスコ 〜スピナチーノ&ミラノ:リュート作品集
 1-9.フランチェスコ・スピナチーノ:タブラチュアによるリュート曲集より
 <第1巻-リチェルカーレ第30番/
  第1巻-リチェルカーレ第25番/
  第2巻-リチェルカーレ第43番/
  第1巻-リチェルカーレ第36番/
  第2巻-リチェルカーレ第41番/
  第1巻-リチェルカーレ第37番/
  第1巻-リチェルカーレ第31番/
  第1巻-リチェルカーレ第29-28番/
  第1巻-リチェルカーレ第34番>/
 10-23.フランチェスコ・ダ・ミラノ(1497-1543):
  タブラチュアによるヴィオラまたはリュート曲集より
  <リチェルカーレ第4番/リチェルカーレ第2番/
   ファンタジア第33番/ファンタジア第34番/
   ファンタジア第40番/リチェルカーレ第16番/
   リチェルカーレ第51番/ファンタジア第15番/
   ファンタジア第32番-ファンタジア第31番-ファンタジ ア第61番/
   ファンタジア第67番/ファンタジア第38番/
 21.リチェルカーレ第91番/リチェルカーレ第84番/ファンタジア第82番>
ピーター・クロトン(リュート)
録音 2012年4月 スイス バインウィル教会
 スイス系アメリカ人のリュート奏者ピーター・クロトンによる「2人のフランチェスコ」作品集です。その一人であるフランチェスコ・スピナチーノの生涯についてはほとんど知られていません。しかし、1507年に出版された「リュートのためのタブラチュア」は最古のタブラチュア(記譜法の一種で、弦を押さえる指のポジションが記号化されているもの)とされていて、この功績のみが残されています。
 かたやフランチェスコ・ダ・ミラノはもう少し知名度が高く、生前から「リュートのヴィルトゥオーソ」として名を馳せていました。即興的なパッセージは現在のジャズのインプロヴィゼーションにも似た味わいを醸し出しています。この静かな美しい音は、ゆっくりとした時間を過ごす時にふさわしいものです。
 

CD-16301
\2100
アンネ・ヒッタ:Draumsyn
 1.Clouds/2.Undrestille I/3.Undrestille II/
 4.Undrestille III/5.Prelude in Light Blue/
 6.A Light Blue Rondo/7.Gorr/8.MorK bla/
 9.Ramme/10.A Rune Tune/11.The Blind Door/
 12.Ved Arinn/13.En stille/14.Den still hagen
アンネ・ヒッタ(ハーディングフェーレ=ハルダンゲル・ヴァイオリン)
録音 2013年5月13-16日 ノルウェー グラン,マリア教会
 ノルウェーの伝統的な楽器ハーディングフェーレは、日本でもヴァイオリニスト山瀬理桜の紹介で良く知られています。楽器に美しい装飾、トップの部分には神の象徴であるドラゴンが施された特徴的なフォルムを持ち、ノルウェーでは神聖な楽器とされていて、冠婚葬祭で奏されることが多く、もちろん、その音色も鄙びた味わいを持つ、ユニークなものなのです。
 このアルバムはノルウェーのハーディングフェーレ奏者アンネ・ヒッタ(1974-)のデビュー盤で、彼女自身の作品が収録されています。ノルウェーの風景、古代の知恵や感情、そして未知の世界への旅…静かに耳を傾けて、想像の翼を広げたくなるような魅力的な1枚です。
 

CD-16303
\2100
シャルル・デュパール:室内楽作品集
 1-7.組曲 第3番 ロ短調/
 8.前奏曲(L.クープランによる)/
 9-15.組曲 第2番 ニ長調/
 16-22.クラヴサン組曲 第6番 ヘ短調/
 23-29.組曲 第1番 イ長調
コリーナ・マルティ(リコーダー)/
トーレ・エケトープ(カントン)/
ジヴ・ブラハ(テオルボ)/
ソマ・サラツ=ツァカリアス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
イツハル・カルション(チェンバロ)
 作曲家デュパール(1667-1740)はフランス出身のチェンバロ奏者、ヴァイオリニスト、作曲家です。彼の生涯についてはあまり詳しいことはわかっていませんが、恐らくパリで生まれ、本当の名前はフランソワであっただろうとされています。1702年もしくは1703年にロンドンに渡り、この地に定住し、この地のドルリー・レーンで活躍したようです。その後も幾許かの活動をしましたが、最終的には教師として後進の指導に力を注ぎました。
 彼の作品の中で最も知名度が高いのが「クラヴサンのための組曲」で、これはバッハの「イギリス組曲」に影響を与えたとされています。このアルバムでは彼の代表的な作品を選び、リコーダーのコリーナ・マルティを中心としたアンサンブルがこれらを生き生きと演奏しています。しっとりとした美しい響きをお楽しみください。

CD ACCORD


ACD-194
\2100
パヴェウ・ミキェティン:ピアノのための作品集
 1.墓碑銘/2-5.4つの前奏曲/
 6-11.シェイクスピアのソネット集
  <揺ぎない愛の絆/あんなにもいい天気を約束してくれたから/
   聴くための音楽なのに、どうしてあなたは音楽を悲しげに聴くのですか?/
   私の愛は熱っぽく、まだ憧れている/誰もが彼女の憧れを/
   私は泣く、安らかな死のために>/
 12-14.ピアノ協奏曲
録音 2012年11月19-22日,2013年3月18-19日,4月3-4日 ワルシャワ ポーランド放送 ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
 パヴェウ・ミキェティン(1971-)…この人の名前は主として「映画音楽」の分野で知られているように思います。彼はポーランド、オラバに生まれた作曲家、クラリネット奏者であり、クラシックの分野ではいくつかの室内楽作品と、2つの交響曲、チェロ、ピアノ、ヴァイオリン協奏曲、そして「マルコ受難曲」などの声楽曲があり、映画音楽作曲家としては、アンジェイ・ワイダをはじめ、数々の監督とコラボレーションしています。
 このアルバムは、彼の作品の中で「ピアノ」を用いたものですが、冒頭の「墓碑銘」から、ピアノの音と録音された音をコラージュして独自の雰囲気を創り上げています。夢幻的である意味気持ち悪い音…これは一体何を訴えかけているのでしょう?
 彼の音楽は聴覚だけでなく、もっと全ての感覚を研ぎ澄ませて聴くものなのかもしれません。「ピアノ協奏曲」でも不思議な音の羅列が続きます。これがポーランドの最先端の音楽です。
 

CEDILLE


CDR90000148
\2100
エクセルシオール
 1.アレックス・シャピロ(1962-):パーペチュアル・スパーク/
 2.ジェシー・リンバッヒャー(1961-):エア/
 3-7.メイソン・ヴェイツ(1977-):レッド・リヴァー
  <The Continental Divide/Interstate 70/
   Zuni Visions from the Canyon Walls/Hoover Slates Vegas/
   Running Dry on the Sonoran Floor>/
 8-11.ケイレブ・バーハンズ(1980-):エクセルシオール
  <Earth-地球/Ascension-上昇/“This is the highest step in world.”-
  世界で最も高い場所/Parachute-パラシュート>
   ※1.2.8-11…世界初録音
フィフス・ハウス・アンサンブル
2013年6月5日,9月27-28日 シカゴ・レコード・カンパニー
 タイトルに用いられた「エクセルシオール」とは本来は「常に向上する」という意味がありますが、ここでは冷戦時代の1959年、1960年に行われたアメリカ空軍による成層圏からのパラシュート降下実験のプロジェクト名から取られています。
 成層圏まで気球で上昇し、高度23300メートルからの降下を皮切りに、3回の実験を行い、最終的には31300メートルからの降下という想像を絶するこのプロジェクトは2012年に記録が塗り替えられるまでは、まさに人類未踏であり、ここからインスパイアされたバーハンズの標題作をはじめ、興味深い作品が並びます。
 

CDR90000149
(2CD)
\2100
インターセクション - ジャズ・ミーツ・クラシカル・ソング
<CD1>
 1.ティボール・ハルシャーニ(1898-1954):ヴォカリーズ・エチュード 「ブルース」/
 2.プーランク(1899-1963):偽りの婚約 FP 101-第5番 ヴァイオリン/
 3.ローリー・アルトマン(1947-):お前をたたえる栄光のために/
 4.アルトマン:踊れ、優しい娘よ/
 5.カプースチン(1937-):24の前奏曲 Op.53-前奏曲第18番 ヘ短調/
 6.ガーシュウィン(1898-1937):ショー・ガール-ライザ/
 7.デューク・エリントン(1899-1974):パリ・ブルース/
 8-9.ピーター・ラベッラ:スターホン組曲
  <第1番:中国の橋/第2番:愛するときの花>/
 10.カプースチン:24の前奏曲 Op.53-前奏曲第4番 ホ短調/
 11.リー・ホイビー(1926-2011):人生の三段階-第3番:不眠症/
 12.ジョン・マスト(1954-):ペネロープの歌/
 13.パトリス・マイケルズ:アニータの物語/
<CD2>
 1-4.ランディ・バウアー:隣人の音楽
  <彼はどこにいる/ロッシーニのネコの二重唱を私たちは手に入れた/
  ローカル・レコード・プロデューサー/
  電車の音を再び聞くことができたとき>/
 5.カプースチン:24の前奏曲 Op.53-前奏曲第23番 ヘ長調/
 6.ニルス・リンドベルイ(1933-):アズ・ユー・アー/
 7.リンドベルイ:おお、わが愛しの人よ/
 8.シュック・イスラエルス(1936-):彼はどこに行ったの/
 9.イスラエルス:Balm in Gilead/
 10.イスラエルス:フランキーとジョニー/
 11.カプースチン:24の前奏曲 Op.53-前奏曲第19番 変ホ長調/
 12-15.ローリー・アルトマン(1947-):ギグの歌
  <私は知らない/どこなのかもいつなのかも/いつも/
   私たちが若い間/雨が降り、陽が差し>/
 16.アンドレス・ベエウサエルト:ソノーラ/
 17.アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1964):丘の哀歌
パトリス・マイケルズ(ソプラノ)/
ツァッハ・ブロック(ヴァイオリン)/
ニコラス・フォティノス(チェロ)/
ホァン・コアンハオ(ピアノ)
録音 2014年1月8-11日,2月18日,3月23日 シカゴ レヴァ&ダヴィッド・ローガン・センター
 この2枚組は、とにかくソプラノのマトリス・マイケルズの絶妙な歌を楽しむためのもの。ウィットに溢れ、いたるところに即興性を加えたこの歌唱は、本当に驚くばかりの素晴らしさです。
 1930年代にジャズの影響を受けたプーランクやハルシャーニの歌から、スイング時代のガーシュウイン、エリントン、ポスト・ロマンティックのアメリカ作曲家であるホイビやムストなどの多彩な歌曲までを、ところどころロシアの巨匠作曲家カプースチンの「譜面に記されたジャズ」でつなぎ、奇妙で親しげな雰囲気を醸し出すことに成功しています。これはもう何も言わずに聞いてみてほしい逸品です。
 


CDR90000150
(2CD)
\2100→\1890
ホアキン・トゥリーナ:室内楽作品集
 (ピアノを含む室内楽全作品)

<CD1>
 1-4.ピアノ三重奏曲 ヘ長調/
 5-7.ピアノ三重奏曲 第1番 ニ長調 Op.35/
 8-10.ピアノ三重奏曲 第2番 ロ短調 Op.76/
 11-13.円 Op.91/
<CD2>
 1-3.ピアノ四重奏曲 イ短調 Op.67/
 4-7.ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.1/
 8-9.アンダルシアの情景 Op.7
リンカーン三重奏団
<メンバー:
オーラリーン・フォルト・ペデルツォル(ヴァイオリン)/
ジャスミン・リン(ヴァイオリン)/
ドイル・アームブラスト(ヴィオラ)/
小笹文音(ヴィオラ)>
録音 2014年1月28-30日,2月27-28日 イリノイ州 ハイランド・パーク,ベネット・ゴードン・ホール
 スペインで生まれ、一時期パリに留学し、ヴァンサン・ダンディに作曲を師事しモーリス・モシュコフスキにピアノを学んだというホアキン・トゥリーナ(1882-1949)。一時期はフランスの印象主義風の音楽を作曲するも、アルベニスから「スペイン人としての自覚を持つ」ように促され、その後はスペイン国民音楽の創造に取り組んだ人です。
 この作品集では、彼の初期の作品であるヘ長調のトリオに始まる、ピアノを含む室内楽の全作品を聴くことができます。躍動のリズムと甘さのあるメロディが特徴的な多彩な音楽です。
 ここで演奏しているリンカーン三重奏団は、Cedille Recordsレーベルでのデビュー作品である「Notable Women」で注目を浴びたアンサンブル。ヴィオラで参加している小笹文音氏は2011年のプリムローズ国際ヴィオラ・コンクールで最優秀賞を獲得した俊英です。
 

CDR90000151
(2CD)
\2100
As Dreams Fall Apart 〜黄金時代のユダヤ劇と映画音楽 1925-1955
<CD1>
 1.作者不詳:Die koschere Mischpoche/
 2.エルシュタイン:Maz'l/3.ペールムッター:Dos pintele Yid/
 4.カールマン:Wir Ladies aus Amerik/
 5.コルンゴルト:Tomorrow/
 6.アブラハム:Kann nicht kussen ohne Liebe/
 7.レオポルデイ:Die Novaks aus Prag/
 8.レオポルデイ:Composers' Revolution in Heaven/
 9.レオポルディ:Money macht froh!/
 10.作者不詳:Aus der Familie der Strausse/
 11.ウルマン:Immer inmitten/
 12.ウルマン:Vor der Ewigkeit/
<CD2>
 1.レオポルディ:Cafe Brasil/2.ヘルマン:Ich bin a stiller Zecher/
 3.ヘルマン:Wenn der Ungar lustig ist …/
 4.ヘルマン:In einem kleinen Cafe in Hernals/
 5.ヘルマン:Wo der Teufel gute Nacht sagt/
 6.スムレヴィツ:A Brivele der mam'n/
 7.トマシェフスキー:Bar Mitzvah: Erlekh zayn/
 8-12.アイスラー:5つのハリウッド・エレジー
  <Unter den grunen Pfefferbaumen/
   Die Stadt ist nach den Engeln genannt/
   Jeden Morgen, mein Brot zu verdienen/
   Diese Stadt hat mich belehrt/
   In den Hugeln wird Gold gefunden>/
 13.アイスラー:L'automne californien/
 14.ブルドノ:Friling/
 15.エルシュタイン:Mamele: Ikh zing/
 16-18.ホランダー:A Foreign Affair
  <Black Market/Illusions/The Ruins of Berlin>
ニュー・ブダペスト・オルフェウム・ソサエティ
録音 2014年3月10.11.13.14日 シカゴ フェイ&ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオ
 このアルバムに収録されているのは、1925年から1955年にかけてのヨーロッパで人気を博したキャバレー音楽です。
 この独特の雰囲気を持つ音楽の発展には、ナチスのユダヤ排斥運動が密接に関わっていて、毎夜サロンで歌われた熱く情熱的で、かつ政権批判がたっぷり込められたこの音楽はそのままドイツを亡命した作曲家たちがアメリカのハリウッドへ持ち込み、一つの文化を作り上げたことはご存知の通りです。
 ニュー・ブダペスト・オルフェウム・ソサエティはシカゴ大学の人文科学科の8人からなるアンサンブルです。彼らはホロコーストやシナゴーグの研究を続け、この時代のユダヤの音楽を広めるための活動をしています。悲痛な叫びを熱のこもった演奏で伝えています。
 


CDR90000152
\2100→\1890
英国王室楽長だった忘れられたイギリスの作曲家
 モーリス・グリーン(1699-1755):序曲集

 7つのパートによる6つの序曲集
  <1-3.第1番 ニ長調/4-6.第2番 ト長調/7-9.第3番 ハ長調/
   10-13.第4番 ホ長調/14-16.第5番 ニ長調/
   17-20.第6番 変ホ長調>/21-23.練習帳のコレクション イ短調/
   24-27.練習帳のコレクション ハ短調/
   28-30.練習帳のコレクション ト短調/
   31-32.フェーベ:序曲/
   33.セシリアの日のための頌歌-序曲
バロック・バンド/
ゲイリー・クラーク(アーティスティック・ディレクター)
録音 2014年6月26日 Studio at 98.7 WFMT in Chicago
 英国生まれのバロック・ヴァイオリニスト、指揮者ゲイリー・クラークと、シカゴのピリオド・オーケストラ「バロック・バンド」が演奏する18世紀の作曲家、モーリス・グリーン(1699-1755)の珍しい序曲集です。
 グリーンは聖職者の息子としてロンドンに生まれ、セント・ポール大聖堂の少年聖歌隊員となり、その後は大聖堂のオルガン奏者を務めます。1730年からはケンブリッジ大学の音楽の教授と英国王室楽長も務めた人です。残念なことに、彼の音楽は現在ほとんど聞く機会がありませんが、この徹底的に楽しい序曲を一度でも聴けば、この作曲家の復興を願う人が増えることは間違いないでしょう。
 ドイツやフランスのバロックとは一味違う「イギリス・バロック」をお楽しみください。
  

CPO



777868
\2700→\2490
ヨハン・クーナウ:宗教作品集全集 第1集
 1.復活祭のためのカンタータ「神はたちあがり」/
 2.聖母マリアのお清めの日のためのカンタータ
  「私は年老いても死ぬことはできない」/
 3.ペンテコステ初日のためのカンタータ
  「これにより、我らは彼に遵守することを知っている」/
 4.三位一体の主日のためのカンタータ
  「世よさらば!われは汝に倦みたり」/
 5.復活祭のためのカンタータ「あなたの饗宴で喜びを抱いている」/
 6.わが魂は悲しんでいる
オペラ・ムジカ/
カメラータ・リプシエンシス/
グレゴール・マイヤー
 ドイツ・ザクセン州に生まれた作曲家ヨハン・クーナウ(1660-1722)のカンタータ全集録音が始動します。
 彼の父親は大工でしたが、その仕事を継ぐことはなく、ドレスデンの著名なキリスト教学校に奨学生として通い、ライプツィヒで法学を学びツィッタウでカントルの地位につきました。その後は1684年から聖トーマス教会のオルガニストに就任、1701年に同教会のトーマスカントルになり、終生その地位にありました。
 クーナウの作品では、一般的に鍵盤作品が知られていて、教会音楽はあまり重要視されていません。しかし、それは彼の後任であったバッハ作品などと比べると、幾分保守的だっただけであり、作品の完成度が低いというわけではありません。
 そんなクーナウの宗教曲に注目したのは、2007年からゲヴァントハウス合唱団の芸術監督を務めているグレゴール・マイヤーです。彼はこのクーナウの全宗教作品を研究し、2011年に設立されたオペラ・ムジカとカメラータ・リプシエンシスとともにこれらを演奏することに力を注いでいます。これまで過小評価されていたクーナウの作品に光が当たる時がやってきました!
  


777910
\2100→\1890
ヨハン・ゴットリープ・ヤニチュ:教会ソナタと室内ソナタ集
 1.室内ソナタ ヘ長調/2.室内ソナタ 変ホ長調/
 3.室内ソナタ ニ長調/4.室内ソナタ ト短調/
 5.教会ソナタ ヘ長調/6.教会ソナタ ニ短調
エポカ・バロッカ
 ゴットリープ・ヤニチュ(1708-1763)はドイツ・バロック時代の作曲家です。彼はシレジア(現ポーランド)に生まれ、フランクフルトの大学を卒業し、プロイセンの宮廷音楽家になります。フリードリヒ大王の個人的な音楽家であり、宮廷では様々な役職を歴任しながら首都ベルリンで亡くなっています。
 彼は多くの作品を残しましたが、そのほとんどは第二次世界大戦中に失われてしまいました。一部の写本のみがベルリン・ジンクアカデミーに残り、その中には28のソナタが含まれています。
 彼の作風は当時の最先端を行くものであり、明快で流麗、美しいメロディと斬新なハーモニーに満たされていて、この作品が初演された当時、作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテルがこれらを絶賛したといわれています。
 


777788
(2CD)
\5400→\4990
フランツ・レハール:喜歌劇「ルクセンブルク伯爵」
 3幕 アルフレッド・マリア・ヴィルナー&ロベルト・ボダンスキー 台本
マルコ・ヴァッサーリ(バリトン)/
マーク・ハーマン(語り)/
ダニエル・ヴァグナー(テノール)/
アストリッド・ケスラー(ソプラノ)/
マリア=クリスティーネ・ハッセ(ソプラノ) 他/
オスナブリュック劇場合唱団/
オスナブリュック交響楽団/
ダニエル・インバル(指揮)
 1909年に初演されたレハール(1870-1948)の「ルクセンブルク伯爵」は、没落貴族ルネを主人公にしたちょっと物悲しいお話です。しがないオペラ歌手アンジェールを見初めたバジール侯爵は、彼女を貴族の身分にするために「彼女をルネと一時期だけ結婚させて3ヵ月後に離婚させる」という方式を考えます。報酬に釣られてその話に乗ったルネですが、お約束のように、アンジェールのことを好きになってしまいます。さあ、このお話をハッピーエンドにするためには、かなりの無理が必要ですが・・・それをやり遂げてしまえるのがレハールの音楽の素晴らしさです。
 しかし、レハール自身もこういう強引なハッピーエンドは好きでなかったらしく、その後は少しずつ作風を変化させ、オペレッタといえども悲劇で終わるという、新しい路線を切り開いて行くのです。さて、どちらがお好きですか?
 ここで指揮をしているのは、あのエリアフ・インバルの息子ダニエル。オスナブリュック交響楽団から濃密な響きを紡ぎだしています。
  

777778
(2CD)
\4200
ヨハン・ハインリヒ・ローレ:モテット集
 1.Kommt her und schauet die Werke des Herrn/
 2.Der Friede Gottes/3.Jauchzet dem Herrn alle Welt/
 4.Danket dem Herrn und prediget seinen Namen/
 5.Kommt herzu!/6.Herr sey mir gnadig/
 7.Gott der Herr ist Sonn'und Schild/
 8.Kommt, lasset uns anbeten/
 9.Gott ist unsre Zuversicht/10.Der Herr ist Konig/
 11.Schaff'in mir Gott/12.Ehre des Herrn ist ewig/
 13.Freuen und frolich mussen seyn/
 14.Ich hebe meine Augen auf/15.Alles, was Odem hat/
 16.Der Herr behute dich/
 17.Ich danke dir, Gott, von ganzem Herzen/
 18.Thue ein Zeichen an mir/19.Danket dem Herrn/
 20.Mihi adhaerere Deo/21.Der Herr erhore dich in der Noth/
 22.Lobe den Herrn, meine Seele/
 23.Flieht ihr Bilder der nachtlichen Sorgen/
 24.Misericordias Domini/25.Der Herr ist mein Hirte/
 26.Es ist in keinem andern Heil/27.Gott sey uns gnadig/
 28.Meine Seele harrt auf dich/29.Wachet auf vom Schlaf/
 30.Unsere Seele harret auf den Herrn/
 31.Wohl dem, der sich des Durftigen annimmt
ミヒャエルシュタイン室内合唱団/
セバスティアン・ゲーリング(指揮)
 ドイツのバロック時代の作曲家ローレ(1716-1785)。以前cpoレーベルからはクリスマス・オラトリオがリリースされていますし、Capriccioレーベルからはオペラ作品もリリースされるなど、ドイツ周辺では良く知られた作曲家です。彼の熱心なファンはイギリスの音楽学者チャールズ・バーニーを筆頭に、世界中に数少なからず存在しますが、日本ではほとんど知られることのない人なのが残念なところです。
 彼のこのモテットは、どの曲もエレガントで美しく、豊富な内容を持っています。教会音楽としてだけでなく、普通に聴いているだけで幸せな気分になれるこのアルバムは、ローレの知名度をあげるために貢献してくれるのではないでしょうか。
 


777862
\2100→\1890
アレクサンダー・エルンスト・フェスカ:ピアノ三重奏曲集
 1-4.ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 Op.12/
 5-8.ピアノ三重奏曲 第5番 ロ長調 Op.46
ペイアン三重奏団
 cpoにも何枚かの室内楽アルバムがある作曲家、ヴァイオリニスト、フリードリヒ・フェスカ(1820-1849)。彼の息子アレクサンダー・フェスカも才能ある作曲家として将来が期待されていました。
 カールスルーエで生まれたアレクサンダーはまず父から音楽教育を受け、11歳でピアニストとしてデビューします。14歳のときにベルリン王立芸術アカデミーの作曲科を卒業し、18歳になると故郷のカールスルーエに戻り、オペラをはじめ、歌曲やピアノ曲などの作曲をはじめます。その後は1842年にブラウンシュヴァイクに家を持ち、ここで活発な音楽活動を始めましたが、結局1849年に28歳という若さで病に倒れ、その生涯を閉じてしまうのです。
 彼の作品のほとんどはピアノ曲と室内楽であり、その作風はメンデルスゾーンやシューマンを思わせるロマンティックなもので、どの作品も印象的なメロディを持っています。第2番は確かにメンデルスゾーン風ですが、第5番の冒頭などはショパンの夜想曲を思わせる深い美しさが漂っています。
 


777933
\2700→\2490
ヨハン・ワーヘナール:交響詩集
 1.シンフォニエッタ/2.春の力/
 3.妖精の丘/4.アンフィトリオン/5.ル・シッド
北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団/
アンソニー・ヘルムス(指揮)
 ヨハン・ワーヘナール(1862-1941)はオランダのロマン派時代の作曲家、オルガン奏者です。父親は貴族でしたが、母親は庶民であり、当時身分の違う結婚が認められなかったため、彼は母親の姓を名乗り、困窮した少年時代を送りました。そのため早期の音楽教育を受けることもできず、13歳になってようやくピアノ、オルガン、ヴァイオリン、作曲、理論を学んだのです。長じてからはベルリンでヘルツォーゲンベルクに対位法を学びましたが、すでに音楽学校で教師を務め、またオーケストラの団員として活躍するなど、成熟した音楽家として認められていたのでした。もちろん彼は、オランダの音楽発展に著しく寄与し、数多くの弟子も育て上げるなど、現在でも尊敬されています。
 この交響詩集は第1集に続くもので、豊かな旋律と、力強さを備えたなかなかの力作揃いです。若き指揮者ヘルムスの解釈の深さも聴き所です。
  

777930
\2100
フレスコバルディ&ブクステフーデ:
 オルガン・チェンバロ作品集

  1.フレスコバルディ(1586-1643):カンツォーナ 第1集(1627)/
  2.フレスコバルディ:パッサカリアによる100のパルティータ(1637)/
  3.フレスコバルディ:トッカータ 第1集(1627)/
  4.フレスコバルディ:アヴェ・マリア・ステラ(1627)/
  5.フレスコバルディ:バレットの名によるアリア(1627)/
  6.ブクステフーデ(1637-1707):カンツォーナ ハ長調 BuxWV 166/
  7.ブクステフーデ:前奏曲 ト短調 BuxWV 163/
  8.ブクステフーデ:組曲 イ長調 BuxWV 243/
  9.ブクステフーデ:アリア イ短調 BuxWV 249/
  10.ブクステフーデ:トッカータ ト長調 BuxWV 165
ルカ・グリエルミ(ハープシコード&オルガン)/
ジェニー・カンパネッラ(歌)…4
 1977年トリノ生まれの作曲家、指揮者、鍵盤奏者ルカ・グリエルミ。彼は以前にもフレスコバルディの鍵盤作品集をリリースし、この時代の音楽好きの心を沸かせています。
 今作ではフレスコバルディだけでなく、ブクステフーデの作品もフィーチャー。イタリアとドイツを代表する2人の偉大な作曲家における、様式の違いを丁寧に弾き分けるなど、納得の行く演奏を繰り広げています。
 鍵盤音楽の隆盛、発展を堪能できる見事な1枚です。
 

777458
\2700→\2490
忘れられたベルリン生まれのロマン派作曲家
 エルンスト・ルドルフ:交響曲 第3番 他

  1-4.交響曲 第3番 ロ短調 Op.50/
  5.自作主題による変奏曲 Op.24
ボーフム交響楽団/
フランク・ベールマン(指揮)
録音 2011年3月8-11日…1-4, 2011年10月5-7日…5
 ベルリンに生まれ、ヴォルデマール・バルギールにピアノを学んだ後、ライプツィヒ音楽院でモシェレス、プレディ、リーツから音楽を学んだというエルンスト・ルドルフ(1840-1916)。彼はケルン音楽院でピアノを教えているときに、ケルン・バッハ協会を設立し、バッハ作品の普及に努めた他、ヴェーバーやモーツァルトなどの楽譜の校訂を行うなど活発な活動をしました。
 ブラームスやヨアヒムとも懇意にしていて、往復書簡も残っています。彼自身の作品も3つの交響曲をはじめ、管弦楽曲、室内楽曲、そして数多くの歌曲が残されていますが、残念ながら彼の作品は、同時期のヘルツォーゲンベルクやゲルンスハイムのようにほとんどが忘れられてしまっています。
 そんなルドルフは自然を愛し、その破壊に心を痛めたといわれ、環境保護運動にも力を入れたことで知られています。作品にも雄大な雰囲気が仄かに感じられます。ここで聴ける音楽は、例えばユニゾンで始まる交響曲の第3番の第1楽章など、かなりユニークな作風を有しています。


 

777652
(2CD)
\4200→\3790
ヨゼフ・スク:弦楽四重奏曲全集・ピアノ五重奏曲
<CD1>
 1-4.弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.11/
 5.四重奏曲断章 変ロ長調/
 6-9.弦楽四重奏曲 Op.31/
<CD2>
 1-4.ピアノ五重奏曲 ト長調/5.エヌエット ト長調/
 6.バラード ニ短調/7.舟歌 ニ短調/
 8.コーラル・メディティエーション Op.35a
マティアス・キルシュネライト(ピアノ)/
ミンケ弦楽四重奏団
録音 2010年11月1-4日,2011年5月23-24日,2012年2月23-25日
 日本では一般的に「ヨゼフ・スーク」と呼ばれる作曲家ヨゼフ・スク(1874-1935)。彼は同名のヴァイオリニスト、ヨゼフ・スークの祖父であり、またドヴォルザークの義理の息子でもありました(ドヴォルザークの娘オチルカと結婚したため)。
 そんな彼の作品からは、やはりドヴォルザークとブラームスの影響が強く感じられるのは、時代から考えても当然のことでしょう。しかし彼の中期から後期の作品からは、ドビュッシーやマーラーなどの後期ロマン派や印象派的な響きも聴かれ、これは彼自身の探究心の結果でもあり、なかなか興味深い音楽が展開されています。
 1912年に、第2番の四重奏曲は野心作であり、この曲が初演された際は大きな騒動が起きたといい、これはドホナーニが、静かに嫉妬心を抱いていたらしいシェーンベルクにも張り合えるほどの「時代への挑戦状」ともいえる作品だったのです。


 

777838
(2CD)
\5400→\4990
ラジオの音楽集 第2集 ラジオのための組曲と序曲
<CD1>
 1.フランツ・シュレーカー(1878-1934):室内管弦楽団のための小組曲(1928)/
 2.エルンスト・トッホ(1887-1964):管弦楽のための「ブンテ組曲」Op.48(1928)/
 3.エドゥアルド・キュンネッケ(1885-1953):
  ジャズ・バンドと大管弦楽のための合奏協奏曲「ダンスステップ組曲」 Op.26/
<CD2>
 1.ミシャ・スポリアンスキ(1888-1985):チャールストン奇想曲(1930)/
 2.マックス・ブッティング(1888-1976):
   シンフォニエッタとバンジョー Op.37(1929年放送)/
 3.マックス・ブッティング:ハイテレ組曲 Op.38(1929年)/
 4.ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954):
  放送オーケストラのためのディヴェルティメント
ボーナス:
 ミシャ・スポリアンスキ:チャールストン奇想曲(エルンスト・タイスによる演奏会形式)
ドレスデン・シュターツオペレッタ管弦楽団/
エルンスト・タイス(指揮)
録音 2006年.2007年 ベルゼ・コスヴィック/2009年 ドレスデン,ルカ教会
 ドイツにおけるラジオ放送の初期の時代には、様々な音楽が放送され、これには現代音楽と古典音楽、ポピュラー音楽の境界は全くありませんでした。当時の「現代音楽家」たちはこの媒体を愛し、数多くの実験的な作品を書き上げました。
 その中にはヴァイル、ヒンデミット、トッホ、シュレーカー、ハースなど当時の革新者たちの名前があり、彼らが「ラジオ」というものにどれ程の期待を抱いていたかが良くわかるというものです。
 この2枚組は当時の作品を掘り起こし、エルンスト・タイスとドレスデン・シュターツオペレッタ管弦楽団が見事に再現したものです。当時の前衛音楽を改めて聴いてみませんか?CD2の方は一層興味深い作品が並んでいます。


ラジオの音楽集第 1 集

777541-2
(2CD)
\5400→\4990
ラジオの音楽集第 1 集
 1.エドムント・ニック(1891-1974):
  叙情組曲「今の時間に生きる」(1929)
   (エーリッヒ・ケストナーのテキストによる)
マルクス・ガンゼル(語り&歌)/
クリスティアン・グリガス(語り)/
エルケ・コットマイア(語り)/
ドレスデン市立オペレッタ管弦楽団&合唱団/
エルンスト・タイス(指揮)
 児童文学の名作「飛ぶ教室」で知られるドイツの孤高の文学者、ケストナーのテキストを用いた楽しい音楽劇の登場です。1929年にブレスラウで初演されたラジオ・ドラマです。テキストを提供したケストナーは既にいくつかの詩を発表し、また音楽を書いたニックも意欲的な作品を書こうと目論んでいました。世界恐慌が始まった頃の落ち着かない気分が巧く表現された興味深い作品です。どこかの国に住む「平均的な男性」シュミット氏の生活を描いたドラマですが、予想通り、当局に目を付けられたため1933 年には上演禁止となってしまい、戦後、音楽だけが時折演奏されたというものです。言葉がわからずとも雰囲気は存分に楽しめます。

 

777864
\2100→\1890
ゲオルク・シューマン作品集
 1-4.ピアノ四重奏曲 ヘ短調 Op.29 (1901)/
 5-7.チェロ・ソナタ ホ短調 Op.19 (1898)
ミュンヘン・ピアノ三重奏団
〈メンバー:
ミヒャエル・アールト(ヴァイオリン)/
ディートリヒ・クレーメル(ヴィオラ…ゲスト)/
ゲルハルト・ツァンク(チェロ)/
ドナルド・ズルツェン(ピアノ)>
録音 2014年4月13.14日…1-4, 2013年10月28.29日…5-7 ミュンヘン,BR 第2スタジオ
 ドイツの作曲家ゲオルク・シューマン(1866-1952)。あのロベルト・シューマンの係累ではありませんが、ザクセン州の同じ地域の音楽文化を受け継ぐ素晴らしい才能を持ち、また教育者としても優れた功績を残した人としても知られています(ヴァイマル共和国に留学していた諸井三郎を指導した一人でもあります)。
 彼は生涯に渡って室内楽を愛し、自らもピアノを演奏しながら仲間たちと常にアンサンブルを持っていたと言われています。
 ここに収録されたピアノ四重奏曲は、古典的なフォームを持ちながらも、アイデアはロマンティックに拠っており、進歩的なハーモニーが使われた興味深いものです。またチェロ・ソナタは彼と同時代の名チェリスト、フーゴ・ヴェッカーに捧げられていて、こちらは最も重要な作品の一つです。


ゲオルク・シューマン旧譜
美しいピアノ三重奏曲集&交響曲

777712-2
\2100→\1890
ゲオルク・シューマン:ピアノ三重奏曲集
 1.ピアノ三重奏曲第1番Op.25/
 2.ピアノ三重奏曲第2番Op.62
ミュンヘン・ピアノ三重奏団
 同じファミリー・ネームではありますが、このゲオルク・シューマン(1866-1952)は、かのロベルトの子孫ではありません。しかし、音楽的な家庭に生まれたゲオルクも、若い頃からコンチェルトを楽々演奏するほどの才能あるピアニストに育ち、その音楽的才能を嘱望されたのです。とはいえ、彼はソロストとしての活動には興味を持たず、学友たちと室内楽を演奏することを好み、また、生涯を通じて室内楽の作曲に力を注いだのです。
 この第1番のピアノ三重奏曲は、彼がブレーメンで指揮者として経験を積んでいた頃の作品で、若々しい情熱に満ちた楽想を持っています。第2番は1916年頃の作品で、後期ロマン派の特徴を前面に押し出した濃厚な作風となっています。

777464-2
\2600→\2390
ゲオルク・シューマン:
 交響曲ロ短調「勝利の価値の交響曲」/

 大管弦楽のためのセレナードOp.34
ミュンヘン放送管弦楽団/
クリストフ・ゲッショルト(指揮)
 ゲオルク・シューマン(1866-1952)と言えば、美しいピアノ三重奏曲集(777712-2)が既にリリースされていますが、今回はもっと大規模な管弦楽作品をご紹介いたします。指揮者でもあり教育者としても活躍したシューマンは、ベルリンのジンクアカデミーの監督やプロイセン芸術アカデミーの院長などを歴任し、ベルリンの音楽界に強い影響力を持っていました。
 若い音楽家たちにも援助を惜しまず、数多くの若手作曲家が彼の薫陶を受けています(日本からの留学生である諸井三郎の師匠としても知られています)。
 今回収録の2つの作品のうち、交響曲は彼の最初の管弦楽作品で、1886年にカール・ライネッケの指導の下に書かれ、ベルリン・コンチェルトハウスのコンクールで一等賞を受賞、ゲオルク・シューマンの名前を飛躍的に有名にした曲です。セレナードは1904年に出版された5つの部分からなる大規模な作品です。

 

777731
\2100→\1890
一部の聴衆から熱烈に愛されている
 ジョセフ・ホルブルック:クラリネットを伴う室内楽曲集

  1-3.クラリネット五重奏曲 Op.27/
  4.クラリネットとピアノのための「キレネ」Op.88b/
  5.クラリネットとピアノのための「フリュネ」Op.98b/
  6.変奏曲 Op.27-1/7.妖精の国-夜想曲 Op.57-1/
  8.クラリネットと弦楽四重奏のための「アイリアン・ショナ」 Op.74/
  9.クラリネット五重奏曲の終楽章の異稿版
   ※4.5.6…世界初録音
ロバート・プレーン(クラリネット)/
ルーシー・グールド(第1ヴァイオリン)/
ミア・クーパー(第2ヴァイオリン)/
ディヴィッド・アドムス(ヴィオラ…1-3.6.8.9)/
アリス・ニアリー(チェロ)/
ソフィア・ラーマン(ピアノ)
録音 2012年3月5.6日,5月28日 西サセックス チャンプス・ヒル,ミュージック・ルーム
 イギリスの作曲家ジョセフ・ホルブルック(1878-1958)の名前は、主にエドガー・アラン・ポーの詩に基づいた交響詩「大鴉」でしられています。
 この最作がロンドンで初演されたとき、批評家たちはこれを熱狂的に支持し、それゆえ、彼の名声は飛躍的に上がったといわれています。しかし、同世代のイギリス人作曲家たちと同じく、彼の業績はすっかり忘れられてしまいました。
 彼は大規模な作品を好み、それは当時の聴き手にはなかなか受け入れられなかったのです。また、多くのイギリス人作曲家が、第1次世界大戦以降は独自の路線を歩み始めたのに対して、彼はずっとドイツロマン派の流れを捨てなかったことにも起因するのでしょう。
 そんなホルブルックですが、これらの室内楽曲からは、そんな気負いもプライドも感じられず、とても自然な流れと豊かなメロディを楽しむことができます。ごく一部の聴衆から熱烈に愛されているホルブルックの作品、そろそろ復興の兆しが見えてもよいのではないでしょうか。



 ホルブルック、マーラーっぽくてかっこいい。
 ウイキペディアではこんなに大きな記事で紹介されている。
 CDはあまり多くない。


ホルブルックのヴァイオリン作品集
明朗で聴きやすい
ホルブルック:ヴァイオリン協奏曲「グラスホッパー」/ヴァイオリン・ソナタ第1番/ホルン三重奏曲(ピーコック/スティーヴンソン/M. スミス)
NAXOS
8.572649
\1100
ホルブルック:ヴァイオリン協奏曲「バッタ」他
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) 第1番 Op.6a/
 5-7.ホルン三重奏曲 ニ長調 Op.28(原典版)/
 8-10.ヴァイオリン協奏曲「バッタ」(ヴァイオリン・ソナタ 第2番)Op.59/
 11.メゾチント集 Op.55-第2番 恍惚(ヴァイオリンとピアノ編) ※全て世界初録音
マーク・スミス(ホルン)…5-7/
ケレンツァ・ピーコック(ヴァイオリン)/
ロバート・スティーヴンソン(ピアノ)
イギリス、クロイドン生まれの作曲家ホルブルック(1878-1958)のヴァイオリン作品集です。彼は12歳でピアニストとしてデビュー、その後指揮活動を続けながら、作曲家としての道を志し、22歳の時に交響詩「大鴉」を発表。次々と大作をものにし、ついには「コックニーのワーグナー」と呼ばれるほどの同時代の作曲家の中でも先進的な位置を獲得したのでした。しかし、第一次大戦後も後期ロマン派の作風を捨てることなく、また、常に大作の上演・・・ワーグナー風の連作・・・を夢みていたため、結局は時流に乗れずに、次第に忘れられてしまったのです。とはいえ、彼の器楽曲はもっと気楽で明るく魅力的なものであり、民謡風の主題をもつ素朴なものです。アルバム・タイトルになっているヴァイオリン協奏曲「バッタ」は彼自身が、協奏曲版とソナタ版(こちらの方の最終楽章が若干平易に書かれている)の2つのヴァージョンで出版していますが、この録音では難しい方の協奏曲版を用いています。

聴いたことはないけれど、交響曲もある。よさそう。

DUTTON
CDLX 7251
\2200
ジョセフ・ホルブルック(1878-1958):
 窪みと振り子(幻想曲)Op.126(1926)(+/#)
 チェロ協奏曲「カンブリア紀」Op.103(1936)
 交響曲第4番ロ短調「シューベルトへのオマージュ」Op.95(1928)(+)
 パンドラ(1920)(#)
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ(*))
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(+)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(#)
ジョージ・ヴァス(指揮)
録音:2010年4月6日、リヴァプール、フライアリー(+)。2010年5月3日、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール、RSNOセンター(#)。世界初録音。

  
777716
(2SACD-Hybrid )
\6200
北ドイツのバロック時代のオルガン作品集 第13集
 ミヒャエル・プレトリウス:オルガン作品全集
  他、デイヴィッド・エーベル,ヨハン・バール,
  ヤコブ・ボルシェ,ペトルス・ハッセ1世、
  ペトルス・ハッセ2世,ヴィルヘルム・カルゲス,
  ヒエロニムス・プレトリウス3世,
  アンドレアス・ベックマイスター,
  メルヒオール・ヴォルトマンの作品集
フリードヘルム・フランメ(オルガン…
グラウホフ・バイ・ゴスラー,聖ゲオルク十字架教会,
クリストフ・トロイトマン・オルガン 1734-37年製)
 この2枚のSACDの中に、ミヒャエル・プレトリウス(1571/72-1621)をはじめとしたルネサンス期から初期のバロック期までの、様々な北ドイツの作曲家によるオルガン曲作品が収録されています。
 メインであるミヒャエル・プレトリウスはプレトリウス一族の中で最も名の知られた人で、この時期のも最も多作であった作曲家であり、また、プロテスタントの賛美歌の発展に寄与したことでも知られています。
 彼はドレスデンのザクセン宮廷に使え、当時流行のヴェネツィア楽派によるイタリア音楽を演奏し、その作品にもイタリアの様式が感じられます。ルター派教会のために1000曲以上のコラールを書き、また同時代の音楽についての素晴らしい論文を残しています。
 またこの時代に活躍したオルガニスト、作曲家たちの作品からも、当時の雰囲気が伝わります。演奏しているのはお馴染みのフリードヘルム・フランメ。どんな時代の作品でも研究に研究を重ねた説得力ある演奏を聞かせる人です。
 
777772
\2700
いとも賢明なる童貞 ポーランドの宮廷における聖母マリアの礼拝音楽集
 1.マルチン・ミエルチェフスキ(1600頃-1651):いとも賢明なる童貞/
 2.ミエルチェフスキ:陸と海のどちらも/
 3.ミエルチェフスキ:神の母(第2ヴァージョン)/
 4.ミエルチェフスキ:マリアを讃えて/
 5.ミエルチェフスキ:マリアの寝台の前に/
 6.ミエルチェフスキ:第1旋法のマニフィカト/
 7.アダム・ヤジェンプスキ(1590頃-1648):2声のコンチェルト 第1.第2.第4番/
 8.ヤジェンプスキ:4声のコンツェルト 第1番/
 9.ヤジェンプスキ:カンツォン 第2番/
 10.ヤジェンプスキ:半音階/
 11.ミコワイ・ジェレンスキ(生没年不詳):アヴェ・マリア/
 12.ジェレンスキ:幸せへの道/
 13.ジェレンスキ:芸術を創り上げる人/
 14.ジェレンスキ:祝福された芸術/
 15.ジェレンスキ:おお、栄光の女性よ
ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
 17世紀頃に発展したポーランド宮廷音楽。当時のこの地は、数多くの音楽家たちが行き来し、素晴らしい音楽文化が栄えていたのですが、現代ではほとんど聴く機会が持てないのは残念なことです。
 このアルバムでは、1638年からワルシャワの王室礼拝堂の音楽家を務め、1645年に当時の国王ヴワディスワフ4世の弟「カロル・フェルディナント・ヴァザ」の宮廷楽長に就任したというマルチン・ミエルチェフスキの作品を中心に、当時の素晴らしい音楽を聴くことができます。
 ヤジェンプスキはもう少し後に活躍したヴァイオリニスト、作曲家。彼の作品はポーランドのバロック音楽の最古のコレクションとされています。イタリアの様式を取り入れた作品を書きました。
 ジェレンスキはオルガニスト、作曲家。経歴などはほとんどわかりませんが、いくつかの宗教曲が残されています。これらの知られざる作品を、コルデス率いるブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスの演奏で。心洗われるひと時をお約束いたします。
 

DYNAMIC



CDS-7695
\2100→\1890
リヒャルト・シュトラウス:ピアノ作品全集 第1集
 1.仕立て屋ポルカ Trv1/2.パンツェンブルク・ポルカ TrV11/
 3.緩徐楽章 TrV12/4-8.5つの小品 TrV18/
 9.ピアノ・ソナチネ 第2番 ホ長調 TrV20/
 10-11.6つのソナチネ-第1番 ハ長調 TrV22/
 12-14.6つのソナチネ-第2番 ヘ長調 Trv23/
 15-18.6つのソナチネ-第3番 変ロ長調 Trv24/
 19-22.6つのソナチネ-第5番 変ホ長調 Trv26/
 23-17.5つのピアノ小品 Op.3 TrV105
ダリオ・ボヌッチェッリ(ピアノ)
録音 2013年9月 ジェノヴァ
 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)というと、どうしてもあの壮大な管弦楽曲や狂おしいオペラなどが頭に浮かびますが、どんな天才といえども、少年時代には作曲技法を習得する必要があったわけであり、とりわけ彼の父(高名なホルン奏者フランツ)は、モーツァルトなどの古典派至上主義であったため、最初はモーツァルト作品と見間違うばかりの「古典派風」の作品をいくつも作曲していたのでした。
 最初の作品といわれているのが、「仕立て屋ポルカ」であり、これは彼の6歳の時の作品で、母が採譜した、とても軽やかな舞曲です。
 ソナチネは10歳頃に書かれたもので、こちらも習作の域を出ないものです。「5つのピアノ小品」は17歳頃の作品で、こちらには既に完成された「シュトラウス節」が感じられる興味深い音楽です。
 イタリアの若手ピアニスト、ボヌッチェッリによる演奏です。
 


CDS-7701
\2100→\1890
アラン・ホヴァネス:ピアノ作品集
 1.12のアルメニア民謡 Op.43/2-3.カザル Op.36/
 4-11.シャリマー Op.177
  <幻想/第1のインタリュード/噴水のヤーラ/
   第2のインタリュード/ヤーラの行進曲/雨のヤーラ/
   第3のインタリュード/滝のヤーラ>/
 12-15.クーガー・マウンテン・ソナタ Op.300/
 16.幻想曲 Op.15/17-19.暗い川と遠くの鐘 Op.212
アレッサンドラ・ポンピリ(ピアノ)
録音 2013年9月 イタリア ローマ
 アルメニア系の父親とスコットランド系の母親を持つホヴァネス(1911-2000)は、4歳から作曲を始め、高校時代には2つのオペラを作曲したという神童。シベリウスに影響され、23歳のときには、わざわざ彼に会うためにフィンランドに出かけたというつわものです。その後20年間2人は文通を続けたというのも、特筆すべきエピソードでしょう。
 ホヴァネスは、自らの系譜であるアルメニアの音楽と、東洋の音楽に深い関心を抱き、研究のためインド、ハワイ、韓国、そして日本にも滞在し、これらの国の伝統音楽を学び、自らの音楽に取り入れたことでも知られています。
 このピアノ作品集には、そんな彼の創り上げた多彩な音がちりばめられています。アルメニアやインドのメロディが昇華され、全く新しいものへと変貌していく様をぜひ確かめてみてください。憧憬や宗教、天文学、そして自然への愛・・・イタリアの知性派ピアニスト、ポンピリの説得力ある演奏は、この神秘的な世界をじっくり描き出しています。
 

J.S.Bach-Stiftung



B107CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第9集
 1-7.我らが口を笑いにて満たすべし BWV110/
 8-14.神のみにぞわが心を捧げん BWV169/
 15-20.神のみわざは善きかな BWV99
ゲルリンデ・ザマン(S)…1-7/
ユリア・ノイマン(S)…15-20/
アレックス・ポッター(A)…1-7/
クラウデ・アイヘンベルガー(A)…8-14.15-20/
ベルンハルト・ベルヒトールト(T)…1-7/
ヨハネス・カレシュケ(T)…15-20/
ステファン・マクロード(B)…1-7/
ファブリス・ハヨス(B)/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮)
録音 2012年12月21日…1-7, 2008年9月19日…8-14, 2012年9月14日…15-20 スイス,トロンゲン エヴァンゲリカル教会
 管弦楽組曲第4番の序曲と同じメロディで始まるBWV110のカンタータは、まさにクリスマスの喜びを表現したものであり、ここではさらに見事な合唱が組み込まれた感動的で輝きに満ちた世界が表現されます。キリストの生誕=クリスマスこそ、苦しみも平安も含めた全ての始まりであるということが実感できる作品です。
 第6曲のバスのアリアの輝かしさを経て、最後のコラールでしっとりと締めくくる名作です。BWV169は三位一体後第18主日用のアルト・ソロカンタータです。
 この曲のシンフォニアは後にチェンバロ協奏曲第2番に転用されたメロディで、ここではオルガン協奏曲になっています。ルッツの素晴らしいソロにも耳を傾けてください。
 BWV99は三位一体後第15主日用のカンタータ。冒頭から弦と管が絶妙に絡み、そこに合唱が加わるという何とも厳かで美しい音楽です。最後のコラールがこれまた感動的なのです。
 


B204CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第10集
 1-6.喜べ、汝らの心 BWV66/
 7-11.我はわが幸いに心満ちたり BWV84/
 12-17.わが神の欲したもうこと、つねに起こらん BWV111
ゲルリンデ・ザマン(S)…7-11/
ノエミ・ゾーン・ナド(S)…12-17/
アレックス・ポッター(A)…1-6/
クラウデ・アイヘンベルガー(A)…12-17/
ユリウス・プファイファー(T)…1-6/
ハンス・イェルク・マンメル(T)…12-17/
ドミニク・ヴェルナー(B)…1-6/
ピーター・ハーヴェイ(B)…12-17/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…7-11)
録音 2011年4月29日…1-6, 2011年2月18日…7-11, 2012年1月20日…12-17 スイス,トロンゲン エヴァンゲリカル教会
 復活祭第2日用のカンタータBWV66は、春の日差しを思わせる軽やかで躍動的なメロディで始まります。喜びを体中で表現するかのような合唱、トランペット、オーボエが見事に溶け合います。イエスの復活を喜び、最後は見事な「アレルヤ」で曲を閉じます。
 BWV84は復活祭前第7日曜日用のソプラノ・ソロ・カンタータ。第1曲は感謝と喜びを歌う曲ですが、曲想は若干寂しげでもあります。第3曲は歌手の力量が試されるかのような技術的なアリアです。コラールは沈み込むように静かに終わります。
 BWV111は公現後第3日曜日用のカンタータ。信仰厚い兵士が得た病に対するイエスの癒しが歌われます。全体的に躍動的で、強い意志が感じられる楽章が多く、力強い印象を受けるカンタータです。
 


B237CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第11集
 1-5.喜ばしい安息、好ましい魂の歓喜 BWV170/
 6.ボーナス・トラック…
  BWV170 第5番アリア:リコーダー・オブリガード付きヴァージョン/
 7-12.ああ、いかにはかなく、いかに空しき BWV26/
 13-19.鳴り響け、汝らの歌声 BWV172
エヴァ・オルティヴァルニ(S)…13-19/
アンドレアス・ショル(A)…1-6/
アントニア・フレイ(A)…7-12/
マルクス・フォルスター(A)…13-19/
ダニエル・ヨハンセン(T)…7-12/
ベルンハルト・ベルヒトールト(T)…13-19/
クラウス・ヘーガー(B)…7-12/
ラファエル・ユード(B)…13-19/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…1-12)
録音 2013年1月21日…1-6, 2009年11月20日…7-12, 2007年5月25日…13-19 スイス,トロンゲン エヴァンゲリカル教会
 BWV170は有名なアルト・ソロのためのカンタータで、第1曲目のパストラールは耳にしたことのある人も多いことでしょう。ひたすら平和な世界が歌われるこの曲ですが、最後のアリアはせわしなく、生きることに対しての不安と苛立ちが歌われているところも興味深いものです。
 このアルバムでは、この第5曲のアリアの別ヴァージョンが歌われていて、これでもかとばかりに活躍するリコーダーの響きには驚くばかりです。アンドレア・ショルの名唱が光ります。BWV26はバッハ作品の中でも最高傑作と謳われる曲ですが、ここではイエスも天国も出てくることはなく、ひたすら虚しさと儚さが歌われていきます。終曲のコラールには不安げなオルガンのパッセージをはさみつつも、最後には平穏が約束されます。
 BWV172も人気曲。聖霊降臨節第1日のカンタータで、タイトル通り、第1曲目から晴れやかな気分が歌われます。この曲には多くの「3」の要素が使われていて、使われるトランペットは3本、三拍子、他、三部形式など細かいこだわりが施されています。この演奏では、最後のコラールの後に第1曲がもう一度奏されて終わります。

NAXOS



8.573331
(CD)
\1100
サン=サーンス:交響曲 第3番「オルガン付き」他
 1.死の舞踏 Op.40
  (1872/1919/2004)(E.H.ルメア/V.ワルニエによるオルガン編)/
 2-3.糸杉と月桂樹 Op.156/
 4-7.交響曲 第3番 ハ短調 「オルガン付き」Op.78
ヴィンサン・ヴァルニエ(オルガン)
<Organ IV/82 by Aristide Cavaille-Coll (1878),
Victor Gonzalez (1939),
Georges Danion/Societe anonyme Gonzalez (1977),
Michel Gaillard/Manufacture Aubertin (2013)>/
フランス国立リヨン管弦楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
NBD-45
(Blu-ray Disc Audio)
\2400
録音 2014年2月7日…1, 2013年11月18.19日…2-7 フランス オーディトリウム・ド・リヨン
 1878年のパリ万博の一環としてリヨンに建立された、名オルガン製作者アリスティード・カヴァイエ=コルによる素晴らしいオルガン(82ストップ、6500本のパイプ)は、1930年代にビクトル・ゴンザレスが手を加えた楽器です。
 もともとはパリのエッフェル等の正面にあるシャイヨ宮の大ホールにあったものですが、1977年にリヨンに運ばれ、2013年にもう一度手が加えられ、かつての栄光の姿を取り戻したのです。
 この歴史あるオルガンは、数多くの名作の初演を担ったことで知られ、フランク、デュプレ、メシアンなどの大家もこのオルガンを演奏しています。
 もちろんサン=サーンス(1835-1921)の名作「交響曲第3番」も「糸杉と月桂樹」もフランスでの初演ではこのオルガンが使われたという、まさに記念碑的な楽器です。
 バッハから現代作品まで、全てのオルガンのためのレパートリーに適しているという壮麗な楽器の音色を、どうぞじっくりお楽しみください。
 名オルガニスト、ヴァンサン・ヴァルニエの完璧な技巧で聴く「死の舞踏」も聴きものです!
 


8.573255
\1100
モレノ・トローバ:ギター協奏曲集 第1集
 1-4.フラメンコ協奏曲(1962)
  <第1楽章:ファンダンゴ/第2楽章:ファルカ/
   第3楽章:カディスの喜び/第4楽章:ブレリアス>/
 5-8.ギターと管弦楽のための対話(1977)/
 9-13.ラ・マンチャの歌(1966)
  <言葉遊び/冬の到来/旋律/ラ・パストラ/セギディーリャ>/
 14-16.カスティーリャ組曲(1920頃)
  <ファンダンギーリョ/アラーダ/舞曲> ※1-4…世界初録音
ペペ・ロメロ(ギター)…1-4.9-13/
ビンセント・コベス(ギター)…5-8.14-16/
マラガ・フィルハーモニー管弦楽団…1-8/
マニュエル・コベス(指揮)…1-8
録音 2013年7月2-4日 スペイン マラガ,サラ・マリア・クリスティナ
 最近、優れたギタリストの妙技によって、このスペインの作曲家モレノ・トローバ(1891-1982)の名前も広く知られるようになりましたが、まだまだ未知の部分が多く、このアルバムに収録されている「フラメンコ協奏曲」などは、なぜ今までこんなにステキな作品が録音されていなかったのだろう?と首をひねってしまう人も多いのではないでしょうか。
 それほどまでに、この曲素晴らしいのです。もちろん、ここで完璧なギターを奏でているのは名手ペペ・ロメロ。まさに神がかり的な演奏が繰り広げられています。
 指揮者としても高い才能を持っていたモレノ・トローバはオーケストラの扱いも巧みであり「ギターと管弦楽のための対話」ではハープやチェレスタを用いた、星のきらめきのような響きも追求されています。
 こちらでギターを演奏しているのは1982年生まれの若手ビンセント・コベス。指揮者のマニュエル・コベスは彼の兄弟です。
 


8.573059
\1100
コロンビアのギター音楽集
 1.アドルフォ・メヒーア(1905-1973):バンブーコ ホ短調(1967)/
 2-6.ジョンティ・モンターニャ(1942-2011):コロンビアーナ組曲 第3番
 <夢見る人の歌-パシージョ/忘れることのない-ダンス/
  ダニエラ-グアビーナ/ドイツ-バンブーコ/ポッロ>/
 7-10.ルカス・サボーヤ(1980-):エルネスティナ組曲(2011)
 <コストゥレーラ/どこかに/6のための子守歌/黒いサンバ>/
 11-14.モンターニャ:コロンビアーナ組曲 第2番(2011)
 <マルガリテーニョ-パシージョ/
  旅-グアビーナ/バンブーコ/ポッロ>/
 15.エクトル・ゴンザレス(1961-):
  前奏曲、パラフレーズとフーガから前奏曲(1999)
    ※6.7-10…世界初録音
ホセ・アントニオ・エスコバル(ギター)
録音 2012年9月21-24日 カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
 ナクソスレーベルが得意とするレパートリーである「ギター作品集」の中でも、このエスコバルが演奏する「チリのギター集」(8.570341)と彼のリサイタルCD(8.555719)は、素晴らしい人気を誇っています。
 その理由の一つには、彼が奏するギターの音色はとても親密で甘く、ついついうっとりとしてしまうから。彼の音色は、いつも南国の風景や風の香りを想起させ、日本人の心の奥底に潜む“熱き血潮”を刺激するからなのかもしれません。
 そんなエスコバルの最新アルバムは、コロンビアの作品集です。アフリカやネイティブインティアンの文化を受け継ぎながら発展してきたコロンビアの音楽には、リズミカルなパワーと豊かな色彩、そしてダンスのリズムが宿っています。優雅なリズムと激しいアクセントが共存した流麗なメロディ、そしてカリブ海の特徴的なリズムパターン…どれにも心が惹かれます。
 モンターニャの「コロンビアーナ組曲」を中心に選曲されたこの1枚は、きっと誰もが気に入るはずです。


静かなベストセラー
前作/チリのギター音楽集

8.570341
チリのギター音楽集
 コントレラス(1983-):トナーダ・アクエカーダ
 サリナス(1951-):欠けた時間の組曲より「クリスタリーノ」
 レストゥッチ(1956-):替わるもの/樫の木/天人花
 サンチェス(1965-):チロエティカ
 コントレラス(1983-):帰還の歌/感覚と理由/私の母親の歌
 パッラ(1961-):5 つの古い歌
 サンチェス(1965-):
  ギター・ソナタ「ビオレタ・パッラへのオマージュ」/別れの歌
ホセ・アントニオ・エスコバル(ギター)
よほどの音楽好き、またはギター好きでも、ここに収録された作品を耳にすることはなかなか難しいのではないだろうか。チリの現代作曲家たちによる様々な作品のなんと多彩で楽しいこと!情熱的で複雑なリズム、既存のスタイルを打破した独創的な音、これらが収束した「新しい音」の噴出。若き名手エスコバルの妙技には全く聴き惚れるしかありません。

 


8.559768
\1100
ギャラガー:管弦楽作品集第2巻
 1-4.交響曲 第2番「上昇」
  <第1楽章:大胆に/第2楽章:ふざけて/
   第3楽章:ゆっくりと/第4楽章:ゆっくりと-精力的に-速く-適度に-速く>/
 5.静かな反射 ※世界初録音
ロンドン交響楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
録音 2013年9月2.3日 UK ロンドン,ブラックヒース・コンサート・ホール
 ジョアン・ファレッタとロンドン交響楽団によるギャラガー(1947-)作品集の第2作目のアルバムです。前作(8.559652)では、1楽章の交響曲とシンフォニエッタを中心に、多彩な作品が選曲されていて、その雄大な音に魅了された人も多かったのですが、今回のアルバムは大作「交響曲第2番“上昇”」がメインであり、彼の思いを存分に受け止めることができるのです。
 全ての楽器によって表現される「上昇」のモティーフは、様々に形を変えながら、曲全体を支配しています。何度も反復を繰り返すモティーフや、精力的に広がっていく主題などを用い、常にポジティブに曲が展開していきます。
 人生での希望の実現、そして人間の精神の上昇願望など、つねに前向きに生きていく人を応援するような、ステキな音楽です。


ギャラガー:管弦楽作品集第1巻

8.559652
¥1100
ギャラガー:管弦楽作品集
 1.「ディヴァージョン」序曲(1986)/
 2.子守歌(1977)/
 3-7.シンフォニエッタ(1990/2007)…世界初録音
 <イントラーダ/間奏曲/マランボ/パヴァーヌ/
 ロンド・コンチェルタンテ>/8.1 楽章の交響曲「哀歌」
ロンドン交響楽団…1.2.8/
ロンドン交響楽団のメンバー…3-7/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
ニューヨーク生まれの作曲家ギャラガー(1947-)の作品集です。彼はカレル・フサ、ネッド・ローレムを始めとした錚々たる大作曲家たちの指導を受け、管弦楽曲、合唱、室内楽、そして吹奏楽まで幅広い作品を書いています。彼の音楽はどれも壮大でかつ抒情的な音色も有しています。彼の作品は世界中で高く評価されていますが、とりわけ「子守歌」はその美しさでポーランドを始めとした各国のオーケストラで何度も演奏されています。「ディヴァージョン」序曲はもともとシンフォニック・バンドのための書かれた「ディヴァージョン」の素材を使ってフルオーケストラの作品を書きあげたものです。まるでハリウッドの音楽を思わせる雄大さがたまりません。豊かな音色のシフォニエッタ、「哀歌」と名付けられていても、中間部ではかなりの盛り上がりを見せる「1 楽章の交響曲」とバラエティに富んだ選曲です。

 

8.570564
(2CD)
\2200
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 24の前奏曲とフーガ BWV870-893
<CD1>
 1-2.第1番 ハ長調/3-4.第2番 ハ短調/
 5-6.第3番 嬰ハ長調/7-8.第4番 嬰ハ短調/
 9-10.第5番 ニ長調/11-12.第6番 ニ短調/
 13-14.第7番 変ホ長調/15-16.第8番 嬰ニ短調/
 17-18.第9番 ホ長調/19-20.第10番 ホ短調/
 21-22.第11番 ヘ長調/23-24.第12番 ヘ短調/
 25-26.第13番 嬰ヘ長調/
<CD2>
 1-2.第14番 嬰へ単調/3-4.第15番 ト長調/
 5-6.第16番 ト短調/7-8.第17番 変イ長調/
 9-10.第18番 嬰ト短調/11-12.第19番 イ長調/
 13-14.第20番 イ短調/15-16.第21番 変ロ長調/
 17-18.第22番 変ロ短調/
 19-20.第23番 ロ長調/21-22.第24番 ロ短調
リュック・ボーセジュール(ハープシコード)
録音 2011年8月8-11日,2012年6月5-9日 カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
 あらゆる鍵盤楽器のための作品の中でも、最も偉大で最も学ぶべきところが多いとされるJ.S.バッハ(1685-1750)の「平均律クラヴィーア曲集」。
 1巻と2巻があり、それぞれ全ての長調と短調が用いられた24の前奏曲とフーガで構成されています。
 このフーガの部分には、あらゆる技術と対位法が駆使されており、学習者だけではなく、全ての音楽愛好家たちが愛してやまない曲集として知られているのです。
 ここで見事なハープシコードを演奏しているリュック・ボーセジュールは、すでにNAXOSに第1集を2005年に録音していて(8.557625-26)、こちらも基本を丁寧に押さえつつ、豊かな表現を湛えた演奏として評価されていますが、この第2集は更に考え抜かれた解釈と、極めて自然なテンポが心地よい、聴けば聴くほどに味が出る見事なものとなっています。
 

8.570609
\1100
葛甘孺(ゲ・ガンリュ):上海の回想 他
 上海の回想(2009)
 1-9.第1部:幼年時代
  <静安時/ヴァイオリンの初心者/自転車の音楽/
   旅商人の歌 I(刃物研ぎ)/ハエが飛び回る禿げ頭/
   旅商人の歌 II(スイカ)/旅商人の歌 III(ゆで豚)/
   旅商人の歌 IV(煎り銀杏)/夏の夜のイカしたパーティ>/
 10-15.第2部:文化革命-目覚め
  <成長するヴァイオリニスト/混沌/革命行進曲/
  幻想曲/嘆き/目覚め>/
 16.バタフライ序曲(2012) ※世界初録音
マヤ・イワブチ(ヴァイオリン・ソロ)…2.10.13.15/
ロイヤル・スコテイッシュ・ナショナル管弦楽団/
葉聡(イェ・ツン 指揮)
録音 2013年6月20.21日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 上海で生まれ、アメリカのコロンビア大学で博士号を得た作曲家 葛甘孺(ゲ・ガンリュ 1954-)の作品集です。
 以前の弦楽四重奏曲では、微分音や特殊奏法を駆使した不思議なハーモニーで魅了しましたが、今作の「上海の回想」は自らの体験を基にした「大河ドラマ」のような作品となっています。
 5歳からヴァイオリンを始めた彼の幼い視点は、様々な街の音を拾いながら、少しずつ芸術家としての使命を見据えていきます。彼が生まれた1954年は、すでにヴァイオリンを学ぶことに対しての偏見があり、幼い彼がレッスンをするときには、両親は彼のヴァイオリンにミュート(弱音器)をつけなくてはいけなかったのです。
 そして勃発した「文化大革命」のため、高校卒業後に強制収容所に送られ農作業に従事するも、その才能が認められ、ヴァイオリニスト、作曲家として成功するのです。そんな思い出がきっちり描かれたこの作品が演奏されるだけでも、中国という国の良い変化が見て取れるのではないでしょうか。素晴らしい文化を有する国の将来に幸福があることを祈らずにはいられません。
 


8.571302
\1100
イディル・ビレット:ソロ・エディション 第8集
 スクリャービン:練習曲集 Op.2, 8&42/幻想曲集 Op.28
 1. 3つの小品 Op.2 第1番 練習曲 嬰ハ短調/
 2-13. 12の練習曲 Op.8
  <嬰ハ長調/嬰へ短調/ロ短調/ロ長調/ホ長調/
   イ長調/変ロ短調/変イ長調/嬰ハ短調/変ニ長調/
   変ロ短調/嬰ニ短調>/
 14-21. 8つの練習曲 Op.42
  <変ニ長調/嬰へ短調/嬰ヘ長調/嬰ヘ長調/嬰ハ短調/
  変ニ長調/ヘ短調/変ホ長調>/22.幻想曲 ロ短調 Op.28
イディル・ビレット(ピアノ)
録音 2014年3月 ベルギー ナミュール,シャトー・ド・フラウィンヌ
 トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット。数々の偉業をこなし、世界的な名声を獲得しています。彼女の演奏はいつも個性的で、狂おしいほどに好きになるか、もしくは激しく拒否反応を起こすか…のどちらかになるようです。
 そんな彼女にぴったりのレパートリーがこのスクリャービン。もともと、麻薬的な魅力を持つこれらの作品ですが、これをどのように料理しているかをぜひご自分の耳でお確かめください。
 


8.571361
\1100
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)
 チェロとピアノのためのイギリス音楽集

 1-3.ウィリアム・ワーズワース(1908-1988):
  チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.66(1959)/
 4.ワーズワース:夜想曲 Op.29(1946)/
 5.ワーズワース:スケルツォ 変ホ長調 Op.42(1949)/
 6-8.ワーズワース:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.70/
 9.ジョセフ・ホルブルック(1878-1958):
  幻想的ソナタ ト短調 Op.19(1904)/
 10-13.ウィリアム・ブッシュ(1901-1945):
  チェロとピアノのための組曲(1943)
  <前奏曲/奇想曲/夜想曲/タランテッラ>/
 14.ブッシュ:メモリー(1944)/
 15.ブッシュ:エレジー(1944)
   ※1-3,10-13…8.571352に既収録
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)/
ラファエル・テッローニ(ピアノ)…1-5.9-15
録音 2008年10月9日…1-8, 2010年2月18日…9-15 UK ストーク・ダベルノン メニューイン・ホール
 既に発売されている「チェロとピアノのためのイギリス音楽集」(8.571352)で紹介した4人の作曲家の中から2人、ブッシュとワーズワース、そしてもう一人、ホルブルックの作品(こちらは他レーベルで既発)を再編したこのアルバムは、最近かなり注目を浴びてきたとはいえ、まだまだ知られていないイギリス音楽の隅の部分に光を当てるものとして評価できるでしょう。
 ワーズワースはたくさんの作品を書いた人ですが(同名の詩人とは別の人)、その作品の全てが残されているわけではありません。彼の夜想曲は、もともとヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれた曲ですが、ここではチェロで奏されています。
 2曲のチェロ・ソナタは憂鬱さと美しさの間を揺れ動き、聴き手の心をしばし波立たせます。ホルブルックの印象的なソナタは、情熱的でありロマンティックです。
 イギリスに帰化したドイツ人の両親の元に生まれたブッシュは、ピアニストとして活躍しましたが、第2次世界大戦で心に傷を負い、1945年に44歳という若さでこの世を去ってしまったのでした。亡くなる前年の2つの作品の幽玄な美しさには言葉を失います。
 

8.572358
\1100
マクスウェル・ディヴィス:バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」 他
 バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」
  1-4.第1幕:演奏会用組曲(1991)
   <集会の広場/城の横で/女王の部屋/高貴な部屋>/
  5-11.第2幕:演奏会用組曲(1992)
   <集会の広場/陰謀/仮面舞踏会-宮廷の踊り/
    仮面舞踏会-パ・ド・ドゥ/逮捕/命令実行/
    カロリーネ・マチルダの亡命>/
 12.チャット・モス/
 13.オーハイ・フェスティバル序曲
BBCフィルハーモニック/
マクスウェル・ディヴィス(指揮)
1991年7月12.13日 チェルトナム国際音楽祭 、タウン・ホール…1-4.13, 1995年7月11.12日 マンチェスター BBC,第7スタジオ(アレンジ)…5-11, 1994年7月22日 マンチェスター BBC,第7スタジオ…12 Collins Classicsからの移行盤
 このバレエ音楽「キャロライン・マティルダ」は1991年に初演され、高く評価された作品です。
 物語はイギリスで生まれ、デンマーク王クリスチャン7世に嫁いだ王妃マティルダ(デンマークではカロリーネ・マティルデ)の悲劇的な逸話をもとにしたものです(このお話は映画化されたり、オペラ化されたりと、比較的良く知られています)。
 夫に愛されることのなかったマティルダと、王の侍医であったストルーエンセの関係が描かれており、精神的に綻びのあったクリスチャン7世に取り入ることで、権力を握ったストルーエンセと彼に惹かれたマティルダという2人の関係は半ば公のものでしたが、このようなスキャンダルが反感を買わないわけもなく、結局ストルーエンセは逮捕され、マティルダはハノーファーに亡命、ここで病を得て生涯を閉じます。実に23歳という若さでした。
 さて、こんな物語にデイヴィスがつけた音楽は皮肉たっぷりであからさまなものでした。まるでバロック時代と間違うほどの曲から、孤独に震える終曲まで、音だけ聞いていてもお腹一杯になるはずです。
 


8.572755
\1100
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ短調
  <第1楽章:マエストーソ/第2楽章:アダージョ/第3楽章:ポロネーズ>/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第5番 ニ長調
  <第1楽章:アダージョ-アレグロ・ジュスト/
   第2楽章:シチリアーノ/第2楽章:ロシア風ロンド>/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲 第9番 ハ長調 Op.17
  <第1楽章:モデラート/
  第2楽章:カヴァティーナ:ウン・ポコ・アダージョ/
  第3楽章:アレグレット>
   カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン
フリードマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
イェナ・フィルハーモニー管弦楽団/
ニコラス・パスケ(指揮)
録音 2011年6月24-29日 ドイツ イェナ,フォルクスハウス
 ピエール・ローデ(ロード 1774-1830)は、19世紀フランスのウヴァイオリニスト、作曲家です。
 彼の最も知られる作品は「24のカプリース」でNAXOSにもすでにA.シュトラウスの演奏で録音があります(8.570958)。彼はボルドーで生まれ、13歳のときにパリに行って名手ヴィオッティの弟子になり、同時期にヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第13番を演奏してデビューしたであろうと推測されています。
 ヴァイオリニスト、教師として大活躍し、ピエール・バイヨとルドルフ・クロイツェルとの共著である「ヴァイオリン演奏の方法論」はパリ音楽院ヴァイオリン科のための教本としても用いられました。
 彼はまたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番の初演者としても知られています。そんな彼ですから、作品の全てはヴァイオリンのために書かれていますが、現在ではほとんど演奏される機会がありません。
 しかしここで聴くことのできる3曲の協奏曲でわかるとおり、彼の作品は古典派からロマン派への架け橋であり、想像以上に劇的で、例えば20歳の作品である第1番の協奏曲での闘争心に満ち溢れた躍動的なフレーズは、まさに驚くほどの才能の迸りであると断言できるでしょう。
 1800年頃に書かれた第5番は、牧歌的な性格を有する明るい曲。第2楽章のシチリアーノの美しさは必聴です。
 そしてロシア滞在中に書かれた第9番は更に劇的であり、ソリストの技量が試される活動的な作品です。やはりこれは聞かずにはもったいない曲ばかりです。
 

旧譜
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集/第1&2集
ローデ:ヴァイオリン協奏曲第7番, 第10番, 第13番(アイヒホルン/南西ドイツ放送カイザースラウテルン管/パスケ)
8.570469
¥1100
ローデ:ヴァイオリン協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 第7 番 イ短調 Op.9/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第10 番 変ロ短調 Op.19/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲第13 番 嬰へ短調/イ長調 遺作
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
南西ドイツ放送カイザースラウテルン管弦楽団/
ニコラ・パスケ(指揮)
ボルドーで調香師の息子として生まれたローデ(1774-1830)は、幼い頃から卓越した音楽の才能を示し、13 歳の時にパリへと上京し名ヴァイオリニスト、ヴィオッティの弟子となります。今は、彼の名前はヴァイオリンの練習曲を作曲した人としてのみ知られていますが、実はこんなに美しい協奏曲も書いていました。ローデ自身は演奏の際ポルタメントを多用し、まことに美しい音を奏でていたと言います。ちなみに若き名手、五嶋龍氏が現在使用しているヴァイオリンは、このローデが愛奏していたストラディヴァリウス「エクス・ピエール・ローデ」(1715 年作)です。
ローデ:ヴァイオリン協奏曲第3番, 第4番, 第6番(アイヒホルン/イェナ・フィル/パスケ)
8.570767
ピエール・ローデ(1774-1830):ヴァイオリン協奏曲第3,4,6番
 1-3.ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調 Op.5/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲第4番イ長調 Op.6/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲第6番変ロ長調 Op.8
カデンツァ…フリードマン・アイヒホルン/
フリードマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
イェナ・フィルハーモニー管弦楽団/
ニコラ・パスケ(指揮)
ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として幅広い活動を行ったヴァイオリニスト、ピエール・ローデ(1774-1830)。以前NAXOSからリリースされた第7番と第10番の協奏曲(8.570469)で、その偉大な才能に開眼した人も多いことでしょう。
今回もヴァイオリニスト、アイヒホルンによる3曲の協奏曲を聴いてみてください。優美さ、抒情性、冴え渡る技巧、そして流暢な音楽の流れ。まさにベートーヴェンやパガニーニに匹敵する素晴らしい作品がここにあります。第3番は壮大で悲痛な面持ち、第4番は端正、そしてスペイン訪問の際に書かれた第6番の素晴らしさと言ったら・・・全く言葉に尽くせません。ヴァイオリンの汲めども尽きぬ魅力がここにあります。
各々の曲に付されたカデンツァはアイヒホルンによるもの。バッハのシャコンヌからもインスピレーションを受けたというその音楽。ぜひ楽しんでください。

 


8.572983
\1100
大胆な私の欲望:16世紀イタリアの鍵盤音楽集
 アンドレア・アンティーコによるフロットラ集
  1.トロンボンチーノ:大胆な私の欲望/
  2.トロンボンチーノ:美しき処女/
  3.ぼろを掴んで手を抜く-
   かわいい鳥-かごが壊れて牛が困っている(ヴェニス写本)/
  4.作者不詳:私の愛しい人、あなたの美しい瞳を征服しよう/
  5.マルケット:あなたが知るなら残酷は逃げる/
  6.トロンボンチーノ:彼女はこれ以上私のものになることはない/
  7.お嬢さん、私の粉ふるいを貸してあげよう/
   わが恋人の小舟は夜に漕ぎ出す/
   ベルナルドはまっすぐ立っていられない/
  8.愛は時に私の希望の栄えである/
  9.甘き怒り、甘き軽蔑/
  10.愛は私に何をする/
  11.トゥルディオン-尖った塔で愛を歌う-サルッツォの侯爵/
  12.キューピッドはブナの木の下で眠っていた/
  13.愛の美しい炎/14.私はその日に死んだ彼である/
  15.援助は快適/
  16.忙しい家政婦-かわいいフランス娘-チューブにさわって/
  17.この谷には愛も平和も残ってない/
  18.わが嘆きを聞け、天国よ/
  19.わが生涯が終わったと聞いて、彼女は何というだろう/
  20.偉大なる母-私はミラノの伯爵だ/
  21.私は痛みの涙で顔を浸す/
  22.あなたに我が物になって欲しい/
  23.そう、あなたは私の残して去っていく/
  24.もう一度彼女をよく見よう/
  25.ロンバードの女の子-ベルドリンの甘き心/
  26.天も地も沈黙している/
  27.あなたが私を殺しても、私は死ぬことはない/
  28.愛しき人、もし愛の残り火がはじけたら/
  29.私が僧侶になったら彼女はどうする?/
  30.人生の糸はとても弱い/
  31.馬はバリアルドに乗り-
     ガチョウの踊り-
     私の靴どめはボローニャから来る/
  32.太陽が大地を暖めても、彼女は私の愛を疑う/
  33.私は考えながら陽気に歌った
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
録音 2014年6月 シチリア モンレアル
 イタリアで印刷された最古の楽譜といわれる、アンドレア・アンティーコ(1480頃-1538以降)が編纂した鍵盤音楽集です。当時のイタリアではペトルッチが楽譜印刷の占有権を有していましたが、メディチ教皇の方針により、ペトルッチからアンティーコに移したのです。
 彼はもともとペトルッチのライバルであり、1517年に印刷されたこの曲集は、ペトルッチの開発した活版印刷ではなく、古来からの木版印刷によるものでした。この技法は美しさを追求することはできるのですが、残念ながら正確さには欠けるため、現在の譜面に直して演奏するまでには、多くの研究が必要でした。
 現在、アンティコの印刷のコピーは2部だけが残存しており(当時は失敗したものは全てくずになってしまった)、これを復元するだけでも大変な作業だったようです。
 あのクリストファー・ホグウッドもこの曲集を現代譜に書き直すなど、この曲集に興味を抱いていますが、この録音はグレン・ウィルソン自身が監修した版を用い、全ての曲の録音を行っています。
 

8.573183
\1100
トゥリーナ:ピアノ作品集 第10集
 1-2.トッカータとフーガ Op.50(1929)/
 3-6.パルティータ ハ長調 Op.57(1930)
  <前奏曲/ザラバンダ/カプリチョ/序奏とフーガ>/
 7.ロマンティックな小品(1931)/
 8-10.アルモドバールの城 Op.64(1931)
  <夜の影/中世の想起/白昼>/
 11-14.サンルカルの街角 Op.78(1933)
  <少女マリア/ピレタの春/
   サン・ドミンゴ教会の柱廊/バリオアルトに登る>/
 15-19.前奏曲集 Op.80(1933)
  <アダージョ/アレグレット/アレグロ・ジュスト/
   アレグレット/アダージョ-アレグロ・ヴィーヴォ>
ホルディ・マソ(ピアノ)
録音 2013年10月12-13日 スペイン ヤフレ アウディトリウム
 トゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品全集という偉業に挑む名ピアニスト、ホルディ・マソ。彼が解き解していくトゥリーナの世界の何とも魅力的なこと。
 自身も優れた作曲家であるマソは、これらの作品に内包されたピアニズムを様々な角度から検討し、最適な形で表現していくのです。
 躍動的な「トッカータとフーガ」はトゥリーナがキューバを旅行しながら着想を得た作品。タイトルでわかる通り、バッハへのオマージュでもあります。その1年後の「パルティータ」は彼の友人であるホセ・マリア・フランコに捧げられた作品で、ドビュッシー風のメロディやブラームスを思わせるメロディに彩られています。
 神秘的な「アルモドバールの城」は2年後にハープと管弦楽のための曲として再編されました。若い頃の旅の思い出が反映された「サンルカルの街角」、彼の作品には珍しく抽象的なタイトルが付けられた「前奏曲」と、宝石箱のような美しさと楽しさが詰まった1枚です。
 


8.573346
\1100
ARGENTUM ET AURUM-銀と金
 〜初期ハンブルク・ルネッサンスの音楽集

 1.ハインリヒ・イサーク(1450/55-1517):銀と金/
 2.ナイトハルト:すみれ-冬は去った/
 3.フーゴ・フォン・モンフォルト(1357-1423):私は監視に尋ねた/
 4.14世紀後期のザルツブルクの僧:牛の笛-昼寝/
 5.オズワルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(1377頃-1445):さあ、陽気に騒ぎましょう/
 6.作者不詳(14世紀後期頃):早い、遅い、どちらだろう?/
 7.作者不詳(14世紀後期頃):起きなさい、あなたは眠りすぎ/
 8.ヴォルケンシュタイン:ベルベル人の国とアラビアを通る旅/
 9.ナイトハルト:輝く太陽/
 10.ナイトハルト:腰振り踊りを歌った頃/
 11.ヴォルケンシュタイン:喜べ、世界の生き物たち/
 12.ヴォルケンシュタイン:私の心の悲しみは溶けている/
 13.作者不詳(14世紀頃):聖処女マリアを讃えて/
 14.ヘルマン・エドレラヴェル(1395頃-1460頃):器楽曲/
 15.作者不祥(15世紀頃):オーストリアから-勝利、幸せ、そして健康/
 16.作者不詳(15世紀後半頃):私は地上に立つ/
 17.作者不詳(15世紀中頃):ハレルヤ、神の息子/
 18.作者不詳(15世紀初期頃):わが女性、わが喜び/
 19.デュファイ(1397-1474):封建領主レオン様/
 20.作者不詳(15世紀後半頃):最愛の、わが最愛の人/
 21.作者不詳(15世紀後半頃):器楽曲「部屋に座って空気をうかがう」/
 22.作者不詳(15世紀後半頃):もう一度私を見て/
 23.ヴォルケンシュタイン伝/クロンブルドルファー伝(1479-):
  ヘイ、ヘイ、彼らは怒っている/
 24.ヨハネス・マルティーニ(1430/40頃-1497):器楽曲/
 25.作者不詳(16世紀初期頃):パヴァーヌ/
 26.作者不詳(16世紀初期頃)マントゥアンの踊り/
 27.パウル・ホフファイマー(1459-1537):
  神の名のもとにわれらは旅をする/
 28.プファビンシュヴァンツ(1500頃):親愛なるマリア様
アンサンブル・レオネス/
マルク・レヴォン(指揮)
録音 2013年4月9-12日 ドイツ、ボイゲン シュロス教会
 このアルバムは、ウィーン大学の音楽史家の教授ビルギット・ロデスの「中世後期に隆盛を誇っていたハプスブルク家を中心に聴かれていた音楽を再現する」というプロジェクトから生まれたものです。
 当時の人々が馴染んでいた音を通して描き出す15世紀の世界は、聖なるものから市井の出来事まで、色々なことを想起させます。チロルの宮殿で奏された歌、僧たちの歌、吟遊詩人の歌、もちろんこの中には自然を題材にしたものや、権力への風刺など様々な内容が含まれています。
 曲の中には楽器のみの演奏もあり、これらはその後、また違った変遷をたどっていくことはご存知の通りです。アンサンブル・レオネスは演奏する楽器の種類やチューニングに細心の注意を払い、これらの「未知」の作品に説得力あるアプローチを試みています。
   

8.573388
\1100
スタンフォード:ピアノ三重奏曲&四重奏曲
 1-4.ピアノ三重奏曲 第2番 ト短調 Op.73/
 5-8.ピアノ四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.15
ディヴィッド・アダムズ(ヴィオラ)…5-8/
グールド・ピアノ三重奏団
<メンバー:
 ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/
 アリス・ニアリー(チェロ)/
 ベンジャミン・フリス(ピアノ)>
録音 2014年3月24-26日 UK 西サセックス チャンプ・ヒル
 「このピアノ三重奏曲の冒頭を10秒聞いただけで、誰しもがブラームスを思い出すに違いない。」そう確信が持てるほどに、この曲はドイツ的、というよりもブラームスそのものなのです。
 それもそのはず、彼は幼いころにヨーゼフ・ヨアヒムの演奏を耳にし、その後ボンでは直接ヨアヒムとブラームスにも出会い、すっかり彼らの音楽の虜になっていたのでした。
 ケンブリッジで学業を終えたあと、ライプツィヒとベルリンで音楽教育を受け、本格的な作曲家として活躍を始めた彼は7曲の交響曲を始め、数多くの合唱曲を書き高く評価されることとなります。彼は室内楽を「絶対音楽の最も基本的な表現の一つ」としてみなしており、ひたすら綿密に主題を展開し、集中力に満ちた作品を書き上げました。
 ピアノ四重奏曲第1番は、1879年に書かれたもので、まだまだ実験的な要素が感じられますが、ピアノ三重奏曲第2番は1899年、円熟の時代の作品で、本当にまろやかな音が広がる感動的な音楽です。
   

8.573439
\1100
Through the Centuries-何世紀にもわたって 〜
 アマデウス・ギター・デュオ:ギター二重奏曲集

  1-4.ヘンデル(1685-1759):組曲 第7番 ト短調 HWV432
   (U.シュトラッケによるギター二重奏編)
   <序曲/アレグロ/サラバンド/パッサカリア>/
  5.ヨハン=カスパール・メルツ(1806-1856):
   挽歌-第1番 恋人の墓前にて/
  6.メルツ:吟遊詩人の調べ Op.13-不安/
  7-9.マリオ・ガンギ(1923-2010):スペイン組曲(1948)
   <アンダルーサ/ファンダンゴ/セビリアーナ>/
  10.フランツ・ブルクハルト(1902-1978):トッカータ(1946)/
  11-13.テレマン(1681-1767):パルティータ・ポロネーズ(抜粋)
   <序曲/リゴードン/コンバッタン>/
  14.カルロ・ドメニコーニ(1947-):東洋と西洋の幻想曲 Op.50aから
   アンダンテ-アレグロ
アマデウス・ギター・デュオ
録音 2014年2月21-23日 ドイツ アイゼルローン,ヴォーンホフ…1-9, 2011年3月18-19日 ドイツ ヴァイマール音楽大学…10-14
 カナダ出身のデイル・カヴァナーとドイツ出身のトーマス・キルヒホフの2人による「アマデウス・ギター・デュオ」は、1991年にデュオ活動を開始し、世界各国でコンサートを行い、その高度な音楽性と豊かな音色で聴衆を魅了しています。
 また多数の著名なオーケストラとも共演を重ね、2台ギターのための協奏曲を積極的に紹介しています。もちろん現代作曲家たちも彼らのために曲を献呈し、レパートリー拡大に一役買っています。後進たちの指導も熱心で、イザローン国際ギター・シンポジウムを創設し、世界最大級のフェスティバルを開催していることでも知られています。
 このアルバムは彼らの25年間に渡る活動を讃えるもので、ヘンデルやテレマンなどのバロック作品から、彼らが初演したドメニコーニの作品までと多彩な曲が並びます。ギターの持つ底知れぬ可能性を感じさせる見事なアンサンブルをどうぞ。
 

8.573334
\1100
POINT BLANK
 1.ポール・ドゥーリー(1983-):ポイント・ブランク(2012)/
 2-3.スティーブ・ダニュー(1983-):ラウダ(2009)<神の山/わが魂の賛歌>/
 4.ロイ・ディヴィッド・マグナソン(1983-):インスマス,マサチューセッツ-1927(2013)/
 5.スコット・マカリスター(1969-):ゴーン(2012)/
 6.ジェニファー・ヒグドン(1962-):パーカッション協奏曲(2009)
  ※世界初録音…6
ベン・スティールス(パーカッション)…6/
イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー/
ダニエル.A.ビロンジャ(指揮)
録音 2013年11月22-24日 イリノイ州立大学 パフォーミング・アーツ・センター
 NAXOSから定期的にリリースされる吹奏楽作品は、常に時代をリードするものとして好評を得ています。今作も2009年から2013年に作曲された5つの作品をお届けいたします。「ポイント・ブランク」の作曲家ドゥーリーは、あのスティーヴ・ライヒが「印象的で美しい作品を書く人」と評価したことで知られています。
 「ポイント・ブランク」は電子音楽と人間の奏者の相互作用を探る作品であり、パーカッションパートは電子的なシーケンスのリズムを模写しています。爽快な作品です。ダニューの「ラウダ」は「前奏曲とフーガ」として位置づけられるもので、バッハをはじめとした「先人たちの対位法」に敬意を表した作品です。
 マグナソンの作品は、「人類における最も強い感情は恐怖である」という箴言に基づきかかれたもので、腐敗した世界を描いています。マカリスターの「ゴーン」は管楽のためのアンサンブルです。奏者と聴き手が一体となって、瞑想、祈りを感じられる音楽となっています。最後のヒグドンの「パーカッション協奏曲」は2005年の最初のヴァージョンを進化させたもので、炸裂する音が魅力的な作品です。

8.573315
\1100
SENSATIONS 〜バンドネオンのための作品集
 1-3.ロベルト・ディ・マリーノ(1956-):
  バンドネオンと弦楽オーケストラのための協奏曲/
 4.アストル・ピアソラ(1921-1992):オブリビオン(忘却)/
 5-9.ピアソラ: 5つのタンゴ・センセーション
  <眠り/愛する/不安/目覚め/恐怖> ※世界初録音…1-3
クルノスラフ・マリック(ソロ・ヴァイオリン)…5.7.8/
チェザーレ・キアッキアレッタ(バンドネオン)/
クロアチア・フィルハーモニー管弦楽団/
ミラン・ヴァウポティッチ(指揮)
録音 2013年9月8-11日 クロアチア,ザグレブ 聖ルカ・エヴァンゲリスト教会
 このアルバムでは、アルゼンチンとウルグアイで特に人気のある楽器「バンドネオン」がフィーチャーされています。アコーディオンと形が似ているため、しばしば混同されますが、鍵盤は全てボタンであり、これが蛇腹を挟んで両側についているだけ。とても演奏は困難です。もともとはドイツのハインリヒ・バンドが1847年に考案し、野外の教会の儀式でパイプオルガンの代用として使用していました。20世紀になってドイツから大量のバンドネオンがアルゼンチンに輸出され、タンゴで用いられるようになったとされています。
 イタリアの作曲家ディ・マリーノはこの楽器を愛しており、この協奏曲でも息を呑むほどの名人芸を要求しながら、この楽器からひたすら官能的な響きを呼び起こすことに成功しています。ピアソラについてはもう説明不要でしょう。
 彼の「オブビリオン」は最も愛されている曲の一つで、もう冒頭からため息が出るほどに悩ましい世界が目の前に展開します。「タンゴ・センセーション」はピアソラが病から復活した時期の作品で、「音楽による命への決別」として書いたという深みのある音楽です。リズミカルでありながらもひたすら瞑想的。諦観の中に見られる美は格別です。
 


8.573310
\1100
フィビヒ:管弦楽作品集 第4集 序曲集/バレエ音楽「ヘディ」
 1.喜劇序曲「カルルシュテインの夜」 Op.26/
 2.祝典序曲「コメンスキー」 Op.34/
 3.付随音楽「プラハのユダヤ人」-序曲/
 4.歌劇「ヘディ」-バレエ音楽(演奏会版)/
 5.メロドラマ「ヒッポダミアの死」 Op.33-行進曲/
 6.新チェコ劇場開幕のためのプロローグ/
 7.国立劇場建設のためのミュージカル・モノグラフ/
 8.国立劇場再開の活人画のための音楽/
 9.コメンスキー生誕300年記念の活人画のための音楽
チェコ・ナショナル交響楽団/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年10月9日…1.3.5-9, 2013年10月29日…2.4 チェコ共和国 プラハ ホスティバール CNSOスタジオ
 フィビヒ(フィビフ 1850-1900)という作曲家は、チェコの国民楽派の草創期を築いた人でありながら、なかなか日本では評価されることなく、ピアノ曲などごく一部の曲だけが、ひっそりと愛されているというイメージがあるようです。勇壮過ぎる雰囲気があまりにも「ドイツ・ロマン派」風だからでしょうか?しかし、最近になってNAXOSを始めとしたいくつかのレーベルから交響曲や管弦楽作品がリリースされ、少しずつファンも増え始めたようです。
 この管弦楽集の第4集は「序曲」や「バレエ曲」といった、表情豊かな作品が収録されています。
 刺激的なホルンの咆哮が勇ましい「カルルシュテインの夜」や、チェコの教育学者コメニウスにちなんで作曲されたもの。歌劇「ヘディ」はあのドン・ファンを描いた作品であり、チャイコフスキーを思わせるバレエ音楽を備えていました。
 ギリシャ神話を元にした「ヒッポダミア三部作」は勇壮な雰囲気の中に忍ばせた美しいハープの調べが印象的です。残りの4つの作品はどれも「活人画」(中世の典礼劇を元にする、ポーズをとったまま静止した役者や芸術家たちによる「生きた絵画」のようなもの)のための音楽です。一時期流行したこの芸術に付された音楽をシュティレツが注意深く復元したものです。
 


8.573145
\1100
リスト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1-4.二重奏のためのソナタ(二重奏曲) S127/R461
  <第1楽章:モデラート/第2楽章:主題と変奏/
   第3楽章:アレグレット/第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ>/
 5.レメーニの結婚式のための祝婚曲 S129/R466/
 6.三人のジプシー S320/R612/
 7.エレジー 第1番 S130/R471c/8.エレジー 第2番 S131/R472/
 9.即興的ワルツ S213/R36(J.フバイによるヴァイオリンとピアノ編)/
 10.協奏的大二重奏曲 S128/R462
ヴォイテク・プロニエヴィチ(ヴァイオリン)/
ヴォイチェフ・ヴァレチェク(ピアノ)
録音 2013年3月3-4日…1-4, 2013年7月15日…10, 2013年7月16日…6.9, 2013年7月17日…5.7-8 ポーランド ワルシャワ,ポーランド放送,ヴィトルト・ルドスワフスキ・コンサート・スタジオ
 "ピアノの魔術師"フランツ・リスト(1811-1886)は、多くのピアノ曲と管弦楽曲を書きましたが、室内楽作品はあまり多くを遺していません。このアルバムはそんな珍しい作品を集めたものです。
 二重奏のためのソナタは、「ソナタ」と名づけられているものの、通常のソナタ形式とは全く違うもので、4つの楽章全てに、親友であったショパンのマズルカ Op.6-2が素材として用いられています。第1楽章では鎮痛に、第2楽章では、ほとんど原型に近いマズルカが奏されたあと、様々な変奏を施されて登場します。第3楽章では軽やかで優雅な舞曲になり、情熱的に盛り上がっていきます。終楽章では力強く華やかに、もともとはショパンであった旋律が、リスト風の衣装を纏い現れるのです。
 「祝婚歌」はリストの友人であるハンガリーのヴァイオリニスト、エドゥアルド・レメーニのために書かれた魅力的な音楽です。
 「三人のジプシー」はヴァイオリンの特性を生かした作品で、即興的ワルツはもともとピアノ作品であったものを、フバイがヴァイオリン用に編曲した曲。「エレジー」もピアノ曲からの編曲です。協奏的大二重奏曲は、ヴァイオリンとピアノ双方に超絶的な技巧を要求する華やかな作品です。
  

8.571360
\1100
ホディノット:情景:歌曲集と民謡集
 1-5.アングルシー島の5つの風景 Op.87(1975)
  <マニズ・ボダフォン/ディン・リグウィ/
   リス・デュラス/小さな浜辺/古い教会>/
 6-7.グラモーガンからの2つの歌(1990)
  <ポンティプリッドに真の愛は宿る/スランガベラハへの別れ>/
 8-15.銀色の猟犬 Op.121(1985)
  <プロローグ/子守歌/学生/兵士/恋人/正しき政治家/老人/墓碑銘>/
 16-19.人は常に愛を抱いていないといけない Op.152-3(1994)
  <ソネット/ひなぎく/タスマリンの詩/ぼろぼろになった森>/
 20.トウィの風景 Op.190(2006)/
 21-26. 6つのウェールズ民謡(1982)
  <2つの心の残ったもの/おお、優しき鳩よ/
  もし彼女が我が物だったなら/アプ・シェンキン/
  黄金の小麦/最も美しいグェン>
クレア・ブース(ソプラノ)…16-19.20/
ニッキー・スペンス(テノール)…1-5.6-7.8-15.21-26/
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(バリトン)…20/
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(ピアノ)…1-19.21-26/
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(ピアノ・プリモ)&
マイケル・ポロック(ピアノ・セカンド)…20
録音 2009年10月14日…16-20, 2009年10月29日…1-5.8-15.21-26, 2010年2月18日…6-7
 ウェールズにおいて、最初に国際的な知名度を得たクラシック音楽作曲家が、このアラン・ホディノット(1929-2008)だとされています。彼はウェールズのバーゴッドで生まれ、カーディフ大学で学び、アーサー・ベンジャミンに個人的に支持しました。
 1954年にチェルトナム音楽祭で初演された「クラリネット協奏曲」(ジェルヴァース・ドゥ・ペイエの独奏、ジョン・バルビローリ指揮ハレ管)が大好評で迎えられ、彼の名が知られるようになり、様々な音楽家や団体から作品委嘱を受けるようになり、この栄誉は彼が亡くなるまで続いたのです。
 彼はオペラから管弦楽作品、室内楽曲、歌曲などさまざまな作品を書き、どれもが高く評価されましたが、ここで聞ける「ウェールズ民謡」をもとにした作品群は、彼の円熟期から晩年に書かれたもので、一層の深みを有しています。中でも「トウィの風景」は彼の最後の作品で、彼の生涯を締めくくるエピローグのようなもの。男女の声が絶え間なく語りかけてくる神秘的で幻想的な音楽です。
 


8.571370
\1100
マッケイブ:作曲家、ピアニスト、指揮者
 1-3.交響曲 第1番「エレジー」(1965)
  <第1楽章:前奏曲 Lento moderato/
   第2楽章:踊り Allegro molto/
   第3楽章:エレジー Adagio - Allegro vivo - Adagio>/
 4.リストの主題による幻想曲(1967)/
 5.カプリッチョ(習作 第1番)(1969)/
 6.ソステヌート(習作 第2番)(1969)/
 7.チューニング(1985) ※世界初録音
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団…1-3/
ジョン・スナズホール(指揮)…1-3/
スコットランド・ナショナル・ユース・オーケストラ…7/
ジョン・マッケイブ(ピアノ…4-6,指揮…7)
録音 1967年5月3-4日 イングランド エセックス,バーキング・アセンブリー・ホール…1-3, 1977年…4-6, 1986年1月4日 スコットランド グラスゴー・シティ・ホール…7
 ジョン・マッケイブ(1939-)はリヴァプール生まれの作曲家、ピアニスト、そして指揮者です。日本では比較的ピアニストとしての知名度が高く、1970年代に録音されたハイドンのピアノ・ソナタ全集(DECCA)は、類い稀なる完璧さを誇るコレクションとして人気を獲得したのでした。
 しかし、彼は7曲の交響曲をはじめ、15曲の協奏曲、その他たくさんのピアノ曲や、舞台音楽など多岐に渡る作品を書いた作曲家でもあります。ピアニストとしては2010年に「最後の公開ピアノ・リサイタル」を行い、事実上の引退宣言をした彼ですが、ファンはまだまだその活躍を期待しています。
 このアルバムでは、彼の60年代の作品を中心に収録、なかでも「チューニング」は彼の唯一の「指揮者」としての演奏です。その音楽は素晴らしく有機的で、常に感情豊かであり、時として爆発的なエネルギーを放射するもの。かなり入り組んだ音楽ですが、魅力的な響きを有しています。
  

8.572362
\1100
マクスウェル・デイヴィス:ベルテンの炎 他
 1-7.ベルテンの炎(1995)
  <第1の情景:繁栄する納屋で/インターリュード Ⅰ/
   第2の情景:野原で/インターリュード II/
   第3の情景:教会で/第4の情景:野原で/第5の情景:ベルテンの炎>/
  潮の変わり目(1992)
   <8-12.第1部:最初の生活/13-17.第2部:創造の始まり-活気つく生活/
   18-22.第5部:最悪の事態が起こる可能性-全ての自然が汚染され/
   23.第6部:留意される警告-蘇る自然-低下する逆行>/
   24.日曜の朝(1994)/
 25.マイケル・ヴィナーのための「旋律上のスレノディ」(1989)/
 26.チャールズ卿のためのパヴァン(1992)
マンチェスター大聖堂少女合唱団&少年合唱団…23/
マンチェスター大聖堂少年ボランタリー合唱団…23/
マンチェスター・グラマー・スクール合唱団…23/
BBCフィルハーモニック/
マクスウェル・デイヴィス(指揮)
 録音 1995年7月11.12日…1-7, 1992年9月…8-23.26, 1994年7月22日…24 イングランド マンチェスター,BBC北第7スタジオ/1991年7月12.13日 イングランド 第47回チェルトナム国際音楽祭 ライブ録音…25 Collins Classicsから移行盤
 このアルバムはマクスウェル・デイヴィス(1934-)の1990年代の様々な作品を収録したものです。
 「ベルテンの炎」は1995年の作品で、当初は「振付詩」と銘打たれたBBCフィルと作曲家のコラボ作品ですが、この初演は失敗に終わってしまいました。様々なアイデアが盛り込まれた意欲的な作品でしたが、どうもたくさんのことを盛り込みすぎて難解になってしまったようで、それが失敗に終わった原因の一つなのではないかと推測したくなる作品です。
 このベルテンというのは、ヨーロッパに古くからある「火祭り」のことで、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のように、春の女神を讃え、多産と土地の豊饒を祝うものです。曲は穏やかさと暴力的な面をかわるがわる示しながら、素晴らしい盛り上がりを見せてくれます。うって変わって「潮の変わり目」は環境汚染の脅威を訴えるものであり、少年少女たちの無垢な声を用いて、静かな警鐘を鳴らすというものです。
 他、いつものようなマクスウェル・デイヴィスの軽めの作品もお楽しみに。
  


8.573114
\1100
モーツァルト:フーガ,ロンドと幻想曲集
 1.オルガンのためのフーガト短調(断章)K401/
 2.フーガの断章 変ホ長調 K153/3.前奏曲とフーガ ハ長調 K394/
 4.フーガ ト短調 K154(S.ゼヒターによる補筆完成版)/
 5.小さな葬送行進曲「マエストロ対位法氏の葬送行進曲」ハ短調 K453a/
 6.ロンド ニ長調 K485/7.ロンド イ短調 K511/
 8.ジーグ ト長調「ライプツィヒ・ジーグ」K574/
 9-12.組曲(序曲) ハ長調 K399/13.幻想曲 ハ短調 K396/
 14.フーガ ニ長調(断章) K73/15.フーガ ト長調(断章) K.Anh41/
 16.フーガ へ長調(断章) K375h/
 17.フーガ へ長調(断章) K.Anh33/40/383b/
 18.フーガ ハ短調(断章) K.Anh39/
 19-20.オルガンのための2つの小フーガ K154a/
 21-26.6つのフーガの断章 ホ短調 K.deest/
 27-28.2つのフーガの断章 変ホ長調 K.deest/
 29.フーガ ニ短調(断章) K.deest/30.フーガ ハ短調(断章) K.anh39a/
 31.幻想曲 ヘ短調(断章) K.anh32
カン・サンウー(ピアノ)
録音 2013年1月8-10日 USA ボストン,WGBHスタジオ,フレザー・パフォーマンス・スタジオ
 1782年8月4日にコンスタンツェ・ウェーバーと結婚したモーツァルト(1756-1791)。様々な音楽書や伝記の類では、「世紀の悪妻」とまで評されるコンスタンツェですが、本当にそうだったのでしょうか?実際の彼女は、周囲の人々によると「教養が高く、家事にも熱心で快活」であったといい、またモーツァルトの死後も彼の作品を守り、その名を高めるために尽力したとされています。
 これらのフーガの断片は、モーツァルトが熱心にバッハの作品を研究した名残のようなもので、ほとんど完成した作品から、ほんの数小節の断片と、様々な形の曲が含まれています。
 コンスタンツェは夫の死後、これらの作品に素晴らしい価値を見出し、公開されること(もしくは購入されること)を期待して、この遺物を整理し、永遠の記念碑としてのリストを作成したのです。
 普段流麗な音楽を書いていたモーツァルトにしては、若干ぎこちなさも感じれらますが、この「天才の断片集」が残されているのは、コンスタンツェのおかげであることは間違いありません。
  

8.573236
\1100
マイール:カンタータ・オペラ「パルテノペの夢」(1817)
 世界初録音
パルテノペ…アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)/
ミネルヴァ…サラ・ヘルシュコヴィツ(ソプラノ)/
ウラニア…キャロライン・アドラー(ソプラノ)/
テルシコーレ…フローレンス・ルソー(メゾ・ソプラノ)/
メルキュリオ…コーネル・フライ(テノール)/
アポロ…ロバート・セイアー(テノール)/
時…アンドレアス・ブルクハルト(バス)/
バイエルン国立歌劇場合唱団/
ジモン・マイール・アンサンブル&合唱団/
フランツ・ハウク(指揮)
録音 2012年9月3-6日 ドイツ、ノイブルク・アン・デア・ドナウ,コングレゲイションザール
 最近、復興の兆し著しい作曲家ジーモン・マイール(1763-1845)。オーバーバイエルンのメンドルフに生まれ、インゴルシュタット大学で神学を学んだ後、イタリアに留学し、カルロ・レンツイやフェルデイナンド・ベルトーニに師事。1802年からはベルガモに移り、レンツィの後継者としてベルガモ大聖堂の終身教会楽長に就任し、この地の音楽界の中心人物となり、ベートーヴェンの作品を紹介したことでも知られています。
 彼は70作ほどのオペラを作曲しましたが、いくつかの作品が最近になってようやく上演されるようになってきました。
 彼の作品のほとんどは、当時、高貴な身分の人の誕生日などを祝うために、彼らを神話の登場人物に置き換えて、そのエピソードに基づいて曲を書き、これを上演するという「特定の行事」のためだけに書かれ、それは一度演奏されたら、もう忘れられてしまうという「使い捨て」のような音楽だったのです。
 この「パルテノペの夢」も、通常カンタータのジャンルに分類されており、人のためではなく、1816年2月に火災で焼失したナポリのサンカルロ劇場の再建のために書かれた曲です。しかし存分にドラマティックであり、当時の他のオペラと比べても全く遜色のない素晴らしい出来栄えです。
 


8.573249
\1100
ベック:交響曲集 Op.4 第4番-第6番,Op.3 第5番
 1-3.交響曲 ニ長調 Op.4-4(Cellen22)/
 4-7.交響曲 ト長調 Op.4-5(Cellen23)/
 8-11.交響曲 変ホ長調 Op.4-6(Cellen24)/
 12-15.交響曲 ニ短調 Op.3-5(Cellen17)
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年8月27日-9月6日 チェコ共和国、パルドゥビツェ,音楽の家
 大好評、マンハイム楽派のヨハン・シュターミッツの弟子であったフランツ・イグナーツ・ベック(1734-1809)の交響曲集です。NAXOSでは彼の作品を集中的にリリースすることで、ハイドンともモーツァルトとも違うベック作品の魅力を強くアピールしてきました。
 劇的なコントラスト、快活な木管楽器の動き、そして愉悦感溢れるメロディ、これは確かに得がたいものと言えそうです。
 このOp.4を中心とした交響曲群は、チェコのオケと指揮者シュティレツの演奏ですが、他はニュージーランド室内管であったり、トロント響であったりと、オーケストラによるアプローチの違いも楽しむことができるという優れもの。これが気に入ったらぜひ他のアルバムも。


ベック:交響曲集
旧譜3タイトル

8.570799
ベック:交響曲集 Op.3
 1-4.交響曲ヘ長調 Op.3-1(Callen 13)/
 5-8.交響曲変ロ長調 Op.3-2(Callen 14)/
 9-12.交響曲ト短調 Op.3-3(Callen 15)/
 13-16.交響曲変ホ長調 Op.3-4(Callen 16)
トロント室内管弦楽団/
ケヴィン・マロン(指揮)
 マンハイム楽派の一人、フランツ・イグナツ・ベック(1734-1809)の交響曲集。
 彼は父親から音楽の手ほどきを受け、様々な楽器を習得し、シュターミッツの弟子としてマンハイムの宮廷楽団の奏者となります。彼の才能があまりにも素晴らしかったのでしょう。同業者からいわれのない嫉妬と中傷を受け (例えば、決闘の相手が死んでしまったなど) 、結局のところ、彼はマンハイムを離れヴェネツィアに移住することになります。そこから先も波乱の人生を送った彼の作品は、その生涯に似て、とても劇的で大胆さを備えています。大胆な和声進行、柔軟なリズム、これらが溶け合い絶妙な効果を持つこれらの作品、ごゆっくりどうぞ。
  

8.573248
\1100
フランツ・イグナツ・ベック:交響曲集
 1-4.交響曲 ニ長調 Op.4-1(Callen 19)/
 5-8.交響曲 変ロ長調 Op.4-2(Callen 20)/
 9-12.交響曲 ヘ長調 Op.4-3(Callen 21)/
 13-15.交響曲 ニ長調 Op.3-6(Callen 18)
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団パルドゥビツェ/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年8月27日-9月6日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家
 マンハイム楽派の中心人物とみなされたヨハン・シュターミッツ。彼の最も有能な弟子がこのベック(1734-1809)でした。彼が多くの交響曲(シンフォニア)を作曲した1750年代以前は、まだこの形式が正式には定まっておらず、最初はイタリア式序曲「急−緩−急」の楽章がそれぞれ独立し、それをシュターミッツやカンナビヒが受け継ぎ発展させ、エマヌエル・バッハがメヌエットの楽章を付け加えて「交響曲」とし、古典派へ繋いでいったとされています。
 シュターミッツの交響曲は、フランスで大いなる人気を博したとされており、その弟子であったベックも師に倣い、この形式の作品を書いたのでしょう。
 彼の交響曲は、当時としてはかなり独創的な音楽で、驚くほど劇的な表情と大胆な和声を持っていて、また当時のマンハイム楽派の作曲家たちが好んだ3楽章形式ではなく、メヌエットを含んだ4楽章形式を好んでいたことも特筆すべき点かもしれません。メヌエットを含むことで曲全体が長くなるため、メリハリをつけるために曲内の反復をなるべく減らしたことも、全曲の推進力をアップさせることに役立っているようです。
 こんなベックの交響曲、ハイドンやモーツァルトとはまた違った味わいがあり、一度聞くと手放せなくなる魅力に満ちています。
 

8.554071
¥1100
ベック( 1 7 3 4 - 1 8 0 9):
 6つの交響曲O p . 1

 [シンフォニア第1番( C a l l e n 1)/
  シンフォニア第2番(C a l l e n 2)/
  シンフォニア第3番(C a l l e n 3)/
  シンフォニア第4番( C a l l e n 4)/
  シンフォニア第5番(C a l l e n 5)/
  シンフォニア第6番(Callen6)]
ドナルド・アームストロング指揮
ニュージーランド室内管
バロックから前古典派への移り変わりが、作品を通じて表れる時代の代表的作曲家。シュターミッツに学び、マンハイムからヴェニスへ。ハイドン作品やモーツァルト初期の曲などにも通じる、爽快な音楽。

 


8.573298
\1100
バラダ:交響曲 第6番・3台のチェロのための協奏曲・鋼鉄交響曲
 1.交響曲 第6番「悲しみの交響曲」(2005)/
 2.3つのチェロと管弦楽のための協奏曲「ドイツ協奏曲」(2006)/
 3.鋼鉄交響曲(1972) ※世界初録音…1.2
ハンス=ヤコブ・エッシェンブルク(チェロ)…2/
ミヒャエル・ザンデルリンク(チェロ)…2/
ヴォルフガンク・エマニュエル・シュミット(チェロ)…2/
ガリシア交響楽団…1/
ベルリン放送交響楽団…2/
アリヴィンド・グルベルク・イェンセン(指揮)…2/
バルセロナ交響楽団…3/
ヘスス・ロペス=コボス(指揮)…1.3
録音 2012年11月23日 スペイン プラチコ・デ・ラ・オペラ…1, 2007年10月28日…ドイツ ベルリン,フォルハーモニー・ホール…2, 2010年2月14日…スペイン バルセロナ,アウデトリ・ホール…3
 一部のファンの間では、バラダの音楽は「ロマンティックな前衛」とみなされているのだそうです。しかし、これまでの彼の作品を一瞥すると(例えば「交響的悲劇"無"」…8.557343など)どちらかといえば、ひたすら刺激的な音に満ちているように思うのですがどうでしょう?それは、彼の音楽には様々な主題があり、それは時には死であり、創造であり、自然を模倣したり、神への抗いであったりと、目が回るほどのアイデアに満ちているためだと思われます。
 このアルバムに収録された3つの作品も、そんな曲ばかりです。
 交響曲第6番は「スペイン市民戦争の罪のない犠牲者に捧げる」とバラダ自身が語るように、国の無慈悲な戦いと、それに巻き込まれた人々の悲劇を描いたものです。2つの派閥の戦いは、どちらもが勝者であり、また敗者だったのです。「ドイツ協奏曲」はここで演奏している3人のチェリスト及びベルリン放送交響楽団に捧げられた作品で、やはり戦争に関連付けられた内容を持っています。
 3人のチェリストたちは、時に個人として、時にチームとしてオーケストラに立ち向かわなくてはいけません。「鋼鉄交響曲」は、彼が訪れたピッツバーグ周辺にある工場のパワーに魅せられ書いた曲だそうですが、あのモソロフの「鉄工場」のようなあからさまな音の模倣ではなく、もっと洗練された方法を用いているのだそうです。なんと「正式な始まり」を持たない曲のため、最初はチューニングとおぼしき音が聞こえてきてびっくりです。




バラダ、衝撃の旧譜

8.557342
\1100
バラダ:
 ゲルニカ(1966

 サラサーテをたたえて(1975
 カザルスをたたえて(1975
 交響曲 第4番「ローザンヌ」(1992
 サパタ: 管弦楽のための映像(1988
サルバドール・マス・コンデ指揮
バルセロナ交響楽団&カタロニア国立管弦楽団
 幼少の頃スペイン内乱を体験し、ファシストの爆撃から逃れるためにバルセロナの駅を家族とともに逃げまどい、その後30年間そのトラウマに苦しめられ続けたバラダ。
 その作品は、間違いなく暗く重く深刻である。情熱的でわかりやすい作品を残したスペイン系の作曲家が多い中で、バラダは別の道を歩んだ。戦後アメリカに渡り、コープランドやパーシケッティに学ぶも、60年代からは激しいアヴァンギャルドの作風を取るようになる。その後民族音楽要素を積極的に取り込むようになり、いつしか人は彼のことをこう呼ぶようになった。「エスニック・アヴァン・ギャルド」。
 それは幼少の頃に受けた衝撃を、平和への叫びに昇華させるために彼が獲得した手法。戦争の生み出す悲惨さを苛烈な音楽で表現しながら、今を生きる人間の命を民族的旋律で織り込んでいく。ピカソの反戦的作品の音楽的引用「ゲルニカ」、「鳥の歌」を鎮痛に奏でる「カザルスをたたえて」など、決してとっつきやすい作品ではないが、作者が命をしぼりながらこちらに訴えようとする叫びが聞こえてくる。
 一方、1981年代に入って、バラダはさらに新しい作風に転換し始めた。「サパタ  管弦楽のための映像」は、1960年代にいっしょに活動していたダリに影響を受けたオペラ「ザパタ」によるオーケストラ作品。最後の「サバタ」の中の珍しい能天気音楽「結婚式の踊り」は、彼の心の中に未来への強い希望を思わせるものが誕生した証しであろう。
 最近は9・1 1事件を題材に、黒人霊歌や民謡の要素を取り入れた交響曲第5番を発表して話題を呼ぶなど、バラダの影響力はまだまだ広がりを見せている。ALBANYで多くの有名演奏家が彼の作品を取り上げていた理由がようやくわかった。

 

8.573303
\1100
ハーマン:After JSB-RS
 1.アフター・シューマン I(2008)/2.371(2006)/
 3-6.コンチェルティーノ(2008)/
 7.光とともに一日を(2010-2011)/
 8.アフター・シューマン(2012-2013) ※世界初録音
フー・メイイ(ピアノ)…1.8/
トカ・ロカ(アンサンブル)…2/
ヨーリ・チョイ&ヒュン・リム(キーボード)…3-6/
マギル・パーカッション・アンサンブル…3-6/
ジェフリー・ストーンハウス(フルート/ピッコロ)…7/
マーク・ブレッドリー(クラリネット/リコーダー)…7/
マーク・フェラー(ヴァイオリン)…7/
アンドレア・スチュワート(チェロ)…7/
クリスティアン・スミス(パーカッション)…7/
ジェレミー・チャルク(ピアノ)…7/
ホワン・アイウン(指揮)…3-7
録音 2013年1月31日 カナダ マギル大学,シュリック音楽大学 レッドパス・ホール…1.8. 2013年4月30日 マギル大学 ポラック・ホール…2, 2012年11月18日 マギル大学 ポラック・ホール…3-6, 2012年12月7日 マギル大学 ポラック・ホール…7
 クリス・ポール・ハーマン(1970-)はカナダ、トロント生まれの作曲家です。クラシック・ギターとチェロ、電子音楽をそれぞれバートン・ウィグ、アラン・ステリングス、ウェス・ウランゲットに学び、1986年にCBCが主宰した若手作曲家のためのコンクールのファイナリストとなりました。
 作曲家として成功してからは、カナダだけでなく世界各国のオーケストラで自作を演奏しています。
 このアルバムには2006年から2013年までの7年間に書かれた5つの作品が収録されています。
 タイトルの「JSB-RS」というのは、バッハとシューマンのことであり、この2人を尊敬しているという彼らしい音楽を聴くことができます。無論、これらは原型をとどめることはほとんどなく、エッセンスのようなものが封じ込められているだけです。
 例えば「371」にはバッハのコラールBWV371の最後の4つの音から派生しているとのことですが、これは本当に静かに耳を傾けないと捉えることはできません。それよりもたくさんの楽器が奏でる不思議な響きに身を任せながら、自由に漂っているほうが楽しいのではないでしょうか?
 

8.573332
\1100
メシアン:主の降誕(1935)
 1.聖母と幼な子/2.羊飼いたち/3.永遠の摂理/4.御言葉/
 5.神の御子たち/6.天使たち/7.イエスは苦しみを受けたもう/
 8.東方の三博士/9.神はわれらのうちに
トム・ウィンペニー(オルガン)
録音 2014年1月3-4日 UK セント・アルバンス大聖堂&教会
 30歳になる前から、メシアン(1908-1992)はその作品において世界的な名声を確立していました。彼は11歳の時にパリ国立高等音楽院に入学、すでにこの当時から輝かしい業績を残しています。11年間音楽院に在籍し様々な知識を習得し、1930年の卒業時には、すでに異国風のリズムや鳥の鳴き声、そして音と色彩の関係などの独自の技法探求が確率されていたようです。その後、パリのサントトリニテ教会のオルガニストに就任し、亡くなるまでこの職に付き、ことあるごとに素晴らしい即興演奏を行い、信徒たちを熱狂させたのです。
 この「主の降誕」もそんな特徴がはっきりと現れている作品で、「主の降誕」というクリスマスの物語の中に、驚くほどの優雅さと美しさ、輝き、そして不思議な陶酔感を注ぎ込みました。全曲は9つの部分からなり、それぞれに副題が付けられています。メシアンの作品を聴くときは、まず響きを体で感じること。難しい言葉は後から自然についてきます。オルガニスト、トム・ウィンペニーはこの大聖堂のアシスタントマスター・オルガニストです。
 

8.573432
\1100
期待の新進演奏家シリーズ/カン・ユンホン:ギター・リサイタル
 1.カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
  悪魔的奇想曲 「パガニーニへのオマージュ」Op.85/
 2.バリオス(1885-1944):森に夢みる/
 3.バリオス:悲しみのショーロ/
 4.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004-
  第5楽章 シャコンヌ(バオ・フによるギター編)/
 5.グラナドス(1867-1916):スペイン舞曲集 Op.37 第4番 ビリャネスカ
  (M.バルエコによるギター編)/
 6.グラナドス:スペイン組曲 Op.47 第3楽章 セビーリャ(セビリャナス)
  (P.ロメロによるギター編)/
 7-10.レニャーニ(1790-1877):36のカプリース Op.20より
  <第7番/第2番/第19番/第29番>/
 11.メルツ(1806-1856):3つの小品 Op.65 第1番 ハンガリー風幻想曲/
 12-15.レニャーニ:36のカプリース Op.20より
  <第33番/第21番/第26番/第25番>
カン・ユンホン(ギター)
録音 2014年3月24-26日 中国 四川音楽院 コンサート・ホール
 2011年11月にタイで開催されたタイ国際ギター・コンクールで第1位を獲得した中国のギタリスト、カン・ユンホン。このアルバムの録音時、わずか14歳という驚くべき才能です。すでに世界中で活躍を始め、様々なコンサートホールで好評を博しています。
 四川音楽院でのコンサートでは、ペペ・ロメロとマヌエル・バルエコと共にステージに登場、ここでも素晴らしい演奏を聞かせました。またドイツで開催された第23回イーザーローン国際ギター・シンポジウムではオープニング・コンサートに出演し、ここでもその才能を見せつけました。
 彼の演奏の特徴は、とにかく繊細な音色と若さ溢れる楽天的な表情にあると言えるでしょう。若干の線の細さは今後の成長によってカヴァーできるはず。とにかく、この若さに賭けてみたい。と思わせてくれるギタリストです。

 


8.572874
(2CD)
\2200→\1990
ドヴォルザーク:レクイエム Op.89 B165
<CD1>
 1.入祭唱-レクイエム・エテルナム/
 2.昇階唱-レクイエム・エテルナム/
 3.続唱-怒りの日/
 4.続唱-奇しきラッパの響き/
 5.続唱-あわれな私は/
 6.続唱-思い出したまえ/
 7.続唱-呪われたもの/
 8.続唱-涙の日/
<CD2>
 1.奉献唱-主イエス・キリスト/
 2.奉献唱-賛美の生け贄と祈り/
 3.聖なるかな/
 4.ピエ・イエズス/5.神羊誦
クリスティアーネ・リボー(ソプラノ)/
エヴァ・ヴォラク(アルト)/
ダニエル・キルヒ(テノール)/
ヤヌス・モナルチャ(バス)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(合唱指揮…ヘンリク・ヴォジナロフスキ)/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2012年5月29日,6月5日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハモニック・ホール
 2人の子どもを相次いで失うというドヴィルザーク(1841-1904)自身の悲しい経験に基づいた「スターバト・マーテル」とは違い、この「レクイエム」はイギリスのバーミンガム音楽祭からの新作依頼に応えて作曲されたものです。
 彼は1884年と1885年にイギリスを訪れており、1884年にロイヤル・アルバート・ホールで演奏した「スターバト・マーテル」が好評だったため、この作曲依頼が来たのでしょう。曲は1890年の1月から10月にかけて作曲され、全曲は素朴で美しいメロディに満ち溢れており、曲の冒頭には彼が敬愛したバッハの最高傑作「ロ短調ミサ」からの引用もあるなど、渾身の力が込められた大作となっています。
 通常の典礼文とは一部変更が加えられているため、教会で演奏するよりも、あくまでも演奏会用の作品として位置づけられています。
 1891年にバーミンガム音楽祭でドヴォルザーク自身の指揮で初演された際は、もちろん大好評を持って迎えられました。古今東西のレクイエムの中では、かなり地味な風情を持っていると指摘されることもありますが、この静かな感動はじっくり聴いてみてこそ味わえるもの。もちろん「怒りの日」は充分な激しさを有しています。
 このような声楽付きの大作は、ポーランドの名指揮者アントニ・ヴィトにお任せを。清冽な響きが心の隅々まで浸透します。
 


8.573175
\1100
瀬尾和紀
 モシェレス:フルートとピアノのための作品集

  1. サヴォワ地方風ディヴェルティメント イ長調 Op.78/
  2-4. 協奏的ソナタ ト長調 Op.79/
  5-8. 4つのディヴェルティスマン Op.82b
   <第1番:行進曲/
    第2番:ハイドンのエアによる幻想曲/
    第3番:ロンディーノ/
    第4番:ヴァイグルの「シュヴァイツァー家」によるエア>/
  9. 6つの協奏的変奏曲 ニ短調 Op.21/
  10-13. 協奏的大ソナタ イ長調 Op.44
瀬尾和紀(フルート)/
上野真(ピアノ)
録音 2013年6月11-13日,12月19-20日 日本 三重県総合文化センター
 チェコに生まれライプツィヒで没した作曲家、ピアニスト、イグナーツ・モシェレス。彼の名前は、現在では「ピアノの練習曲」やピアノ教本で良く知られていますが、19世紀当時は最も尊敬された音楽家であり、ベートーヴェンの伝統を受け継ぎ、ロマン派のメンデルスゾーン、シューマン、ショパン、リスト等全てと交流があり、彼らの大先輩的な存在だったのです。とりわけ、モシェレスの息子、フェリックスの名付け親でもあるメンデルスゾーンとは家族ぐるみでの付き合いがあったことでも知られています。
 そんな彼の作品は、ピアノ曲はもちろんのこと、管弦楽作品や室内楽作品にも素晴らしいものがあり、このアルバムに収録されているフルート作品も、美しいメロディはもちろんのこと、驚くほどに見事な技巧が凝らされた活きの良いものばかりなのです。
 輝くばかりのフルートパートを支える入念なピアノ・パート。この2つが織り上げる極上の音楽は、単なる「古典派の一人の作曲家」の作品と片付けてしまうには、あまりにももったいないものです。
 ここで演奏しているのは、日本が誇る2人の音楽家たち。フルートの瀬尾氏はフランスと日本で活躍する名手であり、ピアノの上野氏はリストをはじめとした超絶技巧ものから、フォルテ・ピアノでの繊細な演奏までなんでもござれの凄腕。まさに火花が飛ぶような熱い音楽が展開されています。
 


8.573229
\1100
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽オーケストラのための協奏曲 他
 1-3. 弦楽のための協奏曲(1948)
 4-7. 弦楽のための交響曲(1946)
 8-11. ピアノ五重奏曲 第1番
  (M.スモリーによるピアノと室内管弦楽版)
   (1952/2013改編)
    ※8-11…世界初録音
エヴァ・クピーク(ピアノ)…8-11/
カペラ・ビドゴスティエンシス/
マリウシュ・スモリー(指揮)
録音 2013年9月3-5日 ポーランド,ブィドゴシュチュ ポメラニアン・フィルハーモニック・ホール
 ポーランドの女性作曲家において、最初に国際的に認知されたのがこのグラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)です。父からヴァイオリンとピアノを学び、1928年にワルシャワ音楽院に入学、1932年に卒業してすぐにヴァイオリニスト、作曲家として活動を始め、奨学金を得ながらパリに留学、エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェの薫陶を受けます。
 ヴァイオリニストとしてはカール・フレッシュに師事、演奏家としても作曲家としてもその才能に磨きをかけました。
 そんな彼女の作品にはヴァイオリンをメインにしたものが多いのですが、この戦後に書かれた「弦楽のための協奏曲」はバロック時代の様式を模したスタイルで書かれた闊達な音と大胆な動きを持つ作品で、なぜか聴き手の闘争本能を掻き立てるような不思議な魅力を放っています。
 その2年前に書かれた「弦楽のための交響曲」も活力と欲求が漲るギラギラとした光に溢れたもの。一度聴いたら底なし沼に沈むかのように抜け出せない音楽です。
 スモリー自身が室内管弦楽用に編曲した「ピアノ五重奏曲 第1番」は彼女の作品の中でも、最も人気の高いものの一つですが、原曲の持つ力強さと荒々しさが一層強調されたこの編曲ヴァージョンは、一層の歯ごたえを感じさせるものです。ポーランドの名手クピークのピアノも聴き所です。
 


8.573243
\1100
カラブチェフスキー(指揮)
 ヴィラ=ロボス:交響曲 第10番「アメリンディア」

テノール、バリトン、バスと混声合唱、オーケストラのためのオラトリオ
 1.第1部:大地と創造物 Allegro/
 2.第2部:戦いの叫び Lento/
 3.第3部:イウルピチュナ Scherzo/
 4.第4部:大地の声と父アンシエタの出現 Lento/
 5.第5部:Poco allegro
レオナルド・ネイバ(バリトン)/
サウロ・ジャバン(バス)/
サンパウロ交響楽団&合唱団(合唱指揮…ムナカタナオミ)/
イサーク・カラブチェフスキー(指揮)
※この録音では、テノール・パートは
合唱団のメンバーが担当しています
録音 2013年2月2-16日 ブラジル サンパウロ,サラ・サンパウロ
 最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。
 この交響曲第10番「アメリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲された、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そして時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、色彩的で派手な様相を備えています。
 ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では「おとなしいもの」として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニークなものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題が付けられており…「アメリンディア」と「Sume, Father of Fathers(神話の登場人物)」…ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。
 


8.573296
\1100
デュカス:交響曲 ハ長調 他
 1. 交響詩「魔法使いの弟子」/
 2. 「ラ・ぺリ」のファンファーレ/
 3. 舞踏劇「ラ・ペリ」/
 4-6. 交響曲 ハ長調
アイルランド国立交響楽団/
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)
録音 2013年10月7-10日 アイルランド ダブリン,ナショナル・コンサート・ホール
 パリで銀行家の父の下に生まれた作曲家ポール・デュカス(1865-1935)。その作品は華麗なオーケストレーションと色彩的な表現で知られています。彼の最も有名な作品である「魔法使いの弟子」は、自己批判が厳しすぎた彼による破棄を免れた自信作。あの映画「ファンタジア」に使われて一躍有名になりました。
 この物語、あまり知られていませんが、原作はゲーテによるもので、ゲーテが、シリア人のルキアノスの詩「嘘を好む人たち」を基にして書き上げたバラード(物語詩)を使っています。映画では名指揮者ストコフスキーがオーケストレーションに手を加えていて、こちらの響きが広く知られていますが、ここでは指揮者タンゴーが探索した初稿版を用いることで、華美さを取り去った「作曲家のオリジナルの意図」を反映した演奏で楽しむことができます。
 「ラ・ペリ」はロシア・バレエ団からの委嘱作品。当初は蓮の花の精ペリはナターリヤ・トゥルハノヴァ、イスカンデル王をニジンスキーが演じることになっていましたが、ディアギレフの介入でトゥルハノヴァが降板、しかしデュカスは彼女のために音楽を完成させたといわれています。この作品も危うく破棄されるところでしたが、何とか生き残ったのでした。デュカス30歳のときに書かれた交響曲は、彼が残した唯一の交響曲で、軽快さと優美さ、重厚さを兼ね備えた隠れた名作です。
 


8.573426
\1100
野に咲く花 〜フィンジ:レクイエム・ダ・カメラ 他
 1. バターワース(1885-1916):
  管弦楽のための狂詩曲「シュロップシャーの若者」/
 2-5. フィンジ(1901-1956):レクイエム・ダ・カメラ
  (C.アレクサンダーによる補筆完成版)
  <前奏曲/なんと静かな今宵のトウモロコシ畑/
   男がひとり土くれをならし/残されしもの>/
 6.ガーニー(1890-1937):トランペット
  (P.ランカスターによる管弦楽編)/
 7.ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958):
  オックスフォードの悲歌 ※2-5.6…世界初録音
ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)…4/
ジェレミー・アイアンズ(語り)…7/
シティ・オブ・ロンドン合唱団…3-5.7/
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ/
ヒラリー・ディヴァン・ウェットン(指揮)
録音 2014年7月11.12日 UK ロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール
 これらの作品には、全て第一次世界大戦における大虐殺への悲しみが根底に流れています。
 4人の作曲家たちはそれぞれ、バターワースのようにその戦いで命を落とすか、多大なる犠牲を払いながら後々の生涯を生きていくことになります。
 「シュロップシャーの若者」は彼の同名の歌曲集のエピローグとして構想された、人生のはなかさをそのまま閉じ込めたような美しい作品です。歌曲集の中の「最も美しい樹」のメロディが使われた郷愁溢れるメロディは涙を誘わずには入られません。フィンジはこの戦いで彼の最愛の教師アーネスト・ファーラーを失いました。無論彼はそれ以降も波乱万丈の生涯を送るのですが、当時彼は師だけでなく、最愛の家族も失うなど、人生観に大きな影響があったことは間違いありません。
 この室内レクイエムは恐ろしいまでの静けさに満ちています。未完成で終わった作品ですが、一度はP.トーマスの加筆版が演奏され、高く評価されました。
 ここではクリスチャン・アレクサンダーによる新版での演奏です。ガーニーは戦場で吸い込んだ毒ガスにより健康を失い、その後半生を病院で送りました。
 この「トランペット」は人類の愚かさを告発する作品です。そしてヴォーン・ウィリアムスの「悲歌」は、彼の失われた友人のために書かれた作品であり、普段はそういう音楽を書かなかった彼が、晩年になって至った境地を表しているものです。合唱はほとんど言葉を発することなく、物語は語り手によって紡がれていきます。
 


8.555578
\1100
クチャル&ウクライナ国立響
 リャトシンスキー:交響曲集 第1集

  1-3. 交響曲 第1番 イ長調 Op.2
  4.交響的バラード「グラジーナ」Op.58 (1955)
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮)
録音 1994年5月8.13-15日 キエフ Studio of the State Broadcasting Company of Ukraine MALCO POLO 8.223542より移行盤
 20世紀のウクライナにおける音楽界の基礎を作った作曲家ボリス・リャトシンスキー(1895-1968)。彼は牧師の家庭に生まれ、幼い頃からピアノとヴァイオリンに習熟し、10代の半ばで最初の作曲を行ったとされています。やがてキエフ音楽院でレインゴリト・グリエールに作曲を師事、グリエールの没後には遺作となった「ヴァイオリン協奏曲」Op.100の補筆を手がけたことで知られます。
 もちろん彼の作品にも先人からの影響は感じられ、特に第1番の交響曲は1919年に完成されたものの、彼自身が少しずつ改訂を加え、様々な要素を取り込みながら進化してきた作品。もともとは第2楽章だけが独立した「叙情詩」でしたが、その後第1楽章が付け加えられ、第2楽章を改訂し、終楽章を加え、1923年にようやく完全版として初演されたというものです。1955年に書かれた交響的バラード「グラジーナ」は彼の最も熟練した作品の一つであり、ポーランドの偉大な詩人アダム・ミツキェヴィチの没後100周年を記念して書かれたものです。
 リトアニアの神話に登場する女性騎士を主人公をしたミツキェヴィチの詩がスコアの冒頭に付され、戦いに身を投じ悲劇的な死を迎える彼女の姿を克明に音楽で描いていきます。カリンニコフをはじめ、ロシア、東欧系の作品に強いクチャルの素晴らしい指揮による演奏です。
  


8.555579
\1100
クチャル&ウクライナ国立響
 リャトシンスキー:交響曲集 第2集

 1-3. 交響曲 第2番 Op.26(1935-1936/1940改訂)
 4-7. 交響曲 第3番 ロ短調 Op.50(1950/1954改訂)
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮)
録音 1993年6月4-9日 キエフ Studio of the State Broadcasting Company of Ukraine MARCO POLO 8.223540より移行盤
 「ウクライナ音楽の父」ボリス・リャトシンスキー(1895-1968)の交響曲第2集です。1935年から1936年に書かれた交響曲第2番は、当時の時代の乱れを反映した暗く重い音楽。第1番ではリヒャルト・シュトラウスやチャイコフスキーを思わせる幾分のどなかな表情を持っていた彼の作品も、この時期のウクライナの政治的不安定と抑圧を反映して、ここまで不穏なものとなってしまったのです。
 神経質さと粗暴さを孕むこの交響曲は、至るところに「音の爆発」があり、第2楽章では幾分神秘的な要素を見せますが、やはり不吉な音で中断を余儀なくされてしまいます。第3楽章も混乱する音が交錯し、果てしない不安を齎すものと場っています。
 交響曲第3番は彼の作品の中では最も知られるもので、初演時には大きなセンセーションを巻き起こしたと言われています。当初は「戦争を打ち負かし平和になる」と終楽章に碑文が付されていましたが、ソ連の検閲によりこれを削除、1954年に改訂を施されることとなります。最後は勝利で終わるかと思いきや、すっきりと終わらないところが面白いです。爆演ファンにはたまらない1枚でしょう。
 


8.555580
\1100
クチャル&ウクライナ国立響
 リャトシンスキー:交響曲集 第3集

 1-3. 交響曲 第4番 変ロ短調 Op.63(1963)
 4-6. 交響曲 第5番 ハ長調「スラビャンスカヤ」Op.67(1965-1966)
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮)
録音 1993年12月27-30日 キエフ Studio of the State Broadcasting Company of Ukraine MARCO POLO 8.223541より移行盤
 リャトシンスキー(1895-1968)の交響曲集第3集、ここには彼の第4番と第5番が収録されています。
 1963年に完成した第4番は、ネイサン・ラクリンの指揮により、当時のレニングラード(サンクトペテルスブルク)フィルハーモニー管弦楽団によって初演されました。この作品は当時の音楽の隆盛からは完全に外れたところにあり(リヒャルト・シュトラウスが最後まで調性を捨てなかったように)、あからさまな調性を持ち、またウクライナの民俗音楽も取り込んでいたのです。
 無論評論家たちは、この作品を「ウクライナ音楽の発展」に寄与しないと評しましたが、様々な音楽が入り混じっている現代にこの作品を聴いてみると、全く問題なく、このある意味「わかりやすさ」が却って人気を獲得するのではないかと感じます。
 そして、1950年代初頭からスラブ音楽に興味を持っていたリャトシンスキー、彼自身の音楽性の解放は交響曲第5番第1楽章の高らかな金管の咆哮で明らかになったのかもしれません。副題に「スラビャンスカヤ(スラヴの意味)」を持つこの交響曲には、やはり騎士道の物語の精神が流れています。
 


8.555741
\1100
クチャル&ウクライナ国立響
 スタンコヴィチ:交響曲 第2番「英雄的」・第1番・第4番

  1-3. 交響曲 第2番「英雄的」(1975)/
  4. 交響曲 第1番「シンフォニア・ラルガ」(1973)/
  5. 交響曲 第4番「シンフォニア・リリカ」(1977)
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮)
録音 1995年1月27-31日 キエフ ウクライナ放送,コンサート・ホール
 ウクライナ生まれのイーヴェン・スタンコヴィチ(1942-)は、この国の最も重要な現代作曲家として多くの賛辞を得ています。彼はキエフ音楽院でボリス・リャトシンスキーとミロスワフ・スコリクから作曲を学び、12曲の交響曲、5つのバレエ、協奏曲、室内楽曲、そして映画音楽を多数作曲し、1998年からはキエフ音楽院の作曲家の教授を務め、後進の指導にあたっています。
 彼の作品からは、わかりやすい「ソ連への忠誠心」というものは感じられず、それ故に演奏されることもほとんどなく、このアルバムに収録された3つの作品もすっかり忘れ去られてしまっています。
 この3つの作品のうち、1973年に書かれたシンフォニア・ラルガはシュニトケへの伏線であり、自由な音が乱舞しています。1975年の交響曲第2番「英雄的」は、拡大されたパーカッション・パートを持つ大規模な作品。チェレスタはピアノ、ハープなども使われ悲痛な面持ちを感じさせますが、根底に流れるのは勝利を願う強い意志でしょう。
 1977年の第7番「シンフォニア・リリカ」はまた静かな世界を感じさせるスクリャービンを思わせるような「新ロマン主義」に属する音楽です。すっかりお馴染みとなったクチャルの説得力溢れる演奏です。
 


8.570572
\1100
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番&第2番
 1-4. ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 Op.1/
 5-7. ピアノ五重奏曲 第2番 変ホ短調 Op.26
ゴットリープ・ウォルフィッシュ(ピアノ)/
エンソ弦楽四重奏団
<メンバー:
 モーリーン・ネルソン(第1ヴァイオリン)/
 ジョン・マルクス(第2ヴァイオリン)/
 メリッサ・リードン(ヴィオラ)/
 リチャード・ベルチャー(チェロ)>
録音 2007年5月28.29日 カナダ オンタリオ,トロント CBC,グレン・グールド・スタジオ
 名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父に当たるドホナーニ・エルノ(1877-1960)の2つのピアノ五重奏曲です。
 1897年、オイゲン・ダルベールとともに学んでいたドホナーニは、ベルリンでピアニストとしてデビューするための準備を始め、ドイツとオーストリアでコンサートを行い、ハンス・リヒターの招きでロンドンに出かけ、ここでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏して、素晴らしい成功を収めます。その後、彼はリストを親しくなることを目論み、ロシアとアメリカを含むコンサート・ツアーを行い、その後は紆余曲折を経ながらもハンガリーの音楽の発展に力を尽くします。
 この1895年に書かれた第1番のピアノ五重奏曲は、ブラームスに絶賛されたという魅力的な作品です。確かにブラームスからの影響を強く受けたと思われる雰囲気が横溢し(特に第3楽章)、これは若き作曲家の意欲を示すとともに、その行く末を暗示させるかのようなドラマティックな側面も見せています。
 それに比べ、1914年に書かれた第2番の五重奏曲は、冒頭から重苦しく激しいもので、ドホナーニの作風の変化を目の当たりにすることができるでしょう。第3楽章のメロディも民謡調であり、第2主題はただただ厳粛です。名手ウォルフィッシュとエンソ弦楽四重奏団による迫力ある演奏は、聴くものの心を捉えてやみません。
 


8.571305
\1100
イディル・ビレット:室内楽エディション 第1集
 シューマン:ピアノ五重奏曲・交響的練習曲
  1-4. ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
  5-22. 交響的練習曲 Op.13
イディル・ビレット(ピアノ)/
ボルサン弦楽四重奏団
<メンバー:
 エセン・キヴラク(第1ヴァイオリン)/
 オルグ・キジレイ(第2ヴァイオリン)/
 エフダル・アルトゥン(ヴィオラ)/
 チャ・エルチャ(チェロ)>
録音 2014年5月 ドイツ ザンドハウゼン-ハイデルベルク クララ・ヴィーク・アウディトリウム
 トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの最新録音はシューマン(1810-1856)のピアノ五重奏曲と交響的練習曲という組み合わせ。このピアノ五重奏曲が素晴らしい出来栄え。思いの他落ち着いたテンポ設定と、たっぷりとした美しい音色は、シューマンのこの悩ましい世界を完璧に表現しています。
 共演しているボルサン弦楽四重奏団は2005年に設立されたトルコのアンサンブルですが、アルバン・ベルク四重奏団やジュリアード四重奏団のマスタークラスに参加し、その技術と表現力に磨きをかけた人たち。このシューマンではビレットの錚々たるピアノと真っ向から立ち向かい、納得の演奏を繰り広げています。後半の「交響的練習曲」はビレットの個性的な持ち味が炸裂。ねっとりと聞かせるビレット節をたっぷりとお楽しみください。なお遺作の5曲は曲中に挟みこまれる形で演奏されています。
 


8.573130
\1100
レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第2集
ピック=マンジャガッリ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 1-3. レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 P.110 (1917)/
 4. ピック=マンジャガッリ:コラリン Op.12(1908)/
 5. ピック=マンジャガッリ:G.B.グラツィオーリのコルダによるアダージョ(1908)/
 6. ピック=マンジャガッリ:シルヴェンテーゼ(1908)/
 7-9. ピック=マンジャガッリ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op.8 (1906)
  ※4-9…世界初録音
エミー・ベルネコーリ(ヴァイオリン)/
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(ピアノ)
録音 2013年9月9-12日 イタリア ヴィツェンツァ,モンティチェッロ・ディ・ロニゴ,サント・アポリナーレ教会
 「ローマ三部作」で知られるイタリアの名作曲家レスピーギ(1879-1936)。彼の父親は地元の音楽教師であり、祖父も名高い音楽家であり、そのためレスピーギも幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び、長じてからはヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者としても活躍しています。
 そのため、このようなピアノとヴァイオリンのための作品を書くのは当然の成り行きだったに違いありません。このヴァイオリン・ソナタは1917年に完成したもので、その直前に「ローマの噴水」が初演されるなど、彼の創作意欲は絶頂期にあり、20年前に書かれた「ニ短調ソナタ」に比べると、その音楽的な深化には格段の違いがあります。
 アグレッシヴな第1楽章、叙情的で官能的な第2楽章、濃密な空気が漂う終楽章と、管弦楽作品とはまた違う魅力を見せるレスピーギをご堪能ください。
 アルバムの残りの部分に収録されているのは、ストラコニツェで生まれた作曲家、ピック=マンジャガッリ(1882-1949)のヴァイオリン作品集。生まれはボヘミアですが、幼い頃にミラノに移住したため、ほとんどレスピーギと同世代のイタリアの作曲家と称してもよいのではないでしょうか?彼のロ短調ソナタ(奇しくもレスピーギと同じ調性を持つ)は、作曲年代が早いためか、まだまだロマン派の作風に則ったものですが、独創的なピアノ・パートなど聴くべき箇所はたくさんあります。知られざる作曲家を聞く楽しみもたっぷりです。
《レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第1集…8.573129》


8.573129
\1100
レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第1集
 1.ギーガ P.15b/2.アレグレット・ヴィヴァーチェ/
 3-5.ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(1897)/
 6-11. 6つの小品 Op.31(1901-1902)
  <子守歌/メロディ/伝説/優しいワルツ/セレナード/アリア>/
 12-16. 5つの小品 Op.62(1906)
  <ロマンス/朝の歌/マドリガーレ/子守歌/ユモレスク>
エミー・ベルネコーリ(ヴァイオリン)/
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(ピアノ)
録音 2012年9月3-5日 ヴィセンツァ モンティチェロ・ディ・ロニゴ,セント・アポリナーレ教会
 レスピーギ(1879-1936)というと、あの壮大な「ローマ三部作」などの管弦楽作品がまず頭に浮かびますが、彼自身は最初ヴァイオリンを学びやがてヴィオラ弾きとして活躍、従って、その初期の作品もヴァイオリンのために書かれたものがとても多いのです。
 NAXOSではそんなレスピーギのヴァイオリンとピアノのための作品の全集をシリーズ化します。第1集は1897年から1905年にかけて書かれた曲を集めたもので、いくつかの曲はボローニャの博物館に所蔵された未発表作品でもあります。
 彼の学生時代にはドイツのロマン主義とロシアの国民楽派など、フランスの印象派など様々な潮流が押し寄せていました。そんな時期に書かれたこれらの曲はおり、優雅さと流麗さ、そして壮大さを兼ね備えています。ピアノ独奏版としても愛されている6つの小品(とりわけ優しいワルツは最近人気の作品)は、ヴァイオリンで聴くとまた違った佇まいを持ち、良い意味での「サロン風」の雰囲気を備えています。そして「5つの小品」は完全にレスピーギの個性が確立された作品と言えそうです。

 


8.573196
\1100
DE PROFUNDIS-深き淵より
 1. ピツェッツィ(1880-1968):深き淵より/
 2. マリピエロ(1882-1973):深き淵より/
 3. アレグリ(1582-1652):ミゼレーレ/
 4. マクミラン(1959-):ミゼレーレ/
 5. プッチーニ(1858-1924):レクイエム/
 6-10. ピツェッツィ:レクイエム
  <レクイエム/ディエス・イレ/サンクトゥス/アニュス・デイ/リベラ・メ>
   ※2…世界初録音
ヴァザーリ・シンガーズ/
ジェレミー・バックハウス(指揮)
録音 2014年2月21-23日 UK ケント トンブリッジ・スクール・チャペル
 DE PROFUNDISとは聖書の詩篇第130番(129番)の言葉で、日本語では「深き淵より」と訳されています。絶望の底に沈んだ人々が神に向かって、自らの願いを聞き入れてもらおうと願う祈りの言葉は、多くの作曲家にインスピレーションを与え、様々な曲が付けられることになったのです。このアルバムでは2人のイタリアの近代作曲家ピツェッツィとマリピエロの「深き淵より」を収録。無伴奏合唱で清楚に歌われるピツェッツィの作品と、対照的にヴィオラ、オルガン、バス・ドラムとバリトンという編成で歌われるマリピエロの作品の聴き比べは何とも興味深いものです。そして有名なアレグリの「ミゼレーレ」。詩篇第51番の言葉を元に書かれたこの究極のハーモニーは、あのモーツァルトが一度聞いただけで採譜してしまったという門外不出の名作です。
 そしておよそ350年の時を経て書かれた次の「ミゼレーレ」はイギリスの作曲家、ジェームズ・マクミランの作品で、こちらは神秘的な響きに包まれた現代の「憐れみたまえ」です。
 続く2つの「レクイエム」はプッチーニとピツェッツィの作品。珍しいプッチーニの「レクイエム」はヴェルディの没後4周年である1905年の記念式典のために書かれたもので、短いながらも成熟した作風を持つ、プッチーニの心からの追悼の音楽です。ピツェッツイのレクイエムは、彼の妻マリアの追悼のために作曲されたもの。グレゴリオ聖歌のメロディをはじめとした様々な旋律を用いた無伴奏合唱で歌われる作品です。サンクトゥスで少しだけ明るさを見せますが、その他は終始静かな悲しみを湛えています。
 


8.573230
\1100
パトリック・ガロワ
 ドヴィエンヌ:フルート協奏曲集 第1集

 1-3. フルート協奏曲 第1番 ニ長調(1782)/
 4-6. フルート協奏曲 第2番 ニ長調(1783)/
 7-9. フルート協奏曲 第3番 ト長調(1784)/
 10-12. フルート協奏曲 第4番 ト長調
パトリック・ガロワ/
スウェーデン室内管弦楽団
録音 2013年5月20-24日 スウェーデン エレブロ・コンサート・ホール
 18世紀末、フランスで活躍した作曲家フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)。彼の作品はほとんどが管楽器のためのもので、その中にフルート協奏曲は13曲ほど存在します。
 もともとはバスーン奏者でしたが20歳の置きにパリ・オペラ座管弦楽団のバスーン奏者として入団した後にフルートを始めたと言いますが、その3年後にはパリのコンセール・スピリテュエルで自作のフルート協奏曲を演奏してデビューしたという才能!作品の中には交響曲はありませんが、オペラは12曲あり、これは当時かなりの人気を誇ったと言います。
 彼は指導者としても素晴らしく、1795年に創立された(もともと存在した音楽学校が改組された)パリ音楽院の学校管理者およびフルートの教授に任命されたのです。彼のフルート協奏曲はほとんどが3楽章構成となっていて(例外もあり)急-緩-急の整った形を持っています。この第1集には第1番から第4番を収録、名手パトリック・ガロワの安定した演奏でこれらの才気煥発な作品を存分に楽しむことができます。本当に爽やかなパリの風をどうぞ。
 

8.573267
\1100
アルフレッド・ヒル(1869-1960):弦楽四重奏曲集 第5集
 1-4. 弦楽四重奏曲 第12番 ホ長調/
 5-8. 弦楽四重奏曲 第13番 変ホ長調/
 9-12. 弦楽四重奏曲 第14番 ロ短調
  ※全て世界初録音
ドミニオン弦楽四重奏団
<メンバー:
ユーリ・ゲゼンツヴェイ(第1ヴァイオリン)/
ローズマリー・ハリス(第2ヴァイオリン)/
ドナルド・モーリス(ヴィオラ)/
デイヴィッド・チッケリング(チェロ)>
録音 2012年6月4日…1-4, 2013年5月…5-8, 2013年5月28日…9-12 ニュージーランド ウェリントン,パーク・ロード・ポスト
 オーストラリアが生んだ作曲家アルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の弦楽四重奏曲集もこれが第5集。あと1集を残すのみとなりました。彼は2歳から17歳までニュージーランドで過ごし、その後はライプツィヒに留学、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーら当時の音楽を吸収しました。
 彼はここでピアノとヴァイオリンを学び権威ある「ヘルビッヒ賞」を獲得、またオーストラリアに戻り、ニュージーランドを行き来しながら、ヨーロッパの伝統と、この地の音楽の融合を図り、時にはマオリの民謡を取り入れながら、数多くの作品を生み出したのです。
 この第12番から第14番の弦楽四重奏曲は、初期の作品のように、あからさまな先人からの影響を感じさせることなく、良い感じの独自性が発揮された作品群です。未だに出版されていない第12番(オーストラリア国立図書館所蔵)、若干無調音楽に足を踏み入れている第13番、番号付けが混乱している1951年頃に書かれた第14番、この3曲は20世紀と19世紀の2つの時代を自由に揺れ動く不思議な味わいを持ち、またヨーロッパの音楽の伝統がどのように広まり、独自の根を張っていくかを見るための、素晴らしいサンプルとしても役に立つものなのです。第12番の冒頭の深い音色を持つチェロの歌には、思わず背中がぞくぞくしてしまいます。
  

8.573295
\1100
アルベニス:ピアノ作品集 第6集
 1. コティヨン-第1番 シャンパーニュ T83 (1887)/
 2. 2つの性格的小品-第2番 タンゴ T94 (1889)/
 3. 演奏会用練習曲「願い」Op.40 T53 (1885頃)/
 4-9. スペイン Op.165 T95 (1890)
  <前奏曲/タンゴ/マラゲーニャ/セレナータ/
   カタルーニャ奇想曲/ソルツィーコ>/
 10. 思い出(マズルカ) Op.80 T80 (1887)/
 11. メヌエット第3番 変イ長調 T74 (1886)/
 12. 小さな手のための易しいパヴァーヌ Op.83 T82 (1887)/
 13. 木の下で(ソルツィーコ)T84 (1891頃) /
 14. サロン風マズルカ Op.81 T81 (1887)/
 15. ピアノ・ソナタ第7番 Op.111 T89-メヌエット/
 16-17. イヴォンヌの訪問(1908頃)
  <畏敬の念/楽しい邂逅、およびいくつかの悲惨な出来事>/
 18. 軍隊行進曲 T45 (1869)
サンティアーゴ.L.サクリスタン(ピアノ)
録音 2013年6月22-23日 スペイン マドリッド,リアル・コンセルヴァトーリオ・スペリオール・デ・ムジカ
 アルベニス(1860-1909)のピアノ全作品を集めたシリーズの第6集です。このアルバムには、初期の時代に書かれたサロン風の小品が収録されていて、このまばゆいばかりの光に満ちた音楽は、ショパンやリストのピアノ曲にも似た華麗さを持ちながら、スペイン風のリズムも楽しめる、いかにもアルベニスらしいものです。
 彼の波乱万丈な人生については、最近ではかなりの創作が含まれていることが判明し、その作品番号も実際の作品年とはずれているため、ここでは2001年に発表されたハシント・トーレスによる整理番号も併記されています。ショパンを思わせるワルツ「シャンパーニュ」、スペインの香り漂う「タンゴ」、リストも顔負けの超絶技巧を要求する「願い」など、冒頭からしっかり惹きつけられること間違いなし。
 魅力的過ぎる組曲「スペイン」をはさみ、またロマンティックな作品が並びます。「イヴォンヌの訪問」は若き弟子イヴォンヌ・ガイドについて作曲したもので、サティ風の単純な楽想に隠されたユーモアが光ります。最後に置かれた「軍隊行進曲」は彼が8歳から9歳の時の作品で、ブルッフ子爵に捧げられています。シンプルかつ確固たる楽想に貫かれた魅力的な作品です。
 


8.573313
\1100
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
 ハイドン:十字架上の最後の七つの言葉 Hob.XX:1C(ピアノ版)

 1. 序奏 Maestoso ed adagio/
 2. 第1ソナタ:「父よ!彼らの罪を赦したまえ」 Largo/
 3. 第2ソナタ:「おまえは今日、私と共に楽園にいる」 Grave e cantabile/
 4. 第3ソナタ:「女性よ、これがあなたの息子です」 Grave/
 5. 第4ソナタ:「わが神よ!何故私を見捨てたのですか?」 Largo/
 6. 第5ソナタ:「渇く!」 Adagio/
 7. 第6ソナタ:「果たされた!」 Lento/
 8. 第7ソナタ:「父よ!あなたの手に私の霊を委ねます」 Largo/
 9. 地震:Presto
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
録音 2013年7月22.23日 ハンガリー,フェニックス・スタジオ
 ハイドン(1732-1809)の「十字架上の最後の七つの言葉」はもともと1786年に管弦楽曲として書かれたものです。当時54歳、円熟期のハイドンはスペインのカディス大聖堂から聖金曜日の礼拝のための音楽を書くように依頼されました。それは聖金曜日の礼拝用で、福音書のキリストの十字架上の七つの言葉をそれぞれ読み、瞑想する時間に奏される音楽を書くというものだったのです。
 信者たちが瞑想する時に奏される音楽のため、全てがゆったりとした曲である必要があり、これは全曲を通す上でもかなり困難なことでしたが(確かに変化が乏しくなる危険性を孕んでいます)、ハイドンは見事な音楽を書き、その期待に応えたのでした。曲は序奏に始まり、7つのソナタを巡って、最後はイエスが死を迎えた時に起きたとされる地震を表す音楽で終わるという荘厳なもの。ハイドンはこの管弦楽版がいたく気に入り、自身の編曲で弦楽四重奏版を作り、更にこのアルバムで聴くことができるクラヴィーア版も監修しました。
 その後、この作品に他人が歌詞をつけたオラトリオ版をいうものを耳にしたハイドンは、自身がその編曲に手を加え、正式なオラトリオ版として完成させたというエピソードまであります。そこまでハイドンのお気に入りとなったこの作品。イェネ・ヤンドーの説得力溢れる演奏で聞いてみてください。
 

8.573421
\1100
クリスマスの奇跡
 1. ダヴィデの村の厩の内に(A.H.マン&D.ウィルコックスによる合唱とオルガン編)/
 2. 私が踊る日(B.チルコットによる合唱編)/
 3. 御使いうたいて(P.ハレーによる合唱とオルガン編)/
 4. 御子が産まれた Op.3より主題/5. 柊とつた/
 6. フー・イズ・ヒー・イン・ヨンダー・ストール/
 7. 処女なる御母は男を知らず/
 8. まぶねの中で(B.チルコットによる合唱編)/
 9. ディンドン空高く
  (P.スティーヴンス&M.ウィルバーグによる合唱とオルガン編)/
 10. オー・ホーリー・ナイト/11. アダムは縛られて/
 12. 見よ おとめはみごもり/13. ロッキング/
 14. ガブリエルのお告げ(G.ブラウンによる合唱とオルガン編)/
 15. さまよいながら私は不思議に思う(L.エンスによる合唱編)/
 16. 花がある/17. 一輪のばらが咲いて/
 18. まきびとひつじを(P.ハレーによる合唱とオルガン編)
マイケル・ブロス(オルガン)…1.3.5.6.9.10.14.18/
エローラ・フェスティバル・シンガーズ/
ノエル・エジソン(指揮)
録音 2014年5月9-11日 カナダ オンタリオ,エローラ 聖ジョン教会
 基本的には無伴奏、時にそっとオルガンが参加するというこの美しいコーラスによるクリスマス・アルバム。
 歌っているのは現代の合唱団の中でも最もエキサイティングな活動をしているエローラ・フェスティバル・シンガーズです。ここでも歌われている作品はルネサンス時代のポリフォニーから、現代曲までと幅広く、どの時代の曲も分け隔てなく?丁寧に扱われています。
 有名な曲を聞きたければ、「オー・ホーリー・ナイト」か「まきびとひつじを」あたりから。ひたすら声の神秘を聴きたければオルガンなしの曲から…クリスマスが終わっても、「癒しの1枚」としてお手元に置いてください。人間の声の美しさにただただ感動できるアルバムです。 《エローラ・フェスティバル・シンガーズのクリスマス・アルバム「クリスマスの神秘」…8.554179》
 

8.578281
(2CD)
\2200
動物たちの音楽
<CD1>
 1.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
  劇音楽「すずめばち」アリストファネス組曲-第1楽章 序曲/
 2.ヘンデル(1685-1759):
  オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコウとナイチンゲール」HWV295-第2楽章 アレグロ/
 3.グリーグ(1843-1907):叙情小品集 第3巻 Op.43-4「小鳥」/
 4.ムソルグスキー(1839-1881):
   組曲「展覧会の絵」殻をつけたひな鳥の踊り(P.ブレイナー版)/
 5.マルティヌー(1890-1959):夏至の夜のネコの行列 H122/
 6.ヴィヴァルディ(1678-1741):ヴァイオリン協奏曲「四季」-春 第2楽章/
 7-11. グリーグ:ノルウェー民謡と舞曲より
  <第8番「ブタ」/第12番「ソルファーゲルとヘビの王」/
   第17番「馬あぶとハエ」/第22番「牛の呼び声」/
   第25番「大ガラスの結婚式」/
 12.セーヴェルー(1897-1992):ウサギとキツネ/
 13.ディーリアス(1862-1934):春を告げるカッコウを聴いて/
 14.ミヨー(1892-1974):屋根の上の牛 Op.58/
 15.シューベルト(1797-1828):ピアノ五重奏曲「ます」第4楽章/
 16-18. プロコフィエフ(1891-1953):ピーターとオオカミより
  <鳥/アヒル/アヒルを飲み込んだオオカミ>/
 19-20. メシアン(1908-1992):鳥のカタログより
  <コウライウグイス/モリフクロウ>/
 21.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):くまんばちの飛行/
<CD2>
 1. ベートーヴェン(1770-1827):
   交響曲 第6番「田園」第2楽章「小川のほとりの情景」/
 2-3. メシアン:鳥の小スケッチより<ヨーロッパコマドリ/クロウタドリ>/
 4.ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958):揚げひばり/
 5.ブルサ(1954-):寓話-第3番「アリとキリギリス」/
 6.グリーグ:叙情小品集 第3巻 Op.43-1「蝶々」/
 7.モーツァルト(1756-1791):音楽の冗談 K522-第4楽章/
 8.プーランク(1899-1963):小象ババールの物語より/
 9.シベリウス(1865-1957):組曲「レンミンカイネン」より「トゥオネラの白鳥」/
 10.ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」Op.10-3 RV428-第1楽章/
 11-24. サン=サーンス(1835-1921):組曲「動物の謝肉祭」
  <序奏と獅子王の行進曲/めんどりとおんどり/
  ロバ/カメ/象/カンガルー/水族館/耳の長い登場人物/
  森の奥のカッコウ/大きな鳥かご/ピアニスト/化石/白鳥/終曲>
様々な演奏家
 何世紀もの間、作曲家たちは動物の姿を音楽に写しだすことで、作品に色彩と品格をもたらしました。
 もちろん動物たちはメシアンの「鳥のカタログ」のように、丁寧にあからさまに描写されていることもあれば、シベリウスの「トゥオネラの白鳥」のような死を示唆したものや、サン=サーンスの「ピアニスト」のように強烈な皮肉を込められたものもあります。
 人間と動物が自然に共存できる世界は、なんと喜ばしいことでしょう。
 

8.578289
(2CD)
\2200
愛と情熱
<CD1>
 1. ヘンデル(1685-1759):歌劇「セルセ」からオンブラ・マイ・フ/
 2. ドリーブ(1836-1891):?シルヴィア 第1幕:ワルツ・レント/
 3. ドビュッシー(1862-1918):牧神の午後への前奏曲/
 4. グラズノフ(1865-1936):組曲「中世より」Op.79-吟遊詩人のセレナード/
 5. スタイナー(1888-1971):映画音楽「風と共に去りぬ」-タラのテーマ/
 6. チャイコフスキー(1840-1893):眠りの森の美女 第1幕-バラのアダージョ/
 7. リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):英雄の生涯-第3楽章「英雄の伴侶」/
 8. ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ(管弦楽版)/
 9. マクダウェル(1860-1908):第2組曲「インディアン」Op.48-愛の歌/
 10. フィビヒ(1850-1900):交響曲 第1番 へ長調 Op.17-第3楽章「ロマンス」/
 11. プロコフィエフ(1891-1953):ロメオとジュリエット-愛のダンス/
<CD2>
 1. ビゼー(1838-1975):カルメン-前奏曲/
 2. グルック(1714-1787):歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」-
   エウリディーチェを失って(P.ブレイナー編)/
 3. ベルリオーズ(1803-1869):イタリアのハロルド Op.16-
  第3楽章「アブルッチの山人が、その愛人によせるセレナード」/
 4. ドニゼッティ(1797-1848);歌劇「愛の妙薬」-第1幕の前奏曲/
 5. ミンクス(1826-1917):ドン・キホーテ-第3幕「愛の場面」/
 6. マーラー(1860-1911):交響曲 第5番 嬰ハ短調-第4楽章 アダージェット/
 7. チャイコフスキー:白鳥の湖-第2幕「情景」/
 8. コルンゴルト(1897-1957):映画音楽「ロビン・フッドの冒険」-愛の情景/
 9. ワーグナー(1813-1883):楽劇「トリスタンとイゾルデ」ー
   第1幕の前奏曲/イゾルデの愛の死/
 10. マスカーニ(1863-1945):歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」-間奏曲/
 11. エルガー(1857-1934):愛のあいさつ/
 12. チャイコフスキー:フランチェスカ・ダ・リミニ Op.32-抜粋/
 13. マスネ(1842-1912):歌劇「タイス」-瞑想曲
様々な演奏者
 人生を送る上でなくてはならないものが「愛」でしょう。そしてそれに伴う情熱も。この2枚組は様々な作曲家たちが音で描いた愛の世界です。
 それは交響詩の中の一つの楽章であったり、バレエの場面であったり、映画音楽であったりと、どれもメロデックで豪華な響きを有しています。ぜひとも登場人物たちの心の中で燃える炎を想像してみてください。
 

8.660356
\1100
ブライアン・カレント:エアライン・イカルス(2001-2005)
 5人の独唱者、室内合唱団、
 9人の奏者とサウンドファイルによる
 室内オペラ アントン・ピアティゴルスキー(1972-):台本
  1.荷物運搬係り/2.出発準備/
  3.セーフティ・デモンストレーション/4.離陸の時間/
  5.絶対的な/6.学者/7.ビジネスマンと広告担当重役/
  8.客室乗務員/9.全ては正常/10.技術的成功/
  11.ビジネスマン/12.飛行機の揺れ/13.飛行機の焼失/
  14.パイロットのアリア/15.エピローグ ※世界初録音
広告担当重役…カルラ・フータネン(ソプラノ)/
客室乗務員…クリスティナ・サボー(メゾ・ソプラノ)/
学者…グラハム・トムソン(テノール)/
労働者/パイロット…アレクサンダー・ドブソン(バリトン)/
ビジネスマン…ジェフリー・シレット(バリトン)/
ブライアン・カレント(指揮)
録音 2012年11月25日 カナダ トロント,ロイヤル・コンセルヴァトリー劇場
 1983年に起きた航空機事故(大韓航空機撃墜事件)からヒントを得て、台本を書き起こしたというアントン・ピアティゴルスキー(1972-)。彼はこのストーリーを、ギリシャ神話に登場するイカルスの寓話…太陽に近づき過ぎたため翼を失う青年…に見立て、緊迫した物語を創り上げました。これに曲をつけたのは2011年のイタリア、フェドーラ賞を受賞した若きカナダの作曲家、ブライアン・カレント。彼はコンパクトな編成によるアンサンブルと最低限の歌手、そして多彩な音響効果を用いて、眩いばかりの世界を見せてくれます。一刻を争う緊急の時を迎えた航空機の中で起きている、ごくありふれた日常。乗客は不安を感じながらも客室乗務員にコーラを注文し、出張中のビジネスマンは、同行している女性上司に邪な感情を抱いています。ああ、しかし最後は…全てが…
 


8.660357
(2CD)
\2200→\1990
ヴェルディ:歌劇「オテロ」
<CD1>1-10.第1幕/11-20.第2幕/
<CD2>1-8.第3幕/9-15.第4幕
オテロ…ロバート・ディーン・スミス(T)/
デズデモーナ…ラファエラ・アニェレッティ(S)/
ヤーゴ…セバスティアン・カターナ(Br)/
カッシオ…ルイス・ダマソ(T)/
ロドリーゴ…ヴィチェンチ・エスエヴェ(T)/
エミリア…マリフェ・ノガレス(Ms)/
ロドヴィーコ…クリスチャン・モイスニク(B)/
モンターノ…マイエル・ドリエス(B)/
ヘラルド…エンリケ・サンチェス(Br)/
オルフェオン・ドノスティアラ
(合唱指揮…ホセ・アントニオ・サインス・アルファーロ)/
ロス「ペクス」デル・レオン・デ・オロ
(合唱指揮…ホセ・アントニオ・エレナ・ロッソ)/
オビエド・フィラルモニア/
フリードリッヒ・ハイダー(指揮)
録音 2007年8月22日-9月8日,2009年8月18-26日 スペイン オビエド アウディトリオ・プリンチペ・フェリペ
 1871年12月、歌劇「アイーダ」が大成功を収めた後のヴェルディ(1813-1901)は、ある意味「燃え尽き症候群」に陥ってしまったのか、名作「レクイエム」を完成させた他は、何も生み出すことができずにいました。しかし彼の才能を信頼していたリコルディ社の総帥ジューリオは、彼に新作を書かせるべく、秘密裏に作戦を立てて、台本作家ボーイトをはじめとした各関係者に声をかけました。もちろんヴェルディにはそれを悟られないように。しかしながら、まずボーイトがシェークスピアの「オセロ」に基づいた台本を完成させるも、まだまだヴェルディはオペラの作曲に取り掛かることはなく、結局、紆余曲折を経て(その間にライヴァルであったワーグナーも死去し、ヴェルディの心は折れてしまいます)、この歌劇「オテロ」が完成したのは1886年12月のことでした。
 出来上がったこの作品は、長い間のブランクなど全く感じさせないほどの充実したものであり、各々の登場人物の心情風景が巧みに描写された完璧な作品です。指揮者のハイダーは、最初はエディタ・グルベローヴァの伴奏者として現れ、そのうちリヒャルト・シュトラウスの研究家として名を上げ、このオビエド・フィラルモニアとも良き関係を築き、2007年には来日して素晴らしい演奏を聞かせています。オテロ役のロバート・ディーン・スミスをはじめとした歌手陣も見事です。
 

NAXOS(Blu-rayオーディオ)


NBD-46
(BD Audio)
\2400
ドヴォルザーク:レクイエム Op.89 B165
 入祭唱-レクイエム・エテルナム/
 昇階唱-レクイエム・エテルナム/
 続唱-怒りの日/
 続唱-奇しきラッパの響き/
 続唱-あわれな私は/
 続唱-思い出したまえ/
 続唱-呪われたもの/
 続唱-涙の日/
 奉献唱-主イエス・キリスト/
 奉献唱-賛美の生け贄と祈り/
 聖なるかな/
 ピエ・イエズス/
 神羊誦
クリスティアーネ・リボー(ソプラノ)/
エヴァ・ヴォラク(アルト)/
ダニエル・キルヒ(テノール)/
ヤヌス・モナルチャ(バス)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(合唱指揮…ヘンリク・ヴォジナロフスキ)/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2012年5月29日,6月5日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハモニック・ホール
AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION, 24-bit, 96 kHz PCM Surround
 2人の子どもを相次いで失うというドヴィルザーク(1841-1904)自身の悲しい経験に基づいた「スターバト・マーテル」とは違い、この「レクイエム」はイギリスのバーミンガム音楽祭からの新作依頼に応えて作曲されたものです。彼は1884年と1885年にイギリスを訪れており、1884年にロイヤル・アルバート・ホールで演奏した「スターバト・マーテル」が好評だったため、この作曲依頼が来たのでしょう。曲は1890年の1月から10月にかけて作曲され、全曲は素朴で美しいメロディに満ち溢れており、曲の冒頭には彼が敬愛したバッハの最高傑作「ロ短調ミサ」からの引用もあるなど、渾身の力が込められた大作となっています。
 通常の典礼文とは一部変更が加えられているため、教会で演奏するよりも、あくまでも演奏会用の作品として位置づけられています。1891年にバーミンガム音楽祭でドヴォルザーク自身の指揮で初演された際は、もちろん大好評を持って迎えられました。古今東西のレクイエムの中では、かなり地味な風情を持っていると指摘されることもありますが、この静かな感動はじっくり聴いてみてこそ味わえるもの。もちろん「怒りの日」は充分な激しさを有しています。このような声楽付きの大作は、ポーランドの名指揮者アントニ・ヴィトにお任せを。清冽な響きが心の隅々まで浸透します。
《8.572874-75と同内容》
 

OEHMS



OC947
(2CD)
\3100→\2890
ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場管
 リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」

 序幕と1幕の歌劇 フーゴー・フォン・ホフマンスタール 台本
<CD1>1.前奏曲/2-8.序幕/9-15.オペラ/
<CD2>1-6.オペラ(続き)
プリマドンナ/アリアドネ…カミラ・ニュルンド(ソプラノ)/
ツェルビネッタ…ブレンダ・リー(ソプラノ)/
テノール歌手/バッカス…ミヒャエル・ケーニヒ(テノール)/
作曲家…クラウディア・マーンケ(メゾ・ソプラノ)/
音楽教師…フランツ・グルントヘーバー(バリトン)/
ナイアーデ…エリザベス・ライター(ソプラノ)/
ドリアーデ…カタリナ・マギエラ(ソプラノ)/
エコー…マレン・ファヴェラ(ソプラノ) /
執事長…ウィリアム・レルトン(語り) 他/
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2013年10月 フランクフルト歌劇場 ライブ収録
 モリエールの戯曲を元にした歌劇「町人貴族」において、シュトラウス(1864-1949)とホフマンスタールが目指した「演劇と音楽の完全なる融合」は、結局実を結ぶことはありませんでした。しかしこの長すぎる歌劇の中の劇中劇「ナクソス島のアリアドネ」は、その後シュトラウスによって独立した物語に改訂され、皮肉たっぷりのプロローグを付け加えられて、新しい装いに生まれ変ったのはご存知の通りです。
 別々に用意された喜劇と悲劇、そして終演時間の制約…歌手と作曲家、そのほかの登場人物の軋轢と世間体。そして愛のもつれ。これらに上手く折り合いをつけ、更なる問題提起まで織り込んだこのオペラ(その上、ほかのオペラに比べて上演時間も短めです)は、聞けば聞くほどに魅力が増すものです。わがままなプリマドンナを歌うニュルンドを筆頭に芸達者をそろえたこの上演、ヴァイグレがぴりりと全体を制御しています。
 
OC764
\2100
thoughts-思考 アルブレヒト・メンツェル(ヴァイオリン):デビュー!
 1-3.ロベルト・シューマン(1810-1856):
  ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 Op.105/
 4-7.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.121/
 8.シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.131(フリッツ・クライスラー編)/
 9.ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(1814-1865):
  独奏ヴァイオリンのための狂詩曲集 Op.26-「魔王」/
 10.エルンスト:独奏ヴァイオリンのための練習曲 第6番「夏の名残のばら」
アルブレヒト・メンツェル(ヴァイオリン)/
アミール・カッツ(ピアノ)…1-8
録音 2014年6月10-12日 RBB放送 第3スタジオ
 1992年生まれのヴァイオリニスト、アルブレヒト・メンツェルのデビュー盤です。彼は4歳でヴァイオリンを始め、13歳でドレスデンの音楽祭にソロ・デビュー。その後ウィーン音楽院でジュリアン・ラクリンとボリス・クシュニールに師事します。多くの国際コンクールに入賞を果たし、2011年のメンデルスゾーン音楽祭ではクルト・マズアの指揮でライプツィヒ交響楽団とともにヴァイオリン協奏曲を演奏、聴衆を魅了しました。
 このデビュー盤では、シューマンの晩年に書かれた2つのヴァイオリン・ソナタと、パガニーニを凌ぐ名手であったエルンストの2つの作品を演奏。
 シューマンでは抑制された表情の中に潜む情熱を描き出し、またエルンストでは華麗な技巧と溢れる歌心を表出。確かに「すごい才能だ」と思わせるだけの迫力を備えた若手の出現に胸躍ります。伴奏はこちらも名手アミール・カッツ。“熟考”の言葉がふさわしい1枚です。
 
OC1817
\2400
パーテル・ノステル
 1.ヤコプス・ガルス(1550-1591):Pater noster-わが父よ/
 2.ハインリヒ・シュッツ(1585-1672):Vater unser-わが主よ/
 3.フランシス・プーランク(1899-1963):Salve Regina-元后あわれみの母/
 4.ジュゼッペ・ヴェルディ(183-1901):O Padre nostro-われらが父よ/
 5.ヴェルディ:Laudi alla Vergine Maria-聖母マリアへの讃歌/
 6.フランツ・リスト(1811-1886):Pater noster II-わが父よ Ⅱ/
 7.アントン・ブルックナー(1824-1896):Ave Maria-アヴェ・マリア/
 8.アルフレッド・シュニトケ(1934-1998):Otche Nash-われらの父よ/
 9.エドヴァルト・グリーグ(1843-1907):Ave, maris stella-めでたし、海の星/
 10.ヴォルフラム・ヴァグナー(1962-):Pater noster-わが父よ/
 11.モーリス・デュリュフレ(1902-1986):Notre Pere-われらが父よ/
 12.グスタフ・ホルスト(1874-1934):Ave Maria-めでたし、マリア/
 13.ヘルヴィック・ライター(1941-):Vater unser-わが主よ/
 14.ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):A Hymn to the Virgin-聖母讃歌/
 15.民謡/伝承曲:Ybbstaler Vaterunser-われらが父よ
ザルツブルク・バッハ合唱団/
アロイス・グラスナー(指揮)
録音 2014年5月29-31日 ザルツブルク 聖コンラッド教会
 キリスト教は、神への祈りを捧げる時に唱える様々な定型文(祈祷文)を持っていますが、どの文が正統な祈祷文と認めるかは教派によって異なります(プロテスタントの一部では定型文すら持たない教派もあります)。その中で「主の祈り」だけは唯一、キリストが弟子たちに与えた祈祷文として、ほぼ全ての教派で唱えられているというものです。この普遍的な言葉は、様々な作曲家たちの手によって音楽になり、現代に歌い継がれています。
 このザルツブルク・バッハ合唱団の演奏は教会で収録されたものですが、歌の背後にしばしば柔らかい鳥の声が聞こえてきます。これをカットせず、「鳥の声は天の歌手の歌である」という理由で残したというのは、何ともステキなエピソードではありませんか!
 


OC440
\2100→\1890
キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管
 ラフマニノフ:交響曲 第1 番 ニ短調 他

  1-4.交響曲 第1 番 ニ短調 Op.13/
  5.幻想曲「岩」Op.7
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
ドミトリー・キタエンコ(指揮)
録音 2013 年1 月…1-4, 2013 年5 月…5 ケルン シュトルベルガー・シュトラッセ・スタジオ
 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団とのチャイコフスキー・ツィクルスを堂々完成させたドミトリー・キタエンコ、次はラフマニノフ(1873-1943)の交響曲全集に挑戦です。
 もちろん曲数は少ないのですが、どの曲もぎっしりと内容が詰まっており、相手としては申し分ありません。新しいサクセス・ストーリーの始まりです。
 まずは1895 年に完成された交響曲第1 番から。初演が大失敗したことで知られるこの作品(ラフマニノフはこの失敗で大きな精神的打撃を受けました)、失敗した原因の一つには初演を指揮したグラズノフの悪い演奏があるともされています。もしキタエンコが初演したなら…その後のロシアの音楽的歴史は大きく変化した…かも知れませんね。
 


OC687
(SACD-Hybrid)
\2400→\2190
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
 ブルックナー:交響曲 第6 番(1881)
ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団/
シモーネ・ヤング(指揮)
録音 2013 年12 月14-16 日 ハンブルク ライスハレ Recording Engineer: JensSchunemann/SACD Authoring: Ingo Schmidt-Lucas, Cybele AV Studios
 ブルックナー(1824-1896)の交響曲の中では、5 番と同じく改訂されていないため、異稿版も存在しないこの第6 番。
 シモーネ・ヤングの指揮も極めてオーソドックスなものであり、いつのもように精度が高く、燃えるような情熱を傾けた素晴らしい演奏となっています。
 この演奏の素晴らしさには、いつもは口うるさい批評家たちも、2013 年12 月16日の「Hamburger Abendblatt」紙上で全員が賛辞を送ったということです。ヤングのブルクッナー・ツィクルスもそろそろ終盤戦に突入。一層の名演が期待されます。
  
OC848
(2CD)
\3100
ブリタニック・オルガン 第9 集
 〜ヴェルテのアメリカ人オルガニストとエドウィン・ルメア

<CD1.ヴェルテのアメリカ人オルガニスト>
 1.クラレンス・エディ(1851-1937):
  「オールド・ハンドレッド」による祝祭前奏曲とフーガ ヴェルテ・ロール1654(マスター)/
 2.ボッシ(1861-1925):夕べの歌
  ヴェルテ・ロール1649(マスター)/
 3.ボッシ:アヴェ・マリア Op.104
  ヴェルテ・ロール1648(マスター)/
 4.デュドレイ・ブック(1839-1909):「星条旗」による演奏会用変奏曲 Op.23
  ヴェルテ・ロール1342(マスター)/
 5.フレデリック・ハルカー(1876-1936):たそがれ時に Op.43-1
  ヴェルテ・ロール1350(マスター)/
 6.アレクサンドレ・グリマン(1837-1911):ソナタ ニ短調 Op.42-前奏曲とパストラーレ
  ヴェルテ・ロール1349(マスター)/
 7.ルイ・シール(1816-1848):主題と変奏変イ長調
  ヴェルテ・ロール1355(マスター)/
 8.ファルナム:「子らよほめまつれ」によるトッカータ
  ヴェルテ・ロール2661(コピー)/
 9.サン=サーンス(1835-1921):サムソンとダリアより「二重唱のカンタービレ」
  ヴェルテ・ロール740(コピー)/
 10.サン=サーンス:白鳥(グリマン編)
   ヴェルテ・ロール1665(コピー)/
 11.ルドルフ・フリムル(1879-1972):婚礼の歌 Op.57-3「オレンジの花」
  ヴェルテ・ロール1670(マスター)/
 12.ウィリアム・ファウルケス(1863-1933):祝典行進曲 Op.128-1
  ヴェルテ・ロール1657(マスター)/
   クラレンス・エディ(オルガン)…1.2.3.10.11.12/
   サムエル・アトキンソン・ボルドウィン(オルガン)…4.5.6.7./
   リヌッド・ファルナム(オルガン)…8/リチャード・エプステイン(ピアノ)…9/
エドウィン.H.ルメア(オルガン)
 <CD2.エドウィン.H.ルメア、ヴェルテ・オルガンを弾く>
 1.グノー(1818-1893):サバの女王-行進と行列 ヴェルテ・ロール1274(マスター)/
 2.ルメア:ロンド・カプリチョーソ「アクセントの練習」 Op.64
  ヴェルテ・ロール1181(マスター)/
 3.アンダンティーノ 変ニ長調
  ヴェルテ・ロール1180(マスター)/
 4.グリマン:葬送行進曲とセラフの讃歌 Op.17
  ヴェルテ・ロール1265(マスター)/
 5.サンディフォード・ターナー(1869-1928):スケルツォ ヘ短調
  ヴェルテ・ロール1226(マスター)/
 6.グリマン:カプリース 変ロ長調 ヴェルテ・ロール1232(マスター)/
 7.ラインベルガー(1839-1901):ソナタ Op.88-第3 楽章
  ヴェルテ・ロール1188(マスター)/
 8.フンパーディンク(1854-1921):歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲
  ヴェルテ・ロール1221(コピー)/
 9.ルメア:交響曲 ニ短調 Op.50-スケルツォ
  ヴェルテ・ロール1266(マスター)/
 10.ルメア:交響曲 ニ短調 Op.50-アダージョ・パテティコ
  ヴェルテ・ロール1267(マスター)/
 11.サン=サーンス:死の舞踏(レメア編)
  ヴェルテ・ロール1251(マスター)
録音 2014 年2 月 スイス ゼーヴェン、自動演奏楽器博物館
 「ブリタニックのオルガン」第9 集は、アメリカにおけるヴェルテの発展を支えたオルガニストたちと、イギリスに生まれアメリカを中心に活躍したコンサート・オルガニスト、エドウィン・ルメアの演奏の記録を再現します。
 1832 年にフライブルクで設立された自動楽器のメーカー、M.ヴェルテ&シェーン社がニューヨークの5 番街にに支店を出していたのは1865 年から1917 年まで。この間にたくさんのオルガン(ピアノ)の演奏が記録されました。
 この2 枚組は、その時代に活躍したアメリカのオルガニストたちの演奏と、前述のルメアの演奏を記録したロールを、およそ100 年を経て再現したものです。
 当時の最高の技術によって記録された妙技 には、録音とは違った味わいがあります。
  

OC1809
(2CD)
\3100
不思議と音楽史から消えない
 カール・ハインリヒ・グラウン:受難オラトリオ「イエスの死」

 CD1.1-15曲/
 CD2.16-25曲
モニカ・マウフ(ソプラノ)/
ゲオルク・ポプルツ(テノール)/
アンドレアス・ブルクハルト(バリトン)/
ミュンヘン・アルチス=ヴォーカリステン/
アルパ・フェスタンテ・バロックオーケストラ/
トーマス・グロッパー(指揮)
録音 2014年5月17-20日 ミュンヘン,センドリンク,ルター派昇天教会
 ドイツのヴァーレンブリュックに生まれ、ドレスデン宮廷歌劇場の合唱団に加わり、1740年にフリードリヒ大王が即位するとベルリンの宮廷楽長に招かれ、亡くなるまでその地位にあったカール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759)。 彼の代表作がこの受難オラトリオ「イエスの死」です。
 この曲が初演されたのは1755年3月26日で、使われている詩は聖書のものではなく、カール・ヴィルヘルム・ラムラーの詩という点でも独創的。
 曲はとにかく穏やかで、静かな感情に満ちたものです。あまり演奏される機会が多いわけではありませんが、不思議と音楽史からは忘れられることなく、現代に至っています。
 

ONDINE


ODE-1255
\2400
カイヤ・サーリアホ:歌曲集「4つの瞬間」 他
 1-4.歌曲集「4つの瞬間」(2002)
  <憧憬/苦悩/瞬間の香り/共鳴>/
 5.弦楽オーケストラのための「大地のメモリー」(2009)/
 6-10.組曲「エミリー」(2011)
  <前兆/インターリュード Ⅰ/原則/インターリュード II/忘却に対して>
カレン・ブルチ(ソプラノ)/
ストラスブール・フィルハーモニー国立管弦楽団/
マルコ・レトーニャ(指揮)
 ヘルシンキ出身の女性作曲家、カイヤ・サーリアホ(1952-)の最近10年間に書かれた3つの作品集です。歌曲集「4つの瞬間」と「エミリー」はオーケストラ伴奏版の声楽曲で、ソプラノ歌手カレン・ブルチによって歌われています。「4つの瞬間」はフランスの作家アミン・マアルーフの詩が用いられた劇的な作品で、2003年に名歌手カリタ・マッティラにより初演され、彼女に捧げられています。
 サーリアホの代表作の一つでもあり、もちろん歌うためには高い技術と表現力が求められる作品です。組曲「エミリー」はサーリアホの同名のモノドラマから取られた組曲で、もともとの作品は大野和士が世界初演したことで知られます。こちらも劇的な内容を緊張感に満ちた音楽が彩っています。
 「大地のメモリー」はエマーソン弦楽四重奏団の委嘱作品を弦楽合奏版にしたもの。カレン・ブルチの精緻な歌唱とストラスブール・フィルの緊密な演奏は、作品に新しい命を吹き込みます。
 


ODE-1197
\2400→\2190
ジョルジェ・エネスク:交響曲 第3番 他
 1.ルーマニア民謡による演奏会用序曲 イ長調 Op.32/
 2-4.交響曲 第3番 ハ長調 Op.21
  <第1楽章:モデラート・ウン・ポコ・マエストーソ/
   第2楽章:ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ/
   第3楽章:レント・マ・ノン・トロッポ>
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団(第3楽章のみ)/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2011年8月25日 フィンランド タンペレ・ホール
 同じくエネスクの交響曲第2番(ODE1196)で素晴らしく色彩的な演奏を披露したハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによる「交響曲第3番」と「ルーマニア民謡による演奏会序曲」の2曲です。まだロマン派の香りを残していた第2番に比べると、この第3番はかなり独自性が現れていると言えるでしょう。決して肥大した響きを用いているわけではないのですが、冒頭のたっぷりとした弦の調べに誘われ、少しずつ音が積み重なっていく様子はとても美しく、また第3楽章では合唱も加わり(歌詞はない)一層神秘的な雰囲気が高まります。
 この作品が書かれた1910年〜1920年の頃は、激動の時代であり、音楽様式もめまぐるしく変化したのですが、このエネスクの交響曲は、ある意味時代を超越した清々しい美しさを湛えたもので、幾分ドビュッシーを思わせながらも、孤高の世界に浸っているものです。1948年に作曲された「演奏会用序曲」は、賑やかで楽しい作品です。


第1弾
エネスク:交響曲第2番

ODE-1196
\2400→\2190
ジョルジュ・エネスク:交響曲第2番&室内交響曲
 1-4.交響曲第2番Op.17/
 5-8.12の楽器のための室内交響曲Op.33
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
 タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団と、芸術監督ハンヌ・リントゥによる、ルーマニアの大作曲家エネスク(1881-1955)のシリーズが始動します。
 20世紀最大の作曲家でありながらも、その業績はほとんど知られることのないジョルジュ・エネスク(エネスコ)。彼は偉大なるヴァイオリニストでもあり、またルーマニアの民族音楽の研究家としても素晴しい足跡を残しています。彼の作品は概ね、民族色の濃いものであり、調性感を超越した心の根源に迫る音楽が多いのですが、このアルバムに収録された「交響曲第2番」は、(初演時こそ「前衛的過ぎる」と非難を受けたものの)実際に聴いてみると、まるでドイツの後期ロマン派の音であり、まだまだ発展途上にあった若き作曲家の息吹きを感じさせるものです。
 かたや1954年に作曲された「室内交響曲」は、ピアノを含む12の楽器が深淵なハーモニーを奏でるという、思いの他美しい曲。晩年のエネスクの心情が伝わってくるかのようです。
 録音 タンペレ・ホール 2011年8月24日…5-8, 2012年1月3-5日…1-4

 


ODE-1252
\2400→\2190
ソイレ・イソコスキ:クリスマス・キャロルを歌う
 1.マデトーヤ(1887-1947):全ての悩みは取り払われ/
 2.ハンニカイネン(1854-1924):静かに、静かに鳴り響け/
 3.カスキ(1885-1957):小屋は雪の下に眠る/
 4.コシュ(1910-2009):冬の牧歌/
 5.パルムグレン(1878-1951):聖母は幼子のよりどころ/
 6.レーガー(1873-1916):マリアの子守歌/
 7.メラルティン(1875-1937):ラップランドのクリスマス/
 8.ランタ(1901-1960):ラップランドの子守歌/
 9.J.S.バッハ(1685-1750):いざ来ませ、異邦人の救い主よ/
 10.シベリウス(1865-1924):
  5つのクリスマスの歌より「われに華やぎを与えたもうな」/
 11.メリカント(1868-1924):子供のクリスマス/
 12.イコネン(1888-1966):小さなベイコンのクリスマスの祈り/
 13.ベルトルド・フンメル(1925-2002):クリスマス組曲-スケルツァンド/
 14.マデトーヤ(1887-1947):星空/
 15.アダン(1803-1856):オー・ホーリー・ナイト/
 16.クーシスト(1905-1988):ああ見たまえ、平和の祭典を/
 17.ソンニネン(1914-1984):平和よ、完璧な平和よ
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)/
ラップランド室内管弦楽団/
ジョン・ストルゴーズ(指揮)
録音 2014年4月30日-5月3日 フィンランド ロヴァニエミ,コルンディ=ハウス・オブ・カルチャー
 ウィーン国立歌劇場やコヴェント・ガーデンなど、世界中の歌劇場で幅広い活動をしているソプラノ歌手ソイレ・イソコスキによる親密なクリスマス・キャロル集です。選ばれているのは、日本ではあまり耳にすることのない北欧の曲が中心。繊細な曲たちは、手のひらに載せただけで解けてしまいそうな面持ちであり、本当にひそやかで静かなものばかりです。
 イソコスキのステキな声は、聴き手の心を優しく包み込みます。
 

ODE-1257
\2400
フィンランドのクリスマス
 1.Maa on niin kaunis/2.Joulun kellot/
 3.Sylvian joululaulu/4.Tuikkikaa, oi joulun tahtoset/
 5.On hanget korkeat, nietokset/6.Mokit nukkuu lumiset/
 7.Jouluyo, juhlayo/8.Arkihuolesi kaikki heita/
 9.Varpunen jouluaamuna/10.Tuo armon valkokyyhky/
 11.Riemuitse tytar Siionin/12.Kun joulu on/
 13.Det morknar ute/14.Giv mig ej glans, ej guld, ej prakt/
 15.Enkeli taivaan/16.Oi jouluyo
フィンランド国立管弦楽団&合唱団/
フィンランド国立歌劇場児童合唱団/
ミヒャエル・ギュトラー(指揮)

OPUS ARTE(CD)

OACD9029D
(CD)
\2700
帝国からのこだま 〜カリム・サイード:ピアノ・リサイタル
 1.ベルク(1885-1935):ピアノ・ソナタ Op.1/
 2-4.バルトーク(1881-1945):
  スロバキア民謡の旋律による3つのロンド BB92/
 5-6.ヤナーチェク(1854-1928):
  ソナタ「1905年10月1日、街頭にて」JWVIII/19/
 7.ウェーベルン(1883-1945):ソナタ断章(ロンド)/
 8-11.エネスク(1881-1955):組曲 第2番 ニ長調 Op.10/
 12-14.シェーンベルク(1874-1951):3つのピアノ小品 Op.11
カリム・サイード(ピアノ)
録音 2014年6月25-27日 UK サフォーク,ポットン・ホール
 ロンドンを基点に活躍するヨルダン生まれのピアニスト、カリム・サイード。2013年には日本にも初来日し、その才能の片鱗を見せ付けました。彼は2009年にコリン・デイヴィス指揮のイギリス室内管弦楽団の伴奏でイギリスのバービカンホールにデビューしましたが、その数ヶ月前にはBBCプロムスでバレンボイムが指揮するウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団とベルクの室内協奏曲を演奏し、高い評価を受け、以降も世界各国のコンサート・ホールを次々と制覇しています。2007年にロンドンのパーセル音楽学校を卒業した後、奨学金を得て、王室音楽学校に進学、タチアナ・サルキッソヴァに師事しました。
 このアルバムは、彼が愛するシェーンベルクやベルクの作品を中心とした20世紀初頭の作品が収録されたもので、この類い稀なる才能をじっくり感じることができるのではないでしょうか。なお、批評家・思想家エドワード・サイードは彼の大叔父にあたります。
 


OACD9026D
(CD)
\2700→\2490
王と廷臣 〜レオ・ヌッチ:ヴェルディ・アリア集
ヴェルディ(1813-1901):
 1.リゴレット-悪魔め、鬼め/2.トロヴァトーレ-君の微笑み/
 3.ナブッコ-ユダヤの神よ/
 4.アッティラ-永遠の美しい栄光の頂から/
 5.2人のフォスカリ-おお、わが年老いた心臓よ/
 6.バラード「亡命者」/7.椿姫-プロヴァンスの海と陸/
 8.ファルスタッフ-夜想曲/
 9.3つの祈り-詩人の祈り-ああ優しい人よ 取り除いてください-悲しみの聖母への呼びかけ/
 10.シチリア島の夕べの祈り-富を手にして/
 11.仮面舞踏会-立つのだ、お前の息子はあそこに/
 12.ドン・カルロ-わが最後の日が訪れた/
 13.マクベス-Mal per me che m’affidai
レオ・ヌッチ(バリトン)/
パオロ・マルカリーニ(ピアノ)/
ピエラントニオ・カッツラーニ(ヴァイオリン)/
リノ・ピエトラントーニ(ヴァイオリン)/
クリスティアン・セラッツィ(ヴィオラ)/
マッシモ・レペリーニ(チェロ)/
マルタ・ペットーニ(ハープ)
録音 2014年2月3-5日 イタリア サラ・ディ・テアティーニ,テアトロ・ムニチパーレ・オブ・ピアチェンツァ
 イタリアの名バリトン歌手レオ・ヌッチの最新リサイタル盤。1967年に「セヴィリアの理髪師」のフィガロ役でデビュー、一旦はソリストとしての活動を中断するも、1975年に「ラ・ボエーム」のショナール役で再デビューを果たし、以降世界中で幅広く活動している人です。
 イタリア・オペラを中心に幅広いレパートリーを持っていますが、最も得意としているのが「リゴレット」で、ここでも最初に歌っているのが「悪魔め、鬼め」というほどに、この役に愛着を抱いています。
 
OACD9020D
(CD)
\2700
ジョイ・アローン
 1.ガーシュウィン(1898-1937):サマータイム/
 2.ジャック・ヘギー(1961-):空の道/
 3.ヘギー:ジョイ・アローン/
 4.ヘギー:動物たちの受難/
 5.リスト(1811-1886):おお、私が眠りにつくときには/
 6.パブロ・ルナ(1879-1942):サルスエラ「私はスペインから来ました」/
 7.ブルース・アドルフ(1955-):恋の千年から「ヴァレー・ガール」/
 8.キャロル・シンバラ:彼は忠実だった/
 9.ラフマニノフ(1873-1943):ここは素晴らしい場所 Op.21-7/
 10.ラフマニノフ:美しい人よ、私のために歌わないで Op.4-4/
 11.ラフマニノフ:春の洪水 Op.14-11/
 12.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):ひそやかな誘い Op.27-3/
 13.リヒャルト・シュトラウス:夜 Op.10-3/
 14.リヒャルト・シュトラウス:万霊節 Op.10-8/
 15.リヒャルト・シュトラウス:解き放たれて Op.39-4/
 16.ルペルト・チャピ(1851-1909):サルスエラ「看守」/
 17.ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14/
<ボーナス・トラック>
 18.伝承曲:王イエスよ、乗りたまえ
エンジェル・ブルー(ソプラノ)/
イアイン・バーンサイド(ピアノ)
録音 2014年3月25-27日 ロンドン 東フィンチリー,ドルハム・ロード 全霊教会
 モンセラート・カバリエも絶賛したというアメリカのソプラノ歌手エンジェル・ブルー。彼女は大胆なセンスと叙情的な歌唱で人々を魅了します。
 彼女はプラシド・ドミンゴに師事し、バレンシアとイングリッシュ・ナショナル・オペラで歌い、ローゼンブラット・リサイタルで歌う栄誉を受けました。
 ここでは現代作曲家ヘギーの作品から、ラフマニノフ、リヒャルト・シュトラウス、そしてサルスエラまでヴァラエティ豊かなレパートリーを披露、煌くような可能性を感じさせています。
 ピアノ伴奏はお馴染みイアイン・バーンサイド。この若き才能を暖かく見守るように素晴らしいピアノを聴かせています。

RONDEAU



KL-1400
\2100→\1890
クレモナ四重奏団
 イタリアの旅〜イタリアの弦楽四重奏曲

 1-4.レスピーギ(1879-1936):弦楽四重奏曲 ニ長調/
 5.プッチーニ(1858-1924):弦楽四重奏曲「菊」/
 6-9.ヴェルディ(1813-1901):弦楽四重奏曲 ホ短調/
 10-12.ボッケリーニ(1743-1805):四重奏曲 ハ長調 Op.2-6
クレモナ四重奏団
録音 フォンダツィオーネ・スピノーラ・バンナ・ベルアルテ
 1980年に解散した伝説の四重奏団「イタリア弦楽四重奏団」の正当な後継者とみなされている、新進気鋭のアンサンブル「クレモナ四重奏団」による4つの作品集。「まるでアルマーニのスーツのような洗練さとエレガントさを感じさせる」とイタリアの雑誌『コンサート』で絶賛された彼らの演奏は、確かにエキサイティングであり、的確なものであると言えそうです。
 2010年にはDECCAからフルーティストのグルミネッリとともに録音したボッケリーニの五重奏曲でも絶賛された彼ら、このアルバムでもボッケリーニでは、こなれた演奏が楽しめます。
 

KL-1403
\2100
PASSION
 1.ヨアヒム・フォン・ブルック(1546-1610):園にてキリストは苦しみを受け
 2-4.ブルック:ヨハネによるドイツ語受難曲
  <第1部/第2部/第3部>/
 5.ヒエロニムス・プレトリウス(1560-1629):おお、すべての人よ/
 6-9.ブルック:イエス・キリストの受難:詩篇第22番
  <第1部/来世の第1部/第3部/第4部>/
 10.カスパル・オトマイアー(1515-1553):
  天におります我らが父よ-あなたの手の中に/
 11.ヴォルフガング・フィグルス(1525-1589):わがこころは主をあがめ
ウィーン・ヴォーカル・コンソート
録音 ウィーン マリア・アム・ゲスターデ
 ウィーンを本拠地として活躍する「ウィーン・ヴォーカル・コンソート」は、DORIANレーベルをはじめ、コレまでに何枚かの優れたアルバムをリリースしています。ウィーンの批評家たちは彼らの演奏を渇望していて、新譜が出るたびに「次はいつでるの?」と問い合わせるのだそうです。
 この「PASSION」と題されたアルバムには、16世紀の2人の知られざる作曲家の作品を中心に、あまり耳にすることのない美しい受難曲が集められています。
 ブルックの生涯については詳しいことはわかっていませんが、一時期はJ.S.バッハの前任としてミュールハウゼンの聖プラジウス教会のオルガニストを務めていたということです。作曲についてはほとんど独学で習得し、当時の最先端の作品を書いていた人であり、この受難曲も充実した内容を持っています。
 
ROP-6104
\2100
ロルフ・ルディン:光への道 Op.61 〜3-24声の無伴奏合唱のための
 1.プロローグ/2.小さな例/3.わが精神に光が来たれり/
 4.小さな祈り/5.伝播する光/6.イェルサレム/
 7.エピローグ-全てのものの終わり
エッセン大聖堂少女合唱団/
ライムント・ヴィッパーマン(指揮)
録音 2012年11月12-14日 エッセン大聖堂
 ロルフ・ルディン(1961-)はドイツ生まれの作曲家で、数多くの吹奏楽のための作品で知られています。この「光への道」はエッセン大聖堂少女合唱団のために作曲された作品で、もちろん、彼女たちの清冽な声を念頭に置き、そのレベルの高いアンサンブル能力をフルに生かしつつ、ルディンの理想とする「女声によるアカペラ」の世界を描き出したものです。もともとは、どんなレベルの合唱団でも歌える作品を書こうとしていたルディンでしたが、この少女たちのリハーサルに出席したとき、その計画を即時に変更、彼女たちのために特別な作品を書くことを思い立ったというのです。世界中で輝く様々な光を描きながら、その対極にある闇までをも見通した深遠な作品を、どうぞお楽しみください。
 

KL-1405
\2100
橋の上で踊ろう
 1.伝承曲:春の川を渡る月の光/
 2.伝承曲:Det obe off em Bergli/
 3.マニ・マッター(1936-1972):I han es Zundholzli azundt/
 4.マニ・マッター:Dr Eskimo/
 5.インプロヴィゼーション:古き町にて/
 6.伝承曲:浮遊する花/
 7.インプロヴィゼーション:ルツェルンの湖の静かな反射/
 8.伝承曲:春の雪
ヤン・ジン(琵琶)/
ヴォルフガンク・ジーバー(オルガン)
録音 ルツェルン ホフ教会
 1972年、36歳の若さで自動車事故により命を落としたスイス、ベルンのシンガー・ソングライター、マニ・マッター。彼の名は日本ではほとんど知られていませんが、一部の熱烈なファンの間では普遍の人気を誇っています。
 このアルバムは、そのマッターの歌と、中国の伝承歌の両方を、琵琶とオルガンという不思議な取り合わせで演奏します。この異文化の融合から生まれる響きはユニークであり、強烈な印象を残すものです。
  

KL-1406
\2100
アイスランドの歌
 1.保育園/2.私は青い花を探す/3.私の瞳とあなたの瞳/
 4.からす/5.夕方に向けて/6.静かな川/
 7.ちいさなカップルについての小さな詩/
 8.ジャルプル/9.各々小さくステップを/
 10.小さな音楽家/11.だめですよ/12.羊の歌/
 13.スナティとオリ/14.小さな愛よ、安らかにおやすみ/
 15.老人は岩の下に座っている/
 16.おやすみ、私の優しく小さなもの
jazz ensemble ungut
録音 ラウフェン アルテス・ラトハウス
 アイスランドの音楽…なかなか想像しにくいのですが、実際に聞いてみるとなかなか親密かつ神秘的な雰囲気に彩られていることに気がつくのではないでしょうか。この演奏はザルツブルクを中心に活躍するアンサンブル「jazz ensemble ungut」によるもので、ピアニスト、ロンドンで成功したミュージシャン、ペテル・アルネセンが創り上げる音にはアイスランド伝統の民族音楽に新しい感覚を加えたアレンジが効いています。
 アンサンブル名の「ungut」というのは「雛に孵化する」といった意味であり、確かに革新的な音がします。
 ここで歌っているローザ・バルドゥルスドットルはアイスランドの著名な民謡歌手で、彼女のユニークな声はこの地方に伝わる様々な伝承を思い起こさせる力に溢れています。とても心地良いサウンドです。
 

KL-1505
\2100
王の給仕
 1-3.C.P.E.バッハ(1714-1788):ソナタ 第4番 イ長調 Wq55/4/
 4-6.クリストフ・ニヒェルマン(1717-1762):ソナタ 第6番 ヘ長調/
 7.C.P.E.バッハ:スペインのフォリアによる12の変奏曲 Wq118/9/
 8-10.C.P.E.バッハ:ソナタ ハ短調 Wq65/31/
 11-13.C.F.C.ファッシュ(1736-1800):チェンバロのためのソナタ ヘ長調
イェルマイネ・シュプロッセ(ハープシコード&フォルテピアノ)
録音 2013年8月12-14日 聖ペーター&パウル・アルシュヴィル アルテ・ドルフ教会
 2014年に生誕300年を迎えたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品を中心に、フリードリヒ2世に使えた音楽家たちの作品を収録したアルバムです。
 王自身も芸術的才能の持ち主であり、フルート演奏が巧みであったため、彼の周囲には第一級の音楽家たちが集っていました。
 C.P.E.バッハは1740年から1767年までチェンバロ奏者として王に仕え、王と父バッハの関係を取り持ったことでも知られています。
 この当時の音楽はバロックから古典派への移行期間でもあり、特にC.P.E.バッハの鍵盤作品は後世の作曲家に強く影響を与えたものでした。
 ここで演奏してるシュプロッセは少年聖歌隊員として音楽をはじめ、クリスティーネ・ショルンスハイムにチェンバロを学び、スイスとドイツで奨学金を得た後、ベルリン古楽アカデミーやラウテン・カンパニーなどとソリストとして共演、数多くのコンクールでも賞を獲得するなど、古楽界で注目を浴びている若手です。
 


KL-1506
\2100→\1890
オーケストラ・ロリポップ
 1.アンダーソン(1908-1975):チキン・リール/
 2.アンダーソン:タイプライター/
 3.ジェリー・グレイ(1915-1976):ペンシルヴァニア 6-5000/
 4.マチェオ・ピンカルド(1897-1962):スイート・ジョージア・ブラウン/
 5.ガーシュウィン(1898-1937):ストライク・アップ・ザ・バンド/
 6.コール・ポーター(1891-1964):ラヴ・フォー・セール/
 7.ホーギー・カーマイケル(1899-1981):スターダスト/
 8.トーマス“ファッツ”ウォーラー(1904-1943):ヴァレンタイン・ストンプ/
 9.アーヴィング・バーリン(1888-1989):プッティン・オン・ザ・リッツ/
 10.エルガー(1857-1934):威風堂々 第1番/
 11.エルガー:変奏曲「エニグマ」-ニムロッド/
 12.エルガー:「子供の魔法の杖」から野生のクマ/
 13.ヘンリー・ウッド(1869-1944):イギリスの海の歌による幻想曲/
 14.ニルセン(1865-1931):アラジンン組曲-祝祭行進曲/
 15.J.シュトラウス2世(1825-1899):ティク・タク・ポルカ Op.365/
 16.J.シュトラウス2世:狩りのポルカ Op.373/
 17.J.シュトラウス2世:山賊のギャロップ Op.378
ファイン・アーツ・ブラス/
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
録音 2013年8月27-30日 フランクフルト C.P.E.バッハ・コンサートホール
 イギリス生まれの名指揮者、作曲家ハワード・グリフィスによる楽しいオーケストラ小品集です。まるで「おもちゃ箱」のような色とりどりの作品を集めたこの1枚、プログラムも実に凝っていて、最初は誰もが知っているアンダーソンで始まり、要所要所に新鮮な曲を挟みこみ、もちろんイギリス作品も忘れることなく盛り込んで、最後はJ.シュトラウスで締めくくるというもの。
 もちろん、よくあるような「ラデツキー行進曲」などのような超名作は含むことなく、ユニークな曲ばかりが選ばれています。このアルバムに素晴らしい色を添えているのが「ファイン・アーツ・ブラス」のメンバーであり、彼らの輝かしい音色が加わることで一層光り輝くものとなっています。極上のスイーツをどうぞ。
 

KL-1507
\2100
チェロ・コン・フォーコ
 1-7.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011/
 8-9.リゲティ(1923-2006):無伴奏チェロのためのソナタ/
 10-12.コダーイ(1882-1967):無伴奏チェロのためのソナタ Op.8
ヴェロニカ・ヴィルヘルム(チェロ)
録音 2013年6月10-12日 グンドルファー教会
 「コン・フォーコ」とは音楽用語で「熱烈に」や「火のように」といった意味を持ちます。
 このアルバムはそのタイトル通り、チェロがまるで炎のように情熱的な音楽を奏でます。チェリスト、ヴェロニカ・ヴィルヘルムはハンガリーの血を引くチェリストであり、5歳からチェロを始め、ベルリンのハンス・アイスラー音楽院で本格的に学びます。ゲヴァントハウス管弦楽団のチェリストを務めながら、教育の分野でも力を発揮、数多くの後進たちの指導に当たっています。
 そんな彼女が演奏するこの独奏チェロのための作品集には、バッハ、リゲティ、コダーイの3人の作品が収録されていますが、バッハでは伝統を重んじた堅固な表現であり、リゲティとコダーイは自らのルーツを辿るかのような情熱的な表現が聞かれ、とても興味深いものとなっています。火花が飛ぶような熱い演奏をお聴きください。
 

KL-1508
\2100
LA DRESDA GALANTE
 1-3.ヴィヴァルディ(1678-1741):協奏曲 ト短調 RV577/
 4-7.ハッセ(1699-1783)モテット「雲なき光に照らされて」/
 8-10.W.F.バッハ(1710-1784):チェンバロのための協奏曲 ニ長調 Fk41/
 11-13.ジョヴァンニ・アルベルト・リストーリ(1692-1753):
  カンタータ「ラヴィニア・ア・トルノ」/
 14-17.ヨハン・ダヴィッド・ハイニヒェン(1683-1729):
  7声の協奏曲 ト長調
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)/
チューリヒ・バロック管弦楽団/
レナーテ・シュタインマン(ヴァイオリン)/
イェルマイネ・シュプロッセ(ハープシコード)
録音 2013年10月7-10日 チューリヒ SRF放送 第1スタジオ
 ドレスデンが発展するきっかけとなったのはザクセン選帝侯フリードリヒ2世の2人の息子、エルンストとアルブレヒトが1485年に兄弟で領土を分割したことでした。弟アルブレヒトはドレスデンを中心とする領地を与えられ、この地を支配し、アルベルティン家の宮廷都市として栄えることとなります。
 このドレスデンが最も発展したのは1711年から1827年のフリードヒリ・アウグスト1世の治世であり、ツヴィンガー宮殿が建立され、市の中心部では1726年に聖母教会の建築が開始されています。
 この当時の市街地を描いた図がこのアルバムのジャケットに使われているもので、星型の要塞に周囲を囲まれた堅牢な守りの中で華麗な文化が花開いたのでした。この当時に活躍したヴィヴァルディやハッセなどの作品を集めたこのアルバム、演奏しているのはチューリヒ・バロック管弦楽団で当時の風情を精緻に伝えた溌剌とした音楽を楽しむことができます。
 

ROP-4042
\2100
J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV248 ハイライト
 ※ROP4034-35より抜粋盤
パウル・ベルネヴィッツ(ボーイ・ソプラノ)/
フリードリヒ・プレトリウス(ボーイ・ソプラノ)/
インゲボルグ・ダンツ(アルト)/
マルティン・ペツォールト(テノール)/
パナヨティス・イコノモウ(バス)/
ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団/
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団/
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 2009年12月7-23日 ライプツィヒ トーマス教会
 聖トーマス教会合唱団とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による伝統的な「クリスマス・オラトリオ」のハイライト盤です。
 全曲を楽しむのが一番ですが、2時間以上かかってしまうのが難点。そこでこの1枚です。
 聴き所がもれなく網羅されていて、忙しい人でも存分な満足感を味わうことが可能です。今年は「時短メリー・クリスマス」!
 

ROP-6089
\2100
ファイアワークス 〜サクソフォンとオルガンのための作品集
 1.ショスタコーヴィチ(1906-1975):組曲-第7楽章 ワルツ第2番/
 2.バルトーク(1881-1945):ルーマニアのクリスマスの子供の歌 BB67/
 3.フェリックス・ボロウスキ(1872-1956):アドレーション/
 4.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ/
 5.クロフォード(1943-):「ああ、お母さん聞いて」による主題と変奏/
 6.ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲 第5番より第4楽章/
 7.ヴィドール:オルガン交響曲 第5番より第5楽章「トッカータ」/
 8-12.デュボワ(1930-1995):ダンスへの10のフィギュアより
  <ブランシー/パヴァーヌ/パスピエ/コンプレイント/リゴードン>/
 13.シューマン(1810-1856):12のピアノ小品 Op.85-「夕べの歌」/
 14.フォーレ(1845-1924):夢のあとに/
 15.エルガー(1857-1934):行進曲「威風堂々」第1番/
 16.スティーヴン・アダムス(1841-1913):聖なる都
ジャクソン・クロフォード(サクソフォン)/
ウルフェルト・シュミット(オルガン)
録音 2014年1月6.7日 ハノーヴァー マルクト教会 ライヴ収録
 サクソフォンとオルガン!なんとまあ不思議な音色の取り合わせでしょう。しかしそんな疑問も最初の曲で氷解します。あのショスタコーヴィチの「名曲」が至って普通の顔をして現れる様子と言ったら!
 なんだかとても懐かしい気分がするのは、昔遊園地で聞いたメリーゴーランドの音色に似ているせいでしょうか。
 とにかく、全曲に渡ってまばゆい色と爽快なサウンドは新鮮な驚きをもたらします。バルトークの「ルーマニアのクリスマスの子供の歌」のなんと親しげなこと。思わず笑ってしまうこと間違いなし。
 ヴィドールのようなオルガンのソロもあり、こちらは煌くような音の洪水となっています。サクソフォンのソロでは、誰もが知っている「ああ、お母さん聞いて(きらきら星)」のメロディを主題にしたクロフォードの変奏曲が聴きものです。
 


ROP-6092
\2100→\1890
聖トーマス教会オルガニスト、ウルリッヒ・ベーメ
 1.リスト(1811-1886):BACHの名による前奏曲とフーガ/
 2-3.J.S.バッハ(1685-1750):トッカータとフーガ ニ長調 BWV540/
 4.ブラームス(1833-1897):
  コラール前奏曲「わが心の切なる願い」Op.122-10/
 5-7.ラインベルガー(1839-1901):幻想的ソナタ 変イ長調 Op.65/
 8.カール・ピウッティ(1846-1902):祝祭讃歌 Op.20/
 9.レーガー(1873-1916):ベネディクトゥス Op.59-9/
 10レーガー:コラール前奏曲「神はわがやぐら」Op.135a-5/
 11.レーガー:「われらが神はかたき砦」によるコラール幻想曲 Op.29
ウルリヒ・ベーメ(オルガン…ライプツィヒ,トーマス教会 ザウアー・オルガン)
録音 1992年2月23-25日…1-8, 2014年4月29日…9-11 ライプツィヒ,トーマス教会
 現在、聖トーマス教会のオルガニストを務めているウルリッヒ・ベーメによる納得のオルガン演奏を。壮大なリストの作品で幕を開け、バッハ、ブラームス、レーガーとドイツのオルガン音楽の伝統を辿りつつ、ラインベルガーとピウッティの作品を挟むという個性的なプログラムは、神を賛美するための楽器としての「オルガン」の機能をフルに用い、オルガニストとしての技巧を存分に見せつけながら、この響きに浸る楽しみをも与えてくれるという素晴らしいものです。
 1956年生まれのオルガニスト、ウルリッヒ・ベーメは13歳からオルガン演奏を始め、ケムニッツの聖十字架教会でカントールとオルガニストを務めた後、ライプツィヒの聖トーマス教会のオルガニストに応募し、数多くのライバルを制してこの地位を得た人です。
 2000年に建立されたバロック様式のザウアーオルガンは彼の手によって新たな命を与えられたと言っても過言ではありません。
 


ROP-6093
\2100→\1890
マリア・グラーフ(ハープ)
 風変わりな店

 1.シュポア(1784-1859):ハープのための幻想曲 Op.35/
 2.グリンカ(1804-1857):モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 変ホ長調 /
 3.レスピーギ(1879-1936):風変わりな店−ワルツ(C.ウールリッジによるハープ編)/
 4.アルヴァース(1808-1849):ベッリーニの「ノルマ」の主題による序奏と変奏曲 Op.36/
 5.プロコフィエフ(1891-1953):
  ロメオとジュリエット Op.64-朝のセレナーデ(V.デュロヴァによるハープ編)/
 6.マニュエル・デ・ファリャ(1876-1946):
  歌劇「はかなき人生」-スペイン風ダンス(M.グランドジャニーによるハープ編)/
 7.ヴァルター=クーネ(1870-1931):
  チャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」の主題による幻想曲/
 8.ラヴェル(1875-1937):
  亡き王女のためのパヴァーヌ(M.グラーフによるハープ編)/
 9.スメタナ(1824-884):モルダウ Op.43(H.トルネチェクによるハープ編)
マリア・グラーフ(ハープ)
録音 2012年4月2.3日 シュトゥットガル,トリトヌス・ムジクプロダクション
 ハープの響きをたっぷりと楽しむ1枚です。オリジナルの作品から編曲まで様々な曲が用意されています。
 シュポアやラインベルガーのオリジナル作品の、まるで妖精の羽のような繊細な美しさはもちろんのこと、彼女自身の編曲によるラヴェルの「なき王女のためのパヴァーヌ」やトルネチェク編曲のスメタナ「モルダウ」、そしてアルバムタイトルのレスピーギ作品などの、ハープで演奏することなど想像もできないような曲まで、何ともヴァラエティに富んだこれらの編曲は、人々がハープという楽器に対して抱いているイメージを根底から覆すような驚きに満ちています。
 ここでハープを演奏しているマリア・グラーフはカラヤンやチェリビダッケからも信頼されていたミュンヘン生まれの世界的ハープ奏者で、1997年からベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のハープ科教授も務めています。
 

ROP-6094
\2100
シマリング
 1.オラ・イェイロ(1978-):めでたし、気高き方/
 2.デュリュフレ(1902-1986):
  グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット Op.10-
   第2番「愛するものよ、あなたはすべてに美しい」/
 3.サイモン・ワーワー(1979):アヴェ・マリア/
 4.ゲレーロ(1528-1599):神聖にして汚れなき処女マリアよ(4声)/
 5.ヴィタウタス・ミシュキニス(1954-):マリアは天に昇らされたまいぬ/
 6.ペトル・エベン(1929-2007):デ・アンジェリス/
 7.ヴォルフガンク・ドレシャー(1990-):ルクス・エテルナ/
 8.コリン・モービー(1936-):おお、大いなる神秘/
 9.エリクス・エセンヴァルズ(1977-):おお、救いのいけにえよ/
 10.マックス・レーガー(1873-1916):マリアの子守歌/
 11.ラヴェル:歌劇「子供と魔法」から「ばらの心の君よ」/
 12-14.シューマン(1810-1856):ロマンス集 第2集 Op.91から
  <第6番:海の底には/第5番:布をさらす女の夜の歌/
   第4番:すてられた娘>/15.伝承曲:小さな野の鳥
アンサンブル・ラカペラ
録音 2014年3月14-17日 フリードリヒドルフ,ブルゴルツハウゼン,カトリシェ・プファル教会
 若き6人のメンバーで構成されている「アンサンブル・ラカペラ」の清冽、鮮やかな声の魅力を堪能する1枚です。
 驚くほどに均質な響きで歌われる様々な時代の声楽曲は、現代作品であれ、ルネサンス期の作品であれ、どれもが聖なる女性の姿を鮮やかに捉えることに成功しています。
 アルバムタイトルである「シマリング」はオラ・イェイロの作品で、このアンサンブルのために書かれた "Ave generosa"-めでたし、気高き方に添えられた「揺らめく光」という意味を持つ美しい言葉です。
 

ROP-6095
\2100
ハノーヴァー,マルクト教会のクリスマス音楽集
 1.テレマン(1681-1767):
   すべての至福、すべての喜び TWV1:1040/
 2.アルテンブルク(1584-1640):
  イントラーダ「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」/
 3.J.S.バッハ(1685-1750):甘い慰め、私のイエスは来ませり BWV151 第1曲/
 4.ヤコブ・ファン・アイク(1590頃-1657):Puer nobis nascitur/
 5.J.S.バッハ:楽しき狩こそ我が悦び-羊は憩いて草を食み BWV208/
 6.ヴィヴァルディ(1678-1741):フルート協奏曲 RV428-カンタービレ/
 7.フランク(1822-1890):パストラーレ Op.19/
 8.J.S.バッハ:わが魂は主をあがめ BWV648/
 9.モンテヴェルディ(1567-1643):シオンの娘よ 踊り喜べ/
 10.ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):讃えられよ、イエス・キリスト/
 11.ミヒャエル・プレトリウス:輝く曙の明星のいと美しきかな/
 12.オットー・オールソン(1879-1964):ユル Op.36-2/
 13.ミヒャエル・アルテンブルク:
   美しい御子がお生まれになった-甘き喜びのうちに/
 14.バッハ,グンペルツハイマー,ハスラー:高き天よりわれは来たれり/
 15.J.S.バッハ:道を備え、大路を備えよ BWV132-第1曲
ウテ・エンゲルケ(ソプラノ)/
エリザベス・シュヴァンダ(リコーダー)/
ウルフェルト・シュミット(オルガン)
録音 2014年6月10-12日 ハノーヴァー マルクト教会
 ハノーヴァーが誇る三人の演奏家たちによる、素朴かつニュアンス豊かなクリスマス音楽集です。
 ソプラノとリコーダー、オルガンという音色の組み合わせは、かなり珍しいものですが、ここでは全く違和感なしに見事に溶け合っていて、これらの静かで美しい音楽が最上の形で表現されています。
 どの曲もキリストの誕生を待ちわび、また喜ぶためのもので、この幸せな気分は、聴き手にも深い感動を与えるのです。16世紀から19世紀のクリスマス音楽における新しい魅力の発見です。
 

ROP-6097
\2100
ハンス・レーオ・ハスラー:宗教的合唱作品集
 1.イントラーダ/2.キリストの復活/
 3-5.ミサ「いかによきことかを見よ」/
 6.アレルヤ、わが神/7.6声のカンツォーナ/
 8-10.8声のミサ曲/11-15.金管合奏のための組曲/
 16.われらに平和を/17-19.ミサ「マリアは言われた」/
 20.モテット「マリアは言われた」/21.主の天使/
 22-26.ミサ「Come fuggir」/27.神に向かいて喜びの声をあげよ
マインツ大聖堂合唱団/
聖マルティン大聖堂カントライ/
マインツ大聖堂ブラス/
カルステン・シュトルク(指揮)
録音 2014年7月17.18.25日,9月11.13日 マインツ大聖堂
 2014年はレーオ・ハスラー(1564-1612)の生誕450周年にあたります。彼はニュルンベルクで生まれ、少年時代にオルガン奏者の父から音楽の手ほどきを受け、1584年にイタリアに留学し、ヴェネツィアで研鑽を積みました。
 ここでジョヴァンニ・ガブリエリと親交を結び、多大なる影響を受けます。2年後にドイツに帰国し、アウクスブルクでオルガニストとして活躍、同時にたくさんの作品を書き、教会音楽の発展に力を尽くしました。
 ハスラーの音楽は信じられないほどエネルギッシュで、また見事な対位法が駆使された精妙なものであり、このアルバムの指揮者であるシュトルクも「彼の音楽を演奏することは本当に喜ばしい」と語っています。
 

ROP-6098
\2100
アドヴェント 〜キリストの誕生を待ちわびる歌曲とモテット
 1.マクミラン(1959-):暁の女神/
 2.ヤン・ヴィルケ(1980-):船がやってくる/
 3.ディターレ(1989-):入祭唱/
 4.シュローネン(1965-):目覚めて/
 5.バード(1543-1623):天よ霞を/
 6.オレ・シュッツラー(1976-):おお、救い主よ、天を開いてください/
 7.ペルト(1935-):おお、知恵よ/
 8.マウエスベルガー(1903-1982):あなたに時をゆだねます/
 9.ペルト:おお、アドナイよ/
 10.シュッツラー:おお、エサイの根/
 11.ヴィルケ:クリスマスの歌を/
 12.ヴィタウタス・ミシュクニス(1954-):ダヴィデのかぎ/
 13.ブラームス(1833-1897):白き鳩/
 14.ビクトリア(1548-1611):救い主のうるわしき母/
 15.ルートヴィヒ・ベーメ(1979-):マリアはいばらの森を通り/
 16.ボブ・チルコット(1955-):おお、異教徒の王よ/
 17.ユルゲン・エッスル(1961-):あなたたちはもはや闇を後にする/
 18.チルコット:おお、エマニュエル/
 19.モートン・ローリゼン(1943-):光より生まれ
ライン・ネッカー・ユンガー室内合唱団/
マティアス・リッケルト(指揮)
録音 2014年4月11-13日 ホッフェンハイム エヴァンゲリシェ教会
 日本でのクリスマスのお祝いは主に12月24日と25日の2日間のみですが、ヨーロッパでは「アドヴェント=到来」という時期が設けられており、それは教派によっても呼び名や時期の違いはあるものの、概して11月の半ばから準備をはじめ、古い時代はこの時期に断食しひたすら静かに過ごしましたが、最近ではその習慣はなく、人々はろうそくを灯し、子供たちはお菓子の箱を開けながら「その日」を心待ちにするのです。
 この時期に奏される音楽も、静かなものであり、定められた日以外はオルガンすらも用いられることがありません。このように心から待ちわびることで、クリスマスの日が一層素晴らしいものとなるのでしょう。
 ルネサンス時代から現代までのたくさんの作曲家たちによる、静かな音楽に心洗われます。
  

ROP-7017
\2100
クリスマス・キャロル集
 1.バード(1540-1623):神に向かいて喜びもて歌え/
 2.作者不詳:天使は乙女に(13世紀頃)/
 3.伝承曲:コヴェントリー・キャロル/
 4.ウィールクス(1575-1623):ダヴィデの子に栄えあれ/
 5.伝承曲:羊飼いたちは御使いらの歌/
 6.ハウエルズ(1892-1983):汚れなきばら/
 7.伝承曲:甘き喜びのうちに/
 8.ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):一輪のばらが咲いて/
 9.ラター(1945-):ウェックスフォード・キャロル/
 10.J.S.バッハ(1685-1750):
  クリスマス・オラトリオ BWV248-
   「いまや汝らの神の報復はいみじくも遂げられたり」/
 11.ブリテン(1913-1976):聖母への讃歌/
 12.伝承曲:おお、すべての忠実な崇拝者よ/
 13.伝承曲:ガブリエルのお告げ/
 14.カークパトリック(1838-1921):まぶねの中で/
 15.チルコット(1955-):羊飼いキャロル/
 16.伝承曲:ひいらぎ飾ろう/
 17.アンダーソン(1908-1975):そりすべり/
 18.メイスン(1792-1872):もろびとこぞりて/
 19.伝承曲:まきびとひつじを/
 20.ビッシル:インターリュード/
 21.伝承曲:ウィ・ウィッシュ・ア・メリークリスマス/
 22.メンデルスゾーン(1809-1947):天には栄え
ハノーヴァー少年合唱団/
ロンドン・ブラス/イェルク・ブランディング
録音 2013年12月5-7日 ハノーヴァー マルクト教会 ライブ録音
 英国のクリスマス・キャロルの伝統を楽しむためのステキな1枚です。
 バードやプレトリウスなど16世紀のキャロルから、ラターやチルコットなどの現代作品、そして作者不詳の伝承曲など、幅広いスタイルの作品が含まれていますが、どれもが正しい「クリスマスの精神」を反映した深遠で崇高な作品ばかりです。
 健やかな響きを持つハノーヴァー少年合唱団と、輝かしいロンドン・ブラスの音色はまさに神がかり的な美しさを抱いています。
  

SOLO MUSICA


SM212
\2100
魅惑のアルカディア
 1.詩の朗読/
 2-5.A.スカルラッティ(1660-1725):嬉しい森、影の友人/
 6.アルカディア・プロローグ:ほとんどの時は/
 7-12.A.スカルラッティ:花の中で/
 13-17.A.スカルラッティ:希望と恐怖の間で/
 18.詩の朗読/
 19-22.A.スカルラッティ:チェロ・ソナタ 第1番 ニ短調/
 23.詩の朗読/
 24-28.A.スカルラッティ:4声のソナタ ニ短調/
 29-33.A.スカルラッティ:花々よ/
 34.詩の朗読/
 35-41.羊飼いよ、あなたはなぜ/
 42.詩の朗読
ジャンカルロ・ポンティッジャ(ナレーター)…1.6.18.23.34.42/
アンネ・シュミット(コントラルト)…2-5.7-17.29-33.35-41/
フライタクス・アカデミー…2-5.7-17.19-22.24-28.29-33.35-41
録音 2011年4月30日.5月2日 ベルン ブリュメンシュタイン教会
 「アルカディア」とはギリシアのペネポネソス半島にある古代からの地域名で、「牧人の楽園」として伝承され、「理想郷」の代名詞となっています。もともとはギリシア神話に登場するアルカスに由来し、人々は静かな自然の中で生活し、恋に悩む羊飼いは、木陰で憂いを語り、月桂樹の葉は詩と音楽を提供します。
 これは、この場所にふさわしいアレッサンドロ・スカルラッティのソロ・カンタータの何曲かとソナタを取り上げ、曲間に美しい詩を挟みながら、音と言葉で美しい絵画を描いていくというアルバムです。
 


SOB07
\2100→\1890
デニス・ラッセル・ディヴィス&バーゼル交響楽団
 シューベルト:交響曲 第2番&第6番

  1-4.交響曲 第2番 変ロ長調 D125/
  5-8.交響曲 第6番 ハ長調 D589
バーゼル交響楽団/
デニス・ラッセル・ディヴィス(指揮)
 バーゼル交響楽団は、スイスのバーゼル市にあるオーケストラで、バーゼル劇場の座付きオーケストラでもあります。
 1997年に旧バーゼル交響楽団と、バーゼル放送交響楽団が合併し発足。2009年からはデニス・ラッセル・デイヴィスを首席指揮者に迎え、一層のレパートリーの拡充を図るとともに、完全なるアンサンブルとスタイリッシュな妙技を追求しています。
 1876年に設立された旧バーゼル交響楽団は、1927年から1935年にはワインガルトナーが首席指揮者を務め、他にもホルスト・シュタイン、モーシェ・アツモン、アルミン・ジョルダンなど錚々たる顔ぶれの名指揮者たちによって育て上げられたオーケストラです。
 客演指揮者は数知れず、古くはブラームスやマーラー、フルトヴェングラー、最近ではブーレーズ、デュトワ、ゲルギエフなどが、この独自の味わいを持つオーケストラを演奏しています。
 2009年から首席指揮者を務めるデニス・ラッセル・ディヴィスは、このオーケストラから新しい響きを引き出すことに成功、既にリリースされているシューベルト(1797-1828)やオネゲル、ストラヴィンスキーなどでも驚くほど斬新な音楽を創り上げています。
 今回収録の第2番はシューベルトの初期の作品で、作曲は17歳のとき。しかし規模も大きくなかなか聴き応えのある曲です。
 一方6番は「小ハ長調」とも呼ばれる曲で、冒頭から荘厳な雰囲気を持つベートーヴェンからの影響が大きいとされる作品。どちらもディヴィスが念入りに演奏しています。

デニス・ラッセル・ディヴィス&バーゼル交響楽団:シューベルト交響曲集
 SOB01…交響曲 第3番&第5番 SOB03…交響曲 第9番「グレート」

TOCCATA



TOCC-260
\2700→\2490
ライフ・スールベリ:交響曲
 1-2.幻想曲とフーガ(1936)/
 3-9.聖金曜日のための瞑想(1948)/
 10.古いスカンジナビアの行進曲(1941)/
 11.パストラール ニ長調(1930/1954-1955改編)/
 12.聖なる春(1947/2003:P・マンによる補筆2014)/
 13-15.交響曲(1950-1951)
   ※3-9.10.11.13-15…初録音
リエパーヤ交響楽団/
ポール・マン(指揮)/
スールベリ・センテナリー・シンガーズ/
マリト・テンデル・ボドスペリ(指揮)/
ティム・コリンズ(オルガン…1-9)
録音 2014年8月6-8日 リエパーラ・ラトヴィア・ソサエティ・ホール…10-15, 2014年5月26日 ノルウェー リレハンメル教会…1-2, 2014年8月21日 ノルウェー リレハンメル教会…3-9
 ニッチな作曲家、作品を紹介することで知られるTOCCATAレーベルの記念すべき200作目のCDは、ノルウェーの作曲家、オルガニストのライフ・スールベリ(1914-)生誕100年を祝うプロジェクトです。ここには最近発見されたスールベリ唯一の交響曲を中心とした管弦楽曲と、優れたオルガニストであるスールベリによる2つのオルガン作品が収録されており、この知られざる偉大な作曲家を知るための、良い入門アルバムとなることは間違いありません。
 スールベリの父は軍楽隊で音楽を教えながら、郵便配達員として、そして教会でオルガニストとしても働いていたという人で、彼は父を助けながらオスロの音楽院に進学、音楽を学び、1933年に公式にオルガニストとしてデビューしています。1938年には30人以上のライバルを蹴落とし、リレハンメルの教会オルガニストの地位を勝ち取り、安定した生活を得ます。町の高校の音楽教師として合唱団を指導したり、コンサートを行ったりと華々しい活躍を行う傍ら、交響曲、弦楽四重奏曲、ヴァイオリンソナタなどたくさんの作品も書いています。彼の奥さんも健在であり、彼らは79年間という長い結婚生活を送ってるといいます。そんなスールベリの作品、ぜひ楽しんでみてください。
 


TOCC-21
\2700→\2490
ロベルト・カーン:室内楽作品集 第1集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 Op.5/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 Op.26/
 7-9.ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ホ長調 Op.50 ※初録音
ユリア・ブシュコーワ(ヴァイオリン)/
アルセンティ・ハロトノフ(ピアノ)
録音 2014年5月21-23日 テキサス,北テキサス大学 マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,ウィンスペア・オーディトリウム
 ロマン派の作品が隅々まで発掘されている現代において、この人の作品を聞く機会も多くなってきたように思います。ロベルト・カーン(1865-1938)は、マンハイムで裕福な家の7人兄弟の2番目の息子として生まれ、ベルリンで最初の音楽教育を受け、その後はミュンヘンでラインベルガーに師事、やがてウィーンでブラームスに出会い、その作品に強く影響を受けたといいます。
 しかし彼はブラームスに師事することはなく、兵役を終えてから作曲家として独り立ちし、現在のベルリン芸術大学で教鞭をとることとなります。指導者としても優秀であり、作曲家のスカルコッタスやピアニストのヴィルヘルム・ケンプら素晴らしい後進を輩出したことでも知られています。彼は一時期ベルリン芸術アカデミーのメンバーにも選出されましたが、「ユダヤの血」を引いていたことが理由で、役職を解かれ、結局その作品も出版、上演禁止となってしまったため、すっかり忘れられてしまったのです。
 このヴァイオリン・ソナタは実に精妙なスタイルで書かれていて、ブラームス的な香りも感じさせながら、もっと未来を予見させるものでもあります。


誰だ、ロベルト・カーン?

777791
(2CD)
\2600→\2390
ロベルト・カーン:ピアノ三重奏曲全集
 1.ピアノ三重奏曲 第1番 ホ長調 Op.19/
 2.ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.33/
 3.ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 Op.35/
 4.ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調 Op.72
ハイペリオン三重奏団
 1865年、マンハイム生まれの作曲家ロベルト・カーン(1865-1951)のピアノ三重奏曲です。現在では名前すらも残っていない人ですが、若い頃には、晩年のブラームスに高く評価されたこともあり、彼はその幸福な気持ちをずっと持ち続けていたと言います。
 しかし内向的な性格であったため、その事はずっと隠していて、自身を語る時には「ベルリンでフリードリヒ・カイルに学び、ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーに学び作曲家となった」と言っていたそうで、あまりにも幸福だったブラームスとの出会いについては、ついぞ語ることはなかったのだそうです。
 そんなカーン、1894年にベルリン・ロイヤルアカデミーの教授職に就き後進の指導にあたっていましたが、ナチスの台頭に伴い1934年にイギリスに亡命、そこで生涯を終えることになりました。
 彼の生徒にはヴィルヘルム・ケンプ、フェルディナンド・ライトナー、アルトゥール・ルービンシュタインなどがおり、どれほど優秀な教師であったかも理解できます。そんな彼のピアノ三重奏曲は、どれも1918年までに書かれており、わかりやすく簡潔な書式を保ったものです。

 


TOCC-123
\2700→\2490
ゲオルギー・スヴィリードフ:讃歌と祈り
 1-2.イントロダクション/3-5.旧約聖書から/
 6-10.キリストの誕生/11-16.地上でのキリストの生活/
 17-23.復活の後 ※初録音
クレド室内合唱団/
ボグダン・プリシュ(指揮)
録音 2004年3月-4月 キリフ=ペチェレスカ・ラヴラ大聖堂
 スヴィリードフ(1915-1998)はソビエト時代に活躍した作曲家で、20世紀後半のロシアを代表する作曲家の一人と讃えられています。彼はその作品にロシアの民族音楽を好んで取り入れたことで知られ、現在でも愛好者の多い人です。ショスタコーヴィチに師事し、ジダーノフ批判で師が批判された際には、その批判に同調しなかったことでも知られています。このアルバムでは彼の作品の中でも、最も重要な分野である宗教的な合唱作品を聞くことができます。チャイコフスキーとラフマニノフ以降のロシアの宗教曲の中でも、最も重要なこれらの作品は並外れて美しく、深く心を揺さぶるパワーを有しています。ここで力強い合唱を聴かせているクレド室内合唱団は、2002年4月に設立されたウクライナ屈指の合唱団で、これまでも数多くのコンサートで素晴らしいハーモニーを披露してきた団体です。指揮者のプリシュは1977年生まれの若手で、クレド室内合唱団の創設時から音楽監督を務めています。
 


TOCC-252
\2700→\2490
ピアノはホブソン!
 ハロルド・トラスコット:ピアノ作品集 第1集

 1.ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 RC65/
 2-23.創作主題による変奏とフーガ RC100/
 24-27.組曲 ト長調 RC95a/
 29-31.ピアノ・ソナタ 第5番 ロ短調 RC62
  ※2-23.24-27…初録音, 1.28-31…CD初録音
イアン・ホブソン(ピアノ)
録音 2014年8月4-6日 イリノイ州 ウルバナ,クランナート・センター・フォーリナー・グレート・ホール
 ハロルド・トラスコット(1914-1982)はロンドン出身の現代作曲家、ピアニストです。2014年はトラスコット生誕100年目にあたり、このアルバムもこれを記念して製作されました。ギルドホール音楽演劇学校や王立音楽大学で学び、王立音楽大学ではオーランド・モーガンとアンガス・モリソンにピアノを、ハーバート・ハウエルズに作曲を師事しています。その後ハッダースフィールド工業大学で教鞭を執り、こちらの分野でも多くの才能を送り出しています。
 彼の作品は神秘的な風貌を持つものが多く、調性が付されていても、それは微妙に揺らぎ、また複雑な対位法が用いられているなど、往々にして難解なものですが、1950年代にはBBCでしばしば取り上げられ、多くの人気を博したといいます。
 このピアノ曲集も色々なスタイルの作品が含まれていますが、名ピアニスト、イアン・ホブソンはこれらを見事に描き分け、新たな発見を届けることに成功しています。




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