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第80号
マイナー・レーベル新譜(5)
2015.1.6〜3.6


ECM



4811572
(2CD)
\4600→\4190
アンドラーシュ・シフ/フォルテピアノによるシューベルト
 ハンガリーのメロディ D.817
 ピアノ・ソナタ第18番 《幻想》D.894
 楽興の時 Op.94(全6曲)
 アレグレット D.915
 即興曲集 Op.142 D.935(全4曲)
 ピアノ・ソナタ第21番 D.960
アンドラーシュ・シフ(フォルテピアノ)
 フォルテピアノで聴くシフのシューベルト!
 ピアノ界の至宝、アンドラーシュ・シフが自ら所蔵するピアノフォルテで奏でるシューベルトの主要作品。
 1980年代後半から1990年代前半にかけてDECCAにシューベルトのソナタおよび即興曲全曲を録音してから約30年を経て、今回は楽器をベーゼンドルファーからフォルテピアノに替えて改めてシューベルト作品に臨んだシフ。
 シフとフォルテピアノとの間にはいくつかの重要な出会いがありました。1970年代後半、ブダペストの国立博物館に保管されていたベートーヴェンのブロードウッド・ピアノを録音に使用したこともありました。その数年後にはザルツブルクでモーツァルトが持っていたワルターのフォルテピアノを演奏し、録音する機会に恵まれます。
 シューベルトのソナタ演奏にあたってグラーフのフォルテピアノを使用したこともありました。そんな歳月の後にシフは1982年にウィーンで作られたフランツ・ブロードマン製のフォルテピアノを所蔵することとなり、シューベルトの鍵盤作品にはこのウィーン風のやわらかで芳醇な音色が必須ということで、今回の録音にはその自らの楽器を使用しています。
 録音:2014年7月2日-5日 ボン、ベートーヴェンハウス
 

4810972
\2500
《グスタボ“クチ”レギサモン:El Cuchi Bien Temperado》
グスタボ“クチ”レギサモン(1917-2000):
 『El Cuchi Bien Temperado』(パブロ・マルケスによるギター編)
  1)Coplas des Tata Dios (vidala-baguala),
  2)Zamba del carnaval (zamba),
  3)La cantora de Yala (zamba)
  4)Chacarera del expediente (chacarera),
  5)Chaya de la albahaca (vidala chayera),
  6)Zamba de Lozano (zamba). 7)El silbador (zamba),
  8)De solo estar (bailecito),
  9)Chacarera del holgado (chacarera trunca),
  10)Carnavalito del Duende (carnavalito),
 11)Zamba para la Viuda (zamba), 12)Zamba soltera (zamba),
 13)Corazonando (chacarera trunca),
 14)Zamba del panuelo (zamba),
 15)Chilena del solteron (cueca),
 16)Maturana (zamba),
 17)Cancion del que no hace nada (vidala)
パブロ・マルケス(ギター) 
 アルゼンチンを代表する斬新な作品
 アルゼンチン音楽の発展に貢献し、今でも多くのアルゼンチン・ミュージシャンたちに尊敬されているサルタ生まれの作詞、作曲家グスタボ“クチ”レギサモンの音楽を、1967年生まれのギタリスト、パブロ・マルケスがギターのためにアレンジしたという興味深い1枚。
 伝統の舞曲に新たな試みとアイデアを取り入れ、曲によってはシェーンベルクに触発されたという12音技法を使うなど、斬新なデギサモンの音楽。これらをマルケスがアレンジする際には、偉大なるバッハの平均律クラヴィーア曲集を参考にし、全ての曲に違った調性を施すことで、ギター奏法にも新たなる道を開くことを心がけたというユニークなものでもあります。【録音】 2012年5月23-25日、ルガーノ Auditorio Radiotelevisione svizzera

MD+G


901 18856
(2SACD Hybrid)
\5200
《ヴィヴァルディ:協奏曲集Op.4「ラ・ストラヴァガンツァ」(全曲)》
 1) 第1番 変ロ長調 RV.383a, 2) 第2番 ホ短調 RV.279,
 3) 第3番 ト長調 RV.301, 4) 第4番 イ短調 RV.357,
 5) 第5番 イ長調 RV.347, 6) 第6番 ト短調 RV.316a,
 7) 第7番 ハ長調 RV.185, 8) 第8番 ニ短調 RV.249,
 9) 第9番 ヘ長調 RV.284, 10) 第10番 ハ短調 RV.196,
 11) 第11番 ニ長調 RV.204, 12) 第12番 ト長調 RV.298
フランチェスコ・チェラート (ヴァイオリン&指揮)、
アルモニオーサ(ピリオド楽器アンサンブル)
ヴィヴァルディの華麗な作品への挑戦

曲集名「ストラヴァガンツァ」は、「奇妙、狂態など」を意味する言葉。シンプルな形式ながら、それぞれが、優雅、悲歌、叙情、独特なリズム、半音階的主題など、個性的な特徴を持つ12のヴァイオリン協奏曲集です。
 イタリアのヴァイオリンとチェロのチェラート兄弟らによって、2012年設立されたピリオド楽器アンサンブル「アルモニオーサ」がデビューアルバムに選んだのが、ラ・ストラヴァガンツァでした。
 ヴァラエティ豊かなヴィヴァルディ作品を華麗な演奏でお届けします。
 SACD Hybrid[CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]
 

902 18766
(SACD Hybrid)
\3100
《ヨハン・アダム・ヒラー:宗教作品集》
 ヨハン・アダム・ヒラー(1728-1804):
  1) 詩篇第100番「全地よ、主に向かいて喜びの声をあげよ」,
  2) 詩篇第5番12-13「すべての人々を喜ばしめよ」,
 3) ペルゴレージ:スターバト・マーテル(ヒラー改編版)
ヴェロニカ・ヴィンター(ソプラノ),
トーマス・リーデ(アルト),
クヌート・ショック(テノール),
トーマス・ラスケ(バス),
シュトゥットガルト・イムヌス少年合唱団,
ヘンデル・カンパニー(ピリオド楽器アンサンブル),
ライナー・ヨハンネス・ホムブルク(指揮)
ペルゴレージのスターバト・マーテルの改編版も収録
 今日、ヨハン・アダム・ヒラーはジンクシュピールの創作者であるとみなされています。また女性歌手育成のために尽力し、数多くの歌手たちを育て上げたことでも知られています。
 その作品のほとんどは現在忘れられてしまいましたが、残された作品はどれも素晴らしいものばかりです。
 このアルバムに収録された3作品のうち2曲は彼のオリジナルですが、注目すべきはペルゴレージの「スターバト・マーテル」の改編作でしょう。
 もともとはソプラノ、アルト、弦楽合奏のための慎ましい作品に、ヒラーはクロプシュトックのドイツ語のテキストと、オーボエ、フルート、そしてソロ・パートに男声を追加するなど大胆な編曲を行ったのです。
 これにより、当時のルター派の信者たちにも愛好されることとなり、見事にエキュメニズム=世界教会主義を達成した作品となったのでした。
 SACD Hybrid[CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]
 

603 18872
\2400
《トロンボーンのための抒情的な音楽集》
 1) フランツ・シュトラウス:夜想曲(M.ローレンス編),
 2) ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-4,
 3) ウェーバー:ロマンス(W.ヴァーゲンホイザー編),
 4) ワーグナー:「ヴァルキューレ」より「ヴォータンの別れの音楽」(T.ベットガー編),
 5) リスト:忘れられたロマンス(T.ベットガー編),
 6) シューベルト::歌の練習 D619(T.ベットガー編),
 7) ブラームス:川は流れ,
 8) ブラームス:狩人と恋人,
 9) ブラームス:愛の道 第2番,
 10) ブラームス:こうして私はさすらう,
 11) マルタン:バラード
ミヒャエル・マソン(トロンボーン),
沢野智子(ピアノ),
プジェミスル・ヴォイタ(ホルン:6-10)
歌心が染みとおった表現力豊かな
 ドイツ生まれのトロンボーン奏者、ミヒャエル・マソンのMDGデビューアルバムです。彼は1969年に生まれ、ザールブリュッケンとフランクフルトの音楽大学で学び、その後ロンドン王立音楽大学に留学、ジョン・アイヴソンとクリストファー・モワットに師事しました。ハンブルク交響楽団、ベルリン放送交響楽団で首席を務めた後、現在はデンマークのオールボー交響楽団の首席奏者を務めています。
 このアルバムでは、まさに「歌うように奏する」彼のトロンボーンを堪能することができます。アルバムタイトルも彼の発案によるものであり、随所に歌心が染みとおった表現力豊かな演奏には感嘆せざるを得ません。
 中でも異彩を放つのは、マルタンの「バラード」で、これはトロンボーンのオリジナルの作品です。
 


301 3152
\2400→\2190
ディーター・クレッカー(クラリネット),
 《ハイドン(ヴィンセント・ガンバーロ編曲):クラリネット四重奏曲》

ヨーゼフ・ハイドン=ヴィンセント・ガンバーロによる編曲(1800)
 1) クラリネット四重奏曲 第1番 変ロ長調,
 2) クラリネット四重奏曲 第2番 ハ短調,
 3) クラリネット四重奏曲 第3番 変ロ長調
ディーター・クレッカー(クラリネット),
コンソルティウム・クラシクム
ディーター・クレッカーが発掘した秘編曲作品
 名手ディーター・クレッカーの妙技を楽しむ1枚です。ヴィンツェンツォ・ガンバーロはロッシーニ時代に活躍したクラリネット奏者で、「テアトル・ロワイヤル・イタリエン」という劇場のオーケストラの首席を務め、またロッシーニからの信頼も厚かった人です。
 多くの作品をクラリネット用に編曲し、この楽器のレパートリーの拡大に貢献しました。ただし、このハイドンの四重奏曲は原曲には忠実ではなく、楽章のならびもアトランダムで、初期の作品から後期の作品の色々なところをつまみ出し、構成されていて、いわば「ガンバーロのオリジナル作品」と言っても差し支えないほどのものなのです。
 ハイドンの未発見作品を楽しむつもりで聞くのもよいかもしれません。
 

706 18882
\2400
《クレブス:クラヴィーア曲集第3集》
 ヨハン・ルートヴィヒ・クレブス(1713-1780):クラヴィーア曲集第3集
  1) ソナチネ 第1番 イ短調 Krebs-WV 801,
  2) ソナチナ 第2番 ニ長調 Krebs-WV 802,
  3) ソナチネ 第3番 ハ短調 Krebs-WV 803,
  4) ソナチネ 第4番 変ロ長調 Krebs-WV 804,
  5) ソナチネ 第5番 嬰ヘ短調 Krebs-WV 805,
  6) ソナチネ 第6番 ヘ短調 Krebs-WV 806,
  7) ソナタ 第1番 ハ長調 Krebs-WV 832,
  8) ソナタ 第2番 ト長調 Krebs-WV 833,
  9) ソナタ 第3番 変ロ長調 Krebs-WV 834,
  10) ソナタ 第4番 ニ長調 Krebs-WV 835,
  11) ソナタ 第5番 へ長調 Krebs-WV 836,
  12) ソナタ 第6番 ニ短調 Krebs-WV 837
ヤン・フォン・ブッシュ(Johann Georg Stein-Orgel in Warlitz)
J.S.バッハの高弟クレブスの素晴しい作風
 ヨハン・ルートヴィヒ・クレープスは、J.S.バッハの高弟として知られ、素晴らしいオルガン演奏の技術を有していましたが、バロックから古典へと時代が変化していた当時、彼の作風(ポリフォニーを好んだ)はいささか時代遅れであるとみなされ、要職も名声も得ることができませんでした。そのため、却ってたくさんの作品を書くことができたのですが、残念ながらそれらはほとんど出版されることなく、20世紀にいたるまで放置されていたのです。
 このソナタ、ソナチネもこのヤン・フォン・ブッシュの演奏が初録音となります。使用されたオルガンを建立したヨハン・ゲオルクシュタインはクレープスと同じ年であり、第二次世界大戦で若干のダメージを受けたものの、恐らくチューリンゲンで最も保存状態のよい楽器です。
 


613 17772
\2400→\2190
ジャチント・シェルシ(1905-1988):
 ① 組曲第8番「Bot Ba」(1952),
 ② 組曲第9番「Ttai」(1953)
シュテッフェン・シュライエルマッヒャー(シュライヤーマッハー)(P)
 謎多き現代作曲家の作品を、シュライエルマッヒャーが新解釈
 イタリア生まれの現代作曲家シェルシの謎を解き明かすべく、鬼才ピアニスト、シュライエルマッヒャーが「彼の作品」を丹念に演奏しています。
 シェルシという作曲家は確かに存在していましたが、彼の死後、その作品は何人かの作曲家の共同作業によって創られたということが判明しており、シェルシの作風の変化も、その共同作曲者の影響をうけてのことだと言われています。
 組曲第8番のタイトルは謎めいていますが、チベット文化から影響を受けたものであろうということです。反して、組曲第9番はとても瞑想的であり、この多面的な作風はシェルシという存在を端的に示しているものと言えるでしょう。
 現代音楽の解釈において、第一人者であるシュライエルマッヒャーのこのシェルシは、他に類をみない偉大なものとして記憶されるはずです。
 

904 18716
(SACD Hybrid)
\3100
セシル・シャミナード:ピアノ作品集
 セシル・シャミナード(1857-1944)
  ① ピアノ・ソナタ ハ短調Op.21, ② 交響的練習曲Op.28,
  ③ 演奏会用練習曲Op.35, ④ 旋律的練習曲Op.118,
  ⑤ 悲愴的練習曲Op.124, ⑥ ロマンティックな練習曲Op.138,
  ⑦ ユーモラスな練習曲Op.138,
  ⑧ スコラスティックな練習曲Op.139, ⑨ 子供の頃の思い出
ヨハン・ブランシャール(P)
 フランスで最初に認められた女性作曲家の作品を、サロン的な雰囲気で
 フランスで最初に認められた女性作曲家と言われるシャミナード。当時はパリ音楽院でさえ、女性が作曲科に入学することを認められておらず、彼女はゴダールから個人的に作曲を学び、18歳で演奏会を行って少しずつ認められていったのでした。1892年にイギリスでデビューし、その2年後にはヴィクトリア女王に御前演奏を行い、高く評価されました。1913年に女性作曲家として初のレジオン・ドヌール勲章を授与されるなど、幅広く活躍しましたが、結局その作品のほとんどは忘れ去られてしまったのです。
 このアルバムのピアニスト、ブランチャード(彼の父もピアニストであり、シャミナードと親しかった)は彼女の未発表作品を20以上も発見し、これらの出版に尽力しました。
 彼女の「練習曲」は指の練習よりも表現の巧みさを追求するものかもしれませんが、リストの思い出や、シューマンのオマージュなど様々な影響を感じることができる作品です。
 ブランチャードは、1901年製のスタインウェイ“Manfred B?rki” で当時のサロンの雰囲気を絶妙に再現しています。
 


947 18676
(SACD Hybrid)
\3100→\2890
ブラームス:世俗合唱作品集Vol.1
 ① ジプシーの歌Op.103, ② 6つの四重唱曲Op.112,
 ③ 3つの四重唱曲Op.31
 ④ 3つの四重唱曲Op.64, ⑤ 4つの四重唱Op.92
北ドイツ・フィグラル合唱団,
イェルク・シュトラウベ(指揮),
マルクス・ベルハイム(ピアノ)
 親しみやすいメロディを豊かなハーモニーで
 ブラームスの「ジプシーの歌」は、彼の8つある四重唱曲集の中の1つで、1887年に作曲されました。これは彼が愛したハンガリー民謡を題材にしたピアノ伴奏付の四重唱曲ですが、このアルバムのようにしばしば4部合唱で歌われることも多い、親しみやすいメロディに満ちた楽しい作品です。
 情熱的なリズムと豊かなハーモニーを表現するためには、ピアノの技術による部分も多く、ここでピアノを演奏しているベルハイムは繊細なタッチで、要求を存分に満たしています。
 他の四重唱曲は比較的地味な存在ではありますが、もともと合唱団を指導することについて定評のあったブラームスだけあって、どれも素晴らしい作品となっています。
 北ドイツ・フィグラル合唱団は、プーランクの合唱作品(947 15956)やロマン派のクリスマス合唱作品(947 16516)でも見事なハーモニーを披露している合唱団です。
 


937 18836
(SACD Hybrid)
\3100→\2890
ベートーヴェン:
 ① 交響曲第8番ヘ長調Op.93,
 ② 交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」
ステファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 ピリオド奏法と音の美しさを際立たせた雄弁な語り
 創立100年以上の伝統あるオーケストラ、ボン・ベートーヴェン管弦楽団。これまでR.シュトラウス、エーリヒ・クライバー、カール・ベーム、セルジュ・チェリビダッケ、ギュンター・ヴァントといった巨匠たちが指揮台を飾ってきたこの名門で、2008〜2009年シーズンから音楽監督を務めているシュテファン・ブルーニエ。このコンビによるベートーヴェン:交響曲集第2弾となります。
 ブルーニエはピリオド奏法を用いながらもややゆったりとしたテンポをとり、雄弁にメロディを歌っていきます。緻密なスコアの読みで、ひとつひとつの音符を大切にしたベートーヴェン演奏を展開しています。雄弁と洗練を兼ね備えたしなやかな秀演を、SACDの高音質でお届けします。



ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管
 ベートーヴェン・チクルス第1弾!

937 17566
(SACD Hybrid)
\3100→\2890
 ベートーヴェン:
   『交響曲第1番ハ長調Op.21』
   『交響曲第5番ハ短調Op.67』
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 雄弁なメロディ歌いによる、新ロマンティック・ベートーヴェン
 創立し100年以上の伝統あるオーケストラ、ボン・ベートーヴェン管弦楽団。これまでR.シュトラウス、エーリヒ・クライバー、カール・ベーム、セルジュ・チェリビダッケ、ギュンター・ヴァントといった巨匠たちが指揮台を飾ってきたこの名門で、2008〜09年シーズンから音楽監督を務めているシュテファン・ブルーニエと このオーケストラによる初のベートーヴェン交響曲録音となります。
 ブルーニエはピリオド奏法を用いながらもややゆったりとしたテンポをとり、雄弁にメロディを歌っていきます。ノイズの少ない楽器の音の美しさが際立ち、金管とティンパニは明快に強奏群としてびしっと決めながら見事なアンサブルを聴かせてくれます。大音量時の迫力に頼ることなく、緻密なスコアの読みによって、ひとつひとつの音符を大切にした新ロマンティック・ベートーヴェン演奏といえましょう。洗練を兼ね備えたこの秀演を、SACDの高音質でお届けします。
 【録音】2012年, ボン、ベートーヴェン・ホール(デジタル:セッション)


CANARY



CC-14
(2CD)
\3100→\2790
ギル・シャハム、ついに。
 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006
<CD1>
 1-4.ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
 5-12.パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002/
 13-16.ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003/
<CD2>
 1-5.パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004/
 6-9.ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005/
 10-15.パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
ギル・シャハム(ヴァイオリン=
 アントニオ・ストラディヴァリウス「コンテス・ポリニャック」1699年製)
録音 2014年6月24.30日,7月1-3日ドイツ ミュンヘン,バイエルン放送第2スタジオ

 全てのヴァイオリニストが「一度は完璧に演奏したい」と願っているであろう、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。
 この孤高の作品に、名手ギル・シャハムも細心の注意を払って今回の録音に臨みました。
 30年以上もこの作品を研究し、10年間に渡り公式な演奏会で演奏、その間にグラミー賞を受賞するなど、全てにおいて完璧な奏者であるギル・シャハムにとっても、この作品は特別であり、録音する際には大きなプレッシャーがかかったことは疑うべくもありません。
 しかし彼は数多くの視点からこの作品の本質に迫り、自分自身の中で答えを見つけたようです。演奏する際は、最近の流行のようなピリオド奏法ではなく、美しいヴィヴラートを用いることにも躊躇せず、またテンポも彼自身が納得の行くものを採用しています。
 彼が突きつけるバッハの姿をぜひ味わってみてください。

 
この音色でバッハを聴かせられたら・・・
G. Faure-The Faur  Album
CC03
\2300→\2090
フォーレ:ヴァイオリン曲集
 ヴァイオリン・ソナタ第1番、
 トスカナのセレナード、
 月の光、
 シチリアーノ、
 糸を紡ぐ女、
 子守歌、
 ロマンス、
 アンダンテ、
 夢のあとに、
 ピアノ三重奏曲
ギル・シャハム(Vn)
江口玲(P)
ブリントン・スミス(VC)
 美しいのである。
 もちろんフォーレの作品も美しいのだが、シャハムのヴァイオリンが。
 店主は商売柄、ヴァイオリン関係のアルバムを週に5,6枚は聴く。でも心の底からそのヴァイオリンの音色に酔いしれるというようなことはあまりない。
 その優しい解釈とか、そのぬくもりのある音楽性とか、そのほとばしる情熱とかそういったものに惹かれることはよくある・・・が、そのヴァイオリンの音色自体に目を見張る、ということは、ありそうであまりない。世界にあまたいる美音の持ち主のアルバムを散々聴いていても、「これは、すごい・・・」とまで思うことは、実はあまりない。
 でもここでのシャハムはすごい。
 こんな音色は聴いたことがない。ここまで透き通って、なおかつ張り詰めたようなヴァイオリン。まだ人が訪れたことのない山奥の冷たい泉のような。
 ちょっと人間離れしたこのアルバム。そこに自分を浸しつつ、自身を外から眺める・・・そんなことを可能にさせる音楽。
 シャハムは“この録音はHIP-HIPフォーレというべきもの”と語る。魅力的でありながら十分に知られているとはいえない音楽を紹介するために、彼自身が設立したCanary Classicsレーベルからの、Vanguard Classicsとの提携による初リリース。“ひねりのきいた、甘いメランコリーを感じさせる演奏。江口玲の的確な詩的ピアノ演奏”
 (ワシントン・ポスト コンサート評より)

 

CEDILLE



CDR90000153
\2100→\1890
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ:ロシアを弾く
 1-4.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 Op.82/
 5.プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品 Op.75-10「ロメオとジュリエットの別れ」/
 6-7.ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87-第24番 ニ短調/
 8-23.ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ)
録音 2014年6月23-25日 シカゴ フェイ&ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオ

 国際的に高く評価され、レコーディングも数多い、シカゴ在住のピアニスト、ホルヘ・フェデリコ・オソリオのロシア音楽集です。
 Cedilleレーベルにはこれまでもスペインやメキシコ系の作品や、リスト、ドビュッシーというロマン派の作品集など、合計5枚のアルバムを録音している実力派です。
 また変わったところではウクライナ系ユダヤ人の作曲家ヤコブ・ヴァインベルクのピアノ協奏曲(8.559457)などというのもあります。そんなオソーリオですが、このロシア作品集でも冴えた演奏を披露しています。
 最近カリフォルニアでも「展覧会の絵」を演奏して絶賛されたという彼ですが、このCDでもスゴイ演奏を聴くことができます。ダイナミックの幅が大きく、また表現も多彩であり、プロコフィエフのソナタからぐいぐいと迫ってくる気合に圧倒されること間違いありません。


 
名匠オソリオの旧譜・・・
Salon Mexicano
CDR90000132
\2100→\1890
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ
 サロン・メキシカーノ
〜メキシコのピアノ作品集
 1.カストロ(1864-1907):ワルツ・カプリーチョOp.1/
 2.ビリャヌエバ(1862-1893):マズルカ/
 3.カストロ:ヴァルス・カレサンテ/
 4.ポンセ(1882-1948):20のマズルカ第8番嬰ハ短調/
 5.ビリャヌエバ:お話-ゆっくりしたワルツ/
 6.ビリャヌエバ:マズルカ第3番Op.27/
 7.ポンセ:しおれた心/
 8.ビリャヌエバ:エベリア-サロン風マズルカ/
 9.カストロ:ワルツ・アモローソOp.31-11/
 10.カストロ:メランコリックなマズルカ/
 11.カストロ:舟歌Op.30-2/
 12.ビリャヌエバ:愛のワルツ/
 13.ビリャヌエバ:トード:パソ…/
 14.カストロ:感傷的なワルツOp.30-1/
 15.カストロ:ヴァルス・ブリュエット/
 16.ポンセ:サロン風マズルカ/
 17.カストロ:メランコリックなマズルカOp.36-2/
 18.ビリャヌエバ:詩的なワルツ-サロン風ワルツ/
 19.ポンセ:3つのメキシコ民謡-第2番わが心よ、君ゆえに/
 20.ロロン(1886-1945):J.ローサスの主題によるワルツ・カプリース
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ)
録音 2012年2月8-9日,4月15日イン・ザ・フェイ&ダニエル・レヴィン・パフォーマンス・スタジオat 98.7 WFMT
 まさに「耳を楽しませるために企画された」極上の1枚です。今や過ぎ去ったロマンティックな時代の作品から20世紀の知られざる秘曲まで20曲のメキシコの作曲家による小品が詰まっています。恐らくショパンやリストのピアノ曲からインスピレーションを受けているのでしょうが、タイトルこそ「マズルカ」でも、その根底には更に熱いものが流れています。この中でかろうじて名前が知られているのはポンセあたりでしょうか。あとの作曲家の名前はほとんど知られいません。しかしどれも楽しく美しい、まるで宝石のような作品ばかりです。
 バティスとの共演でよく知られるメキシコの名ピアニスト、オソーリオ。バティスとはベートーヴェン、モーツァルトなどの一般的レパートリーも録音していたが、ここでは芸達者なヴィルトゥオーゾ魂が発揮されている。

 
Beethoven Piano Concertos 2 & 3
REGIS
RRC 1289
\1000
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
 ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(ピアノ)
ルイス・エレーラ・デ・ラ・フエンテ(指揮)
メキシコシティ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1994年6月1-2日、メキシコシティ、Sala Ollin Yoliztili 原盤:ASV, EMI

 で、これ、指揮がラ・フエンテ

[herrera-de-la-fuente-02-60.jpg]

 ルイス・エレーラ・デ・ラ・フエンテ・・・

 1916年生まれの、全然有名じゃない指揮者なのだが、その昔、今はなきO.M.RecordsというレーベルからけっこうたくさんCDが出てた。ときに「メキシコのフルトヴェングラー」、「ラテンの朝比奈」とかすごい呼ばれ方をしている伝説的巨匠。

 メキシコではかなりの重鎮だったみたいで、今でも何か資料を見ているとこの人の名前が時々出てくる。
 ということで寄り道ついでにラ・フエンテの現在手に入る数少ないアルバムをご紹介しておきましょうね。廃盤だったらごめんなさい。


エレーラ・デ・ラ・フエンテ
チャイコフスキー交響曲第5番&「カルミナ・ブラーナ」
Tchaikovsky: Symphony No. 5 & Romeo & Juliet
GUILD
GMCD 7205
\2600→\2390
チャイコフスキー:交響曲第5番/エレーラ・デ・ラ・フエンテ
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
           交響曲第5番ホ短調
ゲルフォ・ナーリ(Hr)
エレーラ・デ・ラ・フエンテ指揮
オルケスタ・シンフォニカ・デ・ミネリア
 「メキシコのフルトヴェングラー」と言われるラテン指揮者たちの長、エレーラ・デ・ラ・フエンテ。
 シェルヘンの弟子でもあるフエンテは、ラテンアメリカの主要なオーケストラとレニングラード・フィルハーモニックを含む世界的なオーケストラの大部分を指揮し、メキシコ、チリ、およびペルーの国立オーケストラでも活躍。またメキシコシティ・フィル、クサラパ交響楽団、およびメキシコ国立交響楽団の首席指揮者を歴任。録音においても、各種の賞を受賞している。
Orff: Carmina Burana
GUILD
GMCD 7227
\2600→\2390
オルフ:カルミナ・ブラーナ ベン・ホルト(Br)
フランク・ケリー(T)
ガブリエラ・ヘラーラ(S)
ヘラーラ・デ・ラ・フエンテ指揮
アルゼンチン響
アルゼンチン音楽アカデミー合唱団
 メキシコの長老指揮者フエンテの新録音。



CLAUDIO RECORDS

— Claudio Records —
1978年、DECCAで音響技術を学んだコリン・アットウェルによって設立されたレーベル。
ピアノの自然な音色を記録することからはじめ、現在ではライブコンサートの録音を中心に、多くのCDをリリースしています。



CR5569
\2400→\2190
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 ショパン:夜想曲集 第1集

 1.夜想曲 第1番 変ロ短調 Op.9-1/
 2.夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2/
 3.夜想曲 第3番 ロ長調 Op.9-3/
 4.夜想曲 第4番 ヘ長調 Op.15-1/
 5.夜想曲 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2/
 6.夜想曲 第6番 ト短調 Op.15-3/
 7.夜想曲 第7番 嬰ハ短調 Op.27-1/
 8.夜想曲 第8番 変ニ長調 Op.27-2/
 9.夜想曲 第9番 ロ長調 Op.32-1/
 10.夜想曲 第10番 変イ長調 Op.32-2
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 ニキタ・マガロフに学び優れたショパン(1810-1849)弾きとして定評のあるアドルフォ・バラビーノの夜想曲第1集。彼の独特のタッチは比類ないものであり、まるで音の一つ一つに命が宿っているかのようです。
 有名な第2番でのベルベットのような音色は、本当にため息がでるほどです。

 イタリア・ジェノヴァ生まれのアドルフォ・バラビーノというピアニストのショパンである。曲はノクターン。バラビーノは日本でも教えているらしく、知っている人もいるかもしれない。

 ただご存知のようにこの曲には全曲録音CDも多く、中でもピリス、フー・ツォン、フェルツマン、といった豪華名盤が揃っている。なかなか無名の中堅ピアニストが出る幕はない・・・と思っていたが、これが意外な名演。しみじみとした情緒豊かな、なんとも静かな、なんとも厳かな演奏だった。悲しいほどに自己主張の少ない演奏なのだが、なぜか心に残る。何度でも聴きたくなってしまって困った。
 ショパンが生きていた時代に、ショパンのピアノを「音量に欠ける」と評する人もいたらしいが、逆にそれをヒントに、そしてなぜそうであったかを理解することで生まれた貴重な演奏。ショパンの息遣い、ささやき、歌ごころが伝わってくるような気がする。とくに最後の第20番遺作で聴かれるおそろしいほどデリケートなピアニズム・・・。
 ショパンが言うところの「静かなる慟哭」というものがここにある。 
ロンドン・スタンウェイ・ホールでの最新録音。アシュケナージが絶賛したCLAUDIO の「OLAB recording technique」を採用。
 テンポが遅めというのもあるが、オリジナル・スコアの忠実な再現、とくにペダリングに繊細な神経を払った末にこうした演奏が生まれたのだろう。(大昔の店主コメントから)
 


CR5570
\2400→\2190
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 ショパン:夜想曲集 第2集

 1.夜想曲 第11番 ト短調 Op.37-1/
 2.夜想曲 第12番 ト長調 Op.37-2/
 3.夜想曲 第13番 ハ短調 Op.48-1/
 4.夜想曲 第14番 嬰へ短調 Op.48-2/
 5.夜想曲 第15番 ヘ短調 Op.55-1/
 6.夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2/
 7.夜想曲 第17番 ロ長調 Op.62-1/
 8.夜想曲 第18番 ホ長調 Op.62-2/
 9.夜想曲 第19番 ホ短調 Op.72-1/
 10.夜想曲 第20番 嬰ハ短調 Op.post
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 ショパン(1810-1849)の後期の夜想曲は、静かな内面の対話と微妙な表現に満たされています。そんな珠玉の作品から感情の変化を注意深く掬い上げ、絶妙なペダリングを施し、夢のように美しい響きを生み出すバラビーノのピアノは、一度聴いただけでも強く魅了されるものです。本当に美しいものを聴きたい人にオススメの1枚です。


CR5585
\2400→\2190
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 ショパン:作品集

 1-4.ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調「葬送」Op.35/
 5.即興曲 第1番 変イ長調 Op.29/
 6.即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36/
 7.即興曲 第3番 変ト長調 Op.51/
 8.幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66/
 9.舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
アドルフォ・バラビーノ(ピアノ)
 バラビーノが独特のタッチで紡ぎ出す音色は繊細であり、かつ自然な揺らぎを有しています。夜想曲の演奏も素晴らしかったのですが、こちらのピアノ・ソナタと即興曲、そして舟歌は更に表情豊かであり、とりわけソナタでは、ショパン(1810-1849)の激しい一面をも感じることができるはずです。聴き終えたあと、必ず心に何かが残ります。
 

CB4730
\2400
ウクライナの宗教音楽集 第1集 マクシム・ベレゾフスキー:作品集
 1-7.LITURGY/
 9-18.EUCHARISTIC VERSES
ヴィドロズエンニャ室内合唱団/
ミスチスワフ・ユルチェンコ(指揮)
 18世紀のウクライナにおいて、最も優れた作曲家として讃えられるマクシム・ベレゾフスキーの作品集です。彼はロシア宮廷のオペラ歌手、ヴァイオリニストとして活躍しましたが、その生涯についてはほとんど詳しいことがわかっていません。1773年に30代の若さで急死、この原因についても取り沙汰されていますが、こちらも真相は不明です。
 作品のほとんども失われてしまい、現在残っているのは正教会のための聖歌のいくつかのみというのも、謎を深める要素となっています。
 

CB4834
\2400
歌のカーニヴァル
 1.アルベルト・ネポムセーノ:Cantigas/
 2.エルナーニ・ブラーガ:Afro Brazilian Folk Songs/
 3.ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第5番/
 4.フランシス・プーランク:8つのポーランド民謡/
 5.パブロ・エステーベ:DORUMSGAARD/
 6.ラヴェル:民謡集より
アネット・セリーヌ(ソプラノ)/
バルダ・シャンバン(ピアノ)
 ブラジルを代表するソプラノ歌手、アネット・セリーヌは彼女の母親であるフェリシア・ブルメンタールに音楽の手ほどきを受け、その後ミラノで声楽を学びます。
 パルマの劇場でモーツァルトのコンサート・アリアを歌いデビュー、その後は世界各地の歌劇場とコンサートホールで歌い、多くの宗教曲のレコーディングと、母ブルメンタールとの共演による歌曲の録音をしています。このアルバムは、民謡風の作品を集めたものです。
 


CB4835
\2400→\2190
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 ポルトガルの鍵盤作品集 第1集

 1.カルバーリョ(1745-1800):ソナタ ト短調/
 2.フレイ・ハシント:ソナタ ニ短調/
 3.ゴメス・ダ・シルバ:ソナタ ト短調/
 4.カルロス・セイシャス(1704-1742):メヌエット イ短調/
 5.セイシャス:ソナタ ホ短調/
 6.セイシャス:ソナタ ホ短調/
 7.セイシャス:ソナタ ホ長調/
 8.セイシャス:ソナタ ハ短調/
 9.セイシャス:ソナタ ヘ短調
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 ポーランドを代表する女性ピアニスト、フェリシア・ブルメンタールはヴァイオリニストの父を持ち、ワルシャワ音楽院でショパン国際ピアノコンクールの創設者であるズビグニェフ・ジェヴィエツキからピアノを学び、またシマノフスキから作曲を学ぶと素晴らしい履歴を持つ人です。
 彼女のレパートリーはこのアルバムで聞けるポルトガルのバロック音楽から、南米の現代音楽と幅広く、かのヴィラ=ロボスは自作の「ピアノ協奏曲第5番」を献呈しています。そんな彼女を端的に表すこのポルトガルのバロック集は、限りない魅力を有しています。

 フェリシア・ブルメンタール。

 ワルシャワに生まれ、戦争でブラジルに移住、当地で一世を風靡した後1954年にヨーロッパに復帰。その後はポピュラー・レパートリーとマニアック・レパートリーを巧みに操りながら、20世紀にもまれな個性的な地位を確立した。惜しくも1991年に演奏旅行中になくなったが、今でも彼女の熱烈なファンは世界中にいる。

 ブルメンタールは個性的な演奏家ではない。思わず引き込まれるような魔性があるわけでもない。
 しかし彼女の演奏を聴いていると、「これがヨーロッパの伝統か・・・」と思わず唸ってしまう。そうした、問答無用の西洋の貴族的な音楽性を感じることができる。
 彼女自身は戦前ブラジルに逃れ、後にブラジル国籍も獲得した。しかし彼女はヨーロッパ人としての誇りをひと時も忘れたことはなかったに違いない。のちに彼女はヨーロッパに戻ってくることになるが、そのとき、彼女の演奏には「郷愁」ともいえる強烈なヨーロッパの香りが充満するようになったのではないか。
 


CB4836
\2400→\2190
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 ポルトガルの鍵盤作品集 第2集

 1.カルロス・セイシャス(1704-1742):ソナタ ハ長調/
 2.セイシャス:ソナタ ニ短調/
 3.セイシャス:ソナタ イ短調&イ長調/
 4.セイシャス:ソナタ ニ短調/
 5.セイシャス:ソナタ ハ短調/
 6.セイシャス:ソナタ 変ロ長調/
 7.セイシャス:フーガとメヌエット イ短調/
 8.フレイ・ハシント:トッカータ ニ短調/
 9.作者不詳:トッカータ ハ長調
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 同じくブルメンタールのポルトガル・バロック集の第2集です。こちらはセイシャスの作品が中心に収録されています。彼の作品のほとんどは1755年のリスボン大地震で失われてしまいましたが、いくつか残されたこれらのソナタは、当時の雰囲気を想起させるに十分なものです。
 


CB4837
\2400→\2190
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 モーツァルトからワイルへ

 1.モーツァルト:春へのあこがれ/
 2.メンデルスゾーン:月 Op.86-5/
 3.メンデルスゾーン:ロマンス Op.8-10/
 4.メンデルスゾーン:ズライカ Op.34-4/
 5.メンデルスゾーン:早春のすみれ Op.19-2/
 6.メンデルスゾーン:恋する女が書き写す Op.86-3/
 7.メンデルスゾーン:春の歌 Op.47-3/
 8. R.シュトラウス:セレナーデ Op.17-2/
 9. R.シュトラウス:明日の朝 Op.27-4/
 10. R.シュトラウス:献呈 Op.10-1/
 11. R.シュトラウス:チェチーリエ Op.27-2/
 12. R.シュトラウス:万霊節 Op.10-8/
 13. R.シュトラウス:夜 Op.10-3/
 19.クルト・ヴァイル:Scene au Dancing/
 20.ヴァイル:Youkali/21.ヴァイル:Nanna's lied/
 22.ヴァイル:Je ne t'aime pas/
 23.ヴァイル:Buddy on the Nightshift/24.ヴァイル:Tango Ballad/
 25.ツェムリンスキー:Gib ein Lied mir wieder Op.27/
 26.ツェムリンスキー:Elend
アネット・セリーヌ(ソプラノ)/
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 アネット・セリーヌとフェリシア・ブルメンタール親子の歌曲リサイタル。ここではモーツァルトからヴァイルまで、古典派から近現代のドイツ、オーストリア歌曲を集めています。
 センチメンタルな歌からちょっとユーモラスな歌まで表情豊かです。


CB5045
\2400→\2190
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
 
ショパン:ワルツ集
 1.第1番 変ホ長調 Op.18/2.第2番 変イ長調 Op.34-1/
 3.第3番 イ短調 Op.34-2/4.第4番 ヘ長調 Op.34-3/
 5.第5番 変イ長調 Op.42/6.第6番 変ニ長調 Op.64-1/
 7.第7番 嬰ハ短調 Op.64-2/8.第8番 変イ長調 Op.64-3/
 9.第9番 変イ長調 Op.69-1/10.第10番 ロ短調 Op.69-2/
 11.第11番 変ト長調 Op.70-1/12.第12番 ヘ短調 Op.70-2/
 13.第13番 変ニ長調 Op.70-3/14.第14番 ホ短調 遺作/
 15.第15番 ホ長調/16.第16番 変イ長調/
 17.第17番 変ホ長調
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
ブルメンタールの最強のレパートリーがこのショパンの作品です。マズルカの演奏も定評がありますが、このワルツも素晴らしい香気が漂う独自の世界が構築されたものです。
 タッチは軽やかだが、ずっしりと存在感のある音楽。しかし短調ワルツでも決して陰鬱にならない。すべてに凛とした気品があふれ、決して自堕落に崩れ落ちない。能天気な明るさとは違う、ブルメンタールのもつ貴族的な誇りが、作品を安易にロマン過多のお涙演奏にはさせないのだ。
 

CB4944
\2400
旅へのいざない
 1.ドビュッシー:ロマンス/2.ドビュッシー:夜の星/
 3.ドビュッシー:マンドリン/4.ドビュッシー:ひそやかに/
 5.ドビュッシー:あやつり人形たち/6.ドビュッシー:月の光/
 7.デュパルク戦っている国へ/
 8.デュパルクミニョンのロマンス/
 9.デュパルク悲しき歌/
 10.デュパルク旅へのいざない/
 11.ワーグナー:君を待つ/
 12.ビゼー:君の心を開け/13.ビゼー:愛の歌/
 14.グラナドス:悲しみに沈む女 1/
 15.グラナドス:悲しみに沈む女 2/
 16.グラナドス:悲しみに沈む女 3/
 17.オブラドルス:その柔らかな黒髪で/
 18.ヴィラ=ロボス:詩人の歌 XVIII/
 19.ヴィラ=ロボス:この道/
 20.ヴィラ=ロボス:ビオラ・ケブラダ/
 21.オバーリエ:青い鳥 Op.2
アネット・セリーヌ(ソプラノ)/
クリストファー・グールド(ピアノ)
 アネット・セリーヌの母ブルメンタールはポーランド人ですが、戦争時に、ユダヤ人迫害から逃れるためにブラジルに亡命、その後ブラジル国籍を取得したため、セリーヌもブラジル国籍を持っています。
 もちろん生まれた時からブラジル音楽とスペイン音楽に親しんでいた彼女、ヴィラ=ロボスやグラナドスの歌曲を得意としているのです。
 

CB5047
\2400
アネット・セリーヌ:様々な歌曲を歌う
 1.ヴァルデマール・エンリケ(1905-1995):Uirapuni/
 2.エンリケ:Tamba Taja/3.エンリケ:Rolinha/
 4.エンリケ:Hei de Morrer Cantando/
 5.エンリケ:Coco Penerue/6.エンリケ:Trem do Alagoas/
 7.ヴィラ=ロボス(1887-1959):詩人の歌 XVIII /
 8.ヴィラ=ロボス:この道/9.ヴィラ=ロボスビオラ・ケブラダ/
 10.ジョイメ・オバーリエ(1894-1955):青い鳥 Op.21/
 11.レイナルド・アーン(1875-1948):彼女のとりことなって /
 12.アーン:艶なる宴/13.アーン:私の詩に翼があったなら/
 14.セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):歌わないで美しい人よ/
 15.ラフマニノフ:春の泉/16.ラフマニノフ:ライラック/
 17.ラフマニノフ:ヴォカリース/
 18.イゴール・ストラヴィンスキー(1882-1971):チリンボン/
 19.ミハイル・グリンカ(1804-1857):疑い/
 20.セザール・キュイ(1835-1918):ツァールスコエ・セローの像/
 21.アントン・ルビンシテイン(1829-1894):夜
アネット・セリーヌ(ソプラノ)/
クリストファー・グールド(ピアノ)
 アネット・セリーヌが歌う南米とロシア、フランス歌曲です。ヴァルデマール・エンリケは主にギター音楽で知られる作曲家ですが、歌曲もなかなか甘く美しいもの。懐かしいスタイルを持った抒情的な歌いまわしが歌の魅力をひきたてています。
 


CB5151
\2400→\2190
ヴァイオリンはパリキアン!
 アラン・ブッシュ:作品集

  1.ヴァイオリン協奏曲 Op.32/2.6つの小品 Op.99/
  3.弦楽四重奏のための「ダイアレクティツク」
マヌーグ・パリキアン(ヴァイオリン)…1/
BBC交響楽団…1/
ノーマン・デル・マール(指揮)…1/
アラン・ブッシュ(ピアノ)…2/
メディチ弦楽四重奏団…3
 イギリスの作曲家、ピアニスト、アラン・ブッシュ(1900-1995)の作品集です。マルクス主義の支持者として知られ、その作品にも幾分共産主義の香りが漂うなど、なかなか興味深い人です。

 マヌーグ・パリキアンはトルコ出身のアルメニア系イギリス人ヴァイオリニスト。
 リバプールフィルやフィルハーモニア管弦楽団のコンサートマスターを務め、室内楽でも活躍。EMIやコンサートホールに多数録音を遺した。ロンドンでは教鞭を取り、ジョージ・マルコムらとのデュオとしても活動した。現代音楽の初演も多数ある。
 


CB5256
\2400→\2190
キム・ミンジン:ヴァイオリン・リサイタル
 1-5.ラロ(1823-1892):スペイン交響曲 Op.21/
 6.サラサーテ(1844-1908):カルメン幻想曲 Op.25/
 7.ウィリアム・クロル:バンジョーとフィドル(J.ブラッドバリー編)/
 8-10.プロコフィエフ(1891-1953):
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115/
 11.タルレガ(1852-1909):アルハンブラの思い出(R.リッチ編)
キム・ミンジン(ヴァイオリン)/
ロンドン交響楽団/
バリー・ワーズワース(指揮)

 韓国生まれのヴァイオリニスト、キム・ミンジンの演奏するヴァイオリン名曲集です。7歳でロンドンのパーセル音楽学校に入学、その直後に並はずれた才能を発揮し、11歳でイタリアに留学、その翌年にはベルリン交響楽団とラロの「スペイン交響曲」を演奏してデビューしました。彼女は2010年に愛器を盗まれるも、2013年に無事発見されたことでも注目されていました。


 キム・ミンジン、そう、このニュースの人。戻ってきてよかったね。

 英デイリーメールによると、6日午後8時30分ごろ、英ロンドン・ユーストン駅前の店で、韓国人バイオリニストのキム・ミンジンさん(32)が友人と2.95ポンド(約400円)相当のサンドイッチを買うためにしばらく自分のバイオリンを置いていたところ、盗難にあった。 キム・ミンジンさんのバイオリンケースの中には120万ポンド(約21億4000万ウォン)相当の最高級ストラディバリウスと世界に450個しかない貴重な弓が入っていたという。

 

CB5258
\2400
エルガー:歌曲集「海の絵」 他
 1-5.エルガー:海の絵 Op.37/6-9.エルガー:4つの歌/
 10-13.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
  フレデグンデ・ショーヴによる4つの詩/
 14-17.ヴォーン・ウィリアムズ:4つの最後の歌
クレール=ルイーズ・ルカス(メゾ・ソプラノ)/
ジョナサン・ダーンボロー(ピアノ)
 イギリスを代表する2人の作曲家、エルガー(1857-1934)とヴォーン・ウィリアムズ。彼らはそれぞれ数多くの独創的な歌曲を書きましたが、2人が用いた詩の作者はほとんど重なりがありません。にもかかわらず、どれもが自然であり、英語の抑揚が存分に生かされた歌曲となっています。
 このアルバムには繊細な感性が溢れる4つの歌曲集が収録されています。
  

CB5259
\2400
ショパン:作品集
 1.バラード 第1番 ト短調 Op.23/
 2.バラード 第2番 ヘ長調 Op.38/
 3.バラード 第3番 変イ長調 Op.47/
 4.バラード 第4番 ヘ短調 Op.52/
 5.幻想曲 ヘ短調 Op.49
ニコラス・ウィックハム=アーヴィング(ピアノ)
18世紀のヴィルトゥオーゾ・ピアニズムを正しく継承していると言われるピアニスト、ウィックハム=アーヴィング(1810-1849)のショパン作品集。全体に漂う香気はとても懐かしく、耳に優しいものです。
 

CB5366
\2400
ジェンニ・ロデッティ:宗教合唱作品
 Devotion that Moves the Heart
  1.第1部/2.第2部/3.第3部
ディヴィッド・テンプレ(指揮)
 チベット仏教を由来とする祈りと愛の歌。不確実性の時代に捧げるこの作品は、様々なものを内包しながらも、聴き手に瞑想と喜びをもたらします。
 


CB5571
\2400→\2190
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第1集

 1-4.ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.2-1/
 5-8.ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2/
 9-12.ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 Op.2-3
セケイラ・コスタ(ピアノ)
  セキュエラ・コスタ。1930年ポルトガル生まれ。
 リストを継承する数少ないピアニストと呼ばれる。彼はリストやハンス・フォン・ビューローの最後の弟子の一人ヴィエナ・ダ・モッタの生徒なのである。またマルク・ハンブルグ、エドウィン・フィッシャー、マルグリット・ロン、ジャック・フェヴリエにも師事した。
 22歳でロン=テイボー国際ピアノコンクール優勝し、パリ市大賞を受賞。そして若干27歳で敬愛するヴィエナ・ダ・モッタを名を冠する国際ピアノコンクールを自ら創立。
 また1958年、ショスタコーヴィッチに招待され、28歳という若さで第1回チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールの審査員となる。その時代からずっと審査員をやっているのは今や彼ひとりだという。現在はショパン・コンクール、ロン=ティボー・コンクール、モントリオール・コンクール、ルービンシュタイン・コンクールなどのコンクールの審査員も務めているらしい。
 これまでシューマン、ラフマニノフ、ショパンのピアノとオーケストラのための全作品を録音しているという知られざる大御所である。
 


CB5572
\2400→\2190
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第2集

 1-3.ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」Op.57/
 7-8.ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 Op.90
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 


CB5573
\2400→\2190
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第3集
 1-3.ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 Op.10-2/
 7-10.ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3/
 11-13.ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」Op.13
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 


CB5574
\2400→\2190
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第4集

 1.ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 Op.7/
 2.ピアノ・ソナタ 第9番 ホ長調 Op.14-1/
 3.ピアノ・ソナタ 第10番 ト長調 Op.14-2
セケイラ・コスタ(ピアノ)
 ポルトガル出身のピアニスト、音楽教師であるセケイラ・コスタ(1929-)のベートーヴェン・ソナタ集。フランツ・リストの最後の高弟ジョゼ・ヴィアナ・ダ・モッタの薫陶を受け、その後はマルク・ハンブルグに師事。平行してマルグリット・ロンとジャック・フェヴリエに、またスイスでエドウィン・フィッシャーに師事したため、ドイツとフランス双方のピアノ楽派を継承した上で、自らの演奏様式を深めた人。
 彼の録音の中でもとりわけ評価が高いのがこのベートーヴェンです。
 


CB5887
\2400→\2190
キメラ クロード・ボリング:作品集
 1.バロック&ブルース/2.センチメンターレ/
 3.ジャヴァネーゼ/4.フガーチェ/5.アイランダイーゼ/
 6.ヴェルサティーレ/7.ヴェローチェ
デヴィッド・オリヴァー(フルート)/
ヘレン・ポーター(キーボード)/
ブライアン・シエルス(コントラバス)/
ロビン・ペイン(ドラムス)
 ピアニスト、作曲家、アレンジャー、指揮者として活躍するクロード・ボリング(1930-)の作品集。彼はカンヌで生まれ、大戦を経験後、ジャズの世界に飛び込み感性を磨きました。現在ではジャズだけでなく映画音楽の分野でも独自の世界を構築し、高く評価されています。このアルバムではそんな彼の多彩な才能の片鱗を味わうことができるものです。
 


CB5997
\2400→\2190
セルゲイ・ベツコルヴァニ:トリビュート
 1-3.ホアキン・トゥリーナ(1882-1949):
  ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.51/
 4-8.マルティヌー(1890-1959):5つのマドリガル・スタンザ H297/
 9-11.シマノフスキ(1882-1937):ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9/
 12-14.エルガー(1857-1934):ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82
セルゲイ・ベツコルヴァニ(ヴァイオリン)/
ジュリアン・ドーソン(ピアノ)
 トロント生まれのヴァイオリニスト、セルゲイ・ベツコルヴァニを聴く1枚。彼は1953年にイギリスに来てサドラーズ・ウェルズ歌劇場のメンバーとなり、その後はカナダに戻り、ハリファックス交響楽団のコンサート・マスターを務めます。やがてアメリカに渡り、ニューオリンズ交響楽団を経て、1966年にイギリスに戻ります。オーケストラのメンバーとしてだけでなく、多くの室内楽を演奏、1972年にはウィグモア・ホールでデビューを飾りました。芯のある美しい音が魅力的なヴァイオリニストです。
 


CB6004
\2400→\2190
デ・サラム/イン・コンサート 第1集
 1-3.コダーイ(1882-1967):無伴奏チェロ・ソナタ Op.8/
 4-7.ラフマニノフ(1873-1943):ソナタ ト短調 Op.19/
 8.エンリケ・グラナドス(1867-1916):インテルメッツォ(G.カサド編)/
 9.リムスキー=コルサコフ(1867-1916):くまんばちの飛行
ロハン・デ・サラム(チェロ)/
ドゥルヴィ・デ・サラム(ピアノ)
 バッハの「無伴奏チェロ組曲」以降に書かれた独奏チェロのための作品の中で、とりわけ重要なのがコダーイのソナタでしょう。あくまでもバッハの模倣ではなく、しかし古典的な伝統に則ったこの作品は、弾き手にも聞き手にも多くのインスピレーションを与えるものです。1939年英国生まれのスリランカ人チェリスト、ロハン・デ・サラムは現代音楽の擁護者として知られる人ですが、もちろんこのような古典派から近代作品も得意としています。
 


CB6005
\2400→\2190
デ・サラム/イン・コンサート 第2集
 1-2.ボッケリーニ(1743-1805):チェロ・ソナタ 第6番 イ長調 G4/
 3-6.ブラームス(1833-1897):チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99/
 7.ジェームズ・ディロン(1950-):エオス/
 8-10.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.6 TrV115/
 11.ラヴェル(1875-1937):ハバネラ形式の小品
ロハン・デ・サラム(チェロ)/
ドゥルヴィ・デ・サラム(ピアノ)
 無伴奏作品では極めて緊迫した雰囲気を創り上げるチェリスト、デ・サラムですが、このアルバムに収録されたほとんどの作品では、もっと親密な風情を見せています。
 傾向の違う諸作品をどれも美しく歌い上げ、説得力のある音楽として聴かせながら、きちんと現代作も盛り込むところがさすがです。
 
CB6015
\2400
チャーリー・ハスキンソン:ピアノ作品集
 1.The Waterfall, A little zest from China /
 2.A Reason/3.Believe/4.Flight/5.Forest Calm/
 6.Blue Lagoon/7.I'll be there/8.The eye of the Storm
マリオ・モンタニャーナ(ピアノ)
 5歳からピアノを始め、イートン・カレッジで学び、数々のピアノ作品を発表しているチャーリー・ハスキンソンの小品集「Another World 」第1集。ヒーリング系の音楽が好きな人にはぴったりはまる曲集です。
 ジョージ・ウィンストンをもう少し濃くした感じ?とでもいえましょうか。
 

CB6016
\2400
パオロ・トスティの「愛の歌」
 1.夢/2.かわいい口もと/3.理想/4.四月/
 5.君なんかもう愛していない/6.別れの歌/7.それでも/
 8.夢を見て、夢を見て、僕の大切な母さん/9.悲しみ/
 10.朝の歌/11.魅惑/12.あなたと!/13.私は泣く/
 14.秘密/15.セレナータ/16.口づけ/17.最後の口づけ/
 18.Mon bien-aime!-私のかわいい人/
 19.無駄に祈り/20.私は死にたいものだ
ジリアン・ザミット(ソプラノ)/
ルチア・ミカレフ(ピアノ)
 イタリア歌曲を学ぶ人、愛する人には欠かせないパオロ・トスティ(1846-1916)の歌曲集。ザミットの歌唱は若干くせがあるものの、曲の雰囲気は良く伝わります。イタリア特有の情熱的な愛の姿をご堪能ください。
 

CB6017
\2400
ロンドン交響楽団によるイーゴリ・ペレベルゼフ作品集
 1.序曲/2.ビジネス/3.11月/4.パルテニット/
 5.対話/6.郵便局/7.バスハウス/8.スマイル/
 9.ピロゴフカのメロディ/10.コクテベル/
 12.キッチン/13.キャント・エクスプレイン
グレース・ディヴィッドソン(ソプラノ)…12/
イーゴリ・ペレベルゼフ(ヴォーカル)…13/
ロンドン交響楽団/
リー・レイノルズ(指揮)
 ウクライナで人気を博す作曲家、アレンジャー、イーゴリ・ペレベルゼフの作品集です。
 そんなすばらしい彼の作品はウクライナ国内だけで聞かれるにはもったいないと、リー・レイノルズが立ち上がり、この録音が実現したといいます。ウクライナの民謡に基づいた数々のメロディは、確かに心が高揚します。
 

CR5581
\2400
イタリアのマンドリン・ソナタ集
 1.ジエルヴァシオ(1725-1785):ソナタ ニ長調/
 2.ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):ソナタ ニ短調 K89/
 3.アディエーゴ・グレッラ:ソナタ ト長調/
 4.エマヌエーレ・バルベッラ(1718-1777):ソナタ ニ長調/
 5.ジュセッペ・ジュリアーノ:ソナタ ニ長調/
 6.ジエルヴァシオ:ソナタ ト長調
フランセス・テイラー(バロック・マンドリン)/
ロベルト・アルトウィンクル(ハープシコード)/
アニタ・ステレヴェンス(バロック・チェロ)
 18世紀のソナタは大抵規則正しく書かれており、楽章も「速、速、遅」の3つで構成されているものがほとんどです。メロディは軽やかで、それ以前の作曲家たちのように精巧な対位法を施すよりも、音楽の流れを重視したものが多く、自然で明確な音楽となっています。
 ここに集められたマンドリンのソナタも概ねそのような形となっています。
 

CONTRASTES RECORDS

 クラシック・ギターの録音に特化したイギリスのレーベルです。
 ルネサンス期の音楽から現代の音楽、果てはフラメンコまで、ジャズ、ダンス、演劇そして民族音楽まで幅広いギター作品を世に送り出しています。また若いギタリストを積極的に起用し、彼らの創造性を生かすことにも尽力しています。

CR1201403
\2700
あの大きな鳥を見よ 〜
 デュージャン・ボグダノヴィチの編曲による若いギタリストのための
 ワールド・ミュージック集

  1.ルター:A Mighty Fortress(ドイツ)/
  2.悲しい歌(アゼルバイジャン)/
  3.Ana Loved One by One(デンマーク)/
  4.アリラン(韓国)/
  5.バリのダンス(インドネシア)/
  6.Baluchestan Dance(イラン)/
  7.Epitaph to Seikilos(ギリシャ)/
  8.Ewe Songdance(ガーナ)/
  9.さよならをあなたに(ハワイ,USA)/
  10.Fish Faronika(スロヴェニア)/
  11.For He's a Jolly Good Fellow(イングランド)/
  12.Gander in the Pratie Hole(アイルランド)/
  13.I'd Love to be a Farmer(マケドニア)/
  14.私は幸せなスイスの少年(スイス)/
  15.夏時間(ロシア)/
  16.小さな僧侶(中国)/
  17.あの大きな鳥を見よ(ナミビア)/
  18.山のハープ(エクアドル)/
  19.向こう横丁(日本)/
  20.ナバホの歌(ナバホ)/
  21.Next to my Blonde(フランス)/
  22.故郷の空(アメリカ)/
  23.レイチェル(セファード,イスラエル)/
  24.Sano, Sweetheart(セルビア)/
  25.乙女の願い(ポーランド)/
  26.Two Guys from Brac(ダルメシア,クロアチア)/
  27.Vaju me 'nzuru(カラブリア)/
  28.When I Went to Bembasa(ボスニア)
カルメン・アルバレス(ギター)/
フランシスコ・ベルニエ(ギター)
 ルターの聖歌で高らかに始まるこのアルバムは、作曲家でギタリストのデュージャン・ボグダノヴィチが様々な国の伝承曲を2台のギターのために編曲した作品集です。
 「アリラン」や「乙女の願い(アルバムでは“春”と題されています)など良く知られた曲や、ガムランの音色を見事に模した「バリのダンス」など、興味深い作品が並びます。まだまだ知られていない各地の音楽を知ることは、若い人たちにとっても有用であると、ボグダノヴィチが語るように、これらの作品の中には無限の可能性が見て取れます。
 

CR1201404
\2700
アントン・ガルシア・アブリル:VADEMECUM
 1-12.VADEMECUM 第1巻/
 13-24.VADEMECUM 第2巻
フランシスコ・ベルニエ(ギター)
録音 2013年12月13-15日 スペイン コントラステス・レコード・スタジオ
 現代スペインを代表する作曲家アントン・ガルシア・アブリル(1933-)の作品集です。
 NAXOSレーベルにも何枚かのアルバムがあるアブリルの作品は、どれも親しみ易い響きを持ち、誰もの心に眠る郷愁を見事に刺激するものです。
 この曲集のタイトル「VADEMECUM」というのは「必ず持ち運ぶためのもの」というような意味のラテン語であり、これらは、まさにギターの持つ多彩な魅力を描き出した優れた小品集であるといえるでしょう。作曲家とも親しいギタリスト、フランシスコ・ベルニエの巧みな演奏でどうぞ。
 

CR2201405
\2700
Intimate Vihuela-ビウエラ作品集
 1.バルデラバーノ(1500頃-1557頃):Soneto en el tercer grado/
 2.バルデラバーノ:Fantasia sobre un pleni de contrapunto/
 3.バルデラバーノ:Missa Ave maris stella(ジョスカン・デ・プレによる)/
 4.デ・フエンリャーナ(1500頃-1579):Fantasia del author/
 5.デ・フエンリャーナ:Si amores me han de matar/
 6.ナルバエス:Mille regretz, La cancion del Emperador/
 7.バルデラバーノ:Soneto I/
 8.バルデラバーノ:
  Fantasia remedada al Kyrie postrero
   de la Missa De beata Virgine de Josquin/
 9.不祥:Diferencias sobre carabanda/
 10.ムダーラ:Fantasia facil/
 11.デ・フエンリャーナ:Fantasia del autho/
 12.デ・フエンリャーナ:Duo de Fuenllana/
 13.デ・フエンリャーナ:Fantasia del author/
 14.ナルバエス:Otras tres diferencias/
 15.デ・フエンリャーナ:
  Benedictus de la Missa Pange lingua
   (ジョスカン・デ・プレによる)/
 16.ダーサ:El Parnasso: A tierras agenas/
 17.バルデラバーノ:Diferencias sobre la Pavana/
 18.バルデラバーノ:Soneto en el primer grado
ジョン・グリフィス(ビウエラ)
 こちらは、ギターの仲間の楽器である「ビウエラ」のために書かれた16世紀周辺の音楽集です。
 ルネサンス期のイベリア半島、イタリアの一部、そして中南米で用いられたこの弦楽器は、もともとヴィオラと源を同じにするものであり、中世のフィドルが祖先といわれています。この楽器のための曲集は、ルイス・デ・ミランのものが良く知られていますが、ここではエンリケス・デ・バルデラバーノとミゲル・デ・フエンリャーナの作品が中心に収録されています。
 崇高な精神と繊細な対位法、そして内省的な繊細さが入り混じった美しく儚い音楽です。
 
CR6201406
\2700
DIVINA MANCHA 〜アントン・バラノフ:ギター・リサイタル
 1.タルレガ(1852-1909):前奏曲 ホ長調/
 2.タルレガ:20の練習曲 - 第3番 練習曲 ト長調/
 3.タルレガ:前奏曲 イ短調/
 4.タルレガ:前奏曲 ニ長調/
 5.タルレガ:アルハンブラの思い出/
 6.タルレガ:ロジータ/
 7.リョベート(1878-1938):ソルの主題による変奏曲 Op.15/
 8-11.デ・ラ・マーサ(1903-1982):プラテーロと私 より
  <プラテーロ/屋上/亀/故郷の土に眠るプラテーロへ>/
 12-13.マンホーン(1866-1919):ノヴェレッタ/
 14-18.モレノ・トローバ(1891-1982):ラ・マンチャの歌
アントン・バラノフ(ギター)
録音 2014年3月22-24日
 このアルバムに収録された曲は、各々の作曲年代がほぼ2世紀に渡りますが、そのどれもがロマンティックな風情を持っており、明らかに聴き手の心に直接働きかける響きが感じられるものです。
 「アルハンブラの思い出」をはじめとするタルレガの作品については、もう語る必要もないでしょう。
 デ・ラ・マーサやモレノ・トローバは20世紀に属する作曲家ですが、それでも彼らの作品は人懐こく、泣かせるメロディに満ちています。ギタリストのアントン・バラノフは2013年GFA国際ギター・コンクールとフランシスコ・タルレガ国際コンクールの優勝者。NAXOSからはリサイタル・アルバム(8.573306)がリリースされています。
 

CR6201407
\2700
DEMAIN DES L’AUBE
 1-7.J.S.バッハ(1685-1750):
  パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830/
 8.ベリオ(1925-2003):セクエンツァ/
 9.レゴンディ(1822-1872):
  ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」のアリアによる変奏曲
ティボー・ガルシア(ギター)
録音 2013年12月20-22日
 フランス生まれのギタリスト、ティボー・ガルシアは弱冠20歳で、世界中のコンサート・ホールから出演を嘱望されている天才です。
 2013年にセビリアの国際コンクール、2014年にはホセ・トマス国際コンクールでそれぞれ優勝したのをはじめ、それ以前にも数多くのコンクールを制覇し、早くからその存在は知られていました。
 ギタリストで作曲家であるボグダノビッチはこの才能について「彼こそ真の名手である」と絶賛しています。このデビューアルバムでは、バッハとベリオ、そしてレゴンディの3人の作品を演奏。各々の時代様式と表現を完璧に弾きわけるという納得の表現力を見せ付けています。
 

CR9201409
\2700
AUTUMN OF THE SOUL-魂の秋 〜ロレンツォ・ミケーリ:ギター・リサイタル
 1-4.カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):プラテーロと私 Op.190より
  <帰り道/病の少女/アンジェラスの鐘/春>/
 5-7.アレクサンドル・タンスマン(1897-1986):
  ショパンへのオマージュ/
 8.ピエール・ド・ブレヴィル(1897-1949):幻想曲/
 9.アンヘロ・ジラルディーノ(1940-?):カンツォーネ・ノットゥルナ/
 10-12.ビセント・アセンシオ(1908-1979):神秘的な組曲/
 13.タンスマン:スクリャービンの主題による変奏曲/
 14-17.カステルヌオーヴォ=テデスコ:プラテーロと私 Op.190より
  <プラテーロ/愁い/子守歌/モゲールの空にいるプラテーロ>
ロレンツォ・ミケーリ(ギター)
録音 2014年9月4-6日 スペイン コントラステス・レコード・スタジオ
 タイトルの「魂の秋」とは、なんとも憂愁に満ちた響きなのでしょうか?
 ロレンツォ・ミケーリのギターは、その美しい季節を丁寧に描き出しているかのようです。選ばれた作品はどれもどこか寂しく、孤独でありながらも静かな幸福感に溢れています。
 限りなく美しいこのアルバムは、聴き手の心を少しだけ痛ませながらも、しっとりと包み込みます。
  

CR9201410
\2700
Ancora la brezza e L'Alba-ヴィヴァルディとピアソラの「四季」
 G.スカラムッツァによるヴァイオリン、チェロ、ギターとアコーディオン編
 1.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調「冬」/
 2.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-「ブエノスアイレスの春」/
 3.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ホ長調「春」/
 4.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-「ブエノスアイレスの夏」/
 5.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調「夏」/
 6.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-「ブエノスアイレスの秋」/
 7.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調「秋」/
 8.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季-「ブエノスアイレスの冬」
ジャンパオロ・バンディーニ(ギター)/
チェザーレ・キアッキアレッタ(アコーディオン/バンドネオン)/
フランチェスコ・チェラート(ヴァイオリン)/
ステファーノ・チェラート(チェロ)
 ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」とヴィヴァルディの「四季」を融合させたアルバムは、これまでにもいくつかありましたが、このアルバムはギターをメインとした編成で奏される、とても自然でゆるやかな演奏となっています。
 冬で始まり冬で終わるという曲順もとてもユニーク。ちょっと突き放した響きが何とも味わい深いものです。
 
CR12201302
\2700
Memorias I 2013
 1.ピアソラ:アディオス・ノニーノ
  〈ジャンパオロ・バンディーニ(ギター)&
   チェザーレ・キアッキアレッタ(バンドネオン)〉/
 2.カステルヌオーヴォ=テデスコ:ゴヤによる24の狂詩曲 Op.195 - どちらの方が首ったけ
  〈ロレンツォ・ミケーリ(ギター)〉/
 3.デ・ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」-きつね火の歌(ギター編)
  〈ハビエル・リバ(ギター)〉/
 4.コントレラス:エル・エスピア〈トーニョ・コントレラス四重奏団〉/
 5.フラメンコ、フラメンコ〈ゲラルド・ヌニェス(ギター)他〉/
 6.ルイス・デ・パブロ:象牙の塔…世界初録音
  〈アダム・レヴィン(ギター)〉/
 7.レクオーナ:ラ・コンパルサと母へ捧げるグアヒーラ
  〈ホアキン・クレルチ(ギター)〉/
 8.パガニーニ:24のカプリース Op. 1 - 第5番 イ短調
  〈アリ・アランゴ(ギター)ファイナリスト〉/
 9.マラツ:スペインのセレナード〈チョー・デヨン(ギター)韓国…3位、聴衆賞〉/
 10.アサド:水彩画 - ヴァルセアーナ、前奏曲とトッカッティーナ
  〈ヤコブ・バンソ(ギター) デンマーク…2位〉/
 11.マンホーン:バスクの歌 Op. 19
  〈ティボー・ガルシア(ギター) フランス…1位、シウダッド・デ・セビリア賞〉/
 12.徳永健太郎:ブレリアス〈徳永健太郎(ギター)〉
 2013年、セビリアで行われた国際ギター・コンクール&フェスティバルのライブ録音です。若き才能が炸裂する迫力ある録音です。
 日本を代表するフラメンコ・ギタリストの徳永健太郎による壮絶な作品に注目です。
 
CR12201402
\2700
UNREAL CITY
 1-4.ヒナステラ(1916-1983):ギター・ソナタ Op.47/
 5-7.タル・フルヴィッツ(1981-):ギター・ソナタ/
 8-9.リゲティ(1923-2006):チェロ・ソナタ
  (K.トシディスによるギター編)/
 10-13.クリストバル・アルフテル(1930-):
  ヴァイオリン・ソナタ Op.20(E.フィスクによるギター編)/
 14-17.アタナス・ウルクズノフ(1970-):
  ソナタ 第2番「バルトークへのオマージュ」
コスタス・トシディス(ギター)
録音 2012年6月-2013年6月 モーツァルテウム ウニヴェルシタット,ビデオスタジオ
 1978年、ギリシャ生まれのギタリスト、コスタス・トシディスの強烈なコレクションです。
 現代曲を得意とする彼らしく、タイトルの「UNREAL」とは「非現実的な」の意味であり、収録された曲も幻想的でミステリアルなものばかり。しかしどれもが驚くような既視感を持って迫ってきます。
 リゲティのソナタはトシディス自身がギター用に編曲したもので、これがまた絶品です。彼自身はミスケラネア・ギター四重奏のメンバーとして様々な作品を紹介することにも力を注いでいます。
  

CPO



777645
\2700→\2490
クリストフ・グラウプナー:協奏曲集と食卓の音楽
 1.シャルモー、ファゴット、チェロ、2台のヴァイオリン、
   ヴィオラ、チェンバロのための協奏曲 ハ長調 GWV306/
 2.食卓の音楽 CGWV468からエントラータ ト短調/
 3.オーボエ・ダ・モーレ、
  2台のヴァイオリン、ヴィオラ、チェンバロのための協奏曲 ハ長調 GWV302/
 4.独奏ヴァイオリン、2台のヴァイオリン、
  ヴィオラ、チェンバロのための協奏曲 イ長調 GWV337/
 5.ファゴット、2台のヴァイオリン、
  ヴィオラ、チェンバロのための協奏曲 ハ長調GWV301
アカデミア・ダニエル/
シャレフ・アド=エル(指揮)
 バッハと同世代の作曲家グラウプナー(1683-1760)。トーマス教会のカントル職をバッハに譲ったエピソードが良く知られています。これは当時、グラウプナーが雇われていたダルムシュタットの宮廷オーケストラが彼の手腕により高い能力を維持していたため、雇用主であるヘッセン=ダルムシュタット方伯がグラウプナーを手放さなかったため、結果的にバッハがトーマス教会のカントルになることになったのです。
 そんなグラウプナーは、数多くの協奏曲や組曲を含む作品を残していますが、これらはほとんど出版されることなく、ダルムシュタットの城に残っています。このアルバムでは、そんな彼の作品を聴くことができます。様々な楽器のための合奏協奏曲はテレマンを凌駕するほどの色彩感を持ち、またチェンバロが著しく活躍することでも、グラウプナーの演奏の腕前が伺い知れることでしょう。

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旧譜から
フォイエルジンガーの美しいグ
ラウプナー・アルバム


CHRISTOPHORUS
CHR 77381
\2600
グラウプナー:カンタータ集
 カンタータ 《恐れと嘆き》 GWV.1145/11
 弦楽と通奏低音のための序曲ハ短調GWV.413 より 《トンボー》
 カンタータ 《憂いとためらい》 GWV.1102/11b
 カンタータ 《私は神に忠実であり続ける》 GWV.1106/19
 カンタータ 《ああ、神と主よ》 GWV.1144/11
ミリアム・フォイエルジンガー(ソプラノ)
ペーテル・バルシ(指揮、ヴァイオリン)
カプリコルナス・コンソート・バーゼル
 グラウプナーと言えばこのアルバムを思い出す。
 オーストリアの若きソプラノが歌う。グラウプナーの知られざるカンタータ。

 ハンブルク歌劇場のチェンバリスト、ヘッセン=ダルムシュタット方伯の宮廷楽長を務めたJ.S.バッハと同時代のドイツ・バロックの作曲家、クリストフ・グラウプナーのカンタータ集。師であるヨハン・クーナウの後任として聖トーマス教会のカントル候補として指名されながらも、雇用主であったヘッセン=ダルムシュタット方伯がグラウプナーを手放さず、カントル職はJ.S.バッハの手に渡ったというエピソード持つ。当時のドイツではテレマン、ヘンデルに次ぐ人気を誇ったグラウプナーだが、遺族が出版等の権利を持てなかった、弟子が少なかったなどの理由から、長い間その実力に反して不当に忘れられた存在となってきた。

 そんなグラウプナーの知られざるカンタータ集を再興すべく歌うのは、オーストリアの若き古楽系ソプラノ、ミリアム・フォイエルジンガーと、フランツ・ヴィッツムの「天の歌(CHR 77354)」で清新な演奏を聴かせてくれたスイスのピリオド・アンサンブル、カプリコルナス・コンソート・バーゼル。フォイエルジンガーの心地よい歌声で、グラウプナーの官能的なカンタータのスタイルが見事に再現されている。

 ※ 《ああ、神と主よ》を除く全曲が世界初録音。 / ※録音:2013年4月29日−5月2日、ハイリッヒ・クロイツ教会(バーゼル/スイス)

 なんとなく国籍不明の美しい人です。

https://www.youtube.com/watch?v=aEUkOfb3uiE&feature=player_detailpage

グラプナー、歌ってます。


 

777727
(2CD)
\5400
カール・マリア・フォン・ウェーバー:歌劇「シルヴァーナ」
 2幕
 フランツ・カール・ヒーマー:台本
 ドミニク・ヴィルゲンブス:対話
デトレフ・ロート(バリトン)/
ミカエラ・カウネ(ソプラノ)/
フェルデイナンド・フォン・ボトマー(テノール) 他/
バイエルン放送合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 ウェーバー(1786-1826)の知られざるオペラ「シルヴァーナ」の初演版の初録音です。1810年9月16日にフランクフルトで初演されたこの作品は、もともと1800年に初演された歌劇「森の娘」(こちらは断片のみ残存)の台本を用いた、「英雄的」なストーリーを持つものですが、その後11年を経て、「魔弾の射手」が上演される際に再度手を加えたものが上演されました。
 しかし、残念なことに「魔弾の射手」の爆発的な人気の影に隠れてしまい、すっかり忘れられてしまったのです。
 現在では序曲と、このオペラの素材を使ったクラリネットのための変奏曲が知られているのみ。今回のこの録音にあたっては、様々な資料を検討し、最良の形で上演を試みていたということで、ウェーバーの溢れ出るような美しいメロディと、物語を楽しむことができるはずです。
 


777867
\2100→\1890
ジャック=マルタン・オトテール:室内楽作品集 第2集
 1.6つのトリオ・ソナタ Op.3(1712 パリ)/
 2.前奏曲 ト短調 Op.VIIe/3.組曲 第3番 Op.8(1722)/
 4.組曲 Op.2から3つの小品
カメラータ・ケルン
 第1集(777790)が好評、カメラータ・ケルンによるオトテール(1674-1763)の室内楽作品全集の第2集です。
 彼は生粋のパリジャンでありながら、ローマで学ぶことでイタリアのスタイルを身に着け、これらを見事に融合させた優雅な作品を数多く残しています。例えば、6つのトリオ・ソナタはイタリアの教会ソナタ(ソナタ・ダ・キエーザ)の伝統を受け継ぐ4つの楽章を持っていますが、曲調はあくまでもフランス風の軽やかな舞曲で、こんなところにもオトテールの美点が強く感じられるのではないでしょうか?
 もちろんフルートの名手であった彼らしく、全面に渡ってフルートが大活躍しています。
  

777890
\2700
ゲオルク・フィリップ・テレマン:様々な楽器のための大協奏曲集 第2集
 1.2台のヴァイオリン、ファゴット、弦楽と
   通奏低音のための協奏曲 ニ長調 TWV 53:D4/
 2.リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、弦楽と
   通奏低音のための協奏曲 イ短調 TWV 52:a1/
 3.3本のトランペット、ティンパニ、管弦楽のための協奏曲 ニ長調 TWV 54:D4/
 4.2本のリコーダー、2本のオーボエ、
   2台のヴァイオリン、ヴィオラと
   通奏低音のための協奏曲 変ロ長調 TWV 54:B2/
 5.ヴァイオリン、トランペット、弦楽合奏と
   通奏低音のための協奏曲 ニ長調 TWV 53:D5
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
 第1集(777859)で驚くほど華やかな音楽が集められた「大協奏曲集」の第2集です。
 これらの作品は、祝祭の開催時に演奏されたり、または特定の名手のために書かれたりと、折々の必要なときに作曲されたものであり、まとめて演奏するためには、各々の楽器の名手が大勢必要になるものです。もちろんシュナイダー&ラ・スタジオーネ・フランクフルトはこの条件を存分に満たしたもの。技巧的なソロ・パートを持つ壮大な音楽は、バッハやヘンデル作品とは違った楽しさを感じさせること間違いありません。
 


777746
(SACD-Hybrid)
\3100→\2890
ルイ・シュポア:交響曲第7番&第9番 他
 1.交響曲 第7番 ハ長調「人生の世俗と神聖」Op.121/
 2.交響曲 第9番 ロ短調「四季」Op.143/
 3.マリーエンバートの思い出/
 4.小管弦楽のためのワルツ Op.89
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
 若い頃は優れたヴァイオリニストとして活躍しながら、ゴーダの宮廷楽長に就任し、その後はアン・デア・ウィーン劇場の指揮者を経て、フランクフルト歌劇場の監督へと登りつめたルイ・シュポア(1784-1859)。ベートーヴェンとも親しく、当時のヨーロッパの音楽界を席巻していた彼ですが、作品も数多く残しています。もちろんヴァイオリン作品が有名ですが、10曲ある交響曲(第10番は未完)も、当時の様式を遵守しながらも、いくつかの交響曲には標題をつけるなど、常に探究心を怠らない独創的な作品を生み出していたのでした。
 このアルバムではそんな2つの交響曲を中心に、2つの小品を収録しています。第7交響曲では、2組のオーケストラを用いて各々のパートで発生する「対立」を描くという革新的なことをしています。また第9番は完全な標題音楽であり、冬の厳しさで始まり、春の喜びを描き、夏、秋へと移り変わる季節を賛美した音楽となっています。美しい響きを存分に味わってみてください。
  


777607
(2CD)
\5400→\4990
ザーロモン・ヤーダスゾーン:交響曲 第1番-第4番
 1.交響曲 第1番 ハ長調 Op.24/
 2.交響曲 第2番 イ長調 Op.28/
 3.交響曲 第3番 ニ短調 Op.50/
 4.交響曲 第4番 ハ短調 Op.101/
 5.ヴァイオリンと管弦楽のためのカヴァティーナ Op.69/
 6.チェロと管弦楽のためのカヴァティーナ Op.120
クラウディナ・シュルツ=ブロニエフスカ(ヴァイオリン)…5/
トーマス・ジョルジ(チェロ)…6/
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
 ドイツの作曲家、ピアニスト、そして音楽教師であったヤーダスゾーン(1831-1902)。もちろん現在で彼の名前はほとんど知られていません。
 もともとユダヤの家系に生まれたため、ライプツィヒ音楽院を卒業するも、職を得るのに苦労し、40歳になってようやく母校で職を得てピアノや作曲を教えるようになったという彼ですが、音楽教師としての才能に恵まれていて、数多くの作曲家を世に送り出しました。
 その中にはレズニチェク、シンディングやジークフリート・カルク=エーレルト、なたディーリアスやアルベニスなど錚々たる名前を発見することができます。
 そんなヤーダスゾーン自身の作品は、ここで聴けるように確固たる作風を確立しているのですが、どうしても19世紀末から起こった「ユダヤ人排斥」の流れのせいで演奏される機会を逸してしまい、そのうち忘れられてしまったのです。
 しかしながら、しばしば比較されるカール・ライネッケの作品と比べても全く遜色のないこれらの作品には、限りない魅力が漂っています。もっと知られてもよい作曲家といえるでしょう。
  


777699
(2CD)
\5400→\4990
フランツ・レハール:喜歌劇「パガニーニ」
3幕
 パウル・クネプラー&ベラ・イェンバッハ:台本
 ラルフ・エガー:対話
クリスティアーネ・カイザー(ソプラノ)/
エヴァ・リーバウ(メゾ・ソプラノ)/
ゾラン・トドロヴィチ(テノール)/
マルティン・ツィセット(テノール)/
バイエルン放送合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 この作品「喜歌劇」とされていますが、かなり内容はシリアスです。実在のヴァイオリニスト、パガニーニのいくつかのエピソードを基に(もともとエピソードの多い天才でした)、2人の作家が台本を製作し、ここにレハールが曲をつけたものです。
 登場するパガニーニはもちろんヴァイオリンの名手であり、女性を即座に魅了する魅力の持ち主です。彼を愛する2人の女性たちとそれを取り巻く政治的駆け引き。これらが渾然一体となって切ない物語が出来上がりました。
 この曲を作曲する少し前、レハール(1870-1948)は極めて魅力的な歌手リヒャルト・タウバーと出会い、彼が歌うことを想起して驚くほど美しいメロディを次々と書き上げました。もちろん初演は大成功!しかしタウバーがこの世を去った1948年以降はあまり演奏されることのないこの作品、もう一度、じっくり味わってみるのはいかがでしょうか?
 


777697
\2700→\2490
パウル・グレーナー:ピアノ協奏曲 他
 1.ピアノ協奏曲 Op.72/
 2.弦楽とハープのためのシンフォニエッタ Op.27/
 3.3つのスウェーデンの舞曲 Op.98/
 4.ディヴェルティメント Op.67
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)/
ウタ・ユングヴィルス(ハープ…2)/
ミュンヘン放送交響楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 ベルリンの職人の家に生まれたグレーナーは、他の優れた作曲家たちと同じく幼い頃から楽才を発揮、長じてからは、ドイツの各地で楽長として活躍後、ロンドン王立ヘイマーケット劇場の音楽監督に就任し、同時に英国王立音楽院で教えるなど、多彩な活躍をしました。勤勉な生活を送っていましたが、1920年代の終わりから国家社会主義党に入会し、いくつかの作品はナチス・ドイツのプロパガンダとして使われ、また1933年には国家社会主義ドイツ労働者党に入党することで、ナチスから数多くの便宜を図られることとなります。しかし、1944年に自宅が爆撃に遭い、全ての自筆譜は失われてしまったのです。
 そのような理由により、彼の作品についての評価は現在でも定まってはいませんが、いくつかの作品を聴いてみれば、彼の真の才能を感じることができるのではないでしょうか。
 

777907
(2CD)
\4200
ミヒャエル・ハイドン:弦楽五重奏曲全集
<CD1>
 1.弦楽五重奏曲 変ロ長調 MH412/
 2.弦楽五重奏曲 ハ長調 MH187/
 3.弦楽五重奏曲 へ長調 MH367/
<CD3>
 1.弦楽五重奏曲 ト長調 MH189/
 2.弦楽五重奏曲 へ長調 MH411
ザルツブルク・ハイドン弦楽五重奏団
 天才ヨーゼフ・ハイドン(1737-1806)の5歳年下の弟ミヒャエル・ハイドン。彼も兄に負けず劣らず音楽の才能に抜きんでてオリ、いました。やはり幼い頃からシュテファン大聖堂の聖歌隊で歌い、オルガン、ピアノ、ヴァイオリンを学び、20歳でハンガリーのグロースヴァルダイン司教の楽長となったのを皮切りに、数多くの宮廷に仕え、多くの作品を残しています。教師としても高名で、弟子にはウェーバーやディアベリなどがいます。
 cpoレーベルでは彼の作品を集中的にリリースすることで、若干過小評価され気味のミヒャエル・ハイドンに光を当てるべく奮闘しています。この五重奏曲集も、同時代のモーツァルトのものよりも変化に富み、かなり冒険的なのではないでしょうか。
 


777004
(2CD)
\4200→\3790
ヨアヒム・ラフ:弦楽四重奏曲集
 1.弦楽四重奏曲 第2番 イ長調 Op.90/
 2.弦楽四重奏曲 第3番 ホ短調 Op.136/
 3.弦楽四重奏曲 第4番 イ短調 Op.137/
 4.弦楽四重奏曲 第8番 ハ長調 Op.192-3
マンハイム弦楽四重奏団
 彼が活躍し親交を結んだた当時の音楽家たち、リスト、ブラームス、メンデルスゾーン…などの影響を強く受けたが故に、どんなに作品を書いてもあまり認められることのなかったスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。その作品が正統に評価されたのは、ウィーン楽友協会主催のコンクールで「交響曲第1番」が1位を獲得してからでした。その時ラフは41歳。いささか遅すぎた感もありますが、以降彼は数多くの作品を生み出して生きます。
 最近になって復興の兆しが見えてきたラフの作品ですが、この弦楽四重奏曲も、良く練られた素晴らしいものばかり。とにかく良く歌うメロディが特徴で、流麗な音に陶然となるはずです。
 


777894
(2CD)
\4200→\3790
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト:ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン曲集
<CD1>
 1.ロッシーニ「オテッロ」による華麗な幻想曲 Op.11/
 2.2つのサロン風の小品 Op.13-2「ロンディーノ・グラジオーソ」/
 3.2つのサロン風の小品 Op.13-1「アダージョ・センティメンタル」/
 4.弦楽四重奏曲 ロ長調/5.2つの夜想曲 Op.8/
 6.アルバムの小品/
<CD2>
 1.束の間の思考(友情の約束)/
 2.6つのサロン風の小品 Op.25-第1番,第24番,第34番/
 3.2つのロマンス Op.15/4.大2重奏「プレ・オ・クレル」/
 5.ヴィエニャフスキ(1835-1880):夢 嬰ヘ短調
トーマス・クリスチャン(ヴァイオリン)/
トーマス・クリスチャン・アンサンブル
 優れたヴァイオリニストとして名声を思うままにしていたエルンスト(1814-1865)ですが、1828年にパガニーニの演奏に接して超絶技巧に目覚め、この技術を習得するために、決して人前で練習をしなかったというパガニーニの身辺に潜り込んだというエピソードを持つほどの努力家(?)でもありました。
 その甲斐あってか、数多くの絢爛たる技巧を散りばめた作品を書き、これらは現代でも“演奏困難な作品”と讃えられています(そのため、あまり演奏会のレパートリーになっていないのが残念です)。
 この2枚組には、そんなエルンストの様々な作品を収録、彼の技巧の秘密を探るために最適なアルバムとなっています。単なるパガニーニの模倣ではなく、独自の世界を目指したエルンスト。もっと知られても良い作曲家です。
 

777896
\2100
フランツ・リスト:2台ピアノのための作品集
 1.メンデルスゾーンの無言歌による大コンツェルトシュトゥック R355/S257/
 2.ノルマの回想 R378/S655/
 3.悲愴協奏曲 ホ短調 R356/S258-2/
 4.ドン・ファンの回想 R379/S656/
 5.ヘクサメロン R377/S654-2
ピアノ・デュオ・ジェノヴァ&ディミトロフ
〈メンバー:
 アグリカ・ジェノヴァ&
 リューベン・ディミトロフ(ピアノ)>
 ジェノヴァとディミトロフの2人は、ピアノ・デュオとして活動を始める前からフランツ・リスト(1811-1886)の作品には献身的な愛情を抱いていて、どちらもコンクールの演奏曲に「メフィスト・ワルツ」を選ぶなど争うようにリストを弾いていたといいます。
 それから25年後、彼らはライバルとしてでなく、アンサンブルとしてリストを演奏することになりました。リストはしばしば気に入った自作の独奏曲を2台ピアノのために編曲し、これらを更に華麗な作品として生まれ変らせています。
 リストが要求する技巧が困難なことは独奏曲でも顕著ですが、2台ピアノ作品では、オーケストラを超える程の響きが求められていることは間違いありません。かのアルゲリッチが愛奏している「悲愴協奏曲」や、もともとが難しすぎることで知られる「ノルマの回想」での想像を絶する音の奔流に酔いしれてください。
 


777923
\2700→\2490
フェリックス・ヴォイルシュ:交響曲 第3番 他
 1.交響曲 第3番 Op.70/
 2.3つのベックリンの幻想曲 Op.53
オルデンブルク州立管弦楽団/
トーマス・ドルシュ(指揮)
 現在ではほとんど忘れられてしまったドイツの作曲家ヴォイルシュ(1860-1944)の作品集第2集です。交響曲第2番と「ハムレット序曲」が収録された第1集(777744-2)で、その鮮烈な音に驚いた人も多く、それだけにこの第2集にも期待が寄せられるところでしょう。
 強大なブラームスの影響から脱却すべく、様々なアイデアを自作に取り入れたヴォイルシュですが、なかなか伝統を打ち破るのは難しく、結局のところは良い意味での「交響曲におけるブラームスの後継者」となったヴォイルシュですが、管弦楽曲ではかなり自由な作風を示しています。
 特にこの「ベックリンの幻想曲」は色彩的であり、彼の全作品の中でも最も成功した曲として認知されています。また、交響曲第3番はかなり半音階的なメロディが使われていて、この不協和音の連続は“新しい時代”を予見させるものでもあります。ドイツ後期ロマン派の忘れられた作曲家として片付けてしまうわけにはいきません。



旧譜
フェリックス・ヴォイルシュ:交響曲第2番

777744-2
\2700→\2490
フェリックス・ヴォイルシュ:交響曲第2番
 1.「ハムレット」序曲Op.56/
 2.交響曲第2番Op.60
オルデンブルク州立管弦楽団/
トーマス・ドルシュ(指揮)
 ドイツの作曲家、合唱指揮者ヴォイルシュ(1860-1944)。彼の名前は現在ではほとんど知られていませんが、生前は素晴らしい音楽家として高く評価されています。若い頃はドレスデンとハンブルクで過ごし、ここで学びました。1890年代から1900年代にかけて、ドイツの都市、主にハンブルクのアルトナで指揮者、オルガニストとして職を得ています。1917年にはプロイセンの芸術アカデミーに選出され、また1936年には「ゲーテ賞」を授与されています。
 彼はドイツの古典を大切にしており、その作品には(彼の友人であったブラームスと同じように)パレストリーナ、ラッスス、シュッツ、バッハらの影響が見てとれます。生涯に7つの交響曲、5つの管弦楽作品、3つの歌劇、ヴァイオリン協奏曲、そして100曲ほどの歌曲を残しましたが、どれも、前衛的なスタイルを追求するのではなく、ロマンティックで、伝統的な形式を遵守したもので、まさにブラームスの後継者と呼ぶにふさわしいものと言えるでしょう。

 


777920
(2CD)
\5400→\4990
リヒャルト・シュトラウス:歌劇「火の危機」Op.50
 1幕 エルンスト・フォン・ヴォルツォーゲン台本
マルクス・アイヒェ(バリトン)/
ラース・ヴォルト(バス)/
ジモーネ・シュナイダー(ソプラノ)/
ヴィルヘルム・シュヴィングハマー(バス) 他/
バイエルン放送合唱団/
ゲルトナープラッツ劇場児童合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)生誕150年の記念年にあたる2014年は、各地で彼の歌劇が盛んに演奏されました。その中には、この「火の危機」のような珍しい作品も含まれています。
 この彼の2番目の歌劇「火の危機」は1901年の作品で、全編ミュンヘンの方言で歌われる「メルヘン・オペラ」です。全曲が演奏されることはほとんどなく、「愛の場面」のみが知られていますが、なかなか美しいメロディが溢れる興味深い歌劇です。とはいえ、もともと皮肉屋であるシュトラウスのこと、この作品にも色々な風刺が仕掛けられています。
 魔法使いクンラートは、町の人々にからかわれたことで、仕返しをするためにミュンヘン中の火と灯りを消してしまうという粗筋ですが、火が消える時に聞こえてくる音楽は、ワーグナーやシュトラウス自身のメロディ。そう、偉大なるワーグナーを阻害した町であり、シュトラウスもミュンヘンでは冷たくされていたのでした。作品の中でこっそり仕返しをしたシュトラウスの気合いをぜひ楽しんでみてください。
 


777208
\2700→\2490
一部の根強いファンのために!
 E.T.A.ホフマン:管弦楽作品集

  1.交響曲 変ホ長調/
  2.序曲「ウンディーネ」/
  3.序曲&行進曲「オーロラ」
ケルン・アカデミー/
ヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
 19世紀に活躍した芸術家の中でも、極めて特異な存在として知られるE.T.A.ホフマン(1776-1822)。彼は作家、作曲家、評論家、画家、法律家であり、中でも「幻想文学」の分野に先鞭をつけた功績が大きく「ホフマン物語」を始め「くるみ割り人形」や「コッペリア」、ヒンデミットの「カルディヤック」の原作は彼のものなのです。そんなホフマンですが、作曲家としても素晴らしい作品がいくつも残されていて、そのいくつかは現在でも愛奏されているのはご存知の通りです。
 しかし「交響曲」はただ1曲しか残されておらず、イマジネーションが豊か過ぎた彼にとっては、このような形式ばった作品を書くのは苦手だったのかもしれないと、ついつい想像してしまうのです。曲自体からは古典派からロマン派に移行する時代特有の香りが漂います。
 

777625
(2CD)
\4200
アントニン・ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集 第2集
<CD1>
 1.弦楽四重奏曲 第14番 変イ長調 Op.105/
 2.弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 B19/
<CD2>
 1.弦楽四重奏曲 第13番 ト長調 Op.106/
 2-6.弦楽四重奏のための「糸杉」B152から
  第4.5.8.9.10番
フォーグラー弦楽四重奏団
 フォーグラー弦楽四重奏団によるドヴォルザーク(1841-1904)の弦楽四重奏曲集の第2集は、後期の名作である第13番と第14番、そして初期の第4番と「糸杉」からの5曲です(「糸杉」の他の7曲は第1集(777624)に収録されています)。
 第13番は1985年の作品で、これは彼がアメリカからボヘミアに帰国した年であり、それ以前から着手していた第14番の完成に手間取っていたため、こちらが先に完成されました。それで作品番号が逆に付されているというものです。この2曲は本当の力作であり、当時の彼の作品には珍しく標題のつけられていない“絶対音楽”に属するものです。
 第4番は1870年の作品で、全曲は切れ目のない単一楽章で書かれています。中間部はのちに「弦楽のためのノットゥルノ」として改作され、美しいメロディが愛されています。
 

777705
(2SACD-Hybrid)
\6200
シャルル=マリー・ウィドール:オルガン交響曲集 Op.13
 1.オルガン交響曲 ハ短調 Op.13-1 /
 2.オルガン交響曲 ニ長調 Op.13-2/
 3.オルガン交響曲 ホ短調 Op.13-3/
 4.オルガン交響曲 ヘ短調 Op.13-4
クリスティアン・シュミット
(ルーアン,サントゥーアン教会 カヴァイエ-オルガン)
 1890年に名オルガン制作者アリスティド・カヴァイエ=コルが建立した素晴らしいオルガンの響きをSACDの高音質でたっぷりとお楽しみいただけます。
 ウィドール(1844-1937)はフランスを代表するオルガン奏者、作曲家の一人で、彼の父親もリヨンの教会オルガニストを務めるなど、幼いころからオルガンに熟知した人でした。25歳の若さで、カヴァイエ=コルの推薦によりサン・シュルピス教会の終身オルガニストに就任し、64年間この職を全うし、数多くのオルガン作品を残しました。
 この「オルガン交響曲」は管弦楽を使わずに、シンフォニックな響きを創り出すという曲であり、壮麗な響きを心行くまで堪能できることでしょう。
 


777814
\2100→\1890
アウリス・サッリネン:室内楽作品集
 1.チェロ・ソナタ Op.86(2004)/
 2.白鳥の歌から Op.67(1990-1991)/
 3.ピアノ三重奏曲 Op.96(2009-2010)
エリーナ・ヴァハラ(ヴァイオリン)/
アルト・ノラス(チェロ)/
ラルフ・ゴトーニ(ピアノ)
 アリウス・サッリネン(1935-)はフィンランドの作曲家です。彼の作品は現代にあっても、調性感を失うことなく、抒情性を追求しながら新しいセンスを盛り込んだもので、不思議な親しみやすさがあるものです。
 彼は特にチェロの音色を愛していて、室内楽作品には、かなりの割合でチェロの音色が使われています。
 このアルバムの3つの作品もチェロが含まれており、彼のチェロに対する思いが伝わるのではないでしょうか。
 ここでキーとなるチェロを演奏しているのは名手アルト・ノラス。時には優しく、時には劇的にサッリネンの世界を表現しています。
 

777904
\2100
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
 1.ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041/
 2.ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042/
 3.2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043/
 4.オーボエ、ヴァイオリン、弦楽のための協奏曲 ハ短調 BWV1060R
フレデリック・フォルム(ヴァイオリン)/
ペーター・スピスキー(ヴァイオリン)/
ビャルテ・アイケ(ヴァイオリン)/
マンフレッド・クレーメル(ヴァイオリン)/
アントニー・トルンシク(オーボエ)/
コンチェルト・コペンハーゲン/
ラルス・ウルリク・モーテンセン(指揮)
録音 2011年3月31日-4月3日 コペンハーゲン ガルニソン教会
 コペンハーゲンを代表するバロック・アンサンブル「コンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)」と、音楽監督のラルス・ウルリク・モーテンセン。彼らの活動は近年更に目覚ましく進化を遂げています。
 彼らによるJ.S.バッハ(1685-1750)の録音は、これまでにもハープシコード協奏曲や、他レーベルでの声楽作品があり、こちらも高く評価されていますが、それに満足することなく、今回も考え抜かれた解釈と独創性に満ちたヴァイオリン協奏曲を演奏、バッハに対する愛と、その素晴らしさを見せつけています。

DACAPO



6.220625
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル
 カール・ニールセン:交響曲全集完結!
カール・ニルセン:交響曲 第5番&第6番
 1-6.交響曲 第5番 Op.50 (1920-1922)/
 7-10.交響曲 第6番「素朴な交響曲」(1924-1925)
ニューヨーク・フィルハーモニック/
アラン・ギルバート(指揮)
 録音 2014年10月1-3日 ニューヨーク,リンカーン・センター,エイヴリー・フィッシャー・ホール
 アラン・ギルバートとニューヨーク・フィルによるニルセン(1865-1931)の交響曲シリーズのクライマックスは、第5番と第6番の2曲です。通常の交響曲の形式からは逸脱した感のある「第5番」は、戦争の影を色濃く捉えた重苦しい雰囲気を持ち(しかし、本人は影響を意識していなかったと語っています)、とりわけ、曲の途中に現れるスネアドラムの響きはかなり印象的であり、ニルセンが唯一標題を与えなかったこの作品の意味を考えてみたいものです。
 かたや第6番は「Sinfonia Semplice」と副題が与えられており、形式も古典的な4楽章を持つ「新古典主義」的な作品です。この曲でも打楽器の活躍が目覚しく、ニルセンの作曲技法の頂点をなすものとして評価されています。
 このような色彩的な作品でのギルバートの指揮は、まさに水を得た魚。新鮮で大胆なニルセンをぜひお楽しみください。

交響曲第5番  あまりよく分かってなかった頃にこの曲を聴いて、「なんだ、ショスタコのパクリか」と勝手に思っていた。でも後になってよく考えてみたら、この曲ができたときショスタコーヴィチはまだ16歳の学生だった。ショスタコーヴィチがこの曲に影響を受けたという確たる証拠はないにせよ、受けたと見るのが自然だと思う。
 ということでこの第5番、タイトルはついていないが「闘争」とか「革命」とかいう名前がついていたら人気が上がっただろう(本人はあえてタイトルをつけなかったのでそういうことを言うのは不謹慎ですが)。
 2楽章形式に作曲家の思いのたけをぶちまけた、充実の、切ったら血が出そうな迫真の交響曲。今ではニールセンの最高傑作の栄誉はこの曲に与えられることが多い。才気とエネルギーにあふれ、しかも「不滅」ほど難解でもない。すでに「ドイツ・ロマン派」の流れは完全に消え去り、「ニールセン派」とでもいうべき一匹狼の楽派が完成している。
 そう、ニールセン、結局誰とも組せず、どの派閥にも属さず、ただ一人の男としてヨーロッパ音楽界に挑んだ。だから中央からほとんど無視され、その死後名声は一時期消え去ることになる。しかしこの交響曲第5番を聴いてこの男を無視することができるか?こんなダイナミックでスリリングでロマンティックな傑作を無視することができるほど音楽ファンは馬鹿じゃない。音楽学者のデリック・クックはこの交響曲第5番を「最も偉大な20世紀の交響曲」と呼んだが、これを聴いたら素直に「そうかもな」と思うだろう。
 この曲を聴かないまま「ニールセンはなあ・・・」というのは、あまりにももったいない。
交響曲第6番
『素朴な交響曲』
 さて、ニールセン、最後の交響曲。その名も「素朴な交響曲」。
 プロコフィエフの「古典交響曲」やストラヴィンスキーの「プルチネルラ」のように、ここへきて新古典派に立ち返ったかニールセン。そうともいえるしそうでないともいえる。響きは簡潔で室内楽的。だから原題でいうところの「"Sinfonia Semplice” シンプル・シンフォニー」はあてはまる。しかしその内容はこれまでの「男一直線」のニールセンとは思えないほど、難解怪奇で意味不明。シェーベルクなどの動きは徹底的に拒否した人なので前衛的難解さはないのだが、ニールセンの意図が読めない。原題には「素朴」で「無邪気」という意味合いもあるので、ある種の娯楽的なディヴェルティメントを意図したのかもしれない。とすると、いずれ劣らぬ奇奇怪怪なる4楽章を「現代の喜遊曲」として楽しめばいいか。
 この曲を前にして「うーん」と考え込んでいる店主とは裏腹に、スタッフの女の子などは「へんてこりんで楽しい曲ですね」とあっさり受け容れていた。そういうものかもしれない。



第1集&第2集

DA CAPO6.220623
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル
 カール・ニールセン:交響曲&協奏曲全集第1集

  1-4.交響曲第3番Op.27「おおらかな交響曲」(1910-1911)
  5-8.交響曲第2番Op.16「4つの気質」(1901-1902)
エリン・モーリー(ソプラノ)
ジョシュア・ホプキンス(バリトン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
アラン・ギルバート(音楽監督&指揮)

交響曲第3番『ひろがりの交響曲』  ちょっとよくわからないタイトル「ひろがりの交響曲」。
 ニールセン自身はひねくれものではないので、決して聴くものを煙に巻いてやろうとかいう意図はなかったと思うのだが、ひょっとしたら日本語にうまく訳せない言葉なのかもしれない。「Sinfonia Espansiva」・・・なので本当は「エスパンスィーヴァ」とそのまま呼んだほうがかっこいい・・・が、それではもっと訳がわからなくなる。
 この「Espansiva」は「ひろがり」とか「おおらかさ」とか「感情を表出した」とかいろんな意味があるらしく、作曲家としては「世界を見渡す広い視野を得て新しい次元へ旅立とう」、というようなちょっとスピリチュアル系の意図があったのかもしれない。だからか第2楽章では男女の声楽が加わり神秘的な色合いを強くする。この楽章が「Andante pastorale」であることからニールセンの「田園交響曲」と呼ばれるが、「牧歌的」とか「田園風」というイメージよりはもっと夢幻のイメージ。一方終楽章はシンプルなメロディーで高潔さを感じさせてくれる。
 第1,2番はドヴォルザークを感じるところが多かったのに対し、この第3番の第1楽章は同じくチェコのスークを、終楽章はちょっとブラームスを思わせる。しかしニールセンの作品には他の作曲家をほんのり思わせるところがいくつか出て来るが、それらが全然陳腐な引用にとどまっていないところがかっこいい。いつも堂々たる雰囲気があるのだ。
 いつか言おうと思ったが、ニールセンの作品はいつも「男」を感じさせる。決然として潔いのである。人間としても魅力的な人だったのではないか。
交響曲第2番『四つの気質』  もしニールセンの交響曲の国際的な普及を妨げているものがあるとしたら、タイトルが意味不明なことかもしれない。この第2番のタイトルはズバリ「4つの気質」
 ニールセンが村の居酒屋でビールを飲んでいた時に、壁に不思議な絵が掲げられていた。それは人間の四つの気質をテーマにした絵。

  短気で怒りっぽい胆汁質
  鋭く冷静、知的な粘液質
  陰気でメランコリックな憂鬱質
  陽気で活発な性格の多血質

 で、ニールセンはその4つの気質を元に交響曲を作ったのである。それがこの交響曲第2番。

 第1楽章 アレグロ・コレリーコ  (胆汁質)
 第2楽章 アレグロ・コーモド・エ・フレマティコ  (粘液質)
 第3楽章 アンダンテ・マリンコーニコ  (憂鬱質)
 第4楽章 アレグロ・サングイネオ  (多血質)

 このへんがちょっとニールセン、変わっている。この題材で一曲の交響曲大作を作れるものか・・。たいしたものだ。
 このモチーフだけを見るとなんとなく猟奇的な雰囲気もするし、パロディっぽいイメージも湧くが、曲はど真ん中直球の近代交響曲。ふざけたところもひねくれたところもない。第1楽章冒頭など勇ましくてすんごくかっこいいし、第2楽章は「ケ・セラ・セラ」の歌を思わせる魅力的なメロディで楽しませてくれる。第3楽章はマーラー風の壮大・重厚なメランコリーを堪能させてくれ、終楽章はエネルギッシュで爽快に締めくくってくれる。いずれも充実した書法と個性的な展開で飽きることがない。
 楽章ごとの解説を見ると確かに上気のタイトルどおりになっているのだが、ひょっとしたら「4つの気質」というタイトルはなかったほうがよかったかもしれない・・・。普通に聴けば、「なんてダイナミックでドラマティックな素敵な交響曲・・・」って素直に思うとおもうので。
 精神分析的交響曲というような理知的な作品ではなく、ニールセンの「人間愛」がたっぷり詰め込まれた楽しい交響曲とでもいえばいいか。

 2009/2010年のシーズンからニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任した指揮者アラン・ギルバート。すでにマーラーなどの名演で注目を浴びている彼による新しいプロジェクトは、2015年に生誕150年を迎えるデンマークの不屈の作曲家ニールセン(1865-1931)の交響曲&協奏曲全集。

 録音 ニューヨーク,リンカーン・センター, エーブリー・フィッシャー・ホール
  〈Track.1-4〉2012年6月14-16日 ライヴ収録
  〈Track.5-8〉2011年1月27-29日,2月1日ライヴ収録


6.220624
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090

 ギルバート&ニューヨーク・フィル/ニールセン第2集
  カール・ニールセン:交響曲 第4番&第1番

   1-4.交響曲 第4番「不滅(滅ぼし得ざるもの)」Op.29(1914-1916)/
   5-8.交響曲 第1番 Op.7(1889-1894)
ニューヨーク・フィルハーモニック/
アラン・ギルバート(指揮)
録音 2014年3月12-15日 ニューヨーク,リンカーン・センター,エイヴリー・フィッシャー・ホール


 「音楽配信」に強い意欲を持っていたニューヨーク・フィルがCDでリリースしてくれたことがうれしい。しかもDACAPOから出してくれたのがうれしい。そしてなによりまだまだCDは音楽産業にとって重要な媒体だとニューヨーク・フィルが再認識してくれたということがうれしい。
 アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィルのニールセン:交響曲&協奏曲全集、ようやくの第2集。
 

交響曲第1番  27歳のときの出世作。佳作ではなく傑作。この1曲だけを残して早世していたら「デンマークの知られざる夭折の天才作曲家」として語り継がれていただろう。
 第1楽章のドイツ的な重厚さ、第2楽章の泣けとばかりの幻想的ロマン、ちょっとチェコ風味の牧歌的な第3楽章、思いっきり盛り上げてくれる馬鹿かっこいい終楽章。
 いい曲。
 ちなみに当時のデンマークを牛耳っていたのは、50歳ほど年上のニルス・ゲーゼ。ライプツィヒでメンデルスゾーンの薫陶を受けドイツ・ロマン派の流れを一身に浴び、ドイツとデンマークの戦争が始まったために帰国してからは、コペンハーゲン音楽協会の終身総裁、コペンハーゲン音楽院院長を務めるなどまさにデンマーク音楽界の主となった。そしてもともと保守的なデンマーク音楽界。当然ニールセンの作品もこのゲーゼの血を引くことになり、ニールセン風ドイツ・ロマン派的作品が生まれた。とはいえやはり「ニールセン風」。巷ではよくブラームス的といわれるが、なんとなくドヴォルザークを思わせる雰囲気があるのはやはり田舎っぽい感性のなせるわざか。温かい人間的な魅力にあふれた交響曲。

ニルス・ゲーゼ
交響曲第4番『不滅』  そしてニールセン作品でおそらく最も有名な作品交響曲第4番『不滅』
 訳のわからないタイトル・・・と思われそうだが、第1次世界大戦の狂気の中でも、誇り高き人間性は決して失われない、という思いを込めた真摯な作品。最近では作曲者自身がつけた"Det Uudslukkeligge"を訳して「消しがたきもの」とか「滅ぼし得ざるもの」という呼び方もされ始めているが、これに関しては「不滅」でもかっこいいかな、と店主は思ってます。
 単一楽章で、特徴的な4つの部分からなる。さまざまな精神過程を経て最後に歓喜にいたるというそういう構造。
 第3番までのポピュラー一直線からやや難度が高くなっているのは、50歳になりコペンハーゲン音楽院理事にも就任したニールセンが、地位に見合った重厚な作品を残そうと思ったからか。その後カラヤン&ベルリン・フィルの録音が登場して一気に世界的な名声を勝ち得た。
 ・・・ただ作品的にはそれなりに手ごわいのでそこそこの覚悟を。「ニールセンなら『不滅』でしょ!」と気軽な気持ちで接して玉砕して、その後この作曲家に近寄らなくなる人が多いので気をつけて。店主的にはニールセンの交響曲では一番最後に聴いたほうが良いかな、という気がします。でも、第4部後半にはド派手なパーカッションの掛け合いもありその後は怒涛の展開で興奮させてくれるので、そこまで辿り着ければもうこっちのもの。緊張感と高揚感あふれるクライマックスまで一気呵成に行ってしまいます!
 ここでも男ニールセン、「さあ、おれについてきな!」という感じでひたすらかっこいいです。どうか最後の5分までがんばって。人間への高次元の愛を感じさせてくれる崇高な作品。




 

6.220569
(SACD-Hybrid)
\2300
カール・ニルセン:合唱のための歌集
 1.今日は歌で一杯の日 CNW213/
 2.ジュビレーション、歓喜の叫び CNW375/
 3.イースターの花よ、なぜここにいるの? CNW361/
 4.私たち、平原の息子は心に夢を持っている CNW147/
 5.海に囲まれたデンマーク CNW146/
 6.輝く太陽の下、私は鋤で耕す CNW129/
 7.これで明らかに CNW261/8.今、森は葉が茂る CNW256/
 9.ある夏の日を見て CNW221/10.自由は最高の金である CNW255/
 11.浮島の戦艦 CNW237/12.過ぎし日、過去 CNW253/
 13.漁師の思いやり CNW244/
 14.デンマークの男たちよ、強くあれ CNW288/
 15.単純に、単純に CNW238/
 16.何のためにわが目は喜びを感じるのか CNW239/
 17.重く暗い夜空の雲 CNW250/18.隠れているのは誰 CNW137/
 19.わが布の弱さを考える CNW254/
 20.デンマークの歌、若き娘たち CNW271
アルス・ノヴァ・コペンハーゲン/
ミカエル・ボイェセン(指揮)
録音 2014年5月8-10日 ロスキルデ Gl. Vor Frue Kirke (Old Church of Our Lady)
 「私がシンプルなメロディーを書くと、まるで私が作曲家ではないように思われてしまうのが不思議です」と語ったニルセン(1865-1931)。もちろん彼の作品は、難解で渋いものもありますが、この合唱のための歌集は、デンマーク人の伝統であり、心の底にあるメロディーを用いて創り上げたものなのです。そのため、曲調は親しみやすく、懐かしさ満載になっています。
 数々の名唱で知られるアルス・ノヴァ・コペンハーゲンの精緻なハーモニーでお楽しみください。
 

8.224725
\2100
ニルス・ラ・クール:合唱とオルガンのための作品集
 1.あなたの家に住まう彼らを祝福したまえ(1985/1986)/
 2-4.3つのオルガンのための間奏曲(1973-1974)/
 5-7.マリアの歌(2006)<あなたは美しい/悲しみの聖母/天の女王>/
 8-16.オルガンのための晩祷(2003)/
 17.偉大なる指導者来たれり/18.翼/19.良き羊飼いはわが救い主
ビーネ・ブリンドルフ(オルガン)/
トリニターティス・カントライ/
セアン・クリスティアン・ヴェステゴー(指揮)
録音 2014年6月15-18日.8月20日 コペンハーゲン,トリニターティス教会
 コペンハーゲン王立音楽院で学び、その後イタリアのサンタ・チェチーリア音楽院でレイフ・カイサ(1944-)に作曲法を学んだニルス・ラ・クール。オルガニスト、合唱曲作曲家、教師として評価されていて、1988年にはデンマークのアマチュア合唱連盟から栄誉ある賞"Choir Composer of the Year" を授けられています。
 ローマで学んだ彼の合唱曲は、グレゴリオ聖歌から連なる宗教曲の歴史を正しく継承したものであり、ここで聞ける作品も、現代的な響きに満たされているとはいえ、どれもが神を讃えた敬虔な精神に基づくものです。オルガンのための作品も静かな興奮を呼び起こす美しいものばかりです。
 

8.226543
\2100
Busy Bees and Birds-忙しいハチと鳥 〜
モーエンス・クリステンセン:リコーダー作品集

  1.炎の鏡(2012)-リコーダーとアコーディオンのための/
  2-5.夜想う鳥
   <春の夜の鳥(1993)-ソプラノ・リコーダーのための/
    真夏の夜の鳥(1994)-リコーダー、ギター、電子音のための/
    秋の夜の鳥(1998/2004)-テナー・リコーダーのための/
    冬の夜の鳥(1996/2014)-バス・リコーダーと電子音のための>/
  6.アリア(2014)-トレブル・リコーダーのための/
  7-15.ダンス・バガテル(2008)-リコーダーとギターのための/
  16.忙しいハチと鳥(2005/2013)-リコーダーと弦楽四重奏のための
ペルニル・ペーターセン(リコーダー)/
ビャルケ・モーゲンセン(アコーディオン)/
ペア・パルソン(ギター)/
メッサー弦楽四重奏団
録音 コペンハーゲン 2014年6月6日 コンチェルトキルケン…5-6, 2014年3月28日 コンチェルトキルケン…16, 2014年2月7日 ファルム教会…3, 2013年11月29日 ファルム教会…7-15, 2011年10月31日 トルスルンデ教会…1, 2011年6月28日 トルスルンデ教会…2, 2014年6月22日 トルスルンデ教会…4
 デンマークの作曲家クリステンセン(1955-)の作品集。彼のCDはdacapoレーベルからも何枚かリリースされていて、電子音や尺八までをも駆使した絶妙な音の感覚が高く評価されています。彼の作品は聴き手のインスピレーションを刺激し、想像力を高める作用を持っていいます。
 また彼の興味は自然現象や占いなどにも及び、イマジネーション豊かな音の世界を作り上げることで知られています。このアルバムでは、鳥たちの姿を克明に捉えた「夜想う鳥」をはじめ、ハチの巣の様子を模した「忙しいハチと鳥」など、リコーダーを効果的に用いた作品が収録されていて、現代におけるリコーダー音楽の限界への挑戦ともなっています。
 

8.226576
\2100
アクセル・ボロプ=ヨアンセン:Carambolage
 1.冬のエレジー Op.55(1968)/
 2.シレーンの海岸 Op.100(1983)/
 3.Carambolage-玉突き Op.79(1979-1980)/
 4.ポケット・オラトリオ Op.50(1964)
  ※1.2.4…世界初録音
オーフス・シンフォニエッタ/
アルス・ノヴァ・コペンハーゲン/
セーアン・キンク・ハンセン(指揮)
録音 2014年1月20.22日 マリエンダル教会&オーフス・コンサート・ホール…4, 2014年5月24-25日 ランデルス、ヴェルケット…1, 2014年6月26-27日 オーフス・コンサート・ホール…3, 2014年11月8日 オーデンセ音楽大学…2
 このアルバムの作曲家アクセル・ボロプ=ヨアンセン(1924-)は、作品の細部に拘ることで知られています。対象物は分子レベルにまで分解され、そこから音楽的な要素を分離し、再構築することで、極めて計算し尽された作品を創り上げるヨアンセン。独学で作曲を学んだという彼の作品には新鮮な驚きが詰まっていますが、彼が求めるものは案外デンマークの伝統に近いものなのかも知れません。
 1964年に発表された「ポケット・オラトリオ」はライナー・マリア・リルケの詩を用いた短い作品ですが、この中には多くの自然の声や人生感が込められた力作です。正しい「ゲンダイオンガク」の響きがここにあります。
 

8.226580
\2100
Alliages-合金 〜ニルス・ロシング=スコウ:作品集
 1.ナヌ(2007)-声とサクソフォン、石のための/
 2-4.線(2013)-ギター・ソロのための/
 5.合金 Ⅰ(2010)-テナーサクソフォンとアコーディオンのための/
 6.…吐息…(2014)-フルート・ソロのための/
 7.合金 II(2008)-ヴィオラとアコーディオンのための/
 8.3つの簡素な歌(2013)-声とギターのための/
 11.リツ I(1991):フルートとパーカッションのための
ヘレーネ・ギェリス(メゾ・ソプラノ)/
ジャネッテ・バラン(サクソフォン)/
マティアス・ロイメルト(パーカッション)/
イェスパー・シヴェバエク(ギター)/
アンドレアス・ボアゴー(アコーディオン)/
ヘレーネ・ナヴァッセ(フルート)…6/
スヴェン・メルビー(フルート)…11/
インヴィオラータ(アンサンブル)/
アスビョルン・ネアゴー(ヴィオラ)/
アンドレアス・ボアゴー(アコーディオン)
録音 2012年-2014年 コペンハーゲン,デンマーク王立音楽大学
 作曲家ロシング=スコウ(1954-)はデンマーク王立音楽大学で学んでいたときに、様々なジャンルの作風を取り入れながら、独自の作風を模索していました。その際フランスの響きに影響を強く受け、その繊細な感覚を北欧音楽の構造に融合させ、淡い光を放つような音楽を次々を作り出しているのです。
 ここに収録された作品はどれも小さな編成で奏でられる静かなものばかり。冒頭の「NANU」は石を打ち鳴らす音が印象的な1曲、フルート独奏で奏される「吐息」も深いです。

DIVINE ARTS

 ピアノを中心としたレーベル。ピアノ・デュオのゴールドストーン&クレモウのシューベルトのオリジナルから、チャイコフスキー、ドヴォルザークの交響曲、グリーグの「ペール・ギュント」を編曲したものまで幅広いレパートリーを持っている。


DDA-25075
\2400
アルメニアからの音楽
 1.アルチュニアン(1920-2012):即興/
 2.ゴミダス(1869-1935):グロング/
 3.ババジャニアン(1921-1983):ヴォカリーズ/
 4-6.ステパニアン(1887-1966):チェロ・ソナタ Op.35/
 7.ゴミダス:時は春/
 8.ゴミダス:Keler tsoler/9.ゴミダス:Chinar es/
 10.ゴミダス:あんずの木/11.ゴミダス:Shoushigi/
 12.ゴミダス:Kele kele/13.ゴミダス:ああ、マラルさん/
 14.ゴミダス:空は曇っている/
 15.ゴミダス:shogher jan
  ※2…S.Z.アスラマジアンによるチェロとピアノ編,
   3.10.13…G.タラリャンによるチェロとピアノ編,
   7.9…R.アンドレアシアン&G.タラリャンによるチェロとピアノ編,
   8.11.12.14.15…
    S.Z.アスラマジアンとG.タラリャンによるチェロとピアノ編
ヒーザー・トゥアク(チェロ)/
パティル・ハルボヤン(ピアノ)
録音 2013年2月 カナダ ケベック,モントリオール オスカー・ピーターソン・ホール
 ハチャトゥリアン作品を始めとする、強烈な個性を持つアルメニアの音楽は、一度聞いただけで、その魅力に惹かれる人が多いものです。
 作品の持つエキゾチックな味わいと、独特なメロディは確かに心そそられることでしょう。このアルバムの中で比較的名前が知られているのはババジャニアンでしょうか?かれの「ヴォカリーズ」の美しさには思わずため息が出ます。もしかしたらラフマニノフの同名作品を上回る作品かも知れません。思いがけない作品に出会える喜びをお届けいたします。
 

DDA-25114
\2400
アルフレッド・デラーの思い出
 1.ウォルター・バーグマン(1902-1988):パストラーレ/
 2-5.マイケル・ティペット(1905-1998):4つのインヴェンション/
 6.アラン・リドー(1934-1996):独白/
 7-9.ウィリアム・ウィリアムズ(1675-1701):トリオ・ソナタ イ短調/
 10-16.ジョン・ブロウ(?-1708):
  ヘンリー・パーセル氏の死に寄せるオード/
 17-19.ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
  トリオ・ソナタ ヘ長調 HWV405/
 20.ピーター・ラシーヌ・フリッカー(1920-1990):
  聖エウラリアの墓 Op.25/
 21-23.バーグマン:3つの歌
ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)…1.6.10-16/
ジョン・ターナー(リコーダー)…1.2-5.6.7-9.10-16.17-19/
ローラ・ロビンソン(リコーダー)…2-5.7-9.17-19./
ティム・スメドレー(チェロ)…6.7-9.10-16.17-19.20/
イアン・トンプソン(チェンバロ)…6.7-9.10-16.17-19.20/
ジェイムズ・ボウマン(カウンターテナー)…10-16.20.21-23/
デイヴ・ベインブリッジ(ギター)…21-23
録音 2013年5月6日.6月16日 UK イングランド,St. Thomas's Church, Stockport, Manchester
 偉大すぎるカウンターテナー、アルフレッド・デラーへのオマージュ・アルバムです。
 イギリスに生まれ、地元の教会の聖歌隊で歌っていた彼は、変声期を過ぎた後でも高い声で歌い続け、最終的にカウンターテナーを職業にするようになりました。
 当時、この声種は一般的でなく、男子のみの権威ある合唱団の中でだけ活躍する場があったのですが、作曲家マイケル・ティペットがデラーを賞賛してことで、その存在が注目され、カストラートに続く、ルネサンス、バロック期の音楽を演奏する際に重用されるようになったのです。
 このアルバムはカウンターテナー歌手のデラーだけでなく、デラー・コンソートの主宰者としての彼に焦点をあて、その偉大な業績を様々な角度から賛美したものです。
  

DDA-25115
(2CD)
\2400
ジョン・ガース:鍵盤をともなうソナタ集 Op.2&Op.4
<CD1>
 1-2.ソナタ ト長調 Op.2-1/
 3-4.ソナタ ヘ長調 Op.2-2/5-6.ソナタ ハ短調 Op.2-3/
 7-8.ソナタ 変ホ長調 Op.2-4/
 9-10.ソナタ イ長調 Op.2-5/
 11-12.ソナタ ホ長調 Op.2-6/
<CD2>
 1-2.ソナタ ハ長調 Op.4-1/
 3-4.ソナタ ホ短調 Op.4-2/
 5-6.ソナタ 変ロ長調 Op.4-3/
 7-8.ソナタ ニ長調 Op.4-4/
 9-10.ソナタ 変ホ長調 Op.4-5/
 11-12.ソナタ ト短調 Op.4-6
ゲイリー・クーパー(チェンバロ&オルガン)/
エイヴィソン・アンサンブル
録音 2008年4月18-21日 UK ハンプシャー,St. Martin's Church, East Woodhay
 18世紀、イギリスの作曲家ジョン・ガース(1721-1810)の作品集です。
 DIVINE ARTレーベルからは、すでに「チェロ協奏曲」(DDA25059)がリリースされており、こちらもファンの間で高い評価を受けています。とにかく華麗な音楽であり、またチェンバロの活躍度が半端なくスゴイのです。
 チェンバロ付きの作品もよいのですが、オルガン付きの曲がまた素晴らしいものです。ハイドンやヘンデルを凌駕する名作です。もっと知られてもよい作曲家であることは間違いありません。
 

DDA-25117
\2400
カーソン・クーマン:In Beauty Walking-美を歩く
 1-5. In Beauty Walking-美しさの中を歩く Op.952
  <朝の歌/星の歌/雨の歌/子守歌/鷲の歌>/
 6-10.協奏交響曲 Op.1010/
 11-13.光の交響曲 Op.484/
 14-16.民謡幻想曲 Op.1009
リア・クレーン(ソプラノ)…1-5/
クロエ・トレヴァー(ヴァイオリン)…6-10.14-16/
ボフスラフ・マルティヌー・フィルハーモニー管弦楽団/
カーク・トレヴァー(指揮)
録音 2013年9月17-20日 チェコ共和国 ズリン,フィルハーモニック・ホール
 NAXOSレーベルにも多くのCDがある若手作曲家、カーソン・クーマン(1982-)の作品集です。アメリカで活躍する彼は、まだ32歳の若さにもかかわらず、既に数百もの作品を発表、それらは独奏曲から、オペラ、オーケストラ作品までと本当に多岐に渡っています。
 また彼は優れたオルガニストでもあり、現代曲のレパートリーを中心に各地で演奏会を行っています。このアルバムには歌曲集「美を歩く」と3曲の協奏曲、管弦楽作品が収録されていて彼の才能を存分に堪能することができるものです。
 メアリー・ハンター・オースティンの詩を用いた「美しさの中を歩く」は、ネイティブ・アメリカンの文化を継承した、大いなる自然を賛美する歌が歌われます。
 うって変わって「協奏交響曲」は古典的な形式が用いられた輝かしい作品です。牧歌的な「光の交響曲」、スコットランド、ナイジェリア、アメリカ、それぞれの民謡を用いた「民謡幻想曲」も秀作です。
  

DDA-25118
\2400
リムスキー=コルサコフ:シェエラザード(4手ピアノ版)
 1-4.シェエラザード Op.35(作曲家自身による4手ピアノ編)/
 5-8.交響曲 第2番「アンタール」Op.9
  (N.プルゴリトによる4手ピアノ編)/
 9.ナポリの歌 Op.63(作曲家自身による4手ピアノ編)
キャロライン・クレモウ(ピアノ)/
アンソニー・ゴールドストーン(ピアノ)
録音 1990年 イングランド,マンチェスター ロイヤル・ノーザン音楽大学…1-4.9, 2013年 イングランド,北リンカーンシャー,聖ジョン・バプテスト教会
 19世紀、今のようにCDなどがない時代は、各家庭で手軽に音楽を楽しむために、オーケストラ作品をピアノや室内楽作品に編曲することが一般的に行われていました。
 その代表的なものはフランツ・リストの一連の作品ですが、他にも多くの作曲家、編曲家による素晴らしい「ピアノ編曲版」が存在します。
 このリムスキー=コルサコフ(1844-1908)の作品もそのようなもので、シェエラザードが初演された際、その人気の高さからこの4手版に着手したのですが、とても複雑な仕事であったためオペラの作曲を2週間中断しなくてはいけなかったそうです。
 また、交響曲「アンタール」のピアノ編曲版は、作曲中に結婚したナジェージダ・プルゴリト(彼女も才能ある作曲家、ピアニストだった)に託され、結果的に見事な仕上がりを見せています。
 「ナポリの歌」は彼の死の半年前の作品であり、このメロディはあの“有名な曲”から取られています。彼自身はこの作品に不満を抱いていたようですが、諧謔性に富んだ素晴らしい曲想は、あのリヒャルト・シュトラウス作品に匹敵するものです。
  

DDA-25122
\2400
調子のよいテューリンゲン
 1-2.J.S.バッハ(1685-1750):トッカータ ホ短調 BWV914/
 3-4.フェルディナント・フィッシャー(1656-1746):組曲 第9番 ト長調/
 5.ルイ・マルシャン(1669-1732):
  クラブサン曲集 第1巻-前奏曲/
 6.フィリップ・クリーガー(1649-1725):パッサカリア ニ短調/
 7.J.S.バッハ:幻想曲 ト短調 BWV917/
 8.ヨハン・クリーガー(1652-1735):主に望みかけぬ/
 9.クリスティアン・リッテル(1645-?):
  スウェーデン国王カール11世の死を悼むアッレマンダ/
 10-11.ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):
  前奏曲とフーガ 変ホ長調/
 12.作者不詳:フーガ ハ長調(伝:パッヘルベル)/
 13.タルクィニオ・メールラ(1595-1665):半音階奇想曲/
 14.J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ長調 BWV896-前奏曲/
 15.フリードリヒ・ツァッホウ(1663-1712):
  いざ来たれ、異教徒の救い主よ/
 16.ヨハン・クーナウ(1660-1722):
  パルティータ 第5番-前奏曲/
 17-19.ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
  組曲 第5番 ホ長調 HWV430
テレンス・チャールストン(チェンバロ)
録音 2013年8月28-29日 UK ロンドン,ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック・スタジオ
 このアルバムタイトルは、ヘンデルの有名なチェンバロ作品「調子のよい鍛冶屋」をもじったものです(もちろんこの曲はトラック19にしっかりと収録されております)。
 テューリンゲンとザクセンは、バロック時代の音楽における最も重要な2つの地域です。
 何しろ、テューリンゲン州のアイゼナハではJ.S.バッハが、ザクセン=アンハルトではヘンデルが、ともに1685年に生を受けたのですから。彼らは多くの点で同じ音楽教育を受け、鍵盤奏法と作曲の技法を身につけました。もちろん2人が早いうちに出会っていたという記録はありません。
 このアルバムは、そんな当時の音楽を丹念に聴いてみることで、バッハとヘンデルの才能の萌芽を確かめようという企画です。これにより、現代ではほとんど名前の忘れられてしまった作曲家の作品も多く含まれていて、これらの曲に通じる伝統の奥深さと、同時にバッハ、ヘンデルの抜きん出た才能を知ることができるのではないでしょうか。
 

DDV-24148
\2100
マーカス・ブラント:アスピレーションズ
 1.ピアノ・ソナタ 第3番「ライフ・フォース」/
 2-8.7つの前奏曲/9.イオナ前奏曲/
 10.イオナ奇想曲/11-13.ピアノ・ソナタ 第2番/
 14-16.3つの夜想曲/
 17-18.ピアノ・ソナタ 第1番/
 19.J.S.バッハの主題による前奏曲/
 20-22.3つの幻想曲
マレイ・マクラクラン(ピアノ)
録音 2006年5月29日 UK マンチェスター Whiteley Hall, Chetham's School of Music
 バーミンガム生まれの作曲家マーカス・ブラント(1947-)の作品集です。このアルバムは以前「Dunelm Records」レーベルからリリースされていたものですが、リマスターを施し、再リリースとなりました。
 マレイ・マクラクランは幅広いレパートリーを持つイギリスのピアニストで、このブラントの作品についても、深い共感を持ち、この独特な世界観を描き出すことに成功しています。整った美しさよりも、少しだけ不安感を募されるこれらの音楽は、聴き込むことで陶酔を味わうことができるでしょう。
  


MSV-28541
\2400
補筆完成版 グリーグ:ピアノ五重奏曲
 1.グリーグ(1843-1907):ピアノ五重奏曲 変ロ長調 EG 118
  (M.フィニッシーによる補筆完成版)/
 2.マイケル・フィニッシー(1946-):グリーグの五重奏断章
ロデリック・チャドウィック(ピアノ)/
クロイツェル弦楽四重奏団
録音 2012年6月16.30日 イングランド 西サセックス,スタイニング・センター
 グリーグが、250小節ほどの「五重奏曲」の下書きを書いたのは、1892年“ペール・ギュント”を改訂する少し前のことでした。これはブラームスやフランクの同編成の作品に倣い、また第2ピアノ協奏曲の構想からもスケッチを流用したのです。しかし、結局のところ、この五重奏は完成されることなく、その原稿はベルゲンの公共図書館に収蔵され、グリーグの作品全集第20巻に収録されたのです。
 それを元にイギリスの現代作曲家、ピアニストであるマイケル・フィニッシィー(フィニスィーとも)が作品を再構築したのが、この「ピアノ五重奏曲」となります。
 この音楽は確かにグリーグの素材が使われているのですが、実際に聴いてみれば、誰しもが他の作曲家の名前を想起するに違いありません。とても美しく重苦しく、そして複雑なハーモニーはグリーグ風の衣装を着けた全く別の音楽にも思えます。ぜひ聴いてみてください。そしてフィニッシーの手による「グリーグ」は更に発展した音楽が味わえます。
  

MSV-28544
(2CD)
\2400
エリック・クレイヴン:ピアノ・ソナタ 第7番.第8番.第9番
<CD1>
 1-5.ピアノ・ソナタ 第7番/
 6-8.ピアノ・ソナタ 第9番/
<CD2>
 1.ピアノ・ソナタ 第8番
メアリー・ダレー(ピアノ)
録音 2013年 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 イギリスの音楽雑誌「ファンファーレ」で絶賛されたイギリスの作曲家エリック・クレイヴンのソナタ集です。彼はひっそりと控えめに生活し、10代で作曲を始めるも、これらを発表することには積極的ではありませんでした。
 彼の音楽は独創的であり、即興的でありながらも、実は精緻な構造で出来ています。一見、捉えどころのないように見える第7番のソナタ、思い切り叙情的に始まる第9番のソナタ、単一楽章で書かれた第9番のソナタ。「音の迷宮」と呼ぶのがふさわしい一連の作品です。
 

MSV-28545
\2400
マイケル・フィニッシー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.ミシシッピ・ホーンパイプス/
 2.セーテルの娘の休日/
 3.死せる学問の階段講堂/
 4.ジャイヴ/5.モリー・ハウス/
 6-7.ヴァイオリン・ソナタ
ダラ・モーガン(ヴァイオリン)/
メアリー・ダレー(ピアノ)/
マイケル・フィニッシー(キーボード,チェンバロ)…2.3.5
録音 2008年6月 ベルファスト,クィーンズ・ユニヴァーシティ、ハーティ・ルーム
 グリーグの「ピアノ五重奏曲」の補筆者であるマイケル・フィニッシー(1946-)の作品集です。このアルバムに収録された作品は、全て彼の友人のために書かれているとのことです。
 しかしながら、ブライアン・ファニホウと並ぶ「新しい複雑性」に関った作曲家である彼の作品は、確かに難解であり、なかなか掴みどころが見えないものばかりです。
 例えば冒頭の「ミシシッピ・ホーンパイプス」での、独立して動くピアノとヴァイオリンのパッセージは、とても目まぐるしいのですが、これが慣れると快感になっていくのが面白いところです。
 またグリーグ作品がそうであった通り、彼は過去の作曲家たち、ヴェルディやガーシュウィンたちをリスペクトしており、作品からも様々な影響を感じ取ることができるでしょう。
 

MSV-28547
\2400
パンドラの最後の贈り物 〜クリストファー・ライト:室内楽作品集
 1.木管五重奏曲/2.春の庭/3.オーフォードネス/
 4.カプリッチョ/5-7.精霊の踊り/8.長く待つ/
 9-11.イン・セレブレーション/12.ヘルター・スケルター/
 13-15.コンチェルティーノ
ニコラ・ハンター(フルート)…1.3/
リサ・オズボーン(オーボエ)…1/
エリザベス・ジョルダン(クラリネット)…1.4/
サラ・ニクソン(ファゴット)…1/
エリザベス・アサートン(ソプラノ)…1./
リチャード・ウィリアムソン(ヴィオラ)…2.13-15/
ジョナサン・フィッシャー(ピアノ)…2.3.4.8.12.13-15/
ニコラス・ウォード(ヴァイオリン)…3.9-11.13-15/
ティム・スメドレー(チェロ)…3.5-7.9-11.12/
ジョン・ターナー(リコーダー)…5-7.8.9-11/
リチャード・ハワース(ヴァイオリン)…5-7/ハーヴェイ・ディヴィス(チェンバロ)…5-7/レスリー=ジェーン・ロジャース(ソプラノ)…8/クリスティーネ・マンキー(ヴァイオリン)…9-11.13-15/マイケル・ダーレ(ヴィオラ)…9-11
録音 2013年9月.10月 UK ストックポート,聖ジョン教会
 イギリスの現代作曲家、クリストファー・ライト(1954-)の作品集です。彼はコルチェスター研究所で音楽を学び、音楽教師として、またトロンボーン奏者、ピアノ伴奏者としても活躍していました。
 1993年には教職を離れ、現在は作曲家として作品を生み出すことに焦点を当てて活動しています。彼の作品は50作ほどあり、このアルバムはその中の室内楽作品を紹介しています。
 時として民族音楽風な味わいを持つものや、「春の庭」のようなロマンティックな作品など、色々な音楽が混在しているのが楽しいところでしょう。
 

MSV-77204
(2CD)
\2700
Electrifying Oboe-電撃的なオーボエ
<CD1>
 1.ロジャー・レッドゲート(1958-):
  Concerto for Improvising Soloist and 2 Ensembles/
 2.ディヴィッド・ゴートン(1978-):Erinnerungsspiel/
 3.クリストファー・フォックス(1935-):Headlong/
 4.マイケル・ヤング:oboe_prosthesis/
 5.エドウィン・ロクスバラ(1937-):
  … at the still point of the turning world …/
<CD2>
 1.ゴートン:Schmetterlingsspiel/
 2.フォックス:Broadway Boogie/
 3.マット・ライト:English Landscape Painting/
 4.ヤング:oboe_prosthesis/
 5.レッドゲート:Concerto for Improvising Soloist and 2 Ensembles
クリストファー・レッドゲート(オーボエ)/
アンサンブル・エクスポーズ
 確かに「オーボエ作品集」なのですが……この2枚に収録されている音楽はそんな生易しいものではありません。冒頭のトラックから「???」が続出します。
 電子音を重視し、また演奏家たちの即興性に曲の進行を委ねたこの曲。ただただ面白いです。もちろんオーボエの生の音も堪能できますが、やはり、これは音響を楽しむためのアルバムでしょうね。

DYNAMIC



CDS-7705
(2CD)
\3100→\2790
あのファソリスがまた知られざる傑作を!
 ジョヴァンニ・マリア・カジーニ:オラトリオ「トビアの旅」
大天使ラファエル…ラウラ・アントナス(ソプラノ)/
トビア…クラウディーネ・アンセルメ(ソプラノ)/
アンナ…マーヤ・フラカッシーニ(メゾ・ソプラノ)/
ラグエル…ジェレミー・オヴェンデン(テノール)/
トビト…セルジオ・フォレスティ(バス)/
ディエゴ・ファソリス(指揮)/
イ・バロッキスティ/スイス・イタリア語放送合唱団
録音 2004年1月 スイス ルガーノ,アウディトリウムRSI
 ジョヴァンニ・マリア・カジーニ(1652-1719)は、17世紀から18世紀初頭のイタリアにおける最大のオルガニストであったとされています。
 フィレンツェ大聖堂のオルガニストを務め、オルガンのための作品もいくつか残しています。またヴェラチーニの師であったことも知られていますが、現在ではその作品を聴く機会はほとんどなく、このオラトリオは大変珍しいものとして評価されるでしょう。
 物語は旧約聖書外典《トビト書》の有名なエピソードに基づくもので、ニネヴェに暮らすトビアが大天使ラファエルを伴い、昔父が友人に貸したお金を取り立てにいくというお話。途中で親族であるラグエルの娘と結婚、彼女を苦しめていた悪霊を退散させたり、魚を退治したりと波乱万丈の旅を続けるというストーリーです。
 カジーニはこの物語に、多彩なアリアとレチタティーヴォを与え、生き生きとしたオラトリオに仕立てたのですが、全く演奏されることもなく3世紀にも渡って忘れられていました。しかし、バロック時代の秘曲探求に燃えるディエゴ・ファソリスの卓越した演奏で、見事に現代に蘇ったのです。
 

CDS-7709
(2CD)
\3100
ジュゼッペ・マンツィーノ:2手と4手のためのオルガン作品全集
<CD1>
 1.序奏とパッサカリア/2.メロディア/3.エントラータ II/
 4.プレリュード/5-7.ソナタ I/8.メディタツィオーネ II/
 9.インプロヴィーソ I/10.コラール・ヴァリアート/
 11.プレリュード・ヌツィアーレ/12.インテルメッツォ I/
 13.ネニア・パストラーレ/14.メディタツィオーネ I/
 15.パストラーレ/16.カンタービレ II/
 17-20.4手オルガンのためのソナタ/
<CD2>
 1-4.ソナタ II/5.カンタービレ I/6.インプロヴィーソ II/
 7.カンツォーネ/8.フェストーソ/9.パッサカリア/
 10.インテルメッツォ II/11.エントラータ I/
 12-14.小組曲/15.サンクトゥス/
 16-19.4手オルガンのためのシンフォニア
ダヴィデ・マレッロ(オルガン)/
ルイセッラ・ジナンニ・トラヴェルソ(4手作品)
録音 2013年8月19-21日 イタリア,ジェノア Basilica of the Immaculate Conception
 イタリア、サヴォーナの現代作曲家マンツィーノ(1929-1992)のオルガン作品集です。彼の作品はわかりやすく、過去の伝統をきっちり受け継ぐものであり、これらは数多くの受賞経験を持ち、世界中で演奏されています。
 今回の録音は、英国の高名なオルガン製作者ウィリアム・ジョージ・トライス(1848-1920)が建立したオルガンが使われており「オーケストラに匹敵する響きを出すことができる見事な楽器」と評される機能をフルに生かした、オルガン愛好家にもお喜びいただける2枚組なのです。伝統とモダンな味わいを融合させた荘厳な響きをお楽しみください。
 

CDS-7716
\2100
YESTERDAY’S WORLD-昨日の世界 〜
 20世紀のフルートとピアノのための作品集

  1-3.ガブリエル・ピエルネ(1863-1937):ソナタ Op.36/
  4-6.マリオ・ピラ-ティ(1903-1938):ソナタ(1926)/
  7-10.ジークフリート・カルク=エラート(1877-1933):
   点描派風組曲 Op.135(1919)/
  11.ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-2013):ヴァリエーション(1985)
ジネーヴラ・ペトルッチ(フルート)/
ブルーノ・カニーノ(ピアノ)
録音 2014年2月10.11.12日 ハンガリー ブダペスト、フェニックス・スタジオ
 ロマン派から近代へ推移する頃に書かれた4人の作曲家によるフルートの作品集です。
 時には「幸福な時代」へのノスタルジアを反映しつつも、少しずつ世界の均衡が崩れていく様子も伺い知ることができる興味深い音楽が並びます。
 1900年のピエルネのソナタはまだ無邪気な様相を持っていますが、ピラーティの作品は幾分深刻です。またカルク=エラートの曲は彼が戦争から戻り、音楽を再開する時に書かれたもので、開放的な喜びと暗さが入り混じる独特の風情を持っています。
 それに比べ、ダマーズの作品はずっと時代を経た1985年に書かれたもので、こちらは全てを内包するかのような屈託のない音楽が展開されています。ここでフルートを吹いているジネーヴラ・ペトルッチは日本でも何度か講師を務める逸材です。ヴェテラン、カニーノのピアノも聞き物です。
 


CDS-7704
\2100→\1890
ルイジ・ボッケリーニ:6つの弦楽四重奏曲 Op.15
 1-2.弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 G177/
 3-4.弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 G178/
 5-6.弦楽四重奏曲 第3番 ホ長調 G179/
 7-8.弦楽四重奏曲 第4番 ヘ長調 G180/
 9-10.弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 G181/
 11-12.弦楽四重奏曲 第6番 ハ短調 G182
アレア・アンサンブル(ピリオド楽器使用)
<メンバー:
アンドレア・ロニョーニ(ヴァイオリン)/
フィオレンツァ・デ・ドナティス(ヴァイオリン)/
ステファノ・マルコッチ(ヴィオラ)/
マルコ・フレッツァート(チェロ)>
録音 2010年12月27-29日 スイス ルガーノ,アウディトリウムRSI
 ハイドンと並ぶ偉大な作曲家であるはずのボッケリーニ(1743-1805)ですが、現在では「メヌエット」(弦楽五重奏曲 ホ長調 G275:第3楽章)だけが頻繁に演奏されるという、いわゆる“一発屋”に甘んじているのが、愛好家には悔しい限りなのではないでしょうか。
 そんなボッケリーニ、もともとは優れたチェロ奏者であり、チェロ協奏曲や、チェロを含む弦楽四重奏、五重奏など夥しい数の作品が残されています。
 演奏機会があまり多くないのは、まだ彼の全作品のスコアが整備されていないせいもあるのかもしれません。この作品番号15番の6曲は全てが2楽章で書かれた簡素な形式を持つものですが、美しいメロディと卓抜なるアイディアに満ちた曲集であり、もっと聴かれてもよい作品です。


アレア・アンサンブルは、あのMV CREMONAの名盤のアーティストたちです・・・


モーツァルト:
ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
ディヴェルティメント K.563

MV CREMONA MVC 002-008

 このモーツァルトのディヴェルティメントは、死の4年前に書かれた晩年の傑作ですが、膨大なモーツァルト作品の中にあって決して注目される曲ではありません。
 ただ、モーツァルトの真髄は実はこうした地味で渋い作品での天国的な雰囲気にあると思います。聴きこなすまでには少し時間がかかるかもしれませんが、”BGMとして軽く聞き流して終わり”、ではなく、一生にわたってずっとずっと付き合っていきたい、真摯でひたむきな音楽です。 
 現地完売の際はご容赦ください。

MV CREMONA
MVC/002-008
¥2500
モーツァルト:
  ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
   ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563(全6曲)
アレア・アンサンブル


 

GRAND PIANO



GP654
\2100→\1890
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集 第5集
 1-4.グランド・ソナタ Op.14(1881)
 5-16.葉と花 Op.135(1866)
  <第1番:つた Andantino/第2番:糸杉 Larghetto/
   第3番:カーネーション  Presto - Molto meno mosso, quasi andantino - Tempo I/
   第4番:月桂樹 Allegro vivace/
   第5番:ばら Andantino, non troppo lento/
   第6番:わすれなぐさ Allegro grazioso/
   第7番:モクセイソウ Allegretto/
   第8番:ルピナス Andante/
   第9番:アネモネ Allegro/
   第10番:蔓日々草 Allegretto - Un poco meno mosso - Tempo I/
   第11番:すずらん Allegretto pastorale (quasi andantino)/
   第12番:矢車草
    Presto - Un pochettino meno mosso - Come prima>
     ※5-16…世界初録音
チャ・グエン(ピアノ)
録音 2013年9月2-3日 UK ウィアストン・コンサート・ホール
 ラフ(1822-1882)のピアノ曲集第1集の最初の音を聞いた時の第一印象は、「リストの作品に似ているけれど何だか肌触りの違う音楽」でした。その思いは今回の第5集でも変わりません。もちろんラフ自身もリストにはかなり影響を受けていて、雰囲気は継承しているのかもしれませんが、その音楽には仄暗い寂しさと限りない憧憬があるように感じられます。
 この第5集ではラフのピアノ曲の中でも最も重要な「グランド・ソナタ」と、もっと早くに書かれたユニークな曲集「葉と花」を聞くことができます。
 ソナタは作品番号こそ初期のものが付いていますが、実際には後期の作品で、まるで交響曲を思わせるスケールの大きな構成を持っています。「葉と花」はシューマンを思わせる小品集です。当時流行していた「花言葉」からインスパイアされた曲からは、香り豊かな花の姿を見ることができるでしょう。
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集(チャ・グエン)
第1集…GP602 第2集…GP612 第3集…GP634 第4集…GP653
 


GP669
\2100→\1890
CDが少ない!
 ギュスターヴ・サマズイユ:ピアノ作品全集

 1.夜想曲(1938)/
 2-7.ピアノのための組曲 ト短調(1902/1911改編)
  <前奏曲/フランセーズ/サラバンド/
   ディヴェルティスマン/ミュゼット/フォルラーヌ>/
 8.私の人形へ贈る歌(1904頃)/9.夜のナーイアス(1910)/
 10-12.3つの小インヴェンション(1904頃)/
 13-16.エスキス(1944)
  <献呈(アルバムに)/ほたる/セレナード(左手のために)/
   おみやげ(右手のために)>/17.祈り(1947)/
 18-20.海の歌(1918-1919)
  <前奏曲/沖合いの月の光/波の上の嵐と夜明け>
    ※1…世界初録音
オリヴィエ・ショーズ(ピアノ)
録音 2014年2月21-23日 ベルギー ティアンジュ,リサイタル・スタジオB

 ショーソン、デュカスの弟子であり、また生涯に渡ってラヴェルと親交を持ったというサマズイユ(1877-1967)。彼は作曲家としてよりも評論家、文筆家として名高く、当時のフランス内外で新聞や雑誌に数多く批評を寄稿していました。またワーグナー、シューマン、シューベルト、リストなどの作品をフランスに紹介し、若きメシアンを擁護したことでも知られています。
 そんなサマズイユですが、作曲家として残されている作品はあまり多くなく、ピアノ曲の全てはアルバム1枚に収まってしまいます。
 しかしここで聴ける作品は、なんとも色彩豊かであり、時代を追うに従ってドビュッシーとメシアンを足して2で割ったような豊穣な味わいを有していきます。
 メロディを楽しむよりも響きの美しさに身を委ねるのが良いかも知れません。

ギュスターヴ・サマズイユ

 当初はエルネスト・ショーソンの弟子だったが、1900年ごろスコラ・カントルムに入学して、ヴァンサン・ダンディとシャルル・ボルドに師事する。ポール・デュカからも同じく薫陶を受けた。
 長寿に恵まれたにもかかわらず、サマズイユの活動は期間が短く、ほぼ完全に1930年どまりである。サマズイユは音楽評論だけでなく、翻訳や政治評論、定期刊行物への寄稿によっても知られていた。中でもワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》の仏語訳があり、1913年にはポール・デュカ論も出版されている。後にはデュカの追悼音楽も作曲した。
 サマズイユは、同時代の他者の作品を100曲以上ピアノ用に編曲した。
 

GP677
\2100
フィリップ・グラス:グラスワールド 第1集
 1.グラスワークス:1.オープニング(1981)/
 2-9.オルフェ組曲(P.バーンズによるピアノ編)(2000)
  <第1番:カフェ/第2番:オルフェの寝室/第3番:深層世界への旅/
   第4番:オルフェと王女/第5番:オルフェの帰宅/
   第6番:オルフェの帰還/第7番:オルフェの寝室-再び>/
 9.夢見る目覚め(2003)/10.どのように今(1968)
   ※9…世界初録音
ニコラス・ホルヴァート(ピアノ)
録音 2013年10月28-29日 フランス パリ、Temple Saint Marcel
 20世紀の音楽における新しいジャンルの中に「ミニマル・ミュージック」というものがあります。小さな音形を繰り返しながら、少しずつ変化をしていくというこの音楽。この形式を確立させた作曲家の一人がこのフィリップ・グラス(1937-)であり、これは後世の作曲家たち…クラシックのみならず…にも大きな影響を与えたのでした(グラス自身は次第に作風を進化させ、初期の禁欲的なものから増大、複雑化していき、最終的にはミニマルと決別してしまうのですが)。
 冒頭に置かれた「グラスワークス:オープニング」は1981年、CBSレコードへのデビュー作品であり、当時のフィリップ・グラスを端的に表すものといえるでしょう。1968年「How Now-どのように今」の印象と比べてみれば、その変化が良くわかるのではないでしょうか。
 ジャン・コクトーの映画「オルフェ」に触発されて書かれた「オルフェ組曲」はもっと叙情的になっているため、不可思議あ思いに囚われるかもしれません。ニコラス・ホルヴァートによるこのシリーズには多くのピアノ版の初演が含まれます。
 


GP662
\2100→\1890
ワルター・ニーマン:ピアノ作品集
 1-3.ピアノ・ソナタ 第1番 イ短調「ロマンティック」Op.60(1919)/
 4-6.ピアノのための3つのコンポジション Op.7(1909)
  <第1番:イントラーダ/第2番:思い出/第3番:アラベスク>/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調「ノルディック」Op.75(1921)/
 10.幻想的マズルカ Op.53(1918)
  ※世界初録音
李冰冰-リー・ビンビン(ピアノ)
録音 2013年11月21-22日 UK モンマス ウィアストン・コンサート・ホール
 ドイツの高名な音楽ジャーナリストであり、作曲家としても活躍したワルター・ニーマン(1876-1953)。同じく作曲家であった父から最初に音楽の手ほどきを受け、その後はピアニストとしても活動し、また、ブラームスやシベリウスの評伝を書き「ライプツィヒ新報」には音楽評論を寄稿するなど、堅実な活躍をしていた人です。
 しかし、第2次世界大戦後はすっかり忘れられてしまい、作品番号にして190ほどある作品も、ほとんど省みられなくなってしまいました(チャイコフスキーの「悲愴」のピアノ版編曲がかろうじて知られているでしょうか)。
 彼の作品からは、ブラームスを思わせる晦渋さと底に秘めた情熱が感じられますが、「3つのコンポジション」に漂う異国趣味など、驚くほどに特徴的な部分もあります。
 


GP673
\2100→\1890
ハチャトゥリアン:オリジナル・ピアノ作品とトランスクリプション集
 1.トッカータ(1932)/2-3.ワルツ・カプリースと舞曲(1926)/
 4.バレエ音楽「スパルタクス」第2組曲-アダージョ
  (M.キャメロンによるピアノ編)/
 5.詩曲(1927)/6-8.ピアノ・ソナタ(1961)/
 9-11.仮面舞踏会より(A.ドルハニャンによるピアノ編)(1944/1952)
  <夜想曲/ロマンス/ワルツ>
  ※4.9-11…世界初録音
カリーネ・ポゴシアン(ピアノ)
録音 2013年8月14.19.21日 USA ニューヨーク Gordon K. and Harriet Greenfield Hall / Charles Myers Recording Studio, Manhattan School of Music
 数々の迫力あるオーケストラ作品で知られるハチャトゥリアン(1903-1978)ですが、彼のピアノ曲はどちらかというと無視され続けてきました。もちろん、他の人によるバレエ音楽のピアノ版を耳にする機会は比較的あるのですが、このアルバムに含まれた「トッカータ」や「ワルツ・カプリース」「ソナタ」などはなかなか実演でも取り上げられることのない作品です。
 ここで目の覚めるように素晴らしい演奏を披露しているのは、アルメニア生まれの女性ピアニスト、カリーネ・ポゴシアンです。彼女は14歳でオーケストラと共演し、23歳の時には名門カーネギー・ホールでソロ・リサイタルを開くほどの俊英です。
 彼女にとって「お国物」であるハチャトゥリアンからは、まさに心の叫びが聞こえてくるかのようです。「仮面舞踏会」のワルツでのやるせない表情がたまりません。
 


GP680
\2100→\1890
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:鍵盤のためのカプリース集
 1-3.3つの新しいカプリース・ソナタ Op.31-
  第1番 ヘ長調「クレメンティス・アンド・シレンティス」/
 4-6.3つの新しいカプリース・ソナタ Op.31-
  第2番 ト短調「アモローソ」/
 7-9.3つの新しいカプリース・ソナタ Op.31-
  第3番 ヘ短調「ドレンテ」/
 10-12.3つのカプリース Op.36-第1番 ト長調/
 13-14.3つのカプリース Op.36-第2番 変ホ長調/
 15-16.3つのカプリース Op.36-第3番 ト短調
  ※世界初録音
ミハエル・ツァルカ(ピアノ)
録音 2013年8月3-6日 ドイツ ベルリン ロキシー・スタジオ
 ボヘミアに生まれ、古典から初期ロマン派への橋渡しを担った重要な作曲家の一人、ヴァンハル(1739-1813)の作品集です。モーツァルトより少し早く生まれ、ウィーンで音楽教師として活躍。同時に作曲家としても名声を得て、膨大な作品を書き上げました。
 70曲以上の交響曲、100曲の弦楽四重奏曲、多数の宗教曲など本当に数え切れないほどの作品を残しています。その中において、残念なことに彼の器楽曲はあまり重要視されていません。
 しかしここで聴くことのできるカプリース(奇想曲)は、どれも即興性に満ちた実に楽しいものばかりです。
 これらのカプリース、形式はある程度固定されており、まずは重厚なイントロダクションで始まり、その後快活な部分が来る第1楽章、ゆったりとした第2楽章、そして活発な終楽章。もしくは第1楽章と第2楽章ロンドのみ。という短縮形を取りますが、ここに見られる楽想はきらりと光るものばかり。名手ミハエル・ツァルカの冴え渡る技巧でお聞きください。
 


GP696
\2100→\1890
ストラヴィンスキー.ラヴェル.ガーシュウイン
 〜トランスクリプション集とオリジナル・ピアノ作品集

  1-12.ストラヴィンスキー(1882-1971):春の祭典
   (S.ラフリングによるピアノ独奏版)/
  13.ラヴェル(1875-1937):ラ・ヴァルス(ピアノ版)/
  14-16.ガーシュウイン(1898-1937):3つのプレリュード/
  17-19.ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ独奏版)
エリック・フェラン=エンカワ(ピアノ)
録音 2013年12月8日…14-19, 2013年12月22日…1-13 フランス Auditorium Marcel Landowski,Conservatoire a Rayonnement Regional de Paris,
 ストラヴィンスキーの名作「春の祭典」には、色々なピアノへの編曲ヴァージョンが存在します。原型であるオーケストラの暴力的な響きを余すことなく移し替えるためには、2台ピアノ版が良いのかもしれませんが、このラフリングの編曲による「一人春の祭典」は、もう想像を超えた素晴らしさです。
 ピアノ演奏の限界に挑むかのようなこのピアノを弾いているのはフランス生まれのエリック・フェラン=エンカワ。ジャズ・ピアニストとしても活躍する人だからこそ、この愉悦感が生まれるのかもしれません。
 ラヴェルの「ラ・ヴァルス」での軽やかさと華やかさの絶妙なコンビネーション、ガーシュウィンの洒脱なプレリュードと、文句なしの「ラプソディ・イン・ブルー」、どれもが一聴の価値あるものです。
 

GP697
\2100
マーシャル・ソラール:ピアノ・ソロと2台ピアノのための作品集
 1.アナトライへの旅(2011)/2-8.ジャズ・プレリュード(1990頃)/
 9.コンサート・エクササイズ
  (1994年のインプロヴィゼーションと
   2011年のパスカル・ウェッツェルの共同作品:エリック・フェラン=エンカワに捧げる)/
 10-20. 11のエチュード(1999)
  <第1番:のんきに/第2番:シンコペーション/
   第3番:ジャズ・アップ/第4番:喜んで/第5番:魅力的に/
   第6番:平安に。そして激しく/第7番:歌うように/
   第8番:力強く/第9番:爽やかに/第10番:活気に満ちて/
   第11番:口やかましく>/
 21.2台ピアノのためのバラード(1985) ※1.10-20…世界初録音
エリック・フェラン=エンカワ(ピアノ)/
マーシャル・ソラール(ピアノ…21)
録音 2011年8月27-29日…9-21, 2011年11月2日…1-8 フランス Auditorium Marcel Landowski,Conservatoire a Rayonnement Regional de Paris,
 マーシャル・ソラール(1927-)はフランス・ジャズの大物。華麗な指さばきとアレンジが愛されているピアニストです。1950年代から活動をはじめ、ジャンゴ・ラインハルト、ドン・バイアスらと共演し、70年代にはリー・コニッツとデュオを結成、すばらしい足跡を残しています。
 かたや、フランスの名ピアニスト、エリック・フェラン=エンカワは幼い頃からピアノの才能を発揮し、国立音楽院を卒業後には、いくつかの日本のオーケストラとの共演経験もあるという人です。
 東欧、ロシアのミュージシャンと積極的にコラボレーションを行い、またヴァイオリニスト、ジル・アパップとのデュオはその型破りな演奏で注目を集めました。
 彼自身のレパートリーはとても幅広く、バッハから現代音楽までと何でもありですが、ジャズも得意であり、このアルバムはまさに彼にぴったりのレパートリーといえるのではないでしょうか?
 トラック21の2人の共演も聴き物です。
 

GP702
\2100
フィリップ・ハモンド:ミニチュアとモデュレーション集
エドワード・バンティングが収集したアイルランドの古い音楽からのインスパイア

 1.チャールズ・マクハフ-野生児/2.キス・ミー・レディ/
 3.小さくて偉大な山/4.キャロラン:ローズ・ディロン(ジグ)/
 5.古い悲しみ/6.モリー、わが宝物/
 7.ジョン・オライリー,アクティヴな/
 8.私のバレンタインを見たことがあるの?/9.商人の娘/
 10.キティ・タイレル/11.黒い鳥/
 12.キャロラン:若きテレンス・マクドナフ/
 13.キャロラン:プランクシティ・マクガイア/14.友たちとの別れ/
 15.アイルランドの子守歌/16.ドアを優しく開けて/
 17.キャロラン:オーエン・オニールの嘆き/18.醜い仕立て屋/
 19.グラヌ・ウィール/20.公平な女/21.ひげのない少年
  ※世界初録音(7.21を除く)
マイケル・マクヘイル(ピアノ)
録音2013年12月4,5日アイルランド,リメリック大学アイルランド室内管弦楽スタジオ
 1792年、ベルファストで4日間に渡って開催されたハープ・フェスティバルは、アイルランドの音楽の歴史を辿るためにも極めて有益なイヴェントでした。この催しに参加した当時19歳の青年エドワード・バンティング(1773-1843)は「アイルランド民謡を収集することの重大性」を感じ、早速活動を初めたのです。
 彼が収集した民謡は全部で3巻に渡る大資料集となり、これはその後の作曲家たちにとっても大切なものとなったのです。
 このアルバムでは、1951年にベルファストで生まれた作曲家ハモンド(1951-)が「アイルランド民謡」に新たなアレンジを加え、全く新しい作品として創り上げたものを聴くことができます。
 どこか懐かしさを残しながらも、斬新な形に生まれ変った民謡たち。愛おしさ満点です。
 


GP698
(4CD)
\4000→\3590
ミェチスワフ・ヴァインベルク:ピアノ作品全集
CD1…GP603
 ピアノ・ソナタ 第1番&第2番,2つのマズルカ,
 子守歌,ピアノ・ソナタ Op.49bis/
CD2…GP607
 パルティータ,ピアノのためのソナチネ,ピアノ・ソナタ 第4番/
CD3…GP610
 子どもの雑記帳,やさしい小品,カンカン/
CD4…GP611
 ピアノ・ソナタ 第3番&第5番&第6番,
 ベルリンスキーの娘のための2つのフーガ
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(ピアノ)
 ポーランドの偉大な作曲家ヴァインベルク(1919-1996)のピアノ作品全集です。波乱に満ちた生涯を彩るこれらのピアノ曲は激動の時代を反映したものばかりであり、時としてショスタコーヴィチへのオマージュであったり、また教育用の小品であったりと、なかなか興味深いものが並びます。
 大作であるソナタも面白いですが、様々な小品がまた面白いものばかり。1分に満たない短い曲からも、世相を切り取ったかのような風刺的な香りがぷんぷんします。この4枚組でヴァインベルクの知られざる面を探求してみてください。

Idil Biret Archive



8.508016
(8CD)
\5300→\4890
イディル・ビレット・シューマン・エディション- シューマン:ピアノ作品集
<CD1…8.571307>
 1-3.ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54/
 4.序奏とアレグロ・アパッショナート
   (コンツェルトシュテュック)ト長調 Op.92/
 5.序奏と協奏的アレグロ Op.134
   演奏:ビルケント交響楽団…1-3/ポーランド国立放送交響楽団…4.5/
   アントニ・ヴィト(指揮)
    録音 2006年11月 アンカラ ピルケント・シンフォニー・ホール…1-3.
       1996年8月 カトヴィツェ ポーランド国立放送ホール…4.5
<CD2…8.571291>
 1.アベッグ変奏曲 Op.1/
 2-5.ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.22/
 6-8.幻想曲 ハ長調 Op.17/9.トッカータ ハ長調 Op.7
  録音 2012年1月 アンカラ ピルケント・シンフォニー・ホール
<CD3…8.571292>
 1-8.クライスレリアーナ Op.16/9.花の曲 変ニ長調 Op.19/
 10-14.ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
  録音 2012年1月 アンカラ ピルケント・シンフォニー・ホール
<CD4…8.571298>
 1-14.色とりどりの小品 Op.99/15-22.幻想小曲集 Op.12
  録音 1983年 ダブリン…1-14, 2000年 ニュルンベルク…15-22
<CD5…8.571301>
 1.蝶々 Op.2/2-22.謝肉祭 Op.9/
 23.アラベスク ハ長調 Op.18/24-32.森の情景 Op.82
  録音 2013年5月 ブリュッセル
<CD6…8.571305>
 1-4.ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44/5-22.交響的練習曲 Op.13
  演奏:ボルサン弦楽四重奏団…1-4
   録音 2014年5月 ハイデルベルク
<CD7…8.550885>
 1-13.子どもの情景 Op.15/
 14-37.チャイコフスキー:若い人のためのアルバム Op.39/
 38-43.ドビュッシー:子どもの領分
  録音 1993年5月 ハイデルベルク
<CD8…8.571308>
 1.ラジオ・インタビュー(1949)/
 2.C.P.E.バッハ:ソルフェッジョ ハ短調 Wq. 117/2, H. 220/
 3.F.クープラン:クラヴサン曲集 第3巻 第18組曲-修道女モニク/
 4.F.クープラン:クラヴサン曲集 第3巻 第18組曲-
   ティク−トク−ショック、またはオリーヴしぼり機 /
 5.J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846-869 -
   前奏曲とフーガ第3番 嬰ハ長調 BWV 848/
 6.ベートーヴェン:7つのバガテル Op. 33 - 第1番 変ホ長調/
 7.ドビュッシー:子どもの領分 - グラドゥス・アド・パルナッスム博士/
 8.ラジオ・イントロダクション(1953)/
 9.D.スカルラッティ:ソナタ ト短調 K.12/L.489/P.68/
 10.J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903/
 11.ドビュッシー:子どもの領分-小さな羊飼い/
 12.ブラームス:6つのピアノ小品 Op. 118 - 第6番 間奏曲 変ホ短調/
 13-20.シューマン:幻想小曲集 Op.12
   録音 パリ 1949年.1953年.1959年
イディル・ビレット(ピアノ)
 イディル・ビレットにとって、シューマン(1810-1856)は特別な存在です。
 例えばCD8に収録されている「幻想小曲集 Op.12」は1959年に彼女がパリでLPに収録したもの。当時17歳であった彼女の瑞々しい感性は、2000年に再録した同じ曲にも見事に引き継がれています。
 また若き彼女が演奏した「クライスレリアーナ」はアルトゥール・ルービンシュタインに絶賛されました。
 ピアニストとして経歴を積み重ねている彼女ですが、その節目節目には必ずシューマンがあったと言っても過言ではありません。
 そんなビレットのシューマン、最初のピアノ協奏曲から魅了されること間違いありません。独特の歌いまわしとリズム感には痺れます。名手ヴィトの振るオーケストラも彼女にぴったりと合わせています。
 CD8は若き彼女のラジオ・インタビューを含む興味深い内容です。ベートーヴェンとは違った面持ちを魅せるビレットのシューマン。これは面白いです。

LPO



LPO-83
(2CD)
\3600→\3290
エッシェンバッハ指揮
 メシアン:峡谷から星たちへ
ツィモン・バルト(ピアノ)/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 2013年11月2日 ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 フランスの作曲家オリヴィエ・メシアン(1908-1992)の「峡谷から星たちへ」はアメリカの歌手、音楽プロモーター、アリス・タリーの委嘱を受けて書かれたもので、曲の中にはメシアンが実際に目にした風景と、彼が愛する鳥の声が織り込まれています。
 1971年から着想され1974年に完成、その年の11月20日にニューヨーク、リンカーン・センターのアリス・タリー・ホールで初演されました(ムジカ・エテルナ管弦楽団、フレデリック・ウォルドマン指揮)。
 メシアンらしい多彩な楽器による編成が特徴で木管、金管、鍵盤楽器、そして5人の打楽器奏者はウィンドマシーンを含む見たこともないような楽器を持ち替え、13人の弦楽器奏者はそれぞれがソリストの扱いを受けるほどにアンサンブルには工夫が凝らされています。またピアノが大活躍し曲によっては完全にソロを受け持つこともあります。
 この演奏は最近大注目のエッシェンバッハとツィモン・バルトの最強コンビによるもので、入念に織り込まれたオーケストラの響きをバックに、バルトのピアノが悠々と歌う様子は果てしなく広大な大地を彷彿させます。この曲の新たな名演の登場です。


LPO-45
(未案内旧譜)
\2500→\2290
ネゼ=セガン指揮!ロンドン・フィル
 ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
エリザベス・ワッツ(ソプラノ)/
ステファン・ドゥグー(バリトン)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
録音 2009年4月4日 ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 ネゼ=セガンによるブラームス(1833-1897)の最高傑作は、驚くほど静かに始まり、美しく盛り上がり、そっと聴き手の心に感動を残していくものです。
 全てにおいて統一感があり、アンサンブルは一糸たりとも乱れることがありません。聴衆たちが固唾を飲んで見守る様子が伝わる緊張感に満ちた瞬間がたまりません。
 


LPO-82
\2500→\2290
ロンドン・フィル
 ウィグルワース&ユロフスキ指揮
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲 第4番&第8番

 1-4.交響曲 第4番 ヘ短調
 5-8.交響曲 第8番 ニ短調
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ライアン・ウィグルワース(指揮)…1-4/
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)…5-8
録音 2008年9月24日…5-8, 2013年5月1日…1-4 ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ収録
 ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)は20世紀イギリスにおける最も重要な作曲家の一人であり、とりわけ交響曲作曲家として屈指の名声を誇る人です。彼の9つの交響曲は様々な形式によるものであり、古典的な風情を持つもの、声楽を伴うもの、そして映画のために作曲された音楽を交響曲に改作したものなど、多岐にわたります。
 音楽語法も次々と変化したため、交響曲4番が初演されたときには、前作第3番の持つ穏やかな雰囲気とのあまりの違いに、聴衆たちが当惑したと伝えられるほどです。また第8番は古典的な形式に回帰した作品で、規模も若干小さめですが、内容はかなり凝っており、第1楽章から変奏曲形式をとるなど、聞き応えがある交響曲となっています。
 この2曲、第4番を指揮するのは1979年生まれの若き指揮者&作曲家ライアン・ウィグルワース。現在イギリス・ナショナル・オペラの作曲家としても活躍する英国音楽界を牽引する人として知られています。指揮者としても抜群の才能を持ち、このヴォーン・ウィリアムでもオーケストラを完璧にコントロールし、冴えた音を聞かせています。
 ユロフスキについては、すでにご存知の通り。最近は更にレパートリーも広がり、LPOともますます良好な関係を築いています。ここで聞ける一種の親密な音楽は、これまでのヴォーン・ウィリアムズのイメージをも覆すほどのインパクトを有しています。

NAXOS



8.573254
\1100
ツェルニー:ベル・カント・コンチェルタンテ
          ピアノと管弦楽のための技巧的変奏曲集

 1.ベッリーニの歌劇「ノルマ」の愛好された主題による
   序奏、変奏曲とプレスト Op.281/
 2.オーベールの歌劇「悪魔の分け前」による
   2つのロンディーノ Op.232/
 3.ベッリーニの歌劇「海賊」の合唱「万歳!万歳!」による
   序奏と変奏曲 Op.160/
 4.パチーニの歌劇「ガリアのアラブ人」の行進曲による
   序奏と華麗な変奏曲Op.234 ※世界初録音
ローズマリー・タック(ピアノ)/
イギリス室内管弦楽団/
リチャード・ボニング(指揮)
録音 2013年12月17-19日 ロンドン ケンティッシュ・タウン 聖シラス教会
 NAXOSで強く推している作曲家の一人がこのカール・ツェルニー(1791-1857)です。彼は音楽家一家に生まれ、幼い頃から才能を現しました。彼の演奏を聴いたベートーヴェンが即座に弟子としたエピソードが広く知られています。確かに現在ではツェルニーは「練習曲(あの退屈極まりない指の運動!)」の作曲家としてのイメージが流布していますが、それだけ素晴らしい技術を持ったピアニストであったことは間違いありません。
 このアルバムに収録されているのは、当時流行していたオペラのメロディを主題にした一連の変奏曲で、この様式は18世紀から19世紀にかけて盛んに用いられたものです。作曲家の個性や能力が問われるジャンルであり、どれほどピアノの技術が卓越しているかのリトマス試験紙のようなものでもあります。
 有名なのはリストの一連の作品ですが、チェルニーの曲は徒に華美になることなく、品良く纏められている印象があります。ツェルニーの作品がなぜあまり知られていないか?それはあまりにも曲が多すぎて整理できていないこと。
 今後研究が進み、この孤高の作曲家の全貌が明かされる日も近いことでしょう。ツェルニーのファンになるなら今がチャンスです。
 


8.559756
\1100
バーンスタイン:ピアノ作品集
 1-2.ピアノ・ソナタ(1938)/
 2-8. 7つのアニヴァーサリー(1943)
  <アーロン・コープランドに/シャーリーに/
   アルフレッド・アイスナーの追悼に/
   ポール・ボウルズに/ナタリー・クーセヴィツキーの追悼に/
   セルゲイ・クーセヴィツキーに/ウィリアム・シューマンに>/
 9-21. 13のアニヴァーサリー(1988)
  <シャーリー・ガビス・ローズ・パールのために/
   ウィリアム・カペルの追悼に/スティーヴン・ソンドハイムのために/
   クレッグ・アークハートのために/レオ・スミットのために/
   私の娘、ニーナのために/ヘレン・コーツの追悼のために/
   ゴッダード・リーバーソンの追悼のために/
   ジェシカ・フライシュマンのために/
   コンスタンス・ホープの追悼のために/
   フェリシアのために、私たちの28回目の誕生日(彼女の52回目の)/
   アーロン・スターンのために/
   エレン・ゲッツの追悼のために>/
 23-25.踊りのための音楽 第2番(1938)/
 26.ノン・トロッポプレスト(1937) ※23-25.26…世界初録音
アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)
録音 2014年1月3-5日,3月24-26日 USA オレゴン大学 ビール・コンサート・ホール
 バーンスタイン(1918-1990)というと、作曲家としても指揮者としても、どうしても派手で熱いパフォーマンスばかりが思い浮かびがちですが、実はこんなに簡潔で美しく、刺激的な作品も書いていたのです。とは言え、世界中に親しい友人を持っていた彼のこと、これらの作品のほとんどはそんな人たちのために書かれているのです。彼による「アニヴァーサリー=記念日の音楽集」は4つのシリーズがそれぞれ1944年、1948年、1964年、1989年に出版されていて、このアルバムには最初と最後のシリーズが収録されています。「13のアニヴァーサリー」は1960年代から1980年代までの長いスパンに書かれた曲であり、これらの作品は他のいくつもの曲と関連性があり、またその後の作品にリサイクルされています(例えばトラック21の「エレン・ゲッツの追悼のために」は、後に“アリアとバルカロール”で再現されました)。この小さな作品に、バーンスタインの情熱が溢れていると思うと、ついつい聞き入ってしまうのではないでしょうか?またこのアルバムには、世界初録音である、初期に書かれた2つの作品も収録されています。
 


8.573250
\1100
そして、橋は愛である 〜イギリスの弦楽合奏作品集
 1.エルガー(1857-1934):弦楽のための序奏とアレグロ Op.47(1905)/
 2.エルガー:ため息 Op.70(1914)/
 3.W.L=ウェバー(1914-1982):月(1950)/
 4.ハワード・グッドール(1958-):そして、橋は愛である(2008)/
 5.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
  組曲「チャーターハウス」-第1番 前奏曲(1923)/
 6-8.エルガー:弦楽のためのセレナード Op.20(1892)/
 9-10.ディーリアス(1862-1934):二枚の水彩画(E.フェンビーによる弦楽合奏版)(1917/1932)/
 11.エルガー:夜の歌 Op.15-1(W.H.リードによる弦楽合奏版)(1897/1939)/
 12.エルガー:夕べの歌 Op.15-2(W.H.リードによる弦楽合奏版)(1899/1939)/
 13-14.ウォルトン(1902-1983):映画音楽「ヘンリー5世」から弦楽合奏のための2つの小品/
 15.アイアランド(1879-1962):ダウランド組曲-第3番 メヌエット(1942)
   ※3.4.11.12…世界初録音
イギリス室内管弦楽団/
ジュリアン・ロイド・ウェバー(指揮&チェロ独奏…4)
録音 2014年4月22-24日 UK ハートフォードシャー ワトフォード・コロッセウム
 各々の作品は結構知られているのだけど、まとめて聴く機会はあまりないという「イギリスの弦楽合奏」の名曲集です。
 中心に置かれているのはエルガーの作品であり、優れたヴァイオリニストでもあった彼の面目躍如といった流麗で美しい曲を聴くことができます。彼の最も重要な作品の一つである「弦楽のためのセレナード」と「序奏とアレグロ」での力強い響きはまさにこの時代のイギリス音楽を象徴したものと言ってもよいのではないでしょうか?
 また、エルガーのこれらの作品を呼び水とする後の一連の作品も、まさにイギリス音楽の伝統を形作るものです。アルバムタイトルになっているグッドールの「And the Bridge is Love」は日本では「サン・ルイス・レイ橋」として知られているソーントン・ワイルダーの小説から取られたもの。ペルーで一番美しい橋が、ある日5人の通行人を巻き込み突然崩れてしまうという理不尽な物語ですが、「5人の思い出は忘れられることもなく、彼らが亡くなった土地である橋に残っている。だから橋は愛である。」と小説の結末で語られる言葉です。
 グッドールはこの作品を2007年に亡くなった彼の友人の娘のチェリスト、ハンナ・リャンの思い出のために書き、2008年に初演しました。この時にチェロを担当したのがジュリアン・ロイド・ウェバーで、彼はこの作品に込められた意味に深く共感し、暖かく美しい演奏で聴き手の心を包み込むのです。
 

8.573405
\1100
エア・フォース・ブルー
 1.ロバート・サーストン上級曹長(1959-):タイム・トラベルズ(2012)/
 2.ジョエル・パケット(1977-):アシモフの鳥小屋(2012)/
 3.フィリップ・ウィルビー(1949-):夜明けの飛行/
 4.ジョン・ウィリアムズ(1932-):コール・オブ・ザ・チャンピオンズ
  (K.ソーバーによる吹奏楽編)(2002)/
 5.エリック・イウェイゼン(1954-):フライト-天国からの眺め(2001)/
 6.ブルース・ユアコ(1951-):レッド・テイルズ・スカーミッシュ(2011)/
 7.サーストン:ハイ・フライト/
 8-10.グスターヴ・ホルスト(1874-1934):組曲「惑星」Op.32より
  <火星 戦争の神
    (A.リード、C.マカリスターによる吹奏楽編)/
   水星 翼の神(J.ロマーノによる吹奏楽編)/
   木星 快楽の神(J.ロマーノによる吹奏楽編)>
アメリカ空軍バンド/
コロネル・ラリー・H・ラング(指揮)
録音 2013年4月22-26日 ヒルトン・パフォーミング・アーツ・センター,マーチャント・ホール…1.2.3.6.8-10, 2013年8月13.14日 ワシントンD.C. ジョイント・ベース・アナコスティア・ボーリング ガブリエル・ホール…4.5.7
 どこから見ても、至るところ全てがカッコいいこのアルバム、演奏しているのはおなじみアメリカ空軍バンドです。
 曲のどれもが「自由自在に飛び回ること」をテーマとしていて、それは上空であったり、天空であったり、時には時間までをも超越していたりします。冒頭のトラック「タイム・トラベルズ」を作曲したのは、バンドのチーフ・アレンジャーで空軍のSenior Master Sergeant(上級曹長)の位にあるロバート・サーストン。この曲は彼の師であるフロリダ州立大学のジェームズ・クロフト博士の死を悼むために書かれました。哀しみよりも希望が感じられる美しい作品です。
 「コール・オブ・ザ・チャンピオンズ」は2002年のソルトレイクシティ冬季オリンピックのテーマ曲で、限界に挑戦する厳しさと美しさを表現した音楽でもあります。その他の作品もどれも素晴らしいのですが、何より最後に置かれた「惑星」からの3曲が絶妙です。
 


8.573344
\1100
ビゼー:交響曲「ローマ」・小組曲・序曲 イ長調 他
 1.葬送行進曲 ロ短調(1860)/2.序曲 イ長調(1855頃)/
 3.序曲「祖国」Op.19(1873)/
 4.子供の遊び-第8曲 陣取り鬼ごっこ(管弦楽版)(1871)/
 5-9.小組曲 Op.22(1871)
  <行進曲:ラッパと太鼓/子守歌:お人形/即興曲:こままわし/
   二重奏:小さい旦那さんと小さい奥さん/ギャロップ:舞踏会>/
 10-13.交響曲「ローマ」(1860-1868/1871改訂)
アイルランド国立交響楽団/
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)
録音 2014年1月6-8日 アイルランド ダブリン,ナショナル・コンサート・ホール
 現在、世界のオペラ劇場になくてはならないレパートリーとなっている「カルメン」も、初演の際は大失敗。その失意を抱えたまま初演の3ヵ月後にこの世を去ってしまった悲しきビゼー(1838-1875)…。
 彼がもっと長生きしていたら、フランスのオペラ史は大きく変化していたに違いありません。
 このアルバムは、そんなビゼーの知られざる作品集です。イ長調の序曲は彼がローマ賞を受賞する以前に書かれた最初の管弦楽作品です。しかし生前に発表されることも演奏されることもなく、そのままひっそりと残ってしまったものです。
 葬送行進曲はトゥーレの王の杯を題材としたオペラの前奏曲として用意されましたが、こちらも断片が残るのみです。小組曲は、もともと12曲からなるピアノ連弾のための「子供の遊び」の中から5曲を選んでビゼー自身がオーケストレーションを施したもの。
 トラック4の「陣取り鬼ごっこ」も小組曲には含まれなかったものの、同じ曲集から取られたものです。序曲「祖国」は普仏戦争の時に盛り上がる愛国心が主題。勇壮な部分と悲痛な部分のコントラストが見事です。
 この盤のメインである「ローマ」は彼がイタリアに赴いた際に造り始めた作品で、最初は3曲からなる「ローマの思い出」として完成されたものに、1871年、他の曲のスケルツォとして構想された楽章を加えて4楽章にしたものですが、ビゼーの生前には演奏されることなく、1880年にようやく全曲が披露されました。次から次へと美しいメロディが溢れてきます。
 

8.572978
\1100
プーランク:無伴奏合唱作品集
 1-7. 7つの歌 FP81(1936)
  <白い雪/ほとんどゆがまずに/またいつかの夜に/
   全ての権利/美と似たもの/マリー/光る>/
 8-12.ミサ曲 ト長調 FP89(1937)
  <キリエ/グローリア/サンクトゥス/ベネディクトゥス/アニュス・デイ>/
 13-16.悔悛のための4つのモテット(1938-1939)
  <恐れおののき、われは願う/わが庭のぶどうは刈り取られ/
   あまねく暗くなりて/私の心は死ぬほど悲しい>/
 17-20.クリスマスのための4つのモテット FP 152(1952)
  <おお大いなる奇跡/羊飼いの見たものは/
   星を見て/今日キリストは生まれたまえり>
エローラ・フェスティバル・シンガーズ/
ノエル・エジソン(指揮)
録音 2012年10月13.14日,2013年4月7.20日 カナダ オンタリオ,エローラ 聖ジョン教会
 プーランク(1899-1963)の作風や人柄を一言で説明するのは至難の業です。何しろ、良く知られている一連の作品…「ティレジアスの乳房」やバレエ音楽、室内楽などは単純明快、軽妙、そして“エスプリ”がたっぷりと評価されています。
 しかし、宗教関係の作品になると、これが一転、「カルメル派修道女の対話」などのようにシリアスで深遠な作品が並ぶというわけです。
 彼自身、合唱曲や宗教曲については「自身の最良の部分、本来の自分に属するものをここに注ぎ込んだ」というほどに大切にしていたのです。
 このアルバムに収録されている合唱作品のうち「7つの歌」はアポリネールやエリュアールといった同世代の詩人のテキストを用いた短い作品で、人生の機微について語られています。
 他の3つの作品は宗教曲であり、これらは全て…彼の父に捧げられた「ミサ曲ト長調」も含めて、根底には彼の友人であったピエール=オクターヴ・フェルーの事故死(1936年)への追悼の思いと、彼自身の気持ちの変化が引き金となって書かれていると見られています。
 もちろんこの時代に書かれた曲ですから不協和音も多く使われていますが、どれも心をそっと包んでくれるような優しさが感じられるのは、エローラ・フェスティバル・シンガーズの透明な歌声のせいなのかも知れません。
 


8.559748
\1100
ペイン:管弦楽作品集 第2集 交響曲 第2番「春に」・ポセイドンとアンフィトリテ 他
 1-4.交響曲 第2番 イ長調 「春に」Op.34(1879)
  <第1楽章:序章 冬の終わり-自然の目覚め/
   第2楽章:スケルツォ 5月-夜の幻想/
   第3楽章:春の時のロマンス/第4楽章:自然の栄光>/
 5.暴君オイディプス王 Op.35-前奏曲(1880-1881)/
 6.ポセイドンとアンフィトリテ Op.44-海の幻想曲(1888頃)
   ※6…世界初録音
アルスター管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
録音 2014年3月1.2日 UK ベルファスト,アルスター・ホール
 管弦楽作品集第1集(8.559747)で、その強烈な魅力を存分に見せ付けた作曲家ジョン・ノウルズ・ペイン(1839-1906)。彼はアメリカ独自の音楽を構築した作曲家たち、A.フット、E.ビーチやE.マクダウェル、そしてA.コープランドたちの先駆者であり、ヨーロッパとアメリカの架け橋でもあるのです。ポートランドの楽器商の息子として生まれた彼は、まずドイツ移民の音楽家から音楽を学び、その後ドイツに留学します。1870年代にはアメリカで最初の大学用の音楽カリキュラムを開発し、数々の音楽家を育て上げる基盤を作るのです。
 彼自身の作品は、聞いていただくとわかるように、シューマンやブラームスの影響を強く受けたもので、特に「交響曲第2番」はもともとベルリンで初演を行う心つもりで書いたものですが、結局は実現せず(その時は第1交響曲が演奏された)、1880年3月にボストンで初演されました。これは大成功を収め、アメリカの管弦楽作品として始めて印刷されたものです。
 音楽的に洗練され、優雅なメロディに満たされたこの作品、第2楽章の力強いスケルツォなどは、同時代のロマン派の作品と比べても、全く遜色のない素晴らしいものです。2つの管弦楽作品も聞き所たっぷり。再評価が待たれる作曲家です。
  

8.559776
\1100
ロックバーグ:フルート作品全集 第1集
 1-21.カプリース変奏曲(抜粋)(C. ジェニングスによるフルート編曲版)
 <第1番:Allegro energico/第2番:Presto/
  第7番:Presto/第8番:Languido/第10番:Vivace/
  第12番:Andante con moto/
  第14番:ギターを模して allegretto con molto rubato/
  第18番:Allegro fantastico/
  第20番:Quasi cadenza; andante con molto espressivo/
  第21番:Allegro con brio/
  第23番:Andante grazioso e tranquillo/
  第24番:Allegretto/第25番:Scherzo/
  第27番:Aria/第31番:Molto adagio/
  第32番:Allegro assai; burlesca/第37番:Barcarolle/
  第43番:Andantino/第45番:Presto/
  第50番:Fantasy/第51番:Quasi presto; robusto>/
 22-26.浮世絵 III「2つの世界の間に」-
  フルートとピアノのための5つのイメージ(1982)
  <第1番:ファンタジア/第2番:スケルツォーゾ(第1のダンス)/
   第3番:夜の情景(A)/第4番:サラバンド(ゆっくりしたダンス)/
   第5番:夜の情景(B)>/
 27.浮世絵 II「秋の緩やかな炎」-フルートとハープのための(1979)
クリスティーナ・ジェニングス(フルート)/
ルーラ・ジョンソン(ピアノ)…22-26/
ジューン・ハン(ハープ)…27
クリスティーナ・ジェニングス(フルート)/
ルーラ・ジョンソン(ピアノ)…22-26/
ジューン・ハン(ハープ)…27
録音 2013年9月3.4.7.8日 USA ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・アーツ・アンド・レターズ
 もともとロックバーグ(1918-2005)が日本で知られるようになったのは、「カノン変奏曲」の流行からでしょうか。あの名曲が少しずつ形を変えていく過程は、ぞくぞくするほどに刺激的でした。彼の作品のいくつかは同じような形態をもっており、この「カプリース変奏曲」も同じ世界に属するものです。もともとパガニーニの主題と50の変奏から出来ているヴァイオリンのための曲ですが、今回フルーティストのジェニングスがいくつかを選び出してフルートのために編曲し、これを演奏しています(彼女の父アンドリューは、コンコード弦楽四重奏団の第2ヴァイオリニストで、ロックバーグはこのアンサンブルのためにいくつかの作品を書いていたこともあり、彼女は幼い頃からロックバーグ作品に愛着を持っていたといいます)。
 もちろんロックバーグ自身はフルートのためにそれほど多くの作品を書いたわけではないのですが、ジェニングスは「古き親しい友人」として彼の作品をフルートのために編曲、彼女なりの解釈を施して世に送り出すといいます。美しい音色だけでなく、様々な特殊奏法を駆使した多彩な音色は、聴き手を幽玄な世界へといざなうことでしょう。浮世絵からインスパイアされた一連の作品も、儚い美しさを有しています。
  


8.573127
\1100
タンスマン:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.ロマンス (1918)…世界初録音/
 2-5.ヴァイオリン・ソナタ 第2番(1917-1919)/
 6-9.幻想的ソナタ(1924)…世界初録音/
 10-14.ヴァイオリンのためのソナチネ 第1番(1925)…世界初録音/
 15-17.ヴァイオリンのためのソナチネ 第2番(1941)…世界初録音/
 18-23.ヴァイオリンとピアノのための幻想曲(1963)
  <ディヴェルティメント/エレジー/フーガ/
   インプロヴィゼーション/カノン/フィナーレ:スケルツォ>
クライディ・サハーチ(ヴァイオリン)/
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
録音 2013年7月7.8日…1-5.10-17, 2013年11月14日…6-9.18-23 スイス ルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
 ポーランドの音楽一家に生まれ、アントン・ルビンシュタインとアルトゥール・シュナーベル、ウジェーヌ・イザイに師事したタンスマン(1897-1986)。彼は1919年に開催されたポーランドの作曲コンクールに3作を提出(偽名で)、1等賞を獲得したという経歴を持っています。
 この中の1曲が、今回初録音された「ロマンス」でした。まるで初期のスクリャービンやシマノフスキを思わせる和声と、穏やかな表現力には、汲めども尽きぬ才能を予感させるものです。しかし彼の室内楽作品のほとんどは、現在すっかり忘れ去られ、再発見されることもほとんどありません。
 確かに当時のポーランドの音楽環境では、これらの作品は先鋭的なものとして捉えられたことでしょう。彼の作品が正統な評価を受けるのは、大学で法学博士の学位をとってからフランスに移ってからであり、それ故、学生時代に書かれた瑞々しい作品は行き場をなくしてしまったのです。
 とは言え、ここに収録された様々な時期のヴァイオリン曲は、折々の心を映し出したものです。「ソナチネ第1番」は戦時中に書かれたにもかかわらず、の第1楽章フォックストロットには遊び心が溢れていたり、1963年の「幻想曲」に漲る叙情性も注目すべきでしょう。
 


8.573192
\1100
クズミン:神聖な歌 他
 1-7.エヴゲーニイ・ザミャーチンによる
  劇「名誉あるベルリンガー協会」のための音楽(1925)
  <第1幕:序奏/間奏曲/出現/第3幕:序奏/
   第3幕:間奏曲/第4幕:間奏曲/最後の行進曲>/
 8-11.ミハイル・レルモントフによる
   劇「マスカレード」のための音楽(抜粋)(1911)
  <ポルカ/ニナのロマンス/ワルツ/最後の合唱>/
 12-14.声楽と管弦楽のための「神聖な歌」(1901-1903)
  <地獄への処女の降臨/老人と獅子/最後の審判の日>/
 15-22.エルンスト・トルレルによる
  劇「独逸男ヒンケマン」のための音楽(1923)
  <序奏-兵士たちの合唱/牧歌/間奏曲-ワルツ/
   第2幕:序奏/田園舞曲/行進/タンゴ/最後の行進曲>
    ※全て世界初録音
ミラ・シキルティル(メゾ・ソプラノ)…9.12-14/
ペトロザヴォーツク国立大学男声合唱団…11.15/
カレリア国立フィルハーモニー交響楽団(ペトロザヴォーツク)/
ユーリ・セロフ(指揮)
録音 2013年5月24-26日 ロシア ペトロザヴォーツク,カレリアフィルハーモニック・コンサート・ホール
 ミハイル・アレクセーヴィチ・クズミン(1872-1936)は20世紀ロシアの偉大な「詩人」として認知されています。当時一世を風靡していた「象徴派」に対抗し、愛と欲望に溢れた妖艶な詩を発表し、物議を醸したのです。しかし、音楽的才能にも恵まれていて、ここで聴けるような劇のための音楽など、なかなか素晴らしい作品を書いていたのです。
 クズミンはモスクワの北東、ヤロスラブリで生まれ、生後すぐにサラトフに家族とともに移住、そこで幼少期を過ごしました。この地域は平和で豊かな農村であり、ここでの生活の良い思い出は彼の創造に大きく影響を与えることとなります。彼は詩と音楽の融合について見事なバランス感覚を持っていたといい、自宅でしばしば親密な集まりを催しては、自身の伴奏で自作の歌を披露し、喝采を浴びたといいます。
 また当時のロシアとヨーロッパにおける「現代音楽」を普及させるために一連のコンサートを開催し、多くの賛同者を得たことでも知られています。そんな彼の作品は、ムソルグスキーやチャイコフスキー、シューベルト、モーツァルトなどの影響が感じられるものが多く、時にはタンゴなどの最先端のリズムも含みながら、印象的な世界を形作っています。なかなか興味深い1枚です。
 

8.573288
\1100
ドメニコ・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第16集
 1.ソナタ イ長調 K.280/L.237/P.395/
 2.ソナタ ニ短調 K.417/L.462/P.40/
 3.ソナタ 変ロ長調 K.440/L.97/P.328/
 4.ソナタ ニ長調 K.511/L.314/P.388/
 5.ソナタ ハ長調 K.200/L.54/P.242/
 6.ソナタ ヘ短調 K.467/L.476/P.513/
 7.ソナタ ハ長調 K.231/L.409/P.393/
 8.ソナタ 変ロ長調 K.488/L.S37/P.382/
 9.ソナタ ヘ長調 K.541/L.120/P.545/
 10.ソナタ ニ長調 K.336/L.337/P.262/
 11.ソナタ ト長調 K.390/L.234/P.348/
 12.ソナタ ハ長調 K.308/L.359/P.318/
 13.ソナタ ニ長調 K.118/L.122/P.266/
 14.ソナタ 変ロ長調 K.528/L.200/P.532/
 15.ソナタ ト長調 K.260/L.124/P.304/
 16.ソナタ ニ長調 K.458/L.212/P.260/
 17.ソナタ ハ短調 K.362/L.156/P.159/
 18.ソナタ ハ長調 K.133/L.282/P.218
ハオ・ドゥアンドゥアン(ピアノ)
録音 2013年11月21-22日 イギリス モンマス、ウィアストーン・コンサート・ホール
 当時のヨーロッパを全てカバーするほどの知名度を保っていたスカルラッティ一族。ドメニコ(1685-1757)の父アレッサンドロは著名なオペラ作曲家であり、ドメニコも幼いうちから高度な音楽教育を受けました。16歳でナポリの教会付き作曲家兼オルガニストとなり、その演奏技術はヨーロッパ中で知らぬ者はいないほど。ある時はヘンデルとオルガンの腕前を競い合ったとも言われています。
 そんな彼、1720年にリスボンに行き、マリア・マグダレーナ・バルバラ王女に音楽を教え始め、そのレッスンは、マリア・バルバラがスペイン王家に嫁いだ1929年以降も続いたのでした。王女のために書いた555曲の練習曲が、いわゆる「ソナタ」として親しまれているものですが、これらは現在のような3楽章形式ではなく、多くは単楽章の短いもの。
 しかし、当時の鍵盤楽器(主としてチェンバロ)の仕組みを知り尽くしたこれらの作品は、演奏する手助けになるだけでなく、聞くための曲としてもとても面白いものなのです。
 NAXOSはこれまでの15集について、全て違う奏者で録音を重ねてきましたが、今回初の2度目の登場となるのが、このハオ・ドゥアンドウアンです。
 彼は第14集…8.572586の演奏者ですが、その高度な表現とピアニズムが絶賛され、再登場となったのです。弾むような指捌きとソノリティをお楽しみください。
 

8.573365
\1100
マヌエル・カスティーリョ:ギター作品集
 1-4.ギター・ソナタ(1986)…世界初録音/
 5-10.アルカサルのカシダ集-王宮の祈りの歌(1984)
  <第1番:プロローグ 庭/第2番:日没時のカシダ/
   第3番:忘却のカシ/第4番:香水のカシダ/
   第5番:最後のカシダ/第6番:エピローグ 鐘>/
 11-13.3つの前奏曲(1987)…世界初録音/
 14.春の風(1996)…世界初録音/
 15-17.ギター五重奏曲(1975)…世界初録音/
 18.子守歌(声楽とギター版)(1954)…世界初録音
マルセロ・ファントーニ(ギター)/
マルコ・ラメッリ(第2ギター)…5-10/
エレノーラ・モスカ(歌)…18/
カスティーリョ四重奏団
<メンバー:
 エルトン・トーラ(第1ヴァイオリン)/
 マルコ・コルシーニ(第2ヴァイオリン)/
 マッテオ・デル・ソルダ(ヴィオラ)/
 アンドレア・アンツァローネ(チェロ)>…15-17
録音 2013年12月22日 イタリア ミラノ VMスタジオ…1-4.11-14.18, 2014年1月12日 イタリア ミラノ VMスタジオ…5-10, 2013年11月16日 イタリア ミラノ スパツィオ・シリン…15-17
 スペインの現代作曲家カスティーリョ(1930-2005)は、幾多のジャンルに渡って数多くの作品を書いています。しかしギター作品のほとんどは未発表であり、今後これらの作品の復興が待たれるところです。このアルバムにも世界初録音の作品が多く収録されていますが、そのどれもが刺激的で、実験的な作風を持つも、どこか懐かしく乾いた風の香りを感じることができるでしょう。
 比較的知られている「アルカサルのカシダ集」のカシダというのはイスラムの教えを歌にしたもので、古い宮殿の庭から聞こえる祈りの歌を2台のギターで切なく再現したものです。
 3楽章からなるギター・ソナタは極めて情熱的なアダージョから始まり、力強いアレグロ楽章へ受け継がれます。そしてまた装飾的なアダージョを経て、最後は超絶技巧を駆使したプレスト楽章へと続いていきます。民謡風な「春の風」と「子守歌」そして緊密な構成を持つギター五重奏と、息つく暇もないほどの驚きに満ちた1枚です。
 

8.573366
\1100
アーノルド:映画音楽「自由の大地」&「さすらいの旅路」(ジョン・モーガンによる復元版)
 1-20.映画音楽「自由の大地」-天国のルーツ(1958)
 <序曲/メインタイトル/フォールラミ/偉大なる象/
  モレルの報復/モレルのキャンプ/ミナと聖デニス/
  ミナとフォーサイス少佐/ジャングルのクリーニング/
  象の群れ/ミナの夢/象牙の密猟者/象を狩る/
  モレルの捕獲/うまくいった/砂嵐/ビオンディの帰還/
  ビオンディの帰還(第2部)/ミナよ、さようなら/
  終景とエンド・タイトル>
  ※18…アルフレッド・ニューマンによって使用された曲/
 21-33.映画音楽「さすらいの旅路」-デイビッド・コパフィールド(1969)
  <メインタイトル/ヤーマスへの帰還/
   伯母ベッツィ家への滞在-デヴィはエミリーに恋をする/
   アグネスの到着-母の葬式/ミコーバ氏/
   ドラとスティールフォースの思い出/ドラへの愛/
   ミコーバ氏はヒープをさらす/ドラの宣言/
   アグネスはディヴィッドから離れる/エミリーを探して/
   オーストラリアへの移住/ディヴィッドの決断とフィナーレ>
モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)
録音 2000年4月4-7日 ロシア モス・フィルム・スタジオ MARCO POLO 8.225167の移行盤
 9曲の交響曲をはじめとした素晴らしい管弦楽作品を発表する傍ら、行進曲「ボギー大佐」などの数多くの映画音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞し、1993年には大英帝国勲章を賜ることとなった作曲家マルコム・アーノルド(1921-2006)。
 彼の音楽は(サウンドトラックに限らず)どれもがハリウッド系の重厚な響きと躍動感に満たされたもので、ここに収録された2つの作品も、映像を見ることがなくても、何となくその世界を想像できてしまうという優れものです。
 エキゾチックなメロディに満たされた「自由の大地」は象の乱獲や自然保護を巡る人間ドラマ。
 第二次世界大戦中に強制収容所で過ごした主人公モレルが、アフリカ象を人間の手から保護するために奔走する際に起こったエピソードが描かれています。もう1作の「さすらいの旅路」は一人の男性の波乱に満ちた物語。恵まれない少年時代を経て、ようやく家庭を持つも、妻と友人を立て続けに失った主人公コパフィールド。
 最後に彼に微笑みかけたのは、少年時代に知り合った娘アグネスだったというお話。派手なアクションなどはありませんが、心にじんわりと来る物語です。
 

8.660363
(4CD)
\4400
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル(ギョーム・テル)」全曲
 4幕 シラーの戯曲「ヴィルヘルム・テル」
 原作 E.ド・ジューイとH.L.ビスのフランス語台本
<CD1>1.序曲/2-16.第1幕/
<CD2>1-13.第2幕/
<CD3>1-14.第3幕/
<CD4>1-8.第4幕/
《追加変更分》
 9-11.第5番:パ・ド・ドゥの異稿版/
 12.第15番:パ・ド・トロワの初稿版/
 13.第17番:1831年パリ版のためのフィナーレ
ギョーム・テル…
 アンドリュー・フォスター=ウィリアムズ(バリトン)/
アルノール・メルクタール…
 マイケル・スパイレス(テノール)/
ヴァルター・フルスト(スイスの愛国者)…
 ナウエル・ディ・ピエロ(バス)/
メルクタール(アルノールの父)…
 ナウエル・ディ・ピエロ(バス)/
ジェミ(テルの息子)…
 ターラ・スタッフォード(ソプラノ)/
ジェスレル(オーストリア総督)…
 ラファエレ・ファッシオーラ(バス)/
ロドルフ(ジェスレルの警備隊長)…
 ジュリオ・ペリーラ(テノール)/
リュオディ(漁師)…
 アルタヴァール・サルキシャン(テノール)/
ルートルド(羊飼い)…
 マルコ・フィリッポ・ロマーノ(バス)/
狩人…マルコ・フィリッポ・ロマーノ(バス)/
マティルデ(ハプスブルク家の王女)…
 ジュディス・ハワース(ソプラノ)/
エドウィージュ(テルの妻)…
 アレッサンドラ・ヴォルペ(メゾ・ソプラノ)/
ポズナン・カメラータ・バッハ合唱団
 (合唱指揮…アニア・ミハラク)/
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス
 (芸術監督…カレル・ミルチャス)/
アントニーノ・フォリアーニ(指揮)
録音 2013年7月13.16.18.21日 ドイツ バード・ヴィルトバード ティンクハレ ライヴ
 「ウィリアム・テル」というと誰もが思い浮かべるのが、りんごを頭に載せて弓で射る場面。ではロッシーニ(1792-1868)の歌劇「ウィリアム・テル」というと、あの有名な序曲のみ。しかし、どちらもほんの一部でしかありません。このロッシーニの歌劇、もともとはシラーの戯曲を基にしたフランス語の台本によって書かれているので、歌唱は全てフランス語。
 そもそもタイトルも「ギョーム・テル」が正しく、エピソードがふんだんに盛り込まれた全4幕の4時間を越える作品です。物語は14世紀のスイス、指導者メルクタールの息子アルノールと敵対するオーストリアの王女マティルデの恋を軸に、政治的駆け引きをはさみながら物語が進んでいきます。
 弓の名手であるテルは伝説の人物であり、アルノールの友人です。彼はオーストリアの総督ジェスレルと敵対し、広場に飾られたジェスレルの帽子に敬礼することを拒み、その報復としてジェスレルは、テルの息子ジェミの頭上のりんごを弓で射抜くことを命ずるのです。
 もしかしたら、序曲とこの場面(第3幕)まででもオペラは成立するかもしれません。そう考えた周囲の人は、ロッシーニの同意を得て、第4幕を削除し、いくつかの曲を変更、追加して3幕版を作りパリで初演しました。
 しかし、どちらが良いのかは結局のところ永遠にわからないのです。このアルバムには、2曲の変更されたナンバーと、1831年に作られたパリ版(3幕短縮版)のフィナーレを含んでいます。
 


8.573399
\1100
2013年エリーザベト・コンクール第1位
 ボリス・ギルトブルク(ピアノ)
シューマン:謝肉祭/ダヴィット同盟舞曲集/蝶々

 1-18.ダヴィット同盟舞曲集 Op.6/
 19-30.蝶々 Op.2
  <序奏-第1曲/第2曲:プレスティッシモ/第3曲/
   第4曲:プレスト/第5曲/第6曲/第7曲:センプリーチェ/
   第8曲/第9曲:プレスティッシモ/第10曲:ヴィーヴォ/
   第11曲/第12曲:フィナーレ>/
 31-51.謝肉祭 Op.9
  <前口上/ピエロ/アルルカン/高貴なワルツ/オイゼビウス/
   フロレスタン/コケット/応答/蝶々/A.S.C.H. - S.C.H.A. 躍る文字/
   キアリーナ/ショパン/エストレラ/再会/パンタロンとコロンビーヌ/
   ワルツ・アルマンド/間奏曲(パガニーニ)/告白/プロムナード/
   休息/フィリシテ人と闘う「ダヴィッド同盟」の行進>
ボリス・ギルトブルク(ピアノ)
録音 2014年6月28-30日 UK モンマス,ウィアストン・レイズ・コンサート・ホール
 2013年のエリーザベト王妃国際コンクールのピアノ部門で第1位を獲得!イスラエル出身の俊英ボリス・ギルトブルクによるシューマン(1810-1856)の3つの曲集です。彼については、エリーザベトに出場する以前から、いくつかのアルバムやコンサートでその演奏を耳にし、また、あの若手イケメンピアニスト、福間洸太朗さんの親友であるということもあり、注目していた人でした。
 今回ナクソスと正式に契約を結び、このシューマンをリリースしたのですが、これがまたとんでもない名演なのです。シューマンが要求する「自由な魂の飛翔」と「音楽と物語の融合」がこれほどまでに的確に、またさりげなく表現された演奏はなかなかありません。どの曲でも音符たちがまるで踊っているかのよう。あまり聴く機会のない「ダヴィット同盟舞曲集」もこんなに良い曲だったのかと認識を新たにするのでは。
 ちなみに謝肉祭のスフィンクスの部分は演奏されていません。これも彼のこだわりの一つなのでしょう。英語によるブックレット解説も彼自身の手によるものです。
 

8.573135
\1100
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ヴァイオリン協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 「イタリア協奏曲」 Op.31(1924)/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第2番「預言者たち」Op.66(1931)
  <第1楽章:Grave e meditativo Allegro appassionato「イサイア」/
   第2楽章:Espressivo e dolente「エレミア」/
   第3楽章:Fiero ed impetuoso, ma sostenuto e ben marcato il ritmo「エリア」>
    ※1-3…世界初録音
楊天堝-ティアンワ・ヤン(ヴァイオリン)/
バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送交響楽団/
ピーテル=イェレ・デ・ブーア(指揮)
録音 2012年11月11-15日 ドイツ フライブルク,コンツェルトハウス,ロルフ・ベーム・ザール
 日本では「ギター曲作曲家」として認知されがちなイタリア近代の作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)ですが、最近彼の管弦楽曲や協奏曲が相次いでリリースされることで、その風向きも変わってきたようです。
 もともとは優れたピアニストであった彼ですが、1924年に最初の管弦楽作品「イタリア協奏曲」を書くことを思いつきました。
 彼の友人のヴァイオリニスト、マリオ・コルティはこの当時発表されたシマノフスキの「神話」を参考にするようにと提案しましたが、彼が最終的に取り入れたのは17世紀から18世紀にかけての作品…ヴィヴァルディを思わせるスタイルでした。もちろんかなりモダンな味付けがされていますが、なかなかステキな作品となっています。
 ハイフェッツに委嘱された「協奏曲第2番」は良く知られた作品で、題材は旧約聖書やユダヤ教の典礼から取られており、彼自身もユダヤの血を引いていることから、当時蔓延していた「反ユダヤ主義」をはねのけるほどのパワーと輝きを持つ力作となっています。
 いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する若きヴァイオリニスト、ティアンワ・ヤンのパワフルなソロは、厚みのあるオーケストラの音色から一歩抜きん出る輝きを放っています。
 


8.573138
\1100
サン=サーンス:交響曲集 第1集 交響曲 第1番&交響曲 第2番 他
 1-4.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.2(1853)
  <1.第1楽章:アダージョ-アレグロ/
   第2楽章:行進曲-スケルツォ:アレグレット・スケルツァンド/
   第3楽章:アダージョ-/第4楽章:アレグロ・マエストーソ>/
 5-8.交響曲 第2番 イ短調 Op.55(1859)/
 9.交響詩「ファエトン」Op.39(1873)
マルメ交響楽団/
マルク・スーストロ(指揮)
録音 2013年8月19-23日 スウェーデン,マルメ・コンサート・ホール
 「NAXOSのカタログにはどんな曲でもあるんでしょう?」と尋ねられることもしばしばですが、実はそうでもありません。サン=サーンスの交響曲も全集がありそうで、本当はありませんでした。
 そこでこの第1集を皮切りに、全集を録音してしまおうという企画が始動しました(とは言え、サン=サーンスは番号のついた交響曲は3曲しか書いておらず、あとは番号なしの1曲と、交響曲「ローマ」、未完の2曲があるだけです)。
 交響曲第1番は18歳の作品ですが、モーツァルト、メンデルスゾーンを凌ぐ神童であった彼だけあって、この完成度の高さには驚くばかりです。
 第2番はその6年後の作品ですが、作曲技法も格段の進歩が感じられる意欲作となっています。シューマン風の重厚さも感じられる興味深い音楽です。
 交響詩「ファエトン」はギリシャ神話を題材とする作品ですが、当時のフランスの困難な状況・・・普仏戦争でのナポレオン3世敗北による第三共和制の混乱・・・を反映した、悲しさと重厚さを併せ持つ重厚な音楽です。
 


8.573193
\1100
フェルディナント・リース:ヴァイオリンとピアノのための3つのソナタ集
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.8-1/
 5-7.ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.8-2/
 8-10.ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.8-3
  ※世界初録音
エリック・グロスマン(ヴァイオリン)/
スーザン・カガン(ピアノ)
録音 2013年4月2.3日 USA ニューヨーク,ヨンカース,オクタヴェン・オーディオ
 NAXOSスタッフの丹念な布教活動(?)のおかげで、ようやくフェルディナント・リース(1784-1838)の名前がクラシック業界内に浸透してきた昨今ですが、まだまだ知られざる作品が山のようにあります。このヴァイオリン・ソナタもそんな曲。こんなにステキな作品がこれまで録音されなかったとは、なんという損失でしょう。
 ご存知の通り、一時期ベートーヴェンに師事し、生涯を通じて親友であり、また伝記を執筆したリースですが、残した作品は膨大であり、またその作風はベートーヴェンと似ているようであり、実はかなり異質な雰囲気を備えたものなのです。
 彼は18曲のヴァイオリン・ソナタを描いていますが、これらのほとんどは1807年から1809年、パリに滞在した2年の間に書かれています。当時のフランス国民はオペラに取りつかれていて、これらの作品には全く関心を示すことがありませんでした。そこで彼はヨーロッパ・ツアーにソナタを携えていったのでした。モーツァルトを思わせるウィーン風の優雅なスタイルで書かれていますが、なかなかひっかけどころの多い興味深いソナタです。
 


8.573261
\1100
フンメル再興します
 フンメル:ピアノ三重奏曲集 第2集
 1-3.ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.12/
 4-6.ピアノ三重奏曲 第4番 ト長調 Op.65/
 7-9.ピアノ三重奏曲 第5番 ホ短調「グランド・トリオ・コンチェルターテ」Op.83
グールド・ピアノ三重奏団
<メンバー:
 ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/
 アリス・ネアリー(チェロ)/
 ベンジャミン・フリス(ピアノ)>
録音 2013年6月20.21日 UK 西サセックス,チャンプ・ヒル
 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューベルト…この大きな流れに沿うように、多くの作曲家たちが活動していたこの時代、もちろん忘れられてしまった人たちも数多く存在します。そんな一人がこのフンメル(1778-1837)です。とは言え、彼が存命中の時代には高い名声を誇っていたことは間違いありません。今、改めてフンメルの作品を聴いてみませんか?
 以前は、フンメルといえば、ピアノ曲の一部がかろうじて知られるのみでしたが、最近になってようやく室内楽など多くの作品が録音されるようになり、この時代の音楽を愛する人にとっては夢のような時代になってまいりました。
 そんなフンメルのピアノ三重奏曲は7曲あり(8曲の説もあり)、どれも精巧な筆致で書かれています。第1番の冒頭から思いがけない展開があったりと、なかなかスリリング。第4番や第5番は、ちょうどロマン派への移行期の作品で、整った美しさの中に、時折型破りな部分が出現したりと、こちらもとても興味深いものです。
 シューベルトやメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲とはまた違った美しさを備えています。グールド・ピアノ三重奏団の納得の演奏が光ります。
  

8.573330
\1100
ルー・コスター:管弦楽作品集
 1.レジュール序曲(1920頃)/
 2.ロア・ロア Op.13-ワルツ組曲(1914)/
 3.ハイデランド-ワルツ組曲(1920頃)/
 4-6.劇的な組曲(1920頃)
  <第1番:夜の歌/第2番:星月夜/第3番:月明かりの下でダンス>/
 7.月桂樹の花の下で-ワルツ組曲(1920頃)/
 8.モーゼルの夢-ワルツ組曲(1920頃)/
 9.すべての人生-ワルツ(1920頃)
  ※世界初録音
エストロ・アルモニコ・ルクセンブルク室内管弦楽団/
ヨナタン・カエル(指揮)
録音 2013年3月25-27日 コンセルヴァトワール・ド・ムジケ・ド・ルクセンブルク
 ルクセンブルクの女性作曲家、ルー・コスター(1889-1973)の作品集です。彼女が生まれた19世紀の終わり頃のルクセンブルクには、残念なことに音楽学校がなかったので、彼女の祖父(軍楽隊の楽長として活躍し、既に引退していた)が音楽理論やピアノ、ヴァイオリンの最初の手ほどきをしました。
 1906年に新しく音楽院が設立された時、ようやく歌とハーモニーの勉強をすることができましたが、結局のところ作曲技法については、満足に学ぶことができずに、彼女はほとんど独学でものにしたのです。初期の作品は歌やピアノ曲がほとんどでしたが、やがてオペレッタなども手がけるようになり、対戦中は楽譜を出版してくれるところを探しながら、ピアニストとしてサイレント映画の上演に同行し、また時には指揮者として登場するなど、活発な活動を続けました。
 また46年間に渡って母校のルクセンブルク音楽院でピアノを教えるなど後進の指導にも力を尽くしました。彼女の作品については、例えば「レジュール」序曲の冒頭では、まるでブルックナーやブラームスのような重厚な響きが使われていますが、そのうち愛らしいワルツが顔を見せはじめたりと、当時全盛を誇っていたヨハン・シュトラウスの影響を抜きにしては語れません。
 ここに収録されている作品も、ほとんどはワルツであり、どの曲もちょっとコケティッシュで甘い響きを持っています。1950年代から60年代には人気があったようなのですが、彼女の死後はすっかり忘れられてしまったというこれらのワルツ。もう一度蘇り、人々の心を明るくさせて欲しいものです。
 

8.573160
\1100
アルベニス:ピアノ作品集 第7集
 12の性格的小品集 Op.92(1888)/
  1.ガヴォット/2.シルヴィアへのメヌエット/
  3.舟歌(紺碧の空)/4.祈り/5.コンチータ(ポルカ)/
  6.ピラール(ワルツ)/7.サンプラ/8.パヴァーヌ/
  9.ポロネーズ/10.マズルカ/11.スタッカート(カプリッチョ)/
  12.朱色の塔(セレナータ)/
 13-15.ピアノ・ソナタ 第3番 Op.68(1886)
ヘルナン・ミラ(ピアノ)
録音 2013年11月8-9日 スペイン シウダ・レアル,コンセルバトーリオ・プロフェシオナル・デ・ムジカ「マルコス・レドンド」,アウディトリオ“マヌエル・デ・ファリャ”
 大好評、アルベニス(1860-1909)のピアノ作品集の第7集は初期の2つの作品です。
 26歳に書かれたピアノ・ソナタ第3番は彼の親友マヌエル・グェルボスに捧げられたロマンティックな作品です。古典的な形式に則った上で自由な対位法を駆使したメロディが飛翔する第1楽章、物憂げな第2楽章、熱狂的で活発な動きを持つ第3楽章と、聴き映えのするソナタとなっています。「12の性格的小品集」は有名な「朱色の塔」を含むサロン風の曲集です。どの曲も彼が教えていた子どもたちのために書かれたもので、演奏難易度はあまり高くないとされていますが、絶妙に味付けされた各々の作品の性格を丁寧に弾き分けるのは至難の業でしょう。
 第1曲目のガヴォットも、かわいらしい風情をしていますが、実際に演奏してみると内声の動きなどもあり結構難しいものです。随所に感じられるスペイン風味も存分に味わってみてください。
 


8.559755
\1100
ホヴァネス:交響曲 第48番「アンドロメダの幻影」Op.355
 1.前奏曲と四重フーガ Op.128(1936/1954改)/
 2-4.ソプラノ・サクソフォンと弦楽のための協奏曲 Op.344(1980)/
 5-8.交響曲 第48番「アンドロメダの幻影」Op.355(1982)
  ※5-8…世界初録音
グレッグ・バナスザック(ソプラノ・サクソフォン)…2-4/
イースタン音楽祭管弦楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
録音 2013年7月3-7日 US イースタン音楽祭,ダナ・オーディトリウム
 生涯に67曲の交響曲を始めとした400曲以上もの作品を残したアラン・ホヴァネス(1911-2000)。主な活動の地はアメリカでしたが、父はアルメニア系、母はスコットランド系とそのルーツは複雑であったことが知られています。
 彼の作品の多くは神秘的であり、天文学からの影響も強く受けています。彼はまた美の概念は年代を追って変わると主張していて、その作品にも独特な雰囲気が漂っています。
 このアルバムに収録された初期の作品「前奏曲と四重フーガ」はもともと二重フーガを書くように依頼されていたのですが彼自身の挑戦のために複雑なものを書いたのです。他には彼の作品の中で「最もロマンティックな」(彼の妻ひなこの言葉)サクソフォン協奏曲と巨大なアンドロメダ星雲に触発された交響曲第48番が収録されています。
 

8.571356
\1100
スタンフォードじゃないよ
 パトリック・スタンフォード:交響曲 第1番・チェロ協奏曲 他

 1-4.交響曲 第1番「四季-イギリスの1年」(1972)
  <第1楽章:春 Allegro deciso, risoluto/
   第2楽章:夏 Adagietto/第3楽章:秋 Scherzo/
   第4楽章:冬 Epilogue (Variations)>/
 5-7.チェロ協奏曲(1974)/
 8.幻想への前奏曲(ナイアドス)(1980)
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)…5-7/
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指揮)
録音 2011年11月23-24日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 「あれ?いつからスタンフォード(1939-2014)はこんなにキャッチーな作品を書いたのだろう?」と不思議に思い、作曲家の名前を見直したら“スタンドフォード”でした。と笑うに笑えない出会いをしてしまったのが、ほぼ10年前。あれは大人気を博した「クリスマス・キャロル交響曲」(8.557099)でした。それ以降、何となく気になっていた作曲家でしたが、今回は更に先鋭的な「交響曲第1番」とチェロ協奏曲をお届けいたします。
 スタンドフォードは南ヨークシャーの炭鉱地域で生まれ、幼い頃からBBCラジオで様々な音楽に親しんできました。エゴン・ヴェレシュやシェーンベルクの音楽に興味を抱き、やがてロンドンのギルドホール音楽学校で、エドムンド・ラッブラに師事します(すでに20世紀音楽に精通していた彼は、すぐれたアレンジャーとして活躍していたといいます)。
 第1交響曲は幾分実験的であり、彼が自らの作風の確立を目論んでいるときに書かれたもので、爆発的な力の放出と奇妙な静けさが同居している音楽です。
 チェロ協奏曲はブラームスの「ドイツ・レクイエム」からインスパイアされた音楽で、チェリストのウォルフィッシュに捧げられています。もともと交響曲第2番の楽章であった「幻想への前奏曲」は神話からエピソードを取ったもので、水の精への永遠の憧れを聴くことができます。
 

8.573079
\1100
リルバーン:弦楽四重奏曲 ホ短調 他
 1-3.弦楽四重奏曲 ホ短調(1946)/
 4-9.2台のヴァイオリンのための二重奏曲(1954)/
 10-12.弦楽三重奏曲(1945)/
 13-15.ヴァイオリンとヴィオラのためのカンツォネッタ
  <第1番 Semplice(1942)/
  第2番 Andante semplice(1943)/第3番 (1958)>/
 16.弦楽四重奏のための幻想曲(1939) ※16…世界初録音
ニュージーランド弦楽四重奏団
<メンバー:
ヘレン・ポール(第1ヴァイオリン)/
ダグラス・ベイルマン(第2ヴァイオリン)/
ジリアン・アンセル(ヴィオラ)/
ロルフ・ジェルステン(チェロ)>
録音 2012年7月26-28日 カナダ オンタリオ,トロント 聖アン教会
 ダグラス・リルバーン(1915-2001)はニュージーランドの現代作曲家です。創作の初期ではヨーロッパの後期ロマン派の作風に影響された音楽を書いていましたが、1950年代以降は、その作品に十二音音楽やセリエル音楽(十二音を更に発展させた形式で複雑なもの)を取り込み、1960年代以降は電子音楽を好んで作曲したという、興味深い人です。
 このアルバムには1940年代の作品が中心に収録されていて、比較的聴きやすい音楽という印象を受けるかもしれません。
 例えば「2台のヴァイオリンのための二重奏曲」は、民謡風であり、弦楽三重奏曲はシューベルトの影響を受けているとされています。「3つのカンツォネッタ」の第1番と第2番はシェークスピア劇のための音楽で、エリザベス朝の響きが回顧されています。第3番だけは書かれた時期が違いますが、こちらも郷愁にみちたゆるやかな音楽です。
 リルバーンが学生時代に書いた「幻想曲」はコンクールに参加するための作品で、中世イングランドの俗謡「西風」からの詩が添えれらた描写的な作品です。
 

8.573100
\1100
モンポウ:歌曲全集 第2集 ベッケル歌曲集/子守唄 他
 1.あいまいな歌(1926)/2.サン・マルティ(1961)/
 3.唖の子(1955)/4.シル河の砂金取り(1951)/
 5.市の日の歌(1949)/6.最初の一歩(1964)/
 7-14.子守唄(わらべ歌)
  <第1番:乳母車の上で(1926)/
   第2番:おしゃべりマーゴット(1926)/
   第3番:私は月で見た(1926)/
   第4番:アセリン、アセラン(1943)/
   第5番:パリから来た女の子(1943)/
   第6番:ピト、ピト、コロリト(1943)/
   第7番:フレデリック、ティク、ティク(1948)/
   第8番:かわいいナイチンゲール(1948頃)>/
 15.雲(1928)/16.勝利の歌(1949)/
 17.霧が降りてくるようにあなたを感じる(1944)/
 18.あなたは無限(1944)/19.アメリアの遺言(1938)/
 20.アヴェ・マリア(1957)/
 21-26.ベッケル歌曲集(1970)
  <第1番:今日、地も天も私に微笑む/
   第2番:目に見えぬ大気の粒が/
   第3番:私は燃える女、小麦色の女/
   第4番:私にはわかる/
   第5番:色黒のツバメたちは帰っていくだろう/
   第6番:大波>/
 27.最後の旅(1947)
マルタ・マテウ(ソプラノ)/
ホルディ・マソ(ピアノ)
録音 2013年12月7-8日 スペイン サンタ・コロマ・デ・グラメネト,アウディトリ'Can Roig i Torres'
 ピアノ曲で知られるモンポウ(1893-1987)ですが、彼はいくつかの素晴らしい歌曲も書いていました。全てを合わせても、ようやくCD2枚に収まってしまう分量なのですが、ここに描かれている世界の何と美しく豊穣なこと。カタロニア語、スペイン語、フランス語と使われる言葉は様々ですが、どの歌も、まるで雪の結晶のような幾多の形を持ち、ひんやりとした肌触りの中に熱い心が感じられるはずです。
 また、言葉遊びを駆使した「子守唄」の愛らしさはモンポウの意外な一面を見ることができるでしょう。
 スペインの国民的詩人と称されるグスタボ・アドルフォ・ベッケルの詩に曲をつけた「ベッケル歌曲集」は、あまり演奏される機会のない歌ですが、スペイン語の美しさを存分に生かした上で、官能的な詩に沿った艶かしくも美しい旋律に満たされた曲です。なんとも味わい深く、郷愁に満ちたこれらの歌曲。第1集と同じ顔ぶれでお聴きください。マテウの澄んだ声と、マソの的確なピアノが極上の調べを織り上げます。
 

8.573237
\1100
ジモン・マイール:オラトリオ「ラバンからのヤコブの逃亡」
 1.シンフォニア/2-17.第1部/
 18-31.第2部
  ※世界初録音
ラバン…シーリ・カロリーン・ソーンヒル(ソプラノ)/
レア…アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)/
ラケル…ガンヒルド・ラング=アルスヴィク(ソプラノ)/
ヤコブ…ジュリー・コンパリーニ(メゾ・ソプラノ)/
羊飼い…カタリーナ・ルックガーバー (ソプラノ)/
ジモン・マイール合唱団&アンサンブル/
セオナ・グッパ=チェクハイジェ(コンサート・マスター)/
フランツ・ハウク(指揮)
録音 2011年9月5-8日 ドイツ ノイブルク・アン・デル・ドナウ,コングレゲーションザール
 NAXOSが精力的にリリースを続けているジモン・マイール(1763-1845)の新作は、1791年にヴェネツィアで初演されたオラトリオ「ラバンからのヤコブの逃亡」です。
 この作品は旧約聖書のエピソードを元にして書かれています。
 ヤコブはヘブライ人の族長であり、現代のユダヤ人は全て彼の子孫とされています。
 ラバンは彼の母リベカの兄弟であり、ヤコブが双子の兄弟エサウと長子の権利を巡って争った際に、ラバンの元に身を寄せました。しかし、ラバンはヤコブを自分の美しい娘ラケルと結婚させると称して、7年間の労働を要求し、7年後にその条件を満たした時には、ラケルではなくもう一人の醜い娘レアと結婚させたのです。それに抗議したヤコブに言い渡した条件は「もう7年間働いたらラケルと結婚させる」という無茶なものでした。その上、ヤコブが帰郷したいと申し出た際も、それをうまく利用して家畜を増やすなど、もうヤコブとしては耐え切れず、果ては家族を連れてラバンの元から逃亡を図るのです。最終的にはラバンとヤコブは和解したというこの物語を、マイールは羊飼いという新しい人物を加えてオラトリオに仕上げました。
 演奏はいつものジモン・マイール合唱団とアンサンブル。そしてマイールにかけては右に出る者のないハウクが丁寧にまとめています。
 

8.573292
\1100
ロッシーニ:ピアノ作品全集 第7集 老いのいたずら 第1集 -
 第3集, 第10集, 第11集, 第14集より

 1-2.第1集「イタリアの歌のアルバム」より
  <第1曲:小四重唱曲「ゴンドラこぎ」/第12曲:小四重唱曲「散歩」>/
 3.アンダンティーノ・モッソ/
 4-6.第2集「フランスのアルバム」より
 <第1曲:小八重唱曲「新年に乾杯」/
  第6曲:クリスマス・イヴ(イタリア語による初稿版)/
  第12曲:民主的な猟師の合唱>/
 7.第14集「その他の老いのいたずら」より
  第3曲:ヴェネツィアの女-カンツォネッタ/
 8-12.第3集「控えめな小品」より
  <第1番:数小節の葬送歌:我が亡き友マイヤーベーアに/
  第4番:アヴェ・マリア/第6番:ティタネスの歌/
  第10番:カンテム:8声の模倣/第12番:感傷的なティロリエンヌ>/
 13-16.第10集「ピアノのための雑集」より
  <第1番:冗談前奏曲/第2番:三全音でどうぞ(上行と下行)/
  第3番:ちょっとした考え/第6番:小奇想曲(オッフェンバック風)>/
 17.第11集「声楽の雑集」より 第8番:清廉潔白なフーガ/
 18-20.第14集「その他の老いのいたずら」より
 <第2番:皇帝陛下万歳-3声のカノン・アンティサバン/
  第1番:今、空は暗くなってきた-4人のソプラノのためのパーペチュアル・カノン/
  第11番:ちょっとした音楽「ブリンディシ」>/
 21.第3集「控えめな小品」より 第7番:祈り/
 22.第11集「声楽の雑集」より
  第9番:憐れみ給え、聖母マリア「音楽への讃歌」
  ※3.5…世界初録音
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ&オルガン)/
アルス・アンティカ合唱団&コンソート/
マルコ・ベッリーニ(指揮)
録音 2013年9月25-27日 イタリア イヴレア,スタジオSMCレコーズ,バロック・ホール
 NAXOSの人気シリーズとしてだけでなく、知られざるロッシーニ(1792-1868)の姿を追うための資料としての価値も高い、この「老いのいたずら」の一連のリリースの第7集は、声楽を含む作品集です。
 トラック3の「アンダンティーノ・モッソ」とトラック5の「クリスマス・イブ」の初稿版は最近発見された原稿に基づくもので、これが世界初録音となります。
 第1集はイタリア語によるもので、さすがオペラ作曲家!といえる絶妙な歌曲です。第2集はとても個人的な曲で、8人の歌手によって歌われます。
 第14集は彼の死後に纏められたもの。マイヤベーアへのオマージュを含む第3集は単なる「控えめ」な作品集ではありません。第10集はピアノ曲。特に第6番の「オッフェンバック風」は当時大好評であったことでしょう。
 第11集と第1」まで、本当にヴァラエティ豊かな作品を楽しむことができるのです。
 


8.573361
\1100
ブロトンス:ウィンド・バンドのための音楽集
 1-5.交響曲 第6番「コンサイス」Op.122(2011)
 <第1楽章:正面から/第2楽章:行進/第3楽章:スケルツォ/
  第4楽章:パッサカリア/第5楽章:フィナーレ>/
 6-8.復活 Op.31(1982)
 <第1楽章:戦争と敗北/第2楽章:沈黙と砂漠/第3楽章:再生と希望>/
 9.交響的楽章 第7番「オブスティネシー-頑固に」 Op.56
  (シンフォニック・バンド版)(1991/2013改)/
 10.移民のバラード-カタロニア民謡による変奏曲 Op.105bis(2008)
バルセロナ・シンフォニック・バンド/
サルバドール・ブロトンス(指揮)
録音 2013年6月17-22日 バルセロナ ラウディトリ、テテ・モントリウ・ホール
 バルセロナ生まれの現代作曲家ブロトンスの吹奏楽作品集です。
 彼の作品は、破滅と再生をモティーフにしたものが多く、前作の交響曲第5番「我らの世界」(8.573163)も壮大なテーマを内包したものでしたが、今回の「復活」はそれ以上に強いメッセージを持った作品です。
 これはブロトンス(1959-)の最初の吹奏楽作品で、書かれた時期は初期のものですが、彼の作品の中でも一番演奏されている曲の一つといえるでしょう。緊張に満ちた戦いの場面から、ゆったりと再生していく希望と平和を描いた場面のコントラストが美しい絵画のような作品です。
 交響曲第6番も吹奏楽のための作品で、タイトルの「コンサイス」とは簡明、簡潔の意味を持ち、全曲も比較的短くきっぱりとした風情を有しています。これは2012年のバレンシアにおけるバンドコンテストの自由曲として作曲されました。「オブスティネシー」はその名の通り、しつこく絶え間ないリズムの反復が特徴的です。最後の「移民のバラード」はカタルーニャの民謡がスペインの民族楽器テノーラ(オーボエの一種)で美しく印象的に奏され、以降様々に形を変えて歌われていきます。


ブロトンス、前作の交響曲第5番「我らの世界」 


8.573163
\1100

ブロトンス:交響曲 第5番 他
 1-4.交響曲 第5番「我らの世界」Op.117(2010)
  <力、窮乏、野望/瞑想1.偽善/瞑想2.暴力と"エゴ"の成長/
  憂鬱な嘆き、希望、向上と逸出>/
 5-7.オーボエ協奏曲 Op.115(2009-2010)
  <序曲/子守歌/タランテラ>/
 8-11.弦楽オーケストラのための4つの小品-組曲 Op.14(2010年改編版)
  <エレジー/フモレスケ/夜想曲/舞曲> ※世界初録音
ハビエル・アルナル・ゴンザレス(オーボエ)…5-7/
パルマ市バレアレス交響楽団/
サルバドール・ブロトンス(指揮)
録音 2011年9月12-16日 Auditori del Conservatori Superior de Musica de les Illes Balears, Palma de Mallorca,
 バルセロナの音楽一家に生まれ、父からフルートを学び、バルセロナ音楽院でフルートと作曲を学んだブロトンス(1959-)。1985年にフルブライト奨学金を授与されフロリダ州立大学に留学、やがて作曲家として125以上の作品を創り、これらは様々な賞を受賞するなど高く評価されています。また1991年からはバンクーバー交響楽団の音楽監督、指揮者として活躍、他にもいくつもの交響楽団と素晴らしい仕事をしています。
 そんな彼の交響曲第5番は、私たちの現代の世界を描いた問題作です。4つの楽章には、どれも「人間の弱点」が描かれ尽くされ、曲の最後にようやく希望が見出されるというもので、聴いていて何となく落ち着かなくなるのは、まあ、仕方のないことなのかもしれません。
 穏やかさと皮肉さが同居する「オーボエ協奏曲」は一瞬プーランクの軽妙な世界を彷彿させることでしょう。17歳の時に初稿を書いた「4つの小品」は、スペイン国立管弦楽団主催のコンクールで受賞した作品。彼の名を高めるきっかけとなった躍動感あふれる音楽です。


ONDINE



ODE-1198
\2400→\2190
ジョルジェ・エネスク:交響曲 第1番&チェロと管弦楽のための協奏交響曲
 1-3.チェロと管弦楽のための協奏交響曲 変ロ短調 Op.8
  <Assez lent-/Assez lent-/Majestueux>/
 4-6.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.13
  <第1楽章:Assez vif et rythme/
   第2楽章:Lent/第3楽章:Vif et vigoureux>
トルルス・メルク(チェロ)…1-3/
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2013年9月20-21日…4-6, 2014年6月6-7日…1-3 フィンランド タンペレ・ホール
 ハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによるジョルジェ・エネスク(1881-1955)の交響曲シリーズの最終巻は、彼の若いときの作品である交響曲第1番と、同じく初期の作品「協奏交響曲」です。独奏チェロとオーケストラのための「協奏交響曲」は20歳、交響曲第5番は25歳の時に書かれたもので、どちらも若々しいエネルギーを放出する輝くばかりの作品です。
 もちろん、当時のエネスクは既に何曲もの大作をものにし、作曲家としての印象的なキャリアを構築していました。印象的なファンファーレで勇猛果敢に始まる交響曲第1番は、確かにワーグナーやブルックナーなどの先人の影響が存分に感じられますが、何より若さゆえの直線的な表現が好ましいものです。
 チェロのメロディが物悲しい協奏交響曲でソロを担っているのは名手トルルス・メルク。単一楽章ですが、刻々と移り変わっていく曲想が美しい作品です。


第1・2弾

ODE-1196
\2400→\2190
ジョルジュ・エネスク:交響曲第2番&室内交響曲
 1-4.交響曲第2番Op.17/
 5-8.12の楽器のための室内交響曲Op.33
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
 タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団と、芸術監督ハンヌ・リントゥによる、ルーマニアの大作曲家エネスク(1881-1955)のシリーズが始動します。
 20世紀最大の作曲家でありながらも、その業績はほとんど知られることのないジョルジュ・エネスク(エネスコ)。彼は偉大なるヴァイオリニストでもあり、またルーマニアの民族音楽の研究家としても素晴しい足跡を残しています。彼の作品は概ね、民族色の濃いものであり、調性感を超越した心の根源に迫る音楽が多いのですが、このアルバムに収録された「交響曲第2番」は、(初演時こそ「前衛的過ぎる」と非難を受けたものの)実際に聴いてみると、まるでドイツの後期ロマン派の音であり、まだまだ発展途上にあった若き作曲家の息吹きを感じさせるものです。
 かたや1954年に作曲された「室内交響曲」は、ピアノを含む12の楽器が深淵なハーモニーを奏でるという、思いの他美しい曲。晩年のエネスクの心情が伝わってくるかのようです。
 録音 タンペレ・ホール 2011年8月24日…5-8, 2012年1月3-5日…1-4
  

ODE-1197
\2400→\2190
ジョルジェ・エネスク:交響曲 第3番 他
 1.ルーマニア民謡による演奏会用序曲 イ長調 Op.32/
 2-4.交響曲 第3番 ハ長調 Op.21
  <第1楽章:モデラート・ウン・ポコ・マエストーソ/
   第2楽章:ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ/
   第3楽章:レント・マ・ノン・トロッポ>
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団(第3楽章のみ)/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2011年8月25日 フィンランド タンペレ・ホール
 同じくエネスクの交響曲第2番(ODE1196)で素晴らしく色彩的な演奏を披露したハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによる「交響曲第3番」と「ルーマニア民謡による演奏会序曲」の2曲です。まだロマン派の香りを残していた第2番に比べると、この第3番はかなり独自性が現れていると言えるでしょう。決して肥大した響きを用いているわけではないのですが、冒頭のたっぷりとした弦の調べに誘われ、少しずつ音が積み重なっていく様子はとても美しく、また第3楽章では合唱も加わり(歌詞はない)一層神秘的な雰囲気が高まります。
 この作品が書かれた1910年〜1920年の頃は、激動の時代であり、音楽様式もめまぐるしく変化したのですが、このエネスクの交響曲は、ある意味時代を超越した清々しい美しさを湛えたもので、幾分ドビュッシーを思わせながらも、孤高の世界に浸っているものです。1948年に作曲された「演奏会用序曲」は、賑やかで楽しい作品です。

 


ODE-1253
\2400→\2190
ベンヤミン・シュミット&リサ・スミルノヴァ 〜ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ヴァイルを弾く
 1-14.ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975):前奏曲集 Op.34
  (D.ツィガーノフによるヴァイオリンとピアノ編)から
  <第24番ニ短調/第2番イ短調/第6番ロ短調/
   第10番嬰ハ短調/第12番嬰ト短調/第13番嬰ヘ長調/
   第15番変ニ長調/第16番変ロ短調/第17番変イ長調/
   第18番ヘ短調/第19番変ホ長調/第21番変ロ長調/
   第22番ト短調/第20番ハ短調>/
 15-34.セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953):つかの間の幻影 Op.22
  (V.デレヴィアンコによるヴァイオリンとピアノ編)/
 35-41.クルト・ヴァイル(1900-1950):「三文オペラ」から7つの小品
  (S.フレンケルによるヴァイオリンとピアノ編)
   <マック・ザ・ナイフのバラード/墓穴からの叫び/
    良き人生のバラード/ポリーの歌/タンゴ・バラード/
    海賊の旅/キャノン砲の歌>
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)/
リサ・スミルノヴァ(ピアノ)
録音 2013年6月 オーストリア ゴールデック城
 オーストリアの名ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットのONDINE第3弾リリースはショスタコーヴィチとプロコフィエフ、そしてヴァイルという斬新な作曲家たちの組み合わせ。
 これらの曲の原型は全て1910年台から1920年代に書かれたもので、この時代における音楽の多様性(ロマン派から近代へと移り変わる頃)と調性やリズムが崩壊していく様子をじっくりと楽しむことができるという趣向になっています。
 どの曲も元々はピアノ独奏であったりオペラであったりですが、これを他の作曲家がピアノとヴァイオリンのために移し替えまた違った風景を醸し出しているところが面白いものです。
 ピアノを演奏しているスミルノヴァはシュミットと20年以上に渡って共演してきた人であり、ここでも息のあった音楽を奏でています。

OPUS ARTE(CD)


OACD9008D
(3CD)
\4800
アゴスティーノ・ステッファーニ:
 歌劇「テーベの女王、ニオベ」全曲
ニオペ…ヴェロニク・ジャンス(メゾ・ソプラノ)/
アンフィオーネ…ヤチェク・ラシュコフスキー(メールソプラノ)/
ネレア…デルフィーヌ・ガルー(アルト)/
クレオンテ…イェスティン・ディヴィス(カウンターテナー)/
クレアルテ…ティム・ミード(カウンターテナー)/
ティベリノ…ロター・オディニウス(テノール)/
マント…アマンダ・フォーサイス(ソプラノ)/
ティレシア…ブルーノ・タッディア(バリトン)/
ポリフェルノ…アラステア・マイルズ(バス)/
バルタザール=ノイマン・アンサンブル/
トーマス・ヘンゲルブロック(指揮)
録音 2010年9月27-29日 ロイヤル・オペラ・ハウス
 イタリアのバロック時代の作曲家、オルガン奏者。そして外交官、カトリックの聖職者であったステッファーニ(1653-1728)。ドイツだけでなくイギリスでもヘンデルを庇護、またロンドン古楽アカデミーの終身名誉総裁に選ばれるなど、幅広い活躍をした人ですが、現在、その作品のほとんどは失われてしまっています。
 このオペラ「ニオベ」もそんな作品でしたが、今回、名手ヘンゲルブロックの尽力により華やかに甦りました。この2010年の上演ではタイトル・ロールにヴェロニク・ジャンスを起用、魅力的で素晴らしい人物像を創り上げました。
 またメールソプラノ(男性ソプラノ)ヤチェク・ラシュコフスキーの強烈な存在感も、この演奏に刺激的な面白さを与えています。バロックオペラ好きにはたまらない全集となることでしょう。

OACD9030D
\2700
マシュー・マーティン:ユビラーテ・デオ 〜宗教作品集
 1.Jubilate Deo-ユビラーテ・デオ(2013)/
 2.祝祭頌歌:その年ウジア王が逝去された(私は主を見た)(2012)/
 3.Christe redemptor omnium-すべての者の救い主なるキリストよ(2005)/
 4-7.チェスター・ミサ・ブレヴィス(2013)
  <キリエ/グローリア/サンクトゥス&ベネディクトゥス/アニュス・デイ>/
 8.Te lucis ante terminum-光よ、おまえの消える前に(2013)/
 9-10.聖ジョン大学の祈り(2011)
  <マニフィカート/ヌンク・ディミティス>/
 11.Justorum animae-神に従う人の魂は(2003)/
 12.Dormi, Jesu!-お休みなさい、イエス様(2013)/
 13.アンブロースへの讃歌(2013)/
 14-17.聖ドミニクのための短いミサ(2012)
  <キリエ/グローリア/サンクトゥス&ベネディクトゥス/
   アニュス・デイ/新しいイェルサレムへの歌(2011)>/
 19.詩篇第150番「Laudate Dominum」-主をほめたたえよ(2014)
  ※1.8.9.10.12-19…世界初録音
オックスフォード,マグダレン大学合唱団/
スティーブン・ファール(オルガン)/
ダニエル・ハイド(指揮)
 マグダレンカレッジとオックスフォード英国王立音楽院で学んだ、英国有数の合唱作曲家マシュー・マーティン(1976-)。彼の作品は著名な…BBCシンガーズ、ウェストミンスター寺院、セントポール大聖堂、チェスター大聖堂などのアンサンブルで頻繁に演奏され、またこれらの団体から新しい作品の委嘱も受けています。
 作曲家としての仕事に加え、オルガニストとしても活躍する彼は2004年から2010年まではウェストミンスター大聖堂のアシスタント・マスターを務め、またオックスフォード、カンタベリー大聖堂での役職も歴任するなど、その活躍はとどまるところを知りません。
 このアルバムに収録された宗教作品は、伝統を重んじながらも、モダンな感覚を取り入れた21世紀の宗教曲にふさわしいものばかり。新鮮な感動をお届けいたします。

ORLAND RECORDS

OR-10
\2100
Crossing Borders
 1-8.ヨハネス・ブラームス(1833-1897):
  8つの小品 Op.76(1878)
  <奇想曲 嬰へ単調/奇想曲 ロ短調/間奏曲 変イ長調/
   間奏曲 変ロ長調/奇想曲 嬰ハ短調/間奏曲 イ長調/
   間奏曲 イ短調/奇想曲 ハ長調>/
 9-11.クロード・ドビュッシー(1862-1918):映像 第1集(1905)
  <水に映る影/ラモーを讃えて/運動>/
 12-17.エゴン・ヴェレシュ(1885-1974):6つの小品 Op.26(1919)
  <静かに/モデラート/レント/アレグレット/アダージョ/力強く>/
 18-20.エゴン・ヴェレシュ:3つのダンス Op.10(1912)
ユージェニー・ルッソ(ピアノ)
録音 2000年8月 アントン・ブルックナー・プリヴァトゥニヴェルシテット 大ホール
 1954年生まれのベテランピアニスト、ユージェニー・ルッソ。彼女は以前、クララ・シューマンのピアノ曲と、コープランドのピアノ曲という、両極端なレパートリーを録音している人です。今作ではブラームスからエゴン・ヴェレシュまでのロマン派から近代に渡る小品を集めた1枚で、作品ごとに表情を変化させながら各々を弾き分けています。
 1曲1曲が味わい深いブラームスの後期の小品集、まるで絵画を見ているようなドビュッシーの「映像」、そして不確定な要素が却って面白いヴェレシュの「6つの小品」(ブラームスの作品と比べてみてください)、そして最後に置かれた同じくヴェレシュの「ダンス」。崩壊していく調性や躍動的なリズムなど、時代が要求するものをみたしつつ、音の本質を追求していくことで制約を乗り越えていったこの時代の音楽の一端を覗き見できるような1枚です。
  
OR-11
\2100
ルシエ・ジャコヴァ:ルネサンスの音楽集
 1.作者不詳:イントラーダ/
 2.ジョン・ブル(1563-1628):スペインのパヴァン/
 3.作者不祥:ガリアルダ(1593)/
 4.作者不詳:ガリアルダ/
 5.クロード・ジェルヴェーズ(1525-1560):シャンパーニュのブランル(オルガン編)/
 6.ジェルヴェーズ:ブランルの組曲-シャンパーニュのブランル/
 7.作者不詳:ブランル・ゲイ/
 8.作者不詳:ラ・ミ・レの上で/
 9.作者不詳:ブロウカーリー婦人のドンプ/
 10.ジェルヴェーズ:ダンスリー 第6巻-ガリアルド/
 11.ベルンハルト・シュミット(1535-1592):美しき英国風の舞曲/
 12.クローダン・ド・セルミジ(1490-1562):花咲く日々に活きるかぎり/
 13.伝承:花咲く日々に活きるかぎり/
 14.ヤコプ・ペ(1556-1623):ウンガレスカとサルタレロ/
 15.ピエール・アテニャン(1494-1552):バス・ダンス-トルディオン/
 16.作者不詳:おもちゃ/
 17.ジャイルズ・ファーナビー(1563-1640):ファーナビーの夢/
 18.ファーナビー:急速/
 19.ファーナビー:ユーモア/
 20.ファーナビー:ファーナビーの自負/
 21.作者不詳:舞曲/
 22.ハンス・ノイジトラー(1508-1563):ユダヤの踊り/
 23.ウィリアム・バード(1540-1623):鐘/
 24.ジェルヴェーズ:イギリス風バヴァーヌとガイヤルド/
 25.アテニャン:エイミーは私に名をつける/
 26.アテニャン:4手によるバス・ダンス/
 27.ヤン・スウェーリンク(1562-1621):ヴォルテ/
 28.作者不詳:ガイヤルド/
 29.シェルヴェーズ:ブランル/
 30.スウェーリンク:ヘクサコード・ファンタジア/
 31.アテニャン:われら神であるあなたを讃えん/
 32.クリストフ・コルベルク(1572-1619):誰が道を通るのか/
 33.クレマン・ジャヌカン(1485-1558):この5月/
 34.シュミット:Wie schon Bluet uns der Maye/
 35.ティールマン・スザート(1510-1570):ロンドとサルタレッロ
ルシエ・ジャコヴァ(オルガン・歌)/
フィリップ・ルコセ(ドラム・オルガン)/
カルロス・アルトゥーロ・ゲッラ・パッラ(ドラム・タンブーラン)
録音 2011年8月 フランス Eglise Notre-Dame de la Nativite, Rozay-en-Brie
 チェコの若きオルガニスト、ルシエ・ジャコヴァによる興味深い1枚です。ここで演奏されているのはルネサンス期の珍しいレパートリーで、曲によっては歌や太鼓も用いられるという、とても楽しい音色が溢れています。
 作者不詳の曲も多いのですが、15世紀から16世紀にかけて、こんな曲が巷で流行していたと思うと嬉しくなってしまいます。若干舌足らずなジャコヴァの歌もなかなかチャーミングです。
 演奏されているオルガンはフランスにおける歴史的銘器であるロゼ・オン・ブリ教会のもの。熟成された音色が楽しめます。
  
OR-12
\2100
アシュケナージ・ジュニア
 Night Thoughts 〜独奏クラリネットのための作品集

 1-3.リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):ソナチネ(1983)/
 4.ピーター・ベナリー(1934-):クァドリベット(1975)/
 5.マルコ・トゥッティーノ(1954-):主題と変奏(1991)/
 6-8.ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):ソナタ Op.110/
 9.デニス・カム(1942-):ミックス・ファイヴ/
 10-12.ポール・ハーヴェイ(1935-):
  ガーシュウィンの主題による3つの練習曲(1975)/
 13-14.ミクロシュ・ロージャ(1907-1995):ソナチネ Op.27(1957)/
 15.作者不詳:Cumha craobh nan teud
ディミトリ・アシュケナージ(クラリネット)
録音 1996年3月8.9日,2007年1月30日,2014年3月3日 USA ガスマン・コンサート・ホール/スイス シュプバッハ・スタジオ
 名ピアニストのウラディーミル・アシュケナージの次男であるディミトリは、早くから音楽的才能を発揮、最初はピアノを学んでいましたが、10歳の時にクラリネットに転向し、ルツェルン音楽院を卒業後は数々のオーケストラと共演し、また室内楽の分野でも輝かしい成果を収めています。
 このアルバムは、彼がただ一人で挑む「独奏クラリネットのための作品集」で、その変幻自在な音色と表現力を余すことなく見せ付けています。26歳の時の演奏から、最近の演奏までが収録されており、彼の成長ぶりを味わうのもステキです。

OUR RECORDINGS


6.220608
(SACD-Hybrid)
\2300
アクセル・ボロプ=ヨアンセンのパーカッションの宇宙
 アクセル・ボロプ=ヨアンセン(1924-):
  1.ソロ Op.88/
  2.パーカッション+ヴィオラのための音楽 Op.18/
  3.春 Op.97/4.迂言法 Op.156/5.冬の音楽 Op.113-1
ゲルト・モーテンセン(パーカッション…1.4.5&指揮…2)/
ティム・フレデリクセン(ヴィオラ)…2/
パークラマ・パーカッション・アンサンブル…2/
デュオ・クロスファイア…3/
ミカラ・ペトリ(リコーダー)…4/
デンマーク国立交響楽団ブラス・クィンテット…5
録音 デンマーク王立音楽大学コンサート・ホール
 デンマークの現代作曲家ボロプ=ヨアンセンは、ミカラ・ペトリの師匠であり30年来の友人です。
 もちろんOUR Recordingsレーベルには縁が深く、以前も「リコーダー作品全集」8.226910がリリースされています。ほとんど独学で作曲法を学んだというヨアンセンですが、その作品からは様々な世界が垣間見え、豊かな想像力が感じられるものです。
 パーカッションと一口に言っても、ここで使われている楽器は多彩であり、金属、木材、皮革などあらゆる素材から発する音が集結し、目も眩むような宇宙を遊泳することができるはずです。
 

6.220610
(SACD-Hybrid)
\2300
アルカンジェロ・コレッリ:ラ・フォリア
 1.ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.5-12「ラ・フォリア」/
 2-5.ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.5-7/
 6-9.ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.5-9/
 10-13.ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.5-11/
 15-18.ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.5-8/
 19-23.ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.5-10
  ※全てリコーダーとチェンバロ編
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
録音 2014年5月5-8日 デンマーク コペンハーゲン,ガルニソンズキルケン
 バロック期における最も重要な作曲家の一人、アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)は新しいヴァイオリン奏法を生み出し、彼の器楽作品は室内楽の歴史に大きな影響力を及ぼしました。
 これは本当に想像を絶するものであり、彼の作品の写譜はイタリアだけでなくサンクトペテルブルク、ストックホルムなど遠方でも発見されています。
 J.S.バッハも彼の作品を研究し、ヴィヴァルディも彼から強く影響を受けています。彼の作品の中で最も良く知られているのがヴァイオリン・ソナタ「ラ・フォリア」でしょう。
 これは15世紀末のポルトガル、もしくはスペインを起源にする音楽の形式で、もともとは言葉の意味「狂気」の通り、激しい音楽であったものが、少しずつ憂いを帯びた曲調に変化し、次第に変奏曲形式で演奏することが広まったとされています。
 ミカラ・ペトリはこのヴァイオリンのための曲を見事にリコーダーに移し替え、巧みに演奏しています。

6.220611
(SACD-Hybrid)
\2300
UK DK
 1-3.マルコム・アーノルド(1921-2006):ソナチネ Op.41(1962)/
 4-5.ヘンニング・クリスティアンセン(1932-2008):時は春 Op.56(1970)/
 6-9.ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):
  リコーダーとハープシコードのためのソナチネ(1983)/
 10-12.ヴァーフン・ホルンボー(1909-1996):ソナタ Op.145(1980)/
 13.ダニエル・キダン(1986-):トゥールビヨン(2014)/
 14-19.ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):アルプス組曲(1955)
  <ツェルマットへ到着/スイスの時計/保育園の坂道/
   アルプスの情景/常動曲:ピストの下で/ツェルマットよ、さようなら>/
 20.アクセル・ボロプ=ヨアンセン(1924-2012):幻想曲 Op.75(1988)/
 21.ゴードン・ジェイコブ:ミカラへのアンコール(1983)
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
録音 2014年10月22-25日 デンマーク コペンハーゲン,ガルニソンズキルケン
 ハープシコードとリコーダー、そしてイギリスとデンマーク。各々の2つの要素を見事に結び合わせた好企画盤です。
 もともとは「ミカラ・ペトリがデンマークに住み、マハン・エスファハニがイギリスに住んでいた」ことから始まったプロジェクトでしたが、なかなか興味深い曲が並ぶ面白い1枚が出来上がったようです。
 ブリテンの「アルプス組曲」はもともとリコーダー三重奏のための作品ですが、リコーダーとチェンバロのために編曲。これがまた絶妙な味付けとなっています。

PALADINO



PMR-33
\2100→\1890
ウィーン美術史美術館コレクション
 クラヴィオルガヌムの音楽

 1.モーツァルト(1756-1791):幻想曲 ニ短調 K397(K385g)/
 2-4.ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー(1736-1809):
  オルガンのための12の新しい前奏曲から
   <第4番/第1番/第6番>/
 5.フェルディナント・カウアー(1751-1831):
  鍵盤のための軍楽ソナタ「Vorstellend Die Eroberung Oczakow」より
   ラルゲット/
 6.ベートーヴェン(1770-1827):前奏曲 ヘ短調 WoO55/
 7.ベートーヴェン:前奏曲 Op.39-1/
 8.ベートーヴェン:前奏曲 Op.39-2/
 9.C.P.E.バッハ(1714-1788):幻想曲 ハ短調 Wq63.6/
 10.モーツァルト:
  グラスハーモニカのためのアダージョ ハ長調 K356(617a)/
 11.ヨーゼフ・プラインドル(1756-1823):ピアノのための幻想曲 Op.20から
  アダージョ
トーマス・シュメクナー
 (クラヴィオルガヌム=1785年ウィーン,
  フランツ・クサヴァー・クリストフ製 Inv.-Nr. SAM 625)
録音 2004年10月12-15日 古楽器博物館
 “クラヴィオルガヌム”というのは、一段の鍵盤でありながら2種の楽器の音が出る複合鍵盤楽器です。チェンバロ+オルガン、クラヴィコード+オルガン、フォルテ・ピアノ+オルガンなどの組み合わせがあり、16世紀から18世紀に数多く製作されました。
 この当時、様々な楽器が考案されましたが、その中でもかなりユニークであり、かつ重用されたのですが、いつしか時代とともに衰退してしまったのです。
 このアルバムは、当時の巨匠たちの作品を通じて、大切に保存されてきたこの楽器の魅力的な音を聴くものです。
 

PMR-50
\2100
モーツァルト:(再)創造
 1-2.歌劇「魔笛」K620から<私は鳥刺し/何と素晴らしい音だろう>/
 3-5.二重奏曲 K423/6.アレグロ ハ長調/
 7.ロンドンの音楽帖から K Anh109b-1(K15a)/
 8.メヌエット ト長調 K1(1e)/9.メヌエット ヘ長調 K2/
 10.アレグロ 変ロ長調 K3/11.アンダンテ ヘ長調 K6/
 12.メヌエット ニ長調 K7/13.無題 K15hh/14.無題 K33b/
 15-17.二重奏曲 変ロ長調 K424/
 18-19.歌劇「魔笛」K620から
  <恋人か女房が/なんと魔法の音は強いことか>
エリック・ラム(フルート)/
マルティン・ルンメル(チェロ)
録音 2014年9月24-25日 オーストリア ケフェルマルクト,シュロス・ヴァインベルク
 以前リリースされた「バッハ(再)創造」(PMR-39)に続くフルーティスト、エリック・ラムの試みはモーツァルト(1756-1791)の作品の再構築です。ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏をはじめ、少年モーツァルトが書いたメヌエットなど微笑ましくも見事な作品群、そして、どんな楽器で演奏してもぴったりはまる「魔笛」の名アリアなどが楽しく、そして丁寧に演奏されています。
 今回もラムとルンメルの息はぴったりであり、モーツァルトの音楽の新しい可能性を示唆しています。
 


PMR-56
\2100→\1890
ウィーン美術史美術館コレクション
 シュランメルのヴァイオリン

 1.フィリップ:ファールバッハ(1815-1885)/ヨハン・シュランメル編曲:
  流体ギャロップ/
 2.ヨハン・シュランメル(1850-1913):ウィーンのホイリゲ舞曲/
 3.ヨハン・シュトラウス II(1825-1899)/ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編曲:
  愛の歌(ワルツ)/
 4.レオポルト・ケーニヒシュテッター/ヨハン・シュランメル編曲:
  アルトレングバッハの思い出(ワルツ)/
 5.ヨハン・シュトラウス II/ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編曲:
  よちよち歩きのポルカ/
 6.ヨゼフ・ランナー(1801-1843)/J・ランナー&G・ドラハネク編曲:
  新ウィーン・レントラー/
 7.アレクサンダー・カッツェンベルガー/ヴァルター・ヴァッサーフォーゲル編曲:
  ハロー・ダ・サン・マ・ムンター/
 8.ヨハン・シュランメル:おしゃべり(フランス風ポルカ)/
 9.ヨハン・シュムッツァー:シュムッツァー舞曲/
 10.ヨゼフ・ランナー:ペストのワルツ Op.93/
 11.ヨハン・シュランメル:音楽による色彩の戯れ/
 12.カール・ミヒャエル・ツィーラー(1843-1922)/ヨゼフ・シュランメル(1852-1895)編曲:
  ランデヴー(フランス風ポルカ)
フィルハルモニア=シュランメルン・ウィーン
<メンバー:
 マルティン・クービク&
 アンドレアス・グロスバウアー
 (ヴァイオリン=1883年頃、
  ウィーン、カール・ツァッハ製(inv.no.SAM 1087 & 1089))/
 ハインツ・フロマーダ
  (コントラギター=20世紀初頭、
   ウィーン、ヨゼフ・スウォジル製)/
 ハンネス・モーダー
  (ハイG・クラリネット=
   20世紀終盤、ドイツ、ヘルベルト・ヴュルリツァー/
   フランク・ハマーシュミット製)/
 ギュンター・ハウマー
  (ボタン式アコーディオン=
  1904年、ウィーン、カール・ブドヴィツ製)>
録音 2008年2月28日-3月1日 古楽器博物館
 シュトラウス王朝が栄えている間、ウィーンの宮廷ではシュランメル兄弟の作品はほとんど流行していませんでした。
 しかし彼らが主に活動していたのはホイリゲ(ワイン居酒屋)や宿屋であり、ここで大きな人気を博したのです。彼らの演奏時の編成におけるは、2本のヴァイオリン(フィドル)、コントラギター、クラリネット、そして時にはボタン式アコーディオンという変則的なもので、この独特な音色が聴衆を泣かせたのでしょう。
 このアルバムでは当時使われていた楽器を用いた、まさに「その時代」をそのまま切り取ってきた演奏で、これがまた心を刺激する音楽なのです。


旧譜
PALADINO ウィーン美術史美術館コレクション

Clara Schumann’s Piano
PMR-28
\2100→\1890
クララ・シューマンのピアノ
 1.音楽の夜会 Op.6-1:トッカータ/
 2.音楽の夜会 Op.6-2:ノットゥルノ/
 3.即興曲 ト長調「ウィーンの思い出」Op.9/
 4-7.ピアノ・ソナタ ト短調/8-10.3つのロマンス Op.11/
 11-14.4つの束の間の小品 Op.15/15.3つのロマンス Op.21-1 イ短調
オイゲニーエ・ルッソ(ピアノ…Johann Baptist Streicher &
Sohn, Wien, 1868, inv.-Nr.SAM 634)
 現在、ウィーンの美術史美術館にコレクションされているこのピアノは、1870年1月19日にムジークフェラインの室内楽ホール「ブラームス・ザール」のオープニングで演奏したものです。非常に美しい装飾が施された小ぶりのピアノからは、想像通りの、上品で奥ゆかしく表情豊かな音色が紡ぎ出されます。
 もちろん選ばれている曲も全て彼女自身の作品。作曲家としても素晴らしい才能を有していた彼女だけあって、どの曲も濃密な情感に満ちた美しく優しい風情を見せてくれます。
 
Jakob Stainer’s Instruments
PMR-34
\2100→\1890
ヤコプ・シュタイナーの楽器
 1-3.ビーバー(1644-1704):技巧的で楽しい合奏-パルティータ 第6番 ニ長調/
 4-8.ウィリアム・ヤング(1610-1662):ヴィオラ・ダ・ガンバのための小品/
 9-13.ビーバー(1644-1704):バレット/
 14.D.ガブリエリ(1659-1690):
  無伴奏チェロのためのリチェルカーレ 第3番 ニ長調/
 15.D.ガブリエリ:無伴奏チェロのためのリチェルカーレ 第2番 イ短調/
 16.ビーバー:パッサカリア ト短調
マリア・バーダー=クビツェク(バロック・ヴァイオリン)…1-3.16/
アニタ・ミッテラー(バロック・ヴァイオリン)…1-3.9-13/
クリストフ・コワン(バロック・チェロ)…1-8.14.15./
ゴードン・マレイ(オルガン)…1-3
録音 2003年5月8-12日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ

 2004年に4000円近い価格でウィーン美術史美術館から取り寄せていたあの幻の名盤が復活。

 ヴォルフルの弦楽四重奏曲集(pmr0023)に続くウィーン美術史美術館とのコラボレーションから生まれたアルバムです。ここでも、これらの楽器を演奏するのはコンンチェントゥス・ムジクスのメンバーからなるモザイク弦楽四重奏団。冒頭のビーバーから華麗でぬくもりのある響きがはじけます。
 トラック16のパッサカリアは、あの「ロザリオのソナタ」の最終部分であり、バッハのシャコンヌに匹敵する独奏ヴァイオリンのための名作です。何とも切なく響き渡るヴァイオリンの音色には、思わず背筋がぞくぞくするほどの興奮を感じることでしょう。200年以上の時を経て奏でられる美しい音色をお楽しみください

 
Leopold Mozart’s Violin
PMR-40
\2100→\1890
レオポルド・モーツァルトのヴァイオリン
 1-2.ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
  ヴァイオリン・ソナタ 第22番 イ長調 K305/
 3-5.モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第23番 ニ長調 K306/
 6-7.モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第21番 ホ短調 K304/
 8-10.モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第32番 変ロ長調 K454
マリア・バーダー=クビツェク(ヴァイオリン)/
リチャード・フラー(ピアノ)
録音 2013年1月13-18日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ
 ウィーン美術史美術館とのコラボレーション・アルバム。こちらはモーツァルトの父、レオポルドが所有していたヴァイオリンと、1794年製のスタインのフォルテピアノの競演です。1778年に書かれた21番から23番の3つのソナタ、そして1784年に書かれた第40番(偽作を除くと32番もしくは33番ともカウントされる)の良く知られたソナタ。当時のヴァイオリン・ソナタは、どちらかというとヴァイオリン・パートはピアノの添え物的な扱いを受けていたのですが、これらのモーツァルトの作品は、どちらの楽器も同等に扱い、時には寄り添い、時には火花を散らしながら興奮に満ちた音世界を構築していくもので、ここでも素晴らしく、華麗な音の応酬が楽しめます。
 ヴァイオリンを演奏しているのはマリア・バーダー=クビツェク。モーツァルトをとりわけ愛してやまない意欲的なヴァイオリニストです。
 
The Romantic Violin
PMR-43
\2100→\1890
ロマンティック・ヴァイオリン
 1-3.メンデルスゾーン(1809-1847):ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調/
 4-6.ロベルト・シューマン(1810-1856):3つのロマンス Op.94/
 7-9.クララ・シューマン(1819-1896):3つのロマンス Op.22/
 10-13.シューマン/ブラームス(1833-1897)/A.ディートリッヒ(1829-1908):F.A.E.ソナタ
セルジウ・ルカ(ヴァイオリン)/
ブライアン・コネリー(フォルテピアノ)
録音 2004年5月17-20日 ウィーン,ザムルンク・アルター・ムジークインストゥルメンテ
 こちらも歴史的楽器による演奏。
 ここで演奏しているヴァイオリニスト、セルジウ・ルカはピリオド楽器演奏の先駆者です。彼は惜しくも2010年にこの世を去りましたが、この2004年の演奏は彼の音楽性をもれなく伝える貴重なものであり、選ばれた作品も、ドイツ・ロマン派を象徴するものばかり。とりわけ1853年に作曲されたF.A.E.ソナタは、ロベルト・シューマンと彼の友人ディートリッヒ、そしてブラームスの共作で、当時の気質を存分に映し出した作品として知られていますが、なかなか演奏の機会のない貴重なもので、この演奏は資料としても価値あるものです。
 フォルテピアノは1840年シュトライヒャー製を使用。時を超えた響きを楽しんでいただけます。
 


PM-R0023
\2100→\1890

ウィーン美術史美術館発〜モザイク弦楽四重奏団
 ヴェルフル:弦楽四重奏曲集
 1-4.弦楽四重奏曲ハ短調 Op.4 No.3/
 5-8.弦楽四重奏曲ト長調 Op.10 No.4/
 9-12.弦楽四重奏曲ハ長調 Op.10 No.1
モザイク弦楽四重奏団
 ウィーン美術史美術館とのコラボレーションから生まれた、歴史的にも価値あるアルバムです。ヴェルフル(1773-1812)はザルツブルクに生まれ、ミヒャエル・ハイドンとレオポルド・モーツァルトに音楽を学び、ピアニストとしても名声を馳せました。「ベートーヴェンのライバル」としても知られ、ピアノで決闘を挑み、引き分けたという逸話もあったりします。作品は、古典派の様式を守った整然としたものですが、時として突如迸る楽想がとても魅力的です。ここで使われているのは、「ウィーンのストラディヴァリ」の異名を持つ1753年生まれのフランツ・ガイセンホーフが制作した楽器で、塗料や楽器の形などに特徴があることで知られる銘器です。
 この楽器を演奏するのはコンンチェントゥス・ムジクスのメンバーからなるモザイク弦楽四重奏団。200年以上の時を経て奏でられる美しい音色をお楽しみください。詳細なブックレットも興味深いところです。

 

PMR-60
\2100
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ:無伴奏フルート曲集(エリック・ラム編)
幻想曲と前奏曲集から 8つのカプリースとその他の作品

 1.フランス風に(ヴィヴァーチェ) ニ長調 QV 3:1.3/
 2.幻想曲 ニ長調 QV 3:1.5/
 3.アダージョ ロ短調 QV 3:1.22/
 4.アレグロ ホ短調/5.メヌエット・ダ・カーポ ニ長調/
 6.メヌエット・ダ・カーポ ト長調/7.幻想曲 ト長調 QV 3:1.9/
 8.アルマンド ホ短調/
 9.サラバンド・ドゥブレ 第1-4番 ト長調/
 10.前奏曲 ニ長調 QV 3:1.7/
 11.カプリース 第1番 ニ短調 QV 3:1.8/
 12.カプリース 第2番 ホ短調 QV 3:1.10/
 13.カプリース 第3番 ヘ長調 QV 3:1.12/
 14.カプリース 第4番 ト長調 QV 3:1.15/
 15.カプリース 第5番 ト長調 QV 3:1.17/
 16.カプリース 第6番 ト長調 QV 3:1.14/
 17.カプリース 第7番 イ短調 QV 3:1.19/
 18.カプリース 第8番 ロ長調 QV 3:1.21/
 19.メヌエット 変ロ長調 QV 3:1.23/
 20.幻想曲(プレスト) ハ長調 QV 3:1.1/
 21.幻想曲 ハ長調 QV 3:1.2/22.アルマンド イ短調/
 23.メヌエットと変奏 第1-10番 ホ短調
エリック・ラム(フルート)
録音 2014年11月4-5日 オーストリア,ウィーン 4トゥーン・スタジオ
 アメリカのフルーティスト、エリック・ラムの初のソロ・アルバムは、クヴァンツ(1697-1773)の小品集です。
 18世紀における優れたフルート演奏家であり、作曲家、そしてフリードリヒ大王にフルートを教えた人として名高いクヴァンツは、およそ200曲のフルートを含む作品を残しましたが、現在それら全てが知られているとは言いがたい状況です。
 「こんなに素晴らしい作品はもっと聴かれるべきである」というラムの手により、これらの知られざる作品が世に出ることになりました。
 これらのほとんどはコペンハーゲンの図書館に保存されていたスコアによるもので、ラムは丹念に楽譜を推敲した上で当時のスタイルやテクニックを加味し、完璧に再現したのです。
 
pmr-42
\2100
アントニオ・ソレール:鍵盤のためのソナタ集
 1.ホ短調 R106/2.変ニ長調 R23/3.ニ短調 M29/
 4.ハ長調「雄鶏」R108/5.ヘ短調 R72/6.ハ短調 R36/
 7.ト短調 M38/8.変ニ長調 R110/9.ト長調 R31/
 10.ニ短調 R25/11.ホ短調 R113/12.ホ長調 R34/
 13.ニ短調 R104/14.ハ長調 R9/
 15.ニ短調「エン・モード・ドリコ」R117/16.第27番 ホ短調
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
録音 2013年12月21.22日 ウィーン、オーストリア コンチェルトハウス,トンツァウバー・スタジオ
 アントニオ・ソレール(1729-1783)はカタルーニャ生まれの聖職者&作曲家です。一日のほとんどを祈りと瞑想、農耕に費やすというあまりにも実直な生活を送ったため、生活上のエピソードなどはほとんど残っていません(肖像画すらありません)。
 そんな彼がなぜ生涯に500曲以上の作品を残したのかは不明ですが、これは彼が師事したといわれるドメニコ・スカルラッティに倣ってのことであるとか、もしくはスペイン国王カルロス3世の王子ドン・ガブリエルのために書かれたなどと言われています。
 そんなソレールの作品ですが、禁欲的な生活を送ったとは思えないほどに豊かな楽想に満たされた変幻自在なもの。スカルラッティの作品のように、ほとんどが単一楽章で書かれていて、曲毎に違う表情が見え隠れします。じっくり聞いてみたい作曲家です。
 

SONO LUMINUS


DSL-92182
\2400
大切な思い出-ユダヤの歌
 1.レワンドフスキ(1821-1894):Enosh/
 2.フリードマン(1951-2011):Oseh Shalom/
 3.マーリー(1981-):Set Me as a Seal/
 4.ステインバーグ(1930-):V'erastich Li/
 5.ブラスラフスキー:M'chalkeil Chayim/
 6.伝承曲:自由への歌/
 7.キルシュナー(1857-1938):Tzadik Katamar/
 8.作者不詳:Kadesh Urchatz/
 9.ルーベン:人生の輪/
 10.ゴルプ(1887-1952):Borukh ate zing der tate/
 11.シェーンフィールド(1947-):Al Hanissim/
 12.ホックマン(1953-):瞑想曲/
 13.ホックマン:Shomeir Yisraeil/
 14.伝承曲:Han'shama Lach
エッセンシャル・ヴォイシズUSA/
ジュディス・クラーマン(指揮)
録音 2012年5月10日 ニューヨーク ミニー・ペトリー教会, 2013年10月21日.2014年2月6日 アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 このアルバムで指揮をしているジュディス・クラーマン自身、シナゴーグ(ユダヤ教の会同・・・聖書の朗読と解説を行う集会所)での子ども時代の思い出を持つ人。ユダヤの歌についての思い入れは果てしなく、この上なく強い共感を持ち、合唱団を指揮しています。
 含まれている曲の中には伝承曲から、クラーマンのために書かれた作品まで幅広く、かくして現代的な作品と伝統的な作品がバランスよく配置されているのです。なかなか日本では理解が難しい作品かもしれませんが、現代アメリカにおける最高の合唱団と、歌手たちによるこのハーモニーは、様々な状況を乗り越えて、聴き手の心を強く揺り動かすだけの力を有しています。
 

DSL-92183
\2400
Heavy Sleep-深い眠り 〜ブルース・リヴィングストン:ピアノ・リサイタル
 1.ティモ・アンドレス(1985-):深い眠り/
 2.J.S.バッハ(1685-1750):わが心の切なる願い BWV727(レーガー編)/
 3.J.S.バッハ:前奏曲 ロ短調 BWV544(シロティ編)/
 4-5.J.S.バッハ:平均律ピアノ曲集 第1巻-前奏曲とフーガ ロ短調 BWV869/
 6-7.J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903/
 8.J.S.バッハ:神の時こそ、いと良き時 BWV106(クルターク編)/
 9-13.モハメド・フェイルーズ(1985-):
  神よ、大いなる慈悲を-ジェルジ・リゲティの思い出への祈り
   <神よ、大いなる慈悲を/我、丘の上で花を摘む/
    我、山からお体を運び出した/
    我、辞書のうち、ほんの少しの言葉を使う/
    我、謎を解読することに努める>
ブルース・リヴィングストン(ピアノ)
録音 2014年11月7-10日 ヴァージニア ボイス,Sono Luminusスタジオ
 常に思慮深く演奏し、また凝ったプログラムで聴き手を魅了するピアニスト、ブルース・リヴィングストンの最新アルバムです。1枚目のアルバム(DSL-92137)ではシューマンのクライスレリアーナと現代曲を併せ、2枚目(DSL-92148)ではシューベルト、ショパン、サティとペルトなどのやはり現代曲を組み合わせるという意欲的なプログラムを用意した彼、今作は更に踏み込み、バッハ作品と、最近人気の若手作曲家フェイルーズ、そしてアルバム・タイトルである「深い眠り」の作者ティモ・アンドレスを組み合わせ、1枚のアルバムとしたのです。
 どの曲も瞑想的でありながらも刺激的な表情を持ち、間に挟まれた耳慣れたはずのバッハ作品でさえ、なんとなくいつもと違った味わいを醸し出しているところが面白いものです。ピアノの残響を丁寧に捉えた録音にもご注目ください。
 

DSL-92184
\2400
(CD+Blu-ray Audio)
シューマン:弦楽四重奏曲集 第1番-第3番
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 Op.41-1/
 5-8.弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.41-2/
 9-12.弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 Op.41-3
イン四重奏団
<BD-Audio>5.1 DTS HD MA 24/192khz, 7.1 DTS HD MA 24/96khz. 2.0 LPCM 24/192khz
 ロベルト・シューマン(1810-1856)の音楽における高い人気は誰もが知るところでしょう。
 劇的な展開を経たクララとの関係が安定した1840年にまとめて書かれた歌曲、その翌年は交響曲と、波乱に満ちた2年間を過ごした次の年は、シューマンはひたすら静かに内面を見つめる「室内楽の年」を過ごしました。
 素晴らしく充実した時期であるこの年に書かれた「3つの弦楽四重奏曲 Op.41」ですが、同年のピアノ五重奏曲やピアノ四重奏曲に比べ、なぜかなぜかあまり省みられることなく、演奏も録音も比較的少ないのが不思議なところです。
 しかし実際に聴いてみれば、主題のメロディはいかにもシューマンらしさに溢れていますし、全体を覆う「憂鬱さ」のようなものも、シューマン好きにとってみれば限りない魅力に映るのではないでしょうか?
 ここで緊密な演奏を披露するイン四重奏団は、アメリカを中心に世界中で演奏を重ねているアンサンブルです。彼らの活動の場所はホールにとどまらず、職場、学校、ホワイトハウスなど多岐に渡り、時には少年刑務所へ慰問に行くなど、常に人々の心に訴えかける音楽を奏でることに力を注いでいるのです。
 


DSL-92185
\2400→\2190
ルペルト・チャピ:弦楽四重奏曲 第1番&第2番
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 ト長調/
 5-8.弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調
ラテン・アメリカ弦楽四重奏団
録音 2014年1月14-16日 ヴァージニア ボイス,Sono Luminusスタジオ
 この「ラテン・アメリカ弦楽四重奏団」はその名の通り、ヴィラ=ロボスやチャベスなどの南米の音楽と、その基になったスペインの音楽を演奏することにかけては右に出る者がないほどの実績を持つアンサンブルです。
 メキシコ人の3兄弟を中心として1982年に結成、以降独自の路線を貫き、幾度もグラミー賞にノミネートされるほどの実力を持っています。独特の高揚するリズムや色彩感を出すには、これらが体に染み付いていないと難しいのだな。と思わせるだけの強い説得力を持つ彼らが今作で選んだのは、サルスエラ作曲家として名高いスペイン生まれのルペルト・チャピ(1851-1909)の2曲の弦楽四重奏曲です。
 曲の冒頭から明るさ全開の第1番(もちろんリズムはノリノリ)、ちょっとエキゾチックな始まり方がワクワクさせてくれる第2番と、どちらもなかなかの名曲です。録音の素晴らしさもいつもの通りです。弦の響きを心行くまでご堪能ください。



副題は「1幕のハチャメチャ音楽劇」!
あらすじ漫画絵本つき!!
ルペルト・チャピのサルスエラ「クラシック音楽」
UNIVERSAL SPAIN 0028947632580 (1CD)\5600→\4990

 サルスエラなんてあんまり聴かないけど、この人は好き。サルスエラの大家チャピ。そのサービス満点の精神がいい。
 スペイン・ユニバーサルから登場したのは、チャピのサルスエラ、その名も「クラシック音楽」!しかも「1幕のハチャメチャ音楽劇(Disparate comico-lirico)」という副題が付けられてる・・・。おそらくパロディたっぷりの愉快な作品と思われる。
 おまけに劇のあらすじを漫画風に描いた絵本付きハードカバー・ブック仕様で、サイズは217mm×217mm。
 まだ入りますように・・・


0028947632580
\5600→\4990
ルペルト・チャピ(1851-1909):サルスエラ「クラシック音楽」(1880) クリスティナ・ファウス(メゾソプラノ:パカ)
フランシスコ・サンチェス(テノール:ククファテ)
アウグスト・バル(バリトン:タデオ)
マドリード自治州立管弦楽団
クリストバル・ソレル(指揮)
録音:2008年11月4日、マドリード自治州立管弦楽団本部 


何度でもご紹介します
チャピ:交響曲
NAXOS 8.572195 1CD¥1500

 サルスエラの大家チャピの交響曲。
 ・・・と言われて、ヨハン・シュトラウスの交響曲、と言われたのと同じくらい驚いた。実は交響曲はちょっと前にCOLUMNA MUSICAからも出たが手を出さないでいると、今回晴れてNAXOSからも出たのでゲット。
 ルペルト・チャピはスペインの地場オペラ「サルスエラ」の大家で、その生涯に155曲のサルスエラを作曲したというからとんでもない人気作家。また軍楽隊長も務めていたというから当時はかなりの名誉にも浴していただろう。今はそれほど名前を聞く機会はないが、「スペインのなんとかかんとか」とか、「サルスエラのなんとかかんとか」というアルバムが出ると、たいていこの人の曲がちょこんと入っている。
 さて、そんなチャピの管弦楽曲集。・・・店主好みのちょっとお馬鹿系の本格クラシック。
 曲はまず「ファンタジア・モリスカ」。軍楽隊のために作曲されたと言うのがうなずける、よく言えばハリウッド的(もちろん能天気アクション・コメディー)、悪く言えばチンドン屋か田舎の見世物小屋的な、実に頭の悪そうな音楽。何のこだわりも偏見も知性も捨てて楽しみましょう。
 そんでもって続くのが本命のシンフォニー。これは面白い。
 スペイン・クラシックは戦後になっても前衛に走らない作曲家が多いお国柄。だからチャピが活躍した19世紀後半なんてスペイン・クラシックにとっては古典派のようなもの。実際彼はハイドンやモーツァルトやベートーヴェンをお手本に作曲を学んだというから、当然、その作品は超・超・保守的。笑っちゃうくらい保守的。しかしチャピ、一生懸命本格派の伝統的クラシック作品を書こうとするのに、そうすればするほど生来のサービス精神が顔を覗かせて、いかに面白くするか、という方向へ行ってしまう。で、結局全編ヴェルディのオペラ序曲になってしまう。まあ、さすがにそこまでは言わないとしても、そうやって出来上がった曲はなかなか楽しませてくれる。
 店主はパロディ系の音楽はあまり好きではないが、過去の作曲家・作品を愛するあまりそれらの作品に似てしまったのは許せる。この作品も明らかにベートーヴェン意識しまくり。終楽章に至っては「運命」交響曲の異形的分身。正直またまた笑えてくるが、おそらく本人は大真面目で書いたのだろうから受け容れてあげたい。
 稀代のエンターテイナーが全精力を注いで作り上げた本格派シンフォニー。笑いあり聴きごたえあり。(店主試聴記より)


8.572195
¥1500
代理店からは入りづらいので海外直輸入
チャピ(1851-1909):
 ファンタジア・モリスカ
 交響曲 ニ短調
マドリッド・コミュニティ管弦楽団/
ホセ・ラモン・エンシナール(指揮)
ルペルト・チャピ(1851-1909)と言えばサルスエラの作曲家だと思っていたが、まさかこのような素晴らしい管弦楽曲を書いていたとは驚き。ファンタジア・モリスカ(ムーア風幻想曲)は彼が率いていた軍楽隊のために作曲されたが、6 年後に管弦楽ヴァージョンに改訂されたもので、とことん明るい曲調が魅力。ウィ−ン古典派の香りも漂う交響曲も聴きもの。豊かなメロディと極彩色の音が踊る素晴らしい作品。



Steinway & Sons



STNS-30049
\2100→\1890
ズイル・ベイリー&準・メルクル
 1.エルネスト・ブロッホ(1880-1959):ヘブライ狂詩曲「シェロモ」/
 2-4.ニコ・マーリー(1981-):チェロ協奏曲…世界初録音/
 5-7.ブロッホ:3つのユダヤの詩
  <第1番:舞曲/第2番:儀式/第3番:葬列>
ズイル・ベイリー(チェロ)/
インディアナポリス交響楽団/
準・メルクル(指揮)
 シモーネ・ディナースタインと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタや、バッハの無伴奏チェロ組曲などの名演で知られるチェロの名手ズイル・ベイリー。
 今回はアメリカの若手有望株の作曲家ニコ・マーリーのチェロ協奏曲(世界初演)と、エルネスト・ブロッホの2つの作品を演奏しています。
 どの曲も独特の味わいがあり、情緒豊かな表現力を必要とするのですが、ベイリーは見事に曲の持ち味を生かし、納得の行く演奏をしています。また準・メルクルも丁寧な伴奏でチェロの音色を引き立てています。



ズイル・ベイリー/TELARCの旧譜

TELARC
TEL 31978
(2CD)
\2400→\2190
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) ズイル・ベイリー(チェロ)
 DELOSレーベルでお馴染みのチェロの才人ズイル・ベイリーによるテラーク録音。
 チェロの金字塔、バッハの無伴奏組曲全曲に挑む。彼の演奏を評してトロント・グローブ紙は「心臓が止まりそうな演奏!」、シカゴ・トリビューン紙は「名匠の素晴らしいひらめきに満ちている」と絶賛しています。

TELARC
CD 80740
(2CD)
\2400→\2190
知られざる名録音、
 ディナースタインがブレイク前のベートーヴェン全集
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集

 チェロ・ソナタ 全5曲
 マカベウスのユダの主題による変奏曲 ト長調
 魔笛の主題による変奏曲 変ホ長調
 魔笛の主題による変奏曲 ヘ長調    
ズイル・ベイリー(チェロ)、
シモーネ・ディナースタイン(ピアノ)
 今は大スターとなったシモーネ・ディナースタインがチェロの才人ズイル・ベイリーとデュオで録音していたベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全曲。
 この二人はすでに米、DELOSレーベルへ同作品を録音し、長年にわたり共演を重ねてきました。感性あふれるふたりによる火花散る演奏をテラークの優秀録音でお届けします。

ディナースタインの大ヒット・アルバム

 


STNS-30033
\2100→\1890
アンダーソン&ロエ:アート・オブ・バッハ
 1.神の時こそいと良き時 BWV106:ソナチネ(G.クルターク編)/
 2-4.2台ピアノのための協奏曲 ハ長調 BWV1061/
 5-9.マタイ受難曲-2台ピアノのための組曲(アンダーソン&ロエ編)/
 10-12.フーガの技法 BWV1080から IX, XIIIA, XIIIB/
 13.ゴルトベルク変奏曲 BWV1087-グランドの5つのカノン/
 14.魂はイエスの御手に憩う BWV127(アンダーソン&ロエ編)/
 15.羊は優しく草を食み(M.ホウェ編)/
 16-18.ブランデンブルク協奏曲 第3番(レーガー編)
グレグ・アンダーソン&
エリザベス・ジョイ・ロエ(ピアノ)/
アウグスティン・ハデリッヒ(ヴァイオリン…14)
録音 2014年1月23-25日 ニューヨーク,パーチェス大学,コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 2014年に来日し、シークレットライヴを行ったというピアノ・デュオ「アンダーソン&ロエ」。しかしその目覚しい音楽性とテクニックは満場のファンを驚愕させたということです。
 様々な作品をピアノ・デュオ用に編曲し演奏する彼らのやり方は、ピアノの持つ可能性を限りなく拡大し、またジャンルの可能性も取り払い、ただ純粋に「音楽の楽しさ」を教えてくれるものです。
 今回はバッハの様々な作品を、彼らの言葉で語っています。


アンダーソン&ロエ旧譜
Anderson & Roe: when words fade
STEINWAY & SONS
STNS-30006
\2100→\1890
アンダーソン&ロエ(ピアノ連弾)
 ことばが消えるとき

 1.マイケル・ジャクソン(1958-2009):ビリー・ジーン/
 2.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  歌劇「ジュスティーノ」-私の心に涙の雨が降っている/
 3.モーツァルト(1756-1791):歌劇「魔笛」-パパゲーノ、パパゲーナ/
 4.ビゼー(1838-1875):カルメン幻想曲-ハバネラ/
 5.シューベルト(1797-1828):魔王Op.1/
 6.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ/
 7.ブレル&ジュアネスト:マチルド、マリークとマドレーヌ/
 8.シューマン(1810-1856):リーダークライスOp.39-5「月の夜」/
 9.ヴィラ=ロボス(1887-1959):
  ブラジル風バッハ第5番-アリア「カンティレーナ」/
 10.トム・ヨーク(1968):パラノイド・アンドロイド/
 11.トーマス・オーガスティン・アーン(1710-1778):朝-まばゆい太陽/
 12.コールドプレイ:ビバ・ラ・ビダ
  ※全てグレッグ・アンダーソン&エリザベス・ジョイ・ロエによる編曲
アンダーソン&ロエ(ピアノ連弾)
 スタッフの女の子たちは残念ながらあまりクラシックを聴かない。でもポップスは普通に聴くみたい。
 なのでそんな彼女たちを驚かそうと思ってかけたのに・・・、かけた自分がびっくりしてしまった1枚。
 グレッグ・アンダーソンとエリザベス・ジョイ・ロエというカッコいい系の男女ピアノ・デュオ・アルバム。
 ご覧のとおりマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」、ロック・バンドのレディオ・ヘッド、コールドプレイの曲が、ヴィヴァルディやモーツァルト、シューベルトの音楽とともに流れてくる。しかも当たり前ながら超本格派クラシック作品となって。
 そのテクニックもすごいが編曲もすごい。それはポップスだけじゃなく、クラシックの名曲の編曲も。「魔王」や「カルメン」ではバカテク爆裂演奏を聴かせてくれたかと思ったら、「ヴォカリーズ」や「ブラジル風バッハ」ではこれでもかと切なく泣き節を聴かせてくれる。
 この「Steinway and Sons」というレーベル、その名のとおりスタインウェイがプロデュースしているんだけど、ここまでピアノを活かしきってくれたらさぞやレーベルとしても嬉しかったことだろう。


録音 2011年7月6-8日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 4本の手から繰り出される目も眩むようなピアノの音色。圧倒的なリズム感。マイケル・ジャクソンから特殊奏法のヴィヴァルディ、至るところで音がはじけるパパゲーノのアリア…。曲が進むにつれ驚きばかりが増していくスゴイ1枚です。アレンジが素晴らしいことは言うまでもないのだけど、テクも物凄い。「パラノイド・アンドロイド」ではなぜか真面目に弾いていて、まるでプロコフィエフかリゲティを思わせる曲になっていたり。とにかく面白いです。

エリザベス・ジョイ・ロエ、一人でDECCAからデビュー!

DECCA
478 8189
\2300→\2090
エリザベス・ジョイ・ロエ/ブリテン&バーバー:ピアノ協奏曲集
 ①ブリテン:ピアノ協奏曲第1番 Op.13
 ②バーバー:ピアノ協奏曲 Op.38
 ③ バーバー:ノクターンOp.33(ジョン・フィールドを讃えて),
 ④ ブリテン:夜の小品(ノットゥルノ)
エリザベス・ジョイ・ロエ(ピアノ),
エミール・タバコフ(指揮)
ロンドン交響楽団 (①②)
 ピアノ・デュオ、アンダーソン&ロエで知られるジョイ・ロエのデッカデビュー・アルバム

 クラシック音楽の新たなエネルギーを引き出すべく独自スタイルを追求し続け、その革新的アプローチで世界中から注目されている「アンダーソン&ロエ・ピアノ・デュオ」の、エリザベス・ジョイ・ロエによるアルバム。
 韓国人両親のもと、シカゴで生まれたピアニスト、エリザベス・ジョイ・ロエはジュリアード音楽院で出会ったグレッグ・アンダーソンとのデュオ”アンダーソン&ロエ”でデビューを果たし、2012年に発表されたアルバム「When Words Fade」が大絶賛を浴び、ビルボードのクラシックチャートで連続で12週間もトップの座に君臨。彼らのオリジナル・ビデオはYouTubeで瞬く間に100万アクセスを超えエミー賞にノミネートされるなどセンセーショナルを巻き起こしました。
 そんな彼女が デッカ・デビューにあたって選んだのは、ブリテンとバーバー。彼女の持ち味は、切れ味の良いテクニック、緻密ながらも大胆な音楽性。ドラマティックに訴えかけてくる表現力は圧巻です。彼女はとくに近現代作品を得意としており、難解至極な音楽でも爽快な演奏で聴き手を引き込みます。そうした長所がこのアルバムでも存分に生かされています。2015年12月来日予定。
 【録音】2013年9月, ロンドン、カドガン・ホール


 


STNS-30020
\2100→\1890
ウテ・レンパー:フォーエヴァー
 〜パブロ・ネルーダの愛の詩:ウテ・レンパー&マルセロ・ニシマン

 1.La nuit dans l'ile-島の夜/
 2.Madrigal Escrito en Invierno-冬に書かれたマドリガル/
 3.If You Forget Me-もしあなたが私を忘れてしまったら/
 4.Tus Manos-あなたの手/5.El Viento en la Isla-風の島/
 6.Alianza / Sonata-アリアンツァ/ソナタ/
 7.Siempre-いつも/8.Always-いつも/9.Ausencia-不在/
 10.El Sueno-夢/11.Oda con un Lamento-後悔と悲しみ/
 12.The Saddest Poem / No.20-悲しき詩/第20番
ウテ・レンパー(ヴォーカル)/
ウテ・レンパー・バンド/
フレディ・トレアルバ(チャランゴ)…スペシャルゲスト
録音 NY シア・サウンド
 現代屈指のシャンソン歌手であるウテ・レンパーの魅力的な声は、誰でも一度聴いたら忘れることはありません。ハイトーンのかわいい声から、たばこの吸い過ぎのようなだみ声まで、その声は七色の光を放ち、とりわけクルト・ヴァイルのいくつかの歌や、エディット・ピアフ、マレーネ・ディートリッヒのカバーでは他の追従を許すことのない、強い存在感を有した人です。
 このアルバムで彼女が歌うのは、チリの詩人パブロ・ネルーダの詩による歌の数々。少々エロチックなものから、自然を賛美した詩までさまざまですが、どれも美しい言葉と比喩に満たされています。バックバンドもいい味出してます!
STNS30009…ウテ・レンパー:パリの昼、ベルリンの夜
 .


STNS-30038
\2100→\1890
ベートーヴェンの衝撃再び・・・
 アンドリュー・ランゲル、新譜はショパン!
  ショパン:ピアノ作品集

 1.ポロネーズ 第7番 変イ長調「幻想」Op.61/
 2.夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2/3.ボレロ Op.19/
 4.3つの新しいエチュード Op.posth-第1番 ヘ短調/
 5.バラード 第1番 ト短調 Op.23/
 6.前奏曲 第25番 嬰ハ短調 Op.45/
 7.バラード 第3番 変イ長調 Op.47/
 8.夜想曲 第18番 ホ長調 Op.62-2/
 9.バラード 第4番 ヘ短調 Op.52
アンドリュー・ランゲル(ピアノ)
録音 2013年7月 Shalin Liu Performance Center in Rockport, Massachusetts, United States
 バッハとベートーヴェン、そしてショパン(1810-1849)の権威であるアメリカのピアニスト、アンドリュー・ランゲルの個性的すぎるショパンアルバムです。
 彼は一時期、手の負傷で演奏会から退いていましたが、7年間のリハビリの末に見事復活しましたが、その時に心酔したのが、バッハとベートーヴェン、そしてショパンのマズルカだったのだそうです。これらは既に録音し終え、少しずつ他の作品の演奏にも取り掛かっているというランゲルが次に選んだのが、このショパンの小品集でした。
 STEINWAYの豊かな音色を存分に生かし、そこに幻想的な味付けが施されたこのショパン。
 最初のポロネーズから、ものすごい気迫が伝わって来ます。一見取りとめのないかに見える夜想曲第16番での変幻自在な風情、3曲のバラードでの息をのむような展開など、一音たりとも聞き逃せない迫真のショパンです。



 
旧譜
異様な演奏なのだが説得力がある・・・
ショック受けるかもしれません
天才アンドリュー・ランゲルのベートーヴェン


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 - 第32番/ディアベリ変奏曲/バガテル集 Op. 126 (ランゲル)
STNS-30007
(3CD)
\4000→\3690

アンドリュー・ランゲル(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28-32番他

<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ第28番変イ長調Op.101/
 5-8.ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106/
<CD2>
 1-3.ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109/
 4-6.ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110/
 7-8.ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111/
<CD3>
 1-34.ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲ハ長調 Op.120/
 35-40.6つのバガテルOp.126
アンドリュー・ランゲル(ピアノ)
 かなり個性的なんですが、キワモノで片付けられない強い説得力があるんです。
 聴いておいたほうがいいでしょう、アンドリュー・ランゲル。


 名手ランゲルによるベートーヴェンの最後の5つのソナタ集。曲によって全く違う表情を見せる彼のピアノが見事です。
 ハンマークラヴィーアでは華やかな響きを極めつつ、第31番ではまるで晩秋の澄み切った空を思わせるかのような、ウエットな響きを紡ぎだすランゲルの演奏を聴くと、従来のスタインウェイの音色に抱いているイメージが変わってしまうかもしれません。
 「ディアベリのワルツによる変奏曲」はランゲルが得意としている曲で、このある意味“粘着系”とも言える徹底的な主題の展開を、彼は見事に追跡かつ解析することに成功しています。6つのバガテルも聴きものです。

 


STNS-30046
(2CD)
\2700→\2490
セルゲイ・シェプキン新録音
 J.S.バッハ:フランス組曲

<CD1>
 1-6.フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812/
 7-13.フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV813/
 14-20.フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814/
 21-27.フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV815/
<CD2>
 1-7.フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816/
 8.平均律クラヴィーア曲集 第1巻-第9番 前奏曲 BWV854/
 9-16.フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV817/
 17-20.幻想曲とフーガ イ短調 BWV904/
 21-22.半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
セルゲイ・シェプキン(ピアノ)
録音 2011年1月4日,7月11日,8月21日,9月10日 USA ボストン,ニュー・イングランド・コンセルヴァトリー,ジョルダン・ホール

 2007年に来日し、すばらしいゴルトベルク変奏曲の演奏で聴衆を魅了、その存在を一気に知らしめたピアニスト、セルゲイ・シェプキン。彼はバッハ(1685-1750)をこよなく愛し、あのグレン・グールドに憧れ、グールドの足跡を辿りつつも、独自の音楽を紡ぎ出していきます。
 彼は1962年、サンクトペテルブルグに生まれ、5歳からピアノを学び、他の多くの名ピアニストたちのように輝かしいコンクール歴を持ち、オーケストラとの共演を重ねてきています。もちろんムソルグスキーやロシア物も演奏しますが、やはり彼の根底にあるのはバッハの作品であり、このフランス組曲も、独自の解釈と集中力に裏打ちされた文句なしの演奏となっています。一度は聞いておきたいピアニストです。



セルゲイ・シェプキン
2つのゴールドベルク

 2007年の来日公演で日本のファンを驚嘆させたシェプキン。その2つのゴールドベルクをご紹介。
 2回目のほうが入手不能だったらすみません・・・


ONGAKU
0762738010729
\2900
シェプキン、1回目の「ゴールドベルク」
 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
セルゲイ・シェプキン(P)

 「ONGAKU」という日本語名のレーベル。実はケンタッキーのレキシントンで本拠を構えるアメリカのレーベル。
 さて、そのONGAKUレーベルの柱的アーティスト、セルゲイ・シェプキン。
 数年前このシェプキンが日本でコンサートで演奏した「ゴールドベルク」が大きな反響を呼び、磯山雅氏は「シェプキンの“ゴルトベルク” 輝かしく自由なファンタジー」と絶賛、片山杜秀氏も賞賛。「何やらジャズ的なたたずまいすら感じさせる」という洗練された感性で観客の心を動かした。
 「多くの曲で聴かれる力強く硬質なタッチや、圧倒的な推進力、豪快ともいえる音楽のまとめ方などからは、安らぎよりも興奮を呼び覚まされるようである。」(松本学氏)
 そんなシェプキンが1995年に録音していたゴールドベルク。10年近くたった今聴いても鮮烈で印象的。国内盤でリリースされ、限定盤だったためあっという間に完売した。

KKC 29
\2880
入手困難の可能性あり
聴衆を驚嘆させた衝撃の初来日の一年後の録音
 J.S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
セルゲイ・シェプキン(ピアノ)
録音:2008 年 7 月 22 日ジョーダンホール、ニューイングランド音楽院(ボストン)/71’52

 おそらく上記の日本での大絶賛を受けてであろう、シェプキン、翌2008年に 13 年振りにゴルトベルク変奏曲を再録音した。
 その新録音は、多彩な装飾音、生気に満ちた演奏は旧録音と変わらぬまま、さらに新たな解釈を加え音楽に一層深みを与えた充実の演奏となった。
 今回もすべてのリピート(アリア・ダ・カーポ以外)を繰り返しているが、シェプキン自身はこの作品の複雑な素材に「ニ度生きる」機会を与え、より宇宙的な広がりを加えたと語っている。1995 年の最初の録音以降、何度も演奏し、その中で変化していった解釈を知識、想像、センスを用い新たなゴルトベルク変奏曲を世に放つ。 


 もしあの世が存在するのなら、私はグールドに会いたいと思います。彼はいつでも私の偉大なヒーローでしたから。しかし、私が再録したのは、グールトが 1981 年に考えたのと同じ理由があったからです。セルゲイ・シェプキン(解説より)


 セルゲイ・シェプキン。
 ロシア系のアメリカ人。1985年サンクトペテルブルグ音楽院を首席で卒業。
 その後1990年にアメリカに渡り、1999年ニューオリンズ国際ピアノ・コンクール優勝。2007年初来日で日本人観客の心を虜にした。




 

TWO PIANISTS


TP1039183
\2700
DISTANCE-距離、隔たり 〜ジェームズ・オースティン・スミス:オーボエ・リサイタル
 1-2.パウル・ヒンデミット(1895-1963):オーボエ・ソナタ(1938)/
 3.ペテリス・ヴァスクス(1946-):ピースカリエーニ(1983)/
 4-6.エリオット・カーター(1902-2012):
  オーボエとハープのための三部作(1992)/
 7-9.J.S.バッハ(1685-1750):
  オーボエとハープのためのソナタ 変ホ長調 BWV1031(1730-1734)/
 10-13.エルンスト・クルジェネク(1900-1991):
  オーボエとピアノのための4つの小品(1966)/
 14.ロベルト・シューマン(1810-1856):民謡風の5つの小品 Op.102-第2番(1849)/
 15.シューマン:民謡風の5つの小品 Op.102-第4番(1849)/
 16-19.クルジェネク:独奏オーボエのためのソナチネ(1956)
ジェームズ・オースティン・スミス(オーボエ)/
ルイス・マガリャアエス(ピアノ)/
ブリジット・キッビー(ハープ)
録音 2014年4月21日 南アフリカ ステレンボス大学,エンドラー・ホール…1-3.10-19, 2014年2月16.18日 USA ニューヨーク,パーチェス大学
 確かに、このアルバムに収録されている作品のほとんどは、メンデルスゾーンやブラームス、チャイコフスキーなどのロマン派時代の音楽に慣れている耳には奇異に響くかも知れません。これらは幾分実験的であり、時にはまるで独り言のようにしか聞こえないのですから。
 しかし、注意深く聞いてみると、この中にユーモアや楽しさが隠されていることに気が付くでしょう。バッハやシューマンの作品を交えながら、難解な曲をさりげなく織り込むことによって、「ほんの少しの好奇心を持つだけで越えることのできる壁」というものに気づかせてくれるジェームズ・オースティン・スミスのオーボエは、確かに様々な「DISTANCE」を取り除くものでもあるといえるのではないでしょうか。




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