
RPO 222905 |
マザー・ グース/英国伝承童謡編曲集
「きらきら星(Twinkle, Twinkle, Little Star)」
「ロンドン橋(London Bridge)」
「メリーさんの羊(Mary Had a
Little Lamb)」
「ハンプティ・ダンプティ」
「ロック・ア・バイ・ベイビー」
などなど……
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ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ニック・デイヴィス(指揮)
アーツ・エデュケーショナル・スクール室内少女合唱団(トリング・パーク)
(Girls' Chamber Choir of the
Arts Educational
School, Tring Park)
トリング・トリニティ・ボーイズ合唱団(クロイドン)
(Tring Trinity Boys' Choir,
Croydon)
ブラムリー・コリスターズ(イースト・グリンステッド、ブラムリー校)
(Brambletye Choristers, Brambletye
School,
East Grinstead) |

イギリス伝統の童謡20曲。
ロイヤル・フィルが本気でオーケストレーションし、合唱付きで録音した、シンフォニック・ナーサリー・ライム集(オーケストラ付きで豪華に編曲された童謡集)。
ロイヤル・フィルが本気で童謡をやると、ここまで美しくなる。
誰もが知るメロディが、本格オーケストラの響きで蘇る。
これは子どものためだけのアルバムではない。大人が聴いても、どこか懐かしく、そして驚くほど贅沢な一枚。
英国の伝統童謡を、名門ロイヤル・フィルが優雅に彩る。親子で楽しめる、上質なオーケストラ・アルバム。
あ、子供のためだけじゃないと言いましたが、子供のためのプレゼントとしてもいいかもしれませんね・・・
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222895 |
ユーリ・シモノフ指揮
オペラ前奏曲集
グリンカ:「ルスランとルドミュラ」序曲、
ポンキエッリ:「ジョコンダ」
- 時の踊り、
ヴェルディ:「椿姫」 - 第1&3幕前奏曲、
トマ:「ミニョン」序曲、
ウェーバー:舞踏への勧誘、
リスト:メフィスト・ワルツ第1番、
ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」
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ラコッツィ行進曲 |
ユーリ・シモノフ指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
怪物シモノフ登場。
この盤でまず感じるのは、推進力の強さ、弦のアタックの鋭さ、金管の容赦ない突き抜け。
ロイヤル・フィルを、英国オケらしい端正さの枠から引きずり出し、まるで東欧オケのように燃えさせる。
序曲や舞曲系のナンバーでは拍の“後ろ”を強く押す独特のドライブ感。
これはロシアの血。
そしてシモノフは旋律をただ流したりはしない。大きく歌わせる。ためる。ためて、解放する。
オペラ前奏曲集という選曲も絶妙で、旋律美が主役の曲ばかり。
彼はその旋律を、“美しく”ではなく“情念を込めて”歌わせる。
ロイヤル・フィルとの化学反応もまた注目。英国の洗練
× ロシアの激情。この組み合わせが面白い。
音は整っているのに、内側は煮えたぎっているのである。

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222898 |
ユーリ・シモノフ指揮
チャイコフスキー:弦楽セレナード
ハ長調Op.48
グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」Op.40
モーツァルト:セレナード第13番
ト長調K.525
「アイネ・クライネ・ハナトムジーク」 |
ユーリ・シモノフ指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
続いてシモノフ登場。
ここではそんな無茶はやってませんが、この人が弦楽作品を振ると、ただの“美しいセレナード”にはなりません。
フレーズを大きくうねらせる、テンポを大胆に呼吸させる、クライマックスを劇場的に築く。
チャイコフスキーは特に顕著。
ロマン派の甘さを漂わせるのではなく、情念を押し出す。
弦はしなやかに歌いながら、どこか緊張感を孕んでいる。
英国オケらしい整ったアンサンブルに、ロシア的な濃厚さが注入される。この“均整
× 情熱”のバランスが魅力。
重すぎない。だが薄くもない。
シモノフはどんなレパートリーでも旋律を主役にする指揮者です。
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222809 |
マイケル・ロール(P)
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第2番/第3番 |
マイケル・ロール(P)
ハワード・シェリー指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
| 222810 |
マイケル・ロール(P)
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第4番/トリプル・コンチェルト |
カントロフ(Vn)
ワルフィッシュ(Vc)
マイケル・ロール(P)
ハワード・シェリー指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
うまい。抜群にうまい。そして、すごい。
マイケル・ロール。
全然知らなかったが、なんだか異常にうまい。
急いで調べてみたが、経歴はほとんどどこにも出ておらず、CDもこれまでまともに紹介されていなかったと思う。
ロイヤル・フィルやBBCなどの廉価盤シリーズでときおりこっそり顔を出していたくらい。とりあえず最低限の経歴としては、1963年の第1回リーズ・コンクールであのクライネフを抑えて優勝している。だからもう若手ではないし、中堅も過ぎようという世代。かなりのキャリアがあるはず・・・。
それにしてもこのきらめくような打鍵、そして同世代のポンティを超えんばかりのテクニック。うますぎるという人もいるかもしれない。確かにまるで精巧な機械仕掛け。しかし機械仕掛けにしてははったりも抜群。ただのテクニシャンで留まることはない。なによりこの圧倒的なスピード感。ハワード・シェリーも穏健な音楽性をせいいっぱい背伸びさせてロールについていってていい感じ(逆に緩徐楽章はシェリーがとてもいい味出してる)。
ずばり、掘り出し物。絶対お薦め。
「皇帝」が手に入らないのがあまりに残念。

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222852 |
マリアクララ・モネッティ(p)
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番、第27番 |
マリアクララ・モネッティ(p)
アイヴォー・ボルトン指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
名手モネッティの精妙、繊細で愛情あふれるモーツァルト。
一音一音に優しさや知性を感じることができる、知られざる名演の一つ。
聴いておいていいと思います。

マリアクララ・モネッティはイタリアのピアニスト。
ジョヴァンニ・パイジエッロに連なる音楽家の家系に生まれ、ヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院に学ぶ。その後ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院でカルロ・ゼッキ、ルツェルン音楽院でゲーザ・アンダ、ウラディーミル・アシュケナージに師事する。
ヴィオッティ国際音楽コンクール金賞を受賞し、ロンドンのバービカン・ホールでロンドン交響楽団と協演しデビュー。ルイージ・ダッラピッコラのピアノソナタ全曲集、ジョヴァンニ・パイジエッロのピアノ協奏曲全曲集で知られる。
ヨーロッパ各国で活躍し、現在はトリノ音楽院の教授をつとめ、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校等のマスタークラスで教職に就いている。
2008年5月、トリノで暴漢に襲われ右手を負傷、長期療養を余儀なくされてしまう。
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222816 |
アイヴォー・ボルトン指揮
ベルワルド:交響曲第3番「風変わりな」
第4番「ナイーヴ」 |
アイヴォー・ボルトン指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
1994年録音。
大指揮者ボルトンが30代のときの演奏。ボルトンとしては珍しいベルワルドの交響曲。
ベルワルドは19世紀スウェーデンの鬼才。
生前はほとんど評価されず、死後に再発見された“孤高の作曲家”。
ベルワルドの交響曲は、構造が独特。和声が少しねじれる展開が予想外。
ロマン派でありながら、どこか古典的で、どこか実験的。「風変わりな」「ナイーヴ」という副題も象徴的。
通常はモーツァルトや古典派の名手として知られるボルトン。
その彼がベルワルドを振る。ここが面白い。
彼は感情過多にせず、構造を明晰に描き、テンポの流れを整理し、オーケストラを透明に鳴らす。
結果として、ベルワルドの“奇妙さ”が無理なく自然に浮かび上がる。
そこに加えて、オケがロイヤル・フィル。英国オケらしい整然とした響き。北欧ロマン派の濃厚さというより、クリアで端正で風通しが良い、ベルワルドの構造美がよく見える演奏。

アイヴァー・ボルトン(1958年5月17日
- )は、イギリスの指揮者。
ケンブリッジ大学クレア・カレッジ、王立音楽大学で学ぶ。
オックスフォード・スコラ・カントルムの指揮者としてデビュー。
1982年からグラインドボーン音楽祭の指揮者をつとめ、1984年に古楽器使用のセント・ジェイムズ・バロック・プレイヤーズを結成。指揮者とチェンバロ奏者を兼ねて活動した。
1994年から1996年までスコットランド室内管弦楽団首席指揮者、2004年から2016年までモーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者をつとめ、2016/2017年のシーズンは、同オーケストラの名誉指揮者の称号を得ている。
2015年からマドリード王立劇場の音楽監督に就任、2016年から2025年までバーゼル交響楽団の首席指揮者を務める。
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RPO 222841 |
シュテファン・ザンデルリンク指揮
ハイドン:
交響曲第43番変ホ長調「マーキュリー」
同第44番ホ短調「悲しみ」
同第45番嬰へ短調「告別 |
シュテファン・ザンデルリンク指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
| 録音:1995年10月 |

RPO 222837 |
シュテファン・ザンデルリンク指揮
ハイドン:
交響曲第100番ト長調「 軍隊」
同第94番ト長調「 驚愕」 |
シュテファン・ザンデルリンク指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
| 録音:1995年6月 |

222846 |
シュテファン・ザンデルリンク指揮
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」
同第4番「イタリア」 |
シュテファン・ザンデルリング(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
シュテファン・ザンデルリング(1964年生)はドイツの指揮者。
ご存知のように父は大指揮者クルト・ザンデルリング、兄トーマスと弟ミヒャエルも指揮者。
東ベルリン出身。
少年時代にピアノとクラリネットを学び、ハレの大学に進学。
その後ロサンゼルスでレナード・スラットキン、ユーリ・テミルカーノフらに指揮を師事し、さらに南カリフォルニア大学とライプツィヒで研鑽を積んだ。
ポツダムでデビュー後、マインツ州立劇場および同州立フィルの音楽監督を歴任。1996年にブルターニュ管弦楽団首席指揮者、2002年よりフロリダ管弦楽団音楽監督を務めた。2008年からはシャトークァ交響楽団音楽監督に就任。現在はトレド交響楽団の首席指揮者を務めている。

シュテファン・ザンデルリングは偉大な父を持ちつつ、自らのスタンスをきっちり保っている。
ドイツ世代中堅の中では「堅実で職人的なタイプ」で、派手なスターではないものの、オーケストラからの信頼は厚い。
ドイツではブランデンブルク・フィル/ポツダム歌劇場の音楽総監督、マインツ州立劇場音楽監督などを歴任し、比較的若くしてポストを得た「実務派」。
またフランスのブルターニュ管、アメリカのフロリダ管、トレド交響楽団などの音楽監督・首席指揮者を務め、特にフロリダ管とトレド響ではオーケストラの水準と知名度向上に貢献、地方オーケストラを全国区に押し上げた点は高く評価されている。
メジャー録音レーベルで大規模プロジェクトを行うというより、どちらかといえば現場重視の指揮者という印象か。
そのシュテファンの演奏は、それを裏書きするような堅実なもの。
フレーズの骨格を強く意識し、拍を明確に刻み、和声の推進力をしっかり保つ。
決して派手さはないが、ドラマをしっかり感じさせ、劇的構成をきっちり描くのが印象的。
構造美の中で響かせるドイツ的な“芯のあるハイドン”。
そして秀逸なのはメンデルスゾーン。昔聴いた時はあまりに禁欲的なその展開に少しじりじりしたが、いま聴くとその堂々たる揺るがない解釈に感動した。
作品を煽ることもしないが、自らの人生を煽ることもしない。
着実に自分ができることをやっていく、なんとも地に足の着いた音楽性。
最後に名を成すのはこういう人かもしれない。
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222803 |
ギュンター・ヘルビッヒ指揮
ベートーヴェン:
交響曲第3番「英雄」/「フィデリオ」序曲 |
ギュンター・ヘルビッヒ指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
録音:1994年6月[デジタル]
ギュンター・ヘルビヒ(1931年生)は、チェコスロバキア出身のドイツの指揮者。
ズデーテン地方アウシヒ生まれ。1951年にフランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学でヘルマン・アーベントロートに学び、その後シェルヘン、アルヴィド・ヤンソンス、カラヤンの薫陶を受けた。
エアフルトやポツダムで活動後、1956年にヴァイマル歌劇場楽長に就任。
1966年からベルリン交響楽団の指揮者、のちに首席指揮者を務め、1972年からはドレスデン・フィルの芸術監督も歴任した。東独体制への不満から西側への移住を模索し、1979年以降は欧米で客演。
1984年に米国へ移住し、デトロイト交響楽団首席指揮者、1988年から1994年までトロント交響楽団音楽監督を務めた。
2001年から2006年までザールブリュッケン放送響の音楽監督を務め、オーケストラの水準向上に大きく貢献。
2008年以降は台湾フィルの芸術顧問・首席客演指揮者を務め、現在は桂冠指揮者。

多くの隠れファンがいる知る人ぞ知る名盤。いや、もうかなり有名かもしれない。
何もしてない。その重厚さ。
質実剛健、でもその裏の何ともいえないにじみでる歌謡性。
誰もがその演奏の背後に、20世紀の偉大なドイツの大指揮者の姿を見ると思う。
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222907 |
ロイヤル・フィル50周年記念セレブレーション
1.ベルリオーズ:序曲「海賊」
2.R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
3.エルガー:「エニグマ」変奏曲
- 「E.D.U.」
4.ホルスト:組曲「惑星」 -
「火星」
5.ラフマニノフ:交響曲第2番
- 第3楽章
6.シャブリエ:歌劇「グヴェンドリーヌ」序曲 |
アレクサンダー・ギブソン[1]
チャールズ・マッケラス[2]
ユーディ・メニューイン[3]
ヴァーノン・ハンドリー[4]
アンドレ・プレヴィン[5]
トーマス・ビーチャム[6]
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
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ベルリオーズの華麗な序曲、R.シュトラウスの激情、エルガーの英国的気品、ホルストの宇宙的緊張、ラフマニノフの甘美なアダージョ、そしてビーチャムのシャブリエ。
選曲を見ただけで分かる――これは単なるオムニバスではない。オーケストラのDNAを示すプログラム。
そして指揮者陣が凄い、ビーチャム。プレヴィン。マッケラス。メニューイン。
名だたる巨匠たちがロイヤル・フィルを振る。
世代を超えて受け継がれる音。英国の伝統。そして国際的な広がり。
50周年という節目にふさわしい、歴史的顔ぶれ。
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RPO 222831 |
ダグラス・ボストック指揮
ドヴォルザーク:
スラヴ舞曲集 op.46 より
第1,2,3,4,6,7,8番
スラヴ舞曲集op.72 より
第9,10,13,17,15,16番 |
ダグラス・ボストック指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
録音:1995年3月
英国人でありながら、東欧レパートリーに深く分け入ってきた指揮者ダグラス・ボストック。彼のドヴォルザークは、民族色を過度に強調することなく、それでいてリズムの芯を決して外さない。テンポは自然に前へ進み、舞曲特有の推進力が生き生きと立ち上がる。
《スラヴ舞曲》は、ともすれば華やかなアンコール曲や牧歌的なBGMに流れがちな作品だが、ボストックは違う。アクセントは明確、弦の刻みは鋭く、木管の旋律も軽くなりすぎない。舞曲が単なる“雰囲気”ではなく、確かなリズムを持つ“踊り”として息づいている。
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の整った響きに、ボストックの機動力が加わることで、土臭さ一辺倒ではない、洗練されたスラヴ舞曲が生まれる。しかし決して軽薄ではない。SACDでは弦の歯切れ、木管の掛け合い、弱音の繊細なニュアンスまで鮮明に味わえる。とりわけOp.72では、陰影豊かな表情づけが印象的だ。
華やか、だが軽くない。
民族色を煽らないからこそ、リズムが生きる一枚である。

ダグラス・ボストックはイングランド・チェシャー生まれの指揮者。シェフィールド大学およびロンドンで学び、サー・エイドリアン・ボルトの晩年の最後の弟子の一人となった。
これまでにカールスバード交響楽団の音楽監督兼首席指揮者(1991
- 1998)、チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団やミュンヘン交響楽団の首席客演指揮者を歴任。2000年から2006年まで東京佼成吹奏楽団の首席指揮者を務めた。現在はスイスのアルガウ交響楽団首席指揮者およびチェコ室内フィルの首席客演指揮者を務めている。
2012年には東京藝術大学の客員教授に就任し、日本でも活動を展開している。膨大な数の録音を残していることでも知られる。
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222850 |
キース・ロックハート指揮
モーツァルト:交響曲第36番・第39番
「魔笛」序曲 |
キース・ロックハート指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
キース・ロックハートは、ボストン・ポップスの音楽監督として長年活躍してきたアメリカの指揮者。
華やかな分野で知られながらも、実はクラシックの基礎が非常に堅実な実力派です。派手な個性で押すタイプではありませんが、アンサンブルをまとめる力、確かなテンポ感覚、自然な推進力には定評があります。
このモーツァルトでもその持ち味が発揮されます。軽快でありながら決して軽薄ではなく、リズムの輪郭は明瞭、構造もはっきりと見える演奏。
「リンツ」は爽やかな推進力が光り、第39番では木管の対話が生き生きと響きます。感情過多にならず、それでいて冷たくならない絶妙なバランス。
ロイヤル・フィルの整った響きとロックハートの機敏さが結びつき、古楽風にも重厚ドイツ派にも偏らない、洗練されたモーツァルトが完成しています。
SACDでは弦の透明感、木管のニュアンス、ティンパニの締まりが鮮明。爆演ではないが、整然とした美しさが際立つ一枚です。
軽やかに、しかし芯はある。ロックハートの端正モーツァルト。
一時期大ブレイクしかけていた。
キース・ロックハート(1959年生)は、1995年よりボストン・ポップス管弦楽団の常任指揮者を務めるアメリカの指揮者。
親しみやすい人柄と洗練されたプログラム構成で楽団を率い、2,000回を超える演奏会や全米・海外ツアーを成功に導いてきた。
ユタ交響楽団音楽監督、BBCコンサート管弦楽団首席指揮者も歴任し、マーラー演奏や国際公演で高い評価を確立。クラシックからポップスまで自在に横断する柔軟な音楽性で、現代アメリカを代表する実力派指揮者として広く支持されている。
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222862 |
リチャード・クック(指揮)
オルフ:カルミナ・ブラーナ |
アン・アーチバルド(ソプラノ)
ジョン・ホール(テノール)
ピーター・シドホム(バリトン)
リチャード・クック(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
リチャード・クックは英国を代表する合唱指揮者のひとり。コーンウォール生まれ。ロンドン・フィルハーモニー合唱団、王立合唱協会(ロイヤル・コーラル・ソサエティ)の音楽監督を歴任し、キングズ・カレッジ合唱団など英国最高峰の合唱団を指導してきた人物です。
テンシュテットと組んだマーラー第8番、ハイティンクとの《海の交響曲》はいずれも高い評価を受け、英国合唱界の中枢を担ってきました。
つまり彼は――合唱を知り尽くした指揮者。
《カルミナ・ブラーナ》は、オーケストラ作品であると同時に“合唱の作品”。巨大な合唱のエネルギーをどう束ねるかが鍵になります。
クックの強みはそこにある。単なる爆音ではなく、言葉が立ち、和声が澄み、合唱が建築のように組み上がる。
激情一辺倒ではない。だが熱は内側から燃える。声高じゃないすごみがある。
英国合唱伝統の厚みを背負った《カルミナ》。実はなかなかの名盤。

リチャード・クック(Richard
Cooke)は、イギリスの指揮者、合唱指揮者。
多くの合唱団との献身的な関係を築き、歌手やオーケストラ奏者の双方から高い評価を繰り返し受けてきた。
またイングランドを代表する数々のオーケストラと共演し、名高い会場で著名なソリストたちと演奏を重ね、合唱指揮の分野で独自の評価を築いてきた。
ロンドンの大規模合唱団の音楽監督として研鑽を積み、アバド、テンシュテット、ショルティ、ムーティ、バーンスタイン、メータといった現代の巨匠たちと活動を共にしてきた豊富な経験は、同業の歌手や奏者からも厚い信頼を集めている。
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222802 |
マルク・エルムレル指揮
ベートーヴェン:
交響曲第6番「田園」/エグモント序曲 |
マルク・エルムレル指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
マルク・エルムレル(1932 -
2002)は、レニングラード生まれのソ連出身の指揮者・ピアニスト。
ボリショイ劇場を拠点に《カルメン》《エフゲニー・オネーギン》《ボリス・ゴドゥノフ》などを2,000回以上指揮し、劇場の黄金期を支えた名匠である。
チャイコフスキー三大バレエの録音は高く評価され、バレエ音楽演奏の定盤として知られる。
ロイヤル・オペラ・ハウス客演、モスクワ・フィル音楽監督、晩年はソウル・フィル首席指揮者を務めた。伝統に根ざした構築力と温かな人柄で、演奏家から深く敬愛された存在として愛された。
2002年4月にソウルでリハーサル中に倒れ、3日後に亡くなった。

ロイヤル・バレエの音楽監督を長く務めた実力派、マルク・エルムレル。バレエ出身らしく、呼吸は自然、フレーズはしなやかに踊り、音楽は滞りなく流れていく。
《田園》は重すぎても軽すぎても難しい作品だが、エルムレルは舞踊的感覚で全体を有機的にまとめる。第2楽章は水がきらめくように滑らかに、第3楽章は本当に“踊る”。誇張せず、しかし生命感は失わない。
ロイヤル・フィルの整った響きとSACDの透明な音質が、弦の柔らかさ、木管の陰影、嵐の立体感を鮮やかに描き出す。
重厚さで押す《田園》ではなく、風薫る、音楽が呼吸する「田園」。
しなやかでなめらなかなベートーヴェン。
思わぬ名演でびっくりすると思う。
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222804 |
クリスティーナ・オルティス(P)
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ「悲愴」/「テンペスト」/「月光」 |
クリスティーナ・オルティス(P) |
クリスティーナ・オルティス(1950年生)は、ブラジル・サルヴァドール出身の国際的ピアニスト。
パリでマグダ・タリアフェロ、米国カーティス音楽院でルドルフ・ゼルキンに師事し、1969年ヴァン・クライバーン国際コンクールで金賞を受賞。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、シカゴ響など一流楽団と共演し、ヤンソンス、マズアらと協働してきた。
ブラジル的情熱と欧州的洗練を併せ持つ演奏で高く評価され、ヴィラ=ロボス作品の録音でも知られる。ロンドン在住、教育活動にも積極的である。
COLLINSのアルバムはベストセラーになった。
ブラジル出身の名ピアニスト、クリスティーナ・オルティス。音色は美しく、構築は明晰。感情を過剰に誇張せず、それでいて内側には確かな熱を秘めている。ショパンやスペイン作品で知られる一方、古典派にも強く、技巧派でありながら音楽が濁らないのが魅力だ。
「悲愴」「テンペスト」「月光」という有名三大ソナタも、重くなりすぎず、感傷に流れない。
「悲愴」は硬質で透明、「テンペスト」は自然な語り口、「月光」は幻想的だが甘くならない。情熱を内に宿しながら、音の線は澄み切っている。
SACDでは弱音のニュアンスや和音の陰影、低音の芯が鮮明に浮かび上がる。激情に溺れないが冷たくもない。知性と抑制の中に燃えるベートーヴェンである。
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