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これほど美しいチェロの作品の数々が忘れ去られていたとは!!
ヨアヒム・ラフ:チェロ協奏曲第1番、第2番
しかも演奏もすごかった
これほど美しいチェロの作品の数々が忘れ去られたままになっているとは。
チェロ協奏曲第1番の冒頭を聞いただけでこの人がホンモノであることを確信するはず。
19世紀のドイツロマン派の隠れた大家、ヨアヒム・ラフ。
チェロ協奏曲の第1番はゲヴァントハウスのトップ、第2番はウィーン宮廷楽団のトップが初演したというから、当然のことながら技巧的にも超一級の曲。
そこに湧き上がる陰影の濃い情感。
全編に「ザ・ロマン派」という美しさが満ち溢れている。19世紀の幸せが満ち溢れている。
これほどまでに典型的なドイツ・ロマン派チェロ協奏曲って、シューマンのほかにあったか??(ちなみにラフのことを「スイス・ロマン派」という呼び方をする人もいる。まあそれもいいか。)
小品もいい。
「出会い」でのチェロの切ないカンタービレ、二重奏曲の冒頭の優しく語りかけるピアノの独奏、いずれも絶品。
シューマンとブラームスの谷間にすっぽりと落ちこんでしまったかのようなラフ、しかし彼の作風は21世紀の今もっと高く見なおされてしかるべき。
店主などはこの人、リストが管弦楽曲を書く際にオーケストレーションを手伝ったということで(多分
そうとう
手伝った)記憶にあるが、単独の作曲家としてももっともっと知られるべき存在だと思う。
そしていまや大家となったダニエル・ミュラー=ショットがまだ無名だった頃の演奏ということにも注目。
当時ダニエル・ミュラー=ショット、まだ27歳。
店主がORFEOのハチャトゥリアンで目をつけたときよりも前。しかしすでにこのときから立派な大家の演奏。
さすが。
なんとも充実のアルバム。
.
TUDOR 71212
\2700
ラフ:
チェロ協奏曲第1番 ニ短調 Op.193
小曲集「出会い」 Op.86-1
チェロとピアノの二重奏曲 イ長調 Op.59
チェロ協奏曲第2番 ト長調
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc)
ハンス・シュタードルマイアー指揮
バンベルク交響楽団
録音:2003年6/16,17(協奏曲第1番)、2004年1/2,3(協奏曲第2番)、2003年12/1,2
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そのダニエル・ミュラー=ショットのハチャトゥリアンもご紹介しておきましょう。
ヴァイオリン協奏曲はまだアーティスト名に「美歩」がついてない頃のアラベラ・美歩・シュタインバッハー。
ORFEO 623041
\2700
ダニエル・ミュラー=ショット
アラベラ・シュタインバッハー
ハチャトゥリアン:
チェロ協奏曲/ヴァイオリン協奏曲
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc)
アラベラ・シュタインバッハー(Vn)
サカリ・オラモ指揮
バーミンガム市響
なんともぜいたくなアルバム!
ハチャトゥリアン3大コンチェルト、「ヴァイオリン協奏曲」、「ピアノ協奏曲」、「チェロ協奏曲」は、批評家によっては3つでひとつの作品、というほど結びつきが深く、ハチャトゥリアンの生涯でも特別な位置を占める作品群である。
ところが3つのコンチェルトのうち、数年の歳月をかけて最後に作られ、ハチャトゥリアンにとって最重要作品であるチェロ協奏曲は、ほかの2作品に比べると人気もCDも極端に少ない。
確かにほかの2つに比べると華やかさやポピュラーさには欠ける。
しかし聴けば聴くほど味の出るその渋さ、奥深さはチェロ協奏曲がひとつ頭抜け出ている。
店主もハチャトゥリアンの代表作はこの作品だと思う。
で、CDが現在2,3種類しか出ていないこの曲だが、今回素敵なアルバムが出た。
演奏はダニエル・ミュラー=ショットという若手の超イケメン。
イッサーリスの門下だからひょっとしたらあっちの気があるかもしれないけれど、芯の太さと甘い抒情をもちながら、やや晦渋なこの作品を爽快に弾ききっている。
独白的な部分の多いこの作品だが、沈痛にならない内向性もいい。この人、なんとなく全編かっこいいのである。
(2004年の店主のコメントより)
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ラフが気になった人、気に入った人は
交響曲第5番
「レノーレ」
もどうぞ。
女性の一生を描いた作品。崇高で優美な曲です。
よく見てみればアルバム全体が「女性」的ですね・・・
CHSA 5135
(SACD HYBRID)
\2800
ネーメ・ヤルヴィ&スイス・ロマンド管
ラフ:管弦楽作品集
交響曲第5番ホ長調 Op.177《レノーレ》
歌劇《ダーメ・コーボルト(妖精夫人)》 Op.154より 序曲
狂詩曲《夕べ》 Op.163b
歌劇《アルフレート王》 WoO.14より 序曲
《眠れる森の美女》 WoO.19より 前奏曲
歌劇《嫉妬》 WoO.54より 序曲
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団
ネーメ・ヤルヴィとスイス・ロマンド管!ヨアヒム・ラフの管弦楽作品集
2012−2013シーズンから音楽監督を務めるスイス・ロマンド管弦楽団とのプロジェクト、ヨアヒム・ラフ(1822−1882)の管弦楽作品集が登場!
チューリッヒ湖畔のラーヘンで生を受けた19世紀のスイスを代表する音楽家、作曲家であり、ドイツではフランツ・リストの助手とした活躍した経歴も有名なラフ。
父ヤルヴィが振る管弦楽作品集のメイン・プログラムは、ドイツの詩人ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーのバラードを題材としたラフの代表作である「交響曲第5番《レノーレ》」。
スイス・ロマン派の最高傑作の呼び声高い「レノーレ」はもちろんのこと、歌劇「アルフレート王」のヒロイックな「序曲」など、ヤルヴィのタクトは今回も絶好調!
エストニアの巨匠とスイスの名門オーケストラが、スイス・ロマン派、ヨアヒム・ラフの知られざる魅力を紐解く。
※録音:2013年7月9日−11日
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