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海外在庫の山の中から、どうしても埋もれさせたくなかった7枚。
知られざるアメリカ音楽の宝庫
ALBANY RECORDS
1CD\2800→\1890
~10/6(火)午前9時
今回、海外から送られてきた在庫特価セールの膨大なリストを眺めていて、ふと気になる一群がありました。
ALBANY RECORDS。
1987年、ニューヨーク州オールバニーで創設された、アメリカのクラシック音楽専門レーベルです。
このレーベルが面白いのは、世界的なスターや有名曲を追いかけるのではなく、
まだ広く知られていないアメリカの作曲家、演奏家、大学や地方オーケストラの活動を、ひたすら誠実に記録してきた
こと。
大手レーベルならまず企画会議を通らないような作品。
録音されなければ、そのまま忘れられていたかもしれない音楽。
しかし実際に聴いてみると、なぜこれが知られていないのかと思うような作品が、ALBANYのカタログにはごろごろ眠っています。
いわば、アメリカ音楽の巨大な地下鉱脈。
ただし、そのカタログはあまりにも膨大です。
知らない作曲家、知らない演奏家、知らない作品が延々と並び、正直なところ、品番と曲名だけを見ても何から聴けばよいのか、ほとんど見当がつきません。
そこで今回、海外在庫を一枚ずつあらためて調べてみました。
すると――。
出てきました。
「これは、紹介せずに埋もれさせてはいけない」
そう思わせるアルバムが、次々と。
有名曲を集めたセールではありません。
むしろ、名前だけを見れば、そのまま通り過ぎてしまいそうな盤ばかりです。
しかし、そこに耳を傾けてみると、どの一枚にも、まだ私たちの知らない作曲家の人生があり、土地の記憶があり、そして「この音楽をなんとか後世に残したい」という演奏家とレーベルの情熱があります。
おそらく、初めて目にする作品も多いと思います。
しかし、そんな一枚との出会いこそ、CDを探し続ける最大の楽しみ。
どうぞ、ゆっくりご覧ください。
この7枚、どれもなかなか只者ではありません。
TROY 024-2
\2800→
\1890
アメリカ音楽の「明るさ」「懐かしさ」「知性」
それぞれ聴きどころのある3作品
ノーマン・デッロ・ジョイオ:
ハイドンへのオマージュ
ピーター・シッケレ:
ペンタングル~ホルンと管弦楽のための5つの歌
ヴィンセント・パーシケッティ:
交響曲第8番 Op.106
ケネス・アルブレヒト(Hr)
レナード・スラットキン、
ホルヘ・メスター(指揮)
ルイヴィル管弦楽団
まずデッロ・ジョイオの《ハイドンへのオマージュ》。
古典派への敬意を保ちながら、洒落たリズムと鮮やかな管弦楽法で聴かせる、晴れやかで実に気持ちのよい作品です。
しかも指揮はレナード・スラットキン。
続くシッケレは、あの“P.D.Q.バッハ”の仕掛人が冗談を封印して書いた本気のホルン作品。
民謡の香り、コープランドを思わせる広々とした風景、そして名手ケネス・アルブレヒトの柔らかなホルンが交錯します。
最後のパーシケッティ交響曲第8番は、難解さよりも、しなやかな抒情と色彩感が前に出た知られざる佳品。われわれが思い描くアメリカ的シンフォニーをそのまま体現した作品と言っていいでしょう。
アメリカ音楽の「明るさ」「懐かしさ」「知性」が、三者三様に詰まった72分。
ルイヴィル管が育ててきたアメリカ音楽録音の歴史、その美味しいところを一枚で味わえる、今回のALBANY発掘盤の本命です。
別のジャケットバージョンもあるらしい
TROY 338
\2800→
\1890
知られざるポーランド・ヴァイオリン音楽の宝石箱。
ポーランド後期ロマン派ヴァイオリン作品集
アントニ・ルトコフスキ:
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.5
パヴェウ・コハンスキ:
セレナード
コハンスキ/シマノフスキ:
夜明け、野性的な踊り
カロル・シマノフスキ:
アイタコ・エニアの子守歌 Op.52
ポルドフスキ:
死にゆく子供の子守歌
ミェチスワフ・カルウォヴィチ:
即興曲
ほか
タイロン・グリーヴ(Vn)
エレン・バーマイスター(P)
シマノフスキとカルウォヴィチの、その先へ――。知られざるポーランド・ヴァイオリン音楽の宝石箱。
こういう一枚こそ、アリアCDでご紹介したかった。中心に置かれているのは、ほとんど録音のないアントニ・ルトコフスキのヴァイオリン・ソナタ。そこへシマノフスキ、カルウォヴィチ、名ヴァイオリニストであり作曲家でもあったパヴェウ・コハンスキ、さらにはヴィエニャフスキの娘ポルドフスキまでが並びます。
甘い旋律、夜の気配、民族舞曲の熱、世紀末ヨーロッパの濃密な香り。いずれも「なぜ、こんな曲が知られていないのか」と思わせるものばかりです。タイロン・グリーヴのヴァイオリンも、珍曲を資料のように並べるのではなく、歌うべきところは思い切り歌い、踊るべきところは野性的に弾き切る。
有名曲は一曲もない。
しかし、ヴァイオリン好きなら一曲ごとに耳を奪われる。
今回の7枚で、もっとも「秘密の一枚」という言葉が似合うアルバムです。
コハンスキのセレナードなんて、有名ヴァイオリニストがアンコールで弾いたりしたら一気に有名になりそう。
TROY 633
\2800→
\1890
「スター・ウォーズ」のジョン・ウィリアムズが、
テューバを主役にしたら――
これが驚くほど軽やかで、愉快で、そして格好いい。
ニュー・ミュージック・フロム・ボーリング・グリーン Vol.3
ジェニファー・ヒグドン:
ブルー・カテドラル
ブラクストン・ブレイク:
ドロシー・パーカーの4つの歌
ダニエル・S・ゴッドフリー:
ライトスケープ
ジョン・ウィリアムズ:
テューバと管弦楽のための協奏曲
ヴェルヴェット・ブラウン(Tuba)
フリーダ・ハーセス(Ms)
エミリー・フリーマン・ブラウン(指揮)
ボーリング・グリーン・フィルハーモニア
巨大で重い低音楽器、という先入観を気持ちよく吹き飛ばす協奏曲。ウィリアムズ自身がテューバを少し演奏していたからこそ、この楽器の機動力とユーモアを知り尽くしています。独奏のヴェルヴェット・ブラウンも見事。大きなコルネットのように歌い、跳び、オーケストラの中を縦横無尽に駆け回ります。
そしてもう一つの大看板が、いまや現代を代表する大作曲家ジェニファー・ヒグドンの代表作《ブルー・カテドラル》。
亡き弟を思って書かれた音楽は、きらめく打楽器と透明な響きの中から静かに立ち上がり、巨大な光の聖堂へと広がっていく。現代アメリカ音楽の中でも、とりわけ聴き手の心へまっすぐ届く名作です。
映画音楽ファン、吹奏楽ファン、現代アメリカ音楽ファン、そのすべてに入口がある。
しかも作曲家自身の音声解説も収録した、聴くほどに得をする一枚です。
指揮のエミリー・フリーマン・ブラウン
TROY 017
\2800→
\1890
コープランドより素朴で、サティより人懐こい。
これが“アメリカの音”を作った男、ヴァージル・トムソン。
ヴァージル・トムソン:
賛美歌の旋律による交響曲
交響曲第2番
荘厳な音楽と喜ばしいフーガ
歌劇《ドン・ファン》から「難破と愛の場面」
歌劇《バイロン卿》から5つのテノール独唱曲
マーティン・ヒル(T)
ジェイムズ・ボール(指揮)
モナドノック祝祭管弦楽団
ブダペスト交響楽団
《賛美歌の旋律による交響曲》では、教会で耳にした懐かしい旋律が、田園の風、遠くの汽車、ちょっとひねくれたユーモアと結びついていきます。気取らず、明快で、どこか古いアメリカ映画の風景を思わせる音楽。交響曲第2番もわずか十数分ながら、踊り、行進し、歌い、きらりと毒を光らせる。
後半には歌劇《ドン・ファン》《バイロン卿》からの珍しい声楽作品まで収録。トムソンの交響曲だけでなく、劇場人としての顔まで一枚で見渡せます。本人はニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙の恐るべき音楽批評家でもあり、若きバーンスタインやローレムらに大きな影響を与えた人物。
名は知っていても、まとまった作品を聴く機会は意外に少ない。アメリカ音楽の源流へ、こんなに楽しく入っていける盤はありません。
TROY 458
(SACD Hybrid)
\2800→
\1890
20世紀にあって、最後まで旋律を捨てなかった英国の孤高の作曲家。
ジョージ・ロイド晩年のチェロ協奏曲は、“失われた世界への挽歌”
ジョージ・ロイド:
チェロ協奏曲
歌劇《農奴》から管弦楽組曲第1番
アンソニー・ロス(Vc)
デーヴィッド・アラン・ミラー(指揮)
オールバニー交響楽団
第二次大戦中、海兵隊員として北極海船団に加わり、心身に深い傷を負ったロイド。戦後の音楽界では、その豊かな旋律とロマンティックな作風が「時代遅れ」と退けられ、長い沈黙を余儀なくされました。しかし彼は、自分の耳と心を裏切らなかった。1997年、84歳で完成したこのチェロ協奏曲には、苦難をくぐり抜けた人だけが書ける深い哀惜と、それでもなお歌おうとする生命の力があります。
MusicWebはこの二作品をロイドの真髄と高く評価。現在この録音は、作曲家協会の新しい「Signature Edition」に組み込まれて再発売されています。
エルガーのチェロ協奏曲を愛する方へ。そして、時代に背を向けられても美しい旋律を書き続けた作曲家に心惹かれる方へ。今回、どうしても聴いていただきたい一枚です。
TROY 933
(SACD Hybrid)
\2800→
\1890
交響曲は、深刻でなければならない
――そんな決まりを、豪快な笑い声で吹き飛ばす男がいた。
ドン・ギリス:
交響曲X《ビッグD》
《タルサ》~石油による交響的肖像
交響曲第3番《自由な人々のための交響曲》
イアン・ホブソン(指揮)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ドン・ギリスは、NBC交響楽団のプロデューサーを務め、トスカニーニの伝記も書いた生粋のオーケストラ人。その彼が書く音楽は、ジャズ、行進曲、映画音楽、アメリカの街の喧騒を丸ごと飲み込んだ、陽気でカラフルな“音のショー”です。
交響曲X《ビッグD》の「D」は、ニ長調であると同時にダラスのD。《タルサ》は石油都市を題材にした交響的肖像。題名だけでも愉快ですが、音楽はさらに面白い。活気ある街、人々の誇り、広い空と大地が目の前に現れます。一方、交響曲第3番《自由な人々のための交響曲》には、戦時下に書かれた真摯な愛国心と祈りがある。
軽音楽の親しみやすさと本格交響曲の手応えを同時に味わえる、まさに“楽しいアメリカ交響曲”。
SACDハイブリッドの鮮やかな音も、この底抜けに明るい音楽にぴったりです。
この1枚を聞いてドン・ギリスにはまる人も出てくることでしょう・・・。
TROY 503
\2800→
\1890
吹奏楽のために、ここまで巨大で、ここまで切実な交響曲が書かれていた。
ジョセフ・トゥリン:
ロマンティックなセレナード
マイケル・ドアティ:
モータウン・メタル
デーヴィッド・マスランカ:
明けの明星、交響曲第4番
ロバート・スターン:
ウルティマ・ファンタジア
マルコム・W・ローウェル Jr.(指揮)
マサチューセッツ大学アマースト校ウィンド・アンサンブル
デーヴィッド・マスランカの交響曲第4番は、現代吹奏楽史を代表する大作。静かな祈りから始まった音楽は、いくつもの賛美歌を抱き込みながら、巨大なうねりとなって聴き手をのみ込み、最後には全身で「生」を肯定する圧倒的なクライマックスへ到達します。作曲者の言葉を借りれば、それは「生の喜びを叫びたいという衝動」。ただ華やかなだけではない。敬虔さ、苦悩、恍惚が一つになった音楽です。
さらにマイケル・ドアティの《モータウン・メタル》は、自動車工場の金属音、60年代モータウン、90年代テクノを金管と打楽器だけで爆発させる痛快作。トゥリンの《ロマンティックなセレナード》、古いイタリアのマドリガーレを見つめるスターン作品、祝祭的な《明けの明星》まで、盤全体が驚くほど多彩です。
吹奏楽ファンにはもちろん、巨大な響きに心を揺さぶられたいすべての方へ。マスランカをまだ知らない方にこそ、この一枚から始めていただきたい。
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