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OEHMS 初期のアルバム
特価セール
21タイトル
1CD\2800→\2090/\2290
~3/24(火)午前9時


 
 創設当時はBMGの販売網で販売され廉価盤レーベルとして名を馳せていたが、そのBMGがSONYと合併してしまったため一時期市場から姿を消してしまったOEHMS。

 しかしその後NAXOSが販売元となり新録音レーベルとして復活。きちんとした在庫管理と流通が施される中、気づいたら世界有数の優良大型レーベルに成長した。
 ここ数年のバブリーなリリースは目を見張るものがある。

 ただ創立当初に登場した名盤は廃盤となってしまいそのまま入手不能になってしまった。


 そこで今となっては貴重なアルバムとなっている同レーベルの初期の名盤の中で、海外に在庫が残っているものをご紹介します。
 価格も通常よりもかなりお安くなってます。
 きっとこんな名盤があったのか、と思われることでしょう。


 すべて在庫数は2~4本ということで完売の際はご容赦を。
 





OC 110
(2CD)
\4400→\2490
ラルフ・マンノ(Cl)
 ブラームス:
  (1)クラリネット・ソナタ第1番&第2番、
  (2)クラリネット五重奏曲、
    ピアノ五重奏曲
アルフレッド・パール(ピアノ)
ラルフ・マンノ(クラリネット)
ミヒャエラ・ペチュ・ネフテル&ラヘル・クンツ(ヴァイオリン)
ハルトムート・ローデ(ヴィオラ)
グィド・シーフェン(チェロ)


 ブラームス晩年の「静かな情熱」と「内面の炎」が、これ以上ないほど純粋な形で結晶した名盤。

 ブラームスがクラリネットという楽器に出会い、創作意欲を再び燃え上がらせたことはよく知られています。引退を決意していた彼が、クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトの音に心を動かされ、最後の室内楽の傑作群――ソナタ、五重奏曲――を書き上げた。その音楽には、若き日の激情とは異なる、人生を見つめ尽くした者だけが到達できる深い静けさと、消えることのない情熱が同時に息づいています。

 ラルフ・マンノのクラリネットは、決して外面的に華やかさを誇示するタイプではありません。むしろ音は内省的で、柔らかく、そして驚くほど雄弁。音符の一つひとつが語りかけるように生きており、ブラームスの晩年の孤独、諦念、そしてなお残る希望までもを感じさせます。
 アルフレッド・パールのピアノもまた特筆すべき存在です。決して伴奏にとどまることなく、クラリネットと対等に語り合い、時に導き、時に寄り添う。その音楽は構築的でありながら冷たさはなく、むしろ人間的な温もりに満ちています。

 この録音が、ドイツの大評論家ヨアヒム・カイザーによって年間ベスト・アルバムに選ばれたのも、まったく不思議ではありません。それは単に演奏が優れているというだけではなく、ブラームスという作曲家の「魂の核心」に触れることに成功した、稀有な記録だからです。

 さらに五重奏曲、ピアノ五重奏曲では、弦楽器陣が見事な統一感を見せ、ブラームス特有の濃密な和声の森を、深い呼吸で描き出していきます。
 音楽は決して急がず、しかし停滞することもない。まるで長い人生を静かに回想するかのような、時間の流れそのものを感じさせる演奏です。


 スターの名前を並べた豪華盤ではありません。しかしだからこそ、この演奏には純粋な必然があります。名声ではなく、音楽そのものへの献身によって生まれた、真に誠実なブラームス。

 静かに始まり、静かに心を支配し、そしていつまでも心の奥に残り続ける――これは、ブラームス晩年の精神世界を体験するための、かけがえのない一組です。


(1)録音:1992年8月24日~27日、ラジオ・ブレーメン・ゼンデザール、ドイツ
(2)録音:1995年8月24日~27日、サン・フランシスコ教会、アメリカ合衆国




 ラルフ・マンノ(Ralph Manno, 1964年3月1日 - )は、ドイツのクラリネット奏者。
 ケルン近郊ブリュール出身。ケルン音楽大学とカラヤン・アカデミーでクラリネットを学ぶ。
 1984年にはケルン放送管弦楽団に入団して首席クラリネット奏者を務めたが、2年後にはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者に転出した。
 2009年から母校のケルン音楽大学で教鞭を執る。


OC114
\2800→\2090
ラルフ・マンノ(Cl)
 ドビュッシー/プーランク/オネゲル/F. シュミット/ミヨー:クラリネット作品集

 プーランク:クラリネット・ソナタ/
 オネゲル:ソナチネ/
 ミヨー:
  クラリネットとピアノのためのソナチネOp.100・
  デュオ・コンチェルタントOp.351・カプリスOp.335a/
 ドビュッシー:
  狂詩曲第1番・クラリネットとピアノのための小品/
 フローラン・シュミット:アンダンティーノOp.30-1
ラルフ・マンノ(Cl)
アルフレード・パール(P)

 現在ケルン音楽大学の教授、ラルフ・マンノの代表する1枚。エーラー式のクラリネットを使用し、独特な柔らかな音色と循環呼吸による長いフレーズ演奏は絶品です。



【録音】1995年4月24?28日、ブレーメン放送スタジオ(セッション:デジタル)


 まさにラルフ・マンノの芸術の核心に触れる一枚。

 プーランク、オネゲル、ミヨー、ドビュッシー、フローラン・シュミット――
 20世紀フランスを代表する作曲家たちが、クラリネットという楽器に託したのは、単なる旋律ではありません。それは、言葉にならない感情の揺らぎ、光の移ろい、そして一瞬で消えてしまう空気の震えそのものです。
 ラルフ・マンノは、そのすべてを、驚くほど自然に、そして深く掬い取ります。

 彼が使用するエーラー式クラリネットは、フランス系のベーム式とは異なる、より深く、より柔らかく、より陰影に富んだ音色を持っています。その音は決して表面的に輝くのではなく、内側から静かに光を放つ――まるで木の内部から響いてくるような、温もりに満ちた響きです。
 特にプーランクのソナタでは、その真価が見事に発揮されます。
 ユーモアと哀愁、軽やかさと深い孤独が同居するこの作品を、マンノは一音一音に意味を与えながら、まるで語りかけるように紡いでいきます。循環呼吸によって生み出される長大なフレーズは、音楽の流れを一切途切れさせることなく、聴き手をその世界へと深く引き込みます。
 ドビュッシーでは音はさらに繊細なニュアンスを帯び、ミヨーでは機知と生命力に満ちたリズムが躍動し、フローラン・シュミットでは香気立つような響きが空間を満たします。そこには単なる演奏を超えた、「音色による絵画」があります。

 そして忘れてはならないのが、アルフレード・パールの存在です。
 彼のピアノは決して前に出過ぎることなく、しかし常に音楽の核心を支え、クラリネットと完全に一体化した対話を築き上げています。この二人の呼吸は驚くほど自然で、まるで一人の音楽家が二つの楽器を操っているかのような一体感を生み出しています。

 本盤がマンノの代表盤とされるのは当然のことでしょう。そこには技巧の誇示ではなく、音楽そのものへの深い理解と、音色への限りない愛情があります。




OC201
\2800→\2090
メルビッシュ湖上音楽祭ライヴ
 カールマン:「チャールダッシュの女王」
マルティーナ・サラフィン(ソプラノ)
フェルディナント・フォン・ボトマー(テノール)
アドリアン・エレート(バリトン)
メルビッシュ祝祭合唱団・管弦楽団
ルドルフ・ビーブル (指揮)

録音:2002年3月2日~4日、アイゼンシュタット文化センター(オーストリア)

 カールマンの《チャールダッシュの女王》は、オペレッタ史上屈指の傑作。
 ハンガリーの民族的情熱とウィーンの洗練が奇跡的に融合したこの作品は、甘美な旋律、胸を締めつける哀愁、そして聴く者を一瞬で舞踏の世界へと引き込む圧倒的なリズム感に満ちています。

 そしてこの録音の最大の魅力は、世界的に名高いメルビッシュ湖上音楽祭のライヴであることです。

 メルビッシュ湖上音楽祭は、オペレッタの聖地とも言える存在。
 広大な湖上に設けられた壮大な舞台、夜の空気、観客の期待、そして演奏者たちの高揚――そのすべてが一体となって生まれる独特の熱気は、スタジオ録音では決して再現できないものです。

 ビブル指揮ビュルゲンラント交響楽団は、この音楽の本質を熟知しています。
 ウィーンの香りを自然に湛えながら、決して重くならず、しなやかで、そして情熱的。チャールダッシュ特有の緩急の対比は実に鮮やかで、遅い部分では官能的なまでの歌心を、速い部分では血が沸き立つような興奮を生み出します。

 ハイライト盤とはいえ、音楽の流れは極めて自然で、この作品の魅力は余すところなく伝わってきます。むしろ精華だけを凝縮したことで、このオペレッタの本質的な魅力がより鮮明に浮かび上がっています。



OC239
\2800→\2090
メルビッシュ湖上音楽祭のライブ・ハイライト
 J・シュトラウス:「こうもり」
ペーター・エデルマン(バリトン)
ジルヴァーナ・ドゥスマン(ソプラノ)
ウーテ・グフレラー(ソプラノ)
マリオン・ライナー(ヴォーカル)
パウル・アルミン・エーデルマン(バリトン)
アルトゥール・ステファノヴィツ(カウンターテナー)
トーマス・リント(テノール)
ワルデマール・クメント(テノール)
タッダウス・ポドゴルスキ(ヴォーカル)
フランツ・イルサ(ヴォーカル)

メルビッシュ祝祭合唱団
メルビッシュ祝祭管弦楽団
ルドルフ・ビーブル(指揮)

録音:1996年6月11日~14日、エスターハージ宮殿ハイドン・ザール(オーストリア)

 湖上に設けられた壮大な舞台で知られるメルビッシュ音楽祭は、オペレッタの理想郷ともいえる存在。その熱気と祝祭的な雰囲気を凝縮したこのライブは、単なる演奏記録を超えた、生きた舞台の感動をそのまま伝えてくれます。ルドルフ・ビーブルの指揮は、ワルツの優雅な揺らぎと軽妙なリズムを絶妙に引き出し、音楽は自然な呼吸の中で流麗に展開していきます。

 歌手陣も実に魅力的。とりわけペーター・エデルマンをはじめとするウィーンゆかりの歌手たちは、この作品特有の洒落た味わいと人間的な温かさを見事に体現しています。華やかなアンサンブル、軽妙なやり取り、そして心を弾ませるワルツの数々――そのすべてが生き生きと輝き、聴く者を一夜の舞踏会へと誘います。

 オペレッタの本場が誇る伝統と祝祭の精神。その真髄を存分に味わうことのできる、明るさと気品に満ちた名演。ウィーンの魔法がそのまま封じ込められた、何度でも聴きたくなる魅力あふれる一枚です。


OC251
\2800→\2090
メルビッシュ湖上音楽祭のライブ・ハイライト
 J・シュトラウス:「ヴェネツィアの一夜」
メルツァード・モンタゼーリ(テノール)
フランツ・カルヒマイヤー(バス)
エーフェリン・ショルクフーバー(メゾ・ソプラノ)
アントン・シュタイングルーバー(テノール)
ヴィルヘルム・ゲルトナー(ヴォーカル)
ミリャーナ・イロシュ(メゾ・ソプラノ)
ハイケ・ヴィットリープ(ソプラノ)
クリスティアン・バウムガルテル(テノール)
クラウス・クットラー(バリトン)
ロマーナ・ノアック(ソプラノ)

メルビッシュ祝祭合唱団
メルビッシュ祝祭管弦楽団
ルドルフ・ビーブル(指揮)

録音:1999年4月29日~5月3日、
アイゼンシュタット文化センター(オーストリア)

 きらめく水面、きらびやかな仮面舞踏会、そして心をときめかせるワルツ――ヨハン・シュトラウスの《ヴェネツィアの一夜》が持つ夢と祝祭の世界を、メルビッシュ音楽祭の熱気そのままに伝える魅力あふれるライブです。

 この作品特有の洒脱なユーモアと甘美な旋律は、まさにシュトラウスの真骨頂。華やかな祝祭の中にも、どこか郷愁を帯びた旋律が心に深く残り、聴く者を夢のような一夜へと誘います。舞台の空気、観客の期待、そして演奏者たちの高揚感――そのすべてが一体となったライブならではの魅力が、ここには凝縮されています。

オペレッタ黄金時代の輝きを現代に蘇らせた、明るさと気品に満ちた名演。ウィーンの香りとヴェネツィアの幻想が美しく溶け合う、極上の一枚です。


OC221
\2800→\2090
メルビッシュ音楽祭
 レハール:「ほほえみの国」

エリザベート・フレッヒル(ソプラノ)
ディートマール・ケルシュバウム(テノール)
チェ・サンホ(テノール)
三谷陽子(ソプラノ)
田辺とおる(バリトン)
メルビッシュ祝祭合唱団
メルビッシュ祝祭管弦楽団
ルドルフ・ビーブル(指揮)

録音:2001年3月16日?19日、オーストリア、アイゼンシュタット、クルトゥーアツェントルム

 《メリー・ウィドウ》の大成功の後、レハールが到達した新たな境地。それは単なるウィンナ・オペレッタの楽しさを超えた、“愛の悲劇”とも呼ぶべき深いドラマでした。特に名アリア「君こそ我が心のすべて」は、甘美な旋律の中に、叶わぬ愛の運命がにじみ出る、オペレッタ史上屈指の名場面。この作品では、華やかな舞踏の輝きの背後に、異文化の隔たりと愛の宿命が静かに、しかし確実に描かれていきます。

 本盤は、ウィーン文化圏の伝統を今に伝えるメルビッシュ祝祭の精鋭たちによる演奏。歌手たちはこの作品特有の「微笑みの裏の哀しみ」を見事に表現し、甘さに溺れることなく、気品と真実味をもって物語を紡ぎます。名匠ビーブルの指揮は、レハール特有の優雅な揺らぎと劇的な緊張を見事に両立させ、オーケストラは金色に輝くウィンナ様式の響きを惜しみなく聴かせてくれます。


 メルビッシュ音楽祭は、オーストリア東部、ウィーンから約70キロに位置するノイジードラー湖畔の町メルビッシュで開催される、世界的に有名なオペレッタの祭典です。ヨーロッパ最大のステップ湖として知られるこの湖は、その美しい景観とともに世界遺産にも登録されており、音楽祭はその湖上に設けられた壮大な野外ステージで行われます。

 湖面と夕暮れの空を背景に繰り広げられる舞台は、まさに夢のような空間。公演は毎年夏、7月から8月にかけて行われ、ウィーンの伝統を受け継ぐ本格的なオペレッタが上演されます。上演後には花火が夜空を彩り、音楽と自然が一体となった特別な体験を生み出します。

 1957年に創設されたこの音楽祭は、当初は比較的小規模なものでしたが、現在では約6000人を収容する大規模な舞台へと発展しました。ウィーン・フォルクスオーパーで活躍した名指揮者ルドルフ・ビーブルが音楽監督を務めたことで、その芸術的水準の高さは折り紙付き。
 オペレッタの本場オーストリアの伝統を、最も魅力的な形で体験できる音楽祭として、世界中のファンを魅了し続けています。





OC203
\2800→\2090
ユベール・スダーン指揮&ザルツブルク・モーツァルテウム管
 モーツァルト:
  交響曲第34番、第39番
  メヌエットK.409
ユベール・スダーン指揮
ザルツブルク・モーツァルテウム管


録音:2002年2月28日、3月1日、モーツァルテウム大ホール(オーストリア、ザルツブルク)

 
「スダーンは、最も小さな内声でさえ重要なものとして扱うことを愛している。彼は柔らかく、しかし確固として“水彩画のように”音楽を描き出すことを好み、慎重に調和された音色の色彩を見事に浮かび上がらせる。」
 ザルツブルク新聞、2002年8月


 モーツァルトの本質である「透明な響き」と「内声の生命」を見事に描き出した、ユベール・スダーンの真価を示す名演。スダーンは、通常は埋もれがちな小さな声部までも丁寧に浮かび上がらせ、水彩画のように繊細で美しい音楽を紡ぎ出します。
 その響きは柔らかく自然でありながら、構造は明晰。ザルツブルク・モーツァルテウム管の気品ある音色も理想的で、モーツァルトの故郷ならではの説得力に満ちています。
 第39番の堂々たる風格、第34番の若々しい躍動が、清新な感動とともに心に深く刻まれます。




OC 365
\2800\2290
ユベール・スダーン指揮&ザルツブルク・モーツァルテウム管
モーツァルト
 (1)協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
 (2)行進曲 ニ長調 K.215
 (3)セレナード第5番 ニ長調 K.204
(1)
イザベラ・ウンテラー(オーボエ)
ラインハルト・グッチー(クラリネット)
ヴィリー・シュヴァイガー(ホルン)
エドゥアルド・ヴィンマー(ファゴット)

(3)
フランク・シュタートラー(ヴァイオリン)

ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
ユベール・スダーン(指揮)

録音:2000年2月、ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール(オーストリア)

 うすっぺらい誉め言葉ではなく、本当にそこでモーツァルトが生活していたんだなということを思わせくれるアルバム。
 呼吸が「モーツァルト」なのである。
 ちょっとした間合いとか息遣いとか、そうしたものがとても繊細で、しかも自由で生き生きとしていて。
 こんなふうにモーツァルトがザルツブルクで生きていたんだろうなという姿が思い浮かんでくる音楽、そして演奏。
 嘘だと思ったら聴いてみてほしい。
 仮にもザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団がザルツブルク・モーツァルテウム大ホールで演奏した音楽なのだ。彼らは220年前のザルツブルクで生きていた天才の存在を肌で感じながら演奏していたはずなのである。


***********************************

 鬼才スダーンと150余年の歴史を誇る手兵ザルツブルク・モーツァルテウム管による、コンサートのライヴ録音。
 モーツァルト生誕の町、ザルツブルクを代表する歴史あるオーケストラ、ザルツブルク・モーツァルテウム管は、1921年以来ザルツブルク音楽祭でさまざまな役割を果たしてきた。モーツァルトのセレナードや宗教音楽を聖ペータース教会で演奏し、ベルンハルト・パウムガルトナーのもとではモーツァルト・マチネー・シリーズを始めた。1960年代には超多忙なウィーン・フィルに替わって、モーツァルトのオペラやハイドンなども演奏するようになる。そして近年では現代のオペラ作品の初演や、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」なども演奏し、音楽祭にはなくてはならないオーケストラとして、そのプレゼンスをさらに高めている。

****************************


 モーツァルトの生まれた街ザルツブルク――その空気、その光、その息遣いまでもが鮮やかに刻み込まれた、まさに理想的なモーツァルト演奏。

 150年以上の伝統を誇るザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団は、この音楽を自らの言葉として自然に語ります。響きは透明でしなやか、しかも芯が強く、モーツァルト特有の優雅さと生命力が見事に両立しています。ユベール・スダーンの指揮は、過度な装飾に頼ることなく、作品の構造と歌心を明晰に浮かび上がらせ、音楽は生き生きとした呼吸の中で流れていきます。

 協奏交響曲では、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの名手たちが、互いに語り合うような絶妙のアンサンブルを披露。それぞれの音色が美しく溶け合いながら、モーツァルトならではの喜びと気品を余すところなく伝えます。そしてセレナード第5番では、祝祭的な明るさと抒情が豊かに交錯し、若きモーツァルトの創造力の輝きがまぶしいほどに感じられます。

 ザルツブルクの伝統と誇り、そしてモーツァルトへの深い理解が結実した名演。飾りのない純粋な美しさに満ちたこの演奏は、作品の真の魅力をあらためて教えてくれる、まさに格調高い一枚。






OC205
(2CD)
\4400→\2990
シュテファン・アントン・レック(指揮)
 パレルモ大劇場
  ベルク:歌劇「ルル」(オリジナル版全曲)

アナート・エフラーティ(ソプラノ)
ドリス・ソッフェル(メゾ・ソプラノ)
モニカ・ミナレッリ(メゾ・ソプラノ)
アダルベルト・ヴァラー(バリトン)
クロード・ピア(テノール)
ユルゲン・リン(バリトン)
イアン・ストレイ(テノール)
テオ・アダム(バス)
ロデリク・ケネディ(バス)
エツィオ・ディ・チェーザレ(テノール)
ボード・シュヴァンベック(バス)
パレルモ大劇場交響楽団
シュテファン・アントン・レック(指揮)


 ベルクが生み出した20世紀オペラの金字塔《ルル》の全曲を、オリジナル版で収めた貴重な録音。
 愛と欲望、美と破滅が冷酷なまでに描かれるこの作品は、十二音技法に基づきながらも驚くほど官能的で色彩豊かな音楽に満ちています。

 シュテファン・アントン・レックは、複雑に絡み合うベルクの精緻な書法を明晰に描き出し、パレルモ・マッシモ劇場管も鋭さと深い表現力で応えています。
 アナト・エフラティのルルは妖しくも人間的な説得力に満ち、ドリス・ゾッフェル、テオ・アダムら名歌手がドラマに圧倒的な重みを与えています。

 緻密に構築された音楽と破滅へ向かう物語の全貌を体験できる、作品の本質に迫る充実の全曲盤です。


 録音:2001年1月、パレルモ、テアトロ・マッシモ(イタリア)



 2005年2月17日、新国立劇場で上演されたベルクの歌劇《ルル》は、日本のオペラ界における重要な上演の一つとして大きな注目を集めました。
 タイトルロールを佐藤しのぶが務め、その圧倒的な表現力でルルの魅力と悲劇性を見事に描き出しました。
 そして特に注目すべきは、指揮をシュテファン・アントン・レックが担当したことです。《ルル》の解釈に深い実績を持つレックが、精緻な構造と濃密なドラマを明晰に描き、日本の舞台に本格的なベルク演奏の真価をもたらしました。
 この公演は、日本における《ルル》上演史の中でも記念すべき重要な成果として高く評価されています。




OC206
(2CD)
\4400→\2990
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ 全曲

  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV1003
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006

ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)


録音:1999年7月12日~15日、9月7日~10日、カルクスブルク小コレギウム礼拝堂(ウィーン、オーストリア)


 ヴァイオリンという楽器が持つすべての可能性と、バッハの精神の深淵を真正面から捉えた、圧倒的な完成度を誇るベンヤミン・シュミットの全曲録音。

 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ――それは単なる技巧の極致ではなく、ひとつの楽器だけで宇宙を築き上げた奇跡の作品群。和声、対位法、旋律、祈り、舞曲、そして瞑想――音楽のあらゆる本質が、この6作品に凝縮されています。

 ベンヤミン・シュミットの演奏は、その壮大な精神世界を見事な説得力で描き出します。彼の音は極めて純粋で、透明でありながら、芯の強さと深い内面的な集中力に満ちています。フーガでは複数の声部が鮮やかに浮かび上がり、あたかも一人で演奏しているとは思えないほどの立体的な音楽が展開されます。

 そして《シャコンヌ》では、静かな祈りから壮大な精神的ドラマまでが、圧倒的な構築力によって紡がれていきます。そこには技巧を超えた、音楽そのものへの深い献身があります。

 録音されたカルクスブルク小コレギウム礼拝堂の響きも理想的で、音は自然に空間へと溶け込み、バッハの音楽が本来持つ宗教的な静けさと崇高さを見事に伝えています。



 ベンヤミン・シュミットによる本盤は、過度に重厚さを強調することなく、自然でしなやかな流れと透明感に満ちた演奏として高く評価されています。
 緩急や強弱の変化は実に滑らかで、音楽が無理なく呼吸しているかのような心地よさを生み出しており、軽やかで均整の取れた美しい世界が丁寧に描かれています。

 また、誇張のない誠実な表現は、繰り返し聴くほどにその魅力を深め、日常の中でも自然に寄り添う存在として親しまれています。極端な表現に頼らず、透明感と繊細さによってバッハの構築美を静かに浮かび上がらせるその演奏は、現代において貴重なバッハ解釈の一つとして、多くの音楽愛好家に支持されています。


OC247
\2800→\2090
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
 第1番、第2番
 オーボエと弦楽のための協奏曲
 2つのヴァイオリンのための協奏曲
ベンヤミン・シュミット(Vn)
ヘルゲ・ローゼンクランツ(Vn)
クララ・デント(オーボエ・ダモーレ)
ツィス・コレギウム・
 モーツァルテウム・ザルツブルク
ユルゲン・ガイゼ(芸術監督)

 名手ベンヤミン・シュミットのヴァイオリンは、輝かしく伸びやかな音色と、驚くほど自然な歌心に満ちています。技巧の冴えは言うまでもなく、音楽は決して表面的な華やかさに留まらず、旋律の一つ一つが生きた言葉として語りかけてきます。第1番、第2番では、引き締まったリズムの中に豊かな詩情が息づき、バッハの構築美と人間的な温かさが見事に融合しています。

 さらに心を奪われるのが、オーボエ・ダモーレを加えた協奏曲と、二つのヴァイオリンのための協奏曲。独奏者同士の対話は実に生き生きとしており、互いに呼応し、支え合いながら、音楽は自由に羽ばたいていきます。とりわけ緩徐楽章での静謐な美しさは格別で、時間そのものが止まったかのような深い感動をもたらします。

 コレギウム・モーツァルテウム・ザルツブルクの引き締まったアンサンブルも見事で、透明感あふれる響きが独奏を理想的に支えています。作品の本質に真摯に向き合いながら、現代の感性で新たな生命を吹き込んだ、まさに気品と躍動に満ちた極上のバッハ。繰り返し聴くほどに、その奥深い魅力が心に広がっていきます。



OC262
\2800→\2090
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
       ピアノ四重奏曲第3番
ベンヤミン・シュミット(Vn)

 クリスティアン・マンデール指揮
 ブカレスト・“ジョルジュ・エネスコ”PO

 新プロ・アルテSQ

 ヴァイオリン協奏曲でまず心を奪われるのは、その気高く伸びやかな音色。ベンヤミン・シュミットはこの難曲を単なるヴィルトゥオーゾ作品としてではなく、交響曲的なスケールを持つ壮大な精神のドラマとして描き出します。力強くも決して粗くならず、繊細な抒情を湛えた旋律は深い呼吸をもって歌われ、ブラームスの内面世界がありありと浮かび上がります。とりわけ第2楽章の静かな対話には、時間を忘れさせるほどの純粋な美しさが宿っています。

 そしてピアノ四重奏曲第3番では一転、室内楽ならではの緊密な対話が繰り広げられます。
 新プロ・アルテ四重奏団との共演は実に見事で、各声部が対等に語り合いながら、濃密で緊張感に満ちた音楽を築き上げています。情熱が激しく燃え上がる瞬間も、深い陰影に沈み込む瞬間も、すべてが自然で説得力に満ちています。

 華やかな技巧と深い精神性、その両方を兼ね備えたシュミットのブラームス。作品の真の姿に真正面から向き合ったこの演奏は、聴く者の心に長く残る、格調高くも情熱的な名演です。


OC219
\2800→\2090

ブラティスラヴァ歌劇場合唱団
 オペラ合唱名曲集
 

 モーツァルト:歌劇《魔笛》 K.620 より「おお、イシスとオシリスが」
ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》 Op.72 より「囚人の合唱」
ウェーバー:歌劇《魔弾の射手》 J.277 より「狩人の合唱」
ワーグナー:歌劇《ローエングリン》より「婚礼の合唱」
ワーグナー:歌劇《タンホイザー》より「巡礼の合唱」
スメタナ:歌劇《売られた花嫁》より「大いに楽しもうではないか」
ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》より「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」
ヴェルディ:歌劇《椿姫》より抜粋(第2幕)
ヴェルディ:歌劇《リゴレット》より合唱
ヴェルディ:歌劇《イル・トロヴァトーレ》より「見よ、暗い夜の抜け殻を」
ヴェルディ:歌劇《アイーダ》より「凱旋の合唱」
プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》より「ハミング・コーラス」
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》より合唱
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》より「天の元后、喜びたまえ」
ボーイト:歌劇《メフィストフェレ》より「天国へのプロローグ」

イヴァン・アンジェロフ指揮
ブラティスラヴァ放送交響楽団
ブラティスラヴァ歌劇場合唱団

録音:2000年6月19日-22日、スロヴァキア、ブラティスラヴァ、スロヴァキア放送コンサートホール


 オペラの醍醐味はどこにあるのか――その答えのひとつが「合唱」にあることを、この一枚は鮮やかに教えてくれます。

 モーツァルト《魔笛》の荘厳な祈りに始まり、ベートーヴェン《フィデリオ》の自由への歓喜、ウェーバー《魔弾の射手》の躍動、そしてワーグナーの崇高な宗教的世界。さらにヴェルディの《ナブッコ》「行け、わが思いよ」や《アイーダ》の凱旋の合唱では、人間の希望と栄光が圧倒的なスケールで響き渡ります。イタリア・オペラの情熱、ドイツ・オペラの精神性、チェコの民族的喜びまで、オペラ史を彩る名合唱がずらりと並んだ、まさに“合唱で巡るオペラの旅”。

 アンゲーロフ指揮、ブラティスラヴァの精鋭たちによる演奏は、力強さと透明感を兼ね備え、合唱の魅力をストレートに伝えてくれます。華やかさだけでなく、祈り、歓喜、哀しみ、そして人々の連帯――オペラが本来持つ「人間の声のドラマ」を、これほど凝縮して味わえるアルバムもそう多くありません。

 オペラ初心者には最高の入門盤として、そして愛好家には改めて合唱の魅力を再発見させてくれる一枚。オペラという芸術の核心に触れることのできる、充実の名曲集です。


OC223
\2800→\2290
ミヒャエル・エンドレス(P)
 シューマン:ピアノ作品集


 フモレスケ 変ロ長調 作品20
 トッカータ ハ長調 作品7
 暁の歌 作品133
 子供の情景 作品15
ミヒャエル・エンドレス(P)

 ミヒャエル・エンドレスは、単に音符を美しく並べるだけのピアニストではありません。彼が描き出すのは、シューマンという作曲家の「心の揺らぎ」そのものです。名技性の極致ともいえる《トッカータ》では、鋼のように引き締まった指先と圧倒的な統御力を示しながら、機械的な冷たさとは無縁の、生きた音楽が脈動します。一方、《フモレスケ》では、夢想と現実のあいだを彷徨うかのような詩情が息づき、断片的に現れては消える感情の陰影を、驚くほど自然に紡ぎ出していきます。

 そして圧巻は晩年の《暁の歌》。ここには誇張も外面的なロマンもなく、ただ静かに、しかし抗いがたい真実として語られるシューマンの魂があります。エンドレスの抑制された表現は、この音楽の本質――孤独と祈りのような響き――を見事に浮かび上がらせます。《子供の情景》でも、甘美さに溺れることなく、どこか遠くを見つめるようなまなざしが全体を貫き、単なる愛らしい小品集を超えた深い精神性を感じさせます。


OC225
\2800→\2090
ホンダ=ローゼンベルク
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ラティカ・ホンダ=ローゼンベルク(Vn)
ライオル・シャムバダル指揮
スロヴェニア放送SO

録音:2000年5月16日~22日、スロベニア、リュブリャナ

 ラティカ・ホンダ=ローゼンベルク(Latica Honda-Rosenberg )はドイツの女性ヴァイオリニスト。1971年12月29日生まれ。
1998年のチャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で第2位。
 2003年にはフライブルク音楽大学で、2009年からはベルリン芸術大学で教授としてヴァイオリンを教えている。

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 チャイコフスキーとショスタコーヴィチ――ロシアの魂が最も激しく燃え上がる二つの協奏曲を、ラティカ・ホンダ=ローゼンベルクが鮮烈に描き切った、まさに圧巻の一枚です。

 1998年チャイコフスキー国際コンクール第2位という輝かしい実績が示す通り、彼女の技巧は完璧に統御されていますが、本盤の真価はその先にあります。

 ショスタコーヴィチでは、鋭く張り詰めた緊張感が全体を支配します。冷たい静寂の中から浮かび上がる独奏は、まるで時代の影そのものを語るかのよう。とりわけカデンツァにおける集中力は驚異的で、技巧を超えた精神的なドラマが、聴く者の心を強く揺さぶります。

 チャイコフスキーでは、華やかなヴィルトゥオジティを誇示するだけでなく、旋律の一つ一つに深い呼吸を与え、甘美さの奥にある孤独や憧憬までをも丁寧に掬い上げていきます。音は艶やかでありながら決して表面的に流れず、音楽そのものが内側から語り始めるような説得力に満ちています。

 華麗さと深さ、情熱と知性。その両極を高い次元で融合させたこの演奏は、単なる名曲の再現ではなく、作品の核心へと真正面から迫る真摯な芸術です。実力派でありながら過度に語られることの少なかった彼女の真価を雄弁に物語る、まさに知る人ぞ知る名盤といえるでしょう。




OC242
\2800→\2090
ペーター・ルンデル指揮&ベルリン・オリオール・アンサンブル 
 コルンゴールド:六重奏曲
 R=シュトラウス:メタモールフォーゼン
ペーター・ルンデル指揮
ベルリン・オリオール・アンサンブル 

 ペーター・ルンデルは、多様な時代・様式の複雑な作品に対する深い理解と創造的解釈で高く評価される指揮者である。
 バイエルン放送響、フランクフルト放送響、ウィーン響、東京・台北両交響楽団など欧州内外の主要オーケストラに客演し、ベルリン・ドイツ・オペラやチューリヒ歌劇場などで数多くのオペラを指揮。
 現代音楽の分野で特に重要な存在であり、アンサンブル・モデルンの元メンバーとしても活躍した。ポルトのリミックス・アンサンブル音楽監督を務めるほか、若手育成にも力を注ぎ、録音ではドイツ・レコード批評家賞など数々の栄誉を受けている。



 コルンゴールドの六重奏曲は、若き天才の驚くべき完成度を示す傑作。
 濃密な和声と甘美な旋律が幾重にも絡み合うこの音楽を、ベルリン・オリオール・アンサンブルは驚くほど透明な響きで描き出します。過度な感傷に流れることなく、各声部の線を明晰に浮かび上がらせることで、この作品が単なる後期ロマン派の余韻ではなく、新たな時代へと向かう鋭い感性の産物であることを鮮やかに示しています。

 そしてR.シュトラウス晩年の《メタモルフォーゼン》。
 ここでのルンデルの解釈は圧巻の一言。崩れゆく世界への哀惜、そして失われたものへの静かな祈り――その一音一音が重い意味を持って響き、音楽は単なる弦の合奏を超えた精神的ドラマへと昇華されていきます。
 緊張感を保ちながらも決して声を荒げず、内面からにじみ出る悲しみを描くその手腕は見事というほかありません。

 華麗さの奥にある陰影、そして沈黙の中に宿る真実。ベルリンの精鋭たちとルンデルが紡ぐこの演奏は、後期ロマン派の最後の輝きと、その終焉の記憶を深く心に刻む、まさに格調高い名演です。



OC404
\2800→\2090
アイヴァー・ボルトン&ザルツブルク・モーツァルテウム管
 ブルックナー:交響曲第 6 番イ長調(ノーヴァク版)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団/
アイヴァー・ボルトン(指揮)

 どちらかというと小編成の曲を得意とするこの楽団ですが、このブルックナー・シリーズはこれまでも高い評価を受けており、極力ビブラートを排した無駄のない響きと、簡潔な表現が常に話題となっています。昔ながらの「重厚なブルックナー」もいいですが、キレのよい爽やかなブルックナーも良いものです。1951 年のノーヴァク版による演奏です。

録音 2010 年10 月23&25 日ザルツブルク祝祭劇場 大ホールRecording Producer, Editing & Mastering: Jir-i Pospichal (Classic Sound Austria) , SoundEngineer: Gustav Soral



 巨大で重厚なだけではない、透徹した構築美と精神の光を、これほど鮮明に示した演奏は稀。

 アイヴァー・ボルトンとザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団は、この第6番を従来の「重量級ブルックナー」とは全く異なる視点から描き出します。ビブラートを極力抑えた透明な響き、無駄を削ぎ落とした簡潔な表現によって、音楽の骨格そのものがくっきりと浮かび上がります。各声部の動きは明晰で、ブルックナー特有の壮大な建築が、まるで光に照らされた大聖堂のように目の前に現れます。

 しかしそれは決して冷たい演奏ではありません。第2楽章の静謐な祈り、第3楽章の引き締まった躍動、そして終楽章での確信に満ちた歩み――すべてが自然な呼吸の中で有機的に結びつき、作品の持つ精神的な高みへと聴き手を導いていきます。重さに頼らず、純粋な響きと構造の力によってブルックナーの本質を語るその手腕は見事というほかありません。

 伝統的な重厚さとは異なる、鮮烈でしなやかなブルックナー。作品の新たな魅力を発見させてくれる、知的で洗練された名演として、シリーズ屈指の完成度を誇る演奏です。


OC 407
\2800→\2090
アイヴァー・ボルトン&ザルツブルク・モーツァルテウム管
 ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調(ノーヴァク版)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団/
アイヴァー・ボルトン(指揮)

 ブルックナー(1824-1896)の交響曲の中でも、最も愛される曲の一つである第4番「ロマンティック」については、すでに多くの人が挑んでおり、この聳え立つ山の様々な面の景観を楽しむことができるものです。
 さて、アイヴァー・ボルトンは2004年からこのザルツブルク・モーツァルテウムの首席指揮者として活躍していて、ブルックナーの交響曲全集も着々と進行。そろそろ完成に近づいているところです。この第4番は7作目にあたるもので、今回もライブ録音であり、極めて集中力の高い演奏を提示しています。彼の作り出すブルックナーは、音の厚さよりも、透明感を追求する傾向にあり、この4番のような比較的軽めの作品では、その美点が最大限発揮されていると言っても過言ではありません。
 清々しく美しい・・・そんなブルックナーです。


録音 2008年4月25.26日ザルツブルク祝祭劇場 大ホール
Recording Producer, Editing & Mastering: Jir-i Pospichal (Classic Sound Austria) . Sound Engineer: Gustav Soral


OC 339
\2800→\2090
ベルトランド・ビリー指揮&ウィーン放送響
 シューベルト:
  交響曲第8番(9番)ハ長調「ザ・グレート」
ベルトランド・ビリー指揮
ウィーン放送響

 フランス系スイス人の指揮者ベルトラン・ド・ビリー、ウィーンで最も人気のある指揮者の一人。
 ウィーン放送交響楽団(旧名オーストリア放送O)音楽監督を務めていた当時(2010年まで)、彼がウィーン放送響を振る日は、ウィーンフィルであっても他会場に空席ができたといわれる。


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 ベルトラン・ド・ビリーは、この巨大な交響曲を単なるロマン派の大作としてではなく、生命力に満ちたドラマとして描き出します。序奏からすでに音楽は大きな呼吸を持って動き始め、ウィーン放送交響楽団のしなやかで透明な響きが、シューベルトの無限に広がる音楽世界を鮮明に浮かび上がらせます。
 流麗でありながら決して緩むことのない緊張感、そして自然な歌心――そのすべてが理想的なバランスで結実しています。
 とりわけ印象的なのは、長大な構造を見事に統御するその手腕です。クライマックスでの輝かしい高揚は圧倒的でありながら、決して重くならず、あくまでシューベルトらしい清らかさを保っています。

録音:2003年12月、ウィーン、ORFラジオ文化会館(オーストリア)



OC 345
(2CD)
\5200→\2990
グスタフ・クーン指揮
 マーラー:交響曲第9番
グスタフ・クーン指揮
マルキジアーナ・フィル

 グスタフ・クーンは演奏会ではこのオケとマーラーの交響曲のほとんどを演奏してきており、この9番が今回めずらしく彼としての本格的ドイツ的録音だった。

2004年2月 Teatro dell Muse Ancona のライヴ。


 マーラーが遺した最後の完成交響曲――別れと浄化、そして永遠へのまなざしを、グスタフ・クーンが圧倒的な説得力で描き切った渾身の演奏です。

 オペラ指揮者として知られるクーンですが、本盤で聴かれるのはまさに“劇場の巨匠”ならではのマーラー。音楽は単なる交響曲としてではなく、ひとつの壮大な精神のドラマとして展開されます。第1楽章では、揺れ動く感情の波が緊張感をもって描かれ、生命の鼓動と不安が交錯する世界が鮮やかに浮かび上がります。続く楽章では皮肉と諧謔が鋭く刻まれ、マーラー特有の二面性が強烈なリアリティをもって迫ってきます。

 そして終楽章――ここでのクーンの統率は圧巻の一言。マルキジアーナ・フィルは驚くほど集中した響きで応え、音楽は静かに、しかし抗いがたい必然として終焉へと向かっていきます。消え入るような最後の響きには、時間そのものが止まったかのような深い感動が宿ります。

 長年この作品を演奏会で磨き上げてきたクーンと手兵オーケストラによる、入魂のライブ録音。オペラ的な劇性とドイツ的な構築性が見事に融合したこの演奏は、マーラーの第9番が持つ“別れの美”を強烈に刻み込む、真に心を揺さぶる名演です。


OC 415
\2800→\2090
ヴィジョンズ…フランツ・リストの室内楽作品集
 1-4.ヴァイオリンとピアノの二重奏ソナタ嬰ヘ短調
 5-6.ハンガリー狂詩曲第9番「ペシュトの謝肉祭」
    (ヴァイオリン、チェロ、ピアノ版)/
 7.悲歌第1番(チェロとピアノ版)/
 8.悲歌第2番(チェロとピアノ版)/
 9.シューベルト=リスト:ウィーンの夜会から「ワルツ・カプリース第6番」
   (D.オイストラフによるヴァイオリンとピアノ編)/
 10.巡礼の年第3年から「夕べの鐘,守護天使への祈り」
    (弦楽四重奏版)/
 11.悲しみのゴンドラ(チェロとピアノ版)/
 12.リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア(ピアノ独奏)/
 13.リヒャルト・ワーグナーの墓へ(弦楽四重奏版)
ルーカス・マリア・クウェン(ピアノ)/
インゴルフ・トゥルバン(ヴァイオリン)/
ウェン=シン・ヤン(チェロ)/〈10.13〉
バルバラ・トゥルバン(ヴァイオリン)/
マルティン・アルブレヒト・ローデ(ヴィオラ)

 実力派チェリスト、ウェイ=シン・ヤンと若くしてミュンヘン・フィルハーモニーの首席奏者を務め、かのチェリビダッケからも大絶賛されたというミュンヘン出身のヴァイオリニスト、インゴルフ・トゥルバンを中心としたメンバーによるリスト(1811-1886)の室内楽作品集です。

 ピアノを愛し膨大な作品を残したリストですが、ヴァイオリンやチェロのために書かれた曲は驚くほど少なく、またその多くは編曲であったりと、リストの作品の中でも隠れたジャンルと言っても過言ではありません。
 とりわけ珍しい2つの作品を含んでいて、それは最初に置かれた二重奏曲と「ペシュトの謝肉祭」です。二重奏曲は1832年に書かれた作品で、ショパンのマズルカOp.6-2とポーランドの旋律を用いたもので、1963年まで発見されることなく埋もれていた秘曲です。また「ペシュトの謝肉祭」はピアノ独奏版となる前の形で、リストがハンガリー民謡をヨーロッパに根付かせるべく努力した跡がうかがえる意欲的な作品です。この曲は、ピアノ独奏版が書かれてから、ドップラーの協力で管弦楽版にも編曲されています。3つの版の聴き比べも楽しそうです。

録音 2011年4月,6月,7月ミュンヘン音楽・演劇大学 Recording Producer Editing & Mastering: Christian Bohm (Tracks: 1, 2, 5, 6, 7, 8, 11) Andreas Fischer (Tracks: 3, 4, 9, 10, 12, 13)





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