アメリカの女流現代作曲家マッツォーリの注目のオペラ『Proving
Up』!!
録音:2018年4月17、18&20日/ウェア・ハウス・プロダクションズ、オハマ(ネブラスカ州)/DDD、79'48、輸入盤・日本語帯付、ディジパック仕様
また出た、ミッシー・マッツォーリ。
今度は「アメリカン・ドリーム」が悪夢になるオペラ。
BISのセールでも登場した、ミッシー・マッツォーリ。
1980年生まれのアメリカの作曲家で、いまや現代アメリカ音楽、とりわけオペラの世界では無視できない存在になった人。
そのマッツォーリが2018年に発表したオペラが、この**《Proving
Up》**。
舞台は19世紀後半のネブラスカ。
政府から土地を手に入れ、自分たちの農場を築き、豊かな生活を手にする――。
いわゆる西部開拓時代の「アメリカン・ドリーム」である。
……はずなのだが。
どうも様子がおかしい。
一家が土地の所有権を認めてもらうためには、政府の条件を満たさなければならない。そのひとつが、家にきちんとガラス窓があること。
ところが貧しい開拓民にとって、ガラス窓は貴重品。
そこで一家の息子マイルズは、検査を受ける近隣の開拓農家へガラス窓を届けるため、馬に乗って出発する。
そこから物語は、次第に奇妙な方向へ向かっていく。
広大な平原。
吹きすさぶ風。
孤独。
貧困。
死。
そしてマイルズの前に現れる、謎めいた「農夫」。
これは成功を夢見る開拓者たちの物語ではない。
「努力すれば誰でも成功できる」というアメリカの神話の裏側を描いた、暗く、不穏な寓話なのである。
マッツォーリの音楽も面白い。
いわゆる難解一辺倒の現代オペラではなく、声はしっかり歌い、どこか懐かしいアメリカ音楽の影も見え隠れする。
しかし、その足元では何かがずっとざわついている。
美しいのに不安。
静かなのに怖い。
物語が進むにつれ、広大なネブラスカの風景そのものが、巨大な閉塞空間のように感じられてくる。
原作はカレン・ラッセル。台本はマッツォーリ作品でたびたび組むロイス・ヴァヴレック。
そして録音は、2018年オペラ・オマハでこの作品を世に送り出した演奏陣。
79分48秒。ほぼCDいっぱいに収められた、21世紀アメリカの「開拓時代の悪夢」。
BISでマッツォーリが気になった方。
今度はこちらです。
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