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一般のショップでは手に入りにくい
宗次ホール自主制作アルバム その2
ヴァイオリンを持った修道士
植村太郎(Vn)&鈴木慎崇(P)
ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタの名楽章集
MUNETSUGU HALL MUNE 0003 1CD\2530

~7/28(火)午前9時



 名古屋・栄にある宗次ホールは、クラシック音楽を本当に身近なものとして届けてくれる、全国でも稀有な存在です。

 2007年(平成19年)3月に、カレーハウスCoCo壱番屋を一代で築き上げた宗次德二氏が私財を投じ建設し、作曲家の三枝成彰が監修を務めました。
 ホールのコンセプトは「くらしの中にクラシック」。
 客席と舞台の距離が近く、演奏家の息づかいまで感じられる親密な空間。お昼のコンサートから本格的なリサイタルまで、多彩な公演が日々行われています。
 またアリアCD店主・松本大輔が年に数回、クラシック講座を開かせていただいている場所でもあり、アリアCDにとっても大切なホールです。


 ここで紹介するのは、その宗次ホールがリリースする自主製作アルバム。現段階ではおそらくホールでしか売られていない貴重なもの。
 完全限定盤となるので、完売になる前にどうぞ。

 7/28(火)午前9時までのご注文を発注します。

 ちなみに、今回のアルバム、解説はアリアCD店主松本大輔です・・・


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 宗次ホール自主製作盤第2弾。

 前回のアルバム同様、ヴァイオリン・ソナタの楽章を抜粋しつつ、ひとつの音楽絵巻に再構築するというコンセプト。
 今回はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの1番から10番までの中から1楽章ずつ抜き出して「全10楽章」を披露するという形をとった。
 なかなか冒険的な試みだが、聴いてみると結構しっくりくるので驚くと思う。

 そして今回はヴァイオリニストがすごい。

 植村太郎。
 桐朋学園大学を首席卒業し、その後はドイツ国立ハノーファー芸術大学、ジュネーヴ音楽院、ハンスアイスラー音楽大学ベルリンを卒業。
 テレビ番組「カルテットという名の青春(BS朝日)」 でも特集された「ジュピターカルテット」の第一ヴァイオリン奏者として活躍。
 2017年、10年にわたるヨーロッパ生活を終えて帰国。現在は東京藝術大学准教授、芸フィル・ソロコンサートマスター、フコク生命パートナー・アーティスト、名古屋フィル客演コンサートマスターを務めるほか、後進の指導にもあたっている。

 正確さと重厚さと精神性を湛えた本格派である。


 植村太郎氏にインタビューしたあとに書き留めた文章も下のほうで載せておきましょう。




MUNETSUGU HALL
MUNE 0003
\2530

植村太郎
 ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタの名楽章集

 
ベートーヴェン:
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 第1楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 第2楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 第3楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第4番 第1楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 第4楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第6番 第2楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第7番 第1楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第8番 第3楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 第1楽章
 ヴァイオリン・ソナタ第10番 第4楽章
植村太郎(Vn)
 トマス・バレストリエリ(1760年)
鈴木慎崇(P)

2014年9月10・11日宗次ホールにおけるライヴ録音
トマス・バレストリエリ(1760年)はNPO法人イエロー・エンジェルより貸与されたもの。




 どのあたりまで聴いた頃だろう。
 ステージの上にいる青年がまるで求道者のように見え始めてきた。

 植村太郎。ヴァイオリニスト。

 そう、確かにヴァイオリンを持ってベートーヴェンのソナタを奏でているから、この青年はおそらくヴァイオリニストなのだろう。
 しかし、その泰然自若とした雰囲気、凛と中空を見つめるその澄んだまなざし・・・その姿はまるで教会の祭壇にたたずむ修道士のように見えた。

 公演後のインタビュー、本当は演奏的なことやさまざまな音楽活動について質問をするつもりだったが・・・やめた。
 そんなことより聞きたいのは、聞かなければいけないのは、このヴァイオリンを持った青年が、今まで一体何を感じ何を考えて生きてきて、この尋常でないオーラをまとうようになったか。
 もし彼に感じた「何か」が自分の勘違いなら、あっさり現実的な質問に話題を変えよう。
 そう思ってインタビューに臨んだ。

 そうしたらそのインタビューの席で、ある言葉を発した途端に、その青年の柔らかな表情がきっと引き締まり、そしてギラと輝いた。

 「求道者」。

 そしてその後の彼の口から発された言葉は予想もしない(いや、予想通りか・・・)ものだった。

 「音楽を通して自分の本質的な根っこの部分を追求したいのです。」
 「演奏とは作曲家の感じた「光」のようなものを自らも感じ、上に昇っていくようなもの。」
 「音楽を通して崇高な世界に導かれたいと思っています。」
 「そしてその音楽によって、聴いてくれている人もそうした世界に導いていきたい。」

 30歳でこの境地はすごい・・・・と人はいうかもしれない。
 だがそれはおそらく持って生まれたもの。
 彼は常に何かに導かれ、自らもその声に応えるために演奏を続けてきた。


 そう、ピアノの鈴木慎崇についても触れておかなければ。
 この「常識の破壊者」のような植村太郎が本気で音楽と対峙するのをピアノでサポートできる演奏家は、残念ながらあまり多くないと聞く。
 鈴木はその数少ない一人。
 植村が演奏中ときおり異次元の世界へ迷い込むような状態になったとき、鈴木はそれを阻むでもなく見過ごすでもなく、自然にこちらの世界に連れ戻してくれるのだそうである。
 あたかも高級霊と交流する優秀な霊媒師のように。


 実は植村太郎は今、きわめてフリーに近い状態でいる。
 日本に帰ってきて根を下ろせば、おそらく仕事は山のようにある。でもそれをあえて拒否して、ヨーロッパで生活をし空気を吸い、芸術家として熟成し、人間として成長することを自らに課してきた。

 いまあなたが聴いているのは、そんな青年が放ったベートーヴェンなのである。

 (その3年後の2017年、10年にわたるヨーロッパ生活を終えて帰国した。)



 植村太郎(ヴァイオリン)Taro Uemura, Violin


 1984年三重県桑名市生まれ。4歳より母の手ほどきでヴァイオリンを始め、名古屋市立菊里高校、桐朋学園大学を首席で卒業。その後、ハノーファー芸術大学、ジュネーヴ音楽院、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで研鑽を積む。

 桐朋学園在学中、第74回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第1位を受賞し、黒柳賞、レウカディア賞、鷲見賞、岩谷賞(聴衆賞)もあわせて受賞。卒業時には皇居・桃華楽堂にて御前演奏を行った。
 これまで東京フィル、名古屋フィル、東京交響楽団、プラハ交響楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団など国内外のオーケストラと共演している。

 室内楽にも力を注ぎ、2004年にはジュピター弦楽四重奏団を結成。紀尾井ホールでのブラームス、シューマン、バルトーク全曲演奏会をはじめ、各地で精力的に活動し、欧米でも高い評価を得た。その活動はBS朝日のドキュメンタリー番組「カルテットという名の青春」でも紹介されている。

 2017年、10年にわたるヨーロッパ生活を終えて帰国。現在は東京藝術大学准教授、芸フィル・ソロコンサートマスター、フコク生命パートナー・アーティスト、名古屋フィル客演コンサートマスターを務めるほか、後進の指導にもあたっている。
 使用楽器はNPO法人イエロー・エンジェルより貸与されたT.バレストリエリ(1760年)。






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