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フランス発、知られざる音源レーベル
Forgotten Records
その3 79タイトル!
1CD-R\4200→\3790
2CD-R\7000→\5990

 

 埋もれた音源をCD-R復刻させているフランスのレーベル「Forgotten Records」。日本でも一部のCD-R製作レーベルががんばっているが、ここのラインナップも魅力的。知らない名前がガンガン出てくる。
 一般に馴染みの薄い、しかしマニアックな音源が中心なのがやはりフランス。価格はかなり高いが品質がよく、日本のマニアの受けもかなりいい。





特におすすめの1枚

 1955年、第5回ショパン国際コンクール。優勝したアダム・ハラシェヴィチ、そして第2位となったウラディーミル・アシュケナージという、後に音楽史に名を刻む2人の若き巨匠による奇跡的なコンクール実況録音です。

 何より圧倒されるのは、スタジオ録音では決して味わえない、若き才能たちが一発勝負に賭けた剥き出しの熱気と緊迫感! アシュケナージの瑞々しくも圧倒的なテクニックと感性、そして地元ポーランドの期待を背負い、上品で洗練されたショパン像を見事に描き切ったハラシェヴィチ。コンクールの熱狂とホールを包む息づかいまでもが鮮やかに蘇ります。

 歴史の証言としても、純粋な名演集としても一級品。

fr 781/2
(2CD-R)
\5990
(下にも再掲載されてます)
1955年、第5回ショパン国際コンクールの入賞者たち~
 アダム・ハラシェヴィチ、ウラディーミル・アシュケナージ
アダム・ハラシェヴィチ:
 夜想曲 ロ長調 op. 62, n° 1
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 63, n° 3
 マズルカ イ短調 op. 67, n° 4
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 50, n° 3
 ポロネーズ 変イ長調 op. 53
 バラード第1番 ト短調 op. 23
 即興曲第3番 変ト長調 op. 51
 前奏曲 ハ短調 op. 45
 練習曲 嬰ト短調 op. 25, n° 6
 練習曲 イ短調 op. 25, n° 11
アシュケナージ:
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op. 21
  ゴルジンスキ指揮
  ワルシャワ国立フィル
 バラード第2番 ヘ長調 op. 38
 練習曲 ハ長調 op. 10, n° 1
 練習曲 ヘ長調 op. 25, n° 3
 マズルカ 変イ長調 op. 41, n° 4
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 30, n° 4
 スケルツォ第4番 ホ長調 op. 54
Length : 01:41:13
Original edition : Pathe DTX 171/2

1955年、第5回ショパン国際コンクールの入賞者たちを記録した貴重な2枚組。
その第1集にはアダム・ハラシェヴィチとウラディーミル・アシュケナージが登場する。
ハラシェヴィチは夜想曲、マズルカ、ポロネーズ、バラード、練習曲まで幅広く収録。
一方アシュケナージはピアノ協奏曲第2番を軸に、バラード、練習曲、マズルカ、スケルツォを聴かせる。同じショパンを弾きながら、選ばれた作品も構成もまったく異なり、二人の個性を比較できるのが最大の魅力。
後年世界的に知られることになる演奏家たちの、コンクール当時の息遣いを伝える歴史資料としても価値が高い。
完成された巨匠の録音ではなく、競い合う場で示された集中力と若さを聴けるところが、このセットならでは。
ショパン演奏史をたどる方には、結果だけでは分からない演奏家の出発点を知る格好の資料となる。




第67号紹介アイテム

fr 715
デュカス:ピアノ・ソナタ 変ホ短調*
フォーレ:夜想曲 変ロ長調 op. 36+
フォーレ:舟歌  op. 42**
フォーレ:舟歌 op. 96**
ラヴェル:水の戯れ++
ラシェル・ブランケ(P)*
バベス・レオネ(P)+
マリー=テレゼ・フルノー(P)**
ピエール・マイヤード=ヴェルゲル(P)++
Recording date : 1957 Length : 01:09:10
Original edition : Ducretet-Thomson 320 C 109 - Pacific LDP. F 168 - Club National du Disque CND 8

1957年に録音されたフランス近代ピアノ作品の小さな展覧会。中心となるデュカスのピアノ・ソナタは、巨大な構成と濃密な和声を備えながら録音機会の少ない難曲で、ラシェル・ブランケの演奏を聴けるだけでも貴重。そこへフォーレの夜想曲と二つの舟歌、さらにラヴェル《水の戯れ》が続き、重厚なデュカスから繊細なフォーレ、光と水がきらめくラヴェルへと、フランス・ピアノ音楽の色彩が移ろっていく。四人のピアニストを聴き比べられるのも面白く、同じ時代の作品でもタッチや歌わせ方が驚くほど異なる。Ducretet-Thomsonなど複数の希少原盤を一枚にまとめた、Forgotten Recordsならではの好企画。資料的価値と聴く喜びが両立している。
 

fr 716
クライスラー:
 コレッリの主題による変奏曲
 フランクールの様式によるシシリエンヌとリゴードン
モーツァルト/クライスラー編:
 ロンド ト長調(セレナード第7番 k250)
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
クライスラー:中国の太鼓
ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテラ op. 16
リース:無窮動 op. 34 n °5
シューベルト:蜜蜂 op. 13 n° 9
ファリャ/クライスラー編:
 スペイン舞曲(はかなき人生)
ヴィエニャフスキ:
 華麗なるポロネーズ第2番 イ長調 op. 21
ジェラール・ジャリ(Vn)
Length : 00:41:42 Recording date : 1953
Original edition : Columbia FCX 222

ジェラール・ジャリが若き日に残した、ヴァイオリン小品の魅力を凝縮した一枚。クライスラーの優雅な編曲物から《中国の太鼓》、ヴィエニャフスキの華麗なポロネーズ、リースの《無窮動》、ファリャのスペイン舞曲まで、歌心と技巧の双方を試す名曲が次々に現れる。ジャリは技巧を誇示するだけでなく、旋律の輪郭を端正に整え、フランスのヴァイオリン奏法らしい明るく品のある音色で各曲の性格を描き分ける。41分余りという凝縮されたプログラムも、往年のリサイタル盤らしく実に心地よい。1953年Columbia原盤。大曲とは違う、名手の素顔とセンスを楽しめる洒落た復刻。小品好きなら繰り返し手に取りたくなる盤である。選曲の妙も光る。
 

fr 717
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op. 53*
  Recording date : 1953
ラヴェル:フォーレの名による子守歌
  Recording date : 1951
ミヨー:イパネマ(ブラジルの郷愁)
  Recording date : 1951
ファリャ:スペイン舞曲(はかなき人生)
  Recording date : 1951
シマノフスキ:夜想曲とタランテラ op. 28 n° 1 et 2
 Recording date : 1951
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
ジャン・アントニエッティ(P)
フリッチャイ指揮*
ベルリンRIAS響*
Length : 00:53:45
Original edition : Deutsche Grammophon 17178 et 16017

ヨハンナ・マルツィのドヴォルザーク協奏曲、それもフリッチャイ指揮ベルリンRIAS響との1953年録音。これだけでも歴史的ヴァイオリン録音の愛好家には見逃せない。マルツィの演奏は、甘美さに流れず、引き締まった音程と気高い歌によって作品の民族的情熱を内側から燃え上がらせる。さらにラヴェル、ミヨー、ファリャ、シマノフスキの小品を収録し、ジャン・アントニエッティとの親密な対話も味わえる。協奏曲の大きな構築性と、小品で見せる繊細な色彩感。その両面が一枚で分かる構成がすばらしい。DGの二つの原盤をまとめた、マルツィの芸術を知るうえで非常に魅力的な復刻。凛としたマルツィの美質が最後まで貫かれている。余韻も深い。
 

fr 718
J.S.バッハ:
 管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV 1067
  Flute : カミロ・ワナウセク
   Recording date : 1959
 同 第3番 ニ長調 BWV 1068
  Trompette :ヤーロ・シュミット
   ウィーン室内管
  エドゥアルド・リンデンベルク指揮
  Recording date : 1959
 無伴奏チェロ組曲 第6番  ニ長調 BWV 1012
 Cello :アメデオ・バルドヴィーノ
  Recording date : 1952
Length : 01:12:01
Original edition : Orphee LDO D 50002 - Supraphon LPM 63

バッハの管弦楽組曲第2番・第3番と、無伴奏チェロ組曲第6番を組み合わせた個性的な一枚。前半ではカミロ・ワナウセクのフルート、エドゥアルド・リンデンベルク指揮ウィーン室内管による、1950年代らしい豊かな響きのバッハが楽しめる。現在の古楽器演奏とは異なるが、旋律を大きく歌わせる温かなスタイルには独自の魅力がある。後半のアメデオ・バルドヴィーノによる第6組曲は、独奏チェロ一挺で広大な世界を築く難曲。管弦楽の華やかさから無伴奏の孤高へという流れも鮮やかで、バッハの多面的な器楽世界を一枚で味わえる。OrpheeとSupraphonの希少原盤による興味深い復刻。異なる編成を通じて、バッハの秩序と生命力が際立つ。
 

fr 719
ショパン:
 12の練習曲集 op. 10、
 12の練習曲集 op. 25
 3つの新練習曲集
 幻想即興曲 op. 66
ロバート・ゴールドサンド(P)
Recording date : 1951 Length : 01:16:01
Original edition : Concert Hall Society CHS 1132/33 - Musical Masterpiece Society MMS 21

ロバート・ゴールドサンドが1951年に録音した、ショパンの練習曲全集。作品10と作品25の全24曲に《3つの新練習曲》、さらに《幻想即興曲》まで加え、ショパンの技巧的ピアノ作品をほぼ一望できる充実の内容である。練習曲は単なる指の訓練ではなく、一曲ごとに詩情とドラマを備えた小宇宙。ゴールドサンドは明快な輪郭と推進力を保ちながら、旋律が前面に現れる瞬間には柔らかな歌を聴かせる。超絶技巧を派手に飾るタイプではなく、全曲を大きな流れとして聴かせるところが魅力。Concert Hall SocietyとMusical Masterpiece Societyに残された録音をまとめた、ピアニストの力量をたっぷり味わえる一枚。全曲を通して聴いた時の集中力と完成度にも驚かされる。
 

fr 720
シューベルト:即興曲 D. 899& D.935
 Recording date : 1951
ロバート・ゴールドサンド(P)
Length : 00:51:33
Original edition : Concert Hall Society CHS 1146

同じロバート・ゴールドサンドでも、ショパンの練習曲集とはまったく違う表情を聴かせるシューベルトの即興曲集。D.899とD.935の全8曲は、親密な歌、突然の激情、遠い記憶のような翳りが交錯する、シューベルト晩年の凝縮された世界である。ゴールドサンドは旋律を過度に感傷化せず、明晰なタッチと自然な呼吸で音楽を進める。そのため一曲一曲が独立した小品でありながら、全体がひと続きの物語のように聴こえてくる。1951年Concert Hall Society原盤という時代の響きも、この音楽の素朴な温かさによく似合う。知られざるピアニストの歌心を、静かにじっくり確かめたい復刻。派手さはないが、聴くほどに滋味が増していく演奏である。
 

fr 721
フォーレ:
 ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 op. 15
 チェロ・ソナタ第2番 ト短調 op. 117
Violin : ジョルジュ・テッシエル
Alto : ピエール・ラデュイ
Cello : ロジェル・アルバン
Piano : クロード・エルフェル
Recording date : 1956 Length : 00:48:54
Original edition : Le Club Francais du Disque CFD 8

フォーレの若き情熱があふれるピアノ四重奏曲第1番と、晩年の厳しく凝縮されたチェロ・ソナタ第2番。この二作品を並べることで、作曲家の長い創作人生を一枚の中に映し出す巧みなプログラムである。ピアノ四重奏曲では、流麗な旋律と高揚する終楽章を、ジョルジュ・テッシエルらフランスの奏者とクロード・エルフェルがしなやかに描く。一方のチェロ・ソナタは、華やかさよりも深い陰影と内省が前面に出る作品。同じフォーレでも語法の変化がはっきり分かる。1956年Le Club Francais du Disque原盤。フランス室内楽の気品と、親密なアンサンブルの味わいを堪能できる一枚。フォーレの室内楽を深く知る入口としても申し分ない。
 

fr 722/3
(2CD-R)
\5990
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集(第1~9番)
 Recording date : 1957
ユーリ・ブーコフ(P)
Length : 02:38:02
Original edition : Westminster W 9311/13

ユーリ・ブーコフによるプロコフィエフのピアノ・ソナタ第1番から第9番までを収めた、2枚組の大作。1957年という早い時期に、これら九つのソナタをひとまとまりの世界として提示した録音であり、その存在自体が貴重である。若き日の激しい実験から、戦争ソナタの巨大な緊張、晩年の簡潔で透明な語法まで、作曲家の変貌が一気にたどれる。ブーコフは鋭いリズムと硬質な打鍵だけでなく、抒情的な場面では意外なほど柔らかな歌を聴かせ、作品を単なる打楽器的音楽にしない。Westminster原盤3枚分、2時間38分を収録。プロコフィエフのピアノ世界へ本格的に踏み込むための、圧倒的な全集復刻。全曲を一気にたどることで、作曲家の精神史まで見えてくる。
 

fr 724
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 op. 15
 同第2番 変ロ長調 op. 19 
ロバート・ゴールドサンド(P)
カール・バンベルガー指揮
フランクフルト歌劇場管
Recording date : 1951 Length : 01:08:45
Original edition : Concert Hall M 152 - Musical Masterpiece Society MMS 155

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第2番を、ロバート・ゴールドサンド、カール・バンベルガー指揮フランクフルト歌劇場管で聴く1951年録音。後年の《皇帝》に見られる英雄的な巨大さではなく、モーツァルトやハイドンの伝統を受け継ぎながら、若いベートーヴェンが新しい表現へ踏み出していく瞬間が並ぶ。ゴールドサンドは明快で粒立ちのよいタッチを軸に、機知に富む楽句を軽やかに運び、必要なところでは力強いアクセントを刻む。バンベルガーの伴奏も独奏とよく呼吸し、古典的な均衡を崩さない。二つの初期協奏曲を続けて聴くことで、作曲家の成長が自然に見えてくる、端正で味わい深い復刻。若きベートーヴェンの機知と野心を素直に味わえる好盤である。
 

fr 725
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
オネゲル:チェロ・ソナタ (H. 32)
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ op. 8
ギィ・ファロ(Vc)
モニク・ファロ(P)
Recording date : 1961 Length : 00:54:32
Original edition : Vega C 30 A 310

フランス近代から中欧へ、20世紀チェロ音楽の異なる三つの顔を一枚に収めた刺激的なプログラム。ドビュッシーのソナタは短い楽章の中に気まぐれな色彩と鋭い対話が凝縮され、オネゲルではさらに骨太なリズムと緊張が加わる。そして最後のコダーイ無伴奏ソナタは、チェロ一挺から民俗的な情熱と巨大な音響を引き出す難曲中の難曲。ギィ・ファロは、モニク・ファロとの緊密な呼吸を生かしながら、各作品の語法を明確に描き分ける。1961年Vega原盤。親しみやすい名旋律を並べた盤ではないが、チェロという楽器の表現力を真正面から味わいたい人には、実に濃密で発見の多い一枚。近代チェロ作品の奥深さを知る格好のアンソロジーでもある。

fr 118/9
(2CD-R)
\5990
アンネリース・シュミット(Vc)
 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
  (第1番~6番)BWV1007-1012
アンネリース・シュミット(Vc)
Length : 01:57:17
Original edition : Ducretet Thomson 343/45
 かねてからリクエストの多かったアンネリース・シュミットのバッハの無伴奏全曲。
 MYTHOSの社長が次はこれを出すと言いながらはや数年。それだけ盤を探すのが難しいのだ。
 今回Forgotten Recordsが復刻したDucretet Thomson盤は、中古に出ることはまずないと言われているもの。万一出たらとんでもない価格になるらしい。
 ただ、その貴重さよりもその演奏。すごいらしい。すでに聴かれた何人もの方から「どうして早く紹介しないのか」と何度もせっつかれていた。
 このたびようやくの掲載。お待たせしました。

長く復刻が待たれていたアンネリース・シュミットのバッハ無伴奏チェロ組曲全曲。Ducretet-Thomsonの原盤はきわめて入手困難とされ、この録音をまとまった形で聴けること自体が大きな事件である。しかし価値は希少性だけではない。シュミットは六つの組曲を、華美な表情づけに頼らず、太く芯のある音と確かな構成感で築き上げる。舞曲のリズムは生き生きとしていながら、サラバンドでは深い静寂が広がり、各組曲の性格が鮮明に浮かぶ。約2時間、独奏チェロだけで聴き手を引きつけ続ける集中力も見事。歴史的チェロ録音を愛する人はもちろん、バッハの無伴奏全曲に新たな名演を求める人にも強く薦めたい復刻。演奏の厳しさと温かさが共存する、まさに待望の復刻である。

fr 708
ワーグナー:交響曲ハ長調*
 Recording date : 1954
ブルックナー:交響曲第0番 ニ短調 WAB 99+
 Recording date : 1952
ゲルハルト・プリューガー指揮*
ライプツィヒ放送響*
ヘンク・スプルイト指揮+
コンサート・ホール響+
Length : 01:18:14
Original edition : Urania UR 7116 - Concert Hall CHS 1142

ワーグナーの交響曲ハ長調と、ブルックナーの交響曲第0番。後世に巨大な楽劇と交響曲を築いた二人が、まだ自らの語法を完成させる前に書いた作品を並べた、実に興味深い一枚である。ワーグナーにはベートーヴェンやウェーバーの影響が色濃く、若々しい推進力の中に後年の劇的身振りがちらりと現れる。ブルックナーの《第0番》では、番号を撤回した作品とは思えない雄大な楽想と、独特の休止や積み上げがすでに聴き取れる。プリューガーとスプルイトという異なる指揮者の演奏を通じて、二人の作曲家の「出発点」を比較できるのが魅力。完成された名作とは別の面白さに満ちた、探究心を刺激する復刻。珍しい作品を通して二人の巨匠の若き日を覗き込める。

fr 709
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」ハ長調 D. 944
 Recording date : 1960
シューリヒト指揮
シュトゥットガルト放送響
Length : 00:50:59
Original edition : Guilde Internationale du Disque MMS 2215

カール・シューリヒト指揮シュトゥットガルト放送響による、1960年録音のシューベルト《グレイト》。シューリヒトの魅力は、作品を重々しく巨大化するのではなく、明快なリズムと鋭い推進力によって長大な構成を一気に見通させるところにある。反復する音型は軽快に脈打ち、歌謡的な旋律は自然に呼吸しながら、終楽章へ向かって緊張が途切れない。50分余りという引き締まった演奏時間も、その颯爽とした造形を物語る。シュトゥットガルト放送響の機敏な反応も見事で、シューリヒト晩年の透明な音楽づくりを支える。数多い《グレイト》の録音の中でも、重厚さとは別の爽快な魅力を味わえる注目盤。快速テンポの中にも歌が失われず、何度聴いても新鮮である。

fr 711/2
(2CD-R)
\5990
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
 Recording date : 1953
コレッリ:合奏協奏曲 op. 6-8「クリスマス協奏曲」*
 Recording date : 1955
アウグスト・ヴェンツィンガー指揮
バーゼル・スコラ・カントルム器楽アンサンブル
カペラ・コロニエンシス*
Length : 01:57:26
Original edition : Archiv Produktion AP 13016, APM 14011/2, APM 14107/8 et AP 13046

アウグスト・ヴェンツィンガーとバーゼル・スコラ・カントルムによる、1953年のブランデンブルク協奏曲全曲。古楽器演奏が現在ほど一般的でなかった時代に、作品本来の編成や奏法へ目を向けた先駆的な録音であり、演奏史の資料としてもきわめて興味深い。現代の鋭敏な古楽演奏とは違い、響きには温かさと素朴な重みがあり、各楽器の対話がゆったりと浮かび上がる。さらにカペラ・コロニエンシスによるコレッリ《クリスマス協奏曲》を併録。Archiv Produktion初期の歴史を物語る原盤をまとめた2枚組で、バロック演奏がどのように再発見されていったかを耳でたどれる。音楽的にも資料的にも価値ある復刻。古楽復興の歩みそのものを音で体験できる歴史的セットである。

fr 714
チャイコフスキー:
 バレエ組曲「くるみ割り人形」 op. 71a
  ミュンヘン・フィル
   Recording date : 1951
 同「眠りの森の美女」 op. 66
  バンベルク響
  Recording date : 1955
 イタリア奇想曲 op. 45
  ミュンヘン・フィル
  Recording date : 1954
 「エフゲニー・オネーギン」~ワルツ
  バイエル州立響
  Recording date : 1951
フリッツ・レーマン指揮
Length : 01:13:01
Original edition : Deutsche Grammophon 19028, 17045, 18014, 17133

フリッツ・レーマンがドイツの複数のオーケストラと残した、チャイコフスキー名曲集。《くるみ割り人形》《眠りの森の美女》の二つのバレエ組曲に、《イタリア奇想曲》と《エフゲニー・オネーギン》のワルツを加えた、親しみやすく華やかな内容である。レーマンの指揮は、過度な感傷や派手な演出に傾かず、舞曲のリズムと旋律の流れを端正に整える。そのため、チャイコフスキーの甘美さだけでなく、管弦楽法の精巧さや場面転換の巧みさが自然に伝わる。1951~55年のDG原盤を集成し、ミュンヘン・フィル、バンベルク響などの往年の響きも楽しめる。懐かしくも品格のあるチャイコフスキー。食後や休日にゆったり楽しみたい、上質な名曲アルバムでもある。

fr 703
シューマン:謝肉祭 op. 9
 Recording date : 1957
ショパン:バラード第4番 ヘ短調 op. 52
 Recording date : 1957
同:華麗なる大ポロネーズ op. 22
 Recording date : 1957
サン=サーンス:
 ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 op. 103「エジプト風」
  ポール・パレー指揮
  フランス国立放送響
   Recording date : 1958
マグダ・タリアフェロ(P)
Length : 01:14:49

マグダ・タリアフェロの多彩な芸術を一枚に凝縮した魅力的なプログラム。シューマン《謝肉祭》では、短い各曲の人物像を鮮やかに描き分け、ショパンのバラード第4番と華麗なる大ポロネーズでは、自由な歌と華やかな技巧を存分に聴かせる。そして後半には、ポール・パレー指揮フランス国立放送響とのサン=サーンス《エジプト風》を収録。異国的な色彩と奔放なピアノ書法が、タリアフェロの明るく柔軟なタッチにぴたりと合う。独奏曲の親密さから協奏曲の豪奢な世界まで、1957~58年の充実した演奏をまとめて味わえる。フランス系ピアニズムの洒脱さと生命力を知るための、実に楽しい復刻。タリアフェロという個性派の魅力が、最も親しみやすく伝わる一枚。

fr 704
チャイコフスキー:
 交響曲第5番 ホ短調 op. 64
  Recording date : 1956
 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
  Recording date : 1958
ウィルヘルム・シュヒター指揮
北西ドイツ・フィル
Length : 01:05:32
Original edition : Electrola JLX 506 et JLP 173

ウィルヘルム・シュヒター指揮北西ドイツ・フィルによる、チャイコフスキーの交響曲第5番と《ロメオとジュリエット》。情熱を前面に押し出すロシア的な演奏とは異なり、シュヒターは全体の構造を明確に整え、重心の低い響きの中からドラマを積み上げていく。第5番の運命動機は各楽章をしっかり結び、終楽章の勝利も安易な熱狂に流れない。《ロメオとジュリエット》では、対立する主題の緊張と愛の旋律の広がりがくっきりと描かれる。1956年と58年のElectrola原盤。華美ではないが、作品の骨格と内側の情熱を誠実に伝える、ドイツの放送・歌劇場文化を思わせる堅実な名演。渋い選択ながら、聴き込むほど説得力を増すチャイコフスキーである。

fr 706
ブラームス:
 交響曲第2番 ニ長調 op. 73
 ハイドンの主題による変奏曲 op. 56 a
  Recording date : 1955
エルネスト・ブール指揮
バーデン=バーデン南西ドイツ放送響
Length : 00:57:19
Original edition : Ducretet-Thomson 320 C 135

現代音楽の名指揮者として知られるエルネスト・ブールが、ブラームスの交響曲第2番と《ハイドンの主題による変奏曲》を録音していたというだけでも興味をそそられる。ブールは厚い響きをただ積み上げるのではなく、各声部の動きを明晰に整理し、ブラームスの緻密な構造を透明に浮かび上がらせる。第2交響曲の牧歌的な明るさにも甘さだけでなく、内側に潜む陰影と緊張が感じられる。《ハイドン変奏曲》では変奏ごとの性格が鮮やかで、終曲のパッサカリアへ向かう構築も見事。1955年Ducretet-Thomson原盤。重厚一辺倒ではない、知的で引き締まったブラームスを求める人にぜひ聴いてほしい。ブールの別の顔を知る意味でも、きわめて貴重な記録といえる。

fr 705
ベートーヴェン:
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op. 61*
  Recording date : 1961
シューベルト:
 ヴァイオリンと弦楽のためのロンド イ長調 D. 438+
  Recording date : 1959
グリュミオー(Vn)
クーベリック指揮*
シューリヒト指揮+
フランス国立放送響
Length : 00:52:41

アルテュール・グリュミオーを独奏に、ベートーヴェンの協奏曲ではクーベリック、シューベルトのロンドではシューリヒトを迎えた豪華な組み合わせ。グリュミオーのヴァイオリンは、磨き抜かれた美音を保ちながら、決して表面の優雅さだけに終わらない。ベートーヴェンでは長大な旋律を気高く歌い、クーベリックとフランス国立放送響が大きな呼吸で支える。シューベルトではシューリヒトの軽やかな運びに乗り、若々しい楽想が伸びやかに花開く。1959年と61年という近い時期の放送録音ながら、指揮者の個性によって独奏の表情が変わるのも面白い。グリュミオーの品格と柔軟性を一枚で味わえる注目盤。協奏曲と小品で異なる魅力を聴き比べられる構成も絶妙である。

fr 707
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
 Recording date : 1959
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
 Recording date : 1959
プロコフィエフ:
 ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op. 26
  Recording date : 1957
ダニエル・ワイエンベルク(P)
クーベリック指揮
フランス国立放送管
Length : 01:13:11
Original edition : Ducretet-Thomson 320 C 150

ダニエル・ワイエンベルクの幅広い技巧と音楽性を示す、きわめて密度の高い一枚。《展覧会の絵》では一曲ごとの情景を鮮明に描き、《ペトルーシュカ》からの3楽章では複雑なリズムと色彩を鮮やかに処理する。さらにプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番では、クーベリック指揮フランス国立放送管を相手に、鋭い推進力と抒情性を両立させる。ロシア音楽三作といっても、絵画的組曲、バレエ編曲、協奏曲と性格はまったく異なり、ピアニストの適応力がよく分かる。1957~59年Ducretet-Thomson原盤。華麗な技巧の奥にある構成感まで楽しめる、ワイエンベルク再評価にふさわしい復刻。三つの大作を一気に聴かせる集中力にも圧倒される。





第72号紹介アイテム


fr 777
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」 (1919年版)
 Recording date : 1955
ワルター・ゲール指揮
オランダ・フィル
Length : 00:59:03
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 126 et 64

リムスキー=コルサコフの《シェヘラザード》と、ストラヴィンスキーの《火の鳥》1919年版。ともに絢爛たる管弦楽法で聴かせる作品ながら、前者は物語を紡ぐ長大な交響組曲、後者は鋭いリズムと凝縮された色彩のバレエ組曲で、その対照が実に鮮やか。ワルター・ゲールとオランダ・フィルが1955年に残した録音で、Musical Masterpiece Societyの2種の原盤を一枚にまとめている。約59分という収録時間に、ロシア音楽の華麗さと幻想性がぎっしり。名曲同士の組み合わせながら、同じ「色彩的」という言葉では括れない二作品の違いがよく分かる、聴き応え十分の一枚である。ゲールの録音を追う人だけでなく、1950年代のオランダ・フィルの姿に関心のある方にもおすすめしたい。二つの物語音楽を続けて聴くことで、オーケストラが描く「語り」の違いまで浮かび上がる。

fr 781/2
(2CD-R)
\5990
1955年、第5回ショパン国際コンクールの入賞者たち~
 アダム・ハラシェヴィチ、ウラディーミル・アシュケナージ
アダム・ハラシェヴィチ:
 夜想曲 ロ長調 op. 62, n° 1
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 63, n° 3
 マズルカ イ短調 op. 67, n° 4
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 50, n° 3
 ポロネーズ 変イ長調 op. 53
 バラード第1番 ト短調 op. 23
 即興曲第3番 変ト長調 op. 51
 前奏曲 ハ短調 op. 45
 練習曲 嬰ト短調 op. 25, n° 6
 練習曲 イ短調 op. 25, n° 11
アシュケナージ:
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op. 21
  ゴルジンスキ指揮
  ワルシャワ国立フィル
 バラード第2番 ヘ長調 op. 38
 練習曲 ハ長調 op. 10, n° 1
 練習曲 ヘ長調 op. 25, n° 3
 マズルカ 変イ長調 op. 41, n° 4
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 30, n° 4
 スケルツォ第4番 ホ長調 op. 54
Length : 01:41:13
Original edition : Pathe DTX 171/2

1955年、第5回ショパン国際コンクールの入賞者たちを記録した貴重な2枚組。その第1集にはアダム・ハラシェヴィチとウラディーミル・アシュケナージが登場する。ハラシェヴィチは夜想曲、マズルカ、ポロネーズ、バラード、練習曲まで幅広く収録。一方アシュケナージはピアノ協奏曲第2番を軸に、バラード、練習曲、マズルカ、スケルツォを聴かせる。同じショパンを弾きながら、選ばれた作品も構成もまったく異なり、二人の個性を比較できるのが最大の魅力。後年世界的に知られることになる演奏家たちの、コンクール当時の息遣いを伝える歴史資料としても価値が高い。完成された巨匠の録音ではなく、競い合う場で示された集中力と若さを聴けるところが、このセットならでは。ショパン演奏史をたどる方には、結果だけでは分からない演奏家の出発点を知る格好の資料となる。

fr783/4
(2CD-R)
\5990
1955年、第5回ショパン国際コンクールの入賞者たち
 フー・ツォン、ベルナルド・リンガイゼン、ナウム・シュタルクマン、ドミトリー・パペルノ
フー・ツォン:
 ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op. 11
  Piano : フー・ツォン
  ゴルジンスキ指揮
  ワルシャワ国立フィル
 子守歌 変ニ長調 op. 57
 幻想曲 ヘ短調 op. 49
 マズルカ ハ短調 op. 56, n° 3
 マズルカ イ短調 op. 59, n° 1
 マズルカ ヘ短調 op. 68, n° 4
 マズルカ ホ短調 op. 41, n° 2
 マズルカ ヘ短調 op. 63, n° 3
 マズルカ イ短調「ノートル・タン」 n° 2
 マズルカ 嬰ト短調 op. 33, n° 1
ベルナルド・リンガイゼン:
 バラード 第4番 ヘ短調 op. 52
 練習曲 嬰ハ短調 op. 10, n° 4
 夜想曲 ホ長調 op. 62, n° 2
 スケルツォ 第3番 嬰ハ短調  op. 39
 幻想ポロネーズ 変イ長調 op. 51
 マズルカ 変ロ短調 op. 24, n° 4
 マズルカ ロ短調 op. 30, n° 2
 マズルカ 嬰ハ短調 op. 50, n° 3
ナウム・シュタルクマン:
 夜想曲 ハ短調 op. 48, n° 1
 スケルツォ第2番 変ロ短調 op. 31
ドミトリー・パペルノ:
 タランテラ変イ長調 op. 43
 練習曲 変イ長調 op. 10, n° 10
 練習曲 イ短調 op. 10, n° 2
 練習曲 ハ短調 op. 25, n° 12
Length : 02:31:03
Original edition : Pathe DTX 173/5

1955年ショパン国際コンクールの入賞者を集めた第2集。フー・ツォン、ベルナルド・リンガイゼン、ナウム・シュタルクマン、ドミトリー・パペルノという四人を、2時間半を超える大容量で収める。フー・ツォンは協奏曲第1番に加え、子守歌、幻想曲、そして多数のマズルカを披露。リンガイゼンはバラード、夜想曲、スケルツォ、幻想ポロネーズ、シュタルクマンとパペルノは短い収録ながら強烈な難曲を担当する。一つのコンクールから、これほど異なるショパン像が生まれていたことに驚かされる。単なる名演集ではなく、1955年のワルシャワを立体的に再現する、資料性豊かな復刻である。特にマズルカの比重が大きく、同じ舞曲に対するリズム感や歌い回しの違いを比較できるのも大きな楽しみ。第1集と合わせれば、戦後ショパン演奏の一つの分岐点を丸ごと聴くような充実感がある。

fr 778
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 B op. 77
 Recording date : 1953
ブラームス:ハンガリー舞曲集より
 第5, 6, 1, 3, 17, 18, 19, 20, 21番
 Recording date : 1952
シュナイダーハン(Vn)
ケンペン指揮
ベルリン・フィル
Length : 01:00:52
Original edition : Deutsche Grammophon 18132 et 17068

シュナイダーハン、ケンペン、ベルリン・フィルという組み合わせによるブラームスのヴァイオリン協奏曲。1953年録音というだけでも惹かれるが、さらに1952年録音の《ハンガリー舞曲集》9曲を収めた構成がうれしい。協奏曲では独奏とオーケストラが大きなスケールで対話し、舞曲集ではベルリン・フィルの機動力と色彩が前面に出る。同じブラームスでも、重厚な協奏曲と躍動的な舞曲では世界が一変するため、一枚の中で作曲家の二つの顔を楽しめる。初期DGの歴史的録音をまとめて味わえる、演奏家、指揮者、オーケストラの顔合わせだけでも見逃しにくい一枚。協奏曲だけを目当てにしても十分だが、ハンガリー舞曲を続けて聴くことで、シュナイダーハンの厳格な独奏世界と、ケンペンが引き出す管弦楽の躍動が鮮やかに対照される。ブラームス好きには非常に満足度が高い。

fr 779
メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op. 90「イタリア」
 Recording date : 1950
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 op. 4
 Recording date : 1953
フリッツ・リーガー指揮
ミュンヘン・フィル
Length : 00:59:18
Original edition : Deutsche Grammophon 16019 et 16058

フリッツ・リーガー指揮ミュンヘン・フィルによる、メンデルスゾーンの交響曲第4番《イタリア》とドヴォルザークの《スラヴ舞曲集》。1950年と53年の録音で、明るい南国への憧れを描いた交響曲と、中欧の舞曲的な活力を前面に出した作品群を組み合わせている。《イタリア》の軽快な推進力から《スラヴ舞曲》の濃やかなリズムへと進む流れが自然で、約59分を通して旅情と舞踏の気分が続く。華やかな有名曲集でありながら、リーガーと当時のミュンヘン・フィルという顔合わせは現在のカタログでは決して多くない。戦後間もないドイツのオーケストラ録音を楽しむ意味でも興味深い。《イタリア》の終楽章サルタレッロからスラヴ舞曲へ続くと、地域は変わっても身体を動かす音楽の喜びが途切れない。定番曲の別解を探している方にも、ミュンヘン・フィルの過去を知りたい方にも面白い復刻。

fr 780
ビゼー:交響曲第1番 ハ長調*
 Recording date : 1956
ビゼー:「アルルの女」組曲第1番&第2番+
 Recording date : 1952
フリッツ・レーマン指揮*
フェルディナント・ライトナー指揮+
バンベルク響
Length : 01:01:00
Original edition : Deutsche Grammophon 17197 et 18049

若々しい輝きに満ちたビゼーの交響曲ハ長調と、《アルルの女》第1・第2組曲を収めた、ビゼー管弦楽作品集。交響曲はフリッツ・レーマン、組曲はフェルディナント・ライトナーが指揮し、どちらもバンベルク響が演奏している。同じオーケストラを二人の指揮者が振るため、作品の違いだけでなく音楽の運び方の対照も楽しめるのが面白い。古典的な均整を持つ交響曲と、劇音楽ならではの旋律美と色彩にあふれる《アルルの女》は相性抜群。1952年と56年のDG原盤を一枚にまとめた構成で、ビゼーがオペラ以外にも残した魅力を、過不足なく味わえる一枚である。二つの録音の間には4年の隔たりがあるため、バンベルク響の初期の歩みを聴く資料としても興味深い。旋律の美しさを気軽に楽しめる一方、指揮者による輪郭づけの違いまで耳を向ければ、さらに味わいが増す。

fr 785
ハイドン:
 12のドイツ舞曲集 Hob.IX/12
 12のメヌエット Hob.IX/11
  Recording date : 1950
ハンス・ギレスベルガー指揮
ウィーン国立歌劇場管
モーツァルト:6つのドイツ舞曲 K. 509
  Recording date : 1955
モーツァルト:行進曲 K. 408
 Recording date : 1955
モーツァルト:12のドイツ舞曲 K. 602
 Recording date : 1955
モーツァルト:ガヴォット K. 300
 Recording date : 1955
モーツァルト:3つのドイツ舞曲 K. 605
 Recording date : 1955
ベルンハルト・パウムガルトナー指揮
ザルツブルク・カメラータ・アカデミカ管
Length : 01:16:33
Original edition : The Haydn Society HSLP 1022 - Philips A 00374 L

ハイドンとモーツァルトのドイツ舞曲、メヌエット、行進曲、ガヴォットを集めた、実に楽しい舞曲アルバム。ハイドンはハンス・ギレスベルガー指揮ウィーン国立歌劇場管、モーツァルトはベルンハルト・パウムガルトナー指揮ザルツブルク・カメラータ・アカデミカ管が担当する。交響曲や協奏曲とは異なり、宮廷や舞踏会の空気を直接伝える小品が次々に現れ、古典派音楽の社交的で軽やかな側面がよく分かる。1950年と55年という録音時期も魅力で、二つのオーストリア系団体の響きを聴き比べられる。名曲一曲を深く聴く盤とは別の楽しさを持つ、気分を明るくしてくれる珍しい選曲。一曲一曲は短いが、調性、拍子、編成の変化が絶えず、通して聴いても単調にならない。ハイドンとモーツァルトが日常の祝祭や舞踏のために書いた音楽を、LP初期の演奏でまとめて聴ける点も貴重である。

fr 786
ベルリオーズ:幻想交響曲 op. 14
 Recording date : 1959
ベルリオーズ:「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲
 Recording date : 1960
ピエール=ミシェル・ル・コント
パリ・オペラ座管
Length : 00:59:02
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 2122 et 2168

ベルリオーズの《幻想交響曲》と《ベンヴェヌート・チェッリーニ》序曲を、ピエール=ミシェル・ル・コント指揮パリ・オペラ座管で収録。《幻想交響曲》は恋愛、幻想、舞踏、断頭台、魔女の祝祭へと展開する巨大な物語であり、そこにオペラ序曲を加えることで、ベルリオーズの劇場的な想像力がさらに鮮明になる。パリ・オペラ座管という団体名も、この組み合わせにはよく似合う。録音は1959年と60年。約59分に大作と序曲を収め、ベルリオーズ独特の大胆な管弦楽法と場面転換の妙を一気に味わえる。よく知られた作品ながら、この指揮者とオーケストラによる復刻はForgottenらしい興味をそそる。有名指揮者の定番録音とは異なる角度から作品に触れられるのがForgotten盤の醍醐味。序曲でまず劇場の熱気を味わい、その勢いのまま《幻想》の異様な物語へ入る聴き方も面白い。

fr 788
リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調、同第2番 イ長調*
フランク:交響的変奏曲+
フィリップ・アントルモン(P)
ワルター・ゲール指揮*
チューリッヒ放送管*
カール・バンベルガー指揮+
オランダ・フィル+
Recording date : 1956 Length : 00:54:07
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 68 et 2062

フィリップ・アントルモンによるリストのピアノ協奏曲第1番、第2番に、フランクの《交響的変奏曲》を加えた1956年録音。リストではワルター・ゲール指揮チューリッヒ放送管、フランクではカール・バンベルガー指揮オランダ・フィルが共演する。華麗な技巧と劇的な展開を持つ二つのリスト協奏曲に対し、フランクはより内省的で緊密な変奏作品。同じピアノとオーケストラの作品でも、求められる表現が大きく異なるため、アントルモンの多面的な音楽性を一枚で確認できる。Musical Masterpiece Societyの原盤をまとめた、約54分の濃密な協奏的プログラムである。協奏曲二曲を並べることで、単一楽章的に連続する第1番と、より内省的な第2番の差も明瞭になる。最後にフランクを置くことで、華麗さだけでは終わらず、フランス系レパートリーの歌心へ自然に着地する構成も巧み。

fr 789
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op. 61 シャルル・シルルニク(Vn)
ピエール・デルヴォー指揮
コンセール・コロンヌ協会管
Recording date : 1962 Length : 00:43:27
Original edition : Ducretet-Thomson SCC 506

現代のカタログではなかなか名前を見かけないヴァイオリニスト、シャルル・シルルニクによるベートーヴェンの協奏曲。ピエール・デルヴォー指揮、コンセール・コロンヌ協会管との1962年録音で、Ducretet-Thomson原盤の復刻である。収録はこの一曲のみ、演奏時間43分27秒。余計な小品を加えず、作品そのものと一人の演奏家に正面から向き合える潔い構成がよい。ベートーヴェンの協奏曲は名盤が非常に多いが、だからこそ、広く流通し続けた録音とは異なる系譜に触れる面白さがある。知られざる独奏者、フランスの指揮者と伝統あるオーケストラという顔合わせに、Forgotten Recordsの存在意義が凝縮された一枚。録音時間の短さも、当時のLP一枚に大作を収めた時代感を伝える。演奏家の知名度に左右されず、まず音そのものと向き合いたい方にこそ手に取ってほしい、レーベル名どおりの発掘盤である。

fr 787
プロコフィエフ:
 交響曲第2番 ニ短調 op. 40
  Recording date : 1957
 交響曲第3番 ハ短調 op. 44
  Recording date : 1956
 序曲 op. 42
  Recording date : 1955
シャルル・ブルック指揮
フランス国立放送管
Length : 01:16:39
Original edition : Columbia FCX 629 et 535

プロコフィエフの交響曲第2番と第3番、さらに序曲op.42を収めた、非常に刺激的な一枚。第2番は巨大な機械のような推進力と変奏構成、第3番はオペラ《炎の天使》の素材を用いた暗く妖しい世界を持ち、どちらも演奏・録音の機会が決して多いとはいえない。そこに序曲を加え、プロコフィエフの尖鋭的な管弦楽作品を集中的に聴かせる。シャルル・ブルック指揮フランス国立放送管、1955~57年録音。華やかなバレエ音楽とは異なる、作曲家の硬質で実験的な面を存分に味わえる。2つの交響曲を一枚に収めた収録時間76分超の重量級復刻である。第2番と第3番を同時に収めた盤は選択肢が多くなく、まして1950年代フランスの放送オーケストラによる演奏となれば資料的価値も高い。プロコフィエフの荒々しさ、暗さ、劇性をまとめて体験したい方におすすめ。

fr 791/2
(2CD-R)
\5990
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」 op. 20
 Recording date : 1957
ユーリー・ファイエル指揮
ボリショイ劇場管
Length : 02:34:49
Original edition : Le Chant du Monde LDX-S-8254/5/6

ユーリー・ファイエル指揮ボリショイ劇場管による、チャイコフスキーのバレエ音楽《白鳥の湖》。1957年録音、収録時間は2時間34分を超え、原盤も3枚に及ぶ大規模な記録である。組曲版では抜粋されてしまう場面を含め、物語の流れに沿って音楽をたっぷり味わえるのが最大の魅力。華麗なワルツや有名な情景だけでなく、舞台をつなぐ短い番号にもチャイコフスキーの旋律と劇的工夫があふれている。ボリショイ劇場管という組み合わせも、この作品を単なる演奏会用名曲ではなく、実際のバレエを支える音楽として聴かせる。長時間盤だからこそ浸ることのできる《白鳥の湖》の全景。組曲で親しんだ旋律が、舞台全体の中でどのような役割を果たすのかを知るにも最適。家でじっくり聴き進めれば、登場人物と情景が音だけで次第に立ち上がり、二枚を通した長大なドラマとして楽しめる。

fr 793/4
(2CD-R)
\5990
シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調  op. 114 D. 667「ます」
 Piano : ヴラド・ペルルミュテル
 Contrabass : ハンス・フリバ
  Recording date : 1960
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 D. 703
  Recording date : 1960
シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 166, D. 803
 Clarinet : ジャック・ランスロ
 Horn : ジルベール・クロシエ
 Basson : ポール・オンニュ
 Contrabass : ガストン・ロジェロ
  Recording date : 1961
パスカルQ
Length : 01:40:31
Original edition : Concert Hall M 2203 et 2219

パスカル四重奏団を中心に、シューベルトの《ます》五重奏曲、弦楽四重奏曲第12番《四重奏断章》、八重奏曲を収めた豪華な室内楽集。《ます》にはヴラド・ペルルミュテルとハンス・フリバ、八重奏曲にはジャック・ランスロら名手が参加し、作品ごとに編成が大きく変化する。親密で明るい五重奏、凝縮された緊張を持つ断章、管と弦が豊かに交わる大規模な八重奏と、シューベルト室内楽の幅広さを一組で見渡せるのが魅力。1960~61年録音、2枚組で約100分。単独作品の復刻ではなく、名手たちが集まった一つの室内楽祭のような充実感を持つセットである。参加者の名前を眺めるだけでも胸が躍るが、スターを寄せ集めた企画ではなく、各作品に必要な編成を整えた実質的な内容である。シューベルトの室内楽を初めてまとめて聴く方にも、珍しい録音を探す愛好家にもすすめたい。

fr 790
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op. 73「皇帝」
 Piano :ユーリ・ブーコフ
  Recording date : 1962
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 op. 68「田園」
 Recording date : 1961
ピエール・デルヴォー指揮
コンセール・コロンヌ協会管
Length : 01:16:32
Original edition : Ducretet-Thomson SCC 507 et 501

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》と交響曲第6番《田園》を組み合わせた、堂々たる一枚。協奏曲の独奏はユーリ・ブーコフ、指揮は両曲ともピエール・デルヴォー、オーケストラはコンセール・コロンヌ協会管。録音は1961~62年で、Ducretet-Thomsonの2枚の原盤を76分余りにまとめている。華麗で英雄的な協奏曲と、自然の喜びを穏やかに描く交響曲という対照が鮮明で、ベートーヴェンの二つの世界を続けて味わえる構成。《皇帝》では独奏と管弦楽の壮大な対話、《田園》ではオーケストラだけによる情景描写が中心となり、デルヴォーの伴奏者と交響曲指揮者としての両面にも注目したい。同じ指揮者と楽団で二作品を揃えているため、華やかな協奏曲でも牧歌的な交響曲でも、アンサンブルの基本的な性格が一貫して聴こえるのも興味深い。ブーコフの協奏曲を目当てに、珍しい《田園》まで得られるお得な復刻。

fr795
ヘンデル:6つのオルガン協奏曲集 Op4より
 第1番 ト短調 op. 4, n° 1
 第2番 変ロ長調 op. 4, n° 2
 第3番 ト短調 op. 4 n° 3
 第4番 ヘ長調 op. 4, n° 4
アウグスト・ヴェンツィンガー指揮
バーゼル・スコラ・カントルム器楽アンサンブル
エドゥアルド・ミュラー(Org)
Recording date : 1956 Length : 00:49:39
Original edition : Archiv Produktion APM 14085

ヘンデルのオルガン協奏曲op.4をまとめた1956年録音。アウグスト・ヴェンツィンガー指揮バーゼル・スコラ・カントルム器楽アンサンブル、オルガンはエドゥアルド・ミュラーという、歴史的演奏の歩みを考えるうえでも興味深い顔合わせである。オルガンが華やかな独奏楽器として活躍する一方、弦楽合奏との応答には室内楽的な親密さがあり、協奏曲ごとに異なる表情を楽しめる。1956年という早い時期のArchiv Produktion原盤で、後年の古楽演奏とは異なる、当時ならではの端正さと重みを備えた記録。ヘンデルの劇場的な明るさと即興的な楽しさを、約50分に凝縮した一枚である。掲載曲目では第1~4番が明記されており、原盤の内容をたどりながら聴く楽しみもある。現代的な軽快さとは異なる響きの中に、古楽復興以前から作品を真剣に見直していた演奏家たちの姿勢が感じられる。

fr 796
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op. 47
 Recording date : 1955
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op. 82
 Recording date : 1955
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
 Piano :ヴィレム・ヒールケマ
  Recording date : 1951
ラヴェル:ツィーガーヌ
 Piano : ヴィレム・ヒールケマ
  Recording date : 1951
トーマス・マジャール(Vn)
オッテルロー指揮
ハーグ・フィル
Length : 01:00:42
Original edition : Philips A 00269 L et N 00125 R

トーマス・マジャールのヴァイオリンを中心に、シベリウスとグラズノフの協奏曲、さらにラヴェルの《ハバネラ形式の小品》と《ツィーガーヌ》を収録。協奏曲ではオッテルロー指揮ハーグ・フィルが共演し、ラヴェルではヴィレム・ヒールケマのピアノが支える。北国の厳しさを思わせるシベリウス、流麗で華やかなグラズノフ、精巧な色彩と技巧を凝縮したラヴェルと、異なる様式を一人の奏者で聴き比べられるのが面白い。録音は1951年と55年。大協奏曲二曲と技巧的小品を約60分に収め、マジャールの音楽的な守備範囲を一枚でたどることのできる充実した復刻。協奏曲二曲だけでも重量級だが、ラヴェルの小品が最後に鮮やかな光を添えるため、全体の流れにも変化がある。知られざる奏者を大作と小品の両面から知ることができる、Forgottenらしい構成の一枚。

fr 799
リスト:
 リゴレット・パラフレーズ S. 434
 「ドン・ジョヴァンニ」の回想 S. 418
 「ランメルモールのルチア」の回想 S. 397
 「ノルマ」の回想 S. 394
 「トロヴァトーレ」のミゼレーレ S. 433
アール・ワイルド(P)
Recording date : 1962 Length : 00:47:56
Original edition : RCA CM/CSC 302

アール・ワイルドがリストのオペラ・パラフレーズを弾いた、まさにヴィルトゥオーゾ・アルバム。《リゴレット・パラフレーズ》《ドン・ジョヴァンニの回想》《ランメルモールのルチアの回想》《ノルマの回想》《トロヴァトーレのミゼレーレ》という、華麗さと難技巧を極めた5曲を収録する。単なる有名旋律の編曲ではなく、原曲の劇的場面をピアノ一台で再構築した作品ばかりで、旋律を歌わせる力、声部を弾き分ける技術、圧倒的なクライマックスづくりが同時に求められる。1962年RCA原盤、約48分。リストとオペラ、そしてアール・ワイルドの華麗なピアニズムを一気に浴びるための、純度の高い一枚である。技巧の誇示に目が向きがちな曲目だが、どの作品も原作オペラの人物や場面をどこまで想像させられるかが勝負。五曲を続けて聴けば、ワイルドの指先だけで舞台が次々と転換していくような豪奢な時間を味わえる。

fr 802
ヘンデル:12の合奏協奏曲集 op. 6より
 第1, 2, 6, 7,12番
ジョン・プリッチャード指揮
ウィーン響
Walter Puschacher, premier violon
Armin Kaufmann, deuxieme violon
Viktor Gorlich, violoncelle
グスタフ・レオンハルト, clavecin
Recording date : 1954 Length : 01:07:26
Original edition : Philips A 00235 L et A 00668 R

ヘンデルの合奏協奏曲op.6から第1、2、6、7、12番を収録。ジョン・プリッチャード指揮ウィーン響に、チェンバロのグスタフ・レオンハルトが加わるという、1954年ならではの興味深い顔合わせである。大編成の交響楽団と、のちに古楽演奏を代表することになる鍵盤奏者が同じ録音に参加している点だけでも注目したい。独奏楽器群と合奏が交替しながら進む合奏協奏曲の面白さが、選び抜かれた5曲でよく分かる。第6番の抒情性、第7番の活気、第12番の充実した構成など、曲ごとの個性も豊か。Philips原盤による、バロック録音史の一場面を伝える復刻である。モダン・オーケストラの厚みとチェンバロの輪郭が同居する録音は、現在の古楽器演奏とは別種の魅力を持つ。演奏様式が大きく変わる前夜の記録として聴けば、作品解釈の歴史そのものまで見えてくる。

fr 800
アルベニス:イベリア (Orchestration :エンリケ・フェルナンデス・アルボス)
 エドゥアルド・トルドラ指揮
 コンセール・ラムルー協会管
ファリャ:恋は魔術師
 コリンナ・ヴォッツァ(Ms)
 ジャン・マルティノン指揮
 コンセール・ラムルー協会管
  Recording date : 1953
ファリャ:スペインの夜の庭
 エドゥアルド・デル・プエヨ(P)
 ジャン・マルティノン指揮
 コンセール・ラムルー協会管
  Recording date : 1955
Length : 01:17:52
Original edition : Philips N 00699 R et A 00371

スペイン音楽の色彩を、フランスのオーケストラと多彩な演奏家で味わう充実盤。アルベニスの《イベリア》管弦楽版はエドゥアルド・トルドラ指揮コンセール・ラムルー協会管。ファリャの《恋は魔術師》と《スペインの夜の庭》はジャン・マルティノンが指揮し、前者にはコリンナ・ヴォッツァ、後者にはエドゥアルド・デル・プエヨが参加する。舞曲のリズム、夜の幻想、歌とピアノ、精妙な管弦楽法が次々に現れ、一枚の中でスペイン音楽の多彩な表情を楽しめる。1953年と55年のPhilips原盤を収録時間77分余りにまとめた、選曲も演奏陣も非常に贅沢な復刻である。《イベリア》の管弦楽的な豪華さ、《恋は魔術師》の妖しい舞台性、《スペインの夜の庭》の繊細なピアノと管弦楽の交感が、見事な三部構成をつくる。スペイン物を一枚で濃密に楽しみたい方には格好の選集。



第70号紹介アイテム

新録音シリーズ


fr 18M
ジャン・クラ:
 ヴァイオリン・ソナタ第1番「エスプリ」 (1901)
  Violin : マリー=クリスティーヌ・ミリエール
  Piano : シャンタル・リオウ
   Recording date : 2012
 弦楽三重奏曲 (1926 - A bord du Lamotte Picquet)
  Violin : マリー=クリスティーヌ・ミリエール
  Alto : ジャン=フランソワ・ベナタール
  Cello :フィリッペ・バリー
   Recording date : 1988
 五重奏曲(ハープ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための)
  (1928 - A bord de la Provence)
  Violin : マリー=クリスティーヌ・ミリエール
  Alto : ジャン=フランソワ・ベナタール
  Cello : フィリッペ・バリー
  Harpe : カテリーヌ・ミシェル
  Flute : トマス・プレヴォスト
   Recording date : 1988
Length : 01:10:19

フランスの作曲家ジャン・クラの室内楽を集めた現代録音シリーズ。1901年のヴァイオリン・ソナタ第1番《エスプリ》、1926年の弦楽三重奏曲、1928年のハープ、フルート、弦楽三重奏のための五重奏曲を収録する。後二作にはそれぞれ「ラモット=ピケ艦上」「プロヴァンス艦上」と記されており、作品が生まれた場所まで想像させるのが興味深い。編成も二重奏、弦楽三重奏、独特な五重奏と変化に富み、クラの室内楽様式を年代順にたどることができる。録音は1988年と2012年。歴史的録音の復刻とは別に、忘れられた作品そのものを現代に蘇らせるForgotten Recordsのもう一つの姿を示す重要盤。有名曲の別録音を探すシリーズとは違い、耳にする機会の少ない作品に新しい録音で光を当てる企画である。海を思わせる題名と透明な室内楽編成にも独自の詩情があり、フランス近代の知られざる枝葉を探索する喜びに満ちている。


通常(歴史的録音)シリーズ


fr 751/2
(2CD-R)
\5990
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012
 (第1番~第6番)
アンドレ・レヴィ(Vc)
Recording date : 1962 Length : 02:27:27
Original edition : Lumen 3447-9

バッハの無伴奏チェロ組曲全6曲を、アンドレ・レヴィの演奏でまとめた2枚組。第1番の明るく開かれた響きから、第5番の深い陰影、第6番の大きな広がりまで、六つの組曲を通して聴くことで、舞曲の集合体が次第に壮大な精神世界へ変わっていく過程が見えてくる。1962年録音、Lumen原盤。収録時間は2時間27分を超え、抜粋では味わえない全曲盤ならではの流れをじっくり追える。各組曲の前奏曲、アルマンド、クーラント、サラバンド、舞曲、ジーグという基本構成を比較しながら聴く楽しみも大きい。Forgotten Recordsらしく、演奏家の名前だけではなかなか出会えない貴重な全曲録音を、まとまった形で聴ける復刻である。
 

fr 747/8
(2CD-R)
\5990
ハイドン:弦楽四重奏曲集 op. 50 Hob. III/44-49(プロシア四重奏曲)
 第44番 変ロ長調、第45番 ハ長調
 第46番変ホ長調、第47番嬰ヘ短調
 第48番ヘ長調、第49番ニ長調「蛙」
シュナイダー・クヮルテット
Recording date : 1950Length : 01:56:12
Original edition : Haydn Society HSQ 22, 23, 24

ハイドンの作品50「プロシア四重奏曲」全6曲を、シュナイダー四重奏団の1950年録音で収めた2枚組。第44番から第49番までを一気に聴くことで、同じ曲集の中にある調性、テンポ、表情の違いが鮮やかに浮かび上がる。とりわけ終曲の音型から「蛙」の愛称で知られる第49番だけでなく、嬰ヘ短調の第47番や、明朗な変ロ長調の第44番など、各曲に独自の顔があることを実感できるはず。Haydn Societyの3枚の原盤を約1時間56分にまとめた復刻で、弦楽四重奏という形式が成熟していく時期のハイドンを、まとまりある全集的な視点で味わえる。古典派室内楽を腰を据えて聴きたい方にうれしい一組。一曲ずつ味わうにも、曲集全体を通して聴くにも適している。
 

fr 760
シューベルト:ピアノ三重奏曲集
 第1番 変ロ長調 op. 99, D. 898
 第2番 変ホ長調 op. 100, D. 929
アルベネリ・トリオ
Recording date : 1951 Length : 01:15:58
Original edition : Mercury MG 10106/7

シューベルトの二つの大作ピアノ三重奏曲、第1番変ロ長調D898と第2番変ホ長調D929を、アルベネリ・トリオの演奏でまとめた一枚。第1番の伸びやかで親密な歌心と、第2番のより大きな構想、陰影に富んだドラマを続けて聴けるため、同じ作曲家の同じ編成でありながら、二作品の性格の違いがよく分かる。1951年録音、Mercury原盤。収録時間は75分余りで、両曲を一枚に収めた充実した内容となっている。ピアノ、ヴァイオリン、チェロが主役を交替しながら進むシューベルトの室内楽は、単なる伴奏と独奏の関係ではなく、三者の対話そのものが魅力。歴史的録音でこの二曲をまとめて味わえるのは、実にぜいたくである。秋の夜にじっくり向き合いたい名作二曲である。
 

fr 758
フランク:交響曲 ニ短調
 Recording date : 1953
同:プシュケ
 Recording date : 1952
フランツ・アンドレ指揮
ベルギー国立ブリュッセル放送響
Length : 00:57:24
Original edition : Telefunken LE 6515 et LSK 7022

フランクの代表作である交響曲ニ短調と、幻想的な管弦楽作品《プシュケ》を組み合わせた一枚。フランツ・アンドレ指揮、ベルギー国立ブリュッセル放送交響楽団による1952~53年録音で、作曲家とゆかりの深いベルギー系の演奏陣によってまとめられている点も興味深い。交響曲では、循環形式によって各楽章の主題が結びつき、重厚な冒頭から終楽章の明るい解放へと向かう大きな流れを堪能できる。一方《プシュケ》は、神話的な題材を思わせる柔らかな色彩と夢幻的な雰囲気が魅力。Telefunken原盤を約57分にまとめ、フランクの厳格な構築性と官能的な詩情という二つの側面を一枚で見渡せる、よく考えられた選曲である。ベルギーのオーケストラによるフランクという点にも惹かれる。
 

fr 759
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 op. 81, B. 155*
  Recording date : 1958
コダーイ:弦楽四重奏曲第2番 op. 10
 Recording date : 1954
ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第6番 ホ短調
 Recording date : 1955
ハンガリー弦楽四重奏団
ジョルジュ・ソルシャニー(P)*
Length : 01:16:54
Original edition : Les Discophiles Fran軋is DF 730053 - Columbia FCX 467

ドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番を中心に、コダーイの弦楽四重奏曲第2番、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲第6番を組み合わせた、非常に個性的な室内楽選集。ハンガリー弦楽四重奏団が三作品すべてを担い、ドヴォルザークではジョルジュ・ソルシャニーがピアノに加わる。ボヘミアの豊かな旋律、コダーイの緊張感ある語法、ヴィラ=ロボスの躍動的で色彩的な響きが一枚の中で次々に現れ、地域も時代も異なる三作品を弦楽器の響きで結びつけている。録音は1954~58年。ディスコフィル・フランセとColumbiaの原盤を76分余りに収め、名曲と比較的珍しい作品を巧みに並べた、探索する楽しみに満ちた一枚。四重奏団の持続する個性が、三つの作品を一つの旅へとまとめている。
  

fr 763
フォーレ:ピアノ作品集
 即興曲第1番 変ロ長調 op. 25
 同第3番 変ロ長調 op. 34
 同第4番 変ニ長調 op. 91
 舟歌 第3番 変ト長調 op. 42
 同 第12番 変ホ長調 op. 105 n° 2
 ワルツ・カプリース第3番 変ト長調 op. 59
 夜想曲第1番変ホ短調 op. 33 n° 1
 同第6番 変ニ長調 op. 63
ジャン・ドワイヤン(P)
Recording date : 1958 Length : 00:46:49
Original edition : Philips 641100 AXL

ジャン・ドワイヤンによるフォーレのピアノ作品集。即興曲、舟歌、ワルツ・カプリース、夜想曲を取り合わせ、フォーレのピアノ音楽が持つ多彩な表情を一枚で味わえる。即興曲の軽やかな動き、舟歌の揺れるようなリズム、夜想曲の内省的な陰影、ワルツ・カプリースの優雅さと機知が、互いを引き立てながら並ぶ選曲である。作品番号25から105までを含むため、比較的早い時期から晩年に近い作品まで、作風の変化を自然にたどれるのも魅力。1958年録音、Philips原盤。収録時間は46分余りと引き締まっており、フォーレ特有の控えめな情熱と洗練を、まとまりよく聴かせる。派手さよりも和声と余韻を味わいたい方に薦めたい一枚。静かな時間に繰り返し聴きたくなる、香り高いアルバムである。
 

fr 755/6
(2CD-R)
\5990
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012
 (第1番~第6番)
アウグスト・ヴェンジンガー(Vc)
Recording date : 1961 Length : 02:02:35
Original edition : Bareinreiter-Musicaphon BM 30 L 1507/9

アウグスト・ヴェンツィンガーによるバッハの無伴奏チェロ組曲全曲。1961年録音、ベーレンライター=ムジカフォン原盤の3枚分を、2枚のCD-Rにまとめている。第1番から第6番までを通して聴けば、同じ舞曲形式を基礎にしながら、各組曲がまったく異なる世界を築いていることがよく分かる。親しみやすい第1番、暗く厳しい第5番、音域も構想も大きい第6番へと進む流れは、全曲盤ならではの醍醐味。収録時間は2時間2分余りで、各曲を比較しながら聴くにも適している。歴史的録音の復刻であると同時に、20世紀中頃にバッハの無伴奏作品がどのように捉えられていたかを知る資料としても興味深い、内容の濃いセットである。六曲を一つの大きな作品として受け止めたい方に薦めたい。
 

fr 762
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op. 64
 Recording date : 1956
同:弦楽セレナード ハ長調 op. 48*
 Recording date : 1957
ワルター・ゲール指揮
ローマ・フィル
フランクフルト室内管*
Length : 01:15:47
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 2155 et 2188

チャイコフスキーの交響曲第5番と弦楽セレナードを、ワルター・ゲールの指揮で組み合わせた一枚。交響曲はローマ・フィル、弦楽セレナードはフランクフルト室内管が演奏し、編成も性格も異なる二作品を、同じ指揮者のもとで聴き比べられる。第5交響曲では、全曲を貫く運命的な主題が暗い序奏から力強い終結へと姿を変えていく。一方、弦楽セレナードは、豊かな旋律と弦楽合奏の柔らかな響きが中心で、交響曲の劇性とは対照的な優雅さを示す。1956~57年録音、Musical Masterpiece Society原盤。75分余りにチャイコフスキーの「大きなドラマ」と「純粋な弦の歌」を収めた、聴き応えある組み合わせである。二つの異なるオーケストラの響きの違いにも耳を傾けたい。
 

fr 753/4
(2CD-R)
\5990
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全集 BWV 1014-1019 ユーディ・メニューイン(Vn)
ジョージ・マルコム(クラヴィコード)
アンブローズ・ガントレット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
Recording date : 1961 Length : 01:40:49
Original edition : His Master's Voice ASD 489/490

メニューインによるバッハのヴァイオリン・ソナタBWV1014~1019全曲。ジョージ・マルコムがクラヴィコードを担当し、アンブローズ・ガントレットのヴィオラ・ダ・ガンバも加わるという、編成そのものが興味を引く2枚組である。これらの作品では、ヴァイオリンだけが旋律を担うのではなく、鍵盤楽器の右手、左手を含めた複数の声部が対等に絡み合う。華やかな独奏曲とは異なる、緻密な対話と静かな集中が聴きどころ。1961年録音、His Master's Voice原盤。全6曲を約1時間40分に収め、曲ごとの緩急や調性の違いもじっくり比較できる。メニューインのバッハを協奏曲や無伴奏曲とは別の角度から味わえる、室内楽的な魅力に満ちた全集である。
 

fr 761
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
 Recording date : 1954
ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲(ファウストの劫罰より)
 Recording date : 1954
ブラームス:ハンガリー舞曲集より
 第5番、第4番、第2番
  Recording date : 1954
コダーイ:「ハーリ・ヤーノシュ」組曲*
 Recording date : 1952
ドホナーニ:組曲「ハンガリー牧歌」 op. 32b*
 Recording date : 1952
ヴィルヘルム・シュヒター指揮
北西ドイツ・フィル
フィルハモニア管*
Length : 01:13:57
Original edition : Electrola JLP 103 et 117 - Parlophone PMC 1017

リストの《ハンガリー狂詩曲第2番》から、ベルリオーズの《ラコッツィ行進曲》、ブラームスのハンガリー舞曲、コダーイの《ハーリ・ヤーノシュ》、ドホナーニの《ハンガリー牧歌》までを集めた、まさにハンガリー色満載の一枚。ヴィルヘルム・シュヒターの指揮で、北西ドイツ・フィルとフィルハモニア管が演奏する。民俗的な旋律や舞曲のリズムが、作曲家ごとにどのように管弦楽へ変換されているかを聴き比べられるのが最大の面白さ。華やかな狂詩曲、勇壮な行進曲、親しみやすい舞曲、物語性豊かな組曲が次々に続き、全体が一つの音楽旅行のように構成されている。1952~54年録音。選曲の楽しさで一気に聴かせる、実に魅力的な企画盤。民族色豊かな管弦楽曲が好きな方なら、最後まで飽きずに楽しめる。
 

fr 769
モーツァルト:
 ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K. 218
 同第5番 イ長調 K. 219
  Recording date : 1961
ミシェル・オークレール(Vn)
マルセル・クーロー指揮
シュトゥットガルト・フィル
Length : 00:40:58
Original edition : Fontana 698087 FL

ミシェル・オークレールによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番と第5番《トルコ風》。マルセル・クーロー指揮シュトゥットガルト・フィルとの1961年録音で、二つの人気協奏曲を40分余りに収めた端正な一枚である。第4番は明るく堂々としたニ長調の響きと、歌うような緩徐楽章が魅力。第5番は優雅な第1楽章に続き、終楽章で突然現れる異国風のリズムが鮮烈な対照をつくる。二曲を続けて聴くことで、モーツァルトが同じ独奏楽器に与えた表情の幅がよく分かる。大げさな効果より、旋律の自然な流れと独奏・管弦楽の均衡を味わう作品だけに、歴史的録音でじっくり聴き直す価値は大きい。Fontana原盤の注目復刻。オークレールのモーツァルトをまとめて聴ける点も大きな魅力である。
 

fr 768
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 op. 23
 Piano :マリーナ・ムディヴァニ
 コンセール・コロンヌ協会管
  Recording date : 1961
同:序曲「1812年」 op. 49
同:ワルツ(エフゲニー・オネーギンより)
同:スラヴ行進曲 op. 31
 アムステルダム・フィルハーモニック協会管
  Recording date : 1960
ピエール・デルヴォー指揮
Length : 01:06:42
Original edition : La Voix de son Maitre ASDF 246 - Musical Masterpiece Society MMS 2198

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を中心に、《1812年》、歌劇《エフゲニー・オネーギン》のワルツ、《スラヴ行進曲》を収めた、華やかな管弦楽作品集。協奏曲ではマリーナ・ムディヴァニが独奏を務め、コンセール・コロンヌ協会管が共演。後半の三曲はアムステルダム・フィルハーモニック協会管が演奏し、全曲をピエール・デルヴォーが指揮する。壮大な協奏曲、祝祭的な序曲、優雅なワルツ、力強い行進曲と、チャイコフスキーの人気の高い側面が次々に現れる構成である。1960~61年録音。独奏曲と管弦楽曲を一枚で楽しめ、旋律の豊かさと劇場的な色彩を存分に味わえる、充実した66分。一枚を通して、舞台と演奏会の双方で愛される作曲家の魅力が広がる。
 

fr 767
ベルリオーズ:幻想交響曲 op. 14
ワーグナー:「ジーグフリート」~森のささやき
同:「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行
 Recording date : 1956
ポール・パレー指揮
フランス国立放送管
Length : 01:00:32

ポール・パレー指揮フランス国立放送管によるベルリオーズ《幻想交響曲》に、ワーグナーの《森のささやき》《ワルキューレの騎行》を加えた1956年録音。作曲家は異なるが、どちらも管弦楽によって情景、心理、物語を描き出す作品であり、選曲には明確なつながりがある。《幻想交響曲》では、夢と情熱から舞踏会、野の情景、断頭台、魔女の夜宴へと進む極端なドラマが展開。続くワーグナー二曲では、静かな森の気配と圧倒的な騎行が鮮やかな対照を見せる。収録時間は約60分。フランス作品の色彩感と、ドイツ楽劇の重厚な場面を同じ演奏陣で聴けるため、パレーの管弦楽表現を多面的に味わえる興味深い一枚である。幻想、自然、戦いという三つの情景が、強烈な一時間を形づくる。
 

fr 765/6
(2CD-R)
\5990
モーツァルト:交響曲第1番~第14番
 Recording date : 1955
オットー・アッカーマン指揮
オランダ・フィル
Length : 02:30:08
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 3021 a 3024

モーツァルトの交響曲第1番から第14番までを、作品番号順にまとめた2枚組。オットー・アッカーマン指揮オランダ・フィルによる1955年録音で、収録時間は2時間30分を超える。少年期の短く素朴な交響曲から、次第に楽章構成や管弦楽の扱いが豊かになっていく過程を、連続してたどれるのが最大の魅力である。有名な後期交響曲とは異なり、一曲ごとの演奏機会は決して多くないが、並べて聴くことで、若いモーツァルトが各地の様式を吸収しながら自分の語法を形づくっていく様子が見えてくる。Musical Masterpiece Societyの4枚の原盤を集成。資料的価値だけでなく、短い作品が次々に現れる聴きやすさもあり、初期モーツァルトの魅力を一望できる貴重なセット。
 

fr 764
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K. 491*
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 op. 16+
フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード op. 19+
 Recording date : 1952
グラント・ヨハネセン(P)
オットー・アッカーマン指揮*
ワルター・ゲール指揮+
オランダ・フィル
Length : 01:10:13
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 46, 123, et 102

グラント・ヨハネセンを独奏に、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番、グリーグのピアノ協奏曲、フォーレの《バラード》を組み合わせた一枚。同じ「ピアノと管弦楽」の作品でも、モーツァルトの厳しいハ短調、グリーグの北欧的な抒情と劇性、フォーレの繊細で流動的な幻想性はまったく異なる。オットー・アッカーマンとワルター・ゲールが指揮し、オランダ・フィルが共演。1952年録音を中心に、三つの時代、三つの国のピアノ協奏的作品を70分余りで聴き比べられる。単一作曲家のアルバムとは違い、独奏者が作品ごとに音色や語り口をどう変えるかにも注目したい。Musical Masterpiece Society原盤による、選曲の妙が光る復刻である。
 

fr 773
ジャン:フランセ:五重奏曲
 (フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとハープのための)
ダニエル=ルシュール:中世風組曲
ダマーズ:五重奏曲 op. 2
 (フルート、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
  Recording date : 1961
パリ器楽五重奏団
Length : 00:43:12
Original edition : Les Discophiles Francais DF 730062

ジャン・フランセ、ダニエル=ルシュール、ジャン=ミシェル・ダマーズの作品を収めた、フランス近現代室内楽の珍しい一枚。フルート、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという透明感のある編成を中心に、パリ器楽五重奏団が演奏する。フランセの五重奏曲では機知に富んだ軽やかさ、ダニエル=ルシュールの《中世風組曲》では古風な題材を現代の感覚で扱う面白さ、ダマーズの五重奏曲ではハープとフルートを生かした洗練された色彩が期待される。1961年録音、レ・ディスコフィル・フランセ原盤。収録時間43分余りと簡潔ながら、一般的なピアノ五重奏や弦楽四重奏とはまったく異なる響きの世界を味わえる。Forgottenの名にふさわしい、作品発掘型の魅力に満ちた一枚。
 

fr 772
ハイドン:
 チェンバロ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII/11
 同 ト長調 Hob.XVIII/4
 同 ヘ長調 Hob.XVIII/7
  Recording date : 1961
ロベルト・ヴェイロン=ラクロワ(クラヴィコード)
クルト・レーデル指揮
パリ音楽院管
Length : 00:51:22
Original edition : Les Discophiles Francais DF 740012

ハイドンの鍵盤協奏曲から、ニ長調Hob.XVIII/11、ト長調Hob.XVIII/4、ヘ長調Hob.XVIII/7の三曲を収録。ロベルト・ヴェイロン=ラクロワがクラヴィコードを担当し、クルト・レーデル指揮パリ音楽院管が共演する1961年録音である。華やかで親しみやすいニ長調協奏曲を中心に、調性も性格も異なる三作品を並べることで、ハイドンの鍵盤協奏曲が持つ幅を楽しめる。独奏楽器と管弦楽が競い合うというより、室内楽的な会話を重ねながら音楽が進む点にも注目したい。レ・ディスコフィル・フランセ原盤、収録時間51分余り。モーツァルトやベートーヴェンの協奏曲とは別の、古典派中期ならではの明快さと機知を味わえる、まとまりのよい選集である。
 

fr 770
オネゲル:交響曲第2番 H. 153
 フランス国立放送管
   Recording date : 1956
マルティヌー:フランチェスカのフレスコ H. 352
 フランス放送フィル
  Recording date : 1960
ラファエル・クーベリック指揮
Length : 00:43:04

ラファエル・クーベリック指揮による、オネゲルの交響曲第2番とマルティヌーの《フランチェスカのフレスコ》という注目すべき組み合わせ。前者は1956年のフランス国立放送管、後者は1960年のフランス放送フィルとの録音である。オネゲルの第2交響曲は弦楽を主体とした厳しい緊張の中に、終結でトランペットが加わる独特の構成を持つ。一方《フランチェスカのフレスコ》は、絵画的な着想から生まれた豊かな色彩と大きなうねりが魅力。暗く凝縮された交響曲と、広がりある管弦楽幻想が対照をなし、クーベリックの20世紀音楽への取り組みを一枚で味わえる。収録時間43分余りながら、内容の密度はきわめて高い。有名曲中心の棚では見落とされがちな二作を、理想的な組み合わせで提示する。
  

fr 771
フォーレ:
 舟歌第2番 ト長調 op. 41、即興曲第2番 ヘ短調 op. 31
 夜想曲第1番 変ホ短調 op. 33、即興曲第5番 ヘ短調 op. 102
 夜想曲第6番 変ニ長調 op. 63、
 ワルツ・カプリース第3番 変ト長調 op. 59
  Recording date : 1957
同:チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 op. 117*
  Recording date : 1949
ジャクリーヌ・エマール(P)
アンドレ・ナヴァラ(Vc)*
アニー・ダルコ(P)*
Length : 00:52:04
Original edition : Le Chant du Monde LD M 8168 - Columbia LFX 897

フォーレの舟歌、即興曲、夜想曲、ワルツ・カプリースをジャクリーヌ・エマールのピアノで収め、後半にアンドレ・ナヴァラとアニー・ダルコによるチェロ・ソナタ第2番を加えた一枚。独奏ピアノの小品群では、揺れるリズム、ほの暗い歌、素早い動き、洗練された舞曲性が次々に現れ、フォーレの内面的な世界を多角的に味わえる。1949年録音のチェロ・ソナタは、晩年作品ならではの引き締まった書法と力強い対話が魅力で、1957年のピアノ曲集と鮮やかな対照をつくる。Le Chant du MondeとColumbia原盤を52分余りにまとめ、独奏と室内楽の双方からフォーレを聴ける、内容豊かな選集である。フォーレの静けさの奥にある情熱を、編成の変化とともに感じられる。




第69号紹介アイテム

fr 745
ムソルグスキー/ラヴェル:組曲「展覧会の絵」)
 ロイヤル・フィル
 ロジンスキー指揮
  Recording date : 1955
リムスキー=コルサコフ:
 交響組曲「シェヘラザード」 op. 35
  ウィーン国立歌劇場管 
  アルジェロ・クアドリ指揮
    Recording date : 1954
Length : 01:15:27
Original edition : Westminster XWN 18721 et XWN 18278

ムソルグスキー/ラヴェル編《展覧会の絵》とリムスキー=コルサコフ《シェヘラザード》を組み合わせた、ロシア管弦楽名曲二本立て。《展覧会の絵》はアルトゥール・ロジンスキー指揮ロイヤル・フィルの1955年録音、《シェヘラザード》はアルジェロ・クアドリ指揮ウィーン国立歌劇場管の1954年録音である。絵画を巡る歩みを多彩な音色で描く前者と、物語の連鎖を官能的な旋律で展開する後者。どちらもオーケストラの色彩が主役だが、構成と語り口は大きく異なる。Westminster原盤二種を75分余りにまとめ、二つのオーケストラ、二人の指揮者による鮮やかな個性の違いまで楽しめる。歴史的録音で豪華な音絵巻を味わいたい方にうれしい一枚。
 

fr 744
ハイドン:
 「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」 op. 51, Hob. III/50-56
  Recording date : 1954
ギレ・クァルテット
Length : 00:56:39
Original edition : Classic CLP 6271/2

ハイドンの《十字架上のキリストの最後の7つの言葉》を、ギレ・クァルテットによる1954年録音で収めた一枚。もともと宗教儀式のために書かれた作品を弦楽四重奏で聴くと、七つの緩徐楽章が連ねる静かな祈りと、その内側で少しずつ変化してゆく感情の陰影が、いっそう直接的に伝わってくる。華やかな効果ではなく、四人の奏者が呼吸を合わせ、同じ問いを深く掘り下げてゆくような音楽。冒頭の序奏から最後の「地震」まで、沈黙をも含めた構成の強さが際立つ。Classic原盤による56分余りの記録で、ハイドンの機知や明朗さとは異なる、厳粛で内省的な一面にじっくり向き合える。四重奏版を探していた方にも注目してほしい復刻である。
 

fr 742
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K. 491
 同第25番 ハ長調 K. 503
  Recording date : 1955
ハンス・ヘンケマンス(P)
ルドルフ・モラルト指揮
ウィーン響
Length : 00:59:38
Original edition : Philips A 00339 L

モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調と第25番ハ長調という、隣り合う番号ながら性格の大きく異なる二作を組み合わせた一枚。ハンス・ヘンケマンスの独奏、ルドルフ・モラルト指揮ウィーン交響楽団による1955年録音である。暗い緊張と劇的な対話が支配する第24番に対し、第25番は堂々とした広がりと祝祭的な明るさを備える。短調と長調、内省と壮麗という対照が、約60分の中で鮮やかに浮かび上がる構成だ。ウィーンのオーケストラを背景に、ピアノが単なる主役としてではなく、管弦楽と応答しながら作品を組み立ててゆく二つの協奏曲。Philips A 00339 L原盤の復刻で、モーツァルト円熟期の協奏曲世界を一度に見渡せる、充実したカップリングである。
 

fr 743
オベール:
 シャトーブリアンの墓(1948)
 供物(1947)
バロー:
 ヌマンティアの交響曲
  Recording date : 1956
ジョルジュ・ツィピーヌ指揮
フランス国立放送管
Length : 00:47:24
Original edition : Columbia FCX 597

オベールの《シャトーブリアンの墓》《供物》と、バローの《ヌマンティアの交響曲》を収めた、Forgotten Recordsならではのフランス近代管弦楽曲集。いずれも一般的な名曲集ではまず出会えない作品で、1940年代に書かれたオベールの二作と、歴史的題材を掲げるバローの交響作品を一枚で聴ける。ジョルジュ・ツィピーヌ指揮フランス国立放送管による1956年録音という点も大きな魅力で、当時のフランスの演奏家たちが同時代作品をどのように提示していたかを伝える資料でもある。題名からも、追憶、献呈、悲劇的な歴史という異なるイメージが立ち上がり、47分余りながら内容は濃密。Columbia FCX 597原盤。知られざるフランス音楽を発掘する喜びを、まさに体現した一枚である。
 

fr 741
ヘンデル:
 協奏曲 ト長調
  Clavichord : ルッジェーロ・ジェルリン
 クーラント ハ短調
  Clavichord : ルッジェーロ・ジェルリン
 シャコンヌ ト長調と変奏曲
  Clavichord : ルッジェーロ・ジェルリン
 オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ
  Violin : ジョルジュ・テッシエル
  Viole de gambe : ロベール・コルディエ
  Hautbois : ロベール・カジエ
  Clavichord :ルッジェーロ・ジェルリン
 フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバとクラヴサンのためのソナタ
 Viole de gambe : ロベール・コルディエ
 Clavichord : ルッジェーロ・ジェルリン
 Flute : リュシアン・ラヴァイロッテ
 ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとクラヴサンのためのソナタ op. 1, n° 3
  Violin : ジョルジュ・テッシエル
  Viole de gambe : ロベール・コルディエ
  Clavichord : ルッジェーロ・ジェルリン
   Recording date : 1958
Length : 00:53:21
Original edition : Resonances 11

ルッジェーロ・ジェルリンを中心に、ヘンデルの鍵盤作品と室内楽を組み合わせた1958年録音。協奏曲、クーラント、シャコンヌと変奏曲ではクラヴィコードの独奏を味わい、後半ではオーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、フルートが加わる三つのソナタへと編成が広がってゆく。独奏から重奏へ、鍵盤の輪郭から各楽器の対話へと自然に展開するため、一枚の中でヘンデルの器楽作品の多彩さを実感できる。ジョルジュ・テッシエル、ロベール・コルディエ、ロベール・カジエ、リュシアン・ラヴァイロッテらが参加。53分余りに六作品を収め、華麗な大編成作品とは異なる、親密で工夫に富んだヘンデル像を提示する。Resonances 11原盤という珍しさも含め、古楽録音史に関心のある方には見逃せない。
 

fr 749
フランク:
 前奏曲、コラールとフーガ、
 ゆるやかなワルツ、前奏曲、アリアと終章
  Recording date : 1961
ジャン=シャルル・リシャール(P)
Length : 00:41:43
Original edition : Valois MB 408

フランクの《前奏曲、コラールとフーガ》《ゆるやかなワルツ》《前奏曲、アリアと終曲》を、ジャン=シャルル・リシャールのピアノで収めた1961年録音。大規模な二つの連作の間に小品を置くことで、フランクの厳格な構築性と、柔らかな歌や舞曲的な表情の双方が見えてくる。とりわけ《前奏曲、コラールとフーガ》と《前奏曲、アリアと終曲》は、各部分が回帰し結びつきながら大きな弧を描く作品で、単なる技巧曲とは異なる精神的な深さを持つ。41分余りという収録時間ながら、内容は一つの重厚なリサイタルのよう。Valois MB 408原盤の復刻で、フランクのピアノ音楽を代表作だけでなく作品世界の連続性として味わえる。オルガンや交響曲とはまた異なる、鍵盤上のフランクに集中できる一枚である。
 

fr 750
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op. 37
  ワルター・ゲール指揮
  オランダ・フィル
 ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op. 13「悲愴」 
 ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op 78「テレーゼ」
 ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op 110
グラント・ヨハネセン(P)
Recording date : 1950
Length : 01:13:53
Original edition : Musical Masterpiece Society MMS 25, 52, 100W

グラント・ヨハネセンによるベートーヴェン集。ワルター・ゲール指揮オランダ・フィルとのピアノ協奏曲第3番に、《悲愴》《テレーゼ》、そして晩年の第31番op.110という三つのソナタを組み合わせている。すべて1950年録音で、ハ短調の劇的な協奏曲と《悲愴》を軸にしながら、簡潔で親密な《テレーゼ》、深い内省からフーガへ至るop.110へと進む構成が興味深い。協奏曲の公的なスケールと、独奏ソナタの私的な語りが一枚の中で対照をなし、ベートーヴェンのピアノ作品の広がりを示す。Musical Masterpiece Societyの複数原盤を73分余りに集成。若々しい緊張から晩年の精神性までを、一人のピアニストの記録を通してたどれる、聴き応えのある選集となっている。
 

fr 746
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz. 116, BB 123
 バンベルク響
  Recording date : 1957
 カンタータ・プロファーナ Sz. 94, BB 100
  Tenor : マレイ・ディッキー
  Bariton : エドモンド・ハーシェルl
  ウィーン響、
  ウィーン室内合唱団   
ハインリヒ・ホルライザー指揮
Original edition : Vox PL et STPL 10489

バルトークの《管弦楽のための協奏曲》と《カンタータ・プロファーナ》を、ハインリヒ・ホルライザー指揮で組み合わせた一枚。前者は1957年のバンベルク交響楽団、後者はマレイ・ディッキー、エドモンド・ハーシェル、ウィーン交響楽団、ウィーン室内合唱団による録音である。各楽器群が主役を受け渡しながら巨大な構造を形づくる管弦楽作品と、声と合唱を加えて民話的・儀式的な世界を築くカンタータ。編成も表現も異なる二作を並べることで、バルトークの劇的な構成力と民族的想像力が多面的に伝わる。《管弦楽のための協奏曲》だけで終わらず、演奏機会の限られる《カンタータ・プロファーナ》まで収めた点が何より貴重。Vox原盤による、20世紀音楽ファン注目の復刻である。
 

fr 701
モーツァルト:
 クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
  Clavichord : レオポルド・ウラッハ
  ウィーン国立歌劇場管
  Direction :アルトゥール・ロジンスキー
   Recording date : 1954
 ファゴット協奏曲 変ロ長調 K. 191
  Basson : カール・エールベルガー
  ウィーン国立歌劇場管
  Direction : アルトゥール・ロジンスキー
   Recording date : 1954
 2本のクラリネットとファゴットのための
  ディヴェルティメント 変ロ長調 K. 229 n° 2& n° 3
   Clarinet :レオポルド・ウラッハ
   Basson : カール・エールベルガー
   Clarinet : フランツ・バルトシェク
    Recording date : 1952
Length : 01:16:52
Original edition : Westminster WL 5307 et WL 9058

モーツァルトのクラリネット協奏曲、ファゴット協奏曲、そして二本のクラリネットとファゴットのための二つのディヴェルティメントを収めた、木管楽器の魅力に満ちた一枚。クラリネットにはレオポルド・ウラッハ、ファゴットにはカール・エールベルガーを迎え、協奏曲ではアルトゥール・ロジンスキー指揮ウィーン国立歌劇場管が共演する。1952年と1954年の録音で、独奏楽器がオーケストラと歌い交わす協奏曲から、三本の木管だけによる親密なディヴェルティメントへと移る構成が楽しい。晩年のクラリネット協奏曲の深い歌、ファゴット協奏曲の軽やかな機知、重奏曲の柔らかな響きを一度に味わえる。Westminster原盤二種を76分余りにまとめた、奏者の顔ぶれにも選曲にも惹かれる充実盤。

fr 727
シューマン:
 チェロ協奏曲 イ短調 op. 129
  Recording date : 1959
Cello : アルド・パリゾ
ウィーン・フィル
ピエール=ミシェル・ル・コント指揮
歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲 op. 81
 交響曲第4番 ニ短調 op. 120
  Recording date : 1958
フランクフルト放送響
オットー・アッカーマン指揮
Length : 01:04:08
Original edition : Guilde Internationale du Disque MMS 2190 et 2136

シューマンのチェロ協奏曲、《ゲノヴェーヴァ》序曲、交響曲第4番を組み合わせた一枚。協奏曲はアルド・パリゾ、ピエール=ミシェル・ル・コント指揮ウィーン・フィルによる1959年録音。序曲と交響曲はオットー・アッカーマン指揮フランクフルト放送交響楽団の1958年録音である。独奏チェロが休みなく幻想を紡ぐ協奏曲、歌劇の劇的世界を凝縮した序曲、各楽章が強く結びついて進む第4交響曲という、シューマンの連続性への志向を三つの形で聴けるのが面白い。ウィーン・フィルを伴う協奏曲と、ドイツの放送オーケストラによる管弦楽曲の音色の違いも楽しみ。Guilde Internationale du Disque原盤を64分余りにまとめ、ロマン派の熱気と構成の緊密さを一枚で味わわせる。
 

fr 726
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 op. 35「葬送」
ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲 op. 22
 Recording date : 1951
Piano : ロバート・ゴールドサンド
Length : 00:41:23
Original edition : Musical Masterpiece Sociey MMS 21 et 3012

ロバート・ゴールドサンドによる、ショパンのピアノ・ソナタ第2番《葬送》とラフマニノフの《ショパンの主題による変奏曲》という、ショパンをめぐる巧みな組み合わせ。1951年録音である。前半では、四つの楽章が劇的な対照をなし、名高い葬送行進曲から謎めいた終楽章へ進むショパンの原作を聴く。後半では、そのショパンの前奏曲を出発点に、ラフマニノフが多彩な変奏を積み重ねて独自の大作へと発展させる。同じ作曲家の素材が、世代を超えてまったく異なる世界へ変貌する過程を一枚でたどれるのが最大の魅力。Musical Masterpiece Society原盤二種からの復刻で、収録は41分余り。短い時間にロマン派ピアノ音楽の継承と変容を凝縮した、筋の通ったプログラムである。
 

fr 728
ハイドン:ミサ曲第3番「聖チェチーリア・ミサ」Hob. XXII/5
 Recording date : 1950
ハンス・ギレスベルガー指揮
ウィーン響
Tenor : ハーバート・ハンド
Contralto : ジークリンデ・ヴァーグナー
Soprano :ローズル・シュヴァイガー
Bass :ヴァルター・ベリー
Organ :ヨーゼフ・ネボイス
ウィーン・アカデミー室内合唱団
Length : 01:14:50
Original edition : The Haydn Society HSLP 2028

ハイドンの《聖チェチーリア・ミサ》を、ハンス・ギレスベルガー指揮ウィーン交響楽団、ウィーン・アカデミー室内合唱団で収めた1950年録音。独唱にはローズル・シュヴァイガー、ジークリンデ・ヴァーグナー、ハーバート・ハンド、若きヴァルター・ベリーが名を連ね、オルガンはヨーゼフ・ネボイス。約75分を要する大規模なミサ曲で、独唱、合唱、オーケストラが交替しながら、荘厳さと躍動感を併せ持つ広い宗教世界を形づくる。交響曲や弦楽四重奏で知られるハイドンとは異なる、声楽作曲家としての力量をたっぷり味わえる作品である。The Haydn Society HSLP 2028原盤。後年名声を得る歌手を含む顔ぶれと、ウィーンの演奏陣による初期LP時代の記録という点でも価値が高い。
 

fr 729
デュパルク:歌曲集
 Recording date : 1956
Tenor :レオポルド・シモノー
Piano :アラン・ロジェール
Length : 00:54:36
Original edition : Westminster XWN 18788

デュパルクの歌曲を、テノールのレオポルド・シモノーとピアノのアラン・ロジェールで収めた1956年録音。デュパルクが残した歌曲は数こそ多くないが、一曲ごとに詩と旋律、和声、ピアノの色彩が緊密に結びつき、濃密な余韻を生む。本盤は54分余りを歌曲だけに充てており、単独の名曲を拾い聴きするのではなく、その世界へまとまって浸れるのが魅力である。テノールの明晰な言葉と長い歌の線を軸に、ピアノが情景や心理の移ろいを支える、フランス歌曲ならではの親密な編成。Westminster XWN 18788原盤という歴史的価値も見逃せない。華やかなオペラ・アリアとは異なる、詩を静かに深く伝える歌唱芸術を味わいたい方に注目していただきたい一枚。
 

fr 731/2
(2CD-R)
\5990
J.S.バッハ:
 ブランデンブルク協奏曲(全曲) BWV 1046/51
  The Boyd Neel Orchestra
  Direction : Boyd Neel
   Recording date : 1956
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
  Clavichord : George Malcolm
   Recording date : 1954
 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903
  Clavichord : George Malcolm
  Recording date : 1954
ボイド・二ール指揮
エマニュエル・ハーウィッツ, violon
レオン・グーセンス, hautbois
デニス・ブレイン,
premier cor
ノーマン・デル・マー, deuxieme cor
ブラム・ゲイ,trompette
ジェフリー・ギルバート, flute
フィリップ・グッディ, flute
ジョージ・マルコム, clavecin
Length : 02:05:32
Original edition : Unicorn UNLP 1040/41

ボイド・ニール指揮ボイド・ニール管弦楽団によるバッハのブランデンブルク協奏曲全曲に、ジョージ・マルコムの《イタリア協奏曲》《半音階的幻想曲とフーガ》を加えた2枚組。協奏曲にはエマニュエル・ハーウィッツ、レオン・グーセンス、デニス・ブレイン、ノーマン・デル・マー、ジェフリー・ギルバートら、各楽器の名手が参加する。六曲それぞれで編成と独奏楽器が入れ替わるブランデンブルク協奏曲の多彩さを味わった後、鍵盤独奏による二作品へ移る構成で、合奏と独奏の両面からバッハの器楽世界を見渡せる。1954年と1956年録音、総収録時間は2時間5分余り。Unicorn原盤のまとまった復刻で、参加奏者の顔ぶれだけでも歴史的録音ファンを惹きつける充実セットである。
 

fr 733
ドビュッシー:フルート、チェロとハープのためのソナタ
 Flute : ジャン=ピエール・ランパル
 Harpe : オデット・ル・ダンテュ
 Alto : ピエール・パスキエ
  Recording date : 1952
ドビュッシー:ハープと弦楽オーケストラのための舞曲
 Harpe : ピエール・ジャメ
 パリ室内楽協会管
 Direction : ピエール・キャプドヴィエル
  Recording date : 1952
ラヴェル:ハープ、フルート、クラリネットと弦楽四重奏のための序奏とアレグロ
 Harpe :ピエール・ジャメ
 フランス放送フィルの団員達
 Recording date : 1952
プーランク:フルート・ソナタ
 Flute : ジャン=ピエール・ランパル
 Piano : フランシス・プーランク
  Recording date : 1959
プーランク:ピアノ、オーボエとバスーンのための三重奏曲
 Basson :モーリス・アラール
 Hautbois : ピエール・ピエルロ
 Piano : フランシス・プーランク
 Recording date : 1959
Length : 01:03:57
Original edition : Ducretet-Thomson 270 C 096 - Vega C 35 A 181

1952年のドビュッシー、ラヴェルと、1959年のプーランクを一枚にまとめたフランス室内楽集。ランパル、ピエール・パスキエ、ピエール・ジャメ、ピエール・ピエルロ、モーリス・アラールらが参加し、さらにプーランク自身がピアノを弾く。ドビュッシーのソナタと二つの舞曲、ラヴェルの《序奏とアレグロ》では、フルート、ハープ、弦、クラリネットなどの精妙な音色の組み合わせを堪能。後半のプーランクでは、フルート・ソナタとピアノ三重奏曲を作曲者のピアノで聴ける。透明な色彩、軽やかな機知、親密な対話が次々と現れ、フランス室内楽の魅力を凝縮した63分余り。Ducretet-ThomsonとVega原盤を結んだ、演奏家の顔ぶれも非常に豪華な一枚である。
 

fr 734
ドビュッシー:
 抒情的散文
  Piano :オデット・ガルテンローブ
  Soprano : フロール・ヴァン
   Recording date : 1954
 ビリティスの3つの歌
   Piano : オデット・ガルテンローブ
   Soprano :フロール・ヴァン
    Recording date : 1954
 3つのバラード (Poemes de Francois Villon)
   Piano : オデット・ガルテンローブ
   Soprano : フロール・ヴァン
    Recording date : 1954
 忘れられたアリエッタ
   Soprano : ルネ・ドリア
   Piano : シモーネ・ゴート
    Recording date : 1957
Length : 00:53:24
Original edition : Vendome CM 9101 - Pleiade P 45129

ドビュッシーの歌曲を、二組の歌手とピアニストでまとめた一枚。《抒情的散文》《ビリティスの三つの歌》《フランソワ・ヴィヨンの三つのバラード》はソプラノのフロール・ヴァンとオデット・ガルテンローブによる1954年録音、《忘れられたアリエッタ》はルネ・ドリアとシモーヌ・ゴートによる1957年録音である。詩の響き、言葉の抑揚、ピアノが生む光と影が細やかに結びつくドビュッシー歌曲を、異なる声と伴奏の組み合わせで聴き比べられるのが魅力。神秘的な散文詩、古代を思わせる官能、バラードの暗い物語、若き日の繊細な歌曲群へと、題材と表情が大きく移り変わる。VendomeとPleiade原盤を53分余りに集成した、フランス歌曲ファンには貴重な復刻である。
 

fr 735
ヤナーチェク:
 2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、バスーンとピアノのためのコンチェルティーノ
  Piano : フランツ・ホレチェク
  Horn : フランツ・コッホ
  Violin : ワルター・バリリ
  Alto : ルドルフ・ストレング
  Violin : オットー・シュトラッサー
  Clarinet :アルフレッド・プリンツ
  Basson : カール・エールベルガー
  アンサンブル・バリリ
   Recording date : 1953
ドゥムカ(ヴァイオリンとピアノのための)
  Piano : フランツ・ホレチェク
  Violin : ワルター・バリリ
   Recording date : 1953
ヴァイオリン・ソナタ
  Piano : フランツ・ホレチェク
  Violin :ワルター・バリリ
   Recording date : 1953
 「青春」(フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーン、バスクラリネットのための組曲)
  ベルリン放送管楽六重奏団
   Recording date : 1950
Length : 00:56:01
Original edition : Westminster XWN 18750 - Le Chant du Monde LDX 8017

ヤナーチェクの室内楽を、編成の変化とともに味わえる一枚。アンサンブル・バリリによる《コンチェルティーノ》には、フランツ・ホレチェク、ワルター・バリリ、オットー・シュトラッサー、アルフレッド・プリンツ、カール・エールベルガーらウィーンの奏者が参加。さらにバリリとホレチェクによる《ドゥムカ》《ヴァイオリン・ソナタ》、ベルリン放送管楽六重奏団による《青春》を収める。ピアノを中心に七つの楽器が鋭く応答するコンチェルティーノ、凝縮されたヴァイオリン作品、管楽器だけで若々しい生命力を描く《青春》と、ヤナーチェク独特の語り口が多彩な姿で現れる。1950年と1953年録音、56分余り。WestminsterとLe Chant du Monde原盤を結ぶ、選曲も奏者も実に魅力的な室内楽集。
 

fr 757
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op. 15
 Recording date : 1953
リスト:スペイン奇想曲 S. 254
 Recording date : 1951
Piano :ヴィトルト・マルクジンスキ
フリッツ・リーガー指揮
フィルハモニア管
Length : 00:59:24
Original edition : Columbia CX 1048 et FC 1028

ヴィトルト・マルクジンスキによるブラームスのピアノ協奏曲第1番と、リストの《スペイン奇想曲》を組み合わせた一枚。協奏曲はフリッツ・リーガー指揮フィルハモニア管との1953年録音、リストは1951年録音である。若きブラームスが交響曲にも匹敵する規模で築いた重厚な協奏曲では、ピアノとオーケストラが対立しながら巨大な構造を形づくる。一方の《スペイン奇想曲》は、舞曲的な素材を華麗な技巧で展開する独奏曲。厳粛で長大な協奏曲の後に、色彩と運動感に富むリストを置くことで、マルクジンスキの異なる側面を一枚で味わえる。Columbia原盤二種を59分余りにまとめた復刻で、ポーランド系ピアニストによるドイツ・ロマン派とヴィルトゥオーゾ作品の対照が鮮やかである。
 

fr 736
フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」組曲
  Recording date : 1953
グリーグ:組曲「十字軍の兵士シーグル」 op. 56
  Recording date : 1953
グリーグ:「過ぎし春」(2つの悲しい旋律 op. 34より)
  Recording date : 1953
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管
Direction :ジョン・ホリングワース
グリーグ:
 組曲「ホルベアの時代から」 op. 40
  Recording date : 1950
グリーグ:
 「牛寄せ歌と農民の踊り」(ノルウェーの旋律より)
  Recording date : 1950
ボイド・ニール弦楽オーケストラ
Direction :ボイド・ニール
Length : 01:09:18
Original edition : Parlophone PMC 1010 - Decca LX 3014

フンパーディンクの《ヘンゼルとグレーテル》組曲と、グリーグの管弦楽・弦楽作品を組み合わせた、物語性と北欧情緒に富む一枚。前半はジョン・ホリングワース指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場管による1953年録音で、《十字軍の兵士シーグル》組曲と《過ぎし春》を収録。後半はボイド・ニール弦楽オーケストラの1950年録音で、《ホルベアの時代から》《牛寄せ歌と農民の踊り》を聴く。歌劇場オーケストラによる幻想的な物語と劇的な場面、弦楽合奏による古典的な舞曲と民族的な旋律が対照をなし、編成の変化も楽しい。ParlophoneとDecca原盤を69分余りに集成。親しみやすい旋律の奥にある、各作品の色彩とリズムの違いをじっくり楽しめる選集である。
 

fr 737
ブラームス:ドイツ・レクイエム op. 45
 Recording date : 1954
ショルティ指揮
Bariton :テオ・アダム
Soprano :ローレ・ヴィスマン
フランクフルト歌劇場管&合唱団
Length : 01:10:08
Original edition : Capitol PBR 8300

ショルティ指揮フランクフルト歌劇場管弦楽団・合唱団による、ブラームス《ドイツ・レクイエム》の1954年録音。独唱はソプラノのローレ・ヴィスマンとバリトンのテオ・アダム。ラテン語の典礼文ではなくドイツ語聖書から選ばれた言葉によって、死者への鎮魂だけでなく、残された人々への慰めを大きな合唱と管弦楽で描く作品である。全七曲、70分余りを通して、静かな祈りから壮大なフーガ、深い慰めへと進む構成そのものが聴きどころ。後年のオペラや管弦楽録音で知られるショルティの、比較的早い時期の宗教作品録音としても興味深い。Capitol PBR 8300原盤。若いテオ・アダムを含む歌手陣、歌劇場の合唱・オーケストラによる、歴史的価値の高い《ドイツ・レクイエム》復刻である。




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