SUPRAPHON
SU 3661
\1700→\1290 |
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲) |
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1963年ステレオ。
次の「新世界」と並んでアンチェルの2大名録音とされるもの。そしてチェコ・フィルの「我が祖国」の中でも、クーベリックの’90年ライヴとともに最初にあげられるディスクである。
ただ、勘違いしてほしくない。アンチェルは「「我が祖国」や「新世界」で有名なチェコの指揮者」ではない。「「我が祖国」と「新世界」も、他の演奏同様すごい」のである。
・・・とはいえ・・・、やはりすばらしい。
この、祖国への愛情が純化されたような崇高さというのは、ほかのチェコの指揮者で感じられるものではない。美しさ、哀愁、厳しさ、激しさ、そういった、この作品に必要なものがここにはすべてある。しかし決して情に走りすぎたり、激しすぎたりはいない。ほとばしり出るものを必死で押さえながら、誰にもその表情を見られないようにしながら、アンチェルは平然と指揮をしているのである。 |
SUPRAPHON
SU 3662
\1700→\1290 |
ドヴォルザーク:
交響曲第9番「新世界より」
序曲「自然の王国で」
序曲「オセロ」 |
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1961年、1962年ステレオ。
これがアンチェルの「表」代表作のもうひとつ「新世界」。直截的で、ひとつ聴き間違えると、巷にあふれるつまらない無味乾燥な演奏になってしまいそうな要素をもちながら、よく聴けば実に豊かな音楽を奏でていることがわかる。第2楽章での切なさも、そっけないようでいて心にジンと残る。そしてオーケストラがなんと積極的に音楽を作り出そうとしていることか。愛情や情熱が名演の必須条件ではないと言われるが、それではここで聴かれる、心に響いてくる歌は一体何によるのか? |
SUPRAPHON
SU 3663
\1700→\1290 |
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調Op.64
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調Op.26
ベルク:ヴァイオリン協奏曲 |
ヨゼフ・スーク(Vn)
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1966年ステレオ。
メンデルスゾーン、ブルッフ、ともにたおやかな演奏。メンデルスゾーンは早めの軽快なテンポを取り、いかにも気心知れたといった感じでスークと隅々までキリリと引き締まった演奏を展開する。一方ブルッフは全編ゆったりとした重厚テンポ。第1楽章の盛り上がり部分も力強くどしどしと駆け上っていく。好みではないがスケールの大きな演奏であり、考え方によってはかなり変わった演奏といえるが、アンチェルがやっているので奇異なイメージは微塵もない。またいまさら言うまでもないが、スークのヴァイオリンはそのアンチェルに負けない、毅然とした美しさと雄渾な響きを聴かせる。
そしてやはり特記すべきはベルクのヴァイオリン協奏曲。可愛がっていたアルマ・マーラーの娘の死に捧げられたレクイエム・コンチェルトである。そこにアンチェルが何を思うか察してあまりある。・・・ラストで少女が天使になるところのたとえようのない美しさ・・・。こんな表現はアンチェル以外の誰にできよう。 |
SUPRAPHON
SU 3664
\1700→\1290 |
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
交響詩「はげ山の一夜」
ボロディン:中央アジアの草原にて
R=コルサコフ:スペイン奇想曲 |
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1968年、1964年、1965年ステレオ。
「展覧会の絵」は、残念ながらすっと抜けたまま終わる感が無きにしも非ずだが、「はげ山の」ラストの美しき静謐さ、「スペイン奇想曲」のつややかでのびやかな躍動感はさすがアンチェル。 |
SUPRAPHON
SU 3665
\1700→\1290 |
ストラヴィンスキー:
バレエ音楽「ペトルーシュカ」
バレエ音楽「春の祭典」 |
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1962年、1963年ステレオ。
「名指揮者120人のこれを聴け」で路小音伝介氏がアンチェルのベストCDとしてあげた「春の祭典」。「あのシェルヘンに指揮法を習い、ドヴォルザークやスメタナよりも、よほど現代音楽の演奏に情熱を燃やしていたアンチェルの最良の遺産として、末永く聴き継がれてゆくよう望む」(路小音氏)。第2部はとくにおもしろい。路小音氏が言うように執拗なパーカッション攻撃も見事。そして途中からグっとテンポを落とし心理的にこちらを圧迫してくる。(惜しくも「いけにえの踊り」の3分あたりで電気ノイズが入る) |
SUPRAPHON
SU 3666
\1700→\1290 |
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
R・シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 |
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィル |
1964年、1962年、ステレオ。
耳からウロコの名演。木管の響きから弦のアンサンブルまで、これまで聴いたことのない新鮮さをもつ。マーラーがボヘミアの人であったことをこれほど感じさせてくれた演奏はなかった。フルートの音色が鳥のさえずりで、ヴァイオリンが川のせせらぎだったとは。そしてほかの誰も試みなかったコーダ直前のテンポのずり上げ。深刻で劇的に終わりそうな作品を、あえて幸福感で彩ろうとするかのよう。
またアンチェルを評するときに絶対に「チェコの指揮者らしい素朴さ」というような表現だけは使いたくないが、ここでの「ティル」がヤナーチェクかマルティヌーに聴こえるのはなんとも不思議(ほんとなんです)。 |