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作曲家特集
ニルス・ゲイル・トヴェイト

 グリーグに次ぐノルウェーの大作曲家トヴェイト(1908-1981)。
 最近ようやく知名度も高くなってきた。
 その才能はひょっとしたらグリーグを上回るかもしれない。民族色豊かだが、それに留まらないきわめて個性的な音楽を書く。しかもヴィラ=ロボスやフローラン・シュミットに師事したことで、西洋最先端の華やかなオーケストレーション技術も身に付けている。次々と現れる魅力的な楽想に、聴くものは飽きることを知らず惹き込まれる。
 しかし、彼の作品をトータルで紹介するには致命的な問題がある。

 彼はなぜか多くの作品を出版せずにその楽譜を自宅に抱え込んでいた。それが災いして、それら貴重な楽譜の80%が、1970年、火事に遭って消失してしまったのである。
 たとえば彼の代表作といわれるピアノ協奏曲。第1番から第6番まであったはずだが、その火事によって2番と3番は消失した(3番は録音が残っているので再現可能らしい)。
 またもうひとつの彼の代表作、彼がこよなく愛したハルダンゲル地方の民謡を集めて編曲した作品、「管弦楽のためのハルダンゲルの1 0 0の旋律」。これは組曲として第1番から第6番までに分かれていたらしいが、これも第3番と第6番は消失してしまった(あるいは完成していなかった可能性もある)。それ以外にも彼の多くの重要な作品が、この火事によって永遠に葬られてしまったのである。
 いずれにせよそんなこともあって、彼の作品が広く世に知られることはなかった。

 ところが、その火事のあとになって、多くの演奏家や作曲家が彼の作品を蘇らせはじめた。
 トヴェイトは一度演奏会で披露したあと「やっぱりやーめた」と言って楽譜を引き上げてしまうことが多かったらしいのだが、彼の作品を一度耳にした人がどうしてもそれをお蔵入りにしておけず、復興に取り組み始めたというわけである。方々に散らばっていたコピー譜を集め、焼け残りの楽譜を修復し、欠落部分を補筆・・・。その作業は簡単なものではなかっただろうが、ここへ来てその成果がさまざまなCDとして結実し始めた。そしてようやくこのノルウェーの大家が少しずつ世に知られ始めたのである。

 今回はそんなトヴェイト・ルネサンス・ブームの牽引車となったNAXOSのCDを集めてみた。彼の代表作ピアノ協奏曲3つと、ハルダンゲルの1 0 0の旋律の4つの組曲である。聴いていただけばお分かりいただけると思うが、いずれもしっかりした書法と、魅力的な民族的趣向と、一筋縄ではいかない天才的個性とによって構成されたすばらしい作品ぞろい。実は店主はピアノ協奏曲の第4番を聴いて初めてこの作曲家を知った。そしてこんなソラ恐ろしい作品を書く作曲家がただもののはずがない、と思っていろいろ聴いたが、案の定どれもすごかったというわけである。
 凡俗な作曲家にはない、強烈な個性・・・語弊を恐れずに言えばナルシズムのようなものをどの作品にも感じた。

 さきほど、トヴェイトは楽譜を回収して自分のところに抱え込んでいた、と書いた。そしてそれらが火事に遭って消失したと。トヴェイトの自宅の火災の原因は、調べた限りわからなかった。が、トヴェイトはおそろしい完璧主義者だったと聞く。だとしたら、山のようにうず高く積まれた自分の楽譜を見たトヴェイトが、衝動的に「何か」をしたとも考えられなくもない。
 そんな狂気に満ちたナルシズムを、彼の音楽には感じるのである。


NAXOS
8.555077
\1100→\990
トヴェイト(1908-1981):ピアノ協奏曲第1番/同第5番 ホヴァール・イムセ(ピアノ) 
ビャルテ・エングスト指揮 
ロイヤル・スコティッシュO
NAXOS
8.555761
\1100→\990
トヴェイト(1 9 0 8 - 1 9 8 1):
 ピアノ協奏曲第4番「オーロラ」/
 2台のピアノと管弦楽のためのハルダンゲルの民謡による変奏曲
ホーヴァル・ギムセ(P)
グニッラ・シュサマン(P)
ビャルテ・エングスト指揮
ロイヤル・スコティッシュ管
ピアノ協奏曲第1番
 ライプツィヒ音楽院在学中に作曲された。
 学生の作品とはいえ、この民族音楽の高度に洗練された引用の仕方、そしてノルウェーの冴え冴えとした抒情の結晶化など、それらはすでに学生レベルではない。近代の優れたピアノ協奏曲のひとつとして立派に通用する傑作といっていい。ことに遠い伝説を思わせるような終楽章は、北欧生まれのピアノ・コンチェルトとしては屈指の名曲であろう。美しい女神が透明な湖に姿を消していくようなラストには絶句するに違いない。


ピアノ協奏曲第4番
 宇宙や自然を包括する偉大なコンチェルト。「オーロラ」と聞いて我々が想像する冷たく美しい雰囲気が全編を覆う。しかし美しさだけではない。大宇宙で起きる壮絶な物語を、トヴェイトは壮大なスケールで描く。神秘的雰囲気と、輝く星のようにきらめくピアノ、そしてときに爆裂する華麗なオーケストラ。その絶妙のコントラストは、この作曲家がただものでないことを示す。
 ここでの彼には、すでに「ハルダンゲルの民謡を収集した民族主義的作曲家」、というレッテルは通用しない。北欧的といえば北欧的だが、すでにそんな枠組みをとっくに通り抜けているのである。


ピアノ協奏曲第5番
 1954年に作曲され、パリで作曲家自身のピアノ、指揮マルティノン、ラムルー管によって初演され、しかもその演奏会は大成功だったというから立派なものである。
 第4番で民族的作風から一歩も二歩も踏み出して新たな個性を確立した彼だったが、この第5番の第1楽章と第3楽章では、ノルウェーの民族舞曲「スプリンガー」、「ハリング」を用いている。だが、もちろんかつて創り上げたあの「ハルダンゲルの1 0 0の旋律」のような「民謡編曲」というような素朴なイメージはない。・・・ショパンやグリーグ、リストを演奏していた彼が最後に到達したのは、そうした過去の偉大な作曲家へのオマージュだったのか。というのは、この作品、民族的素材を存分に使いながら実にコスモポリタンな一般受けするダイナミック・コンチェルトなのである。第4番で超・個性を身に付けた彼が、またこうした古典的な作風に戻ってきたとき、そのスケール・存在感はとてつもなく大きくなっていた。
 異端的・個性的な第4番を愛する人も多いと思うが、この第5番はもっと多くの演奏機会があってしかるべき正統派コンチェルトである。


NAXOS
8.555078
\1100→\990
トヴェイト(1908-1981):
 「ハルダンゲルの1 0 0の旋律」
  〜第1組曲
  〜第4組曲(結婚式組曲)
     (ビャルテ・エングストによる改訂・編纂/世界初録音)
ビャルテ・エングスト指揮
ロイヤル・スコッティシュ管
NAXOS
8.555770
\1100→\990
トヴェイト(1 9 0 8 - 1 9 8 1):
 ハルダンゲルの1 0 0の旋律
  〜第2組曲「1 5の山の歌」(第1 6番〜第3 0番)/
  〜第5組曲「トロルの旋律」(第61番〜第75番)
ビャルテ・エングスト指揮
ロイヤル・スコッティシュ管
 管弦楽による「ハルダンゲルの1 0 0の旋律」。トヴェイトは1000に及ぶハルダンゲルの民謡を収集し、そこから6つの組曲を作った。上述のとおり火事による消失などのため現在は1,2,4,5番しか再現ができない状態である。
 組曲はそれぞれ15曲の小品に分かれる。まるで散文か詩のようである。「民謡」の編曲というと、あまりにも田舎っぽすぎてつまらないと思う方は、どうかご心配なく。一体原曲はどんな曲だったのだろうと思わせてくれるほど洗練された内容。よほどトヴェイト自身に類いまれな作曲センスがないと、こんなにもさわやかなソツのない編曲はできないだろう。それぞれの曲は静かな曲、激しい曲、明るい曲、寂しい曲、一見まとまりはないが、通して聴くと一篇の大河ドラマを見たような気にさせてくれる。
 何も考えずに書き飛ばしたとは到底思えない、あまりにも充実した、完成された作品。






アリアCD対談

ラスコル
ミヒン
ラスコル
ドニャ
ラスコル
ドニャ
ラスコル
 
ミヒン
ドニャ
 
ラスコル
ドニャ
ラスコル
ドニャ
ミヒン
ラスコル
ミヒン
ラスコル

ドニャ
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ミヒン
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ドニャ

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ラスコル
 
 
ミヒン
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ミヒン
ラスコル
ミヒン
ラスコル
 

ドニャ
ミヒン
 
ラスコル
ドニャ
ミヒン
ラスコル
ドニャ
ラスコル
ドニャ
ミヒン
ラスコル
ミヒン
 
ラスコル
ドニャ
ラスコル
 
ミヒン
ドニャ
ラスコル
 
ミヒン
ラスコル

ドニャ
ミヒン
あけましておめでとうございます。
って、もう2月です。いつも同じ突込みですみません。
いやあ、結局この冬は寒くならないうちに終わるのかな?昨日なんて平年の5度高かったよ。地球は大丈夫か?
それより、アリアCDが新聞に載ったことのほうが天変地異じゃないですか。
あはははは。いやあ、ほんとに。顔写真まで載っちゃって。カラーで。あんなに大きく載るとは。
知ってたでしょ?だってカメラマンに顔の角度まできっちり指示してたじゃないですか。
あはははは。ばれた?でも取材にくるとは言ってたけど、いきなりアポなしで来るとは。ちょうどいい服着てたときでよかったよ。マス
コミっちゅうのはそういうもんなんだなあ。
新刊の「それでもクラシックは死なない!」も好調なようで。
レコ芸の「2006年を振り返る」とかいう特集の「書籍」のところで、二人の人が「それでもクラシックは死なない!」を褒めてたじゃない
ですか?
あはははは。あれは、ひとりがおれで、もうひとりがミヒン。
ほんとですか!それ詐欺じゃないですか!
うそだよ。でも音楽の友社がなんであんなにおれの本を取り上げてくれたのか、よくわからん。なんのコネもツテもソデの下もないのに。
はいはい。酔狂な編集者がいるんでしょ。
でもついに前刊の「クラシックは死なない!」は完売したみたいですね。
ああ、そうらしい。あとうちにある30冊が最後の在庫か。孫の代まで在庫を残そうと思ったのに。
第3巻は出ないんですか。
そりゃあ、3年後の話し。それまで地球があれば。

この3ヶ月といえば、「のだめ」でしたね。
ああ、ドラマ。面白かったね。かなり力はいってたし。音楽ドラマとしては過去最高の質。
ドラマのサントラCDもかなり売れたそうじゃないですか。すごいベストセラーみたいですよ。
あはは。うちは5枚しか売れんかった。しかもそのうち2枚はおれとドニャ。
ほんとですか?
これはほんと。
でもこれでクラシックのブームが・・・。
来るわけないじゃん。「のだめ」を観て面白かったって思った人が、3年後にケーゲルのシベリウスを聴くようになるとは思わん。
そんな極端な。熱心なファンでもいきなりそこには行かんでしょう?
それにこれでクラシックの層が広がったっていうのは事実でしょう?
そうなんかね。あんまりそうは思わんけど。
まあ、いやみったらしい。じゃあ、去年はモーツァルト・イヤーだったですけど、どうせ斜に見てたんでしょ?
あはははは。そのとおり。でもたくさん面白いCDが出てきたから、やっぱりよかったんじゃないかな。今年はシベリウスとグリーグの記
念イヤーということで、全然期待はしてないけどちょっとだけ楽しみかな。
まあ、ほんとにいやみったらしい。

さて、今回の目立った新譜は?
第35号で紹介したアメリカのSELECTMEDIA。このチープでインチキくさいレーベルに収められた仰天の演奏は一体何なんだ。第35号
で詳しく書いたけど、こんなすさまじい演奏がなんで無名のロシアの演奏団体から次々と出てくるんだ?本当に訳がわからん。もし覆
面演奏家で実体がほかの有名演奏団体だったとしても全然おかしくない。
みなさんからの評判もすごかったです。まだまだ知らないすごいレーベルや演奏家がいっぱい存在するんですね。
そう。作曲家もそうだよ。
そういえばレントヘンとかが人気ですね。
カリヴォダとかレントヘンとかフェスカとか、今までほとんど知らなかった作曲家の素敵な作品に出会えるというのは本当に嬉しい。
フランス系、ロシア系のマイナー作曲家は前から人気だったですけど、最近さらにその範囲が広がってきてます。
アブジールとか、ビアランとかのベルギー系も強いしね。もうロパルツやフレンニコフやヨンゲンなんてメジャー入りしちゃった感じ。まだ
まだ知られざるすばらしい作曲家や作品を発掘していきたい。

ファイがここへ来て急激にブレイクしてきました。
ハイデルベルグ交響楽団自主制作盤も入っても入ってもすぐに売切れてしまいますし、RBMのジュピターももう何枚売れたかわかり
ません。
そんでもってハイドンのパリ交響曲完結、メンデルスゾーンの新チクルス開始、とまさに日の出の勢い。これからが楽しみだよ。
上岡敏之も年末に「第9」をやって一気に知名度を上げました。
北西ドイツ・フィルとの自主制作盤のブラームスもすごかったです。なかなか次が入ってこないのでたくさんの人をお待たせしてますけど。
どこか大手が目をつけるんじゃないかな。
あとは何かありましたっけ?
昔の録音だけどハイドシェックのライヴ・アルバムが復活したのは嬉しかった!テイチクとかいろいろ働きかけたけど全然だめだったんだ。
3月には久々の来日公演もあるんですよね。
これは行きたいなあ。
あ、そうだ、ポゴレリッチ、行ったんだよね?すごかったんだって?
ほんとに。もう悪魔が乗り移ったかのようでした。レクチャーで生徒に教えているときはまともなことを言っているのに、自分で演奏すると
きはムチャクチャ。そのギャップがすごいです。
ああ、行きたかったなあ。というか、頼むからCD出してくれ!
あとはどうでしょう?
あ、まだ正式案内はきてないけど、おれが注目してる若手指揮者のユロフスキが今度DGから出るグリモーのベートーヴェンのコンチェ
ルトの伴奏をやってるらしい。いよいよメジャー・デビューだ。これでなんとか世界的に認められればなあ。
もうちょっとメジャーな曲もやってほしいです。
そんなところでしょうか。
ちっちゃい動きばかりだけど、少しずつ新しい時代の流れが迫ってきているのを感じる。あと5年もすれば、音楽業界は大きく変わってい
るんじゃないかな。
え、なんか根拠あるんですか?
なんもない。勘だよ。でもおれの勘は当たるよ。でもこういうときは、変に流れに惑わされないで、一生懸命まじめにやっていくことが大事
なんだ。人間というのはつねづね・・・
それでは時間もきましたんで、今回は終わります。
おい。

2007.2.2事務所にて




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