BRILLIANT 新譜
その14

「その13」はこちら
(2023年8月 新譜).
(2023年7月 新譜).
96238
(5CD)
¥3200
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名曲「ブランクロシェ氏の墓」は8分37秒!
L.クープラン:クラヴサン曲全集
CD1 59:32
◆組曲第1番ト短調 (Suite
No.1 in G minor)
1. 前奏曲 G.3 (Prelude) 4:20
2. アルマンド G.93 (Allemande) 3:58
3. クーラント G.94 (Courante) 2:05
4. サラバンド G.95 (Sarabande) 1:45
5. シャコンヌまたはパッサカイユ G.96
(Chaconne
ou Passacaille) 3:27
6. サラバンド G.97 (Sarabande) 2:17
7. パッサカイユ G.98 (Passacaille) 5:06
◆組曲第2番ニ短調 (Suite
No.2 in D minor)
8. 前奏曲 G.1 (Prelude) 6:29
9. アルマンド G.36 (Allemande) 3:38
10. 3つの楽章から成る作品 G.37
(Pieces
de trois sorts de Mouvemens) 2:00
11. クーラント G.38 (Courante) 1:44
12. クーラント G.39 (Courante) 2:03
13. クーラント G.40 (Courante) 1:51
14. クーラント G.41 (Courante) 1:50
15. サラバンド G.44 (Sarabande) 2:06
16. サラバンド G.47 (Sarabande) 1:33
17. サラバンド G.45 (Sarabande) 1:52
18. サラバンド G.46 (Sarabande) 1:28
19. サラバンド I G.49
(Sarabande I) 1:35
20. サラバンド II G.48
(Sarabande II) 2:16
21. カナリア諸島 G.52
(Canaries) 1:28
22. ヴォルテ G.53 (Volte) 1:07
23. シャコンヌ G.55 (Chaconne) 3:11
CD2 67:53
◆組曲第3番ニ長調 (Suite
No.3 in D)
1. 前奏曲 G.2 (Prelude) 4:19
2. アルマンド G.58 (Allemande) 3:47
3. クーラント G.59 (Courante) 1:51
4. サラバンド G.60 (Sarabande) 2:18
5. ガイヤルド G.61 (Gaillarde) 2:10
6. シャコンヌ G.62 (Chaconne) 2:29
◆組曲第4番ト短調 (Suite
No.4 in G minor)
7. 前奏曲 G.4 (Prelude) 2:11
8. アルマンド 変ロ長調 G.118
(Allemande
in B-Flat) 3:08
9. クーラント 変ロ長調 G.119
(Courante
in B-Flat) 1:30
10. シャコンヌ G.121 (Chaconne) 2:11
11. 前奏曲 ト短調 G.5
(Prelude in G minor) 3:05
◆組曲第5番イ短調 (Suite
No.5 in A minor)
12. フローベルガー氏を模した前奏曲 G.6
(Prelude
a l:imitation de Mr. Froberger) 7:24
13. ピエモンテの人 G.102
(La Piemontoise) 1:40
14. アレマンド l G.101
(Allemande l:Amiable) 3:40
15. クーラント G.106 (Courante) 2:32
16. かわいいクーラント G.105
(Courante
La Mignone) 1:33
17. サラバンド I G.109
(Sarabande I) 2:03
18. サラバンド II G.110
(Sarabande II) 3:34
19. アルデル氏のガヴォット.クープラン氏のドゥーブル G.125
(Gavotte de Mr. Hardel.
Double par Mr. Couperin) 1:59
◆組曲第6番イ短調 (Suite
No.6 in A minor)
20. 前奏曲 G.7 (Prelude) 1:14
21. アルマンド G.99 (Allemande) 3:16
22. クーラント G.103 (Courante) 1:30
23. クーラント G.104 (Courante) 1:50
24. サラバンド G.107 (Sarabande) 2:01
25. サラバンド G.108 (Sarabande) 1:47
26. ポワトゥー地方のメヌエットとそのドゥーブル G.111
(Menuet de Poitou et son
Double) 2:11
CD3 64:14
◆組曲第7番イ長調 (Suite
No.7 in A)
1. 前奏曲 G.8 (Prelude) 2:17
2. アルマンド イ短調 G.100
(Allemande in
A minor) 3:54
3. クーラント G.112 (Courante) 2:05
4. サラバンド G.113 (Sarabande) 2:30
5. ジーグ G.114 (Gigue) 2:02
◆組曲第8番ハ長調 (Suite
No.8 in C)
6. プレリュード G.9 (Prelude) 3:44
7. アルマンド G.15 (Allemande) 2:58
8. クーラント G.17 (Courante) 1:40
9. クーラント G.16 (Courante) 1:44
10. サラバンド G.20 (Sarabande) 1:29
11. サラバンド G.21 (Sarabande) 1:37
12. サラバンド G.22 (Sarabande) 1:56
13. サラバンド G.23 (Sarabande) 1:38
14. ル・ベーグ氏のガヴォット.クープラン氏のドゥーブル G.131
(Gavotte de Mr. Le Be:gue.
Double par Mr.
Couperin) 1:54
15. シャコンヌ G.26 (Chaconne) 3:29
16. サラバンド G.28 (Sarabande) 2:01
17. メヌエット G.29 (Menuet) 1:29
18. 前奏曲 G.10 (Prelude
in C) 2:59
◆組曲第9番ハ長調 (Suite
No.9 in C)
19. 前奏曲 G.11 (Prelude) 2:15
20. ル・ムチエ、シャンボニエール氏のアルマンド。クープラン氏のドゥーブル・ムチエ G.126
(Le Moutier, Allemande
de Mr. de Chambonnieres.
Double du Moutier par Mr.
Couperin) 2:43
21. クーラント G.18 (Courante) 1:46
22. クーラント G.19 (Courante) 1:46
23. サラバンド I G.24
(Sarabande I) 1:58
24. サラバンド II G.25
(Sarabande II) 2:56
25. リゴドン.クープラン氏のドゥーブル G.127
(Rigaudon. Double par
Mr. Couperin) 3:11
26. パッサカイユ G.27
(Passacaille) 5:38
CD4 72:16
◆組曲第10番ヘ長調 (Suite
No.10 in F)
1. 前奏曲 G.12 (Prelude) 2:29
2. アルマンド G.66 (Allemande) 3:37
3. クーラント G.68 (Courante) 1:28
4. クーラント G.69 (Courante) 1:45
5. サラバンド G.72 (Sarabande) 2:10
6. ブランル・ド・バスク G.73
(Branle de
Basque) 0:51
7. ジーグ G.76 (Gigue) 2:02
8. ガイヤルド G.77 (Gaillarde) 1:57
9. シャコンヌ G.78 (Chaconne) 2:32
◆組曲第11番ヘ長調 (Suite
No.11 in F)
10. 前奏曲 G.13 (Prelude) 3:16
11. アルマンド・グラーヴ G.67
(Allemande
grave) 3:22
12. クーラント G.70 (Courante) 1:33
13. クーラント G.71 (Courante) 1:37
14. サラバンド G.74 (Sarabande) 2:38
15. サラバンド G.75 (Sarabande) 2:45
16. ジーグ G.79 (Gigue) 2:01
17. シャコンヌ G.80 (Chaconne) 3:15
18. ブランクロシェ氏の墓 G.81
(Tombeau
de Mr. De Blancrocher) 8:37
◆組曲第12番ホ短調 (Suite
No.12 in E minor)
19. 前奏曲 G.14 (Prelude) 1:42
20. 平和のアルマンド G.63
(Allemande de
la Paix) 3:26
21. クーラント G.64 (Courante) 1:39
22. サラバンド G.65 (Sarabande) 3:32
◆組曲第13番ハ短調 (Suite
No.13 in C minor)
23. 前奏曲 G.128 (Prelude) 1:13
24. 貴重なアルマンド G.30
(Allemande la
Precieuse) 3:11
25. クーラント G.31 (Courante) 2:04
26. サラバンド G.32 (Sarabande) 2:10
27. ジーグ G.33 (Gigue) 2:28
28. セキレイのシャコンヌ G.34
(Chaconne
la Bergeronnette) 2:11
CD5 69:42
◆組曲第14番ト長調 (Suite
No.14 in G)
1. 前奏曲 G.129 (Prelude) 1:11
2. アルマンド G.83 (Allemande) 3:20
3. クーラント G.84 (Courante) 1:38
4. クーラント G.85 (Courante) 1:34
5. クーラント G.86 (Courante) 1:32
6. サラバンド G.87 (Sarabande) 2:39
7. シャコンヌ G.89 (Chaconne) 5:42
◆組曲第15番ト長調 (Suite
No.15 in G)
8. アルマンド G.82 (Allemande) 3:26
9. クーラント G.90 (Courante) 1:10
10. クーラント G.91 (Courante) 1:24
11. クーラント G.92 (Courante) 1:43
12. ガイヤルド G.88 (Gaillarde) 1:40
◆組曲第16番ニ短調 (Suite
No.16 in D minor)
13. アルマンド G.35 (Allemande) 4:25
14. クーラント G.42 (Courante) 1:28
15. クーラント G.43 (Courante) 2:00
16. サラバンド I G.51
(Sarabande I) 2:54
17. サラバンド II G.50
(Sarabande II) 3:59
18. ラ・パストゥレル G.54
(La Pastourelle) 1:17
19. ガヴォット G.124 (Gavotte) 1:21
20. ジーグ G.122 (Gigue) 2:10
21. サラバンド G.56 (Sarabande) 2:39
22. 苦情申立人のシャコンヌ G.57
(Chaconne
la Complaignante) 3:04
◆組曲第17番 ロ短調 (Suite
No.17 in B minor)
23. アルマンド G.115 (Allemande) 3:21
24. クーラント G.116 (Courante) 1:42
25. サラバンド G.117 (Sarabande) 2:29
26. パヴァーヌ 嬰ヘ短調 G.120
(Pavane in
F-sharp minor) 9:23
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マッシモ・ベルゲッラ(チェンバロ) |
フランソワ・クープランの父親の兄であるルイ・クープランは、35歳で亡くなってしまったため知名度はあまり上がりませんでしたが、曲は性格的なものも多く魅力的で、特に今回のベルゲッラのような凝った演奏で聴くと、拡大された細部の繊細な味わいや、立ちのぼる雰囲気、起伏の大きさにえも言われぬ趣があったりします。ベルゲッラはここで、各曲の配置を調性での括りとすることで、一定の雰囲気の持続感を重視し、そのうえで各曲ごとの変化を示すので、まとまりの良さも見逃せないポイントです。録音も非常に優秀です。
録音:2021年5月25~26日、12月22~23日、2022年4月20~21日、6月1~2日、イタリア、ヴィテールボ、カネピーナ
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トラヴェルソで聴くメルカダンテの無伴奏フルート作品集
メルカダンテ:無伴奏フルート作品集
◆7つの奇想曲
1. 奇想曲 第1番 イ長調
(No.1 in A) 1:10
2. 奇想曲 第2番 ホ短調
(No.2 in E minor) 3:07
3. 奇想曲 第3番 ロ短調
(No.3 in B minor) 2:42
4. 奇想曲 第4番 イ短調
(No.4 in A minor) 2:33
5. 奇想曲 第5番 ハ短調
(No.5 in C) 1:01
6. 奇想曲 第6番 ハ長調
(No.6 in C) 1:02
7. 奇想曲 第7番 イ短調
(No.7 in A minor) 1:20
◆10のアリア変奏曲
8. ロッシーニ「アルミーダ」~「愛するあなたにこの魂を」による変奏曲 5:59
(Variations on "Cara
per te quest'anima"
from Rossini: Armida)
9. メルカダンテ「ヴェルジのガブリエッラ」~「私を取り囲む影」による変奏曲 7:17
(Variations on "Ombra
che a me d'intorno"
from Mercadante: Gabriella
di Vergy)
10. モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」~「お手をどうぞ」による変奏曲 7:00
(Variations on "La
ci darem la mano"
from Mozart: Don Giovanni)
11. ロッシーニ「イギリス女王エリザベッタ」~「美しく寛大な魂たち」による変奏曲 9:09
(Variations on "Bell'alme
generose"
from Rossini: Elisabetta,
Regina d'Inghilterra)
12. パーエル「アニェーゼ」~「風に吹かれる霧のように、私の青春は消え去った」による変奏曲 8:14
(Variations on "Come
la nebbia al
vento fuggi mia verde eta"
from Paer:
Agnese)
13. ロッシーニ「アルミーダ」~「甘い帝国に愛を」による変奏曲 7:43
(Variations on "D'amor
al dolce
impero" from Rossini:
Armida)
14. ロッシーニ「リッチャルドとゾライデ」~「私たちはただ、愛し合うために生まれてきたのだ」による変奏曲 2:23
(Variations on "Ah
nati e ver noi
siamo sol per amarci ognor"
from Rossini:
Ricciardo e Zoroaide)
15. ロッシーニ「エジプトのモーゼ」~「その愛する心はどこへやら」による変奏曲 3:00
(Variations on "Dov’e
mai quel
core amante" from
Rossini: Mose in Egitto)
16. ロッシーニ「オテロ」~「柳の木の下で」による変奏曲 2:57
(Variations on "Assisa
a' pie d'un
salice" from Rossini:
Otello)
17. ロッシーニ「リッチャルドとゾライデ」~「あるいは運命を変えてみるか」による変奏曲 3:49
(Variations on "O
cangia il mio
destino" from Rossini:
Ricciardo e Zoroaide)
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ラウラ・トラパーニ(フラウト・トラヴェルソ) |
録音: 2022年10月15日、イタリア、フェラーラ、チルコロ・ジローラモ・フレスコバルディ
トラヴェルソで聴くメルカダンテの無伴奏フルート作品集
約13分、7曲収められた奇想曲は、多彩な曲想に加え、同時代のパガニーニを意識したような名技的な要素もあります。約57分、10曲収められたアリア変奏曲は、当時人気のあったオペラのアリアをもとに変奏曲に仕立てたもので、ベルカント・オペラだけでなく、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」なども含まれていますが、メインは7曲収められた恩人ロッシーニの作品の素材となります。演奏のラウラ・トラーパニは、フェルディナント・リース
(ベートーヴェンの弟子)のフルート・ソナタ集ではきらびやかなモダン・フルートで作品を紹介していましたが、ここでは古楽器のフラウト・トラヴェルソを用いて素朴な味のある音色と、ベルカント・オペラ作曲家にふさわしいメロディアスな表現と装飾音によって無伴奏フルート作品から豊かな表情を引き出しています。
作品について
7つの奇想曲 (カプリッチョ、複数形はカプリッチ)
メルカダンテは無伴奏フルートのための奇想曲を20曲作曲していますが、ここではその中から選りすぐって出版された「7つの奇想曲集」の楽譜によって7曲を演奏。作曲時期は1818年以前、ナポリ音楽院在学中と推測されています。奇想曲といえば、パガニーニのものが当時すでに有名で、1802年から1817年にかけて作曲され、出版・演奏もおこなわれていたことから、若きメルカダンテがその影響を受けた可能性も高そうです。
10のアリア変奏曲 (アーリエ・ヴァリアーテ)
こちらの10曲も作曲時期ははっきりしていませんが、「10のアリア変奏曲」としてまとめて出版されており、その中の素材アリアが最も年代の新しいもので1828年であることから少なくともそれ以降の作曲で、技法の熟達ぶりから後期に属する作品であると考えられています。当時人気のあったオペラの中からアリアを選び、フルートに置き換えたのち、さまざまな変容を加えるというスタイルで、基本はあくまでもベルカントという印象です。
10曲の内訳は、7曲が恩人ロッシーニの作品で、他はモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」と、自作「ヴェルジのガブリエッラ」、そしてパーエル「アニェーゼ」というもの。
中ではフェルディナンド・パーエル[1771-1839]の「アニェーゼ」が目新しいですが、これはベートーヴェンも称賛していたオーストリア系イタリア人作曲家パーエルの大ヒットとなった作品です。「アニェーゼ
(アグネス)」は、1809年パルマでの初演以降、次第に人気が出て、1811年ナポリ、1812年ドレスデン、ローマ、ヴェネツィア、1813年ウィーンと続き、1814年にはミラノ・スカラ座で50回以上も上演され、1815年ベルリン、1816年ミュンヘン、1817年ロンドン、1819年から1824年にかけてパリのイタリア劇場でも実績を上げるなど、「ドン・ジョヴァンニ」を凌ぐ人気ぶりでした。題材は人間の狂気を扱ったもので、1835年の「ランメルモールのルチア」を先取りするような内容は、のちの狂気や夢遊病のブームに大きな影響を与えることになります。
作曲家について
60曲のオペラのほか、交響曲、協奏曲、声楽曲、そして多くの室内楽曲や器楽曲を作曲したジュゼッペ・サヴェーリオ・ラファエーレ・メルカダンテ[1795-1870]は、ロマン派時代のイタリアの作曲家。
メルカダンテは幼少の頃からフルートを習い、ナポリ音楽院在学中に名手として知られるようになる一方、オペラ作曲家としての技術も身につけ、やがてヨーロッパ中で活躍するようになります。
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フランスの濃厚なチェロ・ソナタを情熱的な演奏で
フランスのチェロ・ソナタ集 vol. 2
(ボエルマン、ヴィドール、ダンディ)
レオン・ボエルマン (Leon Boellmann)[1862-1897]
◆チェロ・ソナタ イ短調 Op.40 (Cello Sonata
in A minor)[c.1896]
1. I. マエストーソ (Maestoso) 9:00
2. II. アンダンテ (Andante) 8:11
3. III. アレグロ・モルト (Allegro molto)
6:09
シャルル=マリー・ヴィドール (Charles-Marie
Widor)[1844-1937]
◆チェロ・ソナタ イ長調 Op.80 (Cello Sonata
in A)[1907]
4. I. アレグロ・モデラート (Allegro moderato)
8:13
5. II. アンダンテ・コン・モート (Andante
con moto) 8:29
6. III. アレグロ・ヴィヴァーチェ (Allegro
vivace ) 9:22
ヴァンサン・ダンディ (Vincent d'Indy)[1851-1931]
◆チェロ・ソナタ ニ長調 Op.84 (Sonata for
Cello and Piano in D)[1924-5]
7. I. アントレー (Entree) 7:31
8. II. ガヴォット・アン・ロンドー (Gavotte
en Rondeau) 2:55
9. III. エール (Air) 4:34
10. IV. ジーグ (Gigue) 2:59
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マリーナ・タラソワ(チェロ)
イワン・ソコロフ(ピアノ) |
録音: ロシア、モスクワ、ヴィクトル・ポポフ合唱芸術アカデミーのスタジオ
フランス近代の室内楽は濃厚な抒情の美しい作品が多く、室内楽ファンには注目されています。ここでは、オルガンの巨匠でもあるボエルマンとヴィドールの力作チェロ・ソナタに加え、ヴァンサン・ダンディ晩年の瀟洒なバロック風チェロ・ソナタを収録。第1集(ラロ、ケクラン、ピエルネ)に続くアルバムです。
作品について
ボエルマン: チェロ・ソナタ
1897年にパリのデュラン社から出版。3楽章形式。ボエルマンはこの年、結核のため35歳と2週間で亡くなっています。このチェロ・ソナタは亡くなる少し前に書かれた作品ですが、病身とはいえまだ若かったボエルマンの創作は情熱的で、フランス・ロマン派後期のイディオムともいうべき力強さの中に豊かな情感が示された見事な作品に仕上がっています。
ヴィドール: チェロ・ソナタ
1907年にパリのウジェル社から出版。3楽章形式。ゆったりと大きなスケール感をもった作品。ピアノの存在感も大きな作品。
ダンディ: チェロ・ソナタ
1926年にパリのルーアル・ルロル社から出版。作曲時期は1924~25年。4楽章形式。ダンディ晩年の作品。古楽復興にも尽力していた時期で、この作品もソナタと命名されながらも、実際にはバロック風組曲の形式をとっています。冒頭のアントレーはエレガント。続くロンド風のガヴォットでは、チェロのピツィカートが魅惑的。エールは、ソフトでメランコリックなアリア。最後はバロック舞曲のジーグで生き生きと締めくくります。
作曲家について
レオン・ボエルマン
1862年、アルザス地方のエンシサイムに誕生。普仏戦争[1870-1871]でフランスが負けると、アルザスがフランス領ではなくなったためパリに転居。パリではエコール・クラシック・エ・ルフェーヴル音楽院でオルガン、ピアノ、作曲を学び、優秀な成績で卒業。
卒業後はパリ10区のサン・ヴァンサン・ド・ポール教会のオルガニストとして採用され、6年後にはカントルも兼務。1885年、ボエルマンはギュスターヴ・ルフェーヴルの娘で、高名なオルガニストで作曲家のウジェーヌ・ジグー[1844-1925]の姪でもあるルイーズと結婚。
ジグーは子供がいなかったため、ボエルマンは養子となり、ジグーの学校でオルガン演奏と即興演奏を教えるようにもなります。
ジグーがボエルマンを楽壇関係者に紹介したことで、各地で多くのコンサートを開けるようにもなり、知名度もさらに向上。
しかし、結婚から12年後の1897年、ボエルマンは35歳の若さで結核により亡くなり、翌年には妻も亡くなってしまったため、ジグーは彼らの3人の遺児を引き取って養育。そしてそのうちの1人、マリー=ルイーズ・ボエルマン=ジグー[1891-1977]は、オルガン教師として有名になっています。
シャルル=マリー・ヴィドール
1844年、リヨンに誕生。オルガン職人、オルガン奏者の家系で、父シャルル=フランソワ・ヴィドール[1811-1899]にオルガンを習って、11歳の時に父の代理で教区でのオルガン演奏も務めるようになり、1860年、16歳の時にはサン=フランソワのオルガニストに就任。
1863年にはブリュッセル音楽院に入学し、ジャック=ニコラ・レメンスにオルガン、フランソワ=ジョゼフ・フェティスに作曲を師事。
卒業後はパリに移り、1868年からはマドレーヌ寺院でサン=サーンスのアシスタントを務めています。1870年には、カヴァイエ=コル、サン=サーンス、シャルル・グノーの働きかけにより、サン・シュルピス教会の暫定オルガニストに任命され、以後64年間に渡って折に触れ演奏することになりますが、オルガニストとして国際的に活動していたヴィドールにとっては副業だったため、正オルガニストにはなりませんでした。
1890年にはセザール・フランクが亡くなったため、後任としてパリ国立高等音楽院の教授に就任。オルガン科では、ルイ・ヴィエルヌ、アルベルト・シュヴァイツァー、シャルル・トゥルヌミール、マルセル・デュプレなどを教えたほか、作曲科では、アルテュール・オネゲル、エドガー・ヴァレーズ、ダリウス・ミヨーらも指導。その間、1892年にはレジオン・ドヌール勲章を授与され、1910年にフランス芸術アカデミーの会員に選出されています。
1920年、76歳の時に、37歳のマチルド・ド・モンテスキュー=フェザンサックと結婚。
1921年、ダムロッシュ、フランシス=ルイ・カサドシュらと共に、フォンテーヌブローにアメリカ音楽院を設立し、1934年まで同音楽院の院長として活動。1937年、93歳で死去。
ヴァンサン・ダンディ
1851年、パリに誕生。貴族の家系で伯爵の称号を持っていました。5歳からアントワーヌ・マルモンテル[1850-1907]らにピアノを習い、14歳からはアルベール・ラヴィニャック[1846-1916]に和声学を学んでいます。1870年、普仏戦争開戦により19歳で出征。翌1871年にはパリ音楽院に入学してセザール・フランクに師事し、1875年に卒業。在学中は、ビゼー「カルメン」の初演でプロンプターを担当したほか、ドイツを訪れてリストとブラームスと交流するなど学業以外も幅広く活動していました。
卒業後しばらくは作曲の傍ら、シャトレ座管弦楽団の打楽器セクションに加わったり、コンセール・コロンヌでは合唱指揮もおこなったりもしていました。また、1876年のバイロイトでの「ニーベルングの指環」初演には大きな感銘を受け、以後、熱烈なワグネリアンとしても知られるようになります。
1894年、ダンディは、アレクサンドル・ギルマンらと共に、パリ・スコラ・カントルムを設立。亡くなるまでそこで教えています。並行してパリ音楽院でも教えており、さらに個人指導などもおこなっていたのでかなり教育熱心だったことが窺えます。
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スペイン・バロック後期
ルイス・ミソン[1727-1766]:セビリア・フルート・ソナタ集
ルイス・ミソン (Luis Mison)[1727-1766]
5つのフルート・ソナタ (The five Sevillian
Flute Sonatas)
セビーリャ、レブリハ伯爵夫人宮のアーカイブに保存されている写本を使用
(Manuscripts preserved in the
archive of
the Palacio de la Condesa de
Lebrija in Seville)
◆フルート・ソナタ第1番ト長調
(Sonata No.1
in G)
1. I. アンダンティーノ~プレスト~アンダンティーノ
(Andantino ? Presto Andantino) 2:55
2. II. アレグロ (Allegro) 4:11
◆フルート・ソナタ第2番ト長調
(Sonata No.2
in G)
3. I. プレスト (Presto) 2:28
4. II. アダージョ (Adagio) 4:03
5. III. アレグロ (Allegro) 4:18
◆フルート・ソナタ第3番ト長調
(Sonata No.3
in G)
6. I. アレグロ・モデラート (Allegro
moderato) 4:36
7. II. アダージョ (Adagio) 6:23
8. III. プレスト (Presto) 5:31
◆フルート・ソナタ第4番ト長調
(Sonata No.4
in G)
9. I. アンダンティーノ (Andantino) 6:55
10. II. アダージョ ( Adagio) 4:29
11. III. アレグロ (Allegro) 1:50
◆フルート・ソナタ第5番ニ長調
(Sonata No.5
in D)
12. I. [指定なし] (no tempo
indication) 3:33
13. II. [指定なし] (no tempo
indication) 3:39
14. III. メヌエット (Minuete) 3:27 |
ラファエル・ルイベリス・デ・トレス(フルート)
イサベル・ゴメス・セラニリョス(チェロ)
サンティアゴ・サンペドロ(チェンバロ) |
1748年に王室礼拝堂の音楽家となり、1766年に39歳で亡くなるまでの18年間、フェルナンド6世とカルロス3世による王政下で活躍したルイス・ミソンの作品は、近年になって発見・研究が進んでおり、この「セビーリャ・ソナタ」も注目されている作品です。ここではセビーリャ生まれの3人の音楽家が、活気ある演奏で取り組んでいます。
ルイス・ミソン[1727-1766]は、スペインのフルート奏者、オーボエ奏者、指揮者、作曲家。フェルナンド6世[1713-1759、下の画像]治世のマドリードで、王立礼拝堂と王立歌劇場(1748年~)のフルート奏者を務め、1756年には同歌劇場の指揮者に就任。舞台音楽、サルスエラ、室内楽も作曲。
1759年のフェルナンド6世崩御により、カルロス3世[1716-1788、下の画像]が即位した後もミソンの待遇は変わらず、1766年にマドリードで没しています。
近年、ミソンのフルートと通奏低音のためのソナタが5曲発見され、同時代のスペイン人作曲家によるフルートのための作品が少ないこともあって注目され、また、なにより作品が非常にメロディアスで魅力的なことから室内楽レパートリーへの定着も期待されています。
フルート: ラファエル・ルイベリス・デ・トーレス
(Rafael Ruiberriz de Torres, flute)
使用楽器: トーマス・コリアー[c.1760]による6鍵式フルート
(a=415Hz)
チェロ: イサベル・ゴメス=セラニーリョス
(Isabel Gomez-Serranillos, cello)
使用楽器: ドメニコ・モンタニャーナ「眠れる森の美女」[1739]にちなむ製作者不明のチェロ。弓はルチアーノ・タウリスが製作[2010]
チェンバロ: サンティアゴ・サンペドロ (Santiago
Sampedro, harpsichord)
使用楽器: フランドル・モデルにちなむヨープ・クリンクハマーによる2段鍵盤式チェンバロ[1979]
録音: 2022年7月、スペイン、セビーリャ、スプートニク・レコーディング・スタジオ
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96887
(3CD)
¥2300
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5種類の楽器を弾き分けた入念な録音
バード: ネヴェル夫人の曲集
CD1 69:22
1. 「ネヴェル夫人のグラウンド」
(My Ladye
Nevels Grownde) MB57 5:32
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
2. 「この道を通る人は」
(Qui Passe for my
Ladye Nevell) MB19 3:36
使用楽器: 1段鍵盤ヴェネツィア・チェンバロ/ヘルウィル・ファン・ヘルダー製作[1997]
(ピサウレンシス・モデル)
3. 「戦いの前の行進」 (The
Marche before
the Battlle) MB93 3:43
4. 「戦い」 (The Battell)
MB94 12:05
「兵士の招集」 (The
souldiers sommons)
「歩兵の行進」 (The
marche of the foote
men)
「騎兵の行進」 (The
marche of the horsmen)
「軍隊ラッパ」 (The
trumpetts)
「アイルランド人の行進」
(The Irishe
marche)
「バグパイプとドローン」
(The bagpipe
and the drone)
「フルートとドローム」
(The flute and
the droome)
「戦いへの行進」 (The
marche to the
fight)
「退却」 (The retreat)
5. 「勝利のガリアード」
(The Galliarde for
the Victorie) MB95 1:44
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
6. 「ベアリー・ブレイク」
(The Barelye Breake)
MB92 7:57
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/ヘルハルト・ボーハールト製作[2012]
(ルッカース・モデル)
7. 「ガリアード・ジーグ」
(A Galliards Gygge)
MB18 1:52
使用楽器: 1段鍵盤ヴェネツィア・チェンバロ/ヘルウィル・ファン・ヘルダー製作[1997]
(ピサウレンシス・モデル)
8. 「狩りは終わった」 (The
Huntes Upp)
MB41 6:43
9. 「ドレミファソラ」 (Ut
Re Mi Fa Sol La)
MB64 7:52
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
10. 「第1パヴァーヌ」 (The
firste Pavian)
MB29 4:22
11. 「第1パヴァーヌのためのガリアード」
(The
Galliarde to the same)
1:39
12. 「第2パヴァーヌ」 (The
II Pavian) MB71
2:36
13. 「第2パヴァーヌのためのガリアード」
(The
Galliarde to the same)
1:49
使用楽器: スピネット・ヴァージナル/ルッカース製作[1604]
(オリジナル)
14. 「第3パヴァーヌ」 (The
III Pavian)
MB14 4:49
15. 「第3パヴァーヌのためのガリアード」
(The
Galliarde to the same)
1:33
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/ヘルハルト・ボーハールト製作[2012]
(ルッカース・モデル)
CD2 68:27
1. 「第3パヴァーヌ」 (The
IIII Pavian)
MB30 2:48
2. 「ガリアード」 (The
Galliarde) 1:37
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
3. 「第5パヴァーヌ」 (The
V Pavian) MB31
5:10
4. 「ガリアード」 (The
Galliarde) 1:37
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
5. 「第6パヴァーヌ: キンボロー・グッド」
(Pavana the VI: Kinbrugh
Goodd) MB32 4:38
6. 「ガリアード」 (The
Galliard) 1:39
使用楽器: 1段鍵盤ヴェネツィア・チェンバロ/ヘルウィル・ファン・ヘルダー製作[1997]
(ピサウレンシス・モデル)
7. 「第7パヴァーヌ」 (The
Seventh Pavian)
MB74 4:09
使用楽器: スピネット・ヴァージナル/ルッカース製作[1604]
(オリジナル)
8. 「第8パヴァーヌ」 (The
Eighte Pavian)
MB17 4:56
使用楽器: 1段鍵盤ヴェネツィア・チェンバロ/ヘルウィル・ファン・ヘルダー製作[1997]
(ピサウレンシス・モデル)
9. 「パッサメッツォのパヴァーヌ」
(The Passinge
Mesures Pavan) MB2 6:06
10. 「ガリアード」 (The
Galliarde) 4:35
11. 「ネヴェル夫人のためのヴォランタリー」
(A Voluntarie for my Ladye
Nevell) MB61
4:51
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
12. 「森の中を歩きまわりましょう」
(Will
yow walke the woodes soe
Wylde) MB85 4:01
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
13. 「乙女たちの歌」 (The
Maidens Song)
MB82 5:13
14. 「ヴォランタリーのレッスン」
(A Lesson
of Voluntarie) MB26 7:23
使用楽器: 1段鍵盤ヴェネツィア・チェンバロ/ヘルウィル・ファン・ヘルダー製作[1997]
(ピサウレンシス・モデル)
15. 「第2グラウンド」 (The
Seconde Grownde)
MB42 8:33
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
CD3 63:51
1. 「ウォルシンガムに行きましょう」
(Have
with Yow to Walsingame)
MB8 8:28
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
2. 「オール・イン・ア・ガーデン・グライン」
(All in a Garden Grine)
MB56 3:50
3. 「ウィロビーズ卿、おかえりなさい」
(Lord
Willobies Welcome Home)
MB7 2:30
使用楽器: スピネット・ヴァージナル/ルッカース製作[1604]
(オリジナル)
4. 「カーマンズ・ホイッスル」
(The Carmans
Whistle) MB36 5:12
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/ヘルハルト・ボーハールト製作[2012]
(ルッカース・モデル)
5. 「ヒュー・アシュストンズ・グラウンド」
(Hughe Ashstons Ground)
MB20 7:16
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
6. 「ファンシー」 (A Fancie)
MB25 5:30
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
7. 「セリンジャーズ・ラウンド」
(Sellingers
Rownde) MB84 6:53 使用楽器:
1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
8. 「マンサーズ・アルメイン」
(Munsers Almaine)
MB88 7:08
9. 「第10パヴァーヌ、W.ピーター氏の」
(The
Tenthe Pavian Mr. W. Peter)
MB3 5:15
10. 「ガリアード」 (The
Galliard) 1:56
使用楽器: 2段鍵盤チェンバロ/アドラム・バーネット製作[1980]
(ルッカース[1642]モデル)
11. 「ファンシー」 (A
Fancie) MB46 5:04
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/デレク・アドラム製作[1970]
(ルッカース[1611]モデル)
12. 「ヴォランタリー」
(A Voluntarie) MB27
3:32
使用楽器: 1段鍵盤チェンバロ/ヘルハルト・ボーハールト製作[2012]
(ルッカース・モデル)
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ピーター・ヤン・ベルダー(チェンバロ) |
録音: 2021年9月29、30日、オランダ
5種類の楽器をベルダーが弾き分けた入念な録音
1591年にまとめられたエリザベス朝鍵盤音楽の傑作、42曲から成る「ネヴェル夫人の曲集」は、篤志家でもあったネヴェル夫人に捧げられた2曲のほか、さまざまな機会に作曲された曲を集めたもので、バードが器楽作曲家として最も充実していた1580年代を象徴するかのようなコレクションとなっています。
42曲の内訳は、戦いの音楽からパヴァーヌまで変化に富んでいるので、聴き手を飽かせない工夫が凝らされていることは明らかです。特にアイルランドでの戦争「デズモンドの反乱」に関するものではないかと推測されている戦いの音楽(CD1
トラック4)は描写的な要素も感じさせるユニークなもので、この種の音楽の先駆的存在としても注目されます。
博識なベルダーの演奏は、イギリス・ルネッサンス後期の記念碑的な曲集にふさわしい品格のある安定したもので、5種類の楽器からそれぞれ美しい響きを引き出しています。
ちなみにケースの鳥の絵は、ベルダーの掛け軸コレクションに含まれる日本の作品に描かれていたカワセミの画像です。
なお、ブックレットには、この曲集の最新版楽譜の共同編集者であるジョン・バクセンデールによる充実した英文エッセイが掲載されています。
作品について
「ネヴェル夫人の曲集(マイ・レイディー・ネヴェルズ・ブック)」は、「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」と同様、当時最も人気のあったジャンルを網羅した作品集。その内容は、舞曲、変奏曲、行進曲、対位法的幻想曲、プログラム曲など多岐にわたります。
「ネヴェル夫人の曲集」の楽譜はバード自身の監修のもと、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂の歌手でバード支持者のジョン・ボールドウィンによって写譜され、192ページの重量級の豪華本仕様に装丁されたものです。この豪華本は一時はエリザベス1世が所有するなど紆余曲折を経て、2006年に大英博物館の所蔵となっています。
今回、ベルダーが使用した楽譜は、ライアバード・ミュージック社が2021年に刊行した新版によるもので、演奏譜への編集と解説はジョン・バクセンデールとフランシス・ナイツが共同で担当。
音楽学者ヒルダ・アンドルース[1900-1983]によって初めて「ネヴェル夫人の曲集」演奏譜が世に出たのが1926年のことなので、95年ぶりの出版ということになります。
曲集のタイトルになったネヴェル夫人は、エリザベス・ベーコン[c.1541-1621]と考えられています。エリザベスは最初の結婚相手であるロバート・ドイリー卿と1577年に死別しており、翌1578年にヘンリー・ネヴィル卿と結婚し、15年後の1593年に死別。1595年にはウィリアム・ペリアム卿と結婚し、1604年に死別。以後は亡くなるまで独身でした。
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ピアノ五重奏曲の傑作を本来の響きで再現
ヨハン・ネポムーク・フンメル
(Johann Nepomuk
Hummel)1778-1837
◆ピアノ五重奏曲 Op.74 ニ短調
(Piano Quintet
in D minor)
1. I. アレグロ・コン・スピリート (Allegro
con spirito) 14:59
2. II. メヌエットとスケルツォ - アレグロ
(Menuetto o scherzo - Allegro) 5:56
3. III. アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ
(Andante con variazioni) 8:31
4. IV. フィナーレ - ヴィヴァーチェ (Finale
- Vivace) 8:33
◆ピアノ五重奏曲 Op.87 変ホ短調
(Piano Quintet
in E-flat)
5. I. アレグロ・エ・リゾルート・アッサイ
(Allegro e risoluto assai) 9:49
6. II. メヌエット - アレグロ・コン・フオーコ
(Menuetto - Allegro con fuoco) 5:53
7. III. ラルゴ (Largo) 2:08
8. IV. アレグロ・アジタート (Allegro
agitato)
5:14
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ネポムーク・フォルテピアノ五重奏団 |
録音: 2006年2月20~22日、オランダ、デーフェンター、メノナイト教会
(Op.87)、2009年7月5~7日、スキーダム、ヴェストフェスト教会
(Op.74)
ピアノ五重奏といえば、「ピアノ&弦楽四重奏」となりそうなものですが、フンメルの場合は、少年時代に2年間住み込みで師事したモーツァルトの影響が大きかったのか、ピアノ四重奏(ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)にコントラバスを追加するという変わった編成を採用しています。このCDでは、フンメルの名前ネポムークを冠した五重奏団によるピリオド楽器での高密度な演奏により、シューベルトの「鱒」とショパンのピアノ協奏曲に影響を与えたフンメルのピアノ五重奏曲ニ短調(七重奏曲からの編曲)と、その14年前に書かれたピアノ五重奏曲変ホ短調を収録しています。
オーストリアの作曲家、ヨハン・ネポムーク・フンメル[1778-1837]は、非常に優れた技巧を持ったピアニストでもあり、その影響はショパン、リスト、シューマンにも及んでいます。
作品について
ピアノ五重奏曲 Op.74 ニ短調
オリジナルは1816年に出版された「ピアノとフルート、オーボエ、ホルン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための大七重奏曲
ニ短調」。同年中にフンメル自身によってピアノ五重奏版に編曲され、「ピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための大五重奏曲
ニ短調」として出版。当時の一般的な七重奏曲と違ってピアノの配分が大きいことから、ピアノ五重奏にも編曲したものと思われます。
シューベルトと懇意の実業家ジルヴェスター・パウムガルトナーは、ウィーンの西150キロほどのところにあるシュタイアー在住の音楽パトロンで音楽サロンも所有しており、1816年に出版されたフンメルのピアノ五重奏曲ニ短調がお気に入りだったため、シューベルトに同趣の音楽の作曲を委嘱し、完成したのが「鱒」という話は有名です。
また、さらに後のショパンのピアノ協奏曲に与えた影響も大きそうです。
ピアノ五重奏曲 Op.87 変ホ短調
1802年10月に完成。当時23歳のフンメルは、ワイマール宮廷のカペルマイスターを務めており、年に3か月はピアニストとしてパリ、ロンドン、ウィーンなどに演奏旅行をする生活でした。このピアノ五重奏曲はなかなか充実した作品であるにも関わらず出版が20年後になってしまったのは、1816年に出版したOp.74のピアノ五重奏曲が、海外でも人気を博すほどの成功作だったことが関係しているかもしれません。
演奏者について
ネポムーク・フォルテピアノ五重奏団は、フォルテピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという珍しい組み合わせの音楽を演奏するために、1999年に福田理子とピーター・スミタイセンによって結成されたアンサンブル。この楽器編成の作品としてはシューベルトの「鱒」の五重奏曲が有名ですが、その前に書かれておそらく影響も与えていたのが、ヨハン・ネポムーク・フンメルを含む数人の作曲家ということで、アンサンブル名はフンメルに敬意を表して「ネポムーク・フォルテピアノ五重奏団」に決まったということです。
そして「ネポムーク・フォルテピアノ五重奏団」のメンバーは、ヨーロッパのさまざまな図書館で楽譜を捜索・研究し、これまでに1800年から1870年にかけて書かれながらほとんど知られていない五重奏曲を20点近く発見しています。
ネポムーク・フォルテピアノ五重奏団 (Nepomuk
Fortepiano Quintet)
フォルテピアノ: 福田理子 (Riko Fuduka,
fortepiano)
使用楽器: プレイエル[1842、パリ]
ヴァイオリン: フランク・ポルマン (Franc
Polman, violin)
使用楽器: ヘンドリク・ヤーコプス[1701、アムステルダム]
ヴィオラ: エリーザベト・スマルト (Elisabeth
Smalt, viola)
使用楽器: アンドレア・ポスタッキーニ[1830、フェルモ]
チェロ: ヤン・インシンガー (Jan Insinger,
cello)
使用楽器: ジョゼフ・パノルモ(1820、ロンドン)
コントラバス: ピーター・スミタイセン
(Pieter Smithuijsen, double bass)
使用楽器: ハンガリーの製作者(18世紀後半)
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バルトーク、コダーイ、リゲティによる歌曲と民謡編曲
ハンガリー歌曲集~バルトーク、コダーイ、リゲティ作品集
ギョルギ・リゲティ (Gyorgy
Ligeti)[1923-2006]
◆ヴェレシュ歌曲集~シャーンドル・ヴェレシュの詩による3つの歌曲
(Weores-dal / Three songs on poems by Sandor
Weores)
1. 第1曲「月の踊り」 (Tancol a hold) 0:51
2. 第2曲「果実の房」 (Gyumolcs-furt) 2:13
3. 第3曲「イカが大きな鳥と一緒にやってきた」
(Kalmar jott nagy madarakkal) 1:58
◆5つの黄金の歌~ヤーノシュ・アラニーの詩による5つの歌曲
(Ot Arany-dal / Five songs on poems by Janos
Arany)
4. 第1曲「いつわりの光」 (Csalfa sugar)
1:42
5. 第2曲「最も美しい花」 (A legszebb virag)
1:49
6. 第3曲「静かな歌から」 (A csendes dalokbol)
0:55
7. 第4曲「隠れ家」 (A bujdoso) 2:57
8. 第5曲「悪魔が徴税吏を連れ去った」 (Az
ordog elvitte a financot) 1:46
ゾルターン・コダーイ (Zoltan
Kodaly)[1882-1967]
◆ハンガリー民謡集から (Magyar nepzene)
9. 「高い岩に」 (Magos k?sziklanak) 4:04
10. 「鷹のような青春」 (Ifjusag, mint solyommadar)
2:09
11. 「私はどこへ行くのか」 (Az hol en elmegyek)
3:23
12. 「わが星よ、わが水先案内人よ」 (Csillagom,
reveszem) 2:55
13. 「ヘンルーダの花が咲いたら」 (Magos
a rutafa) 2:59
ベーラ・バルトーク (Bela
Bartok)[1881-1945]
◆8つのハンガリー民謡 BB 47 (Nyolc magyar
nepdal)
14. 第1曲「黒い頭」 (Fekete f?d) 1:16
15. 第2曲「わが神よ、わが神よ」 (Istenem,
istenem) 1:19
16. 第3曲「女たちよ、女たちよ」 (Asszonyok,
asszonyok) 0:58
17. 第4曲「私の心には多くの悲しみがあります」
(Annyi banat az sz?vemen) 1:08
18. 第5曲「私が外に出かけると」 (Ha kimegyek)
1:06
19. 第6曲「大森林の道を埋め尽くす」 (Toltik
a nagy erd? utjat) 1:20
20. 第7曲「仕事をしなければ」 (Eddig valo
dolgom) 1:39
21. 第8曲「雪が溶けていく」 (Olvad a ho)
1:01
◆5つのハンガリー民謡 (Ot magyar nepdal)
BB 97
22. 第1曲「私は美しい国を去りました」 (Elindultam
szep hazamrol) 0:57
23. 第2曲「船でティサ川を行く」 (Altal mennek
en a Tiszan ladikon) 0:47
24. 第3曲「ギュラ庭園で」 (A gyulai kert
alatt) 1'00
25. 第4曲「小さなマルギッタ村はここから遠くない」
(Nem messze van ide kis Margitta) 2:12
26. 第5曲「タールカー二のはずれまで歩いて」
(Vegigmentem a tarkanyi) 0:43
◆10のハンガリーの歌 (Tiz magyar dal) BB
43より
27. 第1曲「ここからティサへ、ティサを越えて」
(Tiszan innen, Tiszan tul) 2:01
28. 第2曲「森、谷、狭い木立」 (Erd?k, volgyek,
sz?k ligetek) 1:48
29. 第3曲「ねえ、私が兵士として連れて行かれたら」
(Sej, mikor engem katonanak visznek)1:26
30. 第10曲「私の可愛い女の子」 (Kis kece
lanyom) 0:31
◆村の風景 (Falun)BB 87
31. 第1曲「干し草集め」 (Szenagy?jteskor)
1:05
32. 第2曲「花嫁のところに」 (A menyasszonynal)
1:18
33. 第3曲「結婚式」 (Lakodalom) 2:39
34. 第4曲「子守唄」 (Bolcs?da) 3:53
35. 第5曲「独身最後のダンス」 (Legenytanc)
1:51
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カタリン・カーロイ(メゾソプラノ)
クラーラ・ヴュルツ(ピアノ
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録音: 2018年6月27、28日、オランダ、スキーダム、ヴェストフェスト教会
故郷の歌で共演する竹馬の友
性格的歌唱で定評のあるメゾソプラノ歌手のカタリン・カーロイと、ピアニストのクラーラ・ヴュルツは、幼い頃にハンガリー放送児童合唱団で一緒だったという長い付き合い。このアルバムでは、バルトーク、コダーイ、リゲティによる歌曲と民謡編曲を収録。タイトルだけでも面白い曲が多く。曲調も平明ながら変化に富み、さまざまな物語や情景に関する歌を表現豊かな歌唱で楽しめます。
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カストルッチの美しいヴァイオリン・ソナタ
ピエトロ・カストルッチ (Pietro
Castrucci)[1679-1752]
プロスペロ・カストルッチ (Prospero
Castrucci)[1690-1760]
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集
(Sonatas
for Violin and B.C)
ピエトロ・カストルッチ
(Pietro Castrucci)
◆ソナタ Op.1 No.3 (Sonata)
8:15
1. 第I楽章 アダージョ、アンダンテ
(Adagio,
andante) 2:03
2. 第II楽章 アレグロ・ジュスト
(Allegro
giusto) 3:56
3. 第II楽章 ジーガ・アレグロ
(Giga allegro)
2:16
ピエトロ・カストルッチ
(Pietro Castrucci)
◆ソナタ Op.2 No.12 (Sonata)
4:59
4. チャッコーナ/シャコンヌ
(Ciaccona)
4:59
プロスペロ カストルッチ
(Prospero Castrucci)
◆ソナタ第4番 (Sonata)
4:56
5. 第I楽章 ラルゴ (Largo)
1:22
6. 第II楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
(Allegro ma non troppo)
2:08
7. 第Ⅲ楽章.アレグロ (Allegro)
1:26
ピエトロ・カストルッチ
◆ソナタ Op.2 No.1 (Sonata)
7:55
8. 第I楽章 アレマンダ 1~2
(Allemanda)
3:21
9. 第II楽章 アンダンティーノ・モデラート
(Andantino moderato)
2:24
10. 第Ⅲ楽章.アンダンテ
スタッカート (Andante
staccato) 2:10
プロスペロ カストルッチ
(Prospero Castrucci)
◆ソナタ第2番 (Sonata)
8:24
11. 第I楽章 ラルゴ アッサイ
(Largo assai)
1:06
12. 第II楽章 アレグロ (Allegro)
2:24
13. 第Ⅲ楽章.アレグロ・マ・ノン・トロッポ
(Allegro ma non troppo)
4:54
ピエトロ・カストルッチ
◆ソナタ Op.1 No.4 (Sonata)
5:14
14. 第I楽章 アンダンテ
(Andante) 1:16
15. 第II楽章 アレグロとバットゥート
(Allegro
e battuto) 1:16
16. 第Ⅲ楽章.アダージョ
(Adagio) 1:15
17. 第IV楽章 アレグロ (Allegro)
1:27
プロスペロ カストルッチ
(Prospero Castrucci)
◆ソナタ第5番 (Sonata)
8:05
18. 第I楽章 ラルゴ (Largo)
2:45
19. 第II楽章 アレグロ (Allegro)
3:03
20. 第Ⅲ楽章 アダージョ
(Adagio) 0:25
21. 第IV楽章 アレグロ アッサイ
(Allegro
assai) 1:52
ピエトロ・カストルッチ
◆ソナタ Op.1 No.7 (Sonata)
7:28
22. 第I楽章 アダージョ
(Adagio) 1:42
23. 第II楽章 アレグロ (Allegro)
3:24
24. 第Ⅲ楽章 アダージョ・マ・ノン・タント
(Adagio ma non tanto)
1:13
25. 第IV楽章 アレグロ 1:09
(Allegro) 1:09
ピエトロ・カストルッチ
◆ソナタ Op.1 No.9 (Sonata)
6:56
26. 第I楽章 ラルゴ (Largo)
1:42
27. 第II楽章 アンダンテ
(Andante) 4:04
28. 第Ⅲ楽章 アモローソ
(Amoroso) 1:10
ヴァイオリン: マルコ・ペドロナ
(Marco
Pedrona, violin)
オルガン: ダヴィデ・メレッロ
(Davide
Merello, organ)
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マルコ・ペドローナ (ヴァイオリン)
ダヴィデ・メレッロ (オルガン) |
録音: 2022年7月25、26日、イタリア、チカーニャ、奇跡の聖母聖堂
風刺画家ホワースの傑作で知られるピエトロ・カストルッチは、弟のプロスペロと共にアルカンジェロ・コレッリに師事したのちイギリスに渡り、ヘンデルの楽団に長く在籍し、作曲家としても活躍。ここではヴァイオリンと小型オルガンの組み合わせで、2人の個性が反映された美しいソナタを聴くことができます。
弟のプロスペロのソナタが師のコレルッリの影響を受けて、カンタービレに満ちているのに対し、兄ピエトロのソナタは、同じ楽章内でのテンポの変化、3弦のアルペッジョ、通奏低音とのユニゾン、アルコ・バットゥート(コル・レーニョ)、転回モルデントなど、大胆な手法も盛り込まれていて対照的。
性格も兄ピエトロは激しかったようで、風刺画家のウィリアム・ホガースが書いた「激怒した音楽家」はピエトロがモデルと推測されています。
兄ピエトロ・カストルッチ[1679-1752]と弟プロスペロ・カストルッチ[1690-1760]は、2人ともローマ生まれのローマ育ち。アルカンジェロ・コレッリに師事し、師の楽団で演奏していたこともありますが、1715年、バーリントン卿に従ってロンドンに移り、すぐに評判となり、ヘンデル指揮の王立アカデミーのオーケストラにも長年にわたって参加。長くイギリスとアイルランドで活躍し、ピエトロは1751年にダブリンで、プロスペロは1760年にロンドンで死去。
パルマ音楽院でヴァイオリンをフランコ・グッリ、カルロ・キアラッパ、ジュリアーノ・カルミニョーラに師事し、室内楽をフランコ・ロッシに師事して卒業。ロレンツォ・ペロージ・コンクールや、ストレーザ国際コンクールなどで優勝。ソロやアンサンブルで活動するほか、ピアチェンツァのニコリーニ音楽院でヴァイオリンを教えてもいます。
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ボッシのオルガン協奏曲
オルガン協奏曲集~ボッシ、ヨンゲン、プーランク
マルコ・エンリコ・ボッシ
(Marco Enrico Bossi)[1861-1925]
◆オルガン、弦楽器、4本のホルンとティンパニのための協奏曲
イ短調 Op.100 (Concerto
for Organ, Strings,
4 Horns and Timpani in
A minor) 30:42
1. 第I楽章 アレグロ・モデラート
(Allegro
moderato) 10:46
2. 第II楽章 アダージョ、マ・ノン・トロッポ
(Adagio, ma non troppo)
8:21
3. 第Ⅲ楽章 Allegro (Allegro)
11:35
ジョゼ・ヨンゲン 1873-1953
(Joseph Jongen)[1873-1953]
4. ◆讃歌 (オルガンとオーケストラのための)
Op.78 (Hymne, for Organ
and Orchestra Op.78)
10:48
フランシス・プーランク
(Francis Poulenc)[1899-1963]
◆オルガン、弦楽器、ティンパニのための協奏曲
ト短調 FP.93 (Organ Concerto
in G minor)
22:52
5. アンダンテ (Andante)
3:20
6. アレグロ・ジョコーゾ
(Allegro giocoso)
2:05
7. スビート・アンダンテ・モデラート
(Subito
andante moderato) 7:46
8. テンポ・アレグロ・モルト・アジタート
(Tempo
allegro Molto agitato)
2:44
9. とても静かにゆっくりと
(Tres calme Lent)
2:18
10. 最初はアレグロのテンポで
(Tempo de l'allegro
initial) 1:51
11. テンポ・イントロダクション、ラルゴ
(Tempo
d'introduction. Largo)
2:48
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トマゾ・マッツォレッティ(オルガン)
ウジェーヌ・カルモナ(指揮)
ヘルヴェティカ管弦楽団 |
録音: 2022年6月19、20日、スイス、グラン、聖パウロ・プロテスタント教会
使用楽器: スイス、グラン、聖パウロ・プロテスタント教会、ブロンディーノ・ヴェゲッツィ・ボッシ・オルガン
ヴェルディも絶賛したボッシのオルガン協奏曲
イタリアの交響的オルガン音楽の先駆的存在であるボッシのオルガン協奏曲は30分ほどのメロディアスで聴きやすく迫力もある作品。敬虔なヨンゲンの讃歌、変化に富むプーランクのオルガン協奏曲も収録。録音はスイスのプロテスタント教会でおこなわれ、同教会のコンクールで優勝したイタリアのマンツォレッティが独奏、ウクライナのカルモナがスイスのヘルヴェティカ管弦楽団を指揮して共演しています。
ボッシ: オルガン、弦楽器、4本のホルンとティンパニのための協奏曲
イタリア世紀末の作曲家、マルコ・エンリコ・ボッシ[1861-1925]は、非常に親しみやすい作風の音楽を書いた人物。このオルガン協奏曲も壮大なサウンドがわかりやすい楽想と合致して30分間飽かずに楽しませてくれます。かのジュゼッペ・ヴェルディは、この曲の楽譜を読んだ後、「極めて大胆で力強い効果」を持つ音楽であると絶賛しています。
ヨンゲン: 讃歌
オルガン音楽の巨匠、ジョゼ・ヨンゲン[1873-1953]は壮大な作品をたくさん書いていますが、ここでは演奏時間10分ほどの神秘的ながらも親しみやすい「讃歌」を収録。
プーランク: オルガン、弦楽器、ティンパニのための協奏曲
オルガン・ファン以外にもよく知られている人気曲。単一楽章で23分ほどの作品で7つの部分から構成されています。機知に富むプーランクならではのさまざまな曲調を楽しめる作品です。
トマーゾ・マリア・マッツォレッティ (オルガン)
1991年、ミラノの西約40キロのノヴァーラに誕生。ピアノを学んだ後、12歳でオルガンの勉強を開始。故郷近くのセージアのサン・ナザロ修道院とヴェルチェッリ大聖堂のオルガニストを10年間務めた後、2016年、スイスのヴォー州にあるグランのプロテスタント教会オルガン・コンクールで優勝。2020年にはローザンヌの聖テレーゼ・カトリック教会の首席オルガニストに就任。
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ファビオ・ヴァッキによる、ギターを含む作品のコレクション
ファビオ・ヴァッキ (Fabio Vacchi)[1949- ]
ギターのための音楽全集 (Complete Music
for Guitar)
◆ギターと弦楽四重奏のためのノットゥルノ・コンチェルタンテ五重奏曲 31:51
◆ギター独奏のための「プリン」 2:50
◆ギター独奏のための「アポクリフォ」 2:50
◆フルートとアンプリファイド・ギターのための組曲
[1971] 7:04
◆コントラルトとアンサンブルのための「フロー・マイ・ダウランド」
[1994] 19:13 |
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声: リヴィア・ラード
トレブル・フルート: ダニエレ・ルッジェーリ
バス・クラリネット: アニカ・バーケ
ファゴット: ヤコポ・フランチェスカート
ヴィブラフォン: フランチェスカ・ミウッツィ
ギター: アルベルト・メジールカ
ハープ: クリスティーナ・チェンタ
ヴァイオリン: ジョヴァンニ・クラウディオ・ディ・ジョルジョ
ヴィオラ: マッテオ・テレンツィオ・カネッラ
チェロ: ジャコモ・グレスパン
指揮: フランチェスコ・ディ・ジョルジョ |
録音: 2021~2022年、イタリア
ダウランドからアヴァンギャルドまで
現代イタリアの作曲家ファビオ・ヴァッキによる、ギターを含む作品のコレクション。メインはギター協奏曲の室内楽版で、ほかに短い独奏曲が2曲に、アヴァンギャルドなフルートとのデュオ作品、そしてダウランド歌曲のアンサンブルでの伴奏という収録内容。演奏はおなじみのギター奏者メジールカを中心に、気鋭の若手「マンフレーディ四重奏団」に、現代音楽分野で主に活動しているフルート奏者のルッジェーリ、おなじく現代音楽界のソプラノ歌手、リヴィア・ラードらによるものです。
ファビオ・ヴァッキ
1949年、ボローニャで誕生。地元のG.B.マルティーニ音楽院でジャコモ・マンゾーニと
ティト・ゴッティに師事。1974年、タングルウッドのバークシャー音楽センターでクーセヴィツキー作曲賞を受賞。1976年、オランダのガウデアームス作曲コンクールで優勝。同年、ヴェネツィア・ビエンナーレのために4楽章からなるシンフォニアを作曲し、シノーポリの指揮でフェニーチェ劇場で初演。以後、ヴェネツィア・ビエンナーレのほか、ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ・コミーク座、リヨン・オペラ座、フィレンツェ5月祭、ボローニャ・テアト・コムナーレ、ザルツブルク・モーツァルテウムなどで作品を演奏。その他、アバドや東京クヮルテットの委嘱作などもあります。
ギターと弦楽四重奏のためのノットゥルノ・コンチェルタンテ五重奏曲
スウェーデンのギタリスト、マグヌス・アンデションに委嘱され、1997年に初演されたギター協奏曲を、2012年にギターと弦楽四重奏のためにアレンジした室内楽ヴァージョン。オリジナルの色彩的なオケ・パートが、モダンな書法も駆使した弦楽四重奏の多彩なサウンドに変貌していてなかなか聴きごたえがあります。ヴァッキはすでに弦楽四重奏曲を5曲作曲しているということで、その経験も生かされているのでしょう。
ギター独奏のための「プリン」
ハーモニクスの組み合わせと、独特の美しい音色が、ギターからピュアでユニークな音を引き出しています。
ギター独奏のための「アポクリフォ」
オリジナルは、バス・フルート、バス・クラリネット、コントラファゴット、ギター、コントラバスのために書かれたアンサンブル曲。このギター・ソロ・ヴァージョンでは、管楽器などの多彩な音色が無くなった分、音楽の骨格が際立ち、モノローグのような味を醸し出しています。
フルートとアンプリファイド・ギターのための組曲
1971年の作品。時代を感じさせるアヴァンギャルド風なスタイルで、若きヴァッキも意気軒昂といったところでしょうか。フルートとギターに加え、ペンや紙の音、叫び声なども入ったりする面白い作品。
コントラルトとアンサンブルのための「フロー・マイ・ダウランド」
ダウランド[1563-1626]の有名な歌の編曲ヴァージョン。声はそのままですが、伴奏は、ギター、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ヴィブラフォン、ハープ、フルート、バス・クラリネット、ファゴットに置き換えられています。
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(2023年6月 新譜).
96877
(5CD)
¥3200
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大型プロジェクトの第1弾
オルガン曲、ハルモニウムのための作品
ラングレー:オルガン曲集
第1集
ジャン・ラングレー (Jean Langlais)[1907-1991]
オルガン音楽 第1集(Organ Music volume 1)
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CD1 79:42
「フレスコバルディへのオマージュ」(Hommage
a Frescobaldi )[1951]
オルガン:ファウスト・カポラーリ(Fausto
Caporali, organ)
録音:2022年11月16日、クレモナ、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂、マッシオーニ・オルガン(1984年製)
「短い組曲」(Suite Breve)[1947]
オルガン:ファウスト・カポラーリ(Fausto
Caporali, organ)
録音:2022年10月3日、クルーゾーネ、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂、ルファッティ・オルガン(1960年製)
タリタ・クーム(Talitha
Koum)[1985]
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年10月21~22日、アルテ・チェッカート、サン・パオロ教区教会、ピエロ・サンドリ・オルガン(2007年製)
グレゴリオ聖歌の2つの主題による小さな前奏曲(Petit
Prelude sur deux themes
gregoriens)[1972]
1:14
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製)
________________________________________
CD2 79:32
グレゴリオ前奏曲(Prelude
Gregorien)[1979]
6:30
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製)
エクスプレッション(Expressions)(1988)
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年10月21~22日、アルテ・チェッカート、サン・パオロ教区教会、ピエロ・サンドリ・オルガン(2007年製)
8つの前奏曲(8 Preludes)(1984年)
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
第2オルガン:ルチアーノ・カルボーネ(Luciano
Carbone*)
録音:2022年10月21~22日、アルテ・チェッカート、サン・パオロ教区教会、ピエロ・サンドリ・オルガン(2007年製)
________________________________________
CD3 79:48
「ハルモニウムまたはオルガンのための24の作品」(24
Pieces pour harmonium ou
orgue)
第1集(1st book) [1934-36]
第2集(2nd book) [1936-39]
ハルモニウム:ファウスト・カポラーリ(Fausto
Caporali, harmonium)
録音(トラック:11,
16, 22):2022年11月16日、クレモナ、サン・ジローラモ教会、ハルモニウム(パリ、アレクサンドル・ペール&フィス
1896年製 Nr.108633)
録音(上記以外):2022年9月17日、パヴィア、シモーネ・ピエトロ・クアローニ邸、ハルモニウム(パリ、アレクサンドル・ペール&フィス
1897年製 Nr.122060)
「簡素な組曲」(Suite in
Simplicitate)[1991]
「4つの前奏曲」(4 Preludes)[1975]
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製)
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CD4 78:30
「9つの小品」(9 Pieces)[1942-43]
オルガン:ファウスト・カポラーリ(Fausto
Caporali, organ)
録音(トラック6のみ):2022年11月16日、クレモナ、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂、マッシオーニ・オルガン(1984年製)
録音(上記以外):2022年10月3日、クルーゾーネ、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂、ルファッティ・オルガン(1960年製)
「哀れみ深き神よ」(Deo
Gratias)[1959] 2:04
「古風な様式による前奏曲」(Prelude
dans
le style ancien)[1968]
3:52
「懇願」(Supplication)[1972]
3:14
「12のヴェルセ(短いオルガン曲)」(12
Versets)[1986]
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製)
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CD5 79:44
「オルガン曲集」(Organ
Book)[1956]
「オルガンとハルモニウムのための12の小品」(Petites
pieces pour orgue et harmonium)[1962]
「中世の様式による2つの小品」(Deux
petites
pieces dans le style Medieval)
「崇拝」(Adoration)[1968]
5:56
「6つの小品」(6 Petites
pieces) [1976]
オルガン:ジョルジョ・ベナーティ(Giorgio
Benati, organ)
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製) |
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ジョルジョ・ベナーティ
ファウスト・カポラーリ(オルガン) |
録音:2022年2月11~12日、2022年8月8~9日、イゾラ・デッラ・スカラ、サント・ステファノ修道院、ディエゴ・ボナート・オルガン(2007年製)
CD20枚以上になる予定の大型プロジェクトの第1弾。ラングレーの弟子だったオルガニストのジョルジョ・ベナーティが監修し、ブックレットの解説もベナーティが執筆しています。レコーディングは音楽のスタイルや要件に適した楽器をイタリアの様々な教会から選んでおこなわれ、ベナーティのほか、フランス・オルガン音楽に精通したファウスト・カポラーリも加わって膨大なラングレーの遺産に挑んで行きます。また、オルガン曲だけでなくハルモニウムのための作品も収録。伝統的な様式と現代的な技術を組み合わせたラングレーの音楽は、気分やダイナミクス、テクスチャーやハーモニーの変化に富むものながら親しみやすく、教会旋法を用いた美しい作品が多いことでも知られています。レジストレーションにもこだわっていたラングレーなので、新しい録音の登場は歓迎されるところです。
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ジャン・ラングレーは1907年2月15日、ブルターニュ地方のラ・フォントネルに誕生。2歳のときに先天性緑内障により失明し、11歳でパリ国立視覚障害者青少年総合研究所に入学。ピアノ、ヴァイオリン、和声のほか、オルガンを高名な盲人音楽家アルベール・マオー[1867-1943]と、アンドレ・マルシャル[1894-1980]に師事(この学校はルイ16世が1786年に認可して資金を出した生徒数120名の王立盲学校がその起源で、点字発明者のルイ・ブライユ[18509-1852]も卒業生)。
続いてラングレーはパリ国立音楽院で、マルセル・デュプレ[1886-1971]にオルガンを師事して1930年に一等賞を獲得し、シャルル・トゥルヌミール[1870-1939]のもとでは即興演奏を学んで1931年に「オルガン即興演奏グランプリ」を受賞、さらにポール・デュカス[1865-1935]に作曲を師事して1934年に作曲賞を受賞するという天才ぶりでした。
卒業後、パリ国立視覚障害者青少年総合研究所の教職に就いて40年間在職しながら、1961年から1976年まではパリ・スコラ・カントルムでも教えて、多くの学生を育成。
また、1945年には、セザール・フランクやトゥルヌミールも在職したパリの名門、サント・クロチルド大聖堂のオルガニストに就任し、1987年まで42年間に渡って演奏。その間、ラングレーはコンサート・オルガニストとして世界的に活動し、アメリカでは実に300回以上のコンサートを実施。
そうしたラングレーの精力的な活動は作曲面にも及び、1991年5月8日にパリで84歳の生涯を閉じるまでに、作品番号で254に及ぶオルガン曲、声楽曲、器楽曲など作曲していました。

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バッハの「オルガン・ソナタ集」BWV 525~530
ソナタ第1番 変ホ長調(Sonata No.1 in E-flat)
BWV525
ソナタ第2番 ハ短調(Sonata No.2 in C minor)
BWV526
ソナタ第3番 ニ短調(Sonata No.3 in D minor)
BWV527
ソナタ第4番 ホ短調(Sonata No.4 in E minor)
BWV528
ソナタ第5番 ハ長調(Sonata No.5 in C)
BWV529
ソナタ第6番 ト長調(Sonata No.6 in G)
BWV530 |
マヌエル・トマディン(オルガン) |
録音:2021年10月20,21日、フォレンホーフェ、聖ニコラス教会、A.ボッシュ/F.C.シュニットガー・オルガン(1686/1720年製)
バッハの「オルガン・ソナタ集」BWV
525~530は、長男フリーデマンのオルガン演奏技術を完成させる目的で書かれたとされる曲集。イタリア的な3楽章形式を採用したソナタ6曲で構成されており、「右手」「左手」「両足」で、3つのパートを独立的に演奏することから「トリオ・ソナタ」と呼ばれています。フリーデマンの意欲を高めるためか、オリジナルはバッハの過去作のキャッチーなものが中心で、そのため曲調も親しみやすく魅力的。モーツァルトが第2番の第2楽章と第3楽章、第3番の第2楽章を弦楽三重奏用に編曲しているほか、数多くの編曲ヴァージョンが生み出されてもいます。演奏はイタリアの博識な名手、マヌエル・トマディンで、楽器はオランダのフォレンホーフェにある聖ニコラス大教会のA.ボッシュ/F.C.シュニットガー・オルガンを使用。
作品について フリーデマンのための音楽
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ[1710-1784]は長男だったこともあって、バッハは情熱的に教育に取り組み、ケーテンで宮廷楽長を務めていた1720年からフリーデマンのクラヴィーア演奏技術向上のために「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの音楽帖」の編纂を始めています。
その後、ライプツィヒ市の職員である「トーマスカントル(トーマス学校の教職者とトーマス教会合唱団の指揮者)」就任が決まると、ケーテンの宮仕えを辞め、フリーデマンをトーマス学校に入学させて教育を続け、さらにオルガン演奏の仕上げとして書かれたのがこの「6つのオルガン・ソナタ集(トリオ・ソナタ集)」とされています。
その甲斐あってか、フリーデマンは1733年にドレスデンの聖ソフィア教会のオルガニスト職を決める選考会で、父親の「前奏曲とフーガ
ト長調 BWV 541」を演奏して他の2人の候補者よりも明らかに優れていると評され任命されています。フリーデマンはその後も高名なオルガニストであり続けました。
楽器について
アムステルダムの東北東約80kmに位置するフォレンホーフェにある聖ニコラス教会は1485年に建設された歴史ある教会。幾度かの改修を経て現在も美しい姿を維持しています。
聖ニコラス教会は2つの身廊を持つ修道院タイプの建築で、オルガンは1686年に北側の身廊に設置。製作者はアムステルダムのアポロニウス・ボッシュ[1620-1699]。
設置から34年後の1720年、フランツ・カスパー・シュニットガー[1693-1729]に再建が依頼され、修復のほか新たなストップの追加など大幅な改修がおこなわれています。高名なアルプ・シュニットガー[1648-1719]の息子であるフランツ・カスパーは、父を凌ぐ力量の持ち主とも言われましたが、36歳で亡くなっているため作品は限られています。
多くのオルガンと同じく、このオルガンも19世紀には管長を詰める(ピッチを上げる)など、何度も改造されて姿を変えていきますが、1977年、ユトレヒトにオルガン工房を構えるファン・フルペン兄弟によって、シュニットガーの1720年の状態まで楽器が復元されたのは朗報でした。
ファン・フルペン兄弟は、元のピッチである「a'=415Hz」まで戻すためにすべてのパイプを長くし、さらにバッハ調律ともいわれる「ヴェルクマイスターI」の音律で調律して音を仕上げています。
演奏者について マヌエル・トマディン(オルガン)
Brilliant classicsのオルガン企画で、これまで「ハスラー全集」(11CD)、「マルティーニ全集」(9CD)、「クレープス全集」(7CD)、「エルバッハ全集」(9CD)、「ファン・ノールト全集」(2CD)、「1705年12月~ブクステフーデ&バッハ」(1CD)、「ヴェネツィアからライプツィヒへ」(1CD)、「調和の季節」(1CD)、「北ドイツのオルガン曲集」(1CD)、「ベルトルド&ボルゴ全集」(1CD)「ライプツィヒ・コラール集」(2CD)、「フーズム・オルガン曲集」(1CD)などを制作してきたトマディン(トマーディン)は、1977年5月28日、北イタリアのウディーネ近郊、スロヴェニアとの国境の街、ゴリツィアで誕生。
ウディーネ大学でピアノ、オルガン、チェンバロを学び、ゴルトベルク変奏曲に関する論文で満点を得てチェンバロの学位を取得。2001~2003年、バーゼル・スコラ・カントルムでアンドレア・マルコンらに師事。
2004~2008年、トリエステ聖堂でオルガニストを務める一方、イタリア、オランダ、オーストリア、ドイツのオルガン・コンクールで優秀な成績で注目され、その後、各地で演奏活動を展開し、ウディーネのオルガン国際音楽祭、トリエステのアントニオ・ヴィヴァルディ音楽祭では芸術監督を務めています。
CDは、Brilliant Classics、Dynamic、Bongiovanni、Dynamic、Stradivarius、Tactusなどから発売。
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1888年から1950年にかけて作曲された
クラリネット作品を、アルド・ボッタが演奏
フランスのクラリネット
(ドビュッシー、ピエルネ、ラボー、他 ) |
アルド・ボッタ(クラリネット)
クララ・ドゥット(ピアノ) |
録音:2022年9月、イタリア、サレルノ県ファイアーノ、レコア・スタジオ
フランスのクラリネット音楽界は19世紀なかばから、作曲、演奏ともに世界有数のレヴェルが維持されています。背景には、優れた課題曲の作曲を推奨し続けたパリ音楽院の存在や、楽器の改良に取り組んだ大手メーカーのビュッフェ・クランポン社、セルマー社の努力という非常に規模感の大きな活動があり、さらに技術的な進化を作品に反映させた目利きの作曲家たちの影響もあったと考えられます。このアルバムでは、1888年から1950年にかけて作曲されたクラリネット作品を、イタリアの名手、アルド・ボッタが演奏。
作品について
ドビュッシー:「小さな作品」(トラック1 1:30)
クロード・ドビュッシー[1862-1918]が1910年に作曲。リズムとメロディーの即興に近い流れに加え、変化に富んだダイナミクスが心地良い作品。
ピエルネ:カンツォネッタ 変ホ長調(トラック2 3:49)
ガブリエル・ピエルネ[1863-1937]が1888年に作曲。クラリネットの定番曲。後年のクライスラーのヴァイオリン小品を思わせるような洒落た雰囲気、美しいメロディーが魅力的な作品。
ラボー:コンクールのための独奏曲(トラック3 5:40)
アンリ・ラボー[1873-1949]が1901年に作曲。パリ音楽院コンクールのために書かれた曲で、その後も5回使用された人気曲。手の込んだテクスチャー造形と明確な様式感、パリ音楽院コンクールのために書かれた曲技巧的に難度の高いカデンツァと聴きごたえのある作品です。
セムレ=コルリー:夢想とスケルツォ(トラック4 6:38)
ジュール・セムレ=コルリー[1902-1988]が1950年に作曲。アンダンティーノ・カンタービレの「夢想」と、モルタ・レッジェーロの「スケルツォ」。カデンツァ風の部分も効果的です。パリ音楽院で学んだダンケルク生まれの作曲家セムレ=コルリーの作品のいくつかは、パリ音楽院の必修曲リストに含まれています。
オネゲル:ソナチネ(トラック5~7 6:30)
アルテュール・オネゲル[1892-1955]が1921年から1922年にかけて作曲。第1楽章はオリエンタルな響きを持つ半音階的表現に基づく神秘的な冒頭が印象的。第2楽章は寂しげで神秘的。第3楽章は俊敏でジャズ風な即興的ソノリティの音楽。
コカール:メロディーとスケルツェット 変ロ長調(トラック8 6:16)
アルテュール・コカール[1846-1910]が1904年に作曲。技術的、表現的な側面と魅惑的な旋律が融合したパリ音楽院の試験曲。コカールはパリ音楽院でフランクに師事。
P.ピエルネ:アンダンテ・スケルツォ(トラック9 6:20)
ポール・ピエルネ[1874-1952]が1931年に作曲。パリ音楽院コンクールのために書かれた曲。修辞的なイメージとフランス風な思索を織り交ぜたスタイルの練習曲。ポール・ピエルネはガブリエル・ピエルネのいとこ。
カユザク:カンティレーヌ(トラック10 5:09)
ルイ・カユザク[1880-1960]が1931年に作曲。パリ音楽院教授を務めながら奏者としても活躍したカユザクは南仏の出身で、美しい地中海と、海岸に迫る山々に響くエコーのような音が魅力的な作品。
アラベスク 変ホ長調(トラック11 5:23)
ポール・ジャンジャン[1874-1929]が1926年に作曲。パリ音楽院でシリル・ローズに師事し、パリ音楽院で教えていたジャンジャンは、ギャルド・レピュブリケーヌ楽団とモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者として活躍したことで知られています。ジャンジャンの作品は技術を磨く要素が主目的ですが、アラベスクは観賞用としても魅力的な傑作。
メサジェ:コンクールのための独奏曲(トラック12 6:15)
アンドレ・メサジェ[1853-1929]が1899年に作曲。パリ音楽院コンクールのために書かれた曲で、聴き映えのする曲調から人気があります。
演奏者について
アルド・ボッタ(クラリネット)
1994年、イタリアで誕生。幼少期から父レナートとジョヴァンニ・ダウリアの指導を受け、ナポリ近郊アヴェリーノのD.チマローザ音楽院ではアントニオ・ナポリターノの指導のもと最優秀の成績で卒業。同時に「音楽教育学」と「音楽の歴史的、批判的、分析的分野」で修士号を取得。
並行して、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミーのユース・オーケストラ、ローマ歌劇場のユース・オーケストラで活動し、ナポリのサンカルロ劇場のオーケストラ・アカデミーでは、オーケストラのテクニック・コースを修了。
ボッタは若い頃から、国内外の数々のコンクールで優勝・入賞したほか、イタリア放送協会(RAI)のテレビ番組でも、ソリストとして、またオーケストラ楽員として何度も演奏。
イタリアの主要なオーケストラとの共演のほか、中国、アラブ首長国連邦、オマーン、ドイツなどでもツアーを実施。
アカデミア2008エディツィオーニ・ムジカーリから出版されているクラリネットのための教則本シリーズの著者でもあります。
CDは、Da Vinci Classics、Stradivarius、Brilliant
Classicsなどから発売。
クララ・ドゥット(ピアノ)
イタリア西部のクーネオで誕生し、同地の国立G.F.ゲディーニ音楽院でピアノを学び、最優秀の成績で卒業。その後、ブルーノ・カニーノ、アンドレア・ルッケジーニらに師事。室内楽レパートリーの研究にも熱中し、アルテンベルク・トリオ・ウィーンや、ドビュッシー・トリオのマスタークラスにも参加。
ラヴェンナ、ボルディゲーラ、ピネローロ、ラッコニージの各コンクールで入賞し、以後、ソロとアンサンブルの両方で演奏。
教育にも力を入れ、国立G.F.ゲディーニ音楽院で音楽教育学のディプロマを取得し、トリノ大学では法学の学位を取得し、イタリア各地の音楽院で活動。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
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ベートーヴェン交響曲第9番
ヴァイオリンとピアノのための編曲版
ベートーヴェン:
交響曲第9番 ヴァイオリン&ピアノ版(ハンス・ジット編) |
マウロ・ログエルチョ(ヴァイオリン)
エマヌエラ・ピエモンティ(ピアノ) |
録音:2022年6月、イタリア、サチーレ、ファツィオリ・コンサートホール
グリーグ「ノルウェー舞曲」のダイナミックで色彩豊かな管弦楽編曲で知られる後期ロマン派の音楽家ハンス・ジットは、管弦楽から室内編成への編曲も得意で、ベートーヴェンの交響曲も9曲ともヴァイオリンとピアノのためにアレンジしています。今回のアルバムはそこから第9番が選ばれてレコーディングされたもので、約64分の巨大ヴァイオリン・ソナタとして聴いたり、オケや声楽のパートがどうやって表現されるか確認しながら聴いたりと楽しみ方もいろいろありそうです。ブックレットには、ヴァイオリニストによる解説のほか、アレッサンドロ・ソルビアティによるハンス・ジットの編曲に関する解説などが掲載されています。
ハンス・ジットについて
ハンス・ジットは1850年、オーストリア帝国プラハの生まれ。17歳でブレスラウ歌劇場管弦楽団の第1ヴァイオリン首席奏者に就任した1867年以降、1922年にライプツィヒで亡くなるまでの55年間はドイツを拠点に生活しているので「ハンス・ジット」と表記しておきます。ジットがいた頃のプラハは公用語がドイツ語でもありましたし。
ジットは、著名なヴァイオリン製作者でヴァイオリニストでもあるアントン[1819-1878]の息子。ジットの音楽の才能は早くから明らかでしたが、両親は「神童」として売り出すことを避け、まずギムナジウムで通常の教育を受けてからプラハ音楽院に入学させています。
1867年まで学んだ後、兄とリサイタル活動をおこない、同年、17歳でブレスラウ歌劇場管弦楽団の第1ヴァイオリン首席奏者に就任したのち、指揮もするようになり、1873年から1880年まではザクセン、ケムニッツ市の指揮者となって1880年まで在職し、スメタナ作品をチェコ以外で初めて紹介するなどして注目されます。
以後、指揮者として、フランス、オーストリア、ドイツのオーケストラと3年ほど活動。
1883年からはライプツィヒに腰を落ち着け、音楽院のヴァイオリン教授のほか、作曲家、編曲者、音楽学者、ライプツィヒ・バッハ協会の指揮者、ブロツキー弦楽四重奏団のヴィオラ奏者としても活躍し、亡くなるまでの39年間、同地を拠点としていました。
ちなみにライプツィヒ音楽院での教え子には、ヴァーツラフ・ターリヒ、フランコ・アルファーノ、フレデリック・ディーリアスなどもいました。
演奏者について
マウロ・ログエルチョ(ヴァイオリン)
1957年、ローマで誕生。12歳の時にリッカルド・シャイー指揮ミラノ音楽院のオーケストラと共演し、ソリストとしてデビュー。以後、ソロとアンサンブルの両方で演奏をおこなうほか、近年はミラノ音楽院とロンドンのギルドホール音楽院でヴァイオリン科教授として教育活動にも注力。
弦楽四重奏の「ダヴィッド四重奏団」では第1ヴァイオリンを担当し、ピアノ三重奏の「メタモルフォージ三重奏団」でも第1ヴァイオリンを弾いています。
CDは、DECCA、BIS、Amadeus、Brilliant Classics、Naxos、Ricordi、Melodiya、Ponderosaなどから発売。
エマヌエラ・ピエモンティ(ピアノ)
4歳から母親の指導でピアノを始め、11歳のときにはデュオからセプテットまでの室内楽に熱中し、その後ミラノ音楽院でアニータ・ポルリーニとアルベルト・モッツァーティに師事して1980年に満点で卒業。
フィレンツェ・フィエーゾレ音楽院で開催された「トリオ・ディ・トリエステ(トリエステ三重奏団)」の講座に参加した際、ピアノのダリオ・デ・ローザ[1919-2013]から大きな影響を受け、1982年、パオロ・ギドーニ、アルベルト・ドルフーカと「トリオ・マティス」を結成。
以後、ソロとアンサンブルの両方で活動し、イタリアのほか、ドイツ、スペイン、フランス、ポルトガル、イスラエル、オーストラリア、中国などで演奏。
現代音楽にも熱心に取り組んでおり、これまでカーゲル、デ・パブロ、シャリーノ、クルターク、ソルビアーティといった作曲家らと交流して演奏。
2013年にはNaxosレーベルに、カゼッラとゲディーニの三重協奏曲をレコーディングし、フランスの「Choc
de Classica」賞を受賞。
CDは、Brilliant Classics、Naxos、Aura、Amadeus、Limenmusic、Stradivariusなどから発売。
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サンティアゴ・デ・ムルシアのギター作品集
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
1. 「カナリアたち」(Canarios)
2:59
「ギターのためのパッサカリアと作品集(Pasacalles
y obras de guitarra)[1732]~
2. 「十字架のパッサカリア」(Pasacalles
por
el cruz) 4:47
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
3. 「クンベース」(Cumbees)
3:53
4. 「ホ長調のハカラス」(Jacaras
por la E)
3:14
「ギターのためのパッサカリアと作品集(Pasacalles
y obras de guitarra)[1732]~
5. 「4分の4拍子でイ長調のパッサカリア」(Pasacalles
por la A ? a compasillo)
3:31
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
6. 「ファンダンゴ」(Fandango)
3:49
7. 「ラ・ホタ」(La Jotta)
3:01
「ギターのためのパッサカリアと作品集(Pasacalles
y obras de guitarra)[1732]~
8. 「4分の4拍子でロ長調のパッサカリア」(Pasacalles
por la B ? a compasillo)
3:20
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
9. 「サランベケス・オ・ムエカス」(Zarambeques
o Muecas) 1:23
10. 「エスパニョレタス」(Espanoletas)
2:27
「ギターのためのパッサカリアと作品集(Pasacalles
y obras de guitarra)[1732]~
11. 「ハ長調でラッパの模倣を含むパッサカリア」(Pasacalles
por la C ? a clarinados)
4:14
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
12. 「タランテラ」(Tarantellas)
3:33
13. 「ガリシアのフォリア」(Folias
gallegas)
3:35
「ギターのためのパッサカリアと作品集(Pasacalles
y obras de guitarra)[1732]~
14. 「コレッリによるジーグ」(Giga
after
Corelli) 2:55
「サルディヴァル写本(Codice
Saldivar)[c.1732]~
15. 「イタリアのフォリア」(Folias
italianas)
6:36
16. 「バグパイプ」(Gaitas)
3:11
17. 「ロ長調のマリオナス」(Marionas
por
la B) 3:21
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ミゲル・アレハンドロ・ヌニェス・デルガド
(バロック・ギター) |
録音:2022年7~8月、メキシコ、ハラパ、
アサフ+プロドゥクシオネス
スペイン女王マリア・ルイサと駐スイス特使のアンドリアーニに仕えたスペイン・バロックの作曲家、サンティアゴ・デ・ムルシアのギター作品集。楽譜発見のゆかりの地でもあるメキシコ出身のギタリスト、デルガドが見事なテクニックで複弦5コースのバロック・ギターを操り、フォリアの哀愁からタランテラのかき鳴らしまで、気持ちの良い音で収録されています。
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ジョラージュ作品で唯一現存するクラヴサン曲集
ジョラージュ:クラヴサン曲集第1巻
パリ、クレルモン・ダンボワーズ侯爵夫人に捧げる(Dedicated
to the Marquise de Clermont d'Amboise, Paris)
1738
第1組曲 イ長調&短調の作品(Suite
I Pieces
in A major and minor)
1. クーラント(Courante)
2:20
2. ラ・シュヴェルニー~ロンドー(La
Cheverny
? Rondeau) 5:31
3. ル・ポスティヨン~ロンドー(Le
Postillon
? Rondeau) 2:08
4. 第2部・短調(Seconde
Partie ? Mineur)
3:42
5. 互いのやさしさ(Les
Tendresses Mutuelles)
3:25
6. 第1メヌエット - 第2メヌエット
- 第3メヌエット(Premier
Menuet ? 2e Menuet ? 3e
Menuet) 5:24
7. お人好し~ロンドー(La
Naive ? Rondeau)
6:52
8. イタリア人(L'Italienne)
4:39
9. ラ・マレ(La Marais)
7:05
第2組曲 ト長調&短調の作品(Suite
II Pieces
in G major and minor)
10. 親友~ロンドー(La
Bonne Amie ? Rondeau)
5:04
11. 頑固な人(L'Obstinee)
4:46
12. 毅然とした人~ロンドー(La
Resolue ?
Rondeau) 3:51
13. 落ち着きのない人 ?
静かな人~ロンドー(L'Agitee
? La Tranquille ? Rondeau)
5:12
14. 第1タンブーラン~第2タンブーラン~第3タンブーラン(Premier
Tambourin ? 2e Tambourin
? 3e Tambourin)
3:50
15. ジーグ(Gigue) 3:25
16. 悪口(Les Caquets)
6:42
17. 役立つもの(L'Utile)
1:23
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フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ) |
録音:2012年6月、ローマ、コンパトリ山、アンニバルデスキ宮殿
フランス・バロック後期の音楽家、シャルル=アレクサンドル・ジョラージュは、波乱万丈の亡命ポーランド王に仕えていたことでも知られていますが、まとまった録音は無かったので、今回、世界で初めてジョラージュ作品で唯一現存するクラヴサン曲集が全曲録音されたのは朗報です。演奏のフェルナンド・デ・ルカは、衣装にまでこだわる古楽器演奏家で、これまで、クリストフ・モワロー:クラヴサン曲全集(7CD)、クリストフ・グラウプナー:チェンバロ曲全集(14CD)、ニコラ・シレ:クラヴサン曲集(1CD)、ヘンデル:ベルガモ写本チェンバロ曲集(1CD)というマニアックな曲集で高い評価を得ています。
シャルル=アレクサンドル・ジョラージュは1700年頃に生まれたと推測されており、1723年にパリでニコル・ブルーと結婚し1752年11月19日に死別、1761年4月6日にパリで亡くなっています。
「元ポーランド王のオルガニスト」と称していたジョラージュの仕えたポーランド王とは、1718年にアルザス、ヴィサンブールに移住していた元ポーランド王スタニスワフ1世レシチニスキ[1677-1766]のことで、スタニスワフ1世はその7年後の1925年に娘をルイ15世に嫁がせてロワールのシャンボール城に移り住み、1733年にポーランド王、アウグスト2世が亡くなるまで滞在していました。
ジョラージュがスタニスワフ1世に仕えた時期は、1718年から1733年までのどこかの時期ということになると考えられますが、当時の文書にフランスの作曲家ルイ・オメ[1691-1777]が、シャンボール城時代のスタニスワフ1世の音楽監督として雇われていたという記載があるということなので、1733年にスタニスワフ1世がポーランド王に復位(翌年に失脚)するまでそこで働いていたのかもしれません。
1733年、ジョラージュはパリに定住して、おそらくクラヴサン教師として活動し、1738年にはクラヴサン曲集を出版してクレルモン・ダンボワーズ侯爵夫人に献呈しています。
1755年、ジョラージュはパリのノートルダム大聖堂の4人のオルガニストの1人に任命され、以後、1761年に亡くなるまでオルガニストとしてパリで生活しています。
作品について
ジョラージュのチェンバロ作品集「第1集」は、その後第2集が出版されることはありませんでしたが、その優雅で洗練されたスタイル、明確でバランスのとれた構造、繊細な装飾や和声の使用は魅力的で、18世紀前半のフランスで主流だった趣味ばかりでなく、随所に独創的なタッチも盛り込まれており、第1組曲の最後を飾る「イタリア人」では、ドメニコ・スカルラッティやハイドンのソナタに通じるスタイルが示されてもいます。
演奏者について フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)
1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et
in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏してもいます。
CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。
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バロック後期のスペインで演奏されていた
ソプラノ独唱による世俗カンタータを集めたアルバム
スペイン世俗カンタータ集~
ダストルガ、デ・セルケイラ、デ・トレス作品集
エマヌエーレ・リンコン・デ・ダストルガ(Emanuele
Rincon de Astorga) 1680-1757
「フィリス、あなたの美しい胸に大切にしまわれています」(Filis,
que abrigas)
1. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
-
Aria) 6:04
2. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
-
Aria) 4:19
「息をして、でも静かにしてください」(Respirad,
mas sea quedito)
3. アリア(Aria) 4:13
4. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
-
Aria) 4:19
「フィリスよ、私の泣き声に耳を傾けてください」(Sean,
Filis, de mi llanto)
5. アリア(Aria) 4:59
6. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
-
Aria) 4:50
フアン・デ・セルケイラ(Juan
de Serqueira)
1655-1726
「ああ、愛する心よ」(Oh,
corazon amante)
7. コラール(Estribillo)
3:12
8. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
-
Aria) 3:14
ホセ・デ・トーレス(Jose
de Torres) 1670-1738
「最も美しいピカリヤ」(La
picarilla mas
bella)
9. コプラ(Copla) 1:24
10. アリア(Aria) 2:55
11. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
- Aria) 1:44
12. コプラ~アイローソ(Copla
- Airoso)
2:04
13. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
- Aria) 1:53
14. アリア(Aria) 0:57
「テナロ山のふもと」(Por
el Tenaro monte)
15. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
- Aria) 5:11
16. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
- Aria) 4:04
17. レチタティーヴォ~アリア(Recitativo
- Aria) 2:12
ソプラノ:クリスティーナ・バヨン・アルバレス(Cristina
Bayon Alvarez, soprano)
ヴィオラ・ダ・ガンバ:ノエリア・レベルテ・レシェ(Noelia
Reverte Reche, viola da
gamba)
使用楽器:Carlos Pineda,
Cordoba, 2019, after
Antionio Stradivari
アーチリュート:ディエゴ・レヴェリク(Diego
Leveri?, archlute)
使用楽器:Matteo Baldinelli,
Assisi 2016,
copy after Matteo Sellas,
1739
チェンバロ:フェデリコ・デル・ソルド(Federico
Del Sordo, harpsichord)
使用楽器:Roberto Marioni,
Marina di Pietrasanta
2020, copy after Carlo
Grimaldi, 1697
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クリスティーナ・バヨン・アルバレス(S)
ノエリア・レヴェルテ・レチェ(gamba)
ディエゴ・レヴェリッチ(archlute)、他 |
録音:2022年9月、ローマ、教皇庁宗教音楽研究所
バロック後期のスペインで演奏されていたソプラノ独唱による世俗カンタータを集めたアルバム。歌はマラガ大聖堂のイリバレンの書いたユニークな宗教音楽アルバムで表情豊かな歌唱を聴かせていたクリスティーナ・バヨン・アルバレス。フラメンコばりにカスタネットが鳴り響く曲もあったりしたのが記憶に新しいですが、その時の指揮とチェンバロは今回の録音にも参加しているフェデリコ・デル・ソルドでした。
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18世紀前半に活躍していたスペインゆかりの作曲家による愛と喪失の室内カンタータを収録。内訳は、ダストルガが約29分、デ・セルケイラが約6分、デ・トーレスが約23分。
ダストルガはカール6世、デ・セルケイラはカルロス2世とフェリペ5世、デ・トーレスはフェリペ5世の治世と関係がありました。
作曲家について
ダストルガ
有名な「スターバト・マーテル」のほか、150曲以上の室内カンタータなどを遺したバロック後期の作曲家、ダストルガの生涯は謎だらけですが、一部の出来事が注目を集めて尾ひれがつき、やがて空想まで交えた状態で語られてもきました。その最たるものがロマン派の作曲家、ヨハン・ヨーゼフ・アーベルト[1832-1915]の書いたドイツ語オペラ「アストルガ」[1866]で、精神を病んだアストルガが恋人の歌う「スターバト・マーテル」のおかげで正気になるという不思議な場面まであるということで驚きます。そしてそのオペラのウィーン上演の告知を意図したものなのか、ヨーゼフ・シュトラウスがポプリ「アストルガ」を書いていたのも驚きでした(その楽譜をウィーンで発見したのは日本ヨハン・シュトラウス協会理事の若宮由美氏)。
デ・セルケイラ
1655年にスペイン支配下のポルトガルで誕生。本名はフアン・セルケイラ・デ・リーマ。1676年から50年間、マドリードを拠点に暮らし、毎年恒例の秘跡劇、公共劇場の喜劇、宮廷演劇作品
(喜劇、サルスエラ、セミオペラ、オペラ)のハープ奏者および音楽監督として活動。
デ・セルケイラの実力はマドリードの劇場関係者に高く評価されていたにもかかわらず、晩年は公立劇場の管理者からは年金を受け取ったものの、スペイン・ハプスブルク朝(カルロス2世)が24年、スペイン・ブルボン朝(フェリペ5世)が26年ということが影響したのか、宮廷から年金を受け取ることはできませんでした。
結婚は2度、1度目は女優のテレサ・ガライと、2度目は宮廷に仕えたマリア・デ・プラドと。有名な女優で歌手のベルナルダ・マヌエラ・デ・グリフォーナとの恋愛関係でも知られており、自宅には彼女の肖像画が飾られていました。1726年にマドリードで死去。
下の画像はカルロスル2世[1661-1700]。
デ・トーレス
1670年にマドリードで誕生し、1697年に王室礼拝堂のオルガニストに就任。1700年にカルロス2世の崩御によりスペイン・ハプスブルク朝が断絶し、フェリペ5世の即位によってスペイン・ブルボン朝の時代が到来すると、デ・トーレスは王室からの追放は免れるものの、礼拝堂オルガニスト職は解雇となります。
その後、1702年にはイベリア半島初の音楽印刷所「インプレンタ・デ・ムシカ」を設立し、1707年、フェリペ5世の王室礼拝堂の少年合唱団の監督に就任し、1738年にマドリードで亡くなるまで在職。
デ・トーレスの作品は、イタリア風な世俗カンタータのほか、フェリペ5世に捧げたミサ曲集から多数の器楽曲まで種類が豊富です。
下の画像はフェリペ5世[1683-1746]。
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ヤサント・ジャダン、ピアノ・ソナタ集
ジャダン:ピアノ・ソナタ集
Op.4, Op.5,
Op.6(全9曲)
●3つのピアノ・ソナタ op.4
ソナタ第1番変ロ長調 op.4-1
ソナタ第2番嬰ヘ短調 op.4-2
ソナタ第3番嬰ハ短調 op.4-3
●3つのピアノ・ソナタ op.5
ソナタ第1番へ短調 op.5-1
ソナタ第2番ニ長調 op.5-2
ソナタ第3番ハ短調 op.5-3
●3つのピアノ・ソナタ op.6
ソナタ第1番ハ短調 op.6-1
ソナタ第2番イ長調 op.6-2
ソナタ第3番ヘ長調 op.6-3 |
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マレク・トポロフスキ(フォルテピアノ) |
使用楽器:ポール・マクナルティ製作アントン・ヴァルター・モデル(カペラ・クラコヴィエンシスの所有)
(Paul McNulty after Anton Walter / property
of Capella Cracoviensis)
録音: 2022年3月7-9日 & 14-15日、ユダヤ文化センター、ポーランド、クラクフ
Recording: 7-9 & 14-15 March
2022, Center
for Jewish Culture, Krakow, Poland
フランスの音楽家ファミリーに生まれたヤサント・ジャダンは、8歳で作曲を始め、13歳で有名な演奏会「コンセール・スピリチュエル」で作品が演奏されるほどの天才でした。以後、結核により24歳で亡くなるまでの11年間、フランス革命の激動の中で、ピアニスト・作曲家として活躍し、シューベルトやドゥシェクにも一脈通じる個性豊かな作品を書き続けていました。ブックレットのエッセイでジャダンの生涯と作品を紹介しているマレク・トポロフスキは、ポール・マクナルティ製作アントン・ヴァルター・モデルのフォルテピアノを演奏しています。
作品について
ジャダンのピアノ・ソナタは、その抒情性と繊細さが特徴で、特に緩徐楽章では、より内省的で瞑想的なテーマを探求していることが多く、同時に、ヴィルトゥオジティにも特徴があり、速い楽章の多くは複雑なパッセージワークとフィギュレーションを特徴とし、演奏者に高度な技術が要求されています。
演奏者について マレク・トポロフスキ(フォルテピアノ)
1964年3月19日、ワルシャワで誕生。チェンバロ、オルガン、フォルテピアノなど歴史的鍵盤楽器の専門家で、近年は指揮もおこなっています。
トポロフスキは地元のワルシャワ音楽アカデミーでオルガンとチェンバロなどを勉強。卒業後はストラスブール音楽院に進んでオルガンとチェンバロで一等賞を得て卒業し、ザールブリュッケンのザールラント音楽院では演奏家のディプロマを取得。さらにアムステルダムではボブ・ファン・アスペレンの指導を受け、カトヴィツェ音楽アカデミーではオルガンの即興演奏も学んでいます。
その間、1985年にクラクフで開催された第1回ワンダ・ランドフスカ全国チェンバロ・コンクールで入賞し、独奏者、室内楽奏者として演奏活動を本格的に開始。
教育者としては、2008年からカトヴィツェ音楽アカデミーでチェンバロと歴史的演奏実践について教えており、2015年からはワルシャワのF.ショパン音楽院で、オルガンとチェンバロを教えて、2016年からはクラクフ音楽院の古楽科でも教えています。
歴史的楽器で演奏するアンサンブル「コンチェルト・ポラッコ」の創設者。
CDは、Brilliant Classics、DUX Recording、Musicon、Acte
Prealable、BNL、Piano Classicsなどから発売。
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(2023年5月 新譜).
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スメタナ・コレクション(8CD)
管弦楽作品全集、弦楽四重奏曲集、ピアノ三重奏曲、ピアノ曲集、歌劇「売られた花嫁」全曲
CD1
連作交響詩「わが祖国」 |
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール |
CD2
交響詩「ヴァレンシュタインの陣営」
Op.14
JB 1:72 14'51
交響詩「ハーコン・ヤール」
Op.16 16'46
交響詩「リチャード3世」
Op.11 13'05
歌劇「売られた花嫁」JB
1:100~序曲と舞曲
序曲「ファウスト博士」ハ短調
JB 1:85 4'20
ポルカ「田舎の女」ト長調
JB 1:115 4'07
ポルカ「われらの乙女たちに」ニ長調
JB 1:86
4'26 |
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール |
CD3
「勝利の交響曲(祝典交響曲)」ホ長調
Op.6、JB
1:59 45'31
「祝典前奏曲」 ハ長調 2'58
「祝典序曲」 ニ長調 Op.4、JB
1:39 8'59
「プラハの謝肉祭」序奏とポロネーズ
イ短調
JB 1:126 6'21
「国民軍行進曲」ニ長調
JB 1:37 4'50
「シェイクスピア祭のための祝典行進曲」ホ長調
Op.20、JB 1:90 6'31 |
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール |
CD4
弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」 JB
1:105
弦楽四重奏曲第2番ニ短調
JB 1:124 |
シュターミッツ四重奏団
録音:1990年10月、プラハ(BAYERライセンス音源) |
| ピアノ三重奏曲ト短調 Op.15 |
ヨアヒム・トリオ
録音:1995年3月27-29日、
イギリス、ハンプシャー州、イーストウッドヘイ、
セント・マーティン教会(NAXOSライセンス音源) |
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CD5
アンダンテ 変ホ長調 [1852]
3'02
束の間の想い [1845] 4'10
6つのアルバムの綴り Op.2
[1848]
3つのアルバムの綴り Op.3
[1856]
スケッチ集 第1集 Op.4 [1856]
スケッチ集 第2集 Op.5 [1856]
アルバムの綴り |
ロベルト・プラーノ(ピアノ)
録音:2013年3月1-3日、
ミラノ、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ |
CD6
チェコ舞曲集第1集 [1877]
チェコ舞曲集第2集 [1879] |
アントニン・クバレク(ピアノ)
録音:1988年12月、ニューヨーク州、トロイ、
トロイ貯蓄銀行ミュージック・ホール(Dorianライセンス音源) |
CD7
歌劇「売られた花嫁」JB
1:100 全曲(ドイツ語版) |
ドレスデン国立歌劇場合唱団
ゲルハルト・ヴュストナー(合唱指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン
オトマール・スイトナー(指揮)
録音:1962年、ドレスデン、ルカ教会 |
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スメタナの代表作を手軽に楽しめる8枚組セット。管弦楽作品、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、ピアノ曲、そしてオペラ「売られた花嫁」の全曲録音という内容です。オーストリア帝国時代のチェコに生きたスメタナは、熱烈な愛国者ながらドイツ語話者として長く暮らし、チェコ語を流暢に話せるようになったのはやっと40歳の時で、その頃書かれたオペラ「売られた花嫁」が、ドイツ語版の方が人気があったりするのも語感と音楽が合っているからかもしれません。ここではスイトナー&ドレスデンの名演を収録しています。
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BRL 96912
(7CD)
¥4500
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ルドヴィコ・エイナウディの音楽をCD7枚分集めたセット「clouds」
ルドヴィコ・エイナウディ:クラウズ(7CD) |
イェローン・ファン・フェーン(ピアノ) |
21世紀のエリック・サティとも言われ、ヨーロッパで大人気のルドヴィコ・エイナウディの音楽をCD7枚分集めたセット「clouds」。演奏はミニマリズム系ピアノ音楽の熱烈な紹介者でもあるイェローン・ファン・フェーン。前回の7枚組エイナウディ・セット「Waves」がヨーロッパでは大好評でしたが、今回は、元が室内アンサンブルの曲をエイナウディがピアノ編曲したケースも多く、ピアノの音そものものが豊かになっており、ヒット曲「白い雲(nuove
bianche)」などロング・ヴァージョンとなって最高の心地良さです。
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BRL 96125
(4CD)
¥2800
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「戦争の諸相」では大砲の音を表現!
ジャン=フランソワ・ダンドリュー[1682-1738]:クラヴサン曲集(4CD)
CD1 58'11
クラヴサン曲集第1巻[1724]
組曲第1番
戦争の諸相
組曲第2番
鳥のコンサート
CD2 59'40
組曲第3番
組曲第4番
組曲第5番
村祭り
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CD3 79'25
クラヴサン曲集第2巻[1728]
組曲第1番
組曲第2番
仮面舞踏会
組曲第3番
パストラル
組曲第4番
組曲第5番
組曲第6番
オバード
CD4 77'39
クラヴサン曲集第3巻[1734]
組曲第1番
組曲第2番
組曲第3番
組曲第4番
組曲第5番
組曲第6番
組曲第7番
組曲第8番 |
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ピーター=ヤン・ベルダー(チェンバロ) |
フランス・バロックのクラヴサン(=チェンバロ)音楽といえば、まるでエリック・サティのようなタイトルが付けられたクープランやラモーの性格的小品が有名ですが、同時代のダンドリューも負けていません。特に戦場の様子を描いた「戦争の諸相」の中の「攻撃」はチェンバロで模した大砲の音が印象的で、半世紀後に書かれたミシェル・コレット「海戦」での8和音13連発という衝撃作品に与えた影響も大きいものと思われます。しかもダンドリューの方は、クラスター奏法さながらに鍵盤の最低音部付近を手のひらで叩いても良いという指示までしているのです。今回、ベルダーの選択が、和音なのかクラスターなのか大いに注目されるところですが、何より素晴らしいのは全3巻のクラヴサン曲集がまとめて聴けるという事実でしょう。史上初の快挙です。
クープラン、ラモー級の充実作も多そうなダンドリューのクラヴサン曲集ですが、これまで各巻でまとまった録音は、オドブールが1970年代に録音した第1巻抜粋と第2巻抜粋、パッパスが2001年に録音した第1巻抜粋くらいしかなく、ほかは選曲集でした。
今回のBrilliant Classicsのセットは、クラヴサン曲集全3巻をCD4枚に収録するという大掛かりなもので、宮廷音楽家になって地位も安定し、1724年から10年がかりで全3巻の出版に取り組んだダンドリューの意気込みに迫る企画となっています。
ダンドリューの曲の中でもよく知られていたのが、第1巻に含まれる「戦争の諸相」で、特に第5曲「攻撃」(CD1
トラック12)は、大砲の発射音の表現に関することでも有名でした。要はダンドリュー自身が手のひらクラスター奏法でも良いとしていたわけですが、これまで聴けた6種類の演奏の中ではパッパス盤のみがクラスター奏法で、ほかの5人は正統的に4和音の強奏で対応していました。
今回、ベルダーの選択が和音なのかクラスター奏法なのか注目されるところですが、和音の場合でも録音が優秀であれば、クラスター奏法に遜色はないですし、Brilliant
Classicsのチェンバロ録音は高いクオリティで一貫してきたという実績もあります。
そして何より、今回は3巻揃った大規模なクラヴサン曲集の中での「戦争の諸相」という位置づけなので、和音強奏の方が適切なようにも思えます。
使用楽器:ブランシェ1世の1733年モデル(ティトゥス・クライネンが2013年に製作)
フランス・バロック期の名職人、フランソワ・エティエンヌ・ブランシェ[1695-1761]が1733年に製作した有名な楽器のレプリカ。リュート・ストップも備えた2段鍵盤モデルで、オランダのティトゥス・クライネンが2013年に完成させています。今回のCDボックスの表紙は、このレプリカ・チェンバロのベントサイド部分に描かれているクロカンムリヅルの絵です。現存オリジナルではベタになっている冠毛部分が、レプリカでは精密に描かれており、翼や体の羽毛感もよりリアルなものとなっています。

録音:2019~2021年、マインスヘーレンラント、オランダ改革派教会、フェルプ、カプチン修道院
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プラーノ夫妻の優秀録音盤、
エドヴァルド・グリーグ[1843-1907]:ピアノ連弾曲集
4つのノルウェー舞曲 Op.35
1. 第1番ニ短調 5'20
2. 第2番イ長調 2'06
3. 第3番ト長調 2'44
4. 第4番ニ長調 5'18
2つの交響的小品集 Op.14
5. I. アダージョ・カンタービレ 6'26
6. II. アレグロ・エネルジーコ 4'25
「ペール・ギュント」組曲第1番 Op.46
7. I. 朝の気分 4'01
8. II. オーセの死 3'46
9. III. アニトラの踊り 3'18
10. IV. 山の魔王の広間で 2'42
「ペール・ギュント」組曲第2番 Op.55
11. I. 花嫁の誘拐。イングリの嘆き 3'13
12. II. アラビアの踊り 4'36
13. III. ペール・ギュントの帰郷。海岸での嵐の夕べ
2'50
14. IV. ソルヴェーグの歌
5'20
15. V. 山の魔王の娘の踊り 1'45
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2つのワルツ・カプリース Op.37
16. 第1番 嬰ハ短調 5'16
17. 第2番 ホ短調 3'59
2つの北欧の旋律 Op.63
18. 第1曲「民謡調で」 7'46
第2曲「牛飼の歌と農民の踊り」
19. 牛飼の歌 2'19
20. 農民の踊り 2'03 |
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ロベルト・プラーノ&
パオラ・デル・ネーグロ(ピアノ連弾) |
ピアノ連弾の魅力はなんといっても2人のピアニストによるワイドレンジで音の数が多い音楽が楽しめることです。特に内声部が充実するため、オーケストラ作品の編曲にも十分に耐え、情報量の多い新たなピアノ曲としての存在感も出てきます。 奥さんとピアノ連弾することが多かったグリーグは、連弾の際には低音側で演奏を支えていました。面白いのは、最初からピアノ連弾のために作曲した「ノルウェー舞曲集」では、第1曲からワイルドな民俗的素材が畳みかけて低音と内声の迫力がすごいことでしょう、管弦楽版を凌ぐインパクトです。 演奏のロベルト・プラーノとパオラ・デル・ネーグロは夫婦で、連弾コンサートではグリーグの場合と同じく夫が低音側を担当していました。

録音:2021年6月4~6日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
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BRL 96541
(2CD)
¥1900
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初期バロック・ヴァイオリン音楽の至宝!
フォンターナ:ソナタ全集(2CD)
CD1 56'07
ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ[1589-1630]
1. ソナタ第1番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
4'48
2. ソナタ第2番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
7'14
3. ソナタ第3番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
5'19
4. ソナタ第4番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
5'49
5. ソナタ第5番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
6'03
6. ソナタ第6番(ヴァイオリンと通奏低音のための)
6'45
7. ソナタ第10番(ヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
7'12
8. ソナタ第9番(ヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
6'31
9. ソナタ第12番(ヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
6'21
CD2 60'06
1. ソナタ第8番(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
6'55
2. ソナタ第13番(2つのヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
6'02
3. ソナタ第14番(2つのヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
7'26
4. ソナタ第11番(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
8'25
5. ソナタ第16番(3つのヴァイオリンと通奏低音のための)
5'37
6. ソナタ第17番(2つのヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
6'08
7. ソナタ第15番(2つのヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
4'52
8. ソナタ第7番(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
7'14
9. ソナタ第18番(2つのヴァイオリン、バッソと通奏低音のための)
7'21
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ルクス・テッレ・バロック・アンサンブル
ネイサ・コーパ
(ヴァイオリン、指揮)
ジョヴァンニ・ロータ
(ヴァイオリン、ソナタ第8、11、13、14、16、17番)
ネイエン・フィノット・コーパ
(ヴァイオリン、ソナタ第16番)
渡邉一世
(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ソナタ第2、3、5、6、9、10、12番)
ランベルト・クルトーニ
(チェロ、ソナタ第7、8、11、13、14、16、17、18番)
ヤーコポ・サビーナ
(テオルボ、ソナタ第1、3、4、6番/
アーチリュート、ソナタ第7、15、18番)
セレーナ・レオナルディ
(ルネサンス・ソプラノ・フルート、ソナタ第7、15、18番)
エステル・テヴェノス
(バス・ドゥルシアン、ソナタ第15、18番)
ガブリエレ・マルツェッラ
(チェンバロ、ソナタ第2、5~9、11~13、15、17、18番/
オルガン、ソナタ第1、3、4、10、14、16番)
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1630年に北イタリアで大流行したペストにより41歳で死去したヴァイオリニスト・作曲家のジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナは、死後11年目にヴェネツィアで出版された全18曲から成る「ソナタ集」によって知られるのみですが、これがなかなかの佳曲揃いで、これまでに全曲録音2種、まとまった抜粋録音5種のほか、個別の曲にも数多くの録音が存在していました。今回登場するルクス・テッレ・バロック・アンサンブルによる演奏は、フォンターナが優れたヴァイオリニストであったことから、初期バロック・ヴァイオリン音楽の最も重要な作曲家と位置付けて解釈したもので、1995年に録音されたアンサンブル・ソヌリー盤とは各曲の楽器編成が大きく異なっているのが興味深いところです。
ブックレットには、リーダーのネイサ・コーパによる解説も掲載されています。
楽譜の表紙には「ヴァイオリンまたはコルネット、ファゴット、キタローネ、ヴィオロンチーノまたは同様の楽器のための1声、2声、3声のソナタ」と書かれています。
当時のコルネットは木製で縦笛状。ファゴットは当時の楽譜ではファゴットの前身であるドゥルシアンのことを指す場合が多かったようです。キタローネはテオルボとほぼ同じネックの長大な大型リュート属楽器。ヴィオロンチーノは小型サイズのチェロ。
要するに固有名詞では擦弦楽器、管楽器、撥弦楽器のことしか書かれていませんが、「または同様の楽器」の部分には鍵盤楽器などいわゆる通奏低音楽器が含まれるため、実際の演奏では、チェンバロやポジティヴ・オルガン(小型オルガン)が追加されます。
各ソナタは単一楽章で、1声のソナタ(1声の独奏楽器+通奏低音楽器)が6曲、2声のソナタ(2声の独奏楽器+通奏低音楽器)が6曲、3声のソナタ(3声の独奏楽器+通奏低音楽器)が6曲の計18曲という構成。
それぞれのソナタの楽器編成は、音域・書法などで判断して運用されるため、演奏家の解釈によって、異なるものとなってきます。
今回の録音は9人編成で演奏されたもので、使用楽器は、バロック・ヴァイオリン、ルネサンス・ソプラノ・フルート、バス・ドゥルシアン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、テオルボ、アーチ・リュート、チェンバロ、オルガンの9種類。
楽譜表紙の言葉への対応状況は以下の通りです。
ヴァイオリン → バロック・ヴァイオリン
コルネット → ルネサンス・ソプラノ・フルート
ファゴット → バス・ドゥルシアン
キタローネ → テオルボ、アーチ・リュート
ヴィオロンチーノ → ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ
または同様の楽器 → チェンバロ、オルガン
有名なアンサンブル・ソヌリー盤と比較するとこうなります。かなりの違いです。

録音:2021年8月(CD1)、2022年7月(CD2)、クレッシェンティーノ、マドンナ・デル・パラッツォ聖堂、2022年9月(CD2)、ヴァッチャーゴ、サンタントーニオ・アバーテ教区教会、イタリア
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大胆不敵なC.P.E.バッハの実像に迫るハッキネン
C.P.E.バッハ:ファンタジア集
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ[1714-1788]
ソナタ ヘ短調 Wq63/6 (H75)
1. アレグロ・ディ・モルト 4'10
2. アダージョ・アフェットゥオーゾ 4'24
3. 幻想曲 6'30
幻想曲とフーガ ハ短調 Wq119/7 (H75)
4. 幻想曲 2'14
5. フーガ 4'42
6. 幻想曲 ニ長調 Wq117/14 (H160) 2'32
7. 幻想曲 ト短調 Wq117/13 (H225) 4'26
8. 幻想曲ホ長調 Wq deest (H348) 5'46
幻想曲とフーガ ニ短調 Wq deest (H349)
9. 幻想曲 2'38
10. フーガ 4'44
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ[1685-1750]
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903(J.N.フォルケル版)
11. 幻想曲 7'12
12. フーガ 5'54
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ[1714-1788]
13. ロンド ホ短調「わがジルバーマン・クラヴィーアへの別れ」Wq66
(H272) 6'44
14. 幻想曲 嬰ヘ短調 Wq67 (H300) 13'31
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アーポ・ハッキネン(クラヴィコード、フォルテピアノ)
使用楽器
クリストフ・フリードリヒ・シュマール(レーゲンスブルク)
によるクラヴィコード(1-3、11-13)
ペール・リンドホルム(ストックホルム)
によるクラヴィコード(4-5, 9-10, 14)
ダニエル・デール(ウィーン)によるフォルテピアノ(6-8) |
録音:2022年6月20-22日、フィンランド、ピタヤンマキ村の教会
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、強弱の鋭いコントラストや音程の跳躍、リズムの断続、和声の目まぐるしい変化といった作曲技法により「多感様式」と呼ばれるスタイルを確立し、特にベートーヴェンに強い影響を与えたことでも知られています。 このアルバムは、エマヌエル・バッハの大胆さを伝える短調の幻想曲をクラヴィコードで演奏した音源を中心とした構成ですが、途中にはエマヌエル・バッハが範とした父の作品から半音階的幻想曲とフーガ
BWV 903をフォルテピアノで演奏した音源も収録。演奏はフィンランドの名手ハッキネン。チェンバロによるゴルトベルク変奏曲では超美音を聴かせる一方で、ハイドンの十字架上のキリストの最後の7つの言葉では、クラヴィコードをきわめて性格的に鳴らしていた実績もあるので、今回のクラヴィコードとフォルテピアノの弾き分けも注目されるところです。
クラヴィコード偏愛
バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ[1714-1788]は、クラヴィコード、フォルテピアノ、タンジェントピアノ、チェンバロ、オルガンなどを演奏して生活していましたが、最も好んでいたのはクラヴィコードで、奇抜な曲名で知られるロンド「わがジルバーマン・クラヴィーアへの別れ」(トラック13)もクラヴィコードについての作品です。
独自の発音構造が音楽様式に影響
シンプルな構造ゆえ打鍵がそのまま音響に反映するクラヴィコードは、音の強弱表現に加えて、ベーブング(ヴィブラート)での繊細な効果や、ポルタートで柔らかく音を切ったりすることができることから、エマヌエル・バッハは得意の即興演奏をはじめとしてクラヴィコードを多用しており、それが幻想曲での自在な作風にも繋がっていました。
特に短調作品には大胆なものが多く、強弱の鋭いコントラストや音程の跳躍、リズムの断続、和声の目まぐるしい変化といった大胆な作曲技法により「多感様式」と呼ばれるスタイルを確立し、それがシュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)の音楽様式や、ベートーヴェン、シューベルトに与えた影響にも大きなものがあったと考えられています。
情熱的即興演奏と理論家の側面
興が乗ると目が座って口が開き、少し泡を吹きながら即興演奏をおこなっていたというエマヌエル・バッハですが、理論家としての著作もあり、1753年に出版された「正しいクラヴィーア奏法試論」では、運指法や装飾音、前打音、持続低音など様々な事柄に言及しつつ、鍵盤楽器奏者の能力を最も正確に判断できるのはクラヴィコードであるとまで断言してもいます。
父バッハの作品からの影響
「ベルリンのバッハ」、「ハンブルクのバッハ」と呼ばれたエマヌエル・バッハは、時には兄や弟と区別するためか「大バッハ」とも呼ばれており、存命中の名声では明らかに父を上回っていましたが、父の音楽を最も大切にしたのもエマヌエル・バッハでした。
父バッハを偲ぶ作品の可能性
エマヌエル・バッハが1753年に出版した幻想曲とフーガ
ハ短調(トラック4と5)は、父バッハの半音階的幻想曲とフーガ
BWV 903を思わせることから、父を偲んで書いたトンボー(追悼曲)だとする説もあります。
そのためこのアルバムでは、終わりの方に半音階的幻想曲とフーガ
BWV 903(トラック11と12)を収録し、続けてエマヌエル・バッハ晩年のロンドと幻想曲を置いて締めくくることで、父バッハとエマヌエル・バッハの音楽的関連について考えさせるような構成になっています。
使用楽器について
エマヌエル・バッハの作品はすべてクラヴィコードで演奏されており、ジルバーマンの流れを汲むとされるレーゲンスブルクのクリストフ・フリードリヒ・シュマール[1739-1814](トラック1・2・3・11・12・13)の楽器と、ストックホルムのペール・リンドホルム[1741-1813]による楽器(トラック4・5・9・10・14)が使用されています。
一方、バッハの半音階的幻想曲とフーガ BWV
903(トラック11・12)では、使用楽譜がバッハ伝の著者としても高名なヨハン・ニコラウス・フォルケル[1749-1818]によるもののため、ウィーンのダニエル・デーア[1788-1837]の製作したフォルテピアノが用いられています。フォルケルはエマヌエル・バッハやフリーデマン・バッハとも交流があったので、その校訂譜にはバッハの息子たちの意思も反映されていると考えられています。
アーポ・ハッキネン(クラヴィコード、フォルテピアノ)
1976年、フィンランドのヘルシンキで誕生。幼少からヘルシンキ大聖堂の聖歌隊員として音楽教育を受け、13歳でチェンバロを習い始め、シベリウス・アカデミーで勉強。1995年から1998年までアムステルダム・スウェーリンク音楽院でボブ・ファン・アスペレンに、1996年から2000年までパリでピエール・アンタイに師事したほか、グスタフ・レオンハルトの指導も受けています。1998年、ブルージュ国際チェンバロ・コンクールで第2位とVRT賞を受賞。
ソロと室内楽のほか、指揮者としても活動し、欧米各国のほか日本などアジアでも演奏。
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20世紀フランスの作曲家による
フルートとピアノのための作品を集めたプログラム
レヴェラシオン(天啓)~
フランス近代のフルートとピアノのための音楽
リリ・ブーランジェ[1893-1918]
1. 「春の朝に」 4'37
ピエール・カミュ[1885-1948]
2. シャンソン 3'02
3. バディヌリー 2'42
メル・ボニ[1858-1937]
フルートとピアノのためのソナタ
4. I. アンダンティーノ・コン・モート 4'44
5. II. スケルツォ・ヴィヴァーチェ 1'59
6. III. アダージョ - アレグロ・マ・ノン・トロッポ
- アダージョ 5'02
7. IV. フィナーレ.モデラート 4'03
エリーズ・ベルトラン[2000- ]
「典礼の印象」 Op.2
8. イントロイト 1'29
9. ルクス・アエテルナ 3'02
10. スプリカチオ 1'34
11. イン・パラディスム 2'12
ピエール・サンカン[1916-2008]
ソナチネ
12. I. モデラート 3'49
13. II. アンダンテ・エスプレッシーヴォ
3'28
14. III. アニメ 2'01
アンドレ・ジョリヴェ[1905-1974]
15. 「リノスの歌」 10'34
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アンナ・ヴィーラー
(フルーアンナ・ヴィーラー(フルート)
アリーナ・プロニナ(ピアノ) |
録音:2021年、ベルリン、エルベルク教会、トーンスタジオ
20世紀フランスの作曲家によるフルートとピアノのための独創的な魅力のある作品を集めたプログラム。24歳で亡くなってしまったリリ・ブーランジェの楽し気な「春の朝」、メロディーが魅惑的なカミュの「シャンソン」とメル・ボニの「ソナタ」、新進作曲家ベルトランが15歳の時にデュリュフレのレクイエムを聴いて書いた「典礼の印象」、フルートの技法満載のピエール・サンカンのソナチネとジョリヴェの「リノスの歌」という盛りだくさんな内容です。フルートのヴィーラーとピアノのプロニナは、2021年発売のディミトリー・チェスノコフの日本ネタ作品が面白いフルート・アルバム(Brilliant
96216)が、録音の良さもあって印象的だった期待のデュオです。
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バッハの弟子、シュナイダーとキルンベルガーの作品集
バッハの弟子たちのオルガン音楽
ヨハン・シュナイダー[1702-1788]
1. 前奏曲とアッラ・ブレーヴェ ト短調 4'24
2. トリオ イ短調 2'55
3. アッラ・ブレーヴェ ヘ長調 1'30
天にましますわれらの父よ(ソプラノによるカント・フェルモ)
1'48
5. 前奏曲とアッラ・ブレーヴェ ニ長調 4'03
6. 天にましますわれらの父よ(ペダル付きオルガンによるカント・フェルモ)
3'51
7. 前奏曲とフーガ ト長調 3'47
8. わが神よ、わが心を汝に捧げ(ペダル付きクラヴィーアのための)
3'02
9. 前奏曲とアッラ・ブレーヴェ G 3'54
ヨハン・フィリップ・キルンベルガー[1712-1783]
オルガンまたはチェンバロのための8つのフーガ
[1777]
小コラール前奏曲集
10. ただ愛する神の力に委ねる者、第1節 1 1'42
11. 前奏曲とフーガ I 2'07
12. フーガII 2'12
13. 来たれ、創り主にして聖霊なる神よ 2'06
14. フーガIII 4'40
15. フーガIV 2'09
16. ああ神よそして主よ 2'15
17. フーガ V 2'48
18. フーガ VI 2'38
19. ただ愛する神の力に委ねる者、第2節 1'29
20. フーガVII 6'01
21. フーガVIII 4'15
22. われ心よりこがれ望む 2'10
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ヴァルテル・ガッティ(オルガン)
使用楽器:デロルト&ランジーニ・オルガン(2007年製) |
録音:2022年3月24日(シュナイダー)、2022年9月22日(キルンベルガー)、イタリア、ヴィリアーノ・ビエッレーゼ、聖母マリア・アッスンタ教区教会
モーツァルトと同じ時代まで活躍していたバッハの2人の弟子、シュナイダー[1702-1788]とキルンベルガー[1721-1783]の作品集。シュナイダーの録音は珍しいので、今回、ベルリン国立図書館所蔵の手稿譜により約30分のまとまった作品が聴けるのは朗報です。キルンベルガーもオルガン曲の録音が少なかったので、「8つのフーガ」と「小コラール前奏曲集」合わせて約37分が収録されたのはオルガン好きにはたまらないところです。 使用楽器はオルガン・フェスティヴァルでも知られる北イタリア、ヴィリアノ・ビエッレーゼの聖母マリア・アッスンタ教区教会にある2007年製デロルト&ランジーニ・オルガンで、澄んだ良い音がします。
ヨハン・シュナイダー
1702年にフランクフルト近郊のラウタータールで誕生。故郷でニコラ・ミューラーの弟子となり、1717年から1720年にかけては、ザールフェルトでヨハン・ハルトマン・ラインマンに師事。
1720年頃、シュナイダーはケーテンでバッハのオルガンおよびチェンバロの弟子となり、並行して、メルゼブルクでヨハン・ゴットリーブ・グラウンに、ルドルシュタットでヨハン・グラーフにヴァイオリンを師事。
1721年、ヨハン・シュナイダーは故郷近くのザールフェルトの宮廷で、オルガニスト兼首席宮廷音楽家(コンサートマスター)となります。
1726年、ワイマールの宮廷楽団のヴァイオリン奏者となり、その後、1729年にライプツィヒ最大の教会であるニコライ教会のオルガニストに任命され、37年後の1766年、64歳まで務めあげています。シュナイダーは以後もライプツィヒに留まり、1788年、86歳で同地で亡くなっています。
作品には、バッハの影響のほか、当時流行していたギャラント様式も反映されていると言われています。
ヨハン・フィリップ・キルンベルガー
1721年、ワイマール近郊のザールフェルトで誕生。クラヴィーアとヴァイオリンを家庭で学び、グレーフェンローダのオルガニスト、ヨハン・ペーター・ケルナーに師事。
キルンベルガーは1741年にライプツィヒに滞在しており、その時にバッハに師事したと言われてきましたが、実際にはまだはっきりしていません。
キルンベルガーは年内にドレスデンを経てポーランドに移り、音楽家として貴族のもとで働いて10年間滞在したのち、1751年にドイツに戻っています。
当時のプロイセンは、文化に無関心で宮廷楽団も廃止(おかげでケーテンに楽団が誕生)していたフリードリヒ・ヴィルヘルム1世[1688-1740]の崩御から10年が経っており、音楽好きの息子であるフリードリヒ大王[1712-1786]が楽団を復活させて音楽生活も充実していたため、キルンベルガーはまずポツダムの宮廷楽団のヴァイオリン奏者となり、さらに1758年からは同地で作曲教師、楽長、フリードリヒ大王の妹アンナ・アマリア王女の音楽顧問として働いています。
キルンベルガーはバッハの作品の多くをコピーし、ブランデンブルク協奏曲の原稿も保管、そして「キルンベルガー・コラール」と呼ばれるいくつかのコラールを集めてまとめてもいました。
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BRL 96872
(3CD)
¥2300
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パガニーニ流の室内楽は聴きどころ満載
パガニーニ:ギター四重奏曲全集
Vol.1(3CD)
ギター四重奏曲第4番ニ長調 M.S.31
1813/15年作曲。
ギター四重奏曲 第15番イ長調 M.S.42
1820年作曲。
ギター四重奏曲第9番ニ長調 M.S.36
1818年作曲。
ギター四重奏曲第6番ニ短調 M.S.33
1813/15年作曲。
ギター四重奏曲第8番イ長調 M.S.42
1817/18年作曲。
ギター四重奏曲第12番イ短調 M.S.39
1819年作曲。
ギター四重奏曲第5番ハ長調 M.S.32
1813/15年作曲。
ギター四重奏曲第11番ロ長調 M.S.38
1819年作曲。 |
ダニエル・ローランド(ヴァイオリン)
アルベルト・メジールカ(ギター)、他 |
ギターが好きだったパガニーニは15曲のギター四重奏曲を作曲。内容はヴァイオリンの名技的な部分があったりオペラティックな部分があったりと多彩で、しかも全編が親しみやすいメロディーで彩られています。
この全集企画は、ギター奏者のアルベルト・メジールカが、ヴィオラ奏者のヴラディミール・メンデルスゾーンとの公演後の食事の際の会話の中から生まれたもので、メジールカ自身がライナーノートも執筆するなど力が入っています。メンデルスゾーンは残念ながら2021年8月に急死してしまいますが、初動時の尽力に感謝し、録音はメンデルスゾーンの思い出に捧げられています。主役のヴァイオリンは、以前メジールカと心地良いデュオ・アルバムを制作していた元ブロドスキー四重奏団のダニエル・ローランド。
パガニーニは5歳からヴァイオリンを学び、すぐに驚異的な上達を示したと言われますが、実はその前に父からマンドリンを与えられており、そのこともあってか、パガニーニの撥弦楽器への愛情は生涯不変で、ギター奏者としても一流の腕前になったのは有名な話です。
また、1800年頃から1840年頃にかけて西ヨーロッパではギターが大流行し、アマチュアからプロまで多くのギター奏者が生まれ、パガニーニ以外にもシューベルトなどの作曲家がギターに魅せられていました。
自身が優れたギター奏者でもあったパガニーニは、当時のギターの旺盛な需要に応えるべく多くの作品を書いており、15曲のギター四重奏曲はそうした中でも本格的な内容を持つもので、特に第7番以降の作品は聴き応えがあります。
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(2023年4月 新譜).
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