今週は来ましたね・・・久々にお宝的アイテム。
以前からお話してますが、CD屋をやっていて嬉しいのは、すばらしい演奏やすばらしい名曲に出会ってそれをみなさんにお伝えできることなんですが、もうひとつ嬉しいのは、・・・あとあと価値が出るであろうお宝的アイテムを紹介できるとき。
すばらしいアイテムなのに他ではなかなか入らないとか、数がきわめて少ないとか、そういうものを見つけたときは「コレクター」としての血が騒ぎます。
そして会員の方にだけは手に入れてほしいと思ってしまいます。
さて、ということで今週はそういうアイテムがいきなり2つ現れました。
これも前から言ってますが、この業界の不思議なところは、出るときは重なって出ること。
「ああ、こんなにたくさん出るんだから、よくあることなんだろ」と思って見過ごすとあとで後悔することになります。
輸入盤の鉄則はしつこいようですが「手に入るときに手に入れておけ」・・・です。
さてということで、そのお宝的アルバム2つ、ご紹介しましょう。

まずひとつめは
★大戦下における20世紀オランダの音楽史〜大戦中に禁じられた音楽
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#01
第二次世界大戦下で演奏を禁じられた19人のオランダの作曲家たちの音楽をまとめたET’CETERA
10枚組ボックス・セット。
爆撃によるロッテルダムの壊滅、王家と政府のイギリスへの亡命、ナチス・ドイツによる占領など、第2次世界大戦中に大きな打撃を受けたオランダ。
ご存知のようにルネサンスの時代から豊かな音楽文化に彩られてきたこの地には、第二次世界大戦中にも多くのすばらしい音楽家がいました。
にもかかわらず戦争下では演奏を禁じられた名曲が数多くあったわけです。
今回のオランダET’CETERAレーベルがリリースした10枚組ボックスは、19人のオランダの作曲家たちの音楽をまとめた貴重なセットです。
レオ・スミットやディック・カッテンブルクなどこの大戦によって命を落とした作曲家や、難を逃れ生き延びた作曲家たちが遺した音楽。
初めて聴く作品が多いですが、世が世なら大きく世界に羽ばたいた作品も多くあったことでしょう。
封印されてしまったオランダ近代の傑作というわけです・・・。
そしてこのボックスがすごいのは、その演奏陣。
ヨッフム(CD2)やハイティンク(CD2)、セル(CD2)、ウィスペルウェイ(CD6)、ライスキン(CD6)、クーベリック(CD9)など、巨匠、名手たちの録音がたくさん収録されています。
レーベルの、いえ国家の威信をかけたリリースと言っていいのではないでしょうか。
・・・ただ完全限定アイテムになることは間違いないです。
数年後には手に入らないでしょう。
こうした歴史的アルバムはとにかくコレクションのひとつに加えておきたい、と店主は思います。
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#01

そしてもうひとつは・・・
★スペイン国立管弦楽団の珍しい自主製作盤。
なんとコープマンによる「宗教改革」&「未完成」です。
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#03
最近はモダン楽器オーケストラへの客演の機会が増えているコープマンですが、今回のスペイン国立管弦楽団を指揮してのメンデルスゾーン&シューベルトというのは何とも意外。
驚きですらあります。
当盤はスタジオ録音ですが、彼らは同時期にメンデルスゾーンの交響曲第2番「賛歌」を上演しており、この作曲家へのコープマンの熱の入れようを窺うことができます。
さてこのスペイン国立管弦楽団の自主製作盤。
今年の初めにご紹介したラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスの「カルミナ・ブラーナ」を覚えてる方も多いでしょう。
紙製の不思議な装丁のソフトパック。
追悼盤となってしまったブルゴスの、貴重、且つすばらしいアルバムでした。
何人かのお客様からは絶賛と感謝の声をいただきました。
> 清澄な透明な、静謐とも言っても良い、
> 不思議なブルゴス最後のカルミナでした。とても良い買い物でした。
現在手に入るかどうか微妙ですが、今からでも遅くないので入手にチャレンジしてほしい逸品です。
同様に今回のコープマンのアルバムも「家宝的」なものになることは間違いないでしょう。
これは、「買い」かと思います。
先日のムラヴィンスキー・ボックス、スヴェトラーノフ・ボックス、そして今週のET’CETERAボックス、スペイン国立管弦楽団の自主製作盤は、豪華な海外オケの来日公演を1回休んででも持っておいたほうが良いでしょう。
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#03
こんなことは滅多に言いませんので。

そして注目新譜といえば、
★インゴルシュタット・グルジア室内管弦楽団シリーズ
Vol.1
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#02
1964年にグルジアのトビリシに創設されたグルジア国立室内管弦楽団はソ連崩壊の影響で放浪の楽団となり、アウディ(自動車メーカー)とインゴルシュタット貯蓄銀行の支援を得てインゴルシュタット(バイエルン州、ドイツ)を新たな本拠と定め、インゴルシュタット・グルジア室内管弦楽団と改称。2014年には無事創設50周年、2015年に移転25周年を迎えました。
それを記念してでしょう、ARS PRODUKTIONから同オケの録音シリーズが登場。
今回の第1弾はパウル・ユオン、ファビアン・ミュラー、ブロッホ、オネゲルというこだわりの作曲家の作品。
不屈のマイナー・オケ・・・、ちょっと興味あります。
そしてこのオーケストラの首席指揮者はガザリアン!
1971年アルメニア生まれで、2002年よりヴュルテンベルク室内管弦楽団の指揮者を務め「ヤング・バーンスタイン」と評される期待の若手指揮者。
数年前、BAYERレーベルが若手の指揮者を登用していきなりベートーヴェンの交響曲全集をリリースしてきたのを覚えてますでしょうか・・・ガザリアン、あの指揮者です。
オケも指揮者もちょっと注目のアルバムというわけです。

そして今週前半の注目アルバムもうひとつ・・・
★「スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集」
第1 番(ネイガウス)、第7 番(リヒテル)をのぞいてすべてソフロニツキーの演奏
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=82/82new09#04
リヒテルとギレリスが心酔していたピアニスト、ソフロニツキー。
ある日、ソフロニツキーが「ギレリスは天才だ!」と賞賛したところ、リヒテルは「ギレリスが天才ならあなたは神です」と答えた・・・。
ソフロニツキーの妻エレナはスクリャービンの娘でした。
つまりソフロニツキーはスクリャービンの義理の息子ということになります。
ソフロニツキーは直接スクリャービンに会ったことはなかったのですが、スクリャービンの未亡人からスクリャービンの後期作品の最も正統的な演奏家として認められていました。
そんなことからソフロニツキーのスクリャービン演奏は特別なものとして語り継がれています。
残念ながらこれまでリリース状況があまりよくなかったソナタ集ですが、今回PROFILから2枚組CDでたっぷりその伝説的演奏が楽しめます。
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