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第82号
マイナー・レーベル新譜(5)
2015.5.12〜7.17


AMATI


AMI 2603
\2400
《中央ドイツ、バロック・カンタータ集2》
 テレマン:カンタータ「全世界よ、神を讃美せよ」 TVWV 1:951
 テレマン:カンタータ「神はかくも世を愛したもう」TVWV 1:77
 ファッシュ:カンタータ「Der Gottlose ist wie ein Wetter」FWV D:D2
ハイデ・マリア・タウベルト(Sp),
シュテーフェ・ヴェヘター(A),
ミヒャエル・ツァバノフ(T),
マティアス・フィーヴェク(Br),
ビーデリッツ・カントライ,
カンマームジーク・ポツダム(ピリオド楽器アンサンブル),
ミヒャエル・ショル(指揮)
 膨大なテレマンの作品群の中から蘇った美しきカンタータ!
 テレマンは3000以上作品を作曲し、受難曲だけでも46曲、教会カンタータに至っては1700曲以上も作曲していました。
 「新しい作品を書くことが神への奉仕」と考える当時の作曲家の中でも、これだけ膨大な作品を残した作曲家はテレマンぐらいだったのではないでしょうか。
 しかしながら、そのほとんどは現在においても整理がつかず、演奏される作品はそのほんの一部という状況です。
 テレマンのカンタータは、バッハの深くドラマティックな作風とは異なり、良い耳に入りやすいメロディーが特徴です。一般受けを狙った結果、彼の作品は非常に美しく煌びやかな仕上がりになっています。
 同時代のヨハン・フリードリヒ・ファッシュは、ライプツィヒの聖トーマス教会付属学校でヨハン・クーナウに音楽を師事し、1714年にバイロイトの宮廷楽団にヴァイオリニストとして入団。1722年にツェルプストの宮廷楽長に就任した作曲家。バッハはファッシュの多くの作品を写譜していました。
 テレマン研究家としても有名な指揮者ミヒャエル・ショルによって、これらの作品が美しく蘇っています。
  

BAYER


BR 100313
\2400
《夜の歌〜シューベルトと友人たちの間で歌われた歌曲集》
 シューベルト:
  漁師の歌D881/子を抱く父D906/秘密D.491/
  死と乙女D531/若者と死神D545/音楽に寄せてD547/
  丘へ登る若者D702/糸を紡ぐグレートヒェンD118/
  汝らに平安あれD551/
 ヨハン・ミヒャエル・フォーグル:
  渇望/デスデモーナの歌/ラプソディー/夜の歌/
 フランツ・ラハナー:
  Ich muss hinaus/小さなマリア/水路/4つの歌Op.116
 アンゼルム・ヒュッテンブレンナー:
  憧れ/湖畔にて/ルイーズ/紡ぎ歌/
  フランツ・シューベルトの死
アンゲリカ・フーバー(ソプラノ),
キリアン・スプラウ(ピアノ) 
 シューベルティアーデの親密な音楽
 シューベルトが私的に行った夜会は、彼の名前にちなみ「シューベルティアーデ」と呼ばれました。
 ここでは数多くの作品が演奏され、とても親密な雰囲気が保たれていました。このアルバムに収録されているのは、その膨大な作品の中から「夜に因んだ」曲を選んだものです。
 眠り、死、欲望…様々なインスピレーションを喚起させることでしょう。
  【録音】2013年
 

BR 100314
\2400
《遠く離れた月の歌》
 ヤメス・ジモン(1880-1944):李白の詩による3つの歌Op.10/
 アギーデ・テドルディ(1887-ca.1938):liriche cinesi/
 セッポ・ヌンミ(1932-1981):春の道から/
 アルベール・ルーセル(1869-1937):歌曲Op.47/
 ルシアン・マリヤ・シュケルヤンツ(1900-1973):李白の詩による2つの歌/
 ヴァルター・ブラウンフェルス:3つの中国の歌Op.19/
 アルフレード・ボルツ(1882-1969):李白の詩による2つの歌/
 パヴェル・ハース(1899-1944):中国の詩による4つの歌/
 コンスタント・ランバート(1905-1951):李白の詩による3つの歌
リディア・ライトナー(ソプラノ),
アレクサンドラ・パウルミヒル(メゾ・ソプラノ),
ファン・ヤン(ピアノ)
 中国の詩による東洋と西洋の美しき融合
 19世紀の終わりから20世紀の始めにかけて、ヨーロッパでは杜甫や李白などの唐代の詩がもてはやされていました。
 代表的なのはベトゲの訳詩を用いたマーラーの「大地の歌」ですが、他にもたくさんの作曲家がそれぞれの詩に個性的な曲を付けています。
 このアルバムでは9人の作曲家の作品を収録。彼らのフィルターを通して表現された「中国の姿」からは、東洋と西洋の美しき融合が見てとれます。
  【録音】2012年
  

BR 100315
\2400
《オーボエによるメディテーション》
 1) アンデシュ・ヒルボリ(1954-):ペトラルカの瞑想/
 2) キース・ジャレット(1945-):アダージョ/
 3) ニコラ・バクリ(1961-):ノットゥルノOp.74/
 4) アンリ・ソーゲ(1901-1989):庭の協奏曲
レンチェス・ラヨシュ(オーボエ)/
アントン・ザップ(指揮)
シュトゥットガルト放送交響楽団(①)/
パトリック・ストゥルブ(指揮)
シュトゥットガルト・アルカタ室内管弦楽団(②③)/
ルーベン・ガザリアン指揮、
ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団(④)
 名手ラヨシュによる瞑想的現代オーボエ協奏曲
 「メディテーション=瞑想」。自分の内にある宇宙を把握する最良の方法です。幾多の欲望を抑え、自らに問いかけること…これは音楽を用いることで一層効果的になるのです。
 このアルバムには20世紀に書かれた瞑想的な音楽が収録されており、レンチェスのオーボエはジャンルを超えたこれらの曲から、リズムやメロディを通して「音楽による瞑想」という類似性を探って行きます。
 オーボエ奏者、レンチェスは1943年ハンガリーのドログで生まれ、ブダペスト音楽院とパリ音楽院で学びました。その後1968年ジュネーヴ国際コンクールで優勝し、世界の舞台に踏み出します。
 現在彼はシュトゥットガルト放送交響楽団のメンバーでもあると同時に、ソリストとして世界各地で公演を行い、バロックから現代曲におよぶ幅広いレパートリーで数多くのCD録音でも高い評価を得ています。
  【録音】2007, 2009, 2013年
 

BR 100370
\2500
《ブラームス:弦楽六重奏曲集》
 ブラームス:
  弦楽六重奏曲第1番変ロ長調Op.18/
  弦楽六重奏曲第2番ト長調Op.36
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団ゾリステン・アンサンブル
 極めてロマンティックな音楽
 ブラームスの作品のなかでも「最も人気の高い室内楽作品」とも言える2曲の弦楽六重奏曲は、どちらも20代から30代に書かれた比較的若々しい作風を持っています。
 第2楽章が映画で使われたことで知られる「第1番」、彼の若き日の恋愛を彩ったとも言われる「第2番」。どちらも堅固な構成に基づく、極めてロマンティックな音楽です。
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーによる美しいアンサンブルで。
  【録音】2012年
 

BR 100386
\2400
《ギターと弦楽四重奏のための作品集》
 ハイドン:四重奏曲ニ長調Hob.III:8(ハン・ヨンケルス編)/
 ウォルフガング・ムースピール1(1965-):フレキシブル・スカイ/
 ヨゼフ・イグナツ・シュナーベル(1767-1831):ギター五重奏曲ハ長調
ハン・ヨンケルス(ギター),
カザル四重奏団
 ヨンケルスのギターと、カザル四重奏団の見事な共演
 スイスの名アンサンブル「カザル四重奏団」と名ギタリスト、ハン・ヨンケルスによる「ギターを伴う弦楽四重奏曲集」です。
 もともとこの編成のために書かれた現代作曲家ムースピールの作品と、ベートーヴェンと同時期の作曲家シュナーベルの作品はもちろんですが、ヨンケルス自身がギター用に編曲し、カデンツァを書いたハイドンの四重奏曲が出色の出来栄えです。
  【録音】2014年

DELOS


DE 3447
\2400
《ステファン・ラグナー・ホスクルドソン〜SOLITUDE》
 シューベルト:「しぼめる花」の主題による序奏と変奏,
 リーバーマン:フルートとピアノのためのソナタOp.23,
 マグヌース・ブロンダル・ヨウハンソン:無伴奏フルートのためのソリテュード,
 プロコフィエフ:フルートとピアノのためのソナタOp.94
ステファン・ラグナー・ホスクルドソン(フルート),
マイケル・マクヘイル(ピアノ)
メトロポリタン歌劇場の首席フルート奏者ホスクルドソンの敏捷性

アイスランド出身、メトロポリタン歌劇場の首席フルート奏者ステファン・ラグナー・ホスクルドソンのソロ・アルバム。ニューヨークタイムズ紙で「彼の演奏には敏捷性と暖かさがある」と絶賛される彼は、室内楽奏者、ソリストとしても素晴らしいキャリアを誇っています。このアルバムでは、古典的な作品での端正な表現と、現代作品での先鋭的で印象的な表現という、対極的な表情が楽しめます。アルバムタイトルである「SOLITUDE=孤独」は、彼の母国の作曲家ヨハンソンの作品で、独奏フルートのための曲。神秘的な雰囲気を持つ、とても美しく静謐な余韻を残す音楽です。
 

DE 3477
\2400
《ヴェルディ, プッチーニ, チャイコフスキー:オペラ・アリアとデュエット集》
 ヴェルディ:
  歌劇「アイーダ」より「清きアイーダ」「勝ちて帰れ」「この暗い墓の中で」/
 プッチーニ:歌劇「トスカ」より
  「妙なる調和」「歌に生き、愛に生き」「星は光りぬ」
  「マリオ! マリオ! マリオ!」/
 ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」より「ミゼレーレ」/
 チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」より
  「Krasavitsa! Boginya! Angel!」
  「Uzh polnoch blizitsya」「A yesli mne v otvet」
ディナーラ・アリエワ(ソプラノ),
アレクサンドルス・アントネンコ(テノール),
コンスタンティン・オルベリアン(指揮),
カウナス市交響楽団,
カウナス市合唱団
人気急上昇のディナーラ・アリエワとアレクサンドルス・アントネンコの名唱
 最近、人気急上昇中のソプラノ、アリエワと、こちらも注目のテノール、アントネンコによるエキサイティングで華麗なアリアとデュエットの数々です。モンセラ・カバリエが絶賛するソプラノ、アリエワは前作(DE3462)でヴェルディやプッチーニなどのアリアを披露しましたが、今回は更に伸びやかで美しい歌唱を聴く事ができます。
 「アイーダ」第4幕の「この暗い墓の中で」の情感に満ちた二重唱や、「トロヴァトーレ」での緊迫感、「スペードの女王」での安定感など、究極の愛憎が表現されています。バックを固めるのはお馴染みオルベリアン指揮のカナウス市交響楽団です。
  

DE 3474
\2400
《アドリアンヌ・ピエチョンカ〜シュトラウスとワーグナーを歌う》
 R.シュトラウス:
  「赤いバラ」「出会い」「夜」「かわらぬものOp.10-3」
  「解き放たれてOp.39-4」「献呈Op.10-1」/
 ワーグナー:「ヴェーゼンドンクの5つの歌曲」/
 R.シュトラウス:
  「あなたは私の心の王冠Op.21-2」「憩え、わが魂よOp.27-1」
  「黄昏の中の夢Op.29-1」「わが子にOp.37-3」
  「何もないOp.10-2」「明日Op.27-4」
アドリアンヌ・ピエチョンカ(ソプラノ),
ブライアン・ジーガー(ピアノ)
 存在感ある歌唱と美声
 1988年にカナダの歌劇場で「ムツェンスクのマクベス夫人」に出演し、オペラ・デビューを飾ったアドリアンヌ・ピエチョンカ。その翌年にはウィーンのフォルクスオーパーに加わり、91年にはウィーン国立歌劇場のメンバーとなってヨーロッパでのキャリアを積みました。
 94年にはカナダに戻り、「ボエーム」のミミを歌い名声を高めます。最近の彼女の活躍についてはご存知の通り。ロイヤル・オペラでの「ばらの騎士」の元帥夫人(ビシュコフ指揮)や、数々のワーグナー作品で、存在感のある歌唱を聴かせています。
 このDELOSへの初アルバムでは、彼女が得意とするレパートリー、リヒャルト・シュトラウスとワーグナーを滴るような美声で歌っています。
  

DE 3485
\2400
《カペッラSFのクリスマス》
 1) Trad:Veni, veni, Emmanuel,
 2) プレトリウス:Psallite unigenito,
 3) Trad:Lo, how a Rose,
 4) Trad:In dulci jubilo,
 5) Trad:Silent Night,
 6) Trad:Ding, dong! Merrily on high,
 7) ブリテン:Balulalow,
 8) ブリテン:This little babe,
 9) Trad:The first Nowell,
 10) ラッター:Candlelight carol,
 11) Trad:Audete, Gaudete,
 12) フレードリク・シクステン:There is no rose,
 13) シクステン:The song of the star,
 14) フォルケ・ブーリン:Look! Shepherds of Bethlehem,
 15) グスタフ・ヌードクヴィスト:Jul, jul, stralande jul,
 16) デイヴィッド・コンテ:Patapan,
 17) コンテ:O magnum mysterium,
 18) エリック・ウィテカー:Lux aurumque,
 19) Trad:Go tell it on the mountain,
 20) Trad:Have yourself a merry little Christmas
ラグナル・ブーリーン(指揮)
カペッラSF
 高い技術と芸術性を持ちあわせた合唱団
 国際的な知名度を持ち、グラミー賞の受賞経験もある指揮者ラグナル・ブーリーンが設立したヴォーカルアンサンブル「カペッラSF」は、2014年の設立以来4回のコンサートを開催し、どれもが批評家たちに大絶賛されています。
 このアルバムは彼らの初の商業的リリースであり、その驚異的な技術と芸術性を存分に発揮しているものです。
 収録されているのは1000年以上の伝統に育まれたクリスマスの音楽で、ポピュラーな曲から、ブーリーンの母国スウェーデンの作曲家、シクステンによる新作(世界初演)まで、ヴァラエティに富んだ作品が並べられています。
 

DE 1046
\2400
《メアリー・マコーリフ:Return to Old Ireland》
メアリー・マコーリフ:
 1) Gloria!, 2) Leaving- A Famine Victim’s Cry of Desolation,
 3) A Dawn Song, 4) The Drifter,
 5) Down by the Salley Gardens, 6) Frolics,
 7) When You Are Old, 8) Return to Old Ireland
1) ジェフリー・ブラック・ジョンソン(指揮)
ウエスト・バージニア大学合唱団&
スタジオ・オーケストラ/
2) ドナルド・ジョージ(テノール),
ウエスト・バージニア・スタジオ合唱団、他,/
3,5, 7) ドナルド・ジョージ(テノール)
ルシー・ナウロ(ピアノ)/
4) ミカイラ・マイヤース・マクティア(ヴァイオリン)
ルシー・ナマウロ(ピアノ)/
6) ルシー・ナウロ(ピアノ)/
8) マイケル・オニール(指揮)
マイケル・オニール・シンガーズ 
 アイルランドの長い歴史に潜む悲しみや郷愁を表現
 アイルランドの女性現代作曲家、メアリー・マコーリフの初の作品集です。彼女の暖かく感動的な音楽は、アイルランドの長い歴史に潜む悲しみや、郷愁を自然に思い起こさせるものです。
 アイルランドの詩人の詩を用いた合唱曲や、慎ましい室内楽曲が聴き手の心に忘れがたい印象を残します。
 演奏者は、ウエスト・バージニア大学出身のピアニスト、ルーシー・マウロとテノール歌手、ドナルド・ジョージ。DELOSレーベルにマティルデ・フォン・クラリク、マーガレット・ルスヴェン・ラングの2人の女性作曲家の歌曲集を録音するなど、興味深い仕事を続けています。
 

DE 3468
\2400
《イサベル・レナード/Preludios〜スペイン歌曲集》
 1) モンポウ:夢の戦い〜君の上には花ばかり,
 2) ファリャ:ロンダのパン,
 3) ファリャ:前奏曲(Madres, todas las noches),
 4) ファリャ:幼子を腕に抱きしめる母たちの祈り,
 5) ファリャ:大波,
 6〜12) ファリャ:7つのスペイン民謡,
 13) ロルカ:セビリャの子守歌,
 14) バベルデ:クラベリートス,
 15) ロルカ:巡礼者,
 16) グラナドス:麗しき人,
 17〜21) モンサルバーチェ:5つの黒人の歌,
 22) トラディショナル:スペイン民謡の子守歌
イサベル・レナード(メゾ・ソプラノ),
ブライアン・ゼガー(ピアノ)
得意とする魅力的なスペインの歌
 ジュリアード音楽院を卒業後、2009年のシーズンではメトロポリタン歌劇場で「フィガロの結婚」のケルビーノを歌い大絶賛されるなど、着々と力をつけているメゾ・ソプラノです。
 数々の舞台経験と、受賞経験はもちろんのこと、何より深く力強い声が特徴的な彼女。このDelosレーベルデビュー盤には、彼女がもっとも得意とするスペイン歌曲が集められました。
 民謡風のメロディと特徴的なリズムに支配されたこれらの歌を実に魅力的に聴かせてくれます。
 【録音】2013年5月, ニューヨーク、ウェストチェスター・スタジオ(デジタル:セッション)
 

DE 3476
\2400
《ピート・クーンホフ/Remembrances》
 1) ラフマニノフ:ヴォカリーズ(M.プレス編),
 2) ポール・シェーンフィールド:4つの思い出 〜タンゴ,
 3〜5) ジョン・ウィリアムズ:シンドラーのリスト より,
 6) ボルコム:グレイスフル・ゴースト,
 7) ラフマニノフ:ひな菊,
 8) スコット:エレジーOp.73-1,
 9) イザイ:子供の夢Op. 14,
 10) クライスラー:ロマンスOp.4,
 11) グリエール:12のやさしい小品Op. 45〜民謡,
 12) スコット:ロマンスOp.73-2,
 13) チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ(クライスラー編),
 14) プロコフィエフ:アレクサンドル・ネフスキーOp. 78(ギンゴールド編),
 15) コダーイ:ヴァイオリンとピアノのためのアダージョ,
 16) ピアソラ:オブリビオン(忘却)
ピート・クーンホフ(ヴァイオリン),
トルイダ・ファン・デル・ヴァルト(ピアノ)
郷愁を感じさせる親しみやすいメロディ
 エレガンスさと完璧な柔らかさは、かのハイフェッツ、もしくはオイストラフを思わせる」と絶賛されたヴァイオリニスト、ピート・クーンホフのリサイタル・アルバム。選ばれているのは20世紀の様々な作品ですが、いずれもどことなく郷愁を感じさせる曲です。ちょっと感傷的で小粋なメロディを彼は心を込めて丁寧に演奏しています。
 【録音】南アフリカ、ノース・ウェスト大学(デジタル:セッション)
 

DE 3480
\2400
《ムラサキ・デュオ/チェロとピアノのためのデュオ・ヴィルトゥーゾ》
 1) カステルヌオーヴォ=テデスコ:フィガロ
  (ロッシーニの歌劇「セヴィリァの理髪師」による),
 2) マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲H.290,
 3) ヒナステラ:パンペアーナ第2番Op.21,
 4) ピアソラ:ル・グラン・タンゴ,
 5) ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
ムラサキ・デュオ
[エリック・クッツ(チェロ),
ミコ・コミナミ(ピアノ)]
多彩な音楽性をもつ技巧デュオ
 996年に結成された「ムラサキ・デュオ」は、ベートーヴェンなどの古典派から現代曲まで、広いレパートリーをもつアンサンブルです。
 このアルバムでも、その多彩な音楽性が遺憾なく発揮されています。ロッシーニをテーマにした2曲はもちろんのこと、ピアソラやヒナステラでの仄暗い情熱、そして歌心たっぷりのブラームスまで、ヴァリエーション豊かな作品で聴き手を魅了する超絶技巧デュオです。
 【録音】2010年, トロント、グレン・グールド・スタジオ(デジタル:セッション)
 


DE 3487
(2CD)
\4600→\4190
《音楽による平和の祭典》
 1) コープランド:市民のためのファンファーレ,
 2) ヴェルディ:レクイエム〜サンクトゥス,
 3) 作者不詳:ボグロドジシカ(古いポーランドのマリアのための詩篇),
 4) グレツキ:Totus Tuus,
 5) バーンスタイン:チチェスター詩篇,
 6) ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
サー・ギルバート・レヴァイン(指揮)
セント・ルークス管弦楽団,
クラクフ・フィルハーモニック合唱団,
ワシントン合唱芸術協会
 音楽が世界をひとつに!
 1948年、アメリカ生まれの指揮者ギルバート・レヴァイン卿は「傑出した才能」として知られ、ドレスデン・シュターツカペレやロンドン・フィル、ピッツバーク交響楽団などを指揮しています。
 1988年には当時の教皇ヨハネ・パウロ二世に謁見し、司教職の10周年を祝したコンサートの依頼を受けました。
 このコンサートがヨーロッパ全土で放映されたことをきっかけに「ローマ教皇のマエストロ」として知られるようになります。そんなレヴァイン卿による2014年のこのコンサートは、「平和」をテーマにした音楽で構成されています。
 【録音】2014年5月5日、ワシントン、DAR Constitution Hall(デジタル:ライヴ)


DE 3457
(2CD)
\4600→\4190
ホロストフスキー&フリットリ
 ヴェルディ:歌劇「シモン・ボッカネグラ」
ドミートリー・ホロストフスキー(バリトン),
バルバラ・フリットリ(ソプラノ),
イルダル・アブドラザコフ (バス),
ステファノ・セッコ(テノール),
コスタス・スモリギナス(バリトン),
マルコ・カリーア (バリトン),
エグレ・シドラウスカイテ(メゾ・ソプラノ),
ケストゥティス・アルカウスキス(テノール),
カウナス国立合唱団,
カウナス市交響楽団,
コンスタンティン・オルベリアン(指揮)
 ホロストフスキーの充実した名唱
 Delosレーベル初のイタリア・オペラ全曲録音CDとなるヴェルディの大作「シモン・ボッカネグラ」。
 この作品は、男性の低い声が特徴的に用いられていることで知られ、優れたバリトン歌手とバス歌手を起用することが上演の成功を握るカギの一つとなっています。
 この演奏は、ホロストフスキーをはじめとした男声の充実ぶりはもちろんのこと、バルバラ・フリットリも素晴らしいアメリア(マリア)を聴かせてくれます。
 長らくモスクワ室内管弦楽団で采配をふるっていた名手オルベリアンの闊達な指揮も見事です。【録音】2013年8月、リトアニア、カウナス・フィルハーモニック(デジタル:セッション)
 


DE 3475
\2400→\2190
ドミートリー・ホロストフスキー  《Wait For Me》
 1) アレクサンドラ・パフムートワ:Goryachii sneg (Hot Snow),
 2) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:Zhdi menya (Wait for Me),
 3) アンドレイ・パヴロヴィチ・ペトロフ:
   Cantata Nam Nuzhen Mir (We Need Peace): Mother's Arioso,
 4) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:Kak sluzhil soldat (The Soldier Served),
 5) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:Maya lubimaya (My Beloved Girl),
 6) エドゥアルド・コルマノフスキー:Alyosha,
 7) アンドレイ・パヴロヴィチ・ペトロフ:Minuti tishiny (Moments of Silence),
 8) アレクサンドル・ドルハニャン:Dunai Goluboi (The Danube is Blue),
 9)ワシリー・パヴロヴィチ・ソロヴィヨフ=セドイ:Ballada o soldate (Ballad of a Soldier),
 10) N.ゴルベンコ:Zhdi menya (Wait for Me)、
 11) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:
   Chernoglazaya kazachka (Dark-eyed Cossack Girl),
 12) 作者不詳:Oganyok (Glowing Little Light),
 13) ワシリー・パヴロヴィチ・ソロヴィヨフ=セドイ:Solovyi (Nightingales),
 14) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:
   Pushki molchat dalnoboinye (Long-range Cannons are Silent),
 15) マトヴェイ・イサーコヴィチ・ブランテル:
   V lesu prifrontovom (In the Woods Near the Front),
 16) イサーク・イオシフォヴィチ・デュナイエフスキー:
   Ekhal ya iz Berlina (On My Way from Berlin)
ドミートリー・ホロストフスキー(バリトン),
コンスタンティン・オルベリアン(指揮),
モスクワ・ノーヴァヤ・オペラ管弦楽団
 ホロストフスキーが訴える大戦時代のロシア歌曲
 稀代のバリトン歌手、ホロストフスキーによるロシアの知られざる歌曲を集めたコンセプト・アルバム。第二次世界大戦時代にロシアで書かれたこれらの曲は、幾分メランコリックでありながら、秘めた情熱が聴き手の心を掴みます。
 シャンソン風なメロディを軍歌調のリズムに載せたパフムートワの曲やロシア民謡を思わせるプランテルの曲など、ショスタコーヴィチやカバレフスキーの作品とは全く違う風情を持ちながらも、切々と聴き手の心に訴えかける全16曲です。
 【録音】2014年7月, モスクワ、モスフィルム・トーンスタジオ(デジタル:セッション)

ECM



4811555
\2500→\2290
時代を超えたリュート歌曲集
 《Amores Pasados》

 1-3) ジョン・ポール・ジョーンズ:
  Amores Pasados(3つのスペイン語による詩),
 4) ピーター・ウォーロック:Sleep,
 5) トマス・キャンピオン:Follow thy fair sun,
 6) トマス・キャンピオン:Oft have I sighed,
 7) ピックフォース:In nomine 1,
 8) トマス・キャンピオン:The cypress curtain of the night,
 9) トマス・キャンピオン(トニー・バンクス編):Follow thy fair sun,
 10) アーネスト・ジョン・モーラン:Oh Fair enough are sky and plain,
 11) トマス・キャンピオン(トニー・バンクス編):The cypress curtain of the night,
 12) ピックフォース:In nomine 2,
 13) スティング:Bury me deep in the greenwood
ジョン・ポッター(歌),
アンナ・マリア・フリーマン(歌, ハルダンゲル・フィドル),
アリエル・アブラオヴィチ(リュート),
ヤコブ・ヘリングマン(リュート),
 新旧のジャンルを超えた作曲家による新リュート歌曲集
 ヒリヤード・アンサンブルのメンバー、ジョン・ポッターによる、新感覚のアルバム。
 17世紀のキャンピオンのオリジナル作品、20世紀初頭のイギリス作曲家ウォーロックやモーランの作品のトランスクリプション。そしてロック・ミュージシャンの曲をリュート歌曲として演奏しています。
 レッド・ツェッペリンのベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズによる3つスペイン語による詩「Amores Pasados」、ジェネシスのキーボーディスト、トニー・バンクスはキャンピオンの歌を編曲。スティングもこのアルバムのために曲を提供しています。
 それらの曲を2台のリュートを伴奏に編み上げ、ECMレーベルらしいニュー・サウンドが堪能できるフレッシュな一枚です。
  【録音】2014年11月, オスロ、レインボウ・スタジオ(デジタル:セッション)

MD+G


316 19072
\2400
《イギリス・オルガン音楽の饗宴Vol.2》
 エドワード・エルガー:帝国行進曲Op.32, 朝の歌Op.15-2,
 ヘンリー・スマート:変奏付きコラール 変ホ長調,
 アルフレッド・ホリンズ:陽光の歌,
 ヒューバート・パリー:幻想曲とフーガ ト長調Op.188,
 サミュエル・セバスチャン・ウェスレー:ラルゲット 嬰ヘ短調,
 ジョン・アイアランド:カプリッチョ ハ長調,
 フランク・ブリッジ:アダージョ ホ長調,
 ハーバート・ハウエルズ:詩篇前奏曲第2集第3番,
 エドワード・エルガー:夕べの歌Op.15-1, 威風堂々第1番Op.39-1
ベン・ファン・オーステン(1877年ヘンリー・ウィリス製作オルガン)
 ソールズベリー大聖堂のオルガンで聴く荘厳な響き
 イングランド南西部の都市、ソールズベリーにある大聖堂は13世紀に建立され、イギリスで最も高い塔を有しています。ここには2台のオルガンがあり、1台は15世紀頃からある由緒あるもので、もう1台が今回演奏に使用されたヘンリー・ウィリス(1821-1901)の手によるものです。
 当盤は、エルガーやアイアランドらのイギリスの名曲の数々を4段の手鍵盤、4000本のパイプを持つ大規模なオルガンの荘厳な響きで聴く、贅沢なアルバム。なかでも「威風堂々第1番」は、聴き手の心を沸き立たせること間違いありません。
 【録音】ソールズベリー大聖堂
 


608 4232
\2400→\2190
名手ゲリンガスと彼の弟子だったクライン
 《ロッシーニ、ハイドン:チェロのためのデュエット》
 ロッシーニ:チェロのためのデュエット,
 ハイドン:
  デュエット ニ長調Hob.X:11, ト長調Hob.XII:4, ト長調Hob.XII:1, ニ長調Hob.XII:3&5
ダヴィド・ゲリンガス(チェロ),
エミール・クライン(チェロ)
 チェロの師弟によるデュエット
 まるでオペラのアリアやデュエットのように、華麗に歌う2台のチェロ。25年ほど前に録音された演奏ですが、時を経た現在でもその輝きは全く褪せていません。
 名手ゲリンガスと彼の弟子であったクラインのチェロが、競い合うように魅惑的なメロディを奏でていきます。またハイドンの曲はもともと当時の弦楽器「バリトン」のための曲ですが、チェロで演奏することで新たな魅力を放っています。
 

902 19066
(SACD Hybrid)
\3100
《ウルリヒ・ツァイトラー:ミサ・クレド》
 ウルリヒ・ツァイトラー:ミサ・クレド
マリア・ベルニウス(ソプラノ),
ベルンハルト・クラス(サクソフォン),
ヘルムート・レーシャー(ピアノ),
ウルリヒ・ツァイトラー(指揮)
アンサンブル333
 グレゴリオ聖歌のメロディとジャズの融合
 グレゴリオ聖歌のメロディとジャズの融合・・・現代、時折現れるこのような不思議で陶酔的な音楽は、ジャンルの壁を超え様々な形で浸透しつつあります。
 サックスとソプラノ、そしてピアノとヴォーカル・アンサンブルが醸し出す音に、信仰の奥深さと伝統が滲みます。微妙に移り変わる響きの色彩を余すことなく捉えた素晴らしい録音にも注目です。
 [CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]
 


930 19086
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
オケ版のほうはブルニエ(指揮)&ボン・ベートーヴェン管
 《4手のためのピアノ版と管弦楽版の「春の祭典」》

  ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
   1) 4手のためのピアノ版,
   2) 管弦楽版
1) トレンクナー&シュパイデル・ピアノ・デュオ
2) ステファン・ブルニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 ピアノ版と管弦楽版で聴く《春祭》
 ディアギレフのバレエ・リュスのために書かれた「春の祭典」は初演時に激しい混乱を巻き起こしたことで知られています。
 現代ではすっかり定着したレパートリーですが、従来とは全く違うダンサーたちの動きに加え、暴力的ともいえるオーケストラの咆哮は、確かにそれまでのバレエの概念を大きく塗り替えたものであったに違いありません。
 この画期的な作品にはピアノ連弾ヴァージョンがあり、こちらもピアノ・デュオのレパートリーとして良く演奏されます。ピアノ版を聴くことが、混沌としたオーケストラ版の骨組みを理解する一助となるでしょう。
 マーラーの交響曲のピアノ・デュオ版などで見事な演奏を聴かせるトレンクナー&シュパイデル・ピアノ・デュオの才気あふれる演奏を収録しています。ブルニエ指揮による管弦楽版はライヴ録音で、熱いエネルギーがほとばしる名演です。
 [CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]


旧譜
ステファン・ブルニエ(指揮)&ボン・ベートーヴェン管によるラヴェル!


937 18636
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』(全曲) ステファン・ブルニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団,
ケルン放送合唱団

 ステファン・ブルニエは、1964年ベルン生まれ。「新しい音楽のためのアンサンブル、エッセン」を結成、指揮者として、またピアニストとしてもその名前を知られるようになりました。その後ドイツ各地の歌劇場で実績を積み、マインツ、アウグスブルク、マンハイムを経て、ダルムシュタット州立劇場の音楽監督に就任。2008年からはボン・ベートーヴェン管弦楽団およびボン歌劇場の首席指揮者を務めています。
 若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と発表しているブルニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団。これまではドイツのロマン派の作品を中心に録音してきましたが、今回はラヴェル挑戦。 精緻なスコア・リーディングを基に、響きの透明感を際立たせながら、混沌さとエロティックな薫りが漂う魅力的な演奏を聴かせてくれます。

ハイブリッドSACD仕様(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)

 

906 18786
(SACD Hybrid)
\3100
《ニコラウス・ブルーンス:オルガン作品全集》
 ニコラウス・ブルーンス(1665-1697):
  1) プレリュード ト長調, 2) 小プレリュード ホ短調,
  3) コラール幻想曲「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」,
  4) アダージョ ニ長調, 5) プレリュード ト短調,
  6) 大プレリュード ホ短調/
 アルノルト・メルヒオール・ブルンクホルスト(1670?-1725):
  プレリュード ホ短調/
 作者不詳:キリエ=キリストよ=キリエ/
 作者不詳(P・モルトハルト編):「汝 平和の君、主イエス・キリスト」/
 プレゼンテーション=作品解説
インゴ・ドゥーヴェンゼー(クラップマイヤー製オルガン)
 師ブクステフーデの作品に匹敵するほどの作品力
 幼いころからオルガンの才能を発揮し、ブクステフーデに師事。その後コペンハーゲンで活躍し、24歳でフーズム市のオルガニストに就任するも、その後8年足らずで急逝してしまったブルーンス。
 残された作品も非常に少ないのですが、そのどれもが師ブクステフーデの作品に匹敵するほどの見事なものです。J.S.バッハが学んだ「メラー写本」にもブルーンスの作品が収録されており、当時の名声の高さを窺わせます。 【録音】ドイツ、アルテンブルック、聖ニコライ教会(デジタル:セッション)
 [CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]
  

614 18952
(2CD)
\4800
《シャイト:タブラトゥーラ・ノヴァ第3集》
 ザムエル・シャイト(1587-1654):タブラトゥーラ・ノヴァ第3集より
  1) 第4旋法によるキリエ・ドミニカーレ,
  2〜10)第1〜9旋法のマニフィカト,
  11) Credo in unum Deum,
  12) Hymnus De Adventu Domini,13) Hymnus De Nativitate Christi,
  14) Hymnus Christe qui lux, 15) Hymnus Vita Sanctorum,
  16) Hymnus Veni Creator Spiritus, 17) Hymnus O Lux beata,
  18) Psalmus sub Communione,
  19) ペダル・オルガンのための遊びのモード,
  20) ペダル・オルガンのためのモード
フランツ・ラムル(オルガン)
 作品の音にあったオルガンを選択し音楽を克明に再現
 フランツ・ラムルによるシャイトの「タブラトゥーラ・ノヴァ」全集は、この第3集で完結となります。この初期バロック時代の偉大な作品は、ほとんどがシャイトの生徒たちのために書かれています。
 これはコラール編曲の技法の研究としても優れており、ドイツのオルガン伝統の礎となるとともに、後世の作曲家たちにも多大な影響を与えた作品です。
 1964年生まれの名手ラムルは、トン・コープマンにオルガンとチェンバロを学び、1990年からはハーグ王立音楽院のバロック・オルガン演奏の教授を務め、ハスラー・ コンソートの音楽監督も務めています。
 ラムルはこれら作品の音にあったオルガンを選択し用いることで、この時代の音楽を克明に再現しています。【録音】ドイツ、タンガーミュンデ、聖シュテファン教会、シェーラー製オルガン/ハンブルク、聖ヤコビ教会、シュニットガー製オルガン/オーストリア、シュレーグル、Praemonstratenser- Chorherrenstift、プッツ製オルガン
 


901 18976
(2SACD Hybrid)
\6200→\5590
ダグラス・ボイド(指揮)&ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
《モーツァルト&サリエリ:序曲とアリア集》

 アントニオ・サリエリ:
  歌劇『オルムズの王アクスール』序曲 /
  歌劇『ファルスタッフ』より「Ah vile ? Or gli affanosi palpiti」/
  歌劇『オルムズの王アクスール』より「Come fuggir … Son queste le speranze」/
  歌劇『煙突掃除人』より「Augelletti che intorno cantate」/
  歌劇『見出されたエウローパ』より「Ah! Lo sento」/
  歌劇『トロフォニオの洞窟』序曲/
  歌劇『オルムズの王アクスール』より「Qui dove ride l’aura」/
 モーツァルト:
  アリア『あなたに明かしたい、おお神よ』K.418/
  アダージョとフーガ ハ短調K.546/
  レチタティーヴォとアリア『あわれ、おお夢よ!息吹くそよ風』K.431/
  歌劇『イドメネオ』よりバレエ音楽K.367/
  歌劇『イドメネオ』より「Spiegarti non poss’io」/
  歌劇『ティトの慈悲』序曲K.621/
  レチタティーヴォとロンド
   『わが憧れの希望よ。ああ、あなたはいかなる苦しみか知らない』K.416/
  『6つのレントラー舞曲』K.606/
  劇唱『もういいの、私は全てを聞いた』とロンド『恐れないで、愛する人よ』K.490
郭森(ソプラノ),
ケネス・トレヴァー(テノール)
ダグラス・ボイド(指揮)
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
 サリエリの真の姿を再発見
 あの映画の影響で「宿命のライバル」と見做されているモーツァルトとサリエリ。しかし実際のサリエリは弟子たちにも献身的であり、モーツァルトの才能も買っていたと言われています。
 彼らが活躍した当時は、サリエリの方が人気は高く、身分も上だったことは確かです。陰謀説のためか、ずっと忘れられていたサリエリの作品は近年少しずつ復興の兆しを見せており、ここで2人の作品を並べて聴くことも、サリエリの真の姿の認識に役立つかもしれません。SACD Hybrid[CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND]
 

603 19032
\2400
《メモリーズ〜ヴァイオリンとピアノのためのロシア作品集》
 プロコフィエフ:
  ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調Op.94a/
  「3つのオレンジへの恋」より行進曲/
 シュニトケ:古風な組曲/
 シチェドリン:アルベニス風に/
 ショスタコーヴィチ:「前奏曲集Op.34」より第10, 15, 16, 17, 24番/
 ラフマニノフ:ヴォカリーズ/
 ハチャトゥリアン:剣の舞/
 チャイコフスキー:瞑想曲Op.42-1, ワルツ・スケルツォOp. 34
キリル・トルソフ(ヴァイオリン),
アレクサンドラ・トルソフ(ピアノ)
 トルソフ兄弟による美しきロシアの音楽
 新時代を開く若手ヴァイオリニスト、キリル・トルソフと彼の妹アレクサンドラのピアノで聴くロシアの名曲の数々です。多彩な音色と知性、そして上品さと力強さを併せ持つトルソフは、このアルバムに収録された様々な曲にぴったりの表情をつけていきます。
 荒々しいプロコフィエフやハチャトゥリアンや、美しい「ヴォカリーズ」をはじめ、最近人気が高まってきたシュニトケの「古風な組曲」の風変わりな美しさにも注目です。
 

Basel Symphony Orchestra(バーゼル交響楽団)



SOB08
\2100→\1890
アイヴォー・ボルトン&バーゼル響/狂気の愛
 〜シェイクスピアに触発されたベルリオーズの作品集

 1.序曲「リア王」Op.4/
 2.劇的交響曲「ロメオとジュリエット」Op.17-愛の場面 /
  音も人影もないキャピュレット家の庭 -
  キャピュレット家の若者たちが、宴の間を出て、
  舞踏会の音楽を思い思いに口ずさみながら通り過ぎる/
 3.夢想とカプリス Op.8/
 4-5.クレオパトラの死
ユン・ソヨン(ヴァイオリン)…3/
ヴェッセリーナ・カサロヴァ(メゾ・ソプラノ)…4-5/
バーゼル交響楽団/
アイヴォー・ボルトン(指揮)
2014年8月25-28日 スイス バーゼル,シュタッドカジノ ムジクザール
 ベルリオーズ(1803-1869)自身が「私の人生はとても多くの興味深い内容を盛った小説である」と語り、また45歳のときには実際に「回想録」の執筆もはじめるなど、その生き方も音楽に負けず劣らず波乱万丈の一途を辿った人でした。
 この回想録は彼の死後、1870年に出版されましたが、これを読んだ読者たちは、ここに横溢する狂気に驚くと同時に、彼の天才についての思いを巡らせたのです。
 このアルバムは、ベルリオーズがシェイクスピア作品に触発された作品が主に収録されていますが、極度に歪曲、拡大された人物描写や壮大な音楽、濃厚な表情は、確かに他の作曲家たちの同傾向の作品に比べると、一味も二味も違うもの。ベルリオーズという人物の特異さが遺憾なく強調されていると言ってもよいでしょう。
 今回、これらの作品を演奏するのは、オペラでも活躍するアイヴォー・ボルトン。「クレオパトラの死」では名歌手カサロヴァを迎え、充実した演奏を聴かせます。
 また、ヴァイオリン協奏曲ともいえる「夢想とカプリス」は歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」から派生した作品で、こちらも興味深い音楽です。ユン・ソヨンの力強い演奏が魅力的です。

CANARY CLASSICS



CC-15
(2CD)
\3100→\2790
オルリ・シャハム(ピアノ)
 Brahms Inspired-ブラームスに想起されたもの

<CD1>
 1-6.ブラームス(1833-1897):6つの小品 Op.118
  <第1番:間奏曲 イ短調/第2番:間奏曲 イ長調/
   第3番:バラード ト短調/第4番:間奏曲 ヘ短調/
   第5番:ロマンツェ ヘ長調/第6番:間奏曲 変ホ短調>/
 7.ブルース・アドルフ(1955-):わが内なるブラームス(間奏曲)/
 8.シューベルト(1797-1828):即興曲 変ト長調 Op.90-3 /
 9.シューマン(1810-1856):ロマンツェ 嬰ヘ長調 Op.28-2/
 10.ショパン(1810-1849):子守歌 変ニ長調 Op.57/
 11-13.ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
  <第1番:変ホ長調/第2番 変ロ長調/第3番 嬰ハ短調>/
<CD2>
 1-3.アヴナー・ドルマン(1975-):アフター・ブラームス-ピアノのための3つの間奏曲
  <第1番:Allegro con molto appassionato/
   第2番:Delicatamente con molto espressione/
   第3番:Adagio espressivo>/
 4-9. J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
  <プレリュード/アルマンド/クーラント/サラバンド/メヌエット Ⅰ-II/ジグ>/
 10.シェーンベルク(1874-1951):6つのピアノ小品 Op.19/
 11-17.ブラームス/ブレット・ディーン(1961-):
  ピアノのための小品 Op.119&ブラームスへのオマージュ
  <ブラームス:間奏曲 ロ短調 Op.119-1/
   ディーン:ブラームスへのオマージュ 第1番:天使の翼/
   ブラームス:間奏曲 ホ短調 Op.119-2/
   ディーン:ブラームスへのオマージュ 第2番:港の酒場の音楽/
   ブラームス:間奏曲 ハ長調 Op.119-3/
   ディーン:ブラームスへのオマージュ 第3番:天使の翼/
   ブラームス:狂詩曲 変ホ長調 Op.119-4>
オルリ・シャハム(ピアノ)
録音 2013年6月&2014年12月 USA マサチューセッツ,ウースター メカニクス・ホール
 ブラームスの晩年のピアノ曲は、一見地味な風を装いながらも、その中には実に深遠な世界がひそんでいます。
 後年の多くの作曲家たちもこの世界に憧れ、ここからたくさんの作品が生まれているのです。
 このオルリ・シャハムのアルバムは、そんなブラームスの作品を中心に、21世紀の作品と、ブラームスが限りない尊敬を抱いていたであろうバッハの作品を組み合わせ、またブラームスとは違った道を歩んでいった作曲家たち、シューベルト、シューマン、ショパンの作品を織り交ぜながら、5分にも満たない小さな曲が描き出す多彩な情景を映し出したものです。
 若きイスラエル系アメリカの作曲家ドーマンは、シャハム兄妹とも縁が深く、以前の「ヘブライのメロディ」(CC10)にも曲を寄せている人です。
 微妙に屈折した味わい深いブラームスといった風情を持った3つの曲は、とても興味深く響くはずです。
 

CAPRICCIO



C5241
\2700→\2490
来た!「鉄工場」新録音!ピアノ協奏曲も!
 アレクサンドル・モソロフ:作品集

 1.鉄工場 Op.19/
 2-4.ピアノ協奏曲 第1番 Op.14/
 5.コルホーズにトラクターが到着/
 6.チェロとピアノのための「伝説」Op.5/
 7.ピアノ・ソナタ 第1番 Op.3/
 8.4つの新聞記事 Op.21
シュテッフェン・シュライエルマッハー(ピアノ)/
リンゲラ・リームケ(チェロ…6)/
ナターリヤ・プシェニチニコワ(ソプラノ…8)/
ベルリン放送交響楽団/
ヨハネス・カリツケ(指揮)
録音 2014年2月 ベルリン ベルリン放送局
 クラシックを愛好する人ならば、一度は聴いておきたいといわれる名作「鉄工場」。3分程度の短い曲ですが、その歌劇な内容が当時のソ連当局の目に留まり、演奏されなくなるなどいくつものエピソードを持ち、それ故一層興味が高まったという逸品です。
 全曲を通じて力強い音の応酬に終始し、いかにも「社会主義リアリズム」を具現化したような力強い音楽です。
 作曲家のアレクサンドル・モソロフ(1900-1973)は現代音楽協会の室内楽部長を経て、放送局の音楽編成を務めた人ですが、様々な理由をつけてロシア音楽界から追放され、最終的には「反ソビエトのプロバガンダ」を理由に逮捕され、強制労働に送り込まれてしまい、生還後も厳しい生活を強いられました。
 彼の名誉が復権するのは、死後まもなくでした。また彼の作品の一部は破棄を強いられたとも言われ、現存する作品はあまり多くありません。
 そんなモソロフの作品を演奏するのは、奇才ピアニスト、シュライエルマッハー。また当時の新聞記事をそのまま歌にしたという「4つの新聞記事」も含め、実に興味深いアルバムとなっています。


数少ないモソロフの作品集アルバム
すでに入手困難と思われるので海外から取り寄せます。
完売の際はご容赦ください・・・。

NORTHERN FLOWERS
NF/PMA9978
1CD\5000
「戦時の音楽1941-1945 Vol.9」
 アレクサンドル・モソロフ(1900-1973):
  ①チェロ協奏曲第2番(1937-1945)
  ②交響曲ホ長調(1944)
アレクサンドル・ティトフ指揮
サンクト・ペテルブルク交響楽団
①ドミトリー・イェレミン(Vc)

録音:2009年
 大好評のロシア戦時の音楽シリーズ追撃の一枚は交響的エピソード「鉄工場」で知られるロシア・アヴァンギャルドのモソロフ。
 彼は初期に前衛的な作風で一世を風靡したものの、ほどなくしてソビエト当局に睨まれ転向を余儀なくされる。それでもなお反抗を続けたモソロフはついに運河建設の強制労働に送り込まれるが、師匠のグリエール、ミヤスコフスキーの尽力により作曲活動に辛うじて復帰。これらの作品はその復帰後の作品だが、ロシア民謡を素材とした骨太でドラマティックな音楽で、強制労働で著しく健康を害したとはとても思えないほどエネルギッシュ。
 チェロ協奏曲第2番のエレジーと題された第一楽章の冒頭から悲劇的なオーケストラの前奏に導かれてチェロのすすり泣くソロはモソロフの人生への恨み辛みか絶望か?第二楽章は「森の歌」にも似た平易で楽しげな旋律があふれ、終楽章では華やかな勝利への大行進。
 交響曲の重々しく荘厳な出だしは鳥肌もの。全四楽章あるうちの最初の三つの楽章がラルゴというのも変わっているが、悲劇の大波がこれでもか、これでもかとばかりに寄せては返し、聴き手の忍耐ももはや限界かというときになって終楽章のパワー全開の大爆発がやってくる。戦時中の戦意高揚、愛国心発露の創作を、という当局の思惑があったとしても、これは傑作といえよう。終盤はブラスがバリバリ、打楽器がドンジャカ、アドレナリン大放出の大団円。クライマックスではショスタコーヴィチの第7番を思わせるところもあって楽しめる。 


  


C5136
\2700→\2490
マーラー:交響曲「大地の歌」
 A.シェーンベルク(1874-1951)とR.リーン(1941-)による
 室内アンサンブル編

  1.第1楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌/
  2.第2楽章:秋に寂しき者/3.第3楽章:青春について/
  4.第4楽章:美について/
  5.第5楽章:春に酔える者/6.第6楽章:告別
イヴォンヌ・フックス(メゾ・ソプラノ)/
マルクス・シェーファー(テノール)/
リノス・アンサンブル
 1918年にシェーンベルクによって旗揚げされた音楽団体「私的演奏協会」では、その同時代の音楽に興味を持つ人々のために「良質な演奏」を提供することを目的とし、数多くの興味深い作品の初演が行われました。
 しかし、世相の悪化、また激しいインフレのために、作曲家が本来意図した編成で演奏することはほとんどの場合困難であり、そのためシェーンベルクと彼の友人、弟子たちはこれらの作品を、より演奏のしやすい編成(大オーケストラのために書かれたものを、ピアノ、ハルモニウムを含む室内楽に)に置き換え、ようやく演奏することができたのです。これにより、もともとの意図を変えることなく、一層コンパクトに、ある意味ですっきりした風情に生まれ変った作品群は、今聞いてみても独自の魅力をはなつものになっていることは間違いありません。
 リノス・アンサンブルはこのような作品の演奏を得意とする団体であり、これまでもマーラー(1860-1911)、ブルックナーをはじめとした一連の作品を音にして送り出しています。
  

C5193
\2700
スペインの歌集
 1-7.マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946):7つのスペイン民謡/
 8-10.エンリケ・グラナドス(1867-1916):昔風のスペインの歌曲集より/
 11.フェデリコ・モンポウ(1893-1987):アンダルーサ/
 12.モンポウ:魂の歌/
 13.モンポウ:お前の上にはただ花だけ/
 14-16.ホアキン・ロドリーゴ(1901-1999):
   4つの愛のマドリガル 第1番.第2番.第4番/
 17-21.ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002):5つの黒い歌/
 22.モンポウ:モンセニー/
 23.モンポウ:幻惑/
 24.モンポウ:エルミタージュの祈り
ゾリアナ・クシュプラー(メゾ・ソプラノ)/
オレナ・クシュプラー(ピアノ)
録音 2013年3月30日-4月2日 ウィーン 4tuneスタジオ
 双子のアンサンブル、クシュプラー姉妹によるスペインの歌曲集です。以前にはロシアの歌曲集(C5039)で、チャイコフスキーやラフマニノフをはじめとした濃密な歌曲を披露していた2人ですが、今作ではまた違った「激しく内面で燃え盛る情熱」を有したモンポウを中心に、グラナドス、ファリャ、ロドリーゴ、モンサルバーチェを聞かせます。
 変幻自在な歌に寄り添うピアノの香り高い表情をお楽しみください。ピアニストのオレナ・クシュプラーはモンポウを得意としており、彼女のソロ・アルバム(C5115)も高く評価されています。
  

C5207
\2700
アントニン・ドヴォルザーク:聖なる歌曲集
 1-10.聖書の歌 Op.99 B185
  <黒雲と闇とは主のまわりにあり/
   主よ、御身はわが隠れ家にしてわが盾/
   神よ、わが祈りを聞きたまえ/主はわが羊飼い/
   神よ、神よ、新しき歌を歌わん/
   おお神よ、わが願いを聞きたまえ/バビロン川のほとりで/
   主よ、われを顧みたまえ/山に向かいて、われ眼を上げ/
   主に向かって新しき歌を歌え>/
 11.前奏曲 ニ長調 B302.1/12.アヴェ・マリア/
 13.前奏曲 ト長調/14.三位一体の主日への賛歌/
 15.前奏曲 イ短調/16.アヴェ・マリア・ステラ/
 17.前奏曲 変ロ長調/18.フーガ ト短調/
 19-22.夕べの歌 Op.3 B61
  <おまえたち、空にある星よ/おまえが死んだ夢を見た/
   私はおとぎ話の騎士/神が愛に満ちた心になれば>
イヴォナ・サコヴィツ(メゾ・ソプラノ)/
マヌエル・ランゲ(ピアノ)…1-11.19-22/
ペーター・フリシェ(オルガン)…11-18
録音 2013年10月 ウィーン 4tuneスタジオ…1-10.19-22, 2014年7月10日 シュッテル教会…11-18
 ドヴォルザーク(1841-1904)の隠れた名曲「聖書の歌」は、彼がニューヨークのナショナル音楽院の院長職にあった時代の作品です。
 1894年に書かれたこの一連の曲は、彼の父親が病に伏したという知らせを受けたことが作曲の発端とされていますが、それ以外にも、グノーやチャイコフスキー、そしてハンス・フォン・ビューローら偉大な音楽家たちの訃報に悲嘆していたとも言われる、ドヴォルザークらしい素朴な旋律に敬虔な気持ちが込められた美しい曲集として成立しています。
 歌曲集「夕べの歌」もほとんど演奏されることのない隠れた名作。静かな諦観に満ちた曲です。他、珠玉のオルガン作品も収録されています。新進気鋭のメゾ・ソプラノ、サコヴィツの情感溢れる歌唱で。
  


C5240
\2700→\2490
ラインラント=プファルツ州立フィル
 マンケル&ニューストレム:ピアノと管弦楽のための作品集

  1-3.ヘニング・マンケル(1868-1930):ピアノ協奏曲/
  4-6.ヨースタ・ニューストレム(1890-1966):
   ピアノと室内管弦楽のための「コンチェルト・リチェルカンテ」
アンナ・クリステンソン(ピアノ)/
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
ロベルト・パーテルノストロ(指揮)
録音 2015年1月6-9日 ルートヴィヒシュハフェン,フィルハーモニー
 スウェーデンの推理作家ヘニング・マンケルの祖父にあたる同名の作曲家ヘニング・マンケル。彼の一連のピアノ独奏作品はアンナ・クリステンソンがすでにリリースしており(PHOENIX EDITION PE184)、その独創的で幻想的な音に魅了された方も多いのではないでしょうか?
 今回のピアノ協奏曲も同じ流れを汲むもので、ほんの少しだけ、彼が興味を持っていたフランス印象派の雰囲気を持つ面白い作品で、ずっと未発表であったものですが、今回実際に聴けるのは嬉しいことです。
 ニューストレムの作品も、なかなか面白いもので、こちらはストラヴィンスキーやオネゲルなどの新古典派の影響が感じられる、強烈な味わいをもつもの。彼が生涯を通じて愛していた“海の情景”も反映された美しい音楽です。



知られざる名盤
スヴェトラーノフのニューストレム「交響曲第3番
PHONO SUECIA
PSCD 709

\3000

ヨースタ・ニューストレム
 劇音楽第2番〈テンペスト〉前奏曲、
 歌曲集〈海辺の歌〉(ソプラノと管弦楽のための)

 シンフォニア・デル・マーレ(海の交響曲)(交響曲第3番) 

シャーロット・ヘレカント(Ms)
スヴェトラーノフ指揮
スウェーデン放送合唱団女声合唱
スウェーデン放送交響楽団

スヴェトラーノフの珍しい北欧レーベルへの録音。しかも’97年、2000年の録音。ニューストレムは1890年スウェーデン生まれの作曲家で、北欧の抒情と印象派を足したような作風。
スヴェトラーノフはスウェーデン放送交響楽団を貫禄十分に率いて壮大なシンフォニーを望みうる最高の形で再現してくれた。

 

CD ACCORD


ACD-214
\2100
ミコワイ・ゴムウカ:ポーランド詩篇によるメロディ(F.レイエス編曲)
 1.詩篇第1番:Szczesliwy, ktory nie byl miedzy zlemi w radzie/
 2.詩篇第49番:Sluchaj, co zywo! Wszystki ziemskie kraje nakloncie uszu/
 3.詩篇第96番:Zacznicie nowa moznemu piesn/
 4.詩篇第20番:Wsiadaj z dobrym sercem, o krolu cnotliwy/
 5.詩篇第90番:
  Sluszna rzecz, Panie, Tobie chwale dawac i Twoje swiete imie wyznawac/
 6.詩篇第137番:Siedzac po niskich brzegach babilonskiej wody/
 7.詩篇第130番:W troskach glebokich ponurzony/
 8.詩篇第77番:Pana ja wzywac bede, dokadem zywy /
 9.詩篇第7番:W Tobie ja samym, Panie, czlowiek smutny, nadzieje klade/
 10.詩篇第91番:Kto sie w opieke poda Panu swemu/
 11.詩篇第99番:Pan kroluje, ktory wlada anjoly lotnemi/
 12.詩篇第118番:Chwalcie Pana prze dobroc Jego niewymowna/
 13.詩篇第33番:Pana sercem wesolym wspomiencie, cnotliwi/
 14.詩篇第29番:Niescie chwale, mocarze, Panu mocniejszemu/
 15.詩篇第47番:Kleszczmy rekoma wszyscy zgodliwie
パウリーナ・セレムツィンスカ(ソプラノ)…1-4.6-10.12.14-15/
フェルナンド・レイエス(ビウエラ,ルネサンス・ギター)/
カルロス・カストロ(パーカッション)
録音 2014年8月4-8日 ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
 現在において、ポーランドのルネッサンス期の音楽というのは、あまり耳にする機会に恵まれていないのが実情です。しかしながら、言うまでもなくこの地にも素晴らしい音楽が息づいていたことは間違いありません。
 中でも、このミコワイ(ニコラス)・ゴムウカ(1535‐1609)による「詩篇によるメロディ」は当時の音楽文化の中で、最も重要な作品として位置づけられています。
 記録によると、ゴムウカは完全に音楽に身を捧げていたわけではなく、この詩篇の編纂も他の仕事の合間に手がけられたとされています。
 一見単純に見えるメロディですが、当時流行した舞曲の形式なども取り入れられた多彩なものであり、また楽譜の解釈も使用楽器の編成や、声などには自由度が与えられており、豊かな解釈の可能性が示唆されています。
 このアルバムでは、ビウエラ奏者のレイエスがこれらの曲をアレンジ。なんともいえない香り高い響きで、これらの曲を聴かせています。
 


ACD-215
\2100→\1890
モーツァルト:ザルツブルクのマリアのミサ 〜ミサ・ブレヴィス K275 と教会ソナタ
 1.イントロイトゥス:教会ソナタ 変ロ長調 K212/
 2.キリエ:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K275/
 3.グローリア:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K275/
 4.グラドゥアーレ:天主の御母なる聖マリア ヘ長調 K273/
 5.クレド:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調K275/
 6.オッフェルトリウム:創造主の御母よ ヘ長調 K277/
 7.サンクトゥス:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K275/
 8.ベネディクトゥス:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K275/
 9.教会ソナタ 変ホ長調 K67/
 10.アニュス・デイ:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調K275/
 11.ドナ・ノビス:ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 K275/
 12.コンムニオ:教会ソナタ ヘ長調 K224/
 13.ポストコンムニオ:教会ソナタ ヘ長調 K224/
 14.ポストリディウム:アヴェ・ヴェルム・コルプス ニ長調 K618
ピオトル・アレクセヴィツ(ソプラノ)…2.5.6.10.11/
カスパー・デヴィエク(ソプラノ)…3.8/
マルチン・リヴェン(アルト)/
マシェイ・ゴスマン(テノール)/
ジェルジ・ブトリン(バス)/
NFM 少年合唱団(マフゴルツァタ・ポドジエルニ…合唱指揮)/
NFM 合唱団/
ブロツワフ・バロック・アンサンブル/
アンジェイ・コセンジャク(指揮)
 録音 2014 年6 月28-29 日 ブロツワフ,ヴィトルド・ルトスワフスキ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 モーツァルト(1756-1791)は自身が生まれたザルツブルクという都市自体を嫌っていたようで、彼が父に宛てて書いた手紙からも、多くの「ザルツブルク嫌悪」の言葉を見る事ができます。1777 年、この土地を離れたくて、父とともに旅行するための嘆願書をザルツブルクの大司教に提出しますが、それは却下。結局すったもんだの上、モーツァルトは宮廷を辞めざるを得なくなってしまうのです。
 そんな1777 年頃に作曲されたモーツァルトのミサ・ブレヴィス K275。当時20 歳の彼にとってはミサの作曲などはお手の物であり、この曲も恐らく依頼を受けて短期間のうちに書かれたであろうとされています。
 簡潔にまとめられた「短い(ブレヴィス)ミサ」は、大司教の好みに合わせて書かれたともいわれますが、もしかしたら、これまでの大司教による酷い仕打ちに復讐するため、モーツァルトがわざと短く書いたのかもしれません。
 結果的には凝縮された素晴らしい音楽が生まれたことになるのですが。このアルバムでは、ザルツブルクで実際に上演されたであろう一連のミサの流れが再現されています。
 

ACD-216
\2100
夢みる湖 〜ルトスワフスキ&アンジェイ・チャイコフスキ:歌曲集
 1-9.ルトスワフスキ(1913-1994):
  歌の花と歌のお話(ロベール・デスノス詩)
  <美しき夜/バッタ/スピードウェル/野ばら、さんざしと藤/かめ/
  ばら/わに/アンジェリカ/ちょうちょ>/
 10-16.アンジェイ・チャイコフスキ(1935-1982):
  7 つのシェイクスピアのソネット
  <第1 番:ソネット第104 番「君は老いることなく」/
   第2 番:ソネット第75 番「詩人の葛藤」/
   第3 番:ソネット第49 番「その時に備えて」/
   第4 番:ソネット第61 番「眠れない理由」/
   第5 番:ソネット第89 番「わが身と戦う」/
   第6番:ソネット第90 番「傷口に塩」/
   第7 番:ソネット第146 番「魂の勝利」>
アガタ・ズベル(ソプラノ)/
ヨーナス・アホーネン(ピアノ)
 録音 2013 年12 月-2014 年6 月 ワルシャワ ポーランド放送、ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートホール
 近現代ポーランドを代表する2 人の作曲家による歌曲集です。ルトスワフスキの曲は、フランスの詩人ロベール・デスノスの詩を用いたもの。デスノスはフランスの文化発展に尽力した人ですが、第二次世界大戦中に占領下のフランスでレジスタンスに参加したことが原因で1944 年にゲシュタポに捕らえられ、収容所を転々とし、最後はテレジン収容所で命を落とすことになります。
 この「歌の花と歌のお話」は詩人が逮捕される直前の作品で、こどもたちのために書かれた短い詩を集めた詩集ですが、内容を理解するためには想像力が必要とされます。
 もう一人のアンジェイ・チャイコフスキはポーランド生まれの作曲家、ピアニスト。本名はクラウトハメルというのですが、ユダヤ系であったため名前を隠し、その時に使っていた偽名をそのまま芸名にしたということです。
 1955 年のショパン国際ピアノコンクールでは第8 位に入賞。ピアニストとして大成しましたが、彼自身は作曲家としての活動を好み、この歌曲集をはじめ、数多くの作品が残されています。
 ポーランド歌曲を歌わせたら右に出るものはいないソプラノ歌手、アガタ・ズベルの確信に満ちた歌唱で。

CEDILLE


CDR90000154
(2CD)
\3100
バッハとそれを越えて Part.2
<CD1>
 1-4.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
 5-8.バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117 BB124/
<CD2>
 1-4.カイヤ・サーリアホ(1952-):Frises/
 5-12.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)
録音 2014年4月20-21日 NY ウェストチェスター・スタジオ…CD2:1-4, 2014年6月4-5日.10-12日 パーチェス大学 パフォーミング・アーツ・センター…CD1:1-4,CD2:5-12, 2014年7月14-16日 パーチェス大学 パフォーミング・アーツ・センター…CD1:5-8

 アメリカのヴァイオリニスト、ジェニファー・コーによる「偉大なるバッハ作品と現代曲を組み合わせる」というコンセプトに基づいた「バッハとそれを越えて」のシリーズ第2弾です。
 前作(CDR90000-134)でも、各々の作品に横たわる、300年近くの年代の差をくっきりと表現していたコーですが、今作でもそれは見事に具現化されています。
 CD1でバッハからバルトークへと曲が移り変わる時、世界中の色が変化するような感覚を味わうことができるのではないでしょうか?
 そしてサーリアホへと、ヴァイオリンの音色自体も緩やかに溶けて行き、最後はまたバッハで締めくくる…この大胆かつ繊細な演奏は全ての聴き手を魅了します。
 


CDR90000155
(3CD)
\3100→\2790
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:
 ヴァイオリンと通奏低音のためのアカデミック・ソナタ全集 Op.2

<CD1>
 1-5.ソナタ 第1番 ニ長調/6-10.ソナタ 第2番 変ロ長調/
 11-14.ソナタ 第3番 ハ長調/15-18.ソナタ 第4番 ヘ長調/
<CD2>
 1-4.ソナタ 第5番 ト短調/5-9.ソナタ 第6番 イ長調/
 10-13.ソナタ 第7番 ニ短調/14-16.ソナタ 第8番 ホ短調/
<CD3>
 1-3.ソナタ 第9番 イ長調/4-6.ソナタ 第10番 ヘ長調/
 7-10.ソナタ 第11番 ホ短調/
 11-14.ソナタ 第12番 ニ短調/15.カノン:Ut relevet miserum
トリオ・セッテチェント
録音 2013年8月21-23日…CD2:10-16,CD3:1-10, 2014年8月4.6-10日…CD1,CD2:1-9,CD3:11-14.15 イリノイ州 シカゴ音楽学校,ニコルス・コンサート・ホール

 シカゴを拠点として活躍する「トリオ・セッテチェント」は、レイチェル・バートン・パイン(バロック・ヴァイオリン)と、ジョン・マーク・ローゼンタール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、デイヴィッド・シュレーダー(鍵盤楽器)の3人で結成されたアメリカ有数の古楽アンサンブルです。

 これまでのアルバムでは、イギリス、フランス、ドイツと様々な国の作品を演奏していますが、今回はイタリアの後期バロック時代の作曲家ヴェラチーニ(1690-1768)の作品を取り上げています。
 あのタルティーニも彼の演奏を聴いて自信を失くしたと言うほどのヴァイオリンの名手であり、数多くの演奏会に出演し、また数多くの作品を残した人です。人間的にも豪放な性格だったと言われ、多くの逸話が残されていますが、その音楽も華麗で奔放。このソナタも、技巧的なヴァイオリンと、それを彩る通奏低音との絡みがとても優美です。いつものように雄弁なバートンのヴァイオリンがとても魅力的です。



バートン・パイン/トリオ・セッテチェントの旧譜

CEDILLE
CDR90000 099
\2100→\1890
「イタリア滞在」
 ダリオ・カステッロ(1621-1631活動):8度のソナタニ短調/
 ストラデッラ(1644-1682):シンフォニアニ短調/
 ビアジョ・マリーニ(1597頃-1665頃):2声のソナタニ短調/
 ロカテッリ:室内ソナタへ長調op. 6-2/
 コレッリ:ソナタハ長調op. 5-3/
 タルティーニ:田園ソナタイ長調/
 ヘンデル:ソナタト長調HWV364a/
 フランチェスコ・ヴェラチーニ(1690-1750):ソナタニ短調op. 2-12
セッテチェント三重奏団:
【レーチェル・バートン・パイン(Vn)、
ジョン・マーク・ロゼンダール(Vc)、
デーヴィッド・シュラーダー(Cemb)】
 CEDILLEのなかで店主が大のお気に入りの一枚。
 店主が選ぶ「2008年ベスト21」にも入れさせていただいた、レイチェル=バートン・パイン率いる古楽器トリオによるアルバム「イタリア滞在」。
 きっと誰も注目しないような、イタリア・バロック期の音楽。なんということのない、他愛のないイタリア・バロックの流麗で可憐な音楽。ただそこに身を浸しているだけでもう幸せになる。
 ただ、1曲とても不思議な曲があった。ロカテッリの「室内ソナタ」。その第2楽章。ロカテッリはもっと穏健で美しいだけの人だと思っていたが、これはかなりアヴァンギャルド。こんな時代を超えたキュートな音楽を書いていたとは。天才である。

2006年12月録音 




CLAUDIO


CR6018
\2400
川村祥子:ゴルトベルクを弾く
 1-32.J.S.バッハ(1685-1750):ゴルトベルク変奏曲 BWV988/
 33.J.S.バッハ=フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924):シャコンヌ ニ短調/
 34.フランツ・リスト(1811-1886):ラ・カンパネラ
川村祥子(ピアノ)
録音 2013年6月7-8日 UK ブライトン,セント・バーソロミュー
 東京藝術大学を経て、モスクワ音楽院・大学院&研究科を卒業、スイスでアレクシス・ワイセンベルク、ロンドンでアドルフォ・バラビーノ、など世界的ピアニストに師事し、研鑽を続けてきたピアニスト川村祥子(さちこ)さんの演奏するバッハ「ゴルトベルク変奏曲」です。
 国内外で盛んな演奏活動を行い、すでに高い評価を受けている彼女のバッハには、確かな技巧と音楽性の中に、彼女の師であるバラビーノ氏のショパンを思わせる、柔和な表情と独特の暖かさが感じられます。
 カップリングのバッハ=ブゾーニのシャコンヌでの、解像度の高い響きもさることながら、白眉は最後の「ラ・カンパネラ」であり、ゆったりめのテンポで、音を一つ一つ慈しむかのようなこの演奏からは、彼女がこのアルバムの最後をこの曲で締めくくりたかった気持ちが強く伝わってくるようです。
 
CB6026
\2400
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番/パガニーニの主題による狂詩曲
 1-3.ピアノ協奏曲 第1番 嬰へ短調 Op.1/
 4.パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
セケイラ・コスタ(ピアノ)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
クリストファー・シーマン(指揮)
録音 1994年…1-3, 1991年…4
 ポルトガル出身のピアニスト、セケイラ・コスタの伝説的名演とされるラフマニノフ(1873-1943)の2つのピアノと管弦楽のための作品です。
 20世紀の名人たちの伝統を継ぐコスタは、このラフマニノフでも、ロマンティックな解釈と、華やかな技巧を全面に押し出し、適度にテンポを揺らすという、極めて納得の行く演奏をしています。
 このCDに収録されたラフマニノフの第1番の協奏曲は、モスクワ音楽院の卒業試験のために作曲された作品で、良く書けてはいたものの、やはり習作の域を出ることがなかったのか、後年になってラフマニノフはこの作品を全面改訂したというエピソードもあります。
 その点、有名な「パガニーニの主題による狂詩曲」は文句なしの名曲で、もちろんピアニストの名技も思う存分楽しむことができるものです。
 
CR6019
\2400
マゼランのプレイリスト 〜ギター・デュオ作品集
 1.ファジル・サイ(1970-):リキアの女王/
 2-6.ジョン.W.デュアート(1919-2001):ギリシャ組曲 Op.39
  <Zagoresios/In the Valleys/Tsirigotikos/
   Karagouna/Kalamatianos>/
 7.ロウエル・リーバーマン(1961-):夜想曲-幻想曲 Op.69/
 8-11.ジョン・フランセ(1912-1997):2つのギターのためのディヴェルスティマン
  <アントレー/エレジー/マドリガル/ロンドー>/
 12.任光‐Guang Ren(1900-1941):彩雲追月
  (C.ブルックシャイアによる2つのギター編)/
 13-16.ローラン・ディアンス(1955-):コム・デ・グラン
  <憂鬱な光/小さなきのこ/白いピエロ>/
 16.アンドリュー・ヨーク(1958-):イヴニング・ダンス
アテネ・ギター・デュオ
録音 2013年6月22-24日 UK ブライトン,セント・バーソロミュー
 ルネサンス時代、史上初の世界一周の偉業を成し遂げたフェルディナンド・マゼラン(1480-1521)。彼が活躍していた時代を、現代の音楽で思い起こすというユニークな1枚です。
 これらの作品は、マゼランが旅した国の当時の音楽スタイルを用いながらも現代的な音を持つものであり、時代のパイオニアであったマゼランに確かにふさわしいといえるでしょう。
 アテネ・ギター・デュオは伝統とモダンの両面からこれらの音楽に向き合い、絶妙なパフォーマンスを繰り広げています。何とも探究心溢れる1枚です。

CPO

777971
\1600
cpo 2015/16年CD付きカタログ
999107-2 フランツ・アントン・ホフマイスター:管楽セレナード集
 1.パルティータ 変ロ長調/2.パルティータ ニ短調/
 3.ディヴェルティメント 変ロ長調/
 4.パルティータ 変ホ長調/コンソルティウム・クラシクム
コンソルティウム・クラシクム
 1000タイトルを超えるアイテムを擁するCPOレーベル、2015/16年の最新カタログが発行されます。毎回添付されるお楽しみのCDですが、今回は古典派の作曲家ホフマイスター(1754-1812)の管楽セレナードです。
 モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンの友人であり、出版業者としても知名度の高いホフマイスターの作品は、当時の管楽器奏者のレベルの高さを彷彿させる優れた作品であり、ハイドンやモーツァルトとも違う風情を持つ、とても面白い音楽です。
 このジャンルの音楽はCPOレーベルが得意とするものですが、もちろん他にもルネサンス期から現代作品まで幅広いCDを取り揃えています。もちろんカタログを眺めるだけでも楽しいものです。
   


777740
\2700→\2490
アウグスト・クルークハルト:作品集
 1.交響曲 第4番 ハ短調 Op.57/
 2.3つの小品 Op.87
デッサウ・アンハルトフィルハーモニー/
アンソニー・ヘルムス(指揮)
 ケーテンで生まれ、10歳でピアノを作曲を学び始めたというクルークハルト(1847-1902)。相当才能に恵まれていたようで、1年後には作品を発表し、16歳でデッサウに移住した翌年にはピアニストとしてデビュー。その後は着々と才能を開花させ、ヴァイマールの宮廷劇場を皮切りに、ノイシュトレリッツ、デッサウの宮廷劇場で指揮者として目覚ましい活躍を遂げます。
 その間ヴァイマールではフランツ・リストに会い、また1876年にバイロイト音楽祭に出かけ「指環」の上演に感銘を受け、1882年にはデッサウの劇場で指揮者として「指環」を演奏しているのですから、こちらもすごい実績と言えるでしょう。
 彼は交響曲を6曲書いて(最初の1曲は番号なし)いて、この第4番は、まさにワーグナーやリストの後継者の音楽。重厚な響きとライトモティーフが用いられた優れた音楽です。かたやタイトルのない「3つの小品」は、ロッシーニやヴェルディを思わせる気楽な曲。こちらも興味深いものです。


特集で大ベストセラーとなったクルークハルトの交響曲
詳しくはこちら

CPO
777465-2
\2700→¥2490
アウグスト・クルークハルト:
 1.ヴァイオリン協奏曲 Op.68 ニ長調
 2.交響曲第 3 番 Op.37 ニ長調
ミリアム・チョップ(ヴァイオリン)/
デッサウ・アンハルト・フィル
ゴロー・ベルク(指揮)

 木管五重奏曲やチェロ協奏曲などは、今までにも僅かに聴く機会があったが、このアルバムではヴァイオリン協奏曲と交響曲第3 番という珍しい曲が収録されている。

CPO
777693
\2700→\2490
アウグスト・クルークハルト:
 1.交響曲 第5番 ハ短調 Op.71/
 2.演奏会序曲「春の時に」Op.30/
 3.祝典序曲 変ホ長調 Op.78
アンハルト・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニー・ヘルムス(指揮)

 「ピアノ五重奏曲」など一部の曲に、特定のファンをもつ作曲家クルークハルト(1847-1902)。
 彼はケーテンで生まれ、10歳からピアノと作曲を学び始めます。15歳の頃に家族とともにデッサウに移住。やがてピアニストとしてデビューを飾りました。作曲活動も進めており、20歳になる前には自作を発表するなど順風満帆な音楽家人生をスタートさせました。
 指揮者としても才能を発揮、ワーグナーの「指環」を上演するほどの活躍ぶりを見せた人です。
 彼の第3交響曲はすでにcpoからリリースされており(777465-2)、こちらはブラームスを思わせる明るさに満ちていましたが、この第5交響曲は調性的にもベートーヴェンを思わせる劇的なもの。1892年、彼がデッサウの指揮者として活動25年を迎えた年に書かれた曲です。


  

777540
(2CD)
\5400
ルートヴィヒ・マイナルドゥス:オラトリオ「ヴォルムスのルター」Op.36
 W.レシュマンの詩による独唱、
  合唱と管弦楽による2部からなるオラトリオ(1876/1883年出版)
マティアス・フィーヴェグ(バリトン)/
クレメンス・ロシュマン(テノール)/
アンネッテ・グジャー(メゾ・ソプラノ)/
コルビー・ウェルチ(テノール)/
マルクス・フライク(バス)/
クレメンス・ハイドリッヒ(バス)/
アンスガー・アイマン(テノール)/
ライニッヒェ・カントライ/
コンチェルト・ケルン/
ヘルマン・マックス(指揮)
 マイナルドゥス(1827-1896)はフランツ・リストに師事したドイツの作曲家、指揮者、オルガニスト、作家です。彼はイェファーで生まれ、当時新しく設立されたライプツィヒ音楽院に入学するようにシューマンに勧められますが、結局学生生活は長続きせず、何人かの教師に個人的に指導を受け、音楽を習得します。
 彼の作品中で最も成功した作品がこの、ヴォルムス帝国議会(1521)に召喚されたマルティン・ルターを描いた「ヴォルムスのルター」です。
 7人の独唱者と合唱、管弦楽で奏される劇的で演奏効果の高いこの作品は、1874年、ヴァイマルでリストの指揮によって初演されましたが、その後はあまり演奏されることもなく、今回のヘルマン・マックスの録音は広く歓迎されるものとなるでしょう。
  

777885
\2700
ヴィルトゥオーゾ・リコーダーIII イギリス・バロックのリコーダー協奏曲集
 1.ロバート・ウッドコック(1690-1728):リコーダー協奏曲 第2番/
 2.ウッドコック:リコーダー協奏曲 第4番/
 3.ウッドコック:リコーダー協奏曲 第5番/
 4.ウッドコック:リコーダー協奏曲 第8番/
 5.ウッドコック:リコーダー協奏曲 第6番からガヴォット/
 6.ジョン・バーストン(1685頃-1740):
  リコーダー協奏曲 第3番 ト長調/
 7.ウィリアム・バベル(1690頃-1723):リコーダー協奏曲 Op.3-3 ホ短調/
 8.バベル:リコーダー協奏曲 Op.3-6 ヘ長調/
 9.バベル:リコーダー協奏曲 第2番 ニ長調/
 10.シャルル・デュパール(1667-1740):フルート協奏曲 イ短調/
 11.デュパール:ヴァイオリンとオーボエ、弦楽、通奏低音のための協奏曲 イ長調
フランクフルト・カペラ・アカデミア/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮・リコーダー)
 第1集(777534)…ドイツのバロック、第2集(777316)…イタリアのバロックに続く、ヴィルトゥオーゾ・リコーダーの第3集は、お待ちかね「イギリスのバロック」作品集です。作曲家の名前にはほとんど馴染みがありませんが、ここで聞ける作品のなんと生き生きしたこと!
 明らかに、当時強い影響力を誇ったヘンデルの影響も見られますが、ウッドコックの作品は独奏的であり、優雅で想像力豊かなものです。
 協奏曲と言っても、現在のような3楽章(もしくは4楽章)形式ではなく、A-B-Aの三部形式の曲があったり、編成の小さなものがあったりと、ヴァラエティに富んでいます。曲によってはヴィヴァルディを思わせるものもあり、とても興味深いものです。
 今回もシュナイダーの見事な演奏が光ります。
 


777580
\2100→\1890
フリードリヒ・ゲルンスハイム:ピアノ五重奏曲集
 1.ピアノ五重奏曲 第1番 ニ短調 Op.35/
 2.ピアノ五重奏曲 第2番 ロ短調 Op.63
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)/
ジェモー四重奏団
 ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者ゲルンスハイム(1839-1916)。一時期は忘れられていましたが、最近になってその作品が演奏、録音されるようになり、広く人気を博するようになっています。
 フランスに留学した際、サン=サーンスやラロと親交を結び影響を受けましたが、何よりゲルンスハイムが愛していたのはブラームスの音楽で、、彼の4曲ある交響曲にもブラームスの面影が横溢していることで知られています。
 この2つのピアノ五重奏曲もブラームスの五重奏曲に良く似た雰囲気を持ち、特に第2番はブラームスの「クラリネット五重奏」の後継とも呼ぶべき音楽で、しっとりとした風情と重厚さを兼ね備えた素晴らしい作品です。
 各々の楽器の会話をお楽しみください。


旧譜
上で紹介したクルークハルトとゲルンスハイムのカップリング!!
非常に入りづらいSTERLINGから


STERLING
CDS 1096-2
\3000
発掘!ドイツ・ロマン派の流れを汲む秘曲
 クルークハルト:交響詩《レノーレ》Op.27(交響曲第2番ニ短調)
 ゲルンスハイム:交響詩《ある劇へ》Op.82*
マンフレッド・マイヤーホーファー(指揮)
アンハルト・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・アルプ(指揮)*
カイザースラウテルンSWR放送管弦楽団*

 ワイマール、デッサウの宮廷音楽監督を歴任した19世紀後期のドイツの大物指揮者兼作曲家、アウグスト・クルークハルト(1847−1902)と、主にケルンとロッテルダムで活躍しフンパーディンクの作曲の師でもあるフリードリヒ・ゲルンスハイム(1839−1916)の「交響詩集」。
 クルークハルトがワーグナーからの影響を受けていれば、ゲルンスハイムはブラームス。2作品ともドイツ・ロマンティシズムの流れを汲む知られざる秀作である。秘曲ファン要チェック!

 2002年10月14日(ライヴ)&1995年7月6日*の録音。

  

555005
\2100
ジンクフォニカー、現代の男声合唱作品を歌う
 1.エンヨット・シュナイダー(1950-):
  「世界の闇に無垢の炎」
   コントラテナー、2人のテノール、
   2人のバス、男声合唱とオルガンのための/
 2.アレッサンドロ・カダリオ(1979-):「風の中のばら」
   男声合唱とパーカッションのための/
 3.アレヤンドロ.D.コンソラチオン II(1980-):「ミサ・フィレンツェ」
   男声合唱とオルガンのための
ジンクフォニカー/
台北男声合唱団/
聶.庠 Nieh Yen-Hsiang(指揮)
 昨年、日本にも来日した、世界で最も人気の高いヴォーカル・アンサンブル「ジンクフォニカー」と、こちらも素晴らしいアンサンブルで知られる台北男声合唱団のコラボレーションから生まれた「現代の男声合唱作品集」です。
 現代作品を得意とする台北男声合唱団(TMC)は、すでに3枚の現代作品のCDをリリースしており、これらも高く評価されています。今回はドイツの人気作曲家エンヨット・シュナイダーと、イタリアのカダリオ、フィリピンのアレヤンドロ.D.コンソラチオン2世、この3人の宗教的作品を取り上げ、神秘的かつ、複雑な宗教観を交えた多彩なテキストを存分に聴かせます。斬新な響きも本当に感動的です。
  


777856
\2100→\1890
エルンスト・ヴィルヘルム・ヴォルフ:弦楽四重奏曲集
 1.弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.3-1/
 2.弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.3-2/
 3.弦楽四重奏曲 ト短調 Op.3-3/
 4.弦楽四重奏曲 ハ長調/
 5.クアドロ ニ短調
ケルン・プレイエル四重奏団
 古典派の時代、ドイツのベーリンゲンの音楽一家に生まれたヴォルフ(1735-1792)の弦楽四重奏曲集です。
 彼の兄も優れたオルガニスト、作曲家であり、彼も幼いころから音楽の才能を発揮、9歳の時にはすでに見事なチェンバロ奏者になっていました。
 ゴータ宮殿のギムナジウムではC.P.E.バッハの作品を聴き、その魅力の虜となった彼は、そのままC.P.E.バッハの良き友人として生涯を過ごしたといいます。
 弦楽四重奏のジャンルはヨーゼフ・ハイドンが切り開いたとされていますが、同時期のヴォルフの作品も決して見劣りするものではなく、管楽器や通奏低音を加えなくても、充分に素晴らしいアンサンブルを提供できることを実証しています。
 また生き生きとしたメロディーとハーモニーはヴォルフの美点でもあり、その豊かな音楽性に触れる喜びを味わうこともできるでしょう。
 ケルン・プレイエル四重奏団はこの時代の作品を得意とするアンサンブルで、ここでも納得の行く演奏を聴かせています。



エルンスト・ヴィルヘルム・ヴォルフの優雅な交響曲が聴けるアルバム
コンセプトも秀逸

CAPRICCIO
71128
(SACD Hybrid Multi)
\3000
ゲーテと同時代の巨匠たち
 カール・エーベルヴァイン(1786−1868):
  ゲーテのファウストによる間奏曲と歌曲より 前奏曲/
 エルンスト・ヴィルヘルム・ヴォルフ(1735−1792):
  シンフォニア ホ短調、同ト長調/
 アンナ・アマリア(1739−1807):エルヴィンとエルミーレより 序曲と間奏曲/
 ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト(1752−1814):
  エルヴィンとエルミーレより 序曲/
 フランツ・セラフ・フォン・デトゥシュ(1772−1844):シンフォニア ニ長調
ペーター・ギュルケ(指揮)、
ワイマール州立歌劇場管

 ドイツが生んだ文豪ゲーテと同じ時代に活躍した音楽家たちによる音楽を集めた作品集。
 ゲーテをワイマールに招聘したアウグスト大公の母であるザクセン・ワイマール・アイゼナハ公爵夫人アンナ・アマリアの作品が収録されているところも興味深い。

 演奏は歴代の音楽監督にリストやR・シュトラウス、アーベントロートが名を連ね、400年という歴史を持つワイマール州立歌劇場管弦楽団。
 ゲーテも劇場監督を務めていたこともあり、アルバムのテーマに沿った最適な起用と言えるだろう。

 

777286
\2700→\2490
チャーリー・チャップリン:映画音楽「モダン・タイムス」
 (デイヴィッド・ラクシンによる管弦楽版)
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ティモシー・ブロック(指揮)

 世界中の誰もが、チャップリン(1889-1977)が「偉大なる喜劇王」であったことを知っています。また彼が素晴らしい作曲家であったことも知っています。
 そんなチャップリンの最高傑作のひとつ「モダン・タイムス」の音楽を改めて味わってみませんか?この映画がご存知のように、資本主義社会と機械文明を痛烈に風刺した作品で、音楽は別に演奏される「サイレント映画」です。
 彼自身がメロディを書きましたが、オーケストラ編曲版は友人であるデイヴィッド・ラクシンに委ねました(ラクシンも、この編曲の成功が足がかりとなり、以降多くの映画音楽を手がけ「映画音楽の祖父」として讃えられています)。
 いかなるときでも「チャップリンらしさ」を失わないこの音楽。じっくり耳を傾けてください。


 
777899
\2700
レオ・ファル:喜歌劇「パロリ」 1幕 アンケ・クラッベ(ソプラノ)/
アンドレア・ベーニッヒ(アルト)/
イェルク・ドゥルミュラー(テノール)/
ミヒャエル・ロイダー(テノール)/
ラルフ・ルーカス(バスバリトン)/
ケルン放送合唱団/
ケルン放送管弦楽団/
アクセル・コーバー(指揮)
 オペレッタ黄金期を代表する作曲家の一人、レオ・ファルの知られざる喜歌劇「パロリ」です。
 この作品は、おともと「デニーゼ夫人」というタイトルが付されていました。18世紀後半のパリに近い都市に起こる恋愛物語で、少しだけ「フィガロ」を思わせるロココ調のストーリーは、オペラでもオペレッタでもない魅惑的な舞台です。この作品は初演後、たった10日で劇場のレパートリーから外されてしまいましたが、音楽出版社アレクサンダー・ヤーダースゾーンがこの作品を購入、それがきっかけでファルはアレクサンダーの息子でリストの高名な弟子、ザロモン・ヤーダースゾーンの娘ベルタと親しくなり、彼女と結婚。そして彼女のお気に入りだった「デニーゼ夫人」はファルの弟ジークフリートがピアノ版を作成し、新しいタイトル「パロリ」として1903年に出版されることとなります。そんな複雑な過程を経て生まれた作品です。
 

777846
\2700→\2490
知られざる名曲あり!
 マックス・ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第2集
  1.ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26/
  2.セレナード イ短調 Op.75/
  3.アダージョ「In memoriam-思い出に」Op.65
アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)/
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ボイマー(指揮)

 ヴァイトハースによるブルッフ(1838-1920)のヴァイオリンと管弦楽のための全集の第2集です。
 第1集(777833)では第2番の協奏曲と「スコットランド幻想曲」で情熱的な演奏を披露したヴァイトハースですが、今回は最も知られる「ヴァイオリン協奏曲第1番」がメインとなります。
 もちろんこの曲は聴きものなのですが、なんと言ってもオススメなのが、「思い出に」と題されたアダージョです。ほとんど知られていない作品ではありますが、この痛切な美しさは他に類をみません。セレナードも胸に迫る名曲です。



第1番が有名すぎるだけで第2番も実は結構名曲だったりします。

777833
\2700→\2490
マックス・ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第1集
 1.ヴァイオリン協奏曲 第2番 Op.44/
 2.スコットランド幻想曲 Op.46/
 3.アダージョ・アパッショナート Op.57
サンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)/
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ヘルマン・ボイマー(指揮)

 ブルッフ(1838-1920)と言えば、誰もがあの素晴らしい「ヴァイオリン協奏曲 第1番」を思い浮かべることでしょう。美しい旋律に溢れたあの協奏曲は、ロマン派のヴァイオリン協奏曲の中でも屈指の人気を誇っています。

 また、彼は生涯「歌と旋律」を愛し、その創造の源にも、ヨーロッパの様々な国に伝わる民族音楽があったことで知られています。
 たとえば、このアルバムに収録された「スコットランド幻想曲」や良く知られる「コル・ニドライ」にはそんな郷愁を誘うメロディがうまく引用されているのです。
 さてcpoレーベルでは、そんなブルッフのヴァイオリンのための作品全集のリリースを目論んでいます。名ヴァイオリニスト、ヴァイトハースを演奏者に迎え、「ヴァイオリン協奏曲 第1番」だけではない、ブルッフのヴァイオリン作品の隠された遺産を掘り起こすことで、この作曲家に新たな光を当てることになるでしょう。まずは、あまり耳にする機会のない第2番の協奏曲から聴いてみてください。

 

777692
\2700→\2490
カリヴォダ:序曲とヴァイオリン小協奏曲集
 1.序曲 第3番 ハ長調 Op.55/2.序曲 第7番 ハ短調 Op.101/
 3.序曲 第10番 ヘ短調 Op.142/
 4.ヴァイオリン小協奏曲 第5番 Op.133/
 5.ヴァイオリン小協奏曲 第1番 ホ長調 Op.15
アリアドネ・ダスカラキス(ヴァイオリン)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)

 ボヘミアに生まれ、プラハ音楽院で学び、14歳でヴァイオリン奏者としてデビューを飾ったヴァーツラフ・カリヴォダ(1801-1866)。プラハ歌劇場管弦楽団に入団し、20歳からはヴァイオリニストとしてヨーロッパ各地で演奏旅行を始め、大成功を収めます。その翌年からドナウエッシンゲン公国宮廷楽長に就任、亡くなる直前までこの地位に就いていたため、その名前もヴェンツェル・カリヴォダとドイツ風に呼ばれます。
 ベートーヴェンの次代を代表する作曲家であり、シューマンやメンデルスゾーンと肩を並べるほどの実力を有していて、また残された作品も多数あるのですが、それらはどうしてもメジャー舞台に登場することがありません。
 小規模ながらもヴィルトゥオーゾ風味たっぷりのヴァイオリン協奏曲、何かを予感させるような序曲と、もっと多くの人に聴かれてもよい作品が並びます。名手ヴィレンズによるまとまりの良い演奏で。


 交響曲チクルスはどうなった!?・・・と言いたいが、まあヴァイオリン協奏曲が聴けるのは嬉しい。


いつまでたってもブームは来ない・・・
CPO カリヴォダ交響曲集

 ボヘミアの知られざる作曲家カリヴォダの交響曲集。
 生きているうちに完結してね。というか完結させる気はあるのか・・・。


777469-2
\2700→¥2490
カリヴォダ(1801-1866):交響曲集
 1.交響曲第 2 番変ホ長調 Op.17/
 2.交響曲第 4 番ハ短調 Op.60/
 3.演奏会用序曲第 17 番 Op.242
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレン(指揮)
ヤン・ヴァーツラフ・カリヴォダはボヘミア出身の作曲家、楽長、ヴァイオリニストです。彼はプラハ音楽院でウェーバーに作曲、ピクシス(リストのヘクサメロンで1 曲を担当したことで知られる)にヴァイオリンを学び、14 歳でヴァイオリニストとしてデビューし、ヨーロッパ各地で演奏旅行を行い、名声を高めます。結局チェコには戻らず、ドナウエッシンゲンの宮廷楽長に就任し、亡くなるまでこの地で作曲家として活躍しました。彼の作品はとても劇的で、よくベートーヴェンと比較されますが、もっと柔軟でロマン派的性格も持っています。今回のアルバムは2 曲の交響曲の他に演奏会序曲を収録。交響曲2 番の終楽章のフーガは何とも見事なものですし、1860 年頃に書かれた演奏会序曲は、ブラームス風でもあります。

CPO
777139-2
\2700→¥2490
カリヴォダ(1801-1866):
 交響曲第5番/同第7番(世界初録音)/
 序曲第16番
クリストフ・シュペリング指揮
ダス・ノイエ・オルケスター
 今までほとんど見向きもされなかったのに、ここへきて急にCPOから1枚、そしてORFEOからもほぼ同時期に1枚交響曲が出た。そういう時は、「聴け!」というお告げの場合が多い。
 よくある埋もれた古典派作品かと思って聴いてなかったが、お客さんのひとりに「古典派じゃなくて、ロマン派だ」と言われた。しかもばりばりの。メンデルスゾーンやシューマンと同じくらい。
で、聴いてみたら、そのあたりのロマン派作品の亜流のような感じで、最初は才能ない作曲家が有名作品をまねして悪戦苦闘しているように思えた。・・・のに、3、4回聴いているうちに、いやいや、どうして、なかなかの才能と個性に感じられてきて。
 ・・・なんだか今ではすっかりはまってしまった。シンフォニー・ファンなら絶対に聴いて損しない。そうとう勉強して苦心して作ってる、これ。



CPOの全集が少しも進まないので3番と6番は以下のアルバムで聴くしかない。
でもすでに入手不能。海外在庫限り。

ORFEO
677061
\3000
カリヴォダ:
 交響曲第5番ロ短調 Op.106
 同第6番ヘ長調 Op.132
フリーダー・ベルニウス指揮
ホーフカペレ・シュトゥットガルト
ボヘミアに生まれ、ドイツで活躍したヨハン・ヴェンツェスラフ・カリヴォダ (1801-1866)。彼は驚くべき多作家で、交響曲も7篇残している。シューマンも褒めたという交響曲は美しいメロディと巧妙なオーケストレーションが冴える意外な掘り出し物。

 カリヴォダと名がついたら極力聴くようにしている。ロマン派前期の忘れられた天才。いつか日の目を浴びる日が・・・くるか?
 CPOから出た第5番と第7番はとてもいい曲だったが、ようやくORFEOの第5番、第6番を聴けた。第5番は重複。仕方ない。卵からかえった雛が最初に見た動くものを母親と思う「刷り込み」現象か、シュペリングのほうが活力があってよかった。ただ終楽章はベルニウスらしい穏やかで温かな演奏。
 第6番は、第5番が武闘派だとしたら舞踏派。その分ベルニウスも相性がいいようで楽しげに華やかに歌っている。多少喰い足りないところもあるけれど、天国的で幸福な作品。

MD+G
329 13872
\3000
カリヴォダ:
 序曲 作品145
 交響曲第3番 作品32
 ホルンと管弦楽のための序奏とロンド 作品51
 クラリネットと管弦楽のための序奏・主題と変奏 作品128
ディーター・クレッカー(Cl)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hr)
ハンブルク交響楽団
ヨハネス・メースス指揮
カリヴォダはドナウエッシンゲンの宮廷楽長として活躍し、作品も数多く残しているボヘミア出身の作曲家。時代としてはベートーヴェンとシューマンの間に位置し、シューマンからの評価も高く、第一次ウィーン楽派隆盛への道筋を作った人ともいわれている。今回リリースされるのは、フル・レングスの交響曲を中心に、ホルンとクラリネットの協奏曲風の作品が含まれたもの。を中心としたもの。ソロは現代最高のソリストと言っても過言ではない名手、クレッカー&ヴラトコヴィチが登場するところも見逃せない。



 

777834
(SACD-Hybrid)
\3100→\2890
ハンナ・モリソン登場!
 ナポリの哀歌、カンタータ、バレエ音楽、そしてガリアルダ

 1.フランチェスコ・プロヴァンツァーレ(1624-1704):
  嘆きのカンタータ「明け方に輝くかすかな光 」/
 2.プロヴァンツァーレ:マッサニエッロの妻マリネッタのラメント/
 3.プロヴァンツァーレ:カンタータ「Care selve, amati orroi」/
 4.グレゴリオ・ストロッツィ(1615-1687):
   トッカータとパッサカリア e ciascheduno puo sonarsi a solo
 5.ストロッツィ:マスカーラ・ソナタ そしてバレエ/
 6.ストロッツィ:王宮のナポリ人騎士/
 7.ストロッツィ:バレエ 第1/
 8.ストロッツィ:コレンテ 第7番-オルガンとフルートのための/
 9.アントニオ・ヴァレンテ(1520頃-1580):ナポリ風ガリアルダ/
 10.アンドレア・ファルコニエーリ(1520頃-1580):
  Battalla de Baraboso yerno de Satana
アンサンブル・エコー・ドゥ・ダニューブ
<メンバー:
  ハンナ・モリソン(ソプラノ)/
  エリザベス・ザイツ(サルテリオ)/
  マーティン・ジョップ(ヴァイオリン)/
  エリザベス・ヴィースバウアー(ヴァイオリン)/
  ラインヒルド・ヴァルデク(バロック・ハープ)/
  トーマス・ボイゼン(リュート&バロック・ギター)/
  アンネ・マリー・ドラゴシツ(ハープシコード)/
  ミケーレ・クラウデ(パーカッション)/
  クリスティアン・ツィンケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ&指揮)>

 16世紀から17世紀のナポリは、1503年のコルドバ将軍によるスペイン支配にはじまり、スペイン継承戦争やハプスブルク家の軍隊の介入など、常に戦いに支配されていました。しかし、マドリードとの文化交流も盛んであり、路上ではリュート歌手が歌い、宮廷でも常に音楽が奏されていたのです。
 このアルバムには、当時活躍した音楽家たちの多彩な作品が収録されています。哀歌にも戦いの歌にも、不な思議活気が漲っているのは、やはり明るい地中海の気候が影響しているのでしょうか?

 1999年に創立されたアンサンブル「エコー・ドゥ・ダニューブ」は高い洞察力と、共感を持って、この刺激的な音楽を演奏しています。



覚えてますか・・・ハンナ・モリソン


 ハンナ・モリソンはバッハ・コレギウム・ジャパンとバッハ《マタイ受難曲》で共演、

http://saf.or.jp/arthall/stages/detail/520

 また一時期店主がやたらとお奨めしていた「パンタグリュエル」のアルバムでご紹介していたので覚えている方も多いかと。

 その透き通るような歌声(と容姿)には感動すら覚える。

 最近ではガーディナーと共演、 BBC プロムスやザルツブルク音楽祭に登場、さらにゲヴァントハウス管弦楽団と共演。
 ガーディナーの「復活祭オラトリオ」にも登場していた。

 今回のアルバムで久々に登場。内容から察するに彼女の本領発揮といえるかもしれない。


ハンナ・モリソン 「パンタグリュエル」のジャケット


SDG 719
\2600→\2390
ガーディナー(指)&モンテヴェルディ合唱団 復活祭オラトリオ
 ソプラノはハンナ・モリソン

  J.S.バッハ:
   ・哀悼行事のカンタータ第106番「神の時こそいと良き時」BWV106
   ・復活祭オラトリオBWV249
ハンナ・モリソン(S)
メグ・ブレイグル(A)
ニコラス・ムルロイ(T)
ペーター・ハーヴェイ(B)
ジョン・エリオット・ガーディナー(指)
モンテヴェルディ合唱団
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

 録音:2013 年6 月ロンドン/60’15

 店主が前々からしつこくプッシュしているハンナ・モリソン・・・ガーディナーと共演しているとは聞いていたが、ついにCDで登場。
 店主の勝手は推測だが、「パンタグリュエル」で活動しているときから本格的ソプラノ歌手としての飛躍を夢見て精進し、ようやくそのチャンスを掴んだ、ということなのだろう。

 


 
777905
\2100
イギリスのクラリネット五重奏曲集
 1.アーサー・サマヴェル(1863-1937):クラリネット五重奏曲 ト長調/
 2.サミュエル・コールリッジ=テイラー(1875-1912):
  クラリネット五重奏曲 嬰へ短調 Op.10/
 3.リチャード・ウォーズー(1872-1951):ショート・クィンテット 変ホ長調
シュテファン・ジーゲンターラー(クラリネット&指揮)/
ライプツィヒ弦楽四重奏団
 聴く前から、かなりの名曲であることが想像できるイギリスのクラリネット五重奏曲集。
 クラリネットの柔らかいまろやかな音色は、イギリスの少し煙った青空のイメージを想起させるせいでしょうか?多くの歌曲で知られるサマヴェルの、ブラームスを思わせる五重奏、アフリカ系の血をひくコールリッジ=テイラーの民謡風の五重奏曲、ヒューバート・パリーの弟子で、いくつかの室内楽作品で知られるウォーズーの素朴で小さな五重奏曲と、どれもが伸びやかで美しい世界を形成しています。
 様々なコンクールで入賞経験を持つ名手ジーゲンターラーとライプツィヒ弦楽四重奏団による落ち着いた演奏で。
 

777992
(4CD)
\6400→\5990
全集で発売!
 ルイ・テオドール・グヴィ:交響曲全集

《CD1…777381》
 1.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.9/
 2.交響曲 第2番 ヘ長調 Op.12/
《CD2…777379》
 1.交響曲 第3番 ニ長調 Op.20/
 2.交響曲 第5番 変ロ長調 Op.30/
《CD3…777382》
 1.交響曲 第4番 ニ短調 Op.25/2.幻想的交響曲/
 3.シンフォニー・ブレーヴェ ト短調 Op.58/
《CD4…777380》
 1.交響曲 第6番 ト短調 Op.87/2.シンフォニエッタ ニ長調 Op.80
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル管
ジャック・メルシエ(指揮)



 フランスとドイツの境界地域ゴフォンテーヌ(現在はドイツ領ザールブリュッケン)で生まれたため、フランス市民権を得ることができず、パリ音楽院に入学できなかったというグヴィ(1819-1898)。この国境問題は、進学だけでなく、その後の彼の人生にも大きな影響を与え、結局のところ彼の作品は、ドイツでもフランスでも高い評価を得ることができず、そのまま忘れ去られてしまった悲劇の作曲家です。
 彼の作品が再び世に出たのは、実に1994年のこと。その素晴らしい「レクイエム」がきっかけとなり、少しずつ録音、演奏機会も増えてきたのは喜ばしい限りです。そんなグヴィ、この交響曲全集はファンにとっても嬉しい1セットとなるでしょう。
 フランス音楽の権威でもある指揮者メルシエは、これらの交響曲に新たな光を当て、その雄弁な響きを存分に引き出しています。ベルリオーズともシューマンとも違う斬新な音楽をお聞きください。

DACAPO



6.220641
(SACD-Hybrid 2枚組)
\4800→\4390
シェーンヴァント&デンマーク国立響
 カール・ニルセン:歌劇「仮面舞踏会」全曲
ヨハン・ロイター(B)/
シュテファン・ミリング(V)/
ニルス・ヨルゲン・リース(T)/
デニス・ベック(S)/
アンネ・マルグレーテ・ダール(S)/
ディッテ・ホジャール・アンデルセン(S)/
クリスティアン・ダムスゴー=マドセン(T)/
サイモン・ドゥース(B)/
グィド・ペヴァタルー(Br)/
スティグ・フォーグ・アンデルセン(T)/
クリスティアン・ボランド(Br)/
ステフェン・ブルーン(バリトン) 他/
デンマーク国立コンサート合唱団/
デンマーク国立交響楽団、アンサンブル/
ミヒャエル・シェーンヴァント(指揮)
録音 2014年8月12-25日 DR Koncerthuset
 日本では、序曲のみが知られているニルセン(1865-1931)の「仮面舞踏会」。ほとんどの人は悲劇だと思っているようですが、実はとても楽しい作品です。
 仮面舞踏会で出会った女性に一目惚れした主人公レアンダー、そして同じように浮かれる彼の母。それを知って怒り狂うレアンダーの父。何しろレアンダーはすでに父が決めた(会ったことのない)許婚がいるのです。まあ、オチは想像通り・・・。何ともお約束ではありますが、ここに付けられている音楽が素晴らしいことも想像通り。華やかな舞踏会と人間模様を見事に映し出した素晴らしい演奏と録音をお楽しみください。
シェーンヴァントによる同曲のDVD(別演奏)もあります。…2.110407
 


6.220556
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
カール・ニルセン:協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 Op.33(1911-1912)/
 4-5.フルート協奏曲(1926)/
 6-8.クラリネット協奏曲(1928)
ロベール・ランジュヴァン(フルート)/
アンソニー・マックギル(クラリネット)/
ニコライ・ズナイダー(ヴァイオリン)/
ニューヨーク・フィルハーモニック/
アラン・ギルバート(指揮)
録音 2012年10月10-13日…1-5, 2015年1月7-10.13日…6-8 ニューヨーク,リンカーン・センター,エブリー・フィッシャー・ホール
 ニルセン(1865-1931)の3つの協奏曲は、彼の6曲の交響曲と同じように、全ての管弦楽作品の中核を構成するものです。
 どれもが古典的な伝統に則りつつも、独自の作風が模索されており、各々の楽器の特性にも配慮された見事なものです。
 中でもヴァイオリン協奏曲は、優れたヴァイオリニストであったニルセンらしく、共感に満ち溢れています。この曲はグリーグの未亡人ニーナに招待された「作曲家の小屋」で書かれたもので、かなり型破りで荒々しい音楽に満ちています。
 フルート協奏曲はコペンハーゲン管楽五重奏団のメンバーのために書かれた曲で、アンサンブルのフルート奏者ギルベルト=イェスペルセンに献呈されています。技巧的な面と静かな面を併せ持つ面白い曲です。
 クラリネット協奏曲も同じアンサンブルのクラリネット奏者オーゲ・オクセンヴァドに献呈された作品で、小編成のオーケストラを用いた特徴的な音楽です。縦横無尽に動き回るクラリネットのパッセージは賛否両論を巻き起こしましたが、現在ではこの意外性が愛されています。
 


6.200003
(SACD-Hybrid 4枚組)
\5700→\5290
カール・ニルセン:交響曲&協奏曲集
《CD1…6.220623》
 1-4.交響曲第3番 ニ短調 「ひろがりの交響曲」 Op.27(1910-1911)/
 5-8.交響曲第2番 ロ短調 「四つの気質」 Op.16(1901-1902)/
《CD2…6.220624》
 1-4.交響曲第4番 「滅ぼし得ざるもの(不滅)」 Op.29(1914-1916)/
 5-8.交響曲第1番 ト短調 Op.7(1889-1894)/
《CD3…6.220625》
 1-6.交響曲第5番 Op. 50(1920-1922)/
 7-10.交響曲第6番 「素朴な交響曲」(1924-1925)/
《CD4…6.220556》
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 Op.33(1911-1912)/
 4-5.フルート協奏曲(1926)/6-8.クラリネット協奏曲(1928)
エリン・モーリー(ソプラノ)…CD1.1-4/
ヨシュア・ホプキンス(バリトン)…CD1.1-4/
ロベール・ランジュヴァン(フルート)…CD4/
アンソニー・マックギル(クラリネット)…CD4/
ニコライ・ズナイダー(ヴァイオリン)…CD4/
ニューヨーク・フィルハーモニック/
アラン・ギルバート(指揮)
 アラン・ギルバートとニューヨーク・フィルハーモニックによるニルセン(1865-1931)の決定的BOXです。
 好評の「交響曲全集」と協奏曲を、SACDハイブリッド盤そのままで一つのBOXに収録しました。これまで躊躇していた方もぜひお手元に。
 録音 《CD1》2011年6月14-16日…1-4, 2011年1月27-29日…5-8/《CD2》2014年3月12-15日/《CD3》2014年10月1-3日/《CD4》2012年10月10-13日…1-5, 2015年1月7-10.13日…6-8 ニューヨーク,リンカーン・センター,エブリー・フィッシャー・ホール
   
6.220633
(SACD-Hybrid)
\2300
Double Triple Koppel 〜アナス・コッペル:作品集
1-3.リコーダー、サクソフォンと管弦楽のための協奏曲(2010)/
4-5.メゾ・サクソフォン、チェロ、ハープと管弦楽のための三重協奏曲(2009)
エウジーヌ・ハイ=クヌセン(チェロ)/
ベンジャミン・コッペル(サクソフォン)/
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
ティーネ・レーリング(ハープ)/
オーデンセ交響楽団、アンサンブル/
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指揮)
録音 2013年5月10-13日 オーデンセ・コンチェルトフス Recording producer: Morten Mogensen, Recording engineer: Claus Byrith
 デンマークの現代作曲家アナス・コッペル(1947-)と、彼の息子で高名なサックス奏者であるベンジャミンとのコラボレーションアルバムです。以前にもこの2人の共同作品はCDとなっていましたが、今作では他の楽器(リコーダー、チェロ、ハープ)も交えたユニークなものとなっています。
 どちらの曲もサックスの暖かい音色を生かしつつ伝統と即興性を加え、幻想的な雰囲気を創り上げています。リコーダーの名技を披露しているのはおなじみミカラ・ペトリ。静かな興奮を呼ぶ楽しい1枚です。
  
8.226113
\2100
エッコゾーンが演奏するカルステン・フンダル 〜カルステン・フンダル:作品集
 1-7.4 つのミニアチュアと3 つのインテルメッツォ(2010) -
  ピアノと2 台のパーカッションのための
  <I.ゼロ・ワン・ナンカロウ/インテルメッツォ I/
   II.ワン・ツウ・リゲティ/インテルメッツォ II/
   III.ワン・ツウ・スリー・ガムラン/インテルメッツォ III/
   IIII.“無限の中に”クセナキス、フェルドマン>/
 8.沈黙のポートレート(2011) -アルト・サクソフォンとピアノ、パーカッションのための/
 9.メビウス #1(2001) -独奏マリンバのための/
 10.メビウス #3“時間の関係”(2002) -
   ソプラノ・サクソフォンとヴァイブラフォンのための/
 11.Tempo Piegamento(2009) -ソロ・パーカッションのための/
 12.ソナタ 第1番「Drones and Waves-無人機と波」 -独奏ピアノのための
   ※世界初録音…10
ロルフ・ヒント(ピアノ)/
マティアス・ロイメルト(パーカッション)/
マチアス・セイベック(パーカッション)/
ペテル・ナヴァロ・アロンソ(サクソフォン)
 録音 2014 年2 月10-12 日 コペンハーゲン デンマーク王立音楽院
 デンマークで学び、その後、フェルドマンやクセナキス、リゲティなどの音楽から強い影響を受けたという作曲家カルステン・フンダル(1966-)。彼の作品は哲学的であり、また色彩的でもあります。
 アレンジャーとしても名高く、多くの映画音楽や実験的なコンサートでその最奥を発揮しています。このアルバムでは、その個性が伸び伸びと発揮された興味深い作品を聞くことができます。
 最初に置かれた「4 つのミニアチュアと3 つのインテルメッツォ」では彼が影響を受けた作曲家たちの作品をモティーフにしながらも、新たな創造を試みつつ、不思議な世界を作り上げたものです。

DIVINE ARTS



MSVCD-2008
\2100→\1890
ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」Op.55
 (1807年ピアノ四重奏版)
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)/
ドヴ・シェンドリン(ヴィオラ)/
ネイル・ヘイド(チェロ)/
アーロン・ショーア(ピアノ)
録音 2003年 UK ロンドン,セント・ジョン・スミス・スクエア
 19世紀、各家庭に今のような再生装置があるわけでもなかった時代、王侯貴族以外の人々がオペラや交響曲を楽しむためには、どうしても劇場に出かけて行かなくてはなりませんでした。
 しかし、いつでも聴きたい音楽が聴けるわけではありません。そこで作曲家たちは、自作(もしくは他人の作品)を、個人の家庭で演奏できるように小さい編成に編曲することが求められたのです。
 もちろんそのまま編曲すると、どうしても音色のバランスが悪くなったり、また必要なメロディが削られてしまったりと、多くの問題が発生したのです(また作曲家の権利が脅かされることもありました)。
 この交響曲第3番における編曲については、もちろんベートーヴェン(1770-1827)自身は乗り気ではなかったので、弟子であるフェルディナント・リースや、フンメルが各々のやり方で原曲をピアノ四重奏やフルートを用いた四重奏へと移し替えています。
 ただ、今回の1807年版の編曲は、この2人のものではなく、恐らく当時活躍していたヴァイオリニスト、フランツ・クレメントの仕事であろうと推測されます。
 冒頭を聞く限り、ちょっと迫力不足かな?とも思えますが、聞き進めるうちになじんでいくのが不思議です。一つの可能性としてお楽しみください。
 

DDA-21223
(2CD)
\2400
ブリテン島から 〜ケネス・スミス:フルート・リサイタル
<CD1>
 1-3.マルコム・アーノルド(1921-2006):フルート・ソナタ Op.121/
 4.グランヴィル・バントック(1868-1946):異教徒の詩/
 5-7.ピーター・ラム(1925-2013):フルート・ソナチネ/
 8.シリル・スコット(1879-1970):有頂天な羊飼い/
 9-11.ケネス・レイトン(1929-1988):セレナード ハ長調 Op.19a/
 12-14.ジョン・フレデリック・ラーニッシュ(1692-1777):
  フルート・ソナタ ロ短調 Op.2-3/
 15-17.リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):夏の音楽/
<CD2>
 1-3.ウィリアム・マサイアス(1934-1992):フルート・ソナチネ Op.98/
 4.ユージン・グーセンス(1893-1962):
   ペルシアの牧歌 Op.17-第1番「ネイの息」/
 5-7.ラム:フルート・ソナタ/
 8-12.トーマス・ダンヒル(1877-1946):
  フルートとピアノのための組曲 Op.93/
 13.ハワード・ブレイク(1938-):エレジー/
 14-16.ヨーク・ボーエン(1884-1961):フルート・ソナタ Op.120
ケネス・スミス(フルート)/
ポール・ローズ(ピアノ)
録音 1989年12月 リーディング レイトン・パーク・スクール…CD1:1-3.8.12-17,CD2:5-12, 1992年7月 バーグフィールド セント・メアリーズ教会…CD1:4.9-11,CD2:1-3.4.13.14-16. 2007年4月 ウィンチェスター セント・スゥイズン学校,パフォーミング・アーツ・センター…CD1:5-7
 ロンドンの名オーケストラ、フィルハーモニア管弦楽団で長きに渡って首席奏者を務めてきたフルーティスト、ケネス・スミスと、彼の長年のデュオ・パートナーであるポール・ローズによるイギリスのフルート作品です。
 古典派からロマン派、近現代までフルート音楽の分野の最前線を走ってきたケネス・スミスの驚異的な音楽性と妙技は、オーケストラ・プレイヤーとしてもソリストとしても高く評価され続けています。
 この2枚組みは、以前、ASVレーベルから発売されていた「イギリスのフルート音楽第1集“夏の音楽”」を初めとしたアルバムの中から抜粋した曲に、2007年に録音されたピーター・ラムの「フルート・ソナタ」を加えて再編集されたものです。
 

DDA-25120
\2400
神の河を越えて
 1.F.クープラン(1668-1733):クラヴサン奏法 前奏曲 第5番 イ長調/
 2-6.グレアム・リンチ(1957-):神の河を越えて
  <ロンドー I/クープレ I/ロンドー II/クープレ II/ロンドー III>/
 7.F.クープラン:クラヴサン曲集 第1巻 第2組曲 ニ長調/短調/
 8.リンチ:養老の滝を眺めて/
 9.F.クープラン:
   クラヴサン曲集 第4巻 第23組曲 ヘ長調「デロスのゴンドラ」/
 10-13.リンチ:パテネラ
  <第1番:鐘/第2番:6本の弦/第3番:舞曲/第4番:深き淵より>/
 14.リンチ:Ay!/
 15-16. F.クープラン:クラヴサン曲集 第4巻 第27組曲 ロ短調より
  <上品な女/けしの実>/
 17-19.リンチ:現在-過去-未来-現在/
 20.リンチ:サウンド・スケッチ 第1番「秘密の前奏曲」
アッシ・カルットゥネン(ハープシコード)
録音 2014年6月2-4日 フィンランド ヘルシンキ,オスタースンドム教会
 バロック時代のフランスで多くの音楽家を輩出していたクープラン家に生まれたフランソワは、特に有名であり傑出した才能を誇っていたため、しばしば「大クープラン」と呼ばれます。
 彼の表現力に溢れた美しい音楽は、後世の作曲家たちにも多大なる影響を与えていますが、今回のアルバムに登場するグレアム・リンチもその影響を強く受けた一人です。
 確かに現代を生きるリンチのハープシコード作品には、過剰とも思える装飾はなく、メロディもハーモニーも複雑ですが、その創造の源には、確かにバロック時代の典雅さが宿っています。
 フィンランドを代表するハープシコード奏者のカルットゥネンは、バロック期と現代の作品のどちらをも得意としていて、このアルバムにはうってつけの人材です。
 

DDA-25127
\2400
マスク 〜カーソン・クーマン:オルガン作品集
 1.前奏曲とフーガ 第1番 Op.913/
 2.前奏曲とフーガ 第2番 Op.1021/
 3.前奏曲とフーガ 第3番 Op.1022/
 4.前奏曲とフーガ 第4番 Op.1023/
 5.前奏曲とフーガ 第5番 Op.1024/
 6.前奏曲とフーガ 第6番 Op.1025/
 7.前奏曲とフーガ 第7番 Op.1026/
 8.前奏曲とフーガ 第8番 Op.1027/
 9.前奏曲とフーガ 第9番 Op.1028/10.祈り Op.1058/
 11-13.オルガンのための交響曲 Op.1038
  <第1楽章:マスク/第2楽章:サラバンド/第3楽章:コラール>
エリック・シモンズ(オルガン)
録音 2013年8月-2014年1月
 1982年生まれの若き作曲家カーソン・クーマン(1982-)。多作で知られる彼、すでに作品番号は1000番をとうに越えていますが、そのどれもが画期的で、また独奏作品からオーケストラ曲、オペラまでと幅広いジャンルに渡っています。
 作品を収録したアルバムも40作を越えているというから驚く他ありません。このアルバムは、彼の本領とも言えるオルガン作品の数々が収録されています。
 伝統的なフォームに則って書かれた「前奏曲とフーガ」や「オルガンのための交響曲」は全てのオルガン愛好家を狂気乱舞させることでしょう。
 

DSM-7
\2400
ダン・エヴァンス:Au Vieux Moulin‐オー・ヴィユー・ムーラン
 1.エヴァンス:New Lang Syne/
 2.タウニー:灰色のファンネルの列/
 3.エヴァンス:小川の風車/
 4.ジョン・デンヴァー:アニーの歌/
 5.エヴァンス:ハ長調のギター・インターリュード/
 6.伝承曲:アメイジング・グレイス/
 7.エヴァンス:D'Accord/
 8.エヴァンス:ホ長調のギター・インターリュード/
 9.マックピーク(1885-1971):野生のタイム/
 10.エヴァンス:超特急/
 11.ロジャー・ニコルソン:
   新しいエリザベスのための組曲-第2番:アリントンのパヴァン/
 12.伝承曲:星を見る/
 13.エヴァンス:練習曲/
 14.エヴァンス:ヘザーの風の中で-コロンバイン/
 15.デンヴァー:アニーの歌(リプライズ)/
 16.伝承曲:さようなら、さようなら/
 17.ステファン・ザイフェルト(1973-)&エヴァンス:メンフィスへの長い道/
 18.伝承曲:ゆっくりとした一日
ダン・エヴァンス(ダルシマー&ギター&ヴォーカル)/
ステファン・ザイフェルト(ダルシマー)/
アンディ・クロウディ(ベース 他) 他
録音 UK ウェリングボロウ ノーザンプトンシャー,ワールド・オブ・サウンド・スタジオ
 世界的なカントリー・シンガーであるダン・エヴァンスは、またダルシマーの名手でもあります。ダルシマーと言っても、通常知られるハンマー・ダルシマーではなく、「マウンテン・ダルシマー」と呼ばれるギター状の楽器で、奏者は小枝や鳥の羽などをピックとして用い、歌いながら奏するのです。このアルバムは、そんなダルシマーの素朴で美しい音色を交えながら、エヴァンスの味のあるヴォーカルと、時にはミニマル風な音楽まで、幅広い響きを楽しむことができます。
 

MSV-28552
\2400
ニコラス・マーシャル:歌曲と室内楽作品集
 1-7.歌曲集「鳥」
  <歌い手の誇り/鳥/レダと白鳥/少年の昔と今/
   雪/ふくろう/白鳥>/
 8.不満/
 9-14.歌曲集「落ち葉」
  <白い鳥/大気の群勢/恋人は彼の心にバラを語る/
   フィドラーとドゥーニー/落ち葉/彼は天の布に望む>/
 15-17.リコーダー協奏曲/
 18-23.歌曲集「森の中の音楽」
  <森の中の音楽/紡ぎ手/怒りのあなた/
   ノクターナル/レスビアからカトゥルスへ/水の生涯>/
 24-26. 3つの短い歌<究極/世界の州/聖なる場所>/
 27.ナイチンゲール/
 28-31.4つの民謡
  <陽気な若き未亡人/川岸の丘/羊を追って/兵士よ、兵士よ>
ジェームズ・ギルクリスト(テノール)…1-7.9-14.18-23.24-26.28-31/
ジョン・ターナー(リコーダー)…1-7.9-14.15-17.27.28-31/
ハーヴェイ・デイヴィス(ピアノ&ハープシコード)…1-7.8.9-14.18-23.24-26.28-31/
ティム・スメドレー(チェロ)…8.9-14/
マンチェスター・チェンバー・アンサンブル…15-17.27
録音 2014年9月3-4日 イングランド マンチェスター,ロイヤル・ノーザン音楽大学
 イギリスの現代作曲家の一人、ニコラス・マーシャル(1943-)の音楽は、伝統的なハーモニーと調性を用いながらも、新鮮で斬新な雰囲気を有しています。
 このアルバムでは、やはりイギリスを代表する名テノール、ギルクリストによる抒情的な歌曲と、リコーダーの名手ターナーによる協奏曲、そして2人の絶妙な掛け合いも楽しむことができます。ピアノと歌のさざめきの合間から、リコーダーによるカッコウの鳴き声が響いてくる様子からは、確かにイギリスの田園風景を感じることができるでしょう。
 

DDA-25125
\2400
フランツ・シューベルト:非公認のピアノ・デュオ集 第3集
 1-4.弦楽四重奏曲 ニ短調「死と乙女」D810
  (ローベルト・フランツ(1815-1892)によるピアノ・デュオ版)/
 5-8.交響曲 第8番「未完成」D759.D797/1
  (演奏会用完成版)
  <第1楽章&第2楽章…アントン・フッテンブレンナー(1794-1868)によるピアノ・デュオ版/
   第3楽章…アンソニー・ゴールドストーン(1944-)によるシューベルトのスケッチからの完成版/
   第4楽章…
    ロザムンデ D797「間奏曲」の転用
    フリードリヒ・ヘルマン(1828-1907)によるピアノ・デュオ版
      (A.ゴールドストーンによる補筆)> ※世界初録音
ゴールドストーン&クレモウ(ピアノ・デュオ)
録音 2014年 イングランド,ノースリンカーンシャー,アルクボロー 聖ジョン・バプテスト教会
 結成から30年、忙しいコンサート・スケジュールをこなしながら、これまでに40枚以上のCDをリリースしている英国のピアノ・デュオ「ゴールドストーン&クレモウ」。
 いくつもの珍しいレパートリーを持つ彼らですが、今回も2つの世界初演を含む、シューベルト(1797-1828)の知られざる作品を演奏しています。
 「死と乙女」のピアノ・デュオ版は、歌曲作曲家として知られるローベルト・フランツの編曲によるもので、こちらは原曲を忠実に移し替えた興味深い音楽となっています。
 もう一つの「未完成」完成版のピアノ・デュオ版は、様々な英知が結集したもので、第1楽章と2楽章はシューベルトと同時代に生まれたフッテンブレンナーによる編曲、第3楽章はシューベルトのスケッチをゴールドストーン自身がピアノ・デュオ版に作り変えたもの、そして謎の第4楽章は、ロザムンデの間奏曲のピアノ・デュオ版を転用したもので構成されています。このパターンは管弦楽版としては、しばしば見られるものですが、やはりピアノ・デュオ版として耳にするのは初めての経験であり、たくさんの驚きが得られるのではないでしょうか。
 
DDA-25121
\2400
リューク・ワイトロック:流れる水
 1-6.古風な組曲
  <アルマンド/クーラント/サラバンド/ガヴォット/メヌエット/ジーグ>/
 7.流れる水/
 8-10.管楽三重奏のための3つの小品
  <影が落ちて/朝の冒険/真夜中の旅>/11.夕べの祈り/
 12-14.フルート・ソナタ/15.ファウストとメフィストのワルツ
ダンカン・ハニーブーン(ピアノ)…1-7.11.15/
アンナ・ストークス(フルート)…8-10.12-14/
ジェームズ・メルドラム(クラリネット)…8-10/
ヴィッキー・クロウェル(ファゴット)…8-10/
リー・ワイイン(ピアノ)…12-14
録音 2014年6月8日 アカペラ・スタジオ…8-10, 2014年7月6日 アカペラ・スタジオ…12-14, 2014年9月20日.2015年1月31日 ロイヤル・ウェルシュ音楽演劇大学,ドーラ・ストッツカー・コンサート・ホール…1-7.11.15
 1978年、エクセターの音楽一家に生まれたワイトロック(1978-)は、10代前半から作曲の勉強をはじめ、ダーティントン芸術大学を経て、現在はBBCのプロデューサーとして、ラジオ3とラジオ4で働いている人です。
 彼の作品は抒情的であり、ネオロマンティックの雰囲気を有していて、この親しみ易い音楽は、広く人々に膾炙するものです。
 ここに収録されている「古風な組曲」も、素朴な冒頭部分を聴いただけで驚いてしまう人も多いでしょう。もちろん曲が進んでいくと、現代的なテイストが支配するのですが。
 他の室内楽曲も、色々なジャンルの音楽を程よく取り入れた面白いもの。ここで演奏しているピアニスト、ダンカン・ハニーブーンの名技も冴え渡っています。
 

DYNAMIC



CDS-7670
(2CD)
\3100→\2790
アントニオ・ヴィヴァルディ:歌劇「ファルナーチェ」RV711
 3幕(1738年 オリジナル・ヴァージョン)
 アントニオ・マリア・ルッキーニ台本
 ベルナルド・ティッチ比較校訂版
ファルナーチェ…メアリー=エレン・ネージ(メゾ・ソプラノ)/
ベレニーチェ…デルフィーヌ・ガルー(コントラルト)/
タミーリ…ソニア・プリナ(コントラルト)/
セリンダ…ロリアーナ・カスティーリャ(コントラルト)/
ポンペーオ…エマヌエーレ・ダグアンノ(テノール)/
ジラーデ…ロベルタ・マメーリ(ソプラノ)/
アクィリオ…マグヌス・スターヴェラン(テノール)/
スタジオ・コーラス/ミケーレ・タッツァーリ(チェロ)/
シモーネ・ヴァッレロトンダ(テオルボ&バロック・ギター)/
ジュリア・ヌーティ(チェンバロ)/
フィオレンティーノ・マッジオ・ムジカーレ管弦楽団/
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)

 1727年に初演されたヴィヴァルディ(1678-1741)の歌劇「ファルナーチェ」。
 この主人公は「ポントの王ミトリダーテ」の長男にあたります。現在、ミトリダーテから王位を引き継いだファルナーチェは、カッパドキアの王女タミーリを妻にしています。しかしタミーリの母であるベレニーチェはそれを許すわけにはいきません。なぜなら彼女の夫であるカッパドキア王と、王子はミトリダーテに討ち取られていたからです。そんな緊張を孕んだ人間関係の上に起こるファルナーチェの危機・・・それはポントにローマ軍が攻め入ってきたからです。
 戦いの末、逃亡せざるを得ないファルナーチェ、妻タミーリはわが子と共に自害しなくてはいけない。しかし彼女の母ベレニーチェはそれを止めなくてはならない。そんな交錯する思いの中に浮かび上がる深い家族愛。
 ヴィヴァルディはこの緊迫の物語に息を飲むような美しい音楽をつけています。パロック音楽のスペシャリストによる歌唱と、サルデッリの流麗な指揮による完璧な「ファルナーチェ」の登場です。

 録音 2013年5月



フェデリコ・マリア・サルデッリは、このアルバムの人です
ヴィヴァルディ「新発見」作品集!
NAIVE OP 30480 1CD¥2600→\2390


 ぶっとんだ。久々にぶっとんだ。もうたいていのことでは驚かなくなってきたが、これにはぶっとんだ。
 こんな曲があるのだ。

 今回のアルバム、ヴィヴァルディ「新発見」作品集。
 この1曲目がすごい。
 ひょっとしたらサルデッリはこのアリアを見つけてこのアルバムの制作を思いついたんじゃないかと思うくらいすごい。残りの曲は聴かなくてもいいからこの曲だけでも聴いて、と言いたくなるくらいすごい。当時の超人カウンター・テナーが歌ったであろう超英雄的なアリア。すでに楽譜は散逸してしまっているオペラ「アルジッポ」の1曲。そりゃあもうコロラトゥーラなんてあまっちょろいもんじゃない。超人的、というより怪人的なすさまじい歌唱で聴いているあなたの脳天を直撃する。歌によって斬首されることがあるとしたらこういう曲。聴くだけで鮮血がほとばしるようなそんな歌。当時のオペラ劇場なんて所詮謀議の巣か愛の巣だったに違いないが、おそらくこのアリアが始まる前には観客全員客席に戻ってステージを食い入るように眺めていたはず。だからこそヴィヴァルディは超人気作曲家だった。

Vivaldi - New Discoveries
NAIVE
OP 30480
\2600→¥2390
ヴィヴァルディ:「新発見」
 アリア「Se lento ancora il fulmineまだ光が遅いなら」
 協奏曲ト短調RV478a(2つのヴァイオリン、チェロ、弦と通奏低音のための)
 ソナタ ト短調RV806(フラウト・ドリットと通奏低音のための)
 モテット「Vos invito私はあなたを喚ぶ」(アルト、弦と通奏低音のための)
 ソナタ ニ長調RV798(ヴァイオリン、通奏低音のための)
 協奏曲 ト短調(オーボエ、チェロ、弦と通奏低音のための)
 アリアRV749.32
  「Se fide quanto belle星よ、おまえたちが美しいのと同じくらいに誠実ならば」
 ソナタ ニ長調RV810
モード・アンティコ、
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)
ロミーナ・バッソ(Ms)
パオロ・パッラストリ(Ob)
エンリコ・カサッツァ(Vn)
ベッティーナ・ホフマン(Vc)
録音:2008年5月

 

CDS-7688
(CD 2枚組)
\3100
フランチェスコ・チレア:歌劇「アルルの女」
 3幕 レオポルド・マレンコ台本
ローザ・ママイ…アンヌンツィアータ・ヴェストリ(メゾ・ソプラノ)/
フェデリコ…ドミトリー・ゴロフニン(テノール)/
ヴィヴェッタ…マリアンジェラ・シチリア(ソプラノ)/
バルダッサーレ…ステファノ・アントヌッチ(バリトン)/
メティフィオ…(バリトン)/
マルコ…ヴァレリュー・カラジャ(バス)/
フェデリコの弟…リッカルド・アンゲロ・ストラーノ(カウンターテナー)/
オルケストラ・フィラルモニカ・マルキジアーナ/
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ・マルキジアーノ歌劇合唱団(合唱指揮…カルロ・モルガンティ)/
フランチェスコ・シルフォ(指揮)
 録音 2013年9月 イタリア イェージ,G.B.ペルゴレージ劇場
 ビゼーの名作「アルルの女」と同じドーデの「風車小屋より」を原作とするこの歌劇ですが、全曲が演奏されることはほとんどありませんので、この映像は大変貴重なものといえるでしょう。
 この作品の中で最も知られているのが、第2幕で歌われる悲痛なアリア「フェデリコの嘆き」です。このメロディは幕切れにも奏され、この救いのない作品の結びとなります。
 この演奏では、初稿版に含まれていたものの以降失われてしまった、テノールのアリア「Una mattina‐ある朝」も復元されています。ゴロフニンの美しいテノールと、彼を取り巻く人々の表情豊かな歌唱、そして重厚なオーケストラの響きによる物語をお楽しみください。
 


CDS-7723
\2100→\1890
Mozart after Mozart
 〜ヨハン・ネポムク・フンメルの編曲によるモーツァルトの2つのピアノ協奏曲集

  1-3.モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K456
   (1830年,フンメルによる
    フルート,ヴァイオリン,チェロとフォルテピアノ編)/
  4-6.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466
   (1827年頃,フンメルによる
    フルート,ヴァイオリン,チェロとフォルテピアノ編)
ブルーノ・フルタード・ゴサルベス(チェロ)/
ヨハネス・ゲバウアー(ヴァイオリン)/
レオナルド・ミウッチ(フォルテピアノ)/
マーティン・スカムレツ(フルート)
 録音 2014年6月 オランダ ヴェストフェスト90-カーク・イン・スヒーダム
 ハンガリー(現在はスロヴァキア)出身の作曲家、ピアニスト、フンメル(1778-1837)の最も良く知られているエピソードに「8歳の時に、2年間モーツァルトの家に住み込んでピアノを習った」というものがあります。
 そんなフンメル、50作ほどのモーツァルトの協奏曲や交響曲を、小編成のアンサンブルで演奏できるように編曲しています。
 これはフンメル自身がモーツァルトの作品に深い愛着と関心があったことももちろんですが、当時の家庭での需要(大編成の作品を家庭で演奏できるように小さくする)や、フンメルに対するモーツァルト自身の信頼の大きさも関係しているのでしょう。
 そして出来上がった「室内楽版」の協奏曲や交響曲は、原作とはまた違った味わいを持つ見事なものであり、近年、演奏される機会も増えています。ここでは第18番と第20番の2曲が演奏されています。
  

CDS-7707
\2100
フリードリヒ・カルクブレンナー:3つのピアノ・ソナタ Op.4
 1-3.ピアノ・ソナタ ト短調 Op.4-1/
 4-6.ピアノ・ソナタ ハ長調 Op.4-2/
 7-10.ピアノ・ソナタ イ短調 Op.4-3
ルイージ・ジェローザ(ピアノ)
録音 2014年8月31日 イタリア ブレスチア,カステレッツァート,カヴァリ・ムジカ
 ドイツで生まれ、イングランドとフランスで人生の大半を過ごしたピアニスト、作曲家カルクブレンナー(1785-1849)。彼の作品は現在、あまり知られているとは言えませんが、19世紀前半のビーダーマイヤー(日常的なものに目を向けようとして生まれた市民文化)時代を代表する名手であり、ピアノ曲を中心に、数多くの作品を創り上げた人でした。
 また、プレイエルのピアノ製造会社に入社し、ここで事業を成功させ富と名誉を得て、教師としても多数の音楽家たちを育て上げています(ショパンのピアノ協奏曲第1番は、カルクブレンナーに献呈されています)。
 このような生涯を送ったカルクブレンナーの作品は、同時代の鍵盤音楽作曲家、クレメンティ、ドゥシェク、フンメル、モシェレス、リースらと同じように、ピアノの発展とともに進化したものといえるでしょう。
 この3つのソナタOp.4は1809年に出版されたもので、明らかにベートーヴェンの影響を示しています。そして技術的にはそれほど困難ではなく、恐らく学習者のために書かれたものでしょう。
 イタリアのピアニスト、ジェローザはバッハからロマン派までの作品を得意とする人で、特にこの時代の作品の解釈について高く評価されています。
  

CDS-7722
\2100
フェルナンド・ソル:組曲の形式による練習曲
 1.24の進歩的な練習曲 Op.31 第18番 ロ短調/
 2.24の進歩的な練習曲 Op.31 第4番 ロ短調 /
 3.24の練習曲 Op.35 第20番 ロ短調/
 4.24の練習曲 Op.35 第7番 ホ長調/
 5.24の練習曲 Op.35 第23番 ホ長調「宗教的な祈りの楽章」/
 6.12の練習曲 Op.29 第19番 ホ長調/
 7.24の練習曲 Op.35 第14番 ニ短調/
 8.初心者のための25の練習曲 Op.60 第5番 イ短調/
 9.24の練習曲 Op.35 第3番 イ短調/
 10.12の練習曲 Op.29 第16番 イ長調/
 11.24の進歩的な練習曲 Op.31 第2番 イ短調/
 12.24の練習曲 Op.35 第9番 イ長調/
 13.24の練習曲 Op.35 第21番 イ長調/
 14.24の練習曲 Op.35 第20番 イ長調/
 15.24の進歩的な練習曲 Op.31 第8番 イ長調/
 16.24の練習曲 Op.35 第15番 イ長調/
 17.24の進歩的な練習曲 Op.31 第10番 ニ長調/
 18.24の練習曲 Op.35 第17番 ニ長調/
 19.24の進歩的な練習曲 Op.31 第3番 ニ長調/
 20.12の練習曲 Op.29 第20番 ニ長調/
 21.24の進歩的な小品 Op.44 第16番 ニ長調/
 22.24の練習曲 Op.35 第6番 ニ長調/
 23.12の練習曲 Op.29 第21番 ニ長調/
 24.24の練習曲 Op.35 第4番 ト長調/
 25.24の進歩的な練習曲 Op.31 第5番 ト長調/
 26.初心者のための25の練習曲 Op.60 第16番 ト長調/
 27.24の進歩的な小品 Op.44 第8番 ト長調/
 28.24の進歩的な練習曲 Op.31 第13番 ハ長調/
 29.12の練習曲 Op.6 第8番 ハ長調/
 30.24の練習曲 Op.35 第19番 ハ長調/
 31.初心者のための25の練習曲 Op.60 第6番 ハ長調/
 32.24の進歩的な練習曲 Op.31 第17番 ハ長調/
 33.12の練習曲 Op.29 第4番 ホ短調/
 34.24の練習曲 Op.35 第18番 ホ短調/
 35.初心者のための25の練習曲 Op.60 第22番 ホ短調/
 36.初心者のための25の練習曲 Op.60 第14番 ホ短調/
 37.24の進歩的な練習曲 Op.31 第6番 ホ短調
パオロ・ケリーチ(ギター)
録音 2014年5月 イタリア ミラノ,スタジオ・レコーディング
 カタルーニャ生まれの作曲家、ギター奏者フェルナンド・ソル(1778-1839)。当時のギターはお世辞にも「芸術的な楽器」とはみなされていなかったのですが、彼は奏法技術を高めるとともに、素晴らしい作品を多数作曲することで、世界的にギターの価値を広めた人なのです。
 しかし彼の技術そのものは名人芸という域ではなく、どちらかというと、学習者たちの技術に寄り添ったものであり、従って彼の作品を演奏することはギター演奏の技術の習得に役立つものでもあるのです。古典派に属する人でありながら、その作風はロマン派よりで、どの作品も抒情的であり、演奏する人にとっても、聴き手にとっても楽しいものなのです。
 このアルバムは、そんなソルの数多い練習曲の中からいくつかを選択、同じ調性でまとめて、音色の変化を楽しむというコンセプトで出来ています。ミラノ音楽院で学んだケリーチは、この録音のために1817年製のオリジナル楽器を用いることで、当時の雰囲気を色濃く感じさせています。
 

CDS-7683
(2CD)
\3100
※BD、DVD同時発売
エンニオ・ポリーノ:歌劇「サルディーニャ人」-ヌラーゲの人々 ゴンナーリオ…マンリーコ・シニョリーニ(バス)/
トルベーノ…アンジェロ・ヴィラーリ(テノール)/
オルゾッコ…ジャンピエロ・ルゲッリ(バリトン)/
ノラーチェ…ドメニコ・バルツァーニ(バリトン)/
ベルベラ・ジョニア…パオレッタ・マロク(ソプラノ)/
ニベッタ…アレッサンドラ・パロムバ(メゾ・ソプラノ)/
ペルドゥ…ガブリエーレ・マンジョーネ(テノール)/
サルジニアの羊飼い/第2の兵士 他…エンリコ・ツァラ(テノール)/
声/第1の兵士…ニコラ・ラヴァリーノ・グァジェンティ(バリトン) 他/
カリアリ劇場管弦楽団&合唱団/
アンソニー・ブラモール(指揮)
 西地中海の中央に位置するサルディーニャ島。この島の州都がカリアリです。紀元前20世紀頃、この地にヌラーゲ(遺跡の名前としても有名)人と呼ばれる人々がやってきます。
 エジプトの碑文に「海の民」として登場する彼らは、リディアを出発してティレニア海にたどり着き、ここでサルディーニャに行く者とエルトリアに行く者に分かれたとされ、このサルディーニャにやってきたヌラーゲ人が、この島に住む人々の起源であろうとされているのです。
 このオペラ「サルディーニャ人」はそんな3000年前の人々の愛と戦い、そして神への信仰を軸に、一人の戦士の物語を繰り広げていきます。
 カリアリ出身の作曲家エンニオ・ポリーノ(1910-1959)は、サルディーニャの歴史についても深い関心を抱き、49歳のときに考古学的研究成果も盛り込んだ歌劇「サルディーニャ人」を書き上げました。そして1959年3月にナポリのサン・カルロ劇場で初演を迎えたのですが、その半年後の9月に突然この世を去ってしまいます。そんな彼の「白鳥の歌」であるこの作品は、古代遺跡を象った装置も含めた全てにおいて「カリアリの歴史」に紐付いているものと言えるでしょう。現代的なセンスの中に人間の抗う事のできない野心や欲望が渦巻く見どころたっぷりのこの作品は、もっと演奏されてもよいのではないでしょうか。
 2013年9月 イタリア カリアリ劇場 ライヴ収録
 

CDS-7677
(3CD)
\3100
レオナルド・レーオ:歌劇「野心の女ペテン師」
 3幕 ドメニコ・カニカ台本
チャッコーネ…ジャンピエロ・チチーノ(バリトン)/
フォレスト…キャンディーダ・グイダ(コントラルト)/
デルフィーナ…フィロメナ・ディオダティ(ソプラノ)/
ラウリナ…アレッシア・マルティーノ(メゾ・ソプラノ)/
ルピーノ…リッカルド・ガリアルディ/
シルヴィオ…フェデリカ・カルネヴァーレ/
チンティア…ミケーラ・アンテヌッチ/
マーニャ・グレーチャICO管弦楽団/
パーリ・ペトゥルッツェッリ劇場合唱団/
アントニオ・グレコ(指揮)
録音 2013年7月 マルティナ・フランカ 聖ドメニコ教会
 イタリアのバロック時代の作曲家レオナルド・レーオ(1694-1744)は、ナポリの宮廷礼拝堂楽長とサントノフリオ音楽院楽長を務め、ナポリ楽派の隆盛をもたらした人として知られています。
 専ら宗教音楽が演奏されますが、いくつかの歌劇もしばしば上演され、なかでもこの「野心の女ペテン師」は軽妙で快活な内容を持つ楽しい作品です。
 このマルティナ・フランカ音楽祭での上演は世界初であり、美しいメロディを持つ歌と、色彩豊かな伴奏、そして愉快なお話を存分に楽しむことができます。
 

CDS-7714
\2100
フランチェスコ・カヴァッリ:日曜日の晩課 〜
 8声の二重合唱と、6本のトロンポーン、2本のコルネットとオルガンのための
クレマ・クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団/
ラ・ピファレーシャ(アンサンブル)/
アルベルト・ドッセーナ(オルガン)/
ブルーノ・ジーニ(指揮)
2014年5月 イタリア クレマ、聖ベルナルディーノ教会
 イタリアのバロック作曲家、フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676)による、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂における、日曜日の晩課のための音楽です。
 当時、イタリア音楽界の中心人物であった彼は、とりわけ歌劇の分野で目覚しい活躍をしていましたが、宗教曲にも素晴らしい作品を残しています。
 この曲集は1675年、彼の死の直前に編纂された祈りの音楽です。1986年に結成された「クレマ・クラウディオ・モンテヴェルディ」合唱団と、優れたアンサンブルであるラ・ピファレージャによる美しい演奏で。
 


CDS-7713
(29CD)
\9600→\7990

ジョヴァンニ・グリエルモによる歴史的金字塔、ついにボックス化
 ジュゼッペ・タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲 全集


《CD1-3…CDS-160》
 第1集:12のヴァイオリン協奏曲 Op.1/
《CD4-5…CDS-190》
 第2集:6つのヴァイオリン協奏曲 Op.2/
《CD6…CDS-196》
 第3集:4つのヴァイオリン協奏曲「Il Crudel」D21/D86/D72/D112/
《CD7…CDS-220》
 第4集:4つのヴァイオリン協奏曲「Bagna le piume in Lete…」
  D56/D4/D63/D75/
《CD8…CDS-239》
 第5集:4つのヴァイオリン協奏曲「Non sospirar, non piangere…」
  D118/D61/D43/D1/
《CD9…CDS-245》
 第6集:4つのヴァイオリン協奏曲「Ombra diletta…」
  D44/D92/D74/D93/
《CD10…CDS-279》
 第7集:4つのヴァイオリン協奏曲「Rondinella vaga e bella…」
  D57/D16/D48/D76/
《CD11…CDS-355》
 第8集:4つのヴァイオリン協奏曲「Torna ritorna o bella mia speranza…」
  D17/D90/D47/D116+D116a(異稿)/
《CD12-13…CDS-365》
 第9集:10のヴァイオリン協奏曲「Lascia ch’io dica addio…」
  D70/D42/D109/D123/D54/D45/D115/D13/D125/D110/
《CD14-15…CDS-399》
 第10集:8つのヴァイオリン協奏曲「A rivi a fonti a fiumi…」
  D96/D22/D83/D94/D19/D117/D20/D95/
《CD16-17…CDS-445》
 第11集:7つのヴァイオリン協奏曲「Stagion bella…」
  D113/D40/D77/D70a/D23/D87/D14/D41/
《CD18-19…CDS-462》
 第12集:9つのヴァイオリン協奏曲「In nomine Domini Dei」
  D9/D24/D97/D64/D106/D49/D122/D79/D5/
《CD20-21…CDS-485》
 第13集:8つのヴァイオリン協奏曲「Misterio anima mia」
  D84/D105/D50/D101/D26/D99/D67/D39/
《CD22-23…CDS-548》
 第14集:11のヴァイオリン協奏曲「Se per me sentite amore」
  D7/D28/D78/D34/D103/D102/D68/D107/D33/D65/D31/
《CD24-25…CDS-591》
 第15集:8つのヴァイオリン協奏曲「So che pieta non hai」
  D120/D27/D8/D82/D10/D35/D100/D52/
《CD26-27…CDS-613》
 第16集:11のヴァイオリン協奏曲「Felice eta dell’oro」
  D30/D66/D119/D81/D53/D38/D108/D69/D104/D12/D29/
《CD28-29…CDS-678》
 第17集:11のヴァイオリン協奏曲「La mia Filli」
  D114/D25/D121/D36/D11/D51/D32/D98/D37/D80/D6
ジョヴァンニ・グリエルモ(ソロ・ヴァイオリン)/
フェデリコ・グリエルモ(ソロ・ヴァイオリン)/
カルロ・ラツァーリ(ソロ・ヴァイオリン)/
ラルテ・デラルコ/
ジョヴァンニ・グリエルモ(指揮)

 イタリアのバロック時代の作曲家、ヴァイオリニスト、ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770)。
 ある女性との恋愛問題が引き金となり、アッシジの聖フランシスコ修道会に入り、ここで本格的なヴァイオリン演奏を始めることとなります。

 しかしヴェラチーニの演奏を聴き、自身の技術に不満を抱き、猛練習を開始。初めて素質が開花し、その名技はヨーロッパ中が知ることとなるのです。
 そんなタルティーニの最も知られたヴァイオリン作品は、なんと言ってもソロのためのソナタ「悪魔のトリル」ですが、実は125曲の(出版された)ヴァイオリン協奏曲こそが彼の本質を顕すものと言っても過言ではありません。

 ここには、彼の技術と音楽の全てがあり、これらを丹念に研究することで当時の作風や音楽性などを遍く理解することも可能です。

 とは言え、彼の作品については、正確な成立年代がわかっておらず(譜面などに日付の書き込みがなく、更に後に加筆、修正が加えられたこともしばしば)研究者たちに苦難を強いていましたが、優れた学者たちが、様式上などの特徴を考慮して年代を推測、これらを分類することを試みています。

 とりあえずこれらのヴァイオリン協奏曲を通して聴いてみることで、様々なものを感じることができるのではないでしょうか?
 演奏はラルテ・デラルコとジョヴァンニ・グリエルモによる確信に満ちたものです。


************************************

 ついに出た。

 DYNAMICレーベルは比較的ボックス化が好きなレーベルなので完結したら必ず出るとは思っていた。

 DYNAMICの長い歴史の中でも最高峰となる、ジョヴァンニ・グリエルモによるタルティーニヴァイオリン協奏曲 全集

 その演奏水準、膨大な収録曲。
 今後の録音史を考えてもこれを超える全集録音はちょっと出そうにない。

 これらすべての曲が至極の名品とは言わない。
 他愛ないイタリア・コンチェルトも少なくない。
 しかし他愛ない作品と思いつつ、解毒か鎮静か、これらの曲についつい手を伸ばしてしまうときがあると思う。


 まったくいやらしい話だが29枚全部そろえようと思ったら軽く5万円は超える。
 というかすでに廃盤のものもあるから(おそらく第5巻は入手困難)今から全巻そろえるのも至難の業。

 その状況で全29枚で10000円を切るという壮絶なる価格設定のボックス。

 DYNAMICのボックスはすぐに完売する場合と、比較的長く生き残るケースがあり、今回のボックスがどちらに転ぶかは正直分からない。

 ただ私は早めに手に入れておく。
.
.

今までイヤというほど紹介してきましたが、第13巻についてのコメント・・・


 悪魔に魂を売った男、タルティーニのヴァイオリン協奏曲全集の第13巻。
 その中にとっても素敵な曲があった。

 何の気なしに聴き始めたのに、かかった瞬間に体が硬直して思考がストップしてしまう。そういう曲。

 ・・・CD1の3曲目に入っている「ホ長調 D50」。
 他愛ない、罪のない、当たり障りのないイタリア・バロックの器楽作品が流れるように現れては消えていくと思っていたのに、こんな曲が突如出てくるとは。

 膨大な数のバロック・コンチェルトの中でも抜群。タルティーニのなかにあっても、「悪魔のトリル」に並ぶ名曲といっていいかもしれない。
 とくにその第2楽章、アダージョ。

 薄幸の美少女がアドリア海の断崖絶壁の上で海鳥と戯れながら名器を弾いている・・・そんな勝手な想像もしたくなる美しくはかない曲。
 しかもわずか2分ちょっとしかないのである。
 もっと聴きたいというこちらの願いを、その少女はうっすらと微笑を浮かべながらさりげなく制して姿を消してしまう。
 参った。
 タルティーニ、こんな感性も持ち合わせていたのだ。
 あの「悪魔のトリル」も偶然の産物ではなかったのである。

 ちなみにこの「ホ長調 D50」、NAXOSからも出てる。
 指揮はミュラー=ブリュールだから悪いわけがない。DYNAMIC盤が2枚組で高い、という人はこっちの盤でもいいかもしれない・・・・と、言おうと思ったが念のため聴いてみたら、・・・残念ながら、確かにいい演奏ではあるのだが、第2楽章の断崖絶壁の上で海鳥と戯れながら名器を弾いているような刹那的感性は、残念ながらNAXOS盤にはなかった(ほんとに悪い演奏ではないんだけれど)。

 ということはこの類い希な美しい音楽は、曲を残したタルティーニと、この名演を残したラルテ・デッラルコの両者の存在があって初めて生まれたということか。

 ・・・おそらくこのラルテ・デッラルコの中に恐るべき天才がいることは間違いないだろう。


ES−DUR



ES-2054
\2700→\2490
デイヴィッド・ゲリンガス(チェロ)
パウル・ヒンデミット:チェロとピアノのための作品集

 1-3.チェロとピアノのための3つの小品 Op.8
  <カプリッチョ イ長調/幻想小品 ロ長調/
   スケルツォ ハ短調>/
 4-8.独奏チェロのためのソナタ Op.25-3/
 9.バレエ音楽「気高い幻想」からチェロとピアノのための瞑想曲/
 10-11.チェロとピアノのためのソナタ Op.11-3
デイヴィッド・ゲリンガス(チェロ)/
イアン・ファウンテイン(ピアノ)
録音 2014年4月8-10日 ベルリン rbb 第3ザール
 ヒンデミット(1895-1963)自身は優れたヴィオラ奏者でしたが、彼の弟ルドルフは、やはり優れたチェロ奏者であり、兄弟は長年に渡って良きパートナーとして室内楽の演奏に勤しんでいました。
 このアルバムには、ヒンデミットの初期と中期のチェロのための作品が収録されていて、彼がどのような音楽を書きたかったかの一端を知ることができます。
 本当に初期の作品である「3つの小品」はロマン派の時代に即したウィット溢れる音楽です。
 1919年に書かれたピアノ伴奏のチェロ・ソナタは戦争の影響が色濃く感じられ、1923年の無伴奏のチェロ・ソナタでは更に深遠で辛辣な世界が描かれます。名手ゲリンガスによる迫真の演奏です。ブックレットに日本語の解説付き。
 

ES-2055
\2700
…die Holle aber nicht.=それは地獄ではなく 〜ケルテース・イムレと音楽
 1.≫ Ich komme mit diesem Thema - so hore ich - zu spat.
  ≪「この件について伺います‐私は訊きます‐遅すぎます」/
 2.ステファン・リトウィン(1960-):
  弦楽四重奏とピアノ、語り手のための「それは地獄ではなく」(2008/2009)/
 3.≫ 12 Buchstaben ≪「12の手紙」/
 4.≫ 12-Ton-Technik ≪「12の音の技術」/
 5-7.ウェーベルン(1883-1945):ピアノのための変奏曲 Op.27(1936)/
 8.≫ Schicksalslosigkeit, ein stolzes Buch ≪「運命もなき,誇りの本」/
 9.≫ Landkarten ≪「地図」/
 10-12.ギデオン・クライン(1919-1945):弦楽三重奏曲(1944)/
 13.≫ Atonaler Roman ≪「アトナーレル・ロマン」/
 14.≫ Gott, ein Humorist ≪「神、ユーモア」/
 15-17.ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):
  弦楽合奏のための協奏曲(1948)
  <序奏‐Maessig bestimmt/
   アリア‐Langsam mit Ausdruck/
   フィナーレ‐Maessig schnell>
アンサンブル・レゾナンツ…2-4.10-12.15-17/
ステファン・リトウィン(ピアノ)…2.5-7/
ハンス・ツィスヒラー(語り手)…1.3.4.8.9.13.14
 録音 2010-2013年
 ハンガリー、ブダペスト生まれのユダヤ系作家、ケルテース・イムレの作品と音楽を融合させた興味深い1枚です。
 イムレは第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で生活を送り、その後、新聞社、工場労働者などを経て、1953年から作家として活躍を始めます。
 ホロコーストの体験をはじめ、抑圧された生活を描くことで知られ、2002年にはノーベル文学賞を受賞しています。
 このアルバムでは、ピアニスト、作曲家リトウィンによる、イムレの作品からの引用と、その情景に基づいた凄惨な音楽や、ウェーベルン、クライン、ツィンマーマンの作品が組み合わされてアンサンブル・レゾナンツによって演奏されます。
 


ES-2056
\2700→\2490
ヴォーン・ウィリアムズ&ゲッツ:ピアノ五重奏曲
 1-3.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):ピアノ五重奏曲 ハ短調/
 4-7.ヘルマン・ゲッツ(1840-1876):ピアノ五重奏曲 ハ短調
ファベルジェ五重奏団/
菊池洋子(ピアノ)
 録音 2013-2014年 ハンブルク ロルフ=リーバーマン・スタジオ
 わずか35歳で世を去ったゲッツ、それに反して人生の後半期で作曲家としての才能を開花させたヴォーン・ウィリアムズ。この2人には直接の関係はなかったでしょうが、この2人の作曲家は共に「ハ短調」という陰鬱な調性を用いて、また共に「コントラバス」を用いたピアノ五重奏曲を書き上げました。
 これらは恐らくシューベルトの「鱒」へのオマージュであり、また低音を強化することで生まれる響きを重視したものと思われます。
 このアルバムでは、北ドイツ放送交響楽団に所属する5人のメンバーで編成されたファベルジェ五重奏団が、2つの作品を、極めて精緻で均質に演奏しています。
 メンバーの一人であるピアニスト、菊池洋子さんは2002年モーツァルト国際コンクールのピアノ部門で優勝した俊英です。ブックレットに日本語の解説付き。
 

ES-2057
\2700
ヘルムート.C.ヤコブ:ボレロとファンダンゴ集
 1.ヨハン・ゴットフリート・プラッチェ(1750-1818):ファンダンゴ Op.2/
 2.グスターフ・ドゥガソン:ボレロ/
 3.作者不詳:ファンダンゴ・インテルメディアード・デ・ラ・ロンデーニャ/
 4.アントニオ・ソレール(1729-1783):ファンダンゴ/
 5.作者不詳:ボレロ・デル・ソロンゴ,ベイルヒターノ/
 6.作者不詳:三拍子のボレロ/
 7.作者不詳:ファンダンゴと変奏,アダージョ/
 8.作者不詳:ボレロ,アレグレット/
 9.作者不詳:ボレロ,アンダンテ/
 10.作者不祥:ボレロ,アレグレット/
 11.作者不詳:ファンダンゴ/
 12.M.ローレンス:好きなファンダンゴ/
 13.I.ヘルナンデス:ファンダンゴ・トラスクリト/
 14.ドゥガソン:ファンダンゴ,アンダンテ/
 15.作者不詳:ファンダンゴと違い/
 16.作者不詳:エル・ファンダンゴ,アレグロ/
 17.作者不詳:カディスのファンダンゴ
ヘルムート.C.ヤコブ(アコーディオン)
録音 2011年 リューベック,コロセウム
 1957年、ボン生まれヘルムート.C.ヤコブは、10歳の時に最初のアコーディオンのレッスンを受け、以降ドイツ国内外のコンクールで何度も優勝しています。
 また彼のために多数の独奏曲と室内楽作品が書かれ、これらを初演することで、アコーディオンのレパートリーの拡大に寄与している人でもあります。
 彼はこれまでにEsdurレーベルで4枚のアルバムをリリース、ここでもバロック期の作品から現代の作品まで、幅広い音楽を聴かせていますが、今作は、以前の「ファンダンゴ」(ES2037)の続編のような位置づけのアルバムとなっており、スペイン発祥の様々な舞曲を、生き生きと、そして楽しく演奏するというなかなか面白いものです。
 

ES-2058
\2700
法悦の詩
 1.スクリャービン(1872-1915):法悦の詩(S.パヴチンスキによるピアノ編曲版)/
 2.フランツ・リスト(1811-1886):悲しみのゴンドラ 第2番/
 3.ハラルト・バンター(1930-):誕生と旅立ち-スクリャービンへのオマージュ/
 4-5.マンフレッド・ケルケル(1929-1999):スクリャービンの記念碑/
 6.オリヴィエ・メシアン(1908-1992):
   幼子イエスに注ぐ20のまなざし-
    第1番:父のまなざし/
 7.メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし-
   第20番:愛の教会のまなざし
マリア・レットベリ(ピアノ)
録音 2014年11月4-6日 ベルリン スタジオ・ブリッツ
 現代屈指の「スクリャービン弾き」として知られるスウェーデン出身の女性ピアニスト、マリア・レッドベリ。彼女の硬質な音色と、エキサイティングな解釈は、スクリャービンの音楽の持つ官能的で神秘的な部分を的確に捉えています。
 今回のアルバムでは、彼女とスクリャービンの良き関係を端的に表すかのような「法悦の詩」のピアノ版がメインに置かれています。
 20分程度に凝縮された「宇宙的なエロス」の世界を煌くような音色で表現しながら、根底に流れる「神への傾倒」もきっちり描き出しています。
 またアルバムのほかの作品は、直接スクリャービンに関係のあるもの、ないものが混ざっているかのようですが、どの曲にも「沈澱していく情念」のようなものが感じられ、全体的に統一感のあるプログラミングとなっています。
 ブックレットに日本語の解説付き。
 


ES-2059
\2700→\2490
マティアス・ヘフス/トランペット・アクロバティックス
 1.ジョルジュ・ビゼー(1838-1875):カルメン幻想曲/
 2.アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):演奏会用練習曲 Op.49/
 3.エンリケ・クレスポ(1941-):パソドブレとオーレ!/
 4.ウィリー・ブラント:第1コンチェルトシュトゥック Op.11/
 5.グリゴラシュ・ディニク(1889-1949):ホラ・スタッカート/
 6.ジャン=バティスト・アルバン(1825-1889):ローマの謝肉祭による変奏曲/
 7.ミシェル・ルグラン(1932-):
   How Do You Keep the Music Playing?=君に捧げるメロディ/
 8.アストル・ピアソラ(1921-1992):タンゴの歴史/
 9.P.ローレンス:ガーシュウィンの「サマータイム」による変奏曲
マティアス・ヘスス(トランペット)/
ハンブルク・フィルハーモニック・ソロイスツ 
録音 2006年8月27日-9月1日 ハンブルク・シュターツオーパー,オーケストラ・ザール
 世界有数のトランペット奏者マティアス・ヘススは、6歳でトランペットをはじめ、ハンブルク音楽大学で学び、ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーにも参加。いくつかの国際コンクールで賞を獲得し、ハンブルク国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者として、また1985年からは「ジャーマン・ブラス」の一員として大活躍。
 現在はハンブルク音楽演劇大学で後進の指導にあたっており、またソリストとしても世界中で活躍しています。
 このアルバムは2006年、彼の絶頂期の録音です。まさに息もつけないほどの迫力を持った、トランペットの超絶技巧を存分に堪能することができるでしょう。
 

GRAND PIANO


GP655
\2100
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集 第6 集
 1-6.ヴェネツィアの思い出 Op.187
  <第1 番:ゴンドリエッラ/第2 番:リアルトにて/
   第3番:カンツォーネ/第4 番:鳩の餌場にて/
   第5 番:セレナード/第6 番:ヴェネツィエンヌ>/
 7.舟歌 Op.143/8-13. 6 つの詩曲 Op.15
  <第1 番:情熱的に、穏やかに/第2 番:遠くから/
   第3 番:恋人/第4 番:涙/第5 番:スイスの歌/第6 番:ジーグ>/
 14.幻想曲 Op.142/
 15-16. 2 つの小品 Op.169
  <第1 番:ロマンス/第2 番:華麗なるワルツ>
    ※世界初録音
チャ・グエン(ピアノ)
録音 2013 年11 月8-9 日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 このシリーズですっかりお馴染みとなったスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ(1822-1882)のピアノ曲シリーズ第6 集です。これが最終巻となります。彼の師であるフランツ・リストの作風を踏襲しながらも、そこに独特の味わいを加えた彼の作品は聴けば聴くほどに心にしみるものです。
 今回は2 つの曲集を中心に収録。「6 つの詩曲」は1845 年の初期の作品で、当時生活に困窮していた彼を救ってくれたリストに捧げられた曲集です。
 メンデルスゾーンやシューマンの影響も見える幾分微笑ましい作風の中に、独自性も仄かに感じられます。幻想曲はその22 年後の1867 年の作品。野心的で大規模な音楽です。それに比べ、同じ時期の舟歌はかなり保守的な仕上がりとなっています。対照的な性格をもつ「2つの小品」も充実した音楽です。
 1870 年代に構想された「ヴェネツィアの思い出」は家族とともに休日を過ごしたヴェネツィアでの経験が元になっているもの。ラフの最も充実した時期にを示す色彩豊かな曲集となっています。
 

GP667
\2100
フランツ・アントン・ホフマイスター:ピアノ・ソナタ集 第2集
 3つのピアノ・ソナタ(ポーリッツ・コレクション1795)
  <1-3.第1番 ハ長調/4-6.第2番 ニ長調/7-8.第3番 イ長調>/
 2つのピアノ・ソナタ(ポーリッツ・コレクション1793)
  <9-11.第1番 ヘ長調/12-14.第2番 変ロ長調>
   ※世界初録音
ビリアナ・ツィンリコヴァ(ピアノ)
 録音 2014年1月7-9日 オーストリア ケフェルマルクト,ヴァインベルク教会
 現在のように、多くの録音が世に出る以前は、古典派の鍵盤作品の録音はモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンの曲が大部分を占めていて、他の古典派の作曲家の作品を耳にする機会はほとんどありませんでした。
 しかし、最近はこのホフマイスター(1754-1812)を筆頭に、数多くの作曲家たちがウィーンを中心に活動していたことを目の当たりにできるのは、本当に幸せなことです。
 アントン・ホフマイスターは南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、最初は法律を学び始めるも、音楽の魅力に抗しがたく、結局は音楽の道に入り、数多くの作品を書き、また音楽出版者としても大成し、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を次々と世に送り出しました。
 彼のエピソードのほとんどは「モーツァルトの引き立て役」に終始していますが、実はとても高く評価された人物であり、中でも彼のフルート作品は当時のアマチュア音楽家たちの技術向上に貢献していました。
 鍵盤作品も多く遺されているのですが、まだまだ研究段階であり、今後、スケッチや下書きから、更に多くのものが読み取れると期待されています。
 


GP689
\2100→\1890
グリーグ&エヴユ:ピアノ協奏曲
 1-3.エドゥヴァルド・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
  (P.グレインジャーによる校訂版)
  <第1楽章:Allegro moderato/第2楽章:Adagio/
   第3楽章:Allegro marcato>/
 4.グリーグ:ピアノ協奏曲 ロ短調(断章)/
 5-9.ヘルゲ・エブユ:ピアノ協奏曲 ロ短調
  (E.グリーグの断章による)
   <第1楽章:Moderato tranquillo/第2楽章:Scherzo/
    第3楽章:Adagio/第4楽章:Cadenza/第5楽章:Finale>/
 10-11.グリーグ:歌曲集(H.エブユによるピアノ編)
   <睡蓮とともに Op.25-4/ある夢 Op.48-6>
カール・ペテルソン(ピアノ)/
プラハ放送交響楽団…1-3.5-9/
ケリー・ストラットン(指揮)…1-3.5-9
 録音 2014年3月2日 チェコ共和国 プラハ チェコ・ラジオ・プラハ…1-3. 2014年3月3日 チェコ共和国 プラハ チェコ・ラジオ・プラハ…4-9, 2014年6月28日 コペンハーゲン,デンマーク王立音楽院 Studiescenen
 数多くのピアノ協奏曲の中でも、強い民謡風味が人気のグリーグ(1843-1907)のピアノ協奏曲。初期の作品でありながら、グリーグ自身が何度も改訂を試み、少しずつ改編を加えていたことで知られています。
 またこの曲をことのほか愛していたのが、イギリスの作曲家グレインジャーで、彼はグリーグを訪ね、民謡について語らいつつ、グリーグの指揮でグレインジャーがピアノを演奏し、この協奏曲の演奏旅行も企てたのですが、残念なことにこれが実現する前にグリーグがこの世を去ってしまったというエピソードもあります。
 ここでは、そんなグレインジャーによる「彼の理想とするグリーグの協奏曲」を聴くことができます。オーケストレーションや、リズム処理など、至るところに斬新さを感じ取れることでしょう。さてグリーグですが、本当はピアノ協奏曲をもう1曲書こうと構想を練っていたのですが、結局完成せず、断片のみが遺されました。それを元にして、ノルウェーの作曲家、アレンジャー、ヘルゲ・エヴユ(1942-)が新たな協奏曲を作り出しました。これがまた素晴らしいもの。グリーグ風味も感じさせつつ、全く新しい音楽が息づく(ラフマニノフ、チャイコフスキー、グリーグの良いところを全て混ぜ合わせたような)ぞくぞくするほどの名作の誕生です。

J.S.BACH−STIFTUNG


B261CD
\2700
J.S.バッハ:カンタータ集 第12集
 1-11.目覚めよ、祈れ、祈れ、目覚めよ BWV70/
 12-16.甘き慰め、わがイエスは来ませり BWV151/
 17-22.ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ BWV33
グズルン・シドニー・オットー (S)…1-11/
ゲルリンデ・ザーマン(S)…12-16/
マーゴット・オイツィンガー(A)…1-11/
アレックス・ポッター(A)…12-16/
ルース・サンドホフ(A)…17-22/
ダニエル・ヨハンセン(T)…1-11/
クレメンス・フラミッヒ(T)…12-16/
アンドレアス・ポスト(T)…17-22/
マックス・フォルペルト(Br)…17-22/
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(B)…1-11/
フィリッペ・レイヨット(B)…12-16/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮)
録音2013年11月…1-11, 2013年12月…12-16, 2007年8月…17-22スイス,トロンゲン,エヴァンゲリカル教会
 三位一体節後第26日曜日のためのカンタータである第70番は『最後の審判』を主題にした二部形式をとる規模の大きな作品で、冒頭からトランペットが大活躍することで知られています。
 とりわけ第9曲の激しいレチタティーヴォは印象的。嵐のような弦楽器を縫うかのようにトランペットによるコラールが高らかに鳴り響きます。劇的で聴き所の多いカンタータです。
 続く151番はクリスマスのためのカンタータ。基本的にソプラノが一人で静かに歓びを歌い上げます。ザーマンの歌声は、ちょっぴり翳りのありますが、それが却って俗世界に住むものを表現しているかのようです。
 つづく第33番は、三位一体主日後第13主日用のカンタータ。まるで合奏協奏曲のような楽器たちの戯れから始まり、合唱が美しく音を紡いで行きます。イエスへの究極の信頼と三位一体の歓びが歌われます。
  

B290CD
\2700
J.S.バッハ:カンタータ集 第13集
 1-11.おお永遠よ、汝恐ろしき言葉 BWV20/
 12-17.我がため息、我が涙 BWV13/
 18-23.汝ら泣き叫ばん BWV 103
スザンネ・タイザー(S)…12-17/
ステファニー・イラーニ(Ms)…18-23/
マルクス・フォルスター(C-T)…1-11/
ヤン・ボルネル(C-T)…12-17/
ダニエル・ヨハンセン(T)…1-11/
ヤクブ・ピルグラム(T)…12-17/
アンドレアス・ヴェラー(T)…18-23/
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(B)…1-17/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮)
録音 2014年6月…1-11, 2014年1月…12-17, 2010年4月…18-23 スイス,トロンゲン エヴァンゲリカル教会
 三位一体節後第1日曜日のためのカンタータ第26番は、畏怖を覚える内容「世における苦しみは永遠ではないが、地獄の苦しみは永遠に続く」とは裏腹に、祝祭的な気分を持つフランス風序曲で幕を明けます。
 どのアリアもレチタティーヴォも、またコラールも全て「永遠に続く地獄の刑罰」と「責め苦から逃れるための悔い改め」について歌っていきます。劇的かつ荘厳な作品です。
 顕現節後第2日曜日のための第13番も、この現世を生きるための苦悩と絶望を歌い上げたもの。この曲で用いられている最後のコラールはマタイやヨハネの受難曲でも使われるお馴染みのメロディです。
 復活節後第3日曜日のための第103番はフラウト・ピッコロのオブリガードが印象的作品です(この部分はヴァイオリン、もしくはトラヴェルソで奏される場合もあります)。悲しみと喜びの対比が描かれ、苦しみすらも永遠の幸福に変わると説かれます。
 

METIER(DIVINE ARTS)

MSV-28546
\2400
マンチェスターからの新しい音
 1.カムデン・リーヴズ(1974-):
  弦楽四重奏曲 第1番「Fireworks Physonect Siphonophore」/
 2.リチャード・ウォーリー(1974-):インターロック・メロディーズ/
 3-5.リーヴズ:弦楽四重奏曲 第2番「指状個虫コンプレックス」/
 6.ジョン・ケースケン(1949-):私の中の物事/
 7-10.フィリップ・グレンジ(1956-):大きな暴力の亡霊
ダネル弦楽四重奏団
録音 2013年2月23-24日, 12月7-8日 マンチェスター大学,コスモ・ロードワルド・コンサート・ホール
 ショスタコーヴィチやヴァインベルクの弦楽四重奏曲をはじめ、デュサパン、ドビュッシーの弦楽四重奏曲など、極めて特徴的なレパートリーを持つダネル弦楽四重奏団。
 今回彼らが挑んだのは、イギリス、マンチェスターを拠点に活動する4人の現代作曲家たちの作品です。既に国際的に評価されているケーステンとグレンジ、そして、若い世代に属するリーブズとウォーリーの作品は、その作風も書法も個性的ですが、これらのこだわりを妥協なく演奏するダネル弦楽四重奏団の手腕も驚くばかりです。
 新しい音楽を聴くことは、とても刺激的なものです。

MARCO POLO



8.225365
\2100→\1890
好シリーズ開始!
 シュトラウス一族の同時代の作曲家たち 第1集

 1.ヨハン・シュランメル(1850-1893):行進曲「Dornbacher Hetz」/
 2.ヨシフ・イヴァノヴィチ(1845-1902):ワルツ「Visuri de Aur Waltz」/
 3.ヨーゼフ・ランナー(1801-1843):トゥールビヨン・ギャロップ Op.142a/
 4.フィリップ・ファールバッハJr.(1843-1894):
  行進曲「フランツ・フェルディナンド」Op.333/
 5.オスカー・フェトラス(1854-1931):ワルツ「ウーレンホルストの子ども」Op.40/
 6.ヨーゼフ・ヘルメスベルガーJr.(1855-1907):子どものガヴォット/
 7.カール・ミレッカー(1842-1899):喜歌劇「従軍牧師」‐令状行進曲‐ポルカ/
 8.アルフォンス・ツィブルカ(1842-1894):In der Sennbutt'n‐牧歌/
 9.フィリップ・ファールバッハJr.(1843-1894):
  ポルカ・シュネル「日曜日の騎手」Op.339/
 10.ランナー:ボレロ Op.209/
 11.クルト・シュミット(1942-):アニヴァーサリー行進曲 Op.527/
 12.ファールバッハJr.:ポルカ・マズルカ「電話」Op.128/
 13.ヨーゼフ・グングル(1809-1889):カジノ・ダンス Op.237/
 14.カール・ミヒャエル・ツィーラー(1843-1922):ジョン・マーチ Op.285/
 15.ヘルメスベルガーJr.:
   バレ音楽「イベリアの真珠」-ポルカ「女学生」/
 16.パウル・リンケ(1866-1946):喜歌劇「地上のヴィーナス」-序曲
   ※世界初録音
   ※2.3.6.8.10.13.14…J.ジョージアディスによるオーケストラ編曲
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ジョージアディス(指揮)
録音 2014年2月8-13日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家
 その優雅さと軽やかさ、そして耳あたりのよさのおかげで、19世紀から20世紀初頭にかけて、シュトラウス・ファミリーの音楽がヨーロッパ中を席巻していたことは良く知られていますが、同時に、多くの作曲家たちが、この分野…ワルツ、ポルカ、行進曲など…を手がけ、たくさんの知られざる名作を書いていたのでした。
 当時、どれほどこれらの「軽音楽」がもてはやされたのかは想像する他ありませんが、英国のヨハン・シュトラウス協会が所有する数多くのアーカイブから復元されたこれらの有名、無名の作品は、夢のようなその時代を思い起こすために一役買うことでしょう。
 シュランメルやイヴァノヴィチなどの比較的知られた作曲家から、一部の曲だけが知られるリンケや、音楽隊の隊長として活躍したグングルなど、名前を見ているだけでも楽しいものです。もちろん音楽も素晴らしいものばかりです。
   


8.225366
\2100→\1890
シュトラウス一族の同時代の作曲家たち 第2集
 1.ヨシフ・イヴァノヴィチ(1845-1902):
  行進曲 「カール・ルートヴィヒ大公」 Op.129/
 2.パウル・リンケ(1866-1946):ワルツ「Im Walzerrausch」/
 3.カール・ツェラー(1842-1898):
   喜歌劇「坑夫長」-ポルカ・マズルカ「美しい人」/
 4.ユリウス・フチーク(1872-1916):行進曲「連隊の子どもたち」Op.169/
 5.イヴァノヴィチ:ギャロップ「風のように敏捷に」/
 6.カール・コムツァーク2世(1850-1905):ポルカ・ファンタジー「ブロンド」Op.284/
 7.フランツ・フォン・スッペ(1819-1895):
   喜歌劇「モデル」-ニコロ行進曲/
 8.フベンティーノ・ローサス(1868-1894):ワルツ「愛の夢」/
 9.コムツァーク2世:ガヴォット 「リュートを弾く女」Op.119/
 10.ヨーゼフ・ヘルメスベルガーJr.(1855-1907):愉快な兄弟の行進曲/
 11.イヴァノヴィチ:ポルカ・マズルカ「ロダリスク」/
 12.ヨーゼフ・ラビツキー(1802-1881):ギャロップ「ツルニチソウ」Op.65/
 13.フチーク:行進曲「真夜中に」Op.93/
 14.オスカー・フェトラス(1854-1931):ワルツ「青い瞳、青い空」Op.75/
 15.ヨハン・シュランメル(1850-1893):行進曲「ウィーンはひとつ」Op.70/
 16.リンケ:喜歌劇「ベルリンの風」-序曲 ※世界初録音
  ※1.4.8.11.12.13…J.ジョージアディスによるオーケストラ編曲
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ジョージアディス(指揮)
録音 2014年2月8-13日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家
 英国のヨハン・シュトラウス協会はシュトラウス・ファミリーの音楽だけでなく、その周辺に存在した「シュトラウスにまつわる」作曲家たちの作品を研究しています。
 ここでは、貴重なアーカイブを数多く所有しており、これらのいくつかを、今回の録音のために、指揮者ジョージアディスがオーケストラ用に編曲したのです。多くの人にとって、ほとんどの作曲家の名前は初耳かもしれません。しかし「波涛を越えて」のローサスや「剣士の入場」のフチークなどの、知られざる作品を聴けることは、なんという歓びでしょうか。
 とりわけ面白いのが、トロンボーンによる猫の鳴き声が模倣されていたりするトラック13、フチークの「真夜中に」でしょう。他には、比較的良く知られているリンケの「ベルリンの風」(ベルリンのニューイヤー・コンサートで演奏される)も聴きものです。

NAXOS



8.573398
\1100
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番, 第21番
(イグナーツ・ラハナーによるピアノ、弦楽四重奏とコントラバスへの編曲)

 1-3.ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466
  <第1楽章:アレグロ(カデンツァ…L.V.ベートーヴェン)/
   第2楽章:ロマンツェ/
   第3楽章:アレグロ・アッサイ(カデンツァ…A.ゴールドスタイン)>/
 4-6.ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K467
  <第1楽章:アレグロ・マエストーソ(カデンツァ…A.ゴールドスタイン)/
   第2楽章:アンダンテ/
   第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
   (カデンツァ…A.ゴールドスタイン)>
    ※世界初録音
アーロン・ゴールドスタイン(ピアノ)/
ファイン・アーツ弦楽四重奏団
<メンバー:
ラルフ・エヴァンス(第1ヴァイオリン)/
エフィム・ボイコ(第2ヴァイオリン)/
フアン・ミゲル・ヘルナンデス(ヴィオラ)/
ロベルト・コーエン(チェロ)>/
レイチェル・カリン(コントラバス)
 録音 2014年6月24-26日 USA ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 独奏楽器のための協奏曲は、17世紀の末頃から盛んに書かれるようになり、その多くは作曲家自身が自らを誇示するための手段として用いられ、華やかな技巧が凝らされたスリリングなものとなっていきます。
 モーツァルト(1756-1791)は、C.P.E.バッハやJ.C.バッハの協奏曲に倣い、ピアノのための協奏曲を27曲(そのうち第1番から第4番までは先人の作品の編曲)遺していますが、そのどれもが自らが演奏するために書かれたものです。
 しかし、これらの作品を聴くためには演奏会に出かけていくのが必須であった時代、愛好家たちが交響曲や協奏曲などの大掛かりな作品を自宅で楽しむためには、小さな編成に移し変えることが必要でした。
 もちろんモーツァルトの作品も例外ではなく、彼が活躍していた時代から、様々な作曲家による多くのトランスクリプションが施されてきました。
 このイグナーツ・ラハナー(1807-1895)による編曲は、弦楽四重奏にコントラバスを加えた、充実した響きを持つものです。この自然な編曲はまさしくモーツァルト自身によるものと言っても過言ではないでしょう。
  .


8.573508
\1100
イッポリトフ=イヴァノフ:交響曲第1番 他
 1-4.交響曲 第1番 ホ短調 Op.46
  <アダージョ‐アレグロ・リソルート/スケルツォ:アレグロ/
   エレジー:ラルゲット/フィナーレ:アレグロ・モデラート>/
 5-8.トルコの断章 Op.62
  <第1番:キャラヴァン/第2番:休息時/第3番:夜/第4番:祭り>/
 9.トルコ行進曲 Op.55
シンガポール交響楽団/
ヘイ・チョー(指揮)
録音 1984年1月21日 シンガポール,ヴィクトリア・メモリアル・ホール MARCO POLO 8.220217より移行盤
 イッポリトフ=イヴァノフの名前を聞くと、ほとんどの人があの野趣溢れる「酋長の行進」を思い起こすことでしょう。あちらは「コーカサスの風景」の第4曲で、サルダール(オスマン帝国の最高司令官)が行進している様子を描いたもので、一度聴いたら、あのエキゾチックなメロディが頭から離れなくなるという代物です。
 このアルバムには、彼の交響曲第1番と、特徴的な「トルコ風の」音楽の両方が収録されています。ある種のチャイコフスキー的な雰囲気を持つ「交響曲第1番」を聞いてわかる通り、リムスキー=コルサコフに師事した彼の作品は、もともと重厚でロシア的な響きから出発しているのですが、人生の後半期に研究したトルコの民俗音楽に強い関心を持つことで、あの「酋長の行進」や、このアルバムに収録された「トルコの断章」や「トルコ行進曲」のよう独特の音楽が生まれたのでしょう。ここら辺は文句なく楽しめる作品であることは間違いありません。
 これでまた、クラシック音楽好きの「ヘヴィーローテーション曲」が増えるのではないでしょうか。
  


8.573235
\1100
リスト:ピアノ曲全集 第40集 マイアベーアの歌劇からのトランスクリプション集
 1-3.マイアベーアの歌劇「予言者」による挿絵 S414/R223
  <祈り、勝利の賛歌、戴冠式行進曲/スケートをする人びと/
  羊飼の合唱、軍隊の召集>/
 4.マイアベーアの歌劇「悪魔ロベール」のカヴァティーナ S412a/
 5.マイアベーアの歌劇「悪魔ロベール」の回想 S413/R222/
 6-7.マイアベーアの歌劇「アフリカの女」の挿絵 S415/R224
  <船乗りの祈り/インド風行進曲>
セルジオ・ガッロ(ピアノ)
録音 2014年8月5-8日 スウェーデン イェテボリ,ニレント・スタジオ
 現在では、マイアベーアの作品はほとんど忘れられてしまい、たまに上演されると言うだけで話題になったりするのですが、リストが生きていた時代には、マイアベーア(1791-1864)は人気者であり、その作品も熱狂的に迎えられていました。もちろん一部の有識者たちはマイアベーアの作品の凋落を予言していたという説もありますが・・・。
 さて、そんなマイアベーアの作品の中の名旋律をリスト(1811-1886)がピアノ用に編曲したのが、このアルバムに収録されている一連の曲です。とは言え、歌劇「予言者」は比較的良く知られており、「スケートをする人々」はフレデリック・アシュトンによるバレエでもお馴染みだったり、「戴冠式行進曲」も耳にする機会が多い曲と言えるでしょう。もちろんピアノで聴くと、違った印象になるかも知れません。
 ショパンが強い感銘を受けたと言われる「悪魔ロベール」、そして、こちらも全曲を聴く機会がほとんどない「アフリカの女」の3つの作品、このアルバムを聴いたら、やっぱり全曲を聴いてみたくなりますね。素晴らしい演奏をしているスタインウェイ認定ピアニスト、ガッロはロマン派を得意とする人で、このリストでも卓越した技巧を披露しています。
  


8.559693
\1100
ゴットシャルク:熱帯の夜 〜ピアノ作品集
 1.バンジョー-グロテスクな幻想曲 Op.15(1854)/
 2.最後の希望-瞑想のレリジュース Op.16(1854)/
 3.風刺-カプリース Op.59(1869)/4.子守歌 Op.47(1860)/
 5.ブラジル国歌による勝利の大幻想曲 Op.69(1869)/
 6.夏の夜の夢‐A.トマのオペラによるカプリース・エレガントOp.9(1849)/
 7.失われた幻想 Op.36(1859-1860)/8.過ぎし時の反映‐夢 Op.28/
 9.交響曲 第1番「熱帯の夜」(S. メイヤーによるピアノ編)(1858-59/2013)
   ※9…世界初録音
スティーヴン・メイヤー(ピアノ)
録音 2014年4月14-16日 USA ニューヨーク,アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ
 アメリカ合衆国の「ロマン派時代」に属する作曲家ゴットシャルク(1829-1869)。商人の父を持つ彼は、クレオール人(もともとフランス領ルイジアナへの移住者を先祖に持つ人種で独自の文化を持つ)の街に住み、幼い頃から雑多な文化に触れて育ちました。
 幼い頃にピアノをはじめ、11歳のときに非公式デビューを果たし、その2年後にヨーロッパへ渡り、パリ音楽院への入学を希望しますが、残念ながら拒否されてしまいます。しかし、その時にベルリオーズやショパンと会い、賛辞を得ています。
 1853年に帰国し、その後は中南米で活躍、その地の音楽やカリブ海沿岸の民俗音楽をベースにしたリズミカルなピアノ曲を150曲近く作曲しました。情熱的なリズムと、ショパン的とも言える抒情的な旋律の融合が、単なるサロン音楽の粋を越えた上質な作品として、現代の聴き手の耳を捉えて離しません。特にトラック4の子守歌は、これまでゴッドシャルクの音楽におけるイメージ…明るい開放感…を覆すほどのしっとりとしたものです。もちろん、ピアニスト、メイヤーによる「熱帯の夜」のピアノ版は、その開放感と情熱において、全ての人々の期待にしっかり応えています。
 

8.573117
\1100
ヴィラ=ロボス:ギターの写本 傑作集と失われた作品集 第3集
 1.タランテッラ(A.ビッソーリによるギター編)(1911/2010)/
 2-13.12の練習曲(1928)/
 14-27.「実用の手引き」から民謡編曲集(A.ビッソーリによる器楽編)(1932/2010)
  <第71番:Machadinha‐小さな斧/
   第112番:Samba-lele‐サンバ・レレ/
   第15番:Bela pastora‐羊飼い/
   第108番:Rosa amarela‐黄色いばら(第1稿)/
   第31番:Carneirinho, carneirao‐カルネイリンホ,カルネイラオ/
   第45番:O cravo‐おお、クラーボ(第1稿)/
   第133番:Vitu‐ヴィツ/
   第114番:Senhora Dona Sancha‐セニョーラ・ドンナ・サンチャ(第1稿)/
   第87番:Pai Francisco‐フランシスコ様(第1稿)/
   第35番:O ciranda, o cirandinha‐
    おお、シランダ、おお、シランディンハ、輪になって踊ろう/
   第41番:Constancia‐信心深く/
   第137番:Xo! Passarinho‐しーっ!小鳥さん/
   第55番:Fui no Itororo‐私はイトローロへ行った(第2稿)/
   第90番:Passaras, nao passaras‐パサラス、ナオ、パサラス>/
 28.O papagaio do moleque-少年の凧(1932)
  ※1.14-27…世界初録音
アンドレア・ビッソーリ(ギター)…1-27/
アンサンブル・シランディンハ…14-27/
ミナス・ゲライス・フィルハーモニック管弦楽団…28/
ファビオ・メケッティ(指揮)…28
録音 2014年7月1-5日 イタリア アルクナーノ,ヴィラ・カネラ・ディ・サラスコ…1-13, 2012年8月10-164日 イタリア ヴィチェンツァ,キエサ・ディ・サンタ・マリア・デイ・カルミーニ…14-27, 2013年5月2日 ブラジル ミナス・ゲライス,ベロ・ホリゾンテ,パラシオ・ダス・アルテス…28
 NAXOSの人気シリーズ「ヴィラ=ロボスの傑作集と失われた作品集」の第3集となります。このアルバムに収録されているのは「12の練習曲」と「実用の手引き」が中心となります。
 ヴィラ=ロボスが「12の練習曲」を書くきっかけとなったのは、あの伝説の名ギタリスト、アンドレス・セゴビアと出会ったことでした。セゴビアはヴィラ=ロボスに「練習曲」の作曲を依頼し、1928年に完成したのですが、なぜかヴィラ=ロボスは1953年、大幅な改訂(カット、追加、変更、運指法など)を加えてしまいました。ギタリスト、ビッソーリはこの失われた要素を研究し復元して演奏しています。
 また子ども向けの教材として書かれた「実用の手引き」はピアノで演奏されることが多いものですが、ここでは民族楽器とギターのアンサンブルでひたすら楽しく演奏されています。
 そして、壮大な交響的エピソード「少年の凧」がこのアルバムの最後、及びシリーズの最後を恭しく飾ります。少年の揚げる色鮮やかな凧が空気中を旋回しながら、風に乗って舞う姿が見事に捉えられた映画音楽のようなスリリングな作品です。
 


8.573335
\1100
瀬尾和紀(フルート)
 カール・ツェルニー:フルートとピアノのための作品集

 1-3.ロッシーニとベッリーニの名モティーフによる、
  平易で華やかな3つの協奏風ロンド Op.374
   <第1楽章:Allegro grazioso/
    第2楽章:Allegro piacevole e vivace/
    第3楽章:Allegro animato>/
 4.序奏、変奏と終曲 ハ長調 Op.80/
 5.協奏風小ロンド へ長調 Op.149/
 6-9.協奏的二重奏曲 ト長調 Op.129
  <第1楽章:Allegro/第2楽章:スケルツォ:Allegro molto/
   第3楽章:Andantino grazioso/第4楽章:ロンド: Allegretto>
瀬尾和紀(フルート)/
上野真(ピアノ)
録音 2014年4月30日-5月2日 日本 三重県総合文化センター
 ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして、またベートーヴェンの弟子として輝かしい足跡を残したカール・ツェルニー。しかし現在では「練習曲を書いた人」としてのみ認識されているのは、なんと悲しいことでしょう。
 このアルバムは、日本が誇る2人の名手、瀬尾氏と上野氏が、「ツェルニー復権」のためにタッグを組みました。彼らはモシェレス作品集(8.573175)でも息のあったアンサンブルを披露していましたが、今回のツェルニーでは一層の親密さと緊張感を伴った極上の演奏を聴かせます。1836年に出版された「ベッリーニとロッシーニのメロディをとことんまで使い尽くし、華麗な作品として創り上げた協奏風ロンド」での独奏フルートの息を飲むようなパッセージと、これを支えるピアノの安定感には驚くばかりです。
 「序奏、変奏と終曲」は1825年ごろの作品で、シューベルトの「しぼめる花」のメロディを主題としたもので、当時流行していたスタイルである、ゆったりとした序奏と、華麗な変奏曲、そして華やかな終曲がセットになっており、7つの変奏曲にも精緻な技法が施されています。
 この曲は当時活躍していたフルート奏者フェルディナント・ボーグナーのために書かれています。1827年に出版された「協奏風小ロンド」での技巧提示、「協奏的」と銘打たれた各楽器の密接なやり取りは、そのまま同じ年に出版された「協奏的二重奏曲」に引き継がれ、一層の発展を遂げているのです。
【ツェルニー:ピアノと管弦楽のための技巧的変奏曲集…8.573254】
  

8.573440
\1100
Baroque Moments-バロックの時 〜
 アマデウス・ギター・デュオによるバロック作品集

 1.ヘンデル(1685-1759):シャコンヌ ト長調 HWV435
  (アマデウス・ギター・デュオによる2台のギター編)/
 2-4.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  2台のヴァイオリン、リュートと通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV93
  (F.ゲルストマイアーによる2台のギター編)
   <第1楽章:アレグロ/第2楽章:ラルゴ/第3楽章:アレグロ>/
 5.J.S.バッハ(1685-1750)=ブゾーニ(1866-1924):シャコンヌ BWV1004
  (U.ストラッケによる2台のギター編)/
 6-8.フランク(1822-1890):前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18
  (M.オフィーによる2台のギター編)
   <前奏曲/フーガ/変奏曲>/
 9-11. J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV971
  (H.ケッペルによる2台のギター編)
   <第1楽章:アレグロ/第2楽章:アンダンテ/第3楽章:プレスト>/
 12.ハンス・レオ・ヘスラー(1564-1612)=J.S.バッハ:我が心千千に乱れ
   (F.ゲルストマイアーによる2台のギター編)
アマデウス・ギター・デュオ
録音 2004年6月18-21日 ダールゼン 復活教会
 結成から25年、アマデウス・ギター・デュオは常に「ギター・デュオ」の分野で先進的な役割を果たしてきました。彼らは2台のギターでの演奏だけでなく、オーケストラと共演したり、更にギターの台数を増やしたりと、様々な試みを行い、ギター・アンサンブルの可能性を探求しているのです。
 このアルバムは「バロック・モーメンツ=バロックの時」と題されていて、ヘンデルやヴィヴァルディ、バッハの名曲を次々をギター2台で聴かせるというものですが、実はもう一ひねりされており、例えばバッハから派生したブゾーニの編曲や、バッハから触発されたフランクのオルガン作品をギター・デュオにアレンジするという試みにもチャレンジ。これがまた心憎いほどにはまっているのがさすがです。
 元々は独奏ヴァイオリンのための「シャコンヌ」が、ブゾーニによってピアノに置き換えられ、今回、250年を越えた年月を経てギター・デュオに変容している様子も何とも感動的です。
 


8.573438
\1100
マルトゥッチ:ピアノ三重奏曲第1番, 第2番
 1-4.ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.62
  <アレグロ/スケルツォ/アダージョ/
   フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ>/
 5-8.ピアノ三重奏曲 第1番 ハ長調 Op.59
  <アレグロ/スケルツォ/アンダンテ・コン・モート/
   フィナーレ:アレグロ・リソルート>
トリオ・ヴェガ
<メンバー:
マルク・パキン(ヴァイオリン)/
オルフィリア・サイス・ヴェガ(チェロ)/
ドメニコ・コディスポティ(ピアノ)>
録音 2014年6月2-4日 スペイン グラナダ,アウディトリオ・マヌエル・デ・ファリャ
 いかにもNAXOSらしいこのアルバムは、19世紀後半のイタリアの作曲家マルトゥッチ(1856-1909)が書いた2曲のピアノ三重奏曲です。
 当時、ヴェルディなどを初めとしたオペラ作曲家の作品が全盛を誇っていたイタリアにおいて、声を使わない管弦楽曲や、室内楽曲、ピアノ曲などはあまり人気がありませんでした。しかし、一部の作曲家たちはそれに疑問を抱き、純粋な器楽曲を書き続けています。
 マルトゥッチも、結局生涯に1作も歌劇を作曲することなく(いくつかの優れた声楽曲はあるにしても)、常に目標を器楽曲の作曲に定めていたのです。
 このピアノ三重奏曲は第1番は1882年、第2番はその翌年の1883年に書かれたもので、まるでブラームスを思わせるような佇まいの中に、確かに先進的な閃きを宿した見事なものです。例えば第2番、この第1楽章の冒頭の屈託のないメロディを聴いていると、一瞬、時代を50年ほど前に遡ってしまった感を受けるのですが、聴いていくうちに、妖しい雰囲気がやってきて、これが何ともいえずに心をかき乱すのです。第2楽章、第3楽章と聴き進めるに従って、面白さ倍増となります。
 第1番もなかなかの問題作。息の長いメロディの中に潜む不安感と焦燥感がたまりません。ちなみに、第1番はミラノの出版社リコルディから出版されましたが、第2番はライプツィヒの出版社キストナーから出版されたことを考えても、彼の作品がドイツで高く評価されていたことは間違いありません。
 

8.573367
\1100
フィリップ・セイントン:白鯨=モビー・ディック(1956)
 J.モーガン,W.ストロンバーグによる再構築版

 1.メイン・タイトル/2.海の音楽/3.クィークェグの登場/
 4.鯨のあばら骨と恐怖(賛美歌)/5.賛美歌(リプライズ)/
 6.ドックの情景/7.ドックの情景(異稿)/
 8.船上のイシュメイルのサイン/9.クィークェグは歌う/
 10.出発/11.見知らぬ人-出発のための準備/
 12.ピークォド号の出発-海へ/13.エイハブ船長の自己紹介/
 14.あそこで鯨が潮を吹いているぞ/15.旅は続く/
 16.謝肉祭/17.海上でのミーティング/18.見張り台の上で/
 19.待つばかり/20.モビィ・ディック/21.探索は続く/
 22.セント・エルモの灯/23.エイハブ船長の狂気/
 24.偉大なる白鯨/25.不気味な落ち着き-彼は目覚める/26.終曲
モスクワ合唱団のメンバー/
モスクワ交響楽団/
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)
1997年4月 ロシア モスクワ,モスフィルム・スタジオ MARCOPOLO 8.225050からの移行盤
 19世紀後半、アメリカの捕鯨船団は世界の海で盛んに鯨を捕らえていました。そんな時代、捕鯨船ピークォド号に乗り込むことになった船乗りイシュメイルは、ピークォド号の船長であるエイハブと出会い、少しずつ彼の狂気に巻き込まれていくことになります。
 1851年に発表されたハーマン・メルヴィルの長編小説「白鯨」は、その壮大な物語性と、鯨に関する科学的な記述(作者は実際に捕鯨船に乗船し、技術を得ていた)が人気を呼び、たびたび映画化されています。
 3回目の映画となったのが、この1956年のジョン・ヒューストン監督によるものでした。主演のグレゴリー・ペックの渋い演技は高く評価されましたが、あまりにも原作に忠実だったため、雰囲気が暗く難解になってしまったため、興行的には失敗作の烙印を押されてしまったというから驚きです。
 このセイントン(1891-1967)によるサウンド・トラックは、海の多彩な表情を鋭く捉えながら、展開する人間ドラマを丁寧に描き出しています。フィンジやハウエルズなどの近代イギリス音楽を愛する人にも満足していただける素晴らしい音楽と言えるでしょう。
 

8.573375
\1100
カサブランカス:ピアノ三重奏曲集
 1.三重奏のための楽章/2.即興曲/
 3.はい、モンサルバーチェさん!/
 4.フェデリコ・モンポウのための歌 「回想」/
 5-7.3つの俳句/8.アンコール 「アルバムの綴り」/
 9.スルバランのための俳句/
 10.哀歌 「ラモン・バルセのための俳句」/
 11.歓喜 「ジョルディ・サバールへのオマージュ」/
 12.三重奏曲第2番 「即興曲」/13.カム・ウン・レチタティーボ/
 14-15.2つの覚え書き/16-18.トリプティコ-三部作/
 19-21.3つの俳句(セカンド・コレクション)/
 22.三重奏のための俳句
  ※世界初録音
B3:ブローウェル・トリオ
<メンバー:
ジェニー・グエッラ(ヴァイオリン)/
エレーナ・ソラネス(チェロ)/
カルロス・アペラニス(ピアノ)>
録音 2012年7月3-4日 スペイン バレンシア,パラウ・ド・レ・アーツ「レイナ・ソフィア」…1.12, 2013年6月22-23日 スペイン バレンシア,パラウ・ド・ラ・ムジカ…2-4.8-11.16-18.22, 2014年2月10日 スペイン バレンシア,パラウ・ド・ラ・ムジカ…5-7.13-15.19-21
 現代スペイン、バルセロナを代表する作曲家、ベネット・カサブランカス(1956-)の室内楽作品集です。彼の作品は確かに難解ですが、一方、彼の代表著書は「音楽とユーモア、パロディとアイロニー」というのですから、なんとも「食えない作曲家」であることは間違いありません。
 彼は数多くの室内楽のための作品を書いていて、そのどれもが細部まで考え抜かれたテクスチャーを持ち、洗練された雰囲気を持っています。
 このアルバムには、40年に渡る時代の作品が収録されていて、これらはおおよそ3つの時代に分けることができます。もっとも初期の作品である「2つの覚え書き」での凝縮された音の動きの面白さと、彼の関心事である「日本の詩、俳句」のフォームを生かした最近の作品の斬新さ、など、深く分け入ることでカサブランカスの求める世界が見えてくるような気がします。
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8.573323
\1100
波乱に満ちた隠れた天才
 フランツ・イグナーツ・ベック:交響曲集 Op.2

 1-3.交響曲 ニ長調 Op.2,No.1(Callen 7)/
 4-6.交響曲 ト短調 Op.2,No.2(Callen 8)/
 7-9.交響曲 イ長調 Op.2,No.3(Callen 9)/
 10-12.交響曲 変ホ長調 Op.2,No.4(Callen 10)/
 13-15.交響曲 ニ長調 Op.2,No.6(Callen 12)/
 16-18.交響曲 ト短調 Op.2,No.5(Callen 11)
サーティーン・ストリングス室内管弦楽団/
ケヴィン・マロン(指揮)
録音 2014年6月16-18日 カナダ オタワ,セント・マシューズ・アングリカン教会
 ヨハン・シュターミッツの優れた弟子として若い頃から才能を評価されていたというベック(1734-1809)。しかし、ひょんなことからライバルと決闘しマンハイムからイタリアに逃亡。そこでも一悶着起こし、結果フランスへ逃避。劇場のコンサートマスターに就任し、同時に多くの作品を出版しますが、折悪しく“フランス革命”に巻き込まれ、収入が激減し、ナポレオンに個人的な援助を求めるなど波乱に満ちた生涯を送りました。
 NAXOSでは彼の作品を集中的にリリースし、この埋もれた才能の発掘に一役買っています。これらの作品は、彼の生涯のように独創的であり、魅力的な旋律に溢れています。汲めども尽きぬ魅力たっぷりのベックの作品、どんどん聴いてみてください!


ベック:交響曲集
旧譜4タイトル

8.570799
\1500
ベック:交響曲集 Op.3
 1-4.交響曲ヘ長調 Op.3-1(Callen 13)/
 5-8.交響曲変ロ長調 Op.3-2(Callen 14)/
 9-12.交響曲ト短調 Op.3-3(Callen 15)/
 13-16.交響曲変ホ長調 Op.3-4(Callen 16)
トロント室内管弦楽団/
ケヴィン・マロン(指揮)
 マンハイム楽派の一人、フランツ・イグナツ・ベック(1734-1809)の交響曲集。
 彼は父親から音楽の手ほどきを受け、様々な楽器を習得し、シュターミッツの弟子としてマンハイムの宮廷楽団の奏者となります。彼の才能があまりにも素晴らしかったのでしょう。同業者からいわれのない嫉妬と中傷を受け (例えば、決闘の相手が死んでしまったなど) 、結局のところ、彼はマンハイムを離れヴェネツィアに移住することになります。そこから先も波乱の人生を送った彼の作品は、その生涯に似て、とても劇的で大胆さを備えています。大胆な和声進行、柔軟なリズム、これらが溶け合い絶妙な効果を持つこれらの作品、ごゆっくりどうぞ。
  

8.573248
\1500
フランツ・イグナツ・ベック:交響曲集
 1-4.交響曲 ニ長調 Op.4-1(Callen 19)/
 5-8.交響曲 変ロ長調 Op.4-2(Callen 20)/
 9-12.交響曲 ヘ長調 Op.4-3(Callen 21)/
 13-15.交響曲 ニ長調 Op.3-6(Callen 18)
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団パルドゥビツェ/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年8月27日-9月6日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家
 マンハイム楽派の中心人物とみなされたヨハン・シュターミッツ。彼の最も有能な弟子がこのベック(1734-1809)でした。彼が多くの交響曲(シンフォニア)を作曲した1750年代以前は、まだこの形式が正式には定まっておらず、最初はイタリア式序曲「急−緩−急」の楽章がそれぞれ独立し、それをシュターミッツやカンナビヒが受け継ぎ発展させ、エマヌエル・バッハがメヌエットの楽章を付け加えて「交響曲」とし、古典派へ繋いでいったとされています。
 シュターミッツの交響曲は、フランスで大いなる人気を博したとされており、その弟子であったベックも師に倣い、この形式の作品を書いたのでしょう。
 彼の交響曲は、当時としてはかなり独創的な音楽で、驚くほど劇的な表情と大胆な和声を持っていて、また当時のマンハイム楽派の作曲家たちが好んだ3楽章形式ではなく、メヌエットを含んだ4楽章形式を好んでいたことも特筆すべき点かもしれません。メヌエットを含むことで曲全体が長くなるため、メリハリをつけるために曲内の反復をなるべく減らしたことも、全曲の推進力をアップさせることに役立っているようです。
 こんなベックの交響曲、ハイドンやモーツァルトとはまた違った味わいがあり、一度聞くと手放せなくなる魅力に満ちています。
 

8.554071
\1500
ベック( 1 7 3 4 - 1 8 0 9):
 6つの交響曲O p . 1

 [シンフォニア第1番( C a l l e n 1)/
  シンフォニア第2番(C a l l e n 2)/
  シンフォニア第3番(C a l l e n 3)/
  シンフォニア第4番( C a l l e n 4)/
  シンフォニア第5番(C a l l e n 5)/
  シンフォニア第6番(Callen6)]
ドナルド・アームストロング指揮
ニュージーランド室内管
バロックから前古典派への移り変わりが、作品を通じて表れる時代の代表的作曲家。シュターミッツに学び、マンハイムからヴェニスへ。ハイドン作品やモーツァルト初期の曲などにも通じる、爽快な音楽。

8.573249
\1500
ベック:交響曲集 Op.4 第4番-第6番,Op.3 第5番
 1-3.交響曲 ニ長調 Op.4-4(Cellen22)/
 4-7.交響曲 ト長調 Op.4-5(Cellen23)/
 8-11.交響曲 変ホ長調 Op.4-6(Cellen24)/
 12-15.交響曲 ニ短調 Op.3-5(Cellen17)
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年8月27日-9月6日 チェコ共和国、パルドゥビツェ,音楽の家
 大好評、マンハイム楽派のヨハン・シュターミッツの弟子であったフランツ・イグナーツ・ベック(1734-1809)の交響曲集です。NAXOSでは彼の作品を集中的にリリースすることで、ハイドンともモーツァルトとも違うベック作品の魅力を強くアピールしてきました。
 劇的なコントラスト、快活な木管楽器の動き、そして愉悦感溢れるメロディ、これは確かに得がたいものと言えそうです。
 このOp.4を中心とした交響曲群は、チェコのオケと指揮者シュティレツの演奏ですが、他はニュージーランド室内管であったり、トロント響であったりと、オーケストラによるアプローチの違いも楽しむことができるという優れもの。これが気に入ったらぜひ他のアルバムも。

  

8.573305
\1100
ルイス・ミラン:エル・マエストロ 第1巻
エル-マエストロ(巨匠)と題された独奏ビウエラのための曲集

 1-9.ファンタジー集
  <ファンタジア 第1番/ファンタジア 第2番/ファンタジア 第3番/
   ファンタジア 第4番/ファンタジア 第5番/ファンタジア 第6番/
   ファンタジア 第7番/ファンタジア 第8番/ファンタジア 第9番>/
 10-18.右手の弦のはじき方のファンタジー集
  <ファンタジア 第10番/ファンタジア 第11番/
   ファンタジア 第12番/ファンタジア 第13番/ファンタジア 第14番/
   ファンタジア 第15番/ファンタジア 第16番/ファンタジア 第17番/
   ファンタジア 第18番>/
 19-21.ファンタジー集
  <ファンタジア 第19番/ファンタジア 第20番/
   ファンタジア 第21番/ファンタジア 第22番>/
 23-28. 6つのパヴァーヌ
  <パヴァーヌ 第1番/パヴァーヌ 第2番/パヴァーヌ 第3番/
   パヴァーヌ 第4番/パヴァーヌ 第5番/パヴァーヌ 第6番>
ホセ・アントニオ・エスコバル(ビウエラ・デ・マーノ)
録音 2014年5月1-4日 カナダ オンタリオ、オーロラ オフォード・ホール,グリーン・ルーム
 ルイス・ミラン(1500頃-1561頃 ルイス・デ・ミランとも)は、スペイン・ルネサンス期のビウエラ奏者、作曲家です。その生涯については不確かなことが多く、バレンシアで活躍し、一時期はポルトガルに行っていたであろうと推測されるのがせいぜいです。
 その理由の一つに、当時彼がいたバレンシアの宮廷には、少なくとも同じ名前の男性が3人存在したため、混乱をきたしているようです。
 しかし、彼は当時用いられていたビウエラ・ダ・マーノのための音楽を出版した最初の人物であり、また音楽にテンポを指定した最初の作曲家の一人ともされています。
 この「エル・マエストロ」は1536年にバレンシアで出版された史上初のビウエラ曲集で、恐らく学習者のために書かれたとされています。なぜなら、曲が段階を追って並べられ、最初は易しく、曲が進むに従って難しくなっていくという形式が取られ、その中にはポリフォニーの練習や、超絶技巧のパッセージなども組み込まれています。
 NAXOSでは、この「エル・マエストロ」を最初から曲順通りに録音していきます。実際には初心者にはとても手がでないと思えるこれらの典雅な作品たち、ぜひ楽しんでみてください。
  

8.573533
\1100
Elements Eternal-永遠の要素
 1.ブライアン・カレント(1972-):炎の始まり(2012)/
 2-4.アンドリュー・スタニランド(1977-):至点の歌(2011)
  <アダージョ・エスプレッシーヴォ/間奏曲/生き生きと、舞曲のように>/
 5-7.マイケル・オエスタール(1968-):センテニアルズ-百年祭(2012)
  <ユリア・チャイルド/コンロン・ナンカロウ/ジャクソン・ポロック>/
 8-10.ジェームズ.K.ライト(1959-):不滅の恋への手紙(2012)
  <あなたがそうであるように、私はいつもあなたと一緒にいる/
   わが天使/わが不滅の愛する人>
    ※世界初録音
ジュリー・ナスララ(メゾ・ソプラノ)…8-10/
グリフォン・トリオ
<メンバー:
アンナリー・パティパタナクーン(ヴァイオリン)/
ローマン・ボリーズ(チェロ)/
ジャミー・パーカー(ピアノ)>
録音 2014年5月26-28日 カナダ オンタリオ,トロント グレン・グールド・スタジオ
 カナダの名アンサンブル、グリフォン・トリオは1993年からこれまでに、75作の新作を演奏し、世界中の作曲家から委嘱作を受けています。
 このアルバム「永遠の要素」はジュノー賞を獲得。演奏もさることながら、アルバムのコンセプトも高く評価されたものです。第1曲目のカレントの「炎の始まり」は作曲家がムスコカ湖のほとりで、湖面に反射する夏の日光を見て想起されたといい、煌く光をピアノが表現し、炎が燃え盛っていく様子が捉えられています。
 スタニランドの「至点の歌」は永遠に繰り返される季節の節目である「冬至、夏至について」の曲です。この日は特別であり、文化を越えて祝される日でもあります。「百年祭」は3人の文化人の100回目の誕生日について。各々の人々を独自の形で音として表現しています。最後の「不滅の恋への手紙」は良く知られるベートーヴェンの手紙のエピソードにインスパイアされた作品。アンダンテ・ファヴォリの旋律が引用された美しいものです。
  


8.573064
\1100
レオナルド・バラダ:ピアノ、管楽器と打楽器のための協奏曲 他
 1.クンブレス-バンドのための小交響曲 第2番(1971)/
 2.ピアノ、管楽器と打楽器のための協奏曲(1973)/
 3-5.チェロと9人の奏者のための協奏曲(1962/1967改編)
  <第1楽章:クヮジ・アレグレット-カデンツァ/
   第2楽章:レント/第3楽章:アレグレット(力強く、火の如く)>/
 6.ヴィオラ協奏曲(2009-2010)/
 7.10の管楽器のためのソナタ(1979) ※世界初録音…6
エンリケ・グラーフ(ピアノ)…2/
デヴィッド・プレモ(チェロ)…3-5/
アシャン・ピライ(ヴィオラ)…6/
カーネギー・メロン・ウィンド・アンサンブル/
<指揮>
デニス・コルウェル…1.7/
ステファン・ストーリー…2/
トーマス・トンプソン…3-5/
ジョージ・ヴォスブルー…6
録音 2010年11月3日…1, 2011年2月9日…2, 2011年2月16日…3-5, 2011年2月7日…6, 2011年2月3日…7 ピッツバーク オークランド,カーネギー・ミュージック・ホール
 常に刺激的な作品を供給するバルセロナ生まれの作曲家レオナルド・バラダ(1933-)。このアルバムでは彼が電子音楽に興味を抱いていた1960年代の作品から、2000年代のヴィオラ協奏曲まで、幅広く興味深い作品が網羅されています。
 「クンブレス」はカーネギー・メロン大学のシンフォニー・バンドによる委嘱作で、バラダがジュリアードの学生だった頃に取り組んでいたトーン・クラスター(色んな音を同時に発する和音のようなもの、音の固まり)の要素も交えた問題作。この曲に敢えて「交響曲」と名づけたバラダの意図も面白いものです。
 同じくカーネギー・メロン大学の同窓会から委嘱されたユニークな「協奏曲」の冒頭部分は「ピンポン」からヒントを得たもの。「チェロの協奏曲」はカタロニア出身のチェリスト、ガスパール・カサドから委嘱された作品で、新古典派風の要素を持っています。
 ごく最近の作品である「ヴィオラ協奏曲」はまたもや不可解な音に彩られた作品ですが、根底にはカタロニア民謡が仕込まれているのです。「10の楽器のためのソナタ」も、まるで刑事ドラマのサウンド・トラックのような音の羅列が続きますが、彼自身によれば「ソナタという言葉には音片という意味がある」ということで、やはり一筋縄ではいかない音楽と言えるでしょう。
  


8.572806
\1100
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽四重奏曲全集 第1集
 1-4.弦楽四重奏曲 第6番(1960)
  <Andante. Vivo/Vivace/Grave/Dotted quarter note = 114>/
 5-7.弦楽四重奏曲 第1番(1939)
  <Moderato. Piu mosso/Tema con variazioni/Vivo>/
 8-10.弦楽四重奏曲 第3番(1947)
  <Allegro ma non troppo/Andante/Vivo>/
 11-13.弦楽四重奏曲 第7番(1965)
  <Allegro/Grave/Con vivezza>
ルトスワフスキ弦楽四重奏団
<メンバー:
ヤクブ・ジャコヴィツ(第1ヴァイオリン)/
マルシン・マルコヴィチ(第2ヴァイオリン)/
アルトゥール・ロズスミィウォヴィッチ(ヴィオラ)/
マチェイ・ムゥオダフスキ(チェロ)>
録音 2012年11月15-17日…1-4.8-13, 2012年12月11-17日…5-7 ポーランド,ヴロツワフ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)は国際的に認知された「初のポーランド女性作曲家」であり、最近、その作品への注目がたかまっています。
 音楽学者エイドリアン・トーマスは、彼女の弦楽四重奏曲を「20世紀のポーランド音楽…もしくは20世紀の音楽作品の中で最も重要な作品群」と評しました。
 それほどまでに、これらの作品は独創的であり印象的で、どの曲にも見事な対位法、強い感情表現、そして散りばめられた遊び心など、凝縮された思念が込められています。
 1939年に初演された第1番は、恐らくパリ音楽院時代の作品ですが、そのスコアは失われており、今回演奏で用いたのは1998年に公開されたS.B.ドヴォレツキの複写版です。第2楽章、変奏曲の主題はリトアニア民謡から取られており、彼女の父親の祖国の音楽を彷彿させるものとなっています。
 新古典派風の第3番も魅力的ですが、第6番、第7番などの後期の作品がとりわけ興味深いものとして印象に残ることでしょう。
 

8.572838
\1100
陳怡‐チェン・イ:吹奏楽のための音楽集
 1.KCカプリッチョ(2000) 管楽アンサンブルと混声合唱のための/
 2-5.チェロとチェンバー・ウィンズのための組曲(2004)
  <第1楽章:芦笙アンサンブル/第2楽章:鐘のこだま/
   第3楽章:シャオとチンのロマンス/
   第4楽章:フラワー・ドラムズ・イン・ダンス>/
 6.木管五重奏曲(1987)/7-8.フェン(1998)<序奏/ロンド>/
 9.Tu(ウィンド・アンサンブル版)(2002/2004)
  ※世界初録音
カーター・エンヤート(チェロ)…2-5/
ラボック・コラーレのメンバー…1/
テキサス工科大学ウィンド・アンサブル/
サラ・マッコイン(指揮)
録音 2006年10月7日…1-8, 2006年12月11日…9 テキサス州ラボック,テキサス工科大学ハンムル・リサイタル・ホール
 中国系アメリカ人の作曲家チェン・イ(1953-)のユニークな吹奏楽作品集です。広州市で生まれた彼女は、文化大革命の影響で、充分な西洋文化を学ぶことができませんでした。そこで彼女はこっそりと音楽の勉強を続けながらも、中国の民俗音楽を研究し、この経験がやがて自身の作品の中に「東洋と西洋の融合」として見事に花開くこととなります。
 このアルバムの中にも、様々な実験的要素が見て取れ、例えば、トラック6の木管五重奏曲は、中国の伝統的な木管楽器でも演奏できるものです。
 祝祭的なKCカプリッチョは、カンザスシティの150周年記念として作曲されたもので、彼女が好む「声と管楽器の融合」を存分に楽しむことができます。
 トラック9の「Tu=火」は、2001年の9月11日の悲劇から題材がとられており、自身を犠牲にして市民たちを守る消防士への鎮魂として、また犠牲者とその家族のために、また将来の平和への祈りの気持ちが込められています。
 そんなチェン・イ。中国人女性として初の北京市中央音楽院から作曲のマスター・オブ・アーツを受けています。
 


8.573299
\1100
セーゲルスタム/NAXOSでシベリウス新録音!
 シベリウス:劇音楽「クオレマ」/組曲「クリスティアンII世」他
 1.序曲 イ短調 JS144(1902)/
 2-7.劇音楽「クオレマ」Op.44 JS113(1903)
  <第1番:Tempo di valse lente Poco risoluto/
   第2番:パーヴァリの唄(*)
   第3番:エルザの唄(**)
   第4番:鶴/
   第5番:Moderato/
   第6番:Andante ma non tanto>/
 十二夜 Op.60-2つの歌曲/
  8.死よ、近づくな(1909/1957改編)(*)
  9.ホッリロ、嵐と雨の中で-K.ボルグによる声楽と管弦楽編(1909)(*)
 10-16.組曲「クリスティアンII世」 Op.27(1898)
  <エレジー/ミュゼット/メヌエット/蜘蛛の歌/夜想曲/セレナーデ/バラード>
ピア・パヤラ(ソプラノ)…(**)
ヴァルテッリ・トリッカ(バリトン)…(*)
トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団/
レイフ・セーゲルスタム(指揮)
録音 2014年2月3-7日 フィンランド トゥルク・コンサート・ホール

 セーゲルスタムがNAXOSにシベリウスを録音。
 しかも新しく首席指揮者を務めてからなぜかこれまで録音のなかったトゥルク・フィルとの演奏。

 ご存知のようにセーゲルスタムはCHANDOSとONDINEにシベリウスの交響曲を初めとする多くの名演を残しているが、今回のNAXOSは久しぶりのシベリウス録音となる。

 セーゲルスタムはこれまでNAXOSにも単発的にいくつかの録音を残してきた。今回のリリースがセーゲルスタムの新しいシベリウス・シリーズの第1弾となるなのか、それとも1回きりの単発リリースなのかは分からない。でもこれからまた以前のように精力的に録音してくれると本当に嬉しい。
 トゥルク・フィルは日本の我々が思っているよりはるかに優秀なオケ。これから大いにその認知度が高まっていくはず。


 そして注目は、今回取り上げた曲。

 あまり聴かれることのない2つの管弦楽作品がメイン。

 第1曲が「悲しいワルツ」に改変されることになったことで知られる劇音楽「クオレマ〜「死」」。
 この曲、歌唱も入るオリジナル版は珍しい。オリジナル版は基本的におそろしく地味で暗い。しかし・・・美しい。

 そしてもうひとつが組曲「クリスティアンII世」 。
 これがまた美しい作品。彼岸の音楽。こういう曲を書けた人はシベリウスだけ。
 シベリウスを交響曲とヴァイオリン協奏曲の作曲家だと思っていた人は、この曲でこの人の新たな魅力を発見して歓喜することになる。いってみればシベリウスの第2ステージに上がるための入り口のような曲。逆にこの曲を聴いてあまりぴんと来なければ、シベリウスとは相性が悪いと思っていいと思う。(がっかりしないで、そういうこともあります。)


 ちなみに先頭の「序曲 イ短調」はフィンランディアを髣髴とさせる元気な曲。もっと明るいです。


 ということで今回のNAXOSのセーゲルスタム&トゥルク・フィルのシベリウス新録音。いろいろな側面から楽しめる充実の1枚と言っていいでしょう。
 どうかシリーズになりますよう・・・。


 このリンク先の←の写真をクリックするとセーゲルスタムが愉快なことをします。公演後にあいさつにいっても無愛想なセーゲルスタムですが、こんなお茶目なところもあるんですね。


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 2015年はシベリウス(1865-1957)生誕150周年にあたります。数多くのシベリウス作品がリリースされますが、このセーゲルスタムによる管弦楽作品集も、選曲の見事さと、確固たる解釈に裏打ちされた演奏は、全てのシベリウスマニアの心を捉えること間違いありません。
 近代フィンランドの音楽発展に最も寄与した人物であり、その壮大な交響曲と、民俗物語をふんだんに取り入れた管弦楽作品は、現在でも広く愛されています。しかし、まだまだ良く聴かれる曲は一部であり、このアルバムに収録された「クリスティアンII世」すらも、遍く知れ渡っているとはいえないのではないでしょうか?
 それでも「悲しきワルツ」の原型が含まれる劇音楽「クオレマ(死)」は比較的有名な作品ですが、前述の「悲しきワルツ」の元の形すらも、あまり演奏されることはありません。
 勇壮なファンファーレで始まる「イ短調序曲」はたった一晩で書き上げられたという言い伝えのある作品(信憑性には乏しい)で、なかなかユーモラスな部分もあったりと、面白い作品です。
 スウェーデン語に翻訳されたシェークスピア文学が元になった「十二夜」、前述の「クリスティアンII世」と、交響曲では味わえないシベリウスの新しい面を知ることができる素晴らしい1枚です。

 

8.572879
\1100
シューマン:ピアノ・デュオのための編曲集 第3集
 1.劇音楽「マンフレッド」 Op.115-序曲
  (C.ライネッケによるピアノ連弾編)/
 2.劇音楽「マンフレッド」 Op.115-間奏曲
  (A.ホルンによるピアノ連弾編)/
 3.劇音楽「マンフレッド」 Op.115-アルプスの魔女の呼び声
  (A.ホルンによるピアノ連弾編)/
 4-7.交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」Op.97(1850)
  (C.ライネッケによるピアノ連弾編)/
 8.序曲「ヘルマンとドロテア」Op.136(1851/1852)
  (作曲家自身によるピアノ連弾版)/
 9.ゲーテの「ファウスト」からの情景 Woo3-序曲(1853)
  (W.バルギールによるピアノ連弾編) ※世界初録音
エッカーレ・ピアノ・デュオ
(マリコ・エッカール&
 フォルカー・エッカール)
録音 2013年10月31日.11月1日 ドイツ バーデン=ヴュッテムベルク エットリンゲン・シュタートハレ
 当初ドイツのみで販売されていて、ワールドワイドリリースが渇望されていたアルバムです。シューマン(1810-1856)の管弦楽作品を連弾ピアノで演奏するという試みは、ブラームスの同様の作品とも違った世界を表出するものです。
 とは言え、ブラームスとは違い、彼自身が連弾用に編曲することはあまりなく、ほとんどが彼の弟子であったカール・ライネッケらが編曲したものを監修するというやり方であり、これがまた「第3者の目を通してみたシューマン像」を知ることができるという、とても面白いものになっているのです。
 もちろんシューマンが同意することが重要なのですが。このアルバムの中では「ヘルマンとドロテア」序曲は珍しくシューマン自身が編曲したもの。内声を重視したシューマンが、どのように管弦楽作品を音の少ない連弾に移し替えているのかに注目して聴いてみてください。
 なおこの曲の主要テーマは、フランス革命時のお話のためか、"良く知られた"あのメロディが使われています。メインの交響曲第3番は、若干ぎこちなく聞こえる部分もありますが、なかなか素晴らしい作品に仕上がっています。
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8.573467
\1100
アルメニアのピアノ作品集
 1-6.コミタス・ヴァダペット(1869-1935):ピアノのための6つの舞曲(1916)
  <エランギ/ウナビ/マラーリ/シュシキ/エト・アラフ/ショロール>/
 7-10.アレクサンドル・スペンディアリアン(1871-1928):
  クリミアのスケッチ(1903)
   <第1 番:エア・ド・ダンス/第2 番:エレガイークの歌/
    第3 番:ボイレの歌/第4 番:エア・ド・ダンス:カイタルマ>/
 11.アルノ・ババジャニアン(1921-1983):前奏曲(1947)/
 12.ババジャニアン:メロディ(1973)/
 13.ババジャニアン:ユモレスク(1973)/
 14.ババジャニアン:即興曲「Exprompt」(1936)/
 15.ババジャニアン:ヴァガルシャパト舞曲(1947)/
 16.ババジャニアン:エレジー(1978)/
 17-20.エドゥアルド・アブラミアン(1923-1986):24 の前奏曲(1948-1972)から
  <第3 番:ホ短調/第6 番:嬰ハ短調/
   第13 番:イ長調/第19 番:嬰ト短調>/
 21-23.エデュアルド・バグダサリアン(1922-1987):
  24 の前奏曲(1951-1958)から
   <第6 番:ロ短調/第9 番:ホ長調/第24 番:ニ短調>/
 24.ロベルト・アミルカニアン(1939-):肖像画の前で(2009)/
 25.アミルカニアン:子どものイメージ(2009)/
 26.アミルカニアン:春の雫(2009)
   ※7-10.20.23.24.25.26…世界初録音
ミカエル・ハイラペティヤン(ピアノ)
録音 2012 年10 月20-21 日…1-16.24-26, 2012 年1 月27-28 日…17-20, 2012 年10 月6-7 日…21-23 ロシア 文化と芸術モスクワ州立大学,グランド・コンサート・ホール
 最近、何となく注目が高まっているアルメニアの音楽。もちろんハチャトゥリアンは言うまでもなく有名ですが、その後に続く作曲家たちの作品が放つ濃厚な香り(もちろんかなりスパイシー)も多くの聴き手を楽しませているようなのです。このアルバムに収録された6 人の作曲家の作品はその筆頭であり、まるでゲームキャラクターのような彼らの特徴的な名前が、そのまま音楽に反映されているのでしょうか?冒頭のコミタスの曲から、背中が何となくゾクゾクしてくること間違いありません。とりわけ静かな人気を誇っているのが、ババジャニアンの一連の作品で、特にトラック16 の「エレジー」が醸し出す濃厚な哀愁は、まさに日本の演歌。絡みつくような後を引くメロディはくせになります。これは考えるよりもまず「聴いてみてください!!!」
 

8.573427
\1100
星々の歌 〜イギリスの高声合唱曲集
 1.ボブ・チルコット(1955-):星々の歌(2010)/
 2.ポール・ミーラー(1975-):み恵みあふれ輝く光よ(2007)/
 3.グスタフ・ホルスト(1874-1934):アヴェ・マリア H49(1900)/
 4-7.ホルスト:リグ・ヴェーダからの合唱賛歌 第3 部 H99 Op.26-3(1905)
  <夜明けへの賛歌/水への賛歌/ヴェーナへの賛歌/旅人への賛歌>/
 8.ジェームズ・マクミラン(1959-):
  Nova! Nova! Ave fit ex Eva 新しい、新しい、雹はイブから(2012)/
 9.マクミラン:王のための新しい誂え(2012)/
 10.タリク・オレガン(1978-):彼は鳩を見ていた(2001)/
 11.オレガン:春期だけ見られる光(2007)/
 12.オレガン:アレルヤ、讃美と栄光は(2004)/
 13.セシリア・マクドウォール(1951-):天の女王(2004/2013)/
 14.ジョン・タヴァナー(1944-2013):聖ヒルダのイコン(1998)/
 15.タヴァナー:神の母(2001)/
 16.タヴァナー:ミサ・プレヴィス-神の子羊(2005)/
 17.ジェームズ・ウィトボーン(1963-):祝典アレルヤ(2010)
   ※1.8.9.11.12.13.15.16.17…世界初録音
エレアノール・ターナー(ハープ)…4-7/
エリオット・ラウン(ピアノ)…2.9.11.17/
ウェールズ教会学校合唱団/
クリストファー・フィンチ(指揮)
録音 2014 年7 月8-10 日 UK コーンウォール,セント・ジェームス・ザ・グレート・パリッシュ教会
 日本ではあまり分類されることのない「高声合唱(upper voice choirs)」ですが、スカンジナビア諸国、東欧、アメリカを含む世界の多くの地域ではその美しさと純度の高さ、そして表現力の豊かさによる賞賛されています。これらの曲は基本的に女声合唱(アルトは含まない)によって歌われ聴き手は柔和な光に包まれるような崇高な気分を味わうことができるのです。アルバムの中で最も有名なのはなんと言ってもホルストの「リグ・ヴェーダからの合唱賛歌」で、ハープの音色と純粋な声が綾なす夢のような美しさは、一度聴いただけで必ずや魅了されることでしょう。他の多くの作品は21 世紀になってから作られたものですが、これらの複雑で神秘的な音も聴き手の想像力を強く刺激します。難解な作風で知られるタヴァナーやマクミランの音楽でさえ優しい安らぎを運んでくるようです。
 


8.559781
\1100
クインシー・ポーター:弦楽四重奏曲第5番-第8番
 1-3.弦楽四重奏曲 第7番(1943)/
 4-6.弦楽四重奏曲 第5番(1935)/
 7-9.弦楽四重奏曲 第6番(1937)/
 10-11.弦楽四重奏曲 第8番(1950)
アイヴス弦楽四重奏団
<メンバー:
 ベッティーナ・ムッスメリ(第1ヴァイオリン)/
 スーザン・フライアー(第2ヴァイオリン)/
 ジョディ・レヴィッツ(ヴィオラ)/
 ステファン・ハリソン(チェロ)>
録音 2008年5月20.23.27.28日,2009年4月5日,2012年5月16日 カリフォルニア,ベルヴェデーレ,聖ステファン教会
 コネチカット州生まれの作曲家、クインシー・ポーター(1897-1966)は、アメリカの音楽文化を形成し、後進を導くという重大な役割を果たした人です。
 彼はイェール大学を卒業後、パルに留学しダンディに師事、1921年にアメリカに戻り、ブロッホにも薫陶を受けています。そして同世代の多くのアメリカ人作曲家たちがヒンデミットやストラヴィンスキーに影響を受けたように、彼もまた「新古典主義」の作風を創造の根底に置き、独自の音楽を創り上げていくのです。
 第1集(8.559305)に収録された30歳代前半の作品に比べ、後半生の弦楽四重奏は、一層「新古典主義的」な味わいを持っていて、第7番や第8番では荒々しいリズムの応酬も見られるなど、とにかく絡み合う音が刺激的な、興味深い音楽を楽しむことができます。その第7番は高名な慈善家、エリザベス・スプラーグ・クーリッジに捧げられています。20世紀前半の多彩な音楽の一つの形がここにあります。
 

8.570617
\1100
許舒亞:管弦楽作品集 〜
 インソレーション/クリスタル・サンセット 他

  1.インソレーション(1997-2014)/
  2.クリスタル・サンセット(1992)/
  3.祖国へのこだま(1993)/
  4.ニルヴァーナ(2000)/
  5.ユン(2007) ※世界初録音
リー・シューイン(ソプラノ)…5/
チェン・キリアン(メゾ・ソプラノ)…5/
ウィーン放送交響楽団/
ゴットフリート・ラブル(指揮)
録音 2014年8月24.25.27日 オーストリア ウィーン,オーストリア放送文化会館
 1961年に中国の北東部で生まれた作曲家、許舒亞(1961-)の作品集です。中国の「ニューウェイブ」作曲家であり、彼の作品は世界中で賞を獲得し、広く演奏されています。
 日本でも以前、サントリー音楽財団が開催したサマーフェスティヴァルで(1999年)彼の作品「虚/実〜12奏者のための」を演奏し、こちらも高い評価を受けています。
 このアルバムには1990年台から2007年までに書かれた5つの作品が収録されています。「インソレーション-日射量」は中国の古代神話にインスパイアされた作品で、猛暑の日に水を求める英雄の姿が描かれています。自然を征服する困難さと勇気が讃えられています。
 次の曲も「太陽賛歌」であり、日没時の独特の太陽光線が3つに分かれたオーケストラによって克明に描かれていきます。祖国への郷愁が描かれた「祖国へのこだま」、超越状態を表す「ニルヴァーナ」、民俗的なフレーズが効果的に配された、歌を伴う「ユン」と、多彩で独創的な世界観を味わってみてください。
 

8.571358
\1100
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)
 ケネス・レイトン:パルティータ/エレジー 他 チェロのための室内楽曲全集

 1-9.パルティータ Op.35(1959)
  <エレジー/スケルツォ/主題と変奏-主題/
   主題と変奏-第1変奏:アレグロ・インクィエート/
   主題と変奏-第2変奏:オスティナート/
   主題と変奏-第3変奏:行進曲/
   主題と変奏-第4変奏:情熱的に/
   主題と変奏-第5変奏:ワルツ/
   主題と変奏-第6変奏:コラール>/
 10.エレジー Op.5(1949)/
 11-13.無伴奏チェロ・ソナタ Op.52(1967)
  <ラメントとピツィカート/トッカータと子守歌/
   装飾的に,シャコンヌとコーダ>/
 14.アレルヤ、われらが過越の子羊(1981)
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)/
ラファエル・テッローニ(ピアノ)…1-10.14
録音 2009年4月8日…1-13, 2010年2月18日…14 UK ストーク・ダバノン,メニューイン・ホール
 イギリス近現代音楽作品のリリースについて、他の追随を許さないのもNAXOSの特徴といえましょうか。このケネス・レイトン(1928-1988)の作品集もそんな1枚。作曲家の名前の知名度はさておき、もう一つのイギリスのレーベルCHANDOSとNAXOSが挙って彼の作品を録音しているのです。
 レイトンはオックスフォードのクィーンズ・カレッジの学生だった20歳のときに、最初の独奏チェロのための作品を書きました。その3楽章からなるヘ短調の作品は、残念ながら現在完全な形では残っていませんが、その雰囲気はOp.5の「エレジー」への受け継がれています。この曲の中には、彼の先達であるレイフ・ヴォーン・ウィリアムズやフィンジ、ハウエルズらの影響が強く反映されています。
 そのおよそ10年後に書かれた「パルティータ」は躍動的な部分と内省的な部分が交錯する個性的な作品です。1959年の無伴奏チェロ・ソナタは、明らかにJ.S.バッハへのオマージュですが、曲自体からはバッハらしさは微塵も感じられず、荒涼たる世界のみが広がります。彼の2番目の妻のために書かれた「アレルヤ」の神秘的な佇まいも印象的です。
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8.571363
(3CD)
\3300

怪奇!ソラブジのピアノ音楽
 マイケル・ハーバーマン、British Music Societyの迷盤復活
  ソラブジ:ピアノ作品集

《CD1.初期作品集》
 1-2. 2つの小品<温室で/トッカータ>/
 3.スペイン幻想曲/
 4.ワルツ・ファンタジー「ヨハン・シュトラウスを讃えて」/
 5-7. 3つのパスティーシュ
  <第1番:リムスキー・コルサコフ:サドコ-ヒンドゥー商人の歌/
 6.第2番:ビゼー:カルメン-ハバネラ/
 7.第3番:ショパン:ワルツ Op.64-1>/
 8.ア・ラ・ミレ・ド・ソラブジ「月の光に」/
《CD2.夜想曲集》
 1.香り高い庭/2.ジャミ(夜想曲)/
 3.グリスタン(ばらの庭)/
《CD3.独断的な作品集》
 1.オプス・クラヴィチェンバリスティクム-Ⅰ.序奏-II.前奏曲・コラール/
 2-4.前奏曲、間奏曲とフーガ/
 5.ハロルド・ラトランドのための断片/
 6.小さな幻想
 7.より隠された、この問題の残りの部分を探し求める/
 8.聖ベルトラン・ド・コマンジュ-彼は塔で笑っていた
マイケル・ハーバーマン(ピアノ)
録音 1979年6月…CD1:1.2.3.6,CD3:1.5, 1980年6月…CD1:5.7,CD2:1, 1980年3月5日…CD3:6, 1982年…CD2:2 ニューヨーク ペントハウス/1984年…CD1:4,CD3:2.3.4.8 オハイオ ロッキー・リヴァー ライヴ収録/1993年10月8日…CD1:8,CD2:3 ワシントンD.C. アメリカ・カトリック大学,アメリカ・リスト教会フェスティヴァル ライヴ収録/1995年1月22日…CD3:7 バルティモア ウォルフィールド・ピアノ

 British Music Societyより移行盤

ソラブジ

 ソラブジの作品研究で知られるマイケル・ハーバーマン。ソラブジが自分の作品の演奏を許可した数少ないピアニストの一人。
 彼の演奏による5曲の世界初録音は、ソラブジも完全に満足していたという。

 彼の名を決定的にしたのはソラブジが編曲したショパンの子犬のワルツによるパスティッシュ。(CD1の7トラック)
 その録音はソラブジも絶賛。未だにこの録音を凌ぐ演奏は現れていないという。
 アレグロであるにもかかわらず、右手のポジションが全て異なる和音の連続をインテンポで弾ききる超人芸を披露。現代のピアニストですら、この部分ではどうしてもテンポが落ちるらしい。

 British Music Societyの伝説的名盤、NAXOSから復活。

マイケル・ハーバーマン 

/////////////////

 独学で作曲とピアノを学んだというソラブジ(1892-1988)の作品は、あまりの個性の強さのためか、聴き手は「ものすごく好きになる」か、もしくは「見てみなかったふりをする」のどちらかのスタンスを取るようです。
 その理由の一つは作品の長さです。「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」(読むだけでも難しい)は全曲演奏するだけで4〜5時間かかりますし、「交響変奏曲」は9時間近くに及びます。そして楽譜の複雑さにおいても有名で「その譜面を見ているだけでも楽しい」という人が少なからずいます。
 そんな作品ですから、当然演奏できるピアニストも限られていますが、このハーバーマンは、ソラブジが自作の演奏を認めた数少ない「公認ピアニスト」であり、特にパスティーシュ第3番「子犬のワルツ」は、これまでも、また今後も彼以上に上手く弾ける人はいないだろう。と言われるほどの名演です。あの名曲がこんな姿に…。
 CD1の初期の作品は、まだまだ形が読み取れますが、CD2.3になると、あまりにも独自性が強く、足を踏み入れることすら躊躇ってしまいますが、これらを笑って聴けるようになると「クラシックおたく上級者」として認定されることは間違いありません。そして、笑って弾けるようになったとしたら…。それはもう新たな扉を開くことになるのでしょう。
 


8.572165
\1100
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集 第3集 弦楽四重奏曲 第1番&第4番
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 ハ長調 Op.2(1814-1915)
  <第1楽章 Sehr lebhaft-非常に生き生きと/
   第2楽章 Adagio-アダージョ/
   第3楽章 Scherzo-スケルツォ/
   第4楽章 Ziemlich lebhaft-愛らしく生き生きと>/
 5-9.弦楽四重奏曲 第4番 Op.22(1921)
  <第1楽章 Fugato: Sehr langsame Viertel-フーガ風に:非常に遅く/
   第2楽章 Schnelle Achtel: Sehr energisch-早く:非常にエネルギッシュに/
   第3楽章 Ruhige Viertel: Stets fliessend-静かに 常に流暢に/
   第4楽章 Massig schnelle Viertel-適度に速く/
   第5楽章 Rondo: Gemachlich und mit Grazie-ロンド:適度に、そして優雅に>
アマル弦楽四重奏団
<メンバー:
 アンナ・ブルンナー
  (第1ヴァイオリン…第4番,
  第2ヴァイオリン…第1番)/
 イゴール・ケラー
  (第1ヴァイオリン…第1番,
  第2ヴァイオリン…第4番)/
 ハンネス・ベルトゼヒ(ヴィオラ)/
 ペテル・ソモダーリ(チェロ)>
録音 2009年12月6-8日 スイス チューリヒ,DRSスイス放送 大ホール
 優れたヴィオラ奏者でもあったヒンデミット(1895-1963)は、1920年から8年に渡って自らが結成した「アマル弦楽四重奏団」でヴィオラを演奏していました。
 そのためか、全部で7曲ある弦楽四重奏曲でも、ヴィオラが大活躍し、曲想に深い陰影を与えています。
 このアルバムで聴ける2曲の四重奏曲は、彼が新古典主義や即物主義の作風を確立する以前の作品で、まだまだ美しいメロディを聞き取ることが可能です。とりわけ第1番は後期ロマン派の雰囲気を継承した調性感たっぷりの耳に優しい音楽です。第4番はかなり先進的で、激しさも抱いています。
 シリーズを通して素晴らしいヒンデミットを演奏している「アマル弦楽四重奏団」は、ヒンデミット生誕100年を記念して、1995年に創立されたアンサンブル。ヒンデミット作品の優れた解釈に拠って、歴史的な名前を授与されました。

 《既発売商品》第1集…8.572163 第2集…8.572164
 

8.572729
\1100
ボリス・ピゴヴァート:レクイエム「ホロコースト」/夜明けの詩
 1-4.レクイエム「ホロコースト」(1994-1995)
  <Requiem aeternam-永遠の安息を/Dies irae-怒りの日/
   Lacrimosa-涙の日/Lux aeterna-永遠の光>/
 5.夜明けの詩(2010) ※世界初録音…5
アンナ・セローヴァ(ヴィオラ)/
クロアチア放送交響楽団/
ニコラ・グエリーニ(指揮)
録音 2013年10月3-5日 クロアチア ザグレブ,ヴァトロスラフ・リシンスキ・コンサート・ホール
 ウクライナで生まれ、モスクワのグネーシン・ロシア音楽大学で学び、現在はイスラエルを拠点に世界中で活動している作曲家ボリス・ピゴヴァート(1953-)。
 彼は1995年にイスラエルに移住し、この地の市民権を得ています。数多くの特色ある作品を生み出し、中でもいくつかの吹奏楽作品は日本でも知られています。
 このアルバムに収録されたレクイエム「ホロコースト」は、最初、語り手、ソリスト、合唱、オーケストラという“標準的”な編成の作品として構想されましたが、テキストを使うことで却って音楽の力を損なうことになるのでは…と危惧した彼、結局、人の声を一切排し、オーケストラとソロ・ヴィオラ(人の声に最も近い響き)を用いるのみの作品として書き直したのです。4つの部分にはそれぞれ伝統的なレクイエムのテキストが付されていますが、これが曲の感情を余すことなく表現しています。
 「永遠の安息を」では深い悲しみ、恐怖と怒りに満ちた「怒りの日」…というように。しかし「涙の日」には例えようのない恐怖と怒りが漂っているのは、多くの涙の中に犠牲者たちの悲鳴が含まれているからだということです。
 とは言え、「永遠の光」の最後に見られる澄んだ美しさこそ、ピゴヴァートが描きたかったものなのではないでしょうか?2010年の「夜明けの詩」は意図的にロマンチックなスタイルに回帰することで、聴き手の感情を揺り動かしています。
  

8.573379
\1100
ソフィア・グバイドゥーリナ:ギター作品全集
 1.悔い改め(2008)/2.セレナード(1960)/
 3.トッカータ(1969頃)/4.ソット・ヴォーチェ(2010/2013改編)
   ※世界初録音…3
デイヴィッド・タネンバウム(ギター)/
トーマ・ヴィロトー(第2ギター)…1/
パウル・プサラス(第3ギター)…1/
ペーター・ウィリック(チェロ)…1/
マーク・ライト(コントラバス)…1/
マルク・テイコルツ(第2ギター)…4/
ジョディ・ラヴィツ(ヴィオラ)…4/
スコット・ピンゲル(コントラバス)…4
録音 カリフォルニア サン・フランシスコ・コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック 2010年2月22日 ソル・ジョセフ・リサイタル・ホール…1, 2014年10月3日 オシャー・サロン…4, 2014年10月14日 オシャー・サロン…2.3
 自身の作品に「フィボナッチ数列」を用いたり、ロシアの民族楽器や日本の琴など珍しい楽器を用いるなど、その特異性が注目されるタタール自治共和国出身の女性作曲家ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)。
 このアルバムには彼女による「ギター」全作品が収録されています。と言っても、たった4曲で、その中で独奏作品は2曲のみ。まさにギターの音色を用いた「彼女独自」の世界がどこまでも展開されていきます。
 最初のトラックの「悔い改め」は3台のギターと、チェロとコントラバスの2台の低弦楽器が醸し出す、絶妙な音世界が魅力です。ここでのギターはまるでハープのように使われたり、また打楽器のように使われたりと、聴き手は既成概念がどんどん崩されていく快感にむせぶことになります。
 初期の作品「セレナード」は却って異質な世界(普通すぎる?)で、流動的なトッカータも面白いものです。「ソット・ヴォーチェ」も低弦楽器が用いられ、まるでため息のような響きを作り出しています。これは面白いです。
 

8.573387
\1100
マルティヌー:歌曲集 第3集
 1-7. 1ページの歌曲集 H294(1943)
  <露/言葉で鍵を開け/最愛の馬に乗って/歩く道/
   母と家に/乙女の夢/ローズマリー>/
 8-14. 2ページの歌曲集 H302(1944)
  <モラヴィアの少女/隣人の安定した生活/希望/
   夜の観察者/秘めた愛/道端の十字架/ズボーレンの若者>/
 15-21.ニッポナーリ-日本の民謡歌 H68a(1912)
  <青い時間/老いた時/回想/夢を見ながら生きていく/
   雪の上の足跡/振り返ってみると/聖なる湖>/
 22-23.黒人の民俗詩による2つの歌 H232bis(1932)<子守歌/憧れ>/
 24.3つの小さい歌 H34-第1番:わが母(1911)/
 25.それが思い出の全て H55(1912)/
 26.ああ、教えて H267bis(1910)/
 27.青い目の上に H70(1910)/
 28.ばら H54(1912)/
 29.夜明けを、ああ、神よ H76(1912)/
 30.3つの小さい歌 H34-第2番 正しい数(1911)/
 31.私を結婚させて、おかあさん H53(1912)/
 32.ハニツカについての歌 H80(1912)
  ※世界初録音…15-32
イェネ・フロチョーヴァ・ワリンゲローヴァ(メゾ・ソプラノ)/
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
録音 2014年7月17日 スイス ルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
 チェコの大作曲家マルティヌー(1890-1959)は、あまりにもたくさんの作品を残したためか、まだまだその全貌が知られているとはいえません。
 最近になってようやく管弦楽曲などのいくつかの作品が知られるようになりましたが、歌曲はまだまだ未知の世界に属しています。NAXOSでは、そんなマルティヌーの歌曲を名手コウクルのピアノとメゾ・ソプラノ、ワリンゲローヴァによって、実際の音にしてお届けいたします。
 今回の第3集では3つの歌曲集を中心に収録。民謡調のメロディに彩られた、短い中にも深い味わいのある「1ページの歌曲集」と、更に詳細に踏み込んだ「2ページの歌曲集」、そして書記の名作、日本の和歌が詩として用いられているという(日本語をドイツ語にしたものを更にチェコ語にした)「ニッポナーリ」というユニークな作品は、マルティヌーの多彩な面を知るためにも一度は聴いておきたいものです。世界初録音も多数含まれています。

 《既発売商品》第1集…8.572588 第2集…8.572310
 


8.573392
(2CD)
\2200
ベルリン・ガンバ・ブック
《CD1》
 1.前奏曲-高きところでは神にのみ栄光あれ/
 2.キリスト、私たちを救って下さるお方は/
 3.主イエスは十字架にかかりたもう/
 4.かくも喜びに満てる日/
 5.讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ/
 6.父なる神はわがゲシュレイを/
 7.天と地の神よ/8.私はあなたに感謝します/
 9.私はあなたのよさを知っています/
 10.私は不幸に耐えたくない/
 11.うやうやしい嘆願を望む/12.あなたの悲しい日/
 13.穢れなき神の子羊/14.わが幸せを/
 15.あなたの怒りで私を引き締めないでください/
 16.人々は祝福されている/17.あなたは良き神です/
 18.私のような誰かに住む/
《CD2》
 1.ああ、わが罪を悲しむ/
 2.われらはキリストを賞賛する/
 3.あなたの怒りで我らは張り詰めない/
 4.イエス、わが喜び/5.これ全てがわが願い/
 6.われらが父よ/7.主なる神はわれらを保持しない/
 8.ああ、われらの生は何ですか/
 9.あなたは眠っています/
 10.小さな魂は、恐らく何がより良いか/
 11.神よ、いつまで続くのですか/12.神は沈黙し/
 13.愛する心、イエス/14.おお、悲しみ/15.主に賛美/
 16.全ての森は憩えり/17.わが疲れたまぶた
   ※世界初録音
ディートマー・ベルガー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
録音 2014年1月3-5日 ドイツ ケルン,聖アンドレアス教会
 17世紀に編纂された、作曲者不祥の「独奏ヴィオラ・ダ・ガンバのためのコレクション」です。基本的には当時流布していた賛美歌がソースとして用いられており(元ネタが判明できたものはブックレット中に記してあります)時には良く耳にするメロディが聞こえてくることもあります。
 ほとんどはイニシャルに「J.R」を持つプロイセン在住のアマチュア奏者が、賛美歌を書きとめたのであろうとされ、オルガンで聴くのとはまた違った「コラール変奏曲」が展開されていきます。
 ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ディートマー・ベルガーは、「マンチェスター・ガンバ・ブック」(8.572863-64)でも、その高い洞察力と表現豊かな演奏が評価されている人。静かで荘厳なガンバの調べをじっくりお楽しみください。
 

8.573481
\1100
期待の新進演奏家シリーズ/エカチャイ・ヤラクール ギター・リサイタル
 1-3.ジルフィウス・レオポルト・ヴァイス(1686-1750):
  組曲第13番 ニ長調(E.ヤラクールによるギター編)
  <アルマンド/クーラント/パッサカリア>/
 4.ヨハン・カスパール・メルツ(1806-1856):
  コンチェルティーノ/
 5-7.レノックス・バークリー(1903-1989):ソナチネ Op.52-1/
 8.ルイジ・レニャーニ(1790-1877):ファンタジー Op.19/
 9-10.レオ・ブローウェル(1939-):
  オリシャたちの儀式<序奏-呪文/黒い女神たちの舞曲>/
 11-13.プミポン・アドゥンヤデート国王ラーマ9世(1927-):
  H.M.キング組曲
   <私の心の光を愛し(F.ハンドによるギター編)/
    おお、私は言う(A.ヨークによるギター編)/
    魔の梁(W.カネンジザーによるギター編)>
エカチャイ・ヤラクール(ギター)
録音 2014年11月12-14日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット 聖ジョン・クリソストム教会
 GFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギター・コンクールにおける、初のアジア人優勝者となったギタリスト、エカチャイ・ヤラクールのリサイタル・アルバムです。
 彼は1987年に生まれ、13歳からギターを学び始めました。そして奨学金を得て、マヒドン大学に入学。ここでポール・チェザルツキに学び、学士号を取得します。以降、ザルツブルクのモーツァルテウムでマルコ・タマヨに師事、2003年から2014年まで、世界16カ国以上で演奏しています。
 このアルバムでは、自身の編曲によるヴァイスの端正なリュート曲から、古典作品、ジャズ風の作品までの音による時間旅行を楽しむことができます。
 そして注目は、2011年に彼が3人のギタリストに編曲を依頼した「タイ国王の作品」です。国王は優れたサックス奏者であり、ベニー・グッドマンやスタン・ゲッツなど主要なジャズ・アーティストとも共演しているというツワモノ。ジャズ要素あり、タイの民俗音楽要素ありと、なかなか聴き応えのある曲となっています。

OEHMS CLASSICS



OC1813
(3CD)
\5400→\4990
躍進!エストラーダ&トーンキュンストラー管
 ヨハネス・ブラームス:交響曲全集

《CD1》
 1-4.交響曲 第1番 ハ短調 Op.68/
《CD2》
 1-4.交響曲 第2番 ニ長調 Op.73/
 5-8.交響曲 第3番 ヘ長調 Op.90/
《CD3》
 1-4.交響曲 第4番 ホ短調 Op.98
トーンキュンストラー管弦楽団/
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)
録音 2013年5月13-17日 アウディトリウム・グラーフェネック…第2番&第3番, 2014年10月23-24日 ウィーン・ムジクフェライン「金のホール」…第1番&第4番

 最近大躍進中。コロンビアの指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダと、2014年まで彼が首席指揮者を務めていたトーンキュンストラー管弦楽団(次期は佐渡裕氏が予定されている)によるブラームス(1833-1897)の交響曲全集です。
 これまでのベルリオーズとメンデルスゾーンでは、極めてオーソドックスな解釈に情熱的な音色を載せた共感溢れる演奏を聴かせていた両者ですが、このブラームスでは、更に深化した音楽が味わえます。
 緊密な第1番、伸びやかな第2番、清冽な第3番、そして古典的な様式感を大切にした第4番と、驚くほどに正統派であり、聴いていて安心できるものです。ウィーンが自慢する2つのホールの響きの違いもぜひ味わってみてください。



アンドレス・オロスコ=エストラーダ…1977 年コロンビアのメデジン生まれの指揮者。少年時代はヴァイオリンを学ぶ。15 歳で指揮を学び始める。

1997 年にウィーンに移住。ウィーン国立音楽大学で、ウーロシュ・ラヨヴィチ( ブルーノ・マデルナとハンス・スワロフスキーに師事した指揮者) に師事する。
2001 年にウィーン工科大学のオーケストラで指揮者のポストを得る。
2003 年5 月に初めてウィーン・トーンキュンストラー管を指揮。その後2 年間、同オケのアシスタント・コンダクターを務める。
2005 年グラーツ大管弦楽団に初めて登場、2006 年から2009 年首席指揮者を務める。
2009/10 年のシーズンより、最初の契約期間として向こう3 年間、ウィーン・トーンキュンストラー管の首席指揮者と、また同じく、バスク・ナショナル・オーケストラの首席指揮者に就任。


オロスコ=エストラーダ
ベストセラー・アルバム

PREISER
PRCD 90784
(SACD HYBRID)
\2400→¥2190
オロスコ=エストラーダ&ウィーン・トーンキュンストラー管
 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団
 (現ニーダーエステライヒ・トンキュンストラー管弦楽団)
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指)

録音:2009年10月3日、4日ウィーン・ムジークフェライン大ホール(ライヴ)。マルチチャンネル・ステレオ、2.0ステレオ、57’26”

2009 年10 月のトーンキュンストラー管音楽監督就任コンサートにおけるマーラーの「巨人」ライヴ

【トラックタイム】I.16’37”+II.08’20”+III.12’06”+IV.20’23”=TT.57’26”

 


OEHMS
OC869
\2400→\2190
オロスコ=エストラーダ&ウィーン・トーンキュンストラー管
 ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団/
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)
録音 2012年10月07日 ライヴ録音 ウィーン ムジークフェライン,ゴルデナー・ザール Recording Producer & Editing:Florian Rosensteiner (ORF)/Sound Engineer: Andreas Karlberger (ORF)
 1977年、コロンビア、メデジン生まれの若手指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダ。もともとはヴァイオリニストとして才能を伸ばしていましたが、彼はウィーン国立音楽大学でブルーノ・マデルナ、ハンス・スワロフスキーの弟子であるウーロシュ・ラヨヴィチに指揮を学び、指揮者としての能力を開花させ、各地の歌劇場指揮者として研鑽を積んだ後に、2009年からウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者を務めることになりました。
 このアルバムはそんな彼とオーケストラの初のアルバムとなります。
 最近の若手指揮者の例にもれず、レパートリーは幅広いのですが、彼がとりわけ愛しているのはロマン派とウィーンの古典派であり、また現代音楽とスペイン音楽だそうです。
 このアルバムではそんな彼の伸びやかな才能を存分に感じることができるでしょう。

PREISER
PRCD 90796
(SACD HYBRID)
\2400→¥2190
エストラーダ&ウィーン・トーンキュンストラー管
 メンデルスゾーン:
  交響曲第2 番変ロ長調Op.52「讃歌」
クリスティアーネ・エルツェ(S)
シモーナ・シャトゥロヴァー(S)
イアン・ボストリッジ(T)
シネ・ノミネ合唱団(リーダー:ヨハネス・ヒーメツベルガー)
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団
 (現ニーダーエステライヒ・トンキュンストラー管弦楽団)
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)
録音:2010 年10 月1 日、3 日ウィーン・ムジークフェライン大ホール(ライヴ)/マルチチャンネル・ステレオ /2.0 ステレオ

 器楽のみで演奏される、3 楽章からなるシンフォニアのあと、3 人のソリストと合唱をともなう巨大な第2 部で締め括られる構造から、ベートーヴェンの第9 交響曲を想起させるともいわれる交響曲第2 番は、いみじくも作曲者自身による「讃歌−聖書の言葉による交響カンタータ」のタイトルが示すように、メンデルスゾーンが理想としていたJ.S. バッハの宗教曲へと連なるオマージュとしての性格が顕著な内容となっています。
 それだけに、声楽パートの比重も必然的に高まるところですが、ここではソプラノにエルツェ、シャトゥロヴァー、そしてテノールにはボストリッジと、人気実力ともたいへん魅力的な顔ぶれが起用されています。
1991 年に地元のウィーン音楽大学で設立されたシネ・ノミネ合唱団は、1997 年にもムジークフェラインザールで第2 交響曲の演奏経験を持つほか、2006 年にはクリスチャン・ヤルヴィの指揮で、バーンスタインのミサ曲のライヴ・レコーディングにも参加しており、トーンキュンストラー管との共演経験も豊富。
 会場のムジークフェラインザールは、極上の響きで知られる世界屈指のホールという点で録音条件が整えられているのもポイントといえるでしょう。
 2010 年秋のウィーン・フィルへのデビューも大成功を収め、ますます才気とカリスマぶりを爆発させているオロスコ=エストラーダ、おおいに期待したいところです。
 

OEHMS
OC898
\2400→\2190
エストラーダ&ウィーン・トーンキュンストラー管
 メンデルスゾーン・チクルス、続編はOEHMSから

 メンデルスゾーン:交響曲 第1番&第3番

 1-4.交響曲 第1番 ハ短調 Op.11/
 5-8.交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」Op.56
ウィーン・トンキュンストラー管弦楽団/
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)
録音 2011年10月2.5日…1-4, 2013年2月17.20日…5-8 ウィーン ムジクフェライン、Goldener Saal ライヴ収録 Recording Producer & Editing: Florian Rosensteiner
 1977年コロンビア生まれの指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダ。2010年からクリスチャン・ヤルヴィの後任としてウィーン・トンキュンストラー管弦楽団を纏め上げ、その類い稀なる才能が話題となっています。前作のエベルリオーズのフレッシュな解釈や、オーケストラの自主制作盤であるマーラーの第1番での奔放な演奏で、じわじわと人気を集めている彼、2014/2015年のシーズンからhr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)の首席指揮者として、また2015年の9月からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者として、一層の活躍が期待されています。
 そんなエストラーダの新作はメンデルスゾーン(1809-1847)の第1番と第3番の交響曲集。はじける若々しさと野心的な演奏は、確かに聴き手の心をくすぐるものです。

 

OC853
(4CD)
\5400
マックス・レーガー:オルガン作品集 第3集
《CD1》
 1-3.3つのコラール幻想曲 Op.52
  <第1番:人はすべて死すべきものなり/
   第2番:目覚めよ、と呼ぶ声あり/
   第3番:ハレルヤ,ほむべき神はわが心の喜び>/
《CD2》
 1-2.交響的幻想曲とフーガ/
 3-5.オルガン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.60/
 6-7.前奏曲とフーガ 嬰ト短調 WoO4-15/
 8-9.私の日記帳 Op.82 第4巻から前奏曲とフーガ/
 10.ロマンツェ イ短調 WoO4-11/
《CD3》
 1-12. 12のモノローグ Op.63
  <第1番:前奏曲 ハ短調/第2番:フーガ ハ長調/
   第3番:カンツォーネ ト短調/第4番:カプリッチョ イ短調/
   第5番:序奏 ヘ短調/第6番:パッサカリア ヘ短調/
   第7番:アヴェ・マリア イ長調/第8番:幻想曲 ハ長調/
   第9番:トッカータ ホ短調/第10番:フーガ ホ短調/
   第11番:カノン ニ長調/第12番:スケルツォ ニ短調>/
《CD4》
 1-13. 13のコラール前奏曲 Op.79b
  <第1番:神よ、私を見捨てないでください/
   第2番:われらが神は堅き砦/第3番:主よ、今足を止めて/
   第4番:永遠なる朝の光/第5番:平和と喜びに満ちて私は出立する/
   第6番:私の近しき最後について/
   第7番:復活せよ、汝復活せよ/
   第8番:キリストは死から復活する/
   第9番:キリストよ、汝はわが命/
   第10番:平和と喜びに満ちて私は出立する/
   第11番:全ての神に感謝せよ/
   第12番:主よ、今足を止めて/
   第13番:なぜ私が悲しむ必要があるのか>/
 14-25. 12の小品 Op.80
 <第1番:前奏曲 ホ短調/第2番:フゲッタ ホ短調/
  第3番:カンツォネッタ ト短調/第4番:ジーグ ニ短調/
  第5番:アヴェ・マリア 変ニ長調/第6番:間奏曲 ト短調/
  第7番:スケルツォ 嬰へ短調/第8番:ロマンツェ イ短調/
  第9番:無窮動 ヘ短調/第10番:間奏曲 ニ長調/
  第11番:トッカータ イ短調/第12番:フーガ イ短調>
ベルンハルト・ブットマン(オルガン)
録音 2014年4月22-25日…CD1, 2014年4月22-25日…CD2:6-10 ケヴェラエル マリエン・バジリカ ザイフェルト・オルガン Producer, Balance Engineer, Editing &Mastering:Lutz Wildner/2014年8月25-28日…CD2:1-5 ランズベルク・アム・レー シュターツプファール教会 マリア・ヒンメル=ファールト,シュミット・オルガン Producer, Editing & Mastering: Torsten Schreier, Balance Engineer: Stefan Briegel/2014年10月12-15日…CD3 ブレーメン 聖ペトリ大聖堂 ザウアー・オルガン Producer, Editing & Mastering: Torsten Schreier, Balance Engineer: Stefan Briegel/2014年6月23-27日…CD4 ウルム エヴェンゲリッシェ・パウル教会 リンク・オルガン Producer, Editing & Mastering: Torsten Schreier, Balance Engineer: Thomas Schinko
 レーガー(1873-1916)の没後100年を記念して、進行中の「オルガン全集」の第3集となります。
 今回も特徴ある作品が並びますが、CD1に収録された、規模の大きな「3つのコラール幻想曲」Op.52が聴きものです。使われているのはお馴染みのコラール主題ですが、どれもレーガーならではの趣向が凝らされた興味深いもの。
 中でも第2番はとりわけ劇的な作品で、「目覚めよ、と呼ぶ声あり」のタイトルそのまま、全ての死者たちが眠りから醒め、墓から甦るかのような雰囲気を持つ重厚な音楽です。
 曲の最後でお馴染みのメロディが聞こえてくると、思わず感動の涙が頬を伝わるかもしれません。このような長大な曲から、ほんの1分にも満たない小さな曲まで多種多彩。じっくり噛みしめながら聴いていただきたい4枚組です。
 

OC1825
\2400
Wild Bird-野生の鳥 〜デュオ47/4
 1.ヴィオレタ・ディネスク(1953-):モーツァルトを求めて/
 2.ベルナルド・アンドレス(1941-):ツェルビナ/
 3.R.ムライ・シェーファー(1933-):野生の鳥/
 4.ジュール・マスネ(1842-1912):タイスの瞑想曲/
 5.ヴィクトリア・カウンツナー(1982-):韓国のしずく受け/
 6.ジャック・イベール(1890-1962):間奏曲/
 7.チョイ・ヤユン(1974-):荒布の歌/
 8.サン=サーンス(1835-1921):幻想曲 Op.124
デュオ47/4
<メンバー:
ヴィクトリア・カウンツナー(ヴァイオリン)/
アンナ・フィークトゥル(ハープ)>
録音 2014年1月15-17日 ベルリン シャルロッテンブルク フリーデンス教会
 ベルリンのハンス・アイスラー音楽院に在学中に「デュオ47/4」を結成したヴァイオリンのカウンツナーとハープのフィークトゥルの2人。このデュオの名前はハープの47弦とヴァイオリンの4弦を組み合わせたもので、20世紀から21世紀の音楽を中心に、新しい響きを探求していくという意味が込められています。
 このアルバムには、カウンツナーの自作を含む7曲が収録されていて、マスネの「タイスの瞑想曲」のようなよく知られたメロディから、極めて独創的な「野生の鳥」や「韓国のしずく受け」などの面白い曲まで、興味深い作品を聞くことができます。
 ヴァイオリンの七色の響きはもちろんのこと、癒し系の楽器として語られがちなハープが、こんなにも攻撃的な音色を出すことにも驚くばかりです。
 


OC765
\2100→\1890
Le Corps des Cordesー弦の躯
 1-8.ディエゴ・オルティス(1510頃-1570頃):
  「ヴィオラ・ダ・ガンバ演奏の装飾論ならびに変奏論」から
   8つのリチェルカーレ
   <第1リチェルカーレ/第4リチェルカーレ/
    第3リチェルカーレ/第16リチェルカーレ/
    第5リチェルカーレ/第5パルス/
    第8リチェルカーレ/第2リチェルカーレ>/
 9.イザベル・ムンドリー(1963-):弦の躯/
 10-15. J.S.バッハ(1685-1750):
   無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
   <前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/
    ガヴォット1&2/ジグ>/
 16-19.プーランク(1899-1963):チェロ・ソナタ
シャルル=アントワーヌ・デュフロ(vc&チェロ・ピッコロ)/
セバスチャン・キュフラー=ブレッシング(cemb)…1-8/
ウルリヒ・ヴェーデマイアー(lu)…1-8/
マティアス・ミュラー(ヴィオローネ)…1-8/
ムラート・コシュクン(per)…1-8/
マルティン・クレット(p)…16-19
録音 2014年6月2-4日 ハノーファー NDR クライナー・ゼントザール
 1986年生まれの若きチェリスト、シャルル=アントワーヌ・デュフロによる「弦」に拘ったアルバムです。
 弦楽器の歴史を紐解く時、人々は往々にして楽器本体に目を向けますが、使われる4本の弦にも多くのストーリーがあります。彼は曲ごとに、使用する弦を変え、その時代の音楽を丁寧に描き出すことを試みたのです。
 16世紀の音楽と、バッハの音楽の違い、そして現代の作曲家ムンドリーによる「弦」の強い主張、プーランクでは、チェロだけでなくピアノの弦も加わり、異なった響きを醸し出します。呼吸とともに、自然な弦の振動を味わうこと。これも弦楽器を聴くときの楽しみなのかもしれません。
 


OC441
\2100→\1890
キタエンコ(指揮)&ケルン・ギュルツェニヒ管
 ラフマニノフ:交響曲 第2番&ヴォカリーズ

  1-4.交響曲 第2番 ホ短調 Op.27/
  5.ヴォカリーズ 嬰ハ短調 Op.34-14
ヴェラール・サバドゥス(カウンター・テナー)…5/
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
ドミートリー・キタエンコ(指揮)
録音 2013年10月 ケルン・フィルハーモニー…1-4, 2013年5月 ケルン スタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセ…5
 交響曲第1番の初演が大失敗し、精神的にも追い詰められたラフマニノフ(1873-1943)ですが、1901年に完成したピアノ協奏曲第2番が大成功を収め、ようやく自信を取り戻したというエピソードが良く知られています。
 その後の彼は順風満帆の日々を送り、1906年から1907年にかけて作曲されたこの交響曲第2番も、溢れるような旋律美と劇的な曲想で高い人気を得ています。
 キタエンコによるラフマニノフ交響曲集、第2弾となるこの第2番の演奏ですが、さすがお国物に定評のあるキタエンコだけあって今回も文句のつけようがありません。冒頭からたっぷり歌わせる弦の調べと、溌剌とした木管、高らかに咆哮する金管・・・全てが完璧です。
 最後に添えられたこちらも名曲「ヴォカリーズ」を歌うのは当代随一のカウンター・テナー、サバドゥスです。幻想的な歌声が夢心地を誘います。
 


OC1818
\2400→\2190
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタと歌曲集(チェロ編)
 1.楽に寄せて D547/2-4.アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821/
 5.夜と夢 D827/6.野ばら D257/7.さすらい人 D493/
 8.ます D550/9.自作主題による序奏と変奏曲 D968a/
 10.歌曲集「白鳥の歌」より第12番「海辺で」D957/
 11.ミニョンの歌 D877-4/
 12.歌曲集「水車屋の娘」より「好奇心の強い男」/
 13.君こそわが憩い D776/
 14.歌曲集「白鳥の歌」より第4番「セレナード」
アレクサンダー・ヒュルスホフ(チェロ)/
アンドレアス・フレーリヒ(ピアノ)
録音 2013年12月 ラインハルト=プファルツ ヴィラ・ムジカ エンゲルス城
 1969年ドイツ、プファルツで生まれたチェリスト、アレクサンダー・ヒュルスホフのシューベルト作品集です。フォルクヴァンク芸術大学で教授を務めながら、世界中でコンサートを開催し、知られざる作品を世に問う活動を繰り広げています。
 シューベルトの名作「アルペジョーネ・ソナタ」は、今は忘れられてしまった楽器「アルペジョーネ」のために書かれた作品で、現在では通常チェロで演奏されています。
 シューベルト独特の陰鬱さと、仄暗い明るさが共生した美しい音楽ですが、実はチェロで演奏するのは難しく(特に高音部)、これは奏者の力量にかかっているといえるでしょう。もちろんヒュルスホフはこの点を難なくクリア。チェロで演奏する歌曲と併せて寂寥感溢れる世界を完璧に描き出しています。

ONDINE



ODE-1267
(CD+BD-Audio)
\2400→\2190
ヘカン・ハーデンベルガー
 指揮はストルゴーズ
ロルフ・ヴァリーン:作品集

 1.トランペット協奏曲「Fisher King-漁夫王」/
 2.ID/3.MANYWORLDS-多世界
ヘカン・ハーデンベルガー(トランペット)…1/
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストルゴーズ(指揮)
録音 2014 年2 月18-21 日…1, 2010 年9 月23-24 日…2.3 ノルウェー ベルゲン,グリーグハーレン Blu-ray disc info:AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION,24-bit, 96 kHz PCM Surround Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz, 5.0DTS-HD Master Audio 2.0 Stereo PCM DURATION 74:41
 ノルウェーの作曲家ロルフ・ヴァリーン(1957-)の刺激的な作品集。彼は現在のスカンジナビアで「最もエキサイティング」な作品を書く人として知られ、今回のアルバムも、その驚くべき音をリアルに再現するため、ONDINE レーベル初のBlu-ray AUDIO でこの作品を提供いたします。
 トランペット協奏曲「漁夫王」は2011 年に完成した作品で、明と暗を行き来し、エネルギーの転換を図るという意図があるそうです。
 「他世界」はオーケストラのための大規模な作品で「パラレルワールド…量子物理学の理論に拠って無限の可能性を探り、まるで色とりどりの彫刻を作成するように作曲した。」とヴァリーンは語っています。Blu-ray にはボヤ・ベックマンが撮影した2D&3D のビデオも含まれています。
  


ODE-1271
(2CD)
超特価\2400→\2190
テツラフ兄妹&ラルス・フォークト
 ブラームス:ピアノ三重奏曲集

《CD1》
 1-4.ピアノ三重奏曲 第2 番 ハ長調 Op.87/
 5-8.ピアノ三重奏曲 第3 番 ハ短調 Op.101/
《CD2》
 1-4.ピアノ三重奏曲 第1 番 変ロ長調 Op.8
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/
ターニャ・テツラフ(チェロ)/
ラルス・フォークト(ピアノ)
録音 2014 年5 月27-29 日 ブレーメン ゼンデザール
 テツラフ兄妹と、ピアニスト、ラルス・フォークトはプライヴェートでも親しい友人であり、これまでにも何度もアンサンブルで緊密な演奏を披露しています。このアルバムでも、ブラームス(1833-1897)特有の「底に秘めた情熱」と夢のように美しいメロディを余すことなく表現し、納得の行く三重奏を聴かせています。
  


ODE-1256
(2CD)
\2700→\2490
演奏陣も豪華
 アウリス・サッリネン:室内音楽集 第1番-第8番

《CD1》
 1.室内音楽 第1番 Op.38(1975)/
 2.室内音楽 第3番「ドン・ファンキホーテの夜の踊り」Op.58(1985-86)/
 3.室内音楽 第5番「バラバ・ヴァリエーション」Op.80(2005)/
 4.室内音楽 第7番「クルセリアーナ」Op.93(2007-08)/
《CD2》
 1.室内音楽 第2番 Op.41(1976)/
 2-5.室内音楽 第4番「セバスティアン・ナイトへのエレジーによるメタモルフォシス」Op.79(2000)/
 6-8.室内音楽 第6番「3つの旅へのいざない」Op.88(2005-06)/
 9.室内音楽 第8番「木々よ、全て緑に」(パーヴォ・ハーヴィッコへのメモリー」Op.94(2005-06)
アルト・ノラス(チェロ)…CD1:2.9/
アレクシス・ローマン(アルト・フルート)…CD2:1,CD1:4/
ナホコ・キノシタ(オーボエ)…CD1:4/
ゴチョー・プラコフ(クラリネット)…CD1:4/
サンナ・ヴァイヒネン(ファゴット)…CD1:4/
マリエッレ・ハッリ(フレンチ・ホルン)…CD1:4/
Meta4弦楽四重奏団…CD2:6-8/
ユヴァスキュラ・シンフォニア/
ヴィッレ・マトフェエフ(ピアノ…CD2:2-5&指揮)/
ラルフ・ゴトーニ(ピアノ…CD1:3&指揮CD1:3,CD2:9)
録音 2014年2月11.13-14日…CD1:3,CD2:9, 2014年10月9-11日…CD1:1.2,CD2:6-8, 2015年2月1日…CD2:1.2-5,CD1:4 フィンランド ユヴァスキュラ,ハンニカイスサリ
 フィンランドの現代作曲家サッリネン(1935-)の室内音楽集。2015年に80歳の誕生日を迎える彼は、先進的な響きを追求しながらも、常に調性を逸脱することなく、肌触りのよい音楽を生み出しています。
 この室内音楽シリーズは1975年から2009年の間に書かれたもので、多くの場合、オペラ・プロジェクトの完了後に着手されています。どの曲もタンゴやワルツなどの舞曲的要素を持ち、また第3番が実質的なチェロ協奏曲であるように、様々な楽器が大活躍するというユニークな形を持っています。
 第5番はもともとアコーディオンと管弦楽のために書かれたものですが、ここではゴトーニのピアノがソロの役割を担っています。
 

ODE-1259
\2400
ロッタ・ヴェンナコスキ:SOIE-絹
 1-3.フルートと管弦楽のための「SOIE」-絹(2009)
  <Voile-薄い織物/Lin gros-荒い織り目の布/Soie-絹>/
 4.ハーヴァ(2007)/5.組曲「全ての愛」(2014)
ケルステン・マッコール(フルート)/
フィンランド放送交響楽団/
ディーマ・スロボデニューク(指揮)
 型破りな演奏技術と豊かでカラフルな音の世界(時にはノイズも含む)を持つ作曲家ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-)の作品集。最近の彼女の作品はより深く、強い主張を持っています。
 アルバムタイトルでもある「SOIE」はフランス語で絹の意味を持ち、組曲の3つの部分は、それぞれテクスチャの違う布のイメージが持たされています。
 ここでフルートを吹いているのはロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席奏者マッコールです。「全ての愛」は90分に渡る無声映画のスコアを演奏会用組曲として再構築したもの。「ハーヴァ」はタピオラ・シンフォニエッタ創立20周年記念の委嘱作品です。
 

ORCHID



ORC100047
\2100→\1890
ガブリエラ・モンテーロ
 1-3.ラフマニノフ(1873-1943):ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18/
 4.ガブリエラ・モンテーロ(1970-):
   エクス・パルティータ Op.1「イン・メモリアム」/
 5.モンテーロ:インプロヴィゼーション 第1番/
 6.モンテーロ:インプロヴィゼーション 第2番/
 7.モンテーロ:インプロヴィゼーション 第3番
ガブリエラ・モンテーロ
 (ピアノ・作曲・インプロヴィゼーション)/
ユース・オーケストラ・オブ・ジ・アメリカ/
カルロス・ミゲル・プリエート(指揮)
録音 2013年7月 テアトル・ナショナル・デ・コスタリカ
 ベネズエラ出身でアメリカで活躍するピアニスト、ガブリエラ・モンテーロ。幼い頃から神童として名高く、8歳のときにベネズエラ政府から奨学金を得てアメリカに留学し、研鑽を重ねてきた人です。
 1995年のショパン国際ピアノ・コンクールでは銅賞(1位なし)を獲得、またマルタ・アルゲリッチからもその才能を高く評価されています。そんな彼女の名前を決定的に高めたのは2000年代に発売された「バッハ・アンド・ビヨンド」でした。ここで彼女はバッハを「素材」とみなし、これをもとに見事なインプロヴィゼーション(即興演奏)を披露。人々を驚かせたのでした。
 今回、ORCHID CLASSICSへの彼女のデビューとなるこのアルバムでは、得意とするラフマニノフの協奏曲。そして自作とインプロヴィゼーションの数々を聴くことができます。日々進化していく彼女、これは本当に聞き逃せません。
  


ORC100045
(2CD)
\2700→\2490
ラン・シュイ(指揮)&コペンハーゲン・フィル
 ベートーヴェン:交響曲集 第1集

<CD1>
 1-4.交響曲 第1番 ハ長調 Op.21/
 5-8.交響曲 第2番 ニ長調 Op.36/
<CD2>
 1-4.交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」Op.55/
 5-8.交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60
コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
ラン・シュイ(指揮)
録音 2011年11月…CD1:1-4, 2009年6月…CD1:5-8, 2012年11月…CD2:1-4, 2010年11月…CD2:5-8 コペンハーゲン デンマーク王立音楽院,コンサート・ホール
 あの衝撃的なマーラーの「大地の歌」(中国語歌唱!)でおなじみ、名指揮者ラン・シュイがORCHID CLASSICSに登場です。
 今回彼が指揮するのは、透明で深遠な響きが自慢のコペンハーゲン・フィル。YOU TUBE上では、グリーグの「朝」のフラッシュ・モブが大人気。1000万回以上の視聴数を誇るというスゴイものです。
 https://www.youtube.com/watch?v=gww9_S4PNV0
 そんな両者が挑むのは、なんとベートーヴェン(1770-1827)の交響曲全集。「全ての交響曲が独自の魅力を持っている」と語るラン・シュイは、もちろん各曲へのアプローチも周到であり、この第1番から第4番までのセットでも、ハイドンからロマン派へと繋がる流れを汲み取りながら、ベートーヴェンがその歴史に投じた革命的な素材を存分に感じさせてくれるという、画期的な演奏です。
 金管楽器とティンパニはピリオド楽器を用いることで軽やかなテンポと優雅な表情を保つことにも成功しています。


ラン・シュイ(指)&シンガポールSO
これが中国語歌唱版「大地の歌」!!

BIS SA 1547
(SACD Hybrid)
\2700→¥2490
これが中国語歌唱版「大地」!!
 マーラー:大地の歌
ニン・リャン(Ms)、
ウォーレン・モク(T)
ラン・シュイ(指)
シンガポールSO
SACDハイブリッド盤。マーラーの「大地の歌」は、李白や孟浩然の漢詩をドイツ人ベトゲが自由に独語訳したとされている。ここではその歌詞を香港在住のダニエル・ングがオリジナルの漢詩に戻した中国語で歌唱している注目盤。さらに独唱、オーケストラ、指揮者ともに中国系という点も徹底していて、マーラーが込めた中国的色彩がより濃厚となっている。

 

ORC100046
\2100
哀願と希望の音楽
《戦争と平和》
 1.スタンフォード(1852-1924):見よ、私は挙げる/
 2.ニーステッド(1915-):平和よ、私はあなたと旅立つ/
《深き淵より》
 3.バード(1540頃-1623):わが魂は虐げられ/
 4.ギボンズ(1583-1625):見よ、汝はわが全ての日を作り/
 5.トムキンズ(1572-1656):主の元に帰れ/
 6.メンデルスゾーン(1809-1847):
  オルガン・ソナタ第3番「深き困窮より,われ汝に呼ばわる」/
《わが祈りを聞きたまえ》
 7.パーセル(1659-1695):わが祈りを聞きたまえ/
 8.サイラス・ウォルストン(1971-):あなたの顔を隠さないでください/
 9.メンデルスゾーン:わが祈りを聞きたまえ/
 10.ジャン・ラングレー(1907-1991):めでたしマリア、めでたし海の星/
《安らぎへ》
 11.サミュエル・セバスチャン・ウェスレー(1810-1876):女から生まれた男
  (D.ブルック=デイヴィス編)/
 12.パーセル:我らの心の秘密を知りたもう主よ(C.バートレット編)/
 13.レノックス・バークリー(1903-1989):主はわが羊飼い
オリヴィア・ベル(ソプラノ)…9/
ジェシカ・マルトン(ソプラノ)…13/
ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジ合唱団/
サイラス・ウォルストン(指揮)
 イギリスの名合唱団「ケンブリッジ・クイーンズ・カレッジ合唱団」のORCHID CLASSICSへの2枚目のアルバムです。
 最初のアルバムではクリスマス・キャロルをしっとりと歌い上げていましたが(ORC100027)、こちらは身体をそのままえぐられるような激しい響きと、それを包み込むような平安に満たされた、心にじんわり染みこむ選曲となっています。イギリスの合唱の層の厚さが感じられることでしょう。
 

PALADINO



PMR-59
\2100→\1890
1830年代のグラーフ製フォルテピアノで聴くショパン作品集
 1-4.ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35/
 5-28. 24の前奏曲 Op.28
  <第1番:ハ長調/第2番:イ短調/第3番:ト長調/
   第4番:ホ短調/第5番:ニ長調/第6番:ロ短調/第7番:イ長調/
   第8番:嬰へ単調/第9番:ホ長調/第10番:嬰ハ短調/
   第11番:ロ長調/第12番:嬰ト短調/第13番:嬰ヘ長調/
   第14番:変ホ短調/第15番:変ニ長調/第16番:変ロ短調/
   第17番:変イ長調/第18番:ヘ短調/第19番:変ホ長調/
   第20番:ハ短調/第21番:変ロ長調/第22番:ト短調/
   第23番:ヘ長調/第24番:ニ短調>
ナターリア・レーリング(フォルテピアノ…
1828年以降にコンラッド・グラーフ社で製作)
Collection of Historic Musical Instruments,Inv. No. SAM 570
録音 2015年2月23-25日 ウィーン美術史美術館
 ウィーン美術史美術館との共同制作のシリーズであるこのアルバムは、歴史的な楽器を用いて、その時代の音楽を演奏するというコンセプトに基づいています。
 今回はショパン(1810-1849)の時代に製作されたフォルテピアノが主人公です。古典派とロマン派の過渡期に作られたこのフォルテピアノは、繊細な音色と、おどろくほど多彩な表現力を持った芸術品です。
 もちろん、この小さな音色は、1000人を越える人員を収容できる現代のホールを満たすことは難しいのですが、小さな部屋での親密な集まりには、最高の効果を齎すことは間違いありません。できることなら、実際に聴いてみたくなる美しい音色です。
 

PALADINO


PMR-62
\2100→\1890
マヌエル・デ・ファリャ:ピアノ作品全集
 1.夜想曲(1896)/2.ハ短調のマズルカ(1899)/
 3.アンダルシアのセレナータ(1900)/4.カンシオン(1900)/
 5.ヴァルス・カプリッチョ(1900)/6.小人の行列(1901)/
 7.セレナータ(1901)/8.演奏会用アレグロ(1903/04)/
 9-12. 4つのスペイン小品(1906-09)
  <アラゴネーサ/クバーナ/モンタニェーサ/アンダルーサ>/
 13.ベティカ幻想曲(1919)/
 14.クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌(1920)/
 15.ヴォルガの舟歌(1922)/16.ポール・デュカスの墓碑銘(1935)
フアン・カルロス・ロドリゲス(ピアノ)
録音 2015年2月13-14日 スペイン エル ベンドレル,アウディトリ・パブロ・カザルス
 カディスに生まれた作曲家ファリャ(1876-1946)は、ドビュッシー、ラヴェル、デュカスと交友関係を結び、印象主義の影響を受けました。「恋は魔術師」などの素晴らしいバレエ音楽で知られますが、ほんの一握りのピアノ作品も、その印象深さで忘れることはできません。
 中でも、良く知られる「4つのスペイン小品」は彼が民族主義の立場を確立した頃の作品であり、先人たちの影響を感じさせつつも、鮮やかな民族性が描かれた色彩豊かな音楽が満ち溢れています。
 演奏しているのはNAXOSでのシューマン(8.573094)で高く評価されたカディス生まれのピアニスト、フアン・カルロス・ロドリゲス。クラウディオ・アラウに師事し、数多くの受賞歴のある名手です。
  
PMR-63
\2100
デニス・カム:室内楽作品集
 1.クラリネット・ソナタ(2004)/
 2-4.オントロギース(プレ・ソクラティック・エチュード)(1979)
  <ヘラクレイトス/デモクリトス/パルメニデス>/
 5.クラリネット、チェロとピアノのための「Lokahi」-融合(2003)/
 6.ミックス・ファイヴ(a)(2006)/7-9.チェロ・ソナタ(1985)
ディミトリー・アシュケナージ(クラリネット)…1.5.6/
ロス・ハールバウ(チェロ)…5.7-9/
エイミー・タランティーノ(ピアノ)…1.2-4.5.7-9
2007年1月30-31日,2008年6月6日.9日 USA マイアミ大学 コンサート・ホール
 現在、マイアミ大学の名誉教授であるデニス・カム(1942-)は1942年にハワイのホノルルで生まれ、アメリカ、オーストリアをはじめ、日本でも学び、多くの賞を獲得した作曲家です。
 このアルバムに収録された作品は1979年から2006年という30年近い期間に渡って書かれたものであり、作風の変化と彼の興味の行方が刻み込まれている興味深い作品集となっています。ピアノのためのエチュードやクラリネットの独奏作品など、哲学的とも言える洞察力に溢れた個性的な作品をお楽しみください。

RONDEAU


ROP-6103
\2100
最後の幸福 〜ブラームスと彼の友人たち
 1-2.ブラームス(1833-1897):4つの合唱曲 Op.104より
  <最後の幸福 Op.104-3/夜警「静かな胸の音」Op.104-1>/
 3-4.クララ・シューマン(1819-1896):3つの合唱曲より
  <ヴェネツィアの夜の祭典/ゴンドリエラ>/
 5-6.カール・ライネッケ(1824-1910):4つの無伴奏合唱曲 Op.58より
  <朝の歌/春の衝動>/
 7-8.アルベルト・ディートリッヒ(1829-1908):四部合唱の6つの歌 Op.21より
  <春の衝動/狩りの歌>/
 9.グスタフ・イェナー(1865-1920):時は早く進む/
 10.イェナー:心を少し私に/
 11.イェナー:あなたは可愛いブロンズの少女/
 12.イェナー:おやすみ/
 13-16.ハンス・ケスラー(1853-1926):無伴奏混声合唱のための9つの歌より
  <最後の休息を待つ時/さすらい人の夜の歌/星が降り注ぐ/孤独>/
 17-18.ローベルト・フックス(1847-1927):混声合唱のための8つの歌 Op.64より
  <病気の少女/ナイチンゲール>/
 19.ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
  無伴奏混声合唱のための6つの歌より -夜に/
 20-21.カール・ラインターラー(1822-1896):
  四部合唱の6つの歌 Op.8より
   <おいで、ナイチンゲール/おやすみ>
カンマーコア・ベルリン/
シュテファン・ラウフ(指揮)
録音 2014年9月26-28日 ベルリン オベルシェーネヴァイデ キリスト教会
 ブラームスの作品は、どれを取って見ても恐ろしいまでにシンフォニックであり、重厚な響きを有しています。これは合唱曲であっても変わることはなく、たとえ無伴奏の簡素な合唱であっても、複雑で厚みのある音色が紡ぎ出されます。彼自身も一時期女性合唱団の指揮者を務めていただけあって、声をいうものを熟知していたことは間違いありません。
 このアルバムでは、そんなブラームスのエキサイティングな合唱曲と、併せて彼の同時代の作曲家たちと彼の弟子の合唱曲を収録しています。あまり知られていない作曲家の名前も見えますが、「声を合わせて歌うことの意義」についてブラームスと友人たちが議論している場面を想像するのは、なかなか楽しいものではないでしょうか。
  
ROP-6108
\2100
2つの世代 〜
 ゾルターン・ガルドニー&ジョルト・ガルドニー:合唱とオルガン作品集

  1.ゾルターン・ガルドニー(1906-1986):詩篇45から「賛歌」/
  2.ゾルターン・ガルドニー:死に至る忠実/
  3-9.ゾルターン・ガルドニー:「来たれ、創造主なる精霊よ」によるパルティータ/
  10-12.ゾルターン・ガルドニー:3つのモテット
   <フィンランドのフス教徒の歌/
    主はわが羊飼い/楽園の美しい常緑樹>/
  13.ジョルト・ガルドニー(1946-):
     十字架上のイエス・キリストの七つの最後の言葉/
  14.ジョルト・ガルドニー:前奏曲とフーガ/
  15-17.ジョルト・ガルドニー:3つのオマージュ/
  18-20.ジョルト・ガルドニー:3つのコラール・モテット
   <神、創造者/詩篇第8番/大地と天が歌う>
バート・ホンブルク室内合唱団/
ルドルフ・ミュラー(オルガン)/
スザンネ・ローン(指揮)
録音 2015年2月20-21日 バート・ホンブルク 福音史家・救世主教会
 ブダペストで生まれたガルドニー親子の作品集です。父ゾルターンは26年間の長きに渡ってフランツ・リスト音楽院で作曲科の教師として教鞭を執り、多くの学生を世に送り出しました。
 作曲家としてはオーケストラ作品や室内楽をはじめ、数多くの合唱作品を残しています。
 これらはドイツ、スウェーデン、アメリカで数多く演奏され、高く評価されています。その息子ジョルトも若い頃から音楽に親しみ、19歳のときにはブダペスト大学が主催したオルガン・コンクールで受賞するなど、オルガニストとしての才能も期待されています。
 彼のオルガン作品は、過去の作曲家や父の作品に敬意を払うだけではなく、ジャズの要素も含んだもので、そのいくつかはアート・テイタムやオスカー・ピーターソンへのオマージュであったりととても興味深いものです。ここでオルガンを演奏しているルドルフ・ミュラーはこの「2つの世代」を統一し、素晴らしい演奏を聴かせています。
  

KL-1401
\2100
ウィーン・ヴォーカル・コンソート/BYRD
ウィリアム・バード(1543-1623):5声のためのミサとイングリッシュ・モテット集
 1.地は震え/2.主に向かって喜びの叫びをあげよ/
 3.おお主よ、私はひれ伏します/
 4-9.5声のミサ曲
   <キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/ベネディクトゥス/アニュス・デイ>/
 10.アレルヤ、アヴェ・マリア-エサイの若芽は/
 11.若き男を起こすには/12.おお主よ、わが神/
 13.天にて喜びあれ(第1)/14.天にて喜びあれ(第2)/
 15.われを憐れみたまえ/
 16.主よ、あなたの作る道を知っている/17.主よ怒りたもうことなく
ウィーン・ヴォーカル・コンソート
録音 ウィーン、マリア・アム・ゲスターデ
 ルネサンスの巨匠、ウィリアム・バードの「5声のためのミサ」を中心に、彼のいくつかのモテットを併せた敬虔で慎み深い音楽集です。
 「ブリタニア音楽の父」と称されるバードの作品のほとんどは英国教会のために書かれたもの(英語)ですが、彼は本来カトリック信者であったため、最高傑作とされる「5声のミサ(ラテン語)」による祈りは、友人の家で秘かに行われたものだと言われています。
 宗教の違いによる軋轢に苦しんだバードですが、その作品はどれも清明で美しいものであり、現代人の心をも浄化させてくれるのです。ウィーン・ヴォーカル・コンソートは2001年に結成されたアンサンブル。メンバーの本職はイタリア語教師、海洋生物学者、技術系ジャーナリスト、風景建築家、建築家とヴァラエティに富んでいます。
 

KL-1408
\2100
バラード
 1-4.ショパン(1810-1849):バラード集
  <バラード 第1番 ト短調 Op.23/バラード 第2番 へ長調 Op.38/
   バラード 第3番 変イ長調 Op.47/バラード 第4番 ヘ短調 Op.52>/
 5-8.ブラームス(1833-1897):バラード Op.10
  <第1番 ニ短調/第2番 ニ長調/第3番 ロ短調/第4番 ロ長調>/
 9.フォーレ(1845-1924):バラード 嬰へ長調 Op.19
ジャン=フランソワ・アントニオーリ(ピアノ)
録音 2010年9月,2011年8月 スイス ゲネヴァ,ヴィクトリア・ホール
 現在の日本では「バラード」というと、ゆったりとしたテンポで美しいメロディラインを持つ「ラブソング」を指すことが多いのですが、もともとは中世の定型詩であり、吟遊詩人の歌う世俗抒情歌の形式の一つでした。
 18世紀の後半に、ゲーテをはじめとした詩人たちが文学的に昇華させ、この詩を用いた歌曲が「バラード」と呼ばれるようになります。
 やがてショパンが自身のピアノ曲にこのタイトルを転用し、古い物語譚を暗示させるような「4つのバラード」を創り上げるのです。この形式はリストやブラームスに受け継がれ、各々が表現力豊かな作品を書き上げます。
 そしてフォーレの作品には、特定の元ネタは存在せず、ただただ起伏のある美しい音楽が紡がれていくのです。
 ピアニストのアントニオーリはスイス、ローザンヌ出身のベテランです。地元の音楽院でファウスト・ザドラに、パリ音楽院ではピエール・サンカンに学び、その後はウィーンでブルーノ・ザイドルホーファー、ローマでカルロ・ゼッキに指導を受け、1991年にアメリカとローロッパへの演奏旅行を行い絶賛されました。その後は指揮者としても活動を始め、地域に密着した音楽活動を行っている人です。
 
KL-1409
\2100
プレリュード
 1-24.ショパン(1810-1849):24の前奏曲 Op.28/
 25.ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.45/
 26.ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49/
 27.ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57/
 28.ショパン:舟歌 嬰へ長調 Op.60
ジャン=フランソワ・アントニオーリ(ピアノ)
録音 スイス ゲネヴァ,ヴィクトリア・ホール
 J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」のような、「12音全ての長調、短調の音階を用いた小さな24の曲集」を作曲することは、ショパンにとってバッハへの敬意の表れであり、また革新的な挑戦であったのでしょう。
 この作品は「雨だれ(第15番 変ニ長調)」のエピソードでも知られるように、旅行先のマジョルカ島で完成されましたが、構想されたのはもっともっと以前だったようです。24曲のそれぞれに驚くほど多くの物語があり、一瞬で終わるような短い曲でも、その表情は夢幻的で多彩です。ピアニスト、アントニオーリは1曲1曲に心を込め、この小宇宙を余すことなく表現することに成功しています。
 

KL-1501
\2100
沈黙の選帝侯
 1-2.ペーター・アウグスト(1726-1787):
  2台のチェンバロのためのディヴェルティメント ニ長調/
 3-5.カール・ハインリヒ・グラウン(1703/4-1759):
  2台チェンバロのためのコンチェルト 変ロ長調 B:XIII:45/
 6-8.ヨハン・ゴットリープ・ヤニチュ(1708-1763):四重奏曲 第4番 ハ短調/
 9-11.ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):協奏曲 へ長調 Hob.XVIII:6/
 12-17.ヨーゼフ・シュスター(1748-1812):2台チェンバロのための6つの小品
ライプツィヒ・チェンバロ・デュオ
<メンバー:
 ヒルデガルト・ザーレツ(チェンバロ)/
 ミカエラ・ハッセル(ハンマーフリューゲル)>
録音 2011年8月29日-9月2日 the city hall ballroom / im Festsaal des Rathauses in Torgau
 このアルバムに収録された作品は、ザクセン王国の初代国王フリードリヒ・アウグスト1世(ザクセン選帝侯としては3世)の蔵書から選ばれています。
 彼は13歳で選帝侯位を嗣ぎ(18歳までは叔父が摂政を務めた)、その後はフランス革命の波及を逃れ、プロイセン王国と同盟し、反仏側として参戦しますが、プロイセン王が大敗したのを受け、同盟を破棄、ナポレオン1世から王号を獲得、ライン同盟へと加盟します。しかし、1813年にナポレオンが敗北するとロシアに捕らえられましたが、その際王位を剥奪されることもなくザクセンに帰国。荒廃した国土を回復すべく、農業や商工業の発展と学業の振興に務めたのです。
 そのおかげでザクセンは急速に発展し、この地は当時の学問の中心地になりました。そんな賢王の蔵書にはハイドンをはじめ、シュスター、グラウン、ヤーニチュなどの素晴らしい作品が含まれており、自身も音楽を嗜んだという王の趣味が伺いしれるものとなっています。
 ライプツィヒ・チェンバロ・デュオのデビュー・レコーディングです。本来は2台のチェンバロで演奏される作品を、敢えて1台だけハンマーフリューゲルに変えた際の音色の違いもお楽しみください。
 

KL-1510
\2100
ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト:生きている歌
 1.川に/2.憧れ/3.愛の星/4.落ち着きのない愛/
 5.平和を愛す/6.ラプソディ/7.孤独を嘆く/8.墓の蝶/
 9.娘の嘆き/10.愛の絵/11.嘆き/12.ため息/13.魔王/
 14.静かな海/15.涙の慰め/16.思い出/17.野ばら/
 18.羊飼いの嘆き/19.秋への思い/20.別れ/
 21.魂の挨拶/22.ミューズの息子
レイナルド・ドップ(テノール)/
アルブレヒト・ハルトマン(フォルテピアノ)
 2014年に没後200年を迎えた作曲家、音楽評論家ライヒャルト(1752-1814)を記念して製作されたアルバムです。
 彼は一生を旅に費やし、多くの知己と知識を得たことで知られ、また音楽家としても哲学者としても素晴らしい才能を有していました。ゲーテやシラーと親交を深め、クレメンス・ブレンターノやグリム兄弟の詩にも触れていたのです。
 とは言え、彼の作品は現在全く知られておらず、今回の録音では歌手ドップとピアニスト、ハルトマンが楽譜を探し出し、これらに新たな命を吹き込んだのです。
 もちろんその作風はシューベルトやメンデルスゾーンに比べるとかなり古典的で、どちらかというとバロック的でもありますが、「野ばら」た「魔王」「ミューズの息子」などの名詩を用いた歌曲は、これまでのこの詩に抱いていたイメージに、全く違った見方を与えてくれるに違いありません。
 

KL-1512
\2100
グスタフ・マーラー:歌曲集
 1-4.さすらう若人の歌
  <彼女の婚礼の時/朝の野を歩けば/
   僕の胸の中には燃える剣が/恋人の青い目>/
 5-9.リュッケルトの詩による5つの歌
  <私の歌をのぞき見しないで/私はほのかな香りを吸い込んだ/
   真夜中に/美しさゆえに愛するのなら/私はこの世に捨てられて>/
 10-14.子どもの死の歌
  <いま、晴れやかに陽が昇る/
   なぜそんなに暗いまなざしだったのか、今にしてわかる/
   お前のお母さんが戸口から入ってくるとき/
   私は思う、子どもたちはちょっと出かけただけなのだと/
   こんな嵐のときに>
トーマス・ラスケ(バリトン)/
ヴェレーナ・ロイス(ピアノ)
 マーラー(1860-1911)の2つの歌曲集と、リュッケルトの詩による歌曲は、リート歌手にとって憧れの存在であり、また大切なレパートリーでもあります。交響曲第1番と密接な関係を持つ「さすらう若人の歌」、初期の民謡風な作風をもっとドラマティックに変貌された中期の「リュッケルト歌曲集」、そして、まるで自身が悲しみを体験したかのように切実な「子どもの死の歌」(これが書かれたときには、まだマーラーは自身の子どもを失っていなかったのです)、どの曲にも、例えようもない厭世観と甘き死への誘いが散りばめられた、憂鬱かつ耽美的な音楽なのです。
 今回この曲を歌うバリトン歌手トーマス・ラスケはシュトゥットガルトに生まれ、当地の少年合唱団のメンバーとして10年活躍した後、オーディオ、ビデオ関係のエンジニアとして働きながら、アンドレアス・シュミットとオットー・エーデルマンの指導を受け、1997年にミュンヘンで開催されたリヒャルト・シュトラウス・コンクールで受賞した人です。
 情熱的な彼の歌唱は既に高く評価されていて、世界中のコンサートホール、劇場からも招聘されています。滑らかな声質と確かな技巧に支えられた見事な歌唱です。
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KL-1513
\2100→\1890
ハワード・グリフィス&フランクフルト・ブランデンブルク州立管
 ブラームス:交響曲 第1番&第2番

  1-4.交響曲 第1番 ハ短調 Op.68/
  5-8.交響曲 第2番 ニ長調 Op.73
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団/
ハワード・グリフィス(指揮)
録音 2014年10月2日 フランクフルト,「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」コンチェルト・ホール

 世界中のオーケストラと聴衆から愛されているブラームス(1833-1897)の4つの交響曲。もちろん、このフランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団でもこれらの曲は重要なレパートリーです。
 名指揮者ハワード・グリフィスはこのオーケストラを大変高く評価しており、今回のブラームスの録音にあたっては、ドイツのロマン主義の源流を辿りつつ、この曲を新たな観点から演奏することを試みたのだそうです。
 グリフィスは19世紀の指揮者フリッツ・シュタインバッハ(1855-1916)の生涯を紐解き、彼がいかにブラームス作品を愛し、演奏したかを理解し、彼の解釈を検討し再構築することで、新鮮でエネルギッシュな演奏ができたと言います。様々な解釈が存在する現在において、この演奏はどのように受け入れられるのでしょうか。

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この知られざる名盤の指揮がグリフィスだった。
隠れた古典派の大家
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:交響曲集


 ウィーンで活躍した古典派の作曲家ヴァンハル(1739-1813 チェコ名はヴァニュハル)。
 彼は、少なくとも77曲の交響曲と60曲のソロのための協奏曲、100曲の弦楽四重奏曲と、95の宗教曲、さらに膨大な数の器楽曲や声楽曲を書いたことで知られる。
 しかも数が多いだけではない。
 彼が交響曲を作曲すると、わずか数年でヨーロッパばかりか遥かアメリカでも演奏されたという人気ぶり。ヴァンハルは作曲だけで生計を立てることのできたおそらく最初の作曲家だったといわれる。またその一方でハイドンやディッタースドルフ、モーツァルトと弦楽四重奏を演奏したということでも有名。

 本来もっと多くの人に知られるべき存在なのである。

 そんなふうに早いうちに才能を開花させ、多くの作品を創り上げて順風満帆の人生を送るかに見えたヴァンハルだが、40歳近くの時に生じた金銭トラブルが元で作曲を止めてしまい、その際自筆譜をほとんど破棄。そのため現在に至るまで彼の作品の全貌を知ることはできない。

 しかし残された作品は、古典派の端正な作風を持つものから、疾風怒濤の精神を反映したベートーヴェンばりの激しいものまで、実に多彩でユニーク。
 今回ご紹介するのは、そんなヴァンハルの特筆を前面に押し出した好選曲アルバム。
 とくに「ホ短調交響曲」は、ハイドンの中期の劇的な表現に、若きモーツァルトの繊細さを合わせたようななかなかの傑作。聴いておいて損はない。
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cpo
777612-2
\2700
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:交響曲集
 1.交響曲ハ長調 Bryan C9/
 2.チェロ協奏曲ハ長調 Weinmann IId:C1/
 3.交響曲ホ短調 Bryan e2
イストヴァン・ヴァルダイ(チェロ)/
カメラータ・シュヴァイツ/
ハワード・グリフィス(指揮)
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RPO



RPOSP026
(2CD)
\2100→\1890
ロイヤル・フィル
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」Op.20

<CD1>
 1.イントロダクション/2-18.第1幕/19-25.第2幕/
<CD2>
 1.第2幕(続き)/2-16.第3幕/17-21.第4幕
クリオ・グールド(ソロ・ヴァイオリン)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ニコレ・モルドヴォヌ(指揮)
録音 2009年7月13-15日 キャドガン・ホール
 ルーマニア生まれの指揮者モルドヴォヌは、20代でスイスに移住し、チューリヒ芸術大学とバーゼル音楽アカデミーで学びます。その後ベルン芸術大学でホルスト・シュタイン、ラルフ・ヴァイケルト、アンタル・ドラティらに指揮を学び、チェリビダッケのマスタークラスにも参加しています。その後はロンドンで研鑽を重ね、2002年にロンドン・モーツァルト・プレイヤーに客演しています。その後はイギリスのオーケストラを始め、ヨーロッパの著名な楽団と共演し、高く評価されています。
 この「白鳥の湖」はまさに模範的な演奏であり、チャイコフスキー(1840-1893)の音楽の魅力を存分に味わうことが可能です。
 


RPOSP030
(2CD)
\2100→\1890
ロイヤル・フィル&ロイヤル・フィル
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」

<CD1>
 1-13.序奏とプロローグ/14-20.第1幕/
<CD2>
 1-9.第2幕/10-18.第3幕
クリオ・グールド(ソロ・ヴァイオリン)/
ジェシカ・バロウズ(ソロ・チェロ)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
バリー・ワーズワース(指揮)
録音 2010年5月31日-6月2日 キャドガン・ホール
 チャイコフスキー(1840-1893)の最大の傑作である「眠りの森の美女」をイギリスの名指揮者バリー・ワーズワースが振った納得の2枚組。やはりチャイコフスキーはゴージャスな音で聴きたいものです。
 

RPOSP029
\2100
アバフォニック
 1.Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)/
 2.チキチータ/3.ダンシング・クィーン/
 4.Super Trouper/5.The Winner Takes It All/
 6.Take a Chance on Me /7.Money, Money, Money/
 8.マンマ・ミーア/9.インテルメッツォ/
 10.Knowing Me, Knowing You /11.SOS/
 12.Voulez-Vous/13.I Have a Dream/14.Fernando/
 15.Waterloo/16.Thank You for the Music/
 17.ダンシング・クィーン(リミックス)
  ※全てマシュー・フリーマンによるオーケストラ・ヴァージョン
メアリー・カエウェ(ヴォーカル)/
リア・ジョーンズ(ヴォーカル)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
マシュー・フリーマン(指揮)
録音 2010年4月22-23日 UK エンジェル・スタジオ
 ABBAの名曲に、瀟洒なオーケストラのひねりを加えたゴージャスなアルバムです。フルオーケストラの重厚なサウンドと、ノリノリでエキサイティングなリズムが融合すると、こんなにクールな音楽になるのです!
 夏風を受けながらのドライブにもぴったり。2011年のロイヤル・アルバート・ホールでの同じアーティストによる「アバフォニック」公演は大盛況だったそうです。
 

RPOSP043
\2100
モア・シンフォニック・ロック
 1.ビバ・ラ・ビダ/2.サムワン・ライク・ユー/
 3.アイ・オブ・ザ・タイガー/4.ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー/
 5.スウィート・ドリームズ/6.イン・ジ・エアー・トゥナイト/
 7.ファイナル・カウントダウン/
 8.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール/
 9.エジプシャン/
 10.アイ・スティル・ハヴント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー/
 11.アディクティッド・トゥ・ラブ/12.ライフ・オン・マーズ/
 13.アイド・ドゥ・エニシング・フォー・ラヴ/
 14.ワン・デイ・ライク・ディス/15.マテリアル・ガール/
 16.オン・ザ・ターニング・アウェイ
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
マシュー・フリーマン(指揮)
録音 2012年6月20日.12月7日 UK エンジェル・スタジオ
 ロイヤル・フィルが最も得意とする「シンフォニック・ロック」の集大成。爆発的なリズムとゴージャスな弦、これらが一体となった音には誰もが陶然とすることでしょう。本当に気持ちのよい1枚です。

Seattle Symphony Media
シアトル交響楽団自主製作盤



SSM-1006
\2400→\2190
ドヴォルザーク「新世界より」&ヴァレーズ「アメリカ」
 1-4.ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲 第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」/
 5.エドガー・ヴァレーズ(1883-1965):アメリカ
シアトル交響楽団/
リュドヴィク・モルロー(指揮)
録音 2011年9月29日.10月1日…5, 2014年10月2-4日…1-4 ワシントン シアトル、S.マーク・テーパー財団オーディトリウム,ベナロヤ・ホール
 リュドウィク・モルローとシアトル交響楽団による「アメリカ作品集」といえば、アイヴズの交響曲第2番を中心としたアルバム(SSM-1003)があり、こちらも実に素晴らしい演奏ですが、今回のアルバムはアメリカそのものを題材とした2つの作品を収録したという、興味深い1枚です。
 イギリスの小説家アーノルド・ベネットが1911年に初めてアメリカを訪れたときに、立ち並ぶニューヨークの高層ビルを見て興奮し、文章を綴ったのと同じ頃、多くの音楽家たちも様々な理由でアメリカを訪れ、各々の感想を音にしています。ドヴォルザークは「新世界より」で独特の哀愁に満ちた交響曲を。そしてヴァレーズはもっと写実的な作品を。雰囲気こそ違え、どちらも「当時のアメリカ」の姿を包括的に伝えるものであり、過去から未来へと繋がる記念碑的な作品なのです。

SOLO MUSICA


SM219
\2400
メタモルフォシス 〜アリツィア・シミェタナ:ヴァイオリン・リサイタル
 1-4.アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713):合奏協奏曲 ニ長調 Op.6-4/
 5-7.フリッツ・クライスラー(1875-1962):
  ヴィヴァルディの様式による協奏曲 ハ長調/
 8.アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741):
  トリオ・ソナタ ニ短調「フォリア」Op.1-12 RV63/
 9-13.アルフレード・シュニトケ(1934-1998):
  古い様式による組曲(A.シミェタナによる室内アンサンブル編)
   <パストラーレ/バレ/メヌエット/フーガ/パントマイム>/
 14-16.ヴィヴァルディ:
  2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 Op.3-8 RV522
アリツィア・シミェタナ(ヴァイオリン)/
ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)…1-4.14-16/
エクストラ・サウンズ・アンサンブル
録音 2014年12月12.15.16日 アルヴェニア・スタジオ
 「変容」と題されたこのアルバムの概念は、ヴァイオリニスト、アリツィア・シミェタナによると、「ヒッチコックの映画」や「不思議の国のアリス」など、日常生活と隣り合わせにある“存在しない世界”への転換を意味するものであり、普段人の目に見えないものや聞こえないものを探索していくというものだそうです。
 バロック時代に盛んであった即興演奏や、フォリアにみられる変奏曲形式、もともとあったものを自分なりの世界に置き換えたクライスラーの作品、そしてバロックの様式を現代へと移し替えたシュニトケの名作(最近人気が高くなっています)など、一見取りとめのない選曲に見えますが、実は全て同じ質感を抱いているというものです。
 2台ヴァイオリンが用いられた曲では、名手ペッカ・クーシストが演奏に参加しています。
  

SM220
\2400
バッハ〜シャコンヌ
 ヴィクトリア・カウンツナー:ジャスミン・ライス-ヴァイオリン小品集

 1-4.ダニエル・シュニーダー(1961-):
  4つの風
  <エウロス(東風)/ボレアス(北風)/ノトス(南風)/ゼフュロス(西風)>/
 5.クシシュトフ・メイエル(1943-):神秘的に Op.83/
 6.ヴィクトリア・カウンツナー(1982-):冬至/
 7.ヴィオレタ・ディネスク(1953-):マトラム/
 8-10.カウンツナー:3つの夜想曲
  <第1番:神秘的に/第2番:ジャズ風の夜想曲/第3番:理想>/
 11.J.S.バッハ(1685-1750):シャコンヌ/
 12.カウンツナー:ジャスミン・ライス
ヴィクトリア・カウンツナー(ヴァイオリン)/
ソリン・クレシウン(ピアノ)…5/
ヴァイト・ヘルテンシュタイン(ヴィオラ)…6/
ロマン・サリュトフ(ピアノ)…8-10/
チョイ・ウォンスン(ピアノ)…12
 録音 2014年11月29日 ドイツ ベルリン,Friedenskirche Charlottenburg…1-4, 2011年2月26日 ドイツ ベルリン,Friedenskirche Charlottenburg…7, 2014年12月2日 ドイツ ケルン,Klavierhaus Schoke…5, 2014年11月28日 ドイツ ベルリン,Teldex-Studios…6, 2011年2月13日 ドイツ ベルリン,Traumtonstudio…8-10, 2015年2月2日 ドイツ バイエルン,Pfarrsaal Viechtach…11, 2014年12月18日 韓国 ソウル,Yulhau…12
 ジャスミン・ライスとは、香りが最高のタイ米のこと。このアルバムはここに「JAZZ」風味をあわせることで、更に香り高い雰囲気を醸し出しているのです。
 ヴァイオリニスト、カウンツナーの造ったこの1枚は、なんとも風味が豊かで夢幻的な音楽が詰まっています。
 冒頭のボーダーレスの音楽家ダニエル・シュニーダーの「4つの風」の絶妙なテイスト、続く3つの現代曲の印象の強さ、ジャズテイストを含む彼女自身の「3つの夜想曲」、思わず姿勢を正したくなるバッハのシャコンヌ、そして最後に置かれた、やはりカウンツナー自身の「ジャズミンライス」。見たことのない世界へ旅をしているような、幻想的なアルバムです。
 

88875071202
\2100
マリアンナ・カタルディ:情熱の力 〜ヴォーカル・リサイタル
 1.ヘンリー・マンシーニ:
  ソーン・バーズ-メッジーのテーマ/
 2.フランシス・レイ:ある愛の詩/
 3.ヴァレリアーノ・キャラヴァッレ:欲望の力-私たちは幸せになれる/
 4.ニーノ・ロータ:ロメオとジュリエット-われらのとき/
 5.キャラヴァッレ:欲望の力:われを愛す/
 6.エンニオ・モリコーネ:ウエスタン-あなたの愛/
 7.カタルディ:愛のために死す/
 8.カタルディ:魂からの血/
 9.キャラヴァッレ:欲望の力-甘き狂気/
 10.ディ・カプア:あなたのくちづけ/
 11.ロータ:ゴッド・ファーザー-愛のテーマ
マリアンナ・カタルディ(ヴォーカル)/
ブダペスト・スコアリング交響楽団/
ダニエル・ソモギ=トート(指揮)
 イタリアのシンガーソングライター、マリアンナ・カタルディの印象的なアルバムです。
 4歳からライブを行い注目を浴びつつ、クラシック音楽の様式も学んだという彼女、基本的な技術を習得した上で、様々な様式(ポップ、ファンキー、ゴスペル、ジャズ、ソウル…etc)のスタイルで情熱的な歌を歌うことで知られています(イタリアでは「ポケモン」などのアニメ主題歌を歌っています)。
 多くのサウンドトラックも手がけるなど注目の彼女、このアルバムではトラック7の、ベートーヴェンの「月光ソナタ」をもとにした「愛のために死す」が聴き所でしょう。あのメロディがここまで情熱的に、そして切なく歌われるとは。注目のシンガーです。
 

SONO LUMINUS


DSL-92186
(BD Audio+CD)
\2400
Permutations‐順列 〜エリーシャ・ネルソン:ヴィオラ・リサイタル
 1-3.ニコライ・カプースチン(1937-):ヴィオラ・ソナタ Op.69/
 4.ジョン・マクローリン・ウィリアムズ:
  ヴィオラのための2つの小品-第1番 サラバンド/
 5.マクローリン:ヴィオラのための2つの小品 第2番 トッカータ/
 6-9.ロス・リー・フィニー(1906-1997):ヴィオラ・ソナタ 第2番/
 10.ジェフリー・マンフォード(1955-):ウェンディング/
 11-12.ジョージ・ウォーカー(1922-):ヴィオラ・ソナタ
エリーシャ・ネルソン(ヴィオラ)/
ジェームズ・ホウスモン(ピアノ)…1-3.6-9.11-12
録音 2013年8月5-7日,2014年6月16日 USA ヴァージニア,ボイス,ソノルミナス <BD-A>5.1 DTS HD MA 24/192khz, 7.1 DTS HD MA 24/96khz, 2.0 LPCM 24/192khz
 現代アメリカ音楽の膨大なレパートリーの中から選ばれた5つのヴィオラのための作品は、どの曲も驚くほどに違った性格を持っています(もちろん、5人の作曲家の中ではカプースチンだけがアメリカ人ではありませんが、誰もが知っているように、その作品の中には明らかにジャズ要素が含まれているので、これもアメリカ音楽なのです)。
 グラミー賞受賞経験を持つウィリアムズの艶かしくも美しいソロ作品、このアルバムの中では最も初期に書かれたフィニーの12音の基づくソナタ、名ヴィオラ奏者ウェンディ・リッチマンの名に基づく作品。
 そして最後のジョージ・ウォーカーはアフリカ系アメリカ人のピアニスト、作曲家として、多くの障壁を乗り越え活躍した人で、その曲にも不思議な厳しさが宿っています。
 グラミー賞にノミネートsれたヴィオリスト、エリーシャ・ネルソンは優れた解釈と、ヴィオラへの熱い愛情を持つ人であり、まろやかな音色を鋭い響きを縦横無尽に使い分けています。これまでのリリースも世界的に高く評価されています。
 

DSL-92187
(BD Audio+CD)
\2400
The Return‐帰還 〜ラッフィ・ベサリアン:ピアノ・リサイタル
 1.ラフマニノフ(1873-1943):幻想的小品集 Op.3-2 前奏曲 嬰ハ短調/
 2.ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23-第5番 ト短調/
 3.ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23-第6番 変ホ長調/
 4.ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23-第7番 ハ短調/
 5.ラフマニノフ:13の前奏曲 Op.32-第5番 ト長調/
 6.ラフマニノフ:13の前奏曲 Op.32-第10番 ロ短調/
 7.ラフマニノフ:13の前奏曲 Op.32-第12番 嬰ト短調/
 8.ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.33 第6番 変ホ短調/
 9.ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.39 第1番 ハ短調/
 10.ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.39 第5番 変ホ短調/
 11.ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.39 第6番 イ短調/
 12-34.ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 Op.42/
 35.アルノ・ババジャニアン(1921-1983):前奏曲/
 36.ババジャニアン:メロディとユモレスク-メロディ/
 37.ババジャニアン:エレジー/
 38.ババジャニアン:ヴァガルシャパト舞曲
ラッフィ・ベサリアン(ピアノ)
録音 2014年4月29日-5月1日 USA ヴァージニア,ボイス,ソノルミナス <BD-A>5.1 DTS HD MA 24/192khz, 7.1 DTS HD MA 24/96khz, 2.0 LPCM 24/192khz
 「ホロヴィッツらのロシアンピアニズムの正統を受け継ぐ存在」とショパン誌でも絶賛されたアルメニア系のアメリカ人ピアニスト、ラッフィ・ベザリアンのリサイタル・アルバムです。
 カーネギー・ホールで正式なニューヨーク・デビューを果たし、日本にも来日、その技巧と音楽性を存分に見せつけた若手です。このアルバムでは、彼が得意としているラフマニノフの前奏曲、練習曲、変奏曲と、ラフマニノフから強い影響を受けたアルメニアの作曲家ババジャニアンの小品が収録されています。
 彼の強靭な打鍵から生まれる音は、ラフマニノフ作品に底知れぬパワーと奥行きを与えるとともに、メロディにも滴り落ちるような哀愁を与えています。
 近年人気が高まっているババジャニアンの作品は、ロシアのイディオムにアルメニアの伝統を加え、時に現代的なジャズ風な動きを与えたもの。ハチャトゥリアンの思い出のために書かれたトラック37の「エレジー」は一度聴いたら忘れられないほどの魅力を有しています。
 

DSL-92189
(BD Audio+CD)
\2400
ZOFO・プレイズ・テリー・ライリー
テリー・ライリー(1935-)
 1.「オールド・カントリー」よりエチュード/2.ジャズ・タイム/
 3.タンゴ・ダブル・ラディアード/4.半狼、月下に狂う/
 5.シモーヌの子守歌/6.Gソング/7.カマキリのラグ/
 8.カリスマスのためのワルツ/9.シンコ・デ・マヨ
ZOFO
(中越啓介&
エヴァ-マリア・ツィマーマン:ピアノ・デュエット)
録音 2014年12月16-19日 USA ヴァージニア,ボイス,ソノルミナス
<BD-A>5.1 DTS HD MA 24/192khz, 2.0 LPCM 24/192khz
 独自の道を歩んでいる孤高のピアノ・デュオ「ZOFO」。これまでのアルバムも革新的で挑戦的、そして見事な技巧に支えられたある意味「意表をつくもの」でした。
 この最新盤は最初から作曲家テリー・ライリーとコラボレーションし創り上げた1枚。まるでオーケストラで音を鳴らすように、4つの手がピアノを奏でていきます。
 もともとクロノス・カルテットのために書かれた「Half-Wolf Dances Mad in Moonlight」や「シモーヌの子守歌」などの見事なアレンジはもちろんのこと、ZOFOのために作曲された「カマキリのラグ」など、今回も多彩な響きを味わうことができます。連弾曲の可能性に挑戦し続ける彼ら、これからも楽しみです。
 

DSL-92188
(CD)
\2400
海の風景 〜ジャニス・ウェーバー:ピアノ・リサイタル
 1.スメタナ(1824-1884):海辺にて/
 2.ボルトキェヴィチ(1877-1952):クリミアのスケッチ Op.8-第2番 海のカプリース/
 3-5.ウジューヌ・ギヨーム(1882-1940?):海にて
  <輝ける朝/岩場/荒れ狂う海>/
 6.アレク・ロウリー(1892-1958):海の月明かり/
 7.エミール・フォン・ザウアー(1862-1942):
  演奏会用練習曲 第7番 ホ短調「海の炎」/
 8.ブルーメンフェルト(1863-1931):練習曲「海」Op.14/
 9.マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):海藻 Op.12/
 10-12.エルネスト・ブロッホ(1880-1959):海の詩(ピアノ版)
  <波/船頭の歌/海にて>/
 13-15.マルセル・ド・マンツィアーリ(1899-1989):海の印象
  <第1番:砂浜/第2番:灰色の日に/第3番:晴れた日に>/
 16.アーサー・ファーウェル(1872-1952):2つの音画 Op.104-第2番 海/
 17.レオ・サワビー(1895-1968):北の土地から H167-第5番 輝く大海/
 18.シリル・スコット(1879-1970):溶け込む海/
 19.テオドール・レシェティツキ(1830-1915):
  組曲「ア・ラ・カンパーニュ」Op.40-第1番 波の戯れ/
 20.アレック・テンプルトン(1909-1963):空の変奏曲
ジャニス・ウェーバー(ピアノ)
録音 2013年8月19-21日 USA ヴァージニア,ボイス,ソノルミナス
 ピアノの88鍵を全て使って、海の風景を表現すること……古今東西の作曲家たちが幾度となく試み、それぞれの世界を描き出して来ました。
 このアルバムでは、そんな様々な「海の風景」を楽しむことができます。どちらかと言うと、嵐の海や、迫り来る波などが描写されることが多く、冒頭のスメタナの作品を聴いただけでも、その鮮やかさに驚くことでしょう。空の色を克明に写した海、多くの川が溶け込む海、海に漂う海藻、そして船頭の歌。どこまでもイメージが広がるステキな1枚です。
 ピアニストのジャニス・ウェーバーはニュージャージー州生まれ。早くから音楽の才能を顕し、イーストマン音楽学校を首席で卒業しています。数多くのリサイタルを開いていますが、中でもリストの「超絶技巧練習曲の第2稿(1838年版)」の世界初演はタイム誌でも絶賛されました。
 また彼女は作家という別の顔を持っており、1985年、最初に出版された「エヴァ・アサウェイの秘密の生活」は多くの読者の心を掴んだようで、現在は6作目までが出版されています。

Steinway & Sons

STNS-30026
\2100
ビリー・ホリデイ:ソング・ブック
 1.イェスタデイズ/2.ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド/
 3.ブルー・ムーン/4.ウィロウ、ウィープ・フォー・ミー/
 5.ドント・エクスプレイン/6.ボディ・アンド・ソウル/
 7.アイ・ドント・スタンド・ア・ゴースト・オブ・ア・チャンス・ウイズ・ユー/
 8.アイ・ウィッシュド・オン・ザ・ムーン/9.ゼム・ゼア・アイズ/
 10.ビリーズ・ブルース/11.グッド・モーニング・ハートエイク/
 12.ジ・エンド・オブ・ア・ラブ・アフェア/
 13.ホワット・ア・リトル・ムーンライト・キャン・ドゥ/
 14.エイント・ノーバデイズ・ビジネス /15.ストレンジ・フルーツ/
 16.アイル・ビー・シーイング・ユー/17.ラヴァー・マン/
 18.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー/
 19.アイル・ビー・アラウンド/
 20.アイ・カヴァー・ザ・ウォーターフロント/
 21.(イン・マイ)ソリチュード/22.バット・ビューティフル
  ※ピアノ編曲…ジェド・ディストラー
ララ・ダウンズ(ピアノ)
 アメリカを代表する女性ジャズ歌手、ビリー・ホリデイ。2015年は彼女の生誕100年の記念年です。
 このアルバムでは名手ララ・ダウンズが彼女の名曲の数々をピアノで演奏しています。ニューヨークを拠点に活躍する作曲家、アレンジャー、ジェド・ディストラーの名アレンジも含め、彼女の人生の「音楽的肖像画」ともいえる好企画です。
  


STNS-30047
\2100→\1890
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番&第3番
 1-3.ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18/
 4-6.ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
スチュワート・グッドイヤー(ピアノ)/
チェコ・ナショナル交響楽団/
ハイコ=マティアス・フォルスター(指揮)
録音 2014年10月15-18日 チェコ プラハ,CNSO 第1スタジオ
 カナダの若手注目ピアニスト、グッドイヤーによるSTEINWAYレーベル、2枚目のアルバムとなります。
 前作はチャイコフスキーとグリーグの協奏曲でしたが、今回はラフマニノフ(1873-1943)の2曲の協奏曲。音の一粒一粒がはっきり見えるような精悍なタッチと、叙情性を併せ持つ素晴らしいピアノを支えるのは、フォルスター率いるチェコ・ナショナル交響楽団。瀟洒な響きもお楽しみいただけます。流麗で美しいラフマニノフに心から浸れる名演です。


グッドイヤー、前作のチャイコフスキー&グリーグ:ピアノ協奏曲
旧譜

STNS-30035
\2100→\1890
チャイコフスキー&グリーグ:ピアノ協奏曲
 1-3.チャイコフスキー(1840-1893):ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23/
 4-6.グリーグ(1843-1907):ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
スチュワート・グッドイヤー(ピアノ)/
チェコ・ナショナル交響楽団/
スタニスラフ・ボグニア(指揮)
録音 2013年7月16-17日 プラハ CNSO第1スタジオ
 カナダ生まれのピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの最新盤です。
 トロント音楽院で学んだ後、ジュリアード音楽院で学士号を修得。ソリストとして活躍しています。
 日本でも人気者の彼、2013年の来日の際にはN響の演奏会にて、バーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」のピアノ・パートを演奏。こちらも大絶賛されました。
 明晰なピアニズムと卓越したリズム感が評価されていますが、その美点はここでも最大に発揮されていて、チャイコフスキーの冒頭の華やかな部分での決然とした演奏は、まさにクールの一言です。
 一転、グリーグでは驚くほどの叙情的な表情を見せます。やはり只者ではありません!


旧譜
グラモフォン誌絶賛

グッドイヤー、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集!
しゃきっとクールで都会的。いいです。
旧譜

MAR 81513
(10CD 5枚価格)
\11000→\9990
カナダの作曲家兼ピアニスト、グッドイヤー
 明晰なベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集!

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
 ピアノ・ソナタ第1番-第32番
スチュアート・グッドイヤー(Pf)
 録音:2010-2012年、CBCグレン・グールド・スタジオ,トロント

 スチュアート・グッドイヤーはカナダ・トロント出身で地元トロント音楽院で学んだ後、ジュリアード音楽院で学士号を修得。ソリストとしてニューヨーク・フィル、トロント響、フィラデルフィア管と共演している。レパートリーはバッハからベートーヴェン、ガーシュイン、メシアンまで及び、自ら作曲も行うマルチ・タレントである。
 先に発売になっていた後期ピアノ・ソナタ集(MAR81507)でも曖昧さのない明晰さと緩徐楽章における繊細さが評判となっており、グラモフォン誌などでも絶賛されている。

 

TIMPANI


 TIMPANIはすぐに売り切れます。ほんとにすぐに売り切れます。迷ったときはお早めに。



1C1230
\2400→\2190
メルシエ&ロレーヌ国立管
ジャック・イベール:バレエ音楽「放浪の騎士」/ジュピターの恋

 1-4.バレエ音楽「放浪の騎士」演奏会用組曲
  <風車/受刑者たちのダンス/黄金時代/コメディアンと終曲>/
 5-22.バレエ音楽「ジュピターの恋」
  <序曲/エウロパの誘拐:娘たちのアンサンブル/
   エウロパの誘拐:エウロパのソロ/
   エウロパの誘拐:娘たちのアンサンブル/
   エウロパの誘拐:牡牛の入場とエウロパの誘拐/
   レダ:マーキュリーとジュピテルの入場/
   レダ:レダのヴァリアシオン/
   レダ:ジュピターの入場とヴァリアシオン/
   レダと白鳥のパ・ド・ドゥ/ダナエ:ダナエと2人の見張りの入場/
   ダナエ:ダナエのヴァリアシオン/
   ガニメーデ:入場とメルキュールのヴァリアシオン/
   ガニメーデ:入場とガニメーデのヴァリアシオン/
   ガニメーデ:アパラシオンと鷲のヴァリアシオン/
   ガニメーデ:ガニメーデと鷲のパ・ド・ドゥ/
   ジュノンの帰還:ジュノンとアイリスのダンス/
   ジュノンの帰還:ジュピターの入場の前奏曲/
   ジュノンの帰還:ジュピターとジュノンの神格化>
ロレーヌ国立管弦楽団/
ジャック・メルシエ(指揮)
録音 2014年10月21-24日 メッツ アルセナル
 フランスの「6人組」と同時代に活躍した作曲家ジャック・イベール(1890-1962)。
 このアルバムに収録された2曲はどちらも世界初録音であり、フランス音楽ファンにとっても嬉しい1枚となることは間違いありません。バレエ音楽「放浪の騎士」の主人公はお馴染みドン・キホーテ。彼の妄想の世界を描いた映画(1933年、ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト監督)では、バス歌手のシャリアピンが主演を務め、劇中歌をイベールが作曲しましたが、この演奏会組曲は、その中から主要曲が選択されています。
 バレエ音楽「ジュピターの恋」は、神話に登場するジュピターを巡る恋物語を舞台化したもので、イベール自身もこの作品を指揮した記録がありますが、それは完全なパフォーマンスではなく、完全な形で演奏されたのは、これが世界初演となります。フランス音楽のオーソリティ、メルシエの説得力ある演奏で。



旧譜
ジャック・メルシエ&ロレーヌ国立管のベストセラー・アルバム
メーカー在庫僅少、入手困難
海外直輸入

旧譜

timpani
1C 1133
¥3200

フローラン・シュミット(1870−1958):
 組曲「アントニーとクレオパトラ」第1番、第2番Op.69
 幻影Op.70
ジャック・メルシエ(指揮)、
ロレーヌ国立管

 知る人ぞ知るフローラン・シュミットの管弦楽作品の傑作「アントニーとクレオパトラ」組曲。
 ダイナミックでエキゾチック。そして骨太のオーケストレーションとがっちりした構成。
 本格派のオケ・ファンならはまること間違いない。

 日本では特に吹奏楽の超難曲「ディオニソスの祭」の作曲者として高い知名度を誇り、今年2008年が没後50年となるフローラン・シュミット。
 今回、作曲者の祖国であるフランスのレーベル、ティンパニ(Timpani)から初登場となるフローラン・シュミットの新たな録音は「詩篇第47番」と「サロメの悲劇」と並ぶ代表作「アントニーとクレオパトラ」!
 シェイクスピアの戯曲を題材として作曲された「アントニーとクレオパトラ」は、「詩篇第47番」の壮麗な響きや、「サロメの悲劇」、「ディオニソスの祭」で見られる民族的で荒々しいリズムなど、シュミットの特色が存分に盛り込まれた大作である。
 また「アントニーとクレオパトラ」に続いて作曲された「幻影」は今回のリリースが世界初録音。フローラン・シュミットの豪華絢爛で迫力に満ちた音世界は圧巻の一言!

 


1C1220
\2400→\2190
イアニス・クセナキス:管弦楽作品集 第5集
 1.メタスタシス/2.ピトプラクタ/3.ST/48/
 4.アホリプシス/5.シルモス/6.ヒケティデス組曲
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団/
アルトゥーロ・タマヨ(指揮)
録音 2006年5月 フランス ルクセンブルク・フィルハーモニー
 1C1113からの移行盤、BOX(5C1177)からの分売となります。

【クセナキス:管弦楽作品集 分売分】第1集…1C1164 第2集…1C1158 第3集…1C1131 第4集…1C1136
 


1C1221
\2400→\2190
バンジャマン・ゴダール:弦楽四重奏曲全集
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 ト短調 Op.33/
 5-8.弦楽四重奏曲 第2番 イ長調 Op.37/
 9-12.弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 Op.136
  ※全て初録音
エリゼ弦楽四重奏団
録音 2014年2月…1-4.9-12, 2014年12月…5-8 Rennes Conservatoire

 実にたくさんの作品を残しているのに、そのほとんどは忘れられてしまい、現在では、オペラ「ジョスラン」の中の1曲「子守歌」が知られているという作曲家、バンジャマン・ゴダール(1849-1895)。最近になって、ヴァイオリン協奏曲も少しだけ人気が出始めていますが、まだまだ彼の全容を知ることは不可能です。
 今回の弦楽四重奏曲も世界初録音というのですから、まだまだ知られざる名作に出会うことは多いはずです。この3つの弦楽四重奏曲は、実に優雅で美しい風情を持っています。先進的な作品を期待すると肩すかしを食らうかもしれませんが、恐らくそれがゴダールの最大の美点であり、特徴なのでしょう。エリゼ弦楽四重奏団の丁寧な演奏が、作品を引き立てています。



バンジャマン・ゴダールのアルバム
旧譜

NAXOS
8.570554
\1300
思わぬ傑作
 ゴダール:ヴァイオリン協奏曲第2 番
    ヴァイオリンはクロエ・ハンスリップ

  1.ヴァイオリン協奏曲 第2 番 Op.131
  2.ヴァイオリンとオーケストラのためのロマンティック協奏曲 Op.35
  3.オーケストラのための「詩的な情景」Op.46
クロエ・ハンスリップ(ヴァイオリン)
チェコスロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団
カーク・トレヴァー(指揮)
バンジャマン・ゴダール(1849-1895)の名前は訊いたことがなくとも、あの愛らしい「ジョスランの子守歌」を聴いたことがある人はいませんか?
今ではこの曲ばかりが有名ですが、他にも多くの美しいメロディを駆使したピアノやヴァイオリンの曲を書いた人です。このアルバムでは大作であるヴァイオリン協奏曲を2 曲収録。甘い旋律に浸ってください。
旧譜

MD+G
303 16152
¥2500→¥2290
トリオ・パルナッスス
バンジャマン・ゴダール:ピアノ三重奏曲集

 1.三重奏曲Op.32
 2. 同 Op.72
 3.子守歌
トリオ・パルナッスス
録音:2009年5月11〜13日 マリエンミュンスター修道院 <デジタル録音>
 古今東西のピアノ三重奏曲を当レーベルで次々と発表しているドイツの実力派トリオ・パルナッスス。店主イチオシのピアノ・トリオである。
 彼らが今回私たちを驚かせるべく挑んだのは、19世紀フランスの作曲家バンジャマン・ゴダール。
 名手ヴュータンにヴァイオリンを師事した彼の洗練された室内楽は、フランス・サロン音楽史の隠れた傑作と言える。全身全霊の名演奏でお届けします。
旧譜

HYPERION
CDA 68043
\2400→\2190

ゴダール:ピアノ協奏曲集
  ピアノ協奏曲第1番イ短調 Op.31
  ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.148
  序奏とアレグロ Op.49

ハワード・シェリー(ピアノ&指揮)
タスマニア交響楽団
 ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ!バンジャマン・ゴダールの協奏曲!

 ロマン派の知られざるピアノ協奏曲の発掘、蘇演を行うハイペリオンの「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ」。シリーズ第63集は、19世紀フランスの作曲家、バンジャマン・ゴダール(1849−1895)のピアノ協奏曲第1番&第2番。
 ライナーノーツを執筆するジェレミー・ニコラスによって、「サン=サーンスの構成技術とマスネのセンチメンタルな旋律の魅力を兼ね備えた作曲家」と評価されるゴダール。様々なジャンルの作品を書いたゴダールはピアノ作品も多く残しており、ピアノ協奏曲はリストやルビンシテインを連想させるような華麗で技巧的な場面も現れる。
 演奏は、RPCシリーズでは既に10タイトル超えるアルバムを録音している、ハワード・シェリーとタスマニア交響曲団の名コンビ。彼らが見事に蘇らせるピアノ協奏曲は、多くの作品を遺しながらも現代ではほとんどの作品が忘れられた存在となっているゴダールの魅力を再評価するまたとない機会となるだろう。

 ※録音:2013年4月23日−24日&26日−27日、フェデレーション・コンサート・ホール(タスマニア)

 


1C1231
\2400→\2190
レイナルド・アーン:エステ家のベアトリーチェの舞踏会
 1-7.バレエ音楽「エステ家のベアトリーチェの舞踏会」/
 8-10.コンセール・プロヴァンス/11-13.セレナーデ/
 14-19.祭りの夜へのディヴェルスマン
   ※11-19…初録音
ジュリアン・ヴェルン(フルート)/
フランソワ・ルモワンヌ(クラリネット)/
フランク・シボルド(ファゴット)/
ジュリアン・デスプランケ(コルネット)/
アンサンブル・イニシウム/
サヴォア地方管弦楽団/
ニコラス・シャルヴァン(指揮)
録音 2014年10月
 もともとはベネズエラの生まれで、父はドイツ系ユダヤ人、母はスペインのバスク人であった作曲家レイナルド・アーン(1874-1947)。3歳の時にフランスに移住し、マスネ、サン=サーンスに師事し、わずか15歳で「私の詩に翼があったなら」を作曲。将来を多いに嘱望され、その後は1912年にフランスに帰化し、再びベネズエラに戻ることはなく、フランス人として一生を終えました。
 多くの作品を書きましたが、現在知られているのは、もっぱら20歳になる前の作品であり、このアルバムに収録されたような管弦楽作品や室内楽はほとんど聞かれることがありません。
 とりわけ管楽四重奏によるセレナーデと、異国的な風情を持つ「祭りの夜へのディヴェルスマン」は世界初録音となります。
 


1C1232
\2400→\2190
イアニス・クセナキス:ピアノのための作品集
 1.ヘルマ/2.エプリアリ/3.霧/
 4.ア・ル 「ラヴェルヘのオマージュ」/
 5-10. 6つのシャンソン
  <第1番:ムスクのような香り/第2番:過去には愛があった/
   第3番:ヤマウズラは山からおりてきた/
   第4番:3人のクレタ島の僧侶/
   第5番:今日の空は暗い/第6番:Soustra, dance>/
 11.ジーア/12.L.1/13.エール・ポピュレール/14.アレグロ・モルト
ステファノス・トモプーロス(ピアノ)/
ラケル・カマリーナ(ソプラノ)…11/
マッテオ・チェザリーニ(フルート)…11
録音 2010年10月 フランス パリ、Grand plateau d'orchestre, CNSMDP
 Timpaniレーベルが力を入れているクセナキス作品。ピアノ曲も素晴らしいもの、革新的なものがたくさんあります。なかでも「ピアノのための記号論的音楽」と副題が付けられている「ヘルマ」は彼が考えていた近代的数学理論を活用した作品であり、完璧に演奏することは困難であるとも言われる曲です。「6つのシャンソン」は初期の作品で、この時期に書かれたものは、ほとんどクセナキスによって破棄されたのですが、この曲集は無事生き残りました。まだまだ調性的であり、後期ロマン派の香りを残した作品です。ピアニスト、トモプーロスはクセナキス作品の権威で、よき理解者でもあります。
  

TOCCATA CLASSICS


TOCC-240
\2700→\2490
アルカンのモーツァルト作品編曲集
 シャルル=ヴァランタン・アルカン:トランスクリプション集 第1集「モーツァルト」

 1.交響曲 第39番 変ホ長調 K543 第3楽章:メヌエット/
 2.英雄劇「エジプトの王ターモス」K345-そなたら塵芥の子らよ/
 3.交響曲 第40番 ト短調 K550 第3楽章:メヌエット/
 4-10.弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 K464 第3楽章:アンダンテ/
 11-13.ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466
  ※全てC-V.アルカンによるピアノ独奏版 ※2.3.11-13…初録音
ホセ・ラウル・ロペス(ピアノ)
 録音 2014年12月15.17.19日 USA マイアミ,フロリダ国際大学,ニコル&ハーバート・ウェルトヘイム・パフォーミング・アーツ・センター・コンサート・ホール
 アルカン(1813-1888)というと、「鉄道」や「短調による練習曲」などの超絶技巧を駆使した一連の見事な作品が知られています。
 しかし、彼が力を入れていた「トランスクリプション=他の作曲家の作品を編曲したもの」については、まだまだ知られていません。
 この当時は、フランツ・リストによるベートーヴェンの交響曲のピアノ版のような、「大きな編成→小さな編成」に移し変えることが盛んに行われていました。
 これは好きな作品を家庭で楽しむために、小さな編成に置き換えて演奏することで、いちいち演奏会に行かなくてもよかったからです。
 もちろん、多くの場合はこの作業はつまらないものであったかもしれません。結局、現在はこのようなトランスクリプションの必然性は失われてしまい、多くの編曲版を聴く機会は失われてしまいました。
 そんな中で、アルカンのトランスクリプションの持つ意味はどんなものでしょうか?聴いてわかるとおり、彼の編曲は明快であり、リストのように「余分なパッセージ」を追加することもなく、基本的にスコアを丁寧にピアノに移し替えています。この編曲の妙をぜひ楽しんでみてください。
  
TOCC-215
\2700
コンスタンチン・エイゲス:ピアノ作品集
 1-2.2つのおとぎ話 Op.12/3.ソナタ・ポエマ 第1番 Op.15/
 4-13.10の前奏曲 Op.8/14-15.2つの詩曲 Op.19/
 16.かっこう Op.2/17.ソナタ・ポエマ 第2番 Op.28/
 18-21. 4つの小品 Op.14
  <第1番:練習曲/第2番:ロマンス/第3番:詩曲/
   第4番:カンツォネッタ>/22.主題と変奏 Op.36
ジョナサン・パウエル(ピアノ)
録音 2012年8月22-23日 UK オックスフォード,聖ヒルダ・カレッジ ジャクリーヌ・デュ・プレ・ミュージック・ビルディング
 ウクライナのユダヤの音楽一家に生まれたコンスタンチン・エイゲス(1875-1950)の作品集です。彼はモスクワで医学と音楽を学びましたが、結局は音楽の道を選択し、優れた作曲家、ピアニストとして活躍、タネーエフの後継者と称されました。
 彼の息子オレグも作曲家であり、ショスタコーヴィチとも親交を結んだことで知られています。エイゲスの音楽には、やはりスクリャービンやメトネルとの共通点が見られますが、何よりもラフマニノフを一層重厚にした響きと、柔軟で流麗なパッセージが魅力的であると言えるでしょう。
 まだまだ一般的には知名度が低い人ですが、聴けば必ず好きになることは間違いありません。ジョナサン・パウエルは以前からエイゲスの良い理解者であり、様々な機会でエイゲスの作品を広めるために尽力しています。
  

TOCC-262
\2700→\2490
チャールズ・オブライエン:管弦楽作品集 第1集
 1.「エランゴワン」演奏会用序曲 Op.12/
 2-5.交響曲 ヘ短調 Op.23
リエパーヤ交響楽団/
ポール・マン(指揮)
録音 2014年8月4-8日 ラトヴィア リエパーヤ,ラトヴィア・ソサエティ・ハウス
 エディンバラの作曲家、チャールズ・オブライエン(1882-1968)。以前、TOCCATAレーベルからリリースされたピアノ曲集(TOCC-256)での明快な作風で、この知られざる作曲家に対して親密な感情を抱いた人も多かったのですが、今回の管弦楽作品集は、一層聴き手に歓びを与えることでしょう。
 明るさが爆発するような「エランワゴン」序曲は、至るところにスコットランド民謡の香りがします(ちなみにエランゴワンとは、ウォルター・スコットの小説「ガイ・マナリング」に登場する家の名前です)。
 「交響曲 ヘ短調」も勇壮な楽想を持つ聴き応えのある作品です。古典的な作風を用いているため、第2楽章にはメヌエットが置かれていますが、こちらもどことなく憂愁に満ちた渋めの音楽です。抒情的な第3楽章を経て、最後はノリノリの終楽章が待っています。パワフルなリエパーヤ交響楽団の演奏もGOODです。
 
TOCC-281
\2700
ハリソン・バートウィッスル:歌曲集(1970-2006)
 1.ナニア:オルフェウスの死(1970)/
 2-9.オルフェウスのエレジー(2004)
  <第1番/第2番/第11番:ソネット Ⅰ/第5番/
  第14番:ソネット III/第12番/第25番/第20番:ソネット V>/
 10.ファンタジア III(1996)/
 11-19.ロリーヌ・ニーデッカーの詩による9つの歌曲集(2000)
  <これは良き輝き/わが友の樹/川に沿って/
   雪の墓のありかを聞いて/なんて白いカモメ/
   水におけるわが命/落葉のポール/晩秋の湿原/眠りの夢>/
 20.フリーズ I(1991)/21.子守歌(2006)/
 22-26.自身の詩による歌曲集(1984)
  <おお、琥珀色の炎にある光よ/私は影に寄りかかる/
   冷たい申し立て/段階/光の前の沈黙>/
 27.ステファン・マイアーによるバートウィスルへのインタヴュー/
 28.カントゥス・ランボー(2004)
  ※28…初録音, 21…この版による初録音
アリス・ロッシ(ソプラノ)…1.22-26/
ドーガ・サチリク(オーボエ)…2-9/
ヤスミン=イザベル・キューネ(ハープ)…2-9/
ヨハネス・オイラー(カウンターテナー)…4.6.9/
クス四重奏団…10.20/
ゾフィア・ケルバー(ソプラノ)…11-19.21/
ザラー・レヴァルク(ソプラノ)…21/
アラム・ヤグビアン(チェロ)…11-19/
ダス・ノイエ・アンサンブル…1.22-26.28/
ステファン・アスブリー(指揮)…1.22-26.28/
ハリソン・バートウィスル…27/
ステファン・マイアー…27
 「マンチェスター楽派」に属するイギリスの現代作曲家バートウィッスル(1934-)の声楽作品集です。もともと劇音楽の分野で知られる彼だけに、声の扱いには長けており、ここでも個性的で神秘的な作品を数多く聴くことができます。
 1970年に作曲されたイギリスの名ソプラノ歌手ジェーン・マニング(とりわけ現代作品を得意とする)から委嘱された「オルフェウスの死」を聴いただけで、その特徴的な作風は理解できるでしょう。
 オルフェウスの悲劇的な死を暗示するように、まるでつぶやくように、また語りかけるように歌う声に纏わり付く器楽アンサンブル。ここに広がる異なる時間、異なる世界はベリオの「ゼクエンツァ」を想起させます。
 知名度が高いのに、録音の少ない作曲家のため、このアルバムはファンにとっても喜ばしいものです。トラック17では、マイアーによるインタビューで彼自身が興味深いことを語っています(英語のみ)
 

TWO PIANISTS



TP1039190
\2700→\2490
コンスタンティン・シチェルバコフ/ベートーヴェンを弾く
 1-17.ベートーヴェン:
  「プロメテウスの創造物」の主題による
   15の変奏曲とフーガ(エロイカ変奏曲) 変ホ長調 Op.35/
 18-20.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」Op.13/
 21-23.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」Op.57
コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)
 録音 1984年 モスクワ国立放送スタジオ…1-17, 2014年11月14日 モンマス ウィアストン・コンサート・ホール…18-23

 NAXOSレーベルのベートーヴェン(1770-1827)=リスト:交響曲全集(8.505219)の名演で知られるピアニスト、コンスタンティン・シチェルバコフ。
 彼は超絶技巧派ピアニストとして知られていますが、何よりベートーヴェン作品の良き理解者であり、40年以上に渡ってベートーヴェンを大切にしてきたのです。
 今回のアルバムでは、「エロイカ変奏曲」と2つの名ピアノ・ソナタを1枚に収録。いかにもベートーヴェンらしい情熱とパワーに溢れた作品を聴くことができます。
 まずは「エロイカ変奏曲」で、交響曲第3番の終楽章でも使われたおなじみの主題が、様々な形に変容されながら、最後のフーガで巨大な建造物となる姿に圧倒されてみてください。
 こちらの録音はモスクワ放送のアーカイブにあったもので、若きシチェルバコフの素晴らしいテクニックを再確認することができるでしょう。
 そして2014年に録音された2つのソナタは、まさに「現在のシチェルバコフ」の姿をみるものであり、30年を経て深化した彼の音楽は、また違った意味で聴き手を圧倒するものです。


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 先月、名古屋の宗次ホールでも圧倒的な演奏を聴かせてくれたシチェルバコフ。
 ただそこで印象的だったのは「豪腕テクニック」ではなく、緩徐楽章での深い呼吸で奏でられる優しいロマン。
 しかも知的で深遠ですらあった。
 おそらくシチェルバコフの本領はそこにある。
 そういう意味で今回のベートーヴェンの「悲愴」と「熱情」は彼の最高の録音になるだろう。



シチェルバコフ旧譜

 実はシチェルバコフ、これまでは上記のとおりNAXOS、MARCO POLO というNAXOS系列での録音が主だったのだが、ここへきてTWO PIANISTSという南アフリカの超マイナー・レーベルから録音をリリースし始めた。

 現在2枚のアルバムが出ていて、そのうちの1枚はその猛スピードに圧倒されそうなプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番、そしてムソルグスキーの「展覧会の絵」という、まさしく「シベリア発、鋼鉄のピアニスト」というにふさわしい内容なのだが、



豪腕シチェルバコフ、本領発揮の1枚
旧譜

TP-1039114
\2700→\2490
コンスタンチン・シチェルバコフ(ピアノ)
 ロシアの夜会

 《ムソルグスキー》
  1-16.展覧会の絵
   <プロムナード/小人/プロムナード/古城/プロムナード/
    テュイルリーの庭-遊びの後の子供たちの口げんか/ビドロ/
    プロムナード/卵の殻をつけた雛の踊り/
    サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ/プロムナード/
    リモージュの市場/カタコンベ-ローマ時代の墓/
    死せる言葉による死者への呼びかけ/
    鶏の足の上に建つ小屋-バーバ・ヤーガ/キエフの大門>/
 《ラフマニノフ》
  17.悲歌変ホ短調 Op.3-1/18.前奏曲変ホ長調Op.23-6/
  19.前奏曲ニ短調 Op.23-3/20.絵画的練習曲変ホ短調 Op.39-5 /
 《プロコフィエフ》
  21-23.ピアノ・ソナタ第7番Op.83
コンスタンチン・シチェルバコフ(ピアノ)
 驚くほど、明瞭で輝かしく幕を開ける「展覧会の絵」。しかし曲が進むにつれ、シチェルバコフの描く魑魅魍魎が蠢き始める・・・。TwoPianistsレーベルには2枚目の録音となる、この「ロシアの夜会」ですが、前作Me(TP1039107)での極めて内省的な表現とは全く正反対のこの演奏であり、まさにヴィルトゥオーゾ、シチェルバコフの面目躍如と言えそうです。メリハリのついた表現に驚愕のムソルグスキーの「展覧会の絵」からぐいぐい引き込まれることは間違いありません。曲によっては、シチェルバコフならではのアレンジもかかっており、ところどころで「おっ」と思うこともしばしば。何とも刺激的なムソルグスキー(1839-1881)です。ファンタジー溢れるラフマニノフ(1873-1943)、聴いているだけで脳内に快感物質が溢れだしそうなプロコフィエフ(1891-1953)。これはすごいです。
 録音も優秀で、華麗なピアノの音色が余すことなく捉えられています。
 録音 2011年2月13日南アフリカ ステーレンボッシュ・ユニヴァーシティ,エンドラー・ホールダイブ収録



もう一枚のアルバムが・・・

 変なのである。

 いや、「変」というと誤解を招く・・・

 これまでのシチェルバコフからは考えられないような内容、という意味である。

>>コンスタンティン・シチェルバコフ - ピアノ・リサイタル ME〜歌の翼に乗って

 というタイトルなのだが、その内容は

 
・グルックの「精霊の踊り」
・メンデルスゾーンの「歌の翼に」
・ブラームスの「間奏曲第1番」
・リストの「コンソレーション第3番」、「愛の夢第3番」
・ラフマニノフ「ヴォカリーズ」
・ドビュッシの「月の光」
・サン=サーンスの「白鳥」
・ショパンの「夜想曲第2番」
・シューベルトの「即興曲変ト長調」、ほか
 


 ・・・いわゆる有名曲集なのである。

 タールベルク編曲のモーツァルトの「レクイエム〜ラクリモサ」というような凝った作品もあるし、シロティやブゾーニ編曲のバッハなど、さすがシチェルバコフというものもある・・・

 しかし、基本的に、絶対的に「名曲アルバム」。
 初心者の人が聴いても「素敵ね」とにっこり微笑んでくれそうな「ピアノ名曲集」。


 ・・・なのだが。

 あのすさまじい豪腕演奏を響かせていたピアニストが、こんな小品を1曲1曲しっとりと聴かせてくれるのである。
 あの超絶技巧ピアニストが、小学生でも弾いてそうな名曲を聴かせてくれるのである。

 それが、やはりというか、案の定というか・・・実に素敵なのだ。

 百戦錬磨の達人がふと息をついて、肩の力を抜いてさらりと弾いたその風情。


 ショパンの「夜想曲第20番」の鈍く光る抒情。
 まるでコワモテの侠客がふと垣間見せた優しさのような。

 ドビュッシーの「月の光」の枯れた味わい。
 群れから離れた孤独な狼のシルエットのような。


 次々と現れるおなじみの名曲が、全然おなじみじゃない。


 そしてそんな中、ほとんど無名のグリンカ「夜想曲『別れ』」が・・・特別すごい。
 シベリアの銀狼が見せたとっておきの微笑み。
 超有名曲の中に、こんな知られざる名曲をさりげなく潜ませてきて、すれっからしマニアの店主の涙腺も緩ませてくれる。


 ・・・シチェルバコフ、やはりただものではなかった。
.

コンスタンティン・シチェルヴァコフ
TWO PIANISTS
ME〜歌の翼に乗って
旧譜

TP-1039107
\2700→¥2490
ピアノ・リサイタル 
 ME〜歌の翼に乗って

 1.J.S.バッハ(1685-1750):プレリュードホ短調 BWV855a(ジローティ編)/
 2.グルック(1714-1787):精霊の踊り(フリードマン編)/
 3.モーツァルト(1756-1791):レクイエムより「ラクリモサ」(タールベルク編)/
 4.メンデルスゾーン(1809-1847):無言歌ホ長調 Op.19-1/
 5.メンデルスゾーン:歌の翼にOp.34-2(リスト編)/
 6.メンデルスゾーン:無言歌ト短調 Op.102-4/
 7.ブラームス(1833-1897):間奏曲第1番変ホ長調 Op.117/
 8.J.S.バッハ:イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639(ブゾーニ編)/
 9.リスト(1811-1886):コンソレーション第3番/
 10.リスト:愛の夢第3番/
 11.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズOp.34-14/
 12.ショパン(1810-1849):夜想曲第20番嬰ハ短調 遺作/
 13.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲より「月の光」/
 14.リャードフ(1855-1914):前奏曲Op.11-1/
 15.サン=サーンス(1835-1921):動物の謝肉祭より「白鳥」(ジローティ編)/
 16.グリンカ(1804-1857):夜想曲ヘ短調「別れ」/
 17.ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2/
 18.シューベルト(1797-1828):即興曲変ト長調 Op.90-3 D899
コンスタンティン・シチェルヴァコフ(ピアノ)

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